(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】イメージセンサ装置、イメージセンサデバイス、およびイメージセンサ装置を動作させるための方法
(51)【国際特許分類】
H04N 25/70 20230101AFI20240305BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
H04N25/70
H01L27/146 F
H01L27/146 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559709
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2022055271
(87)【国際公開番号】W WO2022200007
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】102021107730.3
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523367130
【氏名又は名称】エーエムエス・センサーズ・ベルギー・ベーフェーベーアー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アディ・シャコニ
(72)【発明者】
【氏名】コーネリウ-ミハイ・トベスク
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
【Fターム(参考)】
4M118AA01
4M118AB01
4M118BA19
4M118CA04
4M118CA22
4M118DD04
4M118GA02
4M118GC20
4M118GD04
4M118HA24
4M118HA25
4M118HA31
4M118HA33
5C024AX01
5C024AX06
5C024GX03
(57)【要約】
イメージセンサ装置(1)は、第1のグループのピクセル(3)を含む第1のセンサ層(2)であって、第1のグループの各ピクセル(3)が、第1の波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオード(14、15、16、17)を含む、第1のセンサ層(2)を備える。イメージセンサ装置(1)は、第2のグループのピクセル(5)を含む第2のセンサ層(4)であって、第2のグループの各ピクセル(5)が、第2の波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオード(13)を含む、第2のセンサ層(4)をさらに備える。イメージセンサ装置(1)は、第1および第2のグループのピクセル(3、5)から電気信号を読み出すように構成された読み出し回路(7)を含む、読み出し層(6)をさらに備える。第2のセンサ層(4)は、第1のセンサ層(2)と読み出し層(6)との間に配置される。第2の波長範囲は、第1のセンサ層(2)によって検知可能な波長範囲の外側である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のグループのピクセル(3)を含む第1のセンサ層(2)であって、前記第1のグループの各ピクセル(3)が、第1の波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオード(14、15、16、17)を含む、第1のセンサ層(2)と、
第2のグループのピクセル(5)を含む第2のセンサ層(4)であって、前記第2のグループの各ピクセル(5)が、第2の波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオード(13)を含む、第2のセンサ層(4)と、
前記第1のグループのピクセル(3)および前記第2のグループのピクセル(5)から電気信号を読み出すように構成された読み出し回路(7)を含む読み出し層(6)であって、前記第2のセンサ層(4)が、前記第1のセンサ層(2)と前記読み出し層(6)との間に配置され、前記第2の波長範囲が、前記第1のセンサ層(2)によって検知可能な波長範囲の外側である、読み出し層(6)と、
前記第1のセンサ層(2)と検知対象の電磁放射源との間に配置されるデュアルバンドフィルタ(11)であって、前記第1の波長範囲の少なくとも一部および前記第2の波長範囲の少なくとも一部とは別の電磁放射を遮蔽するように構成されているデュアルバンドフィルタ(11)と、を備えるイメージセンサ装置(1)。
【請求項2】
前記第1の波長範囲が可視光を含み、前記第2の波長範囲が短波長赤外放射(SWIR)を含む、請求項1に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項3】
前記第1のセンサ層(2)がハイブリッド接合によって前記第2のセンサ層(4)に取り付けられていることによって、前記第1のグループのピクセル(3)と前記第2のグループのピクセル(5)との間に電気相互接続(9)が形成されている、請求項1または2に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項4】
前記第2のセンサ層(4)がハイブリッド接合によって前記読み出し層(6)に取り付けられていることによって、前記第2のグループのピクセル(5)と前記読み出し回路(7)との間に電気相互接続(9)が形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項5】
前記第2のセンサ層(4)を貫通し、前記第1のセンサ層(2)中の前記第1のグループのピクセル(3)を前記読み出し層(6)中の前記読み出し回路(7)に電気的に接続する少なくとも1つの基板貫通ビア(12)をさらに備える請求項1から4のいずれか一項に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項6】
前記第1のセンサ層(2)および/または前記読み出し層(6)が半導体材料特にシリコンを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項7】
前記第2のセンサ層(4)が、ゲルマニウム、ヒ化インジウムガリウム、および量子ドット層のうちの1つ、または前記第2の波長範囲の電磁放射に対するスペクトル応答に好適なバンドギャップを有する任意の他の材料を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項8】
前記第1のグループのピクセル(3)および前記第2のグループのピクセル(5)が、前記読み出し回路(7)によってローリングシャッタモードで読み出されるように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項9】
前記第1のグループのピクセル(3)が、前記読み出し回路(7)によってローリングシャッタモードで読み出されるように構成され、前記第2のグループのピクセル(5)が、前記読み出し回路(7)によって転送ユニット(30)を介してグローバルシャッタモードで読み出されるように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項10】
前記第1のセンサ層(2)が制御回路(24)をさらに含み、前記制御回路(24)が、前記第1のグループの各ピクセル(3)に対する電気信号を制御するように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項11】
前記第1のグループのピクセル(3)の配線が、前記第1のセンサ層(2)の主表面(2’)に配置され、前記主表面(2’)が、前記第2のセンサ層(4)を向き、前記第1のセンサ層(2)の放射入口面とは反対を向いている、請求項1から10のいずれか一項に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項12】
前記第2のグループのピクセル(5)の配線が、前記第2のセンサ層(4)の主表面(4’)に配置され、前記主表面(4’)が、前記第1のセンサ層(2)を向いている、請求項1から11のいずれか一項に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項13】
前記第2のグループのピクセル(5)の配線が、前記第2のセンサ層(4)の主表面(4’)に配置され、前記主表面(4’)が、前記読み出し層(6)を向いている、請求項1から11のいずれか一項に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のイメージセンサ装置(1)と、前記第2のグループのピクセル(5)と同期される光源(44)とを備えるイメージセンサデバイス(43)。
【請求項15】
イメージセンサ装置(1)を動作させるための方法であって、
デュアルバンドフィルタ(11)によって、第1の波長範囲の少なくとも一部および第2の波長範囲の少なくとも一部とは別の電磁放射を遮蔽するステップと、
第1のセンサ層(2)の第1のグループのピクセル(3)を、前記デュアルバンドフィルタ(11)を透過した電磁放射に曝すステップであって、前記第1のグループの各ピクセル(3)が、前記第1の波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオード(14、15、16、17)を含む、ステップと、
前記デュアルバンドフィルタ(11)を透過した前記電磁放射の少なくとも一部を前記第1のセンサ層(2)を通して、第2のセンサ層(4)に透過させるステップであって、該電磁放射の一部が、前記第1のセンサ層(2)によって検知可能な波長範囲の外側の前記第2の波長範囲に相当する、ステップと、
前記第2のセンサ層(4)の第2のグループのピクセル(5)を該電磁放射の一部に曝すステップであって、前記第2のグループの各ピクセル(5)が、前記第2の波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオード(13)を含む、ステップと、
前記フォトダイオード(13、14、15、16、17)によって電磁放射を電気信号に変換するステップと、
前記第1のグループのピクセル(3)および前記第2のグループのピクセル(5)の前記電気信号を、読み出し回路(7)を含む読み出し層(6)に転送するステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサ装置、イメージセンサデバイス、およびイメージセンサ装置を動作させるための方法に関する。イメージセンサ装置は、2つの波長範囲の電磁放射を検知するように構成される。
【背景技術】
【0002】
CMOSイメージセンサは、カメラモジュールおよびスマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ用など、広範な用途で使用される。撮影などのこれらの用途の一部は、可視光ドメインでの感応性に依拠するが、3Dイメージングおよび認証などの他の用途は、イメージセンサが赤外(IR)ドメインで感応的であることを必要とする。例えば、赤外ドメインは、暗い環境で、または少なくとも明るさが限られた状況で使用される。赤外ドメインはまた、通常のRGBイメージを強化するために使用することもできる。赤外放射は、可視波長ドメインが見ることのできないぼやけなどの一定の条件を「透視」することができるため、赤外ドメインは「テクスチャ」を与える。
【0003】
最新のデバイスにおける空間的な制約のため、可視および赤外ドメインの両方で感応性のあるイメージセンサデバイスを提供することが望ましい。この目的のため、イメージセンサ装置は、可視スペクトルの特定部分に感応性のあるピクセルと、赤外スペクトルの特定部分に感応性のあるピクセルとを含む。この接続には、シリコンベースのフォトダイオードが一般的な選択であるが、それは、このようなダイオードは、190nmから1100nmの間に渡る広い波長範囲で感応的であり、したがって可視および近赤外(NIR)ドメインの両方において電磁スペクトルをカバーするからである。
【0004】
可視光情報を受け取るためのピクセルは、イメージシーンの十分な空間分解能を得るために、典型的には二次元配列または行列にしたがって、センサ層に配置される。さらに、各ピクセルは、サブピクセルを含む場合があり、各サブピクセルは、特定の色、例えば、赤、緑、および青(RGB)の光を検知するように構成される。典型的には、サブピクセルは、特定のパターンで、例えばいわゆるベイヤー(Bayer)パターンにしたがって配置される。
【0005】
可視光およびIR光の両方に感応性のあるイメージセンサを実現するための従来型の一手法は、同一の(シリコン)基板にNIR光用の追加的なピクセルを配置することである。そのようなイメージセンサ内でNIR光情報を受け取るための追加的なピクセルを実装することは、典型的には、サブピクセルのうちの1つ、例えば、緑色光を検知するための1サブピクセルを犠牲にすることによって達成される。しかしながら、これにはいくつかの欠点が伴い、可視ドメインにおける特にイメージ認知の低下および/または空間分解能の損失を招く。
【0006】
別の手法が、Takemotoらによって示唆される(Takemotoら、「Multiband Imaging CMOS Image Sensor with Multi-Storied Photodiode Structure」参照)。Takemotoらは、可視RGB光およびNIR光を同時にキャプチャするための2つのフォトダイオードアレイを含む、多層階フォトダイオード構造を伴うマルチバンドのイメージングCMOSイメージセンサを開示している。上部シリコン基板は、可視RGB光用のピクセルアレイを有し、下部シリコン基板は、上部基板を通過するNIR光用のピクセルアレイを有する。2つの基板は、それぞれ配線層を含み、これらは互いに向かい合って接合される。
【0007】
一つの大きな課題は、NIRピクセルは可視光ピクセルの下にあるため、可視光ピクセルがNIR光にも曝されることである。このことは、色の再構築に影響し、その結果、デジタルイメージにおいて、色は振幅オフセットに等価なNIR寄与を受ける。別の欠点は、上側の第1の基板と2つの基板間にある配線層に起因して、第1の基板を通過する光が、遮蔽または散乱効果によって大きく減衰されることである。このことは、NIR光に対する量子効率(QE)が低下することにつながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、達成すべき目的は、上述の欠点を克服するイメージセンサ装置を提供することである。特に、イメージセンサ装置は、少なくとも2つの波長範囲において光を感知することが可能であり、イメージ認知および量子効率の改善をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、独立請求項の主題により実現される。さらなる発展および実施形態は、従属請求項において説明する。
【0010】
改善されるイメージセンサ装置は、2つの波長範囲を使用するという考えに基づいており、第1のセンサ層は、これらの波長範囲のうち一方のみにスペクトル応答的であり、第2のセンサ層は、もう一方の波長範囲にスペクトル応答的である。例えば、第1の波長範囲は、可視光を含む。第2の波長範囲は、(NIR光の代わりに)短波長赤外(SWIR)光を含むことができる。SWIRは、1.4μmから3.0μmまでの波長を含むが、NIRは、780nmから1.4μmまでの波長を含む。専用のSWIRセンサは、可視光センサの下に配置することができる。NIR光とは対照的に、SWIR光は可視光センサのフォトダイオードに影響しない。すなわち、可視光センサは、SWIR光に感応的ではない。一般的な読み出し回路は、第2のセンサ層の下に配置し、適当な方法で両方のセンサ層のピクセルに接続することができる。
【0011】
ここでは、また以降では、ピクセルという用語は、受光素子を指し、ピクセルは、他のピクセルと共に二次元配列として配置することができる。ピクセルはまた、ピクセルへの、およびピクセルからの信号を制御するための回路を含むことがある。ピクセルはまた、特定の波長範囲の光を検知するための個別の波長フィルタを含んでもよい。可視光ピクセルとは、可視波長範囲の光、特に赤、緑、および/または青の波長範囲の光を感知することができるピクセルを指す。IR/SWIRピクセルとは、赤外ドメイン、特に短波長の赤外ドメインの光を感知することができるピクセルを指す。光という用語は、一般には、IR放射、SWIR、および可視光を含む、電磁放射を指すことがある。したがって、緑、青、赤、およびSWIR光とは、個別の波長範囲にある光を指す。
【0012】
ある実施形態では、イメージセンサ装置は、第1のグループのピクセルを含む第1のセンサ層を備え、第1のグループの各ピクセルは、第1の波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオードを含む。イメージセンサ装置は、第2のグループのピクセルを含む第2のセンサ層をさらに備え、第2のグループの各ピクセルは、第2の波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオードを含む。イメージセンサ装置は、第1および第2のグループのピクセルから電気信号を読み出すように構成された読み出し回路を含む、読み出し層をさらに備える。第2のセンサ層は、第1のセンサ層と読み出し層との間に配置される。第2の波長範囲は、第1のセンサ層によって検知可能な波長範囲の外側である。
【0013】
第1のセンサ層は、主延在面を有する。第1のセンサ層は、主表面および後表面を含む。ある実施形態では、第1のグループのピクセルの配線は、第1のセンサ層の主表面に配置することができる。第1のグループのピクセルは、二次元配列またはピクセル行列として配置することができる。第1のグループのピクセルは、横方向に互いに隣り合って配置することができ、横方向は、第1のセンサ層の主延在面に対して平行に延びる。第1のセンサ層は、例えば少なくとも100万個の第1のグループのピクセルを含む。少なくともいくつかの実施形態では、第1の波長範囲は、可視光を含む。第1のグループのピクセルは、可視波長範囲の電磁放射を検知するように構成することができる。
【0014】
代替的に、または追加的に、第1の波長範囲は、NIR光を含む。第1のグループのピクセルは、NIR波長範囲の電磁放射を検知するように構成することができる。これは、第1のセンサ層が、可視光を検知するためのピクセル、およびNIR光を検知するためのさらなるピクセルを含むことを意味することが可能である。これは、第1のセンサ層が、可視およびNIRスペクトルの両方の光を検知することができるピクセルを含むことをさらに意味することが可能である。
【0015】
ある実施形態では、第1のグループの各ピクセルは、同一波長範囲の光を検知する。しかしながら、別の実施形態では、第1のグループのピクセルは、ピクセルの異なるサブセットを含み、各サブセットは、第1の波長範囲内の特定の波長範囲を検知するように構成される。少なくともいくつかの実施形態によると、ピクセルの第1のサブセットは赤(R)の波長範囲の光を検知し、ピクセルの第2のサブセットは緑(G)の波長範囲の光を検知し、第3のサブセットは青(B)の波長範囲の光を検知する。このように、RGBピクセル層を形成することができる。異なるサブセットのピクセルは、特定のパターン、例えばベイヤーパターン(RGGB)にしたがって配置することができる。第1のグループのピクセルのフォトダイオードは、電磁放射を電気信号に変換するように、それぞれ構成される。ピクセルの各フォトダイオードは、それ自身の浮遊拡散ノードおよび/または制御回路の自身の部品を有することができる。
【0016】
各ピクセルは、異なる波長範囲の光を検知するためのいくつかのサブピクセルを含むことも、可能である。各サブピクセルは、対応するフォトダイオードを含むことができる。一実施形態において、各ピクセルは、ベイヤーパターン(RGGB)で配置された4つのサブピクセルを含む。個別のフォトダイオードを有するサブピクセルは、共通の浮遊拡散ノードおよび/または制御回路の共通の部品を共有することができる。
【0017】
ある実施形態では、第1のセンサ層の後表面は、入射電磁放射に向いている。したがって、このような実施形態では、後表面はまた、放射入口面とも呼ばれる。ピクセルの配線が主表面に配置され、センサ層がその後表面から照射される構成は、後方照射(BSI)構成と呼ばれることがある。故に、第1のセンサ層は、BSI構成であることができる。しかしながら、配線が配置された主表面が照射されることも同様に可能である。このような構成は、前面照射(FSI)構成と呼ばれる。
【0018】
第2のセンサ層もまた、主延在面を有する。第2のセンサ層の主面は、第1のセンサ層の主面に平行であることができる。第2のセンサ層もまた、主表面および後表面を含む。垂直方向において、第2のセンサ層は、第1のセンサ層の下に配置される。垂直方向とは、第1および第2のセンサ層の主延在面に対して垂直に延びる方向を指す。これは、第1のセンサ層が、第2のセンサ層と入射電磁放射との間に配置されることを意味することができる。第2のセンサ層の主表面は、第1のセンサ層に向くように、または読み出し層に向くように、配置することができる。
【0019】
ある実施形態では、第2のグループのピクセルの配線は、第2のセンサ層の主表面に配置することができる。第2のグループのピクセルは、二次元配列またはピクセル行列として配置することができる。第2のグループのピクセルは、横方向に互いに隣り合って配置することができる。第2のセンサ層は、例えば少なくとも100万個の第2のグループのピクセルを含む。しかしながら、第2のセンサ層は、100万個よりも少ない第2のグループのピクセル、または第1のセンサ層中の第1のグループのピクセルよりも少ない第2のグループのピクセルを含んでもよい。
【0020】
第2のグループのピクセルは、第2の波長範囲内の同一範囲の電磁放射を検知するように、それぞれ構成することができる。しかしながら、第2のグループのピクセルは、第2の波長範囲内の異なる範囲を検知するように構成することも、可能である。第2のグループのピクセルのフォトダイオードは、第2の波長範囲の電磁放射を電気信号に変換するように、それぞれ構成される。
【0021】
第2の波長範囲は、第1のセンサ層によって検知可能な波長範囲の外側である。これは、第1のセンサ層が、第1の波長範囲において排他的なスペクトル応答性を含むことを意味することができる。第1のセンサ層は、第2の波長範囲において感応性がなくてもよい。これは、第1のセンサ層が、第2の波長範囲においてスペクトル応答性を含まないことを意味することができる。第2の波長範囲の電磁放射は、妨げられることなく第1のセンサ層を通過する。これは、第1のセンサ層が、第2の波長範囲の電磁放射には大き過ぎるバンドギャップを示すセンサ材料を含むことができるからである。材料のバンドギャップを越えて電子を励起するのに十分なエネルギーを持つ光子のみが、有意な光電流を生み出す。第2の波長範囲内の光子エネルギーは、第1のセンサ層によって感知されるには小さ過ぎる場合がある。これは、第2の波長範囲の最小波長が、第1のセンサ層によって検知可能な最大波長よりも大きいことを意味することができる。
【0022】
少なくともいくつかの実施形態によると、第2の波長範囲は、短波長赤外放射を含む。第2のグループのピクセルは、SWIR範囲の電磁放射を検知するように構成することができる。
【0023】
ある実施形態では、第1のセンサ層中の第1のグループのピクセルの数は、第2のセンサ層中の第2のグループのピクセルの数と一致する。これは、第2のグループの各ピクセルが、第1のグループの1つのピクセルに割り振られることを意味することができる。このような実施形態では、2つの対応するアレイの空間分解能は等しい。
【0024】
しかしながら、第1のグループのピクセルの数が第2のグループのピクセルの数を超えることも、またはその逆もまた可能である。例として、第2のグループの各ピクセル(例えば、SWIRピクセル)は、第1のグループの4つのピクセルまたはサブピクセル(例えば、可視光ピクセル)に、それぞれ割り振ることができる。例えば、各SWIRピクセルは、ベイヤーパターン(RGGB)の4つのピクセル/サブピクセルに割り振られる。これは、この例ではSWIRピクセルのピクセル面積が、可視光ピクセルの1つのピクセル面積の4倍大きいことを意味することができる。大きいピクセル面積を用いると、1ピクセル当たり検知することができる光が多くなるため、ピクセルはより感応的になる。
【0025】
同様に、第1のグループの1つのピクセルが、第2のグループの2つ以上のピクセルに割り振られることが可能である。第1のグループのピクセルの数が、第2のグループのピクセルの数に相関しないことがさらに可能であり、それによって異なるグループのピクセル間に割り振りが存在しない。
【0026】
読み出し層もまた、主延在面を有する。読み出し層の主面は、第1のセンサ層の主面に、および第2のセンサ層の主面に、それぞれ平行であることができる。垂直方向において、読み出し層は、第2のセンサ層の下に配置される。これは、第2のセンサ層が、第1のセンサ層と読み出し層との間に配置されることを意味する。読み出し層は、第1のセンサ層に、および第2のセンサ層に、電気的に接続される。電気接続は、任意の適当な手段により確立され得る。
【0027】
読み出し回路の配線は、読み出し層の主表面に配置される。読み出し層は、その主表面が第2のセンサ層に向くように配置することができる。読み出し回路は、第1および第2のグループのピクセルのフォトダイオードによって提供される電気信号を読み出すように構成することができる。読み出し回路は、フォトダイオードの電気信号を与えることができる入力を含むことができる。読み出し回路は、ピクセルを動作させるようにさらに構成することができる。
【0028】
イメージセンサ装置は、2つの別個の波長範囲の光を検知することができ、このことは費用対効果の観点から有益である。例えば、イメージセンサ装置は、可視光およびSWIRを同時に検知することができる。他のマルチスペクトルセンサ(例えば、RGB+NIR)と比較すると、イメージ品質とのトレードオフが存在しない。第2のグループのピクセルは第1のアレイに統合されておらず、第1のアレイ下の別個の第2のアレイ中にあるため、第1のグループのピクセルを第1のアレイから除去する必要はない。これは、第1のアレイおよび第2のアレイの両方の空間分解能を高くできることを意味している。第1のセンサ層中の第1のグループのピクセル(例えば、シリコンベースの可視光ピクセル)の量子効率(QE)は、第2の波長範囲(例えば、SWIRドメイン)では0%である。これは、SWIR光が可視範囲において色シフトに寄与しないことを意味する。有利なことに、SWIR成分を可視スペクトルからフィルタリングする色補正は必要がない。高いイメージ認知を維持することが可能である。
【0029】
ある実施形態では、イメージセンサ装置は、第1のグループのピクセルを含む第1のセンサ層を備え、第1のグループの各ピクセルは、可視波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオードを含む。イメージセンサ装置は、第2のグループのピクセルを含む第2のセンサ層をさらに備え、第2のグループの各ピクセルは、短波長赤外範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオードを含む。イメージセンサ装置は、第1および第2のグループのピクセルから電気信号を読み出すように構成された読み出し回路を含む、読み出し層をさらに備える。第2のセンサ層は、第1のセンサ層と読み出し層との間に配置される。
【0030】
イメージセンサ装置の一実施形態では、第1のセンサ層は、第2のセンサ層に取り付けられる。本開示の一態様によると、第1のセンサ層は、電気接点によって第2のセンサ層に取り付けられる。電気接点は、第1のセンサ層と第2のセンサ層との間に形成することができる。故に、第1のグループのピクセルは、第2のグループのピクセルに電気的に接続することができる。これは、第1のグループの個々のピクセルの配線が、電気接点によって、第2のグループの個々のピクセルの配線に電気的に接続されることを意味することができる。電気接点は、金属バンプを含むことができる。例えば、電気接点は、ハイブリッド接合によって形成される。
【0031】
イメージセンサ装置の一実施形態では、第1のセンサ層は、ハイブリッド接合によって第2のセンサ層に取り付けられる。電気相互接続は、第1のグループのピクセルと第2のグループのピクセルとの間に形成される。
【0032】
ハイブリッド接合とは、2つの層間に恒久的な接合が確立され、誘電接合を埋め込まれた金属と組み合わせて電気相互接続を形成する、任意の接合技法を指す。例えば、ハイブリッド接合は、接着剤を用いて確立することができる。接着剤には金属バンプが埋め込まれ、第1のセンサ層を第2のセンサ層に電気的に接続することができる。
【0033】
別の例として、誘電接合は、第1のセンサ層と第2のセンサ層のそれぞれが、互いに向かい合う個々の酸化物層を含む、酸化物界面によって確立され得る。2つの酸化物層を互いに接合することは、直接接合、または融合接合プロセスの途中で行われてもよい。個々の酸化物層と並行して、銅製パッドを加工することができる。この事例では、電気的接触は、アニーリング中に金属拡散接合を介して実現され得る。
【0034】
通常、第1のセンサ層および第2のセンサ層は、フォトダイオードおよび場合によっては何らかの回路が配置される基板を含む。酸化物層は、基板の上部に配置されてもよく、配線は酸化物層に埋め込まれ、フォトダイオードと回路を電気的に接続する。第1のセンサ層および第2のセンサ層は、直接接合プロセスのために個々の酸化物層が互いを向くように配置されてもよい。酸化物層中の配線は、第1のグループのピクセルを第2のグループのピクセルに電気的に接続するために利用することができる。
【0035】
恒久的な接合を用いて、第1のセンサ層と第2のセンサ層は、互いと位置合わせすることができる。動く部品は存在しない。第1のグループのピクセルと第2のグループのピクセルとの電気相互接続は、ピクセルが共通の読み出し経路を共有できるようにするために使用され得る。読み出し経路は、カラムバスであることができる。電気信号は、順次読み出し回路に伝送することができる。この構成は、特に、両方のグループのピクセルがローリングシャッタモードで動作する場合に関係がある。この事例では、読み出し回路は消費する空間が少ない。
【0036】
イメージセンサ装置の一実施形態では、第2のセンサ層は、読み出し層に取り付けられる。本開示の一態様によると、第2のセンサ層は電気接点によって読み出し層に取り付けられる。電気接点は、第2のセンサ層と読み出し層との間に形成することができる。故に、第2のグループのピクセルは、読み出し回路に電気的に接続することができる。これは、第2のグループの個々のピクセルの配線が、電気接点によって、読み出し回路の配線に電気的に接続されることを意味することができる。電気接点は、金属バンプを含むことができる。例えば、電気接点は、ハイブリッド接合によって形成される。
【0037】
イメージセンサ装置の一実施形態では、第2のセンサ層は、ハイブリッド接合によって読み出し層に取り付けられ、それによって第2のグループのピクセルと読み出し回路との間に電気相互接続が形成される。
【0038】
上述のように、ハイブリッド接合とは、2つの層間に恒久的な接合が確立され、誘電接合を埋め込まれた金属と組み合わせて電気相互接続を形成する、任意の接合技法を指す。上述の例もまた、この実施形態に当てはまる。
【0039】
通常、読み出し層もまた、読み出し回路が配置された基板を含む。酸化物層は、基板の上部に配置されてもよく、配線は酸化物層に埋め込まれて、読み出し回路の異なる部分を電気的に接続する。第2のセンサ層および読み出し層は、直接接合プロセスのために個々の酸化物層が互いを向くように配置されてもよい。酸化物層中の配線は、第2のグループのピクセルを読み出し層の部分に電気的に接続するために利用することができる。
【0040】
恒久的な接合を用いて、第2のセンサ層を、読み出し層に位置合わせすることができる。動く部品は存在しない。第2のグループのピクセルと読み出し回路との電気相互接続により、第1のグループのピクセル用の読み出し経路とは別の別個の読み出し経路が可能となる。この構成は、特に、第1のグループのピクセルがローリングシャッタモードで動作し、第2のグループのピクセルがグローバルシャッタモードで動作する場合に関係がある。この事例では、グローバルシャッタは、第2のグループのピクセルのために使用され得、グローバルシャッタモードでは照明時間が短いため、低電力消費につながる。
【0041】
第2のグループのピクセルが別個の読み出し経路を介して読み出し回路に接続されれば、第1のグループのピクセルへの電気相互接続は、もはや必要ない。これは、第1のグループのピクセルと第2のグループのピクセルとの間で、少なくとも一部の金属層/金属バンプが必要ないことを意味する。金属層は、電磁放射を遮蔽、散乱、および/または反射する。したがって、これらの実施形態は、入射光の大部分が金属層によって影響されることなく第2のセンサ層に到達するため、高い量子効率を有する。
【0042】
ある実施形態では、イメージセンサ装置は、少なくとも1つの基板貫通ビア(TSV)をさらに含む。少なくとも1つの基板貫通ビアは、第2のセンサ層を貫通し、第1のセンサ層中の第1のグループのピクセルを読み出し層中の読み出し回路に電気的に接続する。
【0043】
TSVは、第2のセンサ層を完全に貫通する。これは、TSVが、第2のセンサ層の主表面から後表面に達することを意味する。TSVは、貫通孔によって第2のセンサ層中に形成することができる。加えて、TSVは、第1のセンサ層も完全に貫通することができる。故に、貫通孔はまた、第1のセンサ層にも存在し得る。この事例では、TSVは、第1のセンサ層の放射入口面から、第2のセンサ層の後表面に達する。後者の手法は、製造エンジニアリングの観点から有益な場合がある。
【0044】
TSVは、第1のセンサ層の配線を読み出し層の配線に電気的に接続する金属被覆を含むことができる。TSVは、金属被覆を第2のセンサ層から、また任意選択で第1のセンサ層から隔離する隔離層をさらに含む場合がある。この目的のために、隔離層は、貫通孔の側壁に配置される。金属被覆は、隔離層に配置されて、第2のセンサ層および/または第1のセンサ層の主表面および後表面に接触エリアを形成することができる。残りの貫通孔は、充填材料で埋めてもよい。あるいは、金属被覆が、完全に残りの貫通孔を埋めてもよい。
【0045】
TSVは、第1のグループのピクセルの電気信号を読み出すための読み出し経路を設ける。いくつかの実施形態では、第2のグループのピクセルからの電気信号もまた、TSVを介して読み出される。電気信号は、TSVを介して順次、つまり1つずつ読み出すことができる。そのため、TSVは、ローリングシャッタモードでピクセルを動作させるための読み出し経路を特徴付ける。TSVは、1つのピクセルのみに電気的に接続することができる。TSVは、2つ以上のピクセルに電気的に接続することも可能である。イメージセンサ装置は、複数のTSVを含むことができ、各TSVは、1つまたは複数のピクセルに電気的に接続される。例えば、各TSVは、ピクセルのアレイのうちの1行のピクセルに電気的に接続される。TSVにより、ワイヤ接合の必要がなく、イメージセンサ装置のフロア空間を小さくすることができる。その上、第1のセンサ層および第2のセンサ層は、1つの共通の読み出し層を共有することができる。
【0046】
ある実施形態では、イメージセンサ装置は、第1のセンサ層と検知対象の電磁放射源との間に配置された、デュアルバンドフィルタをさらに含む。デュアルバンドフィルタは、第1の波長範囲の少なくとも一部および第2の波長範囲の少なくとも一部とは別の電磁放射を遮蔽するように構成される。
【0047】
垂直方向において、デュアルバンドフィルタは、第1のセンサ層に、または第1のセンサ層の上に配置され、それによって、第1のセンサ層はデュアルバンドフィルタと第2のセンサ層との間に配置される。例えば、デュアルバンドフィルタは、有機材料を含む。デュアルバンドフィルタはまた、誘電性の干渉フィルタであり得る。デュアルバンドフィルタは、第1のセンサ層に直接取り付けられてもよいし、第1のセンサ層から所定の距離に配置されてもよい。
【0048】
デュアルバンドフィルタは、入射する電磁放射のスペクトルの特定の部分に対する感応性を調節するために用意される。デュアルバンドフィルタは、第1の波長範囲の少なくとも一部に対して、および第2の波長範囲の少なくとも一部に対して透過性である。ここでは、また以降では、「透過性」または「半透過性」は、少なくとも80%または少なくとも90%の透明性を指す。これは、デュアルバンドフィルタが第1および第2の波長範囲の電磁放射を、第1のセンサ層および第2のセンサ層に向けて透過させることを意味する。デュアルバンドフィルタは、他の波長の電磁放射を遮蔽する。第1の波長範囲と第2の波長範囲とは、別の波長範囲によって互いに別個であることができる。例えば、デュアルバンドフィルタは、可視光に対して、特に赤、緑、および青の波長範囲に対して透過性である。その上、デュアルバンドフィルタは、短波長赤外範囲の少なくとも一部に対して透過性であってもよい。例えば、デュアルバンドフィルタは、およそ1.4μm、1.5μm、および/または1.6μmの帯域で透過性である。SWIR光用のデュアルバンドフィルタのウインドウは、小さくてもよい。例えば、SWIRドメインにおけるデュアルバンドフィルタの帯域幅は、±5nm、±10nm、または±50nmである。これとは対照的に、デュアルバンドフィルタは、NIRドメイン、すなわち780nmから1.4μmまでの波長に対しては不透明であってもよい。
【0049】
第1のセンサ層がシリコンをベースにしている場合、フォトダイオードはNIR光に対して感応的である。デジタルイメージの色再構築を劣化させるNIR光の寄与は、デュアルバンドフィルタによって著しく低下する。専用のNIRフィルタは、必要ない。その上、すべての他の望ましくない波長を、スペクトルから除去することができる。一方で、シリコンで実装されるRGBピクセル(可視光ピクセル)のQEは、SWIR光に対して0%である。したがって、可視スペクトルにおいて開きがあり、またSWIRスペクトルにおいて小さな開きのあるデュアルバンドフィルタは、RGBピクセルの性能にマイナスの影響を及ぼさない。
【0050】
ある実施形態では、デュアルバンドフィルタの代わりに、イメージセンサ装置は、第1のセンサ層と検知対象の電磁放射源との間に配置された、バンドストップフィルタを含むことができる。バンドストップフィルタは、第1の波長範囲と第2の波長範囲との間の電磁放射を遮蔽するように構成することができる。これは、バンドストップフィルタが、第1の波長範囲の端部から第2の波長範囲までの電磁放射の部分を除去するように構成されることを意味することができる。バンドストップフィルタは、これらの中間の波長では不透明であることができる。そのため、望ましくない波長を、検知対象の光学スペクトルから除去することができる。第1の波長範囲は可視範囲であることができ、第2の波長範囲はSWIR範囲であることができる。この事例では、NIR光がスペクトルから除去される。
【0051】
ある実施形態では、イメージセンサ装置は、第1のセンサ層と検知対象の電磁放射源との間に配置された、レンズまたはレンズのアレイをさらに含む。レンズまたはレンズのアレイは、入射光を第1のセンサ層および第2のセンサ層に向けて導くように構成される。レンズまたはレンズのアレイは、第1のセンサ層と第2のセンサ層との間の金属層(例えば、ピクセル配線またはハイブリッド接合界面で構成される金属層)の開口を通って光を導くために使用することができる。レンズは、マイクロレンズであることができ、レンズのアレイは、マイクロレンズのアレイであることができる。
【0052】
ある実施形態では、第1のセンサ層は、半導体材料、特にシリコンを含む。ある実施形態では、読み出し層は、半導体材料、特にシリコンを含む。
【0053】
半導体材料は、多くの利用可能な方法があるため理想的に加工することができる。上述のように、シリコンベースのフォトダイオードが一般的な選択であるが、これらのダイオードは、190nmから1100nmの間の広い波長範囲に渡って感応性があるため、可視ドメインにおける電磁スペクトルの関連部分をカバーする。加えて、シリコンの広いバンドギャップのために、シリコンベースのフォトダイオードは、ゲルマニウムベースのフォトダイオードなど他のフォトダイオードと比較して、優れたノイズパフォーマンスを示す。シリコンの電気的性質および光学的性質は、フォトダイオードの実現に適しているだけではなく、回路部品にも適している。
【0054】
ある実施形態では、第2のセンサ層は、ゲルマニウム、ヒ化インジウムガリウム、および量子ドット層のうちの1つ、または第2の波長範囲の電磁放射に対するスペクトル応答に好適なバンドギャップを有する任意の他の材料を含む。
【0055】
シリコンフォトダイオードは、SWIR光には感応的ではない。そのため、SWIR光を検知するためのセンサは、他の材料を含む必要がある。ガリウムをベースとするフォトダイオードは、400nmから1700nmまでの波長範囲をカバーするが、ヒ化インジウムガリウムをベースとするフォトダイオードは、800nmから2600nmまでの波長範囲をカバーする。したがって、このようなフォトダイオードは、SWIR波長範囲の少なくとも一部をカバーする。量子ドット層をベースとするフォトダイオードは、所望の波長範囲を検知できるように設計することができる。一般に、好適なバンドギャップを有し、使用される他の材料と親和性のある、任意の材料を使用することができる。回路の主要部分は読み出し層に位置するため、第2のセンサ層は、フォトダイオードのみを含めばよく、したがって良好な電気的挙動のために設計する必要はない。
【0056】
ある実施形態では、第1のグループのピクセルおよび第2のグループのピクセルは、読み出し回路によってローリングシャッタモードで読み出されるように構成される。
【0057】
イメージは、感光性領域で光を電子信号に変換することによって取得される。光の強度および露光時間または積算時間の両方が、生成される信号の量に影響する。CMOSイメージセンサでは、ローリングシャッタとグローバルシャッタという、2種類の電子シャッタモードがある。ローリングシャッタモードでは、ピクセル行は、リセット信号に制御されて順次露光され、例えば上の行で開始し、下の行に進む。照射の間、ピクセルは、順次露光されて、1行ずつ読み出され、それによって、読み出しプロセスは反復的に、ローリングパターンで行われる。
【0058】
これは、第1および第2のグループの両方のピクセルが、すべての読み出しプロセスの間、照射されることを意味する。ローリングシャッタモードによって、イメージセンサの高分解能が可能となる。したがって、イメージセンサ装置の精度も高まる。その上、ローリングシャッタモードのために構成される読み出し回路は、グローバルシャッタモードのために構成される読み出し回路と比較して、あまり空間を必要としない。
【0059】
ある実施形態では、第1のグループのピクセルは、読み出し回路によってローリングシャッタモードで読み出されるように構成される。第2のグループのピクセルは、読み出し回路によって転送ユニットを介してグローバルシャッタモードで読み出されるように構成される。
【0060】
転送ユニットは、読み出し回路の一部として理解することができる。転送ユニットは、読み出し層において読み出し回路の隣に配置することができる。転送ユニットおよび読み出し回路は、同一の基板内に統合することができる。例えば、転送ユニットは、垂直方向において第2のグループのピクセルのアレイの下に配置することができる。読み出し回路は、読み出し層の周囲に配置することができる。例えば、読み出し回路は、アナログ-デジタル変換器、出力インターフェースなどを含む。転送ユニットは、光誘導電荷キャリアを貯めるための蓄積キャパシタを含むことができる。転送ユニットは、転送ユニットへの、および転送ユニットからの電気信号を制御するためのスイッチおよび/またはトランジスタをさらに含んでもよい。
【0061】
グローバルシャッタモードでは、ピクセル行列のピクセルすべてを、同一時間露光する。電磁放射を用いた照射の後、ピクセルは1つずつ読み出される。必要とされる照射時間は、ローリングシャッタモードに必要とされる照射時間よりも、かなり短い。照射時間が短いことにより、少ない電力消費につなげることができる。その上、イメージセンサ装置がユーザによって操作される電子デバイスで構成され、専用の光源から赤外光が生ずる場合、赤外放射による照射、特にSWIR放射による照射は、ユーザの目を傷めないように十分短く保たれるべきである。
【0062】
ある実施形態では、第1のセンサ層は制御回路をさらに含み、制御回路は、第1のグループの各ピクセルへ/からの電気信号を制御するように構成される。
【0063】
これは、第1のセンサ層が、フォトダイオードとは別に、回路部分も含むことを意味する。特に、第1のセンサ層中の各ピクセルは、個々のピクセルへの、および個々のピクセルからの電気信号を制御するためのトランジスタを含むことができる。
【0064】
いくつかの実施形態によると、各ピクセルは、選択信号を受け取るように構成された選択トランジスタを含み、それによって、読み出し時に個々の行のピクセルをアドレス指定することができる。
【0065】
いくつかの実施形態によると、各ピクセルは、転送信号を受け取るように構成された少なくとも1つの転送トランジスタを含み、それによって、フォトダイオードによって生成された電荷キャリアは個々のピクセルの浮遊拡散ノードに転送される。
【0066】
いくつかの実施形態によると、各ピクセルは、リセット信号を受け取るように構成されたリセットトランジスタを含み、それによって、浮遊拡散ノードはピクセル供給電圧にリセットされ、また余分な電荷キャリアは除去される。
【0067】
いくつかの実施形態によると、各ピクセルは、浮遊拡散ノードにおいて光誘導電荷キャリアを増幅するために、ソースフォロワを含む。
【0068】
いくつかの実施形態によると、ピクセルは、さらなる転送トランジスタを含むことができる。さらなる転送トランジスタは、さらなる転送信号を受け取るように構成されてもよく、それによって、第1のグループの個々のピクセルに電気的に接続された第2のグループのピクセルによって生成された電荷キャリアは浮遊拡散ノードに転送される。
【0069】
制御回路によって、各ピクセルまたは各サブピクセルはそれぞれ、個別に制御することができる。これは、各ピクセル/サブピクセルが、読み出し回路によって読み出されるように制御可能であることを意味することができる。制御回路は、ピクセル内に組み込むことができるように小さくすることができる。そのため、ピクセルピッチを小さく保つことができ、感光性領域が、各ピクセルの主要部分をカバーする。
【0070】
ある実施形態では、第1のグループのピクセルの配線は、第1のセンサ層の主表面に配置され、主表面は、第2のセンサ層を向き、第1のセンサ層の放射入口面とは反対を向いている。
【0071】
これは、第1のセンサ層の後表面が、入射電磁放射を向いていることを意味することができる。故に、イメージセンサ装置は、BSI構成をとることができる。上述のように、第1のセンサ層の主表面には、配線が埋め込まれる酸化物層を配置することができる。BSI構成により、配線は感光性ピクセルの下に配置され、それによって、入射光は配線によって遮蔽または散乱されず、妨げられることなくフォトダイオードを有するピクセルに到達することができる。故に、イメージセンサ装置は高いQEを有する。
【0072】
ある実施形態では、第2のグループのピクセルの配線は、第2のセンサ層の主表面に配置され、主表面は、第1のセンサ層を向いている。
【0073】
これは、第1のセンサ層および第2のセンサ層が、互いに向かい合って、すなわち主表面-主表面で、(ハイブリッド接合によって)取り付けることができることを意味することができる。上述のように、第1のセンサ層および第2のセンサ層は、フォトダイオードが配置される基板を含むことができる。配線は、それぞれの基板の上部に配置される酸化物層に埋め込まれる。第1のセンサ層および第2のセンサ層は、個々の酸化物層が直接接合プロセスのために互いを向くように配置され得る。酸化物層中の配線は、第1のグループのピクセルを第2のグループのピクセルに電気的に接続するために利用することができる。この構成は、両方のグループのピクセルがローリングシャッタモードで動作させられ、それによってピクセルが同一読み出し経路を共有することができる場合に有利である。この事例では、読み出し回路は消費する空間が少ない。
【0074】
ある実施形態では、第2のグループのピクセルの配線は、第2のセンサ層の主表面に配置され、主表面は、読み出し層を向いている。
【0075】
これは、第2のセンサ層および読み出し層が、互いに向かい合って、すなわち主表面-主表面で、(ハイブリッド接合によって)取り付けることができることを意味することができる。上述のように、第2のセンサ層および読み出し層は、フォトダイオードが、またはそれぞれ読み出し回路が配置される基板を含むことができる。配線は、それぞれの基板の上部に配置される酸化物層に埋め込まれる。読み出し層および第2のセンサ層は、個々の酸化物層が直接接合プロセスのために互いを向くように配置され得る。酸化物層中の配線は、第2のグループのピクセルを読み出し層の部分と電気的に接続するために利用することができる。
【0076】
この構成は、第2のグループのピクセルがグローバルシャッタモードで動作させられ、それによって第2のグループのピクセルが別個の読み出し経路を必要とする場合に有利である。この事例では、第2のグループのピクセルの照射時間を短く保つことができる。その上、第1と第2のセンサ層との間にハイブリッド接合界面を必要としない。このことにより、界面における配線および金属層に起因する、入射光への遮蔽および/または散乱の影響が少なくなる。
【0077】
さらには、イメージセンサ装置を備えるイメージセンサデバイスが提供される。これは、イメージセンサ装置に関して開示されるすべての特徴がまた、イメージセンサデバイスに関しても開示され、適用可能であり、またその逆もあることを意味する。
【0078】
イメージセンサデバイスの少なくとも1つの実施形態によると、イメージセンサデバイスは、第2のグループのピクセルと同期される光源をさらに備える。これは、第2のグループのピクセルが動作させられて電磁放射を検知するときに、光源が電磁放射を発するように構成されることを意味することができる。例えば、光源は、短波長赤外範囲で光を発するSWIR光源である。例えば、SWIR光源は、およそ1400nm、1500nm、または1600nmの狭い帯域で光を発する。例えば、発せられる光の帯域幅は、±5nm、±10nm、または±50nmである。光源によって発せられる波長は、デュアルバンドフィルタの透過性と一致していてもよい。光源は、物体を照射することができ、物体では発せられた光線の一部が反射される。反射した光線は、第2のセンサ層によって検知することができる。
【0079】
ある実施形態では、イメージセンサは、光源および第2のグループのピクセルを同時に制御するように構成された制御ユニットをさらに含むことができる。この方法では、光源と第2のグループのピクセルの動作は、同期される。光源の動作を第2のグループのピクセルと同期することによって、照射の持続時間を最小化することが可能である。故に、光源の電力消費が低減される。
【0080】
そのようなイメージセンサは、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ、またはカメラモジュールなどの電子デバイスにおいて、便利に利用することができる。例えば、カメラモジュールは、写真および/または動画キャプチャ用に可視ドメインにおいて、ならびに3Dイメージングおよび/または認証目的で赤外ドメインにおいて動作するように構成される。その上、赤外感応性を有するイメージセンサは、動画フィードが必要とされる暗い環境で使用することができる。このような用途は、携帯電話の顔認証によるロック解除から、運転手監視システムに至る。両方とも、SWIRスペクトルにおける照射装置を配備することができ、それによって、電話ユーザ/運転手は、自身を照射する光によって目が眩むことがない。
【0081】
さらには、イメージセンサ装置を動作させるための方法が提供される。イメージセンサ装置は、好ましくは本明細書において説明されるイメージセンサ装置を動作させるための方法のために採用され得る。これは、イメージセンサ装置およびイメージセンサデバイスに関して開示されるすべての特徴がまた、イメージセンサ装置を動作させるための方法に関しても開示され、またその逆もあることを意味する。
【0082】
イメージセンサ装置を動作させるための方法の少なくとも1つの実施形態によると、方法は、第1のセンサ層の第1のグループのピクセルを、電磁放射に曝すことを含み、第1のグループの各ピクセルは、第1の波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオードを含む。
【0083】
方法は、電磁放射の少なくとも一部を、第1のセンサ層を通して、第2のセンサ層に透過させることをさらに含む。電磁放射のこの部分は、第1のセンサ層によって検知可能な波長範囲の外側である、第2の波長範囲に相当する。例えば、電磁放射の透過される部分は、SWIRドメインの光を、少なくとも含む。SWIR光の透過は、第1のセンサ層のセンサ材料と相互作用しないか、またはほとんど相互作用しないSWIR光によって実現可能である。
【0084】
方法は、第2のセンサ層の第2のグループのピクセルを電磁放射の部分に曝すことをさらに含み、第2のグループの各ピクセルは、第2の波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオードを含む。
【0085】
第2の波長範囲の電磁放射は、光源によって与えることができる。光源は、第2のグループのピクセルの動作と同期することができる。これは、例えば、フォトダイオードが動作して電磁放射を検知している間のみ、光源が動作させられ、光を発することを意味する。光源から発せられる光は、物体によって反射され、第1のセンサ層によって透過され、第2のセンサ層によって受け取られる。光源は、SWIR光源であることができる。
【0086】
方法は、フォトダイオードによって電磁放射を電気信号に変換することをさらに含む。フォトダイオードのそれぞれは、動作中、電磁放射を電気信号に変換する。
【0087】
方法は、第1および第2のグループのピクセルの電気信号を、読み出し回路を含む読み出し層に転送することをさらに含む。ピクセルの電気信号は、次々に読み出し回路に転送することができる。第1のグループのピクセルの電気信号は、第2のグループのピクセルの電気信号と同一の読み出し経路を介して、読み出し回路に転送することができる。代替的に、第1のグループのピクセルの電気信号は、第2のグループのピクセルの電気信号に使用される読み出し経路とは異なる別個の読み出し経路を介して、読み出し回路に転送することができる。読み出し経路は、基板貫通ビアおよび/またはハイブリッド接合界面を用いて設けることができる。
【0088】
方法のさらなる実施形態は、当業者にとっては上述のイメージセンサ装置の実施形態から、明らかとなろう。
【0089】
図面の以下の説明は、改善されたイメージセンサ装置およびそれを動作させる方法の態様を、さらに図示および説明することができる。機能的に同一であるか、または同一の効果を有するイメージセンサ装置の部品および部分は、同一の符号によって表される。同一の、または実質的に同一の部品および部分は、最初に出現する図面に関してのみ説明することがある。それらの記述は、後続の図面では必ずしも繰り返されない。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【
図1】イメージセンサ装置の例示の実施形態の図である。
【
図2】イメージセンサ装置の別の例示の実施形態の図である。
【
図3】イメージセンサ装置の一実施形態による、概略図である。
【
図4】イメージセンサ装置の一実施形態による、別の概略図である。
【
図5】イメージセンサ装置を含むイメージセンサデバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
図1は、イメージセンサ装置1の例示の実施形態を示す。イメージセンサ装置1は、第1のグループのピクセル3を含む第1のセンサ層2を含み、第1のグループの各ピクセル3は、第1の波長範囲の電磁放射(イメージセンサデバイスの上の矢印で示される)を検知するように構成されたフォトダイオード(図示せず)を含む。イメージセンサ装置1は、第2のグループのピクセル5を含む第2のセンサ層4をさらに含み、第2のグループの各ピクセル5は、第2の波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオード(図示せず)を含む。イメージセンサ装置1は、第1および第2のグループのピクセル3、5から電気信号を読み出すように構成された読み出し回路7を含む、読み出し層6をさらに含む。第2のセンサ層4は、第1のセンサ層2と読み出し層6との間に配置される。第2の波長範囲は、第1のセンサ層2によって検知可能な波長範囲の外側である。
【0092】
第1のセンサ層2、第2のセンサ層4、および読み出し層6は、それぞれ主延在面を有する。
図1に示すように、主延在面は、互いに平行であることができる。主延在面は、横方向x、yに延在することができる。主延在面に対して垂直に延びる方向を指す垂直方向zにおいて、第1のセンサ層2、第2のセンサ層4、および読み出し層6は、互いの上部に配置されて積層体を形成する。第2のセンサ層4は、読み出し層6の上部に配置される。第1のセンサ層2は、第2のセンサ層4の上部に配置される。第1のセンサ層2は、第2のセンサ層4と入射電磁放射との間に配置される。
【0093】
第1のセンサ層2は、主表面2’および後表面2”を含む。第1のグループのピクセルの配線(図示せず)は、第1のセンサ層2の主表面2’に配置することができる。
図1に示される実施形態では、第1のセンサ層2は、その後表面2”が電磁放射源を向くように配置される。第1のセンサ層2の主表面2’は、第2のセンサ層4を向く。しかしながら、他の実施形態(図示せず)では、第1のセンサ層2は、他のやり方で配置されてもよい。
【0094】
第2のセンサ層4は、主表面4’および後表面4”を含む。第2のグループのピクセル5の配線は、第2のセンサ層4の主表面4’に配置することができる。
図1に示される実施形態では、第2のセンサ層4は、その後表面4”が読み出し層6を向くように配置される。第2のセンサ層4の主表面4’は、第1のセンサ層2を向く。しかしながら、(例えば、
図2で示される)他の実施形態では、第2のセンサ層4は、他のやり方で配置されてもよい。
【0095】
読み出し層6は、主表面6’および後表面6”を含む。読み出し回路7の配線は、読み出し層6の主表面6’に配置され得る。
図1に示される実施形態では、読み出し層6は、その主表面6’が第2のセンサ層4を向くように配置される。
【0096】
図1は、ハイブリッド接合界面8をさらに示す。ハイブリッド接合界面8を用いて、第1のセンサ層2は、第2のセンサ層4に取り付けられる。例えば、ハイブリッド接合は、接着剤を用いて確立することができる。別の例では、接合は、酸化物層界面との、直接接合、または融合接合プロセスの途中で行うことができる。
【0097】
ハイブリッド接合界面8は、電気相互接続9を含み、それによって、第1のグループのピクセル3と第2のグループのピクセル5を、互いに電気的に接続することができる。例えば、電気相互接続9は、接着剤に埋め込まれた金属バンプ(例えば、はんだバンプ)である。電気相互接続9はまた、個々の誘電性の接合層、例えば酸化物層と平行に加工された金属パッドであってもよい。この事例では、電気的接触は、アニーリング中に金属拡散接合を介して実現され得る。
【0098】
接合界面の実装は、提案した例に限定されない。一般に、2つの層間に恒久的な接合が確立され、誘電接合を埋め込まれた金属と組み合わせて電気相互接続9を形成する、任意の接合技法を使用することができる。
【0099】
図1は、光学素子10をさらに示す。光学素子10は、デュアルバンドフィルタ11を含むことができる。デュアルバンドフィルタ11は、第1のセンサ層と検知対象の入射電磁放射との間に配置される。これは、垂直方向zにおいて、デュアルバンドフィルタ11が、第1のセンサ層2に、または第1のセンサ層2の上に配置され、それによって、第1のセンサ層2がデュアルバンドフィルタ11と第2のセンサ層4との間に配置されることを意味する。デュアルバンドフィルタ11は、第1のセンサ層2に直接取り付けられてもよいし、
図1に示すように、第1のセンサ層2から所定の距離に配置されてもよい。デュアルバンドフィルタ11は、第1の波長範囲の少なくとも一部(例えば、可視光)および第2の波長範囲の少なくとも一部(例えば、SWIR光)とは別の電磁放射を遮蔽するように構成される。
【0100】
代わりに、または加えて、光学素子10は、レンズまたはレンズのアレイを含む。レンズまたはレンズのアレイは、入射光を第1のセンサ層2および第2のセンサ層4に向けて導くように構成される。レンズまたはレンズのアレイは、第1のセンサ層2と第2のセンサ層4との間の金属層(例えば、ピクセル配線またはハイブリッド接合界面8で構成される構成される金属層)の開口を通って光を導くために使用することができる。レンズは、マイクロレンズであることができ、レンズのアレイは、マイクロレンズのアレイであることができる。
【0101】
図1は、2つの基板貫通ビア12(TSV)をさらに示す。TSV12は、第2のセンサ層4を貫通し、第1のセンサ層2中の第1のグループのピクセル3を読み出し層6中の読み出し回路7に電気的に接続する。各TSV12は、第2のセンサ層を完全に貫通する。これは、TSV12が、第2のセンサ層4の主表面4’から後表面4”に達することを意味する。
【0102】
加えて、TSV12は、破線で示すように、第1のセンサ層2も完全に貫通することができる。この事例では、TSV12は、第1のセンサ層の後表面2”から、第2のセンサ層4の後表面4”に達する。
【0103】
TSV12は、第1のグループのピクセル3の電気信号を読み出すための読み出し経路を設ける。いくつかの実施形態では、第2のグループのピクセル5からの電気信号もまた、TSV12を介して読み出される。各TSV12は、1つのピクセル3のみに電気的に接続することができる。各TSV12は、2つ以上のピクセル3に電気的に接続することも可能である。
図1は、例として2つのTSV12を単に示している。しかしながら、イメージセンサ装置1は、複数のTSVを含むことができ、各TSV12は、1つまたは複数のピクセル3に電気的に接続される。
【0104】
図2では、イメージセンサ装置1の別の実施形態を示す。
図2による実施形態は、第1のセンサ層2と第2のセンサ層4との間にハイブリッド接合界面8がないという点で、
図1の実施形態と異なる。代わりに、ハイブリッド接合界面8は第2のセンサ層4と読み出し層6との間にある。特に、第2のセンサ層4の主表面4’は、ハイブリッド接合によって読み出し層6の主表面6’に取り付けられる。
【0105】
ハイブリッド接合界面8は、電気相互接続9を含み、それによって、第2のグループのピクセル5を、読み出し層6の部分に電気的に接続することができる。既に説明したように、電気相互接続9は、接着剤に埋め込まれた金属バンプ(例えば、はんだバンプ)であることができる。電気相互接続9はまた、個々の誘電性の接合層、例えば酸化物層と平行に加工された金属パッドであってもよい。この事例では、電気的接触は、アニーリング中に金属拡散接合を介して実現され得る。
【0106】
電気相互接続9によって、TSV12を介する第1のグループのピクセル3用の読み出し経路に加えて、第2のグループのピクセル5用に別個の読み出し経路が設けられる。
【0107】
図3では、
図1による実施形態の詳細が概略的に示される。ハイブリッド接合界面8を含め、第1のセンサ層2および第2のセンサ層4のみが示される。読み出し層6は、図示のために省略される。
図3では、第2のグループのピクセル5(例えば、SWIRピクセル)が、第1のグループのピクセル3(例えば、可視光ピクセルまたはRGBピクセル)にどのように電気的に接続されるかを示す。さらなるピクセル3、5は、同一または類似の方法で電気的に接続することができる。
【0108】
以下では、第2のグループのピクセルはSWIRピクセル3と称するが、これらのピクセルは異なる波長範囲を検知してもよい。これに対応して、第1のグループのピクセル3は可視光ピクセル5と称される。しかしながら、イメージセンサ装置1は、可視光とSWIR光の検知に限定されないことに留意されたい。
【0109】
図3では、第2のセンサ層4は、第2のグループの1つのピクセル5、例えば1つのSWIRピクセル5を含む。SWIRピクセル5は、フォトダイオード13を含む。例えば、フォトダイオード13は、ピン留めフォトダイオード13である。SWIRピクセル5に含まれるフォトダイオード13を除き、第2のセンサ層4は、トランジスタなどの回路部分を含まなくてもよい。
【0110】
フォトダイオード13は、電磁放射を検知し、それを電気信号に変換するように構成される。そのアノード側では、フォトダイオード13は、ある電位、例えば接地電位に電気的に接続される。そのカソード側では、フォトダイオード13は、第1のグループのピクセル3に、ハイブリッド接合界面8の電気相互接続9を介して電気的に接続される。
【0111】
図3の実施形態の第1のセンサ層2中の可視光ピクセル3は、個々のフォトダイオード14~17を有する、4つのサブピクセル18~21を含む。しかしながら、他のピクセルアーキテクチャも可能である。例えば、可視光ピクセル3は、1つのみのフォトダイオードを含んでもよいし、さらに多くのフォトダイオードを含んでもよい。フォトダイオードのそれぞれは、同一の波長範囲の光、または異なる波長範囲の光を検知するように構成することができる。このように、
図3に示される構成は、単に例示の実施形態として理解されるべきである。
【0112】
図3の可視光ピクセル3は、赤の波長範囲の電磁放射を検知して変換するように構成されたフォトダイオード14を含む第1のサブピクセル18を含むことができる。可視光ピクセル3は、緑の波長範囲の電磁放射を検知して変換するように構成された個々のフォトダイオード15、16を含む第2および第3のサブピクセル19、20をさらに含むことができる。また、可視光ピクセル3は、青の波長範囲の電磁放射を検知して変換するように構成されたフォトダイオード17を含む第4のサブピクセル21をさらに含むことができる。やはり、ピクセルはRGBに限定されず、他の波長範囲も可能である。
【0113】
フォトダイオード14~17のそれぞれは、それらのアノード側において、ある電位、例えば接地電位に電気的に接続される。サブピクセル18~21は、共通の浮遊拡散ノード22を共有することができる。それらのカソード側では、フォトダイオード14~17は、個々の転送信号TXによって制御される個々の転送トランジスタ23を介して、浮遊拡散ノード22に電気的に接続される。
【0114】
図3によるピクセルアーキテクチャでは、転送トランジスタ23は、制御回路24に含まれる。制御回路24は、リセット信号RSTをそのゲートで受け取るように構成されたリセットトランジスタ25をさらに含み、それによって、浮遊拡散ノード22はピクセル供給電圧VDDにリセットされ、また余分な電荷キャリアは除去される。
【0115】
制御回路24は、浮遊拡散ノード22において光誘導電荷キャリアを増幅するために、ソースフォロワ26をさらに含む。
【0116】
制御回路24は、選択信号をそのゲートで受け取るように構成された選択トランジスタ27をさらに含み、それによって、読み出し時にピクセル3をアドレス指定することができる。選択トランジスタ27は、一方の側ではソースフォロワ26に接続され、もう一方の(
図1に示すように、TSV12を含む)側では読み出し経路28に接続される。
【0117】
図3による実施形態では、制御回路24は、さらなる転送トランジスタ29をさらに含む。さらなる転送トランジスタ29は、さらなる転送信号TX’を受け取るように構成されてもよく、それによって、個々の可視光ピクセル3に電気的に接続されたSWIRピクセル5によって生成された電荷キャリアは、浮遊拡散ノード22に転送される。このように、SWIRピクセル5および可視光ピクセル3は、共通の読み出し経路28と同様に、共通の浮遊拡散ノード22を共有する。
【0118】
図4では、
図2による実施形態の詳細が概略的に示される。
図4では、SWIRピクセル5のアレイのうちの1行のいくつかのSWIRピクセル5が示される。それに対応して、可視光ピクセル3のアレイのうちの1行のいくつかの可視ピクセル3が示される。すべての行は、省略記号で示される。
【0119】
図4による実施形態では、SWIRピクセル5は、ハイブリッド接合界面8を介して可視光ピクセル3に電気的に接続されていない。そのため、SWIRピクセル5は、可視光ピクセル3と共通の読み出し経路を共有していない。代わりに、可視光ピクセル3は、読み出し回路7によって別個の読み出し経路28を介して読み出され、一方でSWIRピクセル5は、読み出し回路7によって転送ユニット30を介して読み出される。このように、第2のセンサ層4と読み出し層6との間には、ハイブリッド接合界面8による電気相互接続9が存在する。
【0120】
移送ユニット30は、読み出し層6において読み出し回路7の隣に配置することができる。
図4の例では、転送ユニット30は、SWIRピクセル5のアレイの下に配置される。読み出し回路7は、読み出し層6の周囲に配置される。転送ユニット30は、SWIRピクセル5がグローバルシャッタモードで読み出すことができるように構成することができる。転送ユニット30は、光誘導電荷キャリアを貯めるための蓄積キャパシタを含むことができる。転送ユニット30は、転送ユニット30への、および転送30ユニットからの電気信号を制御するためのスイッチおよび/またはトランジスタをさらに含んでもよい。
【0121】
図4では、SWIRピクセル5ごとの、一例の転送ユニットアーキテクチャが示される。しかしながら、実施形態は示される転送ユニットアーキテクチャに限定されず、他のアーキテクチャが同様に可能である。各SWIRピクセル5は、1つの個別の転送ユニット30に割り振られる。転送ユニット30同士は、読み出し回路7に接続される読み出し経路28’を介して接続される。
【0122】
SWIRピクセル5のフォトダイオード13は、転送信号TX’によって制御される任意選択の転送トランジスタ32を介して、読み出し層6中の浮遊拡散ノード31に電気的に接続される。転送トランジスタ32もまた、省略することができる。転送ユニット30は、リセット信号RST’を受け取るように構成されたリセットトランジスタ33をさらに含み、それによって、浮遊拡散ノード31はピクセル供給電圧VDDにリセットされ、また余分な電荷キャリアは除去される。浮遊拡散キャパシタンス34は、浮遊拡散ノード31において電荷キャリアを貯める。転送ユニット30は、浮遊拡散ノード31において光誘導電荷キャリアを増幅するために、第1のソースフォロワ35をさらに含む。
【0123】
プリチャージトランジスタ36は、第1のソースフォロワ35用の電流源負荷として作用する。さらに、サンプルキャパシタ(sample capacitor)37、38をプリチャージするためにも使用される。スイッチ39、40は、第1のサンプルキャパシタ37、および第2のサンプルキャパシタ38と共に、サンプリングを実施し、SWIRピクセル5の機能性をホールドする。第2のソースフォロワ41は、読み出し経路28’へのサンプル信号をバッファする。また、行選択トランジスタ42は、選択信号SEL’をそのゲートで受け取るように構成され、それによって、読み出し時にピクセル5をアドレス指定することができる。
【0124】
図4に示すように、この実施形態における可視光ピクセル3のアーキテクチャは、
図3の実施形態におけるアーキテクチャと同一か、それよりも小さくすることができる。図示される行の可視光ピクセル3同士は、読み出し経路28を介して電気的に接続される。読み出し経路28は、TSV12を介して読み出し回路7に電気的に接続される。この構成では、可視光ピクセル3は、ローリングシャッタモードで動作させることができ、一方でSWIRピクセル5はグローバルシャッタモードで動作させることができる。
【0125】
図5は、上で考察したようなイメージセンサ装置1を含むイメージセンサデバイス43の例示の実施形態の概略図を示す。イメージセンサ装置1の第1のグループのピクセル3および第2のグループのピクセル5は、
図5に示されるように、個々の二次元配列として配置することができる。イメージセンサデバイス43は、第2のグループのピクセル5と同期される光源44をさらに含む。例えば、光源は、SWIR範囲の光を発する。イメージセンサデバイス43は、光源44および第2のグループのピクセル5を制御するように構成された制御ユニット45をさらに含む。
【0126】
本明細書において開示されるイメージセンサ装置1およびイメージセンサ装置1を動作させる方法の実施形態は、その思想の新規な態様を読者に習熟させる目的で説明されている。好ましい実施形態を示し、説明してきたが、請求項の範囲を必要以上に逸脱することなく、開示される概念の多くの変更、修正、均等物、および置換が、当業者によって成され得る。
【0127】
本開示は、開示される実施形態に、および本明細書において特に示し上述したことに、限定されないことを了解されたい。むしろ、別個の従属請求項で、または明細書で述べられる特徴は、有利に組み合わせることができる。さらに、本開示の範囲は、当業者にとって明らかであり、かつ添付の特許請求の範囲に含まれる、変形形態および修正形態を含む。
【0128】
「を含む」という用語は、特許請求の範囲または明細書において使用される限り、対応する特徴または手順の他の要素またはステップを排除するものでない。「1つの」という用語が、特徴と併せて使用される事例では、これらの用語は、複数のそのような特徴を排除するものではない。その上、請求項における任意の符号は、その範囲を限定するものとして解釈されてはならない。
【0129】
本特許出願は、ドイツ特許出願102021107730.3の優先権を主張するものであり、その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【符号の説明】
【0130】
1 イメージセンサ装置
2 第1のセンサ層
2’ 第1のセンサ層の主表面
2” 第1のセンサ層の後表面
3 第1のグループのピクセル
4 第2のセンサ層
4’ 第2のセンサ層の主表面
4” 第2のセンサ層の後表面
5 第2のグループのピクセル
6 読み出し層
6’ 読み出し層の主表面
6” 読み出し層の後表面
7 読み出し回路
8 接合界面
9 電気相互接続
10 光学素子
11 デュアルバンドフィルタ
12 基板貫通ビア
13~17 フォトダイオード
18~21 サブピクセル
22 浮遊拡散ノード
23 転送トランジスタ
24 制御回路
25 リセットトランジスタ
26 ソースフォロワ
27 選択トランジスタ
28、28’ 読み出し経路
29 さらなる転送トランジスタ
30 転送ユニット
31 浮遊拡散ノード
32 転送トランジスタ
33 リセットトランジスタ
34 浮遊拡散キャパシタンス
35 第1のソースフォロワ
36 プリチャージトランジスタ
37 第1のキャパシタ
38 第2のキャパシタ
39 第1のスイッチ
40 第2のスイッチ
41 第2のソースフォロワ
42 選択トランジスタ
43 イメージセンサデバイス
44 光源
45 制御ユニット
RST、RST’ リセット信号
SEL、SEL’ 選択信号
TX、TX’ 転送信号
VDD 供給電圧
x、y 横方向
z 垂直方向
【手続補正書】
【提出日】2023-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のグループのピクセル(3)を含む第1のセンサ層(2)であって、前記第1のグループの各ピクセル(3)が、第1の波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオード(14、15、16、17)を含む、第1のセンサ層(2)と、
第2のグループのピクセル(5)を含む第2のセンサ層(4)であって、前記第2のグループの各ピクセル(5)が、第2の波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオード(13)を含む、第2のセンサ層(4)と、
前記第1のグループのピクセル(3)および前記第2のグループのピクセル(5)から電気信号を読み出すように構成された読み出し回路(7)を含む読み出し層(6)であって、前記第2のセンサ層(4)が、前記第1のセンサ層(2)と前記読み出し層(6)との間に配置され、前記第2の波長範囲が、前記第1のセンサ層(2)によって検知可能な波長範囲の外側である、読み出し層(6)と、
前記第1のセンサ層(2)と検知対象の電磁放射源との間に配置されるデュアルバンドフィルタ(11)であって、前記第1の波長範囲の少なくとも一部および前記第2の波長範囲の少なくとも一部とは別の電磁放射を遮蔽するように構成されているデュアルバンドフィルタ(11)と、を備
え、
前記第1のセンサ層(2)がハイブリッド接合によって前記第2のセンサ層(4)に取り付けられていることによって、前記第1のグループのピクセル(3)と前記第2のグループのピクセル(5)との間に電気相互接続(9)が形成されている、イメージセンサ装置(1)。
【請求項2】
前記第1の波長範囲が可視光を含み、前記第2の波長範囲が短波長赤外放射(SWIR)を含む、請求項1に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項3】
前記第1のグループのピクセル(3)と前記第2のグループのピクセル(5)が、共通の浮遊拡散ノード(22)及び共通の読み出し経路(28)を共有する、請求項1に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項4】
前記第2のセンサ層(4)がハイブリッド接合によって前記読み出し層(6)に取り付けられていることによって、前記第2のグループの前記ピクセル(5)と前記読み出し回路(7)との間に電気相互接続(9)が形成されている、請求項
1に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項5】
前記第2のセンサ層(4)を貫通し、前記第1のセンサ層(2)中の前記第1のグループの前記ピクセル(3)を前記読み出し層(6)中の前記読み出し回路(7)に電気的に接続する少なくとも1つの基板貫通ビア(12)をさらに備える請求項
1に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項6】
前記第1のセンサ層(2)および/または前記読み出し層(6)が半導体材料特にシリコンを含む、請求項
1に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項7】
前記第2のセンサ層(4)が、ゲルマニウム、ヒ化インジウムガリウム、および量子ドット層のうちの1つ、または前記第2の波長範囲の電磁放射に対するスペクトル応答に好適なバンドギャップを有する任意の他の材料を含む、請求項
1に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項8】
前記第1のグループのピクセル(3)および前記第2のグループのピクセル(5)が、前記読み出し回路(7)によってローリングシャッタモードで読み出されるように構成されている、請求項
1に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項9】
前記第1のグループのピクセル(3)が、前記読み出し回路(7)によってローリングシャッタモードで読み出されるように構成され、前記第2のグループのピクセル(5)が、前記読み出し回路(7)によって転送ユニット(30)を介してグローバルシャッタモードで読み出されるように構成されている、請求項
1に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項10】
前記第1のセンサ層(2)が制御回路(24)をさらに含み、前記制御回路(24)が、前記第1のグループの各ピクセル(3)に対する電気信号を制御するように構成されている、請求項
1に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項11】
前記第1のグループのピクセル(3)の配線が、前記第1のセンサ層(2)の主表面(2’)に配置され、前記主表面(2’)が、前記第2のセンサ層(4)を向き、前記第1のセンサ層(2)の放射入口面とは反対を向いている、請求項
1に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項12】
前記第2のグループのピクセル(5)の配線が、前記第2のセンサ層(4)の主表面(4’)に配置され、前記主表面(4’)が、前記第1のセンサ層(2)を向いている、請求項
1に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項13】
前記第2のグループのピクセル(5)の配線が、前記第2のセンサ層(4)の主表面(4’)に配置され、前記主表面(4’)が、前記読み出し層(6)を向いている、請求項
1に記載のイメージセンサ装置(1)。
【請求項14】
請求項
1に記載のイメージセンサ装置(1)と、前記第2のグループの前記ピクセル(5)と同期される光源(44)とを備えるイメージセンサデバイス(43)。
【請求項15】
イメージセンサ装置(1)を動作させるための方法であって、
デュアルバンドフィルタ(11)によって、第1の波長範囲の少なくとも一部および第2の波長範囲の少なくとも一部とは別の電磁放射を遮蔽するステップと、
第1のセンサ層(2)の第1のグループのピクセル(3)を、前記デュアルバンドフィルタ(11)を透過した電磁放射に曝すステップであって、前記第1のグループの各ピクセル(3)が、前記第1の波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオード(14、15、16、17)を含む、ステップと、
前記デュアルバンドフィルタ(11)を透過した前記電磁放射の少なくとも一部を前記第1のセンサ層(2)を通して、第2のセンサ層(4)に透過させるステップであって、該電磁放射の一部が、前記第1のセンサ層(2)によって検知可能な波長範囲の外側の前記第2の波長範囲に相当する、ステップと、
前記第2のセンサ層(4)の第2のグループのピクセル(5)を該電磁放射の一部に曝すステップであって、前記第2のグループの各ピクセル(5)が、前記第2の波長範囲の電磁放射を検知するように構成されたフォトダイオード(13)を含む、ステップと、
前記フォトダイオード(13、14、15、16、17)によって電磁放射を電気信号に変換するステップと、
前記第1のグループのピクセル(3)および前記第2のグループのピクセル(5)の前記電気信号を、読み出し回路(7)を含む読み出し層(6)に転送するステップと、を含
み、
前記第1のセンサ層(2)がハイブリッド接合によって前記第2のセンサ層(4)に取り付けられていることによって、前記第1のグループのピクセル(3)と前記第2のグループのピクセル(5)との間に電気相互接続(9)が形成される、方法。
【国際調査報告】