(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】車両に用いられる燃焼システム及び車両
(51)【国際特許分類】
F02B 23/08 20060101AFI20240305BHJP
F02F 1/42 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
F02B23/08 C
F02B23/08 S
F02B23/08 D
F02B23/08 K
F02F1/42 E
F02F1/42 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559699
(86)(22)【出願日】2021-05-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 CN2021092307
(87)【国際公開番号】W WO2022236457
(87)【国際公開日】2022-11-17
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou Zhejiang310000, China
(71)【出願人】
【識別番号】523366812
【氏名又は名称】イウ・ジーリー・パワートレイン・カンパニー・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523366823
【氏名又は名称】ニンボ・ジーリー・ロイヤル・エンジン・コンポーネンツ・カンパニー・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523366834
【氏名又は名称】オーロベイ・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ペイイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ミンミン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ピンタオ
(72)【発明者】
【氏名】ティアン、チソン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、リフア
(72)【発明者】
【氏名】リ、ホンチョウ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ユチュン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、ウーミン
(72)【発明者】
【氏名】スチョルテン、インゴ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ルイピン
【テーマコード(参考)】
3G023
3G024
【Fターム(参考)】
3G023AA07
3G023AB03
3G023AC05
3G023AD03
3G023AD05
3G023AD08
3G024AA03
3G024AA14
3G024AA15
3G024DA01
3G024DA06
(57)【要約】
燃焼システム(100)及び車両であって、燃焼システムは吸気通路(10)、排気通路(20)、吸気バルブ(30)及び排気バルブ(40)を備え、吸気バルブの軸線と排気バルブの軸線との夾角は予め設定された角度であり、吸気バルブが吸気通路を閉鎖し、排気バルブが排気通路を閉鎖する場合、吸気バルブの中心位置は排気バルブの中心位置より高い。該燃焼システムは吸気バルブの軸線と排気バルブの軸線との間の夾角を固定し、吸気バルブの中心位置の高さを排気バルブの中心位置の高さより高いように設計することで、吸気バルブの上部気流は燃焼室(50)の内部の壁面と排気バルブの壁面に沿って燃焼室内に入り、排気バルブ付近の流速デッドゾーンを減少し、ガスの燃焼室内における高いタンブル流の状況を実現し、燃焼システム内のガスの燃焼速度を高め、エンジンの効率を向上させると共に動力的需要を満足する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に用いられる燃焼システムであって、
吸気通路、排気通路、吸気バルブ及び排気バルブを備え、前記吸気バルブの一端は前記吸気通路の一端を通過して前記吸気通路を開放又は閉鎖し、前記排気バルブの一端は前記排気通路を通過して前記排気通路の一端を開放又は閉鎖し、
前記吸気バルブの軸線と前記排気バルブの軸線との夾角は予め設定された角度であり、且つ、
前記吸気バルブが前記吸気通路を閉鎖すると同時に前記排気バルブが前記排気通路を閉鎖する場合、前記吸気バルブの中心位置は前記排気バルブの中心位置より高い、車両に用いられる燃焼システム。
【請求項2】
前記吸気バルブの中心位置と前記排気バルブの中心位置との高さの差は0.5~1mmである、請求項1に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項3】
前記予め設定された角度は35°~50°である、請求項1に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項4】
燃焼室を更に備え、
前記吸気通路と前記排気通路はいずれも前記燃焼室に連通され、
前記吸気バルブの端部は前記吸気通路の出口を通過して前記燃焼室内に延在し、且つ前記燃焼室の内壁は前記吸気通路の出口に近い位置において、前記吸気バルブの端部を部分的に囲む遮断構造に構成される、請求項1に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項5】
前記遮断構造は前記吸気バルブの前記排気バルブから離れる側に位置する、請求項4に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項6】
前記遮断構造はガスガイド壁と当接台を含み、前記吸気バルブの軸線の位置する平面に沿って切断する断面において階段状構造であり、
前記ガスガイド壁は前記吸気バルブの軸線に平行するように構成され、且つ、
前記当接台は前記吸気バルブの端部の前記吸気通路に近い側の輪郭構造に適応するように構成され、そして前記吸気バルブが前記吸気通路を閉鎖する場合、前記吸気バルブは前記当接台に当接する、請求項4に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項7】
前記遮断構造は、前記吸気バルブの軸線に垂直する平面に沿って切断してなる断面において、前記吸気バルブの端部の構造に適応する円弧形であり、前記円弧形に対する中心角は110°~180°である、請求項4に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項8】
前記遮断構造は更に、前記吸気バルブが前記吸気通路を閉鎖する場合、前記吸気バルブと前記ガスガイド壁との最小距離が0.6~1mmであるように構成される、請求項6に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項9】
前記遮断構造の前記ガスガイド壁の、前記吸気バルブの軸線方向に沿う高さは3~5mmである、請求項6に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項10】
前記吸気通路の中軸線と水平面との夾角は15°~20°である、請求項1~9のいずれか1項に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項11】
ピストンを更に備え、前記ピストンの頂部中央位置には窪みが設置され、前記窪みの底端と頂端との垂直距離は0.5~1mmである、請求項4に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項12】
前記ピストンの頂端には退避溝が設置され、前記退避溝の位置は前記吸気バルブと前記排気バルブの位置にマッチングする、請求項11に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項13】
前記吸気バルブの数は2つであり、1つの前記吸気通路を共用し、
前記排気バルブの数は2つであり、1つの前記排気通路を共用し、
前記退避溝の数は前記吸気バルブと前記排気バルブの数の総和である、請求項12に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項14】
前記燃焼室にはスキッシュ構造が設置され、
前記ピストンの頂部の前記窪みの外周にはスキッシュ面が設置され、
前記スキッシュ構造と前記スキッシュ面は互いにマッチングする、請求項11に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項15】
スパークプラグと油ノズルを更に備え、
前記スパークプラグと前記油ノズルはいずれも前記吸気バルブと前記排気バルブとの間に設置される、請求項13に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項16】
2つの前記吸気バルブと2つの前記排気バルブとの頂端中心の連結線は長方形を構成し、
前記スパークプラグと前記油ノズルは前記長方形の中心線のうちの一方に並んで設置され、且つ前記スパークプラグと前記油ノズルは前記長方形の中心線のうちの他方の両側に位置する、請求項15に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の車両に用いられる燃焼システムを備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の技術分野に関し、特に、車両に用いられる燃焼システム及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
燃費・排出ガス規制の厳罰化及びハイブリッド技術の普及に伴って、より低い燃費、より低い排出及びより良い運転性を実現するために、多くのメーカーはハイブリッド専用ガソリンエンジンを開発し始まったが、これらの性能の達成には効率がより高い燃焼システムのサポートが必要である。
【0003】
従来の小さなシリンダー径(シリンダー径が70~75mmである)のエンジンに採用される燃焼システムは、その吸気バルブ、排気バルブ、吸気通路及び燃焼室の構造により、ガスは燃焼システムの吸気通路を介して燃焼室に入った後、ガスの流量係数の低減程度は比較的大きく、それにより燃焼室内の燃焼効率は比較的低くなる。
【発明の概要】
【0004】
上記問題に鑑み、本発明は提案され、上記問題を解消し又は上記問題を少なくとも部分的に解決する車両に用いられる燃焼システム及び車両を提供する。
【0005】
本発明の1つの目的は、従来技術における燃焼システムがシリンダー内の高いタンブル流性能を同時に満足できない問題を解決する燃焼システムを提供することである。
【0006】
本発明の更なる目的は、従来技術におけるエンジンの燃焼効率が比較的低い問題を解決することである。
【0007】
本発明の他の目的は、上記燃焼システムを備える車両を提供することである。
【0008】
特に、本発明の実施例の一態様では車両に用いられる燃焼システムを提供し、
吸気通路、排気通路、吸気バルブ及び排気バルブを備え、前記吸気バルブの一端は前記吸気通路の一端を通過して前記吸気通路を開放又は閉鎖し、前記排気バルブの一端は前記排気通路を通過して前記排気通路の一端を開放又は閉鎖し、
前記吸気バルブの軸線と前記排気バルブの軸線との夾角は予め設定された角度であり、且つ、
前記吸気バルブが前記吸気通路を閉鎖すると同時に前記排気バルブが前記排気通路を閉鎖する場合、前記吸気バルブの中心位置は前記排気バルブの中心位置より高い。
【0009】
選択肢として、前記吸気バルブの中心位置と前記排気バルブの中心位置との高さの差は0.5~1mmである。
【0010】
選択肢として、前記予め設定された角度は35°~50°である。
【0011】
選択肢として、燃焼室を更に備え、前記吸気通路と前記排気通路はいずれも前記燃焼室に連通され、
前記吸気バルブの端部は前記吸気通路の出口を通過して前記燃焼室内に延在し、且つ前記燃焼室の内壁は前記吸気通路の出口に近い位置において、前記吸気バルブの端部を部分的に囲む遮断構造に構成される。
【0012】
選択肢として、前記遮断構造は前記吸気バルブの前記排気バルブから離れる側に位置する。
【0013】
選択肢として、前記遮断構造はガスガイド壁と当接台を含み、前記吸気バルブの軸線の位置する平面に沿って切断する断面において階段状構造であり、前記ガスガイド壁は前記吸気バルブの軸線に平行するように構成され、且つ、
前記当接台は前記吸気バルブの端部の輪郭に適応する構造に構成され、そして前記吸気バルブが前記吸気通路を閉鎖する場合、前記吸気バルブは前記当接台に当接する。
【0014】
選択肢として、前記遮断構造は、前記吸気バルブの軸線に垂直する平面に沿って切断してなる断面において、前記吸気バルブの端部の構造に適応する円弧形であり、前記円弧形に対応する中心角は110°~180°である。
【0015】
選択肢として、前記遮断構造は更に、前記吸気バルブが前記吸気通路を閉鎖する場合、前記吸気バルブと前記ガスガイド壁との最小距離が0.6~1mmであるように構成される。
【0016】
選択肢として、前記遮断構造の前記ガスガイド壁の、前記吸気バルブの軸線方向に沿う高さは3~5mmである。
【0017】
選択肢として、前記吸気通路の中軸線と水平面との夾角は15°~20°である。
【0018】
選択肢として、ピストンを更に備え、前記ピストンの頂部中央位置には窪みが設置され、前記窪みの底端と頂端との垂直距離は0.5~1mmである。
【0019】
選択肢として、前記ピストンの頂端には退避溝が設置され、前記退避溝の位置は前記吸気バルブと前記排気バルブの位置にマッチングする。
【0020】
選択肢として、前記吸気バルブの数は2つであり、1つの前記吸気通路を共用し、
前記排気バルブの数は2つであり、1つの前記排気通路を共用し、
前記退避溝の数は前記吸気バルブと前記排気バルブの数の総和である。
【0021】
選択肢として、前記燃焼室にはスキッシュ構造が設置され、
前記ピストンの頂部の前記窪みの外周にはスキッシュ面が設置され、
前記スキッシュ構造と前記スキッシュ面は互いにマッチングする。
【0022】
選択肢として、スパークプラグと油ノズルを更に備え、前記スパークプラグと前記油ノズルはいずれも前記吸気バルブと前記排気バルブとの間に設置される。
【0023】
選択肢として、2つの前記吸気バルブと2つの前記排気バルブとの頂端中心の連結線は長方形を構成し、
前記スパークプラグと前記油ノズルは前記長方形の中心線のうちの一方に並んで設置され、且つ前記スパークプラグと前記油ノズルは前記長方形の中心線のうちの他方の両側に位置する。
【0024】
特に、本発明は、上記の車両に用いられる燃焼システムを備える車両を更に提供する。
【0025】
本発明の燃焼システムは吸気バルブの軸線と排気バルブの軸線との間の夾角を固定し、更に吸気バルブの中心位置の高さを排気バルブの中心位置の高さより高いように設計することにより、吸気バルブの上部気流は燃焼室の内部の壁面と排気バルブの壁面に沿って燃焼室内に入り、排気バルブ付近の流速デッドゾーンを減少し、ガスの燃焼室内における高いタンブル流の状況を実現し、エンジンの燃焼システム内のガスの燃焼速度を高め、エンジンの効率を向上させるとともに、エンジンの動力的需要を満足する。
【0026】
更に、本発明の燃焼システムは吸気バルブの下部に遮断構造を設計することにより、吸気バルブの下部気流を減少し、特に低いリフト(リフトが3~5mmより低い)の場合の吸気バルブの下部気流を減少することができ、流れの分離を促進し、大部分の気流を吸気バルブの上部から燃焼室に入らせ、低リフトタンブル流比を大幅に向上させ、ガソリン・ガスの混合を速め、混合ガスの分布均一程度を高め、燃焼速度を増加する。同時に、本実施例における燃焼システムは吸気バルブの下部に遮断構造を設計することにより、吸気バルブの下部気流を減少し、気流を排気側に流れるようにガイドし、吸気ストローク初期の逆タンブル流を減少することができ、燃焼室内での大スケールの正タンブル流の形成に寄与する。
【0027】
更に、本発明の吸気通路の設定角度により、本発明の吸気通路の入口は比較的低くなる。高タンブル流の通路内部における大部分の気流は吸気バルブの上部を経由して燃焼室に入るため、吸気通路の入口を低くすると、吸気通路は大部分の気流を吸気バルブの上部に流れるようにガイドし、高タンブル流の吸気通路の流量係数を効果的に高めることができる。
【0028】
更に、本発明のピストンの4つの退避溝及び中心の大きな窪みの設計により、ガスは吸気通路の吸気バルブの端部の右上方から燃焼室に入った後、燃焼室の内壁に沿ってタンブル流を形成し、ピストン上部の浅い窪みの設計によれば、該タンブル流のガスがピストンに流れる時に浅い窪みに沿って流れることを確保でき、吸気ストロークタンブル流の維持を容易にし、ピストンが圧縮上死点に到達する時に比較的強い気流はクラッシュし、比較的強い乱流運動エネルギーを産生し、火炎初期伝播の時のピストンの頂面との接触によるクエンチングを回避し、燃焼効率を改善する。
【0029】
本発明の油ノズルは中間に配置されることにより、燃焼制御ポリシーはより柔軟になる。実際の使用過程において、複数回の油噴射ポリシーは採用され得ており、スパークプラグの中心に比較的濃い混合ガスを形成し、燃焼安定性を向上させる。同時に、発火条件下で、三元触媒の発火を加速できる。同時に、油ノズルとスパークプラグとの適当な距離を維持することによって、スプレーとスパークプラグの電極との接触によりスパークプラグの電極に油膜を産生することによるスパークプラグにおけるカーボンデポジット等の問題を防止することができる。
【0030】
更に、本発明において、燃焼室内のスキッシュ構造はガスの流れをシリンダーの中心に押し、ピストンが上死点に到達する場合、スキッシュ構造とスキッシュ面との協働により、ガスのタンブル流をクラッシュさせ、燃焼室の中央位置に比較的強い乱流強度を形成し、火炎伝播速度を高め、ノッキング傾向を低減する。また、ピストン周囲のスキッシュ面と燃焼室のスキッシュ構造とのマッチング設計により、シリンダー内のタンブル流の維持に寄与し、比較的高い乱流強度を形成するとともに、火炎初期伝播の時のピストンの頂面との接触によるクエンチングを回避し、燃焼効率を改善する。
【0031】
また、本発明の燃焼システムの油ノズルは油噴射の時、本実施例の燃焼システムの構造により、スプレーはピストンの頂部に空気層を形成し、スプレーとピストンの頂部との接触を減少し、炭素ガス排出リスクを低減する。燃焼効率を向上させる。最終的に、本発明の燃焼システムによれば、燃焼システムの最高熱効率は2%~3%向上することができる。
【0032】
上記の説明は本発明の技術案の概要に過ぎず、本発明の技術手段をより明確に理解して、明細書の内容に従って実施し、そして、本発明の上記及び他の目的、特徴、利点をより明確にするために、以下では本発明の具体的な実施形態を説明する。
【0033】
下記の説明及び図面を参照しながら本発明の具体的な実施例を詳細に説明すれば、当業者は本発明の上記及び他の目的、利点、特徴を明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
以下では図面を参照しながら、制限ではない例示的な形態で本発明の幾つかの具体的な実施例を詳細に説明する。図面における同一の符号は同一又は類似の部品又は部分を示す。当業者が理解できるように、これらの図面は必ずしも比例で作成されたものとは限らない。図面において、
【
図1】本発明の1つの実施例による燃焼システムの断面模式図。
【
図2】本発明の1つの実施例による燃焼システムの上面模式図。
【
図3】本発明の1つの実施例による燃焼システムの遮断構造の拡大模式図。
【
図4】本発明の1つの実施例による燃焼システムのピストンの上面模式図。
【
図5】本発明の1つの実施例による燃焼システムの断面簡素化模式図。
【
図6】
図2におけるA-A切断線に沿って切断された断面模式図。
【
図7】
図2におけるB-B切断線に沿って切断された断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下では図面を参照しながら本開示の例示的な実施例を詳細に説明する。図面には本開示の例示的な実施例を示したが、理解されるように、本開示は各種の形式で実現でき、ここで説明される実施例に制限されない。逆に、これらの実施例の提供は、本開示をより明確に理解して、本開示の範囲を完全に当業者に伝達できるようにするためのものである。
【0036】
本発明の1つの具体的な実施例として、
図1と
図2に示すように、本実施例の燃焼システム100は吸気通路10、排気通路20、吸気バルブ30、排気バルブ40、燃焼室50、油ノズル60、スパークプラグ70、及びピストン80を備え得る。吸気通路10は吸気バルブ30の側辺に位置する。具体的に、
図1に示すように、吸気通路10は吸気バルブ30の左側辺に位置し得る。排気通路20は排気バルブ40の側辺に位置し、そして吸気バルブ30の1つの端部は吸気通路10の出口11を通過して、吸気通路10を開放又は閉鎖する。具体的に、排気通路20は排気バルブ40の右側辺に位置し、そして排気バルブ40の1つの端部は排気通路20の入口21を通過して、排気通路20を開放又は閉鎖する。具体的に、本実施例における吸気バルブ30と排気バルブ40はいずれも2つを含み得る。吸気通路10と排気通路20はいずれも燃焼室50に連通され、ガスは吸気通路10の入口12から吸気通路10に入り、更に吸気通路10の出口11から燃焼室50内に入って燃焼し、燃焼後のガスは排気通路20の入口21から排気通路20に入り、排気通路20の出口22から排出し、吸気バルブ30と排気バルブ40は対応の吸気通路10と排気通路20の開放と閉鎖に用いられる。具体的に、本実施例の燃焼システム100は小さなシリンダー径(シリンダー径が70~75mmである)のエンジンにより適用される。
【0037】
具体的に、
図1に示すように、吸気バルブ30の軸線と排気バルブ40の軸線との夾角はガスが燃焼室50内に入るタンブル流の強さに影響を与えるため、本実施例の燃焼システム100の吸気バルブ30の軸線と排気バルブ40の軸線との夾角は予め設定された夾角θとされ、且つ、吸気バルブ30が吸気通路10を閉鎖する(又は塞ぐ)と同時に排気バルブ40が排気通路20を閉鎖する(又は塞ぐ)場合、吸気バルブ30の中心位置は排気バルブ40の中心位置より高い。本実施例では、吸気バルブ30の中心位置とは吸気バルブ30の幾何学的中心位置を指してもよい。同様に、排気バルブ40の中心位置とは排気バルブ40の幾何学的中心位置を指してもよい。当然ながら、吸気バルブ30と排気バルブ40はそれぞれ吸気通路10と排気通路20を塞ぐ場合、吸気バルブ30と排気バルブ40の幾何学的中心位置の高さの差は、吸気バルブ30と排気バルブ40の最も低い点位置の高さの差と同じである。該高さの差を実際に設計する時、吸気通路10の出口11の位置と排気通路20の入口21の位置との高さの差を設計してもよい。それにより、吸気バルブ30が吸気通路10を閉鎖すると同時に排気バルブ40が排気通路20を閉鎖する場合、吸気バルブ30の中心位置は排気バルブ40の中心位置より高い。
【0038】
本実施例において、吸気バルブ30の軸線と排気バルブ40の軸線との間の夾角を固定し、更に吸気バルブ30の中心位置の高さを排気バルブ40の中心位置の高さより高いように設計することにより、吸気バルブ30の上部気流は燃焼室50の内部の壁面と排気バルブ40の壁面に沿って燃焼室内に入り、排気バルブ40付近の流速デッドゾーンを減少し、ガスの燃焼室50内における高いタンブル流の状況を実現し、エンジンの燃焼システム内のガスの燃焼速度を高め、エンジンの効率を向上させるとともに、エンジンの動力的需要を満足する。
【0039】
具体的に、本実施例における予め設定された角度θは35°~50°であってもよい。例えば、θは35°、40°又は50°であってもよい。本実施例では、吸気バルブ30の中心位置と排気バルブ40の中心位置との高さの差aは0.5~1mmである。例えば、aは0.5mm、0.8mm又は1mmであってもよい。本実施例において、吸気バルブ30の軸線と排気バルブ40の軸線との該夾角の設計と、吸気バルブ30の中心位置と排気バルブ40の中心位置との該高さの差との組合せにより、ガスの吸気バルブ30の上部気流が燃焼室50の内部の壁面と排気バルブ40の壁面に沿って燃焼室内に入る時、排気バルブ40付近の流速デッドゾーンを減少し、ガスの燃焼室50内における高いタンブル流の状況を実現するように確保することができる。
【0040】
1つの実施例として、
図1と
図3に示すように、本実施例において、吸気バルブ30の端部は吸気通路10の出口11を通過して燃焼室50内に延在し、且つ燃焼室50の内壁は吸気通路10の出口に近い位置において、吸気バルブ30の端部を部分的に囲む遮断構造90に構成される。
【0041】
具体的に、本実施例の遮断構造90は吸気バルブ30の端部の排気バルブ40から離れる側に沿う燃焼室50の内壁のみに設置される。具体的に、
図1と
図3に示すように、本実施例の遮断構造90は吸気バルブ30の左下部の位置に位置する。吸気バルブ30の端部の右上部の位置には遮断構造が含まない。遮断構造90の存在により、吸気通路10から燃焼室50に流れるガスの大部分は、吸気バルブ40の端部の右上部の位置から燃焼室50に流れる。また、吸気バルブ30の中心位置の高さは排気バルブ40の中心位置の高さより高いため、吸気バルブ30の右上方から燃焼室50内に入るガスは燃焼室50の内壁に沿って流れ、乱流をより容易に形成する。
【0042】
具体的に、本実施例の遮断構造90はガスガイド壁91と当接台92を含み得ており、そして吸気バルブ30の軸線の位置する平面に沿って切断する断面において階段状構造である。ガスガイド壁91は基本的に吸気バルブ30の中軸線に平行するように構成され、当接台92は吸気バルブ30の端部の吸気通路10に近い側の輪郭構造に適応するように構成され、そして吸気バルブ30が吸気通路10を塞ぐ場合、吸気バルブ30は当接台92に当接する。
【0043】
具体的に、遮断構造90は、吸気バルブ30の軸線に垂直する平面に沿って切断してなる断面において、吸気バルブ30の端部の構造に適応する円弧形であり(
図2に示す)、該円弧に対応する中心角(即ち、円弧形の中心と円弧形からなる扇形の角度)βは110°~180°である。例えば、βは110°、120°、150°又は180°であってもよい。
【0044】
より具体的に、本実施例の遮断構造90は、吸気バルブ30が吸気通路10を塞ぐ場合、吸気バルブ30とガスガイド壁91との最小距離がbとされるように構成され、bは0.6~1mmであってもよい。例えば、bは0.6mm、0.8mm又は1mmであってもよい。また、遮断構造90のガスガイド壁91の、吸気バルブ30の軸線方向に沿う高さcは3~5mmであってもよい。例えば、cは3mm、4mm又は5mmであってもよい。
【0045】
本実施例の燃焼システム100は吸気バルブ30の下部に遮断構造90を設計することにより、吸気バルブ30の下部気流を減少し、特に低いリフト(リフトが3~5mmより低い)の場合の吸気バルブ30の下部気流を減少することができ、流れの分離を促進し、大部分の気流を吸気バルブ30の右上部から燃焼室50に入らせ、低リフトタンブル流比を大幅に向上させ、ガソリン・ガスの混合を速め、混合ガスの分布均一程度を高め、燃焼速度を増加する。同時に、本実施例における燃焼システム100は吸気バルブ30の左下部に遮断構造90を設計することにより、吸気バルブ30の下部気流を減少し、気流を排気側に流れるようにガイドし、吸気ストローク初期の逆タンブル流を減少することができ、燃焼室50内での大スケールの正タンブル流の形成に寄与する。
【0046】
1つの具体的な実施例として、吸気通路10の中軸線と水平面との夾角αは15°~20°である(
図1に示す)。例えば、αは15°、16°又は20°であってもよい。本実施例の吸気通路10の設定角度により、本実施例の吸気通路10の入口12は比較的低くなる。高タンブル流の通路内部における大部分の気流は吸気バルブ30の右上部を経由して燃焼室50に入るため、吸気通路10の入口12を低くすると、吸気通路10はより大部分の気流を吸気バルブ30の右上部に流れるようにガイドし、高タンブル流の吸気通路10の流量係数を効果的に高めることができる。
【0047】
本実施例では吸気バルブ30の中心高さを排気バルブ40の中心高さより高くすること、及び吸気通路10の入口12を比較的低く設計することにより、本実施例の燃焼システム100はガスが燃焼室50内に入る時にガスが高タンブル流と高い流量係数の状態にあるように確保する。
【0048】
1つの実施例として、
図4と
図5に示すように、燃焼システム100はピストン80を更に備え得る。ピストン80はエンジンのシリンダー内を往復し、ピストン80の頂面は燃焼室50の底面を構成する。ピストン80のエンジンのシリンダー内での往復により、燃焼室50の容積は対応的に変化する。
【0049】
1つの実施例として、本実施例のピストン80の頂部中央位置には窪み82が更に設置され、該窪み82はピストン80の側壁に近い位置を起点として内に向かって窪み、1つの大きな浅い窪みを形成する。具体的に、窪み82の底部の高さは他の位置の高さより低い。窪み82の底端と頂端との垂直距離dは0.5~1mmであってもよい。例えば、dは0.5mm、0.8mm又は1mmであってもよい。
【0050】
1つの具体的な実施例として、ピストン80の頂端には退避溝81が設置され、退避溝81の位置は吸気バルブ30と排気バルブ40の位置にマッチングする。具体的に、本実施例では1つの吸気通路10、2つの吸気バルブ30、1つの排気通路20、及び2つの排気バルブ40を含む。2つの吸気バルブ30は1つの吸気通路10を共用し、2つの排気バルブ40は1つの排気通路20を共用する。退避溝81の数は吸気バルブ30と排気バルブ40の数の総和と同じである。具体的に、本実施例では、ピストン80の頂部の退避溝81は4つ設計され、そして4つの退避溝81のサイズと位置はそれぞれ対応の吸気バルブ30と排気バルブ40に適応する。
【0051】
本実施例のピストン80の4つの退避溝81及び中心の大きな窪み82の設計により、ガスは吸気通路10の吸気バルブ30の端部の右上方から燃焼室50に入った後、燃焼室50の内壁に沿ってタンブル流を形成し、ピストン80上部の浅い窪み82の設計によれば、該タンブル流のガスがピストン80に流れる時に浅い窪み82に沿って流れることを確保でき、吸気ストロークタンブル流の維持を容易にする。ピストン80が圧縮上死点に到達する時に燃焼室内の比較的強い気流はクラッシュし、比較的強い乱流運動エネルギーを産生し、火炎初期伝播の時のピストン80の頂面との接触によるクエンチングを回避し、燃焼効率を改善する。
【0052】
1つの実施例として、
図2、
図6及び
図7に示すように、燃焼室50内にはスキッシュ構造51が設置される(
図2に示す)。ピストン80の頂部の窪み82の外周にはスキッシュ面83が設置され、スキッシュ構造51とスキッシュ面83は互いにマッチングする。具体的に、燃焼室50内のスキッシュ構造51は燃焼室上部の側壁の位置に位置する。該スキッシュ構造51は階段状スキッシュ構造、又は内に向かって収まる斜面スキッシュ構造に設置される。例えば、
図6において、左は階段状スキッシュ構造511であり、右は斜面スキッシュ構造512である。即ち、燃焼室50の左側には階段状スキッシュ構造511が設置され、右側には斜面スキッシュ構造512が設置される。
図7において、両側はいずれも階段状スキッシュ構造511である。即ち、燃焼室50の前側と後側にはいずれも階段状スキッシュ構造511が設置される。ピストン80上部の浅い窪み82の外周のスキッシュ面83は平面である。該平面と階段状スキッシュ構造511は互いに平行する。本実施例において、燃焼室50内のスキッシュ構造51はガスの流れをシリンダーの中心に押し、ピストン80が上死点に到達する場合、スキッシュ構造51とスキッシュ面83との協働により、ガスのタンブル流をクラッシュさせ、燃焼室50の中央位置に比較的強い乱流強度を形成し、火炎伝播速度を高め、ノッキング傾向を低減する。また、ピストン80周囲のスキッシュ面83と燃焼室50のスキッシュ構造51とのマッチング設計により、シリンダー内のタンブル流の維持に寄与し、比較的高い乱流強度を形成するとともに、火炎初期伝播の時のピストン80の頂面との接触によるクエンチングを回避し、燃焼効率を改善する。
【0053】
1つの具体的な実施例として、本実施例の燃焼システム100のスパークプラグ70と油ノズル60はいずれも吸気バルブ30と排気バルブ40との間に設置される(
図2に示す)。具体的に、2つの吸気バルブ30と2つの排気バルブ40との頂端中心の連結線は長方形を構成する。スパークプラグ70と油ノズル60は長方形の中心線のうちの一方に並んで設置され、且つスパークプラグ70と油ノズル60は長方形の中心線のうちの他方の両側に位置する。
【0054】
本実施例の油ノズル60は中間に配置されることにより、燃焼制御ポリシーはより柔軟になる。実際の使用過程において、複数回の油噴射ポリシーは採用され得ており、スパークプラグ70の中心に比較的濃い混合ガスを形成し、燃焼安定性を向上させる。同時に、発火条件下で、三元触媒の発火を加速する。同時に、油ノズル60とスパークプラグ70との適当な距離を維持することによって、スプレーとスパークプラグ70の電極との接触によりスパークプラグ70の電極に油膜を産生することによるスパークプラグ70におけるカーボンデポジット等の問題を防止することができる。
【0055】
また、スキッシュ構造51とスキッシュ面83との協働により、ガスのタンブル流をクラッシュさせ、燃焼室50の中央位置即ちスパークプラグ70の周囲に比較的強い乱流強度を形成するため、火炎伝播速度を高め、ノッキング傾向を低減することができる。
【0056】
また、本実施例の燃焼システム100の油ノズルは油噴射の時、本実施例の燃焼システム100の構造により、スプレーはピストン80の頂部に空気層を形成し、スプレーとピストンの頂部との接触を減少し、炭素ガス排出リスクを低減し、燃焼効率を向上させる。最終的に、本実施例の燃焼システムによれば、燃焼システムの最高熱効率は2%~3%向上することができる。
【0057】
1つの具体的な実施例として、本実施例では上記の燃焼システム100を備える車両を更に提供する。
【0058】
これまで、当業者が理解するように、本文は本発明の例示的な実施例を詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱せずに、本発明の開示に基づいて本発明の原理に符合する多くの他の変形又は修正を直接に決定又は推断することができる。従って、本発明の範囲はこれらのすべての変形又は修正を含むと認められる。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に用いられる燃焼システムであって、
吸気通路、排気通路、吸気バルブ及び排気バルブを備え、前記吸気バルブの一端は前記吸気通路の一端を通過して前記吸気通路を開放又は閉鎖し、前記排気バルブの一端は前記排気通路を通過して前記排気通路の一端を開放又は閉鎖し、
前記吸気バルブの軸線と前記排気バルブの軸線との夾角は予め設定された角度であり、且つ、
前記吸気バルブが前記吸気通路を閉鎖すると同時に前記排気バルブが前記排気通路を閉鎖する場合、前記吸気バルブの中心位置は前記排気バルブの中心位置より高い、車両に用いられる燃焼システム。
【請求項2】
前記吸気バルブの中心位置と前記排気バルブの中心位置との高さの差は0.5~1mmである、請求項1に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項3】
前記予め設定された角度は35°~50°である、請求項1に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項4】
燃焼室を更に備え、
前記吸気通路と前記排気通路はいずれも前記燃焼室に連通され、
前記吸気バルブの端部は前記吸気通路の出口を通過して前記燃焼室内に延在し、且つ前記燃焼室の内壁は前記吸気通路の出口に近い位置において、前記吸気バルブの端部を部分的に囲む遮断構造に構成される、請求項1に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項5】
前記遮断構造は前記吸気バルブの前記排気バルブから離れる側に位置する、請求項4に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項6】
前記遮断構造はガスガイド壁と当接台を含み、前記吸気バルブの軸線の位置する平面に沿って切断する断面において階段状構造であり、
前記ガスガイド壁は前記吸気バルブの軸線に平行するように構成され、且つ、
前記当接台は前記吸気バルブの端部の前記吸気通路に近い側の輪郭構造に適応するように構成され、そして前記吸気バルブが前記吸気通路を閉鎖する場合、前記吸気バルブは前記当接台に当接する、請求項4に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項7】
前記遮断構造は、前記吸気バルブの軸線に垂直する平面に沿って切断してなる断面において、前記吸気バルブの端部の構造に適応する円弧形であり、前記円弧形に対する中心角は110°~180°である、請求項4に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項8】
前記遮断構造は更に、前記吸気バルブが前記吸気通路を閉鎖する場合、前記吸気バルブと前記ガスガイド壁との最小距離が0.6~1mmであるように構成される、請求項6に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項9】
前記遮断構造の前記ガスガイド壁の、前記吸気バルブの軸線方向に沿う高さは3~5mmである、請求項6に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項10】
前記吸気通路の中軸線と水平面との夾角は15°~20°である、請求項
1に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項11】
ピストンを更に備え、前記ピストンの頂部中央位置には窪みが設置され、前記窪みの底端と頂端との垂直距離は0.5~1mmである、請求項4に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項12】
前記ピストンの頂端には退避溝が設置され、前記退避溝の位置は前記吸気バルブと前記排気バルブの位置にマッチングする、請求項11に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項13】
前記吸気バルブの数は2つであり、1つの前記吸気通路を共用し、
前記排気バルブの数は2つであり、1つの前記排気通路を共用し、
前記退避溝の数は前記吸気バルブと前記排気バルブの数の総和である、請求項12に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項14】
前記燃焼室にはスキッシュ構造が設置され、
前記ピストンの頂部の前記窪みの外周にはスキッシュ面が設置され、
前記スキッシュ構造と前記スキッシュ面は互いにマッチングする、請求項11に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項15】
スパークプラグと油ノズルを更に備え、
前記スパークプラグと前記油ノズルはいずれも前記吸気バルブと前記排気バルブとの間に設置される、請求項13に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項16】
2つの前記吸気バルブと2つの前記排気バルブとの頂端中心の連結線は長方形を構成し、
前記スパークプラグと前記油ノズルは前記長方形の中心線のうちの一方に並んで設置され、且つ前記スパークプラグと前記油ノズルは前記長方形の中心線のうちの他方の両側に位置する、請求項15に記載の車両に用いられる燃焼システム。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の車両に用いられる燃焼システムを備える車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
選択肢として、前記燃焼システムはピストンを更に備え、前記ピストンの頂部中央位置には窪みが設置され、前記窪みの底端と頂端との垂直距離は0.5~1mmである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
選択肢として、前記燃焼システムはスパークプラグと油ノズルを更に備え、前記スパークプラグと前記油ノズルはいずれも前記吸気バルブと前記排気バルブとの間に設置される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
更に、本発明の吸気通路の設定角度により、本発明の吸気通路の入口は比較的低くなる。高タンブル流の吸気通路内部における大部分の気流は吸気バルブの上部を経由して燃焼室に入るため、吸気通路の入口を低くすると、吸気通路は大部分の気流を吸気バルブの上部に流れるようにガイドし、高タンブル流の吸気通路の流量係数を効果的に高めることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
具体的に、本実施例の遮断構造90は吸気バルブ30の端部の排気バルブ40から離れる側に沿う燃焼室50の内壁のみに設置される。具体的に、
図1と
図3に示すように、本実施例の遮断構造90は吸気バルブ30の左下部の位置に位置する。吸気バルブ30の端部の右上部の位置には遮断構造が含まない。遮断構造90の存在により、吸気通路10から燃焼室50に流れるガスの大部分は、
吸気バルブ30の端部の右上部の位置から燃焼室50に流れる。また、吸気バルブ30の中心位置の高さは排気バルブ40の中心位置の高さより高いため、吸気バルブ30の右上方から燃焼室50内に入るガスは燃焼室50の内壁に沿って流れ、乱流をより容易に形成する。
【国際調査報告】