(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-14
(54)【発明の名称】船舶のガス消費装置用ガス供給システムの熱交換器を冷却するための方法
(51)【国際特許分類】
B63H 21/38 20060101AFI20240307BHJP
B63B 27/24 20060101ALI20240307BHJP
B63B 25/16 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
B63H21/38 C
B63B27/24 B
B63B25/16 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560279
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 FR2022050552
(87)【国際公開番号】W WO2022208003
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515220317
【氏名又は名称】ギャズトランスポルト エ テクニギャズ
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】ベルナール、アウン
(72)【発明者】
【氏名】ロマン、ナルメ
(72)【発明者】
【氏名】ムサウイ、セルマ
(57)【要約】
本発明は、液体状態および気体状態のガスを収容するタンク(200)を備える船舶に設けられたガス消費装置(101)にガスを供給するための方法に関し、本方法は、少なくとも、
タンク(200)から供給ユニット(110)によって気体の状態で取り出されたガスをガス消費装置(101)に供給するステップと、
供給ユニット(110)とガス消費装置(101)との間に取り出されたガスと、タンク(200)と供給ユニット(110)との間を流れるガスとの間で熱交換を実行するように構成された少なくとも1つの熱交換器(121)を備える凝縮ユニット(120)によって、タンク(200)から気体状態で取り出されたガスの少なくとも一部を凝縮するステップと、を含み、方法が、熱交換器(121)を冷却するステップを含み、冷却するステップが、凝縮ステップの前であって、供給ステップと少なくとも部分的に同時に実施されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体状態および気体状態のガスを収容するタンク(200)を備える船舶に設けられたガス消費装置(101)に前記ガスを供給するための方法であって、少なくとも、
前記タンク(200)から供給ユニット(110)によって前記気体状態で取り出されたガスを前記ガス消費装置(101)に供給するステップと、
少なくとも1つの第1のパス(122)および1つの第2のパス(123)を備える少なくとも1つの熱交換器(121)を備える凝縮ユニット(120)によって、前記タンク(200)から前記気体状態で取り出された前記ガスの少なくとも一部を凝縮させるステップであって、前記熱交換器(121)が、前記供給ユニット(110)と前記ガス消費装置(101)との間に取り出され、前記第1のパス(122)を流れるガスと、前記タンク(200)と前記供給ユニット(110)との間を流れ、前記第2のパス(123)を流れるガスとの間で熱交換を実行するように構成される、ステップと、を含み、
前記方法が、前記熱交換器(121)の前記第1のパス(122)および前記第2のパス(123)におけるガスの流れによって前記熱交換器(121)を冷却するステップを含み、この冷却ステップが、前記凝縮ステップの前であって、少なくとも部分的に前記供給ステップと同時に実施される、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記冷却ステップが、前記熱交換器(121)の第1のパス(122)を通って流れるガスの流量を、前記供給ステップ中に前記タンク(200)から前記気体状態で取り出される前記ガスの流量の2%~12%に含まれる比に制御することを含む、請求項1に記載の供給方法。
【請求項3】
前記冷却ステップが、前記冷却ステップ中に前記熱交換器(121)の第2のパス(123)を通って流れるガスの流量を、前記熱交換器(121)の第1のパス(122)を通って流れる前記ガスの流量の75%~135%に含まれる比に制御することを含む、請求項1または2に記載の供給方法。
【請求項4】
前記冷却ステップが、前記冷却ステップ中に前記熱交換器(121)の第1のパス(122)を通って流れるガスの流量を50kg/h~300kg/hに含まれる値に制御することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の供給方法。
【請求項5】
前記冷却ステップ中に前記熱交換器(121)の第1のパス(122)を通って流れるガスの流量が、前記凝縮ステップ中に前記熱交換器(121)の前記第1のパス(122)を通って流れるガスの流量の3%~20%に含まれる、請求項1から4のいずれか一項に記載の供給方法。
【請求項6】
前記冷却ステップ中に前記熱交換器(121)の前記第1のパス(122)を通って流れる前記ガスが、前記供給ユニット(110)に合流する、請求項2から5のいずれか一項に記載の供給方法。
【請求項7】
前記熱交換器(121)を冷却する前記ステップが、前記熱交換器(121)を正の摂氏温度から負の摂氏温度に移行させて前記熱交換器(121)を冷却するステップである、請求項1から6のいずれか一項に記載の供給方法。
【請求項8】
前記熱交換器(121)を冷却する前記ステップが、前記熱交換器(121)を第1の負の摂氏温度から第2の負の摂氏温度に移行させて前記熱交換器(121)の冷却を保つステップである、請求項1から7のいずれか一項に記載の供給方法。
【請求項9】
少なくとも1つのガス消費装置(101)にガスを供給するためのシステム(100)であって、前記システム(100)は、少なくとも、
ガスを収容するように意図された、液体状態および気体状態のガスを貯蔵および/または輸送するためのタンク(200)と、
前記タンク(200)からガスを取り出し、前記ガス消費装置(101)に供給するためにその圧力を上昇させるように構成された、前記ガス消費装置(101)のための供給ユニット(110)と、
第1のパス(122)および第2のパス(123)を含む少なくとも1つの熱交換器(121)を備える凝縮ユニット(120)であって、前記供給ユニット(110)と前記ガス消費装置(101)との間で取り出されたガスが前記第1のパス(122)を通って流れる一方で、前記タンク(200)と前記供給ユニット(110)との間を流れるガスが前記第2のパス(123)を通って流れるように構成された凝縮ユニット(120)と、
前記熱交換器(121)を冷却するための装置(130)であって、前記第1のパス(122)を通って流れる前記ガスの流量を制御するように構成された少なくとも1つの制御部材(131)と、前記熱交換器(121)の温度を制御するための装置(142)と、を備え、前記熱交換器(121)が、前記第1のパス(122)および前記第2のパス(123)におけるガスの流れによって冷却される、特に低温に維持される、装置(130)と、
を備えるシステム(100)。
【請求項10】
前記熱交換器(121)の前記温度を制御するための前記装置(142)が、前記熱交換器(121)の前記第2のパス(123)をバイパスするための少なくとも1つのダクト(140)を備える、請求項9に記載のガス供給システム(100)。
【請求項11】
前記熱交換器(121)の前記温度を制御するための前記装置(142)が、前記バイパスダクト(140)を通って流れるガスの前記流量を調整するための少なくとも1つの装置(141)と、前記熱交換器(121)の前記第1のパス(122)の入口(144)における前記ガスの温度を測定または決定することができるセンサ(138)と、を備え、前記バイパスダクト(140)を通って流れるガスの前記流量が、少なくとも、前記熱交換器(121)の前記第1のパス(122)の前記入口(144)で決定された前記ガスの前記温度に依存する、請求項10に記載のガス供給システム(100)。
【請求項12】
前記センサ(138)が、前記熱交換器(121)の前記第2のパス(123)の出口(139)における前記ガスの温度を測定または決定することができ、前記バイパスダクト(140)を通って流れるガスの前記流量が、前記熱交換器(121)の前記第2のパス(123)の前記出口(139)における前記ガスの前記温度に依存する、請求項11に記載のガス供給システム(100)。
【請求項13】
前記凝縮ユニット(120)が、前記第1のパス(122)および前記第2のパス(123)を含む、以下で前記第1の熱交換器(121)と呼ばれる少なくとも前記熱交換器(121)を備え、また、前記タンク(200)から液体状態で取り出されたガスと前記第1の熱交換器(121)の前記第1のパス(122)から来る前記ガスとの間の熱交換のサイトである第2の熱交換器(145)も備える、請求項9から12のいずれか一項に記載のガス供給システム(100)。
【請求項14】
前記供給ユニット(110)が、前記タンク(200)から液体状態で取り出されたガスの温度を上昇させるための少なくとも1つの部分(111)と、前記ガス消費装置(101)に供給するために前記ガスの圧力を上昇させるための少なくとも1つの部分(112)と、を備える、請求項9から13のいずれか一項に記載のガス供給システム(100)。
【請求項15】
前記供給ユニット(110)の前記温度上昇部分(111)が、少なくとも1つの熱交換器(113)および少なくとも1つの圧縮装置(117)を備え、前記圧縮装置(117)が、前記熱交換器(113)と前記圧力上昇部分(112)との間に配置され、前記熱交換器(113)が、前記タンク(200)から液体状態で取り出されたガスが供給される少なくとも1つの第1のライン(114)と、前記タンク(200)から液体状態で取り出されたガスが供給される少なくとも1つの第2のライン(115)と、を備え、少なくとも1つの膨張装置(116)が、前記タンク(200)と前記熱交換器(113)の前記第1のライン(114)との間に配置される、請求項14に記載のガス供給システム(100)。
【請求項16】
液体状態のガスを輸送するための船舶(70)であって、請求項9から15のいずれか一項に記載の少なくとも1つのガス供給システム(100)を備える、船舶(70)。
【請求項17】
少なくとも1つの陸上または港湾施設(77)と、請求項16に記載の液体状態のガスを輸送するための少なくとも1つの船舶(70)と、を組み合わせた、液体状態のガスを積み降ろしするためのシステム(100)。
【請求項18】
請求項16に記載のガスを輸送するための船舶(70)のための、液体状態のガスを積み降ろしするための方法であって、液体状態の前記ガスが、パイプ(76、78、79、81)を通って、浮体式もしくは陸上の貯蔵施設(77)から前記船舶(70)の前記タンク(200)に向かって、または前記タンク(200)から前記浮体式もしくは陸上の貯蔵施設(77)に向かって運ばれる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推進エンジンが天然ガスによって動力供給され、液化天然ガスを収容および/または輸送することも可能にする船舶の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
したがって、そのような船舶は、従来、液体状態の天然ガスを収容するタンクを備える。天然ガスは、大気圧において-160℃未満の温度で液体である。これらのタンクは、天然ガスが少なくとも部分的に蒸発するように完全に断熱されることはない。したがって、これらのタンクは、液体形態の天然ガスおよび気体形態の天然ガスの両方を含む。気体形態のこの天然ガスはタンクの上部を形成し、タンクを損傷しないようにタンクのこの上部の圧力を制御しなければならない。したがって、既知の方法では、ガス形態でタンク内に存在する天然ガスの少なくとも一部は、とりわけ船舶の推進エンジンに動力を供給するために使用される。
【0003】
それにもかかわらず、船舶が停止しているとき、これらのエンジンによる天然ガスの消費はゼロ、またはほぼゼロであり、タンク内の気体状態で存在する天然ガスはもはやこれらのエンジンによって消費されない。したがって、タンク内に存在する蒸発した天然ガスを凝縮することを可能にする再液化システムが、液体状態でこのタンクに戻すために、船舶に実装される。
【0004】
現在使用されている再液化システムは、エネルギーに関して非常に高価なユニットの準備を必要とする。実際、システム、特にガスの処理に使用される熱交換器の温度は、再液化が開始され得るしきい値よりも低い値にされなければならない。この遅延は、再液化システムを作動させる時間を増加させ、そのような遅延はまた、特にエネルギー的に長い期間であることを理解されたい。本発明は、ガスを液化する役割を果たす凝縮ユニットを備えるガス消費装置にガスを供給する方法を提供することによってこの文脈に含まれ、この凝縮ユニットの少なくとも1つの熱交換器は、凝縮ユニットの動作時間を短縮するために冷却される。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の目的は、液体状態および気体状態のガスを収容するタンクを備える船舶に設けられたガス消費装置にガスを供給するための方法に関し、本方法は、少なくとも、
タンクから供給ユニットによって気体状態で取り出されたガスをガス消費装置に供給するステップと、
供給ユニットとガス消費装置との間に取り出されたガスと、タンクと供給ユニットとの間を流れるガスとの間で熱交換を実行するように構成された少なくとも1つの熱交換器を備える凝縮ユニットによって、タンクから気体状態で取り出されたガスの少なくとも一部を凝縮させるステップと、を含み、
本方法が、熱交換器を冷却するステップを含み、この冷却ステップが、凝縮ステップの前に、供給ステップと少なくとも部分的に同時に実施されることを特徴とする。
【0006】
従来技術とは対照的に、本方法は、たとえガス消費装置がタンクの上部空間で利用可能な蒸気状態のガスを消費したとしても、熱交換器内のガス流を可能にする。この流れは制御され、システムの残りの部分の流量と比較して、後者のバランスを崩さないように特に低い。
【0007】
そのような構成は、凝縮ステップを実行するときに、熱交換器をその動作条件に近い低温に冷却する、特に維持することを可能にする。したがって、消費されるエネルギー量および/または凝縮ユニットの作動時間が非常に大幅に低減され、これにより液化ガスの量を最大化し、その結果としてその損失を最小化することが可能になる。
【0008】
本発明の1つの特徴によれば、冷却ステップは、熱交換器の第1のパスを通って流れるガスの流量を、供給ステップ中にタンクから気体状態で取り出されるガスの流量の2%~12%に含まれる比に制御することを含む。例えば、タンクを出る蒸気状態のガスの流量が2,500kg/hである場合、熱交換器を冷却するガスの流量は、50kg/h~300kg/hに含まれる。
【0009】
本発明の別の特徴によれば、冷却ステップは、冷却ステップ中に熱交換器の第2のパスを通って流れるガスの流量を、熱交換器の第1のパスを通って流れるガスの流量の75%~135%の比に制御することを含む。好ましくは、この比は115%に等しく、最適な冷却を保証する。そのような比の値は、熱交換器を損傷する可能性がある熱応力の発生を回避するために、熱交換器の2つのパス間の熱交換を制御する効果を有する。したがって、従来技術よりもはるかに手頃な価格のアルミニウムプレート交換器技術を使用することが可能である。
【0010】
本方法の一特徴によれば、冷却ステップは、冷却ステップ中に熱交換器の第1のパスを通って流れるガスの流量を50kg/h~300kg/hに含まれる値に制御することを含む。これらの流量値は、凝縮ユニットの迅速な動作のために熱交換器を低温に設定または維持しながら、消費者に送られるガスの流量のごく一部のみが取り出されることを保証しながら、冷却ステップがガス消費者に供給するステップに悪影響を及ぼさないことを保証する。
【0011】
冷却ステップ中に熱交換器の第1のパスを通って流れるガスの流量は、凝縮ステップ中に熱交換器の第1のパスを通って流れるガスの流量の3%~20%であることに留意されたい。これにより、冷却ステップと凝縮ステップとを区別することができる。
【0012】
有利には、冷却ステップ中に熱交換器の第1のパスを通って流れるガスは、供給ユニットに合流する。したがって、熱交換器を冷却したこのガスは、タンクから来て供給ユニットに送られるガスと混合される。
【0013】
1つの特徴によれば、熱交換器を冷却するステップは、この熱交換器を冷却して、熱交換器を正の摂氏温度から負の摂氏温度に下げるステップである。例えば、熱交換器の温度は、特に27°の第1のパスと第2のパスとの間の最大温度差を維持しながら、+42℃から-117℃まで通過する。
【0014】
別の特徴によれば、熱交換器を冷却するステップは、熱交換器を第1の負の摂氏温度から第2の負の摂氏温度に移行させて熱交換器の冷却を保つステップである一例によれば、第1の温度は第2の温度に等しくてもよく、これは熱交換器を例えば-120℃の温度に保つことにつながり、それにより熱交換器は凝縮ステップを実施するためにすぐに利用可能である。別の例によれば、第1の温度、例えば-117℃は、第2の温度、例えば-120℃よりも高い。
【0015】
冷却保持ステップの前に凝縮ステップが行われることに留意されたい。言い換えると、冷却保持ステップは、2つの凝縮ステップの間に時系列的に挟まれている。このような選択は、熱交換器が凝縮相の終わりに非常に低い温度にある状況で冷却保持ステップの開始が起こるため、熱交換器の冷却を保つことを容易にする。
【0016】
本発明はまた、少なくとも1つのガス消費装置にガスを供給するためのシステムに関し、システムは、少なくとも、
ガスを収容するように意図された、液体状態および気体状態のガスを貯蔵および/または輸送するためのタンクと、
タンクからガスを取り出し、ガス消費装置に供給するためにその圧力を上昇させるように構成された、ガス消費装置のための供給ユニットと、
第1のパスおよび第2のパスを含む少なくとも1つの熱交換器を備える凝縮ユニットであって、供給ユニットとガス消費装置との間で取り出されたガスが第1のパスを通って流れる一方で、タンクと供給ユニットとの間を流れるガスが第2のパスを通って流れるように構成された凝縮ユニットと、
熱交換器を冷却するための装置であって、第1のパスを通って流れるガスの流量を制御するように構成された少なくとも1つの制御部材と、熱交換器の温度を制御するための装置と、を備える。
【0017】
第1のパスは、熱交換器の第1のパスおよび第2のパスにおけるガスのそれぞれの流れ方向に従って、その順序で、タンクと供給ユニットとの間に配置され、第2のパスは、供給ユニットとタンクとの間に配置される。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、制御部材は、第1のパスを流れる流量を調整する。例えば、この流量制御部材は、少なくとも冷却ステップ中に熱交換器に供給するように意図されたガスの流量を制御することを可能にする少なくとも1つの開位置、閉位置、および複数の中間位置をとるように適合されたバルブの形態であってもよい。
【0019】
システムの特徴によれば、制御部材は、最初のパスを通って流れるガスの流量を50kg/h~300kg/hに含まれる値に制御するように構成される。したがって、この制御部材は、パイプ内のガス流量を細かく制御するように設計されているが、そのような流量は、それにもかかわらず、システムが液化モードにあるときに凝縮ステップによって使用される流量よりも著しく低い。
【0020】
本発明の特徴によれば、熱交換器の温度を制御するための装置は、熱交換器の第2のパスをバイパスするための少なくとも1つのダクトを備える。したがって、バイパスダクトを通って流れるガスの流量と比較して、第2のパスを通って流れるガスの流量を制御することができ、したがって、この熱交換器の第1のパスと第2のパスとの間で行われる熱交換に作用することができる。
【0021】
別の特徴によれば、熱交換器の温度を制御するための装置は、バイパスダクトを通って流れるガスの流量を管理するための少なくとも1つの部材を備え、バイパスダクトを通って流れるガスの流量は、熱交換器の第1のパスの入口で決定されたガスの温度に少なくとも依存する。言い換えると、この少なくとも1つのバイパスダクトは、熱交換器の第2のパスと平行に、タンクと供給ユニットとの間に延在する。
【0022】
相補的に、バイパスダクトを通って流れるガスの流量は、熱交換器の第2のパスの出口で決定されるガスの温度に依存する。
【0023】
これらの構成は、熱交換器の第1のパスと第2のパスとの間の過度の温度差から生じる機械的応力を回避するように、第1のパスおよび第2のパスを通って流れるガスの温度を制御することを目的とする。
【0024】
本発明の一態様によれば、第1のパスおよび第2のパスを含む少なくとも第1の熱交換器と呼ばれる熱交換器を備える凝縮ユニットはまた、タンクから液体状態で取り出されたガスと第1の熱交換器の第1のパスから来るガスとの間の熱交換のサイトである第2の熱交換器を備える。
【0025】
第1の熱交換器は、上述した熱交換器、すなわち、第1のパスおよび第2のパスを含む熱交換器であり、凝縮ユニットは、供給ユニットとガス消費装置との間で取り出されるガスが第1のパスを通って流れる一方で、タンクと供給ユニットとの間を流れるガスが第2のパスを通って流れるように構成される。
【0026】
第2の熱交換器は、供給ユニットと消費者装置との間で取り出されるガス流に対して、第1の熱交換器の下流にある。この第2の熱交換器は、この同じガス流の流れ方向に従って、冷却装置の上流に配置される。
【0027】
システムの一態様によれば、供給ユニットは、タンクから液体状態で取り出されたガスの温度を上昇させるための少なくとも1つの部分と、ガス消費装置に供給するためにガスの圧力を上昇させるための少なくとも1つの部分と、を備える。
【0028】
このガス圧を上昇させてガス消費装置に供給するために、供給ユニットは少なくとも1つの圧縮部材を備える。有利には、供給ユニットは、冗長性を確保するように2つの圧縮部材を備えてもよく、すなわち、2つの圧縮部材の一方が欠陥を有するようになった場合、他方の圧縮部材がそれを交換することができる。本発明によれば、供給ユニットは、ガス消費装置の必要性に適合する圧力までガスの圧力を上昇させるように構成される。例えば、ガスは、1バール~400バール、有利には1バール~17バール、さらに有利には6バール~17バールの圧力で高くてもよい。
【0029】
この実施形態の特徴によれば、供給ユニットの温度上昇部分は、例えば、少なくとも1つの熱交換器と、少なくとも1つの圧縮装置とを備えることができ、圧縮装置は、熱交換器とガス圧力上昇部分との間に配置され、熱交換器は、タンクから液体状態で取り出されたガスによって供給される少なくとも1つの第1のラインと、タンクから液体状態で取り出されたガスによって供給される少なくとも1つの第2のラインとを備え、少なくとも1つの膨張装置は、タンクと熱交換器の第1のラインとの間に配置される。
【0030】
したがって、この実施形態によれば、温度上昇部分はガス蒸発部分を形成し、すなわち、液体状態でタンクから取り出されたガスは、供給ユニットの圧力上昇部分に接合する前に気体状態になるように加熱される。
【0031】
本発明はまた、上記で開示された特徴のいずれか1つによる少なくとも1つのガス供給システムを備える液体ガス輸送船舶に関し、タンク、供給ユニット、凝縮ユニットおよび冷却装置は、船舶によって運ばれる。
【0032】
本発明はまた、上述したように、少なくとも1つの陸上または港湾施設と、液体ガスを輸送するための少なくとも1つの船舶とを組み合わせた、液体ガスを積み降ろしするためのシステムに関する。
【0033】
最後に、本発明は、上述したようなガス輸送船舶のための液体ガスを積み降ろしするための方法に関し、その間、液体状態のガスは、パイプを通って浮体式もしくは陸上の貯蔵施設から船舶のタンクに向かって、または船舶のタンクから浮体式もしくは陸上の貯蔵施設に向かって運ばれる。
【0034】
本発明の他の特徴、詳細および利点は、一方では以下の説明を、他方では添付の図面を参照して限定することなく例示目的で与えられた実施形態から読むと、より明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明によるガス消費装置のガス供給システムを模式的に示す図である。
【
図2】
図1に示すガス供給システムの第1の実施形態を概略的に示す図である。
【
図3】温度保持モードによる、
図2に示すガス供給システムの実施態様を概略的に示す図である。
【
図4】凝縮モードによる、
図2に示すガス供給システムの実施態様を概略的に示す図である。
【
図5】本発明によるガス供給システムの第2の実施形態を模式的に示す図である。
【
図6】温度保持モードによる、
図5に示すガス供給システムの実施態様を概略的に示す図である。
【
図7】凝縮モードによる、
図5に示すガス供給システムの実施態様を概略的に示す図である。
【
図8】LNG船舶タンク、ならびにこのタンクに積み降ろしするためのターミナルの断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
説明の残りの部分では、「上流」および「下流」という用語は、考慮される要素を通る液体、気体または二相状態のガスの流れの方向に従って理解されるべきである。
図3、
図4、
図6および
図7において、破線は、ガスが流れない回路ダクトを表し、実線は、このガスの状態にかかわらず、ガスが流れる回路ダクトを表す。また、ラインの厚さは、対応するダクトを流れるガスの流量に比例する。したがって、最も細い線は、ガスが50kg/h~300kg/hに含まれる第1の流量で流れるダクトを表し、より太い線は、ガスが厳密に300kg/hより高い第2の流量で流れるダクトを表す。
【0037】
本明細書では、「液化」および「凝縮」という用語は区別せずに使用される。
【0038】
図1から
図7は、少なくとも1つのガス消費装置101のガス供給システム100を示す。図示するように、システム100は、少なくとも1つのガス消費装置101に供給されるように意図されたガスを収容する少なくとも1つのタンク200を備え、ガスは、液体状態および気体状態でこのタンク200に収容される。以下の説明では、気体状態のガスが占めるタンク200の空間を「タンク上部空間201」と呼び、液体状態の気体が占めるタンク200の空間を「タンク202の底部」と呼ぶ。
【0039】
以下の説明は、タンク200が天然ガスを含む本発明の適用の特定の例を与える。これは用途の一例にすぎず、本発明によるガス供給システム100は、異なる種類のガス、例えば炭化水素または水素ガスと共に使用することができることを理解されたい。同様に、図は、1つまたは2つの燃料消費装置にガスを供給するためのシステムを示しているが、本発明の文脈から逸脱することなく、システムは3つ以上のガス消費装置を供給するのに適し得ることを理解されたい。本明細書の残りの部分では、特に明記しない限り、「ガス消費装置」という用語は、1つまたは複数のガス消費装置を指す。
【0040】
したがって、
図1は、主に、ガス消費装置101のガス供給システム100を、停止時に、すなわち、ガス、液体または二相状態にかかわらずガスが流れていないときに概略的に示す。
【0041】
本発明によれば、システム100は、少なくとも上述のタンク200と、少なくとも1つのガス消費装置101の供給ユニット110と、ガス凝縮ユニット120と、ガス消費装置101と、冷却装置130とを備える。
【0042】
概略的に示すように、タンク200と供給ユニット110との間に少なくとも第1のダクト102、102’が配置されている。本発明によれば、供給ユニット110は、タンク上部空間201から気体状態で取り出されたガスによって、またはタンク200から液体状態で取り出されたガスによって供給することができる。言い換えると、第1のダクト102’は、タンク上部空間201と供給ユニット110との間に延びてもよく、またはこの第1のダクト102は、タンク202の底部と供給ユニット110との間、より具体的には、タンク202の底部に配置されたポンプ300と供給ユニット110との間に延びてもよい。
【0043】
供給ユニット110を供給するガスの状態にかかわらず、供給ユニットは、タンク200から取り出されたガスの温度を上昇させるように構成された少なくとも1つの温度上昇部分111を備え、その結果、このガスは、ガス消費装置101の必要性に適合する温度で気体状態で供給ユニット110を出る。供給ユニット110はまた、ガス消費装置101の必要性に適合する圧力までこのガスの圧力を上昇させるように構成された少なくとも1つの圧力上昇部分112を備える。以下に詳述するように、温度上昇部分111は少なくとも1つの熱交換器を備え、圧力上昇部分112は少なくとも1つの圧縮部材を備える。
【0044】
システム100は、供給ユニット110をガス消費装置101に接続する少なくとも1つの第2のダクト103を備える。上記から、ガス消費装置101のニーズに適合する温度および圧力を有する気体状態のガスが、この第2のダクト103を通って流れることが理解されるべきである。
【0045】
本発明によれば、圧力上昇部分112は、通過するガスの圧力をガス消費装置101の必要性に適合する圧力まで昇圧するように構成された、例えば
図2から
図7に示す少なくとも1つの圧縮部材118を備える。より具体的には以下に説明する実施形態のいずれか1つによれば、圧力上昇ユニット112は、より具体的には、互いに平行に設置された第1の圧縮部材118および第2の圧縮部材118’を備える。
【0046】
本発明の適用の異なる例によれば、第1の圧縮部材118のみが動作するようになっていてもよく、第2の圧縮部材118’は冗長性を確保し、すなわち、この第2の圧縮部材118’は、第1の圧縮部材が故障した場合に第1の圧縮部材118を交換することを可能にする。あるいは、第1の圧縮部材118と第2の圧縮部材118’とが同時に動作するようにすることができ、すなわち、圧力上昇部分111から来るガスの第1の部分が第1の圧縮部材118によって圧縮され、このガスの第2の部分が第2の圧縮部材118’によって圧縮されるようにすることができ、このガスの第1の部分とこの第2の部分とは別個である。これらの圧縮部材118、118’の各々は、ガス消費装置101に接続された第2のダクト103にも接続されている。
【0047】
これらの適用例のいずれか1つによれば、ガスは、気体状態および約1バールの圧力で第1の圧縮部材118および/または第2の圧縮部材118’を接合し、このガスは、ガス状態および高圧、すなわち、1バール~400バール、有利には1バール~17バール、さらにより有利には6バール~17バールに含まれる圧力で第1の圧縮部材118および/または第2の圧縮部材118’を出る。この第1の圧縮部材118および/またはこの第2の圧縮部材118’の出口における圧縮レベルは、供給されるガス消費装置101の種類に応じてパラメータ化される。
【0048】
次に、凝縮ユニット120は、供給ユニット110とガス消費装置101との間に取り出されたガスと、タンク200と供給ユニット110との間を流れるガスとの間で熱交換を実行するように適合された少なくとも1つの熱交換器121を備える。より具体的には、熱交換器121は、供給ユニット110とガス消費装置101との間に取り出されたガス、すなわち圧力上昇部分112によって圧縮されたガスによって供給される少なくとも1つの第1のパス122と、供給ユニット110のタンク上部空間201と圧力上昇部分112との間を流れるガスによって供給される少なくとも1つの第2のパス123と、を備える。
【0049】
有利には、凝縮ユニット120は、上述の熱交換器121が第1の熱交換器と呼ばれる場合、以下で第2の熱交換器145と呼ばれる別の熱交換器を備える。第2の熱交換器145は、凝縮ステップの実施中に凝縮器として使用される。この第2の熱交換器145は、供給ユニット110とガス消費装置101との間で取り出されたガスが流れる第1のパス146と、タンク200から液体状態で取り出されたガスが流れる第2のパス147とを備える。
【0050】
第2の熱交換器145の第1のパス146は、第1の熱交換器121の第1のパス122の下流に配置される。第2の熱交換器145の第2のパス147は、供給ユニット110の上流側に配置されている。
【0051】
第2の熱交換器145は、最大で-163℃に等しい温度の液体状態のガスと、供給ユニット110の出口で取り出される蒸気状態のガスとの間の熱交換のサイトであり、後者は、第1の熱交換器121の第1のパス122への通過後に正の温度になることができる。
【0052】
第2の熱交換器145に関連する第1の熱交換器121は、凝縮ユニット120の一実施形態を形成する。
【0053】
以下の説明において、熱交換器は、上述した第1の熱交換器である。
【0054】
したがって、図示するように、少なくとも1つの第3のダクト104は、タンク上部空間201と熱交換器121の第2のパス123との間に延在し、少なくとも1つの第4のダクト105は、第2のダクト103と第1のパス122との間に延在し、より具体的には、この第4のダクト105は、この第2のダクト103上に位置する第1の接続点401と熱交換器121の第1のパス122の入口との間に延在する。
【0055】
さらに、第1のパス122は、パイプ143を介してタンク202の底部に接続され、第2のパス123は、第9のダクト136および第6のダクト107を介して供給ユニット110に接続されている。
【0056】
凝縮ユニット120の熱交換器121は、タンク上部空間201から気体状態で取り出されたガスと、供給ユニット110の下流に取り出されたガス、すなわち気体状態であり、ガス消費装置101の必要に適合する温度および圧力を有するガスとの間で熱交換を実行するように構成される。すなわち、熱交換器121は、タンク上部空間201から気体の状態で取り出されて熱交換器121に直接送られるガスと、タンク上部空間201から気体状態で取り出されて供給ユニット110の圧力上昇部分112で昇圧されたガスとの間で熱交換を行うように構成されている。「熱交換器121に直接送られる」とは、気体状態で取り出された天然ガスは、熱交換器121、より具体的にはこの熱交換器110の第2のパス123に接合する前に、考慮されるダクト内のその流れに関連するもの以外の圧力または温度の変更を受けないことを理解されたい。
【0057】
この熱交換の結果は、少なくとも、熱交換器121の第1のパス122を流れるガスの冷却、およびこの熱交換器121の第2のパス123を流れるガスの温度の上昇である。
【0058】
本発明によれば、熱交換器121の冷却装置130は、熱交換器121の第1のパス122を流れるガス流を制御するための少なくとも1つの部材131を備える。冷却装置130はまた、第1のパス122の出口に接続された二相入口と、第2のパス123の上流で第3のダクト104に接続されたガス出口と、パイプ143によってタンク200に接続された液体出口とを有する少なくとも1つの相分離器133を備える。
【0059】
例えば、相分離器134に含まれるガスの液相は、パイプ143のおかげでタンク202の底部に戻すことができ、このガスの液体状態の流れは、パイプ143に設置されたバルブ135に依存する。
【0060】
本発明によれば、熱交換器121は、第1のパス122および第2のパス123のガス流によって冷却され、特に低温に保たれるが、このガスの凝縮は行われない。この熱交換器121のこの冷却は、この凝縮を実行する必要があるときに、より迅速にガスの凝縮条件に到達することを可能にする。
【0061】
上述したように、冷却装置130は、少なくとも制御部材131を備える。「制御部材」とは、それを担持するダクト内のガスの流量を変更することができる任意の要素を意味する。この場合、制御部材131は、ガスの流れを可能にする少なくとも1つの開位置、ガスの流れを防止する少なくとも1つの閉位置、および第1のパス122を流れるガスの流量を制御することを可能にする複数の中間位置をとるように適合されたバルブであってもよい。
【0062】
図1~
図7に示すように、この制御部材131は、相分離器133の二相入口の上流側の第5のダクト106上に配置されてもよい。代替的または相補的に、この制御部材131は、相分離器133のガス出口と第3のダクト104との間に延在する第6のダクト107上に配置されてもよい。いずれの場合でも、この制御部材131は、熱交換器121の第1のパス122を通って流れるガスの流量、特にその上流または下流に直接影響を及ぼすダクト上に配置される。
【0063】
本発明による供給システム100は、凝縮ユニット120の熱交換器121を冷却するステップを実施するように構成される。この冷却ステップは、例えば、冷却装置130によって制御される。以下に詳述するように、この方法は、ガス消費装置101および熱交換器121へのガスの同時供給を可能にするが、それにもかかわらず、この熱交換器121を冷却するか、または凝縮ユニット120の短縮された時間での動作を可能にする温度に維持するのに十分なガス流量である。
【0064】
熱交換器121を冷却するこのステップは、液化を行うためにこの熱交換器を熱的に調製することを意図しており、供給ステップと同時に、この冷却がエネルギーの観点から透過的であるように、凝縮ステップの前に経時的に行われる。
【0065】
本発明による冷却装置130は、凝縮ユニット120の熱交換器121を冷却または低温に保つために、ガス消費装置101に供給するためのガスの一部を導出するように構成される。換言すれば、制御部材131は、前述の中間位置のうちの一方をとるように構成され、これにより、50kg/h~300kg/hに含まれる第5のダクト106内の流量を得ることができる。有利には、制御部材131は、第4のダクト105内を流れるガスが200kg/hに等しい、または実質的に等しい流量を有する中間位置をとるように構成される。
【0066】
熱交換器121内のいかなる熱衝撃も回避するために、冷却装置130は、熱交換器121の温度を制御するための装置142を備える。図示するように、熱交換器121の温度を制御するためのこの装置142は、この熱交換器121の第2のパス123をバイパスするための少なくとも1つのダクト140を含む。
【0067】
したがって、図示するように、このバイパスダクト140は、タンク上部空間201と供給ユニット110との間に延在し、熱交換器121の第2のパス123をバイパスすることを可能にする。より具体的には、このバイパスダクト140は、このバイパスダクト140に続くガスが圧力上昇部分112に合流するように形成される。少なくとも1つの流量調整装置141は、第3のダクト104とバイパスダクト140との交差部に配置される。図示する例によれば、この流量調整装置141は、バイパスダクト140内でのみガスの流れを可能にする少なくとも1つの第1の開位置、熱交換器121の第2のパス123の方向でのみガスの流れを可能にする少なくとも1つの第2の開位置、および異なる流量でバイパスダクト140内および熱交換器121の第2のパス123の方向でガスの流れを可能にする複数の中間位置をとるように適合された三方バルブであり、これらの流量は、流量調整装置141がその開位置のうちの1つにあるときにガスが有する流量よりも低い。
【0068】
冷却ステップが実施されると、流量調整装置141は、バイパスダクト140内のガスの流れを可能にする中間位置にあり、その結果、凝縮ユニット120の熱交換器121の第2のパス123を流れるガスは、37.5kg/h~405kg/hに含まれる流量を有する。有利には、この流量は230kg/hに等しいか、または実質的に等しい。一般に、流量調整装置141は、熱交換器121の第2のパス123を通って流れるガスの流量を、熱交換器121の第1のパス122を通って流れるガスの流量の75%~135%の比率に制御し、この最後の流量は50kg/h~300kg/hに含まれる。
【0069】
熱交換器121の第2のパス123を出るガスとバイパスダクト140を流れるガスとは、第6のダクト107が延在する第2の接続点402で合流することに留意されたい。したがって、熱交換器121を出るガスおよびバイパスダクト140を出るガスは、供給ユニット110の上流、より具体的にはこの供給ユニット110の圧力上昇部分112の上流で混合される。図示するように、この第6のダクト107は、第2の接続点402と、供給ユニット110の圧力上昇部分112の上流に位置する第3の接続点403との間、特に、この供給ユニット110の温度上昇部分111と圧力上昇部分112との間に延在する。
【0070】
言い換えると、システム100は、熱交換器121の第2のパス123を出るガスとバイパスダクト140を流れるガスとが共に供給ユニット110の圧力上昇部分112によって付与される圧力上昇を受けるように構成される。
【0071】
バイパスダクト140を通って流れるガスの流量は、熱交換器121の第1のパス122の入口144で決定または測定されたガスの温度に依存する。したがって、流量調整装置141の位置は、入口144で測定されたガスの温度によって決定される。
【0072】
例えば、第1のパス122の入口144でのガスの温度の測定または決定は、センサ138によって実行され、そのプローブは、例えば、考慮されるパイプを流れるガスと直接または間接的に接触することができる。
【0073】
制御ライン137は、センサ138によって入口144で測定されたガスの温度に対する流量調整装置141の依存性を表す。
【0074】
そのようなセンサ138およびそのような制御ライン137は、熱交換器121の温度を制御するための装置142の一部であってもよい。
【0075】
さらに、バイパスダクト140を通って流れるガスの流量は、熱交換器121の第2のパス123の出口139で決定または測定されたガスの温度にも依存する。したがって、流量調整装置141の位置もまた、出口139で測定されたガスの温度によって制御される。
【0076】
例えば、第2のパス123の出口139でのガスの温度の測定または決定は、前述のセンサ138によって実行され、そのプローブは、例えば、考慮されるダクト内を流れるガスと直接または間接的に接触することができる。もちろん、そのような温度はまた、センサ138とは異なる別のセンサによって決定または測定されてもよい。
【0077】
ここでも、制御ライン137は、センサ138によって出口139で測定されたガスの温度に対する流量調整装置141の依存性を表す。
【0078】
図2~
図4を参照して、本発明の第1の実施形態を説明し、
図2は停止時のシステム100を示し、
図3は、本発明による方法によって熱交換器121が冷却される、特に冷却されたままにされるシステム100を示し、
図4は、凝縮段階中に使用されるシステム100を示す。
【0079】
図5~
図7を参照すると、本発明の第2の実施形態が説明され、
図5は停止したときのシステム100を示し、
図6は、本発明による方法によって熱交換器121が冷却される、特に冷却されたままにされるシステム100を示し、
図7は、凝縮段階中に使用されるシステム100を示す。
【0080】
以下に詳述するように、第1の実施形態と第2の実施形態とは、供給ユニット110を構成する要素、より具体的には、この供給ユニット110の温度上昇部分111を構成する要素が本質的に相違する。したがって、これらの2つの実施形態に共通であり、上述した要素は詳細には繰り返さない。
【0081】
図2~
図4に示す第1の実施形態によれば、供給ユニット110の温度上昇部分111は、少なくとも1つの熱交換器113と、少なくとも1つの膨張装置116と、少なくとも1つの圧縮装置117とを備える。
【0082】
熱交換器113は、タンク200から液体状態で取り出されたガスによって供給される少なくとも1つの第1のライン114と、タンクから液体状態で取り出されたガスによって供給される少なくとも1つの第2のライン115とを備え、膨張装置116は、タンク200と熱交換器113の第1のライン114との間に配置される。次に、圧縮装置117は、熱交換器113の第1のライン114を流れるガスの圧力を少なくとも大気圧まで上昇させるように構成されている。
【0083】
第1のライン114は、一方ではタンク202の底部に配置された第1のポンプ300に接続され、他方では圧縮装置117に接続され、第2のライン115は、一方ではタンク202の底部に配置された第2のポンプ301に接続され、他方ではタンク200にも接続され、より具体的には液体状態のガスが貯蔵されるタンク202の底部に接続される。
【0084】
言い換えると、第1のダクト102は、第1のポンプ300と熱交換器113の第1のライン114との間に延在し、膨張装置116を運び、第7のダクト108は、第2のポンプ301と熱交換器113の第2のライン115との間に延在し、第8のダクト109は、第2のライン115とタンク202の底部との間に延在する。
【0085】
あるいは、熱交換器の第1のラインおよび第2のラインの両方が同じポンプによって供給されてもよく、この場合、この単一のポンプと熱交換器の第1および第2のラインとの間に分岐部が設けられる。
【0086】
膨張装置116は、第1のダクト102に配置されており、第1のポンプ300によってタンク202の底部から液体状態で取り出されたガスは、熱交換器113の第1のライン114に到達する前に膨張する。すなわち、第1のポンプ300によって液体状態のタンクから取り出されたガスは、大気圧よりも低い圧力で熱交換器113に流入する。第2のポンプ301は、タンク202の底部から液体状態で取り出されたガスを熱交換器113の第2のライン115に直接送るように構成されている、すなわち、タンク200から液体状態で取り出されたガスは、熱交換器113の第2のライン115に合流する前にポンプ輸送自体に関連するもの以外の温度または圧力の変更を受けない。したがって、熱交換器113は、液体状態のタンクから取り出された圧力低下後のガスと、液体状態のタンクから取り出された圧力変更前のガスとの間で熱交換を行うように構成されている。これにより、第1のライン114を流れる液体ガスは蒸発し、第2のライン115を流れる液体ガスはタンク202の底部に戻る前に過冷却される。言い換えると、本発明のこの第1の実施形態によれば、供給ユニット110の温度上昇部分111は、より具体的には、タンク202の底部から液体状態で取り出されたガスの少なくとも一部を蒸発させるための部分である。
【0087】
第2の熱交換器145の存在下では、プラントは、第7のダクト108と第8のダクト109との間に延在するバイパスチャネル148を備え、この場合、バイパスチャネル148は、熱交換器113の第2のライン115と平行に配置される。バイパスチャネル148内および/または第2のライン115内のタンクから取り出される液体状態のガスの流れは、制御部材149に依存し、制御部材は、本明細書では、バイパスチャネル148と第7のダクト108との間の交差部またはこの同じバイパスチャネルと第8のダクト109との間に設置された三方バルブの形態であってもよい。
【0088】
凝縮段階中、タンク200から取り出された液体状態のガスは、この第2の熱交換器145に入り、この第2の熱交換器の第2のパス147を通過する。液体状態のこのガスの特に低い温度、ここでは約-163℃は、この第2の熱交換器145の第1のパス146に入るガスの凝縮を促進するために利用される。
【0089】
液体ガスは、大気圧よりも低い圧力で熱交換器113の第1のライン114を流れる。したがって、この液体ガスの流れを確実にするために、この熱交換器113と供給ユニット110の圧力上昇部分112との間に配置された圧縮装置117は、この熱交換器113を出るガスを大気圧付近の圧力に戻すように構成される。例えば、この圧縮装置117は、ガスを0.35バールから1バールに圧縮するように構成される。このようにして圧縮されたガスは、供給ユニット110の圧力上昇部分112に合流することができ、ガス消費装置101の必要に応じた圧力まで昇圧される。圧縮装置117は、熱交換器113と第3の接続点403との間に配置され、第6のダクト107が供給ユニット110に結合するレベルにある。
【0090】
図3に示すように、上述の供給ユニット110およびタンク上部空間201内に存在するガスは、ガス消費装置101に供給する。この動作段階中、熱交換器121は、上述の冷却装置130のおかげで冷却されるかまたは冷却を保たれる。言い換えれば、熱交換器121の第1のパス122には、50kg/h~300kg/hに含まれ、有利には200kg/hに等しい流量で、第2のダクト103内に取り出されたガスが供給される。次に、第2のパス123には、37.5kg/h~405kg/h、有利には230kg/hの流量に従って、タンク上部空間201から気体状態で取り出されたガスが供給される。次に、バイパスダクト140には、タンク上部空間201から気体状態で取り出されたガスの残りが供給される。
【0091】
したがって、熱交換器121は、必要になるとすぐに、例えば、システム100が、タンク上部空間201内の気体状態のガスの量がガス消費装置101によって消費されるガスの量よりも多い状況になるとすぐに、すぐに使用することができる。この状況は、例えば、
図4に示されている。
【0092】
凝縮ユニット120は、タンク上部空間201において気体状態で利用可能なガスの量が、ガス消費装置101によって消費されるガスの量よりも多い場合、余分な量のガスを液化してタンク200内に戻すことにより、圧縮部分112によって圧縮されたガスを失うことを回避する。この凝縮モードでは、制御部材131は、熱交換器121の第1のパス122に不要なガス、すなわち気体状態で圧縮されているがガス消費装置101によって消費されていないガスを供給するように中間位置または開位置にある。
【0093】
この凝縮ステップの間、熱交換器121内で、ガス消費装置101によって消費されず、300kg/hを超える流量を有するガスは、液体状態でタンク200に戻すことができるように液化される。この凝縮ステップ中の熱交換器121の第1のパス122内のガス流量は、300kg/hより高く、3,000kg/hより低い。
【0094】
したがって、熱交換器121は、一方では第1のパス122を流れるガスを冷却し、他方では第2のパス123を流れるガスを加熱するように、第1のパス122を流れるガスと第2のパス123を流れるガスとの間の熱交換のサイトである。結果として、第1のパス122を流れるガスは、その後に、第2の熱交換器145に戻されることができ、そこで、第2の熱交換器145の第2のパス147を流れるこのガスと、第7のダクト108およびバイパスチャネル148によってタンク200から取り出された液体状態のガスとの間のカロリーの交換によって凝縮する。その後に、第2の熱交換器145の第2のパス147を流れるガスは、第8のダクト109を介してタンク200に合流する。
【0095】
特に、
図4は、ガスがバイパスダクト140内を流れないように流量調整装置141がその第2の開位置にある状況を示している。
【0096】
図4に示す例によれば、ポンプ300、301ならびに圧縮装置117は停止される。すなわち、供給ユニット110の温度上昇部分111を停止させる。実際、タンク上部空間201に自然に存在するガスの量は、ガス消費装置101に供給するのに十分であり、この供給を実行するために液体ガスを蒸発させる必要はもはやない。次いで、この温度上昇部分111の停止は、本発明によるシステム100の動作コストを低減することを可能にする。
【0097】
図5~
図7に示す第2の実施形態による供給システム100は、第1の実施形態によるシステム100と、特に供給ユニット110の温度上昇部分111’を構成する要素が異なる。また、図示した第2の実施形態は、システム100が供給ユニット110と熱的に関連付けられた冷媒流体回路を備えるという点で、図示した第1の実施形態とは異なる。
【0098】
第2の実施形態によれば、冷媒流体回路500は、少なくとも1つの第1の熱交換器113’と、そこを流れる冷媒流体の圧力を上昇させるように構成された圧縮装置501と、少なくとも1つの第2の熱交換器125と、冷媒流体の圧力を低下させるように構成された少なくとも1つの膨張装置502と、を備える。次に、圧力上昇部分111’は、少なくとも第1の熱交換器113’を備える。温度上昇部分111’の第1の熱交換器113’は、タンク上部空間201から気体状態で取り出されたガスによって供給される少なくとも1つの第1のライン114’と、気体状態の冷媒流体によって供給され圧縮装置501によって圧縮される少なくとも1つの第2のライン115’と、を備える。したがって、第1の実施形態とは異なり、第1のダクト102’は、タンク上部空間201と熱交換器113’の第1のライン114’との間に延在する。
【0099】
冷媒流体は、熱交換器113’内で行われる熱交換が、この熱交換器113’の第1のライン114’を流れるガスの温度の上昇をもたらすように選択される。
【0100】
次に、第2の熱交換器125は、タンク202の底部から液体状態で取り出されたガスによって供給される少なくとも1つの第1のパス126と、膨張した冷媒流体によって供給される少なくとも1つの第2のパス127と、を備え、すなわち、この第2の熱交換器125は、冷媒流体回路500上の膨張装置502のすぐ下流に配置される。したがって、第2の熱交換器125の第1のパス126は、タンク202の底部に配置されたポンプ303によって供給される。
【0101】
次に、第2の熱交換器145の第2のパス147は、第2の熱交換器125の第1のパス126に接続される。このようにして、第2の熱交換器125によって冷却された液体状態のガスは、第1の熱交換器121の第1のパス122を流れるガスの凝縮を促進する。
【0102】
冷媒流体回路500を循環する冷媒流体は、圧力が上昇する圧縮装置501によって循環される。したがって、圧縮装置は、気体状態かつ高圧でこの圧縮装置501を出た後に、第1の熱交換器113’に接合し、そこでこの熱交換器113’の第1のライン114’を流れるガスにカロリーを伝達する。したがって、冷媒流体は、二相または液体状態で熱交換器113’の第2のライン115’を出て、圧力が低下する膨張装置502に合流する。次いで、冷媒流体は、タンク202の底部から液体状態で取り出されたガスからカロリーを回収する第2の熱交換器125に合流する。第2の熱交換器125で行われる熱交換の結果は、冷媒流体の蒸発であり、これは次に新たな熱力学的サイクルを開始することができ、同時にタンク202の底部から液体状態で取り出されたガスの過冷却を開始することができる。過冷却されたガスは、第1の熱交換器121の第1のパス122から来るガスを液化するために第2の熱交換器145内で使用された後にタンク200に戻される。
【0103】
ここに示す例によれば、第1の熱交換器113’は、有利には、冷媒流体が供給される第3のパス119’を備える。特に、この第3のパス119’は、冷媒回路500上で、第2の熱交換器125の第2のパス127と圧縮装置501との間に介在する。したがって、第2のライン115’および第3のパス119は、冷媒流体回路500の内部熱交換器を形成し、これにより、第2の熱交換器125が圧縮装置501に合流する前に第2の熱交換器125の第2のパス127を出る気体状態のガスを予熱し、圧縮装置501が膨張装置502に合流する前に圧縮装置を出る気体状態のガスを予冷することが可能になる。言い換えると、この第1の熱交換器113’におけるこの第3のパス119’の存在は、冷媒流体回路500の全体的な熱性能を改善することを理解されたい。
【0104】
また、第2の実施形態による温度上昇部分111’は、第1の実施形態と比較して、圧縮装置を有していない。
【0105】
最後に、第2の実施形態による供給システム100は、タンク202の底部に配置されたポンプ302から圧力上昇部分112の上流に位置する第3の接続点403まで延在する強制蒸発ライン128を備える点で、第1の実施形態による供給システム100とは異なる。
図6に概略的に示すように、気化器129は、この強制蒸発ライン128上に配置されている。この気化器129は、タンク202の底部に配置されたポンプ302によって液体状態で取り出されたガスの蒸発を可能にするように構成される。以下に詳述するように、この強制蒸発ライン128は、タンク上部空間内に存在する蒸気状態のガスがガス消費装置101の必要性に対して十分でない状況において特に有用である。
【0106】
本明細書に示されていない第2の実施形態の変形例によれば、ポンプ302は、高圧ポンプ、すなわち、それが吸引する液体の圧力を増加させるように構成されたポンプであってもよい。この場合、この高圧ポンプは、例えば、引き抜かれたガスの圧力を、1バール~400バール、有利には1バール~17バール、さらに有利には6バール~17バールの圧力まで上昇させるように構成されてもよい。この代替案によれば、蒸発ライン128は、次いで、高圧ポンプと第2のダクト103との間、すなわち供給ユニットの圧力上昇部分の下流に位置する点に延在する。
【0107】
図6および
図7は、熱交換器を冷却するステップの間および凝縮ユニットを使用してガスを少なくとも部分的に液化する間にそれぞれ実施される、本発明の第2の実施形態による供給システム100を示す。
【0108】
図6に示す状況では、タンク上部空間201内に存在するガスの量は、ガス消費装置101に供給するのに十分ではないため、強制蒸発ライン128が作動されるか、または供給ユニット110が作動される。
図6は、強制蒸発ライン128の作動のみを示している。これにより、供給ユニット110の圧力上昇部分を合流させて最終的にガス消費装置101に供給する前に、タンク202の底部から液体状態のガスを抜き出して気化器129で蒸発させる。
【0109】
第1の実施形態を参照して上述したものと同様に、第2のダクト103を流れるガスの一部は、凝縮ステップが実施されるときに熱交換器121を迅速に動作させることができるように、50kg/h~300kg/hに含まれる、有利には200kg/hに等しい流量で熱交換器121の第1のパス122に供給するために冷却装置130によって導出される。同様に、熱交換器121の第2のパス123のバイパスダクト140は、熱交換器121のこの第2のパス123を流れるガスが37.5kg/h~405kg/hに含まれる流量、有利には230kg/hに等しい流量を有するように供給される。
【0110】
先に説明したものと同様に、
図6に示す冷却ステップ中のシステムの実施態様は、
図3を参照して与えられたシステム100の実施態様と同一またはほぼ同一である。
【0111】
図7に示す状況では、強制蒸発ライン128は停止され、ガス消費装置101は、タンク上部空間201から気体状態で取り出されたガスによってのみ供給される。このとき、凝縮ユニット120は、ガス消費装置101で消費されなかったガスを凝縮する。この目的のために、流量調整装置141は、その第2の開放位置にある、すなわち、第3のダクト104によって取り出された全てのガスは、この熱交換器121の第2のパス123に向かって送られる。
【0112】
最後に、
図8は、液体状態および気体状態のガスを収容するタンク200を備える船舶70の断面図であり、このタンク200は角柱状の全体形状を有し、船舶の二重船殻72内に取り付けられている。このタンク200は、LNG船舶の一部であってもよいが、ガスが燃料消費装置の燃料として使用される場合にはリザーバであってもよい。
【0113】
タンク200の壁は、タンクに収容された液体状態のガスと接触するように意図された一次密閉膜と、一次密閉膜と船舶70の二重船殻72との間に配置された二次密閉膜と、一次密閉膜と二次密閉膜との間、および二次密閉膜と二重船殻72との間にそれぞれ配置された2つの断熱障壁と、を有する。
【0114】
船舶の上部デッキに配置された積み降ろしパイプ73は、適切なコネクタによって海上または港湾ターミナルに接続されて、液体状態の天然ガスの貨物をタンク200からまたはタンクに移送することができる。
【0115】
図8はまた、積み降ろしステーション75と、水中ダクト76と、陸上または港湾施設77と、ダクト74、78とを有する海上ターミナルの例を示す。積み降ろしステーション75は、陸上施設77からの、または陸上施設への船舶70の積み降ろしを可能にする。後者は、液化ガス貯蔵タンク80と、水中ダクト76によって積み降ろしパイプ73に接続された接続ダクト81と、を含む。水中ダクト76は、積み降ろしステーション75と陸上施設77との間の液化ガスの移送を長距離、例えば5kmにわたって可能にし、これにより、積み降ろし作業中に船舶70を海岸から長距離に保つことが可能になる。
【0116】
液化ガスの移送に必要な圧力を発生させるために、タンク200の積み降ろしタワーによって担持される1つまたは複数の荷下ろしポンプ、および/または陸上施設77に装備されるポンプ、および/または積み降ろしステーション75に装備されるポンプが実装される。
【0117】
したがって、本発明は、自然に蒸発するガスを船舶上に存在するガス消費装置に強制的に蒸発させた液体ガスで供給することを可能にすると共に、自然に蒸発したガスが船舶のガス消費装置のエネルギー需要に対して多すぎる場合には、自然に蒸発したガスを凝縮させることも可能にするガス供給システムを提供し、この凝縮ステップには、凝縮ユニットの熱交換器を冷却するステップが先行され、それにより、従来技術と比較して短縮された期間にわたって凝縮ユニットの動作を可能にする。
【0118】
しかしながら、本発明は、本明細書に記載および図示した手段および構成に限定することはできず、任意の同等の手段または構成、ならびにそのような手段を技術的に使用する任意の組み合わせにも及ぶ。
【国際調査報告】