(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】ヘアコンディショナー配合物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/73 20060101AFI20240306BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
A61K8/73
A61Q5/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554010
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 US2022019466
(87)【国際公開番号】W WO2022203863
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティワンチャロン、ニサラポーン
(72)【発明者】
【氏名】リール、リンジー エム.
(72)【発明者】
【氏名】パホルスキ、マイケリーン
(72)【発明者】
【氏名】ゴールデン、シャノン
(72)【発明者】
【氏名】パーテイン、エメット エム.
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC072
4C083AC172
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC532
4C083AC862
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD241
4C083AD242
4C083AD282
4C083CC33
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE10
4C083EE28
4C083FF01
(57)【要約】
皮膚科学的に許容されるビヒクルと、コンディショニングポリマーと、を含む、ヘアコンディショナー配合物であって、コンディショニングポリマーが、式(I)のデキストラン架橋剤で架橋されたデキストランポリマーであり、式中、Xが、ハロゲンであり、各R
1が、独立して、置換又は非置換C
1~6アルキル基から選択され、各R
2が、独立して、C
1~6アルカンジイル基からなる群から選択され、Yが、二価の架橋基である、ヘアコンディショナー配合物、が提供される。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアコンディショナー配合物であって、
皮膚科学的に許容されるビヒクルと、
コンディショニングポリマーと、を含み、前記コンディショニングポリマーが、式(I)のデキストラン架橋剤で架橋されたデキストランポリマーであり、
【化1】
式中、Xが、ハロゲンであり、各R
1が、独立して、置換又は非置換C
1~6アルキル基から選択され、各R
2が、独立して、C
1~6アルカンジイル基からなる群から選択され、Yが、二価の架橋基である、ヘアコンディショナー配合物。
【請求項2】
前記ヘアコンディショナー配合物が、前記ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.01重量%未満の皮膚科学的に許容される油を含有する、請求項1に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項3】
前記ヘアコンディショナー配合物が、前記ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.1重量%未満のシリコン含有分子を含有する、請求項2に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項4】
前記ヘアコンディショナー配合物が、リンスオフコンディショナー配合物及びリーブインコンディショナー配合物からなる群から選択される、請求項3に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項5】
前記ヘアコンディショナー配合物が、リンスオフコンディショナー配合物である、請求項4に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項6】
カチオン性デキストランポリマーが、灰分及び揮発性物質について補正された、0.5~5.0重量%のケルダール窒素含有量、TKNを有する、請求項5に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項7】
式(I)の前記デキストラン架橋剤が、
【化2】
及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項8】
増粘剤を更に含む、請求項7に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項9】
防腐剤を更に含む、請求項8に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項10】
哺乳類の毛髪をコンディショニングする方法であって、
請求項1に記載のヘアコンディショナー配合物を選択することと、
前記ヘアコンディショナー配合物を哺乳類の毛髪に適用することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアコンディショナー配合物に関する。具体的には、本発明は、皮膚科学的に許容されるビヒクルと、コンディショニングポリマーと、を含む、ヘアコンディショナー配合物であって、コンディショニングポリマーが、式(I)のデキストラン架橋剤で架橋されたデキストランポリマーであり、
【0002】
【化1】
式中、Xが、ハロゲンであり、各R
1が、独立して、置換又は非置換C
1~6アルキル基から選択され、各R
2が、独立して、C
1~6アルカンジイル基からなる群から選択され、Yが、二価の架橋基である、ヘアコンディショナー配合物、に関する。
【0003】
従来のヘアコンディショナーは、毛髪を処理するために消費者に人気がある。シリコーン系コンディショニング剤は、ヘアコンディショナー配合物に最も一般的に使用されるコンディショニング剤である。しかしながら、環境における特定のシリコーン系コンディショニング剤、特にD4及びD5コンディショナーの持続性及び潜在的毒性に関して、一部の消費者の間で懸念が高まっている。したがって、ヘアコンディショナー配合物に使用するためのシリコーンを含まない代替のコンディショニング剤の開発に対する関心が高まっている。
【0004】
米国特許第5,879,670号において、Melbyらは、ケラチン含有基質の処理のためのコンディショニング剤として使用するための非シリコン含有両性電解質ポリマーを開示している。具体的には、Melbyらは、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、メタ(アクリル酸)又は2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、及び任意選択で、C1~22アルキル(メタ)アクリレートを含有する新規のコンディショニングポリマーと、ケラチン含有基質の処理のための化粧品として許容される媒体におけるそれらの使用と、を開示している。
【0005】
それにもかかわらず、コンディショニング利益を提供する新規のヘアコンディショニング剤に対する継続的な必要性が存在する。また、従来のヘアコンディショニング剤と比較して、増加した自然由来指数(ISO16128)を有する新規のヘアコンディショニング剤に対する継続的な必要性も存在する。
【0006】
本発明は、皮膚科学的に許容されるビヒクルと、コンディショニングポリマーと、を含む、ヘアコンディショナー配合物であって、コンディショニングポリマーが、式(I)のデキストラン架橋剤で架橋されたデキストランポリマーであり、
【0007】
【化2】
式中、Xが、ハロゲンであり、各R
1が、独立して、置換又は非置換C
1~6アルキル基から選択され、各R
2が、独立して、C
1~6アルカンジイル基からなる群から選択され、Yが、二価の架橋基である、ヘアコンディショナー配合物、を提供する。
【0008】
本発明は、皮膚科学的に許容されるビヒクルと、コンディショニングポリマーと、を含む、ヘアコンディショナー配合物であって、コンディショニングポリマーが、式(I)のデキストラン架橋剤で架橋されたデキストランポリマーであり、
【0009】
【化3】
式中、Xが、ハロゲンであり、各R
1が、独立して、置換又は非置換C
1~6アルキル基から選択され、各R
2が、独立して、C
1~6アルカンジイル基からなる群から選択され、Yが、二価の架橋基であり、ヘアコンディショナー配合物が、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.01重量%未満の皮膚科学的に許容される油を含有する、ヘアコンディショナー配合物、を提供する。
【0010】
本発明は、皮膚科学的に許容されるビヒクルと、コンディショニングポリマーと、を含む、ヘアコンディショナー配合物であって、コンディショニングポリマーが、式(I)のデキストラン架橋剤で架橋されたデキストランポリマーであり、
【0011】
【化4】
式中、Xが、ハロゲンであり、各R
1が、独立して、置換又は非置換C
1~6アルキル基から選択され、各R
2が、独立して、C
1~6アルカンジイル基からなる群から選択され、Yが、二価の架橋基であり、ヘアコンディショナー配合物が、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.1重量%未満のシリコン含有分子を含有する、ヘアコンディショナー配合物、を提供する。
【0012】
本発明は、皮膚科学的に許容されるビヒクルと、コンディショニングポリマーと、を含む、ヘアコンディショナー配合物であって、コンディショニングポリマーが、式(I)のデキストラン架橋剤で架橋されたデキストランポリマーであり、
【0013】
【化5】
式中、Xが、ハロゲンであり、各R
1が、独立して、置換又は非置換C
1~6アルキル基から選択され、各R
2が、独立して、C
1~6アルカンジイル基からなる群から選択され、Yが、二価の架橋基であり、ヘアコンディショナー配合物が、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.01重量%未満の皮膚科学的に許容される油を含有し、ヘアコンディショナー配合物が、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.1重量%未満のシリコン含有分子を含有する、ヘアコンディショナー配合物、を提供する。
【0014】
本発明は、哺乳類の毛髪をコンディショニングする方法であって、本発明のヘアコンディショナー配合物を選択することと、ヘアコンディショナー配合物を哺乳類の毛髪に適用することと、を含む、方法、を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明者らは、驚くべきことに、式(I)のデキストラン架橋剤で架橋されたデキストランポリマーであって、
【0016】
【化6】
式中、Xが、ハロゲンであり、各R
1が、独立して、置換又は非置換C
1~6アルキル基から選択され、各R
2が、独立して、C
1~6アルカンジイル基からなる群から選択され、Yが、二価の架橋基である、デキストランポリマーが、損傷した毛髪に疎水性を効果的に回復させ、処理された毛髪を櫛でとくのに必要な力を低減するコンディショニングポリマーとして作用することを見出した。
【0017】
別段示されない限り、比率、百分率、部などは、重量によるものである。
【0018】
本明細書で使用される場合、別段示されない限り、「分子量」又はMWという語句は、ゲル浸透クロマトグラフィ(gel permeation chromatography、GPC)及びポリエチレングリコール標準などの従来の標準を用いて従来の様式で測定される重量平均分子量を指す。GPC技法は、Modern Size Exclusion Chromatography,W.W.Yau,J.J.Kirkland,D.D.Bly;Wiley-Interscience,1979、及びA Guide to Materials Characterization and Chemical Analysis,J.P.Sibilia;VCH,1988,p.81-84に詳しく考察されている。分子量は、本明細書においてダルトンの単位で、又は同等にg/モルで報告される。
【0019】
本明細書及び添付で使用される「皮膚科学的に許容される」という用語は、皮膚への局所的適用に典型的に使用される成分を指し、スキンケア組成物中に典型的に見られる量で存在する場合に有毒である材料は、本発明の一部として企図されないことを強調することを意図する。
【0020】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、コンディショニングシャンプー配合物、リンスオフコンディショナー配合物、及びリーブオンコンディショナー配合物からなる群から選択される。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、リンスオフコンディショナー配合物及びリーブオンコンディショナー配合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、リンスオフコンディショナー配合物である。
【0021】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、皮膚科学的に許容されるビヒクル(好ましくは、ヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、50~99.9重量%(好ましくは、75~99.85重量%、より好ましくは、80~99.8重量%、最も好ましくは、90~99.75重量%)の皮膚科学的に許容されるビヒクルを含む)と、コンディショニングポリマー(好ましくは、ヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.1~1重量%(好ましくは0.15~0.75重量%、より好ましくは、0.2~0.5重量%、最も好ましくは、0.25~0.4重量%)の三級アミン官能化デキストランポリマーを含む)と、を含み、コンディショニングポリマーは、式(I)のデキストラン架橋剤で架橋されたデキストランポリマーであり、
【0022】
【化7】
式中、Xは、ハロゲンであり、各R
1は、独立して、置換又は非置換C
1~6アルキル基から選択され、各R
2は、独立して、C
1~6アルカンジイル基からなる群から選択され、Yは、二価の架橋基であり、コンディショニングポリマーは、ヘアコンディショナー配合物から哺乳類の毛髪上への皮膚科学的に許容されるシリコーンの付着を向上させる。
【0023】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、液体配合物である。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、水性液体配合物である。
【0024】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、50~99.9重量%(好ましくは、75~99.85重量%、より好ましくは、80~99.8重量%、最も好ましくは、90~99.75重量%)の皮膚科学的に許容されるビヒクルを含む。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、50~99.9重量%(好ましくは、75~99.85重量%、より好ましくは、80~99.8重量%、最も好ましくは、90~99.75重量%)の皮膚科学的に許容されるビヒクルを含み、皮膚科学的に許容されるビヒクルは、水を含む。なおより好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、50~99.9重量%(好ましくは、75~99.85重量%、より好ましくは、80~99.8重量%、最も好ましくは、90~99.75重量%)の皮膚科学的に許容されるビヒクルを含み、皮膚科学的に許容されるビヒクルは、水及び水性C1~4アルコール混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、50~99.9重量%(好ましくは、75~99.85重量%、より好ましくは、80~99.8重量%、最も好ましくは、90~99.75重量%)の皮膚科学的に許容されるビヒクルを含み、皮膚科学的に許容されるビヒクルは、水である。
【0025】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物で使用される水は、蒸留水及び脱イオン水のうちの少なくとも1つである。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物で使用される水は、蒸留され、脱イオン化されている。
【0026】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.1~1重量%(好ましくは、0.15~0.75重量%、より好ましくは、0.2~0.5重量%、最も好ましくは、0.25~0.4重量%)のコンディショニングポリマーを含み、コンディショニングポリマーは、式(I)のデキストラン架橋剤で架橋されたデキストランポリマーである。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.1~1重量%(好ましくは、0.15~0.75重量%、より好ましくは、0.2~0.5重量%、最も好ましくは、0.25~0.4重量%)のコンディショニングポリマーを含み、コンディショニングポリマーは、式(I)のデキストラン架橋剤で架橋されたデキストランポリマーであり、コンディショニングポリマーは、灰分及び揮発性物質について補正された、0.5~5.0重量%(好ましくは0.75~4重量%、より好ましくは、1~3.5重量%、最も好ましくは、1.5~3.0重量%)のケルダール窒素含有量、TKN(ASTM法D-2364に記載されるように、Buchi KjelMaster K-375自動分析装置を使用して測定し、揮発性物質及び灰分について補正した)を有する。
【0027】
好ましくは、デキストランポリマーは、50,000~3,000,000ダルトン(好ましくは、100,000~2,000,000ダルトン、より好ましくは125,000~1,000,000ダルトン、なおより好ましくは、130,000~650,000ダルトン、最も好ましくは145,000~525,000ダルトン)の重量平均分子量を有する。より好ましくは、デキストランポリマーは、50,000~3,000,000ダルトン(好ましくは、100,000~2,000,000ダルトン、より好ましくは、125,000~1,000,000ダルトン、なおより好ましくは、130,000~650,000ダルトン、最も好ましくは、145,000~525,000ダルトン)の重量平均分子量を有し、デキストランポリマーは、複数のグルコース構造単位を含む、分岐鎖デキストランポリマーであり、グルコース構造単位の90~98モル%(好ましくは、92.5~97.5モル%、より好ましくは、93~97モル%、最も好ましくは、94~96モル%)は、α-D-1,6結合によって接続され、グルコース構造単位の2~10モル%(好ましくは、2.5~7.5モル%、より好ましくは、3~7モル%、最も好ましくは、4~6モル%)は、α-1,3結合によって接続される。最も好ましくは、デキストランポリマーは、50,000~3,000,000ダルトン(好ましくは、100,000~2,000,000ダルトン、より好ましくは、125,000~1,000,000ダルトン、なおより好ましくは、130,000~650,000ダルトン、最も好ましくは、145,000~525,000ダルトン)の重量平均分子量を有し、デキストランポリマーは、複数のグルコース構造単位を含む、分岐鎖デキストランポリマーであり、グルコース構造単位の90~98モル%(好ましくは、92.5~97.5モル%、より好ましくは、93~97モル%、最も好ましくは、94~96モル%)は、α-D-1,6結合によって接続され、グルコース構造単位の2~10モル%(好ましくは、2.5~7.5モル%、より好ましくは、3~7モル%、最も好ましくは、4~6モル%)は、式IIに従ってα-1,3結合によって接続され、
【0028】
【化8】
式中、Rは、水素、C
1~4アルキル基、及びヒドロキシC
1~4アルキル基から選択され、デキストランポリマー骨格からの平均分岐は、3無水グルコース単位以下である。
【0029】
好ましくは、デキストランポリマーは、デキストランポリマーの重量に基づいて、0.01重量%未満のアルテルナンを含有する。より好ましくは、デキストランポリマーは、デキストランポリマーの重量に基づいて、0.001重量%未満のアルテルナンを含有する。最も好ましくは、デキストランポリマーは、検出可能限界未満のアルテルナンを含有する。
【0030】
好ましくは、コンディショニングポリマーは、式(I)のデキストラン架橋剤で架橋されたデキストランポリマーであり、
【0031】
【化9】
式中、Xは、ハロゲンであり(好ましくは、式中、各Xは、独立して、-Cl、-Br、及び-Iからなる群から選択され、より好ましくは、各Xは、-Clであり)、各R
1は、独立して、置換又は非置換C
1~6アルキル基から選択され(「置換」とは、対象の基が、ハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、又はカルボキシ基から選択される少なくとも1つの部分を含有することを意味する)(好ましくは、各R
1は、独立して、非置換C
1~6アルキル基から選択され、より好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、及びイソヘキシル基からなる群から選択され、なおより好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、及びsec-ブチル基からなる群から選択され、更により好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基からなる群から選択され、更になおより好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基及びエチル基からなる群から選択され、最も好ましくは、各R
1は、メチル基であり)、各R
2は、独立して、C
1~6アルカンジイル基(好ましくは、C
1~4アルカンジイル基、より好ましくは、C
1~2アルカンジイル基、最も好ましくは、-CH
2-基)からなる群から選択され、Yは、二価の架橋基(好ましくは、C
1~6アルカンジイル基及び-R
3-O-R
4-基(より好ましくは、-R
3-O-R
4-基)であり、R
3及びR
4は、独立して、C
1~6アルカンジイル基(好ましくは、C
1~4アルカンジイル基、より好ましくは、C
1~3アルカンジイル基、最も好ましくは、-CH
2CH
2-基)からなる群から選択される(好ましくは、R
3及びR
4は、同じである)。より好ましくは、コンディショニングポリマーは、式(I)のデキストラン架橋剤で架橋されたデキストランポリマーであり、式(I)のデキストラン架橋剤は、式(II)のものであり、
【0032】
【化10】
式中、Xは、ハロゲンであり(好ましくは、式中、各Xは、独立して、-Cl、-Br、及び-Iからなる群から選択され、より好ましくは、各Xは、-Clであり)、各R
1は、独立して、置換又は非置換C
1~6アルキル基から選択され(「置換」とは、対象の基が、ハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、又はカルボキシ基から選択される少なくとも1つの部分を含有することを意味する)(好ましくは、各R
1は、独立して、非置換C
1~6アルキル基から選択され、より好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、及びイソヘキシル基からなる群から選択され、なおより好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、及びsec-ブチル基からなる群から選択され、更により好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基からなる群から選択され、更になおより好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基及びエチル基からなる群から選択され、最も好ましくは、各R
1は、メチル基であり)、各R
2は、独立して、C
1~6アルカンジイル基(好ましくは、C
1~4アルカンジイル基、より好ましくは、C
1~2アルカンジイル基、最も好ましくは、-CH
2-基)からなる群から選択され、R
3及びR
4は、独立して、C
1~6アルカンジイル基(好ましくは、C
1~4アルカンジイル基、より好ましくは、C
1~3アルカンジイル基、最も好ましくは、-CH
2CH
2-基)からなる群から選択される(好ましくは、R
3及びR
4は、同じである)。最も好ましくは、コンディショニングポリマーは、
【0033】
【化11】
及びこれらの混合物、からなる群から選択される式(I)のデキストラン架橋剤で架橋されたデキストランポリマーである。
【0034】
好ましくは、コンディショニングポリマーは、0.001meg/グラム未満(好ましくは、0.0001meq/グラム未満、より好ましくは、0.00001meq/グラム未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)のアルデヒド官能基を含む。
【0035】
好ましくは、コンディショニングポリマーは、コンディショニングポリマーにおける個々のグルコース単位間の結合が、β-1,4結合である、0.1%未満(好ましくは、0.01%未満、より好ましくは、0.001%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の結合を含む。
【0036】
好ましくは、コンディショニングポリマーは、コンディショニングポリマーにおける個々のグルコース単位間の結合が、β-1,3結合である、0.1%未満(好ましくは、0.01%未満、より好ましくは、0.001%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の結合を含む。
【0037】
好ましくは、コンディショニングポリマーは、0.001meq/グラム未満(好ましくは、0.0001meq/グラム未満、より好ましくは、0.00001meq/グラム未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)のシリコーン含有官能基を含む。
【0038】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.01重量%未満(好ましくは、0.001重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の皮膚科学的に許容される油を含有する。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.01重量%未満(好ましくは、0.001重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の皮膚科学的に許容される油を含有し、皮膚科学的に許容される油は、炭化水素油(例えば、鉱油、ワセリン、ポリイソブテン、水素化ポリイソブテン、水素化ポリデセン、ポリイソヘキサデカン、天然油(例えば、カプリル酸及びカプリン酸のトリグリセリド、ヒマワリ油、大豆油、ココナッツ油、アルガン油、オリーブ油、アーモンド油)、香油(例えば、リモネン)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0039】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.1重量%未満(好ましくは、0.001重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)のシリコーン(例えば、ポリジメチルシロキサン、ジメチコーン、シクロジメチコーン、アミノシリコーン)を含有する。
【0040】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.1重量%未満(好ましくは、0.001重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)のシリコン(silicon、Si)含有分子を含有する。
【0041】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、任意選択で、抗菌剤/防腐剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン)、レオロジ調整剤(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、テトラステアリン酸PEG-150ペンタエリスリチル)、石鹸、着色剤、pH調整剤、酸化防止剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン)、保湿剤(例えば、グリセリン、ソルビトール、モノグリセリド、レシチン、糖脂質、脂肪アルコール、脂肪酸、多糖類、ソルビタンエステル、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、及びポリソルベート80)、ジオール(例えば、プロピレングリコール)、トリオール、カチオン性ポリマー性ポリオール)、ワックス、発泡剤、乳化剤、着色剤、香料、キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム)、防腐剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン)、漂白剤、潤滑剤、感覚調節剤、日焼け止め添加剤、ビタミン、タンパク質/アミノ酸、植物抽出物、天然成分、生物活性剤、劣化防止添加剤、顔料、酸、浸透剤、帯電防止剤、縮れ防止剤、抗ふけ剤、毛髪ウェービング/矯正剤、毛髪スタイリング剤、吸収剤、硬質粒子、軟質粒子、コンディショニング剤(例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、PQ-10、PQ-7)、スリップ剤、乳白剤、真珠光沢剤、及び塩からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を更に含む。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、任意選択で、抗菌剤/防腐剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン)、レオロジ調整剤(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、テトラステアリン酸PEG-150ペンタエリスリチル)、及びキレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム)からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を更に含む。最も好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、任意選択で、ヒドロキシエチルセルロース、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、フェノキシエタノールとメチルイソチアゾリノンとの組み合わせ、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を更に含む。
【0042】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、増粘剤を更に含む。より好ましくは、ヘアコンディショナー配合物は、増粘剤を更に含み、増粘剤は、好ましくは、ヘアコンディショナー配合物の他の特性を実質的に改変することなく、ヘアコンディショナー配合物の粘度を増加させるように選択される。好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0~5.0重量%(好ましくは、0.1~5.0重量%、より好ましくは、0.2~2.5重量%、最も好ましくは、0.5~2.0重量%)の増粘剤を更に含み、増粘剤は、(好ましくはヘアコンディショナー配合物の他の特性を実質的に改変することなく)、ヘアコンディショナー配合物の粘度を増加させるように選択される。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.1~5.0重量%(好ましくは、0.2~2.5重量%、より好ましくは、0.5~2.0重量%)の増粘剤を更に含み、増粘剤は、ヒドロキシエチルセルロースを含む。最も好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.1~5.0重量%(好ましくは、0.2~2.5重量%、より好ましくは、0.5~2.0重量%)の増粘剤を更に含み、増粘剤は、ヒドロキシエチルセルロースである。
【0043】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、抗菌剤/防腐剤を更に含む。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、抗菌剤/防腐剤を更に含み、抗菌剤/防腐剤は、フェノキシエタノール、安息香酸、ベンジルアルコール、安息香酸ナトリウム、DMDMヒダントイン、2-エチルヘキシルグリセリルエーテル、イソチアゾリノン(例えば、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。なおより好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、抗菌剤/防腐剤を更に含み、抗菌剤/防腐剤は、フェノキシエタノールとイソチアゾリノンとの混合物である(より好ましくは、抗菌剤/防腐剤は、フェノキシエタノールとメチルイソチアゾリノンとの混合物である)。
【0044】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、任意選択で、pH調整剤を更に含む。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、pH調整剤を更に含み、ヘアコンディショナー配合物は、4~9(好ましくは、4.25~8、より好ましくは、4.5~7、最も好ましくは、4.75~6)のpHを有する。
【0045】
好ましくは、pH調整剤は、クエン酸、乳酸、塩酸、アミノエチルプロパンジオール、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミノ-2-メチル-1-プロパノールのうちの少なくとも1つからなる群から選択される。より好ましくは、pH調整剤は、クエン酸、乳酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アミノ-2-メチル-1-プロパノールのうちの少なくとも1つからなる群から選択される。なおより好ましくは、pH調整剤は、クエン酸を含む。最も好ましくは、pH調整剤は、クエン酸である。
【0046】
好ましくは、本発明の哺乳類の毛髪をコンディショニングする方法は、本発明のヘアコンディショナー配合物を選択することと、ヘアコンディショナー配合物を哺乳類の毛髪に適用することと、を含む。好ましくは、本発明の哺乳類の毛髪をコンディショニングする方法は、ヘアコンディショナーを適用する前に毛髪を水で濡らすことを更に含む。最も好ましくは、本発明の哺乳類の毛髪をコンディショニングする方法は、本発明のヘアコンディショナー配合物を選択することと、哺乳類の毛髪の毛髪を濡らすことと、ヘアコンディショナー配合物を、濡らした哺乳類の毛髪に適用することと、を含む。
【0047】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【0048】
実施例S1:デキストラン架橋剤の合成
ビス[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]エーテル(10.84g)及び水(23.12g)を、容器内で一緒に混合した。容器の内容物のpHを、濃塩酸で8.5にpH調整した。容器の内容物の設定点温度を25℃に維持しながら、99.9%のエピクロロヒドリン(20.84g)を60分間にわたって容器に添加した。容器の内容物の設定点温度を更に2時間25℃に維持した後、設定点温度を50℃まで上昇させ、その温度設定点を2時間維持した。次いで、容器の内容物のpHを濃塩酸で、2.0未満まで下げ、設定点温度を70℃まで上げ、その温度設定点を1時間維持した。次いで、容器の内容物を冷却させた。容器の内容物の温度が50℃を下回ったら、容器の内容物のpHを50%水酸化ナトリウム溶液で4~6に調整した。次いで、容器の内容物の抽出を塩化メチレン(1体積:1体積)で7回実施し、次いで、残留塩化メチレンを従来の方法で除去した。回収した材料は、39.4重量%の生成物固形分を含有していた。生成物固形分を、13C NMRを介して分析して、生成物が、
【0049】
【化12】
N,N’-(オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(3-クロロ-2-ヒドロキシ-N,N-ジメチルプロパン-1-アミニウム)クロリドであることを確認した。
【0050】
実施例S2:架橋デキストランポリマーの合成
ゴム隔壁キャップと、窒素入口と、圧力均等添加漏斗と、撹拌パドル及びモータと、J-KEMコントローラに接続された表面下熱電対と、鉱油バブラに接続されたフリードリッヒ凝縮器と、を備えた500mLの四つ口丸底フラスコに、デキストラン(23.23g;Aldrich製品番号D4876)及び脱イオン水(120g)を装入した。デキストランの重量平均分子量は、100,000~200,000ダルトンであった。内容物を撹拌しながら、装置を窒素でパージして、系内に取り込まれたあらゆる酸素を排出した。窒素流量は、1秒当たり約1気泡であった。混合物を、1時間撹拌しながら窒素でパージした。プラスチックシリンジを使用して、50%水酸化ナトリウム水溶液(14.9g)を、窒素下で撹拌しながら、フラスコの内容物に数分間にわたって添加した。次いで、フラスコの内容物を、窒素下で30分間撹拌させた。次いで、実施例S1に従って調製したデキストラン架橋剤の47%水溶液(74.45g)を、フラスコの内容物に添加し、加熱前に5分間撹拌させた。次いで、55℃に設定したJ-KEMコントローラを使用して制御される加熱マントルで、フラスコの内容物に熱を加えた。フラスコの内容物を55℃まで加熱し、90分間維持した。次いで、フラスコ内を正の窒素圧に維持しながら、フラスコの内容物を室温まで冷却した。フラスコの内容物が室温に達したら、氷酢酸(3.0g)を添加することによってフラスコの内容物を中和させ、フラスコの内容物を10分間撹拌させた。次いで、フラスコの内容物を希釈し、使用のために精製せずに移し、希釈した生成物固形分の含有量は、11.1重量%であった。溶液のアリコートをメタノールから沈殿させ、50℃において真空中で乾燥させた。乾燥沈殿物の総ケルダール窒素含有量、TKNを、2.72重量%で、Buchi KjelMaster K-375自動分析装置を使用して測定した。
【0051】
比較例CF1~CF3及び実施例F1:リンスオフコンディショナー配合物
リンスオフコンディショナー配合物を、表1に記載の配合物を有する比較例CF1~CF3及び実施例F1の各々において調製した。
【0052】
【0053】
ヘアコンディショニング性能
比較例CF1~CF3及び実施例F1のリンスオフコンディショナー配合物で処理した毛髪の湿潤時及び乾燥時の櫛通りの容易さを評価するための研究を以下のように実施した。コンディショナーを試験するために、International Hair Importersからの、わずかにブリーチされた白人の毛髪を使用した。各髪房は、2グラムの重さであった。各髪房を、40℃の水道水の流れで30秒間すすいだ。ピペットを使用して、9パーセントのラウリル硫酸ナトリウムを含有する0.4グラムの溶液を適用し、各髪房全体にわたって30秒間泡立てた。次いで、髪房を、流水で1分間すすいだ。各髪房を手の人差し指と中指との間に通過させることによって、髪房から過剰な水を除去した。次いで、髪房を、0.4g配合物/毛髪1gで、配合物を濡れた/湿気のある毛髪に1分間マッサージすることによって、比較例CF1~CF3及び実施例F1のリンスオフコンディショナー配合物で処理した。次いで、髪房を、40℃の水道水で30秒間すすいだ。髪房を手の人差し指と中指とを通して引っ張ることによって、過剰な水を除去した。髪房を、ペーパータオルで覆ったトレイ上に置き、室温で一晩乾燥させた。
【0054】
摩擦係数は、毛髪の処理での摩擦特性の低減を測定する業界標準の方法であり、滑らかさ及び柔らかさの感覚的な属性と相関関係がある。温度及び湿度が制御された室内での試験には、ゴム製プローブに50gの垂直抗力を取り付けたDiastron MTT175引張試験機を使用した。処理毎に2つの髪房及び髪房毎に5つの測定値を試験して、表2に報告される平均摩擦データを生成した。摩擦係数(coefficient of friction、COF)=F/N、式中、Fは、外部から加えられた力であり、Nは、垂直抗力である。
【0055】
【0056】
湿潤時の櫛通りの容易さ及び乾燥時の櫛通りの容易さによってコンディショニング性能を決定するために、BlueHill2ソフトウェアを起動するINSTRON Model 4464も使用した。試験では、毛髪を櫛でとくのに必要な力を測定するために具備されるINSTRONひずみゲージを用いた。コンディショニング性能は、INSTRONひずみゲージで毛髪を櫛でとくのに必要とされる力を低減するためのリンスオフコンディショナー配合物の能力に基づいていた。力は、平均櫛通り負荷(Average Combing Load、ACL)として報告した。ACL値の数が低くなるほど、試験されるリンスオフコンディショナー配合物によって付与されるコンディショニング効果が高い。
【0057】
INSTRONの湿潤時の櫛通り方法に従って、毛髪を最初に、蒸留水に浸すことによって濡らし、次いで、髪房を3回組み合わせることによって毛髪のもつれをほぐした。次いで、髪房を3回蒸留水に浸すことによって、再びもつれさせた。髪房に、手の人差し指と中指とを2回通過させることによって、過剰な水を除去した。髪房をハンガー上に置き、INSTRON櫛でといた。3つの髪房からの平均湿潤時櫛通り力を、各リンスオフコンディショナー配合物について測定した。平均湿潤時櫛通りの結果を表3に提供する。
【0058】
INSTRONの乾燥時の組み合わせ方法に従って、髪房を3回組み合わせることにより、乾燥した毛髪のもつれをほぐした。次いで、髪房を時計回りに3回旋回及び反時計回りに3回旋回させることによって、毛髪を再びもつれさせた。次いで、髪房をハンガー上に置き、INSTRON櫛でといた。3つの髪房からの平均乾燥時組み合わせ力を、各リンスオフコンディショナー配合物について測定した。平均乾燥時組み合わせ結果を表3に提供する。
【0059】
【0060】
毛髪の疎水性
比較例CF2及び実施例F1の各々に従って調製されたリンスオフヘアコンディショナーを、2つの別個の3gの毛髪試料(わずかにブリーチされた白人の毛髪、International Hair Importers,Inc.)で試験した。毛髪試料を、最初に水で30秒間すすいだ。次いで、ラウリル硫酸ナトリウムの9%(重量/重量)水溶液を、毛髪試料に60秒間マッサージした。次いで、毛髪試料を30秒間水ですすいだ。次いで、毛髪試料を0.4g/g又は毛髪の投与量のリンスオフヘアコンディショナーで処理し、毛髪に30秒間マッサージした。次いで、毛髪試料を、水で30秒間すすぎ、疎水性試験の前に乾燥させた。
【0061】
毛髪の疎水性を測定するために、髪房をまっすぐに櫛でとき、髪房の両端をホルダーでしっかりと保持した。根元から先端まで、各髪房の異なる場所に10滴の水を置いた。比較例CF2の配合物で処理された髪房に水が即座に消散することが観察されたが、一方、実施例F1の配合物で処理された髪房は20分後であっても水が玉のようになり続け、実施例F1のリンスオフコンディショナー配合物が、わずかにブリーチされた白人の毛髪に対する疎水性の利益の回復に成功したことが示された。
【国際調査報告】