(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】抗IGFBP7構築物およびその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20240306BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20240306BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240306BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240306BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240306BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240306BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240306BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20240306BHJP
C12N 1/00 20060101ALI20240306BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240306BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240306BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240306BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20240306BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240306BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240306BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240306BHJP
A61P 13/08 20060101ALI20240306BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20240306BHJP
A61P 13/10 20060101ALI20240306BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240306BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240306BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20240306BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240306BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240306BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20240306BHJP
A61K 41/00 20200101ALI20240306BHJP
A61K 51/00 20060101ALI20240306BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20240306BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20240306BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/28 ZNA
C12N15/63 Z
C12N5/10
C12N1/21
C12N1/19
C12N1/15
C12P21/08
C12N1/00 G
A61K39/395 N
A61K39/395 L
A61P9/00
A61P35/00
A61P35/04
A61P35/02
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A61P15/00
A61P13/08
A61P13/12
A61P13/10
A61P11/00
A61P17/00
A61P1/18
A61K45/00
A61P43/00 111
A61K45/06
A61K41/00
A61K51/00 100
A61K39/395 D
A61P37/04
A61K47/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558177
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 US2022071354
(87)【国際公開番号】W WO2022204724
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522469578
【氏名又は名称】ダイナミキュア バイオテクノロジー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ジロン
(72)【発明者】
【氏名】リー, ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ノートン, アンジェラ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, シュオ
(72)【発明者】
【氏名】シャ, ジナン
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA19
4B064DA01
4B064DA05
4B065AA90X
4B065AB01
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4B065BA02
4B065CA25
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4B065CA45
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4C084AA11
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4C085AA13
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4C085GG10
4H045AA10
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4H045AA20
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4H045BA09
4H045BA72
4H045DA76
4H045DA83
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本出願は、IGFBP7に結合する抗IGFBP7構築物(例えば、抗IGFBP7抗体)、抗IGFBP7のアミノ酸配列をコードする核酸分子、核酸分子を含むベクター、ベクターを含む宿主細胞、抗IGFBP7構築物を調製する方法、抗IGFBP7構築物を含む医薬組成物、および抗IGFBP7構築物または組成物を使用する方法を提供する。上記抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含む抗IGFBP7構築物であって、前記sdAb部分が、
1)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、または前記CDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
2)配列番号2もしくは112のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、または前記CDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
3)配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、または前記CDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
4)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、または前記CDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
5)配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、または前記CDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
6)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、または前記CDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
7)配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、または前記CDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
8)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3、または前記CDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
9)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3、または前記CDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
10)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3、または前記CDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
11)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3、または前記CDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
12)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3、または前記CDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;または、
13)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3、または前記CDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む、抗IGFBP7構築物。
【請求項2】
IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含む抗IGFBP7構築物であって、前記sdAb部分が、配列番号32~51のいずれかに示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む、抗IGFBP7構築物。
【請求項3】
前記sdAb部分が、配列番号32~51のいずれか1つのアミノ酸配列、または配列番号32~51のいずれか1つに対して少なくとも約80%の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む、請求項1または2に記載の抗IGFBP7構築物。
【請求項4】
前記sdAb部分が、ラクダ科、キメラ、ヒト、部分的ヒト化、または完全ヒト化である、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗IGFBP7構築物。
【請求項5】
前記sdAb部分がV
HH抗体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗IGFBP7構築物。
【請求項6】
CD93のIGFBP7への結合を遮断する、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗IGFBP7構築物。
【請求項7】
前記IGFBP7がヒトIGFBP7である、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗IGFBP7構築物。
【請求項8】
前記CD93がヒトCD93である、請求項6または請求項7に記載の抗IGFBP7構築物。
【請求項9】
第二の部分をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗IGFBP7構築物。
【請求項10】
前記第二の部分が、抗原を特異的に認識する抗体部分を含む、請求項9に記載の抗IGFBP7構築物。
【請求項11】
前記抗原がPD-L1またはPD-1である、請求項10に記載の抗IGFBP7構築物。
【請求項12】
前記第二の抗体部分が、全長抗体、Fab、Fab’、(Fab’)
2、Fv、一本鎖Fv(scFv)、scFv-scFv、ミニボディ、ダイアボディ、またはsdAbである、請求項10または11に記載の抗IGFBP7構築物。
【請求項13】
前記第二の部分が半減期延長部分を含む、請求項9に記載の抗IGFBP7構築物。
【請求項14】
前記構築物が抗体-薬物コンジュゲートである、請求項9に記載の抗IGFBP7構築物。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の抗IGFBP7構築物と競合的にIGFBP7に特異的に結合する抗IGFBP7構築物。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の抗IGFBP7構築物と、薬学的に許容され得る担体とを含む医薬組成物。
【請求項17】
請求項1~15のいずれか一項に記載の抗IGFBP7構築物のポリペプチドまたはその一部をコードするポリヌクレオチド。
【請求項18】
請求項17に記載のポリヌクレオチドを含む核酸構築物であって、前記ポリヌクレオチドと作動可能に関連するプロモーターを必要に応じてさらに含む核酸構築物。
【請求項19】
請求項18に記載の核酸構築物を含むベクター。
【請求項20】
請求項18に記載のポリヌクレオチド、請求項18に記載の核酸構築物または請求項19に記載のベクターを含む単離された宿主細胞。
【請求項21】
請求項1~15のいずれか一項に記載の抗IGFBP7構築物のポリペプチド、請求項17に記載のポリヌクレオチド、請求項18に記載の核酸構築物、請求項19に記載のベクター、または請求項20に記載の宿主細胞を含む培養培地。
【請求項22】
抗IGFBP7構築物を製造する方法であって、
a)前記ポリペプチドを発現するのに有効な条件下で、請求項20に記載の単離された宿主細胞を培養すること;および
b)前記宿主細胞から前記ポリペプチドを得ること、を含む方法。
【請求項23】
個体における疾患もしくは症状を処置するか、または組織における異常な血管成長を阻害する方法であって、前記個体に、有効量の請求項1~15のいずれか一項に記載の抗IGFBP7構築物、または請求項16に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項24】
前記症状の疾患が異常な血管構造に関連する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記疾患または症状が癌である、請求項23または請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記癌が固形腫瘍である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記癌がCD93+内皮細胞を含む、請求項25または請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記癌がIGFBP7+血管を含む、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記癌が腫瘍低酸素症を特徴とする、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記癌が局所進行癌または転移癌である、請求項25~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記癌が、リンパ腫、結腸癌、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、食道癌、前立腺癌、子宮頸癌、腎癌、膀胱癌、胃癌、非小細胞肺癌、黒色腫、および膵臓癌からなる群から選択される、請求項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記抗IGFBP7構築物を前記個体に非経口投与する、請求項23~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
第二の治療を投与することをさらに含む、請求項23~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記第二の治療が、手術、放射線、遺伝子治療、免疫治療、骨髄移植、幹細胞移植、ホルモン治療、標的治療、凍結治療、超音波治療、光線力学治療、および化学治療からなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第二の治療が免疫治療である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記免疫治療が、免疫調節剤を投与することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記免疫調節剤が免疫チェックポイント阻害剤である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-L1抗体または抗PD-1抗体を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記個体がヒトである、請求項23~38のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月25日に出願された米国仮出願第63/166,146号に基づく優先権を主張し、その内容はすべての目的のためにその全体が参照により組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、抗IGFBP7構築物(抗IGFBP7抗体など)およびその使用に関する。
【0003】
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出物
ASCIIテキストファイルでの以下の提出物の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる:配列表(ファイル名:193852000540SEQLIST.TXT、記録日:2022年3月24日、サイズ:56,698バイト)のコンピュータ可読形式(CRF)。
【背景技術】
【0004】
本出願の背景
IGFBP7(インスリン様成長因子結合タンパク質7)は、ヒトにおいてIGFBP7遺伝子によってコードされるタンパク質である。インスリン様成長因子(IGF)は、細胞の成長および分裂を促進し、早すぎるアポトーシスを防止することに関与するタンパク質である。IGFBP7の主な機能は、体液および組織におけるIGFの利用可能性を調節すること、ならびに受容体へのIGFの結合を調節することである。IGFBP7は血管の内層で活性である;そのIGFおよびIGF受容体との相互作用は、細胞増殖の指示に関与するBRAFシグナル伝達を制御するために重要である。これらのプロセスから、IGFBP7は細胞接着と癌に関与していると考えられている。
【0005】
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、特許出願および公開特許出願の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の簡潔な要旨
以下の要旨は例示にすぎず、決して限定することを意図するものではない。すなわち、以下の要旨は、新規分子およびその使用のハイライト、利点および長所を紹介するために提供される。したがって、以下の要旨は、特許請求される主題の本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を決定する際に使用することも意図していない。
【0007】
本出願は、一態様では、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含む抗IGFBP7構築物を提供し、sdAb部分は、
1)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
2)配列番号2もしくは112のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
3)配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
4)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
5)配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
6)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
7)配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
8)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
9)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
10)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
11)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
12)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;または、
13)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。
【0008】
別の態様における本出願は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含む抗IGFBP7構築物を提供し、sdAb部分は、配列番号32~51のいずれかに示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0009】
上記の抗IGFBP7構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号32~51のいずれか1つのアミノ酸配列、または配列番号32~51のいずれか1つに対して少なくとも約80%の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0010】
上記の抗IGFBP7構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、sdAb部分は、ラクダ科、キメラ、ヒト、部分的ヒト化、または完全ヒト化である。
【0011】
上記の抗IGFBP7構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、sdAb部分はVHH抗体である。
【0012】
上記の抗IGFBP7構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、CD93のIGFBP7への結合を遮断する。いくつかの実施形態では、CD93はヒトCD93である。
【0013】
上記の抗IGFBP7構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、IGFBP7はヒトIGFBP7である。
【0014】
上記の抗IGFBP7構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、第二の部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、第二の部分は、抗原を特異的に認識する抗体部分を含む。いくつかの実施形態では、抗原はPD-L1である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、全長抗体、Fab、Fab’、(Fab’)2、Fv、一本鎖Fv(scFv)、scFv-scFv、ミニボディ、ダイアボディ、またはsdAbである。
【0015】
上記の抗IGFBP7構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、半減期延長部分を含む第二の部分をさらに含む。
【0016】
上記の抗IGFBP7構築物のいずれかによるいくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、抗体-薬物コンジュゲートである。
【0017】
別の態様における本出願は、上記の抗IGFBP7構築物のいずれか1つの抗IGFBP7構築物と競合的にIGFBP7に特異的に結合する抗IGFBP7構築物を提供する。
【0018】
別の態様における本出願は、上記の抗IGFBP7構築物のいずれかと、薬学的に許容され得る担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0019】
別の態様における本出願は、上記の抗IGFBP7構築物のいずれかのポリペプチドまたはその一部をコードするポリヌクレオチドを提供する。
【0020】
別の態様における本出願は、上記のポリヌクレオチドのいずれかを含み、ポリヌクレオチドと作動可能に関連するプロモーターを必要に応じてさらに含む核酸構築物を提供する。
【0021】
別の態様における本出願は、上記の核酸構築物のいずれかを含むベクターを提供する。
【0022】
別の態様における本出願は、上記のポリヌクレオチド、核酸構築物またはベクターのいずれかを含む単離された宿主細胞を提供する。
【0023】
別の態様における本出願は、上記の抗IGFBP7構築物、ポリヌクレオチド、核酸構築物、ベクターまたは宿主細胞のいずれかのポリペプチドを含む培養培地を提供する。
【0024】
別の態様における本出願は、抗IGFBP7構築物を製造する方法であって、a)ポリペプチドを発現するのに有効な条件下で、上記の単離された宿主細胞のいずれかを培養すること、およびb)宿主細胞からポリペプチドを得ることを含む方法を提供する。
【0025】
別の態様における本出願は、疾患もしくは症状(例えば癌、例えば固形腫瘍)を処置するか、または組織における異常な血管成長を阻害する方法であって、個体に、有効量の上記の抗IGFBP7構築物または医薬組成物のいずれかを投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、症状の疾患は異常な血管構造に関連する。いくつかの実施形態では、疾患または症状は癌である。いくつかの実施形態では、癌は固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、癌はCD93+内皮細胞を含む。いくつかの実施形態では、癌はIGFBP7+血管を含む。いくつかの実施形態では、癌は腫瘍低酸素症を特徴とする。いくつかの実施形態では、癌は局所進行癌または転移癌である。いくつかの実施形態では、癌は、リンパ腫、結腸癌、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、食道癌、前立腺癌、子宮頸癌、腎癌、膀胱癌、胃癌、非小細胞肺癌、黒色腫、および膵臓癌からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物を個体に非経口投与する。いくつかの実施形態では、本方法は、第二の治療を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、第二の治療は、手術、放射線、遺伝子治療、免疫治療、骨髄移植、幹細胞移植、ホルモン治療、標的治療、凍結治療、超音波治療、光線力学治療、および化学治療からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第二の治療は免疫治療である。いくつかの実施形態では、免疫治療は免疫調節剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は抗PD-L1抗体または抗PD-1抗体を含む。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、ラマをヒトIGFBP7で免疫した後のラマ血清中の抗ヒトIGFBP7抗体力価を示す。
【0027】
【
図2A】
図2A~
図2Bは、ヒトIGFBP7発現(hIGFBP7)HEK293T細胞への様々な抗IGFBP7ナノボディの結合を示す。
【
図2B】
図2A~
図2Bは、ヒトIGFBP7発現(hIGFBP7)HEK293T細胞への様々な抗IGFBP7ナノボディの結合を示す。
【0028】
【
図3A】
図3A~
図3Bは、マウスIGFBP7発現(mIGFBP7)HEK293T細胞への様々な抗IGFBP7ナノボディの結合を示す。
【
図3B】
図3A~
図3Bは、マウスIGFBP7発現(mIGFBP7)HEK293T細胞への様々な抗IGFBP7ナノボディの結合を示す。
【0029】
【
図4】
図4は、ヒトIGFBP7発現(hIGFBP7)HEK293T細胞への様々な抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物の結合を示す。
【0030】
【
図5】
図5は、マウスIGFBP7発現(mIGFBP7)CHO-K1細胞への様々な抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物の結合を示す。
【0031】
【
図6】
図6は、ヒトIGFBP7に対する様々な抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物の結合親和性を示す。
【0032】
【
図7】
図7は、マウスIGFBP7に対する様々な抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物の結合親和性を示す。
【0033】
【
図8】
図8は、2つの抗IGFBP7二重特異性分子の概略図を示す。
【0034】
【
図9】
図9は、ヒトIGFBP7に対する様々な単一特異性および二重特異性の抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物の結合親和性を示す。
【0035】
【
図10】
図10は、マウスIGFBP7に対する様々な単一特異性および二重特異性の抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物の結合親和性を示す。
【0036】
【
図11】
図11は、カニクイザルIGFBP7に対する様々な単一特異性および二重特異性の抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物の結合親和性を示す。
【0037】
【
図12A】
図12A~
図12Bは、細胞表面に提示されたヒトIGFBP7に対する様々な単一特異性および二重特異性の抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物の結合を示す。
【
図12B】
図12A~
図12Bは、細胞表面に提示されたヒトIGFBP7に対する様々な単一特異性および二重特異性の抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物の結合を示す。
【0038】
【
図13】
図13は、ヒトおよびマウスIGFBP7発現HEK293T細胞への様々な二重特異性抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物の結合を示す。
【0039】
【
図14】
図14は、ヒトCD93発現CHO細胞における様々な抗IGFBP7ナノボディによるCD93とIGFBP7との間の相互作用の遮断効果を示す。
【0040】
【
図15A】
図15A~
図15Cは、ヒトCD93発現CHO細胞における様々な抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物によるCD93とIGFBP7との間の相互作用の遮断効果を示す。
【
図15B】
図15A~
図15Cは、ヒトCD93発現CHO細胞における様々な抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物によるCD93とIGFBP7との間の相互作用の遮断効果を示す。
【
図15C】
図15A~
図15Cは、ヒトCD93発現CHO細胞における様々な抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物によるCD93とIGFBP7との間の相互作用の遮断効果を示す。
【0041】
【
図16】
図16は、ヒトCD93発現CHO細胞における様々な単一特異性および二重特異性の抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物によるCD93とIGFBP7との間の相互作用の遮断効果を示す。
【0042】
【
図17A】
図17A~
図17Bは、対照と比較した、様々な抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物によるHUVECチューブ形成の阻害を示す。
【
図17B】
図17A~
図17Bは、対照と比較した、様々な抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物によるHUVECチューブ形成の阻害を示す。
【0043】
【
図18】
図18は、Octet競合による抗IGFBP7抗体のエピトープビニングを示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本出願の詳細な説明
本出願は、IGFBP7に特異的に結合する新規な抗IGFBP7構築物(例えば、抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体)、抗IGFBP7構築物を調製する方法、構築物を使用する方法(例えば、疾患または症状を処置する方法)を提供する。
【0045】
I.定義
「抗体」という用語は、その最も広い意味で使用され、所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、全長抗体およびその抗原結合フラグメントを含むがこれらに限定されない様々な抗体構造を包含する。「抗体部分」という用語は、全長抗体またはその抗原結合フラグメントを指す。
【0046】
全長抗体は、2つの重鎖および2つの軽鎖を含む。軽鎖および重鎖の可変領域は、抗原結合を担う。重鎖および軽鎖の可変ドメインは、それぞれ「VH」および「VL」と呼ばれることがある。両方の鎖の可変領域は、一般に、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる3つの高度に可変なループを含む(LC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む軽鎖(LC)CDR、およびHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含む重鎖(HC)CDR)。本明細書に開示される抗体および抗原結合断片のCDR境界は、Kabat、Chothia、またはAl-Lazikani(Al-Lazikani 1997;Chothia 1985;Chothia 1987;Chothia 1989;Kabat 1987;Kabat 1991)の慣例によって定義または同定され得る。重鎖または軽鎖の3つのCDRは、CDRよりも高度に保存されており、超可変ループを支持するための足場を形成するフレームワーク領域(FR)として公知の隣接するストレッチの間に介在する。重鎖および軽鎖の定常領域は抗原結合に関与しないが、様々なエフェクター機能を示す。抗体は、その重鎖の定常領域のアミノ酸配列に基づいてクラスに割り当てられる。抗体の5つの主要なクラスまたはアイソタイプは、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMであり、それぞれα、δ、ε、γおよびμ重鎖の存在を特徴とする。主要な抗体クラスのいくつかは、IgG1(γ1重鎖)、IgG2(γ2重鎖)、IgG3(γ3重鎖)、IgG4(γ4重鎖)、lgA1(α1重鎖)、またはlgA2(α2重鎖)などのサブクラスに分けられる。
【0047】
本明細書で使用される「抗原結合フラグメント」という用語は、例えば、ダイアボディ、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvフラグメント、ジスルフィド安定化Fvフラグメント(dsFv)、(dsFv)2、二重特異性dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、一本鎖Fv(scFv)、scFv二量体(二価ダイアボディ)、1またはそれを超えるCDRを含む抗体の一部から形成された多重特異性抗体、ラクダ状単一ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、二価ドメイン抗体、または抗原に結合するが完全な抗体構造を含まない任意の他の抗体フラグメントを含む抗体フラグメントを指す。抗原結合フラグメントは、親抗体または親抗体フラグメント(例えば、親scFv)が結合する同じ抗原に結合することができる。いくつかの実施形態では、抗原結合フラグメントは、フラグメント異なるヒト抗体由来のフレームワーク領域にグラフトされた特定のヒト抗体由来の1またはそれを超えるCDRを含み得る。
【0048】
「単一ドメイン抗体」または「sdAb」という用語は、3つの相補性決定領域(CDR)を有する単一の抗原結合ポリペプチドを指す。sdAbは、単独で、対応するCDR含有ポリペプチドと対形成することなく抗原に結合することができる。場合によっては、sdAbはラクダ科HCAbsから操作され、それらの重鎖可変ドメインは本明細書では「VHH」と呼ばれる。ラクダ科sdAbは、最小の既知の抗原結合抗体断片の1つである(例えば、Hamers-Casterman et al.,Nature 363:446-8(1993);Greenberg et al.,Nature 374:168-73(1995);Hassanzadeh-Ghassabeh et al.,Nanomedicine(Lond),8:1013-26(2013)を参照されたい)。
【0049】
「Fv」は、完全な抗原認識および結合部位を含む最小の抗体断片である。この断片は、1つの重鎖可変領域ドメインと1つの軽鎖可変領域ドメインとが密接に共有結合によらずに結合した二量体からなる。これらの2つのドメインのフォールディングから、抗原結合のためのアミノ酸残基に寄与し、抗体に対する抗原結合特異性を付与する6つの超可変ループ(それぞれ重鎖および軽鎖からの3つのループ)が生じる。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)でさえ、抗原を認識して結合する能力を有するが、結合部位全体よりも低い親和性である。
【0050】
「単鎖Fv」(「sFv」または「scFv」とも略される)は、単一のポリペプチド鎖に連結されたVHおよびVL抗体ドメインを含む抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、scFvポリペプチドは、scFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にする、VHドメインとVLドメインとの間のポリペプチドリンカーをさらに含む。scFvの総説については、Plueckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.Springer-Verlag,New York,pp.269-315(1994)を参照されたい。
【0051】
本明細書で使用される場合、「CDR」または「相補性決定領域」という用語は、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの両方の可変領域内に見られる不連続な抗原結合部位を意味することを意図している。これらの特定の領域は、Kabat et al.,J.Biol.Chem.252:6609-6616(1977);Kabat et al.,U.S.Dept.of Health and Human Services,「Sequences of proteins of immunological interest」(1991);Chothia et al.,J.Mol.Biol.196:901-917(1987);Al-Lazikani B.et al.,J.Mol.Biol.,273:927-948(1997);MacCallum et al.,J.Mol.Biol.262:732-745(1996);Abhinandan and Martin,Mol.Immunol.,45:3832-3839(2008);Lefranc M.P.et al.,Dev.Comp.Immunol.,27:55-77(2003);およびHonegger and Pluckthun,J.Mol.Biol.,309:657-670(2001)に記載されており、ここで、定義は、互いに比較した場合のアミノ酸残基の重複またはサブセットを含む。それにもかかわらず、抗体またはグラフト抗体またはその改変体のCDRを指すためのいずれかの定義の適用は、本明細書で定義および使用される用語の範囲内であることが意図される。上記で引用した参考文献のそれぞれによって定義されるCDRを包含するアミノ酸残基を、比較として以下の表1に示す。CDR予測アルゴリズムおよびインターフェースは当技術分野で公知であり、例えば、Abhinandan and Martin,Mol.Immunol.,45:3832-3839(2008);Ehrenmann F.et al.,Nucleic Acids Res.,38:D301-D307(2010);およびAdolf-Bryfogle J.et al.,Nucleic Acids Res.,43:D432-D438(2015)。この段落で引用された参考文献の内容は、本出願で使用するため、および本明細書の1またはそれを超える請求項中の包含の可能性のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【表1】
【0052】
「Kabatにおける可変ドメイン残基ナンバリング」または「Kabatにおけるアミノ酸位置ナンバリング」という表現およびその変形は、上記のKabatらの抗体の編集の重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインに使用されるナンバリングシステムを指す。このナンバリングシステムを使用して、実際の線状アミノ酸配列は、可変ドメインのFRまたは超可変領域(HVR)の短縮または挿入に対応するより少ないまたは追加のアミノ酸を含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後の単一のアミノ酸挿入(Kabatによる残基52a)および重鎖FR残基82の後の挿入残基(例えば、Kabatによる残基82a、82bおよび82cなど)を含み得る。残基のKabatナンバリングは、抗体の配列と「標準的な」Kabatナンバリング配列との相同性領域でのアラインメントによって、所与の抗体について決定され得る。
【0053】
本明細書中で他に示されない限り、免疫グロブリン重鎖における残基のナンバリングは、上記のKabatらにおけるEUインデックスのナンバリングである。「KabatにおけるEUインデックス」は、ヒトIgG1 EU抗体の残基ナンバリングを指す。
【0054】
「フレームワーク」または「FR」残基は、本明細書で定義されるCDR残基以外の可変ドメイン残基である。
【0055】
非ヒト(例えば、げっ歯類)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト抗体に由来する最小配列を含有するキメラ抗体である。ほとんどの場合、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域(HVR)由来の残基が、所望の抗体特異性、親和性および能力を有するマウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域由来の残基で置き換えられたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの例において、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体には見られない残基を含むことができる。これらの改変は、抗体の性能をさらに改良するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つの、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、超可変ループのすべてまたは実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FRのすべてまたは実質的にすべてがヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体はまた、必要に応じて、免疫グロブリン定常領域(Fc)(典型的にはヒト免疫グロブリンのもの)の少なくとも一部を含む。さらなる詳細については、Jones et al.,Nature 321:522-525(1986);Riechmann et al.,Nature332:323-329(1988);およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593-596(1992)を参照のこと。
【0056】
「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体であり、および/または本明細書に開示されるヒト抗体を作製するための技術のいずれかを使用して作製されている。ヒト抗体のこの定義は、具体的には、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を除外する。ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリーを含む当技術分野で公知の様々な技術を使用して産生することができる。Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581(1991)。また、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用可能なのは、Cole et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985);Boerner et al.,J.Immunol.,147(1):86-95(1991)に記載される方法である。van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.,5:368-74(2001)も参照のこと。ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答してそのような抗体を産生するように改変されているが、その内因性遺伝子座が無効化されているトランスジェニック動物、例えば免疫化異種に抗原を投与することによって調製することができる(例えば、XENOMOUSE(商標)に関する米国特許第6,075,181号および第6,150,584号を参照のこと)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されたヒト抗体に関するLi et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(2006)も参照のこと。
【0057】
本明細書で同定されるポリペプチドおよび抗体配列に関する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」または「相同性」は、任意の保存的置換を配列同一性の一部として考慮して配列を整列させた後の、比較されるポリペプチド中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定するためのアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、Megalign(DNASTAR)、またはMUSCLEソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当技術分野の技術の範囲内である様々な方法で達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大アラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。しかしながら、本明細書の目的のために、%アミノ酸配列同一性の値は、配列比較コンピュータプログラムMUSCLE(Edgar,R.C.,Nucleic Acids Research 32(5):1792-1797,2004;Edgar,R.C.,BMC Bioinformatics 5(1):113,2004を使用して生成される。
【0058】
「相同」とは、2つのポリペプチド間または2つの核酸分子間の配列類似性または配列同一性を指す。2つの比較された配列の両方の位置が同じ塩基またはアミノ酸モノマーサブユニットによって占められている場合、例えば、2つのタンパク質分子のそれぞれの位置がリジンによって占められている場合、または2つのDNA分子のそれぞれの位置がアデニンによって占められている場合、分子はその位置で相同である。二つの配列間の相同性のパーセントは、比較した位置の数で割った2つの配列が共有する一致または相同位置の数を100倍した関数である。例えば、2つの配列中の10個の位置のうち6個が一致または相同である場合、2つの配列は60%相同である。例として、タンパク質配列SGTSTDおよびTGTSDAは、50%の相同性を共有する。一般に、2つの配列が最大の相同性を得るように並べられた場合に比較が行われる。
【0059】
「定常ドメイン」という用語は、抗原結合部位を含む免疫グロブリンの他の部分、可変ドメインと比較してより保存されたアミノ酸配列を有する免疫グロブリン分子の部分を指す。定常ドメインは、重鎖のCH1、CH2およびCH3ドメイン(集合的にCH)ならびに軽鎖のCHL(またはCL)ドメインを含む。
【0060】
任意の哺乳動物種由来の抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(「κ」)およびラムダ(「λ」)と呼ばれる2つの明確に異なるタイプのうちの1つに割り当てることができる。
【0061】
「CH1ドメイン」(「H1」ドメインの「C1」とも呼ばれる)は、通常、約アミノ酸118から約アミノ酸215に及ぶ(EUナンバリングシステム)。
【0062】
「ヒンジ領域」は、一般に、ヒトIgG1のGlu216~Pro230に対応するIgG中の領域として定義される(Burton,Molec.Immunol.22:161-206(1985))。他のIgGアイソタイプのヒンジ領域は、重鎖間S-S結合を形成する最初および最後のシステイン残基を同じ位置に配置することによってIgG1配列と整列させることができる。
【0063】
ヒトIgG Fc領域の「CH2ドメイン」(「C2」ドメインとも呼ばれる)は、通常、約アミノ酸231から約アミノ酸340に及ぶ。CH2ドメインは、別のドメインと密接に対になっていないという点で独特である。むしろ、2つのN結合分枝炭水化物鎖が、インタクトな天然IgG分子の2つのCH2ドメインの間に挟まれている。炭水化物は、ドメイン-ドメイン対合の代替物を提供し、CH2ドメインの安定化を助け得ると推測されている。Burton,Molec Immunol.22:161-206(1985)。
【0064】
「CH3ドメイン」(「C2」ドメインとも呼ばれる)は、Fc領域中のCH2ドメインに対してC末端側の残基のストレッチ(すなわち、約アミノ酸残基341から抗体配列のC末端、典型的にはIgGのアミノ酸残基446または447まで)を含む。
【0065】
本明細書における「Fc領域」または「断片結晶化可能領域」という用語は、天然配列Fc領域および改変体Fc領域を含む免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変化し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、位置Cys226のアミノ酸残基またはPro230のアミノ酸残基からそのカルボキシル末端まで伸びるように定義される。Fc領域のC末端リジン(EUナンバリングシステムによる残基447)は、例えば、抗体の産生もしくは精製中に、または抗体の重鎖をコードする核酸を組換え操作することによって除去され得る。したがって、インタクトな抗体の組成物は、すべてのK447残基が除去された抗体集団、K447残基が除去されていない抗体集団、およびK447残基を有するおよび有しない抗体の混合物を有する抗体集団を含み得る。本明細書中に記載される抗体において使用するための好適な天然配列Fc領域としては、ヒトIgG1、IgG2(IgG2A、IgG2B)、IgG3およびIgG4が挙げられる。
【0066】
「Fc受容体」または「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体を記載する。好ましいFcRは、天然配列のヒトFcRである。さらに、好ましいFcRは、IgG抗体(ガンマ受容体)に結合し、FcγRI、FcγRII、FcRN、およびFcγRIIIサブクラスの受容体を含むものであり、これらの受容体の対立遺伝子改変体および選択的にスプライシングされた形態を含み、FcγRII受容体は、FcγRIIA(「活性化受容体」)およびFcγRIIB(「阻害性受容体」)を含み、これらは主にその細胞質ドメインが異なる類似のアミノ酸配列を有する。活性化受容体FcγRIIAは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)を含む。阻害受容体FcγRIIBは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシン阻害性モチーフ(ITIM)を含有する。(M.Daeron,Annu.Rev.Immunol.15:203-234(1997)を参照のこと。FcRNは、抗体の血清半減期の増加を可能にする血液への抗体の再利用にとって重要である。FcRは、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457-92(1991);Capel et al.,Immunomethods 4:25-34(1994);およびde Haas et al.,J.Lab.Clin.Med.126:330-41(1995)で概説されている。将来同定されるものを含む他のFcRは、本明細書において「FcR」という用語に包含される。
【0067】
本明細書で使用される「エピトープ」という用語は、抗体または抗体部分が結合する抗原上の原子またはアミノ酸の特定の群を指す。2つの抗体または抗体部分は、抗原に対する競合的結合を示す場合、抗原内の同じエピトープに結合し得る。
【0068】
本明細書で使用される場合、第一の抗体またはそのフラグメントは、第一の抗体またはそのフラグメントが等モル濃度の第一の抗体またはそのフラグメントの存在下で第二の抗体またはそのフラグメントの標的抗原結合を少なくとも約50%(例えば、少なくとも約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%のいずれか1つ)阻害する場合、標的抗原への結合について第二の抗体またはそのフラグメントと「競合」し、またはその逆も同様である。交差競合に基づく抗体の「ビニング」のための高スループットプロセスは、PCT公開番号WO 03/48731に記載されている。
【0069】
本明細書で使用される場合、「特異的に結合する」、「特異的に認識する」および「に特異的である」という用語は、生物学的分子を含む不均一な分子集団の存在下で標的の存在を決定する、標的と抗体または抗体部分との間の結合などの測定可能かつ再現可能な相互作用を指す。例えば、標的(エピトープであり得る)を特異的に認識する抗体または抗体部分は、他の標的への結合よりも高い親和性、結合活性で、より容易に、および/またはより長い持続時間でこの標的に結合する抗体または抗体部分である。いくつかの実施形態では、無関係な標的に対する抗体の結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定して、標的に対する抗体の結合の約10%未満である。いくつかの実施形態では、標的に特異的に結合する抗体は、≦10-5M、≦10-6M、≦10-7M、≦10-8M、≦10-9M、≦10-10M、≦10-11M、または≦10-12Mの解離定数(KD)を有する。いくつかの実施形態では、抗体は、異なる種由来のタンパク質間で保存されているタンパク質上のエピトープに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、特異的結合は、排他的結合を含み得るが、それを必要としない。抗体または抗原結合ドメインの結合特異性は、当技術分野で公知の方法によって実験的に決定することができる。そのような方法は、ウエスタンブロット、ELISA-、RIA-、ECL-、IRMA-、EIA-、BLI、SPR、BIACORE(商標)-試験およびペプチドスキャンを含むが、これらに限定されない。
【0070】
「二重特異性」または「多重特異性」抗体は、2またはそれを超える異なる抗原に結合する抗体、または同じ抗原の2またはそれを超える異なるエピトープに結合する抗体を指すことができる。
【0071】
「単離された」抗体(または構築物)は、その産生環境の構成要素(例えば、天然または組換え)から同定、分離および/または回収されたものである。好ましくは、単離されたポリペプチドは、その産生環境からの他のすべての構成要素と会合していない。
【0072】
本明細書に記載の構築物、抗体、またはその抗原結合フラグメントをコードする「単離された」核酸分子は、それが産生された環境においてそれが通常会合している少なくとも1つの汚染核酸分子から同定および分離される核酸分子である。好ましくは、単離された核酸は、産生環境に関連するすべての構成要素と会合していない。本明細書中に記載されるポリペプチドおよび抗体をコードする単離された核酸分子は、それが自然界で見出される形態または状況以外の形態である。したがって、単離された核酸分子は、細胞内に天然に存在する本明細書に記載のポリペプチドおよび抗体をコードする核酸とは区別される。単離された核酸は、その核酸分子を通常含む細胞に含まれる核酸分子を含むが、その核酸分子は染色体外に、またはその天然の染色体位置とは異なる染色体位置に存在する。
【0073】
「制御配列」という用語は、特定の宿主生物における作動可能に連結されたコード配列の発現に必要なDNA配列を指す。原核生物に適した制御配列には、例えば、プロモーター、必要に応じてオペレーター配列、およびリボソーム結合部位が含まれる。真核細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナルおよびエンハンサーを利用することが公知である。
【0074】
核酸は、別の核酸配列と機能的関係に置かれた場合に「作動可能に連結される」。例えば、プレ配列または分泌リーダーのためのDNAは、ポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現される場合、ポリペプチドのためのDNAに作動可能に連結されており;プロモーターまたはエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼす場合、コード配列に作動可能に連結されており;またはリボソーム結合部位は、翻訳を促進するように配置されている場合、コード配列に作動可能に連結されている。一般に、「作動可能に連結されている」とは、連結されているDNA配列が連続していることを意味し、分泌リーダーの場合、連続しており、リーディングフレーム内にあることを意味する。しかしながら、エンハンサーは連続している必要はない。連結は、好都合な制限部位でのライゲーションによって達成される。そのような部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが従来の慣例に従って使用される。
【0075】
本明細書で使用される「ベクター」という用語は、それが連結されている別の核酸を増殖させることができる核酸分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造としてのベクター、ならびにそれが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターを含む。特定のベクターは、それらが作動可能に連結されている核酸の発現を指示することができる。そのようなベクターは、本明細書では「発現ベクター」と呼ばれる。
【0076】
本明細書で使用される「トランスフェクトされた」または「形質転換された」または「形質導入された」という用語は、外因性核酸が宿主細胞に移入または導入されるプロセスを指す。「トランスフェクトされた」または「形質転換された」または「形質導入された」細胞は、外因性核酸でトランスフェクト、形質転換または形質導入された細胞である。細胞は、初代対象細胞およびその子孫を含む。
【0077】
「宿主細胞」、「宿主細胞株」および「宿主細胞培養物」という用語は互換的に使用され、外因性核酸が導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫を含む。宿主細胞には、「形質転換体」および「形質転換細胞」が含まれ、これらには、初代形質転換細胞および継代数を問わずそれに由来する子孫が含まれる。子孫は、親細胞と核酸含有量が完全に同一でなくてもよく、変異を含有してもよい。最初に形質転換された細胞においてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能または生物学的活性を有する変異体子孫が本明細書に含まれる。
【0078】
「免疫コンジュゲート」という用語は、本明細書に記載の抗体部分などの抗体に対する治療剤または検出可能な標識の共有結合への言及を含む。連結は、リンカー(ペプチドリンカーなど)を介して直接的または間接的であり得る。
【0079】
本明細書で使用される場合、「処置(treatment)」または「処置する(treating)」は、臨床結果を含む有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。本出願の目的のために、有益なまたは所望の臨床結果には、それだけに限らないが、以下のうちの1つまたは複数が含まれる:疾患に起因する1またはそれを超える症候の緩和、疾患の程度の縮小、疾患の安定化(例えば、疾患の悪化の予防または遅延)、疾患の拡大(例えば、転移)の予防または遅延、疾患の再発の予防または遅延、疾患の進行の遅延または減速、疾患状態の改善、疾患の寛解(部分的または全体)の提供、疾患を処置するに必要な1またはそれを超える他の医薬の用量の低下、疾患の進行の遅延、生活の質の向上もしくは改善、体重増の増加、および/または生存期間の延長。癌(例えば、腫瘍体積など)の病理学的結果の減少も「処置」に包含される。本出願の方法は、処置のこれらの態様のいずれか1またはそれを超える態様を企図する。
【0080】
癌の文脈において、「処置する」という用語は、癌細胞の増殖を阻害すること、癌細胞の複製を阻害すること、全体的な腫瘍負荷を軽減すること、および疾患に関連する1またはそれを超える症候を改善することのいずれかまたはすべてを含む。
【0081】
「阻害」または「阻害する」という用語は、任意の表現型特性の減少もしくは停止、またはその特性の発生率、程度もしくは可能性の減少もしくは停止を指す。「低減する」または「阻害する」ことは、基準と比較して活性、機能、および/または量を減少、低減または停止することである。特定の実施形態では、「低減する」または「阻害する」とは、20%またはそれを超える全体的な減少を引き起こす能力を意味する。別の実施形態では、「低減する」または「阻害する」とは、50%またはそれを超える全体的な減少を引き起こす能力を意味する。さらに別の実施形態では、「低減する」または「阻害する」とは、75%、85%、90%、95%、またはそれを超える全体的な減少を引き起こす能力を意味する。
【0082】
本明細書で使用される「基準」は、比較目的で使用される任意の試料、標準、またはレベルを指す。基準は、健康および/または非疾患の試料から得ることができる。いくつかの例では、基準は、未処理試料から得ることができる。いくつかの例では、基準は、個体の非疾患または非処置の試料から得られる。いくつかの例では、基準は、個体または患者ではない1またはそれを超える健康な個体から得られる。
【0083】
本明細書で使用される場合、「疾患の発症を遅延させる」とは、疾患(癌など)の発症を延期、妨害、緩徐、阻止、安定化、抑制および/または延期することを意味する。この遅延は、処置される疾患および/または個体の病歴に応じて、様々な時間長であり得る。当業者に明らかなように、十分なまたは有意な遅延は、事実上、個体が疾患を発症しないという点で予防を包含し得る。例えば、転移の発生などの後期癌が遅延され得る。
【0084】
本明細書で使用される「予防する」は、疾患の素因を有し得るが、疾患とまだ診断されていない個体における疾患の発生または再発に関して予防を提供することを含む。
【0085】
本明細書で使用される場合、機能または活性を「抑制する」ことは、関心のある条件またはパラメータを除いて他の点では同じ条件と比較した場合、または別の条件と比較した場合に、機能または活性を減少させることである。例えば、腫瘍成長を抑制する抗体は、抗体の非存在下での腫瘍の成長速度と比較して、腫瘍の成長速度を低減させる。
【0086】
「対象」、「個体」、および「患者」という用語は、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、げっ歯類、または霊長類を含むがこれらに限定されない哺乳動物を指すために本明細書では互換的に使用される。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。
【0087】
薬剤の「有効量」は、所望の治療的または予防的結果を達成するために、必要な投与量および期間で有効な量を指す。具体的な用量は、選択される特定の薬剤、従うべき投薬レジメン、他の化合物と組み合わせて投与されるかどうか、投与のタイミング、画像化される組織、およびそれが担持される物理的送達系のうちの1つまたは複数に応じて変化し得る。
【0088】
「医薬製剤」および「医薬組成物」という用語は、有効成分(複数可)の生物学的活性が有効であることを可能にするような形態であり、製剤が投与される個体に対して許容できないほど毒性である追加の構成要素を含まない調製物を指す。そのような製剤は無菌であり得る。
【0089】
「薬学的に許容され得る担体」は、個体への投与のための「医薬組成物」を一緒に含む治療剤と共に使用するための、当技術分野で慣用的な非毒性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、カプセル化材料、製剤補助剤または担体を指す。薬学的に許容され得る担体は、使用される投与量および濃度でレシピエントに非毒性であり、製剤の他の成分と適合性である。薬学的に許容され得る担体は、使用される製剤に適している。
【0090】
「無菌」製剤は、無菌であるか、または生きている微生物およびその胞子を本質的に含まない。
【0091】
1またはそれを超えるさらなる治療剤と「組み合わせて」投与することは、任意の順序での同時(同時発生の)および連続または逐次投与を含む。
【0092】
「同時発生的に(concurrently)」という用語は、本明細書では、投与の少なくとも一部が時間的に重複するか、または1つの治療剤の投与が他の治療剤の投与と比較して短期間内に入る2またはそれを超える治療剤の投与を指すために使用される。例えば、2またはそれを超える治療剤は、約60分以下、例えば約30、15、10、5、または1分のいずれか以下の時間間隔で投与される。
【0093】
「逐次」という用語は、本明細書では、1またはそれを超える他の薬剤の投与を中止した後に1またはそれを超える薬剤の投与が連続する2またはそれを超える治療剤の投与を指すために使用される。例えば、2またはそれを超える治療剤の投与は、約15分を超える、例えば約20、30、40、50もしくは60分、1日、2日、3日、1週間、2週間もしくは1ヶ月のいずれかまたはそれを超える時間間隔で投与される。
【0094】
本明細書で使用される場合、「と組み合わせて」とは、別の処置モダリティに加えて1つの処置モダリティを投与することを指す。したがって、「と組み合わせて」は、個体への他の処置モダリティの投与前、投与中または投与後の1つの処置モダリティの投与を指す。
【0095】
「添付文書」という用語は、治療用製品の市販パッケージに通例含まれる説明書であって、そのような治療用製品の使用に関する適応症、用法、用量、投与、併用療法、禁忌および/または警告に関する情報を含む説明書を指すために使用される。
【0096】
「製造品」は、少なくとも1つの試薬、例えば疾患または障害(例えば、がん)を処置するための医薬品、または本明細書に記載のバイオマーカーを特異的に検出するためのプローブを含む任意の製造品(例えば、パッケージまたは容器)またはキットである。特定の実施形態では、製造品またはキットは、本明細書に記載の方法を実施するためのユニットとして促進、配布、または販売される。
【0097】
本明細書で記載される本出願の実施形態は、「からなる(consisting)」および/または「から本質的になる(consisting essentially of)」ことを含むことが理解される。
【0098】
本明細書における値またはパラメータの「約」への言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする変動を含む(および説明する)。例えば、「約X」という記載は、「X」という記載を含む。
【0099】
本明細書で使用される場合、値またはパラメータ「ではないもの」への言及は、一般に、値またはパラメータ「以外」を意味し、説明する。例えば、本方法がタイプXの癌を処置するために使用されないとは、本方法がタイプX以外の癌を処置するために使用されることを意味する。
【0100】
ここでいう「約X~Y」は、「約X~約Y」と同義である。
【0101】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「or」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0102】
II.抗IGFBP7構築物
本出願は、本明細書に記載のIGFBP7に特異的に結合する抗IGFBP7抗体部分を含む抗IGFBP7構築物を提供する。
【0103】
IGFBP7
インスリン様成長因子(IGF)結合タンパク質(IGFBP)7は、Mac25、IGFBP-rp1、腫瘍由来接着因子(TAF)、プロスタサイクリン刺激因子(PSF)、およびアンジオモジュリン(angiomodulin)(AGM)としても公知であり、IGFBPファミリーに属する分泌細胞外マトリックス(ECM)タンパク質である。Hwa et al.Endocr Rev.1999;20(6):761-87;Bach et al.Endocrinology.2018;159(2):570-8を参照のこと。IGFBPファミリーのメンバーは、IGF1に結合し、血液中のIGF1のバイオアベイラビリティを調節するのに役立つIGF結合(IB)ドメインをN末端に含む。IGFBP7は、IGF1結合を安定化するように機能するC末端ドメインを欠いており、したがって、IGF-1に対するその親和性は、IGFBP1~6の親和性よりも有意に低い。Oh et al.J Biol Chem.1996;271(48):30322-5を参照のこと。IGFBP7は、多くの正常組織および癌細胞において発現されることが見出された;しかしながら、癌におけるIGFBP7の正確な役割は議論の余地があった。一方、IGFBP7は、癌細胞から放出され、腫瘍アポトーシスを誘発し、血管新生を抑制する腫瘍抑制因子として作用することが示された(Wajapeyee et al.Cell.2008;132(3):363-74)。IGF1Rが受容体として提案され、IGFBP7が結合すると、IGF-1とIGF1Rとの間の相互作用が遮断され、癌幹様細胞の増殖および攻撃性が阻害された。Cao et al.Cancer Cell.2017;31(1):110-26;Evdokimova et al.Sci Signal.2012;5(255):ra92を参照のこと。IGFBP7の投与は、インビボで腫瘍成長を阻害し、IGFBP7-/-マウスは、ジエチルニトロソアミン誘発性肝癌発生に感受性であった。Akiel et al.,Cancer Res.2017;77(15):4014-25;Darr et al.Oncogene.2014;33(23):3024-32を参照のこと。一方、IGFBP7は、癌組織の血管において上方制御され、血管新生を促進することができることが示された(48,64)。Komiya et al.Cancer Med.2014;3(3):537-49;Pen et al.Oncogene.2008;27(54):6834-44を参照のこと。IGFBP7は、血管EC中のVEGFによって強く誘導され得、血管新生におけるIGFBP7とVEGFとの間の相乗効果が報告されている。Komiya et al.Cancer Med.2014;3(3):537-49;Hooper et al.Circ Res.2009;105(2):201-8を参照のこと。上記に挙げた各参考文献は、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。
【0104】
ヒトIGFBP7遺伝子は4q12に位置し、ポリペプチドをコードする。ポリペプチドの1つのアイソフォームは、264アミノ酸残基を有する(配列番号111、シグナルペプチドドメイン(配列番号111の残基1~26)、インスリン結合ドメイン(IBドメイン、配列番号111の残基28~106)、Kazal様ドメイン(配列番号111の残基105~158)およびIg様C2型ドメイン(配列番号111の残基160~264)を含む)。
【0105】
抗IGFBP7抗体部分
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、IGFBP7の結合について単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗体または抗体断片と競合し、sdAb部分は、配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4または113のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗体部分は単一ドメイン抗体(sdAb)部分である。
【0106】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4または113のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0107】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4または113のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号33に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号33のアミノ酸配列、または配列番号33と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、IGFBP7の結合について単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗体または抗体断片と競合し、sdAb部分は、配列番号2または112のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4または113のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗体部分は単一ドメイン抗体(sdAb)部分である。
【0111】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、配列番号2もしくは112のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0112】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、配列番号2または112のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4または113のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号32に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号32のアミノ酸配列、または配列番号32と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号46に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号46のアミノ酸配列、または配列番号46と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号47に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号47のアミノ酸配列、または配列番号47と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号48に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号48のアミノ酸配列、または配列番号48と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、IGFBP7の結合について単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗体または抗体断片と競合し、sdAb部分は、配列番号5または114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115または116のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗体部分は単一ドメイン抗体(sdAb)部分である。
【0122】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0123】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、配列番号5または114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115または116のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号34に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号34のアミノ酸配列、または配列番号34と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号49に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号49のアミノ酸配列、または配列番号49と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号50に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号50のアミノ酸配列、または配列番号50と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号51に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号51のアミノ酸配列、または配列番号51と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、IGFBP7の結合について単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗体または抗体断片と競合し、sdAb部分は、配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗体部分は単一ドメイン抗体(sdAb)部分である。
【0133】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0134】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号35に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号35のアミノ酸配列、または配列番号35と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、IGFBP7の結合について単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗体または抗体断片と競合し、sdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗体部分は単一ドメイン抗体(sdAb)部分である。
【0138】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0139】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号36に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号36のアミノ酸配列、または配列番号36と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0142】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号37に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号37のアミノ酸配列、または配列番号37と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0144】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、IGFBP7の結合について単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗体または抗体断片と競合し、sdAb部分は、配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗体部分は単一ドメイン抗体(sdAb)部分である。
【0145】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0146】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号38に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号38のアミノ酸配列、または配列番号38と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、IGFBP7の結合について単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗体または抗体断片と競合し、sdAb部分は、配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗体部分は単一ドメイン抗体(sdAb)部分である。
【0150】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0151】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号39に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0153】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号39のアミノ酸配列、または配列番号39と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、IGFBP7の結合について単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗体または抗体断片と競合し、sdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗体部分は単一ドメイン抗体(sdAb)部分である。
【0155】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0156】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号40に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0158】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号40のアミノ酸配列、または配列番号40と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0159】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、IGFBP7の結合について単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗体または抗体断片と競合し、sdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗体部分は単一ドメイン抗体(sdAb)部分である。
【0160】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0161】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号41に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号41のアミノ酸配列、または配列番号41と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0164】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、IGFBP7の結合について単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗体または抗体断片と競合し、sdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗体部分は単一ドメイン抗体(sdAb)部分である。
【0165】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0166】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号42に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号42のアミノ酸配列、または配列番号42と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、IGFBP7の結合について単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗体または抗体断片と競合し、sdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗体部分は単一ドメイン抗体(sdAb)部分である。
【0170】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0171】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号43に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号43のアミノ酸配列、または配列番号43と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、IGFBP7の結合について単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗体または抗体断片と競合し、sdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗体部分は単一ドメイン抗体(sdAb)部分である。
【0175】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0176】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号44に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号44のアミノ酸配列、または配列番号44と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、IGFBP7の結合について単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗体または抗体断片と競合し、sdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗体部分は単一ドメイン抗体(sdAb)部分である。
【0180】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する抗体部分を含み、抗体部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0181】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、配列番号45に示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号45のアミノ酸配列、または配列番号45と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、a)アミノ酸配列INTYL(配列番号52)を含むCDR1、b)アミノ酸配列AITSGGSINYADSVKG(配列番号12)を含むCDR2、およびc)アミノ酸配列KAHPNPWGFDNDY(配列番号13)を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含み、sdAb部分は、a)アミノ酸配列AX1NGAM(配列番号53)を含むCDR1(式中X1=NまたはI)、b)AITSGGSINYADSVKG(配列番号12)のアミノ酸配列を含むCDR2、およびc)アミノ酸配列KAHPNPWGFDNDY(配列番号13)を含むCDR3を含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、上記の抗IGFBP7 sdAb部分は、ラクダ科、キメラ、ヒト、部分的ヒト化、または完全ヒト化である。
【0186】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7 sdAb部分はVHH抗体である。
【0187】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、抗IGFBP7融合タンパク質を含むか、または抗IGFBP7融合タンパク質である。
【0188】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、多重特異性抗IGFBP7構築物(二重特異性抗体など)を含むか、または多重特異性抗IGFBP7構築物である。
【0189】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、抗IGFBP7免疫コンジュゲートを含むか、または抗IGFBP7免疫コンジュゲートである。
【0190】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7およびCD93の結合を遮断する。いくつかの実施形態では、CD93はヒトCD93である。いくつかの実施形態では、IGFBP7はヒトIGFBP7である。いくつかの実施形態では、IGFBP7のCD93への結合は、抗IGFBP7抗体とIGFBP7またはIGFBP7発現細胞とのプレインキュベーション後に、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれを超えて遮断される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7抗体およびIGFBP7の用量は、約1:10、1:6、1:3、1:1.5、1:1、4:3、2:1または5:1の比である。いくつかの実施形態では、IGFBP7のCD93への結合は、約50μg/ml、25μg/ml、10μg/ml、5μg/ml、2μg/ml、1μg/ml、0.8μg/ml、0.6μg/mlまたは0.4μg/mlの濃度での抗IGFBP7抗体のプレインキュベーション後に、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれを超えて遮断される。
【0191】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7およびMMRN2のCD93への結合を遮断する。いくつかの実施形態では、MMRN2はヒトMMRN2である。いくつかの実施形態では、IGFBP7はヒトIGFBP7である。いくつかの実施形態では、IGFBP7のMMRN2への結合は、抗IGFBP7抗体とIGFBP7またはIGFBP7発現細胞とのプレインキュベーション後に、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれを超えて遮断される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、IGFBP7およびMMRN2の結合を遮断しない。
【0192】
いくつかの実施形態では、IGFBP7はヒトIGFBP7である。いくつかの実施形態では、IGFBP7はマウスIGFBP7である。いくつかの実施形態では、IGFBP7はカニクイザルIGFBP7である。
【0193】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7抗体部分は、ヒトIGFBP7とカニクイザルIGFBP7の両方に結合する。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7抗体部分は、ヒトIGFBP7とマウスIGFBP7の両方に結合する。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7抗体部分は、カニクイザルIGFBP7および/またはマウスIGFBP7に結合しない。
【0194】
IGFBP7を特異的に認識する少なくとも2つの抗体部分を含む抗IGFBP7構築物
本出願はまた、2またはそれを超える抗体部分を含む抗IGFBP7構築物を提供し、2またはそれを超える抗体部分のうちの少なくとも2つはIGFBP7を特異的に認識する。
【0195】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの抗体部分は異なる。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの抗体部分は、IGFBP7の2つの異なるエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの抗体部分は、同じIGFBP7エピトープに結合する。
【0196】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、少なくとも2つの異なる抗IGFBP7抗体部分(例えば、2つの異なるVHHドメイン、例えばA1およびD4)を含む四量体融合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、2つの異なる抗IGFBP7抗体部分は、IGFBP7の2つの異なるエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、Fc断片を含む。
【0197】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの抗体部分は同じである。
【0198】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの抗体部分は両方とも単一ドメイン抗体部分(本明細書に記載のsdAb部分のいずれかなど)である。
【0199】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み、第二のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3を含み、第二のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0200】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み、第二のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3を含み、第二のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0201】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み、第二のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3を含み、第二のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0202】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み、第二のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3を含み、第二のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0203】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み、第二のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3を含み、第二のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0204】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み、第二のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3を含み、第二のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0205】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み、第二のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3を含み、第二のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0206】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み、第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3を含み、第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0207】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み、第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3を含み、第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み、第二のsdAb部分は、配列番号2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3を含み、第二のsdAb部分は、配列番号2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0209】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0210】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0211】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0212】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0215】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0216】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0217】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0218】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0219】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0220】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0221】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0222】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0223】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0224】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0225】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0227】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0228】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0229】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0230】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0231】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0232】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0233】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0234】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0235】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0236】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0237】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0238】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0240】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0241】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0242】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0243】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0244】
いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一の抗IGFBP7抗体部分と、b)第二のsdAb部分を含む第二の抗IGFBP7抗体部分とを含む抗IGFBP7抗体構築物が提供され、第一のsdAb部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含み;第二のsdAb部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0245】
本明細書に記載の2つの抗体部分(例えば、2つのsdAb)は、両方の部分の適切な特性(例えば、IGFBP7への結合)を可能にする任意の方法で互いに融合することができる。いくつかの実施形態では、第一の抗IGFBP7抗体部分は、第二の抗IGFBP7抗体部分のN末端に融合される(例えば、直接融合される)。いくつかの実施形態では、第一の抗IGFBP7抗体部分は、第二の抗IGFBP7抗体部分のC末端に融合される(例えば、直接融合される)。いくつかの実施形態では、構築物は、第一のFcドメインおよび第二のFcドメインを含むFc断片を含み、各FcドメインはCH2ドメインおよびCH3ドメインを含む。いくつかの実施形態では、両方の抗体部分は、2つのFcドメインのN末端に融合されている。例えば、
図8を参照されたい。いくつかの実施形態では、両方の抗体部分は、2つのFcドメインのC末端に融合されている。いくつかの実施形態では、第一の抗IGFBP7抗体部分は両方のFcドメインのN末端に融合され、第二の抗IGFBP7抗体部分は両方のFcドメインのC末端に融合される。いくつかの実施形態では、第一の抗IGFBP7抗体部分は両方のFcドメインのC末端に融合され、第二の抗IGFBP7抗体部分は両方のFcドメインのN末端に融合される。いくつかの実施形態では、第一または第二の抗体部分は、リンカー(例えば、GSリンカー)を介してFcドメインの一方または両方のC末端に融合される。いくつかの実施形態では、第一または第二の抗体部分は、リンカー(例えば、GSリンカー)を介してFcドメインの一方または両方のN末端に融合される。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヒンジ領域を含む。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、低下したエフェクター機能をもたらす突然変異を有する。
【0246】
いくつかの実施形態では、構築物は、第一のポリペプチドおよび第二のポリペプチドを含み、両方のポリペプチドは各々、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分、b)第二のsdAb部分、およびc)Fcドメインを含み、2つのFcドメインは、Fc断片を形成し、第一のsdAbは、i)配列番号1または2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4または113のアミノ酸配列を含むCDR3を含み、第二のsdAb部分は、配列番号5または114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115または116のアミノ酸配列を含むCDR3を含み、第一のsdAbは、そのC末端を介して第二のsdAbのN末端に直接融合され、第二のsdAbは、そのC末端を介して、必要に応じてリンカー(例えば、GSリンカー)を介して、両方のFcドメインのN末端に融合される、方法。
【0247】
いくつかの実施形態では、構築物は、第一のポリペプチドおよび第二のポリペプチドを含み、両方のポリペプチドは各々、a)第一の単一ドメイン抗体(sdAb)部分、b)第二のsdAb部分、およびc)Fcドメインを含み、2つのFcドメインは、Fc断片を形成し、第一のsdAbは、i)配列番号1または2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4または113のアミノ酸配列を含むCDR3を含み、第二のsdAb部分は、配列番号5または114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115または116のアミノ酸配列を含むCDR3を含み、第一のsdAbは、そのC末端を介して両方のFcドメインのN末端に融合され、第二のsdAbは、そのN末端を介して、必要に応じてリンカー(例えば、GSリンカー)を介して、両方のFcドメインのC末端に融合される。
【0248】
いくつかの実施形態では、第一または第二の抗IGFBP7抗体部分は、このセクションに記載される抗体部分のいずれかに由来するヒト化抗体部分である。
【0249】
いくつかの実施形態では、第一または第二の抗IGFBP7抗体部分は、IGFBP7の結合エピトープについて、このセクションに記載される抗体部分のいずれかと競合する抗体部分である。
【0250】
第二の薬剤に結合する多重特異性抗IGFBP7構築物
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、抗IGFBP7抗体部分(例えば、本明細書中に記載される抗IGFBP7抗体部分のいずれか1つ)を含む多重特異性(例えば、二重特異性)抗IGFBP7構築物を含み、第二の結合部分(第二の抗体部分など)は、IGFBP7とは異なる第二の抗原を特異的に認識する。いくつかの実施形態では、第二の抗原は免疫チェックポイント分子である。いくつかの実施形態では、第二の抗原はPD-1またはPD-L1である。いくつかの実施形態では、第二の抗原は腫瘍抗原である。いくつかの実施形態では、第二の抗原は血管新生剤である。いくつかの実施形態では、血管新生剤はVEGF(例えば、ヒトVEGF)である。いくつかの実施形態では、血管新生剤はVEGF受容体である。いくつかの実施形態では、血管新生剤は、VEGFR1(例えば、ヒトVEGFR1)またはその断片である。いくつかの実施形態では、血管新生剤は、VEGFR2(例えば、ヒトVEGFR2)またはその断片である。
【0251】
いくつかの実施形態では、第二の結合部分は、リンカー(例えば、本明細書中に記載されるリンカーのいずれか)を介して抗IGFBP7抗体部分に融合される。
【0252】
いくつかの実施形態では、第二の抗体部分は、全長抗体、Fab、Fab’、(Fab’)2、Fv、一本鎖Fv(scFv)、scFv-scFv、ミニボディ、ダイアボディ、ナノボディ、またはsdAbである。
【0253】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、a)本明細書に記載の抗IGFBP7抗体部分のいずれか1つによる抗IGFBP7抗体部分;b)PD-L1を特異的に認識する第二の抗体部分(本明細書に記載されるもののいずれかなどの抗PD-L1抗体部分)またはPD-1を特異的に認識する第二の抗体部分(本明細書に記載されるもののいずれかなどの抗PD-1抗体部分)を含む多重特異性(例えば、二重特異性)抗IGFBP7構築物である。
【0254】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、a)2つの重鎖および2つの軽鎖を含む全長抗体を含む抗PD-L1または抗PD-1抗体部分であって、2つの重鎖はそれぞれ重鎖可変領域(VH)を含み、2つの軽鎖はそれぞれ軽鎖可変領域(VL)を含む抗PD-L1または抗PD-1抗体部分と、b)抗PD-L1または抗PD-1全長抗体の重鎖の少なくとも一方または両方に融合した抗IGFBP7抗体部分(本明細書に記載の抗IGFBP7抗体部分のいずれかなど)とを含む多重特異性(例えば、二重特異性)抗IGFBP7構築物である。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7抗体部分は、両方の重鎖のN末端に融合される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7抗体部分は、両方の重鎖のC末端に融合される
【0255】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、a)2つの重鎖および2つの軽鎖を含む全長抗体を含む抗PD-L1または抗PD-1抗体部分であって、2つの重鎖はそれぞれ重鎖可変領域(VH)を含み、2つの軽鎖はそれぞれ軽鎖可変領域(VL)を含む抗PD-L1または抗PD-1抗体部分と、b)抗PD-L1または抗PD-1全長抗体の軽鎖の少なくとも一方または両方に融合した抗IGFBP7抗体部分(本明細書に記載の抗体部分のいずれかなど)とを含む多重特異性(例えば、二重特異性)抗IGFBP7構築物である。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7抗体部分は、両方の軽鎖のN末端に融合される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7抗体部分は、両方の軽鎖のC末端に融合される。
【0256】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、a)2つの重鎖および2つの軽鎖を含む全長抗体を含む抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分であって、2つの重鎖がそれぞれ重鎖可変領域(VH)を含み、2つの軽鎖がそれぞれ軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分と、b)抗PD-L1抗体部分または抗PD-1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(本明細書に記載の抗体部分のいずれかなど)であって、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個の1つのアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗IGFBP7抗体部分とを含む。
【0257】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、a)2つの重鎖および2つの軽鎖を含む全長抗体を含む抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分であって、2つの重鎖がそれぞれ重鎖可変領域(VH)を含み、2つの軽鎖がそれぞれ軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分と、b)抗PD-L1抗体部分または抗PD-1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(本明細書に記載の抗体部分のいずれかなど)であって、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個の1つのアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗IGFBP7抗体部分とを含む。
【0258】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、a)2つの重鎖および2つの軽鎖を含む全長抗体を含む抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分であって、2つの重鎖がそれぞれ重鎖可変領域(VH)を含み、2つの軽鎖がそれぞれ軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分と、b)抗PD-L1抗体部分または抗PD-1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(本明細書に記載の抗体部分のいずれかなど)であって、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個の1つのアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗IGFBP7抗体部分とを含む。
【0259】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、a)2つの重鎖および2つの軽鎖を含む全長抗体を含む抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分であって、2つの重鎖がそれぞれ重鎖可変領域(VH)を含み、2つの軽鎖がそれぞれ軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分と、b)抗PD-L1抗体部分または抗PD-1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(本明細書に記載の抗体部分のいずれかなど)であって、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個の1つのアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗IGFBP7抗体部分とを含む。
【0260】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、a)2つの重鎖および2つの軽鎖を含む全長抗体を含む抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分であって、2つの重鎖がそれぞれ重鎖可変領域(VH)を含み、2つの軽鎖がそれぞれ軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分と、b)抗PD-L1抗体部分または抗PD-1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(本明細書に記載の抗体部分のいずれかなど)であって、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個の1つのアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗IGFBP7抗体部分とを含む。
【0261】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、a)2つの重鎖および2つの軽鎖を含む全長抗体を含む抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分であって、2つの重鎖がそれぞれ重鎖可変領域(VH)を含み、2つの軽鎖がそれぞれ軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分と、b)抗PD-L1抗体部分または抗PD-1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(本明細書に記載の抗体部分のいずれかなど)であって、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個の1つのアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗IGFBP7抗体部分とを含む。
【0262】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、a)2つの重鎖および2つの軽鎖を含む全長抗体を含む抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分であって、2つの重鎖がそれぞれ重鎖可変領域(VH)を含み、2つの軽鎖がそれぞれ軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分と、b)抗PD-L1抗体部分または抗PD-1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(本明細書に記載の抗体部分のいずれかなど)であって、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個の1つのアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗IGFBP7抗体部分とを含む。
【0263】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、a)2つの重鎖および2つの軽鎖を含む全長抗体を含む抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分であって、2つの重鎖がそれぞれ重鎖可変領域(VH)を含み、2つの軽鎖がそれぞれ軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分と、b)抗PD-L1抗体部分または抗PD-1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(本明細書に記載の抗体部分のいずれかなど)であって、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個の1つのアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗IGFBP7抗体部分とを含む。
【0264】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、a)2つの重鎖および2つの軽鎖を含む全長抗体を含む抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分であって、2つの重鎖がそれぞれ重鎖可変領域(VH)を含み、2つの軽鎖がそれぞれ軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分と、b)抗PD-L1抗体部分または抗PD-1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(本明細書に記載の抗体部分のいずれかなど)であって、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個の1つのアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗IGFBP7抗体部分とを含む。
【0265】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、a)2つの重鎖および2つの軽鎖を含む全長抗体を含む抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分であって、2つの重鎖がそれぞれ重鎖可変領域(VH)を含み、2つの軽鎖がそれぞれ軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PD-L1抗体部分または抗PD-1抗体部分と、b)抗PD-L1抗体部分または抗PD-1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(本明細書に記載の抗体部分のいずれかなど)であって、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個の1つのアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗IGFBP7抗体部分とを含む。
【0266】
いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0267】
いくつかの実施形態では、a)抗IGFBP7抗体部分と、b)VEGF(例えば、ヒトVEGF)またはVEGFR(例えば、ヒトVEGFR1、例えば、ヒトVEGFR2)を特異的に認識する結合部分とを含む抗IGFBP7構築物が提供される。いくつかの実施形態では、VEGFまたはVEGFRを特異的に認識する結合部分は、配列番号98のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7 sdAbは、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7 sdAbは、リンカーまたは免疫グロブリン(ヒトIgGなど)の定常領域を介してVEGFまたはVEGFRを特異的に認識する結合部分に融合される。
【0268】
いくつかの実施形態では、a)抗IGFBP7抗体部分と、b)VEGF(例えば、ヒトVEGF)またはVEGFR(例えば、ヒトVEGFR1、例えば、ヒトVEGFR2)を特異的に認識する結合部分とを含む抗IGFBP7構築物が提供される。いくつかの実施形態では、VEGFまたはVEGFRを特異的に認識する結合部分は、配列番号98のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7 sdAbは、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7 sdAbは、リンカーまたは免疫グロブリン(ヒトIgGなど)の定常領域を介してVEGFまたはVEGFRを特異的に認識する結合部分に融合される。
【0269】
いくつかの実施形態では、a)2つの重鎖および2つの軽鎖を含む抗VEGF(例えば、抗ヒトVEGF)または抗VEGFR(例えば、抗ヒトVEGFR1、例えば、抗ヒトVEGFR2)全長抗体と、b)抗IGFBP7単一ドメイン抗体(sdAb)とを含む抗IGFBP7構築物が提供され、抗IGFBP7 sdAbは、全長抗体の重鎖および/または軽鎖の一方または両方に融合されている。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7 sdAbは、全長抗体の両方の重鎖のC末端に融合される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7 sdAbは、全長抗体の両方の重鎖のN末端に融合される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7 sdAbは、全長抗体の両方の軽鎖のC末端に融合される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7 sdAbは、全長抗体の両方の軽鎖のN末端に融合される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7 sdAbは、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7 sdAbは、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、全長抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含むVEGFを特異的に認識し、VHは、配列番号99のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号100のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号101のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、VLは、配列番号102のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号103のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号104のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、全長抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含むVEGFR2を特異的に認識し、VHは、配列番号105のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号106のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号107のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、VLは、配列番号108のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号109のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号110のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7 sdAbは、リンカー(上記のリンカーのいずれかなど)を介して全長抗体に融合される。
【0270】
いくつかの実施形態では、第二の結合(例えば、第二の抗体部分)および抗IGFBP7抗体部分は、結合部分の適切な機能を可能にする任意の操作可能な形態で、本明細書に記載の任意のリンカーなどのリンカーを介して互いに融合される。いくつかの実施形態では、リンカーはGSリンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーは、配列番号54~61からなる群から選択される。
【0271】
例示的な抗PD-L1抗体部分
例示的な抗PD-L1抗体部分には、WO2019228514A1、WO2019227490A1およびWO2020019232A1に記載されているものが含まれるが、これらに限定されない。
【0272】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗IGFBP7構築物に使用される抗PD-L1抗体部分(scFvなど)は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含む抗体部分を含み、抗体部分は、PD-L1の結合エピトープについて、第二の重鎖可変領域(VH-2)および第二の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体または抗体断片と競合し、VH-2は、配列番号62のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号63のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号64のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、VL-2は、配列番号65のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号66のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号67のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0273】
いくつかの実施形態では、抗PD-L1部分は、配列番号68、69、または70に示される配列を有するVH鎖領域内にCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号71、72、または73に示される配列を有するVL鎖領域内にCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0274】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗IGFBP7構築物において使用される抗PD-L1抗体部分(scFvなど)は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含み、a)VHは、配列番号62のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号63のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号64のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に全部で約5、4、3、2もしくは1個までのアミノ酸置換を含むその改変体を含み;b)VL は、配列番号65のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号66のいずれか1つのアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号67のいずれか1つのアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に全部で約5、4、3、2、または1個までのアミノ酸置換を含むその改変体を含む。
【0275】
いくつかの実施形態では、VHは、配列番号68、69、または70のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む改変体を含み;VLは、配列番号71、72、または73のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む改変体を含む。いくつかの実施形態では、VHは、配列番号68のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む改変体を含み;VLは、配列番号71のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む改変体を含む。いくつかの実施形態では、VHは、配列番号69のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む改変体を含み;VLは、配列番号72のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む改変体を含む。いくつかの実施形態では、VHは、配列番号70のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む改変体を含み;VLは、配列番号73のアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む改変体を含む。
【0276】
例示的な抗PD-1抗体部分
例示的な抗PD-1抗体部分としては、WO2018133842およびWO2018133837に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0277】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗IGFBP7構築物に使用される抗PD-1抗体部分(scFvなど)は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含む抗体部分を含み、抗体部分は、PD-1の結合エピトープについて、第二の重鎖可変領域(VH-2)および第二の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体または抗体断片と競合し、VH-2は、配列番号74のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号75のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号76のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、VL-2は、配列番号77のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号78のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号79のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0278】
いくつかの実施形態では、抗PD-1部分は、配列番号92に示される配列を有するVH鎖領域内にCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号93に示される配列を有するVL鎖領域内にCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0279】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗IGFBP7構築物において使用される抗PD-1抗体部分(scFvなど)は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含み、a)VHは、配列番号74のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号75のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号76のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に全部で約5、4、3、2もしくは1個までのアミノ酸置換を含むその改変体を含み;b)VL は、配列番号77のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号78のいずれか1つのアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号79のいずれか1つのアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に全部で約5、4、3、2、または1個までのアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0280】
いくつかの実施形態では、第二の抗体部分は、配列番号92に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、配列番号93に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)とを含むマウス抗体に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0281】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗IGFBP7構築物に使用される抗PD-1抗体部分(scFvなど)は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含む抗体部分を含み、抗体部分は、PD-1の結合エピトープについて、第二の重鎖可変領域(VH-2)および第二の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体または抗体断片と競合し、VH-2は、配列番号80のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号81のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号82のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、VL-2は、配列番号83のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号84のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号85のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0282】
いくつかの実施形態では、抗PD-1部分は、配列番号94に示される配列を有するVH鎖領域内にCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号95に示される配列を有するVL鎖領域内にCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0283】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗IGFBP7構築物において使用される抗PD-1抗体部分(scFvなど)は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含み、a)VHは、配列番号80のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号81のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号82のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に全部で約5、4、3、2もしくは1個までのアミノ酸置換を含むその改変体を含み;b)VL は、配列番号83のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号84のいずれか1つのアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号85のいずれか1つのアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に全部で約5、4、3、2、または1個までのアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0284】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体部分は、配列番号94に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、配列番号95に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)とを含むマウス抗体に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0285】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗IGFBP7構築物に使用される抗PD-1抗体部分(scFvなど)は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含む抗体部分を含み、抗体部分は、PD-1の結合エピトープについて、第二の重鎖可変領域(VH-2)および第二の軽鎖可変領域(VL-2)を含む抗体または抗体断片と競合し、VH-2は、配列番号86のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号87のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号88のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、VL-2は、配列番号89のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号90のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号91のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0286】
いくつかの実施形態では、抗PD-1部分は、配列番号96に示される配列を有するVH鎖領域内にCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3、ならびに配列番号97に示される配列を有するVL鎖領域内にCDR1、CDR2およびCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0287】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗IGFBP7構築物において使用される抗PD-1抗体部分(scFvなど)は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含み、a)VHは、配列番号86のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号87のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号88のアミノ酸配列を含むHC-CDR3、またはHC-CDR中に全部で約5、4、3、2もしくは1個までのアミノ酸置換を含むその改変体を含み;b)VL は、配列番号89のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号90のいずれか1つのアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号91のいずれか1つのアミノ酸配列を含むLC-CDR3、またはLC-CDR中に全部で約5、4、3、2、または1個までのアミノ酸置換を含むその改変体を含む。いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0288】
いくつかの実施形態では、第二の抗体部分は、配列番号96に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、配列番号97に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)とを含むマウス抗体に由来するヒト化抗体部分を含む。
【0289】
VEGFを特異的に認識する例示的な結合部分
VEGFを特異的に認識する例示的な結合部分には、アバスチン、ラムシルマブもしくはVEGFトラップ(アフリベルセプト)、またはその改変体もしくは機能的部分が含まれるが、これらに限定されない。
【0290】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗IGFBP7構築物に使用されるVEGFを特異的に認識する結合部分は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含む抗体部分を含む抗体部分(scFvなど)であり、VHは、配列番号99のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号100のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号101のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、VLは、配列番号102のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号103のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号104のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0291】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗IGFBP7構築物に使用されるVEGFを特異的に認識する結合部分は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含む抗体部分を含む抗体部分(scFvなど)であり、VHは、配列番号105のアミノ酸配列を含むHC-CDR1、配列番号106のアミノ酸配列を含むHC-CDR2、および配列番号107のアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含み、VLは、配列番号108のアミノ酸配列を含むLC-CDR1、配列番号109のアミノ酸配列を含むLC-CDR2、および配列番号110のアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0292】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗IGFBP7構築物に使用されるVEGFを特異的に認識する結合部分は、配列番号99のアミノ酸配列を含む。
【0293】
抗IGFBP7融合タンパク質
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、抗IGFBP7抗体部分(例えば、抗IGFBP7 sdAb部分)および第二の部分を含む。
【0294】
いくつかの実施形態では、第二の部分は、リガンド(例えば、別の分子と相互作用するリガンド)である。いくつかの実施形態において、第二の部分は、ペプチドである。いくつかの実施形態において、第二の部分は、サイトカインである。
【0295】
いくつかの実施形態では、第二の部分は、半減期延長部分を含む。
【0296】
いくつかの実施形態では、半減期延長部分は、アルブミン結合部分(例えば、アルブミン結合抗体部分)である。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7抗体部分および半減期延長部分は、リンカー(「リンカー」の章に記載されるリンカーのいずれかなど)を介して連結される。
【0297】
いくつかの実施形態では、半減期延長部分は、Fc断片である。いくつかの実施形態では、Fc断片は、IgG、IgA、IgD、IgE、IgM、およびそれらの組み合わせおよびハイブリッドからのFc断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fc断片は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、およびそれらの組み合わせおよびハイブリッドからのFc断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcは、血清中の抗体部分の半減期の延長をもたらす1またはそれを超えるアミノ酸修飾を有する。いくつかの実施形態では、Fc断片は、対応する野生型Fc断片と比較して低下したエフェクター機能を有する。いくつかの実施形態では、Fc断片は、対応する野生型Fc断片と比較して増強されたエフェクター機能を有する。
【0298】
いくつかの実施形態では、Fc断片はIgG2a(マウスIgG2aなど)に由来する。
【0299】
いくつかの実施形態において、第二の部分は、脂質である。いくつかの実施形態では、脂質は、抗IGFBP7抗体部分(抗IGFBP7抗体など)にコンジュゲートされ、アルブミンに結合することができ、それによって抗IGFBP7抗体部分の半減期を延長する。
【0300】
いくつかの実施形態では、第二の部分は、アルブミンまたはアルブミンの一部(例えば、ヒトアルブミン、例えば、ヒト血清アルブミン)である。
【0301】
抗IGFBP7免疫コンジュゲート
本出願はまた、抗IGFBP7抗体部分(本明細書に記載の任意のIGFBP7抗体部分など)および第二の薬剤を含む抗IGFBP7免疫コンジュゲートを提供する。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は治療剤である。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は標識である。
【0302】
いくつかの実施形態では、第二の薬剤は細胞傷害剤である。いくつかの実施形態では、細胞傷害剤は化学療法剤である。いくつかの実施形態では、細胞傷害剤は成長阻害剤である。いくつかの実施形態では、細胞傷害剤は毒素(例えば、タンパク質毒素、細菌、真菌、植物もしくは動物起源の酵素的に活性な毒素、またはその断片)である。いくつかの実施形態では、細胞傷害剤は放射性アイソタイプ(すなわち、放射性コンジュゲート)である。
【0303】
免疫コンジュゲートは、腫瘍への薬物部分の標的化送達、およびいくつかの実施形態ではその中の細胞内蓄積を可能にし、コンジュゲートされていない薬物の全身投与は、正常細胞に対して許容できないレベルの毒性をもたらし得る(Polakis P.(2005)Current Opinion in Pharmacology 5:382-387)。
【0304】
本明細書に記載の免疫コンジュゲートの産生は、例えば、米国特許第9,562,099号および米国特許第7,541,034号に見出すことができ、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0305】
リンカー
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗IGFBP7構築物は、2つの部分(例えば、上記の多重特異性構築物中の抗IGFBP7抗体部分および半減期延長部分、抗IGFBP7抗体部分および第二の結合部分)の間に1またはそれを超えるリンカーを含む。抗IGFBP7構築物に使用されるリンカー(複数可)の長さ、柔軟性の程度および/または他の特性は、1またはそれを超える特定の抗原またはエピトープに対する親和性、特異性または結合活性を含むがこれらに限定されない特性に何らかの影響を及ぼし得る。例えば、より長いリンカーは、2つの隣接するドメインが互いに立体的に干渉しないことを確実にするように選択され得る。いくつかの実施形態では、リンカー(ペプチドリンカーなど)は、隣接するドメインが互いに対して自由に動くことができるように、柔軟な残基(グリシンおよびセリンなど)を含む。例えば、グリシン-セリン二重鎖は、適切なペプチドリンカーであり得る。いくつかの実施形態では、リンカーは非ペプチドリンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーはペプチドリンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーは切断不可能なリンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーは切断可能なリンカーである。
【0306】
他のリンカーの考慮事項には、得られる化合物の物理的または薬物動態学的特性、例えば溶解度、親油性、親水性、疎水性、安定性(多かれ少なかれ安定性および計画された分解)、剛性、柔軟性、免疫原性、抗体結合の調節、ミセルまたはリポソームに組み込まれる能力などへの影響が含まれる。
【0307】
ペプチドリンカー
ペプチドリンカーは、天然に存在する配列または天然に存在しない配列を有し得る。例えば、重鎖のみの抗体のヒンジ領域に由来する配列が、リンカーとして使用され得る。例えば、WO1996/34103を参照されたい。
【0308】
ペプチドリンカーは、任意の適切な長さであり得る。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、50、75、100またはそれを超えるアミノ酸長のいずれかである。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、約100、75、50、40、35、30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5個以下またはそれよりも少ないアミノ酸長のいずれかである。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーの長さは、約1アミノ酸~約10アミノ酸、約1アミノ酸~約20アミノ酸、約1アミノ酸~約30アミノ酸、約5アミノ酸~約15アミノ酸、約10アミノ酸~約25アミノ酸、約5アミノ酸~約30アミノ酸、約10アミノ酸~約30アミノ酸長、約30アミノ酸~約50アミノ酸、約50アミノ酸~約100アミノ酸、または約1アミノ酸~約100アミノ酸のいずれかである。
【0309】
このようなペプチドリンカーの本質的な技術的特徴は、前記ペプチドリンカーが重合活性を含まないことである。二次構造の促進の非存在を含むペプチドリンカーの特徴は当技術分野で公知であり、例えばDall’Acqua et al.(Biochem.(1998)37,9266-9273),Cheadle et al.(Mol Immunol(1992)29,21-30)およびRaag and Whitlow(FASEB(1995)9(1),73-80)に記載されている。「ペプチドリンカー」との関連における特に好ましいアミノ酸はGlyである。さらに、二次構造も促進しないペプチドリンカーが好ましい。ドメインの互いに対する連結は、例えば、遺伝子工学によって提供することができる。融合され操作可能に連結された二重特異性一本鎖構築物を調製し、それらを哺乳動物細胞または細菌において発現させるための方法は、当技術分野で周知である(例えば、国際公開第99/54440号、Ausubel,Current Protocols in Molecular Biology,Green Publishing Associates and Wiley Interscience,N.Y.1989 and 1994またはSambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,2001)。
【0310】
ペプチドリンカーは、プロテアーゼ、特にマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)によって切断されない安定なリンカーであり得る。
【0311】
リンカーは、柔軟なリンカーであってもよい。例示的な柔軟なリンカーとしては、グリシンポリマー(G)n(配列番号54)、グリシン-セリンポリマー(例えば、(GS)n(配列番号55)、(GSGGS)n(配列番号56)、(GGGGS)n(配列番号57)、および(GGGS)n(配列番号58)を含み、nは少なくとも1の整数である)、グリシン-アラニンポリマー、アラニン-セリンポリマー、および当技術分野で公知の他の柔軟なリンカーが挙げられる。グリシンおよびグリシン-セリンポリマーは比較的構造化されていないため、成分間の中性テザーとして機能することができる。グリシンは、アラニンよりもはるかに多くのphi-psi空間にアクセスし、より長い側鎖を有する残基よりもはるかに制限されない(Scheraga,Rev.Computational Chem.11 173-142(1992)を参照のこと)。当業者は、抗体融合タンパク質の設計が、全体または部分的に柔軟であるリンカーを含むことができ、その結果、リンカーが、柔軟なリンカー部分、ならびに所望の抗体または融合タンパク質構造を提供するために柔軟性が低い構造を与える1またはそれを超える部分を含み得ることを認識するであろう。
【0312】
さらに、例示的なリンカーはまた、(GGGGS)n(配列番号57)などのアミノ酸配列を含み、nは1~8の整数であり、例えば、(GGGGS)3(配列番号59;以下「(G4S)3」または「GS3」という)、または(GGGGS)6(配列番号60;以下「(G4S)6」または「GS6」という)。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、(GSTSGSGKPGSGEGS)n(配列番号61)のアミノ酸配列を含み、nは1~3の整数である。
【0313】
非ペプチドリンカー
2つの部分のカップリングは、両方の構成要素がそれぞれの活性、例えば、それぞれ抗IGFBP7多重特異性抗体中のIGFBP7および第二の薬剤への結合を保持する限り、2つの分子を結合する任意の化学反応によって達成され得る。この結合は、多くの化学的機構、例えば共有結合、親和性結合、インターカレーション、配位結合および錯化を含み得る。いくつかの実施形態では、結合は共有結合である。共有結合は、既存の側鎖の直接縮合または外部架橋分子の組み込みのいずれかによって達成することができる。多くの二価または多価連結剤は、この文脈においてタンパク質分子をカップリングするのに有用であり得る。例えば、代表的なカップリング剤は、チオエステル、カルボジイミド、スクシンイミドエステル、ジイソシアネート、グルタルアルデヒド、ジアゾベンゼンおよびヘキサメチレンジアミンなどの有機化合物を含むことができる。この列挙は、当技術分野で公知の様々なクラスのカップリング剤を網羅することを意図するものではなく、むしろ、より一般的なカップリング剤の例である(Killen and Lindstrom,Jour.Immun.133:1335-2549(1984);Jansenら、Immunological Reviews 62:185-216(1982);およびVitettaら、Science 238:1098(1987)を参照のこと)。
【0314】
本出願において適用され得るリンカーは、文献に記載されている(例えば、MBS(M-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)の使用を記載しているRamakrishnan,S.ら、Cancer Res.44:201-208(1984)を参照のこと)。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される非ペプチドリンカーとしては:(i)EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノ-プロピル)カルボジイミド塩酸塩;(ii)SMPT(4-スクシンイミジルオキシカルボニル-アルファ-メチル-アルファ-(2-プリジル-ジチオ)-トルエン(Pierce Chem.Co.,Cat.(21558G);(iii)SPDP(スクシンイミジル-6[3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ヘキサノエート(Pierce Chem.Co.,Cat#21651G);(iv)スルホ-LC-SPDP(スルホスクシンイミジル6[3-(2-ピリジルジチオ)-プロピアンアミド]ヘキサノエート(Pierce Chem.Co.Cat.#2165-G);および(v)EDCにコンジュゲートしたスルホ-NHS(N-ヒドロキシスルホ-スクシンイミド:Pierce Chem.Co.,Cat.#24510)が挙げられる。
【0315】
上記のリンカーは、異なる属性を有する構成要素を含み、したがって、異なる生理化学的特性を有する二重特異性抗体をもたらし得る。例えば、アルキルカルボキシレートのスルホ-NHSエステルは、芳香族カルボキシレートのスルホ-NHSエステルよりも安定である。NHSエステル含有リンカーは、スルホ-NHSエステルよりも可溶性が低い。また、リンカーSMPTは、立体障害ジスルフィド結合を含み、安定性の高い抗体融合タンパク質を形成することができる。ジスルフィド結合はインビトロで切断されて利用可能な抗体融合タンパク質が少なくなるため、ジスルフィド結合は一般に、他の結合よりも安定性が低い。特に、スルホ-NHSは、カルボジイミド・カップリングの安定性を高めることができる。カルボジイミド・カップリング(EDCなど)は、スルホ-NHSと組み合わせて使用すると、カルボジイミド・カップリング反応単独よりも加水分解に対して耐性の高いエステルを形成する。
【0316】
抗IGFBP7抗体部分または構築物改変体
a)抗体親和性
抗IGFBP7抗体部分の結合特異性は、当技術分野で公知の方法によって実験的に決定することができる。そのような方法は、ウエスタンブロット、ELISA-、RIA-、ECL-、IRMA-、EIA-、BLI、SPR、BIACORE(商標)-試験およびペプチドスキャンを含むが、これらに限定されない。
【0317】
いくつかの実施形態では、抗体部分とIGFBP7との結合のKDは、約10-7 M~約10-12 M、約10-7 M~約10-8 M、約10-8 M~約10-9 M、約10-9 M~約10-10 M、約10-10 M~約10-11 M、約10-11 M~約10-12 M、約10-7 M~約10-12 M、約10-8 M~約10-12 M、約10-9 M~約10-12 M、約10-10 M~約10-12 M、約10-7 M~約10-11 M、約10-8 M~約10-11 M、約10-9 M~約10-11 M、約10-7 M~約10-10 M、約10-8 M~約10-10 M、または約10-7 M~約10-9 Mである。いくつかの実施形態では、抗体部分とIGFBP7との間の結合のKDは、約10-7 M、10-8 M、10-9 M、10-10 M、10-11 M、または10-12 Mのいずれか1つよりも強い。いくつかの実施形態では、IGFBP7はヒトIGFBP7である。
【0318】
いくつかの実施形態では、抗体部分とIGFBP7との間の結合のKonは、約103 M-1s-1~約108 M-1s-1、約103 M-1s-1~約104 M-1s-1、約104 M-1s-1~約105 M-1s-1、約105 M-1s-1~約106 M-1s-1、約106 M-1s-1~約107 M-1s-1、または約107 M-1s-1~約108 M-1s-1である。いくつかの実施形態では、抗体部分とIGFBP7との間の結合のKonは、約103 M-1s-1~約105 M-1s-1、約104 M-1s-1~約106 M-1s-1、約105 M-1s-1~約107 M-1s-1、約106 M-1s-1~約108 M-1s-1、約104 M-1s-1~約107 M-1s-1、または約105 M-1s-1~約108 M-1s-1である。いくつかの実施形態では、抗体部分とIGFBP7との間の結合のKonは、約103 M-1s-1、104 M-1s-1、105 M-1s-1、106 M-1s-1、107 M-1s-1または108 M-1s-1のいずれか1つ以下である。いくつかの実施形態では、IGFBP7はヒトIGFBP7である。
【0319】
いくつかの実施形態では、抗体部分とIGFBP7との間の結合のKoffは、約1 s-1~約10-6 s-1、約1 s-1~約10-2 s-1、約10-2 s-1~約10-3 s-1、約10-3 s-1~約10-4 s-1、約10-4 s-1~約10-5 s-1、約10-5 s-1~約10-6 s-1、約1s-1~約10-5 s-1、約10-2 s-1~約10-6 s-1、約10-3 s-1~約10-6 s-1、約10-4 s-1~約10-6 s-1、約10-2 s-1~約10-5 s-1、または約10-3 s-1~約10-5 s-1である。いくつかの実施形態では、抗体部分とIGFBP7との間の結合のKoffは、少なくとも約1s-1、10-2 s-1、10-3 s-1、10-4 s-1、10-5 s-1または10-6 s-1のいずれか1つである。いくつかの実施形態では、IGFBP7はヒトIGFBP7である。
【0320】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7抗体部分または抗IGFBP7構築物の結合親和性は、既存の抗IGFBP7抗体(例えば、抗ヒトIGFBP7抗体、例えば、MM01)よりも高い(例えば、KD値がより小さい)。
【0321】
b)キメラ抗体またはヒト化抗体
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7抗体部分はキメラ抗体である。特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号;およびMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984))に記載されている。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、ラマ由来の可変領域)およびヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、クラスまたはサブクラスが親抗体のものから変更されている「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体には、その抗原結合断片が含まれる。
【0322】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7抗体はヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、親非ヒト抗体の特異性および親和性を保持しながら、ヒトに対する免疫原性を低下させるためにヒト化される。一般に、ヒト化抗体は、HVR、例えばCDR(またはその一部)が非ヒト抗体に由来し、FR(またはその一部)がヒト抗体配列に由来する1またはそれを超える可変ドメインを含む。ヒト化抗体は、必要に応じて、ヒト定常領域の少なくとも一部も含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体中のいくつかのFR残基は、例えば、抗体の特異性または親和性を回復または改善するために、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)からの対応する残基で置換される。
【0323】
ヒト化抗体およびその作製方法は、例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)に概説されており、例えば以下にさらに記載されている:Riechmann et al.,Nature 332:323-329(1988);Queen et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029-10033(1989);米国特許第5,821,337号、第7,527,791号、第6,982,321号、および第7,087,409号;Kashmiri et al.,Methods 36:25-34(2005)(SDR(a-CDR)グラフトを記載);Padlan,Mol.Immunol.28:489-498(1991)(「リサーフェシング」を記載);Dall’Acqua et al.,Methods 36:43-60(2005)(「FRシャッフリング」を記載);ならびにOsbourn et al.,Methods 36:61-68(2005)およびKlimka et al.,Br.J.Cancer,83:252-260(2000)(FRシャッフリングに対する「ガイド選択」アプローチを記載)。
【0324】
ヒト化のために使用され得るヒトフレームワーク領域としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:「ベストフィット」法を使用して選択されたフレームワーク領域(例えば、Sims et al.J.Immunol.151:2296(1993)を参照);軽鎖可変領域または重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワーク領域(例えば、Carter et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);およびPresta et al.J.Immunol.,151:2623(1993)を参照);ヒト成熟(体細胞変異)フレームワーク領域またはヒト生殖系列フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)を参照);およびFRライブラリーのスクリーニングに由来するフレームワーク領域(例えば、Baca et al.,J.Biol.Chem.272:10678-10684(1997)およびRosok et al.,J.Biol.Chem.271:22611-22618(1996)を参照)。
【0325】
非ヒト由来抗体のヒト化は、一般的かつ日常的に使用されている技術であることが理解される。したがって、配列表に開示される抗IGFBP7抗体のいずれかおよびすべてのヒト化フォーマットは、前臨床または臨床の状況で使用することができることが理解される。参照される抗IGFBP7抗体またはその抗原結合領域のいずれかのヒト化フォーマットがそのような前臨床または臨床の状況で使用される場合、ヒト化フォーマットは、元の非ヒト化フォーマットと同一または類似の生物学的活性およびプロファイルを有すると予想される。
【0326】
c)ヒト抗体
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7抗体部分はヒト抗体(ヒトドメイン抗体またはヒトDAbとして知られている)である。ヒト抗体は、当技術分野で公知の様々な技術を使用して産生することができる。ヒト抗体は、一般に、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.5:368-74(2001),Lonberg,Curr.Opin.Immunol.20:450-459(2008)、およびChen,Mol.Immunol.47(4):912-21(2010)に記載されている。完全ヒト単一ドメイン抗体(またはDAb)を産生することができるトランスジェニックマウスまたはラットは、当技術分野で公知である。例えば、US20090307787A1、米国特許第8,754,287号、US20150289489A1、US20100122358A1、およびWO2004049794を参照のこと。
【0327】
ヒト抗体(例えば、ヒトDAb)は、抗原チャレンジに応答して、インタクトなヒト抗体またはヒト可変領域を有するインタクトな抗体を産生するように改変されたトランスジェニック動物に免疫原を投与することによって調製され得る。そのような動物は、典型的には、内因性免疫グロブリン遺伝子座を置換するか、染色体外に存在するか、または動物の染色体にランダムに組み込まれた、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部または一部を含む。そのようなトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は一般に不活性化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の総説については、Lonberg,Nat.Biotech.23:1117-1125(2005)を参照のこと。例えば、米国特許第6,075,181号および第6,150,584号(XENOMOUSE(商標)技術を記載);米国特許第5,770,429号(HuMab(登録商標)を記載);米国特許第7,041,870号(K-M MOUSE(登録商標)を記載)、および米国特許出願番号2007/0061900(VelociMouse(登録商標)を記載)を参照のこと。そのような動物によって生成されたインタクトな抗体からのヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることによってさらに改変され得る。
【0328】
ヒト抗体(例えば、ヒトDAb)もまた、ハイブリドーマに基づく方法によって作製することができる。ヒトモノクローナル抗体を産生するためのヒト骨髄腫およびマウス-ヒトヘテロミエローマ細胞株が記載されている(例えば、Kozbor J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987);およびBoerner et al.,J.Immunol.,147:86(1991)を参照のこと)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されたヒト抗体もまた、Li et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(2006)に記載されている。さらなる方法としては、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の産生を記載)およびNi,Xiandai Mianyixue,26(4):265-268(2006)(ヒト-ヒトハイブリドーマを記載)に記載されているものが挙げられる。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)はまた、Vollmers and Brandlein,Histology and Histopathology,20(3):927-937(2005)およびVollmers and Brandlein,Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology,27(3):185-91(2005)に記載されている。
【0329】
ヒト抗体(例えば、ヒトDAb)はまた、ヒト由来ファージディスプレイライブラリーから選択されるFvクローン可変ドメイン配列を単離することによって作製され得る。次いで、そのような可変ドメイン配列を所望のヒト定常ドメインと組み合わせることができる。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択するための技術を以下に記載する。
【0330】
d)ライブラリー由来抗体
本明細書中に記載される抗IGFBP7抗体部分は、所望の1つまたは複数の活性を有する抗体についてコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって単離され得る。例えば、ファージディスプレイライブラリーを作製し、所望の結合特性を有する抗体についてそのようなライブラリーをスクリーニングするための様々な方法が当技術分野で公知である。そのような方法は、例えば、HoogenboomらのMethods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2001)に概説されており、さらに例えばMcCafferty et al.,Nature 348:552-554;Clackson et al.,Nature 352:624-628(1991);Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581-597(1992);Marks and Bradbury,in Methods in Molecular Biology 248:161-175(Lo,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2003);Sidhu et al.,J.Mol.Biol.338(2):299-310(2004);Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073-1093(2004);Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467-12472(2004);and Lee et al.,J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004)に記載されている。単一ドメイン抗体ライブラリーを構築するための方法が記載されており、例えば米国特許第7371849号を参照。
【0331】
ある特定のファージディスプレイ法では、VHおよびVL遺伝子のレパートリーをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって別々にクローニングし、ファージライブラリーにおいてランダムに組み替え、次いでこれを、Winter et al.,Ann.Rev.Immunol.,12:433-455(1994)に記載されるように抗原結合ファージについてスクリーニングできる。ファージは、典型的には、scFvフラグメントまたはFabフラグメントのいずれかとして抗体フラグメントを提示する。免疫化された供給源からのライブラリーは、ハイブリドーマを構築する必要なしに免疫原に対する高親和性抗体を提供する。あるいは、Griffiths et al.,EMBO J,12:725-734(1993)に記載されているように、免疫化を一切することなく、ナイーブレパートリーをクローニングして(例えば、ヒト由来)、広範囲の非自己抗原および自己抗原に対する単一の抗体供給源を提供することができる。最後に、Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381-388(1992)によって記載されるように、幹細胞から再編成されていないV遺伝子セグメントをクローニングし、ランダム配列を含有するPCRプライマーを使用して高度に可変性のCDR3領域をコードし、インビトロで再編成を達成することによって、ナイーブライブラリーを合成的に作製することもできる。ヒト抗体ファージライブラリーを記載する特許公報としては、例えば、米国特許第5,750,373号、ならびに米国特許出願公開第2005/0079574号、同第2005/0119455号、同第2005/0266000号、同第2007/0117126号、同第2007/0160598号、同第2007/0237764号、同第2007/0292936号および同第2009/0002360号が挙げられる。
【0332】
ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体または抗体フラグメントは、本明細書ではヒト抗体またはヒト抗体フラグメントと見なされる。
【0333】
e)置換、挿入、欠失および改変体
いくつかの実施形態では、1またはそれを超えるアミノ酸置換を有する抗IGFBP7抗体改変体が提供される。置換突然変異誘発のための関心部位としては、HVR(またはCDR)およびFRが挙げられる。保存的置換を「好ましい置換」という見出しの下で表2に示す。より実質的な変化は、「例示的な置換」という見出しの下で表2に提供されており、アミノ酸側鎖クラスを参照して以下にさらに記載される。アミノ酸置換を目的の抗体に導入し、その産物を、所望の活性、例えば、保持された/改善された抗原結合、低下した免疫原性、または改善されたADCCもしくはCDCについてスクリーニングすることができる。
【表2】
【0334】
アミノ酸は、一般的な側鎖特性に従ってグループ分けされ得る:(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;(3)酸性:Asp、Glu;(4)塩基性:His、Lys、Arg;(5)鎖配向に影響する残基:Gly、Pro;および(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0335】
非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーを別のクラスと交換することを伴う。
【0336】
1つのタイプの置換改変体は、親抗体(例えば、ヒト化抗体またはヒト抗体)の1またはそれを超える超可変領域残基を置換することを含む。一般に、さらなる研究のために選択された得られた改変体(複数可)は、親抗体と比較して特定の生物学的特性(例えば、親和性の増加、免疫原性の低下、溶解性の改善)に改変(例えば、改良)を有する、および/または親抗体の特定の生物学的特性を実質的に保持する。例示的な置換改変体は親和性成熟抗体であり、例えば、本明細書に記載されるものなどのファージディスプレイに基づく親和性成熟技術を使用して簡便に生成することができる。簡潔には、1またはそれを超えるHVR残基を変異させ、改変体抗体をファージ上に提示し、特定の生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングする。
【0337】
例えば、抗体親和性を改善するために、HVRに改変(例えば、置換)を行ってもよい。そのような改変は、HVR「ホットスポット」、すなわち体細胞成熟プロセス中に高頻度で突然変異を受けるコドン(例えば、Chowdhury,Methods Mol.Biol.207:179-196(2008)を参照)および/またはSDR(a-CDR)によってコードされる残基において行われ得、得られた改変体VHまたはVLは結合親和性について試験される。二次ライブラリーを構築して再選択することによる親和性成熟は、例えば、Hoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,(2001))に記載されている。親和性成熟のいくつかの実施形態では、多様性は、様々な方法(例えば、エラープローンPCR、鎖シャッフリング、またはオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発)のいずれかによって成熟のために選択された可変遺伝子に導入される。次に、二次ライブラリーが作成される。次いで、ライブラリーをスクリーニングして、所望の親和性を有する任意の抗体改変体を同定する。多様性を導入する別の方法は、いくつかのHVR残基(例えば、一度に4~6残基)をランダム化するHVR指向アプローチを含む。抗原結合に関与するHVR残基は、例えばアラニン走査突然変異誘発またはモデリングを使用して特異的に同定され得る。特にCDR-H3およびCDR-L3がしばしば標的とされる。
【0338】
いくつかの実施形態では、置換、挿入または欠失は、そのような変更が抗原に結合する抗体の能力を実質的に低下させない限り、1またはそれを超えるHVR内で起こり得る。例えば、結合親和性を実質的に低下させない保存的変更(例えば、本明細書で提供される保存的置換)をHVRにおいて行うことができる。そのような変更は、HVR「ホットスポット」またはCDRの外側であり得る。
【0339】
突然変異誘発の標的となり得る抗体の残基または領域を同定するための有用な方法は、Cunningham and Wells(1989)Science,244:1081-1085に記載されている「アラニンスキャニング突然変異誘発」と呼ばれる。この方法では、標的残基(例えば、Arg、Asp、His、LysおよびGluなどの荷電残基)の残基または群が同定され、中性または負に荷電したアミノ酸(例えば、アラニンまたはポリアラニン)で置き換えられて、抗体と抗原との相互作用が影響を受けるかどうか決定される。さらなる置換を、最初の置換に対する機能的感受性を示すアミノ酸位置に導入することができる。あるいは、またはさらに、抗体と抗原との間の接触点を同定するための抗原-抗体複合体の結晶構造である。そのような接触残基および隣接残基は、置換の候補として標的化または排除され得る。改変体をスクリーニングして、それらが所望の特性を含むかどうかを決定することができる。
【0340】
アミノ酸配列挿入には、1つの残基から100個またはそれを超える残基を含有するポリペプチドに及ぶ長さのアミノ末端および/またはカルボキシル末端融合、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入が含まれる。末端挿入の例としては、N末端メチオニル残基を有する抗体が挙げられる。抗体分子の他の挿入改変体には、抗体の血清半減期を増加させる酵素(例えば、ADEPT用)またはポリペプチドに対する抗体のN末端またはC末端への融合が含まれる。
【0341】
f)グリコシル化改変体
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、構築物がグリコシル化される程度を増加または減少させるように変更される。抗体へのグリコシル化部位の付加または欠失は、1またはそれを超えるグリコシル化部位が作成または除去されるようにアミノ酸配列を変更することによって都合よく達成され得る。
【0342】
抗IGFBP7構築物がFc領域を含む場合、それに結合した炭水化物は変化し得る。哺乳動物細胞によって産生されるネイティブ抗体は、典型的には、Fc領域のCH2ドメインのAsn297にN結合によって一般に結合している分岐型の二分岐オリゴ糖を含む。例えば、Wright et al.TIBTECH 15:26-32(1997)を参照されたい。オリゴ糖は、様々な炭水化物、例えば、マンノース、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトースおよびシアル酸、ならびに二分岐オリゴ糖構造の「ステム」においてGlcNAcに結合したフコースを含み得る。いくつかの実施形態では、抗体部分のオリゴ糖の修飾は、特定の改善された特性を有する抗体改変体を作製するために行われ得る。
【0343】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、Fc領域に(直接的または間接的に)結合したフコースを欠く炭水化物構造を有する。例えば、そのような抗体中のフコースの量は、1%~80%、1%~65%、5%~65%または20%~40%であり得る。フコースの量は、例えば、国際公開第2008/077546号に記載されているように、MALDI-TOF質量分析によって測定した場合のAsn297に結合したすべての糖構造の合計(例えば、複合、ハイブリッドおよび高マンノース構造)に対する、Asn297における糖鎖内のフコースの平均量を計算することによって決定される。Asn297は、Fc領域の約297位に位置するアスパラギン残基を指すが(Fc領域残基のEUナンバリング);Asn297はまた、抗体におけるわずかな配列変異に起因して、位置297の約±3アミノ酸上流または下流、すなわち、位置294と300との間に位置する場合がある。そのようなフコシル化改変体は、改善されたADCC機能を有し得る。例えば、米国特許出願公開番号US 2003/0157108(Presta,L.);US 2004/0093621(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)。「脱フコシル化」または「フコース欠損」抗体改変体に関連する刊行物の例としては以下が挙げられる:US 2003/0157108;WO 2000/61739;WO 2001/29246;US 2003/0115614;US 2002/0164328;US 2004/0093621;US 2004/0132140;US 2004/0110704;US 2004/0110282;US 2004/0109865;WO 2003/085119;WO 2003/084570;WO 2005/035586;WO 2005/035778;WO2005/053742;WO2002/031140;Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239-1249(2004);Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)。脱フコシル化抗体を産生することができる細胞株の例としては、タンパク質フコシル化が欠損したLec13 CHO細胞(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533-545(1986);米国特許出願番号US 2003/0157108 A1,Presta,L;およびWO 2004/056312 A1,Adams et al.、特に実施例11)、およびノックアウト細胞株、例えばアルファ-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞(例えば、Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004);Kanda,Y.et al.,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680-688(2006);およびWO2003/085107)が挙げられる。
【0344】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、例えば、抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖がGlcNAcによって二等分されている、二等分オリゴ糖を有する。そのような抗体改変体は、フコシル化の減少および/またはADCC機能の改善を有し得る。そのような抗体改変体の例は、例えばWO 2003/011878(Jean-Mairetら);米国特許第6,602,684号(Umanaら);およびUS 2005/0123546(Umanaら)に記載されている。Fc領域に結合したオリゴ糖中に少なくとも1つのガラクトース残基を有する抗体改変体も提供される。そのような抗体改変体は、改善されたCDC機能を有し得る。そのような抗体改変体は、例えばWO 1997/30087(Patelら);WO 1998/58964(Raju,S.);およびWO 1999/22764(Raju,S.)に記載されている。
【0345】
g)Fc領域改変体
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、Fc断片を含む。
【0346】
「Fc領域」、「Fcドメイン」、「Fcフラグメント」または「Fc」という用語は、定常領域の少なくとも一部を含有する免疫グロブリン重鎖のC末端非抗原結合領域を指す。この用語は、天然Fc領域および改変体Fc領域を含む。いくつかの実施形態では、ヒトIgG重鎖Fc領域は、重鎖のCys226からカルボキシル末端まで延在する。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、Fc領域の構造または安定性に影響を及ぼすことなく、存在しても存在しなくてもよい。本明細書において別段の指定がない限り、IgGまたはFc領域中のアミノ酸残基のナンバリングは、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991に記載されているように、EUインデックスとも呼ばれる抗体のEUナンバリングシステムに従う。
【0347】
いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、IgG、IgA、IgD、IgE、IgM、およびそれらの組み合わせおよびハイブリッドからなる群より選択される免疫グロブリンに由来する。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、およびそれらの組み合わせおよびハイブリッドからなる群より選択される免疫グロブリンに由来する。
【0348】
いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、対応する野生型Fcフラグメントと比較して減少したエフェクター機能(例えば、抗体依存性細胞傷害(ADCC)のレベルによって測定して、少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%または95%減少したエフェクター機能)を有する。
【0349】
いくつかの実施形態では、Fc断片はIgG1 Fc断片である。いくつかの実施形態では、IgG1 Fc断片は、L234A突然変異および/またはL235A突然変異を含む。いくつかの実施形態では、IgG1 Fc断片は、L235A突然変異および/またはG237A突然変異を含む。いくつかの実施形態では、Fc断片はIgG2またはIgG4 Fc断片である。いくつかの実施形態では、Fc断片は、S228P、F234Aおよび/またはL235A突然変異を含むIgG4 Fc断片である。いくつかの実施形態では、Fc断片は、N297A突然変異を含む。いくつかの実施形態では、Fc断片は、N297G突然変異を含む。
【0350】
いくつかの実施形態では、1またはそれを超えるアミノ酸修飾を抗体部分のFc領域に導入し、それによってFc領域改変体を生成することができる。Fc領域改変体は、1またはそれを超えるアミノ酸位置にアミノ酸修飾(例えば、置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 Fc領域)を含み得る。
【0351】
いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、すべてではないが一部のエフェクター機能を有し、これにより、インビボでの抗体部分の半減期が重要であるが、特定のエフェクター機能(補体およびADCCなど)が不要または有害である適用の望ましい候補となる。CDCおよび/またはADCC活性の減少/枯渇を確認するために、インビトロおよび/またはインビボ細胞傷害アッセイを行うことができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイを実施して、抗体がFcγR結合を欠く(したがって、おそらくADCC活性を欠く)が、FcRn結合能を保持することを確実にすることができる。ADCCを媒介するための初代細胞であるNK細胞はFcγRIIIのみを発現し、単球はFcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIを発現する。造血細胞上のFcR発現を、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457-492(1991)の464頁の表2に要約する。目的の分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの非限定的な例は、米国特許第5,500,362号(例えば、Hellstrom,I.et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 83:7059-7063(1986)を参照)およびHellstrom,I et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 82:1499-1502(1985);5,821,337(Bruggemann,M.et al.,J.Exp.Med.166:1351-1361(1987)を参照)に記載されている。あるいは、非放射性アッセイ法を使用してもよい(例えば、フローサイトメトリーのためのACTI(商標)非放射性細胞傷害アッセイ(CellTechnology,Inc.Mountain View,CA;およびCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞傷害アッセイ(Promega,Madison,WIを参照のこと)。そのようなアッセイに有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。代替において、または、加えて、目的とする分子のADCC活性は、インビボにおいて、例えば、Clynes et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 95:652-656(1998)に開示されるような動物モデルにおいて評価され得る。抗体がC1qに結合することができず、したがってCDC活性を欠くことを確認するために、C1q結合アッセイを行うこともできる。例えば、国際公開第2006/029879号および国際公開第2005/100402号のC1qおよびC3c結合ELISAを参照されたい。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを実施することができる(例えば、Gazzano-Santoro et al.,J.Immunol.Methods 202:163(1996);Cragg,M.S.et al.,Blood 101:1045-1052(2003);およびCragg,M.S.and M.J.Glennie,Blood 103:2738-2743(2004)を参照のこと)。FcRn結合およびインビボでのクリアランス/半減期の決定もまた、当該分野で公知の方法を用いて行うことができる(例えば、Petkova,S.B.et al.,Int’l.Immunol.18(12):1759-1769(2006)を参照のこと)。
【0352】
エフェクター機能が低下した抗体には、Fc領域残基238、265、269、270、297、327および329のうちの1またはそれを超える置換がされたものが含まれる(米国特許第6,737,056号)。そのようなFc変異体には、残基265および297がアラニンに置換されたいわゆる 「DANA」Fc変異体(米国特許第7,332,581号)を含む、アミノ酸位置265、269、270、297および327のうちの2つまたはそれを超える置換を有するFc変異体が含まれる。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、N297A変異を含む。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、N297G変異を含む。
【0353】
FcRへの結合が改善または減少した一定の抗体改変体が記載されている。(例えば、米国特許第6,737,056号;国際公開第2004/056312号、およびShields et al.,J.Biol.Chem.9(2):6591-6604(2001)を参照のこと。)
【0354】
いくつかの実施形態では、FcフラグメントはIgG1 Fcフラグメントである。いくつかの実施形態において、IgG1 Fcフラグメントは、L234A変異および/またはL235A変異を含む。いくつかの実施形態において、IgG1 Fcフラグメントは、L235A変異および/またはG237A変異を含む。いくつかの実施形態では、FcフラグメントはIgG2またはIgG4 Fcフラグメントである。いくつかの実施形態では、Fcフラグメントは、S228P、F234Aおよび/またはL235A変異を含むIgG4 Fcフラグメントである。
【0355】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、ADCCを改善する1またはそれを超えるアミノ酸置換、例えばFc領域の298、333および/または334の位置の置換(残基のEUナンバリング)を有するFc領域を含む。
【0356】
いくつかの実施形態では、例えば、米国特許第6,194,551号、WO 99/51642、およびIdusogie et al.J.Immunol.164:4178-4184(2000)に記載されるように、C1q結合および/または補体依存性細胞傷害(CDC)の変更(すなわち、改善または減少のいずれか)をもたらすFc領域に変更が加えられる。
【0357】
いくつかの実施形態では、Fc断片は、Thr250、Met252、Ser254、The256、Thr307。Glu 380、Met428、His433、および/またはAsn 434に1またはそれを超える突然変異を有する。
【0358】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、半減期を変化させるおよび/または新生児型Fc受容体(FcRn)への結合を変化させる1またはそれを超えるアミノ酸置換を含む改変体Fc領域を含む。半減期が増加し、母体IgGの胎児への移行(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)およびKim et al.,J.Immunol.24:249(1994))を担う新生児型Fc受容体(FcRn)への結合が改善された抗体は、US2005/0014934A1(Hintonら)に記載されている。これらの抗体は、Fc領域のFcRnへの結合を変化させる1またはそれを超える置換を有するFc領域を含む。そのようなFc改変体には、1またはそれを超えるFc領域残基(例えばFc領域残基434)に置換の置換を有するものが含まれる(米国特許第7,371,826号)。
【0359】
Duncan&Winter,Nature 322:738-40(1988);米国特許第5,648,260号;米国特許第5,624,821号;米国特許第8,163,881号;およびFc領域改変体の他の例に関するWO 94/29351も参照のこと。
【0360】
h)システイン操作抗体改変体
いくつかの実施形態では、抗体の1またはそれを超える残基がシステイン残基で置換されているシステイン操作抗体部分、例えば「チオMAb」を作製することが望ましい場合がある。特定の実施形態では、置換残基は、抗体のアクセス可能な部位に存在する。それらの残基をシステインで置換することによって、反応性チオール基はそれによって抗体のアクセス可能な部位に配置され、本明細書にさらに記載されるように、抗体を薬物部分またはリンカー-薬物部分などの他の部分にコンジュゲートして免疫コンジュゲートを作製するために使用され得る。いくつかの実施形態では、以下のいずれか1またはそれを超える残基がシステインで置換され得る:重鎖のA118(EUナンバリング);および重鎖Fc領域のS400(EUナンバリング)。システイン操作された抗体部分は、例えば、米国特許第7,521,541号に記載されているように生成され得る。
【0361】
i)抗体誘導体
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗IGFBP7抗体部分または構築物は、当技術分野で公知であり、容易に入手可能なさらなる非タンパク質性部分を含むようにさらに修飾され得る。抗体の誘導体化に適した部分には、水溶性ポリマーが含まれるが、これらに限定されない。水溶性ポリマーの非限定的な例には、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーまたはランダムコポリマーのいずれか)、およびデキストランまたはポリ(n-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロプロピレングリコールホモポリマー、プロリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中での安定性のために、製造において利点を有し得る。ポリマーは、任意の分子量であってもよく、分岐していても分岐していなくてもよい。抗体に結合するポリマーの数は様々であり得、1よりも多くのポリマーが結合する場合、それらは同じまたは異なる分子であり得る。一般に、誘導体化に使用されるポリマーの数および/または種類は、改善される抗体の特定の特性または機能、抗体誘導体が定義された条件下で診断に使用されるかどうかなどを含むがこれらに限定されない考慮事項に基づいて決定することができる。
【0362】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7抗体部分または構築物は、1またはそれを超える生物学的に活性なタンパク質、ポリペプチドまたはそれらの断片を含むようにさらに改変され得る。「生物活性」または「生物学的に活性」は、本明細書で互換的に使用される場合、特定の機能を実行するための体内の生物学的活性を示すことを意味する。例えば、タンパク質、DNAなどの特定の生体分子との組み合わせ、次いでそのような生体分子の活性の促進または阻害を意味し得る。いくつかの実施形態では、生物活性タンパク質またはその断片は、疾患または症状の予防または処置のために活性薬物物質として患者に投与されるタンパク質およびポリペプチド、ならびに診断目的に使用されるタンパク質およびポリペプチド、例えば診断試験またはインビトロアッセイで使用される酵素、ならびに疾患を予防するために患者に投与されるタンパク質およびポリペプチド(ワクチンなど)を含む。
【0363】
III.調製方法
いくつかの実施形態では、IGFBP7に特異的に結合する抗IGFBP7構築物または抗体部分、および抗IGFBP7構築物または抗体部分の調製中に産生されるポリヌクレオチド、核酸構築物、ベクター、宿主細胞、または培養培地などの組成物を調製する方法が提供される。本明細書中に記載される抗IGFBP7構築物または抗体部分または組成物は、下記において、より具体的には実施例において一般的に記載されるようないくつかのプロセスによって調製され得る。
【0364】
抗体の発現および産生
本明細書に記載される抗IGFBP7構築物またはその一部(例えば、抗IGFBP7抗体部分、例えば、抗IGFBP7二重特異性抗体)は、以下および実施例に記載されるものを含む、当技術分野における任意の公知の方法を使用して調製することができる。
【0365】
単一ドメイン抗体(sdAb)
sdAbを調製する方法が記載されており、例えば、Els Pardon et al.,Nature Protocol,2014;9(3):674を参照されたい。sdAb(VHHなど)は、ラクダ種(ラクダまたはラマなど)を免疫化し、そこからハイブリドーマを得ることなどの当技術分野で公知の方法を使用して、または当技術分野で公知の分子生物学技術を使用して単一ドメイン抗体のライブラリーをクローニングし、その後、選択されていないライブラリーの個々のクローンを用いたELISAによって、またはファージディスプレイを使用して選択することによって、得ることができる。
【0366】
sdAbの組換え産生のために、単一ドメイン抗体をコードする核酸を単離し、さらなるクローニング(DNAの増幅)または発現のために複製可能なベクターに挿入する。単一ドメイン抗体をコードするDNAは、従来の手順を使用して(例えば、抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)容易に単離され、配列決定される。多くのベクターが利用可能である。ベクターの選択は、使用される宿主細胞に部分的に依存する。一般に、好ましい宿主細胞は、以下に記載されるものを含む、原核生物または真核生物(一般に哺乳動物)起源のものである。
【0367】
モノクローナル抗体
モノクローナル抗体または抗体部分は、実質的に均一な抗体の集団から得ることができ、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、少量で存在し得る天然に存在する可能性のある突然変異および/または翻訳後修飾(例えば、異性化、アミド化)を除いて同一である。したがって、修飾語「モノクローナル」は、個別の抗体の混合物ではないという抗体の特徴を示す。例えば、モノクローナル抗体は、Kohlerら、Nature,256:495(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ法を使用して作製され得るか、または組換えDNA法(米国特許第4,816,567号)によって作製され得る。ハイブリドーマ法では、マウスまたは他の適切な宿主動物、例えばハムスターまたはラマを上記のように免疫化して、免疫化に使用したタンパク質に特異的に結合する抗体を産生するかまたは産生することができるリンパ球を誘発する。あるいは、リンパ球をインビトロで免疫化することができる。次いで、リンパ球を、ポリエチレングリコールなどの適切な融合剤を使用して骨髄腫細胞と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成するGoding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59-103(Academic Press,1986)。ラマにおける免疫化については実施例1も参照されたい。
【0368】
免疫化剤は、典型的には、抗原タンパク質またはその融合改変体を含む。一般に、ヒト起源の細胞が望まれる場合は末梢血リンパ球(「PBL」)が使用されるか、または、非ヒト哺乳動物供給源が望まれる場合は脾臓細胞もしくはリンパ節細胞が使用される。次いで、ポリエチレングリコールなどの適切な融合剤を使用してリンパ球を不死化細胞株と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成する。Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academic Press(1986),pp.59-103。
【0369】
不死化細胞株は、通常、形質転換された哺乳動物細胞、特にげっ歯類、ウシおよびヒト起源の骨髄腫細胞である。通常、ラットまたはマウス骨髄腫細胞株が使用される。このようにして調製されたハイブリドーマ細胞は、好ましくは、融合されていない親骨髄腫細胞の成長または生存を阻害する1またはそれを超える物質を含有する適切な培養培地に播種されて成長する。例えば、親骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠く場合、ハイブリドーマの培養培地には、典型的には、HGPRT欠損細胞の成長を妨げる物質であるヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンが含まれる(HAT培地)。
【0370】
好ましい不死化骨髄腫細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による抗体の安定した高レベル産生を支持し、HAT培地などの培地に感受性であるものである。これらの中でも、ネズミ骨髄腫株、例えば、MOPC-21およびMPC-11マウス腫瘍(Salk Institute Cell Distribution Center,San Diego,Calif.USAから入手可能)、およびSP-2細胞(およびその誘導体、例えばX63-Ag8-653)(American Type Culture Collection,Manassas,Va.USA.から入手可能)に由来するものが好ましい。ヒト骨髄腫およびマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞株もまた、ヒトモノクローナル抗体の産生について記載されている(Kozbor,J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeurら、Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987))。
【0371】
ハイブリドーマ細胞が成長している培養培地を、抗原に対するモノクローナル抗体の産生についてアッセイする。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降によって、またはインビトロ結合アッセイ、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)もしくは酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって決定される。
【0372】
ハイブリドーマ細胞が培養される培養培地は、所望の抗原に対するモノクローナル抗体の存在についてアッセイすることができる。好ましくは、モノクローナル抗体の結合親和性および特異性は、免疫沈降によって、またはインビトロ結合アッセイ、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)もしくは酵素結合アッセイ(ELISA)によって決定することができる。そのような技術およびアッセイは、当技術分野において公知である。例えば、結合親和性は、Scatchard analysis of Munsonら、Anal.Biochem.,107:220(1980)によって決定され得る。
【0373】
所望の特異性、親和性および/または活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞が同定された後、限界希釈手順によってクローンをサブクローニングし、標準的な方法(Goding、上記)によって成長させることができる。この目的に適した培養培地には、例えば、D-MEMまたはRPMI-1640培地が含まれる。さらに、ハイブリドーマ細胞を、哺乳動物において腫瘍としてインビボで成長させることができる。
【0374】
サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、例えば、プロテインG-セファロースプロテインA-セファロース、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィ、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティークロマトグラフィなどの従来の免疫グロブリン精製手順によって培養培地、腹水、または血清から適切に分離される。
【0375】
モノクローナル抗体はまた、組換えDNA法、例えば米国特許第4,816,567号に記載されている方法によって、上記のとおりに作製され得る。モノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順を使用して(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)容易に単離され、配列決定される。ハイブリドーマ細胞は、そのようなDNAの好ましい供給源として働く。単離されると、DNAは発現ベクターに入れられてもよく、発現ベクターはその後、免疫グロブリンタンパク質を産生しない大腸菌細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HEK細胞、または骨髄腫細胞(例えばNS0細胞)などの宿主細胞にトランスフェクトされ、そのような組換え宿主細胞においてモノクローナル抗体を合成する。一般に、好ましい宿主細胞は、以下に記載されるものを含む、原核生物または真核生物(一般に哺乳動物)起源のものである。抗体をコードするDNAの細菌における組換え発現に関する総説論文としては、Skerraら、Curr.Opinion in Immunol.,5:256-262(1993)およびPluckthun,Immunol.Revs.130:151-188(1992)が挙げられる。
【0376】
さらなる実施形態では、McCaffertyら、Nature,348:552-554(1990)に記載されている技術を使用して生成された抗体ファージライブラリーから抗体を単離することができる。Clacksonら、Nature,352:624-628(1991)およびMarksら、J.Mol.Biol.,222:581-597(1991)には、ファージライブラリーを使用したマウス抗体およびヒト抗体の単離がそれぞれ記載されている。その後の刊行物は、鎖シャッフリングによる高親和性(nM範囲)のヒト抗体の産生(Marksら、Bio/Technology,10:779-783(1992))、ならびにコンビナトリアル感染およびインビボ組換え(Waterhouseら、Nucl.Acids Res.,21:2265-2266(1993))を、非常に大きなファージライブラリーを構築するための戦略として記載している。したがって、これらの技術は、モノクローナル抗体を単離するための従来のモノクローナル抗体ハイブリドーマ技術の実行可能な代替法である。
【0377】
DNAはまた、例えば、相同マウス配列の代わりにヒト重鎖定常ドメインおよび軽鎖定常ドメインのコード配列を置換することによって(米国特許第4,816,567号;Morrisonら、Proc.Natl Acad.Sci.USA,81:6851(1984))、または非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全部または一部を免疫グロブリンコード配列に共有結合することによって改変され得る。典型的には、そのような非免疫グロブリンポリペプチドは、抗体の定常ドメインの代わりに使用されるか、または抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインの代わりに使用されて、抗原に対して特異性を有する1つの抗原結合部位および異なる抗原に対して特異性を有する別の抗原結合部位を含むキメラ二価抗体を作製する。
【0378】
本明細書に記載のモノクローナル抗体は一価であってもよく、その調製は当技術分野で周知である。例えば、1つの方法は、免疫グロブリン軽鎖および改変重鎖の組換え発現を含む。重鎖は、重鎖架橋を防ぐために、一般にFc領域の任意の点でトランケートされる。あるいは、関連するシステイン残基は、架橋を防ぐために、別のアミノ酸残基で置換されていてもよく、または欠失されていてもよい。インビトロ法はまた、一価抗体を調製するのにも適している。そのフラグメント、特にFabフラグメントを産生するための抗体の消化は、当技術分野で公知の日常的な技術を用いて達成することができる。
【0379】
キメラ抗体またはハイブリッド抗体はまた、架橋剤を含む方法を含む合成タンパク質化学における公知の方法を使用してインビトロで調製され得る。例えば、免疫毒素は、ジスルフィド交換反応を使用して、またはチオエーテル結合を形成することによって構築され得る。この目的に適した試薬の例としては、イミノチオラートおよびメチル-4-メルカプトブチルイミデートが挙げられる。
【0380】
原核細胞における組換え産生
a)ベクターの構築
本出願の抗体をコードするポリ核酸配列は、標準的な組換え技術を用いて得ることができる。所望のポリ核酸配列は、ハイブリドーマ細胞などの抗体産生細胞から単離され、配列決定され得る。あるいは、ヌクレオチド合成装置またはPCR技術を用いてポリヌクレオチドを合成することができる。一旦得られると、ポリペプチドをコードする配列を、原核生物宿主において異種ポリヌクレオチドを複製および発現することができる組換えベクターに挿入する。本発明の目的のために、当技術分野で入手可能で公知の多くのベクターを使用することができる。適切なベクターの選択は、ベクターに挿入される核酸のサイズおよびベクターで形質転換される特定の宿主細胞に主に依存する。各ベクターは、その機能(異種ポリヌクレオチドの増幅もしくは発現、またはその両方)およびそれが存在する特定の宿主細胞とのその適合性に応じて、様々な成分を含む。ベクター成分には、一般に、複製起点、選択マーカー遺伝子、プロモーター、リボソーム結合部位(RBS)、シグナル配列、異種核酸インサートおよび転写終結配列が含まれるが、これらに限定されない。
【0381】
本発明は、本出願の分泌されて適切に組み立てられた抗体の収率を最大化するために、発現されるポリペプチド成分の定量的比を調節することができる発現系を提供する。そのような調節は、ポリペプチド成分の翻訳強度を同時に調節することによって少なくとも部分的に達成される。翻訳強度を調節するための1つの技術は、Simmonsら、米国特許第5,840,523号に開示されている。それは、シストロン内の翻訳開始領域(TIR)の改変体を利用する。所与のTIRについて、一連のアミノ酸または核酸配列改変体を、ある範囲の翻訳強度で作製することができ、それにより、この因子を特定の鎖の所望の発現レベルに調整する簡便な手段が提供される。TIR改変体は、アミノ酸配列を変化させることができるコドン変化をもたらす従来の突然変異誘発技術によって生成することができるが、核酸配列のサイレント変化が好ましい。TIRの変化は、例えば、シャイン-ダルガルノ配列の数または間隔の変化を、シグナル配列の変化と共に含むことができる。変異シグナル配列の生成方法の1つとして、シグナル配列のアミノ酸配列を変化させないコード配列の先頭に「コドンバンク」を生成する方法がある(すなわち、変化はサイレントである)。これは、各コドンの第三のヌクレオチド位置を変更することによって達成することができる。さらに、ロイシン、セリン、およびアルギニンなどのいくつかのアミノ酸は、バンクを作製する際に複雑さを増すことができる複数の第一および第二の位置を有する。
【0382】
好ましくは、その中の各シストロンについてTIR強度の範囲を有するベクターのセットが生成される。この限られたセットは、様々なTIR強度の組み合わせの下で、各鎖の発現レベルならびに所望のタンパク質産物の収率の比較を提供する。TIR強度は、Simmonsらの米国特許第5,840,523号に詳細に記載されているように、レポーター遺伝子の発現レベルを定量することによって決定することができる。翻訳強度の比較に基づいて、所望の個々のTIRが、本出願の発現ベクター構築物において組み合わされるように選択される。
【0383】
b)原核生物宿主細胞
本出願の抗体を発現するのに適した原核宿主細胞には、古細菌および真正細菌、例えばグラム陰性またはグラム陽性生物が含まれる。有用な細菌の例としては、Escherichia(例えば、大腸菌)、Bacilli(例えば、B.subtilis)、Enterobacteria、Pseudomonas species(例えば、P.aeruginosa)、Salmonella typhimurium、Serratia marcescans、Klebsiella、Proteus、Shigella、Rhizobia、Vitreoscilla、またはParacoccusが挙げられる。いくつかの実施形態では、グラム陰性細胞が使用される。いくつかの実施形態では、大腸菌細胞を本発明の宿主として使用する。大腸菌株の例には、株W3110およびその誘導体が含まれ、遺伝子型W3110 AfhuA(AtonA)ptr3 lac Iq lacL8 AompT A(nmpc-fepE)degP41 kanR(米国特許第5,639,635号)を有する株33D3が含まれる。大腸菌294(ATCC 31,446)、大腸菌B、大腸菌1776(ATCC 31,537)および大腸菌RV308(ATCC 31,608)などの他の株およびその誘導体も適している。これらの例は、限定ではなく例示である。一般に、細菌の細胞内でのレプリコンの複製性を考慮して適切な細菌を選択する必要がある。例えば、pBR322、pBR325、pACYC177またはpKN410などの周知のプラスミドを用いてレプリコンを供給する場合、大腸菌、セラチアまたはサルモネラ種を宿主として好適に用いることができる。
【0384】
典型的には、宿主細胞は最小量のタンパク質分解酵素を分泌すべきであり、さらなるプロテアーゼ阻害剤が望ましくは細胞培養物に組み込まれ得る。
【0385】
c)タンパク質産生
宿主細胞を上記の発現ベクターで形質転換し、プロモーターの誘導、形質転換体の選択、または所望の配列をコードする遺伝子の増幅のために適切に改変された従来の栄養培地で培養する。形質転換は、DNAが染色体外要素としてまたは染色体組込み剤によって複製可能であるように、DNAを原核生物宿主に導入することを意味する。使用される宿主細胞に応じて、形質転換は、そのような細胞に適した標準的な技術を使用して行われる。塩化カルシウムを使用するカルシウム処理は、一般に、実質的な細胞壁バリアを含む細菌細胞に使用される。形質転換のための別の方法は、ポリエチレングリコール/DMSOを使用する。使用されるさらに別の技術はエレクトロポレーションである。
【0386】
宿主細胞を上記の発現ベクターで形質転換し、プロモーターの誘導、形質転換体の選択、または所望の配列をコードする遺伝子の増幅のために適切に改変された従来の栄養培地で培養する。形質転換は、DNAが染色体外要素としてまたは染色体組込み剤によって複製可能であるように、DNAを原核生物宿主に導入することを意味する。使用される宿主細胞に応じて、形質転換は、そのような細胞に適した標準的な技術を使用して行われる。塩化カルシウムを使用するカルシウム処理は、一般に、実質的な細胞壁バリアを含む細菌細胞に使用される。形質転換のための別の方法は、ポリエチレングリコール/DMSOを使用する。使用されるさらに別の技術はエレクトロポレーションである。
【0387】
本出願の抗体を産生するために使用される原核細胞は、当該分野で公知であり、選択された宿主細胞の培養に適した培地中で増殖される。適切な培地の例としては、ルリアブロス(LB)+必要な栄養補助剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、培地はまた、発現ベクターを含有する原核細胞の成長を選択的に可能にするために、発現ベクターの構築に基づいて選択される選択剤を含有する。例えば、アンピシリン耐性遺伝子を発現する細胞の増殖のためにアンピシリンを培地に添加する。
【0388】
d)タンパク質精製
本明細書で製造された構築物またはその一部をさらに精製して、さらなるアッセイおよび使用のために実質的に均一な調製物を得る。当技術分野で公知の標準的なタンパク質精製方法を使用することができる。以下の手順は、適切な精製手順の例である:免疫親和性またはイオン交換カラムでの分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカまたはカチオン交換樹脂、例えばDEAEでのクロマトグラフィ、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE、硫酸アンモニウム沈殿、および例えばSephadex G-75を使用したゲル濾過。
【0389】
いくつかの実施形態では、固相に固定化されたプロテインAは、本出願のFc領域を含む抗体の免疫親和性精製に使用される。プロテインAは、411(抗体のFc領域に高い親和性で結合するStaphylococcus aureas由来のD細胞壁タンパク質である(Lindmark et al(1983)J.Immunol.Meth.62:1-13)。プロテインAが固定される固相は、好ましくはガラスまたはシリカ表面を含むカラム、より好ましくは細孔制御ガラスカラムまたはケイ酸カラムである。いくつかの用途では、カラムは、汚染物質の非特異的付着を防止するためにグリセロールなどの試薬でコーティングされている。次いで、固相を洗浄して、固相に非特異的に結合した汚染物質を除去する。最後に、目的の抗体を溶出によって固相から回収する。
【0390】
真核細胞における組換え産生
真核生物発現の場合、ベクター成分には、一般に、シグナル配列、複製起点、1またはそれを超えるマーカー遺伝子、ならびにエンハンサーエレメント、プロモーターおよび転写終結配列のうちの1またはそれを超えるものが含まれるが、これらに限定されない。
【0391】
a)シグナル配列成分
真核生物宿主で使用するためのベクターはまた、成熟タンパク質またはポリペプチドのN末端に特異的切断部位を有するシグナル配列または他のポリペプチドをコードする挿入であってもよい。選択される異種シグナル配列は、好ましくは、宿主細胞によって認識され処理される(すなわち、シグナルペプチダーゼによって切断される)ものである。哺乳動物細胞発現では、哺乳動物シグナル配列ならびにウイルス分泌リーダー、例えば単純ヘルペスgDシグナルが利用可能である。
【0392】
そのような前駆体領域のDNAは、本出願の抗体をコードするDNAにリーディングフレームで連結される。
【0393】
b)複製起点
一般に、複製起点成分は哺乳動物発現ベクターに必要とされない(SV40起点は、典型的には、初期プロモーターを含有するためにのみ使用され得る)。
【0394】
c)選択遺伝子成分
発現ベクターおよびクローニングベクターは、選択マーカーとも呼ばれる選択遺伝子を含み得る。典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質または他の毒素、例えばアンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサートもしくはテトラサイクリンに対する耐性を付与する、(b)栄養要求性欠損を補完する、または(c)複合培地から利用できない重要な栄養素を供給する(例えばバチルスのD-アラニンラセマーゼをコードする遺伝子)、タンパク質をコードする。
【0395】
d)プロモーター成分
発現ベクターおよびクローニングベクターは通常、宿主生物によって認識され、所望のポリペプチド配列をコードする核酸に作動可能に連結されたプロモーターを含有する。実質的にすべての真核生物遺伝子は、転写が開始される部位から約25~30塩基上流に位置するATリッチ領域を有する。多くの遺伝子の転写開始から70空80塩基上流に見出される別の配列は、CNCAAT領域である(Nは任意のヌクレオチドであり得る)。ほとんどの真核生物の3’末端には、コード配列の3’末端にポリAテールを付加するためのシグナルであり得るAATAAA配列がある。これらの配列はすべて、真核生物発現ベクターに挿入され得る。
【0396】
原核生物宿主との使用に適した他のプロモーターには、phoAプロモーター、-ラクタマーゼおよびラクトースプロモーター系、アルカリホスファターゼプロモーター、トリプトファン(trp)プロモーター系、ならびにtacプロモーターなどのハイブリッドプロモーターが含まれる。しかしながら、他の公知の細菌プロモーターが好適である。細菌系で使用するためのプロモーターはまた、抗体をコードするDNAに作動可能に連結されたシャイン-ダルガノ(S.D.)配列を含む。
【0397】
哺乳動物宿主細胞におけるベクターからのポリペプチド転写は、例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(アデノウイルス2など)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、最も好ましくはシミアンウイルス40(SV40)などのウイルスのゲノムから得られるプロモーター、異種哺乳動物プロモーター、例えばアクチンプロモーターまたは免疫グロブリンプロモーターから得られるプロモーター、熱ショックプロモーターから得られるプロモーターによって制御されるが、ただし、そのようなプロモーターが宿主細胞系と適合性であることを条件とする。
【0398】
e)エンハンサーエレメント成分
高等真核生物による本出願の抗体をコードするDNAの転写は、エンハンサー配列をベクターに挿入することによって増加することが多い。現在、多くのエンハンサー配列が哺乳動物遺伝子から知られている(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン、インスリン)。しかしながら、典型的には、真核細胞ウイルス由来のエンハンサーを使用する。例としては、複製起点の後期側のSV40エンハンサー(100~270bp)、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。エンハンサーは、ポリペプチドをコードする配列の5’または3’の位置でベクターにスプライシングされ得るが、好ましくはプロモーターから5’の部位に位置する。
【0399】
f)転写終結成分
真核生物宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、または他の多細胞生物からの有核細胞)で使用される発現ベクターはまた、転写の終結およびmRNAの安定化に必要な配列を含む。そのような配列は、真核生物またはウイルスのDNAまたはcDNAの5’および場合により3’の非翻訳領域から一般に入手可能である。これらの領域は、ポリペプチドコードmRNAの非翻訳部分においてポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチドセグメントを含有する。1つの有用な転写終結成分は、ウシ成長ホルモンポリアデニル化領域である。国際公開第94/11026号およびそこに開示されている発現ベクターを参照されたい。
【0400】
g)宿主細胞の選択および形質転換
本明細書のベクター中のDNAのクローニングまたは発現に適した宿主細胞には、脊椎動物宿主細胞を含む本明細書に記載の高等真核生物細胞が含まれる。培養(組織培養)における脊椎動物細胞の増殖は、日常的な手順となっている。有用な哺乳動物宿主細胞株の例は、SV40(COS-7、ATCC CRL 1651)によって形質転換されたサル腎臓CV1株;ヒト胎児腎系統(懸濁培養での増殖のためにサブクローニングされた293または293細胞、Graham et al.,J.Gen Virol.36:59(1977));ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO,Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980));マウスセルトリ細胞(TM4、Mather,Biol.Reprod.23:243-251(1980));サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎細胞(VERO-76、ATCC CRL-1587);ヒト子宮頸癌細胞(HELA、ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34);バッファローラット肝細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75);ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51);TR1細胞(Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.383:44-68(1982));MRC 5細胞;FS4細胞;およびヒト肝癌株(Hep G2)である。
【0401】
宿主細胞を抗体産生のための上記の発現ベクターまたはクローニングベクターで形質転換し、プロモーターの誘導、形質転換体の選択、または所望の配列をコードする遺伝子の増幅のために適切に改変された従来の栄養培地で培養する。
【0402】
h)宿主細胞の培養
本出願の抗体を産生するために使用される宿主細胞は、様々な培地中で培養され得る。Ham’s F10(Sigma)、最小必須培地((MEM)、(Sigma)、RPMI-1640(Sigma)、およびダルベッコ改変イーグル培地((DMEM)、Sigma)などの市販の培地は、宿主細胞の培養に適している。培地には、必要に応じて、ホルモンおよび/または他の成長因子(インスリン、トランスフェリン、または上皮成長因子など)、塩(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン酸塩など)、緩衝液(HEPESなど)、ヌクレオチド(アデノシンおよびチミジンなど)、抗生物質(GENTAMYCIN(商標)薬物など)、微量元素(通常、マイクロモル範囲の最終濃度で存在する無機化合物として定義される)、ならびにグルコースまたは同等のエネルギー源が補充され得る。任意の他の必要な補助剤もまた、当業者に知られているであろう適切な濃度で含まれ得る。温度、pHなどの培養条件は、発現のために選択された宿主細胞で以前に使用されたものであり、当業者には明らかであろう。
【0403】
いくつかの実施形態では、グルタミンシンテターゼ(GS)-CHO発現系は、宿主細胞を培養するため、および/または本明細書に記載の抗IGFBP7構築物もしくはその一部を発現させるために使用される。例えば、Fan et al.,J Biotechnol.2013 Dec;168(4):652-8を参照のこと。
【0404】
i)タンパク質精製
組換え技術を使用する場合、抗体は、細胞内で、ペリプラズム空間で産生され得るか、または培地中に直接分泌され得る。抗体が細胞内で産生される場合、第一の工程として、宿主細胞または溶解された断片のいずれかの粒子状残屑を、例えば遠心分離または限外濾過によって除去する。Carter et al.,Bio/Technology 10:163-167(1992)は、大腸菌のペリプラズム空間に分泌される抗体を単離するための手順を記載している。簡潔には、細胞ペーストを、酢酸ナトリウム(pH3.5)、EDTAおよびフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)の存在下で約30分間にわたって解凍する。細胞残屑は、遠心分離によって除去することができる。抗体が培地に分泌される場合、そのような発現系からの上清は、一般に、市販のタンパク質濃縮フィルター、例えばAmiconまたはMillipore Pellicon限外濾過ユニットを使用して最初に濃縮される。PMSFなどのプロテアーゼ阻害剤が、タンパク質分解を阻害するために前述の工程のいずれかに含まれてもよく、抗生物質が、偶発的な汚染物質の増殖を防止するために含まれてもよい。
【0405】
細胞から調製されたタンパク質組成物は、例えば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィ、ゲル電気泳動、透析、マルチモーダルクロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、およびアフィニティークロマトグラフィを使用して精製することができ、アフィニティークロマトグラフィが好ましい精製技術である。アフィニティーリガンドとしてのプロテインAの適合性は、抗体中に存在する任意の免疫グロブリンFcドメインの種およびアイソタイプに依存する。プロテインAは、1、2または4重鎖を含有するヒト免疫グロブリンに基づく抗体を精製するために使用することができる。プロテインGは、すべてのマウスアイソタイプおよびヒト3に推奨される。アフィニティーリガンドが結合しているマトリックスは、ほとんどの場合アガロースであるが、他のマトリックスも利用可能である。細孔制御ガラスまたはポリ(スチレン-ジビニル)ベンゼンなどの機械的に安定なマトリックスは、アガロースで達成できるよりも速い流速および短い処理時間を可能にする。抗体がCH3ドメインを含む場合、Bakerbond ABXTM樹脂(J.T.Baker,Phillipsburg,N.J.)は精製に有用である。タンパク質精製のための他の技術、例えば、限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)、イオン交換カラムでの分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカでのクロマトグラフィ、ヘパリンでのクロマトグラフィ、陰イオン交換樹脂または陽イオン交換樹脂(例えば、ポリアスパラギン酸カラム)でのSEPHAROSE(商標)クロマトグラフィ、疎水性樹脂でのクロマトグラフィ、混合モード樹脂でのクロマトグラフィ、クロマトフォーカシング、SDS-PAGEおよび硫酸アンモニウム沈殿もまた、回収される抗体に応じて利用可能である。
【0406】
任意の予備精製工程(複数可)に続いて、目的の抗体および夾雑物を含む混合物を、約2.5~4.5のpHの溶出緩衝液を使用して、好ましくは低塩濃度(例えば、約0~0.25Mの塩)で実施する低pH疎水性相互作用クロマトグラフィに供することができる。イオン交換は、研磨工程にも使用されることが多い。
【0407】
ヒト化抗体
非ヒト抗体のヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有するキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはその断片(例えば、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2または抗体の他の抗原結合部分配列)である。ヒト化抗体には、レシピエントのCDR由来の残基が、所望の特異性、親和性および能力を有するマウス、ラット、ウサギ、ラクダまたはラマなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDR由来の残基で置き換えられたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)が含まれる。いくつかの例において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。ヒト化抗体はまた、レシピエント抗体にもインポートされたCDRまたはフレームワーク配列にも見られない残基を含むことができる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つの、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含むことができ、CDR領域のすべてまたは実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域のすべてまたは実質的にすべてがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)(典型的にはヒト免疫グロブリンのもの)の少なくとも一部を含む。例えば、Jones et al.,Nature,321:522-525(1986);Riechmann et al.,Nature,332:323-329(1988);Presta,Curr.Op.Struct.Biol.,2:593-596(1992)を参照のこと。
【0408】
非ヒト抗体をヒト化するための方法は、当技術分野で周知である。一般に、ヒト化抗体は、非ヒトである供給源から導入された1またはそれを超えるアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基はしばしば「インポート」残基と呼ばれ、これは典型的には「インポート」可変ドメインから取られる。ヒト化は、本質的に、Winterおよび共同研究者(Jones et al.,Nature 321:522-525(1986);Riechmann et al.,Nature 332:323-327(1988);Verhoeyen et al.,Science 239:1534-1536(1988))の方法に従って、または齧歯類CDRもしくはCDR配列をヒト抗体の対応する配列に置換することによって、行うことができる。したがって、そのような「ヒト化」抗体は、インタクトなヒト可変ドメインよりも実質的に少ないものが非ヒト種由来の対応する配列によって置換されているキメラ抗体(米国特許第4,816,567号)である。実際には、ヒト化抗体は、典型的には、いくつかのCDR残基および場合によってはいくつかのFR残基が齧歯類抗体の類似部位からの残基によって置換されているヒト抗体である。
【0409】
ヒト化抗体を作製する際に使用されるヒト可変ドメイン(軽鎖および重鎖の両方)の選択は、抗原性を低下させるために非常に重要である。いわゆる「ベストフィット」法によれば、齧歯類抗体の可変ドメインの配列は、既知のヒト可変ドメイン配列のライブラリー全体に対してスクリーニングされる。次いで、齧歯動物の配列に最も近いヒト配列が、ヒト化抗体のヒトフレームワーク(FR)として受け入れられる。Sims et al.,J.Immunol.,151:2296(1993);Chothia et al.,J.Mol.Biol.,196:901(1987)。別の方法は、軽鎖または重鎖の特定のサブグループのすべてのヒト抗体のコンセンサス配列に由来する特定のフレームワークを使用する。同じフレームワークがいくつかの異なるヒト化抗体に使用され得る。
【0410】
抗原に対する高い親和性および他の好ましい生物学的特性を保持して抗体をヒト化することがさらに重要である。この目的を達成するために、好ましい方法によれば、ヒト化抗体は、親配列およびヒト化配列の三次元モデルを使用して親配列および様々な概念的ヒト化産物を分析するプロセスによって調製される。三次元免疫グロブリンモデルは一般に入手可能であり、当業者によく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列の可能性のある三次元立体配座構造を図示および表示するコンピュータプログラムが利用可能である。これらのディスプレイの検査は、候補免疫グロブリン配列の機能における残基の可能性のある役割の分析、すなわち、候補免疫グロブリンがその抗原に結合する能力に影響を及ぼす残基の分析を可能にする。このようにして、FR残基は、標的抗原(複数可)に対する親和性の増加などの所望の抗体特性が達成されるように、レシピエント配列およびインポート配列から選択され、組み合わされ得る。一般に、CDR残基は、抗原結合への影響に直接的かつ最も実質的に関与する。
【0411】
いくつかの実施形態では、sdAbは、抗原に対するドメインの天然の親和性を低下させることなく、異種の種に関してその免疫原性を低下させながら、ヒト化など改変される。例えば、ラマ抗体の抗体可変ドメイン(VHH)のアミノ酸残基を決定することができ、例えばフレームワーク領域内のラクダ科のアミノ酸の1またはそれを超えるものが、そのポリペプチドがその典型的な特徴を失うことなく、ヒトコンセンサス配列に見られるそれらのヒト対応物によって置き換えられ、すなわちヒト化は、得られるポリペプチドの抗原結合能に有意に影響しない。ラクダ科sdAbのヒト化には、単一のポリペプチド鎖における限られた量のアミノ酸の導入および突然変異誘発が必要である。これは、scFv、Fab’、(Fab’)2およびIgGのヒト化とは対照的であり、これは、軽鎖および重鎖の2つの鎖におけるアミノ酸変化の導入および両鎖のアセンブリの保存を必要とする。
【0412】
ヒト抗体
ヒト化の代替として、ヒト抗体を作製することができる。例えば、現在、免疫化すると、内因性免疫グロブリン産生の非存在下でヒト抗体の完全なレパートリーを産生することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を産生することが可能である。例えば、キメラ変異マウスおよび生殖系列変異マウスにおける抗体重鎖結合領域(JH)遺伝子のホモ接合性欠失は、内因性抗体産生の完全な阻害をもたらすことが記載されている。そのような生殖系列変異マウスへのヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子アレイの移入は、抗原負荷時にヒト抗体の産生をもたらす。
【0413】
あるいは、ファージディスプレイ技術を使用して、非免疫化ドナー由来の免疫グロブリン可変(V)ドメイン遺伝子レパートリーから、インビトロでヒト抗体および抗体断片を同定することができる。McCafferty et al.,Nature 348:552-553(1990);Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.227:381(1991)。
【0414】
ヒト抗体はまた、インビトロ活性化B細胞(米国特許第5,567,610号明細書および米国特許第5,229,275号明細書を参照されたい)によって、またはファージディスプレイライブラリーを含む当技術分野で公知の様々な技術を使用することによって作製され得る(Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581(1991)。
【0415】
抗体部分をコードする核酸分子
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗IGFBP7構築物または抗体部分のいずれか1つをコードするポリヌクレオチドが提供される。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるような方法のいずれか1つを使用して調製されるポリヌクレオチドが提供される。いくつかの実施形態では、核酸分子は、本明細書に記載の抗IGFBP7単一ドメイン抗体(sdAb)部分のいずれかをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、翻訳されるとsdAbのN末端に位置するリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0416】
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドはDNAである。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドはRNAである。いくつかの実施形態では、RNAはmRNAである。
【0417】
核酸分子は、当技術分野で従来の組換えDNA技術を使用して構築され得る。いくつかの実施形態では、核酸分子は、選択された宿主細胞における発現に適した発現ベクターである。
【0418】
核酸構築物
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるポリヌクレオチドのいずれか1つを含む核酸構築物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法を使用して調製された核酸構築物が提供される。
【0419】
いくつかの実施形態では、核酸構築物は、ポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは遺伝子に対応し、プロモーターは遺伝子の野生型プロモーターである。
【0420】
ベクター
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体部分(例えば、抗IGFBP7抗体部分)または本明細書に記載の核酸構築物のいずれか1つをコードする任意のポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法を使用して調製されたベクターが提供される。抗IGFBP7 sdAb、融合タンパク質または本明細書に記載される構築物の他の形態などの抗IGFBP7構築物のいずれかをコードするポリヌクレオチドを含むベクターも提供される。そのようなベクターとしては、限定されないが、DNAベクター、ファージベクター、ウイルスベクター、レトロウイルスベクターなどが挙げられる。
【0421】
いくつかの実施形態では、CHOもしくはCHO由来細胞またはNSO細胞におけるポリペプチドの発現に最適化されたベクターが選択される。例示的なそのようなベクターは、例えば、Running Deer et al.,Biotechnol.Prog.20:880-889(2004)に記載されている。
【0422】
宿主細胞
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意のポリペプチド、核酸構築物および/またはベクターを含む宿主細胞が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法を使用して調製された宿主細胞が提供される。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、発酵条件下で、本明細書に記載の抗体部分のいずれかを産生することができる。
【0423】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体部分(例えば、抗IGFBP7抗体部分)は、原核細胞、例えば細菌細胞;または真核細胞、例えば真菌細胞(酵母など)、植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞で発現され得る。そのような発現は、例えば、当技術分野で公知の手順に従って行われ得る。ポリペプチドを発現するために使用され得る例示的な真核細胞には、COS7細胞を含むCOS細胞;293-6E細胞を含む293細胞;CHO-S、DG44。Lec13 CHO細胞、FUT8 CHO細胞、およびCHO GS細胞(Sigma)を含むCHO細胞;PER.C6(登録商標)細胞(Crucell);およびNSO細胞が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体部分(例えば、抗IGFBP7抗体部分)は、酵母で発現され得る。例えば、米国特許出願公開第2006/0270045号を参照されたい。いくつかの実施形態では、特定の真核宿主細胞は、抗体部分または構築物に所望の翻訳後修飾を行う能力に基づいて選択される。例えば、いくつかの実施形態では、CHO細胞は、293細胞で産生される同じポリペプチドよりも高いレベルのシアリル化を有するポリペプチドを産生する。
【0424】
所望の宿主細胞への1またはそれを超える核酸の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染などを含むがこれらに限定されない任意の方法によって達成され得る。非限定的な例示的方法は、例えば、Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,3rd ed.Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)に記載されている。核酸は、任意の適切な方法に従って、所望の宿主細胞に一過性または安定にトランスフェクトされ得る。
【0425】
本出願はまた、本明細書中に記載されるポリヌクレオチドまたはベクターのいずれかを含む宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、抗IGFBP7抗体を含む宿主細胞を提供する。目的の抗体、ポリペプチドまたはタンパク質をコードする遺伝子を単離する目的で、異種DNAを過剰発現することができる任意の宿主細胞を使用することができる。哺乳動物宿主細胞の非限定的な例には、COS、HeLaおよびCHO細胞が含まれるが、これらに限定されない。PCT公開番号WO87/04462も参照されたい。適切な非哺乳動物宿主細胞には、原核生物(例えば、E.coliまたはB.subtillis)および酵母(例えば、S.cerevisae、S.pombe;またはK.lactis)が含まれる。
【0426】
いくつかの実施形態では、抗体部分は無細胞系で産生される。非限定的な例示的な無細胞系は、例えば、Sitaramanら、Methods Mol.Biol.498:229-44(2009);Spirin,Trends Biotechnol.22:538-45(2004);Endoら、Biotechnol.Adv.21:695-713(2003)に記載されている。
【0427】
培養培地
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の抗体部分、ポリヌクレオチド、核酸構築物、ベクター、および/または宿主細胞を含む培養培地が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法を使用して調製された培養培地が提供される。
【0428】
いくつかの実施形態では、培地は、ヒポキサンチン、アミノプテリンおよび/またはチミジン(例えば、HAT媒体)を含む。いくつかの実施形態では、培地は血清を含まない。いくつかの実施形態では、培地は化学的に定義される。いくつかの実施形態では、培地は血清を含む。いくつかの実施形態では、培地はD-MEMまたはRPMI-1640培地である。
【0429】
抗体部分の精製
抗IGFBP7構築物(例えば、抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体)は、任意の適切な方法によって精製され得る。そのような方法には、アフィニティーマトリックスまたは疎水性相互作用クロマトグラフィの使用が含まれるが、これらに限定されない。適切なアフィニティーリガンドとしては、ROR1 ECDおよび抗体定常領域に結合するリガンドが挙げられる。例えば、プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、抗体アフィニティカラム、または限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)を使用して定常領域に結合し、Fc断片を含む抗IGFBP7構築物を精製することができる。疎水性相互作用クロマトグラフィ、例えばブチルまたはフェニルカラムもまた、抗体などのいくつかのポリペプチドの精製に適し得る。イオン交換クロマトグラフィ(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィおよび/または陽イオン交換クロマトグラフィ)もまた、抗体などのいくつかのポリペプチドの精製に適し得る。混合モードクロマトグラフィ(例えば、逆相/陰イオン交換、逆相/陽イオン交換、親水性相互作用/陰イオン交換、親水性相互作用/陽イオン交換など)もまた、抗体などのいくつかのポリペプチドの精製にも適し得る。ポリペプチドを精製する多くの方法が当技術分野で公知である。
【0430】
V.処置方法
個体における疾患または症状を処置する方法もここに提供される。本方法は、本明細書に記載の抗IGFBP7構築物を個体(例えば、ヒトなどの哺乳動物)に投与することを含む。
【0431】
いくつかの実施形態では、疾患もしくは症状(例えば癌、例えば固形腫瘍)を処置するか、または組織における異常な血管成長を阻害する方法であって、個体に、有効量の抗IGFBP7構築物(本明細書に記載の抗IGFBP7構築物のいずれかなど)を投与することを含む方法が提供される。
【0432】
いくつかの実施形態では、個体における組織内の異常な血管成長を阻害する方法であって、個体に、有効量の抗IGFBP7構築物(本明細書に記載の抗IGFBP7構築物のいずれかなど)を投与することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、個体は、癌(固形腫瘍など)を有する。いくつかの実施形態では、組織は癌・/腫瘍組織である。
【0433】
いくつかの実施形態では、個体における疾患もしくは症状(例えば、癌、例えば、固形腫瘍)を処置するかまたは組織における異常な血管成長を阻害する方法であって、抗PD-L1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗体部分のいずれか)を含む有効量の抗IGFBP7構築物を個体に投与することを含む方法が提供され、抗IGFBP7抗体部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む。いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号32~33および46~48のいずれかのアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0434】
いくつかの実施形態では、個体における疾患もしくは症状(例えば、癌、例えば、固形腫瘍)を処置するかまたは組織における異常な血管成長を阻害する方法であって、抗PD-L1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗体部分のいずれか)を含む有効量の抗IGFBP7構築物を個体に投与することを含む方法が提供され、抗IGFBP7抗体部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む。いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号34および49~51のいずれかのアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0435】
いくつかの実施形態では、個体における疾患もしくは症状(例えば、癌、例えば、固形腫瘍)を処置するかまたは組織における異常な血管成長を阻害する方法であって、抗PD-L1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗体部分のいずれか)を含む有効量の抗IGFBP7構築物を個体に投与することを含む方法が提供され、抗IGFBP7抗体部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む。いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号33および35~57のいずれかのアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0436】
いくつかの実施形態では、個体における疾患もしくは症状(例えば、癌、例えば、固形腫瘍)を処置するかまたは組織における異常な血管成長を阻害する方法であって、抗PD-L1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗体部分のいずれか)を含む有効量の抗IGFBP7構築物を個体に投与することを含む方法が提供され、抗IGFBP7抗体部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む。いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号38および39のいずれかのアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0437】
いくつかの実施形態では、個体における疾患もしくは症状(例えば、癌、例えば、固形腫瘍)を処置するかまたは組織における異常な血管成長を阻害する方法であって、抗PD-L1または抗PD-1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗体部分のいずれか)を含む有効量の抗IGFBP7構築物を個体に投与することを含む方法が提供され、抗IGFBP7抗体部分は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む。いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号32~33および46~48のいずれかのアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0438】
いくつかの実施形態では、個体における疾患もしくは症状(例えば、癌、例えば、固形腫瘍)を処置するかまたは組織における異常な血管成長を阻害する方法であって、抗PD-L1または抗PD-1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗体部分のいずれか)を含む有効量の抗IGFBP7構築物を個体に投与することを含む方法が提供され、抗IGFBP7抗体部分は、配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む。いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号34および49~51のいずれかのアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0439】
いくつかの実施形態では、個体における疾患もしくは症状(例えば、癌、例えば、固形腫瘍)を処置するかまたは組織における異常な血管成長を阻害する方法であって、抗PD-L1または抗PD-1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗体部分のいずれか)を含む有効量の抗IGFBP7構築物を個体に投与することを含む方法が提供され、抗IGFBP7抗体部分は、配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む。いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号35~37のいずれかのアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0440】
いくつかの実施形態では、個体における疾患もしくは症状(例えば、癌、例えば、固形腫瘍)を処置するかまたは組織における異常な血管成長を阻害する方法であって、抗PD-L1または抗PD-1全長抗体に融合した抗IGFBP7抗体部分(例えば、本明細書に記載の抗体部分のいずれか)を含む有効量の抗IGFBP7構築物を個体に投与することを含む方法が提供され、抗IGFBP7抗体部分は、配列番号10もしくは11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDRにおいて最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む。いくつかの実施形態では、sdAb部分は、配列番号38および39のいずれかのアミノ酸配列、または少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ)の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む。
【0441】
いくつかの実施形態では、上記のアミノ酸置換は、本出願の表2に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、本出願の表2に示される「好ましい置換」に限定される。
【0442】
疾患または症状
本明細書に記載の方法は、異常な血管構造に関連する任意の疾患または症状に適用可能である。いくつかの実施形態では、疾患または症状は加齢黄斑変性(ARMD)である。いくつかの実施形態では、疾患または症状は皮膚乾癬である。いくつかの実施形態では、疾患または症状は良性腫瘍である。いくつかの実施形態では、疾患または症状は癌である。
【0443】
癌
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される疾患または症状は、癌である。本明細書中に記載される方法のいずれかを使用して処置され得る癌には、任意のタイプの癌が含まれる。本出願に記載の薬剤で処置される癌のタイプには、癌腫、芽細胞腫、肉腫、良性および悪性腫瘍、ならびに悪性腫瘍、例えば肉腫、癌腫、および黒色腫が含まれるが、これらに限定されない。成人腫瘍/癌および小児腫瘍/癌も含まれる。
【0444】
様々な実施形態において、癌は、早期癌、非転移性癌、原発性癌、進行癌、局所進行癌、転移性癌、寛解状態の癌、再発性癌、アジュバント環境における癌、ネオアジュバント環境における癌、または治療に対して実質的に抵抗性の癌である。
【0445】
いくつかの実施形態では、癌は固形腫瘍である。
【0446】
いくつかの実施形態では、癌は、CD93+腫瘍内皮細胞を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍中の内皮細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%がCD93陽性である。いくつかの実施形態では、癌は、対象の正常組織よりも少なくとも20%、40%、60%、80%、または100%多いCD93+内皮細胞を含む。いくつかの実施形態では、癌は、癌を有しない対象または対象の群における対応する臓器よりも少なくとも20%、40%、60%、80%、または100%多いCD93+内皮細胞を含む。
【0447】
いくつかの実施形態では、癌はIGFBP7+血管を含む。いくつかの実施形態では、癌は、対象の正常組織よりも少なくとも20%、40%、60%、80%、または100%多いIGFBP7+血管を含む。いくつかの実施形態では、癌は、癌を有しない対象または対象の群における対応する臓器よりも少なくとも20%、40%、60%、80%、または100%多いIGFBP7+血管を含む。
【0448】
いくつかの実施形態では、癌(例えば、固形腫瘍)は、腫瘍低酸素症を特徴とする。いくつかの実施形態では、癌は、少なくとも約1%、2%、3%、4%、または5%のピモニダゾール陽性率(すなわち、ピモニダゾール陽性面積を全腫瘍面積で割ったもの)を特徴とする。
【0449】
本出願の方法によって処置され得る癌の例としては、限定されないが、肛門癌、星細胞腫(例えば、小脳および大脳)、基底細胞癌腫、膀胱癌腫、骨癌、(骨肉腫および悪性線維性組織球腫)、脳腫瘍(例えば、神経膠腫、脳幹神経膠腫、小脳または大脳星細胞腫(例えば、星状細胞腫、悪性神経膠腫、髄芽腫および神経膠芽腫)、乳癌、子宮頸癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌(例えば、子宮癌)、食道癌、眼癌(例えば、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫)、胃部(胃)癌、消化管間質腫瘍(GIST)、頭頸部癌、肝細胞(肝臓)癌(例えば、肝癌腫および肝細胞腫)、肝臓癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺の腺癌、および肺の扁平上皮癌腫)、髄芽腫、黒色腫、中皮腫、骨髄異形成症候群、鼻咽頭癌、神経芽腫、卵巣癌、膵臓癌、副甲状腺癌、腹膜の癌、下垂体腫瘍、直腸癌、腎癌、腎盂および尿管癌(移行細胞癌)、横紋筋肉腫、皮膚癌(例えば、非黒色腫(例えば、扁平上皮癌)、黒色腫およびメルケル細胞癌腫)、小腸癌、扁平上皮癌、精巣癌、甲状腺癌、および結節性硬化症が挙げられる。癌のさらなる例は、The Merck Manual of Diagnosis and Therapy,19th Edition,§on Hematology and Oncology,published by Merck Sharp&Dohme Corp.,2011(ISBN 978-0-911910-19-3);The Merck Manual of Diagnosis and Therapy,20th Edition,§on Hematology and Oncology,published by Merck Sharp&Dohme Corp.,2018(ISBN 978-0-911-91042-1)(Merck Manualsのインターネット・ウェブサイトの2018 年デジタルオンライン版);およびSEER Program Coding and Staging Manual 2016に見出すことができ、これらはそれぞれ、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。
【0450】
対象
いくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物(ヒトなど)である。
【0451】
いくつかの実施形態では、対象は、CD93+内皮細胞を含む異常な血管を含む組織を有する。いくつかの実施形態では、異常な血管を有する組織中の内皮細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%がCD93陽性である。いくつかの実施形態では、異常な血管を有する組織は、対象の正常組織よりも少なくとも20%、40%、60%、80%、または100%多いCD93+内皮細胞を含む。いくつかの実施形態では、異常な血管を有する組織は、異常な血管を有しない対象または対象の群における対応する臓器よりも少なくとも20%、40%、60%、80%、または100%多いCD93+内皮細胞を含む。
【0452】
いくつかの実施形態では、対象は、IGFBP7+血管を含む異常な血管を含む組織を有する。いくつかの実施形態では、組織は、対象の正常組織よりも少なくとも20%、40%、60%、80%、または100%多いIGFBP7+血管を含む。いくつかの実施形態では、組織は、異常な血管を有しない対象または対象の群における対応する臓器よりも少なくとも20%、40%、60%、80%、または100%多いIGFBP7+血管を含む。
【0453】
いくつかの実施形態では、対象は、異常な血管構造に基づく処置のために選択される。いくつかの実施形態では、異常な血管構造は、CD93+内皮細胞を特徴とする(例えば、CD93+CD31+細胞を測定することによる)。いくつかの実施形態では、異常な血管を有する組織中の内皮細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%がCD93陽性である。いくつかの実施形態では、異常な血管を有する組織は、対象の正常組織よりも少なくとも20%、40%、60%、80%、または100%多いCD93+内皮細胞を含む。いくつかの実施形態では、異常な血管を有する組織は、異常な血管を有しない対象または対象の群における対応する臓器よりも少なくとも20%、40%、60%、80%、または100%多いCD93+内皮細胞を含む。
【0454】
いくつかの実施形態では、異常な血管構造は、IGFBP7+血管の異常なレベルを特徴とする。いくつかの実施形態では、組織は、対象の正常組織よりも少なくとも20%、40%、60%、80%、または100%多いIGFBP7+血管を含む。いくつかの実施形態では、組織は、異常な血管を有しない対象または対象の群における対応する臓器よりも少なくとも20%、40%、60%、80%、または100%多いIGFBP7+血管を含む。
【0455】
抗IGFBP7構築物の投薬および投与方法
個体に投与される本明細書に記載の疾患または障害を処置するために使用される抗IGFBP7構築物の投薬レジメン(特定の投薬量および頻度など)は、特定の抗IGFBP7構築物(例えば、抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体、例えば、抗IGFBP7融合タンパク質)、投与様式、および処置される疾患または症状の種類によって異なり得る。いくつかの実施形態では、疾患または症状の種類は癌である。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物(抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体など)の有効量は、客観的応答(部分応答または完全応答など)をもたらすのに有効な量である。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物(抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体など)の有効量は、個体において完全応答をもたらすのに十分な量である。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物(抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体など)の有効量は、個体において部分応答をもたらすのに十分な量である。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物(抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体など)の有効量は、抗IGFBP7構築物(抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体など)で処置された個体の集団の中で、約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、64%、65%、70%、75%、80%、85%、または90%のいずれかを超える全奏効率をもたらすのに十分な量である。本明細書中に記載される方法の処置に対する個体の応答を、例えば、RECISTレベルに基づいて決定することができる。
【0456】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物(抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体など)の有効量は、個体の無増悪生存期間を延長するのに十分な量である。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物(抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体など)の有効量は、個体の全生存期間を延長するのに十分な量である。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物(抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体など)の有効量は、抗IGFBP7構築物(抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体など)で処置された個体の集団の中で、約50%、60%、70%、80%、または90%のいずれかを超える臨床的利益をもたらすのに十分な量である。
【0457】
いくつかの実施形態では、単独でのまたは第二、第三および/もしくは第四の薬剤と組み合わせた抗IGFBP7構築物(抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体など)の有効量は、処置前の同じ対象の対応する腫瘍サイズ、癌細胞の数、または腫瘍成長速度と比較して、または処置を受けていない(例えば、プラセボ処置を受けている)他の対象の対応する活性と比較して、腫瘍のサイズを減少させる、癌細胞の数を減少させる、または腫瘍の成長速度を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%もしくは100%のいずれか低下させるのに十分な量である。精製酵素を用いたインビトロアッセイ、細胞ベースのアッセイ、動物モデル、またはヒト試験などの標準的な方法を使用して、この効果の大きさを測定することができる。
【0458】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物(抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体など)の有効量は、組成物が個体に投与された場合に毒物学的効果を誘発するレベル(すなわち、臨床的に許容され得る毒性レベルを超える効果)未満であるか、または潜在的な副作用を制御または耐容することができるレベルである量である。
【0459】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物(例えば、抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体)の有効量は、同じ投薬レジメンに従った組成物の最大耐量(MTD)に近い量である。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物(抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体など)の有効量は、MTDの約80%、90%、95%、または98%のいずれかよりも多い。
【0460】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物(抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体など)の有効量は、処置を受けていない個体と比較して、疾患または症状(例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%)の進行を遅らせるかまたは阻害する量である。いくつかの実施形態では、疾患または症状は自己免疫疾患である。いくつかの実施形態では、疾患または症状は感染症である。
【0461】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物(抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体など)の有効量は、処置を受けていない個体と比較して、症状(例えば、移植)の副作用(自己免疫応答)を(例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、30%、40%、または50%)減少させる量である。
【0462】
上記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、抗IGFBP7構築物(例えば、抗IGFBP7モノクローナル抗体または多重特異性抗体)の有効量は、総体重の約0.001μg/kg~約100mg/kg、例えば、約0.005μg/kg~約50mg/kg、約0.01μg/kg~約10mg/kg、または約0.01μg/kg~約1mg/kgの範囲である。
【0463】
抗IGFBP7構築物は、例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、肺内、経口、吸入、小胞内、筋肉内、気管内、皮下、眼内、髄腔内、経粘膜、および経皮を含む様々な経路を介して個体(ヒトなど)に投与することができる。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、個体に投与されている間、医薬組成物に含まれる。いくつかの実施形態では、組成物の持続連続放出製剤を使用することができる。いくつかの実施形態では、組成物は静脈内投与される。いくつかの実施形態では、組成物は腹腔内投与される。いくつかの実施形態では、組成物は静脈内投与される。いくつかの実施形態では、組成物は腹腔内投与される。いくつかの実施形態では、組成物は筋肉内投与される。いくつかの実施形態では、組成物は皮下投与される。いくつかの実施形態では、組成物は静脈内投与される。いくつかの実施形態では、組成物は経口投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、硝子体内に(例えば、加齢黄斑変性(ARMD)を処置するために)投与される。
【0464】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物(例えば、A1 mIgG2a-D4)は、約1週間に1回~2日ごとの頻度で投与される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物(例えば、A1 mIgG2a-D4)は、約3~4日ごとに1回の頻度で投与される。
【0465】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、二重特異性IgGナノボディ(例えば、A1 mIgG2a-D4)である。いくつかの実施形態では、二重特異性IgGナノボディ(例えば、A1 mIgG2a-D4)は、マウスの約0.3mgに相当するヒトの用量で投与される。Nair et al.,J Basic Clin Pharm.March 2016-May 2016;7(2):27-31を参照のこと。いくつかの実施形態では、二重特異性IgGナノボディ(例えば、A1 mIgG2a-D4)は、ヒトに対して約75mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物(例えば、A1 mIgG2a-D4)は、ヒトに対して約45mg/m2または1.2mg/kgの用量で投与される。
【0466】
併用療法
本出願はまた、疾患または症状(癌など)を処置するために抗IGFBP7構築物を個体に投与する方法であって、第二の薬剤または治療を投与することをさらに含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療は、疾患または症状を処置するための標準的なまたは一般的に使用される薬剤または治療である。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療は化学治療剤を含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療は手術を含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療は放射線治療を含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療は免疫治療を含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療は細胞治療(例えば、免疫細胞(例えば、CAR T細胞)を含む細胞治療)を含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤または治療は血管形成阻害剤を含む。
【0467】
いくつかの実施形態では、第二の薬剤は化学治療剤である。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は代謝拮抗剤である。いくつかの実施形態では、代謝拮抗剤は5-FUである。
【0468】
いくつかの実施形態では、第二の薬剤は免疫チェックポイント調節剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント調節剤は、PD-L1、PD-L2、CTLA4、PD-L2、PD-1、CD47、TIGIT、GITR、TIM3、LAG3、CD27、4-1BB、CD96、PVRIG、およびB7H4からなる群より選択される免疫チェックポイントタンパク質の阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイントタンパク質はPD-1である。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は、抗PD-1抗体またはその断片である。
【0469】
いくつかの実施形態では、第二の治療は免疫治療である。いくつかの実施形態では、免疫治療は、キメラ抗原受容体を発現する免疫細胞を投与することを含む。いくつかの実施形態では、免疫細胞はT細胞(CD4+T細胞またはCD8+T細胞など)である。いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体は腫瘍抗原に結合する。
【0470】
いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、第二の薬剤または治療と同時に投与される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、第二の薬剤または治療と共に投与される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、第二の薬剤または治療と逐次投与される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、第二の薬剤または治療の前に投与される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、第二の薬剤または治療の後に投与される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、第二の薬剤または治療と同じ単位剤形で投与される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、第二の薬剤または治療とは異なる単位剤形で投与される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、第二の薬剤または治療と同じ単位剤形で投与される。いくつかの実施形態では、抗IGFBP7構築物は、第二の薬剤または治療とは異なる単位剤形で投与される。
【0471】
VI.組成物、キットおよび製造品
本明細書に記載の抗IGFBP7構築物または抗IGFBP7抗体部分、抗体部分をコードする核酸、抗体部分をコードする核酸を含むベクター、または核酸もしくはベクターを含む宿主細胞のいずれか1つを含む組成物(製剤など)も本明細書で提供される。
【0472】
本明細書に記載の抗IGFBP7構築物の適切な製剤は、所望の純度を有する抗IGFBP7構築物または抗IGFBP7抗体部分を任意の薬学的に許容され得る担体、賦形剤または安定剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980))と、凍結乾燥製剤または水溶液の形態で混合することによって得ることができる。許容され得る担体、賦形剤、または安定剤は、使用される投与量および濃度でレシピエントに対して非毒性であり、リン酸、クエン酸、および他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸およびメチオニンを含む酸化防止剤;防腐剤(例えばオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えばメチルまたはプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、リジン等のアミノ酸;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノース、またはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなどの糖類;ナトリウム等の塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);および/または非イオン性界面活性剤、例えばTWEEN(登録商標)、PLURONICS(登録商標)またはポリエチレングリコール(PEG)などを含む。皮下投与に適した凍結乾燥製剤は、国際公開第97/04801号に記載されている。そのような凍結乾燥製剤は、適切な希釈剤を用いて高タンパク質濃度に再構成することができ、再構成製剤は、本明細書で画像化、診断、または処置される個体に皮下投与することができる。
【0473】
インビボ投与に使用される製剤は滅菌されていなければならない。これは、例えば、滅菌濾過膜による濾過によって容易に達成される。
【0474】
本明細書に記載の抗IGFBP7構築物または抗IGFBP7抗体部分のいずれか1つを含むキットも提供される。キットは、本明細書に記載の細胞組成物または処置を調節する方法のいずれかに有用であり得る。
【0475】
いくつかの実施形態では、IGFBP7に特異的に結合する抗IGFBP7構築物を含むキットが提供される。
【0476】
いくつかの実施形態では、キットは、抗IGFBP7構築物を個体に送達することができる装置をさらに含む。非経口送達などの用途のための装置の1つのタイプは、組成物を対象の体内に注射するために使用されるシリンジである。吸入装置は、特定の用途にも使用され得る。
【0477】
いくつかの実施形態では、キットは、疾患または症状、例えば癌、感染症、自己免疫疾患、または移植を処置するための治療剤をさらに含む。
【0478】
本出願のキットは適切な包装中にある。適切な包装には、バイアル、ボトル、瓶、可撓性包装(例えば、密封されたマイラーまたはプラスチックバッグ)などが含まれるが、これらに限定されない。キットは、必要に応じて、緩衝液および解釈情報などの追加の成分を提供し得る。
【0479】
したがって、本出願は製造品も提供する。製造品は、容器と、容器上のまたは容器に関連付けられたラベルまたは添付文書とを含むことができる。適切な容器には、バイアル(密封バイアルなど)、ボトル、瓶、可撓性包装などが含まれる。一般に、容器は組成物を保持し、滅菌アクセスポートを有し得る(例えば、容器は、静脈内溶液バッグであってもよいし、皮下注射針で穿刺可能な栓を有するバイアルであってもよい)。ラベルまたは添付文書は、組成物が個体における特定の状態を画像化、診断または処置するために使用されることを示す。ラベルまたは添付文書は、組成物を個体に投与し、個体を画像化するための指示をさらに含む。ラベルは、再構成および/または使用のための指示を示し得る。組成物を保持する容器は、再構成された製剤の反復投与(例えば、2~6回の投与から)を可能にする複数回使用バイアルであり得る。添付文書は、診断用製品の市販パッケージに通例含まれる指示であって、そのような診断用製品の使用に関する適応症、用法、用量、投与、禁忌および/または警告に関する情報を含む指示を指す。さらに、製造品は、静菌性注射用水(BWFI)、リン酸緩衝食塩水、リンゲル液およびデキストロース溶液などの薬学的に許容され得る緩衝液を含む第二の容器をさらに含み得る。さらに、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、およびシリンジを含む、商業的およびユーザーの観点から望ましい他の材料を含んでもよい。
【0480】
キットまたは製造品は、複数の単位用量の組成物および使用についての指示を含み得、薬局、例えば病院の薬局および調剤薬局での保管および使用に十分な量で包装され得る。
【0481】
当業者は、本発明の範囲および主旨の範囲内でいくつかの実施形態が可能であることを認識するであろう。以下の非限定的な例を参照して、本発明をより詳細に説明する。以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、当然のことながら、その範囲を限定するものとして解釈されるべきでは決してない。
【0482】
例示的な実施形態
実施形態1.IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含む抗IGFBP7構築物であって、sdAb部分が、
1)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
2)配列番号2もしくは112のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号4もしくは113のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
3)配列番号5もしくは114のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号7、115もしくは116のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
4)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
5)配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
6)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
7)配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
8)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
9)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
10)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
11)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;
12)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体;または、
13)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2、および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3、またはCDR中に最大5、4、3、2、もしくは1個のアミノ酸置換を含むその改変体を含む。
【0483】
実施形態2.IGFBP7を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含むポリペプチドを含む抗IGFBP7構築物であって、sdAb部分が、配列番号32~51のいずれかに示されるアミノ酸配列内のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む、抗IGFBP7構築物。
【0484】
実施形態3.sdAb部分が、配列番号32~51のいずれか1つのアミノ酸配列、または配列番号32~51のいずれか1つに対して少なくとも約80%の配列同一性(sequence identify)を有するその改変体を含む、実施形態1または2に記載の抗IGFBP7構築物。
【0485】
実施形態4.sdAb部分が、ラクダ科、キメラ、ヒト、部分的ヒト化、または完全ヒト化である、実施形態1~3のいずれか一つに記載の抗IGFBP7構築物。
【0486】
実施形態5.sdAb部分がVHH抗体である、実施形態1~4のいずれか一つに記載の抗IGFBP7構築物。
【0487】
実施形態6.CD93のIGFBP7への結合を遮断する、実施形態1~5のいずれか一つに記載の抗IGFBP7構築物。
【0488】
実施形態7.IGFBP7がヒトIGFBP7である、実施形態1~6のいずれか一つに記載の抗IGFBP7構築物。
【0489】
実施形態8.CD93がヒトCD93である、実施形態6または実施形態7に記載の抗IGFBP7構築物。
【0490】
実施形態9.第二の部分をさらに含む、実施形態1~8のいずれか一つに記載の抗IGFBP7構築物。
【0491】
実施形態10.第二の部分が、抗原を特異的に認識する抗体部分を含む、実施形態9に記載の抗IGFBP7構築物。
【0492】
実施形態11.抗原がPD-L1またはPD-1である、実施形態10に記載の抗IGFBP7構築物。
【0493】
実施形態12.第二の抗体部分が、全長抗体、Fab、Fab’、(Fab’)2、Fv、一本鎖Fv(scFv)、scFv-scFv、ミニボディ、ダイアボディ、またはsdAbである、実施形態10または11に記載の抗IGFBP7構築物。
【0494】
実施形態13.第二の部分が半減期延長部分を含む、実施形態9に記載の抗IGFBP7構築物。
【0495】
実施形態14.構築物が抗体-薬物コンジュゲートである、実施形態9に記載の抗IGFBP7構築物。
【0496】
実施形態15.実施形態1~14のいずれか一つに記載の抗IGFBP7構築物と競合的にIGFBP7に特異的に結合する抗IGFBP7構築物。
【0497】
実施形態16.実施形態1~15のいずれか一つに記載の抗IGFBP7構築物と、薬学的に許容され得る担体とを含む医薬組成物。
【0498】
実施形態17.実施形態1~15のいずれか一つに記載の抗IGFBP7構築物のポリペプチドまたはその一部をコードするポリヌクレオチド。
【0499】
実施形態18.実施形態17に記載のポリヌクレオチドを含む核酸構築物であって、ポリヌクレオチドと作動可能に関連するプロモーターを必要に応じてさらに含む核酸構築物。
【0500】
実施形態19.実施形態18に記載の核酸構築物を含むベクター。
【0501】
実施形態20.実施形態18に記載のポリヌクレオチド、実施形態18に記載の核酸構築物または実施形態19に記載のベクターを含む単離された宿主細胞。
【0502】
実施形態21.実施形態1~15のいずれか一つに記載の抗IGFBP7構築物のポリペプチド、実施形態17に記載のポリヌクレオチド、実施形態18に記載の核酸構築物、実施形態19に記載のベクター、または実施形態20に記載の宿主細胞を含む培養培地。
【0503】
実施形態22.抗IGFBP7構築物を製造する方法であって、
a)ポリペプチドを発現するのに有効な条件下で、実施形態20に記載の単離された宿主細胞を培養すること;および
b)宿主細胞からポリペプチドを得ること、を含む方法。
【0504】
実施形態23.個体における疾患もしくは症状(例えば癌、例えば固形腫瘍)を処置するか、または組織における異常な血管成長を阻害する方法であって、個体に、有効量の実施形態1~15のいずれか一項に記載の抗IGFBP7構築物、または実施形態16に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【0505】
実施形態24.症状の疾患が異常な血管構造に関連する、実施形態23に記載の方法。
【0506】
実施形態25.疾患または症状が癌である、実施形態23または実施形態24に記載の方法。
【0507】
実施形態26.癌が固形腫瘍である、実施形態25に記載の方法。
【0508】
実施形態27.癌がCD93+内皮細胞を含む、実施形態25または実施形態26に記載の方法。
【0509】
実施形態28.癌がIGFBP7+血管を含む、実施形態25~27のいずれか一つに記載の方法。
【0510】
実施形態29.癌が腫瘍低酸素症を特徴とする、実施形態25~28のいずれか一つに記載の方法。
【0511】
実施形態30.癌が局所進行癌または転移癌である、実施形態25~29のいずれか一つに記載の方法。
【0512】
実施形態31.癌が、リンパ腫、結腸癌、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、食道癌、前立腺癌、子宮頸癌、腎癌、膀胱癌、胃癌、非小細胞肺癌、黒色腫、および膵臓癌からなる群から選択される、実施形態25~30のいずれか一つに記載の方法。
【0513】
実施形態32.抗IGFBP7構築物を個体に非経口投与する、実施形態23~31のいずれか一つに記載の方法。
【0514】
実施形態33.第二の治療を投与することをさらに含む、実施形態23~32のいずれか一つに記載の方法。
【0515】
実施形態34.第二の治療が、手術、放射線、遺伝子治療、免疫治療、骨髄移植、幹細胞移植、ホルモン治療、標的治療、凍結治療、超音波治療、光線力学治療、および化学治療からなる群から選択される、実施形態33に記載の方法。
【0516】
実施形態35.第二の治療が免疫治療である、実施形態34に記載の方法。
【0517】
実施形態36.免疫治療が、免疫調節剤を投与することを含む、実施形態35に記載の方法。
【0518】
実施形態37.免疫調節剤が免疫チェックポイント阻害剤である、実施形態36に記載の方法。
【0519】
実施形態38.免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-L1抗体または抗PD-1抗体を含む、実施形態37に記載の方法。
【0520】
実施形態39.個体がヒトである、実施形態23~38のいずれか一つに記載の方法。
【実施例】
【0521】
以下の実施例は、本出願の純粋に例示を意図しており、したがって、決して本出願を限定すると見なされるべきではない。以下の実施例および詳細な説明は、限定ではなく例示として提供される。
【0522】
材料
ビオチン化ヒトIGFBP7を、標準的なプロトコル(EZ-Link(商標)スルホ-NHS-SS-ビオチン;Thermo Fisher Scientific、カタログ番号21331)を使用して生成した。
【0523】
ヤギ抗ラマIgG(H+L)二次抗体、HRPは、Thermo Fisher Scientific、カタログ番号A16060から入手した。
【0524】
抗M13二次抗体、HRPは、GE、カタログ番号27-9421-01から入手した。
【0525】
標準プロトコルを使用して、Hisタグ付きマウスN末端IGFBP728-106およびヒトN末端IGFBP728-106-ラマFcを生成した。
【0526】
実施例1.免疫化
1匹のラマを、表3に概説したスキームに従ってヒトIGFBP7(hIGFBP7)で免疫した。プロトコルの完了後、免疫応答をELISAによって分析した。具体的には、血清試料を0日目および52日目に収集し、ヒトIGFBP7(PBS中0.5μg/mL)または96ウェルELISAプレートに吸着された陰性Fcタンパク質と共にインキュベートした。結合したラマIgGをヤギ抗ラマIgG(Bethyl A160-100;Montgomery,TX)によって検出した。52日目の結果を
図1に示す。
【表3】
【0527】
図1に示すように、hIGFBP7は、最大10
7倍に希釈されたラマ血清中で、試験ラマにおける抗ヒトIGFBP7抗体産生を効果的に誘導する。
【0528】
実施例2.ライブラリーの構築
ラマから得られた末梢血単核細胞(PBMC)から抽出したRNAをRT-PCRの出発材料として使用して、遺伝子断片をコードするナノボディを増幅した。これらの断片をファージミドベクターにクローニングした。ファージを標準的な方法に従って調製し、さらなる使用のために4℃で濾過滅菌後に保存した。
【0529】
実施例3.選択
標準的なファージディスプレイ法を使用して、構築したライブラリーを用いて選択を行った。ビオチン化ヒトIGFBP7(溶液中、続いてストレプトアビジンビーズ上で捕捉し、続いて洗浄およびトリプシン溶出)を用いて2回の選択を行った。各選択出力を濃縮係数(例えば、対照と比較した溶出液中に存在するファージの数)について分析し、さらなる分析のためにプレーティングした。N末端タグ化ヒトIGFBP7-Hisを使用して、3回目の選択を行った。
【0530】
コロニーを採取し、2つの96ディープウェルプレート(2mL容量)で増殖させた。1つのプレートを配列決定のために増殖させ、別のプレートにELISA試験によるファージ発現のためのヘルパーファージを添加した。
【0531】
実施例4.ELISAによるヒトIGFBP7への結合の一次スクリーニング
ファージ発現プレートからの50μLの溶液を、hIGFBP7(PBS中0.5μg/mL)または96ウェルELISAプレートに吸着された陰性Fcタンパク質と共にインキュベートした。ファージディスプレイされた組換え抗体を抗M13二次抗体HRP(GE、カタログ番号27-9421-01)によって検出した。
【0532】
実施例5.配列解析
96ウェルプレートを配列分析に供し、一連の異なるユニークなナノボディ配列を同定した。
【0533】
アミノ酸配列相同性(特に、CDR3の相同性)に基づいて、すべてのクローンを異なるファミリーまたは単一配列代表に分類した。表4を参照されたい。同じファミリーのメンバーは、本明細書に記載の異なるアッセイにおいて同様の挙動を有すると考えられるが、機能的特性の小さな違いが有り得る。さらなる特徴付けのために、ファミリーごとに1つまたはいくつかの代表を選択した。
【表4-1】
【表4-2】
【0534】
実施例6.大腸菌におけるナノボディ発現および精製
選択されたナノボディを30mLの培養体積でHis6タグ付きタンパク質として大腸菌で発現させ、37℃で48時間自己誘導mTB培地で発現を誘導した。細胞培養物をスピンした後、ペレットをリゾチームおよび10% CHAPSと共に室温で30分間インキュベートした。これらの抽出物を12000×gで遠心分離し、溶液を標準的な精製方法でNi-tカラムにロードした。ナノボディを150mMイミダゾールでカラムから溶出し、続いて緩衝液をPBSに交換した。
【0535】
実施例7.FACSによるhIGFBP7およびmIGFBP7への抗IGFBP7ナノボディの結合
ヒトIGFBP7およびマウスIGFBP7提示HEK293T細胞を、細胞表面上のIGFBP7の完全性を維持するTrypLE試薬(Thermos Fisher)とのインキュベーションによって剥離した。次いで、細胞を10μg/mlの抗IGFBP7ナノボディと共に4℃で30分間インキュベートした。FACS緩衝液で洗浄した後、細胞をAPCコンジュゲート抗HIS抗体(Biolegend)と共に4℃において30分間インキュベートした。FACS緩衝液で2回洗浄した後、試料をNovoCyte Flow Cytometerで取得し、NovoExpressソフトウェアによって分析した。
【0536】
【0537】
図2A~
図2Bに示されるように、クローンA1、A3、A4、A7、A11、D4、F12およびG2はすべてhIGFBP7に結合する。
図3A~
図3Bに示されるように、クローンA1、A4、A11、D4およびG2はすべてmIGFBP7に結合する。
【0538】
実施例8.ナノボディFc融合物の組換え発現
ELISAによってhIGFBP7およびmIGFBP7の両方に結合した抗IGFBP7ナノボディ(例えば、A1、A4、A11、およびD4 VHH)を、mIgG2aまたはmIgG1 Fc断片と融合させ(すなわち、ナノボディFc融合)、次いで、クローニングして、Expi293細胞において発現させた。簡単に説明すると、ヒト優先コドン(IDT)を使用して、マウスIgG Fc-融合ナノボディを遺伝子合成した。次いで、マウス抗体シグナル配列およびmIgG2aまたはmIgG1 Fc断片を含むpcDNA3.4ベクターに遺伝子断片をサブクローニングした。ExpiFectamine 293トランスフェクションキット(Thermo Fisher Scientific)を使用したExpi293細胞への一過性トランスフェクションによって、ナノボディFc融合タンパク質を生産した。トランスフェクションの5日後、トランスフェクト細胞からの上清を回収し、プロテインGセファロース(GE)を用いて精製した。結合した抗体を、0.1Mグリシン緩衝液(pH2.7)を用いて溶出し、1×PBS(pH7.4)で一晩透析した。精製した抗体を還元および非還元SDS-PAGEで分析して、純度およびサイズを確認した。タンパク質濃度を分光光度計でA280によって決定した。
【0539】
蛍光活性化細胞選別(FACS)によるナノボディFc融合構築物の最初のスクリーニング結果を
図4および
図5に示す。
図4に示すように、試験した抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物はすべて、hIGFBP7発現HEK293T細胞に結合した。
図5は、A1、A4およびD4に由来する試験した抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物がmIGFBP7発現CHO-K1細胞に結合したことを示す。
【0540】
実施例9.バイオレイヤー干渉法(BLI)アッセイによって決定されたヒト、カニクイザルおよびマウスIGFBP7に対する抗IGFBP7-mIgG2a Fcの結合親和性
Octet QKe(Fortebio)を使用したバイオレイヤー干渉法(BLI)を用いて、抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物(例えば、VHH-Fc融合構築物)の結合親和性を決定した。ヒト、マウスおよびカニクイザルIGFBP7を、EZ-LINK NHS-PEG4ビオチン(Thermo Fisher Scientific)を用いてビオチン化した。ストレプトアビジンバイオセンサー(ForteBio)を使用してビオチン化IGFBP7タンパク質をロードした(5μg/mLで300秒)。ベースラインを1倍動態緩衝液(ForteBio)中で60秒間安定化した後、抗IGFBP7 Fc融合タンパク質(段階希釈)を捕捉されたhIGFBP7またはmIGFBP7と300秒間会合させた。次いで、センサーを1X動態緩衝液中で600秒間解離させた。ForteBio Data Analysis HT 11.1ソフトウェアでデータ分析を行った。
【0541】
結果を
図6および
図7に示す。示されるように、試験されたナノボディFc融合構築物は、ヒトおよびマウスIGFBP7に結合する。
【0542】
図8に示す例示的な二重特異性A1-D4 mIgG2aおよびA1 mIgG2a-D4などのマウスIgG二重特異性抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物も、BLIアッセイによって決定されるヒト、カニクイザルおよびマウスIGFBP7に対するそれらの結合親和性について試験した。結果を
図9~
図11に示す。示されるように、二重特異性ナノボディFc融合構築物A1D4-mIgG2aおよびA1-mIgG2a-D4は、単一特異性A1-mIgG1、A1-mIgG2a、およびD4-mIgG2aと比較して、ヒト、カニクイザルおよびマウスIGFBP7に対して同様の結合親和性を有する。
【0543】
実施例10.蛍光活性化細胞選別(FACS)によって決定された、HEK293T細胞に固定されたヒトおよびマウスIGFBP7への抗IGFBP7-mIgG2a Fcの結合
リンカーおよびCD80膜貫通ドメインを有するヒトまたはマウスIGFBP7を発現するHEK293T細胞の安定なプールを作製し、溶液中のIGFBP7に結合する抗IGFBP7ナノボディFc融合タンパク質を評価した。hIGFBP7-HEK細胞またはmIGFBP7-HEK細胞(ウェルあたり1x105)を、抗IGFBP7-mIgG2a Fc(75、150、300、600nM)で4℃で30分間処理した。FACS緩衝液で洗浄した後、細胞をAlexa Fluor 488コンジュゲート抗マウスIgG抗体(Jackson ImmunoResearch)と共に4℃において30分間インキュベートした。FACS緩衝液を用いて2回洗浄した後、試料をNovoCyte Flow Cytometerで取得し、NovoExpressソフトウェアによって分析した。
【0544】
結果を
図12A~
図12Bおよび
図13に示す。
図12A~
図12Bに示されるように、試験された単一特異性および二重特異性抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物は、様々な濃度でHEK293T細胞表面に固定されたhIGFBP7に結合する。さらに、
図13は、二重特異性A1-mIgG2a-D4-1(すなわち、A1D4-mIgG2a)およびA1-mIgG2a-D4-2(すなわち、A1-mIgG2a-D4)が、モノクローナルA1-mIgG2aと同様に、hIGFBP7発現HEK細胞またはmIGFBP7発現HEK細胞に結合することを示す。
【0545】
実施例11.抗IGFBP7-mIgG2a処理によるヒトCD93発現CHO細胞におけるIGFBP7/CD93遮断アッセイ
前の実施例で生成された抗IGFBP7ナノボディおよびナノボディ-Fc融合物(50μg/mL)を、Hisタグ化ヒトIGFBP7組換えタンパク質(1μg/mL)と共に4℃で30分間インキュベートした。ヒトCD93発現CHO細胞(ウェルあたり1x105)を、混合物を4℃で30分間処理した。次いで、細胞をFACS緩衝液で洗浄し、1μg/mLの抗IGFBP7モノクローナルウサギ抗体(Sino Biological Inc.、カタログ番号13100-R003)と共に4℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、細胞をFACS緩衝液で洗浄し、PEコンジュゲート抗ウサギIgG抗体(Biole55gend)と共に4℃で30分間インキュベートした。FACS緩衝液を用いて2回洗浄した後、試料を分析し、NovoCyte Flowでデータを取得した。
【0546】
例示的な抗IGFBP7ナノボディの結果を
図14に示す。示されるように、すべての試験されたナノボディは、CD93とIGFBP7との間の相互作用を少なくとも50%効果的に遮断する。特に、A3、A4、A7およびA11は、CD93とIGFBP7との間の相互作用をほぼ完全に遮断した。
【0547】
実施例8で作製したマウスIgG抗IGFBP7ナノボディFc融合物も、IGFBP7とCD93との間の相互作用を遮断する能力について試験した。結果を
図15A~
図15Cに示す。示されるように、A1-mIgG2a、A4-mIgG2aおよびD4-mIgG2aは、様々な濃度でIGFBP7とCD93との間の相互作用を効果的に遮断する。
【0548】
例示的な二重特異性抗IGFBP7ナノボディFc融合構築物(
図8)も、IGFBP7とCD93との間の相互作用を遮断する能力について試験した。結果を
図16に示す。示されるように、二重特異性抗体A1-mIgG2a-D4-1(すなわち、A1D4-mIgG2a)およびA1-mIgG2a-D4-2(すなわち、A1-mIgG2a-D4)は、類似の遮断活性を有する。
【0549】
実施例12.HUVECチューブ形成阻害アッセイ
ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC,Thermo Fisher Scientific,Waltham,MA)を、低血清増殖サプリメント(LSGS,Thermo Fisher Scientific,Waltham,MA)を補充した培地200中、37℃、5% CO2で培養した。96ウェルプレートを50μLのGeltrex低増殖因子基底膜マトリックス(Thermo Fisher Scientific)でコーティングし、37℃で30分間インキュベートした。チューブ形成に対する抗IGFBP7 mIgG2a融合タンパク質の効果を調べるために、2×104個のHUVEC細胞をマトリックス被覆プレートに播種し、精製融合タンパク質の存在下または非存在下、37℃、5% CO2で18時間インキュベートした。光学顕微鏡を用いて画像を得た。
【0550】
図17A~
図17Bに示されるように、A1-mIgG2a、A4-mIgG2a、A11-mIgG2a、およびD4-mIgG2aは、mIgGアイソタイプ対照と比較して、様々な濃度でHUVEC細胞のチューブ形成を効果的に阻害する。
【0551】
実施例13.Octet競合による抗IGFBP7抗体のエピトープビニングアッセイ
Octet QKe(ForteBio)を使用して抗IGFBP7抗体エピトープのビンを決定した。ヒトIGFBP7組換えタンパク質を、EZ-LINK NHS-PEG4ビオチン(Thermo Fisher Scientific)を用いてビオチン化した。ストレプトアビジンバイオセンサーチップ(ForteBio)を使用してビオチン化IGFBP7タンパク質を捕捉した(5μg/mLで300秒)。ベースライン測定を1倍動態緩衝液(Fortebio)中で60秒間安定化した後、一次抗IGFBP7抗体(10μg/mL)を捕捉タンパク質と300秒間会合させた。次いで、一連の二次抗IGFBP7抗体(10μg/mL)を抗原および一次抗体複合体とさらに300秒間会合させた。各結合事象についてシグナルを記録し、ForteBio Data Analysis HT 11.1ソフトウェアでデータ分析を行った。
【0552】
図18のOctect分析による抗IGFBP7抗体のエピトープビニングアッセイは、A1、A4、A11、およびD4がIGFBP7上の異なるエピトープに結合することを示す。
【0553】
実施例14.腫瘍モデルにおける抗IGFBP7抗体のインビボ治療有効性
雌C57BL/6Jマウスにおける同系KPC膵臓癌モデルを使用して、上記の抗IGFBP7抗体のインビボ治療有効性を評価した。
【0554】
7週齢の雌C57BL/6Jマウスに、腫瘍発生のために右後側腹部に1:1マトリゲルを含む0.1mL無血清培地中のKPC腫瘍細胞(2.0×10
6個)を皮下注射した。平均腫瘍サイズが約50mm
3に達したとき、腫瘍を有する動物をそれぞれ6または7匹のマウスの3つの研究群に無作為に分けた。含まれる群は、マウスイソタイプ対照IgG2A、A1 mIgG2a-D4であった(実施例9および
図8を参照)。すべての群の各動物は、0、3、7、10日目にIP注射によって0.3mg/マウスの各物品を受けた。腫瘍体積(TV)および体重(BW)を測定し、試験エンドポイント(28日目)まで週に2回記録し、個々の動物を安楽死させ、比較分析のために腫瘍を抽出し、写真撮影し、秤量した(TW)。エンドポイントで平均TVをアイソタイプ対照の平均TVと比較するために、Dunnettの多重比較検定によるGeisser-Greenhouse補正を用いた反復測定(RM)二元配置ANOVAを実施した。エンドポイントで処置群の平均TWをアイソタイプ対照の平均TWと比較するために、Dunnの多重比較検定によるKruskal-Wallis検定を実施した。
【0555】
下記の表5に示されるように、A1 mIgG2a-D4により処置されるマウスは、イソタイプ対照により処置されたマウスと比較して、3日目から14日目までの腫瘍体積における一貫した約40%~60%の低下を示し、このことは、腫瘍成長を阻害することにおける抗IGFBP7抗体の高い有効性を示唆している。その後、おそらくA1 mIgG2a-D4が10日目の最後の投与後に循環から除去されたため、腫瘍阻害効果はあまり目立たなくなった。
【0556】
動物の全体重は、試験全体を通してすべての群で安定しており(データは示さず)、処置が十分に忍容されたことを示している。
【表5】
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表6-4】
【表6-5】
【表6-6】
【表6-7】
【配列表】
【国際調査報告】