(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-14
(54)【発明の名称】X線可撓性湾曲パネル検出器を動き補償された複数のパルス作動X線源とともに使用する高速三次元のX線撮影
(51)【国際特許分類】
A61B 6/40 20240101AFI20240307BHJP
A61B 6/42 20240101ALI20240307BHJP
A61B 6/02 20060101ALI20240307BHJP
A61B 6/50 20240101ALI20240307BHJP
G01N 23/046 20180101ALI20240307BHJP
【FI】
A61B6/40 500D
A61B6/42 500S
A61B6/02 501H
A61B6/50 500E
G01N23/046
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560317
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(85)【翻訳文提出日】2023-11-09
(86)【国際出願番号】 US2022013800
(87)【国際公開番号】W WO2022211887
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522300662
【氏名又は名称】アイクススキャン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マオリンベイ,マナト
(72)【発明者】
【氏名】ク,チュン-ユアン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,リンボ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジアンチアン
【テーマコード(参考)】
2G001
4C093
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001AA10
2G001BA11
2G001CA01
2G001DA07
2G001DA09
2G001GA13
2G001HA08
2G001HA14
2G001JA02
2G001JA03
2G001JA06
2G001JA11
2G001KA06
2G001LA01
4C093AA11
4C093CA18
4C093EA06
4C093EB12
4C093EB13
4C093EB17
4C093EB30
4C093EC25
(57)【要約】
X線可撓性湾曲パネル検出器を使用して高効率かつ超高速の3D X線撮影を実行するための、運動している複数のパルス作動X線源を使用するX線イメージングシステムが提示される。線源のアレイを形成するように運動している構造上に取り付けられた複数のパルス作動X線源が存在する。線源は、グループとして一定速度で、あらかじめ定められた弧状トラック上で、被写体に対して同時に移動する。個々の各X線源は、小距離にあるX線源の静止位置の周りで移動することもできる。個々のX線源が、グループ速度に等しいが反対の移動方向である速度を有するとき、個々の線源及び検出器が作動される。このことは、線源が作動中に相対的に静止したままになることを可能にする。この動作は、個々の各線源についての線源移動距離の短縮をもたらす。3D X線撮影画像データを、はるかに短い時間ではるかに広い掃引角度で取得することができ、画像分析をリアルタイムで行うこともできる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線可撓性湾曲パネル検出器を動き補償された複数のパルス作動X線源とともに使用して高速3D X線撮影を提供するためのシステムであって、
所定の形状を有する弧状レール上で自由に移動する一次モータステージと、
前記一次モータステージに結合され、前記一次モータステージの速度を制御する一次モータと、
前記一次モータステージに結合されており、かつ前記弧状レールの方向に沿って移動される複数の二次モータステージと、
複数の二次モータであって、各々が、二次モータステージと係合し、二次モータステージの速度を制御する、複数の二次モータと、
複数のX線源であって、各々が、二次モータステージによって移動される、複数のX線源と、
前記一次モータステージ及び二次モータステージのためのハウジングを提供する支持フレーム構造と、
X線束を受容するためのX線可撓性湾曲パネル検出器と、を備える、システム。
【請求項2】
あらかじめ定められたトラックと、
運動している構造上に取り付けられた複数のパルス作動X線源を含む線源アレイであって、前記複数のパルス作動X線源の各々が、一定のグループ速度で、あらかじめ定められたトラック上で、被写体の周りで同時に移動し、個々のX線源管が、グループ管速度に等しいが反対の移動方向の速度を有するとき、前記個々のX線源及び前記X線可撓性湾曲パネル検出器が、露出制御ユニットを介してトリガされる、線源アレイと、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記一次モータステージ又は二次モータステージの速度又は位置が、ソフトウェアによって調整可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
X線源の電流及び電圧が、ソフトウェアによって調整可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
X線源の露出時間が、ソフトウェアによって調整可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記X線源管が、X線パルストリガ露出持続時間中に、前記X線可撓性湾曲パネル検出器に対して静止する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
各分析及び累積された分析の結果が、次のX線源及び露出の条件を決定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記X線可撓性湾曲パネル検出器が、所定の期間にわたって所定の掃引で3D X線撮影画像投影データを取得し、画像分析が、走査中にリアルタイムで実行される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
個々の各X線源が、所定の距離の静止位置の周りで迅速に移動する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
3D X線撮影画像が、X線露出源の角度付き幾何学配置を有する各画像に基づいて再構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
X線可撓性湾曲パネル検出器を動き補償された複数のパルス作動X線源とともに使用する高速3D X線撮影の方法であって、
一次モータステージ及び1つ以上の二次モータステージを所定の初期の場所に位置付けることと、
前記一次モータによって前記一次モータステージを所定の一定速度で掃引することと、
前記二次モータステージの各々を、所定のシーケンスで対応する二次モータによって振動させることと、
二次モータステージが、前記一次モータステージの方向と反対方向に、かつ前記一次モータステージの選択された速度で移動するとき、X線源及びX線可撓性湾曲パネル検出器を電気的に作動させることと、
X線源からX線束を受容した後、X線可撓性湾曲パネル検出器を使用して画像データを取得することと、を含む、方法。
【請求項12】
走査被写体のためのステージテーブルを使用することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ランダム射出スキームを使用して、前記アレイ中の任意の線源のうちの1つから前記X線源をランダムに作動させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
X線源の角度付き幾何学配置を有する各画像に基づいて、3D X線撮影を再構成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記X線可撓性湾曲パネル検出器が、走査中にリアルタイムで画像分析を実行しながら、所定の時間にわたって所定の掃引で3D X線撮影画像投影データを取得する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
関心領域に基づいて、掃引角度を変更することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
掃引中に被写体密度に基づいて、X線源電圧入力を変更することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
X線検出器が、X線源の場所に基づいて位置を調整するためのリニアステージに結合されている、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
時間成分を3D空間イメージングデータに追加することによって、4Dイメージングが実行される、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2021年4月30日に出願された仮出願第63182426号、2021年7月28日に出願された仮出願第63226508号、2021年4月2日に出願された仮出願第63170288号、2021年4月16日に出願された仮出願第63175952号、2021年5月27日に出願された仮出願第63194071号、2021年5月14日に出願された仮出願第63188919号、2021年7月23日に出願された仮出願第63225194号、2021年6月11日に出願された仮出願第63209498号、2021年6月25日に出願された仮出願第63214913号、2021年7月12日に出願された仮出願第63220924号、2021年7月16日に出願された仮出願第63222847号、2021年7月22日に出願された仮出願第63224521号、及び2021年1月24日に出願された米国出願第17149133号(当該出願は、2020年1月29日に出願された仮出願第62967325号の優先権を主張する)の優先権を主張し、これらの内容は、参照により組み込まれる。
【0002】
この特許明細書は、三次元(3D)X線撮影システム及び方法の分野におけるものであり、特に、パルス作動X線源及び広視野、可撓性のデジタルパネルX線検出器を使用することに対するものである。
【背景技術】
【0003】
マンモグラフィのような一種のデジタルX線3D撮影があり、デジタルトモシンセシス(DTS)は、従来のX線撮影と同程度の放射線量レベルで高分解能の限定角度トモグラフィを実行するための方法である。これらのデジタルトモシンセシスシステムは、典型的には、回転可能なアセンブリの一方の端部に取り付けられたX線源と、他方の端部のデジタルフラットパネル検出器と、を使用する。X線源と検出器との間には、乳房を圧縮及び固定することができるデバイスがある。乳房の圧縮は、X線散乱の低減、放射線量の低減、検出器全体のより均一な光学密度、及び解剖学的構造の視覚化の改善に必要である。トモシンセシスを使用して、症状のない女性における乳がんの早期徴候をスクリーニングすることができる。このタイプのイメージングを、乳がん症状を有する女性の診断ツールとして使用することもできる。トモシンセシスは、マンモグラフィの高度なタイプのトモシンセシスである。デジタル乳房トモシンセシス(DBT)は、2Dマンモグラフィよりも、多くのがんを検出し、偽陽性再現数が少なく、かつ正確な病変の位置特定を行う。トモシンセシスが実行されるときに、X線源は、乳房の周りで円弧状に移動する必要がある。
【0004】
X線源が乳房の周りで移動する間、一連の低線量X線画像が、異なる角度で取得される。収集されたデータセットは、平行な平面の再構成を可能にする。各平面は、合焦しており、平面外の組織画像であるものは、ぼけている。通常、掃引角度をより広くすれば、より多くのデータ投影を生成し、より良好な3D分解能をもたらすであろうが、それにはより長い時間がかかる。データ処理は、種々の再構成アルゴリズムが使用され得るため、製造元固有である。COVID用のX線3D胸部診断システム、X線3D非破壊検査(NDT)システム、及びX線3Dセキュリティ検査システムなどのX線3D撮影用途に、これらの種類のデジタルトモシンセシスシステム及び方法を適用することができることを強調せねばなるまい。X線3D撮影を実行するために単一のX線源及び単一のフラットパネルを用いる先行技術がある。
【0005】
しかしながら、従来技術の中には欠点がある。主な欠点は、単一のX線源が良好なデータ投影を取得するのに非常に長い時間がかかることである。第2の欠点は、万事があまりにも低速であるため、リアルタイムの再構成が困難であることである。第3の欠点は、剛性X線フラットパネル検出器を使用することが幾何学的歪みを悪化させることである。技術が日々進歩していることに起因して、今日のエレクトロニクスは、可撓性があり、より高速で、よりコンパクトで、より効率的であるようになり得る。丁度可撓性のソーラーパネル充電器のように、X線検出器も、可撓性になり得る。典型的な最新のX線パネル検出器は、薄膜トランジスタ(TFT)、X線シンチレータの層、読み出し電子機器などを備える。現在の技術では読み出し電子基板を可撓性にすることはできないが、TFTベースの検出器を、可撓性基板を使用して可撓性にすることができる。Gd2O2S:Tb(GOS又はGADOX)などの、シンチレーション材料、又はシンチレータの層は、既に、何十年も前に、X線イメージング目的で可撓性フィルムに取り付けるために、ある程度可撓性であるように作製されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、運動している複数のパルス作動X線源を、所定の形状を有して弧状レール上で自由に移動する一次モータステージ、当該一次モータステージと係合し、一次モータステージの速度を制御する一次モータ、当該一次モータステージに結合されており、弧状レールの方向に沿って移動する複数の二次モータステージ、複数の二次モータであって、各々が、二次モータステージと係合し、二次モータステージの速度を制御する、複数の二次モータ、それぞれが二次モータステージによって移動される複数のX線源、一次モータアームステージ及び二次モータステージのためのハウジングを提供する支持フレーム構造、及びX線イメージングデータを受容するための可撓性湾曲パネル検出器、とともに使用する高速3D X線撮影を提供するためのシステム。
【0007】
第2の態様では、運動している複数のパルス作動X線源を使用する高速3D X線撮影の方法は、一次モータステージ及び1つ以上の二次モータステージを所定の初期の場所に位置付けることと、一次モータステージを当該一次モータによって所定の一定速度で掃引することと、二次モータステージの各々を所定のシーケンスで対応する二次モータによって振動させることと、二次モータステージが、一次モータアームステージの方向とは反対方向に、かつ一次モータステージの選択された速度で移動するときに、X線源及び可撓性湾曲パネル検出器を電気的に作動させることと、可撓性湾曲パネル検出器でX線源から画像データを取得することと、を含む。
【0008】
別の態様では、運動している複数のパルス作動X線源を使用して、超高速、高効率の3D X線撮影を実行するX線イメージングシステムが提示される。このシステムでは、複数のパルス作動X線源が、線源のアレイを形成するように運動している構造上に取り付けられている。複数のX線源は、一定のグループ速度で、あらかじめ定められたトラック上で被写体の周りで同時に移動する。個々の各X線源は、小距離のX線源の静止位置の周りで迅速に移動することもできる。個々のX線源が、グループ速度に等しいが反対の移動方向の速度を有するときに、個々のX線源は、外部露出制御ユニットを介してトリガされる。この配置は、X線パルストリガ露出持続時間中、X線源が相対的に静止したままであることを可能にする。複数のX線源は、個々のX線源についての線源移動距離の大幅な短縮をもたらす。X線受容器は、X線可撓性湾曲パネル検出器である。3D X線撮影画像投影データを、はるかに短い期間で全体的にはるかに広い掃引で取得することができる。走査が進行する間、画像分析をリアルタイムで行うこともできる。
【0009】
別の態様では、運動している複数のパルス作動X線源を使用して高効率かつ超高速の3D X線撮影を実行するX線イメージングシステムは、線源のアレイを形成するように、運動している構造上に取り付けられた複数のパルス作動X線源を含む。複数のX線源は、グループとして一定速度で、あらかじめ定められた弧状トラック上で被写体に対して同時に移動する。個々の各X線源はまた、小距離にあるX線源の静止位置の周りで迅速に移動することができる。個々のX線源が、グループ速度に等しいが反対の移動方向である速度を有するときに、個々のX線源及びX線検出器は、外部露出制御ユニットを介して作動される。この配置は、X線源が、X線源作動及びX線検出器露出中に相対的に静止したままであることを可能にする。X線受容器は、X線可撓性湾曲パネル検出器である。運動している複数のX線源の動作は、個々のX線源の線源移動距離の大幅な短縮をもたらす。3D X線撮影画像データを、はるかに短い時間で全体的により広い掃引角度で取得することができ、走査が進行する間、画像分析をリアルタイムで行うこともできる。
【0010】
別の態様では、X線可撓性湾曲パネル検出器であれば、歪みを最小限に抑えるために湾曲した幾何学形状を有することを可能にするであろう。実装態様では、X線を、ランダム射出スキームを使用してアレイ中の任意の線源のうちの1つからランダムに作動させることもできる。各分析及び累積された分析の結果は、次のX線源及び露出の条件を決定する。3D X線撮影画像は、X線露出源の角度付き幾何学配置を有する各画像に基づいて再構成される。より広範な用途としては、3Dマンモグラフィ若しくはトモシンセシス、COVID用の胸部3D X線撮影、又は3D NDT、高速3D X線セキュリティ検査が挙げられる。
【0011】
上記システムの利点としては、以下のうちの1つ以上が挙げられ得る。運動している複数のX線源の様々な実施形態は、新規な超高速の5 3D X線撮影システムで使用される。第1の利点は、システム全体が数倍高速であることである。各X線源は、弧状軌道で全距離のほんの一部を機械的に移動するだけでよいこととなる。それにより、X線診断機で患者に必要とされるデータ取得時間が大幅に短縮される。第2の利点は、走査が進行する際に画像分析をリアルタイムで行うこともできることである。撮影された画像に対する判断は、次の撮影に対するX線源位置に影響を与えることとなる。階層化された画像再構成を行うために、画像全体の取得が終了するまで待つ必要はない。第3の利点は、動きアーチファクトの低減に起因して、高分解能かつ高コントラストの画像を取得することが可能であることである。各X線源はまた、X線源の原点の周りで線源を振動させるサブ構造上に取り付けられている。振動速度及びトラック速度の合成は、個々のX線源が作動されるときのX線源の相対的な静止位置をもたらす。第4の利点は、システムがはるかに広い掃引を進行させて、より高速により多くのデータ投影を取得することができることである。より多くのデータ投影は、誤診率の低減をもたらす、良好な画像構成を意味する。第5の利点は、より広い角度及びより速いイメージング取得であるがために、3D空間イメージングに時間成分を追加して、4Dイメージングデータセットを形成することが可能であることである。第6の利点は、X線可撓性湾曲パネル検出器の幾何学形状が、画像の歪みをはるかに小さくすることとなることである。
【0012】
本発明は、好ましい実施形態の観点で記載されており、明示的に述べられたもの以外の、均等物、代替物、及び修正が可能であり、かつ添付の特許請求の範囲の範囲内であると認識される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】X線可撓性湾曲パネル検出器を使用して、運動している複数のX線源を有する超高速3DデジタルX線撮影システムを例示する。
【
図2】一次モータステージ及び二次モータステージが反対方向であるが同じ速度で移動しているときに、個々のX線源が一瞬、静止位置でX線ビームを放射する例を例示する。
【
図3】5X線源システムが、X線可撓性湾曲パネル検出器を使用して、各々が総距離の5分の1のみ移動することによって、25セットの投影データを撮る例示的な構成を例示する。
【
図4】はるかにより大きいX線走査角をカバーするために並列して使用することができる、3つのセットの独立したシステムを組み合わせた例示的な構成を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここから、以後、例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して、本発明についてより完全に記載する。ここから、図面を参照して、様々な実施形態について記載し、参照番号は、全体を通してそのような要素を指す。以下の説明では、説明の目的で、1つ以上の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的詳細が概説される。しかしながら、そのような実施形態(複数可)が、これらの特定の詳細なしに実施され得ることは明らかであり得る。他の事例では、周知の構造及びデバイスが、1つ以上の実施形態の記載を容易にするためにブロック図の形態で示される。
【0015】
それゆえ、例えば、図、概略図、図解などが、本発明を具現化するシステム及び方法を例示する概念図又はプロセスを表すことは、当業者によって理解されるであろう。図に示される様々な要素の機能は、専用ハードウェア、及び関連付けられたソフトウェアを実行することができるハードウェアの使用を通じて提供され得る。同様に、図に示される任意のスイッチは、概念的であるにすぎない。それらの機能は、プログラムロジックの動作を通して、専用ロジックを通して、プログラム制御と専用ロジックとの相互作用を通して、又は更には手動で実行され、この特定の技法は、本発明を実装したエンティティによって選択可能であってもよい。当業者は、本明細書に記載の例示的なハードウェア、ソフトウェア、プロセス、方法、及び/又はオペレーティングシステムが例示の目的のためであり、それゆえ、任意の特定の名称の製造元に限定されることを意図されていないことを更に理解する。
【0016】
図1は、X線可撓性湾曲パネル検出器7を運動している複数のX線源5とともに使用する超高速3Dデジタル放射線撮影システムを例示している。一次モータ1は、一次モータステージ2と係合しており、その上には、二次モータ3、二次モータステージ4、及び複数のX線源5がある。全てのモータ、全てのモータステージ、及びX線源5は、支持フレーム構造6に取り付けられている。各二次モータ3は、二次モータステージ4に係合している。全ての二次モータステージ4は、一次モータステージ2上に取り付けられている。全てのX線源が、二次モータステージ4上に取り付けられている。全てのモータが、プログラム可能な動き制御ハードウェアによって制御され、モータステージを所定の速度で前後に移動させることができる。二次モータステージ4は、隣接するステージへの間隔が等しいように位置付けられている。結果として、全てのX線源5は、一次モータステージ2と一緒に移動するが、個々の各X線源5は、二次モータステージ4とともに個々に移動することができる。X線可撓性湾曲パネル検出器7を、追加のリニアステージに取り付けることができる。X線可撓性湾曲パネル検出器7は、X線源5の位置に基づいて前後に移動して、より広いカバレッジの画像を有することができる。
【0017】
移動エンコーダ及び位置制御システムを有する一次モータ1は、任意の所定の形状を有することができる弧状レールに沿った動きを提供するためのフレーム構造6上に取り付けられている。カップリングを介して一次モータ1に結合されており、かつ自軸を中心に回転可能な1つ以上の二次モータ3は、一次モータ1の周りに位置付けられており、一次モータステージ2と係合して、二次モータステージ4を駆動する。複数のX線源5が、二次モータステージ4上に取り付けられており、二次モータ3によって駆動されて、一次モータ1とともに弧状レールに沿って移動し得る。X線源5は、二次モータ3に接続された外部露出制御ユニットを介して作動され得る。一実施形態では、X線可撓性湾曲パネル検出器7がX線受容器に使用され得る。一次モータ1は、移動エンコーダ及び位置制御システムを有する電動ステージ上に取り付けられ得、一次モータコントローラによって操作されて、一方向に一定速度で弧状レールの周りで掃引する。
【0018】
一次モータステージ2は、X線源5に並進運動を提供する。二次モータステージ4は、個々の各X線源5に左又は右の振動運動を提供する。反復的アプローチに基づく3D画像再構成各個々のX線源5は、弧状セグメントに沿った全ての投影を含む3Dデータセットを生成する。複数のX線源5が存在することから、1つのみの単一X線源が達成することができるよりも広い掃引で投影データを取得することが可能である。異なる視野及びビューにおけるX線データは、身体組織の異なる部分によるX線吸収の不均一性に起因する歪みに対して、非常に大きな感度を有する。全ての画像は、良好な画像再構成データを形成するために、イメージングされている被写体の同様の条件下で取得され得る。個々の画像間の掃引角度は、全てのイメージングデータにわたって一貫した品質を確保するために、非常に小さい。本発明の画像取得プロセス全体は、動き補償された画像処理技術を使用する。
【0019】
一次モータステージ2は、レールによって画定される弧状軌道に沿って運動している構造上に取り付けられた遊星歯車で一次モータ1に結合されている。X線源は、最初にグループと同じ速度で移動し、各個々のX線源5は、小距離のX線源の静止位置の周りで迅速に移動することもできる。この構造上に取り付けられたX線源5の数は、例示目的のものである。実装態様に応じて、5より多い又は5未満の線源が存在してもよい。二次モータステージ4は、二次モータ3に結合されている。各二次モータステージ4は、レールの弧状軌道に沿って、一次モータステージ2の移動の前後方向に移動する。X線源5は、被写体に対して所定の速度で移動している。被写体を通したX線の透過は、被写体の画像を形成するために使用され得る投影データセットをもたらす。
【0020】
複数のX線源5は、各々、二次モータステージ4上に取り付けられている。X線源5は、プログラムされたシーケンスによってトリガされ、各々が、外部露出制御ユニットによって順番にオンにされる。二次モータステージ4の速度が、一次モータステージ2の速度と実質的に等しいとき、アクティブな個々のX線源は、X線パルストリガ露出持続時間中に相対的に静止したままであり得る。別の態様では、X線可撓性湾曲パネル検出器7を、剛性構造の外面上に取り付けることができる。複数のX線源5の各々は、これらのX線源5がX線可撓性湾曲パネル検出器7によって検出される被写体を通してX線を送出する期間にわたって連続的に作動されるようになっている。
【0021】
アレイ上の複数のX線源5は、被写体に対して異なる移動方向で、一定速度で移動する。個々の各X線源は、個々のX線源が、グループ速度に等しいが反対の移動方向を有する速度を有するとき、小距離のX線源の静止位置の周りで迅速に移動することもできる。個々のX線源は、外部露出制御ユニットを介してトリガされる。この配置は、X線パルストリガ露出持続時間中、X線源が相対的に静止したままであることを可能にする。複数のX線源は、個々のX線源についての線源移動距離の大幅な短縮をもたらす。3D X線撮影画像データを、はるかに短い時間で全体的により広い掃引角度で取得することができ、画像分析をリアルタイムで行うこともできる。走査が上記のシステムで進行する間、3D X線受容器は、X線可撓性湾曲パネル検出器7であり、歪みを最小限に抑えるために湾曲した幾何学形状を有することを可能にする。3D X線受容器は、多様なX線源5から投影されたX線画像を検出する。
【0022】
支持フレーム構造6を使用して、一次モータステージ2、複数の二次モータステージ4、X線源5を相対的な位置に支持及び保持することができる。二次モータステージ4の各々を、対応する二次モータ3によって駆動することができ、当該二次モータ3は、d電源によって駆動される。支持フレーム構造6は、一次モータステージ2、二次モータステージ4、及びX線源5のための十分な空間を有する管状フレームワーク又は直方体フレームであり得る。一次モータステージ2を、対応する一次モータ1によって駆動することができ、当該一次モータ1は、電源によって駆動される。一次モータ1は、一次モータステージ2が回転するとき、一次モータステージ2も回転されるように、一次モータステージ2と係合することができる。いくつかの実施形態では、一次モータ1は、一定速度で回転し得る一方、二次モータ3は、ユーザによって提供される様々な移動命令に基づいて、種々の速度で回転し得る。支持フレーム構造6は、システムに構造的支持を提供するのに十分な機械的強度及び剛度を有し得る。
【0023】
X線可撓性湾曲パネル検出器7は、超高速、高効率の3D X線撮影を実行するための運動している配置されたX線源5のアレイからX線束を受容する。このシステムでは、線源のアレイを形成するように運動している構造上に取り付けられた複数のパルス作動X線源5が存在する。複数のX線源5は、一定のグループ速度で、あらかじめ定められたトラック上で、被写体の周りで同時に移動する。個々の各X線源は、小距離のX線源の静止位置の周りで迅速に移動することもできる。個々のX線源が、グループ速度に等しいが反対の移動方向の速度を有するときに、個々のX線源5X線可撓性湾曲パネル検出器7は、外部露出制御ユニットを介してトリガされる。この配置は、X線パルストリガ露出持続時間中、X線源5が相対的に静止したままであることを可能にする。複数のX線源5は、個々のX線源5についての線源移動距離の大幅な短縮をもたらす。
【0024】
図2は、個々のX線源が、一次モータステージ2及び二次モータステージ4が反対方向であるが同じ速度で移動している瞬間に、一瞬の静止位置でX線ビームを放射することを例示している。1つのデータ取得サイクルについて、一次モータステージ2は、一定速度で一方向に移動し、その後、初期位置に戻る。一次モータステージ2が一定速度で移動している間、各二次モータステージ4は、所定の速度で振動している。二次モータステージ4が一次モータステージ1と反対方向に移動し、かつ同じ一定速度を有するとき、X線源5及びX線可撓性湾曲パネル検出器7がトリガされる。トリガのこの瞬間に、X線源5は、X線ビームを放射しながらX線源5が静止しているように動作する。したがって、X線源5の静止状態の動的配置は、X線イメージングシステムが非常に短い時間で異なる空間角度の場所から多数の画像を取得することを可能にする。二次モータステージ4の一定速度の動きの持続時間は、X線露出時間にマッチするようにソフトウェアによってプログラムされ得る。一方の二次モータステージ4が一定速度にあるとき、他方の二次モータステージ4は、他方の二次モータステージ4の次の一定速度に備えるために、加速中、減速中、又は初期位置への復帰中となり得よう。X線源5を、ランダムなシーケンスの独立した各外部トリガパルスに基づいて、オンデマンドで露出を実行するようにプログラムすることもできる。広く普及している超高速コンピュータを考慮すると、画像取得とリアルタイムで画像分析を行うことができる。撮影された画像に対する判断は、次のショットについてのX線源5の位置に影響を与えることとなる。画像再構成を行うために、画像全体の取得が終了するまで待つ必要はない。
【0025】
一次モータステージ2は、1つ以上の二次モータステージ4とともに、弧状レール上で移動し、パルス作動X線源5のアレイを使用して、超高速、高効率の次元3D X線撮影を実行する。このコンセプトは、一定のグループ速度で、所定の弧状トラック上の構造全体を移動させることによって機能する。パルス作動X線源5のアレイが取り付けられた1つ以上の二次モータステージ4でグループを構成することができ得る。個々の各X線源5は、グループ速度に比例する速度で、小距離のX線源5の静止位置の周りで迅速に移動することもできる。個々のX線源5が、グループ速度に等しいが反対の移動方向の速度を有するとき、個々のX線源5は、外部露出制御ユニットを介してトリガされる。この配置は、X線パルストリガ露出持続時間中、X線源5が相対的に静止したままであることを可能にする。複数のX線源5は、個々のX線源5についての線源移動距離の大幅な短縮をもたらす。パルス作動X線源5のアレイは、投影データセットのセットを生成するようになっている。X線検出器は、可撓性湾曲パネル検出器7であり、可撓性湾曲パネル検出器7の曲率を、用途ニーズに基づいてオンサイトで変更することができる。X線受容器は、X線可撓性湾曲パネル検出器7である。3D X線撮影画像投影データを、はるかに短い期間で全体的にはるかに広い掃引で取得することができる。走査が進行する間、画像分析をリアルタイムで行うこともできる。
【0026】
この時点で二次モータ3は、一次モータの移動の方向に沿って移動し始めることとなろう。X線源5は、X線の放射を開始することとなり、同時に、X線受容器は、X線イメージングデータ、又は放射線によって生成された電荷パケットを受容することとなろう。一次モータ1の移動の終わりに、一次モータは、一次モータの開始位置に引き返すように回転を開始する。二次モータ3はまた、X線源5がX線の放射を終了した後に、元の場所へ戻り始める。
【0027】
1つ以上の二次モータステージ4は、X線源5のアレイごとに構造上に取り付けられている。二次モータステージ4の各々は、二次モータステージ4の関連付けられたX線源5を所定のシーケンスで移動させるように設計されている。あらかじめ定められたシーケンスは、一定のグループ速度で、所定の形状を有する弧状トラックの周りで、関連付けられたX線源5を掃引することができる。二次モータステージ4は、二次モータステージ4の関連付けられたX線源5を、X線源5の初期の場所に対して小距離にある、X線源5の静止位置の周りで、高速に移動させることもできる。二次モータステージ4の各々には、二次モータステージ4の速度の独立した制御を可能にする速度制御ユニットが結合されている。これは、二次モータステージ4の速度を制御する能力を提供する。
【0028】
グループとともに運動しているX線は、X線が、グループ速度に等しいが反対の移動方向の速度を有するときにのみトリガされるようになっている。個々の各X線源は、別のX線源5による反対の移動がないとき、小距離のX線源の静止位置の周りで迅速に移動することもできる。個々のX線源5が、グループ速度に等しいが反対の移動方向の速度を有するとき、個々のX線源5及びX線可撓性湾曲パネル検出器7は、外部露出制御ユニットを介して作動される。この配置は、X線パルストリガ露出持続時間中、X線源5が相対的に静止したままであることを可能にする。一次モータステージ2及び1つ以上の二次モータステージ4は、所定の初期の場所に位置付けられるようになっている。一次モータ1は、所定の一定速度で一次モータステージ2を掃引するようになっている。一次モータステージ2及び二次モータステージ4は、ギア又はベルト、又はチェーン、ケーブル、ロープなどの他の結合手段によって互いに結合されるようになっている。1つ以上の個々のパルス作動X線源5が、線源のアレイを形成するように、運動している構造上に取り付けられるようになっている。複数のX線源5は、グループとして一定速度で、あらかじめ定められた弧状トラック上で、被写体に対して同時に移動する。個々の各X線源5は、小距離にあるX線源5の静止位置の周りで迅速に移動することもできる。
【0029】
X線可撓性湾曲パネル検出器7は、伝統的なX線フィルムプレートよりもはるかに薄いX線検出器の新しい形態である。また、X線可撓性湾曲パネル検出器7は、非常に可撓性であり、多くの異なる曲率に容易に湾曲することができる。例えば、いくつかの実施形態では、検出器は、ヒトの胸部の周りの画像を取得するために円形状に湾曲することさえできる。検出器の幾何学的歪みは、最小限であり、非常に感度が高い。複数の線源が同時に使用されることから、この組み合わせは、検出器をマンモグラフィ又は3D X線セキュリティ検査に好適にする。検出器をアレイにおける中心位置に置設し、全ての線源を同時に検出することができ得る。線源の大規模なアレイは、全体的に高い画像品質を達成しながら、線源ごとの露出時間を短縮するランダム射出スキームを可能にする。様々な画素サイズを有するX線可撓性湾曲パネル検出器7は、ビニングによる可変画素サイズを含む新しいタイプのX線検出器である。これにより、単一の検出器が様々な用途で十分なデータ分解能を提供することが可能になるであろう。
【0030】
図3は、全露出位置を例示している。この場合、5つのX線源5が存在し、5つのX線源5は、異なる角度位置で合計25回のX線露出を実行する。しかし、各二次モータステージ4は、総移動距離の5分の1移動するだけでよい。したがって、複数のX線管5が並行して動作すると、わずかな時間で大量の投影データを取得することができる。X線可撓性湾曲パネル検出器7は、X線受容機である。この場合、総X線源5の総数は、1セットに対して5である。実際には、X線源5の総数は、1セットについて2つから8つ以上に至るまであり得る。電子信号は、常に、機械的動きよりも速く進む。ボトルネックの律速要因は、常に、モータステージの動き自体である。次のボトルネックは、検出器の読み出しの限度である。検出器には、多くのメガピクセルデータを読み出してからコンピュータに転送するのにある程度の時間が必要でもあるためである。
【0031】
X線源5は、線源のアレイを形成するように、運動している構造上に取り付けられている。各X線源5は、個々のX線源5が、グループ速度に等しいが反対の移動方向の速度を有するときに、小距離にあるX線源5の静止位置の周りで迅速に移動することもできる。個々のX線源5及びX線可撓性湾曲パネル検出器7は、外部露出制御ユニットを介して作動される。この配置は、X線パルストリガ露出持続時間中、X線源5が相対的に静止したままであることを可能にする。複数のX線源は、個々のX線源5についての線源移動距離の大幅な短縮をもたらす。X線受容器は、X線可撓性湾曲パネル検出器7である。3D X線撮影画像データを、はるかに短い時間で全体的にはるかに広い掃引で取得することができ、走査が進行する間、画像分析をリアルタイムで行うこともできる。撮像受容器の一例としてのX線検出器は、基板材料の性質に起因して非常に可撓性であるため、振動衝撃、強磁場などのいくつかの望ましくない影響に対してより大きな堅牢性を可能にする。X線可撓性湾曲パネル検出器7は、通常、単一の連続材料によって形成されている。
【0032】
X線可撓性湾曲パネル検出器7は、高電圧ケーブルを介してX線源5に結合されており、可撓性ケーブルは、X線源5を、線源にトリガ信号を提供する露出制御ユニットに接続する。同様に、可撓性ケーブルは、X線検出器を、複数のX線源5と、構造上に取り付けられており、一定のグループ速度で弧状レールに沿って移動される検出器と、を検出するための露出信号及びタイミング信号を生成する取得制御ユニットに結合する。X線源5は、典型的なピーク電力を有し、平均電力を有するパルスビームを生成する。各検出器は、典型的に、1つのパルス幅の間に大量のデータを収集する。検出器信号処理ユニットは、当技術分野で知られている一般的な3D X線検出器システム方法を使用して、各検出器からの信号をデジタル画像データに変換する。この高速3D X線撮影技法及び機器は、広角カバレッジ及び高速イメージングの両方を提供する。
【0033】
図4は、より大きい掃引角度をカバーするために組み合わせとして並列に使用され得る、3つのセットの独立したX線イメージングシステムの構成を例示している。個々の各セットの掃引角度カバレッジが比較的小さい、例えば100度未満である場合、3つのセットを同じ平面に置いて、360度近くをカバーすることができる。しかしながら、3セットの組み合わせ構成では、3つのセットが同じ平面にある必要はない。1セットの組み合わせ及び3セットの組み合わせに加えて、2セットの組み合わせも実際に使用することができる。2セット構成の1つの利点は、それらが同じ平面にある可能性が最も高いことである。本発明は、現在好ましい実施形態を特に参照して、詳細に記載された。それでも、変形及び修正を、本発明の趣旨及び範囲内でもたらすことができることが理解されるであろう。したがって、現在開示されている実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないとみなされる。そのため本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の均等物の意味及び範囲内に入る全ての変更は、そこに包含されることが意図されている。
【0034】
可撓性湾曲パネル検出器7は、湾曲した表面を有して湾曲した幾何学形状を形成する光受容エリアを含む。ガントリが、検出器の一端部でX線源5を支持し、検査中の試料に対して弧状軌道上でX線源5を移動させる。サンプルは、例えば、ヒトの人体部分、又は電子デバイス部分のような被写体であり得る。固定されたモータ駆動検出器テーブルを、検出器の後ろに取り付けることもできる。複数のX線源5のアレイは、アレイをモータ駆動X線源テーブルの方向とは反対方向に同時に移動させることができる構造によって支持されている。運動しているX線源5は、数字によって示される5つの線源を含む。光源は各々、弧状レールの周りで半円状に度で離間している。線源は、線源度から離間している。線源の各々は、線源が、グループ速度に等しいが反対の移動方向である速度を有するときに、線源がX線を放射するようにトリガされることとなるように、対応するコントローラに結合されている。
【0035】
掃引角度及び半径は、変動し得る。弧状経路の半径は、最大被写体サイズを決定する。最大被写体サイズを、トラックの長さ又は完全な移動のための時間の観点から測定することもできる。X線源5の各々は、X線源5の動き制御システムを有する。各X線源5につき1つの、複数の運動システムを、一定のグループ速度で、あらかじめ定められたトラック上で、被写体の周りで、同時に移動するように構成することができる。個々のX線源5は、小距離のX線源5の静止位置の周りで迅速に移動することもできる。個々のX線源5が、グループ速度に等しいが反対の移動方向の速度を有するとき、個々のX線源5は、外部露出制御ユニットを介してトリガされる。この配置は、X線パルストリガ露出持続時間中、X線源5が相対的に静止したままであることを可能にする。X線源5の各々は、X線源5のそれぞれの独立した動き制御システムによって制御される。パネル検出器構造は、運動している動作中の複数のパルス作動X線源5の検出を提供する。例えば、可撓性湾曲パネル検出器又は別のタイプのX線検出器である。X線可撓性湾曲パネル検出器7であれば、画像歪みを最小限に抑えるために湾曲した幾何学形状を有することを可能にするであろう。
【0036】
本発明は、超高速3D X線イメージングに関し、医療診断、工業プロセス検査、輸送安全検査、X線セキュリティ検査などの異なる分野で使用され得る。この特許はまた、いくつかの実施形態を提供する。第1の実施形態では、運動している複数のパルス作動X線源を、所定の形状を有する弧状レール上で自由に移動する一次モータステージ2とともに使用する3D X線イメージングシステムは、当該一次モータステージと係合し、一次モータステージ2の速度を制御する一次モータと、当該一次モータステージ2に結合されており、弧状レールの方向に沿って移動する複数の二次モータステージ4と、複数の二次モータ3であって、各々が、二次モータステージ4と係合し、二次モータステージ4の速度を制御する、複数の二次モータ3と、複数のX線源5であって、各々が、二次モータステージ4によって移動される、複数のX線源5と、一次モータステージ1及び二次モータステージ4のためのハウジングを提供する支持フレーム構造6と、X線束を受容してイメージングデータを生成するためのX線可撓性湾曲パネル検出器7と、を含む。
【0037】
当該一次モータステージ2と係合し、かつ一次モータステージ2の速度を制御する一次モータ1であって、構造が、一次モータステージ2に移動可能に結合されており、二次モータステージ4と結合する、一次モータ1。本発明の一実施形態は、X線源5のアレイを使用して、あらかじめ定められたトラック上で各X線源5を移動させることによって、高速3D次元X線撮影画像を提供する。主駆動構造は、被写体を走査しながら、同時に2つの直交方向に1つ以上のX線源5を移動させるために使用される。X線源5は、被写体の周りで反対方向に移動し得、1つのX線源5が一方向に移動するとき、別のX線源5は、反対方向に移動する。複数のモータが個々のモータを制御して、各X線源5についての個々の動きを制御している。各X線源5は、他のX線源5と同じ速度であるが異なる時間枠で移動する。各X線源5はまた、小距離のX線源5の静止位置の周りで迅速に移動し得、個々のX線源5が、グループ速度に等しいが反対の移動方向の速度を有するとき、個々のX線源5は、外部露出制御ユニットを介してトリガされる。この配置は、X線パルストリガ露出持続時間中、X線源5が相対的に静止したままであることを可能にする。可撓性湾曲パネル検出器は、歪みを最小限に抑えるために湾曲した幾何学形状を有することを可能にするであろう。
【0038】
本発明の第1の実施形態は、運動している複数のパルス作動X線源を、所定の形状を有する弧状レール上で自由に移動する一次モータステージ、当該一次モータステージ2と係合し、当該一次モータステージ2の速度を制御する一次モータ1、当該一次モータステージ2に結合されており、かつ弧状レールの方向に沿って移動する複数の二次モータステージ4、複数の二次モータ3であって、各々が、二次モータステージ4と係合し、二次モータステージ4の速度を制御する、複数の二次モータ3、複数のX線源5であって、各々が、二次モータステージ4によって移動される、複数のX線源5、一次モータステージ2及び二次モータステージ4のためのハウジングを提供する支持フレーム構造6、並びにX線束を受容してイメージングデータを生成するためのX線可撓性湾曲パネル検出器7、とともに使用する高速次元3D X線撮影を提供するためのシステムを含む。
【0039】
一次モータ1は、一次モータステージ2を移動させる。複数の二次モータ3は、二次モータステージ4と係合し、各々が、二次モータステージ4の速度を制御する。二次モータステージ4は、二次モータステージ4を弧状レールの方向に沿って移動するように制御する二次モータ3のセットを有する。各二次モータステージ4は、二次モータステージ4上に取り付けられた1つ以上のX線源5を有し得る。X線可撓性湾曲パネル検出器7は、一定のグループ速度で、あらかじめ定められたトラック上で、被写体の周りで、同時に移動する複数のX線源5からX線束を受容する。個々の各X線源5は、小距離のX線源5の静止位置の周りで迅速に移動することもできる。個々のX線源5が、グループ速度に等しいが反対の移動方向の速度を有するとき、個々のX線源5は、外部露出制御ユニットを介してトリガされる。この配置は、X線パルストリガ露出持続時間中、X線源5が一瞬、静止したままであることを可能にする。
【0040】
次に、支持フレーム構造6について詳述する。支持フレーム構造6は、3つのセットの取り付けブラケット、すなわち、一次モータステージセット、二次モータステージセット、及び検出器セットからなる。一次モータステージセットは、1つ以上のX線源5に取り付けられた1つ以上のモータ二次ステージを支持する。一次モータステージは、一次モータステージのモータを有し、一次モータステージは、レールとの係合によって弧状レールに沿って移動し、一次モータの速度によって制御される。モータを、電気ステッピングモータ又はサーボモータなどとすることができ得る。1つ以上の二次モータステージ4は、各X線源5を支持し、弧状レールの方向に沿って移動する。各一次モータステージ2が、一次モータステージ2と一次モータステージ2の関連付けられた二次モータステージ4との同時移動を可能にするための、二次モータステージ4のいくつかの対が存在し得よう。少なくとも1つの可撓性湾曲パネル検出器7(X線受容器)が、検出器ステージ上に取り付けられており、X線束を受容する。第1の駆動ユニット及び第2の駆動ユニットは、それぞれ、第1及び第2のモータステージを駆動する。第1の駆動ユニットは、一次モータステージセットに接続された第1のギアボックスと、第1のギアボックスに接続された第1の速度制御モジュールと、を含む。
【0041】
本発明は、一定速度で移動する複数のパルス作動X線源5を有する超高速、高効率の次元3D X線撮影システムの観点で記載されている。複数のパルス作動X線源5は、線源のアレイを形成するように、運動している構造上に取り付けられている。アレイは、全体的に広い視野角で被写体を掃引しながら、所定の弧状トラックに沿って移動する。各X線源5は、X線源5の静止位置の周りで迅速に移動することもできる。個々のX線源5が、グループ速度に等しいが反対の移動方向の速度を有するとき、個々のX線源5は、外部露出制御ユニットを介してトリガされる。この配置は、X線パルストリガ露出持続時間中、X線源5が相対的に静止したままであることを可能にする。画像データは、X線可撓性湾曲パネル検出器7でX線源5から取得される。3D投影データのデータ取得は、二次モータステージ4が、一次モータステージ2の方向と反対方向に、かつ一次モータステージ2の選択された速度で移動するときに、行われる。この配置は、X線パルストリガ露出持続時間中、X線源5が相対的に静止したままであることを可能にする。
【0042】
この説明は、高速次元X線イメージングを実行するためのシステム及び方法に焦点を当てるが、これらの技法及びデバイスは、他の用途に、例えば、マンモグラフィで、又はX線可撓性湾曲パネル検出器7などの、X線を使用する他の形態の次元イメージングで、応用されてもよい。一実施形態は、複数のパルス作動X線源5が、X線源5のアレイを形成するように、運動している構造上に取り付けられている。複数のX線源は、グループとして一定速度で、あらかじめ定められた弧状トラック上で被写体に対して同時に移動する。個々の各X線源5は、小距離にあるX線源5の静止位置の周りで迅速に移動することもできる。個々のX線源5が、グループ速度に等しいが反対の移動方向である速度を有するとき、個々のX線源5及びX線可撓性湾曲検出器7は、外部露出制御ユニットを介して作動される。この配置は、X線源5の作動中及びX線検出器露出中、X線源5が相対的に静止したままであることを可能にする。本発明の更なる実施形態は、イメージングされている被写体に対して移動する構造上に位置付けられたX線源5から放射されたX線光子を検出するためのX線可撓性湾曲パネル検出器7を含み、可撓性湾曲パネル検出器7は、X線光子を受容するX線シンチレータを有する前面を含む。
【0043】
一次モータステージ2を掃引することは、一次モータ1を一次モータステージ2と係合させ、次いで、当該一次モータ1を回転させて、所定数のギア及びシャフトと係合させて、当該一次モータステージ2所定の形状を有する弧状レールの自由な移動を提供することによって実行される。この方法は、一次モータステージ2を当該一次モータ1によって所定の一定速度で掃引することを更に含む。
【0044】
一定のグループ速度で、あらかじめ定められたラック上で、被写体の周りに同時に運動している複数のX線源5本発明の3つ、すなわち、運動している複数のパルス作動X線源5を、所定の形状を有する弧状レール上で自由に移動する一次モータステージ2、当該一次モータステージ2と係合し、かつ当該一次モータステージ2の速度を制御する一次モータ1、当該一次モータステージ2に結合されており、かつ弧状レールの方向に沿って移動する複数の二次モータステージ4、複数の二次モータ3であって、各々が、二次モータステージ4と係合し、二次モータステージ4の速度を制御する、複数の二次モータ3、複数のX線源であって、各々が、二次モータステージ4によって移動される、複数のX線源、一次モータステージ2及び二次モータステージ4のためのハウジングを提供する支持フレーム構造6、並びにイメージングデータを形成するためのX線束を受容するためのX線可撓性湾曲パネル検出器7、とともに使用する高速3D X線撮影のシステム及び方法が、この特許出願に記載された。
【0045】
本発明の様々な修正及び変更が、添付の特許請求の範囲によって規定された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者には明らかになるであろう。以下の任意の方法の請求項に列挙されたステップは、必ずしもそれらが列挙された順序で実行される必要はないことに留意されたい。当業者は、ステップを実行する際に、列挙されたものとは異なる、順序の変形を認識するであろう。加えて、特徴、ステップ、又は構成要素の言及又は説明の欠如は、存在しない特徴、又は構成要素が但し書き若しくは同様の請求項の文言によって除外される、請求項の基礎を提供する。
【0046】
本発明の様々な実施形態が上述されてきたが、それらは限定ではなく、例としてのみ提示されてきたことを理解されたい。様々な図は、本発明のための例示的なアーキテクチャ又は他の構成を描くことができ、このことは、本発明に含まれ得る特徴及び機能性を理解することを補助するために行われる。本発明は、例示される例示的なアーキテクチャ又は構成に限定されず、所望の特徴が、多様な代替的なアーキテクチャ及び構成を使用して実施されてもよい。実際、代替的な機能的、論理的、又は物理的な分割及び構成が、本発明の所望の特徴を実施するためにどのように実施され得るかは、当業者には明らかであろう。また、本明細書に表されるもの以外の多くの異なる構成モジュール名が、様々な分割に適用されてもよい。追加的に、フロー図、動作説明、及び方法の請求項に関して、本明細書でステップが提示される順序は、文脈が別段の指示をしない限り、列挙された機能性を同じ順序で実行するための様々な実施形態が実装されることを義務付けないものとする。
【0047】
この文書において使用される用語及び語句、並びにその変化形は、別途明示的に記載されない限り、限定的であるのとは反対に、オープンエンドであると解釈されるべきである。前述の例として、「含む」という用語は、「含むが、これに限定されない」などの意味として解釈されるべきであり、「例」という用語は、その網羅的又は限定的なリストではなく、議論中の項目の例示的な事例を提供するために使用されるべきであり、「a」又は「an」という用語は、「少なくとも1つ」、「1つ以上」などを意味するものとして解釈されるべきであり、「従来の」、「伝統的な」、「通常の」、「標準の」、「知られている」などの形容詞及び同様の意味の用語は、所与の期間に又は所与の時点で利用可能な項目に記載された項目を限定するものと解釈されるべきではなく、代わりに、現在又は将来の任意の時点で利用可能か又は知られ得る従来の、伝統的な、通常の、又は標準の技術を包含するように解釈されるべきである。これゆえ、この文書が、当業者に明らかであるか、又は知られている技術に言及する場合、そのような技術は、現在又は将来の任意の時点で当業者に明らかであるか、又は知られている技術を包含する。
【国際調査報告】