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特表2024-511323カルニチンサリシレートを有効成分として含む化粧料組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】カルニチンサリシレートを有効成分として含む化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/41 20060101AFI20240306BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 8/368 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
A61K8/41
A61Q19/00
A61K8/368
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554900
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 KR2022003302
(87)【国際公開番号】W WO2022191602
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0030240
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0170889
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ク・チョル・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・グ・ウォン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC442
4C083AC471
4C083AC472
4C083AC542
4C083AC711
4C083AC712
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD172
4C083BB51
4C083CC04
4C083CC05
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE06
4C083EE09
4C083EE12
4C083EE13
4C083EE14
4C083FF01
4C083FF05
(57)【要約】
本発明は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分として含む化粧料組成物に関する。また、本発明の組成物は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分とすることによって、弱酸性条件でカルニチンとサリシレートのイオンペアリングによる皮膚改善素材としてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に皮膚鎮静素材として炎症及び紅斑を緩和させ得ることを確認した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分として含む、化粧料組成物。
【請求項2】
前記化粧料組成物は、pH4.0~6.5である、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項3】
前記カルニチンサリシレート(CA-SA)は、全体組成物100重量部を基準として0.01~20重量部で含む、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項4】
前記カルニチンサリシレート(CA-SA)は、カルニチン:サリシレート=1~6:2のモル比で共融混合されたものである、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項5】
前記カルニチンサリシレート(CA-SA)は、0℃で4週間静置したときに沈殿物がないものである、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項6】
前記化粧料組成物は、皮膚改善のためのものである、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項7】
前記皮膚改善は、アクネ緩和のためのものである、請求項6に記載の化粧料組成物。
【請求項8】
前記皮膚改善は、角質剥離の促進のためのものである、請求項6に記載の化粧料組成物。
【請求項9】
前記化粧料組成物は、皮膚鎮静のためのものである、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項10】
前記皮膚鎮静は、炎症緩和のためのものである、請求項9に記載の化粧料組成物。
【請求項11】
前記皮膚鎮静は、紅斑緩和のためのものである、請求項9に記載の化粧料組成物。
【請求項12】
カルニチンとサリチル酸の混合物を製造する段階;
前記混合物を50℃~70℃で撹拌してカルニチンサリシレート(CA-SA)を製造する段階;及び
前記カルニチンサリシレート(CA-SA)を添加して化粧料組成物を製造する段階;を含む、化粧料組成物の製造方法。
【請求項13】
前記カルニチンとサリチル酸の混合物を製造する段階は、精製水を添加する段階を含む、請求項12に記載の化粧料組成物の製造方法。
【請求項14】
前記カルニチンサリシレート(CA-SA)を製造する段階は、均質器を利用して無色又は薄い茶色の透明相となるまで均質化する段階を含む、請求項12に記載の化粧料組成物の製造方法。
【請求項15】
前記化粧料組成物を製造する段階は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を全体組成物100重量部を基準として0.01~20重量部で添加する段階を含む、請求項12に記載の化粧料組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を有效成分として含む化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の老化は、外部環境露出(外因性老化)及び遺伝的原因(内因性老化)により漸進的で且つ持続的な生理変化が進行される過程である。特に、皮膚組職は、人体の多くの組織のうち常に太陽光に露出されているので、皮膚の表皮幹細胞の死滅が誘導されたり、メラノサイトの老化により色素沈着が誘導されたりし、陳皮層でコラーゲン及びエラスチンのような皮膚のシワと関連する陳皮の構成成分のdegradationを誘発する。また、太陽光のような外部刺激は、サイトカインの分泌促進を通じた炎症を誘発して紅斑、痛み、カユミなどの苦痛だけでなく、皮膚の老化を促進する原因ともなる。このような外部刺激による皮膚疾患及び老化を緩和させるための多様な物質を化粧品に活用して来た。例えば、レチノイド、ヒドロキノン、L-アスコルビン酸、α-ヒドロキシ酸(α-hydroxy acid、AHA)などの物質が老化緩和に効能を有することが知られており、D-パンテノール、グリチルリチン酸などの物質は、炎症緩和に効能を有することが知られている。特に、β-ヒドロキシ酸(β-hydroxy acid、BHA)として知られているサリシレートは、老化緩和及び炎症緩和に全て効能を有する物質であって、B.C.1550年のエジプトから活用されて来たことが知られている。特に、アクネ菌(P.Acnes)に対する殺菌効果があって、化粧品成分として脚光を浴びて来た。しかし、サリシレートは、水溶液でpH3.0以下の酸性を示し、皮膚に繰り返し塗布時に刺激を誘発し得る。これによって、Cosmetic Ingredient Review Expert Panelでは、サリシレートをpH3.5以上でサリシレート形態で用いることを勧告しており、化粧品には、3.0%以下で適用することを勧告している。しかし、サリシレートをイオン化した形態で弱酸性で適用する場合、皮膚透過度と効能が低くなるという限界を有することが知られており、皮膚への刺激なしに高い効能を体感するのに困難があった。また、サリシレートは、弱酸性水に対する溶解度が低いため従来技術ではi)塩の形態に変えるか、ii)誘導体化するか、iii)強酸性の水に溶解させた後に弱酸性に中和する方法を考案したが、前記三種類の方法を適用する場合、サリシレートの本来の殺菌効果を十分に発揮できないという問題点がある。
【0003】
カルニチンを含むことでアクネス改善効果を示す皮膚外用剤が開示されており(大韓民国公開特許第10-2010-0095447号)、サリチル酸ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンに包接して水に対する溶解度を改善して高含量で化粧料組成物に配合する方法が知られており(大韓民国登録特許第10-2307186号)、サリチル酸誘導体を含む化粧料組成物がチロシナーゼ活性を抑制して皮膚美白効果を示すことも知られている(大韓民国公開特許第10-2017-0076091号)。
【0004】
しかし、前記従来技術は、工程が複雑であるだけでなく、目的及び効果においても各成分の固有効能をそのまま維持しにくいという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国公開特許第10-2010-0095447号
【特許文献2】大韓民国登録特許第10-2307186号
【特許文献3】大韓民国公開特許第10-2017-0076091号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような背景下で、本発明者らは、カルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分として弱酸性条件でカルニチンとサリシレートのイオンペアリングによる皮膚改善素材としてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に皮膚鎮静素材として炎症及び紅斑を緩和させ得ることを確認し、本発明を完成した。
【0007】
したがって、本発明の目的は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分として含む粧料組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分として含む化粧料組成物を提供する。
【0009】
前記目的を達成するために、カルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分として含む化粧料組成物を皮膚に処理する段階を含む、皮膚改善を通じてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に皮膚鎮静を通じて炎症及び紅斑を緩和する方法を提供する。
【0010】
前記目的を達成するために、カルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分として含む化粧料組成物を対象体に投与する段階を含む、皮膚改善を通じてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に皮膚鎮静を通じて炎症及び紅斑を緩和する方法を提供する。
【0011】
前記目的を達成するために、皮膚改善を通じてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に皮膚鎮静を通じて炎症及び紅斑を緩和する化粧料;を製造するためのカルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分として含む組成物の用途を提供する。
【0012】
以下、本発明の構成を詳細に説明する。
【0013】
本発明は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分として含む化粧料組成物に関する。
【0014】
本発明において、前記カルニチンは、4-トリメチルアミノ-3-ヒドロキシブチル酸であって、L-カルニチン、DL-カルニチン及びそれらの塩酸塩、そしてそれらの誘導体を用いることができる。好ましくは、L-カルニチンを用いる。
【0015】
カルニチンは、弱酸性及び中性条件でα-ヒドロキシ酸(AHA)より高い効能を示す低刺激アミノ酸剥離剤であると報告されたことがある。また、構造上、アンモニウム基を有するので、皮膚透過に有利であって角質層への浸透が容易である。
【0016】
カルニチンを含むアクネ改善効果を示す皮膚外用剤が開示されている(大韓民国公開特許第10-2010-0095447号)。しかし、前記従来技術は、カルニチンをセラミド合成促進物質として追加添加剤で用いるだけで、その配合比が異なり、主要効能を示す成分として構成していない。また、アクネ改善効果に関して、アクネ菌実験及び官能評価実験結果のみが記載されており、皮膚外用剤の細胞毒性、角質剥離、炎症緩和及び紅斑緩和効能に関して標準試験法に基づいた客観的な結果を提示していない。
【0017】
本発明の一具体例では、カルニチンサリシレート(CA-SA)を製造してin vitro及びin vivo効能試験を進行した結果、細胞毒性がほとんどなく皮膚に刺激なしに皮膚改善素材としてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に皮膚鎮静素材として炎症及び紅斑を緩和する効果を極大化し得るようになった。
【0018】
一般的に用いられるサリチル酸は、水に対する溶解度が低いため化粧品に高濃度で適用しにくく、適用剤形に制限があり、皮膚刺激を誘発する恐れがある。したがって、サリシレート形態で用いることを勧告しているが、これも弱酸性で適用する場合、皮膚透過度と効能が低くなるという限界がある。
【0019】
サリチル酸をヒドロキシアルキル化シクロデキストリンで包接して水に対する溶解度を改善して高含量で化粧料組成物に配合する方法が知られており(大韓民国登録特許第10-2307186号)、また、サリチル酸誘導体を含む化粧料組成物がチロシナーゼの活性を抑制して皮膚美白効果を示すことも知られている(大韓民国公開特許第10-2017-0076091号)。しかし、前記従来技術は、サリチル酸を誘導体として含む化粧料組成物を提示している。また、皮膚改善効果に関して、チロシナーゼ抑制結果及び官能評価実験結果のみ記載されており、外用剤の細胞毒性、アクネ緩和、角質剥離、炎症緩和及び紅斑緩和効能に関して標準試験法に基づいた客観的な結果を提示していない。
【0020】
本発明の一具体例では、カルニチンサリシレート(CA-SA)を製造してin vitro及びin vivo効能試験を進行した結果、細胞毒性がほとんどなく皮膚に刺激なしに皮膚改善素材としてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に皮膚鎮静素材として炎症及び紅斑を緩和する効果を極大化し得るようになった。
【0021】
本発明において、サリチル酸を塩の形態で使わずカルニチンとイオンペアリングするカルニチンサリシレート形態(CA-SA)で共融混合物を製造して用いることができる。本発明による化粧料組成物は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を含むことによって、弱酸性条件で製造され得、各成分の本来の効能より一層改善された効果を示すことができる。具体的に、皮膚改善効果が単純混合物に比べて120%以上又は140%以上又は160%以上改善され得る。また、本発明による化粧料組成物は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を含むことによって、組成物の安全性を改善させ得る。また、細胞毒性がほとんどなく皮膚に刺激なしに皮膚改善素材としてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に皮膚鎮静素材として炎症及び紅斑を緩和する効果を極大化し得るようになった。
【0022】
前記共融混合物は、二つの以上の固体あるいは液体物質の混合物を意味し、高い融点を有する二つの成分が混合されて極性分子間の双極子-双極子引力、双極子-誘発双極子引力、分子間水素結合又はファンデルワールス相互作用により二つの成分が複合体を形成したものを意味する。すなわち、共融混合物の結合とは、水素結合及び分子の部分電荷による双極子間結合を土台として個別固有の分子構造が維持される状態で行われる分子間の結合(共融混合物の形成)を意味する。
【0023】
また、前記共融混合物は、極性を有する化合物同士結合されて共融混合物を成すことができる。前記極性を有する化合物は、強酸分子(polar molecule)又は荷電分子(charged molecule)であってもよい。また、前記極性を有する化合物の間には、極性(polarity)間の差が存在しなければならず、同一の化合物は共融混合物を成すことができない。
【0024】
前記共融混合物は、共融混合物を成す成分の分子が有する電荷、分子が有する作用基の種類及び個数、及び分子又は作用基が有する極性によってその共融混合物に必要な物質間の割合が決定され得る。また、分子のサイズや類似性によってその共融混合物に必要な物質間の割合が決定され得る。
【0025】
本発明において、カルニチンサリシレート(CA-SA)は、カルニチン及びサリシレート分子が有する電荷及び作用基、及び分子又は作用基が有する極性によってその共融混合物に必要な物質間の割合を決定した。前記カルニチンサリシレート(CA-SA)は、カルニチン:サリシレート=1~6:2、例えば、6:2、5:2、4:2、3:2、2:2、1:2、5.5:2、4.5:2、3.5:2、2.5:2又は1.5:2のモル比で混合され得る。当該モル比の範囲内でカルニチンサリシレート(CA-SA)が安定することを実験例1-1から確認した。
【0026】
カルニチンとサリシレートは、特定作用基の部分電荷による双極子間結合により共融混合物を形成することができ、これらの化学構造を通じて前記範囲のモル比で共融混合物を形成することができる。
【0027】
前記モル比を脱する場合、カルニチンは低温安全性が低下し、サリシレートは、カルニチンとイオンペアリングできずに残ったサリシレート分子が水に対する溶解度を超過して低温で析出され得る。
【0028】
本発明で、前記カルニチンサリシレート(CA-SA)は、好ましく低温で静置したとき、沈殿物がない透明相であってもよい。より具体的に、0℃で3週、4週、5週又は6週以上静置しても沈殿物が生成されないものであってもよい。
【0029】
本発明で、化粧料組成物は、一般的な乳化剤形及び可溶化剤形の形態であってもよい。例えば、乳化剤形化粧水又は栄養化粧水などのような化粧水、フェイシャルローション、ボディローションなどのような乳液、栄養クリーム、水分クリーム、アイクリームなどのようなクリーム、エッセンス、化粧軟膏、バーム(balm)、スプレー、ゲル、パック、サンスクリーン、メイクアップベース、液体タイプ、固体タイプ又はスプレータイプなどのファンデーション、パウダー、クレンジングクリーム、クレンジングローション、クレンジングオイルのようなメイクアップ除去剤、クレンジングフォーム、石鹸、ボディウォッシュなどのような洗浄剤などの剤形を有することができる。
【0030】
また、前記化粧品は、本発明の組成物に追加で脂肪物質、有機溶媒、溶解制、濃縮剤及びゲル化剤、軟化剤、抗酸化剤、懸濁化剤、安定化剤、発泡剤(foaming agent)、芳香剤、界面活性剤、水、イオン型又は非イオン型乳化剤、充填剤、金属イオン封鎖剤及びキレート化剤、保存剤、ビタミン、遮断剤、湿潤化剤、必須オイル、染料、顔料、親水性又は親油性活性剤、脂質小胞又は化粧品に通常的に用いられる任意の他の成分のような化粧品学分野で通常的に用いられる補助剤を含有することができる。
【0031】
前記化粧料の剤形は、有効成分が短期間内に皮膚にとどまるようになるメイクアップ除去剤、洗浄剤などのようなウォッシュ-オフ(wash-off)タイプの化粧品の場合には、比較的高い濃度の前記本発明の組成物を含むことができる。一方、有効成分が長期間の間皮膚にとどまるようになる化粧水、乳液、クリーム、エッセンスなどのリーブ-オン(leave-on)タイプの化粧品の場合には、ウォッシュ-オフタイプの化粧品に比べて低い濃度の前記本発明の組成物を含んでも構わない。これに制限されるものではないが、本発明の一具体例で、前記本発明の組成物を全体組成物の重量に対してカルニチンサリシレート(CA-SA)を0.01~20重量部、例えば、0.01~20重量部、0.01~1.2重量部、0.01~1.8重量部、0.01~2.5重量部、0.01~4.7重量部、0.1~7.3重量部、0.01~10重量部、1.2~20重量部又は1.8~10重量部で含むことができる。
【0032】
本発明によるカルニチンサリシレート(CA-SA)が全体組成物を0.01重量部未満で含む場合には、十分なアクネ緩和、角質剥離促進、炎症緩和及び紅斑緩和効果を期待することができず、20重量部を超過して含む場合には、アレルギーなど所望しない反応が発生するか皮膚安全性に問題があり得るので、これを防止するためである。
【0033】
本発明による化粧料組成物に含まれる上述した成分それぞれは、各国家別化粧品安全規範で規定している最大使用量を超過しない範囲内で本発明の化粧料組成物に含まれ得る。
【0034】
また、本発明は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を含む化粧料組成物を製造する方法を提供する。
【0035】
以下、本発明の製造方法の構成を詳細に説明する。
【0036】
本発明の製造方法において、カルニチンとサリチル酸の混合物を製造する段階;前記カルニチンとサリチル酸の混合物を50℃~70℃で撹拌してカルニチンサリシレート(CA-SA)を製造する段階;及び前記カルニチンサリシレート(CA-SA)を添加して化粧料組成物を製造する段階;を含むことができる。
【0037】
前記カルニチンとサリチル酸の混合物を製造する段階は、精製水を添加する段階を含むことができる。
【0038】
前記カルニチンサリシレート(CA-SA)を製造する段階は、50℃未満であると、共融混合が十分に行われず、70℃を超過すると、共融混合が壊れて共融混合物の示す効果が減少することになる。
【0039】
前記カルニチンサリシレート(CA-SA)を製造する段階は、均質器を利用して混合物を均質する段階を含むことができる。このとき、共融混合物が無色又は薄い茶色の透明相となるまで均質化する過程を含むことができる。その後、追加的な精製は省略し得る。
【0040】
本発明によると、前記のような均質化条件で共融混合物を成す成分が均一に混合されて前記のような共融混合物の皮膚改善効果、皮膚に対する低刺激性及び優れた剤形安全性を具現することができる。
【0041】
カルニチンサリシレート(CA-SA)が完全に溶解されると、冷却工程を経ても液体状態と透明度を維持することになる。前記のように製造された共融混合物は、非常に低い温度、例えば、0℃未満の温度でも相が分離せず均一に存在して透明な液体相を維持することができる。また、前記共融混合物は、凝固と融解過程を繰り返してもその結合が壊れず維持され得る。
【0042】
前記カルニチンサリシレート(CA-SA)を製造する段階は、pH3.0~7.0で行われる。前記酸度範囲内で十分に溶解され、効能も維持し得る。
【0043】
前記カルニチンサリシレート(CA-SA)を製造する段階は、カルニチン:サリシレート=1~6:2、例えば、6:2、5:2、4:2、3:2、2:2、1:2、5.5:2、4.5:2,3.5:2、2.5:2又は1.5:2のモル比で共融混合されたものを用いることができる。
【0044】
前記化粧料組成物を製造する段階は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を全体組成物100重量部を基準としてカルニチンサリシレート(CA-SA)を0.01~20重量部、例えば、0.01~20重量部、0.01~1.2重量部、0.01~1.8重量部、0.01~2.5重量部、0.01~4.7重量部、0.1~7.3重量部、0.01~10重量部、1.2~20重量部又は1.8~10重量部で添加することができる。
【0045】
本発明によるカルニチンサリシレート(CA-SA)の製造は、前記カルニチン及びサリシレートの形態によって制限されない。
【発明の効果】
【0046】
本発明による化粧料組成物は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分として含むことによって、弱酸性条件でカルニチンとサリシレートのイオンペアリングによる皮膚改善素材としてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に、皮膚鎮静素材として炎症及び紅斑を緩和させ得、また、皮膚安全性も向上させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1図1は、本発明によるカルニチンサリシレート(CA-SA)の巨視的及び化学的分析結果である。図1の(a)は、カルニチンサリシレート(CA-SA)のモル比による巨視的安全性を確認した結果であり、図1の(b)は、カルニチンの1H NMRスペクトラム、図1の(c)は、サリシレートの1H NMRスペクトラム、図1の(d)は、カルニチンサリシレート(CA-SA)の1H NMRスペクトラムであり、図1の(e)は、カルニチン、サリシレート及びカルニチンサリシレート(CA-SA)のIRスペクトラムである。
図2図2は、in vitroカルニチン、サリシレート及びカルニチンサリシレート(CA-SA)の細胞毒性を確認した結果である。
図3図3は、本発明によるカルニチンサリシレート(CA-SA)のin vivo効能を確認した結果である。図3の(a)は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を含む化粧料組成物の角質剥離効能を確認した結果であり、図3の(b)は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を含む化粧料組成物の紅斑緩和効能を確認した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分として含む化粧料組成物に関する。
【0049】
本発明において、前記カルニチンは、4-トリメチルアミノ-3-ヒドロキシブチル酸であって、L-カルニチン、DL-カルニチン及びそれらの塩酸塩、そしてそれらの誘導体を用いることができる。好ましくは、L-カルニチンを用いる。
【0050】
カルニチンは、弱酸性及び中性条件でα-ヒドロキシ酸(AHA)より高い効能を示す低刺激アミノ酸剥離剤であると報告されたことがある。また、構造上、アンモニウム基を有するので、皮膚透過に有利であって角質層への浸透が容易である。
【0051】
カルニチンを含むアクネ改善効果を示す皮膚外用剤が開示されている(大韓民国公開特許第10-2010-0095447号)。しかし、前記従来技術は、カルニチンをセラミド合成促進物質として追加添加剤で用いるだけで、その配合比が異なり、主要効能を示す成分として構成していない。また、アクネ改善効果に関して、アクネ菌実験及び官能評価実験結果のみが記載されており、皮膚外用剤の細胞毒性、角質剥離、炎症緩和及び紅斑緩和効能に関して標準試験法に基づいた客観的な結果を提示していない。
【0052】
本発明の一具体例では、カルニチンサリシレート(CA-SA)を製造してin vitro及びin vivo効能試験を進行した結果、細胞毒性がほとんどなく皮膚に刺激なしに皮膚改善素材としてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に皮膚鎮静素材として炎症及び紅斑を緩和する効果を極大化し得るようになった。
【0053】
一般的に用いられるサリチル酸は、水に対する溶解度が低いため化粧品に高濃度で適用しにくく、適用剤形に制限があり、皮膚刺激を誘発する恐れがある。したがって、サリシレート形態で用いることを勧告しているが、これも弱酸性で適用する場合、皮膚透過度と効能が低くなるという限界がある。
【0054】
サリチル酸をヒドロキシアルキル化シクロデキストリンで包接して水に対する溶解度を改善して高含量で化粧料組成物に配合する方法が知られており(大韓民国登録特許第10-2307186号)、また、サリチル酸誘導体を含む化粧料組成物がチロシナーゼの活性を抑制して皮膚美白効果を示すことも知られている(大韓民国公開特許第10-2017-0076091号)。しかし、前記従来技術は、サリチル酸を誘導体として含む化粧料組成物を提示している。また、皮膚改善効果に関して、チロシナーゼ抑制結果及び官能評価実験結果のみ記載されており、外用剤の細胞毒性、アクネ緩和、角質剥離、炎症緩和及び紅斑緩和効能に関して標準試験法に基づいた客観的な結果を提示していない。
【0055】
本発明の一具体例では、カルニチンサリシレート(CA-SA)を製造してin vitro及びin vivo効能試験を進行した結果、細胞毒性がほとんどなく皮膚に刺激なしに皮膚改善素材としてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に皮膚鎮静素材として炎症及び紅斑を緩和する効果を極大化し得るようになった。
【0056】
本発明において、サリチル酸を塩の形態で使わずカルニチンとイオンペアリングするカルニチンサリシレート形態(CA-SA)で共融混合物を製造して用いることができる。本発明による化粧料組成物は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を含むことによって、弱酸性条件で製造され得、各成分の本来の効能より一層改善された効果を示すことができる。具体的に、皮膚改善効果が単純混合物に比べて120%以上又は140%以上又は160%以上改善され得る。また、本発明による化粧料組成物は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を含むことによって、組成物の安全性を改善させ得る。また、細胞毒性がほとんどなく皮膚に刺激なしに皮膚改善素材としてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に皮膚鎮静素材として炎症及び紅斑を緩和する効果を極大化し得るようになった。
【0057】
前記共融混合物は、二つの以上の固体あるいは液体物質の混合物を意味し、高い融点を有する二つの成分が混合されて極性分子間の双極子-双極子引力、双極子-誘発双極子引力、分子間水素結合又はファンデルワールス相互作用により二つの成分が複合体を形成したことを意味する。すなわち、共融混合物の結合とは、水素結合及び分子の部分電荷による双極子間結合を土台として個別固有の分子構造が維持される状態で行われる分子間の結合(共融混合物の形成)を意味する。
【0058】
また、前記共融混合物は、極性を有する化合物同士結合されて共融混合物を成すことができる。前記極性を有する化合物は、強酸分子(polar molecule)又は荷電分子(charged molecule)であってもよい。また、前記極性を有する化合物の間には、極性(polarity)間の差が存在しなければならず、同一の化合物は共融混合物を成すことができない。
【0059】
前記共融混合物は、共融混合物を成す成分の分子が有する電荷、分子が有する作用基の種類及び個数、及び分子又は作用基が有する極性によってその共融混合物に必要な物質間の割合が決定され得る。また、分子のサイズや類似性によってその共融混合物に必要な物質間の割合が決定され得る。
【0060】
本発明において、カルニチンサリシレート(CA-SA)は、カルニチン及びサリシレート分子が有する電荷及び作用基、及び分子又は作用基が有する極性によってその共融混合物に必要な物質間の割合を決定した。前記カルニチンサリシレート(CA-SA)は、カルニチン:サリシレート=1~6:2、例えば、6:2、5:2、4:2、3:2、2:2、1:2、5.5:2、4.5:2、3.5:2、2.5:2又は1.5:2のモル比で混合され得る。該当モル比の範囲内でカルニチンサリシレート(CA-SA)が安定することを実験例1-1から確認した。
【0061】
カルニチンとサリシレートは、特定作用基の部分電荷による双極子間結合により共融混合物を形成することができ、これらの化学構造を通じて前記範囲のモル比で共融混合物を形成することができる。
【0062】
前記モル比を脱する場合、カルニチンは低温安全性が低下し、サリシレートは、カルニチンとイオンペアリングできずに残ったサリシレート分子が水に対する溶解度を超過して低温で析出され得る。
【0063】
本発明で、前記カルニチンサリシレート(CA-SA)は、好ましく低温で静置したとき、沈殿物がない透明相であってもよい。より具体的に、0℃で3週、4週、5週又は6週以上静置しても沈殿物が生成されないものであってもよい。
【0064】
本発明で、化粧料組成物は、一般的な乳化剤形及び可溶化剤形の形態であってもよい。例えば、乳化剤形化粧水又は栄養化粧水などのような化粧水、フェイシャルローション、ボディローションなどのような乳液、栄養クリーム、水分クリーム、アイクリームなどのようなクリーム、エッセンス、化粧軟膏、バーム(balm)、スプレー、ゲル、パック、サンスクリーン、メイクアップベース、液体タイプ、固体タイプ又はスプレータイプなどのファンデーション、パウダー、クレンジングクリーム、クレンジングローション、クレンジングオイルのようなメイクアップ除去剤、クレンジングフォーム、石鹸、ボディウォッシュなどのような洗浄剤などの剤形を有することができる。
【0065】
また、前記化粧品は、本発明の組成物に追加で脂肪物質、有機溶媒、溶解制、濃縮剤及びゲル化剤、軟化剤、抗酸化剤、懸濁化剤、安定化剤、発泡剤(foaming agent)、芳香剤、界面活性剤、水、イオン型又は非イオン型乳化剤、充填剤、金属イオン封鎖剤及びキレート化剤、保存剤、ビタミン、遮断剤、湿潤化剤、必須オイル、染料、顔料、親水性又は親油性活性剤、脂質小胞又は化粧品に通常的に用いられる任意の他の成分のような化粧品学分野で通常的に用いられる補助剤を含有することができる。
【0066】
前記化粧料の剤形は、有効成分が短期間内に皮膚にとどまるようになるメイクアップ除去剤、洗浄剤などのようなウォッシュ-オフ(wash-off)タイプの化粧品の場合には、比較的高い濃度の前記本発明の組成物を含むことができる。一方、有効成分が長期間の間皮膚にとどまるようになる化粧水、乳液、クリーム、エッセンスなどのリーブ-オン(leave-on)タイプの化粧品の場合には、ウォッシュ-オフタイプの化粧品に比べて低い濃度の前記本発明の組成物を含んでも構わない。これに制限されるものではないが、本発明の一具体例で、前記本発明の組成物を全体組成物の重量に対してカルニチンサリシレート(CA-SA)を0.01~20重量部、例えば、0.01~20重量部、0.01~1.2重量部、0.01~1.8重量部、0.01~2.5重量部、0.01~4.7重量部、0.1~7.3重量部、0.01~10重量部、1.2~20重量部又は1.8~10重量部で含むことができる。
【0067】
本発明によるカルニチンサリシレート(CA-SA)が全体組成物を0.01重量部未満で含む場合には、十分なアクネ緩和、角質剥離促進、炎症緩和及び紅斑緩和効果を期待することができず、20重量部を超過して含む場合には、アレルギーなど所望しない反応が発生するか皮膚安全性に問題があり得るので、これを防止するためである。
【0068】
本発明による化粧料組成物に含まれる上述した成分それぞれは、各国家別化粧品安全規範で規定している最大使用量を超過しない範囲内で本発明の化粧料組成物に含まれ得る。
【0069】
また、本発明は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を含む化粧料組成物を製造する方法を提供する。
【0070】
他の様態として、カルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分として含む化粧料組成物を皮膚に処理する段階を含む、皮膚改善を通じてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に皮膚鎮静を通じて炎症及び紅斑を緩和する方法を提供する。
【0071】
他の様態として、カルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分として含む化粧料組成物を対象体に投与する段階を含む、皮膚改善を通じてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に皮膚鎮静を通じて炎症及び紅斑を緩和する方法を提供する。
【0072】
他の様態として、皮膚改善を通じてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に皮膚鎮静を通じて炎症及び紅斑を緩和する化粧料;を製造するためのカルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分として含む組成物の用途を提供する。
【0073】
以下、本発明の製造方法の構成を詳細に説明する。
【0074】
本発明の製造方法において、カルニチンとサリチル酸の混合物を製造する段階;前記カルニチンとサリチル酸の混合物を50℃~70℃で撹拌してカルニチンサリシレート(CA-SA)を製造する段階;及び前記カルニチンサリシレート(CA-SA)を添加して化粧料組成物を製造する段階;を含むことができる。
【0075】
前記カルニチンとサリチル酸の混合物を製造する段階は、精製水を添加する段階を含むことができる。
【0076】
前記カルニチンサリシレート(CA-SA)を製造する段階は、50℃未満であると、共融混合が十分に行われず、70℃を超過すると、共融混合が壊れて共融混合物が示す効果が減少することになる。
【0077】
前記カルニチンサリシレート(CA-SA)を製造する段階は、均質器を利用して混合物を均質する段階を含むことができる。このとき、共融混合物が無色又は薄い茶色の透明相となるまで均質化する過程を含むことができる。その後、追加的な精製は省略し得る。
【0078】
本発明によると、前記のような均質化条件で共融混合物を成す成分が均一に混合されて前記のような共融混合物の皮膚改善効果、皮膚に対する低刺激性及び優れた剤形安全性を具現することができる。
【0079】
カルニチンサリシレート(CA-SA)が完全に溶解されると、冷却工程を経ても液体状態と透明度を維持することになる。前記のように製造された共融混合物は、非常に低い温度、例えば、0℃未満の温度でも相が分離せず均一に存在して透明な液体相を維持することができる。また、前記共融混合物は、凝固と融解過程を繰り返してもその結合が壊れず維持され得る。
【0080】
前記カルニチンサリシレート(CA-SA)を製造する段階は、pH3.0~7.0で行われる。前記酸度範囲内で十分に溶解され、効能も維持し得る。
【0081】
前記カルニチンサリシレート(CA-SA)を製造する段階は、カルニチン:サリシレート=1~6:2、例えば、6:2、5:2、4:2、3:2、2:2、1:2、5.5:2、4.5:2,3.5:2、2.5:2又は1.5:2のモル比で共融混合されたものを用いることができる。
【0082】
前記化粧料組成物を製造する段階は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を全体組成物100重量部を基準としてカルニチンサリシレート(CA-SA)を0.01~20重量部、例えば、0.01~20重量部、0.01~1.2重量部、0.01~1.8重量部、0.01~2.5重量部、0.01~4.7重量部、0.1~7.3重量部、0.01~10重量部、1.2~20重量部又は1.8~10重量部で添加することができる。
【0083】
本発明によるカルニチンサリシレート(CA-SA)の製造は、前記カルニチン及びサリシレートの形態によって制限されない。
【実施例
【0084】
以下、本発明を実施例を通じて詳しく説明する。下記実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範囲が下記実施例によって限定されるものではない。本実施例は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有した者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0085】
製造例1.カルニチンサリシレート(CA-SA)の製造
【0086】
カルニチン:サリシレート=1~6:2のモル比で混合して精製水を少量投入して50~70℃で均質して透明となるまで撹拌した。このとき、各製造は、サリシレートを基準として最終含量0.5%及びpH5.5の弱酸性を示す溶液に製造した。その後、追加的な精製は施行しなかった。安定的にイオンペアリングが形成された共融混合物溶液は沈殿物がなかった。
【0087】
実験例1:カルニチンサリシレート(CA-SA)の分析
【0088】
<実験例1-1>カルニチンサリシレート(CA-SA)の溶解度及び安全性の評価
【0089】
カルニチンサリシレート(CA-SA)の安全性を確認するために、前記製造例で準備したカルニチンサリシレート(CA-SA)を4週間25℃、0℃で静置し、性状の巨視的変化を観察して安全性を評価した。4週が経過した後、相(hase)の分離有無及び析出有無を肉眼で観察し、その結果を下記表1及び図1の(a)に示した。
【0090】
【表1】
【0091】
CA:カルニチン
【0092】
SA:サリシレート
【0093】
表1及び図1の(a)に示したように、実施例1~4の結果を通じてカルニチン:サリシレート=1~6:2のモル比を有するとき、カルニチンサリシレート(CA-SA)が安定することを確認した。比較例1のカルニチン:サリシレート=1:3の割合では、サリシレートが水に対する溶解度以上に残っているので、低温で析出されたものと判断される。
【0094】
前記結果を通じて、カルニチンサリシレート(CA-SA)は、常温及び低温で安定的であるので、化粧料組成物に適用可能であると判断される。
【0095】
<実験例1-1>1H-NMR分析
【0096】
カルニチン、サリシレート及びカルニチンサリシレート(CA-SA)の構造を比較分析するために、1H-NMRスペクトラムを35℃でAvanceIII-500(NMR spectrometer、Bruker Instruments、USA)を利用して500MHzの条件で測定した。1H-NMRの測定のために、試料製造は、DOを利用して製造した。測定は、90°pulse width、12.2μs;relaxation delay、4s;scan、100times条件で進行した。テトラメチルシランを標準物質に用いた。このとき、カルニチンサリシレート(CA-SA)は、実験例1-1の実施例2を用いて構造分析を行った。その結果を図1の(b)、図1の(c)及び図1の(d)に示した。
【0097】
図1の(b)、図1の(c)及び図1の(d)に示したように、カルニチンサリシレート(CA-SA)構成する個別成分とカルニチンサリシレート(CA-SA)の1H-NMRスペクトラム結果を示した。カルニチンサリシレート(CA-SA)の形成前後でカルニチンのスピン-スピン分裂(splitting)されているdのピークでカルニチンサリシレート(CA-SA)の形成以後に分裂したピーク数の減少を確認することができた。これと対応する変化をサリシレートでも確認できるが、a、b、cすべてのピークが上向き移動したことを確認することができた。特に、上向き移動した値は、aで最も大きく現われたが、これを通じてサリシレートでカルニチンサリシレート(CA-SA)の結合に参加する作用基は、カルボキシル基であることを類推することができた。カルニチンのd水素周辺の水素の個数変化とサリシレートカルボキシル基の分子間結合が起きることを通じてカルニチンとサリシレートが陽性子を共有する形態の水素結合を成していることを類推することができた。
【0098】
前記結果を通じて、カルニチンとサリシレートが実際にイオンペアリングしていることを確認した。
【0099】
<実験例1-3>FT-IR分析
【0100】
カルニチン、サリシレート及びカルニチンサリシレート(CA-SA)の作用基間の結合部位は、FT-IRスペクトラム分析を通じて分析した。FT-IRスペクトラムは、Vertex70、Hyperion 2000(FTIR spectrophotometer、Bruker Instruments)モデルを利用して3600 to 500cm範囲で2cm間隔でスペクトラムを測定した。その後、Opus 5.5 software(Bruker Instruments)を利用してスペクトラムを逆畳み込み(deconvolution)して分析した。このとき、カルニチンサリシレート(CA-SA)は、実験例1-1の実施例2を用いて構造分析を行った。その結果を図1の(e)に示した。
【0101】
図1の(e)に示したように、まず、L-カルニチンのIRスペクトラムは、-COOHと-OHグループによる振動でIR peakの強化が観察される。この主要ピークの位置は、1396-1385(COOH)、1245(CC)、1137-1195(CCO、COH)、913(C-COOH)及び625-634(COH)cm-1の位置であり、また、アンモニウムグループによるバンドも特徴的に現われる。このグループ(C-N(CH)の示すpeakは、970、944及び772cm-1で三つのバンドで特徴的に現われる。サリシレートの場合、それぞれOH及びCHによる3233cm-1及び999-2831cm-1で特徴的な振動peak、C=O(COO-)のpeakが1652-1670cm-1及び1386cm-1で観察された。また、1558-1610cm-1では、C=C(phenol group)によるpeakが観察され、1324 OH(phenol group)cm-1、1296(COO-(C-O))cm-1及び1156-1248 C-OH(phenol group)cm-1で特徴的なpeakが観察される。カルニチンサリシレート(CA-SA)の形成以後、これらのピークの変化を確認すると、カルニチンの1137-1195(CCO、COH)及び625-634(COH)cm-1ピークとサリシレートの1652-1670 C=O(COO-)cm-1位置で分子間結合によるスペクトラム形態の変化を観察することができる。これを通じて、1H-NMR分析結果と同様にカルニチンサリシレート(CA-SA)は、カルニチンとサリシレートのOHとCOO-グループが陽性子を共有する形態の水素結合を成していると判断された。
【0102】
前記結果を通じて、カルニチンとサリシレートが実際にイオンペアリングしていることを確認した。
【0103】
実験例2:カルニチンサリシレート(CA-SA)のin vitro角質剥離、細胞毒性及び抗炎効能の評価
【0104】
<実験例2-1>カルニチンサリシレート(CA-SA)のin vitro角質剥離効能の確認
【0105】
カルニチン(CA)、サリシレート(SA)、カルニチンとサリシレートとの単純混合物(SA+CA、MIX)及びカルニチンサリシレート(SA-CA)の角質剥離効能を比較確認するために、皮膚に刺激を誘発しない弱酸性条件であるpH5.5で相対的角質調節効能をブタの背の皮膚(Apures、Rep.Of Korea)を利用してin vitroで評価した。ブタの背の皮膚表面をphosphate buffer silane(PBS)で洗浄した後、一定サイズで切って準備した。その後、ブタ皮膚の角質層を露出させて96-ウェルプレートに位置した後、100μlの各試料を塗布し、96-ウェルプレートを恒温恒湿チャンバに16h静置する。その後、96-ウェルプレートで各試料の上層液をtrypan blue溶液とよく混合して離脱した角質細胞の数を測定する。本研究で用いた相対的角質調節効能評価方法の適合性を検証するために、下のような方法を利用した。pH4.0と6.0のDL-gluconolactoneは、陽性対照群として用いられた。前記説明した方法によってブタ皮膚に試料を処理した後、脱落した角質の数を数えてpH4.0のPHA(DL-gluconolactone)で脱落した角質の数を100%として相対的な角質剥離効能を評価した。すべての評価は、n=5で評価して反復的な結果を通じて信頼性を確保した。離脱した角質細胞の数の平均及び標準偏差を利用して角質剥離効能を比較評価し、その結果を表2に示した。
【0106】
【表2】
【0107】
表2に示したように、pH4.0のグルコノラクトン10.0%の效能を100%にして相対的に比較したとき、カルニチンサリシレート(CA-SA)は、91.8%の角質剥離効能を示した。一方、同じ量のサリシレートは、19.2%、カルニチンは、55.2%及びカルニチンとサルチレートの単純混合物(ca+SA、MIX)は、56.5%の角質剥離効能を示した。前記結果を通じて、カルニチンサリシレート(CA-SA)は、刺激が少ない弱酸性でも著しい角質剥離効能を有することが分かった。
【0108】
<実験例2-2>カルニチンサリシレート(CA-SA)のin vitro細胞毒性の確認
【0109】
カルニチンサリシレート(CA-SA)の細胞毒性を3-(4,5-dimethythiazol-2-yl)2,5-diphenyl tetrazolium bromide(MTT)assay法を通じて評価した。10% FBSが添加されたDMEM培地を利用してRaw264.7細胞株及びヒトの皮膚組織から得た線維芽細胞(fibroblast)を24-well plateに1~2 x 10cells/mlの濃度でseedingし、5% CO培養器で24時間培養した。培地を除去してFBSを添加しなかった培地に各試料を添加して24時間培養した後、培地を除去してMTT溶液を1μg/mlの濃度で加えて37℃で3時間反応させた。未反応のMTT溶液を除去してDMSO100μlを加えて形成された反応物を溶解させた後、540nmで吸光度を測定して細胞毒性を確認した。
【0110】
サリシレート、カルニチン及びカルニチンサリシレート(CA-SA)の細胞毒性をマウスの大食細胞であるRaw264.7とヒトの線維芽細胞(huamn fibroblast)に物質を処理して細胞毒性を評価した。Raw264.7は、抗炎効能評価としてNO抑制効能の測定に活用される代表的な細胞であり、これに対する細胞毒性を評価し、線維芽細胞は、化粧品に素材を適用して皮膚に繰り返し塗布したときに誘発され得る毒性を確認するために、これに対する細胞毒性を評価した。このとき、カルニチンサリシレート(CA-SA)は、実験例1-1の実施例2を利用し、カルニチンサリシレート(CA-SA)含量ではない共融混合物内のサリチル酸含量を基準として評価を進行した。その結果を図2に示した。
【0111】
図2に示したように、サリシレートをRaw264.7に処理したとき、50ppm処理された細胞で96.16%、100ppm処理された細胞で細胞活性が79.74%を示し、線維芽細胞の場合、50ppm処理された細胞で94.83%、100ppm処理された細胞で85.36%の細胞活性を確認した。これは、サリシレートを細胞レベルで50ppm以上処理する場合、細胞毒性を誘発し得る結果である。しかし、カルニチンとカルニチンサリシレート(CA-SA)の場合、100ppmまで処理された全体濃度区間から95%以上の細胞活性を示し、細胞毒性を示さなかった。
【0112】
前記結果を通じて、カルニチンとサリシレートがイオンペアリングすることによって、本来各成分が有する細胞毒性が現われなかったので、細胞活性に及ぼす影響が少なく人体に安全に用いることができると判断される。
【0113】
<実験例2-3>カルニチンサリシレート(CA-SA)のin vitro抗炎効能の確認
【0114】
カルニチンサリシレート(CA-SA)の抗炎効果の確認試験を行った。前記実験例2-2の結果を土台として、すべての素材が細胞毒性を示さない10ppmでサリシレート、カルニチン及びカルニチンサリシレート(CA-SA)のNO抑制効能による抗炎効果を評価した。炎症誘発物質であるLPS(lipopolysaccharide)を500ng/ml処理し、陽性対照群としてnitric oxide synthase(NOS)抑制剤であるNG-monomethyl-L-arginine acetate(L-NMMA)100mΜを処理してNO抑制率を確認した。
【0115】
外部刺激による炎症緩和効能をin vitroで評価するために、マウスの大食細胞に対するcell lineであるRaw264.7(ATCC number:CRL-2788)を利用してLipopolysaccharides(LPS、Sigma aldrich、USA)処理した後、NO生成抑制を評価するGRIESS方法で実験を実施した。成長培地で(10% FBSが添加されたDMEM、Welgene、USA)前培養したRaw264.7細胞を24-well tissue culture plateに1~2 x 10cells/mlの濃度で加えて5% CO培養器で一日間培養した。培地を除去して無血清培地で12時間starvationさせた後、試験物質を0.1~100ppmで30分間前処理後、LPSを500ng/mlの濃度で加えて18時間培養した。培養後、上層液を取って96-well plateに移し、GRIESS reagentを加えて常温で15分間反応し、ELISA readerを利用して540nmでの吸光度を測定した。カルニチンサリシレート(CA-SA)は、実験例1-1の実施例2を利用した。その結果を表3に示した。
【0116】
【表3】
【0117】
表3に示したように、サリシレートは、16.4%、カルニチンは、0.0%、カルニチンとサリシレートの単純混合物(SA+CA)は、20.4%、及びカルニチンサリシレート(CA-SA)60.0%のNO抑制効能を示した。前記結果を通じて、本発明によるカルニチンサリシレート(CA-SA)がイオンペアリングを通じて各成分が本来示す抗炎効能よりさらに優れた抗炎効能を示した。これは、各成分の固有の角質剥離効能により誘発され得る刺激に対する皮膚鎮静効能まで示し得る進歩した素材であることを確認することができる。
【0118】
<実験例2-4>カルニチンサリシレート(CA-SA)のin vitroアクネ菌の殺菌効能の確認
【0119】
カルニチンサリシレート(CA-SA)のアクネ菌の殺菌効能は、time-killing assayを通じて確認した。まず、試料に10CFU/MLにとなるように菌を接種した。接種後、20分、1時間、3時間、6時間が経過すると、各時間別に1mlずつサンプリングしてD/E溶液に希釈した後に防腐能を除去した。各試料を適切な希釈倍数で希釈してmLNA培地に塗抹した。各試料を30℃培養器で48時間以上培養した後、プレート内の菌数を確認した。試料は、下記表4のように準備し、その結果を下記表5に示した。
【0120】
【表4】
【0121】
SA:サリシレート、CA:カルニチン、CA-SA:カルニチンサリシレート
【0122】
【表5】
【0123】
前記結果のように、弱酸性条件で各単一成分である比較例2及び比較例3のアクネ菌の殺菌率と比較したとき、実施例5がとび抜けて高く、弱酸性であるにもかかわらずpHが最も低い比較例4と類似したレベルであることを確認した。したがって、本発明によるカルニチンサリシレート(CA-SA)は、弱酸性でもアクネ菌を十分に除去して刺激なしにアクネ性皮膚を改善し得ると判断される。
【0124】
実験例3:カルニチンサリシレート(CA-SA)のin vivo角質剥離、紅斑抑制効能の評価
【0125】
<実験例3-1>カルニチンサリシレート(CA-SA)のin vivo角質剥離効能の確認
【0126】
カルニチンサリシレート(CA-SA)の角質剥離効能を評価するために、臨床実験のために志願した任意の6人(年齢:25歳~35歳)を対象として実施した。被験者の前腕に5.0% DHAを貼布して24時間維持させて角質を染色した。染色された部位を色差計(CR-400、Konica Minolta、Japan)を利用して評価し、染色レベルが同じ部位4ヶ所を選定した。カルニチンサリシレート(CA-SA)溶液(実施例6)及び試料を含まないベース(比較5)を毎日2回ずつ同じ部位に朝夕で14日間塗布する。1ヶ所は無塗布として比較する。全ての部位は同じ条件で維持し、評価期間中に物理的、化学的な別途の角質剥離は施行しなかった。7日及び14日後に色差計で染色された部位の明るさ変化を通じて角質剥離効能を評価した。角質剥離効能は、次のように評価した。
【0127】
【数1】
【0128】
統計的有意性は、Paired t-testを利用して分析した。評価のためのベースは、角質剥離に影響を与え得る素材、炎症誘発及び緩和に影響を与えないように製造し、その結果を図3の(a)に示した。
【0129】
【表6】
【0130】
図3の(a)に示したように、無塗布とベース剤形適用グループ(比較例5)の場合、7日目と14日目にそれぞれ4.65%、10.41%と43.00%、47.30%の改善率を示し、カルニチンサリシレート(SA-CA)適用グループ(実施例6)の場合、49.16%と65.49%の改善率を示し、カルニチンサリシレート(SA-CA)適用時にベース適用グループに比べて14日目に38.46%の角質剥離効果の改善を確認することができた。
【0131】
前記結果を通じて、本発明によるカルニチンサリシレート(SA-CA)を化粧料組成物に含むことによって、人体に適用したとき角質剥離効能を示すことができると判断される。
【0132】
<実験例3-2>カルニチンサリシレート(SA-CA)のin vivo紅斑抑制効能の確認
【0133】
実験例3-1の実施例6を用いて紅斑抑制効能の確認試験を行った。紅斑抑制効能を評価するために、志願した任意の9人(年齢:25歳~35歳)を対象として紅斑誘導前、紅斑誘導後、製品使用5日後、12日後の紅斑効能(erythema index)を評価した。前腕部に1% SDS希釈液を24時間貼布して皮膚障壁の損傷及び紅斑誘発後、指定された部位にカルニチンサリシレート(SA-CA)水溶液(サリシレート基準0.5%、pH5.5)及び試料を含まないベースを毎日2回ずつ同じ部位に朝夕で12日間繰り返し塗布した。5日及び12日後に紅斑指数Mexameter(MX 18、Courage+Khazaka electronic GmbH、Germany)を利用して測定し、紅斑指数回復率は、次のように評価した。
【0134】
【数2】
【0135】
統計的有意性は、Paired t-testを利用して分析した。その結果を図3の(b)に示した。
【0136】
図3の(b)に示したように、5日と12日後、それぞれ無塗布被験者は、40.32%、51.82%の回復率を示し、ベース剤形を適用した被験者は、46.76%、59.86%の回復率を示したが、カルニチンサリシレート(SA-CA)、実施例6を適用した被験者は、5日後63.08%、12日後74.03%の回復率を示してベース剤形を適用した被験者に比べて5日後34.90%、12日後23.67%の紅斑回復率がさらに高くなったことを確認することができた。
【0137】
前記結果を通じて、本発明によるカルニチンサリシレート(SA-CA)を化粧料組成物に含むことによって、人体に適用したとき炎症緩和と同時に紅斑緩和効能を示すことができる。
【0138】
実験例4:カルニチンサリシレート(CA-SA)を含む化粧料組成物の官能評価
【0139】
実験例3-1の実施例6を用いて官能評価試験を行った。カルニチンサリシレート(SA-CA)を含む化粧料組成物の塗布による角質及び皮膚鎮静による体感効能を評価するために、毎日化粧品を用い皮膚トラブルに対する悩みが大きく普段皮膚刺激をよく訴える敏感性皮膚を有する志願者を対象として評価を進行した。志願者は、全て普段使う化粧品をそのまま使いながら追加で洗顔後に最初の段階で本発明によるカルニチンサリシレート(SA-CA)を含む化粧料組成物を用いた。評価は、5点尺度(5点:非常に多く改善、4点:改善されたことを体感、3点:変化を体感できない、2点:悪化したことを体感、1点:非常に悪化)を利用して進行し、下記表7に評価結果を示した。
【0140】
【表7】
【0141】
前記結果のように、カルニチンサリシレート(CA-SA、実施例6)を含む化粧料組成物を周期的に繰り返し塗布した後、皮膚刺激及び紅斑の改善、皮膚のキメ改善を示したと評価された。皮膚のキメが柔らかくなることは持続的な角質剥離によると判断される。前記結果を通じて、カルニチンサリシレート(CA-SA)を化粧料組成物に含むことによって低刺激で毎日角質剥離が可能であるだけでなく、刺激源による炎症緩和も体感できることを意味する。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明による化粧料組成物は、カルニチンサリシレート(CA-SA)を有効成分として含むことによって、弱酸性条件でカルニチンとサリシレートのイオンペアリングによる皮膚改善素材としてアクネ緩和及び角質剥離効能を示すと同時に皮膚鎮静素材として炎症及び紅斑を緩和させ得、また、皮膚安全性も向上させ得る。
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図1-4】
図2
図3-1】
図3-2】
【国際調査報告】