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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022553162
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(85)【翻訳文提出日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 CN2022095177
(87)【国際公開番号】W WO2023155325
(87)【国際公開日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】202220337809.3
(32)【優先日】2022-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】黄 天一
(72)【発明者】
【氏名】潘 先喜
(72)【発明者】
【氏名】高 ▲錦▼▲鳳▼
(72)【発明者】
【氏名】蔡 金博
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503BA03
5G503BA04
5G503BB01
5G503DA15
5G503DA18
5G503GB03
(57)【要約】
本願の実施例はエネルギー貯蔵システムを提供し、第1電池クラスタを含む第1エネルギー貯蔵分岐路と、第2電池クラスタ及び第1DC/DCコンバータを含む第2エネルギー貯蔵分岐路であって、前記第1DC/DCコンバータの出力端子は前記第2電池クラスタに直列接続され、前記第1エネルギー貯蔵分岐路と前記第2エネルギー貯蔵分岐路は並列接続される第2エネルギー貯蔵分岐路と、を含み、前記第1DC/DCコンバータは、前記第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を調節することで、前記第1エネルギー貯蔵分岐路の出力電流と前記第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を均衡させることに用いられる。本願の実施例のエネルギー貯蔵システムは、エネルギー貯蔵システムの容量を最大限に向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵システムであって、
第1電池クラスタを含む第1エネルギー貯蔵分岐路と、
第2電池クラスタ及び第1DC/DCコンバータを含む第2エネルギー貯蔵分岐路であって、前記第1DC/DCコンバータの出力端子は前記第2電池クラスタに直列接続され、前記第1エネルギー貯蔵分岐路と前記第2エネルギー貯蔵分岐路は並列接続される第2エネルギー貯蔵分岐路と、を含み、
前記第1DC/DCコンバータは、前記第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を調節することで、前記第1エネルギー貯蔵分岐路の出力電流と前記第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を均衡させることに用いられることを特徴とするエネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
前記第1エネルギー貯蔵分岐路はDC/DCコンバータを含まないことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記第1エネルギー貯蔵分岐路の出力電流は、前記第1DC/DCコンバータが前記第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を調節することによって調節されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記第2エネルギー貯蔵分岐路は、
前記第1DC/DCコンバータに並列接続され、前記第1DC/DCコンバータをオン又はオフにするための第1スイッチユニットをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記第1スイッチユニットはさらに前記第2電池クラスタに直列接続され、前記第2電池クラスタの動作を制御することに用いられることを特徴とする請求項4に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
前記第1エネルギー貯蔵分岐路は、
前記第1電池クラスタに直列接続され、前記第1電池クラスタの動作を制御するための第2スイッチユニットをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項7】
前記第1DC/DCコンバータの2つの入力端子はそれぞれ前記第2電池クラスタのうちの少なくとも1つの電池の両端に連結されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
前記第1DC/DCコンバータの2つの入力端子はそれぞれ前記第2電池クラスタの正極及び負極に連結されることを特徴とする請求項7に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項9】
前記第1DC/DCコンバータは前記エネルギー貯蔵システムから独立した電源により給電されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵システムは、
前記第1電池クラスタの状態情報及び前記第2電池クラスタの状態情報に基づいて、前記第1DC/DCコンバータの動作を制御するための主制御ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項11】
前記エネルギー貯蔵システムは、
前記第1電池クラスタの状態情報を収集し、前記主制御ユニットに伝送するための第1サブ制御ユニットと、
前記第2電池クラスタの状態情報を収集し、前記主制御ユニットに伝送するための第2サブ制御ユニットと、をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項12】
前記エネルギー貯蔵システムは、
前記主制御ユニットに前記エネルギー貯蔵システムの総需要電力を提供するための電力変換ユニットをさらに含み、
前記主制御ユニットは、前記総需要電力、前記第1電池クラスタの状態情報及び前記第2電池クラスタの状態情報に基づいて、前記第1DC/DCコンバータの動作を制御することに用いられることを特徴とする請求項10又は11に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項13】
前記エネルギー貯蔵システムは、
前記第1電池クラスタの状態情報を収集するための第1サブ制御ユニットと、
前記第2電池クラスタの状態情報を収集し、前記第1サブ制御ユニットから送信された前記第1電池クラスタの状態情報を受信するための第2サブ制御ユニットと、をさらに含み、
前記第2サブ制御ユニットはさらに、前記第1電池クラスタの状態情報及び前記第2電池クラスタの状態情報に基づいて、前記第1DC/DCコンバータの動作を制御することに用いられることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項14】
スイッチユニットはリレーであることを特徴とする請求項4~6のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項15】
前記第1DC/DCコンバータは絶縁型のDC/DCコンバータであることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項16】
前記第1DC/DCコンバータは非絶縁型のDC/DCコンバータであることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項17】
前記第1電池クラスタは複数の電池により直列接続及び/又は並列接続して形成されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項18】
前記第2電池クラスタは複数の電池により直列接続及び/又は並列接続して形成されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項19】
前記電力変換ユニットはAC/DCコンバータ又は第2DC/DCコンバータであることを特徴とする請求項12に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項20】
前記第1DC/DCコンバータの出力端子は前記第2電池クラスタの正極又は負極に直列接続されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は2022年02月18日に中国特許局に提出された、出願番号が202220337809.3であり、発明の名称が「エネルギー貯蔵システム」である実用新案の優先権を主張し、その全内容は援用により本願に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本願は電池の技術分野に関し、特にエネルギー貯蔵システムに関する。
【背景技術】
【0003】
電池容量を向上させるために、現在、ほとんどのエネルギー貯蔵システムは直接電池クラスタの同じ極を導線によって並列接続し、電池の内部抵抗が小さいため、並列接続時に電池クラスタ間に大きな循環電流が存在し、電池の最大耐電流を超えると、電池に不可逆的な損傷を与え、且つ電池クラスタの間が充放電過程で電流均衡を実現できず、それによりエネルギー貯蔵システムの容量及び効率に影響を与える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
これに鑑みて、本願の実施例はエネルギー貯蔵システムを提供し、エネルギー貯蔵システムの容量を最大限に向上させることができる。
【0005】
第1態様では、エネルギー貯蔵システムを提供し、第1電池クラスタを含む第1エネルギー貯蔵分岐路と、第2電池クラスタ及び第1DC/DCコンバータを含む第2エネルギー貯蔵分岐路であって、前記第1DC/DCコンバータの出力端子は前記第2電池クラスタに直列接続され、前記第1エネルギー貯蔵分岐路と前記第2エネルギー貯蔵分岐路は並列接続される第2エネルギー貯蔵分岐路と、を含み、前記第1DC/DCコンバータは、前記第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を調節することで、前記第1エネルギー貯蔵分岐路の出力電流と前記第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を均衡させることに用いられる。
【0006】
該実施例では、第2エネルギー貯蔵分岐路に第1DC/DCコンバータを追加することによって、第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を調整し、それにより第1エネルギー貯蔵分岐路の出力電流と第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流との均衡を実現することができ、さらにエネルギー貯蔵システムの容量を最大限に向上させることができる。
【0007】
可能な実施形態では、前記第1エネルギー貯蔵分岐路はDC/DCコンバータを含まない。
【0008】
該実施例では、第1エネルギー貯蔵分岐路にDC/DCコンバータを追加せずに、第2エネルギー貯蔵分岐路に第1DC/DCコンバータを追加するだけで、第1エネルギー貯蔵分岐路の出力電流と第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流との均衡を実現することができ、それによりエネルギー貯蔵システムのコスト及び体積を減らすことができ、且つエネルギー貯蔵システムの電力損失を低減させることができる。
【0009】
可能な実施形態では、前記第1エネルギー貯蔵分岐路の出力電流は、前記第1DC/DCコンバータが前記第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を調節することによって調節される。
【0010】
該実施例では、第2エネルギー貯蔵分岐路に第1DC/DCコンバータを追加し、第1DC/DCコンバータによって第2電池クラスタの電圧を調節し、それにより、第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を調節し、第1エネルギー貯蔵分岐路の出力電流も間接的に調節し、それにより前記第1エネルギー貯蔵分岐路の出力電流と前記第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を均衡させ、即ち、総体的に第1エネルギー貯蔵分岐路及び第2エネルギー貯蔵分岐路に充電又は放電を同時に完了させることができ、それによりエネルギー貯蔵システムの容量を最大限に向上させることができる。
【0011】
可能な実施形態では、前記第2エネルギー貯蔵分岐路は、前記第1DC/DCコンバータに並列接続され、前記第1DC/DCコンバータをオン又はオフにするための第1スイッチユニットをさらに含む。
【0012】
該実施例では、第1スイッチユニットによって第1DC/DCコンバータをオン又はオフにし、それにより第1DC/DCコンバータによって第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を調節することができ、さらに第1エネルギー貯蔵分岐路の出力電流と第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を均衡させることができる。
【0013】
可能な実施形態では、前記第1スイッチユニットはさらに前記第2電池クラスタに直列接続され、前記第2電池クラスタの動作を制御することに用いられる。
【0014】
該実施例では、同一のスイッチユニットを用いて第2電池クラスタの動作を制御し、及び第1DC/DCコンバータをオン又はオフにすることによって、スイッチユニットの数を減少することができ、それによりエネルギー貯蔵システムのコストをさらに減らすことができる。
【0015】
可能な実施形態では、前記第1エネルギー貯蔵分岐路は、前記第1電池クラスタに直列接続され、前記第1電池クラスタの動作を制御するための第2スイッチユニットをさらに含む。
【0016】
該実施例では、第2スイッチユニットを用いて第1電池クラスタの動作を制御することによって、第1電池クラスタの過充電又は過放電のリスクを回避することができ、それにより第1電池クラスタの電池耐用年数を延ばすことができる。
【0017】
可能な実施形態では、前記第1DC/DCコンバータの2つの入力端子はそれぞれ前記第2電池クラスタのうちの少なくとも1つの電池の両端に連結される。
【0018】
可能な実施形態では、前記第1DC/DCコンバータの2つの入力端子はそれぞれ前記第2電池クラスタの正極及び負極に連結される。
【0019】
該実施例では、第2電池クラスタを用いて第1DC/DCコンバータに給電し、さらなる給電モジュールの導入を回避することができ、さらにエネルギー貯蔵システムの体積及びコストを減らすことができる。
【0020】
可能な実施形態では、前記第1DC/DCコンバータは前記エネルギー貯蔵システムから独立した電源により給電される。
【0021】
可能な実施形態では、前記エネルギー貯蔵システムは、前記第1電池クラスタの状態情報及び前記第2電池クラスタの状態情報に基づいて、前記第1DC/DCコンバータの動作を制御するための主制御ユニットをさらに含む。
【0022】
該実施例では、主制御ユニットは第1電池クラスタの状態情報及び第2電池クラスタの状態情報に基づいて、第1DC/DCコンバータの動作を制御することができ、それにより第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流をタイムリーに調整することができ、さらに第1エネルギー貯蔵分岐路の出力電流と第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を均衡させる。
【0023】
可能な実施形態では、前記エネルギー貯蔵システムは、前記第1電池クラスタの状態情報を収集し、前記主制御ユニットに伝送するための第1サブ制御ユニットと、前記第2電池クラスタの状態情報を収集し、前記主制御ユニットに伝送するための第2サブ制御ユニットと、をさらに含む。
【0024】
該実施例では、各エネルギー貯蔵分岐路に1つのサブ制御ユニットを割り当て、サブ制御ユニットが対応するエネルギー貯蔵分岐路の電池クラスタの状態情報を収集することによって、主制御ユニットの負担を軽減し、主制御ユニットの電力損失を低減させることができる。
【0025】
可能な実施形態では、前記エネルギー貯蔵システムは、前記主制御ユニットに前記エネルギー貯蔵システムの総需要電力を提供するための電力変換ユニットをさらに含み、前記主制御ユニットは、前記総需要電力、前記第1電池クラスタの状態情報及び前記第2電池クラスタの状態情報に基づいて、前記第1DC/DCコンバータの動作を制御することに用いられる。
【0026】
該実施例では、第1DC/DCコンバータによって第2エネルギー貯蔵分岐路の第2電池クラスタの電圧を調節し、それにより第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を調節することができ、与えられた総需要電力の下で、第1エネルギー貯蔵分岐路の出力電流も調整し、総体的に第1電池クラスタ及び第2電池クラスタに放電又は充電を同時に完了させ、エネルギー貯蔵システムの容量を最大限に向上させる。
【0027】
可能な実施形態では、前記エネルギー貯蔵システムは、前記第1電池クラスタの状態情報を収集するための第1サブ制御ユニットと、前記第2電池クラスタの状態情報を収集し、前記第1サブ制御ユニットから送信された前記第1電池クラスタの状態情報を受信するための第2サブ制御ユニットと、をさらに含み、前記第2サブ制御ユニットはさらに、前記第1電池クラスタの状態情報及び前記第2電池クラスタの状態情報に基づいて、前記第1DC/DCコンバータの動作を制御することに用いられる。
【0028】
可能な実施形態では、前記スイッチユニットはリレーである。
【0029】
可能な実施形態では、前記第1DC/DCコンバータは絶縁型のDC/DCコンバータである。
【0030】
可能な実施形態では、前記第1DC/DCコンバータは非絶縁型のDC/DCコンバータである。
【0031】
可能な実施形態では、前記第1電池クラスタは複数の電池により直列接続及び/又は並列接続して形成される。
【0032】
可能な実施形態では、前記第2電池クラスタは複数の電池により直列接続及び/又は並列接続して形成される。
【0033】
可能な実施形態では、前記電力変換ユニットはAC/DCコンバータ又は第2DC/DCコンバータである。
【0034】
可能な実施形態では、前記第1DC/DCコンバータの出力端子は前記第2電池クラスタの正極又は負極に直列接続される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、本願の実施例に使用される必要がある図面を簡単に紹介し、明らかなように、以下に説明される図面は単に本願のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労働を必要とせずに、図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【0036】
図1】本願の実施例のエネルギー貯蔵システムの模式的なブロック図を示す。
図2】本願の実施例のエネルギー貯蔵システムの1つの構造模式図を示す。
図3】本願の実施例のエネルギー貯蔵システムの別の構造模式図を示す。
図4】本願の実施例の第1電池クラスタの構造模式図を示す。
図5】本願の実施例の第2電池クラスタの構造模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例の技術的解決手段を明確で、完全に説明し、明らかなように、説明される実施例は単に本願の一部の実施例であり、全部の実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を必要とせずに取得するすべての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0038】
特に定義しない限り、本願に使用される全ての技術用語及び科学用語は当業者が一般的に理解する意味と同じであり、本願の明細書に使用される用語は具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本願を制限するためのものではなく、本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の簡単な説明における「含む」及び「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な包括をカバーすることを意味する。本願の明細書、特許請求の範囲又は上記図面における「第1」、「第2」等の用語は異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序又は主従関係を説明するためのものではない。
【0039】
本願で言及されている「実施例」は、実施例を参照して説明される特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書の様々な位置での該「実施例」の出現は、必ずしも同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と相互排他的である独立した実施例又は代替の実施例でもない。当業者が明示的及び暗黙的に理解できるように、本願に説明される実施例は他の実施例と組み合わせてもよい。
【0040】
本願の説明では、説明する必要がある点として、明確に規定及び限定されない限り、「連結」、「接続」という用語は直接連結されてもよく、中間媒体を介して間接的に連結されてもよく、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に基づいて上記用語の本願での具体的な意味を理解することができる。
【0041】
本願の「及び/又は」という用語は、関連対象を説明する関連関係に過ぎず、3つの関係が存在することを示す。例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在すること、AとBが同時に存在すること、及びBが単独で存在することの3つの状況を示すことができる。また、本願の文字「/」は、一般的に前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0042】
本願の電池クラスタとは電池を直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で接続した電池組立体を指し、直並列接続とは直列接続と並列接続の組み合わせを指す。例えば、本願の電池クラスタは複数の電池により直列接続又は並列接続して形成されてもよい。また例えば、本願の電池クラスタは複数の電池により並列接続してから直列接続して形成されてもよい。電池とは1つ又は複数の電池セルを含むことでより高い電圧及び容量を提供する単一の物理モジュールを指す。例えば、電池は電池モジュール又は電池パックであってもよい。
【0043】
なお、本願の実施例の電池はリチウムイオン電池、リチウム金属電池、鉛酸電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池又はナトリウムイオン電池等であってもよく、ここで限定しない。
【0044】
現在、ほとんどのエネルギー貯蔵システムにおいて、電池クラスタを並列接続することによってシステムの容量を向上させる必要がある。電池クラスタを直接並列接続すると、充放電が終了した後に循環電流現象が発生し、各電池クラスタの電圧が強制的に均衡され、内部抵抗が小さい電池クラスタが完全に充電又は放電された後、他の電池クラスタが充放電を停止する必要があり、それにより他の電池クラスタが完全に充放電できないことをもたらし、さらに電池の容量損失及び温度上昇をもたらし、電池の減衰が加速し、エネルギー貯蔵システムの使用可能な容量を低減させる。
【0045】
これに鑑みて、本願の実施例はエネルギー貯蔵システムを提供し、第1エネルギー貯蔵分岐路及び第2エネルギー貯蔵分岐路を含み、第2エネルギー貯蔵分岐路に直流-直流(direct current-direct current、DC/DC)コンバータを追加することによって、第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を調整し、それにより第1エネルギー貯蔵分岐路の出力電流と第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を均衡させ、それによりエネルギー貯蔵システムの容量を最大限に向上させることができる。
【0046】
図1は本願の実施例のエネルギー貯蔵システムの模式的なブロック図を示す。図1に示すように、該エネルギー貯蔵システム100は第1エネルギー貯蔵分岐路110及び第2エネルギー貯蔵分岐路120を含み、前記第1エネルギー貯蔵分岐路110と前記第2エネルギー貯蔵分岐路120は並列接続される。前記第1エネルギー貯蔵分岐路110は第1電池クラスタ111を含み、前記第2エネルギー貯蔵分岐路120は第2電池クラスタ121及び第1DC/DCコンバータ122を含み、前記第1DC/DCコンバータ122の出力端子は前記第2電池クラスタ121に直列接続される。前記第1DC/DCコンバータ122は前記第2エネルギー貯蔵分岐路120の出力電流を調節することで、前記第1エネルギー貯蔵分岐路110の出力電流と前記第2エネルギー貯蔵分岐路120の出力電流を均衡させることに用いられる。
【0047】
一実施例では、前記第1エネルギー貯蔵分岐路110はDC/DCコンバータを含まない。つまり、前記第1エネルギー貯蔵分岐路110は前記第1エネルギー貯蔵分岐路110の出力電流を直接調節するためのDC/DCコンバータを含まない。
【0048】
別の実施例では、前記第1エネルギー貯蔵分岐路110の出力電流は、前記第1DC/DCコンバータ122が前記第2エネルギー貯蔵分岐路120の出力電流を調節することによって調節されてもよい。つまり、前記第1エネルギー貯蔵分岐路110の出力電流は前記第1DC/DCコンバータ122により間接的に調節される。
【0049】
他の実施例では、第1エネルギー貯蔵分岐路110に、第1エネルギー貯蔵分岐路110の出力電流を調節できる他のデバイス、例えば、スライド抵抗器を追加してもよく、本願の実施例はこれを限定しない。DC/DCコンバータに加えて、第1エネルギー貯蔵分岐路110の出力電流を実現できるデバイスであれば、いずれも本願の技術的解決手段の保護範囲内に属する。
【0050】
説明する必要がある点として、本願の実施例の第1エネルギー貯蔵分岐路110及び第2エネルギー貯蔵分岐路120は、該エネルギー貯蔵システム100に含まれるエネルギー貯蔵分岐路の数を示さず、該エネルギー貯蔵システム100に含まれるエネルギー貯蔵分岐路のカテゴリを示し、1つのカテゴリは該エネルギー貯蔵分岐路にDC/DCコンバータが含まれないことを示し、もう1つのカテゴリは該エネルギー貯蔵分岐路にDC/DCコンバータが含まれることを示す。つまり、該エネルギー貯蔵システム100は少なくとも1つの第1エネルギー貯蔵分岐路110及び少なくとも1つの第2エネルギー貯蔵分岐路120を含んでもよい。
【0051】
DC/DCコンバータが入力電圧を変換して固定電圧を効果的に出力する電圧コンバータであるため、本願の実施例では、第2エネルギー貯蔵分岐路120に第1DC/DCコンバータ122を追加し、第1DC/DCコンバータ122によって第2電池クラスタ121の電圧を調節し、それにより、第2エネルギー貯蔵分岐路120の出力電流を調節し、第1エネルギー貯蔵分岐路110の出力電流も間接的に調節し、それにより前記第1エネルギー貯蔵分岐路110の出力電流と前記第2エネルギー貯蔵分岐路120の出力電流を均衡させ、即ち、総体的に第1エネルギー貯蔵分岐路110及び第2エネルギー貯蔵分岐路120に充電又は放電を同時に完了させることができ、それによりエネルギー貯蔵システム100の容量を最大限に向上させることができる。
【0052】
また、第1エネルギー貯蔵分岐路110にDC/DCコンバータを追加せずに、第2エネルギー貯蔵分岐路120に第1DC/DCコンバータ122を追加するだけで、第1エネルギー貯蔵分岐路110の出力電流と第2エネルギー貯蔵分岐路120の出力電流との均衡を実現することができ、それによりエネルギー貯蔵システム100のコスト及び体積を減らすことができ、且つエネルギー貯蔵システム100の電力損失を低減させることができる。
【0053】
図2は本願の実施例のエネルギー貯蔵システム100の構造模式図を示す。
【0054】
選択的に、図2に示すように、前記第2エネルギー貯蔵分岐路120は第1スイッチユニット123をさらに含み、前記第1スイッチユニット123は前記第1DC/DCコンバータ122に並列接続され、前記第1スイッチユニット123は前記第1DC/DCコンバータ122をオン又はオフにすることに用いられる。例えば、第1DC/DCコンバータ122が第2エネルギー貯蔵分岐路120の出力電流を調節する必要があるときに、第1スイッチユニット123をオフにし、第1DC/DCコンバータ122が第2エネルギー貯蔵分岐路120の出力電流を調節する必要がないときに、第1スイッチユニット123をオンにする。
【0055】
該実施例では、第1スイッチユニット123によって第1DC/DCコンバータをオン又はオフにし、それにより第1DC/DCコンバータ122によって第2エネルギー貯蔵分岐路120の出力電流を調節することができ、さらに第1エネルギー貯蔵分岐路110の出力電流と第2エネルギー貯蔵分岐路120の出力電流を均衡させる。
【0056】
選択的に、図2に示すように、前記第1スイッチユニット123はさらに前記第2電池クラスタ121に直列接続され、且つ前記第1スイッチユニット123はさらに、前記第2電池クラスタ121の動作を制御することに用いられる。例えば、放電過程で、第2電池クラスタ121が放電オフ電圧に達すると、第1スイッチユニット123はオフにされ、第2電池クラスタ121の動作を停止し、第2電池クラスタ121が放電オフ電圧に達しないと、第1スイッチユニット123は連続的にオンにされ、第2電池クラスタ121を引き続き作動させる。
【0057】
該実施例では、同一のスイッチユニットを用いて第2電池クラスタ121の動作を制御し、及び第1DC/DCコンバータ122をオン又はオフにすることによって、スイッチユニットの数を減少することができ、それによりエネルギー貯蔵システム100のコストをさらに減らすことができる。
【0058】
選択的に、図2に示すように、前記第1エネルギー貯蔵分岐路110は、前記第1電池クラスタ111に直列接続され、前記第1電池クラスタ111の動作を制御するための第2スイッチユニット112をさらに含む。例えば、放電過程で、第1電池クラスタ111が放電オフ電圧に達すると、第2スイッチユニット112はオフにされ、第1電池クラスタ111の動作を停止し、第1電池クラスタ111が放電オフ電圧に達しないと、第2スイッチユニット112は連続的にオンにされ、第1電池クラスタ111を引き続き作動させる。
【0059】
該実施例では、第2スイッチユニット112を用いて第1電池クラスタ111の動作を制御することによって、第1電池クラスタ111の過充電又は過放電のリスクを回避することができ、それにより第1電池クラスタ111の電池耐用年数を延ばすことができる。
【0060】
選択的に、1つの実施例では、前記第1DC/DCコンバータ122の2つの入力端子は前記第2電池クラスタ121のうちの少なくとも1つの電池の両端に連結されてもよい。さらに、前記第1DC/DCコンバータ122の2つの入力端子はそれぞれ前記第2電池クラスタ121の正極及び負極に連結される。
【0061】
該実施例では、第2電池クラスタ121を用いて第1DC/DCコンバータ122に給電し、さらなる給電モジュールの導入を回避することができ、さらにエネルギー貯蔵システム100の体積及びコストを減らすことができる。
【0062】
選択的に、別の実施例では、前記第1DC/DCコンバータ122は前記エネルギー貯蔵システム100から独立した電源により給電される。例えば、前記第1DC/DCコンバータ122は独立した電池により給電される。また例えば、前記第1DC/DCコンバータ122は独立したコンデンサにより給電される。
【0063】
説明する必要がある点として、第1DC/DCコンバータ122の低電圧給電であるか高電圧給電であるかに関わらず、上記の各実施例のいずれかを使用することができる。
【0064】
図3は本願の実施例のエネルギー貯蔵システム100の別の構造模式図を示す。
【0065】
図3に示すように、前記エネルギー貯蔵システム100は、前記第1電池クラスタ111の状態情報及び前記第2電池クラスタ121の状態情報に基づいて、前記第1DC/DCコンバータ122の動作を制御するための主制御ユニット130をさらに含む。
【0066】
選択的に、前記第1電池クラスタ111及び前記第2電池クラスタ121の状態情報は電池クラスタの電圧、電流、温度及びSOC等の様々なパラメータを含んでもよい。該第1電池クラスタ111の状態情報は第1電池クラスタ111の全体状態情報であってもよく、第1電池クラスタ111のうちの各電池の状態情報であってもよい。同様に、該第2電池クラスタ121の状態情報は第2電池クラスタ121の全体状態情報であってもよく、第2電池クラスタ121のうちの各電池の状態情報であってもよい。
【0067】
選択的に、主制御ユニット130は第1電池クラスタ111の状態情報及び第2電池クラスタ121の状態情報に基づいて、第1DC/DCコンバータ122のオン又はオフを制御することができる。例えば、主制御ユニット130は第1電池クラスタ111の状態情報及び第2電池クラスタ121の状態情報に基づいて、第1スイッチユニット123のオン又はオフを制御し、それにより第1DC/DCコンバータ122のオン又はオフを制御する。
【0068】
別の実施例では、第1DC/DCコンバータ122の主な動作方式がパルス幅変調(pulse width modulation、PWM)方式であると、主制御ユニット130は第1電池クラスタ111の状態情報及び第2電池クラスタ121の状態情報に基づいて、パルス波のデューティ比を調節することができ、それにより第1DC/DCコンバータ122の出力電圧を調節し、さらに第2エネルギー貯蔵分岐路120の出力電流を調節する。
【0069】
別の実施例では、第1DC/DCコンバータ122の主な動作方式がパルス周波数変調(pulse frequency modulation、PFM)方式であると、主制御ユニット130は第1電池クラスタ111の状態情報及び第2電池クラスタ121の状態情報に基づいて、パルス波の出力周波数を調節することができ、それにより第1DC/DCコンバータ122の出力電圧を調節し、さらに第2エネルギー貯蔵分岐路120の出力電流を調節する。
【0070】
要するに、該実施例では、主制御ユニット130は第1電池クラスタ111の状態情報及び第2電池クラスタ121の状態情報に基づいて、第1DC/DCコンバータ122の動作を制御することができ、それにより第2エネルギー貯蔵分岐路120の出力電流をタイムリーに調整することができ、さらに第1エネルギー貯蔵分岐路110の出力電流と第2エネルギー貯蔵分岐路120の出力電流を均衡させる。
【0071】
選択的に、図3に示すように、前記エネルギー貯蔵システム100は、第1サブ制御ユニット140及び第2サブ制御ユニット150をさらに含む。前記第1サブ制御ユニット140は前記第1電池クラスタ111の状態情報を収集し、収集した第1電池クラスタ111の状態情報を主制御ユニット130に伝送することに用いられ、前記第2サブ制御ユニット150は前記第2電池クラスタ121の状態情報を収集し、収集した第2電池クラスタ121の状態情報を主制御ユニット130に伝送することに用いられる。
【0072】
説明する必要がある点として、第1サブ制御ユニット140は第1電池クラスタ111の各電池の状態情報を収集することができ、第2サブ制御ユニット150は第2電池クラスタ121の各電池の状態情報を収集することができ、第1サブ制御ユニット140は第1電池クラスタ111の各電池の状態情報を主制御ユニット130に伝送してもよく、第1サブ制御ユニット140は第1電池クラスタ111の全体状態情報を主制御ユニット130に伝送してもよい。同様に、第2サブ制御ユニット150は第2電池クラスタ121の各電池の状態情報を主制御ユニット130に伝送してもよく、第2サブ制御ユニット150は第2電池クラスタ121の全体状態情報を主制御ユニット130に伝送してもよい。
【0073】
該実施例では、各エネルギー貯蔵分岐路に1つのサブ制御ユニットを割り当て、サブ制御ユニットが対応するエネルギー貯蔵分岐路の電池クラスタの状態情報を収集することによって、主制御ユニット130の負担を軽減し、主制御ユニット130の電力損失を低減させることができる。
【0074】
別の実施例では、図3に示すように、前記エネルギー貯蔵システム100は、前記第1電池クラスタ111の状態情報を収集するための第1サブ制御ユニット140と、前記第2電池クラスタ121の状態情報を収集し、前記第1サブ制御ユニット140から送信された前記第1電池クラスタ111の状態情報を受信するための第2サブ制御ユニット150と、をさらに含み、前記第2サブ制御ユニット150はさらに、前記第1電池クラスタ111の状態情報及び前記第2電池クラスタ121の状態情報に基づいて、前記第1DC/DCコンバータ122の動作を制御することに用いられる。
【0075】
つまり、前記第1DC/DCコンバータ122の動作を制御することは、第2サブ制御ユニット150により実行されてもよく、主制御ユニット130により実行する必要がなく、それにより主制御ユニット130の電力損失をさらに低減させることができる。
【0076】
他の実施例では、第1DC/DCコンバータ122の動作を制御することは、第1DC/DCコンバータ122の内部に集積された制御ユニットにより実行されてもよく、本願の実施例は第1DC/DCコンバータ122の動作を制御する実行主体を限定しない。
【0077】
選択的に、図3に示すように、前記エネルギー貯蔵システム100は、前記主制御ユニット130に前記エネルギー貯蔵システム100の総需要電力を提供するための電力変換ユニット160をさらに含み、前記主制御ユニット130は前記総需要電力、前記第1電池クラスタ111の状態情報及び前記第2電池クラスタ121の状態情報に基づいて、前記第1DC/DCコンバータ122の動作を制御する。
【0078】
通常、電力変換ユニット160はエネルギー貯蔵システム100から出力される電力タイプを、負荷に必要な電力タイプに変換することに用いられる。例えば、該電力変換ユニット160はエネルギー貯蔵システム100から出力される直流電力を交流電力に変換することができる。また例えば、該電力変換ユニット160はエネルギー貯蔵システム100から出力される電圧の値、電流の値又は電圧及び電流のタイミング等を変化させることができる。
【0079】
該実施例では、第1DC/DCコンバータ122によって第2エネルギー貯蔵分岐路120の第2電池クラスタ121の電圧を調節し、それにより第2エネルギー貯蔵分岐路120の出力電流を調節することができ、与えられた総需要電力の下で、第1エネルギー貯蔵分岐路110の出力電流も調整し、総体的に第1電池クラスタ111及び第2電池クラスタ121に同時に完全に放電又は充電させ、エネルギー貯蔵システム100の容量を最大限に向上させる。
【0080】
選択的に、前記電力変換部材160は交流-直流(alternating current-direct current、AC/DC)コンバータ又は第2DC/DCコンバータであってもよい。
【0081】
選択的に、本願の他の実施例では、電力変換ユニット160は第2サブ制御ユニット150に前記エネルギー貯蔵システム100の総需要電力を直接提供してもよく、前記第2サブ制御ユニット150は前記総需要電力、前記第1電池クラスタ111の状態情報及び前記第2電池クラスタ121の状態情報に基づいて、前記第1DC/DCコンバータ122の動作を制御する。
【0082】
選択的に、エネルギー貯蔵システム100全体において、主制御ユニット130、第1サブ制御ユニット140、第2サブ制御ユニット150、電力変換ユニット160及び第1DC/DCコンバータ122は同一のネットワーク上で通信できる。
【0083】
選択的に、主制御ユニット130はさらに第1スイッチユニット123及び第2スイッチユニット112の状態を制御することができる。
【0084】
選択的に、本願の実施例では、前記第1スイッチユニット123及び前記第2スイッチユニット112はリレーであってもよい。
【0085】
該実施例では、リレーを用いることによって、第1電池クラスタ111の動作及び第2電池クラスタ121の動作をより安全で、より容易に制御することができる。
【0086】
選択的に、本願の一実施例では、前記第1DC/DCコンバータ122は絶縁型のDC/DCコンバータであってもよい。
【0087】
選択的に、本願の別の実施例では、前記第1DC/DCコンバータ122は非絶縁型のDC/DCコンバータであってもよい。
【0088】
選択的に、本願の一実施例では、前記第1電池クラスタ111は複数の電池により直列接続及び/又は並列接続して形成されてもよく、前記第2電池クラスタ121も複数の電池により直列接続及び/又は並列接続して形成されてもよい。例えば、第1電池クラスタ111は複数の電池により直列接続して形成され、第2電池クラスタ121は複数の電池により並列接続してから直列接続して形成される。図4に示すように、第1電池クラスタ111は電池1110-111aにより直列接続して形成される。図5に示すように、第2電池クラスタ121は電池パック1211-121bにより直列接続して形成され、電池パック1211は電池12111-1211cにより並列接続して形成される。電池パック1211-121bのうちの各電池パックに含まれる電池の数は同じであってもよく、異なってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0089】
選択的に、本願の実施例では、前記第1DC/DCコンバータ122は第2エネルギー貯蔵分岐路120の任意の位置に直列接続され得る。例えば、図2又は図3に示すように、前記第1DC/DCコンバータ122の出力端子は前記第2電池クラスタ121の正極又は負極に直列接続される。又は、前記第1DC/DCコンバータ122は前記第2電池クラスタ121の任意の2つの電池間に直列接続される。
【0090】
選択的に、本願の実施例のエネルギー貯蔵システム100は直流補充シナリオ又は電池クラスタの故障交換シナリオに適用できる。製品の使用年数の増加に伴って、エネルギー貯蔵システムの電池容量が低下し、電力出力の要件を満たすために、エネルギー貯蔵システムを補充する必要がある。エネルギー貯蔵システムの最も理想的な補充方式は、直流補充である。所謂直流補充とは、電池クラスタを最小単位としてエネルギー貯蔵システムの容量を補充することを指す。直流補充シナリオであろうと、電池クラスタの故障交換シナリオであろうと、新しい電池クラスタと古い電池クラスタとの差異問題が存在する。例えば、新しい電池クラスタと古い電池クラスタの容量、内部抵抗等の要素の差異が大きいため、新しく補充される電池クラスタと古い電池クラスタとの荷電状態(state of charge、SOC)に差異が存在し、さらに、各電池クラスタが実際に動作するときの環境温度が完全に一致することを維持できず、新しい電池クラスタと古い電池クラスタを組み合わせて使用すると、SOC及びクラスタ電圧の不整合の問題が不可避であり、例えば、古い電池クラスタのうちのSOCが最小の電池は、放電過程で、その電量が最も少ないため、最初に完全に放電し、早く放電オフ電圧に達し、さらに該クラスタの作動が停止し、その結果、エネルギー貯蔵システムは所定の時間フルパワーで連続的に放電することができず、エネルギー貯蔵システムの定電力作動能力を大幅に低下させ、同時に、新しく補充された電池クラスタの容量を完全に解放できず、補充効果が悪い。
【0091】
本願の実施例に提供されるエネルギー貯蔵システムは、新しく補充されたエネルギー貯蔵分岐路(即ち、第2エネルギー貯蔵分岐路120)に第1DC/DCコンバータ122を追加し、第1DC/DCコンバータ122によって、新しく補充されたエネルギー貯蔵分岐路の出力電流を調節し、それにより容量が一致しない第1電池クラスタ111と第2電池クラスタ121に充電又は放電を同時に完了させることができ、エネルギー貯蔵システムの容量を最大限に利用し、それにより補充後の効果を向上させ、且つ直流補充シナリオ又は故障交換シナリオでの電池のバケット効果の影響を効果的に軽減する。
【0092】
また、新しく補充されたエネルギー貯蔵分岐路のみにDC/DCコンバータを追加し、古いエネルギー貯蔵システムと互換性があり、それによりエネルギー貯蔵システムのコストを減らし、電気キャビネットの空間を節約することができる。
【0093】
本願の実施例に提供されるエネルギー貯蔵システムにおいて、新しく補充されたエネルギー貯蔵分岐路の数は1つ又は複数であってもよく、古いエネルギー貯蔵分岐路の数も1つ又は複数であってもよく、且つ新しく補充されたエネルギー貯蔵分岐路は上記エネルギー貯蔵システム100の第2エネルギー貯蔵分岐路120に対応し、古いエネルギー貯蔵分岐路は上記エネルギー貯蔵システム100の第1エネルギー貯蔵分岐路110に対応する。
【0094】
当業者であれば、本明細書に開示される実施例を参照して説明した各例示的なユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせで実現できることを理解できる。これらの機能がハードウェア方式で実行されるか、ソフトウェア方式で実行されるかは、技術的解決手段の特定の応用及び設計制約条件により決まる。当業者は各特定の応用に対して異なる方法を使用して、説明された機能を実現することができるが、この実現は本願の範囲を超えると認められるべきではない。
【0095】
本願に提供されるいくつかの実施例では、理解できるように、開示されるシステム、装置及び方法は、他の方式で実現されてもよい。例えば、以上に説明された装置実施例は、例示的なものに過ぎず、例えば、前記ユニットの分割は、論理的機能上の分割に過ぎず、実際に実現するときに、他の分割方式があってもよく、例えば、複数のユニット又はコンポーネントは組み合わせられてもよく、又は別のシステムに集積されてもよく、又はいくつかの特徴が無視されてもよく、又は実行されなくてもよい。一方、表示又は検討される相互間の結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインタフェース、装置又はユニットを介した間接結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的又は他の形態のものであってもよい。
【0096】
別々の部材として説明される前記ユニットは物理的に分離されてもよく、又は物理的に分離されなくてもよく、ユニットとして示される部材は物理ユニットであってもよく、又は物理ユニットでなくてもよく、即ち、1つの場所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の必要に応じて、その一部又は全部のユニットを選択して本実施例の解決手段の目的を実現することができる。
【符号の説明】
【0097】
100 エネルギー貯蔵システム
110 第1エネルギー貯蔵分岐路
111 第1電池クラスタ
112 第2スイッチユニット
120 第2エネルギー貯蔵分岐路
121 第2電池クラスタ
122 第1DC/DCコンバータ122
123 第1スイッチユニット
130 主制御ユニット
140 第1サブ制御ユニット
150 第2サブ制御ユニット
160 電力変換ユニット
1110-111a、12111-1211c 電池
1211-121b 電池パック
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-09-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵システムであって、
第1電池クラスタを含む第1エネルギー貯蔵分岐路と、
第2電池クラスタ及び第1DC/DCコンバータを含む第2エネルギー貯蔵分岐路であって、前記第1DC/DCコンバータの出力端子は前記第2電池クラスタに直列接続され、前記第1エネルギー貯蔵分岐路と前記第2エネルギー貯蔵分岐路は並列接続される第2エネルギー貯蔵分岐路と、を含み、
前記第1DC/DCコンバータは、前記第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を調節することで、前記第1エネルギー貯蔵分岐路の出力電流と前記第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を均衡させることに用いられエネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
前記第1エネルギー貯蔵分岐路はDC/DCコンバータを含まな請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記第1エネルギー貯蔵分岐路の出力電流は、前記第1DC/DCコンバータが前記第2エネルギー貯蔵分岐路の出力電流を調節することによって調節され請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記第2エネルギー貯蔵分岐路は、
前記第1DC/DCコンバータに並列接続され、前記第1DC/DCコンバータをオン又はオフにするための第1スイッチユニットをさらに含請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記第1スイッチユニットはさらに前記第2電池クラスタに直列接続され、前記第2電池クラスタの動作を制御することに用いられ請求項4に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
前記第1エネルギー貯蔵分岐路は、
前記第1電池クラスタに直列接続され、前記第1電池クラスタの動作を制御するための第2スイッチユニットをさらに含請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項7】
前記第1DC/DCコンバータの2つの入力端子はそれぞれ前記第2電池クラスタのうちの少なくとも1つの電池の両端に連結され請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
前記第1DC/DCコンバータの2つの入力端子はそれぞれ前記第2電池クラスタの正極及び負極に連結され請求項7に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項9】
前記第1DC/DCコンバータは前記エネルギー貯蔵システムから独立した電源により給電され請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵システムは、
前記第1電池クラスタの状態情報及び前記第2電池クラスタの状態情報に基づいて、前記第1DC/DCコンバータの動作を制御するための主制御ユニットをさらに含請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項11】
前記エネルギー貯蔵システムは、
前記第1電池クラスタの状態情報を収集し、前記主制御ユニットに伝送するための第1サブ制御ユニットと、
前記第2電池クラスタの状態情報を収集し、前記主制御ユニットに伝送するための第2サブ制御ユニットと、をさらに含請求項10に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項12】
前記エネルギー貯蔵システムは、
前記主制御ユニットに前記エネルギー貯蔵システムの総需要電力を提供するための電力変換ユニットをさらに含み、
前記主制御ユニットは、前記総需要電力、前記第1電池クラスタの状態情報及び前記第2電池クラスタの状態情報に基づいて、前記第1DC/DCコンバータの動作を制御することに用いられ請求項10又は11に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項13】
前記エネルギー貯蔵システムは、
前記第1電池クラスタの状態情報を収集するための第1サブ制御ユニットと、
前記第2電池クラスタの状態情報を収集し、前記第1サブ制御ユニットから送信された前記第1電池クラスタの状態情報を受信するための第2サブ制御ユニットと、をさらに含み、
前記第2サブ制御ユニットはさらに、前記第1電池クラスタの状態情報及び前記第2電池クラスタの状態情報に基づいて、前記第1DC/DCコンバータの動作を制御することに用いられ請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項14】
スイッチユニットはリレーであ請求項4~6のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項15】
前記第1DC/DCコンバータは絶縁型のDC/DCコンバータであ請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項16】
前記第1DC/DCコンバータは非絶縁型のDC/DCコンバータであ請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項17】
前記第1電池クラスタは複数の電池により直列接続及び/又は並列接続して形成され請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項18】
前記第2電池クラスタは複数の電池により直列接続及び/又は並列接続して形成され請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項19】
前記電力変換ユニットはAC/DCコンバータ又は第2DC/DCコンバータであ請求項12に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項20】
前記第1DC/DCコンバータの出力端子は前記第2電池クラスタの正極又は負極に直列接続され請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【国際調査報告】