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特表2024-511582熱力学サイクルを有する熱機関及び関連する熱機関のためのカートリッジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-14
(54)【発明の名称】熱力学サイクルを有する熱機関及び関連する熱機関のためのカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   F25B 9/06 20060101AFI20240307BHJP
   F28D 7/10 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
F25B9/06 D
F28D7/10 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555710
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(85)【翻訳文提出日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 EP2022056723
(87)【国際公開番号】W WO2022194877
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】2102658
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523345736
【氏名又は名称】シックステン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ベルテレミー,ピエール-イブ
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA35
(57)【要約】
本発明は、熱機関のための熱力学的流体を移動させるためのカートリッジ(1)に関し、カートリッジ(1)は、熱伝達流体を循環させるための第1の循環手段(3)を備える第1のプロファイルセクション(2)と、熱伝達流体を循環させるための第2の循環手段(9)を備える第2のプロファイルセクション(8)と、少なくとも1つの作動流体(J、H)の少なくとも1つの供給回路に接続可能であり、接続されるように意図されている第3のプロファイルセクション(15)であって、第1のプロファイルセクション(2)および第2のプロファイルセクション(8)の内側に配置された第3のプロファイルセクション(15)と、熱力学的流体を収容するためのチャンバ(24)と、チャンバ(24)内に配置されており、第3のプロファイルセクション(15)の外壁(17)に対して摺動可能であるように取り付けられたディスプレーサ(25)と、第3のプロファイルセクション(15)の内側に配置され、第3のプロファイルセクション(15)の内壁(16)に対して摺動可能であるように取り付けられたピストン(26)であって、少なくとも1つの作動流体(J、H)によって移動可能であり、移動されるように意図されており、ディスプレーサ(25)およびピストン(26)が互いに結合されている、ピストン(26)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱力学サイクル熱機関のための、第1の熱源に接続された低温部分と第2の熱源に接続された高温部分との間で熱力学的流体を移動させるためのカートリッジ(1、1’)であって、少なくとも、
-第1の熱源に接続された第1の熱伝達流体供給回路(A、B)への接続に好適であり、かつ接続が意図された少なくとも1つの熱伝達流体を循環させるための第1の手段(3)を備える第1の中空セクション(2)を備える、「低温」部分を形成する第1の交換器であって、前記第1のセクション(2)が、内壁(4)及び外壁(5)を備える、第1の交換器と、
-第2の熱源に接続された第2の熱伝達流体供給回路(C、D)に接続されるように適合及び設計された少なくとも1つの熱伝達流体を循環させるための第2の手段(9)を含む第2の中空セクション(8)を備える、いわゆる高温セクションを形成する第2の熱交換器であって、前記第2のセクション(8)が、内壁(10)及び外壁(11)を備える、第2の熱交換器と、
-少なくとも1つの作動流体(J、H)のための少なくとも1つの供給回路に接続されるように適合及び意図された第3の中空セクション(15)であって、前記第3のセクション(15)が、前記第1のセクション(2)及び前記第2のセクション(8)の内側に配設され、前記第3のセクション(15)が、内壁(16)及び外壁(17)を備え、前記第1のセクション(2)の前記内壁(4)の少なくとも一部及び前記第3のセクション(15)の前記外壁(17)の第1の部分(20)が、第1の充填空間(21)を形成するように互いに離間及び対向し、前記第2のセクション(8)の前記内壁(10)の少なくとも一部及び前記第3のセクション(15)の前記外壁(17)の第2の部分(22)が、第2の充填空間(23)を形成するように互いに離間及び対向する、第3の中空セクション(15)と、
-少なくとも1つの熱力学的流体を、好ましくは高圧かつ超臨界状態で収容するのに好適であり、かつ収容するように設計された少なくとも1つのチャンバ(24)であって、前記チャンバ(24)が、連通している前記第1の充填空間(21)及び前記第2の充填空間(23)を少なくとも備える、少なくとも1つのチャンバ(24)と、
-前記チャンバ(24)の内側に配置され、前記第3のプロファイル(15)の前記外壁(17)に対して摺動可能に装着され、かつ第1の位置(P1)と第2の位置(P2)との間で移動可能なディスプレーサ(25)であって、前記少なくとも1つの熱力学的流体を前記第1の充填空間(21)と前記第2の充填空間(23)との間で交互に変位させるように構成されている、少なくとも1つのディスプレーサ(25)と、
-前記第3のプロファイル(15)の内側に配置され、前記第3のプロファイル(15)の前記内壁(16)に対して摺動可能に装着され、かつ前記第1の位置(P1)と前記第2の位置(P2)との間で移動可能なピストン(26)であって、前記ピストン(26)が、前記少なくとも1つの作動流体(J、H)によって前記第1の位置(P1)と前記第2の位置(P2)との間で変位されるように適合及び設計され、前記ディスプレーサ(25)及び前記ピストン(26)が、互いに結合されている、ピストン(26)と、を備えることを特徴とする、カートリッジ。
【請求項2】
前記第3のプロファイル(15)が、好ましくは非磁性材料で作製され、前記ディスプレーサ(25)及び前記ピストン(26)が、磁気接続手段(27)によって前記第3のプロファイル(15)を介して、互いに磁気的に結合されることを特徴とする、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記第1のプロファイル(2)が、軸A1に沿って第1の長さL1にわたって長手方向に延在し、前記第2のプロファイル(8)が、軸A1に沿って第2の長さL2にわたって長手方向に延在することを特徴とする、請求項1又は2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記第3のプロファイル(15)が、前記軸A1に沿って第3の長さL3にわたって長手方向に延在し、前記第3の長さL3が、前記第1の長さL1又は前記第2の長さL2よりも大きく、好ましくは前記第1の長さL1と前記第2の長さL2との合計以上であることを特徴とする、請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記第2のプロファイル(8)が、軸A1の方向において、前記第1のプロファイル(2)の延長にあることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記第1のプロファイル(2)が、第1の端部(6)及び第2の接合端部(7)を備え、前記第2のプロファイル(8)が、第1の端部(12)及び第2の接合端部(13)を備え、前記第1のプロファイル(2)及び前記第2のプロファイル(8)が、それらのそれぞれの第2の接合端部(7、13)において、接合手段(14)によって互いに接合されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記第3のセクション(15)が、第1の端部(18)及び第2の端部(19)を備え、前記第1のセクション(2)の前記第1の端部(6)と前記第3のセクション(15)の前記第1の端部(18)とが、接続手段によって接合され、前記第2のセクション(8)の前記第1の端部(12)と前記第3のセクション(15)の前記第2の端部(19)とが、接続手段によって接合されることを特徴とする、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記第3のプロファイル(15)、前記第1のプロファイル(2)及び前記第2のプロファイル(8)、前記ディスプレーサ(25)、並びに前記ピストン(26)が、前記軸A1に沿って同軸であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記第1のプロファイル(2)が結び付けられる第1の半径方向及び/又は軸方向応力補強部(28)と、前記第2のプロファイル(8)が結び付けられる第2の半径方向及び/又は軸方向応力補強部(29)と、を備えることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記接合手段(14)が、前記第1のプロファイル(2)及び/又は第2のプロファイル(8)の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有することを特徴とする、請求項6~9のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記第1のプロファイル(2)の前記内壁(4)及び/又は前記第2のプロファイル(8)の前記内壁(10)が、鋸歯状の表面及び/又は滑らかな表面を有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記第1のプロファイル(2)が、前記内壁(4)と前記外壁(5)との間に第1の厚さE1を有し、前記第1のプロファイル(2)が、その第1の厚さE1において、前記第1の循環手段(3)を形成する少なくとも1つのチャネル(30)及び/若しくは少なくとも1つの溝(31)を備え、前記少なくとも1つのチャネル(30)及び/若しくは少なくとも1つの溝(31)が、前記軸A1に平行な長手方向に長さL4にわたって延在し、並びに/又は前記第2のセクション(8)が、前記内壁(10)と前記外壁(11)との間に第2の厚さE2を有し、前記第2のセクション(8)が、その第2の厚さE2において、前記第2の循環手段(9)を形成する少なくとも1つのチャネル(30)及び/若しくは少なくとも1つの溝(31)を備え、前記少なくとも1つのチャネル(30)及び/若しくは少なくとも1つの溝(31)が、軸Aに平行な長手方向に長さL5にわたって延在することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記カートリッジ(1’)がハイブリッドと呼ばれ、前記チャンバ(24)の前記第1の充填空間(21)又は前記第2の充填空間(23)の内側に配置された油圧ピストン(34)を備え、前記第1の充填空間(21)又は前記第2の充填空間(23)が、少なくとも1つの油圧流体を収容するように適合及び設計され、油圧流体供給出口(E)に接続されるように適合及び設計され、前記油圧ピストン(34)が、前記第3のプロファイル(15)の前記外壁(17)に対して軸A1の方向に摺動するように装着され、第1の位置(P3)と第2の位置(P4)との間で、前記第1の充填空間(21)又は前記第2の充填空間(23)内で移動可能であり、一方では、前記少なくとも1つの熱力学的流体によって変位され、他方では、前記第1の充填空間(21)又は前記第2の充填空間(23)内の前記少なくとも1つの油圧流体を交互に変位させるように構成されていることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記第1のプロファイル(2)及び/又は前記第2のプロファイル(8)が、高い熱伝導率、好ましくは100ワット/メートル・ケルビン~400ワット/メートル・ケルビンの熱伝導率を有する材料、例えば、アルミニウム又は銅合金で作製されることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記第1の補強部(28)及び/若しくは前記第2の補強部(29)、並びに/又は前記第1のプロファイル(5)及び/若しくは前記第2のプロファイル(8)及び/若しくは前記第3のプロファイル(15)が、軸方向の力を吸収するように配置されることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項16】
熱力学サイクル熱機関のための、第1の熱源に接続された低温部分と第2の熱源に接続された高温部分との間で熱力学的流体を交互に移動させるためのモジュールであって、請求項1~15のいずれか一項に記載の少なくとも1つのカートリッジ(1、1’)又は複数のカートリッジ(1、1’)を備え、
-前記第1の循環手段(3)の少なくとも1つの第1の供給ポート(35)及び少なくとも1つの第2の供給ポート(36)によって、前記少なくとも1つのカートリッジ(1、1’)の前記第1の循環手段(3)に接続された第1の熱伝達流体供給回路(A、B)と、
-前記第2の循環手段(9)の少なくとも1つの第3の供給ポート(37)及び少なくとも1つの第4の供給ポート(38)によって、前記少なくとも1つのカートリッジ(1)の前記第2の循環手段(9)に接続された第2の熱伝達流体供給回路(C、D)と、
-少なくとも、前記カートリッジ(1)の前記接合手段(14)を備える接合プレート(39)と、
-前記第3のプロファイル(15)に含まれる少なくとも1つの第5の供給ポート(40)及び前記第3のプロファイル(15)に含まれる少なくとも1つの第6の供給ポート(41)によって、前記少なくとも1つのカートリッジ(1)の前記第3のプロファイル(15)に接続され、前記ピストン(26)の前記変位を案内するように配置された作動流体供給回路(H、J)と、
-前記少なくとも1つのカートリッジ(1)の前記チャンバ(24)に接続された熱力学的流体供給出口(G)、又は前記チャンバ(24)の前記第1の充填空間(21)若しくは前記第2の充填空間(23)に接続された油圧流体供給出口(E)と、を備えることを特徴とする、モジュール。
【請求項17】
請求項13に記載の少なくとも1つのカートリッジ(1’)を備え、前記いわゆるハイブリッドカートリッジが、前記チャンバ(24)の前記第1の充填空間(21)又は前記第2の充填空間(23)の内側に配置された油圧ピストン(34)を備えることを特徴とする、請求項16に記載のモジュール。
【請求項18】
前記作動流体供給回路(H、J)が、前記第1の熱伝達流体供給回路(A、B)及び前記第2の熱伝達流体供給回路(C、D)から形成されることを特徴とする、請求項16又は17に記載のモジュール。
【請求項19】
前記接合プレート(39)が、前記第1のプロファイル(2)及び/又は第2のプロファイル(8)の前記熱伝導率よりも低い熱伝導率を有することを特徴とする、請求項16~18のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項20】
第1の絶縁ケーシング(43)が、前記第1の循環手段(3)の前記少なくとも1つの第1の供給ポート(35)に通じる少なくとも1つの第1の区画(44)と、前記第1の循環手段(3)の前記少なくとも1つの第2の供給ポート(36)に通じる少なくとも1つの第2の区画(45)と、を備え、及び/又は第2の絶縁ケーシング(43’)が、前記第2の循環手段(9)の前記少なくとも1つの第3の供給ポート(37)に通じる少なくとも1つの第3の区画(46)と、前記第2の循環手段(9)の前記少なくとも1つの第4の供給ポート(38)に通じる少なくとも1つの第4の区画(47)と、を備えることを特徴とする、請求項16~19のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項21】
前記作動流体供給回路(H、J)の前記少なくとも1つの第5の供給ポート(40)が、前記第1の区画(44)に通じ、前記作動流体供給回路(H、J)の前記少なくとも1つの第6の供給ポート(41)が、前記第3の区画(46)に通じることを特徴とする、請求項17及び20に記載のモジュール。
【請求項22】
前記モジュールが、少なくとも2つのカートリッジ(1、1’)を備え、各カートリッジ(1)の前記チャンバ(24)が、好ましくは前記少なくとも1つの接合プレート(39)内に配置された少なくとも1つの相互接続パイプ(48)によって相互接続され、前記モジュールの前記熱力学的流体供給出口(G)又は前記モジュールの油圧流体供給出口(E)が、好ましくは前記接合プレート(39)内に配置されることを特徴とする、請求項17~21のいずれか一項に記載のモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱力学サイクル熱機関カートリッジ及び関連する熱力学サイクル熱機関モジュールの分野に関する。
【0002】
現在のエネルギー遷移は、一次エネルギー消費の低減を含む多くの分野において課題を提起している。産業部門は大量の熱エネルギーを生成し、その大部分は依然として廃熱の形態で廃棄されている。この廃熱は、直接利用可能であり既に支払われている莫大なエネルギー源を表し、その回収は産業にとって戦略的な課題である。廃熱は、熱ネットワークへの直接供給によって、又は一時的貯蔵によって、又は内部若しくは外部使用のための電気への変換によって、回収することができる。低温廃熱、すなわち摂氏100度未満の廃熱に関しては、経済的実行可能性の欠如に起因して、現在、電気への変換のための商業的に実行可能性のある機械はなく、熱ネットワークにおける使用が唯一の可能な選択肢である。しかし、実装にはいくつかの制約があり、特に最終使用に近い必要がある。
【0003】
したがって、外部からの熱入力を伴う機械における現在の開発は、熱リザーバが最終的にあまり重要でない温度に限定される。
【0004】
低温地熱エネルギー又は太陽熱エネルギーなどの他の自然熱源が容易に利用可能である。今日、これらの再生可能な資源は、熱ネットワークにのみ使用されている。
【0005】
外部熱供給及び相変化のない閉サイクル作動流体を有する機械は、一般にスターリング機関と称される。特に、ベータ型又はガンマ型のスターリング機関は、作動流体を高温側から低温側へ交互に移送するための作動ピストン及びディスプレーサを有する。このタイプのモータでは、作動ピストン及びディスプレーサは機械的に連結されている。これらのモータは、回転速度が主に供給源間の温度差に依存するため、非常に低い電力密度及び困難な電力制御によって特徴付けられる。したがって、市場にある少数の機械は、用いられる作動ガスの低い熱伝導率、小さい熱交換表面、及び再生器のデッドボリュームを補償するために、熱源間の大きい温度差、多くの場合、摂氏数百度程度の温度差を必要とする。
【0006】
電力密度を改善するために、我々は、国際公開第2018/062627(A1)号から、加圧ガスで、又は二酸化炭素などの超臨界相の流体でさえ動作するような特定のスターリング機関が開発されていることを知っている。しかしながら、必要とされる非常に高い圧力は、典型的には3,000rpm程度の高いモータ回転速度と組み合わされて、摩擦及び作動流体のポンピングに起因する問題のある損失をもたらす。作動ピストンの場合、動的シールが高圧及び高温に耐える能力もまた、機関の特定の寿命を保証し、漏れを回避するための課題のままである。
【0007】
近臨界二酸化炭素の特性を利用するこのカテゴリの機械における別の概念は、国際公開第02/01052(A2)号において提案されており、そこでは、作動流体は移動されないが、熱源は、可動熱シールドを介して流体と交互に接触させられる。このシステムは、各シリンダに組み込まれる交互の高温源及び低温源に起因して、実装するのに構造的に複雑である。この構成は、特に、従来の再生器のように流体の加熱又は冷却に直接寄与しない熱源と連続的に接触させられる熱スクリーンを介して、著しい熱損失を発生させる。
【0008】
国際公開第2016/165687(A1)号もまた、二酸化炭素を使用する超臨界サイクルを有する熱変換プロセスを説明しており、このプロセスでは、膨張は発振器システムのおかげで等温である。作動ピストンのストロークに従って制御されなければならない振動ピストンは、対流熱伝達を増加させるために、膨張中に超臨界流体の能動撹拌器として機能する。発振器、再生器、ピストン、及びディスプレーサの各シリンダにおける統合に起因する構造の複雑さは、この概念を大規模な設備及び生産にとって魅力のないものにする。加えて、シリンダ内の対流を増加させることによる熱伝達の改善は、シリンダの熱源との接触面積が小さいことによって制限される。したがって、この概念は、摂氏150度を超える温度差で動作するように設計されている。
【0009】
いわゆるフリーピストンスターリング機関(Free Piston Stirling Engine、FPSE)の開発は、モータ効率を増加させるために、高温源と低温源との間の熱損失を制限する試みをもたらした。国際公開第2005/042958号は、高温部分と低温部分とを接続する低熱伝導率セラミック部分に再生器を統合することを提案している。しかしながら、この構成は、ディスプレーサが制御されることを可能にせず、発電機が各ピストンに組み込まれなければならず、これは、いくつかのシリンダを必要とする高出力設備にとって問題となる。
【0010】
国際公開第02088536号には、多シリンダ外部熱伝達機関アーキテクチャが提案されている。使用される「液体」ディスプレーサ技術及び1つのピストンチャンバから別のピストンチャンバへ熱力学的流体を移送するためのピストンの直列接続は、作動流体から独立した熱力学的流体の位置の管理を可能にせず、したがって、達成される熱力学的サイクルの最適化を可能にしない。
【0011】
従来のスターリング機関では、ディスプレーサと作動ピストンとの間の機械的結合は、連続回転に起因して、熱力学的トランスフォームが正確に実行されることを可能にせず、したがって、このタイプの機関の実際の効率を大幅に低減する。圧力チャンバは、高い回転速度に起因して、高圧(>10バール)で適切に封止されることができず、高い摩擦損失をもたらす。熱伝達は、低温では非常に低く、非常に低い電力密度をもたらす。
【0012】
現況技術で説明されるように、効率を改善する目的で、熱力学的変換のより良好な制御を可能にするディスプレーサと作動ピストンとの機械的結合解除は、現在の解決策では、ディスプレーサがもはや機関回転によって駆動されないため、追加の外部アクチュエータシステムの追加を必要とする。多シリンダ機関の場合、各シリンダ内の各ディスプレーサがアクチュエータを必要とするため、これらのシステムは、非常に複雑になり、実装するのに費用がかかる。
【0013】
本発明の目的は、摂氏150度未満の温度で熱源を動作させるための拡張可能なモジュール式解決策を提供することである。
【0014】
この目的のために、本発明は、熱力学サイクル熱機関のための、第1の熱源に接続された低温部分と第2の熱源に接続された高温部分との間で熱力学的流体を移動させるためのカートリッジであって、少なくとも、
第1の熱源に接続された第1の熱伝達流体供給回路に接続されるように適合及び意図された少なくとも1つの熱伝達流体を循環させるための第1の手段を含む第1の中空プロファイルを備える、いわゆる低温部分を形成する第1の熱交換器であって、第1のプロファイルが、内壁及び外壁を備える、第1の熱交換器と、
第2の熱源に接続された第2の熱伝達流体供給回路への接続に好適であり、かつ接続が意図された少なくとも1つの熱伝達流体を循環させるための第2の手段を備える第2の中空セクションを備える、いわゆる高温部分を形成する第2の熱交換器であって、第2のセクションが、内壁及び外壁を備える、第2の熱交換器と、
少なくとも1つの作動流体のための少なくとも1つの供給回路への接続に好適であり、かつ接続が意図された第3の中空セクションであって、第3のセクションが、第1のセクション及び第2のセクションの内側に配置され、第3のセクションが、内壁及び外壁を備え、
第1のセクションの内壁の少なくとも一部及び第3のセクションの外壁の第1の部分が、互いに離間して対向して、第1の充填空間を形成し、
第2のプロファイルの内壁の少なくとも一部及び第3のプロファイルの外壁の第2の部分が、互いに離間して対向して、第2の充填空間を形成する、第3の中空セクションと、
少なくとも1つの熱力学的流体を、好ましくは高圧かつ超臨界状態で収容するように適合かつ設計された少なくとも1つのチャンバであって、チャンバが、連通している第1の充填空間及び第2の充填空間を少なくとも備える、少なくとも1つのチャンバと、
チャンバの内側に配置され、第3のプロファイルの外壁に対して摺動可能に装着され、かつ第1の位置と第2の位置との間で移動可能なディスプレーサであって、少なくとも1つの熱力学的流体を第1の充填空間と第2の充填空間との間で交互に変位させるように構成されている少なくとも1つのディスプレーサと、
第3のプロファイルの内側に配置され、第3のプロファイルの内壁に対して摺動可能に装着され、かつ第1の位置と第2の位置との間で移動可能なピストンであって、ピストンが、少なくとも1つの作動流体によって第1の位置と第2の位置との間で移動されるように適合及び意図された、ピストンと、を備える。
【0015】
ディスプレーサ及びピストンは、互いに結合されている。
【0016】
本発明はまた、熱力学サイクル熱機関のための、第1の熱源に接続された低温部分と第2の熱源に接続された高温部分との間で熱力学的流体を交互に移動させるためのモジュールであって、本発明による少なくとも1つのカートリッジ又は複数のカートリッジを備え、
第1の循環手段の少なくとも1つの第1の供給ポート及び少なくとも1つの第2の供給ポートを介して少なくとも1つのカートリッジの第1の循環手段に接続された第1の熱伝達流体供給回路と、
第2の循環手段の少なくとも1つの第3の供給ポート及び少なくとも1つの第4の供給ポートを介して少なくとも1つのカートリッジの第2の循環手段に接続された第2の熱伝達流体供給回路と、
少なくともカートリッジ接合手段を備える接合プレートと、
第3のプロファイルが含む少なくとも1つの第5の供給ポート及び第3のプロファイルが含む少なくとも1つの第6の供給ポートによって少なくとも1つのカートリッジの第3のプロファイルに接続され、ピストンの変位を案内するように配置された作動流体供給回路と、
少なくとも1つのカートリッジのチャンバに接続された熱力学的流体供給出口、又はチャンバの第1の充填空間若しくは第2の充填空間に接続された油圧流体供給出口と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明は、非限定的な例として与えられ、かつ添付の概略図を参照して説明されるいくつかの好ましい実施形態を指す以下の説明からより良好に理解されるであろう。
図1】本発明によるカートリッジの断面図を示す。
図2図1に示すカートリッジの横断面図を示す。
図3】本発明の第1の実施形態による、カートリッジの断面図を示す。
図4】本発明の第2の実施形態による、カートリッジの断面図を示す。
図5】本発明の第1の実施形態による、カートリッジの一部の斜視図を示す。
図6】本発明の第1の実施形態による、カートリッジの一部の斜視図を示す。
図7】円形断面のチャネルの形態の循環手段を示す、本発明による、カートリッジの断面図を表す。
図8】台形断面を有するチャネルの形態の循環手段を示す、本発明による、カートリッジの断面図を示す。
図9】開放溝の形態の循環手段を有する、本発明による、カートリッジの断面図を示す。
図10】本発明の第3の実施形態における、いわゆるハイブリッドカートリッジの断面図を示す。
図11】本発明の第4の変形例による油圧ピストンに接続された図1によるカートリッジの断面図を示す。
図12図1に示すカートリッジを備えるモジュールの断面図を示す。
図13図10に示すいわゆるハイブリッドカートリッジを備えるモジュールの断面図を示す。
図14図1によるカートリッジと、図10によるいわゆるハイブリッドカートリッジと、を備える、モジュールの断面図を示す。
図15】接合板を示す。
図16図4による4つのカートリッジと、本発明による2つのいわゆるハイブリッドカートリッジと、を備える、モジュールの断面図を示す。
図17図16に示すモジュールの斜視図を示す。
図18図3に示すような6つのカートリッジを備えるモジュールの断面図を示す。
図19図18に示すモジュールの斜視図を示す。
【0018】
本発明によれば、特に図1図9に例示するように、熱力学サイクル熱機関のための、第1の熱源に接続された低温部分と第2の熱源に接続された高温部分との間で熱力学的流体を移動させるためのカートリッジ1、1’は、少なくとも、
第1の熱源に接続された第1の熱伝達流体供給回路A、Bに接続されるように適合及び意図された少なくとも1つの熱伝達流体のための第1の循環手段3を含む第1の中空セクション2を備える、いわゆる低温部分を形成する第1の交換器であって、第1のセクション2は、内壁4及び外壁5を備える、第1の交換器と、
第2の熱源に接続された第2の熱伝達流体供給回路C、Dへの接続に好適であり、かつ接続が意図された少なくとも1つの熱伝達流体を循環させるための第2の手段9を備える第2の中空セクション8を備える、いわゆる高温部分を形成する第2の熱交換器であって、第2のセクション8が、内壁10及び外壁11を備える、第2の熱交換器と、
少なくとも1つの作動流体J、Hのための少なくとも1つの供給回路への接続に好適であり、かつ接続が意図された第3の中空セクション15であって、第3のセクション15が、第1のセクション2及び第2のセクション8の内側に配置され、第3のセクション15が、内壁16及び外壁17を備え、
第1のセクション2の内壁4の少なくとも一部及び第3のセクション15の外壁17の第1の部分20が、互いに離間して対向して、第1の充填空間21を形成し、
第2のセクション8の内壁10の少なくとも一部及び第3のセクション15の外壁17の第2の部分22が、互いに離間して対向して、第2の充填空間23を形成する、第3の中空セクションと、
少なくとも1つの熱力学的流体を、好ましくは高圧かつ超臨界状態で収容するように適合かつ設計された少なくとも1つのチャンバ24であって、チャンバ24が、連通している第1の充填空間21及び第2の充填空間23を少なくとも備える、少なくとも1つのチャンバ24と、
チャンバ24の内側に配設され、第3のセクション15の外壁17に対して摺動可能に装着され、かつ第1の位置P1と第2の位置P2との間で移動可能なディスプレーサ25であって、少なくとも1つの熱力学的流体を第1の充填空間21と第2の充填空間23との間で交互に変位させるように構成されている、少なくとも1つのディスプレーサ25と、
第3のプロファイル15の内側に配置され、第3のプロファイル15の内壁16に対して摺動可能に装着され、かつ第1の位置P1と第2の位置P2との間で移動可能なピストン26であって、ピストン26が、少なくとも1つの作動流体J、Hによって第1の位置P1と第2の位置P2との間で移動されるように適合及び意図されている、ピストンと、を備える。
【0019】
ディスプレーサ25及びピストン26は、互いに結合されている。
【0020】
有利には、カートリッジ構成1、1’は、モジュール式かつ拡張可能な解決策を提供する。加えて、第1のプロファイル2及び第2のプロファイル8は、熱伝達流体と熱力学的流体との間の熱伝達の効率に寄与する大きい内部及び外部交換表面を提供する。加えて、第1のプロファイル2及び第2のプロファイル8は、非常に低コストで製造することができる。好ましくは50バール~300バール、好ましくは80バール~250バールの圧力下にあり、ディスプレーサ25を収容するチャンバ24は、低圧環境から遮断される。低圧環境は、好ましくは0バール~50バール、好ましくは0バール~10バールの圧力に対応する。したがって、ディスプレーサ25は、ピストン26の変位を介してチャンバ24の外側から制御される。熱力学的流体は、第1の位置P1と第2の位置P2との間の変位中にディスプレーサ25の周りを流れるため、その熱力学的流体変位機能に加えて、ディスプレーサ25は、再生器としても作用することができる。加えて、ディスプレーサ25は、第1の位置P1又は第2の位置P2に静止しているときに、熱伝達流体のみによって加熱又は冷却することができる。
【0021】
図1に示すように、第1の熱伝達流体供給回路A、B及び第2の熱伝達流体供給回路C、Dは、好ましくは低温部分と高温部分との間の温度差を確実にすることによって、熱機関を動作させるのに必要な外部熱を供給する。図1は、ディスプレーサ25及びピストン26が第1の位置P1にあるカートリッジ1を示す。この構成では、熱力学的流体は、第1のセクション2と第3のセクション15との間に閉じ込められ、したがって、第1の充填空間21内にあり、第1の熱伝達流体供給回路A、Bの温度と接触している。点線は、ディスプレーサ25及びピストン26の第2の位置P2を示し、熱力学的流体は、第2のセクション8と第3のセクション15との間に閉じ込められ、したがって、第2の充填空間23内にあり、第2の熱伝達流体供給回路C、Dの温度と接触している。第1の位置P1から第2の位置P2への、又はその逆の変化は、ピストン26によって、好ましくは点Hと点Jとの間の相対圧力を用いて制御され、したがって、熱力学的流体が第1の充填空間21と第2の充填空間23との間で移動することを可能にする。好ましくは、少なくとも1つのカートリッジ1のチャンバ24に接続された熱力学的流体供給出口Gは、カートリッジ1の内側で生成された高い圧力差がエネルギーのために利用されることを可能にする。
【0022】
チャンバ24は、大気圧に近いガスと比較して大幅に改善された対流熱伝達を有するように、例えば10バールを超えるが、理想的にはその臨界圧力以上の圧力下にある熱力学的流体を収容する。この改善は、典型的には、10[W/m.K]ではなく、1~2桁の大きさ、すなわち100~1000[W/m.K]である。図2に示すように、高圧熱力学的流体を収容するための第2の充填空間23は、第3のプロファイル15と第2のプロファイル8との間に位置する。この第2の充填空間23において、熱力学的流体は、好ましくは、超臨界状態に維持される。熱力学的流体は二酸化炭素であり得るが、この例は、限定的ではない。図7図8及び図9に例示するように、第1の充填空間21は、第3のプロファイル15と第1のプロファイル2との間に配置されており、この第1の充填空間21は、熱力学的流体が高圧下で、すなわち好ましくは50バール~300バール、好ましくは80バール~250バールの圧力で収容されることを可能にする。この第1の充填空間21において、熱力学的流体は、好ましくは、超臨界状態に維持される。
【0023】
好ましくは、第1のプロファイル2及び/又は第2のプロファイル8は、高い熱伝導率、好ましくは100ワット/メートル・ケルビン~400ワット/メートル・ケルビンの熱伝導率を有する材料、例えばアルミニウム合金又は銅合金で作製される。
【0024】
有利には、第1のプロファイル2及び/又は第2のプロファイル8のこの特性は、熱伝達流体と熱力学的流体との間の熱伝達の効率に寄与する。
【0025】
好ましくは、第3のセクション15は、好ましくは非磁性材料で作製され、ディスプレーサ25及びピストン26は、磁気接続手段27によって第3のセクション15を介して互いに磁気的に結合される。
【0026】
有利には、この構成は、ディスプレーサ25が、ピストン26とディスプレーサ25との間の磁気結合を介してチャンバ24の外側から制御されることを可能にする。この磁気結合は、軸方向の力が機械的接触なしに、したがって摩擦なしに、ディスプレーサ25に伝達されることを可能にする。したがって、摩擦損失及び摩耗が回避される。この配置は、損失を制限するのにも役立つ。
【0027】
非磁性とは、磁気特性を有しないか、又は透磁率が低い、すなわち1に近く、一般に50未満である材料を意味する。
【0028】
例えば、第3の部分15は、ステンレス鋼で作製される。
【0029】
例えば、ピストン26は、1つ以上の永久磁石32を備え、ディスプレーサ25は、1つ以上の永久磁石33を備え、永久磁石32、33は、磁気接続手段27を形成する。
【0030】
好ましくは、図1図3、及び図4に例示するように、第1のプロファイル2は、軸A1に沿って第1の長さL1にわたって長手方向に延在し、第2のプロファイル8は、軸A1に沿って第2の長さL2にわたって長手方向に延在する。
【0031】
好ましくは、第2のセクション8は、軸A1の方向において第1のセクション2の延長にある。
【0032】
例えば、第1の長さL1は、図1図3、及び図4に例示するように、後述する接合手段14によるカートリッジの対称性を可能にするように、第2の長さL2に等しい。
【0033】
好ましくは、第1のセクション2は、第1の端部6及び第2の接合端部7を備え、第2のセクション8は、第1の端部12及び第2の接合端部13を、第1のセクション2及び第2のセクション8は、それらのそれぞれの第2の接合端部7、13において接合手段14によって互いに接合される。
【0034】
有利には、第1のプロファイル2及び第2のプロファイル8は、熱伝達を回避するために、互いとは別個であるが、接続手段14によって互いに接続されている。結果として、第1の交換器及び第2の交換器は、接続手段14上に互いに対向して装着される。
【0035】
図3に例示する本発明の第1の実施形態及び図4に例示する本発明の第2の実施形態では、第2の接合端部7、13は、一方では接合手段14との接合を可能にするように構成されており、他方では第1/第2の循環手段3、9に通じる少なくとも1つの開口部を備える。
【0036】
好ましくは、接合手段14は、第1のプロファイル2及び/又は第2のプロファイル8の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する。
【0037】
有利には、接合手段14は、第1のセクション2と第2のセクション8との熱分離を可能にする。
【0038】
好ましくは、接合手段14は、少なくとも、第1のセクション2を第2のセクション8から熱的に絶縁するように配置された少なくとも1つの熱的絶縁材料を含み、逆もまた同様である。
【0039】
有利には、この構成は、カートリッジ1、1’のいわゆる低温部分といわゆる高温部分との間により良好な絶縁を提供する。
【0040】
例えば、図15に示すように、接合手段14は、接合プレート39からなり得、この接合プレートは、絶縁材料の層で両側を覆われ得る。
【0041】
好ましくは、図2図7図8及び図9に例示するように、第3のセクション15、第1のセクション2及び第2のセクション8、ディスプレーサ25及びピストン26は、軸A1に沿って同軸である。
【0042】
有利には、この構成は環状チャンバ24を画定する。したがって、第3の部分15は、第1の部分2及び第2の部分8よりも小さい直径で同心円状に配置される。
【0043】
好ましくは、第3のセクション15は、軸A1に沿って第3の長さL3にわたって長手方向に延在し、第3の長さL3は、第1の長さL1又は第2の長さL2より大きく、好ましくは第1の長さL1と第2の長さL2との合計以上である。
【0044】
有利には、この構成では、第3のプロファイル15は、上記で画定されたように長さL3にわたってカートリッジ1、1’のいわゆる低温部分及びいわゆる高温部分と交差する。結果として、ディスプレーサ25は、第3のプロファイル15の第3の長さL3の少なくとも一部にわたって摺動することによって、いわゆる低温部分といわゆる高温部分との間で交互に移動することができる。
【0045】
例えば、第3のセクション15は、円筒状の中空管である。
【0046】
好ましくは、第3のセクション15は、第1の端部18及び第2の端部19を備え、第1のセクション2の第1の端部6及び第3のセクション15の第1の端部18は、接続手段によって接合され、第2のセクション8の第1の端部12及び第3のセクション15の第2の端部19は、接続手段によって接合される。
【0047】
図3に示す本発明の第1の実施形態及び図4に示す本発明の第2の実施形態では、第1のセクション2の第1の端部6及び第3のセクション15の第1の端部18は、例えば、圧着、はんだ付け、接合によって、又は1つ以上の追加の要素によって、互いに取り付けられる。第1のセクション2の第1の端部6は、円錐形状を有するが、この例は、限定的ではない。同様に、第2のセクション8の第1の端部12及び第3のセクション15の第2の端部19は、例えば、圧着、ろう付け、接合によって、又は1つ以上の追加の要素によって、互いに取り付けられる。第2のセクション8の第1の端部12は、円錐形状を有するが、この例は、限定的ではない。
【0048】
好ましくは、カートリッジ1、1’は、第1のプロファイル2がクランプされる第1の半径方向及び/又は軸方向応力補強部28と、第2のプロファイル8がクランプされる第2の半径方向及び/又は軸方向応力補強部29と、を含む。
【0049】
第1の補強部28及び第2の補強部29は、半径方向及び/又は軸方向の圧力を吸収し、それによって、第1のプロファイル2の第1の厚さE1及び第2のプロファイル8の第2の厚さE2を最小化して、熱伝達流体を熱力学的流体に可能な限り近づけるようにする。これらの圧力は、チャンバ24内に収容された熱力学的流体の圧力に起因するものであり、第1及び第2のプロファイル2、8に加えられる。
【0050】
第1の補強部28は第1のプロファイル2に接合することができ、第2の補強部29は第2のプロファイル8に接合することができ、2つの部間の0の半径方向クリアランスを保証する接合方法、すなわち、圧延又はスエージ加工による管のプレス/硬化/接着/形成を使用する。
【0051】
図2は、第2のセクション8の第2の厚さE2を最小化するために、第2の補強部29によって半径方向の力がどのように吸収されるかを例示する。
【0052】
図7図8及び図9は、第1のセクション2の第1の厚さE1を最小化するために、第1の補強部28によって半径方向の力がどのように吸収されるかを例示する。
【0053】
図3に例示する第1の実施形態及び図4に例示する第2の実施形態に示すように、第1の補強部28又は第2の補強部29は、ストラップを備え得る。好ましくは、第1の補強部28及び第2の補強部29は、中空円筒形状を有する。
【0054】
有利には、第1のプロファイル2及び第2のプロファイル8は各々、ストラップ内で遊びなく組み立てられる。半径方向の力はストラップによって吸収される。
【0055】
ストラップ自体は、一方の側で第1/第2のプロファイル2、8の第1の端部6、12に、他方の側で接続手段14に取り付けることができる。
【0056】
図4に示す第2の実施形態に示すように、第1の補強片28又は第2の補強片29は、ストラップに加えて、締結手段52によって第1/第2のプロファイル2、8に保持されたフランジ51を備え得る。
【0057】
軸方向の力はフランジによって吸収され、これは、直径が好ましくは20ミリメートル~120ミリメートルであるカートリッジ1、1’にとって特に重要である。
【0058】
フランジ51は、以下に説明するように、第1/第2の分割壁48、49を形成することもできる。
【0059】
図3に示す第1の実施形態では、第1の補強部28又は第2の補強部29はストラップのみを備え、軸方向の力は第1/第2のプロファイル2、8及び第3のプロファイル15によって吸収される。
【0060】
好ましくは、一般的に言えば、第1の補強部28及び/又は第2の補強部29及び/又は第1のセクション2及び/又は第2のセクション8及び/又は第3のセクション15は、軸方向の力を吸収するように設計される。
【0061】
例えば、第1のプロファイル2の第1の厚さE1及び/又は第2のプロファイル8の第2の厚さE2は、1ミリメートル~15ミリメートル、好ましくは2ミリメートル~6ミリメートルである。
【0062】
好ましくは、第1のプロファイル2の内壁4及び/又は第2のプロファイル8の内壁10は、鋸歯状の表面(図7図8、及び図9)及び/又は滑らかな表面(図2)を有する。
【0063】
図2に示すように、第2のプロファイル8と熱力学的流体との間の滑らかな接触面は、最も単純な管状の形状である。
【0064】
有利には、内壁4及び/又は内壁10が鋸歯状の表面を有するときに(図7図8及び図9)、表面積は滑らかな表面(図2)と比較して増加し、熱交換が改善される。したがって、第1のプロファイル2及び/又は第2のプロファイル8と熱力学的流体との間の界面において、交換表面が拡張される。
【0065】
好ましくは、第1のプロファイル2は、内壁4と外壁5との間に第1の厚さE1を有し、第1のプロファイル2は、その第1の厚さE1において、第1の循環手段3を形成する少なくとも1つのチャネル30及び/又は少なくとも1つの溝31を備え、少なくとも1つのチャネル30及び/又は少なくとも1つの溝31は、軸A1に平行な長手方向に長さL4にわたって延在する。
【0066】
有利には、少なくとも1つのチャネル30及び/又は少なくとも1つの溝31は、第1の交換器内の熱伝達流体の循環を可能にする。チャネル30は、熱伝達流体と第1のプロファイル2との間に実質的な交換表面を提供する。この構成は、熱伝達を最大化するのに役立つ。
【0067】
好ましくは、第2のプロファイル8は、内壁10と外壁11との間に第2の厚さE2を有し、第2のプロファイル8は、その第2の厚さE2において、第2の循環手段9を形成する少なくとも1つのチャネル30及び/又は少なくとも1つの溝31を備え、少なくとも1つのチャネル30及び/又は少なくとも1つの溝31は、軸Aに平行な長手方向に長さL5にわたって延在する。
【0068】
有利には、少なくとも1つのチャネル30及び/又は少なくとも1つの溝31は、第2の交換器内の熱伝達流体の循環を可能にする。チャネル30は、熱伝達流体と第2のプロファイル8との間に実質的な交換表面を提供し、それにより熱伝達を最大化する。
【0069】
好ましくは、少なくとも1つのチャネル30は、正方形若しくは長方形若しくは台形(図8)又は円形(図7)の断面を有する。
【0070】
少なくとも1つの溝31は、開放され得る(図2及び図3)。
【0071】
少なくとも1つのチャネル30及び/又は少なくとも1つの溝31は、直線状又は螺旋状であり得る。
【0072】
好ましくは、第1の可能性によれば、ディスプレーサ25の断面は、ディスプレーサ25と第1のセクション2の内壁4との間のクリアランスJ1又はディスプレーサ25と第2のセクション8の内壁10との間のクリアランスJ2を形成するように、チャンバ24の断面よりも小さい(図2図7図8、及び図9)。
【0073】
有利には、このクリアランスJ1、J2は、ディスプレーサ25が移動するときに熱力学的流体の通過を保証する。熱力学的流体が通過するたびに、その熱の一部がディスプレーサ25に伝達されて再生成機能を実行する。
【0074】
好ましくは、クリアランスJ1、J2は、0.05ミリメートル~5ミリメートル、好ましくは0.1ミリメートル~1ミリメートルである。
【0075】
第2の可能性によれば、ディスプレーサ25の断面は、チャンバ24の断面に等しく、ディスプレーサ25は、少なくとも部分的に多孔質材料で作製されている。
【0076】
ディスプレーサ25の多孔性は、ディスプレーサ25の変位中に熱力学的流体の通過を有利に保証する。熱力学的流体が通過するたびに、その熱の一部は、ディスプレーサに伝達されて再生成機能を実行する。
【0077】
好ましくは、チャンバ24の断面は、環状であり、ディスプレーサ25の断面は、環状である(図2)。
【0078】
このようにして、チャンバ24及びディスプレーサ25の断面は同一であり、デッドボリュームを最小化する。
【0079】
好ましくは、ディスプレーサ25は、第1のセクション2の内壁4及び/又は第2のセクション8の内壁10の形状に従う(図7及び図8)。
【0080】
好ましくは、ピストン26は低圧ピストンである。低圧環境は、好ましくは0バール~50バール、好ましくは0バール~10バールの圧力に対応する。
【0081】
図10に示す本発明の第3の実施形態によれば、カートリッジ1’はハイブリッドと呼ばれ、チャンバ24の第1の充填空間21又は第2の充填空間23の内部に配置された油圧ピストン34を更に備え、第1の充填空間21又は第2の充填空間23は、少なくとも1つの油圧流体を収容するように適合及び設計され、油圧流体の供給出口Eに接続されるように適合及び設計され、油圧ピストン34は、第3のプロファイル15の外壁17に対して軸A1の方向に摺動可能に装着され、第1の位置P3と第2の位置P4との間で第1の充填空間21又は第2の充填空間23の内部で移動可能であり、一方では少なくとも1つの熱力学的流体によって変位され、他方では第1の充填空間21又は第2の充填空間23内の少なくとも1つの油圧流体を交互に変位させるように構成されている。
【0082】
有利には、図10に例示するように、接続プレート39に対して特定の対称性を維持するために、油圧ピストン34を上述したカートリッジ1の幾何学的形状と関連付けることが可能である。
【0083】
この構成の特別な特徴は、ディスプレーサ25が油圧ピストン34の位置に追従する一方、冷却段階中に油圧ピストン34に当接して保持されることである。油圧ピストン34は、2つの熱セクションのうちの一方のみ、いわゆる高温セクション又はいわゆる低温セクションのいずれかにおいて移動する。油圧ピストン34は、熱力学的流体と油圧流体との間の物理的界面を表し、例えば、流体が非混和性及び不溶性である場合、完全にシールされる必要はない。この構成は、以下に詳述されるように、システムがモジュール内で使用されるときに、油圧ピストン34の統合を簡略化する。
【0084】
図11に例示する本発明の第4の代替実施形態によれば、カートリッジ1のチャンバ24は、油圧流体Eのための供給回路に接続されるように適合及び意図された油圧ピストン34に接続されるように適合及び意図されている。好ましくは、少なくとも1つのカートリッジ1のチャンバ24に接続された熱力学的流体供給出口Gは、油圧ピストン34に接続することができ、油圧ピストン34は、熱力学的流体から油若しくは水又は同等物などの油圧流体への圧力の伝達を保証する。油圧ピストン34は、好ましくは、管又はシリンダ内に収容される。この油圧ピストン34は、理想的には、例えば第1/第2の供給回路A、B/C、Dを介して、第1/第2の熱源によって供給されることによって温度に維持される。有利には、カートリッジ1を出る熱力学的流体は、油圧ピストン34に第1/第2の熱源が供給されるかどうかに応じて、冷却又は加熱され続ける。有利には、エネルギー回収システムのための作動流体は、熱力学的流体とは異なり得、超臨界相の熱力学的流体で動作するタービンの使用を回避する。同様に、1つ以上のカートリッジ1が1つ以上の油圧ピストン34に接続され得る。油圧ピストン34は、熱供給を集中させるために、以下に説明されるモジュールの外側にあり得るか、又は以下に説明されるモジュールの内側にあり得る。
【0085】
本発明はまた、熱力学サイクル熱機関のための、第1の熱源に接続された低温部分と第2の熱源に接続された高温部分との間で熱力学的流体を交互に移動させるためのモジュールであって、本発明による上述の少なくとも1つのカートリッジ1、1’又は複数のカートリッジ1、1’を備え、
第1の循環手段3の少なくとも1つの第1の供給ポート35及び少なくとも1つの第2の供給ポート36を介して、少なくとも1つのカートリッジ1、1’の第1の循環手段3に接続された第1の熱伝達流体供給回路A、Bと、
第2の循環手段9の少なくとも1つの第3の供給ポート37及び少なくとも1つの第4の供給ポート38を介して少なくとも1つのカートリッジ1の第2の循環手段9に接続された第2の熱伝達流体供給回路C、Dと、
少なくともカートリッジ1接合手段14を備える接合プレート39と、
第3のセクション15に含まれる少なくとも1つの第5の供給ポート40及び第3のセクション15に含まれる少なくとも1つの第6の供給ポート41によって少なくとも1つのカートリッジ1の第3のセクション15に接続され、ピストン26の変位を案内するように配置された作動流体供給回路H、Jと、
少なくとも1つのカートリッジ1のチャンバ24に接続された熱力学的流体供給出口G、又はチャンバ24の第1の充填空間21若しくは第2の充填空間23に接続された油圧流体供給出口Eと、を備える。
【0086】
有利には、モジュールは、所望の熱機関出力に応じて、1つ以上のカートリッジ1、1’を備えることができる。モジュールのサイズは、熱機関の目標出力のために組み込まれるカートリッジ1、1’の数に適合させることができる。
【0087】
図12に示す例では、モジュールは、単一のカートリッジ1を備える。
【0088】
図18及び図19に示す例では、モジュールは6つのカートリッジ1を備える。
【0089】
好ましくは、モジュールは、チャンバ24の第1の充填空間21又は第2の充填空間23の内部に配置された油圧ピストン34を備える少なくとも1つの前述のハイブリッドカートリッジ1’を備える。
【0090】
図13に示す例では、モジュールは、単一のハイブリッドカートリッジ1’を備える。しかしながら、油圧ピストンを有しない図12に示すモジュールと比較して、交換表面は、高温部分と低温部分との間でもはや対称ではない。
【0091】
図14に示す例では、モジュールは、カートリッジ1及びいわゆるハイブリッドカートリッジ1’を備える。しかしながら、油圧ピストンを有しない図12に示すモジュールと比較して、交換表面は、高温部分と低温部分との間でもはや対称ではない。この対称性の欠如は、複数カートリッジモジュール1、1’において、いわゆる水素化物カートリッジ1’を油圧ピストン34を有しない、いくつかの基本カートリッジ1と組み合わせた比率を使用することによって部分的に補償することができる。次いで、いわゆるハイブリッドカートリッジ1’の油圧ピストン34が、油圧ピストン34なしでいくつかのカートリッジ1の膨張を引き継ぐ。
【0092】
例えば、図16及び図17に示すように、モジュールは、1つのいわゆるハイブリッドカートリッジ1’に対する油圧ピストン34を有しない2つのカートリッジ1の比で6つのカートリッジ1、1’を統合する。
【0093】
好ましくは、モジュールは、接合プレート39によって分離され、少なくとも1つのカートリッジ1、1’又は複数のカートリッジ1、1’の少なくとも一部を収容する2つの絶縁ケーシングを備える。
【0094】
2つの絶縁ケーシングは、1つ以上のケーシングによって区切ることができる。
【0095】
有利には、各絶縁ケーシングは、第1又は第2の熱源に直接接続され、これにより、少なくとも1つのカートリッジ1、1’又は複数のカートリッジ1、1’に、熱伝達流体を、各カートリッジ1、1’に個別に供給しなければならない代わりに、中央から供給することが可能になる。
【0096】
2つの絶縁ケーシングのサイズは、目標とする熱機関出力のために組み込まれるカートリッジ1、1’の数に適合させることができる。
【0097】
好ましくは、作動流体供給回路H、Jは、第1の熱伝達流体供給回路A、B及び第2の熱伝達流体供給回路C、Dによって形成される。
【0098】
この場合、第5の供給ポート40における作動流体供給源H、Jは、第1の熱伝達流体供給回路A、Bのものと同一であり、同じように第6の供給ポート41における作動流体供給源は、第2の熱伝達流体供給回路C、Dのものと同一である。結果として、第1の熱伝達流体供給回路A、Bと第2の熱伝達流体供給回路C、Dとの間の相対的な圧力差によって、ピストン26を作動させることが可能になる。
【0099】
好ましくは、及び代替的に、作動流体供給回路H、Jは、第1の熱伝達流体供給回路A、B及び第2の熱伝達流体供給回路C、Dとは別個である(図18及び図19)。
【0100】
好ましくは、接続プレート39は、第1のプロファイル2及び/又は第2のプロファイル8の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する。
【0101】
有利には、接合プレート39は、熱分離機能を有する。
【0102】
好ましくは、接続プレート39は、鋼タイプの金属で作製される。
【0103】
好ましくは、第1の補強片28及び第2の補強片29は、それぞれ接続プレート39に取り付けられる。
【0104】
好ましくは、図12図13、及び図14に示すように、モジュールは、第1の循環手段3の少なくとも1つの第1の供給ポート35に通じる少なくとも1つの第1の区画44と、第1の循環手段3の少なくとも1つの第2の供給ポート36に通じる少なくとも1つの第2の区画45と、を含む、第1の絶縁ケーシング43を備える。
【0105】
好ましくは、追加的又は代替的に、図12図13、及び図14に例示するように、モジュールは、第2の循環手段9の少なくとも1つの第3の供給ポート37に通じる少なくとも1つの第3の区画46と、第2の循環手段9の少なくとも1つの第4の供給ポート38に通じる少なくとも1つの第4の区画47と、を備える、第2の絶縁ケーシング43’を備える。
【0106】
好ましくは、第2の補強部29は、第2の循環手段9の第3の供給ポート37及び第4の供給ポート38を備える。
【0107】
結果として、第1の絶縁ケーシング43は、カートリッジ1、1’のいわゆる低温部分を備え、第1の熱伝達流体供給回路A、Bに供給するために第1の熱源から来る熱伝達流体を受容するように設計される。結果として、第2の絶縁ケーシング43’は、カートリッジ1、1’のいわゆる高温部分を備え、第2の熱伝達流体供給回路C、Dに供給するために第2の熱源から来る熱伝達流体を受容するように設計される。
【0108】
好ましくは、接合プレート39は、第1のケーシング43を第2のケーシング43’から分離する。
【0109】
好ましくは、第1の補強片28は、第1の循環手段3の第1の供給ポート35及び第2の供給ポート36を備える。
【0110】
この構成は、第1/第2の補強材28、29及び第1/第2のプロファイル2、8が熱伝達流体に浸漬されることを可能にする。
【0111】
第1の区画44及び第2の区画45は、好ましくは、少なくとも1つの第1の分離壁48によって区切られる。
【0112】
第3の区画46及び第4の区画47は、好ましくは、少なくとも1つの第2の分割壁49によって区切られる。
【0113】
第1の分割壁48及び/又は第2の分割壁49は、油圧シャッタとして作用し、好ましくは高い機械的応力に耐えない。
【0114】
第1の分割壁48及び/又は第2の分割壁49は、好ましくはプラスチック又はエラストマー材料で作製されるが、これらの例は、限定的ではない。
【0115】
第1の供給ポート35及び第2の供給ポート36は、第1の分離壁48のいずれかの側に配置され、これにより、AとBとの間の熱伝達流体の流れが、第1の補強部28の外側ではなく、第1の補強部28の内側で第1の補強部28と第1のプロファイル2との間で生じることが保証される。
【0116】
第3の供給ポート37及び第4の供給ポート38は、第1の分離壁48のいずれかの側に配置され、これにより、CとDとの間の熱伝達流体の流れが、第2の補強部29の外側ではなく、第2の補強部29と第2のプロファイル8との間で生じることが保証される。
【0117】
好ましくは、H、J作動流体供給回路の少なくとも1つの第5の供給ポート40は、第1の区画44に通じており、H、J作動流体供給回路の少なくとも1つの第6の供給ポート41は、第3の区画46に通じている。
【0118】
この場合、第5の供給ポート40における作動流体供給源H、Jは、第1の熱伝達流体供給回路A、Bのものと同一であり、同じように第6の供給ポート41における作動流体供給源は、第2の熱伝達流体供給回路C、Dのものと同一である。
【0119】
図14に示すように、モジュールは、少なくとも2つのカートリッジ1、1’を備え得、各カートリッジ1のチャンバ24は、好ましくは少なくとも1つの接合プレート39に配置された少なくとも1つの相互接続ライン50によって相互接続され、モジュールの熱力学的流体供給出口G又はモジュールの油圧流体供給出口Eは、好ましくは接合プレート39に配置される。
【0120】
有利には、少なくとも1つの相互接続ダクト50は、各カートリッジ1、1’の各チャンバ24の相互接続を可能にする。
【0121】
本発明はまた、熱エネルギーの機械エネルギーへの少なくとも1つの変換を実行するように適合及び意図された熱機関であって、好ましくは超臨界状態にある少なくとも1つの熱力学的流体を含み、少なくとも1つの等容加熱段階、任意選択で等圧加熱段階、膨張段階及び等圧冷却段階を含む熱力学サイクルを実装するように適合及び意図された熱機関に関し、熱機関は、上述の本発明による少なくとも1つのモジュールを備える。
【0122】
当然のことながら、本発明は、説明され添付図面に示された実施形態に限定されない。しかしながら、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、特に様々な要素の構成に関して、又は技術的等価物の置換によって、修正が可能なままである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
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図16
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【国際調査報告】