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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】教育用弦楽器
(51)【国際特許分類】
   G10D 1/05 20200101AFI20240306BHJP
   G10D 3/06 20200101ALI20240306BHJP
【FI】
G10D1/05
G10D3/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559698
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 KR2021008240
(87)【国際公開番号】W WO2022203124
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0039537
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523366959
【氏名又は名称】キム,ミンホン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミンホン
【テーマコード(参考)】
5D002
【Fターム(参考)】
5D002AA02
5D002CC30
(57)【要約】
本発明は、ヘッド部およびボトム部を備えるボディーと、前記ヘッド部側に設けられる上弦柱と、前記ボトム部側に設けられる下弦柱と、前記ボディーのうち前記上弦柱の外側に設けられる複数の固定部と、前記ボディーのうち前記下弦柱の外側に設けられる複数の調律装置と、前記固定部および前記調律装置によって支持され、前記上弦柱および前記下弦柱によって前記ボディーから離隔して設けられる複数のストリングと、前記上弦柱から内側に離隔して設けられ、指板部を形成し、前記ストリングの原音を半音だけ高めるための単一のフラットと、を含む、教育用弦楽器に関するものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド部およびボトム部を備えるボディーと、
前記ヘッド部側に設けられる上弦柱と、
前記ボトム部側に設けられる下弦柱と、
前記ボディーのうち前記上弦柱の外側に設けられる複数の固定部と、
前記ボディーのうち前記下弦柱の外側に設けられる複数の調律装置と、
前記固定部および前記調律装置によって支持され、前記上弦柱および前記下弦柱によって前記ボディーから離隔して設けられる複数のストリングと、
前記上弦柱から内側に離隔して設けられ、指板部を形成し、ストリングの原音を半音だけ高めるための単一のフラットと、を含む、教育用弦楽器。
【請求項2】
前記ボディーは、中央に形成されたサウンドホールを備える、請求項1に記載の教育用弦楽器。
【請求項3】
前記複数のストリングのそれぞれは自然長音階によって調律される、請求項1に記載の教育用弦楽器。
【請求項4】
前記複数のストリングは7本以上である、請求項3に記載の教育用弦楽器。
【請求項5】
前記単一のフラットは、前記複数のストリング全体にかけて形成される、請求項4に記載の教育用弦楽器。
【請求項6】
前記指板部に鍵盤表示が設けられる、請求項5に記載の教育用弦楽器。
【請求項7】
前記複数の調律装置は、互いに交互に設けられる、請求項1に記載の教育用弦楽器。
【請求項8】
前記ボディーのヘッド部側は外側に丸くなるように形成され、前記ボディーのボトム部側は内側に丸くなるように形成される、請求項1に記載の教育用弦楽器。
【請求項9】
前記ボディーは木材からなり、板状を有する、請求項1に記載の教育用弦楽器。
【請求項10】
前記複数のストリングは同じストリングであり、横方向に行くほど前記ストリングの連結長が順次短くなって音が高くなるように構成される、請求項1に記載の教育用弦楽器。
【請求項11】
前記複数のストリングは、横方向に行くほどその太さが順次細くなって音が高くなるように構成される、請求項1に記載の教育用弦楽器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は旋律及び和音演奏を容易にするために全音階配列弦楽器に単一のフラットを活用して半音階演奏を可能にする教育用弦楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
楽器は人類の歴史と一緒に存在してきた古い発明品であり、多様な素材を使って音程を作る。そのうち、弦は、太さ、長さ及び張力の差によって音高を調節しやすく、材質によって多様な音色を表現するのにも適した利点を有している。このために、多様な弦楽器が開発されて発展して来た。
【0003】
弦をハンマーで弾くピアノ、指やピックなどで演奏するギター(ウクレレ)及びライラ(ハープ)、弓を用いて発現するバイオリンなどがよく知られた弦楽器である。
【0004】
一番目で、ピアノ(類)は、鍵盤やハンマーという器具を用いて弦を打撃して音を作る。特に、ピアノの白鍵は音楽の基準になる自然長音階(C Major Scale)の配列を有することが大きな利点である楽器である。五線楽譜や基礎音楽が自然長音階からなっているので、旋律演奏及び和音演奏を行うのに適した楽器である。しかし、調号が変わるとき、演奏がとても難しくなる致命的な欠点を有している。
【0005】
二番目で、ギター(類)は、指板に12個を超える複数のフラットを提供することにより、1本の弦で多くの音を作るように考案された楽器である。フラットは弦の本数を減らすことができるようにする非常に有用な技術である。弦の数を減らして構造を簡単にし、携帯性を高めたが、フラットの複雑性のため、学びにくい欠点を有する。
【0006】
三番目で、ライラ(類)は、美しい音を出す携帯性の良い楽器である。しかし、半音階配列のライラは、弦の数が多くてサイズが大きくなる欠点があり、全音階配列は演奏可能な曲が限定されているから、実際に演奏や教育用に活用しにくい欠点を有している。
【0007】
四番目で、バイオリン(類)は指板を有し、1本の弦で多様な音を作る利点を有している。しかし、指板にフラットがないから、正確な音を作り出すまで非常に長い熟練の時間を有しなければならない欠点を有しており、和音を演奏するのに適しない欠点も有している。
【0008】
従来の楽器が持っている欠点である、弦が多ければ、あまりにも大きくなり、演奏が複雑になり、あまりにも少なければ、携帯性は良いが、可能な演奏幅が小さくなる欠点を補完しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上述した課題を解決するために案出されたものであり、弦ごとに2個の音のみを出すことができるように構成することにより、使用者にとって音階の教育が便利になることができるのみならず、相対的に幅広い音域帯を有するようにして演奏器機としても適した教育用弦楽器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために案出された本発明の一実施例による教育用弦楽器は、ヘッド部およびボトム部を備えるボディーと、前記ヘッド部側に設けられる上弦柱と、前記ボトム部側に設けられる下弦柱と、前記ボディーのうち前記上弦柱の外側に設けられる複数の固定部と、前記ボディーのうち前記下弦柱の外側に設けられる複数の調律装置と、前記固定部および前記調律装置によって支持され、前記上弦柱および前記下弦柱によって前記ボディーから離隔して設けられる複数のストリングと、前記上弦柱から内側に離隔して設けられ、指板部を形成し、前記ストリングの原音を半音だけ高めるための単一のフラットと、を含むことができる。
【0011】
ここで、前記ボディーは、中央に形成されたサウンドホールを備えることができる。
ここで、前記複数のストリングのそれぞれは自然長音階によって調律され得る。
ここで、前記複数のストリングは7本以上であり得る。
ここで、前記単一のフラットは、前記複数のストリング全体にかけて形成され得る。
ここで、前記指板部に鍵盤表示が設けられ得る。
ここで、前記複数の調律装置は、互いに交互に設けられ得る。
ここで、前記ボディーのヘッド部側は外側に丸くなるように形成され、前記ボディーのボトム部側は内側に丸くなるように形成され得る。
ここで、前記ボディーは木材からなり、板状を有することができる。
ここで、前記複数のストリングは同じストリングであり、横方向に行くほど前記ストリングの連結長が順次短くなって音が高くなるように構成され得る。
ここで、前記複数のストリングは、横方向に行くほどその太さが順次細くなって音が高くなるように構成され得る。
【発明の効果】
【0012】
上述した構成を有する本発明の実施例によれば、弦楽器の利点として、自然長音階の配列であるから、各ストリングの音が直感的に分かるようになるので、初めて接する人も弦楽器の音階配置を理解することができるようになり、旋律(メロディー)演奏がすぐ可能である。
【0013】
楽器の習得に一番難しかった調号(#、b)がある楽譜も簡単に演奏することができる楽器になる。すなわち、調号がある音程の弦のフラットを一手が押すだけで、他の手は手の姿勢を変えなくても演奏することができるようになって簡単に解決される。
【0014】
また、自然長音階配置の後、一音飛ばし方式は手の姿勢をそのまま維持しながら和音演奏が非常に容易になるようにする。
【0015】
多様な奏法の演奏、すなわちアルペッジョ、ストロークなどの多様な演奏技法が適用が可能である。
【0016】
小さくて携帯性の良い本発明は、舞台演奏はもちろんのこと、音楽教育にも適した弦楽器になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による教育用弦楽器の一実施例の斜視図である。
図2図1に示す教育用弦楽器の平面図である。
図3図1に示す教育用弦楽器の側面図である。
図4】それぞれ本発明による教育用弦楽器の他の実施例の平面図である。
図5】それぞれ本発明による教育用弦楽器の他の実施例の平面図である。
図6】それぞれ本発明による教育用弦楽器の他の実施例の平面図である。
図7】本発明による教育用弦楽器のうち、10本の弦を使用した場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施例による教育用弦楽器について図面を参照して詳細に説明する。本明細書では、互いに異なる実施例であっても、同一または類似の構成に対しては同一または類似の参照番号を付与し、その説明は最初の説明に代替する。
【0019】
図1は本発明による教育用弦楽器の一実施例の斜視図であり、図2図1に示す教育用弦楽器の平面図であり、図3図1に示す教育用弦楽器の側面図である。
【0020】
図1図6の教育用弦楽器は16本の弦を有しているものを例示し、図6の教育用弦楽器は10個の弦を有している。これは例示に過ぎず、製作者の必要または演奏者の要求に応じて弦の数はそれより多くなるかまたはそれより少なくなることもできる。
【0021】
図1図3に示すように、本発明による教育用弦楽器は、ボディー10、複数のストリング(弦)20、調律装置30、下弦柱40、固定部50、上弦柱60、およびフラット70を含んでなることができる。
【0022】
ボディー10は本発明の一実施例による教育用弦楽器の全体外観を示す構成要素であり、木材、合成木材、プラスチック材、または金属材からなり得る。このボディー10の中央部にはサウンドホール15が形成されることにより、発生する音を一層豊かにすることができる。
【0023】
ボディー10は、図示のように、全体として台形を有し、広幅の部分をヘッド(head)部(指板部が形成された側)13と、狭幅の部分をボトム(bottom)部11と定義する。前記幅は反対の大きさを有することもできる。ヘッド部13は、図示のように、外側に丸くなるように形成され、ボトム部11は内側に丸くなるように形成されることにより、使用者が一層便利に使用することができるように構成され得る。
【0024】
ヘッド部13には複数の固定部50が設けられ、図示のように、複数の固定部50が一列に設けられ得る。
【0025】
そして、ボトム部11には調律装置30が設けられ、図示のように、調律装置30はジグザグに設けられ得る。
【0026】
ここで、調律装置30の位置と固定部50の位置とは互いに取り替えることができる。
【0027】
ストリング20はボディー10の前記固定部および前記調律装置を介してヘッド部13およびボトム部11にそれぞれ固定される。より具体的には、複数のストリング20のそれぞれの一端はボディー10のボトム部11側に設けられた調律装置30に巻かれ、ストリング20のそれぞれの他端はボディー10のヘッド部13側に設けられた固定部50によって固定される。本発明で、ストリング20は16本で構成されているが、これに限定されず、8本、12本、または24本など、必要に応じて変更可能である。また、基本長音階(ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ)を全部出すために、少なくとも7本以上で構成され得る。また、ストリング20は金属弦またはナイロン弦で構成されることもでき、複数のストリング20はそれぞれ異なるストリング20で構成されることもでき、同じ弦で構成されることもできる。また、前記複数のストリング20は、横方向に行くほど、前記ストリングの連結長が順次短くなって音が高くなるように構成され得る。もしくは、横方向に行くほど、前記ストリングの太さが細くなって音が高くなるように構成され得る。
【0028】
使用者はストリング20を弾き、これによって音が発生する。各ストリング20の基準音は調律装置30によって調整することができる。
【0029】
調律装置30の内側には下弦柱40が設けられ、この下弦柱40と後述する上弦柱60とによってストリング20はボディー10から所定の距離だけ離隔するようになる。
【0030】
上弦柱60の内側には単一のフラット70が設けられる。使用者が上弦柱60と単一のフラット70との間の指板部(鍵盤表示)80を運指した状態でストリング20を弾くと、基準音よりも半音だけ高い音が出る。複数のストリング20はそれぞれ自然長音階によって調律され、基準音は長音階の音が出るようになり、使用者が指板部80を運指すると、単一のフラット70によって半音だけ高い音が出るようになる。図1図3に示すように、単一のフラット70は複数のストリング20の全体にかけて(すなわち、ボディー10の横方向全体にわたって)設けられることもでき、必要に応じて一部にのみ設けられることもできる。また、単一のフラット70はボディー10に一体型でまたは分離型に設けられることができる。
【0031】
一方、指板部80には、使用者が音階を直観することができるようにする鍵盤表示A、A’が設けられ得る。その例として、図4及び図5を参照してより詳細に説明する。
【0032】
図4図6はそれぞれ本発明による教育用弦楽器の他の実施例の平面図である。図4及び図5では、鍵盤表示80のためのマークの形状が円形(図4のA)、ピアノ鍵盤形(図5のA’)または長方形(図6のA”)であり、互いに異なるだけである。
【0033】
鍵盤表示A、A’、A”のためのマークは、長音階のうち、ド、レ、ファ、ソ、ラの音を出すストリング20にそれぞれ表示され、その他に、ストリング20にはマークの表示がない。このように表示して全体的にピアノ鍵盤と同じ形態を現し、それぞれの弦の音がどの音を基準に示すかを“ピアノの基礎”のみ学んだ人であっても容易に分かるようになる。
【0034】
図7は、図1図6の実施例とは違い、10本の弦からなる教育用弦楽器の例である。それぞれの弦の基準音はそれぞれ(C、D、E、F、A、B、C、D、E)になり、指板部に表示された鍵盤表示によって基準音はそれぞれC#、D#、F#、G#、A#、C#、D#に半音だけ上がるように構成され得る。
【0035】
上述した構成を有する本発明の実施例によれば、弦楽器の利点として自然長音階の配列であるから各ストリングの音を直感的に分かるようになるので、初めて接する人でも弦楽器の音階配置を理解することができるようになり、旋律(メロディー)演奏がすぐ可能である。
【0036】
楽器の習得で一番難しかった調号(#、b)のある楽譜も簡単に演奏することができる楽器になる。すなわち、調号がある音程の弦のフラットを一手が押すだけで他の手は損の姿勢を変えなくても演奏することができるようになって簡単に解決される。
【0037】
また、自然長音階配置の後、一音飛ばし方式は手の姿勢をそのまま維持しながら和音演奏が非常に容易になるようにする。
【0038】
多様な奏法の演奏、すなわちアルペッジョ、ストロークなどの多様な演奏技法を適用することができる。
【0039】
小さくて携帯性の良い本発明は舞台演奏はもちろんのこと、音楽教育にも適した弦楽器になる。
【0040】
前記のような教育用弦楽器は、前述した実施例の構成および作動方式に限定されるものではない。前記実施例は、それぞれの実施例の全部または一部を選択的に組み合わせて多様な変形になるように構成することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】