(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】膨張キャビティを通過するステーによって補強された空気タイヤを製造するための溝付きコアツール
(51)【国際特許分類】
B29D 30/08 20060101AFI20240306BHJP
B60C 5/22 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B29D30/08
B60C5/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558513
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 FR2022050489
(87)【国際公開番号】W WO2022200718
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ルービー ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ナゴデ クレマン
(72)【発明者】
【氏名】シモネリ トマ
(72)【発明者】
【氏名】ルイエ フランソワ
【テーマコード(参考)】
3D131
4F215
【Fターム(参考)】
3D131AA51
3D131BB01
3D131BC51
3D131BC55
3D131DA66
4F215AH20
4F215VA02
4F215VC12
4F215VD01
4F215VP38
(57)【要約】
本発明は、クラウン(3)と、第1の環状ビード(4)及び第2の環状ビード(5)と、並びに第1の側壁(6)及び第2の側壁(7)とを備えるドーナツ形タイヤケーシング(2)の製造を意図したツール(1)に関連し、ツール(1)は、タイヤケーシング(2)の構造に恒久的に組み込まれてタイヤキャビティ(9)を通って延びてケーシングのクラウン(3)に位置するクラウン固着点(17)をケーシングの側壁(6,7)又はビード(5,6)のうちの一方に位置する横方向固着点(18)に各々が接続する「ステー」(16)と呼ばれる補強要素を受け入れるように意図された溝タイプの通路(15)が設けられたコア(10)を備える。
【選択図】
図21C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドーナツ形タイヤ(2)を製造するのに適したツール(1)であって、
前記ドーナツ形タイヤ(2)は、トレッドを形成するのに適するクラウン(3)と、タイヤ(2)をリムのような装着支持体に取り付けることを可能にする設計された第1の環状ビード(4)及び第2の環状ビード(5)と、前記クラウン(3)をそれぞれ前記第1のビード(4)及び前記第2のビード(5)に接続する第1の側壁(6)及び第2の側壁(7)とを共に備え、
前記クラウン(3)、前記第1及び第2の側壁(6,7)、及び前記第1及び第2のビード(4,5)が、全体として前記タイヤ(2)のキャビティ(9)を定める凹状内面(8_in)を有する壁(8)を形成し、
前記ツール(1)が、その中心軸線(Z10)の周りに、「受け入れ面」(10_out)と呼ばれる凸状外面を有するドーナツ形コア(10)を備え、
前記ドーナツ形コアは、前記タイヤの壁(8)の前記内面(8_in)に対して共役の形状を有し、前記タイヤ(2)の前記クラウン(3)を形成する構成要素を受け入れるのに適する半径方向外側クラウンゾーン(11)と、前記クラウンゾーン(11)の軸線方向両側に前記中心軸線(Z10)に向けて折り返されて前記第1の側壁(6)及び前記第1のビード(4)を形成する構成要素を受け入れるのに適する第1の横方向ゾーン(12)と、前記中心軸線(Z10)に向けて折り返されて前記第2の側壁(7)及び前記第2のビード(5)を形成する構成要素を受け入れるのに適する第2の横方向ゾーン(13)とを共に備え、これにより、前記コア(10)が、前記受け入れ面(10_out)によって外部的に区切られて前記タイヤの前記キャビティ(9)に対応する「確保された体積」と呼ばれる体積を具現化し、
前記コア(10)は、前記受け入れ面(10_out)の下方で前記確保体積の内側を延びて前記受け入れ面(10_out)の上に開口する複数の通路(15)を有し、そのために前記通路(15)の各々は、前記コア(10)が、前記タイヤ(2)の構造に恒久的に組み込まれるように設計されて各々が前記タイヤの前記キャビティ(9)内を延びて前記タイヤの前記クラウン(3)に位置するクラウン固着点(17)を前記タイヤの前記側壁(6,7)又は前記ビード(4,5)のうちの一方に位置する横方向固着点(18)に接続する「ステー」(16)と呼ばれる補強要素を前記通路(15)の内側に受け入れることができるように、前記受け入れ面の前記クラウンゾーン(11)を前記第1及び第2の横方向ゾーン(12,13)のうちの一方に接続する、
ことを特徴とするツール(1)。
【請求項2】
ステー(16)のための前記通路(15)は、前記確保体積の厚み内で前記受け入れ面(10_out)からくり抜かれた好ましくは隠された溝(15)によって形成され、そのためにそれらは、前記クラウンゾーン(11)から問題の前記横方向ゾーン(12,13)まで前記受け入れ面(10_out)のプロファイルに沿って連続する開口部を有することを特徴とする、請求項1に記載のツール。
【請求項3】
前記コア(10)は、
i)前記タイヤ(2)の前記クラウン(3)を形成する1又は2以上の構成要素を受け入れるのに適する前記受け入れ面(10_out)の前記クラウンゾーン(11)の中心部分を形成するが好ましくはステー(16)のための通路(15)のない「中心リング」(21)と呼ばれる第1の環状サブアセンブリ(21)と、
ii)前記中心リング(21)に対して軸線方向に隣接し、前記受け入れ面(10_out)の前記第1の横方向ゾーン(12)並びに前記中心リング(21)の対応する側の前記クラウンゾーン(11)の前記中心部分を軸線方向に延びる前記クラウンゾーン(11)の一部分を備え、かつ前記タイヤの前記第1の側壁(6)を前記タイヤの前記クラウン(3)に接続する前記ステー(16)のための前記通路を形成する前記溝(15)を閉じ込める「左ラグ」(22)と呼ばれる第2の環状サブアセンブリ(22)と、
iii)前記左ラグ(22)を受け入れる側とは軸線方向反対である前記中心リング(21)の側で前記中心リング(21)に対して軸線方向に隣接し、前記受け入れ面(10_out)の前記第2の横方向ゾーン(13)並びに前記中心リング(21)の対応する側の前記クラウンゾーン(11)の前記中心部分を軸線方向に延びる前記クラウンゾーン(11)の一部分を備え、かつ前記タイヤの前記第2の側壁(7)を前記タイヤの前記クラウン(3)に接続する前記ステー(16)のための前記通路を形成する前記溝(15)を閉じ込める「右ラグ」(23)と呼ばれる第3の環状サブアセンブリ(23)と、
を備える複数の環状サブアセンブリ(21,22,23)のアセンブリを備え、
前記環状サブアセンブリ(21,22,23)、すなわち、前記中心リング(21)、前記左ラグ(22)、及び前記右ラグ(23)は、各々が前記中心軸線(Z10)の周りに方位角的にセクター(24,25,26,27,28,29)に角度的に分割され、「キー」(24,26,28)と呼ばれる交互するセクターが、問題の前記サブアセンブリ(21,22,23)の解体に関して内側から半径方向にアクセス可能であり、かつ最初に取り外されるように設計され、「弓形セグメント」(25,27,29)と呼ばれるセクターが、前記キー(24,26,28)によって支持されて定位置にロックされ、かつそれらが前記キー(24,26,28)の前記取り外しによって解放された後で操作可能になるように設計される、
ことを特徴とする請求項2に記載のツール。
【請求項4】
前記中心軸線(Z10)の周りで方位角的に前記ラグキーによって占有された前記角度セクター(A26)を定め、従って、前記ラグキー(26,28)が前記環状サブアセンブリ(22,23)内で前記ラグキー(26,28)に隣接する前記ラグ弓形セグメント(27,29)とそれに沿って相互作用する分割線(PJ)を形成する少なくとも1つのラグキー(26,28)の側面(40,41)が、前記中心軸線(Z10)を含有して問題の前記ラグキー(26,28)によって占有された前記角度セクター(A26)の中央と交差する半径方向平面に対応する「サジタル子午面」(P_MER_26)と呼ばれる仮想平面と平行であり、そのために前記側面(40,41)は、前記分割線(PJ)に沿う摺動及び/又は傾斜により、前記ラグキー(26,28)のそれに隣接する前記ラグ弓形セグメント(27,29)からの引き抜きを可能にすることを特徴とする請求項3に記載のツール。
【請求項5】
単一ラグセクター(26,27,28,29)内の前記溝(15)は、各々が前記中心軸線(Z10)と平行な軸線方向全体方向(DG_A)に生成されるか又は前記溝の底部(19)から前記受け入れ面(10_out)まで広がる先細面を形成する2つの横壁によって区切られ、それにより、問題の前記溝(15)の内側全体に前記中心軸線(Z10)と平行な軸線方向全体方向(DG_A)に含有された仮想退出軌跡に沿って問題の前記ステー(16)を仮想的に移動することによって生成された「必要なクリアランス体積」と呼ばれる仮想体積を閉じ込める自由空間を開放し、そのために前記溝(15)は、前記中心軸線(Z10)と平行で前記コア(10)の赤道面(P_EQ)に向けて誘導される軸線方向引き抜き移動(M_A)において前記軸線方向引き抜き移動(M_A)中に前記溝(15)の前記横壁が前記ステー(16)と干渉することなしに問題の前記ラグセクター(26,27,28,29)の前記軸線方向引き抜きを可能にすることを特徴とする請求項3及び請求項4のいずれか1項に記載のツール。
【請求項6】
前記溝(15)は、前記中心軸線(Z10)を含有する半径方向平面に沿って生成され、それにより、前記タイヤ(2)内で前記半径方向平面に沿って延びるステー(16)を配置することを可能にすることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のツール。
【請求項7】
前記溝(15)は、交差ステー(16)を前記タイヤ(2)内に配置することを可能にするように、前記受け入れ面(10_out)上で格子を描くように十字交差されることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のツール。
【請求項8】
単一ラグセクター(26,27,28,29)内の前記十字交差溝(15)の各々は、「サジタル子午線面」(P_MER_26,P_MER_27)と呼ばれる問題の前記ラグセクターの中央と交差する前記半径方向平面に含有されてかつ前記サジタル子午面で問題の前記ラグ(22,23)から反対側のラグ(23,22)に向かう方向に前記中心軸線(Z10)に向けて収束してかつ非ゼロであって厳密に90度未満であり、好ましくは30度と50度の間、例えば40と47度の間である「余緯度角」A44と呼ばれる角度を前記中心軸線(Z10)と形成する斜め全体方向(DG_O)に生成された2つの横壁によって区切られることを特徴とする請求項7及び請求項3に記載のツール。
【請求項9】
問題の前記ラグキー(26,28)を定める前記側面(40,41)及び従って前記分割線(PJ)は、i)第1のオプションにより、前記受け入れ面(10_out)とベースプロファイル(45)に沿って前記クラウンゾーン(11)から前記横方向ゾーン(12,13)まで互いに続く前記十字交差溝(16)によって前記受け入れ面(10_out)上に定められた好ましくは四辺形の前記格子の単位の対向する頂点を通過するような値によって前記ラグキー(26,28)の前記サジタル子午面(P_MER26)に対して方位角的に角度オフセットされた半径方向平面(P1,P2)との交線(46)に対応するか、ii)或いは、第2のオプションにより、前記十字交差溝(15)によって前記受け入れ面上に定められて前記クラウンゾーン(11)から前記横方向ゾーン(12,13)まで互いに続く好ましくは四辺形の前記格子の前記単位の交互する辺によって前記受け入れ面(10_out)上に形成されたジグザグ折れ線(47)に対応する前記ベースプロファイル(45)に基づいて前記斜め全体方向(DG_O)に生成されることを特徴とする請求項8に記載のツール。
【請求項10】
前記ステー(16)のための前記通路(15)は、横壁によって区切られ、
前記コア(10)は、前記横壁の背後で、前記受け入れ面(10_out)の下方に、かつ前記通路(15)間を貫通して、前記通路(15)から区別されて前記横壁によって前記通路(15)から分離された凹部(50)を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のツール。
【請求項11】
前記ステー(16)が係合された前記コア(10)の前記通路(15)の中への前記タイヤの前記クラウン(3)、前記側壁(6,7)、又はビード(4,5)を形成する構成要素の侵入を妨げるために前記コア(10)と相互作用する障壁デバイス(60)を備えることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のツール。
【請求項12】
トレッドを形成するのに適するクラウン(3)と、タイヤ(2)をリムのような装着支持体に取り付けることを可能にする設計された第1の環状ビード(4)及び第2の環状ビード(5)とを前記クラウン(3)をそれぞれ前記第1のビード(4)及び前記第2のビード(5)に接続する第1の側壁(6)及び第2の側壁(7)と共に備え、前記クラウン(3)、前記第1及び第2の側壁(6,7)、及び前記第1及び第2のビード(4,5)が、全体として前記タイヤ(2)のキャビティ(9)を定める凹状内面(8_in)を有する壁(8)を形成するドーナツ形タイヤ(2)であって、前記タイヤ(2)が、各々が前記タイヤの前記キャビティ(9)内を延びて前記タイヤの前記クラウン(3)に位置するクラウン固着点(17)を前記タイヤの前記側壁(6,7)又はビード(4,5)のうちの一方に位置する横方向固着点(18)に接続する「ステー」(16)と呼ばれる補強要素(16)を備える前記ドーナツ形タイヤ(2)を製造する方法であって、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のツール(1)が準備される準備段階(S0)と、
連続補強スレッド(70)を前記コア(10)の一方の横方向ゾーン(12)から他方の横方向ゾーン(13)まで一体的に往復させ、前記クラウンゾーン(11)を通過させることにより、前記連続通路(15)を通して蛇型に配置された前記連続補強スレッド(70)を好ましくは使用して、ステー(16)を形成するのに適する補強スレッド(70)が前記コア(10)の各通路(15)に通されるステー(16)を配置する段階(S2)と、
次に、前記タイヤの前記クラウン(3)、前記側壁(6,7)、及び前記ビード(4,5)を形成する前記構成要素が、前記タイヤ(2)の前記壁(8)を構築するように好ましくは前記回転するコア(10)の上に前記構成要素を巻き付けることによって前記受け入れ面(10_out)上に置かれる充填段階(S4)と、
次に、硬化段階(35)と、
次に、前記コア(10)が前記タイヤ(2)から脱係合され、前記ステー(16)を前記タイヤ(2)の前記キャビティ(9)内の定位置に残す離型段階(S6)と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記準備段階(S0)に続いてかつ前記ステー(16)を配置する前記段階(S2)の前に、設けられた前記固着点(18、17)に前記ステー(16)を固着するように、前記ステー(16)の端部を固着構造(71,72)と前記構成要素の間に挟み込むことにより、前記コア(10)の前記通路(15)から出る前記ステー(16)の前記端部を受け入れてそれぞれ前記側壁(6,7)、前記ビード(4,5)、又は前記クラウン(3)を形成する前記構成要素に接着させるように設計された前記固着構造(71,72)が、前記ステー(16)を前記タイヤの前記壁(8)に取り付けるために設けられた前記固着点(18,17)に面して前記コアの前記受け入れ面(10_out)の前記横方向ゾーン(12,13)及び前記クラウンゾーン(11)上に敷設される予備充填段階(S1)を備えることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記コア(10)は、中心リング(21)と、前記受け入れ面(10_out)上に開口する溝(15)の形態のステー(16)のための前記通路(15)を閉じ込める左ラグ(22)及び右ラグ(23)とを備え、前記中心リング(21)及びラグ(22,23)の各々が、弓形セグメント(25,27,29)と交互するキー(24,26,28)を形成するセクターに角度的に分割されるので、前記離型段階(S6)は、最初に、前記中心リングの前記キー(24)、次に前記中心リングの前記弓形セグメント(25)が、前記ラグ(22,23)を解放するように半径方向に取り外される前記中心リング(21)を取り外す部分段階と、次に、前記左及び右ラグのうちの一方(22)の前記キー(26)が前記タイヤの前記キャビティ(9)から引き抜かれ、次に、前記キャビティ(9)の前記対応する部分と前記キャビティ(9)の前記対応する部分に位置付けられた前記ステー(16)とを解放するように、前記ラグの前記弓形セグメント(27)が前記タイヤの前記キャビティ(9)から引き抜かれる第1のラグ(22)を引き抜く第2の部分段階と、前記キャビティ(9)の対応する部分と前記キャビティ(9)の前記対応する部分に位置付けられた前記ステー(16)とを解放するように、他方のラグの前記キー(28)が、前記タイヤの前記キャビティ(9)から引き抜かれ、次に、前記他方のラグの前記弓形セグメント(29)が、前記タイヤの前記キャビティ(9)から引き抜かれる他方のラグ(23)を引き抜く第3の部分段階とを備え、
各ラグの前記セクター(26,27,28,29)は、前記溝(15)の前記横壁の配置に依存する引き抜き移動において、すなわち
i)前記溝(15)の前記横壁が前記中心軸線(Z10)と平行な軸線方向全体方向(DG_A)に生成される場合に、軸線方向並進引き抜き移動(M_A)において、好ましくは、問題の前記セクター(26,27,28,29)の前記サジタル子午面(P_MER_26,P_MER_27)に垂直な軸線の周りの傾斜移動M_Bに続いて、又は
ii)前記溝(15)の前記横壁が、非ゼロの鋭角の余緯度角(A44)で前記中心軸線(Z10)と交差する斜め全体方向(DG_O)に生成される場合に、軸線方向成分と半径方向成分とを同時に備える斜めの求心的並進移動(M_O)において、
引き抜かれる、
ことを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ステー(16)を配置する前記段階(S2)の後で、障壁デバイス(60)が実施され、これが、前記充填段階(S4)中に及び前記硬化段階(S5)中に、前記充填段階(S4)の前に前記通路(15)を覆い、従って、前記通路(15)と前記タイヤの前記壁(8)の前記構成要素との間にスクリーンを形成するシェル(61)及び/又はマスキングストリップ(63)のようなマスキング要素(61,63)を前記受け入れ面10_outに適用することにより、又は少なくとも前記硬化段階(S5)中に、前記通路(15)に係合された前記ステー(16)と、前記受け入れ面(10_out)上に現われる前記通路(15)の前記開口部との間を自由なままに残す各通路(15)の前記体積を一時的に充填する充填要素(65)を使用することにより、前記ステー(16)が係合された前記コア(10)の前記通路(15)の中に前記タイヤ(2)の前記クラウン(3)、前記側壁(6,7)、又は前記ビード(4,5)を形成する前記構成要素の侵入するのを妨げるように前記コア(10)と相互作用する保護段階(S3)を備えることを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ホイールに装着されるように意図されたドーナツ形タイヤ及びより具体的には空気タイヤを製造する一般分野に関する。
【背景技術】
【0002】
空気タイヤの性能、特にそのコーナリングを向上させるために、本出願人は、タイヤを定めるドーナツ形膨張キャビティの内側を延び、かつタイヤの側壁又はビードに位置する固着点を各々がタイヤのクラウン上に位置する固着点に接続するステー補強体を実施する着想を有していた。
【0003】
勿論、工業用途の製造ツールは、そのようなステー付きタイヤを生成するにはその非常に特殊な形状に起因して不適である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に割り当てられた目的は、従って、前述の欠点を克服し、かつ比較的簡単かつ再現可能な方式で高品質ステー付きタイヤを取得することを可能にするツール及び製造方法を提案することを目指している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に割り当てられた目的は、トレッドを形成するのに適するクラウンと、タイヤをリムのような装着支持体に取り付けることを可能にするように設計された第1の環状ビード及び第2の環状ビードとをクラウンをそれぞれ第1のビードにかつ第2のビードに接続する第1の側壁及び第2の側壁と共に備えるドーナツ形タイヤを製造するのに適するツールを用いて達成され、クラウン、第1及び第2の側壁、及び第1及び第2のビードは、タイヤのキャビティを定める凹状内面を有する壁を全体として形成し、ツールは、タイヤの壁の内面に対して共役の形状を有してかつこの目的に対してタイヤのクラウンを形成する構成要素を受け入れるのに適する半径方向外側クラウンゾーンとクラウンゾーンの軸線方向両側に中心軸線に向けて折り返されて第1の側壁及び第1のビードを形成する構成要素を受け入れるのに適する第1の横方向ゾーンとを中心軸線に向けて折り返されて第2の側壁及び第2のビードを形成する構成要素を受け入れるのに適する第2の横方向ゾーンと共に備える「受け入れ面」と呼ばれる凸状外面をその中心軸線の周りに有するドーナツ形コアを備え、そのためにコアは、受け入れ面によって外部的に区切られてタイヤのキャビティに対応する「確保された体積」と呼ばれる体積を具現化し、ツールは、コアが、受け入れ面の下方で確保体積の内側を延びて受け入れ面の上に開口する複数の通路を有し、そのために通路の各々が、受け入れ面のクラウンゾーンを第1及び第2の横方向ゾーンのうちの一方に接続し、そのためにコアが、タイヤの構造に恒久的に組み込まれるように設計されて各々がタイヤのキャビティ内に延びてタイヤのクラウンに位置するクラウン固着点を、タイヤの側壁又はビードのうちの一方に位置する横方向固着点に接続する「ステー」と呼ばれる補強要素を通路の内側に受け入れることができることを特徴とする。
【0006】
有利なことに、本発明によるコアの使用は、コアによって確保された体積内の望ましい場所に及びその結果としてその後にタイヤが形成されてコアが除去された後でタイヤのキャビティになることになる空間の領域にステーを位置決めすることを可能にする。
【0007】
有利なことに、コア内にステーを配置中に、各ステーの一部分は、対応する通路の内側に及び従ってタイヤの将来のキャビティに対応する空間の領域に位置付けられ、一方でステーの端部は、受け入れ面上で通路の外側の突出する。
【0008】
タイヤの壁を形成する様々なゴムベースの構成要素が、次に、例えば連続ストリップの螺旋巻きによってコアの受け入れ面上に敷設される時に、各ステーの端部は、このようにしてタイヤの壁の構造の中に即座にかつ恒久的に組み込まれ、一方で通路に位置する問題のステーの中間部分は、受け入れ面から後退し、従って、タイヤの壁を形成する構成要素の敷設中及び後にタイヤの壁から切り離されて離間したままであり、すなわち、好ましくは、初めから、ステーの中間部分がタイヤのキャビティ内で恒久的に占めることになる位置にある。
【0009】
これに加えて、コアが、望ましいタイヤの最終形状に対応するドーナツ形状を有するので、タイヤの壁は、有利なことに、タイヤの壁を形成する構成要素をコア上に単に敷設することにより、それ自体公知の方式で望むように直接に成形される。
【0010】
タイヤを担持するコアは、次に、タイヤを硬化させるためにモールドに置かれ、これは、ゴムベースであるタイヤの壁の構成要素を加硫処理することを可能にする。この硬化作動の後で、コアは、タイヤから分離され、すなわち、タイヤのキャビティが解放されてステーをキャビティ内の定位置に恒久的に残す。
【0011】
有利なことに、本発明によるツールは、従って、初めからかつ再現可能に、タイヤの製造中のステーの不正確な位置決め又は損傷のいずれのリスクもなく、適切に成形されたステー付きタイヤを取得することを可能にする。
【0012】
本発明の更に別の目的、特徴、及び利点は、以下の説明を読む時にかつ純粋に非限定的な図として提供される添付図面の支援によってより詳細に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】本発明に従って製造されたステー付きタイヤの一例を示し、このタイヤ内で各ステーのクラウン固着点及び横方向固着点がタイヤの中心軸線に関して同じ方位角に位置しているので、ステーがタイヤの中心軸線を含有する半径方向平面に沿って延びる半径方向平面での断面図である。
【
図1B】本発明に従って製造されたステー付きタイヤの一例を示し、このタイヤ内で各ステーのクラウン固着点及び横方向固着点がタイヤの中心軸線に関して同じ方位角に位置しているので、ステーがタイヤの中心軸線を含有する半径方向平面に沿って延びる半径方向平面に沿った破断斜視図である。
【
図2A】本発明に従って製造されたステー付きタイヤの別の実施例を示し、このタイヤ内で各ステーのクラウン固着点及び横方向固着点がタイヤの中心軸線に関して互いに対して方位角が角度的にオフセットされ、タイヤが同じくその各半球において2セットのステーを備え、その第1のセットは、固着点が一方向に角度オフセットされ、その第2のセットは、固着点が他方向に角度オフセットされているので単一半球内のステーが十字に交差している半径方向平面の断面図である。
【
図2B】本発明に従って製造されたステー付きタイヤの別の実施例を示し、このタイヤ内で各ステーのクラウン固着点及び横方向固着点がタイヤの中心軸線に関して互いに対して方位角が角度的にオフセットされ、タイヤが同じくその各半球において2セットのステーを備え、その第1のセットは、固着点が一方向に角度オフセットされ、その第2のセットは、固着点が他方向に角度オフセットされているので単一半球内のステーが十字に交差している半径方向平面に沿った破断斜視図である。
【
図3A】本発明によるコアの中心リングを形成する環状サブアセンブリを示し、中心リングが、タイヤのクラウンを形成する構成要素を受け入れるのに適するクラウンゾーンの中心部分を形成し、中心リングが、角度的に細分割されてセクターとなり、交互に並ぶ弓形セグメントと呼ばれるセクターと弓形セグメントを定位置にロックするように設計されたキーと呼ばれるセクターとを形成する分解斜視図である。
【
図3B】本発明によるコアの中心リングを形成する環状サブアセンブリを示し、中心リングが、タイヤのクラウンを形成する構成要素を受け入れるのに適するクラウンゾーンの中心部分を形成し、中心リングが、角度的に細分割されてセクターとなり、交互に並ぶ弓形セグメントと呼ばれるセクターと弓形セグメントを定位置にロックするように設計されたキーと呼ばれるセクターとを形成する組立斜視図である。
【
図4A】
図3A及び3Bの中心リングを備える本発明によるツールを示し、中心リングの上に「ラグ」と呼ばれる2つの環状サブアセンブリが取り付けられ、これらのラグが、それぞれタイヤの側壁を形成する構成要素を受け入れるのに適し、
図1A及び1Bに示すようなタイヤを製造するために半径方向平面に沿って向けられた溝の形態のステーのための通路を含有し、タイヤからのコアの解体と引き抜きを容易にするために、各ラグが、角度的に細分割されてセクターとなり、交互に弓形セグメントとキーとを形成する部分分解斜視図である。
【
図4B】
図3A及び3Bの中心リングを備える本発明によるツールを示し、中心リングの上に「ラグ」と呼ばれる2つの環状サブアセンブリが取り付けられ、これらのラグが、それぞれタイヤの側壁を形成する構成要素を受け入れるのに適し、
図1A及び1Bに示すようなタイヤを製造するために半径方向平面に沿って向けられた溝の形態のステーのための通路を含有し、タイヤからのコアの解体と引き抜きを容易にするために、各ラグが、角度的に細分割されてセクターとなり、交互に弓形セグメントとキーとを形成する組立斜視図である。
【
図4C】
図3A及び3Bの中心リングを備える本発明によるツールを示し、中心リングの上に「ラグ」と呼ばれる2つの環状サブアセンブリが取り付けられ、これらのラグが、それぞれタイヤの側壁を形成する構成要素を受け入れるのに適し、
図1A及び1Bに示すようなタイヤを製造するために半径方向平面に沿って向けられた溝の形態のステーのための通路を含有し、タイヤからのコアの解体と引き抜きを容易にするために、各ラグが、角度的に細分割されてセクターとなり、交互に弓形セグメントとキーとを形成し、描写しやすいように、図の左半分と右半分がコアの中心軸線に関して互いに対して方位角が僅かにオフセットされた2つの別個の半径方向平面に沿った断面に対応し、そのためにここでは赤道面の左側に位置する半分が溝の中空部分を通り抜け、一方で赤道面の右側に位置する半分が溝を定める中実側壁を通り抜けることが留意される半径方向平面内の詳細断面図である。
【
図5A】
図3A及び3Bの中心リングを備える本発明によるツールを示し、中心リングの上に「ラグ」と呼ばれる2つの環状サブアセンブリが取り付けられ、これらのラグが、それぞれタイヤの側壁を形成する構成要素を受け入れるのに適し、
図2A及び2Bに示すようなタイヤを製造するために、ここでは十字交差した溝の形態のステーのための通路を含有し、
図4A~4Cの変形のように、タイヤからのコアの解体と引き抜きを容易にするために、各ラグが、角度的に細分割されてセクターとなり、交互に弓形セグメントとキーとを形成する部分分解斜視図である。
【
図5B】
図3A及び3Bの中心リングを備える本発明によるツールを示し、中心リングの上に「ラグ」と呼ばれる2つの環状サブアセンブリが取り付けられ、これらのラグが、それぞれタイヤの側壁を形成する構成要素を受け入れるのに適し、
図2A及び2Bに示すようなタイヤを製造するために、ここでは十字交差した溝の形態のステーのための通路を含有し、
図4A~4Cの変形のように、タイヤからのコアの解体と引き抜きを容易にするために、各ラグが、角度的に細分割されてセクターとなり、交互に弓形セグメントとキーとを形成する組立斜視図である。
【
図5C】
図3A及び3Bの中心リングを備える本発明によるツールを示し、中心リングの上に「ラグ」と呼ばれる2つの環状サブアセンブリが取り付けられ、これらのラグが、それぞれタイヤの側壁を形成する構成要素を受け入れるのに適し、
図2A及び2Bに示すようなタイヤを製造するために、ここでは十字交差した溝の形態のステーのための通路を含有し、
図4A~4Cの変形のように、タイヤからのコアの解体と引き抜きを容易にするために、各ラグが、角度的に細分割されてセクターとなり、交互に弓形セグメントとキーとを形成する半径方向平面内の詳細断面図である。
【
図6A】タイヤのゴムベースの構成要素が溝の中へ侵入するのを妨害するのに適する障壁デバイスを備えた
図4A~4Cの半径方向溝付きツールの変形を示し、このために障壁デバイスは、各々がラグの横方向ゾーンとクラウンゾーンとの移行部を形成する肩部の曲線に追従してラグセクターを覆うセクターシェルで形成されたマスキング要素の第1のセットを備え、対応する溝をマスキングし、並びに各ラグと中心リングとの移行部に配置される環状バンドを備えるマスキング要素の第2のセットも備え、クラウンゾーン内の溝を覆う部分分解斜視図である。
【
図6B】タイヤのゴムベースの構成要素が溝の中へ侵入するのを妨害するのに適する障壁デバイスを備えた
図4A~4Cの半径方向溝付きツールの変形を示し、このために障壁デバイスは、各々がラグの横方向ゾーンとクラウンゾーンとの移行部を形成する肩部の曲線に追従してラグセクターを覆うセクターシェルで形成されたマスキング要素の第1のセットを備え、対応する溝をマスキングし、並びに各ラグと中心リングとの移行部に配置される環状バンドを備えるマスキング要素の第2のセットも備え、クラウンゾーン内の溝を覆う組立斜視図である。
【
図6C】タイヤのゴムベースの構成要素が溝の中へ侵入するのを妨害するのに適する障壁デバイスを備えた
図4A~4Cの半径方向溝付きツールの変形を示し、このために障壁デバイスは、各々がラグの横方向ゾーンとクラウンゾーンとの移行部を形成する肩部の曲線に追従してラグセクターを覆うセクターシェルで形成されたマスキング要素の第1のセットを備え、対応する溝をマスキングし、並びに各ラグと中心リングとの移行部に配置される環状バンドを備えるマスキング要素の第2のセットも備え、クラウンゾーン内の溝を覆い、描写しやすいように、図の左半分と右半分が、コアの中心軸線に関して互いに対して方位角が僅かにオフセットされた2つの別個の半径方向平面に沿った断面に対応するので、ここでは赤道面の左側に位置する半分が溝の中空部分を通り抜け、一方で赤道面の右側に位置する半分が溝を定める中実側壁を通り抜けることが留意される半径方向平面内の詳細断面図である。
【
図7A】半径方向の溝を備え、その分割線がラグのサジタル子午面、すなわち、対応するセクターの中央を通る半径方向平面に平行であるラグキーの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図7B】半径方向の溝を備え、その分割線がラグのサジタル子午面、すなわち、対応するセクターの中央を通る半径方向平面に平行であるラグキーの例示的な実施形態のコアの中心軸線に垂直な平面に投影した前面図である。
【
図7C】半径方向の溝を備え、その分割線がラグのサジタル子午面、すなわち、対応するセクターの中央を通る半径方向平面に平行であるラグキーの例示的な実施形態のサジタル子午面での断面図である。
【
図8A】
図7A~7Cのラグキーを補完するラグ弓形セグメントの一例の斜視図である。
【
図8B】
図7A~7Cのラグキーを補完するラグ弓形セグメントの一例のコアの中心軸線に垂直な平面に投影した前面図である。
【
図8C】
図7A~7Cのラグキーを補完するラグ弓形セグメントの一例のラグ弓形セグメントのサジタル子午面、すなわち、対応するセクターの中央を通る半径方向平面での断面図である。
【
図9A】溝を覆うマスキングシェルを受け入れて位置決めするのに適する窪みを備えた
図7A~7Cのキーの変形を示す斜視図である。
【
図9B】溝を覆うマスキングシェルを受け入れて位置決めするのに適する窪みを備えた
図7A~7Cのキーの変形を示すコアの中心軸線に垂直な平面に投影した前面図である。
【
図9C】溝を覆うマスキングシェルを受け入れて位置決めするのに適する窪みを備えた
図7A~7Cのキーの変形を示す対応するセクターの中央を通る半径方向平面に対応するサジタル子午面での断面図である。
【
図10】
図7A~7Cのラグキーと
図8A~8Cのラグ弓形セグメントとのアセンブリから得られる環状ラグを示すコアの中心軸線に垂直な平面に投影した部分前面図である。
【
図11A】十字交差ステーに適する十字交差溝を有するラグキーを示し、この溝が、中心軸線とベクトル的に共線のすなわち中心軸線に平行な軸線方向全体方向に生成される横壁によって区切られる斜視図である。
【
図11B】十字交差ステーに適する十字交差溝を有するラグキーを示し、この溝が、中心軸線とベクトル的に共線のすなわち中心軸線に平行な軸線方向全体方向に生成される横壁によって区切られるコアの中心軸線に垂直な平面に投影した前面図である。
【
図11C】十字交差ステーに適する十字交差溝を有するラグキーを示し、この溝が、中心軸線とベクトル的に共線のすなわち中心軸線に平行な軸線方向全体方向に生成される横壁によって区切られるサジタル子午面での断面図である。
【
図12A】
図11A~11Cのキーを補完する十字交差溝を備えたラグ弓形セグメントの斜視図である。
【
図12B】
図11A~11Cのキーを補完する十字交差溝を備えたラグ弓形セグメントのコアの中心軸線に垂直な平面に投影した前面図である。
【
図12C】
図11A~11Cのキーを補完する十字交差溝を備えたラグ弓形セグメントのサジタル子午面での断面図である。
【
図13A】十字交差ステーに適する十字交差溝を有するラグキーを示し、今回は溝の横壁が斜め全体方向に生成されたラグキーを示す斜視図である。
【
図13B】十字交差ステーに適する十字交差溝を有するラグキーを示し、今回は溝の横壁が斜め全体方向に生成されたラグキーを示すコアの中心軸線に垂直な平面に投影した前面図である。
【
図13C】十字交差ステーに適する十字交差溝を有するラグキーを示し、今回は溝の横壁が斜め全体方向に生成されたラグキーを示すコアの外側から斜め全体方向に垂直な平面に投影した図である。
【
図13D】十字交差ステーに適する十字交差溝を有するラグキーを示し、今回は溝の横壁が斜め全体方向に生成されたラグキーを示すセクターのサジタル子午面での断面図である。
【
図14A】
図13Aと同様の図に
図13Aのキーを補完する斜め全体方向に生成された壁によって区切られた十字交差溝を有するラグ弓形セグメントを示す図である。
【
図14B】
図13Bと同様の図に
図13Bのキーを補完する斜め全体方向に生成された壁によって区切られた十字交差溝を有するラグ弓形セグメントを示す図である。
【
図14C】
図13Cと同様の図に
図13Cのキーを補完する斜め全体方向に生成された壁によって区切られた十字交差溝を有するラグ弓形セグメントを示す図である。
【
図14D】
図13Dと同様の図に
図13Dのキーを補完する斜め全体方向に生成された壁によって区切られた十字交差溝を有するラグ弓形セグメントを示す図である。
【
図15A】
図13A~13Dのラグキーの変形を示し、この変形ではラグキーの重量を低減してその熱慣性を低減するためにラグキーの内面に溝を定める中実壁間を延びる凹部が設けられる斜視図である。
【
図15B】
図13A~13Dのラグキーの変形を示し、この変形ではラグキーの重量を低減してその熱慣性を低減するためにラグキーの内面に溝を定める中実壁間を延びる凹部が設けられるサジタル子午面での断面図である。
【
図15C】
図13A~13Dのラグキーの変形を示し、この変形ではラグキーの重量を低減してその熱慣性を低減するためにラグキーの内面に溝を定める中実壁間を延びる凹部が設けられるコアの内側から半径方向に投影した図である。
【
図16A】
図13A~13D及び
図15A~15Cのラグキーなどの斜め全体方向によって定められた壁を有する十字交差溝を備えたラグキーに適用可能な分割線を生成するための幾何学的原理の概略図である。
【
図16B】
図13A~13D及び
図15A~15Cのラグキーなどの斜め全体方向によって定められた壁を有する十字交差溝を備えたラグキーに適用可能な分割線を生成するための幾何学的原理の概略図である。
【
図16C】
図13A~13D及び
図15A~15Cのラグキーなどの斜め全体方向によって定められた壁を有する十字交差溝を備えたラグキーに適用可能な分割線を生成するための幾何学的原理の概略図である。
【
図16D】
図13A~13D及び
図15A~15Cのラグキーなどの斜め全体方向によって定められた壁を有する十字交差溝を備えたラグキーに適用可能な分割線を生成するための幾何学的原理の概略図である。
【
図17】
図13A~13D及び
図14A~14D又は
図15A~15Cのラグセクターの場合のようにその溝及び分割線が斜め全体方向に得られるラグキー及びラグ弓形セグメントのアセンブリから得られるラグを斜め全体方向に対応する視角で示す部分斜視図である。
【
図18A】十字交差溝を備えたラグキーの変形実施形態を示し、この形態では、受け入れ面上の十字交差溝を定めてクラウンゾーンから横方向ゾーンへと互いに追従する四辺形の互い違いの辺によって受け入れ面上に形成された折れ線に対応するベースプロファイルから始まるジグザグ切断線に沿って斜め全体方向に分割線が生成される斜視図である。
【
図18B】十字交差溝を備えたラグキーの変形実施形態を示し、この形態では、受け入れ面上の十字交差溝を定めてクラウンゾーンから横方向ゾーンへと互いに追従する四辺形の互い違いの辺によって受け入れ面上に形成された折れ線に対応するベースプロファイルから始まるジグザグ切断線に沿って斜め全体方向に分割線が生成される十字交差溝の横壁の全体方向に投影した図である。
【
図19】
図18A及び18Bのラグキーのようにその分割線がジグザグ切断線に追従するラグキー及びラグ弓形セグメントのアセンブリから得られるラグを斜め全体方向に対応する視角で示す部分斜視図である。
【
図20A】ここでは
図9A~9Cに示すようなラグを設けた
図6A~6Cに示すような半径方向溝及びマスキングシェルを備えたツール内で軸線方向並進引き抜き移動に続く傾斜によるタイヤからのラグキーの引き抜きの半径方向平面の断面図である。
【
図20B】ここでは
図9A~9Cに示すようなラグを設けた
図6A~6Cに示すような半径方向溝及びマスキングシェルを備えたツール内で軸線方向並進引き抜き移動に続く傾斜によるタイヤからのラグキーの引き抜きの半径方向平面の断面図である。
【
図20C】ここでは
図9A~9Cに示すようなラグを設けた
図6A~6Cに示すような半径方向溝及びマスキングシェルを備えたツール内で軸線方向並進引き抜き移動に続く傾斜によるタイヤからのラグキーの引き抜きの半径方向平面の断面図である。
【
図20D】ここでは
図9A~9Cに示すようなラグを設けた
図6A~6Cに示すような半径方向溝及びマスキングシェルを備えたツール内で軸線方向並進引き抜き移動に続く傾斜によるタイヤからのラグキーの引き抜きの半径方向平面の断面図である。
【
図20E】ここでは
図9A~9Cに示すようなラグを設けた
図6A~6Cに示すような半径方向溝及びマスキングシェルを備えたツール内で軸線方向並進引き抜き移動に続く傾斜によるタイヤからのラグキーの引き抜きの半径方向平面の断面図である。
【
図20F】ここでは
図9A~9Cに示すようなラグを設けた
図6A~6Cに示すような半径方向溝及びマスキングシェルを備えたツール内で軸線方向並進引き抜き移動に続く傾斜によるタイヤからのラグキーの引き抜きの半径方向平面の断面図である。
【
図21A】
図20A~20Fに示した引き抜き移動に従ってより詳細には
図20C、20D、及び20Eに示した段階に従ってラグキーの引き抜きを半径方向平面に示す部分斜視破断図である。
【
図21B】
図20A~20Fに示した引き抜き移動に従ってより詳細には
図20C、20D、及び20Eに示した段階に従ってラグキーの引き抜きを半径方向平面に示す部分斜視破断図である。
【
図21C】
図20A~20Fに示した引き抜き移動に従ってより詳細には
図20C、20D、及び20Eに示した段階に従ってラグキーの引き抜きを半径方向平面に示す部分斜視破断図である。
【
図22A】ラグキーのサジタル子午面に含有され、ラグキーの溝の横壁を生成するために使用された斜め全体方向に運ばれる斜め引き抜き移動に従ってここでは
図15Aに示したタイプのラグキーの引き抜きを半径方向平面に示す断面図である。
【
図22B】ラグキーのサジタル子午面に含有され、ラグキーの溝の横壁を生成するために使用された斜め全体方向に運ばれる斜め引き抜き移動に従ってここでは
図15Bに示したタイプのラグキーの引き抜きを半径方向平面に示す断面図である。
【
図22C】ラグキーのサジタル子午面に含有され、ラグキーの溝の横壁を生成するために使用された斜め全体方向に運ばれる斜め引き抜き移動に従ってここでは
図15Cに示したタイプのラグキーの引き抜きを半径方向平面に示す断面図である。
【
図23】障壁デバイスがステーを溝に配置した後でその溝を塞ぐために、ここでは受け入れ面と面一に塞ぐために溝に挿入される1セットのシムを使用する変形実施形態を示す部分斜視図である。
【
図24】タイヤの壁を製造する前のコア内へのステー配置を
図4A~4Cによるコアのラグの溝中心を通る子午面に示す詳細断面図である。
【
図25】連続した通路に蛇形を形成して係合する単一の連続スレッドを使用するステーの製造原理を示し、この蛇形の互い違いの極値を形成するループがステーの横方向固着点を形成するのに適することを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、特に
図4A、4B、4C、
図5A、5B、5C、及び
図6A、6B、及び6Cに示すようなツール1に関するものであり、このツール1は、
図1A、1B、
図2A、及び2Bに示すようなドーナツ形タイヤ2を製造するのに適している。
【0015】
このようなタイヤ2は、車両と地面との接触を提供するために車両のホイールへの装着に適する空気タイヤを形成することが好ましい。
【0016】
タイヤ2は、実際にホイールの回転軸線と実質的に対応する「中心軸線」Z2と呼ばれる軸線の周りに回転対称性を示す形状を有する。この中心回転軸線Z2は、当業者が従来から使用している3つの方向、すなわち、軸線方向、半径方向、及び周方向を定める。
【0017】
「軸線方向」は、タイヤの中心軸線Z2とベクトル的に共線のすなわちタイヤの回転軸線に平行な方向を意味する。
【0018】
「半径方向」は、タイヤの半径に沿って延びる方向、すなわち、中心軸線Z2と交差してそれに垂直なあらゆる方向を意味する。
【0019】
「周方向」は、軸線方向に対してかつタイヤの半径に対して垂直な方向を意味し、従って、中心軸線Z2に垂直な平面ではタイヤの回転軸線を中心とする円への接線に対応する。
【0020】
「子午面」P_MER又は「半径方向平面」は、中心軸線Z2に平行でそれを含有する平面を意味する。従って、このような子午面は、周方向に対して垂直である。
【0021】
「赤道面」P_EQは、中心軸線Z2に垂直であってタイヤの半径方向最外点を通る平面を意味し、好ましくは、タイヤの軸線方向最外点の間で軸線方向中間に位置する。従って、赤道面は、タイヤ2を軸線方向に分割し、球体との類似により「半球体」と呼ばれる好ましくは実質的に等しい2つのドーナツ形半体にする。
【0022】
タイヤ2は、それ自体公知の方式で、トレッドを形成するのに適するクラウン3と、タイヤ2をリムのような装着支持体に取り付けることができるように設計された第1の環状ビード4及び第2の環状ビード5と、クラウン3をそれぞれ第1のビード4及び第2のビード5に接続する第1の側壁6及び第2の側壁7とを備える。
【0023】
通例では、子午面P_MERでは、クラウン3と側壁6、7との境界は、タイヤ2の外面の軸線方向最外点に対応すると見なすことができ、この点では、タイヤ2の外面に対する接線と中心軸線Z2に平行な直線との間の角度が30度に等しい。
【0024】
クラウン3、第1及び第2の側壁6、7、及び第1及び第2のビード4、5は、全体として、タイヤ2のキャビティ9を定める凹状内面8_inを有する壁8を形成する。
【0025】
実際に、タイヤのキャビティ9は環状であり、有利なことにタイヤ2の膨張キャビティを形成し、空気タイヤ2のクラウン3をリムに対して支持するために空気のような加圧流体を受け入れるのに適している。
【0026】
好ましくは、
図1A及び2Aで明らかに見ることができるように、ビード4、5は、対応する側壁6、7の軸線方向に最も突出した部分から軸線方向に後退した位置にあり、すなわち、ビード4、5は、ビードが接続される側壁6、7よりも赤道面P_EQに近い。従って、クラウン3とビード4、5との間で、側壁6、7は、子午面P_MERでの断面では一般に外向きに湾曲し、ビード4、5を形成する端部が軸線方向に凹入するプロファイルを形成するので、キャビティ9は、子午面での断面で実質的にΩ(大文字のオメガ)の形状である。
【0027】
本発明により、ツール1は、その中心軸線Z10の周りに「受け入れ面」10_outと呼ばれる凸状外面10_outを有するドーナツ形コア10を備え、この受け入れ面10_outは、タイヤの壁8の内面8_inに対して共役の形状を有し、この目的のために、タイヤ2のクラウン3を形成する構成要素を受け入れるのに適する半径方向外側クラウンゾーン11と、クラウンゾーンの軸線方向両側にコアの中心軸線Z10に向けて折り返され、第1の側壁6及び第1のビード4を形成する構成要素を受け入れるのに適する第1の横方向ゾーン12と、中心軸線Z10に向けて折り返されて第2の側壁7及び第2のビード5を形成する構成要素を受け入れるのに適する第2の横方向ゾーン13とを備える。
【0028】
それにより、コア10は「確保された体積」と呼ばれる体積を具現化し、この体積は、受け入れ面10_outによって外部的に定められ、タイヤ2のキャビティ9に対応する。
【0029】
コア10は、すなわち、タイヤの製造中にキャビティ9の形状及び寸法に対応する体積を占め、従って、一時的に確保することができ、この体積は、タイヤ2の製造サイクルを終える離型作動中にコア10がタイヤ2から取り外された時にタイヤ2のキャビティ9になる。
【0030】
実際には、コア10がその周りにリングを形成するコア10の中心軸線Z10は、コア10の上で製造されるタイヤ2の中心軸線Z2と一致することに注意されたい。従って、説明の便宜のために、どちらも「中心軸線」という表現で示すことができる。
【0031】
本発明により、コア10は、確保体積の内側を受け入れ面10_outの下方へ延びて受け入れ面10_outの上に開口する複数の通路15を有するので、通路15の各々は、コア10が通路15の内側に「ステー」16と呼ばれる補強要素16を受け入れることができるように受け入れ面10_outのクラウンゾーン11を第1及び第2の横方向ゾーン12、13の一方に接続し、これらのステーは、タイヤ2の構造に恒久的に組み込まれるように設計されており、各々がタイヤのキャビティ9内に延び、タイヤ2のクラウン3に位置するクラウン固着点17をタイヤ2の側壁6、7又はビード4、5の一方に位置する横方向固着点18に接続する。
【0032】
通路15は、コア10では確保体積の内側に形成された空所に相当するので、ステー16を受け入れ、従って各ステー16が、最初は確保体積に進入するために受け入れ面10_outを通過し、次に確保体積から出る、ここではクラウンゾーン11に入るために横方向ゾーン12、13を通過する又はその逆が可能である。
【0033】
ステー16は、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる構成、特に様々な向きを有することができる。
【0034】
従って、
図1A及び1Bに対応する1つの可能な実施形態により、各ステー16のクラウン固着点及び横方向固着点17、18は、タイヤの中心軸線Z2に関して同じ方位角に位置するので、ステー16は、タイヤの中心軸線Z2を含有する半径方向平面に沿って延びる。
【0035】
図2A及び2Bに対応する別の可能な実施形態により、各ステー16のクラウン固着点及び横方向固着点17、18は、傾斜したステー16を作り出すためにタイヤの中心軸線Z2に関して互いに対して方位角が角度的にオフセットされる。その場合、より好ましくは、タイヤ2は、単一の半球で、好ましくはその2つの半球の各々で2セットのステー16を備えることができるので、第1のセットのステー16がそれぞれそのクラウン固着点17と横方向固着点18との間に第1の方向、例えば時計回り方向に角度オフセットを有し、一方で第2のセットのステー16は、それぞれ、そのクラウン固着点17と横方向固着点18との間に正反対の第2の方向、例えば反時計回りの角度オフセットを有し、そのために単一の半球では、第1のセットのステー16と第2のセットのステー16とが十字交差している。
【0036】
好ましくは、単一半球内のステー16の横方向固着点18は、全て中心軸線Z2に沿って同じ横座標に位置する、すなわち、単一半球内のステー16は、壁8の内面8_inと中心軸線Z2に垂直な平面との交点に対応する単一の仮想線に沿ってタイヤ2の壁8から現われることが好ましい。
【0037】
同じことは、単一半球でのステー16のクラウン固着点17にも適用され、これらは、全て好ましくは横方向固着点18の横座標とは別個の中心軸線Z2に沿った同じ横座標に位置することが好ましい。
【0038】
これに加えて、所与のステー16に関して又はステー16の全てに関しても、クラウン固着点17の横座標は、横方向固着点18の横座標よりも赤道面P_EQに近いことが好ましい。
【0039】
いずれにせよ、すなわち、
図1Aのように半径方向平面に含有されるステー16が存在する場合でも、又は
図2Aのように傾斜した及び/又は十字交差したステー16が存在する場合でも、各ステー16は、タイヤのキャビティ9の内部で赤道面P_EQを横切るステー16がないという点で単一の半球に含有されることが好ましく、すなわち、キャビティ9内を連続して延びるステー16の単一セクションの両端を形成し、従って、ステー16が壁8から現われてキャビティ9を通り、次にキャビティ9を出て再び壁8に入る2つの連続点をそれぞれに形成する横方向固着点18とクラウン固着点17は、赤道面P_EQの同じ側にある同じ半球内に位置している。これにより、特に、ツール1の構造と離型作動とを簡略化することが可能となる。
【0040】
好ましくは、
図1Aのように半径方向平面に含有されたステー16が存在する場合でも、又は
図2Aのように傾斜した及び/又は十字交差したステー16が存在する場合でも、各ステー16は引張状態での作動に適し、従って直線セグメントに沿ってクラウン固着点17を対応する横方向固着点18に接続するのに適しており、静止したタイヤ2ではクラウン固着点17とラテラル固着点18との間にある壁8の内面8_inによって形成される円弧の下方にぴんと張られた又はほぼぴんと張られた弦を幾何学的に形成することになるので、ステー16が固着点17、18の相互分離に対抗し、従ってタイヤの横剛性を高める。
【0041】
これに加えて、1セットのステー16は、一定の反復角度ピッチP16で、中心軸線Z2の周りに均等な方位角的に分散配置されることが好ましい。
【0042】
この反復角度ピッチP16は、好ましくは0.5度~5度、好ましくは0.75度~3度、特に1度~3度であり、例えば1.5度に等しい。従って、ステー16の各セットは、72本~480本又は更に720本、好ましくは120本~360本、好ましい例として240本のステーを含むことができる。
【0043】
これらの反復角度ピッチP16の値は、特に、欧州タイヤ及びリム技術機構、すなわち、ETRTO2020規格に準拠して定められた乗用車向けタイヤ2に適用され、詳細には、取付け直径が少なくとも12インチに等しく、好ましくは少なくとも16インチに等しく、最大で24インチに等しく、好ましくは最大で22インチに等しいリムに取り付けるように意図されたタイヤに適用される。
【0044】
実際には、上記の反復角度ピッチP16により、1又は2以上のステー16が破断した場合でも、タイヤ2の有効な補剛化を取得するのに十分大きなステー16の数と、コア10の構造を過度に弱めたり離型作動を複雑にしたりすることなく、対応する数の通路15をコア10に配置できるようにするのに十分適度なステー16の数との間で満足のいく妥協点を取得することが可能になる。
【0045】
例証として、タイヤ22に関する前述の直径の場合には、1.5度の反復ピッチP16は、中心軸線Z2、Z10の周りに円弧長を取ると、5mm~10mm毎に、例えば約8mm毎にタイヤ2の壁8の内面8_inの最大直径に、又は同等の方式でクラウンゾーン11では受け入れ面10_outを形成するコア10の外面の最大直径に1つのステー16及び従って1つのステー通路15が位置決めされる。
【0046】
好ましくは、ステー16は、1又は2以上の繊維状要素から作られ、その最大横方向寸法は、ステー16のキャビティ9内を延びる部分の目に見える長さ、すなわち、クラウン固着点17と対応する横方向固着点18との間のステー16の長さと比べて少なくとも10分の1、少なくとも20分の1、又は少なくとも50分の1と小さい。
【0047】
従って、ステー16は、布地材料、アラミドのような高分子材料、又は金属材料のストランドで作られた、単一ストランド又は多重ストランドのスレッドから形成することができる。1つの可能な実施形態により、ステー16は、繊維ガラス及び樹脂を用いて製造された複合スレッドから作られる。
【0048】
有利なことに、ステー16の構成に関わらず、本発明によるコア10により、タイヤ2の形成前に、リムに取り付ける準備のできた完成タイヤ2の分配及び配置に実質的に又は厳密に対応する分配及び配置で、コア10によって確保された体積内に及び従ってタイヤ2のキャビティ9となる空間内にステー16を挿入することが可能となり、それは、コア10を取り外した場合でも、ステー16がキャビティ内の定位置、望ましい場所にあってタイヤ2に強固に接続されたままであるからである。従って、本発明によるコア10を使用することにより、タイヤ2は、1つのタイヤ2から別のタイヤ2へと再現性のある良好に制御された構成を確実に有することになる。
【0049】
これに加えて、タイヤの壁8を形成する構成要素の敷設中に、ステー16は、こうしてコア10の通路15内で保護されるためにタイヤ2の壁8を製造する工程中に偶発的にステー16を移動する、引き抜く、又は損傷させるリスクがない。
【0050】
絶対的な観点から、コア10の全部又は一部、特に、タイヤのキャビティ9を一時的に埋めて通路15を定めるコア10の部分は、可溶性、可融性、気化性(昇華性)、又はタイヤ2を損傷させることなく別の方法で分解可能な材料から作られることを想定することができるので、タイヤ2の製造及び硬化の後にコアの部分を指令に基づいて破壊し、タイヤ2又は特にステー16を損傷させることなく、離型時に流体又は細粒の形で排出することができる。従って、特に離型を容易にするために、鋳造と類似して製造サイクル毎に交換される部分的又は完全な消失パターンを形成するコア10を使用することができる。部分的又は完全な消失パターンを形成するこのようなコア内では、通路15は任意的に管状形状を有することができ、その横断面は、ステーの自由長の少なくとも一部にわたって又はステー16の自由長の全体にわたって、すなわち、横方向固着点18からクラウン固着点17までステー16の周りで閉じている。
【0051】
しかし、特に好ましくは、通路15は離型可能な開放形状に配置され、これにより、タイヤ2を製造した後で、ステー16を損傷させることなくタイヤ2から引き抜いて次のタイヤを製造するために再使用することのできる恒久的かつ再使用可能なコア10を製造することが可能になる。
【0052】
従って、ステー16のための通路15は、クラウンゾーン11から横方向ゾーン12、13まで受け入れ面10_outのプロファイルに沿って連続的な開口部を有するように、確保体積の厚さ方向に受け入れ面10_outからくり抜かれた溝15で形成されることが好ましい。
【0053】
有利なことに、各溝15は、受け入れ面10_outの上にステー16の横方向固着点18からステー16のクラウン固着点17に向かう受け入れ面10_outの全長にわたって延びるスロット型開口部を形成するので、タイヤ2の壁8を形成する構成要素を敷設する前に、単にステー16をコア10の外側から溝15に滑り込ませるだけでステー16を通路に係合させることが可能であり、従って、ステーは、受け入れ面10_outを通過してコアの中心軸線Z10に向かって確保体積内に落ち込む。
【0054】
有利なことに、タイヤ2の壁8を形成する構成要素を受け入れ面10_outに敷設して壁8が溝15を覆うようにした後で、タイヤ2の内側からコア10を引く抜くことが可能になり、これにより、この時点で壁8に固定され、従ってタイヤ2に組み込まれたステー16は、脱係合するコアの溝15の開口部から徐々に露出し、従ってタイヤ2のキャビティ9内の恒久的な位置に残される。
【0055】
説明の便宜のためにかつ図が乱雑にならないように、ステー16のための通路15と、ステー16のための通路15の好ましい特定の形状を構成する溝15とは、同じ参照番号15で表記する。
【0056】
好ましくは、特に
図4C、5C、6C、7C、8C、9C、11C、12C、13C、14C、15B、18A、20A、21A、及び24に見られるように、溝15は行き止まりであり、すなわち、溝15は、受け入れ面10_outの下方に位置する中実底部19を有し、この中実底部19は、受け入れ面10_outの横方向ゾーン12、13の上に開口する溝15の第1の口部から受け入れ面10_outのクラウンゾーン11の上に開口する溝15の第2の口部まで延びている。
【0057】
従って、溝15内の定位置にある場合、ステー16は半径方向に位置し、より詳細には、コアの中心軸線Z10に対して半径方向に中実底部19と受け入れ面10_outに位置する溝15の開口部との間に含有される。ステー16は、中実底部19の「上方」に離れている、すなわち、中心軸線Z10に対して中実底部19を越えて中実底部19から非ゼロの半径方向距離に位置するか、又は中実底部19に載っているとすることができ、その場合には、有利なことに、中実底部19は、タイヤ2の製造中にステー16のガイド及び支持体として機能する。
【0058】
好ましくは、受け入れ面10_outに対する通路15の深さ、より詳細には溝15の深さ及び従ってより詳細には受け入れ面10_outから溝15の中実底部19を隔てる距離が十分であり、通路15の各々により、ステー16が、通路15内で直線セグメントに沿って横方向固着点18をクラウン固着点17に直接接続する経路を辿れるようにする。従って、ステー16は、通路15と干渉したり、通路15によって変形したり、逸脱したりすることなく、通路15内で、ここでは溝15内でその機能的構成を取ることができ、その機能的構成により、ステー16は、横方向固着点18とクラウン固着点17との間にタイヤの壁8によって描かれる円弧の両端を最短経路で接続する弦を形成するので、タイヤ2がコア10から解放された状態で、ステー16は、横方向固着点18とクラウン固着点17との間で引張棒のように引張状態で効果的に機能することができる。
【0059】
通路15、ここでは溝15は、勿論、上述のようにステー16に対する望ましい反復角度ピッチP16で例えば1.5度に等しい一定の反復角度ピッチP16で中心軸線Z10の周りに方位角的に好ましくは均等に分散配置されることになる。
【0060】
溝15の幅W15は、i)ステー16の幅(直径)を考慮し、ステー16と溝15を定める側壁との間に機能的なクリアランスを設ける必要性であって、ステー16を溝15に挿入し、次にタイヤ2からコア10を引き抜く、従ってステー16を閉じ込めたり損傷させたりすることなく溝15からステー16を引き抜くことを可能にするだけの機能的なクリアランスを設ける上記必要性と、ii)コア10を弱めることなく、受け入れ面10_outに敷設されたタイヤ2の構成要素に高品質の支持を提供し、可能であればタイヤ2の構成要素を形成する材料の溝15内への侵入、従って変形又はクリープを抑えるために十分狭く開口部及び溝の幅W15を維持することとの妥協の関数として選択されることが好ましい。
【0061】
従って、溝15の幅W15、特に受け入れ面10_out上の溝15の開口部の幅は、好ましくは、ステー16の横断面の対応寸法の1.01倍~1.5倍であり、より好ましくは、ステーの横断面の最大寸法である。実際には、ステーが実質的に円形の断面を備えた単一ストランド又は多重ストランドのスレッドによって形成される場合、考慮されるステーの横断面の寸法は、スレッドの円形断面の直径である。
【0062】
好ましくは、同じ理由から、特にステー16の断面が0.25mm~2mm、例えば約1mmの直径を有すると想定される場合、溝幅W15は、特に受け入れ面10_out上の開口部では0.1mm~3mm、好ましくは0.3mm~2.2mm、例えば1mm~1.8mmに選択される。
【0063】
好ましくは、コア10の単一半球にある溝15の全ては、より好ましくはコア10の溝15の全ては、同一の幅W15を有する。
【0064】
1つの可能な実施形態により、
図4A~4C、6A~6C、7A~7C、8A~8C、9A~9C、10、20A~20F、21A~21C、及び23の場合のように、溝15を中心軸線Z10を含む半径方向平面に沿って生成し、
図1A及び1Bのタイヤの場合のように、タイヤ2内に半径方向平面に沿って延びるステー16を配置できるようにする。
【0065】
従って、各溝15は、溝15のサジタル子午面を形成する半径方向平面、すなわち、溝が占める方位角セクターの中央と交差する半径方向平面に含有される。溝15に直接隣接する2つの溝15のそれぞれのサジタル子午線面は、溝15のサジタル子午線面から、溝15の反復角度ピッチP16に等しく、従って最終的にステーの反復角度ピッチP16に等しい値だけ角度的に離れている。
【0066】
適用可能な場合、この配置による各溝15は、溝のサジタル子午面を中心としてこれに平行であり、かつ溝15の望ましい幅W15に等しい一定の幅を有する鋸切断によって生成することができる。
【0067】
別の可能な実施形態により、
図5A~5C、11A~11C、12A~12C、13A~13D、14A~14D、15A~15C、17、18A及び18B、19、及び22A~22Cの場合のように、受け入れ面10_outに格子を描くように溝15を十字交差させて、
図2A及び2Bのタイヤの場合のように、交差したステー16をタイヤ2内に配置できるようにする。
【0068】
類推によりかつ説明の便宜上、受け入れ面10_outは非可展面(スキュー面)、従って更に非平坦面を形成するが、受け入れ面10_out上の十字交差溝15の開口部によって描かれる格子の単位、すなわち、基本単位又は「ブロック」、ここでは実質的に菱形(すなわち、実質的にダイヤモンド形状)は、「四辺形」と表記することができ、また、連続する十字交差溝15の間に残るコア10の材料柱は、「角柱」20と表記することができ、これら角柱20の底面が前述の四辺形に対応し、その面は溝15を定める側壁を形成する。
【0069】
ステーのための通路15の性質及び形状に関わらず適用できるがステーのための通路15が溝15で形成される場合に特に有利である好ましい特徴により、コア10は、特に
図4A、4C、5A、5C、6A、6C、及び23に見られるように、以下を含む複数の環状サブアセンブリ21、22、23のアセンブリを備える:
i)受け入れ面10_outのクラウンゾーン11の中心部分を形成する「中心リング」21と呼ばれる第1の環状サブアセンブリ21であって、クラウンゾーン11の中心部分がタイヤ2のクラウン3を形成する1又は2以上の構成要素を受け入れるのに適している上記第1の環状サブアセンブリ21、
ii)中心リング21に対して軸線方向に隣接する「左ラグ」22と呼ばれる第2の環状サブアセンブリ22であって、受け入れ面10_outの第1の横方向ゾーン12と共に中心リング21の対応する側のクラウンゾーン11の中心部分を軸線方向に延長するクラウンゾーン11の部分を備え、タイヤの第1の側壁6をタイヤのクラウン3に接続するステー16のための通路を形成する溝15を閉じ込める上記第2の環状サブアセンブリ22、及び
iii)中心リング21の左ラグ22を受け入れる側とは軸線方向反対側で中心リング21に対して軸線方向に隣接する「右ラグ」23と呼ばれる第3の環状サブアセンブリ23であって、受け入れ面10_outの第2の横方向ゾーン13と共に中心リング21の対応する側のクラウンゾーン11の中心部分を軸線方向に延長するクラウンゾーン11の部分を備え、タイヤの第2の側壁7をタイヤのクラウン3に接続するステー16のための通路を形成する溝15を閉じ込める上記第3の環状サブアセンブリ23。
【0070】
左ラグ22、中心リング21、及び右ラグ23は同軸であり、中心軸線Z10を中心として配置される。
【0071】
用語「左」及び「右」は、説明の便宜上、必要な場合にラグ22、23を区別すためだけに使用され、勿論、リム及び/又は車両に対するタイヤ2の装着の方向を決して前もって決定するものではない。
【0072】
好ましくは、中心リング21は、ステー16のための通路15を備えず、従って、好ましくは、左ラグ22及び右ラグ23のそれぞれの溝15を分離する環状中心島部を形成する中実外面を有することができる。有利なことに、このような配置によって離型が容易になり、これに加えて、ステー16を中心リング21の外側で及び従ってコア10の半径方向外側でタイヤの壁8の構成要素を受け入れる受け入れ面10_outに局所的にステー16を通すことが可能となり、ステー16の対応する部分を壁8に容易に組み込むことでき、従ってステーがタイヤ2のクラウン3に確実に固着される。
【0073】
好ましくは、中心リング21のクラウン部分は、中心軸線Z10を中心とする円形底部を備えた直円筒を形成する。
【0074】
これに加えて、赤道面P_EQは、中心リング21のクラウンゾーン11の中心部分によって覆われる軸線方向範囲に含まれることが好ましく、より詳細には、その軸線方向範囲の中心に位置するので、クラウンゾーン11の中心部分、より一般的には中心リング21を細分割して赤道面P_EQに対して互いに等しい又は対称的な2つの部品にする。
【0075】
ラグ22、23は、半径方向平面の断面では、クラウンゾーン11と受け入れ面10_outの対応する横方向ゾーン12、13との間に湾曲した移行部を提供する凸状に湾曲した外形を有し、その湾曲は、タイヤ2のキャビティ9の中空に関する湾曲に従い、より詳細には、クラウン3と側壁6、7との移行部と共に壁8が側壁6、7の軸線方向最外点側に描くゾーンではタイヤの壁8の内面8_inに関する湾曲に従う。それにより、ラグ22、23は、タイヤ2の製造中にタイヤ2のキャビティ9の中空を占め、かつ一時的に埋め、従ってそのキャビティを成形することのできるローブを形成する。
【0076】
この点に関して、キャビティ9の凹みと、側壁6、7に対してビード4、5が形成する軸線方向の狭窄とにより、ビード4、5は、ラグ22、23と半径方向に1列に並んでいるので、ラグ22、23は、厳密には半径方向の引き抜き移動では離型させるこことのできないコア10の部分を形成することに注意されたい。
【0077】
上述したように、離型作動を簡略化するために、可溶性、可融性、昇華性のような材料から作られた単回使用の左ラグ22及び/又は右ラグ23を使用することができ、これらは、タイヤ2を製造するための新しいサイクル毎に交換されるコア10の消耗構成要素を形成することになる。このような消耗構成要素は、再使用可能な中心リング21に装着することができる。
【0078】
しかし、ラグ22、23は、中心リング21と同様に、製造サイクル毎に再使用できることが好ましく、このためにアルミニウム合金のような耐久性のある材料から作られる。
【0079】
この目的のために、コア10の解体、より詳細にはタイヤ2の内側からサブアセンブリ21、22、23を解体するのに適するツール1の配置を提供する。
【0080】
好ましくは、特に
図3A、4A、5A、6A、及び10に見られるように、環状サブアセンブリ21、22、23、すなわち、中心リング21、左ラグ22及び右ラグ23は、それぞれ、中心軸線Z10の周りに方位角的に角度的に分割され、セクター24、25、26、27、28、29となり、「キー」24、26、28と呼ばれるサブアセンブリ21、22、23の解体に関して内側から半径方向にアクセス可能であって最初に取り外すように設計されたセクターと、「弓形セグメント」25、27、29と呼ばれるキー24、26、28によって支持されて定位置にロックされ、キー24、26、28の取り外しによって解放された後で操作可能となるように設計されたセクターとが交互に並ぶ。
【0081】
図3A及び3Bを見れば明らかなように、中心リング21は、こうして複数のリングキー24とリング弓形セグメント25とに分割される。
【0082】
リング弓形セグメント25の数に等しいリングキー24の数は、中心リング21を形成するセクター24、25の求心的な半径方向引き抜きによって容易に分割して解体できるほどに多いが、セクター24、25が不必要に多くならない程度に、従って、中心リング21を形成するサブアセンブリ21のアセンブリが簡略化される程度に適度であるように選択される。従って、リングキー24の数及び従ってリング弓形セグメント25の数は、好ましくは4~6となり、より好ましくは、
図3A及び3Bの場合のように5に等しくなる。
【0083】
標準化と組立容易性に関して、リングキー24は全て同一であることが好ましく、従って交換可能である。同様に、リング弓形セグメント25も全て同一であることが好ましく、従って交換可能である。
【0084】
好ましくは、各リングキー24を定めて、リングキー24とリングキー24に隣接する2つのリング弓形セグメント25との分割線を形成する側面は、互いに平行であり、リングキー24のサジタル子午面に平行である。好ましい変形では、側面は各々、サジタル子午面に対して、好ましくは1度~2度、例えば1.5度に等しい非ゼロの先細角を成すので、この2つの側面は、中心軸線Z10に半径方向から近づくにつれて裾広がりになり、すなわち、斜めに遠ざかり、各々がサジタル子午面から遠ざかる割線平面を形成し、これらの割線平面は、その間に側面のそれぞれの先細角の和に等しい開口角、ここでは、例えば各面が1.5度の先細角を有する場合に3度の開口角を形成する。このような配置により、平行な側面(先細角がゼロに等しい)か又は先細付き側面(先細角がゼロでない)かを問わず、有利なことに、リングキー24の両側にあるリング弓形セグメント25に対するリングキー24の求心的な半径方向引き抜きが可能となり、この引き抜きは、正確に平行な側面の場合には厳密にリングキー24の両側にあるリング弓形セグメント25に対してリングキー24を「平面対平面で」滑らせることで行われ、先細付き側面の場合には僅かな食違いを伴って行われる。
【0085】
リング弓形セグメント25は勿論、リングキー24を補完するセクターを形成し、中心リング21を形成する環状サブアセンブリ21内でリングキー24によって定位置にロックされる。建築学分野からの類推により、共通支持体(図示せず)によって位置決めされて保持されるリングキー24は、従って、リング弓形セグメント25、より一般的にはキー24と弓形セグメント25の連続によって形成される円弧が崩壊しないように防ぐことを可能にする。リングキー24の側面の先細角が大きいほど、リングキー24による支持はより堅牢で安定したものとなる。
【0086】
離型作動中に中心リング21を解体してそれをタイヤ2から引き抜くために、最初にリングキー24を求心的な半径方向の引き抜き移動に続く軸線方向の脱係合移動で引き抜き、これにはリング弓形セグメント25を解放する効果があり、次に今度はリング弓形セグメント25を求心的な半径方向の引き抜き移動に続く軸線方向の脱係合移動によって引き抜く。
【0087】
ラグ22、23がまだタイヤ2のキャビティ9内に保持されている間に、ラグ22、23に対してリングキー24とその後にリング弓形セグメント25を求心的に半径方向に引き抜くことができるように、中心リング21は、クラウンゾーン11の中心部分の両側に左ラグ22を支持する第1の先細面32と、右ラグ23を支持する第2の先細面33とを備えることが好ましい。
【0088】
第1及び第2の先細面32、33は、それぞれ第1の斜面32と第2の斜面を形成することが好ましく、これらは、ステー16のための通路15よりも半径方向で中心軸線Z10に近く、
図4C、5C、6C、及び24に見られるように、クラウンゾーン11の中心部分と共に中心軸線Z10を含む半径方向平面での断面で凸状プロファイルを形成する。
【0089】
タイヤ2を製造するために組み立てられて使用されるコア10の内部で、中心リング21は、半径方向にステー16から後退し、ラグ22、23から後退した空間に含有され、中心リング21のセクター24、25には、タイヤ2の硬化後、ラグ22、23がタイヤ2にまだ束縛されている間に、タイヤ2のキャビティ内でまだ定位置にあるラグ22、23と干渉することなく、求心的な半径方向引き抜き移動を実行することができる。
【0090】
ラグセクター26、27、28、29の引き抜き時、より詳細にはラグキー26、28の引き抜き時に、溝15の壁がステー16と過度に擦れたり、ステーが引き出されたりするのを防止するために、ラグセクター26、27、28、29は各々、比較的小さいが、各ラグ22、23を作り出すために組み立てるラグセクター26、27、28、29の数を抑える程度には大きい中心軸線Z10の周りに何らかの角度セクターを占めている。
【0091】
これに加えて、標準化のためにかつ組み立てやすいように、ラグ22、23の各ラグキー26、28は、その値が360度の全約数である角度セクターA26を占めるように規定されることが好ましく、その値は、同じラグの他のキー26、28が占める角度セクターの値に等しいことが好ましい。
【0092】
同様に、ラグ22、23の各弓形セグメント27、29は、その値が360度の全約数である角度セクターA27を占めることが好ましく、その値は、同じラグ22、23の他の弓形セグメント27、29が占める角度セクターの値に等しいことが好ましい。
【0093】
好ましくは、特に
図10に見られるように、中心軸線Z10に対して、ラグキー26、28の受け入れ面10_outの半径方向最外レベルで考慮した場合に、各ラグキー26、28が占める角度セクターA26は、好ましくは9度以上であり、好ましくは36度以下であり、より好ましくは24度以下であり、更に好ましくは18度以下である。
【0094】
絶対的な観点では、9度、15度、18度、又は24度に等しい角度セクターA26を設けることができるが、想定されるタイヤ2の寸法に照らして、より詳細には、受け入れ面10_outの対応する最大直径に照らして及び選択された反復角度ピッチP16(ここでは好ましくは1.5度)に照らして9度という値が好ましい。
【0095】
同様に、受け入れ面10_outの最大直径では、各ラグ弓形セグメント27、29が占める角度セクターA27は、好ましくは9度以上であり、好ましくは36度以下であり、より好ましくは24度以下であり、更により好ましくは18度以下であり、例えば24度、18度、15度から選択され、より好ましくは9度である。
【0096】
好ましくは、特にラグセクター26、27、28、29の中心リング21への固定を簡単にするために、左ラグ22のセクター分割は右ラグ23のセクター分割と同一であり、方位角が一致するので、左ラグ22の各キー26は右ラグ23のキー28に面して位置し、赤道面P_EQでの投影ではその上に角度的に重なっており、同様に、左ラグ22の各弓形セグメント27は右ラグ23の対応する弓形セグメント29に面して位置し、その上に角度的に重なっている。
【0097】
それぞれ36度の角度セクターA26、A27を任意に実施することで、ラグ22、23の角度的に分割が中心リング21の角度的に分割と正確に一致する結果となることに注意されたい。
【0098】
これに加えて、角度セクターA26、A27の前述の絶対値とは無関係に又はそれと組み合わせて、特にステー16及び従って溝15に対して想定される反復角度ピッチP16の値を考慮して、ラグキー26、28及びラグ弓形セグメント27、29当たりの溝15の数をそれぞれ結果的に制限し、特に、硬化作動後のステー16に関する特定の柔軟性及び/又は相対的に弛んだ状態を可能な場合には利用して、ステーを損傷させることなく、ラグキー26、28をそれが閉じ込める全てのステー16から同時に脱係合させることができるようにする。
【0099】
例証として、半径方向平面に沿う溝15の配置に関しては、ラグキー26、28当たり好ましくは5本~23本の溝15、ラグキー24当たり好ましくは5本~9本の溝が存在し、より好ましくは、
図7B、9B及び10に示すようにラグキー26、28当たり7本の溝が存在する。
【0100】
対応するラグ弓形セグメント27、29は、好ましくは3本~21本の溝15、より好ましくは3本~7本の溝15を有することができ、例えば、
図8B及び10に示すように5本の溝15を有することができる。
【0101】
図10の例では、各々が9度の値を有する角度セクターA26を占め、各々が半径方向平面に含有された7本の溝を備える20個のラグキー26と、各々が9度の値を有する角度セクターA27を占め、各々が半径方向平面に含有された5本の溝を備える共役の20個のラグ弓形セグメント27とを用いてラグ22、23を形成する。ラグキー26の側面40、41は、互いに平行であり、各ラグキー26のサジタル子午面P_MER_26に平行であるが、ラグ弓形セグメント27の側面42、43は、それらの間に18度の角度を形成し、ラグ弓形セグメント27のサジタル子午面P_MER_27に対してそれぞれ9度の角度を成す。
【0102】
図11B、12B、13B、及び14Bの場合のように、溝15が傾斜して交差している場合、ラグキー26、28毎にかつラグ弓形セグメント27、29毎にラグセクター26、27、28、29当たり横方向固着点18の数に対応する溝15への4~8個の入口を設けることができ、より好ましくは、
図11B、12B、13B、及び14Bに示すように溝15への6つの入口を設けることができ、この場合、各セクターは、中心軸線Z10に垂直な平面での投影では左(すなわち反時計回り方向)に傾斜した3つの溝15への入口と、中心軸線Z10に垂直な平面での投影では右(すなわち時計回り方向)に傾斜した3つの溝への入口とを備える。
【0103】
好ましくは、ラグキー26、28は同一であり、少なくとも単一ラグ22内で交換可能であり、又は一方のラグ22と他方のラグ23との間で取り替えることさえも可能である。
【0104】
同様に、ラグ弓形セグメント27、29は、好ましくは同一であり、少なくとも単一ラグ22内で交換可能であり、又は一方のラグ22と他方のラグ23との間で取り替えることさえも可能である。
【0105】
好ましくは、ラグ弓形セグメント27、29、より好ましくはラグ弓形セグメント27、29だけが、ねじによって中心リング21に、より詳細には先細面32、33に締結され(ラグキー26、28は締結されない)、このねじは、ラグ弓形セグメント27、29の半径方向内面と係合するように中心リング21の空の内部空間から遠心的に半径方向に挿入されるが、このための中心リング21の貫通穴34は、
図3A、3B、4A、4C、5A、5C、6A、及び6Cに見ることができる。
【0106】
ラグキー26、28は、ラグ弓形セグメント27、29と相互作用し、従って、
図7A、9A、及び11Aに見られるように、キー26、28に設けられたピンホール35に係合するピンにより、位置決めされて保持されるとすることができ、このピンは、
図8A及び21Bに示すように、ラグ弓形セグメント27、29に設けられた対応する凹部36に係合する。
【0107】
変形として、
図13A、13D、15A、及び15Cに見られるように、ラグキー26、28には、
図14Aに見られるようにラグ弓形セグメント27、29に設けられたほぞ穴38と相互作用するのに適する突出ほぞ37を設けることができる。
【0108】
好ましくは、ラグセクター26、27、28、29は、ラグキー26、28もラグ弓形セグメント27、29も金属合金から、より好ましくはアルミニウム合金から作られるので、満足のいく剛性と満足のいく熱伝導能力を有し、比較的熱慣性が小さい。十字交差溝15を実施する場合、角柱20の強度を向上させるために、ラグセクター26、27、28、29をアルミニウムよりも堅牢な金属材料、例えばマルエージング鋼から作ることが好ましい場合があると考えられる。
【0109】
好ましくは、ラグセクター26、27、28、29は、比較的複雑な幾何形状の製造を簡略化する付加製造によって作られる。
【0110】
1つの可能な実施形態により、少なくとも1つのラグキー26、28の側面40、41は、中心軸線Z10の周りで方位角的にラグキー26、28が占める角度セクターA26を規定し、従って、ラグキー26、28が環状サブアセンブリ22、23内で、すなわち、組立状態の対応するラグ22、23内でラグキー26、28に隣接するラグ弓形セグメント27、29とそれに沿って相互作用する分割線PJを形成するが、この側面40、41は、「サジタル子午面」P_MER_26と呼ばれる仮想平面に平行であり、この仮想平面は、
図7B、9B、10、及び11Bに見られるように、中心軸線Z10を含んでラグキー26、28が占める角度セクターA26の中心と交差する半径方向平面に対応するので、この側面40、41は、
図20A~20D、21A、及び21Bに示すように、分割線PJに沿う摺動及び/又は傾斜により、ラグキー26、28をそれに隣接するラグ弓形セグメント27、29から引き抜けるようにする。
【0111】
サジタル子午面P_MER_26は、ラグキー26、28の半径方向最外境界を示す円弧及び従って中心軸線Z10に垂直な平面での投影では、受け入れ面10_outのラグキー26、28に属する部分の半径方向最外境界に対応する円弧を細分割し、A26/2に等しい同じ方位角範囲を備えた隣接する角度半セクターに含まれる2つの等しい半円弧にする。
【0112】
ラグ弓形セグメント27、29の側面42、43は、弓形セグメント27、29のサジタル子午面P_MER_27の両側でラグキー26、28の側面40、41の方向に対して共役の方向に向けられた平面によって形成されることが好ましい。
【0113】
従って、ラグ22、23内で、ラグキー26、28とラグ弓形セグメント27、29は、互いにぴったりと当接しており、これにより、ラグキー26、28には、ラグ弓形セグメント27、29に対して3つの潜在的な自由度、すなわち、分割線PJを定める2つの割線方向に2つの並進自由度と、分割線PJに垂直な軸線の周りに及び従ってここでは周方向の方向ベクトルに対応する軸線の周りに1つの回転自由度とが与えられ、この回転自由度により、
図20D、20E、21B、及び21Cに示すようにキーの傾斜が可能となる。
【0114】
平坦で平行な側面40、41を備えたラグキー26、28のこのような配置は、ラグキー26、28のサジタル子午面P_MER_26が好ましくは溝15のサジタル子午面と一致する半径方向平面に沿って配置された溝15(
図7A、7B、7C、9A、9B、9C、10及び23)でも、溝15が適切な形状であれば、十字に交差した斜めの溝15(
図11A、11B、11C)でも、実施できることに注意されたい。
【0115】
1つの可能な実施形態により、単一ラグセクター26、27、28、29の溝15は各々、半径方向平面に含有される溝15を備えた
図7A、8A、9A、及び10の変形、及び十字交差した傾斜溝15を備えた
図11A、12Aの変形の場合と同様に、中心軸線Z10に対してベクトル的に共線のすなわち平行な軸線方向全体方向DG_Aに生成される2つの横壁によって区切られる。
【0116】
これに代えて、中心軸線Z10と実質的に平行であるが厳密にはそうでない全体方向を使用することになるので先の実施形態と類似する1つの可能な実施形態により、単一ラグセクター26、27、28、29内の溝15は、それぞれ、溝15の底部19から受け入れ面10_outまで広がる先細面を形成する2つの横壁によって区切られ、溝15の内側全体で、「必要なクリアランス体積」と呼ばれる仮想体積を閉じ込める自由空間を広げるようにしており、この仮想体積は、ステー16を仮想的な退出軌跡に沿って、ここでは溝15の底部19に近いステー16の位置から受け入れ面10_outまで仮想的に移動することによって生成され、中心軸線Z10とベクトル的に共線のすなわち平行な軸線方向全体方向DG_Aに含有される。
【0117】
いずれの場合にも、すなわち、溝15の横壁が厳密に軸線方向の全体方向DG_Aに生成されるか又は実質的に軸線方向(先細状)の全体方向DG_Aに生成されるかを問わず、このような側壁の配置は、溝15により、
図20B、20C、及び21Aに示すように中心軸線Z10と平行でコア10の赤道面P_EQに向けられた軸線方向引き抜き移動M_Aにより、軸線方向引き抜き移動M_A中に溝15の横壁がステー16と干渉することなくラグセクター26、27、28、29を軸線方向に引き抜くことが可能になることを意味する。
【0118】
単一ラグセクター26、27、28、29に含有されたステー16を真っ直ぐに取り出す場合、すなわち、ラグセクター26、27、28、29に対する引き抜き移動を軸線方向全体方向DG_Aに行うことによって直線的な並進でステー16を溝15から引き抜く場合には、ステー16は規定により、前述の必要なクリアランス体積に対応する体積を通って移動し、その体積の横方向境界は、軸線方向全体方向DG_Aに平行な直線から成る縁部を定め、その包絡面の内側には、溝15を定める材料塊が侵入して引き抜きを妨げるようなことがあってはならない。従って、溝15の横壁がこの軸線方向全体方向DG_Aに平行でない場合に又はこの側壁が受け入れ面10_outに向かって広くなる先細面を形成するようにこの全体方向DG_Aに対して裾広がりではない場合に、この壁はクリアランス体積と干渉することになり、従って、溝15の横壁は引き抜き中にステー16と衝突する障害物を形成し、従って、傾斜効果によってステー16を望ましい場所から逸らす横方向推力を生じることとなり、ステー16を損傷させたり、破断させる可能性さえある。
【0119】
勿論、溝の横壁に関して選択された配置に関わらず、溝15を定める2つの横壁を隔てる距離に対応する溝の幅W15は、上述の比率及び/又は寸法を有し、従って、特に0.1mm~3mmとすることができる。
【0120】
1つの可能な実施形態により、コア10がセクター26、27、28、29に角度的に細分割されたラグ22、23を有し、ステーのための通路15が十字交差した溝15で形成される場合、単一ラグセクター26、27、28、29内の十字交差溝15は、それぞれ、
図13A~13D、14A~14D、15A~15C、17、18A、19、及び22A~22Cの場合と同様に、斜め全体方向DG_Oに生成される2つの横壁によって区切られるとすることができ、この斜め全体方向DG_Oは、「サジタル子午線面」P_MER_26、P_MER_27と呼ばれるラグセクター26、27、28、29の中心と交差する半径方向平面に含有され、サジタル子午面P_MER_26、P_MER_27では、ラグ22、23から反対側のラグ23、22に向かう方向で中心軸線Z10に向かって収束し、中心軸線Z10と「余緯度角」A44と呼ばれる角度を形成し、この角度は、ゼロではなく、厳密に90度未満であり、好ましくは30度~50度、例えば40度~47度であり、例えば45度に等しい。
【0121】
従って、有利なことに、斜めの全体方向DG_Oは、赤道面P_EQに向かってかつ反対側のラグ23、22に向かって「突入」しており、従って、コア10の内側に向けられて軸線方向成分と半径方向成分とを同時に備える斜め引き抜き移動M_Oでは、ラグセクター26、27、28、29の引き抜きが可能となる。
【0122】
このように、余緯度角A44の絶対値は、サジタル子午面P_MER_26、P_MER_27では、ビード4が最も顕著なアンダカットを形成する点で考慮してビード4でのタイヤ2の壁8の内面8_inに対する接線T4が成す角度以下となるように選択され、接線T4の中心軸線Z10に対する向きが「離型可能閾値」を定め、すなわち、
図22A、22B及び22Cに示すように、ビード4に止められることなく、従って離型作動中にタイヤ2のビード4及び対応する側壁6を押し返す(開かせる)ことなく、ビード4の内面に沿って滑らせることでラグセクター26、27を離型するように斜め引き抜き移動M_Oが取り得る最大の余緯度角を定めるようになっていることに注意されたい。勿論、左ラグ22に当て嵌まる考慮事項は、右ラグ23にも適用することができる。
【0123】
同じく有利なことに、
図13A及び13Cをそれぞれ
図11A及び11Cと比較すると非常によく分かるように、十字交差溝15の横壁を軸線方向よりも溝15の底部19の法線に近い斜め全体方向DG_Oに生成することにより、軸線方向全体方向DG_Aに比べて、十字交差溝15の壁を形成して溝の底部19と受け入れ面10_out上にある溝15の開口部との間を延びる角柱20(又は柱)の高さを低減できることにも注意されたい。従って、この角柱20及び従ってラグセクター26、27、28、29は、より剛性でより強固である。
【0124】
溝15の横壁が斜め全体方向DG_Oに生成される実施形態を選択する場合、ラグキー26、28を定める側面40、41及び従って分割線PJは、好ましくは以下のいずれかのベースプロファイル45に基づいて斜め全体方向DG_Oに生成することができる:i)第1のオプションにより、受け入れ面10_outと、ラグキー26、28のサジタル子午面P_MER26に対して方位角が或る値だけ角度オフセットされた半径方向平面P1、P2との交線46に相当するベースプロファイル45であって、格子単位(すなわち、前述の角柱20の底面)の対向する頂点を通過する従ってここでは
図13B、13D、14B、14D、15A、16B、及び17に見られるようにベースプロファイル45に沿ってクラウンゾーン11から横方向ゾーン12まで互いに続く十字交差溝16が受け入れ面10_out上に定める四辺形の対向する頂点を通過するようになっている上記ベースプロファイル45、ii)又は第2のオプションにより、受け入れ面10_out上に、格子単位(前述の角柱20の底面)の交互に並ぶ辺により、従ってここでは
図18A、18B、及び19に示すように十字交差溝15によって受け入れ面上に定められ、クラウンゾーン11から横方向ゾーン12、13まで互いに続く四辺形の交互に並ぶ辺によって形成されたジグザグ折れ線47に相当するベースプロファイル45。
【0125】
いずれの場合も、ベースプロファイル45のこのような選択により、有利なことに、分割線PJでは、分割線PJの一方の側に位置するラグキー26、28に属する溝15と、そのラグキーに隣接して分割線PJの他方の側に位置するラグ弓形セグメント27、29に属する溝15とのオフセットである「誤差」を回避する又は大幅に抑えることが可能となる。これらの誤差は、溝15の横壁が同じ斜め全体方向DG_Oに、従って互いに平行に生成されることに起因するので、単一の第1のラグセクター26、27、28、29内の溝15は厳密には半径方向の円形分布に従わず、従って、受け入れ面10_out上で分割線PJの上に現われるそれらの端部は、第1のラグセクター内の溝15を接続する必要のある隣接ラグセクター内の溝15の端部と必ずしも一致しない。
【0126】
しかし、ベースプロファイル45の賢明な選択により、1つのラグセクター内の溝が隣接ラグセクター内の対応する溝から実質的に継続されるので、適切な接続及び従って溝15が分割線PJを横切るところで受け入れ面10_out上での溝15の連続性が確保され、これにより、受け入れ面10_outを通してコア10の外側から実質的に半径方向にステー16を溝15に容易に挿入できることが保証される。
【0127】
連続する角柱20(
図18A、18B、及び19に破線で示す)によって定められた壁に沿って凹角と凸角を交互に形成する折れ線47を辿るベースプロファイル45を選択することから成るソリューションは、概ね満足のいくものであり、ラグキー26、28のラグ弓形セグメント27、29内への堅牢かつ正確な嵌込みを可能にするが、
図19に見られるように、分割線PJに沿って受け入れ面10_out上の特定の溝15を局所的に広げる傾向のあるストライプを形成するという欠点がある。
【0128】
従って、第1のソリューションが好ましいと考えられ、これにより、ベースプロファイル45は、半径方向平面P1、P2と受け入れ面10_outとの交線によって受け入れ面10_out上に描かれ、かつ
図13A、13B、13、14D、15A、及び17に示すように連続する四辺形に共通する対角線に沿って四辺形の頂点を通過する曲線46である。
【0129】
このようなソリューションにより、有利なことに、十字交差溝によって定められる四辺形の網目のノード(すなわち、2つの溝間の交差によって形成されるノード)、より一般的にはラグキー26に属する角柱20の網目のノードを分割線PJの他方側に位置する対応するラグ弓形セグメント27に属する四辺形の網目のノードと一致させることが可能になる。これにより、溝15の幅W15に大きな影響を与えることなく、連続するラグセクター間の接続部での溝15の連続性が保証される。
【0130】
受け入れ面10_outと半径方向平面P1、P2との交線46に対応するベースプロファイル45を生成する幾何学的原理は、
図16A~16Dに示してある。
【0131】
図16Aに示すように、ラグセクター、この例ではラグキー26のサジタル子午面P_MER_26を最初に定める必要がある。この目的のために、サジタル子午面P_MER_26の両側に位置する2つの仮想的な半径方向平面P1、P2を規定し、各々は、サジタル子午面P_MER_26からラグセクター26の望ましい角度範囲A26の半値に等しい同じ角度距離にある。
【0132】
有利なことに、角度範囲A26の値が溝15の反復ピッチP16の(全)倍数であるので、各半径平面P1、P2を十字交差溝15が描く四辺形の頂点で形成されるノードと1列に並べて配置することが可能である。
【0133】
次に、
図16Bに示すように、ドーナツ形受け入れ面10_outと半径方向平面P1、P2との交線を形成する曲線46に対応するベースプロファイル45を考察する。
【0134】
次に、これらの曲線46から出発して、サジタル子午面P_MER_26に含有され、斜め全体方向DG_Oが交差する中心軸線Z10に向かって突入するように選択された余緯度角A44に沿って向けられた直線的な斜め全体方向DG_Oに曲線46を並進させることでラグセクター26の側面40、41を生成する(
図16C)。
【0135】
実際には、これは、等価な方式では、
図16Dに示すように、選択された斜め全体方向DG_Oに垂直な平面P3でのベースプロファイル45、46の投影に基づいてラグセクター26の側面40、41を切断することに相当する。
【0136】
これに加えて、ラグセクター26、27、28、29に関して想定される変形実施形態によらず、特にラグセクターが斜め全体方向DG_Oに生成された十字交差した傾斜溝15を備える場合に、ステー16のための通路15、ここでは溝15が横壁によって区切られるので、コア10は、好ましくは、
図15B及び15Cに示すように、側壁の背面に、受け入れ面10_outの下方に、かつ通路15間を貫通する通路15とは別個であって側壁によって通路15から分離される凹部50を有することができる。
【0137】
ラグセクター26、27、28、29に作られた凹部50は、コア10の内側に向かって、ここではより詳細にはリングの先細面32、33に対向するラグセクターの支持面の上に開口する。
【0138】
この凹部は、受け入れ面10_outの下方で、凹部に面する通路15の中空深さよりも低い、すなわち、溝15の底部19の深さよりも低い深さまで達することが好ましいので、コア10は、通路15の側壁に沿う部分よりも凹部50に沿う部分の方が薄い表皮を有する。
【0139】
このような凹部50により、軽量であり、かつ中でも熱慣性が小さい構造をラグ22、23に与えることが可能となり、その結果、好ましくは電気発熱抵抗体のような加熱要素を閉じ込める中心リング21からの熱伝達が最適化される。
【0140】
従って、それ自体で発明を形成することのできる好ましい特徴により、特に、ラグ22、23及び/又は中心リング21のセクター角度的に分割と組み合わせて、内部では中心リング21だけが、より詳細には中心リング21のセクター24、25だけが、電気発熱抵抗体のような加熱要素を閉じ込めるが、ラグ22、23には加熱要素を設けないコアを作り出し、それでもなお、タイヤ2の硬化作動中に受け入れ面10_outの迅速で均一な温度上昇を保証することが可能である。
【0141】
これに加えて、それ自体で発明を形成することができて上述のいずれの変形にも適用できる好ましい特徴により、特にステー16のための通路15が溝15によって形成される場合、ツール1は、ステー16が係合するコア10の通路15の中にタイヤ2のクラウン3、側壁6、7又はビード4、5を形成する構成要素が侵入するのを妨げるためにコア10と相互作用する障壁デバイス60を備えることができる。
【0142】
より詳細には、ステー16を溝15の壁に接着させ、従って対応するラグセクター26、27、28、29を引き抜く際にステー16を引き抜くリスクを生じさせるゴムばりの形成を防止するように、障壁デバイス60は、タイヤ2の構成要素内に存在する材料、特にゴムベースの組成物が、クリープによって溝15に侵入するのを阻止する。
【0143】
障壁デバイス60は、タイヤの壁8の構成要素と、ステーのための通路15の開口部、ここでは溝15の開口部との間で、受け入れ面10_out上にスクリーンを形成するのに適するマスキング要素61、62を備えることができる。勿論、マスキング要素61は、硬化作動中にコア10及びタイヤ2が曝される高温値(典型的には100℃を超える)及び圧力値(典型的には60barを超える)に適合するように選択される。
【0144】
マスキング要素には、例えば鋼製の金属テープなどの接着剤、例えば接着テープで保持された可撓性テープを使用することができ、この可撓性テープは、溝15を覆うためにステー16を溝15に配置した後で受け入れ面10_outに適用される。
【0145】
好ましい可能な実施形態により、マスキング要素は、例えば高分子でできた又は好ましくは金属でできた再使用可能なシェル61を備える。
【0146】
このシェル61は、好ましくは湾曲したC字形状であり、
図6A、6B、6C、20A、及び21Aに見られるように、シェル61の各々は、コア10の曲線、ここではラグ22、23の曲線に追従し、好ましくは一体的に横方向ゾーン12、13からクラウンゾーン11まで溝15の開口部を連続して覆うことができるようにする。
【0147】
好ましい実施形態により、
図6C、9A、9B、及び9Cに見られるように、ラグセクター26、27、28、29は、対応するシェル61が装着することができ、かつ有利なことに1又は2以上の肩部によって位置決めされて保持される窪み62を備えることができる。この窪み62の深さは、好ましくは、シェル61の半径方向外面が隣接受け入れ面10_outと面一になるようにする。
【0148】
好ましくは、解体しやすくするために、各ラグセクター26、27、28、29に対して別個のシェル61が設けられ、
図6Aで明らかに見ることができるように、各シェル61は、そのシェル61が覆うことになるラグキー26、28又はラグ弓形セグメント27、29とそれぞれ同一の角度セクターA26、A27覆う。
【0149】
好ましくは、シェル61の全ては互いに同一であり、従って、少なくとも単一のラグ22内で好ましくは2つのラグ22、23間で互いに交換することができる。
【0150】
好ましくはシェル61に加えて、マスキング要素はまた、好ましくは金属製のテープで形成されたマスキングストリップ63を備えることができ、このマスキングストリップ63は、特に
図6A、6B及び6Cに示すように、好ましくはシェル61と部分的に重なることにより、受け入れ面10_outのクラウンゾーン11の溝の開口部を隠すことを助けることができる。この重複は、軸線方向に数mm、例えば3mm~15mmにわたって延びることができる。
【0151】
マスキングスクリーンをシェル61とマスキングストリップ63に分割することで離型とより詳細にはステー16間でタイヤ内部からシェル61及びストリップ63を引き抜くこととが容易になる。また、シェル61とストリップ63の重複により、有利なことに、これら2つのマスキング要素間に漏出クリアランスが生じないようにすることができる。
【0152】
好ましくは、ツール1は、
図6A、6B、及び6Cに見られるように、赤道面P_EQの両側に1セットずつ、計2セットのシェル61と、各々が中心軸線Z10の周りに完全な1巻きを形成し、赤道面P_EQの片側にそれぞれ位置する2つのストリップ63とを備える。
【0153】
ストリップ63の各々は、クラウン固着点17が形成される中心リング21によって形成されるクラウンゾーン11の部分が覆われずに残されるように、軸線方向に赤道面P_EQの手前に留まる。
【0154】
変形として、マスキング要素61、63に加えて又は好ましくはそれらの代わりとして、障壁デバイス60は、ステー16を通路15に配置した後に通路15内で空のままとなる間隙を埋めるように、従って、実質的に塞ぐように設計された充填要素65を備えることができる。
【0155】
より詳細には、充填要素65は、溝15の横壁と、問題の溝に含有されたステー16と、受け入れ面10_out上の溝の開口部との間にある自由空間を占めることができる。
【0156】
通路15に進入することができ、タイヤの構成要素、特に未加硫ゴムベースの混合物を形成する材料の溝15への侵入を防止するか又は実質的に遅らせるのに十分な密度を有するいずれかの適切な物質を充填要素65として使用することができる。
【0157】
図23に示す一例示的実施形態により、充填要素は、好ましくは金属製であり、溝15のキャビティと実質的に共役の形状の剛性シム65によって形成することができ、このシムは、最初にステー16を溝に係合させた後で溝15に挿入される。
【0158】
勿論、本発明はまた、コア10上にステー付きタイヤ2を製造する方法に関する。
【0159】
実際に、このような方法は、好ましくは、上述のようなツール1を使用することに相当する。
【0160】
従って、本発明はまた、トレッドを形成するのに適するクラウン3と、リムのような装着支持体にタイヤを取り付けることを可能にするように設計された第1の環状ビード4及び第2の環状ビード5と、クラウン3を第1のビード4及び第2のビード5にそれぞれ接続する第1の側壁6及び第2の側壁7とを備えるドーナツ形タイヤ2を製造する方法に関するものであり、クラウン3、第1及び第2の側壁6、7、及び第1及び第2のビード4、5は、全体として、タイヤ2のキャビティ9を定める凹状内面8_inを有する壁8を形成し、タイヤ2は、「ステー」16と呼ばれる補強要素16を備え、これは、各々がタイヤのキャビティ9内を延び、タイヤのクラウン3に位置するクラウン固着点17をタイヤの側壁6、7又はビード4、5のうちの一方に位置する横方向固着点18に接続する。
【0161】
この方法は、本発明によるツール1が準備される準備段階(S0)を備える。
【0162】
より詳細には、この準備段階(S0)中に、
図3A及び3Bに示すように、リングキー24とリング弓形セグメント25とを組み立てて中心リング21を形成し、次に、特に
図4A~4C及び
図5A~5Cに示すように、一連のラグキー26、28とラグ弓形セグメント27、29とを中心リング21の各先細面32、33の各々に締結してラグ22、23を形成するようにする。
【0163】
次に、本方法は、ステー16を配置する段階(S2)を備え、その段階中に、ステー16を形成するのに適する少なくとも1つの補強スレッド70をコア10の各通路15に通す。
【0164】
好ましくは、単一の連続的な単一ストランド又は多重ストランド70を用いて複数のステー16を形成し、好ましくは、タイヤ2のステー16の25%超、50%超、又はその全部さえをも形成する。
【0165】
この目的のために、連続補強スレッド70は、連続した通路15を蛇行するように配置され、ここで
図24に見られるように、補強スレッド70を受け入れ面10_outの下方で溝15に挿入し、補強スレッド70をクラウンゾーン11及び横方向ゾーン12、13の受け入れ面10_out上方に戻して望ましい固着点17、18で出し、このようにして
図25に見られるように、連続補強スレッド70は、クラウンゾーン11を通過させながらコア10の一方の横方向ゾーン12から他方の横方向ゾーン13まで一体的に往復させて凹凸を形成するように、ここでは赤道面P_EQに対して実質的に対称な振幅を備えた凹凸を形成するように配置される。
【0166】
次に、本方法は、充填段階(S4)を備え、その段階中に、クラウン3、側壁6、7、及びビード4、5を形成する構成要素を受け入れ面10_outに置いてタイヤ2の壁8を形成するようにする。
【0167】
これらの構成要素は、好ましくはゴムベースのストリップ又はプライを備え、任意的に布地、高分子、又は金属の縦方向補強繊維によって補強される。他の補強構成要素、例えば複合繊維ガラス及び樹脂ストリップを設けることもできる。
【0168】
これらの構成要素の全部又は一部は、回転するコア10の上に巻き付けて敷設できることが好ましい。
【0169】
次に、本方法は、硬化段階(S5)を備える。
【0170】
この段階中に、コア10とコア10に保持されたタイヤ2とを硬化モールド内に配置し、タイヤ2のゴムベースの構成要素を加硫処理するようにする。この目的のために、モールドの温度、より詳細にはタイヤの温度を120℃~200℃という値にもたらすことが好ましい。
【0171】
次に、本方法は、離型段階(S6)を備え、その段階中に、特に
図20A~20F、21A~21C、及び22A~22Cの引き抜きシーケンスに示すように、ステー16をタイヤ2のキャビティ9内の定位置に残したままでコア10をタイヤ2から脱係合させる。
【0172】
コア10の一部、例えばラグ22、23が単回使用である場合に、それらを適切な方法(溶融、溶解、破砕、衝撃、昇華など)で破壊してキャビティ9及びステー16を解放することができる。
【0173】
好ましくは、コア10が再使用可能であり、従って解体可能な構成要素のモジュル式アセンブリで構成される場合に、これらの構成要素は、徐々に解体して引き抜かれ、タイヤ2を解放するようにすることができる。
【0174】
好ましくは、準備段階(S0)の後でかつステー16を配置する段階(S2)の前に、本方法は、予備充填段階(S1)を備え、この段階中に、
図24に示すように、コア10の通路15から出てくるステー16の端部を受け入れ、側壁6、7又はビード4、5を形成する構成要素に又はクラウン3を形成する構成要素にそれぞれ接着させるように設計された固着構造71、72であって、ステー16の端部を固着構造71、72とこれらの構成要素との間に挟み込むことによって設けられた固着点18、17に固定するようにする上記固着構造71、72は、ステー16をタイヤの壁8に取り付けるために設けた固着点18、17に面してコア10の受け入れ面10_outの横方向ゾーン12、13及びクラウンゾーン11に敷設される。
【0175】
好ましくは、固着構造71、72は、未加硫ゴムベースの材料から形成され、任意的に補強スレッド又は補強繊維を用いて補強される。固着構造71、72は、例えば、コア10に巻き付けた補強ストリップ又は巻回の形態を取ることができる。
【0176】
固着構造71、72が、望ましい固着点18、17で溝付き部分の外側の受け入れ面10_out上に待機して位置決めされた状態で、ステー16は、通路15から出ていくステー16の部分が固着構造71、72の上部に位置決めされるように通路内に配置されるので、タイヤの壁8の構成要素を敷設する際に、これらの構成要素がコア10の上で既に定位置にある固着構造に接着し、その結果、固着構造体71、72はタイヤ2の壁8に組み込まれ、これにより、ステー16の端部は、設けられた固着点18、17で壁8内に捕捉される。
【0177】
好ましくは、それは、連続補強スレッド70の蛇形凹凸の極値を形成するループであり、従って、単一半球に属する2つの連続したステー間の移行ゾーンに対応し、ステーの横方向固着点18を形成するために横方向ゾーン12、13に配置された横方向固着構造71で捕捉されるステー16の部分を形成し、一方で2つの異なる半球に属する2つの連続したステー16を接続する連続補強スレッド70の中間部分は、第1のステーの溝15から出て、受け入れ面10_outのクラウンゾーン11を横切って赤道面P_EQを通過し、次に、第2のステー16の溝15に戻り、クラウン固着構造72に捕捉されることになる。
【0178】
好ましくは、ステー16を配置する段階(S2)の後に、本方法は、保護段階(S3)を備え、その段階中に障壁デバイス60が実施されるが、このデバイス60は、充填段階(S4)中に及び硬化段階(S5)中にコア10と相互作用し、クラウン3、側壁6、7又はタイヤ2のビード4、5を形成する構成要素がコア10の通路15、ここではステー16が係合する溝15に侵入するのを妨げる。
【0179】
例えば、ステーを配置する段階(S2)の後でかつ充填段階(S4)の前に、通路15を覆い、従って通路15とタイヤの壁8の構成要素との間にスクリーンを形成する上述したようなシェル61及び/又はマスキングストリップ63のようなマスキング要素を
図6A及び6Bに示すように受け入れ面10_outに適用することができ、又は少なくとも硬化段階(S5)中に又は同じく充填段階(S4)中に、通路15に係合したステー16と受け入れ面10_outに現われる通路15の開口部(複数可)との間で空いたままの各通路15の体積を一時的に埋めるシム65(
図23)のような充填要素65を使用することができる。
【0180】
好ましくは、コア10は、中心リング21と、受け入れ面10_out上に開口する溝15の形態でステー16のための通路15を閉じ込める左ラグ22及び右ラグ23とを備えるので、中心リング21及びラグ22、23の各々は、上述のように、弓形セグメント25、27、29と交互に並ぶキー24、26、28を形成するセクターに角度的に分割され、離型段階(S6)は、最初に、中心リング21を取り外す部分段階であって、その段階中に、中心リングのキー24、次に中心リングの弓形セグメント25を半径方向に取り去って
図20A及び22Aに示すようにラグ22、23のセクター26、27、28、29がタイヤ2の内側からアクセスできる構成を残し、ラグ22、23を解放するようにする上記部分段階と、次に、第1のラグ22を引き抜く第2の部分段階であって、その段階中に、左右ラグの一方22のキー26をタイヤ2のキャビティ9から引き抜き、次にラグ22の弓形セグメント27をタイヤのキャビティ9から引き抜いて、キャビティ9の対応する部分と、キャビティ9の対応する部分に位置するステー16、ここではタイヤ2の第1の半球を占めるステー16とを解放するようにする上記第2の部分段階と、他方のラグ23を引き抜く第3の部分段階であって、その段階中に、他方のラグ22のキー28をタイヤ2のキャビティ9から引き抜き、次に他方のラグ23の弓形セグメント29をタイヤのキャビティ9から引き抜いて、キャビティ9の対応する部分と、キャビティ9の対応する部分に位置するステー16、ここではタイヤ2の第2の半球に位置するステー16とを解放するようにする上記第3の部分段階とを備える。
【0181】
ラグ22、23のセクターを引き抜く順序は、任意的に僅かに調整できるが、唯一の要件は、所与のラグ内で最初にラグ弓形セグメント27、29の両側にある2つのラグキー26、28を引き抜いた後でラグ弓形セグメント27、29を順番に引き抜くことであることに注意されたい。従って、例えば、最初に第1のラグ22のキー26、次に第1のラグ22の弓形セグメント27を引き抜いた後で、第2のラグ23のキー28の引き抜きを開始し、第2のラグの弓形セグメント29の引き抜きを続行するか、又は最初に第1のラグ22のキー26、次に第2のラグ23のキー28、次に第1のラグ22の弓形セグメント27、最後に第2のラグ23の弓形セグメント29を引き抜くか、又は単一ラグの中で徐々に中心軸線Z10の周りに方位角的に段階的に第1のラグのキー26、次に対応するラグ弓形セグメント27の反対側に位置するラグキー、次にこうして解放されたラグ弓形セグメント27、次に直接隣接するラグキー26、次にこうして解放された第2のラグ弓形セグメント27を引き抜くように定めることができる。
【0182】
各ラグ22、23のセクター26、27、28、29は、溝の横壁の配置に依存する以下の引き抜き移動で引き抜かれる:
i)
図20B、20C、及び21Aに示すように、溝15の横壁が中心軸線Z10と平行な軸線方向全体方向DG_Aに生成される場合に、軸線方向並進引き抜き移動M_A、特に、ラグ22、23を軸線方向に分離する距離が、製造するタイヤ2の寸法に起因して、引き抜くセクター26、27、28、29の軸線方向全長よりも小さい場合に、好ましくは、この軸線方向並進引き抜き移動M_Aに続いて、
図20D、20E、21B、及び21Cに示すように、セクター26、27、28、29のサジタル子午面P_MER_26、P_MER_27に垂直な軸線の周りに傾斜移動M_Bを行うことができ、すなわち、この傾斜M_Bは、解体するラグ22に対向するラグ23の半径方向内側下面が、中心リング21の対応する先細面32の傾斜に対して共役の傾斜を形成し、従って、中心リング21が取り外された状態で対応するクリアランスを提供するという事実によって容易になる、
ii)或いは、斜めの求心的並進移動M_Oでは、溝15の横壁が、ゼロでない鋭角の余緯度角A44で中心軸線Z10と交差する斜め全体方向DG_Oに生成される場合に、
図22A、22B、及び22Cに示すように、軸線方向成分と半径方向成分とを同時に備える。この斜め並進移動M_Oは、有利なことに斜め全体方向DG_Oに含有される。
【0183】
上記第1の場合i)では、軸線方向並進引き抜き移動M_Aは、特に、ラグ22、23のローブをキャビティ9の中空から、特にビード4、5の内側リップから十分に脱係合させることを可能にし、その後にビード4、5をクラウン3から強制的に離間させることなく、従って、ステー16を強制的に離間させることなく傾斜移動M_Bを実行できるようにするために必要であることに注意されたい。
【0184】
間違いなくコア10、特にタイヤ2を硬化後にコア10から引き抜く時の残留温度(残留温度は50℃~70℃の可能性がある)に起因して、ステー16は、まだ比較的弛んでいる、すなわち、(まだ)完全にはぴんと張っておらず、ステー16を損傷させずに引き抜くことが容易になると本発明者が観察したことに同じく注意されたい。
【0185】
引き抜き移動M_A、M_Oに関して最初に取った軌道に関係なく、ラグセクター26、27、28、29をステー16から脱係合させた状態で、ラグセクター26、27、28、29を引き抜くための引き抜きシーケンスは、例えば、
図20Fに示すように、セクター26、27、28、29を中心軸線Z10に向けて移動させ、ビード4、5によって形成された閾値を半径方向に交差するような半径方向移動に続いて、タイヤ2によって軸線方向に定められた包絡面からセクター26、27、28、29を完全に取り出す軸線方向移動に従うことにより、タイヤ2の内側から自由に完了することができる。
【0186】
一方のラグ22のセクター26、27が引き抜かれた状態で又は各ラグ22、23をタイヤ2のキャビティ9から脱係合させた後で、対応するシェル61は、2つのステー16間でその縁部によってシェル61を滑らせるために(シェルの一方のアームを他方の後で)回転かつ傾斜することにより、個別的に順番に引き抜くことができる。同様に、マスキングストリップ63は、連続した2つのステー16間の空間にそれらを通す渦巻摺動によって引き抜くことができる。
【0187】
勿論、本発明は、上述の変形実施形態だけに決して限定されず、当業者は、特に、上述の特徴を分離する、自由に組み合わせる、又はそれらを均等物と置き換えることができると考えられる。
【符号の説明】
【0188】
2 ドーナツ形タイヤ
3 クラウン
4 第1の環状ビード
6 第1の側壁
10ドーナツ形コア
16 ステー/補強要素
【国際調査報告】