(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】重量リリーフチャネルを有する接地係合トラックシュー
(51)【国際特許分類】
B62D 55/20 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
B62D55/20 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553613
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 US2022018111
(87)【国際公開番号】W WO2022192021
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンセン、エリック ジェームズ
(57)【要約】
トラックジョイントアセンブリ(35)内の接地係合トラックシュー(34)は、平面リンクボルト面(54)と接地接触面(56)との間の中央プレートセクション(44)を貫通するボルト穴を有するシュープレート(42)を含む。重量リリーフチャネル(68)は、トラックシュー(34)のリンクボルト側面(55)上の中央プレートセクション(44)内に形成され、平面リンクボルト面(54)から内向きに延在する。重量リリーフチャネル(68)は、ボルト穴の前方ボルト穴セット(58)とボルト穴の後方ボルト穴セット(60)との間に前方後方方向に配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の横方向シュー縁部(46)から第二の横方向シュー縁部(48)に横方向に、および前部シュー縁部(50、150)と後部シュー縁部(52、152)との間に前方後方方向に延在する中央プレートセクション(44、144)を含むシュープレート(42、142)を備え、
前記シュープレート(42、142)が、前記第一の横方向縁部と前記第二の横方向縁部との間に伸長され、前記中央プレートセクション(44、144)が、平面リンクボルト面(54)と、前記平面リンクボルト面(54)と反対の接地接触面(56)とを含み、
ボルト穴が、前記平面リンクボルト面(54)と前記接地接触面(56)との間の前記中央プレートセクション(44、144)を貫通し、前方ボルト穴セット(58)および後方ボルト穴セット(60、160)に配置され、
重量リリーフチャネル(68、168)が前記中央プレートセクション(44、144)内に形成され、前記重量リリーフチャネル(68、168)が前記平面リンクボルト面(54)から内向きに延在し、前記前方ボルト穴セット(58)と前記後方ボルト穴セット(60)との間に前記前方後方方向に配置される、接地係合トラックシュー(34、134)。
【請求項2】
前記重量リリーフチャネル(68、168)が、前記第一の横方向シュー縁部(46)から前記第二の横方向シュー縁部(48)に前記横方向に延在し、前記平面リンクボルト面(54)を前記前方後方方向に分割し、
前記シュープレート(42、142)が、前記中央プレートセクション(44、144)から前記前部シュー縁部(50、150)への上向きの外形、および前記中央プレートセクション(44、144)から前記後部シュー縁部(52、152)への下向きの外形を有し、前記中央プレートセクション(44、144)から突出する後方グローサー(66、166)をさらに備える、請求項1に記載のトラックシュー(34、134)。
【請求項3】
前記シュープレート(42、142)の垂直厚さが、前記平面リンクボルト面(54)と前記接地接触面(56)との間に画定され、前記重量リリーフチャネルの垂直奥行きが、前記シュープレート(42、142)の前記垂直厚さの50%以下であり、
前記重量リリーフチャネル(68、168)が、前記前方後方方向の曲線輪郭を有し、
前記ボルト穴が、ボルト穴の直径寸法を画定し、前記重量リリーフチャネル(68、168)が、前記前方ボルト穴セット(58)および前記後方ボルト穴セット(60)のそれぞれから前記ボルト穴の直径寸法(75)の25%~50%である間隔距離に位置する、請求項1または2に記載のトラックシュー(34、134)。
【請求項4】
前記重量リリーフチャネル(68、168)の前記垂直奥行きが、前記シュープレート(42、142)の前記垂直厚さの25%~50%であり、
前記曲線輪郭が放物線状である、請求項3に記載のトラックシュー(34、134)。
【請求項5】
前記中央プレートセクション(144)から突出する前方グローサー(167)をさらに備え、前記前方ボルト穴セット(58)および前記後方ボルト穴セット(60)が、前記後方グローサー(166)と前記前方グローサー(167)との間に前記前方後方方向に位置する、請求項2~4のいずれかに記載のトラックシュー(134)。
【請求項6】
第一の横方向シュー縁部(46)から第二の横方向シュー縁部(48)に横方向に、および前部シュー縁部(50、150)と後部シュー縁部(52、152)との間に前方後方方向に延在する中央プレートセクション(44、144)を含むシュープレート(42、142)と、
前記後部シュー縁部(52、152)に隣接する位置に、前記シュープレート(42、142)から垂直方向に突出する、グローサー(66、166)と、
前記グローサー(66)が位置する接地接触側面(57)と、前記後部シュー縁部(52、152)と前記前部シュー縁部(50、150)との間に前記前方後方方向に延在する平面リンクボルト面(54)を有するリンクボルト側面(55)と、を含む前記中央プレートセクション(44、144)と、を備え、
重量リリーフチャネル(68、168)が、前記リンクボルト側面(55)上に形成され、前記重量リリーフチャネル(68、168)が、前記平面リンクボルト面(54)から、前記第一の横方向シュー縁部(46)と前記第二の横方向シュー縁部(48)との間に前記横方向に内向きに延在する、接地係合トラックシュー(34、134)。
【請求項7】
前記重量リリーフチャネル(68、168)が、前記前方後方方向の曲線輪郭を有し、
前記シュープレート(42、142)の垂直厚さが、前記平面リンクボルト面(54)と接地接触面(56)との間に画定され、前記重量リリーフチャネル(68、168)の垂直奥行きが、前記シュープレート(42、142)の前記垂直厚さの50%以下であり、
前記シュープレート(42、142)が、前記中央プレートから前記前部シュー縁部(50、150)への上向きの外形を有し、前記中央シューセクションから前記後部シュー縁部(52、152)への下向きの外形を有し、複数のカットアウト(67)が前記後部シュー縁部(52、152)から内向きに延在する、請求項6に記載のトラックシュー(34、134)。
【請求項8】
サービスウィンドウ(159)が前記中央プレートセクション(144)内に形成され、前記重量リリーフチャネル(168)が前記サービスウィンドウ(159)と連通する、マスターシューを備える、請求項6または7に記載のトラックシュー(134)。
【請求項9】
端と端の配置で一緒に結合されたトラックリンク(32、38)の二つの平行なチェーン(30、36)を含むトラックチェーンアセンブリ(28)と、
接地接触側面(57)、および前記トラックチェーンアセンブリ(28)内のトラックリンク(32、38)と接触するリンクボルト側面(55)を有する、トラックシュー(34、134)と、
トラックリンク(32、38)の前記二つの平行なチェーン(30、36)に前記トラックシュー(34、134)をボルト締めするボルトセットと、を備え、
前記トラックチェーンアセンブリ(28)およびトラックシュー(34、134)がボルト締め接点のフットプリントを一緒に画定し、および前記トラックシュー(34、134)が、前記リンクボルト側面(55)に形成され、ボルト締め接点の前記フットプリントを通って横方向に延在する重量リリーフチャネル(68、168)をさらに含む、トラックジョイントアセンブリ(35)。
【請求項10】
前記ボルトセットが、前方ボルトセット(61)および後方ボルトセット(65)を含み、
前記重量リリーフチャネル(68、168)が、前記トラックシュー(34、134)の第一の横方向縁部(46)と前記トラックシュー(34、134)の第二の横方向縁部(48)との間に延在し、前記前方ボルトセット(61)と前記後方ボルトセット(65)との間に前方後方方向に配置され、
前記重量リリーフチャネル(68、168)が、前記前方後方方向の曲線輪郭を有し、
前記トラックシュー(34、134)が、前記接地接触側面(57)上に接地接触面(56)、および前記リンクボルト側面(55)上にリンクボルト面(54)を有するシュープレート(42、142)を含み、
前記シュープレート(42、142)の垂直厚さが、前記リンクボルト面(54)と前記接地接触面(56)との間に画定され、前記重量リリーフチャネルの垂直奥行きが、前記シュープレート(42、142)の前記垂直厚さの50%以下であり、
前記ボルトセットを受けるボルト穴が、前記接地接触面(56)と前記リンクボルト面(54)との間で前記シュープレート(42、142)を貫通し、前記ボルト穴の各々が、ボルト穴の直径寸法を画定し、
前記重量リリーフチャネル(68、168)が、前記前方ボルト穴セット(61)および前記後方ボルト穴セット(65)のそれぞれから、前記ボルト穴直径寸法の25%~50%の間隔距離(74)に位置する、請求項9に記載のトラックジョイントアセンブリ(35)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、接地係合トラックシューに関し、より詳細には、重量リリーフチャネルを有する接地係合トラックシューに関する。
【背景技術】
【0002】
接地係合システムは、オフハイウェイ環境における様々な機械で使用される。用途には、建設、鉱業、林業、埋め立て地、およびその他様々なものが含まれる。典型的な構成では、複数のトラックリンクは、機械フレームに結合された回転可能なトラック係合要素の周りに延在する無限チェーンを形成する。この種の接地係合トラックは、典型的には、機械の左側面および右側面のそれぞれに備えられる。トラックは、前方に前進して機械を前方に移動させ、後方に後退させて機械を移動させ、異なる速度で回転させて機械を回転させることができる。
【0003】
こうしたトラックシステムが使用されるオフハイウェイ環境は、非常に厳しい傾向があり、硬質基材、滑りやすく濡れた状態、および軌道システムを様々な異なるタイプの負荷に供する機械用途によって特徴付けられる。一般的に、トラックシステムコンポーネントを非常に堅牢で耐久性のあるものにする必要がある。その結果、トラックコンポーネント自体を含むトラックシステムは、出荷、組立、およびサービスのための特別な取り扱いを必要とする非常に重い積載量になることが多い。トラックタイプの機械に対する様々な用途の積載量が重くなるのは有利または危機的であるが、極度の重量は、最終的には、機械の性能、効率、およびトラックタイプの機械の所有権と運用に関連する様々なコストを制限する可能性がある。Meyer等の米国特許第8,876,227号は、複数の実質的に平行なグローサーバーを有する移動式機械トラックシューを対象とする。基部は、接地係合面の反対にあり、グローサーバーの反対に配置されるリリーフを含む。Meyer等に明記される構成は、疑いなく様々な用途を有するが、異なる機械用途および異なるトラックシュータイプに対する代替戦略の改善および開発は常に余地がある。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、接地係合トラックシューは、第一の横方向シュー縁部から第二の横方向シュー縁部へ横方向に、および前部シュー縁部と後部シュー縁部との間の前方後方方向に延在する中央プレートセクションを有するシュープレートを含む。シュープレートは、第一の横方向縁部と第二の横方向縁部との間に伸長され、中央プレートセクションは、平面リンクボルト面と、平面リンクボルト面と反対の接地接触面とを含む。接地係合トラックシューは、平面リンクボルト面と接地接触面との間の中央プレートセクションを通って延在し、前方ボルト穴セットおよび後方ボルト穴セットに配置されるボルト穴をさらに含む。重量リリーフチャネルは、中央プレートセクション内に形成され、重量リリーフチャネルは、平面リンクボルト面から内向きに延在し、前方ボルト穴セットと後方ボルト穴セットとの間に前方後方方向に配置される。
【0005】
別の態様では、接地係合トラックシューは、第一の横方向シュー縁部から第二の横方向シュー縁部へ横方向に、および前部シュー縁部と後部シュー縁部との間の前方後方方向に延在する中央プレートセクションを有するシュープレートを含む。グローサーは、後部シュー縁部に隣接する位置で、シュープレートから垂直方向に突出する。中央プレートセクションは、グローサーが位置する接地接触側面と、後部シュー縁部と前部シュー縁部との間に前方後方方向に延在する平面リンクボルト面を有するリンクボルト側面とを含む。重量リリーフチャネルは、リンクボルト側面上に形成され、重量リリーフチャネルは、平面リンクボルト面から、第一の横方向シュー縁部と第二の横方向シュー縁部との間の横方向に内向きに延在する。
【0006】
さらに別の態様では、トラックジョイントアセンブリは、端と端の配置で一緒に結合された二つの平行なチェーンのトラックリンクを有するトラックチェーンアセンブリと、接地接触側面を有するトラックシューと、トラックチェーンアセンブリ内のトラックリンクと接触するリンクボルト側面とを含む。ボルトセットは、トラックシューをトラックリンクの二つの平行なチェーンにボルト締めし、トラックチェーンアセンブリとトラックシューを一緒にすることで、ボルト締め接点のフットプリントを画定する。トラックシューは、リンクボルト側面内に形成され、ボルト締め接点のフットプリントを通って横方向に延在する重量リリーフチャネルをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態による、機械の側面図である。
【
図2】
図2は、一実施形態による、トラックジョイントアセンブリの部分分解図である。
【
図3】
図3は、一実施形態による、接地係合トラックシューの斜視図である。
【
図4】
図4は、一実施形態による、接地係合トラックシューの断面側面図である。
【
図5】
図5は、一実施形態による、接地係合トラックシューの斜視図である。
【
図6】
図6は、別の実施形態による、接地係合トラックシューの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照すると、一実施形態による機械10が示される。機械10は、オフハイウェイのトラックタイプのトラクタの文脈で示されているが、トラックタイプのローダ、ショベル、ハーフトラックの機械、または潜在的にさらに他のタイプの機械は、本開示の範囲内であり得る。機械10は、フレーム12、およびフレーム12に結合された接地係合トラックシステム14を含む。接地係合トラックシステム14は、トラックローラフレーム16と、フロントアイドラ18と、トラックローラフレーム16によって支持されるバックアイドラ20との各々を含む。接地係合トラックシステム14は、いわゆる「ハイドライブ」構成のフレーム12によって支持されるドライブスプロケット22をさらに含む。一つのアイドラと一つのドライブスプロケットのみを有する楕円トラック構成も、本開示の範囲内である。接地係合トラックシステム14は、トラックローラフレーム16によって支持される複数のトラックローラ24をさらに含み、機械10の重量の大部分を担持し、またフロントアイドラ18、バックアイドラ20、およびドライブスプロケット22の周りに延在する接地係合トラック26を含む。機械10は、通常、
図1の図では見えない、実質的に同一のトラック、回転可能なトラック係合要素、および他の装置を、反対側に装備する。
【0009】
接地係合トラック26は、端と端の配置で一緒に結合された二つの平行なトラックリンクのチェーンを含む、トラックチェーンアセンブリ28を含む。
図1では、一つのトラックチェーン30が示されており、トラックリンク32を含む。複数の接地係合トラックシュー34は、二つの平行なトラックリンクのチェーンにボルト締めすることなどによって、チェーンアセンブリ28に取り付けられる。以下の説明からさらに明らかになるように、接地係合トラックシュー34は、最適化された強度および耐久性を維持しながら、特定の他のトラックシューと比較して、軽量化のために一意に構成される。
【0010】
ここでも
図2を参照すると、例えば、接地係合トラック26の一部であってもよい、トラックジョイントアセンブリ35が示されている。また、
図2に、接地係合トラックシュー34をより詳細に示す。以下、単数形で「トラックシュー34」と、ときには言及される、接地係合トラックシュー34はそれぞれ、シュープレート42を含む。シュープレート42は、中央プレートセクション44を含み、複数のボルトによってトラックチェーン30および36のトラックリンク32および38に取り付けられ得る。ボルト穴は、中央プレートセクション44を貫通し、前方ボルト穴セット58および後方ボルト穴セット60に配置される。前方ボルトセット61および後方ボルトセット65内に配置されたボルトのボルトセットは、それぞれ前方ボルト穴セット58および後方ボルト穴セット60を貫通する。一つの後方ボルト65は、一つの後方ボルト穴60を通過し、トラックリンク32の一つでナットシート窓に受けられたナット63と係合するように位置付けられているように見えてもよい。前方ボルト穴セット58および後方ボルト穴セット60のボルト穴は、典型的には、示される台形パターン、長方形パターン、正方形パターン、または潜在的にさらに別のパターンなど、多角形パターンで、任意の適切な配置を有し得る。
【0011】
また
図3を参照すると、上述のように、シュープレート42は中央プレートセクション44を含む。中央プレートセクション44は、第一の横方向シュー縁部46から第二の横方向シュー縁部48へ横方向に、および前部シュー縁部50と後部シュー縁部52との間の前方後方方向に延在する。シュープレート42は、中央プレートセクション44のように、第一の横方向シュー縁部48と第二の横方向シュー縁部50との間に伸長される。中央プレートセクション44は、トラックシュー34のリンクボルト側面55上に平面リンクボルト面54を、およびトラックシュー34の接地接触側面57上に、平面リンクボルト面54とは反対の接地接触面56をさらに含む。接地接触面56はまた、平面であってもよい。前方ボルト穴セット58および後方ボルト穴セット60のボルト穴は、平面リンクボルト面54と接地接触面56との間の中央プレートセクション44を貫通する。
【0012】
図面からも分かるように、シュープレート42は、前部リップ62、後部リップ64、および後部シュー縁部52から内向きに延在する複数のカットアウト67を含む。シュープレート42は、中央プレートセクション44から前部シュー縁部50への上向きの外形、および中央プレートセクション44から後部シュー縁部52への下向きの外形を有すると理解され得る。後方グローサー66は横方向に延在し、中央プレートセクション44から、接地接触側面57から離れて垂直方向に突出する。接地接触面56は、後方グローサー66を起源とし、前方後方方向に延在し、前部リップ62で終結すると理解され得る。平面リンクボルト面54は、後部リップ64を起源とし、前方後方方向に、前部リップ62まで延在し、それゆえに後部シュー縁部52と前部シュー縁部50との間に延在すると理解され得る。前、後、横、垂直、起源、終結、上方にまたは上向き、および下方にまたは下向きという用語、および他のすべての方向表示は、説明的な利便性のために本明細書で使用されるものであり、説明される特徴の任意の特定の配置、方向性または機能を必要とすると理解されるべきではない。平面リンクボルト面54は、水平面を画定すると理解されてもよく、少なくとも一つの透視法的方向表示から、対象水平面を参照して理解されてもよい。
【0013】
重量リリーフチャネル68は、中央プレートセクション44内に形成される。重量リリーフチャネル68は、平面リンクボルト面54から内向きかつ上方に延在する。重量リリーフチャネル68は、前方ボルト穴セット58と後方ボルト穴セット60との間に、前方後方方向にさらに配置されてもよい。トラックチェーンアセンブリ28およびトラックシュー34は共に、ボルト締め接点のフットプリントを画定すると理解され得る。ボルト締め接点のフットプリントは、平面リンクボルト面54とトラックリンク32および38のボルト面との間の接触のフットプリントまたは面積(複数可)として理解され得る。重量リリーフチャネル68は、リンクボルト側面55内に形成され、ボルト締め接点のフットプリントを通って横方向に延在する。図示した実施形態では、重量リリーフチャネル68は、第一の横方向シュー縁部46から第二の横方向シュー縁部48に横方向に延在する。
【0014】
また、ここで
図4および5を参照すると、重量リリーフチャネル68は、少なくとも一部の実施形態において、平面リンクボルト面54を前方後方方向に二つの類似または等面積の部品に分割するよう理解され得る。
図1~5を引き続き参照すると、概して、特に
図4について、シュープレート42の垂直厚さ70は、平面リンクボルト面54と接地接触面56との間に画定される。一実施態様では、重量リリーフチャネル68の垂直奥行き72は、垂直厚さ70の50%以下である。改善では、重量リリーフチャネル68の垂直奥行き72は、垂直厚さ70の25%~50%である。前方ボルト穴セット58および後方ボルト穴セット60のボルト穴は、中央プレートセクション44を貫通し、それぞれのボルト穴は各々、ボルト穴の直径寸法75を画定し得る。重量リリーフチャネル68は、前方ボルト穴セット58および後方ボルト穴セット60のそれぞれから、ボルト穴直径寸法75の25%~50%である、前方後方方向の間隔距離74に位置し得る。したがって、重量リリーフチャネル68は、前方ボルト穴セット58と後方ボルト穴セット60との間に限定されてもよく、どちらにも直接的に接触せず、または移行せず、それぞれから間隔距離74を置いていることが理解されよう。間隔距離74は、後方ボルト穴セット60からの重量リリーフチャネル68の前方後方方向の間隔を示す一位置にのみ示されているが、重量リリーフチャネル68は、前方ボルト穴セット58から間隔距離74を置いてもよいことが理解されよう。間隔距離74は、重量リリーフチャネル68の前方側と後方側で正確に等しくなる必要はないが、典型的には記載された範囲内である。
図4はさらに、前方後方方向の曲線輪郭を有する重量リリーフチャネル68を示す。図示した実施形態では、曲線輪郭は放物線状であるが、本開示はそれによって限定されない。
【0015】
ここで
図6を参照すると、別の実施形態による接地係合トラックシュー134が示されている。トラックシュー134は、上述のトラックシュー34と類似しているが、特定の違いがある。トラックシュー134は、前部シュー縁部40および後部シュー縁部52を有するシュープレート142を含む。横方向に延在する後方グローサーは、166で示され、上述の実施形態では、概して、グローサー66に類似して位置し、配向される。トラックシュー134は、第二のまたは前方グローサー167をさらに含む。後方グローサー166および前方グローサー167の各々は、シュープレート142の第一の横方向縁部と第二の横方向縁部との間に横方向に延在すると理解されるであろう。前方ボルト穴セット158および後方ボルト穴セット168は、後方グローサー166と前方グローサー167との間に前方後方方向に位置する。
【0016】
当業者は、接地係合トラックにおけるマスターリンクに関連して使用されるマスターシューに精通しているであろう。図示した実施形態では、トラックシュー134は、サービスウィンドウ159が中央プレートセクション144内に形成されるマスターシューを含む。前述の実施形態に記載される重量リリーフチャネル68に概して類似している重量リリーフチャネル168は、前方後方方向の後方グローサー166と前方グローサー167との間に位置し、サービスウィンドウ159と連通している。本明細書に記載の他の実施形態に類似して、重量リリーフチャネル168は、前方ボルト穴セット158と後方ボルト穴セット160との間に前方後方方向に位置し、中央プレートセクション144を横方向に貫通するが、サービスウィンドウ159によって中断されると理解され得る。当然のことながら、単一のグローサートラックシューは、トラックシュー134の性質上、サービスウィンドウを有するマスターシューであり得る。同様に、複数のグローサートラックシューは、
図6の実施形態にあるように重量リリーフ溝を含み得るが、マスターシューとして構成されず、したがってサービスウィンドウを含まない。文脈から別段に説明されている、または明白である場合を除き、任意の実施形態の本明細書の記載は、任意の他の実施形態との類似によって言及するものと理解され得る。
【産業上の利用可能性】
【0017】
図面を概して参照し、上記に示唆するように、接地係合トラックシューを含むトラックシステム構成要素の低減または最適化された重量は、機械速度、性能、操作性、またはその他の要因に関する利点を提供することができる。また、トラックシューの重量を減らすことで、出荷コストを軽減したり、特定の出荷規制または梱包規制への適合を改善したりすることができる。当然のことながら、接地係合トラックシューの任意の所与の部分の材料の除去または低減は、機械の用途、サービス環境、およびトラックシュー内の特定の場所に応じて、トラックシューの完全性に対してマイナスまたは予測不可能な影響を有し得る。
【0018】
トラックジョイントアセンブリ35がサービスのために組み立てられ、接地係合トラックシステムに取り付けられる場合、シュープレート42のトラックリンク32および38へのボルト締め締付は、トラックシュー34のボルト締めされた締付領域が供される摩耗現象に対する、負荷の大きさ、負荷反応経路、または負荷の濃度、負荷のタイプ、および曝露を制限し得るそれぞれの構成要素間の堅牢な接続を提供する。したがって、本明細書に意図される配置および位置決め、ならびに重量リリーフチャネル68の幾何学的属性は、接地係合トラックシステム14の耐用寿命または性能にほとんど、および典型的にはゼロの影響しか与えない可能性があることが見出された。ボルト穴に対する重量リリーフチャネル68の垂直奥行き、輪郭、および前方後方配置は、特定の精巧な特性を有し得ることを想起されるであろう。それにもかかわらず、特定の実施形態において本明細書に記述されたものとは異なる、他の相対的配置、異なる横方向の広がり、異なる輪郭を有する重量リリーフチャネルは、依然として本開示の範囲内であり得ることが企図される。
【0019】
本明細書は、例示目的のみとし、本開示の範囲をいかなる形でも狭めるように解釈されるべきではない。従って、当業者は、本開示の完全および公正な範囲および趣旨から逸脱することなく、本開示の実施形態にさまざまな修正を行うことができることを理解するであろう。その他の態様、特徴および利点は、添付図面および添付の特許請求の範囲を検討の上で明らかになるであろう。本明細書で使用される冠詞「a」および「an」は、一つまたは複数の品目を含むことが意図されており、「一つまたは複数(one or more)」と交換可能に使用され得る。一つの項目のみが意図される場合、「一つの」または類似の言い回しが使用される。また、本明細書で使用される「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」またはこれに類する用語は、非限定な用語であることが意図される。さらに、「に基づく」という語句は、別段の明示がない限り、「少なくとも部分的に基づく」を意味することを意図する。
【国際調査報告】