(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】開口部の中に挿入するラッチ及び方法
(51)【国際特許分類】
H02G 1/10 20060101AFI20240305BHJP
F03D 13/25 20160101ALI20240305BHJP
H02G 9/02 20060101ALI20240305BHJP
H02G 1/08 20060101ALI20240305BHJP
H02G 3/22 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
H02G1/10
F03D13/25
H02G9/02
H02G1/08
H02G3/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500686
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 GB2022000028
(87)【国際公開番号】W WO2022195245
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523358448
【氏名又は名称】ナイラカースト リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NYLACAST LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100145883
【氏名又は名称】新池 義明
(72)【発明者】
【氏名】コンロン, ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー, シェルドン ショーン
【テーマコード(参考)】
3H178
5G352
5G363
5G369
【Fターム(参考)】
3H178AA24
3H178BB77
3H178DD51Z
3H178DD70Z
5G352DA09
5G352EA01
5G352EA02
5G363BA01
5G363CA20
5G363CB20
5G369BA02
5G369CA09
5G369EA01
(57)【要約】
ラッチは、前方端部、後方端部及び長手方向軸を有する本体を備え、その前方端部によって長手方向軸に平行な第1の方向に開口部の中に挿入されるように構成されている。本体は、内側部分と、内側部分の少なくとも一部を取り囲み、内側部分の周りで回転可能な環状の外側ハウジングを備える。複数のラッチフィンガが外側ハウジングに移動可能に取り付けられ、各ラッチフィンガは閉位置と開位置の間で移動可能であり、開位置ではラッチフィンガが第1の方向と反対の方向に開口部から本体が外れるのを防止する。ガイドは本体に取り付けられ、本体が開口部の中に挿入されるときに外側ハウジングの回転を所定の回転位置に付勢し、それによってラッチフィンガも所定の回転位置に配置するように構成されている。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方端部、後方端部及び長手方向軸を有し、前記長手方向軸に平行な第1の方向に前記前方端部から開口部の中に挿入するように構成されている本体を含み:前記本体が、
内側部分、及び
前記内側部分の少なくとも一部を囲み、前記内側部分の周りで回転可能な環状の外側ハウジング;及び
各ラッチフィンガが閉位置と開位置の間で移動可能であり、前記外側ハウジングに移動可能に取り付けられ、前記開位置において、ラッチフィンガは、前記第1の方向と反対の方向に前記本体が前記開口部から外れるのを防止する複数のラッチフィンガ
を含む、ラッチ。
【請求項2】
前記本体に取り付けられ、前記本体が開口部の中に挿入するとき、所定の回転位置に前記外側ハウジングの回転を付勢し、それによって、前記所定の回転位置に前記ラッチフィンガを設置するように構成されているガイド:
を更に含む、請求項1記載のラッチ。
【請求項3】
前記ガイドが前記外側ハウジングの回転を所定の複数の回転位置のいずれかに付勢するように構成されている、請求項2記載のラッチ。
【請求項4】
前記ガイドが前記外側ハウジングに取り付けられ、前記外側ハウジングと共に回転する、請求項2又は請求項3記載のラッチ。
【請求項5】
前記ガイドが少なくとも1つの緩衝器を含み、前記緩衝器は前記後方端部が前記開口部の中に挿入するのを防止するように構成されている緩衝器の端部を含む、請求項2ないし4のいずれか1項記載のラッチ。
【請求項6】
前記緩衝器は前記緩衝器の端部が取り付けられる支持部を更に含み、前記支持部は前記外側ハウジングに取り付けられている、請求項5記載のラッチ。
【請求項7】
前記緩衝器の端部はホイールであり、及び、前記支持部は軸部であり、該軸部上に前記ホイールが前記長手方向軸に平行な軸の周りに回転するように回転可能に取り付けられている、請求項6記載のラッチ。
【請求項8】
前記緩衝器の端部は前記本体の前方端部に向かって付勢され、前記緩衝器の端部が前記本体の後方端部に向かって移動できるように前記緩衝器は圧縮可能である、
請求項5ないし7のいずれか1項記載のラッチ。
【請求項9】
前記ガイドが少なくとも2つの前記緩衝器を含み、そして、前記緩衝器の端部が前記長手方向軸に関して互いにオフセットされている、請求項5ないし8のいずれか1項記載のラッチ。
【請求項10】
互いに対向している第1の対の緩衝器と互いに対向している第2の対の緩衝器が存在するように、前記ガイドが前記本体の円周の周りに等間隔に設置されている4つの前記緩衝器を含み;及び
前記第1の対の緩衝器について、該緩衝器の端部が、
前記長手方向軸に関して互いに対向し、
前記第2の緩衝器対の少なくとも1つの端より前記前方端部に近くなるように前記第2の対の緩衝器の端部からオフセットされている、
請求項5ないし9のいずれか1項記載のラッチ。
【請求項11】
前記ラッチフィンガが前記長手方向軸に対して3列に配置され、
前記前方端部の最も近くに最上段の列、中段の列、及び前記後方端部の最も近くに最下段の列があり、
前記本体が十分に壁の開口部の中に挿入したとき、各列の少なくとも1つのラッチフィンガが開位置にあり、壁の表面と接触するように構成されている、
請求項1ないし10のいずれか1項記載のラッチ。
【請求項12】
前記最上段の及び最下段の列の各ラッチフィンガが、その上端で前記外側ハウジングに回転可能に取り付けられ、その基部に平らな表面を有しており;
前記最上段の列の各ラッチフィンガは、前記ラッチフィンガが前記開位置にあるとき、前記前方端部から測定されると、該基部が前記長手方向軸に対して鋭角であるように構成され、
前記最下段の列の各ラッチフィンガは、前記ラッチフィンガが前記開位置にあるとき、前記前方端部から測定されると、該基部が前記長手方向軸に対して斜角であるように構成されている、
請求項11記載のラッチ。
【請求項13】
前記中段の列の各ラッチフィンガは、その上端で前記外側ハウジングに回転可能に取り付けられ、その基部で湾曲部を有する、
請求項11又は請求項12記載のラッチ。
【請求項14】
各列は、2つのラッチフィンガを含み、各ラッチフィンガは、前記長手方向軸に平行な線に沿って前記緩衝器の1つの端部と位置合わせされている、請求項10に従属するとき請求項11ないし13のいずれか1項記載のラッチ。
【請求項15】
前記中段の列の各ラッチフィンガが、前記第1の対の緩衝器の1の端部と位置合わせされており、
前記最上段の列及び前記最下段の列の各ラッチフィンガが、前記第2の対の緩衝器の1の端部と位置合わせされている、
請求項14記載のラッチ。
【請求項16】
前記ラッチフィンガの各々がその開位置に向かって個別に付勢されている、請求項1ないし15のいずれか1項記載のラッチ。
【請求項17】
前記各ラッチフィンガが、その上端で終わる先端部を含み、
前記外側ハウジングが、各ラッチフィンガが開位置にあるとき、前記先端部が開口内に受け入れられるように、前記先端部と位置合わせされた複数の窪み部を画定する、
請求項1ないし16のいずれか1項記載のラッチ。
【請求項18】
前記ラッチが複数のロッドを更に含み、
各ロッドが少なくとも1つのビードを画定し、前記各ビードが前記長手方向軸に関して前記先端部の1つと位置合わせされており;
前記ロッドが前記前方端部に向かって移動すると、前記各ビードが先端部と係合し、それぞれの窪み部からそれを押し出す、したがってラッチフィンガがそれぞれ閉位置に移動する、
請求項17記載のラッチ。
【請求項19】
前記内側部分は環状であり、その長さに沿って円柱状の内部孔を有する、
請求項1ないし18のいずれか1項記載のラッチ。
【請求項20】
ケーブルの周りに互いに取り付けられて前記内側部分を形成するように構成された第1の1対のハーフシェル;及び
前記外側ハウジングを形成するように前記内側部分の周りに互いに取り付けられるように構成された第2の1対のハーフシェル:
を含む、請求項1ないし19のいずれか1項記載のラッチを構成するための部品キット。
【請求項21】
前記ラッチの本体を前記開口部の中に挿入するステップ;
前記外側ハウジングが前記所定の位置の1つに到達するまで、前記ガイドを回転させながら前記本体の挿入を継続するステップ;
複数の前記ラッチフィンガが開位置になるまで前記本体の挿入を継続し、前記本体が前記開口部から外れるのを防止するステップ;
を含む、壁の開口部の中に請求項2ないし19のいずれか1項記載のラッチを設置する方法。
【請求項22】
ラッチを得る前記ステップが、
ケーブルの周りに第1の1対のハーフシェルを配置して互いに取り付け、前記ラッチの内側部分を形成するステップ、
第2の1対のハーフシェルを前記内側部分の周りに配置して互いに取り付け、前記外側ハウジングを形成するステップ、
を含み:そして
前記ラッチを前記ケーブルに取り付けるステップ;そして
前記本体を前記開口部の中に挿入する前記ステップが、前記ケーブルの端部を挿入し、前記ケーブルを前記開口部を通して引っ張り、これにより前記本体も前記開口部の中に引き込むステップ
を含む、請求項21記載の壁の開口部の中にラッチを設置する方法。
【請求項23】
前記先端部をそれぞれの開口から押し出し、すべての前記ラッチフィンガを閉位置に移動させるステップ;そして
前記ラッチの本体を前記開口部から外すステップ;
を含む、請求項17又は請求項18記載の壁の開口部の中にラッチを設置する方法。
【請求項24】
前記ガイドを前記本体の前記後方端部に向かって移動させるステップ;
前記本体を更に前記開口部の中に挿入するステップ;
前記複数のラッチフィンガのすべてを閉位置に移動させるために、前記前方端部をそれぞれの開口から押し出すステップ;そして
前記ラッチの前記本体を前記開口部から取り外すステップ;
を含む、請求項2ないし16のいずれか1項に従属するとき、請求項17又は請求項18記載の壁の開口部からラッチを取り外す方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年3月19日に出願された英国特許出願番号21 03 881.5に基づく優先権を主張する。
【0002】
[発明の背景]
本発明は、開口部の中に挿入するためのラッチに関する。
【背景技術】
【0003】
洋上風力タービンを建造するときには、海底に埋設されたケーブルによって陸上又は洋上の変電所に接続することが必要である。単杭などの固定基礎を有するタービンについては、ケーブルは基礎の壁を通って発電機まで上昇しなければならない。典型的には、ケーブルを壁に取り付けるためにラッチが使用されている。これは、ラッチ機構、機械式ラッチ、ケーブル保護システムラッチなどとして知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ケーブルが海底から上昇して単杭又は他の基礎に接続することに起因して、壁の開口部は、一般に壁に対して90°未満の角度である。したがって、ラッチも壁に対して角度を有している。典型的なラッチは、多数のばね負荷されたラッチフィンガを含み、これらのうちの少なくとも2つが壁の内側と係合し、開口部からラッチが外れるのを防ぐことができるという前提で作動している。しかしながら、これは、係合したラッチフィンガに不均一な負荷を生じさせ、ラッチが開口部内でガタつき、フィンガに更にストレスがかかる。結果的に、フィンガの応力疲労は、ラッチの故障をもたらすおそれがある。
したがって、本発明の目的は、開口部中への挿入に適した改良されたラッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[発明の簡単な説明]
本発明の第1の観点によれば、請求項1に記載のラッチが提供される。
【0006】
本発明の第2の観点によれば、請求項20に記載の部品キットが提供される。
【0007】
本発明の第3の観点によれば、請求項21に記載の壁の開口部の中にラッチを設置する方法が提供される。
【0008】
本発明の第4の観点によれば、請求項23又は請求項24記載の壁からラッチを取り外す方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明を使用できる環境を示す図であり;
【
図2】
図2は、
図1に示す単杭に入るケーブルとケーブル保護具を示す図であり;
【
図6】
図6は、
図5に示す内側ハウジングの構成部品の説明図であり;
【
図7】
図7は、
図3に示す外側ハウジングの構成部品の説明図であり;
【
図8】
図8は、
図2に示すラッチ及び壁の部分断面を含む側面図であり;
【
図9】
図9は、
図2に示すラッチ及び壁の部分断面を含む別の側面図であり;
【
図19】
図19は、解除機構が作動した後の
図3に示すラッチの別の断面図であり;及び
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態について、図面を参照して例としてのみ説明する。詳細な実施形態は、発明者が知っている最良のモードを示し、特許請求された本発明をサポートする。ただし、これらは単なる例示であり、特許請求の範囲を解釈又は制限するために使用するべきではない。これらの目的は、当該技術分野の当業者に教示を提供することである。「第1」や「第2」のなどの序数句で区別される要素及びプロセスは、必ずしも何らかの順序やランク付けを定義するわけではない。
【0011】
[発明の詳細な説明]
(
図1)
風力タービン101は、単杭タービンとして知られているタイプのものである。それは、海底103に埋設された単杭102を備えている。単杭102の上部には、連絡管104が取り付けられており、タワー105は、連絡管104の上にある。タワー105は、発電機106とブレード107を備えている。単杭の基礎は海底に沈むが、ここでは図示していない。
【0012】
ケーブル108は、タービン101を風力発電所の残りの部分に接続し、発電されたエネルギーを変電所に供給することを可能にする。ケーブルは海底を走り、保護構造物109の下で海底を出て、洗掘エリア112を通り、単杭102に入り、制御ボックス110で終わる。更にケーブル(図示せず)はタワー内を走り、制御ボックスを発電機に接続する。
単杭102は直径5mの中空の鋼管であり、壁111の厚さは15cmである。ケーブル108は、壁111の開口部を通過し、
図2を参照して説明するように、所定の位置でラッチされている。
【0013】
(
図2)
図2は、洗掘エリア112における単杭102の壁111の一部とケーブル108の自由スパンを示す。典型的には、ケーブルは海底103を出る地点で岩石201によって洗掘から保護される。次に、ケーブルが傾斜した開口部202から壁111内に入る前に、数メートルの自由スパンが存在する。
ケーブル108の屈曲は洗掘エリア112では制限される必要がある、さもなければ、波によるケーブルの動きによってねじれや破損が生じる。この例では、ケーブル108の周囲に曲げ制限部203が提供されることで制限されるが、他の適切なケーブル保護具を使用することもできる。曲げ制限は、自由スパンが短いため、単杭の壁111に壁に直角に進入できるようにケーブル108が曲がることが不可能であることを意味する。更に、自由スパンは、ケーブルの潜在的な損傷を最小限に抑えるためにできる限り短くすべきである。このため、開口部202の軸は壁111に対して鋭角、典型的には、約45°である。
【0014】
曲げ制限部203は、ラッチ204を使用して単杭の壁111に引っ掛けられ、ケーブル108はこれを通って走り、これにより、曲げ制限部203の開口部202の方向への移動を防止する。これにより、曲げ制限部203が開口部202に向かう方向、又は開口部202から遠ざかる方向に移動するのが防止され、ケーブル108が開口部202を通過するときにケーブル108が保護される。曲げ補強部205は、ラッチ204の前方端部に取り付けられ、ケーブル108がラッチから出るとき、それがねじれるのを防止する。ケーブル108は、曲げ制限部203、ラッチ204及び曲げ補強部205を通って自由に通過することができ、風力タービン101が設置されている間、制御ボックス110の上方向へ引っ張られる。
【0015】
(
図3及び
図4)
図3及び
図4は、異なる角度から見た非装着状態のラッチ204を示す。本体301は、開口部202に挿入できるように構成されており、内側ハウジング302と、環状の外側ハウジング303を備えている。外側ハウジングは、本体301の長手方向軸300に関して内側ハウジング302の中央部の周りに回転自在である。この例では、ラッチは130cm程度の長さである。本体301の直径は約29cmであり、直径約30cmの開口部と適合する。装置全体は直径約50cmである。しかしながら、本発明は、任意のサイズのラッチに使用することができる。
【0016】
本体301は、本体301が開口部202に長手方向軸300の方向に-前方端部304が最初に、長手方向軸300の方向に-挿入される向きで規定される、前方端部304及び後方端部305を有する。前方端部304において、内側ハウジング302は、曲げ補強部205に接続するためのナックル306を画定する。一方、後方端部305において、内側ハウジング302は、曲げ制限部203に接続するためのナックル307を画定する。
内側ハウジング302は、ケーブル108を通す円柱状の内部孔308を画定する。したがって、ラッチが曲げ制限部及び曲げ補強部、又はケーブルの周りの他のケーブル保護具に取り付けられると、外側ハウジング303は回転自在であるが、内側ハウジング302、ケーブル及びケーブル保護具はそのまま残る。
【0017】
6つのラッチフィンガ308,309,310,311,312及び313が外側ハウジング302に取り付けられている。ラッチフィンガは、2つずつ3列に配置され、各列のラッチフィンガは、互いに対向している。最上段の列、すなわち、前方端部304に最も近い列は、ラッチフィンガ308及び309であり;中段の列は、ラッチフィンガ310及び311であり;最下段の列、すなわち、前方端部304から最も離れた列は、ラッチフィンガ312及び313である。ラッチフィンガ308及び312は、ラッチフィンガ309及び313と同様に、長手方向軸300に平行な線に沿って互いに配置されており、ラッチフィンガ310及び311は、最上段及び最下段の列からそれらからそれぞれ90°回転した位置にある。
【0018】
ラッチフィンガは、
図15を参照して更に説明するように、外側ハウジング303に取り付けられたピンの上端に回転可能に取り付けられており、閉位置又は開位置にあるであろう。それらは、ねじりばねを使用して、
図3及び
図4に示す開位置に付勢されている。本体301が、最初に前方端部304から、開口部202を通過するとき、それらは閉位置に強制され、その位置では本体301の外周を越えて突出することはない。一旦開口部を通過すると、それらは開位置に戻り、その位置で単杭壁の内面に接触しているラッチフィンガが壁と係合して、開口部から反対方向に本体が外れるのを防止する。
【0019】
従来技術のラッチでは、このようなラッチフィンガはその回転位置に固定されているため、ラッチを角度のある開口部の中に挿入したとき、どの、そして、いくつのフィンガが壁と係合するかは運次第である。しかしながら、ここに記載の発明では、ラッチフィンガは回転可能な外側ハウジング303に取り付けられている。そのため、最適な数のフィンガが係合できるように壁111に対する回転位置にラッチフィンガを移動させることができる。
図3及び
図4に示す実施形態では、最上段の列の1つのラッチフィンガと最下段の列の1つのラッチフィンガが係合するであろう。更に
図9に関して説明するように、中央の列の両方のラッチフィンガが係合する。加えて、ラッチフィンガの回転位置を指定できるため、壁に対して可能な限り大きな係合表面を提供するようにラッチフィンガが輪郭を描くことができる。
【0020】
この実施形態では、ラッチ204は、更に本体301に取り付けられたガイド320を含む。ここで説明するガイドは、本体301の周囲に等間隔に設置されている4つの緩衝器321、322、323及び324を含む。各緩衝器は、本体301の後方端部305の近くにおいて外側ハウジング303に取り付けられた軸部に組み込まれたホイールを含む。したがって、緩衝器321は、軸部341に組み込まれたホイール331を備え、緩衝器322は、軸部342に組み込まれたホイール332を備え、緩衝器323は、軸部343に組み込まれたホイール333を備え、緩衝器324は、軸部344に組み込まれたホイール334を備える。ホイール331から334は、壁111の外面との接触を最大にするため、半球状の端部を有する。
【0021】
緩衝器は、相反する対であり、1の対の緩衝器321及び323と、他の対を構成する緩衝器322、324で構成されている。各対において、ホイールは、長手方向軸300に対して互いに対向している。すなわち、ホイール331及びホイール333は対向しており、ホイール332及び334は互いに対向している。各対のホイールは、ホイール331及び333が他の2つより本体301の前方端部304に近くなるように、長手方向軸300に関して他の対からオフセットされている。つまり、それらは本体の端から同じ距離にある;したがって、ホイール331及びホイール333は互いに対向しており、ホイール332及び334は互いに対向している。各ホイールの対は、ホイール331及び333が他の2つよりも本体301の前方端部304に近くなるように、長手方向軸300に関して他の対からオフセットされている。この実施形態では、これは、軸部341及び343が軸部342及び344よりも長いことによって達成できるが、一方の対の緩衝器を他方の対の前方に取り付けることによって同等に達成することができる。したがって、ここでは緩衝器321及び323を前方緩衝器と呼び、緩衝器322及び324を後方緩衝器と呼ぶ。
【0022】
緩衝器は、縦軸300に平行な線に沿ってラッチフィンガと整列している、次のように:緩衝器321はラッチフィンガー310と一列に並び、緩衝器322はラッチフィンガー308及び312と一列に並び、緩衝器323はラッチフィンガー311と一列に並び、緩衝器324はラッチフィンガ309及び313と一列に並んでいる。
図8及び
図9を参照して更に説明するように、本体301が角度付き開口部202に挿入されると、ガイド320が外側ハウジング303の回転位置を2つの所定の位置のいずれかに案内する。これにより、ラッチフィンガは2つの所定の位置のいずれかに配置され、いずれの位置でも壁の内側に係合するように最適に配置される。
【0023】
したがって、本明細書にはラッチが記載されており、それは、この実施形態では、前方端部304、後方端部305及び長手方向軸300を有する本体301を含むラッチ204であり、長手方向軸に平行な第1の方向に前方端部から開口部の中に挿入されるように構成されている。本体は、この実施形態では内側ハウジング302である内側部分と、内側部分の少なくとも一部を囲み、内側部分の周りで回転可能な外側ハウジング303である環状の外側ハウジングを含む。それは、また、外側ハウジングに移動可能に取り付けられた複数のラッチフィンガ308から313を含み、各ラッチフィンガは閉位置と開位置の間で移動可能であり、開位置ではラッチフィンガが前記第1の方向と反対の方向に開口部から本体が外れるのを防止する。
【0024】
ラッチは、また、ガイドを備えることができる。それは、本実施例では、本体に取り付けられ、本体が開口部の中に挿入されたとき、外側ハウジングの回転を所定の回転位置に付勢するように構成されたガイド320である。これにより、ラッチフィンガも所定の回転位置に置かれる。所定の回転位置は複数であることができ、そして、ガイドは外側ハウジングの回転をそれらのいずれかに付勢する。
その代わりに、ラッチは、異なるガイドを含むことができる、又は外側ハウジングを回転させる別のシステムを含むことができる。例えば、外側ハウジングは、人によって又はロボットによって手動で移動可能である。更なる例として、ラッチは、外部ハウジングの回転を駆動するために手動又は自動で動作するモータ、及び所定の回転位置に到達したときを示す形態のフィードバックを含むことができる。これらのラッチに、ラッチが開いているか閉じているかを示すカメラやセンサを搭載することができる。
【0025】
(
図5及び
図6)
図5及び
図6は、外側ハウジング303がその周囲に配置される前の内側ハウジング302を示す。
図5の側面図に示すように、それはナックル306と307の間に中央部分501を含み、その周りに外側ハウジング303が配置される。中心部501に沿ったすべての点において、その外形は、外側ハウジング303がその周りを回転することができるように、円形の断面を有する。内側ハウジング及び外側ハウジング内の相補的な溝によって形成された、2つのボールベアリングによって回転が容易になる。内側ハウジング302の外側の溝502及び503は、この目的のためである。
【0026】
図6は、前方端部から見た斜視図であり、図示のように、内側ハウジング302は2片で形成されている。ハーフシェル601及び602は、相補的な穴603及び604などのボルト穴を使用して共にボルト締めされるように構成されている。この実施形態では、ラッチ204は、ケーブル108を通すように単1片で供給されるが、ハーフシェルで供給されて、現場でケーブルを囲んで形成できるようにハーフシェルで供給することも可能である。
【0027】
この実施形態では、内側ハウジング302は、ケーブル108を収容するための内部孔308を画定するが、他の実施形態では、特にラッチでケーブルを終わらせる場合、それは中空でなくてもよく、その場合、単1片として形成するのがより適しているであろう。更に、取り付けられるものに応じて、任意の適切な取り付け手段がナックルの代わりになり得る。取り付けられるものは、任意の形式のケーブル保護具、保護されていないケーブル、又は所定の位置に取り付ける必要があるその他のあらゆるものであり得る。
【0028】
(
図7)
図7は、後方端部から見た斜視図であり、図示のように、外側ハウジング303も2片で形成されている。ハーフシェル701及び702は、ハーフシェル701のボルト穴703及び704及び図では隠れているシェル702の対応するボルト穴などのボルト穴を使用して、内側ハウジング302の中央部分501の周りに共にボルト締めされる。
各ハーフシェルは、製造を容易にするために、それ自身3片で形成されている。例えば、ハーフシェル701はコンポーネント705,706及び707で形成されている。部品705及び706はボルト穴708などのボルト穴を使用して共にボルト締めされ、部品706及び707はボルト穴709などのボルト穴を使用して共にボルト締めされる。
【0029】
外側ハウジング303の内表面は、内側ハウジング302の中央部501の外表面と実質的に相補的であるように形成されている。外側ハウジング303に沿ったすべての点において、その内面は、内側ハウジング302の対応する部分よりもわずかに大きい円形断面を有し、それが回転を可能にしている。周方向の間隙714は、外側ハウジング302の内側表面上に画定されており、
図12を参照して説明するように、これは、任意の解除機構の一部を収容するためである。
【0030】
図5を参照して説明したように、相補的な溝によって形成された2つのボールベアリングによって回転が促進される。溝710及び711は、ハーフシェル702の内側表面上に見ることができ、そして、それらはハーフシェル701の内側表面上(この図では隠れている)に続いている。溝710は内側ハウジング302の外側の溝502と相補的である;同様に、溝711は溝503と相補的である。外側ハウジング303が内側ハウジング302の周りにボルト締めされると、ボール及び潤滑剤が穴712及び713の軸受内に導びかれる。その後、
図3に示すように穴には蓋がされる。
【0031】
(
図8)
ケーブル108がラッチ204内の孔308を通過し、そして、ケーブル保護具がナックル306及び307に取り付けられた後、ケーブルは壁111内の開口部202を通って引っ張られる(風力タービン101へのケーブル108の設置については、
図20を参照してより詳細に説明する)。
図8は、湾曲した壁111の開口部202に挿入されているラッチの本体301の側面図を示しており、断面で示されている。明瞭にするために、この図と以降の図にはケーブルとケーブル保護具は示していない。
【0032】
開口部202は、壁111の外面802又は内面803から約45°の角度801である(開口部の側面が斜めになっていることを意味する)ので、ラッチ204は同じ角度で挿入される。ラッチ204は、この角度に対して最適化される;他の実施形態では、ラッチは、異なる角度に対して最適化されるであろう。
本体301は、開口部202に、その長手方向軸300に平行な方向に、最初に前方端部304から挿入される。ラッチフィンガ308から313は、この図にラッチフィンガ309及び310によって示されているように、開口部202を通過すると付勢された開位置に戻る。外側ハウジング303は内側ハウジング302の周りで回転可能であるので、最初に挿入されると、外側ハウジング303は任意の回転位置にあるであろう。次に、ガイド320は、今説明するように、外側ハウジング303の回転を所定の位置の組の1つに案内する。
【0033】
前方緩衝器321又は323のうちの1つのホイールは、ガイド320の第1の部分であり、壁111の外面802と接触する。
図8において、緩衝器321のホイール331は外面802と接触している。ケーブル108の引っ張りは、開口部202を通って本体301に連続しているが、ホイール331は、外側ハウジング303が回転しない限り、その動きを防止する。したがって、外側ハウジング303は、内側ハウジング302の周りを回転し、本体301が開口部202内に更に移動できるようにする。この回転は、軸部341上で回転するホイール331によって更に促進する。
この例では、回転は、矢印804に示すように時計回りの方向であるが、外側ハウジング802は、ホイール331から334と同様に、時計回り又は反時計回りのいずれかの方向に自由に回転する。
【0034】
(
図9)
図9は、壁111の断面とラッチ204の側面図であり、外側ハウジング303の最終的な回転位置を示す。
内側ハウジング302が同じ回転位置に留っている間、外側ハウジング303は、緩衝器321,322,323(この図では見えない)のホイールが壁111の外面802に接触するまで回転し、ガイド320と外面802の間に、本体301の円周の約半分の周囲に3つの接触点を形成している。緩衝器324のホイールは外面802と接触していない。外側ハウジング303はもはやどちらの方向にもそれ以上回転することができない。
外側ハウジング303が別の位置でスタートしていたら、代わりに、緩衝器321,323及び324のホイールが外面802と接触する位置まで(いずれかの方向に)回転していたであろう。
【0035】
したがって、外側ハウジング303がガイド320によって付勢される2つの回転位置があり、各1において後方緩衝器322及び324は、本体301の上部及び底部にあり、前方緩衝器321及び323は各側にある。ラッチフィンガ308から313は緩衝器と整列しているので、これらは同様に、本体の上部、底部及び側部に位置されている。ラッチフィンガは、内面803と最大限係合するように位置決めされており、外側ハウジング303によって2つの回転位置のどちらになっても関係ない。
この例では、最上列のラッチフィンガ309は、開口部202の上部の内面803と係合し、最下列ラッチフィンガ312は、開口部202の底部と係合する。それらの中段の列のラッチフィンガ310,311(図示せず)は、開口部202の両側に1つずつ係合しており、もし他の回転位置が想定されていたならば、最上列のラッチフィンガ308と最下列のラッチフィンガ313が代わりに係合することになる。中央の列のラッチフィンガは両方とも常にかみ合う。
【0036】
各ラッチフィンガ308から313は、その上端が外側ハウジング303内の凹部内のピンに回転可能に取り付けられ、内面803と係合可能な基部を有する。ラッチフィンガは、常に同じ回転位置で内面803と係合する、そして同じ角度であるので、それらの基部は最大に係合するためにプロファイルされ得る。したがって、最上段のラッチフィンガ309は、平らな基部901を有し、最上段のラッチフィンガ310は、平らな基部902を有し、その両方は、開口部202の上部の内面802と係合するように形作られている。
この実施形態では、ラッチ204の長手方向軸300が開口部の壁に対して約45°である場合、これは、ラッチフィンガが開いているとき、平らな基部901及び902も軸300に対して約45°であることを意味する。したがって、平らな基部は、前方端部304から測定したとき、長手方向軸300に対して角度903で示すように鋭角である。
【0037】
同様に、最下列のラッチフィンガ312及び313は、それぞれ平らな基部904及び905を有する。これらは、開口部202の底部の内面803と係合するように形作られており、したがって、基部は、前方端部304から測定したとき、長手方向軸300に対して、角度906で示されるように、斜角である。
中段の列のラッチフィンガ310及び311は、開口部202の両側の内面803と係合するので、それらの基部は、ラッチフィンガ310の基部907のように、湾曲した輪郭を有している。
他の実施形態では、開口部が壁に対して異なる角度にある場合、または外側ハウジング303が取り得る回転位置の可能性がより多かれ少なかれ、ラッチフィンガの基部は、壁の内面との係合を最大限にするために異なる輪郭が形成されるであろう。
【0038】
したがって、この実施形態では、ガイドは4つの緩衝器、そのうちの1つの対は他の対に対してオフセットされている、によって提供されている。これらは、外側ハウジングの回転を2つの所定の回転位置のうちの1つを付勢する。他の実施形態では、他のガイドを使用することができる。たとえば、緩衝器の端部が壁を横切って滑ることができるほど壁の外面が十分に滑らかであるならば、緩衝器の端部はホイールでなくてもよいであろう。この実施形態における後方緩衝器の1つは、前方緩衝器よりも更に前方にあって、壁に対して相補的な形状を形成し、したがって単一の可能な回転位置を形成することができる。単一の環状の傾斜緩衝器を使用することができる。あるいは、壁内の1つ以上の凹部内に定置する単一の緩衝器も、外側ハウジングを1つ以上の所定の位置に向かって付勢する。他の実施形態では、ガイドは緩衝器以外のものを含むことができ、この場合、ラッチは、本体が開口部を通ってずっと引っ張られるのを防ぐ別個の要素を有することができる。
【0039】
(
図10)
係合しているラッチフィンガが開口部202を通過すると、ラッチを容易にするために、それらは開いて壁111の内面803と係合する必要がある。閉位置から外側に回転するには、フィンガの基部と内面803の間にクリアランスが必要である。このように、ガイド320が
図9に示す回転位置に到達すると、本体301が更に開口部202に挿入されて、係合しているフィンガを開くことができる。これを容易にするために、緩衝器321から324は、圧縮可能であり、ばね負荷されている。この結果、ホイール331から334は、本体301の前方端部304に向かって付勢されているが、本体301の後方端部305に向かって移動することもできるであろう。
【0040】
図10は、緩衝器322の断面を示す。ホイール332は、軸受1001内に収容された軸部342に回転可能に取り付けられており、軸受1001は、外側ハウジング303に取り付けられた緩衝器ハウジング1002内に収容されている。軸受1001内にあり、軸部342を取り囲むのは、ばね1003である。軸部342のカラー1004は、ばね1003の上部と係合している。緩衝器321及び323がより長い軸部と、それに対応してより長い軸受を有することを除いて、他の緩衝器も同様である。
したがって、ホイール332を下方に移動させることができ、これはばね1003を圧縮する。しかし、下向きの力ばね1003を取り外すと、バネ1003が拡張してホイール332が元の位置に戻る。他の実施形態では、本体の前方端部に向かって付勢された圧縮可能な緩衝器を提供する他の方法を使用することができる。
【0041】
この結果として、
図9に戻ると、一旦最終回転位置に到達すると、ケーブル108を引っ張り続け、外面802と接触している緩衝器、この例では緩衝器321,322及び323を圧縮することによって、本体301が開口部202内に更に移動し、係合しているラッチフィンガが開くことを可能にする。緩衝器が最大限圧縮すると、ラッチが十分に挿入され、ケーブル108の引っ張りを止めることができる。次に、緩衝器のばねにより、係合しているラッチフィンガが内面803と十分に係合するまで、ラッチ204が開口部202内でわずかに後方に移動する。緩衝器は、この時点でまだわずかに圧縮されているか、又は元の位置に戻されてるであろう。緩衝器のこの圧縮可能なばね荷重により、確実なラッチが生成され、開口部内のガタつきが軽減される。しかしながら、他の実施形態では、これを省略することができる。
【0042】
緩衝器322は、2つのねじ付きボルト1006及び1007を使用して緩衝器ハウジング1002の基部に取り付けられたハウジング基部1005を更に含む。軸受1001は、基部1005と係合する肩部を有する。ナット1008はボルト1006に螺合され、ナット1009はボルト1007に螺合され、これらのナットを一方向に回転させると、基部1005が緩衝器ハウジング1002から離れる方向に移動し、軸受1001が重力により下方に移動する。その結果、緩衝器322が壁から遠ざけられて係合が外れる。反対方向に回転すると、緩衝器が再び係合する。緩衝器の係合を解除することは、ラッチ204を開口部202から取り外すことができるようにするために必要であり、これについては
図14を参照して更に説明する。
【0043】
(
図11)
図11は、壁111の一部と開口部202内に位置するラッチ204の外観図を示す。壁111は湾曲しているが、ラッチ204は平らな壁の開口部内でも同様に使用され得る。ラッチフィンガ309,310及び312は、壁111の内面803に係合している(ラッチフィンガ311は、視認できない側で係合している)。したがって、ラッチの荷重は4つ同等なラッチフィンガの間で均等に広がり、いずれかのフィンガが不必要な疲労を受けないことを確実にしている。
【0044】
(
図12及び
図13)
設置されている壁からラッチを外す必要がある時がある。このために、ラッチ204は、任意の解除機構を備えている。これは、ラッチフィンガを閉位置に移動させて本体301を開口部202から外すことを可能にしている。
図12及び
図13は、ラッチ204の切断図であり、それぞれ、解除機構を内側に有するハーフシェル701の図を示す。
図12はわずかに上からであり、
図13はわずかに下からである。
解除機構1201は、接合された2つの半円板1203及び1204から構成された円形ワッシャ1202を含む。4つの直立ロッド1205,1206,1207及び1208がワッシャ1202に螺合されている。ロッド1205及び1207はロッド1206及び1208より長い。
【0045】
解除機構1201は外側ハウジング303に収容されている。ワッシャ1202は、外側ハウジング303の内側表面によって画定されている、間隙714内に収容されている。ロッド1205から1208の各々は、間隙714から進む外側ハウジング303内の円柱状の孔内にあり、各穴は長手方向軸300と平行であり、ラッチフィンガと整列している。
図12及び
図13に示すように、ロッド1206及び1207はハーフシェル701内に収容されている。ロッド1205及び1208は、ここでは図示しないハーフシェル702内に収容されている。
【0046】
ショートロッド1206はその先端部付近にカラー1209を有し、同様に短いロッド1208はその先端部付近にカラー1210を有する。長尺ロッド1205は、その先端部付近にカラー1211と、その長さのほぼ半分付近に他のカラー1212を有している。同様に、長尺ロッド1207は、その先端部付近にカラー1213と、その長さのほぼ半分付近に他のカラー1214を有している。
【0047】
各ラッチフィンガが外側ハウジング303に取り付けられる場合、外側ハウジング内に溝が画定され、各溝は円柱状の孔の1つと連通し、ロッドがその中を通過する。
各カラーは、1つの溝と位置合わせされている。したがって、ハーフシェル701では、カラー1213,1209及び1214は、最上列、中列及び最下列のラッチフィンガのそれぞれについて、溝1215,1216及び1217と位置合わせされている。同様に、ハーフシェル702では、カラー1211,1210及び1212は、最上列、中列及び最下列のラッチフィンガのそれぞれについて、溝1218,1219及び1220と位置合わせされている(
図16及び
図17に示す)。各カラーの直径は、円柱状の孔の直径よりも大きく、したがって、カラーは溝に閉じ込められている。
【0048】
したがって、ワッシャ1201は、外側ハウジング303内で、溝内のカラーの動きによって制限された量だけ上又は下に移動することができる。
解除機構1201を含むラッチ204を構築するためには、2つのハーフシェルを構成し、それらを共にボルト締めするのではなく、内側ハウジング302の周囲に外側ハウジング303を構成する必要がある。しかしながら、その場でラッチを構成するのが好ましい場合、解除機構1201は、それぞれハーフシェル701又は702に含まれる2つの半体に分離することができる。これを容易にするために、各プレート1203及び1204がハーフシェルと整列するように、ワッシャ1202を90°回転させる必要がある。
本発明に係るラッチは、解除機構を備えていなくてもよい。ラッチを取り外す必要がないのであれば、解除機構を省略することができる。
【0049】
(
図14)
図14は、
図12及び
図13の切断図を他の側から見た図である。ハーフシェル701は、ここでは緩衝器又はラッチフィンガなしで示すが、ラッチフィンガ308,310及び312が回転可能に取り付けらる凹部1401,1402及び1403をそれぞれ画定している。同様に、ハーフシェル702は、ラッチフィンガ309、311及び313が回転可能に取り付けられる凹部1404,1405及び1406をそれぞれ画定している(
図16及び
図17に示す)。各凹部は、その壁に溝1215から1220のうちの1つを画定する;この図には、凹部1401の壁に画定された溝1215と、凹部1403の壁に画定された溝1217を示す。ロッド1207は、カラー1213及び1214と共に溝内に見える。
図15を参照して説明するように、各ラッチフィンガはその上端に先端部を有し、各溝は、ラッチフィンガがその開位置にあるとき先端部を受け入れるように構成されている。ワッシャ1201の上方への移動により、各カラーがその溝内で上方に移動し、対応する先端部を溝から押し出し、ラッチフィンガを閉位置に戻す。
【0050】
外側ハウジング303は、各前方緩衝器のいずれかの側(したがって、挿入時にラッチの側)に4つの開口を画定し、この開口を通して工具を挿入し、ワッシャ1201を前方端部304に向かって移動させるように操作することができる。水中でラッチを取り外すときには、単杭のように、油圧工具が適している。このような開口の1つ、開口1404を
図4に示す。他の実施形態では、ワッシャを移動させる他の手段を使用することができる。
【0051】
係合しているラッチフィンガを係合解除して閉位置まで回転させるためには、ワッシャ1201を移動させる前に、本体301を更に開口部202に押し込む必要がある。典型的には、風力タービンの単杭からのラッチの取り外しは、緩衝体を圧縮し、本体301を移動するのに十分な力を加えることができないダイバーによって行われるであろう。したがって、
図10を参照して説明したように、各緩衝器は、それを後方端部305に向かって移動させることによって、壁111の外面802から解放するための手段を含む。したがって、これにより、解除機構1201が動作する前に、本体301が開口部202に押し込まれるためのクリアランスが確保される。
【0052】
(
図15)
図15は、その構成を示すために、ラッチ204から分離され、異なる角度から見たラッチフィンガ308(309は同一),310(311は同一)及び312(313は同じ)の外観を示す。
各ラッチフィンガ308から313は、その上端で終わる先端部を有している。ラッチフィンガ308から313は、それぞれ、先端部1501,1502,1503,1504,1505及び1506(この図にすべては図示せず)を有する。各先端部は窪み部を画定している;例えば、先端部1501は窪み部1511を画定している。これらの窪み部は、ロッド1205から1208の1つを受け入れるように成形されている。
【0053】
各ラッチフィンガは、それが回転するピン(図示せず)を受け入れるための円柱状の開口を更に画定し、例えば、ラッチフィンガ308は、開口1521を画定する。各ピンは、ラッチフィンガ用の窪み部に取り付けられ、例えば、ラッチフィンガ308用のピンは、窪み部1401内に取り付けられており、したがって、各ラッチフィンガは、外側ハウジング303に回転可能に取り付けられている。他の実施形態では、ラッチフィンガは、各フィンガが開位置と閉位置の間を移動することを可能にする別の方法で、外側ハウジングに移動可能に取り付けられ得る。例えば、ラッチフィンガは、内側及び外側に移動するボルトであってもよく、潜在的には、水中ではない設定において、電子的手段によって個別に制御されてもよい。
【0054】
したがって、使用時には、ラッチフィンガ308の先端部1501は、その窪み部1511にロッド1207を受け入れる。先端部1501はカラー1213上に静止している。解除機構1201が操作され、ワッシャ1202が前方端部304に向かって移動すると、ロッド1207及び、したがってカラー1213も前方端部304に向かって移動する。カラー1213は、先端部1501を溝1217から押し出すので、ラッチフィンガ308は閉位置に移動する。他のラッチフィンガも同様に構成されているため、同時に閉位置に移動する。
【0055】
したがって、各ラッチフィンガがその上端を終端とする先端部を含み、外側ハウジングがその先端部と位置合わせされた複数の窪み部を画定し、各ラッチフィンガの先端部が、ラッチフィンガが開位置にあるとき、開口内に受け入れられるようになっている解放機構が開示する。各先端部は、それぞれの開口から押し出され、各ラッチフィンガを閉位置に移動させることができる。この実施形態では、ラッチは、各々が少なくとも1つのビードを画定する複数のロッドを含み、各ビードは長手方向軸に関して先端部の1つと位置合わせされている。ロッドが前方端部に向かって移動すると、各ビードは先端部と係合し、先端部をそれぞれの窪み部から押し出す。これにより、ラッチフィンガが閉位置に移動する。先端部をそれらの開口から押し出す他の方法が使用されてもよい。この実施形態では、各ビードは、ロッド上のカラーであるが、ビードは、例えば、ロッド上の突起であってもよく、場合によっては一体的に形成又は後付けされてもよい。各ビードは、ロッドの全周に回っていてもよいし、一方向にのみ突出していてもよい。
【0056】
ワッシャ1202への力が解放されると、それは後方端部304に向かって移動し、元の位置に戻る。これによって、すべてのラッチフィンガが付勢された開位置に戻ることができる。この付勢は、各ラッチフィンガのねじりばね(図示せず)によって進められる。
この実施形態では、ロッドはすべて同じ直径を有するので、先端部内の窪み部は実質的に同じである。これは他の実施形態では当てはまらないかもしれない。更に別の実施形態では、解除機構が異なる場合、先端部は窪み部を有していなくてもよい。例えば、解除機構は、ロッドがそれらに受け入れられるのではなく、ロッドが先端部を通過するように設計されてもよい。
【0057】
(
図16及び
図17)
図16及び
図17は、それぞれ長手方向軸300を含む互いに直交する2つの平面に沿って取られたラッチ204の断面図である。この断面図において、ラッチが所定の位置にないので、緩衝器321から324は圧縮されていない。
外側ハウジング303は、内部孔308を画定する内側ハウジング302の周りを回転する。窪み部1401から1406は外側ハウジング303の外面に画定されており、その中にラッチフィンガが回転可能に取り付けられている。したがって、ラッチフィンガ308は窪み部1401に取り付けられ、ラッチフィンガ309は窪み部1402に取り付けられ、ラッチフィンガ310は窪み部1403に取り付けられ、ラッチフィンガ311は窪み部1405に取り付けられ、ラッチフィンガ312は窪み部1403に取り付けられ、ラッチフィンガ313は窪み部1406に取り付けられている。各ラッチフィンガは、その上端においてピンに回転可能に取り付けられている。例えば、ラッチフィンガ308は、ピン1521に回転可能に取り付けられている。
【0058】
開位置では、各先端部は、それぞれの窪み部の壁に画定された溝内に受け入れられている。したがって、ラッチフィンガ308の先端部1501は、窪み部1504の壁の溝1215に受け入れられている。同様に、ラッチフィンガ309から313の先端部1502から1506は、それぞれ、溝1218,1216,1219,1217及び1220に受け入れられている。
ロッド1207は、ラッチフィンガ308の先端部内の窪み部511と、ラッチフィンガ312内の同様の窪み部を通過し、先端部直下にカラー1213及び1214がある。ロッド1205は、ラッチフィンガ309及び313の先端部内の窪み部を通過し、カラー1211及び12142は、先端部直下にある。ロッド1206は、先端部直下のカラー1209と共に、ラッチフィンガ310の先端部の窪み部を通過する。ロッド1208は、先端部直下のカラー1210を有するラッチフィンガ311の先端部の窪み部を通過する。4本のロッドのすべてがワッシャ1202に取り付けられている。
【0059】
(
図18及び
図19)
図18及び
図19は、ワッシャ1202が前方端部304に向かって移動したときの同じ断面を示す。カラーは、それぞれの先端部が溝の外に押され、ラッチフィンガ308用のピン1521のようなピン1521がそれぞれの窪み部内の閉位置に移動するように、すべてのラッチフィンガがそれぞれのピンの回りを回転する。ここで、本体301の外周は、開口に位置しているならば、開口から後方端部306の方向に引き出すことができる。
【0060】
(
図20)
図20は、単杭102中へのケーブル108の設置を示す。典型的には、そのような設置は、自己昇降式船舶2001によって行われる。これはボートであり、沖合の必要な位置まで航行した後、脚2002などの多数の脚上でそれ自体が上昇する。これによって、風力タービンの設置中に船舶が位置を保持し、重量部品を持ち上げるための基礎が確実に提供される。しかしながら、ケーブルの設置はアンカーボートで十分であろう。
【0061】
船舶2001は、ホイストロープ2004を含むクレーン2003を有する。水中では、遠隔操作の水中ビークル(ROV)2005によって設置が支援される。これは、オペレータが制御するために、無線接続され、ボード船舶1001上の機器は御器される。これは、オペレータに水中の様子を提供するカメラを含む。
ケーブルが設置される前に、メッセンジャーワイヤ2006は、ROV2005の支援により、単杭を通って開口部202を通って外に送られ、その後、水中端が設置船舶2001まで戻される。もう一方の端は、ホイストロープ2004に取り付けられている。
【0062】
ケーブル108は、ボード船舶1001上のスプール2007に保持されている。その船舶で、ケーブル保護アセンブリ2008がケーブル108の端に追加され、曲げ制限部203、ラッチ204及び曲げ補強部205を備える。ケーブル108の端は、ラッチ204を通して供給される。又は、代替的に、2組のハーフシェルを共にボルト締めすることによって、ラッチ204がケーブルの周囲に形成されてもよい。曲げ補強部205は、ケーブル108及びナックル306の周りに2つのハーフシェルをボルト締めすることによって追加され、曲げ曲げ制限部206は、ケーブル108及びナックル308の周りに2つのハーフシェルを共にボルト締めすることによって追加される。
【0063】
ケーブル108は、曲げ補強部205の前端に破断可能な取り付け具で取り付けられ、その後、メッセンジャーライン2006に取り付けられる。
図9を参照して説明したように、ホイストロープ2006を引くことによって、メッセンジャーライン2006及びケーブル108は、ラッチが十分に係合するまで、開口部202を通って引っ張られる。外側ハウジング303は、本体301が開口部を通して引っ張られると、そのラッチフィンガが単杭の壁111の内側と最適に係合する所定の位置に回転されるように、所定の位置に自動的に回転する。
【0064】
ラッチ204の係合緩衝器が十分に圧縮されると、開口部202を通して本体301をそれ以上引っ張ることはできない。ホイストロープ2004を引っ張り続けると、ケーブル108と曲げ補強材203の間の破壊可能な取り付けが破壊される。その後、ラッチ204は最終的な係合位置に落ち着く。次に、保護アセンブリ2008を通って自由に走行しているケーブル108が、プラットフォーム104まで上方に引っ張られる。その後、ケーブルが固定され、メッセンジャーワイヤ1006の係合が外される。
ケーブルの残りの部分は、その後、埋められる前に海底に巻き戻される。典型的には、設置船舶1001は、トレンチユニット又は他のケーブル埋設設備を含む。
【0065】
したがって、本明細書では、支持構造、この例では単杭202、を有する洋上風力タービンに電気ケーブルを設置する方法が記載されている。これは、この例ではクランプ204であるクランプをケーブルに取り付けるステップと、この例では曲げ補強部205である曲げ補強部をクランプの後方端部に取り付けてケーブルを取り囲むように取り付けるステップを含む。ケーブルは、クランプが最初に支持構造の前端に入り、所望の高さに達するまで上方に引っ張られるように、支持構造内に通される。
【0066】
したがって、本明細書では、壁、この実施例では単杭102の壁111、の開口部の中にラッチを設置する方法が記載されている。これは、この例ではラッチ204であるラッチを得るステップと、ラッチの本体を開口部に挿入し、外側ハウジングが所定の位置に到達するまで、挿入中にガイドが回転できるようにするステップを含む。本体の挿入は、複数のラッチフィンガが開位置になり、本体が開口部から外れるのを防ぐまで続けられる。
【国際調査報告】