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特表2024-511492車両軌跡オフセット補正方法、装置及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】車両軌跡オフセット補正方法、装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20240306BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240306BHJP
   G01C 21/30 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G09B29/00 Z
G01C21/26 B
G01C21/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559080
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 CN2022101911
(87)【国際公開番号】W WO2023274229
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202110719336.3
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522479278
【氏名又は名称】中移(上海)信息通信科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】China Mobile Shanghai ICT Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 10, No. 27 Xin Jinqiao Road, Pudong New Area, Shanghai 201206, China
(71)【出願人】
【識別番号】522479289
【氏名又は名称】中移智行網絡科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CM INTELLIGENT MOBILITY
【住所又は居所原語表記】Building 10, No. 27 Xin Jinqiao Road, Pudong New Area, Shanghai 201206, China
(71)【出願人】
【識別番号】518301095
【氏名又は名称】中国移動通信集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】付 国春
(72)【発明者】
【氏名】汪 建球
(72)【発明者】
【氏名】朱 云志
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
【Fターム(参考)】
2C032HB11
2C032HC08
2C032HC27
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB33
2F129BB49
2F129BB64
2F129BB66
2F129CC15
2F129CC20
2F129DD13
2F129EE52
2F129HH02
2F129HH05
2F129HH12
(57)【要約】
本開示は、車両軌跡オフセット補正方法、装置(1000)及び電子機器を提出する。該方法は、複数の第1軌跡点を含む第1道路軌跡(301,401)を取得すること(101)と、前記第1道路軌跡(301,401)の電子地図上の軌跡表示情報を取得することであって、前記軌跡表示情報は、前記複数の第1軌跡点と前記電子地図上の道路とがマッチングする位置情報を含む、こと(102)と、前記第1道路軌跡(301,401)の道路構造に基づいて、前記第1道路軌跡(301,401)をN本の軌跡道路区間に分割することであって、各軌跡道路区間は、連続するM個の第1軌跡点を含み、各軌跡道路区間は、一意の経路方向を有し、前記経路方向は、軌跡道路区間内の最初の第1軌跡点から最後の第1軌跡点までの経路方向である、こと(103)と、前記N本の軌跡道路区間及び前記軌跡表示情報に基づいて、前記電子地図上で車両軌跡をオフセット補正すること(104)と、を含む。本開示の実施例によれば、車両軌跡オフセット補正方式の適用シーンを制限しないようにすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両軌跡オフセット補正方法であって、
複数の第1軌跡点を含む第1道路軌跡を取得することと、
前記第1道路軌跡の電子地図上の軌跡表示情報を取得することであって、前記軌跡表示情報は、前記複数の第1軌跡点と前記電子地図上の道路とがマッチングする位置情報を含む、ことと、
前記第1道路軌跡の道路構造に基づいて、前記第1道路軌跡をN本の軌跡道路区間に分割することであって、各軌跡道路区間は、連続するM個の第1軌跡点を含み、各軌跡道路区間は、一意の経路方向を有し、前記経路方向は、軌跡道路区間内の最初の第1軌跡点から最後の第1軌跡点までの経路方向であり、Nは、正整数であり、Mは、1より大きい整数である、ことと、
前記N本の軌跡道路区間及び前記軌跡表示情報に基づいて、前記電子地図上で車両軌跡をオフセット補正することと、を含む方法。
【請求項2】
前記第1道路軌跡を取得することは、
複数の第2軌跡点を含む第2道路軌跡を取得することと、
前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得ることと、を含み、
前記第1道路軌跡内の隣接する第1軌跡点間の距離は、第1プリセット閾値より大きく、且つ第2プリセット閾値より小さい、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得ることは、
前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、プリセットルールに従って前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得ることを含み、
ここで、前記プリセットルールは、
隣接する2つの第2軌跡点間の距離が、前記第1プリセット閾値以下である場合、前記隣接する2つの第2軌跡点のうちのいずれかの第2軌跡点を削除することと、
隣接する2つの第2軌跡点間の距離が、前記第2プリセット閾値以上である場合、前記隣接する2つの第2軌跡点で補間を行うことと、
隣接する2つの第2軌跡点が、ターゲット道路網における道路に対応するクローズドループを形成していない場合、前記隣接する2つの第2軌跡点間で補間を行うことと、のうちの少なくとも1つを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記N本の軌跡道路区間及び前記軌跡表示情報に基づいて、前記電子地図上で車両軌跡をオフセット補正することは、
車両の位置情報を取得することと、
前記N本の軌跡道路区間からターゲット軌跡道路区間を決定することであって、前記ターゲット軌跡道路区間は、前記N本の軌跡道路区間のうちの前記位置情報との射影距離が最も短い軌跡道路区間である、ことと、
前記ターゲット軌跡道路区間内の前記位置情報に対応するターゲット軌跡点を決定することと、
前記軌跡表示情報から前記ターゲット軌跡点に対応する第1表示情報を取得することと、
前記第1表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記ターゲット軌跡点を表示することと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記ターゲット軌跡点を表示する前に、前記方法は、さらに、
前記N本の軌跡道路区間の表示点集合を取得することであって、前記表示点集合は、前記N本の軌跡道路区間のうちの各軌跡道路区間の表示用のK個第1軌跡点を含み、Kは、M以下の正整数である、ことと、
前記軌跡表示情報から前記表示点集合の各第1軌跡点の第2表示情報を取得することと、
前記第2表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記表示点集合内の各第1軌跡点を表示することと、を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
車両軌跡オフセット補正装置であって、
複数の第1軌跡点を含む第1道路軌跡を取得するように構成される第1取得モジュールと、
前記第1道路軌跡の電子地図上の軌跡表示情報を取得するように構成される第2取得モジュールであって、前記軌跡表示情報は、前記複数の第1軌跡点と前記電子地図上の道路とがマッチングする位置情報を含む、第2取得モジュールと、
前記第1道路軌跡の道路構造に基づいて、前記第1道路軌跡をN本の軌跡道路区間に分割するように構成される分割モジュールであって、各軌跡道路区間は、連続するM個の第1軌跡点を含み、各軌跡道路区間は、一意の経路方向を有し、前記経路方向は、軌跡道路区間内の最初の第1軌跡点から最後の第1軌跡点までの経路方向であり、Nは、正整数であり、Mは、1より大きい整数である、分割モジュールと、
前記N本の軌跡道路区間及び前記軌跡表示情報に基づいて、前記電子地図上で車両軌跡をオフセット補正するように構成される車両軌跡オフセット補正モジュールと、を含む装置。
【請求項7】
前記第1取得モジュールは、
複数の第2軌跡点を含む第2道路軌跡を取得するように構成される第1取得ユニットと、
前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得るように構成される修正ユニットと、を含み、
前記第1道路軌跡内の隣接する第1軌跡点間の距離は、第1プリセット閾値より大きく、且つ第2プリセット閾値より小さい、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記修正ユニットは、前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、プリセットルールに従って前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得るように構成され、
ここで、前記プリセットルールは、
隣接する2つの第2軌跡点間の距離が、前記第1プリセット閾値以下である場合、前記隣接する2つの第2軌跡点のうちのいずれかの第2軌跡点を削除することと、
隣接する2つの第2軌跡点間の距離が、前記第2プリセット閾値以上である場合、前記隣接する2つの第2軌跡点で補間を行うことと、
隣接する2つの第2軌跡点が、ターゲット道路網における道路に対応するクローズドループを形成していない場合、前記隣接する2つの第2軌跡点間で補間を行うことと、のうちの少なくとも1つを含む、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記車両軌跡オフセット補正モジュールは、
車両の位置情報を取得するように構成される第2取得ユニットと、
前記N本の軌跡道路区間からターゲット軌跡道路区間を決定するように構成される第1決定ユニットであって、前記ターゲット軌跡道路区間は、前記N本の軌跡道路区間のうちの前記位置情報との射影距離が最も短い軌跡道路区間である、第1決定ユニットと、
前記ターゲット軌跡道路区間内の前記位置情報に対応するターゲット軌跡点を決定するように構成される第2決定ユニットと、
前記軌跡表示情報から前記ターゲット軌跡点に対応する第1表示情報を取得するように構成される第3取得ユニットと、
前記第1表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記ターゲット軌跡点を表示するように構成される車両位置表示ユニットと、を含む、
請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、さらに、
前記N本の軌跡道路区間の表示点集合を取得するように構成される第3取得モジュールであって、前記表示点集合は、前記N本の軌跡道路区間のうちの各軌跡道路区間の表示用のK個第1軌跡点を含み、Kは、M以下の正整数である、第3取得モジュールと、
前記軌跡表示情報から前記表示点集合の各第1軌跡点の第2表示情報を取得するように構成される第4取得モジュールと、
前記第2表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記表示点集合内の各第1軌跡点を表示するように構成される路線軌跡表示モジュールと、を含む、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
電子機器であって、
前記電子機器は、プロセッサ、メモリ、及び前記メモリに記憶されて前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含み、
前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されるとき、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法のステップを実施する、電子機器。
【請求項12】
コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ可読記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法のステップを実施する、コンピュータ可読記憶媒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、出願番号が第202110719336.3号、出願日が2021年6月28日である中国特許出願に基づいて提出され、該中国特許出願に基づく優先権を主張し、該中国特許出願の全ての内容が参照によって本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示実施例は、車両ネットワーク技術分野に関し、特に車両軌跡オフセット補正方法、装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
モノのインターネット(IoT)の急速な発展に伴い、車両ネットワーク技術の応用はますます広くなっている。車両ネットワーク技術では、車両位置をリアルタイムで監視し、監視した車両位置を電子地図上に表示(本分野では「展示」とも呼ばれる)することができる。車両軌跡の電子地図上の表示効果を高めるために、通常、車両位置に基づいて車両の軌跡をオフセット補正する必要がある。
【0004】
現在、車両軌跡オフセット補正方式は通常、車両の履歴軌跡と結合して軌跡オフセット補正を行うものであるが、該軌跡オフセット補正方式のシーンは、大きく制限され、その応用性が制限されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施例は、従来技術における軌跡オフセット補正方式のシーンが大きく制限され、応用性が制限されているという問題を解決するために、車両軌跡オフセット補正方法、装置及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本開示の実施例は、車両軌跡オフセット補正方法を提供し、前記方法は、
複数の第1軌跡点を含む第1道路軌跡を取得することと、
前記第1道路軌跡の電子地図上の軌跡表示情報を取得することであって、前記軌跡表示情報は、前記複数の第1軌跡点と前記電子地図上の道路とがマッチングする位置情報を含む、ことと、
前記第1道路軌跡の道路構造に基づいて、前記第1道路軌跡をN本の軌跡道路区間に分割することであって、各軌跡道路区間は、連続するM個の第1軌跡点を含み、各軌跡道路区間は、一意の経路方向を有し、前記経路方向は、軌跡道路区間内の最初の第1軌跡点から最後の第1軌跡点までの経路方向であり、Nは、正整数であり、Mは、1より大きい整数である、ことと、
前記N本の軌跡道路区間及び前記軌跡表示情報に基づいて、前記電子地図上で車両軌跡をオフセット補正することと、を含む。
【0007】
第2態様では、本開示の実施例は、車両軌跡オフセット補正装置を提供し、前記装置は、
複数の第1軌跡点を含む第1道路軌跡を取得するように構成される第1取得モジュールと、
前記第1道路軌跡の電子地図上の軌跡表示情報を取得するように構成される第2取得モジュールであって、前記軌跡表示情報は、前記複数の第1軌跡点と前記電子地図上の道路とがマッチングする位置情報を含む、第2取得モジュールと、
前記第1道路軌跡の道路構造に基づいて、前記第1道路軌跡をN本の軌跡道路区間に分割するように構成される分割モジュールであって、各軌跡道路区間は、連続するM個の第1軌跡点を含み、各軌跡道路区間は、一意の経路方向を有し、前記経路方向は、軌跡道路区間内の最初の第1軌跡点から最後の第1軌跡点までの経路方向であり、Nは、正整数であり、Mは、1より大きい整数である、分割モジュールと、
前記N本の軌跡道路区間及び前記軌跡表示情報に基づいて、前記電子地図上で車両軌跡をオフセット補正するように構成される車両軌跡オフセット補正モジュールと、を含む。
【0008】
第3態様では、本開示の実施例は、電子機器を提供し、前記電子機器は、プロセッサ、メモリ、及び前記メモリに記憶されて前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されるとき、上記車両軌跡オフセット補正方法のステップを実施する。
【0009】
第4態様では、本開示の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、上記車両軌跡オフセット補正方法のステップを実施する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の実施例では、複数の第1軌跡点を含む第1道路軌跡を取得し、前記第1道路軌跡の電子地図上の軌跡表示情報を取得し、前記軌跡表示情報は、前記複数の第1軌跡点と前記電子地図上の道路とがマッチングする位置情報を含み、そして前記第1道路軌跡の道路構造に基づいて、前記第1道路軌跡をN本の軌跡道路区間に分割し、各軌跡道路区間は、連続するM個の第1軌跡点を含み、各軌跡道路区間は、一意の経路方向を有し、前記経路方向は、軌跡道路区間内の最初の第1軌跡点から最後の第1軌跡点までの経路方向であり、そして前記N本の軌跡道路区間及び前記軌跡表示情報に基づいて、前記電子地図上で車両軌跡をオフセット補正し、このように、第1道路軌跡を構造化してN本の軌跡道路区間に分割することにより、後続において、分割されたN本の軌跡道路区間に直接基づいて車両のリアルタイム軌跡オフセット補正を行い、その応用シーンが制限されないようにすることができる。
【0011】
本開示の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に、本開示の実施例の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明する。当然ながら、以下の説明における図面は、本開示のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な労働性を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を取得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施例に係る車両軌跡オフセット補正方法のフローチャートである。
図2】軌跡収集車両によって収集された道路軌跡の概略図である。
図3】道路マッチングされていない第1道路軌跡の表示概略図である。
図4】道路マッチングされている第1道路軌跡の表示概略図である。
図5】第1道路軌跡の分割概略図である。
図6】軌跡道路区間の構造化後の要素概略図である。
図7】ターゲット軌跡点の決定概略図である(その一)。
図8】ターゲット軌跡点の決定概略図である(その二)。
図9】本開示の実施例に係る車両軌跡オフセット補正方法における具体例のフローチャートである。
図10】本開示の実施例に係る車両軌跡オフセット補正装置の構造概略図である。
図11】本開示の実施例に係る電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
現在、衛星測位技術は各測位とナビゲーションに広く応用されているが、衛星測位には一定の誤差がある。誤差は、通常2つの側面に由来したものである。1つの側面について、電子機器の測位チップ性能に由来した誤差であり、そして、耐干渉性に優れたチップの測位精度が、通常少し高くなる。もう1つの側面について、衛星信号遮蔽、信号屈折、大気圏、又は電離層干渉を含む環境要因の干渉に由来した誤差であり、例えば、高層ビルが密集しているか、天気が悪い場所では、グローバルポジショニングシステム(Global Positioning System、GPS)信号が複数回の屈折と反射を経てから、GPS信号の誤差を引き起こし、ドリフトが発生することになる。
【0014】
そのため、実際の使用においては衛星測位データの軌跡ドリフトは避けられず、軌跡オフセット補正は、必要な技術処理フローである。関連技術において、車両軌跡オフセット補正方式は通常、車両の履歴軌跡と結合して軌跡オフセット補正を行うものであり、例えば、運行車両の履歴軌跡オフセット補正に適用する手段であり、該手段には、シーンが大きく制限され、応用性が制限されているという問題が存在し、これに基づき、本開示の実施例は、新たな車両軌跡オフセット補正手段を提供する。
【0015】
以下、本開示の実施の図面を参照しながら本開示の実施例における技術的解決手段を明確かつ十分に説明する。当然ながら、説明した実施例は、本開示の全ての実施例でなく、一部の実施例である。本開示における実施例に基づき、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他のすべての実施例は、本開示保護の範囲に属する。
【0016】
以下、まず本開示の実施例に係る車両軌跡オフセット補正方法を説明する。
【0017】
なお、本開示の実施例に係る車両軌跡オフセット補正方法は、車両ネットワーク技術分野に関するものであり、地図ナビゲーション、位置決定及び測距などの複数のシーンに広く応用できる。該方法は、本開示の実施例の車両軌跡オフセット補正装置によって実行され得る。車両軌跡オフセット補正装置は、任意の電子機器に配置されて車両軌跡オフセット補正方法を実行することができる。該電子機器は、サーバであってもよく、車載端末機器などの端末であってもよく、ここでは具体的に限定されない。
【0018】
図1に本開示の実施例に係る車両軌跡オフセット補正方法のフローチャートを示す。図1に示すように、該方法は、以下のステップ101~104を含み得る。
【0019】
ステップ101において、複数の第1軌跡点を含む第1道路軌跡を取得する。
【0020】
ここで、第1道路軌跡は、収集されたプリセット道路の軌跡であってもよく、該プリセット道路は、ある市の道路網のような電子地図上にマークされている道路軌跡であってもよく、比較的辺鄙なある領域内の道路のような電子地図上にマークされていない道路軌跡であってもよい。
【0021】
実際の応用において、該手段は、既知の車両運営道路に係るシーンに応用することができ、これらの既知の車両運営道路の軌跡データは、予め処理することができ、例えば、園区内の運営車両、市政バス車両、市政清掃車両、高速救援車両などが挙げられる。つまり、既知の車両運営道路に基づいてその道路軌跡を予め収集して、第1道路軌跡を得ることができる。
【0022】
前記第1道路軌跡は、複数の第1軌跡点を含み得る。該複数の第1軌跡点は、直接収集された軌跡点のみを含むことができ、また、直接収集された軌跡点、及び、収集された軌跡点に基づいて軌跡修正を行う軌跡点を同時に含むことができ、ここでは具体的に限定されない。
【0023】
前記第1道路軌跡の取得方式について複数種の方法がある。例えば、測位装置により既知の車両運営道路の軌跡点を直接収集し、第1道路軌跡を得ることができ、また、既知の車両運営道路の軌跡点を収集した上で、収集した軌跡点に対してノイズ除去及び修正処理を行い、第1道路軌跡を得ることもでき、さらに、他の電子機器からの第1道路軌跡を取得し、又は第三者の図商などの他の電子機器を介して軌跡点を間接的に取得し、取得した軌跡点に基づいて第1道路軌跡を生成こともできる。
【0024】
1つの選択可能な実施形態では、軌跡収集車両によって既知の車両運営道路の軌跡点を収集し、収集後に連続する軌跡点の軌跡位置情報を取得することができ、該軌跡位置情報は、緯度経度を含むことができる。第1道路軌跡の精度を保証するために、緯度経度の精度は、小数点以下7桁以上とすることができ、且つ隣接する2つの軌跡点間の距離は、2メートル程度とすることができ、また、該軌跡位置情報は、さらに2つの軌跡点間の仰角を含み得る。
【0025】
図2に軌跡収集車両によって収集された道路軌跡の概略図を示す。図2に示すように、軌跡収集車両が既知の車両運営道路201で収集した連続する複数の軌跡点202は、道路軌跡を構成し、収集した連続する複数の軌跡点のうちの一部の軌跡点の軌跡位置情報は、表1に示すようになる。
【0026】
【表1】
【0027】
前記第1道路軌跡は、収集した連続する複数の軌跡点直接構成の道路軌跡であってもよく、収集した連続する複数の軌跡点に対してノイズ除去及び修正処理を行う後に構成される道路軌跡であってもよい。それに対応して、軌跡収集車両が軌跡点を収集した後に得られる第1道路軌跡を取得することができ、1つの選択可能な実施形態では、軌跡収集車両から送信される前記第1道路軌跡を受信することができる。
【0028】
ステップ102において、前記第1道路軌跡の電子地図上の軌跡表示情報を取得し、前記軌跡表示情報は、前記複数の第1軌跡点と前記電子地図上の道路とがマッチングする位置情報を含む。
【0029】
ここで、軌跡収集車両の位置収集精度は通常比較的に高いため、軌跡収集車両によって収集された第1道路軌跡は、電子地図上の道路網とマッチングするべきである。しかし、実際には、軌跡収集車両精度、収集環境及び電子地図精度などの問題により、該第1道路軌跡が道路網とマッチングせず、一定の軌跡ドリフトが形成されることを引き起こす。図3に示すように、第1道路軌跡301は、道路網302とマッチングせず、一定の軌跡ドリフトが存在する。
【0030】
第1道路軌跡と電子地図上の道路とをマッチングさせ、第1道路軌跡の表示と電子地図上の道路とのマッチングを確保することができ、つまり、第1道路軌跡と電子地図上に表示される道路網との重なりを実現し、それによって、後続において第1道路軌跡上に表示される車両のリアルタイム位置情報が電子地図上の道路とマッチングすることを確保し、該過程は、道路マッチングと呼ばれる。
【0031】
具体的には、前記複数の第1軌跡点を電子地図上で照合し、電子地図に対して軌跡オフセットが存在する軌跡点を、電子地図の緯度経度に従って、第1軌跡点の軌跡表示情報を更新することができる。具体的には、第1軌跡点を電子地図上に表示し、第1道路軌跡と、電子地図上に表示されている実際の道路網とのマッチング状況を観察し、オフセットのある軌跡道路区間に対して、実際の道路網とマッチングする緯度経度になるように第1軌跡点を調整し、第1軌跡点の軌跡表示情報を更新することができる。
【0032】
つまり、第1軌跡点についての実際的に収集した位置精度と、電子地図上の表示精度とが一致しない可能性があるため、第1道路軌跡にオフセットが生じる可能性がある。この場合、第1軌跡点の実際の位置情報と、第1軌跡点が前記電子地図上の道路とマッチングする位置情報、即ち第1軌跡点の表示情報と、を関連付けて記憶して、第1道路軌跡の電子地図上の軌跡表示情報を得ることができる。
【0033】
ここで、前記複数の第1軌跡点を電子地図上で照合する方法は、オフセットされた第1道路軌跡と電子地図上に表示される道路とを手動で又は自動的にマッチングすることができ、電子地図上の第1軌跡点とマッチングする点の位置情報に基づいて該第1軌跡点の表示情報として決定し、最終的に前記第1道路軌跡の電子地図上の軌跡表示情報を取得することができる。この場合、第1道路軌跡の道路マッチング後の軌跡の表示効果は、図4に示すものであり、図44から分かるように、第1道路軌跡は道路と縛られ、第1道路軌跡401は、道路網402とマッチングしている。
【0034】
このように、第1道路軌跡と電子地図を硬化処理し、即ち、道路と電子地図という2つの比較的安定した要素を硬化処理することにより、実際の道路と電子地図が表示する軌跡とのオフセット問題を解決し、車両の走行軌跡と実際の道路網とのマッチングを改善することができる。
【0035】
ステップ103において、前記第1道路軌跡の道路構造に基づいて、前記第1道路軌跡をN本の軌跡道路区間に分割し、各軌跡道路区間は、連続するM個の第1軌跡点を含み、各軌跡道路区間は、一意の経路方向を有し、前記経路方向は、軌跡道路区間内の最初の第1軌跡点から最後の第1軌跡点までの経路方向である。
【0036】
ここで、Nは、正整数であり、Mは、1より大きい整数である。
【0037】
ここで、第1道路軌跡の道路構造は、第1道路軌跡が含む道路交差点を指し、該道路交差点は、四つ辻及び/又は曲がり角を含むことができる。
【0038】
つまり、第1道路軌跡をセグメント化して分割することができ、分割原則について、クロスポイント分割と曲がりポイント分割であり、できるだけ各線分を直線にし、又は方向が一致するようにし、方向の一致は、途中の経路に多くのカーブがあっても、全体の方向(最初の第1軌跡点から最後の第1軌跡点までの経路方向であってもよい)が一致していることを意味する。ここで、最初の第1軌跡点は、軌跡道路区間の始点であってもよく、最後の第1軌跡点は、軌跡道路区間の終点であってもよい。
【0039】
クロスポイント分割は、第1道路軌跡上の四つ辻が交差する2本の軌跡線のクロスポイントが軌跡道路区間の始点又は終点であり、2本の軌跡道路区間は、この第1軌跡点を共用することができることを意味する。
【0040】
曲がりポイント分割は、第1道路軌跡上の曲がり路線上で曲がり角度が最も大きい第1軌跡点を曲がりポイントとして選択して道路区間の分割を行うことを意味する。
【0041】
分割された各軌跡道路区間は、いずれも1つの一意の経路であり、その全ての第1軌跡点は連続しており、始点、終点、中間点及び他の点から構成することができ、該軌跡道路区間は、方向の一意性を持っており、始点と終点の直線は、該軌跡道路区間の略方向である。
【0042】
各軌跡道路区間の始点と終点は、ある軌跡道路区間が断頭路(始点または終点のみある)でない限り接続されている。軌跡道路区間の方向、始点及び終点に基づいて、異なる軌跡道路区間の間の相互関係及び接続方式を決定することができる。
【0043】
該ステップの過程は、第1道路軌跡の構造化過程と呼ぶことができ、道路軌跡構造化とは、道路軌跡を論理化し、各軌跡道路区間の論理関連情報を追加することを意味する。具体的には、第1道路軌跡を分割し、N本の軌跡道路区間を得て、N本の軌跡道路区間の構造化情報を記憶することができる。
【0044】
図5は、第1道路軌跡の分割概略図であり、図5に示すように、各軌跡道路区間は、始点、終点及び中間点を含むことができ、各軌跡道路区間は、方向の一意性を持つことができ、始点と終点の直線は、該軌跡道路区間の略方向である。各軌跡道路区間の構造化後の要素概略図は、図6に示すように、始点、終点、中間点、経路方向、軌跡道路区間の第1軌跡点集合及び軌跡道路区間の全長を含む。また、図5における第1道路軌跡の構造化後の構造化情報は、表2に示すようになる。
【0045】
【表2】
【0046】
ここで、上記表2では、軌跡道路区間全長の単位は、mである。
【0047】
ステップ104において、前記N本の軌跡道路区間及び前記軌跡表示情報に基づいて、前記電子地図上で車両軌跡をオフセット補正する。
【0048】
該ステップにおいて、車両軌跡のオフセット補正は、既知の車両運営道路、車両のリアルタイム位置情報及び電子地図という3つの要素の融合に基づくものであってもよい。ここで、既知の車両運営道路と電子地図は、2つの比較的安定した要素であるが、車両のリアルタイム位置情報は、動的で誤差のある要素であるため、安定要素と非安定要素の差異化処理が鍵である。
【0049】
具体的には、車両軌跡オフセット補正の前に、第1道路軌跡と電子地図を硬化処理し、つまり、道路と電子地図という2つの比較的安定した要素を硬化処理することにより、実際の道路と電子地図が表示する軌跡とのオフセット問題を解決することができる。
【0050】
実際の道路と電子地図が表示する軌跡とのオフセット問題を解決した前提の下で、前記N本の軌跡道路区間に基づいて車両位置のオフセット補正を行って、既知の車両運営道路上の車両の実際位置を決定し、車両のリアルタイム測位位置と車両の実際位置のオフセット補正を実現し、車両位置のオフセット補正効果を向上させる。その後、車両の実際位置に基づいて、軌跡表示情報から対応する表示情報を取得して表示し、電子地図での車両の実際位置の表示位置のオフセット補正を実現し、電子地図で車両軌跡のオフセット補正を実現でき、車両位置が電子地図上にドリフトすることを回避し、電子地図での車両軌跡の表示効果を向上させることができる。
【0051】
本実施例では、複数の第1軌跡点を含む第1道路軌跡を取得し、前記第1道路軌跡の電子地図上の軌跡表示情報を取得し、前記軌跡表示情報は、前記複数の第1軌跡点と前記電子地図上の道路とがマッチングする位置情報を含み、そして、前記第1道路軌跡の道路構造に基づいて、前記第1道路軌跡をN本の軌跡道路区間に分割し、各軌跡道路区間は、連続するM個の第1軌跡点を含み、各軌跡道路区間は、一意の経路方向を有し、前記経路方向は、軌跡道路区間内の最初の第1軌跡点から最後の第1軌跡点までの経路方向であり、そして前記N本の軌跡道路区間及び前記軌跡表示情報に基づいて、前記電子地図上で車両軌跡をオフセット補正し、このように、第1道路軌跡を構造化してN本の軌跡道路区間に分割することにより、後続において、分割されたN本の軌跡道路区間に直接基づいて車両のリアルタイム軌跡オフセット補正を行い、その応用シーンが制限されないようにすることができる。
【0052】
選択可能に、前記ステップ101は、具体的に、
複数の第2軌跡点を含む第2道路軌跡を取得することと、
前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得ることと、を含み、
前記第1道路軌跡内の隣接する第1軌跡点間の距離は、第1プリセット閾値より大きく、且つ第2プリセット閾値より小さい。
【0053】
本実施形態では、第2道路軌跡は、直接収集された軌跡点で構成される道路軌跡であってもよく、直接収集された軌跡点がノイズ除去処理を経て得られた道路軌跡であってもよく、以下、第2道路軌跡が、直接収集された軌跡点がノイズ除去処理を経て得られた道路軌跡である例を挙げて説明する。
【0054】
具体的には、軌跡収集車両によって既知の車両運営道路の軌跡点を収集し、収集した軌跡点をノイズ除去することができる。
【0055】
収集した軌跡点間隔をAメートル(m)とし、全ての軌跡点のうちの隣接する2つの軌跡点間の距離を計算し、ある軌跡点と、その前後2つの隣接軌跡点との間の距離がいずれもプリセット閾値より大きい場合、その軌跡点を削除し、つまり、ホップ点を削除する。ここで、該プリセット閾値は、軌跡点収集精度及び/又は軌跡点間隔に基づいて調整することができる。
【0056】
ノイズが初歩的に除去された後の軌跡点を電子地図上に表示し、道路軌跡の連続性及び平穏性を人工的に観察し、存在するノイズ点を手動で削除し、ノイズ点が除去された後、最終的に第2道路軌跡を得ることができ、該第2道路軌跡は、複数の第2軌跡点を含み得る。
【0057】
その後、前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離、及び、前記第2道路軌跡の道路特徴情報に基づいて、第2道路軌跡の軌跡全体を検査し、修正することができる。修正の原則は、隣接する2つの第2軌跡点ごとの間の距離が第1プリセット閾値と第2プリセット閾値との間にあることである。
【0058】
ここで、第1プリセット閾値及び第2プリセット閾値は、実際の状況に応じて設定することができ、一般的な場合、第1プリセット閾値は2m、第2プリセット閾値は5mに設定することができ、つまり、隣接する2つの第2軌跡点間の距離は、2m-5mの間に設定する。
【0059】
第2道路軌跡の道路特徴情報が含む重要の交差点と情報点領域の第2軌跡点の修正に対して、第1プリセット閾値及び第2プリセット閾値は適切に向上することができ、第2プリセット閾値より高い隣接する2つの第2軌跡点間で補間を行うことができる。高精度地図のシーンに適用すれば、第1プリセット閾値及び第2プリセット閾値も向上することができ、例えば、2つの隣接する第2軌跡点間の距離が1m未満であってもよい。
【0060】
本実施形態では、複数の第2軌跡点を含む第2道路軌跡を取得し、前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得て、前記第1道路軌跡内の隣接する第1軌跡点間の距離は、第1プリセット閾値より大きく、且つ第2プリセット閾値より小さく、このように、論理的な道路軌跡の連続性、規範性及び完全性を向上させることができる。
【0061】
選択可能に、前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得ることは、
前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、プリセットルールに従って前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得ることを含み、
ここで、前記プリセットルールは、
隣接する2つの第2軌跡点間の距離が、前記第1プリセット閾値以下である場合、前記隣接する2つの第2軌跡点のうちのいずれかの第2軌跡点を削除することと、
隣接する2つの第2軌跡点間の距離が、前記第2プリセット閾値以上である場合、前記隣接する2つの第2軌跡点で補間を行うことと、
隣接する2つの第2軌跡点が、ターゲット道路網における道路に対応するクローズドループ(閉じたループ)を形成していない場合、前記隣接する2つの第2軌跡点間で補間を行うことと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0062】
本実施形態では、修正は、軌跡点削除及び補間を含むことができ、プリセットルールに従って前記複数の第2軌跡点を修正することができる。
【0063】
該プリセットルールは、以下の削除及び補間を含む。
【0064】
軌跡点密度が大きすぎる第2軌跡点を削除し、例えば、軌跡収集車両同じ路線を繰り返し走行することによる繰り返し収集、又は、軌跡収集車両が停車したり徐行したりすることによる軌跡点密度が大きすぎる。隣接する2つの第2軌跡点間の距離を判断し、隣接する2つの第2軌跡点間の距離が、前記第1プリセット閾値以下である場合、前記隣接する2つの第2軌跡点のうちのいずれかの第2軌跡点を削除することができる。
【0065】
軌跡点密度が低すぎる領域に対して補間を行い、例えば、軌跡収集車両が軌跡点を収集する際にクローズドループを形成していない領域、重要な交差点と情報点の軌跡点密度が低すぎる領域が挙げられ、補間よる点の座標は、軌跡点全体で構築された座標緯度経度体系と精度要件に合致している。
【0066】
補間の方式は、直線補間、曲線補間及び不規則補間を含む。
【0067】
直線補間は、両端の元の軌跡点からなる直線上で等分に補間を行うことを意味する。
【0068】
曲線補間は、道路軌跡の曲線に従って滑らかに描画し、その描画曲線上で等分して補間することを意味する。
【0069】
不規則補間は、実際の道路軌跡に従って手動で補間を行うことを意味する。
【0070】
本実施形態では、軌跡点密度が大きすぎる第2軌跡点を削除し、軌跡点密度が低すぎる領域に対して補間を行うことにより、論理的な道路軌跡の連続性、規範性及び完全性を向上させることができる。
【0071】
選択可能に、前記ステップ104は、具体的に、
車両の位置情報を取得することと、
前記N本の軌跡道路区間からターゲット軌跡道路区間を決定することであって、前記ターゲット軌跡道路区間は、前記N本の軌跡道路区間のうちの前記位置情報との射影距離が最も短い軌跡道路区間である、ことと、
前記ターゲット軌跡道路区間内の前記位置情報に対応するターゲット軌跡点を決定することと、
前記軌跡表示情報から前記ターゲット軌跡点に対応する第1表示情報を取得することと、
前記第1表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記ターゲット軌跡点を表示することと、を含む。
【0072】
本実施形態では、車両の位置情報は、車両のリアルタイム位置情報、即ち車両がリアルタイムに報告する位置情報であってもよい。
【0073】
車両の位置情報に基づいて車両軌跡を静的にオフセット補正することができ、車両の位置情報に基づいて車両軌跡を動的にオフセット補正することができ、具体的に静的なオフセット補正か、動的なオフセット補正かについては、実際の状況に応じて選択することができる。
【0074】
具体的には、車両の初期起動の際にリアルタイム位置情報のアップロードを開始してもよいし、車両が走行中であるが以前にアップロードされた軌跡データが異常である場合には、車両の所在する軌跡を決定するために、静的なオフセット補正方式によって現在の位置情報に基づいて判断することができる。
【0075】
静的なオフセット補正方式の具体なステップは、以下である。
【0076】
車両のリアルタイム位置情報を取得し、
図7及び8に示すように、該位置情報と、N本の軌跡道路区間の始点と終点からなる直線との射影垂直位置の距離、即ち射影距離をトラバース計算し、最小の距離に対応する軌跡道路区間は、ターゲット軌跡道路区間となる。
【0077】
それに対応して、図7及び8に示すように、前記ターゲット軌跡道路区間内の射影垂直位置とマッチングする軌跡点は、該車両の現在の静的なオフセット補正後の軌跡点である。ここで、ターゲット軌跡道路区間内の射影垂直位置とマッチングする軌跡点は、ターゲット軌跡道路区間の軌跡点のうちの射影垂直位置から最も近い軌跡点であってもよい。
【0078】
静的なオフセット補正過程において、軌跡道路区間が非直線である処理方式について、軌跡道路区間を直線に従って複数のサブ軌跡道路区間に分割し、これらの複数のサブ軌跡道路区間はすべて直線であり、該軌跡道路区間の代わりに、これらの複数のサブ軌跡道路区間と車両の位置情報との射影距離の計算を行うことができる。最小の距離が該軌跡道路区間のうちのサブ軌跡道路区間に対応すると決定した場合、トラバースまたは二分法により、該サブ軌跡道路区間内の車両のリアルタイム位置から最も近いターゲット軌跡点を計算することができる。
【0079】
特殊な場合、最小の距離に対応する軌跡道路区間は2つあるかもしれない。つまり、車両のリアルタイム位置と、N本の軌跡道路区間内の両条軌跡道路区間との射影垂直位置の距離、即ち射影距離が等しい場合、静的なオフセット補正が失敗し、静的なオフセット補正が成功するまで、車両が次の座標位置を報告するのを待って静的なオフセット補正を行い。
【0080】
また、車両のリアルタイム位置とオフセット補正計算で得られたターゲット軌跡点との距離が車両測位誤差範囲より大きい場合、該車両が第1道路軌跡上に位置ないと判断でき、前記N本の軌跡道路区間を用いて車両軌跡をオフセット補正しない。例えば、車両測位誤差範囲が10mであるが、車両のリアルタイム位置と、オフセット補正計算で得られたターゲット軌跡点との距離が1キロであれば、該車両が第1道路軌跡上に位置しないと判断でき、この場合、前記N本の軌跡道路区間を用いて車両軌跡をオフセット補正しない。
【0081】
静的なオフセット補正に成功すると、前記軌跡表示情報から前記ターゲット軌跡点に対応する第1表示情報を取得し、前記第1表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記ターゲット軌跡点を表示することができる。
【0082】
その後、動的なオフセット補正方式によって車両軌跡をオフセット補正することができ、動的なオフセット補正方式は、以前に得られたオフセット補正結果を用いて、車両のリアルタイム走行方向及び速度に基づいてオフセット補正する方式を意味する。
【0083】
動的なオフセット補正方式の具体なステップは、以下である。
【0084】
車両の前1つのオフセット補正後の軌跡点と車両の位置情報を取得し、
車両の走行方向、走行速度及び軌跡道路区間の間の接続関係に基づいて、軌跡追跡の判断を行って、具体的に、速度及び間隔時間に従って判断して車両の走行距離が依然として該軌跡道路区間内にある場合、射影垂直位置によって車両のオフセット補正後のターゲット軌跡点を判断することができる。
【0085】
速度及び間隔時間に従って判断して車両の走行距離が該軌跡道路区間を超えている可能性がある場合、軌跡道路区間の間の接続関係によって、前記N本の軌跡道路区間内の車両が存在する可能性がある軌跡道路区間を決定する。存在する可能性がある軌跡道路区間に射影垂直位置の判断を行い、存在する可能性がある軌跡道路区間にターゲット軌跡道路区間を決定し、ターゲット軌跡道路区間内の車両のオフセット補正後のターゲット軌跡点を決定する。
【0086】
車両のリアルタイム位置と、オフセット補正計算で得られたターゲット軌跡点との距離が車両測位誤差範囲より大きい場合、該車両が第1道路軌跡上に位置しないと判断でき、そして、前記N本の軌跡道路区間を用いて車両軌跡をオフセット補正しないことになる。この場合、車両が報告する次の位置情報に基づいて、再び静的なオフセット補正方式を用いて車両軌跡をオフセット補正し、又は、車両が報告する連続する複数の位置情報のいずれに基づいて、車両のリアルタイム位置と、オフセット補正計算で得られたターゲット軌跡点との距離も車両測位誤差範囲より大きいと判断した場合、再び静的なオフセット補正方式を用いて車両軌跡をオフセット補正することができる。
【0087】
本実施形態では、通常、車両位置と軌跡道路区間上の軌跡点とをマッチングさせ、マッチングに成功すると、車両が報告する位置の代わりに軌跡道路区間上の軌跡点を用いて表示することになり、該軌跡点は、既に電子地図に対して道路マッチング操作が行われているため、車両の表示位置は、既にオフセット補正操作が完了しており、これにより、比較的良い表示効果を奏することができる。
【0088】
選択可能に、前記第1表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記ターゲット軌跡点を表示する前に、前記方法は、さらに、
前記N本の軌跡道路区間の表示点集合を取得することであって、前記表示点集合は、前記N本の軌跡道路区間のうちの各軌跡道路区間の表示用のK個第1軌跡点を含み、Kは、M以下の正整数である、ことと、
前記軌跡表示情報から前記表示点集合の各第1軌跡点の第2表示情報を取得することと、
前記第2表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記表示点集合内の各第1軌跡点を表示することと、を含む。
【0089】
本実施形態では、軌跡点は、電子地図上に表示する際に2つの用途があり、1つは位置のマークであり、もう1つは軌跡の表示である。但し、全ての軌跡点に位置表示価値があるわけではなく、全ての軌跡点に同じ軌跡表示重みが含まれるわけでもない。そのため、前記複数の第1軌跡点から位置表示及び軌跡表示価値のある軌跡点を表示点集合として選別することができ、該表示点集合は、第1道路軌跡における軌跡点集合よりデータ量が大幅に減少するため、第1道路軌跡が電子地図に表示する際に、重要な情報表示を失わないと同時に表示効率を著しく向上させ、優れた表示効率と効果のバランスを達成する。
【0090】
具体的には、全ての軌跡道路区間内の始点、終点及び中間点に位置する軌跡点を保持し、全ての軌跡道路区間内の情報点及び情報点の前後10メートルの軌跡点を保持することができる。
【0091】
前記N本の軌跡道路区間内の軌跡点を間引きし、間引きする方式はたくさんあり、具体的な路線特徴に合わせて選択することができる。例えば、連続する3つの軌跡点の間に形成された角度によって、該軌跡点が表示点集合に組み入れられるかどうかを判断し、角度がある閾値より大きい場合は保持し、角度がある閾値より小さい状態が続いているが、線分の長さが20メートル以上蓄積されている場合は、1つの軌跡点を保持して表示点集合に組み入れる。ここで、該閾値は、路線の特徴に応じて調整することができる。
【0092】
全ての保持された軌跡点を表示点集合に組み入れ、電子地図上に表示する際に、該表示点集合を第1道路軌跡の表示として使用する。
【0093】
本実施形態では、論理判断による車両位置の軌跡点と軌跡表示の軌跡点とをグループ化した後、表示点集合内の軌跡点は電子地図に合わせて第1道路軌跡を表示するために用いられ、第1道路軌跡における全ての軌跡点は車両のリアルタイム位置に合わせて論理判断を行うために用いられる。車両のリアルタイム位置及び軌跡を表示する際に、オフセット補正後の車両位置に対応するターゲット軌跡点を表示点集合と組み合わせて使用するだけで、良好な表示効果及び効率を達成することができる。このように、車両軌跡の追跡や表示の効率及び効果を最適なバランスにすることができる。
【0094】
図9に本開示の実施例に係る車両軌跡オフセット補正方法における具体例のフローチャートを示す。図9に示すように、軌跡収集車両は、道路軌跡を収集し、収集した道路軌跡を道路マッチングし(即ち、道路軌跡と電子地図を硬化し)、道路軌跡に対してノイズ低減と洗浄を行い(即ち、道路軌跡を構造化及び論理化し)、道路軌跡を間引きし、つまり、軌跡点をグループ化して表示点集合を得て、その後、車両軌跡をオフセット補正し、具体的に車両のリアルタイム位置及び道路軌跡の構造化情報に基づいて車両軌跡をオフセット補正し、ここで、車両のリアルタイム位置は、モニタリングされる車両がリアルタイムに報告する位置情報であってもよく、最後に、軌跡点の表示情報に基づいてオフセット補正後のターゲット軌跡点及び表示点集合内の軌跡点を電子地図上に表示する。
【0095】
なお、全体のプロセス処理の中で道路マッチング、ノイズ低減、洗浄及び間引きしなどの工程は前処理段階で完了し、このように、演算圧力は前置でほとんど完了しており、車両のリアルタイム位置情報を報告する際に車両のリアルタイム位置に基づいて車両軌跡をオフセット補正する圧力は、大幅に低下することができる。
【0096】
つまり、安定要素の前置可能な計算をすべて前置し、離散的アルゴリズムを論理的アルゴリズムに変換し、それによって、アルゴリズム計算から表示効率まで大幅に向上し、リアルタイム演算圧力が小さくなり、効率が高くなるため、より多くの車両モニタリング規模を支えることができる。そして、表示点と論理点の前処理により、表示論理と測位論理の疎結合(又は緩い結合)分離を実現し、表示効果の最適状態を達成する。
【0097】
以下、本開示の実施例に係る車両軌跡オフセット補正装置について説明する。
【0098】
図10に本開示の実施例に係る車両軌跡オフセット補正装置の構造概略図を示す。図10に示すように、車両軌跡オフセット補正装置1000は、第1取得モジュール1001、第2取得モジュール1002、分割モジュール1003及び車両軌跡オフセット補正モジュール1004を含む。
【0099】
第1取得モジュール1001は、複数の第1軌跡点を含む第1道路軌跡を取得するように構成され、
第2取得モジュール1002は、前記第1道路軌跡の電子地図上の軌跡表示情報を取得するように構成され、前記軌跡表示情報は、前記複数の第1軌跡点と前記電子地図上の道路とがマッチングする位置情報を含み、
分割モジュール1003は、前記第1道路軌跡の道路構造に基づいて、前記第1道路軌跡をN本の軌跡道路区間に分割するように構成され、各軌跡道路区間は、連続するM個の第1軌跡点を含み、各軌跡道路区間は、一意の経路方向を有し、前記経路方向は、軌跡道路区間内の最初の第1軌跡点から最後の第1軌跡点までの経路方向であり、Nは、正整数であり、Mは、1より大きい整数であり、
車両軌跡オフセット補正モジュール1004は、前記N本の軌跡道路区間及び前記軌跡表示情報に基づいて、前記電子地図上で車両軌跡をオフセット補正するように構成される。
【0100】
選択可能に、前記第1取得モジュール1001は、
複数の第2軌跡点を含む第2道路軌跡を取得するように構成される第1取得ユニットと、
前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得るように構成される修正ユニットと、を含み、
前記第1道路軌跡内の隣接する第1軌跡点間の距離は、第1プリセット閾値より大きく、且つ第2プリセット閾値より小さい。
【0101】
選択可能に、前記修正ユニットは、前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、プリセットルールに従って前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得るように構成され、
ここで、前記プリセットルールは、
隣接する2つの第2軌跡点間の距離が、前記第1プリセット閾値以下である場合、前記隣接する2つの第2軌跡点のうちのいずれかの第2軌跡点を削除することと、
隣接する2つの第2軌跡点間の距離が、前記第2プリセット閾値以上である場合、前記隣接する2つの第2軌跡点で補間を行うことと、
隣接する2つの第2軌跡点が、ターゲット道路網における道路に対応するクローズドループを形成していない場合、前記隣接する2つの第2軌跡点間で補間を行うことと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0102】
選択可能に、前記車両軌跡オフセット補正モジュール1004は、
車両の位置情報を取得するように構成される第2取得ユニットと、
前記N本の軌跡道路区間からターゲット軌跡道路区間を決定するように構成される第1決定ユニットであって、前記ターゲット軌跡道路区間は、前記N本の軌跡道路区間のうちの前記位置情報との射影距離が最も短い軌跡道路区間である、第1決定ユニットと、
前記ターゲット軌跡道路区間内の前記位置情報に対応するターゲット軌跡点を決定するように構成される第2決定ユニットと、
前記軌跡表示情報から前記ターゲット軌跡点に対応する第1表示情報を取得するように構成される第3取得ユニットと、
前記第1表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記ターゲット軌跡点を表示するように構成される車両位置表示ユニットと、を含む。
【0103】
選択可能に、前記装置は、さらに、
前記N本の軌跡道路区間の表示点集合を取得するように構成される第3取得モジュールであって、前記表示点集合は、前記N本の軌跡道路区間のうちの各軌跡道路区間の表示用のK個第1軌跡点を含み、Kは、M以下の正整数である、第3取得モジュールと、
前記軌跡表示情報から前記表示点集合の各第1軌跡点の第2表示情報を取得するように構成される第4取得モジュールと、
前記第2表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記表示点集合内の各第1軌跡点を表示するように構成される路線軌跡表示モジュールと、を含む。
【0104】
車両軌跡オフセット補正装置1000は、上記車両軌跡オフセット補正の方法実施例において実現された各過程を実現し、同じ技術効果を達成することができ、重複を避けるために、ここで説明を省略する。
【0105】
以下、本開示の実施例に係る電子機器を説明する。
【0106】
図11に本開示の実施例に係る電子機器の構造概略図を示す。図11に示すように、電子機器1100は、プロセッサ1101、メモリ1102、ユーザインターフェース1103及びバスインターフェース1104を含む。
【0107】
プロセッサ1101は、メモリ1102におけるプログラムを読み出して、
複数の第1軌跡点を含む第1道路軌跡を取得することと、
前記第1道路軌跡の電子地図上の軌跡表示情報を取得することであって、前記軌跡表示情報は、前記複数の第1軌跡点と前記電子地図上の道路とがマッチングする位置情報を含む、ことと、
前記第1道路軌跡の道路構造に基づいて、前記第1道路軌跡をN本の軌跡道路区間に分割することであって、各軌跡道路区間は、連続するM個の第1軌跡点を含み、各軌跡道路区間は、一意の経路方向を有し、前記経路方向は、軌跡道路区間内の最初の第1軌跡点から最後の第1軌跡点までの経路方向であり、Nは、正整数であり、Mは、1より大きい整数である、ことと、
前記N本の軌跡道路区間及び前記軌跡表示情報に基づいて、前記電子地図上で車両軌跡をオフセット補正することと、を実行するように構成される。
【0108】
図11において、バスアーキテクチャは、任意の数の相互接続されたバス及びブリッジを含むことができ、具体的にプロセッサ1101に代表される1つ又は複数のプロセッサ及びメモリ1102に代表されるメモリの様々な回路が接続される。バスアーキテクチャは、さらに、周辺装置、レギュレータ及び電力管理回路などの様々な他の回路を連結することができ、これらは、いずれも当業者に周知であるため、ここではこれ以上説明しない。バスインターフェース1104は、インターフェースを提供する。異なるユーザ機器に対し、ユーザインターフェース1103は、さらに、必要となる機器に外接/内接できるインターフェースであってもよく、接続された機器は、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン、ジョイスティックなどを含むが、それらに限定されない。
【0109】
プロセッサ1101は、バスアーキテクチャの管理と一般的な処理を担当し、メモリ1102は、プロセッサ1101が操作を実行するときに使用するデータを記憶することができる。
【0110】
選択可能に、プロセッサ1101は、さらに、
複数の第2軌跡点を含む第2道路軌跡を取得することと、
前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得ることと、を実行するように構成され、
前記第1道路軌跡内の隣接する第1軌跡点間の距離は、第1プリセット閾値より大きく、且つ第2プリセット閾値より小さい。
【0111】
選択可能に、プロセッサ1101は、さらに、
前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、プリセットルールに従って前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得るように構成され、
ここで、前記プリセットルールは、
隣接する2つの第2軌跡点間の距離が、前記第1プリセット閾値以下である場合、前記隣接する2つの第2軌跡点のうちのいずれかの第2軌跡点を削除することと、
隣接する2つの第2軌跡点間の距離が、前記第2プリセット閾値以上である場合、前記隣接する2つの第2軌跡点で補間を行うことと、
隣接する2つの第2軌跡点が、ターゲット道路網における道路に対応するクローズドループを形成していない場合、前記隣接する2つの第2軌跡点間で補間を行うことと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0112】
選択可能に、プロセッサ1101は、さらに、
車両の位置情報を取得することと、
前記N本の軌跡道路区間からターゲット軌跡道路区間を決定することであって、前記ターゲット軌跡道路区間は、前記N本の軌跡道路区間のうちの前記位置情報との射影距離が最も短い軌跡道路区間である、ことと、
前記ターゲット軌跡道路区間内の前記位置情報に対応するターゲット軌跡点を決定することと、
前記軌跡表示情報から前記ターゲット軌跡点に対応する第1表示情報を取得することと、
前記第1表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記ターゲット軌跡点を表示することと、を実行するように構成される。
【0113】
選択可能に、プロセッサ1101は、さらに、
前記N本の軌跡道路区間の表示点集合を取得することであって、前記表示点集合は、前記N本の軌跡道路区間のうちの各軌跡道路区間の表示用のK個第1軌跡点を含み、Kは、M以下の正整数である、ことと、
前記軌跡表示情報から前記表示点集合の各第1軌跡点の第2表示情報を取得することと、
前記第2表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記表示点集合内の各第1軌跡点を表示することと、を実行するように構成される。
【0114】
好ましくは、本開示の実施例は、さらに電子機器を提供し、該電子機器は、プロセッサ1101、メモリ1102、及びメモリ1102に記憶されて前記プロセッサ1101で実行可能なコンピュータプログラムを含み、該コンピュータプログラムがプロセッサ1101によって実行されるとき、上記車両軌跡オフセット補正の方法実施例の各過程を実現し、同じ技術効果を達成することができ、重複を避けるために、ここで説明を省略する。
【0115】
本開示の実施例は、さらに、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータ可読記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、上記車両軌跡オフセット補正の方法実施例の各過程を実現し、同じ技術効果を達成することができ、重複を避けるために、ここで説明を省略する。ここで、前記コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、読み取り専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスク等であってもよい。
【0116】
当業者であれば、本明細書に開示された実施形態に関連して説明された各例のユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせで実現できることを認識することができる。これらの機能は、技術的解決手段の特定応用及び設計制約に応じて、ハードウェア又はソフトウェアで実行される。専門技術者は、説明した機能を実現するために、それぞれの特定の応用に対して異なる方法を使用することができるが、この実現は、本開示の範囲を超えているとは考えられない。
【0117】
上述したシステム、装置及びユニットの特定の動作過程は、便宜的かつ簡潔に説明するために、上述した方法の実施形態における対応過程を参照することができ、ここではこれ以上説明しないことを当業者は明らかにすることができる。
【0118】
本明細書で提供される実施形態では、開示したシステム及び方法は、他の態様で実現されてもよいことを理解すべきである。例えば、上述したシステムの実施形態は、単なる例示的なものであり、例えば、ユニットの分割は、単なる論理機能の分割であり、実際に実現される場合には、複数のユニット又はコンポーネントが結合してもよく、又は別のシステムに統合してもよく、あるいはいくつかの特徴が無視されてもよく、実行されなくてもよいなど、別の分割方法があり得る。別の点では、表示又は議論されている相互間の結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインターフェース、装置又はユニットを介した間接結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的、又は他の形態であってもよい。
【0119】
分離手段として説明される前記ユニットは、物理的に分離されていてもよく、物理的に分離されていなくてもよく、また、ユニットとして表示される部品は、物理的なユニットでなくてもよく、すなわち、1つの場所に位置していてもよく、あるいは、複数のネットワーク要素に分散していてもよい。本開示の実施形態の目的を達成するために、実際の必要に応じてその一部又は全部のユニットを選択することができる。
【0120】
また、本開示の各実施形態における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されていてもよいし、各ユニットが単独で物理的に存在していてもよいし、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されていてもよい。
【0121】
機能がソフトウェア機能ユニットとして実現され、独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することができる。このような理解に基づいて、本開示の技術案は本質的に、あるいは既存の技術に貢献した部分、あるいはその技術案の部分は、記憶媒体に格納されているソフトウェア製品の形で具現化することができ、本明細書の各実施形態に記載された方法のすべて又は一部のステップを実行するために、1台のコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク装置などであってもよい)に実行させるためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、Uディスク、リムーバブルハードディスク、ROM、RAM、磁気ディスク、又は光ディスクなど、プログラムコードを記憶することができる様々な媒体を含む。
【0122】
以上述べたものは、本発明の具体的な実施形態にすぎず、本発明の保護範囲はこれに限定されるものではなく、本技術分野に詳しいいかなる技術者も、本発明が開示した技術範囲内で、容易に変更又は置換を思いつくことができ、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準じなければならない。
【符号の説明】
【0123】
201 既知の車両運営道路
202 軌跡点
301 第1道路軌跡
302 道路網
401 第1道路軌跡
402 道路網
1000 車両軌跡オフセット補正装置
1001 第1取得モジュール
1002 第2取得モジュール
1003 分割モジュール
1004 車両軌跡オフセット補正モジュール
1100 電子機器
1101 プロセッサ
1102 メモリ
1103 ユーザインターフェース
1104 バスインターフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両軌跡オフセット補正方法であって、
複数の第1軌跡点を含む第1道路軌跡を取得することと、
前記第1道路軌跡の電子地図上の軌跡表示情報を取得することであって、前記軌跡表示情報は、前記複数の第1軌跡点と前記電子地図上の道路とがマッチングする位置情報を含む、ことと、
前記第1道路軌跡の道路構造に基づいて、前記第1道路軌跡をN本の軌跡道路区間に分割することであって、各軌跡道路区間は、連続するM個の第1軌跡点を含み、各軌跡道路区間は、一意の経路方向を有し、前記経路方向は、軌跡道路区間内の最初の第1軌跡点から最後の第1軌跡点までの経路方向であり、Nは、正整数であり、Mは、1より大きい整数である、ことと、
前記N本の軌跡道路区間及び前記軌跡表示情報に基づいて、前記電子地図上で車両軌跡をオフセット補正することと、を含む方法。
【請求項2】
前記第1道路軌跡を取得することは、
複数の第2軌跡点を含む第2道路軌跡を取得することと、
前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得ることと、を含み、
前記第1道路軌跡内の隣接する第1軌跡点間の距離は、第1プリセット閾値より大きく、且つ第2プリセット閾値より小さい、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得ることは、
前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、プリセットルールに従って前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得ることを含み、
ここで、前記プリセットルールは、
隣接する2つの第2軌跡点間の距離が、前記第1プリセット閾値以下である場合、前記隣接する2つの第2軌跡点のうちのいずれかの第2軌跡点を削除することと、
隣接する2つの第2軌跡点間の距離が、前記第2プリセット閾値以上である場合、前記隣接する2つの第2軌跡点で補間を行うことと、
隣接する2つの第2軌跡点が、ターゲット道路網における道路に対応するクローズドループを形成していない場合、前記隣接する2つの第2軌跡点間で補間を行うことと、のうちの少なくとも1つを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記N本の軌跡道路区間及び前記軌跡表示情報に基づいて、前記電子地図上で車両軌跡をオフセット補正することは、
車両の位置情報を取得することと、
前記N本の軌跡道路区間からターゲット軌跡道路区間を決定することであって、前記ターゲット軌跡道路区間は、前記N本の軌跡道路区間のうちの前記位置情報との射影距離が最も短い軌跡道路区間である、ことと、
前記ターゲット軌跡道路区間内の前記位置情報に対応するターゲット軌跡点を決定することと、
前記軌跡表示情報から前記ターゲット軌跡点に対応する第1表示情報を取得することと、
前記第1表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記ターゲット軌跡点を表示することと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記ターゲット軌跡点を表示する前に、前記方法は、さらに、
前記N本の軌跡道路区間の表示点集合を取得することであって、前記表示点集合は、前記N本の軌跡道路区間のうちの各軌跡道路区間の表示用のK個第1軌跡点を含み、Kは、M以下の正整数である、ことと、
前記軌跡表示情報から前記表示点集合の各第1軌跡点の第2表示情報を取得することと、
前記第2表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記表示点集合内の各第1軌跡点を表示することと、を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
車両軌跡オフセット補正装置であって、
複数の第1軌跡点を含む第1道路軌跡を取得するように構成される第1取得モジュールと、
前記第1道路軌跡の電子地図上の軌跡表示情報を取得するように構成される第2取得モジュールであって、前記軌跡表示情報は、前記複数の第1軌跡点と前記電子地図上の道路とがマッチングする位置情報を含む、第2取得モジュールと、
前記第1道路軌跡の道路構造に基づいて、前記第1道路軌跡をN本の軌跡道路区間に分割するように構成される分割モジュールであって、各軌跡道路区間は、連続するM個の第1軌跡点を含み、各軌跡道路区間は、一意の経路方向を有し、前記経路方向は、軌跡道路区間内の最初の第1軌跡点から最後の第1軌跡点までの経路方向であり、Nは、正整数であり、Mは、1より大きい整数である、分割モジュールと、
前記N本の軌跡道路区間及び前記軌跡表示情報に基づいて、前記電子地図上で車両軌跡をオフセット補正するように構成される車両軌跡オフセット補正モジュールと、を含む装置。
【請求項7】
前記第1取得モジュールは、
複数の第2軌跡点を含む第2道路軌跡を取得するように構成される第1取得ユニットと、
前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得るように構成される修正ユニットと、を含み、
前記第1道路軌跡内の隣接する第1軌跡点間の距離は、第1プリセット閾値より大きく、且つ第2プリセット閾値より小さい、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記修正ユニットは、前記複数の第2軌跡点のうちの隣接する2つの第2軌跡点の距離に基づいて、プリセットルールに従って前記複数の第2軌跡点を修正し、前記第1道路軌跡を得るように構成され、
ここで、前記プリセットルールは、
隣接する2つの第2軌跡点間の距離が、前記第1プリセット閾値以下である場合、前記隣接する2つの第2軌跡点のうちのいずれかの第2軌跡点を削除することと、
隣接する2つの第2軌跡点間の距離が、前記第2プリセット閾値以上である場合、前記隣接する2つの第2軌跡点で補間を行うことと、
隣接する2つの第2軌跡点が、ターゲット道路網における道路に対応するクローズドループを形成していない場合、前記隣接する2つの第2軌跡点間で補間を行うことと、のうちの少なくとも1つを含む、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記車両軌跡オフセット補正モジュールは、
車両の位置情報を取得するように構成される第2取得ユニットと、
前記N本の軌跡道路区間からターゲット軌跡道路区間を決定するように構成される第1決定ユニットであって、前記ターゲット軌跡道路区間は、前記N本の軌跡道路区間のうちの前記位置情報との射影距離が最も短い軌跡道路区間である、第1決定ユニットと、
前記ターゲット軌跡道路区間内の前記位置情報に対応するターゲット軌跡点を決定するように構成される第2決定ユニットと、
前記軌跡表示情報から前記ターゲット軌跡点に対応する第1表示情報を取得するように構成される第3取得ユニットと、
前記第1表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記ターゲット軌跡点を表示するように構成される車両位置表示ユニットと、を含む、
請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、さらに、
前記N本の軌跡道路区間の表示点集合を取得するように構成される第3取得モジュールであって、前記表示点集合は、前記N本の軌跡道路区間のうちの各軌跡道路区間の表示用のK個第1軌跡点を含み、Kは、M以下の正整数である、第3取得モジュールと、
前記軌跡表示情報から前記表示点集合の各第1軌跡点の第2表示情報を取得するように構成される第4取得モジュールと、
前記第2表示情報に基づいて、前記電子地図上に前記表示点集合内の各第1軌跡点を表示するように構成される路線軌跡表示モジュールと、を含む、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
電子機器であって、
前記電子機器は、プロセッサ、メモリ、及び前記メモリに記憶されて前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含み、
前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されるとき、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法を実施する、電子機器。
【請求項12】
コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ可読記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法を実施する、コンピュータ可読記憶媒。
【国際調査報告】