(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】抗TM4SF1抗体および免疫療法剤を含む組合せ剤ならびにそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20240306BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240306BHJP
A61K 38/19 20060101ALI20240306BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240306BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240306BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20240306BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240306BHJP
A61P 13/08 20060101ALI20240306BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240306BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240306BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240306BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20240306BHJP
A61P 1/02 20060101ALI20240306BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20240306BHJP
A61P 11/04 20060101ALI20240306BHJP
A61P 13/02 20060101ALI20240306BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240306BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240306BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240306BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240306BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20240306BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20240306BHJP
【FI】
A61K39/395 D
A61K45/00
A61K39/395 N
A61K39/395 L
A61K38/19
A61P37/02
A61P43/00 111
A61P37/04
A61P43/00 105
A61P35/00
A61P13/08
A61P1/16
A61P1/04
A61P15/00
A61P1/18
A61P1/02
A61P11/02
A61P11/04
A61P13/02
A61P11/00
A61P17/00
A61P25/00
A61P35/02
A61P13/12
A61K47/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559013
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 US2022022035
(87)【国際公開番号】W WO2022204565
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520069899
【氏名又は名称】アンジーエックス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188374
【氏名又は名称】一宮 維幸
(72)【発明者】
【氏名】ジャミネット,ポール・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャミネット,ショウ-チン・エス
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス,ガブリエル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
【Fターム(参考)】
4C076CC10
4C076CC15
4C076CC16
4C076CC17
4C076CC18
4C076CC26
4C076CC27
4C076CC29
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF34
4C084AA02
4C084AA19
4C084BA44
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4C084NA05
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4C084ZA011
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4C084ZA591
4C084ZA661
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4C084ZB021
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4C084ZB211
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4C084ZB271
4C084ZC201
4C084ZC751
4C085AA13
4C085AA14
4C085AA16
4C085AA25
4C085AA26
4C085AA27
4C085BB36
4C085CC23
4C085DD62
4C085EE03
(57)【要約】
抗TM4SF1抗体、およびその抗原結合フラグメント、それを含有する抗体薬物コンジュゲート、ならびにそのような抗体およびADCの、免疫療法、例えば免疫調節剤との組合せ剤が記載される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.抗TM4SF1結合タンパク質;および
b.免疫療法剤
を含む、組合せ剤。
【請求項2】
免疫療法剤が、サイトカイン、アジュバント、または免疫チェックポイント阻害剤である、請求項1に記載の組合せ剤。
【請求項3】
免疫療法剤が、抗体または抗原結合フラグメントである、請求項1または2に記載の組合せ剤。
【請求項4】
免疫療法剤が、骨髄系列の細胞、腫瘍細胞、リンパ系列の細胞に存在する標的、または腫瘍微小環境に存在するタンパク質に対する抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項3に記載の組合せ剤。
【請求項5】
免疫療法剤が、PD-1、CD40、CTLA-4、CSF1/CSF1R、SIRPα、CLEC-1の少なくとも1つに対する抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項3に記載の組合せ剤。
【請求項6】
免疫療法剤が、CCR4、CTLA-4、A1R、A2AR、A3R、TIM-3、BTLA、VISTA、TIGIT、LAG-3、ILRa/CD25、ITGB1/CD29、Ly 24/CD44、CD48、CEACAM1/CD66a、Nt5e/CD73、CD94/NKG2A、FAS/CD95、SLAF1/CD150、NRP1/CD304、GITR/CD357、ICOS、Tnfrs4/OX40、Folr4/JUNO、P2X7、ANXA2、IDO、B7-H6、KIR、GARP(LRRC32)、TNFR2の少なくとも1つに対する抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項3に記載の組合せ剤。
【請求項7】
免疫療法剤が、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、CD47、TDO、DcR3の少なくとも1つに対する抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項3に記載の組合せ剤。
【請求項8】
免疫療法剤が、エクソソーム、サイトカイン、インターロイキン、またはケモカインの少なくとも1つに対する抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項3に記載の組合せ剤。
【請求項9】
免疫療法剤が、PS、PD-L1、STINGの少なくとも1つに対する抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項3に記載の組合せ剤。
【請求項10】
a.抗TM4SF1結合タンパク質;ならびに
b.イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、トレメリムマブ、スパルタリズマブ、アベルマブ、シンチリマブ、トリパリマブ、MGA012、MGD013、MGD019、エノブリツズマブ、MGD009、MGC018、MEDI0680、PDR001、FAZ053、TSR022、MBG453、レラトリマブ(relatlinab)(BMS986016)、LAG525、IMP321、REGN2810(セミプリマブ)、REGN3767、ペキシダルチニブ、LY3022855、FPA008、BLZ945、GDC0919、エパカドスタット、インドキシミド、BMS986205、CPI-444、MEDI9447、PBF509、リリルマブ、IMC-001、モナリズマブ、およびこれらの組合せからなる群から選択される免疫療法剤
を含む、組合せ剤。
【請求項11】
抗TM4SF1結合タンパク質が:
配列番号8、20、32、44、56、68、80、96、118、119、120、121、または162に対して少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン;配列番号7、19、31、43、55、67、79、95、116、117、または161に対して少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン;および配列番号6、18、30、42、54、66、78、94、115、または160に対して少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR1ドメインを含む重鎖可変ドメイン;ならびに
配列番号14、26、38、50、62、74、86、110、129、または159に対して少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン;配列番号13、25、37、49、61、73、85、または109、128、または158に対して少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン;および配列番号12、24、36、48、60、72、84、107、108、124、125、126、127、または157に対して少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR1を含む軽鎖可変ドメイン
を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組合せ剤。
【請求項12】
抗TM4SF1結合タンパク質がIgG Fc領域を含み、前記IgG Fc領域が、Kabatに記載されるようにEUインデックスにより番号付けられた場合、以下の位置:E233、L234、L235、G237、M252、S254、T250Q、T256E、D265、N297、K322、P331、M428、およびN434の少なくとも1つに突然変異を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組合せ剤。
【請求項13】
前記IgG Fc領域が、Kabatに記載されるようにEUインデックスにより番号付けられた場合、以下の突然変異:E233P、L234A、L235A、G237A、M252Y、S254T、T250Q、T256E、D265A、N297C、K322A、P331G、M428L、N434A、およびN434Sの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の組合せ剤。
【請求項14】
抗TM4SF1結合タンパク質が、治療分子にコンジュゲートされており、抗体薬物コンジュゲートを形成している、請求項1から13のいずれか一項に記載の組合せ治療剤。
【請求項15】
治療分子が、プロテアソーム阻害剤、カリチアマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、オーリスタチン、デュオカルマイシン、メイタンシノイド、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項14に記載の組合せ剤。
【請求項16】
治療分子が、プロテアソーム阻害剤を含み、プロテアソーム阻害剤が:ボルテゾミブ(Velcade,PS-341)、PR-171(カルフィルゾミブ)、イキサゾミブ(Ninlaro(登録商標))、デランゾミブ、マリゾミブ、オプロゾミブ、VR23、PI-1840、(ベンジルオキシカルボニル)-Leu-Leu-フェニルアラニン、2,3,5a,6-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル(hydroxymthyl))-2-メチル-10H-3a,10a-エピジチオ-ピラジノール[1,2α]インドール-1,4-ジオン、4-ヒドロキシ-3-ニトロフェニルアセチル-Leu-Leu-Leu-ビニルスルホン、sapojargon、Ac-hFLFL-エポキシド、アクラシノマイシンA、アクラルビシン、ACM、AdaK(Bio)Ahx3L3VS、AdaLys(Bio)Ahx3L3VS、アダマンタン-アセチル-(6-アミノへキサノイル)-3-(leucunyl)-3-ビニル-(メチル)-スルホン、ALLM、ALLN、カルパイン阻害剤I、カルパイン阻害剤II、カルボベンゾキシ-L-ロイシル-L-ロイシル-L-ロイシナール、カルボベンゾキシ-L-ロイシル-L-ロイシル-L-ノルバリナール、グリオトキシン、イソバレリー-L-チロシル-L-バリル-DL-チロシナール、クラスト-ラクタシスチン-β-ラクトン、Z-LL-Nva-CHO、ユビキチンアルデヒド、YU101、MP-LLL-VS、LDN-57444、Z-GPFL-CHO、Z-LLL-CHO、ロバスタチン、α-メチル-クラスト-ラクタシスチン-β-ラクトン、メビノリン、MK-803、NIP-L3VS、NP-LLL-VS、NPI-0052(サリノスポラミドA)、MLN519(PS-519)、NLVS(トリロイシンビニルスルホン)、リトナビル、Ro106-9920、Z-LLF-CHO、Z-LL-B(OH)2、RRRPRPPYLPR、チロペプチンA、ZL3VS、PR-11、PR-39、0106-9920、プロテアソーム阻害剤I、プロテアソーム阻害剤II、プロテアソーム阻害剤III、プロテアソーム阻害剤IV、AdaAhx3L3VS、エフラペプチン、MG-132、MG-262、MG-115、α-メチルオムラリド、MG-101、エポキソミシン、オムラリド、ラクタシスチン、およびNEOSH101からなる群から選択される、請求項15に記載の組合せ剤。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかに記載の組合せ剤と抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤を対象に投与するための説明書とを含む、キット。
【請求項18】
抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤が、単一の組成物中にある、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤が、別々の組成物中にある、請求項18に記載のキット。
【請求項20】
請求項17から19のいずれかに記載の組合せ剤と抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤を対象に投与するための説明書とを含む、キット。
【請求項21】
抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤が、単一の組成物中にある、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤が、別々の組成物中にある、請求項21に記載のキット。
【請求項23】
a.治療有効量の抗TM4SF1結合タンパク質を含む組成物;および
b.治療有効量の免疫療法剤を含む組成物
のいずれか1つ、ならびにa.およびb.を、順にまたは同時に、対象に投与するための説明書を含む、キット。
【請求項24】
a.治療有効量の抗TM4SF1結合タンパク質を含む組成物;ならびに
b.イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、トレメリムマブ、スパルタリズマブ、アベルマブ、シンチリマブ、トリパリマブ、MGA012、MGD013、MGD019、エノブリツズマブ、MGD009、MGC018、MEDI0680、PDR001、FAZ053、TSR022、MBG453、レラトリマブ(relatlinab)(BMS986016)、LAG525、IMP321、REGN2810(セミプリマブ)、REGN3767、ペキシダルチニブ、LY3022855、FPA008、BLZ945、GDC0919、エパカドスタット、インドキシミド、BMS986205、CPI-444、MEDI9447、PBF509、リリルマブ、IMC-001、モナリズマブおよびこれらの組合せからなる群から選択される治療有効量の免疫療法剤を含む組成物
のいずれか1つ、ならびにa.およびb.を、順にまたは同時に、対象に投与するための説明書を含む、キット。
【請求項25】
請求項1から16のいずれか一項に記載の組合せ剤、または請求項17から24のいずれか一項に記載のキット、および薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、またはこれらの任意の組合せの少なくとも1つを含む、医薬組成物。
【請求項26】
対象を処置する方法であって、
a.抗TM4SF1結合タンパク質;および
b.免疫チェックポイント阻害剤
を含む組合せ剤を投与するステップを含む、方法。
【請求項27】
抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤が、同時に対象に投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤が、順に対象に投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
抗TM4SF1結合タンパク質が第1に投与され、免疫療法剤が第2に投与される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
免疫療法剤が第1に投与され、抗TM4SF1結合タンパク質が第2に投与される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
第1および第2の投与が、1、2、3、6、12、24、48、またはそれ以上の時間離れている、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
投与が、T細胞機能の改善をもたらす、請求項26から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
T細胞機能の改善が、腫瘍微小環境(TME)におけるT細胞浸潤の増加を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
T細胞機能の改善が、腫瘍血管におけるICAM-1およびVCAM-1の発現の増加を含む、請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
対象を処置する方法であって、
a.抗TM4SF1結合タンパク質;ならびに
b.イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、トレメリムマブ、スパルタリズマブ、アベルマブ、シンチリマブ、トリパリマブ、MGA012、MGD013、MGD019、エノブリツズマブ、MGD009、MGC018、MEDI0680、PDR001、FAZ053、TSR022、MBG453、レラトリマブ(relatlinab)(BMS986016)、LAG525、IMP321、REGN2810(セミプリマブ)、REGN3767、ペキシダルチニブ、LY3022855、FPA008、BLZ945、GDC0919、エパカドスタット、インドキシミド、BMS986205、CPI-444、MEDI9447、PBF509、リリルマブ、IMC-001、モナリズマブおよびこれらの組合せからなる群から選択される免疫療法剤
を含む組合せ剤を投与するステップを含む、方法。
【請求項36】
抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤が、同時に対象に投与される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤が、順に対象に投与される、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
抗TM4SF1結合タンパク質が第1に投与され、免疫療法剤が第2に投与される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
免疫療法剤が第1に投与され、抗TM4SF結合タンパク質が第2に投与される、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
第1および第2の投与が、1、2、3、6、12、24、48、またはそれ以上の時間離れている、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
投与が、T細胞機能の改善をもたらす、請求項35から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
T細胞機能の改善が、腫瘍微小環境(TME)におけるT細胞浸潤の増加を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
T細胞機能の改善が、腫瘍血管におけるICAM-1およびVCAM-1の発現の増加を含む、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
対象においてT細胞応答を改善する方法であって、請求項1から16のいずれか一項に記載の組合せ剤を投与するステップを含み、改善された応答がT細胞機能の改善と関連する、方法。
【請求項45】
T細胞機能の改善が、腫瘍微小環境(TME)におけるT細胞浸潤の増加を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
T細胞機能の改善が、腫瘍血管におけるICAM-1およびVCAM-1の発現の増加を含む、請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
組合せ治療剤を投与するステップが、第1の処置および第2の処置を含む、請求項44から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
第1の処置が、抗TM4SF1結合タンパク質を含み、第2の処置が、免疫チェックポイント阻害剤を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
第1の処置が、抗TM4SF1結合タンパク質を含み、第2の処置が、治療剤を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
第1の処置および第2の処置が、1、2、3、4、5、または7日以内に実行される、請求項47から49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
組合せ剤が、毎週、隔週、毎月、または半年毎に投与される、請求項26から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
対象が、転移を誘発する可能性がある処置を受けている、請求項26から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
処置が、外科手術、放射線処置および化学療法を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
対象が、がんを有する、請求項26から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
がんが、前立腺がん、肝臓がん、結腸直腸がん、卵巣がん、子宮内膜がん、乳がん、三種陰性乳がん、膵臓がん、胃(stomach)(胃(gastric))がん、子宮頸がん、頭頸部がん、甲状腺がん、精巣がん、尿路上皮がん、肺がん(小細胞肺、非小細胞肺)、メラノーマ、非メラノーマ皮膚がん(扁平上皮癌および基底細胞癌)、神経膠腫、腎臓がん、リンパ腫(NHLまたはHL)、急性骨髄性白血病(AML)、T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、精巣胚細胞腫瘍、中皮腫、食道がん、メルケル細胞がん、MSI-highがん、KRAS変異腫瘍、成人T細胞白血病/リンパ腫、および骨髄異形成症候群(MDS)である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
対象がヒトである、請求項26から55のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
[0001]本出願は、参照により全体が本明細書に組み込まれる2021年3月26日に出願された米国仮特許出願第63/166805号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]がん治療薬、特に原発性腫瘍ならびに浸潤性腫瘍細胞および転移を退縮させることができる、治療余地が改善した治療薬の必要性が未だある。
【0003】
[0003]腫瘍血管を破壊するように計画したがん治療は、毒性により過去に臨床試験が失敗している。例としては、血管破壊剤、例えばコンブレタスタチン(CA4P)が挙げられる。例えば、Grishamら Clinical trial experience with CA4P anticancer therapy:focus on efficacy,cardiovascular adverse events,and hypertension management.Gynecol Oncol Res Pract.2018;5:1を参照されたい。フェーズIIのFALCON試験では、CA4Pは、全生存を16.2~13.6カ月減少させ、CA4Pにより処置している間に7人の患者が心臓発作を経験した。同文献。冠動脈心疾患および脳卒中が主な死因であり、いずれの血管標的化毒治療も致死毒性のリスクをもたらし得る。
【0004】
[0004]TM4SF1は、血管新生に機能的役割を有する内皮細胞マーカーである。例えば、Shihら The L6 protein TM4SF1 is critical for endothelial cell function and tumor angiogenesis.Cancer Res.2009;69(8):3272~7を参照されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]一実施形態は、a.抗TM4SF1結合タンパク質;およびb.免疫療法剤を含む組合せ剤を提供する。一部の実施形態において、免疫療法剤は、サイトカイン、アジュバント、または免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態において、免疫療法剤は、抗体または抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、免疫療法剤は、骨髄系列の細胞、腫瘍細胞、リンパ系列の細胞、または腫瘍微小環境に存在するタンパク質に存在する標的に対する抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、免疫療法剤は、PD-1、CTLA-4、CD40、CSF1/CSF1R、SIRPα、CLEC-1の少なくとも1つに対する抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、免疫療法剤は、CCR4、CTLA-4、A1R、A2AR、A3R、TIM-3、BTLA、VISTA、TIGIT、LAG-3、ILRa/CD25、ITGB1/CD29、Ly 24/CD44、CD48、CEACAM1/CD66a、Nt5e/CD73、CD94/NKG2A、FAS/CD95、SLAF1/CD150、NRP1/CD304、GITR/CD357、ICOS、Tnfrs4/OX40、Folr4/JUNO、P2X7、ANXA2、IDO、B7-H6、KIR、GARP(LRRC32)、TNFR2の少なくとも1つに対する抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、免疫療法剤は、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、CD47、TDO、DcR3の少なくとも1つに対する抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、免疫療法剤は、エクソソーム、サイトカイン、インターロイキン、またはケモカインの少なくとも1つに対する抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、免疫療法剤は、PS、PD-L1、STINGの少なくとも1つに対する抗体またはその抗原結合フラグメントである。
【0006】
[0006]一実施形態は、a.抗TM4SF1結合タンパク質;ならびにb.イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、トレメリムマブ、スパルタリズマブ、アベルマブ、シンチリマブ、トリパリマブ、MGA012、MGD013、MGD019、エノブリツズマブ、MGD009、MGC018、MEDI0680、PDR001、FAZ053、TSR022、MBG453、レラトリマブ(relatlinab)(BMS986016)、LAG525、IMP321、REGN2810(セミプリマブ)、REGN3767、ペキシダルチニブ、LY3022855、FPA008、BLZ945、GDC0919、エパカドスタット、インドキシミド、BMS986205、CPI-444、MEDI9447、PBF509、リリルマブ、IMC-001、モナリズマブ、およびこれらの組合せからなる群から選択される免疫療法剤を含む組合せ剤を提供する。一部の実施形態において、抗TM4SF1結合タンパク質は、配列番号8、20、32、44、56、68、80、96、118、119、120、121、または162に対して少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン;配列番号7、19、31、43、55、67、79、95、116、117、または161に対して少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン;および配列番号6、18、30、42、54、66、78、94、115、または160に対して少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR1ドメインを含む重鎖可変ドメイン;ならびに配列番号14、26、38、50、62、74、86、110、129、または159に対して少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン;配列番号13、25、37、49、61、73、85、または109、128、または158に対して少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン;および配列番号12、24、36、48、60、72、84、107、108、124、125、126、127、または157に対して少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR1を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0007】
[0007]一部の実施形態において、抗TM4SF1結合タンパク質はIgG Fc領域を含み、前記IgG Fc領域は、Kabatに記載されるようにEUインデックスにより番号付けられた場合、以下の位置:E233、L234、L235、G237、M252、S254、T250Q、T256E、D265、N297、K322、P331、M428、およびN434の少なくとも1つに突然変異を含む。一部の実施形態において、前記IgG Fc領域は、Kabatに記載されるようにEUインデックスにより番号付けられた場合、以下の突然変異:E233P、L234A、L235A、G237A、M252Y、S254T、T250Q、T256E、D265A、N297C、K322A、P331G、M428L、N434A、およびN434Sの少なくとも1つを含む。
【0008】
[0008]一部の実施形態において、抗TM4SF1結合タンパク質は、治療分子にコンジュゲートされており、抗体薬物コンジュゲートを形成している。一部の実施形態において、治療分子は、プロテアソーム阻害剤、カリチアマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、オーリスタチン、デュオカルマイシン、メイタンシノイド、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される。一部の実施形態において、治療分子は、プロテアソーム阻害剤を含み、プロテアソーム阻害剤は:ボルテゾミブ(Velcade,PS-341)、PR-171(カルフィルゾミブ)、イキサゾミブ(Ninlaro(登録商標))、デランゾミブ、マリゾミブ、オプロゾミブ、VR23、PI-1840、(ベンジルオキシカルボニル)-Leu-Leu-フェニルアラニン、2,3,5a,6-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル(hydroxymthyl))-2-メチル-10H-3a,10a-エピジチオ-ピラジノール[1,2α]インドール-1,4-ジオン、4-ヒドロキシ-3-ニトロフェニルアセチル-Leu-Leu-Leu-ビニルスルホン、sapojargon、Ac-hFLFL-エポキシド、アクラシノマイシンA、アクラルビシン、ACM、AdaK(Bio)Ahx3L3VS、AdaLys(Bio)Ahx3L3VS、アダマンタン-アセチル-(6-アミノへキサノイル)-3-(leucunyl)-3-ビニル-(メチル)-スルホン、ALLM、ALLN、カルパイン阻害剤I、カルパイン阻害剤II、カルボベンゾキシ-L-ロイシル-L-ロイシル-L-ロイシナール、カルボベンゾキシ-L-ロイシル-L-ロイシル-L-ノルバリナール、グリオトキシン、イソバレリー-L-チロシル-L-バリル-DL-チロシナール、クラスト-ラクタシスチン-β-ラクトン、Z-LL-Nva-CHO、ユビキチンアルデヒド、YU101、MP-LLL-VS、LDN-57444、Z-GPFL-CHO、Z-LLL-CHO、ロバスタチン、α-メチル-クラスト-ラクタシスチン-β-ラクトン、メビノリン、MK-803、NIP-L3VS、NP-LLL-VS、NPI-0052(サリノスポラミドA)、MLN519(PS-519)、NLVS(トリロイシンビニルスルホン)、リトナビル、Ro106-9920、Z-LLF-CHO、Z-LL-B(OH)2、RRRPRPPYLPR、チロペプチンA、ZL3VS、PR-11、PR-39、0106-9920、プロテアソーム阻害剤I、プロテアソーム阻害剤II、プロテアソーム阻害剤III、プロテアソーム阻害剤IV、AdaAhx3L3VS、エフラペプチン、MG-132、MG-262、MG-115、α-メチルオムラリド、MG-101、エポキソミシン、オムラリド、ラクタシスチン、およびNEOSH101からなる群から選択される。
【0009】
[0009]一実施形態は、上記の実施形態のいずれかの組合せ剤と抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤を対象に投与するための説明書とを含むキットを提供する。一部の実施形態において、抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤は、単一の組成物中にある。一部の実施形態において、抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤は、別々の組成物中にある。
【0010】
[0010]一実施形態は、上記の実施形態のいずれか1つの組合せ剤と抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤を対象に投与するための説明書とを含むキットを提供する。一部の実施形態において、結合タンパク質および免疫療法剤は、単一の組成物中にある。一部の実施形態において、抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤は、別々の組成物中にある。一実施形態は、a.治療有効量の抗TM4SF1結合タンパク質を含む組成物;およびb.治療有効量の免疫療法剤を含む組成物のいずれか1つ、ならびにa.およびb.を、順にまたは同時に、対象に投与するための説明書を含むキットを提供する。
【0011】
[0011]一実施形態は、a.治療有効量の抗TM4SF1結合タンパク質を含む組成物;ならびにb.イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、トレメリムマブ、スパルタリズマブ、アベルマブ、シンチリマブ、トリパリマブ、MGA012、MGD013、MGD019、エノブリツズマブ、MGD009、MGC018、MEDI0680、PDR001、FAZ053、TSR022、MBG453、レラトリマブ(relatlinab)(BMS986016)、LAG525、IMP321、REGN2810(セミプリマブ)、REGN3767、ペキシダルチニブ、LY3022855、FPA008、BLZ945、GDC0919、エパカドスタット、インドキシミド、BMS986205、CPI-444、MEDI9447、PBF509、リリルマブ、IMC-001、モナリズマブおよびこれらの組合せからなる群から選択される治療有効量の免疫療法剤を含む組成物のいずれか1つ、ならびにa.およびb.を、順にまたは同時に、対象に投与するための説明書を含むキットを提供する。
【0012】
[0012]一実施形態は、上記の実施形態のいずれか1つに記載の組合せ剤または上記の実施形態のいずれか1つに記載のキット、および薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、またはこれらの任意の組合せの少なくとも1つを含む医薬組成物を提供する。一実施形態は、対象を処置する方法であって、a.抗TM4SF1結合タンパク質;およびb.免疫チェックポイント阻害剤を含む組合せ剤を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態において、抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤は、同時に対象に投与される。一部の実施形態において、抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤は、順に対象に投与される。一部の実施形態において、抗TM4SF1結合タンパク質が第1に投与され、免疫療法剤が第2に投与される。一部の実施形態において、免疫療法剤が第1に投与され、抗TM4SF1結合タンパク質が第2に投与される。一部の実施形態において、第1および第2の投与は、1、2、3、6、12、24、48、またはそれ以上の時間離れている。一部の実施形態において、投与は、T細胞機能の改善をもたらす。一部の実施形態において、T細胞機能の改善は、腫瘍微小環境(TME)におけるT細胞浸潤の増加を含む。一部の実施形態において、T細胞機能の改善は、腫瘍血管におけるICAM-1およびVCAM-1の発現の増加を含む。
【0013】
[0013]一実施形態は、対象を処置する方法であって、a.抗TM4SF1結合タンパク質;ならびにb.イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、トレメリムマブ、スパルタリズマブ、アベルマブ、シンチリマブ、トリパリマブ、MGA012、MGD013、MGD019、エノブリツズマブ、MGD009、MGC018、MEDI0680、PDR001、FAZ053、TSR022、MBG453、レラトリマブ(relatlinab)(BMS986016)、LAG525、IMP321、REGN2810(セミプリマブ)、REGN3767、ペキシダルチニブ、LY3022855、FPA008、BLZ945、GDC0919、エパカドスタット、インドキシミド、BMS986205、CPI-444、MEDI9447、PBF509、リリルマブ、IMC-001、モナリズマブおよびこれらの組合せからなる群から選択される免疫療法剤を含む組合せ剤を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態において、抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤は、同時に対象に投与される。一部の実施形態において、抗TM4SF1結合タンパク質および免疫療法剤は、順に対象に投与される。一部の実施形態において、抗TM4SF1結合タンパク質が第1に投与され、免疫療法剤が第2に投与される。一部の実施形態において、免疫療法剤が第1に投与され、抗TM4SF結合タンパク質が第2に投与される。一部の実施形態において、第1および第2の投与は、1、2、3、6、12、24、48、またはそれ以上の時間離れている。一部の実施形態において、投与は、T細胞機能の改善をもたらす。一部の実施形態において、T細胞機能の改善は、腫瘍微小環境(TME)におけるT細胞浸潤の増加を含む。一部の実施形態において、T細胞機能の改善は、腫瘍血管におけるICAM-1およびVCAM-1の発現の増加を含む。
【0014】
[0014]一実施形態は、対象においてT細胞応答を改善する方法であって、上記の実施形態のいずれか1つに記載の組合せ剤を投与するステップを含み、改善された応答がT細胞機能の改善と関連する方法を提供する。一部の実施形態において、改善されたT細胞機能は、腫瘍微小環境(TME)におけるT細胞浸潤の増加を含む。一部の実施形態において、改善されたT細胞機能は、腫瘍血管におけるICAM-1およびVCAM-1の発現の増加を含む。一部の実施形態において、組合せ治療剤を投与するステップは、第1の処置および第2の処置を含む。一部の実施形態において、第1の処置は、抗TM4SF1結合タンパク質を含み、第2の処置は、免疫チェックポイント阻害剤を含む。一部の実施形態において、第1の処置は、抗TM4SF1結合タンパク質を含み、第2の処置は、治療剤を含む。一部の実施形態において、第1の処置および第2の処置は、1、2、3、4、5、または7日以内に実行される。一部の実施形態において、組合せ剤は、毎週、隔週、毎月、または半年毎に投与される。
【0015】
[0015]一部の実施形態において、対象は、転移を誘発する可能性がある処置を受けている。一部の実施形態において、処置は、外科手術、放射線処置および化学療法を含む。一部の実施形態において、対象は、がんを有する。一部の実施形態において、がんは、前立腺がん、肝臓がん、結腸直腸がん、卵巣がん、子宮内膜がん、乳がん、三種陰性乳がん、膵臓がん、胃(stomach)(胃(gastric))がん、子宮頸がん、頭頸部がん、甲状腺がん、精巣がん、尿路上皮がん、肺がん(小細胞肺、非小細胞肺)、メラノーマ、非メラノーマ皮膚がん(扁平上皮癌および基底細胞癌)、神経膠腫、腎臓がん、リンパ腫(NHLまたはHL)、急性骨髄性白血病(AML)、T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、精巣胚細胞腫瘍、中皮腫、食道がん、メルケル細胞がん、MSI-highがん、KRAS変異腫瘍、成人T細胞白血病/リンパ腫、および骨髄異形成症候群(MDS)である。一部の実施形態において、対象がヒトである、請求項26から55のいずれか一項に記載の方法。
【0016】
[0016]本発明の新規の特徴は添付の特許請求の範囲に詳細に記載される。本開示の特徴および利点のより良い理解は、例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明を参照することによって得られ、ここでは本開示の原理が利用され、その添付の図面は以下の通りである:
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】[0017]
図1は、マウス腫瘍および内皮細胞における例示的な抗体1グループのキャップ付加抗TM4SF1抗体による結合親和性を示す図である。典型的には、例示的な抗体1グループの抗体の結合親和性は、細胞ベースのアッセイで3~7nM EC
50である。
【
図2-1】[0018]
図2A~2Bは、単独でまたは免疫チェックポイント阻害剤である抗PD-1抗体(Clone RMP1-14;BioXCell)と組み合わせて、例示的な抗体1-L1である、抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのB16F10(C57Bl/6マウスと同系、
図2A)およびCT26(BALB/cマウスと同系;
図2B)の腫瘍退縮活性の結果を示す図である。両同系腫瘍モデルにおいて、抗PD-1抗体単独は、腫瘍退縮活性を示さなかったが、抗体を共注射した場合、例示的な抗体1-L1の腫瘍退縮活性を増強した。
【
図2-2】[0018]
図2A~2Bは、単独でまたは免疫チェックポイント阻害剤である抗PD-1抗体(Clone RMP1-14;BioXCell)と組み合わせて、例示的な抗体1-L1である、抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのB16F10(C57Bl/6マウスと同系、
図2A)およびCT26(BALB/cマウスと同系;
図2B)の腫瘍退縮活性の結果を示す図である。
【
図3】[0019]
図3は、マウス腫瘍および内皮細胞における例示的な抗体1グループのキャップ付加抗TM4SF1抗体による結合親和性を示す図である。
【
図4-1】[0020]
図4A~4Hは、ビヒクルまたはアイソタイプ適合対照(IS-Ctl)の単回注射によるか、または単独でもしくは免疫チェックポイント抗マウスCTLA-4抗体(Clone9H10)と組み合わせて例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのCT26(BALB/cマウスと同系)の腫瘍増殖活性の結果を示す図である。
図4Aは、ビヒクル対照およびアイソタイプ適合対照抗体薬物コンジュゲート(IS-Ctl)での腫瘍増殖を表すが、
図4Eは、例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートの存在下での腫瘍増殖を示す。
図4B~4Dは、3つの異なる用量(2.5、5、または10mpk)の抗マウスCTLA-4抗体単独からの結果を示すが、
図4F~4Hは、3つの異なる用量の抗マウスCTLA-4抗体と例示的な抗TM4SF1抗体1-L1の組合せを使用する結果を示す。
【
図4-2】[0020]
図4A~4Hは、ビヒクルまたはアイソタイプ適合対照(IS-Ctl)の単回注射によるか、または単独でもしくは免疫チェックポイント抗マウスCTLA-4抗体(Clone9H10)と組み合わせて例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのCT26(BALB/cマウスと同系)の腫瘍増殖活性の結果を示す図である。
【
図4-3】[0020]
図4A~4Hは、ビヒクルまたはアイソタイプ適合対照(IS-Ctl)の単回注射によるか、または単独でもしくは免疫チェックポイント抗マウスCTLA-4抗体(Clone9H10)と組み合わせて例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのCT26(BALB/cマウスと同系)の腫瘍増殖活性の結果を示す図である。
【
図4-4】[0020]
図4A~4Hは、ビヒクルまたはアイソタイプ適合対照(IS-Ctl)の単回注射によるか、または単独でもしくは免疫チェックポイント抗マウスCTLA-4抗体(Clone9H10)と組み合わせて例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのCT26(BALB/cマウスと同系)の腫瘍増殖活性の結果を示す図である。
【
図5-1】[0021]
図5A~5Dは、(
図4A~4Hに示すように)新しく調製したCT26腫瘍細胞による最初の投与後60~70日で腫瘍がない(TF)ことを示すBALB/cマウスの再チャレンジの結果を示す図である。8週齢のナイーブBALB/cマウスと6~8月齢の退役BALB/cブリーダーは両方とも腫瘍増殖対照として使用し、再チャレンジするマウスと同数のCT26腫瘍細胞を接種させた。
【
図5-2】[0021]
図5A~5Dは、(
図4A~4Hに示すように)新しく調製したCT26腫瘍細胞による最初の投与後60~70日で腫瘍がない(TF)ことを示すBALB/cマウスの再チャレンジの結果を示す図である。
【
図6-1】[0022]
図6A~6Fは、単独でまたは免疫チェックポイント抗マウスCTLA-4抗体(Clone9H10)と組み合わせて、例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのRenca(BALB/cマウスと同系)の腫瘍退縮活性の結果を示す図である。
図6Aは、ビヒクル対照およびアイソタイプ適合対照抗体薬物コンジュゲート(IS-Ctl)での腫瘍増殖を表すが、
図6Dは、例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートの存在下での腫瘍増殖を示す。
図6B~6Cは、2つの異なる用量(5、または10mpk)の抗マウスCTLA-4抗体単独からの結果を示すが、
図6E~6Fは、2つの異なる用量の抗マウスCTLA-4抗体との例示的な抗TM4SF1抗体1-L1の組合せを使用する結果を示す。
【
図6-2】[0022]
図6A~6Fは、単独でまたは免疫チェックポイント抗マウスCTLA-4抗体(Clone9H10)と組み合わせて、例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのRenca(BALB/cマウスと同系)の腫瘍退縮活性の結果を示す図である。
【
図6-3】[0022]
図6A~6Fは、単独でまたは免疫チェックポイント抗マウスCTLA-4抗体(Clone9H10)と組み合わせて、例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのRenca(BALB/cマウスと同系)の腫瘍退縮活性の結果を示す図である。
【
図7-1】[0023]
図7A~7Dは、(
図6A~6Hに示すように)腫瘍がない(TF)ことを示すBALB/cマウスおよび退役BALB/cブリーダーのRencaによる再チャレンジの結果を示す図である。
【
図7-2】[0023]
図7A~7Dは、(
図6A~6Hに示すように)腫瘍がない(TF)ことを示すBALB/cマウスおよび退役BALB/cブリーダーのRencaによる再チャレンジの結果を示す図である。
【
図8-1】[0024]
図8A~8Hは、単独でまたは免疫チェックポイントCTLA-4抗体(Clone9H10)と組み合わせて、例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのB16F10(C57Bl/6マウスと同系)の腫瘍退縮活性の結果を示す図である。
図8Aは、ビヒクル対照およびアイソタイプ適合対照抗体薬物コンジュゲート(IS-Ctl)での腫瘍増殖を表すが、
図8Eは、例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートの存在下での腫瘍増殖を示す。
図8B~8Dは、3つの異なる用量(2.5、5、または10mpk)の抗マウスCTLA-4抗体単独からの結果を示すが、
図8F~8Hは、3つの異なる用量の抗マウスCTLA-4抗体との例示的な抗TM4SF1抗体1-L1の組合せを使用する結果を示す。
【
図8-2】[0024]
図8A~8Hは、単独でまたは免疫チェックポイントCTLA-4抗体(Clone9H10)と組み合わせて、例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのB16F10(C57Bl/6マウスと同系)の腫瘍退縮活性の結果を示す図である。
【
図8-3】[0024]
図8A~8Hは、単独でまたは免疫チェックポイントCTLA-4抗体(Clone9H10)と組み合わせて、例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのB16F10(C57Bl/6マウスと同系)の腫瘍退縮活性の結果を示す図である。
【
図8-4】[0024]
図8A~8Hは、単独でまたは免疫チェックポイントCTLA-4抗体(Clone9H10)と組み合わせて、例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのB16F10(C57Bl/6マウスと同系)の腫瘍退縮活性の結果を示す図である。
【
図9-1】[0025]
図9A~9Hは、単独でまたは免疫チェックポイントCTLA-4抗体(Clone9H10)と組み合わせて、例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのLLC(C57Bl/6マウスと同系)の腫瘍退縮活性の結果を示す図である。
図9Aは、ビヒクル対照およびアイソタイプ適合対照抗体薬物コンジュゲート(IS-Ctl)での腫瘍増殖を表すが、
図9Eは、例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートの存在下での腫瘍増殖を示す。
図9B~9Dは、3つの異なる用量(2.5、5、または10mpk)の抗マウスCTLA-4抗体単独からの結果を示すが、
図9F~9Hは、3つの異なる用量の抗マウスCTLA-4抗体との例示的な抗TM4SF1抗体1-L1の組合せを使用する結果を示す。
【
図9-2】[0025]
図9A~9Hは、単独でまたは免疫チェックポイントCTLA-4抗体(Clone9H10)と組み合わせて、例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのLLC(C57Bl/6マウスと同系)の腫瘍退縮活性の結果を示す図である。
【
図9-3】[0025]
図9A~9Hは、単独でまたは免疫チェックポイントCTLA-4抗体(Clone9H10)と組み合わせて、例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのLLC(C57Bl/6マウスと同系)の腫瘍退縮活性の結果を示す図である。
【
図9-4】[0025]
図9A~9Hは、単独でまたは免疫チェックポイントCTLA-4抗体(Clone9H10)と組み合わせて、例示的な抗体1-L1である抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲートを使用する、インビボでのLLC(C57Bl/6マウスと同系)の腫瘍退縮活性の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0026]膜貫通-4L6ファミリーメンバー-1(TM4SF1)は、固形腫瘍起源のほとんどのヒト腫瘍上および内皮細胞、特に血管新生血管の活性化された内皮細胞において高度に発現されるテトラスパニンの形態を有する小さい膜糖タンパク質である。
【0019】
[0027]一実施形態において、血管標的化治療(例えば、内皮細胞バイオマーカーと相互作用する抗体、例えば抗血管新生抗体、例えば抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメント、およびペイロード、例えば細胞傷害性ペイロードとコンジュゲートされた抗体)ならびに免疫療法剤(例えば、免疫チェックポイント阻害剤、サイトカイン、アジュバント)の使用によって腫瘍退縮を改善することができる組合せ剤が本明細書で提供される。この組合せ剤は、様々な魅力的特徴を含み得る。例えば、抗血管新生抗体は、少なくとも(1)血管新生が、がんの特徴であり、血管新生血管を破壊する治療は固形腫瘍の一般的な処置であり得る;(2)血管内皮は未変異の宿主システムであり、治療耐性に進化することができない;したがって、血管標的化治療は、標的組織が治療耐性に進化するおよび治療耐性になる、腫瘍細胞標的化治療に伴う共通問題を克服することができ;(3)腫瘍の血管内皮は、静脈内(IV)に注入された薬物に直接曝露され、したがって、腫瘍細胞に到達することができない薬物に接近可能にすることができ;ならびに(4)腫瘍血管破壊は、創傷治癒のための免疫細胞浸潤を促進するため、いくらかの利点を提供し得る。免疫チェックポイント受容体は、Tリンパ球にネガティブシグナルを送達するT細胞受容体(TCR)共シグナル伝達パートナーとして作用する。例えば、プログラム死タンパク質-1(PD-1)は、ネガティブ共刺激受容体であり、細胞傷害性Tリンパ球にネガティブシグナルを送達する。PD-1は、通常の条件下での自己免疫寛容に重要であるが、腫瘍細胞上に発現されたそのリガンドPD-L1およびPD-L2と相互作用すると、腫瘍を抗腫瘍免疫応答から逃れさせることができ、T細胞枯渇の増加および抗腫瘍応答の減少をもたらし得る。抗PD-1抗体によるPD-1の遮断または抗PD-L1/PD-L2抗体によるPD-L1/L2の遮断は、ネガティブシグナルを遮断することができ、細胞傷害性T細胞の免疫機能の回復を助けることができる。遮断抗体、例えば腫瘍細胞に到達するPD-L1の接近可能でないことは、固形腫瘍、特に、腫瘍細胞への薬物の接近を制限する高密度の線維性の間質を有する膵臓がんの表現型に似た腫瘍の標的化に重大な課題であり得る。したがって、腫瘍血管損傷を引き起こし、白血球浸潤を増強するかまたは標的腫瘍細胞へのT細胞を助ける免疫遮断抗体を送達する抗血管新生抗体を使用する組合せ治療剤は、コールドの腫瘍をホットにし、免疫療法を改善する有利な手法である。別の実施形態において、本開示は、抗血管新生ADC(例えば、ペイロード、例えば細胞傷害性ペイロードとコンジュゲートした抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメント;および免疫療法剤(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)を含む、抗体薬物コンジュゲート(ADC)を含む組合せ剤を提供する。本開示は、一部の例において、がんを処置または予防するために上記の組合せ剤を使用する方法を含む。
【0020】
I.定義
[0028]本明細書において別段の定義がない限り、本開示と関連して使用される科学用語および専門用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。用語の意味および範囲は明確であるべきであるが、何らかの潜在的なあいまいさがある場合、本明細書で提供される定義が、いずれの辞書または非本質的な定義よりも優先される。さらに、文脈上別段の要求がなされない限り、単数形の用語は複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。本出願において、「または」の使用は、別段の指定がない限り「および/または」を意味する。さらに、用語「含む(including)」、加えて他の形態、例えば「含む(includes)」および「含まれる(included)」の使用は、非限定的である。
【0021】
[0029]一般的に、本明細書に記載される細胞および組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、ならびにタンパク質および核酸化学およびハイブリダイゼーションと関連して使用される学術名、およびその技術は、周知であり、当技術分野において一般的に使用されるものである。本発明の開示の方法および技術は、一般的に、別段の指定がない限り、当技術分野において周知の従来の方法に従って、さらに、本明細書中で引用および考察される様々な一般的な参考文献やより詳細な参考文献に記載されるように実行される。酵素反応および精製技術は、当技術分野で一般的に達成される通り、または本明細書に記載される通り、製造元の詳細な説明に従って実行される。本明細書に記載される分析化学、合成有機化学、ならびに医薬および製薬化学と関連して使用される学術名、ならびにそれらの実験手順および技術は、周知であり、当技術分野において一般的に使用されるものである。化学合成、化学分析、医薬の調製、配合、および送達、ならびに患者の処置に関して、標準的な技術が使用される。
【0022】
[0030]用語「膜貫通-4L6ファミリーメンバー-1」または「TM4SF1」は、本明細書で使用される場合、腫瘍血管系内皮細胞(EC)、発生する網膜血管系のEC上で発現される膜貫通4スーパーファミリー/テトラスパニンファミリーのポリペプチドを指し、腫瘍EC、腫瘍細胞(TC)、および血管新生の血管でより高発現する。TM4SF1は、4つの膜貫通ドメイン(M1、M2、M3、およびM4)によって分離される2つの細胞外ループ(ECL1およびECL2)、NおよびC末端、ならびに細胞内ループ(ICL)を有する。ECL2は、2つのN-グリコシル化部位を含有する。ヒトTM4SF1(hTM4SF1)の例示的なアミノ酸配列は、配列番号166に記載される(NCBI参照配列番号NP_055035.1も参照)。
【0023】
[0031]用語「抗体」は、本明細書で使用される場合、特定の抗原(例えば、TM4SF1)に特異的に結合するかまたはそれと相互作用する少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含むあらゆる抗原結合分子を意味する。用語「抗体」は、4つのポリペプチド鎖、すなわちジスルフィド結合によって相互連結された2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含む免疫グロブリン分子、加えて、それらの多量体(例えば、IgM)を含む。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではHCVRまたはVHと略記される)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではLCVRまたはVLと略記される)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(CL1)を含む。VHおよびVL領域は、超可変性を有する領域にさらに細かく分類でき、この領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより高度に保存された領域に散在する相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。各VHおよびVLは、3つのCDRおよび4つのFRで構成され、これらは、アミノ末端からカルボキシ末端にかけて以下の順:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配列される。本開示の異なる実施形態において、抗TMS4F1抗体(またはその抗原結合部位)のFRは、ヒト生殖細胞系配列に同一であってもよいし、または天然にもしくは人工的に改変されていてもよい。アミノ酸コンセンサス配列は、2つまたはそれより多くのCDRの並行分析に基づき定義することができる。
【0024】
[0032]用語「無傷の抗体」は、4つのポリペプチド鎖、すなわちジスルフィド結合によって相互連結した2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含む抗体を指す。一実施形態において、抗TM4SF1抗体は、無傷の抗体である。一実施形態において、無傷の抗体は、無傷のヒトIgG1、IgG2またはIgG4アイソタイプである。ある特定の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒトIgG1、IgG2、またはIgG4アイソタイプである。
【0025】
[0033]抗体の「抗原結合部位」、抗体の「抗原結合フラグメント」、または「抗体フラグメント」などの用語は、本明細書で使用される場合、抗原と特異的に結合して複合体を形成する、あらゆる天然に存在する、酵素によって入手可能な、合成の、または遺伝子操作されたポリペプチドまたは糖タンパク質を含む。抗体の抗原結合フラグメントは、例えば、タンパク質分解消化、または抗体の可変ドメインおよび任意選択で定常ドメインをコードするDNAの操作および発現を含む組換え遺伝子工学技術などのあらゆる好適な標準的技術を使用して、無傷の抗体分子から得ることができる。このようなDNAは公知であり、および/または例えば、商業的な供給源、DNAライブラリー(例えば、ファージ-抗体ライブラリーなど)から容易に入手可能であり、または合成することができる。DNAは、シーケンシングし、化学的に、または分子生物学的技術を使用することによって操作して、例えば、1つまたは複数の可変および/または定常ドメインを好適な配置に配列する、またはコドンを導入する、システイン残基を作り出す、アミノ酸の改変、付加もしくは欠失などをもたらすことができる。
【0026】
[0034]抗原結合フラグメントの非限定的な例としては、(i)Fabフラグメント;(ii)F(ab’)2フラグメント;(iii)Fdフラグメント;(iv)Fvフラグメント;(v)単鎖Fv(scFv)分子;(vi)dAbフラグメント;および(vii)抗体の高度可変領域(例えば、単離した相補性決定領域(CDR)、例えばCDR3ペプチド)、または拘束性FR3-CDR3-FR4ペプチドを模擬するアミノ酸残基からなる最小認識単位が挙げられる。
【0027】
[0035]抗体またはそのフラグメントの「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、本明細書で使用される場合、相補性決定領域(CDR;すなわち、CDR-1、CDR-2、およびCDR-3)、およびフレームワーク領域(FR)のアミノ酸配列を含む、抗体分子の軽鎖および重鎖の部分を指す。VHは、重鎖の可変ドメインを指す。VLは、軽鎖の可変ドメインを指す。本開示で使用される方法によれば、CDRおよびFRに割り振られたアミノ酸位置は、Kabat(Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health、Bethesda、Md.、1987および1991))に従って定義することができる。抗体または抗原結合フラグメントのアミノ酸の番号付けも、Kabatの番号付けに従う。
【0028】
[0036]用語「相補性決定領域」または「CDR」は、本明細書で使用される場合、抗体可変配列内の相補性決定領域を指す。重鎖および軽鎖の可変領域のそれぞれの3つのCDRがあり、これらは、可変領域のそれぞれにつきCDR1、CDR2およびCDR3と指定される。用語「CDRセット」は、本明細書で使用される場合、抗原に結合が可能な単一の可変領域中に生じる3つのCDRのグループを指す。これらのCDRの正確な境界は、異なるシステムに従って異なって定義されている。Kabatによって説明されるシステム(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health、Bethesda、Md. (1987)および(1991)))は、抗体のあらゆる可変領域に適用可能な疑いのない残基の番号付けシステムを提供することに加えて、3つのCDRを定義する正確な残基の境界も提供する。これらのCDRは、Kabat CDRと称する場合もある。Chothiaおよび共同研究者(Chothiaら、J.Mol.Biol.196:901~917(1987)およびChothiaら、Nature 342:877~883(1989))は、Kabat CDR内の特定の下位部分が、アミノ酸配列のレベルで大きな多様性を有するにもかかわらず、ほぼ同一のペプチドバックボーンコンフォメーションをとることを見出した。これらの下位部分を、L1、L2およびL3またはH1、H2およびH3と指定した。ここで「L」および「H」はそれぞれ軽鎖および重鎖領域を指示する。これらの領域は、Chothia CDRと称する場合もあり、Kabat CDRとオーバーラップする境界を有する。Kabat CDRとオーバーラップするCDRを定義する他の境界は、Padlan(FASEB J.9:133~139(1995))およびMacCallum(J Mol Biol 262(5):732~45(1996))によって説明されている。さらに他のCDRの境界の定義は、上記のシステムのどちらかに厳密に従っていない場合があるが、それでもKabat CDRとオーバーラップすると予想され、それにもかかわらず、それらは、特定の残基もしくは残基の群が、またはCDR全体も、抗原結合に顕著な影響を与えないという予測または実験的発見の観点で、短くしたりまたは長くしたりすることができる。本明細書で使用される方法は、これらのシステムのいずれかに従って定義されたCDRを利用することができるが、好ましい実施形態は、KabatまたはChothiaによって定義されたCDRを使用する。
【0029】
[0037]用語「フレームワーク領域」(以下FR)は、本明細書で使用される場合、CDR残基以外の可変ドメイン残基を指す。各可変ドメインは、典型的には、FR1、FR2、FR3およびFR4として同定された4つのFRを有する。抗体またはその機能的なフラグメントの可変領域のうち共通の構造的特徴は当技術分野において周知である。特定の抗体をコードするDNA配列は、一般的に、周知の方法、例えば、参考文献として本明細書に組み込まれるKabatら、1987 Sequence of Proteins of Immunological Interest、U.S.Department of Health and Human Services、Bethesda MDに記載される方法に従って見出すことができる。加えて、抗体から機能的な可変領域をクローニングするための一般的な方法は、参考文献として本明細書に組み込まれるChaudhary,V.K.ら、1990 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1066に見出すことができる。
【0030】
[0038]抗体のパパイン消化は、「Fab」フラグメント、および残りの「Fc」フラグメントと呼ばれる、2つの同一の抗原結合フラグメントを産生し、命名は、容易に結晶化する能力を反映する。Fabフラグメントは、H鎖の可変領域ドメイン(VH)に沿ったL鎖全体、および1つの重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)からなる。各Fabフラグメントは、抗原結合に関して一価であり、すなわちそれは単一の抗原結合部位を有する。抗体のペプシン処置は、二価の抗原結合活性を有する2つのジスルフィド連結したFabフラグメントに大まかに相当する単一の大きなF(ab’)2フラグメントを生じ、抗原を架橋することができる。抗体ヒンジ領域からの1つまたは複数のシステインを含むCH1ドメインのカルボキシ末端に追加の少しの残基を有することにより、Fab’フラグメントはFabフラグメントと異なる。Fab’-SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離のチオール基を持つFab’の本明細書での命名である。F(ab’)2抗体フラグメントは、元々、それらの間にヒンジシステインを有するFab’フラグメントの対として産生された。抗体フラグメントの他の化学的カップリングも公知である。Fcフラグメントは、ジスルフィド結合によって結合された両H鎖のカルボキシ末端部分を含む。抗体のエフェクター機能は、Fc領域の配列によって決定され、その領域は、ある特定の型の細胞に見出されるFc受容体(FcR)によって認識される部分でもある。本明細書における用語「Fc領域」は、抗体重鎖のC末端領域を定義するのに使用され、例えば、天然配列のFc領域、組換えFc領域、およびバリアントFc領域が含まれる。抗体重鎖のFc領域の境界は変わる場合があるが、ヒトIgG重鎖のFc領域は、Cys226位のアミノ酸残基から、またはPro230から、そのカルボキシル末端への伸長部分と定義されることが多い。Fc領域のC末端リジン(Kabatらに記載されるEU番号付けシステムに従って残基447)は、例えば、抗体の産生または精製中に除去してもよいし、または抗体の重鎖をコードする核酸を組換え操作することによって除去してもよい。したがって、無傷の抗体の組成物は、全てのK447残基が除去された抗体集団、K447残基が除去されていない抗体集団、およびK447残基を有するおよび有さない抗体の混合物を有する抗体集団を含んでいてもよい。さらに、本開示の無傷の抗体の組成物は、C末端のリジン、K447の後に残基の伸長を有する抗体集団を含み得る。
【0031】
[0039]「バリアントFc領域」は、本明細書に定義した少なくとも1つの「アミノ酸改変」により、天然配列のFc領域のものとは異なるアミノ酸配列を含む。バリアントFc領域は、天然配列のFc領域または親ポリペプチドのFc領域と比較して少なくとも1つのアミノ酸置換、例えば、天然配列のFc領域または親ポリペプチドのFc領域の約1~約10アミノ酸置換、約1~約5アミノ酸置換を有する。一実施形態において、本明細書のバリアントFc領域は、天然配列のFc領域と少なくとも約80%の相同性、少なくとも約85%の相同性、少なくとも約90%の相同性、少なくとも約95%の相同性、または少なくとも約99%の相同性を有する配列を有し得る。別の実施形態により、本明細書のバリアントFc領域は、親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約80%の相同性、少なくとも約85%の相同性、少なくとも約90%の相同性、少なくとも約95%の相同性または少なくとも約99%の相同性を有する配列を有し得る。
【0032】
[0040]用語「ヒト化抗体」は、本明細書で使用される場合、目的の抗原(例えば、ヒトTM4SF1)に免疫特異的に結合し、実質的にヒト抗体のアミノ酸配列を有するフレームワーク(FR)領域と、実質的に非ヒト抗体のアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)とを含む、抗体またはそのバリアント、誘導体、類似体もしくはフラグメントを指す。非ヒト(例えば、マウス)抗体のヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含有するキメラ免疫グロブリンである。一般的に、ヒト化抗体は、CDR領域の全てまたは実質的に全てが、非ヒト免疫グロブリンに対応し、FR領域の全てまたは実質的に全てが、ヒト免疫グロブリン配列のFR領域である、少なくとも1つの、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むと予想される。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のFcの少なくとも一部を含んでいてもよい。抗体ヒト化方法は、当技術分野において公知である。例えば、全て参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、Riechmannら、1988、Nature 332:323~7;Queenらの、米国特許第5,530,101号;5,585,089号;5,693,761号;5,693,762号;および6,180,370号;EP239400;PCT公報WO91/09967;米国特許第5,225,539号;EP592106;EP519596;Padlan、1991、Mol.Immunol.、28:489~498;Studnickaら、1994、Prot.Eng.7:805~814;Roguskaら、1994、Proc.Natl.Acad.Sci.91:969~973;ならびに米国特許第5,565,332号を参照されたい。
【0033】
[0041]用語「モノクローナル抗体」は、本明細書で使用される場合、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、可能性のある突然変異、例えば少量で存在する可能性がある天然に存在する突然変異を除いて、同一である。したがって、修飾句「モノクローナル」は、分離した抗体の混合物ではないという抗体の特徴を示す。特定の実施形態において、このようなモノクローナル抗体は、典型的には、標的と結合するポリペプチド配列を含む抗体を含み、標的結合ポリペプチド配列は、複数のポリペプチド配列からの単一の標的結合ポリペプチド配列の選択を含むプロセスによって得られた。例えば、選択プロセスは、複数のクローンからの、例えばハイブリドーマクローン、ファージクローン、または組換えDNAクローンのプールからの固有なクローンの選択であってもよい。典型的には異なる決定基(エピトープ)に対して向けられた異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一のエピトープに対して向けられる。
【0034】
[0042]用語「キメラ抗体」は、本明細書で使用される場合、所望の生物学的活性を示す限り、特定の種由来の、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同な重鎖および/または軽鎖の部分を有し、それと同時に、鎖の残部が、別の種由来の、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体、加えてこのような抗体のフラグメントにおける対応する配列と同一または相同である抗体(免疫グロブリン)を指す(米国特許第4,816,567号;およびMorrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851~6855(1984))。
【0035】
[0043]用語「エピトープ」は、本明細書で使用される場合、パラトープとして公知の抗体分子の可変領域中の特異的な抗原結合部位と相互作用する抗原決定基を指す。単一の抗原が、1つより多くのエピトープを有する場合もある。したがって、異なる抗体は、抗原上の異なる領域に結合する場合もあるし、異なる生物学的作用を有する場合もある。エピトープは、構造的または機能的と定義される場合もある。機能的エピトープは、一般的に、構造的エピトープのサブセットであり、相互作用の親和性に直接的に寄与する残基を有する。またエピトープは、配座エピトープであってもよく、すなわち非線形(非連続)アミノ酸で構成されていてもよい。特定の実施形態において、エピトープは、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル基、またはスルホニル基などの化学的に活性な表面の分子群である決定基を含む場合もあり、特定の実施形態において、特定の3次元構造特徴、および/または特定の電荷の特徴を有していてもよい。エピトープは、連続アミノ酸(通常、線形エピトープ)またはタンパク質の三次元フォールディングによって並列する非連続アミノ酸(通常、構造的エピトープ)の両方から形成され得る。連続アミノ酸から形成されたエピトープは、典型的には、常にではないが、変性溶媒への暴露で維持されるが、三次元フォールディングによって形成されたエピトープは、典型的には、変成溶媒による処置で失われる。エピトープは、典型的には、ユニークな空間構造で少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸を含む。どのエピトープが所与の抗体によって結合されるか決定する方法(すなわち、エピトープマッピング)は、当技術分野で周知であり、例えば免疫ブロッティングおよび免疫沈降アッセイを含み、オーバーラップまたは連続ペプチド(例えばTREM-1)は、所与の抗体(例えば、抗TREM-1抗体)との反応性について試験される。エピトープの空間構造を決定する方法は、当分野の技術および本明細書に記載のもの、例えばX線結晶解析、抗原変異解析、二次元核磁気共鳴およびHDX-MS(例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology,Vol.66,G.E.Morris,Ed.(1996)参照)を含む。
【0036】
[0044]用語「ペイロード」、「薬物ペイロード」、「治療分子」、「治療ペイロード」、「治療剤」、「治療成分」は、本明細書では置き換え可能に使用され、抗TMSF1抗体または抗原結合フラグメント(例えば、本明細書に開示の抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメント)にコンジュゲートされる、化学成分または生物成分を指し、任意の治療剤または診断剤、例えば、これらに限定されないが、がんおよびがんでない血管新生兆候の小分子;V-ATPアーゼ阻害剤;アポトーシス促進剤;Bcl2阻害剤;MCL1阻害剤;HSP90阻害剤;IAP阻害剤;mTor阻害剤;微小管安定化剤;微小管不安定化剤;オーリスタチン;ドラスタチン;メイタンシノイド;MetAP(メチオニンアミノペプチダーゼ);タンパク質CRM1の核外移行の阻害剤;DPPIV阻害剤;プロテアソーム阻害剤;ミトコンドリアにおけるホスホリル転移反応の阻害剤;タンパク質合成阻害剤;キナーゼ阻害剤(例えば、CDK2阻害剤、CDK9阻害剤);キネシン阻害剤;HDAC阻害剤;DNA傷害剤;DNAアルキル化剤;DNAインターカレーター;DNA副溝結合剤;DHFR阻害剤;核酸;CRISPR酵素;分解剤(例えば、タンパク質分解を誘導する薬剤、(例えば、HSP90阻害剤、選択的エストロゲン受容体分解剤(SERD)、選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD);目的のタンパク質にシャペロンを動員するために使用され得る疎水性タグ、例えばアダマンタン、Arg-Boc3;E3リガーゼを動員するリガンド、例えばNutlin-3a(MDM2リガンド)、ベスタチン(cIAPリガンド)、VHLリガンド、ポマリドミド(CRBNリガンド);分解のために目的のタンパク質を標的化する異なるD3リガーゼを利用し得る、タンパク質分解誘導性キメラ(PROTAC))(例えば、Lai AC,Crews CM.Induced protein degradation:an emerging drug discovery paradigm.Nat Rev Drug Discov.2016;16(2):101~114を参照);アンチセンスオリゴヌクレオチド;RNAi剤(例えばsiRNA);CRISPR-Cas9遺伝子編集システム;RNA分子;DNA、例えばプラスミド;抗がん剤、抗炎症剤、抗感染剤(例えば抗真菌剤、抗菌剤、抗寄生虫剤、抗ウイルス剤)、麻酔剤;RNAポリメラーゼII阻害剤;DNA挿入剤、DNA架橋剤;抗チューブリン剤;細胞傷害性薬、腫瘍ワクチン、抗体、ペプチド、ペプチボディー、化学療法剤、細胞傷害性剤;細胞増殖抑制剤;免疫調整剤、インターフェロン、インターロイキン、免疫賦活性の成長ホルモン、サイトカイン、ビタミン、ミネラル、アロマターゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)、HDAC阻害剤、1つまたは複数の治療分子をカプセル化する脂質ナノ粒子を含み得る。
【0037】
[0045]用語「薬物対抗体比」または「DAR」は、本明細書に開示のADCの、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントに接着した、薬物(本明細書では、治療分子、治療剤、または治療成分とも称される)の数を指し得る。ADCのDARは、典型的には、1~12の範囲であるが、より高い負荷、例えば16も、抗体上の結合部位の数または複数の薬剤ペイロードが1つの結合部位に接着される多価結合の使用に応じて可能である。用語、DARは、個々の抗体上に負荷された薬物分子の数を参照して使用され得る、または加えて、平均薬物負荷を反映するADCの群の平均または中間DARを参照して使用され得る。組成物、バッチ、および/または複数のADCの製剤は、平均DARによって特徴付けられ得る。DARおよび平均DARは、様々な従来の手段、例えばUV分光法、質量分析、ELISAアッセイ、放射測定法、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、電気泳動およびHPLCによって決定され得る。
【0038】
[0046]用語「結合親和性」は、一般的に、分子(例えば、抗体などの結合タンパク質)の単一の結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有結合による相互作用の総計の強度を指す。結合分子X(例えば、抗TM4SF1抗体)のその結合パートナーY(例えば、ヒトTM4SF1)に対する親和性は、一般的に、解離定数(KD)によって表することができる。親和性は、本明細書に記載されるものなどの当技術分野において公知の一般的な方法によって測定することができる。低親和性抗体は、一般的に、ゆっくり抗原と結合し、容易に解離する傾向があり、それに対して高親和性抗体は、一般的に、より速く抗原と結合し、より長く結合したままの状態である傾向がある。結合親和性を測定する様々な方法が当技術分野において公知であり、それらのいずれかは、本発明の開示の目的のために使用することができる。特定の例示的な実施形態は、以下を含む。一実施形態において、「KD」または「KD値」は、当技術分野において公知のアッセイによって、例えば結合アッセイによって測定することができる。KDは、RIAで測定することができ、これは例えば、目的の抗体のFabバージョンおよびその抗原を用いて実行される(Chenら、1999、J.Mol Biol 293:865~81)。KDはまた、FACS、またはBIACOREによる、例えばBIACORE2000もしくはBIACORE3000を使用する、表面プラズモン共鳴アッセイを使用することによって、または例えばOCTET QK384システムを使用するバイオレイヤー干渉法によっても測定できる。特定の実施形態において、抗TM4SF1抗体のKDは、HUVEC細胞を用いる標準的なフローサイトメトリーアッセイを使用して決定される。また、「オンレート」または「会合の速度」または「会合速度」または「kon」および「オフレート」または「解離の速度」または「解離速度」または「koff」も、例えばBIACORE2000もしくはBIACORE3000、またはOCTET QK384システムを使用する、上述した同じ表面プラズモン共鳴またはバイオレイヤー干渉法技術で決定することができる。
【0039】
[0047]用語「kon」は、本明細書で用いられる場合、当技術分野において公知のように、抗体/抗原複合体を形成するための抗体の抗原への会合に関するオンレート定数を指すことが意図される。
【0040】
[0048]用語「koff」は、本明細書で用いられる場合、当技術分野において公知のように、抗体/抗原複合体からの抗体の解離に関するオフレート定数を指すことが意図される。
【0041】
[0049]用語「阻害」または「阻害する」は、本明細書で使用される場合、部分的な(例えば、1%、2%、5%、10%、20%、25%、50%、75%、90%、95%、99%の)または完全な(すなわち、100%の)阻害を指す。
【0042】
[0050]用語「がん」は、本明細書で使用される場合、哺乳動物における典型的には無秩序な細胞増殖を特徴とする生理学的状態を指すかまたは記載する。
【0043】
[0051]用語「高い転移リスクを伴うがん」は、本明細書で使用される場合、がんを有する対象が転移がんを発症させるリスクを増加させることがわかっている少なくとも1つの因子に関連するがんを指す。転移リスクの増加に関連する因子の例としては、これらに限定されないが、対象が最初のがん診断時に有するがん性のリンパ節の数、腫瘍のサイズ、組織学的な格付け、および最初の診断時のがんの段階が挙げられる。
【0044】
[0052]用語「血行性転移」は、本明細書で使用される場合、がん細胞が血管壁に侵入し、その後、血流(循環腫瘍細胞)を介して体内の他の部位および組織に循環できる能力を指す。
【0045】
[0053]用語「リンパ転移」は、本明細書で使用される場合、がん細胞がリンパ管に侵入し、血管に排出する能力を指す。
【0046】
[0054]本開示に関して、用語「処置する」または「処置」は、本明細書で使用される場合、このような用語が適用される障害もしくは状態、またはこのような障害もしくは状態の1つまたは複数の症状を、回復させること、軽減すること、その進行を阻害すること、または予防することを意味する。用語「がんを処置する」は、本明細書で使用される場合、がん細胞の増殖および/または増殖の阻害を意味する。一実施形態において、本明細書に記載される組成物および方法は、転移がんを有する対象における転移を処置するのに使用される。
【0047】
[0055]用語「がんを予防する」または「がんの予防」は、発癌または腫瘍形成の発生が証明されていないが、例えば遺伝学的スクリーニングによって決定したかまたはそれ以外の方法によるかにかかわらず、がんの素因が同定されている哺乳動物におけるがんの発病を、遅らせること、阻害すること、または予防することを指す。この用語はまた、悪性になる前の状態を有する哺乳動物を処置して、悪性になる前の状態から悪性状態への進行を止める、またはそのような進行を逆行させることも包含する。悪性になる前の状態の例としては、過形成、形成異常、および異形成が挙げられる。一部の実施形態において、がんの予防は、がんからの寛解にある対象に関して使用される。
【0048】
[0056]悪性もしくは良性のおよび/または原発性もしくは続発性などの様々ながんが、本開示による方法で処置または予防することができる。このようながんの例は、当業者に公知であり、Merck Manual of Diagnosis and Therapy(Merckにより出版)などの標準的な教本に列挙される。
【0049】
[0057]用語「対象」は、本明細書で使用される場合、哺乳動物(例えば、ヒト)を指す。
【0050】
[0058]用語「投与する」は、本明細書で使用される場合、抗体またはそのフラグメント、または組成物(例えば、医薬組成物)の投薬量を対象に与える方法を指す。投与方法は、様々な要因(例えば、投与される結合タンパク質または医薬組成物、および処置される状態、疾患、または障害の重症度)に応じて変更することができる。
【0051】
[0059]用語「有効量」は、本明細書で使用される場合、所望の転帰をもたらすのに十分な、本明細書で提供される抗体または医薬組成物の量を指す。
【0052】
[0060]用語「約」および「およそ」は、所与の値または範囲の、20%以内、15%以内、10%以内、9%以内、8%以内、7%以内、6%以内、5%以内、4%以内、3%以内、2%以内、1%以内、またはそれ未満を意味する。
【0053】
[0061]用語「同一性」、または「相同性」は、本明細書では置き換え可能に使用され、最適な比較目的で配列をアライメントすること(例えば、第1の配列の配列中にギャップを導入してもよい)によって決定できる2つまたはそれより多くのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の「同一性」、「相同性」、または「パーセント相同性」の計算値であり得る。次いで対応する位置のヌクレオチドを比較することができ、2つの配列間のパーセント同一性は、配列が共通する同一の位置の数の関数であり得る(すなわち、%相同性=同一の位置の数/位置の合計数×100)。例えば、第1の配列における位置は、第2の配列における対応する位置と同じヌクレオチドで占められていてもよく、その場合、分子はその位置で同一である。2つの配列間のパーセント相同性は、2つの配列の最適なアライメントのために導入する必要があるギャップの数および各ギャップの長さを考慮に入れた、配列が共通する同一の位置の数の関数であり得る。一部の実施形態において、比較目的でアライメントされた配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも約30%、約40%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約95%であり得る。BLAST(登録商標)検索は、2つの配列間の相同性を決定することができる。2つの配列は、遺伝子、ヌクレオチド配列、タンパク質配列、ペプチド配列、アミノ酸配列、またはそのフラグメントであり得る。2つの配列の実際の比較は、周知の方法によって、例えば数学的なアルゴリズムを使用して達成することができる。このような数学的なアルゴリズムの非限定的な例は、Karlin,S.およびAltschul,S.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90-5873-5877(1993)に記載され得る。このようなアルゴリズムは、Altschul,S.ら、Nucleic Acids Res.、25:3389~3402(1997)に記載されるように、NBLASTおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている場合もある。BLASTおよびギャップ有りBLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、NBLAST)のあらゆる関連パラメーターを使用することができる。例えば、配列比較に関するパラメーターは、スコア=100、ワード長さ=12に設定してもよいし、または変更してもよい(例えば、W=5またはW=20)。他の例としては、Myersおよびミラー、CABIOS(1989)のアルゴリズム、ADVANCE、ADAM、BLAT、およびFASTAが挙げられる。別の実施形態において、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、例えば、GCGソフトウェアパッケージ(Accelrys、Cambridge、UK)中のGAPプログラムを使用して達成することができる。
【0054】
[0062]用語「製造性」は、本明細書で使用される場合、特定のタンパク質の組換え発現および精製中におけるそのタンパク質の安定性を指す。製造性は、発現および精製の条件下における分子の固有の特性によると考えられる。改善された製造性の特徴の例としては、タンパク質の均一なグリコシル化、増加した細胞力価、タンパク質の組換え産生中の増殖およびタンパク質発現、改善された精製特性、凝集する傾向が低いことまたは凝集しないこと、ならびにこれらに限定されないが、低いpHでの熱安定性および安定性などの改善された安定性が挙げられる。一部の実施形態において、他のTM4SF1抗体と比較して、インビトロおよびインビボでの活性の保持と共に製造性を示すTM4SF1結合タンパク質が提供される。一部の実施形態において、CDRまたはフレームワーク領域中にアミノ酸置換をもたらすことによる親TM4SF1結合タンパク質のヒト化は、追加の製造性の利益を付与することができる。
【0055】
[0063]一部の実施形態において、これらに限定されないが、例えばプロテインA精製またはサイズ排除クロマトグラフィー後の改善された精製収量、精製後の改善された均一性、改善された熱安定性などの改善された発展性の特徴を示すTM4SF1結合タンパク質が提供される。一部の場合において、改善は、HLA分子結合によって決定した場合、ハイブリドーママウス細胞株8G4-5-13-13F(PTA-120523)によって産生された抗TM4SF1抗体に関する改善である。
【0056】
[0064]一部の例において、結合親和性は、スキャッチャード分析によって決定され、この分析は、未結合リガンドに結合したリガンドの濃度と結合したリガンドの濃度との比率のプロットであるスキャッチャードプロットを作成することを含む。
【0057】
[0065]用語「血管毒性」は、抗原担持細胞に作用する抗体または治療分子により直接、または免疫系の活性化または生じる炎症により間接的に血管傷害をもたらす、抗TM4SF1抗体-治療分子コンジュゲート(本明細書では、抗TM4SF1 ADCまたはTM4SF1標的化ADCとも称される)の任意の効果を指す。そのような血管傷害は、これらに限定されないが、血管内皮細胞または下にある平滑筋細胞または周皮細胞、または心内膜(心臓の内膜)を含む、任意の血管の基底膜に影響する損傷または炎症を含み得る。そのような血管傷害は、主幹動脈、例えば大動脈、弾性動脈(大動脈など)、サイズが多様な筋動脈、例えば冠動脈、肺動脈、頸動脈、細動脈、毛細血管、脳または腎臓の動脈を含む動脈;細静脈(venues)、静脈に影響し得る;または毛嚢、消化管、および骨髄に供給する血管を含む、血管新生血管に影響し得る。そのような血管傷害は、心臓、肺、腎臓、網膜、脳、皮膚、肝臓、消化管、骨髄、内分泌腺、精巣または卵巣、子宮内膜、および他の標的器官における微小血管の機能障害または損傷を含み得る、ならびに腎臓、網膜または脳血管循環の機能障害を含み得る。
【0058】
[0066]用語「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)」は、本明細書で使用される場合、細胞傷害性顆粒の内容物の放出を特徴とする非食細胞プロセスを介した細胞傷害性エフェクター細胞によって、または細胞死誘導分子の発現によって、抗体被覆標的細胞を致死させることを指す。ADCCは、標的結合抗体(IgGまたはIgAまたはIgEクラスに属する)と、特定のFc受容体(FcR)、すなわち免疫グロブリン(Ig)のFc領域に結合するエフェクター細胞表面上に存在する糖タンパク質との相互作用を介して開始される。ADCCを媒介するエフェクター細胞としては、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、マクロファージ、好中球、好酸球および樹状細胞が挙げられる。ADCCは、迅速なエフェクターメカニズムであり、その効能は、多数のパラメーター(標的細胞の表面上の抗原の密度および安定性;抗体親和性ならびにFcR結合親和性)に依存する。PBMCベースのADCCアッセイおよびナチュラルキラー細胞ベースのADCCアッセイは、ADCCを検出するのに使用することができる。これらのアッセイにおける読み出しは、終点駆動型(標的細胞溶解)である。
【0059】
[0067]用語「補体依存性細胞傷害」または「CDC」は、相補物の存在下における標的細胞の溶解を指す。古典的補体経路の活性化は、補体系の第1の要素(C1q)が、その同族抗原に結合する抗体(適切なサブクラスに属するもの)に結合することによって開始される。補体活性化を評価するために、CDCアッセイ(例えば、Gazzano-Santoroら、1996、J.Immunol.Methods 202:163を参照)を実行してもよい。変更されたFc領域アミノ酸配列(バリアントFc領域を有するポリペプチド)および増加または減少したC1q結合能力を有するポリペプチドバリアントが記載されている(例えば、米国特許第6,194,551号;WO1999/51642;Idusogieら、2000、J.Immunol.164:4178~84を参照)。CDC活性をほとんど有さない抗体(またはフラグメント)も使用のために選択され得る。
【0060】
[0068]用語「エフェクター機能」は、本明細書で使用される場合、IgGのFcエフェクタードメイン(例えば、免疫グロブリンのFc領域)が寄与する機能を指す。このような機能は、例えば、Fcエフェクタードメインが、食細胞または溶解活性を有する免疫細胞上のFc受容体に結合することによって、またはFcエフェクタードメインが補体系の要素に結合することによって影響され得る。抗体エフェクター機能の例としては、C1q結合および補体依存性細胞傷害(CDC);Fc受容体結合;抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC);貪食(ADCP);細胞表面受容体(例えばB細胞受容体)の下方調節;およびB細胞活性化が挙げられる。
【0061】
[0069]用語「低減する」または「消失させる」は、本明細書で使用される場合、全体で、好ましくは20%以上、より好ましくは50%以上、最も好ましくは75%、85%、90%、95%、またはそれより多くの減少を引き起こす能力を指す。低減または消失は、2つの分子の結合親和性、例えば、C1qまたはFc受容体への免疫グロブリンへの結合を指す場合があり;または処置される障害(例えば、がん)の症状、例えば転移の存在もしくはサイズまたは原発性腫瘍のサイズを指す場合もある。
【0062】
[0070]用語「低減したADCC/CDC機能」は、本明細書で使用される場合、対照(例えば突然変異を含まないFc領域を有する抗体)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%またはそれより多くの、特異的なエフェクター機能、例えばADCCおよび/またはCDCの低減を指す。
【0063】
[0071]本発明の開示で考察される全てのアミノ酸位置に関して、抗体またはその抗原結合フラグメントの文脈において、番号付けはEUインデックスに従う。「EUインデックス」または「Kabatらに記載されるEUインデックス」または「EU番号付けスキーム」は、EU抗体の番号付けを指す(Edelmanら、1969;Kabatら、1991を参照)。
【0064】
II.抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメント
[0072]一部の実施形態において、本明細書では、抗血管新生抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組合せ剤が提供され、抗血管新生抗体またはその抗原結合フラグメントは、本明細書に記載される抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0065】
[0073]TM4SF1は、テトラスパニン形態を有するが相同性を有さない小さい原形質膜糖タンパク質である(NCBI参照配列番号NP_055035.1)(Wrightら、Protein Sci.9:1594~1600、2000)。これは、原形質膜上にTM4SF1濃縮ドメイン(TMED)を形成し、この場合、真のテトラスパニンのように、機能的に関連する膜およびサイトゾル分子を補充する分子促進剤として役立ち(Shihら、Cancer Res.69:3272~3277、2009;Zukauskasら、Angiogenesis.14:345~354、2011)、がん細胞増殖(Hellstromら、Cancer Res.46:3917~3923、1986)、運動性(Changら、Int J Cancer.116:243~252、2005)、および転移(Richmanら、Cancer Res.5916s~5920s、1995)において重要な役割を果たす。ヒトTM4SF1タンパク質のアミノ酸配列(NCBI参照配列番号NP_055035.1)は、以下に配列番号165として示される。
MCYGKCARCI GHSLVGLALL CIAANILLYF PNGETKYASE NHLSRFVWFF SGIVGGGLLM LLPAFVFIGL EQDDCCGCCG HENCGKRCAM LSSVLAALIG IAGSGYCVIV AALGLAEGPLCLDSLGQWNYTFASTEGQYLLDTSTWSECTEPKHIVEWNVSLFSILLALG GIEFILCLIQVINGVLGGIC GFCCSHQQQY DC(配列番号165)
[0074]一部の実施形態において、本開示の、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、TM4SF1のECL2ドメインに特異的である。ヒトTM4SF1のECL2ドメインのアミノ酸配列は、EGPLCLDSLGQWNYTFASTEGQYLLDTSTWSECTEPKHIVEWNVSLFS(配列番号166)である。
【0066】
[0075]本明細書に提供される組合せ剤の一部である抗体の例は、表2に提供されるTM4SF1特異的抗体を含む。表2に記載される抗TM4SF1抗体の例は、モノクローナルマウス抗体AGX-A03、AGX-A04、AGX-A05、AGX-A07、AGX-A08、AGX-A09、およびAGX-A11であり、TM4SF1のECL2領域に結合することができる。以下の表2にさらに提供されるのは、これらの抗体の一部のヒト化バージョン、hAGX-A07およびhAGX-A01である。
【0067】
[0076]一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号87または88に記載のアミノ酸配列を含むか、または配列番号87または88に、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%同一の配列を含むIgG重鎖定常領域を含む。
【0068】
[0077]別の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号89に記載のアミノ酸配列を含むか、または配列番号89に、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%同一の、または100%同一の配列を含む軽鎖定常領域を含む。
【0069】
[0078]別の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号3、15、27、39、51、63、または75に記載のアミノ酸配列を含むか、または配列番号3、15、27、39、51、63、または75に、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%同一の、または100%同一の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
【0070】
[0079]別の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号90または92に記載のアミノ酸配列を含むか、または配列番号90または92に、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%同一の、または100%同一の配列を含む重鎖を含む。
【0071】
[0080]別の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号112または114に記載のアミノ酸配列を含むか、または配列番号112または114に、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%同一の、または100%同一の配列を含む重鎖を含む。
【0072】
[0081]別の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号9、21、33、45、57、69、または81に記載のアミノ酸配列を含むか、または配列番号9、21、33、45、57、69、または81に、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%同一の、または100%同一の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0073】
[0082]別の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号97、99、101、103、または105に記載のアミノ酸配列を含むか、または配列番号97、99、101、103または105に、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%同一の、または100%同一の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。別の実施形態において、抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号97、99、または101に記載のアミノ酸配列を含むか、または配列番号97、99、または101に、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%同一の、または100%同一の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0074】
[0083]別の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号122に記載のアミノ酸配列を含むか、または配列番号122に、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%同一の、または100%同一の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0075】
[0084]一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号6、18、30、42、54、66、78、94、115、または160に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号7、19、31、43、55、67、79、95、116、117、または161に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号8、20、32、44、56、68、80、96、118、119、120、121、または162に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を含む。
【0076】
[0085]一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号12、24、36、48、60、72、84、107、108、124、125、126、127、または157に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号13、25、37、49、61、73、85、109、128、または158に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号14、26、38、50、62、74、86、110、129、または159に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。
【0077】
[0086]一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号94または配列番号115に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号95、配列番号116、または配列番号117に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号96、配列番号118、配列番号119、配列番号120、または配列番号121に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を含む。
【0078】
[0087]一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号107、配列番号108、配列番号124、配列番号125、配列番号126、または配列番号127に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号109、または配列番号128に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号110、配列番号111、または配列番号129に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号110または配列番号129に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。
【0079】
[0088]一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号157に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号158に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号159に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。
【0080】
[0089]一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号160に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号161に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されており、配列番号162に、少なくとも約80%から少なくとも約85%、少なくとも約85%から少なくとも約90%、少なくとも約90%から少なくとも約91%、少なくとも約91%から少なくとも約92%、少なくとも約92%から少なくとも約93%、少なくとも約93%から少なくとも約94%、少なくとも約94%から少なくとも約95%、少なくとも約95%から少なくとも約96%、少なくとも約96%から少なくとも約97%、少なくとも約97%から少なくとも約98%、少なくとも約98%から少なくとも約99%、または少なくとも約99%から100%同一のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を含む。
【0081】
[0090]マウスモノクローナル抗体AGX-A03のアミノ酸配列は、表2に記載される。具体的には、重鎖CDR配列は、配列番号6、7、および8(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載され、軽鎖CDRアミノ酸配列は、配列番号12、13、および14(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載される。配列番号6、7、および8のアミノ酸配列に記載のCDRを含む重鎖可変領域、および/または配列番号12、13、および14のアミノ酸配列に記載のCDRを含む軽鎖可変領域を含む抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントが、本開示に含まれる。AGX-A03のCDRを含むヒト化抗体または抗原結合フラグメントが、本開示に含まれる。さらに、AGX-A03の重鎖可変アミノ酸配列および軽鎖可変アミノ酸配列は、それぞれ配列番号3および9に記載される。
【0082】
[0091]マウスモノクローナル抗体AGX-A04のアミノ酸配列は、表1に記載される。具体的には、重鎖CDR配列は、配列番号18、19、および20(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載され、軽鎖CDRアミノ酸配列は、配列番号24、25、および26(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載される。配列番号18、19、および20のアミノ酸配列に記載のCDRを含む重鎖可変領域、および/または配列番号24、25、および26のアミノ酸配列に記載のCDRを含む軽鎖可変領域を含む抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントが、本開示に含まれる。AGX-A04のCDRを含むヒト化抗体または抗原結合フラグメントが、本開示に含まれる。さらに、AGX-A04の重鎖可変アミノ酸配列および軽鎖可変アミノ酸配列は、それぞれ配列番号15および21に記載される。
【0083】
[0092]マウスモノクローナル抗体AGX-A05のアミノ酸配列は、表1に記載される。具体的には、重鎖CDR配列は、配列番号30、31、および32(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載され、軽鎖CDRアミノ酸配列は、配列番号36、37、および38(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載される。配列番号30、31、および32のアミノ酸配列に記載のCDRを含む重鎖可変領域、および/または配列番号36、37、および38のアミノ酸配列に記載のCDRを含む軽鎖可変領域を含む抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントが、本開示に含まれる。AGX-A05のCDRを含むヒト化抗体または抗原結合フラグメントが、本開示に含まれる。さらに、AGX-A05の重鎖可変アミノ酸配列および軽鎖可変アミノ酸配列は、それぞれ配列番号27および33に記載される。マウスモノクローナル抗体AGX-A07のアミノ酸配列は、表1に記載される。具体的には、重鎖CDR配列は、配列番号42、43、および44(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載され、軽鎖CDRアミノ酸配列は、配列番号48、49、および50(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載される。配列番号42、43、および44のアミノ酸配列に記載のCDRを含む重鎖可変領域、および/または配列番号48、49、および50のアミノ酸配列に記載のCDRを含む軽鎖可変領域を含む抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントが、本開示に含まれる。AGX-A07のCDRを含むヒト化抗体または抗原結合フラグメントが、本開示に含まれる。さらに、AGX-A07の重鎖可変アミノ酸配列および軽鎖可変アミノ酸配列は、それぞれ配列番号39および45に記載される。
【0084】
[0093]一実施形態において、配列番号90のアミノ酸配列に記載の重鎖配列を含むヒト化されたAGX-A07(hAGX-A07)抗体またはその抗原結合フラグメントが提供される。一部の実施形態において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号90のアミノ酸配列に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む重鎖配列を含むヒト化突然変異AGX-A07(hmAGX-A07)抗体またはその抗原結合フラグメントである。表1に示されるように、配列番号90に記載の重鎖配列はまた、本明細書でAGX-A07H2とも称される。一部の実施形態において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号90のアミノ酸配列に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む重鎖配列を含むヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントであって、1つまたは複数の置換は、配列番号90のアミノ酸位置1、44、および80にある、抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、E1Q(重鎖、配列番号90の1位におけるグルタミン酸からグルタミンへの置換)を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、D44G(重鎖、配列番号90の44位におけるアスパラギン酸からグリシンへの置換)を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、F80Y(重鎖、配列番号90の80位におけるフェニルアラニンからチロシンへの置換)を含む。一部の実施形態において、配列番号92のアミノ酸配列に記載の重鎖配列を含むヒト化突然変異AGX-A07抗体または抗原結合フラグメントが提供される。表1に示されるように、配列番号92に記載の重鎖配列はまた、本明細書でAGX-A07H2v1とも称される。一部の実施形態において、配列番号97のアミノ酸配列に記載の軽鎖配列を含むヒト化されたAGX-A07抗体または抗原結合フラグメントが提供される。表1に示されるように、配列番号97に記載の軽鎖配列はまた、本明細書でAGX-A07L5とも称される。一部の実施形態において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号97のアミノ酸配列に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む軽鎖配列を含むヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号97のアミノ酸配列に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む軽鎖配列を含むヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントであり、ここで1つまたは複数の置換は、配列番号97のアミノ酸位置3、26、62、および90にある。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、I3V(軽鎖、配列番号97の3位におけるイソロイシンからバリンへの置換)を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、N26Q(軽鎖、配列番号97の26位におけるアスパラギンからグルタミンへの置換)を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、N26S(軽鎖、配列番号97の26位におけるアスパラギンからセリンへの置換)を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、G62S(軽鎖、配列番号97の62位におけるグリシンからセリンへの置換)を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、W90Y(軽鎖、配列番号97の90位におけるトリプトファンからチロシンへの置換)を含む。一部の実施形態において、配列番号99、配列番号101、配列番号103、および配列番号105からなる群から選択されるアミノ酸配列に記載の軽鎖配列を含むヒト化突然変異AGX-A07抗体または抗原結合フラグメントが提供される。表1に示されるように、配列番号99に記載の軽鎖配列はまた、本明細書でAGX-A07L5v1とも称され、配列番号101に記載の軽鎖配列はまた、本明細書でAGX-A07L5v2とも称され、配列番号103に記載の軽鎖配列はまた、本明細書でAGX-A07L5v3とも称され、配列番号105に記載の軽鎖配列はまた、本明細書でAGX-A07L5v4とも称される。ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントの重鎖に関する例示的なコード配列は、配列番号91で提供される。ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントの重鎖に関する例示的なコード配列は、配列番号93で提供される。ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントの軽鎖に関する例示的なコード配列は、配列番号98(AGX-A07L5)で提供される。ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントの軽鎖に関する例示的なコード配列は、配列番号100(AGX-A07L5v1)、配列番号102(AGX-A07L5v2)、配列番号104(AGX-A07L5v3)、および配列番号106(AGX-A07L5v4)で提供される。
【0085】
[0094]一実施形態において、配列番号130または配列番号132のアミノ酸配列に記載の重鎖可変ドメイン配列を含むヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントが提供される。一部の実施形態において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号130または配列番号132のアミノ酸配列に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む重鎖可変ドメイン配列を含むヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントである。一実施形態において、配列番号131または配列番号133のアミノ酸配列に記載の軽鎖可変ドメイン配列を含むヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントが提供される。一部の実施形態において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号131または配列番号133のアミノ酸配列に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む軽鎖可変ドメイン配列を含むヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントである。
【0086】
[0095]一部の実施形態において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号131のアミノ酸配列に記載の配列を含む軽鎖可変ドメイン配列、および配列番号130のアミノ酸配列に記載の配列を含む重鎖可変ドメイン配列を含むヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号131のアミノ酸配列に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む軽鎖可変ドメイン配列、および配列番号130のアミノ酸配列に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む重鎖可変ドメイン配列を含むヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号133のアミノ酸配列に記載の配列を含む軽鎖可変ドメイン配列、および配列番号132のアミノ酸配列に記載の配列を含む重鎖可変ドメイン配列を含むヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号133のアミノ酸配列に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む軽鎖可変ドメイン配列、および配列番号132のアミノ酸配列に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む重鎖可変ドメイン配列を含むヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号156のアミノ酸配列に記載の配列を含む重鎖配列、または配列番号156のアミノ酸配列中に1つまたは複数の置換を含む配列を含むヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントである。
【0087】
[0096]一部の場合において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号94、95、および96(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載の重鎖CDR配列、または配列番号94、95、および96(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含むCDR配列を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号94、95、および96(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載の重鎖CDR配列、または配列番号94、95、および96(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含むCDR配列を含む。
【0088】
[0097]一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号94に記載の重鎖CDR1配列、または配列番号94に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む重鎖CDR1配列を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号95に記載の重鎖CDR2配列、または配列番号95に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む重鎖CDR2配列を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号96に記載の重鎖CDR3配列、または配列番号96に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む重鎖CDR3配列を含む。
【0089】
[0098]一部の場合において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号107、109、および110(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載の軽鎖CDR配列、または配列番号107、109、および110(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含むCDR配列を含む。一部の場合において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号107、109、および111(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載の軽鎖CDR配列、または配列番号107、109、および111(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含むCDR配列を含む。一部の場合において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号108、109、および110(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載の軽鎖CDR配列、または配列番号108、109、および110(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含むCDR配列を含む。一部の場合において、ヒト化されたAGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号108、109、および111(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載の軽鎖CDR配列、または配列番号108、109、および111(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含むCDR配列を含む。
【0090】
[0099]一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号107または108に記載の軽鎖CDR1配列、または配列番号107または108に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む軽鎖CDR1配列を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号109に記載の軽鎖CDR2配列、または配列番号109に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む軽鎖CDR2配列を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号110または111に記載の軽鎖CDR3配列、または配列番号110または111に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む軽鎖CDR1配列を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A07抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号110に記載の軽鎖CDR3配列、または配列番号110に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む軽鎖CDR1配列を含む。
【0091】
[0100]一部の実施形態において、ヒト化突然変異AGX-A07は、配列番号132中に以下のアミノ酸置換:Q1E、D44G、F80Yを含む重鎖可変領域(本明細書ではAGX-A07H2とも称される)、および配列番号133中に以下のアミノ酸置換:I3V、N26Q、G62Sを含む軽鎖可変領域(本明細書ではAGX-A07L5とも称される)を含む。一部の実施形態において、ヒト化突然変異AGX-A07は、配列番号132中に以下のアミノ酸置換:Q1E、D44G、F80Yを含む重鎖可変領域、および配列番号133中に以下のアミノ酸置換:I3V、N26Q、G62Sを含む軽鎖可変領域を含み、この重鎖は、CDR1(配列番号94)、CDR2(配列番号95)、およびCDR3(配列番号96)を含み、この軽鎖は、CDR1(配列番号108)、CDR2(配列番号109)、およびCDR3(配列番号110)を含む。一部の実施形態において、ヒト化突然変異AGX-A07は、AGX-A07H2v1L5v2であり、配列番号130に記載のアミノ酸配列を含む重鎖(本明細書ではAGX-A07H2v1とも称される)、および配列番号131に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖(本明細書ではAGX-A07L5v2とも称される)を含む。一部の実施形態において、ヒト化突然変異AGX-A07は、配列番号92に記載のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号101に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0092】
[0101]マウスモノクローナル抗体AGX-A08のアミノ酸配列は、表1に記載される。具体的には、重鎖CDR配列は、配列番号54、55、および56(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載され、軽鎖CDRアミノ酸配列は、配列番号60、61、および62(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載される。配列番号54、55、および56のアミノ酸配列に記載のCDRを含む重鎖可変領域、および/または配列番号60、61、および62のアミノ酸配列に記載のCDRを含む軽鎖可変領域を含む抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントが、本開示に含まれる。AGX-A08のCDRを含むヒト化抗体または抗原結合フラグメントが、本開示に含まれる。さらに、AGX-A08の重鎖可変アミノ酸配列および軽鎖可変アミノ酸配列は、それぞれ配列番号51および57に記載される。
【0093】
[0102]マウスモノクローナル抗体AGX-A09のアミノ酸配列は、表1に記載される。具体的には、重鎖CDR配列は、配列番号66、67、および68(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載され、軽鎖CDRアミノ酸配列は、配列番号72、73、および74(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載される。配列番号66、67、および68のアミノ酸配列に記載のCDRを含む重鎖可変領域、および/または配列番号72、73、および74のアミノ酸配列に記載のCDRを含む軽鎖可変領域を含む抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントが、本開示に含まれる。AGX-A09のCDRを含むヒト化抗体または抗原結合フラグメントが、本開示に含まれる。さらに、AGX-A09の重鎖可変アミノ酸配列および軽鎖可変アミノ酸配列は、それぞれ配列番号63および69に記載される。
【0094】
[0103]マウスモノクローナル抗体AGX-A11のアミノ酸配列は、表1に記載される。具体的には、重鎖CDR配列は、配列番号78、79、および80(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載され、軽鎖CDRアミノ酸配列は、配列番号84、85、および86(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載される。配列番号78、79、および80のアミノ酸配列に記載のCDRを含む重鎖可変領域、および/または配列番号84、85、および862のアミノ酸配列に記載のCDRを含む軽鎖可変領域を含む抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントが、本開示に含まれる。AGX-A11のCDRを含むヒト化抗体または抗原結合フラグメントが、本開示に含まれる。さらに、AGX-A11の重鎖可変アミノ酸配列および軽鎖可変アミノ酸配列は、それぞれ配列番号75および81に記載される。
【0095】
[0104]ヒト化抗体AGX-A01(hAGX-A01)のアミノ酸配列は、表1に記載される。表1に示されるように、配列番号112に記載の重鎖配列はまた、本明細書でAGX-A01H1とも称される。具体的には、重鎖CDR配列は、配列番号115、116、および118(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載され、軽鎖CDRアミノ酸配列は、配列番号124、128、および129(CDR1、CDR2、およびCDR3)に記載される。さらに、例示的なヒト化されたAGX-A01の重鎖アミノ酸配列および軽鎖アミノ酸配列は、それぞれ配列番号112および122に記載される。ヒト化されたAGX-A01の重鎖および軽鎖の例示的なコード配列は、それぞれ配列番号113および123に記載される。
【0096】
[0105]一部の実施形態において、ヒト化されたAGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号112のアミノ酸配列に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む重鎖配列を含むヒト化突然変異AGX-A01(hmAGX-A01)抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、ヒト化されたAGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号112のアミノ酸配列に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む重鎖配列を含むヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントであり、1つまたは複数の置換は、配列番号112のアミノ酸位置63および106にある。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、G63S(重鎖、配列番号112の63位におけるグリシンからセリンへの置換)を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、D106E(重鎖、配列番号112の106位におけるアスパラギン酸からグルタミン酸への置換)を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、D106S(重鎖、配列番号112の106位におけるアスパラギン酸からセリンへの置換)を含む。一部の実施形態において、配列番号114のアミノ酸配列に記載の重鎖配列を含むヒト化突然変異AGX-A01抗体または抗原結合フラグメントが提供される。表1に示されるように、配列番号114に記載の重鎖配列はまた、本明細書でAGX-A01H1v1とも称される。
【0097】
[0106]一部の実施形態において、配列番号122のアミノ酸配列に記載の軽鎖配列を含むヒト化されたAGX-A01抗体または抗原結合フラグメントが提供される。表1に示されるように、配列番号122に記載の軽鎖配列はまた、本明細書でAGX-A01L10とも称される。一部の実施形態において、ヒト化されたAGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号122のアミノ酸配列に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む軽鎖配列を含むヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号122のアミノ酸配列に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む軽鎖配列を含むヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントであり、1つまたは複数の置換は、配列番号122のアミノ酸位置1、33、42、51、86、および90から選択される1つまたは複数のアミノ酸位置にある。一部の実施形態において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号122のアミノ酸配列に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む軽鎖配列を含むヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントであり、1つまたは複数の置換は、配列番号122のアミノ酸位置1、33、42、51、および86から選択される1つまたは複数のアミノ酸位置にある。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、A1E(軽鎖、配列番号122の1位におけるアラニンからグルタミン酸への置換)を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、N33S(軽鎖、配列番号122の33位におけるアスパラギンからセリンへの置換)を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、M42Q(軽鎖、配列番号122の42位におけるメチオニンからグルタミンへの置換)を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、V51L(軽鎖、配列番号122の51位におけるバリンからロイシンへの置換)を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、D86E(軽鎖、配列番号122の86位におけるアスパラギン酸からグルタミン酸への置換)を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、I90V(軽鎖、配列番号122の90位におけるイソロイシンからバリンへの置換)を含む。
【0098】
[0107]一部の場合において、ヒト化されたAGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号115(CDR1);116(CDR2);および118(CDR3)に記載の重鎖CDR配列、または配列番号115(CDR1);116(CDR2);および118(CDR3)に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含むCDR配列を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号115(CDR1);116または117(CDR2);および118、119、120、または121(CDR3)に記載の重鎖CDR配列、または配列番号115(CDR1);116または117(CDR2);および118、119、120、または121(CDR3)に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含むCDR配列を含む。
【0099】
[0108]一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号115に記載の重鎖CDR1配列、または配列番号115に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む重鎖CDR1配列を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号116に記載の重鎖CDR2配列、または配列番号116に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む重鎖CDR2配列を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号117に記載の重鎖CDR2配列、または配列番号117に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む重鎖CDR2配列を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号118、119、120および121から選択される配列に記載の重鎖CDR3配列、または配列番号118、119、120、および121から選択される配列中に1つまたは複数の置換を含む重鎖CDR3配列を含む。
【0100】
[0109]一部の場合において、ヒト化されたAGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号124(CDR1);128(CDR2);および129(CDR3)に記載の軽鎖CDR配列、または配列番号124(CDR1);128(CDR2);および129(CDR3)に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含むCDR配列を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号124、125、126、もしくは127(CDR1);128(CDR2);および129(CDR3)に記載の軽鎖CDR配列、または配列番号124、125、126、もしくは127(CDR1);128(CDR2);および129(CDR3)に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含むCDR配列を含む。
【0101】
[0110]一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号125、126、127、もしくは128に記載の軽鎖CDR1配列、または配列番号125、126、127、もしくは128に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む軽鎖CDR1配列を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号129に記載の軽鎖CDR2配列、または配列番号129に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む軽鎖CDR2配列を含む。一部の場合において、ヒト化突然変異AGX-A01抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号130に記載の軽鎖CDR3配列、または配列番号130に記載の配列中に1つまたは複数の置換を含む軽鎖CDR1配列を含む。
【0102】
[0111]一実施形態において、本開示は、配列番号3に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号9に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号15に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号21に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号27に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号33に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号39に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号45に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号51に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号57に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号63に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号69に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号75に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号81に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号90に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号97に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号90に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号99に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号90に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号101に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号90に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号103に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号90に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号105に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号92に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号97に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号92に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号99に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号92に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号101に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号92に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号103に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号92に記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメイン、および配列番号105に記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0103】
[0112]一実施形態において、本発明の開示は、配列番号3、配列番号15、配列番号27、配列番号39、配列番号51、配列番号63、配列番号75、配列番号90、配列番号92、配列番号112、または配列番号114から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも95%同一の、少なくとも96%同一の、少なくとも97%同一の、少なくとも98%同一の、少なくとも99%同一の、または100%同一の重鎖可変ドメイン配列を有し;配列番号9、配列番号21、配列番号33、配列番号45、配列番号57、配列番号69、配列番号81、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、または配列番号122から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも95%同一の、少なくとも96%同一の、少なくとも97%同一の、少なくとも98%同一の、少なくとも99%同一の、または100%同一の軽鎖可変ドメイン配列を有する抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本発明の開示は、配列番号3、配列番号15、配列番号27、配列番号39、配列番号51、配列番号63、配列番号75、配列番号90、配列番号92、配列番号112、または配列番号114から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも95%同一の、少なくとも96%同一の、少なくとも97%同一の、少なくとも98%同一の、少なくとも99%同一の、または100%同一の重鎖可変ドメイン配列を有し;配列番号9、配列番号21、配列番号33、配列番号45、配列番号57、配列番号69、配列番号81、配列番号97、配列番号99、配列番号101、または配列番号122から選択されるアミノ酸配列に、少なくとも95%同一の、少なくとも96%同一の、少なくとも97%同一の、少なくとも98%同一の、少なくとも99%同一の、または100%同一の軽鎖可変ドメイン配列を有する抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0104】
[0113]一実施形態において、本開示は、IgGであり、それぞれ重鎖可変ドメインならびに重鎖定常領域CH1、CH2およびCH3を含む2つの重鎖と、それぞれ軽鎖可変ドメインおよび軽鎖定常領域(CL)を含む2つの軽鎖とを包含する4つのポリペプチド鎖を含む抗TM4SF1抗体を含む。特定の実施形態において、抗体は、ヒトIgG1、IgG2、またはIgG4である。特定の実施形態において、抗体は、ヒトIgG1である。他の実施形態において、抗体は、IgG2である。重鎖および軽鎖可変ドメイン配列は、表1に記載のCDRを含有していてもよい。
【0105】
[0114]相補性決定領域(CDR)は、軽鎖および重鎖可変ドメインの両方において高度可変領域として公知である。それより高度に保存された可変ドメインの部分は、フレームワーク(FR)と呼ばれる。所与の抗体のCDRおよびフレームワーク領域(FR)は、Kabatら、上記;Lefrancら、上記および/またはHoneggerおよびPluckthun、上記により説明されたシステムを使用して同定することができる。また、Kabatら(1991、NIH Publication 91~3242、National Technical Information Service、Springfield、Va.)に記載される番号付けシステムも当業者によく知られている。これに関して、Kabatらは、あらゆる抗体に適用可能なCDRの同定を含む可変ドメイン配列の番号付けシステムを定義した。
【0106】
[0115]1つまたは複数のCDRを、共有結合または非共有結合のいずれかで分子に取り込むことで、それを抗原結合タンパク質にすることもできる。
【0107】
[0116]抗原結合タンパク質は、CDRをより大きいポリペプチド鎖の一部として取り込んでいてもよいし、共有結合でCDRが別のポリペプチド鎖に連結されていてもよいし、または非共有結合でCDRを取り込んでいてもよい。CDRは、抗原結合タンパク質が目的の特定の抗原に特異的に結合することを許容する。特にCDR3は、抗体または抗体フラグメントの抗原結合において重要な役割を果たすことがわかっている。
【0108】
[0117]一実施形態において、本開示は、配列番号8、配列番号20、配列番号32、配列番号44、配列番号56、配列番号68、または配列番号80のいずれか1つに記載のCDR3ドメインを含む重鎖を含み、配列番号3、配列番号15、配列番号27、配列番号39、配列番号51、配列番号63、または配列番号75のいずれか1つに記載の配列に、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む可変ドメインを含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号14、配列番号26、配列番号38、配列番号50、配列番号62、配列番号74、または配列番号86のいずれか1つに記載のCDR3ドメインを含む軽鎖を含み、配列番号9、配列番号21、配列番号33、配列番号45、配列番号57、配列番号69、または配列番号81のいずれか1つに記載の配列に、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを有する、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。したがって、特定の実施形態において、CDR3ドメインは一定に保ちつつ、重鎖および/または軽鎖の残存するCDRおよび/またはフレームワーク領域に可変性が導入されてもよく、一方で抗体またはその抗原結合フラグメントは、TM4SF1に結合する能力を保持し、親の機能的特徴、例えば結合親和性を保持するか、または親と比較して改善された機能的特徴、例えば結合親和性を有する。
【0109】
[0118]一実施形態において、本開示は、配列番号7、配列番号19、配列番号31、配列番号43、配列番号55、配列番号67、または配列番号79のいずれか1つに記載のCDR2ドメインを含む重鎖を含み、配列番号3、配列番号15、配列番号27、配列番号39、配列番号51、配列番号63、または配列番号75のいずれか1つに記載の配列に、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む可変ドメインを含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号13、配列番号25、配列番号37、配列番号49、配列番号61、配列番号73、または配列番号85のいずれか1つに記載のCDR2ドメインを含む軽鎖を含み、配列番号9、配列番号21、配列番号33、配列番号45、配列番号57、配列番号69、または配列番号81のいずれか1つに記載の配列に、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを有する、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。したがって、特定の実施形態において、CDR2ドメインは一定に保ちつつ、重鎖および/または軽鎖の残存するCDRおよび/またはフレームワーク領域に可変性が導入されてもよく、一方で抗体またはその抗原結合フラグメントは、TM4SF1に結合する能力を保持し、親の機能的特徴、例えば結合親和性を保持するか、または親と比較して改善された機能的特徴、例えば結合親和性を有する。
【0110】
[0119]一実施形態において、本開示は、配列番号6、配列番号18、配列番号30、配列番号42、配列番号54、配列番号66、または配列番号78のいずれか1つに記載のCDR1ドメインを含む重鎖を含み、配列番号3、配列番号15、配列番号27、配列番号39、配列番号45、配列番号69、または配列番号81のいずれか1つに記載の配列に、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む可変ドメインを含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態において、本開示は、配列番号12、配列番号24、配列番号36、配列番号48、配列番号60、配列番号72、または配列番号84のいずれか1つに記載のCDR1ドメインを含む軽鎖を含み、配列番号9、配列番号21、配列番号33、配列番号45、配列番号57、配列番号69、または配列番号81のいずれか1つに記載の配列に、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを有する、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。したがって、特定の実施形態において、CDR1ドメインは一定に保ちつつ、重鎖および/または軽鎖の残存するCDRおよび/またはフレームワーク領域に可変性が導入されてもよく、一方で抗体またはその抗原結合フラグメントは、TM4SF1に結合する能力を保持し、親の機能的特徴、例えば結合親和性を保持する。
【0111】
[0120]一部の実施形態において、本開示の抗TM4SF1抗体は、Fc領域を含む重鎖を含み、前記Fc領域は、配列番号135、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号139、配列番号140、配列番号141、配列番号142、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号151、配列番号152、および配列番号153からなる群から選択される配列を含み、または前記Fc領域は、配列番号135、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号139、配列番号140、配列番号141、配列番号142、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号151、配列番号152、および配列番号153からなる群から選択される配列中に1つまたは複数の置換を含む配列を含む。例えば、一部の実施形態において、本開示の抗TM4SF1抗体はFc領域を含み、前記Fc領域は、配列番号135、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号139、配列番号140、配列番号141、配列番号142、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号151、配列番号152、および配列番号153からなる群から選択される配列に、少なくとも約70%から約100%、例えば少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%同一の配列を含む。
【0112】
[0121]一部の実施形態において、本開示の抗TM4SF1抗体は、配列番号146、配列番号147、配列番号148、配列番号149、配列番号150、配列番号154、配列番号155、および配列番号156からなる群から選択される配列を含む重鎖を含み、前記重鎖は、配列番号146、配列番号147、配列番号148、配列番号149、配列番号150、配列番号154、配列番号155、および配列番号156からなる群から選択される配列中に1つまたは複数の置換を含む配列を含む。例えば、一部の実施形態において、本開示の抗TM4SF1抗体は、配列番号146、配列番号147、配列番号148、配列番号149、配列番号150、配列番号154、配列番号155、および配列番号156からなる群から選択される配列に、少なくとも約70%から約100%、例えば少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%同一の配列を含む重鎖を含む。
【0113】
[0122]また表1に記載される抗TM4SF1抗体およびフラグメントは、ヒト化されていてもよい。非ヒト抗体をヒト化するための様々な方法が当技術分野において公知である。例えば、ヒト化抗体は、非ヒト源からそれに導入される1つまたは複数のアミノ酸残基を有していてもよい。これらの非ヒトアミノ酸残基は、「インポート」残基と称されることが多く、これは、典型的には「インポート」可変ドメインから得られる。ヒト化は、例えば、Jonesら、1986、Nature 321:522~25;Riechmannら、1988、Nature 332:323~27;およびVerhoeyenら、1988、Science 239:1534~36の方法に従って、高度可変領域配列をヒト抗体の対応する配列で置換することによって実行することができる。
【0114】
[0123]一部の場合において、ヒト化抗体は、CDRグラフティングによって構築され、この場合、親非ヒト抗体(例えば、げっ歯類)の6つのCDRのアミノ酸配列が、ヒト抗体フレームワーク上にグラフト化される。例えば、Padlanらは、CDR中の残基の約3分の1のみが実際に抗原と接触することを決定し、これらを「特異性決定残基」、またはSDRと名付けた(Padlanら、1995、FASEB J.9:133~39)。SDRグラフティングの技術において、SDR残基のみが、ヒト抗体フレームワーク上にグラフト化される(例えば、Kashmiriら、2005、Methods 36:25~34を参照)。
【0115】
[0124]ヒト化抗体の作製において使用される、ヒト可変ドメイン、軽鎖および重鎖の両方の選択は、抗原性を低減するのに重要であり得る。例えば、いわゆる「ベストフィット」方法に従って、非ヒト(例えば、げっ歯類)抗体の可変ドメインの配列は、公知のヒト可変ドメイン配列のライブラリー全体に対してスクリーニングされる。げっ歯類の配列に最も近いヒト配列が、ヒト化抗体のヒトフレームワークとして選択され得る(Simsら、1993、J.Immunol.151:2296~308;およびChothiaら、1987、J.Mol.Biol.196:901~17)。別の方法は、軽鎖または重鎖の特定のサブグループの全てのヒト抗体のコンセンサス配列由来の特定のフレームワークを使用する。同じフレームワークが、いくつかの異なるヒト化抗体に使用される可能性がある(Carterら、1992、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4285~89;およびPrestaら、1993、J.Immunol.151:2623~32)。一部の場合において、フレームワークは、最も豊富なヒトサブクラスであるVL6サブグループI(VL6I)およびVHサブグループIII(VHIII)のコンセンサス配列由来である。別の方法において、ヒト生殖細胞系遺伝子は、フレームワーク領域の源として使用される。
【0116】
[0125]さらに、一般的に、抗体が、その抗原に対する親和性や他の好都合な生物学的特性を保持しながらヒト化されることが望ましい。この目標を達成するために、1つの方法によれば、ヒト化抗体は、親配列およびヒト化された配列の3次元モデルを使用した親配列および様々な概念のヒト化生成物の分析のプロセスによって調製される。3次元免疫グロブリンモデルが一般的に利用可能であり、当業者によく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列の可能性がある3次元立体配座構造を例示および表示するコンピュータープログラムが利用可能である。そのようなものとしては、例えば、WAM(WhiteleggおよびRees、2000、Protein Eng.13:819~24)、Modeller(SaliおよびBlundell、1993、J.Mol.Biol.234:779~815)、およびSwiss PDB Viewer(GuexおよびPeitsch、1997、Electrophoresis 18:2714~23)が挙げられる。これらの表示の検査は、候補免疫グロブリン配列の機能化における残基の可能性がある役割の分析、例えば、候補免疫グロブリンがその抗原に結合する能力に影響を与える残基の分析を許容する。この方法では、FR残基は、所望の抗体の特徴、例えば標的抗原への親和性の増加が達成されるように、レシピエントおよびインポート配列から選択し組み合わせることができる。一般的に、高度可変領域残基は、直接的に、ほぼ実質的に、抗原結合への影響に関与する。
【0117】
[0126]ヒト化に使用可能なヒトフレームワーク領域としては、これらに限定されないが、「ベストフィット」方法を使用して選択されたフレームワーク領域(例えば、Simsら、J.Immunol.151(1993)2296を参照);軽鎖または重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列由来のフレームワーク領域(例えば、Carterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89(1992)4285;およびPrestaら、J.Immunol.、151(1993)2623を参照);ヒト成熟(体細胞突然変異)フレームワーク領域またはヒト生殖細胞系フレームワーク領域(例えば、Almagro、およびFransson、Front.Biosci.13(2008)1619~1633を参照);およびFRライブラリーをスクリーニングすることによって得られたフレームワーク領域(例えば、Bacaら、J.Biol.Chem.272(1997)10678~10684およびRosokら、J.Biol.Chem.271(1996)22611~22618を参照)が挙げられる。
【0118】
[0127]ヒト化抗体およびその作製方法は、例えば、Almagro、およびFransson、Front.Biosci.13(2008)1619~1633で総論され、さらに、例えば、Riechmannら、Nature 332(1988)323~329;Queenら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86(1989)10029~10033;米国特許第5,821,337号、7,527,791号、6,982,321号、および7,087,409号;Kashmiriら、Methods 36(2005)25~34(SDR(a-CDR)グラフティングを説明する);Padlan、Mol.Immunol.28(1991)489~498(「リサーフェイシング(resurfacing)」を説明する);Dall’Acquaら、Methods 36(2005)43~60(「FRシャッフリング」を説明する);ならびにOsbournら、Methods 36(2005)61~68およびKlimkaら、Br.J.Cancer、83(2000)252~260(FRシャッフリングへの「ガイド選択」アプローチを説明する)で説明される。
【0119】
[0128]一実施形態において、本開示の抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、約1×10-6M以下のKDでカニクイザルTM4SF1に結合する。
【0120】
[0129]特定の実施形態において、本開示の抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、HUVEC細胞を使用する標準的なフローサイトメトリーアッセイで決定した場合、約5×10-8M以下のKDで、ヒトTM4SF1のECL2ループ上のエピトープに結合する。
【0121】
[0130]特定の実施形態において、本開示の抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、HUVEC細胞を使用する標準的なフローサイトメトリーアッセイで、約1×10-8M以下のKDでヒトTM4SF1に結合する。
【0122】
[0131]特定の実施形態において、本開示の抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、約1×10-3Mから約1×10-4M、約1×10-4Mから約1×10-5M、約1×10-5Mから約1×10-6M、約1×10-6から約1×10-7M、約1×10-7から約1×10-8M、約1×10-8Mから約1×10-9M、約1×10-9Mから約1×10-10M、約1×10-10Mから約1×10-11M、約1×10-11Mから約1×10-12M、約2×10-3Mから約2×10-4M、約2×10-4Mから約2×10-5M、約2×10-5Mから約2×10-6M、約2×10-6から約2×10-7M、約2×10-7から約2×10-8M、約2×10-8Mから約2×10-9M、約2×10-9Mから約2×10-10M、約2×10-10Mから約2×10-11M、約2×10-11Mから約2×10-12M、約3×10-3Mから約3×10-4M、約3×10-4Mから約3×10-5M、約3×10-5Mから約3×10-6M、約3×10-6から約3×10-7M、約3×10-7から約3×10-8M、約3×10-8Mから約3×10-9M、約3×10-9Mから約3×10-10M、約3×10-10Mから約3×10-11M、約3×10-11Mから約3×10-12M、約4×10-3Mから約4×10-4M、約4×10-4Mから約4×10-5M、約4×10-5Mから約4×10-6M、約4×10-6から約4×10-7M、約4×10-7から約4×10-8M、約4×10-8Mから約4×10-9M、約4×10-9Mから約4×10-10M、約4×10-10Mから約4×10-11M、約4×10-11Mから約4×10-12M、約5×10-3Mから約5×10-4M、約5×10-4Mから約5×10-5M、約5×10-5Mから約5×10-6M、約5×10-6から約5×10-7M、約5×10-7から約5×10-8M、約5×10-8Mから約5×10-9M、約5×10-9Mから約5×10-10M、約5×10-10Mから約5×10-11M、約5×10-11Mから約5×10-12M、約5×10-7Mから約5×10-11M、約5×10-7M、約1×10-7M、約5×10-8M、約1×10-8M、約5×10-9M、約1×10-9M、約5×10-10M、約1×10-10M、約5×10-11Mまたは約1×10-11MのKDでヒトTM4SF1に結合する。一部の実施形態において、KDは、HUVEC細胞を使用する標準的なフローサイトメトリーアッセイで決定される。
【0123】
[0132]特定の実施形態において、本開示の抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、HUVEC細胞を使用する標準的なフローサイトメトリーアッセイで、約5×10-10M以下のKDでヒトTM4SF1に結合する。
【0124】
[0133]特定の実施形態において、本開示の抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、HEK293過剰発現細胞を使用する標準的なフローサイトメトリーアッセイで、約1×10-6M以下のKDでカニクイザルTM4SF1に結合する。一実施形態において、HEK293細胞は、カニクイザルTM4SF1を発現するようにトランスフェクトされている。さらなる実施形態において、HEK293細胞は、106コピーの18S rRNA当たり約600のmRNAコピーで、カニクイザルTM4SF1を発現する。
【0125】
[0134]抗体または抗体フラグメントのKDを決定する方法は、当技術分野において公知である。例えば、表面プラズモン共鳴は、抗原に対する抗体のKDを決定するのに使用することができる(例えば、BIACORE2000またはBIACORE3000(BIAcore,Inc.、Piscataway、N.J.)を、約10反応単位(RU)での固定化した抗原またはFc受容体CM5チップと共に、25℃で使用して)。特定の実施形態において、FACSまたはフローサイトメトリーは、KDを決定するのに使用され、TM4SF1を発現する細胞、例えばHEK293細胞またはHUVEC細胞は、抗体またはフラグメントに結合させて、標準的な方法に従ってKDを測定するのに使用される。フローサイトメトリーを使用する抗体の親和性決定は、例えば、Geuijenら(2005)J Immunol Methods.302(1~2):68~77に記載される。特定の実施形態において、FACSは、抗体の親和性を決定するのに使用される。
【0126】
[0135]一実施形態において、本開示は、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントが、表1に記載のCDRアミノ酸配列に対して、少なくとも95%同一の(または少なくとも96%同一の、または少なくとも97%同一の、または少なくとも98%同一の、または少なくとも99%同一の)CDRのアミノ酸配列を含むように、本明細書に記載される保存的アミノ酸置換を含むCDRアミノ酸配列を有する抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを特徴とする。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似の化学的特性(例えば、電荷または疎水性)を有する側鎖(R基)を有する別のアミノ酸残基で置換される置換である。一般的に、保存的アミノ酸置換は、タンパク質の機能特性を実質的に変化させないものである。2つまたはそれより多くのアミノ酸配列が保存的置換により互いに異なる場合、パーセント配列同一性または類似性の程度は、置換の保存的性質のために補正されるように上方調整される場合がある。この調整を行うための手段は当業者に周知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれるPearson(1994)Methods Mol.Biol.24:307~331を参照されたい。類似の化学的特性を有する側鎖を有するアミノ酸のグループの例としては、(1)脂肪族側鎖:グリシン、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシン;(2)脂肪族ヒドロキシル側鎖:セリンおよびスレオニン;(3)アミドを含有する側鎖:アスパラギンおよびグルタミン;(4)芳香族側鎖:フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファン;(5)塩基性側鎖:リジン、アルギニン、およびヒスチジン;(6)酸性側鎖:アスパラギン酸およびグルタミン酸、ならびに(7)硫黄を含有する側鎖:システインおよびメチオニンが挙げられる。
【0127】
[0136]本開示はさらに、一態様において、HUVEC細胞を使用する標準的なフローサイトメトリーアッセイで決定した場合、約5×10-8M以下のKDで、ヒトTM4SF1のECL2ループ上のエピトープに結合する抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを特徴とし、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒトIgGフレームワーク領域を含む軽鎖可変領域を含み、ヒトIgGフレームワーク領域を含む重鎖可変領域を含む。一実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されている。一実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、カニクイザルTM4SF1と交差反応する。
【0128】
[0137]本開示の別の態様において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、HUVEC細胞を使用する標準的なフローサイトメトリーアッセイで決定した場合、約5×10-8M以下のKDで、ヒトTM4SF1のECL2ループ上のエピトープに結合する、ヒト化された抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントである。一実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、HEK293過剰発現細胞を使用する標準的なフローサイトメトリーアッセイで、約1×10-6M以下のKDでカニクイザルTM4SF1に結合する。一実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、HUVEC細胞を使用する標準的なフローサイトメトリーアッセイで、約1×10-8M以下のKDでヒトTM4SF1に結合する。一実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、1×10-3Mから約1×10-4M、約1×10-4Mから約1×10-5M、約1×10-5Mから約1×10-6M、約1×10-6から約1×10-7M、約1×10-7から約1×10-8M、約1×10-8Mから約1×10-9M、約1×10-9Mから約1×10-10M、約1×10-10Mから約1×10-11M、約1×10-11Mから約1×10-12M、約2×10-3Mから約2×10-4M、約2×10-4Mから約2×10-5M、約2×10-5Mから約2×10-6M、約2×10-6から約2×10-7M、約2×10-7から約2×10-8M、約2×10-8Mから約2×10-9M、約2×10-9Mから約2×10-10M、約2×10-10Mから約2×10-11M、約2×10-11Mから約2×10-12M、約3×10-3Mから約3×10-4M、約3×10-4Mから約3×10-5M、約3×10-5Mから約3×10-6M、約3×10-6から約3×10-7M、約3×10-7から約3×10-8M、約3×10-8Mから約3×10-9M、約3×10-9Mから約3×10-10M、約3×10-10Mから約3×10-11M、約3×10-11Mから約3×10-12M、約4×10-3Mから約4×10-4M、約4×10-4Mから約4×10-5M、約4×10-5Mから約4×10-6M、約4×10-6から約4×10-7M、約4×10-7から約4×10-8M、約4×10-8Mから約4×10-9M、約4×10-9Mから約4×10-10M、約4×10-10Mから約4×10-11M、約4×10-11Mから約4×10-12M、約5×10-3Mから約5×10-4M、約5×10-4Mから約5×10-5M、約5×10-5Mから約5×10-6M、約5×10-6から約5×10-7M、約5×10-7から約5×10-8M、約5×10-8Mから約5×10-9M、約5×10-9Mから約5×10-10M、約5×10-10Mから約5×10-11M、約5×10-11Mから約5×10-12M、約5×10-7Mから約5×10-11M、約5×10-7M、約1×10-7M、約5×10-8M、約1×10-8M、約5×10-9M、約1×10-9M、約5×10-10M、約1×10-10M、約5×10-11Mまたは約1×10-11MのKDでヒトTM4SF1に結合する。一部の実施形態において、KDは、HUVEC細胞を使用する標準的なフローサイトメトリーアッセイで決定される。一実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、TM4SF1を発現するHUVEC細胞を使用する標準的なフローサイトメトリーアッセイで、約5×10-10M以下のKDでヒトTM4SF1に結合する。
【0129】
[0138]一実施形態において、本開示の抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントのヒトTM4SF1への結合は、ヒトTM4SF1のECL2ループのグリコシル化に依存的でなく、すなわち、抗体の結合は、ECL2ループ(配列番号77)内のTM4SF1のグリコシル化から独立している。
【0130】
[0139]本開示の抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、いずれかのアイソタイプ(例えば、これらに限定されないが、IgG、IgM、およびIgE)のいずれかであり得る。特定の実施形態において、本開示の抗体またはその抗原結合フラグメントは、IgGアイソタイプである。具体的な実施形態において、本開示の抗体またはその抗原結合フラグメントは、IgG1、IgG2またはIgG4アイソタイプ由来である。特定の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒトIgG1、ヒトIgG2、またはヒトIgG4アイソタイプである。
【0131】
[0140]IgG2は、天然において、ADCCおよび/またはCDC活性が最も低い(Anら、MAbs.2009年11月~12月;1(6):572~579)。したがって、特定の実施形態において、IgG2は、有利に使用される。しかしながら、IgG2は、2つの余分なシステイン(4つのヒンジ間ジスルフィド結合を生じる)を有し、それにより抗体間ジスルフィド結合の形成を介した凝集が起こりやすくなる。関連する実施形態において、凝集を減少させるために、IgG2システインへの突然変異が作製される。
【0132】
[0141]本発明の開示は、TM4SF1に結合する抗体フラグメントを提供する。特定の環境において、全抗体よりも抗体フラグメントを使用するほうが利点がある。フラグメントのサイズが小さいほど迅速なクリアランスが可能になり、それにより細胞、組織、または臓器への改善された接近をもたらすことができる。特定の抗体フラグメントの総論に関して、Hudsonら、2003、Nature Med.9:129~34を参照されたい。
【0133】
[0142]抗体フラグメントを産生するための様々な技術が開発されてきた。従来、これらのフラグメントは、無傷の抗体のタンパク質分解消化を介して得られた(例えば、Morimotoら、1992、J.Biochem.Biophys.Methods 24:107~17;およびBrennanら、1985、Science 229:81~83を参照)。しかしながら、現在これらのフラグメントは、組換え宿主細胞によって直接産生することができる。Fab、Fv、およびscFv抗体フラグメントは全て、E.coliまたは酵母細胞で発現および分泌させることができ、したがって大量のこれらのフラグメントの容易な産生が可能である。抗体フラグメントは、上記で論じられた抗体ファージライブラリーから単離することができる。代替として、Fab’-SHフラグメントは、E.coliから直接回収し、化学的にカップリングして、F(ab’)2フラグメントを形成することができる(Carterら、1992、Bio/Technology 10:163~67)。別のアプローチによれば、F(ab’)2フラグメントは、組換え宿主細胞培養物から直接単離することができる。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含むインビボでの半減期が増加したFabおよびF(ab’)2フラグメントは、例えば、米国特許第5,869,046号に記載されている。抗体フラグメントを産生するための他の技術は、熟練した専門家には明らかであると予想される。特定の実施形態において、抗体は、単鎖Fvフラグメント(scFv)である(例えば、WO93/16185;米国特許第5,571,894号および第5,587,458号を参照)。FvおよびscFvは、定常領域を欠く無傷の結合部位を有する。したがってそれらは、インビボでの使用中における非特異的な結合の低減に適している可能性がある。scFv融合タンパク質を構築して、scFvのアミノまたはカルボキシ末端のいずれかにおけるエフェクタータンパク質の融合をもたらすことができる(例えば、Borrebaeck編、上記を参照)。抗体フラグメントはまた、「線状抗体」であってもよく、例えば、上記で引用された参考文献に記載されたものである。このような線状抗体は、単一特異性または多重特異性、例えば二重特異性であってもよい。
【0134】
[0143]特定の実施形態において、抗原結合フラグメントは、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、およびscFvからなる群から選択される。
【0135】
[0144]例えばヒトTM4SF1に高親和性を有する抗TM4SF1抗体(およびフラグメント)は、当技術分野において公知のスクリーニング技術を使用して同定することができる。例えば、モノクローナル抗体は、Kohlerら、1975、Nature 256:495~97により最初に説明されたハイブリドーマ方法を使用して作製してもよいし、または組換えDNA方法によって作製してもよい(例えば、米国特許第4,816,567号を参照)。
【0136】
[0145]ハイブリドーマ方法において、マウスまたは他の適切な宿主動物、例えばハムスターは、例えばヒトTM4SF1のECL2ループまたはTM4SF1を発現する細胞を使用することにより免疫化されて(それによってECL2ループが細胞表面上に発現される)、免疫化に使用されるタンパク質に特異的に結合すると予想される抗体を産生するかまたは産生することが可能なリンパ球を惹起する。代替として、リンパ球は、インビトロで免疫化されてもよい。免疫化後、リンパ球を単離し、次いで好適な融合剤、例えばポリエチレングリコールを使用して骨髄腫細胞株と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding、Monoclonal Antibodies:Principles and Practice 59~103(1986))。
【0137】
[0146]このようにして調製されたハイブリドーマ細胞は、好適な培養培地中にシーディングされ、増殖させ、このような培養培地は、特定の実施形態において、融合していない親の骨髄腫細胞(融合パートナーとも称される)の増殖または生存を阻害する1つまたは複数の物質を含有する。例えば、親の骨髄腫細胞が酵素のヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を喪失している場合、ハイブリドーマに選択的な培養培地は、典型的には、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含むと予想され(HAT培地)、これは、HGPRT欠損細胞の増殖を防止するものである。
【0138】
[0147]例示的な融合パートナーである骨髄腫細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による安定して高レベルの抗体産生を維持し、融合していない親細胞を選択する選択的な培地に感受性を有するものである。例示的な骨髄腫細胞株は、マウス骨髄腫株、例えばSP-2および誘導体、例えば、American Type Culture Collection(Manassas、Va.)より入手可能なX63-Ag8-653細胞、ならびにSalk Institute Cell Distribution Center(San Diego、Calif.)より入手可能なMOPC-21およびMPC-11マウス腫瘍由来のものである。またヒト骨髄腫およびマウス-ヒトヘテロミエローマ細胞株も、ヒトモノクローナル抗体産生に関して記載されている(Kozbor、1984、Immunol.133:3001~05;およびBrodeurら、Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications 51~63(1987))。
【0139】
[0148]ハイブリドーマ細胞が増殖する培養培地は、抗原に対して向けられたモノクローナル抗体の産生に関してアッセイされる。ハイブリドーマ細胞によって産生されたモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降によって、またはインビトロでの結合アッセイ、例えばRIAもしくはELISAによって決定される。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、Munsonら、1980、Anal.Biochem.107:220~39に記載されるスキャッチャード分析によって決定することができる。
【0140】
[0149]所望の特異性、親和性、および/または活性を有する抗体を産生するハイブリドーマ細胞が同定されたら、クローンを限界希釈法によってサブクローニングし、標準的な方法によって増殖させる(Goding、上記)。この目的のために好適な培養培地としては、例えば、DMEMまたはRPMI-1640培地が挙げられる。加えて、ハイブリドーマ細胞は、動物において腹水腫瘍として、例えばマウスへの細胞のi.p.注射によって、インビボで増殖させることができる。
【0141】
[0150]サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、好適には、培養培地、腹水、または血清から、例えば、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインAまたはプロテインG-セファロースを使用するもの)またはイオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析などの従来の抗体精製手順によって分離される。
【0142】
[0151]モノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順を使用して(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することが可能なオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)、容易に単離およびシーケンシングされる。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの源として役立つ可能性がある。DNAは、単離されたら、発現ベクターに入れてもよく、次いで発現ベクターは、トランスフェクトされなければ抗体タンパク質を産生しない宿主細胞、例えばE.coli細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞にトランスフェクトされて、組換え宿主細胞におけるモノクローナル抗体の合成が達成される。抗体をコードするDNAの細菌における組換え発現に関する総論としては、Skerraら、1993、Curr.Opinion in Immunol.5:256~62およびPluckthun、1992、Immunol.Revs.130:151~88が挙げられる。
【0143】
[0152]さらなる実施形態において、モノクローナル抗体または抗体フラグメントは、例えば、Antibody Phage Display: Methods and Protocols(O’BrienおよびAitken編、2002)に記載される技術を使用して生成した抗体ファージライブラリーから単離することができる。原則的に、合成抗体クローンは、ファージコートタンパク質に融合した抗体可変領域(Fv)の様々なフラグメントを提示するファージを含有するファージライブラリーをスクリーニングすることによって選択される。このようなファージライブラリーは、所望の抗原に対してスクリーニングされる。所望の抗原に結合することが可能なFvフラグメントを発現するクローンは抗原に吸着されるため、ライブラリー中の非結合クローンから分離される。次いで結合クローンは抗原から溶出され、さらに、抗原吸着/溶出の追加のサイクルによって濃縮することができる。
【0144】
[0153]可変ドメインは、例えばWinterら、1994、Ann.Rev.Immunol.12:433~55に記載されるように、VHとVLとが短いフレキシブルなペプチドを介して共有結合で連結されている単鎖Fv(scFv)フラグメントとして、またはそれぞれ定常ドメインに融合しており、非共有結合によって相互作用するFabフラグメントとしてのいずれかで、ファージ上に機能的に提示させることが可能である。
【0145】
[0154]VHおよびVL遺伝子のレパートリーは、PCRによって別々にクローニングし、ファージライブラリー中でランダムに組み換えることができ、これは次いで、Winterら、上記に記載されるように、抗原結合クローンに関して検索することができる。免疫化源からのライブラリーは、ハイブリドーマを構築することを必要とせずに、免疫原に対して高親和性の抗体を提供する。代替として、Griffithsら、1993、EMBO J 12:725~34で記載されるように、ナイーブレパートリーをクローニングして、免疫化をまったく行わなくても、多様な非自己に対する、さらには自己抗原にも対するヒト抗体の単一の源を提供することができる。最後に、ナイーブライブラリーはまた、例えば、HoogenboomおよびWinter、1992、J.Mol.Biol.227:381~88によって記載されるように、幹細胞からの再配列されていないV-遺伝子セグメントをクローニングし、ランダム配列を含有するPCRプライマーを使用して、高度に可変性のCDR3領域をコードし、インビトロでの再配列を達成することによって、合成的に作製することもできる。
【0146】
[0155]ライブラリーのスクリーニングは、当技術分野において公知の様々な技術によって達成することができる。例えば、TM4SF1(例えば、ECL2ループまたは前記ループを発現する細胞の可溶性形態)を使用して、吸着プレートのウェルをコーティングする、吸着プレートに付着させた宿主細胞上で発現させる、またはセルソーティングで使用する、ストレプトアビジンでコーティングされたビーズを捕獲するためにビオチンにコンジュゲートする、またはディスプレイライブラリーをパニングするための他のあらゆる方法で使用することができる。遅い解離速度論(例えば、優れた結合親和性)を有する抗体の選択は、Bassら、1990、Proteins 8:309~14およびWO92/09690に記載されるように、長い洗浄および1価ファージディスプレイの使用によって、さらに、Marksら、1992、Biotechnol.10:779~83に記載されるように抗原の低いコーティング密度の使用によって向上させることができる。
【0147】
[0156]抗TM4SF1抗体は、目的のファージクローンを選択するのに好適な抗原スクリーニング手順を設計し、それに続き、目的のファージクローンからの、VHおよび/もしくはVL配列(例えば、Fv配列)、またはVHおよびVL配列からの様々なCDR配列、ならびにKabatら、上記に記載される好適な定常領域(例えば、Fc)配列を使用して全長抗TM4SF1抗体クローンを構築することにより得ることができる。
【0148】
[0157]抗TM4SF1抗体のスクリーニングは、抗体がTM4SF1のECL2ループに治療的な親和性を有するかどうかを決定するために、当技術分野において公知の、および本明細書に記載される結合アッセイを使用して実行することができる。転移性の細胞活性を阻害したりまたは減少させたりする抗体の能力は、当技術分野における標準的なアッセイや、本明細書に記載される標準的なアッセイを使用して測定することができる。前臨床アッセイは、一般的に以下の3つのタイプのうち1つの転移の動物モデルの使用を必要とする:(i)転移性マウス腫瘍細胞、例えばB16F10黒色腫TCを、一般的に、肺転移を生成するために尾静脈注射を介して、肝臓転移を生成するために門脈または脾臓内注射を介して、または骨および他の転移を生成するために心臓の左心室への注射を介してマウスに注射すること;(ii)転移性腫瘍細胞または無傷の腫瘍フラグメントを、マウスに同所移植することであり、この方法はしばしば、原発性腫瘍増殖に関連する罹患率を抑えるために後の原発性腫瘍の外科的切除を必要とするもの;および(iii)遺伝子操作された自然転移のマウスモデルであり、そのうち最も一般的なものは、MMTV-Pyt(マウス乳がんウイルス-ポリオーマウイルス中型T抗原)マウス乳癌モデルであり、これは、ヒトがん転移の極めてリアルなマウスモデルを提供し、半接合MMTV-PyMT雌の85%より多くが、8~16週齢で肺に転移する触診可能な乳がんを自然に発症するもの。生きた動物を画像化するか、またはTM4SF1免疫遮断(immunoblockade)の程度の関数として致死させた動物の肺における転移性小結節を直接計数するかのいずれかによって肺における転移性の負荷量を定量化して、治療的なレベル、例えば肺転移の少なくとも50%の低減が達成されることが、治療抗体が例えば本開示の方法で使用できることの指標となると予想される。さらに、異種間反応性アッセイは、当技術分野において公知である。使用できるアッセイの例は、例えば、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれるKhannaおよびHunter(Carcinogenesis.2005年3月;26(3):513~23)ならびにSaxenaおよびChristofori(Mol Oncol.2013年4月;7(2):283~96)に記載される。
【0149】
[0158]一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体およびその抗原結合フラグメントは、例えばがんを処置または予防するために使用され得る。特定の実施形態において、本開示の抗TM4SF1抗体および抗原結合フラグメントは、腫瘍細胞の転移を予防するのに使用することができる。本開示の抗TM4SF1抗体およびその抗原結合フラグメントは、一部の例において、腫瘍細胞と血管内皮細胞との相互作用を妨害することによって腫瘍細胞の転移を予防する。
【0150】
[0159]本開示の一実施形態は、抗血管新生抗体、例えば抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントおよび免疫療法剤を含む組合せ剤であって、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントが、改変されたFc領域、例えば1つまたは複数の突然変異を含む、改変されたIgG領域(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)を含む、組合せ剤を提供する。一部の場合において、Fc領域における前記1つまたは複数の突然変異は、1)エフェクター機能の低減、2)半減期調節、3)安定性、および4)下流プロセスなどの改善の領域において、そのような改変されたFc領域を含む薬物の改善をもたらす。一部の場合において、改変されたFc領域は、抗体と免疫系の間の相互作用を低減または消失する1つまたは複数の突然変異を含み得る。重要な相互作用は、抗体Fcと白血球および血小板上のFcγ受容体、および補体依存性細胞傷害をもたらす補体系のC1qとの相互作用を含み得る。
【0151】
[0160]本発明の開示は、一部の場合において、例えば、Fc領域、そのような場合では改変されたFc領域、例えば、改変されたIgG Fc領域において免疫消失突然変異を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組合せ剤を提供する。一部の実施形態において、改変されたFc領域は、N297位に改変を含む。一部の実施形態において、改変されたFc領域は、E233、L234またはF234、L235、G237、P238、F243、T250、M252、S254、T256、E258、D259、V264、D265、K288、N297、T299、T307、V308、Q311、K322、L328、P329、A330、P331、T356、K370、A378、R409、V427、M428、H433、N434、およびH435位、またはこれらの任意の組合せに、1つまたは複数の突然変異を含む、改変されたIgG Fc領域(例えば、改変されたIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4 Fc領域)を含む。一部の実施形態において、Fc領域は、正電荷がC末端で維持されるように、そのC末端に残基の伸長を含む(例えば、一部の場合において、抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントが2つの重鎖を含む場合、少なくとも1つの重鎖がC末端に残基の伸長を含む)。残基のそのような伸長は、1つまたは複数のアミノ酸、例えばアルギニン、リジン、プロリン、またはこれらの任意の組合せの付加を含み得る。一部の例において、Fc領域の伸長したC末端は、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントのCDC機能の低減をもたらす。そのような効果は、一部の場合において、単独または他の突然変異との組合せで、IgG1またはIgG4におけるFcのK447の後のKP残基の付加によって見られる(例えば、K322A、P331G-IgG1)。
【0152】
[0161]一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組合せ剤が提供され、Fc領域残基238、265、269、270、297、327および329の1つまたは複数の置換を含む、エフェクター機能が低減した抗体を含み得る(例えば、米国特許第6,737,056号参照)。一部の場合において、Fc領域におけるそのような突然変異は、アミノ酸位置265、269、270、297および327の2つまたはそれ以上における置換、例えば、残基265および297のアラニンへの置換(DANA突然変異、すなわちD265AおよびN297A)を含み得る(例えば、米国特許第7,332,581号参照)。一部の場合において、Fc領域における突然変異は、アミノ酸位置E233、L234、L235、G237、D265、N297、K322、およびP331の1つまたは複数において置換を含み得る。一部の場合において、Fc領域における突然変異は、E233P、L234A、L235A、G237A、D265A、N297A、K322A、およびP331Gの少なくとも1つ、またはこれらの任意の組合せを含み得る。例えば、Fc領域における突然変異は、L234A/L235A/G237A(IgG1)、またはF234A/L235E(IgG4)を含んでよく、そのような突然変異を含む抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントは、変更されたFcgRI相互作用を示し得る。
【0153】
[0162]一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組合せ剤が提供され、以下の突然変異:M428位およびN434位におけるアミノ酸置換(M428L、N434S)を含むFcバリアントを含み得る(例えば、US9803023を参照)。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、以下の突然変異:T250位およびM428位におけるアミノ酸置換(T250Q、M428L)を含むFcバリアントを含み得る(例えば、US9803023を参照)。
【0154】
[0163]一部の実施形態において、突然変異D265AおよびN297Aを含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組合せ剤を提供する。一部の場合において、野生型ヒトFc領域の329位のプロリン(P329)は、グリシンまたはアルギニン、またはFcのP329とFcgRIIIのトリプトファン残基W87およびW110の間に形成される、Fc/Fcy受容体界面内のプロリンサンドイッチを破壊するのに十分な大きさのアミノ酸残基と置換され得る(例えば、Sondermannら、Nature 406、267~273(20 July 2000)を参照)。さらなる実施形態において、Fc領域における突然変異は、S228P(IgG4)、E233P、L234A、L235A、L235E、N297A、N297D、またはP331Sなどの1つまたは複数のアミノ酸置換、さらに他の実施形態において、ヒトIgG1 Fc領域のL234AおよびL235AまたはヒトIgG4 Fc領域のS228PおよびF234A、L235A、またはL235Eを含み得る。
【0155】
[0164]一部の実施形態において、ヒトIgG Fc領域のP329がグリシンによって置換された野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントであり、Fcバリアントが、ヒトIgG1 Fc領域のL234AおよびL235AまたはヒトIgG4 Fc領域のS228PおよびL235Eにおいて少なくとも2つのさらなるアミノ酸置換を含み、残基がEU番号付けに従って番号付けされる、改変されたFc領域を含む(例えば、US8969526を参照)、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組合せ剤を提供する。P329G、L234AおよびL235A置換を含むポリペプチドは、野生型ヒトIgG Fc領域を含むポリペプチドによって誘導されるADCCの少なくとも20%までADCCの下方調節、および/またはADCPの下方調節のために、ヒトFcyRIIIAおよびFcyRIIAへの親和性の低減を示し得る(例えば、US8969526を参照)。
【0156】
[0165]一部の実施形態において、三重突然変異:P329位におけるアミノ酸置換、L234AおよびL235A突然変異(P329/LALA)を含むFcバリアントを含む(例えば、US8969526を参照)、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組合せ剤を提供する。
【0157】
[0166]本開示の特定の抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントは、本明細書に提供される組合せ剤の一部の実施形態において、FcRへの、改善または減退された結合を示す突然変異を含み得る(例えば、US6737056、WO2004/056312、およびShieldsら、J.Biol.Chem.9(2):6591~6604(2001)を参照)。
【0158】
[0167]一部の例において、ADCCを改善する1つまたは複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の298位、333位、および/または334位における置換を有するFc領域を含み得る、抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントを含む組合せ剤を提供する。例えば、US6194551、WO99/51642、およびIdusogieら(2000)J.Immunol.164:4178~4184に記載されるように、変更された(すなわち、改善または減退された)C1q結合および/または補体依存性細胞傷害(CDC)を生じる変更が、Fc領域に行われ得る。
【0159】
[0168]増加した半減期および新生児のFc受容体(FcRn)への結合が改善された抗体も、組合せ剤の一部の実施形態において、本明細書に提供する。母親のIgGの胎児への移行のためのその機能にちなんで名付けられたFcRnはまた、それらをエンドソームにおいて捕捉し、それらを循環に戻すことにより、リソソームにおける分解から抗体を保護することに寄与する。(例えば、Guyerら、J.Immunol.117:587(1976)およびKimら、J.Immunol.24:249(1994)を参照)、US2005/0014934に記載される。いずれの特定の理論にも縛られることなく、FcRnへの結合が改善した抗体は、TM4SF1から離れ、FcRnに結合し、次いで抗体をリサイクルして循環に戻し、したがって血管毒性を低減させると考えられる。一部の実施形態において、本明細書では、FcRnリサイクルを強化する1つまたは複数の置換を有するFc領域を含む、抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントを含む組合せ剤を提供する。一部の実施形態において、本明細書では、FcRnへのFc領域の結合を改善する1つまたは複数の置換、例えば、位置:238、250、252、254、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、428、424、434、および435の1つまたは複数における置換、例えば、EU番号付けに従ってFc領域残基434の置換(US7371826)を有するFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組合せ剤を提供する。Fc領域バリアントの他の例に関し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Duncan&Winter,Nature 322:738~40(1988);US5648260;US5624821;US2005/0014934およびWO94/29351も参照されたい。
【0160】
[0169]一部の実施形態において、本明細書では、pH依存的FcRn結合親和性を有する、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組合せ剤を提供する。いずれの特定の理論にも縛られることなく、pH依存的FcRn結合親和性を有する抗体またはその抗原結合フラグメントは、pH>7でFcRnから離れ、pH6でFcRnに結合すると考えられる。したがって、酸性pHの細胞内小器官、例えばエンドソームにおけるFcRnは、そのような抗体を結合し、抗体を細胞膜へと運び戻し、pH>7で血漿へと抗体を放出し、抗体をリサイクルする。
【0161】
[0170]特定の実施形態において、本明細書では、FcRnリサイクルを調節する1つまたは複数の置換を有するFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組合せ剤を提供する。一部の実施形態において、本明細書は、酸性pH、例えばpH6でのFcRn結合を強化し、中性または塩基性pH、例えばpH7でのFcRn結合に影響しない、1つまたは複数の置換を含む抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組合せ剤を提供する。一部の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、EU番号付けに従って、250位、252位、254位、256位、428位、および434位の1つまたは複数に置換を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、置換T250Q、M252Y、S254T、T256E、M428L、およびN434Sの1つまたは複数を含むFcバリアントを含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、置換T250QおよびM428L(「QL突然変異」)を含むIgG1 Fcバリアントを含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、置換T250QおよびM428L(「QL突然変異」)を含むIgG4 Fcバリアントを含み得る、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、置換M252Y、S254T、およびT256E(「YTE突然変異」)を含むIgG1 Fcバリアントを含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、置換M428LおよびN434S(「LS突然変異」)を含むIgG1 Fcバリアントを含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、置換M428LおよびN434S(「LS突然変異」)を含むIgG4 Fcバリアントを含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。FcRnリサイクルを調節するFc領域におけるアミノ酸置換の効果は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Hamblettら、Mol.Pharm.13(7):2387~96(2016);Dall’Acquaら、J.Biol.Chem.281(33):23514~24(2006)、Hintonら、J.Biol.Chem.279(8):6213~6(2003)、Hintonら、J.Immunol.、176(1):346~56(2006)、US20080181887、US7361740、およびEP2235059に記載される。
【0162】
[0171]特定の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG1アイソタイプであり、T250Q、M252Y、S254T、T256E、M428L、およびN434Sからなる群から選択される1つまたは複数の置換を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG4アイソタイプであり、T250Q、M252Y、S254T、T256E、M428L、およびN434Sからなる群から選択される1つまたは複数の置換を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG1アイソタイプであり、置換T250QおよびM428L含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG1アイソタイプであり、置換M252Y、S254T、およびT256E含むFcバリアントを含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG4アイソタイプであり、置換M252Y、S254T、およびT256E含むFcバリアントを含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG1アイソタイプであり、置換M428LおよびN434Sを含むFcバリアントを含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG4アイソタイプであり、置換M428LおよびN434S含むFcバリアントを含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0163】
[0172]一部の実施形態において、本明細書に開示の組合せ剤は、増加したFcRn結合親和性および増加した血清半減期を有する突然変異したFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。特定の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、少なくとも10日、少なくとも15日、少なくとも20日、少なくとも25日、少なくとも30日、少なくとも35日、少なくとも40日、少なくとも50日、少なくとも60日、少なくとも70日、少なくとも80日、少なくとも90日、少なくとも100日またはそれ以上の血清半減期を有する突然変異したFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0164】
[0173]特定の実施形態において、組合せ剤は、低減された血管毒性、改善された治療限界、または両方を示す、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。特定の実施形態において、本開示の組合せ剤は、本開示の抗体と同じアミノ酸配列を有するがFc領域への少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、置換、または欠失を含まない抗体(本明細書では、「改変されていない抗体」とも称される)と比較して、エフェクター機能を促進することに関与するFcリガンドへの親和性が低減または消失している突然変異したFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0165】
[0174]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、抗体またはその抗原結合フラグメントのADCCおよび/またはCDCエフェクター機能を低減または消失する少なくとも2つの突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。さらなる実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、抗体またはその抗原結合フラグメントのADCCおよび/またはCDCエフェクター機能を低減するまたは消失させる、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10個またはそれより多くの突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0166】
[0175]特定の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG1アイソタイプであり、E233P、L234V、L234A、L235A、G236デルタ(欠失)、G237A、V263L、N297A、N297D、N297G、N297Q、K322A、A327G、P329A、P329G、P329R、A330S、P331A、P331G、およびP331Sからなる群から選択される1つまたは複数の突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0167】
[0176]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG1アイソタイプであり、G237A突然変異と共に、またはG237A突然変異なしで、L234A/L235A突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、IgG1アイソタイプであり、L234A、L235A、およびG237A突然変異を含むFc領域を含む。
【0168】
[0177]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG1アイソタイプであり、A327G/A330S/P331S突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0169】
[0178]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG1アイソタイプであり、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるAn Zら、Mabs 2009 Nov-Ec;1(6):572~9で記載されるように、FcγRI(本明細書ではFcgRIとも称される)、FcγRIIA(本明細書ではFcgRIIAとも称される)、FcγRIIIA(本明細書ではFcgRIIIAIとも称される)への低減した結合、および低減したADCCおよびCDCエフェクター機能を提供する、E233P/L234V/L235A/デルタG236(欠失)突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0170】
[0179]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG1アイソタイプであり、N297x突然変異(式中、x=A、D、G、Q)を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0171】
[0180]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG1アイソタイプであり、A327G/A330S/P331S突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0172】
[0181]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG1アイソタイプであり、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるCanfield & Morrison.J Exp Med(1991)173(6):1483~91.10.1084で記載されるように、C1qへの低減した結合を提供するK322A、P329A、およびP331Aの1つまたは複数に突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0173】
[0182]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG1アイソタイプであり、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるHezarehら、J Virol.2001 Dec;75(24):12161~8に記載されるように、FcγRIIB(本明細書ではFcgRIIBとも称される)への強化された結合および強化されたADCCを提供するV263L突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0174】
[0183]他の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG1アイソタイプであり、L234A/L235A、G237AまたはL235E突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0175】
[0184]他の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG1アイソタイプであり、L234F、L235EまたはP331S突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0176】
[0185]特定の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG2アイソタイプであり、V234A、G237A、P238S、H268AまたはH268Q、V309L、A330SおよびP331Sからなる群から選択される1つまたは複数の突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0177】
[0186]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG2アイソタイプであり、A330S/P331S突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0178】
[0187]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG2アイソタイプであり、A330S/P331S、V234A/G237A/P238S/H268A/V309L/A330S/P331SまたはH268Q/V309L/A330S/P331S突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0179】
[0188]他の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG4アイソタイプであり、S228P、E233P、F234A、F234V、L235E、L235A、G236デルタ(欠失)、N297A、N297D、N297G、N297Q、P329G、P329Rからなる群から選択される1つまたは複数の突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0180】
[0189]特定の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG4アイソタイプであり、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChappelら、Proc Natl Acad Sci USA(1991)88(20):9036~40に記載されるように、低減したFab-アーム交換および低減した凝集を提供するS228P突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0181】
[0190]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG4アイソタイプであり、S228P/L235E突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0182】
[0191]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG4アイソタイプであり、S228P/E233P/F234V/L235A/デルタG236(欠失)突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0183】
[0192]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG4アイソタイプであり、N297x突然変異(式中、x=A、D、G、Q)を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0184】
[0193]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG4アイソタイプであり、S228P/F234A/L235A突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0185】
[0194]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG4アイソタイプであり、例えば、Saxenaら、Front Immunol.2016 Dec 12;7:580に記載されるように、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIIAへの低減した結合および低減したADCCおよびCDCエフェクター活性を提供するL235E突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0186】
[0195]他の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG4アイソタイプであり、S228P/F234A/L235AまたはE233P/L235A/G236D突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0187】
[0196]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG4アイソタイプであり、少なくともS228P突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。例えば、Angalら(Mol Immunol.1993 Jan;30(1):105~8)は、残基241におけるセリンの存在(EU番号付けシステムに従って、ここではKabat番号付けにおける残基228に対応する)が、分泌されたヒトIgG4の所定の割合において、ヒンジ領域における重鎖間ジスルフィド架橋の不均質性の原因であることを決定するための、ヒトIgG4重鎖のヒンジ配列の分析を記載していることを参照されたい。Silvaら(J Biol Chem.2015 Feb 27;290(9):5462~9)は、インビボおよびインビトロにおけるIgG4 Fab-アーム交換を防止するヒトIgG4におけるS228P突然変異を記載していることを参照されたい。
【0188】
[0197]他の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG4アイソタイプであり、L235EまたはS228P突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0189】
[0198]他の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG4またはIgG1アイソタイプであり、N297A、N297DまたはN297G突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0190】
[0199]他の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、IgG4またはIgG1アイソタイプであり、P329G、P329R突然変異を含むFc領域を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0191】
[0200]例示的な実施形態の一つにおいて、いずれかのIgGアイソタイプの突然変異したFc領域が、234位、235位、236位、237位、297位、318位、320位、322位(参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO1988007089に記載される通り)に1つまたは複数の突然変異を含む。また置換、欠失および付加などのFc領域における他の可能性のある突然変異は、例えば、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれるUS20140170140、WO2009100309、US20090136494およびUS8969526にも記載される。
【0192】
[0201]インビトロおよび/またはインビボの細胞傷害性アッセイは、CDCおよび/またはADCC活性の低減または消失を確認するのに実行することができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイを実行して、抗体がFcγR結合を喪失しているが(したがってADCC活性を喪失している可能性がある)、FcRn結合能力を保持することを確認することができる。ADCCを媒介するための初代細胞、NK細胞は、FcγRIIIのみを発現するが、それに対して単球は、FcγRI、RIIおよびRIIIを発現する。目的の分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの非限定的な例は、米国特許第5,500,362号(例えばHellstrom,I.ら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 83(1986)7059~7063を参照)およびHellstrom,I.ら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 82(1985)1499~1502;米国特許第5,821,337号(Bruggemann,M.ら、J.Exp.Med.166(1987)1351~1361を参照)に記載される。代替として、非放射性アッセイ方法が採用される場合がある(例えば、フローサイトメトリーのためのACTI(商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(CellTechnology,Inc.Mountain View、Calif.;およびCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(Promega、Madison、Wis.)を参照されたい。このようなアッセイのための有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。代替として、または加えて、目的の分子のADCC活性は、インビボで、例えば、例えばClynesら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 95(1998)652~656で開示された動物モデルで、評価することができる。またC1q結合アッセイを行って、抗体が、C1qに結合できないこと、したがってCDC活性を喪失していることを確認することもできる。例えば、WO2006/029879およびWO2005/100402に記載のC1qおよびC3c結合ELISAを参照されたい。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを実行することができる(例えば、Gazzano-Santoroら、J.Immunol.Methods 202(1996)163;Cragg,M.S.ら、Blood 101(2003)1045~1052;ならびにCragg,M.S.、およびGlennie,M.J.、Blood 103(2004)2738~2743を参照)。またFcRn結合およびインビボにおけるクリアランス/半減期の決定も、当技術分野において公知の方法を使用して実行することができる(例えば、Petkova,S.B.ら、Int’l.Immunol.18(12)(2006)1759~1769を参照)。
【0193】
[0202]一部の実施形態において、いずれかのIgGアイソタイプの突然変異したFc領域が、L328位に突然変異、例えばL328M、L328D、L328E、L328N、L328Q、L328F、L328I、L328V、L328T、L328H、L328Aを含む(例えば、US20050054832を参照)。
【0194】
[0203]一実施形態において、本開示に提供される組合せ剤の抗体またはその抗原結合フラグメントは、改変されていない抗体と比較して、低減または消失したADCCエフェクター機能を示す。別の実施形態において、本開示に提供される組合せ剤の抗体またはその抗原結合フラグメントは、改変されていない抗体のADCCエフェクター機能の、2分の1以下、または3分の1以下、または5分の1以下、または10分の1以下、または50分の1以下、または100分の1以下に低減したADCCエフェクター機能を示す。さらに別の実施形態において、本開示に提供される組合せ剤の抗体またはその抗原結合フラグメントは、改変されていない抗体と比べて、少なくとも10%、または少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも100%低減したADCCエフェクター機能を示す。本開示に提供される組合せ剤のさらなる態様において、本開示の抗体またはその抗原結合フラグメントにより誘発されたADCCエフェクター機能の低減または下方調節は、改変されていない抗体によるADCCの誘発について観察された値の0、2.5、5、10、20、50または75%の低減である。特定の実施形態において、ADCC活性の低減および/または消失は、本開示の抗体またはその抗原結合フラグメントのFcリガンドおよび/または受容体に対する低減した親和性に起因する可能性がある。
【0195】
[0204]本開示の一実施形態は、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントおよび免疫療法剤を含む組合せ剤であって、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントがTM4SF1へのpH依存的な結合親和性を示す、組合せ剤を提供する。一部の例において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、他のpH範囲と比較して、特定のpH範囲において高い親和性でTM4SF1に結合する。例えば、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、酸性pHにおいて、中性pHまたは塩基性pHとは異なる親和性でTM4SF1に結合し得る。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、酸性pHにおいて、中性pHまたは塩基性pHよりも高い親和性でTM4SF1に結合する。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、酸性pHにおいて、中性pHまたは塩基性pHよりも低い親和性でTM4SF1に結合する。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、酸性pHにおいてTM4SF1に結合し、中性pHまたは塩基性pHにおいてTM4SF1から解離する。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、pH7またはそれ以上でTM4SF1に結合し、pH6またはそれ以下でTM4SF1から離れる。血漿、サイトゾル、および核などの細胞内区画では、pHは中性または塩基性である。リソソームまたはエンドソームでは、pHは酸性である。いずれの理論にも縛られることなく、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは抗原に結合し、続いてエンドソームの膜において内部移行する。pH依存的抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、エンドソームにおいてTM4SF1から離れ、エンドソーム内のFcRn受容体に結合することができ、FcRn受容体によってリサイクルされ、エンドソームが進行するリソソームにおいて分解されるよりも循環に戻され得る。したがって、pH依存的抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、複数回TM4SF1抗原に結合することができる。したがって、pH依存的抗TM4SF1抗体およびそれと会合される治療分子またはペイロードは、リソソームにおいてペイロードを放出することなく、FcRn受容体によってリサイクルされ得る。
【0196】
[0205]本明細書では、抗体-TM4SF1結合が、少なくとも2、3、4、8、10、16もしくはそれ以上、または2、3、4、8、10、16もしくはそれ以上の間の範囲である、pH6.0/pH7.4でのKd比および/またはKoff比を有するように、抗体のpKaに影響する微小環境を最適化する抗体CDRヒスチジン残基または他の残基を選択するステップを含む、pH依存的な方法で抗体-TM4SF1結合親和性を調節するステップにより増加された半減期および/または薬力学的効果を有する、本明細書に提供される組合せ剤のための、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを作製する方法も開示する。一部の実施形態において、方法は、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントにアミノ酸置換を導入し、25℃で測定した場合に少なくとも100nMのpH7.4でのKDを有するTM4SF1親和性を達成するステップを含む。特定の実施形態において、前記方法は、pKaに影響する微小環境を最適化するCDR残基または他の残基においてヒスチジンが濃縮された抗体ライブラリーを生成するステップを含む。一部の実施形態において、抗体ライブラリーは、CDR位置に導入されたヒスチジン残基を有する抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部の実施形態において、抗体ライブラリーは、一連の抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含み、抗体ライブラリーの各抗TM4SF1抗体は、異なるCDR位置に単一のヒスチジン置換を含む。一部の実施形態において、抗体ライブラリーは、それぞれヒスチジン残基に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17個の突然変異を含む、一連の抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部の実施形態において、抗体ライブラリーのTM4SF1抗体または抗原フラグメントの少なくとも1つにおいて、全てのCDR位置がヒスチジンに突然変異される。
【0197】
[0206]一部の実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、CDR領域において1、2、3、4、5またはそれ以上のヒスチジン置換を含む、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。ヒスチジン残基は、pH依存的な結合親和性のため、抗TM4SF1抗体軽鎖(LC)または重鎖(HC)の異なる位置に操作され得る。したがって、一部の実施形態において、本明細書では、ヒスチジン操作された抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを有する組合せ剤が提供される。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、軽鎖可変領域(VL)のCDR1、CDR2、および/またはCDR3に1つまたは複数のヒスチジン残基を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、軽鎖可変領域(VL)のCDR1に1つまたは複数のヒスチジン残基を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、軽鎖可変領域(VL)のCDR2に1つまたは複数のヒスチジン残基を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、軽鎖可変領域(VL)のCDR3に1つまたは複数のヒスチジン残基を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域(VH)のCDR1、CDR2、および/またはCDR3に1つまたは複数のヒスチジン残基を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域(VH)のCDR1に1つまたは複数のヒスチジン残基を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域(VH)のCDR2に1つまたは複数のヒスチジン残基を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域(VH)のCDR3に1つまたは複数のヒスチジン残基を含む。したがって、一部の実施形態において、本開示の組合せ剤は、ヒスチジン操作された抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0198】
[0207]一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、軽鎖のCDR1、CDR2、および/またはCDR3、例えば配列番号101または配列番号131の30位(S30H)、92位(S92H)、および93位(N93H)の1つまたは複数に、1つまたは複数のヒスチジン残基を含む。一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントは、重鎖のCDR1、CDR2、および/またはCDR3、例えば配列番号92または配列番号130の28位(T28H)、31位(N31H)、32位(Y32H)、52位(N52H)、54位(Y54H)、57位(N57H)、100位(Q100H)、および101位(Y101H)の1つまたは複数に、1つまたは複数のヒスチジン残基を含む。
【0199】
III.抗体薬物コンジュゲート
[0208]一実施形態において、本明細書では、ペイロードに連結された免疫療法剤および抗血管新生抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組合せ剤が提供される。一部の実施形態において、抗体は、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、ペイロードは小分子、タンパク質、ペプチド、抗体、またはこれらの任意の組合せである。一部の実施形態において、治療剤または診断剤にコンジュゲートされた抗血管新生抗体(例えば、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメント)を含むADCを含む組合せ剤が提供される。
【0200】
[0209]一部の実施形態において、治療剤は、生物学的に活性な成分である。一部の実施形態において、生物学的に活性な成分は、放射性同位体、細胞傷害性物質、化学療法剤、タンパク質、ペプチド、抗体、増殖阻害剤、プロドラッグ活性化酵素、および抗ホルモン剤を含む。一部の実施形態において、治療分子は、小分子(例えばがんおよびがんでない血管新生兆候の両方);V-ATPアーゼ阻害剤;アポトーシス促進剤;Bcl2阻害剤;MCL1阻害剤;HSP90阻害剤;IAP阻害剤;mTor阻害剤;微小管安定化剤;微小管不安定化剤;オーリスタチン;ドラスタチン;メイタンシノイド;MetAP(メチオニンアミノペプチダーゼ);タンパク質CRM1の核外移行の阻害剤;DPPIV阻害剤;プロテアソーム阻害剤;ミトコンドリアにおけるホスホリル転移反応の阻害剤;タンパク質合成阻害剤;キナーゼ阻害剤;(例えば、CDK2阻害剤、CDK9阻害剤);キネシン阻害剤、HDAC阻害剤、DNA傷害剤、DNAアルキル化剤、DNAインターカレーター、DNA副溝結合剤、DHFR阻害剤、核酸、CRISPR酵素;分解剤(例えばタンパク質分解を誘導する薬剤、(例えば、HSP90阻害剤、選択的エストロゲン受容体分解剤(SERD)、選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD);目的のタンパク質にシャペロンを動員するために使用され得る疎水性タグ、例えばアダマンタン、Arg-Boc3;E3リガーゼを動員するリガンド、例えばNutlin-3a(MDM2リガンド)、ベスタチン(cIAPリガンド)、VHLリガンド、ポマリドミド(CRBNリガンド);分解のために目的のタンパク質を標的化する異なるD3リガーゼを利用し得る、タンパク質分解誘導性キメラ(PROTAC))(例えば、Lai AC,Crews CM.Induced protein degradation:an emerging drug discovery paradigm.Nat Rev Drug Discov.2016;16(2):101~114を参照);アンチセンスオリゴヌクレオチド;RNAi剤(例えばsiRNA);CRISPR-Cas9遺伝子編集システム;RNA分子;DNA、例えばプラスミド;抗がん剤、抗炎症剤、抗感染剤(例えば抗真菌剤、抗菌剤、抗寄生虫剤、抗ウイルス剤)、麻酔剤;RNAポリメラーゼII阻害剤;DNA挿入剤、DNA架橋剤;抗チューブリン剤;細胞傷害性薬、腫瘍ワクチン、抗体、ペプチド、ペプチボディー、化学療法剤、細胞傷害性剤;細胞増殖抑制剤;免疫調整剤、インターフェロン、インターロイキン、免疫賦活性の成長ホルモン、サイトカイン、ビタミン、ミネラル、アロマターゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)、HDAC阻害剤、1つまたは複数の治療分子をカプセル化する脂質ナノ粒子を含む。
【0201】
[0210]一部の実施形態において、放射性同位体は、211At、131I、125I、90Y、186Re、153Sm、212Bi、32P、およびLuの放射性同位体からなる群から選択される1つまたは複数の種であり得るが、これらに限定されない。一部の実施形態において、プロドラッグ活性化酵素は、アルカリホスファターゼ、アリルスルファターゼ、シトシンデアミナーゼ、プロテアーゼ、D-アラニルカルボキシペプチダーゼ、炭水化物切断酵素、P-ラクタマーゼ、およびペニシリンアミダーゼからなる群から選択される1つまたは複数の種であるが、これらに限定されない。
【0202】
[0211]細胞傷害性剤は、一部の実施形態において、リシン、サポリン、ゲロニン、モモルジン、デブーガニン(debouganin)、ジフテリア毒素、緑膿菌毒素等からなる群から選択される1つまたは複数を含むが、これらに限定されない。細胞傷害性剤は、一部の例において、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、パクリタキセル、メルファラン、ドキソルビシン、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、エトポシド、メクロレタミン、シクロホスファミド、ブレオマイシン、カリケアミシン、メイタンシン、トリコテセン(trichothene)、CC1065、ジフテリアA鎖、緑膿菌外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ-サルシン、シナアブラギリ(Aleuritesfordii)タンパク質、ジアンチンタンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolaca americana)タンパク質、ニガウリ(momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ(sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、マイトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、トリコテセン(tricothecene)、リボヌクレアーゼおよびデオキシリボヌクレアーゼからなる群から選択される1つまたは複数の種であるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、細胞傷害性剤は、デュオカルマイシン、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)、モノメチルオーリスタチンF(MMAF)、N2’-デアセチル-N2’-(3-メルカプト-1-オキソプロピル)メイタンシン(DM1)、PBD(ピロロベンゾジアゼピン)二量体、デュオカルマイシン、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)、モノメチルオーリスタチンF(MMAF)からなる群から選択される1つまたは複数の種であるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、細胞傷害性物質は、リボソーム不活性化タンパク質、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、チューブリン阻害剤、アルキル化剤、抗生物質、抗新生物剤、抗増殖剤、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼIまたはII阻害剤、ホルモンのアゴニストまたはアンタゴニスト、イムノモジュレーター、DNA副溝結合剤、および放射活性物質を含む。特定の実施形態において、リボソーム不活性化タンパク質は、サポリンである。一部の実施形態において、診断剤は、標識である。一部の実施形態において、標識は、蛍光標識、色素産生標識、または放射標識である。一部の実施形態において、薬剤は、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントに直接的にコンジュゲートされる。他の実施形態において、薬剤は、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントに、間接的に、任意選択でリンカーによって、コンジュゲートされる。
【0203】
[0212]一部の実施形態において、本開示のADCは、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメント、ならびに1つまたは複数の薬剤(例えば、1、2、3、または4つまたはそれより多くの薬剤)、例えば抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントと相加的または相乗的に作用して、例えば病的な血管新生に関連する障害、例えばがんの処置において腫瘍細胞(TC)および/または腫瘍血管系内皮細胞(EC)を致死させるかまたは阻害する治療剤を含む。例えば、治療剤は、生物学的に活性な成分、例えば細胞傷害性物質、化学療法剤、タンパク質、ペプチド、抗体、増殖阻害剤、および/または抗ホルモン剤であり得る。
【0204】
[0213]抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントに直接的または間接的のいずれかでコンジュゲートできるチューブリン阻害剤の例としては、これらに限定されないが、重合阻害剤(例えば、チューブリンのビンカドメインに結合することができる、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビンフルニン、クリプトフィシン52、ハリコンドリン(hallchondrin)、ドラスタチン、ヘミアステリン;チューブリンのコルヒチン(cholchicine)ドメインに結合することができる、コルチン(colchine)、コンブレタスタチン、2-メトキシ-エストラジオール、E7010;解重合阻害剤、例えば、タキサン部位に結合することができる、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、ディスコデルモリド)が挙げられ得る。
【0205】
[0214]例示的な化学療法剤としては、これらに限定されないが、メトトレキセート、アドリアマイシン(adriamicin)、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシンまたは他の挿入剤;核酸分解酵素、抗生物質、および毒素などの酵素およびそのフラグメント、例えば細菌、真菌、植物または動物起源の小分子毒素または酵素的に活性な毒素、ならびにそれらのフラグメントおよび/またはバリアントなどが挙げられる。使用することができる酵素的に活性な毒素およびそのフラグメントとしては、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、外毒素A鎖(緑膿菌由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ-サルシン、Aleurites fordiiタンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、Phytolaca americanaタンパク質(PAPI、PAPII、およびPAP-S)、momordica charantia阻害剤、クルシン、クロチン、sapaonaria officinalis阻害剤、ゲロニン、マイトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)、およびトリコテセン(tricothecene)が挙げられる。
【0206】
[0215]加えて、様々な放射性核種は、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントの治療剤へのコンジュゲーションのために使用し、本開示のADCを生成することができる。その例としては、At211、I131、I125、Y90、Re186、Sm153、Bi212、P32、およびLuの放射性同位体が挙げられる。代替として、抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントは、1つまたは複数のより小さい分子毒素、例えばカリケアマイシン、メイタンシノイド、ドラスタチン、オーリスタチン(aurostatin)、トリコテセン、およびCC1065にコンジュゲートしていてもよいし、毒素活性を有するこれらの毒素の誘導体も、本明細書において予期される。本開示のTM4SF1結合タンパク質にコンジュゲートできる他の治療剤としては、様々な例において、BCNU、ストレプトゾシン(streptozoicin)、ビンクリスチンおよび5-フルオロウラシルなどが挙げられる。
【0207】
[0216]コンジュゲーションに関する診断剤は、一部の実施形態において、標識、例えば蛍光標識、色素産生標識、または放射標識である。したがって、標識は、検出目的で使用でき、蛍光化合物、酵素、補欠分子団、発光物質、生物発光物質、または放射活性物質であり得る。放射標識は、例えば、シンチグラフィー研究のための放射性原子、例えばTc99mもしくはI123、または核磁気共鳴(NMR)映像法(磁気共鳴映像法、MRIとしても公知)のためのスピン標識、例えばここでもヨウ素-123、ヨウ素-131、インジウム-111、フッ素-19、炭素-13、窒素-15、酸素-17、ガドリニウム、マンガンまたは鉄を含んでいてもよい。
【0208】
[0217]1つまたは複数の薬剤(例えば、治療剤および/または診断剤)は、薬剤がタンパク質に隣接してコンジュゲートされるように、抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントに直接的にコンジュゲートさせてもよい(例えば、直接的な共有結合または非共有結合による相互作用の方法によって)。薬剤は、例えば直接的なペプチド結合によって、本開示の結合タンパク質に直接的にコンジュゲートさせてもよい。他の例において、直接的なコンジュゲーションは、直接的な非共有結合による相互作用、例えば抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントと抗TM4SF1抗体または抗原結合フラグメントに特異的に結合する薬剤との相互作用の方法によってなされる。
【0209】
[0218]一部の実施形態において、治療剤は:ボルテゾミブ(Velcade,PS-341)、PR-171(カルフィルゾミブ)、イキサゾミブ(Ninlaro(登録商標))、デランゾミブ、マリゾミブ、オプロゾミブ、VR23、PI-1840、(ベンジルオキシカルボニル)-Leu-Leu-フェニルアラニン、2,3,5a,6-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル(hydroxymthyl))-2-メチル-10H-3a,10a-エピジチオ-ピラジノール[1,2α]インドール-1,4-ジオン、4-ヒドロキシ-3-ニトロフェニルアセチル-Leu-Leu-Leu-ビニルスルホン、sapojargon、Ac-hFLFL-エポキシド、アクラシノマイシンA、アクラルビシン、ACM、AdaK(Bio)Ahx3L3VS、AdaLys(Bio)Ahx3L3VS、アダマンタン-アセチル-(6-アミノへキサノイル)-3-(leucunyl)-3-ビニル-(メチル)-スルホン、ALLM、ALLN、カルパイン阻害剤I、カルパイン阻害剤II、カルボベンゾキシ-L-ロイシル-L-ロイシル-L-ロイシナール、カルボベンゾキシ-L-ロイシル-L-ロイシル-L-ノルバリナール、グリオトキシン、イソバレリー-L-チロシル-L-バリル-DL-チロシナール、クラスト-ラクタシスチン-β-ラクトン、Z-LL-Nva-CHO、ユビキチンアルデヒド、YU101、MP-LLL-VS、LDN-57444、Z-GPFL-CHO、Z-LLL-CHO、ロバスタチン、α-メチル-クラスト-ラクタシスチン-β-ラクトン、メビノリン、MK-803、NIP-L3VS、NP-LLL-VS、NPI-0052(サリノスポラミドA)、MLN519(PS-519)、NLVS(トリロイシンビニルスルホン)、リトナビル、Ro106-9920、Z-LLF-CHO、Z-LL-B(OH)2、RRRPRPPYLPR、チロペプチンA、ZL3VS、PR-11、PR-39、0106-9920、プロテアソーム阻害剤I、プロテアソーム阻害剤II、プロテアソーム阻害剤III、プロテアソーム阻害剤IV、AdaAhx3L3VS、エフラペプチン、MG-132、MG-262、MG-115、α-メチルオムラリド、MG-101、エポキソミシン、オムラリド、ラクタシスチン、NEOSH101、またはその類似体からなる群から選択されるプロテアソーム阻害剤を含む。特定の実施形態において、前記プロテアソーム阻害剤はカルフィルゾミブである。
【0210】
[0219]一部の実施形態において、治療剤はAKTキナーゼ阻害剤であり、AKTキナーゼ阻害剤は、限定はされないが、ATP競合AKTキナーゼ阻害剤、イソキノリン-5-スルホンアミド(H-8、H-89、およびNL-71-101)、アゼパン誘導体((-)-バラノール由来)、アミノフラザン(GSK690693)、複素環(7-アザインドール誘導体、6-フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3-d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3-アミノピロリジン、アミノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363、イパタセルチブ(GDC-0068、RG7440)、A-674563、およびA443654)、フェニルピラゾール誘導体(AT7867、AT13148)、チオフェンカルボキサミド誘導体(アフレセルチブ(GSK2110183)、ウプロセルチブ(GSK2141795)、2-ピリミジル-5-アミドチオフェン誘導体(DC120))、アロステリックAKTキナーゼ阻害剤、2,3-ジフェニルキノキサリン類似体(2,3-ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4-f][1,6]ナフチリジン-3(2H)-オン誘導体(MK-2206))、アルキルリン脂質(エデルフォシン(1-O-オクタデシル-2-O-メチル-rac-グリセロ-3-ホスホコリン、ET-18-OCH3)、イルモフォシン(BM41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルフォシン(ErPC3)、エルシルホスホホモコリン)、スルホンアミド誘導体(PH-315、PHT-427)、インドール-3-カルビノール類似体(インドール-3-カルビノール、3-クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、OSU-A9、ジエチル 6-メトキシ-5,7-ジヒドロインドロ[2,3-b]カルバゾール-2,10-ジカルボキシレート(SR13668))、チオ尿素誘導体(N-[(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)カルボニル]-N’-(3-ブロモフェニル)-チオ尿素、PIT-1、PIT-2、DM-PIT-1)、プリン誘導体(トリシリビン(TCN、NSC154020)、トリシリビン一リン酸活性類似体(TCN-P)、4-アミノ-ピリド[2,3-d]ピリミジン誘導体API-1、ARQ 092、3-フェニル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン誘導体)、BAY1125976、3-メチル-キサンチン、キノリン-4-カルボキサミド、2-[4-(シクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)-1H-ピラゾール-3-イル]フェニル、3-オキソ-チルカル酸、3α-および3β-アセトキシ-チルカル酸、アセトキシ-チルカル酸、不可逆的阻害剤(ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラファンギン、メデルマイシン、Boc-Phe-ビニルケトン、4-ヒドロキシノネナル(4-HNE)、1,6-ナフチリジノン誘導体、イミダゾ-1,2-ピリジン誘導体)、およびそれ以上を含み得る。小分子AKT阻害剤の一部の例は、GSK690693、カピバセルチブ(Capiversertib)、イパタセルチブ、アフレセルチブ、ウプロセルチブ、ミランセルチブ、ミルテホシン、トリシリビン、ペリホシン、Tehranolide、(E)-1-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロプ-2-エン-1-オン(イソリキリチゲニン)、7-(β-D-グルコピラヌロノシルオキシ)-5,6-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-4H-1-ベンゾピラン-4-オン(スクテラリン)、7a,20-エポキシ-1a,6b,7,14-テトラヒドロキシ-カウラ-16-エン-15-オン(オリドニン)、3,5,7,8-テトラヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)クロメン-4-オン(ヘルバセチン)、(E)-1-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)デカ-4-エン-3-オン([6]-ショウガオール)である。
【0211】
[0220]一部の実施形態において、治療剤は、抗有糸分裂テトラペプチドである。一部の実施形態において、抗有糸分裂テトラペプチドは、限定はされないが、チューブリシンA-I、U、V、Y、z、およびプレツブリシン、ならびにこれらの誘導体を含み得る。本明細書で使用される場合、用語「チューブリンの誘導体」は、通常、限定はされないが、オキサゾール環がチアゾール環を置き換える、チューブリシンのオキサゾール類似体を含む、チューブリシンの類似体を指す。一部の実施形態において、抗有糸分裂テトラペプチドは、チューブリシンAもしくはD、またはこれらの誘導体である。理論に縛られることなく、チューブリシンにコンジュゲートされた抗TM4SF1抗体およびその誘導体は、薬物関連毒性を減少させると考えられる。
【0212】
IV.ポリヌクレオチド
[0221]また、一部の実施形態において、抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントをコードするポリヌクレオチドも提供される。一部の実施形態において、ポリヌクレオチド分子は、DNAコンストラクトとして提供される。他の実施形態において、ポリヌクレオチド分子は、メッセンジャーRNA転写物として提供される。
【0213】
[0222]一部の例において、本発明の開示の抗TM4SF1抗体は、配列番号4、16、28、40、52、64、または76のいずれか1つに記載の核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメインを含む。一部の例において、本発明の開示の抗TM4SF1抗体は、配列番号10、22、34、46、58、70、または82のいずれか1つに記載の核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む。
【0214】
[0223]一部の実施形態において、宿主細胞、例えば、E.coliなどの細菌、またはCHO細胞などの真核細胞での発現のためにコドンが最適化された核酸配列が提供される。一部の例において、核酸配列は、CHO細胞での発現のためにコドンが最適化されている。一部の例において、本発明の開示の抗TM4SF1抗体は、配列番号5、17、29、41、53、65、または77のいずれか1つに記載のコドンが最適化された核酸配列によってコードされた重鎖可変ドメインを含む。一部の例において、本発明の開示の抗TM4SF1抗体は、配列番号11、23、35、47、59、71、または83のいずれか1つに記載のコドンが最適化された核酸配列によってコードされた軽鎖可変ドメインを含む。特定の場合において、配列番号5、17、29、41、53、65、または77のいずれか1つの核酸配列は、CHO細胞での発現のためにコドンが最適化された核酸配列である。特定の場合において、配列番号11、23、35、47、59、71、または83のいずれか1つの核酸配列は、CHO細胞での発現のためにコドンが最適化された核酸配列である。
【0215】
[0224]ポリヌクレオチド分子は、公知の方法によって、例えば、好適なプロモーターに、および任意選択で好適な転写ターミネーターに連結された遺伝学的コンストラクトに、結合タンパク質をコードする遺伝子を取り込ませ、それを細菌または他の適切な発現系、例えばCHO細胞などで発現することによって構築される。利用されるベクター系および宿主に応じて、構成的および誘導性プロモーターを含む様々な好適な転写および翻訳エレメントを使用することができる。プロモーターは、それがそれぞれの宿主細胞においてポリヌクレオチドの発現を駆動するように選択される。
【0216】
[0225]一部の実施形態において、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、ベクター、好ましくは発現ベクターに挿入され、これは、さらなる実施形態の一つに相当する。この組換えベクターは、公知の方法に従って構築することができる。特に興味深いベクターとしては、プラスミド、ファージミド、ファージ誘導体、ウイルス(virii)(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、レンチウイルスなど)、およびコスミドが挙げられる。
【0217】
[0226]様々な発現ベクター/宿主系が、記載されたTM4SF1結合タンパク質のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有および発現するのに利用することができる。E.coliでの発現のための発現ベクターの例は、pSKK(Le Gallら、J Immunol Methods.(2004)285(1):111~27)であり、または哺乳類細胞での発現のためには、pcDNA5(Invitrogen)である。
【0218】
[0227]したがって、本明細書に記載されるTM4SF1結合タンパク質は、一部の実施形態において、上述したタンパク質をコードするベクターを宿主細胞に導入し、前記宿主細胞を、タンパク質ドメインが発現される条件下で培養することによって産生され、これらは単離してもよいし、任意選択でさらに精製してもよい。
【0219】
V.免疫療法剤
[0228]一部の実施形態において、本開示の組合せ剤は、i)細胞傷害性ペイロードとコンジュゲートされている抗TM4SF1抗体およびii)免疫療法剤を含む。抗血管新生ADCと免疫療法の組合せは、免疫療法剤の治療転帰を改善し得る。抗血管新生ADCは、腫瘍微小環境への免疫細胞浸潤を促進し、コールド腫瘍をホットへと変えることにより免疫療法剤の治療転帰の改善をもたらし得る。そのような治療転帰は、限定はされないが、免疫細胞浸潤の増加またはT-reg細胞集団の減少を含み得る。ADCは、一部の例において、創傷治癒の血管損傷の文脈でも使用され得る。
【0220】
[0229]一部の実施形態において、免疫療法剤は、骨髄細胞系列の細胞、腫瘍細胞、リンパ系の細胞に存在する標的、腫瘍微小環境に存在する分子に対する抗体、またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、免疫療法剤は:PD-1、CTLA-4、CD40、CSF1/CSF1R、SIRPα、CLEC-1の少なくとも1つに対する抗体、またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、免疫療法剤は:CCR4、CTLA-4、A1R、A2AR、A3R、TIM-3、BTLA、VISTA、TIGIT、LAG-3、ILRa/CD25、ITGB1/CD29、Ly 24/CD44、CD48、CEACAM1/CD66a、Nt5e/CD73、CD94/NKG2A、FAS/CD95、SLAF1/CD150、NRP1/CD304、GITR/CD357、ICOS、Tnfrs4/OX40、Folr4/JUNO、P2X7、ANXA2、IDO、B7-H6、KIR、GARP(LRRC32)、TNFR2の少なくとも1つに対する抗体またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、免疫療法剤は:PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、CD47、TDO、DcR3の少なくとも1つに対する抗体、またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、免疫療法剤は:エクソソーム、サイトカイン、インターロイキン、またはケモカインの少なくとも1つに対する抗体、またはその抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、免疫療法剤は:PS、STINGの少なくとも1つに対する抗体、またはその抗原結合フラグメントである。
【0221】
[0230]免疫療法剤は、一部の実施形態において、B細胞、T細胞、およびNK細胞の増殖および分化を助けることに機能し得るサイトカイン、例えばIL-2およびIL-15である。一部の実施形態において、免疫療法剤は、細胞療法、がんワクチン、ホルモン、エピトープ、サイトカイン、腫瘍抗原、CD4細胞刺激因子、NKT細胞アゴニスト、またはアジュバントを含む。例えば、免疫療法剤は、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍ネクローシス因子、オボアルブミン、Neuvenge、Oncophage、CimaVax-EGF、Mobilan、a-Gal 糖脂質、a-ガラクトシルセラミド(a-GalCer)、β-マンノシルセラミド(β-ManCer)、アデノウイルス由来ワクチン、Celldex’s CDX1307およびCDX1401;GRNVAC1,ウイルスベースワクチン、MVA-BN、PROSTVAC(登録商標)、Advaxis’;ADXS11-001,ADXS31-001、ADXS31-164、BiovaxID、葉酸結合タンパク質(E39)、E75(NeuVax)またはOncoVEXと共に、およびE75(NeuVax)またはOncoVEXなしの顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、トラスツズマブ、Ae-37、IMA901、SC1B 1、Stimuvax、細胞傷害性リンパ球応答を誘発し得るペプチド、テロメラーゼペプチドワクチンを含むペプチドワクチン(GV1001)、サバイビンペプチド、MUC1ペプチド、rasペプチド、TARP29-37-9Vペプチドエピトープ増強ペプチド、合成ペプチドE-PRAおよびE-PSMを有するDNA Vector pPRA-PSMであり得る。
【0222】
[0231]一部の実施形態において、免疫療法剤は、エクスビボで生成された自己抗原特異的T細胞の移行を含む、養子免疫療法を含む。養子免疫療法に使用されるT細胞は、抗原特異的T細胞の拡大または遺伝子操作によるT細胞の再指令のいずれかにより生成され得る。腫瘍特異的T細胞の単離および移行は、メラノーマの治療に有効であることが示された。T細胞の新規の特異性は、トランスジェニックT細胞受容体またはキメラ抗原受容体(CAR)の遺伝子移行によって有効に生成された。CARは、単一融合分子中の1つまたは複数のシグナル伝達ドメインと結合する標的化部分からなる合成受容体である。一般に、CARの結合部分は、可動性リンカーによって接続されたモノクローナル抗体の軽鎖および可変フラグメントを含む、一本鎖抗体(scFv)の抗原結合ドメインからなる。受容体またはリガンドドメインに基づく結合部分も有効に使用された。第1世代CARのシグナル伝達ドメインは、CD3ゼータまたはFc受容体ガンマ鎖の細胞質領域に由来する。CARは、リンパ腫および固形腫瘍を含む様々な悪性腫瘍由来の腫瘍細胞の表面に発現された抗原に対して、T細胞を有効に再指令した。
【0223】
[0232]一部の実施形態において、免疫療法剤は、免疫チェックポイント分子の阻害分子の阻害剤である。用語「免疫チェックポイント」は、CD4およびCD8 T細胞の細胞表面上の分子の群を指す。これらの分子は、抗腫瘍免疫応答を下方制御または阻害する「ブレーキ」として有効に寄与し得る。阻害分子の阻害は、DNA、RNAまたはタンパク質レベルでの阻害によって実施され得る。実施形態において、阻害核酸(例えば、dsRNA、siRNAまたはshRNA)が使用され、阻害分子の発現を阻害し得る。他の実施形態において、阻害シグナルの阻害剤は、ポリペプチド、例えば可溶性リガンド、または阻害分子に結合する抗体もしくはその抗原結合フラグメントである。免疫チェックポイント阻害剤は、抗腫瘍免疫を抑制および/または腫瘍ネオ抗原の視感度を増強し得る。
【0224】
[0233]一部の実施形態において、免疫療法剤は、免疫チェックポイント阻害剤であり得る。一部の実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、骨髄細胞、リンパ球細胞、腫瘍細胞、または腫瘍微小環境の他の小粒子上に発現される標的に対する抗体または抗原結合フラグメントである。一部の実施形態において、腫瘍微小環境の小粒子は、エクソソーム、サイトカイン、インターロイキン、またはケモカインを含む。骨髄細胞上に発現される例示的な標的は、限定はされないが、PD-1、CD40、CSF1、CSF1-R、SIRPα、および/またはCLEC1であり得る。リンパ球細胞上に発現される例示的な標的は、限定はされないが、CCR4、CTLA-4、A1R、A2AR、A3R、TIM-3、BTLA、VISTA、TIGIT、LAG-3、ILRa/CD25、ITGB1/CD29、Ly 24/CD44、CD48、CEACAM1/CD66a、Nt5e/CD73、CD94/NKG2A、FAS/CD95、SLAF1/CD150、NRP1/CD304、GITR/CD357、ICOS、Tnfrs4/OX40、Folr4/JUNO、P2X7、ANXA2、IDO、B7-H6、KIR、GARP(LRRC32)、またはTNFR2であり得る。腫瘍細胞上に発現される例示的な標的は、限定はされないが、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、CD47、TDO、またはDcR3であり得る。腫瘍微小環境における例示的な小粒子は、限定はされないが、PS、またはSTINGであり得る。一部の実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、T細胞活性化を阻害するタンパク質、例えばCTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、GITR、およびLAG-3、ガレクチン9、CEACAM-1、BTLA、CD69、ガレクチン-1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、B7-H3、B7-H4、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM-1、TIM-3、およびTIM-4である。一部の実施形態において、抗LAG-3抗体は、BMS-986016である。BMS-986016(BMS986016とも呼ばれる;Bristol-Myers Squibb)は、LAG-3に結合するモノクローナル抗体である。BMS-986016および他のヒト化抗LAG-3抗体は、米国特許出願公開第2011/0150892号、国際公開第2010/019570、および国際公開第2014/008218号に開示される。
【0225】
[0234]他の例示的な免疫療法剤は、限定はされないが、アレムツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ(tosituimomab)、オビヌツズマブ、オファツムマブ、イブリツモマブ チウキセタン(ibitumomab tiuxetan)、ジヌツキシマブ、ブリナツモマブ、ダラツムマブ、イサツキシマブ、イピリムマブ、セツキシマブ-irfc、エロツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ネシツムマブ、カツマキソマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、オララツマブ、ベバシズマブ、ラムシヌマブ、イミキモド、トシリズマブ(tocilzumab)、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、ニボルマブ、セミプリマブ、ペムブロリズマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、トレメリムマブ、スパルタリズマブ、アベルマブ、シンチリマブ、トリパリマブ、NKTR-214、チサンゲンレクルユーセル(tisagenlecluecel)、アキシカブタジン、シロルユーセル、アルデスロイキン、インターフェロン(inerteron)アルファ-3a/2b、ペキシダルチニブ(peridaratinib)、シプリューセル-T、HIOI、タリモジン ラヘルパレプベク、MGA012、MGD013、MGD019、エノブリツズマブ、MGD009、MGC018、MEDI0680、PDR001、FAZ053、TSR022、MBG453、レラトリマブ(relatlinab)(BMS986016)、LAG525、IMP321、REGN2810(セミプリマブ)、REGN3767、ペキシダルチニブ、LY3022855、FPA008、BMS-986226、BMS-986207、BLZ945、BMS-986315、GDC0919、エパカドスタット、インドキシモド(indoximid)、BMS986205、CPI-444、MEDI9447、PBF509、リリルマブ、IMC-001、モナリズマブおよびこれらの組合せであり得る。アンタゴニストは、抗体、その抗原結合フラグメント、免疫接着、融合タンパク質、またはオリゴペプチドであり得る。免疫療法剤は、抗体薬物コンジュゲートであり得る。例示的な抗体薬物コンジュゲートは、限定はされないが、モキセツモマブ、ブレンツキシマブ(bretuximab)、トラスツズマブ、イノツズマブ、ゲムツズマブ、タグラクソフスプ-erza、ポラツズマブ、エンホルツマブベドチン-ejfv、トラスツズマブ デルクステカン、サシツズマブ ゴビテカン-hziyを含み得る。
【0226】
[0235]例示的な免疫療法剤は、限定はされないが、YERVOY(登録商標)(イピリムマブ)またはトレメリムマブ(CTLA-4に対する)、ガリキシマブ(B7.1に対する)、BMS-936558(PD-1に対する)、MK-3475(PD-1に対する)、アテゾリズマブ(TECENTRIQ(登録商標))、AMP224(B7DCに対する)、BMS-936559(B7-H1に対する)、MPDL3280A(B7-H1に対する)、MEDI-570(ICOSに対する)、AMG557(B7H2に対する)、MGA271(B7H3に対する)、IMP321(LAG-3に対する)、BMS-663513(CD137に対する)、PF-05082566(CD137に対する)、CDX-1127(CD27に対する)、抗OX40(Providence Health Services)、huMAbOX40L(OX40Lに対する)、アタシセプト(TACTに対する)、CP-870893(CD40に対する)、ルカツムマブ(CD40に対する)、ダセツズマブ(CD40に対する)、ムロモナブ-CD3(CD3に対する);抗GITR抗体MK4166、TRX518、Medi1873、INBRX-110、LK2-145、GWN-323、GITRL-Fc、またはこれらの任意の組合せも含む。
【0227】
[0236]例示的な免疫療法剤は、限定はされないが、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、トレメリムマブ、スパルタリズマブ、アベルマブ、シンチリマブ、トリパリマブ、MGA012、MGD013、MGD019、エノブリツズマブ、MGD009、MGC018、MEDI0680、PDR001、FAZ053、TSR022、MBG453、レラトリマブ(relatlinab)(BMS986016)、LAG525、IMP321、REGN2810(セミプリマブ)、REGN3767、ペキシダルチニブ、LY3022855、FPA008、BLZ945、GDC0919、エパカドスタット、インドキシモド(indoximid)、BMS986205、CPI-444、MEDI9447、PBF509、リリルマブ、IMC-001、モナリズマブ、およびこれらの組合せも含み得る。
【0228】
VI.処置の方法
[0237]抗TM4SF1抗体もしくは抗原結合フラグメント、またはそのような抗体、および免疫療法剤を含有するADCを含む、組合せ剤を投与するステップを含む処置の方法が本明細書で提供される。
【0229】
[0238]一部の実施形態において、本開示は、内皮細胞(EC)特異的であるが、例えば、EC-EC、EC-間葉幹細胞、EC-線維芽細胞、EC-平滑筋細胞、EC-腫瘍細胞、EC-白血球、EC-脂肪細胞、およびEC神経細胞相互作用に限定されない細胞-細胞相互作用を阻害する方法を提供する。
【0230】
[0239]「組合せ」または「と組み合わせて」により、治療または治療剤が同時に投与されなければならないおよび/または(例えば同じ組成物中で)共に送達するために製剤化されなければならないことを意味すると意図されないが、これらの方法および組成物は本明細書に記載の範囲内である。免疫調節剤および第2の治療剤は、1つまたは複数の他のさらなる治療または治療剤と同時に、それらの前に、またはそれらに続いて投与され得る。組合せ剤中の薬剤は、任意の順で投与され得る。一般に、各薬剤は、その薬剤について決定された用量および/またはタイムスケジュールで投与される。この組合せ剤で利用されるさらなる治療剤が、単一の組成物中で共に投与されるかまたは異なる組成物中で別々に投与され得るとさらに考えられる。一般に、組み合わせて利用されるさらなる治療剤は、それらが個々に利用されるレベルを超えないレベルで利用され得ると考えられる。一部の実施形態において、組み合わせて利用されるレベルは、個々に利用されるよりも低くてもよい。
【0231】
[0240]一部の実施形態において、本明細書に開示の方法は、1つまたは複数の免疫療法剤(例えば、抗PD-1またはPD-L1抗体分子、抗LAG-3、または抗TIM-3抗体分子)と組み合わせて、本明細書に記載の抗TM4SF1抗体またはその抗原結合フラグメントまたはADCを投与するステップを含む。
【0232】
[0241]免疫療法剤と組み合わせた、組合せ剤の成分、抗TM4SF1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはそのような抗体を含有するADCは、一部の場合では同時に投与される。同時投与は、各成分が互いに同時に、または8~12時間以内に投与されることを意味する。第1の成分の12時間以上後の第2の成分の投与は、順投与と考えられ得る。免疫療法剤と組み合わせた、組合せ剤の成分、抗TM4SF1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはそのような抗体を含有するADCは、一部の場合では、任意の順序および任意の組合せで順に投与される(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、または9日後;1、2、3または4週間後;1、2、3、4、5、6、7、8、または9週間後;または1、2、3、4、5、6年、またはそれ以上後;等)。一部の実施形態において、順に投与される場合、抗TM4SF1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはそのような抗体を含有するADCが第1に投与され、免疫療法剤が第2に投与される。他の実施形態において、免疫療法剤が第1に投与され、抗TM4SF1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはそのような抗体を含有するADCが第2に投与される。
【0233】
[0242]さらなる薬剤
[0243]一部の実施形態において、組合せ剤は、さらなる薬剤、例えばチロシンキナーゼ阻害剤をさらに含み得る。例示的なチロシンキナーゼ阻害剤は、限定はされないが、上皮増殖因子(EGF)経路阻害剤(例えば、上皮増殖因子受容体(EGFR)阻害剤)、血管内皮増殖因子(VEGF)経路阻害剤(例えば、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)阻害剤(例えば、VEGFR-1阻害剤、VEGFR-2阻害剤、VEGFR-3阻害剤))、血小板由来増殖因子(PDGF)経路阻害剤(例えば、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)阻害剤(例えば、PDGFR-β阻害剤))、RAF-1阻害剤、KIT阻害剤およびRET阻害剤を含む。一部の実施形態において、ヘッジホッグ阻害剤と組み合わせて使用される抗がん剤は:アキシチニブ(AG013736)、ボスチニブ(SKI-606)、セディラニブ(RECENTIN(商標)、AZD2171)、ダサチニブ(SPRYCEL(登録商標)、BMS-354825)、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標))、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))、イマチニブ(Gleevec(登録商標)、CGP57148B、STI-571)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、TYVERB(登録商標))、レスタウルチニブ(CEP-701)、ネラチニブ(HKI-272)、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、セマクサニブ(セマキシニブ、SU5416)、スニチニブ(SUTENT(登録商標)、SU11248)、トセラニブ(PALLADIA(登録商標)、バンデタニブ(ZACTIMA(登録商標)、ZD6474)、バタラニブ(PTK787、PTK/ZK)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))、パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標)、ラニビズマブ(Lucentis(登録商標))、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標))、アレムツズマブ(CAMPATH(登録商標))、ゲムツズマブ オゾガマイシン(MYLOTARG(登録商標))、ENMD-2076、PCI-32765、AC220、ドビチニブ乳酸塩(TKI258、CHIR-258)、BIBW 2992(TOVOK(商標))、SGX523、PF-04217903、PF-02341066、PF-299804、BMS-777607、ABT-869、MP470、BIBF 1120(V ARGATEF(登録商標))、AP24534、JNJ-26483327、MGCD265、DCC-2036、BMS-690154、CEP-11981、チボザニブ(AV-951)、OSI-930、MM-121、XL-184、XL-647、XL228、AEE788、Ag-490、AST-6、BMS-599626、CUDC-101、PD153035、ペリチニブ(EKB-569)、バンデタニブ(ザクチマ)、WZ3146、WZ4002、WZ8040、ABT-869(リニファニブ)、AEE788、AP24534(ポナチニブ)、AV-951(チボザニブ)、アキシチニブ、BAY 73-4506(レゴラフェニブ)、アラニン酸ブレバニブ(BMS-582664)、ブリバニブ(BMS-540215)、セディラニブ(AZD2171)、CHIR-258(ドビチニブ)、CP 673451、CYC116、E7080、ΚI8751、マシチニブ(ABIOIO)、MGCD-265、モテサニブ二リン酸(AMG-706)、MP-470、OSI-930、塩酸パゾパニブ、PD173074、トシル酸ソラフェニブ(Bay 43-9006)、SU 5402、TSU-68(SU6668)、バタラニブ、XL880(GSK1363089、EXEL-2880)からなる群から選択される。ヘッジホッグ阻害剤のさらなる例は、限定はされないが、ビスモデギブ(PCT公報WO06/028958に記載の2-クロロ-N-[4-クロロ-3-(2-ピリジニル)フェニル]-4-(メチルスルホニル)-ベンズアミド、GDC-0449);l-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-((3-(4-フルオロフェニル)-3,4-ジヒドロ-4-オキソ-2-キナゾリニル)メチル)-ウレア(CAS 330796-24-2);N-[(2S,3R,3’R,3aS,4’aR,6S,6’aR,6’bS,7aR,12’aS,12’bS)-2’,3’,3a,4,4’,4’a,5,5’,6,6’,6’a,6’b,7,7’,7a,8’,10’,12’,12’a,12’b-エイコサヒドロ-3,6,l l’,12’b-テトラメチルスピロ[フロ[3,2-b]ピリジン-2(3H),9’(l’H)-ナフサ[2,l-a]アズレン]-3’-イル]-メタンスルホンアミド(IPI926、CAS 1037210-93-7);および4-フルオロ-N-メチル-N-[l-[4-(l-メチル-lH-ピラゾール-5-イル)-l-フタラジニル]-4-ピペリジニル]-2-(トリフルオロメチル)-ベンズアミド(LY2940680、CAS 1258861-20-9);およびエリスモデギブ(LDE225)を含む。選択されたチロシンキナーゼ阻害剤は、ゲフィチニブ;塩酸エルロチニブ(Tarceva(登録商標));リニファニブ(Genentechから入手できる、ABT 869としても公知の、N-[4-(3-アミノ-lH-インダゾール-4-イル)フェニル]-N’-(2-フルオロ-5-メチルフェニル)ウレア;リンゴ酸スニチニブ(Sutent(登録商標));ボスチニブ(米国特許第6780996号に記載の、SKI-606としても公知の4-[(2,4-ジクロロ-5-メトキシフェニル)アミノ]-6-メトキシ-7-[3-(4-メチルピペラジン-l-yl)プロポキシ]キノリン-3-カルボニトリル;ダサチニブ(Sprycel(登録商標));パゾパニブ(Votrient(登録商標));ソラフェニブ(Nexavar(登録商標));ザクチマ(ZD6474);およびイマチニブまたはメシル酸イマチニブ(Gilvec(登録商標)およびGleevec(登録商標))から選される。
【0234】
[0244]一部の実施形態において、組合せ剤は、さらなる薬剤、例えば血管内皮増殖因子(VEGF)受容体阻害剤をさらに含み得る。VEGF阻害剤の例は、限定はされないが、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、アキシチニブ(Inlyta(登録商標));アラニン酸ブリバニブ(BMS-582664、(5)-((R)-l-(4-(4-フルオロ-2-メチル-lH-インドール-5-イルオキシ)-5-メチルピロロ[2,l-/][l,2,4]トリアジン-6-イルオキシ)プロパン-2-イル)2-アミノプロパノエート);ソラフェニブ(Nexavar(登録商標));パゾパニブ(Votrient(登録商標));リンゴ酸スニチニブ(Sutent(登録商標));セディラニブ(AZD2171、CAS288383-20-1);バラガテフ(BIBF1120、CAS928326-83-4);フォレチニブ(GSK1363089);テラチニブ(BAY57-9352、CAS332012-40-5);アパチニブ(YN968D1、CAS811803-05-1);イマチニブ(Gleevec(登録商標));ポナチニブ(AP24534、CAS943319-70-8);チボザニブ(AV951、CAS475108-18-0);レゴラフェニブ(BAY73-4506、CAS 755037-03-7)、二塩酸バタラニブ(PTK787、CAS212141-51-0);ブリバニブ(BMS-540215、CAS649735-46-6);バンデタニブ(Caprelsa(登録商標)またはAZD6474);二リン酸モテサニブ(PCT公報WO02/066470に記載の、AMG706、CAS857876-30-3、N-(2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-lH-インドール-6-イル)-2-[(4-ピリジニルメチル)アミノ]-3-ピリジンカルボキサミド);二乳酸ドビチニブ(TKI258、CAS852433-84-2);リニファニブ(Linfanib)(ABT869、CAS796967-16-3);カボザンチニブ(XL184、CAS849217-68-1);レスタウルチニブ(CAS111358-88-4);N-[5-[[[5-(l,l-ジメチルエチル)-2-オキサゾリル]メチル]チオ]-2-チアゾリル]-4-ピペリジンカルボキサミド(BMS38703、CAS345627-80-7);(3R,4R)-4-アミノ-l-((4-((3-メトキシフェニル)アミノ)ピロロ[2,l-f][l,2,4]トリアジン-5-イル)メチル)ピペリジン-3-オール(BMS690514);N-(3,4-ジクロロ-2-フルオロフェニル)-6-メトキシ-7-[[(3aa,5p,6aa)-オクタヒドロ-2-メチルシクロペンタ[c]ピロール-5-イル]メトキシ]-4-アミノキナゾリン(XL647、CAS781613-23-8);4-メチル-3-[[l-メチル-6-(3-ピリジニル)-lH-ピラゾロ[3,4-J]ピリミジン-4-イル]アミノ]-N-[3トリフルオロメチル)フェニル]-ベンズアミド(BHG712、CAS940310-85-0);およびアフリベルセプト(Eylea(登録商標))を含み得る。例示的な抗VEGF抗体は、限定はされないが、ハイブリドーマATCC HB 10709によって産生された、モノクローナル抗VEGF抗体A4.6.1と同じエピトープに結合するモノクローナル抗体;Prestaら.(1997)Cancer Res.57:4593-4599に従って生成された組換えヒト化抗VEGFモノクローナル抗体を含む。一実施形態において、抗VEGF抗体は、rhuMAb VEGFまたはAVASTIN(登録商標)としても公知の、ベバシズマブ(BV)である。それは、変異ヒトIgG1フレームワーク領域およびヒトVEGFのその受容体への結合を遮断する、マウス抗hVEGFモノクローナル抗体A.4.6.1からの抗原結合相補性決定領域を含む。ベバシズマブおよび他のヒト化抗VEGF抗体は、2005年2月26日に出願された米国特許第6884879号にさらに記載される。さらなる抗体は、これらの特許明細書の内容が参照により本明細書に明確に組み込まれる、PCT公報WO2005/012359、PCT公報WO2005/044853に記載のG6またはB20シリーズ抗体(例えば、G6-31,B20-4.1)を含む。さらなる抗体は、米国特許第7060269号、同第6582959号、同第6703020号、同第6054297号、国際公開第98/45332号、国際公開第96/30046号、国際公開第94/10202号、欧州特許第0666868B1号、米国特許出願公開第2006009360号、同第20050186208号、同第20030206899号、同第20030190317号、同第20030203409号、および同第20050112126号;ならびにPopkovら,Journal of Immunological Methods 288:149-164(2004)を参照。他の抗体は、残基F17、M18、D19、Y21、Y25、Q89、191、K101、E103、およびC104を含むか、または、代替的に、残基F17、Y21、Q22、Y25、D63、183およびQ89を含むヒトVEGFの機能性エピトープに結合するものを含む。
【0235】
[0245]一部の実施形態において、組合せ剤は、さらなる薬剤、例えばPI3K阻害剤をさらに含み得る。PI3K阻害剤の例は、PI3Kのデルタおよびガンマアイソフォームの阻害剤である。PI3K阻害剤のさらなる例は、限定はされないが、4-[2-(lH-インダゾール-4-イル)-6-[[4-(メチルスルホニル)ピペラジン-l-イル]メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]モルホリン(PCT公報WO09/036082号およびWO09/055730号に記載のGDC 0941としても公知);2-メチル-2-[4-[3-メチル-2-オキソ-8-(キノリン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[4,5-c]キノリン-l-イル]フェニル]プロピオニトリル(PCT公報WO06/122806に記載のBEZ235またはNVP-BEZ 235としても公知);4-(トリフルオロメチル(triiluoromethyl))-5-(2,6-ジモルホリノピリミジン-4-イル)ピリジン-2-アミン(PCT公報WO2007/084786に記載の、BKM120またはNVP-BKM120としても公知);トザセルチブ(VX680またはMK-0457、CAS639089-54-6);(5Z)-5-[[4-(4-ピリジニル)-6-キノリニル]メチレン]-2,4-チアゾリジンジオン(GSK1059615、CAS958852-01-2);(lE,4S,4aR,5R,6aS,9aR)-5-(アセチルオキシ)-l-[(ジ-2-プロペニルアミノ)メチレン]-4,4a,5,6,6a,8,9,9a-オクタヒドロ-l l-ヒドロキシ-4-(メトキシメチル)-4a,6a-ジメチル-シクロペンタ[5,6]ナフト[l,2-c]ピラン-2,7,10(lH)-トリオン(PX866、CAS502632-66-8);8-フェニル-2-(モルホリン-4-イル)-クロメン-4-オン(LY294002、CAS154447-36-6);2-アミノ-8-エチル-4-メチル-6-(lH-ピラゾール-5-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(SAR 245409またはXL 765);l,3-ジヒドロ-8-(6-メトキシ-3-ピリジニル)-3-メチル-1-[4-(1-ピペラジニル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン,(2Z)-2-ブテン二酸(1:1)(BGT 226);5-フルオロ-3-フェニル-2-[(lS)-l-(9H-プリン-6-イルアミノ)エチル]-4(3H)-キナゾリノン(CAL101);2-アミノ-N-[3-[N-[3-[(2-クロロ-5-メトキシフェニル)アミノ]キノキサリン-2-イル]スルファモイル]フェニル]-2-メチルプロパンアミド(SAR 245408またはXL 147);および(S)-ピロリジン-l,2-ジカルボン酸2-アミドl-({4-メチル-5-[2-(2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチル)-ピリジン-4-イル]-チアゾール-2-イル}-アミド)(B YL719)を含む。
【0236】
[0246]一部の実施形態において、組合せ剤は、さらなる薬剤、例えばmTOR阻害剤、例えば、ラパマイシン、テムシロリムス(TORISEL(登録商標))、AZD8055、BEZ235、BGT226、XL765、PF-4691502、GDC0980、SF1126、OSI-027、GSK1059615、KU-0063794、WYE-354、Palomid 529(P529)、PF-04691502、またはPKI-587、リダフォロリムス(公式にはデフェロリムズとして公知,PCT公報WO 03/064383に記載の、AP23573およびMK8669としても公知の、(lR,2R,4S)-4-[(2R)-2[(1R,9S,12S,15R,16E,1SR,19R,21R,23S,24E,26E,2SZ,30S,32S,35R)-1,18-ジヒドロキシ-l 9,30-ジメトキシ-15,17,21,23,29,35-ヘキサメチル-2,3,10,14,20-ペンタオキソ-l l,36-ジオキサ-4-アザトリシクロ[30.3.1.04‘9]ヘキサトリアコンタ-16,24,26,28-テトラエン-12-イル]プロピル]-2-メトキシシクロへキシルジメチルホスフィネート);エベロリムス(Afinitor(登録商標)またはRAD001);ラパマイシン(AY22989,Sirolimus(登録商標));simapimod(CAS164301-51-3);エムシロリムス、(5-{2,4-ビス[(3S)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリド[2,3-JJピリミジン-7-イル]-2-メトキシフェニル}メタノール(AZD8055);2-アミノ-8-[iraw5,-4-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロへキシル]-6-(6-メトキシ-3-ピリジニル)-4-メチル-ピリド[2,3-JJピリミジン-7(8H)-オン(PF04691502,CAS1013101-36-4);およびN2-[l,4-ジオキソ-4-[[4-(4-オキソ-8-フェニル-4H-l-ベンゾピラン-2-イル)モルホリニウム-4-イル]メトキシ]ブチル]-L-アルギニルグリシル-L-a-アスパルチルL-セリン-、分子内塩(SF1126,CAS936487-67-1)、(lr,4r)-4-(4-アミノ-5-(7-メトキシ-lH-インドール-2-イル)イミダゾ[l,5-f][l,2,4]トリアジン-7-イル)シクロヘキサンカルボン酸(OSI-027);およびXL765の1つまたは複数から選択される1つまたは複数のmTOR阻害剤をさらに含み得る。
【0237】
[0247]一部の実施形態において、組合せ剤は、さらなる薬剤、例えばBRAF阻害剤、例えば、GSK2118436、RG7204、PLX4032、GDC-0879、PLX4720、およびトシル酸ソラファニブ(Bay 43-9006)をさらに含み得る。さらなる実施形態において、BRAF阻害剤は、限定はされないが、レゴラフェニブ(BAY73-4506,CAS755037-03-7);tuvizanib(AV951,CAS475108-18-0);ベムラフェニブ(Zelboraf(登録商標)、PLX-4032、CAS918504-65-1);エンコラフェニブ(LGX818としても公知);1-メチル-5-[[2-[5-(トリフルオロメチル)-1 H-イミダゾール-2-イル]-4-ピリジニル]オキシ]-N-[4-(トリフルオロメチル)フェニル-lH-ベンズイミダゾール-2-アミン(RAF265、CAS927880-90-8);5-[l-(2-ヒドロキシエチル)-3-(ピリジン-4-イル)-lH-ピラゾール-4-イル]-2,3-ジヒドロインデン-l-オン オキシム(GDC-0879,CAS905281-76-7);5-[2-[4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]-5-(4-ピリジニル)-lH-イミダゾール-4-イル]-2,3-ジヒドロ-lH-インデン-l-オン オキシム(GSK2118436またはSB590885);(+/-)-メチル(5-(2-(5-クロロ-2-メチルフェニル)-l-ヒドロキシ-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-lH-イソインドール-l-イル)-lH-ベンズイミダゾール-2-イル)カルバメート(XL-281およびBMS908662としても公知)ならびにN-(3-(5-クロロ-lH-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-l-スルホンアミド(PLX4720としても公知)を含む。
【0238】
[0248]一部の実施形態において、組合せ剤は、さらなる薬剤、例えばMEK阻害剤をさらに含み得る。限定はされないが、セルメチニブ(PCT公報WO2003077914に記載され、AZD6244またはARRY142886としても公知の、5-[(4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ]-4-フルオロ-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-l-メチル-1H-ベンズイミダゾール-6-カルボキサミド);トラメチニブジメチルスルホキシド(GSK-1120212、CAS1204531-25-80);RDEA436;N-[3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-6-メトキシフェニル]-1-[(2R)-2,3-ジヒドロキシプロピル]-シクロプロパンスルホンアミド(PCT公報WO2007014011に記載され、RDEA119またはBAY869766としても公知);AS703026;BIX 02188;BIX 02189;2-[(2-クロロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロ-ベンズアミド(PCT公報WO2000035436に記載され、CI-1040またはPD184352としても公知);N-[(2R)-2,3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-ベンズアミド(PCT公報WO2002006213に記載され、PD0325901としても公知);2’-アミノ-3’-メトキシフラボン(PD98059としても公知であり、Biaffin GmbH&co.,kg,Germanyから入手可能);2,3-ビス[アミノ[(2-アミノフェニル)チオ]メチレン]-ブタンジニトリル(U0126としても公知であり、米国特許第2779780号に記載される);XL-518(GDC-0973、Cas No.1029872-29-4としても公知であり、ACC Corp.から入手可能);G-38963;およびG02443714(AS703206としても公知)、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒を含む任意のMEK阻害剤が組み合わせて使用され得る。MEK阻害剤のさらなる例は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2013/019906号、同第03/077914号、同第2005/121142号、同第2007/04415号、同第2008/024725号、および同第2009/085983号に開示される。MEK阻害剤のさらなる例は、限定はされないが、ビニメチニブ(benimetinib)(PCT公報WO2003077914に記載され、MEK162、CAS1073666-70-2としても公知の、6-(4-ブロモ-2-フルオロフェニルアミノ)-7-フルオロ-3-メチル-3H-ベンゾイミダゾール-5-カルボン酸(2-ヒドロキシエチオキシ)-アミド);2,3-ビス[アミノ[(2-アミノフェニル)チオ]メチレン]-ブタンジニトリル(U0126としても公知であり、米国特許第2779780に記載される);(3S,4R,5Z,8S,9S,l lE)-14-(エチルアミノ)-8,9,16-トリヒドロキシ-3,4-ジメチル-3,4,9,19-テトラヒドロ-lH-2-ベンズオキサシクロテトラデシン-l,7(8H)-ジオン](E6201としても公知であり、PCT公報WO2003076424に記載される);ベムラフェニブ(PLX-4032、CAS918504-65-1);(R)-3-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733、CAS1035555-63-5);ピマセルチブ(AS-703026、CAS1204531-26-9);2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-l,5-ジメチル-6-オキソ-l,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド(AZD 8330);および3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-5-[(3-オキソ-[l,2]オキサジナン-2-イル)メチル]ベンズアミド(CH 4987655またはRo 4987655)を含む。
【0239】
[0249]一部の実施形態において、組合せ剤は、さらなる薬剤、例えば、JAK阻害剤をさらに含み、例えば、JAK阻害剤の例は、限定はされないが、rCEP-701、INCB18424、CP-690550(タソシチニブ)、ルキソリチニブ(uxolitinib)(ジャカフィ(登録商標));トファシチニブ(CP690550);アキシチニブ(AG013736、CAS319460-85-0);5-クロロ-N2-[(lS)-l-(5-フルオロ-2-ピリミジニル)エチル]-N4-(5-メチル-lH-ピラゾール-3-y)-12,4-ピリミジンジアミン(AZD1480、CAS935666-88-9);(9E)-15-[2-(l-ピロリジニル)エトキシ]-7,12,26-トリオキサ-19,21,24-トリアザテトラシクロ[18.3.1.12,5.114,18]-ヘキサコサ-l(24),2,4,9,14,16,18(25),20,22-ノナン(SB-1578、CAS937273-04-6);モメロチニブ(CYT 387);バリシチニブ(INCB-028050またはLY-3009104);パクリチニブ(SB1518);(16E)-14-メチル-20-オキサ-5,7,14,27-テトラアザテトラシクロ[19.3.1.12,6.18,12]ヘプタコサ-l(25),2,4,6(27),8,10,12(26),16,21,23-デカン(SB 1317);ガンドチニブ(LY 2784544);およびN,N-シクロプロピル(cicyclopropy)l-4-[(l,5-ジメチル-lH-ピラゾール-3-イル)アミノ]-6-エチル-l,6-ジヒドロ-l-メチル-イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-7-カルボキサミド(BMS 911543)を含む。
【0240】
[0250]一部の実施形態において、組合せ剤は、さらなる薬剤、例えばキラー細胞免疫グロブリン様受容体(本明細書では「抗KIR抗体」とも呼ばれる)に対する抗体をさらに含み得る。一部の実施形態において、組合せ剤は、場合によりシクロホスファミドと組み合わせて、細胞免疫療法(例えば、プロベンジ(例えば、シプロイセル))を投与するステップをさらに含み得る。一部の実施形態において、組合せ剤は、さらなる薬剤、例えばワクチン、例えば樹状細胞腎臓癌(DC-RCC)ワクチンをさらに含み得る。一部の実施形態において、組合せ剤は、さらなる薬剤、例えばパクリタキセルまたはパクリタキセル剤、例えばTAXOL(登録商標)、タンパク質結合パクリタキセル(例えば、ABRAXANE(登録商標))をさらに含み得る。パクリタキセル剤の例は、限定はされないが、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(ABRAXANE、Abraxis Bioscienceによって市販されている)、ドコサヘキサエン酸結合パクリタキセル(DHA-パクリタキセル、タクソプレキシン、Protargaによって市販されている)、ポリグルタミン酸結合パクリタキセル(PG-パクリタキセル、パクリタキセルポリグルメクス、CT-2103、XYOTAX、Cell Therapeuticによって市販されている)、腫瘍活性化プロドラッグ(TAP)、ANG105(パクリタキセルの3分子に結合したAngiopep-2、ImmunoGenによって市販されている)、パクリタキセル-EC-1(erbB2認識ペプチドEC-1に結合したパクリタキセル;Liら,Biopolymers(2007)87:225-230参照)、およびグルコースコンジュゲートパクリタキセル(例えば、-パクリタキセルメチル2-コハク酸グルコピラノシル、Liuら,Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters(2007)17:617-620参照)を含む。
【0241】
[0251]一部の実施形態において、組合せ剤は、さらなる薬剤、例えば、化学療法、および/または免疫療法をさらに含み得る。例えば、免疫療法剤と組み合わせて、抗TM4SF1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたはそれを含むADCを含む組合せ剤を、単独で、または化学療法もしくは他の抗がん剤(例えば、サリドマイド類似体、例えば、レナリドミド)、腫瘍抗原パルス樹状細胞、腫瘍細胞と樹状細胞の融合(例えば、電気融合)、または悪性形質細胞によって産生された免疫グロブリンイディオタイプによるワクチン接種の1つまたは複数と組み合わせて使用してミエローマを処置することができる。
【0242】
[0252]がん
[0253]本方法の一部の実施形態において、組合せ剤によって処置されるがんは、前立腺がん、肝臓がん、結腸直腸がん、卵巣がん、子宮内膜がん、乳がん、三種陰性乳がん、膵臓がん、胃(stomach)(胃(gastric))がん、子宮頸がん、頭頸部がん、甲状腺がん、精巣がん、尿路上皮がん、肺がん(小細胞肺、非小細胞肺)、肉腫(軟組織肉腫および骨肉腫)、メラノーマ、非メラノーマ皮膚がん(扁平上皮癌および基底細胞癌)、神経膠腫、腎臓がん、リンパ腫(NHLまたはHL)、急性骨髄性白血病(AML)、T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、精巣胚細胞腫瘍、中皮腫、食道がん、メルケル細胞がん、MSI-highがん、KRAS変異腫瘍、成人T細胞白血病/リンパ腫、および骨髄異形成症候群(MDS)からなる群から選択される。本方法の一部の実施形態において、がんは、三種陰性乳がん、胃(stomach)(胃(gastric))がん、肺がん(小細胞肺、非小細胞肺)、メルケル細胞がん、MSI-highがん、KRAS変異腫瘍、成人T細胞白血病/リンパ腫、および骨髄異形成症候群(MDS)からなる群から選択される。本方法の一部の実施形態において、がんは、三種陰性乳がん、胃(stomach)(胃(gastric))がん、肺がん(小細胞肺、非小細胞肺)、メルケル細胞がん、およびMSI-highがんからなる群から選択される。特定の実施形態において、がんは、BRAF突然変異(例えば、BRAF V600E突然変異)、BRAF野生型、KRAS野生型または活性化KRAS突然変異を含む。がんは、初期、中期、または末期であり得る。
【0243】
[0254]一実施形態において、本明細書に提供される組合せ剤は、化学療法とさらに組み合わされ、肺がん、例えば、非小細胞肺がんを処置する。一実施形態において、組合せ剤は、プラチナダブレット療法で使用され、肺がんを処置する。さらに別の実施形態において、組合せ剤を使用して腎臓がん、例えば腎細胞癌(RCC)(例えば、腎明細胞癌(CCRCC)または転移性RCC)を処置する。組合せ剤は、免疫ベースの戦略(例えば、インターロイキン-2またはインターフェロン-a)、標的化剤(例えばVEGF阻害剤、例えばVEGFに対するモノクローナル抗体);VEGFチロシンキナーゼ阻害剤、例えば、スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブおよびパゾパニブ;RNAi阻害剤)、またはVEGFシグナル伝達の下流メディエーターの阻害剤、例えばラパマイシン(mTOR)の哺乳動物標的の阻害剤、例えばエベロリムスおよびテムシロリムスの1つまたは複数を含む、さらなる薬剤と組み合わせて投与される。小細胞肺がんの処置のための組合せ剤での使用に好適な治療の例は、限定はされないが、化学療法剤(例えば、エトポシド、カルボプラチン、シスプラチン、イリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、リポソームSN-38、ベンダムスチン、テモゾロミド、ベロテカン、NK012、FR901228、フラボピリドール);チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ);マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ);VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ、バンデタニブ);がんワクチン(例えば、GVAX);Bcl-2阻害剤(例えば、オブリメルセンナトリウム、ABT-263);プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(Velcade)、NPI-0052)、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤、ドセタキセル、IGF-1受容体阻害剤(例えば、AMG479);HGF/SF阻害剤(例えば、AMG102、MK0646);クロロキン;オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237);放射線免疫療法(例えば、TF2);HSP90阻害剤(例えば、テネスピマイシン、STA-9090);mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス);Ep-CAM-/CD3-二重特異性抗体(例えば、MT110);CK-2阻害剤(例えば、CX-4945);HDAC阻害剤(例えば、ベリノスタット);SMOアンタゴニスト(例えば、BMS833923);ペプチドがんワクチン、および放射線治療(例えば、強度変調放射線治療(IMRT)、少分割照射法、低酸素ガイド放射線治療)、外科手術、およびこれらの組合せを含む。
【0244】
[0255]非小細胞肺がんの処置のための、免疫療法剤と組み合わせた、抗TM4SF1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたはそのような抗体を含有するADCとの使用のためのさらなる薬剤の例は、限定はされないが、化学療法剤、例えば、ビノレルビン、シスプラチン、ドセタキセル、ペメトレキセド二ナトリウム、エトポシド、ゲムシタビン、カルボプラチン、リポソームSN-38、TLK286、テモゾロミド、トポテカン、ペメトレキセド二ナトリウム、アザシチビン、イリノテカン、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム、サパシタビン);チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ネシツムマブ、PF-00299804、ニモツズマブ、RO5083945)、MET阻害剤(例えば、PF-02341066、ARQ197)、PDKキナーゼ阻害剤(例えば、XL147、GDC-0941)、Raf/MEKデュアルキナーゼ阻害剤(例えば、R05126766)、PI3K/mTORデュアルキナーゼ阻害剤(例えば、XL765)、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、デュアル阻害剤(例えば、BIBW2992、GSKI363089、ZD6474、AZD0530、AG-013736、ラパチニブ、MEHD7945A、リニファニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラファニブ、スニチニブ、パゾパニブ、AMG706、XL184、MGCD265、BMS-690514、R935788)、VEGF阻害剤(例えば、エンドスター、エンドスタチン、ベバシズマブ、セディラニブ、BIBF1120、アキシチニブ、チボザニブ、AZD2171)、がんワクチン(例えば、BLP25リポソームワクチン、GVAX、組換えDNAおよびアデノウイルス発現L523Sタンパク質)、Bcl-2阻害剤(例えば、オブリメルセンナトリウム)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、NPI-0052、MLN9708)、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤、ドセタキセル、IGF-1受容体阻害剤(例えば、シクスツムマブ、MK-0646、OSI906、CP-751871、BIIB022)、ヒドロキシクロロキノン、HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA-9090、AUY922、XL888)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス、リダフォロリムス)、Ep-CAM-/CD3-二重特異性抗体(例えば、MT110)、CK-2阻害剤(例えば、CX-4945)、HDAC阻害剤(例えば、MS275、LBH589、ボリノスタット、バルプロ酸、FR901228)、DHFR阻害剤(例えば、プララトレキサート)、レチノイド(例えば、ベキサロテン、トレチノイン)、抗体薬物コンジュゲート(例えば、SGN-15)、ビスホスホネート(例えば、ゾレドロン酸)、がんワクチン(例えば、ベラゲンプマツセル-L)、低分子量ヘパリン(LMWH)(例えば、チンザパリン、エノキサパリン)、GSK1572932A、メラトニン、タラクトフェリン、ジメスナ、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、アムルビシン、エトポシド、カレニテシン)、ネルフィナビル、シレンジタイド、ErbB3阻害剤(例えば、MM-121、U3-1287)、サバイビン阻害剤(例えば、YM155、LY2181308)、エリブリンメシル酸塩、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、ペグフィルグラスチム、Polo様キナーゼ1阻害剤(例えば、BI6727)、TRAIL受容体2(TR-2)アゴニスト(例えば、CS-1008)、CNGRCペプチド-TNFアルファコンジュゲート、ジクロロアセテート(DC A)、HGF阻害剤(例えば、SCH900105)、SAR240550、PPAR-ガンマアゴニスト(例えば、CS-7017)、ガンマ-セクレターゼ阻害剤(例えば、RO4929097)、エピジェネティック治療(例えば、5-アザシチジン)、ニトログリセリン、MEK阻害剤(例えば、AZD6244)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、コレステロールFusl、抗チューブリン剤(例えば、E7389)、ファルネシル-OH-トランスフェラーゼ阻害剤(例えば、ロナファルニブ)、免疫毒素(例えば、BB-10901、SSI(dsFv)PE38)、フォンダパリヌクス、血管崩壊剤(例えば、AVE8062)、PD-L1阻害剤(例えば、MDX-1105、MDX-1106)、ベータ-グルカン、NGR-hTNF、EMD521873、MEK阻害剤(例えば、GSK1 120212)、エポチロン類似体(例えば、イキサベピロン)、キネシン-スピンドル阻害剤(例えば、4SC-2005)、テロメア標的剤(例えば、KML-001)、P70経路阻害剤(例えば、LY2584702)、AKT阻害剤(例えば、MK-2206)、血管新生阻害剤(例えば、レナリドミド)、Notchシグナル伝達阻害剤(例えば、OMP-21M18)、放射線治療、外科手術、およびこれらの組合せを含む。卵巣がんの処置のための組合せでの使用に好適な治療の例は、限定はされないが、化学療法剤(例えば、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤;ドセタキセル;カルボプラチン;ゲムシタビン;ドキソルビシン;トポテカン;シスプラチン;イリノテカン、TLK286、イフォスファミド、オラパリブ、オキサリプラチン、メルファラン、ペメトレキセド二ナトリウム、SJG-136、シクロホスファミド、エトポシド、デシタビン);グレリンアンタゴニスト(例えば、AEZS-130)、免疫療法(例えば、APC8024、オレゴボマブ、OPT-821)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ)、デュアル阻害剤(例えば、E7080)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、AZD0530、JI-101、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ)、ON01910.Na)、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ、BIBF 1120、セディラニブ、AZD2171)、PDGFR阻害剤(例えば、IMC-3G3)、パクリタキセル、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、カレニテシン、イリノテカン)、HDAC阻害剤(例えば、バルプロ酸、ボリノスタット)、葉酸受容体阻害剤(例えば、ファーレツズマブ)、アンジオポエチン阻害剤(例えば、AMG386)、エポチロン類似体(例えば、イキサベピロン)、プロテアソーム阻害剤(例えば、カルフィルゾミブ)、IGF-1受容体阻害剤(例えば、OSI906、AMG479)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ、AG014699、イニパリブ、MK-4827)、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237、ENMD-2076)、血管新生阻害剤(例えば、レナリドミド)、DHFR阻害剤(例えば、プララトレキサート)、放射性免疫療法剤(例えば、Hu3S193)、スタチン(例えば、ロバスタチン)、トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、NKTR-102)、がんワクチン(例えば、p53合成ロングペプチドワクチン、自家OC-DCワクチン)、mTOR阻害剤(例えば、テムシロリムス、エベロリムス)、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ)、ET-A受容体アンタゴニスト(例えば、ZD4054)、TRAIL受容体2(TR-2)アゴニスト(例えば、CS-1008)、HGF/SF阻害剤(例えば、AMG102)、EGEN-001、Polo様キナーゼ1阻害剤(例えば、BI6727)、ガンマ-セクレターゼ阻害剤(例えば、RO4929097)、Wee-1阻害剤(例えば、MK-1775)、抗チューブリン剤(例えば、ビノレルビン、E7389)、免疫毒素(例えば、デニロイキン ジフチトクス)、SB-485232、血管崩壊剤(例えば、AVE8062)、インテグリン阻害剤(例えば、EMD525797)、キネシン-スピンドル阻害剤(例えば、4SC-205)、レブラミド、HER2阻害剤(例えば、MGAH22)、ErrB3阻害剤(例えば、MM-121)、放射線療法、およびこれらの組合せを含む。
【0245】
[0256]ミエローマの処置のための、免疫療法剤と組み合わせた、抗TM4SF1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたはそのような抗体を含有するADCとの使用のためのさらなる薬剤の例は、限定はされないが、化学療法剤、限定はされないが:化学療法剤または他の抗がん剤(例えば、サリドマイド類似体、例えば、レナリドミド)、HSCT(Cook,R.(2008)J Manag Care Pharm.14(7 Suppl):19-25)、抗TIM3抗体(Hallett,WHDら(2011)/of American Society for Blood and Marrow Transplantation 17(8):1133-145)、腫瘍抗原パルス樹状細胞、腫瘍細胞と樹状細胞の融合(例えば、電気融合)、または悪性形質細胞によって産生された免疫グロブリンイディオタイプによるワクチン接種(Yi,Q.(2009)Cancer J.15(6):502-10に概説される)を含む。
【0246】
[0257]腎細胞癌または転移性腎細胞癌の処置のための、免疫療法剤と組み合わせた、抗TM4SF1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたはそのような抗体を含有するADCとの使用のためのさらなる薬剤の例は、限定はされないが、化学療法剤を含み、その例は、上記に提供する。
【0247】
[0258]抗PD-1抗体分子は、免疫ベースの戦略(例えば、インターロイキン-2またはインターフェロンa)、標的化剤(例えばVEGF阻害剤、例えばVEGFに対するモノクローナル抗体、例えば、ベバシズマブ(Rini,B.I.ら(2010)J.Clin.Oncol.28(13):2137-2143));VEGFチロシンキナーゼ阻害剤、例えば、スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブおよびパゾパニブ(Pal.S.K.ら(2014)Clin.Advances in Hematology&Oncology 12(2):90-99に概説される));RNAi阻害剤)、またはVEGFシグナル伝達の下流メディエーターの阻害剤、例えばラパマイシン(mTOR)の哺乳動物標的の阻害剤、例えばエベロリムスおよびテムシロリムス(Hudes,G.ら(2007)N.Engl.J.Med.356(22):2271-2281、Motzer,R.J.ら(2008)Lancet 372:449-456)の1つまたは複数と組み合わせて投与され得る。
【0248】
[0259]本発明に記載の慢性骨髄性白血病(AML)の処置のための、免疫療法剤と組み合わせた、抗TM4SF1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたはそのような抗体を含有するADCとの使用のためのさらなる薬剤の例は、限定はされないが、化学療法(例えば、シタラビン、ヒドロキシウレア、クロファラビン、メルファラン、チオテパ、フルダラビン、ブスルファン、エトポシド、コルジセピン、ペントスタチン、カペシタビン、アザシチジン、シクロホスファミド、クラドリビン、トポテカン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、ON01910.Na、デュアル阻害剤(例えば、ダサチニブ、ボスチニブ)、マルチキナーゼ阻害剤、(例えば、DCC-2036、ポナチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、RGB-286638))、インターフェロンアルファ、ステロイド、アポトーシス剤(例えば、オマセタキシン メペスクシナート)、免疫療法(例えば、アロジェネイックCD4+メモリーTh1様T細胞/微粒子結合抗CD3/抗CD28、自己サイトカイン誘発キラー細胞(CIK)、AHN-12)、CD52標的化剤(例えば、アレムツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、テネスピマイシン、STA-9090、AUY922、XL888)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、SMOアンタゴニスト(例えば、BMS833923)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤(例えば、3-AP)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB018424)、ヒドロキシクロロキン、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、HDAC阻害剤(例えば、ベリノスタット、ボリノスタット、JNJ-26481585)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ)、MDM2アンタゴニスト(例えば、RO5045337)、オーロラBキナーゼ阻害剤(例えば、TAK-901)、放射性免疫療法(例えば、アクチニウム-225-標識抗CD33抗体 HuM195)、ヘッジホッグ阻害剤(例えば、PF-04449913)、STAT3阻害剤(例えば、OPB-31121)、KB004、がんワクチン(例えば、AG858)、骨髄移植、幹細胞移植、放射線療法、およびこれらの組合せを含む。
【0249】
[0260]慢性リンパ性白血病(CLL)の処置のための、免疫療法剤と組み合わせた、抗TM4SF1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたはそのような抗体を含有するADCとの使用のためのさらなる薬剤の例は、限定はされないが、化学療法剤(例えば、フルダラビン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、クロラムブシル、ベンダムスチン、クロラムブシル、ブスルファン、ゲムシタビン、メルファラン、ペントスタチン、ミトキサントロン、5-アザシチジン、ペメトレキセド二ナトリウム)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ)、BTK阻害剤(例えば、PCI-32765)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、MGCD265、RGB-286638)、CD-20標的化剤(例えば、リツキシマブ、オファツムマブ、RO5072759、LFB-R603)、CD52標的化剤(例えば、アレムツズマブ)、プレドニゾロン、ダルベポエチンアルファ、レナリドミド、Bcl-2阻害剤(例えば、ABT-263)、免疫療法(例えば、アロジェネイックCD4+メモリーTh1様T細胞/微粒子結合抗CD3/抗CD28、自己サイトカイン誘発キラー細胞(CIK))、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、バルプロ酸、LBH589、JNJ-26481585、AR-42)、XIAP阻害剤(例えば、AEG35156)、CD-74標的化剤(例えば、ミラツズマブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、AT-101、免疫毒素(例えば、CAT-8015、抗Tac(Fv)-PE38(LMB-2))、CD37標的化剤(例えば、TRU-016)、放射性免疫療法(例えば、131-トシツモマブ)、ヒドロキシクロロキン、ペリホシン、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、サリドマイド、PI3Kデルタ阻害剤(例えば、CAL-101)、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、MDM2アンタゴニスト(例えば、RO5045337)、プレリキサホル、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237、TAK-901)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、CD-19標的化剤(例えば、MEDI-551、MOR208)、MEK阻害剤(例えば、ABT-348)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB018424)、低酸素活性化プロドラッグ(例えば、TH-302)、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤、HSP90阻害剤、AKT阻害剤(例えば、MK2206)、HMG-CoA阻害剤(例えば、シムバスタチン)、GNKG186、放射線療法、骨髄移植、幹細胞移植、およびこれらの組合せを含む。
【0250】
[0261]急性リンパ性白血病(ALL)の処置のための、免疫療法剤と組み合わせた、抗TM4SF1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたはそのような抗体を含有するADCとの使用のためのさらなる薬剤の例は、限定はされないが、化学療法剤(例えば、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ビンクリスチン、アスパラギナーゼ、ダウノルビシン、シクロホスファミド、シタラビン、エトポシド、チオグアニン、メルカプトプリン、クロファラビン、リポソームアンナマイシン、ブスルファン、エトポシド、カペシタビン、デシタビン、アザシチジン、トポテカン、テモゾロミド)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、ON01910.Na、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ))、CD-20標的化剤(例えば、リツキシマブ)、CD52標的化剤(例えば、アレムツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、STA-9090)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、ラパマイシン)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB018424)、HER2/neu受容体阻害剤(例えば、トラスツズマブ)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、メトトレキサート、アスパラギナーゼ、CD-22標的化剤(例えば、エプラツズマブ、イノツズマブ)、免疫療法(例えば、自己サイトカイン誘発キラー細胞(CIK)、AHN-12)、ブリナツモマブ、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、CD45標的化剤(例えば、BC8)MDM2アンタゴニスト(例えば、RO5045337)、免疫毒素(例えば、CAT-8015、DT2219ARL)、HDAC阻害剤(例えば、JNJ-26481585)、JVRS-100、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤、STAT3阻害剤(例えば、OPB-31121)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ)、EZN-2285、放射線療法、ステロイド、骨髄移植、幹細胞移植、またはこれらの組合せを含む。
【0251】
[0262]急性骨髄性白血病(AML)の処置のための、免疫療法剤と組み合わせた、抗TM4SF1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたはそのような抗体を含有するADCとの使用のためのさらなる薬剤の例は、限定はされないが、化学療法剤(例えば、シタラビン、ダウノルビシン、イダルビシン、クロファラビン、デシタビン、ボサロキシン、アザシチジン、クロファラビン、リバビリン、CPX-351、トレオスルファン、エラシタラビン、アザシチジン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、ON01910.Na、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ミドスタウリン、SU11248、キザルチニブ、ソラフィニブ))、免疫毒素(例えば、ゲムツズマブ オゾガマイシン)、DT388IL3融合タンパク質、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、LBH589)、プレリキサホル、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、HSP90阻害剤(例えば、STA-9090)、レチノイド(例えば、ベキサロテン、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、BI811283)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB018424)、Polo様キナーゼ阻害剤(例えば、BI6727)、セネルセン、CD45標的化剤(例えば、BC8)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、MDM2アンタゴニスト(例えば、RO5045337)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、LY573636-ナトリウム、ZRx-101、MLN4924、レナリドミド、免疫療法(例えば、AHN-12)、ヒスタミン二塩酸塩、放射線療法、骨髄移植、幹細胞移植、およびこれらの組合せを含む。
【0252】
[0263]多発性骨髄腫(MM)の処置のための、免疫療法剤と組み合わせた、抗TM4SF1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたはそのような抗体を含有するADCとの使用のためのさらなる薬剤の例は、限定はされないが、化学療法剤(例えば、メルファラン、アミフォスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、クロファラビン、ベンダムスチン、フルダラビン、アドリアマイシン、SyB L-0501)、サリドマイド、レナリドミド、デキサメタゾン、プレドニゾン、ポマリドミド、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、MLN9708)、がんワクチン(例えば、GVAX)、CD-40標的化剤(例えば、SGN-40、CHIR-12.12)、ペリホシン、ゾレドロン酸、免疫療法(例えば、MAGE-A3、NY-ESO-1、HuMAX-CD38)、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、LBH589、AR-42)、アプリジン、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、PD-0332991、ジナシクリブ)、三酸化ヒ素、CB3304、HSP90阻害剤(例えば、KW-2478)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、セツキシマブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、AT9283))、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、プレリキサホル、MEK阻害剤(例えば、AZD6244)、IPH2101、アトルバスタチン、免疫毒素(例えば、BB-10901)、NPI-0052、放射性免疫療法(例えば、イットリウム Y90 イブリツモマブ チウキセタン)、STAT3阻害剤(例えば、OPB-31121)、MLN4924、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、ENMD-2076)、IMGN901、ACE-041、CK-2阻害剤(例えば、CX-4945)、放射線治療、骨髄移植、幹細胞移植、およびこれらの組合せを含む。
【0253】
[0264]前立腺がんの処置のための、免疫療法剤と組み合わせた、抗TM4SF1抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたはそのような抗体を含有するADCとの使用のためのさらなる薬剤の例は、限定はされないが、化学療法剤(例えば、ドセタキセル、カルボプラチン、フルダラビン)、アビラテロン、ホルモン療法(例えば、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、酢酸シプロテロン、ケトコナゾール、アミノグルチミド、アバレリクス、デガレリクス、ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、ブセレリン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、デュアルキナーゼ阻害剤(例えば、ラパタニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ))、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、TAK-700、がんワクチン(例えば、BPX-101、PEP223)、レナリドミド、TOK-001、IGF-1受容体阻害剤(例えば、シクスツムマブ)、TRC105、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、OGX-011、放射性免疫療法(例えば、HuJ591-GS)、HDAC阻害剤(例えば、バルプロ酸、SB939、LBH589)、ヒドロキシクロロキン、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、ドビチニブ乳酸塩、ジインドリルメタン、エファビレンツ、OGX-427、ゲニステイン、IMC-3G3、バフェチニブ、CP-675,206、放射線療法、外科手術、またはこれらの組合せを含む。
【0254】
VII.医薬組成物
[0265]本開示の抗TM4SF1抗体、ADC、免疫療法剤は、一部の実施形態において、単一または別々の組成物(例えば医薬組成物)に含まれ得る。本開示の医薬組成物は、医薬的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤をさらに含み得る。
【0255】
[0266]本明細書で使用する用語「医薬組成物」は、医薬的に許容される担体によって製剤化される本明細書に記載のTM4SF1結合タンパク質を含有する組成物を指し、哺乳動物における疾患の処置のための治療レジメンの一部として政府規制機関の認可により製造または販売される。医薬組成物は、例えば、単位剤形(例えば、錠剤、カプセル剤、カプレット、ゲルカップ、またはシロップ)での経口投与のため、局所投与のため(例えば、クリーム、ゲル、ローション、または軟膏として)、静脈内投与のため(例えば、粒状塞栓のない滅菌溶液としておよび静脈内使用に適した溶媒系で)、または本明細書に記載の任意の他の製剤で製剤化され得る。
【0256】
[0267]本明細書で使用する用語「医薬的に許容される担体」は、それにより投与されるタンパク質の治療特性を保持しながら処置される哺乳動物(例えば、ヒト)に生理的に許容される担体を指す。1つの例示的な医薬的に許容される担体は、生理食塩水である。他の生理的に許容される担体およびそれらの製剤は当業者に公知であり、例えば参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences(18th edition、A.Gennaro、1990、Mack Publishing Company、Easton、PA)に記載される。
【0257】
[0268]医薬組成物は、一部の実施形態において、吸入可能剤形として、鼻腔内剤形として、リポソーム製剤、ナノ粒子を含む剤形、マイクロ粒子を含む剤形、ポリマー剤形、またはそれらの任意の組合せとして、溶液、グリセロール中分散液、液体ポリエチレングリコール、および油中、固体剤形中のそれらの任意の組合せとして調製される。
【0258】
[0269]医薬的に許容される賦形剤は、一部の例において、Handbook of Pharmaceutical Excipients、American Pharmaceutical Association(1986)に記載の賦形剤である。好適な賦形剤の非限定的な例としては、緩衝剤、保存剤、安定剤、結合剤、圧縮剤、潤滑剤、キレート剤、分散強化剤、崩壊剤、風味剤、甘味料、着色料が挙げられる。
【0259】
[0270]一部の実施形態において、賦形剤は緩衝剤である。好適な緩衝剤の非限定的な例としては、クエン酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸カルシウム、および炭酸水素カルシウムが挙げられる。緩衝剤としては、一部の実施形態において、本開示の医薬組成物において、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化マグネシウム、乳酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム(magnesium glucomate)、水酸化アルミニウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、メタリン酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酢酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、および他のカルシウム塩またはそれらの組合せが使用される。
【0260】
[0271]一部の実施形態において、賦形剤は保存剤を含む。好適な保存剤の非限定的な例としては、抗酸化剤、例えばαトコフェロールおよびアスコルビン酸塩、ならびに抗菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、およびフェノールが挙げられる。一部の例において、抗酸化剤としては、限定はされないが、EDTA、クエン酸、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、亜硫酸ナトリウム、p-アミノ安息香酸、グルタチオン、没食子酸プロピル、システイン、メチオニン、エタノールおよびN-アセチルシステインがさらに挙げられる。一部の例において、保存剤としては、バリダマイシンA、TL-3、オルトバナジウム酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、N-a-トシル-Phe-クロロメチルケトン、N-a-トシル-Lys-クロロメチルケトン、アプロチニン、フッ化フェニルメチルスルホニル、ジイソプロピルフルオロリン酸、キナーゼ阻害剤、ホスファターゼ阻害剤、カスパーゼ阻害剤、グランザイム阻害剤、細胞接着阻害剤、細胞分裂阻害剤、細胞周期阻害剤、脂質シグナル伝達阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、還元剤、アルキル化剤、抗菌剤、オキシダーゼ阻害剤、または他の阻害剤が挙げられる。
【0261】
[0272]一部の実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物は、賦形剤として結合剤を含む。好適な結合剤の非限定的な例としては、デンプン、アルファ化デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキサゾリドン(polyvinyloxoazolidone)、ポリビニルアルコール、C12~C18脂肪酸アルコール、ポリエチレングリコール、ポリオール、サッカリド、オリゴサッカリド、およびこれらの組合せが挙げられる。医薬製剤に使用される結合剤は、一部の例において、デンプン、例えばジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン;糖、例えばスクロース、グルコース、デキストロース、ラクトース、マルトデキストリン;天然および合成ゴム;ゼラチン;セルロース誘導体、例えば結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース;ポリビニルピロリドン(ポビドン);ポリエチレングリコール(PEG);ワックス;炭酸カルシウム;リン酸カルシウム;アルコール、例えばソルビトール、キシリトール、マンニトール、および水またはこれらの任意の組合せから選択される。
【0262】
[0273]一部の実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物は、賦形剤として潤滑剤を含む。好適な潤滑剤の非限定的な例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、水添植物油、ステロテックス、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、滑石、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムおよび軽油が挙げられる。医薬製剤に使用される潤滑剤は、一部の実施形態において、ステアリン酸金属塩類(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、脂肪酸エステル(例えば、フマル酸ステアリルナトリウム)、脂肪酸(例えば、ステアリン酸)、脂肪アルコール、ベヘン酸グリセリル、鉱油、パラフィン、水添植物油、ロイシン、ポリエチレングリコール(PEG)、ラウリル硫酸金属塩類(metallic lauryl sulphate)(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム)、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、および滑石またはこれらの組合せから選択される。
【0263】
[0274]一部の実施形態において、医薬製剤は賦形剤として分散強化剤を含む。好適な分散剤の非限定的な例としては、一部の例において、デンプン、アルギン酸、ポリビニルピロリドン、グアーゴム、カオリン、ベントナイト、精製木材セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、イソアモルファスシリケート、および高HLB乳化剤界面活性剤としての結晶セルロースが挙げられる。
【0264】
[0275]一部の実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物は、賦形剤として崩壊剤を含む。一部の実施形態において、崩壊剤は非起泡性崩壊剤である。好適な非起泡性崩壊剤の非限定的な例としては、デンプン、例えばトウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、これらのアルファ化および修飾デンプン、甘味料、粘土、例えばベントナイト、結晶セルロース、アルギン酸塩、デンプングリコール酸ナトリウム、ゴム、例えばカンテン、ガウア、イナゴマメ、カラヤ、ペクチン、およびトラガカントが挙げられる。一部の実施形態において、崩壊剤は起泡性崩壊剤である。好適な起泡性崩壊剤の非限定的な例としては、クエン酸と組み合わせた炭酸水素ナトリウムおよび酒石酸と組み合わせた炭酸水素ナトリウムが挙げられる。
【0265】
[0276]一部の実施形態において、賦形剤は風味剤を含む。外層に組み込まれる風味剤は、一部の例において、合成風味油および風味香料;天然油;植物、葉、花および果物からの抽出物ならびにこれらの組合せから選択される。一部の実施形態において、風味剤は、ケイヒ油;ウインターグリーン油;ハッカ油;クローバー油;干し草油;アニス油;ユーカリ;バニラ;柑橘類の油、例えばレモン油、オレンジ油、ブドウおよびグレープフルーツ油;ならびにリンゴ、モモ、セイヨウナシ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップルおよびアプリコットを含む果実エキスからなる群から選択され得る。
【0266】
[0277]一部の実施形態において、賦形剤は、甘味料を含む。好適な甘味料の非限定的な例としては、グルコース(コーンシロップ)、デキストロース、転化糖、フルクトースおよびこれらの混合物(担体として使用されない場合);サッカリンおよびその様々な塩、例えばナトリウム塩;ジペプチド甘味料、例えばアスパルテーム;ジヒドロカルコン化合物、グリチルリジン;ステビア(Stevia Rebaudiana)(ステビオシド);スクロースのクロロ誘導体、例えばスクラロース;および糖アルコール、例えばソルビトール、マンニトール、シリトール(sylitol)などが挙げられる。
【0267】
[0278]一部の例において、本明細書に記載の医薬組成物は、着色料を含む。好適な着色料の非限定的な例としては、食品、医薬品および化粧品色素(FD&C)、医薬品および化粧品色素(D&C)、ならびに外用医薬品および化粧品色素(Ext.D&C)が挙げられる。着色料は、染料またはこれらの対応するレーキとして使用され得る。
【0268】
[0279]一部の例において、本明細書に記載の医薬組成物は、キレート剤を含む。一部の場合、キレート剤は殺真菌性キレート剤である。例としては、限定はされないが、以下が挙げられる:エチレンジアミン-N,N,N’,N’-四酢酸(EDTA);EDTAの二ナトリウム、三ナトリウム、四ナトリウム、二カリウム、三カリウム、二リチウムおよび二アンモニウム塩;EDTAのバリウム、カルシウム、コバルト、銅、ジスプロシウム、ユーロピウム、鉄、インジウム、ランタン、マグネシウム、マンガン、ニッケル、サマリウム、ストロンチウム、または亜鉛キレート;トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン-N,N,N’,N’-四酢酸一水和物;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン;1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン-N,N,N’,N’-四酢酸;1,3-ジアミノプロパン-N,N,N’,N’-四酢酸;エチレンジアミン-N,N’-二酢酸;エチレンジアミン-N,N’-二プロピオン酸二塩酸塩;エチレンジアミン-N,N’-ビス(メチレンホスホン酸)半水和物;N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン-N,N’,N’-三酢酸;エチレンジアミン-N,N,N’,N’-テトラキス(メチレンホスホン酸);O,O’-ビス(2-アミノエチル)エチレングリコール-N,N,N’,N’-四酢酸;N,N-ビス(2-ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン-N,N-二酢酸;1,6-ヘキサメチレンジアミン-N,N,N’,N’-四酢酸;N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸;イミノ二酢酸;1,2-ジアミノプロパン-N,N,N’,N’-四酢酸;ニトリロ三酢酸;ニトリロ三プロピオン酸;ニトリロトリス(メチレンホスホン酸(methylenephosphoric acid))の三ナトリウム塩;7,19,30-トリオキサ-1,4,10,13,16,22,27,33-オクタアザビシクロ[11,11,11]ペンタトリアコンタンヘキサヒドロブロミド;またはトリエチレンテトラミン-N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’-六酢酸。
【0269】
[0280]また、1つまたは複数の他の抗菌剤または抗真菌剤、例えば、ポリエン、例えば、アンホテリシンB、アンホテリシンB脂質複合体(ABCD)、リポソーム型アンホテリシンB(L-AMB)およびリポソーム型ナイスタチン、アゾールおよびトリアゾール、例えばボリコナゾール、フルコナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール(pozaconazole)など;グルカンシンターゼ阻害剤、例えば、カスポファンギン、ミカファンギン(FK463)、およびV-エキノカンジン(LY303366);グリセオフルビン;アリルアミン、例えば、テルビナフィン;フルシトシンまたは本明細書に記載されるそれらを含む他の抗真菌剤を含む組成物が考えられる。さらに、ペプチドは、局所抗真菌剤、例えば、シクロピロックスオラミン、ハロプロジン、トルナフテート、ウンデシレン酸塩、局所ナイスタチン(nysatin)、アモロルフィン、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィンおよび他の局所薬剤と組み合わされ得ると考えられる。一部の例において、医薬組成物は、さらなる薬剤を含む。一部の場合、さらなる薬剤は医薬組成物に治療有効量で存在する。
【0270】
[0281]貯蔵および使用の通常の条件下で、本明細書に記載の医薬組成物は、保存剤を含み、微生物の増殖を防止する。特定の例において、本明細書に記載の医薬組成物は、保存剤を含まない。注射可能な使用に好適な医薬品形態は、滅菌注射可能溶液または分散液の即時調製のための滅菌水溶液または分散液および滅菌粉末を含む。医薬組成物は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、および/または植物油、またはこれらの任意の組合せを含有する溶媒または分散培地である担体を含む。良好な流動性は、例えば、コーティング、例えばレシチンの使用によって、分散液の場合必要な粒子サイズの維持によって、ならびに界面活性剤の使用によって維持される。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらされる。多くの場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムが含まれる。注射可能な組成物の吸収の延長は、吸収を遅延する薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの組成物での使用によってもたらされ得る。
【0271】
[0282]水溶液での非経口投与のため、例えば、液体剤形は必要であれば好適に緩衝され、液体希釈剤は十分な生理食塩水またはグルコースによって等張にされる。液体剤形は、特に静脈内、筋肉内、皮下、腫瘍内、および腹腔内投与に好適である。これに関連して、用いられ得る滅菌水性培地は、本開示に照らして当業者に公知である。例えば、1回の投与量は、特定の場合、1mL~20mLの等張NaCl溶液に溶解され、100mL~1000mLの液体、例えば炭酸水素ナトリウム緩衝生理食塩水に添加されるか、注入の提案された部位で注射された。
【0272】
[0283]特定の実施形態において、滅菌注射可能溶液は、免疫療法剤を、必要な場合、上記に列挙した様々な他の成分と適切な溶媒に必要な量で組み入れ、滅菌濾過することによって調製される。通常、分散液は様々な滅菌活性成分を、基本分散培地および上記に列挙したものからの必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクルに組み入れることによって調製される。本明細書で開示される組成物は、一部の例において、中性または塩形態に製剤化される。医薬的に許容される塩としては、例えば、酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ基によって形成される)が挙げられ、それらは無機酸、例えば塩酸もしくはリン酸など、または有機酸、例えば酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などによって形成される。遊離カルボキシル基によって形成された塩は、一部の場合、無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウムなど、または水酸化第二鉄、および有機塩基、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどに由来する。製剤時、医薬組成物は、一部の実施形態において、投与製剤に対応した方法および治療に有効であるような量で投与される。
【0273】
[0284]特定の実施形態において、本開示の医薬組成物は、医薬的に許容される担体を含む。本明細書で使用する「医薬的に許容される」は、活性成分の生物学的活性の有効性に干渉しないおよび/または投与される患者に毒性ではない任意の担体を含む。好適な医薬担体の非限定的な例としては、リン酸緩衝生理食塩水溶液、水、エマルジョン、例えば、油/水型エマルジョン、様々な型の湿潤剤および滅菌溶液が挙げられる。医薬的に適合する担体のさらなる非限定的な例としては、ゲル、生体吸収性マトリックス材、免疫療法剤または任意の他の好適なビヒクルを含有する移植エレメント、送達または分配手段または材料が挙げられ得る。そのような担体は、例えば従来の方法によって製剤化され、有効量で対象に投与される。
【0274】
VIII.キット
[0285]一部の実施形態において、本開示は、本開示の組成物(例えば医薬組成物)(例えば、抗TM4SF1抗体もしくはその抗原結合フラグメント、またはそのような抗体を含有するADC、および免疫療法剤を含む組成物)を含むキットを提供する。キットは、臨床医(例えば医師または看護師)がそこに含有される組成物を対象に投与し、病的血管新生(例えばがん)と関連する障害を処置することを可能にする説明書を含む。
【0275】
[0286]特定の実施形態において、キットは、有効量の本開示の抗体を含有する単回用量の医薬組成物のパッケージを含む。任意選択により、医薬組成物を投与するステップに必要な器具または装置がキットに含まれ得る。例えば、本開示のキットは、本開示の有効量のワクチン、ベクター、安定化三量体、または最適化ウイルスポリペプチドを含有する1つまたは複数のプレフィルドシリンジを提供し得る。さらに、キットはさらなる構成成分、例えば、病的血管新生(例えばがん)と関連する障害を有する対象の投与スケジュールに関する説明書も含み、本開示のTM4SF1結合タンパク質またはポリヌクレオチドを含有する医薬組成物を使用し得る。
【実施例】
【0276】
実施例1:抗TM4SF1抗体の特徴付け
インビトロでの細胞株への結合
[0287]YTEC突然変異を含有するヒトIgG1定常領域含む、例示的な抗TM4SF1抗体1の抗原結合は、異なるマウス細胞株:MS1(マウス膵島内皮由来細胞株)、CT26(マウス大腸癌由来細胞株)、およびB16F10(マウスメラノーマ由来細胞株)で、細胞ベースのフローサイトメトリーアッセイを使用して評価した。
【0277】
[0288]結合のEC
50値は、
図1の凡例に示す。例示的な抗体1の最大結合は、TM4SF1の発現がMS1で最大であり、続いてCT26、続いてB16F10であることを示した。
【0278】
インビトロでの細胞増殖阻害アッセイ
[0289]薬物(メイタンシン)と例示的な抗体1または例示的な抗体2のいずれかを含有する抗体薬物コンジュゲート(約2の薬物対抗体比(DAR))の効果を、それぞれ、培養マウス細胞(MS1、CT26、B16F10)およびヒト細胞(MiaPaCa2、A549、SKOV3、およびHUVEC)で評価した。例示的な抗体1と例示的な抗体2の両方とも、YTEC突然変異を有するヒトIgG1定常領域を含有する。細胞は、5日目に細胞生存を評価する前に、抗体薬物コンジュゲートにより5日間インキュベートして処置した。
【0279】
[0290]表1は、異なる細胞株での、リンカー1(L1)を介してメイタンシンペイロードにコンジュゲートした例示的な抗体1(例示的な抗体1-L1)およびリンカー1(L1)を介してメイタンシンペイロードにコンジュゲートした例示的な抗体2(例示的な抗体2-L1)、または他のリンカーを介した抗体の細胞増殖阻害活性からの代表的なEC50値を示す。
まとめ:例示的な抗体1-L1により、MS1(0.05nM)、B16F10(0.12nM)およびCT26(死滅なし)、および例示的な抗体2-L1によりMiaPaCa2(0.04nM)、A549(0.06nM)、SKOV3(0.81nM)、およびHUVEC(0.10nM)。TM4SF1は、CT26細胞に高発現されるが、細胞は例示的な抗体1-L1抗体媒介死滅に耐性であった。
【0280】
[0291]表1:例示的な抗体1はマウス起源の細胞のみを標的化する。反対に、例示的な抗体2はヒト起源の細胞のみを標的化する。例示的な抗体のバリアントを生成し、キャップ付加および裸抗体であるか、または7つの異なるリンカーを介してメイタンシンペイロードとコンジュゲートした異なる抗体を産生した。例示的な抗体1-L1 ADCは、続いて、マウスにおける全ての免疫-腫瘍学(IO)関連研究のために使用された。
【0281】
【0282】
上に示したデータは、メイタンシンペイロードにコンジュゲートされている7つの異なるリンカーからのEC50を示す。
【0283】
リンカー1:PEG4-メイタンシン;BA-PEG4-N-メチル-アラニン-メイタンシン
リンカー2:PEG4Ahx-メイタンシン;BA-PEG4-Ahx-N-メチル-アラニン-メイタンシン
リンカー3:Glc-メイタンシン;BA-グルクロニド-N-メチル-アラニン-メイタンシン
リンカー4:Glu(tb)PEG4-Glc-メイタンシン;BA-Glu-(Ot-ブチル)-グルクロニド(Glucoronide)-N-メチル-グリシン-N-メチル-アラニン-メイタンシン
リンカー5:Glu-tb-メイタンシン;BA-PEG4-D-Glu-Ot-ブチル-Ahx-N-メチル-アラニン-メイタンシン
リンカー6:GluAhx-メイタンシン;BA-PEG4-D-Glu-Ahx-N-メチル-アラニン-メイタンシン
リンカー7:PEG4Glu-メイタンシン;BA-PEG4-D-Glu-N-メチル-アラニン-メイタンシン
実施例2:抗TM4SF1 ADCおよび抗マウスPD-1抗体を使用する腫瘍退縮
[0292]この研究のため、細胞由来同系マウスモデルを使用して、抗TM4SF1 ADC(例示的な抗体1-L1)および抗PD-1抗体の組合せを含む処置の効果を評価した。評価した同系モデルは、C57BL/6マウスのB16F10由来腫瘍(
図2A)およびBALB/cマウスのCT26由来腫瘍モデルであった(
図2B)。
【0284】
[0293]
図2Aでは、B16F10 C57BL/6同系モデルを複数の処置群に分け、異なる処置の存在下での腫瘍容積(mm
3)を評価した:1)ビヒクル(対照)、2)抗マウスPD-1抗体(BioXcell、クローンRMP1-14,10mg/kg)、3)例示的な抗体1-L1(20mg/kg)、および4)例示的な抗体1-L1(20mg/kg)+抗マウスPD1(10mg/kg)。例示的な抗体1-L1は、研究の開始時に1回投与された。抗マウスPD1抗体は、処置後0、5、および10日目に3回投与された。処置の間、腫瘍容積は、4、6、9、13、および15日目に測定した。10日以内に、抗マウスPD-1抗体を単独で使用する処置(処置2)は、ビヒクル対照(処置1)と比較して腫瘍増殖を阻害しなかった。20mg/kgの例示的な抗体1-L1を含有する処置は、腫瘍増殖を遅延させ(処置3)、抗マウスPD-1抗体の存在下で相乗的な腫瘍退縮活性を示した(処置4)。
【0285】
[0294]
図2Bでは、CT26 BALB/c同系モデルを複数の処置群に分け、異なる処置の存在下での腫瘍容積(mm
3)を評価した:1)ビヒクル(対照)、2)抗マウスPD-1抗体(BioXcell、クローンRMP1-14,10mg/kg)、3)例示的な抗体1-L1(20mg/kg)、および4)例示的な抗体1-L1(20mg/kg)+抗マウスPD1抗体(10mg/kg)。
図2Aと同様に、抗TM4SF1抗体処置は、処置の開始時に1回投与されたが、抗マウスPD1抗体注射は、0、7、および14日目に3回投与された。抗マウスPD-1抗体のみによる処置は、ビヒクル対照と同様に進行した腫瘍をもたらし、動物は14日目に屠殺した。20mg/kgの例示的な抗体1-L1を使用するマウスの処置は、ビヒクル対照よりも腫瘍退縮能を改善したが、抗マウスPD-1抗体の投与の追加は、処置の開始後28日目まで、腫瘍増殖の阻害をさらに増加させた。
【0286】
[0295]
図2Aおよび2Bは、試験したADC(例示的な抗体1-L1)が、それぞれB16F10(C57BL/6マウス)およびCT26(Balb/cマウス)同系腫瘍モデルの両方において、抗マウスPD-1抗体との相乗的な腫瘍退縮効果を有することを示した。この相乗的な腫瘍増殖遅延の結果は、例示的な抗体1-L1による腫瘍血管標的化が、腫瘍血管損傷によって腫瘍への白血球浸潤を促進することにより、腫瘍における免疫応答を活性化するようであることを示す。免疫チェックポイント遮断アプローチと、腫瘍血管標的化のコンボアプローチは、多くの異なる型の固形腫瘍を、免疫学的に不活性状態から活性状態へと変える多大な機会を提供すると期待される。
【0287】
[0296]紡錘体チェックポイント突然変異によるのと同様に、一部の腫瘍細胞株、例えばCT26はメイタンシンペイロードに対して耐性である。したがって、CT26同系腫瘍における例示的な抗体1-L1抗体による腫瘍退縮の結果(
図2B)は、単に腫瘍血管を標的化することによる。そのような腫瘍退縮は、抗マウスPD-1免疫遮断抗体の存在下でさらに改善された。
【0288】
実施例4:抗TM4SF1抗体の特徴付け
インビトロでの細胞株への結合
[0297]YTEC突然変異を含有するヒトIgG1定常領域含む、例示的な抗TM4SF1抗体薬物コンジュゲート(メイタンシン)の抗原結合は、異なるマウス細胞株:MS1(マウス膵島内皮由来細胞株)、CT26(マウス大腸癌由来細胞株)、B16F10(マウスメラノーマ由来細胞株)、およびLLC(マウス肺癌)で、細胞ベースのフローサイトメトリーアッセイを使用して評価した。RENCA細胞株は、TM4SF1の発現が存在しないため、陰性対照として使用した。
【0289】
[0298]結合のEC
50値は、
図3の凡例に示す。例示的な抗体1の最大結合は、TM4SF1の発現がMS1で最大であり、続いてCT26、続いてB16F10、続いてLLCであることを示した。RencaはTM4SF1を発現しない。典型的には、例示的な抗体1グループの抗体の結合親和性は、細胞ベースのアッセイにおいて3~7nMのEC50である。
【0290】
インビトロでの細胞増殖阻害アッセイ
[0299]薬物(メイタンシン)と例示的な抗体1または例示的な抗体2のいずれかを含有する抗体薬物コンジュゲート(約2の薬物対抗体比(DAR))の効果を、それぞれ、培養マウス細胞(MS1、CT26、B16F10)およびヒト細胞(MiaPaCa2、A549、SKOV3、およびHUVEC)で評価した。例示的な抗体1と例示的な抗体2の両方とも、YTEC突然変異を有するヒトIgG1定常領域を含有する。細胞は、5日目に細胞生存を評価する前に、抗体薬物コンジュゲートで4日間インキュベートして処置した。
【0291】
表3は、異なる細胞株での、リンカー1(L1)を介してメイタンシンペイロードにコンジュゲートした例示的な抗体1(例示的な抗体1-L1)、リンカー1(L1)を介してメイタンシンペイロードにコンジュゲートした例示的な抗体2(例示的な抗体2-L1)、または他のリンカーを介した抗体の細胞増殖阻害活性からの代表的なEC50値を示す。
まとめ:例示的な抗体1-L1により、MS1(0.05nM)、B16F10(0.12nM)、RENCA(死滅なし)およびCT26(死滅なし)、ならびに例示的な抗体2-L1によりMiaPaCa2(0.04nM)、A549(0.06nM)、SKOV3(0.81nM)、およびHUVEC(0.10nM)。TM4SF1は、CT26細胞に高発現されるが、細胞は例示的な抗体1-L1抗体媒介死滅に耐性であった。
【0292】
【0293】
[0300]上に示したデータは、メイタンシンペイロードにコンジュゲートされている7つの異なるリンカーからのEC50を示す。
【0294】
[0301]リンカー1:PEG4-メイタンシン;BA-PEG4-N-メチル-アラニン-メイタンシン
[0302]リンカー2:PEG4Ahx-メイタンシン;BA-PEG4-Ahx-N-メチル-アラニン-メイタンシン
[0303]リンカー3:Glc-メイタンシン;BA-グルクロニド-N-メチル-アラニン-メイタンシン
[0304]リンカー4:Glu(tb)PEG4-Glc-メイタンシン;BA-Glu-(Ot-ブチル)-グルクロニド(Glucoronide)-N-メチル-グリシン-N-メチル-アラニン-メイタンシン
[0305]リンカー5:Glu-tb-メイタンシン;BA-PEG4-D-Glu-Ot-ブチル-Ahx-N-メチル-アラニン-メイタンシン
[0306]リンカー6:GluAhx-メイタンシン;BA-PEG4-D-Glu-Ahx-N-メチル-アラニン-メイタンシン
[0307]リンカー7:PEG4Glu-メイタンシン;BA-PEG4-D-Glu-N-メチル-アラニン-メイタンシン
実施例5:CT26同系モデルにおいて抗TM4SF1 ADCおよび抗マウスCTLA-4抗体を使用する腫瘍退縮
[0308]この研究のため、細胞由来同系CT26マウスモデルを使用して、抗TM4SF1 ADC(例示的な抗体1-L1)および/または抗マウスCTLA-4抗体(クローン9H10;BioXCell)の組合せを含む処置の効果を評価した。
【0295】
[0309]BALB/cマウスのCT26マウス大腸がん由来腫瘍モデル(
図4A~4H)。
図4A~4Dでは、0mpkの抗TM4SF1 ADC(例示的な抗体1-L1)を投与し、抗マウスCTLA-4抗体を、それぞれ0、2.5、5および10mpkで投与した。
図4E~4Hは、20mpkの抗TM4SF1 ADC(例示的な抗体1-L1)を投与し、抗マウスCTLA-4抗体をそれぞれ0、2.5、5、および10mpkで投与した同系モデルを示す。全ての投与は、研究の0日目に1回投与した。
【0296】
[0310]
図4Aでは、CT26 BALB/c同系モデル(n=40)を2つの処置群に分け、異なる処置の存在下での腫瘍容積(mm
3)を評価した:研究の0日目に1回投与される、1)ビヒクル(対照)および2)アイソタイプ適合対照(IS-Ctl)。処置の間、腫瘍容積は、
図4Aにドットで示したように週に2~3回測定した。いずれの処置も腫瘍退縮をもたらさなかった。
図4Bでは、第3のCT26 BALB/c処置群(n=5)は、抗マウスCTLA-4抗体が研究の0日目に1回2.5mpkで投与された。抗マウスCTLA-4抗体のみによる処置は、いくらかのレベルの腫瘍増殖の遅延をもたらし、1匹は14日までに腫瘍がなくなり(TF)(20%TF)、少なくとも50日後まで持続した。
図4Cでは、CT26 BALB/c処置群(n=15)は、抗マウスCTLA-4抗体が研究の0日目に1回5mpkで投与された。5mpkの抗マウスCTLA-4抗体による処置は、2.5mpk単独よりも著しく良い腫瘍増殖の遅延をもたらし、2匹は21日までに腫瘍がなくなり(13.3%TF)、少なくとも50日後まで持続した。
図4Dでは、CT26 BALB/c処置群(n=19)は、抗マウスCTLA-4抗体が研究の0日目に1回10mpkで投与された。10mpkの抗マウスCTLA-4抗体による処置は、2.5または5mpkの群と比較して最も良い腫瘍増殖の遅延をもたらし、4匹は腫瘍がなくなった。4匹は21日までに腫瘍がなくなり(21%TF)、少なくとも55日後まで持続した。
図4Eでは、CT26 BALB/c処置群(n=35)は、例示的な抗体1-L1抗体が研究の0日目に20mpkで投与された。抗TM4SF1抗体のみによる処置は、
図4Aの対照群から約1週間遅れて進行した腫瘍をもたらした。抗TM4SF1抗体のみによる処置は、腫瘍がなくなる結果を示さず、腫瘍負荷により研究から除外する必要がある動物をもたらさなかった。
図4F~4Hは、第2の処置群を加えた、抗TM4SF1抗体(20mpk)および抗マウスCTLA-4抗体(それぞれ、2.5、5および10mpk)によって処置したマウスから構成されている。
図4Fでは、例示的な抗TM4SF1 ADC/抗マウスCTLA-4組合せ処置群(2.5mpk、n=5)からの1匹のマウスの腫瘍が無くなるが(20%TF)、その他のマウスは腫瘍増殖を示し、腫瘍負荷により研究から除外する必要がある。
図4Gでは、例示的な抗TM4SF1 ADC/抗マウスCTLA-4組合せ処置群(5mpk、n=21)からの15匹のマウスが、腫瘍がなくなるが(71.4%TF)、6匹の他のマウスは、経時的な腫瘍増殖を示し、腫瘍負荷により研究から除外する必要がある。
図4Hでは、例示的な抗TM4SF1 ADC/抗マウスCTLA-4組合せ処置群(10mpk、n=15)からの7匹のマウスが、腫瘍がなくなるが(46.7%TF)、他の8匹のマウスは、経時的な腫瘍増殖を示し、腫瘍負荷により研究から除外する必要がある。要するに、本発明者らの研究は、抗CTLA-4抗体の遮断と組み合わせた、血管標的化細胞傷害性抗TM4SF1 ADCによる、マウス同系腫瘍モデルの処置が、強力な抗腫瘍免疫活性を生じることを実証した。CT26腫瘍を有する多くのマウスにおいて、抗CTLA-4抗体との抗TM4SF1 ADCの単一組合せ処置は腫瘍を除去するが、反対に、抗CTLA-4抗体のみによって処置した対照マウスでは、ほとんどのマウスが腫瘍増殖を示し、腫瘍負荷により屠殺される必要があった。特に、それぞれ2.5mpk、5mpk、および10mpkの抗CTLA-4抗体による処置下、20%、13.3%、および21%のCT26腫瘍を有するBALB/Cマウスが、60~70日間の評価時間の間に腫瘍がなくなり;一方、20mpkの抗TM4SF1 ADCと組み合わせた同用量の抗CTLA-4抗体により、それぞれの群の20%、71.4%、および46.7%のマウスが、60~70日間の評価時間の間に腫瘍がない状態を達成した。抗腫瘍免疫のこの重大な増強は、腫瘍内皮を損傷することにより、5mpkの抗CTLA-4抗体での腫瘍がない画分の13.3%から71.4%の増加の要因であり、免疫学的にコールドな「腫瘍損傷」を免疫学的にウォームに変え、「慢性損傷」を注意深く観察した。
【0297】
CT26再チャレンジ
[0311]免疫チェックポイント阻害剤抗CTLA-4抗体の処置により達成された腫瘍のない(TF)マウスが長期効果であるかどうか決定するため、
図4A~4Hで、最初の投与後、60~70日近くCT26腫瘍を示さないマウスに、CT26腫瘍細胞を再注入した。例えば、
図5Aで使用したCTLA-4マウスは、それぞれの処置条件においてTFを示すマウスから取られた(
図4B)。各再チャレンジ条件では、2つの群の対照マウスを使用した:1)8週齢のBALB/cおよび2)退役BALB/cブリーダー(約7~8月齢)。0日目に、各対照および腫瘍のないマウスは、
図4Bで最初の腫瘍細胞が注入された場所とは逆側である上わき腹の左側の皮下に百万個のCT26腫瘍細胞を受けた。結果は、全ての腫瘍のないマウスが、
図5Cで異常値を示した1匹を除き、継続して腫瘍がなかったことを示した。反対に、腫瘍は両対照マウス群で急速に増殖し、腫瘍細胞が導入された後、20日以内に腫瘍負荷により屠殺する必要があった。特に、再チャレンジ後にTFを示すマウスは、
図5A(100%、2/2)、
図5B(100%、4/4)、
図5C(93.3%、1/15)および
図5D(100%、7/7)であった。したがって、この現在進行中の研究は、CT26腫瘍細胞が、既にT細胞記憶を形成し、CT26腫瘍細胞を除去する同じマウスに再注入しても、腫瘍へと増殖することができないことを示した。
【0298】
[0312]現在進行中の研究の結果(
図5C)は、腫瘍がない群の15匹のマウス中1匹のみが腫瘍の再増殖を示したことを示す。これは、免疫チェックポイント抗マウスCTLA-4抗体の助けにより、一度T細胞記憶がマウスにおいて正しく形成され、腫瘍がなくなると、マウスは、後に再チャレンジされても腫瘍細胞を根絶できることを示している。5mpkの免疫チェックポイント抗マウスCTLA-4抗体との抗TM4SF1抗体1-L1の本発明者らの組合せ治療は、マウスのメモリーT細胞を形成する能力を増強し、腫瘍が無くなった。
【0299】
実施例6:Renca同系モデルにおいて抗TM4SF1 ADCおよび抗マウスCTLA-4抗体を使用する腫瘍退縮
[0313]この研究のため、細胞由来同系Rencaマウスモデルを使用して、抗TM4SF1 ADC(例示的な抗体1-L1)および/または抗マウスCTLA-4抗体(Clone9H10;BioXcell)の組合せを含む処置の効果を評価した。
【0300】
[0314]評価した同系モデルは、BALB/cマウスにおけるRenca由来腫瘍モデルであった(
図6A~6F)。
図6A~6Cでは、0mpkの抗TM4SF1 ADC(例示的な抗体1-L1)を投与し、抗マウスCTLA-4抗体を、それぞれ0、5および10mpkで投与した。
図6D~6Fは、20mpkの抗TM4SF1 ADC(例示的な抗体1-L1)の組合せを投与し、抗マウスCTLA-4抗体をそれぞれ0、2.5、5、および10mpkで投与した同系モデルを示す。全ての投与は、研究の0日目に投与した。
図6Aでは、RencaBALB/c同系モデル(n=5)を2つの処置群に分け、異なる処置の存在下での腫瘍容積(mm
3)を評価した:研究の開始時に1回投与される、1)ビヒクル(対照)および2)アイソタイプ適合対照(IS-Ctl)。処置の間、腫瘍容積は、ドットによって示したように定期的に測定した。両処置も腫瘍退縮をもたらさなかった。
図6Bでは、第3のRencaBALB/c処置群(n=5)は、抗マウスCTLA-4抗体が5mpkで投与された。抗マウスCTLA-4抗体処置は、処置の開始時に1回投与された。抗マウスCTLA-4抗体のみによる処置は、未処置対照と同様に進行する腫瘍を生じ、1匹は14日までに腫瘍がなくなり(20%TF)、少なくとも70日後まで持続した。
図6Cでは、RencaBALB/c処置群(n=5)は、抗マウスCTLA-4抗体が10mpkで投与された。抗マウスCTLA-4抗体処置は、処置の開始時に1回投与された。抗マウスCTLA-4抗体のみによる処置は、未処置対照と比較してより遅く進行する腫瘍を生じ、1匹のマウスは14日までに腫瘍がなくなり(20%TF)、少なくとも70日後まで持続した。
図6Dでは、RencaBALB/c処置群(n=5)は、抗TM4SF1 ADCが研究の開始時に20mpkで投与された。
図6Eでは、RencaBALB/c処置群(n=5)は、研究の0日目に、抗マウスCTLA-4抗体(5mpk)と組み合わせて、例示的な抗体1-L1抗体が20mpkで投与された。組合せ処置は、腫瘍をより遅く増殖させ、80%のマウスの腫瘍がなくなり、一部は少なくとも70日後にTFを持続した。
図6Fでは、RencaBALB/c処置群(n=5)は、研究の0日目に、抗マウスCTLA-4抗体(10mpk)と組み合わせて、例示的な抗体1-L1抗体が20mpkで投与された。組合せ処置は、腫瘍をより遅く増殖させ、20%のマウスが観察期間の少なくとも70日間の間腫瘍がなくなった。CT26腫瘍モデルの研究と類似の結果では、Renca腫瘍モデルの研究は、CTLA-4の5mpkでの抗体遮断と組み合わせた血管標的化細胞傷害性抗TM4SF1 ADCによるマウス同系腫瘍モデルの処置が強力な抗腫瘍免疫活性化を生じることを実証した。反対に、抗CTLA-4抗体のみによって処置した対照マウスでは、ほとんどのマウスが腫瘍増殖を経験し、腫瘍負荷により屠殺される必要があった。さらに、CT26腫瘍モデルで観察されたように、5mpkのCTLA-4抗体との抗TM4SF1 ADCの組合せ治療は、10mpkのCTLA-4抗体処置よりも良い腫瘍退縮結果を示した。過剰(>5mpk)用量の抗CTLA-4抗体が抗腫瘍免疫を妨げる一般的な観察は、CTLA-4が通常、自己免疫を抑制するように機能するため、正常組織に対する免疫細胞の転換によっておそらく説明され得る。クリニックでは、CTLA-4抗体は、自己免疫副作用により用量制限される。イピリムマブの場合、例えば、第1のラベルリストの警告および注意事項は、免疫介在性肝炎、免疫介在性内分泌疾患、免疫介在性間質性肺炎、免疫介在性腎炎、および免疫介在性脳炎である。血管標的化細胞傷害性抗TM4SF1 ADCによる抗腫瘍免疫の活性化が、CTLA4抗体を低用量で、これらの自己免疫毒性を生成する用量閾値より低くて有効にする場合、CTLA4抗体の治療限界は実質的に改善され、有効性が到達した患者の数は大きく増加し得る。
【0301】
Renca再チャレンジ
[0315]完全腫瘍退縮が腫瘍再チャレンジ中も持続するかどうか決定するため、
図6A~6Fで、最初の投与後、60~70日近く腫瘍がない(TF)ことを示すマウスに、Rencaによって再チャレンジした。例えば、
図7Aで使用したCTLA4マウスは、それぞれの処置条件においてTFを示すマウスから取られた(
図6B)。マウスの年齢を腫瘍がないマウスと適合させるため、7~8月齢の退役BALB/cブリーダーを対照マウスとして使用した。0日目に、百万個のRenca腫瘍細胞を各マウスの上わき腹の皮下に注射し、経時的に腫瘍増殖を追跡した。CT26腫瘍再チャレンジで見られたように、全ての腫瘍のないマウスが、Renca腫瘍モデルにおいて継続して腫瘍がなかった。反対に、腫瘍は対照マウス群で急速に増殖し、腫瘍細胞が導入された後、20日以内に腫瘍負荷により屠殺する必要があった。特に、Renca腫瘍細胞再チャレンジ後にTFを示すマウスは、
図7A(100%、1/1)、
図7B(100%、1/1)、
図7C(100%、4/4)および
図7D(100%、1/1)であった。したがって、本発明者らの研究は、BALB/cマウスのCT26腫瘍モデルとRenca腫瘍モデルの両方において、抗CTLA-4抗体との抗TM4SF1 ADCの単一組合せ処置後、多くのBALB/cマウスは、最初の腫瘍の除去だけでなく、長期T細胞記憶を確立し、再処置を必要とせずに再導入した腫瘍細胞を効果的に除去することにより腫瘍がなくなった。
【0302】
実施例7:B16F10同系モデルにおいて抗TM4SF ADCおよび抗マウスCTLA-4抗体を使用する腫瘍退縮
[0316]この研究のため、細胞由来同系B16F10マウスモデルを使用して、抗TM4SF1 ADC(例示的な抗体1-L1)および/または抗マウスCTLA-4抗体(9H10)の組合せを含む処置の効果を評価した。
【0303】
[0317]C57BL/6マウスのB16F10マウスメラノーマ細胞由来腫瘍モデル(
図8A~H)。
図8A~8Dでは、0mpkの抗TM4SF1 ADC(例示的な抗体1-L1)を投与し、抗マウスCTLA-4抗体を、それぞれ0、2.5、5および10mpkで投与した。
図8E~8Hは、20mpkの抗TM4SF1 ADC(例示的な抗体1-L1)を投与し、抗マウスCTLA-4抗体をそれぞれ0、2.5、5、および10mpkで投与した同系モデルを示す。全ての投与は、研究の0日目に投与した。
【0304】
[0318]
図8Aでは、B16F10 C57BL/6同系モデル(n=5)を2つの処置群に分け、異なる処置の存在下での腫瘍容積(mm
3)を評価した:研究の開始時に1回投与される、1)ビヒクル(対照)および2)アイソタイプ適合対照(IS-Ctl)。処置の間、腫瘍容積は、
図4Aにドットによって示したように定期的に測定した。両処置での腫瘍増殖は、対照腫瘍増殖と呼ばれた。
図8Bでは、第3のB16F10 C57BL/6処置群(n=5)は、抗マウスCTLA-4抗体が2.5mpkで投与され、処置の開始時に1回投与された。抗マウスCTLA-4抗体のみによる処置は、未処置対照と同様に進行する腫瘍を生じ、腫瘍がなくなるマウスはいなかった。
図8Cでは、B16F10 C57BL/6処置群(n=5)は、抗マウスCTLA-4抗体が5mpkで投与され、処置の開始時に1回投与された。抗マウスCTLA-4抗体のみによる処置は、未処置対照と同様に進行する腫瘍を生じ、腫瘍がなくなるマウスはいなかった。
図8Dでは、B16F10 C57BL/6処置群(n=5)は、抗マウスCTLA-4抗体が10mpkで投与され、処置の開始時に1回投与された。抗マウスCTLA-4抗体のみによる処置は、未処置対照と同様に進行する腫瘍を生じ、腫瘍がなくなるマウスはいなかった。この結果は、BALB/cマウスと違い、抗CTLA-4抗体単独がC57BL/6マウスのB16F10腫瘍増殖に影響しなかった。
【0305】
[0319]
図8Eでは、B16F10 C57BL/6処置群(n=5)は、研究の0日目に、例示的な抗体1-L1抗体が20mpkで投与された。抗TM4SF1 ADCのみによる処置は、対照マウスと比較して腫瘍増殖の確実な遅延を示した。
図8F~8Hでは、第2の処置群を加えた、抗TM4SF1 ADC(20mpk)および抗マウスCTLA-4抗体(それぞれ、2.5、5および10mpk)によって処置したマウスから構成されている。
図8Fでは、例示的な抗TM4SF1 ADCの抗マウスCTLA-4抗体との組合せ処置群(2.5mpk、n=5)からのマウスの腫瘍は無くならず(0%TF)、全てのマウスが例示的な抗TM4SF1 ADC処置単独と類似した腫瘍増殖を示した。
図8Gでは、例示的な抗TM4SF1 ADCの抗マウスCTLA-4抗体との組合せ処置群(5mpk、n=5)からのマウスの腫瘍は無くならず(0%TF)、全てのマウスが例示的な抗TM4SF1 ADC処置単独と類似した腫瘍増殖を示した。
図8Hでは、例示的な抗TM4SF1 ADCの抗マウスCTLA-4抗体との組合せ処置群(10mpk、n=5)からのマウスの腫瘍は無くならず(0%TF)、全てのマウスが例示的な抗TM4SF1 ADC処置単独と類似した腫瘍増殖を示した。要するに、この実施例は、チェックポイント阻害剤に非応答性の腫瘍モデル、例えばCTLA-4抗体処置に非応答性であるC57BL/6マウスのB16F10モデルにおいて、抗TM4SF1 ADCによる組合せ治療が腫瘍モデルを応答性にしないことを実証した。
【0306】
実施例8:LLC同系モデルにおいて抗TM4SF ADCおよび抗CTLA抗体を使用する腫瘍退縮
[0320]この研究のため、C57BL/6マウス株の細胞由来同系LLC腫瘍モデルを使用して、抗TM4SF1 ADC(例示的な抗体1-L1)および/または抗CTLA4抗体(9H10)の組合せを含む処置の効果を評価した。
【0307】
[0321]C57BL/6マウスのLLC由来腫瘍モデル(
図9A~9H)。
図9A~9Dでは、0mpkの抗TM4SF1 ADC(例示的な抗体1-L1)を投与し、抗CTLA抗体を、それぞれ0、2.5、5および10mpkで投与した。
図9E~9Hは、20mpkの抗TM4SF1 ADC(例示的な抗体1-L1)が投与され、抗CTLA抗体がそれぞれ0、2.5、5、および10mpkで投与された同系モデルを示す。全ての投与は、研究の0日目に投与した。
【0308】
[0322]
図9Aでは、LLC C57BL/6同系モデル(n=5)を2つの処置群に分け、異なる処置の存在下での腫瘍容積(mm
3)を評価した:研究の開始時に1回投与される、1)ビヒクル(対照)および2)アイソタイプ適合対照(IS-Ctl)。処置の間、腫瘍容積は、
図9Aにドットによって示したように定期的に測定した。両処置とも、腫瘍退縮を引き起こさなかった。
図9Bでは、第3のB16F10 C57BL/6処置群(n=5)は、抗マウスCTLA-4抗体が2.5mpkで投与された。抗マウスCTLA-4抗体処置は、処置の開始時に1回投与された。抗マウスCTLA-4抗体のみによる処置は、未処置対照と同様に進行する腫瘍を生じ、完全な腫瘍退縮を示すマウスはいなかった。
図9Cでは、B16F10 C57BL/6処置群(n=5)は、抗マウスCTLA-4抗体が5mpkで投与された。抗マウスCTLA-4抗体処置は、処置の開始時に1回投与された。抗マウスCTLA-4抗体のみによる処置は、未処置対照と同様に進行する腫瘍を生じ、完全な腫瘍退縮を示すマウスはいなかった。
図9Dでは、LLC C57BL/6処置群(n=5)は、抗マウスCTLA-4抗体が10mpkで投与された。抗マウスCTLA-4抗体処置は、処置の開始時に1回投与された。抗マウスCTLA-4抗体のみによる処置は、未処置ビヒクルおよびIS-Ctl対照と同様に進行する腫瘍を生じ、腫瘍が無くなるマウスはいなかった。したがって、LLC腫瘍退縮の結果は、B16F10腫瘍と非常に似ており、抗マウスCTLA-4抗体は腫瘍増殖に影響することはできなかった。
【0309】
[0323]
図9Eでは、LLC C57BL/6処置群(n=5)は、研究の0日目に、例示的な抗体1-L1抗体が20mpkで投与された。抗TM4SF1 ADCのみによる処置は、対照マウスと比較して腫瘍増殖の確実な遅延をもたらした。
図9F~9Hでは、第2の処置群を加えた、抗TM4SF1抗体(20mpk)および抗マウスCTLA-4抗体(それぞれ、2.5、5および10mpk)によって処置したマウスから構成されている。
図9Fでは、例示的な抗TM4SF1 ADCの抗マウスCTLA-4抗体との組合せ処置群(2.5mpk、n=5)からのマウスの腫瘍は無くならず(0%CTR)、全てのマウスが例示的な抗TM4SF1 ADC処置単独と類似した腫瘍増殖を示した。
図9Gでは、例示的な抗TM4SF1 ADCの抗マウスCTLA-4抗体との組合せ処置群(5mpk、n=5)からのマウスの腫瘍は無くならず(0%CTR)、抗マウスCTLA-4抗体の組合せ処置は腫瘍が無くならず(0%CTR)、全てのマウスが例示的な抗TM4SF1 ADC処置単独と類似した腫瘍増殖を示した。
図9Hでは、例示的な抗TM4SF1 ADCの抗マウスCTLA-4抗体との組合せ処置からのマウスの腫瘍は無くならず(0%CTR)、全てのマウスが例示的な抗TM4SF1 ADC処置単独と類似した腫瘍増殖を示した。まとめると、本発明者らの研究は、チェックポイント阻害剤に非応答性の腫瘍モデル、例えばCTLA-4抗体処置に非応答性であるC57BL/6マウスのB16F10およびLLC腫瘍モデルにおいて、抗TM4SF1 ADCによる組合せ治療が腫瘍モデルをより応答性にしないことを示した。しかしながら、腫瘍モデルがBALB/cマウスのCT26およびRencaモデルのように、低応答率を示す場合、抗TM4SF1 ADCとの組合せ治療は応答率を実質的に増加させた。
【0310】
[0324]本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、本開示の組成物、方法、およびキットに様々な修正および変更がなされ得ることは当業者には明らかである。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内に入ることを条件に本開示の修正および変更をカバーすることを意図する。
【0311】
【0312】
【0313】
【0314】
【0315】
【0316】
【0317】
【0318】
【0319】
【0320】
【0321】
【0322】
【0323】
【0324】
【0325】
【0326】
【0327】
【0328】
【0329】
【0330】
【0331】
【0332】
【0333】
【0334】
【0335】
【0336】
【0337】
【0338】
【国際調査報告】