(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-14
(54)【発明の名称】in vivo半減期が延長された核酸分子コンジュゲート
(51)【国際特許分類】
C12N 15/115 20100101AFI20240307BHJP
C12N 15/11 20060101ALI20240307BHJP
C12N 15/113 20100101ALI20240307BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240307BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240307BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20240307BHJP
A61P 19/10 20060101ALI20240307BHJP
A61P 19/08 20060101ALI20240307BHJP
A61P 19/00 20060101ALI20240307BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240307BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240307BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240307BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240307BHJP
A61K 31/711 20060101ALI20240307BHJP
A61K 31/7105 20060101ALI20240307BHJP
A61K 31/713 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
C12N15/115 Z ZNA
C12N15/11 Z
C12N15/113 Z
A61K48/00
A61P43/00 105
A61K47/54
A61P19/10
A61P19/08
A61P19/00
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P35/00
A61P15/00
A61P43/00 111
A61K31/711
A61K31/7105
A61K31/713
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558533
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 CN2022082996
(87)【国際公開番号】W WO2022199685
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202110319264.3
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520303058
【氏名又は名称】アプタキュア セラピューティクス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】APTACURE THERAPEUTICS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジー
(72)【発明者】
【氏名】ヘー, イーシン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076CC09
4C076CC29
4C076DD41
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4C084AA13
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4C084ZA811
4C084ZA812
4C084ZA961
4C084ZA962
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4C084ZA972
4C084ZB151
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4C084ZB211
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4C084ZC411
4C084ZC412
4C086AA01
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4C086MA04
4C086NA13
4C086ZA81
4C086ZA96
4C086ZA97
4C086ZB15
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、生物医学の分野に関する。特に、本発明は、in vivo半減期が延長された核酸分子コンジュゲートであって、核酸分子が脂肪酸及びクマリン誘導体にコンジュゲートされている、核酸分子コンジュゲートに関する。より詳細には、核酸分子は、アプタマー、特に、スクレロスチンに対するアプタマーである。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
in vivo半減期が延長された核酸分子コンジュゲートであって、前記核酸分子が脂肪酸及び/又はクマリン誘導体にコンジュゲートされている、核酸分子コンジュゲート。
【請求項2】
前記脂肪酸が、ドデカン二酸、パルミチン酸(PA)、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ステアリン酸(SA)、オクタデカン二酸、ラウリン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)及びアラキドン酸(ARA)から選択され、好ましくは、前記脂肪酸がドデカン二酸である、請求項1に記載の核酸分子コンジュゲート。
【請求項3】
前記クマリン誘導体が、4-ヒドロキシクマリン、3-アセチル-6-カルボキシクマリン、ワルファリン、(2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)酢酸、[(8-アセチル-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)オキシ]酢酸、クマリン-3-カルボン酸、N-(4-メチル-7-クマリン)オキサルアミド、7-(カルボキシメチル)-4-メチルクマリン、7-メトキシクマリン-3-カルボン酸及び6-メトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-カルボン酸から選択され、好ましくは、前記クマリン誘導体が4-ヒドロキシクマリンである、請求項1又は2に記載の核酸分子コンジュゲート。
【請求項4】
前記脂肪酸、例えばドデカン二酸が、前記核酸分子の5’末端にコンジュゲートされているか、又は前記クマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、前記核酸分子の5’末端にコンジュゲートされているか、又は前記脂肪酸、例えばドデカン二酸、及び前記クマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、前記核酸分子の5’末端にコンジュゲートされている、請求項1~3のいずれか一項に記載の核酸分子コンジュゲート。
【請求項5】
前記脂肪酸、例えばドデカン二酸が、リンカーを通じて前記核酸分子にコンジュゲートされているか、又は前記クマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、リンカーを介して前記核酸分子にコンジュゲートされているか、又は前記脂肪酸、例えばドデカン二酸、及び前記クマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、リンカーを通じて前記核酸分子にコンジュゲートされている、請求項1~4のいずれか一項に記載の核酸分子コンジュゲート。
【請求項6】
前記核酸分子が、DNA分子、RNA分子又はDNA/RNAハイブリッド分子である、請求項1~5のいずれか一項に記載の核酸分子コンジュゲート。
【請求項7】
前記核酸分子が二本鎖であるか、又は前記核酸分子が一本鎖であるか、又は前記核酸分子が一本鎖部分及び二本鎖部分を含有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の核酸分子コンジュゲート。
【請求項8】
前記核酸分子が、約1~約250bp/nt、約1~約200bp/nt、約1~約150bp/nt、約1~約100bp/nt、約1~約50bp/nt、約1~約30bp/nt、約1~約20bp/nt、約1~約15bp/nt、約1~約10bp/ntの長さである、請求項1~7のいずれか一項に記載の核酸分子コンジュゲート。
【請求項9】
前記核酸分子が、アプタマー、siRNA、アンチセンスRNA又はshRNAであり、好ましくは、前記核酸分子がアプタマーである、請求項1~8のいずれか一項に記載の核酸分子コンジュゲート。
【請求項10】
前記核酸分子が、前記核酸分子にヌクレアーゼ耐性の増強を付与する1つ又は複数の修飾を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の核酸分子コンジュゲート。
【請求項11】
前記修飾が3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾を含む、請求項10に記載の核酸分子コンジュゲート。
【請求項12】
前記修飾が、1つ又は複数の天然に存在するヌクレオチドを、2’-フルオロ、2’-メトキシエチル、2’-メトキシ又は2’-アリルオキシ修飾ヌクレオチドからなる群から選択される修飾ヌクレオチド、好ましくは2’-メトキシ修飾ヌクレオチドを用いて置換することを含む、請求項10に記載の核酸分子コンジュゲート。
【請求項13】
前記修飾が、ヌクレオチド間ホスホロチオエート結合修飾などのヌクレオチド間修飾を含む、請求項10に記載の核酸分子コンジュゲート。
【請求項14】
前記アプタマーが、2’-メトキシ(2’-OMe)修飾及び/又は3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾を含む、請求項10に記載の核酸分子コンジュゲート。
【請求項15】
前記核酸分子コンジュゲートのin vivo半減期が、前記コンジュゲートされた脂肪酸及び/又はクマリン誘導体を含まない対応する核酸分子と比較して、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、又はそれより長い、請求項1~14のいずれか一項に記載の核酸分子コンジュゲート。
【請求項16】
スクレロスチンに対するアプタマーコンジュゲートであって、脂肪酸及び/又はクマリン誘導体にコンジュゲートされたスクレロスチンに対するアプタマーを含み、
前記アプタマーが、
i)配列番号1~17のいずれか1つに少なくとも約90%同一性、少なくとも約91%同一性、約92%同一性、少なくとも約93%同一性、少なくとも約94%同一性、若しくは少なくとも約95%同一性を有するヌクレオチド配列、又は
ii)配列番号1~17のいずれか1つの中の少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個若しくはこれを超える連続ヌクレオチド
を含み、
前記アプタマーが、スクレロスチンに特異的に結合する、アプタマーコンジュゲート。
【請求項17】
前記アプタマーが、配列番号1~17及び19~25のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、請求項16に記載のアプタマーコンジュゲート。
【請求項18】
前記アプタマーが、脂肪酸及びクマリン誘導体にコンジュゲートされている、請求項16又は17に記載のアプタマーコンジュゲート。
【請求項19】
前記脂肪酸が、ドデカン二酸、パルミチン酸(PA)、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ステアリン酸(SA)、オクタデカン二酸、ラウリン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)及びアラキドン酸(ARA)から選択され、好ましくは、前記脂肪酸がドデカン二酸である、請求項16~18のいずれか一項に記載のアプタマーコンジュゲート。
【請求項20】
前記クマリン誘導体が、4-ヒドロキシクマリン、3-アセチル-6-カルボキシクマリン、ワルファリン、(2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)酢酸、[(8-アセチル-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)オキシ]酢酸、クマリン-3-カルボン酸、N-(4-メチル-7-クマリン)オキサルアミド、7-(カルボキシメチル)-4-メチルクマリン、7-メトキシクマリン-3-カルボン酸及び6-メトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-カルボン酸から選択され、好ましくは、前記クマリン誘導体が4-ヒドロキシクマリンである、請求項16~19のいずれか一項に記載のアプタマーコンジュゲート。
【請求項21】
前記脂肪酸、例えばドデカン二酸が、前記アプタマーの5’末端にコンジュゲートされているか、又は前記クマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、前記アプタマーの5’末端にコンジュゲートされているか、又は前記脂肪酸、例えばドデカン二酸、及び前記クマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、前記アプタマーの5’末端にコンジュゲートされている、請求項16~20のいずれか一項に記載のアプタマーコンジュゲート。
【請求項22】
前記脂肪酸、例えばドデカン二酸が、リンカーを通じて前記アプタマーにコンジュゲートされているか、又は前記クマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、リンカーを介して前記アプタマーにコンジュゲートされているか、又は前記脂肪酸、例えばドデカン二酸、及び前記クマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、リンカーを通じて前記アプタマーにコンジュゲートされている、請求項16~21のいずれか一項に記載のアプタマーコンジュゲート。
【請求項23】
前記アプタマーが、100nM未満、好ましくは50nM未満、好ましくは40nM未満、好ましく30nM未満、好ましくは20nM未満、好ましくは10nM未満又はそれより低いスクレロスチンに対するK
dを有する、請求項16~22のいずれか一項に記載のアプタマーコンジュゲート。
【請求項24】
前記アプタマーが、スクレロスチンの生物学的活性を阻害することができる、請求項16~23のいずれか一項に記載のアプタマーコンジュゲート。
【請求項25】
前記アプタマーが、細胞ベースWntシグナル伝達アッセイにおいてスクレロスチンの拮抗作用を遮断できる、請求項16~24のいずれか一項に記載のアプタマーコンジュゲート。
【請求項26】
前記アプタマーが、100μg/ml未満、好ましくは50μg/ml未満、好ましくは40μg/ml未満、好ましくは30μg/ml未満、好ましくは20μg/ml未満、好ましくは10μg/ml未満又はそれより低いEC50値で、スクレロスチンの生物学的活性を阻害する、例えばWntシグナル伝達経路での前記スクレロスチンの拮抗作用を阻害する、請求項16~25のいずれか一項に記載のアプタマーコンジュゲート。
【請求項27】
前記アプタマーが、前記核酸分子にヌクレアーゼ耐性の増強を付与する1つ又は複数の修飾を含む、請求項16~26のいずれか一項に記載のアプタマーコンジュゲート。
【請求項28】
前記修飾が3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾を含む、請求項27に記載のアプタマーコンジュゲート。
【請求項29】
前記修飾が、1つ又は複数の天然に存在するヌクレオチドを、2’-フルオロ、2’-メトキシエチル、2’-メトキシ又は’-アリルオキシ修飾ヌクレオチドからなる群から選択される修飾ヌクレオチド、好ましくは2’-メトキシ修飾ヌクレオチドを用いて置換することを含む、請求項27に記載のアプタマーコンジュゲート。
【請求項30】
前記修飾が、ヌクレオチド間ホスホロチオエート結合修飾などのヌクレオチド間修飾を含む、請求項27に記載のアプタマーコンジュゲート。
【請求項31】
前記アプタマーが、2’-メトキシ(2’-OMe)修飾及び/又は3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾を含む、請求項27に記載のアプタマーコンジュゲート。
【請求項32】
スクレロスチン関連疾患を処置する方法であって、請求項16~31のいずれか一項に記載のスクレロスチンに対するアプタマーコンジュゲートの治療有効量を、それを必要とする対象に投与するステップを含み、例えば前記対象がヒトである、方法。
【請求項33】
前記スクレロスチン関連疾患が、骨粗鬆症、骨減少症、骨軟化症、骨形成不全症(OI)、虚血性骨壊死、関節リウマチ、骨折、変形性関節症及びミエローマ、低リン血症性くる病、並びにトリプルネガティブ乳がんから選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
請求項16~31のいずれか一項に記載の少なくとも1つのスクレロスチンに対するアプタマーコンジュゲート及び薬学的に許容できる担体又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項35】
スクレロスチン関連疾患を処置するための医薬の調製における、請求項34に記載のスクレロスチンに対するアプタマーコンジュゲート又は請求項16~31のいずれか一項に記載のアプタマーコンジュゲートの使用。
【請求項36】
前記スクレロスチン関連疾患が、骨粗鬆症、骨減少症、骨軟化症、骨形成不全症(OI)、虚血性骨壊死、関節リウマチ、骨折、変形性関節症及びミエローマ、低リン血症性くる病、並びにトリプルネガティブ乳がんから選択される、請求項35に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物医学の分野に関する。特に、本発明は、in vivo半減期が延長された核酸分子コンジュゲートであって、核酸分子が脂肪酸及びクマリン誘導体にコンジュゲートされている、核酸分子コンジュゲートに関する。より詳細には、核酸分子は、アプタマー、特に、スクレロスチンに対するアプタマーである。
【背景技術】
【0002】
アプタマーは、コンホメーション相補性を通じてそれらの標的に結合する短い1本鎖オリゴヌクレオチドである(Ellington及びSzostak 1990、Tuerk及びGold 1990)。アプタマーは、陽性及び陰性標的に対して選択されて適合され得る。治療用抗体と比較して、アプタマーは、同様の親和性及び特異性を有するが、いくつかの重要な有利点を有する。免疫原性について、アプタマーは、サイズが小さいことから免疫系によって外来性として認識されず、負の免疫応答を刺激しない(Keefe,Paiら、2010)。生産及び費用に関して、アプタマーは、種々の選択条件下でin vitroで同定され、化学的方法によって容易に合成でき、そのため生産はあまり費用がかからず、リスクがより低い(Banerjee 2010)。安定性に関して、アプタマーは温度耐性であるため、それらは不確定な保存期間を有し、冷却についていかなる特別な要件も有さずに輸送を許容でき、連続したコールドチェーンの必要性を除く(Jayasena 1999)。ペガプタニブ、加齢性黄斑変性症の処置のための血管内皮増殖因子(VEGF)に対するアプタマー、は臨床で良好に使用されている(Jellinek,Greenら、1994、Ruckman,Greenら、1998、Ng及びAdamis 2006、Que-Gewirth及びSullenger 2007)。
【0003】
しかし、未修飾アプタマーは、身体中に広く存在する酵素による分解の影響を受けやすい。より重要なことには、未修飾アプタマーの分子量は十分に大きくないので、未修飾アプタマーは、腎臓によって容易にろ過及び排泄される。これは、未修飾アプタマーの半減期を非常に短くし、臨床的に使用される場合に治療効果を制限する。臨床的に、核酸アプタマーは、多くの場合、大きな分子量(20kDa、40kDa)を有するPEGで共有結合で修飾されて、その全体的な分子量を糸球体ろ過分子量カットオフ(30~50kDa)よりも大きくさせて、身体中の分子の循環半減期を増加させる。しかし、PEG構成成分の大きな分子量は、活性成分におけるアプタマーの割合を非常に小さくする。同時に、溶解性及び溶液の流動性の問題により、PEGの存在は、最大投薬量を制限し、多くのアプタマー薬物の臨床適用を制限する。
【0004】
したがって、アプタマーそれ自身の酵素安定性を改善しながら、小分子での化学修飾によりアプタマーの循環半減期を延長することは、アプタマー薬物の開発における重要な研究の方向になっている。したがって、in vivo半減期が延長され、in vivo有効性が増強された修飾アプタマーについての当技術分野における必要性が残されている。
【0005】
骨粗鬆症は、骨量及び骨強度の低減を有する疾患であり骨折のリスクの増加をもたらす(Hamersma,Gardnerら、2003)。骨粗鬆症処置のための種々の薬物は、主に骨吸収抑制剤であり、さらなる骨量減少を予防するように骨吸収を阻害する(Russell,Wattsら、2008、Pennypacker,Duongら、2011)。副甲状腺ホルモン(PTH)ペプチドは、確定した骨粗鬆症を逆行させるように骨形成を刺激するための唯一の利用可能なタンパク質同化剤である(Compston 2007、Greenspan,Boneら、2007)。残念ながら、PTHを使用する長期間の処置は、骨肉腫のリスクをもたらす(Whitfield 2001、Orwoll,Scheeleら、2003)。したがって、いかなる有害作用も伴わずに骨形成を促進できる代替的タンパク質同化薬が非常に必要とされている。
【0006】
スクレロスチンは、確定した骨粗鬆症における治療薬を開発するための有望な標的である(Rey及びEllies 2010)。ヒトスクレロスチンに対するヒト化モノクローナル抗体は、臨床試験において良好なトレランスを有して骨形成を促進し、骨量を増加させることが報告されている。しかし、治療用抗体について、高い免疫原性(Padhi,Jangら、2011、Padhi,Allisonら、2014)、高価で生産のために労力を要すること(Baker 2015、Bradbury及びPluckthun 2015、Groff,Brownら、2015)、輸送及び保存のために連続したコールドチェーンを必要とする不安定さ(Jayasena 1999)を含むいくつかの主要な懸案事項がある。したがって、免疫原性を有さず、生産が容易で、低コスト及び高い安定性を有する代替的抗スクレロスチン剤は、骨タンパク質同化治療のために望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、以下の実施形態を少なくとも提供する。
実施形態1. in vivo半減期が延長された核酸分子コンジュゲートであって、核酸分子が脂肪酸及び/又はクマリン誘導体にコンジュゲートされている、核酸分子コンジュゲート。
【0008】
実施形態2. 脂肪酸が、ドデカン二酸、パルミチン酸(PA)、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ステアリン酸(SA)、オクタデカン二酸、ラウリン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)及びアラキドン酸(ARA)から選択され、好ましくは、脂肪酸がドデカン二酸である、実施形態1に記載の核酸分子コンジュゲート。
【0009】
実施形態3. クマリン誘導体が、4-ヒドロキシクマリン、3-アセチル-6-カルボキシクマリン、ワルファリン、(2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)酢酸、[(8-アセチル-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)オキシ]酢酸、クマリン-3-カルボン酸、N-(4-メチル-7-クマリン)オキサルアミド、7-(カルボキシメチル)-4-メチルクマリン、7-メトキシクマリン-3-カルボン酸及び6-メトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-カルボン酸から選択され、好ましくは、クマリン誘導体が4-ヒドロキシクマリンである、実施形態1又は2に記載の核酸分子コンジュゲート。
【0010】
実施形態4. 脂肪酸、例えばドデカン二酸が、核酸分子の5’末端にコンジュゲートされているか、又はクマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、核酸分子の5’末端にコンジュゲートされているか、又は脂肪酸、例えばドデカン二酸、及びクマリン誘導体、例えば、4-ヒドロキシクマリンが、核酸分子の5’末端にコンジュゲートされている、実施形態1~3のいずれか1つに記載の核酸分子コンジュゲート。
【0011】
実施形態5. 脂肪酸、例えばドデカン二酸が、リンカーを通じて核酸分子にコンジュゲートされているか、又はクマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、リンカーを介して核酸分子にコンジュゲートされているか、又は脂肪酸、例えばドデカン二酸、及びクマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、リンカーを通じて核酸分子にコンジュゲートされている、実施形態1~4のいずれか1つに記載の核酸分子コンジュゲート。
【0012】
実施形態6. 核酸分子が、DNA分子、RNA分子又はDNA/RNAハイブリッド分子である、実施形態1~5のいずれか1つに記載の核酸分子コンジュゲート。
【0013】
実施形態7. 核酸分子が二本鎖であるか、又は核酸分子が一本鎖であるか、又は核酸分子が一本鎖部分及び二本鎖部分を含有する、実施形態1~6のいずれか1つに記載の核酸分子コンジュゲート。
【0014】
実施形態8. 核酸分子が、約1~約250bp/nt、約1~約200bp/nt、約1~約150bp/nt、約1~約100bp/nt、約1~約50bp/nt、約1~約30bp/nt、約1~約20bp/nt、約1~約15bp/nt、約1~約10bp/ntの長さである、実施形態1~7のいずれか1つに記載の核酸分子コンジュゲート。
【0015】
実施形態9. 核酸分子が、アプタマー、siRNA、アンチセンスRNA又はshRNAであり、好ましくは、核酸分子がアプタマーである、実施形態1~8のいずれか1つに記載の核酸分子コンジュゲート。
【0016】
実施形態10. 核酸分子が、核酸分子にヌクレアーゼ耐性の増強を付与する1つ又は複数の修飾を含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載の核酸分子コンジュゲート。
【0017】
実施形態11. 修飾が3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾を含む、実施形態10に記載の核酸分子コンジュゲート。
【0018】
実施形態12. 修飾が、1つ又は複数の天然に存在するヌクレオチドを、2’-フルオロ、2’-メトキシエチル、2’-メトキシ又は2’-アリルオキシ修飾ヌクレオチドからなる群から選択される修飾ヌクレオチド、好ましくは2’-メトキシ修飾ヌクレオチドを用いて置換することを含む、実施形態10に記載の核酸分子コンジュゲート。
【0019】
実施形態13. 修飾が、ヌクレオチド間ホスホロチオエート結合修飾などのヌクレオチド間修飾を含む、実施形態10に記載の核酸分子コンジュゲート。
【0020】
実施形態14. アプタマーが、2’-メトキシ(2’-OMe)修飾及び/又は3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾を含む、実施形態10に記載の核酸分子コンジュゲート。
【0021】
実施形態15. 核酸分子コンジュゲートのin vivo半減期が、コンジュゲートされた脂肪酸及び/又はクマリン誘導体を含まない対応する核酸分子と比較して、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、又はそれより長い、実施形態1~14のいずれか1つに記載の核酸分子コンジュゲート。
【0022】
実施形態16. スクレロスチンに対するアプタマーコンジュゲートであって、脂肪酸及び/又はクマリン誘導体にコンジュゲートされたスクレロスチンに対するアプタマーを含み、
アプタマーが、
i)配列番号1~17のいずれか1つに少なくとも約90%同一性、少なくとも約91%同一性、少なくとも約90%同一性、約92%同一性、少なくとも約93%同一性、少なくとも約94%同一性、若しくは少なくとも約95%同一性を有するヌクレオチド配列、又は
ii)配列番号1~17のいずれか1つの中の少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個若しくはこれを超える連続ヌクレオチド
を含み、
アプタマーが、スクレロスチンに特異的に結合する、
アプタマーコンジュゲート。
【0023】
実施形態17. アプタマーが、配列番号1~17及び19~25のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、実施形態16に記載のアプタマーコンジュゲート。
【0024】
実施形態18. アプタマーが、脂肪酸及びクマリン誘導体にコンジュゲートされている、実施形態16又は17に記載のアプタマーコンジュゲート。
【0025】
実施形態19. 脂肪酸が、ドデカン二酸、パルミチン酸(PA)、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ステアリン酸(SA)、オクタデカン二酸、ラウリン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)及びアラキドン酸(ARA)から選択され、好ましくは、脂肪酸がドデカン二酸である、実施形態16~18のいずれか1つに記載のアプタマーコンジュゲート。
【0026】
実施形態20. クマリン誘導体が、4-ヒドロキシクマリン、3-アセチル-6-カルボキシクマリン、ワルファリン、(2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)酢酸、[(8-アセチル-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)オキシ]酢酸、クマリン-3-カルボン酸、N-(4-メチル-7-クマリン)オキサルアミド、7-(カルボキシメチル)-4-メチルクマリン、7-メトキシクマリン-3-カルボン酸及び6-メトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-カルボン酸から選択され、好ましくは、クマリン誘導体が4-ヒドロキシクマリンである、実施形態16~19のいずれか1つに記載のアプタマーコンジュゲート。
【0027】
実施形態21. 脂肪酸、例えばドデカン二酸が、アプタマーの5’末端にコンジュゲートされているか、又はクマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、アプタマーの5’末端にコンジュゲートされているか、又は脂肪酸、例えばドデカン二酸、及びクマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、アプタマーの5’末端にコンジュゲートされている、実施形態16~20のいずれか1つに記載のアプタマーコンジュゲート。
【0028】
実施形態22. 脂肪酸、例えばドデカン二酸が、リンカーを通じてアプタマーにコンジュゲートされているか、又はクマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、リンカーを介してアプタマーにコンジュゲートされているか、又は脂肪酸例えば、ドデカン二酸、及びクマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、リンカーを通じてアプタマーにコンジュゲートされている、実施形態16~21のいずれか1つに記載のアプタマーコンジュゲート。
【0029】
実施形態23. アプタマーが、100nM未満、好ましくは50nM未満、好ましくは40nM未満、好ましく30nM未満、好ましくは20nM未満、好ましくは10nM未満又はそれより低いスクレロスチンに対するKdを有する、実施形態16~22のいずれか1つに記載のアプタマーコンジュゲート。
【0030】
実施形態24. アプタマーが、スクレロスチンの生物学的活性を阻害することができる、実施形態16~23のいずれか1つに記載のアプタマーコンジュゲート。
【0031】
実施形態25. アプタマーが、細胞ベースWntシグナル伝達アッセイにおいてスクレロスチンの拮抗作用を遮断できる、実施形態16~24のいずれか1つに記載のアプタマーコンジュゲート。
【0032】
実施形態26. アプタマーが、100μg/ml未満、好ましくは50μg/ml未満、好ましくは40μg/ml未満、好ましくは30μg/ml未満、好ましくは20μg/ml未満、好ましくは10μg/ml未満又はそれより低いEC50値で、スクレロスチンの生物学的活性を阻害する、例えばWntシグナル伝達経路でのスクレロスチンの拮抗作用を阻害する、実施形態16~25のいずれか1つに記載のアプタマーコンジュゲート。
【0033】
実施形態27. アプタマーが、核酸分子にヌクレアーゼ耐性の増強を付与する1つ又は複数の修飾を含む、実施形態16~26のいずれか1つに記載のアプタマーコンジュゲート。
【0034】
実施形態28. 修飾が、3’逆位デオキシチミジン(inverted deoxythymidine)(3’idT)修飾を含む、実施形態27に記載のアプタマーコンジュゲート。
【0035】
実施形態29. 修飾が、1つ又は複数の天然に存在するヌクレオチドを、2’-フルオロ、2’-メトキシエチル、2’-メトキシ又は2’-アリルオキシ修飾ヌクレオチドからなる群から選択される修飾ヌクレオチド、好ましくは2’-メトキシ修飾ヌクレオチドを用いて置換することを含む、実施形態27に記載のアプタマーコンジュゲート。
【0036】
実施形態30. 修飾が、ヌクレオチド間ホスホロチオエート結合修飾などのヌクレオチド間修飾を含む、実施形態27に記載のアプタマーコンジュゲート。
【0037】
実施形態31. アプタマーが、2’-メトキシ(2’-OMe)修飾及び/又は3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾を含む、実施形態27に記載のアプタマーコンジュゲート。
【0038】
実施形態32. スクレロスチン関連疾患を処置する方法であって、実施形態16~31のいずれか1つに記載のスクレロスチンに対するアプタマーコンジュゲートの治療有効量を、それを必要とする対象に投与するステップを含み、例えば対象がヒトである、方法。
【0039】
実施形態33. スクレロスチン関連疾患が、骨粗鬆症、骨減少症、骨軟化症、骨形成不全症(OI)、虚血性骨壊死、関節リウマチ、骨折、変形性関節症及びミエローマ、低リン血症性くる病、並びにトリプルネガティブ乳がんから選択される、実施形態32に記載の方法。
【0040】
実施形態34. 実施形態16~31のいずれか1つに記載の少なくとも1つのスクレロスチンに対するアプタマーコンジュゲート及び薬学的に許容できる担体又は賦形剤を含む医薬組成物。
【0041】
実施形態35. スクレロスチン関連疾患を処置するための医薬の調製における、実施形態16~31のいずれか1つに記載のスクレロスチンに対するアプタマーコンジュゲート又は実施形態34に記載の医薬組成物の使用。
【0042】
実施形態36. スクレロスチン関連疾患が、骨粗鬆症、骨減少症、骨軟化症、骨形成不全症(OI)、虚血性骨壊死、関節リウマチ、骨折、変形性関節症及びミエローマ、低リン血症性くる病、並びにトリプルネガティブ乳がんから選択される、実施形態35に記載の使用。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】セレックス(SELEX)を通じたスクレロスチンに対する高親和性アプタマーの濃縮を示す図である。(A)濃縮ssDNA及び未選択ライブラリーのスクレロスチンへの結合親和性。(B)濃縮ssDNAライブラリー及び未選択ライブラリーの対照タンパク質への結合親和性。
【
図2】アプタマー候補の特異性特徴付けを示す図である。肝細胞及びPBMCへの結合と比較して、アプタマー候補は、ヒトスクレロスチンに対する高い選択性を示す。
【
図3】40ntランダム領域を有するssDNAライブラリーから同定されたアプタマー候補の組換えヒトスクレロスチンへの結合親和性を示す図である。アプタマー候補及び抗体のスクレロスチンに対する解離定数値(Kd)を非線形カーブフィッティング分析によって算出した。スクレロスチンへの各アプタマー候補についてのKd値は:それぞれaptscl 6について4.2nM、aptscl 9について3.4nM、aptscl 15について45.6nM、aptscl 46について43.1nM、aptscl 56について43.1nM及びaptscl 132について42.2nMであった。Kd値は、スクレロスチンへの抗スクレロスチン抗体について3.55nMであった。
【
図4-1】25ntランダム領域を有するssDNAライブラリーから同定されたアプタマー候補の組換えヒトスクレロスチンへの結合親和性を示す図である。各候補についての解離定数値(Kd)を、非線形カーブフィッティング分析によって算出した。各アプタマー候補及び抗体についてのKd値は:それぞれaptscl 32について0.18nM、aptscl 29について0.28nM、aptscl 22について0.76nM、aptscl 16について0.22、aptscl 3について0.04nM、aptscl 2について0.006nM及びaptscl 1について0.02nMであった。Kd値は、スクレロスチンへの抗スクレロスチン抗体について3.55nMであった。
【
図4-2】25ntランダム領域を有するssDNAライブラリーから同定されたアプタマー候補の組換えヒトスクレロスチンへの結合親和性を示す図である。各候補についての解離定数値(Kd)を、非線形カーブフィッティング分析によって算出した。各アプタマー候補及び抗体についてのKd値は:それぞれaptscl 32について0.18nM、aptscl 29について0.28nM、aptscl 22について0.76nM、aptscl 16について0.22、aptscl 3について0.04nM、aptscl 2について0.006nM及びaptscl 1について0.02nMであった。Kd値は、スクレロスチンへの抗スクレロスチン抗体について3.55nMであった。
【
図5】TOP-Wnt-誘導ルシフェラーゼレポーターアッセイを使用するアプタマー候補及び抗体の阻害強度評価を示す図である。(A)抗体と比較した、アプタマー候補を用いて処置したMC3T3-E1細胞におけるWntシグナル伝達のルシフェラーゼ活性。aptscl 56、aptscl 6、aptscl 3及び抗スクレロスチン抗体は、Wntシグナル伝達でのスクレロスチンの拮抗作用を効果的に阻害でき、Wnt-誘導ルシフェラーゼ活性を放出する。応答は、aptscl 56及び6の濃度がそれぞれ25及び47.4μg/mlに達した場合に安定であった。抗体を用いて処置した場合、応答は、本実験において濃度が20mg/mlに増加してもまだ安定でなかった。(B)aptscl 56の阻害強度分析。aptscl56についてのEC50は、19.7μg/mlであった。(C)aptscl 6の阻害強度分析。aptscl 6についてのEC50は、36.8μg/mlであった。(D)aptscl 3の阻害強度分析。aptscl 3についてのEC50は、18.2μg/mlであった。
【
図6-1】スクレロスチンへのaptscl 3切断の特徴付けを示す図である。(A)切断aptscl 3-1、-2、-3、-4及び-5は、スクレロスチンへの高い親和性を残していた一方で、aptscl 3-6は、スクレロスチンへの低い結合能力を示し、親和性分析にフィットできなかった。
【
図6-2】スクレロスチンへのaptscl 3切断の特徴付けを示す図である。(B)高結合親和性を残した切断aptscl 3-5は、細胞においてWntシグナル伝達経路でのスクレロスチンの拮抗作用への高い阻害強度を保持していた(EC50=28.4μg/ml)。
【
図7】未修飾aptscl 56と比較した修飾aptscl 56の血清安定性評価を示す図である。すべてのアプタマーは、10%及び100%マウス血清を用いて0~72時間処置された。ほとんどすべての未修飾aptscl56は、10%マウス血清でのインキュベーション48時間後に分解された。2’-OMe及び3’idT修飾aptscl 56は、10%マウス血清中で48時間存続できた。100%血清では、未修飾aptscl 56は、8時間後に急速且つ完全に分解された。72時間では、少量の修飾アプタマーが残ったままであった。
【
図8】未修飾aptscl 3-5と比較した修飾aptscl 3-5の血清安定性評価を示す図である。すべてのアプタマーは、10%及び100%マウス血清を用いて0~72時間処置された。Aptscl 3-5は、10%マウス血清での24時間インキュベーション後に分解された。2’-OMe及び3’idT修飾aptscl 3-5は、10%マウス血清中で48時間持続できた。100%血清中では、未修飾aptscl 3-5は、8時間後に急速且つ完全に分解された一方で、修飾aptscl 3-5は、72時間後に完全性を残すことができた。
【
図9】化学修飾aptscl 56及びaptscl 3-5の親和性及び阻害強度を示すグラフである。化学修飾を有して、aptscl56及びaptscl 3-5の両方はスクレロスチンへの高親和性及びin vitro阻害強度を残していた。
【
図10】ヒドロキシクマリン及びワルファリンの抗凝固効果及び血清アルブミン親和性の比較を示す図である。a.4-ヒドロキシクマリン及びワルファリンの構造。b.4-ヒドロキシクマリン及びワルファリンによるマウスの血液凝固時間の調査。c.4-ヒドロキシクマリン及びワルファリンの血清アルブミンへの親和性の調査。
【
図11】ドデカン二酸及びオクタデカン二酸の脂肪酸結合タンパク質及び血清アルブミンへの親和性の比較を示す図である。a.ドデカン二酸と脂肪酸結合タンパク質との間の親和性の調査。b.オクタデカン二酸と脂肪酸結合タンパク質との間の親和性の調査。c.ドデカン二酸と血清アルブミンとの間の親和性の調査。d.オクタデカン二酸と血清アルブミンとの間の親和性の調査。
【発明を実施するための形態】
【0044】
そうでないと示す又は定義しない限り、使用されるすべての用語は、当業者に明らかである当技術分野におけるそれらの通常の意味を有する。Sambrookら、“Molecular Cloning:A Laboratory Manual”;Lewin、“Genes IV”;及びRoittら、“Immunology”(第8編)などの標準的ハンドブック及び本明細書に引用される一般的背景技術が、例えば参照される。さらに、そうでないと示されない限り、詳細に具体的に記載されていないすべての方法、ステップ、技術及び操作は、実施されてもよく、それ自体が公知であり、当業者に明らかである様式で実施される。例えば、標準的ハンドブック、上に参照される一般的背景技術及びそれらに引用されるさらなる参考文献は、再度参照される。
【0045】
定義
本明細書において使用される場合、用語「ヌクレオチド」は、リボヌクレオチド若しくはデオキシリボヌクレオチド又はこれらの修飾形態及びこれらの類似物を指す。ヌクレオチドとして、プリン(例えば、アデニン、ヒポキサンチン、グアニン並びにこれらの誘導体及び類似物)並びにピリミジン(例えば、シトシン、ウラシル、チミン並びにこれらの誘導体及び類似物)を含む化学種が挙げられる。
【0046】
本明細書において使用される場合、「核酸」、「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」は、ヌクレオチドのポリマーを指して互換的に用いられ、DNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド並びにこれらの種類の核酸、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドの修飾を含み、任意の位置でのヌクレオチド単位への種々の実体又は成分の付着が含まれる。用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」及び「核酸」は、2本鎖又は1本鎖分子を含む。核酸、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドは、用語アプタマーよりも上位語であり、そのため用語、核酸、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドは、アプタマーを含むが、アプタマーに限定されない。
【0047】
本明細書において使用される場合「アプタマー」は、標的分子に望ましい作用を有する天然に存在しない核酸を指す。望ましい作用として、これだけに限らないが、標的の結合、標的を触媒的に変化させること、標的又は標的の機能活性を改変する又は変更する方法で標的と反応すること、標的に共有結合で結合すること、及び標的と別の分子との間の反応を促進することが挙げられる。一実施形態では、作用は、標的分子(スクレロスチンなど)に対する特異的結合親和性であり、かかる標的分子はWatson/Crick塩基対合又は三重らせん形成と無関係である機序を通じて核酸リガンドに結合するポリヌクレオチド以外の三次元化学構造であり、ここでアプタマーは、標的分子によって結合される公知の生理学的機能を有する核酸ではない。この文脈において、その標的(スクレロスチンなど)に対するアプタマーの「特異的結合親和性」は、アプタマーが、混合物又は試料中の他の、非標的構成成分に結合するよりも、全般にさらに高い親和性の程度を有してその標的に結合することを意味する。
【0048】
配列「同一性」は、当技術分野において認められている意味を有し、2つの核酸又はポリペプチド分子又は領域間の配列同一性の百分率は、公開されている技術を使用して算出され得る。配列同一性は、ポリヌクレオチド若しくはポリペプチドの全長に沿って又は分子の領域に沿って測定され得る(例えば:Computational Molecular Biology、Lesk、A.M.編、Oxford University Press、New York、1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects、Smith,D.W.編、Academic Press、New York、1993;Computer Analysis of Sequence Data、Part I、Griffin,A.M.及びGriffin,H.G.編、Humana Press、New Jersey、1994;Sequence Analysis in Molecular Biology、von Heinje、G.、Academic Press、1987;及びSequence Analysis Primer、Gribskov,M.及びDevereux,J.編、M Stockton Press、New York、1991を参照されたい)。2つのポリヌクレオチド又はポリペプチド間の同一性を測定するために多数の方法が存在するが、用語「同一性」は、当業者に周知である(Carrillo,H.& Lipman,D.、SIAM J Applied Math 48:1073(1988))。配列同一性パーセントを決定するために好適であるアルゴリズムの一例は、the basic local alignment search tool(本明細書以下「BLAST」)において使用されるアルゴリズムであり、例えばAltschulら、J.Mol.Biol.215:403~410、1990及びAltschulら、Nucleic Acids Res.、15:3389~3402、1997を参照されたい。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、the National Center for Biotechnology Information(本明細書以下「NCBI」)を通じて公的に入手可能である。NCBIから入手可能なソフトウェア、例えば、BLASTN(ヌクレオチド配列について)を使用して配列同一性を決定することにおいて使用されるデフォルトパラメーターは、McGinnisら、Nucleic Acids Res.、32:W20-W25、2004に記載されている。
【0049】
in vivo半減期が延長された核酸分子コンジュゲート
脂肪酸修飾(コンジュゲーション)は、薬物分子のin vivo半減期を延長する別の手段である。しかし、脂肪酸修飾は、一般に、タンパク質又はペプチドにのみ適用されており、核酸分子への脂肪酸修飾の適用の報告はない。さらに、脂肪酸は脂溶性であるが、核酸分子は水溶性であり、したがって、当業者は、核酸分子をコンジュゲートすることは困難であると予想される。対照的に、本発明者らは、驚くべきことに、核酸分子、例えばアプタマーのin vivo半減期が、核酸分子、例えばアプタマーを脂肪酸にコンジュゲートすることによって顕著に延長することができ、それによってその臨床利用可能性を改善することを見出した。
【0050】
さらに、本発明者らは、驚くべきことに、クマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンが、HSAへの高い親和性を有し、脂肪酸、例えばドデカン二酸とのそれらの組合せが、それらにコンジュゲートされた核酸分子のin vivo半減期を相乗的に延長することができることを見出した。
【0051】
したがって、一態様では、本発明は、in vivo半減期が延長された核酸分子コンジュゲートであって、核酸分子が脂肪酸及び/又はクマリン誘導体にコンジュゲートされている、核酸分子コンジュゲートを提供する。
【0052】
別の態様では、本発明は、核酸分子のin vivo半減期を延長する方法であって、前記核酸分子を脂肪酸及び/又はクマリン誘導体にコンジュゲートすることを含む、方法を提供する。
【0053】
一部の実施形態では、脂肪酸として、これだけに限らないが、パルミチン酸(PA)、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ステアリン酸(SA)、オクタデカン二酸、ラウリン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、アラキドン酸(ARA)などが挙げられる。一部の好ましい実施形態では、脂肪酸はパルミチン酸である。一部の他の好ましい実施形態では、脂肪酸はオクタデカン二酸である。一部のより好ましい実施形態では、脂肪酸はドデカン二酸である。
【0054】
一部の実施形態では、クマリン誘導体として、これだけに限らないが、4-ヒドロキシクマリン、3-アセチル-6-カルボキシクマリン、ワルファリン、(2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)酢酸、[(8-アセチル-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)オキシ]酢酸、クマリン-3-カルボン酸、N-(4-メチル-7-クマリン)オキサルアミド、7-(カルボキシメチル)-4-メチルクマリン、7-メトキシクマリン-3-カルボン酸、6-メトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-カルボン酸が挙げられる。一部の好ましい実施形態では、クマリン誘導体は4-ヒドロキシクマリンである。
【0055】
一部の実施形態では、脂肪酸、例えばドデカン二酸は、核酸分子の5’末端にコンジュゲートされている。一部の実施形態では、クマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンは、核酸分子の5’末端にコンジュゲートされている。一部の実施形態では、脂肪酸、例えばドデカン二酸、及びクマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンは、核酸分子の5’末端にコンジュゲートされている。
【0056】
一部の実施形態では、脂肪酸、例えばドデカン二酸は、リンカーを通じて核酸分子にコンジュゲートされている。一部の実施形態では、クマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンは、リンカーを介して核酸分子にコンジュゲートされている。一部の実施形態では、脂肪酸、例えばドデカン二酸、及びクマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンは、リンカーを通じて核酸分子にコンジュゲートされている。
【0057】
一部の実施形態では、核酸分子はDNA分子である。一部の実施形態では、核酸分子はRNA分子である。一部の実施形態では、核酸分子はDNA/RNAハイブリッド分子である。一部の実施形態では、核酸分子は二本鎖である。一部の実施形態では、核酸分子は一本鎖である。一部の実施形態では、核酸は一本鎖部分及び二本鎖部分を含有する。一部の実施形態では、核酸分子はオリゴヌクレオチドである。
【0058】
一部の実施形態では、核酸分子は、約1~約500bp/ntの長さである。一部の実施形態では、核酸分子は、約1~約250bp/nt、約1~約200bp/nt、約1~約150bp/nt、約1~約100bp/nt、約1~約50bp/nt、約1~約30bp/nt、約1~約20bp/nt、約1~約15bp/nt、約1~約10bp/ntの長さである。一部の実施形態では、核酸分子は、約500bp/nt、約250bp/nt、約200bp/nt、約150bp/nt、約100bp/nt、約90bp/nt、約80bp/nt、約70bp/nt、約60bp/nt、約50bp/nt、約40bp/nt、約30bp/nt、約20bp/nt、約10bp/ntの長さである。
【0059】
一部の実施形態では、核酸分子は、アプタマー、siRNA、アンチセンスRNA、shRNAなどであり得る。一部の好ましい実施形態では、核酸分子はアプタマーである。
【0060】
一部の実施形態では、本発明の核酸分子は、1つ又は複数の修飾も含み得る。例えば、修飾は、核酸分子にヌクレアーゼ耐性の増強を付与する修飾である。
【0061】
修飾として、例えば3’及び5’キャッピングなどの3’及び5’修飾が挙げられる。一部の実施形態では、核酸分子は、3’末端での逆位デオキシチミジン、すなわち3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾を用いてキャップされる。
【0062】
修飾は、1つ又は複数の天然に存在するヌクレオチドの修飾ヌクレオチドを用いた置換も含むことができる。例えば、修飾ヌクレオチドとして、これだけに限らないが、2’-フルオロ、2’-メトキシエチル、2’-メトキシ及び/又は2’アリルオキシ修飾ヌクレオチド(すなわち、リボースの2’位ヒドロキシ基がフッ素、メトキシエチル、メトキシ又はアリルオキシなどによって置換されている)が挙げられる。修飾ヌクレオチドは、C5修飾ピリミジンも含み得る。用語「C5修飾ピリミジン」は、C5位に修飾を有するピリミジンを指す。C5修飾ピリミジンは、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を増強でき、当技術分野において公知である。例えば、PCT出願WO 2011/130195及びその中に引用されている参考文献を参照できる。一部の好ましい実施形態では、修飾は、2’-メトキシ(2’-OMe)修飾である。一部の実施形態では、2’-メトキシ(2’-OMe)修飾などの修飾は、核酸分子の5’及び/又は3’末端で1つ又は複数のヌクレオチド、例えば4ヌクレオチドに行われる。
【0063】
修飾は、非荷電結合(uncharged bond)(メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミン(phosphoamine)エステル、カルバメートなど)を有するヌクレオチド間修飾、及び荷電結合(charged bond)(ホスホロチオエート、ジチオリン酸など)を有するヌクレオチド間修飾、挿入剤(アクリジン、ソラレンなど)を有するヌクレオチド間修飾、キレート剤(金属、放射性金属、ホウ素、酸化性金属など)を含有するヌクレオチド間修飾、アルキル化剤を含有するヌクレオチド間修飾、及び修飾結合(例えば、アルファアノマー核酸など)を含有するヌクレオチド間修飾、などのヌクレオチド間修飾も含む。
【0064】
一部の実施形態では、核酸分子は、上に記載される修飾の組合せを含んでもよい。例えば、アプタマーは、2’-メトキシ(2’-OMe)修飾及び/又は3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾を含んでもよい。
【0065】
一部の実施形態では、本発明の核酸分子コンジュゲートのin vivo半減期は、コンジュゲートされた脂肪酸及び/又はクマリン誘導体を含まない対応する核酸分子と比較して、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、又はそれより長い。
【0066】
in vivo半減期が延長されたアプタマーコンジュゲート
タンパク質-セレックス技術に基づいて、本発明者らは、陽性スクリーニングのための標的タンパク質としてスクレロスチン、及び陰性スクリーニングのために無関係のタンパク質を使用し、高親和性を有してスクレロスチンに特異的に結合するアプタマーを最終的に選択した。本明細書に記載のスクレロスチンは、好ましくはヒトスクレロスチン、例えばそのアミノ酸配列が配列番号18に示されるスクレロスチンである。
【0067】
例示的ヒトスクレロスチンアミノ酸配列:
QGWQAFKNDATEIIPELGEYPEPPPELENNKTMNRAENGGRPPHHPFETKDVSEYSCRELHFTRYVTDGPCRSAKPVTELVCSGQCGPARLLPNAIGRGKWWRPSGPDFRCIPDRYRAQRVQLLCPGGEAPRARKVRLVASCKCKRLTRFHNQSELKDFGTEAARPQKGRKPRPRARSAKANQAELENAY(配列番号18)。
【0068】
一態様では、本発明は、スクレロスチンに対するアプタマーコンジュゲートであって、脂肪酸及び/又はクマリン誘導体にコンジュゲートされたスクレロスチンに対するアプタマーを含み、
アプタマーが、配列番号1~17のいずれか1つに少なくとも約90%同一性、少なくとも約91%同一性、少なくとも約90%同一性、約92%同一性、少なくとも約93%同一性、少なくとも約94%同一性、少なくとも約95%同一性、少なくとも約96%同一性、少なくとも約97%同一性、少なくとも約98%同一性若しくは少なくとも約99%同一性を有するヌクレオチド配列を含むか、又はアプタマーが、配列番号1~17のいずれか1つの中の少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個若しくはこれを超える連続ヌクレオチドを含む、
スクレロスチンに対するアプタマーコンジュゲートを提供する。一部の実施形態では、アプタマーは、スクレロスチンに特異的に結合する、アプタマーを提供する。一部の好ましい実施形態では、アプタマーは、配列番号1~17及び19~25のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、より好ましくはアプタマーは、配列番号1、3、10、19~23又は25のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む。
【0069】
一態様では、本発明は、Dickkopf-1(DKK1)に対するアプタマーコンジュゲートであって、脂肪酸及び/又はクマリン誘導体にコンジュゲートされたDKK1に対するアプタマーを含み、
アプタマーが、配列番号26のいずれか1つに少なくとも約90%同一性、少なくとも約91%同一性、少なくとも約90%同一性、約92%同一性、少なくとも約93%同一性、少なくとも約94%同一性、少なくとも約95%同一性、少なくとも約96%同一性、少なくとも約97%同一性、少なくとも約98%同一性若しくは少なくとも約99%同一性を有するヌクレオチド配列を含むか、又はアプタマーが、配列番号26のいずれか1つの中の少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個若しくはこれを超える連続ヌクレオチドを含む、
DKK1に対するアプタマーコンジュゲートを提供する。一部の実施形態では、アプタマーは、DKK1に特異的に結合する。一部の好ましい実施形態では、アプタマーは、配列番号26のヌクレオチド配列を含む。
【0070】
一部の実施形態では、脂肪酸として、これだけに限らないが、パルミチン酸(PA)、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ステアリン酸(SA)、オクタデカン二酸、ラウリン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、アラキドン酸(ARA)などが挙げられる。一部の好ましい実施形態では、脂肪酸はパルミチン酸である。一部の他の好ましい実施形態では、脂肪酸はオクタデカン二酸である。一部のより好ましい実施形態では、脂肪酸はドデカン二酸である。
【0071】
一部の実施形態では、クマリン誘導体として、これだけに限らないが、4-ヒドロキシクマリン、3-アセチル-6-カルボキシクマリン、ワルファリン、(2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)酢酸、[(8-アセチル-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)オキシ]酢酸、クマリン-3-カルボン酸、N-(4-メチル-7-クマリン)オキサルアミド、7-(カルボキシメチル)-4-メチルクマリン、7-メトキシクマリン-3-カルボン酸、6-メトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-カルボン酸が挙げられる。一部の好ましい実施形態では、クマリン誘導体は4-ヒドロキシクマリンである。
【0072】
一部の実施形態では、脂肪酸、例えばドデカン二酸は、アプタマーの5’末端にコンジュゲートされている。一部の実施形態では、クマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンは、アプタマーの5’末端にコンジュゲートされている。一部の実施形態では、脂肪酸、例えばドデカン二酸、及びクマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンは、アプタマーの5’末端にコンジュゲートされている。
【0073】
一部の実施形態では、脂肪酸、例えばドデカン二酸は、リンカーを通じてアプタマーにコンジュゲートされている。一部の実施形態では、クマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンは、リンカーを介してアプタマーにコンジュゲートされている。一部の実施形態では、脂肪酸、例えばドデカン二酸、及びクマリン誘導体、例えば4-ヒドロキシクマリンは、リンカーを通じてアプタマーにコンジュゲートされている。
【0074】
一部の実施形態では、本発明のスクレロスチンに対するアプタマー又はアプタマーコンジュゲートは、100nM未満、好ましくは50nM未満、好ましくは40nM未満、好ましくは30nM未満、好ましくは20nM未満、好ましくは10nM未満又はそれより低いスクレロスチンに対するKd(解離定数)を有する。Kdは、例えば酵素結合オリゴヌクレオチドアッセイ(ELONA)によって測定される。
【0075】
一部の実施形態では、本発明のスクレロスチンに対するアプタマー又はアプタマーコンジュゲートは、スクレロスチンの生物学的活性を阻害する。「阻害」は、スクレロスチンの生物学的活性が、アプタマーの非存在と比較して、アプタマー又はアプタマーコンジュゲートの存在下で低減される、例えば、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、さらに少なくとも約90%まで低減されることを意味する。
【0076】
本明細書において使用される場合、用語「生物学的活性」は、生理的又は病態生理学的プロセスに影響を与える場合がある1つ又は複数の細胞内又は細胞外プロセスへの影響を指す。スクレロスチンの生物学的活性として、これだけに限らないが、Wntシグナル伝達経路と拮抗することが挙げられる。
【0077】
一部の実施形態では、本発明のスクレロスチンに対するアプタマー又はアプタマーコンジュゲートは、Wntシグナル伝達経路でのスクレロスチンの拮抗作用を阻害できる。例えば、本発明のスクレロスチンに対するアプタマー又はアプタマーコンジュゲートは、細胞ベースWntシグナル伝達経路においてスクレロスチンの拮抗作用を遮断できる。
【0078】
一部の実施形態では、本発明のスクレロスチンに対するアプタマー又はアプタマーコンジュゲートは、Wntシグナル伝達経路でのスクレロスチンの拮抗作用を阻害するなどの、スクレロスチンの生物学的活性を100μg/ml未満、好ましくは50μg/ml未満、好ましくは40μg/ml未満、好ましくは30μg/ml未満、好ましくは20μg/ml未満、好ましくは10μg/ml未満又はそれより低いEC50値を有して阻害する。一部の実施形態では、EC50値は、骨芽細胞においてTOP-Wnt-誘導ルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイによってin vitroで決定される。
【0079】
一部の実施形態では、本発明のアプタマーは、1つ又は複数の修飾も含み得る。例えば、修飾は、アプタマーにヌクレアーゼ耐性の増強を付与する、及び/又はアプタマーのin vivo半減期を増強する修飾である。
【0080】
修飾として、例えば3’及び5’キャッピングなどの3’及び5’修飾が挙げられる。一部の実施形態では、アプタマーは、3’末端での逆位デオキシチミジン、すなわち3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾を用いてキャップされる。
【0081】
修飾は、1つ又は複数の天然に存在するヌクレオチドの修飾ヌクレオチドを用いた置換も含むことができる。例えば、修飾ヌクレオチドとして、これだけに限らないが、2’-フルオロ、2’-メトキシエチル、2’-メトキシ及び/又は2’アリルオキシ修飾ヌクレオチド(すなわち、リボースの2’位ヒドロキシ基がフッ素、メトキシエチル、メトキシ又はアリルオキシなどによって置換されている)が挙げられる。修飾ヌクレオチドは、C5修飾ピリミジンを含み得る。用語「C5修飾ピリミジン」は、C5位に修飾を有するピリミジンを指す。C5修飾ピリミジンは、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を増強でき、当技術分野において公知である。例えば、PCT出願WO 2011/130195及びその中に引用されている参考文献を参照できる。一部の好ましい実施形態では、修飾は、2’-メトキシ(2’-OMe)修飾である。一部の実施形態では、2’-メトキシ(2’-OMe)修飾などの修飾は、アプタマーの5’及び/又は3’末端で1つ又は複数のヌクレオチド、例えば4ヌクレオチドに行われる。
【0082】
修飾は、非荷電結合(uncharged bond)(メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミン(phosphoamine)エステル、カルバメートなど)を有するヌクレオチド間修飾、及び荷電結合(charged bond)(ホスホロチオエート、ジチオリン酸など)を有するヌクレオチド間修飾、挿入剤(アクリジン、ソラレンなど)を有するヌクレオチド間修飾、キレート剤(金属、放射性金属、ホウ素、酸化性金属など)を含有するヌクレオチド間修飾、アルキル化剤を含有するヌクレオチド間修飾、及び修飾結合(例えば、アルファアノマー核酸など)を含有するヌクレオチド間修飾、などのヌクレオチド間修飾も含む。
【0083】
一部の実施形態では、アプタマーは、上に記載される種々の修飾の組合せを含んでもよい。例えば、アプタマーは、2’-メトキシ(2’-OMe)修飾及び/又は3’逆位デオキシチミジン(3’idT)修飾を含んでもよい。
【0084】
一部の具体的な実施形態では、アプタマーコンジュゲートは、以下の配列構造:FA-リンカー-C(OMe)G(OMe)G(OMe)G(OMe)GTGTGGGTTCGTCGTTAGCTTGATTTGGCAGCU(OMe)G(OMe)C(OMe)C(OMe)-idT(ここで、FAは、脂肪酸を表し、(OMe)は、対応するヌクレオチドの2’-メトキシ(2’-OMe)修飾を表し、idTは、3’リバースデオキシチミジン修飾を表す)を含む。一部の具体的な実施形態では、脂肪酸はパルミチン酸(PA)である。一部の具体的な実施形態では、脂肪酸はオクタデカン二酸である。一部の好ましい実施形態では、脂肪酸はドデカン二酸(DA)である。
【0085】
一部の具体的な実施形態では、アプタマーコンジュゲートは、以下の配列構造:脂肪酸/クマリン誘導体-リンカー-C(OMe)G(OMe)G(OMe)G(OMe)GTGTGGGTTCGTCGTTAGCTTGATTTGGCAGCU(OMe) G(OMe)C(OMe)C(OMe)-idT(ここで、(OMe)は、対応するヌクレオチドの2’-メトキシ(2’-OMe)修飾を表し、idTは、3’リバースデオキシチミジン修飾を表す)を含む。一部の好ましい実施形態では、脂肪酸はドデカン二酸(DA)である。一部の好ましい実施形態では、クマリン誘導体は4-ヒドロキシクマリンである。
【0086】
核酸分子コンジュゲートを調製する方法
一態様では、本発明は、本発明の核酸分子コンジュゲートを調製する方法であって、核酸分子が、脂肪酸にコンジュゲートされている、方法を提供する。方法は、脂肪酸のカルボキシル基を活性化して、活性エステル構造を形成し、次いで、下記のS1~S5
【0087】
【化1】
から選択される核酸分子構造と反応させることを含む。
【0088】
核酸分子、例えばアプタマー、及び脂肪酸は、上に定義される通りである。S1~S5の核酸分子構造では、5’末端の官能基は、市販のアミノモノマーを使用して、従来の核酸固相合成条件により挿入される。
【0089】
一態様では、本発明は、本発明の核酸分子コンジュゲートを調製する方法であって、核酸分子が、脂肪酸及びクマリン誘導体にコンジュゲートされ、反応に好適な脂肪酸又はその化学中間体をS6の核酸分子構造のアミノ基と反応させること、及び反応に好適なクマリン誘導体又はその化学中間体をS6の核酸分子構造のスルフヒドリル基と反応させることを含む、方法を提供する。
【0090】
【0091】
核酸分子、例えばアプタマー、脂肪酸、及びクマリン誘導体は、上に定義される通りである。
【0092】
疾患の処置
別の態様では、本発明は、本発明のスクレロスチンに対するアプタマーコンジュゲートによって疾患を処置する方法であって、本発明のスクレロスチンに対するアプタマーコンジュゲートの治療有効量をそれを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。
【0093】
本発明のスクレロスチンに対するアプタマーコンジュゲートによって処置される疾患は、例えばスクレロスチン介在性疾患などのスクレロスチン関連疾患である。
【0094】
本明細書において使用される場合「スクレロスチン関連疾患」として、骨塩密度(BMD)が健康な対象と比べて異常に及び/又は病理学的に低い疾患が挙げられる。低いBMD及び/又は骨の脆弱性によって特徴付けられる疾患として、これだけに限らないが、原発性及び二次性骨粗鬆症、骨減少症、骨軟化症、骨形成不全症(OI)、無腐性壊死(骨壊死)、骨折及びインプラント治癒(歯科インプラント及び股関節インプラント(hip implant))、他の疾患による(例えば、HIV感染、がん又は関節炎に伴う)骨量減少が挙げられる。他の「スクレロスチン関連疾患」として、これだけに限らないが低リン血症性くる病、関節リウマチ、変形性関節症、関節炎及び溶骨性病変が挙げられる。
【0095】
本明細書において使用される場合「スクレロスチン関連疾患」として、ミエローマ(例えば、溶骨性病変を有する多発性骨髄腫)、乳がん(トリプルネガティブ乳がんなど)、結腸がん、メラノーマ、肝細胞がん、上皮がん、食道がん、脳がん、肺がん、前立腺がん又は膵臓がん及びこれらの任意の転移などのスクレロスチン関連がんが挙げられる。
【0096】
「スクレロスチン関連疾患」は、少なくとも、腎臓及び心臓脈管構造(cardiovasculature)におけるスクレロスチンの発現による腎臓及び心血管系の状態も含み得る。前記疾患として、これだけに限らないが、腎糸球体疾患などの腎障害(例えば、急性及び慢性糸球体腎炎、急速進行性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、巣状増殖性(focal proliferative)糸球体腎炎、全身性エリテマトーデス、グットパスチャー症候群、多発性骨髄腫、糖尿病、多発性嚢胞腎、新生物、鎌形赤血球症及び慢性炎症性疾患などの全身性疾患に伴う腎糸球体病変)、尿細管疾患(例えば、急性尿細管壊死及び急性腎不全、多発性嚢胞腎、海綿腎、髄質嚢胞腎疾患、腎性糖尿病及び尿細管性アシドーシス)、尿細管間質性疾患(例えば、腎盂腎炎、薬物及び毒素誘発尿細管間質性腎炎、高カルシウム血症性腎症及び低カリウム血性腎症)急性及び急速進行性腎不全、慢性腎不全、腎結石症、痛風、血管疾患(例えば、高血圧及び腎硬化症、微小血管症性溶血性貧血、アテローム塞栓性腎疾患、びまん性皮質壊死及び腎梗塞)又は腫瘍(例えば、腎細胞癌及び腎芽腫)が挙げられる。
【0097】
前記スクレロスチン関連疾患として、これだけに限らないが、虚血性心疾患などの心血管系障害(例えば、狭心症、心筋梗塞及び慢性虚血性心疾患)、高血圧性心疾患、肺心症、心臓弁膜症(例えば、リウマチ熱及びリウマチ性心疾患、心内膜炎、僧帽弁逸脱並びに大動脈弁狭窄)、先天性心疾患(例えば、弁及び血管の閉塞性病変、心房性又は心室中隔欠損、並びに動脈管開存症)又は心筋疾患(例えば、心筋炎、うっ血性心筋症及び肥大性心筋症(cariomyopathy))も挙げられる。
【0098】
別の態様では、本発明は、本発明のDKK1に対するアプタマーコンジュゲートによって疾患を処置する方法であって、本発明のDKK1に対するアプタマーコンジュゲートの治療有効量をそれを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0099】
本発明のDKK1に対するアプタマーコンジュゲートによって処置される疾患は、例えばDKK1介在性疾患などのDKK1関連疾患である。
【0100】
本明細書において使用される場合、「DKK1関連疾患」として、ミエローマ(例えば、溶骨性病変を有する多発性骨髄腫、肝門部胆管癌、多発性骨髄腫)、乳がん、結腸がん、メラノーマ、肝細胞がん、上皮がん、食道がん、脳がん、肺がん、前立腺がん又は膵臓がん及びこれらの任意の転移などのスクレロスチン関連がんが挙げられる。
【0101】
一部の実施形態では、DKK1関連疾患は、骨粗鬆症、骨減少症、骨軟化症、骨形成不全症(OI)、無血管性骨壊死、関節リウマチ、骨折、変形性関節症及びミエローマからなる群から選択される。
【0102】
対象は、これだけに限らないがネコ、イヌ、ウマ、ブタ及びウシを含む任意の動物(家畜、飼育動物又は野生)であってもよく、ヒト対象が好ましい。本明細書において使用される場合、用語患者、個体及び対象は、互換的に使用され得る。
【0103】
対象は、オス又はメスであり得る。好ましくは、ヒト対象は、骨折のリスクがある、より好ましくは、ヒト対象は骨粗鬆症のリスクがある又は骨粗鬆症を罹患している。ヒト対象は、好ましくは女性であり、より好ましくは、閉経後骨粗鬆症のリスクがある又は閉経後骨粗鬆症を罹患している女性である。本発明の方法が、骨粗鬆症の任意のステージで対象に有益であり得ることが予期される。
【0104】
本明細書において使用される場合、疾患又は疾患状態を罹患している個体を「処置する」ことは、処置後に個体の症状が部分的に又は完全に緩和される、又は未変化のままであることを意味する。したがって処置は、予防、処置及び/又は治癒を含む。予防は、疾患の可能性の予防及び/又は症状の悪化若しくは疾患の進行の予防を指す。
【0105】
本明細書において使用される場合、「治療有効量」又は「治療有効用量」は、対象への投与後に治療効果を生じるために少なくとも十分である化合物を含む物質、化合物、材料又は組成物の量を指す。したがって、疾患又は状態の症状を予防、治癒、回復、停止又は部分的に停止するために必要な量である。本明細書において使用される場合、「治療効果」は、疾患若しくは疾患状態の症状を変化させる、一般に回復又は緩和する又は疾患若しくは疾患状態を治癒する個体の処置から生じる効果を意味する。
【0106】
アプタマーコンジュゲートの投薬レジメンは、例えば患者の型、人種、年齢、体重、性別及び医学的状態;処置される状態の重症度;投与の経路;患者の腎機能及び肝機能;並びに使用される特異的アプタマーコンジュゲート又はその塩を含む種々の要因に応じて選択される。通常の熟練した医師は、状態の進行を予防する、それと闘う又は妨げるために必要な組成物の有効量を容易に決定及び特定できる。
【0107】
典型的には、アプタマーコンジュゲートの投薬レジメンは、1日あたり約1μg/kg体重から約100mg/kg体重である。
【0108】
例示的処置レジメンは、1日1回、2日ごとに1回、1週間に1回、1週間に2回、2週間ごとに1回、3週間ごとに1回、4週間ごとに1回、1ヵ月に1回、3ヵ月ごとに1回若しくは3~6ヵ月ごとに1回、又は最初に短い投与間隔(1週間に1回から3週間ごとに1回など)の後に間隔を延長して(1ヵ月に1回から3~6ヵ月ごとに1回など)の投与を伴う。投与の頻度及び間隔は、アプタマーコンジュゲートの薬物動態パラメーターに応じて当業者によって決定され得る。
【0109】
医薬組成物
別の態様では、本発明は、本発明の少なくとも1つのスクレロスチンに対するアプタマーコンジュゲート及び薬学的に許容できる担体又は賦形剤を含む医薬組成物も提供する。前記医薬組成物は、例えば、スクレロスチン関連疾患を処置するために使用される。
【0110】
別の態様では、本発明は、本発明の少なくとも1つのDKK1に対するアプタマーコンジュゲート及び薬学的に許容できる担体又は賦形剤を含む医薬組成物も提供する。前記医薬組成物は、例えば、DKK1関連疾患を処置するために使用される。
【0111】
本明細書に記載のアプタマーコンジュゲートは、これだけに限らないが、注射可能な剤形、液体分散剤、ゲル剤、アエロゾル剤、軟膏、クリーム剤、凍結乾燥製剤、乾燥粉剤、錠剤、カプセル剤、放出制御製剤、急速溶解(fast melt)製剤、放出遅延製剤、持続放出製剤、パルス放出製剤、即時放出製剤と放出制御製剤の混合物など、を含む薬学的に許容できる任意の剤形で利用され得る。詳細には、本明細書に記載のアプタマーは:(a)経口、肺、静脈内、動脈内、くも膜下腔内、関節内、直腸内、点眼、結腸、非経口、大槽内、腟内、腹腔内、局所(local)、バッカル、経鼻及び局所投与のいずれかから選択される投与のために;(b)液体分散剤、ゲル剤、アエロゾル剤、軟膏、クリーム剤、錠剤、サシェ剤及びカプセル剤のいずれかから選択される剤形に;(c)凍結乾燥製剤、乾燥粉剤、急速溶解製剤、放出制御剤、放出遅延製剤、持続放出製剤、パルス放出製剤及び即時放出製剤と放出制御製剤との混合物のいずれかから選択される剤形に;又は(d)これらの任意の組合せに、製剤化され得る。
【0112】
非経口、皮内又は皮下適用のために使用される溶液又は懸濁物は、以下の構成成分の1つ又は複数を含み得る:(1)注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒などの滅菌希釈剤;(2)ベンジルアルコール又はメチルパラベンなどの抗菌剤;(3)アルコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化物質;(4)エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;(5)酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩などの緩衝剤;及び(6)塩化ナトリウム又はブドウ糖などの浸透圧の調整のための薬剤。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基を用いて調整され得る。非経口調製物は、ガラス又はプラスチックで作られたアンプル、ディスポーザブルシリンジ又は複数用量バイアルに封入されてもよい。
【0113】
注射可能な使用のために好適な医薬組成物は、滅菌水溶液(水溶性である場合)又は分散剤及び、滅菌注射可能溶液又は分散剤の即時調製のための滅菌粉剤を含み得る。静脈内投与のために、好適な担体として、生理食塩水、静菌水又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。すべての場合において組成物は、滅菌されていなければならず、容易なシリンジ使用可能性(syringability)が存在する程度に流体でなければならない。医薬組成物は、製造及び保存の条件下で安定でなければならず、細菌及び真菌などの微生物の混入作用に対抗して保存されなければならない。本明細書において使用される場合、用語「安定」は、患者への投与のために好適である状況又は状態のままであることを意味する。
【0114】
担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコールなど)並びにこれらの好適な混合物を含む溶媒又は分散媒であってもよい。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散の場合は必要な粒子サイズの維持によって、及びサーファクタントの使用によって維持され得る。微生物の作用の予防は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アルコルビン酸、チメロサールなどによって達成され得る。多くの場合、組成物中に等張剤、例えば糖、マンニトール又はソルビトールなどのポリアルコール、及び塩化ナトリウムなどの無機塩を含むことは好ましい。注射可能組成物の持続的吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物中に含むことによってもたらされ得る。
【0115】
滅菌注射可能溶液は、必要量の活性試薬(例えば、アプタマーコンジュゲート)を上に列挙された成分の1つ又は組合せを含む適切な溶媒に組み込むことに続く、ろ過滅菌によって調製され得る。一般に、分散剤は、少なくとも1つのアプタマーコンジュゲートを、塩基性分散媒及び任意の他の必要な成分を含有する滅菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。滅菌注射可能溶液の調製のための滅菌粉剤の場合では、例示的調製方法は、真空乾燥及び凍結乾燥を含み、その両方は、アプタマーコンジュゲートに加えてその予め滅菌ろ過された溶液由来の任意の追加的な望ましい成分の粉剤を生じる。
【0116】
経口組成物は、不活性希釈剤又は食用担体を一般に含む。それらは、例えば、ゼラチンカプセル中に封入又は錠剤に圧縮され得る。経口治療投与の目的のために、アプタマーコンジュゲートは、賦形剤を組み込まれてもよく、錠剤、トローチ剤又はカプセル剤の形態で使用され得る。経口組成物は口腔洗浄薬としての使用のために流体担体を使用しても調製されてもよく、ここで流体担体中の化合物は、経口適用され、すすがれ、吐き出される又は飲み込まれる。薬学的に適合性の結合剤及び/又はアジュバント材料は、組成物の一部として含まれ得る。
【0117】
吸入による投与のために、化合物は、好適な噴霧剤、例えば二酸化炭素などの気体を含有する加圧した容器又はディスペンサーからのエアロゾルスプレー、噴霧液又は好適なデバイスからの乾燥粉剤の形態で送達される。経粘膜又は経皮投与のために、浸透されるバリアに好適な浸透剤が、製剤において使用される。かかる浸透剤は、一般に当技術分野において公知であり、例えば経粘膜投与のための、界面活性剤、胆汁酸塩及びフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、点鼻薬又は座薬の使用を通じて達成され得る。経皮投与のために、活性試薬は、一般に当技術分野において公知の軟膏、膏薬(salve)、ゲル剤又はクリーム剤に製剤化される。試薬は、直腸内送達のための座薬(例えば、ココアバター及び他のグリセリドなどの従来の座薬ベースを用いて)又は保持浣腸(retention enema)の形態でも調製され得る。
【0118】
一実施形態では、アプタマーコンジュゲートは、局所投与のために製剤化される。本明細書において使用される場合、「局所投与」は、動物の皮膚(表皮)のすべて又は一部にアプタマーコンジュゲートを含む製剤を直接又はそれ以外の方法で接触させることによる、動物へのアプタマーコンジュゲートの送達を指す。用語は、これだけに限らないが、局所及び経皮を含むいくつかの投与の経路を包含する。これらの投与様式についての一般的要求要件は、標的組織又は層への効率的な送達である。一態様では、局所投与は、表皮及び真皮に浸透させる、最終的にはアプタマーの全身性送達を達成するための手段として使用される。別の態様では、局所投与は、アプタマーコンジュゲートを動物の表皮若しくは真皮に、又はそれらの特定の層に選択的に送達するための手段として使用される。
【0119】
局所投与のために、アプタマーコンジュゲートは、薬学的に許容できる軟膏、クリーム剤、ローション剤、眼軟膏、点眼剤、点耳剤、浸透包帯(impregnated dressing)及びアエロゾル剤、薬用粉剤、薬用粘着剤(medicated adhesive)、フォーム剤に製剤化されてもよく、例えば、薬物の浸透及び軟化を補助するために、保存剤又は溶媒を含む適切な従来の添加剤及び賦形剤を軟膏、ゲル剤及びクリーム剤に含有する場合がある。かかる局所製剤は、適合する従来の担体、例えばローション剤のためのエタノール又はオレイルアルコールも含有し得る。かかる担体は、製剤の約1重量%~約98重量%を構成する場合があり;さらに一般的には、かかる担体は製剤の約80重量%までを構成する。アプタマーの局所送達のための具体的な製剤は、当技術分野において記載されている。
【0120】
一実施形態では、アプタマーコンジュゲートは、身体からの急速な排出から保護する担体を用いて調製される。例えば、放出制御製剤を使用することができ、インプラント及びマイクロカプセル化送達系が挙げられる。エチレンビニルアセテート、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーも使用され得る。かかる製剤の調製のための方法は、当業者に明らかである。
【0121】
リポソーム懸濁物も、薬学的に許容できる担体として使用され得る。これらは、当業者に公知の方法により調製され得る。
【0122】
加えて、アプタマーコンジュゲートの懸濁物は、適切な油性注射懸濁物としても調製することができる。好適な親油性溶媒又はビヒクルとして、ゴマ油などの脂肪油、又はオレイン酸エチル、トリグリセリド若しくはリポソームなどの合成脂肪酸エステルが挙げられる。脂質ではないポリカチオンアミノポリマーも送達のために使用することができる。任意選択で懸濁物は、化合物の溶解度を増加させるため、及び高濃度の溶液の調製を可能にするために好適な安定剤又は薬剤も含むことができる。
【0123】
一部の場合では、投与の容易さ及び投薬量の均一性のために、投薬単位形態で経口又は非経口組成物に製剤化されることは、特に有利である可能性がある。本明細書において使用される場合、投薬単位形態は、処置される対象への一体化された投薬として適する物理的に別々の単位を指し;各単位は、必要な医薬用担体と共に望ましい治療効果をもたらすように算出されたアプタマーコンジュゲートの予め決定された量を含有する。本明細書に記載のアプタマーコンジュゲートの投薬単位形態についての仕様書は、特定のアプタマーコンジュゲートの固有の特徴、及び達成される詳細な治療効果及び個体の処置のための活性剤などを配合する当技術分野に内在する制限によって決定され、直接依存する。
【0124】
少なくとも1つのアプタマーコンジュゲートを含む医薬組成物は、1つ又は複数の医薬賦形剤を含み得る。かかる賦形剤の例として、これだけに限らないが、結合剤、充填剤、潤滑剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、保存剤、緩衝剤、湿潤剤、崩壊剤、発泡剤(effervescent agent)及び他の賦形剤が挙げられる。かかる賦形剤は、当技術分野において公知である。例示的賦形剤として:(1)種々のセルロース及び架橋ポリビニルピロリドン、アビセル(Avicel)PH101及びアビセルPH102などの結晶セルロース、ケイ化結晶セルロース(プロソルブSMCC(ProSolv SMCC)(商標))、トラガカントガム並びにゼラチン、を含む結合剤;(2)種々のデンプン、乳糖、乳糖一水和物及び無水乳糖などの充填剤;(3)アルギン酸、プリモゲル(Primogel)、コーンスターチ、軽度に架橋したポリビニルピロリドン、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン及び修飾デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(cross-povidone)、デンプングリコール酸ナトリウム並びにこれらの混合物、などの崩壊剤;(4)ステアリン酸マグネシウム、エアロシル200(Aerosil 200)などのコロイド性二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及びシリカゲルを含む、圧縮される粉末の流動性に作用する薬剤を含む潤滑剤;(5)コロイド性二酸化ケイ素などの滑剤;(6)ソルビン酸カリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸及びその塩、ブチルパラベンなどのパラヒドロキシ安息香酸の他のエステル、エチル若しくはベンジルアルコールなどのアルコール、フェノールなどのフェノール化合物又は塩化ベンザルコニウムなどの四級化合物、などの保存剤;(7)結晶セルロース、乳糖、二塩基性リン酸カルシウム、糖類及び/又は前述のものの任意の混合物などの薬学的に許容できる不活性充填剤などの希釈剤;希釈剤の例として、アビセルPH101及びアビセルPH102などの結晶セルロース;乳糖一水和物、乳糖無水物及びファーマトース(Pharmatose)DCL21などの乳糖;エムコンプレス(Emcompress)などの二塩基性リン酸カルシウム;マンニトール;デンプン;ソルビトール;ショ糖;及びグルコースが挙げられる;(8)ショ糖、サッカリン、ショ糖、キシリトール、サッカリンナトリウム、シクラメート、アスパルテーム及びアセサルフェームなどの任意の天然又は人工甘味料を含む甘味剤;(9)ペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジ香味剤、マグナスイート(Magnasweet)(MAFCOの商標)、バブルガム風味、果実香料などの香味剤;並びに(10)有機酸と炭素塩又は炭酸水素塩などの発泡カップル(effervescent couple)を含む発泡剤、が挙げられる。
【実施例】
【0125】
本発明は、以下の実施例によりさらに記載されるが、本発明の範囲は、記載される実施例に限定されない。
【0126】
実施例1.スクレロスチンに対する高親和性アプタマーの濃縮及び選択
ssDNAライブラリーは、各末端の18nt保存領域及び中央の無作為領域からなる。異なる長さの無作為化配列を含む2つのssDNAライブラリーを本プロジェクトにおいて使用した。長いssDNAライブラリーは、40ntランダム領域(5’-CGTACGGTCGACGCTAGC-(N)40-CACGTGGAGCTCGGATCC-3’)を含有し、短いssDNAは、25ntランダム領域(5’-CGTACGGTCGACGCTAGC-(N)25-CACGTGGAGCTCGGATCC-3’)を含有する。フォワードプライマー(FP:5’-CGTACGGTCGACGCTAGC-3’)及びビオチン化リバースプライマー(Bio-RP:5’-ビオチン-GGATCCGAGCTCCACGTG-3’)を選択の際のssDNAの増幅のために合成した。すべてのオリゴは、合成後にHPLCによって精製した。
【0127】
タンパク質-セレックス法を、高親和性アプタマーを同定するために実施した(Ellington及びSzostak 1990、Tuerk及びGold 1990)。100~30pmoleのHis6-スクレロスチンタンパク質をNTA磁気ビーズに4℃で1時間、固定した(Murphy、Fullerら、2003)。1nmoleのssDNAライブラリーを95℃で5分間、変性させ、4℃に急速に冷却し、その後固定化スクレロスチンタンパク質とR.T.、0.5~1時間インキュベーションした。未結合配列を洗浄緩衝液を用いて除去した。洗浄後、結合DNAタンパク質-NTAを回収し、H2O/ツイーン(Tween)20に再懸濁し、PCR増幅に適用した。PCRを未修飾フォワードプライマー及びビオチン化リバースプライマーを用いて実施した(ステップ1:初期変性のために95℃、1分間;ステップ2:変性のために95℃、30秒間、アニーリングのために56℃、30秒間、伸長のために72℃、30秒間、12サイクル反復;及びステップ3:最終伸長のために72℃、5分間)。PCR産生物をビオチン-ストレプトアビジン結合を通じてストレプトアビジン磁気ビーズに適用した。1本鎖配列を0.2M NaOHを用いて処置することによって再生した。陰性選択をNTA磁気ビーズに固定した他のHis6-タグ化した無関係なタンパク質に対して実施した。合計20ラウンドのセレックスを各選択のために実施した。最終ラウンドからのDNAプールをハイスループット次世代シークエンス(Next Generation Sequence)(NGS)に出した。
【0128】
図1は、スクレロスチンへのDNAプールの親和性が10回目及び20回目の選択後に増加することを示しており、高親和性スクレロスチンアプタマーがセレックスによって濃縮されることを示している。
【0129】
実施例2.候補スクレロスチンアプタマーの特異性特徴付け
NGS結果により、高出現率を有する代表的なアプタマーを特異性アッセイのために合成した。これらのアプタマー候補の詳細な配列を表1に列挙した。
【0130】
アプタマー候補のスクレロスチンへの特異性を決定するために、代表的なアプタマー候補及び無作為配列(RS)(陰性対照)を、N末端ビオチン化修飾を用いて合成し、1μMの各アプタマー/RSを、酵素結合オリゴヌクレオチドアッセイ(ELONA)を使用してスクレロスチンへの特異性を決定するために使用した。精製組換えヒトスクレロスチン160ngを、96ウエルマイクロタイタープレートに100μl PBS中、4℃で一晩、インキュベートすることによってコートした。次にプレートをブロッキング緩衝液(PBS、0.1%ツイーン20及び1%BSA)を用いて1時間、室温でブロッキングし、セレックスB&W緩衝液(PBS、1mM MgCl2、0.1%ツイーン20及び0.1%BSA)を用いて4回洗浄した。アプタマー候補を95℃で10分間変性させ、使用前に氷上で10分間急速に冷却した。1μMビオチン化アプタマーを各ウエルに加え、次にセレックスB&W緩衝液を100μlまで加え、45分間、室温で継続的に穏やかに振とうしながらインキュベートした。結合後、プレートをセレックスB&W緩衝液を用いて、非特異的な及び非常に弱い結合を除去するために4回洗浄し、その後PBST+0.1%BSAを用いて4回洗浄した。100μlストレプトアビジン-HRP/ヤギ抗ヒトIgG Fc-HRP(PBST+0.1%BSAに1:10000希釈)を各ウエルに加え、30/60分間インキュベートし、PBST+0.1%BSAを用いて4回洗浄した。50μl TMBを各ウエルに加え、20分間インキュベートした。反応を、50μl 2M H2SO4を加えることによって停止させた。450nmでの吸光度を、マイクロプレートリーダーを用いて測定した(Stoltenburg,Krafcikovaら、2016)。肝細胞/PBMCへのアプタマー候補の結合能力を決定するため、特徴付けステップはELONAと同様であった。細胞300,000個を各アプタマー候補とインキュベートし、洗浄及び分離目的のために遠心分離を使用した。
【0131】
長い及び短い両方のssDNAライブラリーから同定したアプタマー候補は、肝細胞及びPBMCへの結合を比較した場合にヒトスクレロスチンへの高い選択性を示した(
図2)。アプタマー候補、長いssDNAライブラリーから同定されたaptscl 6、9、15、27、34、36、46、51、56、132及び140、短いssDNAライブラリーから同定されたaptscl 1、2、3、5、8、12.16、22、29及び32は、スクレロスチンへの高い結合特異性を示し、それにより続く親和性特徴付けのために選択した。
【0132】
実施例3.候補スクレロスチンアプタマーの結合親和性特徴付け
酵素結合オリゴヌクレオチドアッセイ(ELONA)をスクレロスチンへのアプタマー候補の結合親和性を決定するために実施した(Drolet,Moon-McDermottら、1996)。同様に、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を、ヒトスクレロスチンへの抗スクレロスチン抗体の結合親和性を決定するために実施した(Engvall及びPerlmann 1971)。精製組換えヒトスクレロスチン160ngを、96-ウエルマイクロタータープレートに100μl PBS中、4℃で一晩、インキュベートすることによってコートした。次にプレートをブロッキング緩衝液(PBS、0.1%ツイーン20及び1%BSA)を用いて1時間、室温でブロックし、セレックスB&W緩衝液(PBS、1mM MgCl2、0.1%ツイーン20及び0.1%BSA)を用いて4回洗浄した。アプタマー候補を95℃で10分間変性させ、使用前に氷上で10分間急速に冷却した。適切な濃度のビオチン化アプタマー/抗体を各ウエルに加え、次にセレックスB&W緩衝液を100μlまで加え、45分間、室温で継続して穏やかに振とうしながらインキュベートした。結合後、プレートを非特異的な及び非常に弱い結合を除去するためにセレックスB&W緩衝液を用いて4回洗浄し、その後PBST+0.1%BSAを用いて4回洗浄した。100μlストレプトアビジン-HRP/ヤギ抗ヒトIgG Fc-HRP(PBST+0.1%BSAに1:10000希釈)を各ウエルに加え、30/60分間インキュベートし、PBST+0.1%BSAを用いて4回洗浄した。50μl TMBを各ウエルに加え、20分間インキュベートした。反応を、50μl 2M H2SO4を加えることによって停止させた。450nmでの吸光度を、マイクロプレートリーダーを用いて測定した(Stoltenburg,Krafcikovaら、2016)。データをオリジンソフトウェア(Origin software)(OriginLab、Northampton、MA)を用いて分析した。非線形カーブフィッティングモデルHyperblを、結合曲線をプロットするために使用した。Hyperblモデルの式は、y=P1×x/(P2+x)であり、P2はKd値である。
【0133】
40ntランダム領域を含有するssDNAライブラリーから同定されたアプタマー候補について、aptscl 6、9、15、46、56及び132は、ナノモルレベルでの解離定数(Kd)値(Kd値は、それぞれ4.2、3.4、45.6、43.1及び42.2nMであった)を有してスクレロスチンに高親和性を示した(
図3)。一方aptscl 36、140、136及び無作為配列(RS)は、フィットできなかった。25ntランダム領域を含有するssDNAライブラリーから同定されたアプタマー候補について、aptscl 32、29、22、16、3、2及び1は、それぞれ0.18、0.28、0.76、0.02、0.04、0.006及び0.02nMのKd値を有して、スクレロスチンにより高い結合親和性を示した(
図4-1、
図4-2)。無作為配列は、スクレロスチンに低い結合能力を示し、フィットできなかった。比較して、スクレロスチンへの抗スクレロスチン抗体のKd値は、3.55nMであった。
【0134】
実施例4.骨硬化症の活性への候補スクレロスチンアプタマーの阻害能力のin vitro評価
Wntシグナル伝達でのスクレロスチンに対するアプタマーの拮抗作用の阻害強度を研究するために、TOP-Wnt誘導ルシフェラーゼレポーターアッセイを骨芽細胞MC3T3-E1細胞において使用した(van Bezooijen,Svenssonら、2007、Shum,Chanら、2011)。
【0135】
MC3T3-E1細胞を24ウエルプレートに播種し、細胞を対応するレポータープラスミド(100ng)、Wnt3aプラスミド(800ng)及びスクレロスチンプラスミド(800ng)を用いてトランスフェクトし、必要に応じて翌日FuGENE HDトランスフェクション試薬(Promega)を使用した。トランスフェクションの10時間後、培養培地を新鮮培地に交換し、細胞をアプタマー/抗体を用いて処置した。処置24時間後、細胞の各ウエルを、100μl受動的溶解緩衝液を用いて溶解し、20μlを分析のために採取した。ルシフェラーゼアッセイ試薬II(Luciferase Assay Reagent II)及びStop&Glo試薬を調製し、製造者のプロトコール(Promega)に従ってスペクトラマックスi3xマルチモードディテクションプラットフォーム(SpectraMax i3x Multi-Mode Detection Platform)(Molecular Device)によって自動的に加え、それによりデータを分析した(Grentzmann,Ingramら、1998、McNabb,Reedら、2005)。
【0136】
図5に示すとおり、aptscl 56、aptscl 6、aptscl 3及び抗スクレロスチン抗体は、Wntシグナル伝達でのスクレロスチンの拮抗作用を有効に阻害でき、Wnt誘導ルシフェラーゼ活性を放出できる。スクレロスチンへの阻害は、用量依存的であり、応答は、aptscl 56及び6の濃度がそれぞれ25及び47.4μg/mlに達した場合に安定であった。抗体を用いて処置している間、応答は、濃度が20mg/mlに増加してもまだ安定でなかった。さらにaptscl 56、aptscl 6及びaptscl 3の阻害強度を、非線形カーブフィッティングを用いて分析した。aptscl56、aptscl6及びaptscl 3についてのEC50は、それぞれ19.7μg/ml、36.8μg/ml及び18.2μg/mlであった。
【0137】
【0138】
実施例5.aptscl3の切断及び特徴付け
スクレロスチンへの高い親和性及び阻害強度を示したAptscl3を、切断した(表2)。結合親和性及びin vitro阻害強度は、先の研究と同じプロトコールを使用して実施した。Aptscl 3-1、-2、-3、-4及び-5は、それぞれ0.86、0.52、0.2及び0.22nMのKd値を有してスクレロスチンへの高い結合親和性を残していた。一方aptscl 3-6は、この濃度範囲で結合曲線にフィットできず、スクレロスチンへの低い結合能力を示している(
図6-1)。さらに、aptscl3-5は、Wntシグナル伝達でのスクレロスチンの拮抗作用への高い阻害強度を保持していた(EC50=28.4μg/ml)(
図6-2)。
【0139】
【0140】
実施例6.化学修飾アプタマー候補の血清安定性評価
本発明者らは、スクレロスチンに対するDNAアプタマーを選択し、aptscl 56及びaptscl 3-5と呼ばれ、低ナノモル範囲の解離定数を有してスクレロスチンに特異的且つ堅く結合する2つの切断アプタマーを最終的に開発した。核酸アプタマーのかさ高い2’-O-メチル(2’-OMe)修飾は、臨床例において見られるそれらのヌクレアーゼ耐性の増強及び2本鎖融解温度の上昇のために選択後修飾として以前から使用されている(Fine,Martinら、2005;Gupta,Hirotaら、2014)。逆位dTを用いた3’末端キャッピングも進行中又は完了した臨床試験での疾患治療のためのアプタマーにおける一般的戦略である(Padilla,Sousaら、1999;Ruckman,Greenら、1998)。合わせて、本実施例は、aptscl 56及びaptscl 3-5の血清安定性が2’-OMe及び3’末端逆位dT(3’-idT)修飾によって改善され得るかどうかを評価するものである。
【0141】
実験設計:
修飾ヌクレオチドは、合成中に導入された。修飾及び未修飾アプタマーの血清代謝安定性を新たに調製されたマウス血清において評価した。すべてのアプタマー試料を10%及び100%マウス血清を用いてそれぞれ37℃で、0、2、4、8、12、24、36、48及び72時間インキュベートした。指定時間に、アプタマー試料をドライアイス浴中で急速凍結し、次いで評価のためにすべての試料を採取するまで-80℃で保存した。すべてのアプタマー試料の安定性は、アガロースゲル電気泳動によって決定できる、インキュベーション後に残っている未処置アプタマーのバンド密度で表された。
【0142】
DNA合成プロトコール
修飾及び未修飾DNA配列を、商業的に入手可能な5’-O-DMT-2’-デオキシヌクレオシド(ABz、CAc、GiBu及びT)ホスホラミダイトモノマー、5’-O-DMT-2’-O-メチルヌクレオシド(ABz、CAc、GiBu及びT)ホスホラミダイトモノマー及び/又は5’-O-DMT-2’-F-ヌクレオシド(ABz、CAc、GiBu及びT)ホスホラミダイトモノマーを使用して、K&A H8スダンダードDNA/RNA合成機で、1μmolスケールで合成した(Beaucage及びCaruthers 2001)。aptscl56の修飾配列は、CGGGG TGTGG GTTCG TCGTT AGCTT GATTT GGCAG CTGCCC-idTであり、下線を付けたヌクレオチドは、2’-OMe修飾された。aptscl 3-5の修飾配列は、GCTAG CTGTT GTACA TCGCC TTACG CACGT G-idTであり、下線を付けたヌクレオチドは、2’-OMe修飾された。
【0143】
評価プロトコール:
すべてのアプタマー試料のバンド密度をモレキュラーイメイジャー(molecular imager)(Bio-Rad)によってアッセイした(Klussmann,Nolteら、1996、Siller-Matula,Merhiら、2012)。結合親和性及びin vitro阻害強度を先の研究と同じプロトコールを使用して実施した。
【0144】
結果:
aptscl 56について、未修飾アプタマーは、10%血清中48時間後では完全に分解され、100%血清中わずか8時間では残存した。2’-OMe及び3’idT修飾aptscl 56は、10%マウス血清中72時間では残存し、12時間後に分解された。72時間では、少量の修飾アプタマーがまだ残っていた(
図7)。
【0145】
aptscl 3-5について、未修飾アプタマーは、10%マウス血清中24時間後に分解された。2’-OMe及び3’idT修飾aptscl 3-5は、10%マウス血清中48時間で存続する場合があった。100%血清では、未修飾aptscl 3-5は、8時間後に急速且つ完全に分解された一方で、修飾aptscl 3-5は、72時間後に完全性を残すことができた(
図8)。
【0146】
化学修飾aptscl 56及びaptscl 3-5はそれぞれ6.55及び0.54nMのKd値を有して、スクレロスチンへの高い結合親和性を示した。さらに、化学修飾aptscl 56及びaptscl 3-5は、細胞中でWntシグナル伝達でのスクレロスチンの拮抗作用を、14及び11μg/mlの阻害強度をそれぞれ有して有効に阻害できた(
図9)。
【0147】
結論:
2’-OMe及び3’idTを用いた修飾は、治療用ヌクレアーゼ耐性アプタマーに向けたaptscl 56及びaptscl 3-5の開発をさらに促進できる。
実施例7.脂肪酸修飾アプタマー候補の調製及びそのin vivo半減期
スクレロスチンを特異的に標的にする核酸分子アプタマーaptscl56を、上記実施例において同定した。その特異的配列は、
5’-CGGGGTGTGGGTTCGTCGTTAGCTTGATTTGGCAGCTGCC-3’(配列番号1)
である。
【0148】
得られた配列を修飾して、配列APC001(5’末端及び3’末端のそれぞれの4ヌクレオチドの糖環の2’位をメトキシで修飾し、核酸鎖の3’末端をidTで修飾した):
C(OMe)G(OMe)G(OMe)G(OMe)GTGTGGGTTCGTCGTTAGCTTGATTTGGCAGCU(OMe)G(OMe)C(OMe)C(OMe)-idT。
【0149】
ヌクレオチド配列は、
CGGGGTGTGGGTTCGTCGTTAGCTTGATTTGGCAGCCUGCC(配列番号25)
である。
【0150】
この実施例では、APC001をコンジュゲートし、5’末端で脂肪酸(FA)で修飾して、
FA-C(OMe)G(OMe)G(OMe)G(OMe)GTGTGGGTTCGTCGTTAGCTTGATTTGGCAGCU(OMe)G(OMe)C(OMe)C(OMe)-idT
を得た。
【0151】
アプタマーのin vivo半減期に対する、パルミチン酸(PA)及びオクタデカン二酸(OA)を別々にコンジュゲートする効果を試験した。
【0152】
コンジュゲーション方法
本発明では、化学修飾技術を使用して、アダプター核酸鎖の5’末端で脂肪酸カップリングを実施した。核酸鎖それ自身の構造類似性により、核酸塩基上で直接カップリングすることは容易ではない。核酸鎖の末端に活性アミノ基を拡張することが必要である。本発明では、異なるアミノホスホラミダイトモノマーを使用して、連結アームを構築して、核酸鎖の末端でアミノ修飾を実施した。これらのホスホラミダイトモノマーは、具体的には以下の通り、核酸固相合成サイクルに直接組み込まれて、カップリング反応を行って、標的化合物を得ることができる。
【0153】
1)5’-アミノ修飾物5
2-[2-(4-モノメトキシトリチル)アミノエトキシ]エチル-(2-シアノエチル)-N,N-ジイソプロピル)-ホスホラミダイト
【0154】
【0155】
以下の構造S1は、脂肪酸のカルボキシル基とのカップリングのために得ることができる。
【0156】
【0157】
2)5’-アミノ修飾物C6
6-(4-モノメトキシトリチルアミノ)ヘキシル-(2-シアノエチル)-(N,N-ジイソプロピル)-ホスホラミダイト
【0158】
【0159】
以下の構造S2は、脂肪酸のカルボキシル基とのカップリングのために得ることができる。
【0160】
【0161】
3)5’-アミノ修飾物C12
12-(4-モノメトキシトリチルアミノ)ドデシル-1-[(2-シアノエチル)-(N,N-ジイソプロピル)]-ホスホラミダイト
【0162】
【0163】
以下の構造S3は、脂肪酸のカルボキシル基とのカップリングのために得ることができる。
【0164】
【0165】
4)5’-アミノ修飾物TEG CE-ホスホラミダイト
10-(O-トリフルオロアセチルアミド-N-エチル)-トリエチレングリコール-1-[(2-シアノエチル)-(N,N-ジイソプロピル)]-ホスホラミダイト
【0166】
【0167】
以下の構造S4は、脂肪酸のカルボキシル基とのカップリングのために得ることができる。
【0168】
【0169】
5)5’-アミノ修飾物C3-TFA
3-(トリフルオロアセチルアミノ)プロピル-(2-シアノエチル)-(N,N-ジイソプロピル)-ホスホラミダイト
【0170】
【0171】
以下の構造S5は、脂肪酸のカルボキシル基とのカップリングのために得ることができる。
【0172】
【0173】
詳細には、APC001のS2構造を使用して、それぞれ、パルミチン酸及びオクタデカン二酸とのカップリング反応を実施して、APC001PA及びAPC001OAを得た。
【0174】
in vivo半減期分析
APC001、APC001PA及びAPC001OAの薬物動態研究を、標準的実験室餌を自由摂取させ、管理された条件(12時間明期、20℃)で維持された6ヵ月齢メスナイーブスプラーグドーリーラットで実施した。ラットを、APC001、APC001PA及びAPC001OAを用いて単回皮下注射によって処置した。血液試料を各群のラットからさまざまな時点で回収し、血漿を分離した。Sangon UNIQ-10カラムユニバーサルDNA抽出キットを使用して、試料を抽出し、さまざまな時点での血漿中のAPC001、APC001PA及びAPC001OAの濃度をHPLCによって測定し、次いで薬物動態ソフトウェアDSを使用して、in vivo半減期を算出した。
【0175】
APC001、APC001PA及びAPC001OAのin vivo半減期を下記の表に示す。
【0176】
【0177】
アプタマーを脂肪酸とコンジュゲートすることで、in vivoでのそれらの半減期を顕著に延長することができる。
【0178】
実施例8.脂肪酸及びクマリン誘導体で修飾されたアプタマー候補の調製及びそのin vivo半減期
1.クマリン誘導体のバーチャルスクリーニング:
ワルファリン(WA)は血清アルブミン(HSA)との強い親和性を有するが、WAの抗凝固効果により、小分子カップリング試薬として好適ではない。バーチャルハイスループットスクリーニング法により、本発明は、HSAに対する高い親和性を有し、抗凝固機能がない、4-ヒドロキシクマリンを同定した(表3)。バーチャルハイスループットスクリーニングは、Schrodinger_Suites_2021-2ソフトウェアを使用して実施し、これは、小分子及び巨大分子系をシミュレーションすることができるソフトウェアであり、選択された化合物とそれぞれ全長HSA及びFABPとのドッキングシミュレーションを実施するために使用した。
【0179】
【0180】
2.4-ヒドロキシクマリン及びHSAの親和性検証、並びに抗凝固機能検証:
ワルファリン及び4-ヒドロキシクマリンのHSAへの親和性を、表面プラズモン共鳴(SPR)技術によって決定した。4-ヒドロキシクマリンは、ワルファリンよりもわずかに強いHSAに対する親和性を有することが見出された。そしてトロンビン時間(TT)測定試験により、4-ヒドロキシクマリンが抗凝固機能を有していないことが見出された。結果を
図10に示す。
【0181】
3.脂肪酸誘導体のバーチャルスクリーニング:
オクタデカン二酸(OA)は血清アルブミン(HSA)との強い親和性を有するが、OAは脂肪酸結合タンパク質(FABP)にも結合することができるので、オフターゲット効果を引き起こし、小分子カップリング試薬として好適ではない。バーチャルハイスループットスクリーニング法により、本発明は、HSAに対する高い親和性及びFABPに対する低い親和性を有するドデカン二酸(DA)を得た(表4)。バーチャルハイスループットスクリーニングは、Schrodinger_Suites_2021-2ソフトウェアを使用して実施し、これは、小分子及び巨大分子系をシミュレーションすることができるソフトウェアであり、選択された化合物とそれぞれ全長HSA及びFABPとのドッキングシミュレーションを実施するために使用した。
【0182】
【0183】
4.ドデカン二酸及びHSAの親和性検証:
ドデカン二酸及びオクタデカン二酸のHSA及びFABPへの親和性をそれぞれ、表面プラズモン共鳴(SPR)技術によって決定した。ドデカン二酸は、オクタデカン二酸よりもわずかに強いHSAに対する親和性、及びオクタデカン二酸よりも弱いFABPに対する親和性を有することが見出された。結果を
図11に示す。
【0184】
5.カップリング方法
本発明では、化学修飾技術を使用して、アプタマー核酸鎖の5’末端に脂肪酸及びクマリン誘導体をカップリングした。核酸鎖それ自身の構造類似性により、核酸塩基上で直接カップリングすることは容易ではなく、核酸鎖の末端で拡張するために活性基が必要である。本発明では、次の5’-アミノ-修飾物C7-TFAモノマーを使用して、接続アームを構築して、核酸鎖の末端を修飾した。
【0185】
【0186】
【0187】
次いで、4-ヒドロキシクマリンをS6のスルフヒドリル基に接続し、ドデカン二酸をS6のアミノ基に接続した。
【0188】
6.4-ヒドロキシクマリン及びドデカン二酸とコンジュゲートされたAPC001のin vivo半減期検出
4-ヒドロキシクマリン及びドデカン二酸とコンジュゲートされたAPC001をAPC001OCと名付け、その構造は以下の通りである:
OC-C(OMe)G(OMe)G(OMe)G(OMe)GTGTGGGTTCGTCGTTAGCTTGATTTGGCAGCU(OMe)G(OMe)C(OMe)C(OMe)-idT
(ここで、OCは、コンジュゲートされた4-ヒドロキシクマリン及びドデカン二酸を表す)。薬物動態研究方法は、前の実施例と同様である。
【0189】
4-ヒドロキシクマリン及びドデカン二酸二重修飾なしのAPC001と比較した、本発明に開示される4-ヒドロキシクマリン及びドデカン二酸二重修飾スクレロスチン核酸アプタマー及びその誘導体についてのin vivo半減期の結果を以下の通り示す:
【0190】
【0191】
ここで、OAは、オクタデカン二酸修飾を表し、HCは、4-ヒドロキシクマリン修飾を表し、DAは、ドデカン二酸修飾を表し、OCは、4-ヒドロキシクマリン及びドデカン二酸修飾を表す。
【0192】
7.4-ヒドロキシクマリン及びドデカン二酸とコンジュゲートされたDKK1に対するアプタマーのin vivo半減期検出
DKK1に対するアプタマー(APTDKK1)の配列は以下の通りである:
CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGT(配列番号26)
【0193】
4-ヒドロキシクマリン及びドデカン二酸とコンジュゲートされたAPTDKK1をAPTDKK1OCと名付け、その構造は以下の通りである:
OC-CGTACGGTCGACGCTAGCTGGTGGTTGGGGTGGGTGGT
【0194】
ここで、OCは、コンジュゲートされた4-ヒドロキシクマリン及びドデカン二酸を表す。薬物動態研究方法は、前の実施例と同様である。
【0195】
4-ヒドロキシクマリン及びドデカン二酸二重修飾なしのAPTDKK1と比較した、本発明に開示される4-ヒドロキシクマリン及びドデカン二酸二重修飾DKK1核酸アプタマー及びその誘導体についてのin vivo半減期の結果を以下の通り示す:
【0196】
【0197】
ここで、OAは、オクタデカン二酸修飾を表し、HCは、4-ヒドロキシクマリン修飾を表し、DAは、ドデカン二酸修飾を表し、OCは、4-ヒドロキシクマリン及びドデカン二酸修飾を表す。
【配列表】
【国際調査報告】