(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-14
(54)【発明の名称】建築モジュール及びその製造技術
(51)【国際特許分類】
E04B 2/86 20060101AFI20240307BHJP
E04B 1/35 20060101ALI20240307BHJP
E04G 21/22 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
E04B2/86 601A
E04B1/35 L
E04B2/86 611N
E04B2/86 611G
E04G21/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023542920
(86)(22)【出願日】2022-01-25
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 AU2022050032
(87)【国際公開番号】W WO2022155711
(87)【国際公開日】2022-07-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523267678
【氏名又は名称】アースビルト テクノロジー ピーティーワイ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EARTHBUILT TECHNOLOGY PTY LTD
【住所又は居所原語表記】1 Glenview Street Paddington, New South Wales 2021 (AU)
(74)【代理人】
【識別番号】100135194
【氏名又は名称】田中 智雄
(72)【発明者】
【氏名】ゴレンビエフスキー ジャン
【テーマコード(参考)】
2E174
【Fターム(参考)】
2E174BA02
2E174DA53
(57)【要約】
本発明は、構造物の建設に使用される建築モジュールに関する。建築モジュールは、布地シート、充填材、および保持手段を含む。布地シートは、充填材の周囲に巻き付けられ、充填材の上に折り目を形成し、ラップの折り目の縁部は保持手段によって所定の位置に保持される。ラップを上方から連続的に充填することで、一連の困難で労働集約的な工程ではなく、連続的で簡素化された方法で建築モジュールを作ることができる。その結果、構造物を迅速かつ費用効果の高い方法で建設することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地シート(2)と充填材(3)とを備える建築モジュール(1)であって、前記建築モジュール(1)がさらに、
保持手段(4)を備え、前記布地シート(2)が前記充填材(3)の周囲に巻き付いて、前記充填材(3)の上に折り目を形成し、ラップの折り目の重なり合う縁部(5)が前記保持手段(4)によって保持され、前記保持手段(4)が、
ピン、有刺鉄線、ステープル、杭、スパイク、ペグ、ステッチ、接着剤、この建物モジュールの上に保持される別の建物モジュールのうちの一つまたは複数から構成され、
ピン、有刺鉄線、ステープル、杭、スパイク、ペグ、ステッチが、前記ラップに貼付され、そして2つの前記縁部(5)を貫通し、前記接着剤が前記ラップの2つの前記縁部(5)の間に設けられている建築モジュール(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の建築モジュール(1)であって、前記布地シート(2)は、合成素材、天然繊維素材、またはそれらの組み合わせで作られている。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建築モジュール(1)であって、前記充填材料(3)は、砂、シルト、粘土、砂利、その他の種類の土質材料、有機材料、リサイクル廃棄物、結合剤、またはそれらの組み合わせから選択される。
【請求項4】
請求項3に記載の建築モジュール(1)であって、前記結合剤は、石灰、粘土、セメント、タンパク質、石膏、繊維、のり、またはそれらの組み合わせから選択される。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の建築モジュール(1)であって、前記ラップ内の前記充填物(3)が圧縮(compress)または圧縮(compact)される。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の建築モジュール(1)であって、前記布地シート(2)は前記縁部(5)を有し、前記縁部(5)は折り畳まれ、前記充填材の上に重ねられ、前記布地の一方の端部が他方の端部の上に重ねられる。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の建築モジュール(1)であって、
一つ以上の布地シート(2)を備え、
第2の布地シート(2)の縁部が第1の布地シート(2)の一端に巻き付けられ、前記第1の布地シート(2)および前記第1の布地シート(2)の両方が前記充填材(3)に巻き付けられ、前記ラップの1つまたは複数の縁部(5)が前記保持手段(4)によって保持される。
【請求項8】
請求項1に記載の建築モジュール(1)であって、前記布地シート(2)は、前記充填材料(3)の周囲を螺旋状に巻き、これにより、折り目が螺旋のターンの周りに前記充填材料(3)の上に連続的に形成され、重なり合う前記縁部(5)が螺旋の連続するターンの間に形成される。
【請求項9】
建築モジュールを製造する方法であって、
布地シート(2)を広げる工程、
充填材(3)を圧縮する工程、
前記布地シート(2)の一方の面を前記布地シートの長さ方向に沿って別の面に折り曲げて、前記布地シート(2)を圧縮された前記充填材(3)の上に巻き付ける工程、及び
前記布地シートの包みをしっかりと保持するための保持手段(4)を提供する工程、
を備える。
【請求項10】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の建築モジュール(1)を製造するための装置(10)であって、
上部開口部を有する上部及び底部開口部を有する底部とからなり、前記充填材(3)が前記上部開口部及び前記底部開口部を介して前記布地シート(2)上に充填される充填手段(8)と、
前記充填材(3)又は前記充填材(3)と前記結合剤との複合体が前記布地シート(2)上に配置されるときに、前記布地シート(2)の縁部を互いに折り重ねる折り畳み手段(11)と、
を備える。
【請求項11】
請求項10に記載の装置(10)であって、
前記折り畳み手段(11)は、2つの壁(12a、12b)を有し、前記充填手段(8)は間隙を残して前記折り畳み手段(11)の前記壁(12a、12b)の間で摺動可能であり、これにより前記布地シート(2)の側面が前記間隙を通過する。
【請求項12】
請求項11に記載の装置(10)であって、
前記折り畳み手段(11)の前記壁(12a、12b)が、前記建築モジュール(1)のベースまたは前のコース上を摺動可能である。
【請求項13】
請求項11に記載の装置(10)であって、
前記折り畳み手段(11)の前記壁(12a、12b)に結合された一対以上のガイド手段(13)を備え、これにより前記装置(10)が前記建築モジュール(1)のベースまたは前のコースの上に直接容易に配置可能である。
【請求項14】
請求項10乃至13の何れか一項に記載の装置(10)であって、
前記保持手段(11)は、2つのフランジ(14a、14b)を備え、それにより前記装置(10)に配置されたときの前記布地シート(2)の縁部(5)が、各フランジ(14a,14b)に機能的に結合され、前記フランジ(14a、14b)の前部が、前記布地シート(2)を広げるように広がっており、前記フランジ(14a、14b)の中間部は上方に曲げられ、前記充填材(3)を収容して圧縮するために前記布地シート(2)に結合し、前記フランジ(14a、14b)の後部が、前記布地シート(2)の縁部(5)に依然として機能的に結合されたまま、再度、折り曲げられて互いに平行になり、前記充填材(3)の上に前記布地シート(2)の折り目を完成させる。
【請求項15】
請求項10乃至14の何れか一項に記載の装置(10)であって、
前記充填材(3)が前記充填手段(8)を介して前記布地シート(2)上に配置されるときに、前記充填材(3)を圧縮する圧縮手段(9)を備える。
【請求項16】
請求項15に記載の装置(10)であって、
前記圧縮手段(9)は、前記充填材(3)が前記充填手段(8)を介して前記布地シート(2)上に配置されるときに、前記充填材(3)を上方から圧縮する1つまたは複数の圧縮ローラ(15)を備える。
【請求項17】
請求項15に記載の装置(10)であって、
前記圧縮手段(9)は、前記充填材(3)が前記充填手段(8)を介して前記布地シート(2)上に配置されるときに上方から圧縮する1つまたは複数の振動コンパクタを備える。
【請求項18】
請求項10に記載の装置(10)であって、
有刺鉄線(8)の前記ピン(7)またはスパイクを貫通させ、前記ピン(7)またはスパイクを布地層に埋め込み、なおかつ前の建築モジュールの後続のコースを保持するために十分に突出させるための1つまたは複数の溝(18)を有する挟持ローラ(17)を備える。
【請求項19】
請求項18に記載の装置(10)であって、
前記有刺鉄線(6)の前記ピン(7)またはスパイクが前記布地シート(2)の側面に埋め込まれるとき、前記布地シート(2)の側面が、前記フランジ(14a、14b)によって、前記フランジ(14a、14b)の構造的相関関係により、前記布地シート(2)を前記充填材(3)の周りに、および互いの上に折り畳むように向けられ、前記有刺鉄線(6)の前記ピン(7)またはスパイクが、前記装置(10)が移動するときに作られた折り目の上に埋め込まれる。
【請求項20】
請求項18または19に記載の装置(10)であって、
前記ピン(7)または前記有刺鉄線(6)を保持し、前記挟持ローラ(17)に機能的に結合されたスプール(19)を備え、これにより前記装置(10)が移動すると、前記スプール(19)が前記ピン(7)または前記有刺鉄線(6)を供給し、一組の前記挟持ローラ(17)によって前記布地シート(2)に連続的に取り付けられる。
【請求項21】
請求項18乃至20の何れか一項に記載の装置(10)であって、
前記布地シート(2)を保持し、前記挟持ローラ(17)に機能的に結合されているシートホルダ(20)を備え、前記装置(10)が移動すると、前記シートホルダ(20)が布地シート(2)上を前記挟持ローラ(17)まで通過する。
【発明の詳細な説明】
【優先権の詳細】
【0001】
本出願は、2021年1月25日にインドで出願された202141003403の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は一般に建築構造分野に関する。より具体的には、本発明は建築材料および建築方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、建築にはコストと手間と時間がかかる。それゆえ、より効率的で、労働集約的なプロセスを減らし、より安価な建築資材や工法が必要とされている。
【0004】
伝統的に、土嚢はいくつかの構造物を建設するために使用されてきたが、これらの構造物は通常、一時的なものに過ぎなかった。土嚢を使うことには欠点がある。第一に、土嚢は引っ張り強度が低いため、土嚢を使った構造物は重要でないものになりがちである。第二に、土嚢は劣化しやすいため、恒久的な構造物としては実用的ではない。
【0005】
構造物を構築する先進的な方法は、米国特許第5,934,027号に開示されているように、「有刺鉄線を組み合わせた従来の袋」を使用することである。この方法では通常、標準サイズの袋の一端から充填し、水平に並べて圧縮する。充填物は通常、砂だけでなく、より凝集性の高い複合材料である。この材料は、セメントや石灰で安定化されることもある。袋の両端に折り目があり、土砂を封じ込める開放端の布製チューブであることもある。この方法では、長い袋の使用も開示されている。コースとコースの間には、引っ張り強度とせん断力を与えるために有刺鉄線が使われることもある。この工法に先立ち、またそれ以降も、土嚢や同様の技術はダム、堤防、要塞、擁壁、排水システム、その他の仮設建築物の建設に使われてきた。この進歩により、特に壁、丸天井、キューポラ、アーチ、ドームを作るという国内規模の建築技術が可能になった。この方法には、使用する袋をあまり長く連続させることができないという限界がある。たとえ袋がどうにか長くなったとしても、均等に充填するのは困難であり、さらに長さが増すと、充填とコースの設定に手間がかかるようになる。このような制約があるため、構造物を作るプロセスは難しく、ミスを犯しやすく、時間がかかる。
【0006】
したがって、建設をより速く、より簡単に、より安くするための技術を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、布地シート、充填材および保持手段を含む、構造物の構築に使用される建築モジュールに関する。
【0008】
布地シートは、充填材の周囲に巻き付いて充填材の上に折り目を形成し、ラップの折り目の端部は保持手段によって所定の位置に保持される。このラップを上方から連続的に充填することで、機能的には従来と変わらない建築モジュールを作ることができるということは、建築の工程を、困難で労働集約的な一連の工程としてではなく、連続的かつ容易に行えることを意味する。これによって、構造物を迅速かつ費用効果の高い方法で建設することが可能になる。
【0009】
本発明の建築モジュールの一実施形態によれば、布地シートは、合成材料、天然繊維材料、またはそれらの組み合わせで作られている。このような布地シートは、建築モジュールに長寿命をもたらし、充填材に引張強度と凝集性を付加するための補強となり、したがって、使用される構造物により良い支持を提供する。
【0010】
建築モジュールの別の実施形態によれば、充填材料は、砂、シルト、粘土、砂利、他の種類の土質材料、有機材料、再生廃棄物、結合剤、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つの複合材料である。充填材の様々な組み合わせは、異なる目的を果たす。粘土やその他の結合材は、微粒子同士を接着させるため、凝集力を高めるのに有用である。他の骨材(シルト、砂、砂利)は、粘土が反応しすぎる(湿度が高いと膨張し、乾燥すると収縮する)のを防ぐ。砂と砂利は圧縮強度も加える。セメントと石灰は、恒久的で防水性のある凝集力を加える。一般的に、有機材料は、接着剤や引張強度を向上させる繊維として機能する場合を除き、建築に使用されることはない。一方、プランタや擁壁など、植物が生育できるような盛り土をする場合は、また別の目的で有機材料を使用することもある。
【0011】
建築モジュールのさらに別の実施形態によれば、建築モジュールは接合剤を含む。接合剤は、石灰、粘土、セメント、タンパク質、石膏、繊維、接着剤のうちの少なくとも1つ、またはそれらの組み合わせを含む。
【0012】
建築モジュールの一実施形態によれば、ラップ内部の充填材が圧縮(compressed)されまたは圧縮(compacted)される。これは、建築モジュールを安定させるのに役立ち、それが使用される構造物に安定性をさらに提供する。
【0013】
建築モジュールの別の実施形態によれば、布地シートは、布地の一方の縁部が他方の縁部の上に折り重ねられて、充填材の上にある縁部を有する。このような建築モジュールの製造方法は、建築モジュールを長尺(連続的)にし、上方から充填可能にし、連続的な機械工程を使用して製造しやすくするのに役立つ。
【0014】
建築モジュールのさらに別の実施形態によれば、保持手段は、ステッチ手段、接着剤、ピン止め手段の少なくとも1つ、またはこのモジュールの上に後続の建築モジュールによって及ぼされる質量から、またはこれらの組み合わせである。ステッチ手段とピン止め手段は、ラップに貼り付けられ、両方の層を貫通する。接着剤が使用される場合は、ラップの2つの層の間に設けられる。このような保持手段は、建築業者に多用途性をもたらし、建築モジュールをより早く完成させる簡単な方法を提供する。
【0015】
本発明の建築モジュールの一実施形態によれば、建築モジュールを布地シートの切断長さを超えて延長する必要がある場合、第1の布地シートの一端に第2の布地シートの始端が一体に巻き付けられるように、追加の布地シートを追加することができる。第一の布地シートと第二の布地シートの両方が充填材を包み込み、少なくとも一方の包み込みの端部が保持手段によって保持される。この実施形態は、モジュールが布地シートの長さによって制限されないように、建物モジュールを拡張するのに役立つ。
【0016】
建築モジュールのさらに別の実施形態によれば、布地シートは、螺旋の各ターンについて充填材料の周りに折り目が形成され、ラップの折り目の縁部が螺旋の実質的に連続する各ターンに沿って重なるように、螺旋構成で充填材料の周りに巻かれる。折り目は建築モジュールの軸に対して斜めに走り、重なり合う縁部は建築モジュールの軸に対して斜めに走り、保持手段は布地シートの軸および重なり合う縁部に対して斜めに走る。
【0017】
本発明の別の態様は、様々な工程を含む建築モジュールの製造方法に関する。第1に、建築モジュールからなるベースまたは先行コース上に布地シートを広げる。第2に、複合充填材を、フォームに充填する。フォームは底部に開口部を有する容器であってもよい。第3に、圧縮手段を通して充填材を上部から圧縮する。第4に、布地シートの一方の側をシートの長さに沿って折り畳み、もう一方の側を折り畳み、コースが完成したら両端を折り畳むことによって、布地シートを圧縮された材料に巻き付ける。第5に、布地シートの包みをしっかりと保持する保持手段を設ける。この方法は、手作業、半機械化された方法、あるいは標準型枠や特注の機械を使って完全に機械化された方法で実施することができる。
【0018】
本発明の別の態様は、建築モジュールを製造するための装置に関する。この装置は、充填手段と折り畳み手段とを含む。充填手段は、上部開口部を有する上部部品と、底部開口部を有する底部部品とを含み、上部開口部を通して、複合充填材料が、底部開口部を通して、布地シートの上に充填されるようになっている。折り畳み手段は、充填材料が布地シートの所定の位置に置かれると、布地シートの縁部を互いに折り重ねる。このような装置は、建築モジュールの製造工程を機械化するのに役立ち、モジュールの製造をより迅速かつ安定的に行うことができる。
【0019】
本装置の一実施形態によれば、折り畳み手段は2つの壁を有し、充填手段が壁の折り畳み手段の間を摺動できるようにするために、布地シートの側面が間隙を通過できるように間隙を残すようになっている。この実施形態は、充填材の充填とシートの折り畳みをほぼ同時に行う効率的な機構をさらに提供し、工程をさらに自動化し、建築モジュールの製造時間を短縮する。これにより、長尺の布地シートの取り扱いが容易になり、建築モジュールの製作に手間がかからなくなる。
【0020】
本装置の別の実施形態によれば、折り畳み手段の壁が、建築モジュールのベースまたは前のコースの上で摺動可能である。これにより、建築モジュールの前のコース上に装置を容易に配置することができる。
【0021】
本装置のさらに別の実施形態によれば、本装置は、折り畳み手段の壁に結合された一対以上のガイド手段を含み、これにより、本装置を建築モジュールのベースまたは前のコースの上に直接容易に配置することができる。ガイド手段は、建築モジュールの前のコースの上に直接装置を配置することをさらに簡単にする。
【0022】
本装置の一実施形態によれば、折り畳み手段は2つのフランジを含み、本装置に配置されたときの布地シートの側縁部が各フランジに機能的に結合されるようになっている。フランジの前部は、布地シートの広がりを可能にするために広がっている。中間部では、フランジは上方に曲げられており(それでも布地シートと結合している)、充填材を受け入れて収容するための形を作り、圧縮を可能にする。フランジの後部は、まだ機能的に布地シートの縁部に結合しており、再び折り曲げられて互いに実質的に平行になり、充填物の上に布地シートの折り目を完成させる。このようなフランジは、布地シートの縁部の折り畳みの自動化を促進し、人手を介さずに工程を行うことができる。
これにより、建築モジュールの製造工程がより機械化しやすくなる。
【0023】
本装置の別の実施形態によれば、本装置は、充填材料が充填手段を介して布地シート上に配置されると、充填材料を圧縮する圧縮手段を含む。圧縮手段は、充填材料を圧縮するステップを機械化し、これにより、人の介入の必要性をさらに低減し、したがって、モジュールを構築するプロセスをさらに連続的、自動的、かつ高速にする。
【0024】
本装置のさらに別の実施形態によれば、圧縮手段は、充填材が充填手段を介して布地シート上に配置されると、充填材を上方から圧縮するための1つまたは複数の圧縮ローラを含む。ローラは、ローラに圧力を加え、その上を転がすことによって充填材料を圧縮するために使用され、充填複合体を圧縮する簡単な機構である。
【0025】
本装置の他の実施形態では、圧縮手段は、充填材料が充填手段を介して布地シートの上に配置されると、充填材料を圧縮するための1つ以上の振動コンパクタを含む。振動コンパクタは軽量であり、動力を有するが、充填材料を圧縮するためのより良い方法である。
【0026】
本装置のさらに別の実施形態によれば、本装置は、布地シートの端部を折り返してラップを形成した後、ラップを封止するために使用される保持手段を含む。この封止は、接着剤、ピン止め手段、ステッチ手段、またはそれらの組み合わせを使用して行われる。ステッチ手段とピン止め手段は、ラップの両方の折り目を貫通する。接着剤はラップの折り目の間に設けられる。この実施形態は、特定の使用者や用途の要求に応じて使用できる保持手段の様々な選択肢を提供する。
【0027】
本装置の一実施形態によれば、ピン止め機構は、帯状のピンまたは有刺鉄線のスパイクが通過し、布層を貫通し、ピンまたはスパイクを埋め込み、なおかつ建築モジュールの後続のコースを保持するために十分に突出することを可能にする溝を有するピン止めローラを含む。
【0028】
本装置の別の実施形態によれば、ピン止め手段が、2つの広がったフランジの縁部の軌道に取り付けられ、有刺鉄線のピンまたはスパイクが布地シートの縁部に埋め込まれるので、布地シートが効果的に保持され、方向付けられる。前部ではフランジが広がって布地を広げることができ、中間部ではフランジが上方に曲げられて充填物の受け入れと圧縮を可能にし、後部ではフランジが互いに折り重なって実質的に平行になり、折り目を完成させ、最後にピンまたは有刺鉄線を布地シートの反対側に埋め込んで装置を進行させる。
【0029】
本装置のさらに別の実施形態によれば、本装置は、ピン止め機構または有刺鉄線を保持する1つまたは複数のスプールを含み、ピン止めローラに機能的に結合されており、本装置が移動すると、スプールがピンまたは有刺鉄線を供給して、ローラによって布帛シートに連続的に取り付けられるようになっている。
【0030】
本装置の一実施形態によれば、本装置は、布地シートを保持し、挟持ローラに機能的に結合されたシートホルダを含み、本装置が移動するとき、シートホルダが布地シート上を挟持ローラまで通過するようになっている。
【図面の説明】
【0031】
次に、本発明の実施形態を図に関連して説明する。
図1は、構造体を形成するために互いに重ねて配置された建物モジュールのセットを示す断面図である。
図2は、構造物を形成するために、有刺鉄線を互いに重ねて配置した建物モジュールのセットを示す断面図である。
図3は、建物モジュールを製造する手作業方法を示す図である。
図4は、建物モジュールを製造する半自動装置を示す図である。
図5は、建物モジュールを製造するための完全に機械化可能な装置を示す図である。
図6は、保持手段が2つのローラから敷設された有刺鉄線として設けられている、建築モジュールを製造するための完全に機械化可能な装置を示す。
図7は、建築モジュールの別の実施形態を示す図であり、布地が充填材に螺旋状に巻き付けられている。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0032】
以下、本発明の原理の理解を促進する目的で、図面に示された実施形態を参照し、具体的な言葉を用いて説明する。それにもかかわらず、それによって本発明の範囲を限定することは意図されていないことが理解されよう。図示されたシステムにおけるそのような変更およびさらなる修正、ならびに当業者に通常生じるであろう本発明の原理のそのようなさらなる適用は、本発明の範囲内にあるものと解釈される。
【0033】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、本発明の例示および説明であり、その制限を意図するものではないことが当業者には理解されよう。
【0034】
''comprises"、"comprising"、またはその他の変形という用語は、非排他的な包含を意図しており、ステップのリストから構成されるプロセスまたは方法は、それらのステップのみを含むのではなく、明示的に列挙されていない、またはそのようなプロセスまたは方法に固有の他のステップを含むことがある。同様に、"comprises... a “の前に1つ以上のサブシステムまたは要素、構造または構成要素があっても、それ以上の制約がなければ、他のサブシステム、要素、構造、構成要素、追加のサブシステム、追加の要素、追加の構造または追加の構成要素の存在を排除するものではない。本明細書を通じて「一実施形態において」、「別の実施形態において」、および同様の表現が出現する場合、すべてが同じ実施形態を指す可能性があるが、必ずしもそうではない。
【0035】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で提供されるシステム、方法、および実施例は、例示に過ぎず、限定を意図するものではない。
【0036】
本発明の提案技術では、布地シートの両側を折り込み、後続のコースの下に保持することで、袋ではなく「ラップ」を作る。これらのラップは、あらゆる種類の構造物を構築するための基本的な構築モジュールである。これらのラップは、有刺鉄線、ピン、ステープル、杭などで固定したり、後続のコースの圧力で固定したりすることができる。この技術により、従来は袋の端から端まで均等に充填しなければならなかったため、長さに実用的な限界があったコースを、無限に長く、あるいは連続的にすることができる。この技術によって、現場での連続的で、より簡単で、より均等な充填が可能になり、その結果、より早く、より安く、より良い施工が可能になる。この新しい技術は、先行技術のすべての利点を備えているが、そのプロセスにおける不満はない。重要なことは、この技術は、直線的で連続的な工程を可能にする機械や単純な可動フォームを採用することが容易であるため、自動化や機械化をよりよく可能にするということである。先行技術では、袋の端と中央を均等に充填することが難しいため、そのような機械化ができないことに注目すべきである。また、袋を充填するには何らかの方法で毛羽立たせ、充填が進むにつれて毛羽立たせなければならない。このため、シングルバッグ/ブソワールの長さには実際的な制限がある。この提案された技術では、同じ問題は存在しない。
【0037】
図1および
図2は、互いに重ねて配置された例示的な建物モジュール1の断面図である。
図2の建物モジュール1には、建物モジュールを確実に閉じるために、建物モジュールを固定するための有刺鉄線もあり、また、構造体に強度を与えるためにモジュール同士を結合している。
図1では、モジュール1に後続する建物が、その下の建物モジュール1に圧力を加え、建物モジュールを包み続けるための折り目を保持する抵抗を与えている。
図1または
図2の例示的なモジュールのいずれかを使用することができるが、
図2のような有刺鉄線を有する建物モジュール1は、有刺鉄線が単にラップを保持するだけでなく、建物モジュール1間の結合を提供し、また、布地シートを製造装置に機能的に結合するために採用することもできるため、決定的な利点を有する。
【0038】
これらの建築モジュール1は布地シート2でできており、布地シート2は充填材3の周囲に巻き付けられて充填材3の上に折り目を形成し、ラップの折り目の端部5はさらに保持手段4によって保持される。
図1の例示的な建築モジュール1における保持手段4は、後続の建築モジュール1によって加えられる圧力であり、
図2の例示的な実施形態では有刺鉄線6である。
【0039】
布地シート2は縁部5を有し、縁部5が折り畳まれて充填材の上に重ねられ、布地の一方の縁部が他方の縁部の上に重ねられる。また、ラップ内の充填材3は、建築モジュール1に安定性を与えるために圧縮または圧縮される。
【0040】
布地シートは、合成素材でも天然繊維素材でもよい。合成素材と天然繊維素材の複合素材も使用できる。合成素材は、プラスチック、ポリエチレン、グラスファイバや金属糸などの合成繊維のいずれでもよい。環境に優しい方法で構造物を土に戻すことが求められるシナリオでは、天然繊維が好まれる。そのような天然繊維素材の好例のひとつがヘシアン(麻/バーラップ)である。レンダリングすると永久的なものとなり、レンダリングしないまま放置したり、レンダリングが崩れたりすると、土の中で腐敗してしまうため、型枠や支保工、ダムなどの仮設構造物には最適である。なお、任意の他の繊維素材を使用することも可能だが、その場合は引張強度が必要である。
【0041】
保持手段4は、ステッチ手段であっても、接着剤であっても、ピン止め手段であっても、このモジュールの上に保持される他の構築モジュールであってもよく、保持手段4を任意に組み合わせることにより、ラップの保持能力をさらに強化することができる。ステッチ手段とピン止め手段は、
図2の有刺鉄線で示すように、ラップに貼り付けられ、両層を貫通している。接着剤はラップの2つの層の間に設けられ、2つの層を結合する。接着剤は、コース/モジュール/ブソワール間にも使用できる。
【0042】
充填材料は、砂、シルト、粘土、砂利、他のタイプの土質材料、有機材料、リサイクル廃棄物、結合剤、およびこれらのタイプの充填材料の任意の組み合わせとすることができる。1つの例示的な実施態様では、壁の場合、25%の砂、25%の粘土、25%のシルトおよび25%の砂利の配合が理想的である。いくつかの他の実施態様では、セメントを含む混合物を充填材3に使用することができる。各充填材は、さらに言及される独自の有用性および利点を有することに留意されたい。粘土、接着剤、タンパク質、石灰、繊維およびセメントは、微粒子同士を接着するため、凝集性を付与する。他の骨材(シルト、砂、砂利)は、粘土が反応しすぎる(湿度が高いと膨張し、乾燥すると収縮する)のを防ぐ。砂と砂利は圧縮強度を高める。セメントと石灰は、永久的で防水性のある凝集力を加える。有機材料は、構造物が無常なものでない限り避けられるが、引っ張り強度を増すのに有効である。例えば、繊維(わら、籾殻、刻んだ布)は、太古の昔から土造りに使われてきた。
【0043】
接着剤には、石灰、粘土、セメント、タンパク質、石膏、繊維、接着剤、またはこれらの接着剤の組み合わせがある。接着剤は恒久的な凝集力を与える。固まるとラップをブロックに変える。これらの材料の中には、鉱物の土(粘土や石灰など)に自然に含まれているものもあり、プロフィールを「適切」にするために土を調整する必要がある場合もある。つまり、特殊な土や薬剤を加えたり、ふるいにかけたりする必要がある。土の建築業界では、炭素排出量が比較的多く、コストがかかり、工業的な工程が必要になるため、純粋主義者はセメントのような化学的な不純物を避けたがる。しかし、技術者や当局は、技術に安全係数を追加するため、セメントを好む傾向がある。
【0044】
建物モジュール1は、無限に長くすることができる。壁が角丸であったり、ある種のドームであったりする場合は、壁よりもさらに長くなる。
【0045】
一実施形態では、建物モジュール1は、追加の布地シート2を追加することによって、第1の布地シート2の切断長を超えて拡張することができる。第一の布地シートの終端近くで、第二の布地シートが始まり、第一の布地シートと一体であるかのように巻き付けられる。第一の布地シートと第二の布地シートは共に充填材を包み込み、少なくとも一方の包み込みの端部は保持手段によって保持される。この実施形態は、モジュールが布地シートの長さによって制限されないように、建物モジュールを拡張するのに役立つ。シートの長さに制限されない。
【0046】
図3は、手作業による建築モジュールの製造方法を示している。これは、既存の建築モジュール1のコース、地面、床、または基礎の上に布地シート2を敷くことを含む。連続した製品を提供するために、シートが連続している必要はない。一枚のシートが終わると、別のシートがそれに重なって継続することができる。底のない容器8がコースの上に置かれる。容器は土や砂などの充填材3で満たされる。中詰材は、タンパ、コンパクタ、振動、あるいは流体の添加などの圧縮手段9を用いて、構造的に満足できるレベルまで圧縮される。圧縮機/コンプレッサとしての流体の一例は水であり、凝集成分がセメント、石灰または他の水活性媒体である場合には、どのような場合でも添加する必要がある。第一シート端5を折り込み、次に第二シート端5を折り込み、ラップをピン7で固定する。縁部を保持するための他の保持手段としては、スパイク、ペグ、有刺鉄線、接着剤、ステッチなどがある。その後、容器8を手前に引いて工程を進める。
【0047】
本発明の技術は、完全機械化装置または半機械化装置によって実施することができる。この装置は、充填手段と折り畳み手段とを含むことができる。充填手段は、上部開口部を有する上部と、底部開口部を有する底部とを含む。上部開口部を通して、充填材料または充填材料と接合剤との複合体が、底部開口部を通して布地シートに充填される。折り畳み手段は、充填材料または充填材料と接合剤との複合体(使用される場合)が布地シートの上に配置されるときに、布地シートの縁部を互いに折り重ねる。充填材を圧縮し、折り目を保持するために繊維シートの縁部を互いに重ねて固定するためのさらなる手順は、手動で、またはさらなる機械化を用いて実施することができる。
【0048】
別の実施形態では、この装置は圧縮手段も備えており、この圧縮手段は、充填材料が充填手段を介して布地シート上に配置されるときに、充填材料を圧縮する。
【0049】
一実施形態では、装置はまた、布地シートの折り畳み端部によって形成されたラップを封止するように適合された保持手段を備える。封止は、接着剤、ピン止め手段またはステッチ手段、またはそれらの組み合わせを使用して行われる。ステッチ手段とピン止め手段は、ラップの端に貼り付けられ、両端を貫通し、接着剤はラップの両端の間に設けられる。
【0050】
図4は、建築モジュール1の製造に使用される例示的な半機械化装置10を示している。装置10は、充填手段である容器8を備えている。この容器は、上部開口部を有する上部と、底部開口部を有する底部とを有する。上部開口部を通して、充填材料が底部開口部から布地シートに充填される。装置10はまた、2つの壁12a、12bを有する折り畳み手段11を有する。これらの壁12a、12bにより、充填手段8は、布地シート2の側面が通過できるように狭い間隙を残して壁12a、12bの間を摺動することができる。壁12a、12bは折り重なり、折り畳み手段11となる。折り畳み手段11は、建築モジュール1のベースまたは前のコースの上を摺動可能である。折り畳み手段11は、折り畳み手段11の壁12a、12bに結合された一対以上のガイド手段13を含むこともあり、装置1 0を建築モジュール1のベースまたは前のコースの上に直接容易に配置することができる。代替の実施形態では、壁12a、12bは、前のコース上で摺動可能である必要はなく、むしろ、壁12a、12bは、建物モジュールまたは基礎のうちの1つの前のコース上に配置され、そのようなシナリオでは、装置の使用者は、適切に装置を配置して建物モジュールを作成するために移動させるために技術を適用しなければならない。一実施形態では、ガイド手段13は設けられておらず、使用者は、建物モジュール1の基礎または前のコースの上に装置10を配置するために自分の技能を使用しなければならない。
【0051】
図5は、建物モジュール1の製造に使用される完全に機械化された装置10を示している。装置10は、前部において伸ばされたフランジ14a、14bを有している。これらのフランジ14a、14bは、中央で上向きになり、後部で互いに重なり合う。装置10は、中間部および後部において底がない。装置10の前部は基本的に水平面である。これは、布地シート2を広げると同時に、有刺鉄線6の棒を布地シート2の縁部5に押し込んで、フランジ14a、14bで把持できるようにする。フランジマシンの中間部(次の部分)では、フランジ14a、14bが上向きになる(ここには底はなく、伸ばした布地シート2だけである)。この開いたU字型は、上記の充填手段の容器のように振る舞い、充填材料3を便利かつ均一に充填することを可能にする。充填材3は、布地シート2のU字形に注入され、その後、圧縮ローラ15を使用して、上方およびフランジ14a、14bから側方の両方から直ちに圧縮することができる。フランジ14a、14b、およびそれらに伴うシートの縁部5が互いに折り重なり、その時点でピン押しローラ21が有刺鉄線6を布地シート2の反対側の折り目(1つは下に、もう1つは上に)を通して押し、それによって布ラップが圧縮された充填物の周囲で、前のコースまたはベースの真上に固定される。
【0052】
充填材を圧縮するために、充填材3が布地シート2上に配置されるときに充填材3を上方から圧縮する圧縮ローラ15が設けられる。別の実施形態では、充填剤を圧縮するために、振動機構によって充填剤を圧縮する1つまたは複数の振動コンパクタを設けることができる。圧縮ローラ15は重量が重く、さらにバネ荷重を有することができる。
【0053】
装置10はまた、有刺鉄線6のバーブを通過させ、バーブを布層に突き刺して埋め込み、なおかつ前の建築モジュール1の後続のコースを保持するために十分に突出させる1つ以上の溝18を有する挟持ローラ17を含む。
【0054】
この装置は、有刺鉄線6を保持し、挟持ローラ17に機能的に結合された1つ以上のスプール19をさらに含み、装置10が移動するとき、スプール19が有刺鉄線6を供給して、一組の挟持ローラ17によって布地シート2に連続的に取り付けられるようになっている。
【0055】
装置はまた、布地シート2を保持し、挟持ローラ17に機能的に結合されたシートホルダ20を含み、装置1 0が移動するとき、シートホルダ20が布地シート2上を挟持ローラ17まで通過するようになっている。
【0056】
充填は、付属または別個の装置を使って行うことができる。充填は、シャベル、バケツ、または他の手動装置を使って人が手動で行うことができる。しかし、装置を完全に自動化するには、材料ホッパの下からコンベヤを走らせるのが良い解決策となる。あるいは、充填物をホッパから直接落下させることもできる。
【0057】
装置10は、外部推進機構によって動かすことができる。前記外部推進機構が接続されるカップリング16が、装置10に設けられている。
【0058】
本発明の別の実施形態によれば、充填材(3)の周囲に螺旋状に巻かれた布地シート(2)からなり、保持手段(4)によって所定位置に保持された建築モジュール(1)が提供される。充填材(3)の周囲には、螺旋の各ターンについて折り目が形成される。ラップの折り目の縁部(5)は、保持手段(4)によって所定の位置に保持されているように、実質的に螺旋の連続する各ターンに沿って重なっている。
【0059】
従って、折り目が建築モジュール(1)の軸線に対して斜めに走り、重なり合う縁部(5)が建築モジュール(1)の軸線に対して斜めに走り、保持手段(4)が布地シート(2)の軸線及び重なり合う縁部(5)に対して斜めに走る建築モジュール(1)が提供される。
【0060】
本発明で使用するラップ技術は、ある種のレンダで仕上げた方が堅牢である、 プラスチックや天然繊維は、紫外線(太陽光線)や火災、物理的な損傷によって劣化する可能性があるからである。UVにはペンキ、火災にはコーティングが有効だが、レンダが最適である。仮設の壁には、防火のため以外にはレンダは必要ない。
【0061】
モジュールは、建築物、景観、緊急構造物、その他多くの種類の構造物など、様々な種類の構造物を形成するために使用することができる。建築構造物の例としては、壁、グランドスラブ、ドーム、キューポラ、丸天井、アーチなどがある。景観用途の例としては、擁壁、仮設擁壁、段々畑、プランタ、フェンス・塀、堤防、ダム、防潮堤、灌漑用水路、防風林、砂防、土壌安定化構造物、ガビオンの代用構造物、プラント・トレイル(有機質の土にあらかじめセットを混ぜ込んでおき、布を「通気性」または有機質にするもの)などがある。緊急用構造物の例としては、防火堤や洪水堤がある。その他の構造物としては、貯水タンク、サイロ、浄化システム、月面や他の固体惑星での建設、(カウンターウェイトなどのための)安価な質量などがある。
【符号の一覧】
【0062】
1 建物モジュール
2 布地シート
3 充填材
4 保持手段
5 ラップの縁部
6 有刺鉄線
7 ピン
8 容器、充填手段
9 圧縮手段
10 装置
11 折り畳み手段
12a、12b 折り畳み手段の壁
13 ガイド手段
14a、14b フランジ
15 圧縮ローラ
16 外部推進機構用のカップリング
17 挟持ローラ
18 挟持ローラの溝
19 スプール
20 シートホルダ
21 ピン押しローラ
【手続補正書】
【提出日】2023-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地シート(2)と、充填材(3)と、保持手段(4)と、を備える建築モジュール(1)であって、
前記布地シート(2)が前記充填材(3)の周囲に巻き付いて、前記充填材(3)の上に折り目を形成し、ラップの折り目の重なり合う縁部(5)が前記保持手段(4)によって所定の位置に保持され、
前記保持手段(4)が、
前記ラップに貼付された、ピン、有刺鉄線、ステープル、杭、スパイク、ペグまたはステッチ、
前記ラップの折り目の隣接する重なり合う縁部(5)の間に設けられた接着剤、および
前記建築モジュールの上に保持されるさらなる建築モジュールのうちの一つまたは複数から構成され、
前記建築モジュールは、前記充填材を前記布地シートの上に配置し、圧縮手段を用いて前記充填材を圧縮した後、圧縮された前記充填材の周囲に前記布地シートを巻き付け、形成された前記折り目の重なり合う縁部に前記保持手段を適用することによって形成される。
【請求項2】
請求項1に記載の建築モジュール(1)であって、前記布地シート(2)は、合成素材、天然繊維素材、またはそれらの組み合わせで作られている。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建築モジュール(1)であって、前記充填材料(3)は、砂、シルト、粘土、砂利、その他の種類の土質材料、有機材料、リサイクル廃棄物、またはそれらの組み合わせから選択される。
【請求項4】
請求項3に記載の建築モジュール(1)であって、
前記充填材料が、さらに、石灰、粘土、セメント、タンパク質、石膏、繊維もしくは接着剤からなる結合材、またはそれらの組み合わせを備える。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の建築モジュール(1)であって、
一つ以上の布地シート(2)を備え、
第2の布地シート(2)の縁部が第1の布地シート(2)の一端に巻き付けられ、前記第1の布地シート(2)および前記第1の布地シート(2)の両方が前記充填材(3)に巻き付けられ、前記ラップの1つまたは複数の縁部(5)が前記保持手段(4)によって保持される。
【請求項6】
請求項1に記載の建築モジュール(1)であって、前記布地シート(2)は、前記充填材料(3)の周囲を螺旋状に巻き、これにより、折り目が螺旋のターンの周りに前記充填材料(3)の上に連続的に形成され、重なり合う前記縁部(5)が螺旋の連続するターンの間に形成される。
【請求項7】
建築モジュールを製造する方法であって、
布地シート(2)を広げる工程、
広げた布地シート(2)の上に充填材(3)を置く工程、
前記充填材(3)を圧縮する工程、
前記布地シート(2)の一方の面を前記布地シートの長さ方向に沿って別の面に折り曲げて、前記布地シート(2)を前記充填材(3)の上に巻き付ける工程、及び
前記布地シートの包みをしっかりと保持するための保持手段(4)を提供する工程、
を備える。
【請求項8】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の建築モジュール(1)を製造するための装置(10)であって、
上部開口部を有する上部及び底部開口部を有する底部とを備える充填手段(8)を備え、前記充填手段(8)は、前記充填材(3)を前記上部開口部を介して受け取り、受け取った前記充填材(3)を前記底部開口部を介して前記装置(10)の下に配置された前記布地シート(2)上に吐出するように配置され、
前記布地シート(2)の上に配置されたときに、前記布地シート(2)の縁を互いに折り重ねるように適合された折り畳み手段(11)を備え、
前記装置(10)は、前記充填手段(8)と前記折り畳み手段(11)との間で前記充填材(3)に圧縮手段を適用できるように適合されている。
【請求項9】
請求項8に記載の装置(10)であって、
前記折り畳み手段(11)は、2つの壁(12a、12b)を有し、前記充填手段(8)は間隙を残して前記壁(12a、12b)の間で摺動可能であり、
前記充填手段と前記壁(12a、12b)との間の間隙は、前記布地シートの側面がそこを通過するように、前記布地シート(2)の側面を受け入れるように適合されている。
【請求項10】
請求項9に記載の装置(10)であって、
前記折り畳み手段(11)の前記壁(12a、12b)が、さらに、ベースまたは更なる建築モジュールの上を摺動可能に適合されており、前記装置(10)により製造される前記建築モジュール(1)が、それぞれ、前記ベースまたは更なる前記建築モジュールの上に製造されるようになっている。
【請求項11】
請求項9に記載の装置(10)であって、
さらに、前記折り畳み手段(11)の前記壁(12a、12b)に結合された一対以上のガイド手段(13)を備え、前記ガイド手段(13)は、前記装置(10)が前記ベースまたは更なる建築モジュールの上に直接配置可能にする。
【請求項12】
請求項8乃至11の何れか一項に記載の装置(10)であって、
前記折り畳み手段(11)は、前記布地シート(2)の側の縁部(5)を受けるように適合され、前記縁部に結合される、2つのフランジ(14a、14b)を備え、
前記フランジ(14a、14b)の各々の前部が、前記フランジに結合された縁部(5)の各々が前記前部に近づいたときに広がるように広がっており、
前記フランジ(14a、14b)の中間部が、前記布地シート(2)が前記充填材を受け入れ収容し、前記中間部に近づいたときに、その圧縮を可能にする形状に成形されるように、上方に曲げられており、
前記フランジ(14a、14b)の後部が、他方のフランジと平行になるように成形され、前記フランジに結合された縁部(5)が、前記後部に近づいたときに前記縁部(5)が重なり合った状態で折り目を形成するように仕向けられる。
【請求項13】
請求項8乃至12の何れか一項に記載の装置(10)であって、
前記充填材(3)が前記充填手段(8)を介して前記布地シート(2)上に配置されるときに、前記充填材(3)を圧縮する圧縮手段(9)を備える。
【請求項14】
請求項13に記載の装置(10)であって、
前記圧縮手段(9)は、前記充填材(3)が前記充填手段(8)を介して前記布地シート(2)上に配置されるときに、前記充填材(3)を上方から圧縮する1つまたは複数の圧縮ローラ(15)を備える。
【請求項15】
請求項13に記載の装置(10)であって、
前記圧縮手段(9)は、前記充填材(3)が前記充填手段(8)を介して前記布地シート(2)上に配置されるときに上方から圧縮する1つまたは複数の振動コンパクタを備える。
【請求項16】
請求項13に記載の装置(10)であって、
有刺鉄線(8)の前記ピン(7)またはスパイクを貫通させ、前記ピン(7)またはスパイクを布地層に埋め込み、なおかつ前の建築モジュールの後続のコースを保持するために十分に突出させるための1つまたは複数の溝(18)を有する挟持ローラ(17)を備える。
【請求項17】
請求項16に記載の装置(10)であって、
前記有刺鉄線(6)の前記ピン(7)またはスパイクが前記布地シート(2)の側面に埋め込まれるとき、前記布地シート(2)の側面が、前記フランジ(14a、14b)によって、前記フランジ(14a、14b)の構造的相関関係により、前記布地シート(2)を前記充填材(3)の周りに、および互いの上に折り畳むように向けられ、前記有刺鉄線(6)の前記ピン(7)またはスパイクが、前記装置(10)が移動するときに作られた折り目の上に埋め込まれる。
【請求項18】
請求項16または17に記載の装置(10)であって、
前記ピン(7)または前記有刺鉄線(6)を保持し、前記挟持ローラ(17)に機能的に結合されたスプール(19)を備え、これにより前記装置(10)が移動すると、前記スプール(19)が前記ピン(7)または前記有刺鉄線(6)を供給し、一組の前記挟持ローラ(17)によって前記布地シート(2)に連続的に取り付けられる。
【請求項19】
請求項16乃至18の何れか一項に記載の装置(10)であって、
前記布地シート(2)を保持し、前記挟持ローラ(17)に機能的に結合されているシートホルダ(20)を備え、前記装置(10)が移動すると、前記シートホルダ(20)が布地シート(2)上を前記挟持ローラ(17)まで通過する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】