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▶ ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ, アズ リプレゼンテッド バイ ザ セクレタリー, デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズの特許一覧

特表2024-511368固相抽出のための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】固相抽出のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B01D 15/00 20060101AFI20240306BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20240306BHJP
   G01N 35/10 20060101ALI20240306BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B01D15/00 A
G01N35/02 B
G01N35/10 A
G01N1/00 101F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557052
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 US2022020596
(87)【国際公開番号】W WO2022197834
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】63/161,851
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508285606
【氏名又は名称】ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ, アズ リプレゼンテッド バイ ザ セクレタリー, デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ
【氏名又は名称原語表記】The United States of America,as represented by the Secretary,Department of Health and Human Services
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ゴッドフリー,アレクサンダー グレン
(72)【発明者】
【氏名】ベルマ,メガブ
(72)【発明者】
【氏名】ゴヤル,ヴィシャカ
(72)【発明者】
【氏名】ベンデ,プラナブ
(72)【発明者】
【氏名】ウォールグレン,ライナス エリック
(72)【発明者】
【氏名】クライン,ジェイムズ カレン
【テーマコード(参考)】
2G052
2G058
4D017
【Fターム(参考)】
2G052AD26
2G052BA22
2G052CA02
2G052CA12
2G052EA08
2G058CA02
2G058GB02
4D017AA01
4D017AA03
4D017BA03
4D017CB01
4D017DA01
4D017EA05
(57)【要約】
固相抽出の手順のための方法およびシステムが提供される。本開示の方法およびシステムは、実験室環境で実行されるさまざまな固相抽出の手順および他のプロセスの改善した精度、自動化、および使いやすさを提供する。流体の流れの調整および検出のためのシステムおよび方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体および液体のうちの少なくとも1つを受け取るためのカートリッジであって、支持部材の上に選択的に設けられるとともに前記支持部材によって支持されるカートリッジと、
前記カートリッジの内部容積に流体を分配するように動作可能な分配装置と、
前記カートリッジの近位端に実質的にガス不透過性のシールを提供するように動作可能なシール部材と、
それぞれが流体を収容および分配を行うように動作可能な複数の流体リザーバと、
前記複数の流体リザーバから前記分配装置に流体を運ぶように動作可能であるポンプと、
前記カートリッジから流体を受け取るように動作可能な複数の容器を収容するように動作可能な移動可能なラックと、を備える、固相抽出の手順を実行するためのシステム。
【請求項2】
前記分配装置は、前記支持部材に設けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記分配装置は、垂直方向に移動可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記流体リザーバの少なくとも1つは、固相抽出において使用するための溶媒を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
或る量の流体を受け取るように動作可能な廃棄物収集器をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の流体リザーバと前記廃棄物収集器との間に設けられる少なくとも1つのバルブをさらに備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記移動可能なラックは、水平方向に移動可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記カートリッジの内部容積内の状態を決定するように動作可能な空気流量センサおよび圧力センサのうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
空のカートリッジと、複数の空のフラクション容器を含むフラクションキャリアと、を提供するステップと、
前記カートリッジの存在を検出するステップと、
前記フラクション容器の存在を検出するステップと、
システムを第1フラクション容器にインデックスするステップと、
サンプルを前記カートリッジに導入するステップと、
信号を入力するステップと、
前記カートリッジを加圧して前記カートリッジのヘッドスペースをクリアするステップと、
前記カートリッジに溶媒を供給するステップと、
前記カートリッジの内圧値をモニターするステップと、を備える、固相抽出の方法。
【請求項10】
前記モニターするステップが、圧力センサおよびコントローラを使用してモニターすることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記カートリッジのデジタル画像をモニターして、所望の量の溶媒がいつ供給されたかを決定する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記システムは、前記モニターのステップに基づいて前記溶媒の流れを自動的に停止する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
容積を有する容器を提供するステップと、
前記容器の最大充填レベルを決定するステップと、
カメラを提供するステップと、
前記カメラを使用して前記容器の画像をキャプチャするステップと、
前記容器の容積に流体を供給するステップと、
前記画像に対してエッジ検出技術を実行するステップと、
前記画像にフィルターを適用するステップと、
前記容器の実際の充填レベルを特定するステップと、を備える、容器の充填レベルを検出する方法。
【請求項14】
前記エッジ検出技術の前に、前記画像にガウスフィルタリングを適用するステップをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記実際の充填レベルと前記最大充填レベルとを比較するステップをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記実際の充填レベルが前記最大充填レベル以上であるときに、信号が提供されて、前記容器への流体の流れを停止する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ベースと注ぎ口とを有するキャップ部材であって、前記注ぎ口が、流体を注ぐかまたは分配するように動作可能であり、前記ベースが、流体容器を受け入れるための受け入れ部分を備えるキャップ部材と、
前記キャップ部材の前記ベースに接続するように動作可能な作動部材であって、前記作動部材の一部が前記キャップ部材に固定されて、前記キャップ部材とともに回転するように動作可能であり、前記作動部材が回転可能に固定された導管をさらに備える作動部材と、を備える、分配キャップシステム。
【請求項18】
前記回転可能に固定された導管は、その遠位端に分配開口が設けられた流体導管を備える、請求項17に記載の分配キャップシステム。
【請求項19】
前記ベースは、流体容器を受け入れるための接続部材を備える、請求項17に記載の分配キャップシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
特許協力条約に基づいて出願されたこの国際出願は、2021年3月16日に出願された米国仮特許出願第63/161,851号明細書の優先権の利益を主張し、その全開示は、参照によりこの明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、一般に、固相抽出を含むが固相抽出に限定されない、様々な化学的調製、抽出、および関連プロセスで使用するための方法、システムおよび装置に関する。いくつかの実施形態では、本開示の方法、システムおよび装置は、新規分子の合成および期待される生成物の分離に関する。しかしながら、本開示の実施形態は、様々なプロセスおよびアプリケーションでの使用が考えられる。本開示および本明細書に開示される様々な発明は、固相抽出またはベンチトップ化学にさえ限定されるものではない。
【背景技術】
【0003】
多くの実験室およびベンチトップの化学アプリケーションでは、新規分子の合成を目的とした化学反応の実行の後に、「ワークアップ(workup)」と呼ばれることが多い単離ステップが続く。ワークアップは、通常、クロマトグラフィーや再結晶などで行われる精製ステップに先立つプロセスを含む。ワークアップの手順は、水および/または有機溶媒(例えば、エチルエーテルまたは酢酸エチル)などの非混和性液体の添加量で反応混合物を分配する抽出プロセスを含んでもよい。しかしながら、多くのワークアップの手順では、最終的な合成ターゲットまたはさらなる合成作業で使用する中間体として十分な品質の材料が提供されない。固相抽出(以下「SPE」)のプロセスは、反応ワークアップの代替手段を提供し、既知の抽出手順に対して優れた品質の材料を短時間で供給できるため、効率が向上する。
【0004】
技術としてのSPEは、SPEベースのワークフローを迅速にかつ効率的に実行するためのハードウェアおよび方法が一般的に不足している。SPEの操作用の既存のハードウェアは、通常、小規模な操作に限定されている。このような装置の例は、クバッキの米国特許第7,610,941号明細書およびポールらの米国特許第10,495,614号明細書に示され且つ説明されているものを含み、その全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。既知の装置の制限は、たとえば、水性サンプルのみを扱うこと、非常に類似したまたは同じマトリックスでの並行分離のサポート、および、広範囲の化学試薬および溶媒に一般に適していない内部配管を含む。
【発明の概要】
【0005】
したがって、SPE用の改善された方法およびシステムを提供するという、長年感じられてきたが満たされていないニーズが存在する。本開示の様々な実施形態は、SPEによく適しており、SPEで使用することを考えているが、本開示はSPEのプロセスに限定されないことが認識されるであろう。様々なベンチトップ化学および他の方法およびプロセスが、本開示の目的、特徴および様々な発明の態様を利用し得ることが考えられる。
【0006】
本開示の実施形態の目的は、サンプルを単一にかつ迅速にかつ効率的に処理することを必要とする化学のワークフローの要求を提供し、これに対応することである。
【0007】
特定の実施形態では、異なるカートリッジおよび容器のサイズを収容およびサポートを行う装置およびシステムが提供される。本開示の装置およびシステムは、モジュラーラックに設けられたチューブ(例えば、25×150mmのチューブ)内に最大50ミリリットルの液体のフラクション(fraction)を収容するように動作可能である。本開示のラックは、複数のフラクションを収容または保持を行うことが考えられる。いくつかの実施形態では、本開示のラックは、少なくとも4つのフラクションを受け入れるように動作可能である。
【0008】
様々な実施形態において、無人の実行を完了するために4つのフラクションの1セットのみを必要とする最適化されたコンディションの下でソフトウェア制御のシーケンスを含む方法およびシステムが提供されるが、ユニットは、フラクションの各セットが完了するたびに、空のチューブの追加アレイを交換するために、半自動化された方法でユーザをキューに登録すること(queuing)によって、不定数のフラクションの収集に対応することができる。この方法で空のフラクションのフラクションラックを交換できるようにすると、エッジケースに遭遇したときに分離をより柔軟に適用できるようになる。交換可能なフラクションラックは、機器をより複雑なプラットフォームに統合する過程で、そのようなフラクション容器を保持するラックのロボットによる交換を検討する機会も開く。
【0009】
様々な実施形態において、装置は、複数の流体または溶媒を複数のリザーバに収容するように動作可能である。特定の実施形態では、溶媒の異なる混合物を提供すること、光学認識アルゴリズムを提供すること、ヘッドスペースのオーバーフィルが検出された場合は修正措置を実行すること、システム内の目詰まりをモニターして考慮する(account for)こと、および、ラインおよび溶媒を廃液流収集機構にパージすることを行うように動作可能なシステムが提供される。
【0010】
本開示の目的は、比較的小さなスペースで化学反応を正確にかつ迅速にワークアップできる、設置面積が小さいシステムおよび機器を提供することである。本開示のさらなる目的は、完全に手動であるまたは完全に自動化された機能性および可搬性を可能にするモジュール式システムを提供することである。本開示のさらに別の目的は、強化された混合能力を備え、システム内に貯蔵された様々な溶媒の混合物を提供するシステムを提供することである。本開示のさらに別の目的は、自動化された溶媒送達を備えたシステムを提供することである。本開示のさらなる目的は、SPEのカートリッジを介した溶媒の効率的な溶出が提供される、溶媒の圧力ベースの溶出を提供することである。いくつかの実施形態では、空気流の感知を使用して溶媒溶出の完了を検出するために、自動のブレークスルー検出が提供される。
【0011】
本開示の実施形態は、例えば、化学的適合性を必要としないパーツ用のポリ乳酸(PLA)、化学的適合性が必要なパーツ用のポリプロピレン(PP)、弾性パーツ用の熱可塑性ポリウレタン(TPU)、化学的適合性を備えた強いパーツ用のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む様々な材料と、さまざまな直径のカートリッジをシールするための円錐形のデザインのシーリングプラグとの提供、3D印刷を使用して取り付けフランジ(PLAまたはPEEKを使用)とシーリングパーツ(TPUを使用)との印刷を考えている。
【0012】
いくつかの実施形態では、カートリッジ内の液体レベルをモニターし、過剰充填を回避するために、液体レベル検出のための方法およびシステムが提供される。従来のコンピュータビジョンアルゴリズムおよび機械学習を使用したカメラによるリアルタイム画像処理のような革新的な技術が、本明細書で考えられるとともに開示される。レーザー感知や超音波感知などの追加の技術も考えられる。
【0013】
いくつかの実施形態では、システムは、ユーザが実行される溶媒、体積、および/またはフラクション収集の数を選択し、抽出またはSPEのプロセスを自動化できるようにするソフトウェアおよびユーザインターフェースを備える。流量センサ(例えば、空気流量センサ)は、ブレークスルーをモニターすることが考えられる。
【0014】
一実施形態では、固相抽出の手順を実行するためのシステムが提供される。このシステムは、固体および液体のうちの少なくとも1つを受け取るためのカートリッジを備える。カートリッジは、支持部材の上に選択的に設けられ、支持部材によって支持される。カートリッジの内部容積に流体を分配するように動作可能な分配装置が提供される。カートリッジの近位端に実質的にガス不透過性のシールを提供するように動作可能なシール部材が提供される。それぞれが流体を収容および分配するように動作可能である複数の流体リザーバが提供される。複数の流体リザーバから分配装置に流体を運ぶように動作可能なポンプが提供される。移動可能なラックは、カートリッジから流体を受け取るように動作可能な複数の容器(例えば、フラクション容器)を収容する。
【0015】
様々な実施形態において、SPEの方法が提供される。一実施形態では、空のカートリッジと、複数の空のフラクション容器を含むフラクションのキャリアと、を提供することを含む、SPEの方法が提供される。カートリッジとフラクション容器との存在が検出されて、システムは第1のフラクション容器にインデックスされる。サンプルがカートリッジに導入され、信号がシステムに入力されてプロセスが開始される。カートリッジは、好ましくは、カートリッジのヘッドスペースをクリアするために加圧される。カートリッジの内圧値をモニターしてプロセスの状態および完了を検出する。
【0016】
一実施形態では、容器の充填レベルを検出する方法が提供される。この方法は、ある容積を有する容器を用意するステップと、容器の最大充填レベルを決定するステップと、カメラを提供するステップと、カメラを使用して容器の画像をキャプチャするステップと、容器の容積に流体を供給するステップと、画像に対してエッジ検出技術を実行するステップと、画像にフィルターを適用するステップと、容器の実際の充填レベルを特定するステップと、を備える。
【0017】
これらの目的および実施形態は、本明細書においてより詳細に開示される。本開示で提供される様々な発明の特徴および態様は、それらが図示または説明をしている実施形態に限定されないことを認識されるべきである。実際、一実施形態に関して図示および説明を行った特定の特徴(例えば、空気流量センサまたは廃棄物収集システム)を、そのような特定の組み合わせが図示および説明をしていなくても、別の実施形態で採用されてもよいことが考えられる。
【0018】
他に規定されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本発明が関係する当業者によって一般に理解されることと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似の方法または同等の方法および材料を本発明の実施形態の実行または試験において使用できるが、例示的な方法および/または材料を以下に説明する。さらに、材料、方法および実施例は、例示のみを目的としており、必ずしも限定することを意図していない。
【0019】
当業者は、以下の説明が本開示の原理を単に例示するだけであり、多くの異なる代替実施形態を提供するために様々な方法で適用できることを認識するであろう。この説明は、本開示の教示の一般的な原理を説明するためになされたものであり、本明細書に開示された発明の概念を限定することを意味していない。
【0020】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本開示の実施形態を示し、上記の本開示の一般的な説明および以下の図面の詳細な説明とともに、本開示の原理を説明することに役立つ。
【0021】
図面は、必ずしも縮尺通りではないことを理解されるべきである。場合によっては、本開示の理解に不必要な詳細、または他の詳細を認識しにくくする詳細が省略されている場合がある。当然のことながら、本開示は、必ずしも本明細書に示される特定の実施形態に限定されるものではないことを理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの斜視図である。
図2】本開示の一実施形態に係るシステムの斜視図である。
図3】本開示の一実施形態に係る本開示の複数の構成要素の斜視図である。
図4】本開示の一実施形態に係る本開示の複数の構成要素の斜視図である。
図5】本開示の一実施形態に係る本開示の複数の構成要素の後面斜視図である。
図6A】本開示の実施形態の構成要素の斜視図である。
図6B】本開示の実施形態の構成要素の斜視図である。
図6C】本開示の実施形態の構成要素の斜視図である。
図7】本開示の一実施形態に係るシステムの概略図である。
図8】本開示の一実施形態に係るシステムのコンポーネントの立面図である。
図9】本開示の一実施形態に係るシステムのコンポーネントの斜視図である。
図10】本開示の一実施形態に係るシステムのコンポーネントの斜視図である。
図11】本開示の一実施形態に係るシステムのコンポーネントの斜視図である。
図12】本開示の一実施形態に係るユーザインターフェースの図である。
図13】本開示の一実施形態のデータを示す波形プロットである。
図14A】本開示の一実施形態に係る容器およびそのヘッドスペースの図である。
図14B】本開示の一実施形態に係る容器およびそのヘッドスペースの図である。
図14C】本開示の一実施形態に係る容器およびそのヘッドスペースの図である。
図15A】本開示の一実施形態に係る容器および特定の充填レベルを示す図である。
図15B】本開示の一実施形態に係る容器および特定の充填レベルを示す図である。
図15C】本開示の一実施形態に係る容器および特定の充填レベルを示す図である。
図16A】本開示の一実施形態に係るコンポーネントの底面斜視図である。
図16B図16Aの構成要素の上面斜視図である。
図17】本開示の一実施形態に係るコンポーネントの斜視図である。
図18】本開示の一実施形態に係るコンポーネントの斜視図である。
図19図18の構成要素の立断面図である。
図20】本開示の一実施形態に係るコンポーネントの斜視図である。
図21図20の構成要素の底面図である。
図22】本開示の一実施形態に係る分配および注ぎのシステムの上面斜視図である。
図23図22の実施形態に係る分配および注ぎのシステムの底面斜視図である。
図24】本開示の一実施形態に係るシステムの斜視図である。
図25A】本開示の一実施形態に係る分配および注入のシステムの斜視図である。
図25B図25Aの実施形態のシステムの斜視図である。
図25C図25Aの実施形態のシステムの斜視図である。
図26】本開示の一実施形態に係るシステムの斜視図である。
図27A】本開示の一実施形態に係る分配および注ぎのシステムおよび容器の斜視図である。
図27B図27Aの実施形態に係る分配および注ぎのシステムの斜視図である。
図28A】本開示の一実施形態に係る分配および注ぎのシステムの側面図である。
図28B図28Aの実施形態に係る分配および注ぎのシステムの側面図である。
図28C図28Aの実施形態に係る分配および注ぎのシステムの側面図である。
図29】本開示の一実施形態に係るシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本開示の一修正例によるシステム2の斜視図である。システム2は、比較的小規模な研究および生産作業に適したベンチトップのシステムを含むことが考えられる。しかしながら、本明細書において図示および説明がなされるシステムの特定のサイズまたは使用目的に関して、いかなる制限も提供されないことが認識されるであろう。実際、図1および他図に示されるシステムは、異なるプロセス、用途およびアプリケーションに対応するために、必要に応じてスケールアップまたはスケールダウンされることが考えられる。本開示の様々な実施形態は、溶媒および材料が手動で挿入され、カートリッジ6に装填される「手動」装填システムとして提供されることも考えられる。他の実施形態では、内容物(例えば、溶媒)のカートリッジへの装填は、ポンプの提供および使用によって自動的にまたは半自動的に実行される(例えば、図10)。様々な実施形態およびシステムがこれらの異なるモードで動作できることを認識されるべきである。例えば、ポンプおよび関連する機構(例えば、保管容器、導管)は、図1のシステムおよび実施形態に備えられることが考えられる。さらに、ポンプ(例えば)を示す実施形態は、手動のSPEおよび同様のプロセスで使用するように修正または適合がなされることが考えられる。一般に、1つまたは複数の実施形態に関して開示され、図示され、説明される様々な特徴は、たとえそのような組み合わせが具体的に図示または説明がなされていなくても、本開示の他の実施形態において提供され得ることに留意されるべきである。
【0024】
図1に示すように、システム2は、システムを支持するためのベンチトップ4またはプラットフォームの上に少なくとも部分的に設けられる。システム2は、少なくとも1つのカートリッジ6を備える。カートリッジは、好ましくは、材料(例えば、流体)を1つ以上のフラクション容器8に運ぶための交換可能なカートリッジを備える。図1に示すように、フラクション容器8は直線状のフラクションのアセンブリ内に設けられる。例えば、格子状および円形の配置で提供される部分を含む代替の配置も考えられる。
【0025】
様々な剛性の支持要素から形成され、それを含むと考えられる支持アセンブリ10が提供される。例えば、図1の支持アセンブリは、本開示の様々な構成要素を受け入れて支持するようなサイズおよび動作可能な複数のアルミニウム支持部材を含むものとして示されている。図1には示されていないが、支持アセンブリ10を含むがこれに限定されない本開示の様々な構成要素は、構成要素が隠されて保護されるように、本体またはハウジング内に収容されるまたは収容なされ得ることが考えられる。本明細書に示される特徴および機能を支持することに適した様々な支持部材が考えられ、特定のフレームまたは支持アセンブリ10に関して制限は提供されない。図1には、カートリッジ6を選択的に受け入れて支持するように動作可能なクリート部材12が設けられている。図1の実施形態では、クリート部材12はフレンチクリートとして示されており、図2に関してより詳細に図示および説明がなされる。
【0026】
図1のシステムは、フラクションのラック22内に設けられた容器またはバイアル8に流体を受け取り、最終的に分配するためのカートリッジ6を備える。図示されるように、システム2はさらに分配装置24を備える。いくつかの実施形態では、分配装置24は、流体源に接続された導管(図1には図示せず)から流体(例えば、溶媒)を受け取り、分配するように動作可能である。図1の実施形態では、カートリッジ6の開放端に、使用者が手動で直接溶媒を供給することが考えられる。
【0027】
分配装置24は、分配装置の少なくとも一部の位置を調整するためのリニアアクチュエータをさらに備える。いくつかの実施形態では、分配装置24は、リニアアクチュエータと連通するプラグ要素(図3の28)をさらに備え、装置は、カートリッジ6の近位端と密封配置にプラグを配置するように動作可能である。
【0028】
SPEのプロセスの「ブレークスルー」は、カートリッジのヘッドスペースでの圧力の突然の低下と、それに伴って、システムを通じてカートリッジの出口ノズルから出るガス流量の増加と、によって特徴付けられる。この移行をマークするために圧力変化の変曲点を測定することは可能であるが、SPEの媒体を介して、より広範囲の異なる流れ特性にわたってガス流量の変化を非常に高い感度で検出することが可能であり、望ましい。
【0029】
図1に示すように、システム2は、カートリッジ6、分配装置24、およびフラクションのラック22がすべて少なくともX軸において相互に平行移動可能であるように設けられる。分配装置24は、Z軸方向にも平行移動可能または移動可能な構成要素を備える。
【0030】
図1の実施形態は、ガスまたは流体(例えば、周囲空気または窒素)の供給源に接続されるかまたは供給されると考えられる空気の入口5をさらに備える。流体ライン7は、流体を分配装置24に運び、最終的にカートリッジ6の内部容積に圧力を提供するために設けられている。空気流量センサ9(例えば、風速計)が設けられており、ライン7および/またはカートリッジ6内の流体の流れ特性の検出および評価を行うように動作可能である。
【0031】
図2は、複数のカートリッジ6およびクリート部材12の斜視図である。図示のように、クリート部材12は、一般に、ホルダー14と、ホルダー14が載置される受容部分16と、を含む2つの構成要素を備える。様々な実施形態において、ホルダー14は重力のみによって受容部分16に固定される。他の実施形態では、磁気要素は、カートリッジおよび/またはホルダー14を受容部分16に接続することが考えられる。ホルダー14は、カートリッジ6用の凹状受容領域を備える。異なるサイズのカートリッジを収容するために複数のホルダー14が考えられ、各ホルダー14は、好ましくは受容部分16によって受容可能である。受容部分は、システムのフレーム部材の一部に沿ってスライド可能であってもよく、および/または移動可能な要素に取り付けられてもよい。ホルダー14は、迅速に且つ容易に交換できるように動作可能であり、受容部分は、好ましくは、複数の異なるサイズのホルダー14および関連するカートリッジを受容するように動作可能である。
【0032】
図3は、本開示の別の実施形態に係るシステムの斜視図である。図示のように、システム2は、フラクションのラック22内に設けられた1つ以上のフラクション容器8に対して位置決めするためのカートリッジ6を備える。少なくともY軸方向に手動で移動させてカートリッジ6を実質的に密封するように動作可能なプラグ28が設けられている。カートリッジ6は、図2に関して図示および説明を行ったようなクリート部材によって固定される。カートリッジの垂直位置は、Z軸で調整できる。フラクションのラック22は、少なくともX軸方向にカートリッジに対して移動するように動作可能である。図3の実施形態では、システム2は、ユーザが手動でサンプルおよび溶媒をカートリッジ6に装填する手動システムとして提供されることが考えられる。ユーザはまた、プロセスを開始するためにプラグ28を手動で位置決めすることになる。
【0033】
図4は、本開示の一実施形態に係るフラクションのラック22の斜視図である。図示のように、ラック22は、異なるサイズまたは直径を有するフラクション容器8を受け入れるための受け入れ領域を備える。ラック22を追加のシステム構成要素に固定するために、取り付けのブラケットまたはアーム30が設けられている。
【0034】
図5は、本開示の別の実施形態に係るシステム2の斜視図である。図示のように、システム2は、システム構成要素を支持するように動作可能なフレーム部材10を備える。図示のように、システムは、SPEのカートリッジ(図5には図示せず)の上部をシールする分配装置24と、複数の容器(図5には図示せず)を受け入れて支持するように動作可能なフラクションのラック22とを備える。フラクションのラック22は、少なくとも水平方向(X軸)に調整可能であり、分配装置24は、流体(例えば、空気、窒素および/または溶媒)を分配し、プラグを使用してカートリッジを密封するように動作可能である。分配装置24の位置は、固定されているがX軸において調整可能であることが考えられ、分配装置24の少なくとも一部は垂直(Z軸)方向に移動可能である。例えば、プランジャを下げてカートリッジと接触させて、カートリッジの近位端にシールを提供できる。フラクションのラック22は、X軸におけるラック22の位置を迅速に調整でき、分配装置24に対してフラクション容器を迅速に再配置できるように、締結具23を備える。
【0035】
図6A図6Cは、本開示の実施形態で使用するために動作可能なフラクションのラック22を示す。図示のように、フラクションのラック22は、手順の間に使用するためのバイアルまたは容器を収容および支持することが考えられる。ラック22は、3D印刷されたラックを含むことが考えられ、好ましくは、任意の数の市販のラック形式の設置面積内に収まるように迅速な組み立ておよび分解を可能にする耐薬品性材料を含む。モジュール式のラックは、チューブが市販のラック内のチューブと正確に同じ高さに配置されるように提供される。ラック22は、市販のラックの設置面積内に収まる特徴を提供するために、追加のラックと組み合わせて組み立てることができるようなサイズおよび形式であることが好ましく、したがって、既知のリキッドハンドラ構成要素を含むがこれに限定されない既存のハードウェアに容易に収容される。したがって、6つの「ミニラック」のセットアップは、おおよそ11.25インチ×3.9インチ×3.575インチの領域に最大で24本のチューブの保持および収容が可能であることが考えられる。
【0036】
図7は、本開示の一実施形態に係るシステム2の概略図である。図示のように、システム2は、システム2の様々な構成要素の間で流体を運ぶように動作可能なポンプ50を備える。複数のリザーバ52a,52b,52c,52dが示される。図7には4つのリザーバが示されているが、リザーバのサイズおよび数に関しては制限がない。リザーバ52は、流体を貯蔵して、選択的に分配するための流体リザーバを備えることが考えられる。例えば、いくつかの実施形態では、溶媒は複数のリザーバのそれぞれに貯蔵される。バルブ54は、リザーバ52からの溶媒の流れを調節するために設けられている。いくつかの実施形態では、各リザーバからの流体を制御するために三方ソレノイドバルブが提供される。チューブコネクタ56または同様のユニオンが提供され、ポンプ50はリザーバ52から流体を引き出すように動作可能である。図7に関してソレノイドバルブが図示されて考えられているが、本開示はソレノイドバルブに限定されず、本開示の目的を達成しながら、他の様々なタイプのバルブおよび構成が提供され得ることが認識されるであろう。しかしながら、好ましい実施形態では、ソレノイドバルブは、本開示の特定の実施形態および用途によく適しており、システムの自動化を容易にすることが考えられる。
【0037】
動作中、ポンプ50は、1つまたは複数のリザーバ52から流体を汲み上げるように動作可能である。バルブ54は、ポンプ50によってリザーバから汲み上げられる溶媒の種類および量を制御するように動作可能である。いくつかの実施形態では、バルブ54は、コントローラおよび関連ソフトウェアによって制御され、適切な量およびタイミングで溶媒がリザーバから放出されることを保証するソレノイドバルブを備える。
【0038】
ポンプ50は、カートリッジ60および/または廃棄物収集器62への流体の分配を制御するために、追加のバルブまたは出力バルブ58と連通している。いくつかの実施形態では、廃棄物収集器62は、真空駆動の廃棄物収集ユニットを備える。実験またはプロセスが完了した後、例えば、バルブ54が閉じられて、リザーバ52からのさらなる流体の流れが防止される。次いで、出力バルブ58は廃棄物収集器への流れを可能にし、ポンプ50はシステム内に残っている流体をバルブ54の下流に引き込む。ポンプと真空駆動の廃棄ユニットとは、デッドボリュームの流体を引き込み、ラインおよびチューブを清掃して、システムがさらなる操作の用意ができるようにする。いくつかの実施形態では、システム内のラインをパージまたは浄化するために、洗浄またはゆすぎの流体または溶媒が提供される。例えば、ある量の空気または二酸化炭素が、システムを浄化して廃棄物収集器62に引き込まれるために提供されることが考えられる。
【0039】
図7に示されるものを含む本開示の実施形態は、複数のバランスのとれた溶媒の混合物を生成する能力を提供する。図7の実施形態は、複数の溶媒ボトルまたはリザーバから正確に配分された(proportioned)溶媒の組み合わせを生成できる溶媒混合システムを提供する。溶媒ボトルは、それぞれの個別の3方向ソレノイドバルブ54に接続される。次に、すべての溶媒ボトルまたはリザーバは、溶媒ボトルからのすべての流れを合流させる4:1または8:1 (またはその他)のチューブコネクタで結合される。分配される溶媒の量および割合は、所望の実験、用途などのために、所定量または事前設定量の流体を含むコントローラおよびソフトウェアによって制御されてもよい。
【0040】
図7には示されていないが、システム2が、カートリッジ60のヘッドスペースに流体および圧力を提供するための空気またはガス入口を備えることがさらに考えられる。
【0041】
図8は、本開示の別の実施形態に係るシステム2の斜視図である。図示のように、システム2は、分配装置24およびカートリッジ6を支持するためのフレーム部材10を備える。図示のように、分配装置24は、シールを移動させてカートリッジの近位端と接触し、シール係合させるためのモータおよびリニアアクチュエータを備える。溶媒およびガス(例えば、空気、窒素など)は、カートリッジ6の内部容積に提供されて、SPEのプロセスを実行できる。溶媒はカートリッジを通じて濾過され、カートリッジ6の遠位端7から排出される。
【0042】
入口70は、カートリッジ6の内部容積に圧力を提供するために設けられる。MgSOを含む酢酸エチルなどの溶媒は、カートリッジ内に提供して濾過できる。流体(例えば、空気または窒素)は、空気入口70を通じて供給される。入口70からの、カートリッジ内およびカートリッジを通じた流体の流れの特性は、カートリッジ6内で起こる材料およびプロセスのコンディションおよび状態を決定するために分析されることが考えられる。
【0043】
図9は、本開示の一実施形態に係るシステム2の斜視図である。システム2は、分配装置24用のフレーム部材10または同様の支持構造を備える。カートリッジ6は、ピボットアーム72の遠位部分内に設けられる。ピボットアーム72は、フレーム10の近位に設けられたヒンジ74を備える。ピボットアーム72は、カートリッジ6の挿入および交換を可能に且つ容易にするために、ヒンジ74を中心にして回転するように動作可能である。図9に示すものを含むいくつかの実施形態では、分配装置24は、カートリッジ6にシールを提供するためのOリングおよび円錐形部材を有するシールプラグを備える。さらに、分配装置とカートリッジ6との間に信頼性の高いシールを形成するために、分配装置24にネジ付きの接続が設けられることが考えられる。フラクションのラック22には、電気的に作動するリニア運動スライドが設けられている。ラック22は、その中に設けられた複数のフラクション容器8の位置を調整するために、X軸に沿って移動可能である。分配装置24は、カートリッジの近位端をシールするかまたは実質的にシールするように動作可能であることが考えられる。本明細書で使用する「実質的にシールする」とは、不完全なシール状態(すなわち、一部の流体またはガスがシールを通過できる)を指すことが考えられる。当業者であれば、SPEの手順を適切に実行して分析するために、カートリッジの近位端における完全なまたは完璧なシールが必要でないことを認識するであろう。したがって、「シール」、「シールされた」、および「実質的にシールされた」は、ガスまたは流体の流れが十分にまたは完全に妨げられるコンディションを必ずしも指すわけではない。
【0044】
図10は、本開示の別の実施形態に係るシステム2の斜視図である。図示されるように、システム2は、他の実施形態に関して本明細書において図示および説明がなされる様々な特徴を備える。図10の実施形態は、手順に使用する複数のカートリッジ部材を保持または保持するように動作可能なカルーセル部材82を備える。カルーセル部材82は、複数の異なるカートリッジを分配装置と連通するために位置決めできるように、垂直のZ軸を中心にして回転可能である。分配装置24は、垂直方向(Z軸)に移動可能であり、分配装置を様々なカートリッジと連通するか連通しないように選択的に移動する。4:1のセレクタバルブ78が設けられており、ポンプ80は溶媒容器76から少なくとも1つの容器に流体を運ぶように動作可能である。本開示の実施形態は、さまざまな数の溶媒容器76を設けることを考えている。したがって、わずか1つの溶媒容器が提供されてもよく、最大で24個の溶媒容器が提供されてもよい。特定の好ましい実施形態では、4~10個の溶媒容器76が提供される。セレクタバルブ78は、システム2が備える容器の数に基づいて変更または交換が可能である。
【0045】
図11は、本開示の別の実施形態に係るシステム2の斜視図である。図示のように、分配装置24が設けられている。分配装置24は、密封プラグを移動させるためのリニアアクチュエータを備える。リニアアクチュエータは、カートリッジとの正確で且つ信頼性の高いシール動作を保証するためのガイドロッド90を備える。図11の分配装置24は、流体(例えば、空気または窒素)を供給源から分配装置24に、そして最終的にはカートリッジのヘッドスペースに授受するためのガス導管7を備えることが考えられる。
【0046】
様々な実施形態において、ネオプレンのプラグを含む密封プラグが提供される。あるいは、プラグは、1つまたは複数の材料を含む3D印刷されたアセンブリを備えることが考えられる。例えば、第1の材料で形成された取付フランジと、第2の材料で形成された弾性部材と、を備えるプラグが、分配装置24に設けられることが考えられる。プラグは、好ましくは、様々な直径のカートリッジをシールするように寸法構成され且つ動作可能である。
【0047】
図11に示すように、フラクションのラック22は、4本のフラクション収集のチューブ8を収容するように動作可能である。複数のラックが提供されるか、一緒に積み重ねられ、特定の既存の製品と同じ設置面積および寸法を提供することが考えられる。したがって、本開示のフラクションのラック22は、例えばBIOTAGE(商標)V10の蒸発器を含む既存のシステムで使用するために動作可能である。
【0048】
図11に示すものを含むがこれに限定されない本開示の様々な実施形態は、様々なコンディションをモニターするための空気流量センサの提供を考えている。例えば、システム2が、カートリッジに溶媒がなくなったときをモニターして検出するように動作可能な空気流量センサを備えることが考えられる。システム2は、圧縮空気の流れを停止し、方法またはプロセスを終了するように動作可能である。
【0049】
本開示のさまざまな実施形態に係るカートリッジのヘッドスペースへの空気および/または流体の流れは、さまざまな特徴、長所および利点を提供する。この流れをSPEのプロセスまたは濾過プロセスに提供することは、空気または流体の流れおよび/または圧力を評価して、反応またはプロセスが起こっているカートリッジ内でのコンディションおよび事象を決定できる分析上の利点を提供することが考えられる。いくつかの実施形態では、カートリッジに提供される空気または流体の流れコンディションがモニターされ、例えば、溶媒およびサンプルがカートリッジから除去されるかまたはほとんど除去されるブレークスルーコンディションの発生を含む変化について分析される。この発生により、サンプルや手順を妨げることなく観察できる、顕著で識別可能な圧力変化の事象が発生する。
【0050】
図12は、本開示の一実施形態に係るユーザインターフェースの図である。図示のように、ユーザインターフェース100は、ユーザが本開示のシステムと対話できるようにするためのグラフィカルなインターフェースを備える。具体的には、ユーザインターフェース100は、ユーザが操作を制御し、例えば固相抽出の手順を含む操作のデータをチャプチャーして視覚化することを可能にする。
【0051】
図13は、本開示の実施形態のインターフェースおよびデータ視覚化特徴102の図である。図示されるように、本開示のシステムは、システム内の空気流力学に関するデータを出力するように動作可能である。具体的には、少なくとも1つのカートリッジ内の空気流力学および圧力がグラフ形式で出力され、手順の間での「ブレークスルー」を決定できる。第1のもの104および第2のもの106の実行または手順が示されている。「ブレークスルー」の事象の決定は、次の「スラグ」または溶出される溶媒の用量の送達を受け取るためにカートリッジがいつ利用可能であるかを知らせる圧力降下108によって提供および表示がなされる。本開示の空気流センサ(例えば、図1の9)によって測定された複数のブレークスルーの事象108が図13に示されている。
【0052】
図14A図14Cは、カメラおよびビデオ機器を使用して容器内の液体レベルを検出するための本開示のシステムおよび方法の図である。当業者には理解されるように、液面のモニターおよび検出は、SPEを含むがこれに限定されない様々なプロセスにとって重要である。本開示の様々な実施形態は、液面検出を備えたポンプの提供および包含を考えているが、そのようなポンプシステムに加えて、またはそのようなポンプシステムの代わりに、カメラデバイスおよび関連データを使用して充填レベルを検出する方法が考えられる。本開示の実施形態は、充填レベルを検出するためのレーザーセンサ、超音波センサ、および同様の機能の提供をさらに考えている。しかしながら、出願人は、充填レベルを検出する特定の方法およびシステムには、変化するコンディション(例えば、光、液体の色、粘度、カートリッジの透明コンディションの変化)における制限に遭うことを発見した。本開示の実施形態は、1つ以上のカメラを提供し、カートリッジに面するようにカメラを配向し、カートリッジ内の液体レベルの変化をリアルタイムでモニターするというシステムの方法を提供する。カメラの特性および設定は、光コンディションの変化を含むがこれに限定されないコンディションの変化を考慮して調整または調整がなされることが考えられる。
【0053】
一実施形態では、充填レベルを視覚的に検出する方法が提供され、カメラの被写体の特定の物理的特徴の検出および抽出がなされる。この方法は、プロセスの開始時にリアルタイムビデオまたは複数の画像をキャプチャすることを含む。このプロセスは、SPEのプロセスを含んでもよい。例えば充填プロセス中の液体レベルを含む液体レベルは、充填レベルが閾値または所定の充填レベルに合致するかそれを超えるコンディションについてモニターされる。このコンディションが合致して、カメラによって検出されると、システムは充填動作を停止するように動作可能であることが考えられる。オーバーフローまたは閾値は、充填される容器(例えば、カートリッジ)の高さまたは体積に基づいて決定されることが考えられる。好ましい実施形態では、エッジ検出技術(例えば、キャニーエッジ検出)が使用される。ガウスフィルタリングは、ビデオまたはその他のイメージングでの不要なノイズを除去するために適用され、その後、エッジ検出ステップがキャプチャされた画像に適用される。エッジ検出技術は、液体ボリュームの上端の検出が達成されるような照明条件に調整されている。結果として得られる画像またはフィードは、ホワイトノイズをさらに低減するためにフィルター(たとえば、ソーベルフィルター)にかけられる。膨張技術および侵食技術の組み合わせも、図14Aに示すように、液面110の明瞭で明確なエッジを作成するために適用されることが考えられる。
【0054】
図14Bに示すように、容器111が提供され、最大または閾値の液体充填レベル112が提供される。最大充填レベル112は、例えば、容器111の体積または形状、容器製造業者の推奨、および/または実行される特定の手順に基づく所定の値であることが考えられる。実際のまたは現在の液体充填レベル114が提供され、カメラによって検出される。実際の液体レベル114は、システムによってリアルタイムで追跡されることが好ましい。実際のレベル114が最大レベル112(図14C)に達すると、信号がポンプに送られ、液体のポンピング動作が終了する。いくつかの実施形態では、システムのビデオフィード解像度は高精細度ではなく、システムは低遅延で動作し、高精度かつリアルタイムの液面検出を可能にする。
【0055】
様々な実施形態において、機械学習システムおよびアルゴリズムは、物体の検出、分類などのために考えられる。機械学習は、本開示の様々な実施形態において提供され、(例えば)充填レベルのコンディションが合致したときに液体ポンピングの高精度でかつ応答性の高い終了を提供する。本開示の実施形態は、カートリッジまたは容器の様々な異なる充填レベル状態を区別するように動作可能な機械学習モデルを提供することを考えている。異なるカートリッジ充填レベルのコンディションおよび例えば照明コンディションを含む他のコンディションのデータセットに基づいて訓練された畳み込みニューラルネットワーク(「CNN」)を含むアルゴリズムが考えられる。手動データセットが提供されることが考えられ、システムには、「非フル」(図15A図15B)および「フル」(図15C)のコンディションの例を含む入力および情報が提供される。好ましくは、異なる照明コンディション、液体密度、液体の色、容器の不透明度などが、システムが容器のフルのコンディションおよび非フルのコンディションを「学習」して観察するための少なくとも初期の基礎として提供される。このシステムは、信号を提供するか、フルの状態に関する情報を伝達し、フルのコンディション(図15C)が達成されたときに(例えば)溶媒の流れを停止するように動作可能である。
【0056】
図16Aは、本開示のさまざまな実施形態で使用するための分配装置の構成要素120の斜視図である。図示のように、構成要素120は、ベース122、支持プレート123および遠位先端124を備える。遠位先端124は、シール要素またはプラグ(図16Aには示されていないが、図18の136を参照)を受け入れて支持するように動作可能である。本開示の様々な実施形態に係るシステムに、締結具を受け入れて構成要素120を固定するように動作可能な複数の開口126が提供される。支持プレート123および遠位先端124は、化学的抵抗性の高い要素を含むことが考えられる。いくつかの実施形態では、少なくとも支持プレート123および遠位先端124は、カルレッツおよびシリコーンのうちの少なくとも1つを含む。複数の分配ポート125が設けられ、材料(例えば、流体)を供給源から密封されたまたは実質的に密封された容器の内部容積に分配および搬送を行うように動作可能である。図16Aには3つのポート125が示されているが、ポートの数に関して制限はない。わずか1つのポートが提供されることも、5つ以上のポートを含む複数のポートが提供されることも考えられる。
【0057】
図16Bは、図16Aの構成要素120の上面斜視図である。図示されているように、複数の開口128が構成要素120の近位側に設けられる。開口128は、構成要素120を通じて容器の内部容積に、流体を運ぶように動作可能である。開口128は、図16Bではネジ付き雌型の開口として示されている。非ネジの開口を含む代替構成も考えられることを認識されるべきである。開口128は、構成要素に流体を運び、構成要素を通じて流体を運ぶためのテフロン(登録商標)のチューブを受け入れることが考えられる。いくつかの実施形態では、第1の開口は、溶離液として溶媒を受け取って搬送するように動作可能である。第2の開口は、窒素ガスを受け取って搬送するように動作可能である。そして、第3の開口は、容器のヘッドスペースがオーバー充填またはオーバーフローした場合に、オーバーフロー切替ポートとして機能するように動作可能である。代替の実施形態では、追加のポートが提供される。さらに別の実施形態では、単一のポートのみが提供され、配管および材料の分割または分岐が(例えば)構成要素120の上流に提供される。
【0058】
図17は、本開示の別の実施形態に係る、プラグを受け入れて支持するためのコンポーネント130および関連する特徴の斜視図である。図示のように、構成要素130は、ベースまたは支持部材と、プラグを受け入れて支持するための遠位先端132とを備える。遠位先端132は、プラグを受け入れて固定するための1つまたは複数のリブまたは突起を備える。構成要素130は、アルミニウム、PEEK、またはガラス含浸ポリプロピレンのうちの1つまたは複数を含むことが考えられるが、構成要素130の材料に関してはこれに限定されない。
【0059】
図18は、本開示のさまざまな実施形態での使用が考えられるプラグ136の斜視図である。図示のように、プラグ136は、容器の開口部の中に部分的に延在して、容器の縁または開口端をシールするように動作可能な円錐形または円錐台形の要素を備える。プラグ136は、流体を受け取って搬送するための内部チャネルまたは導管を備える。好ましくは、図17の構成要素130の1つまたは複数のリブ134に対応し、それと連通する1つまたは複数のリブ138が設けられる。プラグ136は、3D印刷された熱可塑性ポリウレタンおよび/または耐薬品性シリコーンから形成されることが考えられる。
【0060】
図19は、本開示の一実施形態に係るプラグ136の立断面図である。図示されるように、プラグ136は、1つ以上の流体が搬送される中央の開口140または通路を備える。追加の構成要素を受け入れてプラグを固定するために、少なくとも1つの環状空隙またはリブ138が設けられている。図19には滑らかな円錐形または円錐台形の外側表面が示されているが、本開示のプラグ部材が安定的で且つ信頼性の高いシールを提供するためにスカラップまたはリッジを備えることも考えられる。
【0061】
図20図21は、ベース142および支持プレート144と組み合わせて組み立てられた状態で示される、本開示の一実施形態に係るプラグ140の図である。組み立てられた構成要素(140,142,144)は、本明細書に図示および説明がなされるように、分配装置の一部として集合的に移動可能である。図1および図2のプラグ140は、図20図21は、異なるサイズの容器を収容するために、異なる直径を有する複数の部分を備えた波形の外面を備える。図21に示すように、流体を容器に運ぶために、ポート146がプラグの下方の遠位部分に設けられている。図21の装置のポート146は、手動の手順において使用するためのガス流ポートを含むことが考えられる。例えば、ガス流ポート146は、窒素ガスを搬送して容器を加圧する手段を備えることが考えられ、溶媒は手動で別個に供給されることが考えられる。しかしながら、図20図21のポートはまた、プラグ140を通じて溶媒を提供するためのポート、および/またはプラグ140を通じてオーバーフローポートを提供するためのポートを含む複数のポートを備えることが考えられることは認識されるであろう。
【0062】
図22は、様々なプロセスで使用するための分配キャップ150を備える、本開示の一実施形態に係るシステムの斜視図である。キャップ150は、様々な容器、バイアルおよび他の装置に(例えば、スナップフィットまたはネジを介して)取り付けられるように動作可能な装置を備える。図22に示すものを含む様々な実施形態において、キャップ150は、内容物(例えば、液体内容物)を注ぐように動作可能な開放端装置を備える。しかしながら、キャップ150は、キャップ150を選択的に固定して閉じるためのシール部材を備える、および/またはシール部材が設けられることが考えられる。キャップ150は、様々な追加のシステム構成要素と連通するように動作可能なベース部材152を備える。キャップ150の上部は、キャップ150からの、またはキャップ150を通じた液体の注ぎまたは排出を可能にするとともに容易にするための注ぎ口154を備える。注ぎ口154は、ベース部材152から上方に延びている。ベース部材152はさらに、支持する作動部材156を受け入れて接続するように動作可能な開口160を備える。様々な実施形態において、作動部材156は、キャップ150および任意の関連する容器への接続、持ち上げ/移動、および回転のうちの少なくとも1つを行うように動作可能なポストまたは同様の支持体を備える。様々な実施形態において、本明細書で説明するように、作動部材の少なくとも一部は、例えばキャップ150を持ち上げて移動させるために少なくとも2つの軸で移動しながら、固定された回転位置に留まるように動作可能である。このような特徴および実施形態は、容器および/またはキャップ150をゆすぐことに有用であることが考えられる。
【0063】
図22に示すように、作動部材156は、カニューレ157を備える。カニューレは、様々な実施形態において、固定された回転位置に留まるように動作可能であり、一般に、使用中にその長手方向軸を中心にして回転しない。キャップ受け部は、キャップ150の1つ以上の開口160内に延びる少なくとも1つのポスト158を、好ましくは2つ以上のポスト158を備える。キャップ受け部およびポスト158は、例えば、キャップ150が持ち上げられ、傾けられると、キャップとともに回転するように動作可能である。カニューレ157は、完全に組み立てられたときに注ぎ口154の開口部に位置決めされる開口をその遠位端に備えることが好ましい。歯車またはカラー161は、キャップ受け部の回転を可能にするために設けられることが考えられ、カニューレは、ベアリング、ブッシング、または同様の回転要素を介して歯車およびキャップ受け部の中で回転するように動作可能である。
【0064】
図23は、注ぎおよび分配のシステムの底面斜視図である。図示のように、キャップ150は、ベース部材152および注ぎ口154を備える。ベース部材152は、スロット162と、容器または同様の要素を選択的に受け入れるためのC字形または部分的に開いた部分とを含む容器用の受け入れ領域を備える。キャップ150は、図23での1つの特定の実施形態を示しているが、代替の実施形態が考えられることが認識されるであろう。例えば、キャップ150が、容器または同様の部材にねじ込まれるように動作可能なネジ付き部材を備えることが考えられる。
【0065】
図24は、例えばSPEの用途を含むベンチトップのプロセスおよび反応で使用するためのシステム170の斜視図である。ベンチトップのキャビネット176が提供され、例えば液体貯蔵装置、ポンプ、および制御装置を含む様々な構成要素を収容し、および/または制御するハウジングが考えられる。システム170は、本明細書に図示されて説明される様々な実施形態に係るキャップ150を備える容器172を備える。システム170は、内容物を第1の容器172から第2の容器178(例えばSPEの容器)に選択的に搬送または分配するように動作可能であり、第2の容器178は内容物を1つまたは複数の追加の容器174に分配するように動作可能である。本開示の様々な実施形態はSPEの方法での使用が考えられるが、意図したプロセスに関して何ら制限が提供されないことを認識されるべきである。実際、本開示のキャップ部材を含むがこれに限定されない様々な特徴は、液体の搬送または分配を必要とする任意のプロセスまたはシステムで使用するために動作可能であることが考えられる。リンク機構177または同様の機構が設けられており、液体を作動させて、少なくとも第1の容器172から第2の容器178に自動的に液体を分配するように動作可能である。
【0066】
図25Aは、本開示の一実施形態に係るキャップ部材150およびリンスキャップ190の斜視図である。キャップ部材150は、少なくとも図22に関して逆位置で図示されており、容器が取り外されている。図示のリンスキャップ190および関連する使用方法は、キャップ部材150の溶媒に曝された表面を洗浄またはゆすぐことが考えられる。図示のように、キャップ150のベース部材152は、リンスキャップ190をスライド可能に受け入れるように動作可能である。作動部材156は、キャップ内に設けられた少なくとも1つの開口を備えたカニューレを備える(図25C)。カニューレおよび開口は、洗浄液(例えば、空気、生理食塩水など)をキャップの内側に搬送または分配するように動作可能である。リンスキャップ190は、洗浄液を覆うおよび/または逸らせて洗浄液を特定の領域に収容するように動作可能である。作動部材156のカニューレは、好ましくは回転する固定位置に設けられ、キャップ150はカニューレを中心にして回転するように動作可能であるが、カニューレはそれ自体の長手方向軸を中心にして回転しない。本開示の様々な実施形態はカニューレでの単一の開口を考えているが、代替の実施形態は、流体を複数の方向に噴霧または分配するように集合的に動作可能な複数の開口を考えている。
【0067】
図26は、本開示の一実施形態に係るシステムの斜視図である。図示のように、システム200は、ラック202、複数のSPEのモジュール205、清浄な流体容器204(例えば、20リットルの溶媒容器)、廃液容器206(例えば、20リットルの廃棄物容器)、および、各SPEモジュール205をプログラム的にアドレス指定するために、トラックの上に一体化された6軸ロボット208を含む自動のSPEのシステムを備えることが考えられる。
【0068】
清浄な流体容器204は、少なくとも1つのSPEのモジュール205と流体連通していることが考えられ、反応において使用するためのモジュールに流体を搬送するように動作可能である。SPEのモジュールは、流体を運ぶための少なくとも1つのポンプを備えることが考えられる。廃棄物容器206は、少なくとも1つのSPEのモジュール205と流体連通して提供されることも考えられる。流体は、廃棄物容器206にポンプで送られるか、または重力で供給されてもよい。
【0069】
図27Aおよび図27Bは、本開示の一実施形態に係るシステムの上面斜視図である。図示されるように、分配キャップ150は、第1の容器172と組み合わせて提供される。第2の容器178が提供され、第1の容器172の内容物が第2の容器178に搬送されることが、考えられて意図されている。作動部材156は、遠位端に少なくとも1つの開口212を有するカニューレ210または同様の導管部材を備え、キャップ部材150内に設けられるように動作可能である。キャップ150に接続されて、カニューレ210に対するキャップ150および容器172の回転を可能にするように動作可能なブッシング214が提供される。図27Aおよび図27Bに示されるように、カニューレ210は、その長手方向軸を中心にして回転可能に固定された状態を維持するように動作可能であり、容器が回転するとき、開口212は実質的に同じ位置に留まる。開口212は、流体を容器172またはキャップ150に搬送および噴霧を行って、構成要素をゆすぐかまたは洗浄するように動作可能である。
【0070】
図28A図28Cは、本開示の注ぎおよび分配のシステムを示しており、キャップ150が容器172に関連して設けられ、第2の容器178が設けられている。図28Aに示すように、キャップおよび第1の容器172は、回転するように動作可能である。キャップおよび容器は、構成要素間の物理的干渉を避けるために十分な距離で離間しながら、第2の容器178の近傍に設けられなければならない。図28Bは、第1の容器172および関連するキャップ150が第2の容器178から過大な距離で離れている、望ましくない配置を示している。様々な実施形態において、容器およびキャップは、回転するが移動しないように動作可能であることが考えられる。したがって、図28Bに示される配置および間隔は、特定の構成要素の位置ずれを生じさせて、回転することなく液体または他の内容物がこぼれる可能性がある。図28Cは、容器172およびキャップ150が約180度の角度で回転して、システム構成要素を整列するために水平移動も実行される実施形態を示す。様々な実施形態は、回転運動および移動運動の組み合わせによって達成される注ぎ操作を考えている。このような動きは、例えばリンケージ、ロボット工学、および様々な自動化手段を含む様々な機構によって、ならびに人間の接触および使用によって、達成されることが考えられる。
【0071】
図29は、本開示の一実施形態に係るシステム300の概略図である。図示のように、システム300は複数のリザーバ302を備える。リザーバ302は、例えば溶媒を含む流体を収容および貯蔵するように動作可能である。1つ以上のリザーバ302に収容されることが考えられる内容物および流体には、水、メタノール、アンモニア、イソプロパノール、アセトニトリル、酢酸エチル、ジクロロメタンおよびヘプタンが含まれるが、これらに限定されない。バルブ304が設けられ、ポンプ306は、流体をリザーバ302から反応容器308に搬送するように動作可能である。本明細書に提供される様々な実施形態において示されて説明されるシール310は、容器308を選択的にシールするように動作可能である。容器308から材料を収集するために、1つまたは複数のフラクション収集容器312が提供される。特定の実施形態では、廃棄物カートリッジ314が提供される。シールまたはプラグ310は入口および出口を備え、出口はオーバーフロートラップ316と流体連通している。例えば光学式レベルセンサを含むレベルセンサ318は、オーバーフロー容器をモニターするために設けられることが考えられる。オーバーフロートラップまたは容器316は、バルブ320を介して通気口318と連通している。ガス入口322がさらに設けられ、ガス流は、それぞれバルブ324および流量センサ326(例えば風速計)によって制御および測定がなされることが考えられる。図29のシステムは、本明細書に開示される様々なコンポーネントを含むものが考えられる。例えば、図29に示されるシールは、本明細書に示されて説明される1つまたは複数のシールを備えることができる。さらに、図24に示すベンチトップのSPEのモジュールは、図29のシステムに組み込まれることが考えられ、バルブ304、ポンプ306、および追加の要素を含有して収容できる。例えば、図2に示されるものを含むカートリッジホルダーは、容器308を収容するために提供されることが考えられ、モジュラーラックアセンブリ(例えば、図6A図6C)は、フラクション収集容器312のために設けられることが考えられる。
【0072】
本開示は、特定の方法またはシステムに限定されず、もちろん変更できることを理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図したものではないことも理解されるべきである。
【0073】
本開示の多くの実施形態について説明してきた。それにも関わらず、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができることが理解されるであろう。したがって、他の実施形態も特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
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図8
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図11
図12
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図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図17
図18
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図25A
図25B
図25C
図26
図27A
図27B
図28A
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図28C
図29
【国際調査報告】