(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-14
(54)【発明の名称】支持構造体
(51)【国際特許分類】
B66C 23/78 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
B66C23/78 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555591
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 EP2022056832
(87)【国際公開番号】W WO2022194935
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】102021106729.4
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519044656
【氏名又は名称】プツマイスター エンジニアリング ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】PUTZMEISTER ENGINEERING GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, マティアス
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA06
3F205FA01
3F205FA04
(57)【要約】
マストを有する作業用機械のための支持構造体(10)であって、前面(16)に開放された支持脚ボックス(12)を有し、完全に格納された位置と最大伸長長さ(A)で完全に伸長された位置との間を移動するために長手方向に変位可能に取り付けられた支持脚(20)を有し、支持脚ボックス(12)が、開放された前面(16)の領域内に第1の荷重導入装置(30)、および前面(16)から所与の距離(D)を置く少なくとも1つの支持面(34)を支持脚ボックス内に有する単一の第2の荷重導入装置(32)を有し、支持脚(20)が、支持脚(20)の長さ(L)に実質的に沿って延び、かつ単一の第2の荷重導入装置(32)の少なくとも1つの支持面(34)にもたれかかるように設計された、補強要素(36)を有する、支持構造体(10)。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マストを有する作業機械のための支持構造体(10)であって、
前面(16)に開放された支持脚ボックス(12)と、完全に格納された位置と最大伸長長さ(A)で完全に伸長された位置との間を移動するために長手方向(22)に摺動可能であるように前記支持脚ボックス(12)内に配置された支持脚(20)と、を備え、
前記支持脚ボックス(12)が、前記支持脚ボックス(12)の開放された前面(16)のエリアにある第1の荷重導入装置(30)と、前記前面(16)から所与の距離(D)を置いて前記支持脚ボックス内に配置された少なくとも1つの支持面(34)を有する単一の第2の荷重導入装置(32)と、を備え、
前記支持脚(20)が、前記支持脚(20)の長さ(L)に実質的に沿って延び、かつ前記単一の第2の荷重導入装置(32)の前記少なくとも1つの支持面(34)に載せられるように設計された、補強要素(36)を備える、
支持構造体(10)。
【請求項2】
開放された前記前面(16)の前記エリアにある前記第1の荷重導入装置(30)が、前記支持脚ボックス(12)の上部フランジ(50)および/または少なくとも1つのウェブプレート(54)の補強材として設計されている、請求項1に記載の支持構造体(10)。
【請求項3】
前記単一の第2の荷重導入装置(32)が、前記支持脚ボックス(12)の下部フランジ(52)および/または少なくとも1つのウェブプレート(54)の補強材として設計されている、請求項1または2に記載の支持構造体(10)。
【請求項4】
前記所与の距離(D)が、前記支持脚(20)の前記長さ(L)から前記最大伸長長さ(A)を引いたものに実質的に対応する、請求項1~3のいずれか一項に記載の支持構造体(10)。
【請求項5】
前記単一の第2の荷重導入装置(32)が、前記支持脚ボックス(12)の壁にこの目的のために設けられた1つ以上の貫通アパーチャを通過するように設計されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の支持構造体(10)。
【請求項6】
前記補強要素(36)が、前記第1の荷重導入装置(30)に作用するようにさらに設計されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の支持構造体(10)。
【請求項7】
前記第2の荷重導入装置(32)の前記支持面(34)が、前記支持脚ボックス(12)の内面に対して突出している、請求項1~6のいずれか一項に記載の支持構造体(10)。
【請求項8】
前記単一の第2の荷重導入装置(32)が、複数部品設計である、請求項1~7のいずれか一項に記載の支持構造体(10)。
【請求項9】
前記単一の第2の荷重導入装置(32)が、前記長手方向(22)に対して横方向に延びる支持面(34)を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の支持構造体(10)。
【請求項10】
前記単一の第2の荷重導入装置(32)が、前記前面(16)から前記所与の距離(D)を置いて前記支持脚ボックス(12)の周囲にわたって分布された様式で配置された複数の支持面(34)を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の支持構造体(10)。
【請求項11】
1つ以上の前記支持面(34)が、下部フランジ(52)および/またはウェブプレート(54)に形成されている、請求項9または10に記載の支持構造体(10)。
【請求項12】
前記支持面(34)が、前記長手方向(22)に対して90°の角度で延びるか、または前記支持面(34)が、前記長手方向(22)に対して90°に等しくない角度で延びる、請求項1~11のいずれか一項に記載の支持構造体(10)。
【請求項13】
前記単一の第2の荷重導入装置(32)の横方向延長部が、前記第1の荷重導入装置(30)の前記前面(16)に対して平行に延びるか、または前記単一の第2の荷重導入装置(32)の横方向延長部が、前記第1の荷重導入装置(30)の前記前面(16)と同じ向きを有さない、請求項1~12のいずれか一項に記載の支持構造体(10)。
【請求項14】
前記長手方向(22)の前記所与の距離(D)が、前記支持脚ボックス(12)の中心軸線に沿って、前記第1の荷重導入装置(30)の前記前面(16)から前記中心軸線と前記単一の第2の荷重導入装置(32)の前記横方向延長部との交差部までによって決定される、請求項1~13のいずれか一項に記載の支持構造体(10)。
【請求項15】
前記単一の第2の荷重導入装置(32)が、頂部が開放された略U字形のブラケットとして設計されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の支持構造体(10)。
【請求項16】
前記単一の第2の荷重導入装置(32)が、前記支持脚ボックスの下部フランジ(52)および/またはウェブプレート(54)の補強材として設計されている、請求項1~15のいずれか一項に記載の支持構造体(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、作業機械、特に、マストを有する作業機械のための支持構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]冒頭で述べたタイプの支持構造体は、マスト、特に、複数のマストアームを備えるブーム機構が設けられた作業機械を支持するために使用される。マストが動作していないとき、支持構造体の支持脚は、省スペース様式で支持脚ボックス内に移動され、機械が別の場所に移動されているときに、それらが突き出ることがないか、またはわずかしか突き出ないことを保証する。作業機械、例えば移動式コンクリートポンプが動作しているとき、伸長された支持脚は、多くの場合、支持脚ボックスを介して伝達されて地面に向けられる大きな力を吸収しなければならない。これに関連して、力は、一般に、支持脚が、支持脚ボックスの開口部の領域またはエリアにおいて支持脚ボックスの頂部に載せられており、支持脚の後端部が、支持脚ボックス内で支持脚ボックスの底部に支持されている、2つの点で支持脚ボックスから支持脚に伝達される。
【0003】
[0003]既知の支持脚は中空体を有し、中空体の端部は支持脚ボックスから突き出て、支持足は下方に突出する。中空体は、垂直に向けられたウェブプレートおよび水平に向けられたフランジプレートから構成されている。支持脚ボックスから力が導入される点で支持脚が座屈するのを防止するために、支持脚は、これらの点で特に安定するように設計されなければならない。これは、一般に、横方向ダイアフラムを支持脚に溶接することによって達成され、これは、支持脚が、力が横方向ダイアフラムの領域内に導入されるこれらの設定においてのみ使用され得ることを意味する。これにより、支持脚の可能な設定の数が減少する。ほとんどの場合、作業機械は、支持脚が完全に伸長された状態、半分伸長された状態、または全く伸長されていない状態でしか動作することができない。支持脚内に多数の横方向ダイアフラムを設置すると、支持脚の重量が増加するという問題があり得る。
【0004】
[0004]独国特許出願公開第102014014038号明細書は、支持脚のウェブプレートが露出されており下部支承面および上部支承面を形成し、支持脚が、ウェブプレートの下向きの狭い側によって、互いに距離を置いて長手方向に延びる支持脚ボックス内の2つの支持ストリップに載せられている。問題のタイプの支持構造体を開示している。
【0005】
[0005]独国特許出願公開第202004011443号明細書は、突出荷重を有する耐荷重構造のための支持装置を開示しており、ここでは上部荷重導入ブロックが、支持脚ボックスの開口部のエリアにある支持脚ボックスの内側に設けられており、支持脚ボックスの内部に固定的に配置された下部荷重導入ブロックが、上部ブロックから距離を置いて設けられている。荷重導入ブロックは、ねじ止めまたはボルト止めされている。
【発明の概要】
【0006】
[0006]このことから、本発明による提案は、請求項1の特徴を有する支持構造体に関するものである。
【0007】
[0007]本発明は、単一の荷重導入点を支持する目的で、支持脚ボックスの内部に支持脚または伸長可能な脚の実質的に全体の長さにわたって延びる補強材と組み合わされた単一の荷重導入点を提供するという洞察に基づく。
【0008】
[0008]本発明によれば、力の流れを最適化した構造的に単純で低コストの荷重導入がこのように提供される。支持脚ボックス内の単一の荷重導入点(支持脚ボックスの開放された端部に設けられた上部フランジの荷重導入に加えて)と、伸長される支持脚内の連続した補強材との組合せにより、多数の脚設定(すなわち、異なる伸長長さ)を最大限に柔軟に支持することが可能になる。これにより、本発明による支持構造体が装備された作業機械のより柔軟な利用能力が可能になる。
【0009】
[0009]したがって、本発明は、マストを有する作業機械のための支持構造体であって、前面に開放された支持脚ボックスを有し、完全に格納された位置と最大伸長長さで完全に伸長された位置との間を移動するために長手方向に移動可能であるように支持脚ボックス内に取り付けられた支持脚を有し、第1の荷重導入装置および単一の第2の荷重導入装置が、支持脚ボックス内または支持脚ボックス上に設けられており、第1の荷重導入装置が、動作中に支持脚ボックス内で上方に分散される力を吸収するためのものであり、単一の第2の荷重導入装置が、動作中に支持脚ボックス内で下方に分散される力を吸収するためのものであり、支持脚が、支持脚の長さにわたって実質的に伸長し、かつ単一の第2の荷重導入装置に載せられるように設計された、補強要素を有する、支持構造体に関する。
【0010】
[0010]支持脚は、複数部品設計とすることができ、例えば、伸縮脚として設計することができる。
【0011】
[0011]支持構造体は、正確に1つの第1の荷重導入装置と、正確に1つの第2の荷重導入装置と、を備える。
【0012】
[0012]荷重導入装置は、荷重分散に好適な少なくとも1つの荷重導入要素の機構として理解されるべきである。
【0013】
[0013]本発明のさらなる利点および実施形態は、従属請求項、明細書、および添付の図面から明らかになるであろう。
【0014】
[0014]上記の特徴および以下に説明される特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、それぞれ指定された組合せだけでなく、他の組合せでまたは単独でも使用できることは自明である。
【0015】
[0015]本発明は、例示的な実施形態によって、図面に正確な縮尺ではなく非常に概略的な方法で示されており、図面を参照して以下で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】支持脚と、支持脚ボックスと、支持脚ボックスに取り付けられたマストのための支承ブロックと、を有する支持構造体を非常に簡略化された形態で示す。
【
図2】本発明による支持構造体の第1の実施形態の横方向の非常に概略的な断面図である。
【
図3】本発明による支持構造体の第2の実施形態の横方向の非常に概略的な断面図である。
【
図4】
図2の図を参照する、伸縮脚として設計された支持脚を有する第1の実施形態の変形例を示す。
【
図5】
図3の図に類似した、伸縮脚として設計された支持脚を有する第2の実施形態の変形例を示す。
【
図6】第1の実施形態による支持脚ボックスの斜視切取図である。
【
図7】伸長された状態の第1の実施形態のさらなる伸縮脚の変形例の横断面斜視図である。
【
図10】
図5の支持構造体の伸長された状態の斜視図を示す。
【
図11】
図10の支持構造体の伸長された状態の横方向の切取斜視図を示す。
【
図14a】中空支持脚体の構造の可能な変形例を示す。
【
図14b】中空支持脚体の構造の可能な変形例を示す。
【
図14c】中空支持脚体の構造の可能な変形例を示す。
【
図14d】中空支持脚体の構造の可能な変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0015]個々の図に示されている同一および同様の特徴には、同じ参照符号が付されている。
【0018】
[0016]
図1は、マストを有する作業機械のための支持構造体10の概略斜視図を示している。支持構造体10は、それ自体は既知の方法で、マストのための支承ブロック14に組み込まれた支持脚ボックス12を備える。支持脚ボックス12は、前面16に向かって開放されており、箱形または立方体の中空体として設計されている。
【0019】
[0017]支持脚ボックス12には、長手方向22に延び、支持脚ボックス12内を長手方向22に摺動可能な中空体24と、中空体24の前端部に取り付けられた下方に突出する支持足26と、を有する支持脚20が収容されている。
図1の図は、部分的に伸長された設定または位置にある支持脚20を示している。
【0020】
[0018]支持脚20は、長さLを有し、完全に格納された位置では、実質的に支持脚20の全体の長さLにわたって支持脚ボックス12内に収容される(開放された前面16および場合によっては同様に開放された後面(図示せず)を通る突出部となり得る)。支持脚20は、支持脚ボックス12の開放された前面16を通して支持脚20を移動させることによって、最大伸長長さAで支持脚ボックス12から外方に移動することができる。完全に伸長された位置では、全体長さLから最大伸長長さAを実質的に引いたものに相当する残留長さDが支持脚ボックス12内に残る(
図2および
図3を参照)。本発明によれば、支持脚の任意の部分的に伸長された中間設定が可能である。
【0021】
[0019]例えば、
図6、
図9、および
図12から分かるように、支持脚20の中空体24は、互いに距離を置いて互いに平行に延伸する2つのウェブプレート64、ならびに互いに平行に延伸し、ウェブプレート64を互いに連結する2つのフランジプレート60、62、すなわち上部フランジ60および下部フランジ62から、特に溶接によって組み立てることができる。それに対応して、支持脚ボックス12は、互いに距離を置いて互いに平行に延伸する2つのウェブプレート54、ならびに互いに距離を置いて互いに平行に延伸し、ウェブプレート54を互いに連結する2つのフランジプレート50、52、すなわち上部フランジ50および下部フランジ52から、特に溶接によって組み立てられる。
【0022】
[0020]原理上、
図14から
図14dに示されており、以下に説明されるように、中空体24の他の実施形態も考えられる。
【0023】
[0021]本発明の第1の実施形態によれば、
図2に概略的に示すように、支持脚ボックス12は、支持脚ボックス12の開放された前面16の領域またはエリアにある第1の荷重導入装置30を有する。また、例えば、
図6の図から分かるように、第1の荷重導入装置30は、底部が開放されており、かつ基部40および基部40から下方に突出する自由アーム42を有する、略U字形の補強ブラケットとしてそれ自体が公知の方法で設計され得る。基部40の下側は、支持面44を形成し、支持脚20の上部フランジ60が支持面44に以下でより詳細に説明されるように支持されている(
図6を参照)。動作中に荷重を吸収したとき、支持脚20は、支持脚20の上部フランジ60によって支持面44に支持されている。第1の荷重導入装置30の他の実施形態も可能である。したがって、U字形の補強ブラケットは、(図示および説明するように)上部フランジ50の前方に配置され、そこに支持面44を形成することができるだけでなく、補強ブラケットを上部フランジに配置することも可能であり、したがって、上部フランジを通る力の流れがブラケットの基部40に生じることが確実になる。さらに、後述するように、第1の荷重導入装置を支持脚ボックスの側面(ウェブ)の領域内に配置することが可能である。
【0024】
[0022]さらに、本発明によれば、支持脚ボックス12は、内部に単一の第2の荷重導入装置32を有する。第2の荷重導入装置32は、支持脚ボックス12の前面16から所与の距離Dを置いて支持脚ボックス12内に配置されている。所与の距離Dは、支持脚20が支持脚20の完全に伸長された位置で支持脚ボックス12内に残る上述の残留長さに実質的に対応する。典型的には、この「残留長さ」は、延長長さの約20~30%である。これにより、動作中に荷重が吸収されているときに、支持脚20を第2の荷重導入装置32の支持面34上の後端部28によって(さらに)支持し得ることが確実になる。第2の荷重導入装置32は、支持脚ボックスの壁(ウェブプレート54および/または下部フランジ52)内にこの目的のために設けられた1つ以上の貫通アパーチャを通過するように設計され得る(例えば、
図6および
図9を参照)。第2の荷重導入装置32は、特に
図6、
図8、および
図9から分かるように、第2の荷重導入装置32の支持面34が下部フランジの表面に対して突出するように設計され得る。この突出部または「隆起」は、支持脚が格納された位置への変位中に荷重を分散するように設計されていない下部フランジの点に荷重をかける可能性を防止するのに役立つ(当然、本発明は、支持脚ボックス内へのさらなる荷重分散点の形成を意図的に省いている)。典型的には、記載された隆起は、支持脚の寸法(特に長さ)に応じて、約20~50mmである。当業者は、自身の専門知識の範囲内で好適な隆起を容易に選択することができるであろう。
【0025】
[0023]したがって、本発明によれば、支持脚20からの荷重を分散するために、支持脚ボックス12内または支持脚ボックス12に正確に2つの支持点34、44、すなわち、前面16上の上向きの荷重分散のための支持点または支持面44と、下向きの荷重分散のための支持点または支持面34と、が存在する。
【0026】
[0024]既に説明したように、第2の荷重導入装置32によって形成される支持点の位置は、支持脚ボックスの前面16から長手方向22に距離を置いて決定される。第2の荷重導入装置32は、例えば、長手方向22に対して横方向(垂直、または90°に等しくないもしくは90°未満の角度)に延びる支持面34を有し得る。あるいは、第2の荷重導入装置32は、支持脚ボックスの下部フランジ52および/またはウェブプレート54に、支持脚ボックスの周囲上の前面から所与の距離を置いて配置された複数の支持面34を有し得る。
【0027】
[0025]
図2による本発明の第1の実施形態の文脈において、第2の荷重導入装置32は、第1の荷重導入装置30と同様に、頂部が開放されており、かつ基部46および基部46から上方に突出する自由アーム48を備える、略U字形のブラケットとして設計され得る(例えば、
図6を参照)。基部46の上側は、支持面34を形成する。
図6から分かるように、ブラケットの基部46は、支持脚ボックスの下部フランジ52を通って到達し得る。
【0028】
[0026]
図2から分かるように、支持構造体10は、本発明によれば、支持脚20の長さLにわたって実質的に支持脚20内に延びる補強要素36をさらに備える。補強要素36は、単一の第2の荷重導入装置32の支持面34に載せられるように設計されている。
【0029】
[0027]補強要素36は、様々な異なる設計とすることができる。例えば、補強要素36は、支持脚20の実質的に全体の長さにわたって延びる下部フランジ62の補強プレートによって形成され得る。
【0030】
[0028]あるいは、補強要素36は、下部フランジ62に当接するウェブプレート64のそれぞれの縁部に沿って延びる2つの補強ストリップによって形成され得る。この場合、これは、複数部品補強要素36であり得、これらの部品の各々は、支持脚20の実質的に全体の長さにわたって延びる。
【0031】
[0029]さらなる代替例として、補強要素36は、例えば、
図9に示すように、下部フランジ62への連結の領域におけるウェブプレート64の好適な材料補強または材料拡張によって形成され得る。逆に、補強要素36は、当然ながら、ウェブプレート64への連結の領域における下部フランジ62の好適な材料補強または材料拡張によって形成することもできる。
【0032】
[0030]支持脚20の実質的に全体の長さにわたって延びるような補強要素36の構成は、支持脚20の任意の所望の伸長設定が、単一の第2の荷重導入装置32を介して下方への荷重分散を常に確保しながら目下可能になるため、本発明に高度の所望の柔軟性を与える。
【0033】
[0031]
図2に示す実施形態では、支持脚20は、支持脚20の上部フランジ60の領域内に、支持脚20の実質的に全体の長さにわたって延びる上部フランジ補強材をさらに有する。上部フランジ補強材の構成に関しては、補強要素36に関連して上述したことが適用される。
【0034】
[0032]本発明の第2の実施形態によれば、
図3に概略的に示すように、第2の荷重導入装置32は、主に支持脚ボックス12の下部フランジ52内に形成されず、むしろその横方向ウェブプレート54内に形成されている。例えば、支持面34を有する補強ペグを、2つの対向するウェブプレート54の各々上または2つの対向するウェブプレート54内に、(いずれの場合も支持脚ボックス12の前面から所与の距離Dを置いて)設けることができる。補強ペグは、必ずしもそうである必要はないが、各々同じ高さに配置され得る(原理上、2つのペグを異なる高さに配置することができ、この場合、支持脚の左右の長手方向に延びる補強材も、対応して異なる高さに配置されなければならない)。
【0035】
[0033]この場合、第2の荷重導入装置32は複数部品設計である。第2の荷重導入装置32の補強ペグは各々、この目的のためにウェブプレート内に設けられた貫通アパーチャに挿入され溶接され得る。第2の荷重導入装置32は、外側上ではウェブプレート54と実質的に同一平面内で終端するように構成され得るが、第2の荷重導入装置32は、支持脚ボックス内では十分に大いに内側に突き出て好適な支持面34を形成する。
【0036】
[0034]原理上、構造関連の境界条件のために、支持脚ボックスの前面16が支持脚の長手方向軸線(すなわち、長手方向22)に対して垂直に延伸しない構成の可能性もある。これにより、第1の(上部)荷重導入装置は、支持脚まで「斜めに」延伸し得る(すなわち、長手方向22に対して90°に等しくない角度、特に、例えば0°~60°などの90°未満の角度)。結果として、再び所与の構造関連の境界条件に応じて、異なるが本発明の範囲内に含まれる第2の荷重導入装置の組合せがあり得、i)第2の荷重導入装置によって(第1の実施形態のように1つの要素から、または第2の実施形態のように2つの要素からのいずれかから)形成された支持面は、支持脚の長手方向軸線に対して実質的に垂直に延伸し、その場合、支持脚の側面(ウェブ)における支持面の左右の間隔が異なる。この場合、「所与の距離D」は、例えば、支持機構の中心軸線に沿って計算された平均として見られ得る。ii)第2の荷重導入装置によって(第1の実施形態のように1つの要素から、または第2の実施形態のように2つの要素からのいずれかから)形成された支持面は、同様に、第1の荷重導入装置と同じ角度で、または別の角度でのいずれかで、支持脚の長手方向軸線に対して斜めに延伸し、その場合、左右の間隔は、同じ(同じ角度)または再び異なる(異なる角度)のいずれかであり得る。この場合も、「所与の距離D」は、例えば、支持機構の中心軸線に沿って計算された平均としてみなすことが適切である。本発明の本質的な態様は、正確に1つの荷重導入装置が支持脚ボックスの内部に設けられており、(脚の長手方向軸線に対する)1つの荷重導入装置の横方向延長部(すなわち、前記第1の荷重導入装置に対して斜めに延伸する)において、第1の荷重導入装置と(長手方向に対して)同じ向きを有する必要がないことから構成されている。
【0037】
[0035]
図3の図から分かるように、この実施形態では、支持脚の長さにわたって実質的に延びる補強要素36は、下部フランジ62の領域内に形成されず、第2の荷重導入装置32の説明した補強ペグの位置に適合された高さで支持脚20のウェブプレート64に形成されている。この場合、図示のように、補強要素36は、上部フランジ60の領域内に補強要素36の高さで上方に延び得、したがって、上述の上部フランジ補強材の機能をさらに果たすことができる。
【0038】
[0036]さらなる変形例を
図13に示す。この変形例の支持構造体10では、既に上述したように、第1の荷重導入装置30は、支持脚ボックスの上部フランジ50の領域内ではなく、ウェブ/ウェブプレート54に配置されている。これにより、同様に、補強要素36を上方への荷重分散および下方への荷重分散の両方のために使用することが可能になる。
図14a、
図14b、および
図14dは、(この目的のために設けられたアパーチャ内または2つの重ね合わされたU字形プロファイル間の空間内に)挿入または取り付けられた補強要素36を有する支持脚中空プロファイルの代替的な構成を示している。したがって、中空体は、例えば、2部品構造体とすることができる。
図14aおよび
図14bは、それらの開口部を互いに対向させて(ウェブまたはウェブプレートの形成のために)それらのアームによって組み立てられ溶接された2つの略U字形の屈曲プロファイルを有する変形例を示している。
図14cおよび
図14dの変形例では、プレートは、上部フランジとして直立U字形プロファイルに溶接されている。
【0039】
[0037]本発明は、
図2および
図3の概略図に関連して説明したような一体型支持脚20だけでなく、複数部品からなる伸長可能な支持脚、特に伸縮脚にも及ぶ。そのような構成は、それぞれ
図2および
図3に類似した
図4および
図5に示されている。
【0040】
[0038]
図4および
図5の図は、伸縮ボックス内で案内される伸長可能な脚からなる2部品伸縮脚を有する構成を示しており、伸縮ボックスは次に、支持脚ボックス内に摺動可能に取り付けられている。より簡単に言えば、上述したような先の支持脚の中空体24は、ここでは、より小さい断面を有する伸長可能な脚20.2を受容するための伸縮ボックス20.1として機能し、伸長可能な脚20.2は、長手方向に摺動可能であるように伸縮ボックス20.1内に取り付けられている。これは、伸縮ボックス20.1(元の単一の支持脚)のための支持脚ボックス12内に荷重分散手段を設けるだけでなく、追加の伸長可能な脚20.2のための伸縮ボックス20.1内にも荷重分散手段を設ける必要があることを意味する。
【0041】
[0039]
図2および
図3に関連して説明した、下部フランジ52の領域内またはウェブプレート54上の第2の荷重導入装置32の2つの原理は、
図4および
図5に示すように、伸長可能な脚20.1と伸縮ボックス20.2との間の荷重分散手段の構成に等しく採用することができるが、それらは互いにまたは先行技術から知られている荷重分散手段と組み合わせることもできる。
【0042】
[0040]したがって、
図9の例示的な実施形態は、支持脚ボックス12と伸縮ボックス20.1との間に
図2による第1の実施形態を利用する変形例を示しているが、伸長可能な脚20.2と伸縮ボックス20.1との間の荷重分散手段には先行技術から知られている構成(例えば、独国特許出願公開第102014014038号明細書を参照)が使用されている。したがって、より具体的には、伸縮ボックス20.1のウェブプレート64.1と下部フランジ62.1との間の移行領域内の支持脚の長さLにわたって延びる補強要素36を形成する材料の厚さは、同時に、伸長可能な脚20.2のウェブプレート64.2の下方に延びたウェブ66の支持面として内側に向かって機能する。
【0043】
[0041]
図9の支持脚ボックス内の伸縮脚の偏心配置は単なる例示であり、特定の設計基準によるものであり、当然、他の配置、特に対称配置も可能であることに留意されたい。
【0044】
[0042]
図10は、支持脚ボックス12、長手方向に摺動可能であるように支持脚ボックス12内に取り付けられた伸縮ボックス20.1、および長手方向に摺動可能であるように今度は伸縮ボックス20.1内に取り付けられた伸長可能な脚20.2を有する、
図3の実施形態の伸縮脚の変形例を示している。
【0045】
[0043]
図3に関連して既に説明したように、支持脚ボックス12は、ウェブプレート54内に第2の荷重導入装置32を有する。
図10に示すように、ウェブプレート54の高さにわたって延びるストラップ33もまた、ウェブプレート54の外側に設けられ得、このストラップは、各々上部フランジおよび下部フランジの突出部に支持されており、力の分散を改善する働きをする。
【0046】
[0044]伸縮ボックス20.1は、実質的に伸縮ボックス20.1の長さにわたって延び、かつウェブプレート64.1の両側に適用され第2の荷重導入装置32の支持面34に載せられるように設計された「レール」(ウェブプレート倍増手段と呼ばれる)によって形成された、補強要素36.1を有する。高さに関して、補強要素36.1を形成するレールは、上部フランジ60.1の突出部61.1まで上方に延び、上部フランジ60.1の突出部61.1に溶接されている(
図12の図も参照)。したがって、レールは、
図3に関連して説明した、第1の荷重導入装置30および第2の荷重導入装置32の両方に対する力の分散を強める二重の機能を有する。
【0047】
[0045]類似的に、支持面34’を有する第2の荷重導入装置32’を形成するペグが、対向し同じ高さに位置する伸縮ボックス20.1のウェブプレート64.1内に陥凹し(
図11および
図12も参照)、伸長可能な脚20.2は、伸長可能な脚20.2の長さにわたって実質的に延び、かつ第2の荷重導入装置32’の支持面34’に載せられるように設計されたウェブプレート64.2の両側に適用されたレールによって形成された、補強要素36.2を有する。高さに関して、補強要素36.2を形成するレールは、上部フランジ60.2の突出部61.2まで上方に延び、上部フランジ60.2の突出部61.2に溶接されている(
図12の図も参照)。
【0048】
[0046]本発明によれば、単一の荷重導入点が支持脚ボックス内に設けられ、その結果、1つの荷重導入のみを計算する必要があり、それによって支持脚ボックスに対する計算労力が大幅に低減される。支持脚ボックス内の個々の荷重導入点には、脚位置とは独立した力の流れ方向が伴い(例えば、独国特許出願公開第102014014038号明細書とは対照的に、脚の設定に関係なく、同じ前方および後方の荷重導入点が常に使用される)、したがって、力が流れる部分または領域はごくわずかしかない。補強材が1点でのみ必要であるという事実は、構造体のコストおよび重量に好ましい効果を有する。
【国際調査報告】