(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】ポリヒドロキシアルカノエート産生細菌、並びにその製造方法及び使用方法
(51)【国際特許分類】
C12N 1/20 20060101AFI20240306BHJP
C12P 7/625 20220101ALI20240306BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240306BHJP
C08G 63/88 20060101ALI20240306BHJP
C08G 63/06 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
C12N1/20 A
C12P7/625 ZNA
C12N1/21
C08G63/88
C08G63/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558976
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 US2022021773
(87)【国際公開番号】W WO2022204420
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523364298
【氏名又は名称】サン ディエゴ ステート ユニバーシティ (エスディーエスユー)ファウンデーション,ディービーエー サン ディエゴ ステート ユニバーシティ リサーチ ファウンデーション
(71)【出願人】
【識別番号】523364302
【氏名又は名称】ファックステック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】カリュシュナヤ,マリナ ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ムカルジー,アニンディア
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4J029
【Fターム(参考)】
4B064AD61
4B064AD62
4B064AD63
4B064AD64
4B064AD83
4B064BJ04
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4B065AA01X
4B065AA01Y
4B065AB01
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4B065BC50
4B065CA12
4B065CA60
4J029AA02
4J029AB07
4J029AC01
4J029AE06
4J029AE18
4J029EA02
4J029EA05
4J029KH03
(57)【要約】
他の実施形態では、提供されるのは、ポリヒドロキシブチレート(PHB)等のポリヒドロキシアルカノエート(PHA)及びコポリマー等のバイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを製造するために、メタン資化性細菌等のメタン及び水素酸化性独立栄養生物を選択し、単離し、及び組み換え操作する方法、並びに製品及びキット、並びにこれらを使用して、バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを製造する方法である。提供されるのは、PHA(例えば、PHB及びコポリマー)製造のための効率的なメタン消費性メタン及び水素酸化性独立栄養生物、及びこの使用方法であり、他の実施形態では、メタン資化性細菌は、C1(メタン又はメタノール)-PHA変換パラメータを改善するように遺伝子改変されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の群:
(a)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生メタン資化性細菌、又はバイオポリマー産生メタン資化性細菌、再生可能ポリマー産生メタン資化性細菌、若しくは生分解性ポリマー産生メタン資化性細菌;
及び
(b)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又はバイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌
のそれぞれの少なくとも1つのメンバーを含む細菌の非天然混合物又は共同体。
【請求項2】
前記PHAは、ポリヒドロキシブチレート(PHB)を含むか、
又は
前記バイオポリマー、再生可能ポリマー、若しくは生分解性ポリマーは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA):ポリ(3-ヒドロキシプロピオネート)(PHP若しくはP3HP)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB若しくはP3HB)、ポリ(4-ヒドロキシブチレート)(P4HB)、ポリ(3-ヒドロキシバレレート)(PHV若しくはP3HV)、ポリ(4-ヒドロキシバレレート)(P4HV)、ポリ(5-ヒドロキシバレレート)(P5HV)、ポリ(3-ヒドロキシヘキサノエート)(PHHx若しくはP3HHx)、ポリ(3-ヒドロキシオクタノエート)(PHO若しくはP3HO)、ポリ(3-ヒドロキシデカノエート)(PHD若しくはP3HD)、ポリ(3-ヒドロキシウンデカノエート)(PHU、P3HU)、短鎖長若しくは中鎖長の飽和若しくは不飽和のPHA、ポリ乳酸(PLA)、又はこれらの任意のコポリマー、又はこれらの任意の組み合わせを含む、
請求項1に記載の細菌の非天然混合物又は共同体。
【請求項3】
前記ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生メタン資化性細菌、又はバイオポリマー産生メタン資化性細菌、再生可能ポリマー産生メタン資化性細菌、若しくは生分解性ポリマー産生メタン資化性細菌は、メチロバクテリウム(Methylobacterium)属、メチロサイナス(Methylosinus)属、メチロセラ(Methylocella)属、メチロカプサ(Methylocapsa)属、メチロカルダム(Methylocaldum)属、又はメチロシスチス(Methylocystis)属に属しているか、又はこれらに分類されており(若しくは由来しており)、
任意選択的に、メチロシスチス(Methylocystis)種は、メチロシスチス・パルブス(Methylocystis parvus)であり、
任意選択的に、メチロサイナス(Methylosinus)種は、メチロサイナス・スポリウム(Methylosinus sporium)であり、
任意選択的に、メチロシスチス種(Methylocystis sp.)は、ATCC アクセッション番号 ATCC 49242で寄託されており、
任意選択的に、メチロバクテリウム(Methylobacterium)種は、メチロバクテリウム・エキストロクエンス(Methylobacterium extorquens)であり、
任意選択的に、メチロバクテリウム・エキストロクエンス(Methylobacterium extorquens)は、ATCC アクセッション番号 ATCC 55366で寄託されている、
請求項1に記載の細菌の非天然混合物又は共同体。
【請求項4】
メチロシスチス(Methylocystis)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)前記ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生メタン資化性細菌、又はバイオポリマー産生メタン資化性細菌、再生可能ポリマー産生メタン資化性細菌、若しくは生分解性ポリマー産生メタン資化性細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化1】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有する、請求項3に記載の細菌の非天然混合物又は共同体。
【請求項5】
メチロサイナス(Methylosinus)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)前記ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生メタン資化性細菌、又はバイオポリマー産生メタン資化性細菌、再生可能ポリマー産生メタン資化性細菌、若しくは生分解性ポリマー産生メタン資化性細菌は、16SリボソームRNA(rRNA配列):
【化2】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有する、請求項3に記載の細菌の非天然混合物又は共同体。
【請求項6】
メチロカルダム(Methylocaldum)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)前記ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生メタン資化性細菌、又はバイオポリマー産生メタン資化性細菌、再生可能ポリマー産生メタン資化性細菌、若しくは生分解性ポリマー産生メタン資化性細菌は、16SリボソームRNA(rRNA配列):
【化3】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有する、請求項3に記載の細菌の非天然混合物又は共同体。
【請求項7】
前記ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又は前記バイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、メチロベルサチリス(Methyloversatilis)属、ルブリビバキス(Rubrivivax)属、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属、キサントバクター(Xanthobacter)属、ラルストニア(Ralstonia)属、カプリビダス(Cuprividus)属、又はハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属に属しているか、又はこれらに分類されており(若しくは由来しており)、
任意選択的に、ハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属細菌は、H.フラバ(H. flava)であり、
任意選択的に、ラルストニア(Ralstonia)属細菌は、R.ユートロファ(R. eutropha)であり、
任意選択的に、カプリビダス(Cuprividus)属細菌は、C.ネカトール(C. necator)である、
請求項1に記載の細菌の非天然混合物又は共同体。
【請求項8】
ハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)前記ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又は前記バイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化4】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有する、請求項7に記載の細菌の非天然混合物又は共同体。
【請求項9】
キサントバクター(Xanthobacter)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)前記ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又は前記バイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化5】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有する、請求項7に記載の細菌の非天然混合物又は共同体。
【請求項10】
ラルストニア(Ralstonia)属又はカプリビダス(Cuprividus)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)前記ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又は前記バイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化6】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有する、請求項7に記載の細菌の非天然混合物又は共同体。
【請求項11】
ルブリビバキス(Rubrivivax)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)前記ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又は前記バイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化7】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有する、請求項7に記載の細菌の非天然混合物又は共同体。
【請求項12】
メチロベルサチリス(Methyloversatilis)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)前記ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又は前記バイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化8】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有する、請求項7に記載の細菌の非天然混合物又は共同体。
【請求項13】
ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)前記ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又は前記バイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化9】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有する、請求項7に記載の細菌の非天然混合物又は共同体。
【請求項14】
前記細菌の非天然混合物又は共同体は、
メチロバクテリウム(Methylobacterium)属の少なくとも1種の細菌、及びメチロベルサチリス(Methyloversatilis)属の少なくとも1種の細菌;
メチロバクテリウム(Methylobacterium)属の少なくとも1種の細菌、及びルブリビバキス(Rubrivivax)属の少なくとも1種の細菌;
メチロバクテリウム(Methylobacterium)属の少なくとも1種の細菌、及びロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属の少なくとも1種の細菌;
メチロバクテリウム(Methylobacterium)属の少なくとも1種の細菌、及びキサントバクター(Xanthobacter)属の少なくとも1種の細菌;
メチロバクテリウム(Methylobacterium)属の少なくとも1種の細菌、及びラルストニア(Ralstonia)属の少なくとも1種の細菌;
メチロバクテリウム(Methylobacterium)属の少なくとも1種の細菌、及びカプリビダス(Cuprividus)属の少なくとも1種の細菌;又は
メチロバクテリウム(Methylobacterium)属の少なくとも1種の細菌、及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属の少なくとも1種の細菌;
メチロサイナス(Methylosinus)属の少なくとも1種の細菌、及びメチロベルサチリス(Methyloversatilis)属の少なくとも1種の細菌;
メチロサイナス(Methylosinus)属の少なくとも1種の細菌、及びルブリビバキス(Rubrivivax)属の少なくとも1種の細菌;
メチロサイナス(Methylosinus)属の少なくとも1種の細菌、及びロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属の少なくとも1種の細菌;
メチロサイナス(Methylosinus)属の少なくとも1種の細菌、及びキサントバクター(Xanthobacter)属の少なくとも1種の細菌;
メチロサイナス(Methylosinus)属の少なくとも1種の細菌、及びラルストニア(Ralstonia)属の少なくとも1種の細菌;
メチロサイナス(Methylosinus)属の少なくとも1種の細菌、及びカプリビダス(Cuprividus)属の少なくとも1種の細菌;又は
メチロサイナス(Methylosinus)属の少なくとも1種の細菌、及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属の少なくとも1種の細菌;
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びメチロベルサチリス(Methyloversatilis)属の少なくとも1種の細菌;
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びルブリビバキス(Rubrivivax)属の少なくとも1種の細菌;
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属の少なくとも1種の細菌;
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びキサントバクター(Xanthobacter)属の少なくとも1種の細菌;
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びラルストニア(Ralstonia)属の少なくとも1種の細菌;
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びカプリビダス(Cuprividus)属の少なくとも1種の細菌;又は
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属の少なくとも1種の細菌;
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びメチロベルサチリス(Methyloversatilis)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカプサ(Methylocapsa)属の少なくとも1種の細菌、及びルブリビバキス(Rubrivivax)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカプサ(Methylocapsa)属の少なくとも1種の細菌、及びロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカプサ(Methylocapsa)属の少なくとも1種の細菌、及びキサントバクター(Xanthobacter)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカプサ(Methylocapsa)属の少なくとも1種の細菌、及びラルストニア(Ralstonia)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカプサ(Methylocapsa)属の少なくとも1種の細菌、及びカプリビダス(Cuprividus)属の少なくとも1種の細菌;又は
メチロカプサ(Methylocapsa)属の少なくとも1種の細菌、及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカルダム(Methylocaldum)属の少なくとも1種の細菌、及びメチロベルサチリス(Methyloversatilis)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカルダム(Methylocaldum)属の少なくとも1種の細菌、及びルブリビバキス(Rubrivivax)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカルダム(Methylocaldum)属の少なくとも1種の細菌、及びロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカルダム(Methylocaldum)属の少なくとも1種の細菌、及びキサントバクター(Xanthobacter)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカルダム(Methylocaldum)属の少なくとも1種の細菌、及びラルストニア(Ralstonia)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカルダム(Methylocaldum)属の少なくとも1種の細菌、及びカプリビダス(Cuprividus)属の少なくとも1種の細菌;又は
メチロカルダム(Methylocaldum)属の少なくとも1種の細菌、及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属の少なくとも1種の細菌;
メチロシスチス(Methylocystis)属の少なくとも1種の細菌、及びメチロベルサチリス(Methyloversatilis)属の少なくとも1種の細菌;
メチロシスチス(Methylocystis)属の少なくとも1種の細菌、及びルブリビバキス(Rubrivivax)属の少なくとも1種の細菌;
メチロシスチス(Methylocystis)属の少なくとも1種の細菌、及びロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属の少なくとも1種の細菌;
メチロシスチス(Methylocystis)属の少なくとも1種の細菌、及びキサントバクター(Xanthobacter)属の少なくとも1種の細菌;
メチロシスチス(Methylocystis)属の少なくとも1種の細菌、及びラルストニア(Ralstonia)属の少なくとも1種の細菌;
メチロシスチス(Methylocystis)属の少なくとも1種の細菌、及びカプリビダス(Cuprividus)属の少なくとも1種の細菌;又は
メチロシスチス(Methylocystis)属の少なくとも1種の細菌、及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属の少なくとも1種の細菌
を含む、請求項1に記載の細菌の非天然混合物又は共同体。
【請求項15】
遺伝子操作された細菌であって、前記細菌は、請求項1~14のいずれか一項に記載の混合物又は共同体中の細菌であるか又はこの細菌に由来しており、バイオポリマー、再生可能ポリマー、若しくは生分解性ポリマー、又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の合成に関与する酵素をコードする少なくとも1種の異種核酸を中に含んでいる、遺伝子操作された細菌。
【請求項16】
前記少なくとも1種の異種核酸は、β-ケトチオラーゼ又はアセトアセチル-CoAレダクターゼをコードする、請求項15に記載の遺伝子操作された細菌。
【請求項17】
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)生合成のための異種オペロンを中に含んでいる請求項15又は16に記載の遺伝子操作された細菌。
【請求項18】
(a)少なくとも1種のポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生メタン資化性細菌、又はバイオポリマー産生メタン資化性細菌、再生可能ポリマー産生メタン資化性細菌、若しくは生分解性ポリマー産生メタン資化性細菌は、バイオポリマー、再生可能ポリマー、若しくは生分解性ポリマー、又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の合成に関与する酵素をコードする少なくとも1種の異種核酸を中に含んでいるか;又は
(b)少なくとも1種のポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又はバイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、バイオポリマー、再生可能ポリマー、若しくは生分解性ポリマー、又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の合成に関与する酵素をコードする少なくとも1種の異種核酸を中に含んでいる、
請求項1~17のいずれか一項若しくは請求項1~14のいずれか一項に記載の細菌の非天然混合物若しくは共同体、又は請求項15~17のいずれか一項に記載の遺伝子操作された細菌。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項、若しくは請求項1~14のいずれか一項、若しくは請求項18に記載の細菌の非天然混合物若しくは共同体、又は請求項15~17のいずれか一項に記載の遺伝子操作された細菌を中に含むか又は有する製品。
【請求項20】
バイオリアクタ又は細菌培養装置として製作されているか又は構築されている請求項19に記載の製品。
【請求項21】
前記細菌又は前記細菌の非天然混合物若しくは共同体は、複数のマクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズに付着しているか、又は含まれているか、又は結晶ゲルマトリックス若しくはナノシェル又は等価物中に封入されているか、又はこれら中若しくはこれら上に固定されており、
任意選択的に、前記複数のマクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズは、アレイ又はシートとして配置されているか、又は製作されており、
任意選択的に、前記細菌を含む結晶ゲルマトリックス若しくはナノシェル又は等価物は、前記複数のマクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズに付着しているか、又は固定されているか、又は前記細菌を含む結晶ゲルマトリックス若しくはナノシェル又は等価物は、メッシュ若しくは同等の支持構造に付着しているか若しくは固定されている、
請求項19又は20に記載の製品。
【請求項22】
前記細菌は、ポリマー、コロイド粒子シェル、寒天若しくはゲル、又はハイドロゲル中にカプセル化されているか、又は封入されているか、又は固定されており、
任意選択的に、前記カプセル化された構造は、前記アレイ若しくはシート、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズ上に固定されている、
請求項19~22のいずれか一項に記載の製品。
【請求項23】
前記アレイ、シート、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズは、シート、マット、メッシュ、カートリッジ、又は前記アレイ、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズを支持する任意の形態の二次構造若しくは三次構造に含まれているか、又はこれらとして製作されている、請求項1~22のいずれか一項又は請求項19~22のいずれか一項に記載の製品。
【請求項24】
前記アレイ、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズ、又はシート、メッシュ、マット、カートリッジ、又は任意の形態の二次構造は、上部構造又は装置に挿入され得るモジュラーユニット又はカートリッジに加工されており、
任意選択的に、前記モジュラーユニット又はカートリッジは、前記上部構造又は装置中に又は上に予め形成された容器に交換されるか又は挿入されるように製作されており、
任意選択的に、前記モジュラーユニット若しくはカートリッジ、又は同等の構造は、ガスの入出力開口部又はオリフィスを有するように製作されており、
任意選択的に、前記上部構造又は装置は、前記製品中への又は前記製品を通る空気流又はガス流の量を制御するポンプ、バルブ、及び/又は圧力ゲージを含む、
請求項1~23のいずれか一項又は請求項19~23のいずれか一項に記載の製品。
【請求項25】
前記細菌又は前記細菌の非天然混合物若しくは共同体、又は前記アレイ、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズ、又はシート、メッシュ、マット、カートリッジ、又は任意の形態の二次構造、又はモジュールユニット若しくはカートリッジ、又は上部構造若しくは装置は、バイオリアクタとして作製されているか、又はバイオリアクタ内に組み込まれるか若しくは統合される、請求項1~24のいずれか一項又は請求項19~24のいずれか一項に記載の製品。
【請求項26】
バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを製造する方法であって、
任意選択的に、前記バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を含み、任意選択的に、前記PHAは、ポリヒドロキシブチレート(PHB)を含み、
前記方法は、
(a)請求項1~25のいずれか一項若しくは請求項1~18のいずれか一項に記載の細菌の非天然混合物又は共同体を培養するか、又は請求項1~25のいずれか一項若しくは請求項19~25のいずれか一項に記載の製品中の又は製品中に含まれる又は製品上の細菌の非天然混合物又は共同体を培養すること;及び
(b)前記バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを、単離するか、分離するか、精製するか、又は回収すること
を含む、方法。
【請求項27】
前記細菌、又は前記細菌の混合物若しくは共同体を、メタン及び空気、メタン及び酸素、メタン、水素、及び空気、メタン及び水素、及び/又は空気を培養物に添加することを含む条件下で培養し;任意選択的に、メタノール、酢酸塩、ギ酸塩、及び/又はコハク酸塩を含む試薬も、前記培養物に添加する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記細菌、又は細菌の混合物若しくは共同体を、約20℃~37℃の温度を含む条件下で培養する、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを、分離するか、単離するか、又は精製し、
任意選択的に、前記バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを、デカンテーション、ろ過、遠心分離、凝集、空気浮上、若しくは沈殿、又はこれらの任意の組み合わせを含む方法又はプロセスにより分離するか、単離するか、又は精製し;
任意選択的に、前記バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを、約70%~99.5%の純度、又は少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、若しくは99%の純度で分離するか、単離するか、又は精製し、
任意選択的に、前記バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを、米国特許出願公開第20170253713A1号、又は米国特許第(USPN)10,597,506号若しくはUSPN8,852,157号で説明されているプロセスの使用を含む方法又はプロセスにより分離するか、単離するか、又は精製する、
請求項1~28のいずれか一項又は請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを、溶解工程を含む方法又はプロセスにより分離するか、単離するか、又は精製し、任意選択的に、前記溶解工程は、細菌細胞を溶解させることを含み、任意選択的に、前記細菌細胞の溶解は、1種又は複数種の細胞外酵素の使用を含む、請求項1~29のいずれか一項又は請求項25~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを、分離工程又は抽出工程をさらに含む方法又はプロセスにより分離するか、単離するか、又は精製し、タンパク質、ペプチド、若しくはアミノ酸、又はこれらの任意の組み合わせを、前記バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーから分離するか、又は抽出する、請求項1~30のいずれか一項又は請求項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
洗浄する工程をさらに含み、任意選択的に、前記洗浄は、得られたバイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを洗浄するための前記抽出、単離、及び/又は分離の後であり、任意選択的に、前記洗浄する工程を、洗浄液として水を含む試薬を使用して実施する、請求項25~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記抽出プロセス、分離プロセス、又は単離プロセスにおいて、有機溶媒若しくは化学物質、又はこれらの任意の組み合わせを使用しない、請求項1~32のいずれか一項又は請求項25~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーは、ポリ-4-ヒドロキシブチレート(P4HB)及び/又はそのコポリマーを含む、請求項1~33のいずれか一項又は請求項25~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリ(3-ヒドロキシプロピオネート)(PHP若しくはP3HP)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB若しくはP3HB)、ポリ(4-ヒドロキシブチレート)(P4HB)、ポリ(3-ヒドロキシバレレート)(PHV若しくはP3HV)、ポリ(4-ヒドロキシバレレート)(P4HV)、ポリ(5-ヒドロキシバレレート)(P5HV)、ポリ(3-ヒドロキシヘキサノエート)(PHHx若しくはP3HHx)、ポリ(3-ヒドロキシオクタノエート)(PHO若しくはP3HO)、ポリ(3-ヒドロキシデカノエート)(PHD若しくはP3HD)、ポリ(3-ヒドロキシウンデカノエート)(PHU、P3HU)、短鎖長若しくは中鎖長の飽和若しくは不飽和のPHA、ポリ乳酸(PLA)、又はこれらの任意のコポリマー、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~34のいずれか一項又は請求項25~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記細菌、又は前記細菌の混合物若しくは共同体は、培養中に、少なくとも5グラム(g)L
-1h
-1PHAを産生するか、又は生成する、請求項1~35のいずれか一項又は請求項25~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーから単量体を製造する方法であって、
(a)請求項1~36のいずれか一項又は請求項25~30のいずれか一項に記載の方法を使用して製造されたか、単離されたか、又は分離されたバイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを準備すること;
(b)脱重合物質又は試薬を準備すること;及び
(c)前記バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーと、前記脱重合物質とを混合することにより、前記バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを脱重合させること
を含み、
任意選択的に、前記脱重合物質又は試薬は、耐熱性細胞外PHA解重合酵素を含む、
方法。
【請求項38】
生体適合性製品、生物活性ナノビーズ、生分解性製品、使い捨て製品、若しくは再生可能製品、サーモプラスト、エラストマー製品若しくはポリマー前駆体、コーティング、ホイル、おむつ、廃棄物バッグ、タイヤ、パッケージ、シングルユース物品、タンパク質精製マトリックス、インプラント部品、骨代用品、徐放性薬物、又は肥料、又は農薬担体を製造する方法であって、請求項1~37のいずれか一項により製造されたか又は請求項1
~37のいずれか一項若しくは請求項25~37のいずれか一項に記載の方法を使用して製造されたバイオポリマー、再生可能ポリマー、若しくは生分解性ポリマー、又はこれらの単量体の使用を含み、
任意選択的に、前記生分解性製品、使い捨て製品、又は再生可能製品は、マルチドーズシリンジ、検体チューブ、メス、ランセット、シャープスコンテナ、又は吸引キャニスタである、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本特許協力条約(PCT)国際出願は、2021年3月25日に出願された米国仮出願シリアル番号(USSN)第63/166,150号の米国特許法第119条(e)(35 U.S.C. § 119(e))に基づく優先権の利益を主張する。前述の出願は、あらゆる目的のために、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。本明細書で引用される全ての刊行物、特許、特許出願は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、全体として、細菌学、並びにバイオポリマー、再生可能ポリマー、及び生分解性ポリマーの製造に関する。他の実施形態では、提供されるのは、ポリヒドロキシブチレート(PHB)等のポリヒドロキシアルカノエート(PHA)及びコポリマー等のバイオポリマー、再生可能ポリマー、及び生分解性ポリマーを製造するために、メタン資化性細菌等のメタン及び水素酸化性独立栄養生物を選択し、単離し、及び組み換え操作する方法、並びに製品及びキット、並びにこれらを使用してバイオポリマー、再生可能ポリマー、及び生分解性ポリマーを製造する方法である。提供されるのは、PHA(例えば、PHB)製造のための効率的なメタン消費性メタン及び水素酸化性独立栄養微生物、及びこの使用方法であり、他の実施形態では、メタン栄養生物は、C1(メタン又はメタノール)-PHA変換パラメータを改善するように遺伝子改変されている。
【背景技術】
【0003】
背景
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)は、様々な天然微生物により産生される炭素貯蔵ポリマーであり、そのため自然環境中で生分解可能である。PHAは、年間2億1,000万トン(又は70%)超のプラスチックの需要に対応する上位7つの最もよく売れているプラスチックの有益な特性を備える数百種の異なるポリマーのファミリーである。PHAは、無毒であり且つ安全であると考えられている。PHA原料の完全な分解を、従来の工業用コンポスタ又は嫌気性ダイジェスタで達成し得る。全体として、PHAは、将来のポリマー製造にとって最も持続可能な解決策と想定されている。
【0004】
炭水化物からPHAを製造しようとするこれまでの試みは、高い炭素原料コスト、及び競合する石油系ポリマー及び非生分解性ポリマーの低コストが課題となっている。天然ガス及びバイオガスは、費用効果が高い代替手段として論じられているが、PHAを産生する確立された微生物プラットフォームは全て、メタン炭素の40%を利用するだけであり、残りはCO2として放出される。PHA市場でのブレイクスルーには、高効率の炭素変換に関する新規な解決策が必要である。このことは、従来の発酵、微生物プラットフォーム、及び原料の間でのトレードオフを意味することが多い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
他の実施形態では、提供されるのは、下記の群:
(a)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生メタン資化性細菌、又はバイオポリマー産生メタン資化性細菌、再生可能ポリマー産生メタン資化性細菌、若しくは生分解性ポリマー産生メタン資化性細菌;
及び
(b)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又はバイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌
のそれぞれの少なくとも1つのメンバーを含む細菌の非天然混合物又は共同体である。
【0006】
本明細書で提供される細菌の非天然混合物又は共同体の他の実施形態では、
- PHAは、ポリヒドロキシブチレート(PHB)を含むか、又はバイオポリマー、再生可能ポリマー、若しくは生分解性ポリマーは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA):ポリ(3-ヒドロキシプロピオネート)(PHP若しくはP3HP)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB若しくはP3HB)、ポリ(4-ヒドロキシブチレート)(P4HB)、ポリ(3-ヒドロキシバレレート)(PHV若しくはP3HV)、ポリ(4-ヒドロキシバレレート)(P4HV)、ポリ(5-ヒドロキシバレレート)(P5HV)、ポリ(3-ヒドロキシヘキサノエート)(PHHx若しくはP3HHx)、ポリ(3-ヒドロキシオクタノエート)(PHO若しくはP3HO)、ポリ(3-ヒドロキシデカノエート)(PHD若しくはP3HD)、ポリ(3-ヒドロキシウンデカノエート)(PHU、P3HU)、短鎖長若しくは中鎖長の飽和若しくは不飽和のPHA、ポリ乳酸(PLA)、又はこれらの任意のコポリマー、又はこれらの任意の組み合わせを含み;
- ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生メタン資化性細菌、又はバイオポリマー産生メタン資化性細菌、再生可能ポリマー産生メタン資化性細菌、若しくは生分解性ポリマー産生メタン資化性細菌は、メチロバクテリウム(Methylobacterium)属、メチロサイナス(Methylosinus)属、メチロセラ(Methylocella)属、メチロカプサ(Methylocapsa)属、メチロカルダム(Methylocaldum)属、又はメチロシスチス(Methylocystis)属に属しているか、又はこれらに分類されており(若しくは由来しており)、
任意選択的に、メチロシスチス(Methylocystis)種は、メチロシスチス・パルブス(Methylocystis parvus)であり、
任意選択的に、メチロサイナス(Methylosinus)種は、メチロサイナス・スポリウム(Methylosinus sporium)であり、
任意選択的に、メチロシスチス種(Methylocystis sp.)は、ATCC アクセッション番号 ATCC 49242で寄託されており、
任意選択的に、メチロバクテリウム(Methylobacterium)種は、メチロバクテリウム・エキストロクエンス(Methylobacterium extorquens)であり、
任意選択的に、メチロバクテリウム・エキストロクエンス(Methylobacterium extorquens)は、ATCC アクセッション番号 ATCC 55366で寄託されており;
- メチロシスチス(Methylocystis)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生メタン資化性細菌、又はバイオポリマー産生メタン資化性細菌、再生可能ポリマー産生メタン資化性細菌、若しくは生分解性ポリマー産生メタン資化性細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化1】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有しており;
- メチロサイナス(Methylosinus)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生メタン資化性細菌、又はバイオポリマー産生メタン資化性細菌、再生可能ポリマー産生メタン資化性細菌、若しくは生分解性ポリマー産生メタン資化性細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化2】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有しており;
- メチロカルダム(Methylocaldum)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生メタン資化性細菌、又はバイオポリマー産生メタン資化性細菌、再生可能ポリマー産生メタン資化性細菌、若しくは生分解性ポリマー産生メタン資化性細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化3】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有しており;
- ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又はバイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、メチロベルサチリス(Methyloversatilis)属、ルブリビバキス(Rubrivivax)属、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属、キサントバクター(Xanthobacter)属、ラルストニア(Ralstonia)属、カプリビダス(Cuprividus)属、又はハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属に属しているか、又はこれらに分類されており(若しくは由来しており)、
任意選択的に、ハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)細菌は、H.フラバ(H. flava)であり、
任意選択的に、ラルストニア(Ralstonia)は、R.ユートロファ(R. eutropha)であり、
任意選択的に、カプリビダス(Cuprividus)は、C.ネカトール(C. necator)であり、
- ハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又はバイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化4】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有しており;
- キサントバクター(Xanthobacter)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又はバイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化5】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有しており;
- ラルストニア(Ralstonia)属又はカプリビダス(Cuprividus)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又はバイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化6】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有しており;
- ルブリビバキス(Rubrivivax)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又はバイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化7】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有しており;
- メチロベルサチリス(Methyloversatilis)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又はバイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化8】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有しており;
- ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属に属しているか又は分類されている(若しくは由来している)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又はバイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、16SリボソームRNA(rRNA)配列:
【化9】
に対する少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、若しくは約98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有しており;
- 細菌の非天然混合物又は共同体は、
メチロバクテリウム(Methylobacterium)属の少なくとも1種の細菌、及びメチロベルサチリス(Methyloversatilis)属の少なくとも1種の細菌;
メチロバクテリウム(Methylobacterium)属の少なくとも1種の細菌、及びルブリビバキス(Rubrivivax)属の少なくとも1種の細菌;
メチロバクテリウム(Methylobacterium)属の少なくとも1種の細菌、及びロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属の少なくとも1種の細菌;
メチロバクテリウム(Methylobacterium)属の少なくとも1種の細菌、及びキサントバクター(Xanthobacter)属の少なくとも1種の細菌;
メチロバクテリウム(Methylobacterium)属の少なくとも1種の細菌、及びラルストニア(Ralstonia)属の少なくとも1種の細菌;
メチロバクテリウム(Methylobacterium)属の少なくとも1種の細菌、及びカプリビダス(Cuprividus)属の少なくとも1種の細菌;又は
メチロバクテリウム(Methylobacterium)属の少なくとも1種の細菌、及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属の少なくとも1種の細菌;
メチロサイナス(Methylosinus)属の少なくとも1種の細菌、及びメチロベルサチリス(Methyloversatilis)属の少なくとも1種の細菌;
メチロサイナス(Methylosinus)属の少なくとも1種の細菌、及びルブリビバキス(Rubrivivax)属の少なくとも1種の細菌;
メチロサイナス(Methylosinus)属の少なくとも1種の細菌、及びロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属の少なくとも1種の細菌;
メチロサイナス(Methylosinus)属の少なくとも1種の細菌、及びキサントバクター(Xanthobacter)属の少なくとも1種の細菌;
メチロサイナス(Methylosinus)属の少なくとも1種の細菌、及びラルストニア(Ralstonia)属の少なくとも1種の細菌;
メチロサイナス(Methylosinus)属の少なくとも1種の細菌、及びカプリビダス(Cuprividus)属の少なくとも1種の細菌;又は
メチロサイナス(Methylosinus)属の少なくとも1種の細菌、及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属の少なくとも1種の細菌;
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びメチロベルサチリス(Methyloversatilis)属の少なくとも1種の細菌;
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びルブリビバキス(Rubrivivax)属の少なくとも1種の細菌;
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属の少なくとも1種の細菌;
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びキサントバクター(Xanthobacter)属の少なくとも1種の細菌;
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びラルストニア(Ralstonia)属の少なくとも1種の細菌;
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びカプリビダス(Cuprividus)属の少なくとも1種の細菌;又は
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属の少なくとも1種の細菌;
メチロセラ(Methylocella)属の少なくとも1種の細菌、及びメチロベルサチリス(Methyloversatilis)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカプサ(Methylocapsa)属の少なくとも1種の細菌、及びルブリビバキス(Rubrivivax)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカプサ(Methylocapsa)属の少なくとも1種の細菌、及びロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカプサ(Methylocapsa)属の少なくとも1種の細菌、及びキサントバクター(Xanthobacter)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカプサ(Methylocapsa)属の少なくとも1種の細菌、及びラルストニア(Ralstonia)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカプサ(Methylocapsa)属の少なくとも1種の細菌、及びカプリビダス(Cuprividus)属の少なくとも1種の細菌;又は
メチロカプサ(Methylocapsa)属の少なくとも1種の細菌、及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカルダム(Methylocaldum)属の少なくとも1種の細菌、及びメチロベルサチリス(Methyloversatilis)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカルダム(Methylocaldum)属の少なくとも1種の細菌、及びルブリビバキス(Rubrivivax)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカルダム(Methylocaldum)属の少なくとも1種の細菌、及びロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカルダム(Methylocaldum)属の少なくとも1種の細菌、及びキサントバクター(Xanthobacter)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカルダム(Methylocaldum)属の少なくとも1種の細菌、及びラルストニア(Ralstonia)属の少なくとも1種の細菌;
メチロカルダム(Methylocaldum)属の少なくとも1種の細菌、及びカプリビダス(Cuprividus)属の少なくとも1種の細菌;又は
メチロカルダム(Methylocaldum)属の少なくとも1種の細菌、及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属の少なくとも1種の細菌;
メチロシスチス(Methylocystis)属の少なくとも1種の細菌、及びメチロベルサチリス(Methyloversatilis)属の少なくとも1種の細菌;
メチロシスチス(Methylocystis)属の少なくとも1種の細菌、及びルブリビバキス(Rubrivivax)属の少なくとも1種の細菌;
メチロシスチス(Methylocystis)属の少なくとも1種の細菌、及びロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属の少なくとも1種の細菌;
メチロシスチス(Methylocystis)属の少なくとも1種の細菌、及びキサントバクター(Xanthobacter)属の少なくとも1種の細菌;
メチロシスチス(Methylocystis)属の少なくとも1種の細菌、及びラルストニア(Ralstonia)属の少なくとも1種の細菌;
メチロシスチス(Methylocystis)属の少なくとも1種の細菌、及びカプリビダス(Cuprividus)属の少なくとも1種の細菌;又は
メチロシスチス(Methylocystis)属の少なくとも1種の細菌、及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)属の少なくとも1種の細菌
を含む。
【0007】
他の実施形態では、提供されるのは、遺伝子操作された細菌であって、この細菌は、本明細書で提供される混合物又は共同体中の細菌であるか又はこの細菌に由来しており、バイオポリマー、再生可能ポリマー、若しくは生分解性ポリマー、又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の合成に関与する酵素をコードする少なくとも1種の異種核酸を中に含んでいる、遺伝子操作された細菌である。
【0008】
他の実施形態では、本明細書で提供される細菌の非天然混合物又は共同体中の細菌は、遺伝子操作されており、例えば、
- ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生メタン資化性細菌、又はバイオポリマー産生メタン資化性細菌、再生可能ポリマー産生メタン資化性細菌、若しくは生分解性ポリマー産生メタン資化性細菌が、遺伝子操作されており、及び/又は
- ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又はバイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌が遺伝子操作されている。
【0009】
遺伝子操作された細菌の他の実施形態では、(バイオポリマー、再生可能ポリマー、若しくは生分解性ポリマー、又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の合成に関与する)酵素をコードする少なくとも1種の異種核酸は、細菌中に一過性に又は安定して移植されており、例えば、
- 少なくとも1種の異種核酸は、β-ケトチオラーゼ又はアセトアセチル-CoAレダクターゼをコードしており、例えば、
- β-ケトチオラーゼは、例えばGenBank:KY229163.1で記載されている、メチロバクテリウム種(Methylobacterium sp.)株1805ベータ-ケトチオラーゼ(phaA)遺伝子に由来しているか;又は
- 遺伝子操作された細菌は、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)生合成のための異種オペロンを中に含んでいるか;又は
- 遺伝子操作された細菌は、例えば、Zhang et al, Appl Microbiol Biotechnol . 2006 Jun;71(2):222-7で説明されているベータ-ケトチオラーゼ(PhbA)、アセトアセチル-CoAレダクターゼ(PhbB)、及び/又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)合成酵素(PhbC)をコードする配列等のポリヒドロキシブチレート(PHB)合成遺伝子(PhbCAB)又はPhbCABオペロンを中に含んでいる。
【0010】
本明細書で提供される細菌の非天然混合物又は共同体の他の実施形態では、
(a)少なくとも1種のポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生メタン資化性細菌、又はバイオポリマー産生メタン資化性細菌、再生可能ポリマー産生メタン資化性細菌、若しくは生分解性ポリマー産生メタン資化性細菌は、バイオポリマー、再生可能ポリマー、若しくは生分解性ポリマー、又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の合成に関与する酵素をコードする少なくとも1種の異種核酸を中に含んでいるか;又は
(b)少なくとも1種のポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生好気性化学独立栄養細菌、又はバイオポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、再生可能ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌、若しくは生分解性ポリマー産生好気性化学独立栄養細菌は、バイオポリマー、再生可能ポリマー、若しくは生分解性ポリマー、又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の合成に関与する酵素をコードする少なくとも1種の異種核酸を中に含んでいる。
【0011】
他の実施形態では、提供されるのは、本明細書で提供される細菌の非天然混合物又は共同体を含む製品である。
【0012】
本明細書で提供される製品の他の実施形態では、
- 製品は、バイオリアクタとして製作されているか、又は構築されており;
- 細菌、又は細菌の非天然混合物若しくは共同体は、複数のマクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズに付着しているか、又は含まれているか、又はハイドロゲル、結晶ゲルマトリックス若しくはナノシェル又は等価物中に封入されているか、又はこれら中若しくはこれら上に固定されており、
任意選択的に、複数のマクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズは、アレイ又はシートとして配置されているか、又は製作されており、
任意選択的に、細菌を含む結晶ゲルマトリックス若しくはナノシェル又は等価物は、複数のマクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズに付着しているか、又は固定されているか、又は細菌を含む結晶ゲルマトリックス若しくはナノシェル又は等価物は、メッシュ若しくは同等の支持構造に付着しているか若しくは固定されており;
- 細菌は、ポリマー、コロイド粒子シェル、デンドリマー、寒天若しくはゲル、又はハイドロゲル中にカプセル化されているか、又は封入されているか、又は固定されており、
任意選択的に、カプセル化された構造は、アレイ若しくはシート、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズ上に固定されており;
- アレイ、シート、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズは、シート、マット、メッシュ、カートリッジ、又はアレイ、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズを支持する任意の形態の二次構造若しくは三次構造に含まれているか、又はこれらとして製作されており;
- アレイ、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズ、又はシート、メッシュ、マット、カートリッジ、又は任意の形態の二次構造は、上部構造又は装置に挿入され得るモジュラーユニット又はカートリッジに加工されており、
任意選択的に、モジュラーユニット又はカートリッジは、上部構造又は装置中に又は上に予め形成された容器に交換されるか又は挿入されるように製作されており、
任意選択的に、モジュラーユニット若しくはカートリッジ、又は同等の構造は、ガスの入出力開口部又はオリフィス(orifice)を有するように製作されており
任意選択的に、上部構造又は装置は、製品中への又は製品を通る空気流又はガス流の量を制御するポンプ、バルブ、及び/又は圧力ゲージを含み;及び/又は
- 細菌、又は細菌の非天然混合物若しくは共同体、又はアレイ、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズ、又はシート、メッシュ、マット、カートリッジ、又は任意の形態の二次構造、又はモジュールユニット若しくはカートリッジ、又は上部構造若しくは装置は、バイオリアクタとして作製されているか、又はバイオリアクタ内に組み込まれるか若しくは統合される。
【0013】
他の実施形態では、提供されるのは、バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを製造する方法であって、
任意選択的に、バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を含み、任意選択的に、PHAは、ポリヒドロキシブチレート(PHB)を含み、
この方法は、
(a)本明細書に記載されている細菌の非天然混合物又は共同体を培養するか、又は本明細書で提供される製品中の又は製品中に含まれる又は製品上の細菌の非天然混合物又は共同体を培養すること;及び
(b)バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを、単離するか、分離するか、精製するか、又は回収すること
を含む、方法である。
【0014】
本明細書で提供される方法の他の実施形態では、
- 細菌、又は細菌の混合物若しくは共同体を、メタン(CH4)及び空気;メタン(CH4)及び酸素(O2);メタン(CH4)、水素、及び空気;メタン(CH4)及び水素、及び/又は空気;メタン(CH4)、二酸化炭素(CO2);メタン(CH4)、及び二酸化炭素(CO2)、及び空気;メタン(CH4)、二酸化炭素(CO2)、及び酸素(O2);メタン(CH4)、二酸化炭素(CO2)、及び水素;及び/又はメタン(CH4)、二酸化炭素(CO2)、空気、及び/又は酸素(O2)、及び水素を培養物に添加することを含む条件下で培養し、任意選択的に、メタノール、酢酸塩、ギ酸塩、及び/又はコハク酸塩を含む試薬も、培養物に添加し;
- 他の実施形態では、メタン(CH4)を、天然ガス及び/又はバイオガスの形態で培養物に添加し、
- 他の実施形態では、培養条件は、密閉された容器又は反応容器の使用を含み、任意選択的に、メタン(CH4)、二酸化炭素(CO2)、空気、及び/又は酸素(O2)、及び水素を、ガスとして添加し、任意選択的に、これらのガスの内の1つ又は全てを、密閉された容器又は反応容器中に加圧下で添加し;
- 細菌、又は細菌の混合物若しくは共同体を、約20℃~37℃又は約15℃~40℃の温度を含む条件下で培養し;
- バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを、分離するか、単離するか、又は精製し;
任意選択的に、バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを、デカンテーション、ろ過、遠心分離、凝集、空気浮上、若しくは沈殿、又はこれらの任意の組み合わせを含む方法又はプロセスにより分離するか、単離するか、又は精製し;
任意選択的に、バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを、約70%~99.5%の純度、又は少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、若しくは99%の純度で分離するか、単離するか、又は精製し、
任意選択的に、バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを、米国特許出願公開第20170253713A1号、又は米国特許第(USPN)10,597,506号若しくはUSPN8,852,157号で説明されているプロセスの使用を含む方法又はプロセスにより分離するか、単離するか、又は精製し;
- バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを、溶解工程を含む方法又はプロセスにより分離するか、単離するか、又は精製し、任意選択的に、溶解工程は、細菌細胞を溶解させることを含み、任意選択的に、細菌細胞の溶解は、1種又は複数種の細胞外酵素の使用を含み;
- バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを、分離工程又は抽出工程をさらに含む方法又はプロセスにより分離するか、単離するか、又は精製し、タンパク質、ペプチド、若しくはアミノ酸、又はこれらの任意の組み合わせを、バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーから分離するか、又は抽出し;
- この方法は、洗浄する工程をさらに含み、任意選択的に、洗浄は、得られたバイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを洗浄するための抽出、単離、及び/又は分離の後であり、任意選択的に、洗浄する工程を、洗浄液として水を含む試薬を使用して実施し;
- 抽出プロセス、分離プロセス、又は単離プロセスにおいて、有機溶媒若しくは化学物質、又はこれらの任意の組み合わせを使用せず;
- バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーは、ポリ-4-ヒドロキシブチレート(P4HB)及び/又はそのコポリマーを含み;
- バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリ(3-ヒドロキシプロピオネート)(PHP若しくはP3HP)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB若しくはP3HB)、ポリ(4-ヒドロキシブチレート)(P4HB)、ポリ(3-ヒドロキシバレレート)(PHV若しくはP3HV)、ポリ(4-ヒドロキシバレレート)(P4HV)、ポリ(5-ヒドロキシバレレート)(P5HV)、ポリ(3-ヒドロキシヘキサノエート)(PHHx若しくはP3HHx)、ポリ(3-ヒドロキシオクタノエート)(PHO若しくはP3HO)、ポリ(3-ヒドロキシデカノエート)(PHD若しくはP3HD)、ポリ(3-ヒドロキシウンデカノエート)(PHU、P3HU)、短鎖長若しくは中鎖長の飽和若しくは不飽和のPHA、ポリ乳酸(PLA)、又はこれらの任意のコポリマー、又はこれらの任意の組み合わせを含み;及び/又は
- 細菌、又は細菌の混合物若しくは共同体は、培養中に、少なくとも5グラム(g)L-1h-1PHAを産生するか、又は生成する。
【0015】
他の実施形態では、提供されるのは、バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーから単量体を製造する方法であって、
(a)本明細書で提供される方法を使用して製造されたか、単離されたか、又は分離されたバイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを準備すること;
(b)脱重合物質又は試薬を準備すること;及び
(c)バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーと、脱重合物質とを混合することにより、バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを脱重合させること
を含み、
任意選択的に、脱重合物質又は試薬は、耐熱性細胞外PHA解重合酵素を含む、
方法である。
【0016】
他の実施形態では、提供されるのは、生体適合性製品、生物活性ナノビーズ、生分解性製品、使い捨て製品、若しくは再生可能製品、サーモプラスト、エラストマー製品若しくはポリマー前駆体、コーティング、ホイル、おむつ、廃棄物バッグ、タイヤ、パッケージ、シングルユース物品、タンパク質精製マトリックス、インプラント部品、骨代用品、徐放性薬物、又は肥料、又は農薬担体を製造する方法であって、本明細書で提供される方法により製造されたバイオポリマー、再生可能ポリマー、若しくは生分解性ポリマー、又はこれらの単量体の使用を含み、任意選択的に、生分解性製品、使い捨て製品、又は再生可能製品は、マルチドーズシリンジ、検体チューブ、メス、ランセット、シャープスコンテナ、又は吸引物である、方法である。
【0017】
他の実施形態では、本明細書で提供される製造品、方法、及び/又は細菌混合物若しくは共同体を使用して製造されたPHAを、バイオ燃料添加剤として使用し得るエチル 3-エトキシブチレート(EEB)(EEBを、エタノール及びPHAから製造し得る)の製造で使用する。
【0018】
本発明の1つ又は複数の例示的な実施形態の詳細は、添付の図面及び下記の説明に記載されている。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、下記の説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかであるだろう。
【0019】
本明細書で引用される全ての刊行物、特許、特許出願は、全ての目的のために、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0020】
図面の説明
本明細書に記載されている図面は、本明細書で提供される例示的な実施形態を示しており、特許請求の範囲に包含されている本発明の範囲を限定することは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】PHA軽減のためのメタン資化性細菌の選択、増殖、及びキャラクタライズのための例示的な方法を模式的に示す。
【
図2A】メタン資化性細菌の増殖及びPHAの蓄積を示しており、下記の実施例1でさらに論じる2L又は4Lのバイオリアクタ培養物中でのメタン資化性培養物の増殖を示すグラフである。
【
図2B】メタン資化性細菌の増殖及びPHAの蓄積を示しており、下記の実施例1でさらに論じるPHA調製を模式的に示す。
【
図3】下記の実施例1でさらに論じる3-ヒドロキシブチレート標準物質(sigma)、並びにメタン資化性株AM1、OBBP、及びR24Wから抽出されたPHA調製物のGC/MSクロマトグラムの画像を示す。
【
図4A】メタン資化性株及びメチル資化性株により産生された3-ヒドロキシブチレート及びPHAの1H-NMRスペクトルの画像を示しており、下記の実施例1でさらに論じる3-ヒドロキシブチレートの1H-NMRスペクトルの画像を示す。
【
図4B】メタン資化性株及びメチル資化性株により産生された3-ヒドロキシブチレート及びPHAの1H-NMRスペクトルの画像を示しており、下記の実施例1でさらに論じるR24-共同体(B)により産生されたPHAを示す。
【
図5A】Gfpタンパク質(左側)又はRfpタンパク質(右が)を発現する寒天培養プレート上で増殖したメタン資化性株及びメチル資化性株を示しており、下記の実施例1でさらに論じるSM2.2W株を示す。
【
図5B】Gfpタンパク質(左側)又はRfpタンパク質(右が)を発現する寒天培養プレート上で増殖したメタン資化性株及びメチル資化性株を示しており、下記の実施例1でさらに論じるOBBP株を示す。
【
図5C】Gfpタンパク質(左側)又はRfpタンパク質(右が)を発現する寒天培養プレート上で増殖したメタン資化性株及びメチル資化性株を示しており、下記の実施例1でさらに論じる下記の実施例1でさらに論じるR24W株を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
様々な図面における同様の参照記号は、同様の要素を示す。
【0023】
詳細な説明
他の実施形態では、提供されるのは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)産生(任意選択的なポリヒドロキシブチレート(PHB)産生)メタン資化性細菌の混合物又は共同体、並びにこれを使用する方法(例えば、PHB等のPHAを含むバイオポリマー、再生可能ポリマー、及び生分解性ポリマーを製造する方法)である。
【0024】
他の実施形態では、本明細書で提供される製品(例えば、本明細書で提供されるPHA産生メタン資化性細菌の混合物又は共同体)は、アレイ、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズとして製造されているか、又は構成されており、或いは、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズが、アレイ状に配置されている。他の実施形態では、任意選択的に好塩性メタン資化性細菌細胞を含む、生きている活性メタン捕捉性生物試薬(living, active methane-capturing bioagent)(例えば、本明細書で提供されるPHA産生メタン資化性細菌の混合物又は共同体)は、アレイ、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズ、又はナノビーズ、又は等価物中に及び/又は上に含まれているか、又はこれら中に及び/又は上に(直接的に若しくは間接的に、共有結合的に若しくは非共有結合的に)固定されている。
【0025】
他の実施形態では、任意選択的に好塩性メタン資化性細菌細胞を含む、生きている活性メタン捕捉性生物試薬(例えば、本明細書で提供されるPHA産生メタン資化性細菌の混合物又は共同体)は、反応容器又はバイオリアクタ中に及び/又は上に含まれているか、又はこれら中に及び/又は上に(直接的に若しくは間接的に、共有結合的に若しくは非共有結合的に)固定されている。
【0026】
他の実施形態では、本明細書で提供されるPHA産生メタン資化性細菌の混合物又は共同体(例えば、メタン捕捉性生物試薬(メタン資化性の細菌、膜、又は酵素、例えば、好塩性メタン資化性細菌)は、結晶ゲルマトリックス、ナノシェル、ナノ粒子、又は等価物中に封入されているか、又はこれら中に若しくは上に固定されている。他の実施形態では、本明細書で提供されるPHA産生メタン資化性細菌の混合物又は共同体は、ポリマー、コロイド粒子シェル、寒天若しくはゲル(例えばハイドロゲル)、又は等価物中に及び/又は上にカプセル化されているか、又は封入されているか、又は固定されている。他の実施形態では、本明細書で提供されるPHA産生メタン資化性細菌の混合物又は共同体がカプセル化される構造体(例えば、ナノシェル又はナノ粒子)は、アレイ、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズ、又は等価物上に固定されている。
【0027】
他の実施形態では、ナノシェルは、中空シリカナノシェル等の酸化物ナノシェルであるか、又は金及び銀のナノシェル等の金属ナノシェルである。他の実施形態では、ナノ粒子は、CdS又はZnTeでコーティングされたCdSeナノ粒子と、CdSeでコーティングされたCdTeナノ粒子とを含む。他の実施形態では、金ナノシェル(AuNShs)は、薄い金金属シェルでコーティングされたシリカコアを含む。
【0028】
他の実施形態では、マイクロ粒子又はナノ粒子は、プラズモン粒子を含むか、又はプラズモン粒子として製造されており、且つマイクロ粒子又はナノ粒子は、下記を含む外部コーティングを含み得るか、又は有し得る:グラフェン、酸化グラフェン、還元型酸化グラフェン、ポリエチレングリコール(PEG)、シリカ、酸化シリカ、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン、シリカ、銀、ポリビニルピロリドン(PVP)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)、クエン酸塩、リポ酸、短鎖ポリエチレンイミン(PI)、分岐型ポリエチレンイミン、還元型酸化グラフェン、タンパク質、ペプチド、グリコサミノグリカン、又はこれらの任意の組み合わせ。ナノ粒子、結晶ゲルマトリックス、又はナノシェルを、例えば米国特許第9,991,458号で説明されている任意の方法により製造し得る。
【0029】
他の実施形態では、アレイ、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズは、それ自体が、シート、マット、メッシュ、カートリッジ、又はアレイ、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズを支持する任意の形態の二次構造若しくは三次構造、又は本明細書で提供されるPHA産生メタン資化性細菌の固定された混合物若しくは共同体に含まれているか、又はこれらとして製作されている。
【0030】
他の実施形態では、アレイ、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズ、又はシート、メッシュ、マット、カートリッジ、又は任意の形態の二次構造は、上部構造又は装置(例えば、バイオリアクタ)に挿入可能なモジュラーユニット又はカートリッジに加工されており、例えば、モジュラーユニット又はカートリッジを、例えば古いユニットを新規の新たなユニット又はカートリッジと置き換えるために、上部構造又は装置中に又はこれら上で予め形成された容器を交換するか又はこの容器に挿入するように製作し得る。他の実施形態では、モジュラーユニット若しくはカートリッジ、又は同等の構造は、ガスの入出力開口部又はオリフィスを有するように製作されており、例えば、メタン含有空気等のガスは、空気又はガスが、モジュラーユニット、カートリッジ、又は同等の構造を通過するように、加圧下で、モジュラーユニット、カートリッジ、又は同等の構造に供給される。
【0031】
他の実施形態では、本明細書で提供されるPHA産生メタン資化性細菌の固定された活性混合物又は共同体として構成されたアレイ、マクロ粒子若しくはナノ粒子、マイクロファイバ、マイクロチューブ、マイクロリボン、及び/又はマイクロビーズは、メタンを捕捉するための、安価であり、単純であり、スケーラブルな、カートリッジ様のシステムである。
【0032】
他の実施形態では、本明細書で提供されるか又は本明細書で提供される製品中で使用されるメタン資化性細菌の混合物又は共同体は、メチロミクロビウム(Methylomicrobium)属(メチロツビミクロビウム(Methylotuvimicrobium)属、メチロバクター(Methylobacter)属としても既知である)の細菌を含み、例えば、M.ブリアテンセス(M. buryatenses)、M.ペラギクム(M. pelagicum)、及び/又はM.アルカリフィルム(M. alcaliphilum)を含み得、任意選択的に、M.アルカリフィルム(M. alcaliphilum)は、種/株M.アルカリフィルム(M. alcaliphilum)種20Z又はM.アルカリフィルム(M. alcaliphilum)20ZRを含み得、任意選択的に、M.ブリアテンセス(M. buryatenses)は、種/株M.ブリアテンセス(M. buryatenses)5Gを含み得る。
【0033】
バイオリアクタ
他の実施形態では、提供されるのは、本明細書で提供される細菌の非天然混合物を培養する(cultivating)か又は培養する(culturing)ためのバイオリアクタ、又はバイオポリマー、再生可能ポリマー、及び生分解性ポリマー(例えば、ポリヒドロキシブチレート(PHB)等のポリヒドロキシアルカノエート(PHA))、及びコポリマーを製造するためのバイオリアクタを含むか又はこのバイオリアクタとして製作された製品である。
【0034】
他の実施形態では、例えば、マイクロ流体技術をベースとするバイオリアクタを説明する米国特許第10,926,261号;内蔵ガス分配器を有するバイオリアクタを説明する米国特許第10,883,074号;モジュラー管状バイオリアクタシステムを説明する米国特許第10,876,087号;ガス供給システムを有するバイオリアクタを説明する米国特許第10,731,117号;若しくはバイオリアクタの製造及び使用を説明する米国特許第10,544,387号、同第10,400,207号、同第10,335,751号、及び同第10,280,393号;及び/又はマイクロ流体チャネルの配列を有するマクロサイズのマイクロバイオリアクタを説明する米国特許出願公開第20210078005A1号;充填層バイオリアクタシステムを説明する米国特許出願公開第20210024868A1号;又は少なくとも2つのカセットを含む流体ポンプ及びバイオリアクタシステムを説明する米国特許出願公開第20210009936A1号で説明されているように、任意の製品、バイオリアクタ、又はバイオリアクタ構成要素を使用して、本明細書で提供される製品又は方法を実行し得る。
【0035】
他の実施形態では、フェドバッチ(又はフェドバッチ発酵、例えば、Nygaard et al, Heliyon, Vol 7(1), Jan 2021, e05979で説明されている)、連続培養、及び/又は半連続(サイクル)バイオリアクタ及び培養器、エアリフト反応器、連続撹拌タンク反応器(CSTR))並びに関連する操作戦略が使用される。連続培養(例えば、Blunt et al. Polymers 2018, 10(11), 1197で説明されている)では、新鮮な培地がバイオリアクタに連続的に供給され、培養物の一部が同一の速度:希釈速度で除去される。反応器内部の条件(基質、細胞、生成物の濃度)は定常状態で保持され、そのため、連続培養は、「化学的環境が静止している」の省略であるケモスタットと称されることが多い。定常状態の動作には、多くの利点がある。これは、一定の増殖速度に起因して、バイオプロセス生理学を研究し且つ制御戦略を実行するための魅力的なプラットフォームであり、定常状態の動作に達すると、操作及び維持の手間が軽減される。定常状態の動作はまた、非常に動的な条件下での経時的な増速速度の予測を伴うフェドバッチ戦略の最適制御の大きな課題も回避する。
【0036】
バッチプロセス及びフェドバッチプロセスを組み合わせて、それぞれのプロセスにより個々に得られる低PHA含有量を相殺し得る。この戦略では、プロセスは、2つの段階に分けられており、第1の段階では、所望のバイオマスが達成され且つPHA蓄積が開始されるまで、バッチモードで微生物を増殖させる。第2の段階では、発酵がフェドバッチに切り替えられ、通常では、1種又は複数種の必須栄養素(最も一般的なものは窒素である)が、限られた濃度で維持され、炭素源が反応器に連続的に供給されて、細胞中でPHAがさらに産生されて蓄積される。
【0037】
連続培養又はケモスタットは、PHA産生の代替操作戦略である。この方法では、培養ブロスが、滅菌培地に連続的に交換される。ケモスタット培養では、炭素源が連続的に且つ過剰に供給され、1種又は複数種の栄養素(例えば、リン又は窒素)が制限された状態に保たれる。ケモスタットは、希釈率を調整することにより特定の増殖速度を維持し得ることから、制御しやすい。従って、適切な増殖条件下では、連続発酵により、最高のPHA産生レベルが得られる可能性がある。
【0038】
配列同一性による16Sリボソーム核酸配列の同定
他の実施形態では、提供されるのは、本明細書に記載されている特定の例示的な16SリボソームRNA(rRNA)配列に対する少なくとも約90%、95%、96%、97%、若しくは98%の、若しくはより高い配列同一性、又は完全な(100%の)配列同一性を含む16S rRNA配列を有することにより同定される細菌の非天然混合物及び細菌の共同体である。
【0039】
他の実施形態では、基準の核酸配列又はポリペプチド配列に関する「核酸又はアミノ酸の配列同一性のパーセント(%)」は、配列をアラインさせ、配列同一性の最大パーセントを達成するために必要に応じてギャップを導入した後に、且つ配列同一性の一部としてのあらゆる保存的置換を考慮しない、核酸配列中の核酸又はアミノ酸残基と同一である、候補配列中の核酸残基の割合と定義される。核酸配列同一性のパーセントを決定するためのアラインメントを、例えば、GAP(商標)(Genetics Computer Group, University of Wisconsin, Madison, Wis.)(例えば、Devereux et al., Nucl. Acid. Res., 12:387 (1984)を参照されたい)、BLASTP(商標)、BLASTN(商標)、BLAST(商標)、BLAST-2(商標)、WU-BLAST2/BLAST v2.0(例えば、Altschul et al. (1996) Methods Enzymol. 266, 460-480を参照されたい)、FASTA(商標)(例えば、Altschul et al., J. Mol. Biol. (1990) 215:403-410を参照されたい)、ALIGN(商標)(Genentech)、MEGALIGN(商標)(DNASTAR)ソフトウェア、又はSmith-Watermanアルゴリズム若しくはNeedleman-Wunschアルゴリズムを実行するソフトウェア等の一般に利用可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当該技術分野の技術範囲内である様々な方法で達成し得る。当業者は、比較される配列の全長にわたり最大アラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、配列をアラインするのに適したパラメータを決定し得る。
【0040】
他の実施形態では、アライン方法は、(i)各残基に重み付け相同性値を割り当てるスコアリングマトリックス(例えば、BLOSSUM 62(商標)又はPAM 120(商標))、及び(ii)高度に反復した配列を認識して算出から排除するフィルタリングプログラム(例えば、SEG(商標)又はXNU(商標))を採用するBLAST(商標)解析の使用を含む。他の実施形態では、アライン方法は、フィルタリング設定がblastall-p blastp-d ”nr pataa” -F Fに設定されており、且つ他のオプションがデフォルトに設定されているBLASTバージョン2.2.2アルゴリズムを採用するBLAST(商標)解析の使用を含む。
【0041】
他の実施形態では、核酸又は2つのアミノ酸配列をアラインするためのアラインメントスキームでは、2つの配列の短い領域のみが一致する場合があり、このアラインされた小さい領域は、2つの完全長配列間に有意な関係性がないにもかかわらず、非常に高い配列同一性を有する場合がある。そのため、他の実施形態では、例示的なアラインメント方法は、GAPプログラムの使用を含み、このプログラムにより、標的ポリペプチドの少なくとも50個の連続したアミノ酸に及びアラインメントを得ることができる。例えば、コンピュータアルゴリズムGAP(商標)を使用して、配列同一性のパーセントを決定するために2つのポリペプチドをアラインさせて、それぞれのアミノ酸を最適に一致させる(アルゴリズムにより決定される「一致したスパン」)。ある特定の実施形態では、ギャップオープニングペナルティ(平均対角の3倍と算出され;「平均対角」は、使用される比較マトリックスの対角の平均であり;「対角」とは、特定の比較マトリックスにより各完全核酸又はアミノ酸一致に割り当てられるスコア又は数のことである)、及びギャップ伸長ペナルティ(通常は、ギャップオープニングペナルティの1/10倍である)、並びにPAM 250(商標)又はBLOSUM 62(商標)等の比較マトリックスが、アルゴリズムと併用される。他の実施形態では、標準的な比較マトリックス(例えば、PAM 250比較マトリックスに関するDayhoff et al., Atlas of Protein Sequence and Structure, 5(3)(1978);BLOSUM 62(商標)比較マトリックスに関するHenikoff et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA, 89:10915-10919 (1992)を参照されたい)も、このアルゴリズムにより使用される。他の実施形態では、核酸又はポリペプチドの配列比較のためのパラメータは、下記を含む:アルゴリズム:Needleman et al., J. Mol. Biol., 48:443-453 (1970);比較マトリックス:Henikoff et al.(上記参照)(1992)のBLOSUM 62(商標);ギャップペナルティ:12;ギャップ長ペナルティ:4;類似性の閾値:0。他の実施形態では、GAP(商標)プログラムが、上記のパラメータと共に使用される。ある特定の実施形態では、上述のパラメータは、GAP(商標)アルゴリズムを使用する核酸又はポリペプチドの比較のためのデフォルトパラメータである(エンドギャップに関するペナルティはない)。
【0042】
遺伝子操作
他の実施形態では、提供されるのは、例えば本明細書で提供される混合物又は共同体での使用のための遺伝子操作された細菌(又は複数の細菌)であり、遺伝子操作された細菌は、バイオポリマー、再生可能ポリマー、若しくは生分解性ポリマー、又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の合成に関与する酵素をコードする少なくとも1種の異種核酸を中に含んでいる。
【0043】
日常的な遺伝子操作。本明細書で提供される混合物若しくは共同体で使用されるか又は本明細書で提供される方法を実施するために使用される細菌を、任意の既知のプロトコル又は手順を使用して遺伝子操作し得る。
【0044】
例えば、細菌(例えば、メタン資化性株からの細菌)由来の核酸又はDNAを、標準的なフェノール:クロロホルム法により単離し得る。DNEASY PLANT MINI KIT(商標)(Qiagen)又はULTRACLEAN(登録商標)MICROBIAL DNA ISOLATION KIT(商標)(MoBio, USA)をまた、例えば日常的な核酸配列決定又は核酸増幅(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR))分析又は検査での使用のための迅速な抽出にも使用し得るか、又は応用し得る。
【0045】
遺伝的取り扱いやすさの評価及び操作。メチル資化性培養物及びメタン資化性培養物の様々な群での使用のために既に開発されている多用途の広宿主域(BHR)及びプロモーター-プローブベクター(例えば、Marx, et al Microbiology 147, 2065-2075; Ojala DS, et al Methods Enzymol. 495: 99-118;Puri AW, et al Appl Environ Microbiol. 81(5): 1775-81;Hamilton R, et al (2022) C1-proteins prospect for production of industrial proteins and protein-based materials from methane, In Algal Biorefineries and the Circular Bioeconomy, Ed. Mehariya S, et al, Taylor & Francis/CRCで説明されている)を、本明細書で提供される遺伝子操作された細菌を製造するために使用し得るか、又は本明細書で提供される方法で使用し得る。
【0046】
例えば、広宿主域(BHR)ベクター(例えば、クローニングベクターpCM132、pMK10、及びpAWP89(例えば、Marx, et al Microbiology 147, 2065-2075;Ojala DS, et al Methods Enzymol. 495: 99-118;Puri AW, et al Appl Environ Microbiol. 81(5): 1775-81を参照されたい))の使用を含む、PHA産生メタン資化性細菌及び水素資化性細菌(hydrogenotroph)を、遺伝子操作により産生するか又は増強するための遺伝子ツールとして使用し得るベクターを、試験した。ドナー株として大腸菌(E. coli)(例えば、大腸菌(E. coli)S17-1)を使用するコンジュゲーション、又はエレクトロポレーションにより、プラスミドDNAを導入し得る。このドナー株を、コンジュゲーションに適した抗生物質が補充されたLB寒天培地上で増殖させ得る。P0%寒天培地上で増殖させたレシピエント株を、1:1のドナー:レシピエント比でドナーと混合して、交配プレート(5% 栄養ブロスが補充されたP0%培地)上に蒔くことができる。プレートを、24~48時間にわたりメタン:空気雰囲気(25:75)下で30℃にてインキュベートし得る。次いで、細胞を、交配培地から選択培地(抗生物質(例えば、100ug/ml カナマイシン、30ug/ml ゲンタマイシン)が補充されたP0%培地)に移し得る。カナマイシン耐性クローンを、R24W-M、R24Y-H、及びSM2.2Wを含む、試験した全ての株で生成し得、このことは、効率的なプラスミド導入を示す。レポーターとして蛍光タンパク質(緑色蛍光タンパク質(GFP)及び緑色蛍光タンパク質(GFP))を使用して、異種遺伝子発現の成功を評価し得る。OBBP、LW4、R24W、R24Y、及びSM2.2株に関して、緑色(pMGK10-Ptac-gfp)及び赤色(PAWP89-P89-rfp)蛍光シグナルが観察された。
【0047】
任意の組み換えベースの戦略(例えば、SacB選択又はCre-loxリコンビナーゼと組み合わされた2段階対立遺伝子交換自殺ベクター交換を使用する)、及びCRISPR/CAS9戦略を、本明細書で提供される共同体又は細菌混合物の一方又は両方のメンバーの代謝工学に適用し得、これにより、非標準の微生物工場のエンジニアリングに関連する技術的課題を大幅に低減し得るか、又は排除し得る。
【0048】
下記の戦略を適用して、PHAコポリマーの産生を改善し得る:
1.PHAコポリマー(即ち、ポリP3HB-co-4HB)産生が可能な代謝形質を、1つのメンバーが4-ヒドロキシブチレート(4HB)の産生及び分泌が可能な共培養物で構築する。
2.対応する酵素の過剰発現及びグリオキシル酸塩シャントの同時発現を介してエチルマロニル経路への炭素流入を強化することにより、発酵経路(特に、プロピオン酸塩産生)を強化する。
3.II型pha合成の過剰発現によるPHAの産生の強化(例えば、Chek, M.F., et al, Sci Rep 7, 5312 (2017). https://doi.org/10.1038/s41598-017-05509-4を参照されたい)。
【0049】
スケールアップ。他の実施形態では、提供されるのは、バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを製造する方法であって、任意選択的に、バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を含み、任意選択的に、PHAは、ポリヒドロキシブチレート(PHB)を含み、この方法は、本明細書に記載されている細菌の非天然混合物又は共同体を培養することを含む、方法である。この方法は、バイオポリマー、再生可能ポリマー、又は生分解性ポリマーを製造するための「スケールアップされた」プロセスを含み、任意のバイオリアクタ設計を、本明細書で提供される製品の構築で使用し得るか、又は本明細書で提供される(例えば、Strong, P.J., et al. Bioresour Technol 215, 314-323. 10.1016/j.biortech.2016.04.099;及びTikhomirova, T. S., et al. Biotechnol Adv 47: 107709で説明されている)方法を実行するために使用し得る。スケールアップ及び高密度発酵のプロセスを、例えばHamilton R, et al, in Algal Biorefineries及びthe Circular Bioeconomy. Ed. Mehariya S, et al Taylor & Francis/CRCで説明されている、単一細胞タンパク質産生用に既に開発された発酵技術(例えば、撹拌機発酵槽(小規模)、気泡及び気泡エアリフト発酵槽、ループ発酵槽、及びエネルギー効率がよい2段階ジェットストリームバイオリアクタ)を実行することにより達成し得る。プロセス最適化は、窒素、硫黄、又はリン酸塩の制限によりPHAの蓄積を誘発し得る制御パラメータの成功利の特定に依存し得る。
【0050】
任意の数の異なる原材料を、PHA産生の炭素源として使用し得、例えば、PHA産生に使用される廃棄物を、下記の6つのカテゴリ:糖ベースの培地、デンプンベースの培地、セルロース系及びヘミセルロース系の培地、ホエイベースの培地、並びに油及びグリセロールベースの培地に分類し得る。産業廃棄物としての1つの安価な炭素源は、糖蜜であり、この糖蜜を、サトウキビ又はテンサイのいずれかから得ることができる。
【0051】
キット
提供されるのは、シート、マット、カートリッジ、又はアレイ、粒子、シート、マイクロファイバ、及び/又はマイクロビーズを支持するための任意の形態の二次構造若しくは三次構造のいずれかの形態として配置されているか又は製作されている、本明細書で提供される製品(例えば、本明細書で提供されるPHA産生メタン資化性細菌の固定された活性混合物又は共同体を含むアレイ、シート、マイクロファイバ、及び/又はマイクロビーズ、又は粒子として完全に組み立てられた製品)、又は固定された細菌(任意選択的に、PHA産生メタン資化性細胞又は好塩性メタン資化性細胞を含む)を含むキットであって、シート、マット、カートリッジ、及び同類のものを、上部構造又は装置上で容易に置き換えられ得るか又は交換され得るモジュラーユニット等の三次構造へとさらに製作し得る、キットである。
【0052】
上記の態様及び実施形態はいずれも、要約、図面、及び/又は詳細な説明のセクションで開示されているあらゆる他の態様又は実施形態と組み合わせ得る。
【0053】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別途文脈が明確に示さない限り、複数の指示対象を含む。
【0054】
明記されていないか又は文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、「又は」という用語は、包括的であり且つ「又は」及び「及び」の両方を包含すると理解される。
【0055】
明記されていないか又は文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、「約」という用語は、当該技術分野での通常の許容範囲内(例えば、平均の2標準偏差以内)と理解される。約(「約」という用語の使用)は、記載値の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、又は0.01%以内と理解され得る。別途文脈から明確でない限り、本明細書で提供される全ての数値は、「約」という用語で修飾される。
【0056】
明記されていないか又は文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、「実質的に全て」、「の実質的に大部分」、「の実質的に全て」、又は「の大部分」という用語は、ある構成の基準量の少なくとも約90%、95%、97%、98%、99%、若しくは99.5%、又はより多くを包含する。
【0057】
本明細書で言及されている各特許、特許出願、刊行物、及び文書の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。上記特許、特許出願、刊行物、及び文書の引用は、上記の内のいずれかが適切な先行技術であることを認めるものではなく、また、これらの刊行物又は文書の内容又は日付についてのいかなる承認を構成するものでもない。これらの文書の参照による組み込みは、単独で、いずれかの文書の内容のいずれかの部分が、特許出願に関するあらゆる国又は地域の法定開示要件を満たすのに不可欠な資料であるとみなされるということ主張するか又は認めると解釈されるべきではない。それにも関わらず、審査当局又は裁判所により、特許請求された主題に不可欠であるとみなされる資料を提供するために、必要に応じて、そのような文書のいずれかに依拠する権利は留保される。
【0058】
本発明の基本的な態様から逸脱することなく、上述に変更を加え得る。本発明を、1つ又は複数の具体的な実施形態を参照して実質的に詳細に説明しているが、当業者は、本願で具体的に開示されている実施形態に変更を加え得、さらにはこれらの変更及び改善が本発明の範囲及び趣旨の範囲内であることを認識するであろう。本明細書で例示的に説明されている本発明を、本明細書で具体的に開示されていない任意の要素が存在しない場合にも好適に実施し得る。そのため、例えば、本明細書のいずれの場合においても、「含む」、「から本質的なる」、及び「からなる」という用語はいずれも、他の2つの用語のいずれかに置き換え得る。そのため、採用されている用語及び表現は、説明の用語として使用されており限定の用語として使用されるものではなく、示されており且つ説明されている特徴の等価物、又はその一部は除外されず、本発明の範囲内で様々な改変が可能であることが認識される。本発明の実施形態は、下記の特許請求の範囲に記載されている。
【実施例】
【0059】
実施例
実施例1:ポリヒドロキシアルカノエート産生メタン資化性細菌の単離
本実施例は、バイオポリマー、再生可能ポリマー、及び生分解性ポリマー(例えば、ポリヒドロキシブチレート(PHB)等のポリヒドロキシアルカノエート(PHA))を製造するために使用される新規のメタン資化性細菌の株の単離及びキャラクタライジングを説明する。
【0060】
新規のメタン資化性細菌培養物の2種の株を単離した。新たに単離した培養物を、メタン資化性細菌の純粋な培養物の14種の株と並行してスクリーニングした。これらの株を、バッチ式増殖速度論(倍加時間Td、増殖速度-μ、及びバイオマス収量Yg/gCH4)、ポリヒドロキシアルカノエート(又はPHA)産生、及び遺伝的取り扱いやすさの観点で比較した。小規模(50~250ml)バッチ培養と、大規模(最大5L)バイオリアクタ培養との両方を実行した。試験した15種の培養物の内、6種の培養物-メチロシスチス・パルブス(Methylocystis parvus)OBBP、メチロシスチス種(Methylocystis sp.)Rockwell(ATCC 49242)、メチロサイナス種(Methylosinus sp.)PW1、メチロサイナス種(Methylosinus sp.)LW4、メチロシスチス種(Methylocystis sp.)SM2.2W、及びメタン資化性共同体R24Wは、工業用途に適した増殖速度を示した。これらの内の4つ(OBBP、Rockwell、SM2.2、及びR24W株)は、許容可能な増殖収量(0.5~1g/gCH4)を示した。株を、メタンを炭素源とする大型バイオリアクタ培養物(2~5L)で増殖させた。メチル資化性PHB産生者のモデルであるメチロバクテリウム・エクストルクエンス(Methylobacterium extorquence)AM1株を、比較試験のために加えた。PHA合成を、後期対数期(OD=10~15)で採取した細胞サンプルで実行した。バイオマスを凍結乾燥させた。PHAを、標準的なクロロホルム抽出法を使用して抽出して精製した。PHA収量を、重量で推定した(g PHA/g 細胞乾燥重量、CDW)。3種の株(OBBP、SM2.2W、及びR24W)は、魅力的なPHA産生収量(15wt/wt%超のPHA含有量)を示した。R24WのPHA蓄積量は、他の微生物培養物と比べて2倍超高かった。これらの株から抽出されたPHBポリマーを、DLS/MALS、GC/MS、及び13C-NMRによる研究に供した。GC-MS及び13C-NMRの両方のスペクトルが、3-ヒドロキシブチレートに典型的なシグネチャを示し、このことから、培養物中に、主要なポリマーとしてポリ-3-ヒドロキシブチレート(P3HB)が蓄積されたことが示唆された。ここで、合成されたポリマーの分子量を、光散乱アプローチを使用して評価した。広範囲の宿主発現系(pMK10、pAWP89、及びPCM132)による遺伝学的研究を実行して、遺伝子操作に適した株を同定した。最初の試験から、OBBP、LW4、R24W、R24Y、及びSM2.2株が遺伝的に扱いやすいことが分かった。さらに、pAWP78:Ptac-GFP(例えば、Ojala DS, et al. (2011) Methods Enzymol. 495: 99-118;及びPuri AW, et al. (2015) Appl Environ Microbiol. 81(5): 1775-81を参照されたい)並びにpCM132:RFPに基づく広宿主域(BHR)ベクターを、R24W及びR24Y共培養の両方のパートナーに組み入れ、このことから、この共培養の同時の遺伝子改変の可能性が示された。増殖速度及び収率、PHB蓄積量、並びに遺伝的取り扱いやすさに関する実験的証拠に基づいて、OBBP、R24W、及びSM2.2培養物を、次の開発段階に選択した。
【0061】
株の選択。表1に示すように、初期試験研究用に、メタン資化性細菌の16種の株、及びメチル資化性細菌の1種の株を選択した。
【0062】
【0063】
選択した培養物を、下記の4つの主要なカテゴリに分類し得る:(1)全てにおいてC1-基質(メタン又はメタノール)を利用してPHBを産生する能力が実証されている5種の株の微生物培養物を含むモデル培養物;(2)系統発生学的特徴(II型メタン資化性細菌)及び遺伝学的特徴(PHB生合成遺伝子)に基づいてPHBを産生すると予測される微生物株;(3)アルファプロテオバクテリア(Alphaproteobacterial)メタン資化性細菌(II型)に属しており且つPHBを産生すると予測される新規の微生物単離物;並びに(4)新規の単離微生物培養物。
【0064】
圃場が一定期間にわたり浸水した場合に、作物生産中にこの圃場から得た土壌サンプルを使用して、富化及び純粋培養物単離試験を実行した。この富化培養物試験により、2種のさらなる微生物共同体(R24W及びR24Y)が得られ、これらをスクリーニングに含めた。
【0065】
メチロカルダム(Methylocaldum)種0917(ガンマプロテオバクテリウム(Gammaproteobacterium)、X型メタン資化性細菌)を除いて、この試験用に選択した全ての純粋なメタン資化性細菌株は、アルファプロテオバクテリア(Alphaproteobacteria)(II型)であった。ほとんどのII型メタン資化性細菌は、炭素貯蔵化合物であるPHAを蓄積する(1~2)。メタン資化性細菌は、最大51%のPHAを蓄積し得、メタンからのPHAの産生の有望な微生物プラットフォームとして説明されていることが多い(3)。メタン資化性細菌共同体R24W及びR24Yは、メチロシスチス(Methylocystis)種(アルファプロテオバクテリア(Alphaproteobacterial)メタン資化性細菌)及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)(ベータプロテオバクテリア(Betaproteobacterial)メタン資化性細菌)という2種の微生物種の安定した共培養物を表す。メチロシスチス(Methylocystic)種R24W/R24Y及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)種R24W/R24Yは両方とも、既知の微生物クレードとは遠縁の関係にすぎず、培養された純粋培養物と91%超の16S rRNA同一性を共有していた。メチロシスチス(Methylocystic)及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)は両方とも、PHAを産生することが知られている。
【0066】
メチロバクテリウム・エキストロクエンス(Methylobacterium extorquens)AM1培養物も、PHB抽出/分析試験に含めた。AM1株は、単一炭素基質からのPHB生合成を理解するためのモデル系として使用されている(4~5)。ベンチスケールからパイロットスケールまでの株中でのPHB産生に関して、多くの情報が入手可能である(6~8)。この株は、40%のPHBを蓄積することが報告されている。メチロバクテリウム・エキストロクエンス(Methylobacterium extorquens)AM1を、主に比較試験に使用した。
【0067】
富化培養。土壌サンプル(5g)を、硝酸塩生理食塩培地(P0%) 25mlが入っており且つメタン 5mlが補充されている125mlのフラスコ中に接種した。このフラスコを、振盪しつつ(125r.p.m.(RPM))室温で2日にわたりインキュベートした。その後の富化では、先の富化培養物 10mlを、同一の培地で1:10に希釈し(合計25ml)、メタン 20mlを補充した。フラスコを、1週間にわたり振盪しつつ室温でインキュベートした。細胞培養物を、少なくともさらに2回移した後に、固体培地上に蒔いた。
【0068】
最終富化培養物を固体培地(P0%及び1.2%のBacto寒天)上に蒔き、メタン:空気雰囲気(20:80)下で1週間にわたり室温にてインキュベートした後に、R24W株及びR24Y株を、個々のコロニー(RZ24Wの場合は白色の外観、及びR24Yの場合は黄色のコロニー)として得た。各株を、寒天プレート上で3回画線することにより、さらに精製した。得られた2つの系統に関してコロニーの外観は異なるが、16S rRNA配列決定分析に基づいて、両方の培養物とも、2つの微生物種メチロシスチス(Methylocystic)及びハイドロゲノファーガ(Hydrogenophaga)からなっていた。これらの株は、安定した共培養物(共同体)を形成した。
【0069】
株の培養。全ての株を、下記(g/L):KNO3,1、MgSO4・7H2O,0.2、CaCl2・2H2O,0.02、微量元素溶液、1ml/Lを含み且つ50ml/Lのリン酸塩溶液(KH2PO4 5.44g、Na2HPO4 5.68g)が補充されている硝酸塩ミネラル培地(P0%)中で増殖させた。微量元素溶液(1L)は、Na2-EDTA 0.5g、FeSO4・7H2O 2.0g、ZnSO4・7H2O 0.3g、MnCl2・4H2O 0.03g、H3BO3 0.03g、CoCl2・6H2O 0.2g、CuSO4・5H2O 1.2g、CuCl2・2H2O 0.5g、NiCl2・6H2O 0.05g、Na2O4W×2H2O 0.3g、及びNa2MoO4・2H2O 0.05gを含んでいた。
【0070】
全ての株(非メタン資化性メチロトローフであるAM1株を除く)を、最初に、小規模バッチ培養物(250mlのボトル及び50mlの増殖培地)を使用して、増殖及びメタン変換速度論に関して試験した。このボトルを、ゴム栓及びアルミニウムキャップで密封し、200mLのヘッドスペースに、メタン 50mLを入れた。ボトルを、1~4日にわたり30℃で250RPMにて振盪した。培養物をまた、バッチ培養物としても増殖させた(3重)。全ての場合において、ヘッドスペース中のCH4、O2、及びCO2の濃度を測定した。データを解析して、収量(Y)、増殖率、及びO2/基質比を評価した(表2)。
【0071】
【0072】
メタン資化性培養物の倍加時間は、6.7時間(h)~27hの範囲であった。バイオマス収量も、消費されたメタン 1グラム(g)当たり0.3g~1gと大きく変動した。酸素:メタン消費量ノデータは、1.3~1.7の典型的な範囲で低下した。バッチ培養物での初期性能に基づいて、メチロシスチス・パルブス(Methylocystis parvus)OBBP株(Td=6.7、Y=1.3)、メチロシスチス種(Methylocystis sp.)ATCC 49242株(Td=7.2、Y=0.8)、単離物R24W株(Td=7.4、Y=0.6)、及びメチロシスチス(Methylocystis)種SM2.2W株(Y=7.1、Y=0.7)を、次のPHA合成評価段階用に選択した。
【0073】
2~5Lのバイオリアクタ培養物中での発酵。株を、炭素源としてメタンを使用して、増殖培地としてP0%を使用して、New Brunswick BioFlo(商標)(BioFlo(商標)) Fermenters (2L又は4L培養)中で増殖させた。培養物の増殖曲線を、
図2Aに示す。
【0074】
バイオリアクタの実行の概要を、表3に示す。細胞を、4700rpmでの20分にわたる4℃での遠心分離により回収し、リン酸生理食塩緩衝液(pH7.4、137mM NaCl、2.7mM KCl、10mM Na
2HPO
4、及び1.8mM KH
2PO
4)で洗浄し、50mlのチューブに移した。細胞を、遠心分離で再度濃縮し、-20℃で凍結させた後に凍結乾燥させた。湿潤細胞及び凍結乾燥細胞の重量を記録した。PHB抽出前に、各株に関してDCW 少なくとも0.5gを得た。PHA抽出を、確立されたプロトコル(1)を使用して3重で実行した。精製されたPHA調製物を再度秤量して、PHA収量を推定した(表3)。培養物AM1、OBBP、SM2.2W、及びR24Wの場合には、十分なPHA物質が得られた。共培養物R24Wは、残りと比べて少なくとも2.5倍多くのPHAを蓄積した(
図2B)。
【0075】
【0076】
抽出されたPHB調製物を、GC/MS及び13C-NMRを使用するさらなるキャラクタリゼーションに供して、ポリマーの濃度及び分子組成を推定した。ポリマーの分子サイズを、光散乱プロトコルを使用して測定し得る。
【0077】
MSスペクトルを、
図3に示す。NMRスペクトルの概要を、
図4にまとめる。試験した株は全て、ポリマーとしてポリ-3-ヒドロハイブチレートを蓄積する。コポリマーの痕跡は観察されなかった。
【0078】
代謝工学的アプローチは、ポリマー製造の強化を目標とする実証済みの戦略である。しかしながら、代謝工学の成功は、遺伝的取り扱いやすさ又は選択された生産者の遺伝子操作への適合性に依存する。概要が表1でまとめられた全ての株を、遺伝子発現、異種遺伝子の安定性、及び既に利用可能な遺伝子マーカー及びツールの適用性に関して試験した。本発明者らはまた、適用可能な様々な遺伝子マーカー(即ち、抗生物質耐性、及び蛍光タンパク質発現)も評価した。
【0079】
抗生物質耐性試験:PHA産生培養の遺伝子操作に適した遺伝子マーカーを特定するために、抗生物質ディスクを使用した抗生物質耐性スクリーニングを実施した。全ての株を、スプレッディングにより固体P0%培地上に蒔き、次いで、その上に最大4枚の抗生物質ディスクを置いた。プレートを、1週間にわたりメタン:空気下でインキュベートし、次いで評価した。抗生物質耐性試験の結果を、表4に示す。
【0080】
【0081】
日常的な遺伝子操作。メタン資化性株からのDNAを、標準的なフェノール:クロロホルム法により単離し得た。DNEASY PLANT MINI KIT(登録商標)(Qiagen)又はULTRACLEAN(登録商標)MICROBIAL DNA ISOLATION KIT(登録商標)(MoBio,USA)も、日常的なPCR検査用の迅速抽出に適用した。
【0082】
遺伝的取り扱いやすさの評価。様々な多用途の広宿主域(BHR)及びプロモーター-プローブベクターが、メチル資化性培養物及びメタン資化性培養物の様々な群での使用のために、既に開発されている(10~12)。PHA産生メタン資化性細菌の遺伝学的ツールとしてのベクターの適用性を検証するために、クローニングベクターpCM132、pMK10、及びpAWP89(10~12)等の既に開発されたHHRベクターを試験した。ドナー株として大腸菌(E. coli)S17-1を使用するコンジュゲーションにより、プラスミドDNAを、メタン資化性細菌中に導入した。ドナー株を、適切な抗生物質が補充されたLB寒天培地上で増殖させ、P0%寒天培地で増殖させたレシピエント株を、1:1のドナー:レシピエント比で混合し、交配プレート(5%栄養ブイヨンが補充されたP0%培地)に蒔いた。プレートを、48時間にわたりメタン:空気雰囲気(25:75)下で30℃にてインキュベートし、次いで、細胞を、交配培地から選択プレート(100ug/ml カナマイシンが補充されたP0%培地)に移した。効率的なプラスミド導入を示すOBBP、LW4、R24W、R24Y、及びSM2.2W株に関して、カナマイシン耐性クローンを生成した。レポーターとして蛍光タンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)及び赤色蛍光タンパク質(RFP))を使用して、異種遺伝子発現の成功を評価した。OBBP、LW4、R24W、R24Y、及びSM2.2株に関して、緑色(pMGK10-P
tac-gfp)及び赤色(PAWP89-P
89-rfp)蛍光シグナルが観察された(
図5)。
【0083】
参考文献:
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【0084】
本発明の多くの実施形態が説明されている。それにもかかわらず、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更を行ない得ることが理解され得る。従って、他の実施形態は、下記の特許請求の範囲に含まれる。
【配列表】
【国際調査報告】