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特表2024-511406変速装置、および関連するモビリティ車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】変速装置、および関連するモビリティ車両
(51)【国際特許分類】
   B62M 11/06 20060101AFI20240306BHJP
   B62M 6/55 20100101ALI20240306BHJP
【FI】
B62M11/06 A
B62M6/55
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557820
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 EP2022053992
(87)【国際公開番号】W WO2022199954
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】2102809
(32)【優先日】2021-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503041177
【氏名又は名称】ヴァレオ アンブラヤージュ
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、ローランス
(72)【発明者】
【氏名】ジョナタン、カイヨー
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム、ブーレ
(72)【発明者】
【氏名】ナディア、ヤクビ
(57)【要約】
本発明は、‐シャトル(41)およびウォーム(21)が配置された選択シャフト(40)と、‐前記選択シャフト(40)を中心として自由に回転するように配置された少なくとも2つの入力ピニオン(50、Fri)と、‐中空シャフト(80)に回転連結された少なくとも2つの出力ピニオン(60、Fi)と、‐前記シャトル(41)を前記ウォーム(21)に沿って少なくとも2つの位置の間で移動させるとともに選択されたギア比に係合させるように配置された変速アクチュエータ(70)と、‐前記選択シャフト(40)に配置された少なくとも2つの爪(42)であって、前記爪を前記シャトル(41)を介して持ち上げて前記入力ピニオンおよび前記出力ピニオンを介して選択された前記ギア比に係合させるためのリフト装置(43)に各々関連付けられる爪(42)と、を備える、モビリティ車両(1)用の変速装置(20)であって、単一部品として形成された径方向ブロックシステム(44)であって、すべての前記爪(42)を前記選択シャフト(40)上の所定位置に維持するための径方向ブロックシステム(44)を備える変速装置(20)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
‐シャトル(41)およびウォーム(21)が収容された選択シャフト(40)と、
‐前記選択シャフト(40)を中心として自由に回動するように構成された少なくとも2つの入力ピニオン(50、Fri)と、
‐中空シャフト(80)と一体的に回転する少なくとも2つの出力ピニオン(60、Fi)と、
‐前記シャトル(41)を前記ウォーム(21)に沿って少なくとも2つの位置の間で変位させて選択されたギアに係合させるように配置された変速アクチュエータ(70)と、
‐前記選択シャフト(40)に配置された少なくとも2つの爪(42)であって、前記爪を前記シャトル(41)により持ち上げて前記入力ピニオンおよび前記出力ピニオンを介して選択された前記ギアに係合させることを可能にするリフト装置(43)に各々関連付けられる爪(42)と、
を備える、モビリティ車両(1)用の変速装置(20)において、
単一部品として形成された径方向ブロックシステム(44)であって、前記爪(42)のすべてを前記選択シャフト(40)上の所定位置に保持する径方向ブロックシステム(44)をさらに備えることを特徴とする変速装置(20)。
【請求項2】
前記ブロックシステム(44)は、長手方向平坦部(440)から形成され、
前記長手方向平坦部(440)から少なくとも2つのタブ(441)が延び出し、
前記タブ(441)の各々は、前記爪(42)のうちの1つの上方に配置される、
請求項1に記載の変速装置(20)。
【請求項3】
前記タブ(441)は、前記平坦部(440)の、前記ブロックシステム(44)の前記軸Xbに対して平行な第1縁部(442)を起点として形成されるとともに、前記ブロックシステム(44)の前記軸(Xb)に対して垂直な方向を向いている、
請求項2に記載の変速装置(20)。
【請求項4】
前記平坦部(440)は、前記タブ(441)が配置された前記縁部(442)の反対側の第2縁部(443)を介して、前記選択シャフト(40)に形成された長手方向スロット(45)に挿入される、
請求項2または3の一項に記載の変速装置(20)。
【請求項5】
前記第2縁部(443)は、前記シャフト(40)に向けて折り曲げられて前記スロット(45)に挿入される、
請求項4に記載の変速装置(20)。
【請求項6】
各爪(42)は、凹部(421)を備え、
前記凹部(421)の形状は、前記タブ(441)が前記凹部(421)に収容されるように前記タブ(441)の形状と相補的である、
請求項2~5の一項に記載の変速装置(20)。
【請求項7】
7個の入力ピニオン(50)及び出力ピニオン(70)と、7個の爪(42)と、7個のタブ(441)と、を備える、
請求項1~6の一項に記載の変速装置(20)。
【請求項8】
前記径方向ブロックシステム(44)は、位置決めタブ(446)を備える、
請求項1~6の一項に記載の変速装置(20)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の変速装置(20)を有するモビリティ車両(1)、とりわけ、電動アシストモビリティ車両。
【請求項10】
前記車両(1)は、電動アシスト自転車である、
請求項9に記載のモビリティ車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速装置の分野に関し、より具体的には、少なくとも電気推進力を利用するモビリティ車両用の変速装置に、そして例えば電動アシスト自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
モビリティ車両の動作時には、後輪を駆動するクランクセットの軸を中心として回動するクランクシステムを介して、一般にチェーンを介して、動力が車輪に伝達される。
【0003】
モビリティ車両用のギアボックスは、先行技術から既に知られている。例えば、特許出願FR2975367 A1は、ギアボックスとギアを選択するための摺動シャトルとを有する自転車用の変速装置を開示している。シャトルの軸方向変位は、自転車のハンドルバーに配置された回転式ハンドグリップに接続する2つのケーブルを介して制御される。このシステムは多くの部品を必要とする。その製造およびメンテナンスが複雑である。特に、ケーブル制御には、精密かつ定期的な調整が必要である。サイクル用のギアボックスの簡素化および自動化が求められている。
【発明の概要】
【0004】
このために、本発明は、
‐シャトルおよびウォームが収容された選択シャフトと、
‐前記選択シャフトを中心として自由に回動するように構成された少なくとも2つの入力ピニオンと、
‐中空シャフトと一体的に回転する少なくとも2つの出力ピニオンと、
‐前記シャトルを前記ウォームに沿って少なくとも2つの位置の間で変位させて選択されたギアに係合させるように配置された変速アクチュエータと、
‐前記選択シャフトに配置された少なくとも2つの爪であって、前記爪を前記シャトルにより持ち上げて前記入力ピニオンおよび前記出力ピニオンを介して選択された前記ギアに係合させることを可能にするリフト装置に各々関連付けられる爪と、
を備える、モビリティ車両用の変速装置において、
単一部品として形成された径方向ブロックシステムであって、前記爪のすべてを前記選択シャフト上の所定位置に保持する径方向ブロックシステムをさらに備える変速装置を提案する。
【0005】
このように単一部品として形成された径方向ブロックシステムは、製造および取付がより簡単であり、そのコストも削減される。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、前記ブロックシステムは、長手方向平坦部から形成され、前記長手方向平坦部から少なくとも2つのタブが延び出し、前記タブの各々は、前記爪のうちの1つの上方に配置される。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、前記タブは、前記平坦部の、前記ブロックシステムの前記軸に対して平行な第1縁部を起点として形成されるとともに、前記ブロックシステムの前記軸に対して垂直な方向を向いている。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、前記平坦部は、前記タブが配置された前記縁部の反対側の第2縁部を介して、前記選択シャフトに形成された長手方向スロットに挿入される。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、前記第2縁部は、前記シャフトに向けて折り曲げられて前記スロットに挿入される。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、各爪は、凹部を備え、前記凹部の形状は、前記タブが前記凹部に収容されるように前記タブの形状と相補的である。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、変速装置は、7個の入力ピニオン及び出力ピニオンと、7個の爪と、7個のタブと、を備える。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、前記ブロックシステムは、位置決めタブを備える。
【0013】
また、本発明は、本発明による変速装置を有するモビリティ車両、とりわけ、電動アシストモビリティ車両に関する。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、前記車両は、電動アシスト自転車である。
【0015】
本発明のさらなる目標、特徴および利点は、添付素面を参照しつつなされる以下の説明を読むことでより良好に理解されるとともにより明瞭になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の態様のうちの1つによるモビリティ車両の図である。
図2図2は、図1のモビリティ車両のトランスミッションアセンブリを示す。
図3a図3aは、トランスミッションアセンブリの一部の断面図を示す。
図3b図4bは、トランスミッションアセンブリの一部の断面図を示す。
図4図4は、本発明による変速装置の断面図である。
図5図5は、本発明によるブロックシステムを有する変速装置の一部の断面図である。
図6図6は、本発明によるブロックシステムを有する変速装置の一部の断面図である。
図7図7は、本発明によるトランスミッションアセンブリの一部を組み込んだハウジングの内部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の態様のうちの1つによるモビリティ車両1を示す。ここでの車両1は、電気モータ2を備える電動アシスト自転車である。電気モータ2は、車両の推進力の一部を供給するように設計されている。
【0018】
自転車は、少なくとも2つの車輪3、3’を備えている。使用中に例えばチェーンまたは他の伝達手段を介して後輪を駆動する軸Xpを有するクランクセットの軸を中心として回動する2つのペダルを介して、車輪3、3’に動力が供給される。
【0019】
また、車両1は、制御ユニット4と、例えばクランクセットに、自転車のフレームに、または車輪3、3’に配置された複数のセンサ5、5’、5”と、を備えている。
【0020】
また、図示の車両1は、バッテリ6の形態にあるエネルギー貯蔵装置と、照明システム7と、軸Xpを有するクランクセット8と、位置特定システムおよび/またはナビゲーションシステム90と、ヒューマン‐マシン・インターフェースシステム91と、を備えている。ヒューマン‐マシン・インターフェースシステム91は、とりわけ、前記ユーザの要求に対する情報を表示する、および/または前記ユーザの要求を考慮することができるタッチスクリーンを備えている。ヒューマン‐マシン・インターフェースシステム91は、特に、位置特定システム90に接続して、ナビゲーション・インターフェースとして機能する。本発明は、特定のヒューマン‐マシン・インターフェースシステムに限定されず、当業者に知られている任意のシステムを備え得る。
【0021】
車輪3、3’には、とりわけディスクブレーキ32を備えるブレーキシステム31が設けられる。
【0022】
車両1は、図2に示すトランスミッションアセンブリ10を有している。トランスミッションアセンブリ10は、本発明による変速装置20と、車両1を推進するための動力の一部を供給するための電気モータ2と、を有している。
【0023】
本発明の一態様によれば、トランスミッションアセンブリ10は、ここではクランクセット8に配置されたハウジング30(図7に図示)に少なくとも部分的に収容されている。クランクセット8の軸Xpは、変速装置20の出力軸Xと一致する。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、図3aおよび図3bに示す変速装置20は、少なくとも2つのギア比、例えば、1速と呼ばれる第1比と7速と呼ばれるより高いギア比との間に7個のギア比を有している。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、変速装置20は、中空シャフト80と一体的に回転する軸Xを有する一連の7個の出力ピニオン60、すなわちF~Fの参照符号を有するピニオンと、選択シャフト40を中心として自由に回動するように設計された一連の7個の入力ピニオン50、すなわちFr~Frの参照符号を有するピニオンと、を備えている。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、図3および図4に示す選択シャフト40は、変速装置20のウォーム21を取り囲むシャトル41を収容している。
【0027】
本発明の一変形例によれば、変速装置20は、遊星ギアセットを備える。
【0028】
本発明による車両1は、ヘリカル運動学的接続によりシャトル41をウォーム21に沿って、少なくとも2つの位置の間で、例えば、P~Pの7個の位置間で移動させて選択されたギア比に係合させるように設計された変速アクチュエータ70を備えている。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、選択シャフト40は、中空である。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、変速アクチュエータ70は、減速ギアセットの形態にある、シャトル41を移動させるための電気的手段を備えている。この減速ギアセットは、
モータ81と減速機82とを備えている。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、減速ギアセットは、ウォーム21の軸上のピニオン22と、中間ピニオン22’と、モータ81の軸上のピニオン22”と、を備えている。ピニオン22、22’、22”の歯セットは、図示のようにストレートカット歯であってもよいし、図示しない変形例においてはヘリカル歯であってもよい。
【0032】
ウォーム21の回転ガイドは、例えば、その端部の各々における転がり軸受により確保される。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、シャトル41は、その移動中に、選択されたギア比のピニオンの下方に配置されてこのギア比に係合するように構成されている。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、シャトル41は、出願FR2975367に記載されたものと同様に構成される。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、減速ギアセットは、図3に示すような平行軸、または垂直軸を有するピニオンを備えている。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、変速アクチュエータ70は、ベベルギアセット、ストレートカットスパーギアセット、またはヘリカルギアセットを備えている、および/または1つ以上の段を有している。
【0037】
本発明の変形実施形態によれば、変速アクチュエータ70は、ベルト、またはチェーン、またはユニバーサルジョイントを有している。
【0038】
図5および図6に示す本発明の一実施形態によれば、変速装置20は、選択シャフト40に、少なくとも2つの爪42を備えている。例えば、1~7速の車両では、7個の爪42を備えている。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、変速装置20は、選択シャフト40の長手方向軸X2に沿って連続して配置された一連の7個の爪を備えている。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、変速装置20は、選択シャフト40の長手方向軸X2に沿って連続的に配置された少なくとも一連の少なくとも7個の爪を備えている。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、変速装置20は、3つの、選択シャフト40の長手方向軸X2に沿って連続的に配置された一連の少なくとも7個の爪を備えている。一連の爪は、選択シャフト40を中心として、互いに120度の間隔を置いている。
【0042】
爪42は、入力ピニオンFriと協働するように構成された形状を有している。爪42は、選択シャフト40に形成された凹部420に収容されている。各爪42は、リフト装置、例えば、図4および図6に見える、インナーシャフトの穿孔430に収容されてインナーシャフトの内部に突出するボール43であって、各爪42の下方に配置されてこれをシャトル41を介して持ち上げることができるボール43に関連付けられている。
【0043】
ギアが選択されると、シャトル41は、選択されたギア比iに対応する入力ピニオンFriの下方に配置される。そして、シャトル41は、爪42のうちの1つにより回転が阻止されて、対応する出力ピニオンに噛み合う。
【0044】
本発明の文脈では、爪42をそれらのハウジング420において所定位置に保持するように、変速システムは、単一部品として形成された少なくとも1つの径方向ブロックシステム44を備えている。これの意味するものは、爪42をそれらのハウジングに押し込んだ状態に維持すると同時に、それらをボール43およびシャトル41により持ち上げることをできるようにするシステム44である。径方向ブロックシステム44は、一部品で形成されている。これにより、取付および製造が容易となるとともに、コストが制限され得る。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、ブロックシステム44は、長手方向平坦部440を備えている。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、システム44は、少なくとも2つのタブ441、例えば、7速の車両の場合、7個のタブ441を備えている。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、タブ441は、平坦部440の、ブロックシステム44の軸Xbに対して平行な第1縁部442を起点として形成されるとともに、ブロックシステム44の軸Xbに対して垂直な方向を向いている。したがって、回転ブロックシステム44は、平坦化された別個の歯を有する櫛を形成している。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、平坦部440は、タブ441が配置された縁部442の反対側の第2縁部443を介して、シャフトの軸に対して平行に選択シャフト40に形成された長手方向スロット45に挿入されている。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、第2縁部443は、シャフト40に向けて折り曲げられてスロット45に挿入されている。
【0050】
ブロックシステム44は、各タブ441が爪42上に配置されるように、選択シャフト40に配置されている。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、各爪42は、凹部421を備えている。凹部421の形状は、タブ441が凹部421に収容されて爪が固定化されているときには移動しないようにタブ441の形状と相補的である。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、回転ブロックシステム44は、位置決めタブ446を備えている。この位置決めタブ446は、スロット45に挿入された第2縁部443に配置されている。このタブ444は、位置決めタブ446の形状に相補的な形状を有するさらなるハウジング445であって、選択シャフト40に形成されたハウジング445と協働する。この位置決めタブ446により、装置のタブ441は、爪42上でセンタリングされ得る。
【0053】
したがって、回転ブロックシステム44は、爪42がシャトル41により持ち上げられることを可能にしつつ爪42をハウジング421内でブロックするのに十分な圧力すなわち押圧力を、各爪42に加える。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、変速システムは、3つの一連の爪をブロックするように配置された少なくとも3つの回転ブロックシステム44を備えている。
【0055】
シャトル41は、選ばれたギア比を選択することができ、これは、爪42を介して入力ピニオンFriに係合し得るとともに、回転ブロックシステム44により回転を阻止され得る。
【0056】
次いで、入力ピニオンFriは、出力ピニオンFiに噛み合う。
【0057】
車両1が、ギアチェンジせずにギア比iで走行している場合、ウォーム21は回動しない。
【0058】
ギア比を変更する際、ウォーム21は、変速アクチュエータ70により回転駆動され、ウォーム21のナット210の軸方向移動が生じる。これにより、シャトル41が駆動されて、変速が可能とされる。このように実施されるピボット接続により、ウォーム21の回転運動がシャトル41の並進運動に変換される。
【0059】
本発明の一実施形態によれば、リミットストッパ211、211’が、各端部におけるシャトル41の移動を制限する。本発明の別の実施形態によれば、シャトルの移動は、位置センサにより制御される。
【0060】
図示しない実施形態において、シャトル41は、ギア比が係合されない中立位置P0と称される位置を取り得る。
【0061】
図7は、図1のモビリティ車両1のケーシング30をより詳細に示す。
【0062】
ケーシング30は、変速装置20のギアセットを収容するように配置される第1ハウジング311を画定するケース310を有している。また、ケーシング310は、互いに分離した少なくとも2つの第2ハウジング312、313、314、315を画定する。これらのハウジングは、モビリティ車両の電気モータ2、減速ギアセット11、変速アクチュエータ70、および制御ユニット4をそれぞれ収容するようにともに構成されている。本発明の一実施形態によれば、少なくとも第2ハウジングは、流体密であり、例えば制御ユニット4を収容することが意図されている。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、変速装置20を収容するケーシング310は、2つの横方向フランジ317により閉鎖される。図4にそのうちの一方のみを示す。第1ハウジング311は、モビリティ車両1のクランクセット主軸を受容するように、2つの対面する孔を横方向フランジ317に有している。
【0064】
本発明の範囲は、上述の詳細な説明に限定されず、本発明の適用分野から離れることなく多数の他の具体的な形態における実施形態が可能である。したがって、本実施形態は、例示のためのものとみなされるべきであり、特許請求の範囲により定義される範囲から逸脱することなく変更可能である。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】