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特表2024-511276コバルト電着のための電解液及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】コバルト電着のための電解液及び方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 3/18 20060101AFI20240306BHJP
   C25D 3/12 20060101ALI20240306BHJP
   C25D 7/12 20060101ALI20240306BHJP
   C25D 7/00 20060101ALI20240306BHJP
   C23C 16/06 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
C25D3/18
C25D3/12 101
C25D7/12
C25D7/00 J
C23C16/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550053
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-20
(86)【国際出願番号】 EP2022053023
(87)【国際公開番号】W WO2022175137
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】2101582
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501407311
【氏名又は名称】マクダーミッド エンソン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ベルトン、エルミーヌ、マリー
(72)【発明者】
【氏名】ティアム、ミカイルー
(72)【発明者】
【氏名】スール、ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】キム、イェースル
(72)【発明者】
【氏名】ドゥッソ、セリーヌ、パスカル
【テーマコード(参考)】
4K023
4K024
4K030
【Fターム(参考)】
4K023AA13
4K023CB05
4K023CB28
4K023DA02
4K023DA06
4K023DA07
4K024AA03
4K024AB01
4K024AB15
4K024BA11
4K024BB11
4K024BB12
4K024CA03
4K024CA06
4K024GA16
4K030BA05
4K030CA04
4K030CA12
4K030HA01
4K030LA15
(57)【要約】
本発明は、コバルトの相互接続を作製するための方法、及びそれを実現すること可能にする電解液に関する。pHが4.0未満の電解液は、コバルトイオン、塩化物イオン、有機添加剤を含み、有機添加剤は、α-ヒドロキシカルボン酸と、ポリエチレンイミン又はベンゾトリアゾールから選択されるアミンとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コバルトの電着のための電解液であって、前記電解液が、1~5g/Lのコバルト(II)イオンと、1~10g/Lの塩化物イオンと、1.8~4.0の範囲であるpHを得るのに十分な量の強酸と、有機添加剤とを含む水溶液であって、前記有機添加剤が、α-ヒドロキシカルボン酸及びその混合物から選択される少なくとも1種の第1の添加剤と、ポリエチレンイミン及びベンゾトリアゾールから選択される少なくとも1種の第2の添加剤とを含む水溶液であることを特徴とする、電解液。
【請求項2】
前記電解液中の前記有機添加剤の総濃度が、5ppm~50ppmの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の電解液。
【請求項3】
前記第2の添加剤の濃度が、1ppm~10ppmの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の電解液。
【請求項4】
いかなる硫黄化合物も含有しないことを特徴とする、請求項1に記載の電解液。
【請求項5】
pHが1.8~2.6の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の電解液。
【請求項6】
前記第1の添加剤が、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、マンデル酸、及びグリセリン酸から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の電解液。
【請求項7】
導電率が、2mS/cm~10mS/cmの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の電解液。
【請求項8】
ホウ酸を含有しないことを特徴とする、請求項5に記載の電解液。
【請求項9】
平坦な部分とキャビティとを含む導電性表面を備えた基板上に、前記キャビティをボトムアップに充填することにより析出させるための電気化学的方法であって、
-前記導電性表面を、請求項1~8のいずれか1項に記載の電解液と接触させるステップと、
-前記表面上へのコバルト析出を実行するために、十分な継続時間にわたって前記導電性表面を分極する電気的ステップと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記継続時間が、50nm~400nmの範囲の厚さを有するコバルト析出物によって、前記導電性表面のキャビティの充填と前記平坦な部分のコーティングとを実行するのに十分な時間であることを特徴とする、請求項9に記載の、コバルトを析出させるための電気化学的方法。
【請求項11】
前記分極ステップの直後に、前記分極ステップの終了時に得られた前記コバルト析出物への化学的攻撃と機械的攻撃とを組み合わせた研磨ステップを実行することを特徴とする、請求項9に記載の、コバルトを析出させる電気化学的方法。
【請求項12】
前記キャビティが、開口部で、100nm未満の幅、好ましくは、10nm~50nmの範囲である幅を有し、かつ50nm~250nmの範囲である深さを有する、請求項9~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記分極ステップの前記終了時に得られた前記コバルト析出物が、1000原子ppm未満の含有量の不純物を有する、請求項9~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記電着ステップの前記終了時に得られた前記コバルト析出物が、50℃~500℃の範囲の温度での熱処理を受けることなく、体積基準又は面積基準で、10%未満の平均空隙率を含む、請求項9~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
分極電流の強度が8.5mA/cm~18.5mA/cmの範囲である場合、前記コバルトの析出速度が、0.1nm/秒~3.0nm/秒の範囲であることを特徴とする、請求項9~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記分極ステップの終了時に得られた前記コバルト析出物の抵抗率が、50℃~500℃の範囲の温度での熱処理を受けることなく、30μΩ・cm未満であることを特徴とする、請求項9~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記基板が、SiO、窒化タンタル、及びコバルトの連続的析出によって得られることを特徴とする、請求項9~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記コバルトが、化学蒸着(CVD)法、又は原子層堆積(ALD)法によって、タンタル窒化物上に析出される、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性表面上へのコバルトの電着に関する。より正確には、本発明は、集積回路における電気的相互接続を作製するために使用することができるコバルト電着のための電解液及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、異なるレベルの集積部と、2つのカテゴリの導電性金属相互接続とを含む。それらの2つのカテゴリの導電性金属相互接続とは、デバイスの表面上に延在し、電子構成要素を接続する、数十ナノメートル幅のトレンチ、及び異なるレベルどうしを接続し、直径が約数百ナノメートルであるスルービアである。
【0003】
相互接続の作製は、基板上にキャビティをエッチングすることと、続いてキャビティの表面上に金属シード層を析出させることと、それにより、キャビティを導電性金属で電気化学的に充填する後続のステップを可能にすることとを含む。
【0004】
相互接続をコバルトで充填するための従来の方法は、コバルト塩と、多数の有機添加剤とを含有する電解液を使用する。これらの添加剤の組み合わせは、一般的に、良質なコバルト塊、特に、材料の空隙を含まず、良好な導電性の良質なコバルト塊を得るためには必要である。
【0005】
キャビティの充填は、使用される電解液に依存して、2つのメカニズム、すなわちボトムアップ充填又はコンフォーマル充填に従って行うことができる。ボトムアップメカニズムによる充填方法は、コバルトの析出物が、中空パターンの底部と壁部とで同じ速度で成長する充填方法とは対照的な方法である。
【0006】
ボトムアップ充填を得るために、従来技術の電解液は、いくつかの洗浄添加剤(例えば、抑制剤及び促進剤など)を含む。このようなシステムは、コバルトの析出物空隙が形成されるのを回避して、キャビティ開口部が早期に閉塞されてしまうのを回避することを可能にする。抑制は、キャビティの上部レベルにおける、キャビティの壁部の上における、更にキャビティが開口している基板の平坦な表面上におけるコバルトの析出を制限する一方で、促進剤がキャビティの底部に拡散して、コバルトの析出を促進する。促進剤の存在は、幅が狭く深さの深いキャビティの場合には更により必要であるが、それは、促進剤が拡散することによって、キャビティの底部におけるコバルトの析出速度を増加させることができるためである。
【0007】
ボトムアップ充填のために設計された電着浴は、製造された電子デバイスのスムーズな動作を究極的に制限し、しかも電子デバイスを製造するには高価すぎるものとしてしまういくつかの欠点を有する。それらは、実際に、充填中のホールの形成を制限するために必要とされる有機添加剤によって汚染されたコバルトの相互接続を生成してしまう。更に、これらの化学物質で得られる充填速度は、あまりにも遅く、工業規模の生産とは相容れないものとなっている。
【0008】
例えば、米国特許出願公開第2016/0273117号では、電解液は、多数の添加剤を含有しており、これには、確実にボトムアップ充填を行うための相補的な機能を有する、抑制剤と促進剤とを含んでいる。発明者らは、この電解液を用いて析出されたコバルトの抵抗率が非常に高いものであることと、充填の間に、コバルトにホールが形成されるということとを見出した。これこそが、ホールを排除するために、析出物をアニールする必要がある理由である。
【0009】
したがって、特にその導電性に関する性能が改善されたコバルトの相互接続をもたらす電解浴を提供することが、必要とされている。この目標を達成するためには、非常に少ない量の不純物しか含有せず、たとえアニールステップを用いなくても材料の空隙を有しないコバルト析出物を生成することが望ましい。また、コバルトにおけるホールの形成を回避する一方で、デバイス製造を利益の出るものとするのに十分に高い析出速度を達成することを可能にする、電解液を提案することも望ましい。
【0010】
発明者らは、α-ヒドロキシカルボン酸と、窒素化合物(例えば、ポリエチレンイミン、又はベンゾトリアゾールなど)との組み合わせが、これらの必要性を満たすことを見出した。
【0011】
α-ヒドロキシカルボン酸は、確かに、コバルト析出のための電気化学的方法(例えば、国際特許出願公開第2019/179897号)において既に使用されているが、これらの方法は、コンフォーマル充填メカニズムにしたがっており、そのメカニズムが終了した時点では、析出物をアニールしなければ、ホールが金属中に存続してしまう。
【発明の概要】
【0012】
したがって、本発明は、コバルト(II)イオン、塩化物イオン、α-ヒドロキシカルボン酸、及びポリエチレンイミンイオン、及びベンゾトリアゾールの中から選択される添加剤を含む、1.8~4.0の範囲であるpHの電解液を用いるキャビティのボトムアップ充填によって、コバルトの相互接続を作製するための方法に関する。
【0013】
より正確には、本発明は、1~5g/Lのコバルト(II)イオンと、1~10g/Lイオンの塩化物イオンと、1.8~4.0の範囲であるpHを得るのに十分な量の強酸と、有機添加剤とを含む水溶液の形態の、コバルトの電着のための水溶液の形態の電解液に関し、その有機添加剤は、α-ヒドロキシカルボン酸及びその混合物から選択される少なくとも1種の第1の添加剤と、ポリエチレンイミン及びベンゾトリアゾールから選択される少なくとも1種の第2の添加剤とを含む。
【0014】
本発明の電解液は、高純度のコバルト析出物を連続的に得ることを可能とし、その生成の継続時間を、従来技術よりも短くすることが可能である。
【0015】
実際、従来技術の充填速度は、ホールの形成を防止するためにより低速でなければならず、しかもホールが形成された場合にはアニーリングのステップを含まなければならない。更に、方法は、相当に遅い速度でキャビティの充填を実行するステップと、いわゆる「オーバーバーデン層を基板の全表面上に析出させるための、コバルトイオンを含む第2の電解液を用いる電着の第2のステップとの、コバルト電着の2つの別々のステップを含むことができる。
【0016】
本発明の方法は、有利なことに、単一の電着ステップにおいて、キャビティの充填と、オーバーバーデン層の析出とを行うことを可能にするものである。本発明の方法はまた、オーバーバーデン層に対する化学的攻撃と機械的攻撃とを組み合わせた研磨ステップを実行する前に、コバルト析出物をアニーリングするのを回避することを可能にする。
【0017】
加えて、本発明の文脈において製造されたコバルト析出物は、非常に少ない量、好ましくは1000原子ppm未満の不純物しか有さない相互接続を形成するという有利な点を有する。
【0018】
「電解液」は、電着法においてに使用される、金属コーティングの前駆体を含有する液体を意味する。
【0019】
「連続的充填」とは、空隙のないコバルトの塊を意味する。従来の技術では、材料のオール又は空隙が、コバルト析出物において、キャビティの壁とコバルト析出物との間に観察され(側壁空隙)、ホールが、キャビティの壁からある距離だけ離間して、シームの形態で位置している。これらの空隙は、構造の断面を取ることによって、観察することができ、透過型又は走査型電子顕微鏡法によって定量化することができる。本発明の連続的析出物は、好ましくは、体積基準で10%未満の平均空隙率を有し、また好ましくは、体積基準で5%以下の平均空隙率を有する。充填される構造内の空隙率は、50,000~350,000の範囲の倍率で走査型電子顕微鏡を用いて測定することができる。
【0020】
キャビティの「平均直径」又は「平均幅」は、充填されるキャビティ開口部で測定した寸法を意味する。キャビティは、例えば、円筒又はフレア状に広がったチャネルの形態である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施例1のテスト1の本発明の方法によって充填されたキャビティの、透過型電子顕微鏡スライドである。
図2】実施例1のテスト3の本発明の方法によって充填されたキャビティの、走査型電子顕微鏡スライドである。
図3】従来技術(比較実施例4)の方法によって充填されたキャビティの、走査型電子顕微鏡スライドである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施形態1によれば、本発明は、コバルトの電着のための電解液に関し、この電解液は、1~5g/Lのコバルト(II)イオンと、1~10g/Lの塩化物イオンと、1.8~4.0の範囲であるpHを得るのに十分な量の強酸と、有機添加剤とを含む水溶液であって、その有機添加剤は、α-ヒドロキシカルボン酸及びその混合物から選択される少なくとも1種の第1の添加剤と、ポリエチレンイミン及びベンゾトリアゾールから選択される少なくとも1種の第2の添加剤とを含むことを特徴とする。
【0023】
コバルト(II)イオンの質量濃度は、1g/L~5g/Lの範囲、例えば、2g/L~3g/Lのであり得る。塩化イオンは、1g/L~10g/Lの範囲であり得る。
【0024】
塩化物イオンは、塩化コバルト又はその含水塩(例えば、塩化コバルト六水和物)の1種を、水に溶解させることによって導入され得る。
【0025】
電解液は、好ましくは、多くても2種の有機添加剤を含み、これらの添加剤は、第1の添加剤及び第2の添加剤である。
【0026】
電解液に含有される全ての有機添加剤は、好ましくは、硫黄を含まないものである。例えば、α-ヒドロキシカルボン酸は、好ましくは硫黄を含まない。
【0027】
電解液は、好ましくは、いかなる硫黄化合物も含有しない。また、組成物は、好ましくは、例えば硫酸コバルト及びその水和物の1種などのコバルト塩の溶解によって得られたものではない。というのは、それは、本発明者らが回避したいと考えているコバルトの析出物の硫黄汚染を生成してしまうからである。
【0028】
電解液中の有機添加剤の総濃度は、好ましくは、5ppm~50ppmの範囲を含む。
【0029】
第1の添加剤の濃度は、好ましくは、5~200ppmの間を含み、第2の添加剤の濃度は、好ましくは、1~10ppm間を含む。
【0030】
第1の添加剤は、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、マンデル酸、及びグリセリン酸から選択される。
【0031】
本発明の特定の一実施形態において、α-ヒドロキシカルボン酸は、酒石酸である。
【0032】
本発明の一実施態様によれば、第2のアミン添加剤は、直鎖又は分岐鎖のポリ(エチレンイミン)ホモポリマー又はコポリマーである。ポリ(エチレンイミン)は、酸の形態であり、そのアミン官能基の一部又は全部が、プロトン化されている。
【0033】
例えば500g/mol~25,000g/molの間の数平均分子量Mnを有する直鎖ポリ(エチレンイミン)が、選択されるであろう。
【0034】
500g/mol~70,000g/Lの間を含む数平均分子量Mnを有する分岐ポリ(エチレンイミン)もまた、選択され得るが、これは、第1級アミン官能基、第2級アミン官能基、及び第3級アミン官能基を含む。
【0035】
このように、ポリ(エチレンイミン)は、例えば、500g/mol~700g/molの範囲である数平均分子量Mnと、好ましくは700g/mol~900g/molの範囲である重量平均分子量Mwを有する、CAS番号25987-06-8のポリ(エチレンイミン)であり得る。このようなポリ(エチレンイミン)は、Sigma-Aldrich社によって参照番号408719の下で販売されて存在している。
【0036】
ポリ(エチレンイミン)はまた、例えば、500g/mol~700g/molの範囲である数平均分子量Mnを有するCAS番号9002-98-6のポリ(エチレンイミン)であり得る。このようなポリ(エチレンイミン)は、Polysciences,Inc.によって参照番号02371の下で販売されて存在している。
【0037】
数平均分子量及び重量平均分子量は、当業者に公知の従来の方法、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)又は光散乱法(LS)などの方法を適用することによって、独立して測定することができる。
【0038】
本発明の一実施態様によれば、アミンは、ベンゾトリアゾールである。
【0039】
電解液のpHは、好ましくは、1.8~4.0の範囲である。特定の一実施形態において、pHは、1.8~2.6の範囲である。
【0040】
組成物のpHは、任意選択的に、当業者に知られている塩基又は酸で調整され得る。使用される酸は、塩酸であり得る。電解液は、例えばホウ酸のような緩衝化合物を含有していなくてもよい。好ましくは、電解液は、ホウ酸を含有しない。
【0041】
原則として、溶媒の性質に関しては制約はない(ただし、溶媒が、溶液の活性種を十分に可溶化し、電着を妨げないことを前提とする)が、好ましくは、溶媒は水である。一実施形態によれば、溶媒は、体積によれば、主に水を含んでいる。
【0042】
電解液の導電性は、好ましくは、2mS/cm~10mS/cmの範囲である。
【0043】
本発明はまた、平坦な部分とキャビティとを含む導電性表面を備えた基板上に、それらのキャビティをボトムアップに充填することにより析出させる電気化学的方法に関し、その方法は:
-導電性表面を、前述の記載に従って電解液と接触させるステップと、
-導電性表面上へのコバルトの析出を実行するために十分な継続時間にわたって、導電性表面を分極させる電気的ステップと、を含む。
【0044】
有利な一実施形態において、上記の継続時間は、50nm~400nmの範囲の厚さのコバルト析出物によって、導電性表面のキャビティの充填と平坦な部分のコーティングとを実行するのに十分な時間である。
【0045】
有利な一変形例では、分極ステップの終了時に得られたコバルトの析出物をアニーリングするステップを実行する必要はなく、そのため、分極するステップの直後に、分極ステップの終了時に得られたコバルト析出物の化学的攻撃と機械的攻撃とを組み合わせた(機械化学的アタックと呼ぶこともできる)研磨ステップを実行することができる。したがって、一実施形態によれば、本発明の析出方法は:
-前述の説明に従って、導電性表面を電解液に接触させるステップと、
-キャビティを充填し、任意選択的に導電性表面の平坦な部分をコーティングするコバルト析出物を形成するのに十分な継続時間にわたって、導電性表面と電解質とを分極するステップと、
-50℃~500℃の範囲の温度で、先行するアニーリング処理を実施することなく、コバルト析出物への化学的攻撃と機械的攻撃とを組み合わせる研磨ステップと、を含む。
【0046】
本発明の電解液の存在下での分極ステップは、平坦な表面を覆うことなくキャビティを充填するのに必要なだけ長く、継続することができる。この場合、析出方法は、第2の分極ステップ、すなわちその間に、第2のコバルト析出物が、本発明の電解液以外の電解液を使用して形成されるステップを含むことができる。
【0047】
あるいは、本発明の電解液の存在下での分極ステップは、キャビティを充填し、平坦な表面をコーティングする(平坦な表面上のコバルト析出物の厚さは少なくとも20nmである)のに必要なだけ長く継続することができる。
【0048】
平坦な表面を覆うコバルト析出物の部分は、オーバーバーデン層とも呼ばれるが、これは、約50nm~約400nmの範囲である厚さを有し得る。有利には、上記のコバルト析出物の部分は、全基板表面にわたって、一定の厚さである。上記の層はまた、均質であり、光沢を有し、緻密である。
【0049】
ある条件下では、先行技術の「コンフォーマルな」方法に対して、本発明の方法は、いわゆる「ボトムアップな」方法である。この場合、コバルトが析出する速度は、壁部の上での析出速度よりも、キャビティの底での析出速度の方が高速である。
【0050】
分極ステップの終了時に得られたコバルト析出物は、有利なことには、1000原子ppm未満の不純物含有量しか有さない。主な不純物は、酸素であり、炭素と窒素とがそれに続く。炭素及び窒素の総含有量は、好ましくは、300ppm未満である。
【0051】
電着工程の終了時に得られるコバルト析出物は、有利なことには、50℃~500℃の範囲の温度、好ましくは150℃~500℃の範囲の温度での熱処理を受けることなく、体積又は面積基準で10%未満、好ましくは体積又は面積基準で5%以下の空隙割合を含むという意味で、連続的である。
【0052】
コバルト析出物中の空隙の割合は、当業者には知られている電子顕微鏡観察法により測定することができるが、当業者ならば、最も適切であると思われる適切な方法を選択するであろう。これらの方法のうちの1つは、50,000倍~350,000倍の範囲である拡大率を用いた走査型電子顕微鏡法(SEM)又は透過型電子顕微鏡法(TEM)であり得る。空隙の容積は、充填されたキャビティを含む基板の、1つ以上の断面にわたって観察される空隙面積を測定することによって、評価することができる。いくつかの面積が、いくつかの断面にわたって測定されると、これらの面積の平均が、空隙の容積を評価するために計算される。
【0053】
不純物の含有量が低いことが、空隙の割合が非常に低いことと組み合わされると、抵抗率が低減されたコバルト析出物を得ることが可能になる。また、分極ステップの終了時に得られるコバルト析出物の抵抗率は、50℃~500℃の範囲の温度での熱処理を受けることなく、30μΩ・cm未満であり得る。
【0054】
コバルトの析出速度は、0.1nm/秒~3.0nm/秒の範囲、好ましくは1.0nm/秒~3.0nm/秒の範囲、より好ましくは1nm/秒~2.5nm/秒の範囲であり得る。
【0055】
充填されるキャビティは、当業者に公知のダマシン法又はデュアルダマシン法に従って形成されてもよく、その方法は、以下の連続するステップ、すなわち:-シリコンウェーハの上部にトレンチをエッチングで形成するステップと;エッチングされた表面上に、一般的にシリコン酸化物からなる絶縁誘電体層を析出させるステップと;-シリコン中へのコバルトの移動を防止するために用いられるバリア材料の薄層を析出するステップと;-任意選択的に、シード層と呼ばれる薄い金属層を析出するステップと、を含む。
【0056】
バリア層及びシード層は、一般に、互いに独立して、1nm~10nmの範囲である厚さを有する。
【0057】
電解液と接触している導電性表面は、例えば、コバルト、銅、タングステン、チタン、タンタル、ルテニウム、ニッケル、窒化チタン及び窒化タンタルからなる群から選択された少なくとも1種の化合物を含む、金属層の表面である。
【0058】
基板の導電性表面、基板は、それ自体が1nm~10nmの範囲、好ましくは2nm~5nmの範囲である厚さの金属コバルトの層で覆われておりかつそれと接触している、1nm~6nmの範囲である厚さの窒化タンタル層であって、その上にコバルトが電気的ステップの間に析出される窒化タンタル層を含むアセンブリの表面であり得る。
【0059】
したがって、基板は、SiO、窒化タンタル、及びコバルトの連続的析出によって得ることができる。コバルトは、化学蒸着(chemical vapor deposition、CVD)法、又は原子層堆積(atomic layer deposition、ALD)法によって、タンタル窒化物上に析出され得る。
【0060】
メタル層及びコバルト析出物を含むアセンブリの抵抗率は、7Ω/cm~10Ω/cmの範囲であり得る。上記の抵抗率は、好ましくは7.5~8.5Ω/cmの範囲である。
【0061】
本発明の方法によってコバルトで充填されるように設計されたキャビティは、好ましくは、それらの開口部で(すなわち、基板の表面で)100nm未満の幅を有し、好ましくは10nm~50nmの範囲である幅を有する。深さは、50~250nmの範囲であり得る。一実施形態によれば、キャビティは、30nm~50nmの範囲、好ましくは35nm~45nmの範囲である幅と、125nm~175nmの範囲である深さとを有する。
【0062】
電気的ステップにおいて使用される分極の強度は、好ましくは、約2mA/cm~約20mA/cmの範囲である。分極電流の強度が、8.5mA/cm~18.5mA/cmの範囲である場合、コバルトの析出速度は、0.1nm/秒~3.0nm/秒の範囲であるが、この速度は、従来技術の方法(この電流範囲でははるかに遅い速度が観察される)と比較して、非常に有利である。
【0063】
本発明の方法の電気的分極ステップは、単一の分極モードのステップ又はいくつかの異なる分極モードのステップを含んでいてよい。
【0064】
導電性表面は、分極前又は分極後のいずれかにおいて、電解液と接触され得る。キャビティとの接触は、電解液によって表面が腐食するのを制限するためには、通電する前に行われることが好ましい。
【0065】
電気的ステップは、ランプモード、ガルバノスタットモード、及びガルバノパルスモードからなる群から選択される、少なくとも1つの分極モードを使用することによって行うことができる。
【0066】
例えば、電気的ステップは、0mA/cm~10mA/cmの電流範囲での、好ましくは10秒~100秒の範囲である継続時間にわたる、ランプモードでのカソード分極の、1つ以上のステップを含む。
【0067】
電気的ステップはまた、5mA/cm~20mA/cmの範囲の電流を用いた、ガルバノスタットモードでの分極の1つ以上のステップを含むことができる。
【0068】
一例によれば、電気的ステップは、好ましくは、約0mA/cm~約10mA/cmの範囲の電流を用いるランプモードでの、カソードを分極する少なくとも1つ以上のステップと、それに続く、約5mA/cm~約20mA/cmの電流を与えることによる、ガルバノスタットモードでのステップとを含む。
【0069】
本発明の方法は、先に説明した充填の終了時に得られたコバルト析出物をアニールするステップを含むことができるが、その方法は、有利には、このステップを有さない。アニーリング熱処理は、一般に、約350℃~約550℃の範囲である温度、例えば約450℃付近の温度で、好ましくは、例えばN中4%のHなどの還元ガスの下で実行される。
【0070】
本方法は、予備ステップを含み得る。還元性プラズマを用いた処理を含み得るが、この処理により、基板の導電性表面に存在する天然の金属酸化物を還元することができる。プラズマはまた、トレンチの表面に作用し、これにより、シード層と電着コバルトとの間の界面の質の向上が可能になる。天然酸化物の再形成を最小限に抑えるために、電着工程は、プラズマ処理の直後に行われることが好ましい。
【0071】
本発明の方法は、特に、半導体デバイスの製造で、金属の相互接続(表面に設けられるトレンチや異なるレベルの集積部どうしを接続するビア)を作製する際、に適用される。
【0072】
本発明を、以下の実施例により、更に説明する。
【実施例
【0073】
実施例1:α-ヒドロキシカルボン酸及びポリエチレンイミンを含む溶液を用いた、幅40nm及び深さ150nmの構造の、pH=2.2での電着
コバルトシード層上へのコバルトの電着によって、トレンチが充填される。析出は、pH=2.2で、二塩化コバルトと、α-ヒドロキシカルボン酸と、ポリエチレンイミン(polyethyleneimine、PEI)とを含む組成物を用いて行われる。
【0074】
A.材料及び装置
基板
この実施例で使用した基板は、3.3×3.3cmの、酸化シリコン層、2nmの厚さのTaN層、及び3nmの厚さ金属コバルトの層で連続的にコーティングされた、トレンチをエッチングで作製したシリコン試験片から作られた。基板の抵抗率は、平方当たり約600Ωである。充填されるキャビティの幅は、それらの開口部で40nmに等しく、それらの深さは、150nmに等しい。
【0075】
電着溶液:
この溶液中、Co2+の濃度は、CoCl(HO)から得られた2.3g/Lに等しい。酒石酸の濃度は、15ppmに等しい。PEIの濃度は、5ppmに等しい。溶液のpHは、塩酸の添加により2.2に調整される。
【0076】
装置:
この実施例で使用される電解析出装置は、2つの部分(システムの流体力学を制御するための再循環システムを装備した、電着溶液を含有するように設計されたセルと、用いられた試験片のサイズ(3.3cm×3.3cm)に適合されたサンプルホルダーを装備した、回転式の電極と)から構成されている。電解析出セルは、
-コバルトアノードと、
-カソードを構成する、上に説明した層でコーティングされた構造シリコン試験片との2つの電極と、を有していた。
-基準電極は、アノードに接続される。
【0077】
コネクタが、最大20V又は2Aを提供するポテンショスタットへの電線によって接続された電極どうしの電気的接触を可能にした。
【0078】
B.実験プロトコル:
電気的方法
異なる電気的方法を適用することによって、3つのテスト(テスト1、テスト2、及びテスト3と呼ばれる)を、実施する。3つの方法は、以下のステップのうちの、2つ、3つ、又は5つのステップを含んでいた。
a)「冷入力」:電着溶液が、電解析出セルに注入される。異なる電極を、所定の位置に据えて、分極を伴わずに電着溶液に接触させる。次いで分極を適用する。
b)第2のステップでは、カソードを、ガルバノダイナミックランプモードモードで、0mA~30mAの(又は3.8mA/cmの)電流範囲において分極させる。このステップを、3秒間にわたり、65rpmの回転で実施する。
c)第3のステップでは、カソードを、ガルバノダイナミックランプモードで、30mA(又は3.8mA/cm)~60mA(又は7.6mA/cm)の電流範囲において分極させる。このステップを、55秒間にわたり、65rpmの回転で実施する。
d)第4のステップでは、カソードを、ガルバノダイナミックランプモードで、60mA(又は7.6mA/cm)~130mA(16.5mA/cm)までの、例えば、60mA(又は3.8mA/cm)~90mA(11.4mA/cm)の電流範囲において分極させる。このステップを、7秒間にわたり、65rpmの回転で実施する。
e)最後のステップでは、カソードを、定電流モードで、90mA(11.4mA/cm)~130mA(16.5mA/cm)の、例えば、90mA(11.4mA/cm)の電流範囲において分極させる。このステップを、65rpm又は100rpmの回転下で行い、40秒~150秒の時間にわたって継続する。
【0079】
第1の電気的プロトコル(テスト1)は、3つのステップ、すなわち、ステップa)、ステップb)、及びステップc)を含んでいた。
【0080】
第2の電気的プロトコル(テスト2)は、5つのステップ、すなわち、ステップa)~ステップe)を含んでいた。ステップe)の間、カソードを、ガルバノスタットモードで、90mA(11.4mA/cm)で、100rpmの回転で40秒間にわたって分極させた。
【0081】
第3の電気的プロトコル(テスト3)は、2つのステップ、すなわち、ステップa)及びステップe)を含んでいた。ステップe)の間、カソードを、ガルバノスタットモードで、90mA(11.4mA/cm)で、65rpmの回転で133秒間にわたって分極させた。
【0082】
C.得られた結果:
図1において見られるように、テスト1において得られた金属化基板の透過型電子顕微鏡法(TEM)による分析は、ボトムアップ析出メカニズムを反映している、底部から充填が始まって部分的に充填されたトレンチを示している。また、構造には、ホール(シーム空隙)が存在していない。
【0083】
テスト2において、走査型電子顕微鏡法(SEM)による分析は、トレンチの壁にホール欠陥(側壁空隙)がなく(コバルトの良好な核形成を反映している)、しかもアニーリングなしの最適なボトムアップ充填を反映した、構造にホール(シーム空隙)がない充填を示している。
【0084】
図2は、試験3の走査型電子顕微鏡法(SEM)による分析から得られたスライドを示す。このスライドは、トレンチの壁にホール欠陥(側壁空隙)がなく(コバルトの良好な核形成を反映している)、しかもアニーリングなしの最適なボトムアップ充填を反映した、構造にホール(シーム空隙)がない充填を示している。
【0085】
実施例2:α-ヒドロキシカルボン酸及びベンゾトリアゾールを含む溶液を用いた、幅40nm及び深さ150nmの構造の、pH=2.2での電着
実施例1のトレンチと同一のトレンチを、pH2.2で、二塩化コバルト、α-ヒドロキシカルボン酸、及びベンゾトリアゾールを含有する組成物を用いて充填する。
【0086】
A.材料及び装置
基板
使用した基板は、実施例1の基板と厳密に同一のものである。
【0087】
電着溶液:
この溶液中、Co2+の濃度は、CoCl(HO)から得られた2.3g/Lに等しい。酒石酸の濃度は、15ppmに等しいる。ベンゾトリアゾールの濃度は、10ppmに等しい。溶液のpHは、塩酸の添加により2.2に調整される。
【0088】
装置:
装置は、実施例1の装置と同一のものである。
【0089】
B.実験プロトコル:
電気的方法:
電気的方法は、実施例1のテスト2の電気的方法と同一のものであり、5つのステップa)~e)を含んでいた。
【0090】
C.得られた結果:
走査型電子顕微鏡法(SEM)による分析は、トレンチの壁にホール欠陥(側壁空隙)がなく(コバルトの良好な核形成を反映している)、しかもアニーリングなしの最適なボトムアップ充填を反映した、構造にホール(シーム空隙)がない充填を示している。
【0091】
比較実施例3:単一の有機添加剤、すなわちα-ヒドロキシカルボン酸を用いた、幅40nm及び深さ150nmの構造の、pH=2.2での電着
実施例1のトレンチと同一のトレンチを、pH2.2で、二塩化コバルトと、α-ヒドロキシカルボン酸とを含有する組成物を用いて充填する。
【0092】
A.材料及び装置
基板
使用した基板は、実施例1の基板と厳密に同一のものである。
【0093】
電着溶液:
この溶液中、Co2+の濃度は、CoCl(HO)から得られた2.3g/Lに等しい。酒石酸の濃度は、15ppmに等しい。溶液のpHは、塩酸の添加により2.2に調整される。
【0094】
装置:
装置は、実施例1の装置と同一のものである。
【0095】
B.実験プロトコル:
電気的方法は、実施例1のテスト2の電気的方法と同一のものであり、5つのステップa)~e)を含んでいた。
【0096】
C.得られた結果:
走査型電子顕微鏡(SEM)による分析は、構造にホール(シーム空隙)を含み(なお、これらのホールを除去するのを可能にするには、追加のアニーリングステップが必要である)、ジッパーと同様の下から上と構造が閉塞されることによる成長を反映している充填を示している。
【0097】
比較実施例4:従来技術の電解液を用いた、幅40nm及び深さ150nmの構造の電着
実施例1のトレンチと同一のトレンチにおけるコバルトの電着を、米国特許出願公開第2016/0273117A1号の教示による、硫酸コバルトと、ホウ酸と、チオ尿素と、ポリエチレンイミン(PEI)とを含有する従来技術の組成物を用いて、pH=4で実施する。
【0098】
A.材料及び装置
基板
使用した基板は、実施例1の基板と厳密に同一のものである。
【0099】
電着溶液:
この溶液中、Co2+の濃度は、CoSOから得られた2g/Lに等しい。ホウ酸の濃度は、20g/Lに等しい。チオ尿素の濃度は、150ppmに等しい。PEIの濃度は、10ppmに等しい。溶液のpHは、硫酸の添加により4に調整される。
【0100】
装置:
装置は、実施例1の装置と同一のものである。
【0101】
B.実験プロトコル:
方法は、実施例1のテスト3の方法と同一のものであり、2つのステップa)及びステップe)を含んでいた。
【0102】
C.得られた結果:
図3においてに見られるように、走査型電子顕微鏡(SEM)による分析は、アニーリングなしでの非最適なボトムアップ充填を反映した、構造に欠陥(シーム空隙)のある充填を示している。
【0103】
同時に、実施例1のテスト3で得られたフィルムとこの実施例で得られたフィルムとの分析により、それらの抵抗率どうしを比較することが可能になった。結果を以下の表1に報告する。
【0104】
【表1】
【0105】
実施例1のテスト3において析出したフィルムの抵抗率は、比較実施例4の抵抗率よりも良好であり、これは、工業用のレベルにおいて、より望ましいものである。抵抗率が低いことは、不純物がより少ない、より良好なフィルムの品質と同義である。
図1
図2
図3
【国際調査報告】