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特表2024-511596車載電気系統のための配電システム、及びそのような配電システムのための供給ハーネス
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  • 特表-車載電気系統のための配電システム、及びそのような配電システムのための供給ハーネス 図1
  • 特表-車載電気系統のための配電システム、及びそのような配電システムのための供給ハーネス 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-14
(54)【発明の名称】車載電気系統のための配電システム、及びそのような配電システムのための供給ハーネス
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20240307BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20240307BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
B60R16/02 620J
B60R16/02 620A
H02G3/04
H02G3/04 037
H01B7/00 301
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556894
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 EP2022056578
(87)【国際公開番号】W WO2022194797
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】102021202496.3
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516017178
【氏名又は名称】レオニ ボルトネッツ-ジステーメ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ホフマン
【テーマコード(参考)】
5G309
5G357
【Fターム(参考)】
5G309AA01
5G357DA06
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD01
5G357DD02
5G357DD14
5G357DE03
5G357DF10
(57)【要約】
本発明は、ゾーン式の車載電気系統構造を有する自動車(4)の車載電気系統のための配電システム(6)に関し、配電システム(6)は、供給ハーネス(8)を備え、その供給ハーネス(8)は、取付け状態において、供給ハーネス(8)の端部に接続された部品への電力供給のために使用され、供給ハーネス(8)は、互いに絶縁して区切られた複数の縦溝(24)を有した絶縁支持体(20)を有しており、その複数の縦溝(24)には、裸の且つ中実の導体(30)が挿入されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゾーン式の車載電気系統構造を有する自動車(4)の車載電気系統のための配電システム(6)であって、
供給ハーネス(8)を備え、その供給ハーネス(8)は、取付け状態において、前記供給ハーネス(8)に接続された部品への供給のために使用され、
前記供給ハーネス(8)は、
互いに絶縁して区切られた複数の縦溝(24)を有した絶縁支持体(20)を有しており、その複数の縦溝(24)には、裸の且つ中実の導体(30)が挿入されていることを特徴とする、配電システム(6)。
【請求項2】
前記絶縁支持体(20)は、前記導体(30)を後に追加して挿入可能なプレハブ部品として形成されており、特に、前記導体(30)を上方からそれぞれの縦溝(24)に挿入することができ、及び/又は、導体(30)を縦方向に縦溝(24)内に押し込むことができる、請求項1に記載の配電システム(6)。
【請求項3】
前記導体(30)は、中実の円形導体として形成されている、請求項1又は2に記載の配電システム(6)。
【請求項4】
前記絶縁支持体(20)は、前記縦溝(24)を有するベース部(22)を有し、このベース部(22)は上方に開口しており、それによって前記導体(30)を上方から前記ベース部(22)内に挿入できる、請求項1~3のいずれか一項に記載の配電システム(6)。
【請求項5】
各導体(30)が、それぞれの縦溝(24)内に形状結合的に保持される、請求項1~4のいずれか一項に記載の配電システム(6)。
【請求項6】
隣接する前記縦溝(24)は、壁(28)によって互いに分離されており、前記壁(28)は、アンダーカット(32)の形成のために上方に広がっている、請求項1~5のいずれか一項に記載の配電システム(6)。
【請求項7】
前記絶縁支持体(20)は、押出成形品として形成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の配電システム(6)。
【請求項8】
それぞれの前記絶縁支持体(20)は、前記縦溝(24)を有するベース部(22)と、特に材料結合方式で前記ベース部(22)に固定されるカバー(34)とを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の配電システム(6)。
【請求項9】
前記導体(30)の少なくとも1つは、前記絶縁支持体(20)を越えて端部側に突出しており、前記導体(30)の接触のための接触舌部を形成し、前記接触舌部は接触コーティング(38)が施されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の配電システム(6)。
【請求項10】
前記接触舌部は、接続状態において差込み部(40)に差込まれている差込み接触舌部(36)として形成されている、請求項9に記載の配電システム(6)。
【請求項11】
前記接触舌部は曲げられており、異なる導体(30)の接触舌部は、好ましくは異なる方向に向いている、請求項9又は10に記載の配電システム(6)。
【請求項12】
前記導体(30)は、両端の構成要素に排他的に接続される、請求項1~12のいずれか一項に記載の配電システム(6)。
【請求項13】
前記導体(30)の少なくとも1つに、分岐導体が、材料結合的な接続を介して接続されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の配電システム(6)。
【請求項14】
前記絶縁支持体(20)は、前記自動車(4)の支持構造に固定されている、又はそのような支持構造の一部である、請求項1~13のいずれか一項に記載の配電システム(6)。
【請求項15】
空間的に互いに離れて配置された複数のゾーン(14)を備え、前記供給ハーネス(8)は、複数のゾーン(14)を互いに接続している、請求項1~14のいずれか一項に記載の配電システム(6)。
【請求項16】
前記複数のゾーン(14)は、それぞれ、分散制御装置(10)を有しており、前記供給ハーネス(8)は、2つの分散制御装置(10)を互いに接続している、請求項15に記載の配電システム(6)。
【請求項17】
車両前部から車両後部まで前記自動車(4)内を互いに平行に伸びる、2つの好ましくは冗長な前記供給ハーネス(8)が設けられている、請求項1~16のいずれか一項に記載の配電システム(6)。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の配電システム(6)のための供給ハーネス(8)であって、
前記供給ハーネス(8)は、互いにそれぞれ絶縁して区切られた複数の縦溝(24)を有した絶縁支持体(20)を有しており、その複数の縦溝(24)には、裸の且つ中実の導体(30)が挿入されていることを特徴とする、供給ハーネス(8)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配電システム、特に、自動車の車載電気系統のための、特に、モジュール式/ゾーン式の車載電気系統構造を有する車載電気系統のための電流配電システムに関する。その配電システムは供給ハーネスを有し、その供給ハーネスは、取付け状態において、供給のために、特に供給ハーネスに接続された構成部品の電力供給のために使用される。本発明はさらに、このような供給ハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第102012200979A1号明細書によって、自動車の車載電気系統へのエネルギ供給のために供給ハーネスが提供されており、この供給ハーネスにおいては、複数の導体が、共通の絶縁外被内に導体レールの方法において配置されている。その場合、この導体は、自動車内において空間的に分離された複数の領域を互いに接続している。
【0003】
自動車の車載電気系統における現在の開発は、分散型の配電構造に向かっている。これによって、車載電気系統構造が簡素化される。特に、いわゆるゾーン式の車載電気系統構造が提供されており、この構造においては、車載電気系統が、自動車内において、空間的に分離された異なったゾーンに分割されている。その場合、これらの各ゾーンには、典型的には、分散した、好ましくは標準化された制御装置が割り当てられ、この制御装置はゾーン制御装置ともいわれ、その装置によって、それぞれのゾーンにおいて必要な機能が制御される。個々の制御装置は、それぞれの制御装置に接続された負荷に電力及び電流を供給するために、電力供給専用の供給ハーネスに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102012200979A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記に基づき、本発明は、2つの構成部品間に、特に、ゾーン式の車載電気系統構造内における2つのそのような分散した制御装置間に、簡単な且つ低コストの接続を可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この課題は、好ましくはゾーン式の車載電気系統構造を有する、自動車の車載電気系統のための配電システム、及びそのような配電システムのための供給ハーネスによって解決される。配電システムは供給ハーネスを備え、その供給ハーネスは、取付け状態において、好ましくは供給ハーネスの端部に接続される部品の、特に分散制御装置の電力供給のために使用される。供給ハーネスは、互いに絶縁して区切られた複数の縦溝を有した絶縁支持体を有している。これらの絶縁支持体の中に、裸の、且つ中実の導体が挿入されており、特に縦溝内に保持されている。それらの導体は、絶縁支持体に、例えば材料的に結合されることなく、全体に緩く挿入されており、且つ保持されている。
【0007】
供給ハーネスを介して、その際、好ましくは、プラス供給とアース接続の戻りとの両方が行われ、それは、最近の車両においては、ますます要求されている。そのため、供給ハーネスは少なくとも2つの導体を有し、そのうちの1つは電源のプラス極に接続され、もう1つは直流の車載電気系統のアース電位に接続されている。
【0008】
供給ハーネスは、特に、接続された部品の電力供給のために使用される。補足的に又は代替的に、供給ハーネスは、接続された部品のデータ供給のためにも使用される。
【0009】
供給ハーネスは、個別の独立した構成ユニットとして絶縁支持体を有し、その絶縁支持体の中に複数の縦溝を有しており、それらの縦溝は、中実の導体が挿入される互いに区切られた複数のチャネルを形成している。この処置によって、簡易な、且つ容易に拡張可能な構造が実現する。そのため、要求に応じて、様々な数の導体を絶縁支持体に挿入することができる。それによって、配置及び要求に応じて、一部の縦溝を、取付け状態において使用しないこともできる。特に有利な点は、導体と絶縁部との間に接続、特に材料結合的な接続がないことである。そのため、絶縁支持体は、導体とは無関係にプレハブ化することができる。したがって、絶縁支持体は、独立したプレハブ部品である。同様にして、中実の、且つ裸の導体も、好ましくは、所望の導体長に短くされた、継ぎ目のない製品として安価に提供される。
【0010】
絶縁支持体は、導体を、後に追加してその中に挿入できるように形成されている。その際、特に、導体は、それぞれの縦溝に上方から挿入可能であり、及び/又は、それぞれの縦溝の縦方向に、縦溝に押込み可能である。
【0011】
この点において、絶縁支持体は、個々の縦溝に導体を収容するための一種のケーブルチャネルも形成する。絶縁支持体の断面は、その際、好ましくはその全長にわたって一定である。絶縁支持体の幅は、その際、好ましくは、互いに隣接して配置された複数の縦溝と、それら縦溝を横方向に区画する複数の溝壁との合計に対応する。
【0012】
供給ハーネスは特に電力供給に使用され、個々の導体は、好ましくは数アンペア、より好ましくは数10A、又は50A以上、又は100A以上の電流を流すために十分に大きな断面積を有する。特に銅導体として形成された導体の断面積は、例えば2mmから10mmの範囲、好ましくは3mmから5mmの範囲、特に、ほぼ4mmである。
【0013】
従来使用されていた、心線絶縁物をそれぞれ有する多数の個別の心線を有する供給ハーネスと比較して、ここに記載の形態によって、体積及び重量の両方を節約することができる。特に、従来の心線においては撚り素線導体が使用されるためでもある。絶縁支持体とそこに挿入された導体を有する上記の構造は、高い可変性、ひいては高い構成可能性をも許容する。特に、後に追加的な変更も問題なく可能である。さらに、温度負荷が改善され、その結果、例えば供給ハーネスの構成において熱管理を改善することが可能であり、又、従来の心線と比較して、導体の寸法を必要に応じて新たに定めることができる。さらに、絶縁支持体へ導体を緩く挿入するだけで、その後のリサイクルが非常に容易になる。
【0014】
裸の導体に言及する場合、これは絶縁体を有さない導体、すなわち特に従来の心線絶縁物の形態の絶縁外被を有さない導体を意味すると解される。また、導体は、例えば従来の平坦導体の場合のように、又は冒頭において引用した従来技術から知られる供給ハーネスの場合のように、絶縁材料に埋め込まれていない。このような裸の導体の実施の利点は、特に、いわゆる直接接触の方法によって、例えば、分岐導体を、例えば摩擦溶接による材料結合的に直接接続することによって、簡単な方法において中間タップを可能にする、という点にある。それによって、さらなる部品の接続が容易になる。
【0015】
導体相互の絶縁及び直流的な分離は、絶縁支持体によって行われる。絶縁支持体は、例えばプラスチック製である。このようなプラスチック製支持体は、構造が簡単なため、切り売り品として押し出し成形することができる。縦溝は、特に絶縁支持体の全長にわたって延びている。好ましい一実施変形例によれば、絶縁支持体は、直線的に連続して延び、分岐及び/又は屈曲を有していない。好ましくは、絶縁支持体は一平面内に伸びる。
【0016】
全体の供給ハーネスを、電流レール又は供給プロファイルレールとみなすこともできる。
【0017】
好ましい実施形態においては、導体は中実の円形導体として形成されている。円形導体は、その円形断面形状によって、特に矩形レールの断面と比較して、いくつかの利点を有する。特に、円形導体は、設置の際に、特に絶縁支持体に挿入される際に利点がある。
【0018】
導体材料として、好ましくは、銅、又は代替としてアルミニウムが使用される。
【0019】
有用なさらなる形態として、絶縁支持体は、上方に開口している縦溝を有したベース部を有し、それによって、導体を、特に簡単な方法において上からベース部に挿入し、特に、押し込むことができる。そのため、導体はその縦方向に対して垂直に挿入され、縦溝に対して垂直に挿入される。ベース部は、基本的にU字形状に形成されており、少なくとも1つの追加の分離壁、好ましくは複数の個別の分離壁を有し、その分離壁によって縦溝が互いに区切られている。絶縁支持体の断面形状、特に縦溝とそれを区切る壁(溝壁)の断面形状は、好ましくは、導体の挿入前と挿入後において同一である。好ましくは、挿入時に側壁の弾性的な広がりが生じるだけである。例えば可塑性又は溶融による材料改変は、起こらない。
【0020】
好ましくは、それぞれの導体は、それぞれの縦溝内に形状結合的に保持されている。形成された形状結合は、その際、縦溝の縦方向に対して横向きに作用し、それによって、導体は、縦溝から意図せず上方にスライドすることに対して固定される。
【0021】
形状結合的な保持の形成のために、特にアンダーカットの形成が提供される。このために、好ましくは、2つの隣接する縦溝を互いに分離する1つの壁が、断面に見て、上方に広がっている。そのため、それぞれの壁は分離壁を形成する。例えば、壁はその自由端において蟻継ぎ状に形成されている。絶縁支持体は、すでにプレハブの状態において、及び導体が挿入されているか否かにかかわらず、これらの幅広がり部を有している。
【0022】
2つの対向する壁によって画定された、導体のための内部空間又は収容空間は、そのため、上方に先細りになっている。その際、収容空間の断面輪郭は、好ましくは導体の断面輪郭に適合されている。すなわち、円形の導体を使用する場合、縦溝を区切る壁部分は、好ましくはそれぞれ(凸面状に)湾曲して形成されている。
【0023】
2つの壁の間の上側に形成された開口スリットは、全体の開口幅がそれぞれの導体の幅、特に、直径よりも小さい。
【0024】
壁は、好ましくは、弾性的に形成され、それによって、壁は、特に開口スリットの領域において横方向に、すなわち、導体の縦方向に対して垂直に、弾性的にたわむ。これによって、導体をそれぞれの縦溝に容易に挟み込むことができる。弾性的なたわみによって、導体が挿入された後、壁は元の位置に戻ることができる。
【0025】
個々の壁、特にアンダーカットは、好ましくは絶縁支持体の全長にわたって連続的に延びている。アンダーカットの形成のために壁の特別な造形の代わりに、アンダーカットの形成のための要素を、例えば保持要素の形態において、特に保持突出部の形態において、部分的に配置することもできる。好ましくは、アンダーカットを形成するための、保持突出部と特別に成形された壁との両方は、それぞれ一体であり、従って絶縁支持体のモノリシックな構成要素である。
【0026】
好ましい実施形態においては、絶縁支持体は、(プラスチックの)押出成形品として形成された少なくとも1つのベース部を有する。そのため、絶縁支持体、特にベース部は、全長にわたって一定の断面プロファイルを有するプロファイルレールの方法において形成される。
【0027】
好ましくは、縦溝は互いに同一に形成され、すなわち同一の断面積を有する。好ましくは、同じことが導体にも適用される。すなわち、縦溝に挿入されるすべての中実導体は、同一の断面積を有する。
【0028】
好ましい実施形態においては、絶縁支持体は、ベース部に加えてカバーを有し、そのカバーは、特に独立したプレハブ部品として、好ましくは特に材料結合的に、ベース部に固定される。材料結合的な固定のために、カバーは、例えば、接着剤、溶接、例えば摩擦溶接、又は他の方法によってベース部に結合される。代替的には、材料結合的な固定のために、カバーは機械的に、例えば、スナップ留めによってベース部に固定される。導体はカバーによって確実に保護される。特に、カバーはベース部の全長にわたって途切れることなく連続して延びている。特に、これによって絶縁保護がさらに達成される。
【0029】
好ましくは、導体の少なくとも1つ、好ましくは全ての導体は、端部、及び、特に両端部において絶縁支持体を越えて突出しており、それによって、自由な導体端部が形成されている。これらは接触舌部をそれぞれ画定し、その接触舌部は、導体と後続の部品との間の電気的接触に使用され、接続状態においても対応して使用される。この接触舌部には、好ましくは、電気的な遷移接触を改善するために接触コーティングが施されている。このために、導体端部は、例えば、銀メッキ又は錫メッキされている。
【0030】
接触舌部は、接続状態において差込み部に差込まれている差込み接触舌部として特別に形成されている。それぞれの導体の中実な形態によって、導体は高い剛性を有し、それによって、導体は、それぞれの差込み部に挿入するための差込み接触部として実に適しており、またそのように使用される。
【0031】
差込み部に差込む代わりに、例えば、特にケーブルシューの形態の接触素子を、それぞれの接触舌部に固定することが可能であり、部品との接触は、その接触素子を用いて、例えばネジ止めによって行われる。
【0032】
好適な実施形態においては、少なくとも1つの導体の接触舌部は、及び好ましくは複数の導体の接触舌部は、曲げられている。このことにおいて、導体端部が、絶縁支持体及び縦溝によって画定される縦方向とは異なる方向に向いている、と解される。
【0033】
好ましくは、異なる導体端部は異なる方向に向いている。特に、導体端部のグループは、それぞれ、異なる方向に向いている。これによって、例えば、複数の差込み部に対してより多くの接続スペースが形成され、その際、好ましくはそれぞれの差込み部が、導体端部の1つのグループを受け入れる。
【0034】
差込み部は、例えば、部品のハウジングに取り付けられる差込み部であり、それによって、この差込み部を介して、部品との、特に分散制御装置との直接的な電気的接触が行われる。代替的には、差込み部は、部品又は制御装置が接続される接続ハーネス又は中間ハーネスの差込み部である。このハーネスは、特に、従来のケーブルハーネスである。
【0035】
第1の一実施変形例によれば、導線は、専ら両端において部品、特に制御装置に接続されている。そのため、供給ハーネスの縦延長に渡って、導体又は部品の追加的な接触、又は追加的な接続がなく、直接の1:1接続がなされる。
【0036】
代替的には、さらに、好適な一実施形態において、分岐導体が、導体の少なくとも1つに、好ましくは、1つの導体グループに、それぞれ接続されることが、提供される。分岐導体は、好ましくは、材料結合的な接続を介して、例えば、いわゆるボンディングを介して、又は溶接によって導体に接続される。この処置によって、例えば、他の部品への分岐、又は、同様に形成された別の供給ハーネスへの接続が形成される。
【0037】
分岐導体を介した分岐は、従来のケーブル接続であり得る。代替的には、分岐は、好ましくは、同様の供給ハーネスを介して行われる、すなわち、分岐導体が裸の且つ特に中実の導体として挿入される、特に挟み込まれる縦溝を有した絶縁支持体を有する供給ハーネスを介して行われる。好ましい実施形態においては、分岐の領域において、縦溝の壁に横方向の穴が開けられ、分岐導体がそこに通される。
【0038】
絶縁支持体は、取付け状態において、好適には、自動車の支持構造に固定されている、又は自動車の支持構造の一部である。第1の場合、絶縁支持体は、支持構造に固定される別個の部品である。第2の場合、絶縁支持体のために、既存の支持構造が使用される、又は少なくとも適合される。その際、支持構造は、例えば、ケーシング部品又はボディー部品である。すなわち、支持構造自体が縦溝を有し、そこに導体が挿入される。特にこの実施変形例は、追加重量を低く抑えることができる。一般に、絶縁電線が配線される個別のケーブルチャネルは必要とされない。
【0039】
好ましくは、供給ハーネスは、自動車の前部領域と後部領域とを接続し、そのため、例えば、自動車の前部領域から後部領域へと延びている。「支持構造」という用語は、供給ハーネス及び関連する負荷を受け入れるために、十分な固有の剛性を有する任意の構造と解される。支持構造は、例えば、ボディー部品、特に、電気自動車においては、特に、サイドシル、又は典型的には、平坦なアンダーボディーのような耐荷重のボディー部品である。
【0040】
ここに記載の供給ハーネスは、特に、空間的に互いに分離された複数のゾーンを有する、いわゆるゾーン式の車載電気系統に使用される。供給ハーネスは、その際、複数のゾーン、すなわち少なくとも2つ、好ましくは、正確には2つのゾーンを互いに接続する。好ましくは、各ゾーンは、分散制御装置をそれぞれ有し、供給ハーネスは、少なくとも2つ、好ましくは、正確には2つの制御装置を互いに接続している。
【0041】
ゾーンは、自動車内の、空間的な領域であり、また、必要に応じては、機能的に設定された領域である。このようなゾーンは、例えば、運転席又は助手席の足元の空間領域、後部領域、計器領域、エンジン領域などである。分散制御装置は、それぞれのゾーンに含まれる負荷、及び、例えばアクチュエータ又はセンサなどのような、その他の電気的又は電子的ユニットを分散的に制御する。このために、分散制御装置は、通常、例えばセンサ信号又はデータ信号を評価し、それに応じて負荷を制御するために、処理ユニット、すなわちインテリジェンスを有している。分散制御装置は、通常、中央制御装置に接続され、データ線、特にデータバスを介して中央制御装置と通信する。
【0042】
従って、好ましい一実施形態においては、電力供給用の導体に加えて、データ線も供給ハーネス内に設けられていることが、提供される。データ線は、その際、例えば、従来の絶縁された、及び、例えばシールドされたデータ線として形成されている。データ線は縦溝に挟み込むこともできる。代替的には、導体が、データ伝送と電流・電力供給の両方のための、データ・電力兼用の導体として使用される。
【0043】
好ましい更なる一形態においては、2つの好ましくは冗長な供給ハーネスが設けられており、これらの冗長な供給ハーネスは、特に、車両前部から車両後部へと伸びている。特に冗長設計においては、例えば、2つの供給ハーネスが交差接続部を介して互いに接続されることが提供される。そのために、例えば、冗長導体は、それぞれ、分岐導体を介して互いに接続されている。
【0044】
好ましくは、2つの側方の供給ハーネスは、縦方向に互いに離れて配置された2つの交差接続部を介して互いに接続されている。その2つの交差接続部は、特に、接続された部品の領域内に伸びている。これによって、供給リングが形成される。
【0045】
少なくとも1つの供給ハーネス、特にそのような供給リング又はその一部は、好ましくは、自動車のいわゆるバックボーンを形成する。このようなバックボーンは、車載電気系統における、特に電気モータ駆動のトラクションモータを有するハイブリッド自動車又は電気自動車における主電力ハーネスである。例えば、そのバックボーンは(も)、そのような電気トラクションモータの電力供給に使用される。
【0046】
2つの供給ハーネスは、例えば車両の平行な縦構造(例えばサイドシル)に沿って伸びるように配置されている。
【0047】
好ましい実施形態においては、動作中において、2つ以上の隣接する導体は同電位である。さらに、これらの複数の導体は、好ましくは、互いに接続されており、特に、断面積値の過多な分散を増加させることなく、より広い断面積値、及びより大きい通電容量を達成するために、その複数の導体を、例えば、供給側及び/又は負荷側においてブリッジすることができる。そのため、個々の導体は、好ましくは同じ断面積値を有する。
【0048】
以下において、図面を参照して本発明の実施例をより詳細に説明する。図面は、部分的に非常に簡略化して示す。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】互いに平行に配置された2つの供給ハーネスを有するゾーン式の車載電気系統構造を有する自動車の非常に簡略化された図である。
図2】供給ハーネスの断面図である。
図3】差込み接触舌部の方法において、端部に突出した導体端部を有する供給ハーネスの部分側面図である。
図4】その端部に接続された分散制御装置を有する供給ハーネスの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図中において、同一作用をする部分には同一の参照符号を付す。
【0051】
図1に非常に簡略化して示す自動車4は、ゾーン式の車載電気系統構造を有する車載電気系統を有する。車載電気系統は配電システム6を有し、その配電システム6は、本実施例においては、複数の供給ハーネス8と複数の分散制御装置10とを備える。1つ又は複数の部分配線セット12が、それぞれ、例えば差込み接続部を介して、個々の分散制御装置10に接続されている(一例として図4を参照)。
【0052】
本実施例においては、車載電気系統は5つのゾーン14を有し、各ゾーン14に分散制御装置10が割り当てられている。配電システム6は、基本的に、本実施例においては詳細に図示しない方法によって、例えばバッテリ又は発電機などの電源に接続されている。
【0053】
実施例においては、配電システム6は、電力又は電流分配システムとして形成され、接続された部品の電力供給のために使用される。少なくとも1つの供給ハーネス8は、好ましくは中央供給ハーネス、すなわちバックボーンともいわれる主分配ハーネスである。このようなバックボーンは、通常、車両前部から車両後部まで縦方向18に延びており、例えば、ハイブリッド車又は電気自動車の電気トラクションモータに電力を供給するためにも使用される。
【0054】
電力は、好ましくは、1つ又は2つの供給ポイントを介して、特に1つ又は2つの分散(ゾーン)制御装置10を介して、少なくとも1つの供給ハーネス8に供給される。
【0055】
図1からも認識できるように、それぞれ縦方向18に延びる1つの各供給ハーネス8を介して、前部ゾーン14は後部ゾーン14に接続されており、しかも、分散制御装置10は、それぞれ供給ハーネス8に直接接続されている。さらに、図1には、自動車の前部領域と後部領域とにおける横方向接続のために、さらに2つの供給ハーネス8が設けられており、その2つの供給ハーネス8は、それぞれにおいて、2つの前部ゾーンと2つの後部ゾーンとを接続し、及び、本実施例においては、それらの制御装置10を、互いに接続していることが示されている。これによって、好ましくは自動車のバックボーンを形成する供給リングが、全体的に形成される。
【0056】
代替的に又は必要に応じて、図示のリング構造を補うものとして、縦方向18に延び、例えば中央に配置された、1つの供給ハーネス8(のみ)が、いわば中央バックボーンとして形成され、2つのゾーンを互いに接続することも可能である。
【0057】
図2による供給ハーネスの断面図によって、供給ハーネスが絶縁支持体20を有し、その絶縁支持体20が、互いに隣接して配置された複数の縦溝24が形成されたベース部22を含むことが認識される。縦溝24は縦方向18に延びている。個々の縦溝24は上向に開口している。そのため、この開口側には開口スリット26が画定されている。個々の縦溝24はそれぞれ、壁28によって互いに絶縁して区切られている。隣接する2つの壁28は、その間に、それぞれの導体30の収容のために形成された収容空間を囲んでいる。本実施例においては、すべての縦溝24にはそれぞれ1つの導体30が配置されている。導体30は、裸の、中実の導体であり、すなわち、その導体は、絶縁されずに、中実の材料から形成されている。本実施例においては、円形の導体が設けられている。本実施例においては、収容空間は、好ましくは、導体30の円形形状にも適合されており、また、断面に見て少なくとも実質的に円形に形成されている。
【0058】
収容空間は、開口スリット26に向かって上方に先細りになっており、それによって、アンダーカット32がそれぞれ形成されている。そのため、壁28は、開口スリット26の領域においてそれぞれの導体30に重なり、それによって、導体30は形状結合的に保持される。壁28は全体に弾性的に形成されており、その結果、それぞれの導体30を上方から簡単な方法によってそれぞれの縦溝24に挟み込むことができる。代替的には、導体30を縦方向18に縦溝24内に押し込むことも可能である。
【0059】
従って、ベース部22は、全体として上方に開口したケーブルチャネルの方法において形成され、このケーブルチャネルは、個々の縦溝24の形成のための、壁28によって形成された複数の分離壁を有する。ベース部22は、その際、典型的には、所定数の縦溝と、その縦溝を区切る複数の壁28とによって形成される幅を有する。壁は、その際、典型的には、縦溝の幅よりも小さい幅を有する。
【0060】
絶縁支持体20は、縦溝24を上に閉鎖するカバー34をさらに有する。そのカバー34は、好ましくは、材料結合的に、例えば溶接によってベース部22に結合されている。
【0061】
より詳細には図示しない、好ましい更なる一形態によれば、供給ハーネス8は、2つ以上の層を有し、各層において、複数の導体30が、壁28によって分離されて、互いに隣接して配置されている。
【0062】
好ましくは、各層は、複数の縦溝24を有した絶縁支持体20を有する。各絶縁支持体20は上下に配置され、特に開口スリット26は同じ方向に向けられている。好ましくは、1つの絶縁支持体20の底部は、その下側の絶縁支持体20のカバーを形成している。
【0063】
好ましくは、上側の絶縁支持体20のためにのみ、別個のカバー34が設けられている。
【0064】
代替的な一実施変形例によれば、2つの絶縁支持体20は、それらの開口スリット26によって互いに向かい合せである。
【0065】
2つの絶縁支持体20は、好ましくは、それぞれ独立した、且つ、特に同一の構造ユニットとして形成される。それらは、例えば、接し合って適切に固定されている。
【0066】
図3から認識されるように、好ましい形態においては、数個の導体30、好ましくは全ての導体30は、縦方向の18の端部において、又は縦方向18と異なる方向において、絶縁支持体20を越えて突出し、突出部分によって差込み接触舌部36を形成している。そのために、導体30の端部は、好ましくは、接触コーティング38を有し、例えば、銀メッキ又は錫メッキされている。
【0067】
取付け状態において、これらの差込み接触舌部36は、例えば図4から認識できるように、導体の接触のために差込み部40に、好ましくは直接、差込まれている。
【0068】
図4は供給ハーネス8を示しており、その両端がそれぞれ分散制御装置10に接続されている。図の左半分には、個々の差込み接触舌部36が制御装置10の差込み部40に直接差し込まれている状況が示されている。差込み部40は、その際、制御装置10のハウジングの一部である。図の右半分において、制御装置10が中間ケーブル42を介して接続されており、この中間ケーブル42は、本実施例においては、2つの差込み部40を介して供給ハーネス8の差込み接触舌部36に接続されている。
【0069】
分散制御装置10は、典型的には、差込み接続部44の形態の複数のインターフェースを有し、これらの各インターフェースは、部分配線セット12を接続することができる。そのような部分配線セット12の1つが、図の左半分に例示的に示されている。これらの部分配線セット12は、典型的には、分岐構造を有し、また、典型的には、差し込み部品を端部に有し、その差し込み部品によって、部分配線セット12は、個々の構成部品又は負荷に接続される。
【0070】
本発明を、本明細書においては、実施例に基づいて説明してきたが、これに限定されるものではない。むしろ、他の実施形態も特許請求の範囲に含まれる。特に、特許請求の範囲に特に規定されているように、個々の特徴は、実施例の特徴の組み合わせに限定されることなく、任意に互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0071】
4 自動車
6 配電システム
8 供給ハーネス
10 分散制御装置
12 部分配線セット
14 ゾーン
18 縦方向
20 絶縁支持体
22 ベース部
24 縦溝
26 開口スリット
28 壁
30 導体
32 アンダーカット
34 カバー
36 差込み接触舌部
38 接触コーティング
40 差込み部
42 中間ケーブル
44 差込み接続部

図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-11-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動車(4)の車載電気系統のための配電システム(6)であって、
供給ハーネス(8)を備え、その供給ハーネス(8)は、取付け状態において、前記供給ハーネス(8)に接続された部品への供給のために使用され、
前記供給ハーネス(8)は複数の層を有し、
各層は、互いにそれぞれ絶縁して区切られた複数の縦溝(24)を有した絶縁支持体(20)をそれぞれ有しており、その複数の縦溝(24)には、裸の且つ中実の導体(30)が挿入されており、
前記絶縁支持体(20)の各々は、前記導体(30)を後に追加して挿入可能なプレハブ部品として形成されており、
2つの前記絶縁支持体は上下に配置されていることを特徴とする、配電システム(6)。
【請求項2】
1つの絶縁支持体(20)の底部は、その下側の絶縁支持体(20)のカバーを形成している、請求項1に記載の配電システム(6)。
【請求項3】
それぞれの導体(30)は、1つのそれぞれの縦溝(24)内に形状結合的に保持されており、そのために、それぞれの絶縁支持体の上側に、それぞれの導体(30)の幅よりも小さい開口幅を有する開口スリット(26)が形成されており、前記開口スリット(26)は、同じ方向に向いている、請求項1に記載の配電システム(6)。
【請求項4】
それぞれの導体(30)は、1つのそれぞれの縦溝(24)内に形状結合的に保持されており、そのために、それぞれの絶縁支持体の上側に、それぞれの導体(30)の幅よりも小さい開口幅を有する開口スリット(26)が形成されており、2つの前記絶縁支持体(20)は、それらの開口スリット(26)において互いに向かい合せである、請求項1に記載の配電システム(6)。
【請求項5】
前記導体(30)は、中実の円形導体として形成されている、請求項1に記載の配電システム(6)。
【請求項6】
それぞれの前記絶縁支持体(20)は、前記縦溝(24)を有するベース部(22)を有し、このベース部(22)は上方に開口しており、それによって前記導体(30)を上方から前記ベース部(22)内に挿入できる、請求項1に記載の配電システム(6)。
【請求項7】
隣接する前記縦溝(24)は、壁(28)によって互いに分離されており、前記壁(28)は、アンダーカット(32)の形成のために上方に広がっている、請求項1に記載の配電システム(6)。
【請求項8】
それぞれの前記絶縁支持体(20)は、押出成形品として形成されている、請求項1に記載の配電システム(6)。
【請求項9】
それぞれの前記絶縁支持体(20)は、前記縦溝(24)を有するベース部(22)と、前記ベース部(22)に固定されるカバー(34)とを有する、請求項1に記載の配電システム(6)。
【請求項10】
上側の前記絶縁支持体(26)のためにのみ、個別のカバー(34)が設けられている、請求項1に記載の配電システム(6)。
【請求項11】
前記導体(30)の少なくとも1つは、前記絶縁支持体(20)を越えて端部側に突出しており、前記導体(30)の接触のための接触舌部を形成している、請求項1に記載の配電システム(6)。
【請求項12】
前記接触舌部は、接続状態において差込み部(40)に差込まれている差込み接触舌部(36)として形成されている、請求項11に記載の配電システム(6)。
【請求項13】
前記接触舌部は曲げられており、異なる導体(30)の接触舌部は、異なる方向に向いている、請求項11に記載の配電システム(6)。
【請求項14】
前記導体(30)の少なくとも1つに、分岐導体が、材料結合的な接続を介して接続されている、請求項1に記載の配電システム(6)。
【請求項15】
前記絶縁支持体(20)は、前記自動車(4)の支持構造に固定されている、又はそのような支持構造の一部である、請求項1に記載の配電システム(6)。
【請求項16】
空間的に互いに離れて配置された複数のゾーン(14)を備え、前記供給ハーネス(8)は、複数のゾーン(14)を互いに接続している、請求項1に記載の配電システム(6)。
【請求項17】
前記複数のゾーン(14)は、それぞれ、分散制御装置(10)を有しており、前記供給ハーネス(8)は、2つの分散制御装置(10)を互いに接続している、請求項16に記載の配電システム(6)。
【請求項18】
車両前部から車両後部まで前記自動車(4)内を互いに平行に伸びる、2つの冗長な前記供給ハーネス(8)が設けられている、請求項1に記載の配電システム(6)。
【請求項19】
2つ以上の隣接する導体が、動作時に同一の電位を有し、そのために互いに接続されている、請求項1~18のいずれか一項に記載の配電システム(6)。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の配電システム(6)のための供給ハーネス(8)であって、前記供給ハーネス(8)は複数の層を有し、
各層は、互いにそれぞれ絶縁して区切られた複数の縦溝(24)を有した絶縁支持体(20)を、それぞれ有しており、その複数の縦溝(24)には、裸の且つ中実の導体(30)が挿入されており、
前記絶縁支持体(20)の各々は、前記導体(30)を後に追加して挿入可能なプレハブ部品として形成されており、
2つの前記絶縁支持体は上下に配置されていることを特徴とする、供給ハーネス(8)。
【国際調査報告】