(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-14
(54)【発明の名称】ノズル、搬送器、ノズルアセンブリ、およびサンプル処理器
(51)【国際特許分類】
G01N 15/1409 20240101AFI20240307BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
G01N15/1409
G01N1/00 101B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544286
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 CN2022073351
(87)【国際公開番号】W WO2022156791
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】202110089276.1
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521273743
【氏名又は名称】ベックマン コールター バイオテクノロジー (スージョウ) カンパニー, リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510005889
【氏名又は名称】ベックマン コールター, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Beckman Coulter, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 S. Kraemer Boulevard, Brea, CA 92821, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シ, ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウー, ジンジャン
(72)【発明者】
【氏名】ショルツ, アーウィン
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA28
2G052AB16
2G052AD15
2G052AD35
2G052BA02
2G052BA14
2G052CA08
2G052CA18
2G052CA28
2G052CA31
2G052CA33
2G052DA09
2G052DA22
2G052GA09
2G052HA12
2G052HA19
2G052HC02
2G052HC07
2G052HC32
2G052JA07
2G052JA09
(57)【要約】
本開示は、サンプル処理器のためのノズル、サンプル処理器のためのノズルの搬送器、サンプル処理器のためのノズルアセンブリ、およびサンプル処理器に関する。ノズルは、本体と、オリフィスとを含む。本体は、搬送器内に装填され、保持されるように適合される。搬送器は、取外可能な様式においてサンプル処理器の中に摺動可能に挿入されることができる。オリフィスが、本体内に提供され、所定のモードにおいて注入器本体からサンプルを注入するように構成される。本体の端部表面が、サンプル注入方向に沿って、注入器本体の端部表面に対して当接するように適合される。本開示によるノズルアセンブリおよびサンプル処理器は、上記に説明されるノズルと、搬送器とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル処理器のためのノズルであって、
搬送器内に装填および保持されるように適合される本体であって、前記搬送器は、取外可能な様式において前記サンプル処理器の中に摺動可能に挿入される、本体と、
前記本体の端部表面内に提供され、所定のモードにおいて注入器本体からサンプルを注入するように構成されるオリフィスと
を備え、
前記本体の端部表面は、サンプル注入方向に沿って前記注入器本体の端部表面に対して当接するように適合される、ノズル。
【請求項2】
前記本体は、取外可能な様式において前記搬送器の中に装填されるように構成される、請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記搬送器と係合された陥凹またはタブが、前記本体の外周面上の対向位置に提供される、請求項2に記載のノズル。
【請求項4】
前記本体の端部表面は、前記オリフィスの周囲にシール部材を収容するための溝を具備する、請求項1-3のいずれか1項に記載のノズル。
【請求項5】
サンプル処理器のためのノズルの搬送器であって、
前記ノズルを収容するための収容部分を具備する基部を備え、前記基部は、前記ノズルの端部表面がサンプル注入方向に沿って注入器本体の端部表面に対して当接するように、取外可能な様式において前記サンプル処理器の中に挿入されるように構成される、搬送器。
【請求項6】
前記収容部分は、伸長貫通孔を備え、前記伸長貫通孔は、前記ノズルを装填するための大きいサイズの部分と、前記ノズルを保持するための小さいサイズの部分とを備える、請求項5に記載の搬送器。
【請求項7】
前記基部に対して摺動することが可能である摺動部材と、
前記摺動部材を前記小さいサイズの部分に向かって付勢する付勢部材と
をさらに備える、請求項6に記載の搬送器。
【請求項8】
前記摺動部材の端部表面は、前記ノズルの外周面に合致する形状を有する、請求項7に記載の搬送器。
【請求項9】
前記摺動部材は、前記サンプル処理器の位置決め部材のV字形状スロットと係合されるように、前記端部表面に向かってテーパ状になる端部を有する、請求項8に記載の搬送器。
【請求項10】
前記基部の対向側縁上に提供される切り欠きをさらに備え、前記切り欠きは、前記搬送器が定位置に挿入されると、前記位置決め部材の突出部を受容するように構成されている、請求項5-9のいずれか1項に記載の搬送器。
【請求項11】
前記切り欠きから前記基部の挿入端部に向かって延在する傾斜表面が、前記基部の上側表面上に提供され、前記傾斜表面は、前記位置決め部材の突出部を前記切り欠きの中に摺動するように誘導するように適合される、請求項10に記載の搬送器。
【請求項12】
前記基部の少なくとも一部を被覆するように構成されるカバーをさらに備える、請求項5-9のいずれか1項に記載の搬送器。
【請求項13】
前記基部の下側表面上に、かつ前記基部の挿入端部に隣接して提供される突出部をさらに備える、請求項5-9のいずれか1項に記載の搬送器。
【請求項14】
定位置に挿入されると前記搬送器を係止する被係止部材をさらに備える、請求項5-9のいずれか1項に記載の搬送器。
【請求項15】
サンプル処理器のためのノズルアセンブリであって、請求項1-4のいずれか1項に記載のノズルおよび/または請求項5-14のいずれか1項に記載の搬送器を備える、ノズルアセンブリ。
【請求項16】
サンプル処理器であって、
フレームと、
サンプルおよびシース流体を受容し、前記フレームに固定されるように構成される注入器本体と、
前記注入器本体の出口に位置し、所定のモードにおいて前記注入器本体内に前記サンプルを注入するためのオリフィスを有するノズルと、
前記ノズルを装填および保持するように適合された搬送器であって、前記搬送器は、前記ノズルの端部表面がサンプル注入方向に沿って前記注入器本体の端部表面に対して当接するように、取外可能な様式において前記フレームの中に摺動可能に挿入されるように構成される、搬送器と
を備える、サンプル処理器。
【請求項17】
前記ノズルは、前記搬送器内に取外可能に装填される、請求項16に記載のサンプル処理器。
【請求項18】
前記搬送器は、挿入端部を有する基部を備え、前記基部は、伸長貫通孔を具備し、前記伸長貫通孔は、前記ノズルを装填するための大きいサイズの部分と、前記ノズルを保持するための小さいサイズの部分とを備える、請求項17に記載のサンプル処理器。
【請求項19】
前記搬送器の小さいサイズの部分の対向縁と係合される陥凹が、前記ノズルの外周面の対向位置に提供される、請求項18に記載のサンプル処理器。
【請求項20】
前記搬送器はさらに、
前記基部に対して摺動することが可能である摺動部材と、
前記摺動部材を前記小さいサイズの部分に向かって付勢する付勢部材と
を備える、請求項18に記載のサンプル処理器。
【請求項21】
前記摺動部材の端部表面は、前記ノズルの外周面に合致する形状を有する、請求項20に記載のサンプル処理器。
【請求項22】
前記サンプル処理器はさらに、前記ノズルを位置決めするための位置決め部材を備え、前記位置決め部材は、前記フレームに固定され、V字形状スロットを有し、前記V字形状スロットの底部は、前記ノズルの外周面に合致する形状を有し、
前記摺動部材は、前記位置決め部材のV字形状スロットと係合されるように、その前記端部表面に向かってテーパ状になる端部を有する、
請求項21に記載のサンプル処理器。
【請求項23】
前記ノズルは、円筒形であり、
前記ノズルの外周面の曲率は、前記V字形状スロットの底部のものおよび前記摺動部材の前記端部表面のものを上回る、
請求項22に記載のサンプル処理器。
【請求項24】
相互に面する前記位置決め部材および前記基部の表面のうちの一方が、突出部を具備し、
相互に面する前記位置決め部材および前記基部の表面のうちの他方が、前記搬送器が定位置に挿入されると、前記突出部を受容するための切り欠きを具備する、
請求項22に記載のサンプル処理器。
【請求項25】
傾斜表面が、前記切り欠きの片側に提供され、前記傾斜表面は、前記突出部を前記切り欠きの中に摺動するように誘導するように適合される、請求項24に記載のサンプル処理器。
【請求項26】
前記搬送器はさらに、前記基部および前記摺動部材の少なくとも一部を被覆するように構成されるカバーを備える、請求項20に記載のサンプル処理器。
【請求項27】
前記基部を支持するための支持部材をさらに備える、請求項18に記載のサンプル処理器。
【請求項28】
前記支持部材は、前記フレームに固定される固定された部分と、前記固定された部分に対して可動である可動部分とを備え、
前記基部は、定位置に挿入されると、前記可動部分によって支持され、付勢部材が、前記固定された部分と前記可動部分との間に提供され、前記付勢部材は、前記可動部分を前記ノズルに向かって付勢する、
請求項27に記載のサンプル処理器。
【請求項29】
前記可動部分は、前記基部を支持するための中側平坦表面と、前記基部の挿入方向において前記中側平坦表面の対向側に位置する下向き傾斜表面とを備え、
前記基部は、前記支持部材に面する前記表面上の前記挿入端部に隣接する突出部を具備し、
前記下向き傾斜表面は、前記突出部の摺動を誘導するように適合される、
請求項28に記載のサンプル処理器。
【請求項30】
前記突出部の突出高は、前記ノズルが前記搬送器の中に装填されると、前記搬送器から突出する前記ノズルの対応する部分の高さを上回るまたはそれに等しい、請求項29に記載のサンプル処理器。
【請求項31】
前記オリフィスは、前記ノズルの一端部表面内に軸方向に沿って提供され、前記端部表面は、前記オリフィスの周囲にシール部材を収容するための溝を具備する、請求項16-30のいずれか1項に記載のサンプル処理器。
【請求項32】
係止位置と係止解除位置との間で移動することが可能である係止部材をさらに備え、
前記搬送器は、被係止部材を備え、
前記係止部材は、前記被係止部材が前記係止位置において移動しないように防止し、前記被係止部材が前記係止解除位置において移動することを可能にするように構成される、
請求項16-30のいずれか1項に記載のサンプル処理器。
【請求項33】
前記係止部材は、枢軸を介して前記フレームに回転可能に配設され、
前記被係止部材は、ピンである、
請求項32に記載のサンプル処理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サンプル処理器のためのノズルと、ノズル、例えば、フローセル選別器または分析器を含む、サンプル処理器とに関する。
【背景技術】
【0002】
本節の内容は、本開示に関連する背景情報を提供するにすぎず、必ずしも先行技術を成すわけではない。
【0003】
サンプル処理器は、多くの場合、ミクロソームまたは細胞等のサンプルを検出、分析、および/または選別するために使用される。サンプル処理器は、流体システムと、ノズルシステムと、サンプル処理システムとを含む。ノズルシステムは、その中に、例えば、流体システムによって供給されるシース流体およびサンプルが集められる、注入器本体と、例えば、単列配列様式において注入器本体内にサンプルを注入するための、ノズルとを含む。サンプルは、ノズルシステムを通して流動する間、またはその後に、サンプル処理システムによって処理(例えば、検出、分析、および/または選別)される。
【0004】
ノズルは、通常、サンプルのサイズに応じて、50~200μmのオリフィスを有する。サンプル処理器の動作の間に、ノズルのオリフィスが、多くの場合、サンプルによって閉塞される。本瞬間において、ノズルは、分解、洗浄、または交換される必要がある。しかしながら、いくつかの既存のサンプル処理器では、ノズルおよび注入器本体は、ともに成型され、そのため、ノズルシステム全体が、ノズルが洗浄または交換され得る前に除去される必要がある。いくつかの既存のサンプル処理器では、ノズルは、例えば、ねじ山付き様式において、注入器本体内に嵌合される。ノズルが、再配設または交換された後、依然として、大きい位置逸脱が、存在し、これは、サンプル処理の結果に影響を及ぼすであろう。
【0005】
したがって、ノズルシステム全体またはノズルを再配設または交換した後、その周辺デバイス(例えば、光学デバイス、電子デバイス、または機械的デバイス)は、例えば、流体を再度安定させ(例えば、それから脱泡し)、光学経路を再整合させるように調節される必要がある。このように、ノズルアセンブリの分解および再組立は、非常に複雑であり、時間がかかるであろう。加えて、ノズルシステム全体またはノズルを再配設または交換するとき、汚染のリスクを生じさせやすい。
【0006】
したがって、当技術分野では、分解、洗浄、および組み立てるために便宜的であるノズルを含む、サンプル処理器を提供することが、望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本節は、本開示の全範囲または本開示の全ての特徴の包括的開示ではなく、本開示の一般的概要を提供する。
【0008】
本開示の目的は、注入器本体から独立して分解および組み立てられ得る、サンプル処理器のためのノズルを提供することである。
【0009】
本開示の別の目的は、ノズルの分解および組立を促進する、補助デバイス、例えば、ノズルを搬送するための搬送器、ノズルを位置決めするための位置決め部材、ノズルを支持し、ノズルを注入器本体に向かって付勢するための支持部材等を提供することである。
【0010】
本開示のさらに別の目的は、分解、洗浄、および組み立てるために便宜的であるノズルを含む、サンプル処理器を提供することである。
【0011】
本開示のある側面によると、サンプル処理器のためのノズルが、提供される。ノズルは、本体と、オリフィスとを含む。本体は、搬送器内に装填および保持されるように適合される。搬送器は、取外可能な様式においてサンプル処理器の中に摺動可能に挿入されることができる。オリフィスが、本体の端部表面内に提供され、所定のモードにおいて注入器本体からサンプルを注入するように構成される。本体の端部表面は、サンプル注入方向に沿って注入器本体の端部表面に対して当接するように適合される。
【0012】
本開示のノズルによると、搬送器の助けを借りて、ノズルを再配設するときの種々の調節動作が省略され、それによって、ノズルを再配設するプロセスを簡略化し得るように、ノズルをノズルの上流の注入器本体(例えば、透明な管)に配設することは、必要ではない。ノズルの上流の透明な管は、光透過性光学要素である。本発明のノズルは、透明な管と端間において接続されるため、透明な管に対するいかなる修正を行う必要も、存在せず、そのため、コストが、有意に低減されることができる。加えて、本開示によるノズルは、サンプル注入方向に沿って注入器本体の端部表面に対して当接し、そのため、注入器本体(例えば、透明な管)の中心軸位置は、逸脱せず、したがって、光学経路検出等に及ぼす悪影響が、引き起こされることはないであろう。
【0013】
本開示によるいくつかの実施例では、本体は、取外可能な様式において搬送器の中に装填されるように構成される。
【0014】
本開示によるいくつかの実施例では、搬送器と係合された陥凹またはタブが、本体の外周面上の対向位置に提供される。
【0015】
本開示によるいくつかの実施例では、本体の端部表面は、オリフィスの周囲にシール部材を収容するための溝を具備する。
【0016】
本開示の別の側面によると、サンプル処理器のためのノズルの搬送器が、提供される。搬送器は、基部を含む。基部は、ノズルを収容するための収容部分を具備し、ノズルの端部表面がサンプル注入方向に沿って注入器本体の端部表面に対して当接するように、独立して取外可能な様式においてサンプル処理器の中に挿入されるように構成される。
【0017】
本開示の搬送器の助けを借りて、ノズルを再配設するときの種々の調節動作が省略され、それによって、ノズルを再配設するプロセスを簡略化し得るように、ノズルをノズルの上流の注入器本体(例えば、透明な管)に配設することは、必要ではない。加えて、本開示の搬送器によると、ノズルは、サンプル注入方向に沿って注入器本体の端部表面に対して当接し、そのため、ノズルは、注入器本体(例えば、透明な管)の中心軸位置から逸脱せず、したがって、光学経路検出等に悪影響を及ぼすことはないであろう。
【0018】
本開示によるいくつかの実施例では、収容部分は、伸長貫通孔を含み、伸長貫通孔は、ノズルを装填するための大きいサイズの部分と、ノズルを保持するための小さいサイズの部分とを含む。
【0019】
本開示によるいくつかの実施例では、搬送器はさらに、基部に対して摺動することが可能である、摺動部材と、摺動部材を小さいサイズの部分に向かって付勢する、付勢部材とを含む。
【0020】
本開示によるいくつかの実施例では、摺動部材の端部表面は、ノズルの外周面に合致する形状を有する。
【0021】
本開示によるいくつかの実施例では、摺動部材は、サンプル処理器の位置決め部材のV字形状スロットと係合されるように、端部表面に向かってテーパ状になる、端部を有する。
【0022】
本開示によるいくつかの実施例では、搬送器はさらに、基部の対向側縁上に提供される、切り欠きであって、搬送器が定位置に挿入されると、位置決め部材の突出部を受容するように構成されている、切り欠きを含む。
【0023】
本開示によるいくつかの実施例では、切り欠きから挿入端部に向かって延在する傾斜表面が、基部の上側表面上に提供され、傾斜表面は、位置決め部材の突出部を切り欠きの中に摺動するように誘導するように適合される。
【0024】
本開示によるいくつかの実施例では、搬送器はさらに、基部の少なくとも一部を被覆するように構成される、カバーを含む。
【0025】
本開示によるいくつかの実施例では、搬送器はさらに、基部の下側表面上に、かつ挿入端部に隣接して提供される、突出部を含む。
【0026】
本開示によるいくつかの実施例では、搬送器はさらに、定位置に挿入されると、搬送器を係止する、被係止部材を含む。
【0027】
本開示のさらに別の側面によると、サンプル処理器のためのノズルアセンブリが、提供される。ノズルアセンブリは、上記に説明されるノズルおよび/または搬送器を含む。
【0028】
ノズルアセンブリは、上記に説明されるノズルと、搬送器とを含み得る。すなわち、ノズルアセンブリは、上記に説明されるノズルおよび搬送器の種々の特徴を含み得、類似の技術的効果をもたらすことができる。
【0029】
本開示のさらなる側面によると、サンプル処理器が、提供される。サンプル処理器は、フレームと、サンプルおよびシース流体を受容し、フレームに固定されるように構成される、注入器本体と、注入器本体の出口に位置し、所定のモードにおいて注入器本体内にサンプルを注入するためのオリフィスを有する、ノズルと、ノズルを装填および保持するように適合され、取外可能な様式においてフレームの中に摺動可能に挿入されるように構成される、搬送器とを含む。
【0030】
ノズルアセンブリおよびサンプル処理器は、上記に説明されるノズルと、搬送器とを含み得、すなわち、上記に説明されるノズルおよび搬送器の種々の特徴を含み得、類似の技術的効果をもたらすことができる。
【0031】
本開示によるいくつかの実施例では、サンプル処理器はさらに、ノズルを位置決めするための位置決め部材であって、フレームに固定され、V字形状スロットを有する、位置決め部材を含み、V字形状スロットの底部は、ノズルの外周に合致する形状を有する。サンプル処理器はさらに、摺動部材を含む。摺動部材は、位置決め部材のV字形状スロットと係合されるように、端部表面に向かってテーパ状になる、端部を有する。
【0032】
本開示によるいくつかの実施例では、ノズルは、円筒形であり、ノズルの外周面の曲率は、V字形状スロットの底部のものおよび摺動部材の端部表面のものを上回る。
【0033】
本開示によるいくつかの実施例では、相互に面する位置決め部材および基部の表面のうちの一方が、突出部を具備し、相互に面する位置決め部材および基部の表面のうちの他方が、搬送器が定位置に挿入されると、突出部を受容するための切り欠きを具備する。
【0034】
本開示によるいくつかの実施例では、傾斜表面が、切り欠きの片側に提供され、傾斜表面は、突出部を切り欠きの中に摺動するように誘導するように適合される。
【0035】
本開示によるいくつかの実施例では、サンプル処理器はさらに、基部を支持するための支持部材を含む。
【0036】
本開示によるいくつかの実施例では、支持部材は、フレームに固定される、固定された部分と、固定された部分に対して可動である、可動部分とを含み、基部は、定位置に挿入されると、可動部分によって支持される。付勢部材が、固定された部分と可動部分との間に提供され、付勢部材は、可動部分をノズルに向かって付勢する。
【0037】
本開示によるいくつかの実施例では、可動部分は、基部を支持するための、中側平坦表面と、基部の挿入方向において中側平坦表面の対向側に位置する、下向き傾斜表面とを含む。基部は、支持部材に面する表面上の挿入端部に隣接する突出部を具備する。下向き傾斜表面は、突出部の摺動を誘導するように適合される。
【0038】
本開示によるいくつかの実施例では、突出部の突出高は、ノズルが搬送器の中に装填されると、搬送器から突出するノズルの対応する部分の高さを上回る、またはそれに等しい。
【0039】
本開示によるいくつかの実施例では、サンプル処理器はさらに、係止位置と係止解除位置との間で移動することが可能である、係止部材を含む。搬送器は、被係止部材を含む。係止部材は、被係止部材が係止位置において移動しないように防止し、被係止部材が係止解除位置において移動することを可能にするように構成される。
【0040】
本開示によるいくつかの実施例では、係止部材は、枢軸を介してフレームに回転可能に配設され、被係止部材は、ピンである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
以下の説明を通して、付随の図面を参照することによって、本開示の1つまたはそれを上回る実施形態の特徴および利点が、より容易に理解されるであろう。付随の図面を参照されたい。
【0042】
【
図1】
図1は、本開示のある実施形態による、サンプル処理器の概略縦断面図である。
【
図2A】
図2A-2Dは、本開示のある実施形態による、ノズルアセンブリの配設プロセスの概略図である。
【
図2B】
図2A-2Dは、本開示のある実施形態による、ノズルアセンブリの配設プロセスの概略図である。
【
図2C】
図2A-2Dは、本開示のある実施形態による、ノズルアセンブリの配設プロセスの概略図である。
【
図2D】
図2A-2Dは、本開示のある実施形態による、ノズルアセンブリの配設プロセスの概略図である。
【
図3】
図3は、本開示のある実施形態による、ノズルの斜視概略図である。
【
図5】
図5は、本開示のある実施形態による、搬送器の斜視概略上面図である。
【
図6】
図6は、別の方向から視認される、
図5の搬送器の概略図である。
【
図7】
図7は、本開示のある実施形態による、搬送器の斜視概略底面図である。
【
図8】
図8は、別の方向から視認される、
図7の搬送器の概略図である。
【
図9】
図9は、本開示のある実施形態による、そこから上側カバーが除去された、搬送器の概略図である。
【
図10A】
図10A-10Eは、搬送器上にノズルを配設するプロセスを示す、概略図である。
【
図10B】
図10A-10Eは、搬送器上にノズルを配設するプロセスを示す、概略図である。
【
図10C】
図10A-10Eは、搬送器上にノズルを配設するプロセスを示す、概略図である。
【
図10D】
図10A-10Eは、搬送器上にノズルを配設するプロセスを示す、概略図である。
【
図10E】
図10A-10Eは、搬送器上にノズルを配設するプロセスを示す、概略図である。
【
図11】
図11は、本開示のある実施形態による、位置決め部材の斜視概略上面図である。
【
図12】
図12は、本開示のある実施形態による、位置決め部材の斜視概略底面図である。
【
図13】
図13は、定位置に挿入されたときのノズルアセンブリと位置決め部材の協働を示す、概略平面図である。
【
図14A】
図14A-14Dは、挿入プロセスの間の搬送器と位置決め部材の突出部との間の相互協働を示す、概略図である。
【
図14B】
図14A-14Dは、挿入プロセスの間の搬送器と位置決め部材の突出部との間の相互協働を示す、概略図である。
【
図14C】
図14A-14Dは、挿入プロセスの間の搬送器と位置決め部材の突出部との間の相互協働を示す、概略図である。
【
図14D】
図14A-14Dは、挿入プロセスの間の搬送器と位置決め部材の突出部との間の相互協働を示す、概略図である。
【
図15】
図15は、本開示のある実施形態による、支持部材の斜視概略図である。
【
図17A】
図17A-17Dは、挿入プロセスの間の搬送器と支持部材との間の相互協働を示す、概略図である。
【
図17B】
図17A-17Dは、挿入プロセスの間の搬送器と支持部材との間の相互協働を示す、概略図である。
【
図17C】
図17A-17Dは、挿入プロセスの間の搬送器と支持部材との間の相互協働を示す、概略図である。
【
図17D】
図17A-17Dは、挿入プロセスの間の搬送器と支持部材との間の相互協働を示す、概略図である。
【
図18】
図18は、本開示のある実施形態による、フレームの斜視概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
詳細な説明
本開示は、例示的実施形態を通して、付随の図面を参照して下記に詳細に説明されるであろう。いくつかの図面では、類似の参照番号は、類似の部分および構成要素を示す。本開示の以下の詳細な説明は、例証的目的のためのものにすぎず、本開示およびその用途または使用を限定するものでは決してない。本明細書に説明される実施形態は、包括的ではなく、複数の可能性として考えられる実施形態のうちの一部にすぎない。例示的実施形態は、多くの異なる形態において実装され得、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。いくつかの例示的実施形態では、周知のプロセス、周知のデバイス構造、および周知の技術は、詳細に説明されない場合がある。
【0044】
図1は、本開示のある実施形態による、サンプル処理器10の概略縦断面図である。サンプル処理器10の構造全体が、
図1を参照して下記に説明されるであろう。
【0045】
図1に示されるように、サンプル処理器10は、注入器本体IBと、ノズル100と、搬送器200と、位置決め部材300と、支持部材400と、フレーム500とを含む。フレーム500は、サンプル処理器10の固定された部分としての役割を果たし、他の部分を支持および配設するために使用される。注入器本体IB、位置決め部材300、および支持部材400は、フレーム500に直接または間接的に固定される。搬送器200は、ノズル100を搬送するために使用され、サンプル処理器10(フレーム500)の中に挿入される、またはノズル100を用いてサンプル処理器10(フレーム500)から分解されてもよい。
【0046】
図1に示されるサンプル処理器10の種々の部分は、定位置および作業状態において組み立てられる。サンプル処理器10が、動作しているとき、注入器本体IBは、サンプルラインSLからのサンプルと、流体ラインFLからのシース流体等の流体とを受容する。サンプルおよびシース流体は、注入器本体IB内に集められ、次いで、ノズル100を通して注入される。サンプルが、注入器本体IBを通して流動し、ノズル100から注入された後、サンプルは、検出、分析、または選別される。
【0047】
注入器本体IBは、概して、サンプルラインSLに結合されるサンプルポートを具備する、カバーIB1と、流体ラインFLに結合される流体ポートを具備する、基部IB2と、検出のための光透過を可能にする、透明な管IB3とを含む。カバーIB1および透明な管IB3は、それぞれ、基部IB2の上側および下側に位置する。
【0048】
ノズル100が、注入器本体IB(透明な管IB3)の出口に位置する。サンプルは、例えば、単列配列様式においてノズルを介して注入される。流体およびサンプルのフロー方向に従って、注入器本体IBは、ノズル100の上流部分である。したがって、本明細書において言及される「注入器本体」は、サンプルおよびシース流体等の流体が集められる、ノズルの上流の部分を指す。注入器本体の構造が、必要に応じて変更され得、
図1に示される具体的実施例に限定されないことを理解されたい。
【0049】
ノズル100が、搬送器200を用いて注入器本体IB(透明な管IB3)の下側端部表面に対して当接する。ノズル100および搬送器200が、本開示のノズルアセンブリを成す。ノズル100は、先行技術におけるように、注入器本体IB(透明な管IB3)内に嵌合される代わりに、搬送器200によって搬送される。搬送器200が、位置決め部材300および支持部材400等の助けを借りて定位置に配設されると、ノズル100は、注入器本体IB(透明な管IB3)の出口と自動的に整合される。したがって、本開示のサンプル処理器10によると、ノズル100の組立および分解は、注入器本体IBから完全に独立している。ノズル100を再配設または交換した後、その周辺デバイス(例えば、光学デバイス、電子デバイス、または機械的デバイス)を調節することは、必要ではない。例えば、流体を再度安定させる(例えば、それから脱泡する)ことは、必要ではなく、光学経路を再整合させることも、必要ではない。このように、ノズル100の分解および再組立は、有意に簡略化されるであろう。また、搬送器200が、配設されると、ノズル100を動作させることは、必要ではなく、そのため、汚染のリスクが、回避または低減されることができる。
【0050】
図2A-2Dは、本開示のある実施形態による、ノズルアセンブリの配設プロセスの概略図である。本開示のある実施形態による、ノズルアセンブリの組立プロセスが、
図2A-2Dを参照して下記に説明されるであろう。
【0051】
図2Aに示されるように、ノズル100が、搬送器200上に装填され、ノズルアセンブリを形成しており、ノズルアセンブリが、サンプル処理器10の外側にあり、挿入される準備ができている状態にある。
図2Bに示されるように、ノズルアセンブリは、支持部材400上に設置され、ノズルアセンブリは、支持部材400の誘導下でサンプル処理器10の内側に向かって挿入される。
図2Cに示されるように、ノズルアセンブリの挿入端部が、支持部材400と位置決め部材300との間に挿入されている。
図2Dに示されるように、ノズル100の外周面が、位置決め部材300に対して当接し、それによって、ノズルアセンブリが、定位置に挿入される。本瞬間において、ノズル100は、支持部材400によって支持され、シール部材150を介して注入器本体IBの下側端部表面に対して当接する。すなわち、ノズル100は、搬送器200と、位置決め部材300と、支持部材400と、注入器本体IBとの間で制限される。
【0052】
サンプル処理器10の種々の部分が、下記に詳細に説明されるであろう。
【0053】
図3は、本開示のある実施形態による、ノズル100の斜視概略図である。
図4は、
図3のノズル100の概略縦断面図である。ノズル100が、
図3および4を参照して下記に説明されるであろう。
【0054】
図3および4に示されるように、ノズル100は、略円筒形またはボタン形状である、本体130を有する。本体130は、管状の外周面131と、外周面131の対向端部に位置する、端部表面132および134とを有する。本体の形状が、示される具体的実施例に限定されず、搬送器上に装填されるように適合される、任意の他の好適な形状であり得ることを理解されたい。
【0055】
オリフィス110が、端部表面132のほぼ中心に提供される。オリフィス110は、軸方向に沿って延在する。オリフィス110は、例えば、単列配列様式においてサンプルを注入するように構成される。サンプルは、例えば、ミクロソームまたは細胞である。したがって、オリフィス110の直径は、約50μm~200μm、通常、70μm~100μmである。オリフィス110の直径に関して、本体130の外周面131の直径は、例えば、5.5mmであってもよい。オリフィス110の軸方向高は、概して、75μm~125μmである。オリフィス110のサイズが、非常に小さいことが分かり得る。したがって、サンプル処理器10の精度要件は、非常に高く、ノズルの組立のための要件もまた、非常に高い。オリフィスの位置およびサイズが、示される具体的実施例に限定されず、必要に応じて変更され得ることを理解されたい。
【0056】
サンプルの通過を促進する、中空部分135が、オリフィス110と端部表面(図では、下側端部表面)134との間に提供されてもよい。中空部分135は、図示される実施例では、テーパ形状を有する、または別の好適な形状、例えば、円筒形形状を有してもよい。
【0057】
シール部材を収容するための溝136が、本体130の端部表面(図では、上側端部表面)132上のオリフィス110の半径方向外面側に提供されてもよい。溝136は、Oリング等のシール部材を受容するための、オリフィス110を囲繞する、環状形状を有する。端部表面132が、注入器本体IB(透明な管IB3)に対して当接すると、ノズルと注入器本体IB(透明な管IB3)との間のシールが、溝136内に収容されるシール部材によって達成される。シール部材およびシール部材を収容するための溝がまた、ノズル上に提供される必要があるのではなく、注入器本体IB(透明な管IB3)の端部表面上に提供され得ることを理解されたい。
【0058】
陥凹133が、本体130の外周面131上の対向位置に提供される。陥凹133は、搬送器200のタブまたは縁と係合され、それによって、ノズル100を搬送器200上で保持することができる。搬送器200と係合されるノズル100の特徴が、図に示される陥凹133に限定されず、例えば、搬送器200の陥凹と係合されるタブであり得ることを理解されたい。
【0059】
ノズル100の構造が、図に示される具体的実施例に限定されず、必要に応じて変更され得ることを理解されたい。ノズル100は、例えば、成型様式において搬送器200と一体的に形成されてもよい。本場合には、陥凹133が、省略されてもよい、または変更されてもよい。代替として、ノズル100は、下記に詳細に説明されるであろうように、取外可能な様式において搬送器200上に装填されてもよい。
【0060】
図5は、本開示のある実施形態による、搬送器200の斜視概略上面図である。
図6は、別の方向から視認される、
図5の搬送器200の概略図である。
図7は、本開示のある実施形態による、搬送器200の斜視概略底面図である。
図8は、別の方向から視認される、
図7の搬送器200の概略図である。
図9は、本開示のある実施形態による、そこから上側カバー291が除去された、搬送器200の概略図である。搬送器200が、
図5-9を参照して下記に詳細に説明されるであろう。
【0061】
図5-9を参照すると、搬送器200は、基部210を含む。基部210は、略プレート形状である。例えば、基部210は、長方形プレートの形態にある。基部210は、挿入端部(遊離端)212と、挿入端部212から延在する、略平行な側縁219とを有する。搬送器200が、挿入されると、挿入端部212は、最初にサンプル処理器10に進入する。側縁219が、搬送器200の挿入を誘導するように、例えば、フレーム500に沿った搬送器200の挿入を誘導するように成形されてもよい。
【0062】
基部210は、ノズル100を収容するための収容部分を具備する。図に示される実施例では、収容部分は、伸長貫通孔211を含む。伸長貫通孔211は、大きいサイズの部分211aと、小さいサイズの部分211bとを含む。大きいサイズの部分211aは、ノズル100を装填するように、ノズル100の外周面131よりわずかに大きいサイズを有する。小さいサイズの部分211bは、搬送器200上にノズル100を保持するように、ノズル100の外周面131の少なくとも一部より小さいサイズを有する。
【0063】
大きいサイズの部分211aは、ノズル100の外周面131に合致する形状、例えば、円弧形状を有する。小さいサイズの部分211bは、略平行な対向縁213を有する。ノズル100の陥凹133は、それぞれ、縁213を受容し、それによって、搬送器200上にノズル100を保持する。
【0064】
搬送器200はさらに、摺動部材250を含む。摺動部材250は、基部210に類似の形状を有するが、基部210より小さいサイズを有し、それによって、搬送器200の挿入に干渉しない。摺動部材250は、基部210に対して摺動することができる。伸長ガイドスロット215が、基部210内に提供される。摺動部材250は、ガイドスロット215の中に挿入されるピン255を介して基部250に結合される。ピン255は、摺動部材250が基部210に対して摺動するように、ガイドスロット215内で移動することができる。
【0065】
摺動部材250の端部表面251は、ノズル100の外周面131に合致する形状、例えば、円弧形状を有する。摺動部材250の端部表面251は、ノズル100の外周面131に対して当接する。摺動部材250の端部表面251は、外周面131のものよりわずかに小さい曲率を有してもよく、すなわち、外周面131と線接触してもよい。
【0066】
摺動部材250は、テーパ状端部253を有してもよい。端部253は、摺動部材250の側縁から端部表面251に向かってテーパ状になる。端部253の側縁252および254は、平行ではなく、略V字形状である。V字形状の端部253は、搬送器200が挿入されるときに、サンプル処理器10の位置決め部材300のV字形状スロットと係合され得、これは、後に詳細に説明されるであろう。
【0067】
搬送器200はさらに、上側カバー291と、下側カバー292とを含んでもよい。上側カバー291および下側カバー292は、本開示のカバーを成す。上側カバー291および下側カバー292は、任意の公知の様式、例えば、成型において作製されてもよい。カバーは、オペレータが輸送の間に握持し、搬送器の他の部分を保護するために有益であり、また、オペレータに、挿入方向等のある情報も提供する。
【0068】
上側カバー291および下側カバー292は、任意の公知の様式において、例えば、ねじまたはヒンジによってともに接続されてもよい。基部210および摺動部材250は、挿入部分がカバーの外側に暴露されている間に、カバー内に部分的に収容されてもよい。示されていない実施例では、基部210および摺動部材250は、輸送の間に損傷を受けないように防止するように、カバーの中に完全に後退されてもよい。
【0069】
搬送器200はさらに、(
図9に示されるような)付勢部材270を含んでもよい。付勢部材270は、カバー内に収容されてもよい。付勢部材270は、例えば、引張ばねであり、摺動部材250を小さいサイズの部分211bに向かって付勢するように構成される。付勢部材270の一端271が、摺動部材250に接続されてもよく、他端272が、基部210またはカバーに接続されてもよい。摺動部材250が、基部250に対して摺動すると、付勢部材270内に貯蔵されたエネルギーもまた、それに応じて変化する。ノズル100が、小さいサイズの部分211bに保持されると、摺動部材250は、付勢部材270の作用下でノズル100を挿入端部212に向かって押動する。付勢部材270のタイプまたは接続モードが、本明細書に説明される機能が実現され得る限り、具体的必要性に従って変更され得る。
【0070】
基部210はまた、その下側表面上に、挿入端部212に隣接する突出部214を具備してもよい。突出部214は、支持部材400上で摺動するように構成され、これは、後に詳細に説明されるであろう。摺動を促進するために、突出部214は、挿入方向に沿って湾曲している形状を有してもよい。図示される実施例では、突出部214は、挿入端部212に対して平行に延在する、長い形状を有し、挿入方向に沿った弧形状断面を有する。突出部214が、小さい球形状を有し得、複数の突出部が存在し得ることを理解されたい。突出部の構造および数は、必要に応じて変更されてもよく、必ずしも図に示される具体的実施例に限定されるわけではない。
【0071】
突出部214の突出高は、ノズルが搬送器200の小さいサイズの部分211bの中に装填されると、搬送器200から突出するノズル100の対応する部分(下側部分)の高さを上回る、またはそれに等しくあり得る。このように、ノズル100の下側端部表面134は、搬送器200が挿入されるときに摩耗または干渉しないように保護され得る。
【0072】
突出部214は、基部210と一体的に形成されてもよい、または図に示されるように、別個に形成され、基部210に接続または固定される、部材であってもよい。突出部214の形成および接続は、必要に応じて変更されてもよく、必ずしも図に示される具体的実施例に限定されない。
【0073】
切り欠き216が、基部210の対向側縁219上に提供されてもよい。切り欠き216は、搬送器200が定位置に挿入されると、位置決め部材300の突出部を受容するために使用され、これは、後に詳細に説明されるであろう。切り欠き216から挿入端部212に向かって延在する、傾斜表面218が、基部210の上側表面上に提供される。傾斜表面218は、位置決め部材の突出部を、切り欠き216の中に摺動するように誘導するように適合される。
【0074】
搬送器200はさらに、定位置に挿入されると、搬送器200を係止する、被係止部材280を含んでもよい。被係止部材280は、図示される実施例では、ピンの形態にある。被係止部材280は、上側カバー291と下側カバー292との間にあり、搬送器200の挿入部分に隣接し、上側カバー291および下側カバー292の側縁に隣接する。被係止部材280と、フレーム500上に配設される、係止部材580とは、搬送器200が定位置に挿入され、搬送器200を係止すると、係合される。係止部材580が、被係止部材280から係脱されると、搬送器200は、係止解除状態になり、サンプル処理器10から取り出され得る。被係止部材280の構造、位置等が、必要に応じて変更され得、必ずしも図に示される具体的実施例に限定されるわけではないことを理解されたい。
【0075】
図10A-10Eは、搬送器200上にノズル100を配設するプロセスを示す、概略図である。
【0076】
図10Aに示されるように、付勢部材270の作用に対して、摺動部材250が、大きいサイズの部分211aが暴露され、ノズル100を受容するまで、カバーに向かって押動される。
図10Bに示されるように、ノズル100が、大きいサイズの部分211a内に設置される。
図10Cに示されるように、ノズル100は、ノズル100の陥凹133が小さいサイズの部分211bの縁213と係合されるように、小さいサイズの部分211bの中に押し込まれる。
図10Dに示されるように、摺動部材250は、解放され、摺動部材250は、摺動し、付勢部材270の作用下で、ノズル100に対して当接する。
図10Eに示されるように、シール部材150が、ノズル100の溝136内に設置される。
【0077】
シール部材150を設置するステップが、搬送器200上にノズル100を装填する前であり得ることを理解されたい。本明細書に説明される種々のステップが、矛盾なく変更され得、本明細書に説明される具体的実施例に限定されないことを理解されたい。
【0078】
図11は、本開示のある実施形態による、位置決め部材300の斜視概略上面図である。
図12は、本開示のある実施形態による、位置決め部材300の斜視概略底面図である。
図13は、定位置に挿入されるときのノズルアセンブリと位置決め部材300の協働を示す、概略平面図である。位置決め部材300が、
図11-13を参照して下記に詳細に説明されるであろう。
【0079】
位置決め部材300は、ノズル100を位置決めするためにフレーム500に固定して配設される。
図11および12に示されるように、位置決め部材300は、略プレート形状である、本体310を含む。本体310は、ノズルアセンブリが挿入されると、ノズル100を受容するための、スロット320を具備する。スロット320は、略V字形状であり、非平行な側面322および324と、側面322と324との間の底部321とを有する。側面322および324は、テーパ状になる様式において底部321に向かって延在し、ノズル100および摺動部材250の挿入を誘導する。
【0080】
底部321は、ノズル100の外周131に合致する形状、例えば、弧形状を有する。底部321は、外周面131のものよりわずかに小さい曲率を有してもよく、すなわち、外周面131と線接触してもよい。上記に説明されるように、摺動部材250の端部表面251は、外周面131のものよりわずかに小さい曲率を有してもよく、すなわち、外周面131と線接触してもよい。
【0081】
ノズルアセンブリが、
図13に示されるように定位置に挿入されると、ノズル100は、位置決め部材300の底部321と摺動部材250の端部表面251との間に挟持される。ノズル100の外周面131の曲率は、位置決め部材300の底部321のものおよび摺動部材250の端部表面251のものよりわずかに大きいため、ノズル100を心合させることは、容易である。
【0082】
図12を参照すると、突出部316が、本体310の下側表面上に提供され得る。突出部316が、V字形状スロット320の両側に対称的に提供されてもよい。突出部316は、突出部316が搬送器200の基部210上を摺動するように、湾曲形状、例えば、弧形状または球形状を有してもよい。突出部316は、本体310と一体的に形成されてもよい、または図に示されるように、別個に形成され、本体310に接続または固定される、部材であってもよい。突出部316の形成および接続は、必要に応じて変更されてもよく、必ずしも図に示される具体的実施例に限定されるわけではない。
【0083】
突出部316は、ノズルアセンブリが挿入され、ノズル100の上側表面132およびシール部材150が摩擦または干渉されないように防止すると、搬送器200の基部210の上側表面上で摺動するように構成される。ノズルアセンブリが、定位置に挿入されると、突出部316は、切り欠き216の中に進行し得る。
【0084】
図14A-14Dは、挿入プロセスの間の搬送器200と位置決め部材300の突出部316との間の相互協働を示す、概略図である。
図14Aに示されるように、搬送器200の基部210の挿入端部212は、位置決め部材300と支持部材400との間で進行し、突出部316と接触する。搬送器200が、さらに挿入されるにつれて、突出部316は、
図14Bに示されるように、搬送器200の基部210の上側表面上に摺動する。好ましくは、基部210の挿入端部212は、丸みを帯びていてもよい。
図14Cでは、搬送器200が、定位置に挿入されようとしているとき、突出部316は、基部210に沿って傾斜表面218上に摺動する。搬送器200が、完全に定位置に挿入されると、突出部316は、
図14Dに示されるように、切り欠き216内に入る。
【0085】
位置決め部材300の構造が、必ずしも図に示される具体的実施例に限定されるわけではなく、本明細書に説明されるようなノズルを位置決めする機能が実現され得る限り、必要に応じて変更され得ることを理解されたい。例えば、突出部316が、搬送器200の基部210の上側表面上に提供されてもよく、切り欠き216が、位置決め部材300上に提供されてもよい。
【0086】
図15は、本開示のある実施形態による、支持部材400の斜視概略図である。
図16は、
図15の支持部材400の概略縦断面図である。支持部材400は、搬送器200にその上で摺動するための支持表面を提供することができるだけではなく、搬送器200に、ノズル100が注入器本体IBに対して堅固に当接するような上向きの付勢力を提供することもできる。支持部材400が、
図15および16を参照して下記に詳細に説明されるであろう。
【0087】
図15および16に示されるように、支持部材400は、フレーム500に固定される、固定された部分410と、固定された部分410に対して可動である、可動部分430とを含む。付勢部材470、例えば、ばねが、可動部分430と固定された部分410との間に提供される。付勢部材470は、可動部分430を上向きに付勢する。
【0088】
固定された部分410は、ノズルアセンブリが挿入されると、最初に搬送器200と接触する、ガイド表面411を有する。ガイド表面411は、サンプル処理器10の内側から外側に延在してもよい。または、ガイド表面411は、サンプル処理器10の完全に外側にあってもよい。ガイド表面411は、搬送器200の挿入が促進される限り、平坦である、またはわずかに湾曲してもよい。
【0089】
可動部分430は、ガイド表面411の内側、すなわち、サンプル処理器10の内側に位置する。可動部分430は、基部210を支持するための、中側平坦表面433と、基部210の挿入方向において中側平坦表面433の対向側に位置する、下向き傾斜表面432、434とを含んでもよい。下向き傾斜表面432、434は、基部210の突出部214の摺動を誘導するように適合される。
【0090】
貫通孔431が、ノズル100から注入されるサンプルの通過のために中側平坦表面433内に提供される。貫通孔431は、ノズル100が定位置に配設されると、ノズル100と整合されるように位置決めされる。
【0091】
図示される実施例では、2つの付勢部材470が、貫通孔431の両側に配列される。付勢部材470の構造、配列、および数が、必要に応じて変更され得、必ずしも図に示される具体的実施例に限定されるわけではないことを理解されたい。
【0092】
遊離状態では、すなわち、ノズルアセンブリが挿入されていない状態では、付勢部材470は、可動部分430の中側平坦表面433を固定された部分410のガイド表面411よりわずかに高くし得る。
【0093】
ノズルアセンブリが、挿入されると、搬送器200は、可動部分430を付勢部材470の作用に対して押し下げる。本瞬間において、エネルギーが、付勢部材470内に貯蔵される。ノズルアセンブリが、定位置に挿入されると、付勢部材470は、貯蔵されたエネルギーを使用し、上向きの付勢力を搬送器200、したがって、可動部分430を介してノズル100に印加し、それによって、ノズル100を注入器本体IBに対して堅固に当接させる。
【0094】
図17A-17Dは、挿入プロセスの間の搬送器200と支持部材400との間の相互協働を示す、概略図である。
図17Aでは、搬送器200が、支持部材400のガイド表面411上に設置される。具体的には、搬送器200の突出部214が、ガイド表面411上に設置され、ガイド表面411の誘導下でサンプル処理器10の中に挿入される。突出部214の存在に起因して、ノズル100の下側端部表面134は、支持部材400と接触せず、それによって、下側端部表面134が摩耗または干渉されないように防止する。
図17Bでは、突出部214が、下向き傾斜表面434と接触し、下向き傾斜表面434の誘導下で上向きに摺動しながら、可動部分430を押し下げる。
図17Cでは、突出部214はさらに、中側平坦表面433上に摺動し、可動部分430は、本瞬間において押し下げられた状態にある。
図17Dでは、突出部214が、下向き傾斜表面432にわたって摺動している。本瞬間において、付勢部材470の作用下において、可動部分430は、上向きに移動し、ノズル100の下側端部表面に対して当接し、それによって、ノズル100を、シール部材150を介して注入器本体IBに対して緊密に当接させる。
【0095】
図18は、本開示のある実施形態による、フレーム500の斜視概略図である。フレーム500は、サンプル処理器10の種々の部分のための支持および配設を提供する。したがって、フレーム500の構造は、サンプル処理器10の種々の部分の異なる構造と、異なる配列とに従って変更され得る。本開示のノズルアセンブリに関連するフレーム500の部分が、
図18を参照して下記に詳細に説明されるであろう。
【0096】
図18に示されるように、フレーム500は、位置決め部材300および支持部材400を収容および配設するための、平行側壁を含む。係止部材580が、枢軸520を介してフレーム500に回転可能に配設される。係止部材580は、被係止部材280の移動が防止される、(
図13に示されるような)係止位置と被係止部材280が解放される、(
図2Aおよび2Bに示されるような)係止解除位置との間で可動であるように構成される。
【0097】
係止部材580は、係止位置において被係止部材280と協働する、係止端部582と、係止端部582に対向する、遊離端584とを含む。係止部材580はさらに、停止部分586を含む。係止部材580が、解放位置にあるとき、停止部分586は、フレーム500の側壁の端部560によって停止される。
【0098】
図13を参照すると、ノズルアセンブリが、定位置に挿入されると、被係止部材280が、係止部材580の係止端部582にわたって移動し、したがって、係止端部582によって停止され、外向きに移動することはできない。
【0099】
ノズルアセンブリを分解することが必要であるとき、係止部材580の遊離端584が、最初に解放位置まで枢動するように動作される。本瞬間において、ノズルアセンブリ(搬送器200)は、外向きに引き出され得る。ノズルアセンブリ(搬送器200)を外向きに引き出すプロセスは、上記に説明される、ノズルアセンブリ(搬送器200)を挿入するプロセスと反対であり、ここでは詳細に説明されないであろう。
【0100】
本開示は、例示的実施形態を参照して説明されているが、本開示が、本明細書において説明および例証される具体的な実施形態に限定されないことを理解されたい。本請求項によって定義される範囲から逸脱することなく、当業者は、例示的実施形態に対して種々の変更を行うことができる。矛盾が存在しない限り、種々の実施形態における特徴は、相互と組み合わせられ得る。または、実施形態におけるある特徴はまた、省略されてもよい。
【国際調査報告】