(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】周辺入力装置モジュール
(51)【国際特許分類】
H01H 36/00 20060101AFI20240306BHJP
A63F 13/24 20140101ALI20240306BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20240306BHJP
H01H 11/00 20060101ALI20240306BHJP
H01H 9/02 20060101ALI20240306BHJP
H01H 25/04 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
H01H36/00 J
A63F13/24
G06F3/02 F
H01H11/00 Q
H01H9/02 L
H01H25/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544600
(86)(22)【出願日】2022-01-25
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 GB2022050190
(87)【国際公開番号】W WO2022157517
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520315718
【氏名又は名称】タンギ0 リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミン コン
(72)【発明者】
【氏名】ホセ ロドリゲス ヤバロイェス
(72)【発明者】
【氏名】ハミドレザ ニッコウ サリゲイエ
(72)【発明者】
【氏名】オリビア アリス サラ コーリング
(72)【発明者】
【氏名】アラスデア サイモン マクフェイル
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ダビッド ローリー
(72)【発明者】
【氏名】ゼイ ディン
(72)【発明者】
【氏名】リウチェン グオ
【テーマコード(参考)】
5B020
5G023
5G031
5G046
5G052
【Fターム(参考)】
5B020KK21
5G023AA12
5G023CA08
5G023CA41
5G031AS02H
5G031AS02J
5G031CS02H
5G031CS02J
5G031ES01H
5G031ES01J
5G031GS05
5G031GS11
5G031GS12
5G031HU02
5G046AC24
5G046AE11
5G052AA12
5G052AA13
5G052BB01
5G052BB10
5G052HA02
5G052HA22
5G052HB04
(57)【要約】
周辺入力装置モジュール(100)は、ユーザインタラクションに応じて電気信号を提供するために本体制御装置(200)に接続可能である。入力装置は、(i)各感知電極の感知部分(110s)と、導電性物体(400)と、および/または(ii)各感知電極の感知部分(110s)と、1つ以上の感知電極のうちの別の感知部分または各感知電極の別の感知部分(210s)と、の間の容量の変化に応じて電気信号を送信するように構成された1つ以上の熱成形可能な非金属導電性の感知電極(110)を備える。感知電極の少なくとも1つは、電気コネクタ(120)を形成する1つ以上のコネクタ部分(110c)を備える。感知電極の少なくとも1つは、電気コネクタ(120)を形成する1つ以上のコネクタ部分(110c)を備える。各コネクタ部分は、電気信号を測定するために本体制御装置の容量性感知回路(230)の各電気接点(210)に電気的に接続するように構成されている。
【代表図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体制御装置に接続可能であり、コヒーレントなモジュール式制御装置を形成し、周辺入力装置モジュールとのユーザインタラクションに応じて1つ以上の電気信号を前記本体制御装置に提供する周辺入力装置モジュールであって、前記入力装置は、
熱成形可能な非金属導電性材料で形成された1つ以上の感知電極を備え、前記感知電極または各感知電極は、
(i)前記各感知電極の感知部分と、前記各感知部分に近接または接触している導電性物体と、および/または、
(ii)前記各感知電極の感知部分と、1つ以上の感知電極のうちの別の感知部分または前記各感知電極の別の感知部分と、
の間の容量の変化に応じて1つ以上の電気信号を提供するように構成され、
前記1つ以上の感知電極のうちの少なくとも1つは、電気コネクタを形成する1つ以上のコネクタ部分を備え、各コネクタ部分は、前記電気信号を測定するために、前記本体制御装置の容量性感知回路の各電気接点に電気的に接続するように構成される、周辺入力装置モジュール。
【請求項2】
前記周辺入力装置モジュールは、全体が熱成形可能材料から形成される、請求項1に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項3】
前記周辺入力装置モジュールは、金属および/または電子部品を含まない、請求項1または2に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項4】
前記1つ以上の感知電極を支持および保持するように構成されたハウジングを備え、前記ハウジングは、前記コネクタ部分を所定の位置に保持するように構成された一体型コネクタ本体部分を備え、前記ハウジングは、少なくとも部分的に、実質的に剛質な熱成形可能材料を含むまたは該材料により構成され、任意選択でまたは好ましくは、
前記1つ以上の感知電極の前記コネクタ部分はアレイ状に配置され、前記ハウジングの前記コネクタ本体部分は、隣接するコネクタ部分の間に延在してそれらの間の分離を維持する1つ以上の一体型スペーサ要素を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項5】
前記ハウジングの前記コネクタ本体部分は、前記周辺入力装置モジュールを前記本体制御装置に取り外し可能に取り付けるために、前記本体制御装置のロック機構と係合するように構成されたロック機構をさらに形成または備え、任意選択でまたは好ましくは、当該係合は機械的係合および/または磁気引力によるものである、請求項4に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項6】
前記ロック機構は、スライドレール機構である、または該スライドレール機構を備え、任意選択でまたは好ましくは、
前記電気コネクタおよび前記コネクタ本体部分は、周辺入力装置モジュールの側面に沿ってスライド方向に長さにわたって延在し、前記コネクタ本体部分は、前記スライド方向の前記コネクタ本体部分の前記長さの少なくとも一部に延在する1つ以上の雄型または雌型レール部材を備え、前記本体制御装置の1つ以上の相補的レール部材とスライド可能に係合するように構成される、請求項5に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項7】
前記ハウジングの少なくとも一部に接して、またはその上に設けられたカバーを備え、前記カバーは、実質的に軟質で、フレキシブルで、変形可能および/または柔軟な熱成形可能材料で形成されるか、または該材料を含む、請求項4から6のいずれか1項に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項8】
前記1つ以上の感知電極のうちの少なくとも1つは、2つ以上のコネクタ部分を備える接地電極として構成され、前記2つ以上のコネクタ部分のうちの少なくとも1つは、前記本体制御装置の前記感知回路の接地接点に接続するように構成され、前記2つ以上のコネクタ部分のうちの少なくとも他の1つは、前記本体制御装置の前記感知回路の各感知接点に接続するように構成され、
前記本体制御装置に接続されると、前記接地電極は、前記周辺入力装置モジュールを他の周辺入力装置モジュールから識別するために、各感知接点を接地に短絡し、前記本体制御装置の前記感知回路の前記電気接点に所定の電気信号パターンまたはシーケンスを提供する、請求項1から7のいずれか1項に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項9】
前記1つ以上の感知電極の前記コネクタ部分はアレイ状に配置され、前記接地電極の前記2つ以上のコネクタ部分のうちの少なくとも他の1つは、前記所定の位置にアレイ状に配置され、所定の電気信号パターンまたはシーケンスを提供する、請求項8に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項10】
前記1つ以上の感知電極の各コネクタ部分は、前記本体制御装置の前記感知回路の対応する電気接点に機械的に接触してそれらの間に電気接続を形成するように構成された露出した接点部分を備え、任意選択でまたは好ましくは、
前記露出した接点部分は、前記本体制御装置の前記感知回路の対応する電気接点に当接し、相互係合し、および/または付勢するように構成され、任意選択でまたは好ましくは、前記接点部分は、突起、凹部、および弾性変形可能な付勢要素のうちの1つ以上を備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項11】
前記1つ以上の感知電極のうちの少なくとも1つの感知部分は、同じまたは異なる感知電極の別の感知部分からある距離だけ分離されており、加えられる力または圧力に応じて前記別の感知部分に対して移動するように構成され、前記感知部分間の相対的な移動によりそれらの間の容量の変化が引き起こされ、任意選択でまたは好ましくは、
実質的に変形可能で、フレキシブルで、および/または柔軟で熱成形可能な非導電性材料が前記各感知部分の間に提供される、または、各感知部分がギャップによって分離される、請求項1から10のいずれか1項に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項12】
前記各感知部分のうちの1つは、加えられる閾値の力または圧力に応じて折り畳まれて弾性変形するように構成される折り畳み可能要素を備え、
閾値未満の第1の加えられる力または圧力は、前記各感知部分間の間隔を変化させ、前記容量の第1の変化をもたらし、閾値以上の第2の加えられる力または圧力は、前記折り畳み可能要素を折り畳み、前記容量の第2の変化をもたらし、および/または前記ユーザへの触覚フィードバックをもたらし、任意選択でまたは好ましくは、前記各感知電極の少なくとも1つに導電性物体が接近すると、容量の第3の変化が引き起こされ、任意選択または好ましくは、
前記折り畳み可能要素は実質的にドーム形状であり、および/または、前記折り畳み可能要素を備えた前記各感知電極は、前記本体制御装置に接続されたときに接地面を提供するように構成される、請求項11に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項13】
前記ハウジングは、1つ以上の開口部を備え、かつ、
(i)前記1つ以上の感知電極のうちの少なくとも1つの感知部分は、ユーザインタラクションを受け付けるために、少なくとも部分的に、前記1つ以上の開口部のうちの少なくとも1つの中に、またはそれを通って延在し、および/または、
(ii)前記周辺入力装置モジュールは、前記1つ以上の開口部の1つを通って前記1つ以上の感知電極のうちの少なくとも1つの感知部分まで延在する可動アクチュエータを備え、前記アクチュエータは、ユーザインタラクションを受け付け、前記ユーザインタラクションを前記各感知部分に送信するように構成され、前記アクチュエータは、1つ以上の熱成形可能材料から形成されるか、または該材料を含む、請求項4から12のいずれか1項に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項14】
前記可動アクチュエータは、前記1つ以上の開口部の前記1つを通って延在するハンドル部分と、前記ハウジング内に位置するベース部分とを備えるジョイスティックであるか、または該ジョイスティックを備え、
前記ベース部分は、第1の感知電極を備え、支点の周りに分布する第2の感知部分のセットに対して前記第1の感知電極の感知部分を移動させるために前記支点の周りを旋回するように構成され、各第2の感知部分は、コネクタ部分を備えた各第2の感知電極と関連付けられ、
前記ベース部分の旋回により、前記第1の感知部分と第2の感知部分の前記セットとの間の容量が変化し、前記ハウジングに対する前記ジョイスティックの傾斜方向および角度を検出するための1つ以上の電気信号を提供する、請求項13の(ii)に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項15】
前記第1の感知電極は、前記本体制御装置の前記感知回路の電気接点に接続するためのコネクタ部分を有する第4の感知電極と電気的に接触するように構成され、
前記支点は、前記第4の感知電極と一体であり、前記第1の感知電極は、前記支点に電気的に接触するように構成され、または、
前記支点は、非導電性の熱成形可能材料で形成され、任意選択で前記ハウジングと一体であり、任意選択でまたは好ましくは、
前記第4の感知電極の前記コネクタ部分は、前記本体制御装置の前記感知回路の接地接点に接続するように構成される、請求項14に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項16】
前記ジョイスティックは、前記ジョイスティックの傾斜方向および角度を検出するために前記ベース部分を前記支点の周りに旋回可能な下方位置と、前記ハンドル部分の周りに分散された第3の感知部分のセットに対して前記第1の感知電極の前記感知部分を移動させるために、前記ベース部分が前記支点に対して1つ以上の横方向に並進可能である上方位置との間で移動可能であり、各第3の感知部分は、コネクタ部分を備える各第3の感知電極に関連付けられ、
前記ベース部分の並進は、前記第1の感知部分と第3の感知部分の前記セットとの間の容量の変化を引き起こし、前記ハウジングに対する1つ以上の横方向への前記ジョイスティックの並進を検出するための1つ以上の電気信号を提供する、請求項14または15に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項17】
前記ジョイスティックは、前記ジョイスティックを休止位置に付勢し、前記休止位置から離れる方向への前記ジョイスティックの移動が可能なように変形するように構成された弾性変形可能な付勢要素をさらに備える、請求項14から16のいずれか1項に記載の周辺入力装置モジュールであって、請求項16に従属する場合には、前記休止位置は前記下方位置を含む、周辺入力装置モジュール。
【請求項18】
前記弾性変形可能な付勢要素は、非金属の導電性の熱成形可能材料で形成され、任意選択で、前記第1の感知電極と一体化または結合される、または、前記弾性変形可能な付勢要素は、非導電性の熱成形可能材料で形成され、任意選択でまたは好ましくは、
前記弾性変形可能要素は、渦巻バネまたは円板状部材を含む、請求項17に記載の周辺入力装置モジュール。
【請求項19】
本体制御装置と、
前記本体制御装置に交換可能に接続してコヒーレントなモジュール式制御装置を形成し、接続された周辺入力装置モジュールとのユーザインタラクションに応じて、1つ以上の電気信号を前記本体制御装置に提供するように構成された、請求項1から18のいずれか1項に記載の1つ以上の周辺入力装置モジュールと、を備え、
前記本体制御装置モジュールは、
接続された周辺入力装置モジュールによって提供される前記1つ以上の電気信号を測定するように構成された容量性感知回路と、
各電気接点が、前記接続された周辺入力装置モジュールの各コネクタ部分と電気的に接触するように構成された前記容量性感知回路の複数の電気接点を備える電気コネクタと、を備えるモジュール式制御システム。
【請求項20】
前記容量性感知回路の前記電気接点は、各コネクタ部分の露出した接点部分に機械的に接触し、それらの間に電気接続を確立するように構成されており、任意選択でまたは好ましくは、
前記容量性感知回路の各電気接点は、前記各コネクタ部分の前記露出した接点部分に当接し、相互係合し、および/または付勢するように構成され、任意選択でまたは好ましくは、前記容量性感知回路の各電気接点、および/または前記各コネクタ部分の前記接点部分は、突起、凹部、および付勢要素のうちの1つ以上を備える、請求項19に記載のモジュール式制御システム。
【請求項21】
前記容量性感知回路の各電気接点は、金属製の接点パッド、および/またはスプリングフィンガまたはポゴピンなどの金属製の機械的付勢要素を備える、または、
前記容量性感知回路の各電気接点は、金属接点と、前記コネクタ部分と接触するために前記金属接点の上に設けられ、および/または前記金属接点から延在して設けられた非金属の導電性の熱成形可能材料で形成された接続要素とを備え、任意選択で、前記接続要素は、接点パッドおよび/または機械的付勢要素を備える、請求項19または20に記載のモジュール式制御システム。
【請求項22】
前記本体装置は、前記1つ以上の周辺入力装置モジュールのロック機構と係合して、周辺入力装置モジュールを前記本体制御装置に取り外し可能に取り付けるように構成されたロック機構を備え、任意選択でまたは好ましくは、前記本体制御装置および1つ以上の周辺入力装置モジュールの前記ロック機構は、スライドレール機構であるか、または該スライドレール機構を含む、請求項19から21のいずれか1項に記載のモジュール式制御システム。
【請求項23】
前記本体制御装置は、
容量性感知回路からの測定データに基づいて、前記接続された周辺入力装置モジュールとの1つ以上のユーザインタラクションを決定し、任意選択でまたは好ましくは、
前記周辺入力装置モジュールを前記本体制御装置に接続する際に、前記電気接点における所定の電気信号パターンまたはシーケンスの検出に基づいて、前記接続された周辺入力装置モジュールの一意の識別子を決定し、および/または、
前記決定された1つ以上のユーザインタラクションに基づいて前記コンピューティング装置の1つ以上の動作を制御するために外部コンピューティング装置と通信するように構成される、請求項19から22のいずれか1項に記載のモジュール式制御システム。
【請求項24】
前記モジュール式制御システムは、前記本体制御装置と通信する外部コンピューティング装置を備え、前記外部コンピューティング装置は、
前記本体制御装置によって決定された、前記接続された周辺入力装置モジュールとの1つ以上のユーザインタラクションに基づいて、1つ以上の動作を実行し、および/または、
前記本体制御装置から受信した測定データに基づいて、前記接続された周辺入力装置モジュールとの1つ以上のユーザインタラクションを決定し、任意選択でまたは好ましくは、
前記周辺入力装置モジュールを前記本体制御装置に接続する際に、前記電気接点における所定の電気信号パターンまたはシーケンスの検出に基づいて、前記接続された周辺入力装置モジュールの一意の識別子を決定するように構成された、請求項19から22のいずれか1項に記載のモジュール式制御システム。
【請求項25】
前記本体制御装置は、ゲームコンソール、車室内用の制御システム、またはコンピュータ周辺機器である、またはそれらの少なくとも一部を形成する、請求項19から24のいずれか1項に記載のモジュール式制御システム。
【請求項26】
請求項1から18のいずれか1項に記載の前記周辺入力装置モジュールを製造する方法であって、前記方法は、
熱成形可能な非金属導電性材料から前記1つ以上の感知電極を形成すること、
熱成形可能材料から一体型コネクタ本体を備えたハウジングを形成すること、
実質的に柔質で、フレキシブルで、変形可能および/または柔軟な熱成形可能な非導電性材料からカバーを形成すること、および、
前記周辺入力装置モジュールを組み立てることを備える、方法。
【請求項27】
前記1つ以上の感知電極、前記ハウジング、および前記カバーは、成形プロセスによって形成され、任意選択でまたは好ましくは、前記成形プロセスは、射出成形、圧縮成形、および、オーバーモールディングの1つ以上を含む、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、本体制御装置に接続可能であり、コヒーレントなモジュール式制御装置を形成し、入力装置モジュールとのユーザインタラクションに応じて本体制御装置に1つ以上の電気信号を提供する周辺入力装置モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
周辺入力装置は、通常はコンピューティング装置を制御するために、コンピューティング装置に信号を提供したり、データやコマンド機能を転送したりするために使用される補助装置である。よく知られている例には、キーボードやマウスなどのコンピュータ周辺機器、携帯用テレビコントローラなどの消費者製品、ゲームコントローラなどがある。これらの周辺入力装置は、最も一般的にはコンピューティング装置と有線または無線で通信し、コンピューティング装置にユーザ機能を提供する。
【0003】
より最近では、入力構成を変更してユーザがカスタマイズ可能な制御インタフェースを提供できるモジュール式制御装置への関心が高まっている。モジュール式制御装置は、本体制御装置と、本体装置に取り付けられてコヒーレントな単一の物理オブジェクトまたはモジュール式制御装置を形成する1つ以上の物理的に別個の制御コンポーネントまたは周辺機器で構成される。各制御コンポーネントは、本体装置に異なるユーザ入力機能を提供して、ユーザが結果として得られる制御装置とインタラクトする方法を変更できる。
【0004】
例えば、米国特許第8241126B2号は、ジョイスティック、トラックボール、方向パッドなどの交換可能なモジュール式入力コンポーネントを備えたビデオゲームコントローラを開示している。各入力コンポーネントはメインコントローラに接続可能であり、入力コンポーネントとのユーザインタラクションに基づいてメインコントローラに入力データを提供する。この場合、入力コンポーネントはメインコントローラの周辺装置であり、メインコントローラ自体は遠隔コンピューティング装置(ゲームコンソール)の周辺装置である。各入力コンポーネントは、容量センサーや電気機械センサーなどの特定の制御入力ハードウェア、ユーザのアクションをメインコントローラーハードウェアによって読み取られるデータに変換するためのマイクロプロセッサーとセンサー回路、およびメインコントローラの入力ポートに接続するための電気インタフェースまたはコネクタで構成されている。データのタイプは入力コンポーネント(例えば、ジョイスティック、方向パッドなど)のタイプに依存するため、制御入力ハードウェアも、入力コンポーネントのタイプを示す情報を保存および提供するように構成されている。
【0005】
モジュール式制御装置の他の用途には、自動車の内装(例えば、ステアリングホイール、センターコンソール、ダッシュボード、および/またはドアハンドルの制御入力)が含まれるが、これらに限定されない。ユーザの具体的なニーズ、例えば、ユーザの好み、ユースケース、および/または身体的障害などに基づいて交換可能でカスタマイズ可能な制御インタフェースを提供することが望ましい。
【0006】
既知のモジュール式制御装置は一般に交換可能な周辺入力装置を提供するが、これらの周辺入力装置は一般に、データを測定および処理するため、および周辺機器を識別するために周辺装置にデータを保存する手段のために、本体装置と周辺装置の両方に多数のさまざまな電子コンポーネントを統合する必要がある。米国特許第10188939B2号は、主要素および周辺要素を有するモジュール式制御装置の別の例であり、各周辺モジュールは、本体装置によって収集されるモジュール識別子を記憶する記憶要素を含む電子コンポーネントを備える。
【0007】
これらの周辺入力装置は、従来の容量センサー、ボタン、およびジョイスティックの収容に関連する従来の設計制限によって、その形状と機能も制限される。これらの標準入力コンポーネントは通常、電子回路を必要とし、比較的単純なユーザ入力機能を提供するために、周辺装置内のプリント回路基板や、多数の金属ワイヤ、トレース、および電極の存在に依存し、典型的には、これらのコンポーネントの数および大きさは装置のサイズに合わせて拡張される。
【0008】
そのため、既知の周辺機器の設計の自由度は限られており、その電子回路は複雑になることがよくある。さらに、それらの製造と組み立ての両者は高コストで困難である。したがって、ユーザの機能を犠牲にすることなく、製造および組み立てがより簡単で低コストであり、形状および機能においてより大きな設計自由度を提供する周辺装置を開発することが望ましい。
【0009】
本発明の態様および実施形態は、前述のことを念頭に置いて考案された。
【発明の概要】
【0010】
本明細書では、ユーザに入力機能を提供するために従来の金属ベースの電子部品や回路を必要とせず、従来の成形プロセスを使用して導電性および非導電性の熱成形可能な材料から完全に製造できる周辺装置について説明する。これにより、ボタン、ジョイスティック、その他のインタラクティブ機能などのセンサー構造を任意の形状、形式、サイズ、外観、感触で作成できるようになり、ほぼ無限のカスタマイズの機会が提供され、コヒーレントなモジュール式制御装置とそれとのインタラクションのモードの側面を根本的に変更することも可能になる。ここで説明する周辺装置は、完全に電気的に受動的であるが、本体装置に接続された感知電極から得られる特定の電気信号パターンを使用することで、本体装置によって識別することもできる。
【0011】
本発明の第1の態様によれば、本体制御装置に接続可能であり、周辺入力装置モジュールとのユーザインタラクションに応じて1つ以上の電気信号を本体制御装置に提供する周辺入力装置モジュールが提供される。周辺入力装置モジュールは、タッチおよび/または圧力/力に基づく感知機能を提供するように構成された容量性感知装置であってもよい。接続されると、周辺入力装置モジュールおよび本体制御装置は、コヒーレントなモジュール式制御装置を形成することができる。この文脈では、コヒーレントなモジュール式制御装置は単一の物理オブジェクトを意味する。周辺入力装置モジュールは、本体制御装置に取り外し可能に取り付けて、コヒーレントなモジュール式制御装置を形成し得る。周辺入力装置モジュールは、熱成形可能な非金属導電性材料から形成された、または該材料を含む1つ以上の、または複数の感知電極を備え得る。その感知電極または各感知電極は、(i)各感知電極の感知部分と、各感知部分に近接または接触している導電性物体と、および/または、(ii)各感知電極の感知部分と、別の感知電極の感知部分または各(同じ)感知電極の別の感知部分と、の間の容量の変化に応じて1つ以上の電気信号を提供するように構成され得る。感知電極のうちの少なくとも1つは、本体制御装置の電気コネクタに接続するための電気コネクタを形成する1つまたは複数のコネクタ部分を備え得る。コネクタ部分はアレイ状に配置されてもよい。各コネクタ部分は、電気信号を測定するために、本体制御装置の容量性感知回路の各電気接点に電気的に接続するように構成され得る。
【0012】
この文脈において、非金属材料とは、金のような金属やニッケルゴールドなどの合金ではないことを意味し、熱成形可能な材料とは、柔軟な成形温度まで加熱でき、金型内で特定の形状に成形され、選択的にトリミングして使用可能な製品を形成する材料を意味する。
【0013】
既知の周辺入力装置とは異なり、容量性感知電極は非金属の導電性の熱成形可能な材料で形成されており、容量感知と電気コネクタの両方の役割を果たす。導電性感知部分は、ユーザの指や(同じまたは異なる感知電極の)別の感知部分などの他の導電性物体と容量的に相互作用してユーザ入力機能を提供し、そして、コネクタ部分は、周辺装置を本体制御装置の容量性感知回路の電気接点に取り外し可能に電気的に接続するための電気コネクタを形成する。したがって、容量性感知部分から本体制御装置の感知回路の電気接点までの信号経路および電気接続は、すべて非金属の導電性感知電極によって提供される。これにより、周辺装置内のPCB、金属トラック、および/またはワイヤを製造および実装する必要がなくなる。さらに、周辺入力装置による信号の測定や処理は実行されない。したがって、周辺入力装置モジュールは電気的に完全に受動的であり、ユーザ入力機能を提供するために、金属電極、コネクタ、ワイヤまたはトレース、抵抗器、トランジスタ、コンデンサ、インダクタ、ダイオード、集積回路、プロセッサ、記憶装置、またはバッテリなどの従来の金属ベースの電子回路コンポーネントやハードウェアを必要としない。
【0014】
有利には、周辺入力装置モジュールは、実質的に全体が非金属の導電性および非導電性の熱成形可能な材料で形成または構成されることができ、この材料は、1つ以上の成形プロセスによってほぼ任意の3D形状およびサイズに形成することができ、実質的に剛質で、フレキシブルで、および/または柔軟で/変形可能である。これにより、周辺装置の導電性感知電極と非導電性要素を適切に設計することで、幅広い容量感知機能を実現できる。これにより、周辺装置は、使用される素材に基づいて、さまざまな「感触」または触覚インタフェースのオプションを提供することもできる。したがって、本発明の周辺入力装置モジュールは、様々な金属ベースの回路部品および容量センサー電極を収容しなければならない既知の周辺入力装置に課せられる従来の設計制限によって形状または機能が制限されない。さらに、モジュール式の導電性および非導電性材料の構造により、周辺入力装置モジュールは、従来の金属電子ベースの周辺入力装置と比較して、製造が比較的安価であり、組み立てが簡単である。
【0015】
感知電極および/または非導電性要素は、少なくとも部分的に三次元形状を有してもよい。これに関連して、三次元形状とは、1つ以上の実質的に非平面の表面および/または変化する(不均一な)厚さの断面を有する形状を意味する。感知電極は、実質的に均一な厚さを有していてもよいし、不均一な厚さを有していてもよい。例えば、感知部分は、フィルムまたはコーティング(典型的なプリント回路基板上の印刷インクまたは金属トレース/タックなど)の厚さよりも厚くてもよく、具体的には、0.5mmまたは1mmを超える。
【0016】
感知電極は、実質的に剛質、柔軟で、および/または変形可能であってもよく、すべてが同じ材料特性(すなわち、機械的および電気的特性)を有する必要はない。感知電極に適した材料には、導電性熱可塑性ポリウレタン(TPU)、導電性熱可塑性エラストマー(TPE)、導電性アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、導電性シリコーン、導電性ポリウレタン(PU)、エチレン酢酸ビニル(EVA)などの導電性プラスチックが含まれるが、これらに限定されない。
【0017】
周辺入力装置モジュールは、非導電性の熱成形可能材料から形成される、または非導電性の熱成形可能材料を含む様々な非導電性要素から構成されてもよい。非導電性材料は、感知電極を支持および保持するために使用され、カバーまたは表面層として感知部分と接して/の上に形成または設けられ、および/または感知部分の間に形成または設けられ得る。非導電性材料は、実質的に剛質で、またはフレキシブルで、柔軟で、および/または変形可能であってもよい。非導電性要素に適した材料には、非導電性TPU、非導電性TPE、非導電性ABS、非導電性シリコーン、および布地が含まれるが、これらに限定されない。
【0018】
周辺入力装置モジュールはハウジングを備えてもよい。ハウジングは、実質的に剛質な熱成形可能材料から形成されるか、または少なくとも部分的にそれを含んでもよい。ハウジングは非導電性であってもよい。ハウジングは、感知電極を支持し、保持するように構成され得る。ハウジングは、コネクタ部分を所定の位置に保持するように構成された一体型コネクタ本体部分を形成または備え得る。コネクタ本体部分は、コネクタ部分を所定の位置に支持し保持するためにコネクタ部分と係合するように構成され得る。コネクタ本体部分は、ハウジングの(接続)側に配置され得る。コネクタ本体部分は、例えば接続側に、コネクタ部分がそこを通って延在するような1つ以上の開口部を備えてもよい。
【0019】
コネクタ部分は、コネクタ本体部分にアレイ状に配置され得る。コネクタ本体部分は、隣接するコネクタ部分の間に延在してそれらの間の分離を維持する1つ以上の一体型スペーサ要素を備え得る。その開口部または各開口部は、隣接するスペーサ要素の間に少なくとも部分的に画定され得る。したがって、コネクタ本体部分は、コネクタ部分および結果として得られる電気コネクタに構造的/機械的支持を提供し得る。
【0020】
コネクタ本体部分は、コネクタ部分と摩擦または機械的に係合するように構成され得る。この場合、その開口部または各開口部は、コネクタ部分と摩擦係合するように構成された一対の対向する係合面の間にさらに画定され得る。コネクタ本体部分は、ハウジングのそれぞれの別個の部分と一体的に形成された2つの別個の部分によって画定され得る。コネクタ本体部分の各部分は、1つ以上の開口部が形成されるように、および/または組み立てられたときにコネクタ部分が対向する係合面の間で把持またはクランプされるように、係合面の1つを備え得る。
【0021】
あるいは、コネクタ部分は、コネクタ本体部分と一体であってもよく、例えば、コネクタ部分はコネクタ本体部分と同時成形されてもよい。
【0022】
各コネクタ部分は、本体制御装置の感知回路の対応する電気接点に機械的に接触してそれらの間に電気接続を形成するように構成された露出した接点部分を備え得る。露出した接点部分は、本体制御装置の感知回路の金属または非金属の電気接点と電気的に接触するように構成され得る。コネクタ部分は、本体制御装置の各電気接点と重複接触または端接接触を形成するように構成され得る。コネクタ部分は実質的に細長くてもよい。コネクタ部分の露出した接点部分は、コネクタ部分の先端または側面に設けられていてもよい。露出した接点部分は、本体制御装置の感知回路の対応する電気接点と機械的に相互係合および/または付勢するように構成され得る。任意選択でまたは好ましくは、各接点部分は、突起、凹部、およびスプリングフィンガなどの弾性変形可能な付勢要素のうちの1つ以上を備え得る。
【0023】
周辺入力装置は、ハウジングの少なくとも一部と接して、またはその上に設けられた非導電性カバーを備え得る。カバーは、実質的に軟質で、フレキシブルで、変形可能でおよび/または柔軟な非導電性の熱成形可能材料で形成するか、またはそれを含み得る。カバーは、1つ以上の感知電極のうちの少なくとも1つの感知部分と接して、またはその上に設けられてもよい。
【0024】
本体制御装置の感知回路は、容量を測定するための少なくとも1つの接地接点および少なくとも1つの感知接点を含む複数の電気接点を有してもよい。
【0025】
複数の感知電極がある場合、それらの少なくとも1つは、本体制御装置の感知回路の接地接点に接続するように構成されたコネクタ部分を有する接地電極として構成され得る。接地電極は、接地面を提供するように構成され得る。接地面は、別の感知電極の別の感知電極と容量的に相互作用するように構成された1つ以上の感知部分を有してもよい。
【0026】
コネクタ部分を備えない少なくとも1つの感知電極は、感知電極をコネクタ部分、任意選択で接地電極と電気的または機械的に接触させて、本体制御装置の感知回路に接続するように構成され得る。
【0027】
接地電極は、2つ以上のコネクタ部分を有してもよく、2つ以上のコネクタ部分のうちの少なくとも1つは、本体制御装置の感知回路の接地接点に接続するように構成され、2つ以上のコネクタ部分のうちの他の少なくとも1つは、本体制御装置の感知回路の各感知接点に接続するように構成されている。本体制御装置に接続されると、接地電極は、本体制御装置の各感知接点を接地に電気的に短絡するように構成され得る。そうすることで、周辺入力装置モジュールを他の周辺入力装置モジュールから識別するために、本体制御装置の感知回路の電気接点に所定の電気信号パターンまたはシーケンスを提供することができる。コネクタ部分はアレイ状に配置してもよく、接地電極の2つ以上のコネクタ部分のうちの少なくとも1つの他のコネクタ部分をアレイ内の所定の位置に配置して、所定の電気信号パターンまたはシーケンスを提供することができる。
【0028】
電気信号パターンを使用して周辺装置を識別することにより、従来の周辺入力装置で装置IDを保存するために使用されていた従来のオンボード記憶要素が不要になる。
【0029】
周辺入力装置モジュールは、本体制御装置のロック機構と係合して周辺入力装置モジュールを本体制御装置に解放可能に取り付けるように構成されたロック機構を備えてもよく、任意選択でまたは好ましくは、その係合は、機械的係合および/または磁気引力によるものでもよい。ハウジングのコネクタ本体部分は、ロック機構を形成または備えていてもよい。コネクタ本体部分は、本体制御装置の相補的ロック要素と相互係合するように構成された1つ以上のロック要素を備え得る。追加的にまたは代替的に、コネクタ本体部分は、本体制御装置上の反対の極性の1つ以上の磁石と係合するように構成された1つ以上の磁石を備え得る。
【0030】
ロック機構は、スライドレール機構であってもよいし、スライドレール機構を含んでもよい。接続部分、電気コネクタおよび/またはコネクタ本体部分のアレイは、周辺入力装置モジュールの側面に沿って接続方向またはスライド方向にある長さにわたって延在してもよい。1つ以上のロック要素は、コネクタ本体部分の長さの少なくとも一部をスライドまたは接続方向に延在する1つ以上の雄型または雌型レール部材を備え得る。レール部材は、本体制御装置の1つ以上の相補的レール部材と摺動可能に係合するように構成され得る。
【0031】
第1の感知電極の第1の感知部分は、加えられる力または圧力に応じて、第2の感知電極の第2の感知部分または第1の感知電極の第2の感知部分に対して移動するように構成され得る。その第1の感知部分と第2の感知部分との間の相対運動により、それらの間の容量の変化が引き起こされ得る。第1の感知部分と第2の感知部分とは、ある距離だけ離れていてもよく、それらの間の相対運動によって距離が変化してもよい。第1および第2の感知部分はギャップによって分離されてもよく、または実質的に変形可能で、フレキシブルで、および/または柔軟な熱成形可能な非導電性材料がそれらの間に設けられてもよい。
【0032】
第1または第2の感知部分のうちの1つは、折り畳み可能な要素を備えてもよい。折り畳み可能要素は、閾値以上の加えられる力または圧力に応じて折り畳み、弾性変形するように構成され得る。閾値を下回る第1の加えられる力または圧力は、第1の感知部分と第2の感知部分との間の距離または間隔を変化させ、容量の第1の変化をもたらすことができる。閾値以上の第2の加えられる力または圧力(第1の力/圧力よりも大きい)は、折り畳み可能要素を折り畳んで、容量の第2の変化(第1の変化よりも大きい)および/または触覚フィードバックをユーザに提供することができる。任意選択でまたは好ましくは、第1および第2の感知電極の少なくとも一方に導電性物体が接近すると、(第1および第2の変化より小さい)容量の第3の変化が生じ得る。実質的に変形可能で、フレキシブルで、および/または柔軟な熱成形可能な非導電性材料の層を、折り畳み可能要素に接してまたは上に設けてもよい。折り畳み可能要素は、実質的にドーム形状であってもよい。任意選択でまたは好ましくは、折り畳み可能要素を備えた第1または第2の感知電極は、本体制御装置に接続されたときに接地面を提供するように構成され得る。
【0033】
ハウジングは、1つ以上の開口部を備え得る。感知電極のうちの少なくとも1つの感知部分は、ユーザインタラクションを受け付けるために、少なくとも部分的に、1つ以上の開口部のうちの少なくとも1つの中に、またはそれを通って延在し得る。
【0034】
代替的または追加的に、周辺入力装置モジュールは可動アクチュエータを備える。可動アクチュエータは、1つ以上の開口部の1つを通って、少なくとも1つの感知電極の感知部分まで延在し得る。アクチュエータは、ユーザインタラクトを受け付け、ユーザインタラクションをハウジング内の感知部分に送信するように構成され得る。アクチュエータは、1つ以上の熱成形可能材料から形成され得るか、または1つ以上の熱成形可能材料を含んでよい。アクチュエータは、一緒に組み立てられる複数のサブパーツから形成され得るか、またはそれを備え得る。
【0035】
可動アクチュエータは、ジョイスティックであってもよいし、ジョイスティックを含んでもよい。ジョイスティックは、1つ以上の開口部のうちの1つを通って延在するハンドル部分と、ハウジング内に位置するベース部分とを備え得る。ベース部分は、第1の感知電極を備え得る。ベース部分またはジョイスティックは、支点の周りに旋回して、支点の周りに分布する第2の感知部分のセットに対して第1の感知電極の感知部分を移動させるように構成され得る。各第2の感知部分は、(異なる)各第2の感知電極と関連付けられてもよく、各第2の電極はコネクタ部分を含んでもよい。ベース部分またはジョイスティックの旋回は、第1の感知部分と(1つ以上の)第2の感知部分との間の容量の変化を引き起こし、それによって、ジョイスティックのハウジングに対する傾斜方向および角度を検出するための1つ以上の電気信号を提供することができる。
【0036】
ベース部分の第1の感知電極は、コネクタ部分を含まなくてもよく、コネクタ部分を含む第4の感知電極との電気接触を介して本体制御装置の感知回路の電気接点に接続するように構成されてもよい。第4の感知電極のコネクタ部分は、本体制御装置の感知回路の接地接点に接続するように構成され得る。第4の感知電極は、接地電極または接地面として構成され得る。
【0037】
支点は、非金属の導電性または非導電性の熱成形可能材料で形成されてもよい。支点は、ハウジングまたは第4の感知電極と一体であってもよい。支点が第4の感知電極と一体である場合、ベース部分の第1の感知電極は、支点との電気的、機械的、または物理的接触を介して本体制御装置の感知回路の電気接点に接続するように構成され得る。支点がハウジングと一体である場合、ベース部分の第1の感知電極は、コネクタ要素を介して第4の感知電極に電気的に接触するように構成され得る。
【0038】
ジョイスティックは、傾斜角度および方向を検出するために第1の感知部分が第1の感知部分の下に配置された第1の感知部分のセットと容量的に相互作用するような(ハウジングに対して)下方(または内側)位置と、1つ以上の横方向へのジョイスティックの並進を検出するために第1の感知部分が第1の感知部分の上に配置された第3の感知部分のセットと容量的に相互作用するような(ハウジングに対して)上方(または外側)位置との間で移動可能であってもよい。ジョイスティックは、ジョイスティックの傾斜方向および角度を検出するためにベース部分またはジョイスティックが支点の周りで旋回可能である下方位置と、ベース部分またはジョイスティックが支点に対して1つ以上の横方向に並進可能であり、支点またはハンドル部分の周囲に分散された第3の感知部分のセットに対して第1の感知電極の感知部分を移動させるような上方位置との間で移動可能であってもよい。第3の感知部分のセットは、第1の感知部分/電極またはベース部分の上に配置され得る。各第3の感知部分は、(異なる)各第3の感知電極と関連付けることができ、各第3の電極はコネクタ部分を含むことができる。ベース部分またはジョイスティックの並進は、第1の感知部分と(1つ以上の)第3の感知部分との間の容量の変化を引き起こし、それによって、ハウジングに対して1つ以上の横方向へのジョイスティックの並進を検出するための1つ以上の電気信号を提供することができる。
【0039】
ジョイスティックは、ジョイスティックを休止位置に付勢し、ジョイスティックが休止位置から離れる方向の移動を可能にするように変形するように構成された弾性変形可能な付勢要素をさらに備えてもよい。休止位置には、角度位置と、任意選択で休止横位置が含まれてもよい。ジョイスティックは、休止位置にあるときに支点の休止軸と位置合わせしてもよい。休止位置には、下方(または内側)位置が含まれ得る。弾性変形可能要素は、非金属の導電性の熱成形可能材料または非導電性の熱成形可能材料から形成され得るか、またはそれを含んでよい。金属の導電性の熱成形材料で形成される場合、第1の感知電極と一体化するか、または電気的に接触してもよい。弾性変形可能要素は、渦巻きバネまたはディスク状部材であってもよく、またはそれらを含んでもよい。また、複数の弾性変形可能な付勢要素をジョイスティックの周囲に分散させてもよい。
【0040】
非導電性材料は、1つ以上の感知電極のうちの少なくとも1つの感知部分と接して、またはその上に設けられてもよい。非導電性材料は、熱成形可能な非導電性材料から形成されてもよいし、熱成形可能な非導電性材料を含んでもよい。熱成形可能な非導電性材料は、実質的に剛質であってもよいし、実質的にフレキシブルで、変形可能または柔軟であってもよい。
【0041】
本発明の第2の態様によれば、モジュール式制御システムが提供される。モジュール式制御システムは、本体制御装置と、第1の態様の1つまたは複数の周辺入力装置モジュールとを備え得る。1つ以上の周辺入力装置モジュールは、本体制御装置に交換可能に接続および/または取り付けられるように構成され、接続された周辺入力装置モジュールとのユーザインタラクションに応じて、1つ以上の電気信号を本体制御装置に提供してもよい。接続されると、周辺入力装置モジュールおよび本体制御装置は、コヒーレントなモジュール式制御装置を形成することができる。本体制御装置モジュールは、接続された周辺入力装置モジュールによって提供される1つ以上の電気信号を測定するように構成された容量性感知回路を備え得る。容量性感知回路は、1つ以上の周辺入力装置モジュールのコネクタ部分に接続するための複数の電気接点を備え得る。複数の電気接点は、1つ以上の周辺入力装置モジュールの電気コネクタに接続するための本体制御装置の電気コネクタの少なくとも一部を形成することができる。本体制御装置は、容量性感知回路の複数の電気接点を備える電気コネクタを備えることができる。各電気接点は、接続された周辺入力装置モジュールの各コネクタ部分と電気的に接触するように構成され得る。
【0042】
容量性感知回路の電気接点は、各コネクタ部分の露出した接点部分に機械的に接触して、それらの間に電気接続を確立するように構成され得る。容量性感知回路の各電気接点は、各コネクタ部分の露出した接点部分に当接し、相互係合し、および/または付勢するように構成され得る。任意選択でまたは好ましくは、容量性感知回路の各電気接点、および/または各コネクタ部分の接点部分は、突起、凹部、および付勢要素のうちの1つ以上を備え得る。
【0043】
容量性感知回路の電気接点は、金属または金属材料から形成され得るか、またはそれらを含み得る。電気接点は、金属または金属製の接点パッド、および/またはスプリングフィンガまたはポゴピンなどの金属または金属製の機械的付勢要素を備え得る。容量性感知回路の電気接点は、非金属の導電性の熱成形可能材料をさらに含み得る。非金属の導電性の熱成形可能材料は、金属電気接点の上に設けられ、および/または金属電気接点から延在してもよい。電気接点は、周辺装置のコネクタ部分と接触するために、非金属の導電性の熱成形可能材料で形成された、またはそれを含む接続要素をさらに備えてもよい。接続要素は、金属または金属接触パッドの上に設けられ、および/または金属または金属製の接点パッドから延在してもよい。接続要素は、接点パッドおよび/またはスプリングフィンガなどの機械的付勢要素であってもよいし、それらを含んでもよい。
【0044】
本体制御装置は、1つ以上の周辺入力装置モジュールのロック機構と係合して、周辺入力装置モジュールを本体制御装置に取り外し可能に取り付けるように構成されたロック機構を備え得る。任意選択でまたは好ましくは、本体制御装置および1つ以上の周辺入力装置モジュールのロック機構は、スライドレール機構であるか、またはスライドレール機構を含む。
【0045】
本体制御装置は、容量性感知回路と通信するマイクロコントローラをさらに備えてもよい。マイクロコントローラは、容量性感知回路から測定データを受信して処理するように構成され得る。マイクロコントローラはさらに、測定データに基づいて、接続された周辺入力装置モジュールとの1つ以上のユーザインタラクションを決定するように構成され得る。
【0046】
本体制御装置は、測定された1つ以上の電気信号に基づいて外部コンピューティング装置の1つ以上の動作を制御するために、外部または遠隔のコンピューティング装置と(有線または無線ネットワークを介して)通信するように構成され得る。本体制御装置は、外部コンピューティング装置と通信するためにマイクロコントローラと通信する無線通信モジュールを備えることができる。モジュール式制御システムは、外部コンピューティング装置を備えていてもよい。外部コンピューティング装置は、本体制御装置によって決定された、接続された周辺入力装置モジュールとの1つ以上のユーザインタラクションに基づいて、1つ以上の動作を実行するように構成され得る。外部コンピューティング装置は、本体制御装置から送信された測定データを受信して処理するように構成され得る。外部コンピューティング装置は、測定データに基づいて、接続された周辺入力装置モジュールとの1つ以上のユーザインタラクションを決定するように構成され得る。
【0047】
マイクロコントローラまたは外部コンピューティング装置は、測定データを処理し、容量性感知回路の電気接点における所定の電気信号パターンまたはシーケンスの検出に基づいて、例えば周辺入力装置モジュールを本体制御装置に接続した後に、接続された周辺入力装置モジュールの一意の識別子を決定するようにさらに構成され得る。
【0048】
本体制御装置は、ゲームコンソール、車室内用の制御システム、またはコンピュータ周辺機器であり得る、またはそれらの少なくとも一部を形成し得る。
【0049】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様の周辺入力装置モジュールを製造する方法が提供される。この方法は、非金属の導電性の熱成形可能材料から1つ以上の感知電極を形成することを含んでもよい。この方法はさらに、熱成形可能材料から一体型コネクタ本体を備えたハウジングを形成することを含んでもよい。ハウジングは非導電性であってもよい。この方法は、実質的に柔質で、フレキシブルで、変形可能および/または柔軟な非導電性の熱成形可能材料から非導電性カバーを形成することをさらに含んでもよい。この方法は、1つ以上の感知電極、ハウジング、および/またはカバーを組み立てて、周辺入力装置モジュールを提供、形成、または製造することをさらに含んでもよい。
【0050】
1つ以上の感知電極、ハウジング、および/またはカバーは、成形プロセスによって形成され得る。成形プロセスには、射出成形、圧縮成形、およびオーバーモールディングのうちの1つ以上が含まれ得る。感知電極、ハウジングおよびカバーは、別個の要素として成形され、その後一緒に組み立てられるか、またはそれらの要素の少なくとも一部が一緒に成形され得る。例えば、感知電極のうちの少なくとも1つ(例えば、接地面感知電極)を成形し、オーバーモールディングプロセスでその上に接してハウジングを成形することができる。追加的にまたは代替的に、カバーをハウジング上に接してオーバーモールドすることができる。追加的にまたは代替的に、非導電性スペーサ層を1つ以上の感知電極(または感知電極の感知部分)の上に接してオーバーモールドすることができる。
【0051】
本発明の第4の態様によれば、第1の態様の周辺入力装置モジュールを使用して電気信号を感知する方法が提供される。この方法は、選択的に導電性物体を感知電極の感知部分に選択的に近づけること、接触させること、および/または感知部分を横切ること、および/または、選択的に周辺入力装置モジュールに力または圧力を加えて、感知電極の感知部分と、別の感知電極の感知部分または同じ感知電極の別の感知部分との間の相対移動を引き起こすことを含んでもよい。
【0052】
本発明の第5の態様によれば、センサー装置とのユーザインタラクション(タッチおよび/または力、圧力)に応じて1つ以上の電気信号を提供するセンサー装置が提供される。センサー装置は、熱成形可能な非金属の導電性材料から形成された、または熱成形可能な非金属の導電性材料を含む1つ以上の、または複数の感知電極を備え得る。そのまたは各感知電極は、(i)各感知電極の感知部分と、各感知部分に近接または接触している導電性物体と、および/または、(ii)各感知電極の感知部分と、別の感知電極の感知部分または各(同じ)感知電極の別の感知部分と、の間の容量の変化に応じて1つ以上の電気信号を(例えば各感知電極上の1つ以上の測定点で)提供するように構成され得る。装置は、第1の感知電極および第2の感知電極を備え得る。
【0053】
第1の感知電極の第1の感知部分は、加えられる力または圧力に応じて、第2の感知電極の第2の感知部分に対して移動するように構成され得る。その第1の感知部分と第2の感知部分との間の相対運動により、それらの間の容量の変化が引き起こされ得る。第1の感知部分と第2の感知部分とは、ある距離だけ離れていてもよく、それらの間の相対運動によってそれらの間の距離が変化してもよい。第1および第2の感知部分はギャップによって分離され得るか、または実質的に変形可能で、フレキシブルで、および/または柔軟な非導電性熱の成形可能材料の層がそれらの間に設けられ得る。第1および第2の感知部分は、それぞれの第1および第2の感知電極と関連付けられてもよく、各感知電極は、それぞれのコネクタ部分を有してもよい。第1および第2の感知部分のうちの1つは、折り畳み可能な要素を備え得る。折り畳み可能要素は、閾値以上の加えられる力または圧力に応じて折り畳み、弾性変形するように構成され得る。実質的に変形可能で、フレキシブルで、および/または柔軟な非導電性の熱成形可能材料の層は、折り畳み可能要素と接してまたはその上に、または第1または第2の感知部分の折り畳み可能要素と第1または第2の感知部分の他方との間に設けることができる。閾値未満の第1の加えられる力または圧力は、第1および第2の感知部分の間の距離または間隔を変化させ、容量の第1の変化または第1の変化範囲、および/または信号レベル変化の第1の範囲を提供し得る。閾値以上の第2の加えられる力または圧力(第1の力/圧力よりも大きい)が加えられると、折り畳み要素が折り畳まれ、容量の第2の変化および/または第2の信号レベルの変化(第1の変化より大きい)および/または、ユーザへの触覚フィードバックを提供し得る。任意選択でまたは好ましくは、第1および第2の感知電極の少なくとも一方に導電性物体が接近すると、(第1および第2の変化より小さい)容量の第3の変化が生じ得る。折り畳み可能要素は、実質的にドーム形状であってもよい。任意選択でまたは好ましくは、折り畳み要素を備えた第1または第2の感知電極は、実質的に変形可能で、フレキシブルで、および/または柔軟な非金属の導電性の熱成形可能材料で形成または構成し得る。第1または第2の感知電極の他方は、実質的に剛質な非金属の導電性の熱成形可能材料で形成し得る。
【0054】
感知電極は、電気信号を測定するための容量性感知回路に接続可能であるか、または接続するように構成され得る。感知電極の少なくともいくつかは、電気信号を測定するための容量性感知回路の各電気接点に電気的に接続するためのコネクタ部分を備え得る。容量性感知回路の電気接点への電気接続の確立は、第1または第2の態様で説明したように達成し得る。センサー装置には容量性感知回路が含まれていても含まれていなくてもよい。容量性感知回路を含む場合、センサー装置は、容量性感知回路から測定データを受信し、任意選択で測定データを処理して、センサー装置との1つ以上の接触または圧力/力に基づくユーザインタラクションを決定するためのマイクロコントローラをさらに備え得る。
【0055】
本発明の第6の態様によれば、センサー装置とのユーザインタラクションに応じて1つ以上の電気信号を提供するための感知装置が提供される。センサー装置は、非金属の導電性の熱成形可能材料から形成された、または非金属の導電性熱成形可能材料を含む複数の感知電極を備え得る。感知電極は、各感知電極の感知部分と感知電極の別の1つの感知部分との間の静電容量の変化に応じて、(例えば、各感知電極上の1つ以上の測定点で)1つ以上の電気信号を提供するように構成され得る。センサー装置は、ジョイスティックの傾斜角度および傾斜方向、および/または横方向の並進を検出するための1つ以上の電気信号を提供するように構成されたジョイスティック装置であってもよく、またはそのようなジョイスティック装置を備えてもよい。
【0056】
センサー装置はジョイスティックを含んでもよい。ジョイスティックは、1つ以上の熱成形可能材料から形成され得るか、または1つ以上の熱成形可能材料を含んでよい。ジョイスティックは、ハンドル部分とベース部分とを備え得る。センサー装置は、開口部を備えたハウジングを備え得る。ベース部分はハウジング内に配置することができ、ハンドル部分は、ユーザインタラクションまたはユーザからの力を受け付けるために、ベース部分からハウジングの開口部を通って延在し得る。ベース部分は、第1の感知電極を備え得る。ベース部分および/またはジョイスティックは、支点の周りに旋回して、支点の周りに分布する第2の感知部分のセットに対して第1の感知電極の感知部分を移動させるように構成され得る。第2の感知部分のセットは、支点の周りに等しく、均等に、および/または対称的に分布し得る。各第2の感知部分は、(異なる)各第2の感知電極と関連付けられてもよく、各第2の電極はコネクタ部分を含んでもよい。第2の感知部分のセットは、ベース部分および第1の感知部分の下に配置され得る。ベース部分またはジョイスティックの旋回は、第1の感知部分と(1つ以上の)第2の感知部分との間の容量の変化を引き起こし、それによって例えばハウジングに対するようなジョイスティックの傾斜方向および角度を検出するための1つ以上の電気信号を提供することができる。
【0057】
ジョイスティックは、ジョイスティックの傾斜方向および角度を検出するためにベース部分またはジョイスティックが支点の周りで旋回可能である下方位置と、ベース部分またはジョイスティックが支点に対して1つ以上の横方向に並進可能であり、支点またはハンドル部分の周囲に分散された第3の感知部分のセットに対して第1の感知電極の感知部分を移動させるような上方位置との間で移動可能であってもよい。第3の感知部分のセットは、第1の感知部分/電極および/またはベース部分および/または第2の感知電極のセットの上に配置され得る。第3の感知部分のセットは、(休止位置にあるとき)支点またはハンドル部分の周りに等しく、均等に、および/または対称的に配置され得る。各第3の感知部分は、(異なる)各第3の感知電極と関連付けることができ、各第3の電極はコネクタ部分を含むことができる。上方位置の場合のベース部分またはジョイスティックの並進は、第1の感知部分と(1つ以上の)第3の感知部分との間の容量の変化を引き起こし、それによって、ハウジングに対して1つ以上の横方向へのジョイスティックの並進を検出するための1つ以上の電気信号を提供することができる。
【0058】
ジョイスティックは、ハンドル部分に力が加わっていない状態でジョイスティックを休止位置に付勢し、ハンドル部分に加えられる力に応じてジョイスティックが休止位置から離れる方向に移動できるように変形するように構成された弾性変形可能な付勢要素をさらに備えてもよい。休止位置には、休止角度位置と、任意選択で休止横位置が含まれてもよい。ジョイスティックは、休止位置にあるときに支点の休止軸と位置合わせしてもよい。
第2および/または第3の感知電極のセットは、休止軸の周りに分布してもよい。弾性変形可能な付勢要素は、休止位置においてジョイスティックを支点に対して付勢するように構成され得る。休止位置には、下方位置が含まれ得る。弾性変形可能要素は、非金属の導電性の熱成形可能材料または非導電性の熱成形可能材料から形成され得るか、またはそれを含んでよい。非金属の導電性の熱成形材料で形成される場合、第1の感知電極と一体化するか、または電気的に接触してもよい。弾性変形可能要素は、渦巻きバネまたはディスク状部材であってもよく、またはそれらを含んでもよい。代替的に、複数の弾性変形可能な付勢要素をジョイスティックの周囲に分散させてもよい。
【0059】
感知電極の少なくともいくつかは、電気信号を測定するための容量性感知回路の各電気接点に電気的に接続するためのコネクタ部分を備え得る。容量性感知回路の電気接点への電気接続の確立は、第1または第2の態様で説明したように達成することができる。センサー装置には容量性感知回路が含まれていても含まれていない場合もある。容量性感知回路を含む場合、センサー装置は、容量性感知回路から測定データを受信し、任意選択で測定データを処理して、例えば、傾斜角、傾斜方向、横方向の並進方向、および横方向の並進量のうちの1つ以上が含まれるような、センサー装置の1つ以上のユーザインタラクション、を決定するためのマイクロコントローラをさらに備えることができる。
【0060】
第2および/または第3の感知電極のセットは、各コネクタ部分を備え得る。ベース部分の第1の感知電極はコネクタ部分を含まなくてもよく、コネクタ部分を含む第4の感知電極との電気的、機械的および/または物理的接触を介して容量性感知回路の電気接点に接続するように構成されてもよい。第4の感知電極のコネクタ部分は、本体制御装置の感知回路の接地接点に接続するように構成され得る。第4の感知電極は、接地電極または接地面として構成され得る。
【0061】
支点は、非金属の導電性の熱成形可能材料または非導電性の熱成形可能材料で形成され得る。支点が非導電性である場合、支点はハウジングと一体であってもよい。支点が導電性である場合、支点は第4の感知電極と一体であってもよい。支点が第4の感知電極と一体である場合、ベース部分の第1の感知電極は、支点との機械的または物理的接触を通じて容量性感知回路の電気接点に電気的に接続するように構成され得る。支点がハウジングと一体である場合、ベース部分の第1の感知電極は、コネクタ要素を介して第4の感知電極に電気的に接触するように構成され得る。
【0062】
本発明の別個の態様および実施形態の文脈で説明される特徴は、一緒に使用することができ、および/または交換可能にすることができる。同様に、簡潔にするために、特徴が単一の特定の実施形態に関連して説明されている場合、これらは個別に、または任意の適切なサブコンビネーションで提供されてもよい。周辺入力装置モジュールに関連して説明される特徴は、方法およびセンサー装置に関して定義可能な対応する特徴を有することができ、またその逆も同様であり、これらの実施形態は特に想定される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
本発明を十分に理解できるように、添付の図面を参照しながら、実施形態を単なる例として説明する。
【0064】
【
図1】本発明の一実施形態によるモジュール式制御システムの概略図を示す。
【
図2】
図2(a)および
図2(b)は、周辺入力装置モジュールにおける一般的なタッチ感知電極構成を示す。
図2(c)は、
図2(b)の構成に関連する電気信号を示す。
図2(d)は、周辺入力装置モジュールにおける一般的な圧力感知電極構成を示す。
【
図3】
図3(a)~
図3(c)は、タッチおよび圧力感知のための別の感知電極構成の動作を示す。
図3(d)は、
図3(a)~
図3(c)に示すインタラクションに関連する電気信号を示す。
【
図4】一実施形態による周辺入力装置モジュールの第1の例を示す。
【
図5】
図4の周辺入力装置モジュールの分解図を示す。
【
図6】本体制御装置に接続された
図4の周辺入力装置モジュールの断面図を示す。
【
図7】部分的に組み立てられた状態の
図4の周辺入力装置モジュールを示す。
【
図8】
図8(a)~
図8(c)は、周辺入力装置モジュールを本体制御装置に接続する手順を示す。
【
図9】
図9(a)および
図9(b)は、装置識別のために周辺入力装置モジュールの異なる感知電極をアースに短絡する例を示す。
図9(c)および
図9(d)は、それぞれ
図8(a)および
図8(b)の感知電極構成について本体制御装置によって測定された対応する電気信号を示す。
【
図10】
図10(a)~
図10(c)は、それぞれ、装置検出のために周辺入力装置モジュールが切断されたとき、接続されたとき、および再び切断されたときに、本体制御装置によって測定された電気信号を示す。
【
図11】
図11(a)は、一実施形態による周辺入力装置モジュールの第2の例を示す。
図11(b)は、
図11(a)の周辺入力装置モジュールの分解図を示す。
【
図12】
図12(a)は、一実施形態による周辺入力装置モジュールの第3の例を示す。
図12(b)は、
図12(a)の周辺入力装置モジュールの分解図を示す。
【
図13】
図13(a)は、一実施形態による周辺入力装置モジュールの第4の例を示す。
図13(b)は、
図13(a)の周辺入力装置モジュールの分解図を示す。
【
図14】
図14(a)~
図14(c)は、一実施形態によるジョイスティック感知要素の概略断面図を示す。
【
図17】
図17(a)~
図17(c)は、別の実施形態によるジョイスティック感知要素の異なる位置での断面図を示す。
【
図18】
図18(a)~
図18(c)は、
図17(a)~
図17(c)のジョイスティックの横方向の並進方向が測定された電気信号からどのように決定されるかを示す。
【
図19】
図19(a)~
図19(c)は、周辺入力装置モジュール用のスライドレール型コネクタ構成例の概略断面図を示す。
【
図20】
図20(a)および
図20(b)は、周辺入力装置モジュール用のプラグおよびソケットタイプのコネクタ構成例の概略断面図を示す。
【
図21】
図21(a)~
図21(e)は、周辺入力装置の導電性プラスチック電気接点部分を金属電気接点に電気的に接続する例示的な方法を示す。
【
図22】
図22(a)~
図22(d)は、周辺入力装置の導電性プラスチック電気接点部分を別の導電性プラスチック電気接点に電気的に接続する例示的な方法を示す。
【0065】
図は概略的なものであり、一定の縮尺で描かれていない場合があることに注意されよう。これらの図の部分の相対的な寸法および比率は、図面の明瞭さと便宜のために、誇張または縮小されて示されている場合がある。一般に、修正されたおよび/または異なる実施形態における対応するまたは類似の特徴を指すために同じ参照符号が使用される。
【発明を実施するための形態】
【0066】
詳細な説明
図1は、本発明の一実施形態によるモジュール式制御システム1000の概略図を示す。システム1000は、本体制御装置200および周辺入力装置モジュール100(以下、簡潔にするために、それぞれ本体装置および周辺装置と呼ぶ)を備える。周辺装置200および周辺装置100は、物理的に別個の装置または装置モジュールであり、相互に接続可能または取り付け可能であり、単一のコヒーレントなモジュール式制御装置を形成する。周辺装置100は、周辺装置100とのユーザインタラクションに応じて、1つ以上の電気信号を本体装置200に提供するように構成されている。接続されると、本体装置200は、周辺装置100によって生成された電気信号を測定し、処理することができ、それにより、周辺装置100とのユーザインタラクションを決定または解釈し、決定されたユーザインタラクションに基づいて1つ以上の制御信号を生成することができる。制御信号は、本体装置200、または本体装置200と有線または無線通信する遠隔コンピューティング装置300の1つ以上のプロセス、動作または機能を制御するために使用され得る。または、用途に応じて、本体装置200は、処理のために測定データを遠隔装置300に送信すると考えられ得る。
【0067】
一般に、本体装置200は、異なる形状/形態をとり、異なる機能を果たし、従来の電子コンポーネントを備え得る。例えば、本体装置200は、それ自身のユーザ入力機能を備えた、または備えていないスタンドアロンコンピューティング装置であってもよく、あるいはそれ自体が、遠隔コンピューティング装置300を制御するための独自のユーザ入力機能を備えた周辺入力装置であってもよい。本体装置200は、実質的に携帯可能なおよび/または手持ち式の装置、例えば、本体装置200は、ポータブルまたはモバイルコンピューティング装置(例えば、ラップトップ、タブレット、またはスマートフォン)、有線または無線コントローラ(例えば、ゲームおよび/または仮想現実コントローラ)、またはコンピュータ周辺機器であってもよい。あるいは、本体装置200は、制御コンソール(例えば、ステアリングホイール用のカスタマイズ可能な制御インタフェースなどの、自動車の室内制御コンソールの一部)など、実質的に非携帯型であってもよい。
【0068】
周辺装置100は、周辺装置100によって提供される特定の機能のセットを含む本体装置200の機能を拡張する。実際には、システム1000は、本体装置200に交換可能に接続可能な1つ以上の周辺装置100を備え得る。各周辺装置100は、モジュール式制御装置のサイズ、形状、外観、および機能を変更できるように、アプリケーションに基づいて異なる三次元(3D)形状/形態および機能で構成することができる。
【0069】
周辺装置100は、様々なタッチおよび/または圧力/力に基づく感知機能を提供するように構成された容量性感知装置である。周辺装置100とのタッチおよび/または圧力ベースのユーザインタラクションは、本体装置200によって測定可能な1つ以上の電気信号の変化を引き起こす。
【0070】
既知の周辺入力装置とは異なり、周辺装置100は電気的に受動的であり(すなわち、動作するためにオンボード電源を必要としない)、金属電極、ワイヤまたはトレース、抵抗器、トランジスタ、コンデンサ、インダクタ、ダイオード、集積回路、プロセッサ、記憶装置、またはバッテリなどの従来の金属ベースの電子回路コンポーネントを一切含まない。その代わりに、周辺装置100は、1つ以上の成形プロセスによってほぼ任意の3D形状およびサイズに形成することができ、実質的に剛質で、フレキシブルで、および/または柔軟/変形可能とすることができる、プラスチックおよびゴム材料などの熱成形可能な導電性材料および非導電性材料のみから形成することができる。これにより、以下により詳細に説明するように、周辺装置100の熱成形可能な導電性感知電極および非導電性要素の適切な設計を通じて、広範囲の容量感知機能を達成することができる。
【0071】
周辺装置100は、周辺装置100とのタッチおよび/または圧力ベースのユーザインタラクションに応じて、本体装置200に電気信号を提供するように構成された複数の感知電極110を備える。感知電極210は、射出成形または圧縮成形などの1つ以上の成形プロセスによって形成できる熱成形可能な非金属導電性材料から形成されるか、またはそれを含む。感知電極110は、実質的に剛質、柔軟、および/または変形可能であってもよく、すべてが同じ材料特性(すなわち、機械的特性および電気的特性)を有する必要はない。感知電極に適した材料には、導電性熱可塑性ポリウレタン(TPU)、導電性熱可塑性エラストマー(TPE)、導電性アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、導電性シリコーン、導電性ポリウレタン(PU)、エチレン酢酸ビニル(EVA)などの導電性プラスチックが含まれるが、これらに限定されない。添付の図面全体を通じて、明確にするために、感知電極110は影付きの要素として示されている。
【0072】
各感知電極110は、ユーザの指などの導電性物体400と容量的に相互作用するように構成された少なくとも1つの感知部分110s、および/または同じまたは異なる感知電極110上の別の感知部分110sを備える。したがって、(i)各感知電極110の感知部分110sと、各感知部分110sに近接または接触している導電性物体400との間の容量の変化、および/または(ii)各感知電極110の感知部分110sと、別の感知電極110の感知部分110sまたは(同じ)各感知電極110の別の感知部分110sとの間の容量の変化に応じて、1つ以上の電気信号が提供される。
【0073】
感知電極110の少なくとも一部は、周辺装置100を本体装置200に電気的に接続するための電気コネクタ120を形成する1つ以上の少なくとも部分的に露出したコネクタ部分110cを備える。各コネクタ部分110cは、本体装置200の容量性感知回路230の電気接点210(以下でより詳細に説明する)のそれぞれに直接電気的に接続するように構成される。
【0074】
コネクタ部分110cを含まない感知電極110、例えば、
図1の感知電極110Fは、本体装置200の感知回路230に接続するためのコネクタ部分110cを有する感知電極110と電気的に接触するように構成されている。このような電極110間の電気的接触は機械的である、すなわち、それぞれの感知電極110F、110gの間の直接の物理的接触を介して行われる。実際には、これは単純な当接によって達成することができ、または(非金属の)締結具を使用してそれぞれの感知電極110F、110gを一緒に固定し、接触を維持することができる(図示せず)。
【0075】
コネクタ部分110cを有する少なくとも1つの感知電極110は、本体装置200の接地電極210gに接続されて接地電極110gとなるように構成される。好ましくは、少なくとも1つの接地電極110gは、他の感知電極110と重なる拡張領域を有する、周辺装置100の接地面110gpとして構成される(例えば、
図5を参照)。接地面210gpは、他の感知電極110を外部環境からシールドする役割を果たし、それによって電気信号におけるノイズおよび干渉を低減する。接地電極110gまたは接地面110gpはまた、他の感知電極110上の感知部分110sと容量的に相互作用する1つ以上の感知部分110sを有することができ、したがって、以下に説明するように、感知機能において能動的な役割を果たすこともできる。
【0076】
任意選択で、コネクタ部分110cを含まない感知電極110Fは、図示されるように、接地電極210gとの接触を介して接地電極として都合よく構成され得る。
【0077】
以下にさらに詳しく説明するように、周辺装置100はまた、感知電極110を支持および保持するために使用され、カバーまたは表面層として感知部分110と接して/の上に設けられ、および/または感知部分110の間に設けられる、様々な非導電性要素を備える。周辺装置100の非導電性要素は、射出成形、圧縮成形、オーバーモールディングおよび/または熱圧着のような1つ以上の成形プロセスによって同様に形成できる1つ以上の熱成形可能な非導電性材料で形成されるか、またはそれを含む。例えば、非導電性材料を1つ以上の感知電極110の上に接してオーバーモールドしてもよいし、その逆も同様である。非導電性材料は、実質的に剛質で、またはフレキシブルで、柔軟で、および/または変形可能であってもよい。非導電性要素に適した材料には、非導電性TPU、非導電性TPE、非導電性ABS、非導電性シリコーン、および布地が含まれるが、これらに限定されない。
【0078】
図1を参照すると、本体装置200は、接続された周辺装置100によって提供される電気信号を測定するための容量性感知回路230を備える。容量性感知回路230は、容量性感知チップと、周辺装置100の感知電極110を容量性感知チップに接続するための電気接点210のアレイとを備える。電気接点210のアレイは、周辺装置100の電気コネクタ120に接続するための電気コネクタ220の一部を形成する。以下でさらに詳しく説明するように、各電気接点210は、感知電極110の各コネクタ部分110cに電気的に接続するように構成される。
【0079】
電気接点210のアレイは、容量性感知チップの感知チャネルに接続された複数の感知接点210sと、容量性感知チップの接地ピンに接続された少なくとも1つの接地接点210gとを備える。容量性感知チップは、タッチ感知機能については感知接点210sにおける自己容量の変化、および/または機械的圧力感知機能については一対の感知接点210sの間、または感知接点210sと接地接点210gとの間の容量の変化を測定することができる。容量測定は、当技術分野で知られているように、時間または周波数に基づく測定であってもよい。
【0080】
また、本体装置200は、容量性感知チップとデータ通信する制御ユニットまたはマイクロコントローラ240と、本体装置200に電力を供給するための電力管理ユニット260とを備える。制御ユニット240は、容量性感知回路230から測定データを受信するように構成される。電力管理ユニット260はバッテリに接続可能であってもよいし、電力管理ユニットは再充電可能なバッテリを含んでもよい。
【0081】
容量性感知チップから収集された測定データは、接続された周辺装置100との1つ以上のユーザインタラクションを決定するために処理または分析される。測定データの処理は、制御ユニット240によって本体装置200のオンボードで、または制御ユニット240によって、または存在する場合には遠隔コンピューティング装置300で実行され得る。処理が本体装置200上で実行される場合、制御ユニット240は、プロセッサとメモリ(図示せず)とを備え、メモリは1つ以上のソフトウェアプログラムまたはプログラム命令を記憶するためのものであり、プロセッサ上で実施または実行されると、制御ユニット240に測定データを処理および/または分析させて、測定データに基づいて周辺装置100とのユーザインタラクションを決定させる。例えば、制御ユニット240は、タッチ感知機能のための、ユーザ/オペレータからの接触またはタッチ、接触/タッチ位置、速度、タッチの方向および/または移動量、および/または、機械的圧力感知機能のための、同じまたは異なる感知電極210の別の感知部分210sに対する感知部分110sの移動/変形、移動/変形の方向、および/または移動/変形量のうちの1つ以上を決定または検出するように構成され得る。制御ユニット240はまた、周辺装置100が取り付けられたときを検出し、測定された電気信号に基づいて特定の接続された周辺装置100を識別するように構成されている(
図9(a)~
図10(c)を参照して以下でより詳細に説明する)。接続された周辺装置100の識別情報は、(例えば、ソフトウェアプログラムによって)測定データを解釈し、ユーザインタラクションを決定するために使用される。測定データの処理および/または分析は、フィルタリング、平滑化、微分、ピーク発見、および/またはデータを1つ以上の所定の閾値または関数と比較することを含んでもよい。そして、制御ユニット240は、本体装置200または遠隔コンピューティング装置300(システム1000内に存在する場合)の1つ以上の機能/動作を制御するために、決定されたユーザインタラクションに基づいて1つ以上の制御/コマンド信号を生成するように構成され得る。
【0082】
本体装置200はまた、無線ネットワーク(例えば、Bluetooth、Bluetooth low Energy、またはWi-Fi)を介して遠隔コンピューティング装置300と通信するために、制御ユニット240とデータ通信する無線通信ユニット250を含んでもよい。例えば、無線通信ユニット250は、制御ユニット240によって生成/決定された任意の制御信号または他のデータを遠隔コンピューティング装置300に送信するために、および/または容量性感知チップから収集された測定データを上述のように処理するために遠隔のコンピューティング装置300に送信するために使用され得る。
【0083】
本体装置200は、本体装置200の目的および機能に応じて、図示されていない他の様々なハードウェア構成要素を備えてもよいことが理解されるであろう。例えば、本体装置200は、触覚(tactile)または触覚(haptic)フィードを提供するための振動モータ、振動モータ用の触覚ドライバ、および本体装置200の動作または移動を検出するための慣性測定ユニット(IMU)をさらに備えてもよい。IMUは、当技術分野で知られているように、加速度計、ジャイロスコープ、および/または磁力計(例えば、IMUは自由度3、6または9であり得る)を備え得る。
【0084】
図2(a)~
図2(d)は、周辺装置100の様々な実施形態によって実装される基本的な容量性タッチおよび圧力/力感知の概念を示す。
図2(a)は、一般的なタッチ感知構成を示す。
図2(a)では、非導電性材料の層130が、表面またはカバー層として感知電極110の第1の感知部分110s-1と接してまたはその上に設けられる。ユーザの指などの導電性物体400が、非導電性材料130に触れるなどして感知部分110s-1に近づくと、感知部分110s-1と指400との間の容量性インタラクションは、コネクタ部分110cにおける本体装置200の測定可能な、感知部分110s-1の自己容量を変化させる。したがって、測定された電気信号の変化を使用して、周辺装置100とのタッチインタラクションを検出することができる。
【0085】
一般に、コネクタ部分110cの材料特性(機械的および/または電気的特性)は、各感知電極110の感知部分110sと同じであっても異なっていてもよい。例えば、オーバーモールディングまたは同時モールディングプロセスを使用して感知電極110を形成することによって、異なる材料特性を達成することができる。コネクタ部分110cは、信号の減衰を最小限に抑えるために、導電性が高くなければならない(例えば、1kオーム/cm未満の電気抵抗率)。好ましくは、感知部分110sも導電性が高い。この場合、タッチインタラクションによって生成される信号が感知部分110a上のタッチ位置から実質的に独立するように、等電位のように動作する(これは従来の金属容量性感知電極の場合と同様である)。これは簡易的なタッチ検出に適している。また、特定の用途では、感知部分110sの導電率は、コネクタ部分110sよりも実質的に低く(すなわち、抵抗が高く)てもよい(例えば、1kオーム/cmを超える電気抵抗率)。この場合、タッチインタラクションによって生成される信号は、コネクタ部分110cが感知部分110sと接触する感知点110pに対するタッチ位置に依存することを示す。この効果は、第1および第2のそれぞれの感知点110p-1、110p-2における容量を調べる2つのコネクタ部分110c-1、110c-2を備えた感知電極110-1、および、ユーザの指400が感知部分110s-1の上に設けられた非導電性材料130を横切って移動するときにコネクタ部分110s-1、110s-2で測定される信号を示す
図2(b)および
図2(c)に示されている。最大の信号変化は、タッチ位置がそれぞれの感知点110p-1、110p-2と一致するときに発生し、タッチ位置がそれぞれの感知点110p-1、110p-2から遠ざかるにつれて減衰する。
【0086】
複数の導電性の高い感知電極110、または実質的に抵抗性の感知部分110sを備える感知電極110を使用することによって、タッチ位置、速度、方向および/またはそのタッチ位置の移動量の検出など、より複雑な/高度なタッチ感知機能を達成することができる。
【0087】
図2(d)は、一般的な圧力/力の感知構成を示す。
図2(d)では、第1の感知電極110-1の第1の感知部分110s-1と、第2の感知電極110-2(あるいは、第1の感知電極110-1であってもよい)の第2の感知部分110s-2とが距離gだけ離れているのが示されている。非導電性材料の層130が、カバーまたは表面層として第1の感知部分110s-1と接してまたはその上に再び設けられる。この構成では、第1の感知部分110s-1は、距離gを変化させるユーザの指400によって加えられる力または圧力に応じて、第2の感知部分110s-2に対して移動するように構成される。これにより、感知部分110s間の容量が変化し、これを本体装置200で測定することができる。感知部分110s間の容量は、距離gが減少するにつれて増加するため、測定された電気信号を圧力/力のインタラクションの検出に使用することができる。2つの感知部分110s-1、110s-2は、図示されているようにギャップ(例えば、空きスペースまたはボイド)によって分離することができ、またはシリコーンなどの弾性変形可能/圧縮可能な非導電性材料の層を感知部分110s-1、110s-2(図示せず)の間に設けることができる。第1の感知部分110s-1とのタッチインタラクション(加えられる力または圧力が無視できる)も、
図2(a)について上述したのと同じ方法で検出することができる。
【0088】
接触感知構成および力感知構成の両方において、第1の感知部分110s-1上に設けられる非導電性材料130は、実質的に剛質であるか、または弾性的に変形可能/圧縮可能であり得る。
【0089】
図3(a)~
図3(c)は、
図2(c)の構成の変形例を示しており、第1および第2の感知部分110s-1、110s-2が弾性変形可能/圧縮可能な非導電性スペーサ132によって分離されており、第2の感知部分110s-2は、加えられた閾値の力または圧力に応じて潰れて弾性変形するように構成された実質的にドーム形の折り畳み可能要素112を備える。非導電性カバー層130が第1の感知部分110c-1の上に設けられる。折り畳み可能要素112を備えた第2の感知部分110s-2は、導電性シリコーンなどの実質的にフレキシブルおよび/または変形可能な導電性の熱成形可能材料から形成されるか、またはそれを含む。同様に、スペーサ132は、シリコーンなどの実質的に変形可能な非導電性の熱成形可能材料から形成されるか、またはそれを含む。折り畳み可能要素112は、閾値の力/圧力が加えられると、例えば確認のクリックまたは感触を与えるために、信号レベルの追加の変化とユーザへの触覚フィードバックを提供する。このようにして、
図3(d)に示すように、加えられる力に応じて3つの信号レベルの変化が実現される。時間t0では、ユーザインタラクションは発生しておらず、第1および第2の感知部分110s-1、110s-2は第1の距離g1だけ離れている。時間t1において、
図3(a)に示すように、ユーザの指400が近接し、第1の感知部分110s-1と容量的に相互作用し、第1のレベルの信号変化を提供する。時間t2において、ユーザは、閾値を下回る力/圧力をカバー層130に加える。この加えられた力は、第1および第2の感知部分110s-1、110s-2が第2の距離g2<g1だけ離れるようにスペーサ132を圧縮し、第2レベルの信号変化を提供する。時間t3において、ユーザは、閾値以上の力/圧力をカバー層130に加える。この加えられた力により、折り畳み可能要素132が折り畳まれ、第3レベルの信号変化および触覚フィードバックがユーザに提供される。
【0090】
第1および第2の感知部分110s-1、110s-2は、好ましくは、別個のそれぞれの第1および第2の感知電極110-1、110-2と関連付けられ、折り畳み可能要素132を有する第2の感知電極110-2は、任意選択でまたは好ましくは接地電極110gまたは接地面110gpである。
【0091】
図4は、周辺装置100Aの特定の実施形態を示す。
図5は、
図4の周辺装置100の分解図を示す。以下でより詳細に説明するように、周辺装置100Aは、タッチおよび感圧ボタン101-A、101-Bおよびジョイスティック101-J1を含むユーザ入力を受信するために、複数の異なる感知要素101を提供するように構成されている。
【0092】
周辺装置100Aは、複数の感知電極110、ハウジング140、カバー130、およびジョイスティックの形態の可動アクチュエータ160を備える。ハウジング140は、実質的に剛質な非導電性の熱成形可能材料(例えば、非導電性ABS)で形成され、感知電極110を支持し、保持するように構成される。カバー130は、実質的に柔質で、非導電性シリコーンなどの弾性変形可能/柔軟な非導電性の熱成形可能材料で形成され、ハウジング140の少なくとも一部の上に設けられ、触感的な「ソフトタッチ」インタフェース層を提供する。
【0093】
ハウジング140は、タッチまたは加えられた圧力/力などのユーザインタラクションを受け付けるために、1つ以上の感知部分110sが少なくともそこを通って部分的に延在する複数の開口部140o-1を備える。以下でより詳細に説明するように、ハウジング140はさらに、ユーザインタラクション(すなわち、アクチュエータ160を動かす力)を受け付け、検出のためにユーザインタラクションをハウジング140内に位置する1つ以上の各感知部分110sに伝達するために、可動アクチュエータ160がそこを通って延在する開口部140o-2を備える。
【0094】
図示の実施形態では、タッチおよび圧力感知入力ボタン101-A、101-Bは、
図3(a)~
図3(d)を参照して上述したように動作する。したがって、各入力ボタン101-Aは、それぞれ第1の感知電極110-1および第2の感知電極を備え、この実施形態では、接地面110gとして構成された単一の感知電極によって提供される。各開口部140o-1は、各入力ボタン101-Aの第1の感知電極110-1の第1の感知部分110s-1を受け入れ、開口部140o-1を介してそれに力を加えて、それと接地面110gとの間の距離gを変化させることができる。接地面110gは、各ボタン101-Aに関連付けられた複数の折り畳み可能要素112を備える。各折り畳み可能要素112は、各ボタン101-Aの第1の感知部分110s-1に加えられる閾値力/圧力に応じて折り畳み、弾性変形するように構成される。したがって、接地面を形成する感知電極110gは、導電性シリコーンなど、実質的にフレキシブルで弾性的な変形可能な導電性の熱成形可能材料で形成される。非導電性シリコーンなどの弾性変形可能な非導電性の熱成形可能材料で形成された非導電性スペーサ132が、関連する各折り畳み可能要素112と第1の感知部分110s-1との間に設けられる。ジョイスティック101-J1の動作については、
図19(a)~
図21(c)を参照して以下に詳細に説明する。
【0095】
軟質のカバー130は、開口部140o-1の上に設けられ、その下にある感知部分110s-1に力を加えることを可能にしながら、塵や水/湿気の侵入を阻止する。図示の実施形態では、アクチュエータ160もカバー130の開口部を通って延在しているが、代わりに軟質なカバー130をアクチュエータ160(図示せず)の上に設けてもよい。
【0096】
ハウジング140は、感知電極110のコネクタ部分110cと係合してそれらを所定の位置に支持および保持するように構成された一体型コネクタ本体部分142を備える。
【0097】
図6は、
図4の周辺装置100Aを本体装置200の一例に接続することによって形成される制御装置の一例の断面図を示し、コネクタ本体部分142をより明確に示している。コネクタ本体部分142は、ハウジング140の接続面140cに位置し、接続面140cにコネクタ部分110sがそこを通って延在する1つ以上の開口部142oを備える。
【0098】
コネクタ部分110cは、摩擦係合によって所定の位置に保持することができ、または同時モールディングプロセスによってコネクタ本体部分142と一体的に形成することができる。
図5および
図6の実施形態では、コネクタ本体部分142は、ハウジング140の別個のそれぞれの部品140-1、140-2と一体的に形成された2つの別個の部分142-1、142-2によって画定され、これらの部品は、周辺装置100の組み立て中に一緒に固定される。この場合、摩擦係合によってコネクタ部分110sを保持するために、組み立てられたときにコネクタ部分110cと摩擦係合して把持するコネクタ本体部分142のそれぞれの部分142-1、142-2上の一対の対向する係合面142eの間に開口部142oを画定/形成することができる。または、コネクタ部分110は、コネクタ本体部分142-1、142-2(図示せず)のうちの1つと一体的に形成することができる。別の実施形態(図示せず)では、コネクタ本体部分142は、2つの部品から形成されず、ハウジング140の1つ以上の部品140-1、140-2のうちの1つと一体的に形成される。この場合、コネクタ部分110sは、コネクタ本体部分142と一体的に形成することができる。
【0099】
図7は、上方ハウジング部分140-1が所定の位置にない、部分的に組み立て/分解された状態の
図4の周辺装置100Aを示す。コネクタ部分110cは、ハウジング140の接続側面140cに沿って長さにわたって延在するアレイ状に配置される(
図4も参照)。この実施形態では、コネクタ本体部分142は、隣接するコネクタ部分110cの間に配置され、それらを位置決めし、それらの間の分離を維持する一体型スペーサ要素142sを備える。図示の実施形態では、スペーサ要素142sは、組み立てを簡素化するために、コネクタ部分142の下方部分142-2と一体的に形成される。
【0100】
再び
図5を参照すると、1つ以上の感知電極110に対する追加の支持を提供するために、1つ以上の凹部または突起を有する非導電性支持要素150をハウジング140内に設けることもできる。追加的にまたは代替的に、ハウジング140は、1つ以上の感知電極110と協働してそれらの位置決めおよび支持を補助する1つ以上の凹部および/または突起を備えてもよい(図示せず)。
【0101】
ハウジング140のコネクタ本体部分142はまた、周辺装置100Aを本体装置200に解放可能に取り付けるために、本体装置200の対応するロック機構と係合するように構成された取り付け機構またはロック機構を形成/提供する。
図4の実施形態では、コネクタ本体部分142は、コネクタ部分110cのアレイと実質的に平行な接続方向CDにおいて、本体装置200の相補的ロック部材242lとのスライド相互係合を方向付けるように構成されたプロファイルを有するロック部材142lを備えるスライドレール機構を形成する。
【0102】
ロック部材142lは、コネクタ本体部分142の長さの少なくとも一部が接続方向CDに延在するレール部材を形成し、本体装置200の相補的レール部材242lと摺動可能に相互係合するように構成されている。レール部材142lは、本体装置200の各レール部材242lの長手方向に延在する凹部またはチャネルによって受容されて係合する、またはその逆も同様であるように構成された長手方向に延在する突出部を備える。
【0103】
図8(a)~
図8(c)は、周辺装置100Aが本体装置にどのように取り付けられるかを示す。第1のステップでは、
図8(a)に示すように、周辺装置100Aのレール部材142lの長手方向の端部と本体装置200のレール部材242lの長手方向の端部とを位置合わせする。第2のステップでは、周辺装置100Aのレール部材142lの長手方向端部が本体装置200の長手方向端部に挿入され、接続方向CDへの継続的な移動により、それぞれのレール部材142l、242lがスライド係合し、
図8(b)および8(c)に示すように、接続位置に達する。
【0104】
以下により詳細に説明するように、レール部材142l、242lのスライド係合により、コネクタ部分110cが本体装置200の各電気接点210と物理的に電気的に接触し、それらの間に電気接続が確立される。コネクタ部分110cと電気接点210が整列する(図示せず)接続位置を越えて滑り落ちないよう、周辺装置および/または本体装置200のレール部材142、242lの端部に端部(摩擦)ストップまたは他の手段を設けることができる。レール部材142l、242lの摩擦係合は、接続位置からの意図しない移動を阻止する。周辺装置100Aを本体装置200から接続を解除または取り外す場合には、反対方向に力を加える必要がある。
【0105】
図6の実施形態では、本体装置200の電気コネクタ210は、非金属のコネクタ部分110cに対して付勢してその間に安定した電気接触を確立し維持するように構成されたスプリングフィンガの形態の付勢要素を備える金属コネクタである。しかしながら、周辺装置100Aの非金属のコネクタ部分110cと本体装置200の金属または非金属の電気接点210との間に解放可能な電気接続を確立するための多くの代替方法があることは理解されるであろう。これについては、
図26(a)~
図27(d)を参照して以下でさらに説明する。
【0106】
多数の異なる周辺装置100は、本体装置200に交換可能に接続可能であってもよく、各周辺装置100は、異なるモジュール式制御装置に異なるユーザインタラクション機能を提供するための異なる感知電極110の構成を有する(後述の
図16~
図18を参照)。したがって、本体装置200(または遠隔コンピューティング装置300)は、測定データを解釈/分析し、ユーザインタラクションを決定する方法を知るために、接続された特定の周辺装置100を識別できる必要がある。
【0107】
接続されると、多数のコネクタ部分110cが、上述のように少なくとも1つの接地接点210gを含む同数の電気接点210と接触することになる。周辺装置100は、少なくとも1つの感知電極110が接地接点210gと感知回路の1つ以上の感知接点210sの両方に物理的に接続され、特定の接続された周辺装置100を識別するために、本体装置200の制御ユニット240によって(または遠隔コンピューティング装置300によって)検出可能な特定の信号パターンまたはシーケンスを提供するように構成される。
【0108】
図9(a)および
図9(b)は、本体装置100に接続された、装置Aおよび装置Bとラベル付けされた2つの異なる周辺装置100をどのように区別できるかを示す。接地電極110gとして構成された感知電極は、接地面であってもよく、2つ以上のコネクタ部分110c、この例では2つのコネクタ部分110cを備える。コネクタ部分110cの一方は、本体装置200の接地接点210g(Gnd)に接続するように構成され、他方は、本体装置200の各感知接点210s(装置Aの接点EL6および装置Bの接点EL7)に接続するように構成されている。このようにして、装置100、200が接続されると、接地電極110gは、特定の各感知接点210sを接地に短絡し、これにより、本体装置200の感知回路の感知接点210に特定の信号パターンまたはシーケンスが提供され、これを特定の周辺装置100を他の周辺装置100から識別するために検出および使用することができる。容量性感知チップは、各感知電極210sで信号を測定し、接地に接続された信号は、
図9(c)および
図9(d)に示すように、そうでないものから容易に区別できる明確な信号の時間経過およびレベルを提供する。上述の例では、制御ユニット240(または遠隔コンピューティング装置300)は、装置Aが接続されると接点EL6が接地され、装置Bが接続されると接点EL7が接地されることを検出または決定する。この検出された信号パターンは、異なる周辺装置100に関連付けられて記憶された信号パターンのリストと比較され、特定の接続された周辺装置100を識別することができる。接地電極110gは、コネクタ部分110cのアレイ内の所定の位置に配置された任意の数のコネクタ部分110cで構成され、異なる感知接点210sに接続し、異なる固有の信号パターンを提供することができる。
【0109】
本体装置200の感知接点210の異なる信号パターンは、周辺装置100が本体装置200に接続されているか否かを識別するために使用することもできる。これを
図10(a)~
図10(c)に示す。周辺装置100が切断されると、感知接点210sで測定されるすべての生信号は、感知接点210sの現在の「未接触」容量を表すベースラインレベルにある。周辺装置100が接続されると、接地電極110gは特定の各感知接点210sを接地して短絡し、各ベースラインレベルから区別可能な異なる時間経過およびレベルを有する多数の信号を提供する。これは、制御ユニット240(または遠隔コンピューティング装置300)によって検出可能であり、周辺装置100が接続されていることを示す。切断されると、すべての測定信号はベースラインレベルに回復され、周辺装置が接続されていないことを示す。このように周辺装置100が接続されているか否かを区別するために、制御ユニット240(または遠隔コンピューティング装置300)は、適応型自動ベースライニングシステムを実装するのではなく、容量性感知チップ230から生の測定データを取得するように構成されなければならない。適応型自動ベースライニングシステムを使用すると、短絡された各感知接点210からの信号は、(周辺装置100が本体装置200に接続されるとすぐに)(事前定義された)ベースラインレベルに自動的に更新され、装置100が純粋に信号パターンを通じて取り付けられているかどうかを認識する能力が阻害される。
【0110】
図11(a)~
図13(b)は、周辺装置100B、100C、100Dの異なる特定の実施形態を示す。上述の周辺装置100Aと同様に、各周辺装置100B、100C、100Dは、ユーザ入力を受信し、電気信号を本体装置200に提供するための1つ以上の感知要素101を備えるが、異なる感知電極110の3D形状、サイズ、および構成を有し、異なる材料特性(例えば、異なる触感「感触」)を有する非導電性要素とを組み合わせて、異なるユーザインタラクション機能を有するコヒーレントなモジュール式制御装置を提供する。各周辺装置100A、100B、100C、100Dは、同じ本体装置200に交換可能に接続するための電気コネクタ120およびスライドレール機構を備える。したがって、各周辺装置100A、100B、100C、100Dは、ユーザの使用方法およびモジュール式制御装置とのインタラクションを根本的に変える。
【0111】
図11(a)の実施形態では、周辺装置100Bは、ブレード部分101-Cおよびハンドル部分102を備えたソード状の装置として構成される。ブレード部分101-Cは、ブレード部分101-Cに加えられる接触、力、または圧力に応じて、例えば、ブレード部分101-Cと別の周辺装置100であり得る物体との間の衝撃を通じて、本体装置200に対して電気信号を供給するための感知要素101である。
【0112】
図11(b)は、周辺装置100Bの分解図を示す。ハンドル部分102は、コネクタ本体部分142を備えた剛質の非導電性ハウジング140と、本体装置200に取り付けるためのスライドレール機構とを備える。ブレード部分101-Cは、
図2(d)を参照して説明したものと同様の方法で動作する。この場合、第1および第2の感知部分110s-1、110s-2は、実質的に変形可能な非導電性の熱成形材料で形成されたスペーサ132によって分離され、第1(外側)感知部分110s-1は実質的に変形可能な非導電性の熱成形可能材料で形成されるカバー130によって覆われる。第1の感知部分110s-1は、実質的に軟質または変形可能なもので形成され(例えば、導電性EVAで形成され)、第2の部分110-2は、実質的に剛質である(例えば、導電性ABSで形成される)。第2の(内側)感知部分110s-2は実質的に円筒形であり、スペーサ132、第1の感知部分110s-1およびカバー130は、
図11(b)に示すように、互いに順番に嵌合するように構成された同心の中空円筒状要素である。感知部分110s-1、110s-2は、ハウジング140の開口部140o-1を通って延在し、そこで各感知電極110-1、110-2のコネクタ部分110cがコネクタ本体部分142によって支持され、保持される。他の感知部分110s-1は、図示のようにハウジング140内またはハウジング140と接して設けてもよい。この感知電極110-1は、露出させることもできるし、非導電性材料、例えば、ハウジング140またはカバー130(図示せず)によって外部から隔離することもできる。この追加の感知電極110-1は、ハンドル部分102がユーザによって把持または保持されているか、例えば、
図2(a)を参照して説明したように動作するかを検出するための追加の感知要素として使用することができる。また、この感知電極110-1を接地面110gpとして使用することもできる。
【0113】
図12(b)の実施形態では、周辺装置100Cは、シールド部分101-Dおよびハンドル部分102を有するシールド状装置として構成される。ソード100Bと同様に、シールド部分101-Cは感知要素101であり、これにより、導電性物体の近接、例えば、シールド部分101-Cとソード状装置110Cなどの別の周辺装置100であり得る導電性物体との間の接触に応じて、本体装置200に電気信号を提供する。
【0114】
図12(b)は、周辺装置100Cの分解図を示す。ハンドル部分102は、コネクタ本体部分142と本体装置200に取り付けるためのスライドレール機構とを備える剛質の非導電性ハウジング140を備える。ハウジング140は、感知電極110を支持および保持するために、互いに嵌合する少なくとも2つの部品140-1、140-2を備える。シールド部分101-Dは、
図2(a)を参照して説明したように動作する。非導電性カバー130が表面層として感知部分110sの上に設けられる。シールド感知部分110s-1は、実質的に剛質または変形可能な材料で形成することができる。シールド感知部分110s-1は、コネクタ部分110c(図示しない)により他の感知電極110と接触することにより、本体装置200に接続される。シールド部分101-Dは、空間的に分解されたタッチ/接触情報を提供するために、シールド部分101-Dの領域にわたって分散された複数のシールド感知部分110s-1を備えることができる。シールド感知部分110s-1は、図示されるように、ハウジング140の別の部分140-3によって支持され得る。また、非導電性カバー130は、感知部分110s-1の両側に(すなわち、図示のハウジングの部分140-3の場所に)設けることができる。カバー130は、布地または非導電性の熱成形可能材料から形成され得るか、またはそれらを含んでよい。例えば、布製カバー130は、熱圧着技術によって、実質的に柔質または変形可能なシールド感知電極110(例えば、導電性EVAで形成される)上に形成することができる。別の感知部分110s-1も、図示のようにハンドル部分102のハウジング140内に設けることができる。この感知電極110-1は、露出させることもできるし、非導電性材料、例えば、ハウジング140またはカバー130(図示せず)によって外部から隔離することもできる。ソード状装置100Cと同様に、この感知電極110-1は、ハンドル部分102がユーザによって把持または保持されている、例えば
図2(a)を参照して説明したように動作する場合を検出するための追加の感知要素として使用することができる。あるいは、この感知電極110-1を接地面110gpとして使用することもできる。別の実施形態では、シールド部分101-Dは、非導電性スペーサ132(図示せず)によって第1の感知電極から分離された接地面110gpをさらに備えてもよい。接地面110gpは、ハンドル部分102を保持するときにユーザの手がシールド感知部分110s-1に近づくことによって引き起こされる潜在的な干渉を低減するために、シールド部分101-Dのハンドル側に配置される。
【0115】
図13(a)の実施形態では、周辺装置100Dは、異なるユーザインタラクションに応じて本体装置200に電気信号を提供するための3つの感知素子101-E、101-F、101-J2を有する。感知要素101-Eはスリングショットであり、感知要素101-Gはトリガであり、感知要素101-J2はジョイスティックである。
図13(b)は、周辺装置100Dの分解図を示す。周辺装置100Dは、装置100Aと同様に、複数の感知電極110、コネクタ本体部分142を備えた剛質の非導電性ハウジング140、および本体装置200に取り付けるためのスライドレール機構を備える。実質的に変形可能な非導電性材料で形成されたカバー130がハウジング140の上に設けられる。2つの感知電極は、ハウジング140の第1および第2の部分140-1、140-2のそれぞれに対する接地面110gpとして構成される。スリングショット101-Fおよびトリガ101-Gは、
図2(d)で説明したのと同様の方法で動作する。第1の感知部分110s-1に加えられる力または圧力は、それを第2の感知部分110s-2に対して移動させ、それらの間の容量性インタラクションを変化させる。トリガ101-Gの場合、第1の感知部分110s-1は、ピボットピン110s-1pおよび一体型ピボットブラケット110gp-bを介して接地面110gpと接触する可動トリガ110s-1tとして構成される。スリングショット101-Fの場合、曲げ力などのフレキシブル部材131に加えられる力によって、一対の第2の感知部分110s-2f、110s-2bに対する第1の感知部分110s-1の変位が引き起こされるように、第1の感知部分110s-1は、カバー130の細長いフレキシブル部材131に結合される。この場合、第1の感知電極110-1も接地される。一対の第2の感知部分110s-2f、110s-2bは、第1の感知電極110s-1の前方(110s-2f)および後方(110s-b)への相対変位を検出する指向性電極として構成される。ジョイスティック101-J2の動作は、
図17(a)~18(c)を参照して以下に詳細に説明される。
【0116】
図14(a)は、
図4および
図5の周辺装置100Aのジョイスティック感知要素101-J1の概略断面図を示す。ジョイスティック101-J1の動作原理は、
図2(d)を参照して説明したものに基づいており、第1および第2の感知部分110s-1、110s-2が相互に移動可能である。ジョイスティック101-J1は、ハウジング140の開口部140o-2を通って延在する非導電性ハンドル部分162と、ハウジング140内に位置するベース部分164と、を有する可動アクチュエータ160を備える。ベース部分164は、第1の感知部分110s-1を備える第1の感知電極110を備え、支点F-110の周りに分散されベース部分164/第1の感知部分110s-1の下に位置する第2の感知部分110s-2のセットに対して第1の感知部分110s-1を移動させるために、支点F-110の周りに旋回するように構成される。これにより、第1の感知部分110s-1と第2の感知部分110s-2との間の容量が変化し、ハウジング140または以下に説明するようにアクチュエータ160の休止軸RAに対するジョイスティック101-J1の傾斜方向および角度を検出するための1つ以上の電気信号が提供される。
【0117】
各第2の感知部分110s-2は、別個の第2の感知電極110-2に関連付けられる。支点F-110は、接地面110gpと一体に形成される。第1の感知電極110-1は、コネクタ部分110cを含まず、支点F-110との電気的接触を通じて本体装置200の感知回路に接続されるように構成される。この例では、第1の感知電極110-1は支点F-110上に直接置かれ、旋回する。ジョイスティック101-J1はまた、アクチュエータ160に結合され、アクチュエータ160に力が加えられない場合にアクチュエータ160を支点F-110に向かって、かつ休止軸RAと整列した休止角度位置(例えば、中心位置)に付勢し、力が加えられると変形して、アクチュエータ160が休止位置から離れる方向に動く(例えば、傾斜する)ことができるように構成された弾性変形可能な付勢要素166を備える。付勢要素166は、半径方向内側端で可動アクチュエータ160に結合され、半径方向外側端でハウジング140または装置100の別の固定要素に結合および/または係合される。したがって、半径方向外側端は、アクチュエータ160に対して固定または静止している。
図5を参照すると、付勢要素166は、渦巻きバネであるか、または渦巻きバネを含む。しかしながら、付勢要素166は例えば弾性的に変形可能なディスク状のような他の形態であってもよく、あるいは、アクチュエータ160に結合され、アクチュエータ160の周りに分散された複数の弾性変形可能な付勢要素166が存在していてもよい(図示せず)。付勢要素166は、
図14(a)に示すように非導電性材料で形成することができ、あるいは
図14(b)に示すように第1の感知電極110-1に接続されるか、または一体的に形成される導電性材料で形成することができる。
【0118】
図14(c)は、ジョイスティック101-J1の代替構成を示しており、支点F-140が非導電性ハウジング140と一体的に形成されている。この場合、第1の感知電極110-1、および任意選択で付勢要素166は、接地面110gpに異なる点で、例えば、図示のようにコネクタ要素113を介して、電気的に接触するように構成される。コネクタ要素113は、付勢要素166の半径方向外側端をアクチュエータ160に対して固定する役割も果たすことができる。
【0119】
図15(a)~15(c)は、ジョイスティック101-J1がどのように動作するかをより詳細に示している。この図示の例では、支点F-140はハウジング140と一体的に形成されているが、動作原理は非導電性であっても導電性であっても同じであり、唯一の違いは、第1の感知電極110-1がどのように接地面110gpに接続されるかである。動作中、ジョイスティック101-J1の第1の感知電極110-1と第2の感知電極110-1、110-2のそれぞれとの間の容量は、容量性感知チップ230によって測定される。ハンドル部分162に力が加えられていない場合には、アクチュエータ160は休止位置にあり、第1および第2の感知部分110s-1、110s-2は第1の距離g1だけ離れており、
図15(a)に示すように、それらの間で測定されるベースライン信号レベルを生成する。ハンドル部分162に横方向の力が加えられると、アクチュエータ160が支点F-140を中心に休止軸RAから離れる方向に所定の傾斜方向に旋回する。これにより、第1の感知部分110s-1と第2の感知部分110s-2との間の距離が第2の距離g2<g1に減少し、
図15(b)に示すように、それらの間で測定される信号にベースラインレベルからアクティブレベルへの変化が生じる。アクティブレベルは、当技術分野で知られているように、適切な閾値変化によって定義され得る。ベース部分164を同じ方向にさらに旋回させると、第1の感知部分110s-1と第2の感知部分110s-2との間の距離が第3の距離g3<g2にさらに減少し、
図15(c)に示すように、それらの間で測定される信号に大きな変化が生じる。このようにして、アクチュエータ160の休止軸RAに対する傾斜角は、ジョイスティック101-J1の第1および第2の感知電極110-1、110-2の間で測定される信号の変化に基づいて決定することができる。
【0120】
図16(a)~
図16(c)は、ジョイスティック101-J1の第1および第2の感知電極110-1、110-2の間で測定された信号から傾斜方向をどのように決定できるかを示す。
図16(a)は、支点F-140および休止軸RAの周りに均等に分散された第2の感知部分110s-2のセット(この例では4つ)を示し、対応する極マップは、特定の信号E1~E4および第2の感知電極110-2から測定された信号の対が休止軸RAの周りの傾斜方向とどのように関連付けられるかを示す。各第2の感知電極110-2からの信号の変化を監視することによって、以下に説明するように、傾斜方向を決定することができる。
図16(b)を参照すると、ハンドル部分162が休止位置から第2の感知部分110s-2の1つに整列する方向に傾けられると、その感知電極から測定される信号、この例ではE1は、そのベースラインレベルがアクティブレベルに変化する一方で、隣接する第2の感知部分110s-2、この場合はE4から測定される信号は、より小さい、または無視できるほどの変化を示す。同様に、ハンドル部分162が2つの隣接する第2の感知部分110a-2の間に配向された方向に傾けられると、各感知電極で測定された信号、この例では信号E1およびE4は、両方とも、それらのベースラインレベルから実質的に等しいか同様のアクティブレベルに変化する。
図16(c)は、傾斜方向が
図16(b)のような1つの感知部分110s-2との整列から2つの感知部分110s-2へ変化する例を示す。この場合、各感知電極で測定される信号、この例では信号E1およびE4は両方とも、図示のように、以前のレベルから実質的に等しいまたは同様のアクティブレベルに変化する。このように、変化する特定の信号に基づいて傾斜方向を特定することができ、特定の信号レベルの変化量から傾斜角を特定することができる。
【0121】
図17(a)~17(c)は、
図13(a)および13(b)の周辺装置100Dのジョイスティック101-J2の断面図を示す。ジョイスティック101-J2は、
図14(c)に示され上述したジョイスティック101-J1と本質的に同じであるが、支点F-110/休止軸RAの周りに分散され、ベース部分164/第1の感知電極110の上に位置する第3の感知部分110s-3のセットをさらに備える。この実施形態では、アクチュエータ160は、
図17(b)に示すような、ジョイスティックの傾斜方向および角度を検出するためにベース部分164が支点F-140の周りで旋回可能である下方位置と、
図17(c)に示すような、ベース部分164が支点F-140およびハウジング140に対して1つ以上の横方向に並進可能な上方位置との間で、移動可能である。
【0122】
上述したように、付勢要素166は、アクチュエータ160を支点F-140および休止角度位置に向かって、したがってさらに下方位置に向かって付勢するように構成されている。下方位置では、ジョイスティック101-J2は、ジョイスティック101-J1について上述したように動作する。休止軸RAに対する傾斜角度および方向は、第1の感知部分110s-1と第2の感知部分110s-2のセットとの間で測定された容量信号から決定される。上方位置では、アクチュエータ160は支点F-140から持ち上げられ、横方向に自由に動くことができる。上方位置UPでは、アクチュエータ160の横方向の動きにより、第1の感知部分110s-1が第3の感知部分110s-3のセットに対して移動し、それらの間の容量が変化する。これにより、後述するように、休止軸RAに対するアクチュエータ160の横方向の並進を、第1の感知部分110s-1と第3の感知部分110s-3のセットとの間で測定される容量信号から決定することができる。
【0123】
図18(a)~
図18(c)は、ジョイスティック101-J2の第1の感知電極110-1と第3の感知電極110-3との間で測定された信号から、アクチュエータ160の横方向の並進の方向および量をどのように決定できるかを示す。
図18(a)は、休止軸RAの周りに均等に分散された第3の感知部分110s-3のセット(この例では4つ)を示し、対応する極マップは、第3の感知電極110-3から測定された信号E5~E8がどのように休止軸RAの周りの横方向に関連付けられているかを示す。ハンドル部分162に力が加えられていないとき、アクチュエータは下方(休止)位置にあり、第1の感知電極110-1と第3の感知電極110-3のセットとの間で測定される容量性インタラクションおよび信号はベースラインレベルにある。
図18(b)を参照すると、ハンドル部分162が横方向への移動なしで下方位置から上方位置まで持ち上げられると、各第3の感知電極(E5~E8)から測定される信号は、そのベースラインレベルから実質的に等しいか同様のアクティブレベルに変化する。上方位置に達すると、各第3の感知電極110-3で測定される信号レベルは、主に、第3の感知部分110s-3と第1の感知部分110s-1との空間的重なりによって決定される。第3の感知部分110s-3は、休止軸RAからの横方向の変位に伴う重なりの変化を示すように形作され構成されている。
図18(c)を参照すると、ハンドル部分162が、第3の感知部分110s-3の1つに整列する方向で休止軸RAから離れるように横方向に並進されると、その第3の感知部分110s-3、この例ではE5から測定される信号は増加するが、反対側の第3の感知部分110s-3、この例ではE7から測定される信号は減少する。あるいは、第3の電極部分110s-3は、所与の第3の電極部分110s-3に向かうアクチュエータ160の並進によって、反対側の感知部分110s-3から測定される信号が増加するように構成されてもよい。同じ方向へのさらなる並進により、対向する第3の電極部分110s-3における信号間のさらなる差異が生じる。このようにして、変化する特定の信号に基づいて横方向の並進方向を決定することができ、それらの特定の信号レベルの変化量から並進量を決定することができる。
【0124】
図4~
図8(c)および
図11(a)~
図13(b)に示す周辺装置100A、100B、100C、100Dの特定の実施形態は、本体装置200に取り外し可能に取り付けるためのスライドレール機構を含むが、この目的に適した多数の代替ロック機構を実装することができる。
図19(a)~
図19(c)は、代替のレール部材142l、242lの構成を示している。
図20(a)および20(b)は、プラグおよびソケットタイプのロック機構の例を示しており、周辺装置100のロック部材142lが、コネクタ部分110cのアレイに対して実質的に垂直な接続方向CDに加えられる力によって本体装置200の相補的ロック部材242lと機械的に相互係合するように構成されている。周辺装置100のロック部材142lは、雌型ロックの凹部と係合するように構成された突起を備えた雄型ロック部材であってもよいし、その逆であってもよい。係合は、
図20(b)に示すように、摩擦係合または締り嵌め、および/またはスナップ嵌めを介して行うことができる。
図20(b)の構成では、当技術分野で知られているように、ロック部材142lは、接続方向CDに力を加えると弾性変形して他のロック部材242lの凹部とスナップ係合するように構成された突起を備える。
【0125】
あるいは、ロック機構は磁気係合に基づくこともできる。この場合、コネクタ本体部分142はロック部材を備えないが、代わりに、本体装置200上の反対極の磁石と相互作用して2つの装置100、200をともに接続位置(図示せず)にて解放可能に保持する磁石を備える。
【0126】
機械的および/または磁気的ロック機構に適した、周辺装置100の非金属のコネクタ部分110cと本体装置200の電気接点210との間の電気接続を確立するための多くの異なる方法もある。
図6の実施形態では、本体装置200の電気接点210は、コネクタ部分110cの重なり合う表面に接触する金属製のスプリングフィンガである。しかしながら、コネクタ部分110cの先端面に接触することによって電気的接続を行うこともできる。さらに、本体装置200の電気接点210は、コネクタ部分110cへの電気接続を確立するために、周辺装置100のコネクタ部分110cと同様に、非金属の導電性の熱成形可能材料で形成された接続要素210cを含むことができる。接続要素210cは、金属接点210に接してまたはその上に設けられ、および/または金属接点210から延在してもよい。
【0127】
図21(a)~
図21(e)は、本体装置200の金属電気接点210と周辺装置100の非金属接続部分110cとの間の電気接続を確立するための様々な方法を示す。各コネクタ部分110cは、本体装置200の電気接点210に機械的に接触するように構成された露出した接点部分111を備える。
図21(a)および
図21(b)では、電気接点210は、装置100、200が接続されるときに、接点部分111の表面に対して付勢されるような、金属製のスプリングフィンガおよびポゴピンの形態の付勢要素を備える。付勢要素は、安定した電気接続を維持するのに役立ち得る。スプリングフィンガは、例えば、スプリングフィンガを接続方向CDに向けることによって、スライドレール機構との使用に特に適し得る。
図21(c)では、電気接点210は、接点部分111の重なり合う表面に接触するための単純な金属板またはパッドである。
図21(d)では、本体装置200の電気接点210は、接点部分111の先端面に接触するために、回路基板215の周縁部に位置する。電気接点210は、図示のように、接点部分111を受け入れるために回路基板215の周縁部の凹部215r内に配置され得る。あるいは、
図21(e)では、電気接点210は、重なり合う接点部分111の突起を受け入れるために、回路基板215の凹部またはスルーホール215h内に配置される。
【0128】
図22(a)~
図22(d)は、非金属の接続要素210cを有する電気接点210と非金属のコネクタ部分110cとの間に電気接続を確立するための異なる方法を示す。
図22(a)では、接続要素210cは、接点部分111の重なり合う表面に接触するための単純なパッドである。
図22(b)では、接点部分111は、重なり合う接続要素210cの対応する突起を受け入れるための凹部を備える。
図22(c)では、接続要素210cは、接点部分111の端面に接触するために回路基板210の周縁部に設けられている。接続要素210cは、図示のように接点部分111を受け入れるために、回路基板215の周縁部の凹部215rに配置されてもよい。
図22(d)では、接続要素210cは、装置100、200が接続されるときに接点部分111の重なり合う表面に対して付勢するように弾性変形するように構成されたスプリングフィンガの形態の付勢要素を備える。
【0129】
周辺装置100の導電性要素および非導電性要素は、射出成形、圧縮成形、場合によってはオーバーモールディングなどの1つ以上の成形プロセスによって熱成形可能材料から形成される。
図23は、周辺装置100の製造方法を示す。ステップ510では、使用される特定の材料に応じて、射出成形および/または圧縮成形などの成形プロセスによって複数の感知電極110が形成される。感知電極は、実質的に剛質の、または変形可能な熱成形可能材料から、例えば電気接点の種類に応じて形成することができる。ステップ520では、射出成形などの成形プロセスによって剛質なハウジング140が形成される。ステップ530では、射出成形または圧縮成形などの成形プロセスによって、軟質/変形可能なカバー130が形成される。ステップ540では、周辺装置100の導電性要素および非導電性要素が組み立てられる。ステップ510~530の順序は入れ替えることができる。
【0130】
周辺装置100を組み立てることは、1つ以上の感知電極110および接地面110gpをハウジング140の第1の部分140-1内に少なくとも部分的に配置することと、1つ以上の感知電極110を所定の位置に保持するために、ハウジング140の第2の部分140-2を第1の部分140-1に固定することとを含んでもよい。最終ステップとして、剛質なハウジング140の少なくとも一部と接して、またはその上にカバー130を適用してもよい。周辺装置100を組み立てることは、1つ以上の感知電極110をハウジング140の一つの部分140-1、140-2に固定することを含んでもよい。ハウジング140-1、140-2の異なる部分は、ネジまたは接着剤などの1つ以上の締結具によって一体的に固定され得る。周辺装置100を組み立てることは、ハウジング140と組み立てる前に、トリガ101-Fおよび/またはジョイスティック101-J1、101-J2(例えば、ハンドル部分162、ベース部分164、アクチュエータ160の付勢要素166)などの様々な感知要素101のサブパーツを組み立てることを含んでもよい。
【0131】
感知電極110、ハウジング140、およびカバー130は、別個の要素として成形され、その後一緒に組み立てられるか、または要素の少なくとも一部が一緒に成形され得る。例えば、接地感知電極110gpおよび任意選択で1つ以上の他の感知電極110は、オーバーモールディングプロセスにおいて剛質なハウジング140の上または上に接してモールド成形することができ、またはその逆も可能である。さらに、軟質のカバー130を剛質なハウジング140に面してオーバーモールドすることができる。さらに、非導電性スペーサ層132を感知電極110または接地面110gpの上に接してオーバーモールドすることができる。装置100Bおよび装置100Cのように、カバー130が布地であり、軟質で変形可能な感知電極110上に設けられる実施形態では、布地カバー130を感知電極110の上に接して熱圧着してもよい。
【0132】
本開示を読めば、当業者には他の変形および修正が明らかとなるであろう。このような変形および修正は、当技術分野で既に知られている同等の特徴および他の特徴を含み、本明細書で既に説明した特徴の代わりに、またはそれに加えて使用することができる。
【0133】
添付の特許請求の範囲は特徴の特定の組み合わせを対象としているが、本発明の開示の範囲には、本明細書に明示的または暗示的に開示される新規な特徴または特徴の新規な組み合わせ、またはその一般化も含まれる、いずれかの請求項で現在請求されているものと同じ発明に関するものではなく、それが本発明と同じ技術的問題の一部またはすべてを軽減するかどうかにも関係しないことが理解されよう。
【0134】
別個の実施形態の文脈で説明される特徴は、単一の実施形態で組み合わせて提供されてもよい。逆に、簡潔にするために単一の実施形態に関連して説明される様々な特徴は、個別に、または任意の適切なサブコンビネーションで提供されてもよい。
【0135】
完全を期すために、「含む」という用語は他の要素またはステップを排除するものではなく、用語「a」または「an」は複数を排除するものではなく、特許請求の範囲における参照符号は請求項の範囲を制限するように解釈されないことも述べられている。
【国際調査報告】