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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-14
(54)【発明の名称】ガスの熱圧縮用システム
(51)【国際特許分類】
   F04B 37/06 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
F04B37/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556930
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2022056640
(87)【国際公開番号】W WO2022194837
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】2102675
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523348874
【氏名又は名称】エイフハイテック
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】マスティオ,サイモン
【テーマコード(参考)】
3H076
【Fターム(参考)】
3H076AA30
3H076BB01
3H076BB21
3H076BB26
3H076BB43
3H076CC46
(57)【要約】
本発明は、ガスの熱圧縮用のシステムに関し、このシステムは、供給源(1)と、移送先(2)と、それぞれが少なくとも2つのリザーバ(3)を含むリザーバ(3)の少なくとも1つのグループとを備え、このシステムは、各リザーバの内容物を加熱する加熱手段(4)、及び冷却する冷却手段(5)を備え、各グループは、-上記供給源から各リザーバへと直接、並びに各リザーバから上記移送先へ直接ガスを移送するための移送手段(6a、6b)と、-上記グループの各リザーバ(3)用の、上記グループの当該リザーバ(3)と少なくとも1つの他のリザーバ(3)との間でガスを直接移送可能とする、2方向移送手段(7)とを、更に備えることを、特徴とする。更に、本発明は、本発明に係るシステムの少なくとも1つのグループにおける複数のリザーバ(3)内で、ガスを熱圧縮するための循環方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リザーバ(3)の少なくとも1つのグループの複数のリザーバ(3)内のガスの熱圧縮用の循環プロセスであって、各サイクルは、前記複数のリザーバ(3)の各リザーバ(3a~3h)について、以下のステップとして、
-前記リザーバ(3a~3h)に格納された前記ガスを冷却し、供給源(1)から前記リザーバ(3a~3h)にガスを移送するステップと、
-ドナーリザーバ(3)から前記リザーバ(3a~3h)にガスを移送するステップであって、前記ドナーリザーバ(3)は、前記リザーバ(3a~3h)及び同じグループの前記ガスよりも、圧力と温度が高く、好ましくは、前記ドナーリザーバ(3)は、前記リザーバ(3a~3h)及び前記ドナーリザーバ(3)の前記圧力が等しくなるまで、ガスが前記リザーバ(3a~3h)の前記ガスよりも圧力と温度が高い前記グループの前記リザーバ(3)の中で、ガスの圧力が最も低いリザーバであり、必要であれば、前記グループにおいて、ガスが前記リザーバ(3a~3h)の前記ガスよりも圧力と温度が高い別のリザーバ(3)がある限り、このステップを繰り返す、ステップと、
-前記リザーバ(3a~3h)に格納された前記ガスを加熱し、前記リザーバ(3a~3h)から移送先(2)にガスを移送するステップと、
-前記リザーバ(3a~3h)から受容リザーバ(3)にガスを移送するステップであって、前記受容リザーバ(3)は、前記リザーバ(3a~3h)からの前記ガスよりも、圧力と温度が低く、好ましくは、前記受容リザーバ(3)は、前記リザーバ(3a~3h)及び前記受容リザーバ(3)の前記圧力が等しくなるまで、ガスが前記リザーバ(3a~3h)の前記ガスよりも圧力と温度が低い前記グループの前記リザーバ(3)の中で、ガスの圧力が最も高いリザーバであり、必要であれば、前記グループにおいて、ガスが前記リザーバ(3a~3h)の前記ガスよりも圧力と温度が低い別のリザーバ(3)がある限り、このステップを繰り返す、ステップとを含み、
前記リザーバ(3a~3h)に格納された前記ガスを冷却し、前記供給源から前記リザーバ(3a~3h)にガスを移送するステップが、前記グループの各リザーバ(3)について、連続して実施される、循環プロセス。
【請求項2】
ガスの圧力と温度がより高い方の同じグループのドナーリザーバ(3)から前記リザーバ(3)にガスを移送するステップの間、前記移送されたガスは、前記リザーバ(3)の内容物の温度上昇を低減するために冷却される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記供給源(1)からリザーバへの移送の前に、金属水素化物コンプレッサにおける、ガス圧縮ステップも更に含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
第1リザーバ(3a~3h)に格納された前記ガスを冷却する前記ステップの間、前記第1リザーバ(3a~3h)から熱を抽出し、これを第2リザーバ(3a~3h)に格納された前記ガスを再加熱するステップで使用する、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
少なくとも2回のガス移送ステップを同時に実施し、第1回目のガス移送ステップは前記供給源、前記移送先、並びにリザーバにおける2つの実体に関連し、第2回目のガス移送ステップは、前記第1回目のガス移送ステップとは関連しない2つの実体に関連する、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記供給源(1)から第1リザーバ(3)へとガスを移送する前記ステップは、第2リザーバ(3)から受容リザーバ(3)又は前記移送先(2)へとガスを移送する前記ステップと同時に実行される、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
請求項5に従ってガスを熱圧縮するプロセスを実装するように構成されたシステムであって、供給源(1)と、移送先(2)と、それぞれが少なくとも2つのリザーバ(3)を含むリザーバ(3)の少なくとも1つのグループとを備え、前記システムは、各リザーバの内容物を加熱する手段(4)及び冷却する手段(5)も更に備え、各グループは、
-前記供給源(1)から各リザーバ(3)へと直接、並びに各リザーバ(3)から前記移送先(2)へと直接ガスを移送するための移送手段(6a、6b)と、
-前記グループの各リザーバ(3)用の、前記グループの当該リザーバ(3)と少なくとも1つの他のリザーバ(3)との間でガスを直接移送可能とする、双方向移送手段(7)とを更に備える、システム。
【請求項8】
前記ガスは二水素である、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
リザーバ(3)の2つのグループを含む、請求項7又は8に記載のシステム。
【請求項10】
各グループにおいて、少なくとも3つ、好ましくは、少なくとも4つのリザーバ(3)を備える、請求項7~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記加熱手段(4)は、廃熱源、例えば、バイオマス二水素製造プラント又は電解槽を含む、請求項7~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記冷却手段(5)は、強力な冷却源、例えば、液体窒素貯蔵又は冷水ループからの還流を含む、請求項7~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記供給源(1)は、液体二水素貯蔵からの蒸発ガス出口を含む、請求項7~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
グループ内のすべてのリザーバ(3)の容積は同じである、請求項7~13のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス圧縮の分野にある。これは、ガス、具体的には、二水素の熱圧縮システムに関する。
【0002】
移動手段、並びに物資と旅客の輸送向けの低炭素ソリューションの力強い成長を背景に、二水素は有望な燃料と思われる。燃料電池と電気モータとを組み合わせて自動車に使用すれば、化石燃料、あるいは、電気モータの動力源として一般に使用されている蓄電池の使用の代替となる可能性がある。
【0003】
二水素は密度が低いので、燃料として使用できるようになるには、約700バールの圧力まで圧縮する必要がある。通常、200バールの圧力でサービスステーションに配送され、現場でコンプレッサにより450~1000バールの圧力まで圧縮される。
【0004】
通常、このコンプレッサは機械式で、欠点が幾つかある。可動部品は水素漏れの原因となる。ピストンは注油されていない、注油により、不純物が二水素に混入し、燃料電池がダメージを受け、これにより、ピストンはすぐに摩耗するからである。更に、これらのコンプレッサは電力を消費するため、膨大なコストがかかり、二水素の環境バランスを悪化させる。最後になるが、機械式コンプレッサは高レベルの騒音公害を発生させるので、とりわけ、市街地のサービスステーションでは問題となる。
【0005】
こうした問題を受けて、熱化学式金属水素化物コンプレッサが開発されている。金属粉末は低圧で二水素を吸収し、金属水素化物を形成する。次に、こうした水素化物を加熱し、高圧で二水素を放出する。これらのコンプレッサは20バール~500バールの間で動作するのが、理想的である。この動作範囲の外では、工業規格に適合する温度レベルで圧縮できる金属粉末を見つけるのは、困難である。とりわけ、圧力レベルが非常に高いと、出口圧力と入口圧力との比程度のエネルギーを消費する機械式コンプレッサに比べて、圧力を更に上げるために必要なエネルギーが莫大すぎる。したがって、熱化学式コンプレッサを機械式コンプレッサと組み合わせれば、最終圧力段階に到達させることができる。
【0006】
代わりに、熱式コンプレッサも利用できる。US20120028140号では、直列接続された複数のリザーバを含み、上流リザーバを加熱することで、連続する2つのリザーバ間で圧力が上昇するコンプレッサを提案している。この方法では高い流量は得られず、エネルギー消費も多すぎる。
【0007】
本発明の1つの目的は、機械式コンプレッサに付随する摩耗、電力消費、騒音、及び漏洩の問題のない、エネルギー効率に優れたコンプレッサ、とりわけ、500バールを超える圧力用のコンプレッサを提供することである。
【0008】
本発明の目的は、ガスの熱圧縮用の循環プロセスを提案することによって、前述の目的に少なくとも部分的に応えることであり、この場合、1つのグループの幾つかのリザーバは、リザーバ、又は一連の高温リザーバと接触して、圧力上昇を実施し、その後、他の低温リザーバの圧力を上昇させるために、圧力降下を行うサイクルを実行する。この目的のために、本発明に係るシステムの少なくとも1つのグループの複数のリザーバ内のガスの熱圧縮用の循環プロセスを提案しており、各サイクルは、各グループの各リザーバについて、以下のステップとして、
-リザーバに格納されたガスを冷却し、供給源からリザーバにガスを移送するステップと、
-ドナーリザーバから当該リザーバにガスを移送するステップであって、当該ドナーリザーバは、当該リザーバ及び当該ドナーリザーバの圧力が等しくなるまで、ガスが当該リザーバのガスよりも圧力と温度が高い当該グループのリザーバの中で、ガスの圧力が最も低いリザーバであり、必要であれば、当該グループにおいて、ガスが当該リザーバのガスよりも圧力と温度が高い別のリザーバがある限り、このステップを繰り返す、ステップと、
-リザーバに格納されたガスを加熱し、リザーバから移送先にガスを移送するステップと、
-当該リザーバから受容リザーバにガスを移送するステップであって、当該受容リザーバは、当該リザーバ及び当該受容リザーバの圧力が等しくなるまで、ガスが当該リザーバのガスよりも圧力と温度が低い当該グループのリザーバの中で、ガスの圧力が最も高いリザーバであり、必要であれば、当該グループにおいて、ガスが当該リザーバのガスよりも圧力と温度が低い別のリザーバがある限り、このステップを繰り返す、ステップとを含み、
リザーバに格納されたガスを冷却し、供給源から当該リザーバにガスを移送するステップが、当該グループの各リザーバについて、連続して実施される。
【0009】
これらの構成によって、ガスは熱圧縮によって高圧まで圧縮され、騒音と機械部品の摩耗に関する問題を回避することができる。あるリザーバの圧力を上げるのに使われた熱は、圧力が下がるにつれて他のリザーバの内容物を圧縮するのに使用されて、カスケード式に圧縮を実行できるので、このプロセスは、とりわけ、エネルギー効率が高い。
【0010】
更なる特徴によると、
-当該プロセスを2つのグループの複数のリザーバで実行することが可能であり、これにより、1つのリザーバに格納されたガスを冷却し、供給源からガスを移送するステップは、一方のグループのリザーバの1つへと順番に実行されてから、他方のグループのリザーバの1つへと実行可能であり、この結果、プロセスが最適化され、とりわけ、システムに供給し、圧縮後のガスを連続的に生成することが可能となり、
-ガスの圧力と温度がより高い方の同じグループのドナーリザーバから当該リザーバにガスを移送するステップの間、移送されたガスは、当該リザーバの内容物の温度上昇を低減するために冷却可能であり、これにより、圧力が上昇するリザーバと圧力が下降するリザーバとの間の温度差を保ち、この差によって、当該リザーバ内のガスの圧縮を最適化することが可能となり、
-リザーバの各グループは、少なくとも3つ、好ましくは、少なくとも4つのリザーバを含むことができ、2度の移送ステップはそれぞれ、少なくとも2回、好ましくは、少なくとも3回繰り返してもよく、ガスを数段階の圧力に晒すことにより、所与の温度差について、より高い圧力上昇を達成することが可能であり、
-当該プロセスには、供給源からリザーバへの移送の前に、金属水素化物コンプレッサでのガス圧縮ステップも含めることができるので、水素化物コンプレッサの利点を提供する初期圧縮と、高圧力の特性により、水素化物コンプレッサが適さない場合の熱圧縮とを、組み合わせることが可能であり、
-第1リザーバに格納されたガスを冷却するステップの間、当該第1リザーバから熱を抽出し、これを第2リザーバに格納されたガスを再加熱するステップで使用することが可能であり、かくして、プロセスのエネルギー消費が最適化され、
-ガスを供給源から第1リザーバに移送するステップは、ガスを第2リザーバから受容リザーバ又は移送先に移送するステップと同時に行うことができるので、システムの複数の異なるリザーバ、あるいは同じグループであっても、複数の異なるステップを同時に実行して、サイクルが最適化される。
【0011】
更に、本発明は、ガスの熱圧縮用のシステムにも関し、このシステムは、供給源と、移送先と、それぞれが少なくとも2つのリザーバを含むリザーバの少なくとも1つのグループとを備え、当該システムが、各リザーバの内容物を加熱する手段、及び冷却する手段を備え、各グループは、
-当該供給源から各リザーバへと直接、並びに各リザーバから当該移送先へ直接ガスを移送するための移送手段と、
-当該グループのリザーバごとの、当該グループの当該リザーバと少なくとも1つの他のリザーバとの間でガスを直接移送可能とする、双方向移送手段とを、更に備える。
【0012】
これらの構成によって、ガスは熱圧縮によって高圧まで圧縮され、騒音と機械部品の摩耗に関する問題を回避するのと同時に、エネルギー効率に優れたプロセスが可能となる。
【0013】
更なる特徴によると、
-当該ガスは、本発明の関連実施形態である二水素であってもよく、その理由は、二水素が、とりわけ、輸送において、使用可能とするために高圧圧縮する必要があることが多いからであり、例えば、N2、O2、CH4、又はヘリウムであってもよく、
-当該システムは、リザーバの2つのグループを含むことができ、かくして、動作が最適化され、とりわけ、システムへの供給、並びに圧縮ガスの連続生成が可能となり、
-当該システムは、各グループに少なくとも3つ、好ましくは、少なくとも4つのリザーバを含むことができ、ガスに複数段階の圧力を適用できるので、所与の温度差について、より大きな圧力上昇を達成し、
-加熱手段は、バイオマス二水素製造プラント又は電解槽などの廃熱源を含むことができ、生成された熱を回収することができるので、システムで消費されるエネルギーコストを削減することが可能であり、
-冷却手段には、液体窒素貯蔵又は冷水ループからの還流など、強力な冷却源を含めることができるので、利用可能な冷気を回収し、システムによって消費されるエネルギーを低減し、
-供給源は、液体二水素貯蔵リザーバからの蒸発ガス出口を含むことで、供給源から供給されるべき低温二水素をリザーバに供給可能とすることにより、とりわけ、効率的な第1圧縮段階が達成され、
-同じグループ内のすべてのリザーバの容積を同一にすることができ、システムが簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は、添付図を参照しつつ、以下の詳細な説明を読めば、理解がより深まるであろう。
図1】本発明の一実施形態に係る、熱ガス圧縮システムの概略図である。
図2図1で述べた熱ガス圧縮プロセスに伴うステップの概略図である。
図3】本発明の好ましい一実施形態に係る、熱ガス圧縮プロセスの第1段階の概略図である。
図4図3で開始するプロセスを完了するステップの概略図である。
【0015】
図1で例示する熱ガス圧縮システムは、供給源1、移送先2、並びに1つ以上のグループのリザーバ3を含む。
【0016】
本発明に係るシステムは、ガスが圧力Pにある供給源1から、圧力Ptargetまでガスを圧縮することを可能にする。
【0017】
本発明に関連するガスは、好ましくは、二水素である。しかし、酸素又は窒素など、他のガスでもよい。
【0018】
リザーバ3は、一定容積の当該ガスを密封様式で格納することができる。グループ内では、リザーバ3は、すべて同じ容積、例えば、50リットルであることが好ましい。
【0019】
熱圧縮システムは、各リザーバ3の内容物を加熱、冷却する加熱手段4と冷却手段5を含む。加熱手段4及び冷却手段5は、伝熱流体を各リザーバ3の内容物に接触させる。伝熱流体がリザーバ3の内容物よりも高温、あるいは低温の場合、この伝熱流体を使用して、当該内容物を加熱、それぞれ冷却することができる。
【0020】
更に、加熱手段4は、リザーバに浸漬された電気抵抗器でもよい。
【0021】
ヒータ4を電解槽又はバイオマス二水素製造ユニットに接続することができる。したがって、ガスが二水素の場合、この二水素を生成するために発生した熱を熱圧縮システムで回収することができる。システムの設置場所に応じて、現地で利用可能な他の廃熱源を加熱システムに接続し、エネルギーコストを削減することもできる。これは、例えば、廃棄物収集場、あるいは熱が発生する他の産業現場である。
【0022】
熱圧縮システムは、ガスを供給源1からグループの各リザーバ3まで直接移送するための移送手段6aと、ガスをグループの各リザーバ3から移送先2まで直接移送するための移送手段6bも更に含む。本明細書において、直接移送とは、同じグループ又は別のグループの別のリザーバ3を通さず、あるいは供給源1又は移送先2を通さない移送を称する。
【0023】
最後に、熱圧縮システムは、ガスをグループ内の各リザーバから同じグループ内の他のリザーバへと直接移送することを可能にする双方向移送手段(7)を、含む。本明細書において、直接移送とは、同じグループ又は別のグループの別のリザーバ3を通さず、あるいは供給源1又は移送先2を通さない移送を称する。このため、同じグループにおける任意のペアのリザーバ3を検討しても、こうした2つのリザーバ3間でガスを両方向で直接移送することができる。
【0024】
本発明は、少なくとも1つのグループにおける複数のリザーバ3内のガスを熱圧縮するための循環プロセスに関する。各サイクルは、各グループの各リザーバ3aについて、以下のステップを含む、
-リザーバ3aに格納されたガスを低温Tまで冷却し、ガスを供給源1からリザーバ3aに移送する。このステップの終了時、リザーバ3aは圧力P及び温度Tのガスを格納する。
-別のドナーリザーバ3から当該リザーバ3aへのガスを移送する。ドナーリザーバ3は、ガスが当該リザーバ3aに格納されるガスよりも圧力と温度が高い同じグループのリザーバ3の中で、ガスの圧力が最も低いリザーバである。双方向移送手段7をリザーバ3aとドナーリザーバ3との間で開放すると、リザーバ3aとドナーリザーバ3の圧力が等しくなるまで、移送が自動的に実行される。このステップの間、当該リザーバ3aに格納されたガスが圧縮される。このステップの第1回実行の終了時、リザーバ3aは圧力P及び温度Tのガスを格納する。ガスが当該リザーバ3aに格納されるガスよりも圧力と温度が高い当該グループの別のリザーバ3が存在する限り、このステップは数回繰り返してもよい。このステップは、例えば、グループが3つのリザーバ3を含む場合には2回、あるいはグループが4つのリザーバ3を含む場合には3回繰り返してもよい。このステップを繰り返すたびに、リザーバ3aは圧力を1段階上昇させる。このステップの終了時、リザーバ3aは圧力P及び温度Tのガスを格納する(Kは移送ステップの繰り返し回数に等しい)。
-リザーバ3aに格納されたガスを高温温度Tまで加熱することで、最終圧力段階を構築可能とし、当該リザーバ3aから移送先2へガスを移送する。このステップの終了時、リザーバ3aは圧力PK+1及び温度Tのガスを格納する。圧力PK+1は圧力Ptargetに近いか、あるいは等しい。
-当該リザーバ3aから別の受容リザーバ3へガスを移送する。受容リザーバ3は、ガスが当該リザーバ3a内のガスよりも圧力と温度が低い同じグループのリザーバ3の中で、ガスの圧力が最も高いリザーバである。移送は、双方向移送手段7がリザーバ3aと受容リザーバ3との間で開放されると、当該リザーバ3aと当該受容リザーバ3の圧力が等しくなるまで、自動的に実行される。このステップの第1回実行の終了時、リザーバ3aはPに近いか、あるいは等しい圧力及び温度Tのガスを格納する。ガスがリザーバ3a内のガスよりも圧力と温度が低いグループの別のリザーバ3が存在する限り、このステップは数回繰り返してもよい。このステップは、例えば、グループが3つのリザーバ3を含む場合には2回、あるいはグループが4つのリザーバ3を含む場合には3回繰り返してもよい。このステップの繰り返しごとに、リザーバ3aは、同じグループ内の別のリザーバ3の圧力を1段階上昇させることができる。このステップの終了時、並びに終了までの繰り返しの際、リザーバ3aはPに近いか、あるいは等しい圧力及び温度Tのガスを格納する。
【0025】
グループ内のすべてのリザーバ3の容積が同じであれば、リザーバ3内のガス量も、以下のように各段階で決定可能である。
-供給源1の冷却と移送のステップの終了時に、リザーバ3aはnモルのガスを格納し、
-ドナーリザーバ3から当該リザーバ3aへの1回の移送ステップの終了時に、当該リザーバ3aはnモルのガスを格納し、
-1つ以上のドナーリザーバ3から当該リザーバ3aへの全移送ステップの終了時に、当該リザーバ3aはnモルのガスを格納し、
-加熱ステップ及び移送先2への移送の終了時に、リザーバ3aはnK-1モルのガスを格納し、
-当該リザーバ3aから受容リザーバ3への1回の移送ステップの終了時に、当該リザーバ3aはnK-2モルのガスを格納し、
-当該リザーバ3aから1つ以上の受容リザーバへの全移送ステップの終了時に、当該リザーバ3aはn-1モルのガスを格納する。
【0026】
リザーバに格納されたガスを冷却し、供給源から当該リザーバ3aにガスを移送するステップは、幾つかのリザーバ3ではなく、当該グループの各リザーバ3について、同時に連続して実施される。このようにして、グループのリザーバ3は、それぞれ順番にこのステップを経た後、それぞれ他のリザーバに対する時間差をもって、同時に同じサイクルをたどる。
【0027】
このプロセスにおいて、ガスは、2つのリザーバ3リザーバ3間の移送手段を開放することによって熱的に圧縮され、ここでガスが最も圧縮され、他方のリザーバ内のガスの圧力が上昇可能となる。ガスを受容するリザーバは低温状態にあり、ガスを送出するリザーバは高温状態にある。これにより、両リザーバ内に同等モル数のガスが含まれている場合、高温リザーバの圧力が高くなり、ガスを供給することができ、低温リザーバの圧力を高められることが、保証される。したがって、各リザーバ3は、各サイクルの間、低温状態での圧力上昇と、それに続く、高温状態での圧力降下をたどる。したがって、リザーバ3がたどるサイクルの間、再加熱及び冷却は1回で済む。
【0028】
ガスの圧力と温度が高い方の同じグループの別のリザーバ3から当該リザーバにガスを移送するステップの間、移送されたガスを冷却することが、好ましい。これにより、高温ガスを受容するリザーバ3の温度が低温に維持され、他の高温リザーバ3との温度差が保たれる。移送されたガスは、リザーバ3に到達する前に、例えば、2つのリザーバ3間の双方向移送手段7において、冷却することができる。代わりに、移送されたガスは、リザーバ3に到着後、例えば、冷却手段5により、リザーバ3の内容物全体を冷却することによって、冷却することができる。本発明の好ましい一実施形態において、冷温Tまで冷却されたリザーバ3の内容物は、再加熱ステップまで冷温Tに保たれる。同様に、高温温度Tに再加熱されたリザーバ3の内容物は、好ましくは、冷却ステップまで高温温度Tに保持される。これにより、高温リザーバ3を低温リザーバ3に接続して、後者の圧力を高める際、T1とT2との温度差を常に利用できることが、保証される。
【0029】
本発明の好ましい一実施形態において、供給源1から第1リザーバ3a~3hへとガスを移送するステップは、第2リザーバ3a~3hから受容リザーバ3又は移送先2へとガスを移送するステップと同時に実行される。そのため、システム内の幾つかのリザーバ3が特定のステップを実行する際、他のリザーバ3は他のプロセスステップを実行し、時間が節約される。
【0030】
本発明に係るプロセスのエネルギー消費を最適化するために、第1リザーバ3a~3hに格納されたガスを冷却するステップの間、当該第1リザーバ3a~3hから抽出された熱を、第2リザーバ3a~3hに格納されたガスを加熱するステップで使用することが可能である。例えば、伝熱流体を第1リザーバ3a~3hから第2リザーバ3a~3hへと循環させることができる。
【0031】
リザーバ3のグループは、少なくとも2つのリザーバ3、例えば、3つ、好ましくは、4つのリザーバ3を含む。他のシステムパラメータと共に、供給源1における圧力Pから移送先2における所望の圧力Ptargetまでガスを圧縮するのに必要な段数に応じて、リザーバ3の数は選択される。調整されるべき他のパラメータには、リザーバ3の容積、並びにリザーバ3が加熱及び冷却される温度TとTが含まれる。1つのグループに偶数のリザーバ3があれば都合が良い。これにより、各プロセスステップにおいて、各リザーバ3でプロセスステップの1つが実行されることが、保証される。
【0032】
システムは、リザーバ3の単一グループ、好ましくは、リザーバ3の2つのグループを含むことができる。実際、第2ステップ及び第4ステップの繰り返しを含む、上述のサイクルの総ステップ数は、グループ内のリザーバ3の数の2倍に等しい。したがって、システムが単一グループを含む場合、リザーバ3の1つによって同時に実行できるには、ステップの半分だけである。とりわけ、サイクルの各段階において、供給源1から移送先2へのガス移送段階は、単一グループについて実行されない。したがって、2つのグループを並列に動作させることで、サイクルの各段階において、ガスを供給源1からシステムのリザーバ3の1つへと、並びに、システムのリザーバ3の1つから移送先2へと移送することが可能となり得る。各グループのリザーバの数は異なる場合もあるが、2つのグループについて上記利点を得るために、両グループには、偶数又は奇数いずれかのリザーバが必要である。
【0033】
特定実施形態において、多段階の加熱と冷却を可能にするために、追加のリザーバ3を設けることもできる。これは、加熱段階及び冷却段階が移送段階よりも長時間かかる場合に有効である。通常、こうした段階が移送段階の2倍の時間を要する場合、加熱と冷却を2段階で行えば、有効となり得る。
【0034】
別の特定の設計によると、最初は、第1供給源圧力P0と目標圧力P1との間で動作する、設備を提供できる。次に、第2段階では、ガスの一部を圧力P1で抜き出し、圧力P1で供給源として使用することができる。次に、このデバイスは圧力をP2まで上昇させる。これは、最終的に目標圧力に達するまで必要な限り続けることができる。
【0035】
本発明の好ましい一実施形態において、供給源ガス圧力Pは、例えば、金属水素化物コンプレッサからの400バール~600バールであり、目標ガス圧力Ptargetは、800バール~1000バールである。この構成では、4つのリザーバ3の2つのグループを使用可能であり、例えば、あるリザーバ3aの圧力上昇は次の段階で起こる。供給源における500バール、次に、別の高温リザーバ3からの3段階の移送後に560バール、635バール、725バール、そして、最終段階として、リザーバ3aが再加熱される際に810バールに至る。ガス冷却温度T及び再加熱温度Tは、それぞれ280K~310K、例えば、293.15K、並びに、360K~390K、例えば373.15Kであるのが、好ましい。こうした温度を他の圧力値と併用することもできることは言うまでもない。
【0036】
エネルギー消費を最適化するために、冷却温度Tは、最大限低い温度、つまり、周囲温度、又は現場で利用可能な最も低温の冷却源の温度とすることができる。例えば、液体窒素、又は、冷水回路からの還流、あるいは、他の低温流体を現場で利用できる場合、これらを使用してもよい。
【0037】
代わりに、供給源1を、温度15Kの液体二水素貯蔵(ボイルオフガス)の蒸発器ガス出口に接続して、供給源から送られるべき低温二水素をリザーバに供給することができる。
【0038】
本発明に係るシステムは、例えば、移送先2でのガス出力が毎時1kg~5kgの小規模設備に特に有利である。
【0039】
圧力/温度に関して、他の用途も可能である。
-液体二水素貯蔵(ボイルオフガス)の蒸発ガス出口に接続する供給源。
-供給源1における圧力P:0.5バール~2バール、
-移送先2における圧力Ptarget:5バール~50バール、
-冷却温度T:15K~300K、
-加熱温度T:300K~400K。
-工業プラントで共同生成された強力な二水素の出力に接続された供給源。
-供給源1における圧力P:0.5バール~3バール、
-移送先2における圧力Ptarget:20バール~500バール、
-冷却温度T:253K~353K、
-加熱温度T:353K~1000K。
-低温電解槽に接続された供給源。
-供給源1における圧力P:1バール~50バール、
-移送先2における圧力Ptarget:2バール~200バール、
-冷却温度T:253K~293K、
-加熱温度T:333K~393K。
-高温電解槽に接続された供給源。
-供給源1における圧力P:1バール~30バール、
-移送先2における圧力Ptarget:2バール~200バール、
-冷却温度T:253K~293K、
-加熱温度T:333K~1073K。
-例えば、金属水素化物を含む熱化学式コンプレッサに接続された供給源。
-供給源1における圧力P:200バール~500バール、
-移送先2における圧力Ptarget:400バール~1000バール、
-冷却温度T:253K~293K、
-加熱温度T:353K~423K。
-ガスボンベ出口に接続された供給源。
-供給源1における圧力P:50バール~500バール、
-移送先2における圧力Ptarget:100バール~1000バール、
-冷却温度T:253K~293K、
-加熱温度T:353K~500K。
-バイオマス二水素製造ユニットに接続された供給源。
-供給源1における圧力P:1バール~5バール、
-移送先2における圧力Ptarget:2バール~50バール、
-冷却温度T:253K~293K、
-加熱温度T:353K~1073K。
【0040】
図2は、一実施形態の一例を示しており、この実施形態において、本発明に係るシステムは、2つのリザーバ3a、リザーバ3bのグループを含む。リザーバ3a、リザーバ3bの容積は等しい。図2において、矢印はガス流を示している。ガス移送が完了した後、各リザーバの状態が記録される。
【0041】
このサイクルは以下の4段階を踏まえる。
-ステップA:
-リザーバ3aに格納されたガスを温度Tまで加熱し、このガスの一部を移送先2まで移送する。このステップの終了時、リザーバ3aは圧力P=Ptarget、並びに温度Tのnモルのガスを格納する。
-リザーバ3b内のガスを低温Tまで冷却し、ガスを供給源1からリザーバ3bに移送する。このステップの終了時、リザーバ3bは圧力P及び温度Tのnモルのガスを格納する。
-ステップB:
-双方向移送手段7をリザーバ3aとリザーバ3bとの間で開放し、リザーバ3aからリザーバ3bにガスを移送する。このステップの終了時、リザーバ3aは圧力P及び温度Tのn-1モルのガスを格納し、リザーバ3bは圧力P及び温度Tのnモルのガスを格納する。
【0042】
ステップC及びステップDは、リザーバ3aとリザーバ3bとを入れ替えただけで、ステップA及びステップBと同一である。ステップDの終了時、このサイクルをステップAで再開できる。
【0043】
図3及び図4は、一実施形態の一例を示しており、この実施形態において、本発明に係るシステムは、4つのリザーバ3a~リザーバ3d、並びにリザーバ3e~リザーバ3hの2つのグループを含む。リザーバ3a~リザーバ3dの容積は等しい。リザーバ3e~リザーバ3hの容積は等しい。図3及び図4において、矢印はガス流を示している。ガス移送が完了した後、各リザーバの状態が記録される。
【0044】
このサイクルは、A~Hの8つのステップから構成されている。リザーバ3aが従うサイクルについて、説明する。
-ステップA:リザーバ3aに格納されるガスを低温Tまで冷却し、ガスを供給源1からリザーバ3aに移送する。このステップの終了時、リザーバ3aは圧力P及び温度Tのnモルのガスを格納する。
-ステップB:双方向移送手段7をリザーバ3aとリザーバ3bとの間で開放し、ガスをリザーバ3bからリザーバ3aに移送させる。このステップの終了時、リザーバ3aは圧力P及び温度Tのnモルのガスを格納する。
-ステップC:双方向移送手段7をリザーバ3aとリザーバ3dとの間で開放し、ガスをリザーバ3dからリザーバ3aに移送させる。このステップの終了時、リザーバ3aは圧力P及び温度Tのnモルのガスを格納する。
-ステップD:双方向移送手段7をリザーバ3aとリザーバ3cとの間で開放し、ガスをリザーバ3cからリザーバ3aに移送させる。このステップの終了時、リザーバ3aは圧力P及び温度Tのnモルのガスを格納する。
-ステップE:リザーバ3aに格納されたガスを温度Tまで加熱し、このガスの一部を移送先2まで移送する。このステップの終了時、リザーバ3aは圧力P=Ptarget、並びに温度Tのnモルのガスを格納する。
-ステップF:双方向移送手段7をリザーバ3aとリザーバ3bとの間で開放し、ガスをリザーバ3aからリザーバ3bに移送させる。このステップの終了時、リザーバ3aは圧力P及び温度Tのnモルのガスを格納する。
-ステップG:双方向移送手段7をリザーバ3aとリザーバ3dとの間で開放し、ガスをリザーバ3aからリザーバ3dに移送させる。このステップの終了時、リザーバ3aは圧力P及び温度Tのnモルのガスを格納する。
-ステップH:双方向移送手段7をリザーバ3aとリザーバ3cとの間で開放し、ガスをリザーバ3aからリザーバ3cに移送させる。このステップの終了時、リザーバ3aは圧力P及び温度Tのn-1モルのガスを格納する。ステップHの終了時、このサイクルをステップAで再開できる。
【0045】
当然のことながら、リザーバ3a~リザーバ3hはすべて上記サイクルに従い、各移送段階で関連するリザーバ3とやり取りする。
-リザーバ3bは、ステップCで上記サイクルを開始する、
-リザーバ3cは、ステップGで上記サイクルを開始する、
-リザーバ3dは、ステップEで上記サイクルを開始する、
-リザーバ3eは、ステップBで上記サイクルを開始する、
-リザーバ3fは、ステップDで上記サイクルを開始する、
-リザーバ3gは、ステップHで上記サイクルを開始する、
-リザーバ3hは、ステップFで上記サイクルを開始する、
【0046】
システム内に2つのグループが存在するということは、サイクルの各段階の間、リザーバ3が供給源1からガスを受容し、リザーバ3が移送先2にガスを送ることを意味する。例えば、ステップAで、リザーバ3の第1グループのリザーバ3dがガスを移送先2に送ったら、ステップBで、リザーバ3の第2グループのリザーバ3h、ステップCで、リザーバ3の第1グループのリザーバ3c、といった具合である。一方、ステップAで、リザーバ3の第1グループのリザーバ3aがガスを供給源1に送ったら、ステップBで、リザーバ3の第2グループのリザーバ3e、ステップCで、リザーバ3の第1グループのリザーバ3b、といった具合である。
【0047】
この例について検討すると、2段階の移送期間にわたって加熱段階及び冷却段階を実行することにより、8個ではなく、10個のリザーバ3が提供されることになる。そして、10個のリザーバが単一グループを形成し、各リザーバ3は、双方向移送手段によって、10個のうち3個の他のリザーバ3と連結することができる。当然のことであるが、各リザーバ3は、移送手段によって、供給源及び移送先に連結されていなければならない。
【0048】
上記の説明が特定実施形態に基づいているが、本発明の範囲を決して限定するものではなく、とりわけ、技術的均等物の置換、若しくは、上記で開発された特徴の全部又は一部の異なる組み合わせによって、変更を加えてもよい。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】