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特表2024-511567ロケット段の大気圏再突入着陸装置およびロケット段の大気圏への再突入方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-14
(54)【発明の名称】ロケット段の大気圏再突入着陸装置およびロケット段の大気圏への再突入方法
(51)【国際特許分類】
   B64G 1/62 20060101AFI20240307BHJP
   B64G 1/40 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
B64G1/62
B64G1/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555164
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-09-18
(86)【国際出願番号】 EP2022025099
(87)【国際公開番号】W WO2022199886
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】102021106981.5
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523341059
【氏名又は名称】クラウス、セバスチャン
(74)【代理人】
【識別番号】100190414
【弁理士】
【氏名又は名称】芹澤 友之
(72)【発明者】
【氏名】クラウス、セバスチャン
(57)【要約】
本発明は、ロケット段の大気圏への安全な再突入及びロケット段の安全な着水のための、ロケット段の大気圏再突入着陸装置および対応する方法を開示する。前記装置は、第1の状態では折り畳まれた状態で存在し、第2の状態では展開された状態で存在するように構成されたバリュートを備える。前記折り畳まれた状態のバリュートは、前記ロケット段の空気力学が前記バリュートによって損なわれないように前記ロケット段上に配置可能である。前記展開された状態のバリュートは、前記ロケット段を実質的に覆い隠す。前記装置は、前記バリュートで前記ロケット段を覆うことを実行するように構成されたシュラウド機構と、前記大気圏への再突入中に、再突入時の前記装置の表面の前に形成されるプラズマと前記装置の表面との間に形成される境界層からの空気を、前記展開状態のバリュートを充填するように構成された充填機構とを更に備える。前記シュラウド機構と前記充填機構を制御するように構成された制御ユニットが更に設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロケット段(2)の大気圏への安全な再突入及び前記ロケット段(2)の安全な着水のための、前記ロケット段(2)の大気圏再突入着陸装置(1)であって、
第1の状態では折り畳まれた状態で存在し、第2の状態では展開された状態で存在するように構成されたバリュート(3)と、ここで、前記折り畳まれた状態のバリュート(3)は、前記ロケット段の空気力学が前記バリュート(3)によって損なわれないように前記ロケット段(2)上に配置可能であって、前記展開された状態のバリュート(3)は、前記ロケット段(2)を実質的に覆い隠し、
前記バリュート(3)で前記ロケット段(2)を覆うことを実行するように構成されたシュラウド機構と、
前記大気圏への再突入中に、再突入中の前記装置(1)の表面の前に形成されるプラズマと前記装置(1)の表面との間に形成される境界層(35)からの空気またはガスを、前記展開された状態のバリュート(3)に充填するように構成される充填機構と、
前記シュラウド機構および前記充填機構を制御するように構成された制御ユニット(33)と、
を備える、大気圏再突入着陸装置(1)。
【請求項2】
前記大気圏への再突入時に前記ロケット段(2)のロケットエンジン(8)が飛行方向の後方に配置されるように、前記バリュート(3)が前記ロケット段(2)上に配置可能となる、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記大気圏を飛行するときの前記バリュート(3)の向きの観点から上部領域(5)において、前記バリュート(3)は、バーブルフェンス(6)を有する、
請求項1又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記装置(1)は、中央の円筒形貫通開口(18)を有する寸法的に安定した本体(15)を有し、
後者の内径は、前記ロケット段(2)の外径に適合している、
請求項1から3のうちいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記円筒形貫通開口(18)の端部側の前記本体(15)は、前記円筒形貫通開口(18)の周囲において耐熱性で特に平坦化された頭部片(17)を有し、
前記大気圏への再突入時の前記バリュート(3)の向きの観点から前記バリュート(3)の前端部が前記頭部片(17)に固定される、
請求項4に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記大気圏への再突入時の前記バリュート(3)の姿勢の観点から前記バリュート(3)の後端は、前記ロケット段に固定可能である、
請求項4又は5に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記装置(1)は、前記ロケット段(2)上の打ち上げ固定配置(29)から前記ロケット段(2)上の着陸固定配置(30)まで前記本体(15)を前記ロケット段(2)に沿って外部に移動させるように構成されている、
請求項4から6のうちいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記装置(1)の前記打ち上げ固定配置(29)は、前記エンジンに近接している、
請求項7に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記着陸固定配置(30)は、前記ロケット先端に近接している、
請求項7又は8に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記シュラウド機構により前記本体(15)は、前記ロケット段(2)に沿って外部に移動可能であり、特に前記ロケット段(2)に沿ってスライド可能である、
請求項7から9のうちいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記シュラウド機構は、ウインチ(13)、歯車システムおよび/またはリニアドライブを有する、
請求項10に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記装置は、ロケット打ち上げ時に前記バリュートを覆うと共に、開放または分離可能となる輸送カバー(9)を有する、
請求項1から11のうちいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記頭部片(17)は、開閉可能な空気入口(23、31、32)を有し、
前記空気入口を通って前記境界層(35)からの空気が前記バリュート(3)に流入可能である、
請求項5から12のうちいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項14】
前記空気入口は、フラップ(23)、薄板(31)および/または穴(32)を有する、
請求項13に記載の装置(1)。
【請求項15】
少なくとも1つのタービン(25)が前記本体(15)上に配置されることで、前記空気入口(23、31、32)を介して流入する空気が前記タービン(25)によって吸引され、且つ前記バリュート(3)内に強制的に送り込まれることで、周囲圧力と比較して前記バリュート(3)内に過圧が生じる、
請求項13又は14に記載の装置(1)。
【請求項16】
前記バリュート(3)は、耐高温性となるように構成され、且つ低い通気性を有する、
請求項1から15のうちいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項17】
前記バリュート(3)は、セラミック織物および/または炭素繊維織物を有する、
請求項1から16のうちいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項18】
ロケット段(2)の大気圏への安全な再突入および前記ロケット段(2)の安全な着水のための、請求項1から17のうちいずれか一項に記載の前記ロケット段(2)の大気圏再突入着陸装置(1)と、
前記ロケット段(2)と、
を備える、システム。
【請求項19】
前記ロケット段(2)はブースター段である、
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記ロケット段(2)は軌道段である、
請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
大気圏への再突入中に、再突入中の前記装置(1)の表面の前に形成されるプラズマと前記装置(1)の表面との間に形成される境界層からの空気またはガスを、前記展開状態のバリュート(3)に充填するように構成される前記充填機構に加えて、前記大気圏への再突入前に最初に前記バリュートの形を整えるように、ロケットタンクからのガス、特に酸素を前記バリュート(3)に充填するように構成された充填機構が更に設けられる、
請求項18から20のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
ロケット段(2)を大気圏に再突入させる方法、特に、請求項1から17のうちいずれか一項に記載の前記大気圏再突入着陸装置(1)を用いて前記ロケット段(2)を大気圏に再突入させる方法であって、前記方法は、
再突入体が形成されるように、再突入前にバリュート(3)で前記ロケット段(2)を覆うステップ(S1)と、
再突入時に形成されるプラズマと前記再突入体の表面との間に形成される境界層(35)からの空気を前記バリュート(3)に充填するステップ(S2)と、
を含む、方法。
【請求項23】
前記バリュート(3)内に陽圧を発生させるステップ(S3)をさらに含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ロケット先端(7)を前にして前記ロケット段(2)を着水させるステップ(S4)をさらに含む、
請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
大気圏への安全な進入及び安全な着水のための所定物体用の大気圏突入着陸装置であって、
搬送中に所定物体を受け入れるように構成された搬送領域と、
第1の状態では折り畳まれた状態で存在し、第2の状態では展開された状態で存在するように構成されたバリュートであって、前記第2の状態では前記装置を実質的に外部から覆い隠すように構成されたバリュートと、
前記バリュートで覆うことを実行するように構成されたシュラウド機構と、
前記大気圏への進入中に、進入中の前記装置の表面の前に形成されるプラズマと前記装置の表面との間に形成される境界層からの空気又はガスを、前記展開状態の前記バリュートに充填するように構成された充填機構と、
前記シュラウド機構および前記充填機構を制御するように構成された制御ユニットと、
を備える、大気圏突入着陸装置。
【請求項26】
大気圏に所定物体を突入させる方法、特に、請求項25に記載の大気圏突入着陸装置を用いて前記所定物体を大気圏に突入させる方法であって、前記方法は、
再突入体が形成されるように、前記大気圏に突入する前にバリュート(3)で前記所定物体を覆うステップと、
前記大気圏の突入時に形成されるプラズマと前記大気圏突入体の表面との間に形成される境界層からの空気を前記バリュートに充填するステップと、
を含む、方法。
【請求項27】
大気圏の突入時におけるバリュートを充填する方法であって、前記方法は、
前記大気圏の突入時に形成されるプラズマと大気圏突入体の表面との間に形成される境界層からの空気を前記バリュートに充填するステップを含み、
前記空気は、前記大気圏突入体の空気入口から前記バリュートの内側に制御された形で吸引され、特に前記バリュート内に蓄積される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大気圏への安全な再突入およびロケット段の安全な着水のためのロケット段の大気圏再突入着陸装置、およびロケット段の大気圏への再突入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のロケット産業は、特に民間企業による開発によって大きなブームを経験している。様々な技術改良の結果、個々の打ち上げコストの大幅な削減が達成された。世界的なトレンドは再使用型ロケットである。
【0003】
エンジンによってロケット段を再び着陸させることが可能となる前に、ロケット段を安全に地球に帰還させるための代替方法が開発され、ある程度利用されていた。ロケット段の再突入については、1967年に出願された特許文献1が、熱風を満たした風船をロケット先端に設けることを提案している。エンジンを前にしてロケット段が着水するため、ロケットの第2段は再使用できない。1963年の特許文献2は、膨張式熱シールドと風船の組み合わせを開示している。風船は機内に搭載された加圧タンクからのガスで充填される。その際、熱シールドは飛行方向においてロケットの一部を遮蔽する。ロケットは、熱シールドによって遮蔽されたエンジンを前にして大気圏に突入する。1985年の特許文献3は、空気注入式ブレーキ手段を開示しており、ロケットのエンジンは、空気注入式ブレーキ手段の前方に冷却気流を発生させるために使用される。このロケットは、再突入の際にもエンジンを前方に出して飛行する。さらに、特殊な加圧タンクが搭載されている。ロケットはシールドで完全に覆われているわけではない。
【0004】
特許文献4は、観測機器または乗客を地球の表面に戻すことができる再突入ビークルを開示している。再突入ビークルは、展開可能なエアロシェルからなる。エアロシェルは、耐熱織布で覆われ、膨張可能な補強要素を有する。エアロシェルの展開には、さまざまな形での蓄積されたエネルギーが使用される。
【0005】
2012年、スペースXはファルコン9のブースター段を再び着陸させるための最初のテストを行った。この取り組みは2015年12月に初めて成功した。その間、スペースXは複数のブースター段の着陸と再利用に成功している。現在の記録は、同じブースター段を使用した9回のフライトに達している。これはロケット打ち上げコストの大幅な削減につながる。
【0006】
ファルコン9とファルコンヘビーのブースター段を着陸させる際、ブースター段のロケットの全9基のエンジンのうち、いずれも中央の1基が使用される。そのため、着陸に関する問題のひとつは信頼性である。ロケットのタンクには可燃性の高いケロシンと液体酸素が充填されているため、墜落が起きると必然的に墜落時に爆発が起きる。着陸には、スペースXは浮遊式着陸プラットフォーム(「自律型宇宙港ドローン船」)と軍事施設内の堅固な地面の着陸区域を使用する。浮体式プラットフォームへの着陸を完璧なものにするには、かなり多くの失敗と共に3年以上の開発期間を要し、技術的に非常に複雑である。この点で、イーロン・マスクのスペースXが成し遂げた成功は傑作である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3,508,724号明細書
【特許文献2】米国特許第3,286,951号明細書
【特許文献3】米国特許第4,504,031号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2016/0264,266号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、価格圧力や再利用性の要求といった問題は、高ペイロードを運搬可能な大型で重いロケットだけに存在するわけではない。しかし、エンジンによって再着陸するロケットは、着陸のための技術によって非常に重くなり、性能不足になるのも事実である。この技術は拡張性がなく、中型から大型のロケットにしか有意義に適用できない。さらに、この技術ではロケット全体を再使用可能にすることはできず、ブースター段、つまり下半分しか再使用できない。軌道段は再利用されず、大気圏に再突入する際に焼却される。
【0009】
ロケットの性能は、ツィオルコフスキーのロケット方程式とも呼ばれる理想ロケットの方程式によって決定される。この方程式は、ロケットの到達可能な速度は、打ち上げ時のロケットの質量とロケットの燃焼時の質量の関数であることを教示している。

v(m)=v・ln(m/m

ここで、v(m)は質量mの関数としてのロケットの速度である。vはエンジンのガスの排気速度である。mは燃焼時のロケットの質量である。mは打ち上げ時のロケットの質量である。
【0010】
簡単に言えば、スペースXのブースター段は、例えば、着陸脚の重量、ロケット上部の制御面の重量、宇宙空間での回転と大気圏突入前の減速のための燃料の重量、そしてもちろん着陸に必要な燃料の重量など、余分な重量を積みすぎているため、このような高速に達することができない。
【0011】
ロケットが小さければ小さいほど、ロケットが宇宙のどの軌道にも到達できなくなる前に、重量を追加できる余地は少なくなるのが一般的となる。多数の超小型衛星を打ち上げるために現在数十機が開発されている、いわゆるマイクロランチャーの場合、スペースX社の技術は重すぎるため適用できないと想定される。したがって、この技術は規模を拡大することができないため、すべてのユーザーに適用することはできず、大型で高価なロケットに限定されたままとなる。さらに、既知の再利用技術にも限界がある。ロケットは通常、非常に高速で飛行する。ブースター段の典型的な速度は時速約8000kmとなる一方、軌道上の軌道段の速度は少なくとも時速28000kmである。ロケット段は大気の空気抵抗を利用して減速する。ロケットエンジンの再点火によって減速するのはごく一部である。スペースXのようなブースター段では、その過程で空気が数百度まで加熱され、着陸時に一般的に焼け焦げた外観になる。対照的に、軌道段の空気はプラズマにまで加熱される。理由としては、発生するエネルギーは速度の2乗に比例して増加するためである。外部からの保護なしに大気圏に突入したロケットは、このプラズマの流れの中で焼却され、粉砕される。このため、スペースX社の技術を再利用できるのは、比較的ゆっくり飛ぶブースター段のみである。高速で飛行する軌道段は、1回の使用で破壊され続ける。
【0012】
したがって、本発明の目的は、ロケット段、特にブースター段と同様に軌道段を再使用可能にすることである。さらに、この新規技術は、最大積載量の余地を過度に制限することなく、マイクロランチャーだけでなく、大型で重いロケットにも使用可能にすることである。さらに、開発される技術は、信頼性が高く、管理が容易となる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本目的は、独立項の主題により達成される。本発明の有利な実施形態は、従属項から導かれる。
【0014】
本国際特許出願は、2021年3月22日に出願されたドイツ特許出願第10 2021 106 981.5号の優先権を主張するものであり、その開示内容は参照により本特許出願に完全に組み込まれる。
【0015】
本発明の第1の態様によれば、第1の態様は、ロケット段の大気圏への安全な再突入及びロケット段の安全な着水のための前記ロケット段の大気圏再突入着陸装置に関する。
前記装置は、
第1の状態では折り畳まれた状態で存在し、第2の状態では展開された状態で存在するように構成されたバリュートと、ここで、前記折り畳まれた状態のバリュートは、前記ロケット段の空気力学がバリュートによって損なわれないように前記ロケット段上に配置可能であって、前記展開された状態のバリュートは、前記ロケット段を実質的に覆い隠し、
前記バリュートで前記ロケット段を覆うことを実行するように構成されたシュラウド機構と、
前記大気圏への再突入中に、再突入中の前記装置の表面の前に形成されるプラズマと前記装置の表面との間に形成される境界層からの空気またはガスを、前記展開状態のバリュートに充填するように構成された充填機構と、
前記シュラウド機構および前記充填機構を制御するように構成された制御ユニットと、
を備える。
【0016】
本発明による大気圏再突入着陸装置は、ロケット段の大気圏への安全な再突入に適しているが、これはもちろん、ロケット段または惑星に戻される別の物体(例えば、カプセル、実験、製品等)の再突入よりも寧ろ最初の突入であってもよい。当然のこととして、これらのケースも本発明の保護範囲に含まれる。惑星に戻される物体は、通常、略円筒形の形状を有する。さらに、大気圏再突入着陸装置は、ロケット段(または他の任意の物体)の安全な着水に適している。つまり、大気圏再突入着陸装置を備えたロケット段は水に浮き、当該装置が回収されるまで沈まない。
【0017】
本発明によれば、大気圏再突入着陸装置はバリュートを備える。バリュートという技術用語は、バルーン(風船)とパラシュート(落下傘)の合成語である。バリュートは、亜音速域および超音速域で機能する高速パラシュートである。通常のパラシュートとは対照的に、バリュートは前部または下部の領域が閉じている(対照的に、通常のパラシュートはこれらの領域が開いている)。本発明によれば、風船は、第1の状態では折り畳まれた状態として存在し、第2の状態では展開された状態として存在するように構成されている。本明細書において、折り畳まれた状態とは、折り畳まれた状態または巻き上げられた状態、すなわち、いずれの場合にも小型化された状態であると理解される。この状態において、バリュートは、省スペースで配置され得る。この省スペースな折り畳み状態において、バリュートは、ロケット段の空気力学がバリュートによって損なわれないように、ロケット段上(又は他の任意の物体上)に配置可能又は配置される。ここでの焦点は、主に、エンジンがオンになっている状態での打ち上げ時または飛行中のロケット段の空力特性である。したがって、折り畳まれた状態では、バリュートはエンジンの近傍に配置されることが好ましく、バリュートの回転対称設計、またはバリュートを囲むロケット本体に関してのカバーの回転対称設計をそれぞれ選択することが有利である。一方で、バリュートをロケットの内側に組み込むことも可能である。例えば、ロケットに特別な開口部を設けることができる。本発明によれば、展開状態のバリュートは、ロケット段を実質的に覆い隠す。これは、実質的にロケット段全体がバリュートによって覆われる結果、バリュート内に位置することを意味する。バリュートの2つの外側端部、つまり最上端と最下端は、可能な限り離間している。このとき、バリュートはまだガスで充填されている必要はなく、またそれぞれ折り目をつけずに展開される必要もない。ロケット段が大気圏に再突入するとき、ロケット段全体は、このようにして、バリュートによって実質的に覆われるか、保護される。ここで、エンジンのみがバリュートから突出することが好ましく、及び/又は、ロケット先端がバリュートの外部領域と相俟って終端することが好ましい。この点に関するさらなる詳細は、以下に追加的に記載する。
【0018】
本発明によれば、バリュートでロケット段を覆うことを行うように構成されたシュラウド機構が設けられる。これは、例えば、機械式または電気機械式のシュラウド機構とすることができ、1つまたは複数の部品で構成することができる。機械部品は、非常に信頼性があり、任意に冗長性を持たせることができるため、機械部品を使用することが好ましい。ロケット段の覆いは、シュラウド機構によって行うことができる。これは、バリュートを折り畳んだ状態から展開した状態に移すことができることを意味する。この場合、バリュートは完全に形を整える必要はなく、寧ろ、バリュートの2つの外側端を引き離すだけでよい。この場合、バリュートの外側の両端を引き離す結果、ロケット段を覆うことが行われる。さらに、シュラウド機構によってバリュートを最初に露出させることができる。例えば、バリュートの外側の輸送ケーシングを開いたり、取り除いたり、吹き飛ばしたりできる。バリュートの引き離しと実際の覆いは、その後にのみ行われる。
【0019】
本発明によれば、大気圏への再突入中に、再突入中の装置の表面の前に形成されるプラズマと装置の表面との間に形成される境界層からの空気(または大気中に存在する他の気体)を展開状態のバリュートに充填するように構成される充填機構が更に設けられる。この種の充填機構は、軌道上に余分な加圧タンクや加圧ガス容器を船内に持ち込む必要がないため、極めて有利である。これにより、ロケット段の重量を減らし、可能な最大積載量を増やすことができる。プラズマと大気圏再突入着陸装置の表面との間の境界層からの空気がバリュートの充填に利用可能という事実は、本発明者の集中的な実験により実証されている。この境界層に存在する空気は実に高温である。このため、この空気を利用する際には、大気圏再突入着陸装置の燃焼が懸念される。しかし、本発明によれば、高温の空気は極僅かしか必要とされないか、あるいは使用されない。例えば、高温の空気は、的を絞った微細な計量方法でバリュート内に吸い込まれる。こうして装置の焼却が回避され、代わりに熱風を利用することが可能になる。充填機構は、ここでも1つの部品または複数の部品で構成することができ、以下でさらに詳しく説明する。
【0020】
本発明によれば、大気圏再突入着陸装置は、シュラウド機構および充填機構を制御するように構成された制御ユニットを備える。制御ユニット自体は、1つの部分または複数の部分で構成され得る。前記制御ユニットは、例えば、CPU、遠隔制御、時間制御および/または同様のものを有することができる。前記制御ユニットは、特に、適切な時点でシュラウド機構を始動させるように構成される。前記制御ユニットは、好ましくは、覆い(シュラウド)の速度も制御することができるが、これは必須ではない。起動信号に応じてシュラウド機構が覆いを完全に、例えば一定の速度で実行し、その結果、バリュートを折り畳まれた状態から展開された状態に移行させ、又はバリュートをその外端でそれぞれ引き離すことも可能である。充填機構も同様に制御装置によって動作させることができるが、飛行中に制御装置によって恒久的または断続的に制御することもできる。特に、充填機構を調節して、バリュート内の圧力を所定の圧力レベル(絶対圧力または周囲圧力に対する相対圧力)に保つことも可能である。
【0021】
言及されるロケット段は、それ自体、大気圏再突入着陸装置の構成要素ではない。しかしながら、ロケット段と大気圏再突入着陸装置を備えたシステムを設計することは可能である。さらに、既存のロケット段に本発明による大気圏再突入着陸装置を後付けすることも可能である。
【0022】
本発明の好ましい一実施形態によれば、大気圏への再突入時にロケット段のロケットエンジンが飛行方向の後方に配置されるように、バリュートがロケット段上に配置可能となる。このように、本発明によれば、ロケット段の再突入方向は、上記で引用した先行技術による再突入方向とは異なる。これにより、大気圏への再突入時にロケットエンジンがより良好に保護されるという利点がある。着水の場合、ロケットエンジンが水から安全に保たれ、水に浸らないことが可能となり、これにより海水による腐食が防止される。さらに、バリュートを展開する前にロケットが反転する必要がないため、燃料を節約でき、飛行中の操作を1回省くことができる。
【0023】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バリュートは、大気圏を飛行するときの当該バリュートの向きから見て上部領域において、バーブルフェンスを有する。従って、バリュートの設計は、既に知られているバリュートの設計(略アイソテンソイド(isotensoid))に実質的に対応する。しかしながら、従来のバリュートでは、空気またはガスは、例えばバーブルフェンスの下方にあるバリュート自体の開口部からバリュート内に吸い込まれる。本発明では、このようなバリュートの開口部は存在しない。なぜなら、バリュートは、再突入時にこのような開口部の縁で焼却され、バリュートが着水した場合には、水がこのような開口部からバリュート内に侵入するからである。本発明によれば、バリュートの開口部の代わりに、境界層からバリュートに空気を充填することが可能であり、そのために、例えば、空気注入口が一体化された寸法的に安定した特別な本体がバリュート上に配置される(下記参照)。飛行方向の前方にある領域(すなわち下部領域)におけるバリュートの形状は、略円錐形であり、上部領域では半球が隣接している。環状体のバーブルフェンスは、円錐と半球の間の最大直径の領域に設けられている。バリュートの流動特性を実質的に損なうことなく、記載された形状からの小さな逸脱が可能となる。
【0024】
本発明の好ましい一実施形態によれば、大気圏再突入着陸装置は、中央の円筒形貫通開口を有する寸法的に安定な本体を有する。後者の内径はロケット段の外径に適合している。バリュートは、この寸法的に安定した本体に直接的または間接的に固定される。本体または大気圏再突入着陸装置はそれぞれ、中央の円筒形貫通開口部によってロケット段の周囲に配置可能である。これによってロケット段の意図した覆い(シュラウド)をエレガントに行うことができる。円筒形貫通開口部の内径がロケット段の外径に適合していることにより、バリュートとロケット段との間の良好な閉鎖が可能になるとともに、一方の大気圏再突入着陸装置と他方のロケット段との安定した相対位置決めが可能になる。特に、本発明による装置をロケット段の外板を横切ってスライド式に変位させることが可能である。
【0025】
本発明の好ましい一実施形態によれば、円筒形貫通開口部の端部側の本体は、円筒形貫通開口部の周囲において耐熱性で特に平坦化された頭部片を有し、大気圏への再突入時のバリュートの向きの観点から、バリュートの前端部が頭部片に固定される。このように、バリュートを回転対称に本体に固定することができ、頭部片の周縁部がバリュートと相俟って終端することができるように、本体への固定は頭部片上で直接的または間接的に行われる。ここで頭部片は、例えば、中央に円筒形の貫通開口部を有する平板、または中空の円筒形片として、それぞれ形成することができる。貫通開口部または円筒片の中心軸に対する(したがってロケット軸に対する)頭部片の傾斜角度は、それぞれ約40°から50°、例えば約45°とすることができる。バリュートの頭部片への固定は、直接または間接的に行うことができ、例えば、円筒形の貫通開口を形成する本体の円筒片への固定によって間接的に行うことができる。材料としての頭部片は、好ましくは繊維材料とマトリックス材料、例えばSiC/SiC、C/SiCおよび/またはC/Cの組み合わせを有する。
【0026】
本発明の好ましい一実施形態によれば、大気圏への再突入時のバリュートの姿勢から見てバリュートの後端はロケット段に固定され得る。バリュート自体は、その中心軸に関して回転対称になるように、または、ロケット段に関して回転対称になるように、それぞれ構成することができる。ロケット段へのバリュートの固定は、好ましくは包囲固定である。バリュートは、好ましくは、エンジンに近接するようにロケット段に固定される。固定がエンジンに近接して行われるほど、バリュートによるロケット段の覆いが全体としてより完全なものとなる。
【0027】
本発明の好ましい一実施形態によれば、大気圏再突入着陸装置は、ロケット段上の打ち上げ固定配置からロケット段上の着陸固定配置まで本体をロケット段に沿って外部に移動させるように構成されている。ここで、打ち上げ固定配置および着陸固定配置は、それぞれ、打ち上げ段階中または着陸段階中に、本体がロケット段上の外部に配置される又はこのロケット段の周囲に配置されるそれぞれの点または領域を示す。打ち上げ固定配置から着陸固定配置への移動は、例えば、機械的牽引または推力によって行われ得る、又は電気機械的に行われ得る。
【0028】
本発明の好ましい一実施形態によれば、装置の打ち上げ固定配置は、エンジンの近位に設けられ得る。加えてまたは代替的に、着地固定配置は、ロケット先端の近位に設けられ得る。
【0029】
本発明の好ましい一実施形態によれば、シュラウド機構により本体は、ロケット段に沿って外部に移動可能である。特に、本体は、ロケット段に沿ってスライド可能である。バリュートによるロケット段を覆うプロセスにおいて、バリュートは、直接的または間接的にロケットの一端に固定的/不動的に配置される。バリュートは、例えばクランプ機構または張力機構によって、ロケット段との間にほぼ空気不透過性の閉鎖部を形成することができるが、他のタイプの固定も可能である。一例としては、締付リングがあり、この締付リングとロケットの間にバリュートの一部分を挟み込む又はクランプする。これに対して、バリュートの他端は、ロケット段上に位置固定的に配置されるのではなく、寸法的に安定した装置の本体に接続される。この寸法的に安定した本体は、現在、ロケット段の主軸に沿って変位させることができる。例えば、本体は、エンジンに近接する打ち上げ固定配置から、ロケット先端に近接する着陸固定配置に変位させることができる。この目的のために、特に機械的な機構、例えばウインチ、歯車システムおよび/またはリニアドライブを使用することができる。しかし、他の機構、例えば電気的機構または電気機械的機構も可能である。さらに、より良い信頼性を確保するために、システムを冗長構成にすることも可能である。バリュートは、ロケット段に沿った本体の外部への移動の結果として展開し、ロケット段に沿った本体の移動の程度によって、ロケット段の一部、特にロケットの先端がバリュートからどの程度突出するかを設定することが可能である。この場合、ロケット先端部がバリュートから突出しないか、またはバリュートからわずかに突出するだけであることが有利である。ロケットエンジンと比較すると、ロケット先端部は、特に塩水による腐食や、着水時の衝撃に対して比較的免疫がある。
【0030】
本発明の好ましい一実施形態によれば、大気圏再突入着陸装置は、ロケット打ち上げ時にバリュートを覆い、開放可能または分離可能な輸送カバーを有する。一例によれば、これは、爆破除去可能な外殻である。しかし、輸送カバーをフラップ機構や折り畳み機構によって実現することも可能である。
【0031】
本発明の好ましい一実施形態によれば、装置の寸法的に安定な本体の頭部片には、境界層からの空気がバリュートに流入可能となる開閉可能な空気入口が設けられている。ここでの空気入口は、バリュート自体に設けられるのではなく、バリュートに隣接する耐熱性頭部片に設けられる。空気入口は、様々な方法で設けることができる。例えば、空気入口は、1つまたは複数のフラップ、1つまたは複数の薄板、および/または1つまたは複数の穴を有し得る。フラップの開閉は簡単な方法で制御できるので、ここにフラップを設けることは特に簡単である。この目的のために、本発明による制御ユニットを使用することができる。本発明の特に好ましい実施形態によれば、空気入口は、互いに正反対となるように配置された2つのフラップを備える。しかしながら、2以上のフラップ、例えば3つ、4つ、5つ、またはそれ以上のフラップを設けることも可能であり、後者を頭部片内に規則的または不規則的に配置することも可能である。
【0032】
本発明の好ましい一実施形態によれば、本体上に少なくとも1つのタービンが配置され、空気入口から流入した空気がタービンによって吸引され、バリュート内に強制的に送り込まれ、周囲圧力と比較してバリュート内に過圧を生じさせ得る。この圧力は、好ましくは僅かな陽圧であり、本発明による装置の寸法安定性と減速動作の観点からは、これでもう十分である。再突入体に作用する背圧は、周囲圧力(静圧)と速度による動圧で構成される。大気圏に再突入する際、静圧は真空をわずかに上回る程度であるのに対し、動圧は比較的高い(速度vは毎秒数km、例えば約8km/s)。対照的に、着水中の静圧は比較的高いが、動圧は比較的低い(速度vは毎秒数メートル、例えば約10m/s)。本発明の好ましい一実施形態によれば、バリュート内の圧力pが以下の条件を満たすように、充填機構、ひいてはバリュート内の圧力が制御される。

static+1.1dynamic≦p≦pstatic+1.3dynamic

さらに、タービンの数は、好ましくは、それぞれ頭部片内のフラップまたは異なる空気入口の数に適合される。一以上のタービンは、好ましくは制御ユニットによって制御される。
【0033】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バリュートは、耐高温性となるように構成され、且つ空気透過性が低い。高温耐性は、再突入時の高温に耐えるために必要である。既に知られているシステムとは対照的に、ここでのバリュートが完全に空気不透過性であるように構成されていることは必須ではない。空気またはガスが空気入口から連続的に再供給され、当該空気またはガスがバリュート内のタービンによってわずかな陽圧にすることができるため、バリュートは容易に低い空気透過性を有することができる。これは、加圧ガス容器に頼る先行技術の解決策と比較しても重要な利点である。加圧ガス容器のガスはいったん消費されると、それ以上補充することはできない。したがって、先行技術による解決策では、絶対に空気を通さないバリュートの実施形態が必要である。
【0034】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バリュートは、セラミック織物および/または炭素繊維織物を有する。好ましい一実施形態によれば、セラミック織物は炭化ケイ素からなり、特に、炭化ケイ素織物の通気性を低下させるように、酸化ジルコニウムおよび/またはインコネルで被覆することができる。
【0035】
本発明の第2の側面によれば、ロケット段の大気圏への安全な再突入およびロケット段の安全な着水のための、先行する請求項のうちのいずれか一項に記載のロケット段の大気圏再突入着陸装置と、ロケット段とを備えるシステムに関する。
【0036】
好ましい一実施形態によれば、ロケット段は、それぞれ下部ロケット段またはブースター段である。本発明のさらなる一実施形態によれば、ロケット段は軌道段である。本発明によるシステムにより、軌道段を安全に地球に戻すことが初めて可能になる。以前は軌道段を戻すことは不可能であったため、ロケットの再利用可能性は全体として飛躍的に向上する。
【0037】
本発明の好ましい一実施形態によれば、大気圏への再突入中に、空気または再突入中の前記装置の表面の前に形成されるプラズマと前記装置の表面との間に形成される境界層からの空気又はガスを展開状態のバリュートに充填するように構成される充填機構に加えて、大気圏への再突入前に最初にバリュートの形を整えるように、ロケットタンクからのガス、特に酸素をバリュートに充填するように構成される更なる充填機構が更に設けられる。ロケットは、酸化剤として液体酸素を搭載しており、構造上の理由から関連タンクは約2~3バールの陽圧に加圧されている。このガスは、例えばロケットの燃焼終了後、且つバリュートでロケットを覆った後に、バルブを使って簡単に外部に排出することができる。前記ガスは、初期膨張のためにバリュートに直接入り、前記バリュートは、その後すでにロケット段を覆っている。本実施形態でも、特に、再突入を開始する前にバリュートの形を最初に整えることが望ましい場合であっても、追加の加圧容器を機内に持ち込む必要がなくなる。
【0038】
本発明の第3の態様によれば、ロケット段を大気圏に再突入させるための方法、特に、特に上述した実施形態の1つによる大気圏再突入着陸装置を用いてロケット段を大気圏に再突入させるための方法であって、
前記方法は、
再突入体が形成されるように再突入前にバリュートでロケット段を覆うステップと、
再突入時に形成されるプラズマと再突入体の(より冷たい)表面との間にできる境界層からの空気をバリュートに充填するステップと、
を含む。
【0039】
本発明の好ましい一実施形態によれば、本方法は、バリュート内に陽圧を発生させるステップをさらに含む。
【0040】
その結果、絶対に空気を通さないようにバリュートを設計することを回避することができ、バリュートのための材料の消費量、ひいてはバリュートの質量にも好影響を与える。
【0041】
さらに好ましい一実施形態によれば、本方法は、ロケット先端を前方に向けてロケット段を着水させるステップをさらに含む。ロケットの先端はロケットエンジンよりもかなり感度が低いため、この再突入方向や着水方向が望ましい理由となる。
【0042】
他の点において、本発明の第1および第2の態様の文脈でなされた説明は、本発明の第3の態様にも当てはまる。
【0043】
本発明の第4の態様によれば、大気圏への安全な進入と安全な着水のための、所定物体用の大気圏突入着陸装置に関するものであって、
前記装置は、
搬送中に所定物体を受け入れるように構成された搬送領域と、
第1の状態では折り畳まれた状態で存在し、第2の状態では展開された状態で存在するように構成されたバリュートであって、第2の状態では前記装置を実質的に外部から覆い隠すように構成されたバリュートと、
前記バリュートで覆うことを実行するように構成されたシュラウド機構と、
前記大気圏への進入中に、進入中の前記装置の表面の前に形成されるプラズマと前記装置の表面との間に形成される境界層からの空気またはガスを展開状態のバリュートに充填するように構成される充填機構と、
前記シュラウド機構および前記充填機構を制御するように構成された制御ユニットと、
を備える。
【0044】
本発明のこの態様によれば、本発明の基本概念は、特にロケット段の帰還に焦点を当てず、また他の特殊形状の物体の帰還にも焦点を当てない一般的な場合に適用される。本実施形態によれば、大気圏(再)突入着陸装置によって、代わりに任意の物体を原則的に惑星表面に輸送(帰還)することができる。この目的のために、当該装置は、輸送中に前記物体を受け入れるように構成された輸送領域を有する。従って、当該物体は当該装置に固定され、かつ/または輸送領域によって完全に包囲され得る。これは、当該物体の大きさ、形状、さらには材料特性に依存する。いずれにせよ、大気圏に突入する物体は、バリュートによって実質的に完全に覆われ、そのためバリュートによって保護される。例えば、本発明の第1の態様の文脈で説明したように、円筒片の内側領域における輸送領域を輸送領域として設けること、または円筒片の内側領域における輸送領域をそのような輸送領域として再設計することが考えられる。ここでの輸送領域の形状は、もちろん、それぞれ円筒形である、又は円筒形のままである必要もないが、このようにしてもよい。本発明の第1の態様と同様に、装置は板状の頭部片を有することができ、バリュートは、記載された方法で頭部片に直接的または間接的に固定され得る。しかしながら、ロケット段を覆い隠すために当該装置をロケット段の表面を横切って移動させる必要がないため、板状の頭部片が中央開口部を有さないことは有利である。その結果、第4の態様による大気圏突入着陸装置は、よりコンパクトな構成とすることができる。充填機構は、本発明の第1の態様の文脈で詳細に説明したものと同一の構成である。シュラウド機構は、簡略化することができるが、簡略化する必要はない。例えば、バリュートが解放され、充填の準備ができるように、輸送カバーの開放または爆破のみによってシュラウド機構が実施され得る。
【0045】
本発明の第5の態様によれば、大気圏に所定物体を突入させるための方法、特に、本発明の第4の態様に従って記載されるような大気圏突入着陸装置を用いて大気圏に所定物体を突入させるための方法に関する。
前記方法は、
再突入体が形成されるように、大気圏に突入する前にバリュートで前記所定物体を覆うステップと、
大気圏の突入時に形成されるプラズマと前記大気圏突入体の表面との間に形成される境界層からの空気で前記バリュートを充填するステップと、
を含む。
バリュートへの空気の充填は、好ましくは、例えばタービンを用いた空気の制御吸引によって行われる。さらに、空気は特にバリュート内に蓄積され、バリュートには閉じることのできない開口部はない。その他、本発明の第4の態様の文脈で既に述べたことは、原理的に本実施形態にも適用される。
【0046】
本発明の第6の側面によれば、大気圏の突入時におけるバリュートを充填する方法に関し、前記方法は、
前記大気圏の突入時に形成されるプラズマと大気圏突入体の表面との間に形成される境界層からの空気を前記バリュートに充填するステップを含み、
前記空気は、前記大気圏突入体の空気入口から前記バリュートの内側に制御された方法で吸引され、特にバリュート内に蓄積される。蓄積の結果、バリュート内に周囲圧力に対する陽圧が発生する。制御された吸引とバリュートの実質的にタイトな実施形態により、バリュートの形状を整えることができ、少量の空気のみでバリュートの形状を維持することができる。したがって、バリュートやバリュートに覆われた貨物が大気圏に突入したときに焼却されることなく、境界層からの熱風をこの目的に利用することができる。
【0047】
説明した本発明の実施形態は、技術的な矛盾が生じない限り、互いに部分的または完全に組み合わせることができる。
【0048】
添付の図を参照すれば、本発明はさらによく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明による大気圏再突入着陸装置の大気圏への打ち上げと再突入、およびその後の着水を模式的に示す。
図2】プラズマと再突入体の表面との間の境界層からの空気をバリュートに充填するための充填機構を含む、大気圏再突入着陸装置を複数の図で模式的に示す。
図3】本発明によるシュラウド機構を模式的に示す。
図4】充填機構における異なる複数のタイプの空気入口を示す。
図5】バリュートの留め具を模式的に示している。
図6】ロケット段の大気圏への再突入の本発明による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、本発明による大気圏再突入着陸装置の大気圏への打ち上げと再突入、およびその後の着水を模式的に示している。本発明の本質的な側面は、図1に示す図によって既に強調され得る。本発明による大気圏再突入着陸装置1は、既存のロケット段2に後付けすることもできる。即ち、装置1は、幅広い用途を想定している。当該装置は、異なるタイプのロケット、特に大型および小型のロケット段に適している。図1の模式図では、大気圏再突入着陸装置1とロケット段2のシステムは、打ち上げ区域10で全体的なシステムを形成するように組み立てられている。その後、大気圏再突入着陸装置1と結合したロケット2が打ち上げ位置に運ばれる。ここで、大気圏再突入着陸装置1は、エンジン8の近傍であるロケット2の下部領域に配置される。当該装置1は、ロケット段2を略回転対称に取り囲み、ロケット段2の空力飛行特性に実質的に悪影響を及ぼさない。
【0051】
ロケット段2が所望の高度/所望の軌道に達すると、シュラウド機構は制御ユニットによって作動または制御される。図示の例では、この目的のために、まず本例の輸送カバー9が吹き飛ばされ、輸送カバー9の下に横たわるバリュート3が露出する。その後、シュラウド機構によってバリュート3が折り畳まれた状態から展開された状態に移され、その過程でバリュート3が沈むロケット段2を実質的に覆い隠す。具体的には、バリュート3の一端がロケット段2のエンジン近端からロケット段2のロケット先端の近端まで引っ張られ、ロケット段2が実質的に覆い隠される。当該プロセスにおいて、バリュート3の反対側の端部は、それぞれロケット段2にしっかりと保持され、あるいはしっかりと固定される。したがって、ロケット段2の先端部7は、地球大気圏に再突入する際に、それぞれ前方または下方に向けられ、エンジン8は、それぞれ後方または上方に向けられる。下部領域4のバリュートは略円錐形であり、上部領域5のバリュートは略半球形状を呈する。バーブルフェンス6は、最大の直径となる場所に位置する。このリングの役目は、この位置で空気流を狙い通りに失速させることである。その結果、バリュート3は、大気圏において超音速および亜音速で安定する。大気中を飛行している間に、当該バリュートは最終的に速度限界に達し、その後、ロケット先端部7が前方となった状態で水1に衝突する。海水に弱いロケットエンジン8は水11から突出し、その過程で保護される。ロケット段2はその後回収され、改修施設12で再使用のために改修され得る。
【0052】
図1に示す工程は、ロケットの軌道段だけでなくブースター段に対しても実施され得る。さらに、本発明による大気圏再突入着陸装置は、打ち上げが中止された場合に、救助装置として使用することが可能である。地表から約2kmから3kmの高度からは、バリュートが展開するのに十分な時間があるため、安全に着陸することができる。
【0053】
図2は、プラズマと再突入体の表面との間の境界層からの空気をバリュート3に充填する機構を含む、大気圏再突入着陸装置1を複数の図で概略的に示す。図2(a)は、バリュート3を備えた本発明による大気圏再突入着陸装置1の側面図を示す。バリュートは展開された状態で図示されている。ここで、当該バリュートは、ロケット段2を実質的に覆っている。ロケット段2のエンジン8のみがバリュート3から突出している。図示の例では、ロケット先端部7は、装置1の板状の頭部片17の表面と面一になるように終端している。しかしながら、ロケット先端部7が、本発明による装置1から幾分か突出することも可能であり、突出の程度は特に調整可能である。図2(a)は、バリュート3の形状と、ロケット段2のロケット先端部7の領域におけるバリュートに対する板状の頭部片17の付属部とを実質的に示している。バリュートの上部領域5は、略半球の形状を呈し、下部領域4は略円錐形の形状を呈する。さらに、バーブルフェンス6は、最大直径の領域に配置されている。バリュート3の具体的な設計は、装置1の空気力学的特性が実質的に変化しない限り、及び/又は飛行中の挙動が安定を維持する限りにおいて、例として説明した設計と異なっていてもよい。図示の例では、装置1の本体15の板状の頭部片17は、2つのフラップ23を有し、そのうちの1つは図2(a)において見える。バリュート3への空気供給は、これらのフラップ23を介して行われる。
【0054】
図2(b)は、図2(a)にプロットされたA-A線に沿った断面を示す。図2(c)は、図2(b)の詳細Bを示す。本発明による装置1の内部には、先端部7とエンジン8を有するロケット段2が見える。大気圏再突入着陸装置1の本体15は、ロケット段2のロケット先端近傍領域の周囲に配置されている。本体15は、中央の円筒形の貫通開口18を有する。貫通開口18の内径は、ロケット段2の外径Dに適合されている。円筒片16の隣に、本体15は、耐熱性で特に扁平な頭部片17を有する。バリュート3の前端部4が頭部片17に固定される。バリュートの後端部5は、ロケット段2のエンジンに近接するように固定されている。
【0055】
地球の大気圏(若しくは他の惑星の大気圏)に再突入するとき、ロケット先端部7、頭部片17、及びバリュート3によって形成される再突入体の前方にプラズマが形成される。バリュート3だけでなく頭部片17も相応の耐熱性を有するように構成されている。図示の例では、バリュート3はセラミック織物を有しており、例えば、バリュートは、酸化ジルコニウム及び/又はインコネルでコーティングされた炭化ケイ素織布からなる。このコーティングは、炭化ケイ素織布の通気性を低下させる役割を果たし、通気性の低下で十分である。展開状態のバリュート3にはプラズマと再突入体の表面との間の境界層から絶えず新鮮な空気(ガス)を供給されるため、空気(ガス)に対する完全な閉鎖は必要ではない。
【0056】
この空気供給は図2(c)に詳細に図示されている。極超音速気流19が再突入体に衝突し、衝撃波21が発生する。気流22が形成される境界層35が、再突入体(ロケット先端部7、頭部片17、およびバリュート3の隣接表面)のやや低温の表面と、再突入体の前面に生じるプラズマとの間に形成される。この気流22は、フラップ23を介して本発明による大気圏再突入着陸装置1に流入し得る。流入する空気は亜音速気流20である。説明のために、図2(c)では、左側において閉じたフラップ23が図示され、右側において開いたフラップ23が図示されている。フラップ23の開閉は、本発明による制御ユニット33により制御され得る。フラップ23の開閉は、特にタービン25を動作(境界層からの空気の吸引)によっても受動的に制御され得る。この場合、フラップを閉じる/リセットするためにバネ機構が使用されることが好ましい。図示の例では2つのフラップ23が設けられているが、1つのフラップのみ、または2以上のフラップ、例えば3以上、4以上、又は5以上のフラップを設けてもよい。また、フラップ23を他の空気入口に置換又は補完することも可能である。図示の例では、流入する亜音速気流20はまず2つのチャンバ24に入り、チャンバ24のそれぞれの端部には1つのタービン25が配置されている。フラップ23を通って流入した空気は、タービン25によって吸引されると共に、バリュート3内に強制的に送り込まれ、周囲圧力と比較して所定の陽圧がバリュート3内に生じ得る。所定の陽圧の程度は、例えば本発明による制御ユニット33によって調整され得る。
【0057】
図3は、本発明によるシュラウド機構を概略的に示している。簡略化のため、バリュート3は図に含まれていない。図3(a)は、ロケット先端部7とエンジン8を備えたロケット段2の全体を示す。図3(b)は、本発明による大気圏再突入着陸装置1の詳細を見ることができる拡大図である。図示の例では、シュラウド機構は、ウインチ13とワイヤロープ14によって実施される。ワイヤロープ14は、エンジン近位側固定点27とロケット先端近位側固定点28を有する。大気圏再突入着陸装置1は、ウインチ13によってロケット段2に沿って変位し得る。ウインチ13は制御ユニット33によって制御され得る。具体的には、装置1を打ち上げ固定配置29から着陸固定配置30に移動させることが可能である。ここでの移動は、図3(a)の二重矢印で示されている。ウインチ13の代わりに歯車システムおよび/またはリニアドライブを使用してもよく、他の実施形態の変形も可能である。さらに、図示のシステムに冗長性を持たせること、即ち、2倍または一般に倍数として冗長性を持たせることも可能である。これにより、より高い信頼性が保証され、純粋に機械的なシステムは当初から非常に高い信頼性を有する。
【0058】
大気圏再突入着陸装置1の外形は、図示されていないバリュート3を除いて、図3(b)でも容易に見ることができる。装置1は、寸法的に安定した本体15からなり、図示の例では、円筒片16と板状の頭部片17とを有している。円筒片16は、ここではスリーブのように、ロケット段2の一部を囲んでいる。円筒形の貫通開口18は、円筒片16の内側に設けられている。貫通開口18の内径は、ロケット段2の外径に適合している。このようにして、本発明に係る装置1又はその本体15は、それぞれロケット段2に沿って外側にスライド可能となる。ここで、円筒片16の長さLは、貫通開口18の直径Dの約3分の1であってもよい。図示の例では、貫通開口18の軸に対する板状の頭部片17の角度αは約45°となる。しかし、他の具体的な値も各場合に可能である。
【0059】
図示の例では、2つのタービン25が本体15上に配置されている。当該タービン25の軸方向はロケット段2の軸方向と平行に走っている。軸方向から見て、タービン25の前にはそれぞれ1つのフラップ23が配置されている。形成された境界層から噴出する空気は、フラップ23およびタービン25を通ってバリュート3(図示せず)に進入し得る。
【0060】
本発明による制御ユニット33は、さらに図3(a)に概略的に示されている。制御ユニット33は、シュラウド機構(ここでは特にウインチ13)および充填機構(ここでは特にタービン25およびフラップ23)を(能動的または受動的に)作動させるように構成されている。他の実施形態の変形も可能である。さらに、制御ユニット33は、輸送カバー9(図1参照)を開いたり又は取り外したりするようにも構成され得る。例えば、制御ユニット33は、輸送カバー9を吹き飛ばすように構成され得る。制御ユニット33はさらに、ロケット制御ユニットに統合されてもよいが、別個の制御ユニットとして設けられてもよい。
【0061】
図4は、充填機構用の異なるタイプの空気入口を概略的に示す図である。図示の例では、本発明に係る装置1の板状の頭部片17のほんの一部が示されている。図示の例では、この頭部片17は、一つのフラップ23、複数の薄板31、および複数の孔32を有する。これらを通して、境界層35から噴出した気流22がバリュート3に入ることができ、またはタービン25及びチャンバ24に向かって入ることができる。ここで、空気入口23、31、32は、制御可能であること、すなわち必要に応じて開閉可能であることが好ましい。これはもちろん、図示したフラップ23では非常に簡単に実現できる。しかし、薄板31や穴32についても、原理的には既知の可能な解決策が存在する。一例として、空気入口23、31、32は、タービン25の作動(吸引)によって受動的に開放される。タービン25が(再び)スイッチオフとなると、例えば、空気入口23、31、32をリセットまたは閉じるためのバネ機構を使用することができる。一方、空気入口23、31、32を油圧式または電気機械式に制御することも可能である。
【0062】
図5は、バリュート3の留め具を模式的に示している。図5(a)は、エンジン8に近接したバリュート3の固定部を示している。図示の例では、締付リング36が設けられている。バリュート3は、締付リング36とロケット本体2またはロケットの表面との間に、それぞれしっかりと締め付け又は押し込まれている。あるいは、前記バリュート3は、接着剤で接着するか、別の方法で固定されてもよい。図示された固定は、バリュート3とバリュート3により覆われたロケット段2との間のエンジン近位領域において、ほぼ空気不透過性の閉鎖を保証する。図5(b)は、バリュート3を、円筒片16と板状の頭部片17とで本体15に固定する様子を示している。図示の例では、円筒片16と締付リング36との間でバリュート3をほぼ空気不透過で締め付けるまたは押し込むための締付リング36がここでも使用される。図示の例では、バリュート3を頭部片17に直接的に固定することはなく、代わりに、バリュート3を頭部片17に固定するのは間接的な固定である。本体15内で、バリュート3は折り返され、または折り重ねられ、板状の頭部片17の内周にぴったりと収まるだけである。追加的または代替的に、バリュート3が板状の頭部片17に直接的に固定されることも可能であり、例えば内側または外側から接着剤で接着され得る。図示の例では、板状の頭部片17と円筒片16との間の角度(または円筒形貫通開口18の軸線に対する角度)は約45°である。
【0063】
図6は、ロケット段2を大気圏に再突入させるための本発明に係る方法のフローチャートを示す。ここでは、ロケット2がすでに打ち上げられて燃え尽きている、若しくは再突入する本体がすでに軌道上にあるものと仮定する。このため、本方法は、再突入体が形成されるように再突入前にバリュート3でロケット段2を覆う方法ステップS1から開始される。方法ステップS2では、再突入時に形成されるプラズマと再突入体の表面との間に形成される境界層からの空気(またはその他のガス)をバリュート3に充填する。この方法は、上述した本発明による大気圏再突入着陸装置1を用いて実施されてもよいし、実施されなくてもよい。
【0064】
さらに任意の方法ステップS3では、バリュート3内に陽圧を発生させる。バリュート3は、空気やガスの補充が常に行われるため、完全に空気を通さないように設計する必要はない。さらに、重い加圧ガス容器をロケットや大気圏再突入着陸装置1に組み込む必要もない。
【0065】
さらなる方法ステップS4では、ロケット先端部7を前方にしたロケット段2の着水が実行される。その結果、ロケット段2の敏感なエンジン8は、水または海水のそれぞれから保護される。
【0066】
本発明に係る装置および本発明に係る方法は、ロケットのブースター段だけでなく軌道段の成功した再利用を初めて可能にした。さらに、この装置と方法は、すべてのタイプのロケット、特に小型ロケットに使用可能となる。
【符号の説明】
【0067】
1:大気圏再突入着陸装置
2:ロケット段
3:バリュート
4:バリュートの下部領域
5:バリュートの上部領域
6:バーブルフェンス
7:ロケット段の先端
8:ロケット段のエンジン
9:輸送カバー
10:打ち上げ区域
11:水
12:改装施設
13:ウインチ
14:ワイヤロープ
15:本体
16:円筒片
17:板状の頭部片
18:円筒形貫通開口
19:極超音速気流
20:亜音速気流
21:衝撃波
22:境界層の流れ
23:空気入口、フラップ
24:チャンバ
25:タービン
26:バリュートの内部空間
27:エンジン近位側固定点
28:先端近位側固定点
29:打ち上げ固定配置
30:着陸固定配置
31:薄板
32:穴
33:制御ユニット
34:頭部片の周辺
35:境界層
36:締付リング
L:軸方向における円筒片の長さ
D:円筒片の直径
α:頭部片と円筒片との間の角度
図1
図2
図3a)】
図3b)】
図4
図5a)】
図5b)】
図6
【国際調査報告】