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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】ヘアコンディショニング配合物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20240306BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
A61K8/73
A61Q5/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554007
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 US2022019472
(87)【国際公開番号】W WO2022203867
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/164,608
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティワンチャロン、ニサラポーン
(72)【発明者】
【氏名】リール、リンジー エム.
(72)【発明者】
【氏名】パホルスキ、マイケリーン
(72)【発明者】
【氏名】ゴールデン、シャノン
(72)【発明者】
【氏名】パーテイン、エメット エム.
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC072
4C083AC172
4C083AC422
4C083AC532
4C083AC862
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD211
4C083AD212
4C083AD282
4C083BB48
4C083BB60
4C083CC33
4C083EE28
(57)【要約】
皮膚科学的に許容可能なビヒクルと、コンディショニングポリマーと、を含む、ヘアコンディショニング配合物が提供され、コンディショニングポリマーは第三級アミン基で官能化されたデキストランポリマーであり、デキストランポリマーは、50,000~3,000,000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアコンディショニング配合物であって、
皮膚科学的に許容可能なビヒクルと、
コンディショニングポリマーと、を含み、前記コンディショニングポリマーは、第三級アミン基で官能化されたデキストランポリマーであり、前記デキストランポリマーは、50,000~3,000,000ダルトンの重量平均分子量を有する、ヘアコンディショニング配合物。
【請求項2】
前記ヘアコンディショニング配合物が、前記ヘアコンディショニング配合物の重量に基づいて、0.01重量%未満の皮膚科学的に許容可能な油を含有する、請求項1に記載のヘアコンディショニング配合物。
【請求項3】
前記ヘアコンディショニング配合物が、前記ヘアコンディショニング配合物の重量に基づいて、0.1重量%未満のケイ素含有分子を含有する、請求項2に記載のヘアコンディショニング配合物。
【請求項4】
前記ヘアコンディショニング配合物が、リーブオンコンディショナー、リンスオフコンディショナー、及びコンディショニングシャンプーからなる群から選択される、請求項3に記載のヘアコンディショニング配合物。
【請求項5】
前記ヘアコンディショニング配合物が、リンスオフコンディショナーである、請求項4に記載のヘアコンディショニング配合物。
【請求項6】
前記コンディショニングポリマーが、0.5~5.0重量%の、灰分及び揮発性物質について補正されたケルダール窒素含有量、TKNを有する、請求項5に記載のヘアコンディショニング配合物。
【請求項7】
前記第三級アミン基が、前記分岐鎖デキストランポリマー上のペンダント酸素に結合した式(A)のものであり、
【化1】

式中、
【化2】

は、前記分岐鎖デキストランポリマー上のペンダント酸素であり、Xは、前記デキストランポリマー上の前記ペンダント酸素に前記第三級アミン部分を結合する二価連結基であり、zは、0又は1であり、R及びRは、独立して、C1~7アルキル基からなる群から選択されている、請求項6に記載のヘアコンディショニング配合物。
【請求項8】
増粘剤を更に含む、請求項7に記載のヘアコンディショニング配合物。
【請求項9】
防腐剤を更に含む、請求項8に記載のヘアコンディショニング配合物。
【請求項10】
哺乳動物の毛髪をコンディショニングする方法であって、
請求項1に記載のヘアコンディショニング配合物を選択することと、
前記ヘアコンディショニング配合物を哺乳動物の毛髪に適用することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアコンディショニング配合物に関する。特に、本発明は、皮膚科学的に許容可能なビヒクルと、コンディショニングポリマーと、を含有するヘアコンディショニング配合物に関し、コンディショニングポリマーは第三級アミン基で官能化されたデキストランポリマーであり、デキストランポリマーは、50,000~3,000,000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0002】
従来のヘアコンディショナーは、毛髪を処理するために消費者に人気がある。シリコーン系コンディショニング剤は、ヘアコンディショニング配合物において最も一般的に使用されるコンディショニング剤である。しかしながら、環境中における特定のシリコーン系コンディショニング剤、特にD4及びD5コンディショナーの残留性及び潜在的毒性に関して、一部の消費者の間で関心が高まっている。したがって、ヘアコンディショニング配合物に使用するためのシリコーンを含まない代替コンディショニング剤の開発に対する関心が高まっている。
【0003】
米国特許第5,879,670号において、Melbyらは、ケラチン含有基材の処理のためのコンディショニング剤として使用するための非ケイ素含有両性電解質ポリマーを開示している。特に、Melbyらは、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、メタ(アクリル酸)又は2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、及び任意選択的に、C1~22アルキル(メタ)アクリレートを含有する新規コンディショニングポリマー、並びにケラチン含有基材の処理のための化粧品として許容可能な媒体におけるそれらの使用を開示している。
【0004】
それにもかかわらず、コンディショニング効果を提供する新しいヘアコンディショニング剤が引き続き必要とされている。また、従来のヘアコンディショニング剤と比較して高い自然由来指数(ISO16128)を有する新しいヘアコンディショニング剤が引き続き必要とされている。
【0005】
本発明は、皮膚科学的に許容可能なビヒクルと、コンディショニングポリマーと、を含む、ヘアコンディショニング配合物を提供し、コンディショニングポリマーは第三級アミン基で官能化されたデキストランポリマーであり、デキストランポリマーは、50,000~3,000,000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0006】
本発明は、皮膚科学的に許容可能なビヒクルと、コンディショニングポリマーと、を含む、ヘアコンディショニング配合物を提供し、コンディショニングポリマーは第三級アミン基で官能化されたデキストランポリマーであり、デキストランポリマーは、50,000~3,000,000ダルトンの重量平均分子量を有し、第三級アミン基は、分枝鎖デキストランポリマー上のペンダント酸素に結合した式(A)のものであり、
【0007】
【化1】

式中、
【0008】
【化2】

は、分岐鎖デキストランポリマー上のペンダント酸素であり、Xは、デキストランポリマー上のペンダント酸素に第三級アミン部分を結合する二価連結基であり、zは、0又は1であり、R及びRは、独立して、C1~7アルキル基からなる群から選択される。
【0009】
本発明は、哺乳動物の毛髪をコンディショニングする方法であって、本発明のヘアコンディショニング配合物を選択することと、ヘアコンディショニング配合物を哺乳動物の毛髪に適用することと、を含む、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明者らは、驚くべきことに、第三級アミン基で官能化されたデキストランポリマーが、損傷した毛髪の疎水性を効果的に回復させ、処理された毛髪をとくのに必要な力を低減するコンディショニングポリマーとして作用することを見出した。
【0011】
別段示されない限り、比率、百分率、部などは、重量によるものである。
【0012】
本明細書で使用される場合、別段示されない限り、「分子量」又はMという語句は、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)及びポリエチレングリコール標準などの従来の標準を用いて従来の手法で測定される重量平均分子量を指す。GPCの技法は、Modern Size Exclusion Chromatography,W.W.Yau,J.J.Kirkland,D.D.Bly;Wiley-Interscience,1979に、及びA Guide to Materials Characterization and Chemical Analysis,J.P.Sibilia;VCH,1988,p.81-84に詳述されている。分子量は、本明細書においてダルトンの単位で、又は同等にg/molで報告される。
【0013】
本明細書及び添付で使用される「皮膚科学的に許容可能な」という用語は、皮膚への局所的適用に典型的に使用される成分を指し、スキンケア組成物中に典型的に見られる量で存在する場合に有毒である材料は、本発明の一部として企図されないことを強調することを意図する。
【0014】
好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、コンディショニングシャンプー配合物、リンスオフコンディショナー配合物及びリーブオンコンディショナー配合物からなる群から選択される。より好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、リンスオフコンディショナー配合物及びリーブオンコンディショナー配合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、リンスオフコンディショナー配合物である。
【0015】
好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、皮膚科学的に許容可能なビヒクル(好ましくは、ヘアコンディショニング配合物は、ヘアコンディショニング配合物の重量に基づいて、50~99.9重量%(好ましくは、75~99.85重量%、より好ましくは、80~99.8重量%、最も好ましくは、90~99.75重量%)の皮膚科学的に許容可能なビヒクルを含む)と、コンディショニングポリマー(好ましくは、ヘアコンディショニング配合物は、ヘアコンディショニング配合物の重量に基づいて、0.1~1重量%(より好ましくは0.15~0.75重量%、より好ましくは、0.2~0.5重量%、最も好ましくは、0.25~0.4重量%)のコンディショニングポリマーを含む)と、を含み、コンディショニングポリマーは、第三級アミン基で官能化されたデキストランポリマーであり、デキストランポリマーは、50,000~3,000,000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0016】
好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、液体配合物である。より好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、水性液体配合物である。
【0017】
好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、ヘアコンディショニング配合物の重量に基づいて、50~99.9重量%(好ましくは、75~99.85重量%、より好ましくは、80~99.8重量%、最も好ましくは、90~99.75重量%)の皮膚科学的に許容可能なビヒクルを含む。より好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、ヘアコンディショニング配合物の重量に基づいて、50~99.9重量%(好ましくは、75~99.85重量%、より好ましくは、80~99.8重量%、最も好ましくは、90~99.75重量%)の皮膚科学的に許容可能なビヒクルを含み、皮膚科学的に許容可能なビヒクルは、水を含む。なおより好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、ヘアコンディショニング配合物の重量に基づいて、50~99.9重量%(好ましくは、75~99.85重量%、より好ましくは、80~99.8重量%、最も好ましくは、90~99.75重量%)の皮膚科学的に許容可能なビヒクルを含み、皮膚科学的に許容可能なビヒクルは、水及び水性C1~4アルコール混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、ヘアコンディショニング配合物の重量に基づいて、50~99.9重量%(好ましくは、75~99.85重量%、より好ましくは、80~99.8重量%、最も好ましくは、90~99.75重量%)の皮膚科学的に許容可能なビヒクルを含み、皮膚科学的に許容可能なビヒクルは、水である。
【0018】
好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物で使用される水は、蒸留水及び脱イオン水のうちの少なくとも1つである。より好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物で使用される水は、蒸留され、脱イオン化されている。
【0019】
好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、ヘアコンディショニング配合物の重量に基づいて、0.1~1重量%(好ましくは、0.15~0.75重量%、より好ましくは、0.2~0.5重量%、最も好ましくは、0.25~0.4重量%)のコンディショニングポリマーを含み、コンディショニングポリマーは、第三級アミン基で官能化されたデキストランポリマーである。より好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、ヘアコンディショニング配合物の重量に基づいて、0.1~1重量%(好ましくは、0.15~0.75重量%、より好ましくは、0.2~0.5重量%、最も好ましくは、0.25~0.4重量%)のコンディショニングポリマーを含み、コンディショニングポリマーは、第三級アミン基で官能化されたデキストランポリマーであり、コンディショニングポリマーは、ASTM法D-2364に記載されるように、Buchi KjelMaster K-375自動分析装置を使用して測定し、揮発性物質及び灰分について補正される、0.5~5.0重量%(好ましくは、0.75~4重量%、より好ましくは、1~3.5重量%、最も好ましくは、1.5~3.0重量%)のケルダール窒素含有量、TKNを有する。
【0020】
好ましくは、コンディショニングポリマーは、第三級アミン基で官能化されたデキストランポリマーであり、デキストランポリマーは、50,000~3,000,000ダルトン(好ましくは、100,000~2,000,000ダルトン、より好ましくは、125,000~1,000,000ダルトン、更により好ましくは、130,000~650,000ダルトン、最も好ましくは、145,000~525,000ダルトン)の重量平均分子量を有する。より好ましくは、コンディショニングポリマーは、第三級アミン基で官能化されたデキストランポリマーであり、デキストランポリマーは、50,000~3,000,000ダルトン(好ましくは、100,000~2,000,000ダルトン、より好ましくは、125,000~1,000,000ダルトン、更により好ましくは、130,000~650,000ダルトン、最も好ましくは、145,000~525,000ダルトン)の重量平均分子量を有し、デキストランポリマーは、複数のグルコース構造単位を含む分岐鎖デキストランポリマーであり、グルコース構造単位の90~98モル%(好ましくは、92.5~97.5モル%、より好ましくは、93~97モル%、最も好ましくは、94~96モル%)は、α-D-1,6結合によって接続され、グルコース構造単位の2~10モル%(好ましくは、2.5~7.5モル%、より好ましくは、3~7モル%、最も好ましくは、4~6モル%)は、α-1,3結合によって接続される。最も好ましくは、コンディショニングポリマーは、第三級アミン基で官能化されたデキストランポリマーであり、デキストランポリマーは、50,000~3,000,000ダルトン(好ましくは、100,000~2,000,000ダルトン、より好ましくは、125,000~1,000,000ダルトン、更により好ましくは、130,000~650,000ダルトン、最も好ましくは、145,000~525,000ダルトン)の重量平均分子量を有し、デキストランポリマーは、複数のグルコース構造単位を含む分岐鎖デキストランポリマーであり、グルコース構造単位の90~98モル%(好ましくは、92.5~97.5モル%、より好ましくは、93~97モル%、最も好ましくは、94~96モル%)は、α-D-1,6結合によって接続され、グルコース構造単位の2~10モル%(好ましくは、2.5~7.5モル%、より好ましくは、3~7モル%、最も好ましくは、4~6モル%)は、式Iに従ってα-1,3結合によって接続され、
【0021】
【化3】

式中、Rは、水素、C1~4アルキル基、及びヒドロキシC1~4アルキル基から選択され、デキストランポリマー骨格からの平均分岐は、3無水グルコース単位以下である。
【0022】
好ましくは、分岐鎖デキストランポリマーは、分岐鎖デキストランポリマーの重量に基づいて、0.01重量%未満のアルテルナンを含有する。より好ましくは、分岐鎖デキストランポリマーは、分岐鎖デキストランポリマーの重量に基づいて、0.001重量%未満のアルテルナンを含有する。最も好ましくは、分岐鎖デキストランポリマーは、検出限界未満のアルテルナンを含有する。
【0023】
好ましくは、コンディショニングポリマーは、第三級アミン基で官能化されたデキストランポリマーであり、第三級アミン基は、デキストランポリマー上のペンダント酸素に結合した式(A)のトリアルキルアンモニウム部分からなる群から選択され、
【0024】
【化4】

式中、
【0025】
【化5】

は、デキストランポリマー上のペンダント酸素であり、Xは、デキストランポリマー上のペンダント酸素に第三級アミン部分を結合する二価連結基であり(好ましくは、Xは、任意選択的に、(例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エーテル基、カチオン性窒素基で)置換され得る、二価炭化水素基から選択され、より好ましくは、Xは、-(CH-基であり、yは、1~4(好ましくは、1~3、より好ましくは、1~2、最も好ましくは、2)であり、最も好ましくは、Xは、-CHCH-基である)、zは、0又は1であり、R及びRは、C1~7アルキル基(好ましくは、C1~3アルキル基、より好ましくは、メチル基及びエチル基、最も好ましくは、エチル基)からなる群から独立して選択されるか、又はR及びRは、飽和若しくは不飽和環構造を形成してもよい(好ましくは、R及びRが結合したNを含む飽和若しくは不飽和環構造は、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾール、及びモルホリンからなる群から選択され、より好ましくは、R及びRが結合したNを含む飽和若しくは不飽和環構造は、イミダゾール及びモルホリンからなる群から選択される)。
【0026】
好ましくは、コンディショニングポリマーは、0.001meq/グラム未満(好ましくは、0.0001meq/グラム未満、より好ましくは、0.00001meq/グラム未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)のアルデヒド官能基を含む。
【0027】
好ましくは、コンディショニングポリマーは、0.1%未満(好ましくは、0.01%未満、より好ましくは、0.001%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の、コンディショニングポリマーにおける個々のグルコース単位間のβ-1,4結合を含む。
【0028】
好ましくは、コンディショニングポリマーは、0.1%未満(好ましくは、0.01%未満、より好ましくは、0.001%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の、コンディショニングポリマーにおける個々のグルコース単位間のβ-1,3結合を含む。
【0029】
好ましくは、コンディショニングポリマーは、0.001meq/グラム未満(好ましくは、0.0001meq/グラム未満、より好ましくは、0.00001meq/グラム未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の官能基を含むシリコーンを含む。
【0030】
好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、ヘアコンディショニング配合物の重量に基づいて、0.01重量%未満(好ましくは、0.001重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の皮膚科学的に許容可能な油を含有する。より好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、ヘアコンディショニング配合物の重量に基づいて、0.01重量%未満(好ましくは、0.001重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の皮膚科学的に許容可能な油を含有し、皮膚科学的に許容可能な油は、炭化水素油(例えば、鉱油、ワセリン、ポリイソブテン、水素化ポリイソブテン、水素化ポリデセン、ポリイソヘキサデカン、天然油(例えば、カプリル酸及びカプリン酸のトリグリセリド、ヒマワリ油、大豆油、ココナッツ油、アルガン油、オリーブ油、アーモンド油)、香油(例えば、リモネン)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0031】
好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、ヘアコンディショニング配合物の重量に基づいて、0.1重量%未満(好ましくは、0.001重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)、のシリコーン(例えば、ポリジメチルシロキサン、ジメチコン、シクロジメチコン)を含有する。
【0032】
好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、ヘアコンディショニング配合物の重量に基づいて、0.1重量%未満(好ましくは、0.001重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)、のケイ素(Si)含有分子を含有する。
【0033】
好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、任意選択的に、抗菌剤/防腐剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン)、洗浄界面活性剤、レオロジー調整剤(例えば、テトラステアリン酸PEG-150ペンタエリスリチル)、石鹸、着色剤、pH調整剤、酸化防止剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン)、保湿剤(例えば、グリセリン、ソルビトール、モノグリセリド、レシチン、糖脂質、脂肪アルコール、脂肪酸、多糖類、ソルビタンエステル、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、及びポリソルベート80)、ジオール(例えば、プロピレングリコール)、ジオール類縁体、トリオール、トリオール類縁体、カチオン性ポリマー性ポリオール)、ワックス、発泡剤、乳化剤、着色剤、香料、キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム)、防腐剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン)、漂白剤、潤滑剤、感覚調節剤、日焼け止め添加剤、ビタミン、タンパク質/アミノ酸、植物抽出物、天然成分、生物活性剤、劣化防止添加剤、顔料、酸、浸透剤、帯電防止剤、縮れ防止剤、抗ふけ剤、毛髪ウェービング/矯正剤、毛髪スタイリング剤、吸収剤、硬質粒子、軟質粒子、コンディショニング剤(例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、PQ-10、PQ-7)、滑り剤、乳白剤、真珠光沢剤、及び塩からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を更に含む。より好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、任意選択的に、抗菌剤/防腐剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン)、洗浄界面活性剤、レオロジー調整剤(例えば、テトラステアリン酸PEG-150ペンタエリスリチル)、及びキレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム)からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を更に含む。最も好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、任意選択的に、フェノキシエタノールとメチルイソチアゾリノンとの抗菌剤/防腐剤混合物、テトラステアリン酸PEG-150ペンタエリスリチル、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、及びフェノキシエタノールとメチルイソチアゾリノンとの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を更に含む。
【0034】
好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、皮膚科学的に許容可能なヘアケア洗浄界面活性剤を更に含む。より好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、皮膚科学的に許容可能なヘアケア洗浄界面活性剤を更に含み、皮膚科学的に許容可能なヘアケア洗浄界面活性剤は、アルキルポリグルコシド(例えば、ラウリルグルコシド、ココ-グルコシド、デシルグルコシド)、グリシネート(例えば、ココイルグリシン酸ナトリウム)、ベタイン(例えば、セチルベタインなどのアルキルベタイン及びコカミドプロピルベタインなどのアミドベタイン)、タウレート(例えば、メチルココイルタウリン酸ナトリウム)、グルタメート(例えば、ココイルグルタミン酸ナトリウム)、サルコシネート(例えば、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム)、イセチオネート(例えば、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム)、スルホアセテート(例えば、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム)、アラニネート(例えば、ココイルアラニン酸ナトリウム)、アンホアセテート(例えば、ココアンホ酢酸ナトリウム)、スルフェート(例えば、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(sodium lauryl ether sulfate、SLES))、スルホネート(例えば、C14~16オレフィンスルホン酸ナトリウム)、スクシネート(例えば、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム)、脂肪アルカノールアミド(例えば、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミン、ソヤミドジエタノールアミン、ラウラミドジエタノールアミン、オレアミドモノイソプロパノールアミン、ステアルアミドモノエタノールアミン、ミリスタミドモノエタノールアミン、ラウラミドモノエタノールアミン、カプラミドジエタノールアミン、リシノレアミドジエタノールアミン、ミリスタミドジエタノールアミン、ステアルアミドジエタノールアミン、オレイルアミドジエタノールアミン、タローアミドジエタノールアミン、ラウラミドモノイソプロパノールアミン、タローアミドモノエタノールアミン、イソステアルアミドジエタノールアミン、イソステアルアミドモノエタノールアミン)、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0035】
好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、増粘剤を更に含む。より好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、増粘剤を更に含み、増粘剤は、好ましくは、ヘアコンディショニング配合物の他の特性を実質的に変更することなく、ヘアコンディショニング配合物の粘度を増加させるように選択される。好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、増粘剤を更に含み、増粘剤は、好ましくは、ヘアコンディショニング配合物の他の特性を実質的に変更することなく、ヘアコンディショニング配合物の粘度を増加させるように選択され、増粘剤は、ヘアコンディショニング配合物の重量に基づいて、0~5.0重量%(好ましくは、0.1~5.0重量%、より好ましくは、0.2~2.5重量%、最も好ましくは、0.5~2.0重量%)を占める。
【0036】
好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、抗菌剤/防腐剤を更に含む。より好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、抗菌剤/防腐剤を更に含み、抗菌剤/防腐剤は、フェノキシエタノール、安息香酸、ベンジルアルコール、安息香酸ナトリウム、DMDMヒダントイン、2-エチルヘキシルグリセリルエーテル、イソチアゾリノン(例えば、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、抗菌剤/防腐剤を更に含み、抗菌剤/防腐剤は、フェノキシエタノールとイソチアゾリノンとの混合物である(より好ましくは、抗菌剤/防腐剤は、フェノキシエタノールとメチルイソチアゾリノンとの混合物である)。
【0037】
好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、任意選択的に、pH調整剤を更に含む。より好ましくは、本発明のヘアコンディショニング配合物は、pH調整剤を更に含み、ヘアコンディショニング配合物は、4~9(好ましくは、4.25~8、より好ましくは、4.5~7、最も好ましくは、4.75~6)のpHを有する。
【0038】
好ましくは、当該pH調整剤は、クエン酸、乳酸、塩酸、アミノエチルプロパンジオール、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミノ-2-メチル-1-プロパノールのうちの少なくとも1つからなる群から選択される。より好ましくは、当該pH調整剤は、クエン酸、乳酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アミノ-2-メチル-1-プロパノールのうちの少なくとも1つからなる群から選択される。なおより好ましくは、pH調整剤は、クエン酸を含む。最も好ましくは、pH調整剤は、クエン酸である。
【0039】
好ましくは、本発明の哺乳動物の毛髪をコンディショニングする方法は、本発明のヘアコンディショニング配合物を選択することと、ヘアコンディショニング配合物を哺乳動物の毛髪に適用することと、を含む。好ましくは、本発明の哺乳動物の毛髪をコンディショニングする方法は、ヘアコンディショナーを適用する前に毛髪を水で濡らすことを更に含む。より好ましくは、本発明の哺乳動物の毛髪をコンディショニングする方法は、本発明のヘアコンディショニング配合物を選択することと、哺乳動物の毛髪を濡らすことと、ヘアコンディショニング配合物を湿った哺乳動物の毛髪に適用することと、を含む。好ましくは、本発明の哺乳動物の毛髪をコンディショニングする方法は、ヘアコンディショナーを適用した後にリンスを用いて毛髪をリンスすることを更に含む。
【0040】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【0041】
比較例CF1~CF2及び実施例F1:ヘアコンディショニング配合物
ヘアコンディショニング配合物は、比較例CF1~CF2及び実施例F1の各々において、表1に記載の配合物を有して調製した。
【0042】
【表1】

商品名Cellosize(商標)PCG-10でDow Chemical Companyから入手可能
商品名Versene(商標)220でDow Chemical Companyから入手可能
商品名Crodacol(商標)CS50でCroda Inc.から入手可能
商品名Arlacel(商標)165でCroda Inc.から入手可能
カタログ番号D4876でSigma Aldrichから入手可能
カタログ番号D9885でSigma Aldrichから入手可能。
商品名Neolone(商標)PEでThe Dow Chemical Companyから入手可能
【0043】
ヘアコンディショニング性能
比較例CF1~CF2及び実施例F1のリンスオフコンディショナー配合物で処理した毛髪の湿潤時及び乾燥時の櫛通りの容易さを評価するための試験を以下のように行った。コンディショナーを試験するために、International Hair Importersの、わずかにブリーチされた白人の毛髪を使用した。各髪房は、2グラムの重さであった。各髪房を、40℃の水道水の流れで30秒間すすいだ。ピペットを使用し、9パーセントのラウリル硫酸ナトリウムを含有する0.4グラムの溶液を適用し、各髪房全体にわたって30秒間泡立てた。その後、髪房を、流水で1分間すすいだ。髪房に、手の人差し指と中指との間を通過させることにより、過剰な水を各髪房から除去した。次いで、髪房を、比較例CF1~CF2及び実施例F1のリンスオフコンディショナー配合物を、0.4gの配合物/毛髪1gで、配合物を濡れた/湿った毛髪に1分間マッサージすることによって処理した。次いで、髪房を流水下で30秒間すすぎ、室温で一晩乾燥させた。
【0044】
また、湿潤時の櫛通り、及び乾燥時の櫛通りの容易さによるコンディショニング性能の測定のために、BlueHill 2ソフトウェアを実行するINSTRON Model 4464も使用した。試験では、毛髪を櫛でとくのに必要な力を測定するために具備されるINSTRONひずみゲージを用いた。コンディショニング性能は、INSTRONひずみゲージで毛髪を櫛でとくのに必要とされる力を低減するためのリンスオフコンディショナー配合物の能力に基づくものとした。力は、平均櫛通り負荷(ACL)として報告した。ACL値の数が低くなるほど、試験したリンスオフコンディショナー配合物により付与されるコンディショニング効果は高い。
【0045】
INSTRONの湿潤時櫛通り法に従って、毛髪を最初に、蒸留水に浸すことにより濡らし、次に髪房を3回櫛でとくことにより毛髪のもつれをほぐした。次に、髪房を3回蒸留水に浸すことにより再びもつれさせた。髪房に、2回手の人差し指と中指の間を通過させることにより、過剰な水を髪房から除去した。髪房をハンガー上に配置し、INSTRON櫛でといた。3つの髪房の平均湿潤櫛通り力を、各リンスオフコンディショナー配合物について測定した。平均湿潤櫛通りの結果を表2に記載する。
【0046】
INSTRONの乾燥時櫛通り法に従って、髪房を3回櫛でとくことにより乾燥した毛髪のもつれをほぐした。次に、髪房を時計回りに3回旋回、反時計回りに3回旋回させることにより再びもつれさせた。髪房をハンガー上に配置し、INSTRON櫛でといた。3つの髪房の平均乾燥櫛通り力を、各リンスオフコンディショナー配合物について測定した。平均乾燥櫛通りの結果を表2に記載する。
【0047】
【表2】
【0048】
毛髪の疎水性
比較例CF2及び実施例F1の各々に従って調製されたリンスオフヘアコンディショナーを、2つの別個の3gの毛髪試料(わずかにブリーチされた白人の毛髪、International Hair Importers,Inc.)で試験した。毛髪試料を、最初に水で30秒間すすいだ。次いで、ラウリル硫酸ナトリウムの9%(重量/重量)水溶液を、毛髪試料に30秒間マッサージした。次いで、毛髪試料を、水で1分間すすいだ。次いで、毛髪試料を毛髪1gあたり0.4gの量のリンスオフヘアコンディショナーで処理し、毛髪上で30秒間マッサージした。次いで、毛髪試料を、水で30秒間すすぎ、疎水性試験の前に乾燥させた。
【0049】
毛髪の疎水性を測定するために、髪房をまっすぐにすき、髪房の両端をホルダーでしっかりと保持した。根元から先端まで、各髪房の異なる場所に10滴(1滴あたり30μL)の水を置いた。比較例CF2の配合物で処理された髪房において、水が直ちに消散することが観察されたが、実施例F1の配合物で処理された髪房では、水は、20分後であっても玉状であり続け、実施例F1のリンスオフコンディショナー配合物が、わずかにブリーチされた白人の毛髪に対して疎水性の利益回復に成功したことを示す。
【国際調査報告】