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特表2024-511342フラン縮合環置換グルタルイミド系化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】フラン縮合環置換グルタルイミド系化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 405/14 20060101AFI20240306BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20240306BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240306BHJP
   C07D 493/04 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
C07D405/14 CSP
A61P13/08
A61P35/00
A61K31/496
C07D493/04 101A
A61K31/4439
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556819
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 CN2022081261
(87)【国際公開番号】W WO2022194221
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】202110286500.6
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110712765.8
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111314330.4
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210187905.9
(32)【優先日】2022-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】516304780
【氏名又は名称】メッドシャイン ディスカバリー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レイ、マオイー
(72)【発明者】
【氏名】リー、チュンミャオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シューホイ
【テーマコード(参考)】
4C063
4C071
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA03
4C063AA05
4C063BB01
4C063CC76
4C063DD11
4C063EE01
4C071AA01
4C071AA08
4C071BB01
4C071EE05
4C071FF15
4C071GG10
4C071HH17
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC38
4C086BC50
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA12
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA81
4C086ZB26
(57)【要約】
本発明は、一連のフラン縮合環置換グルタルイミド系化合物、及び関連疾患を治療するための医薬の製造におけるその使用を開示し、具体的には、式(II)で表される化合物及びその薬学的に許容される塩を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)で表される化合物又はその薬学に許容される塩。
【化1】

(ただし、
PTMは、ARタンパク質に標的結合する薬物又はその誘導体から選択され、
は、-(CH-から選択され、前記各CHは、任意選択でRにより置換され、
は、C3-7シクロアルキル、6員ヘテロシクロアルキル、-NR-、-CR-、-CHCHO-及び-NHC(=O)-から選択され、
は、H及びC1-3アルキルから選択され、
、Rは、それぞれ独立してH、D及びFから選択され、
は、単結合及びOから選択され、
環Aは存在せず、
又は環Aは、フェニル及び5員ヘテロアリールから選択され、
nは、1、2、3、4、5及び6から選択され、
前記6員ヘテロシクロアルキル及び5員ヘテロアリールは、それぞれ1、2又は3つの独立して-NH-、-O-、-S-及びNから選択されるヘテロ原子又はヘテロ原子団を含み、
条件は、前記化合物は、下記の式から選択されないことである。)
【化2】

【化3】
【請求項2】
PTMは、
【化4】

から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
は、H及びCHから選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
は、
【化5】

-NH-、-N(CH)-、-CHCHO-、-NHC(=O)-及び-C(=O)NH-から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
は、
【化6】

から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
構造単位-E-L-は、
【化7】

から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
構造単位
【化8】

から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
化合物は、式(I-1)、(I-2)、(II-1)、(II-2)、(III-1)及び(IV-1)で表される構造から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化9】

(ただし、Lは、請求項1~6のいずれか一項で定義される通りである。)
【請求項9】
下記の式で表される、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化10】

【化11】
【請求項10】
下記の式から選択される、請求項8に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化12】

【化13】

【化14】
【請求項11】
前立腺癌を治療するための医薬を製造における、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は下記の優先権を主張する:
CN202110286500.6、出願日は:2021年03月17日であり、
CN202110712765.8、出願日は:2021年06月25日であり、
CN202111314330.4、出願日は:2021年11月08日であり、
CN202210187905.9、出願日は:2022年02月28日である。
【0002】
本発明は、一連のフラン縮合環置換グルタルイミド系化合物、及び関連疾患を治療するための医薬の製造におけるその使用に関し、具体的には、式(II)で表される化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【背景技術】
【0003】
アンドロゲン受容体シグナル伝達は、前立腺癌の病因において重要な役割を果たし、他のアンドロゲン受容体陽性癌の発症に関与していることが知られているため、アンドロゲン受容体に拮抗する抗アンドロゲン剤によるアンドロゲン受容体シグナル伝達の阻害は、前立腺癌の治療に使用されているか、又は使用が提案されている。
【0004】
AR遺伝子はアンドロゲン受容体タンパク質をコードしており、そのリガンドは主にテストステロンとジヒドロテストステロンであり、当該受容体は人体のほとんどの臓器及び組織に広く分布しており、アンドロゲンの生物学的効果を媒介する。アンドロゲン受容体は、細胞質内の熱ショックタンパク質(Hsp)に結合することができ、アンドロゲンがアンドロゲン受容体に結合すると、その受容体は活性化され、熱ショックタンパク質が解離され、アンドロゲン受容体は二量体を形成して核に入り、DNA上のアンドロゲン応答エレメント(ARE)に結合し、エレメントの下流にある一連の遺伝子の転写と発現を開始させ、これには、前立腺特異抗原(PSA)、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)及びサイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤p21WAF1/CIPIなどの遺伝子が含まれ、最終的に細胞分化をもたらし、組織・器官の発達を促進する。アンドロゲンは前立腺の成長と発達を維持する機能があ、アンドロゲンのない環境において、前立腺細胞は自発的にアポトーシスを起こすが、アンドロゲンレベルが正常な環境では、前立腺細胞は成長・分化を続けることができる。従って、一部の研究では、アンドロゲンの過剰分泌とアンドロゲン受容体の過剰応答は、いずれも前立腺細胞の抑制されない増殖を引き起こし、前立腺癌発症の危険因子であると考えている。
【0005】
前立腺癌(PCa)は、米国の男性で最も一般的に診断される非皮膚癌の1つであり、癌による死亡原因としては2番目に多く、米国では毎年200,000以上が新たに発症し、30,000以上が死亡している。アンドロゲン除去療法(ADT)は、進行性PCaに対する標準治療である。進行性PCa患者は、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト、LHRHアンタゴニスト又は両側精巣摘出術によるADTを受ける。ADTに対する初期反応にもかかわらず、疾患の進行は避けられず、癌は去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)として出現する。放射線又は手術による一次治療を受けた前立腺癌患者の最大30%が、一次治療から10年以内に転移性疾患を発症する。毎年、約50,000人の患者が転移性CRPC(mCRPC)と呼ばれる、転移性疾患を発症する。
【0006】
タンパク質分解誘導キメラ分子(Proteolysis Targeting Chimera、PROTAC)は、ユビキチン-プロテアソームシステムを適用して特定のタンパク質を標的にし、それらの細胞内分解を誘導する技術である。ユビキチン-プロテアソームシステムは細胞内タンパク質分解の主要な経路であり、通常の生理学的機能として細胞から変性、突然変異又は有害なタンパク質を除去する役割を主に担っており、細胞内タンパク質分解の80%以上はユビキチン-プロテアソームシステムに依存している。PROTACは、細胞独自のタンパク質破壊機序を利用して、細胞における特定の標的タンパク質を除去する。
【0007】
本開示では、ユビキチン化及びその後の分解のためにcereblon(CRBN)E3ユビキチンリガーゼなどのE3ユビキチンリガーゼに内因性タンパク質をリクルートする機能を有する、同一組成の組成物を含む化合物、ならびにその使用方法を記載する。特に、本開示は、標的ユビキチン化及びアンドロゲン受容体(AR)分解のモジュレーターとして作用することが判明された二機能性又はタンパク質分解誘導キメラ分子(PROTAC)化合物を提供する。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【化1】

ただし、
PTMは、ARタンパク質に標的結合する薬物又はその誘導体から選択され、
は、-(CH-から選択され、前記各CHは、任意選択でRにより置換され、
は、C3-7シクロアルキル、6員ヘテロシクロアルキル、-NR-、-CR-、-CHCHO-及び-NHC(=O)-から選択され、
は、H及びC1-3アルキルから選択され、
、Rは、H、D及びFから選択され、
は、単結合及びOから選択され、
環Aは存在せず、
又は環Aは、フェニル及び5員ヘテロアリールから選択され、
nは、1、2、3、4、5及び6から選択され、
前記6員ヘテロシクロアルキル及び5員ヘテロアリールは、それぞれ1、2又は3つの独立して-NH-、-O-、-S-及びNから選択されるヘテロ原子又はヘテロ原子団を含み、
条件は、前記化合物は、下記の式から選択されないことである。
【化2】
【0009】
本発明の一部の実施形態において、上記PTMは、
【化3】

から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0010】
本発明の一部の実施形態において、上記Rは、H及びCHから選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0011】
本発明の一部の実施形態において、上記Rは、シクロプロピル、シクロヘキシル、ピペラジニル、ピペリジニル、-NR-、-CHCHO-、-NHC(=O)-及び-C(=O)NH-から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0012】
本発明の一部の実施形態において、上記Rは、
【化4】

-NH-、-N(CH)-、-CHCHO-、-NHC(=O)-及び-C(=O)NH-から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0013】
本発明の一部の実施形態において、上記Rは、
【化5】

-N(CH)-、-CHCHO-及び-NHC(=O)-から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0014】
本発明の一部の実施形態において、上記Lは、
【化6】

から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0015】
本発明の一部の実施形態において、上記構造単位-E-L-は、
【化7】

から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0016】
本発明の一部の実施形態において、上記構造単位
【化8】

から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0017】
本発明の一部の実施形態において、上記化合物は、式(I-1)、(I-2)、(II-1)、(II-2)、(III-1)及び(IV-1)で表される構造から選択される。
【化9】

ただし、
は、本発明で定義される通りである。
【0018】
本発明は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【化10】

ただし、
は、単結合、O及びNHから選択され、
は、単結合及びC1-3アルキルから選択され、
は、C1-3アルキル及びシクロプロピルから選択され、
は、単結合及び-C(=O)NH-から選択され、
環Aは存在せず、
又は環Aは、フェニルから選択され、
ABMは、AR標的タンパク質に結合する医薬又はその誘導体から選択される。
本発明の一部の実施形態において、上記構造単位-E-E-は、単結合及び-OCHCH-から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0019】
本発明の一部の実施形態において、上記構造単位-E-E-は、C1-3アルキル、
【化11】

から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0020】
本発明の一部の実施形態において、上記構造単位
【化12】

から選択され、他の変量は本発明に定義された通りである。
【0021】
本発明の一部の実施形態において、上記ABMは、式(ABM-1)の構造から選択される。
【化13】

ただし、
及びRは、メチルから選択され、
又は、R及びRはそれらと共に連結された炭素原子とC4-6シクロアルキルを形成し、
及びYは、それぞれ独立してO及びSから選択され、
環Bは、フェニル及びピリジルから選択され、前記フェニル及びピリジルは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
環Cは、単結合又はフェニルから選択され、前記フェニルは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
は、F、Cl、Br、I、CN、CH、CF及びNOから選択され、
は、F及びClから選択される。
【0022】
本発明の一部の実施形態において、上記ABMは、式(ABM-1a)及び(ABM-1b)の構造から選択される。
【化14】

ただし、
は、CH及びNから選択され、
b1は、H及びFから選択され、
nは、1、2及び3から選択され、
、Y、R、R及びRは、本発明に定義された通りである。
【0023】
本発明の一部の実施形態において、上記ABMは、
【化15】

から選択される。
【0024】
本発明の一部の実施形態において、上記化合物は、式(I-1a)及び(I-2a)で表される構造から選択される。
【化16】

ただし、
、R、R、R、Rb1、n、E、E、E及びEは、本発明に定義された通りである。
【0025】
本発明一部の形態は、更に上記の各変量の任意の組み合わせにより形成される。
本発明はまた、下記化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【化17】

【化18】
【0026】
本発明はまた、下記の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【化19】

【化20】

【化21】
【0027】
本発明はまた、前立腺癌を治療するための医薬を製造における、上記の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0028】
[定義及び説明]
別途に説明しない限り、本明細書で用いられる以下の用語及び連語は以下の意味を含む。1つの特定の用語又は連語は、特別に定義されない場合、不確定又は不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。本明細書で商品名が出た場合、相応の商品又はその活性成分を指す。
【0029】
本明細書で用いられる「薬学的許容される」は、それらの化合物、材料、組成物及び/又は剤形に対するもので、これらは信頼できる医学判断の範囲内にあり、ヒト及び動物の組織との接触に適し、毒性、刺激性、アレルギー反応又はほかの問題又は合併症があまりなく、合理的な利益/リスク比に合う。
【0030】
用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明の化合物の塩で、本発明で発見された特定の置換基を有する化合物と比較的に無毒の酸又は塩基とで製造される。本発明の化合物に比較的に酸性の官能基が含まれる場合、単独の溶液又は適切な不活性溶媒において十分な量の塩基でこれらの化合物の中性の形態と接触することで塩基付加塩を得ることができる。薬学的許容される塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミン又はマグネシウム塩あるいは類似の塩を含む。本発明で化合物に比較的塩基性の官能基が含まれる場合、単独の溶液又は、適切な不活性溶媒において十分な量の酸でこれらの化合物の中性の形態と接触することで酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の実例は、無機酸塩及び有機酸塩、さらにアミノ酸(例えばアルギニンなど)の塩、及びグルクロン酸のような有機酸の塩を含み、上記無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素イオン、リン酸、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸、硫酸水素イオン、ヨウ化水素酸、亜リン酸などを含み、上記有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸やメタンスルホン酸などの類似の酸を含む。本発明の一部の特定的の化合物は、塩基性及び酸性の官能基を含有するため、任意の塩基付加塩又は酸付加塩に転換することができる。
【0031】
用語「薬物又はその誘導体」には、標的タンパク質に結合するように開発された薬物又はその誘導体が含まれる。
本発明の薬学的許容される塩は、酸基又は塩基性基を含む母体化合物から通常の方法で合成することができる。通常の場合、このような塩の製造方法は、水又は有機溶媒あるいは両者の混合物において、遊離酸又は塩基の形態のこれらの化合物を化学量論量の適切な塩基又は酸と反応させて製造する。
【0032】
本発明の化合物は、特定の幾何又は立体異性体の形態が存在してもよい。本発明は、全てのこのような化合物を想定し、シス及びトランス異性体、(-)-及び(+)-エナンチオマー、(R)-及び(S)-エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、及びそのラセミ混合物並びに他の混合物、例えばエナンチオマー又は非エナンチオマーを多く含有する混合物を含み、全てのこれらの混合物は本発明の範囲内に含まれる。アルキル等の置換基に他の不斉炭素原子が存在してもよい。全てのこれらの異性体及びこれらの混合物はいずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0033】
別途に説明しない限り、用語「エナンチオマー」又は「光学異性体」とは互いに鏡像の関係にある立体異性体である。
別途に説明しない限り、用語「ジアステレオマー」とは分子が二つ又は複数のキラル中心を有し、かつ分子同士は非鏡像の関係にある立体異性体である。
別途に説明しない限り、「(+)」は右旋性を意味し、「(-)」は左旋性を意味し、「(±)」はラセミ体を意味する。
【0034】
【化22】
【0035】
特に明記しない限り、ある基が一つ以上の結合可能な部位を有する場合、該基の任意の一つ以上の部位は、化学結合によって他の基に結合することができる。前記部位が他の基と結合する化学結合は、
【化23】

例えば、-OCH3の直線の実線の結合は、基内の酸素原子を介して他の基に接続されていることを示し;
【化24】

の直線の破線の結合は、基内の窒素原子の両端を介した他の基への接続を示し;
【化25】

の波線は、フェニルの1つ及び2つの炭素原子を介した他の基への結合を示す。
【0036】
本発明の化合物は、特定に存在することができる。別途に説明しない限り、用語「互変異性体」又は「互変異性体の形態」とは室温において、異なる官能基の異性体が動的平衡にあり、かつ快速に互いに変換できることを指す。互変異性体は可能であれば(例えば、溶液において)、互変異性体の化学的平衡に達することが可能である。例えば、プロトン互変異性体(proton tautomer)(プロトトロピー互変異性体(prototropic tautomer)とも呼ばれる)は、プロトンの移動を介する相互変換、例えばケト-エノール異性化やイミン-エナミン異性化を含む。原子価互変異性体(valence tautomer)は、一部の結合電子の再構成による相互変換を含む。中では、ケト-エノール互変異性化の具体的な実例は、ペンタン-2,4-ジオンと4-ヒドロキシペント-3-エン-2-オンの二つの互変異性体の間の相互変換である。
【0037】
別途に説明しない限り、用語「1つの異性体に富む」、「異性体豊富な」、「1つのエナンチオマーに富む」又は「エナンチオマー豊富な」とは、1つの異性体又はエナンチオマーの含有量が100%未満で、且つこの異性体又はエナンチオマーの含有量が60%以上、又は70%以上、又は80%以上、又は90%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は98%以上、又は99%以上、又は99.5%以上、又は99.6%以上、又は99.7%以上、又は99.8%以上、又は99.9%以上であることを意味する。
【0038】
別途に説明しない限り、用語「異性体過剰率」又は「エナンチオマー過剰率」とは、2つの異性体又は2つのエナンチオマーの相対百分率の間の差を意味する。例えば、1つの異性体又はエナンチオマーの含有量が90%であり、もう1つの異性体又はエナンチオマーの含有量が10%である場合、異性体又はエナンチオマー過剰率(ee値)は80%である。
【0039】
光学活性な(R)-及び(S)-異性体ならびにD及びL異性体は、不斉合成又はキラル試薬又はほかの通常の技術を用いて調製することができる。本発明のある化合物の一つの鏡像異性体を得るには、不斉合成又はキラル補助剤を有する誘導作用によって調製することができるが、ここで、得られたジアステレオマー混合物を分離し、かつ補助基を分解させて単離された所要の鏡像異体性を提供する。あるいは、分子に塩基性官能基(例えばアミノ)又は酸性官能基(例えばカルボキシル)が含まれる場合、適切な光学活性な酸又は塩基とジアステレオマーの塩を形成させ、更に本分野で公知の通常の方法によってジアステレオマーの分割を行った後、回収して単離された鏡像異体を得る。また、エナンチオマーとジアステレオマーの分離は、通常、クロマトグラフィー法によって行われ、前記クロマトグラフィーはキラル固定相を使用し、且つ任意の化学誘導法(例えば、アミンからカルバミン酸塩を生成させる)と併用する。
【0040】
本発明の化合物は、化合物を構成する一つまた複数の原子には、非天然の原子同位元素が含まれてもよい。例えば、三重水素(H)、ヨウ素-125(125I)又はC-14(14C)のような放射性同位元素で化合物を標識することができる。又、例えば重水素を水素に置換して重水素化薬物を形成することができ、重水素と炭素で形成された結合は、通常の水素と炭素で形成された結合よりも強く、重水素化されていない薬物と比較して、重水素化された薬物には、毒性の副作用が軽減され、薬物の安定性が増し、治療効果が向上され、薬物の生物学的半減期が延ばされるという利点がある。本発明の化合物の同位体組成の変換は、放射性であるか否かに関わらず、本発明の範囲に含まれる。
【0041】
用語「任意」また「任意に」は後記の事項又は状況によって可能であるが必ずしも現れるわけではなく、かつ当該記述はそれに記載される事項又は状況が生じる場合によってその事項又は状況が乗じない場合を含むことを意味する。
【0042】
用語「置換された」は特定の原子における任意の1つ又は複数の水素原子が置換基で置換されたことで、特定の原子価状態が正常でかつ置換後の化合物が安定していれば、重水素及び水素の変形体を含んでもよい。置換基がケト基(即ち=O)である場合、2つの水素原子が置換されたことを意味する。ケト基置換は、芳香族基で生じない。用語「任意に置換される」は、置換されてもよく、置換されなくてもよく、別途に定義しない限り、置換基の種類と数は化学的に安定して実現できれば任意である。
【0043】
用語「置換された」とは、特定の原子又は基が、特定の他の原子又は基で置換されてもよいことを指す。例えば、CHCHCHのCHは、O、S、NHにより置換されてCHOCH、CHSCH及びCHNHCHを得ることができる。
【0044】
変量(例えばR)のいずれかが化合物の組成又は構造に1回以上現れた場合、その定義はいずれの場合においても独立である。そのため、例えば、1つの基が0~2個のRで置換された場合、上記基は任意に2個以下のRで置換され、かついずれの場合においてもRは独立して選択肢を有する。また、置換基及び/又はその変形体の組み合わせは、このような組み合わせであれば安定した化合物になる場合のみ許容される。
【0045】
連結基の数が0の場合、例えば、-(CRR)-は、当該連結基が単結合であることを意味する。
置換基がない場合、当該置換基が存在しないことを表し、例えば、A-XのXがない場合、当該構造が実際にAとなることを表す。挙げられた置換基に対してどの原子を通して置換された置換基が明示しない場合、このような置換基はその任意の原子を通して結合することができ、例えば、置換基としてのピリジニルは、ピリジン環の任意の炭素原子を通して置換基に結合してもよい。
【0046】
別途に定義しない限り、用語「C1-3アルキル」は直鎖又は分枝鎖の1~3個の炭素原子で構成された飽和炭化水素基を表す。前記C1-3アルキルにはC1-2とC2-3アルキルなどが含まれ、それは1価(例えばメチル)、2価(例えばメチレン)及び多価(例えばメチン)であってもよい。C1-3アルキルの実例は、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(n-プロピル及びイソプロピルを含む)を含むが、これらに限定されない。
【0047】
別途に説明しない限り、環内の原子数は一般に環員の数として定義され、例えば、「5~7員環」とは、その周囲に配置された5~7個の原子の「環」を指す。
別途に定義しない限り、「C3-7シクロアルキル」は、3~7個の炭素原子で構成された飽和環状炭化水素基であり、それは、単環式及び二環式環系を含み、ここで、二環式環系にはスピロ環、縮合環及び架橋環が含まれる。前記C3-7シクロアルキルには、C3-6、C3-5、C3-4、C4-7、C4-6、C4-5、C5-7又はC5-6シクロアルキルなどが含まれ、それは1価、2価及び多価であってもよい。C3-7シクロアルキルの実例はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプタンなどを含むが、これらに限定されない。
【0048】
別途に定義しない限り、用語「6員ヘテロシクロアルキル」自体又は他の用語と組み合わせは、それぞれ6個の環原子で構成された飽和環状基を表し、その1、2、3及び4個の環原子は独立してO、S及びNのヘテロ原子から選ばれ、残りは炭素原子である。窒素原子が任意に四級化されており、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化される(即ち、NO及びS(O)、pは1又は2である。)。それは、単環式及び二環式環系を含み、ここで、二環式環系にはスピロ環、縮合環及び架橋環が含まれる。6員のヘテロアリールの実例は、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル(1-ピペリジニル、2-ピペリジニル及び3-ピペリジニルなどを含む)、ピペラジニル(1-ピペラジニル及び2-ピペラジニルなどを含む)又はモルホリニル(3-モルホリニル及び4-モルホリニルなどを含む)を含むが、これらに限定されない。
【0049】
別途に定義しない限り、本発明の用語「5員ヘテロ芳香環」と「5員ヘテロアリール」は交換的に使用することができ、用語「5員ヘテロアリール」は個の環原子で構成された共役π電子系を持つ単環式基であり、その1、2又は3個の環原子は独立してO、S及びNのヘテロ原子から選ばれ、残りは炭素原子である。ここで、窒素原子は任意に四級化されており、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化される(即ち、NO及びS(O)、pは1又は2である)。5員ヘテロアリールは、ヘテロ原子又は炭素原子を通して分子の他の部分に連結される。5員ヘテロアリールの実例は、ピロリル(N-ピロリル、2-ピロリル、及び3-ピロリルなどを含む)、ピラゾリル(2-ピラゾリル及び3-ピラゾリルなどを含む)、イミダゾリル(N-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリルな及び5-イミダゾリルなどを含む)、オキザゾリル(2-オキサゾリル、4-オキサゾリル及び5-オキザゾリルなどを含む)、トリアゾリル(1H-1、2、3-トリアゾリル、2H-1、2、3-トリアゾリル、1H-1、2、4-トリアゾリル及び4H-1、2、4-トリアゾリルなど)、テトラゾリル、イソキサゾリル(3-イソキサゾリル、4-イソキサゾリル及び5-イソキサゾリルなど)、チアゾリル(2-チアゾリル、4-チアゾリル及び5-チアゾリルなどを含む)、フラニル(2-フラニル及び3―フラニルなどを含む)、チエニル(2-チエニル及び3-チエニルなどを含む)を含むが、これらに限定されない。
【0050】
別途に定義しない限り、Cn-n+m又はCn-Cn+mはnからn+m個の炭素の任意の一つの具体的な様態を含み、例えば、C1-12はC、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、及びC12を含み、n~n+mのうちの任意の一つの範囲も含み、例えば、C1-12はC1-3、C1-6、C1-9、C3-6、C3-9、C3-12、C6-9、C6-12、及びC9-12等を含む。同様に、n員からn+m員は環における原子数がn~n+m個であることを表し、例えば、3~12員環は3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、8員環、9員環、10員環、11員環、及び12員環を含み、n~n+mのうちの任意の一つの範囲も含み、例えば、3~12員環は3~6員環、3~9員環、5~6員環、5~7員環、6~7員環、6~8員環、及び6~10員環等を含む。
【0051】
特に明記しない限り、ある基が一つ以上の結合可能な部位を有する場合、該基の任意の一つ以上の部位は、化学結合によって他の基に結合することができる。該化学結合の結合方式が非局在であり、且つ結合可能な部位にH原子が存在する場合、化学結合を結合すると、該部位のH原子の個数は、結合された化学結合の個数に応じて相応の価数の基に減少する。前記部位が他の基と結合する化学結合は、
【化26】
【0052】
例えば、-OCH3の直線実線結合は、該基の酸素原子を介して他の基に結合されていることを意味する。
【化27】

中の直線の破線結合は、該基内の窒素原子の両端が他の基に結合されていることを意味する。
【0053】
【化28】

中の波線は、当該フェニル基の部位1と2の炭素原子を介して他の基に結合されていることを意味する。
【0054】
【化29】

は、ナフタレン環の任意の結合可能な部位が1つの化学結合によって他の基に結合できることを意味し、少なくとも
【化30】

の6種類の結合形態を含む。
【0055】
本発明の化合物は当業者に熟知の様々な合成方法によって製造することができ、以下に挙げられた具体的な実施形態、他の化学合成方法と合わせた実施形態及び当業者に熟知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
【0056】
本発明の化合物の構造は、当業者に周知の従来の方法によって確認することができ、本発明が化合物の絶対配置に関する場合、絶対配置は、当業者の従来の技術的手段によって確認することができる。例えば、単結晶X線回折(SXRD)、培養された単結晶はBruker D8 venture回折計によって収集され、光源はCuKα放射線、走査方法:φ/ω走査、関連データを収集した後、更に直接法は(Shelxs97)結晶構造解析により、絶対配置を確認できる。
【0057】
本発明に使用されたすべての溶媒は市販品から得ることができる。本発明は以下の略語を使用する。aqは水を表し;eqは当量、等量を表し;CDIはカルボニルジイミダゾールを表し;DCMはジクロロメタンを表し;PEは石油エーテルを表し;DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを表し;DMSOはジメチルスルホキシドを表し;EtOAcは酢酸エチルを表し;EtOHはエタノールを表し;MeOHはメタノールを表し;BOCはアミン保護基であるtert-ブトキシカルボニルを表し;r.t.は室温を表し;O/Nは一晩実行することを表し;THFはテトラヒドロフランを表し;Boc2Oは二炭酸ジ-tert-ブチルを表し;Mはmol/Lを表し;HPLCは高速液体クロマトグラフィーを表す。
【0058】
化合物は本分野の通常の名称又はChemDraw(登録商標)ソフトによって名付けられ、市販化合物はメーカーのカタログの名称が使用された。
【発明の効果】
【0059】
本発明の化合物は、優れたARタンパク質分解効果、細胞増殖阻害効果、及び腫瘍抑制効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】細胞株LNCaPにおけるエンザルタミドとWX001のARタンパク質分解活性である。
図2】細胞株LNCaPにおけるWX002のARタンパク質分解活性である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の不利な制限を意味するものではない。本発明は本明細書で詳細に説明されており、その特定の実施形態も開示されており、当業者にとって、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の特定の実施形態において様々な変更及び修正を行うことができることは明らかである。
【0062】
参照例1
【化31】

合成スキーム:
【化32】
【0063】
ステップ1:中間体BB-1-2の合成
化合物BB-1-1(1g、3.53mmol)及びカルバミン酸tert-ブチル(2.07g、17.66mmol)をトルエン(15mL)及び水(1.5mL)に加え、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(226.41mg、247.25μmol)、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(209.98mg、494.49μmol)、リン酸カリウム(3.00g、14.13mmol)を順次に反応系にゆっくりと加え、混合物を窒素ガスで3回置換した後、100℃に昇温させて12時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却させ、減圧して大部分の有機溶媒をスピンオフした。酢酸エチル(30mL)で希釈し、有機相を水(30mL×2)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させた。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~3/2、体積比)により分離して中間体BB-1-2を得た。H NMR(400MHz, CDCl)δ:7.83 - 7.73(m, 1H), 7.57(s, 1H), 7.47 - 7.40(m, 1H), 7.14 - 7.05(m, 1H), 6.81(br d, J=1.0 Hz, 1H), 4.19(q, J=7.0 Hz, 2H), 3.67(d, J=1.3 Hz, 2H), 1.49 - 1.42(m, 9H), 1.32 - 1.23(m, 3H)。
【0064】
ステップ2:中間体BB-1-3の合成
0℃で、化合物BB-1-2(300mg、939.40μmol)及びアクリルアミド(73.45mg、1.03mmol、71.31μL)をテトラヒドロフラン(5mL)に加え、カリウムtert-ブトキシド(158.12mg、1.41mmol)を反応にゆっくりと加え、混合物を窒素ガスで3回置換した後、0℃で1時間撹拌した。反応溶液をゆっくりと飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)に加え、酢酸エチル(20mL×2)で2回抽出し、有機相を飽和食塩水(20mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させた。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~3/1、体積比)により分離して中間体BB-1-3を得た。
【0065】
ステップ3:中間体BB-1の塩酸塩の合成
化合物BB-1-3(40mg、116.16μmol)を酢酸エチル(2mL)に加え、塩酸/ジオキサン(4M、1mL)をゆっくりと反応系に滴下した。混合物を窒素ガスで3回置換した後、25℃で12時間撹拌した。反応溶液を直接にスピン乾燥させて中間体BB-1の塩酸塩を得た。
【0066】
参照例2
【化33】

合成スキーム:
【化34】
【0067】
ステップ1:中間体BB-2-2の合成
室温及び窒素ガスの保護下で、中間体BB-2-1(4g、14.13mmol)及びカルバミン酸tert-ブチル(4.97g、42.39mmol)をトルエン(70mL)及び水(10mL)の混合液に加え、次に、順次にリン酸カリウム(12.00g、56.51mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(905.63mg、988.99μmol)及び2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(839.93mg、1.98mmol)を加え、反応混合物を110℃及び窒素ガスの保護下で12時間撹拌して反応させた。反応完了後、室温に冷却させ、珪藻土で濾過し、濾液に水(100mL)を加え、酢酸エチル(500mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(300mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=0/1~10/1、体積比)により分離して中間体BB-2-2を得た。H NMR(400 MHz, CDCl)δ: 7.71(br s, 1H), 7.63(s, 1H), 7.37(d, J=8.8 Hz, 1H), 7.14(dd, J=2.0, 8.8 Hz, 1H), 6.59(br s, 1H), 4.20(q, J=7.2 Hz, 2H), 3.67(d, J=0.8 Hz, 2H), 1.53(s, 9H), 1.29 (t, J=7.2 Hz, 3H)。
【0068】
ステップ2:中間体BB-2-3の合成
化合物BB-2-2(0.75g、1.69mmol)及びカリウムtert-ブトキシド(284.42mg、2.53mmol)をテトラヒドロフラン(8mL)に加え、アクリルアミド(312.60mg、2.03mmol)をゆっくりと反応溶液に加え、混合物を窒素ガスで3回置換した後、0~5℃で2時間撹拌した。反応完了後、反応溶液をゆっくりと飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)に加え、酢酸エチル(20mL×2)で2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させ、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~1/1、体積比)により分離して中間体BB-2-3を得た。MS-ESI m/z: 245.0 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.13 (br s, 1H), 7.65 (br s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.32 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.04 (dd, J=2.1, 8.8 Hz, 1H), 6.57 (br s, 1H), 3.91 (t, J=7.6 Hz, 1H), 2.80 - 2.53 (m, 2H), 2.35 - 2.20 (m, 2H), 1.45 (s, 9H)。
【0069】
ステップ3:中間体BB-2の塩酸塩の合成
室温で、中間体BB-2-3(300mg、871.18μmol)を塩酸/酢酸エチル溶液(4M、5mL)に溶解させ、反応混合物を室温で2時間撹拌して反応させた。反応完了後、反応溶液を減圧濃縮し、溶媒を除去して中間体BB-2の塩酸塩を得た。
H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 10.97 (s, 1H), 10.34 (br s, 2H), 8.05 (s, 1H), 7.72 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.58 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.35 (dd, J=2.1, 8.7 Hz, 1H), 4.20 (dd, J=4.8, 12.3 Hz, 1H), 2.88 - 2.73 (m, 1H), 2.68 - 2.58 (m, 1H), 2.30 (dq, J=4.4, 12.6 Hz, 1H), 2.20 - 2.10 (m, 1H)。
【0070】
参照例3
【化35】
【0071】
合成スキーム:
【化36】
【0072】
ステップ1:中間体BB-3-2の合成
室温及び窒素ガスの保護下で、濃硫酸(220.80g、2.21mol、120mL、純度:98%)を氷水(40mL)に滴下し、次に、化合物BB-3-1(10g、44.83mmol)を加え、5~10℃に冷却させ、4-クロロアセト酢酸エチル(7.38g、44.83mmol)をゆっくりと滴下し、反応混合物を室温に昇温させ、16時間撹拌して反応させ、更に50℃に昇温させ、16時間撹拌を続けて反応させた。反応完了後、室温に冷却させ、氷水(1L)に注ぎ、大量の固体を析出させ、濾過し、ケーキを収集した。得られた固体にトルエン(400mL)を加え、減圧して溶媒を除去し、更にトルエン(400mL)を加え、再び減圧して溶媒を除去して中間体BB-3-2を得た。
【0073】
ステップ2:中間体BB-3-3の合成
室温及び窒素ガスの保護下で、中間体BB-3-2(14.5g、44.81mmol)を水酸化ナトリウム(8.70g、217.52mmol)の水(150mL)溶液に溶解させ、反応混合物を80℃に加熱させ、5時間撹拌して反応させた。反応完了後、室温に冷却させ、ジクロロメタン(150mL)を加えて希釈し、分離した後有機相を収集し、水相をジクロロメタン(150mL×3)で抽出した。水相を2Mの希塩酸でpHを4に調節し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(50mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧し、溶媒を除去して中間体BB-3-3を得た。
【0074】
ステップ3:中間体BB-3-4の合成
室温及び窒素ガスの保護下で、中間体BB-3-3(11.3g、37.03mmol)をエタノール(300mL)に溶解させ、次に、濃硫酸(2.08g、20.78mmol、1.13mL、純度:98%)を加え、反応混合物を80℃に加熱させ、12時間撹拌して反応させた。反応完了後、室温に冷却させ、減圧濃縮して溶媒を除去し、水(150mL)を加え、酢酸エチルで(150mL×1、100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(50mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧して溶媒を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~97/3、体積比)により分離して中間体BB-3-4を得た。H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ: 8.35(d, J=2.0 Hz, 1H), 8.09(t, J=4.4 Hz, 2H), 7.86(s, 2H), 7.73(dd, J=2.0, 8.8 Hz, 1H), 4.18-4.09(m, 4H), 1.18(t, J=7.2 Hz, 3H)。
【0075】
ステップ4:中間体BB-3-5の合成
室温で、撹拌条件で、中間体BB-3-4(2.00g、6.00mmol)をトルエン(60mL)及び水(6mL)に溶解させ、次に、順次にカルバミン酸tert-ブチル(3.52g、30.01mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(384.78mg、420.20μmol)、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(356.87mg、840.40μmol)、リン酸カリウム(5.10g、20.01mmol)を加えた。反応混合物の反応系を窒素ガスで3回置換し、ゆっくりと105℃に昇温させ、窒素ガスの保護条件下で、12時間反応させた。反応完了後、室温に冷却させ、得られた反応溶液に水(50mL)を加え、酢酸エチルで(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、順次に飽和食塩水(50mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して溶媒を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~5/1、体積比)により分離・精製して中間体BB-3-5を得た。
【0076】
ステップ5:中間体BB-3-6の合成
0℃及び窒素ガスの保護下で、BB-3-5(4.00g、10.83mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(60mL)溶媒に溶解させ、その中にそれぞれカリウムtert-ブトキシド(1.22g、10.83mmol)及びアクリルアミド(1.67g、10.83mmol)を加え、反応混合物を0℃で3時間撹拌して反応させた。反応完了後、反応溶液に水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、順次に飽和食塩水(30mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して溶媒を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=3/1~1/1、体積比)により分離・精製して中間体BB-3-6を得た。MS-ESI m/z: 338.4 [M+H]H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ: 10.95(s, 1H), 9.55(s, 1H), 8.25(s, 1H), 7.96(d, J=4.0 Hz, 2H), 7.72(s, 2H), 2.89(s, 3H), 2.74(s, 2H), 1.52(s, 9H)。
【0077】
ステップ6:中間体BB-3の塩酸塩の合成
0℃で、BB-3-6(1.0g、2.54mmol)を酢酸エチル(20mL)に溶解させ、その中に塩化水素・酢酸エチル(2.54mL)をゆっくりと加え、窒素ガスの雰囲気で、反応混合液を4時間撹拌した。反応完了後、減圧濃縮してBB-3の塩酸塩を得た。MS-ESI m/z:294.31[M+H]
【0078】
参照例4
【化37】
【0079】
合成スキーム:
【化38】
【0080】
ステップ1:中間体BB-4-2の合成
0~5℃及び窒素ガスの保護下で、化合物BB-4-1(10g、78.67mmol)をジクロロメタン(120mL)及びアセトン(60mL)に溶解させ、順次にシアノトリメチルシラン(12.45g、125.50mmol、15.70mL)、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(820.00mg、3.69mmol、666.67μL)をゆっくりと滴下し、反応混合物を25℃で2時間撹拌し、反応完了後、0~5℃に冷却させ、水(200mL)を加えて希釈し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧して溶媒を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=10/1~5/1、体積比)により分離して化合物BB-4-2を得た。H NMR(400MHz, CDCl3)δ:6.83(t, J=9.0 Hz, 1H), 6.74(dd, J=2.7, 12.1 Hz, 1H), 6.66 - 6.59(m, 1H), 1.65(s, 6H)。
【0081】
ステップ2:化学物BB-4-3の合成
室温及び窒素ガスの保護下で、化合物BB-4-2(8g、45.40mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(150mL)に溶解させ、4-イソチオシアナト-2-(トリフルオロメチル)ベンゾニトロル(10.36g、45.40mmol)を反応溶液にバッチで加え、反応混合物を25℃で12時間撹拌し、メタノール(60mL)、希塩酸(2M、60mL)を加え、反応混合物を70℃で3時間撹拌し、反応完了後、室温に冷却させ、水(500mL)を加えて希釈し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧して溶媒を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=3/1~1/1、体積比)により分離して化合物BB-4-3を得た。H NMR(400MHz, CDCl)δ:8.03 - 7.94(m, 1H), 8.02 - 7.94(m, 1H), 8.05 - 7.92(m, 1H), 8.04 - 7.92(m, 1H), 8.15 - 7.89(m, 1H), 7.86(d, J=1.5 Hz, 1H), 7.82 - 7.79(m, 1H), 7.19 - 7.10(m, 2H), 6.99 - 6.90(m, 2H), 6.06(br s, 1H), 1.58(s, 6H)。
【0082】
ステップ3:化学物BB-4-4の合成
室温及び窒素ガスの保護下で、化合物BB-4-3(2g、4.72mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(50mL)に溶解させ、順次に4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.66g、5.67mmol)、炭酸カリウム(1.31g、9.45mmol)、ヨウ化カリウム(784.17mg、4.72mmol)を加え、反応混合物を80℃に加熱させ、12時間撹拌して反応させた。反応完了後、室温に冷却させ、水(100mL)を加えて希釈し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧して溶媒を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=3/1~1/1、体積比)により分離して化合物BB-4-4を得た。MS-ESI m/z: 636.3 [M+H]
【0083】
ステップ4:化合物BB-4-5の塩酸塩の合成
室温及び窒素ガスの保護下で、化合物BB-4-4(2.0g、3.15mmol)を酢酸エチル(50mL)に溶解させ、塩化水素・酢酸エチル(4M、3.93mL)を反応混合物にゆっくりと滴下し、反応混合物を25℃で12時間撹拌し、反応完了後、反応混合物を減圧濃縮して化合物BB-4-5の塩酸塩を得た。H NMR(400MHz, CDOD)δ: 8.23 - 8.13(m, 2H), 8.00(dd, J=1.8, 8.3 Hz, 1H), 7.40(t, J=8.9 Hz, 1H), 7.32(dd, J=2.4, 11.4 Hz, 1H), 7.24(br d, J=8.8 Hz, 1H), 4.69 - 4.60(m, 2H), 3.88 - 3.79(m, 6H), 3.75 - 3.65(m, 4H), 1.58(s, 6H)。
【0084】
ステップ5:化学物BB-4-6の合成
室温及び窒素ガスの保護下で、化合物BB-4-5(1.5g、2.62mmol、塩酸塩)をアセトニトリル(50mL)に溶解させ、順次にブロモ酢酸エチル(875.85mg、5.24mmol、580.04μL)、炭酸カリウム(724.86mg、5.24mmol)を加え、反応混合物を80℃に加熱させ、5時間撹拌して反応させ、反応完了後、室温に冷却させ、水(100mL)を加えて希釈し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧して溶媒を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=3/1~1/1、体積比)により分離して化合物BB-4-6を得た。MS-ESI m/z: 622.2 [M+H]
【0085】
ステップ6:化学物BB-4の合成
室温及び窒素ガスの保護下で、化合物BB-4-6(1.5g、2.42mmol)をエタノール(50mL)に溶解させ、水酸化リチウム(1M、7.25mL)を反応混合物にゆっくりと滴下し、反応混合物を25℃で12時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を2Mの塩酸でpH=2~3に調節し、反応混合物を減圧濃縮して化合物BB-4を得た。MS-ESI m/z: 594.1 [M+H]
【0086】
参照例5
【化39】
【0087】
合成スキーム:
【化40】
【0088】
化合物BB-1-1(3g、10.60mmol)及びアリルアルコール(1.34g、23.07mmol、1.57mL)をジオキサン(30mL)に加え、N-シクロヘキシル-N-メチル-シクロヘキシルアミン(2.48g、12.72mmol、2.70mL)、トリ-tert-ブチルホスフィン(4.29g、2.12mmol、4.97mL、含有量:10%)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(970.32mg、1.06mmol)を反応系にゆっくりと加えた。混合物を窒素ガスで3回置換した後、30℃で12時間撹拌した。反応溶液を水(50mL)ゆっくりと加え、酢酸エチル(50mL×3)で3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させた。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=0/1~3/1、体積比)により分離して化合物BB-5を得た。H NMR(400MHz, CDCl)δ: 9.84(s, 1H), 7.60(s, 1H), 7.50(d, J=8.0 Hz, 1H), 7.33(s, 1H), 7.12(dd, J=1.0, 8.0 Hz, 1H), 4.24 - 4.16(m, 2H), 3.69(d, J=0.8 Hz, 2H), 3.14 - 3.03(m, 2H), 2.90 - 2.78(m, 2H), 1.29(t, J=7.2 Hz, 3H)。
【0089】
参照例6
【化41】

合成スキーム:
【化42】
【0090】
ステップ1:中間体BB-6-2の合成
25℃で化合物1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸エチル塩酸塩(1.0g、6.04mmol)をエタノール(10mL)に加え、撹拌を開始させ、順次に化合物N-ベンジル-2-クロロ-N-(2-クロロエチル)エチルアミン塩酸塩(1.78g、6.64mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.88g、60.98mmol、10.62mL)を加えた。窒素ガスの保護下で、80℃に加熱させ、窒素ガスの保護下で、12時間撹拌を続けた。反応完了後、反応溶液を室温に冷却させ、その後直接にスピン乾燥させ、粗生成物に水(20mL)を加え、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、半飽和食塩水(10mL×2)を加えて洗浄し、有機相に無水硫酸ナトリウムを加え、乾燥させた後濾過し、濾液を減圧濃縮して溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=3/1~1/1、体積比)により分離して中間体BB-6-2を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ:7.40-7.27 (m, 5 H), 4.18 (q, J=7.20 Hz, 2H), 3.55 (s, 2H), 3.02 ( s, 4H), 2.40 ( s, 4H), 1.28-1.34 (m, 5H), 0.94 (q, J=3.6 Hz, 2H)。
【0091】
ステップ2:中間体BB-6-3の合成
25℃で中間体BB-6-2(0.3g、1.04mmol)をエタノール(20mL)に加え、撹拌を開始させ、順次に化合物水酸化カリウム(583.66mg、10.40mmol)を加え、120℃に加熱させ、12時間撹拌を続けた。反応完了後、反応溶液を室温に冷却させ、スピン乾燥させた。次に、水(40mL)を加え、酢酸エチル(40mL×2)で抽出した。水相に4Mの希塩酸を加えてpHを3に調節し、次に、酢酸エチル(40mL)を加えて抽出し、生成物は水相にあり、水相を収集して凍結乾燥させた。化合物BB-6-3を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 10.70 ( s, 1H), 7.59 ( s, 2H), 7.45 (s, 3H), 4.26 ( s, 2H),3.46 (t, J=12.4 Hz, 2H),3.21 ( d, J=11.6 Hz, 2H),2.94 ( d, J=12.8 Hz, 2H),2.83 ( s, 2H),1.16 ( s, 2H),0.94 ( s, 2H)。
【0092】
ステップ3:化学物BB-6-4の合成
25℃で、中間体BB-6-3をN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に加え、撹拌を開始させ、順次に化合物BB-2(938.21mg、3.84mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(2.19g、5.76mmol)、トリエチルアミン(1.55g、15.37mmol、2.14mL)を加えた。窒素ガスの保護下で、12時間撹拌を続けた。反応完了後、反応溶液に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、半飽和食塩水(50mL)を加えて洗浄し、有機相に無水硫酸ナトリウムを加え、乾燥させた後濾過し、濾液を減圧濃縮して溶媒を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=1/1~0/1、体積比)により分離して中間体BB-6-4を得た。MS-ESI m/z:: 487.2[M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ:10.91 (s, 1H), 9.92 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.53 (d, J=8.8Hz, 1H), 7.41 (dd, J=8.8, 1.6Hz, 1H), 7.35-7.28 (m, 4H), 7.27-7.22 (m, 1H), 4.12 (dd, J=12.0, 4.8Hz, 1H), 3.50 (s, 2H), 3.40-3.30 (m, 2H), 2.89 (s, 2H), 2.83-2.74(m, 1H), 2.73 (s, 2H), 2.61-2.60 (m, 1H), 2.56-2.55 (m, 2H), 2.34-2.20 (m, 1H), 2.14-2.10 (m, 1H),1.08 - 1.06( m, 4 H)。
【0093】
ステップ4:化学物BB-6の合成
25℃で化合物BB-6-4(50mg、97.91μmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解させ、アルゴンガスの保護下で、湿式パラジウム炭素(5mg、10.28μL)を加え、水素ガスで3回置換し、圧力を40Psiに維持させ、反応溶液を30℃に加熱させ、水素ガスの雰囲気で、12時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を室温に冷却させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、溶媒を除去して化合物BB-6を得た。MS-ESI m/z:397.1[M+H]
【0094】
参照例7
【化43】

合成スキーム:
【化44】
【0095】
ステップ1:化学物BB-7-2の合成
25℃で化合物トリフェニルホスファイト(48.42g、156.06mmol、41.04mL)をジクロロメタン(250mL)に溶解させ、窒素ガスの雰囲気で、-70℃に冷却させ、液体臭素(27.21g、170.25mmol、8.78mL)を滴下し、滴下完了後順次にトリエチルアミン(18.66g、184.44mmol、25.67mL)及び化合物BB-7-1(25.00g、141.88mmol)のジクロロメタン(60mL)溶液を滴下し、滴下完了後ゆっくりと25℃に昇温させ、12時間撹拌した。反応完了後、反応溶液をゆっくりと飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(400mL)に注ぎ、10分間撹拌し、ジクロロメタン(200mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:純粋な石油エーテル)で精製した。化合物BB-7-2を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 7.48 (d, J=8.78 Hz, 1H), 6.75 (dd, J=8.53, 2.51 Hz, 1H), 6.68 (d, J=2.76 Hz, 1H), 6.30 (t, J=4.77 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 2.82 (t, J= 8.03Hz, 2H), 2.35 (td, J=8.03, 5.02 Hz, 2H)。
【0096】
ステップ2:化学物BB-7-3の合成
25℃で化合物BB-7-2(10.00g、41.82mmol)をトルエン(100mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で、0℃に冷却させ、ジクロロジシアノベンゾキノン(10.44g、46.00mmol)をバッチで加え,添加完了後25℃で15時間反応させた。反応溶液に飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(200mL)を滴下して反応系をクエンチングさせ、10分間撹拌した後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液(100mL)を加え、酢酸エチルで(50mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。得られた粗生成物を石油エーテル(50mL)で10分間スラリー化させ、濾過し、ケーキを石油エーテル(25mL×2)で濯ぎ、濾液をスピン乾燥させ、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:純粋な石油エーテル)で精製した。化合物BB-7-3を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.13 (d, J=9.29 Hz, 1H), 7.67 (d, J=8.28 Hz, 1H), 7.61 (d, J=7.28 Hz, 1H), 7.21-7.26 (m, 2H), 7.11 (d, J=2.51 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H)。
【0097】
ステップ3:化学物BB-7-4の合成
25℃で化合物BB-7-3(4.90g、20.67mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解させ、0℃に冷却させ、三臭化ホウ素(6.21g、24.80mmol、2.39mL)をゆっくりと滴下し、滴下完了後25℃で3時間撹拌した。反応溶液を氷水(250mL)に注いで反応系をクエンチングさせ、ジクロロメタン(100mL)で抽出し、有機相を飽和食塩水(100mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。化合物BB-7-4を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.19 (d, J=9.03 Hz, 1H), 7.63-7.73 (m, 2H), 7.26-7.32 (m, 1H), 7.23 (dd, J=9.03, 2.51 Hz, 1H), 7.19 (d, J=2.51 Hz, 1H)。
【0098】
ステップ4:化学物BB-7-5の合成
20℃で化合物BB-7-4(2.50g、11.21mmol)をメタンスルホン酸(25mL)に溶解させ、4-クロロアセト酢酸エチル(2.77g、16.81mmol、2.27mL)を滴下し、20℃で15時間撹拌した。反応溶液を氷水(200mL)に注いでクエンチングさせ、10分間撹拌し、濾過し、ケーキを水(30mL×3)で濯ぎ、次にスピン乾燥させた。化合物BB-7-5を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.56 (d, J=8.78 Hz, 1H), 8.46 (d, J=9.29 Hz, 1 H), 7.71 (d, J=9.29 Hz, 1H), 7.63 (dd, J=8.66, 7.65 Hz, 1H), 6.92 (s, 1H), 5.39 (s, 2H)。
【0099】
ステップ5:化学物BB-7-6の合成
25℃で化合物BB-7-5(0.10g、309.05μmol)を水酸化ナトリウム(2M、1.03mL)の水溶液に加え、80℃で3時間撹拌した。反応溶液を25℃に冷却させ、水(10mL)で希釈し、希塩酸(2M、水溶液)でpH=3に調節し、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(10mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液をスピン乾燥させた。化合物BB-7-6を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 12.59 (br s, 1H), 8.24 (d, J=8.38 Hz, 1H), 7.96 (d, J=9.26 Hz, 1H), 7.90 (d, J=7.50 Hz, 1H), 7.54 (dd, J=2.8 Hz, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 4.08 (s, 2H)。
【0100】
ステップ6:化学物BB-7の合成
25℃で化合物BB-7-6(1.40g、4.59mmol)を無水エタノール(14mL)に溶解させ、硫酸(413.28mg、4.13mmol、224.61μL、98%の濃度)をゆっくりと滴下した後、80℃に昇温させ、12時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して溶媒を除去し、酢酸エチル(60mL)を加えて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(60mL)を加え、酢酸エチル(60mL×2)で抽出し、有機相を飽和食塩水(60mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。石油エーテル(5mL)を加え、室温でスラリー化させ、10分間撹拌した後濾過し、ケーキを石油エーテル(5mL×2)で濯ぎ、ケーキを収集し、スピン乾燥させた。化合物BB-7を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.22 (t, J=8.41Hz, 2H), 7.78-7.85 (m, 2H), 7.75 (d, J=9.29Hz, 1H), 7.41 (t, J=7.91Hz, 1H), 4.23 (q, J=7.03 Hz, 2H), 4.06 (s, 2H), 1.26 (t, J=7.15Hz, 3H)。
【0101】
参照例8
【化45】

合成スキーム:
【化46】
【0102】
ステップ1:化合物8-1の合成
化合物BB-7(5g、15.01mmol)をトルエン(50mL)及び水(10mL)の混合溶媒に溶解させ、カルバミン酸tert-ブチル(2.64g、22.51mmol)、リン酸カリウム(12.74g、60.03mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(961.96mg、1.05mmol)及び2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2,4,6-トリイソプロピルビフェニル(892.16mg、2.10mmol)を加え、窒素ガスで3回置換し、100℃に昇温させて15時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却させ、濾過し、ケーキを酢酸エチル(30mL×3)で濯ぎ、濾液を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。粗生成物にメチルtert-ブチルエーテル(50mL)を加え、10分間撹拌し、濾過し、ケーキをメチルtert-ブチルエーテル(10mL×2)で濯ぎ、ケーキを収集して化合物BB-8-1を得た。
【0103】
ステップ2:化学物BB-8-2の合成
化合物BB-8-1(4.2g、11.37mmol)及びアクリルアミド(888.93mg、12.51mmol、863.04μL)をN,N-ジメチルホルムアミド(40mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下で、0℃に冷却させ、カリウムtert-ブトキシド(2.55g、22.74mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)溶液を滴下し、20℃に昇温させ2時間撹拌した。反応溶液を0.2Nの希塩酸(200mL)に注ぎ、酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。粗生成物にジクロロメタン(20mL)を加え、10分間撹拌し、濾過し、ケーキをジクロロメタン(10mL)で濯ぎ、ケーキを収集して化合物BB-8-2を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ:10.94 (s, 1H), 9.28 (s, 1H), 8.04-7.96 (m, 3H), 7.79 (d, J=9.6 Hz, 1H), 7.55-7.51 (m, 2H), 4.67 (dd, J=4.4 Hz, 12.0 Hz, 1H), 2.93-2.84 (m, 1H), 2.66-2.60 (m, 1H), 2.45-2.36 (m, 1H), 2.33-2.26 (m, 1H), 1.49 (s, 9H)。
【0104】
ステップ3:化合物BB-8の塩酸塩の合成
化合物BB-8-2(1g、2.54mmol)を酢酸エチル(10mL)に溶解させ、塩化水素・酢酸エチル(4M、50.00mL)を滴下し、20℃で15時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して化合物BB-8の塩酸塩を得た。
【0105】
参照例9
【化47】

合成スキーム:
【化48】
【0106】
ステップ1:化学物BB-9-1の合成
化合物BB-4-3(13g、30.71mmol)、炭酸カリウム(8.49g、61.41mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(300mL)に溶解させ、1,2-ジブロモエタン(28.84g、153.53mmol、11.58mL)を加え、80℃に昇温させて12時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却させ、水(1L)を加え、酢酸エチル(300mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(300mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=4/1)により分離して化合物BB-9-1を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.00-7.96 (m, 2H), 7.85-7.83 (m, 1H), 7.14-7.04 (m, 3H), 4.44 (t, J=6.0 Hz, 2H), 3.71 (t, J=6.4 Hz, 2H), 1.60 (s, 6H)。
【0107】
ステップ2:化学物BB-9の合成
化合物BB-9-1(3g、5.66mmol)及びメチルアミン塩酸塩(1.91g、28.28mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)に入れ、炭酸カリウム(11.73g、84.85mmol)を加え、50℃に昇温させて12時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却させ、水(70mL)を加え、酢酸エチル(50mL×4)で抽出し、有機相を飽和食塩水(70mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=50/1~10/1)により分離して化合物BB-9を得た。
【0108】
参照例10:フラグメントBB-10:
【化49】

合成スキーム:
【化50】
【0109】
ステップ1:化学物BB-10-2の合成
0℃で及び窒素ガスの保護下で、化合物BB-10-1(5g、18.03mmol)をジクロロメタン(50mL)及びアセトン(25mL)に溶解させ、順次にシアノトリメチルシラン(2.68g、27.04mmol、3.38mL)、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(400.67mg、1.80mmol、325.74μL)をゆっくりと滴下し、反応混合物を20℃で2時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧して溶媒を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~4/1、体積比)により分離して化合物BB-10-2を得た。
【0110】
ステップ2:化学物BB-10の合成
室温及び窒素ガスの保護下で、化合物BB-10-2(10g、29.03mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(100mL)、4-イソチオシアナト-2-(トリフルオロメチル)ベンゾニトロル(6.62g、29.03mmol)に溶解させ、反応溶液にバッチで加え、反応混合物を20℃で3時間撹拌し、メタノール(100mL)、希塩酸(2M、56.32mL)を加え、反応混合物を70℃で2時間撹拌し、反応完了後、室温に冷却させ、水(100mL)を加えて希釈し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(100mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧して溶媒を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=20/1~10/1、体積比)により分離して化合物BB-10を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ:7.99 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.96 (d, J=1.6 Hz, 1H), 7.84 (dd, J=2.0, 8.4 Hz, 1H), 7.22 (d, J=9.2 Hz, 2H), 7.04 (d, J=8.8 Hz, 2H), 3.64-3.57 (m, 4H), 3.45-3.38 (m, 4 H), 1.58 (s, 6H)。
【0111】
参照例11:フラグメントBB-11:
【化51】

合成スキーム:
【化52】
【0112】
ステップ1:化学物BB-11-2の合成
0℃及び窒素ガスの保護下で、化合物BB-11-1(0.87g、5.57mmol)及び化合物tert-ブチル[(1R,4R)-4-ヒドロキシシクロヘキシル]カルバメート(1.00g、4.64mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解させ、次に、水素ナトリウム(278.68mg、6.97mmol、60%)を加え、0℃で2時間撹拌して反応させた。反応完了後、反応溶液に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、順次に水(50mL×3)及び飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して溶媒を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~6/1、体積比)により分離して化合物BB-11-2を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.00 (s, 1H), 7.56-7.47 (m, 1H), 6.97-6.92 (m, 1H), 6.84-6.72 (m, 1H), 4.29-4.17 (m, 1H), 4.13-4.08 (m, 1H), 2.14-2.03 (m, 4H), 1.47-1.38 (m, 9H), 1.26-1.20 (m, 4H)。
【0113】
ステップ2:化合物BB-11-3の塩酸塩の合成
室温で、化合物BB-11-2(2.70g、7.70mmol)をメタノール(5mL)に溶解させ、次に、4Mの塩化水素メタノール溶液(25mL)を加え、反応混合物を室温で12時間撹拌して反応させた。反応完了後、減圧濃縮して溶媒を除去して化合物BB-11-3の塩酸塩を得、直接に後の反応に使用した。
【0114】
ステップ3:化学物BB-11-6の合成
室温で、化合物BB-11-5(10.00g、57.95mmol)及び4-ピペリジンメタノール(6.67g、57.95mmol)をジメチルスルホキシド(100mL)に溶解させ、次に、トリエチルアミン(11.73g、115.90mmol、16.13mL)を加え、反応混合物を90℃に加熱させ、12時間撹拌して反応させた。反応完了後室温に冷却させ、反応溶液に水(200mL)を加え、ジクロロメタン(100mL×4)で抽出した。有機相を合わせ、順次に水(100mL×2)及び飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して溶媒を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=1/0~20/1、体積比)により分離して化合物BB-11-6を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ:7.79 (d, J=9.2 Hz, 1H), 7.27 (d, J=9.6 Hz, 1H), 4.57-4.53 (m, 1H), 4.53-4.48 (m, 2H), 3.86 (s, 3H), 3.30-3.24 (m, 2H), 2.99 (td, J=1.9, 12.7 Hz, 2H), 1.81-1.66 (m, 3H), 1.21-1.06 (m, 2H)。
【0115】
ステップ4:化学物BB-11-7の合成
室温で、BB-11-6(2.00g、7.96mmol)をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解させ、次に、2Mの水酸化ナトリウム水溶液(15mL)を加え、反応混合物を室温で12時間撹拌して反応させた。反応完了後、4Mの塩酸でpHを4~5に調節し、減圧濃縮して溶媒を除去し、化合物BB-11-7の粗生成物を得、直接に後の反応に使用した。
【0116】
ステップ5:化学物BB-11-4の合成
室温及び窒素ガスの保護下で、化合物BB-11-3の塩酸塩(7.65mmol)及び化合物BB-11-7(7.65mmol、粗生成物)をN,N-ジメチルホルムアミド(46mL)に溶解させ、次に、ジイソプロピルエチルアミン(1.03g、7.96mmol、1.39mL)及び2-(7-アザベンゾトリアゾリル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート(3.03g、7.96mmol)を加え、室温で12時間撹拌して反応させた。反応完了後、反応溶液に水(100mL)を加え、酢酸エチル(70mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、順次に水(100mL×2)及び飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して溶媒を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=1/0~20/1、体積比)により分離して化合物BB-11-4を得た。MS-ESI m/z: 470.2 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.58 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.85 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.79 (d, J=9.6 Hz, 1H), 7.38 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.33 (d, J=9.6 Hz, 1H), 7.13 (dd, J=2.4, 8.8 Hz, 1H), 4.60-4.44 (m, 4H), 3.92-3.79 (m, 1H), 3.32-3.27 (m, 2H), 3.07-2.95 (m, 2H), 2.18-2.05 (m, 2H), 1.95-1.84 (m, 2H), 1.81-1.68 (m, 3H), 1.68-1.51 (m, 2H), 1.51-1.48 (m, 2H), 1.20-1.06 (m, 2H)。
【0117】
ステップ6:化学物BB-11の合成
室温で、化合物BB-11-4(100.02mg、205.06μmol)をジクロロメタン(6mL)に溶解させ、次に、デス・マーチン酸化剤(130.46mg、307.59μmol)を加え、室温で、1時間撹拌して反応させた。反応完了後、反応溶液に水(20mL)を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して溶媒を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~0/1、体積比)により分離して化合物BB-11を得た。MS-ESI m/z:468.2 [M + H] +。
【0118】
参照例12:フラグメントBB-12:
【化53】

合成スキーム:
【化54】
【0119】
ステップ1:化学物BB-12-1の合成
25℃で化合物BB-3-4(10.00g、30.01mmol)及び1-tert-ブトキシカルボニルピペラジン(8.39g、45.02mmol)をトルエン(150mL)及び水(20mL)に加え、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(1.92g、2.10mmol)、リン酸カリウム(19.11g、90.04mmol)、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(1.78g、4.20mmol)を反応系にゆっくりと加え、混合物を窒素ガスで3回置換した後、100℃に昇温させて12時間撹拌した。反応溶液を25℃に冷却させ、珪藻土で濾過し、ケーキを20mLの酢酸エチルで洗浄した。濾液を300mLの酢酸エチル及び300mLの水に加え、水相を酢酸エチル(200mL×2)で抽出し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=50/1~5/1)により分離して化合物BB-12-1を得た。
MS-ESI m/z: 439.0 [M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.15 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.60 (s, 2H), 7.36 (dd, J=2.5, 9.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J=2.5 Hz, 1H), 4.23 (q, J=7.1 Hz, 2H), 4.04 (s, 2H), 3.71 - 3.62 (m, 4H), 3.29 - 3.20 (m, 4H), 1.53 (s, 9H), 1.28 (dt, J=7.2 Hz, 3H)。
【0120】
ステップ2:化学物BB-12-2の合成
0℃で化合物BB-12-1(8.6g、15.86mmol)及びアクリルアミド(1.13g、15.86mmol、1.09mL)をN,N-ジメチルホルムアミド(80mL)に加え、撹拌を開始させ、カリウムtert-ブトキシド(2.67g、23.80mmol)を反応系にバッチで加え、反応溶液を窒素ガスで3回置換した後、0℃で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液(480mL)にゆっくりと滴下し、大量の固体を析出させ、濾過し、ケーキを水で2回洗浄し(20mL×2)、ケーキを収集し、減圧してスピン乾燥させた。得られた粗生成物をメタノール(10mL)に加えて30分間撹拌し、濾過し、ケーキをメタノール(5mL)で洗浄し、ケーキを収集し、減圧してスピン乾燥させて化合物BB-12-2を得た。H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 10.96 (br dd, J=2.9, 6.1 Hz, 1H), 8.02 (br d, J=8.8 Hz, 1H), 7.97 - 7.91 (m, 1H), 7.72 - 7.65 (m, 2H), 7.44 - 7.37 (m, 2H), 4.62 (br dd, J=4.3, 11.8 Hz, 1H), 3.53 (br s, 4H), 3.22- 3.20 (m, 4H), 2.93 - 2.83 (m, 1H), 2.68 - 2.57 (m, 1H), 2.39 (dq, J=4.3, 12.5 Hz, 1H), 2.26 (br dd, J=3.9, 8.7 Hz, 1H), 1.44 (s, 9H)。
【0121】
ステップ3:化合物BB-12の塩酸塩の合成
化合物BB-12-2(3.4g、7.34mmol)を酢酸エチル(20mL)に加え、撹拌を開始させ、塩化水素・酢酸エチル溶液(4M、30mL)をゆっくりと加え、反応溶液を窒素ガスで3回置換した後25℃で12時間撹拌した。反応完了後、濾過し、ケーキを酢酸エチル(5mL×2)で洗浄し、ケーキを収集し、減圧してスピン乾燥させて化合物BB-12の塩酸塩を得た。H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 10.96 (s, 1H), 9.65 (br s, 2H), 8.07 (br d, J=9.3 Hz, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.75 - 7.69 (m, 2H), 7.53 (d, J=2.3 Hz, 2H), 7.45 (dd, J=2.4, 9.2 Hz, 1H), 4.64 (br dd, J=4.4, 11.9 Hz, 1H), 3.54 (br d, J=5.0 Hz, 4H), 3.28 (br s, 4H), 2.94 - 2.82 (m, 1H), 2.67 - 2.58 (m, 1H), 2.39 (br dd, J=4.0, 12.5 Hz, 1H), 2.30 - 2.17 (m, 1H)。
【0122】
参照例13:フラグメントBB-13
【化55】

合成スキーム:
【化56】
【0123】
ステップ1:化学物BB-13-1の合成
25℃で化合物BB-7(1.4g、4.20mmol)及び1-tert-ブトキシカルボニルピペラジン(1.17g、6.30mmol)をジオキサン(20mL)及び水(4mL)に加え、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(269.35mg、294.14μmol)、リン酸カリウム(2.68g、12.61mmol)、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(249.81mg、588.28μmol)を反応系にゆっくりと加え、混合物を窒素ガスで3回置換した後、100℃に昇温させて12時間撹拌した。反応溶液を25℃に冷却させ、珪藻土で濾過し、ケーキを20mLの酢酸エチルで洗浄した。濾液を酢酸エチル(100mL)及び水(100mL)に加え、水相を酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=50/1~10/1)により分離して化合物BB-13-1を得た。MS: ESI m/z:439.0[M+H]H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.17 (d, J=9.3 Hz, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.86 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.77 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.53 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.19 (d, J=7.3 Hz, 1H), 4.20 - 4.09 (m, 4H), 3.36 - 2.59 (m, 8H), 1.45 (s, 9H), 1.20 (t, J=7.0 Hz, 3H)。
【0124】
ステップ2:化学物BB-13-2の合成
0℃で化合物BB-13-1(1.5g、3.26mmol)及びアクリルアミド(231.68mg、3.26mmol、224.93μL)をN,Nジメチルホルムアミド(20mL)に加え、撹拌を開始させ、カリウムtert-ブトキシド(438.91mg、3.91mmol)をゆっくりと反応系にバッチで加え、反応溶液を窒素ガスで3回置換した後、0℃で1時間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(75mL)にゆっくりと滴下し、固体を析出させ、濾過した。ケーキを水(5mL×2)で洗浄し、固体を収集し、減圧してスピン乾燥させた。粗生成物を5mLのメタノールに加え、15分間撹拌し、濾過し、ケーキをメタノール(3mL×2)で洗浄し、固体を収集し、減圧してスピン乾燥させた。化合物BB-13-2を得た。MS-ESI m/z: 464.0[M+H]H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ:8.19 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.97 (d, J=16.8 Hz, 2H), 7.78 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.51 (br t, J=8.0 Hz, 1H), 7.18 (br d, J=7.5 Hz, 1H), 4.66 (br d, J=7.8 Hz, 1H), 3.34 (m, 4H), 3.17 (m, 4H), 2.89 - 2.81 (m, 1H), 2.68 - 2.55 (m, 1H), 2.40 (dq, J=3.8, 12.4 Hz, 1H), 2.26 (br s, 1H), 1.44 (s, 9H)。
【0125】
ステップ3:化合物BB-13の塩酸塩の合成
化合物BB-13-2(0.6g、1.16mmol)を酢酸エチル(6mL)に加え、撹拌を開始させ、塩化水素・酢酸エチル(4M、10mL)を反応系にゆっくりと加え、反応系を窒素ガスで3回置換した後、25℃で12時間撹拌した。混合物を減圧し、スピン乾燥させて化合物BB-13の塩酸塩を得た。MS-ESI m/z:364.0[M+H]
【0126】
実施例1
【化57】

合成スキーム:
【化58】

室温及び窒素ガスの保護下で、化合物BB-4(0.3g、505.40μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解させ、BB-2(123.44mg、505.40μmol、塩酸塩),トリエチルアミン(255.70mg、2.53mmol、351.72μL)、2-(7-アザベンゾトリアゾリル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート(288.25mg、758.10μmol)を加え、反応混合物を20℃で2時間撹拌し、反応完了後、水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(50mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧して溶媒を除去した。得られた残留物を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水;酸性系:0.05%の塩酸)により分離して凍結乾燥させ、標的化合物WX001を得た。MS-ESI m/z: 820.2 [M+H]H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ: 10.94(s, 1H), 10.61(s, 1H), 8.40(d, J=8.0 Hz, 1H), 8.29(d, J=1.6Hz, 1H), 8.08(m, 1H), 7.93-7.92(m, 2H), 7.57(d, J=8.8Hz, 1H), 7.49-7.43(m, 3H), 7.40(d, J=2.4Hz, 1H), 4.59(s, 2H), 4.15-4.11(m, 1H), 3.62-3.54(m, 6H), 2.90-2.51(m, 8H), 2.25-2.15(m, 2H), 1.52(s, 6H).
【0127】
実施例2
【化59】

合成スキーム:
【化60】

化合物BB-4(100mg、168.47μmol)及び中間体BB-1(47.29mg、168.47μmol)の塩酸塩をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に加え、2-(7-アザベンゾトリアゾリル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート(96.08mg、252.70μmol)及びトリエチルアミン(34.09mg、336.93μmol、46.90μL)を反応系にゆっくりと加え、混合物を窒素ガスで3回置換した後、25℃で12時間撹拌した。反応溶液を20mLの水及び30mLの酢酸エチルに注ぎ、有機相を分離し、水(20mL×2)で2回洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させ、得られた残留物を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水;酸性系:0.05%の塩酸)により分離して化合物WX002を得た。MS-ESI m/z: 820.2 [M+H]H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ: 10.90(s, 1H), 10.47(br s, 1H), 8.40(d, J=8.3 Hz, 1H), 8.28(d, J=1.5 Hz, 1H), 8.13 - 7.97(m, 2H), 7.87(s, 1H), 7.54(d, J=8.5 Hz, 1H), 7.47 - 7.29(m, 3H), 7.26 - 7.13(m, 1H), 4.54(br s, 2H), 4.12(dd, J=4.8, 11.8 Hz, 1H), 3.67 - 3.45(m, 2H), 2.83 - 2.67(m, 2H), 2.63 - 2.43(m, 10H), 2.39 - 2.25(m, 1H), 2.19 - 2.03(m, 1H), 1.52(s, 6H)。
【0128】
実施例3
【化61】

合成スキーム:
【化62】

室温及び窒素ガスの保護条件下で、BB-3の塩酸塩(378mg、1.08mmol)及びBB-4(767.86mg、1.29mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)溶媒に溶解させ、その中に2-(7-アザベンゾトリアゾリル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート(614.82mg、1.62mmol)及びトリエチルアミン(272.70mg、2.69mmol)を加え、反応混合物を25℃で3時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、順次に飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して溶媒を除去した。得られた残留物を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水;酸性系:0.05%の塩酸)により分離して標的化合物WX003を得た。MS-ESI m/z: 870.1 [M+H]H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ: 10.96(s, 1H), 10.73(s, 1H), 8.41-8.40(m, 2H), 8.39(d, J=1.6 Hz, 1H), 8.08(d, J=8.8 Hz, 1H), 8.07(dd, J=1.6, 8.4 Hz, 1H), 8.01(s, 1H), 7.78(s, 3H), 7.75(d, J=2.0 Hz, 1H), 7.46-7.37(m, 2H), 7.23(d, J=8.8 Hz, 1H), 4.68(dd, J=4.0, 11.2 Hz, 1H), 4.58(s, 2H), 3.98(m, 1H), 3.47(s, 9H), 2.95 - 2.58(m, 3H ), 2.49 - 2.21(m, 3H), 1.52(s, 6H)。
【0129】
実施例4
【化63】

合成スキーム:
【化64】
【0130】
ステップ1:WX004-1の合成
化合物BB-5(102.38mg、393.35μmol)及びBB-4-5(150mg、262.23μmol、145.82μL、塩酸塩)をジクロロメタン(10mL)に加え、トリエチルアミン(53.07mg、524.46μmol、73.00μL)を反応系にゆっくりと加え、混合物を25℃で0.5時間撹拌し、酢酸水素化ホウ素ナトリウム(138.94mg、655.58μmol)を反応系にゆっくりと加え、混合物を窒素ガスで3回置換した後、25℃で11.5時間撹拌した。反応系を50mLの水にゆっくりと加え、ジクロロメタンで(50mL×3)3回抽出し、有機相を合わせ減圧してスピン乾燥させた。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=1/0~5.7/1、体積比)により精製して化合物WX004-1を得た。MS-ESI m/z: 780.1 [M+H]
【0131】
ステップ2:WX004の合成
0℃の化合物WX004-1(280mg、309.14μmol)及びアクリルアミド(26.37mg、370.97μmol、25.60μL)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に加え、カリウムtert-ブトキシド(173.45mg、1.55mmol)をゆっくりと反応系にハッチで加え、混合物を窒素ガスで3回置換した後、0℃で1時間撹拌した。反応系を飽和塩化アンモニウムの溶液にゆっくりと加え、酢酸エチル(20mL×2)で2回抽出し、有機相を合わせて飽和食塩水(20mL×2)で2回洗浄し、有機相を収集して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させた。得られた残留物を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水;酸性系:0.05%のHCl)により分離して標的化合物WX004を得た。MS-ESI m/z: 805.4 [M+H]H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ:10.89(s, 1H), 8.40(d, J=8.3 Hz, 1H), 8.28(d, J=1.0 Hz, 1H), 8.07(dd, J=1.4, 8.2 Hz, 1H), 7.85(d, J=6.8 Hz, 1H), 7.53(dd, J=4.0, 7.8 Hz, 1H), 7.49 - 7.32(m, 3H), 7.21(br d, J=8.8 Hz, 1H), 7.15(dd, J=5.5, 7.3 Hz, 1H), 4.53(br d, J=1.0 Hz, 2H), 4.12(dd, J=4.9, 11.9 Hz, 1H), 3.83 - 3.62(m, 5H), 3.27 - 3.06(m, 2H), 2.84 - 2.65(m, 3H), 2.57(br dd, J=4.1, 17.2 Hz, 4H), 2.49 - 2.42(m, 2H), 2.40 - 2.26(m, 1H), 2.19 - 2.01(m, 3H), 1.52(s, 6H)。
【0132】
実施例5
【化65】

合成スキーム:
【化66】
【0133】
ステップ1:中間体WX005-1の合成
室温で、BB-4-3(1.00g、2.36mmol)及びブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(512.01mg、2.60mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解させ、その中に炭酸カリウム(391.73mg、2.83mmol)を加え、反応混合物を80℃で窒素ガスの保護下で、反応系を12時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却させ、混合物に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、順次に飽和食塩水(50mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して溶媒を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~3/1、体積比)により分離して中間体WX005-1を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.01-7.94 (m, 2H), 7.84 (dd, J=2.0, 8.4 Hz, 1H), 7.16-7.10 (m, 1H), 7.09-7.00 (m, 2H), 4.88 (t, J=5.2 Hz, 1H), 4.13 (d, J=5.2 Hz, 2H), 3.86-3.76 (m, 2H), 3.72-3.62 (m, 2H), 1.59 (s, 6H), 1.27 (t, J=7.0 Hz, 6H).
【0134】
ステップ2:中間体WX005-2の合成
室温で、WX005-1(500.00mg、926.71μmol)をエタノール(20mL)に溶解させ、その中に酢酸(5.25g、87.42mmol)及び塩酸(1M、2.5mL)を加え、反応混合物を80℃で窒素ガスの保護下で、反応系を12時間撹拌した。反応完了後、室温に冷却させ、減圧濃縮して溶媒を除去し(エタノール)、混合物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、順次に飽和食塩水(30mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して溶媒を除去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=1/0~1/1、体積比)により分離して中間体WX005-2を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 9.92 (s, 1H), 8.02-7.92 (m, 2H), 7.84 (dd, J=2.0, 8.0 Hz, 1H), 7.19-7.10 (m, 1H), 7.10-7.01 (m, 2H), 4.74 (s, 2H), 1.60 (s, 6H).
【0135】
ステップ3:化学物WX005の合成
25℃で化合物WX005-2(40mg、85.94μmol)をジクロロメタン(10mL)に加え、撹拌を開始させ、次に、化合物BB-6(36.80mg、77.35μmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(54.65mg、257.83μmol)を加えた。窒素ガスの保護下で、12時間撹拌を続けた。反応完了後、反応溶液に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、半飽和食塩水(50mL×2)を加えて洗浄し、有機相を加え無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後濾過し、スピン乾燥させた。得られた残留物を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水;酸性系:0.05%のHCl)により分離して標的化合物WX005を得た。ESI m/z: 846.2[M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ:10.89 (s, 2H),9.77 (s, 1H),8.39 (d, J=8.4 Hz, 1H),8.27 (d, J=1.25 Hz, 1H),8.07 (d, J=8.4 Hz, 1 H),7.96 (d, J=1.2 Hz, 1H),7.88 (s, 1H),7.51 - 7.56 (m, 1H),7.44 - 7.50 (m, 1H),7.35 - 7.44 (m, 2H),7.21 -7.23 ( m, 1H),4.61 (s, 2H),4.11 (dd, J=12.0, 4.8 Hz, 1H),3.5 -3.60 (m, 4H),3.50 -3.51 (m, 2H),2.93 - 3.02 (m, 2H),2.80 - 2.90 (m, 2H),2.70 - 2.79 (m, 1H),2.55 - 2.68 (m, 1H),2.22 - 2.35 (m, 1H),2.06 - 2.19 (m, 1H),1.51 (s, 6H),1.14 - 1.21 (m, 2H),1.08-1.10 (m, 2H)。
【0136】
実施例6
【化67】

合成スキーム:
【化68】
【0137】
ステップ1:化学物WX006-1の合成
化合物BB-9(71.00mg、499.50μmol、66.36μL)及び化合物2-ホルミル-1-シクロプロパンカルボン酸エチル(0.2g、416.25μmol)をジクロロメタン(4mL)及び氷酢酸(0.1mL)の混合溶媒に溶解させ、20℃でトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(132.33mg、624.38μmol)を加え、20℃で15時間撹拌した。反応溶液に水(2mL)を加え、10分間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を加え、ジクロロメタン(5mL×4)で抽出し、有機相を飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。分取薄層クロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン/メタノール=10/1)により分離・精製して化合物WX006-1を得た。
【0138】
ステップ2:化学物WX006-2の合成
化合物WX006-1(0.11g、181.33μmol)をテトラヒドロフラン(2mL)及び水(0.4mL)の混合溶媒に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(38.05mg、906.65μmol)を加え、20℃で15時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(5mL)を加え、1Nの水酸化リチウム水溶液(2mL×5)で洗浄し、水相を1Nの希塩酸でpH=4~5に調節し、ジクロロメタン(5mL×3)で抽出し、有機相を直接に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させて化合物WX006-2を得た。
【0139】
ステップ3:化学物WX006の合成
化合物WX006-2(90mg、155.55μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、2-(7-アザベンゾトリアゾリル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート(88.72mg、233.33μmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(100.52mg、777.77μmol、135.47μL)を加え、10分間撹拌した後化合物BB-8の塩酸塩(54.94mg、186.66μmol)を加え、20℃で60時間撹拌した。反応溶液を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水;中性系)により分離・精製して化合物WX006を得た。H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.15-8.13 (m, 2H), 8.06-8.05 (m, 1H), 7.98 (t, J=10 Hz, 2H), 7.84 (s, 1H), 7.69 (d, J=9.2 Hz, 1H), 7.58 - 7.55 (m, 2H), 7.29 - 7.19 (m, 2H), 7.10- 7.08 (m, 1H), 4.65-4.61 (m, 1H), 4.33 (t, J=5.2 Hz, 2H), 3.07 (t, J=4.8 Hz, 2H), 2.92 - 2.84 (m, 1H), 2.77 - 2.70 (m, 2H), 2.61 - 2.58 (t, 1H), 2.55 (s, 3H) 2.46-2.42 (m, 2H), 1.94-1.91 (m, 1H), 1.67-1.65 (m, 1H), 1.52 (s, 6H), 1.35-1.31 (m, 1H), 0.95-0.90 (m, 1H)。
【0140】
実施例7
【化69】

合成スキーム:
【化70】
【0141】
ステップ1:化学物WX007-1の合成
化合物WX007-2(0.5g、3.47mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解させ、反応溶液を0℃に冷却させ、反応溶液をデス・マーチン酸化剤(2.94g、6.94mmol、2.15mL)にバッチで加え、20℃にゆっくりと昇温させて2時間撹拌した。反応溶液を0~10℃の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)及び10%のチオ硫酸ナトリウム水溶液(30mL)に注ぎ、ジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して化合物WX007-3の溶液を得た。化合物WX007-3の溶液及び化合物BB-9(1.4g、2.91mmol)をジクロロメタン(5mL)及び氷酢酸(0.1mL)に溶解させ、20℃でトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.24g、5.83mmol)を加えて12時間撹拌した。反応溶液に水(50mL)を加え、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(20mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=1/1~0/1)により精製して化合物WX007-1を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.00-7.96 (m, 2H), 7.85 (dd, J = 1.6 Hz, 8.4 Hz, 1H), 7.14-7.02 (m, 3H), 4.21-4.18 (m, 2H), 4.13 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.98-2.90 (m, 2H), 2.78 (s, 2H), 2.41 (s, 3H), 1.59 (s, 6H), 1.29-1.23 (m, 5H), 0.88-0.85 (m, 2H)。
【0142】
ステップ2:化学物WX007-4の合成
化合物WX007-1(0.53g、873.68μmol)をテトラヒドロフラン(5mL)及び水(1mL)に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(183.30mg、4.37mmol)を加え、20℃で24時間撹拌した。40℃に昇温させて24時間撹拌した。反応溶液を1Nの塩酸でpH=6~7に調節し、大部分のテトラヒドロフランをスピンオフし、メチルtert-ブチルエーテル(30mL)及び10%の炭酸カリウム水溶液(20mL×3)を加え、分離し、水相を1Nの塩酸でpH=5~6に調節し、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させて化合物WX007-4を得た。
【0143】
ステップ3:化学物WX007の合成
化合物WX007-4(50mg、86.42μmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(44.68mg、345.68μmol、60.21μL)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、20℃で2-(7-アザベンゾトリアゾリル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート(39.43mg、103.70μmol)を加えて5分間撹拌し、化合物BB-8の塩酸塩(34.30mg、103.70μmol)を加え、20℃で12時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、溶媒を除去して粗生成物を得、粗生成物を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水;酸性系:0.05%のHCl)により分離・精製して化合物WX007を得た。H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.17-8.15 (m, 3H), 7.98 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.87-7.84 (m, 2H), 7.74 (d, J=9.6 Hz, 1H), 7.62 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.45 (d, J=7.2 Hz, 1H), 7.28-7.25 (m, 2H), 7.12 (d, J=8.8 Hz, 1H), 4.65 (dd, J=5.6 Hz, 11.2 Hz, 1H), 4.52 (t, J=4.4 Hz, 2H), 3.90 (dd, J=4.0 Hz, 13.2 Hz, 1H), 3.83-3.79 (m, 1H), 3.65-3.61 (m, 1H), 3.32-3.29 (m, 1H), 3.08 (s, 3H), 2.94-2.85 (m, 1H), 2.77-2.72 (m, 1H), 2.53-2.43 (m, 2H), 1.92-1.84 (m, 2H), 1.53 (s, 6H), 1.48-1.45 (m, 1H), 1.39-1.35 (m, 1H)。
【0144】
実施例8
【化71】

合成スキーム:
【化72】
【0145】
ステップ1:化学物WX008-2の合成
化合物WX008-1(100g、460.70mmol)及び塩化アセチル(54.25g、691.05mmol、49.31mL)をジクロロメタン(1000mL)に溶解させ、窒素ガスで置換・保護し、20℃で三塩化アルミニウム(92.15g、691.05mmol、37.76mL)をバッチで加え、反応溶液を2時間撹拌した。反応溶液を6Nの氷塩酸(400mL)に注ぎ、ジクロロメタン(700mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(700mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させて得られた粗生成物をメタノール(500mL)でスラリー化させ、15分間撹拌し、濾過し、メタノール(100mL×2)でケーキを濯ぎ、ケーキを収集して化合物WX008-2を得た。
【0146】
ステップ2:化学物WX008-3の合成
WX008-2(20g、77.19mmol)をジクロロメタン(200mL)に溶解させ、-70℃に冷却させ、三臭化ホウ素(17.40g、69.47mmol、6.69mL)を滴下し、20℃にゆっくりと昇温させて1時間撹拌した。反応溶液を4Nの塩酸(100mL)に注ぎ、酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(100mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させ、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=7/1)により分離して化合物WX008-3を得た。
【0147】
ステップ3:化学物WX008-4の合成
化合物WX008-3(13.84g、56.47mmol)をクロロホルム(70mL)及び酢酸エチル(70mL)に溶解させ、臭化銅(25.23g、112.95mmol、5.29mL)を加え、90℃に昇温させて16時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却させ、濾過し、ジクロロメタン(110mL)でケーキを濯ぎ、化合物WX008-4のジクロロメタン溶液を得た。
【0148】
ステップ4:化学物WX008-5の合成
0℃で、トリエチルアミン(11.43g、112.97mmol、15.72mL)を化合物WX008-4のジクロロメタン溶液にゆっくりと滴下し、滴下完了後、20℃に昇温させ、2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL×3)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、化合物WX008-5のジクロロメタン溶液を得た。
【0149】
ステップ5:化学物WX008-6の合成
WX008-5のジクロロメタン溶液にトルエン(150mL)及びエトキシカルボニルメチレントリフェニルホスホラン(23.62g、67.79mmol)を加え、130℃に昇温させ、低沸点溶媒を水分離器で分離し、12時間撹拌した。室温に冷却させ、直接に減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により分離して化合物WX008-6を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.70 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.05 (s, 1H), 4.20 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.67 (s, 2H), 1.28 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0150】
ステップ6:化学物WX008-7の合成
化合物WX008-6(4g、12.77mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶解させ、-70℃に冷却させ、三臭化ホウ素(3.36g、13.41mmol、1.29mL)を滴下し、0.5時間保温して撹拌し、0℃にゆっくりと昇温させて1時間撹拌した。-70℃に冷却させ、三臭化ホウ素(3.36g)を加え、0℃にゆっくりと昇温させて1時間撹拌した。反応溶液を1Nの塩酸(50mL)に注ぎ、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(50mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=5/1)により分離して化合物WX008-7を得た。
【0151】
ステップ7:化学物WX008-8の合成
化合物WX008-7(1.8g、6.02mmol)及び炭酸カリウム(1.83g、13.24mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に入れ、2-ブロモ-1,1-ジメトキシエタン(1.22g、7.22mmol、847.58μL)を加え、100℃に昇温させて12時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却させ、水(50mL)を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(30mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により分離して化合物WX008-8を得た。
【0152】
ステップ8:化学物WX008-9の合成
化合物WX008-8(1.84g、4.75mmol)をトルエン(20mL)に入れ、ポリリン酸(1.84g、8.74mmol)を加え、100℃に昇温させて12時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却させ、水(30mL)を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により分離して化合物WX008-9を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 7.81 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.71 (m, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.13 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.20 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.85 (d, J = 0.8 Hz, 2H), 1.25 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0153】
ステップ9:化学物WX008-10の合成
化合物WX008-9(700mg、2.17mmol)、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(128.78mg、303.28μmol)、カルバミン酸tert-ブチル(304.53mg、2.60mmol)、リン酸カリウム(1.84g、8.67mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(138.86mg、151.64μmol)をトルエン(10mL)及び水(2mL)に入れ、窒素ガスで置換・保護し、100℃に昇温させて6時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却させ、水(20mL)を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(20mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。粗生成物にn-ヘプタン(10mL)を加えて15分間撹拌し、濾過し、n-ヘプタン(3mL×3)でケーキを濯ぎ、ケーキを収集して化合物WX008-10を得た。
【0154】
ステップ10:化学物WX008-11の合成
化合物WX008-10(760mg、2.11mmol)及びアクリルアミド(165.35mg、2.33mmol、160.53μL)をN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解させ、20℃でカリウムtert-ブトキシド(498.34mg、4.44mmol)を加え、20℃で1時間撹拌した。反応溶液を0~10℃の1N塩酸(20mL)に注ぎ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=1/1)により分離して化合物WX008-11を得た。
【0155】
ステップ11:化合物WX008-12の塩酸塩の合成
化合物WX008-11(240mg、624.38μmol)を酢酸エチル(1mL)に入れ、塩化水素・酢酸エチル(4M、10mL)を加え、20℃で3時間撹拌した。反応溶液を直接に減圧濃縮して化合物WX008-12の塩酸塩を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 10.94 (s, 1H), 8.16 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.09 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.29 (dd, J = 4.8 Hz, 12.0 Hz, 1H), 2.86-2.77 (m, 1H), 2.68-2.58 (m, 1H), 2.34-2.22 (m, 1H), 2.19-2.14 (m, 1H)。
【0156】
ステップ12:化学物WX008の合成
化合物BB-4(125.29mg、211.07μmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(90.93mg、703.57μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、20℃で2-(7-アザベンゾトリアゾリル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート(86.94mg、228.66μmol)を加えて5分間撹拌した。20℃で化合物WX008-12の塩酸塩(50mg、175.89μmol)を加えて12時間撹拌した。反応溶液を直接に減圧濃縮した。粗生成物を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水;酸性系:0.05%のHCl)により分離・精製して化合物WX008を得た。H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.19 (s, 1H), 8.17-8.15 (m, 2H), 7.98 (dd, J = 1.6 Hz, 8.0 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.40-7.35 (m, 1H), 7.32 (dd, J = 2.4 Hz, 11.6 Hz, 1H), 7.25-7.22 (m, 1H), 7.02 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.60-4.58 (m, 2H), 4.29 (dd, J = 5.2 Hz, 11.6 Hz, 1H), 3.92 (s, 2H), 3.77-3.69 (m, 6H), 3.42 (m, 4H), 2.92-2.83 (m, 1H), 2.79-2.73 (m, 1H), 2.44-2.30 (m, 2H), 1.57 (s, 6H)。
【0157】
実施例9
【化73】

合成スキーム:
【化74】

化合物WX009の合成
化合物BB-4(200mg、336.93μmol)及びBB-8の塩酸塩(133.73mg、404.32μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に加え、2-(7-アザベンゾトリアゾリル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート(256.22mg、673.86μmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(130.64mg、1.01mmol)を反応系にゆっくりと加え、混合物を窒素ガスで3回置換した後、20℃で12時間撹拌した。反応溶液を10mLの水及び10mLの酢酸エチルに注ぎ、有機相を分離し、水(10mL×3)で3回洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させた。粗生成物を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水;酸性系:0.05%のHCl)により精製して化合物WX009を得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 10.95 (s, 1H), 10.69 - 10.37 (m, 1H), 8.39 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.27 (d, J=1.5 Hz, 1H), 8.17 - 7.97 (m, 4H), 7.86 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.68 - 7.54 (m, 2H), 7.49 - 7.33 (m, 2H), 7.22 (br d, J=8.0 Hz, 1H), 4.70 (br dd, J=4.3, 11.8 Hz, 1H), 4.66 - 4.46 (m, 2H), 4.28 - 3.98 (m, 2H), 3.81 - 3.61 (m, 10H), 3.00 - 2.81 (m, 1H), 2.72 - 2.60 (m, 1H), 2.47 - 2.37 (m, 1H), 2.35 - 2.21 (m, 1H), 1.51 (s, 6H)。
【0158】
実施例10
【化75】

合成スキーム:
【化76】
【0159】
ステップ1:化学物WX010-1の合成
室温で化合物BB-3-4(2g、6.00mmol)をジオキサン(20mL)の溶媒に加え、撹拌を開始させ、化合物ビス(ピナコラート)ジボロン(2.29g、9.00mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(439.23mg、600.28μmol)及び酢酸カリウム(1.18g、12.01mmol)を加え、反応溶液を100℃に昇温させ、窒素ガスの保護下で、12時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を室温に冷却させ、水(30mL)を加え、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、半飽和食塩水(30mL×2)を加えて洗浄し、有機相を加え、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後濾過し、スピン乾燥させ、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液,石油エーテル:酢酸エチル=1/0~4/1)により分離・精製して化合物WX010-1を得た。MS-ESI m/z: 380.9[M+H]H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.47 (s, 1H), 8.19 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.94 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.83 - 7.75 (m, 2H), 7.65 (d, J=9.0 Hz, 1H), 4.23 (q, J=7.1 Hz, 2H), 4.09 - 4.09 (m, 1H), 4.08 (s, 1H), 1.41 (s, 12H), 1.30 - 1.25 (m, 3H)。
【0160】
ステップ2:化学物WX010-2の合成
室温で化合物WX010-1(2.3g、6.05mmol)をテトラヒドロフラン(40mL)及び水(20mL)の混合溶媒に加え、撹拌を開始させ、化合物炭酸水素ナトリウム(1.02g、12.10mmol、470.52μL)を加え、反応溶液を0℃に冷却させ、過酸化水素(5.49g、48.39mmol、4.65mL、30%の濃度)を反応溶液にゆっくりと滴下し、窒素ガスの保護下で、2時間撹拌を続けた。反応溶液氷浴下で飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(50mL)をゆっくりと滴下し、滴下完了後、10分間撹拌を続けた。酢酸エチル(100mL×2)を加えて抽出した。有機相に無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させた後、濾過し、スピン乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=8/1~4/1)により分離・精製して化合物WX010-2を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ:8.13 (d, J=8.9 Hz, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.64 - 7.51 (m, 2H), 7.29 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.18 (dd, J=2.6, 8.9 Hz, 1H), 4.23 (q, J=7.1 Hz, 2H), 4.05 (d, J=0.9 Hz, 2H), 1.31 - 1.22 (m, 3H)。
【0161】
ステップ3:化学物WX010-3の合成
化合物WX010-2(400mg、1.33mmol)及びと1,5-ジブロモペンタン(1.53g、6.64mmol、897.79μL)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に加え、撹拌を開始させ、炭酸カリウム(550.41mg、3.98mmol)及びヨウ化ナトリウム(198.99mg、1.33mmol)を反応系にゆっくりと加え、混合物を窒素ガスで3回置換した後、80℃で10時間撹拌した。反応溶液を25℃に冷却させ、それに酢酸エチル(30mL)及び水(30mL)を加え、有機相を分離し、飽和食塩水(30mL×2)で2回洗浄した。有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させ、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=50/1~10/1)により分離・精製して化合物WX010-3を得た。MS-ESI m/z: 418.9[M+H]H NMR (400MHz,CDCl) δ: 8.06 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.53 (s, 2H), 7.25 - 7.10 (m, 3H), 4.17 - 4.08 (m, 3H), 4.03 (t, J=6.3 Hz, 2H), 3.96 (s, 2H), 3.39 (t, J=6.8 Hz, 2H), 1.97 - 1.86 (m, 2H), 1.85 - 1.77 (m, 2H), 1.69 - 1.57 (m, 3H), 1.18 (t, J=7.2 Hz, 3H)。
【0162】
ステップ4:化学物WX010-4の合成
化合物BB-10(200mg、422.37μmol)及びWX010-3(177.11mg、422.37μmol、72.61μL)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に加え、撹拌を開始させ、炭酸カリウム(175.12mg、1.27mmol)及びヨウ化カリウム(70.12mg、422.37μmol)を反応系にゆっくりと加え、反応溶液を窒素ガスで3回置換した後、80℃で12時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却させ、酢酸エチル(30mL)で希釈し、有機相を水(20mL×2)で2回洗浄し、有機相を収集して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させた。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=50/1~10/1)により分離・精製して化合物WX010-4を得た。
MS-ESI m/z: 812.3 [M+H]
【0163】
ステップ5:化学物WX010の合成
0℃で化合物WX010-4(300mg、369.50μmol)及びアクリルアミド(26.26mg、369.50μmol、25.50μL)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に加え、カリウムtert-ブトキシド(82.92mg、739.00μmol)をゆっくりと反応系にバッチで加え、混合物を窒素ガスで3回置換した後、0℃で1時間撹拌した。反応系を飽和塩化アンモニウム(50mL)にゆっくりと加え、酢酸エチル(50mL×2)で2回抽出し、有機相を合わせて飽和食塩水(30mL×3)で3回洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させた。粗生成物を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水;酸性系:0.05%のHCl)により分離して化合物WX010を得た。MS-ESI m/z: 837.2 [M+H]H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ:11.23 (br s, 1H), 10.95 (s, 1H), 8.39 (d, J=8.3 Hz, 1H), 8.30 (d, J=1.3 Hz, 1H), 8.15 - 8.04 (m, 2H), 7.98 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.82 - 7.68 (m, 2H), 7.53 (d, J=2.3 Hz, 1H), 7.34 - 7.20 (m, 3H), 7.14 (br d, J=9.0 Hz, 2H), 4.65 (br dd, J=4.1, 11.9 Hz, 1H), 4.18 - 4.09 (m, 2H), 4.03 (s, 1H), 3.93 (br s, 2H), 3.60 (br d, J=11.3 Hz, 2H), 3.38 - 3.23 (m, 2H), 3.22 - 3.04 (m, 4H), 2.98 - 2.79 (m, 1H), 2.71 - 2.53 (m, 1H), 2.41 (br dd, J=3.9, 12.7 Hz, 1H), 2.31 - 2.17 (m, 1H), 1.95 - 1.76 (m, 4H), 1.64 - 1.43 (m, 8H)。
【0164】
実施例11
【化77】

合成スキーム:
【化78】
【0165】
ステップ1:化学物WX011-1の合成
化合物BB-4-3(1g、2.36mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)に溶解させ、炭酸カリウム(652.86mg、4.72mmol)及び2,2’-ジブロモジエチルエーテル(2.74g、11.81mmol、1.48mL)を加え、80℃に昇温させ30時間撹拌した。反応溶液に水(150mL)を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=3/1)により精製して化合物WX011-1を得た。
【0166】
ステップ2:化学物WX011-2の合成
1-アミノシクロプロパンカルボン酸エチル塩酸塩(346.01mg、2.09mmol)及び炭酸カリウム(577.48mg、4.18mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解させ、化合物WX011-1(0.6g、1.04mmol)を加え、75℃に昇温させて15時間撹拌した。反応溶液に水(50mL)を加え、酢酸エチル(15mL×2)で抽出し、有機相を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=3/1)により精製して化合物WX011-2を得た。
【0167】
ステップ3:化学物WX011-3の合成
化合物WX011-2(0.2g、321.22μmol)をテトラヒドロフラン(4mL)及び水(1mL)の混合溶媒に溶解させ、20℃で水酸化リチウム一水和物(67.40mg、1.61mmol)を加え、30時間撹拌した。反応溶液に水(5mL)を加え、1Nの希塩酸でpH=5に調節し、酢酸エチル(10mL×4)で抽出し、有機相を飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させて化合物WX011-3を得た。
【0168】
ステップ4:化学物WX011の合成
化合物WX011-3(80mg、134.55μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させ、2-(7-アザベンゾトリアゾリル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート(76.74mg、201.82μmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(69.56mg、538.20μmol、93.74μL)を加え、10分間撹拌し、化合物BB-1の塩酸塩(49.10mg、174.91μmol)を加え、20℃で15時間撹拌した。反応溶液を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水;酸性系:0.05%のHCl)により分離・精製して化合物WX011を得た。H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.16-8.14 (m, 2H), 7.95 (dd, J=1.6 Hz, 8.4 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.50 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.30-7.22 (m, 3H), 7.16-7.14(m, 1H), 4.35 (t, J = 4.0 Hz, 2H), 4.10 (dd, J=4.2 Hz, 11.6 Hz, 1H), 3.99-3.97 (m, 2H), 3.89 (t, J = 2.8 Hz, 2H), 3.47 (s, 2H), 2.83-2.66 (m, 2H), 2.42-2.32 (m, 1H), 2.29-2.22 (m, 1H), 1.81-1.78 (m, 2H), 1.65-1.63 (m, 2H), 1.54 (s, 9H).
【0169】
実施例12
【化79】

合成スキーム:
【化80】
【0170】
ステップ1:化学物WX012-1の合成
化合物BB-10及び5-ブロモ吉草酸エチル(662.33mg、3.17mmol、505.59μL)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に加え、撹拌を開始させ、炭酸カリウム(262.69mg、1.90mmol)及びヨウ化ナトリウム(94.97mg、633.56μmol)を反応系にゆっくりと加え、反応溶液を窒素ガスで3回置換した後、80℃で12時間撹拌した。反応完了後、25℃に冷却させ、酢酸エチル(20mL)で希釈し、有機相を水(20mL×2)で2回洗浄し、飽和食塩水(20mL)で1回洗浄し、有機相を収集して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=50/1~10/1)により分離・精製して化合物WX012-1を得た。MS-ESI m/z:602.1[M+H]
【0171】
ステップ2:化学物WX012-2の合成
化合物WX012-1(170mg、282.54μmol)を無水エタノール(2.5mL)及び水(0.5mL)に加え、撹拌を開始させ、水酸化リチウム一水和物(29.64mg、706.35μmol)を反応系にゆっくりと加え、反応溶液を窒素ガスで3回置換した後、25℃で12時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に水(10mL)を加え、減圧して大部分の有機溶媒をスピンオフし、水相を2Nの塩酸でpH=3に調節し、水相を直接に凍結乾燥させた。化合物WX012-2を得た。MS-ESI m/z:574.0[M+H]
【0172】
ステップ3:化合物WX012の塩酸塩の合成
化合物BB-3の塩酸塩(54.30mg、139.46μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に加え、2-(7-アザベンゾトリアゾリル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート(165.71mg、435.82μmol)及びトリエチルアミン(52.92mg、522.99μmol、72.79μL)を反応系にゆっくりと加え、混合物を窒素ガスで3回置換した後、25℃で3時間撹拌した。反応系を酢酸エチル(30mL)で希釈し、有機相を水(20mL×2)で2回洗浄し、有機相を収集し無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させ、粗生成物を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水;酸性系:0.05%のHCl)により分離して化合物WX012の塩酸塩を得た。MS-ESI m/z: 850.4[M+H]H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ:10.95 (s, 1H), 10.54 (br d, J=4.5 Hz, 1H), 10.29 (s, 1H), 8.48 - 8.35 (m, 2H), 8.29 (d, J=1.3 Hz, 1H), 8.18 - 8.04 (m, 2H), 7.99 (s, 1H), 7.79 - 7.69 (m, 3H), 7.28 - 7.21 (m, 2H), 7.14 (d, J=9.0 Hz, 2H), 4.65 (br dd, J=4.4, 12.2 Hz, 1H), 3.94 (br d, J=11.3 Hz, 2H), 3.62 (br d, J=10.8 Hz, 2H), 3.28 - 3.07 (m, 6H), 2.95 - 2.80 (m, 1H), 2.69 - 2.59 (m, 1H), 2.49 - 2.36 (m, 3H), 2.33 - 2.22 (m, 1H), 1.92 - 1.77 (m, 2H), 1.76 - 1.65 (m, 2H), 1.49 (s, 6H)。
【0173】
実施例13
【化81】

合成スキーム:
【化82】
【0174】
ステップ1:化学物WX013-1の合成
化合物BB-10(0.15g、284.79μmol)及びブロモプロピオン酸エチル(103.11mg、569.57μmol、72.61μL)をアセトニトリル(5mL)に加え、撹拌を開始させ、炭酸カリウム(78.72mg、569.57μmol)及びヨウ化カリウム(47.28mg、284.79μmol)を反応系にゆっくりと加え、反応溶液を窒素ガスで3回置換した後、80℃の2時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却させ、酢酸エチル(50mL)及び水(50mL)を加え、有機相を分離して飽和食塩水(30mL×2)で2回洗浄した。有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=50/1~10/1、体積比)により精製して化合物WX013-1を得た。MS-ESI m/z: 574.0 [M+H]
【0175】
ステップ2:化学物WX013-2の合成
化合物WX013-1(0.2g、348.66μmol)を無水エタノール(4mL)及び水(1mL)に加え、撹拌を開始させ、水酸化リチウム一水和物(43.89mg、1.05mmol)を反応系にゆっくりと加え、反応溶液を窒素ガスで3回置換した後、25℃で12時間撹拌した。反応系を減圧して大部分のエタノールをスピンオフし、20mLの水を加えた。水相を2Nの塩酸でpH=3~4に調節し、水相を直接に凍結乾燥させた。化合物WX013-2を得た。MS-ESI m/z: 546.0 [M+H]
【0176】
ステップ3:化合物WX013の塩酸塩の合成
化合物WX013-2(60mg、109.98μmol)及びBB-3の塩酸塩をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に加え、2-(7-アザベンゾトリアゾリル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート(83.63mg、219.95μmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(42.64mg、329.93μmol、57.47μL)を反応系にゆっくりと加え、混合物を窒素ガスで3回置換した後、20℃で12時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を水及び酢酸エチル(10mL:10mL)の混合溶媒に注ぎ、有機相を分離し、水(10mL×3)で3回洗浄し、有機相を収集して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧してスピン乾燥させ、粗生成物を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水;酸性系:0.05%のHCl)により精製して化合物WX013の塩酸塩を得た。 MS-ESI m/z:822.3[M+H]
H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 10.95 (s, 1H), 10.54 (br s, 1H), 10.46 (br s, 1H), 8.47 - 8.35 (m, 2H), 8.29 (br s, 1H), 8.16 (br s, 1H), 8.08 (br d, J=8.5 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.80 - 7.67 (m, 3H), 7.34 - 7.20 (m, 2H), 7.16 (br d, J=8.8 Hz, 2H), 4.68 (br s, 1H), 3.98 (m, 2H), 3.64 (m, 2H), 3.55 (m, 4H), 3.23 (m, 2H), 3.05 (br s, 2H), 2.86 (m, 1H), 2.67 (m, 1H), 2.63 - 2.62 (m, 1H), 2.41 - 2.33 (m, 1H), 1.49 (br s, 6H)。
【0177】
実施例14
【化83】

合成スキーム:
【化84】
【0178】
化合物WX014の塩酸塩の合成
化合物BB-11(400mg、854.80μmol)及び化合物BB-12の塩酸塩(403.83mg、1.11mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶解させ、酢酸ホウ素ナトリウム(543.50mg、2.56mmol)を加え、反応混合物を窒素ガスの保護下で、室温で12時間撹拌した。反応完了後、ジクロロメタン(100mL)及び水(100mL)を加えて反応溶液を希釈し、有機相を分離して、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、有機相を減圧濃縮し、得られた粗生成物を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水;酸性系:0.05%のHCl)により精製して化合物WX014の塩酸塩を得た。MS-ESI m/z: 815.2 [M+H]H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 10.97 (s, 1H), 10.83 (br s, 1H), 8.63 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.05 (br d, J=8.5 Hz, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.91 - 7.84 (m, 2H), 7.73 (s, 2H), 7.54 - 7.43 (m, 3H), 7.41 - 7.38 (m, 1H), 7.16 - 7.11 (m, 1H), 4.63 (br dd, J=4.0, 12.0 Hz, 1H), 4.58 - 4.46 (m, 3H), 3.98 - 3.81 (m, 3H), 3.66 (br d, J=11.0 Hz, 2H), 3.43 (br t, J=12.2 Hz, 2H), 3.28 - 3.05 (m, 6H), 2.96 - 2.83 (m, 1H), 2.76 - 2.58 (m, 2H), 2.56 - 2.53 (m, 1H), 2.46 - 2.37 (m, 1H), 2.31 - 2.21 (m, 2H), 2.11 (br d, J=9.0 Hz, 2H), 2.02 (br d, J=12.0 Hz, 2H), 1.90 (br d, J=10.5 Hz, 2H), 1.72 - 1.58 (m, 2H), 1.58 - 1.45 (m, 2H)。
【0179】
実施例15
【化85】

合成スキーム:
【化86】
【0180】
化合物WX015の塩酸塩の合成
化合物BB-11(400mg、854.80μmol)及び化合物BB-13の塩酸塩(403.83mg、1.11mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶解させ、酢酸ホウ素ナトリウム(181.17mg、854.80μmol)を加え、反応混合物を窒素ガスの保護下で、室温で12時間撹拌した。反応完了後、ジクロロメタン(100mL)及び水(100mL)を加えて反応溶液を希釈し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、有機相減圧濃縮し、得られた粗生成物を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水;酸性系:0.05%のHCl)により精製して化合物WX015の塩酸塩を得た。MS-ESI m/z: 815.2 [M+H]H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 10.96 (s, 1H), 10.82 (br s, 1H), 8.63 (d, J=8.3 Hz, 1H), 8.17 (d, J=9.3 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.96 (br d, J=5.8 Hz, 1H), 7.86 (dt, J=9.4, 15.6 Hz, 3H), 7.60 - 7.51 (m, 2H), 7.39 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.27 - 7.22 (m, 1H), 7.14 (dd, J=2.3, 8.8 Hz, 1H), 4.68 (br dd, J=3.9, 11.9 Hz, 1H), 4.58 - 4.47 (m, 3H), 3.92 - 3.81 (m, 1H), 3.69 (br s, 3H), 3.50 - 3.38 (m, 3H), 3.23 - 3.06 (m, 4H), 2.98 - 2.81 (m, 1H), 2.70 - 2.58 (m, 1H), 2.45 - 2.20 (m, 4H), 2.16 - 1.99 (m, 5H), 1.91 (br d, J=10.3 Hz, 2H), 1.71 - 1.58 (m, 2H), 1.57 - 1.42 (m, 2H), 1.40 - 1.27 (m, 2H)。
【0181】
実施例16及び実施例17
【化87】

合成スキーム:
【化88】
【0182】
化合物16及び化合物17の合成
化合物BB-11(7g、14.96mmol)及び化合物BB-13の塩酸塩(7.18g、17.95mmol)をジクロロメタン(500mL)に溶解させ、室温で12時間撹拌し、酢酸ホウ素ナトリウム(4.76g、22.44mmol)を加え、反応混合物を窒素ガスの保護下で、室温で12時間撹拌した。反応完了後、水(200mL)を加えて反応溶液を希釈し、有機相を分離し、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、有機相を減圧濃縮し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=10/1)により分離して化合物WX015を得、化合物WX015をキラルHPLC(カラム:DAICEL CHIRALPAK IE(250mm×30mm、10μm);移動相:A(IPA)、B(ACN)、B%:50%~100%;流速:80mL/min)により分離して化合物WX016及びWX017を得た。
【0183】
分析方法:カラム:Chiralpak IA 100×4.6mm、3μm;移動相:A:n-ヘキサン(0.1%のジエチルアミン);B:イソプロパノール:アセトニトリル=2:1、A:B=40:60;カラム温度:35℃;波長:220nm。
WX016:保持時間:4.679min、ee%:98.77%;MS-ESI m/z: 815.4 [M+H]H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 10.97 (s, 1H), 8.60 (d, J=8.3 Hz, 1H), 8.16 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.91 - 7.74 (m, 4H), 7.51 (t, J=7.9 Hz, 1H), 7.41 - 7.31 (m, 2H), 7.21 - 7.10 (m, 2H), 4.66 (br dd, J=4.1, 11.7 Hz, 1H), 4.58 - 4.45 (m, 3H), 3.94 - 3.79 (m, 1H), 3.223.00 (m, 7H), 2.89 (ddd, J=5.3, 12.2, 17.4 Hz, 2H), 2.69 - 2.56 (m, 2H), 2.47 - 2.33 (m, 2H), 2.29 (br d, J=7.0 Hz, 3H), 2.11 (br d, J=9.3 Hz, 2H), 2.00 - 1.81 (m, 5H), 1.72 - 1.58 (m, 2H), 1.58 - 1.44 (m, 2H), 1.26 - 1.09 (m, 2H).
WX017:保持時間:5.797min、ee%:99.86%;MS-ESI m/z: 815.4 [M+H]H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 11.00 (br s, 1H), 8.60 (br d, J=8.3 Hz, 1H), 8.22 - 8.13 (m, 1H), 8.04 - 7.95 (m, 1H), 7.94 - 7.71 (m, 4H), 7.57 - 7.47 (m, 1H), 7.41 - 7.31 (m, 2H), 7.16 (br dd, J=8.0, 19.1 Hz, 2H), 4.66 (br d, J=7.3 Hz, 1H), 4.58 - 4.40 (m, 3H), 3.87 (br d, J=7.8 Hz, 1H), 3.28 - 2.97 (m, 7H), 2.88 (br t, J=12.3 Hz, 2H), 2.69 - 2.56 (m, 2H), 2.49 - 2.35 (m, 2H), 2.28 (br d, J=6.0 Hz, 3H), 2.17 - 2.00 (m, 2H), 2.00 - 1.79 (m, 5H), 1.71 - 1.58 (m, 2H), 1.51 (q, J=10.6 Hz, 2H), 1.26 - 1.01 (m, 2H).
【0184】
生物学的データ
試験例1:ヒト前立腺癌LNCaP細胞におけるARタンパク質レベル及び下流エフェクター前立腺特異抗原(PSA)タンパク質調節のin vitro試験
実験目的:WB(Western Blot、ウエスタンブロット)法を使用して、異なる濃度の化合物のヒト前立腺癌LNCaP細胞におけるARタンパク質レベル及び下流エフェクター前立腺特異抗原(PSA)タンパク質の調節を研究することである。
【0185】
実験スキーム:
1)LNCaP細胞を解凍し、少なくとも2回継代し;
2)LNCaP細胞を6ウェルプレートに各ウェルに3×10細胞で接種し、一晩付着させた後所定の濃度の試験化合物で処理し;
3)24時間処理した後、培養細胞試料の上清を廃棄し、DPBS(ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水)で2回洗浄し、次に細胞を100℃で予熱した所定量の2%のSDSライセートで溶解、収集した後100℃で15分間変性させ;
4)上記のライセートを変性・冷却させた後タンパク質定量試験(Pierce BCA タンパク質試験キット、Thermo)を実行し、次に5倍のローディング緩衝液(ジチオスレイトール(DDT)を含む、Beyotime)で同じタンパク質濃度に従って定容させ、更に100℃で10分間還元変性させ;
5)SDS-PAGEで上記試料(10~20μgのタンパク質)を分離し、PVDFメンブレン(Biorad)に転写し;
6)標的タンパク質の分子量に応じてバンドを切断し、ブロッキング溶液(3%のウシ血清アルブミンTBS-T溶液、その中で、TBS-T溶液は0.2%のTween-20を含むトリス-HCl緩衝液)で1時間ブロッキングし、更に一次抗体(anti-AR(#5153、CST)、anti-PSA/KLK3(#5365、CST)及びanti-β-actin(#4970、CST)、ブロッキング溶液をそれぞれ1:1000、1:1000及び1:2000で希釈して調製した)で4℃で一晩培養し;
7)最後に、HRP結合二次抗体(nti-rabbit IgG(#7074、CST)、ブロッキング溶液で1:2000に希釈して製造した)と室温で1時間培養し、次に化学発光基質(Clarity ECL、Biorad)でメンブレン上のバンドを検出した。
【0186】
実験結果:
試験結果は図1図2に示された通りである。
結論:本発明の化合物は、ARタンパク質に対して良好な分解活性を示し、その分解能力は良好な濃度依存性を示し、本発明の化合物は、対応する下流のPSA効果変化に有意な影響を与えることができ、その効果の程度は良好な濃度依存性を示している。
【0187】
試験例2:ヒト前立腺癌LNCaP細胞における抗増殖効果の評価
実験目的:
本実験では、ヒト前立腺癌LNCaP細胞における細胞増殖に対する試験化合物の阻害効果を検出する。
実験材料:
1.細胞株及び培養方法
【表1】
【0188】
2.培地及び試薬
【表2】
【0189】
3.マルチウェルプレート
Greiner CELLSTAR(登録商標)96ウェルプレート、平底黒プレート(蓋付き及び透明な底)、#655090。
【0190】
4.細胞活性実験用試薬と機器
(1)Promega CellTiter-Glo発光法細胞活性検出キット(Promega-G7573)。
(2)2104EnVision(登録商標)プレートリーダー、PerkinElmer。
【0191】
実験スキーム
1.細胞の培養
腫瘍細胞株を上記の培養条件に従って37℃で、5%COのインキュベーターで培養した。定期的に継代し、対数増殖期にある細胞をプレイティング用に採取した。
2.細胞プレイティング
(1)細胞をトリパンブルーで染色し、生存細胞をカウントし;
(2)細胞濃度を適切な濃度に調整し;
【表3】

(3)上表に示されるように、培養プレートに90μL/ウェルで細胞懸濁液を加え、ブランク対照ウェルに無細胞培地を加え;
(4)培養プレートを37℃、5%のCO、及び100%の相対湿度のインキュベーターで一晩培養した。
【0192】
3.化合物の保存プレートの製造
化合物の開始濃度の400倍の母液保存プレートを製造:化合物をDMSOで最高濃度勾配から最低濃度まで希釈した。毎回使用するたびに調製した。
化合物の開始濃度10倍濃度の作業溶液の調製及び化合物による細胞処理:
(1)V底の96ウェルプレートに78μLの細胞培地を加え、化合物の開始濃度400倍濃度の母液保存プレートから2μLの化合物をピペットで取り、96ウェルプレートの細胞培地に加えた。溶媒対照とブランク対照に2μLのDMSOを加えた。化合物又はDMSOを加えた後、ピペットで均一にピペッティングした。
(2)投与:10μLの化合物の初期濃度の10倍の作業溶液を取り、細胞培養プレートに加えた。溶媒対照とブランク対照に10μLのDMSO-細胞培地混合溶液を加えた。
(3)96ウェル細胞プレートをインキュベーターに戻し、6日間培養した。
【0193】
5.CellTiter-Glo発光法による細胞活性の検出
以下の手順は、Promega CellTiter-Glo発光法細胞活性検出キット(Promega-G7573)の説明書に従って実行した。
(1)CellTiter-Glo緩衝液を溶かして室温に放置し;
(2)CellTiter-Glo基質を室温に放置し;
(3)1本のCellTiter-Glo基質に100mLのCellTiter-Glo緩衝液を加えて基質を溶解させ、CellTiter-Glo作業溶液を調製し;
(4)ゆっくりとボルテックスして完全に溶解させ;
(5)細胞培養プレートを取り、30分間室温放置して平衡化させ;
(6)各ウェルに50μL(各ウェルの細胞培養液の半分の体積に相当する)のCellTiter-Glo作業溶液を加えた。光照射を避けるために細胞プレートをアルミ箔でラップし;
(7)培養プレートをオービタルシェーカーで2分間振って、細胞溶解を誘導し;
(8)発光信号を安定させるために、培養プレートを室温で10分間放置し;
(9)2104 EnVisionプレートリーダーで発光信号を検出した。
【0194】
6.データ分析
下記の式で試験化合物の阻害率(Inhibition rate、IR)を計算した。IR(%)=(1-(RLU溶媒対照-RLU化合物)/(RLU溶媒対照-RLUブランク対照)×100%。Excelで異なる濃度の化合物の阻害率を計算し、GraphPad Prismソフトウェアを使用して阻害曲線図を作成し、最小阻害率、最大阻害率及びIC50を含む関連パラメータを計算した。
【0195】
実験結果:
実験結果は表4に示される通りである。
【表4】

結論:本発明の化合物は、ヒト前立腺癌細胞LNCaPにおいて優れた細胞増殖の阻害効果を示している。
【0196】
試験例3:ヒト前立腺癌LNCaP細胞皮下異種移植腫瘍CB-17 SCIDモデルのin vivo薬効研究
細胞の培養
ヒト前立腺癌LNcap細胞(ECACC-89110211)を体外単層培養し、培養条件はRPMI-1640培地に、10%のウシ胎児血清、100U/mlのペニシリン及び100μg/mlのストレプトマイシンを加え、37℃、5%COインキュベーターで培養した。週に2回、トリプシン-EDTAを使用して通常のな消化処理をし、継代培養した。細胞の飽和度が80%~90%であり、細胞の数が要件に達した場合、細胞を収集し、カウントし、接種した。
【0197】
実験動物
CB-17 SCIDマウス、6~8週齢、オス、体重18~22g。
実験スキーム
各マウスの右背部に0.2mL(1×10細胞)のLNcap細胞(マトリゲルを添加、体積比1:1)を皮下接種し、平均腫瘍体積が80mmに達した時点でマウスに外科的去勢を実行し、166mmに達した時点で群を分けて投与し始めた。実験動物の群分け及び投与方法は表5にされる通りである。
【表5】

注:
1.N:各群のマウス数
2.投与体積:マウスの体重に基づいて10μL/g。体重減少が15%を超える場合は、それに応じて投与計画を調節する必要がある。
3.BIDの時間間隔は8時間である。
腫瘍の測定と実験指標
週に2回ノギスで腫瘍の直径を測定した。腫瘍体積の計算式は:V=0.5a×bであり、aとbは、それぞれ腫瘍の長径と短径を表す。
化合物の抗腫瘍効果は、TGI(%)によって評価される。TGI(%)は、腫瘍増殖阻害率を反映する。TGI(%)=[(1-(特定の治療群の投与終了時の平均腫瘍体積-当該治療群の投与開始時の平均腫瘍体積)/(溶媒対照群の治療終了時の平均腫瘍体積-溶媒対照群の治療開始時の平均腫瘍体積)]×100%。
【0198】
実験結果
実験結果は表6に示される通りである。
【表6】

結論:本発明の化合物は、ヒト前立腺癌LNCaP異種移植腫瘍モデルにおいて有意な腫瘍抑制効果を示している。
【0199】
試験例4:ヒト前立腺癌LNCaP細胞におけるARタンパク質レベルの調節のin vitro試験
実験目的:ICW法により、LNCaP細胞におけるアンドロゲン受容体ARに対する化合物の分解効果を試験することである。
【0200】
実験方法:
1日目
1.細胞培地、0.025%のトリプシン及びリン酸塩緩衝液を37℃の水浴で予熱した。
2.トリプシンで消化された細胞を1000rpmで5分間遠心分離し、上清を廃棄し、その後細胞を新鮮な培地で再懸濁した。
3.細胞を4k/36μL/ウェルの密度でCOL-Coated CellCarrier-384プレートに接種した。
4.細胞を接種した384細胞プレートを超クリーンワークベンチに10分間静置した。
5.細胞プレートをCO細胞インキュベーター内で一晩培養した。
【0201】
2日目
1.10mMの濃度の化合物を、段階希釈の前に3mM(3μL+7μLのジメチルスルホキシド)に希釈した。
2.Bravo機器を使用して、化合物をEchoプレートで3倍(4μL+8μL)に連続希釈した。
3.ZPE及びHPE対照ウェルを設定し、ZPE対照ウェルはジメチルスルホキシドであった。
4.Echoプレートを1000rpmで1分間遠心分離した後、Echoを使用して200nL/ウェルで、希釈した化合物をEchoプレートから中間プレートに移した。
5.Multidrop combiを使用して細胞培地を20μL/ウェルで中間プレートに加えた。
6.中間プレートを水平振とう機に置いて1分間振とうし、化合物と培地をよく混合した。
7.Bravoを使用して化合物を中間希釈プレートから細胞プレートに4μL/ウェルで移した。
8.細胞プレートを水平振とう機に置いて1分間振とうし、800rpmで30秒間遠心分離した。
9.細胞プレートをCOインキュベーターに戻し、24時間培養を続けた。
【0202】
3日目
1.4%のパラホルムアルデヒドを冷蔵庫から取り出し、室温に戻せた。
2.細胞プレートをインキュベーターから取り出した。
3.細胞プレートに4%のパラホルムアルデヒドを40μL/ウェルで直接に加えた。
4.室温で20分間培養した。
5.細胞プレートの培地を手動で振り落とし、遠心分離機に転倒させ、800rpmで7秒間遠心分離し、残留培地を完全に除去した。
6.細胞プレートに4%のパラホルムアルデヒドを25μL/ウェルで加えた。
7.室温で30分間培養した。
8.細胞プレートのパラホルムアルデヒド溶液を手動で振り落とし、遠心分離機に転倒させ、800rpmで7秒間遠心分離した。
9.0.1%のTritionを25μL/ウェルで加えた。
10.室温で10分間培養した。
11.細胞プレートの0.1%のTrition溶液を手動で振り落とし、遠心分離機に転倒させ、800rpmで7秒間遠心分離した。
12.Intercept(登録商標)(PBS)Blocking Bufferを25μL/ウェルで加えた。
13.室温で1時間培養した。
14.細胞プレートのIntercept(登録商標)(PBS)Blocking Buffer溶液を手動で振り落とし、遠心分離機に転倒させ、800rpmで7秒間遠心分離した。
15.一次抗体溶液を20μL/ウェルで加えた。細胞プレートを遠心分離機に置き、800rpmで7秒間遠心分離した。
16.細胞プレートを密閉した後、4℃で一晩培養した。
【0203】
4日目
1.細胞プレートの一次抗体溶液を手動で振り落とし、遠心分離機に転倒させ、800rpmで7秒間遠心分離した。
2.110μLのPBSで3回洗浄した。
3.細胞プレートを遠心分離機に転倒させ、800rpmで7秒間遠心分離した。
4.二次抗体とDAPI溶液を20μL/ウェルで加えた。細胞プレートを遠心分離機に置き、800rpmで7秒間遠心分離した。
5.室温で1時間培養した。
6.細胞プレートの二次抗体とDAPI溶液を手動で振り落とし、遠心分離機に転倒させ、800rpmで7秒間遠心分離した。
7.110μLのPBSで3回洗浄し、細胞プレートに30μLのPBSが残った。
8.細胞プレートを遠心分離機に置き、800rpmで7秒間遠心分離した。
9.Operetta機器で細胞プレートをスキャンした。
【0204】
実験結果
実験結果は表4に示される通りである。
【表7】

結論:本発明の化合物は、ARに対して良好な分解活性を示している。
【0205】
試験例5:293T AR F876L細胞におけるARタンパク質の発現レベルのIn cell western分析
実験目的:本実験では、In Cell Western実験により細胞株293T AR F876Lにおける点突然変異のARタンパク質発現レベルに対する、化合物WX015、WX016及びWX017の影響を検出し、AR F876L点突然変異タンパク質に対する化合物の分解効果を評価することである。
【0206】
実験材料:
1.細胞株及び培養方法
【表8】

2.培地及び試薬
【表9】
【0207】
3.機器
【表10】
【0208】
4.抗体
【表11】
【0209】
実験方法:
1.細胞の培養:
細胞株を37℃、5%COの培養条件のインキュベーターで培養した。定期的に継代し、対数増殖期にある細胞をプレイティング用に採取した。
【0210】
2.細胞プレイティング:
1)細胞をトリパンブルーで染色し、生存細胞をカウントした。
2)細胞濃度を適切な濃度に調節し、密度は20000/ウェルにした。
3)96ウェル培養プレートに90μL/ウェルで細胞懸濁液を加え、ブランク対照ウェルに無細胞培地を加えた。
4)培養プレートを37℃、5%CO、及び100%の相対湿度のインキュベーターで一晩培養した。
【0211】
3.化合物の保存プレートの製造及びIn cell western検出:
1)400倍の化合物保存プレートの製造:化合物をDMSOで最高濃度から最低濃度まで勾配希釈した。
2)10倍化合物作業溶液の製造:V底の96ウェルプレートに78μLの細胞培地を加え、400X化合物保存プレートからの2μLの化合物をピペットで取り、96ウェルプレートの細胞培地に加えた。溶媒対照とブランク対照に2μLのDMSOを加えた。化合物又はDMSOを加えた後、ピペットで均一にピペッティングした。
3)投与:10μLの10倍化合物作業溶液を取り、細胞培養プレートに加えた。溶媒対照とブランク対照に10μLのDMSO-細胞培地混合溶液を加えた。DMSOの最終濃度は0.25%であった。
4)96ウェル細胞プレートをインキュベーターに戻せ、48時間培養した。
5)培地を除去し、PBSを加えて1回洗浄した。
6)8%のホルマリン溶液(PBSで希釈)を加え、4℃で一晩培養した。
7)8%のホルマリン溶液を除去し、各ウェルに150μLのLicor Blocking bufferを加え、室温でシェーカーに入れて1.5時間ブロッキングした。
8)ブロッキング溶液を廃棄し、各ウェルに50μLのLicor Blocking bufferで希釈した一次抗体(DMSOウェルには一次抗体を加えなかった)を加え、4℃で一晩培養した後、PBST(0.1%のTriton-Xを含む)で毎回5minで5回洗浄した。
9)各ウェルに50μLのLicor Blocking bufferで希釈した二次抗体を加え、室温で1時間培養した後PBST(0.1%のTriton-Xを含む)で3回洗浄し、ddHOで2回洗浄し、各ウェルに更に100μLのPBSを加えて検出を準備した。
10)検出:ウェルプレートのPBSを廃棄し、Li-COR odyssey2色近赤外イメージャーで700nm/ウェルの蛍光シグナルを検出した。
【0212】
4.データ分析
ウェスタンブロッティング免疫化学発光バンドの密度強度の相対定量化は、Image Studio Ver 5.2ソフトウェアを使用して実行した。
【0213】
実験結果
実験結果は表12に示される通りである。
【表12】

結論:本発明の化合物は強いF876L点突然変異ARタンパク質を分解する能力を有している。
【0214】
試験例6:マウスにおける化合物の薬物動態評価
試験目的:
本研究の試験化合物はCB-17 SCIDオスマウスを選択し、LCMS/MS法を使用して、異なる時間における試験化合物及び参照化合物を定量でマウスに静脈内注射又は経口投与した血漿中の薬物濃度を測定し、マウスにおける試験薬物の薬物動態特性を評価することである。
【0215】
実験材料:
CB-17 SCIDマウス(オス、20~30g、7~10週齢、Beijing Vital River又はShanghai SLAC)。
実験操作:
試験化合物の透明な溶液又は懸濁液を、尾静脈からマウスに注射するか(絶食させず)、又はマウスに胃内投与した(絶食させず)。静脈内注射の場合、0h(投与前)及び投与後の0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、24hに頚静脈穿刺により血液を採取し、EDTA-K2を加えた抗凝固剤チューブに入れ、4℃で、混合物を十分にボルテックスして混合し、13000rpmで10分間遠心分離した;胃内投与の場合、0h(投与前)及び投与後の0.5、1、2、4、6、8、24hに頚静脈穿刺により血液を採取し、EDTA-K2を加えた抗凝固剤チューブに入れ、混合物を十分にボルテックスして混合し、13000rpmで10分間遠心分離した。LC-MS/MS法を使用して血漿濃度を測定し、WinNonlinTM Version 6.3(Pharsight、Mountain View、CA)薬物動態ソフトウェアを使用して、非コンパートメントモデル線形対数ラダー法を使用し、薬物動態パラメーターを計算した。
【0216】
実験結果:試験の結果は表13に示される通りである。
【表13】

結論:本発明の化合物は、マウスの体内において良好な創薬可能性を示している。
【0217】
試験例7:ラットにおける化合物の薬物動態評価
試験目的:
本研究の試験化合物はSDオスラットを選択し、LCMS/MS法を使用して、異なる時間における試験化合物及び参照化合物を定量でラットに静脈内注射又は経口投与した血漿中の薬物濃度を測定し、ラットにおける試験薬物の薬物動態特性を評価することである。
実験材料:
SDラット(オス、Beijing Vital River)。
【0218】
実験操作:
試験化合物の透明な溶液又は懸濁液を、尾静脈からラットに注射するか(絶食させず)、又はラットに胃内投与した(絶食させず)。静脈内注射の場合、0h(投与前)及び投与後の0.25h、0.5h、1h、2h、4h、6h、8h、24h、48hに頚静脈穿刺により血液を採取し、ヘパリンナトリウムを加えた抗凝固剤チューブに入れ、血液試料を採取して氷上に置き、1時間以内に血漿を遠心分離した(遠心分離条件:6000g、3分間、2~8℃);胃内投与の場合、0h(投与前)及び投与後の0.25h、0.5h、1h、2h、4h、6h、8h、24h、48hに頚静脈穿刺により血液を採取し、ヘパリンナトリウムを加えた抗凝固剤チューブに入れ、血液試料を採取して氷上に置き、1時間以内に血漿を遠心分離した(遠心分離条件:6000g、3分間、2~8℃)。LC-MS/MS法を使用して血漿濃度を測定し、WinNonlinTMVersion 8.2.0(Pharsight,Mountain View、CA)薬物動態ソフトウェアを使用して、非コンパートメントモデル線形対数ラダー法を使用し、薬物動態パラメーターを計算した。
実験結果:試験の結果は表14に示される通りである。
【表14】

結論:本発明の化合物は、ラットの体内において良好な創薬可能性を示している。
【0219】
試験例8:ビーグルにおける化合物の薬物動態評価
試験目的:
本研究の試験化合物はビーグルを選択し、LCMS/MS法を使用して、異なる時間における試験化合物及び参照化合物を定量でビーグルに静脈内注射又は経口投与した血漿中の薬物濃度を測定し、ビーグルにおける試験薬物の薬物動態特性を評価することである。
実験材料:
ビーグル(オス、Jiangsu Yadong Institute of Experimental Animals Co., Ltd.)。
【0220】
実験操作:
試験化合物の透明な溶液又は懸濁液を、尾静脈からビーグルに注射するか(通常の給餌)、又はビーグルに胃内投与した(通常の給餌)。静脈内注射の場合、0h(投与前)及び投与後の0.25h、0.5h、1h、2h、4h、6h、8h、24h、48hに前肢静脈穿刺により血液を採取し、EDTA-2Kを加えた抗凝固剤チューブに入れ、血液試料を採取して氷上に置き、1時間以内に血漿を遠心分離した(遠心分離条件:6000g、3分間、2~8℃);胃内投与の場合、0h(投与前)及び投与後の0.25h、0.5h、1h、2h、4h、6h、8h、24h、48hに前肢静脈穿刺により血液を採取し、EDTA-2Kを加えた抗凝固剤チューブに入れ、血液試料を採取して氷上に置き、1時間以内に血漿を遠心分離した(遠心分離条件:6000g、3分間、2~8℃)。LC-MS/MS法を使用して血漿濃度を測定し、WinNonlinTMVersion 8.2.0 (Pharsight,Mountain View、CA)薬物動態ソフトウェアを使用して、非コンパートメントモデル線形対数ラダー法を使用し、薬物動態パラメーターを計算した。
【0221】
実験結果:試験の結果は表15に示される通りである。
【表15】

結論:本発明の化合物は、ビーグルの体内において良好な創薬可能性を示している。
図1
図2
【国際調査報告】