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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-13
(54)【発明の名称】ピラゾロピリミジノン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20240306BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20240306BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240306BHJP
   A61P 5/00 20060101ALI20240306BHJP
   A61P 5/38 20060101ALI20240306BHJP
   A61P 5/24 20060101ALI20240306BHJP
   A61P 15/08 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
C07D487/04 142
C07D487/04 CSP
A61K31/519
A61P35/00
A61P5/00
A61P5/38
A61P5/24
A61P15/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559737
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 US2022021890
(87)【国際公開番号】W WO2022204481
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/166,739
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.PLURONIC
(71)【出願人】
【識別番号】523367543
【氏名又は名称】オルファゲン ファーマシューティカルズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラヘジャ,ネイル
(72)【発明者】
【氏名】クロウ,ポール
(72)【発明者】
【氏名】タオ,ハイヤン
(72)【発明者】
【氏名】サッチャー,スコット
【テーマコード(参考)】
4C050
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB05
4C050CC08
4C050EE04
4C050FF01
4C050GG04
4C050HH01
4C050HH02
4C050HH04
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB06
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA81
4C086ZB26
4C086ZC08
(57)【要約】
本明細書には、ピラゾロピリミジノン化合物、および当該化合物を含む医薬組成物が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物であって、
式中、
Xは、結合またはC-Cアルキレンであり、
は、C3-8シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、-CH6-10アリール、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、前記C3-8シクロアルキル、前記C2-9ヘテロシクロアルキル、前記-CH6-10アリール、前記C6-10アリール、および前記C1-9ヘテロアリールは、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換され、
は、C3-8シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、前記C3-8シクロアルキル、前記C2-9ヘテロシクロアルキル、前記C6-10アリール、および前記C1-9ヘテロアリールは、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換され、
は、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC3-8シクロアルキルであり、
各Rと各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、C1-9ヘテロアリール、-OR、-SR、-C(O)OR、-OC(O)N(R)(R)、-N(R)C(O)N(R)(R)、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)OR、-N(R)S(O)、-C(O)R、-OC(O)R、-C(O)N(R)(R)、-C(O)C(O)N(R)(R)、-S(O)R、-S(O)、および-S(O)N(R)(R)から選択され、前記C1-6アルキル、前記C2-6アルケニル、前記C2-6アルキニル、前記C3-6シクロアルキル、前記C2-9ヘテロシクロアルキル、前記C6-10アリール、および前記C1-9ヘテロアリールは、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、C1-9ヘテロアリール、-OR10、-SR10、-C(O)OR10、-OC(O)N(R10)(R11)、-N(R12)C(O)N(R10)(R11)、-N(R12)C(O)R13、-N(R12)C(O)OR13、-N(R12)S(O)13、-C(O)R13、-OC(O)R13、-C(O)N(R10)(R11)、-C(O)C(O)N(R10)(R11)、-S(O)R13、-S(O)13、および-S(O)N(R10)(R11)から選択される、1、2、または3つの基で任意選択で置換され、
は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、前記C1-6アルキル、前記C2-6アルケニル、前記C2-6アルキニル、前記C3-6シクロアルキル、前記C2-9ヘテロシクロアルキル、前記C6-10アリール、および前記C1-9ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択される、1、2、または3つの基で任意選択で置換され、
は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択され、
は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択され、
は、それぞれ独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、前記C1-6アルキル、前記C2-6アルケニル、前記C2-6アルキニル、前記C3-6シクロアルキル、前記C2-9ヘテロシクロアルキル、前記C6-10アリール、および前記C1-9ヘテロアリールは、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択される、1、2、または3つの基で任意選択で置換され、
10は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、前記C1-6アルキル、前記C2-6アルケニル、前記C2-6アルキニル、前記C3-6シクロアルキル、前記C2-9ヘテロシクロアルキル、前記C6-10アリール、および前記C1-9ヘテロアリールは、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択される、1、2、または3つの基で任意選択で置換され、
11は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択され、
12は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択され、
13は、それぞれ独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、前記C1-6アルキル、前記C2-6アルケニル、前記C2-6アルキニル、前記C3-6シクロアルキル、前記C2-9ヘテロシクロアルキル、前記C6-10アリール、および前記C1-9ヘテロアリールは、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択される、1、2、または3つの基で任意選択で置換される、
化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
前記Rが、C6-10アリールおよびC1-9ヘテロアリールから選択され、前記C6-10アリールおよび前記C1-9ヘテロアリールが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項3】
前記Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたC6-10アリールである、請求項1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項4】
前記Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたフェニルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項5】
前記Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたフェニルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項6】
前記Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールである、請求項1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項7】
前記Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたピリジルである、請求項6に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項8】
前記Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-OR、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)N(R)(R)、-S(O)、および-S(O)N(R)(R)から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項9】
前記Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、および-ORから選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項10】
前記Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたC3-8シクロアルキルである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項11】
前記Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたシクロヘキシルである、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項12】
前記Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたシクロヘキシルである、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項13】
前記Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたC6-10アリールである、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項14】
前記Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたフェニルである、請求項13に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項15】
前記Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたフェニルである、請求項14に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項16】
前記Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルである、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項17】
前記Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたテトラヒドロピラニルである、請求項16に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項18】
前記Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6ハロアルキル、-OR -C(O)OR、-C(O)R、-C(O)N(R)(R)、-S(O)、-S(O)N(R)(R)、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)R13、-C(O)N(R10)(R11)、-S(O)13、および-S(O)N(R10)(R11)から選択される1、2、または3つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項19】
前記Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6ハロアルキル、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、-S(O)13、および-S(O)N(R10)(R11)から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項20】
前記Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項21】
前記Rが、それぞれ独立して、水素、ならびに、ハロゲンおよびヒドロキシから選択される1、2、または3つの基で任意選択置換されるC1-6アルキルから選択される、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項22】
前記R10が、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択される、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項23】
前記RがC-Cアルキルである、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項24】
前記Rが水素である、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項25】
前記Xが結合である、請求項1~24のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項26】
前記XがC-Cアルキレンである、請求項1~24のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項27】
【化2】
【化3】
【化4】
から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項28】
薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、または結合剤と、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物とを含む、医薬組成物。
【請求項29】
請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を哺乳動物に投与する工程を含む、前記哺乳動物の癌を処置する方法。
【請求項30】
前記癌が、副腎皮質癌、卵巣癌、頭頸部癌、子宮内膜癌、ホルモン依存性前立腺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、下垂体性腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫(pituitary gonadotroph adenomas)、および性索間質腫瘍から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記癌が副腎皮質癌である、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を哺乳動物に投与する工程を含む、前記哺乳動物の内分泌疾患を処置する方法。
【請求項33】
前記内分泌疾患が、内因性のクッシング症候群、先天性副腎皮質過形成、および多嚢胞性卵巣症候群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を哺乳動物に投与する工程を含む、前記哺乳動物の子宮内膜症を処置する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年3月26日出願の米国仮特許出願第63/166,739号に基づく利益を主張し、当該仮特許出願はその全体を参照することにより本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
ステロイド産生因子1(SF-1、NR5A1)は、ステロイド産生組織の発達と機能に関与する遺伝子の転写調節因子である。SF-1モジュレータは、SF-1依存型組織の成長と機能を調節する、新規な治療用化合物のための機会を提供する。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、例えば、ピラゾロピリミジン化合物、癌の処置における当該化合物の薬剤としての使用、当該化合物の調製プロセス、および、少なくとも1つの有効成分として本開示の化合物を含む医薬組成物を提供する。本開示はまた、癌、内分泌疾患、および子宮内膜症の処置用の薬剤としての、および/または当該薬剤の製造における、本明細書に記載の化合物の使用を提供する。
【0004】
一態様は、式(I):
【0005】
【化1】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物であって、
式中、
Xは、結合またはC-Cアルキレンであり、
は、C3-8シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、-CH6-10アリール、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、C3-8シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、-CH6-10アリール、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールは、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換され、
は、C3-8シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、C3-8シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールは、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換され、
は、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC3-8シクロアルキルであり、
各Rと各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、C1-9ヘテロアリール、-OR、-SR、-C(O)OR、-OC(O)N(R)(R)、-N(R)C(O)N(R)(R)、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)OR、-N(R)S(O)、-C(O)R、-OC(O)R、-C(O)N(R)(R)、-C(O)C(O)N(R)(R)、-S(O)R、-S(O)、および-S(O)N(R)(R)から選択され、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールは、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、C1-9ヘテロアリール、-OR10、-SR10、-C(O)OR10、-OC(O)N(R10)(R11)、-N(R12)C(O)N(R10)(R11)、-N(R12)C(O)R13、-N(R12)C(O)OR13、-N(R12)S(O)13、-C(O)R13、-OC(O)R13、-C(O)N(R10)(R11)、-C(O)C(O)N(R10)(R11)、-S(O)R13、-S(O)13、および-S(O)N(R10)(R11)から選択される、1、2、または3つの基で任意選択で置換され、
は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択される、1、2、または3つの基で任意選択で置換され、
は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択され、
は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択され、
は、それぞれ独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールは、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択される、1、2、または3つの基で任意選択で置換され、
10は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールは、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択される、1、2、または3つの基で任意選択で置換され、
11は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択され、
12は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択され、
13は、それぞれ独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールは、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択される、1、2、または3つの基で任意選択で置換される、
化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0006】
別の実施形態は、Rが、C6-10アリールおよびC1-9ヘテロアリールから選択され、C6-10アリールおよびC1-9ヘテロアリールが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたC6-10アリールである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたフェニルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたフェニルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたピリジルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-OR、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)N(R)(R)、-S(O)、および-S(O)N(R)(R)から選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、および-ORから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたC3-8シクロアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたシクロヘキシルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたシクロヘキシルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたC6-10アリールである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたフェニルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたフェニルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたテトラヒドロピラニルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6ハロアルキル、-OR、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)N(R)(R)、-S(O)、-S(O)N(R)(R)、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)R13、-C(O)N(R10)(R11)、-S(O)13、および-S(O)N(R10)(R11)から選択される1、2、または3つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6ハロアルキル、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、-S(O)13、および-S(O)N(R10)(R11)から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、それぞれ独立して、水素、ならびに、ハロゲンおよびヒドロキシから選択される1、2、または3つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、R10が、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、RがC-Cアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが水素である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Xが結合である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、XがC-Cアルキレンである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0007】
別の実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物と、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物である。
【0008】
別の実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で哺乳動物に投与する工程を含む、癌の処置を必要とする哺乳動物の癌を処置する方法である。別の実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で哺乳動物に投与する工程を含む、癌の処置を必要とする哺乳動物の癌を処置する方法であって、癌が、副腎皮質癌、卵巣癌、頭頸部癌、子宮内膜癌、ホルモン依存性前立腺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、下垂体性腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫(pituitary gonadotroph adenomas)、および性索間質腫瘍から選択される、方法である。別の実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で哺乳動物に投与する工程を含む、癌の処置を必要とする哺乳動物の癌を処置する方法であって、癌が副腎皮質癌である、方法である。
【0009】
別の実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で哺乳動物に投与する工程を含む、内分泌疾患の処置を必要とする哺乳動物の内分泌疾患を処置する方法である。別の実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で哺乳動物に投与する工程を含む、内分泌疾患の処置を必要とする哺乳動物の内分泌疾患を処置する方法であって、内分泌疾患が、内因性のクッシング症候群、先天性副腎皮質過形成、および多嚢胞性卵巣症候群から選択される、方法である。
【0010】
別の実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で哺乳動物に投与する工程を含む、子宮内膜症の処置を必要とする哺乳動物の子宮内膜症を処置する方法である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ステロイド産生因子1(SF-1、NR5A1)は、ステロイド産生組織の発達と機能に関与する遺伝子の転写調節因子である。出生後、SF-1は、副腎皮質および性腺中に、下垂体性腺刺激ホルモン分泌細胞中に、視床下部の腹内側核(VMH)中に、ならびに脾臓血管中に発現される。
【0012】
マウス中のSF-1遺伝子の欠失が標的とされると、重度の副腎不全が原因で、副腎および生殖腺の発育不全、ならびに出生後の致死がもたらされる。ヒトにおいて、SF-1中での部分的な機能損失変異は、性的発育障害、および重度の副腎不全に関連付けられる。
【0013】
SF-1は、StAR、Cyp11a1、Cyp17、CYP21、Cyp11b1、Cyp11b2、および3β-Hsdを含むステロイド産生遺伝子の転写を調節することによって、ステロイドホルモンの合に重要な役割を果たす。SF-1の転写活性は、副腎皮質中でメラノコルチン2受容体(MC2R)に副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を結合させることによって刺激され得る。
【0014】
SF-1タンパク質は、N末端ジンクフィンガーDNA結合ドメイン(DBD)、リガンド結合ドメイン(LBD)、C末端AF-2活性化ドメイン、および介在するヒンジ領域で構成された、モジュール式ドメイン構造を有する。SF-1はまた、特異的なDNA認識モチーフへの結合を媒介する、DBDの30アミノ酸伸長部も含有する。大半の他の核受容体転写調節因子と異なり、SF-1は、モノマーとしてそのDNA認識モチーフと相互作用する。SF-1の活性は、SF-1 LBDの内の大型の疎水性ポケットに結合する、ホスホイノシチドおよび他のリン脂質によって調節される。
【0015】
SF-1は、正常な子宮内膜と比較して少なくとも1000倍のmRNAレベル、および約5倍のタンパク質レベルで、異所性の子宮内膜病変において高度に発現される。さらにSF-1発現は、子宮内膜嚢胞組織中でのアロマターゼ発現と密に相関しており、SF-1がイントラクリンエストロゲン生合成の重要な調節因子であることが示唆される。
【0016】
ゲノム試験、臨床試験、および病理学試験では、SF-1は、副腎皮質癌(ACC)の病因における重要な転写調節因子として結び付けられている。より高レベルの腫瘍SF-1発現は、成人ACCで死亡リスクが高いことに相関されている。小児ACCでは、SF-1は症例の約90%において、タンパク質および/または染色体レベルで過剰発現される。SF-1はまた、性索間質腫瘍(例えば、セルトリ細胞腫瘍)中で高度に発現され、卵巣漿液状性癌、頭頸部癌、および広くは子宮内膜症の部分集合において異所的に発現される
【0017】
出生後にVMH中のSF-1が欠失すると、熱産生の障害、および鈍的なレプチンシグナル伝達が原因で、高脂肪食誘導型の肥満症が生じ、SF-1はエネルギー代謝の重要な調節因子であることが示唆される。
【0018】
加えて、SF-1アンタゴニストは、下垂体性腺刺激ホルモン分泌細胞の放出を遮断するか、または、コルチゾールや副腎アンドロゲンを含む副腎ステロイドの産生を抑制し得る。起こり得る適応症には、内分泌腺の機能障害の疾患の中でも、ホルモン依存性前立腺癌、内因性のクッシング症候群、先天性副腎皮質過形成、および多嚢胞性卵巣症候群が挙げられる。
【0019】
SF-1アンタゴニストは、新たな治療用化合物に対する有望な手段であり得る。
【0020】
本明細書、および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明確に指定されない限り、複数形を含む。このため、例えば「薬剤(an agent)」への言及は、このような薬剤を複数含み、「細胞(the cell)」への言及は、1つまたは複数の細胞(または複数の細胞)、および当業者に公知のその等価物への言及を含む。分子量などの物理的特性、または化学式などの化学的特性に関する範囲が本明細書で使用されるとき、範囲およびその中の特定の実施形態の、組合せならびに下位の組合せが、すべて包含されるように意図される。数または数の範囲について言及するとき、「約」という用語は、言及される数または数の範囲が実験変動の範囲内の(または統計的実験誤差内の)近似値であることを意味するので、数または数の範囲は、明示された数または数の範囲の1%~15%の間で変動する。「含むこと(comprising)」という用語(および、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「有すること(having)」、または「含むこと(including)」などの関連語)は、他の特定の実施形態において、例えば本明細書に記載のいずれかの合成物、組成物、方法、またはプロセスなどの実施形態が、記載された特徴「からなる」か、またはこの特徴「から実質的になる」場合があることを除外しないように意図される。
【0021】
定義
本明細書、および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、次の用語は、反対の意味として指定されない限り、以下に示す意味を有する。
【0022】
本明細書中で使用されるとき、C-Cは、C-C、C-C...C-Cを含む。C-Cは、この語が指定する(任意選択の置換基を除く)部分を構成する、炭素原子の数を指す。
【0023】
「アミノ」は、-NHラジカルを指す。
【0024】
「シアノ」は、-CNラジカルを指す。
【0025】
「ニトロ」は、-NOラジカルを指す。
【0026】
「オキサ」は、-O-ラジカルを指す。
【0027】
「オキソ」は、=Oラジカルを指す。
【0028】
「チオキソ」は、=Sラジカルを指す。
【0029】
「イミノ」は、=N-Hラジカルを指す。
【0030】
「オキシモ」は、=N-OHラジカルを指す。
【0031】
「アルキル」または「アルキレン」は、1~18個の炭素原子を有する(例えば、C-C18アルキル)など、炭素原子および水素原子のみからなり不飽和を伴わない、直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカルを指す。ある実施形態では、アルキルは3~18個の炭素原子(例えばC-C18アルキル)を含む。ある実施形態では、アルキルは1~15個の炭素原子(例えばC-C15アルキル)を含む。ある実施形態では、アルキルは1~12個の炭素原子(例えばC-C12アルキル)を含む。ある実施形態では、アルキルは1~8個の炭素原子(例えばC-Cアルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは1~6個の炭素原子(例えばC-Cアルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは1~5個の炭素原子(例えばC-Cアルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは1~4個の炭素原子(例えばC-Cアルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは1~3個の炭素原子(例えばC-Cアルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは1~2個の炭素原子(例えばC-Cアルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは1個の炭素原子(例えばCアルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは5~15個の炭素原子(例えばC-C15アルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは5~8個の炭素原子(例えばC-Cアルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは2~5個の炭素原子(例えばC-Cアルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは3~5個の炭素原子(例えばC-Cアルキル)を含む。他の実施形態では、アルキル基は、メチル、エチル、1-プロピル(n-プロピル)、1-メチルエチル(iso-プロピル)、1-ブチル(n-ブチル)、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(iso-ブチル)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)、および1-ペンチル(n-ペンチル)から選択される。アルキルは、単結合により分子の残部に結合される。本明細書中で別段の定めのない限り、アルキル基は、以下の置換基:ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R、-N(Ra)C(O)OR、-OC(O)-NR、-N(Ra)S(O)(tは1または2である)、-S(O)OR(tは1または2である)、-S(O)(tは1または2である)、および-S(O)N(R(tは1または2である)のうち、1つまたは複数により任意選択で置換され、Rは、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリル、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、Rは、それぞれ独立して、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである。
【0032】
「アルコキシ」は、アルキルが上記で定義されるようなアルキル鎖である、式-O-アルキルの酸素原子を介して結合されるラジカルを指す。
【0033】
「アルケニル」は、炭素原子と水素原子のみからなり、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を含有し、かつ2~18個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカル基を指す。特定の実施形態では、アルケニルは3~18個の炭素原子を含む。特定の実施形態では、アルケニルは3~12個の炭素原子を含む。特定の実施形態では、アルケニルは6~12個の炭素原子を含む。特定の実施形態では、アルケニルは6~10個の炭素原子を含む。特定の実施形態では、アルケニルは8~10個の炭素原子を含む。特定の実施形態では、アルケニルは2~8個の炭素原子を含む。他の実施形態では、アルケニルは2~4個の炭素原子を含む。アルケニルは単結合により分子の残部に結合され、例えば、エテニル(すなわちビニル)、プロパ-1-エニル(すなわちアリル)、ブタ-1-エニル、ペンタ-1-エニル、ペンタ-1,4-ジエニルなどである。本明細書中で別段の定めのない限り、アルケニル基は、以下の置換基:ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-OC(O)-NR、-N(R)S(O)(tは1または2である)、-S(O)OR(tは1または2である)、-S(O)(tは1または2である)、および-S(O)N(R(tは1または2である)のうち、1つまたは複数により任意選択で置換され、Rは、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリル、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、Rは、それぞれ独立して、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである。
【0034】
「アルキニル」は、炭素原子と水素原子のみからなり、少なくとも1つの炭素炭素三重結合を含有し、かつ2~18個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカル基を指す。特定の実施形態では、アルキニルは3~18個の炭素原子を含む。特定の実施形態では、アルキニルは3~12個の炭素原子を含む。特定の実施形態では、アルキニルは6~12個の炭素原子を含む。特定の実施形態では、アルキニルは6~10個の炭素原子を含む。特定の実施形態では、アルキニルは8~10個の炭素原子を含む。特定の実施形態では、アルキニルは2~8個の炭素原子を含む。他の実施形態では、アルキニルは2~4個の炭素原子を有する。アルキニルは、単結合により分子の残部に結合され、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどである。本明細書中で別段の定めのない限り、アルキニル基は、以下の置換基:ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-OC(O)-NR、-N(R)S(O)(tは1または2である)、-S(O)OR(tは1または2である)、-S(O)(tは1または2である)、および-S(O)N(R(tは1または2である)のうち、1つまたは複数により任意選択で置換され、Rは、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリル、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、Rは、それぞれ独立して、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである。
【0035】
「アリール」は、環炭素原子から水素原子を除去することにより単環式または多環式の芳香族炭化水素環系から誘導されるラジカルを指す。芳香族単環式または多環式の炭化水素環系は、水素と、6~18個の炭素原子からなる炭素とのみを含有しており、環系中の複数の環のうち少なくとも1つは完全に不飽和であり、すなわち、ヒュッケルの理論に従い環状の非局在化(4n+2)π-電子系を含有する。アリール基が誘導される環系として、ベンゼン、フルオレン、インダン、インデン、テトラリン、ナフタレンなどの基が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で別段の定めのない限り、「アリール」という用語、または接頭辞「ar」(「アラルキル」中のものなど)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-R-OR、-R-OC(O)-R、-R-OC(O)-OR、-R-OC(O)-N(R、-R-N(R、-R-C(O)R、-R-C(O)OR、-R-C(O)N(R、-R-O-R-C(O)N(R、-R-N(R)C(O)OR、-R-N(R)C(O)R、-R-N(R)S(O)(tは1または2である)、-R-S(O)OR(tは1または2である)、-R-S(O)(tは1または2である)、および-R-S(O)N(R(tは1または2である)から選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換される、アリールラジカルを含むことを意味し、Rは、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、Rは、それぞれ独立して、直接結合、または直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン鎖もしくはアルケニレン鎖であり、Rは、直鎖または分岐鎖のアルキレン鎖またはアルケニレン鎖である。
【0036】
「アルコキシ」は、アリールが上記で定義されるとおりである、式-O-アリールの酸素原子を介して結合されるラジカルを指す。
【0037】
「アラルキル」は、Rが、例えばメチレンやエチレンなどの上記で定義されるようなアルキレン鎖である、式-R-アリールのラジカルを指す。アラルキルラジカルのアルキレン鎖部分は、アルキレン鎖について上述されるように任意選択で置換される。アラルキルラジカルのアリール部分は、アリール基について上述されるように任意選択で置換される。
【0038】
「アラルキルオキシ」は、アラルキルが上記で定義されるとおりである、式-O-アラルキルの酸素原子を介して結合されるラジカルを指す。
【0039】
「アラルケニル」は、Rが上記で定義されるようなアルケニレン鎖である、式-R-アリールのラジカルを指す。アラルケニルラジカルのアリール部分は、アリール基について上述されるように任意選択で置換される。アラルケニルラジカルのアルケニレン鎖部分は、アルケニレン基について上述されるように任意選択で置換される。
【0040】
「アラルキニル」は、Rが上記で定義されるようなアルキニレン鎖である、式-R-アリールのラジカルを指す。アラルキニルラジカルのアリール部分は、アリール基について上述されるように任意選択で置換される。アラルキニルラジカルのアルキニレン鎖部分は、アルキニレン鎖について上述されるように任意選択で置換される。
【0041】
「シクロアルキル」は、炭素原子と水素原子のみからなり、縮合または架橋環系を含み、3~15個の炭素原子を有する、安定した非芳香族の単環式または多環式ラジカルを指す。特定の実施形態では、シクロアルキルは3~10個の炭素原子を含む。他の実施形態では、シクロアルキルは5~7個の炭素原子を含む。シクロアルキルは、単結合によって分子の残部に結合する。シクロアルキルは、飽和されるか(すなわち、1つのC-C結合のみを含有)、または部分的に不飽和である(すなわち、1つもしくは複数の二重結合または三重結合を含有)。単環式シクロアルキルの例として、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。ある実施形態では、シクロアルキルは3~8個の炭素原子(例えばC-Cシクロアルキル)を含む。他の実施形態では、シクロアルキルは3~7個の炭素原子(例えばC-Cシクロアルキル)を含む。他の実施形態では、シクロアルキルは3~6個の炭素原子(例えばC-Cシクロアルキル)を含む。他の実施形態では、シクロアルキルは3~5個の炭素原子(例えばC-Cシクロアルキル)を含む。他の実施形態では、シクロアルキルは3~4個の炭素原子(例えばC-Cシクロアルキル)を含む。部分的に不飽和のシクロアルキルは、「シクロアルケニル」とも称される。単環式シクロアルケニルの例として、例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルが挙げられる。多環式シクロアルキルラジカルとして、例えば、アダマンチル、ノルボルニル(すなわち、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルネニル、デカリニル(decalinyl)、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどが挙げられる。本明細書中で別段の定めのない限り、「シクロアルキル」という用語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-R-OR、-R-OC(O)-R、-R-OC(O)-OR、-R-OC(O)-N(R、-R-N(R、-R-C(O)R、-R-C(O)OR、-R-C(O)N(R、-R-O-R-C(O)N(R、-R-N(R)C(O)OR、-R-N(R)C(O)R、-R-N(R)S(O)(tは1または2である)、-R-S(O)OR(tは1または2である)、-R-S(O)(tは1または2である)、および-R-S(O)N(R(tは1または2である)から選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換される、シクロアルキルラジカルを含むことを意味し、Rは、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、Rは、それぞれ独立して、直接結合、または直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン鎖もしくはアルケニレン鎖であり、Rは、直鎖または分岐鎖のアルキレン鎖またはアルケニレン鎖である。
【0042】
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨードの置換基を指す。
【0043】
「ハロアルキル」は、上記で定義されるように1つまたは複数のハロラジカルによって置換される、上記で定義されるアルキルラジカルを指す。
【0044】
「ハロアルコキシ」は、上記で定義されるように1つまたは複数のハロラジカルによって置換される、上記で定義されるアルコキシラジカルを指す。
【0045】
「フルオロアルキル」は、上記で定義される1つまたは複数のフルオロラジカル、例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1-フルオロメチル-2-フルオロエチルなどにより置換される、上記で定義されるアルキルラジカルを指す。フルオロアルキルラジカルのアルキル部分は、アルキル基について上記で定義されるように任意選択で置換される。
【0046】
「ヘテロシクロアルキル」は、2~12個の炭素原子と、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~6個のヘテロ原子とを含む、安定した3~18員の非芳香族環ラジカルを指す。本明細書中で特に別段の定めのない限り、ヘテロシクロアルキルは、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であり、任意選択で縮合環系、スピロ環系、または架橋環系を含む。ヘテロシクロアルキル中のヘテロ原子は、任意選択で酸化される。1個または複数の窒素原子は、存在する場合、任意選択で四級化される。ヘテロシクロアルキルラジカルは、部分的または完全に飽和される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、環のいずれかの原子により分子の残部に結合する。かかるヘテロシクロアルキルの例には、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、および1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で別段の定めのない限り、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-R-OR、-R-OC(O)-R、-R-OC(O)-OR、-R-OC(O)-N(R、-R-N(R、-R-C(O)R、-R-C(O)OR、-R-C(O)N(R、-R-O-R-C(O)N(R、-R-N(R)C(O)OR、-R-N(R)C(O)R、-R-N(R)S(O)(tは1または2である)、-R-S(O)OR(tは1または2である)、-R-S(O)(tは1または2である)、および-R-S(O)N(R(tは1または2である)から選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換される、上記で定義されるヘテロシクロアルキルを含むことを意味し、Rは、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、Rは、それぞれ独立して、直接結合、または直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン鎖もしくはアルケニレン鎖であり、Rは、直鎖または分岐鎖のアルキレン鎖またはアルケニレン鎖である。
【0047】
「ヘテロアリール」は、1~17個の炭素原子と、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~6個のヘテロ原子とを含む、3~18員の芳香族環ラジカルに由来するラジカルを指す。本明細書で使用される場合、ヘテロアリールラジカルは、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であり、環系中の環のうち少なくとも1つは完全に不飽和であり、すなわちヒュッケル理論に従い環式の非局在化(4n+2)π-電子系を含有する。ヘテロアリールは、縮合環系または架橋環系を含む。ヘテロアリールラジカル中のヘテロ原子は、任意選択で酸化される。1個または複数の窒素原子は、存在する場合、任意選択で四級化される。ヘテロアリールは、環のいずれかの原子を介して分子の残部に結合する。本明細書中で別段の定めのない限り、「ヘテロアリール」という用語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-R-OR、-R-OC(O)-R、-R-OC(O)-OR、-R-OC(O)-N(R、-R-N(R、-R-C(O)R、-R-C(O)OR、-R-C(O)N(R、-R-O-R-C(O)N(R、-R-N(R)C(O)OR、-R-N(R)C(O)R、-R-N(R)S(O)(tは1または2である)、-R-S(O)OR(tは1または2である)、-R-S(O)(tは1または2である)、および-R-S(O)N(R(tは1または2である)から選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換される、上記で定義されるヘテロアリールを含むことを意味し、Rは、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、Rは、それぞれ独立して、直接結合、または直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン鎖もしくはアルケニレン鎖であり、Rは、直鎖または分岐鎖のアルキレン鎖またはアルケニレン鎖である。
【0048】
「N-ヘテロアリール」は、少なくとも1個の窒素を含有する、上記で定義されるヘテロアリールラジカルを指し、分子の残部に対するヘテロアリールラジカルの結合点は、ヘテロアリールラジカル中の窒素原子を介する。N-ヘテロアリールラジカルは、ヘテロアリールラジカルについて上述されるように任意選択で置換される。
【0049】
「C-ヘテロアリール」は、上記で定義されるヘテロアリールラジカルを指し、分子の残部に対するヘテロアリールラジカルの結合点は、ヘテロアリールラジカル中の炭素原子を介する。C-ヘテロアリールラジカルは、ヘテロアリールラジカルについて上述されるように任意選択で置換される。
【0050】
「ヘテロアリールオキシ」は、ヘテロアリールが上記で定義されるとおりである、式-O-ヘテロアリールの酸素原子を介して結合されるラジカルを指す。
【0051】
「ヘテロアリールアルキル」は、Rが上記で定義されるようなアルキレン鎖である、式-R-ヘテロアリールのラジカルを指す。ヘテロアリールが窒素含有ヘテロアリールである場合、ヘテロアリールは窒素原子においてアルキルラジカルに任意選択で結合する。ヘテロアリールアルキルラジカルのアルキレン鎖は、アルキレン鎖について上記で定義されるように任意選択で置換される。ヘテロアリールアルキルラジカルのヘテロアリール部分は、ヘテロアリール基について上記で定義されるように任意選択で置換される。
【0052】
「ヘテロアリールアルコキシ」は、Rが上記で定義されるようなアルキレン鎖である、式-O-R-ヘテロアリールの酸素原子を介して結合されるラジカルを指す。ヘテロアリールが窒素含有ヘテロアリールである場合、ヘテロアリールは窒素原子においてアルキルラジカルに任意選択で結合する。ヘテロアリールアルコキシラジカルのアルキレン鎖は、アルキレン鎖について上記で定義されるように任意選択で置換される。ヘテロアリールアルコキシラジカルのヘテロアリール部分は、ヘテロアリール基について上記で定義されるように任意選択で置換される。
【0053】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は1つまたは複数の不斉中心を包含するので、絶対的な立体化学の観点から(R)または(S)として定義されるエナンチオマー、ジアステレオマー、および他の立体異性の形態を生じさせる。別段の定めのない限り、本明細書に開示される化合物の立体異性形態はすべて、本開示により企図されていることが意図される。本明細書に記載の化合物がアルケン二重結合を含有する場合、および別段の定めのない限り、本開示はEとZ両方の幾何異性体(例えば、シスまたはトランス)を含むことが意図される。同様に、考えられ得るすべての異性体に加え、そのラセミ体や光学的に純粋な形態、およびすべての互変異性体も含まれることが意図される。「幾何異性体」という用語は、アルケン二重結合のEまたはZの幾何異性体(例えば、シスまたはトランス)を指す。「位置異性体」という用語は、ベンゼン環周囲のオルト異性体、メタ異性体、およびパラ異性体といった中心環周囲の構造異性体を指す。
【0054】
「互変異性体」は、分子の1つの原子から同分子の別の原子へのプロトン移動が可能な分子を指す。ある実施形態では、本明細書で提示される化合物は、互変異性体として存在する。互変異性化が可能な状況では、互変異性体の化学平衡が存在する。互変異性体の正確な比は、物理的状態、温度、溶媒、pHを含む様々な要因に依存する。互変異性平衡の一部の例として、
【0055】
【化2】
が挙げられる。
【0056】
「任意選択の」または「任意選択で」は、後述された事象または状況が生じるか、または生じない場合があること、その記述が、当該事象または状況が生じる例と、生じない例とを含むことを意味する。例えば、「任意選択で置換されたアリール」は、アリールラジカルが置換されるか、または置換されないこと、その記述が、置換されたアリールラジカルと、置換のないアリールラジカルの両方を含むことを意味する。
【0057】
「薬学的に許容可能な塩」は、酸付加塩と塩基付加塩の両方を含む。
【0058】
「薬学的に許容可能な酸付加塩」は、遊離塩基の生体効果および特性を保持する塩を指し、生体上またはその他の点で不要なものではなく、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸などの無機酸により形成される。また、脂肪族モノカルボン酸およびジカルボン酸、フェニルで置換されたアルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカンジオール酸(alkanedioic acid)、芳香酸、脂肪族および芳香属のスルホン酸などの有機酸で形成される塩も含まれ、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。ゆえに、例示的な塩として、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩(monohydrogenphosphates)、二水素リン酸塩(dihydrogenphosphates)、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩(dinitrobenzoates)、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩などが挙げられる。さらに、アルギン酸塩、グルコン酸塩、ガラクトウロン酸塩などのアミノ酸の塩も企図されている(例えば、Berge S.M.らによる「Pharmaceutical Salts」,Journal of Pharmaceutical Science,66:1-19(1997)を参照)。塩基性化合物の酸付加塩は、塩を産生するのに十分な量の所望の酸に遊離塩基形態を接触させることによって、調製される。
【0059】
「薬学的に許容可能な塩基付加塩」は、遊離酸の生体効果および特性を保持する塩を表し、この塩は、生体上またはその他の点で不要なものではない。これらの塩は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に添加することにより調製される。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩基付加塩は、アルカリおよびアルカリ性土類金属もしくは有機アミンなどの、金属またはアミンにより形成される。無機塩基由来の塩として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩などが挙げられるが、これらに限定されない。有機塩基由来の塩として、第1級、第2級、および第3級のアミン、自然に発生する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、エチレンジアニリン、N-メチルグルカミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない。上述のBergeらを参照されたい。
【0060】
「対象」または「患者」という用語は、哺乳動物を包含する。哺乳動物の例として、次の哺乳動物分類のいずれかの員:ヒト、チンパンジーなどの非ヒト霊長類、他の類人猿、およびサル種;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜;ウサギ、イヌ、およびネコなどの家庭用動物;ラット、マウス、およびモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物が挙げられるが、これらに限定されない。一態様では、哺乳動物はヒトである。
【0061】
本明細書中で使用される場合、「処置(treatment)」、「処置すること(treating)」、「緩和すること(palliating)」、または「軽快させること(ameliorating)」は、本明細書中で互換的に使用される。これらの用語は、治療利益および/または予防利益を含むがこれに限定されない、有益または所望の結果を得るための手法を指す。「治療利益」は、処置対象である根底にある疾患の根絶または軽快を意味する。さらに治療利益は、根底にある疾患を患者が依然として患っているにもかかわらず、患者に改善が観察されるように、根底にある疾患に関連する生理的症状のうち1つもしくは複数の根絶または軽減によって達成される。予防利益では、組成物は、特定の疾患が診断されていなくても、この疾患を進行させる危険に瀕している患者、または当該疾患の生理的症状のうち1つもしくは複数を報告する患者に投与される。
【0062】
化合物
本明細書に記載の式(I)の化合物は、SF-1モジュレータである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の式(I)の化合物は、SF-1アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の式(I)の化合物、およびこれら化合物を含む組成物は、癌の処置に有用なSF-1アンタゴニストである。
【0063】
いくつかの実施形態は、式(I):
【0064】
【化3】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物であって、
式中、
Xは、結合またはC-Cアルキレンであり、
は、C3-8シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、-CH6-10アリール、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、C3-8シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、-CH6-10アリール、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールは、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換され、
は、C3-8シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、C3-8シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールは、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換され、
は、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC3-8シクロアルキルであり、
各Rと各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、C1-9ヘテロアリール、-OR、-SR、-C(O)OR、-OC(O)N(R)(R)、-N(R)C(O)N(R)(R)、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)OR、-N(R)S(O)、-C(O)R、-OC(O)R、-C(O)N(R)(R)、-C(O)C(O)N(R)(R)、-S(O)R、-S(O)、および-S(O)N(R)(R)から選択され、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールは、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、C1-9ヘテロアリール、-OR10、-SR10、-C(O)OR10、-OC(O)N(R10)(R11)、-N(R12)C(O)N(R10)(R11)、-N(R12)C(O)R13、-N(R12)C(O)OR13、-N(R12)S(O)13、-C(O)R13、-OC(O)R13、-C(O)N(R10)(R11)、-C(O)C(O)N(R10)(R11)、-S(O)R13、-S(O)13、および-S(O)N(R10)(R11)から選択される、1、2、または3つの基で任意選択で置換され、
は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択される、1、2、または3つの基で任意選択で置換され、
は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択され、
は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択され、
は、それぞれ独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールは、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択される、1、2、または3つの基で任意選択で置換され、
10は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールは、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択される、1、2、または3つの基で任意選択で置換され、
11は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択され、
12は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択され、
13は、それぞれ独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択され、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールは、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルキル、C2-9ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、およびC1-9ヘテロアリールから選択される、1、2、または3つの基で任意選択で置換される、
化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0065】
別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたC6-10アリールである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたフェニルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたフェニルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-OR、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)N(R)(R)、-S(O)、および-S(O)N(R)(R)から選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1または2つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-OR、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)N(R)(R)、-S(O)、および-S(O)N(R)(R)から選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-OR、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)N(R)(R)、-S(O)、および-S(O)N(R)(R)から選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、および-ORから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1または2つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、および-ORから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1または2つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、および-ORから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、および-ORから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、および-ORから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、RがC1-6ハロアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、Rがハロゲンである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、RがC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、Rが-ORである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0066】
別の実施形態は、Rが、非置換のフェニルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0067】
別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-OR、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)N(R)(R)、-S(O)、および-S(O)N(R)(R)から選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1または2つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-OR、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)N(R)(R)、-S(O)、および-S(O)N(R)(R)から選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-OR、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)N(R)(R)、-S(O)、および-S(O)N(R)(R)から選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、および-ORから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1または2つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、および-ORから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1または2つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、および-ORから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、および-ORから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、および-ORから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、RがC1-6ハロアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rがハロゲンである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、RがC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが-ORである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。本明細書に記載の式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、RはC1-9ヘテロアリールであり、C1-9ヘテロアリールはピリジルである。
【0068】
別の実施形態は、Rが、非置換のC1-9ヘテロアリールである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、非置換のピリジルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0069】
別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換された-CH6-10アリールである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたベンジルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、非置換のベンジルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0070】
別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、非置換のC2-9ヘテロシクロアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0071】
別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたC3-8シクロアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、非置換のC3-8シクロアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0072】
別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたC3-8シクロアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたシクロヘキシルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたシクロヘキシルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたシクロヘキシルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6ハロアルキル、-OR、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)N(R)(R)、-S(O)、-S(O)N(R)(R)、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)R13、-C(O)N(R10)(R11)、-S(O)13、および-S(O)N(R10)(R11)から選択される1、2、または3つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたシクロヘキシルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6ハロアルキル、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、-S(O)13、および-S(O)N(R10)(R11)から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたシクロヘキシルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1または2つのRで任意選択で置換されたシクロヘキシルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-OR、ならびに、ハロゲン、-OR、および、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される1つの基で任意選択で置換されたC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたシクロヘキシルであり、Rが、ハロゲン、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたシクロヘキシルであり、Rが、ハロゲン、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたシクロヘキシルであり、Rが-ORである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたシクロヘキシルであり、Rが-ORであり、Rが、水素、ならびに、ハロゲンおよびヒドロキシから選択される1、2、または3つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたシクロヘキシルであり、Rが-ORであり、Rが水素である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたシクロヘキシルであり、Rが-ORであり、Rが、1、2、または3つのハロゲンで置換されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたシクロヘキシルであり、Rが-ORであり、Rが、1つのヒドロキシで置換されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたシクロヘキシルであり、Rが-ORであり、Rが、非置換のC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたシクロヘキシルであり、Rが、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換される、C1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたシクロヘキシルであり、Rが、-OR10、-C(O)OR10、および-C(O)N(R10)(R11)から選択される1つの基で任意選択で置換される、C1-6アルキルであり、R10が、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたシクロヘキシルであり、Rが、-OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10が水素である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたシクロヘキシルであり、Rが、-OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10がC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたシクロヘキシルであり、Rが、-C(O)OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10が水素である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたシクロヘキシルであり、Rが、-C(O)OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10がC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、非置換のシクロヘキシルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0073】
別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたC6-10アリールである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたフェニルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたフェニルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6ハロアルキル、-OR、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)N(R)(R)、-S(O)、-S(O)N(R)(R)、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)R13、-C(O)N(R10)(R11)、-S(O)13、および-S(O)N(R10)(R11)から選択される1、2、または3つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6ハロアルキル、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、-S(O)13、および-S(O)N(R10)(R11)から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1または2つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-OR、ならびに、ハロゲン、-OR、および、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される1つの基で任意選択で置換されたC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたフェニルであり、Rが、ハロゲン、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたフェニルであり、Rが、ハロゲン、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたフェニルであり、Rが-ORである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたフェニルであり、Rが-ORであり、Rが、水素、ならびに、ハロゲンおよびヒドロキシから選択される1、2、または3つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたフェニルであり、Rが-ORであり、Rが水素である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたフェニルであり、Rが-ORであり、Rが、1、2、または3つのハロゲンで置換されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたフェニルであり、Rが-ORであり、Rが、1つのヒドロキシで置換されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたフェニルであり、Rが-ORであり、Rが、非置換のC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたフェニルであり、Rが、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換される、C1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたフェニルであり、Rが、-OR10、-C(O)OR10、および-C(O)N(R10)(R11)から選択される1つの基で任意選択で置換される、C1-6アルキルであり、R10が、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたフェニルであり、Rが、-OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10が水素である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたフェニルであり、Rが、-OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10がC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたフェニルであり、Rが、-C(O)OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10が水素である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたフェニルであり、Rが、-C(O)OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10がC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、非置換のフェニルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0074】
別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、3、4、または5つのRで任意選択で置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6ハロアルキル、-OR、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)N(R)(R)、-S(O)、-S(O)N(R)(R)、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)R13、-C(O)N(R10)(R11)、-S(O)13、および-S(O)N(R10)(R11)から選択される1、2、または3つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6ハロアルキル、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、-S(O)13、および-S(O)N(R10)(R11)から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1または2つのRで任意選択で置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-OR、ならびに、ハロゲン、-OR、および、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される1つの基で任意選択で置換されたC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが、ハロゲン、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが、ハロゲン、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが-ORである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが-ORであり、Rが、水素、ならびに、ハロゲンおよびヒドロキシから選択される1、2、または3つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが-ORであり、Rが水素である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが-ORであり、Rが、1、2、または3つのハロゲンで置換されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが-ORであり、Rが、1つのヒドロキシで置換されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが-ORであり、Rが、非置換のC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換される、C1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが、-OR10、-C(O)OR10、および-C(O)N(R10)(R11)から選択される1つの基で任意選択で置換される、C1-6アルキルであり、R10が、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが、-OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10が水素である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが、-OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10がC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが、-C(O)OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10が水素である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが、-C(O)OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10がC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、非置換のC2-9ヘテロシクロアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。本明細書に記載の式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、RはC2-9ヘテロシクロアルキルであり、C2-9ヘテロシクロアルキルはテトラヒドロピラニルである。
【0075】
別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-CN、C1-6ハロアルキル、-OR、-C(O)OR、-C(O)R、-C(O)N(R)(R)、-S(O)、-S(O)N(R)(R)、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)R13、-C(O)N(R10)(R11)、-S(O)13、および-S(O)N(R10)(R11)から選択される1、2、または3つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-6ハロアルキル、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、-S(O)13、および-S(O)N(R10)(R11)から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1、2、または3つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1または2つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される1つの基で任意選択で置換される、ハロゲン、-OR およびC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、ハロゲン、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで任意選択で置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、ハロゲン、-OR、ならびに、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC2-9ヘテロシクロアルキルであり、Rが-ORである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが-ORであり、Rが、水素、ならびに、ハロゲンおよびヒドロキシから選択される1、2、または3つの基で任意選択で置換されるC1-6アルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが-ORであり、Rが水素である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが-ORであり、Rが、1、2、または3つのハロゲンで置換されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが-ORであり、Rが、1つのヒドロキシで置換されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが-ORであり、Rが、非置換のC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、-OR10、-C(O)OR10、-C(O)N(R10)(R11)、および-S(O)13から選択される1つの基で任意選択で置換される、C1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、-OR10、-C(O)OR10、および-C(O)N(R10)(R11)から選択される1つの基で任意選択で置換される、C1-6アルキルであり、R10が、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、-OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10が水素である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、-OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10がC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、-C(O)OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10が水素である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、1つのRで置換されたC1-9ヘテロアリールであり、Rが、-C(O)OR10で置換されるC1-6アルキルであり、R10がC1-6アルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、非置換のC1-9ヘテロアリールである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0076】
別の実施形態は、R10が、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、およびC1-6ハロアルキルから選択される、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0077】
別の実施形態は、Rが水素である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、RがC-Cアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、RがC-Cハロアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Rが、非置換のC3-8シクロアルキルである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0078】
別の実施形態は、Xが結合である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、XがC-Cアルキレンである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Xが-C(CH-である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Xが-C(H)(CH)-である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。別の実施形態は、Xが-CH-アルキレンである、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0079】
本明細書で提供されるさらなる実施形態は、上述の特定の実施形態のうち1つまたは複数の組合せを含む。
【0080】
いくつかの実施形態は、
【0081】
【化4】
【0082】
【化5】
【0083】
【化6】
から選択される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0084】
化合物の調製
本明細書に記載の反応に使用される化合物は、当業者に既知の有機合成技法に従い、市販の化学物質および/または化学文献に記載される化合物から始めて作製される。「市販の化学物質」は、Acros Organics(ベルギー、ヘール)、Aldrich Chemical(ウィスコンシン州ミルウォーキー、Sigma Chemical and Flukaを含む)、Apin Chemicals Ltd.(英国ミルトンパーク)、Ark Pharm,Inc.(イリノイ州リバティビル)、Avocado Research(英国ランカシャー)、BDH Inc.(カナダ、トロント)、Bionet(英国コーンウォール)、Chemservice Inc.(ペンシルベニア州ウェストチェスター)、Combi-blocks(カリフォルニア州サンディエゴ)、Crescent Chemical Co.(ニューヨーク州ハーパーグ)、eMolecules(カリフォルニア州サンディエゴ)、Fisher Scientific Co.(ペンシルベニア州ピッツバーグ)、Fisons Chemicals(英国ランカシャー)、Frontier Scientific(ユタ州ローガン)、ICN Biomedicals,Inc.(カリフォルニア州コスタメサ)、Key Organics(英国コーンウォール)、Lancaster Synthesis(ニューハンプシャー州ウィンダム)、Matrix Scientific(サウスカロライナ州コロンビア)、Maybridge Chemical Co.Ltd.(英国コーンウォール)、Parish Chemical Co.(ユタ州オレム)、Pfaltz & Bauer,Inc.(コネチカット州ウォーターベリー)、Polyorganix(テキサス州ヒューストン)、Pierce Chemical Co.(イリノイ州ロックフォード)、Riedel de Haen AG(ドイツ、ハノーバー)、Ryan Scientific,Inc.(サウスカロライナ州マウントプレザント)、Spectrum Chemicals(カリフォルニア州ガルデナ)、Sundia Meditech(中国上海)、TCI America(オレゴン州ポートランド)、Trans World Chemicals,Inc.(メリーランド州ロックビル)、およびWuXi(中国上海)を含む、標準の商用供給源から得られる。
【0085】
本明細書に記載の化合物の調製に有用な反応物の合成を詳述するか、またはこの調製を記載する論文への参照を提供する、好適な参考図書および論文には、例えば、「Synthetic Organic Chemistry」,John Wiley&Sons,Inc.,New York;S.R.Sandlerらによる「Organic Functional Group Preparations」,2nd Ed.,Academic Press,New York,1983;H.O.Houseによる「Modern Synthetic Reactions」,2nd Ed.,W.A.Benjamin,Inc.Menlo Park,Calif.1972;T.L.Gilchristによる「Heterocyclic Chemistry」,2nd Ed.,John Wiley&Sons,New York,1992;J.Marchによる「Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structure」,4th Ed.,Wiley-Interscience,New York,1992が挙げられる。本明細書に記載の化合物の調製に有用な反応物の合成を詳述するか、またはこの調製を記載する論文への参照を提供する、別の好適な参考図書および論文として、例えば、Fuhrhop,J.およびPenzlin G.による「Organic Synthesis:Concepts,Methods,Starting Materials」,Second,Revised and Enlarged Edition(1994)John Wiley & Sons ISBN:3 527-29074-5;Hoffman,R.V.による「Organic Chemistry,An Intermediate Text」(1996)Oxford University Press,ISBN 0-19-509618-5;Larock,R.C.による「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations」2nd Edition(1999)Wiley-VCH,ISBN:0-471-19031-4;March,J.による「Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure」4th Edition(1992)John Wiley&Sons,ISBN:0-471-60180-2;Otera,J.(編集者)による「Modern Carbonyl Chemistry」(2000)Wiley-VCH,ISBN:3-527-29871-1、Patai,S.による「Patai’s 1992 Guide to the Chemistry of Functional Groups」(1992)Interscience ISBN:0-471-93022-9;Solomons,T.W.G.による「Organic Chemistry」7th Edition(2000)John Wiley&Sons,ISBN:0-471-19095-0;Stowell,J.C.による「Intermediate Organic Chemistry」2nd Edition(1993)Wiley-Interscience,ISBN:0-471-57456-2;「Industrial Organic Chemicals:Starting Materials and Intermediates:An Ullmann’s Encyclopedia」(1999)John Wiley&Sons,ISBN:3-527-29645-X,in 8 volumes;「Organic Reactions」(1942-2000)John Wiley&Sons,in over 55 volumes;および「Chemistry of Functional Groups」John Wiley&Sons,in 73 volumesが挙げられる。
【0086】
特定の反応物および類似の反応物は、大半の公立図書館や大学図書館のほか、オンラインデータベースを通じて利用可能である、米国化学学会のChemical Abstract Serviceにより調製される公知の化学製品の指標によっても識別される(ワシントンDCの米国化学学会)。公知ではあるがカタログ内で市販されていない化学物質は、特別な化学物質合成施設により任意選択で調製され、そこでは標準の化学物質供給施設の多く(例えば上記に列記したもの)が特別な化学合成サービスを提供している。本明細書に記載される化合物の医薬塩の調製と選択に関する参照は、P.H.Stahl & C.G.Wermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts」,Verlag Helvetica Chimica Acta,Zurich,2002である。
【0087】
本明細書に開示される化合物のさらなる形態
異性体
さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は幾何異性体として存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、1つまたは複数の二重結合を有する。本明細書で提示される化合物は、シス、トランス、シン、アンチ、エントゲーゲン(E)、およびツザメン(Z)の異性体のほか、それらの対応する混合物もすべて含む。いくつかの状況では、化合物は互変異性体として存在する。本明細書に記載の化合物は、本明細書に記載の式に、起こり得る互変異性体すべてを含む。いくつかの状況では、本明細書に記載の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を有し、各中心は、R配置またはS配置で存在する。本明細書に記載の化合物は、ジアステレオマー、エナンチオマー、およびエピマーの形態のほか、それらの対応する混合物もすべて含む。本明細書で提供される化合物と方法の、さらなる実施形態では、単一の分取工程、配合、または相互転換により得られる、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物は、本明細書に記載の用途に有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、ラセミ混合物のキラルクロマトグラフィー分解によって、光学的に純粋なエナンチオマーとして調製される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、化合物のラセミ混合物を光学的に活性な分割剤と反応させることで一対のジアステレオ異性体化合物を形成し、ジアステレオマーを分離し、かつ光学的に純粋な個々のエナンチオマーを回収することによって、それらの個々の立体異性体として調製される。いくつかの実施形態では、分離可能な複合体が好ましい(例えば、結晶ジアステレオマー塩)。いくつかの実施形態では、ジアステレオマーは、別個の物理的特性(例えば、融点、沸点、可溶性、反応性など)を有しており、これらの相違点を活用することによって分離される。いくつかの実施形態では、ジアステレオマーは、キラルクロマトグラフィーによって、または好ましくは、可溶性の差異に基づき分離/分解技法によって分離される。いくつかの実施形態では、光学的に純粋なエナンチオマーは、後に、ラセミ化をもたらさないあらゆる実用的な手段によって分割剤とともに回復される。
【0088】
標識化合物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、それらの同位体標識された形態で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、かかる同位体標識された化合物を投与することによって疾患を処置する方法を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、かかる同位体標識された化合物を医薬組成物として投与することによって疾患を処置する方法を含む。このため、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は同位体標識された化合物を含み、この化合物は、本明細書で列挙されるものと同一ではあるが、1つまたは複数の原子が、通常自然に見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子と置き換えられている。本明細書に記載の化合物に組み込まれる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、および塩化物の同位体が挙げられ、それぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clなどである。前述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する、本明細書に記載の化合物、およびその薬学的に許容可能な塩、エステル、溶媒和物、水和物、または誘導体は、本発明の範囲内にある。特定の同位体標識された化合物、例えば、Hや14Cなどの放射性同位体が組み込まれるものは、薬物および/または基質の組織内分布アッセイに有用である。トリチウム化同位体、すなわちH、および炭素14同位体、すなわち14Cは、それらの調製の容易さと検出可能性において特に好ましい。さらに、重水素、すなわちHなどの重同位元素での置換により、より大きな代謝安定性に起因する特定の治療上の利点、例えば、in vivoでの半減期向上や必要投与量の減少がもたらされる。いくつかの実施形態では、同位体標識された化合物、およびその薬学的に許容可能な塩、エステル、溶媒和物、水和物、または誘導体は、あらゆる好適な方法により調製される。
【0089】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、発色団または蛍光部分、生物発光標識、または化学発光標識の使用を含むがこれらに限定されない、他の手段によって標識される。
【0090】
薬学的に許容可能な塩
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、それらの薬学的に許容可能な塩として存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、かかる薬学的に許容可能な塩を投与することによって疾患を処置する方法を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、かかる薬学的に許容可能な塩を医薬組成物として投与することによって疾患を処置する方法を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、酸性基または塩基性基を有しており、そのため、いくつかの無機塩基または有機塩基のいずれか、ならびに無機塩基および有機塩基と反応することで、薬学的に許容可能な塩を形成する。いくつかの実施形態では、これらの塩は、本明細書に記載の化合物の最終的な単離および精製の間に、または、精製された化合物を遊離形態で好適な酸もしくは塩基と別々に反応させて、形成された塩を単離することによって、in situで調製される。
【0092】
溶媒和物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、溶媒和物として存在する。いくつかの実施形態は、かかる溶媒和物を投与することによって疾患を処置する方法である。さらに本明細書には、かかる溶媒和物を医薬組成物として投与することによって疾患を処置する方法が記載される。
【0093】
溶媒和物は、溶媒を化学量論量または非化学量論量のいずれかで含有しており、いくつかの実施形態では、水やエタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を用いた結晶化プロセス中に形成される。溶媒が水のときには水和物が形成され、または溶媒がアルコールのときにはアルコラートが形成される。本明細書に記載の化合物の溶媒和物は、本明細書に記載のプロセス中に都合よく調製または形成される。ほんの一例として、本明細書に記載の化合物の水和物は、ジオキサン、テトラヒドロフラン、またはMeOHを含むがこれらに限定されない有機溶媒を用いた、水性/有機溶媒混合物からの再結晶により都合よく調製される。加えて、本明細書で提供される化合物は、任意選択で不溶媒和形態のほか、溶媒和形態でも存在する。概して、溶媒和形態は、本明細書で提供される化合物および方法の目的において、不溶媒和形態と等価であると考慮される。
【0094】
医薬組成物
特定の実施形態では、本明細書に記載される式(I)の化合物は、純粋な化学物質として投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される式(I)の化合物は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Gennaro,21st Ed.Mack Pub.Co.,Easton,PA(2005))に記載されるように、選択した投与経路および標準薬務に基づき選択される、薬学的に好適または許容可能な担体(本明細書では、薬学的に好適(もしくは許容可能)な賦形剤、生理的に好適(もしくは許容可能)な賦形剤、または生理的に好適(もしくは許容可能)な担体とも称される)と組み合わされる。
【0095】
したがって、本明細書には、本明細書に記載の式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその立体異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、もしくはN-オキシドを、1つまたは複数の薬学的に許容可能な担体とともに含む、医薬組成物が提供される。担体(または賦形剤)は、組成物の他の成分と適合可能であるとともに組成物のレシピエント(すなわち、対象)に有害でない場合に、許容可能または好適である。
【0096】
一実施形態は、薬学的に許容可能な賦形剤と、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩とを含む医薬組成物を提供する。
【0097】
別の実施形態は、薬学的に許容可能な賦形剤と、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩とから本質的になる医薬組成物を提供する。
【0098】
特定の実施形態では、本明細書に記載される式(I)の化合物は、例えば合成方法の工程のうち1つまたは複数において生じる汚染中間体や副産物などの他の有機小分子を約5%未満、または約1%未満、または約0.1%未満しか含まないという点で、実質的に純粋である。
【0099】
特定の実施形態では、本明細書に記載の式(I)の化合物は、経口、直腸、局所、頬側、非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内、もしくは静脈内)、経膣、経眼、またはエアロゾル投与のために製剤化されるが、あらゆる所与の事例で最も好適な投与形態は、処置される疾病の程度および重症度、ならびに使用される特定の化合物の性質に左右される。例えば、開示された組成物は、単位用量として製剤化され、かつ/または経口もしくは皮下投与のために製剤化される。
【0100】
例示的な医薬組成物は、外部投与、経腸投与、または非経口投与に好適である有機もしくは無機の担体または賦形剤との混合物中に、本開示の化合物のうち1つまたは複数を有効成分として含む医薬調製物の形態で、例えば、固体、半固体、または液体の形態で使用される。いくつかの実施形態では、有効成分は、例えば、錠剤、ペレット、カプセル、坐薬、溶液、エマルジョン、懸濁液、および他のあらゆる使用に好適な形態のために、通常は無毒である薬学的に許容可能な担体と配合される。活性物体の化合物は、疾患の経過または状態に対して所望の効果を生むのに十分な量で医薬組成物に含まれる。
【0101】
錠剤などの固体組成物を調製するためのいくつかの実施形態では、主要な有効成分は、本開示の化合物またはその無毒で薬学的に許容可能な塩の均質な混合物を含有する固体の事前製剤化組成物を形成するために、医薬担体、例えば、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、滑石、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、またはガムなど従来の錠剤化成分、および他の医薬希釈剤、例えば水と混合される。これらの事前製剤化組成物を均質と称する場合、有効成分は、組成物が錠剤、丸剤、およびカプセルなどの等しく有効な単位剤形へと容易に細分されるように、組成物の全体にわたって均一に分散されることが意図される。
【0102】
経口投与用の固体剤形(カプセル、錠剤、丸剤、糖衣錠、粉末、顆粒など)では、対象組成物は、クエン酸ナトリウムやリン酸カルシウムなど1つまたは複数の薬学的に許容可能な担体、ならびに/または、(1)デンプン、セルロース、微結晶セルロース、ケイ酸化微結晶セルロース、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/もしくはケイ酸などの充填剤もしくは増量剤、(2)例えばカルボキシメチルセルロース、ヒプロメロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および/もしくはアカシアなどの結合剤、(3)グリセロールなどの湿潤剤、(4)クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、ナトリウムデンプングリコレート、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケート、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(5)パラフィンなどの溶液緩染剤、(6)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(7)例えばドクセートナトリウム、セチルアルコール、およびモノステアリン酸グリセロールなどの保湿剤、(8)カオリンやベントナイト粘土などの吸収剤、(9)滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物などの潤滑剤、および(10)着色剤のうちいずれかと、混合される。カプセル、錠剤、および丸剤の場合、いくつかの実施形態では、組成物は緩衝化剤を含む。いくつかの実施形態では、同様の種類の固体組成物も、ラクトースや乳糖などの賦形剤のほか、高分子量のポリエチレングリコールを用いて、軟充填ゼラチンカプセルおよび硬充填ゼラチンカプセル中で充填剤として利用される。
【0103】
いくつかの実施形態では、錠剤は、圧縮または成型によって、任意選択で1つまたは複数の副成分とともに作製される。いくつかの実施形態では、圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルローズ)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、ナトリウムデンプングリコレート、または架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤、または分散剤を用いて調製される。いくつかの実施形態では、成型された錠剤は、不活性の液体希釈剤で湿らせた対象組成物の混合物を好適な機械で成型することによって作製される。いくつかの実施形態では、錠剤、ならびに、糖衣錠、カプセル、丸剤、および顆粒などの他の固体剤形は、の投薬形式は、腸溶コーティングや他のコーティングなどのコーティングおよびシェルとともに収められるか(scored)、または調製される。
【0104】
吸入または吸込み用の組成物は、薬学的に許容可能な水性もしくは有機溶媒、またはそれらの混合物中の溶液および懸濁液、ならびに粉末を含む。経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容可能なエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。いくつかの実施形態では、液体剤形は、対象組成物に加えて、例えば水や他の溶媒などの不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(任意選択で綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステルなどの可溶化剤、およびそれらの混合物を含有する。
【0105】
いくつかの実施形態では、懸濁液は、対象組成物に加えて、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、およびソルビタンエステルなどの懸濁化剤、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカントガム、およびそれらの混合物を含有する。
【0106】
いくつかの実施形態では、直腸投与または経膣投与用の製剤は坐薬として提示され、対象組成物を、例えばカカオバター、ポリエチレングリコール、坐薬ワックス、もしくはサリチレートを含む1つもしくは複数の好適な非刺激性の賦形剤または担体と混合することによって調製され、室温では固体であるが体温では液体であるため、体腔で溶解して活性薬剤を放つことになる。
【0107】
対象組成物の経皮投与用の剤形には、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、および吸入剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、有効成分は、滅菌条件下、薬学的に許容可能な担体、および所望に応じていずれかの防腐剤、緩衝液、または推進薬と混合される。
【0108】
いくつかの実施形態では、軟膏、ペースト、クリーム、およびゲルは、対象組成物に加えて、動物性脂肪および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカントガム、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、滑石、および酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの賦形剤を含有する。
【0109】
いくつかの実施形態では、粉末およびスプレーは、対象組成物に加えて、ラクトース、滑石、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有する。いくつかの実施形態では、スプレーは、付加的にクロロフルオロヒドロカーボン、およびブタンやプロパンなどの揮発性の非置換炭化水素といった、通例の推進薬を含有する。
【0110】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、経眼投与用の点眼薬として製剤化される。
【0111】
本明細書に開示される組成物および化合物は、代替的にエアロゾルによって投与される。この投与は、化合物を含有するエアゾール水溶液、リポソーム調製、または固形微粒子を調製することによって達成される。いくつかの実施形態では、非水性(例えばフルオロカーボン推進薬)懸濁液が使用される。いくつかの実施形態では、薬剤が剪断に供されて、対象組成物に含まれる化合物の分解が生じるのを最小限に抑えることから、超音波ネブライザ(sonic nebulizer)が使用される。通常、エアロゾル水溶液は、対象組成物の水溶液または懸濁液を、従来の薬学的に許容可能な担体および安定剤とともに製剤化することによって作製される。担体と安定剤は、特定の対象組成物の要件に応じて変動するが、典型的には、非イオン性界面活性剤(Tween、Pluronic、またはポリエチレングリコール)、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシンなどのアミノ酸、緩衝液、塩、糖、または糖アルコールが挙げられる。エアロゾルは、概して等張液から調製される。
【0112】
非経口投与に好適な医薬組成物は、1つもしくは複数の薬学的に許容可能な滅菌の等張性の水性もしくは非水性溶液、分散液、懸濁液、もしくはエマルジョン、または、いくつかの実施形態では抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、製剤を意図したレシピエントの血液と等張にする溶質、懸濁化剤、もしくは増粘剤を含有する、使用直前に滅菌注射可能な溶液もしくは分散液に再構成される滅菌粉末と組み合わせて、対象組成物を含む。
【0113】
医薬組成物に利用される好適な水性担体および非水性担体の例には、水、エタノール、多価アルコール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの)、およびそれらの好適な混合物、オリーブ油などの植物油、ならびにオレイン酸エチルやシクロデキストリンなどの注射可能な有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材の使用によって、分散の場合に要求される粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって維持される。
【0114】
また、本開示の化合物、経腸材料、およびその薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含む、経腸医薬製剤が企図される。経腸材料は、胃の酸性環境では実質的に溶解しないが、特定のpHの腸液では顕著に溶解する、ポリマーを指す。小腸は、胃と大腸との間にある胃腸管(腸)の部分であり、十二指腸、空腸、および回腸を含む。十二指腸のpHは約5.5であり、空腸のpHは約6.5であり、遠位の回腸のpHは約7.5である。したがって、経腸材料は、例えばpHが約5.0、約5.2、約5.4、約5.6、約5.8、約6.0、約6.2、約6.4、約6.6、約6.8、約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.8、約8.0、約8.2、約8.4、約8.6、約8.8、約9.0、約9.2、約9.4、約9.6、約9.8、または約10.0になるまで溶解しない。例示的な経腸材料には、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、フタル酸ポリビニルアセテート(PVAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、トリメリト酸酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート、セルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートヘキサヒドロフタレート、セルロースプロピオネートフタレート、セルロースアセテートマレエート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、メチルメタクリル酸とメタクリル酸メチルとの共重合体、アクリル酸メチルとメタクリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体(Gantrez ESシリーズ)、エチルメタクリレート-メチルメタクリレート-クロロトリメチルアンモニウムエチルアクリレート共重合体、ゼイン、セラック、およびコーパル・コロフォリウム(copal collophorium)などの天然樹脂、ならびにいくつかの市販の経腸分散系(例えば、Eudragit L30D55、Eudragit FS30D、Eudragit L100、Eudragit S100、Kollicoat EMM30D、Estacryl 30D、Coateric、およびAquateric)が挙げられる。上記の材料のそれぞれの可溶性は、公知であるか、またはin vitroで容易に判定可能である。
【0115】
本明細書に記載される式(I)の少なくとも1つの化合物を含む組成物の用量は、患者(例えばヒト)の状態、すなわち疾患の段階、全体的な健康状態、年齢、および他の因子によって異なる。
【0116】
医薬組成物は、処置(または予防)対象である疾患に適切な形で投与される。適切な用量、ならびに適切な投与期間および頻度は、患者の状態、患者の疾患の種類および重症度、有効成分の特定の形態、ならびに投与方法などの因子により決定されることになる。一般に、適切な用量および処置レジメンは、より頻度の高い完全寛解または部分寛解、より長い無病生存および/または全生存率、あるいは症状の重症度低下などの、治療利益および/または予防利益(例えば臨床アウトカムの改善)をもたらすのに十分な量で、組成物を提供する。最適な用量は、概して実験モデルおよび/または臨床試験を用いて決定される。いくつかの実施形態では、最適な用量は、患者の体型、体重、または血液量に依存する。
【0117】
方法
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で患者に投与する工程を含む、癌の処置を必要とする患者の癌を処置する方法である。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で患者に投与する工程を含む、癌の処置を必要とする患者の癌を処置する方法であって、癌が、副腎皮質癌、卵巣癌、頭頸部癌、子宮内膜癌、ホルモン依存性前立腺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、下垂体性腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫、および性索間質腫瘍から選択される、方法である。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で患者に投与する工程を含む、子宮内膜症の処置を必要とする患者の子宮内膜症を処置する方法である。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で患者に投与する工程を含む、卵巣癌の処置を必要とする患者の卵巣癌を処置する方法である。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で患者に投与する工程を含む、頭頸部癌の処置を必要とする患者の頭頸部癌を処置する方法である。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で患者に投与する工程を含む、子宮内膜癌の処置を必要とする患者の子宮内膜癌を処置する方法である。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で患者に投与する工程を含む、ホルモン依存性前立腺癌の処置を必要とする患者のホルモン依存性前立腺癌を処置する方法である。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で患者に投与する工程を含む、非小細胞肺癌(NSCLC)の処置を必要とする患者の非小細胞肺癌を処置する方法である。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で患者に投与する工程を含む、黒色腫の処置を必要とする患者の黒色腫を処置する方法である。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で患者に投与する工程を含む、下垂体性腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫の処置を必要とする患者の下垂体性腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫を処置する方法である。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で患者に投与する工程を含む、性索間質腫瘍の処置を必要とする患者の性索間質腫瘍を処置する方法である。いくつかの実施形態では、性索間質腫瘍は、ライディッヒ細胞腫瘍である。
【0118】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で哺乳動物に投与する工程を含む、内分泌疾患の処置を必要とする哺乳動物の内分泌疾患を処置する方法である。別の実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で哺乳動物に投与する工程を含む、内分泌疾患の処置を必要とする哺乳動物の内分泌疾患を処置する方法であって、内分泌疾患が、内因性のクッシング症候群、先天性副腎皮質過形成、および多嚢胞性卵巣症候群から選択される、方法である。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で患者に投与する工程を含む、内因性のクッシング症候群の処置を必要とする患者の内因性のクッシング症候群を処置する方法である。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で患者に投与する工程を含む、先天性副腎皮質過形成の処置を必要とする患者の先天性副腎皮質過形成を処置する方法である。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で患者に投与する工程を含む、多嚢胞性卵巣症候群の処置を必要とする患者の多嚢胞性卵巣症候群を処置する方法である。
【0119】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を治療有効量で患者に投与する工程を含む、子宮内膜腫または子宮内膜症の処置を必要とする患者の子宮内膜腫または子宮内膜症を処置する方法である。
【0120】
特定の実施形態では、前述の方法のうち1つまたは複数に利用される本開示の化合物は、式(I)の化合物など、本明細書に記載される総括的、部分的に総括的、または特定の化合物のうち1つである。
【0121】
本開示の化合物は、最適な医薬品有効性をもたらす投与量で、このような処置を必要とする患者(動物およびヒト)に投与される。あらゆる特定の用途での使用に必要な用量は、選択された特定の化合物または組成物以外にも、投与経路、処置される疾病の性質、患者の年齢や状態、患者が同時に従う薬物治療または特別食、および他の因子によっても、患者間で変動し、適切な投与量は、最終的に主治医の判断による。臨床症状、および上述の疾患の処置において、本明細書に開示される企図された化合物は、従来の非毒性の薬学的に許容可能な担体、アジュバント、およびビヒクルを含有する単位投与製剤中で、経口投与、皮下投与、局所投与、非経口投与、吸入スプレー投与、または直腸投与される。非経口的投与には、静脈内、皮下、もしくは筋肉内への注射または注入の技法が挙げられる。
【0122】
次の実施例は、種々の実施形態の単なる例示として提供されるものであり、本発明をいかなる形でも制限するものと解釈されるべきではない。
【実施例
【0123】
略語のリスト
上記で使用されるように、かつ本発明の記載の全体にわたり、以下の略語は、別段の定めのない限り次の意味を有することが理解される。
ACN アセトニトリル
Bn ベンジル
BOCまたはBoc tert-ブチルカルバメート
DCC ジクロロエタン(ClCHCHCl)
DCM N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMA N,N-ジメチルアセトアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
equiv 当量
EDCI 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド
Et エチル
EtOH エタノール
EtOAc 酢酸エチル
HF フッ化水素酸
HMDS ビス(トリメチルシリル)アミン
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
Me メチル
MeOH メタノール
MMTr 4-メトキシトリチル
MMTrCl 4-メトキシトリチルクロリド
MS 質量分光法
NMM N-メチルモルホリン
NMR 核磁気共鳴
TBHP tert-ブチルヒドロペルオキシド
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TBDMSCl tert-ブチルジメチルシリルクロリド
TMSCl トリメチルシリルクロリド
TMSOTf トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート
【0124】
化学合成
別段の注記のない限り、試薬と溶媒は、商用の供給業者から受け取ったまま使用した。無水溶媒、および炉乾燥したガラス容器は、湿気および/または酸素に対して敏感な合成変形において使用した。収量は最適化しなかった。反応時間はおおよそであり、最適化されなかった。別段の注記のない限り、カラムクロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲル上で行った。スペクトルはppm(δ)で提供し、結合定数(J)はヘルツで報告する。陽子スペクトルにおいて、溶媒ピークは参照ピークとして使用した。
【0125】
実施例1:2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)の合成
【0126】
【化7】
【0127】
メチル4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(1)(50g、292.2mmol)のDMF(500mL)撹拌溶液に、KCO(80.6g、584.4mmol)、続いてヨウ化メチル(20.0mL、321.4mmol)を室温で添加し、反応混合物を同じ温度で16時間撹拌した。混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮することで、粗製物を得た。粗製物をシリカゲルカラムにより精製することで、メチル1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(2)(15.0g、27%)を無色の液体として得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.01(s,1H),4.03(s,6H);MS(ESI)m/z 186.17[M+H]
【0128】
メチル4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(2)(2×7.5g、40.54mmol)のMeOH(75mL)撹拌溶液に、10%Pd/C(3g)を添加し、反応混合物を水素(バルーン圧)雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を濃縮することで、メチル4-アミノ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(3)(12.2g、97%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO):δ 7.00(s,1H),4.98(brs,2H),3.89(s,3H),3.79(s,3H);MS(ESI)m/z 156.07[M+H]
【0129】
メチル4-アミノ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(3)(12.2g、78.70mmol)のn-ブタノール(122mL)撹拌溶液に、DIPEA(72.5mL、393.50mmol)、ホルムアミジンアセテート(4)(9.80g、94.45mmol)を室温で添加し、次いで反応物を110℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に降温し、沈殿した固形物を濾別した。固形化合物をジエチルエーテルでトリチュレートすることで、1-メチル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(5)(10.0g、84%)をオフホワイト固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 7.95(s,1H),δ 7.80(s,1H),δ 4.18(s,3H);MS(ESI)m/z 151.09[M+H]
【0130】
1-メチル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(4)(10.0g、66.66mmol)のDMF(200mL)撹拌溶液に、NBS(15.41g、86.58mmol)を室温で添加し、反応混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に降温し、冷水でクエンチし、沈殿した固形物を濾別した。固形物を真空下で乾燥させることで、3-ブロモ-1-メチル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(5)(11.0g、72%)をオフホワイト固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 12.49(brs,1H),7.92(s,1H),δ 4.18(s,3H);MS(ESI)m/z 229.06[M+H]
【0131】
3-ブロモ-1-メチル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(5)(11.0g、48.24mmol)のDMF(220mL)撹拌溶液に、KCO(13.25g、96.06mmol)とtert-ブチル2-ブロモアセテート(6)(8.24mL、57.64mmol)を0℃で添加し、室温で16時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、EtOAc(1Lで2回)で抽出した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮することで粗製物を得て、これをフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製することで、tert-ブチル2-(3-ブロモ-1-メチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(7)(12.0g、72%)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.79(s,1H),4.61(s,2H),4.28(s,3H),1.49(s,9H);MS(ESI)m/z 343.22[M+H]
【0132】
tert-ブチル2-(3-ブロモ-1-メチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(7)(5.0g、14.619mmol)の、ジオキサン(100mL)中の脱気(アルゴン)溶液に、CsCO(14.24g、43.71mmol)、Pd(dba)(1.32g、1.45mmol)、Xantphos(843mg、1.45mmol)、および4-(トリフルオロメチル)アニリン(8)(2.35g、14.619mmol)を圧力容器中、室温で添加した。溶液を再び15分間脱気し、反応混合物を5時間かけて100℃に加温した。反応混合物を室温に降温し、セライトパッドに通して濾過した。セライトパッドを酢酸エチルで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮することで粗製物を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、tert-ブチル2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(9)(4.8g、77%)を茶色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.46(s,1H),8.15(s,1H),7.73(d,J=8.4Hz,2H),7.57(d,J=8.4Hz,2H),4.74(s,2H),4.13(s,3H),1.44(s,9H);MS(ESI)m/z 424.4[M+H]
【0133】
tert-ブチル2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(9)(4.8g、11.34mmol)のDCM(25mL)撹拌溶液に、ジオキサン(50mL)中の4N HClを0℃で添加し、室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、酢酸エチルでトリチュレートし、減圧下で乾燥させることで、2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(4.8g)を淡黄色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.45(s,1H),8.17(s,1H),7.72(d,J=8.8Hz,2H),7.57(d,J=8.4Hz,2H),4.77(s,2H),4.13(s,3H),3.56(s,1H);MS(ESI)m/z 368.30[M+H]
【0134】
実施例2:N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(11)の合成
【0135】
【化8】
【0136】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(300mg、0.81mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(465mg、1.22mmol)、DIPEA(0.45mL、2.45mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで、3-フルオロ-4-メトキシアニリン(126mg、0.89mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物をジエチルエーテルで洗浄することで、N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(11)(106mg、26%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 491.56[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 10.48(s,1H),9.46(s,1H),8.15(s,1H),7.73(d,J=8.4Hz,2H),7.60-7.50(m,3H),7.27(d,J=8.8Hz,1H),7.14(t,J=9.2Hz,1H),4.86(s,2H),4.13(s,3H),3.80(s,3H),1.44(s,6H)。
【0137】
実施例3:2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(4-(2-(メチルスルホニル)プロパン-2-イル)フェニル)アセトアミド(12)の合成
【0138】
【化9】
【0139】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(300mg、0.81mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(465mg、1.22mmol)、DIPEA(0.4mL、2.45mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで4-(2-(メチルスルホニル)プロパン-2-イル)アニリン(2)(208mg、0.98mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物を濾過し、分取HPLCにより精製することで、2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(4-(2-(メチルスルホニル)プロパン-2-イル)フェニル)アセトアミド(12)(110mg、23%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 563.43[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 10.58(s,1H),9.47(s,1H),8.17(s,1H),7.74(s,1H),7.72(s,1H),7.65-7.53(m,6H),4.89(s,2H),4.13(s,3H),2.65(s,3H),1.73(s,6H)。
【0140】
実施例4:2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アセトアミド(13)の合成
【0141】
【化10】
【0142】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(300mg、0.81mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(465mg、1.22mmol)、DIPEA(0.4mL、2.45mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-アミン(99mg、0.98mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物を濾過し、分取HPLCにより精製することで、2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アセトアミド(13)(120mg、32%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 465.44[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.44(s,1H),8.31(s,1H),8.08(s,1H),7.72(d,J=8.4Hz,2H),7.56(d,J=8.4Hz,2H),4.66(s,2H),4.12(s,3H),3.90-3.80(m,2H)3.30-3.20(m,2H),3.00(t,J=6.0Hz,2H),1.60-1.50(m,3H),1.40-1.30(m,2H)。
【0143】
実施例5:2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)アセトアミド(14)の合成
【0144】
【化11】
【0145】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(300mg、0.817mmol)のDMF(5mL)撹拌溶液に、HATU(465mg、1.22mmol)、DIPEA(0.56mL、3.26mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタンアミン(112mg、0.98mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物をジエチルエーテルで洗浄することで、2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)アセトアミド(14)(130mg、34%)を淡黄色固形物として得た。MS(ESI)m/z 465.44[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.44(s,1H),8.31(s,1H),8.08(s,1H),7.72(d,J=8.4Hz,2H),7.56(d,J=8.4Hz,2H),4.66(s,2H),4.12(s,3H),3.90-3.80(m,2H)3.30-3.20(m,2H),3.00(t,J=6.0Hz,2H),1.60-1.50(m,3H),1.40-1.30(m,2H)。
【0146】
実施例6:2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)プロパン-2-イル)アセトアミド(15)の合成
【0147】
【化12】
【0148】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(150mg、0.40mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(230mg、0.61mmol)、DIPEA(0.24mL、1.22mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)プロパン-2-アミン(179mg、0.48mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物を濾過し、分取HPLCにより精製することで、2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)プロパン-2-イル)アセトアミド(15)(60mg、29%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 493.56[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.43(s,1H),8.05(s,1H),7.83(s,1H),7.71(d,J=8.8Hz,2H),7.56(d,J=8.8Hz,2H),4.63(s,2H),4.12(s,3H),4.00-3.90(m,2H),3.30-3.15(m,2H),2.20-2.05(m,1H),1.60-1.50(m,2H),1.40-1.10(m,8H)。
【0149】
実施例7:(R)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)アセトアミド(16)の合成
【0150】
【化13】
【0151】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(259mg、0.70mmol)のDMF(5mL)撹拌溶液に、HATU(307mg、0.81mmol)、DIPEA(209mg、1.62mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。(R)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エタン-1-アミン(70mg、0.54mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を冷水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機質層を蒸発させ、粗製物を分取HPLCにより精製することで、(R)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)アセトアミド(16)(45mg、17%)を白色固形物として得た。MS(ESI)m/z 479.63[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.43(s,1H),8.12(d,J=8.8Hz,1H),8.08(s,1H),7.72(d,J=8.8Hz,2H),7.56(d,J=8.8Hz,2H),4.65(s,2H),4.12(s,3H),3.90-3.80(m,2H),3.70-3.60(m,1H),3.40-3.20(m,2H),1.65-1.45(m,3H),1.30-1.15(m,2H),1.04(d,J=6.80Hz,3H)。
【0152】
実施例8:(S)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)アセトアミド(17)の合成
【0153】
【化14】
【0154】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(259mg、0.70mmol)のDMF(5mL)撹拌溶液に、HATU(307mg、0.81mmol)、DIPEA(209mg、1.62mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。(S)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エタン-1-アミン(70mg、0.54mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を冷水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機質層を蒸発させ、残渣を分取HPLCにより精製することで、(S)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)アセトアミド(17)(110mg、42%)を白色固形物として得た。MS(ESI)m/z 479.63[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.43(s,1H),8.12(d,J=8.8Hz,1H),8.08(s,1H),7.72(d,J=8.8Hz,2H),7.56(d,J=8.8Hz,2H),4.65(s,2H),4.12(s,3H),3.90-3.80(m,2H),3.70-3.60(m,1H),3.40-3.20(m,2H),1.65-1.45(m,3H),1.30-1.15(m,2H),1.04(d,J=6.80Hz,3H)。
【0155】
実施例9:N-(2-メチル-4-(2-(メチルスルホニル)プロパン-2-イル)フェニル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(18)の合成
【0156】
【化15】
【0157】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(500mg、1.36mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(776mg、2.04mmol)、DIPEA(0.75mL、4.08mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで2-メチル-4-(2-(メチルスルホニル)プロパン-2-イル)アニリン(371mg、1.63mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物を濾過し、分取HPLCにより精製することで、N-(2-メチル-4-(2-(メチルスルホニル)プロパン-2-イル)フェニル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(18)(97mg、12%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 577.47[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.82(s,1H),9.45(s,1H),8.17(s,1H),7.72(d,J=8.8Hz,2H),7.56(d,J=8.4Hz,2H),7.55-7.35(m,3H),4.95(s,2H),4.14(s,3H),2.68(s,3H),2.29(s,3H),1.73(s,6H)。
【0158】
実施例10:2-メチル-2-(4-(2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド)フェニル)プロパン酸(19)の合成
【0159】
【化16】
【0160】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(300mg、0.81mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(465mg、1.22mmol)、DIPEA(0.45mL、2.45mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで2-(4-アミノフェニル)-2-メチルプロパン酸(175mg、0.98mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物を濾過し、分取HPLCにより精製することで、2-メチル-2-(4-(2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド)フェニル)プロパン酸(19)(90mg、20%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 529.46[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 12.40-12.30(br s,1H),10.45(s,1H),9.46(s,1H),8.16(s,1H),7.73(d,J=8.4Hz,2H),7.60-7.50(m,4H),7.31(d,J=8.4Hz,1H),4.88(s,2H),4.13(s,3H),1.44(s,6H)。
【0161】
実施例11:N-(4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)フェニル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(20)の合成
【0162】
【化17】
【0163】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(300mg、0.81mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(465mg、1.22mmol)、DIPEA(0.45mL、2.45mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで1-(4-アミノフェノキシ)-2-メチルプロパン-2-オール(177mg、0.98mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物をジエチルエーテルで洗浄することで、N-(4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)フェニル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(20)(160mg、36%)を灰色固形物として得た。MS(ESI)m/z 531.65[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 10.29(s,1H),9.46(s,1H),8.15(s,1H),7.73(d,J=8.4Hz,2H),7.57(d,J=8.8Hz,2H),7.48(d,J=8.8Hz,2H),6.90(d,J=9.20Hz,2H),4.87(s,2H),4.59(s,1H),4.13(s,3H),3.69(s,2H),1.18(s,6H)。
【0164】
実施例12:2-メチル-2-(4-(2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド)フェニル)プロパンアミド(21)の合成
【0165】
【化18】
【0166】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(271mg、0.74mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(424mg、1.11mmol)、DIPEA(0.37mL、2.22mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで2-(4-アミノフェニル)-2-メチルプロパンアミド(196mg、1.11mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物を濾過し、分取HPLCにより精製することで、2-メチル-2-(4-(2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド)フェニル)プロパンアミド(21)(75mg、17%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 526.33[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 10.42(s,1H),9.46(s,1H),8.16(s,1H),7.73(d,J=8.4Hz,2H),7.57(d,J=8.8Hz,2H),7.51(d,J=8.4Hz,2H),6.83(d,J=4.4Hz,2H),4.87(s,2H),4.13(s,2H),1.41(s,6H)。
【0167】
実施例13:N-((1S,4r)-4-((S)-2-ヒドロキシプロポキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(22)およびN-((1R,4r)-4-((R)-2-ヒドロキシプロポキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(23)の合成
【0168】
【化19】
【0169】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(250mg、0.70mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(400mg、1.05mmol)とDIPEA(290mg、2.10mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで1-(((1r,4r)-4-アミノシクロヘキシル)オキシ)プロパン-2-オール(142mg、0.83mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物を濾別し、乾燥させることで、N-((トランス)-4-(2-ヒドロキシプロポキシ)シクロヘキシル)-2-(4-オキソ-8-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)キナゾリン-3(4H)-イル)アセトアミド(22および23)(320mg)をオフホワイト固形物として得た。エナンチオマーのキラルSFC分離により、(22)(64mg、9%)と(23)(63mg、9%)を得た。
22ピーク-1:MS(ESI)m/z 523.51[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.43(s,1H),8.20(d,J=7.6Hz,1H),8.07(s,1H),7.72(d,J=8.4Hz,2H),7.56(d,J=8.4Hz,2H),4.62(s,2H),4.47(s,1H),4.12(s,3H),3.70-3.60(brs,1H),3.60-3.50(brs,1H),3.30-3.10(m,3H),2.11-1.90(m,2H),1.90-1.80(m,2H),1.30-1.15(m,4H),1.01(d,J=6.0Hz,3H)。
23ピーク-2:MS(ESI)m/z 523.51[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.43(s,1H),8.21(d,J=7.6Hz,1H),8.07(s,1H),7.72(d,J=8.4Hz,2H),7.56(d,J=8.4Hz,2H),4.63(s,2H),4.48(s,1H),4.12(s,3H),3.70-3.60。
【0170】
実施例14:N-((トランス)-4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(24)の合成
【0171】
【化20】
【0172】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(271mg、0.74mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(424mg、1.11mmol)、DIPEA(0.37mL、2.22mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで1-(((トランス)-4-アミノシクロヘキシル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-オール(166mg、0.88mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物を濾過し、分取HPLCにより精製することで、N-((トランス)-4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(24)(75mg、25%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 537.36[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.43(s,1H),8.20(d,J=7.2Hz,1H),8.07(s,1H),7.72(d,J=8.4Hz,2H),7.56(d,J=8.8Hz,2H),4.63(s,2H),4.20(s,1H),4.12(s,3H),4.54(brs,1H),3.23-3.21(m,1H),3.14(s,2H),1.97-1.93(m,2H),1.83-1.79(m,2H),1.25-1.20(m,4H),1.05(s,6H)。
【0173】
実施例15:(R)-N-(4-((1-ヒドロキシプロパン-2-イル)オキシ)フェニル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(25)および(S)-N-(4-((1-ヒドロキシプロパン-2-イル)オキシ)フェニル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(26)の合成
【0174】
【化21】
【0175】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(271mg、0.74mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(424mg、1.11mmol)、DIPEA(0.37mL、2.22mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで2-(4-アミノフェノキシ)プロパン-1-オール(185mg、1.11mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物を濾過し、分取SFCにより精製することで、(R)-N-(4-((1-ヒドロキシプロパン-2-イル)オキシ)フェニル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(25)(85mg、22%)&(S)-N-(4-((1-ヒドロキシプロパン-2-イル)オキシ)フェニル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(26)(77mg、20%)をオフホワイト固形物として得た。
25ピーク-1:MS(ESI)m/z 517.45[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 10.29(s,1H),9.46(s,1H),8.15(s,1H),7.73(d,J=8.4Hz,2H),7.57(d,J=8.8Hz,2H),7.47(d,J=8.4Hz,2H),6.89(d,J=9.2Hz,2H),4.85(s,2H),4.82(t,J=5.6Hz,1H),4.36-4.32(m,1H),4.13(s,3H),3.55-3.50(m,1H),3.45-3.40(m,1H),1.17(d,J=6.0Hz,3H)。
26ピーク-2:MS(ESI)m/z 517.45[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 10.29(s,1H),9.46(s,1H),8.15(s,1H),7.73(d,J=8.4Hz,2H),7.57(d,J=8.8Hz,2H),7.47(d,J=9.2Hz,2H),6.89(d,J=8.8Hz,2H),4.85(s,2H),4.81(t,J=5.6Hz,1H),4.36-4.32(m,1H),4.13(s,3H),3.55-3.49(m,1H),3.45-3.40(m,1H),1.17(d,J=6.0Hz,3H)。
【0176】
実施例16:N-((トランス)-4-(1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(27)の合成
【0177】
【化22】
【0178】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(271mg、0.74mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(424mg、1.11mmol)、DIPEA(0.37mL、2.22mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで2-((トランス)-4-アミノシクロヘキシル)-2-メチルプロパン-1-オール(150mg、0.88mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物を濾過し、分取HPLCにより精製することで、N-((トランス)-4-(1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(27)(110mg、28%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 519.40[M-H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.43(s,1H),8.17(d,J=7.6Hz,1H),8.07(s,1H),7.72(d,J=8.4Hz,2H),7.56(d,J=8.8Hz,2H),4.65(s,2H),4.40(t,J=5.6Hz,1H),4.13(s,3H),4.46-3.42(m,1H),3.13(d,J=5.2Hz,2H),1.86-1.83(m,2H),1.71-1.68(m,2H),1.23-0.98(m,4H),0.73(s,6H)。
【0179】
実施例17:N-((トランス)-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(28)
【0180】
【化23】
【0181】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(250mg、0.68mmol)のDMF(5mL)撹拌溶液に、HATU(387mg、1.02mmol)、DIPEA(0.53mL、3.06mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで(トランス)-4-アミノシクロヘキサン-1-オール(93mg、0.816mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物を濾過し、分取HPLCにより精製することで、N-((トランス)-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(28)(95mg、30%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 465.35[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.43(s,1H),8.16(d,J=7.6Hz,1H),8.06(s,1H),7.72(d,J=8.4Hz,2H),7.56(d,J=8.8Hz,2H),4.62(s,2H),4.52(d,J=4.4Hz,1H),3.49-3.36(m,2H),1.82-1.76(m,4H),1.23-1.17(m,4H)。
【0182】
実施例18:N-((1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(32)
【0183】
【化24】
【0184】
トランス-4-アミノシクロヘキサン-1-オール(5g、33mmol)のアセトニトリル(100mL)撹拌溶液に、0℃でKCO(18g、132mmol)、続いて臭化ベンジル(8.2g、69mmol)を添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。得られた固形物をn-ペンタンで洗浄することで、トランス-4-(ジベンジルアミノ)シクロヘキサン-1-オール(29)(8g、82%)を白色固形物として得た。これをさらに精製することなく次の工程に使用した。MS(ESI)m/z 296.36[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 7.38-7.24(m,8H),7.23-7.14(m,2H),4.41(d,J=4.2Hz,1H),3.55(s,4H),2.45-2.28(m,1H),1.90-1.70(m,4H),1.50-1.30(m,2H),1.10-0.90(m,2H)。
【0185】
トランス-4-(ジベンジルアミノ)シクロヘキサン-1-オール(29)(2g、6mmol)のアセトニトリル(50mL)撹拌溶液に、CuI(0.258g、1.3mmol)を室温で添加した。反応混合物の温度を45℃に加温し、2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)酢酸(2.4g、13mmol)を添加した。次いで、反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した。再び2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)酢酸(2.4g、13mmol)を添加し、撹拌をさらに1時間継続した。次いで反応混合物を室温に降温し、セライトパッドに通して濾過した。濾液を蒸発させ、残渣をEtOAcに溶解し、飽和NaHCO水溶液、続いて水で洗浄した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮することで粗製化合物を得て、これを、ヘキサン中5%EtOAcを溶剤として用いて100~200のシリカ上でフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製することで、トランス-N,N-ジベンジル-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(30)(1.8g、86%)を白色固形物として得た。MS(ESI)m/z 346.39[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 7.38-7.26(m,8H),7.23-7.15(m,2H),6.65(t,J=77.2Hz,1H),4.05-3.90(m,1H),3.56(s,4H),2.48-2.35(m,1H),1.97(d,J=10.4Hz,2H),1.82(d,J=11.6Hz,2H),1.55-1.42(m,2H),1.30-1.15(m,2H)。
【0186】
トランス-N,N-ジベンジル-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(30)(0.9g、2.6mmol)のEtOH(10mL)撹拌溶液に、20%Pd(OH)2/C(0.6g)を添加し、反応混合物を水素化(50PSI)雰囲気下で16時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドに通し、濾液を濃縮することで、トランス-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサンアミン(31)(350mg、81%)を無色の油状物として得て、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。MS(ESI)m/z 166.37[M+H]
【0187】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(4.8g、13.07mmol)のTHF(48mL)撹拌溶液に、DIPEA(7.23mL、39.23mmol)、EDC.HCl(3.74g、19.61mmol)、HOBT(2.64g、19.61mmol)を0℃で添加し、反応混合物を室温で15分間撹拌した。次いで(1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(31)(2.16g、13.07mmol)を添加し、反応物を室温で12時間撹拌した。TLCによる反応の完了後、反応混合物を水(100mL)でクエンチし、EtOAc(200mLで2回)で抽出した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮することで粗製物を得て、これを、ヘキサン中90%EtOAcを溶剤として用いて100~200のシリカ上でフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製することで、N-((1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(32)(3.5g、57%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 515.61[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.43(s,1H),8.23(d,J=7.2Hz,1H),8.07(s,1H),7.72(d,J=8.4Hz,2H),7.56(d,J=8.8Hz,2H),6.69(t,J=76.6Hz,1H),4.63(s,2H),4.12-4.03(m,4H),3.57-3.55(m,1H),1.96-1.94(m,2H),1.85-1.82(m,2H),1.49-1.41(m,2H),1.34-1.32(m,2H)。
【0188】
実施例19:N-((1s,4s)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(36)の合成
【0189】
【化25】
【0190】
(1s,4s)-4-アミノシクロヘキサン-1-オール(5g、33.11mmol)のアセトニトリル(100mL)撹拌溶液に、KCO(19.2g、139.07mmol)、続いて臭化ベンジル(17g、99.33mmol)を氷温で添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を石油エーテルで撹拌し、濾過することで、(1s,4s)-4-(ジベンジルアミノ)シクロヘキサン-1-オール(33)(7g、72.16%)を白色固形物として得た。MS(ESI)m/z 296.27[M+H]
【0191】
(1s,4s)-4-(ジベンジルアミノ)シクロヘキサン-1-オール(33)(4.4g、14.91mmol)のアセトニトリル(45mL)撹拌溶液に、CuI(566mg、2.98mmol)を添加し、反応混合物を45℃に加温し、次いで2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)酢酸(9.29g、52.20mmol)を添加し、2時間撹拌した。反応混合物をNaHCO水溶液で徐々にクエンチし、EtOAcで抽出した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、(1s,4s)-N,N-ジベンジル-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(34)(3.2g、62%)を白色固形物として得た。MS(ESI)m/z 346.70[M+H]
【0192】
(1s,4s)-N,N-ジベンジル-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(34)(2g、5.79mmol)のEtOH(10mL)撹拌溶液に、10%Pd/C(8g)を添加し、反応混合物を水素(70psi)雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を濃縮することで、(1s,4s)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(35)(0.45g、47%)を得た。MS(ESI)m/z 166.12[M+H]
【0193】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(300mg、0.82mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(465mg、1.23mmol)、DIPEA(0.43mL、2.45mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で15分間撹拌した。(1s,4s)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(35)(150mg、0.89mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(50mLで2回)で抽出した。有機質層を蒸発させ、粗製物をシリカゲルカラム、続いて分取SFCにより精製することで、N-((1s,4s)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(36)(51mg、12%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 515.20[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.43(s,1H),8.27(d,J=8.00Hz,1H),8.08(s,1H),7.72(d,J=8.80Hz,2H),7.56(d,J=8.80Hz,2H),6.71(t,J=72.8Hz,1H),4.65(s,2H),4.30-4.20(m,1H),4.12(s,3H),3.70-3.60(m,1H),1.90-1.80(m,2H),1.70-1.50(m,6H)。
【0194】
実施例20:2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-((1r,4r)-4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メトキシ)シクロヘキシル)アセトアミド(39)の合成
【0195】
【化26】
【0196】
(1r,4r)-4-(ジベンジルアミノ)シクロヘキサン-1-オール(29)(2g、6.77mmol)のジオキサン(20mL)撹拌溶液に、KOBu(4.0g、33.89mmol)、続いて4-(ブロモメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン(6.0mL、40.67mmol)を氷温で添加し、反応混合物を120℃で16時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムにより精製することで、(1r,4r)-N,N-ジベンジル-4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(37)(750mg、粗製)を得た。MS(ESI)m/z 394.54[M+H]
【0197】
メチル(1r,4r)-N,N-ジベンジル-4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(37)(750mg、1.91mmol)のEtOH(2mL)撹拌溶液に、10%Pd/C(2g)を添加し、反応混合物を水素(70psi)雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を濃縮することで、(1r,4r)-4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(38)(390mg、粗製)を得た。
【0198】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(350mg、0.95mmol)のDMF(5mL)撹拌溶液に、HATU(720mg、1.90mmol)、DIPEA(0.52mL、2.86mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで(1r,4r)-4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(38)(406mg、1.90mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(50mLで2回)で抽出した。組み合わせた有機質層を蒸発させ、残渣をシリカカラム(60~120メッシュ)に通し、続いてRP分取HPLCにより精製することで、2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-((1r,4r)-4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メトキシ)シクロヘキシル)アセトアミド(39)(40mg、5%の収率)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 563.61[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.43(s,1H),8.20(d,J=7.80Hz,1H),8.07(s,1H),7.72(d,J=8.40Hz,2H),7.56(d,J=8.40Hz,2H),4.62(s,2H),4.12(s,3H),3.80-3.70(m,2H),3.60-3.50(m,1H),3.30-3.20(m,5H),2.00-1.90(m,2H),1.90-1.80(m,2H),1.80-1.65(m,1H),1.60-1.50(m,2H),1.30-1.10(m,6H)。
【0199】
実施例21:N-((1S,3S)-3-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミドおよびN-((1R,3R)-3-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(43および44)の合成
【0200】
【化27】
【0201】
(トランス)-3-アミノシクロヘキサン-1-オールヒドロクロリド(6g、52.17mmol)のアセトニトリル(60mL)撹拌溶液に、KCO(30.28g、219.13mmol)、続いて臭化ベンジル(26.76g、156.52mmol)を氷温で添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮することで、粗製物を得た。こうして得られた茶色の粗製物を石油エーテルで撹拌し、濾過することで、(トランス)-3-(ジベンジルアミノ)シクロヘキサン-1-オール(40)(6.5g、42%の収率)を茶色固形物として得た。MS(ESI)m/z 296.43[M+H]
【0202】
(トランス)-3-(ジベンジルアミノ)シクロヘキサン-1-オール(40)(4g、13.55mmol)のアセトニトリル(40mL)撹拌溶液に、CuI(515mg、2.71mmol)を添加し、反応混合物を45℃に加温し、次いで2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)酢酸(8.44g、47.45mmol)を添加し、2時間撹拌した。反応混合物をNaHCO水溶液でゆっくりクエンチし、EtOAcで抽出した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムにより精製することで、ガム状の材料としてN,N-ジベンジル-3-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(41)(3g、65%の収率)を得た。MS(ESI)m/z 346.28[M+H]
【0203】
N,N-ジベンジル-3-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(41)(1.5g、4.34mmol)のEtOH(22mL)撹拌溶液に、10%Pd/C(6g)を添加し、反応混合物を水素(70psi)雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を濃縮することで、3-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(42)(0.450g、63%の収率)を得た。MS(ESI)m/z 166.08[M+H]
【0204】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(400mg、1.08mmol)のDMF(4mL)撹拌溶液に、HATU(621mg、1.63mmol)、DIPEA(0.6mL、3.26mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。3-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(42)(179mg、1.08mmol)を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(50mLで2回)で抽出した。有機質層を蒸発させ、残渣をシリカカラム(60~120メッシュ)に通し、続いて分取SFCにより精製することで、未知の絶対立体化学を有するN-((1,3)-3-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミドのトランス異性体である、オフホワイト固形物の(43)(105mg、19%の収率)と(44)(125mg、22%の収率)を得た。
化合物43:MS(ESI)m/z 515.23[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.43(s,1H),8.25(d,J=8.00Hz,1H),8.07(s,1H),7.72(d,J=8.80Hz,2H),7.56(d,J=8.80Hz,2H),6.69(t,J=72.8Hz,1H),4.64(s,2H),4.50-4.40(m,1H),4.12(s,3H),4.00-3.90(m,1H),1.90-1.80(m,1H),1.80-1.50(m,6H),1.40-1.20(m,1H)。
化合物44:MS(ESI)m/z 515.23[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.44(s,1H),8.26(d,J=8.00Hz,1H),8.08(s,1H),7.72(d,J=8.80Hz,2H),7.56(d,J=8.80Hz,2H),6.69(t,J=72.8Hz,1H),4.64(s,2H),4.50-4.40(m,1H),4.12(s,3H),4.00-3.90(m,1H),1.90-1.80(m,1H),1.80-1.50(m,6H),1.40-1.20(m,1H)。
【0205】
実施例22:N-((1S,3R)-3-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミドおよびN-((1R,3S)-3-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(48および49)の合成
【0206】
【化28】
【0207】
(シス)-3-アミノシクロヘキサン-1-オールヒドロクロリド(6g、52.17mmol)のアセトニトリル(60mL)撹拌溶液に、KCO(30.28g、219.13mmol)、続いて臭化ベンジル(26.76g、156.52mmol)を氷温で添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮することで、粗製物を得た。こうして得られた茶色の粗製物を石油エーテルで撹拌し、濾過することで、(シス)-3-(ジベンジルアミノ)シクロヘキサン-1-オール(45)(6.5g、42%の収率)を茶色固形物として得た。MS(ESI)m/z 296.43[M+H]
【0208】
3-(ジベンジルアミノ)シクロヘキサン-1-オール(45)(4g、13.55mmol)のアセトニトリル(40mL)撹拌溶液に、CuI(515mg、2.71mmol)を添加し、反応混合物を45℃に加温し、次いで2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)酢酸(8.44g、47.45mmol)を添加し、室温で2時間撹拌した。反応混合物をNaHCO水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムにより精製することで、ガム状の材料としてN,N-ジベンジル-3-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(46)(3g、65%の収率)を得た。MS(ESI)m/z 346.28[M+H]
【0209】
N,N-ジベンジル-3-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(46)(1.5g、4.34mmol)のEtOH(22mL)撹拌溶液に、10%Pd/C(6g)を添加し、反応混合物を水素(70psi)雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を濃縮することで、3-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(47)(0.450g、63%の収率)を得た。MS(ESI)m/z 166.08[M+H]
【0210】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(10)(400mg、1.08mmol)のDMF(4mL)撹拌溶液に、HATU(621mg、1.63mmol)、DIPEA(0.6mL、3.26mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。3-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(47)(179mg、1.08mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(50mLで2回)で抽出した。有機質層を蒸発させ、残渣をシリカカラム(60~120メッシュ)に通し、続いてSFCにより精製することで、未知の絶対立体化学を有するN-((1,3)-3-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミドのシス異性体である、オフホワイト固形物の(48)(15mg、3%の収率)、およびオフホワイト固形物の(49)(2mg、1%の収率)を得た。
化合物48:MS(ESI)m/z 515.23[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.44(s,1H),8.32(d,J=7.20Hz,1H),8.08(s,1H),7.72(d,J=8.80Hz,2H),7.56(d,J=8.80Hz,2H),6.70(t,J=72.8Hz,1H),4.63(s,2H),4.12(s,3H),4.10-4.00(m,1H),3.65(m,1H),2.14(m,1H),1.93(m,1H),1.73(m,2H),1.35-1.23(m,4H)。
化合物49:MS(ESI)m/z 515.33[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.44(s,1H),8.32(d,J=8.4Hz,1H),8.08(s,1H),7.73(d,J=8.4Hz,2H),7.57(d,J=8.80Hz,2H),6.70(t,J=76.4Hz,1H),4.63(s,2H),4.12(s,3H),4.10-4.00(m,1H),3.65(m,1H),2.14(m,1H),1.93(m,1H),1.73(m,2H),1.29-1.11(m,4H)。
【0211】
実施例23:N-((1r,4r)-4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(52)の合成
【0212】
【化29】
【0213】
tert-ブチル2-(3-ブロモ-1-メチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(7)(500mg、1.46mmol)の1,4-ジオキサン(15mL)撹拌溶液に、5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン(190mg、1.18mmol)と炭酸セシウム(1.42g、4.38mmol)を添加した。反応物をアルゴンで15分間脱気し、次いでPd(dba)(267mg、0.29mmol)とXantphos(168mg、0.29mmol)を添加し、反応混合物を再びアルゴンで5分間脱気し、次いで反応混合物を100℃で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水で希釈し、EtOAc(15mLで2回)で抽出した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにより精製することで、tert-ブチル2-(1-メチル-7-オキソ-3-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(50)(200mg、32%の収率)を淡黄色固形物として得た。MS(ESI)m/z 425.25[M+H]
【0214】
tert-ブチル2-(1-メチル-7-オキソ-3-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(50)(200mg、0.47mmol)の1,4-ジオキサン(2mL)撹拌溶液に、ジオキサン(3mL)中の4M HClを0℃で添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を蒸発させることで、2-(1-メチル-7-オキソ-3-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(51)(150mg、90%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 369.0[M+H]
【0215】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(51)(150mg、0.40mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(231mg、0.61mmol)、DIPEA(0.21mL、1.22mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。1-(((1r,4r)-4-アミノシクロヘキシル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-オール(114mg、0.61mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチル(50mLで2回)で抽出した。有機質層を蒸発させ、残渣を分取SFCにより精製することで、N-((1r,4r)-4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(52)(40mg、10%の収率)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 538.19[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.65(s,1H),8.42(s,1H),8.20(d,J=7.2Hz,1H),8.02(s,1H),7.89(d,J=6.80Hz,1H),7.17(d,J=8.8Hz,1H),4.62(s,2H),4.20(s,1H),4.14(s,3H),3.60-3.50(m,1H),3.30-3.20(m,1H),3.14(s,2H),2.00-1.90(m,2H),1.90-1.80(m,2H),1.30-1.20(m,4H),1.05(s,6H)。
【0216】
実施例24:N-((1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(55)の合成
【0217】
【化30】
【0218】
2-(3-ブロモ-1-メチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(53)(1.2g、4.18mmol)のDMF(15mL)撹拌溶液に、HATU(2.3g、6.27mmol)、DIPEA(2.3mL、12.54mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで(1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサン-1-アミン(35)(827mg、5.017mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物を濾過し、EtOで洗浄することで、N2-(3-ブロモ-1-メチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-((1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)アセトアミド(54)(1.0g、55%)を淡黄色固形物として得た。MS(ESI)m/z 434.27[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 8.23(d,J=7.6Hz,1H),8.15(s,1H),6.69(t,J=76Hz,1H),4.62(s,2H),4.16(s,3H),4.10-4.00(m,1H),3.60-3.50(m,1H),2.00-1.90(m,2H),1.90-1.80(m,2H),1.50-1.40(m,2H),1.40-1.25(m,2H)。
【0219】
N2-(3-ブロモ-1-メチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-((1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)アセトアミド(54)(400mg、0.921mmol)の1,4-ジオキサン(5mL)撹拌溶液に、5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン(149mg、0.921mmol)と炭酸セシウム(898mg、2.76mmol)を添加した。次いで反応物をアルゴンで15分間脱気し、その後Pd(dba)(53mg、0.09mmol)とXantphos(84,0.09mmol)を添加し、反応混合物を再びアルゴンで5分間脱気し、次いで反応混合物を100℃で2時間撹拌した。反応混合物を氷冷水で希釈し、EtOAc(15mLで2回)で抽出した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにより精製することで、N-((1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(55)(90mg、19%の収率)を白色固形物として得た。MS(ESI)m/z 516.50[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.70(s,1H),8.42(s,1H),8.24(d,J=7.6Hz,1H),8.02(s,1H),7.90(d,J=6.80Hz,1H),7.18(d,J=8.80Hz,1H),6.69(t,J=76Hz,1H),4.62(s,2H),4.18(s,3H),4.10-4.00(m,1H),3.60-3.50(m,1H),2.00-1.90(m,2H),1.90-1.80(m,2H),1.50-1.40(m,2H),1.40-1.25(m,2H)。
【0220】
実施例25:N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(64)の合成
【0221】
【化31】
【0222】
メチル4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(1)(10g、58.47mmol)のMeOH(100mL)撹拌溶液に、10%Pd/C(3.0g)を添加した。反応混合物を水素(50PSI)雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を濃縮することで、メチル4-アミノ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(56)(8g、97%の収率)を茶色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 12.82(brs,1H),7.09(s,1H),4.87(s,2H),3.77(s,3H)。
【0223】
メチル4-アミノ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(56)(8g、56.73mmol)のn-ブタノール(80mL)撹拌溶液に、DIPEA(48.15mL、283.8mmol)、ホルムアミジンアセテート(formamidine aetate)(6.49g、62.41mmol)を室温で添加し、次いで反応物を110℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に降温し、沈殿した固形物を濾別した。固形化合物をジエチルエーテルでトリチュレートすることで、1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(57)(7.1g、92%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 137.05[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 13.10(brs,2H),8.11(s,1H),7.85(s,1H)。
【0224】
メチル1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(57)(5g、3.67mmol)のDMF(80mL)撹拌溶液に、NBS(10g、5.51mmol)を室温で添加し、反応混合物を60℃で12時間撹拌した。反応混合物を室温に降温し、冷水でクエンチし、沈殿した固形物を濾別した。固形物を真空下で乾燥させることで、3-ブロモ-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(58)(5.5g、64%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 216.97[M+2]
【0225】
3-ブロモ-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(58)(3g、14.31mmol)のDMF(30mL)撹拌溶液に、pTSA(134mg、0.7mmol)、続いてDHP(6.05g、70.42mmol)を室温で添加し、反応混合物を60℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に降温し、冷水でクエンチし、EtOAc(50mLで3回)で抽出した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製することで、3-ブロモ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(59)(2.6g、61%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 298.95[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 8.98(s,1H),6.13(dd,J=10.4,2.0Hz,1H),3.93(d,J=12.8Hz,1H),3.64-3.58(m,1H),2.49-2.24(m,1H),2.02-1.91(m,2H),1.70-1.55(m,4H)。
【0226】
3-ブロモ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(59)(2.6g、8.69mmol)のDMF(30mL)撹拌溶液に、KCO(3.6g、26.03mmol)、続いて2-クロロ-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(60)(2.83g、13.04mmol)を室温で添加し、反応混合物を60℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、EtOAc(250mLで2回)で抽出した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン中70%EtOAcを溶剤として用いて100~200のシリカ上でフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製することで、2-(3-ブロモ-7-オキソ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(61)(1.5g、30%の収率)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 482.01[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 8.31(s,1H),7.53(dd,J=13.6,2.4Hz,1H),7.27-7.20(m,1H),7.14(t,J=9.8Hz,1H),6.11(dd,J=10.4,2.0Hz,1H),4.88(s,2H),4.0-3.90(m,1H),3.80(s,3H),3.62-3.56(m,1H),2.32-2.24(m,1H),2.01-1.92(m,2H),1.70-1.50(m,3H)。
【0227】
2-(3-ブロモ-7-オキソ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(61)(200mg、0.417mmol)の、トルエン(6mL)中の脱気(アルゴン)溶液に、CsCO(406mg、1.25mmol)、Pd(dba)(38mg、0.04mmol)、Xantphos(24mg、0.041mmol)、および5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン(101mg、0.626mmol)を室温で添加した。溶液を再び15分間脱気し、混合物をマイクロウェーブ中、1.5時間かけて130℃で加温した反応混合物を室温に降温し、セライトパッドに通して濾過した。セライトパッドをCHCl中の5%MeOHで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮することで粗製物を得て、これを分取HPLCにより精製することで、N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-2-(7-オキソ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-3-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(62)(50mg、24%)を淡黄色固形物として得た。MS(ESI)m/z 562.14[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 10.56(brs,1H),9.80(brs,1H),8.45(s,1H),8.19(s,1H),7.95(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.55(dd,J=13.2,2Hz,1H),7.26(d,J=8.8Hz,2H),7.15(t,J=9.2Hz,1H),6.12(dd,J=8,2Hz,1H),4.87(s,2H),3.95(d,J=7.6Hz,1H),3.80(s,3H),3.63-3.56(m,1H),2.39-2.31(m,1H),2.03-1.93(m,2H),1.72-1.56(m,1H),1.55-1.53(m,2H)。
【0228】
N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-2-(7-オキソ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-3-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(62)(45mg、0.08mmol)のDCM(2mL)撹拌溶液に、4N HCl/ジオキサン(2mL)を0℃で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製することで、N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-2-(7-オキソ-3-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(63)(12mg、31%の収率)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 478.05[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 13.92(brs,1H),10.49(s,1H),9.77(brs,1H),8.44(s,1H),8.09(s,1H),7.90(d,J=8.8Hz,1H),7.55(dd,J=13.2,2Hz,1H),7.26(d,J=9.2Hz,1H),7.21-7.12(m,2H),4.86(s,2H),3.80(s,3H)。
【0229】
N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-2-(7-オキソ-3-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(63)(50mg、0.104mmol)のDMF(2mL)撹拌溶液に、CsCO(68mg、0.209mmol)、続いてヨウ化メチル(18mg、0.125mmol)を室温で添加した。反応混合物を同じ温度で16時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)でクエンチし、EtOAc(25mLで2回)で抽出した。組み合わせた有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製することで、N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(64)(10mg、14%)を白色固形物として得た。MS(ESI)m/z 492.09[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 10.60(s,1H),9.68(s,1H),8.50(brs,2H),8.43(s,1H),8.10(s,1H),7.90(d,J=8.8Hz,1H),7.55(d,J=13.6Hz,1H),7.27(d,J=8.8Hz,1H),7.19-7.12(m,2H),4.85(s,2H),4.15(s,3H),3.80(s,3H)。
【0230】
実施例26:N-((1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(65)の合成
【0231】
【化32】
【0232】
2-(3-ブロモ-1-メチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-((1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)アセトアミド(54)(300mg、0.69mmol)の1,4-ジオキサン(5mL)撹拌溶液に、6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(111mg、0.69mmol)と炭酸セシウム(673mg、2.07mmol)を添加した。反応物をアルゴンで15分間脱気し、次いでPd(dba)(63mg、0.06mmol)とXantphos(39mg、0.06mmol)を添加し、反応混合物を再びアルゴンで5分間脱気し、次いで反応混合物を100℃で2時間撹拌した。反応混合物を氷冷水で希釈し、EtOAc(15mLで2回)で抽出した。組み合わせた有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮することで粗製物を得て、これをSFCにより精製することで、N-((1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(65)(100mg、28%の収率)を薄茶色固形物として得た。MS(ESI)m/z 516.50[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.80(s,1H),8.89(s,1H),8.30-8.20(m,2H),8.10(s,1H),7.76(d,J=8.80Hz,1H),6.69(t,J=76Hz,1H),4.64(s,2H),4.30(s,3H),4.10-4.00(m,1H),3.65-3.50(m,1H),2.00-1.90(m,2H),1.90-1.80(m,2H),1.50-1.40(m,2H),1.40-1.25(m,2H)。
【0233】
実施例27:N-((1r,4r)-4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(68)の合成
【0234】
【化33】
【0235】
tert-ブチル2-(3-ブロモ-1-メチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(7)(500mg、1.46mmol)の1,4-ジオキサン(15mL)撹拌溶液に、6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(284mg、1.75mmol)と炭酸セシウム(1.42g、4.38mmol)を添加した。反応物をアルゴンで15分間脱気し、次いでPd(dba)(133mg、0.14mmol)とXantphos(84mg、0.14mmol)を添加した。反応混合物を再びアルゴンで5分間脱気し、次いで反応混合物を100℃で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水で希釈し、EtOAc(15mLで2回)で抽出した。組み合わせた有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにより精製することで、tert-ブチル2-(1-メチル-7-オキソ-3-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(66)(600mg、70%の収率)を淡黄色固形物として得た。MS(ESI)m/z 425.4[M+H]
【0236】
tert-ブチル2-(1-メチル-7-オキソ-3-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(66)(600mg、1.45mmol)の1,4-ジオキサン(2mL)撹拌溶液に、ジオキサン(10mL)中の4M HClを0℃で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を蒸発させることで、2-(1-メチル-7-オキソ-3-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(67)(500mg、90%の収率)を淡黄色固形物として得た。MS(ESI)m/z 369.33[M+H]
【0237】
2-(1-メチル-7-オキソ-3-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(67)(300mg、0.81mmol)のDMF(10mL)撹拌溶液に、HATU(464mg、1.22mmol)、DIPEA(0.31mL、2.44mmol)を0℃で添加した。反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。1-(((1r,4r)-4-アミノシクロヘキシル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-オール(182mg、0.97mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチル(50mLで2回)で抽出した。組み合わせた有機質層を蒸発させ、残渣を分取HPLCにより精製することで、N-((1r,4r)-4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)シクロヘキシル)-2-(1-メチル-7-オキソ-3-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(68)(120mg、27%の収率)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 538.15[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.80(s,1H),8.89(s,1H),8.21(d,J=7.2Hz,2H),8.09(s,1H),7.76(d,J=8.80Hz,1H),4.63(s,2H),4.20(s,1H),4.13(s,3H),3.60-3.50(m,1H),3.30-3.20(m,1H),3.15(s,2H),2.00-1.90(m,2H),1.90-1.80(m,2H),1.30-1.20(m,4H),1.05(s,6H)。
【0238】
実施例28:N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-2-(7-オキソ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-3-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(70)の合成
【0239】
【化34】
【0240】
3-ブロモ-1-メチル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(5)(2g、8.70mmol)のDMF(30mL)撹拌溶液に、KCO(3.6g、26.03mmol)、続いて2-クロロ-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(60)(2.83g、13.04mmol)を室温で添加した。反応混合物を60℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、EtOAc(250mLで2回)で抽出した。組み合わせた有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製することで、2-(3-ブロモ-1-メチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(69)(2.91g、81%の収率)を淡黄色固形物として得た。MS(ESI)m/z 412.20[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 10.49(brs,1H),8.31(s,1H),7.53(dd,J=9.6,2.4Hz,1H),7.25(1H,J=10.0Hz,1H),7.13(t,J=9.2Hz,1H),4.85(s,2H),4.17(s,3H),3.80(s,3H)。
【0241】
2-(3-ブロモ-1-メチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(69)(343mg、0.82mmol)のジオキサン(10mL)脱気(アルゴン)溶液に、CsCO(812mg、2.50mmol)、Pd(dba)(76mg、0.08mmol)、Xantphos(48mg、0.082mmol)、および4-イソプロポキシアニリン(186mg、1.34mmol)を室温で添加した。反応混合物を再び15分間脱気し、混合物を100℃で16時間加温した。反応混合物を室温に降温し、セライトパッドに通して濾過した。セライトパッドをCHCl中の5%MeOHで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製することで、N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-2-(3-((4-イソプロポキシフェニル)アミノ)-1-メチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(70)(30mg、8%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 481.50[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 10.47(s,1H),8.66(s,1H),8.10(s,1H),7.58-7.53(m,4H),7.27(d,J=8.8Hz,1H),7.14(t,J=9.2Hz,1H),6.82(d,J=8.8Hz,2H),4.85(s,2H),4.48-4.44(m,1H),4.07(s,3H),3.80(s,3H),1.23(d,J=6.0Hz,6H)。
【0242】
実施例29:2-(3-((4-クロロフェニル)アミノ)-1-メチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(71)の合成
【0243】
【化35】
【0244】
2-(3-ブロモ-1-メチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(69)(343mg、0.82mmol)のジオキサン(10mL)脱気(アルゴン)溶液に、CsCO(812mg、2.5mmol)、Pd(dba)(76mg、0.08mmol)、Xantphos(48mg、0.082mmol)、および4-クロロアニリン(160mg、1.34mmol)を室温で添加した。反応混合物を再び15分間脱気し、混合物を100℃で16時間加温した。反応混合物を室温に降温し、セライトパッドに通して濾過した。セライトパッドをCHCl中の5%MeOHで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製することで、2-(3-((4-クロロフェニル)アミノ)-1-メチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(71)(50mg、13%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 455.26[M-H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 10.47(s,1H),9.12(s,1H),8.13(s,1H),7.64(dd,J=9.2,2.4Hz,2H),7.54(dd,J=13.6,2.4Hz,1H),7.28(d,J=9.2Hz,3H),7.14(t,J=9.2Hz,1H),4.85(s,2H),4.10(s,3H),3.80(s,3H)。
【0245】
実施例30:2-(1-エチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(77)の合成
【0246】
【化36】
【0247】
メチル4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(1)(5.0g、29.22mmol)のDMF(50mL)撹拌溶液に、KCO(12.07g、87.66mmol)、続いてヨウ化エチル(2.58mL、32.14mmol)を室温で添加した。反応混合物を同じ温度で16時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、EtOAc(100mLで2回)で抽出した。組み合わせた有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムにより精製することで、メチル1-エチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(72)(1.7g、29%)を得た。MS(ESI)m/z 200.07[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 8.39(s,1H),4.75-4.70(m,1H),4.29(q,J=7.2Hz,2H),3.99(s,3H),1.38(d,J=7.2Hz,3H)。
【0248】
メチル1-エチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(72)(1.8g、9.04mmol)のMeOH(100mL)撹拌溶液に、10%Pd/C(3.0g)を添加した。反応混合物を水素(50PSI)雰囲気下、室温で8時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を濃縮することで、メチル4-アミノ-1-エチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(73)(1.5g、98%の収率)を茶色固形物として得た。MS(ESI)m/z 170.2[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 7.02(s,1H),5.00(brs,2H),4.31(q,J=7.2Hz,2H),3.80(s,3H),1.20(d,J=7.2Hz,3H)。
【0249】
エチル4-アミノ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(73)(1.8g、10.64mmol)のn-ブタノール(80mL)撹拌溶液に、DIPEA(9.2mL、53.2mmol)、ホルムアミジンアセテート(1.21g、11.70mmol)を室温で添加した。反応混合物を110℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に降温し、沈殿した固形物を濾別した。固形化合物をジエチルエーテルでトリチュレートすることで、1-エチル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(74)(1.2g、69%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 165.11[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 7.97(s,1H),7.79(s,1H),4.57(q,J=7.2Hz,2H),1.38(d,J=7.2Hz,3H)。
【0250】
エチル1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(74)(1.2g、7.31mmol)のDMF(80mL)撹拌溶液に、NBS(2.86g、16.08mmol)を室温で添加した。反応混合物を80℃で12時間撹拌した。反応混合物を室温に降温し、冷水でクエンチし、沈殿した固形物を濾別した。固形物を真空下で乾燥させることで、3-ブロモ-1-エチル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(75)(1.0g、56%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 243.08[M+2]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 12.51(s,1H),7.93(s,1H),4.55(q,J=7.2Hz,2H),1.39(d,J=7.2Hz,3H)。
【0251】
3-ブロモ-1-エチル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(75)(500mg、2.06mmol)のDMF(30mL)撹拌溶液に、KCO(854mg、6.18mmol)、続いて2-クロロ-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(60)(537.9mg、2.47mmol)を室温で添加した。反応混合物を60℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、EtOAc(250mLで2回)で抽出した。組み合わせた有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を100~200のシリカ上でフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製することで、2-(3-ブロモ-1-エチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(76)(400mg、46%の収率)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 424.29[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 8.24(s,1H),7.53(d,J=10.8Hz,1H),7.26(d,J=4.4Hz,1H),7.13(d,J=8.0Hz,1H),4.86(s,2H),4.56(q,J=7.2Hz,2H),3.80(s,3H),1.39(d,J=7.2Hz,3H)。
【0252】
2-(3-ブロモ-1-エチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(76)(330mg、0.777mmol)のジオキサン(6mL)脱気(アルゴン)溶液に、CsCO(406mg、1.25mmol)、Pd(dba)(70.5mg、0.077mmol)、Xantphos(44.5mg、0.077mmol)、および5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン(188mg、1.165mmol)を室温で添加した。溶液を再び15分間脱気し、混合物をマイクロウェーブ中、100℃で3時間加温した。反応混合物を室温に降温し、セライトパッドに通して濾過した。セライトパッドをCHCl中の5%MeOHで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮することで粗製物を得て、これを分取HPLCにより精製することで、2-(1-エチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(77)(103mg、26%)を淡黄色固形物として得た。MS(ESI)m/z 505.31[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 10.47(s,1H),9.44(s,1H),8.16(s,1H),7.72(d,J=8.8Hz,2H),7.57(d,J=8.8Hz,2H),7.53(s,1H),7.27(d,J=8.8Hz,1H),7.14(t,J=9.2Hz,1H),4.81(s,2H),4.52(q,J=7.2Hz,2H),3.80(s,3H),1.39(t,J=7.2Hz,3H)。
【0253】
実施例31:N-((1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-エチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(80)の合成
【0254】
【化37】
【0255】
3-ブロモ-1-エチル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(75)(600mg、2.46mmol)、2-ブロモ-N-((1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)アセトアミド(78)(642mg、2.96mmol)の、DMF(20mL)撹拌溶液に、KCO(509mg、3.66mmol)を添加し、室温で16時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈することで固形物を得て、これを濾過し、水で洗浄することで、2-(3-ブロモ-1-エチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-((1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)アセトアミド(79)(300mg、27%)を白色固形物として得た。MS(ESI)m/z 448.48[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 8.26(d,J=7.6Hz,1H),8.15(s,1H),6.68(t,J=76.4Hz,1H),4.63(s,2H),4.50(q,J=7.6Hz,2H),4.10-4.00(m,1H),3.60-3.50(m,2H),2.00-1.90(m,2H),1.90-1.80(m,2H),1.60-1.20(s,7H)。
【0256】
2-(3-ブロモ-1-エチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-((1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)アセトアミド(79)(500mg、1.12mmol)の1,4-ジオキサン(5mL)撹拌溶液に、4-(トリフルオロメチル)アニリン(216mg、1.34mmol)と炭酸セシウム(1.1g、3.45mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで15分間脱気し、次いでPd(dba)(103mg、0.11mmol)とXantphos(63mg、0.11mmol)を添加した。反応混合物を再びアルゴンで5分間脱気し、次いで反応混合物を100℃で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水で希釈し、EtOAc(15mLで2回)で抽出した。組み合わせた有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮することで粗製物を得て、これをシリカカラムにより精製することで、N-((1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル)-2-(1-エチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(80)(120mg、20%の収率)を白色固形物として得た。MS(ESI)m/z 529.56[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.44(s,1H),8.23(d,J=7.6Hz,1H),8.08(s,1H),7.71(d,J=8.4Hz,2H),7.56(d,J=8.4Hz,2H),6.69(t,J=76.4Hz,1H),4.64(s,2H),4.50(q,J=7.6Hz,2H),4.10-4.00(m,1H),3.60-3.50(m,1H),2.00-1.90(m,2H),1.90-1.80(m,2H),1.50-1.30(s,7H)。
【0257】
実施例32:2-(1-エチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-((1r,4r)-4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)シクロヘキシル)アセトアミド(84)の合成
【0258】
【化38】
【0259】
3-ブロモ-1-エチル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(75)(1.9g、7.81mmol)のDMF(100mL)撹拌溶液に、KCO(2.1g、15.6mmol)、続いてtert-ブチルブロモアセテート(1.4mL、9.38mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、EtOAc(250mLで2回)で抽出した。組み合わせた有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカ(100~200)上でフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製することで、tert-ブチル2-(3-ブロモ-1-エチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(81)(2.3g、82%の収率)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 357.42[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.24(s,1H),4.74(s,2H),4.57(q,J=7.2Hz,2H),1.41(s,9H)。
【0260】
tert-ブチル2-(3-ブロモ-1-エチル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(81)(2.3g、6.46mmol)のジオキサン(25mL)脱気(アルゴン)溶液に、CsCO(6.2g、19.38mmol)、Pd(dba)(591mg、0.64mmol)、Xantphos(373mg、0.64mmol)、および4-(トリフルオロメチル)アニリン(1.0g、6.46mmol)を室温で添加した。溶液を再び15分間脱気し、混合物を密封管の中、100℃で3時間加温した。反応混合物を室温に降温し、セライトパッドに通して濾過した。セライトパッドをCHCl中の5%MeOHで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムにより精製することで、tert-ブチル2-(1-エチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(82)(1.8g、64%)を淡黄色固形物として得た。MS(ESI)m/z 438.09[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.46(s,1H),8.16(s,1H),7.72(d,J=8.4Hz,2H),7.57(d,J=8.4Hz,2H),4.74(s,2H),4.50(q,J=7.2Hz,2H),1.44(s,9H),1.38(t,J=7.2Hz,3H)。
【0261】
tert-ブチル2-(1-エチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(82)(1.8g、4.11mmol)のDCM(10mL)撹拌溶液に、ジオキサン(10mL)中の4M HCl溶液を0℃で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、エーテルでトリチュレートし、減圧下で乾燥させることで、2-(1-エチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(83)(1.1g、7.3%)を淡黄色固形物として得た。MS(ESI)m/z 382.46[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.46(s,1H),8.17(s,1H),7.71(d,J=8.4Hz,2H),7.57(d,J=8.4Hz,2H),4.77(s,2H),4.52(q,J=7.2Hz,2H),1.40(t,J=7.2Hz,3H)。
【0262】
2-(1-エチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(83)(250mg、0.65mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(374mg、0.98mmol)、DIPEA(0.36mL、1.96mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで2-(((1r,4r)-4-アミノシクロヘキシル)メトキシ)プロパン-2-オール(147mg、0.78mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物を濾過し、分取HPLC精製によって、2-(1-エチル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-((1r,4r)-4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)シクロヘキシル)アセトアミド(84)(39mg、10%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 551.72[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.44(s,1H),8.20(d,J=7.6Hz,1H),8.07(s,1H),7.71(d,J=8.4Hz,2H),7.56(d,J=8.8Hz,2H),4.63(s,2H),4.51(q,J=4.4Hz,1H),4.20(s,1H),3.60-3.50(br s,1H),3.30-3.20(br s,1H),3.15(s,2H),2.00-1.90(m,2H),1.90-1.80(m,2H),1.39(t,J=7.2Hz,3H),1.30-1.20(m,4H),1.05(s,6H)。
【0263】
実施例33:N-((1r,4r)-4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)シクロヘキシル)-2-(7-オキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(92)の合成
【0264】
【化39】
【0265】
メチル4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(1)(10g、58.4mmol)のDMF(100mL)撹拌溶液に、KCO(16.1g、116.9mmol)、続いて2,2,2-トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(12.7mL、87.7mmol)を室温で添加した。反応混合物を同じ温度で16時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムにより精製することで、メチル4-ニトロ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(85)(4g、32%の収率)を無色の液体として得て、さらに溶出によって、別の異性体メチル4-ニトロ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート(85a)(5g)を得た。MS(ESI)m/z 254.14[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.57(s,1H),5.41(q,J=7.20Hz,2H),3.98(s,3H)。
【0266】
メチル4-ニトロ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(85)(3.3g、13.04mmol)のMeOH(33mL)撹拌溶液に、10%Pd/C(2g)を添加し、反応混合物を水素(50PSI)雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を濃縮することで、メチル4-アミノ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(86)(2.3g、82%の収率)を得た。MS(ESI)m/z 224.09[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 7.24(s,1H),5.09(q,J=7.20Hz,2H),4.20(s,2H),3.93(s,3H)。
【0267】
メチル4-アミノ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(86)(2.3g、10.31mmol)のn-ブタノール(23mL)撹拌溶液に、DIPEA(9.5mL、51.56mmol)とホルムアミジンアセテート(2.1g、20.62mmol)を室温で添加した。反応混合物を110℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に降温し、沈殿した固形物を濾別した。固形化合物をジエチルエーテルでトリチュレートすることで、1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(87)(2g、89%の収率)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 218.04[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 12.52(brs,1H),8.21(s,1H),7.98(s,1H),5.46(q,J=7.20Hz,2H)。
【0268】
1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(87)(1.6g、7.33mmol)のDMF(16mL)撹拌溶液に、NBS(6.5g、36.69mmol)を室温で添加した。反応混合物を110℃で30時間撹拌した。反応混合物を室温に降温し、冷水でクエンチし、沈殿した固形物を濾別した。固形物を真空下で乾燥させることで、3-ブロモ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(88)(1.0g、46%の収率)をオフホワイト固形物として得た。
MS(ESI)m/z 297.04[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 12.79(brs,1H),8.04(s,1H),5.46(q,J=7.20Hz,2H)。
【0269】
3-ブロモ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(88)(1.0g、3.3mmol)のDMF(10mL)撹拌溶液に、KCO(935g、6.77mmol)、続いてtert-ブチルブロモアセテート(0.7mL、5.08mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、EtOAc(250mLで2回)で抽出した。組み合わせた有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカ(100~200)上でフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製することで、tert-ブチル2-(3-ブロモ-7-オキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(89)(600mg、43%の収率)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 410.02[M+H];411.20。
【0270】
tert-ブチル2-(3-ブロモ-7-オキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(89)(400mg、0.97mmol)のジオキサン(5mL)脱気(アルゴン)溶液に、CsCO(951g、2.92mmol)、Pd(dba)(89mg、0.09mmol)、Xantphos(56mg、0.09mmol)、および4-(トリフルオロメチル)アニリン(157g、0.97mmol)を室温で添加した。溶液を再び15分間脱気し、混合物を密封管の中、100℃で3時間加温した。反応混合物を室温に降温し、セライトパッドに通して濾過した。セライトパッドをCHCl中の5%MeOHで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムにより精製することで、tert-ブチル2-(7-オキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(90)(250mg、52%の収率)を淡黄色固形物として得た。MS(ESI)m/z 491.13[M+H];492.27。
【0271】
tert-ブチル2-(7-オキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセテート(90)(250mg、0.50mmol)の1,4-ジオキサン(3mL)撹拌溶液に、ジオキサン(3mL)中の4M HCl溶液を添加した。反応混合物を室温で48時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、エーテルでトリチュレートし、減圧下で乾燥させることで、2-(7-オキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(91)(200mg、90%)を淡黄色固形物として得た。MS(ESI)m/z 435.07[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 13.32(br s,1H),9.71(s,1H),8.30(s,1H),7.99(d,J=8.40Hz,2H),7.61(d,J=8.8Hz,2H),5.35(q,J=8.80Hz,2H),4.78(s,2H)。
【0272】
2-(7-オキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)酢酸(91)(200mg、0.45mmol)のDMF(3mL)撹拌溶液に、HATU(262mg、0.68mmol)、DIPEA(0.25mL、1.37mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次いで2-(((1r,4r)-4-アミノシクロヘキシル)メトキシ)プロパン-2-オール(103mg、0.55mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチした。沈殿した固形物を濾過し、分取HPLC精製によって、N-((1r,4r)-4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)シクロヘキシル)-2-(7-オキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(92)(50mg、18%の収率)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 605.36[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 9.70(s,1H),8.30-8.20(m,2H),7.81(d,J=8.4Hz,2H),7.60(d,J=8.8Hz,2H),5.34(q,J=8.80Hz,2H),4.64(s,2H),4.20(s,1H),3.60-3.50(br s,1H),3.30-3.20(br s,1H),3.14(s,2H),2.00-1.90(m,2H),1.90-1.80(m,2H),1.30-1.20(m,4H),1.05(s,6H)。
【0273】
実施例34:N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-2-(1-イソプロピル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(98)の合成
【0274】
【化40】
【0275】
メチル4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(1)(5g、29.22mmol)のDMF(50mL)撹拌溶液に、KCO(8.04g、58.44mmol)、続いて2-ヨードプロパン(5.46g、32.11mmol)を室温で添加し、反応混合物を同じ温度で16時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、EtOAc(100mLで2回)で抽出した。組み合わせた有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムにより精製することで、メチル1-イソプロピル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(93)(2.0g、32%)を得た。MS(ESI)m/z 213.07[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 8.41(s,1H),4.75-4.70(m,1H),4.00(s,2H),1.44(d,J=6.8Hz,6H)。
【0276】
メチル1-イソプロピル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(93)(2.0g、9.38mmol)のMeOH(20mL)撹拌溶液に、10%Pd/C(1.0g)を添加した。反応混合物を水素(50PSI)雰囲気下、室温で8時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を濃縮することで、メチル4-アミノ-1-イソプロピル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(94)(1.4g、81%の収率)を茶色固形物として得た。MS(ESI)m/z 184.20[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 7.05(s,1H),5.30-5.15(m,1H),4.99(s,2H),3.79(s,3H),1.31(d,J=6.8Hz,6H)。
【0277】
メチル4-アミノ-1-イソプロピル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(94)(1.4g、7.64mmol)のn-ブタノール(80mL)撹拌溶液に、DIPEA(6.65mL、38.2mmol)、ホルムアミジンアセテート(874.9mg、8.40mmol)を室温で添加した。反応混合物を110℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に降温し、沈殿した固形物を濾別した。固形化合物をジエチルエーテルでトリチュレートすることで、1-イソプロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(95)(1.0g、73%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 179.18[M+H]
【0278】
1-イソプロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(95)(1g、5.61mmol)のDMF(10mL)撹拌溶液に、NBS(2.19g、12.34mmol)を室温で添加した。反応混合物を80℃で12時間撹拌した。反応混合物を室温に降温し、冷水でクエンチし、沈殿した固形物を濾別した。固形物を真空下で乾燥させることで、3-ブロモ-1-イソプロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(96)(700mg、49%)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 257.21[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 12.51(s,1H),7.92(s,1H),5.40-5.30(m,1H),4.87(s,2H),1.47(d,J=6.8Hz,6H)。
【0279】
3-ブロモ-1-イソプロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(96)(500mg、1.94mmol)のDMF(10mL)撹拌溶液に、KCO(803.1mg、5.82mmol)、続いて2-クロロ-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(60)(423mg、1.94mmol)を室温で添加した。反応混合物を60℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、EtOAc(250mLで2回)で抽出した。組み合わせた有機質層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を100~200のシリカ上でフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製することで、2-(3-ブロモ-1-イソプロピル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(97)(350mg、41%の収率)をオフホワイト固形物として得た。MS(ESI)m/z 438.28[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 10.57(brs,1H),8.24(s,1H),7.54(d,J=10.8Hz,1H),7.26(d,J=8.8Hz,1H),7.15(d,J=8.8Hz,1H),5.40-5.30(m,1H),4.87(s,2H),3.80(s,3H),1.45(d,J=6.8Hz,6H)。
【0280】
2-(3-ブロモ-1-イソプロピル-7-オキソ-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)アセトアミド(97)(330mg、0.752mmol)のジオキサン(6mL)脱気(アルゴン)溶液に、CsCO(735mg、2.25mmol)、Pd(dba)(68mg、0.075mmol)、Xantphos(43mg、0.075mmol)、および5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン(181mg、1.12mmol)を室温で添加した。溶液を再び15分間脱気し、反応混合物をマイクロウェーブ中、100℃で3時間加温した。反応混合物を室温に降温し、セライトパッドに通して濾過した。セライトパッドをCHCl中の5%MeOHで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製することで、N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-2-(1-イソプロピル-7-オキソ-3-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-6-イル)アセトアミド(98)(74mg、19%)を淡黄色固形物として得た。MS(ESI)m/z 519.17[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 10.49(s,1H),9.46(s,1H),8.16(s,1H),7.70(d,J=8.8Hz,2H),7.57(d,J=8.8Hz,2H),7.53(s,1H),7.27(d,J=8.8Hz,1H),7.14(t,J=9.2Hz,1H),5.40-5.30(m,1H),4.87(s,2H),3.80(s,3H),1.47(d,J=6.8Hz,6H)。
【0281】
実施例35:SF-1 Lucアッセイ
ベクター構築:pFA-CMVベクター(Stratagene、カリフォルニア州ラ・ホーヤ)によってコードされた酵母菌転写因子Gal4のDNA結合ドメイン(DBD)を有するフレーム中で、いずれかのヒトSF-1(aa198-462)リガンド結合ドメイン(LBD)をコードするポリメラーゼ連鎖反応フラグメントをクローニングすることによって、pGal4DBD_SF-1LBDを生成した。SF-1(aa198-462)は、Invitrogenが発現させた配列タグクローン(カリフォルニア州サンディエゴ)から増幅させた。プライマーGATCGGATCCCCGGAGCCTTATGCCAGCCC(フォワード)およびGATCTCTAGATCAAGTCTGCTTGGCTTGCAGCATTTCGATGAG(リバース)によって導入されたBamHIおよびXbaIの部位を、アンプリコンをpFA-CMVにサブクローニングするために使用した。
【0282】
細胞培養および一過性トランスフェクションの条件:K1サブタイプ(American Type Culture Collection、ヴァージニア州マナッサス)のチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、T-175フラスコ(Corning Life Sciences、マサチューセッツ州アクトン)の中、37℃、5%CO、95%相対湿度で、10%(v/v)のウシ胎仔血清(Gemini Bio-products、カリフォルニア州ウエストサクラメント)および1%(v/v)ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco)を補足させたHam’s F-12培地(Gibco、カリフォルニア州カールスバード)において成長させた。細胞を1:10から1:20まで分割することによって、細胞を慣例的に培養した。トランスフェクションの前日、細胞をPBSですすぎ、0.25%トリプシン-EDTA溶液(Gibco)でトリプシン処理し、次いで6×10個のCHO-K1細胞を、上述のように補足された20mLのHam’s F-12培地を包含するT-175フラスコ中に蒔いた。細胞を37℃、5%CO2、および95%相対湿度(RH)で、一晩インキュベートした。翌日、製造業者のプロトコル(Mirus Bioproducts、ウィスコンシン州マディソン)に従い、54μLのTransIT-CHO試薬および9μLのTransIT-CHO Mojo試薬を含有する1.2mLのHam’s F-12培地中、9μgのpG5luc(Promega、ウィスコンシン州マディソン)および8.75μgの空pcDNA3.1(Invitrogen)と組み合わせた、250ngのpGal4DBD_SF-1LBDプラスミドまたは125ngのpGal4DBD_RORALBDのいずれかを用いて、CHO-K1細胞を一過的に同時トランスフェクトした。次いで、トランスフェクトされた細胞を包含するフラスコを、37℃、5%CO、および95%相対湿度で、インキュベータの中に戻した。トランスフェクションの4時間後、補足されたHam’s F-12培地中、1.6×10個の細胞/mlの濃度で、細胞をトリプシン処理し、懸濁した。
【0283】
アッセイ:収集した細胞を培養培地に再懸濁し、8,000個の細胞/50μL/ウェルで384ウェルの白色プレート(Corning Life Sciences、マサチューセッツ州アクトン)に播種した。384プレートを室温で1時間インキュベートし、次いでさらに37℃、5%COで3時間インキュベートした。被験物質溶液を384プレートに添加し、37℃、6%COで40時間インキュベートした。
【0284】
細胞生存率は、Resazurinを用いた蛍光方法によって試験した。被験物質溶液でトランスフェクトされたCHO細胞をインキュベートした後、20μmol/L Resazurin溶液10μLを、384ウェルのプレートに添加した。次いで、蛍光を直ちに615nmで測定し、励起波長は570nmであった(読出し0時間)。37℃、6%COで2時間インキュベートした後、蛍光を615nmで測定し、励起波長は再び570nmであった(読出し2時間)。蛍光数(2時間-0時間)は、読出し2時間から読出し0時間を控除することによって算出した。
【0285】
SF-1転写活性の測定:SteadyLite Plus HTS Reporter Gene Assay Systemを用いて、SF-1転写活性を細胞内Luc活性として検出した。細胞生存率の測定後、384ウェルのプレート中の培養培地を完全に除去した。次いで、Luc基質溶液30μLを各ウェルに添加し、室温で10分間インキュベートした。インキュベーション後、各ウェルのルミネセンスをマイクロプレートリーダによって測定した。
【0286】
細胞生存率(%)の算出:細胞生存率(%)を、次の方程式により算出した:
方程式:細胞生存率(%)=(A/B)×100
A:被験物質群における平均の蛍光数(2時間-0時間)
B:ビヒクル群における平均の蛍光数(2時間-0時間)
【0287】
SF-1転写活性(対照の%)の算出:転写活性に関する対照の%を、次の方程式により算出した:
方程式:対照の%=A/B×100
A:GAL4-SF-1プラスミドでトランスフェクトされる、被験物質で処置したCHO細胞のルミネセンス数
B:GAL4-SF-1プラスミドでトランスフェクトされる、ビヒクルで処置したCHO細胞のルミネセンス数
【0288】
EC50の算出:半数最大効果濃度(EC50)を、Collaborative Drug Discovery Inc.(CDD)の埋設ソフトウェアによって算出した。化合物の効力を表1に示す:
【0289】
【表1】
【0290】
実施例36:SF-1アンタゴニストに対するR2C増殖アッセイ
SF-1は、成人ライディッヒ細胞中での前駆細胞の形成と生存を調節する。SF-1+ラットライディッヒ腫瘍細胞株であるR2Cを用いた、SF-1アンタゴニストの抗増殖作用を調べた。細胞定着後に蛍光的にタグ付けされ得るヌクレオシドアナログであるEdUのDNA組込みを検出することによって、細胞増殖を測定した。
【0291】
方法
ラットライディッヒ腫瘍細胞株R2C(ATCC(登録商標)CCL-97(商標))の増殖を、細胞定着後に蛍光的にタグ付けされ得る、DNA合成中に組み込まれるヌクレオシドアナログである5-エチニル-2’-デオキシウリジン(EdU)を用いて評価した。タンパク質合成阻害剤であるシクロヘキシミドを、本アッセイの陽性対照として使用した。
【0292】
American Type Culture Collection(ATCC)提供のプロトコルに従い、R2C細胞を維持する。アッセイに際して、培養培地(2%FBSおよび1%ペニシリン-ストレプトマイシンを補足させたF12培地)により、R2C細胞を100万個の細胞/mLに希釈し、細胞懸濁液50uLを、384ウェルの底が透明なプレートの各ウェルに蒔いた。湿気のある37℃、6%COの雰囲気下、アッセイプレートを24時間インキュベートした。次いで、連続希釈されたSF-1アンタゴニスト、シクロヘキシミド、またはビヒクル(DMSO)を、R2C細胞に適用し、湿気のある37℃、6%COの雰囲気下で2日間インキュベートした。EdU(Invitrogen)を5μMの最終濃度で細胞に添加して、さらに16時間インキュベートし、その後、細胞を10%ホルマリンで固定した。
【0293】
次いで、室温で1時間、0.5%TritonX-100/PBS溶液で細胞を洗浄し、透過処理した。アジドとアルキンとの間で銅(I)触媒クリック反応を用いて、6-FAMアジド(Lumiprobe)でEdUを標識することによって、EdUの導入を検出した。反応混合物は、PBS緩衝液に溶解した、5mMアスコルビン酸、1mM CuSO4、1μM 6-FAMアジドからなる。EnVision 2104 Multimode Plate Readerを用いて、蛍光シグナルを検出した。データの正規化では、DMSOウェルの平均蛍光を100%として定め、10μMシクロヘキシミドウェルの平均蛍光を0%として定めた。曲線当てはめ、およびEC50の決定は、可変勾配のシグモイド用量応答分析を用いて行った。
【0294】
様々な培地および試薬の調製
R2C培地の調製
【0295】
調製方法:ウマ血清(Invitrogen)92mL、ウシ胎仔血清15.5mL、およびペニシリン(10,000単位/mL)ストレプトマイシン(10mg/mL)溶液6.1mLを、Ham’s F-12培地(Invitrogen)500mLに添加することにより、培養培地を調製した。培地を冷蔵庫(4℃に設定)に保管し、調製の1か月以内に使用した。
【0296】
R2C播種培地(plating medium)の調製
【0297】
調製方法:ウシ胎仔血清10mL、およびペニシリン(10,000単位/mL)ストレプトマイシン(10mg/mL)溶液5.1mLを、Ham’s F-12培地500mLに添加することにより、培養培地を調製した。培地を冷蔵庫(4℃に設定)に保管し、調製の1か月以内に使用した。
【0298】
R2C娘プレート培地の調製
【0299】
調製方法:ウシ胎仔血清50mL、およびペニシリン(10,000単位/mL)ストレプトマイシン(10mg/mL)溶液5.5mLを、Ham’s F-12培地500mLに添加することにより、培養培地を調製した。培地を冷蔵庫(4℃に設定)に保管し、調製の1か月以内に使用した。
【0300】
シクロヘキシミド(陽性対照)溶液の調製
【0301】
調製方法:シクロヘキシミドをDMSOに溶解し、5mmol/Lの濃度とした。5mmol/L溶液を20倍希釈してR2C娘プレート培地に入れることで、娘プレートを得た。次いで、娘プレートをアッセイプレートに添加し、最終試験条件を得た。
【0302】
被験物質溶液の調製
【0303】
調製方法:被験物質をDMSOに溶解し、10mmol/Lの濃度とした。10mmol/LをさらにDMSO中で希釈し、256μmol/Lの濃度とした。10mmol/Lおよび/または256μmol/Lの溶液を、2.5倍に希釈してビヒクルに入れ、10点希釈を得た。これらの溶液を20倍希釈してR2C娘プレート培地に入れることで、連続希釈された被験物質の娘プレートを得た。次いで、娘プレートをアッセイプレートに添加し、最終試験条件を得た。
【0304】
EdU播種溶液の調製
【0305】
調製方法:EdUをDMSOに溶解して、濃度30mmol/LのEdUストック溶液を得た。30mmol/LのEdUストック溶液を冷凍装置(-20℃に設定)に保管した。使用時に、25μLの30mM EdUストック溶液を25mLのR2C播種培地に添加することで、EdU播種溶液を得た。
【0306】
6-FAMアジド溶液の調製
【0307】
調製方法:6-FAMアジドをDMSOに溶解し、30mmol/Lの濃度とした。30mmol/Lのストック溶液をさらに1mmol/Lに希釈して、希釈標準液(working solution)を得た。
【0308】
25mLの2倍マウント混合溶液(mounting mix solution)の調製
【0309】
調製方法:アスコルビン酸をPBSに溶解し、1mol/Lの濃度とした。硫化銅(II)を水に溶解して、0.2mol/Lの濃度とした。1:24.4mLのPBS、2:0.25mLの1Mアスコルビン酸溶液、3:0.25mLの0.2M CuSO溶液、4:0.05mLの1mM 6-FAMアジドDMSO溶液を添加することによって、25mLの2倍マウント混合溶液を調製した。この2倍マウント混合溶液は、調製時に使用した。
【0310】
Hoechst33258染色溶液
【0311】
調製方法:アスコルビン酸をPBSに溶解し、1mol/Lの濃度とした。硫化銅(II)を水に溶解して、0.2mol/Lの濃度とした。1:24.4mLのPBS、2:0.25mLの1Mアスコルビン酸溶液、3:0.25mLの0.2M CuSO溶液、4:0.05mLの1mM 6-FAMアジドDMSO溶液を添加することによって、25mLの2倍マウント混合溶液を調製した。この2倍マウント混合溶液は、調製時に使用した。
【0312】
試験手順
【0313】
被験物質によるR2C細胞のインキュベーション
【0314】
R2C細胞を、R2C培養培地中で慣例的に培養した。SF-1アンタゴニスト阻害活性を分析するために、R2C細胞をR2C播種培地に再懸濁し、20,000個の細胞/50μL/ウェルで、384ウェルの底が透明な黒色プレートに播種した。384プレートを37℃、6%COで24時間インキュベートすることで、アッセイプレートへの細胞付着を可能とした。次いで、連続希釈された被験物質溶液、シクロヘキシミド陽性対照溶液、またはビヒクル溶液を、384プレートに添加し、37℃、6%COで2日間インキュベートした。次いで、10μLのEdU播種溶液を、アッセイプレートの各ウェルに分注し、37℃、6%COで2日間インキュベートした。
【0315】
R2C細胞増殖の測定
【0316】
蛍光標識されたEdUを検出することにより、R2C増殖を測定した。60μLの10%ホルマリンを各ウェルに分注することによってR2Cアッセイプレートを固定し、オービタルシェーカ上、室温で1時間、プレートをインキュベートした。プレートを80μLのPBSで3回洗浄し、オービタルシェーカ上、室温で1時間、100μLのPBS-0.5%TritonX-100により処理することによって、細胞を透過処理した。プレートを80μLのPBSで3回洗浄し、最後の洗浄後、25μLのPBSを各ウェルに分注した。次いで、25μLの2倍マウント混合溶液を、固定された細胞の各ウェルに添加し、オービタルシェーカ上、暗所の中、プレートを室温で30分間インキュベートした。細胞を80μLのPBSで3回洗浄し、最後の洗浄後、25μLのPBSを各ウェルに分注した。次いで、25μLのHoechst33258染色溶液を、固定された細胞の各ウェルに添加し、オービタルシェーカ上、暗所の中、プレートを室温で30分間インキュベートした。細胞を80μLのPBSで3回洗浄し、最後の洗浄後、50μLのPBSを各ウェルに分注した。アッセイプレートをアルミホイルで密封し、Envisionマイクロプレートリーダを用いて蛍光を測定した。
【0317】
R2C増殖活性(対照の%)の算出
【0318】
増殖活性に関する対照の%を、次の方程式により算出した:
方程式:対照の%=100×(A-C)/(B-C)
A:被験物質で処理したR2C細胞の蛍光数
B:ビヒクルで処理したR2C細胞の蛍光数
C:10μMのシクロヘキシミドで処理したR2C細胞の蛍光数
【0319】
EC50の算出:半数最大効果濃度(EC50)を、Collaborative Drug Discovery Inc.(CDD)の埋設ソフトウェアによって算出した。化合物の効力を表2に示す:
【0320】
【表2】
【国際調査報告】