(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】皮膚治療装置
(51)【国際特許分類】
A61H 15/00 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
A61H15/00 380B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559769
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 GB2022050674
(87)【国際公開番号】W WO2022200769
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523367831
【氏名又は名称】ショールズ ウェルネス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】リウ ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー リチャード
(72)【発明者】
【氏名】シンプソン アダム
(72)【発明者】
【氏名】ウィッティ クリストファー
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AE02
4C100AE03
4C100AE04
4C100AF04
4C100BA01
4C100BB02
4C100DA11
(57)【要約】
電気機械的機構によってローラーヘッドを駆動するように構成された皮膚治療装置のためのローラーヘッドであって、ローラーヘッドは、ドラムと、ドラムから半径方向に延びる1又は2以上のフラップと、を備え、1又は2以上のフラップは、第1の表面と、第2の表面と、を備え、1又は2以上のフラップは、撓むように構成されており、使用時に、ローラーヘッドが時計回り方向に回転するときにフラップの第1の表面が皮膚に接触し、ローラーヘッドが反時計回り方向に回転するときにフラップの第2の表面が皮膚に接触するようになっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械的機構によってローラーヘッドを駆動するように構成された皮膚治療装置のための前記ローラーヘッドであって、
前記ローラーヘッドは、ドラムと、前記ドラムから半径方向に延びる1又は2以上のフラップと、を備え、
前記1又は2以上のフラップは、第1の表面と第2の表面とを備え、前記1又は2以上のフラップは、撓むように構成されており、使用時に、前記ローラーヘッドが時計回り方向に回転するときに前記フラップの第1の表面が皮膚に接触し、前記ローラーヘッドが反時計回り方向に回転するときに前記フラップの第2の表面が前記皮膚に接触するようになっている、
ことを特徴とするローラーヘッド。
【請求項2】
前記第1の表面は、前記第2の表面とは異なっており、前記第1の表面は第1の効用をもたらすように構成され、前記第2の表面は第2の効用をもたらすように構成されている、
請求項1に記載のローラーヘッド。
【請求項3】
前記第1の表面及び/又は前記第2の表面は、硬い皮膚の除去、皮膚の平滑化、剥脱、マッサージ、保湿及び/又は円滑化のために構成されている、
請求項1に記載のローラーヘッド。
【請求項4】
前記ローラーヘッドは、硬い皮膚を除去するように構成され、前記第1の表面は第1の粗さを有し、前記第2の表面は第2の粗さを有する、
請求項2に記載のローラーヘッド。
【請求項5】
前記ローラーヘッドを時計回り及び反時計回りに回転させたときに、さらなる効用をもたらすように構成された追加の表面をさらに備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載のローラーヘッド。
【請求項6】
前記追加の表面は、硬い皮膚の除去、皮膚の平滑化、剥脱、マッサージ、保湿及び/又は円滑化の前記さらなる効用をもたらすように構成されている、
請求項4に記載のローラーヘッド。
【請求項7】
前記追加の表面は、前記第1の表面及び/又は前記第2の表面とは異なる、
請求項5に記載のローラーヘッド。
【請求項8】
前記追加の表面は、円滑化及び/又は保湿をもたらすように構成されている、
請求項6に記載のローラーヘッド。
【請求項9】
前記追加の表面は、前記フラップの前記半径方向に面する表面に配置される、
請求項5から8のいずれか1項に記載のローラーヘッド。
【請求項10】
前記ローラーヘッドは、3から15のフラップ、例えば4から14のフラップ、例えば5から13のフラップ、例えば6から12のフラップ、例えば7から11のフラップを備える、
請求項1から9のいずれか1項に記載のローラーヘッド。
【請求項11】
前記フラップは、可撓性部分を備え、前記フラップは、前記可撓性部分の周りで回転することによって撓むように構成されている、
請求項1から10のいずれか1項に記載のローラーヘッド。
【請求項12】
ローラーヘッドと、前記ドラムを駆動するように構成された電気機械機構と、を備える皮膚治療装置であって、
前記ローラーヘッドは、ドラムと、前記ドラムから半径方向に延びる1又は2以上のフラップと、を備え、
可撓性の前記1又は2以上のフラップは、第1の表面と、第2の表面と、を備え、前記1又は2以上のフラップは、撓むように構成されており、使用時に、前記ローラーヘッドが時計回り方向に回転するときに前記フラップの前記第1の表面が皮膚に接触し、前記ローラーヘッドが反時計回り方向に回転するときに前記フラップの前記第2の表面が前記皮膚に接触するようになっている、
ことを特徴とする皮膚治療装置。
【請求項13】
前記ローラーヘッドは、請求項2から12のいずれか1項に記載の特徴のいずれか1つを備える、
請求項12に記載の皮膚治療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚治療装置に関し、より詳細には、ローラーヘッドを用いて複数の効用をもたらすための電気的皮膚治療装置に関する。ローラーヘッドは、足の表面、例えば、かかと、足の裏又はつま先の硬く乾燥した皮膚層を除去するために使用することができる。ローラーヘッドは、皮膚の剥脱、保湿及び/又はマッサージなどの他の皮膚治療にも使用できる。
【背景技術】
【0002】
タコ及び/又は硬い皮膚の領域は、足に発生し、例えば足に合わない靴による持続的な摩擦又は不均一な圧力によって引き起こされる可能性がある。これらは、かかと、拇指球及びつま先の側面にできることが多い。タコは見苦しいことが多く、厚いほど黄色く見える可能性がある。経時的に、特に厚いタコは、ひび割れになり痛みを伴う可能性がある。タコ及び硬い皮膚を減少させる又は除去する方法として、電気的に作動する足用ヤスリ装置を含む多くの公知の方法がある。
【0003】
公知の皮膚治療装置は、各ローラーヘッドに単一の効用を与える。使用者は、皮膚治療装置から複数の効用を得るために、ローラーヘッドを交換する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、単一のローラーヘッドで複数の効用をもたらすことを目的とし、従って、複数の効用を得るためにローラーヘッドを切り替える必要性が軽減される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の形態は、添付の図面を参照して、単に例示的に詳細に説明される。以下、実施形態は、図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】半径方向に延びるフラップを有するローラーヘッドを示す。
【
図3】
図1のローラーヘッドの個々のフラップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、皮膚治療装置(図示せず)のためのローラーヘッド2を示す。
【0008】
ローラーヘッド2は、ドラム6と、研磨面4と、を備える。ドラム6は、ドラム6の両端にシャフト7を備える。ローラーヘッド2は、ドラムから半径方向に延びる1又は2以上のフラップ4を備える。1又は2以上のフラップは、第1の表面8及び第2の表面10を備える。
【0009】
第1の表面8は、第2の表面10とは異なっており、第1の表面8は、第2の表面10と比較して使用者に異なる効用をもたらす。例えば、第1の表面8を使用者の皮膚にこすりつけることは、第2の表面10を使用者の皮膚にこすりつけることと比較して、使用者の皮膚に異なる効果を与えることにより、異なる効用をもたらすことができる。これにより、単一のローラーヘッドを複数の効用のために使用することができる。
【0010】
ローラーヘッドは、皮膚治療装置によって回転されるように構成されている。皮膚治療装置は、シャフト7を介してローラーヘッドに結合する。これにより、皮膚治療装置はドラムをその長手方向軸に沿って回転させることができる。長手方向軸に沿ったドラムの回転は、使用者に、自身の皮膚への効用をもたらすことができる。
【0011】
1又は2以上のフラップ4は、撓むように構成されており、使用時、フラップ4の第1の表面8は、ローラーヘッドが時計回り方向に回転するときに皮膚に接触し、フラップ4の第2の表面10は、ローラーヘッドが反時計回り方向に回転するときに皮膚に接触するようになっている。従って、第1の表面8が使用者の皮膚と一方向で接触することを許容し且つ他方向に撓むフラップ4により第2の表面10が使用者の皮膚と他方向で接触することを許容するようにフラップ4が一方向に撓むことができるので、使用者は、ローラーヘッドを長手方向軸に沿って異なる方向に回転させることによって、第1の表面8からの第1の効用と、第2の表面10からの第2の効用と、を適用することができる。例えば、第1の表面8は、ローラーヘッド2が時計回り方向に回転するときに使用者の皮膚に接触し、第2の表面10は、ローラーヘッド2が反時計回り方向に回転するときに使用者の皮膚に接触する。
【0012】
図示の例では、フラップは、フラップがドラム6に結合する可撓性部分を備える。例えば、フラップ4のドラムに近接する部分(すなわち、フラップの基部)は撓むように構成されている。可撓性部分は、可撓性部分の周りでフラップを回転させることによってフラップを撓ませることを可能にする。この例では、フラップの可撓性部分は、フラップの残りの部分よりも相対的に可撓性が高く、例えば、可撓性部分は、フラップの残りの部分が可撓性部分の周りを動くことを可能にするのに十分な可撓性を有する。可撓性部分は、ショアAの範囲、例えば、ショア20A、30A、40A、50A、60A、70A、80A及び/又は90Aの硬度を有することができる。
【0013】
ローラーヘッドによって使用者の皮膚にもたらされる効用は、硬い皮膚の除去、皮膚の平滑化、剥脱、マッサージ、保湿及び/又は円滑化を含むことができる。
【0014】
図2は、
図1のローラーヘッドの斜視図である。
図2は、フラップをより詳細に示す。この例では、各フラップは凸形状であり、例えば、フラップは、ローラーヘッドの端部に対してローラーヘッドの中心に向かって半径方向にさらに延びている。
【0015】
硬い皮膚は、粗い表面を有するローラーヘッドを用いて除去され、皮膚上でのローラーヘッドの粗い表面の動きにより、硬い皮膚が除去される。ローラーヘッドの表面の粗さの程度によって、硬い皮膚が除去される速度が変わる。例えば、表面がより粗いローラーヘッドは、表面があまり粗くないローラーヘッドよりも、硬い皮膚をより早く除去することになる。使用者は、最初はより粗い表面のローラーヘッドを使用し、次にあまり粗くない表面のローラーヘッドを使用して、硬い皮膚の最適な除去を達成しようとする場合がある。以下に記載の例は、使用者が硬い皮膚の必要レベルの除去を実現するための好都合な方法を提供することができる。
【0016】
図1及び2に示す例では、ローラーヘッドは1又は2以上のフラップ4を備え、つまり、第1の粗さを有する1又は2以上の第1の表面8と、第2の粗さを有する1又は2以上の第2の表面10と、を備える。
【0017】
使用者は、使用時に、ローラーヘッド2を時計回り方向に回転させることにより、第1の表面8からの第1の効用を皮膚に適用する。各フラップの第1の表面8は、ローラーヘッド2が時計方向に回転すると順次使用者の皮膚に接触する。使用者の皮膚に第1の効用は、ローラーの第1の表面8が使用者の皮膚に接触すると適用される。各フラップ4の第2の表面10は、ローラーヘッドを反時計回り方向に回転させるときに順次使用者の皮膚に接触し、第2の効用は、使用者の皮膚に適用される。
【0018】
図2の例は、各フラップ上に研磨面を有するローラーを示す。この例では、第1の表面8は第2の表面10とは異なる粗さを有する。他の例では、第1の表面8の粗さは、第2の表面10の粗さと等しくすることができる。
【0019】
ローラーヘッド2は、電気機械機構を有する皮膚治療装置と併用して使用することができる。ローラーヘッド2は、皮膚治療装置に挿入することができ、皮膚治療装置の電気機械機構は、ローラーヘッドを回転させるように結合することができる。一例では、皮膚治療装置は2つのアームを備え、ローラーヘッドのシャフト7は皮膚治療装置の2つのアームによって保持される。皮膚治療装置は、シャフト7を介して電気機械機構の回転をローラーヘッドに伝達することにより、ローラーヘッドを回転させるように構成されている。
【0020】
上記の例では、ローラーヘッドは、9のフラップを備える。また、ローラーは、3から15のフラップ、例えば4から14のフラップ、例えば5から13のフラップ、例えば6から12フラップ、例えば7から11のフラップ、例えば8から10のフラップを有するローラーヘッドを備えることができる。
【0021】
図3は、第2の表面10を詳細に示す単一のフラップ4を示す。
図3は、フラップの凸形状及びローラーヘッドを反時計回りに回転させるときに皮膚と接触するように構成された第2の表面を示す。
【0022】
一例では、フラップは、フラップの半径方向に面する表面に配置された追加の表面を備えることができる。追加の表面は、保湿、硬い皮膚の除去、円滑化、マッサージ及び/又は剥脱の効用を使用者にもたらすために使用することができる。例えば、第1の表面8は硬い皮膚を除去するために使用することができ、第2の表面10は硬い皮膚を滑らかにするために使用することができ、追加の表面は皮膚を円滑化するために使用することができる。
【0023】
上述の例では、第1の表面8は第1の効用をもたらし、第2の表面10は第2の効用をもたらす。第1の表面8は、複数の効用をもたらすことができ、及び/又は第2の表面は複数の効用をもたらすことができる。例えば、第1の表面及び第2の表面は、ローラーヘッドの外周に沿って変化することができる。
【0024】
追加の部分、第1の表面及び第2の表面は、使用者の皮膚に異なる効用を与えるために使用することができる。追加の部分、第1の表面及び第2の表面のうちの2又は3以上は、使用者の皮膚に同じ効用をもたらすために使用することもできる。
【0025】
図4に示されるように、ローラーヘッドは、第1の効用及び第2の効用を達成するために必要なローラーヘッドの向きを使用者に示すインジケーター16を有することができる。一例では、ローラーヘッドは、所定の方向にローラーヘッドを回転させることによってもたらされる効用を示す矢印、色表示、文字及び/又は記号を表面に有することができる。
【0026】
上述の例では、各フラップの第1の表面は第1の効用をもたらし、各フラップの第2の表面は第2の効用をもたらす。他の例では、ローラーヘッドは、異なる第1の表面と異なる第2の表面とを有するフラップを備えることができる。
【0027】
上述の実施例では、フラップは可撓性部分の周りで回転することによって撓むことができる。他の例では、フラップ全体が可撓性を有し、フラップ全体が撓むことによって撓むように構成されている。この例では、フラップは単一の材料から作られ、均一な撓みを有することができる。また、フラップは、フラップの基部に位置するヒンジを備えることができる。このヒンジにより、フラップはヒンジの周りで回転することで、つまり、フラップの一部がヒンジの周りで回転することで撓むことができる。ヒンジは、例えば金属ピンから形成される。一例として、フラップは、フラップの半径方向の長さに沿った複数の点の周りでフラップが回転することを可能にするために、複数のヒンジを備えることができる。
【0028】
一例では、フラップは、フラップの基部に位置する可撓性部分と、フラップの半径方向に位置する少なくとも1つの追加の可撓性部分と、を備え、フラップは複数の方向に撓むことができる。
【0029】
上述の例では、フラップの可撓性部分は、軟質ゴム材料から作ることができ、例えば、フラップの可撓性部分は、シリコーン、TPE、TPU、射出成形発泡体及び/又はネオプレンから作ることができる。上述の例では、フラップの比較的可撓性の低い部分は、ABS、PET、HDPE、PVC、LDPE及び/又はPPから作ることができる。
【0030】
一例では、ローラーヘッドは、3Dプリンティングを用いて製造することができる。例えば、フラップは、3Dプリンタを用いて、ドラムに近接するフラップの可撓性部分と、フラップの可撓性部分とは異なる材料からフラップの比較的可撓性の低い部分と、を形成することができる。ローラーヘッドは、射出成形、モールディング及び/又は鋳造によって形成することもできる。ローラーヘッドは、オーバーモールディング技術、すなわちツーショットモールディングを用いて形成することもできる。この例では、フラップの一部が成形され、次にフラップの可撓性部分がフラップの既存の部分にオーバーモールドされる。
【0031】
上述の例では、追加の表面はフラップの半径方向に面する表面に配置されている。追加の表面は、1又は2以上のフラップの第1の表面及び第2の表面の半径方向端部に配置することもできる。
【0032】
本明細書に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、さらなる変更及び開発を行うことができる。
【国際調査報告】