(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-14
(54)【発明の名称】超音波イメージングデバイスにおけるピクセルを試験するための処理回路、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554925
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 US2021025267
(87)【国際公開番号】W WO2022211809
(87)【国際公開日】2022-10-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523337351
【氏名又は名称】エグゾ イメージング、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロック、アンソニー イー.
(72)【発明者】
【氏名】バーカムシャウ、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ストローデ、ジョナサン アール.
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE10
4C601GA18
4C601GA24
4C601GB06
4C601GB41
4C601GD04
4C601JB34
4C601JB35
4C601JB40
4C601JC11
(57)【要約】
装置、方法、及びコンピュータ実装媒体。装置は、第1音響インピーダンスZ1を有する第1媒質に隣接して位置するピクセルのトランスデューサアレイの中の1又は複数のピクセルについての現在のピクセル性能データセットを判定する、ここで、トランスデューサアレイは、イメージングデバイスの中にあり、現在のピクセル性能データセットは、Z1より大きい第2音響インピーダンスZ2を有する第2媒質に対する1又は複数のピクセルの現在のピクセル性能受信サイクルから取得される;現在のピクセル性能データセットと、1又は複数のピクセルについての基準ピクセル性能データセットとの比較を実行する、ここで、基準ピクセル性能データセットは、第2媒質に対する1又は複数のピクセルの基準ピクセル性能受信サイクルから取得され、ここで、現在のピクセル性能受信サイクル及び基準ピクセル性能受信サイクルの実装は、イメージングデバイスに関する第2媒質の整列無しで実行される;及び、比較に基づいて、1又は複数のピクセルの1又は複数の欠陥ピクセルについての欠陥ピクセルデータセットを判定するためのものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1音響インピーダンスZ1を有する第1媒質に隣接して位置するピクセルのトランスデューサアレイの中の1又は複数のピクセルについての現在のピクセル性能データセットを判定する、ここで、前記トランスデューサアレイは、イメージングデバイスの中にあり、前記現在のピクセル性能データセットは、Z1より大きい第2音響インピーダンスZ2を有する第2媒質に対する 前記1又は複数のピクセルの現在のピクセル性能受信サイクルから取得される;
前記現在のピクセル性能データセットと、前記1又は複数のピクセルについての基準ピクセル性能データセットとの比較を実行する、ここで、前記基準ピクセル性能データセットは、前記第2媒質に対する前記1又は複数のピクセルの基準ピクセル性能受信サイクルから取得され、ここで、前記現在のピクセル性能受信サイクル及び前記基準ピクセル性能受信サイクルの実装は、前記イメージングデバイスに関する前記第2媒質の整列無しで実行される;及び
前記比較に基づいて、前記1又は複数のピクセルの1又は複数の欠陥ピクセルについての欠陥ピクセルデータセットを判定する
ための1又は複数のプロセッサを備える装置。
【請求項2】
前記1又は複数のプロセッサは、前記1又は複数のピクセルに対して、前記基準ピクセル性能受信サイクル及び前記現在のピクセル性能受信サイクルを実行して、それぞれ前記基準ピクセル性能データセット及び前記現在のピクセル性能データセットを取得するための制御回路を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1又は複数のプロセッサは、前記欠陥ピクセルデータセットに基づいて、前記トランスデューサアレイの送信及び受信チャネルが、アクティブ化又は非アクティブ化のうちの少なくとも1つについて選択されるようにする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記1又は複数のプロセッサは、前記欠陥ピクセルデータセットに基づいて、アクティブ化又は非アクティブ化のうちの少なくとも1つのために選択される前記トランスデューサアレイの前記送信及び受信チャネルを選択するための制御回路を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記1又は複数のプロセッサは更に、前記欠陥ピクセルデータセットに基づいて、前記イメージングデバイスが少なくとも1つのイメージングモードにおいて機能することが可能かどうかの判定に基づいて、前記イメージングデバイスの使用についての実行可能性を判定し、前記1又は複数のプロセッサは、
第1の予め定められた数値閾値より上の数の前記1又は複数のピクセルが、前記少なくとも1つのイメージングモードにおいて使用されることができるかどうか;又は、
前記トランスデューサアレイの中の予め定められた場所における前記1又は複数の欠陥ピクセルの数が、第2の予め定められた数値閾値より下であるかどうか
のうちの少なくとも1つに基づいて、使用についての前記実行可能性を判定する、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記1又は複数のプロセッサは、前記欠陥ピクセルデータセットに基づいて、前記イメージングデバイスによってイメージングされる目標の画像に対応するフレームを再構築するためのフレーム再構築アルゴリズムを実装することを選択する、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記欠陥ピクセルデータセットは、
前記1又は複数の欠陥ピクセルの各々又はグループに対応する欠陥のタイプ;
前記1又は複数の欠陥ピクセルの場所、ここで、前記場所は、前記1又は複数の欠陥ピクセルの各々のアドレス、又は、前記1又は複数の欠陥ピクセルのグループについてのアドレス範囲を含む;又は、
それぞれのピクセル識別情報(ID)による前記1又は複数の欠陥ピクセルの識別情報
のうちの少なくとも1つについての情報を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記欠陥ピクセルデータセットは、前記現在のピクセル性能受信サイクルの実装中の前記イメージングデバイスの使用パラメータに関する情報を含み、前記使用パラメータは、前記トランスデューサアレイの1又は複数の部分の温度、又は、前記トランスデューサアレイの運動量変化のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記現在のピクセル性能データセット及び前記基準ピクセル性能データセットは、それぞれの波形に対応し、前記1又は複数のプロセッサは、現在のピクセル性能データセットパターン及び基準ピクセル性能データセットパターンの間で、それぞれの振幅、リングダウン特性、位相、又は、リンギングパターンのうちの少なくとも1つを比較することによって、前記比較を実行する、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記欠陥のタイプは、前記第1媒質、前記第2媒質、又は、前記1又は複数のピクセルのうちの少なくとも1つに対応し、前記第1媒質又は前記第2媒質の層間剥離、前記第1媒質又は前記第2媒質における気泡、前記第1媒質又は前記第2媒質における破片、前記1又は複数のピクセルのうちの少なくとも1つの下のアンダーフィル、又は、前記1又は複数のピクセルのうちの少なくとも1つの障害のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記1又は複数のプロセッサは、基準ピクセル性能データセットの振幅及びリンギング波形と比較して、前記現在のピクセル性能データセットについてのより大きい振幅及びより長いリンギング波形の判定に応答して、前記第1媒質の層間剥離を検出する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記1又は複数のプロセッサは、前記基準ピクセル性能データセットの振幅、リングダウンパターン、及び位相と比較して、前記現在のピクセル性能データセットにおける減少した振幅、変化するリングダウンパターン、及び位相シフトの判定に応答して、前記第1媒質における気泡を検出する、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記1又は複数のプロセッサは、前記基準ピクセル性能データセットの挙動と比較して、時間領域における上昇及び減衰を示す前記ピクセルに結合されたレシーバチャネルについての電気信号の判定をするが、現在のピクセル性能データセットについての前記ピクセルからの音響信号が無いことに応答して、前記1又は複数のピクセルの、ピクセルのピクセル障害を検出する、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記1又は複数のプロセッサは、前記基準ピクセル性能データセットの振幅及びリングダウン特性と比較して、減少した振幅及びリングダウン特性の変化を有する、前記ピクセルについての基準ピクセル性能データセットの構成に似た現在のピクセル性能データセットの判定に応答して、前記1又は複数のピクセルの、ピクセルに関するアンダーフィル問題を検出する、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記1又は複数のプロセッサは、
前記イメージングデバイスが急激な慣性の変化を受けたという判定;又は
前記イメージングデバイス又はその任意の部分が、1又は複数の予め定められた動作温度閾値を超えたという判定
のうちの少なくとも1つに応答して、前記現在のピクセル性能データセットを生成させる、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
第1音響インピーダンスZ1を有する第1媒質に隣接して位置するピクセルのトランスデューサアレイの中の1又は複数のピクセルについての現在のピクセル性能データセットを判定する段階、ここで、前記トランスデューサアレイは、イメージングデバイスの中にあり、前記現在のピクセル性能データセットは、Z1より大きい第2音響インピーダンスZ2を有する第2媒質に対する前記1又は複数のピクセルの現在のピクセル性能受信サイクルから取得される;
前記現在のピクセル性能データセットと、前記1又は複数のピクセルについての基準ピクセル性能データセットとの比較を実行する段階、ここで、前記基準ピクセル性能データセットは、前記第2媒質に対する前記1又は複数のピクセルの基準ピクセル性能受信サイクルから取得され、ここで、前記現在のピクセル性能受信サイクル及び前記基準ピクセル性能受信サイクルの実装は、前記イメージングデバイスに関する前記第2媒質の整列無しで実行される;及び
前記比較に基づいて、前記1又は複数のピクセルの1又は複数の欠陥ピクセルについての欠陥ピクセルデータセットを判定する段階
を備える方法。
【請求項17】
前記1又は複数のピクセルに対して前記基準ピクセル性能受信サイクル及び前記現在のピクセル性能受信サイクルを実行して、前記基準ピクセル性能データセット及び前記現在のピクセル性能データセットをそれぞれ取得する段階を更に備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記欠陥ピクセルデータセットに基づいて、アクティブ化又は非アクティブ化のうちの少なくとも1つについて、前記トランスデューサアレイの送信及び受信チャネルを選択させる段階を更に備える、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記欠陥ピクセルデータセットに基づいて前記イメージングデバイスによってイメージングされる目標の画像に対応するフレームを再構築するために、フレーム再構築アルゴリズムを実装することを選択する段階を更に備える、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記欠陥ピクセルデータセットは、
前記1又は複数の欠陥ピクセルの各々又はグループに対応する欠陥のタイプ;
前記1又は複数の欠陥ピクセルの場所、ここで、前記場所は、前記1又は複数の欠陥ピクセルの各々のアドレス、又は、前記1又は複数の欠陥ピクセルのグループについてのアドレス範囲を含む;又は
それぞれのピクセル識別情報(ID)による前記1又は複数の欠陥ピクセルの識別情報
のうちの少なくとも1つについての情報を含む、請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
複数の命令を備え、前記複数の命令は、実行されるとき、1又は複数のプロセッサに、
第1音響インピーダンスZ1を有する第1媒質に隣接して位置するピクセルのトランスデューサアレイの中の1又は複数のピクセルについての現在のピクセル性能データセットを判定する手順、ここで、前記トランスデューサアレイは、イメージングデバイスの中にあり、前記現在のピクセル性能データセットは、Z1より大きい第2音響インピーダンスZ2を有する第2媒質に対する 前記1又は複数のピクセルの現在のピクセル性能受信サイクルから取得される;
前記現在のピクセル性能データセットと、前記1又は複数のピクセルについての基準ピクセル性能データセットとの比較を実行する手順、ここで、前記基準ピクセル性能データセットは、前記第2媒質に対する前記1又は複数のピクセルの基準ピクセル性能受信サイクルから取得され、ここで、前記現在のピクセル性能受信サイクル及び前記基準ピクセル性能受信サイクルの実装は、前記イメージングデバイスに関する前記第2媒質の整列無しで実行される;及び
前記比較に基づいて、前記1又は複数のピクセルの1又は複数の欠陥ピクセルについての欠陥ピクセルデータセットを判定する手順
を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項22】
前記複数の命令は更に、1又は複数のプロセッサに、前記1又は複数のピクセルに対して、前記基準ピクセル性能受信サイクル及び前記現在のピクセル性能受信サイクルを実行して、それぞれ前記基準ピクセル性能データセット及び前記現在のピクセル性能データセットを取得する手順を実行させる、請求項21に記載のコンピュータプログラム。
【請求項23】
前記複数の命令は更に、1又は複数のプロセッサに、前記欠陥ピクセルデータセットに基づいて、前記トランスデューサアレイの送信及び受信チャネルが、アクティブ化又は非アクティブ化のうちの少なくとも1つについて選択されるようにする手順を実行させる、請求項21又は22に記載のコンピュータプログラム。
【請求項24】
前記複数の命令は更に、1又は複数のプロセッサに、前記欠陥ピクセルデータセットに基づいて、前記イメージングデバイスが少なくとも1つのイメージングモードにおいて機能することが可能かどうかの判定に基づいて、前記イメージングデバイスの使用についての実行可能性を判定する手順を実行させる、請求項21から23のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項25】
前記欠陥ピクセルデータセットは、
前記1又は複数の欠陥ピクセルの各々又はグループに対応する欠陥のタイプ;
前記1又は複数の欠陥ピクセルの場所、ここで、前記場所は、前記1又は複数の欠陥ピクセルの各々のアドレス、又は、前記1又は複数の欠陥ピクセルのグループについてのアドレス範囲を含む;又は、
それぞれのピクセル識別情報(ID)による前記1又は複数の欠陥ピクセルの識別情報
のうちの少なくとも1つについての情報を含む、
請求項21から24のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、一般的に、イメージングデバイス又はプローブについての信号処理の分野、特に、微細超音波トランスデューサ(MUT)を含むものなどの超音波イメージングデバイスについての信号処理の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波イメージングは、医療及び非破壊試験の分野において広く使用される。
【0003】
超音波イメージングプローブ又は超音波イメージングデバイスは典型的には、音響エネルギーを放射及び受信するために使用される、多くの個別の超音波トランスデューサ(ピクセル)のアレイを含む。超音波イメージングデバイスの性能は、各トランスデューサ要素を構成するピクセルのアレイにおける各ピクセルの性能及び寄与に依存する。従来、ピクセル性能を特性評価するために、試験方法は、送信された音響エネルギーの経路における平坦プレート、ワイヤ、又はピン目標などの反射体を利用して、送信されたエネルギーを送信側のピクセルへ反射した。エネルギーは、送信されたエネルギーが固体反射体から反射したときに、ピクセルにおいて検出され、ピクセルの送信及び受信性能の組み合わせが判定される。
【0004】
音響インピーダンスZ
1の第1媒質を通って移動する音響波が、Z
1と異なる音響インピーダンスZ
2を有する第2媒質との境界に到達するとき、音響反射が生じる。反射の振幅は、以下のようなZ
1及びZ
2の関係によって定義される。
[数1]
式(10)
ここで、Rは、第1媒質及び第2媒質の間のインピーダンス不整合境界からの反射された音響圧力波の振幅を判定する反射係数である。
【0005】
従来の音響エネルギー反射体は、より大きい反射係数Rを実現することによって反射を最大化するために、Z1インピーダンスより遥かに大きいZ2インピーダンスを有する。例は、約1.5MRayの音響インピーダンスZ1を有する、水中で送信する超音波イメージングデバイス機構、及び、約45MRayの音響インピーダンスZ2を有するステンレス鋼反射板であり、0.935の反射係数、又は、送信振幅の93.5%の反射振幅をもたらす。損失に起因して、媒質を通って移動するにつれて振幅が低減する送信された信号が、トランスデューサ表面において受信され得る最大化された反射を有するように、高い反射係数が望ましい。信号が最大化されない場合、信号が媒質を通って移動するときの振幅の損失が大きすぎて信号を検出できないことがあり得る。媒質間の任意の音響不整合は、媒質の境界における反射をもたらす。
【0006】
しかしながら、不利なことに、反射板の機構は、試験器具、及び、トランスデューサアレイに対するプレートの整列を必要とする。音響エネルギーを反射体へ伝達する媒質も必要であり、典型的には水又は物質を模倣する組織である。トランスデューサから反射板までの距離、及び、反射板からトランスデューサに戻る距離は、音響エネルギーの合計経路長を構成する。経路長が大きくなると、信号の振幅損失が大きくなり、信号の移動時間の増加が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施形態の特徴のいくつかは、添付の特許請求の範囲において具体的に記載されている。実施形態の原理が利用される以下の詳細な説明及び添付図面(本明細書において、「図面」及び「図」とも称される)を参照することにより、実施形態の特徴及び特長をより良く理解できる。
【0008】
【
図1】開示される実施形態による、選択的に変更可能な特性を有するイメージングデバイスのブロック図である。
【0009】
【
図2】開示される実施形態による、選択的に変更可能な特性を有するイメージングシステムの図である。
【0010】
【
図3A】いくつかの開示される実施形態による、選択的に変更可能な特性を有するイメージングデバイスの概略図である。
【0011】
【
図3B】一実施形態による、
図3Aのイメージングデバイスの内部コンポーネントの概略図である。
【0012】
【
図4】本明細書において説明される原理の例による、湾曲したトランスデューサアレイの側面図である。
【0013】
【
図5】本明細書に説明される原理の例によるトランスデューサの上面図である。
【0014】
【
図6】本明細書に説明される原理の例による、イメージングデバイス及びフレームの走査線の等角図である。
【0015】
【
図7】本明細書に説明される原理の例による、走査線の形態を示す。
【0016】
【
図8】本明細書に説明される原理の例による受信チャネルを示す。
【0017】
【0018】
【
図9B】実施形態による、
図10Aにおける方向4-4に沿って得られるピクセルの断面図を示す。
【0019】
【0020】
【
図11A】それぞれ、実施形態による、音響インピーダンス不整合境界を有する音響媒質における超音波トランスデューサピクセル送信及び受信経路を示す。
【
図11B】それぞれ、実施形態による、音響インピーダンス不整合境界を有する音響媒質における超音波トランスデューサピクセル送信及び受信経路を示す。
【0021】
【
図12】
図12のAは、実施形態による超音波プローブの側断面図を示す。
【0022】
図12のB及び
図12のCは、それぞれ、ピクセル欠陥が存在しない実施形態による、送信モード及び受信モードにおける
図12のAのプローブのヘッド部を示す。
【0023】
【
図13】いくつかのピクセル欠陥が存在する実施形態による、欠陥の例によって阻害される送信モード及び受信モード音響媒質それぞれにおける
図12のAのプローブのヘッド部を示す。
【0024】
【
図14A】いくつかの実施形態による、健全状態チェックルーチンを実装するときの、様々なピクセル欠陥に対応するグラフ及び対応するピクセルアレイ性能画像のそれぞれのペアを示す。
【
図14B】いくつかの実施形態による、健全状態チェックルーチンを実装するときの、様々なピクセル欠陥に対応するグラフ及び対応するピクセルアレイ性能画像のそれぞれのペアを示す。
【
図14C】いくつかの実施形態による、健全状態チェックルーチンを実装するときの、様々なピクセル欠陥に対応するグラフ及び対応するピクセルアレイ性能画像のそれぞれのペアを示す。
【
図14D】いくつかの実施形態による、健全状態チェックルーチンを実装するときの、様々なピクセル欠陥に対応するグラフ及び対応するピクセルアレイ性能画像のそれぞれのペアを示す。
【0025】
【
図15】別の実施形態による方法のフロー図である。
【0026】
【
図16】更に別の実施形態による方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
いくつかの実施形態は、装置、方法及びコンピュータ実装媒体を提供する。装置は、第1音響インピーダンスZ1を有する第1媒質に隣接して位置するピクセルのトランスデューサアレイの中の1又は複数のピクセルについての現在のピクセル性能データセットを判定する、ここで、トランスデューサアレイは、イメージングデバイスの中にあり、現在のピクセル性能データセットは、Z1より大きい第2音響インピーダンスZ2を有する第2媒質に対する1又は複数のピクセルの現在のピクセル性能受信サイクルから取得される;現在のピクセル性能データセットと、1又は複数のピクセルについての基準ピクセル性能データセットとの比較を実行する、ここで、基準ピクセル性能データセットは、第2媒質に対する1又は複数のピクセルの基準ピクセル性能受信サイクルから取得され、ここで、現在のピクセル性能受信サイクル及び基準ピクセル性能受信サイクルの実装は、イメージングデバイスに関する第2媒質の整列無しで実行される;及び、比較に基づいて、1又は複数のピクセルの1又は複数の欠陥ピクセルについての欠陥ピクセルデータセットを判定するためのものである。
【0028】
有利なことに、実施形態は、イメージングデバイスに対する整合層の整列無しに、欠陥ピクセルデータセット(1又は複数の欠陥ピクセルに関するデータ)の判定を可能にする。加えて、有利なことに、いくつかの実施形態は、ユーザに対する欠陥ピクセルデータセットの、及び、欠陥ピクセルデータセットに関する推奨される次のステップの通信を可能にする。また、いくつか他の実施形態によれば、イメージングデバイスは、その欠陥ピクセルデータセットをリモートデバイスに通信して、複数のイメージングデバイスに関するリモートデバイスにおける欠陥ピクセルデータセットの集約、及び、複数のイメージングデバイスの性能に関する設計改善、使用条件、又は、他の要素に関する次のステップの判定を可能にし得る。
【0029】
一般的に、実施形態はイメージングデバイスに関し、より具体的には、電子的に構成可能な超音波トランスデューサ要素及び関連付けられた画像再構築回路を有するイメージングデバイスに関する。非侵襲性イメージングデバイスは、人間又は動物の身体の内部組織、骨、血流、又は臓器をイメージングするために使用され得る。
【0030】
イメージングデバイスのいくつか実施形態は、イメージングデバイスのトランスデューサ要素の選択的アクティブ化及び非アクティブ化を制御して、超音波波形の送信及び受信パターンを実現し、節電を実現しながら対象からの画像の生成を可能にするためのハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。
【0031】
本明細書において言及される、例えば、水、肉体、レンズなどの媒質における「超音波波形」は、いくつかの実施形態において、送信するトランスデューサ要素の各々の波形の補償を指し得る。いくつかの実施形態による、トランスデューサ要素のグループなどのトランスデューサ要素は、場合によってはまとめて作動(fire)し得るが、多くの場合、(例えば誘導するために)互いに別個に作動され得る。
【0032】
本明細書において使用される「ピクセル」は、単一MUT(すなわち、単一のダイヤフラム又は膜を有するデバイス)を指し、一方、トランスデューサ「要素」は、ピクセル、又は、まとめられて1つのように動作するピクセルのグループを指し得ることに留意されたい。
【0033】
イメージングデバイスのいくつかの実施形態は追加的に、イメージングされる対象からの反射された超音波エネルギーを受信するための、及び、受信された超音波エネルギーを電気信号に変換するためのハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。
【0034】
イメージングデバイスのいくつかの実施形態は更に、画像の表示を生じさせる、及び/又は、画像を表示するために、イメージングされる対象の画像を構築するためのハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。
【0035】
イメージングを実行するべく、イメージングデバイスは、イメージングされる対象に向けて、超音波波形を身体組織内に送信し、対象からの反射された超音波エネルギーを受信し得る。そのようなイメージングデバイスは、光音響又は超音波効果を使用して機能し得る1又は複数のトランスデューサ要素を含み得る。そのようなトランスデューサ要素は、イメージングのために使用され得、更に他の用途において使用され得る。例えば、トランスデューサ要素は、医療用イメージング、管における流量測定、スピーカ及びマイクロフォンアレイ、砕石術、治療目的の局所的組織加熱、及び、高密度焦点式超音波治療(HIFU)手術に使用され得る。
【0036】
実施形態のコンテキストにおいて、超音波波形、超音波波、超音波圧力波及び/又は超音波の使用が明示的に示されているが、実施形態は、具体的には超音波に限定されるものではなく、身体において伝播し、身体の対象から反射し、対象に関連する情報の生成を可能にするために復号/分析/処理され得る波の生成及び処理、例えばディスプレイデバイス上での対象に対応する画像の生成などをそれらの範囲内に含む。
【0037】
従来、医療用イメージングにおいて使用される超音波イメージャなどのイメージングデバイスは、圧電(PZT)物質又は他のピエゾセラミック及びポリマー複合体を使用する。そのようなイメージングデバイスは、PZT物質を伴うトランスデューサ、及び、ディスプレイユニット上に画像を形成及び表示する他の電子機器を収容する筐体を含み得る。PZT要素又はトランスデューサを製造するべく、厚い圧電物質スラブが、大きい長方形形状のPZT要素に切断され得る。これらの長方形形状PZT要素の構築は高価であり得る。なぜなら、製造プロセスは、概して長方形形状の厚いPZT又はセラミック物質を精密に切断し、精密な間隔で基板上に搭載することを伴うからである。更に、トランスデューサのインピーダンスは、トランスデューサの送信/受信電子機器のインピーダンスより遥かに高く、性能に影響を与え得る。
【0038】
本開示の実施形態は、本明細書において更に詳細に説明されるように、圧電微細超音波トランスデューサ(pMUT)又は容量性微細超音波トランスデューサ(cMUT)技術のいずれかを利用するイメージングデバイスのコンテキストにおいて利用され得る。
【0039】
一般的に、cMUT及びpMUTの両方などのMUTは、ダイヤフラム(その縁に、又は、プローブの内側におけるいくつかの地点に取り付けられた薄膜)を含む。ここで、「従来の」バルクPZT要素は典型的には、物質の固体片から成る。
【0040】
圧電微細超音波トランスデューサ(pMUT)は、様々な半導体ウェハ製造操作を活用して、基板上に効率的に形成され得る。半導体ウェハは現在、6インチ(15センチメートル)、8インチ(20センチメートル)、及び12インチ(30センチメートル)サイズがあり得、数百のトランスデューサアレイを格納可能である。これらの半導体ウェハは、様々な処理操作が実行されるシリコン基板として開始する。そのような操作の例は、絶縁酸化物としても知られているSiO2層の形成である。インターコネクト及びボンディングパッドとして機能する金属層の追加など様々な他の操作が実行され、他の電子機器への接続を可能にする。加工操作の更に別の例は、キャビティのエッチングである。かさばる圧電物質を有する従来のトランスデューサと比較して、半導体基板上に構築されたpMUT要素は、かさばらず、安価に製造でき、電子機器及びトランスデューサの間のより簡便で高い性能の相互接続を有する。したがって、それを使用するイメージングデバイスの動作周波数におけるより大きい柔軟性を提供し、より高い品質の画像を生成する可能性を提供する。
【0041】
いくつかの実施形態において、イメージングデバイスは、1又は複数の送信ドライバを含む特定用途向け集積回路(ASIC)、イメージングされる対象から反射され受信された超音波エネルギー(エコー信号)に対応する電気エネルギーを処理するための検知回路、及び、様々な他の操作を制御するための他の処理回路を含み得る。ASICは、別の半導体ウェハ又は同一の半導体ウェハ上で形成され得る。このASICは、寄生損失を低減するためにpMUT要素の近くに配置され得る。具体的な例として、ASICは、pMUT要素を含むトランスデューサアレイから、50マイクロメートル(μm)以下離れ得る。より広い例において、2つのウェハ又は2つのダイの間の離間は100μmより小さいことがあり得、ここで、各ウェハは、多くのダイを含み、ダイは、トランスデューサウェハにおけるトランスデューサ及びASICウェハにおけるASICを含む。いくつかの実施形態において、ASICは、pMUT要素を含むpMUTトランスデューサに対して整合するフットプリントを有し、したがって、pMUTトランスデューサダイとのウェハ-ウェハ相互接続のために積み重ねられ得、例えば、ASICウェハが、トランスデューサダイと共に積み重ねられ、又は、ASICダイ自体が、インターコネクトを通じてトランスデューサダイと共に積み重ねられる。代替的に、トランスデューサはまた、低温ピエゾ物質スパッタリング、及び、ASIC処理に適合する他の低温処理を使用して、単一デバイスとしてASICウェハの上部に開発され得る。
【0042】
一実施形態によれば、ASIC及びトランスデューサが相互接続するところでは、この2つは同様のフットプリントを有し得る。より具体的には、後者の実施形態によれば、ASICのフットプリントは、pMUTフットプリントの整数の倍数又は約数であり得る。
【0043】
イメージングデバイスがトランスデューサにおいてpMUT要素を使用するか又はcMUT要素を使用するかにかかわらず、いくつかの実施形態によるイメージングデバイスは、複数の送信チャネル及び複数の受信チャネルを含み得る。送信チャネルは、要素が応答する周波数における電圧パルスでトランスデューサ要素を駆動する。これにより、超音波波形が要素から放射され、この波形は、身体における臓器など、イメージングされる対象に向かって誘導される。いくつかの例において、トランスデューサ要素のアレイを有するイメージングデバイスは、イメージングデバイス及び身体の間にゲルを使用して身体と機械的に接触し得る。超音波波形は、対象、すなわち、臓器に向かて移動し、波形の一部は、受信された/反射された超音波エネルギーの形態で、トランスデューサ要素へ反射され、ここで、受信された超音波エネルギーは、イメージングデバイス内で電気エネルギーに変換され得る。受信された超音波エネルギーは次に、複数の受信チャネルによって更に処理され、受信された超音波エネルギーを電気信号に変換し得、電気信号は、他の回路によって処理され得、電気信号に基づいて表示するための対象の画像を現像し得る。
【0044】
超音波イメージングデバイスの実施形態はトランスデューサアレイ、及び、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、送信及び受信ビームフォーミング回路、及び、任意選択的に追加の制御電子機器を含む制御回路を含む。
【0045】
実施形態の特徴を組み込むイメージングデバイスは、有利なことに、これらの及び他の技術的問題を低減又は解決し得る。具体的には、イメージングデバイスは、必要な画像品質を維持しながら、イメージングデバイスの温度限界を超えることなく、電力損失を制御する方式で、送信(Tx)作動(トランスデューサ要素からの超音波波形の送信)を制御するよう構成され得る。画像を形成するために使用される受信チャネル及び/又は送信チャネルの数は、例えば、より少ない数のチャネルが許容可能である、すなわち、より少ない数のチャネルでも、有用であり得る表示画像を生じさせ得る場合、例えば、電力を節約するために、電子的に、選択的に適合可能である(選択的にアクティブ化され、パワーダウンされ、又は、低電力に配置され得る)。具体的な例として、複数の送信及び/又は受信チャネルの各々は、電力を低減するために、例えば、画像デバイスの制御回路によって動的に制御され得るか、又は、完全にパワーダウンされ得る。追加的に、各チャネルの他の特性も構成可能であり得る。
【0046】
実施形態において、イメージングデバイスは、トランスデューサ、及び、制御回路及び任意選択的にコンピューティングデバイスなどの関連付けられた電子回路が収容されるハンドヘルドケーシングを含み得る。イメージングデバイスはまた、電子回路を駆動するバッテリを含み得る。
【0047】
したがって、いくつかの実施形態は、2DアレイにおけるpMUT要素又はcMUT要素のいずれかを利用するポータブルイメージングデバイスに関連する。いくつかの実施形態において、トランスデューサ要素のそのようなアレイは、イメージングデバイスの特定用途向け集積回路(ASIC)に結合される。
【0048】
以下の説明において、説明の目的で、本開示の理解を提供するべく、具体的な詳細が記載される。しかしながら、本開示はこれらの詳細無しに実施され得ることが当業者に明らかである。さらに、当業者であれば、下で説明される本開示の例が、プロセス、制御回路の1又は複数のプロセッサ(処理回路)、コンピューティングデバイスの1又は複数のプロセッサ(又は処理回路)、システム、デバイス、又は、有形コンピュータ可読媒体上の方法など、様々な方式で実装され得ることを認識するであろう。
【0049】
当業者であれば、(1)特定の製造操作が任意選択的に実行され得ること;(2)操作が、本明細書において記載された特定の順序に限定されなくてよいこと;及び(3)特定の操作が異なる順序(同時に行われることを含む)で実行され得ることを認識するであろう。
【0050】
図に示される要素/コンポーネントは、例示的な実施形態の実例であり、本開示を不明確にすることを回避するように意図されている。明細書において、「一例」、「好ましい例」、「例」、「複数の例」、「実施形態」、「いくつかの実施形態」又は「複数の実施形態」という言及は、例に関連して説明される特定の特徴、構造、特性、又は機能が、本開示の少なくとも1つの例に含まれていて、1より多くの例にあり得ることを意味する。明細書の様々な箇所における、「一例において」、「例において」、「複数の例において」、「実施形態において」、「いくつかの実施形態において」又は「複数の実施形態において」という語句の登場は、必ずしもすべて同一の例又は複数の例を参照しているわけではない。「含む」、「含み」、「備える」及び「備え」という用語は、オープンタームとして理解されるべきであり、それに続く任意の列挙は例であり、列挙された項目に限定されることを意味するものではない。本明細書において使用される任意の見出しは、整理を目的とするに過ぎず、説明又は請求項の範囲を限定するために使用されるべきでない。さらに、明細書の様々な箇所における特定の用語の使用は、説明のためであり、限定として解釈されるべきでない。
【0051】
ここで図を参照すると、
図1は、本明細書において説明される原理による、選択的に変更可能なチャネル(108、110)を制御し、コンピューティングデバイス112上でイメージング計算を実行させるコントローラ又は制御回路106を有するイメージングデバイス100のブロック図である。上に説明されるように、イメージングデバイス100は、人間又は動物の身体の内部組織、骨、血流、又は臓器の画像を生成するために使用され得る。したがって、イメージングデバイス100は、信号を身体内へ送信し、反射された信号を、イメージングされる身体部分から受信し得る。そのようなイメージングデバイスは、光音響又は超音波効果に基づき得るトランスデューサ又はイメージャと称され得るpMUT又はcMUTのいずれかを含み得る。イメージングデバイス100は、他の対象もイメージングするために使用され得る。例えば、イメージングデバイスは、医療用イメージング;管、スピーカ、及びマイクロフォンアレイに流量測定;砕石術;治療用の局所的組織加熱;及び、高密度焦点式超音波治療(HIFU)手術において使用され得る。
【0052】
人間の患者での使用に加えて、イメージングデバイス100は、動物の内臓の画像を取得するためにも使用され得る。また、内臓のイメージングに加えて、イメージングデバイス100は、ドップラーモードイメージングのように、動脈及び静脈における血流の方向及び速度を判定するためにも使用され得、また、組織の堅さを測定するために使用され得る。
【0053】
イメージングデバイス100は、異なるタイプのイメージングを実行するために使用され得る。例えば、イメージングデバイス100は、A-Scanとしても知られる一次元イメージング、Bスキャンとしても知られる二次元イメージング、Cスキャンとしても知られる三次元イメージング、及びドップラーイメージングを実行するために使用され得る。イメージングデバイス100は、線形モード及びセクタモードを含むがこれらに限定されない異なるイメージングモードに切り替えられ、プログラム制御の下で電子的に構成され得る。
【0054】
そのようなイメージングを促進するべく、イメージングデバイス100は、1又は複数の超音波トランスデューサ102を含み、各トランスデューサ102は、超音波トランスデューサ要素104のアレイを含む。各超音波トランスデューサ要素104は、pMUT又はcMUT要素などの任意の好適なトランスデューサ要素として具現化され得る。トランスデューサ要素104は、1)身体又は他の塊を通って通過する超音波圧力波を生成する、及び、2)イメージングされる身体又は他の塊内の対象からの反射波(受信された超音波エネルギー)を受信するために動作する。いくつかの例において、イメージングデバイス100は、超音波波形又は超音波圧力波(略して圧力波)を同時に送信及び受信するよう構成され得る。例えば、制御回路106は、特定のトランスデューサ要素104を制御して、イメージングされている目標対象に向かって圧力波を送信するよう構成され得、一方、他のトランスデューサ要素104は、受信された波/受信された超音波エネルギー/受信されたエネルギーに応答して、目標対象から反射された圧力波/超音波エネルギーを同時に受信し、それに基づいて電荷を生成する。
【0055】
いくつかの例において、各トランスデューサ要素104は、中心周波数、及び、任意選択的に追加の中心周波数及び帯域幅に関連付けられた特定の周波数及び帯域幅の信号を送信又は受信するよう構成され得る。そのような多周波数トランスデューサ要素104は、マルチモーダル要素104と称され得、イメージングデバイス100の帯域幅を拡張できる。トランスデューサ要素104は、約0.1~約100メガヘルツなどの任意の好適な中心周波数における信号を放射又は受信可能であり得る。トランスデューサ要素104は、約3.5~約5メガヘルツの範囲における1又は複数の中心周波数における信号を放射又は受信するよう構成され得る。
【0056】
圧力波を生成するべく、イメージングデバイス100は、複数の送信(Tx)チャネル108及び複数の受信(Rx)チャネル110を含み得る。送信チャネル108は、応答する周波数における電圧パルスで、トランスデューサ102、すなわち、トランスデューサ要素104のアレイを駆動する複数のコンポーネントを含み得る。これにより、イメージングされる対象に向かってトランスデューサ要素104から放射される超音波波形が生じる。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、超音波波形は、イメージングデバイスの1又は複数の対応するトランスデューサ要素から実質的に同時に送信される1又は複数の超音波圧力波を含み得る。
【0058】
超音波波形は、イメージングされる対象に向かって移動し、波形の一部はトランスデューサ102に反射され、圧電効果を通じて電気エネルギーに変換される。受信チャネル110は、このようにして取得された電気エネルギーを収集し、処理し、例えば、表示され得る画像を現像又は生成するコンピューティングデバイス112へ送信する。
【0059】
いくつかの例において、イメージングデバイス100における送信チャネル108及び受信チャネル110の数は一定のままであり得るが、それらが結合されたトランスデューサ要素104の数は変動し得る。トランスデューサ要素に対する送信及び受信チャネルの結合は、一実施形態において制御回路106によって制御され得る。いくつかの例において、例えば、
図1に示されるように、制御回路は、送信チャネル108及び受信チャネル110を含み得る。例えば、トランスデューサ102のトランスデューサ要素104は、N列及びM行の二次元空間アレイに形成され得る。具体的な例において、トランスデューサ要素104の二次元アレイは、128列及び32行を有し得る。この例において、イメージングデバイス100は、最大128の送信チャネル108及び最大128の受信チャネル110を有し得る。この例において、各送信チャネル108及び受信チャネル110は、複数又は単一ピクセル104に結合され得る。例えば、イメージングモード(例えば、複数のトランスデューサが同一の空間方向に超音波を送信する線形モードであるか、又は、複数のトランスデューサが異なる空間方向に超音波を送信するセクタモードであるか)に応じて、トランスデューサ要素104の各列は、単一の送信チャネル108及び単一の受信チャネル(110)に結合され得る。この例において、送信チャネル108及び受信チャネル110は、複合信号を受信し得、この複合信号は、それぞれの列内において各トランスデューサ要素104において受信された信号を組み合わせる。別の例において、すなわち、異なるイメージングモード中に、各トランスデューサ要素104は、その専用の送信チャネル108及びその専用の受信チャネル110に結合され得る。いくつかの実施形態において、トランスデューサ要素104は、送信チャネル108及び受信チャネル110の両方に結合され得る。例えば、トランスデューサ要素104は、超音波パルスを作成及び送信し、次に、反射された超音波エネルギーを電気エネルギーに変換する形態で、そのパルスのエコーを検出するよう適合され得る。
【0060】
制御回路106は、本明細書に説明される機能を実行するよう構成されている任意の回路又は複数の回路として具現化され得る。例えば、制御回路106は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ、プロセッサ及びメモリ、電圧源、電流源、1又は複数の増幅器、1又は複数のデジタル-アナログ変換器、1又は複数のアナログ-デジタル変換器などとして具現化され得るか、又は、そうでなければ、それらを含み得る。
【0061】
実例としてのコンピューティングデバイス112は、プロセッサ、メモリ、通信回路、バッテリ、ディスプレイなどの任意の好適なコンポーネントを含む任意の好適なコンピューティングデバイスとして具現化され得る。一実施形態において、例えば
図1の実施形態において示唆されるように、コンピューティングデバイス112は、制御回路106、トランスデューサ102などと共に、単一パッケージ又はシングルチップ、又は、単一のシステムオンチップ(SoC)内に統合され得る。他の実施形態において、コンピューティングデバイスの一部又は全部は、制御回路とは別個のパッケージであり得、例えば
図2の実施形態において示唆されるようなトランスデューサなどは、下で更に詳細に説明される。
【0062】
各トランスデューサ要素は、正方形、長方形、楕円形、又は円形など任意の好適な形状を有し得る。トランスデューサ要素は、本明細書において記載されるようなN列及びM行などの直交方向に配置された2次元アレイにおいて配置され得るか、又は、非対称的(又は交互の)な直線状のアレイにおいて配置され得る。
【0063】
トランスデューサ要素104は、関連付けられた送信チャネルの関連付けられた送信ドライバ回路、及び、関連付けられた受信チャネルの低雑音増幅器を有し得る。したがって、送信チャネルは送信ドライバを含み得、受信チャネルは1又は複数の低雑音増幅器を含み得る。例えば、明示的には示されないが、送信及び受信チャネルは各々、特定のトランスデューサ要素及びトランスデューサ要素のセットがアクティブ化、非アクティブ化、又は、低電力モードにされることを可能にする多重化及びアドレス制御回路を含み得る。トランスデューサは、それから生成される超音波波形の範囲に基づいて、円形方式、又は、他のパターンなど、直交する行及び列以外のパターンで配置され得ることが理解される。
【0064】
図2は、実施形態による、選択的に構成可能な特性を有するイメージングシステムを備えるイメージング環境の図である。
図2のイメージングシステムは、下で更に詳細に説明されるように、イメージングデバイス202、及び、コンピューティングデバイス216及びコンピューティングデバイスに結合されたディスプレイ220を含むコンピューティングシステム222を備え得る。
【0065】
図2に示されるように、コンピューティングデバイス216は、一実施形態によれば、
図1の実施形態と異なり、イメージングデバイス220とは物理的に別個であり得る。例えば、コンピューティングデバイス216及びディスプレイデバイス220は、イメージングデバイス202のコンポーネントと比較して、別個のデバイス(このコンテキストでは、動作中のイメージングデバイス202とは物理的に別個の示されるコンピューティングシステム222)内に配置され得る。コンピューティングシステム222は、携帯電話又はタブレットなどのモバイルデバイス、又は、画像をユーザに表示できる固定式のコンピューティングデバイスを含み得る。別の例において、
図1に示されるように、例えば、ディスプレイデバイス、コンピューティングデバイス、及び関連付けられたディスプレイは、イメージングデバイス202(ここで示される)の一部であり得る。すなわち、イメージングデバイス100、コンピューティングデバイス216、及びディスプレイデバイス220は、単一の筐体内に配置され得る。
【0066】
本明細書において参照される「コンピューティングデバイス」は、いくつかの実施形態において、対象の画像をディスプレイ上に表示すること、又は、欠陥ピクセルに関する情報をユーザに通信することのうちの少なくとも1つのために、信号を生成するように構成され得る。欠陥ピクセルに関する情報を生じさせることは、ピクセル又はピクセルのグループの時間領域受信波形のグラフをディスプレイ上に表示させること、欠陥ピクセルのヒートマップをディスプレイ上に表示させること、欠陥ピクセルに関する音声メッセージをスピーカで再生させること、欠陥ピクセルに関するテキストをディスプレイ上に表示させることを含み得る。信号の生成は、いくつかの実施形態において、下で更に説明されるように、インタレースアルゴリズムを実装することを含み得る。
【0067】
示されるように、イメージングシステムは、送信モード/プロセスにおいて、心臓214などの対象に向かって、送信チャネル(
図1、108)を介して、圧力波210を生成及び送信するよう構成されているイメージングデバイス202を含む。内臓又は他のイメージング対象は、イメージングデバイス202に向かって圧力波210の一部を反射し得る。イメージングデバイス202は、トランスデューサ(
図1のトランスデューサ102など)、受信チャネル(
図1、110)、制御回路(
図1、106)を介して、反射された圧力波を受信し得る。トランスデューサは、受信モード/プロセスにおいて、受信された超音波エネルギーに基づいて電気信号を生成し得る。送信モード又は受信モードは、異なる時間であるが送信又は受信するように構成され得るイメージングデバイスのコンテキストにおいて適用可能であり得る。しかしながら、前に記載したように、実施形態によるいくつかのイメージングデバイスは、同時に送信モード及び受信モードの両方になるように適合され得る。システムはまた、示されるような無線通信チャネル218などの通信チャネルを通じてイメージングデバイス100と通信するコンピューティングデバイス216を含むが、実施形態はまた、コンピューティングシステム及びイメージングデバイスの間の有線通信をそれらの範囲内に包含する。イメージングデバイス100は、受信された信号を処理して対象の画像の形成を完了するための1又は複数のプロセッサを有し得るコンピューティングデバイス216に信号を通信し得る。コンピューティングシステム222のディスプレイデバイス220は次に、コンピューティングデバイスからの信号を使用して、対象の画像を表示し得る。コンピューティングシステムは更に、上に記載されたように、欠陥ピクセルに関する情報をユーザに伝え得る。
【0068】
いくつかの実施形態によるイメージングデバイスは、無線で(IEEE802.11又はWi-Fi(登録商標)プロトコル、Bluetooth Low Energyを含むBluetooth(登録商標)プロトコル、mmWave通信プロトコルなどの無線通信プロトコル、又は当業者に知られている他の無線通信プロトコルを使用して)、又は、ケーブル(USB2、USB3、USB3.1、及びUSB-Cなど)など又はマイクロ電子デバイス上のインターコネクトなどの有線接続を介して、通信チャネルを通じて信号をコンピューティングデバイスと通信するように適合されるポータブルデバイス及び/又はハンドヘルドデバイスを含み得る。テザー又は有線接続の場合において、イメージングデバイスは、コンピューティングデバイスと通信するためのケーブルのケーブル接続を受けるための、
図3Aのコンテキストにおいて更に詳細に説明されるポートを含み得る。無線接続の場合において、イメージングデバイス100は、コンピューティングデバイス216と通信するための無線送受信器を含み得る。
【0069】
様々な実施形態において、本開示の異なる態様は異なるコンポーネントにおいて実行され得ることが理解されるべきである。例えば、一実施形態において、イメージングデバイスは、トランスデューサを通じて超音波波形を送信及び受信させるための回路(チャネルなど)を含み得、一方、コンピューティングデバイスは、電圧信号を使用してイメージングデバイスのトランスデューサ要素において超音波波形を生成するためにそのような回路を制御するように適合され得、更に、受信された超音波エネルギーを処理して、1又は複数の欠陥ピクセルについての欠陥ピクセルデータセットを判定する制御をするように適合され得る。そのような実施形態において、コンピューティングデバイスは、欠陥ピクセルの判定に基づいてイメージングデバイスの機能を管理/制御し得、下の更なる詳細において説明されるようにフレームを使用して対象の画像を構築し得、送信及び受信チャネルなどを選択及び構成し得る。
【0070】
別の実施形態において、イメージングデバイスは、トランスデューサ要素から超音波波形を送信及び受信させるために、電圧信号を使用して、トランスデューサ要素における超音波波形の生成を制御するための制御回路を含み得、また、受信された超音波エネルギーから電気信号を生成し得、試験モードにおいて、受信された超音波波形に対応する電気信号を使用して、イメージングデバイスの1又は複数の欠陥ピクセルに関する情報を判定し得る。そのような実施形態において、イメージングデバイスの制御回路は、受信された超音波エネルギーから生成された電気信号をコンピューティングデバイスへ送信し得、コンピューティングデバイスは、1又は複数の欠陥ピクセルに関する情報を判定するためにそれらを処理し得る。より一般的に、本明細書において開示される任意の好適な機能は、1又は複数の回路によって実行され得ること、及び、これらの回路は1つの物理デバイスに収容され得る、又は、互いに物理的に別個に収容されるが互いに通信可能に結合され得ると理解されるべきである。
【0071】
図3A及び
図3Bはそれぞれ、下で更に詳細に説明されるように、いくつかの実施形態による、イメージングデバイスの筐体内のイメージングデバイス及び内部コンポーネントの図を表す。
【0072】
図3Aにおいて見られるように、イメージングデバイス300は、トランスデューサ302及び関連付けられた電子機器が収容されるハンドヘルドケーシング331を含み得る。イメージングデバイスはまた、電子機器を駆動するためのバッテリ338を含み得る。したがって、
図3Aは、任意選択的にシリコンウェハ上に構築された2DアレイにおけるpMUTを使用して2D及び3Dイメージングが可能であるポータブルイメージングデバイスの実施形態を示す。特定のパラメータの電子構成を有する特定用途向け集積回路(ASIC)106に結合されたそのようなアレイは、以前に可能であったものより低コストで画像処理の高い品質を可能にする。更に、特定のパラメータ、例えば使用されるチャネルの数を制御することによって、電力消費を変更でき、温度を変更できる。
【0073】
いくつかの実施形態によるイメージングデバイス300は、1又は複数の欠陥ピクセルに関する情報(欠陥ピクセルデータ)に基づいて、リアルタイムのシステム構成可能性及び適合可能性を可能にするように構成されている。これは例えば、下で更に詳細に説明されるように、イメージングデバイスのトランスデューサアレイの1又は複数のピクセルの現在のピクセル性能データセットを同一のピクセルの基準ピクセル性能データセットと比較することによって行われる。
【0074】
ここで、より詳細に
図3Aを説明すると、
図3Aは、いくつかの実施形態による、選択的に調節可能な特徴を有するイメージングデバイス300の概略図である。イメージングデバイス300は、単に例として、
図1のイメージングデバイス100と同様であり得るか、又は、
図2のイメージングデバイス202と同様であり得る。上で説明されるように、イメージングデバイスは超音波医療プローブを含み得る。
図3Aは、イメージングデバイス300のトランスデューサ302を示す。上で説明されるように、トランスデューサ302は、圧力波(
図2、210)を送信及び受信するように適合されるトランスデューサ要素のアレイ(
図1、104)を含み得る。いくつかの例において、イメージングデバイス300は、トランスデューサ302、及び、圧力波(
図2、210)がそれを通じて送信される人体又は他の塊又は組織の間のインピーダンス整合インタフェースとして機能するコーティング層322を含み得る。いくつかの場合において、コーティング層322は、所望の焦点距離に合う曲率で設計されるとき、レンズとして機能し得る。
【0075】
イメージングデバイス300は、任意の好適なフォームファクタで具現化され得る。いくつかの実施形態において、トランスデューサ302を含むイメージングデバイス300の部分は、イメージングデバイス100の残りの部分から外向きに延び得る。イメージングデバイス300は、コンベックスアレイプローブ、マイクロコンベックスアレイプローブ、リニアアレイプローブ、経膣プローブ、直腸プローブ、外科プローブ、術中プローブなど、任意の好適な超音波医療プローブとして具現化され得る。
【0076】
いくつかの実施形態において、コーティング層322及び人体の間の界面におけるインピーダンス整合が改善され得るように、ユーザは、コーティング層322との直接接触の前に、生体の皮膚にゲルを塗布し得る。インピーダンス整合は、界面における圧力波(
図2、210)の損失、及び、界面におけるイメージングデバイス300に向かって移動する反射波の損失を低減する。
【0077】
いくつかの例において、コーティング層322は、トランスデューサ102から身体への、及びその逆の音響信号の送信を最大化するための平坦な層であり得る。コーティング層322の厚さは、トランスデューサ102において生成される圧力波(
図2、210)の4分の1波長であり得る。
【0078】
イメージングデバイス300はまた、トランスデューサ102を制御するための、任意選択的に特定用途向け集積回路(ASICチップ又はASIC)の形態である1又は複数のプロセッサなどの制御回路106を含む。制御回路106は、バンプなどによってトランスデューサ102に結合され得る。上に説明されるように、送信チャネル108及び受信チャネル110は、選択的に変更可能又は調節可能であり得、例えば欠陥であると判定された1又は複数のピクセルが使用されないように、所与の時間にアクティブである送信チャネル108及び受信チャネル110の数は変更され得ることを意味する。例えば、制御回路106は、欠陥について試験されるピクセルに基づいて、及び/又は、欠陥であると判定されたピクセルに基づいて、選択的に送信チャネル108及び受信チャネル110を調節するように適合され得る。
【0079】
いくつかの例において、チャネルを変更する基礎は、動作のモードであり得、動作のモードの方は、どのピクセルが欠陥であると判定されたかに基づいて、及び、任意選択的に、各欠陥ピクセルの欠陥のタイプに基づいて選択され得る。
【0080】
イメージングデバイスはまた、イメージングデバイス100のコンポーネントを制御するための1又は複数のプロセッサ326を含み得る。制御回路106に加えて、1又は複数のプロセッサ326は、トランスデューサ要素のアクティブ化を制御すること、トランスデューサ要素から反射された超音波波形に基づいて電気信号を処理すること、又は、
図1のコンピューティングデバイス112又は
図2の216などのコンピューティングデバイスの1又は複数のプロセッサによってイメージングされている対象の画像の復元を生じさせるための信号を生成することのうちの少なくとも1つを行うように構成され得る。1又は複数のプロセッサ326は更に、イメージングデバイスに関連付けられた他の処理機能を実行するように適合され得る。1又は複数のプロセッサ326は、任意のタイプのプロセッサ326として具現化され得る。例えば、1又は複数のプロセッサ326は、シングル又はマルチコアプロセッサ、シングル又はマルチソケットプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、グラフィックスプロセッサ、ニューラルネットワークコンピュートエンジン、画像プロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は、他のプロセッサ又は処理/制御回路として具現化され得る。イメージングデバイス100はまた、信号を処理/調整するためのアナログフロントエンド(AFE)などの回路328、及び、トランスデューサ102によって生成され回路328に向かって伝播される波を吸収するための音響吸収層330を含み得る。すなわち、トランスデューサ102は、基板に搭載され得、音響吸収層330に取り付けられ得る。この層は、逆方向(すなわち、ポート334に向かう方向に、コーティング層322から離れる方向)に放射される任意の超音波信号を吸収する。これらは、そうでなければ、反射されて画像の品質に干渉し得る。
図3Aは音響吸収層330を示すが、このコンポーネントは、他のコンポーネントが逆方向における超音波の物質内の伝送を防止する場合、省略され得る。
【0081】
アナログフロントエンド328は、制御回路106、及び、プロセッサ326などのイメージングデバイスの他のコンポーネントとインタフェースするように構成されている任意の回路又は複数の回路として具現化され得る。例えば、アナログフロントエンド328は、例えば1又は複数のデジタル-アナログ変換器、1又は複数のアナログ-デジタル変換器、1又は複数の増幅器などを含み得る。
【0082】
イメージングデバイスは、例えばポート334又は無線送受信器を通じて、制御信号を含むデータを、コンピューティングデバイス(
図2、216)などの外部デバイスとの間で通信するための通信ユニット332を含み得る。イメージングデバイス100は、データを記憶するためのメモリ336を含み得る。メモリ336は、本明細書で説明される機能を実行可能な、任意の種類の揮発性又は不揮発性メモリ又はデータストレージとして具現化され得る。動作中、メモリ336は、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリ、及びドライバなど、イメージングデバイス100の動作中に使用される様々なデータ及びソフトウェアを記憶し得る。
【0083】
いくつかの例において、イメージングデバイス100は、イメージングデバイス100のコンポーネントに電力を提供するためのバッテリ338を含み得る。バッテリ338は、無線又は有線充電回路(示されない)であり得るバッテリ充電回路も含み得る。イメージングデバイスは、バッテリ寿命を改善するために電力管理を最適化するようイメージングデバイスを構成するために使用される、消費されたバッテリ充電を示すゲージを含み得る。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態において、イメージングデバイスは、イメージングデバイスを壁のコンセントに差し込むことなどによって外部電源によって駆動され得る。
【0084】
ここで
図3Bを参照すると、コーティング層322を除いた、
図3Aのイメージングデバイス300の筐体内の内部コンポーネント360のより詳細な図が示される。前方部分360は、
図3Bの示された例において、レンズ366を含み得、その下に、示されるASIC106に結合された微小電気機械(MEMs)トランスデューサ302が存在する。ASICの方は、
図3AのAFE328及びポート334と共に、バッテリ338、メモリ336、通信回路332、及びプロセッサ326など、イメージングデバイスの一部又は全部の電子コンポーネントを含み得るプリント回路基板(PCB)に結合される。レンズ366、トランスデューサ302、ASIC106及びPCB360を含むアセンブリは、1又は複数の接着層362、吸収体330、及びタングステン反射体などの反射体を含む一連の層の上に置かれ得る。
【0085】
いくつかの実施形態において、
図3A及び3Bに示されるイメージングデバイスの様々なコンポーネントがイメージングデバイスから省略され得るか、又は、イメージングデバイスとは別個の他のコンポーネントに含まれ得ることが理解されるべきである。例えば、一実施形態において、1又は複数のプロセッサ326は、制御回路106の一部又は全部を含み得る。追加的又は代替的に、コンポーネントの一部又は全部は、システムオンチップ(SoC)又はマルチチップパッケージの一部に統合され、又は形成され得る。
【0086】
図4は、本明細書において説明される原理の例によるトランスデューサアレイ102の側面図である。上で説明されたように、イメージングデバイス(
図1、100)は、トランスデューサ102-1、102-2、102-3のアレイを含み得、その各々は、それら自体のトランスデューサ要素のアレイ(
図1、104)を有する。いくつかの例において、トランスデューサ102は、イメージングされる対象(
図2、214)のより広い角度を提供するように、(例えば、
図3Bに示唆されるように)湾曲され得る。
【0087】
図5は、単一トランスデューサ102の上面図を示す。
図5に示されるように、トランスデューサ102は、トランスデューサ基板540、及び、その上に配置された1又は複数のトランスデューサ要素104を含み得る。かさばるトランスデューサ要素を使用する従来のシステムと異なり、トランスデューサ要素104は、ウェハ上に形成され得、ウェハはダイシングされて複数のトランスデューサ102を形成し得る。このプロセスは、製造コストを低減し得る。なぜなら、トランスデューサ102が低コストで大量に製造され得るからである。
【0088】
いくつかの例において、ウェハの直径は8~12インチの範囲であり得、多くのトランスデューサ要素104アレイがその上にバッチ製造され得る。さらに、いくつかの例において、トランスデューサ要素104を制御するための制御回路(
図1、106)は、各トランスデューサ要素104が、整合する集積回路、例えば、近くにある、好ましくは25pm~100pm内の、受信チャネル(
図1、108)及び送信チャネル(
図1、106)に接続されるように形成され得る。例えば、トランスデューサ102は、1024のトランスデューサ要素104を有し得、1024のトランスデューサ要素104についての適切な数の送信及び受信回路を有する整合する制御回路(
図1、106)に接続され得る。
【0089】
トランスデューサ要素104は、正方形、長方形、楕円形、又は円形など、任意の好適な形状を有し得る。
図5に示されるように、いくつかの例において、トランスデューサ要素104は、直交方向に配置された2次元アレイに配置され得る。すなわち、トランスデューサ要素104アレイは、N列542及びM行544を有するM×Nアレイであり得る。
【0090】
線要素を作成するために、N個のトランスデューサ要素104の列542が並行に電気的に接続され得る。その後、この線要素は、各トランスデューサ要素104よりほぼN倍長い連続するトランスデューサ要素によって実現されるものと同様の超音波信号の送信及び受信を提供し得る。この線要素は、列又は線又は線要素と交換可能に呼ばれ得る。ピエゾ要素の列の例が、参照番号542によって
図5に示される。トランスデューサ要素104は、この例において列542に配置され、関連付けられた送信ドライバ回路(送信チャネルの一部)、及び、受信チャネル回路の一部である低雑音増幅器を有する。
【0091】
明示的に示されないが、送信及び受信回路は、特定の要素及び要素のセットが使用されることを可能にするための多重化及びアドレス制御回路を含み得る。トランスデューサ102は、円形又は他の形状など、他の形状に配置され得ると理解されたい。いくつかの例において、各トランスデューサ要素104は、中心から中心まで互いに250pm離れ得る。
【0092】
本明細書のトランスデューサ102において、各要素がその特性中心周波数を有し得る複数の同一のトランスデューサ要素104を使用して線要素を設計することが有利である。複数のトランスデューサ要素104が共に接続されるとき、複合構造(すなわち線要素)は、すべてのピクセルの中心周波数から成る中心周波数を有する1つの線要素として機能し得る。現在の半導体プロセスにおいて、これらの中心周波数は、互いによく整合し、線要素の中心周波数からの偏差が非常に小さい。いくらか異なる中心周波数の複数のピクセルを混合することにより、1つの中心周波数のみを使用する線と比較して広い帯域幅線を作成することも可能である。
【0093】
いくつかの例において、トランスデューサ102は、トランスデューサ102の温度を測定するための1又は複数の温度センサ546-1、546-2、546-3、546-4を含み得る。
図5は、特定の位置に配置された温度センサ546を示すが、温度センサ546は、トランスデューサ102上の他の場所に配置され得、追加のセンサがイメージングデバイス(
図1、100)上の他の場所に配置され得る。
【0094】
温度センサ546は、一実施形態によれば、チャネル(
図1、108、110)の選択的調節をトリガし得る。すなわち、上に説明されるように、ハンドヘルドポータブルイメージングデバイス(
図1、100)内の温度は、予め定められた温度より上に上昇し得る。したがって、温度センサ546は、患者に接触する表面であるトランスデューサ102表面においてデバイスの温度を検出し得る。温度センサ546が閾値量より高い温度、例えば、ユーザが定めた温度又は規制当局によって設定された温度を検出する場合、送信チャネル(
図1、108)及び/又は受信チャネル(
図1、110)の全部又は一部をパワーダウンするための、又は、送信チャネル(
図1、108)及び/又は受信チャネル(
図1、110)の全部又は一部を低電力状態に設定するための信号がコントローラ(
図3A、106)によって渡され得る。温度センサ546をトランスデューサ102配置することは、これが患者に接触する表面の近くにあり、したがって、ユーザが過度の熱に気付き得る又は影響され得る界面における温度に関するデータを提供するという点で有益である。1又は複数のピクセルが欠陥を有すると判定された場合、温度センサからデータは、例えば、欠陥の特定のタイプの発生率を任意選択的に含む、欠陥の発生率を、温度センサからのデータと関連付けるのに更に有用であり得る。
【0095】
図5はまた、トランスデューサ要素104の端子を示す。すなわち、各トランスデューサ要素104は2つの端子を有し得る。第1端子は、アレイにおけるすべてのトランスデューサ要素104によって共有される共通の端子であり得る。第2端子は、トランスデューサ要素104を、送信チャネル(
図1、108)及び受信チャネル(
図1、110)に接続し得る。この第2端子は、すべてのトランスデューサ要素104について駆動及び検知された端子であり得、第1列におけるそれらのトランスデューサ要素104について記号的に示される。簡素化のために、第2端子は、第1列におけるそれらのトランスデューサ要素104についてのみ示される。しかしながら、関連付けらた送信チャネル108及び受信チャネル110を有する同様の端子は、アレイにおける他のトランスデューサ要素104に存在する。制御信号を使用する制御回路(
図1、106)は、それぞれの送信チャネル(
図1、108)及び受信チャネル(
図1、110)をオンにして、他の列542におけるチャネル(
図1、108、110)をオフにすることによって、トランスデューサ要素104の列542を選択し得る。同様の方式で、特定の行を、又は、個別のトランスデューサ要素104でもオフにすることも可能である。
【0096】
図6は、本明細書において説明される原理の例による、イメージングデバイス100及びフレーム648の走査線650の等角図である。フレーム648は、臓器の単一の静止画像、又は、イメージングされる他の対象を指す。フレーム648は、対象の断面の画像に対応し得る。フレーム648は個別の走査線650から構成される。すなわち、フレーム648は、画像として見られ得、走査線は、その画像の個別の層又はスライスである。解像度に応じて、特定のフレーム648は、百未満から数百の範囲にある異なる数の走査線650を含み得る。
【0097】
フレーム648を形成するべく、ビームフォーミング回路を使用するトランスデューサ102は、例えば特定の列(
図5、542)における、異なるトランスデューサ要素(
図1、104)の圧力波を、特定の焦点に集中させ得る。これらのトランスデューサ要素(
図1、104)によって収集された反射信号は、受信、遅延、加重、合計されて、走査線650を形成する。関心の焦点は次に、ビームフォーミング技術に基づいて変更され得、例えば100~200の走査線650から成るフレーム648全体まで反復されるプロセスが生成される。
【0098】
図7は、本明細書において説明される原理の例による走査線850の形態を示す。具体的には、
図7は、
図6の線A-Aに沿って取得される1つのトランスデューサ102の断面図である。具体的には、
図7は、トランスデューサ102を構成するトランスデューサ要素104を示す。
図7において、簡素化のために、トランスデューサ102の1つのトランスデューサ要素104だけが、参照番号で示されている。また、
図7に示されるトランスデューサ要素104は、列(
図5、542)の上部のトランスデューサ要素104を表し得、他のトランスデューサ要素104はページの向きに延びていることに留意されたい。
図7はまた、走査線を形成する、制御回路(
図1、106、又は
図3A、106)において見られ得る回路を示す。また、簡素化のために、
図7は、7つのトランスデューサ要素104、及び、7つのそれぞれの列(
図5、542)のみを示すことに留意されたい。しかしながら、上に説明されるように、トランスデューサ102は、任意の数のトランスデューサ要素104、例えば、128列(
図5、542)を含み得、各列(
図5、542)は、その中に配置された32個のトランスデューサ要素104を有する。
【0099】
走査線650を形成するべく、反射された超音波波形752が複数のトランスデューサ要素104から、例えば、列(
図5、542)における各トランスデューサ要素104から受信される。これらの波形752は電気信号に変換される。いくつかの例において、列(
図5、542)におけるトランスデューサ要素104からの電気信号は、複合信号754に組み合わされ得、制御回路106に渡される。各複合信号754が異なる送信長に起因して異なる時間に受信されるので、制御回路106は、同一位相となるように各複合信号754を遅延させる。制御回路106は次に、調節された信号を組み合わせて走査線650を形成する。
【0100】
図8は、本明細書に説明される原理の例による受信チャネル110を示す。受信チャネル110は、トランスデューサ要素(
図1、104)に結合され、反射された圧力波(
図2、210)を受信する。
図8はまた、トランスデューサ要素(
図1、104)及び送信チャネル(
図1、110)の間の接続を示す。一例において、送信チャネル(
図1、108)は、受信された圧力及び送信されたパルスが遭遇するノードにおける受信動作中に、高いインピーダンスに動く。具体的には、反射された圧力波は、トランスデューサ要素104における電荷に変換され、これが低雑音増幅器(LNA)(856)によって電圧に変換される。LNA(856)は、電荷が出力電圧に変換される電荷増幅器である。いくつかの例において、LNA(856)は、プログラム可能な利得を有し、利得はリアルタイムに変更できる。
【0101】
LNA(856)は、トランスデューサにおける電荷を電圧出力に変換し、また、受信されたエコー信号を増幅する。スイッチ(送信/受信スイッチ)が、受信モードの動作において、LNA(856)をトランスデューサ要素104に接続する。
【0102】
このLNA(856)の出力は次に、信号を調整するために他のコンポーネントに接続される。例えば、プログラム可能利得増幅器(PGA)(858)は、電圧の大きさを調節し、時間の関数として利得を変更する方法を提供し、時間利得増幅器(TGA)として知られ得る。信号は組織内により深く移動するにつれて減衰する。
【0103】
したがって、より大きい利得が補償のために使用され、このより大きい利得はTGAによって実装される。バンドパスフィルタ860は、ノイズ及びアウトオブバンド信号をフィルタ除去するように作用する。アナログ-デジタル変換器(ADC)862は、アナログ信号をデジタル化して、更なる処理をデジタル方式で行うことができるように、信号をデジタル領域に変換する。ADC862からのデータは次に、復調ユニット864でデジタル処理され、
図7に示されるような走査線(
図6、650)を生成するためにFPGA326に渡される。いくつかの実装において、復調ユニット864は、例えばFPGAなど、別の場所で実装され得る。復調ユニットは、更なるデジタル処理のために、直交位相における2成分(I及びQ)を用いてキャリア信号をベースバンドに周波数偏移する。いくつかの例において、アナログ-デジタル変換器(ADC)862は、ADC862のレイテンシを低減するために逐次比較レジスタ(SAP)アーキテクチャを実装し得る。すなわち、ADC862が繰り返しオフ及びオンされるにつれて、オンに続く信号処理を遅延させないように、レイテンシがほとんど又はまったく無い必要がある。
【0104】
ここで
図9A及び
図9Bを参照する。
図9Aは、実施形態によるピクセル900の上面図であり、
図9Bは、線9-9に沿って得られた
図9Aのピクセル900の断面図である。ピクセルは、基板902上で支持されている膜層906、膜層(又は「膜」)906上に配置されている底部電極(O)908;底部電極(O)908上に配置されている圧電層910;及び、圧電層910上に配置されている上部電極(X)912を含み得る。基板902及び膜906は任意選択的に、モノリシックボディに対応し得る。キャビティ904が、底部電極908から逆を向いた膜906の表面、及び、底部電極908から離れる方向に延びる基板の側壁によって画定され得る。
【0105】
いくつかの実施形態においてキャビティ904は、膜906の振動を制御するために、予め定められた圧力の気体又は音響減衰物質で充填され得る。いくつかの実施形態において、上部電極912の投影エリアの幾何学的形状は、圧電ピクセル900の動的性能及びキャパシタンスの大きさを制御するために、特徴的な幾何学的パラメータを有する概して凹状又は凸状の形状で構成され得る。
【0106】
いくつかの実施形態において各ピクセル900は、圧電ピクセルであり得、PZT、KNN、PZT-N、PMN-Pt、AlN、Sc-AlN、ZnO、PVDF、及びLiNiO3のうちの少なくとも1つから形成される圧電層を含み得る。代替的な実施形態において、各ピクセル900は、容量性微細ピクセルであり得る。
【0107】
図9Aにおいて、各ピクセル900は、その上面図において長方形形状を有することが示される。いくつかの実施形態において、各ピクセルは、その上面図において楕円形の形状を有する上部電極を含み得る。以下では、「上部電極の形状」とは、上部電極の上面図を指す(上部とは、キャビティから逆を向く上部電極の表面の図を指す)。上部電極の形状は、正方形、円形、長方形、楕円形など任意の形状を含み得る。それは対称であることが好ましいことがあり得るが、実施形態はそれに限定されない。
【0108】
ここで、n個のピクセルを有するイメージングデバイスにおけるトランスデューサアレイについて、
図10のフローチャート1000を参照する。開始1002後、n個のピクセル(1004-例えばイメージングデバイスは、n個のピクセルがあると判定し得る)に基づいて、アレイの各個別ピクセルiについて(1006-例えば、イメージングデバイスは、最大n個のピクセルまで、各ピクセルiについてのインクリメントカウンタを維持し得る)、イメージングデバイスは、動作1008において、一般的に、ピクセルのアクティブ化を含む受信サイクルを実行して、それから送信済み超音波波形を生成し、送信済み超音波波形に基づく、反射された超音波波形の関連付けられた集合を生成し得る。
【0109】
図10の示される実施形態によれば、n個のピクセルの各ピクセルiを別個にアクティブ化することを含む動作1008に対応する受信サイクルが示される。特に動作1010において、イメージングデバイスは、超音波波形をピクセルiに送信し得る。ある期間が経過した後(1012)、動作1014において、イメージングデバイスは、動作1010においてピクセルiによって送信された送信済み超音波波形から(に基づいて)生成された、反射された超音波波形を受信し得る。反射された超音波波形は、送信済み超音波波形が、インピーダンス不整合境界から反射する結果として生成され得る。イメージングデバイスがイメージングモードにある場合、インピーダンス不整合境界は、人間又は動物の身体における臓器など、イメージングされる目標の様々な表面に対応し得る。本明細書のいくつかの実施形態のコンテキストにおいて説明されるように、イメージングデバイスが「健全状態チェック」モードにあるとき、インピーダンス不整合境界は、レンズ(
図3Aのコーティング層322、又は、
図3Bのレンズ366など)、及び、空気、又はレンズとインピーダンス不整合を生じさせる任意の他の媒質など、別の媒質の間であり得る。クイックテキストモードに関する更なる詳細は、説明が進行するにつれて下で提供される。
【0110】
動作1016において、イメージングデバイスは、iの値を1だけインクリメントし得、動作1018において、イメージングデバイスは、インクリメントされたiの値がnより上であるかどうかを判定し得る。iがnより大きくない場合、イメージングデバイスは、i>nになるまで動作1010~1018を反復し得る。i>nになると、イメージングデバイスは、すべてのピクセルiからn個のピクセルまで、受信された超音波波形を処理し得る。一実施形態によれば、イメージングデバイスは、i>nであると判定した後、ピクセルi=i~nの受信サイクルを終了し得るが、代替的な実施形態によれば、イメージングデバイスは、前の受信サイクルの反射された超音波波形を処理しながら、後の受信サイクルの送信済み超音波波形に基づく超音波波形の受信を継続し得る。一実施形態によれば、イメージングデバイスは、1又は複数の他のピクセルからの後の受信された超音波波形を受信しながら、受信された超音波波形を処理し得る。
【0111】
受信された超音波波形の処理は、一実施形態によれば、
図8のコンテキストにおいて例として説明される処理を含み得る。すなわち、受信された超音波波形を処理することは、トランスデューサ要素(104)において、それを電荷に変換すること、更に、低雑音増幅器(LNA)(856)によって、電荷を電圧に変換することを含み得る。LNAは更に、上の
図8のコンテキストにおいて記載された、受信されたエコー信号を増幅し得る。受信された超音波波形の処理は更に、LNAから出力される信号を調整すること、例えば、プログラム可能利得増幅器(PGA)(858)を使用して、電圧の大きさ/振幅を調節すること、及び/又は、例えば、時間利得増幅器(TGA)を使用して時間の関数として利得を変更することを含み得る。
【0112】
いくつかの実施形態による、例えば上に記載された処理の後に、ピクセルの性能を特性評価するために、受信された超音波波形に対応する電気信号が、例えば各ピクセルiからn個のピクセルまでについての、ピクセルの性能に対応する時間領域信号波形(性能データセット)を生成するために使用され得る。いくつかの実施形態によれば、性能データセットは最初に、「健全な」ピクセル、すなわち、性能が欠陥を示さない、又は、無視できる欠陥を示すピクセルについて生成され得る(以下、「基準ピクセル性能データセット」)。性能データセットは、ピクセルi又はピクセルのグループを、例えば受信サイクル又はループに通すことによって、イメージングデバイスによって生成され得、ここで、反射された超音波波形は、イメージングデバイスのレンズ、及び、空気、又は、トランスデューサアレイとの整列を必要としないイメージングデバイスのレンズとのインピーダンス不整合を生じさせる任意の他の媒質などの別の媒質(以下「整合層」)の間のインピーダンス不整合に基づいている。
【0113】
いくつかの実施形態によれば、受信サイクルを通るピクセルのグループは、グループにおけるピクセルの数、及び、急速試験媒質境界(媒質1及び媒質2の間の境界)との距離及びその形状によって判定される加法的性能信号波形を示し得る。グループにおける1又は複数のピクセルに欠陥があるとき、ピクセルのグループについての性能信号波形は、欠陥ピクセルにおける性能の変化を示し得、欠陥ピクセルの隣接するピクセルにおける性能の変化を示し得、この方式で欠陥ピクセルを特定する。欠陥ピクセルに隣接するものも欠陥でないことを確実にするために、欠陥ピクセル波形を減算することによって加法的性能信号波形が判定され得る。
【0114】
ピクセルiについての基準ピクセル性能データセットの生成及び記憶の後、同一のピクセルiが、イメージングデバイスによって、目標画像生成のためのイメージングデバイスの使用前の「健全状態チェック」測定として、現在のピクセル性能受信サイクル(例えば、動作1010、1012及び1014)を通過させられ得る。ピクセルiに適用される健全状態チェックルーチンは、現在のピクセル性能データセットの生成をもたらし得る(基準ピクセル性能データセットと同様であるが、より後の時間、したがって、ピクセルiの性能が劣化を受け得、したがって欠陥を示し得るときに一度に実行され得る場合がある)。健全状態チェックは、ピクセル性能の特性評価を可能にすることであり、例えば、目標をイメージングするためのイメージングデバイスの使用前の欠陥ピクセルの判定、及び、ピクセルに関して発見された任意の欠陥に基づく推奨される次のステップの判定を含む。欠陥ピクセルの判定は、いくつかの実施形態によれば、いくつか例を挙げると、(例えば、欠陥ピクセルのグループ又はその各々のアドレスを提供することによる)欠陥ピクセルの場所の指示、欠陥ピクセルの欠陥タイプの指示など、欠陥ピクセルの識別を含み得る。
【0115】
健全状態チェック(又は「急速試験」)は、基準ピクセル性能データセットを生成するために使用されたものと同一の整合層に対して実行され得る。その生成後、ピクセルの現在のピクセル性能データセットは、ピクセル受信性能が基準から変化したかどうかを判定するために、特に、そのようなピクセルがここで欠陥を示すかどうかを判定するために、その基準ピクセル性能データセットと比較され得る。説明が進行するにつれて、性能データセットに関する更なる詳細が提供される。
【0116】
図10の実施形態と比較される代替的な実施形態によれば、個別ピクセルiが一度に1つのピクセルずつ、送信済み超音波波形を生成させられる代わりに、現在のピクセル性能データセットの生成の目的で、ピクセルのグループが、イメージングデバイスによって、一連の波形を同時にまとめて送信させられ得る。例えば、
図3Aのイメージングデバイス300などのイメージングデバイスは、一度に複数の送信チャネル、例えば、一度に最大64個のチャネルのデータなどを出力可能であり得るAFE328を含む。(受信サイクルを使用して健全状態チェックを実行するために)可能な限り早い時間に4096個のピクセルアレイの各ピクセルの性能を測定するべく、一実施形態によれば、64個の単一ピクセルのグループが、超音波波形を送信させられ、その後、結果として反射された超音波波形を受信させられ得る。4096個のすべてのピクセルが送信受信イベントについてキャプチャされるまで(すなわち、4096個のすべてのピクセルがグループとして受信サイクルを通過するまで)、この64のグループが、次の64のグループに順次に切り替えられ得、上は64個の受信サイクルに対応し、各受信サイクルは、64個のピクセルを作動させる。したがって、本実施形態において、64の「ループ」が関与すると言える(64×64=4096)。各受信サイクル(又は各ループ)の受信された超音波波形に対応する電気信号のそれぞれのピーク値は、次に、ピクセル感度のヒートマップをプロットするためにイメージングデバイスによって使用され得る。単一ピクセルを1つずつではなく、ピクセルのグループを同時に作動させることによって、試験時間は、グループにおける同時に作動されるピクセルの数だけ低減され得る。例えば、1つずつ作動される4096個のピクセルの試験は、4096の反復を伴うが、同一の4096個のピクセルについての64のグループを作動させることは、64の反復を伴い、試験時間が64分の1低減する。制限は、送信及び受信電子機器が同時にキャプチャできるピクセルのグループのサイズにある。ピクセルのグループを作動させることによって、グループについての基準性能信号波形が、グループの単一ピクセル性能信号波形及び急速試験媒質の加法関数として判定される。グループにおける欠陥要素ピクセルは、この加法関数からの偏差を測定することによって判定される。各受信サイクル又はループが64個のピクセルのグループに対応する、上の特定の実施形態において、各ピクセルは、4サイクル(受信サイクルから区別される)、3.6MHz超音波波形を送信し得る。
【0117】
したがって、(ループにおける各ピクセルからのすべての送信済み超音波波形の複合である)送信済み超音波波形は、イメージングデバイスレンズ/空気の境界から反射し、送信を生じさせたばかりの同一の64個のピクセルへ戻り、受信され得る。
【0118】
送信から受信への切り替え時間に起因して、反射された超音波波形に対応する電子信号の開始がクリップされる、又はカットオフされ得る。ASIC上の低ノイズ増幅器(LNA)は更に、オンに切り替えた後の整定時間を有し得、受信された超音波波形の処理及び電圧信号へのその変換は典型的には、この時間内に生じる。これらの効果が考慮される必要がある。例えば、受信された超音波波形がクリップされる場合、送信された波形のより多くのサイクルが必要とされ得るか、又は、時間領域におけるクリップ部分の後に、信号が特性評価/解析され得る。ASIC上のLNAが整定している間に、受信された超音波波形が生じる場合、波形において観察される整定アーチファクトの除去が、ハイパスフィルタなどのフィルタを用いて、又は、モデリングされたLNA整定信号の減算を用いて行われ得る。いくつかの実施形態によれば、受信された超音波波形の処理の一部として、増幅器設定(PGAなど)が、受信された信号の振幅をLNA電源オン及び整定振幅の振幅より上に増加させるように設定され得る。
【0119】
図11A及び
図11Bは、
図3Bのトランスデューサ302に関連付けられたものなど、トランスデューサアレイ内の単一ピクセルについての送信及び受信経路をより詳細に示し、それぞれ、
図10の動作1010及び1014に対応する。
図11Aは、音響インピーダンスZ
1を有する、
図3Bのレンズ366(媒質1)などの第1媒質1104を通じて超音波波形1103を送信するプロセスにおける、例えば、
図3Bのトランスデューサ302などのトランスデューサにおけるものなどのピクセルiを示す。送信された波形は、第1媒質を通じて第2媒質1106(媒質2)に向かって伝播する。これは、
図11A及び11Bの場合、整合層に対応し、整合層は、Z
1と異なる音響インピーダンスZ
2を有する。整合層は例えば空気を含み得る。音響インピーダンスZ
1及びZ
2は、同一又は「整合」でないので、媒質1及び媒質2の間に音響インピーダンス不整合境界1107がある。
【0120】
図11Bは、送信された波形が音響インピーダンス不整合境界1107から反射した結果として生じる反射された波形1105についての受信経路を示す。反射された波形は、示されるように、ピクセルi1101で受信される。ピクセルi1101の性能は、健全状態チェックのコンテキストにおいて上で説明された
図10の受信サイクル1008などの受信サイクルからの結果であり得る。
【0121】
図12のAは、超音波イメージングデバイスの1又は複数のピクセルの性能を特性評価する例示的な方法を実装するように構成されている超音波プローブ又はイメージングデバイス300の実施形態の側断面図である。
【0122】
【0123】
図12のAを参照すると、ピクセルアレイについての送信及び受信能力を有する超音波イメージングデバイス300が、トランスデューサ302、又は、ヘッド部1201における
図12のAの点線枠境界内に位置するピクセルアレイと共に示されている。
図12のBは、音響インピーダンスZ
1を有する第1媒質(媒質1)1104を通じて音響波形1103を送信する、
図12のAのピクセルアレイを含むヘッド部1201の拡大図を示す。音響インピーダンスZ
2を有する第2媒質1106(媒質2)は、媒質1と境界を接する。音響インピーダンスZ
1及びZ
2は同一又は「整合」でないので、媒質1 1104及び媒質2 1106の間に音響インピーダンス不整合境界1107がある。
図12のCは、
図12のBと同一の、ピクセルアレイを含むヘッド部1201の拡大側面図を示し、ここで、
図12のBに示される送信された音響信号は、媒質1 1104及び媒質2 1006の間のインピーダンス不整合層1107から1105で反射する。
図12のCに示されるように、この反射された波形は、初期音響波形を送信したピクセルiの方向に移動し、ここでピクセルiは反射された波形を受信する。
【0124】
いくつかの実施形態は、超音波イメージングプローブのピクセル要素の送信及び受信性能の両方を同時に特性評価するための装置及び方法を提供する。インピーダンス不整合境界が、イメージングデバイスのレンズの物質境界及び空気の間の界面など、超音波イメージングデバイスの設計において生じ得る。そのような界面では、反射体目標、試験器具、又は、整列は、超音波イメージングデバイスの1又は複数のピクセルの性能を特性評価する方法を実行するために必要でない。しかしながら、空気以外を特性評価する方法を実行するための器具及び反射体目標の使用は、実施形態の装置又は方法の機能性を制限しない。
【0125】
インピーダンス不整合境界から反射された信号の検出は、例えば、
図10に関連して上で記載されるような、ピクセルの送信受信サイクルについての性能を示す。本明細書において参照される性能の特性評価は、例えば、ピクセルあたりの1又は複数の欠陥などの欠陥の判定に関連し得る。本明細書において参照されるようなピクセルのコンテキストにおける欠陥は、そのピクセルの性能に影響し得る任意の欠陥に関連し得る。これは、ピクセル自体における欠陥、ピクセルから送信された又はピクセルに向かって反射された波形の経路に影響する欠陥(
図3Bのレンズ366に関する欠陥など)を含む。
【0126】
ピクセルの性能の特性評価は、ピクセルについての超音波波形の送信及び受信両方の組み合わされた振幅に対応する性能データセットを生成することを含み得る。イメージングデバイスは、後者の組み合わされた振幅を、送信超音波波形振幅及び(インピーダンス不整合境界に基づく)反射係数に送信超音波波形振幅を乗算した値の和と凡そ同等であり得る受信超音波波形振幅として検出し得、及び、送信から受信までの波形の合計経路長についての第1媒質及び第2媒質における任意の損失を検出し得る。いくつかの実施形態による性能の特性評価は、単一値として、又は、経時的な値のデータセットとして記録された1又は複数のピクセルについてのこの振幅をそれぞれ、基準単一値又は経時的に変動する値の基準データセットと比較することを伴い得る。
【0127】
受信された超音波波形が特定のピクセルに無いことは、特定のピクセルが、送信又は受信のうちの少なくとも1つにおいて欠陥を有することを示し得る。1又は複数のピクセルによって1又は複数の超音波波形の送信を確認する能力は、ピクセル性能の特性評価中に、受信性能の特性評価を送信性能の特性評価から分離することを可能にし得る。例えば、1又は複数のピクセルが超音波波形を送信していて、少なくとも1つのピクセルが超音波波形を受信している場合、少なくとも1つのピクセル上に受信された信号が存在する状態で、送信が確認され、他のピクセル上に信号が無いことにより、受信障害が判定される。超音波波形を送信するピクセルは加法であり、送信ピクセルから超音波波形を受信する単一ピクセルは、完全な加法超音波波形の存在により、すべての送信ピクセルの送信を確認する。ピクセルが送信していない場合、受信された超音波波形は低減される。受信された波形が、欠陥のあるトランスミッタではなく、欠陥があるが障害は無いレシーバに起因して低減されるシナリオが存在し得る。したがって、複数のレシーバ及びトランスミッタを用いて、受信又は送信に欠陥があるかどうかを判定する信頼度が増加する。
【0128】
ピクセルについての性能特性評価の代替的な実施形態は、受信を用いて2以上のピクセルが機能していることが確認されたとき、ピクセルの送信障害を検出するための装置及び方法を含む。受信の機能は、送信された信号の存在又はLNA設定波形の存在によって判定され得る。送信された信号が無く、LNA設定波形が無く、受信波形が無い場合、送信又は受信障害の判定を行うことができない。本実施形態において、制御回路106などの制御回路は、信号をピクセルのグループに送信して、超音波波形を送信するようピクセルに要求し得る。ピクセルのグループの所与のピクセルにおいて検出された、受信された超音波波形が、送信及び受信のために機能している1又は複数の隣接するピクセルにおいて検出された、受信された超音波波形より小さい振幅を有すると判定したことに応答して、イメージングデバイスは、所与のピクセルが送信に欠陥を有することを判定し得る。本実施形態において、所与のピクセルの受信についての欠陥(所与のピクセルについて、受信において、ピクセル感度を低減する又は無くなることを生じさせる欠陥)から区別するために、所与のピクセルは、制御回路によって信号を送信され、超音波波形を単独で送信し得、受信された超音波波形が所与のピクセルで検出されない場合、送信障害が確認され得る。
【0129】
ピクセルについての性能特性評価の代替的な実施形態は、レンズ又は整合層における気泡、層間剥離(付着不良)、又は破片など、レンズ又は整合層における欠陥を識別するための装置及び方法を含む。送信受信サイクルは、信号が、送信ピクセル及び音響インピーダンス不整合境界の間の、健全状態チェックのために設計された経路に沿って、途切れることなく移動することを必要とする。レンズ又は整合層境界の間の気泡、破片、又は付着不良は、結果として、信号についての経路変化をもたらし、典型的には、受信された振幅、又は、受信された信号において検出された時間依存の変化を生じさせる。信号における時間及び振幅変化は、レンズ又は整合層の欠陥を推測するために使用され得る。
【0130】
既知の媒質における送信から受信までの音響信号についての伝播の時間をキャプチャすることは、移動の距離(音響信号又は超音波波形の経路)に正比例する。例えば
図3Bのレンズ366などのレンズなどの既知の媒質において送信及び受信する1又は複数のピクセルからの信号をキャプチャすることは、信号(又は超音波波形/音響信号)の移動の経路に沿って、媒質の形状又は構成の判定を可能にし得る。いくつかの実施形態は、その意図された(基準)設計又は設計の確認からの任意の偏差を推測するために、媒質の形状を判定することを含む。例えばレンズの意図された基準設計からの偏差は、欠陥ピクセルの判定をもたらし得、ここで、ピクセルから送信され、不整合インピーダンス境界からピクセルへ反射される超音波波形の伝播経路は、例えば、上に記載された気泡、層間剥離、又は破片などの欠陥を含む。媒質の「形状」又は「構成」によって本明細書で意図されるものは、媒質の表面の又は表面における形状又は構成(例えば、境界1017の形状を含む)など、媒質の1又は複数の部分の形状又は構成である、又は、媒質全体の形状又は構成を含む。
【0131】
媒質の形状を判定し、1又は複数のピクセルから送信及び受信する音響信号についての伝播時間を取得することは、ピクセルの位置を示すために使用され得る。したがって、既知の媒質における信号伝播のこれらの原理は、超音波イメージングデバイスピクセル性能に影響を及ぼす欠陥の範囲を検出及び識別するために利用され得る。
【0132】
ここで、
図12のB及び
図12のCと同様であるが、レンズ(又は第1媒質)1104又は整合層(又は第2媒質)1106における欠陥、レンズ又は整合層における破片、又は、レンズ又は整合層境界における付着不良などの、ピクセル性能において現れ得る欠陥を有するイメージングデバイスのヘッド部1201の図を示す
図13を参照する。
【0133】
例えば、ヘッド部1201におけるピクセルのアレイのピクセル1101aは、ピクセル1101a及び媒質1 1104の間に間隙が存在するように、媒質1 1104からの層間剥離(すなわち分離)を示すものとして示される。別のピクセル1101bは、気泡1302がピクセルから送信された超音波波形の伝播経路にあり、したがって、ピクセルの性能に影響を及ぼすような配置がされていることが示される。別のピクセル1101cは、不整合境界層が遮断されるように、媒質1の表面における不規則性が、ピクセルから送信された超音波波形の伝播経路にあるような配置がされていることが示される。別のピクセル1101dは、おそらくピクセルに関するいくつかの局所的な構造又は電気的な障害に起因して、非アクティブであることが示されている。ピクセル性能に影響を及ぼす欠陥のこれらの様々な例に関して、反射された波形に関連付けられた測定可能又は検出可能な特性(ピクセルの基準ピクセル性能データセットと比較した、時間及び振幅変化又は位相シフトなど)が、特定のレンズ又は整合層欠陥の性質又は原因を推測又は推定するために使用され得る。
【0134】
ここで、このコンテキストにおいて、
図14A~
図14Dを参照する。これは、ピクセル1101a~1101c(
図14A~
図14C)についての、更には、ピクセルアンダーフィル欠陥(
図14D)についての、上の
図13のコンテキストにおいて説明されたピクセル性能欠陥に関連するグラフ1402及び1404のそれぞれのペアを示す。
【0135】
まず、
図14Aを参照すると、グラフ1402aは、超音波イメージングプローブのピクセルアレイ1404aにおけるそれぞれのピクセルについての基準ピクセル性能データセット1408a及び現在のピクセル性能データセット1406aの描写である。それぞれのピクセルは、各性能データセットがグラフ1402aにおいてグラフにされたピクセルの座標を示す対応する行及び列のペアの交差点を指す矢印によって示されるアレイ内に位置する。グラフ1402aにおいて、y軸は、任意単位で振幅を示し(グラフ1402aは、実例の目的でのみ提供される)、x軸は、マイクロ秒で時間を示す。
図14Aにおいて示唆されるように、レンズ層間剥離は、基準ピクセル性能データセット1408aの振幅及びリンギング波形と比較した、現在のピクセル性能データセット1406aについてのより大きい振幅及びより長いリンギング波形の存在によって、イメージングデバイスによって検出され得る。
【0136】
まず、
図14Bを参照すると、グラフ1402bは、超音波イメージングプローブのピクセルアレイ1404bにおけるそれぞれのピクセルについての基準ピクセル性能データセット1408b及び現在のピクセル性能データセット1406bの描写である。それぞれのピクセルは、各性能データセットがグラフ1402bにおいてグラフで示されているピクセルの座標を示す対応する行及び列のペアの交差点を指す矢印によって示されるアレイ内に位置する。グラフ1402bにおいて、y軸は、任意単位で振幅を示し(グラフ1402bは実例の目的のみで提供される)、x軸は、マイクロ秒で時間を示す。
図14Bに示唆されるように、レンズの気泡は、減少した振幅の存在によって、及び、波形におけるリングダウンパターンの変化、及び、基準ピクセル性能データセット1408bの振幅、リングダウンパターン、及び位相と比較した、現在のピクセル性能データセット1406bについての反射された波形の位相のシフトによって検出される。
【0137】
まず、
図14Cを参照すると、グラフ1402cは、超音波イメージングプローブのピクセルアレイ1404cにおけるそれぞれのピクセルについての、基準ピクセル性能データセット1408c(示される実施形態において、波形として示されるが、実施形態はそれに限定されず、基準ピクセル性能を表すデータの任意のセットを含む)及び現在のピクセル性能データセット1406c(ここでも、示される実施形態において、波形として示されるが、実施形態はそれに限定されず、現在のピクセル性能を表すデータの任意のセットを含む)の描写である。それぞれのピクセルは、各性能データセットがグラフ1402cにおいてグラフで示されているピクセルの座標を示す対応する行及び列のペアの交差点を指す矢印によって示されるようにアレイ内に位置する(ここでも、示される実施形態において、任意のピクセル性能は、波形として示され得るが、実施形態はそれに限定されず、ピクセル性能を表すデータの任意のセットを含む)。グラフ1402cにおいて、y軸は、任意単位で振幅を示し(グラフ1402cは、実例の目的のみで提供される)、x軸は、マイクロ秒で時間を示す。
図14Cに示唆されるように、ピクセル障害は、現在のピクセル性能データセット1406cについてのピクセルからの音響信号が無いが、基準ピクセル性能データセット1408cの挙動と比較した、レシーバについての電気信号の上昇及び減衰の存在によって識別され得る。
【0138】
まず、
図14Dを参照すると、グラフ1402dは、超音波イメージングプローブのピクセルアレイ1404dにおけるそれぞれのピクセルについての基準ピクセル性能データセット1408d及び現在のピクセル性能データセット1406dの描写である。それぞれのピクセルは、各性能データセットがグラフ1402aにおいてグラフにされたピクセルの座標を示す対応する行及び列のペアの交差点を指す矢印によって示されるアレイ内に位置する。グラフ1402aにおいて、y軸は、任意単位で振幅を示し(グラフ1402dは、実例の目的のみで提供される)、x軸は、マイクロ秒で時間を示す。
図14Dに示唆されるように、アンダーフィル、又は、ピクセルの下の物質の存在は、許容可能なピクセルに似ているが、基準ピクセル性能データセット1408dの振幅及びリングダウン特性と比較して、振幅が減少し、波形のリングダウン特性が変化している、現在のピクセル性能データセット1406dによって検出され得る。
【0139】
上で説明された実施形態又はその変形のいずれかは、現場におけるイメージングデバイスの実行可能性又は機能性を判定するために、現場でそれをデプロイした後に、超音波イメージングデバイスに適用され得る。イメージングデバイス又はプローブは最初に、その1又は複数のピクセルのピクセル性能を特性評価するために、イメージングの目的で、その動作の前に、健全状態チェックを受け得る。いくつかの実施形態によれば、イメージングデバイスは、ピクセル性能特性評価のために定期的に健全状態チェックを受け得、初期基準試験結果に対する任意の測定された変化は、プローブの実行可能性又は性能劣化を示し得る。
【0140】
超音波イメージングデバイス又はプローブにおけるトランスデューサアレイピクセル性能の健全状態チェックを実装するための方法は、一実施形態による
図15のフローチャート1500に示される。
図15に示されるように、動作1502において、初期又は基準健全状態チェックは、特定の超音波イメージングデバイスで、例えば、初めて電源オンされたデバイスで完了され得る。健全状態チェックにより、イメージングデバイスの1又は複数のピクセルの性能の特性評価、及び、1つのピクセルi又はピクセルのグループの基準ピクセル性能に対応し得る、時間領域波形などの基準ピクセル性能データセットの生成が可能となる。動作1504において、イメージングデバイスは、「現場にデプロイ」され得、すなわち、イメージングデバイスは、生体における臓器などの目標の画像を取得するために使用され得る。動作1506において、イメージングデバイスは、電源オンされ、いくつかの実施形態に従って実行される健全状態チェック特性評価ルーチンを受け得る。ピクセルについての健全状態チェック特性評価ルーチンは、上で既に記載されたように、ピクセルiで受信された超音波波形に対応する電気信号を使用して(ここで、受信された超音波波形は、ピクセルiによって送信された、反射超音波波に基づく)、例えば、n個のピクセルまで、ピクセルの性能に対応する時間領域信号波形(性能データセット)を生成することを含み得る。n個のピクセルは、イメージングデバイスのピクセルのすべて、又は、イメージングデバイスのピクセルのいくつかであり得る。基準ピクセル性能データセットは、イメージングデバイスが例えばまだ工場にあるとき、動作1502において、同一の方式で生成され得る。性能データセットは、ピクセルi又はピクセルのグループを、例えば受信サイクル又はループに通すことによって、イメージングデバイスによって生成され得、ここで、反射された超音波波形は、イメージングデバイスのレンズ、及び、空気、又は、トランスデューサアレイとの整列を必要としないイメージングデバイスのレンズとのインピーダンス不整合を生じさせる任意の他の媒質などの別の媒質(以下「整合層」)の間のインピーダンス不整合に基づいている。ピクセルiについての基準ピクセル性能データセットの生成及びストレージの後に、イメージングデバイスによって、(「現場」における)目標画像生成についてのイメージングデバイスの使用の前に、同一のピクセルiが、「健全状態チェック」措置又はルーチンとしての受信サイクルを通過させられ得る。
【0141】
動作1508において、イメージングデバイスは、それが使用のために実行可能であるかどうか、例えば、予め定められた数値閾値より上の十分な数のピクセルが適切に動作しているかどうか、及び/又は、ピクセルのアレイにおける予め定められたX-Y座標における欠陥のある性能を有するピクセルの数が別の予め定められた数値閾値の下であるかどうかを確認し得る。後者の文で使用される「適切に」とは、1又は複数のピクセルが性能の変化を受け得るが、そのようなピクセルはなお、イメージングデバイスが少なくとも1つのイメージングモードにおいて機能することを可能にするために有用である場合を含み得る。例えば、欠陥ピクセルがある場合でも、一次元イメージングモード、二次元イメージングモード、三次元イメージングモード、ドップラーイメージングモード、リニアイメージングモード、又はセクタイメージングモードのうちの少なくとも1つにおいて機能することが可能である場合に、イメージングデバイスは実行可能とみなされ得る。
【0142】
例えば、1又は複数のイメージングモードにおいて、イメージングデバイスは、欠陥ピクセルデータセットに基づいて、例えば、欠陥ピクセルの欠陥タイプ及び/又は場所に基づいて、送信及びその後の受信動作について、1又は複数のピクセルをアクティブ化し得る。
【0143】
例えば、1又は複数のイメージングモードにおいて、イメージングデバイスは、健全状態チェックルーチンによって欠陥と判定されるピクセルからの失ったデータを考慮して、イメージングされる目標の画像に対応するフレームを再構築するようにフレーム再構築アルゴリズムを実装することを選択し得る。イメージングデバイスが欠陥ピクセルの場所を認識している場合、機能するピクセルからの受信超音波波形に基づくデータを、欠陥ピクセルに対応するデータに外挿することによって、目標の画像に対応するフレームを再構築するために、そのような情報を使用し得る。例えば、イメージングデバイスは、欠陥ピクセルがピクセルアレイ中にランダムに散乱されていると判定されるフレーム再構築アルゴリズムを実装することを選択し得、ピクセルの連続するクラスタが欠陥を有すると判定された場合、別のものを選択し得る。
【0144】
イメージングデバイスが実行可能とみなされる場合、動作1510において、イメージングを実行し得、動作1512においてその後電源オフされた場合、上で既に説明されたように、動作1506において健全状態チェックルーチンを再び受け得る。
【0145】
一方、イメージングデバイスがそれ自体を実行可能でないとみなす場合、例えば、トランスデューサアレイにおける閾値数のピクセルが欠陥を有する、又は、そうでなければ設計されたように動作しないと判定される場合、イメージングデバイスは、動作1514において、1又は複数の欠陥ピクセルの判定に関する情報(欠陥ピクセルデータ)をユーザに通信させ得る。いくつかの実施形態によるそのような情報は、いくつか例を挙げると、1又は複数の欠陥ピクセルの場所の指示(例えば、1又は複数の欠陥ピクセルのグループ又はその各々のアドレスを提供することによる)、1又は複数の欠陥ピクセルについての欠陥のタイプの指示などを通じて、1又は複数の欠陥ピクセルの識別情報を含み得る。
【0146】
欠陥データの通信は、(例えば、テキスト指示を通じて、及び/又は、欠陥ピクセルヒートマップ指示を通じて、など)音声指示又は視覚的指示によって行われ得る。音声指示はスピーカによって送信され得、視覚的指示は、ディスプレイによって行われ得る。スピーカ及びディスプレイは各々、イメージングデバイスの一部であり得、又は、イメージングデバイスとは別個であり得る(この場合、通信は、無線又は有線接続によって行われ得る)。
【0147】
イメージングデバイスは更に、診断に基づいて、欠陥ピクセルの判定に基づいて推奨される次のステップをユーザに示唆し得る。したがって、診断は更に、識別されたピクセル欠陥の性質及び程度に応じて、動作1518における自己修理ソリューション(例えば、イメージングデバイス回路をリセット機能にかける、デバイスをオフにする、再びオンにするなど)、動作1520における現場修理ソリューション(例えば、割れたレンズ表面を修理又は充填するための物質の使用などを通じて)、及び/又は、動作1516における工場修理ソリューションを実行するようにユーザに指示し得る。
【0148】
トランスデューサアレイにおけるピクセルの最小閾値数が、欠陥を有する(製造業者によって予め定められ得る、又は事前設定され得る閾値量)と確認された場合、イメージングデバイスは、そのステータスを「動作不能」又は「実行可能でない」に変更し、動作1522によって示唆されるように、十分な修理が行われるまで、プローブを操作するユーザの能力を停止し得る。
【0149】
いくつかの実施形態によれば、イメージングデバイスは、動作1524において、欠陥ピクセルの判定に関する情報を、更なる処理のためにリモートデバイスへ送信させ得る。したがって、いくつかの実施形態によれば、健全状態チェックのレジーム/ルーチンが、リモートデバイス(すなわち、イメージングデバイスとは別個のデバイス)へのピクセル欠陥の報告と組み合わされ得る。そのような報告は、リモートデバイスからイメージングデバイスへの要求によってトリガされ得、イメージングデバイスによってリモートデバイスへ定期的に送信され得、各健全状態チェックのラウンド/診断のラウンドの終了の後に、当然のこととして送信され得、有線又は無線接続によって送信され得、ネットワーク可用性に基づいて送信され得る、などである。エッジネットワークにおけるエッジノードなどの、及び/又は、工場におけるマスターコントローラなどの、及び/又は、ハンドヘルド電話又はタブレットなどの別のコンピューティングシステムなどのリモートデバイス又はリモートデバイスのセットは、1又は複数のイメージングデバイスからのピクセル欠陥データを集約し得、そのようなデータを使用して、使用条件(温度、使用頻度、ユーザ、使用の地形など)に基づくなどして、1又は複数のイメージングデバイスの信頼性を判定し得る。ピクセル欠陥データの集約及び処理は、そのような障害モードに対して製品ロバスト性を改善するために、予想される使用条件に基づくなどして、将来のイメージングデバイス設計の改良を可能にし得る。追加的に、ピクセル欠陥データの集約に基づいて、高速の健全状態チェックが開発され得、調査及び継続的改善のための迅速なフィードバックを可能にする。
【0150】
例えば、特定の超音波イメージングデバイスが、8000個のピクセルのトランスデューサアレイを有する場合、製造業者は、300個の欠陥ピクセルの閾値を事前設定し得、そこでは、又はそれを超えると、最低限の品質の超音波画像を生成するために十分なピクセルが無いので、イメージングデバイスはそれ自体を無効にし得る。イメージングデバイスは、欠陥ピクセルの数、欠陥のあり得る原因、及び、イメージングデバイスを将来の動作の前に点検又は修理するという推奨をユーザに示し得る。代替的に、適切に操作されたトランスデューサピクセルの数が不十分であることに起因して、イメージングデバイスは、それ自体を動作不能状態に設定し得、又は、その動作を停止し得る。これは、イメージングデバイスが十分に修理された後に、資格のある修理施設又は製造業者によってリセットされ得る、停止された操作モードである。必要な動作可能なトランスデューサピクセルの単純な定量的閾値を超えると、代替的な実施形態は、他の基準を利用して、イメージングデバイスの実行可能性、欠陥ピクセルのそのような特定の位置(例えば、アレイにおけるX-Z座標)、欠陥ピクセルのグループ又はクラスタなどを確認し得る。
【0151】
代替的な実施形態によれば、健全状態チェックルーチンは、加速度計又は慣性測定ユニット(IMU)などによって、イメージングデバイスが急激な慣性の変化を受けたという判定によってトリガされ得る。イメージングデバイスの衝撃など、規定されたイベントが加速度計又はIMUによって測定される場合、イメージングデバイスは、その実行可能性(すなわち、イメージングデバイスの少なくとも1つのイメージングモードにおいて、イメージングされる目標の画像をレンダリングするために使用される能力)をチェックするために、健全状態チェックルーチン(すなわち、現在のピクセル性能ルーチン又は急速試験ルーチン)を開始し得る。
【0152】
代替的な実施形態によれば、イメージングデバイス又はその任意の部分が、1又は複数の予め定められた動作温度閾値を超えたという判定に応答して、健全状態チェックルーチンがイメージングデバイスによってトリガされ得る。トランスデューサタイル210の温度をモニタリングする1又は複数の数の温度センサ320が、例えば、予め定められた時間閾値に等しい又はより上である期間にわたって、トランスデューサタイルが1又は複数の閾値温度を超えたと検出した場合である。
【0153】
本明細書において使用される場合、イメージングデバイスが動作、例えば、ピクセル性能特性評価/健全状態チェックルーチンに関連する動作、情報の通信又は欠陥ピクセルデータセットに関連する情報の使用に関する動作を実行すると説明されるとき、意味されるものは、そのような動作の任意の一部、又は、そのような動作のすべては、
図1の制御回路106などのイメージングデバイスの制御回路によって、
図1のコンピューティングデバイス112又は
図2の216などのコンピューティングデバイスによって(コンピューティングデバイスは、イメージングデバイスの一部であるか、又は、イメージングデバイスに結合されるかのいずれかであるがそれと別個である)、及び/又は、
図3Aに示されるイメージングデバイスのプロセッサ326又は通信回路332の任意の一部によって、実行され得ることであると理解される。
【0154】
本明細書において使用される場合、「欠陥ピクセル」によって意味されるものは、ピクセル特性の欠陥、又は、ピクセルから送信され及び/又はピクセルへ反射される波形の伝播経路に沿った別の欠陥などの欠陥によって性能が影響を受けたピクセルであると理解される。
【0155】
図16は、いくつかの実施形態による、装置(その1又は複数のプロセッサを含む、任意の一部など)で実行されるプロセス1600のフローチャートである。動作1602において、プロセスは、第1音響インピーダンスZ1の第1媒質に隣接して配置されるピクセルのトランスデューサアレイ内の1又は複数のピクセルについての現在のピクセル性能データセットを判定することを含み、トランスデューサアレイはイメージングデバイス内にあり、現在のピクセル性能データセットは、Z1より大きい第2音響インピーダンスZ2を有する第2媒質に対する1又は複数のピクセルの現在のピクセル性能受信サイクルから取得される。動作1604において、プロセスは、現在のピクセル性能データセットと、1又は複数のピクセルについての基準ピクセル性能データセットとの比較を実行することを含み、基準ピクセル性能データセットは、第2媒質に対する1又は複数のピクセルの基準ピクセル性能受信サイクルから取得され、ここで、現在のピクセル性能受信サイクル及び基準ピクセル性能受信サイクルの実装は、イメージングデバイスに関する第2媒質の整列無しで実行される。動作1606において、プロセスは、比較に基づいて、1又は複数のピクセルの1又は複数の欠陥ピクセルについての欠陥ピクセルデータセットを判定することを含む。
【0156】
例において、プロセッサ326によって実装される命令は、メモリ336、又は、イメージングデバイスの任意他のメモリ又はストレージデバイスによって提供され得、又は、プロセッサ326、又はイメージングデバイスの任意の他のプロセッサは、ケーシングにおける電子動作を実行するようにプロセッサ326に指示するためのコードを含む有形の非一時的機械可読媒体として具現化され得る。プロセッサ326は、メモリ336及びプロセッサ326の間のインターコネクトを介して非一時的機械可読媒体にアクセスし得る。例えば、非一時的機械可読媒体は、メモリ336又はプロセッサ326内の別個のメモリによって具現化され得るか、又は、光ディスク、フラッシュドライブ、又は、ケーシングに差し込まれ得る任意の数の他のハードウェアデバイスなどの具体的なストレージユニットを含み得る。非一時的機械可読媒体は、例えば、本明細書に示される動作及び機能性のフローチャート及びブロック図に関して説明されるような、具体的なアクションのシーケンス又はフローを実行するようにプロセッサ326に指示するための命令を含み得る。本明細書において用いられる場合、「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は交換可能である。
【0157】
下で説明される例のいずれも、別段の明示的な定めが無い限り、任意の他の例(又は例の組み合わせ)と組み合わされ得る。本明細書において説明される態様はまた、例えば異なる機能についての階層型優先化(例えば、低/中/高優先権など)を導入することによって、スキームの階層型適用を実装し得る。
【0158】
具体的で例示的な態様を参照して実装が説明されたが、本開示のより広い範囲から逸脱することなく、これらの態様に対して様々な修正及び変更が加えられ得ることは明らかである。本明細書において説明される構成及びプロセスの多くは、組み合わせて、又は、並行実装で使用され得る。したがって、本明細書及び複数の図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味に考えられるべきである。本明細書の部分を形成する添付図面は、限定ではなく例示として、主題が実施され得る具体的態様を示す。示される態様は、当業者が本明細書において開示される教示を実施することを可能にするのに十分に詳細に説明される。他の態様が利用され、それから取得され得、構造的及び論理的な置換及び変更が、本開示の範囲から逸脱することなく加えられ得る。したがって、この詳細な説明は、限定的な意味とみなされるべきでなく、様々な態様の範囲が、添付の特許請求の範囲のみによって、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に、定義される。
【0159】
発明の主題のそのような態様は、実際に1より多くが開示されている場合でも、本出願の範囲を任意の単一の態様又は発明の概念に自発的に限定することを意図することなく、単に便宜上の目的で、個別に及び/又はまとめて本明細書において参照され得る。
【0160】
本開示の好ましい実施形態が本明細書において示され、説明されたが、そのような実施形態が単に例として提供されることが当業者にとって明らかである。実施形態が、明細書内に提供される具体的な例によって限定されることを意図するものではない。本開示の実施形態が、上記の明細書を参照して説明されたが、本明細書の実施形態の説明及び例示は、限定的な意味で解釈されることを意図するものではない。当業者であれば、本開示の概念から逸脱することなく、多くの変形、変更、及び置換に想到するであろう。さらに、様々な実施形態のすべての態様は、本明細書に記載される具体的な描写、構成、又は、相対的な比率に限定されるものではなく、様々な条件及び変数に依存することが理解されるべきである。本明細書に説明された実施形態に対する様々な代替形態が利用され得ることが理解されるべきである。したがって、本開示はまた、任意のそのような代替形態、修正、変形、又は均等物を包含することが想定される。
【0161】
例
【0162】
本明細書で開示される技術の例示的な例が、以下で提供される。これらの技術のある実施形態は、以下で説明される実施例の何れか1又は複数、及び任意の組み合わせを含み得る。
【0163】
例1は、第1音響インピーダンスZ1を有する第1媒質に隣接して位置するピクセルのトランスデューサアレイの中の1又は複数のピクセルについての現在のピクセル性能データセットを判定する段階、ここで、トランスデューサアレイは、イメージングデバイスの中にあり、現在のピクセル性能データセットは、Z1より大きい第2音響インピーダンスZ2を有する第2媒質に対する1又は複数のピクセルの現在のピクセル性能受信サイクルから取得される;現在のピクセル性能データセットと、1又は複数のピクセルについての基準ピクセル性能データセットとの比較を実行する段階、ここで、基準ピクセル性能データセットは、第2媒質に対する1又は複数のピクセルの基準ピクセル性能受信サイクルから取得され、ここで、現在のピクセル性能受信サイクル及び基準ピクセル性能受信サイクルの実装は、イメージングデバイスに関する第2媒質の整列無しで実行される;及び、比較に基づいて、1又は複数のピクセルの1又は複数の欠陥ピクセルについての欠陥ピクセルデータセットを判定する段階のための1又は複数のプロセッサを備える方法を含む。
【0164】
例2は、例1の主題を含み、ここで、1又は複数のプロセッサは、1又は複数のピクセルに対して、基準ピクセル性能受信サイクル及び現在のピクセル性能受信サイクルを実行して、それぞれ基準ピクセル性能データセット及び現在のピクセル性能データセットを取得するための制御回路を含む。
【0165】
例3は、例1の主題を含み、ここで、第2媒質は気体媒質を含む。
【0166】
例4は、例3の主題を含み、ここで、第2媒質は空気を含む。
【0167】
例5は、例1の主題を含み、ここで、1又は複数のプロセッサは、欠陥ピクセルデータセットに基づいて、トランスデューサアレイの送信及び受信チャネルが、アクティブ化又は非アクティブ化のうちの少なくとも1つのために選択されるようにする。
【0168】
例6は、例5の主題を含み、ここで、1又は複数のプロセッサは、欠陥ピクセルデータセットに基づいて、アクティブ化又は非アクティブ化のうちの少なくとも1つのために選択されるトランスデューサアレイの送信及び受信チャネルを選択するための制御回路を含む。
【0169】
例7は、例1の主題を含み、1又は複数のプロセッサは更に、欠陥ピクセルデータセットに基づいて、イメージングデバイスが少なくとも1つのイメージングモードにおいて機能することが可能かどうかの判定に基づいて、イメージングデバイスの使用についての実行可能性を判定する。
【0170】
例8は、例7の主題を含み、1又は複数のプロセッサは、第1の予め定められた数値閾値より上の数の1又は複数のピクセルが、少なくとも1つのイメージングモードにおいて使用されることができるかどうか;又は、トランスデューサアレイの中の予め定められた場所における1又は複数の欠陥ピクセルの数が、第2の予め定められた数値閾値より下であるかどうかのうちの少なくとも1つに基づいて、使用するための実行可能性を判定する。
【0171】
例9は、例1の主題を含み、ここで、1又は複数のプロセッサは、欠陥ピクセルデータセットに基づいて、イメージングデバイスによってイメージングされる目標の画像に対応するフレームを再構築するためのフレーム再構築アルゴリズムを実装することを選択する。
【0172】
例10は、例1から9のいずれか一項の主題を含み、ここで、欠陥ピクセルデータセットは、1又は複数の欠陥ピクセルの各々又はグループに対応する欠陥のタイプ;1又は複数の欠陥ピクセルの場所、ここで、場所は、1又は複数の欠陥ピクセルの各々のアドレス、又は、1又は複数の欠陥ピクセルのグループについてのアドレス範囲を含む;又は、それぞれのピクセル識別情報(ID)による1又は複数の欠陥ピクセルの識別情報
のうちの少なくとも1つについての情報を含む。
【0173】
例11は、例10の主題を含み、ここで、欠陥ピクセルデータセットは、現在のピクセル性能受信サイクルの実装中のイメージングデバイスの使用パラメータに関する情報を含み、使用パラメータは、トランスデューサアレイの1又は複数の部分の温度、又は、トランスデューサアレイの運動量変化のうちの少なくとも1つを含む。
【0174】
例12は、例10の主題を含み、ここで、現在のピクセル性能データセット及び基準ピクセル性能データセットは、それぞれの波形に対応し、1又は複数のプロセッサは、現在のピクセル性能データセットパターン及び基準ピクセル性能データセットパターンの間で、それぞれの振幅、リングダウン特性、位相、又は、リンギングパターンのうちの少なくとも1つを比較することによって、比較を実行する。
【0175】
例13は、例12の主題を含み、ここで、欠陥のタイプは、第1媒質、第2媒質、又は、1又は複数のピクセルのうちの少なくとも1つに対応し、第1媒質又は第2媒質の層間剥離、第1媒質又は第2媒質における気泡、第1媒質又は第2媒質における破片、1又は複数のピクセルのうちの少なくとも1つの下のアンダーフィル、又は、1又は複数のピクセルのうちの少なくとも1つの障害のうちの少なくとも1つを含む。
【0176】
例14は、例13の主題を含み、ここで、1又は複数のプロセッサは、基準ピクセル性能データセットの振幅及びリンギング波形と比較して、現在のピクセル性能データセットについてのより大きい振幅及びより長いリンギング波形の判定に応答して、第1媒質の層間剥離を検出する。
【0177】
例15は、例13の主題を含み、ここで、1又は複数のプロセッサは、基準ピクセル性能データセットの振幅、リングダウンパターン、及び位相と比較して、現在のピクセル性能データセットにおける減少した振幅、変化するリングダウンパターン、及び位相シフトの判定に応答して、第1媒質における気泡を検出する。
【0178】
例16は、例13の主題を含み、ここで、1又は複数のプロセッサは、基準ピクセル性能データセットの挙動と比較して、時間領域における上昇及び減衰を示すピクセルに結合されたレシーバチャネルについての電気信号の判定、及び、現在のピクセル性能データセットについてのピクセルからの音響信号が無いことに応答して、1又は複数のピクセルの、ピクセルのピクセル障害を検出する。
【0179】
例17は、例13の主題を含み、ここで、1又は複数のプロセッサは、基準ピクセル性能データセットの振幅及びリングダウン特性と比較して、減少した振幅及びリングダウン特性の変化を有する、ピクセルについての基準ピクセル性能データセットの構成に似た現在のピクセル性能データセットの判定に応答して、1又は複数のピクセルの、ピクセルに関するアンダーフィル問題を検出する。
【0180】
例18は、例1の主題を含み、ここで、1又は複数のプロセッサは、欠陥ピクセルデータセットに基づいて、第1媒質の構成を判定する。
【0181】
例19は、例1から9のいずれか一項の主題を含み、ここで、1又は複数のプロセッサは、有線又は無線通信経路を介して、イメージングデバイスのユーザに対する、欠陥ピクセルデータセットの通信を生じさせる。
【0182】
例20は、例19の主題を含み、ここで、通信は、ユーザに対する、欠陥ピクセルデータセットに関連する情報の音声指示又は視覚的指示のうちの少なくとも1つを生じさせることを含む。
【0183】
例21は、例19の主題を含み、通信は、欠陥ピクセルデータセットに基づいて、ユーザに対する、推奨される次のステップの通信を生じさせることを含み、推奨される次のステップは、イメージングデバイスの自己修理、工場修理、現場修理、又は、非実行可能性のうちの少なくとも1つを含む。
【0184】
例22は、例1から9のいずれか一項の主題を含み、ここで、1又は複数のプロセッサは、有線又は無線通信経路を介して、リモートデバイスに対する欠陥ピクセルデータセットの通信を生じさせ、リモートデバイスに、欠陥ピクセルデータセットを他のイメージングデバイスからの他の欠陥ピクセルデータセットと集約させる。
【0185】
例23は、例1から9のいずれか一項の主題を含み、ここで、1又は複数のプロセッサは、イメージングデバイスが急激な慣性の変化を受けたという判定;又は、イメージングデバイス又はその任意の部分が、1又は複数の予め定められた動作温度閾値を超えたという判定のうちの少なくとも1つに応答して、現在のピクセル性能データセットを生成させる。
【0186】
例24は、第1音響インピーダンスZ1を有する第1媒質に隣接して位置するピクセルのトランスデューサアレイの中の1又は複数のピクセルについての現在のピクセル性能データセットを判定する段階、ここで、トランスデューサアレイは、イメージングデバイスの中にあり、現在のピクセル性能データセットは、Z1より大きい第2音響インピーダンスZ2を有する第2媒質に対する1又は複数のピクセルの現在のピクセル性能受信サイクルから取得される;現在のピクセル性能データセットと、1又は複数のピクセルについての基準ピクセル性能データセットとの比較を実行する段階、ここで、基準ピクセル性能データセットは、第2媒質に対する1又は複数のピクセルの基準ピクセル性能受信サイクルから取得され、ここで、現在のピクセル性能受信サイクル及び基準ピクセル性能受信サイクルの実装は、イメージングデバイスに関する第2媒質の整列無しで実行される;及び、比較に基づいて、1又は複数のピクセルの1又は複数の欠陥ピクセルについての欠陥ピクセルデータセットを判定する段階
を備える方法を含む。
【0187】
例25は、例24の主題を含み、1又は複数のピクセルに対して基準ピクセル性能受信サイクル及び現在のピクセル性能受信サイクルを実行して、基準ピクセル性能データセット及び現在のピクセル性能データセットをそれぞれ取得する段階を更に備える。
【0188】
例26は、例24の主題を含み、ここで、第2媒質は気体媒質を含む。
【0189】
例27は、例26の主題を含み、ここで、第2媒質は空気を含む。
【0190】
例28は、例24の主題を含み、欠陥ピクセルデータセットに基づいて、トランスデューサアレイの送信及び受信チャネルを、アクティブ化又は非アクティブ化のうちの少なくとも1つについて選択させる段階を更に備える。
【0191】
例29は、例28の主題を含み、欠陥ピクセルデータセットに基づいて、アクティブ化又は非アクティブ化のうちの少なくとも1つについて選択されるトランスデューサアレイの送信及び受信チャネルを選択する段階を更に備える。
【0192】
例30は、例24の主題を含み、欠陥ピクセルデータセットに基づいて、イメージングデバイスが少なくとも1つのイメージングモードにおいて機能することが可能であるかどうかについての判定に基づいて、イメージングデバイスの使用のための実行可能性を判定する段階を更に備える。
【0193】
例31は、例30の主題を含み、第1の予め定められた数値閾値より上の数の1又は複数のピクセルが、少なくとも1つのイメージングモードにおいて使用されることができるかどうか;又は、トランスデューサアレイの中の予め定められた場所における1又は複数の欠陥ピクセルの数が、第2の予め定められた数値閾値より下であるかどうかのうちの少なくとも1つに基づいて、使用のための実行可能性を判定する段階を更に備える。
【0194】
例32は、例24の主題を含み、欠陥ピクセルデータセットに基づいてイメージングデバイスによってイメージングされる目標の画像に対応するフレームを再構築するために、フレーム再構築アルゴリズムを実装することを選択する段階を更に備える。
【0195】
例33は、例24の主題を含み、ここで、欠陥ピクセルデータセットは、1又は複数の欠陥ピクセルの各々又はグループに対応する欠陥のタイプ;1又は複数の欠陥ピクセルの場所、ここで、場所は、1又は複数の欠陥ピクセルの各々のアドレス、又は、1又は複数の欠陥ピクセルのグループについてのアドレス範囲を含む;又は、それぞれのピクセル識別情報(ID)による1又は複数の欠陥ピクセルの識別情報のうちの少なくとも1つについての情報を含む。
【0196】
例34は、例33の主題を含み、ここで、欠陥ピクセルデータセットは、現在のピクセル性能受信サイクルの実装中のイメージングデバイスの使用パラメータに関する情報を含み、使用パラメータは、トランスデューサアレイの1又は複数の部分の温度、又は、トランスデューサアレイの運動量変化のうちの少なくとも1つを含む。
【0197】
例35は、例33の主題を含み、ここで、現在のピクセル性能データセット及び基準ピクセル性能データセットは、それぞれの波形に対応し、現在のピクセル性能データセットパターン及び基準ピクセル性能データセットパターンの間で、それぞれの振幅、リングダウン特性、位相、又は、リンギングパターンのうちの少なくとも1つを比較することによって、比較を実行することを更に含む。
【0198】
例36は、例35の主題を含み、ここで、欠陥のタイプは、第1媒質、第2媒質、又は、1又は複数のピクセルのうちの少なくとも1つに対応し、第1媒質又は第2媒質の層間剥離、第1媒質又は第2媒質における気泡、第1媒質又は第2媒質における破片、1又は複数のピクセルのうちの少なくとも1つの下のアンダーフィル、又は、1又は複数のピクセルのうちの少なくとも1つの障害のうちの少なくとも1つを含む。
【0199】
例37は、例36の主題を含み、基準ピクセル性能データセットの振幅及びリンギング波形と比較して、現在のピクセル性能データセットについてのより大きい振幅及びより長リンギング波形の判定に応答して、第1媒質の層間剥離を検出する段階を更に備える。
【0200】
例38は、例36の主題を含み、基準ピクセル性能データセットの振幅、リングダウンパターン、及び位相と比較して、現在のピクセル性能データセットにおける減少した振幅、変化するリングダウンパターン、及び位相シフトの判定に応答して、第1媒質における気泡を検出する段階を更に備える。
【0201】
例39は、例36の主題を含み、基準ピクセル性能データセットの挙動と比較して、時間領域における上昇及び減衰を示すピクセルに結合されたレシーバチャネルについての電気信号の判定、及び、現在のピクセル性能データセットについてのピクセルからの音響信号が無いことに応答して、1又は複数のピクセルの、ピクセルのピクセル障害を検出する段階を更に備える。
【0202】
例40は、例36の主題を含み、ピクセルについての基準ピクセル性能データセットの構成に似ているが、基準ピクセル性能データセットの振幅及びリングダウン特性と比較して、減少した振幅及びリングダウン特性の変化を有する、現在のピクセル性能データセットの判定に応答して、1又は複数のピクセルの、ピクセルに関するアンダーフィル問題を検出する段階を更に備える。
【0203】
例41は、例24の主題を含み、欠陥ピクセルデータセットに基づいて、第1媒質の構成を判定する段階を更に備える。
【0204】
例42は、例24の主題を含み、有線又は無線通信経路を介して、イメージングデバイスのユーザに対する欠陥ピクセルデータセットの通信を生じさせる段階を更に備える。
【0205】
例43は、例42の主題を含み、通信は、ユーザに対する、欠陥ピクセルデータセットに関連する情報の音声指示又は視覚的指示のうちの少なくとも1つを生じさせることを含む。
【0206】
例44は、例42の主題を含み、ここで、通信は、欠陥ピクセルデータセットに基づいて、ユーザに対する、推奨される次のステップの通信を生じさせることを含み、推奨される次のステップは、イメージングデバイスの自己修理、工場修理、現場修理、又は、非実行可能性のうちの少なくとも1つを含む。
【0207】
例45は、例24の主題を含み、有線又は無線通信経路を介した、リモートデバイスへの欠陥ピクセルデータセットの通信を生じさせ、リモートデバイスに、欠陥ピクセルデータセットを他のイメージングデバイスからの他の欠陥ピクセルデータセットと集約させる段階を更に備える。
【0208】
例46は、例24の主題を含み、イメージングデバイスが急激な慣性の変化を受けたという判定;又は、イメージングデバイス又はその任意の部分が、1又は複数の予め定められた動作温度閾値を超えたという判定のうちの少なくとも1つに応答して、現在のピクセル性能データセットの生成を生じさせる段階を更に備える。
【0209】
例47は、例24から46のいずれか一項の方法を実行するための手段を備える装置を含む。
【0210】
例48は、実行されるとき、1又は複数のプロセッサに、例24から46のいずれか一項に記載の方法を実行させる複数の命令が記憶された1又は複数のコンピュータ可読媒体を含む。
【0211】
例49は、例1から45のいずれか一項に記載の装置を備えるイメージングデバイスを含み、イメージングデバイスはトランスデューサアレイを含む。
【0212】
例50は、例49の主題を含み、筐体を更に含み、装置は筐体に配置される。
【0213】
例51は、例50の主題を含み、ディスプレイを更に含む。
【0214】
例52は、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって実行されるとき、例24から46のいずれか一項の方法を少なくとも1つのプロセッサが実行することを可能にするように動作可能であるコンピュータ実行可能命令を含む1又は複数の有形コンピュータ可読非一時的記憶媒体を含む製品を備える。
【国際調査報告】