(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】トラフィックのスケジューリング方法、装置、電子デバイス及びコンピュータ読み取り可能な媒体
(51)【国際特許分類】
H04L 45/24 20220101AFI20240306BHJP
H04L 45/302 20220101ALI20240306BHJP
H04L 43/08 20220101ALI20240306BHJP
【FI】
H04L45/24
H04L45/302
H04L43/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558462
(86)(22)【出願日】2022-01-04
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 CN2022070069
(87)【国際公開番号】W WO2022199202
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202110307609.3
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523360625
【氏名又は名称】北京匯鈞科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING HUIJUN TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 旭 謙
(72)【発明者】
【氏名】董 ▲ビン▼
(72)【発明者】
【氏名】李 力
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA14
5K030KX18
5K030LB06
5K030MB12
(57)【要約】
本開示はトラフィックのスケジューリング方法、装置、電子デバイス及びコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。ここで、トラフィックのスケジューリング方法は、トラフィック出口スイッチによって現在の送信待ちのメッセージを取得し、且つメッセージをトラフィック出口スイッチに接続されたプログラマブルスイッチに転送することと、プログラマブルスイッチによってメッセージに対応する通信パラメータを取得し、且つ通信パラメータに基づいてメッセージのターゲットポート識別子を決定することと、メッセージのターゲットポート識別子に基づいてメッセージをマークし、且つマークされたメッセージをトラフィック出口スイッチに返送することと、ターゲットポート識別子に基づいてトラフィック出口スイッチの複数の出力ポートからメッセージに対応するターゲット出力ポートを決定し、且つメッセージをターゲット出力ポートによって送信することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラフィックのスケジューリング方法であって、
トラフィック出口スイッチによって現在の送信待ちのメッセージを取得し、且つ前記メッセージを前記トラフィック出口スイッチに接続されたプログラマブルスイッチに転送することと、
前記プログラマブルスイッチによって前記メッセージに対応する通信パラメータを取得し、且つ前記通信パラメータに基づいて前記メッセージのターゲットポート識別子を決定することと、
前記メッセージのターゲットポート識別子に基づいて前記メッセージをマークし、且つマークされた前記メッセージを前記トラフィック出口スイッチに返送することと、
前記ターゲットポート識別子に基づいて前記トラフィック出口スイッチの複数の出力ポートから前記メッセージに対応するターゲット出力ポートを決定し、且つ前記メッセージを前記ターゲット出力ポートによって送信することと、を含む
トラフィックのスケジューリング方法。
【請求項2】
前記通信パラメータは、現在のトラフィック値及び前記メッセージのマルチ通信フィールドを含み、前記通信パラメータに基づいて前記メッセージのターゲットポート識別子を決定することは、
前記現在のトラフィック値及び前記メッセージのマルチ通信フィールドに基づいて前記メッセージに対応する出力ポート類型を決定することと、
前記メッセージのマルチ通信フィールドに基づいて前記出力ポート類型に含まれる複数のポートマーキングフィールドから前記メッセージの前記ターゲットポート識別子を決定することと、を含む
請求項1に記載のトラフィックのスケジューリング方法。
【請求項3】
前記現在のトラフィック値及び前記メッセージのマルチ通信フィールドに基づいて前記メッセージに対応する出力ポート類型を決定することは、
前記メッセージのマルチ通信フィールドに基づいて前記メッセージに対応するストリームを決定し、且つ前記ストリームの1つ前のメッセージに対応するタイムスタンプを取得することと、
前記メッセージに対応するタイムスタンプを取得し、且つ前記メッセージに対応するタイムスタンプと前記1つ前のメッセージに対応するタイムスタンプに基づいて前記メッセージと1つ前のメッセージとの間の時間間隔を決定することと、
前記現在のトラフィック値及び前記メッセージと1つ前のメッセージとの間の時間間隔に基づいて、前記メッセージの出力ポート類型を決定することと、を含む
請求項2に記載のトラフィックのスケジューリング方法。
【請求項4】
前記メッセージのマルチ通信フィールドに基づいて前記メッセージに対応するストリームを決定することは、
前記メッセージのマルチ通信フィールドに基づいて前記メッセージに対応するハッシュ識別コードを得て、且つ前記ハッシュ識別コードに基づいて前記メッセージに対応するストリームを決定することを含む
請求項3に記載のトラフィックのスケジューリング方法。
【請求項5】
前記現在のトラフィック値及び前記メッセージと1つ前のメッセージとの間の時間間隔に基づいて、前記メッセージの出力ポート類型を決定することは、
前記現在のトラフィック値がトラフィックレート制限の閾値より大きいか否か、及び前記メッセージと1つ前のメッセージとの間の時間間隔が時間間隔の閾値より大きいか否かを判断することと、
前記現在のトラフィック値が前記トラフィックレート制限の閾値より大きく、且つ前記時間間隔が前記時間間隔の閾値より大きい場合、前記メッセージのポートマーキングフィールドを課金ポート類型に決定することと、
前記現在のトラフィック値が前記トラフィックレート制限の閾値以下であり、且つ前記時間間隔が前記時間間隔の閾値より大きい場合、前記メッセージのポートマーキングフィールドを買い切りポート類型に決定することと、
前記時間間隔が前記時間間隔の閾値以下である場合、前記メッセージのポートマーキングフィールドを1つ前のメッセージに対応する出力ポート類型に決定することと、を含む
請求項3に記載のトラフィックのスケジューリング方法。
【請求項6】
前記ターゲットポート識別子に基づいて前記トラフィック出口スイッチの複数の出力ポートから前記メッセージに対応するターゲット出力ポートを決定した後、前記方法は、
前記ターゲット出力ポートの現在のトラフィック値を取得し、且つ前記ターゲット出力ポートの現在のトラフィック値が出力ポートのトラフィック閾値以下であるか否かを判断することと、
前記ターゲット出力ポートの現在のトラフィック値が前記出力ポートのトラフィック閾値以下である場合、前記メッセージを前記ターゲット出力ポートによって送信することと、
前記ターゲット出力ポートの現在のトラフィック値が前記出力ポートのトラフィック閾値より大きい場合、前記メッセージのターゲットポート識別子をデフォルトポート識別子に変更し、且つ前記メッセージを前記デフォルトポート識別子に対応する出力ポートによって送信することと、をさらに含む
請求項1に記載のトラフィックのスケジューリング方法。
【請求項7】
前記トラフィック出口スイッチと前記プログラマブルスイッチとの間の接続線の総帯域幅は、前記トラフィック出口スイッチにおけるすべての出力ポートの総帯域幅より大きい
請求項1に記載のトラフィックのスケジューリング方法。
【請求項8】
トラフィックのスケジューリング装置であって、
トラフィック出口スイッチによって現在の送信待ちのメッセージを取得し、且つ前記メッセージを前記トラフィック出口スイッチに接続されたプログラマブルスイッチに転送することに用いられるメッセージ取得モジュールと、
前記プログラマブルスイッチによって前記メッセージに対応する通信パラメータを取得し、且つ前記通信パラメータに基づいて前記メッセージのターゲットポート識別子を決定することに用いられる識別子決定モジュールと、
前記メッセージのターゲットポート識別子に基づいて前記メッセージをマークし、且つマークされた前記メッセージを前記トラフィック出口スイッチに返送することに用いられるメッセージマーキングモジュールと、
前記ターゲットポート識別子に基づいて前記トラフィック出口スイッチの複数の出力ポートから前記メッセージに対応するターゲット出力ポートを決定し、且つ前記メッセージを前記ターゲット出力ポートによって送信することに用いられるメッセージ送信モジュールと、を含む
トラフィックのスケジューリング装置。
【請求項9】
電子デバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに請求項1から7のいずれか一項に記載のトラフィックのスケジューリング方法を実現させる1つまたは複数のプログラムを記憶するためのメモリと、を含む
電子デバイス。
【請求項10】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体であって、
前記プログラムは、プロセッサによって実行されると、請求項1から7のいずれか一項に記載のトラフィックのスケジューリング方法を実現する
コンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年03月23日に中国に出願された出願番号が202110307609.3であり、発明の名称が「トラフィックのスケジューリング方法、装置、電子デバイス及びコンピュータ読み取り可能な媒体」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、当該中国特許出願の開示全体をここに参照のために取り込む。
【0002】
本開示は、通信技術の分野に関し、詳細には、トラフィックのスケジューリング方法、トラフィックのスケジューリング装置、電子デバイス、及びコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、マシンルーム出口と事業者との間の課金方式は主に二種類あり、それぞれ買い切りポート及び従量課金ポートである。この二種類の課金ポートに対して、一般的にはいずれもトラフィックを均等に割り当てまたはポートを人工でメンテナンスすることによってトラフィックのスケジューリングを行う。
【0004】
しかしながら、トラフィックを均等に割り当てることは費用が高く、ポートを人工でメンテナンスすることは維持管理コストが高く、人的資源の浪費を引き起こし、トラフィックスケジューリングの効率が低い。
【0005】
これに鑑みて、本分野では、トラフィックを合理的に分配し、コストを低減することができるトラフィックのスケジューリング方法が求められている。
【0006】
なお、上記の背景技術の節で開示された情報は、本開示の背景の理解を深めるためだけのものであり、したがって、当業者にとって公知の先行技術とならない情報を含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目的は、トラフィックのスケジューリング方法、トラフィックのスケジューリング装置、電子デバイス、及びコンピュータ読み取り可能な媒体を提供し、これにより少なくともある程度トラフィックのスケジューリングの効率を向上させ、トラフィック費用を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様によれば、トラフィックのスケジューリング方法が提供される。
トラフィック出口スイッチによって現在の送信待ちのメッセージを取得し、且つ前記メッセージを前記トラフィック出口スイッチに接続されたプログラマブルスイッチに転送することと、
前記プログラマブルスイッチによって前記メッセージに対応する通信パラメータを取得し、且つ前記通信パラメータに基づいて前記メッセージのターゲットポート識別子を決定することと、
前記メッセージのターゲットポート識別子に基づいて前記メッセージをマークし、且つマークされた前記メッセージを前記トラフィック出口スイッチに返送することと、
前記ターゲットポート識別子に基づいて前記トラフィック出口スイッチの複数の出力ポートから前記メッセージに対応するターゲット出力ポートを決定し、且つ前記メッセージを前記ターゲット出力ポートによって送信することと、を含む。
【0009】
本開示の例示的な実施形態において、前記通信パラメータは、現在のトラフィック値及び前記メッセージのマルチ通信フィールドを含み、前記通信パラメータに基づいて前記メッセージのターゲットポート識別子を決定することは、
前記現在のトラフィック値及び前記メッセージのマルチ通信フィールドに基づいて前記メッセージに対応する出力ポート類型を決定することと、
前記メッセージのマルチ通信フィールドに基づいて前記出力ポート類型に含まれる複数のポートマーキングフィールドから前記メッセージの前記ターゲットポート識別子を決定することと、を含む。
【0010】
本開示の例示的な実施形態において、前記現在のトラフィック値及び前記メッセージのマルチ通信フィールドに基づいて前記メッセージに対応する出力ポート類型を決定することは、
前記メッセージのマルチ通信フィールドに基づいて前記メッセージに対応するストリームを決定し、且つ前記ストリームの1つ前のメッセージに対応するタイムスタンプを取得することと、
前記メッセージに対応するタイムスタンプを取得し、且つ前記メッセージに対応するタイムスタンプと前記1つ前のメッセージに対応するタイムスタンプに基づいて前記メッセージと1つ前のメッセージとの間の時間間隔を決定することと、
前記現在のトラフィック値及び前記メッセージと1つ前のメッセージとの間の時間間隔に基づいて、前記メッセージの出力ポート類型を決定することと、を含む。
【0011】
本開示の例示的な実施形態において、前記メッセージのマルチ通信フィールドに基づいて前記メッセージに対応するストリームを決定することは、
前記メッセージのマルチ通信フィールドに基づいて前記メッセージに対応するハッシュ識別コードを得て、且つ前記ハッシュ識別コードに基づいて前記メッセージに対応するストリームを決定することを含む。
【0012】
本開示の例示的な実施形態において、前記現在のトラフィック値及び前記メッセージと1つ前のメッセージとの間の時間間隔に基づいて、前記メッセージの出力ポート類型を決定することは、
前記現在のトラフィック値がトラフィックレート制限の閾値より大きいか否か、及び前記メッセージと1つ前のメッセージとの間の時間間隔が時間間隔の閾値より大きいか否かを判断することと、
前記現在のトラフィック値が前記トラフィックレート制限の閾値より大きく、且つ前記時間間隔が前記時間間隔の閾値より大きい場合、前記メッセージのポートマーキングフィールドを課金ポート類型に決定することと、
前記現在のトラフィック値が前記トラフィックレート制限の閾値以下であり、且つ前記時間間隔が前記時間間隔の閾値より大きい場合、前記メッセージのポートマーキングフィールドを買い切りポート類型に決定することと、
前記時間間隔が前記時間間隔の閾値以下である場合、前記メッセージのポートマーキングフィールドを1つ前のメッセージに対応する出力ポート類型に決定することと、を含む。
【0013】
本開示の例示的な実施形態において、前記ターゲットポート識別子に基づいて前記トラフィック出口スイッチの複数の出力ポートから前記メッセージに対応するターゲット出力ポートを決定した後、前記方法は、
前記ターゲット出力ポートの現在のトラフィック値を取得し、且つ前記ターゲット出力ポートの現在のトラフィック値が出力ポートのトラフィック閾値以下であるか否かを判断することと、
前記ターゲット出力ポートの現在のトラフィック値が前記出力ポートのトラフィック閾値以下である場合、前記メッセージを前記ターゲット出力ポートによって送信することと、
前記ターゲット出力ポートの現在のトラフィック値が前記出力ポートのトラフィック閾値より大きい場合、前記メッセージのターゲットポート識別子をデフォルトポート識別子に変更し、且つ前記メッセージを前記デフォルトポート識別子に対応する出力ポートによって送信することと、をさらに含む。
【0014】
本開示の例示的な実施形態において、前記トラフィック出口スイッチと前記プログラマブルスイッチとの間の接続線の総帯域幅は、前記トラフィック出口スイッチにおけるすべての出力ポートの総帯域幅よりも大きい。
【0015】
本開示の第2の態様によれば、トラフィックのスケジューリング装置が提供される。
トラフィック出口スイッチによって現在の送信待ちのメッセージを取得し、且つ前記メッセージを前記トラフィック出口スイッチに接続されたプログラマブルスイッチに転送することを実行するように配置されるメッセージ取得モジュールと、
前記プログラマブルスイッチによって前記メッセージに対応する通信パラメータを取得し、且つ前記通信パラメータに基づいて前記メッセージのターゲットポート識別子を決定することを実行するように配置される識別子決定モジュールと、
前記メッセージのターゲットポート識別子に基づいて前記メッセージをマークし、且つマークされた前記メッセージを前記トラフィック出口スイッチに返送することを実行するように配置されるメッセージマーキングモジュールと、
前記ターゲットポート識別子に基づいて前記トラフィック出口スイッチの複数の出力ポートから前記メッセージに対応するターゲット出力ポートを決定し、且つ前記メッセージを前記ターゲット出力ポートによって送信することを実行するように配置されるメッセージ送信モジュールと、を含む。
【0016】
本開示の第3の態様によれば、プロセッサと、前記プロセッサの実行可能な命令を記憶するためのメモリとを含む、電子デバイスが提供され、ここで、前記プロセッサは、前記実行可能な命令を実行することによって、上記のいずれか一項に記載のトラフィックのスケジューリング方法を実行するように配置される。
【0017】
本開示の第4の態様によれば、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体が提供され、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、上記のいずれか一項に記載のトラフィックのスケジューリング方法を実現する。
【0018】
なお、上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものにすぎず、本開示を限定するものではない。
【0019】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本開示に符号する実施例を示し、明細書とともに本開示の原理を説明するために使用される。以下の説明における図面は、本開示のいくつかの実施例にすぎず、当業者であれば、創造的な作業を行うことなく、これらの図面から他の図面を得ることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本開示の例示的な実施形態に係るトラフィックのスケジューリング方法の概略フローチャートを示す。
【
図2】
図2は、本開示の例示的な実施形態に係る通信パラメータに基づいてメッセージのターゲットポート識別子を決定する概略フローチャートを示す。
【
図3】
図3は、本開示の例示的な実施形態に係る現在のトラフィック値及びメッセージのマルチ通信フィールドに基づいてメッセージに対応する出力ポート類型を決定する概略フローチャートを示す。
【
図4】
図4は、本開示に係る一実施形態における構成されるネットワークトポロジ図を示す。
【
図5】
図5は、本開示に係る一実施形態におけるトラフィックのスケジューリング方法の概略フローチャートを示す。
【
図6】
図6は、本開示の例示的な実施形態に係るトラフィックのスケジューリング装置のブロック図を示す。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態に係る電子デバイスを実現するのに適したコンピュータシステムの概略構造図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して例示的な実施形態をより詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は、多くの形態で実施することができ、本明細書に記載される例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示がより全面かつ完全になり、例示的な実施形態の概念を当業者に十分に伝えるように提供される。説明される特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な様式で組み合わせられてもよい。以下の説明において、本開示の実施形態の完全な理解を与えるために、多くの具体的な詳細が提供される。しかしながら、当業者であれば、本開示の技術的解決策が、記載された特定の詳細のうちの1つまたは複数を省略して実施されることができか、または他の方法、構成要素、装置、ステップなどが採用されることができることを認識するであろう。他の場合には、本開示の態様を不明瞭にすることを避けるために、よく知られている技術的解決策は詳細に示されず、または説明されない。
【0022】
なお、図面は、本開示の概略図にすぎず、必ずしも縮尺通りに描かれていない。なお、図中同一または類似の部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。図に示されるブロック図のうちのいくつかは、機能的エンティティーであり、必ずしも物理的または論理的に独立したエンティティーに対応する必要はない。これらの機能エンティティーは、ソフトウェアで、または1つまたは複数のハードウェアモジュールまたは集積回路で、または異なるネットワーク及び/またはプロセッサ装置及び/またはマイクロコントローラ装置内で実装することができる。
【0023】
現在のマシンルーム出口と事業者との間の課金方式は以下の二種類がある。
1.買い切りポート:固定帯域幅の出力ポートであり、該ポートが実際にどれだけのトラフィックを伝送したかを統計する必要がなく、固定帯域幅に応じて統一的に課金する。
【0024】
2.従量課金ポート:実際に使用されるトラフィックに応じて課金する出力ポート。
いくつかの関連する実施例において、上記の2つの課金方法に基づいて、現在のマシンルームが上記の2つのポートを含む場合、以下のいくつかのトラフィックのスケジューリング方法を採用することができる。
【0025】
1.Ecmp(Equal Cost Multi-path、等価ルーティング):5タプルハッシュ(5-Tuple hash)を計算する方式により、トラフィックを全てのポートに平均的に割り当て、各ポートの課金方式を考慮しない。
【0026】
Ecmpの欠点は、主にポートの課金方式を考慮せず、単にトラフィックを全てのポートに均一に分配することである。このようにすると、買い切りポートの帯域幅が未満になり、逆に課金ポートから多くのトラフィックが出力され、トラフィックの費用が高くなる。
【0027】
2.ポートの人工メンテナンス:現在のリアルタイムトラフィックに基づき、ポートを人工で追加または削除し、優先的に買い切りポートを使用することができ、そしてリアルタイムトラフィックに基づいて従量課金のポートを追加する。
【0028】
現在使用されているポートを人工でメンテナンスする方式は、維持管理コストが高く、且ついずれも繰り返し操作であるため、人的な浪費を引き起こす。
【0029】
3.買い切りポートのレート制限:買い切りポートにacl(Access Control Lists、アクセス制御リスト)レート制限を設置し、現在のトラフィックがレート制限より小さい場合は買い切りポートを通過し、超える場合は超えた分が課金ポートを通過する。
【0030】
買い切りポートにレート制限を設置する方式により、レート制限を超える部分のみに課金ポートを通過させると、同じストリームが異なるポートから転送され、従ってパケットロスまたは乱れての可能性が存在する。
【0031】
上記問題に基づき、本例示的な実施形態はまずトラフィックのスケジューリング方法を提供する。
図1に示すとおり、上記トラフィックのスケジューリング方法は以下のステップを含むことができる。
【0032】
ステップS110:トラフィック出口スイッチによって現在の送信待ちのメッセージを取得し、且つメッセージをトラフィック出口スイッチに接続されたプログラマブルスイッチに転送する。
【0033】
ステップS120:プログラマブルスイッチによってメッセージに対応する通信パラメータを取得し、且つ通信パラメータに基づいてメッセージのターゲットポート識別子を決定する。
【0034】
ステップS130:メッセージのターゲットポート識別子に基づいてメッセージをマークし、且つマークされたメッセージをトラフィック出口スイッチに返送する。
【0035】
ステップS140:ターゲットポート識別子に基づいてトラフィック出口スイッチの複数の出力ポートからメッセージに対応するターゲット出力ポートを決定し、且つメッセージをターゲット出力ポートによって送信する。
【0036】
本開示の例示的な実施形態のトラフィックのスケジューリング方法において、現在の送信待ちのメッセージをトラフィック出口スイッチからプログラマブルスイッチに転送し、且つプログラマブルスイッチによって現在のメッセージに対応する通信パラメータに基づいてメッセージをマークし、マークされたメッセージに基づいてトラフィックを異なるポートに合理的に割り当てる。本開示の例示的な実施形態におけるトラフィックのスケジューリング方法は、トラフィックを合理的にスケジューリングすることができ、プログラマブルスイッチによってトラフィックを統計し且つ各ポートに割り当て、トラフィック費用を節約する上で、維持管理コストを低減し、トラフィックのスケジューリングの効率を向上させることができる。
【0037】
以下、
図2~
図6を参照して、この例示的な実施形態の上記ステップをより詳細に説明する。
【0038】
ステップS110において、トラフィック出口スイッチによって現在の送信待ちのメッセージを取得し、且つメッセージをトラフィック出口スイッチに接続されたプログラマブルスイッチに転送する。
【0039】
スイッチは信号を転送するためのネットワーク設備であり、この例示的な実施形態において、トラフィック出口スイッチはマシンルームの出方向トラフィックを管理するためのネットワーク設備であり、入方向トラフィックは当該トラフィック出口スイッチを通過しない。
【0040】
プログラマブルスイッチはプログラマブル能力を有するネットワークスイッチであり、プログラミング言語によって制御することができ、例えば、P4(Programming Protocol-independent Packet Processors、プログラミングプロトコルに依存しないパケットプロセッサ)言語によって制御されるP4プログラマブルスイッチ等である。
【0041】
この例示的な実施形態において、バイパス展開によって、出口帯域幅の合計に基づいてトラフィック出口スイッチとプログラマブルスイッチとを接続することができ、ここで、プログラマブルスイッチは、例えば、P4プログラマブルスイッチであってもよい。具体的には、トラフィック出口スイッチとプログラマブルスイッチを接続する場合、トラフィック出口スイッチとプログラマブルスイッチとの間の接続線の総帯域幅は、トラフィック出口スイッチにおけるすべての出力ポートの総帯域幅より大きい。接続した後、トラフィック出口スイッチとプログラマブルスイッチにおいてbgp(Border Gateway Protocol、ボーダーゲートウェイプロトコル)を開始する方式によって、トラフィック出口スイッチの出方向のデフォルトルーティングをプログラマブルスイッチに指向し、トラフィックの出口方向をデフォルトの公衆ネットワークに直接入る方向から、プログラマブルスイッチに入る方向に変更し、プログラマブルスイッチにより現在の送信待ちのメッセージに対して論理処理を行う。
【0042】
ステップS120において、プログラマブルスイッチによってメッセージに対応する通信パラメータを取得し、且つ通信パラメータに基づいてメッセージのターゲットポート識別子を決定する。
【0043】
この例示的な実施形態において、メッセージの通信パラメータは、現在のトラフィック値及びメッセージのマルチ通信フィールドを含み、ここで、メッセージのマルチ通信フィールドは例えば4タプル、5タプル、7タプル等であってもよく、5タプルを例とし、ソースIp(source IP)、ソースポート(source port)、ターゲットIp(destination IP)、ターゲットポート(destination port)及び4層通信プロトコル(the layer 4 protocol)等の5つのフィールドを含む。
【0044】
この例示的な実施形態において、プログラマブルスイッチによって、メッセージの通信パラメータに基づいて現在のメッセージのターゲットポート識別子を決定することができ、ターゲットポート識別子は、当該メッセージが具体的にどの出力ポートから送信されるかをマークするために使用することができる。
【0045】
この例示的な実施形態において、
図2に示すように、通信パラメータに基づいてメッセージのターゲットポート識別子を決定することは、具体的には、以下のステップを含むことができる。
【0046】
ステップS210:現在のトラフィック値及びメッセージのマルチ通信フィールドに基づいてメッセージに対応する出力ポート類型を決定する。
【0047】
出力ポート類型は、買い切りポート類型及び課金ポート類型を含み、ここで、買い切りポート類型とは、固定帯域幅の出力ポート類型であり、一括して固定帯域幅に応じて課金される。課金ポート類型とは、実際に使用されるトラフィックに応じて課金される出力ポート類型である。各類型は、1つまたは複数の対応する出力ポートを含むことができ、例えば、買い切りポート類型は、第1の買い切り出力ポート、第2の買い切り出力ポートを含むことができ、課金ポート類型は、第1の課金出力ポート、第2の課金出力ポートなどを含むことができる。
【0048】
この例示的な実施形態において、
図3に示すように、現在のトラフィック値及びメッセージのマルチ通信フィールドに基づいてメッセージに対応する出力ポート類型を決定することは、具体的には、以下のステップを含むことができる。
【0049】
ステップS310:メッセージのマルチ通信フィールドに基づいてメッセージに対応するストリームを決定し、且つストリームの1つ前のメッセージに対応するタイムスタンプを取得する。
【0050】
この例示的な実施形態において、メッセージのマルチ通信フィールドに基づいてメッセージに対応するハッシュ識別コードを得て、且つハッシュ識別コードに基づいてメッセージに対応するストリームを決定することができる。具体的には、まずメッセージの5タプルに対してhash演算を行い、現在のメッセージのhash idを得て、次にhash idによってflowletエントリからメッセージに対応するストリームを検索し、且つこのストリームの1つ前のメッセージに対応する情報を取得し、タイムスタンプ等を含む。
【0051】
ステップS320:メッセージに対応するタイムスタンプを取得し、且つメッセージに対応するタイムスタンプと1つ前のメッセージに対応するタイムスタンプに基づいてメッセージと1つ前のメッセージとの間の時間間隔を決定する。
【0052】
現在のメッセージと1つ前のメッセージに対応するタイムスタンプを取得した後、2つのタイムスタンプにおける情報に基づいて、現在のメッセージと1つ前のメッセージとの間の時間間隔を得る。
【0053】
ステップS330:現在のトラフィック値及びメッセージと1つ前のメッセージとの間の時間間隔に基づいて、メッセージの出力ポート類型を決定する。
【0054】
現在のトラフィック値及び現在のメッセージの時間間隔を取得した後、現在のトラフィック値がトラフィックレート制限の閾値より大きいか否か、及びメッセージと1つ前のメッセージとの間の時間間隔が時間間隔の閾値より大きいか否かを判断することにより、メッセージの出力ポート類型を決定する。具体的には、現在のトラフィック値がトラフィックレート制限の閾値より大きく、且つ時間間隔が時間間隔の閾値より大きい場合、メッセージのポートマーキングフィールドを課金ポート類型に決定する。現在のトラフィック値がトラフィックレート制限の閾値以下であり、且つ時間間隔が時間間隔の閾値より大きい場合、メッセージのポートマーキングフィールドを買い切りポート類型に決定する。時間間隔が時間間隔の閾値以下である場合、メッセージのポートマーキングフィールドを1つ前のメッセージに対応する出力ポート類型に決定する。
【0055】
ステップS220:メッセージのマルチ通信フィールドに基づいて出力ポート類型に含まれる複数のポートマーキングフィールドからメッセージのターゲットポート識別子を決定する。
【0056】
各出力ポート類型は複数の出力ポートを含むことができ、複数のポートマーキングフィールドにそれぞれ対応し、例えばdscp(Differentiated Services Code Point、差別化サービスコードポイント)番号である。現在のメッセージに対応する出力ポート類型を決定した後、メッセージの5タプルに対してhash演算を行う方式で出力ポート類型に含まれる複数のポートマーキングフィールドから1つのdscp番号を決定してメッセージのターゲットポート識別子とすることができる。
【0057】
プログラマブルスイッチを介してマシンルームの出口トラフィックを優先的に買い切りポートに通過することを実現し、リアルタイムトラフィック値が買い切りポートのトラフィックレート制限の閾値を超える場合、ストリームの粒度で一部のストリームを課金ポートに切り替える。プログラマブルスイッチにおいてストリームを統計し、ストリームにタイムスタンプを記録する方式でトラフィックのスケジューリングを実現し、ストリームを異なる類型のポートに割り当て、これにより買い切りポートをできるだけ使い切り、残りのトラフィックを課金ポートで行って、ネットワーク費用を節約する。
【0058】
ステップS130において、メッセージのターゲットポート識別子に基づいてメッセージをマークし、且つマークされたメッセージをトラフィック出口スイッチに返送する。
【0059】
メッセージのターゲットポート識別子を決定した後、それをメッセージにマークし、次にマークされたメッセージをトラフィック出口スイッチに返送する。メッセージを返送する時、まずメッセージがトラフィック出口スイッチからプログラマブルスイッチに入る時に通過するポートを取得し、次に該ポートからメッセージをトラフィック出口スイッチに返送する。
【0060】
ステップS140において、ターゲットポート識別子に基づいてトラフィック出口スイッチの複数の出力ポートからメッセージに対応するターゲット出力ポートを決定し、且つメッセージをターゲット出力ポートによって送信する。
【0061】
トラフィック出口スイッチはプログラマブルスイッチから返送されたメッセージを受信した後、それに含まれるターゲットポート識別子、例えばdscp番号に基づいて、トラフィック出口スイッチに予め配置されたacl(Access Control Lists、アクセス制御リスト)により、dscp番号に対応するターゲット出力ポートを識別し、次にメッセージをターゲット出力ポートによって転送する。
【0062】
また、この例示的な実施形態において、ターゲットポート識別子に対応するターゲット出力ポートの帯域幅の上限が既にいっぱいされている場合、さらに当該ポートからメッセージを送信すると、パケットロスの状況が発生する可能性があり、したがって、ターゲット出力ポートの現在のトラフィック値を事前に取得し、且つターゲット出力ポートの現在のトラフィック値が出力ポートのトラフィック閾値以下であるか否かを判断することができる。ターゲット出力ポートの現在のトラフィック値が出力ポートのトラフィック閾値以下である場合、メッセージをターゲット出力ポートによって送信する。ターゲット出力ポートの現在のトラフィック値が出力ポートのトラフィック閾値より大きい場合、メッセージのターゲットポート識別子をデフォルトポート識別子に変更し、且つメッセージをデフォルトポート識別子に対応する出力ポートによって送信する。
【0063】
図4は本開示の一つの具体的な実施形態における構成されたネットワークトポロジ図であり、マシンルームの出方向のトラフィックを管理するために用いることができる。
図4に示すように、p4プログラマブルスイッチはバイパス構成であり、出口帯域幅の総量に基づいて出口スイッチとp4プログラマブルスイッチを接続し、出口スイッチとp4プログラマブルスイッチとの間の接続線の総帯域幅は出口スイッチの出口総帯域幅より大きくする必要があり、具体的には、即ち
図4におけるポート1、2、3の総帯域幅はポート買い切り1、買い切り2、課金1及び課金2の総帯域幅より大きくする必要がある。
【0064】
回線を接続した後、まず各出力ポートにdscp番号を割り当て、且つ出口スイッチにdscp番号及びポートに対応するaclを書く必要があり、これによりp4プログラマブルスイッチはdscp番号に基づいて対応する出力ポートを決定する。そして、p4プログラマブルスイッチと出口スイッチにおいてbgpを開始することにより、出口スイッチの出方向のデフォルトルーティングをp4プログラマブルスイッチに指向させ、このようにして出方向のトラフィックはp4設備に通過する。p4プログラマブルスイッチにおける論理処理により、各メッセージに対応するdscp番号をマークし、それからメッセージを元の経路によって出口スイッチに返送する。出口スイッチはメッセージにマークされたdscp番号に基づいて、対応するターゲット出力ポートを選択し、メッセージをターゲット出力ポートに転送して送信する。
【0065】
図5に示すのは本開示の一つの具体的な実施形態におけるトラフィックのスケジューリング方法の完全なフローチャートであり、この例示的な実施形態における上記ステップを例示して説明し、当該フローチャートの具体的なステップは以下の通りである。
【0066】
ステップS502:現在のメッセージを受信する。
ステップS504:1つ前のメッセージから現在のメッセージまでが50msより大きいか否かを判断する。
【0067】
現在のメッセージの5タプルに対してhash演算を行い、現在のメッセージのhash idを得て、次にhash idによってflowletエントリからメッセージに対応するストリームを検索し、且つこのストリームの1つ前のメッセージに対応するタイムスタンプを取得し、このストリームの1つ前のメッセージから現在のメッセージまでが50msより大きいか否かを判断する。1つ前のメッセージから現在のメッセージまでが50ms以下である場合、ステップS506に進む。1つ前のメッセージから現在のメッセージまでが50msより大きい場合、ステップS508に進み、トラフィック閾値の判断を行う。
【0068】
ステップS506:現在のメッセージの出力ポート類型を1つ前のメッセージの出力ポート類型に決定する。
【0069】
ステップS508:現在のトラフィックがトラフィックレート制限の閾値を超えているか否かを判断する。
【0070】
現在のトラフィックがトラフィックレート制限の閾値を超える場合、ステップS510に進む。現在のトラフィックがトラフィックレート制限の閾値を超えない場合、ステップS512に進む。
【0071】
ステップS510:現在のメッセージの出力ポート類型を課金ポート類型に決定する。
ステップS512:現在のメッセージの出力ポート類型を買い切りポート類型に決定する。
【0072】
ステップS514:現在のポート類型に対応するポート集合を取得する。
ステップS516:ポート集合から現在のメッセージのdscp識別子を決定する。
【0073】
メッセージの5タプルに対してhash演算を行う方式によって1つのdscp番号をランダムに選択して現在のメッセージのdscp識別子とすることができる。
【0074】
ステップS518:現在のメッセージに対応する出力ポートが帯域幅閾値を超えているか否かを判断する。
【0075】
現在のメッセージに対応する出力ポートが既に帯域幅閾値に達している場合、ステップS520に進み、現在のメッセージのdscp識別子を他のポートのdscp識別子に変換する。現在のメッセージに対応する出力ポートが帯域幅閾値に達していない場合、ステップS522に進む。
【0076】
ステップS520:現在のメッセージのdscp識別子を変更する。
現在のメッセージのdscp識別子をデフォルトポートのdscp識別子に変更する。
【0077】
ステップS522:現在のメッセージのdscp識別子に基づいて現在のメッセージをマークする。
【0078】
ステップS524:現在のメッセージを出力する。
メッセージはどのポートからP4プログラマブルスイッチに入り、どのポートから出口スイッチに返送される。例えば、メッセージは
図4における1ポートからP4プログラマブルスイッチに入り、返送する時にさらに1ポートから出口スイッチに返送する。
【0079】
出口スイッチはメッセージを受信した後、事前に配置されたaclによって、dscp番号に対応する物理ポートを識別し、メッセージをこの物理ポートによって転送する。
【0080】
この例示的な実施形態におけるトラフィックのスケジューリング方法は、x86サーバによって実現することもできるが、サーバアーキテクチャはT級帯域幅及びパケットワイヤ速度処理能力を満たすことができず、且つミリ秒級で大量のメッセージを処理することが困難であるため、開発コスト及び設備コストがより高くなる。
【0081】
なお、本開示における方法の各ステップは、添付図面において特定の順序で説明されているが、これは、所望の結果を達成するために、ステップが特定の順序で実行されなければならないこと、またはすべての示されたステップが実行されなければならないことを要求または暗示するものではないことに留意されたい。追加的または代替的に、いくつかのステップを省略すること、複数のステップを1つのステップにまとめて実行すること、及び/または1つのステップを複数のステップに分割して実行することなどが可能である。
【0082】
さらに、本開示はさらにトラフィックのスケジューリング装置を提供する。
図6に示すとおり、当該トラフィックのスケジューリング装置は、メッセージ取得モジュール610と、識別子決定モジュール620と、メッセージマーキングモジュール630と、メッセージ送信モジュール640とを含むことができる。ここで、
メッセージ取得モジュール610は、トラフィック出口スイッチをよって現在の送信待ちのメッセージを取得し、且つメッセージをトラフィック出口スイッチに接続されたプログラマブルスイッチに転送することを実行するように配置される。
【0083】
識別子決定モジュール620は、プログラマブルスイッチによってメッセージに対応する通信パラメータを取得し、且つ通信パラメータに基づいてメッセージのターゲットポート識別子を決定することを実行するように配置される。
【0084】
メッセージマーキングモジュール630は、メッセージのターゲットポート識別子に基づいてメッセージをマークし、且つマークされたメッセージをトラフィック出口スイッチに返送することを実行するように配置される。
【0085】
メッセージ送信モジュール640は、ターゲットポート識別子に基づいてトラフィック出口スイッチの複数の出力ポートからメッセージに対応するターゲット出力ポートを決定し、且つメッセージをターゲット出力ポートによって送信することを実行するように配置される。
【0086】
本開示のいくつかの例示的な実施例において、識別子決定モジュール620は、出力ポート類型決定ユニット及びターゲットポート識別子決定ユニットを含むことができる。ここで、
出力ポート類型決定ユニットは、現在のトラフィック値及びメッセージのマルチ通信フィールドに基づいてメッセージに対応する出力ポート類型を決定することを実行するように配置される。
【0087】
ターゲットポート識別子決定ユニットは、メッセージのマルチ通信フィールドに基づいて出力ポート類型に含まれる複数のポートマーキングフィールドからメッセージのターゲットポート識別子を決定することを実行するように配置される。
【0088】
本開示のいくつかの例示的な実施例において、出力ポート類型決定ユニットは、タイムスタンプ取得ユニットと、時間間隔決定ユニットと、ポート類型決定ユニットとを含むことができる。ここで、
タイムスタンプ取得ユニットは、メッセージのマルチ通信フィールドに基づいてメッセージに対応するストリームを決定し、ストリームの1つ前のメッセージに対応するタイムスタンプを取得することを実行するように配置される。
【0089】
時間間隔決定ユニットは、メッセージに対応するタイムスタンプを取得し、且つメッセージに対応するタイムスタンプと1つ前のメッセージに対応するタイムスタンプに基づいて、メッセージと1つ前のメッセージとの間の時間間隔を決定することを実行するように配置される。
【0090】
ポート類型決定ユニットは、現在のトラフィック値及びメッセージと1つ前のメッセージとの間の時間間隔に基づいて、メッセージの出力ポート類型を決定することを実行するように配置される。
【0091】
本開示のいくつかの例示的な実施例において、タイムスタンプ取得ユニットは、ハッシュ識別コード決定ユニットを含むことができ、ハッシュ識別コード決定ユニットは、メッセージのマルチ通信フィールドに基づいてメッセージに対応するハッシュ識別コードを取得し、且つハッシュ識別コードに基づいてメッセージに対応するストリームを決定することを実行するように配置される。
【0092】
本開示のいくつかの例示的な実施例において、ポート類型決定ユニットは、パラメータ閾値判断ユニットと、課金ポート類型決定ユニットと、買い切りポート類型決定ユニットと、履歴ポート類型決定ユニットとを含むことができる。ここで、
パラメータ閾値判断ユニットは、現在のトラフィック値がトラフィックレート制限の閾値より大きいか否か、及びメッセージと1つ前のメッセージとの間の時間間隔が時間間隔の閾値より大きいか否かを判断することを実行ように配置される。
【0093】
課金ポート類型決定ユニットは、現在のトラフィック値がトラフィックレート制限の閾値よりも大きく、且つ時間間隔が時間間隔の閾値よりも大きい場合、メッセージのポートマーキングフィールドを課金ポート類型に決定することを実行するように配置される。
【0094】
買い切りポート類型決定ユニットは、現在のトラフィック値がトラフィックレート制限の閾値以下であり、且つ時間間隔が時間間隔の閾値より大きい場合、メッセージのポートマーキングフィールドを買い切りポート類型に決定することを実行するように配置される。
【0095】
履歴ポート類型決定ユニットは、時間間隔が時間間隔の閾値以下である場合、メッセージのポートマーキングフィールドを1つ前のメッセージに対応する出力ポート類型に決定することを実行するように配置される。
【0096】
本開示のいくつかの例示的な実施例において、本開示によって提供されるトラフィックのスケジューリング装置は、出力ポートトラフィック制限モジュールをさらに含むことができ、当該出力ポートトラフィック制限モジュールは、ポートトラフィック閾値判断ユニットと、出力ポートメッセージ送信ユニットと、デフォルトポートメッセージ送信ユニットとを含むことができる。ここで、
ポートトラフィック閾値判断ユニットは、ターゲット出力ポートの現在のトラフィック値を取得し、且つターゲット出力ポートの現在のトラフィック値が出力ポートのトラフィック閾値以下であるか否かを判断することを実行するように配置される。
【0097】
出力ポートメッセージ送信ユニットは、ターゲット出力ポートの現在のトラフィック値が出力ポートのトラフィック閾値以下である場合、メッセージをターゲット出力ポートによって送信することを実行するように配置される。
【0098】
デフォルトポートメッセージ送信ユニットは、ターゲット出力ポートの現在のトラフィック値が出力ポートのトラフィック閾値よりも大きい場合、メッセージのターゲットポート識別子をデフォルトポート識別子に変更し、且つメッセージをデフォルトポート識別子に対応する出力ポートによって送信することを実行するように配置される。
【0099】
上記トラフィックのスケジューリング装置における各モジュール/ユニットの具体的な詳細は、対応する方法の実施例の部分で既に詳細に説明されており、ここでは再び説明しない。
【0100】
図7は、本開示の実施例に係る電子デバイスを実現するのに適したコンピュータシステムの概略構造図を示す。
【0101】
なお、
図7に示す電子デバイスのコンピュータシステム700は一例にすぎず、本開示の実施例の機能や使用範囲を限定するものではない。
【0102】
図7に示すように、コンピュータシステム700は、中央処理ユニット(CPU)701を含み、これは、読み出し専用メモリ(ROM)702に記憶されたプログラム、または記憶部708からランダムアクセスメモリ(RAM)703にロードされたプログラムに基づいて、様々な適切な動作及び処理を実行することができる。RAM703には、システムの操作に必要な各種プログラムやデータも記憶される。CPU701、ROM702及びRAM703は、バス704を介して相互に接続されている。入力/出力(I/O)インターフェース705もバス704に接続されている。
【0103】
I/Oインタフェース705には、キーボード、マウスなどを含む入力部706と、ブラウン管(CRT)、液晶表示装置(LCD)など及びスピーカなどを含む出力部707と、ハードディスクなどを含む記憶部708と、LANカード、モデムなどのネットワークインタフェースカードを含む通信部709とが接続されている。通信部709は、インターネットなどのネットワークを介した通信処理を行う。ドライブ710も必要に応じてI/Oインタフェース705に接続される。磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブルメディア711は、必要に応じてドライブ710に取り付けられ、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部708にインストールされる。
【0104】
特に、本開示の実施例によれば、フローチャートを参照して以下に説明されるプロセスは、コンピュータソフトウェアプログラムとして実装され得る。例えば、本開示の実施例は、コンピュータ読み取り可能な媒体上に担持されたコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を含み、当該コンピュータプログラムは、フローチャートに示される方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施例において、当該コンピュータプログラムは、通信部709を介してネットワークからダウンロードされてインストールされてもよいし、及び/またはリムーバブルメディア711からインストールされてもよい。当該コンピュータプログラムが中央処理ユニット(CPU)701によって実行されると、本開示のシステムにおいて定義される様々な機能が実行される。
【0105】
なお、本開示で示したコンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能な信号媒体またはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、あるいは両方の任意の組み合わせであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば、電子的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外線、または半導体のシステムや装置やデバイス、またはこれらの任意の組み合わせとすることができるが、これらに限定されない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例は、1つまたは複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。本開示において、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、あるいはこれらに関連して使用することができるプログラムを含むまたは記憶する、任意の有形媒体であってもよい。さらに、本開示において、コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、ベースバンドにおいて、または搬送波の一部として伝搬されるデータ信号を含むことができ、その中にコンピュータ読み取り可能なプログラムコードが担持される。このような伝搬データ信号は、電磁信号、光信号、または上記の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない様々な形態をとることができる。コンピュータ読み取り可能な信号媒体はまた、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するためのプログラムを送信、伝搬、または伝送することができる、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体以外の任意のコンピュータ読み取り可能な媒体であってもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体上に含まれるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバ、RFなど、または上記の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を使用して伝送することができる。
【0106】
添付の図面におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な実施例によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、及び操作を示す。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能な命令を含む、モジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部を表し得る。なお、いくつかの代替実装形態において、ブロックに記載された機能は、図面に記載された順序とは異なる順序で行われ得ることにも留意されたい。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、含まれる機能に応じて、実質的に同時に実行されてもよく、場合によっては逆の順序で実行されてもよい。なお、ブロック図またはフローチャートの各ブロック、及びブロック図またはフローチャートのブロックの組み合わせは、指定された機能または操作を実行する専用ハードウェアベースのシステム、あるいは専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実装され得ることにも留意されたい。
【0107】
別の態様として、本開示はさらにコンピュータ読み取り可能な媒体を提供し、該コンピュータ読み取り可能な媒体は、上記実施例に記載の電子デバイスに含まれていてもよいし、単独で存在していてもよいし、当該電子デバイスに組み込まれなくてもよい。上記コンピュータ読み取り可能な媒体は1つまたは複数のプログラムを担持し、上記1つまたは複数のプログラムが1つの該電子デバイスによって実行される時、該電子デバイスに下記実施例に記載の方法を実現させる。
【0108】
なお、上記の詳細な説明において、動作の実行のための設備のいくつかのモジュールについて言及したが、そのような分割は必須ではないことに留意されたい。実際には、本開示の実施形態によれば、上述の2つ以上のモジュールの特徴及び機能は、1つのモジュールにおいて具現化され得る。逆に、上述の1つのモジュールの特徴及び機能は、複数のモジュールによって具現化されるようにさらに分割されてもよい。
【0109】
当業者であれば、本明細書の考察及び本明細書に開示される発明の実施から本開示の他の実施形態を容易に想起されるであろう。本開示は、本開示の一般的な原理に従い、本開示によって開示されていない当技術分野における共通の一般知識または慣用的な技術的手段を含む、本開示の任意の変更、用途、または適応的な変化を包含することを意図している。
【0110】
なお、本開示は、上記で説明され、添付の図面に示された精確な構成に限定されず、本開示の範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更が行われ得ることを理解されたい。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【国際調査報告】