(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】ラベル貼付機
(51)【国際特許分類】
B65C 9/18 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
B65C9/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553416
(86)(22)【出願日】2021-09-16
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 EP2021075457
(87)【国際公開番号】W WO2022184290
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】102021000004820
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510147581
【氏名又は名称】ピ・エ・ラベレルス・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】P.E. LABELLERS S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】バルディーニ,リッカルド
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095AA07
3E095BA02
3E095CA01
3E095DA03
3E095DA24
3E095DA34
3E095DA42
3E095DA48
3E095DA52
3E095DA58
3E095DA83
3E095DA86
3E095EA02
3E095EA22
3E095EA27
3E095FA27
(57)【要約】
前進経路に沿ってラベルが貼られる容器(3)のコンベヤ(2)と、前記前進経路に沿って配置された少なくとも1つのラベル貼付ステーション(6)とを備えたラベル貼付機。ラベル貼付ステーション(6)は、複数のラベル(8a)が連続して印刷されたラベルリボン(8)のための繰出しアセンブリ(7)と、切断ドラム(10)とを備え、この切断ドラム(10)は、その軸を中心に回転することで移動できると共に、前記ラベルリボン(8)を、側面に付着した状態で受け取るように設計されている。少なくとも1つの切断装置(12)が前記切断ドラム(10)の周囲に沿って配置されており、前記少なくとも1つの切断装置(12)は、前記切断ドラム(10)の側面(10a)に開口して内部に刃(14)を収容している吸引室(13)を有している。前記吸引室(13)は、前記ラベルリボン(8)を切断すべく、前記ラベルリボン(8)をその吸引室(13)の内部に向かって吸引して前記刃(14)に押し当てるために、空気吸引手段に接続可能である。本発明によれば、前記切断装置(12)は、前記切断ドラム(10)に結合されて前記刃(14)を支持する刃支持要素(15)を備えている。前記刃支持要素(15)は、この刃支持要素(15)への前記刃(14)の結合又はこの刃支持要素(15)からの前記刃(14)の結合解除を可能にするために、弾性変形可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前進経路に沿ってラベルを貼付される容器(3)のコンベヤ(2)と、前記前進経路に沿って配置された少なくとも1つのラベル貼付ステーション(6)とを備え、
前記ラベル貼付ステーション(6)は、複数のラベル(8a)が連続して印刷されたラベルリボン(8)のための繰出しアセンブリ(7)と、切断ドラム(10)とを備え、この切断ドラム(10)は、その軸を中心に回転することで移動できると共に、前記ラベルリボン(8)を、側面に密着させて受け取るように設計されており、
少なくとも1つの切断装置(12)が前記切断ドラム(10)の周囲に沿って配置されており、前記少なくとも1つの切断装置(12)は、前記切断ドラム(10)の側面(10a)に開口して内部に刃(14)を収容している吸引室(13)を有しており、前記吸引室(13)は、前記ラベルリボン(8)を切断すべく、前記ラベルリボン(8)をその吸引室(13)の内部に向かって吸引して前記刃(14)に押し当てるために、空気吸引手段に接続可能である、ラベル貼付機において、
前記少なくとも1つの切断装置(10)は、前記切断ドラム(10)に結合されて前記刃(14)を支持するそれぞれの刃支持要素(15)を備えており、前記刃支持要素(15)は、前記刃支持要素(15)への前記刃(14)の結合又は前記刃支持要素(15)からの前記刃(14)の結合解除を可能にするために、弾性変形可能であることを特徴とするラベル貼付機。
【請求項2】
前記刃支持要素(15)は前記切断ドラム(10)に取り外し可能に結合されていることを特徴とする、請求項1に記載のラベル貼付機。
【請求項3】
前記刃支持要素(15)は、前記吸引室(13)を内部に画定する箱状体(15a)を備え、前記箱状体(15a)は弾性変形可能な材料で作られていることを特徴とする、請求項1または2に記載のラベル貼付機。
【請求項4】
少なくとも1つのロックピン(16)が、前記箱状体(15a)に形成されて、前記刃に形成された対応する保持開口(17)に取り外し可能に係合し、前記少なくとも1つのロックピン(16)は、前記箱状体(15a)に加えられた弾性変形に続いて、前記保持開口部(17)から離脱可能であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のラベル貼付機。
【請求項5】
前記箱状体(15a)は、前記吸引室(13)の内部に、1対の互いに対向する壁(18a、18b)を有し、前記刃(14)は、前記壁(18a、18b)の間に少なくとも部分的に挿入されており、前記壁(18a、18b)は前記弾性変形の結果として互いからさらに離れて配置可能であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のラベル貼付機。
【請求項6】
前記少なくとも1つのロックピン(16)は、前記1対の壁(18a、18b)の少なくとも1つに形成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のラベル貼付機。
【請求項7】
前記1対の壁(18a、18b)上に、前記刃(14)の両面に当接して係合する当接突起(19)を備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の機械。
【請求項8】
前記箱状体(15a)は、前記切断ドラム(10)の軸に略平行な方向に沿ってスライドさせることによって、前記切断ドラム(10)の周囲に形成されたそれぞれの収容座(20)から抜き出し可能またはその中に挿入可能であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のラベル貼付機。
【請求項9】
前記箱状体(15a)は、外側に向くように意図された面に、吸引開口(13a)を有し、この吸引開口(13a)は、前記吸引室(13)と連通し、前記箱状体(15a)が前記収容座(20)に挿入された状態で、実質的に前記切断ドラム(10)の側面(10a)に位置することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のラベル貼付機。
【請求項10】
前記箱状体(15a)は、前記吸引開口部(13a)の反対側に、前記収容座(20)の対応する形状の領域(23)に取り外し可能に係合するほぼ蟻継ぎ(dovetail)形状の結合部分(22)を有することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のラベル貼付機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル貼付機に関する。
【背景技術】
【0002】
リールから取り出され、複数のラベルが連続して印刷されている連続ラベルリボンを切断することによって得られるラベルを容器に貼り付けることを可能にするラベル貼付機が知られている。
【0003】
ラベルリボンは、容器と接触する面に、接着剤のストリップがあらかじめ塗布されていてもよく、あるいは、接着剤なしとすることもできる。この場合、そのラベル貼付機(以下、機械とも言う)には、ラベルに接着剤を塗布するように設計された接着ユニットが備えられている。
【0004】
一般に、ラベル貼付機は、ラベルを貼付する容器を前進経路に沿って搬送する、典型的には回転カルーセルで構成されるコンベヤと、コンベヤ上を移動中の容器にラベルを貼り付けるように設計された少なくとも1つのラベル貼付ステーションとを備える。ラベル貼付ステーションには通常、リールからラベルリボンを取り出し、回転する切断ドラムに送る(供給する)ように設計された繰出しアセンブリが備わっている。切断ドラムは、ラベルリボンを切断ドラム自体の側面に密着させて受け取るように設計されている。
【0005】
一部のラベル貼付機では、切断ドラムに、一体化された刃が設けられており、切断ドラムの側方に配置された固定刃と相互作用することにより、連続する2つのラベル間の分離領域でラベルリボンの切断を行うことを可能としている。
【0006】
切断後に分離されたラベルは、切断ドラムから移送ドラムに移され、移送ドラムは、カルーセル上の到着するそれぞれの容器にラベルがくっつくように、それらのラベルを置く。
【0007】
上述の切断ドラムには、ラベルの切断を正確に実行するために、切断ドラムと一体の刃の位置を固定刃に対して正確に調整する必要があるという欠点がある。
【0008】
他のラベル貼付機では、固定刃の存在を必要とせずにラベルリボンの切断を実行できるようにするために、切断ドラムにはそれぞれの作動シリンダによって動かされる刃が設けられている。
【0009】
この場合、切断ドラムは、切断後に分離されたラベルを対応する容器まで直接移送(transfer)もする。それゆえ、「切断・移送ドラム」と呼ぶのがより正確である。
【0010】
後者の機械は、刃の調整に関する問題が少ないものの、前述の機械に比べて構造がより複雑であるという特徴がある。
【0011】
既知の技術におけるこれらの欠点および他の欠点を克服するために、この出願人の名義のイタリア特許第1423941号に記載されているラベル貼付機が提案されている。そこでは、切断ドラムには、その周縁に沿って複数の切断装置が設けられている。それらの切断装置は、互いにある角度で離間しており、切断ドラムに一体的に固定されたそれぞれの刃で切断装置の各々が構成されている。各刃は、切断ドラムの内部に形成され切断ドラムの側面に開口しているそれぞれの吸引室(suction chamber)内に収容されている。
【0012】
各切断装置の吸引室を空気吸引手段に接続して、それぞれの場合に吸引室の方へと導かれるラベルリボンの部分を吸引室の内側に向かって吸引できるようにし、それによって、ラベルリボンを刃に押し当てて切断するようにすることができる。
【0013】
この機械は、刃の位置を調整する作業が不要で構造的には簡単で提供できるものであるが、刃が磨耗すると交換作業にかなりの不便さを伴う。
【0014】
特に、吸引室から刃を取り出す作業は非常に煩雑な作業であり、この作業には長時間を要する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目指すところ(aim)は、上述の態様のうちの1つまたは複数において、既知の技術を改善することができるラベル貼付機を提供することである。
【0016】
この目指すところ(aim)の範囲内で、本発明の目的は、刃の正確な調整を必要とせず、同時に刃の簡単かつ便利な交換を可能にするラベル貼付機を提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、構造上提供が簡単なラベル貼付機を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、その動作における信頼性と安全性について最も広範な保証を提供できるラベル貼付機を提供することである。
【0019】
本発明のさらなる目的は、既存の解決策に代わる方法で背景技術の欠点を克服することである。
【0020】
本発明の別の目的は、純粋に経済的な観点からも競争力があるように、低コストで製造できるラベル貼付機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この目指すところおよび以下により明らかになるこれらおよび他の目的は、請求項1に記載のラベル貼付機によって、そして、必要に応じて従属請求項の1つまたは複数の特徴を備えた請求項1に記載のラベル貼付機によって達成される。
【0022】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面に非限定的な例として示される、本発明によるラベル貼付機の好ましいが排他的ではない実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】本発明によるラベル貼付機の切断ドラムの斜視図である。
【
図3】対応する切断ドラムから切り離され、刃支持要素が変形状態にある、本発明によるラベル貼付機の一切断装置の分解斜視図である。
【
図4】切断ドラムから切り離され、刃支持要素が非変形状態にある、前記切断装置の正面図である。
【
図5】切断ドラムから切り離され、刃支持要素が変形状態にある、前記切断装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面を参照すると、全体的に参照番号1で示される本発明によるラベル貼付機は、ラベルが貼付される容器3を前進経路に沿って移動させるコンベヤ2を備える。
【0025】
例えば、コンベヤ2はカルーセル4によって構成される。カルーセル4は、それ自身の軸の周りを回転し、その周縁領域に、個々の容器3を支持する複数のパン(pan)5を有する。容器3はパンと共にそれらの軸の周りを(つまり、それらの軸を中心として)回転する。
【0026】
少なくとも1つのラベル貼付ステーション6が、容器3の前進経路に沿って配置されている。このラベル貼付ステーション6は、例えば、一対の相互に対向する同調ローラ(entrainment rollers)7a、7bによって構成される繰出しアセンブリ(巻出しアセンブリ、unreeling assembly)7を備える。繰出しアセンブリ7は、複数のラベル8aが印刷されたラベルリボン8をリール(図示せず)から受け取るように設計されており、ラベルリボン8は、それ自体知られているように、張力調整装置9を都合よく通過させられる。
【0027】
ラベル貼付ステーション6にはさらに切断ドラム10が設けられている。切断ドラム10はその軸を中心に回転することによって移動することができ、その側面10aにラベルリボン8を密着させて受け取るように設計されている。
【0028】
この目的のために、切断ドラム10の側面10aには、空気吸引手段に接続された複数の穴11がある。この空気吸引手段は、例えば、概略的に示される真空ポンプ100によって構成されており、ラベルリボン8を切断ドラム10の側面10aに押し当てて保持することを可能にする。
【0029】
さらに、少なくとも1つの切断装置12が切断ドラム10の周囲に沿って配置され、それ用の吸引室13を備えている。吸引室13は切断ドラム10の側面10aに開口しており、内部に刃14を収容している。刃14は、ラベルリボン8を切断するように設計されており、都合のよいことに、切断ドラム10の軸に関して半径方向の平面上に位置している。
【0030】
より具体的には、吸引室13は、例えば穴11が接続されているのと同じ真空ポンプ100によって構成される空気吸引手段に接続することができる。吸引室13は、こうして、ラベルリボン8を吸引室13の内部に向かって吸引することができ、ラベルリボン8を刃14に押し付け、その結果、ラベルリボン8を切断することができる。
【0031】
本発明によれば、前記1つの(またはそれぞれの)切断装置12は、それぞれの刃支持要素15を備えている。この刃支持要素15は、好ましくは、取り外し可能に切断ドラム10に結合され、刃14を支持する。
【0032】
また本発明によれば、この刃支持要素15は、刃14の刃支持要素15への結合/刃支持要素15からの結合解除を可能にするために弾性変形可能である。
【0033】
図示の例のように、切断ドラム10の周縁領域に沿って、複数の切断装置12が存在することもできる。これら複数の切断装置12は、互いに、ラベル8aの長さに少なくとも等しい円周方向の距離を隔てて配置される。
【0034】
この場合、それらの切断装置12の少なくとも1つ、より好ましくはそれらのそれぞれに、対応する刃支持要素15が設けられている。
【0035】
より詳細には、各切断装置12の刃支持要素15は、有利なことに、箱状体15aによって構成される。この箱状体15aは対応する切断装置12の吸引室13を内部に画定し、対応する刃14がこの箱状体15aに結合される。
【0036】
この箱状体15aは、例えばゴム等の弾性変形可能な材料で形成されているので、その変形により、刃14を箱状体15aから取り外して吸引室13から取り出すことができる。
【0037】
特に、刃14を箱状体15aに結合できるようにするために、箱状体15aには、対応する保持開口17に取り外し可能に係合する少なくとも1つのロックピン16が設けられている。保持開口17は、刃14に形成されており、ロックピン16による係合を容易にするために、細長い形状であることが好ましい。
【0038】
このロックピン16は、実際において、対応する保持開口17からロックピン16の引き抜きを生じさせるような弾性変形が箱状体15aに加えられると、保持開口17から係合解除可能となり、刃14を箱状体15aとの結合から解放する。
【0039】
好ましくは、箱状体15a上には、切断ドラム10の軸と実質的に平行な方向、したがって刃14の長手方向と実質的に平行な方向に沿って、相互に離間して配置された複数のロックピン16がある。
【0040】
ロックピン16は、箱状体15aと一体に(つまりシングルピースとして)形成することができる。あるいは、ロックピン16は、箱状体15aを構成する材料とは異なる材料で作られ箱状体15aに一部が埋め込まれたインサートによって構成することもできる。
【0041】
より詳細には、箱状体15aは、吸引室13内に、互いに対向する一対の壁18a、18bを備えており、この一対の壁18a、18bの間に、刃14が少なくとも部分的に挿入される。
【0042】
特に、壁18a、18bは、箱状体15の弾性変形の結果として、互いにさらに離れて配置可能である。
【0043】
より具体的には、ロックピン16は、壁18a、18bの少なくとも一方に形成されているので、箱状体の弾性変形の結果として壁18a、18b同士が離れることによって、ロックピン16を刃14の保持開口17から係合解除することが可能となり、箱状体15aから刃14を切り離すことができる。
【0044】
有利なことには、壁18a、18bには、アクティブな状態において箱状体15aに対する刃14の正確な位置決めを保証するために、刃14の両面に当接する(突き当たる、寄りかかる)ことによって係合するように設計された当接突起(abutment protrusions)19がある。
【0045】
箱状体15は切断ドラム10に結合されており、都合のよいことには、切断ドラムの軸に略平行な方向に沿って箱状体15aをスライドさせることで、切断ドラム10の周縁部に形成されたそれぞれの収容座(accommodation seat)20から箱状体15を引き抜いたり、それに差し込んだりできることに留意されたい。
【0046】
ラベルリボン8が吸引室13内に進入できるようにするために、箱状体15aは、外側に向けられるようになっている面(face)に、吸引室13に連通する吸引開口13aを有している。吸引開口13aは、箱状体15aがその収容座20に挿入されたとき、実質的に、切断ドラム10の側面10aに位置する。
【0047】
好都合なことには、ほぼ蟻継ぎ(dovetail)形状で、収容座20の対応する形状の部分23に取り外し可能に係合する結合部分22が、吸込開口13aの反対側で、箱状体15aに設けられている。これは、箱状体15aの収容座20への挿抜を可能にする切断ドラム10の軸と平行な方向への箱状体15aのスライド運動を案内するため、それと同時に、箱状体15aが収容座20に挿入される際に、箱状体15aが切断ドラム10の軸線に対して半径方向に移動する可能性を阻止するためである。
【0048】
図示の例のように、切断ドラム10の各切断装置12の脇にそれぞれのスキッド24を配置することが可能であることに留意されたい。スキッド24は、切断ドラム10の回転方向において対応する切断装置12の箱状体15aのための収容座20の直前の位置に配置される。スキッド24は、切断ドラム10の側面10aからわずかに突出している。これは、隣接する切断装置12によってラベルリボン自体が切断される前に、切断ドラム10の横に配置された接着剤ローラ25と協働して、ラベルリボン8上の2つの連続するラベル8aの後端部と前端部に、接着剤のストリップを塗布できるようにするためである。
【0049】
本発明によるラベル貼付機の動作は以下の通りである。
【0050】
初期状態では、ラベルリボン8の2つの連続するラベル8aの後端部と前端部が載っているスキッド24が接着剤ローラ25の前を通過し、接着剤ローラ25が接着剤のストリップを塗布できるようにする。そして、巻出し(繰出し)アセンブリ7が、切断ドラム10の周速度に実質的に対応する速度で、ラベルリボン8を切断ドラム10に供給する。
【0051】
続いて、繰出しアセンブリ7は、ラベルリボン8を切断ドラム10の周速度よりも遅い速度で切断ドラム10に送り、切断ドラム10の回転方向においてスキッド24(これは前のステップで接着剤ローラ25のところにあった)のすぐ後ろにある切断装置12を、ストリップが貼り付けられた2枚のラベル8aの間の分離領域に配置する。
【0052】
この切断装置12が2枚のラベル8aの間の分離領域に到達すると、ラベルリボン8は、切断ドラム10の周速度と実質的に一致する速度で繰出しアセンブリ7によって再び供給される。この切断装置12の吸引室13は、空気吸引手段に接続されており、ラベルリボン8を吸引室13内へと引き寄せて、対応する刃14にそのラベルリボン8を押し付ける。こうして、ラベルリボン8を切断し、ラベルリボン8からラベル8aの1つを分離する。
【0053】
このとき、繰出しアセンブリ7は、ラベルリボン8を切断ドラム10の周速よりも遅い速度で切断ドラム10に送り込む。そうすることで、ラベル8aが分離されたラベルリボン8の残りの部分から切断されたラベル8aを離れさせる。そして、ラベルリボン8の次の2つの連続するラベル8aの後縁と前縁にスキッド24を位置決めできるようになると、繰出しアセンブリ7が再び、切断ドラム10の周速度に略対応する速度で、切断ドラム10にラベルリボン8を供給する。
【0054】
続いて、切断ドラム10は、その回転を進めていくことで、そのようにして切断されたラベル8aを、コンベア2によって搬送されている各容器3に移す。
【0055】
切断ドラム10の複数の切断装置12の刃14の1つを交換する必要が生じた場合、オペレータは、機械を停止させた状態で、対応する箱状体15aを、切断ドラム10の軸に略平行な方向に沿ってスライドさせて、対応する収容座20から引き抜くことによって、その箱状体15aを切断ドラム10から外す。
【0056】
箱状体15aが収容座20から引き抜かれると、オペレータは、次のようにして刃14を箱状体15aから外す。まず箱状体15aを弾性変形させ、壁18a、18b同士の間隔を広げる。これにより、保持開口17からロックピン16が離脱し、それから、吸引室13から吸引開口13aを通って刃14が引き抜かれる。
【0057】
このとき、箱状体15aを変形させた状態のままで、新たな刃14を箱状体15aの吸引室13に挿入して壁18a、18bの間に配置したのちは、箱状体15aを非変形状態に弾性的に戻すことが可能であり、ロックピン16は対応する保持開口17内に挿入可能となる。こうして刃14と箱状体15aとの結合が得られる。
【0058】
この時点で、箱状体15aは、対応する収容座20内への挿入によって再び切断ドラム10に結合することができる。
【0059】
実際に、本発明は、切断ドラムの刃支持要素の弾性変形能力のおかげで、切断ドラムの刃を交換する作業を容易にでき、かつその作業を極めて迅速に行うことができるという点で、本発明が目指すところ(aim)及び意図した目的を完全に達成することが判明した。
【0060】
さらに、刃支持要素、より具体的には、対応する箱状体の弾性変形能力により、ラベルリボンによる吸引チャンバーのより良好なシールが保証されることに加えて、吸引チャンバーの簡単な清掃が可能になる。
【0061】
本発明によって達成できる別の利点は、弾性変形可能な材料で作られた箱状体と切断ドラム内に画定された対応する収容座との結合が、空気漏れの観点から、公知の技術に比べて問題が少ない、という事実からなる。なぜならば、箱状体の変形可能性によってシールが適切に確保され、追加のガスケットを使用する必要がないからである。
【0062】
このように考えられた本発明は、多くの修正および変形が可能であり、そのすべては添付の特許請求の範囲内にある。さらに、すべての詳細事項は、他の技術的に同等の要素で置き換えてもよい。
【0063】
実際において、特定の用途に適合する限り、使用される材料、寸法および形状は、適宜必要に応じて、また最新技術に応じて、如何なるものであってもよい。
【0064】
この出願が優先権を主張するイタリア特許出願第102021000004820号の開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0065】
いずれかの請求項で言及されている技術的特徴の後に参照符号が付いている場合、それらの参照符号は請求項のわかりやすさを高めることのみを目的として含まれており、したがって、そのような参照符号は、例としてこのような参照符号により特定された各要素の解釈に制限的な影響を与えるものではない。
【国際調査報告】