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特表2024-511490自律移動機器の駐車制御方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】自律移動機器の駐車制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/02 20120101AFI20240306BHJP
   F02D 29/06 20060101ALI20240306BHJP
   B60W 30/06 20060101ALI20240306BHJP
   B60T 7/12 20060101ALI20240306BHJP
   B60T 17/22 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B60W30/02
F02D29/06 L
B60W30/06
B60T7/12 A
B60T17/22 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559072
(86)(22)【出願日】2022-03-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 CN2022082164
(87)【国際公開番号】W WO2022199564
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202110300057.3
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523365619
【氏名又は名称】蘇州大学
【氏名又は名称原語表記】SOOCHOW UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】NO.8 JIXUE ROAD, XIANGCHENG DISTRICT, SUZHOU, JIANGSU 215100 CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】523362515
【氏名又は名称】江蘇邁歩智能装備科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU MAIBU INTELLIGENT TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Floor 2, Tianyang Machinery Plant 4, No.29 Xingfu Road, Nantong City, Jiangsu Province 226001 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】耿 長興
(72)【発明者】
【氏名】朱 国鋒
(72)【発明者】
【氏名】陳 兪松
(72)【発明者】
【氏名】沈 任遠
(72)【発明者】
【氏名】王 永
【テーマコード(参考)】
3D049
3D241
3D246
3G093
【Fターム(参考)】
3D049AA03
3D049BB02
3D049HH47
3D049HH51
3D049RR01
3D049RR07
3D241BA18
3D241BA21
3D241CC08
3D241DB14Z
3D241DB16Z
3D246AA15
3D246DA02
3D246EA01
3D246EA09
3D246GA01
3D246GB15
3D246GB21
3D246GC11
3D246HA28A
3D246HA86A
3D246HB07A
3D246JB32
3D246JB43
3D246MA08
3G093AA09
3G093AA16
3G093BA14
3G093BA23
3G093CA05
3G093EB02
3G093EB04
3G093EB08
(57)【要約】
本出願は自律移動機器の駐車制御方法及び装置に関し、自動制御技術の分野に属し、この方法は、傾斜角センサによって収集された傾斜角データを取得することと、傾斜角データに基づいて自律移動機器のブレーキ操縦を決定することと、ブレーキ操縦に従って自律移動機器の駐車を制御することと、を含むものであり、ブレーキ操縦が一定していることによる自律移動機器の止まる過程に発生する急ブレーキ又はずり下がりの問題を解決でき、傾斜角データは現在の路面の勾配を反映することができ、そして、勾配の大きさは自律移動機器の急ブレーキ又はずり下がりの現象が発生するか否かに影響を与えるため、勾配に応じて適応的にブレーキ操縦を決定することにより、自律移動機器は現在の勾配に適応するブレーキ操縦を使用して駐車を行うことができ、急ブレーキ又はずり下がりの現象の発生が防止され、自律移動機器の駐車効果が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律移動機器に傾斜角センサが取り付けられ、
前記傾斜角センサによって収集された傾斜角データを取得することと、
前記傾斜角データに基づいて前記自律移動機器のブレーキ操縦を決定することと、
前記ブレーキ操縦に従って前記自律移動機器の駐車を制御することと、を含むことを特徴とする自律移動機器の駐車制御方法。
【請求項2】
前記ブレーキ操縦は、平地ブレーキ操縦と坂道ブレーキ操縦を含み、上記した前記傾斜角データに基づいて前記自律移動機器の前記ブレーキ操縦を決定することは、
前記傾斜角データが第1の傾斜角範囲内にある場合、前記ブレーキ操縦を前記平地ブレーキ操縦として決定することと、
前記傾斜角データが第2の傾斜角範囲内にある場合、前記ブレーキ操縦を前記坂道ブレーキ操縦として決定することと、を含み、
前記第2の傾斜角範囲内の前記傾斜角データが、前記第1の傾斜角範囲内の前記傾斜角データよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の自律移動機器の駐車制御方法。
【請求項3】
前記ブレーキ操縦が前記平地ブレーキ操縦である場合、上記した前記ブレーキ操縦に従って前記自律移動機器の駐車を制御することは、
前記自律移動機器の走行速度パラメータを取得することと、
前記走行速度パラメータに対応する第1のブレーキ遅延時間を決定することと、
前記第1のブレーキ遅延時間に従って前記自律移動機器の駐車を制御することと、を含み、
前記第1のブレーキ遅延時間が前記走行速度パラメータと正の相関関係を有することを特徴とする請求項2に記載の自律移動機器の駐車制御方法。
【請求項4】
前記走行速度パラメータは、前記自律移動機器における移動駆動部材の駆動パラメータを含み、
前記移動駆動部材は前記自律移動機器における移動部材を駆動して動作させるために用いられ、前記移動部材は前記自律移動機器を引っ張って移動させるために用いられることを特徴とする請求項3に記載の自律移動機器の駐車制御方法。
【請求項5】
前記ブレーキ操縦が前記坂道ブレーキ操縦である場合、上記した前記ブレーキ操縦に従って前記自律移動機器の駐車を制御することは、
前記傾斜角データに対応する第2のブレーキ遅延時間を決定することと、
前記第2のブレーキ遅延時間に従って前記自律移動機器の駐車を制御することと、を含み、前記第2のブレーキ遅延時間が前記傾斜角データと負の相関関係を有することを特徴とする請求項2に記載の自律移動機器の駐車制御方法。
【請求項6】
前記第2の傾斜角範囲は、第1のサブ範囲と第2のサブ範囲とを含み、前記第2のサブ範囲内の前記傾斜角データが前記第1のサブ範囲内の前記傾斜角データよりも大きく、
上記した前記ブレーキ操縦に従って前記自律移動機器の駐車を制御することは、
前記傾斜角データが前記第2のサブ範囲内にある場合、前記自律移動機器の駐車をブレーキ遅延なしに制御することと、
前記傾斜角データが前記第1のサブ範囲内にある場合、上記した前記傾斜角データに対応する前記第2のブレーキ遅延時間を決定するステップ、及び前記第2のブレーキ遅延時間に従って前記自律移動機器の駐車を制御するステップの実行をトリガすることと、を含むことを特徴とする請求項5に記載の自律移動機器の駐車制御方法。
【請求項7】
最近のn回連続して収集された前記傾斜角データを取得することと、
前記収集されたn回の前記傾斜角データに基づいて前記傾斜角データが正常であるか否かを判定することと、
前記傾斜角データが正常である場合、上記した前記傾斜角データに基づいて前記自律移動機器の前記ブレーキ操縦を決定するステップの実行をトリガすることと、をさらに含み、前記nは1より大きい整数である
ことを特徴とする請求項1に記載の自律移動機器の駐車制御方法。
【請求項8】
上記した前記n回収集された前記傾斜角データに基づいて前記傾斜角データが正常であるか否かを判定することは、
n個の前記傾斜角データの変化量が予め設定された閾値以下である場合、前記傾斜角データが正常であると判定することと、
前記n個の前記傾斜角データの変化量が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記傾斜角データが異常であると判定することと、を含むことを特徴とする請求項7に記載の自律移動機器の駐車制御方法。
【請求項9】
自律移動機器の駐車制御装置であって、前記自律移動機器に傾斜角センサが取り付けられ、
前記傾斜角センサによって収集された傾斜角データを取得するために用いられるデータ取得モジュールと、
前記傾斜角データに基づいて前記自律移動機器のブレーキ操縦を決定するために用いられる操縦決定モジュールと、
前記ブレーキ操縦に従って前記自律移動機器の駐車を制御するために用いられる駐車制御モジュールと、を備えることを特徴とする自律移動機器の駐車制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は自律移動機器の駐車制御方法及び装置に関し、自動制御技術の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
自律移動機器とは、ユーザが参加する必要がなく、自己移動することができるものであり、例えば、草刈り機、掃除機などがある。
【0003】
自律移動機器は自己移動中、一定のブレーキ操縦に従って駐車することが一般である。例えば、一定のブレーキ遅延時間に従って駐車する。
【0004】
しかしながら、一定のブレーキ操縦では、異なる道路状況に対応できず、止まる過程に急ブレーキ又はずり下がりなどの問題が生じる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願は、ブレーキ操縦が一定していることによる自律移動機器の止まる過程に発生する急ブレーキ又はずり下がりの問題を解決できる自律移動機器の駐車制御方法及び装置を提供している。本出願は次のような技術案を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面では、自律移動機器の駐車制御方法が提供されており、前記自律移動機器に傾斜角センサが取り付けられ、前記自律移動機器の駐車制御方法は、
前記傾斜角センサによって収集された傾斜角データを取得することと、
前記傾斜角データに基づいて前記自律移動機器のブレーキ操縦を決定することと、
前記ブレーキ操縦に従って前記自律移動機器の駐車を制御することと、を含む。
【0007】
オプションとして、前記ブレーキ操縦は、平地ブレーキ操縦と坂道ブレーキ操縦を含み、上記した前記傾斜角データに基づいて前記自律移動機器の前記ブレーキ操縦を決定することは、
前記傾斜角データが第1の傾斜角範囲にある場合、前記ブレーキ操縦を前記平地ブレーキ操縦として決定することと、
前記傾斜角データが第2の傾斜角範囲にある場合、前記ブレーキ操縦を前記坂道ブレーキ操縦として決定することと、を含み、
前記第2の傾斜角範囲内の前記傾斜角データは、前記第1の傾斜角範囲内の前記傾斜角データよりも大きい。
【0008】
オプションとして、前記ブレーキ操縦が前記平地ブレーキ操縦である場合、上記した前記ブレーキ操縦に従って前記自律移動機器の駐車を制御することは、
前記自律移動機器の走行速度パラメータを取得することと、
前記走行速度パラメータに対応する第1のブレーキ遅延時間を決定することと、
前記第1のブレーキ遅延時間に従って前記自律移動機器の駐車を制御することと、を含み、前記第1のブレーキ遅延時間が前記走行速度パラメータと正の相関関係を有する。
【0009】
オプションとして、前記走行速度パラメータは、前記自律移動機器における移動駆動部材の駆動パラメータを含み、前記移動駆動部材は前記自律移動機器における移動部材を駆動して動作させるために用いられ、前記移動部材は前記自律移動機器を引っ張って移動させるために用いられる。
【0010】
オプションとして、前記ブレーキ操縦が前記坂道ブレーキ操縦である場合、上記した前記ブレーキ操縦に従って前記自律移動機器の駐車を制御することは、
前記傾斜角データに対応する第2のブレーキ遅延時間を決定することと、
前記第2のブレーキ遅延時間に従って前記自律移動機器の駐車を制御することと、を含み、前記第2のブレーキ遅延時間が前記傾斜角データと負の相関関係を有する。
【0011】
オプションとして、前記第2の傾斜角範囲は、第1のサブ範囲と第2のサブ範囲とを含み、前記第2のサブ範囲内の前記傾斜角データが前記第1のサブ範囲内の前記傾斜角データよりも大きく、
上記した前記ブレーキ操縦に従って前記自律移動機器の駐車を制御することは、
前記傾斜角データが前記第2のサブ範囲内にある場合、前記自律移動機器の駐車をブレーキ遅延なしに制御することと、
前記傾斜角データが前記第1のサブ範囲内にある場合、上記した前記傾斜角データに対応する前記第2のブレーキ遅延時間を決定するステップ、及び前記第2のブレーキ遅延時間に従って前記自律移動機器の駐車を制御するステップの実行をトリガすることと、を含む。
【0012】
オプションとして、前記自律移動機器の駐車制御方法は、
最近のn回連続して収集された前記傾斜角データを取得することと、
前記収集されたn回の前記傾斜角データに基づいて前記傾斜角データが正常であるか否かを判定することと、
前記傾斜角データが正常である場合、上記した前記傾斜角データに基づいて前記自律移動機器の前記ブレーキ操縦を決定するステップの実行をトリガすることと、をさらに含み、前記nは1より大きい整数である。
【0013】
オプションとして、上記した前記n回収集された前記傾斜角データに基づいて前記傾斜角データが正常であるか否かを判定することは、
n個の前記傾斜角データの変化量が予め設定された閾値以下である場合、前記傾斜角データが正常であると判定することと、
前記n個の傾斜角データの変化量が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記傾斜角データが異常であると判定することと、を含む。
【0014】
第2の側面では、自律移動機器の駐車制御装置が提供されており、前記自律移動機器に傾斜角センサが取り付けられ、前記駐車制御装置は、
前記傾斜角センサによって収集された傾斜角データを取得するために用いられるデータ取得モジュールと、
前記傾斜角データに基づいて前記自律移動機器のブレーキ操縦を決定するために用いられる操縦決定モジュールと、
前記ブレーキ操縦に従って前記自律移動機器の駐車を制御するために用いられる駐車制御モジュールと、を備える。
【発明の効果】
【0015】
本出願による有益な効果は、自律移動機器に傾斜角センサを取り付けて、傾斜角センサによって収集された傾斜角データを取得し、傾斜角データに基づいて自律移動機器のブレーキ操縦を決定し、ブレーキ操縦に従って自律移動機器の駐車を制御することにより、ブレーキ操縦が一定していることによる自律移動機器の止まる過程に発生する急ブレーキ又はずり下がりの問題を解決でき、傾斜角データは現在の路面の勾配を反映することができ、そして、勾配の大きさは自律移動機器の急ブレーキ又はずり下がりの現象が発生するか否かに影響を与えるため、勾配に応じて適応的にブレーキ操縦を決定することにより、自
律移動機器は現在の勾配に適応するブレーキ操縦を使用して駐車を行うことができ、急ブレーキ又はずり下がりの現象の発生が防止され、自律移動機器の駐車効果が向上することにある。
【0016】
以上の説明は、本出願の技術案の概要のみであり、本出願の技術手段をより明確に理解するとともに、明細書の内容に従って実施することができるために、以下、本出願の好適な実施例によって添付の図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本出願に係る一つの実施例による自律移動機器の駐車制御システムの構成概略図である。
図2】本出願に係る一つの実施例による自律移動機器の概略図である。
図3】本出願に係る一つの実施例による自律移動機器の駐車制御方法のフローチャートである。
図4】本出願に係る一つの実施例による自律移動機器の駐車制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本出願の発明を実施するための形態について、添付の図面および実施例を参照してより詳細に説明する。以下の実施例は、本出願を説明するためのものであり、本出願の範囲を制限するものではない。
【0019】
図1は本出願に係る一つの実施例による自律移動機器の制御システムの構成概略図であり、図1に示すように、このシステムは少なくとも自律移動機器1と制御機器2を備える。
【0020】
自律移動機器1とは、人手を介する必要がなく自己移動することができるものである。例えば、自律移動機器1は、草刈り機、掃除機等の機器であってもよく、本実施例では、自律移動機器1の機器タイプを限定しない。
【0021】
自律移動機器1が草刈り機である場合を例に挙げると、この自律移動機器1は、
シャーシと、
シャーシに位置する草刈り機構と、
この草刈り機構を駆動して動作させる草刈り駆動部材と、
草刈り機を引っ張って移動させるための移動部材と、
移動部材を駆動して動作させるための移動駆動部材と、を備えるが、これらに限られず、
前記草刈り駆動部材は、例えばエンジン、このエンジンに連結された駆動軸及び/又は駆動歯車を含み、前記移動部材は、例えばホイール、ホイールに連結された駆動軸などであり、前記移動駆動部材は、例えば草刈駆動部材とは異なるエンジン、当該エンジンに連結された駆動軸および/または駆動歯車などを含む。
【0022】
オプションとして、草刈り機構は、板金製の柄、フリー刃、および保護カバーからなるカッタヘッドを含み、もちろん、草刈り機構は、他の態様の草刈り能力を持つ機構であってもよく、本実施例では、草刈り機構の実現形態を限定しない。
【0023】
オプションとして、草刈り機構は、カッタヘッドの昇降を達成するための昇降部材をさらに含み、草刈り駆動部材は、エンジンの動力をカッタヘッドに伝達し、カッタヘッドの昇降中に、動力を急激な変化が発生することなく安定して伝達し、摩擦のない滑らかな回転を実現する。
【0024】
オプションとして、移動部材は、シャーシに取り付けられた4つのホイールを含み、これら4つのホイールは独立して駆動され、ホイールは、ショック吸収なしでシャーシに接続されている。
【0025】
オプションとして、草刈り機における発電機出力は不変負荷であり、カッタは地形、刈る対象物、刈る効果に依存する可変負荷であり、エンジン出力配分は、主に自分で適応的に分配される。発電機に連結された駆動システムは、ベルトを含む。草刈り機における発電・エネルギー貯蔵部は発電機、電圧調整ユニット及びバッテリからなり、冬期の充電を容易にするように防塵・防水汎用充電口が外付けられる。
【0026】
当然ながら、上記の部材は単なる例示であり、実際に実現する場合、草刈り機は、例えばセンサ部材、電力供給部材、通信部材、制御部材(例えば、プログラマブルロジックコントローラ(Programmable Logic Controller,PLC)または他の制御機能を持つチップ)、エンジン作動時間記録計、走行距離計、バッテリ電圧計、バッテリ電力量計、インジケータライト、ステアリングギヤー、駆動器などのような他の部材を備えることもでき、本実施例では、草刈り機に備える部材を限定しない。
【0027】
制御機器2は、自律移動機器1の動作を制御するために用いられる。例えば、自律移動機器1の移動速度、移動方向、その起動停止などを制御するが、本実施例では、制御機器2の制御内容を限定しない。
【0028】
オプションとして、制御機器2は、例えば、リモコン、携帯電話、ウェアラブル機器等、自律移動機器1とは独立した機器であってよく、本実施例では、制御機器2の実現形態を限定しない。
【0029】
本実施例では、図2を参照すると、自律移動機器1に傾斜角センサ11が取り付けられており、この場合、自律移動機器1における制御部材12は、傾斜角センサによって収集された傾斜角データを取得すること、傾斜角データに基づいて自律移動機器のブレーキ操縦を決定すること、ブレーキ操縦に従って自律移動機器の駐車を制御することに使用される。
このうち、制御部材12は、例えば、通信バスを介して傾斜角センサ11と通信可能に接続されている。
【0030】
オプションとして、傾斜角センサ11は、少なくとも2方向の傾斜角度の測定をサポートするものであり、例えば、傾斜角センサ11は、2軸の傾斜角センサ、または異なる方向に取り付けられる複数の単軸の傾斜角センサであり、本実施例では、傾斜角センサ11の種類や数を限定しない。
【0031】
オプションとして、本実施例は、自律移動機器1における制御部材12が駐車制御フローを実行する例で説明しているが、実際に実現する場合、例えば制御機器2によって実行されるなど、他の機器によって実行されてもよく、本実施例では、駐車制御フローを実行する主体を限定しない。
【0032】
以上のようにして、本実施例では、自律移動機器に傾斜角センサを取り付けて、傾斜角センサによって収集された傾斜角データを取得し、傾斜角データに基づいて自律移動機器のブレーキ操縦を決定し、ブレーキ操縦に従って自律移動機器の駐車を制御することにより、ブレーキ操縦が一定していることによる自律移動機器の止まる過程に発生する急ブレーキ又はずり下がりの問題を解決でき、傾斜角データは現在の路面の勾配を反映することができ、そして、勾配の大きさは自律移動機器の急ブレーキ又はずり下がりの現象が発生
するか否かに影響を与えるため、勾配に応じて適応的にブレーキ操縦を決定することにより、自律移動機器は現在の勾配に適応するブレーキ操縦を使用して駐車を行うことができ、急ブレーキ又はずり下がりの現象の発生が防止され、自律移動機器の駐車効果が向上する。
【0033】
図3は本出願に係る一つの実施例による自律移動機器の駐車制御方法のフローチャートである。本実施例は、この方法を図1に示す自律移動機器の制御システムにおける自律移動機器1に適用した例で説明する。この方法は少なくとも以下のいくつかのステップを含む。
【0034】
ステップ301:傾斜角センサによって収集された傾斜角データを取得する。
オプションとして、自律移動機器は、傾斜角センサによって収集された傾斜角データを取得する前に、駐車制御機能が起動されるか否かを判定し、駐車制御機能が起動されると判定した場合、ステップ301を実行する。駐車制御機能が起動されないと判定した場合、フローは終了する。
【0035】
ここで、駐車制御機能が起動されるか否かを判定する方法は、以下のいくつかの種類を含むが、これらに限られない。
【0036】
第1の方法では、駐車制御機能の有効起動信号があるか否かを判定し、この有効起動信号は制御機器が駐車制御起動ボタンに作用する起動トリガ操作を受けた時に送信され、且つ後に駐車制御機能の停止信号を受信すると無効になるものであり、停止信号は制御機器が駐車制御起動ボタンに作用する停止トリガ操作を受けた時に送信されるものであり、制御機器は自律移動機器を制御するために用いられており、有効起動信号がある場合、駐車制御機能が起動されると判定し、有効起動信号がない場合、駐車制御機能が起動されないと判定する。
【0037】
第2の方法では、自律移動機器は駐車制御起動ボタンを更に備える。この場合、自律移動機器は、駐車制御起動ボタンに作用する起動トリガ操作を受けるか否かを判定して、この起動トリガ操作を受けたと判定した場合、駐車制御機能が起動されると判定し、起動トリガ操作を受けていないと判定した場合、駐車制御機能が起動されないと判定する。
【0038】
他の実施例では、自律移動機器は、駐車制御機能が起動されるか否かを判定することなく、自律移動機器の駐車プロセスを直接制御してもよい。
【0039】
ステップ302:傾斜角データに基づいて自律移動機器のブレーキ操縦を決定する。
ブレーキ操縦は傾斜角データに対応する現在の走行路面の勾配に適応しており、自律移動機器の急ブレーキ又は坂道からのずり下がりの現象の発生を防止することができる。
【0040】
オプションとして、傾斜角データの正確さが現在の走行路面の勾配に対する判定の正確さに直接影響するため、本実施例では、ステップ302の前に、さらに、最近のn回連続して収集された傾斜角データを取得し、収集されたn回の傾斜角データに基づいて傾斜角データが正常であるか否かを判定して、傾斜角データが正常である場合、ステップ302を実行する。nは1より大きい整数である。
【0041】
ここで、収集されたn回の傾斜角データに基づいて傾斜角データが正常であるか否かを判定することは、n個の傾斜角データの変化量が予め設定された閾値以下である場合、傾斜角データが正常であると判定することと、n個の傾斜角データの変化量が予め設定された閾値よりも大きい場合、傾斜角データが異常であると判定することと、を含む。
【0042】
予め設定された閾値の値は比較的小さく、例えば、予め設定された閾値は0又は0に近いものであり、本実施例では、予め設定された閾値の値を限定しない。
【0043】
nは固定の数値であってもよいし、設定時間や傾斜角センサの収集間隔時間に基づいて決定されるものであってもよく、本実施例では、nの設置方法を限定しない。
【0044】
例えば、予め設定された時間が10ms(ミリ秒)であると、10ms以内に収集されたn個の傾斜角データが一致して変化していない場合、傾斜角データが正常であることを示し、この変化しない一定の傾斜角データをブレーキ操縦決定用の傾斜角データとする。
【0045】
オプションとして、n個の傾斜角データの変化量がそれぞれ予め設定された閾値以下であるが、少なくとも2つの傾斜角データが異なると、n個の傾斜角データの平均値をブレーキ操縦決定用の傾斜角データとして用いてもよいし、n個の傾斜角データのうち最も多く出現する傾斜角データをブレーキ操縦決定用の傾斜角データとしてもよく、本実施例では、傾斜角データの選択方法を限定しない。
【0046】
ステップ303:ブレーキ操縦に従って自律移動機器の駐車を制御する。
一つの例では、ブレーキ操縦は、平地ブレーキ操縦と坂道ブレーキ操縦とを含む。平地ブレーキ操縦は自律移動機器の止まる過程に急ブレーキ現象が発生することを防止するために用いられ、坂道ブレーキ操縦は自律移動機器の止まる過程に坂道からのずり下がり現象が発生することを防止するために用いられる。この場合、傾斜角データに基づいて自律移動機器のブレーキ操縦を決定することは、傾斜角データが第1の傾斜角範囲にある場合、ブレーキ操縦を平地ブレーキ操縦として決定することと、傾斜角データが第2の傾斜角範囲にある場合、ブレーキ操縦を坂道ブレーキ操縦として決定することと、を含み、第2の傾斜角範囲内の傾斜角データは、第1の傾斜角範囲内の傾斜角データよりも大きい。
【0047】
オプションとして、自律移動機器の安全性を保証するために、傾斜角データが少なくとも2つの方向の傾斜角データを含む場合、いずれかの方向の傾斜角データが第2の傾斜角範囲にあれば、ブレーキ操縦を坂道ブレーキ操縦として決定し、全ての方向の傾斜角データがいずれも第1の傾斜角範囲にある場合、ブレーキ操縦を平地ブレーキ操縦として決定する。
【0048】
第1の傾斜角範囲内では、自律移動機器は、平地を移動しているとみなされ、第2の傾斜角範囲内では、自律移動機器は、坂道を移動しているとみなされる。例示的に、第1の傾斜角範囲は、[0°,5°)であってもよく、第2の傾斜角範囲は、[5°,35°]であってもよく、もちろん、実際に実現する場合、第1の傾斜角範囲と第2の傾斜角範囲の上限値および下限値は、他の数値に設置されてもよく、本実施形態では、第1の傾斜角範囲と第2の傾斜角範囲の値の取り方を限定しない。
【0049】
一つの例では、ブレーキ操縦が平地ブレーキ操縦である場合、ブレーキ操縦に従って自律移動機器の駐車を制御することは、自律移動機器の走行速度パラメータを取得することと、走行速度パラメータに対応する第1のブレーキ遅延時間を決定することと、第1のブレーキ遅延時間に従って自律移動機器の駐車を制御することと、を含み、前記第1のブレーキ遅延時間が走行速度パラメータと正の相関関係を有する。
【0050】
走行速度パラメータは、自律移動機器の移動速度を表すものである。
【0051】
走行速度パラメータと第1のブレーキ遅延時間とは、線形の正の相関関係にあってもよいし、非線形の正の相関関係にあってもよい。言い換えれば、第1のブレーキ遅延時間は、走行速度パラメータが減少するにつれて減少する。
【0052】
オプションとして、走行速度パラメータは、自律移動機器における移動駆動部材の駆動パラメータを含み、そのうち、移動駆動部材は自律移動機器における移動部材を駆動して動作させるために用いられ、この移動部材は自律移動機器を引っ張って移動させるために用いられる。例えば、移動駆動部材がモータであると、駆動パラメータはモータ回転速度であり、モータ回転速度の最大値を3000r/min、最小値を0r/min、ブレーキ遅延の最大値を1秒、最小値を0とすると、自律移動機器が駐車を決定した時にモータ回転速度が3000r/minであれば、最大のブレーキ遅延で駐車し、自律移動機器が駐車を決定した時にモータ回転速度が0r/minであれば、ブレーキ遅延なしに駐車する。加えて、本例では、ブレーキ遅延の最大値が1秒である場合のみを例として説明したが、実際に実現する場合、ブレーキ遅延の最大値は他の数値であってもよく、また、ブレーキ遅延の最大値はユーザにより設置されてもよいし、デフォルトで自律移動機器に設置されてもよく、本実施例では、ブレーキ遅延の最大値の値や設置方法を限定しない。
【0053】
オプションとして、ブレーキ遅延時間(例えば、本明細書では、第1のブレーキ遅延時間および第2のブレーキ遅延時間)に従って自律移動機器の駐車を制御することとは、自律移動機器が駐車を決定した後、ブレーキ遅延時間を経過してから、ブレーキリレーがオフにされ、自律移動機器がブレーキをかけることを意味する。
【0054】
他の例では、平地ブレーキ操縦は他の操縦であってもよく、例えば、走行速度パラメータが速度しきい値よりも大きい場合に、走行速度パラメータと第1のブレーキ遅延時間との間の線形の正の相関関係に基づいて、現在の走行速度パラメータに対応する第1のブレーキ遅延時間を決定し、走行速度パラメータが速度閾値以下である場合に、一定のブレーキ遅延時間で駐車を行い、本実施例では、平地ブレーキ操縦の実現形態を限定しない。
【0055】
一つの例では、ブレーキ操縦が坂道ブレーキ操縦である場合、ブレーキ操縦に従って自律移動機器の駐車を制御することは、傾斜角データに対応する第2のブレーキ遅延時間を決定することと、第2のブレーキ遅延時間に従って自律移動機器の駐車を制御することと、を含み、前記第2のブレーキ遅延時間が傾斜角データと負の相関関係を有する。
【0056】
オプションとして、第2の傾斜角範囲は、第1のサブ範囲と第2のサブ範囲とを含み、第2のサブ範囲内の傾斜角データは第1のサブ範囲内の傾斜角データよりも大きい。ここで、ブレーキ操縦に従って自律移動機器の駐車を制御することは、傾斜角データが第2のサブ範囲内にある場合、自律移動機器の駐車をブレーキ遅延なしに制御することと、傾斜角データが第1のサブ範囲内にある場合、傾斜角データに対応する第2のブレーキ遅延時間を決定するステップ、及び第2のブレーキ遅延時間に従って自律移動機器の駐車を制御するステップの実行をトリガすることと、を含む。
【0057】
例えば、第2の傾斜角範囲における第1のサブ範囲は、[5°,30°]、第2のサブ範囲は(30°,35°]であり、傾斜角データが第1のサブ範囲にある場合には、傾斜角データが増加するにつれて第2のブレーキ遅延時間が減少していく、すなわち、傾斜角データが5°の場合、第2のブレーキ遅延時間が最大値となり、傾斜角データが30°の場合、第2のブレーキ遅延時間が最小値、例えば0となり、この際、ブレーキ遅延なしに駐車を行う。傾斜角データが第2のサブ範囲にある場合には、傾斜角データが増加するにつれてブレーキ遅延時間が変化することはなく0のまま保持し、すなわちブレーキ遅延なしに駐車を行う。
【0058】
もちろん、他の実施形態では、坂道ブレーキ操縦は他の実現形態であってもよく、例えば、第2の傾斜角範囲をさらに分割しなくてもよく、すなわち、傾斜角データと第2のブレーキ遅延時間とは、第2の傾斜角範囲全体にわたって常に負の相関関係にあり、本実施
例では、坂道ブレーキ操縦の実現形態を限定しない。
【0059】
以上のようにして、本実施例による自律移動機器の駐車制御方法は、自律移動機器に傾斜角センサを取り付けて、傾斜角センサによって収集された傾斜角データを取得し、傾斜角データに基づいて自律移動機器のブレーキ操縦を決定し、ブレーキ操縦に従って自律移動機器の駐車を制御することにより、ブレーキ操縦が一定していることによる自律移動機器の止まる過程に発生する急ブレーキ又はずり下がりの問題を解決でき、傾斜角データは現在の路面の勾配を反映することができ、そして、勾配の大きさは自律移動機器の急ブレーキ又はずり下がりの現象が発生するか否かに影響を与えるため、勾配に応じて適応的にブレーキ操縦を決定することにより、自律移動機器は現在の勾配に適応するブレーキ操縦を使用して駐車を行うことができ、急ブレーキ又はずり下がりの現象の発生が防止され、自律移動機器の駐車効果が向上する。
【0060】
図4は本出願に係る一つの実施例による自律移動機器の駐車制御装置のブロック図であり、本実施例は、この装置を図1に示す自律移動機器の制御システムにおける自律移動機器1に適用した例で説明する。この装置は、少なくとも、データ取得モジュール410、操縦決定モジュール420および駐車制御モジュール430を備える。
【0061】
データ取得モジュール410は、前記傾斜角センサによって収集された傾斜角データを取得するために用いられ、
操縦決定モジュール420は、前記傾斜角データに基づいて前記自律移動機器のブレーキ操縦を決定するために用いられ、
駐車制御モジュール430は、前記ブレーキ操縦に従って前記自律移動機器の駐車を制御するために用いられる。
関連する詳細については、上記の実施例を参照されたい。
【0062】
なお、上記の実施例による自律移動機器の駐車制御装置は、自律移動機器の駐車を制御する際に上記の各機能モジュールに分割した場合のみを例に挙げて説明したが、実際の適用において、必要に応じて、上記機能を異なる機能モジュールに割り当てて達成してもよい。すなわち、自律移動機器の駐車制御装置の内部構成を異なる機能モジュールに分割して、上述した機能の全部または一部を達成するようにする。また、上記の実施例による自律移動機器の駐車制御装置は、自律移動機器の駐車制御方法の実施例と同一の構想に属し、その具体的な実現過程は、方法の実施例に詳細に記載されており、ここでは説明を繰返さない。
【0063】
オプションとして、本出願は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供しており、前記コンピュータ可読記憶媒体には、プロセッサによってロード、実行されて、上記方法の実施例の自律移動機器の駐車制御方法を実現するプログラムが記憶されている。
【0064】
オプションとして、本出願は、コンピュータ製品をさらに提供しており、このコンピュータ製品はコンピュータ可読記憶媒体を含み、前記コンピュータ可読記憶媒体には、プロセッサによってロード、実行されて、上記方法の実施例の自律移動機器の駐車制御方法を実現するプログラムが記憶されている。
【0065】
以上に述べた実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることが可能であり、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについては説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせは、矛盾しない限り、本明細書に記載された範囲内であると考えられるべきである。
【0066】
以上に述べた実施例は、本出願のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、その説明
は比較的に具体的かつ詳細的であるが、それによって発明の特許請求の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。当業者であれば、本出願の構想から逸脱することなく、いくつかの変形および改良を行うこともできるが、これらはいずれも本出願による保護範囲に含まれることに注意されたい。したがって、本特許出願による保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準じるものとすべきである。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】