IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アペイ-カの特許一覧

特表2024-511197ビーコンを捜索するためのシステム及び方法
<>
  • 特表-ビーコンを捜索するためのシステム及び方法 図1
  • 特表-ビーコンを捜索するためのシステム及び方法 図2
  • 特表-ビーコンを捜索するためのシステム及び方法 図3
  • 特表-ビーコンを捜索するためのシステム及び方法 図4
  • 特表-ビーコンを捜索するためのシステム及び方法 図5
  • 特表-ビーコンを捜索するためのシステム及び方法 図6
  • 特表-ビーコンを捜索するためのシステム及び方法 図7
  • 特表-ビーコンを捜索するためのシステム及び方法 図8
  • 特表-ビーコンを捜索するためのシステム及び方法 図9
  • 特表-ビーコンを捜索するためのシステム及び方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】ビーコンを捜索するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20240305BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558984
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 FR2022050548
(87)【国際公開番号】W WO2022200739
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】2102934
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523364564
【氏名又は名称】アペイ-カ
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソルナン ニコラ
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062AA07
5J062BB05
5J062CC07
5J062CC11
5J062FF01
5J062HH01
(57)【要約】
本発明は、発信範囲(P)内において標的無線信号を発信する標的ビーコン(BC)と、標的ビーコン(BC)によって発信された標的無線信号(SC)の検出が可能な検出装置(F)とを備える、位置を特定する対象の物体又は生物に取り付けられる標的ビーコン(BC)を捜索するシステム、及び対応する標的ビーコン(BC)を捜索する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
捜索されるべき物体又は生物に取り付けられる標的ビーコン(BC)を捜索する方法であって、
前記標的ビーコン(BC)を捜索する方法は、前記標的ビーコンによって発信される標的無線信号(SC)の検出が可能な検出装置(F)によって実行され、
前記標的ビーコン(BC)を捜索する方法は、
前記検出装置(F)が前記標的ビーコンの発信範囲(P)内にあるときに、前記標的ビーコンの識別情報を含む、前記標的ビーコン(BC)によって発信される標的無線信号(SC)を受信すること(EF10)と、
前記標的ビーコン(BC)と前記検出装置(F)との間の無線信号の伝搬時間の計算に基づいて、前記検出装置(F)と前記標的ビーコン(BC)との間の標的距離の値を決定すること(EF11)と、
前記標的距離の値と参照標的距離の値とを比較すること(EF12)と、
もし前記標的距離の値が前記参照標的距離の値よりも小さいなら、又はもし前記参照標的距離の値が求められないなら、
i.前記標的距離の値に応じて前記参照標的距離(Rmin)の値を決定(EF13)し、
ii.前記検出装置(F)の位置の関数として参照位置(Pmin)を決定すること(EF14)と、
前記参照位置と前記参照標的距離との関数として前記検出装置(F)の位置に対する前記標的ビーコン(BC)の位置領域を決定すること(EF15)と、
を含む、標的ビーコン(BC)を捜索する方法。
【請求項2】
前記検出装置(F)は、誘導インターフェイスに接続され、誘導インターフェイス自体は、磁気コンパス及びGPS座標の受信機に接続されている、請求項1に記載の標的ビーコン(BC)を捜索する方法。
【請求項3】
前記位置領域(Z)は、前記参照位置(Pmin)が中心とされ、前記参照標的距離(Rmin)の関数として定義される半径を有する円を含む、請求項1又は2に記載の標的ビーコン(BC)を捜索する方法。
【請求項4】
前記参照標的距離(Rmin)の値の関数として前記標的距離の値を決定すること(EF13)は、前記参照標的距離(Rmin)の値に、前記標的距離の値を代入することを含む、請求項1-3のいずれか1項に記載の標的ビーコン(BC)を捜索する方法。
【請求項5】
前記検出装置(F)の位置の関数として参照位置(Pmin)を決定すること(EF14)は、前記参照位置(Pmin)に、前記検出装置の位置を代入することを含む、請求項1-4のいずれか1項に記載の標的ビーコン(BC)を捜索する方法。
【請求項6】
前記検出装置(F)が前記標的ビーコン(BC)の前記発信範囲(P)内にあるときに、前記標的ビーコン(BC)の位置情報を含む位置信号(M座標)を受信すること(EF2)と、
前記標的無線信号(SC)を、前記標的ビーコン(BC)から前記検出装置(F)へ発信する命令を含む制御信号(M命令)を発信すること(EF3)と、
をさらに含む、請求項1-5のいずれか1項に記載の標的ビーコン(BC)を捜索する方法。
【請求項7】
もし前記標的距離の値が前記参照標的距離(Rmin)の値よりも小さいなら、直線状の移動の経路(T1)に沿った検出装置(F)の移動を制御すること(EF17)と、
もし前記標的距離の値が前記参照標的距離(Rmin)の値よりも大きいなら、前記参照位置(Pmin)が中心とされ、前記参照標的距離(Rmin)の関数として定義される半径を有する円上を誘導される経路(T2)に沿った検出装置(F)の移動を制御すること(EF17”)と、
をさらに含む、請求項1-6のいずれか1項に記載の標的ビーコン(BC)を捜索する方法。
【請求項8】
前記参照位置(Pmin)及び前記位置領域(Z)に関連する、ユーザインターフェース上の表示を提供すること(EF16)をさらに含む、請求項1-7のいずれか1項に記載の標的ビーコン(BC)を捜索する方法。
【請求項9】
前記参照位置(Pmin)及び前記位置領域(Z)に関連する、ユーザインターフェース上の表示を提供すること(EF16)は、表示装置上に前記参照位置(Pmin)及び/又は前記位置領域(Z)の表現を表示することを含む、請求項8に記載の標的ビーコン(BC)を捜索する方法。
【請求項10】
前記検出装置(F)が中間ビーコン(BI)の発信範囲(P)内にあるときに、前記標的ビーコン(BC)の位置情報を含む、中間ビーコン(BI)によって発信される中間無線信号(SI)を受信すること(EF1’)をさらに含む、請求項1-9のいずれか1項に記載の標的ビーコン(BC)を捜索する方法。
【請求項11】
前記標的ビーコン(BC)の位置情報に応じて参照位置(Pmin)を初期化すること(EF2’)をさらに含む、請求項1-10のいずれか1項に記載の標的ビーコン(BC)を捜索する方法。
【請求項12】
捜索されるべき物体又は生物に取り付けられる標的ビーコン(BC)を捜索する方法であって、
前記捜索する方法は、検出装置(F)によって検出されることが可能な標的無線信号(SC)を、前記標的ビーコン(BC)の発信範囲(P)内において発信する、前記標的ビーコン(BC)によって実行され、
前記捜索する方法は、
前記標的無線信号(SC)の発信源として前記標的ビーコン(BC)を動作させるためのコマンドと、前記検出装置(F)へ前記標的無線信号を発信するための命令とを含む、前記検出装置(F)から到達する制御信号(M命令)を受信すること(EBC3)と、
前記標的ビーコン(BC)の識別情報を含む前記標的無線信号(SC)を発信すること(EBC4)と、
を含む、標的ビーコン(BC)を捜索する方法。
【請求項13】
前記検出装置(F)は、誘導インターフェイスに接続され、誘導インターフェイス自体は、磁気コンパス及びGPS座標の受信機に接続されている、請求項12に記載の標的ビーコン(BC)を捜索する方法。
【請求項14】
第1モードいわゆる通常動作モード及び第2モードいわゆる遭難動作モードを含むグループから、前記標的ビーコン(BC)の動作モードを選択すること(EBC1)と、
前記標的ビーコン(BC)の位置情報を含む位置信号(M座標)を発信すること(EBC2)と、
をさらに含む、請求項12又は13に記載の標的ビーコン(BC)を捜索する方法。
【請求項15】
捜索されるべき物体又は生物に取り付けられるよう意図される標的ビーコン(BC)を捜索するシステムであって、
物体又は生物に取り付けられるよう意図されて、前記標的ビーコン(BC)の発信範囲(P)内において、前記標的ビーコン(BC)の識別情報を含む標的無線信号(SC)を発信する前記標的ビーコン(BC)であって、
請求項12-14のいずれか1項に記載の標的ビーコン(BC)を捜索する方法を実行するように構成された、
前記標的ビーコン(BC)と、
前記検出装置(F)が前記標的ビーコン(BC)の前記発信範囲(P)内にあるときに、前記標的ビーコン(BC)によって発信される前記標的無線信号(SC)の検出が可能な検出装置(F)であって、
請求項1-11のいずれか1項に記載の方法を実行する計算ユニットを備える、
検出装置(F)と、
を備える、標的ビーコン(BC)を捜索するシステム。
【請求項16】
前記検出装置(F)は、誘導インターフェイスに接続され、誘導インターフェイス自体は、磁気コンパス及びGPS座標の受信機に接続されている、請求項15に記載の標的ビーコン(BC)を捜索するシステム。
【請求項17】
前記標的ビーコン(BC)によって発信される位置信号(M座標)を検出し、前記検出装置(F)が中間ビーコン(BI)の発信範囲(P)内にあるときに、前記標的ビーコン(BC)の位置情報を含む中間信号(SI)を発信するように構成される中間ビーコン(BI)をさらに備える、請求項15又は16に記載の標的ビーコン(BC)を捜索するシステム。
【請求項18】
前記中間ビーコン(BI)は、前記位置信号(M座標)に含まれる前記標的ビーコン(BC)の前記位置情報の記憶が可能なメモリ回路を備える、請求項17に記載の標的ビーコン(BC)を捜索するシステム。
【請求項19】
前記検出装置(F)は、前記標的ビーコン(BC)と前記検出装置(F)との間の前記標的無線信号(SC)の伝搬時間の計算に基づいて、前記検出装置(F)と前記標的ビーコン(BC)との間の標的距離を計測するように構成される、請求項15-18のいずれか1項に記載の標的ビーコン(BC)を捜索するシステム。
【請求項20】
前記検出装置(F)は、重航空機内に含まれる、請求項15-19のいずれか1項に記載の標的ビーコン(BC)を捜索するシステム。
【請求項21】
前記標的ビーコン(BC)は、座標の受信機、特にGPS座標の受信機を備える、請求項15-20のいずれか1項に記載の標的ビーコン(BC)を捜索するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、捜索されるべき物体又は生物に取り付けられる標的ビーコンを捜索する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、雪崩遭難者捜索システムのような、捜索されるべき物体又は生物に取り付けられる標的ビーコンを捜索するシステムを構築することが知られている。前記標的ビーコンを捜索するシステムによって実行される捜索方法を実行することも知られている。
【0003】
雪崩によって埋められた人々の位置を特定することが可能な装置は、「AVD」(Avalanche Victim Detector雪崩遭難者捜索機)と呼ばれ得る。
【0004】
これらの装備は、例えば山脈のような自然環境の中の人の場所を探し当てることが可能になり、その結果として、彼らが、彼ら自身が例えば雪崩のような危険な状況に直面していることに気づいたときに、彼らの助けになることを可能にするという点で満足のいくものである。
【0005】
それにもかかわらず、既存のビーコン捜索装置の動作原理は、電磁信号の発信又は電磁信号の強度の検出に基づいており、電磁信号は、捜索されるべき標的ビーコンの発信範囲を数十メートルに制限し、標的ビーコンの捜索を複雑にするので、その結果、効果的に実施するには定期的な練習を必要とする困難な捜索方法になっている。さらに、全てのAVDタイプの装置が同様の磁気信号を発信するので、AVDタイプの装置は一意に識別され得ない。
【0006】
本発明は、上述の欠点の全て又は一部を解決することを目的とする。
【0007】
本発明の根底にある技術的課題は、特に、数十メートルよりも広い発信範囲を有し、捜索されるべき標的ビーコンが一意に識別されることを可能にし、構造が単純かつ経済的である、捜索されるべき物体又は生物に取り付けられる標的ビーコンを捜索するシステム及び方法を提供することにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この目的のため、捜索されるべき物体又は生物に取り付けられる標的ビーコンを捜索する方法に係る本発明は、前記標的ビーコンを捜索する方法は、標的ビーコンによって発信される標的無線信号の検出が可能な検出装置によって実行され、
前記検出装置が標的ビーコンの発信範囲内にあるときに、標的ビーコンの識別情報を含む、標的ビーコンによって発信される標的無線信号を受信することと、
標的ビーコンと検出装置との間の無線信号の伝搬時間の計算に基づいて、検出装置と標的ビーコンとの間の標的距離の値を決定することと、
標的距離の値と参照標的距離の値とを比較することと、
もし標的距離の値が参照標的距離の値よりも小さいなら、
i.標的距離の値に基づいて参照標的距離の値を決定し、
ii.検出装置の位置に基づいて参照位置を決定することと、
参照位置と参照標的距離とに従って検出装置の位置に関する標的ビーコンの位置領域を決定することと、
を含む。
【0009】
ある実施形態によれば、LORAプロトコルが使用される。標的無線信号の受信は、検出装置による要求信号の発信に対する、標的ビーコンの応答に対応する。距離の計算は、要求信号の発信及び標的無線信号の受信に関する時間情報を考慮する。
【0010】
ある実施形態によれば、この要求信号は、標的ビーコンの識別子を含む。
【0011】
別の実施形態によれば、標的無線信号は、標的ビーコンの識別情報を含まない。この標的ビーコンの識別は、要求信号の発信と標的無線信号の受信との間の時間的な対応関係に基づいて実行される。
【0012】
標的ビーコンを捜索する方法は、さらに、以下の特徴のうちの1つ以上を、単独で又は組合せて示し得る。
【0013】
標的ビーコンを捜索する方法の特徴によれば、検出装置は誘導インターフェイスに接続され、誘導インターフェイス自体は、磁気コンパス及びGPS座標の受信機に接続されている。
【0014】
標的ビーコンを捜索する方法において、位置領域は、参照位置が中心とされ、参照標的距離の関数として定義される半径を有する円を含み得る。
【0015】
場合によっては、標的距離の値の関数として参照標的距離の値を決定することは、参照標的距離の値に、標的距離の値を代入することを含む。
【0016】
検出装置の位置の関数として参照位置を決定することは、参照位置に、検出装置の位置を代入することを含み得る。
【0017】
記載された標的ビーコンを捜索する方法は、
検出装置が標的ビーコンの発信範囲内にあるときに、標的ビーコンの位置情報を含む位置信号を受信することと、
標的無線信号(SC)を発信する命令を含む制御信号を発信することと、
をさらに含み得る。
【0018】
位置信号は、標的ビーコンの識別情報だけでなく、位置情報も含み得る。
【0019】
制御信号は、標的ビーコンの標的無線信号を発信する命令に加えて、標的無線信号の発信源として標的ビーコンを動作させるためのコマンドを含み得る。
【0020】
位置信号は、MACアドレスのような標的ビーコンの識別子、GPS座標のような標的ビーコンのジオロケーションの座標、中でも標的ビーコンの最後に知られたGPS座標が計算された正確な時間が含まれ得る。
【0021】
制御信号は検出装置によって送信される信号を意味し、検出装置は、この信号によって、無線周波数の発信源として構成される標的ビーコンを制御するので、標的ビーコンが標的無線信号を発信し得る。
【0022】
標的ビーコンを捜索する方法は、
もし標的距離の値が参照標的距離の値よりも小さいなら、直線状の移動の経路に沿った検出装置の移動を制御することと、
もし標的距離の値が参照標的距離の値よりも大きいなら、前記参照位置(Pmin)が中心とされ、前記参照標的距離(Rmin)の関数として定義される半径として現れる円上を誘導される経路に従って検出装置の移動を制御することと、
をさらに含み得る。
【0023】
標的ビーコンを捜索する方法は、
参照位置及び位置領域に関連する、ユーザインターフェース上の表示を提供すること、
をさらに含み得る。
【0024】
記載された標的ビーコンを捜索する方法において、参照位置及び位置領域に関連する、ユーザインターフェース上の表示を提供することは、表示装置上に参照位置及び/又は位置領域の表現を表示することを含み得る。
【0025】
場合によっては、標的ビーコンを捜索する方法は、
検出装置が中間ビーコンの発信範囲内にあるときに、標的ビーコンの位置情報を含む、中間ビーコンによって発信される中間無線信号を受信することを含み、
中間ビーコンによって発信される中間無線信号を受信することは、前記検出装置が中間ビーコンの発信範囲内にありながら、標的ビーコンの発信範囲外にあるときに行われ得る。
【0026】
ビーコンを捜索する方法は、
標的ビーコンから受信した位置情報に基づいて参照位置を初期化すること、
をさらに含み得て、
標的ビーコンから受信した位置情報は、例えば標的ビーコンが標的無線信号の発信を停止する前に、標的ビーコンによって送信された最後の位置情報を意味し得る。
【0027】
場合によっては、中間ビーコンによって発信される中間無線信号を受信することのステップと、標的ビーコンの位置情報に基づいて参照位置を決定することのステップとは数回繰り返され得る。
【0028】
捜索されるべき物体又は生物に取り付けられる標的ビーコンを捜索する方法にも関する本発明は、前記捜索する方法が、検出装置によって検出されることが可能な標的無線信号を、標的ビーコンの発信範囲内において発信する、標的ビーコンによって実行され、
標的無線信号を発信するための命令を含む、検出装置からの制御信号を受信することと、
標的ビーコンBCの識別情報を含む標的無線信号を発信することと、
を含み、
標的ビーコンを捜索する方法の特徴によれば、検出装置は、誘導インターフェイスに接続され、誘導インターフェイス自体は、磁気コンパス及びGPS座標の受信機に接続されている。
【0029】
場合によっては、記載された標的ビーコンを捜索する方法は、
第1モードいわゆる通常動作モード及び第2モードいわゆる遭難動作モードを含むグループから、標的ビーコンの動作モードを選択することと、
標的ビーコンの位置情報を含む位置信号を発信することと、
をさらに含む。
【0030】
第1モードいわゆる通常動作モード及び第2モードいわゆる遭難動作モードを含むグループから、標的ビーコンの動作モードを選択することは、
・標的ビーコンを捜索するシステムのユーザによって送信される動作モードのコマンドに基づいて、
・遭難者が助けを必要とする特定の状況において、標的ビーコンのキャリヤの動作によって、
実行され得る。
【0031】
第1モードいわゆる通常動作モードは、検出装置が標的ビーコンの発信範囲内にあるときに、標的ビーコンが、検出装置によって受信され得る標的ビーコンの位置情報を含む位置信号を発信する、標的ビーコンの動作モードを意味する。
【0032】
第2モードいわゆる遭難動作モードは、中間ビーコンが、標的ビーコンの位置信号を再発信することが可能な、標的ビーコンの動作モードを意味する。この遭難モードは、検出装置が、標的ビーコンの発信範囲内になくても、標的ビーコンからの位置信号を受信することを可能にする。
【0033】
よって、標的ビーコンは、標的ビーコンからの位置信号を受信する中間ビーコンに、位置信号を再発信することを指示する遭難マーカを含み得る位置信号を発信する。このことは、検出装置が、位置信号M座標を直接的に、又は標的ビーコンと検出装置との間の中間を提供する中間ビーコンを通して、受信することのどちらも可能にする。
【0034】
また本発明は、捜索されるべき物体又は生物に取り付けられるよう意図される標的ビーコンを捜索するシステムに関し、
物体又は生物に取り付けられるよう意図されて、標的ビーコンの発信範囲内において、標的ビーコンの識別情報を含む標的無線信号を発信する、前述の方法を実行するように構成された標的ビーコンと、
前記検出装置が標的ビーコンの発信範囲内にあるときに、標的ビーコンによって発信される標的無線信号の検出が可能な、前述の方法を実行する計算ユニットを備える検出装置と、
を備える。
【0035】
標的ビーコンを捜索するシステムは、さらに、以下の特徴のうちの1つ以上を、単独で又は組合せて示し得る。
【0036】
標的ビーコンを捜索するシステムの特徴によれば、検出装置は、誘導インターフェイスに接続され、誘導インターフェイス自体は、磁気コンパス及びGPS座標の受信機に接続されている。
【0037】
この標的ビーコンは、例えば、スキーヤー又は登山家、山、森、又は都市環境のような近づくことが困難な環境を移動する人に取り付けられ得る。
【0038】
さらに、標的ビーコンは、近づくことが困難な環境を移動する野生動物や、場所を特定したい紛失物又は盗難物にさえ取り付けられ得る。
【0039】
標的ビーコンは、例えばアンテナのような、特に全方向性アンテナのような、無線信号を発信する送受信機要素を含み得る。
【0040】
標的無線信号及び位置信号に含まれる識別情報は、例えばMACアドレスのような標的ビーコンに関する一意の識別子を意味し得る。
【0041】
位置情報は、例えば位置信号に含まれる標的ビーコンBCに関するGPS座標を意味し得る。
【0042】
有利には、標的ビーコンによって発信される無線信号又は受信される無線信号は、数キロメートルの範囲、例えば、3キロメートルよりも広い範囲を有する。
【0043】
検出装置は、この標的無線信号を受信する、例えば全方向性アンテナのような送受信機要素も含み得る。
【0044】
標的ビーコンを捜索するシステムは、
標的ビーコンによって発信される位置信号を検出し、前記検出装置が中間ビーコンの発信範囲内にあるときに、標的ビーコンの位置情報を含む中間信号を発信するように構成される中間ビーコン
をさらに備える。
【0045】
この中間ビーコンは、その再発信を待つ間、位置信号に含まれる標的ビーコンの位置情報の記憶が可能なメモリ回路を備え得る。
【0046】
検出装置は、標的ビーコンと検出装置との間の標的無線信号の伝搬時間の計算に基づいて、検出装置と標的ビーコンとの間の標的距離を計測するように構成され得る。
【0047】
場合によっては、検出装置は、重航空機内に含まれる。
【0048】
この重航空機は、例えばヘリコプタ、ドローン、つまり航空機を意味し得る。
【0049】
検出装置Fは、誘導インターフェイスに接続され得る。
【0050】
この誘導インターフェイスは、磁気コンパス及びGPS座標の受信機に接続され得る。
【0051】
誘導インターフェイスは視覚情報であり得て、この場合では、表示装置であり得て、誘導インターフェイスは音声情報又は文字情報でもあり得る。
【0052】
ある実施形態によれば、標的ビーコンは、座標の受信機、特にGPS座標の受信機を備える。
【0053】
有利なことに、この標的ビーコンBCは、数日間の自律性を標的ビーコンに与える充電式バッテリによって電力が供給され得る。
【0054】
標的ビーコンの前記GPS座標の受信機が、前記標的ビーコンのGPS座標の受信機の位置を計算するために必要な衛星信号を受信することができないとき、そのために、標的ビーコンのGPS座標が、規定された時間に不明であるとき、標的ビーコンが、最後に知られたGPS座標の古さ、言い換えれば、標的ビーコンの最後に知られたGPS座標の計算が実行された正確な時刻だけでなく、最後に知られた標的ビーコンのGPS座標も送信する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本発明は、添付された図面を参照して下記の詳細な説明を用いることにより、よりよく理解されるだろう。
図1図1は、標的ビーコンを捜索する方法の第1実施形態の実施中における、捜索されるべき標的ビーコンと検出装置との間の無線信号のそれぞれのやり取りを示す、フローチャートである。
図2図2は、標的ビーコンを捜索する方法の第2実行モードの実施中における、捜索されるべき標的ビーコンと検出装置との間の無線信号のそれぞれのやり取りを示す、フローチャートである。
図3図3は、標的ビーコンを捜索する方法の第3実行モードの実施中における、捜索されるべき標的ビーコン、検出装置及び中間ビーコンの間の無線信号のそれぞれのやり取りを示す、フローチャートである。
図4図4は、捜索されるべき標的ビーコン及び検出装置を示す、図1,2及び3の標的ビーコンを捜索するシステムの概略図である。
図5図5は、標的ビーコンを捜索するシステムの概略図であり、この捜索するシステムは、中間ビーコンを備え、図3に示される方法を実行する。
図6図6は、図の右側において、検出装置の移動経路と捜索されるべき標的ビーコンの位置とを示し、図の左側において、検出装置の位置と、捜索されるべき標的ビーコンと検出装置との間の距離の表示とを示す概略図である。
図7図7は、右側に、標的ビーコンの近くの検出装置の通過を示し、左側に、対応する装置の位置の表示を示す概略図である。
図8図8は、標的ビーコンの位置への復帰を目的とする検出装置の経路からの逸脱を示し、左側に、対応する装置の位置の表示を示す概略図である。
図9図9は、標的ビーコンの位置への復帰を目的とする、図8の検出装置の経路からの逸脱の続きを示し、左側に、対応する装置の位置の表示を示す概略図である。
図10図10は、検出装置が標的ビーコンの位置に合流するときの、図8及び9の検出装置の経路の続きを示し、左側に、対応する装置の位置の表示を示す。
【0056】
上で明示された図の以下の詳細な説明において、同様の要素又は同一の機能を果たす要素には、本発明の理解を容易にするために、同じ参照符号を付すことがある。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明は、標的ビーコンによって発信される標的無線信号SCを検出することが可能な検出装置Fによって、標的ビーコンBCを捜索する方法に関し、標的ビーコンBCは、捜索されるべき物体又は生物に取り付けられる。
【0058】
図1,2及び3には、捜索する方法のそれぞれのステップが示される。
【0059】
図1,2及び3に示されるように、標的ビーコンBCは、標的ビーコンBCの位置情報を含む位置信号M座標を発信すること(EBC2)を第1に実行し得る。
【0060】
もし検出装置Fが標的ビーコンBCの発信範囲P内にあるなら、この検出装置Fは、ステップ(EF2)において、標的ビーコンBCの位置情報を含む位置信号M座標を受信し、続いて、標的ビーコンBCから検出装置Fへ標的無線信号SCを発信する命令を含む制御信号M命令を、検出装置Fによって発信すること(EF3)がある。
【0061】
位置信号M座標は、標的ビーコンBCの識別情報だけでなく、位置情報も含み得る。
【0062】
制御信号M命令は、標的ビーコンBCの標的無線信号SCを発信する命令に加えて、標的無線信号SCの発信源として標的ビーコンBCを動作させるためのコマンドを含み得る。位置信号M座標は、例えば、MACアドレスのような標的ビーコンBCの識別子、GPS座標のような標的ビーコンBCのジオロケーションの座標、及び中でも標的ビーコンBCの最後に知られたGPS座標が計算された正確な時刻が含まれ得る。
【0063】
この制御信号M命令は検出装置Fによって送信される信号を意味し、検出装置Fは、この信号によって、無線周波の発信源として構成される標的ビーコンBCを制御するので、標的ビーコンBCが標的無線信号SCを発信し得る。
【0064】
実行モードによれば、長距離用のLORAプロトコルが使用される。標的無線信号SCの受信は、検出装置Fによる制御信号M命令の発信に対する標的ビーコンBCからの応答に対応する。距離の計算は、要求信号の発信及び標的無線信号SCの受信に関する時間情報を考慮する。
【0065】
別の実行モードによれば、標的無線信号SCは、標的ビーコンBCの識別情報を含まなくてもよい。標的ビーコンの識別は、要求信号の発信と標的無線信号SCの受信との間の時間的な対応関係に基づいて実行される。
【0066】
その後、図1,2及び3に示されるように、標的ビーコンBCは、標的無線信号SCの発信源として標的ビーコンBCを動作させるためのコマンドと、検出装置Fへ標的無線信号を発信するための命令とを含む、検出装置Fから到達する制御信号M命令を受信すること(EBC3)を実行し、続いて、標的無線信号SCを標的ビーコンによって発信すること(EBC4)がある。
【0067】
標的無線信号SCは、その後、標的ビーコンBCによって発信される標的無線信号SCを発信するステップ(EF10)の間に、検出装置Fによって受信され、検出装置Fは、標的ビーコンBCと検出装置Fとの間の無線信号の伝搬時間の計算に基づいて、検出装置Fと標的ビーコンBCとの間の標的距離の値を決定するEF11。
【0068】
検出装置Fは、その後、標的距離の値と参照標的距離の値とを比較すること(EF12)を実行する。
【0069】
もし標的距離の値が参照標的距離の値よりも小さいなら、又はもし参照標的距離の値が求められないなら、その後、検出装置は、標的距離の値に依存する参照標的距離Rminの値を決定すること(EF13)に進む。この検出装置Fは、検出装置Fの位置の関数として参照位置Pminを決定すること(EF14)にも進み、その後、参照位置と参照標的距離との関数として、検出装置Fの位置に関する標的ビーコンBCの位置領域Zを決定すること(EF15)に進む。
【0070】
図6に示されるこの位置領域Zは、例えば、参照位置Pminが中心とされ、参照標的距離Rminの関数として定義される半径を有する円を含み得る。
【0071】
参照標的距離Rminの値の関数として標的距離の値を決定すること(EF13)は、参照標的距離Rminの値に、標的距離の値を代入することを含み得る。この場合、参照標的距離Rminは、標的ビーコンBCの捜索を開始してからの、検出装置Fと標的ビーコンBCとの間において測定された最小距離を示す。
【0072】
検出装置Fの位置の関数として参照位置Pminを決定すること(EF14)は、参照位置Pminに、検出装置の位置を代入することを含み得る。
【0073】
救助者のような人間の使用者が検出装置Fを操作する図1に示される実行モードによれば、標的ビーコンBCを捜索する方法は、参照位置Pmin及び位置領域Zに関連する、ユーザインターフェース上の表示を検出装置Fによって供給するステップ(EF16)をさらに含み得る。
【0074】
参照位置Pmin及び位置領域Zに関連する、ユーザインターフェース上の表示を提供すること(EF16)は、表示装置上に参照位置Pmin及び/又は位置領域Zの表現を表示することを含む。
【0075】
表示装置上に参照位置Pmin及び/又は位置領域Zを描写する表示の例が、図6-10に示される。図6-10は、重航空機内に含まれる検出装置による標的ビーコンの捜索を表し得る。
【0076】
一例によれば、検出装置Fを操作する救助者が、任意の進行方向を選択する。これは、標的ビーコンBCの最後に知られたGPS座標に至る進行方向も選択し得る。
【0077】
よって、図6の右側には、標的ビーコンBCの位置Aの方向に向かう検出装置Fの直線状の経路T1が見られ得る。左側において、表示装置の対応する表示は、北Nへの検出装置Fの移動を示し、この時、検出装置Fの位置レチクルOは、位置領域Zの中心に位置されている。標的ビーコンBCと検出装置Fとの間の距離が減少する限りは、検出装置Fは、直線状の経路T1を維持する。もし標的ビーコンBCと検出装置Fとの間の距離が増加するなら、救助者は、標的ビーコンBCの位置Aに接近するためにUターンを行う。
【0078】
この表示装置は、参照標的距離Rminだけでなく、検出装置Fの位置も常に表示する。標的ビーコンBCと検出装置Fとの間の距離が減少する限りは、位置レチクルOと参照位置Pminとが、表示装置上において重なる。
【0079】
図7に示される特定の瞬間において、経路T1の移動を続ける検出装置Fが標的ビーコンの位置Aを越えると、その後、標的距離は、参照標的距離Rminに相当する最小値を通過し、再び増加を開始する。表示装置上において、位置レチクルOと参照位置Pminとが、重ならなくなる。それから、救助者は、位置レチクルOが参照標的距離Rminを越えていることに気付き得る。標的ビーコンBCは、参照標的距離Rminを半径として有する円の中のどこかにあるが、この時、救助者は標的ビーコンBCのある場所の方向を知らない。
【0080】
位置レチクルOが、参照標的距離Rminが半径の円と交差する時、救助者は、検出装置Fが円形の経路T2をたどるように検出装置Fの経路を調整し、そして経路T2が、参照標的距離Rminを半径として有する円と可能な限り重なる。救助者は、例えば、4分の1回転することによって、検出装置Fの経路を調整し得る。この経路T2は、図8の場合のように、検出装置Fを標的ビーコンBCに近づけさせる。
【0081】
図9の場合のように、位置レチクルOと参照位置Pminとが、表示装置の表示において再び重なることになるが、これは、検出装置Fの位置がこの場合の参照位置Pminに対応し、標的距離が参照標的距離Rminに対応するからである。
【0082】
救助者は、標的距離が減少し位置レチクルOと参照位置Pminとが重なる限りは、逸脱することなく検出装置の経路T2を維持する。
【0083】
表示装置の表示上において、位置レチクルOと参照位置Pminとが重ならないとき、位置レチクルOは参照標的距離Rminを半径として有する円の一部を描写するので、例えば、救助者は、位置レチクルOが参照標的距離Rminを半径として有する円を横切るとすぐに、検出装置Fの経路T2において旋回する。
【0084】
図6-10に示される検出装置Fの方向転換の操作は、図10のような螺旋状の経路T2を達成するために繰り返され得るが、これは標的ビーコンBCの位置Aから実質的に鉛直な位置へ、検出装置Fを導くためである。
【0085】
有利なことに、この記載された捜索する方法は、地上の目印を必要とすることなく、救助者の視界が悪い場合においてさえ実行され得る。
【0086】
有利には、もし検出装置の経路が、障害物又は天気の状況によって制限されるなら、表示装置の表示が常に参照標的距離Rminを示す事実が、検出装置Fの操作者が、検出装置Fが移動される方向に関係なく、標的ビーコンBCの位置領域に復帰することを可能にする。
【0087】
有利なことに、記載された捜索する方法は、標的ビーコンBC及び検出装置Fなどの構成要素の数を減らすことによって、迅速かつ効率的な捜索を可能にし得る。
【0088】
有利なことに、記載された捜索する方法は、標的ビーコンBCの追加のジオロケーション手段を必要とすることなく、捜索されるべき人又は目的物が、例えば、雪の中に埋もれた場合や、岩の下や密生した植物に覆われたような閉鎖された場所にある場合にも、実行され得る。言い換えると、記載された捜索する方法は、標的ビーコンBCがGPS受信機を持たない場合でさえ、実行され得る。
【0089】
有利なことに、記載された捜索する方法は、数キロメートル離れた標的ビーコンBCの捜索を始めることを可能にし、記載された捜索する方法の終了時に、メートル精度で標的ビーコンBCの位置を取得することを可能にする。
【0090】
有利なことに、記載された捜索する方法は、体系的であり、したがって自動化が容易である。
【0091】
有利なことに、記載された捜索する方法は、標的無線信号SCの到来方向の条件を要求しない全方向性アンテナを用いて実行され得て、携帯装備の中に容易に組み込まれ得る。
【0092】
特に検出装置がドローン内に含まれるときのように、例えばコンピュータソフトウェアによって検出装置が自動的に操作される、図2に示される別の実行モードによれば、それから標的ビーコンBCを捜索する方法は、もし標的距離の値が参照標的距離Rminの値よりも大きいなら、参照位置Pminが中心とされ、参照標的距離Rminの関数として定義される半径を有する円上を誘導される経路T2に沿った検出装置Fの移動を制御するステップ(EF17’)だけでなく、もし標的距離の値が参照標的距離Rminの値よりも小さいなら、直線状の移動の移動の経路T1に沿った検出装置Fの移動を制御するステップ(EF17)も、さらに含む。
【0093】
遭難モード及び中間ビーコン
位置信号M座標を発信するステップ(EBC2)を実行する前に、標的ビーコンBCは、第1モードいわゆる通常動作モード及び第2モードいわゆる遭難動作モードを含むグループから、標的ビーコンBCの動作モードを選択すること(EBC1)を実行し得る。
【0094】
第1モードいわゆる通常動作モード及び第2モードいわゆる遭難動作モードを含むグループから、標的ビーコンの動作モードを選択すること(EBC1)は、例えば、ユーザからの指示により行われ得る。
【0095】
第1モードいわゆる通常動作モード及び第2モードいわゆる遭難動作モードを含むグループから、標的ビーコンBCの動作モードを選択すること(EBC1)は、
・標的ビーコンを捜索するシステムのユーザによって送信される動作モードのコマンドに基づいて、
・遭難者が助けを必要とする特定の状況において、標的ビーコンのキャリヤの動作によって、
実行され得る。
【0096】
第1モードいわゆる通常動作モードは、図4に示され、検出装置が標的ビーコンBCの発信範囲内にあるときに、標的ビーコンBCが、検出装置Fによって受信され得る標的ビーコンBCの位置情報を含む位置信号M座標を発信する、標的ビーコンの動作モードを意味する。
【0097】
第2モードいわゆる遭難動作モードは、図5に示され、中間ビーコンBIが、標的ビーコンの位置信号M座標を再発信することが可能な、標的ビーコンBCの動作モードを意味する。この遭難モードは、検出装置Fが、標的ビーコンBCの発信範囲内になくても、標的ビーコンBCからの位置信号M座標を受信することを可能にする。
【0098】
よって、標的ビーコンBCは、標的ビーコンBCからの位置信号M座標を受信する中間ビーコンBIに、位置信号M座標を再発信することを指示する遭難マーカを含み得る位置信号M座標を発信する。このことは、検出装置Fが、位置信号M座標を直接的に、又は標的ビーコンBCと検出装置Fとの間の中間を確実にする中間ビーコンBIを通して、受信することのどちらも可能にする。
【0099】
よって、標的ビーコンBCを捜索する方法は、標的ビーコンBCの位置情報に応じて参照位置Pminを初期化するステップ(EF2’)だけでなく、前記検出装置Fが中間ビーコンBIの発信範囲P内にあるときに、標的ビーコンBCの位置情報を含む、中間ビーコンBIによって発信される中間無線信号SIを受信するステップ(EF1’)も、さらに含み得る。
【0100】
標的ビーコンBCから受信した位置情報は、例えば標的ビーコンBCが標的無線信号SCの発信を停止する前に、標的ビーコンBCによって送信された最後の位置情報を意味し得る。場合によっては、中間ビーコンBIによって発信される中間無線信号SIを受信するステップ(EF1’)と、標的ビーコンBCの位置情報の機能として参照位置Pminを初期化するステップ(EF2”)とは数回繰り返され得る。
【0101】
捜索システムの説明
さらに、本発明は、捜索されるべき物体又は生物に取り付けられるよう意図された標的ビーコンBCを捜索するシステムに関し、物体又は生物に取り付けられるよう意図されて、標的ビーコンBCの発信範囲P内において、標的ビーコンBCの識別情報を含む標的無線信号SCを発信する標的ビーコンBCを備え、標的ビーコンBCが、先述の捜索する方法を実行するように構成されるシステムに関する。
【0102】
図4及び5に示される標的ビーコンBCは、例えば、スキーヤー又は登山家、山、森、又は都市環境のような近づくことが困難な環境を移動する人に取り付けられ得る。
【0103】
さらに、標的ビーコンBCは、近づくことが困難な環境を移動する野生動物や、場所を特定したい紛失物又は盗難物にさえ取り付けられ得る。
【0104】
有利なことに、標的ビーコンBCの発信範囲Pは、数キロメートルであり得て、例えば、発信範囲Pは3キロメートルよりも広くできる。
【0105】
場合によっては、標的ビーコンBCは、例えばアンテナのような、特に全方向性アンテナのような、無線信号を発信する送受信機要素を含む。
【0106】
標的無線信号SC及び位置信号に含まれる識別情報は、例えばMACアドレスのような標的ビーコンBCに関する一意の識別子を意味し得て、位置情報は、例えば位置信号に含まれる標的ビーコンBCに対する相対的なGPS座標を意味し得る。
【0107】
標的ビーコンBCは、座標の受信機、特にGPS座標の受信機を備え得る。
【0108】
有利なことに、この標的ビーコンBCは、数日間の自律性を標的ビーコンに与える充電式バッテリによって電力が供給され得る。
【0109】
場合によっては、標的ビーコンBCのGPS受信機は、ナビゲーションネットワークに接続されることが不可能なとき、そのために、標的ビーコンBCのGPS座標が、規定された時間に不明であるとき、標的ビーコンBCが、最後に知られたGPS座標の古さ、言い換えれば、標的ビーコンBCの最後に知られたGPS座標の計算が実行された正確な時刻だけでなく、最後に知られた標的ビーコンのGPS座標も、送信する。
【0110】
標的ビーコンBCを捜索するシステムは、図4及び5に示され、前記検出装置Fが標的ビーコンBCの発信範囲P内にあるときに、標的ビーコンBCによって発信される標的無線信号SCを検出することが可能な検出装置Fをさらに備え、この検出装置Fは、前述の方法を実行する計算ユニットを備える。
【0111】
検出装置Fは、この標的無線信号を受信する、例えば全方向性アンテナのような送受信機要素を含み得る。
【0112】
場合によっては、この検出装置Fは、標的ビーコンBCと検出装置Fとの間の標的無線信号SCの伝搬時間の計算に基づいて、検出装置Fと標的ビーコンBCとの間の標的距離を計算するように構成される。
【0113】
検出装置Fは、ヘリコプタ、ドローン、つまり航空機のような重航空機内に含まれ得る。また、検出装置Fは、自動車のような通常は地上を移動する車両内にも含まれ得る。
【0114】
場合によっては、検出装置は、徒歩で移動する人間のユーザに装着され得る。
【0115】
この検出装置Fは、誘導インターフェイスに接続され得て、この誘導インターフェイス自体は、磁気コンパス及びGPS座標の受信機に接続されている。
【0116】
誘導インターフェイスは視覚情報であり得て、この場合では、例えばタブレットのような表示装置であり得て、誘導インターフェイスは音声情報又は文字情報でもあり得る。
【0117】
ある実施形態によれば、標的ビーコンBCを捜索するシステムは、図5に示される、標的ビーコンBCによって発信される位置信号M座標を検出し、前記検出装置Fが中間ビーコンBIの発信範囲P内にあるときに、標的ビーコンBCの位置情報を含む中間信号SIを発信するように構成される中間ビーコンBIも備え得る。
【0118】
この中間ビーコンBIは、その再発信を待つ間、位置信号M座標に含まれる標的ビーコンBCの位置情報の記憶が可能なメモリ回路を備え得る。
【0119】
本発明は、特定の実施形態に関連して説明されてはいるが、それらに決して限定されるものではなく、もし本発明の範囲に含まれるなら、記載された手段の技術的な均等物の全ても、それらの組合せも含まれることは明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】