(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】副腎皮質刺激ホルモンまたはその誘導体を含有する薬物およびその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 38/22 20060101AFI20240306BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240306BHJP
A61P 5/38 20060101ALI20240306BHJP
A61P 19/06 20060101ALI20240306BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240306BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240306BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
A61K38/22
A61P19/02
A61P5/38
A61P19/06
A61K47/32
A61K47/36
A61K47/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559063
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 CN2022083523
(87)【国際公開番号】W WO2022206716
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】202110345922.6
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523365594
【氏名又は名称】チャン ジン
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ジン ウェンボー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
【Fターム(参考)】
4C076BB01
4C076CC30
4C076DD01F
4C076DD42
4C076DD43
4C076EE09
4C076EE37
4C076FF43
4C084AA01
4C084AA02
4C084DB21
4C084MA52
4C084NA14
4C084ZA961
4C084ZA962
4C084ZC081
4C084ZC082
4C084ZC311
4C084ZC312
(57)【要約】
本発明は、副腎皮質刺激ホルモンまたはその誘導体を含有する経口薬物の、関節炎治療用薬物の調製における使用を提供し、特に経口薬物の高尿酸によって引き起こされる痛風の治療における使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
副腎皮質刺激ホルモンまたはその誘導体を含有する経口薬物の、関節炎の治療用薬物の調製における使用。
【請求項2】
前記関節炎は、高尿酸によって引き起こされる痛風を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記経口薬物製剤中の添加剤は、界面活性剤、アクリル系ポリマー、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤である、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記経口薬物製剤中の添加剤は、界面活性剤、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤である、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤から選ばれる1つまたは複数を含む、請求項3または4に記載の使用。
【請求項6】
前記アクリル系ポリマーは、カルボマー、カルボマー910、カルボマー934、カルボマー934Pから選ばれる1つまたは複数を含む、請求項3に記載の使用。
【請求項7】
前記キチンまたはその誘導体は、キチン、キトサン、カルボキシメチルキトサン、アシル化キトサン、アルキル化キトサン、ヒドロキシ化キトサン、キトサン4級アンモニウム塩、キトサンオリゴ糖、キトサン硫酸エステルから選ばれる1つまたは複数を含む、請求項3または4に記載の使用。
【請求項8】
前記金属イオンキレート剤は、クエン酸またはその塩、酒石酸またはその塩、リンゴ酸またはその塩、マレイン酸またはその塩、グルコン酸またはその塩、エチレンジアミン四酢酸またはその塩、アミノ三酢酸またはその塩、ジエチレントリアミン五酢酸またはその塩から選ばれる1つまたは複数を含む、請求項3または4に記載の使用。
【請求項9】
前記界面活性剤、前記アクリル系ポリマー、前記キチンまたはその誘導体及び前記金属イオンキレート剤の重量比が19~21:6~7:6~7:60~70である、請求項3に記載の使用。
【請求項10】
前記界面活性剤、前記キチンまたはその誘導体及び前記金属イオンキレート剤の重量比が19~21:6~7:60~70である、請求項4に記載の使用。
【請求項11】
前記副腎皮質刺激ホルモンまたはその誘導体は、溶液製剤における濃度が0.05mg/ml以上であり、カプセル製剤における含有量が0.4mg以上である、請求項1に記載の使用。
【請求項12】
前記副腎皮質刺激ホルモンまたはその誘導体は、ACTH(1-39)、ACTH(1-24)およびACTH(1-17)を含む、請求項1に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物医薬の技術分野に属し、具体的には副腎皮質刺激ホルモンまたはその誘導体を含有する薬物およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
副腎皮質刺激ホルモン(Adrenocorticotropic Hormone、ACTH)は、脊椎動物の脳下垂体から分泌されるポリペプチド系ホルモンであり、副腎皮質組織の増殖と皮質ホルモンの産生および分泌を促進することができる。副腎皮質刺激ホルモンの産生および分泌は、視床下部副腎皮質刺激ホルモン放出因子によって直接管理される。過剰に分泌された皮質ホルモンは逆に下垂体および視床下部に影響を与えて、それらの動きを弱めることもできる。副腎皮質刺激ホルモンは副腎皮質の発育および機能を刺激する作用があり、主に副腎皮質束状帯に作用して糖質コルチコステロイドの分泌を刺激する。副腎皮質刺激ホルモンは副腎皮質によって抗体の産生を調節する作用もある。
【0003】
副腎皮質刺激ホルモンはポリペプチド系薬物に属し、胃腸管の消化酵素などに酵素分解されやすく、経口投与が今でも実現できなかった。臨床上で使用されている副腎皮質刺激ホルモンを含有する薬物製剤は、注射用副腎皮質刺激ホルモン(注射用皮質刺激ホルモン)という注射製剤であり、その適応症としては、活動性リウマチ、類リウマチ性関節炎、紅斑性狼瘡などのコラーゲン疾患が挙げられ、それに加えて、深刻な気管支喘息、深刻な皮膚炎などのアレルギー性疾患や、急性白血病、ホジキンリンパ腫などにも用いられる。
【0004】
従来の技術を検索した結果、副腎皮質刺激ホルモンの経口投与製剤およびその経口製剤の新規な使用が見つけられなかった。
【発明の概要】
【0005】
上記の理由により、出願人は何度も創造的な研究をした上で、副腎皮質刺激ホルモンまたはその誘導体を含有する経口薬物およびその新規な使用を発見した。研究から明らかなように、副腎皮質刺激ホルモンまたはその誘導体を含有する経口薬物は、高尿酸によって引き起こされる痛風を含む関節炎に対して良好な治療作用がある。
【0006】
本発明は、以下の技術案によって実現される。
【0007】
副腎皮質刺激ホルモンまたはその誘導体を含有する経口薬物の、関節炎治療用薬物の調製における使用。
【0008】
特に高尿酸による急性痛風に対して良好な治療作用がある。
【0009】
さらに、経口薬物製剤中の添加剤は、界面活性剤、アクリル系ポリマー、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤である。
【0010】
さらに、経口薬物製剤中の添加剤は、界面活性剤、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤である。
【0011】
さらに、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤から選ばれる1つまたは複数を含む。
【0012】
さらに、アクリル系ポリマーは、カルボマー(carbomer)、カルボマー910、カルボマー934、カルボマー934Pから選ばれる1つまたは複数を含む。
【0013】
さらに、キチンまたはその誘導体は、キチン、キトサン、カルボキシメチルキトサン(Carboxymethyl Chitosan)、アシル化キトサン、アルキル化キトサン、ヒドロキシ化キトサン、キトサン4級アンモニウム塩、キトサンオリゴ糖、キトサン硫酸エステルから選ばれる1つまたは複数を含む。
【0014】
さらに、金属イオンキレート剤は、クエン酸またはその塩、酒石酸またはその塩、リンゴ酸またはその塩、マレイン酸またはその塩、グルコン酸またはその塩、エチレンジアミン四酢酸またはその塩、アミノ三酢酸またはその塩、ジエチレントリアミン五酢酸またはその塩から選ばれる1つまたは複数を含む。
【0015】
さらに、界面活性剤、アクリル系ポリマー、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤は、重量比が19~21:6~7:6~7:60~70である。
【0016】
さらに、界面活性剤、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤は、重量比が19~21:6~7:60~70である。
【0017】
さらに、ACTH(またはその誘導体)、界面活性剤、アクリル系ポリマー、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤は、重量比が1.5~2.5:19~21:6~7:6~7:60~70である。
【0018】
さらに、ACTH(またはその誘導体)、界面活性剤、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤は、重量比が1.5~2.5:19~21:6~7:60~70である。
【0019】
さらに、ACTH(またはその誘導体)、界面活性剤、アクリル系ポリマー、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤は、重量比が0.20~0.30:19~21:6~7:6~7:60~70である。
【0020】
さらに、ACTH(またはその誘導体)、界面活性剤、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤は、重量比が0.20~0.30:19~21:6~7:60~70である。
【0021】
さらに、ACTH(またはその誘導体)、界面活性剤、アクリル系ポリマー、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤は、重量比が0.25~2.0:19~21:6~7:6~7:60~70である。
【0022】
さらに、ACTH(またはその誘導体)、界面活性剤、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤は、重量比が0.25~2.0:19~21:6~7:60~70である。
【0023】
上記の比例関係のうち好適なものとして、ACTH(またはその誘導体)、界面活性剤、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤は、重量比が0.25~2.0:19~21:6~7:60~70である。
【0024】
さらに、副腎皮質刺激ホルモンまたはその誘導体は、溶液製剤における濃度が0.05mg/ml以上であり、カプセル製剤における含有量が0.4mg以上である。
【0025】
溶液製剤における濃度は、0.05mg/ml以上から水溶液中の飽和濃度までの濃度を意味する。
【0026】
カプセル製剤における含有量は、カプセル1粒当たりの装填量として0.4mg以上からカプセル1粒当たりの最大装填量までの含有量を意味する。
【0027】
さらに、副腎皮質刺激ホルモンまたはその誘導体は、ACTH(1-39)、ACTH(1-24)およびACTH(1-17)を含む。
【0028】
本発明による副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は、脊椎動物の脳下垂体から分泌されるポリペプチド系ホルモンであり、副腎皮質組織の増殖と皮質ホルモンの産生および分泌を促進することができる。ACTHには39個のアミノ酸が含まれ、その1~24位のアミノ酸は生物活性を構成する必須アミノ酸であり、25~39位のアミノ酸は保護性アミノ酸である。
【0029】
現在、臨床上に使用されている「副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)」を活性成分とする製品は注射用皮質刺激ホルモンである。本発明は、経口投与によって、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)またはその誘導体を活性成分とする経口医薬組成物を獲得して、痛風を含む関節炎の治療に用いるものである。
【0030】
本発明による副腎皮質刺激ホルモン誘導体はACTH(1-24)を含むものの、これに限定されず、ACTH(1-24)は副腎皮質刺激ホルモンのN末端に24ペプチドを有するものである。ACTH(1-24)は、1~24位のアミノ酸が生物活性を構成する必須アミノ酸であるため、ACTHと同様の生理活性を有し、経口薬物の調製に用いられる場合、言うまでもなく、同様に高尿酸によって引き起こされる痛風を含む関節炎に対しては治療作用を奏する。
【0031】
関節炎は、人体における関節およびその周囲組織に発生し、炎症、感染、退化、創傷或いはその他の要素による炎症性疾患を一括して表すものであり、数十種類に分けられる。臨床表現は関節の赤、腫れ、熱、痛み、機能障害および関節奇形であり、重症者は関節障害が発生して患者の生活品質に影響を与えることもある。関節炎の病因は複雑で、主に自己免疫反応、感染、代謝異常、創傷、退行性病変などの要素とは関係がある。関節炎は病因により骨性、類リウマチ性、リウマチ性、痛風性などに分けられる。中国の関節炎患者は1億人以上であり、その人数が絶えず増加していき、そのなかには、特に痛風性関節炎が多い。
【0032】
痛風は、よく見られ且つ複雑な関節炎のタイプであり、年齢層を問わず本病気にかかる可能性があり、男性の発病率が女性の発病率より高い。痛風患者はよく夜に突発性関節痛が現れ、急に発病し、関節部位に深刻な痛み、水腫、赤腫、および炎症が現れ、痛み感が徐々に軽減して消えるまでは、場合によっては数日あるいは数週間続いている。痛みが発症すると(急性痛風)、患者は夜半熟睡している間に痛みによって目覚めてしまい、大足指が焼けるような痛みを訴える患者がいる。最もよく発症する関節は大足指(医学用語:第1中足骨)であるが、発症する関節はこれに限定されず、手の関節、膝、肘などにも症状がよく見られる。発症する関節には最終的に赤腫、炎症が現れ、水腫後に組織が柔らかくなり、活動が制限され、最後に日常生活に影響を及ぼすこととなる。これらの症状は繰り返し現れる。
【0033】
本発明によるアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などは何れも商業的に購入できるものである。
【0034】
本発明によるアクリル系ポリマーとしては、カルボマー、カルボマー910、カルボマー934、カルボマー934Pが挙げられ、それらは何れも商業的に購入できるものである。
【0035】
本発明によるキチンまたはその誘導体としては、キチン、キトサン、カルボキシメチルキトサン、アシル化キトサン、アルキル化キトサン、ヒドロキシ化キトサン、キトサン4級アンモニウム塩、キトサンオリゴ糖、キトサン硫酸エステルが挙げられ、それらは何れも商業的に購入できるものである。
【0036】
本発明による金属イオンキレート剤としては、クエン酸またはその塩、酒石酸またはその塩、リンゴ酸またはその塩、マレイン酸またはその塩、グルコン酸またはその塩、エチレンジアミン四酢酸またはその塩、アミノ三酢酸またはその塩、ジエチレントリアミン五酢酸またはその塩が挙げられ、それらは何れも商業的に購入できるものである。
【0037】
本発明による従来の技術への貢献は、ACTHまたはその誘導体が界面活性剤、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤と共に形成した新規な組成物を、経口投与して、関節炎、特に高尿酸によって引き起こされる痛風を治療することである。
【0038】
本発明による従来の技術への貢献は、ACTHまたはその誘導体が界面活性剤、アクリル系ポリマー、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤と共に形成した新規な組成物を、経口投与して、関節炎、特に高尿酸によって引き起こされる痛風を治療することである。
【0039】
本発明による好適な痛風治療用経口組成物は、ACTHまたはその誘導体が界面活性剤、キチンまたはその誘導体、金属イオンキレート剤と共に形成した新規な組成物である。その理由は、この3種の成分をACTHまたはその誘導体と組み合わせた後、関節炎(高尿酸によって引き起こされる痛風を含む)に対して良好な治療作用があり、それに加えて、組成物中の成分が少なくなるため、安全性がより良好になるとともに、コストを削減させ、患者の負担を減らすなどの利点があるからである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の技術案について具体的な試験例を用いて説明するが、本発明の保護範囲はこれに限定されるものではない。
【0041】
本明細書の試験例に記載された内容は、発明構想を実施するための形態の列挙に過ぎず、本発明の保護範囲は、試験例に記載された具体的な形態に限定されるものと見なされるべきではなく、本発明の保護範囲は、当業者が本発明の精神に基づいて思い付くことのできる均等な技術手段にも及ぶものとする。本発明の実施形態を以下に説明するが、本発明はこの具体的な実施形態および適用分野に限定されるものではなく、下記の具体的な実施形態は例示的及びガイダンスに過ぎず、限定されるものではない。
【0042】
試験例
本発明による下記の試験は、複数回の創造的な試験によって、本発明が保護しようとする技術案を基にまとめた研究開発者の結論的な試験である。下記の試験例における定量試験では、何れも3回の繰り返し試験が設定され、データが3回の繰り返し試験による平均値または平均値±標準差である。
【0043】
試験1:マウスモデルでの高尿酸による関節腫脹(痛風)への影響試験
以下のようにグループ化されている。
【0044】
1、四成分含有の薬物群:副腎皮質刺激ホルモン0.5mg/ml、ドデシル硫酸ナトリウム4mg/ml、キトサン1.3mg/ml、クエン酸ナトリウム13mg/ml。体積4ml/kgで小腸投与した。
【0045】
2、五成分含有の低用量薬物群:副腎皮質刺激ホルモン0.05mg/ml、ドデシル硫酸ナトリウム4mg/ml、カルボマー1.3mg/ml、キトサン1.3mg/ml、クエン酸ナトリウム13mg/ml。体積4ml/kgで小腸投与した。
【0046】
3、五成分含有の高用量薬物群:副腎皮質刺激ホルモン0.5mg/ml、ドデシル硫酸ナトリウム4mg/ml、カルボマー1.3mg/ml、キトサン1.3mg/ml、クエン酸ナトリウム13mg/ml。体積4ml/kgで小腸投与した。
【0047】
4、単一活性成分含有の薬物群:副腎皮質刺激ホルモン0.5mg/ml。体積4ml/kgで小腸投与した。
【0048】
5、四成分(添加剤)含有の薬物群:ドデシル硫酸ナトリウム4mg/ml、カルボマー1.3mg/ml、キトサン1.3mg/ml、クエン酸ナトリウム13mg/ml。体積4ml/kgで小腸投与した。
【0049】
6、陽性対照群(投与せず):生理食塩水。体積4ml/kgで小腸投与した。
【0050】
試験の方法:6~8週齢のC57雄性マウスを、クロラール水和物およびキシラジン(xylazine)の両方によって麻酔した後、右後足に20mg/mlの尿酸ナトリウムを50μl注射し、左後足に生理食塩水を50μl注射した。30分間後、グループ化状況に応じて、腹腔に小さな穴を開き、4ml/kgの試験薬物を小腸投与し、1グループごとに6匹のマウスがいる。尿酸ナトリウムが投与された瞬間を0時間とし、0時間、6時間、12時間、24時間に左右後足の直径を測定し、操作誤差を減少させるため、動物1匹ごとに各時点に3回測定した。薬物の有効性は、右後足の直径/左後足の直径の比を比較することにより評価された。
【0051】
【0052】
試験の結論:試験から明らかなように(表1に示すように)、副腎皮質刺激ホルモンは経口製剤に調製された場合、マウスでの高尿酸による関節腫脹(痛風)に対して良好な緩和作用がある(急性痛風)。研究から明らかなように、四成分群(ACTH、ドデシル硫酸ナトリウム、キトサン、クエン酸ナトリウムからなる組成物)は高尿酸による関節腫脹に対して24時間持続する作用がある。同様に、五成分高用量群も24時間持続する作用がある。
【0053】
試験2:ビーグル犬モデルでの高尿酸による関節腫脹(痛風)への影響試験
以下のようにグループ化されている。
【0054】
1、五成分含有の薬物群:サイズ3の腸溶性カプセル内には、副腎皮質刺激ホルモン4mg、ドデシル硫酸ナトリウム40mg、カルボマー13mg、キトサン13mg、クエン酸ナトリウム130mgが含有されている。経口投与した。
【0055】
2、単一活性成分含有の薬物群:サイズ3の腸溶性カプセル内には、副腎皮質刺激ホルモン4mgが含有されている。経口投与した。
【0056】
3、陽性対照群(投与せず):サイズ3の中空な腸溶性カプセル。経口投与した。
【0057】
試験の方法:6~8週齢の雄性ビーグル犬に、グループ化状況に応じて、異なる試験薬物を経口投与した。1時間経過後、動物を特定し、右後足に20mg/mlの尿酸ナトリウムを1ml注射し、左後足に生理食塩水を1ml注射した。1グループごとに3匹の動物がいる。尿酸ナトリウムが投与された瞬間を0時間として、0時間、6時間、12時間、24時間に左右後足の直径を測定し、操作誤差を減少させるため、動物1匹ごとに各時点に3回測定した。薬物の有効性は、右後足の直径/左後足の直径の比を比較することにより評価された。
【0058】
【0059】
試験の結果:試験から明らかなように(表2に示すように)、副腎皮質刺激ホルモンは経口製剤に調製された場合、ビーグル犬での高尿酸による関節腫脹(痛風)に対して良好な緩和作用がある。
【0060】
調製実施例
実施例1
副腎皮質刺激ホルモン4g、ドデシル硫酸ナトリウム40g、カルボマー13g、キトサン13g、クエン酸ナトリウム130g。
【0061】
調製の方法:ドデシル硫酸ナトリウム、カルボマー、キトサン、クエン酸ナトリウムを取ってそれぞれ粉砕してふるい分けた後、副腎皮質刺激ホルモンと均一に混合して腸溶性カプセルに入れば、得られるものであった。
【0062】
実施例2
副腎皮質刺激ホルモン4g、ドデシル硫酸ナトリウム40g、カルボマー934P 13g、カルボキシメチルキトサン13g、リンゴ酸ナトリウム130g。
【0063】
調製の方法:ドデシル硫酸ナトリウム、カルボマー934P、カルボキシメチルキトサン、リンゴ酸ナトリウムを取ってそれぞれ粉砕してふるい分けた後、副腎皮質刺激ホルモンと均一に混合して腸溶性カプセルに入れば、得られるものであった。
【0064】
実施例3
副腎皮質刺激ホルモン4g、ドデシル硫酸ナトリウム40g、カルボマー934P 13g、アシル化キトサン13g、リンゴ酸ナトリウム130g。
【0065】
調製の方法:ドデシル硫酸ナトリウム、カルボマー934P、アシル化キトサン、リンゴ酸ナトリウムを取ってそれぞれ粉砕してふるい分けた後、副腎皮質刺激ホルモンと均一に混合して腸溶性カプセルに入れば、得られるものであった。
【0066】
実施例4
副腎皮質刺激ホルモン5g、ドデシル硫酸ナトリウム400g、カルボマー130g、キトサン130g、クエン酸ナトリウム1300g。
【0067】
調製の方法:ドデシル硫酸ナトリウム、カルボマー、キトサン、クエン酸ナトリウムを取ってそれぞれ粉砕してふるい分けた後、副腎皮質刺激ホルモンと均一に混合して腸溶性カプセルに入れば、得られるものであった。
【0068】
実施例5
副腎皮質刺激ホルモン4g、ドデシル硫酸ナトリウム40g、キトサン13g、クエン酸ナトリウム130g。
【0069】
調製の方法:ドデシル硫酸ナトリウム、キトサン、クエン酸ナトリウムを取ってそれぞれ粉砕してふるい分けた後、副腎皮質刺激ホルモンと均一に混合して腸溶性カプセルに入れば、得られるものであった。
【0070】
実施例6
副腎皮質刺激ホルモン4g、ドデシル硫酸ナトリウム40g、カルボキシメチルキトサン13g、リンゴ酸ナトリウム130g。
【0071】
調製の方法:ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルキトサン、リンゴ酸ナトリウムを取ってそれぞれ粉砕してふるい分けた後、副腎皮質刺激ホルモンと均一に混合して腸溶性カプセルに入れば、得られるものであった。
【0072】
実施例7
副腎皮質刺激ホルモン4g、ドデシル硫酸ナトリウム40g、アシル化キトサン13g、リンゴ酸ナトリウム130g。
【0073】
調製の方法:ドデシル硫酸ナトリウム、アシル化キトサン、リンゴ酸ナトリウムを取ってそれぞれ粉砕してふるい分けた後、副腎皮質刺激ホルモンと均一に混合して腸溶性カプセルに入れば、得られるものであった。
【0074】
実施例8
副腎皮質刺激ホルモン0.5g、ドデシル硫酸ナトリウム40g、キトサン13g、クエン酸ナトリウム130g。
【0075】
調製の方法:ドデシル硫酸ナトリウム、キトサン、クエン酸ナトリウムを取ってそれぞれ粉砕してふるい分けた後、副腎皮質刺激ホルモンと均一に混合して腸溶性カプセルに入れば、得られるものであった。
【0076】
実施例9
副腎皮質刺激ホルモン1g、ドデシル硫酸ナトリウム40g、キトサン13g、クエン酸ナトリウム130g。
【0077】
調製の方法:ドデシル硫酸ナトリウム、キトサン、クエン酸ナトリウムを取ってそれぞれ粉砕してふるい分けた後、副腎皮質刺激ホルモンと均一に混合して腸溶性カプセルに入れば、得られるものであった。
【0078】
実施例10
副腎皮質刺激ホルモン3g、ドデシル硫酸ナトリウム40g、キトサン13g、クエン酸ナトリウム130g。
【0079】
調製の方法:ドデシル硫酸ナトリウム、キトサン、クエン酸ナトリウムを取ってそれぞれ粉砕してふるい分けた後、副腎皮質刺激ホルモンと均一に混合して腸溶性カプセルに入れば、得られるものであった。
【0080】
本発明による実施例は上記の調製実施例を含むが、これに限定されるものではない。
【0081】
本分野の当業者は本明細書に記載される本願の請求項による保護範囲から逸脱せず様々な実施形態を行うこともでき、これらは全て本発明の保護範囲に含まれる。
【国際調査報告】