IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アール・ジエイ・レイノルズ・タバコ・カンパニーの特許一覧

特表2024-511661保護スリーブを有するエアロゾル送達装置
<>
  • 特表-保護スリーブを有するエアロゾル送達装置 図1
  • 特表-保護スリーブを有するエアロゾル送達装置 図2
  • 特表-保護スリーブを有するエアロゾル送達装置 図3
  • 特表-保護スリーブを有するエアロゾル送達装置 図4
  • 特表-保護スリーブを有するエアロゾル送達装置 図5
  • 特表-保護スリーブを有するエアロゾル送達装置 図6A
  • 特表-保護スリーブを有するエアロゾル送達装置 図6B
  • 特表-保護スリーブを有するエアロゾル送達装置 図7A
  • 特表-保護スリーブを有するエアロゾル送達装置 図7B
  • 特表-保護スリーブを有するエアロゾル送達装置 図8
  • 特表-保護スリーブを有するエアロゾル送達装置 図9
  • 特表-保護スリーブを有するエアロゾル送達装置 図10
  • 特表-保護スリーブを有するエアロゾル送達装置 図11
  • 特表-保護スリーブを有するエアロゾル送達装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-14
(54)【発明の名称】保護スリーブを有するエアロゾル送達装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20240307BHJP
   A24F 13/16 20060101ALI20240307BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240307BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F13/16
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560516
(86)(22)【出願日】2022-04-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 IB2022053070
(87)【国際公開番号】W WO2022208466
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】17/221,292
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594112886
【氏名又は名称】アール・ジエイ・レイノルズ・タバコ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン,サディアス
(72)【発明者】
【氏名】アラー,ジャレッド
(72)【発明者】
【氏名】コナー,ビリー・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ウェッブ,ビル
(72)【発明者】
【氏名】ハーサッキー,クリス
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA06
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB22
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC02
4B162AC06
4B162AC12
4B162AC50
(57)【要約】
本開示は、エアロゾル送達装置、および取外し可能な基材カートリッジ(300)とともに使用するためのホルダ(200)に関する。一実施形態では、ホルダは、近位端および遠位端を画定する本体(202)と、本体に対してスライドするように構成された外側スリーブ(203)とを含み、外側スリーブはまた、近位端および遠位端を画定する。外側スリーブは、本体の近位端が外側スリーブの近位端を越えて延在し、外側スリーブの遠位端が本体の遠位端を越えて延在する使用位置と、本体の遠位端が外側スリーブの遠位端を越えて延在し、外側スリーブの近位端が本体の近位端を実質的に覆う格納位置とにスライドするように構成される。本開示は、エアロゾル送達装置、および取外し可能な基材カートリッジ(300)とともに使用するためのホルダ(200)に関する。一実施形態では、ホルダは、近位端および遠位端を画定する本体(202)と、本体に対してスライドするように構成された外側スリーブ(203)とを含み、外側スリーブはまた、近位端および遠位端を画定する。外側スリーブは、本体の近位端が外側スリーブの近位端を越えて延在し、外側スリーブの遠位端が本体の遠位端を越えて延在する使用位置と、本体の遠位端が外側スリーブの遠位端を越えて延在し、外側スリーブの近位端が本体の近位端を実質的に覆う格納位置とにスライドするように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取外し可能な基材カートリッジとともに使用するためのホルダであって、
近位端と遠位端とを画定する本体であって、取外し可能な基材カートリッジの少なくとも一部を受容するように構成された受容チャンバと、受容チャンバから本体の少なくとも一部を通って延在するエアロゾル通路と、をさらに含む本体と、
本体に対してスライドするように構成された外側スリーブであって、近位端と遠位端とを画定する外側スリーブと、
を備え、
外側スリーブは、本体の近位端が外側スリーブの近位端を越えて延在し、外側スリーブの遠位端が本体の遠位端を越えて延在する使用位置と、本体の遠位端が外側スリーブの遠位端を越えて延在し、外側スリーブの近位端が本体の近位端を実質的に覆う格納位置と、にスライドするように構成されるホルダ。
【請求項2】
外側スリーブは、外側スリーブの遠位端が本体の遠位端に近接して配置される点火位置にスライドするようにさらに構成される、請求項1に記載のホルダ。
【請求項3】
点火位置では、外側スリーブの遠位端は、本体の遠位端と実質的に位置合わせされる、請求項2に記載のホルダ。
【請求項4】
格納位置では、外側スリーブの近位端は、本体の近位端と実質的に位置合わせされる、請求項1に記載のホルダ。
【請求項5】
本体はマウスピース部分を含み、マウスピース部分の近位端は、本体の近位端を画定し、マウスピース部分は、本体の残部から取外し可能である、請求項1に記載のホルダ。
【請求項6】
外側スリーブは、本体の材料とは異なる材料から出来ている、請求項1に記載のホルダ。
【請求項7】
外側スリーブは、本体の材料とは異なる材料から出来ているコーティングを含む、請求項1に記載のホルダ。
【請求項8】
排出位置をさらに備え、本体は、挿入された基材カートリッジを解放するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項9】
格納位置はまた、排出位置を備える、請求項8に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項10】
排出位置では、外側スリーブの遠位端は、本体の遠位端を越えて延在する、請求項8に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項11】
アロゾル送達装置であって、
取り外し可能なカートリッジであって、熱源と、熱を加えるとエアロゾルを形成するように構成されたエアロゾル前駆体組成物を有する基材材料を含む基材部分と、を備えるカートリッジと、 ホルダであって、
近位端と遠位端とを画定する本体であって、
取外し可能な基材カートリッジの少なくとも一部を受容するように構成された受容チャンバと、
受容チャンバから本体の少なくとも一部を通って延在するエアロゾル通路と、をさらに含む本体と、
本体に対してスライドするように構成された外側スリーブであって、また、近位端と遠位端とを画定する外側スリーブと、
を備えるホルダと、
を備えるエアロゾル送達装置であって、
外側スリーブは、使用位置であって、本体の近位端が外側スリーブの近位端を越えて延在し、外側スリーブの遠位端が挿入された取外し可能な基材カートリッジの熱源を実質的に覆う使用位置と、格納位置であって、本体の遠位端が外側スリーブの遠位端を越えて延在し、外側スリーブの近位端が本体の近位端を実質的に覆う格納位置と、にスライドするように構成されるエアロゾル送達装置。
【請求項12】
外側スリーブは、外側スリーブの遠位端が本体の遠位端に近接して配置される点火位置にスライドするようにさらに構成される、請求項11に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項13】
点火位置では、外側スリーブの遠位端は、本体の遠位端と実質的に整列される、請求項12に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項14】
格納位置では、外側スリーブの近位端は、本体の近位端と実質的に整列される、請求項11に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項15】
本体は、マウスピース部分を含み、マウスピース部分の近位端は、本体の近位端を画定し、マウスピース部分は、本体の残部から取外し可能である、請求項11に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項16】
外側スリーブは、本体の材料とは異なる材料から出来ている、請求項11に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項17】
外側スリーブは、本体の材料とは異なる材料から出来ているコーティングを含む、請求項11に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項18】
排出位置をさらに備え、本体は、挿入された基材カートリッジを解放するように構成される、請求項11に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項19】
格納位置はまた、排出位置を備える、請求項18に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項20】
排出位置では、外側スリーブの遠位端は、本体の遠位端を越えて延在する、請求項18に記載のエアロゾル送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル送達装置およびシステム、例えば、喫煙品に関し、さらに具体的には、エアロゾルの生成のために、熱源、例えば、可燃性炭素系点火源を利用するエアロゾル送達装置およびシステム(例えば、加熱式システムまたは電子タバコと一般に呼ばれる、タバコ、タバコ抽出物、ニコチン、合成ニコチン、非ニコチン香味料および他の材料の成分を吸入可能な形態で得るための喫煙品)に関する。そのような物品の成分は、タバコから作製されるかもしくはタバコに由来してもよく、またはこれらの物品は、人間の摂取のためにその他の方法でタバコを組み込むことを特徴としてもよく、タバコおよび/または他のタバコ関連材料の成分を気化させて、人間の摂取のための吸入可能なエアロゾルを形成することができてもよい。
【背景技術】
【0002】
タバコの燃焼に基づく喫煙製品の改良品または代替品として、多くの喫煙品が長年にわたって提案されてきた。例示的な代替品には、固体燃料もしくは液体燃料が燃焼されてタバコに熱を伝達する装置、またはそのような熱源を提供するために化学反応が使用される装置が含まれている。例には、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されている喫煙品が挙げられる。
【0003】
喫煙品の改良品または代替品の要点は、典型的には、相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供することであった。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化もしくは加熱するか、またはタバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻もしくはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書ならびにGriffith,Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書およびSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載の背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照により本明細書に組み込まれるBlessらの米国特許出願公開第2015/0220232号明細書に記載の商標名および商業的供給元によって参照される様々な種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電動発熱源を参照されたい。商標名および商業的供給元によって参照される追加の種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電動発熱源は、同じく参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許出願公開第2015/0245659号明細書に記載されている。記載されており、場合によっては市販されている他の代表的な紙巻タバコまたは喫煙品には、参照により本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Brooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、Countsらの米国特許第5,060,671号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Countsらの米国特許第5,388,594号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国特許第6,164,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Robinsonらの米国特許第7,726,320号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許出願公開第2009/0095311号明細書、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号明細書、米国特許出願公開第2009/0126745号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Thorensらの米国特許出願公開第2009/0272379号明細書、Monseesらの米国特許出願公開第2009/0260641号明細書および米国特許出願公開第2009/0260642号明細書、Oglesbyらの米国特許出願公開第2008/0149118号明細書および米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号明細書ならびにHonの国際公開第2010/091593号に記載されているものが含まれる。
【0004】
複数の順次配置されたセグメント化構成要素を有する喫煙品を組み立てるための様々な様式および方法が提案されてきた。例えば、各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBarnesらの米国特許第5,469,871号明細書およびCrooksらの米国特許第7,647,932号明細書ならびにCrooksらの米国特許出願公開第2010/0186757号明細書、Stoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書およびConnerらの米国特許出願公開第2012/00673620号明細書に記載されている様々な種類の組立て技術および方法を参照されたい。
【0005】
炭素質燃料要素を使用する特定の種類のシガレットは、R.J.Reynolds Tobacco Companyから「Premier」、「Eclipse」および「Revo」という商標名で市販されている。例えば、Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco、R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)およびInhalation Toxicology、12:5、1~58頁(2000)に記載されているシガレットの種類を参照されたい。さらに、日本では、同様のタイプのシガレットが日本たばこ産業株式会社から「Steam Hot One」という商標名で販売されている。
【0006】
場合によっては、一部の喫煙品、特に従来の紙包装材料を使用するものは、紙包装材料に近接した燃料源によって達成される高温のために、点火可能な燃料源を覆う紙包装材料を焦がす傾向もある。これは、一部の消費者の喫煙体験の楽しさを低減する可能性があり、喫煙品のエアロゾル送達構成要素によって消費者に送達される香味を覆い隠すか、または望ましくないように変化させる可能性がある。さらなる例では、従来型の喫煙品は、使用中に(例えば、炭素燃焼の生成物として)一酸化炭素および/または二酸化炭素などの比較的顕著なレベルのガスを生成する可能性がある。さらに別の例では、従来型の喫煙品は、エアロゾル形成成分をエアロゾル化することに関して不十分な性能の影響を受ける可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第9,078,473号明細書
【特許文献2】米国特許第7,726,320号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2015/0220232号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2015/0245659号明細書
【特許文献7】米国特許第4,735,217号明細書
【特許文献8】米国特許第4,922,901号明細書
【特許文献9】米国特許第4,947,874号明細書
【特許文献10】米国特許第4,947,875号明細書
【特許文献11】米国特許第5,060,671号明細書
【特許文献12】米国特許第5,249,586号明細書
【特許文献13】米国特許第5,388,594号明細書
【特許文献14】米国特許第5,666,977号明細書
【特許文献15】米国特許第6,053,176号明細書
【特許文献16】米国特許第6,164,287号明細書
【特許文献17】米国特許第6,196,218号明細書
【特許文献18】米国特許第6,810,883号明細書
【特許文献19】米国特許第6,854,461号明細書
【特許文献20】米国特許第7,832,410号明細書
【特許文献21】米国特許第7,513,253号明細書
【特許文献22】米国特許第7,896,006号明細書
【特許文献23】米国特許第6,772,756号明細書
【特許文献24】米国特許出願公開第2009/0095311号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2006/0196518号明細書
【特許文献26】米国特許出願公開第2009/0126745号明細書
【特許文献27】米国特許出願公開第2009/0188490号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第2009/0272379号明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第2009/0260641号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2009/0260642号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2008/0149118号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2010/0024834号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2010/0307518号明細書
【特許文献34】国際公開第2010/091593号
【特許文献35】米国特許第5,469,871号明細書
【特許文献36】米国特許第7,647,932号明細書
【特許文献37】米国特許出願公開第2010/0186757号明細書
【特許文献38】米国特許出願公開第2012/0042885号明細書
【特許文献39】米国特許出願公開第2012/00673620号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco、R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)
【非特許文献2】Inhalation Toxicology、12:5、1~58頁(2000)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、従来型の喫煙品に時に関連する技術的問題のうちの1つ以上に対処する喫煙品を提供することが望ましいであろう。特に、使いやすく、再利用可能および/または交換可能な構成要素を提供する喫煙品を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
様々な実施形態では、本開示は、エアロゾル送達装置、ならびに取外し可能および交換可能なカートリッジとともに使用するためのホルダに関する。
【0011】
例示的な実施形態1:取外し可能な基材カートリッジとともに使用するためのホルダであって、近位端と遠位端とを画定する本体であって、取外し可能な基材カートリッジの少なくとも一部を受容するように構成された受容チャンバと、受容チャンバから本体の少なくとも一部を通って延在するエアロゾル通路と、をさらに含む本体と、本体に対してスライドするように構成された外側スリーブであって、近位端と遠位端とを画定する外側スリーブとを備え、外側スリーブは、本体の近位端が外側スリーブの近位端を越えて延在し、かつ外側スリーブの遠位端が本体の遠位端を越えて延在する使用位置と、本体の遠位端が外側スリーブの遠位端を越えて延在し、外側スリーブの近位端が本体の近位端を実質的に覆う格納位置と、にスライドするように構成されるホルダ。
【0012】
例示的な実施形態2:外側スリーブは、外側スリーブの遠位端が本体の遠位端に近接して配置される点火位置にスライドするようにさらに構成される、例示的な実施形態1、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのホルダ。
【0013】
例示的な実施形態3:点火位置では、外側スリーブの遠位端は、本体の遠位端と実質的に位置合わせされる、例示的な実施形態1~2のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのホルダ。
【0014】
例示的な実施形態4:格納位置では、外側スリーブの近位端は、本体の近位端と実質的に位置合わせされる、例示的な実施形態1~3のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのホルダ。
【0015】
例示的な実施形態5:本体は、マウスピース部分を含み、マウスピース部分の近位端は、本体の近位端を画定し、マウスピース部分は、本体の残部から取外し可能である、例示的な実施形態1~4のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのホルダ。
【0016】
例示的な実施形態6:外側スリーブは、本体の材料とは異なる材料から出来ている、例示的な実施形態1~5のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのホルダ。
【0017】
例示的な実施形態7:外側スリーブは、本体の材料とは異なる材料から出来ているコーティングを含む、例示的な実施形態1~6のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのホルダ。
【0018】
例示的な実施形態8:排出位置をさらに備え、本体は、挿入された基材カートリッジを解放するように構成される、例示的な実施形態1~7のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのホルダ。
【0019】
例示的な実施形態9:格納位置はまた、排出位置を備える、例示的な実施形態1~8のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのホルダ。
【0020】
例示的な実施形態10:排出位置では、外側スリーブの遠位端は、本体の遠位端を越えて延在する、例示的な実施形態1~9のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのホルダ。
【0021】
例示的な実施形態11:アロゾル送達装置であって、取り外し可能なカートリッジであって、熱源と、熱を加えるとエアロゾルを形成するように構成されたエアロゾル前駆体組成物を有する基材材料を含む基材部分とを備える取外し可能なカートリッジと、ホルダであって、近位端と遠位端とを画定する本体であって、取外し可能な基材カートリッジの少なくとも一部を受容するように構成された受容チャンバと、受容チャンバから本体の少なくとも一部を通って延在するエアロゾル通路と、をさらに含む本体と、本体に対してスライドするように構成された外側スリーブであって、近位端と遠位端とを画定する外側スリーブとを備えるホルダと、を備え、外側スリーブは、使用位置であって、本体の近位端が外側スリーブの近位端を越えて延在し、外側スリーブの遠位端が挿入された取外し可能な基材カートリッジの熱源を実質的に覆う使用位置と、格納位置であって、本体の遠位端が外側スリーブの遠位端を越えて延在し、外側スリーブの近位端が本体の近位端を実質的に覆う格納位置と、にスライドするように構成されるエアロゾル送達装置。
【0022】
例示的な実施形態12:外側スリーブは、外側スリーブの遠位端が本体の遠位端に近接して配置される点火位置にスライドするようにさらに構成される、例示的な実施形態11、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0023】
例示的な実施形態13:点火位置では、外側スリーブの遠位端は、本体の遠位端と実質的に位置合わせされる、例示的な実施形態11~12のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0024】
例示的な実施形態14:格納位置では、外側スリーブの近位端が、本体の近位端と実質的に位置合わせされる、例示的な実施形態11~13のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0025】
例示的な実施形態15:本体はマウスピース部分を含み、マウスピース部分の近位端は、本体の近位端を画定し、マウスピース部分は、本体の残部から取外し可能である、例示的な実施形態11~14のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0026】
例示的な実施形態16:外側スリーブは、本体の材料とは異なる材料から出来ている、例示的な実施形態11~15のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0027】
例示的な実施形態17:外側スリーブは、本体の材料とは異なる材料から出来ているコーティングを含む、例示的な実施形態11~16のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0028】
例示的な実施形態18:排出位置をさらに備え、本体は、挿入された基材カートリッジを解放するように構成される、例示的な実施形態11~17のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0029】
例示的な実施形態19:格納位置はまた、排出位置を備える、例示的な実施形態11~18のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0030】
例示的な実施形態20:排出位置では、外側スリーブの遠位端は、本体の遠位端を越えて延在する、例示的な実施形態11~19のいずれか1つ、または前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0031】
本開示のこれらならびに他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本発明は、そのような特徴または要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているかどうかにかかわらず、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の上述の実施形態の任意の組合せ、ならびに本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の組合せを含む。本開示は、文脈上他に明確に指示されない限り、その種々の態様および実施形態のいずれかにおいて、開示された発明の任意の分離可能な特徴または要素が、組合せ可能であるように意図された通りに見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0032】
本開示は上述の一般的な用語で記載しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本開示の一実施形態によるホルダおよび取外し可能なカートリッジの斜視図を示す。
図2】本開示の一実施形態によるホルダおよび取外し可能なカートリッジの斜視図を示す。
図3】本開示の一実施形態によるホルダおよび取外し可能なカートリッジの斜視図を示す。
図4】本開示の一実施形態によるホルダおよび取外し可能なカートリッジの斜視図を示す。
図5】本開示の一実施形態によるホルダおよび取外し可能なカートリッジの斜視図を示す。
図6A】本開示の一実施形態によるホルダおよび取外し可能なカートリッジの側面概略図を示す。
図6B】本開示の一実施形態によるホルダおよび取外し可能なカートリッジの側面概略図を示す。
図7A】本開示の一実施形態によるホルダおよび取外し可能なカートリッジの側面概略図を示す。
図7B】本開示の一実施形態によるホルダおよび取外し可能なカートリッジの側面概略図を示す。
図8】本開示の一実施形態によるホルダの斜視図を示す。
図9】本開示の一実施形態による取外し可能なカートリッジの斜視図を示す。
図10】本開示の一実施形態による取外し可能なカートリッジの長手方向断面図を示す。
図11】本開示の一実施形態による取外し可能なカートリッジの斜視図を示す。
図12】本開示の一実施形態による取外し可能なカートリッジの長手方向断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化され、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。
【0035】
本開示は、(好ましくは、材料を著しく燃焼させることなく)材料が加熱されて、エアロゾルおよび/または吸入可能な物質を形成する物品(およびその組立ておよび/または製造)の説明を提供する。そのような物品は、「手持ち式」装置と見なされるのに十分に小型であることが最も好ましい。いくつかの態様では、物品は、喫煙品として特徴付けられる。本明細書で使用される用語「喫煙品」は、その物品および/または装置のいかなる構成要素も実質的に燃焼させることなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという感覚の多く(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)を提供する物品および/または装置を意味することを意図する。本明細書で使用される用語「喫煙品」は、動作中に、物品または装置が、タバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるエアロゾルの意味での煙を生成することを必ずしも意味せず、むしろ、物品または装置が、物品および/または装置の特定の構成要素、要素などの揮発または気化に起因する(煙状として記述されるように見なされ得る、目に見えるエアロゾルと見なされるエアロゾル内の蒸気を含む)蒸気を生成することを意味する。或る態様では、喫煙品として特徴付けられる物品または装置は、タバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込んでいる。
【0036】
上述したように、エアロゾル送達装置は、そのいかなる成分も実質的に燃焼させることなく、タバコを点火し燃焼させることによって(ひいては、タバコの煙を吸い込むことによって)使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという数々の感覚(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)をもたらし得る。例えば、本開示のいくつかの例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置のユーザは、喫煙者が従来型の喫煙品を使用するのと同じように、その装置を保持し使用し、その部品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等々を行うことができる。
【0037】
本開示の物品または装置はまた、蒸気生成物品、エアロゾル送達物品または薬剤送達物品として特徴付けられる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態の1つ以上の物質を提供するように構成可能である。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(例えば、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)である。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(例えば、気体中の微細固体粒子または液滴の懸濁液)である。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。或る実施形態では、用語「蒸気」および「エアロゾル」は交換可能であり得る。したがって、簡単にするために、本開示を説明するために使用される用語「蒸気」および「エアロゾル」は、別段の指定がない限り交換可能であると理解される。
【0038】
本開示の喫煙品は、使用時に、従来型の喫煙品(例えば、炎によって点火することにより使用され、続いて燃やされおよび/または燃焼されるタバコを吸入することにより使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際の個人の多くの物理的作用を受ける。例えば、本開示の喫煙品のユーザは、従来型の喫煙品のようにその物品を保持し、その物品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその物品の一端を吸引し、選択された時間間隔で吸煙する。
【0039】
システムは、一般に、いわゆる「タバコ加熱製品」などの喫煙品に関連する実施形態に関して本明細書に記載されているが、機構、構成要素、特徴および方法は、多くの異なる形態で具体化され、種々の物品に関連付けられてもよいことを理解されたい。例えば、本明細書に提供される説明は、従来の喫煙品(例えば、紙巻タバコ、葉巻、パイプなど)、加熱式タバコ、および本明細書に開示される製品のいずれかのための関連する梱包の実施形態と組み合わせて使用されてもよい。したがって、本明細書に開示される機構、構成要素、特徴および方法の説明は、エアロゾル送達装置に関する実施形態に関して単なる例として論じられ、様々な他の製品および方法で具体化および使用されてもよいことを理解されたい。
【0040】
本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、ハウジングと呼ばれ得る外側本体またはシェル内に設けられた多数の構成要素を含む。外側本体またはシェルの全体的な設計は変更可能であり、エアロゾル送達装置の全体的なサイズおよび形状を形成することができる外側本体の形式または構成は変更可能である。或る例示的な実施形態では、紙巻タバコもしくは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型のハウジングから形成されることができ、または細長いハウジングが、2つ以上の分離可能な本体から形成されることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、形状が実質的に管状とすることができ、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似することができる細長いシェルまたは本体を備えることができる。別の例では、エアロゾル送達装置は、略矩形であってよく、あるいは略矩形の直方体形状を有してもよい。一例では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、1つのハウジング内に収容される。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合されかつ分離可能な2つ以上のハウジングを備えることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の再利用可能な構成要素(例えば、再充電可能な電池および/または再充電可能なスーパーキャパシタなどの蓄電池、およびその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するハウジングを備える1つの部分、および取外し可能に連結可能に、別の第2の部分(例えば、マウスピース)および/または使い捨て可能な構成要素(例えば、エアロゾル前駆体材料、風味材料などを収容する使い捨て可能な香味含有カートリッジ)を有することができる。単一ハウジングタイプのユニット内または複数部品の分離可能ハウジングタイプのユニット内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置の設計と構成要素の配置とを理解することができる。
【0041】
種々の態様では、カートリッジの熱源は、熱を生成して、例えば、固体または液体の形態(例えば、ビーズ、シート、細断片、ラップ)の押出構造および/または基材、エアロゾル前駆体組成物と結合された基材材料、タバコおよび/またはタバコ関連材料、例えば、タバコから直接分離された、タバコに自然に見出される材料、または合成的に調製された材料などを含む、カートリッジの基材材料をエアロゾル化することが可能であってよい。以下にさらに詳細に説明されるように、或る実施形態では、押出構造は、タバコ製品、またはタバコと他の材料、例えば、セラミック粉末などとの複合物を含有してもよい。他の実施形態では、多孔質セラミックビーズにタバコ抽出物/スラリーが担持されてもよい。他の実施形態は、非タバコ製品を使用してもよい。或る実施形態では、エアロゾル前駆体組成物を担持した多孔質ビーズ/粉末(セラミック)が使用されてもよい。他の実施形態では、セラミック粉末およびエアロゾル前駆体組成物の押出スラリーから作製されたロッド/シリンダが使用されてもよい。
【0042】
本開示の特定の態様によれば、使いやすく、再利用可能および/または交換可能な構成要素を提供するエアロゾル送達装置を提供することが有利となり得る。図1図5は、そのような装置の1つの例示的な実施形態の斜視図を示す。図示される実施形態では、エアロゾル送達装置100は、ホルダ200および取外し可能なカートリッジ300を含む。図に示すように、ホルダ200は、取外し可能なカートリッジ300を受容するように構成される。図示される実施形態では、ホルダ200は、近位端206(例えば、図3を参照)と遠位端208とを画定する本体202を備える。図示される実施形態では、本体202はまた、本体202の近位端206に近接して配置されるマウスピース部分204を含み、さらに具体的には、マウスピース部分204の近位端は、本体202の近位端206を画定する。図示される実施形態では、マウスピース部分204は本体202から取外し可能であるが、他の実施形態では、マウスピース部分は本体と一体であってよい。
【0043】
或る実施形態では、ホルダ(またはその任意の構成要素)は、成形可能なプラスチック材料、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアミド(ナイロン)またはポリプロピレンなどから作製されてもよい。他の実施形態では、ホルダは、異なる材料、例えば、異なるプラスチック材料、金属材料(例えば、限定するものではないが、ステンレス鋼、アルミニウム、真鍮、銅、銀、金、青銅、チタン、種々のな合金など)、グラファイト材料、ガラス材料、セラミック材料、天然材料(例えば、限定するものではないが、木材)、複合材料、またはそれらの任意の組合せなどから作製されてもよい。上述したように、或る実施形態のマウスピース部分は本体から分離可能であるが、他の実施形態では、マウスピース部分は本体と一体であってよい。いずれの場合も、マウスピース部分と本体とは、同じ材料または異なる材料から構成されてもよい。分離可能なマウスピース部分を備える種々の実施形態では、マウスピース部分は、例えば、スナップフィット、締まりばめ、ねじ山、磁気接続および/またはバヨネット接続のうちの1つ以上を含む種々の方法で本体に連結されてもよい。他の実施形態では、マウスピース部分は、本体と一体であってよく、したがって、分離可能でなくてもよい。
【0044】
図示される実施形態では、本体202は、遠位端208に近接して配置され、カートリッジ300が受容される開口部210を含む。図示される実施形態では、本体202の開口部210は、本体202内に配置された受容チャンバ212(図6A図7Bを参照)に通じている。図示される実施形態のホルダ200はまた、それを通してエアロゾルがユーザに送達される、近位端206に近接して配置された開口部215を含む。様々な実施形態では、カートリッジは、ホルダ(特に、受容チャンバ)によって受容されてもよい。このように、カートリッジの熱源が点火されてもよく、点火された熱源は、ユーザに送達するためにその中に収容された基材材料をエアロゾル化してもよい。
【0045】
図示される実施形態のホルダ200はまた、本体202に対してスライドするように構成された外側スリーブ203を含む。図示される実施形態では、外側スリーブ203は、近位端205および遠位端207を画定する。以下にさらに詳細に説明されるように、図示される実施形態のホルダ203は、点火位置、使用位置および格納位置を含む、本体202に対して異なる位置にスライドするように構成される。或る実施形態は、上記の位置のうちの1つとは異なり得るか、または上記の位置のうちの1つと実質的に同じであってよい追加の位置(例えば、排出位置)を含んでもよい。図示される実施形態は、他の位置のうちの1つと実質的に同じである排出位置を含む。或る実施形態では、1つ以上の位置が排除されてもよく、さらに他の実施形態では、これらの位置のうちの2つ以上が組み合わされてもよいことに留意されたい。図示される実施形態のホルダ200の点火位置、使用位置、格納位置および排出位置を含む様々な位置について、以下で図2図7Bを参照して一般的に説明される。
【0046】
図2は、図1のエアロゾル送達装置100のホルダ200およびカートリッジ300を示し、カートリッジ300は、ホルダ200の開口部210に挿入されている。図示される実施形態では、外側スリーブ203は、格納位置に配置されている。図示される実施形態では、ホルダ200は、点火位置および使用位置では、カートリッジ300がホルダ200内の所定の位置に一時的に「ロック」されるように、カートリッジ300を受容チャンバ212に保持する磁気保持アセンブリの形態のカートリッジ保持システムを含む。図示される実施形態の格納位置では、カートリッジ300が受容チャンバ212から比較的自由に挿入または取り外しされ得るように、磁気保持アセンブリは係合されない。
【0047】
他の実施形態では、他の保持機構が使用されてもよい。例えば、或る実施形態では、1つ以上の保持球が、カートリッジ保持アセンブリの一部を形成してもよい。他の実施形態では、カートリッジ保持アセンブリは、例えば、1つ以上のOリングなどの1つ以上の弾性部材、および/またはカートリッジの外面の一部に係合するために受容チャンバ内に延在する1つ以上の弾性機構を含む他の保持機構を備えてもよい。他の実施形態では、カートリッジおよび/または受容チャンバの外側ハウジングは、カートリッジを受容チャンバに保持するように構成された1つ以上の突起ならびに/またはばね機構および対応する戻り止め機構を含んでもよい。さらに他の実施形態では、受容チャンバの内面は、カートリッジを受容チャンバに保持するように構成され得る減少する直径(および/または減少した直径を有する1つ以上の部分)を有してもよい。他の実施形態では、ホルダは、カートリッジと係合してカートリッジを受容チャンバに保持するように構成された能動的に格納可能機構(例えば、ユーザによって能動的に格納可能な機構)を含んでもよい。他の実施形態では、ホルダは、カートリッジに係合し、カートリッジを受容チャンバに保持するように構成された1つ以上のウェッジ機構を含んでもよい。さらに他の実施形態では、カートリッジの1つ以上の他の機構、および/またはホルダの1つ以上の機構は、受容チャンバとカートリッジとの間に解放可能な接続を形成してもよい。例えば、或る実施形態では、カートリッジおよび受容チャンバは、解放可能なねじ型接続を有してもよい。さらに他の実施形態では、カートリッジは、磁力によって受容チャンバに保持されてもよい。例えば、或る実施形態では、カートリッジの外側ハウジングは強磁性材料から作製されてもよく、受容チャンバは1つ以上の磁石を含んでもよい。これらの保持機構のうちの2つ以上の組合せが使用されてもよい。
【0048】
様々な実施形態では、カートリッジ保持アセンブリの1つ以上の構成要素は、例えば、限定するものではないが、金属またはプラスチック材料を含む任意の材料から作製されてもよい。例えば、或る実施形態は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、真鍮、銅、銀、金、青銅、チタン、種々の合金などのような金属材料から作製された、カートリッジ保持アセンブリの1つ以上の構成要素を含んでもよい。或る実施形態では、カートリッジ保持アセンブリの1つ以上の構成要素は、成形可能なプラスチック材料、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアミド(ナイロン)またはポリプロピレンなどから作製されてもよい。或る実施形態では、カートリッジ保持アセンブリの1つ以上の構成要素は、異なる材料、例えば、異なるプラスチック材料、異なる金属材料、グラファイト材料、ガラス材料、セラミック材料、天然材料(例えば、限定するものではないが、木材)、複合材料、またはそれらの任意の組合せなどから作製されてもよい。
【0049】
図3は、図1のエアロゾル送達装置100のホルダ200およびカートリッジ300を示しており、外側スリーブ203は点火位置に配置されている。図示される実施形態の点火位置では、外側スリーブ203は、本体202の遠位端208に向かって移動され、磁気保持アセンブリは、カートリッジ300が受容チャンバ212に保持されるように係合される。点火位置では、カートリッジ300の熱源は、例えば、手持ち式ライターを使用するなどして、ユーザによって点火されてもよい。任意の1つの位置について、または位置の任意の組合せについて、ホルダは、外側スリーブをその位置に保持または付勢するように構成された、一時的な位置決め機構を含んでもよいことに留意されたい。例えば、或る実施形態では、本体および/または外側スリーブは、本明細書に記載の位置のうちの1つ以上では本体に対して外側スリーブを保持する1つ以上の戻り止めを含んでもよい。他の実施形態では、1つ以上の磁気および/またはばね機構が使用されてもよい。このように、或る実施形態の外側スリーブは、本明細書に記載の様々な位置のうちの1つ以上にスナップ留めされてもよいか、または引っ張られてもよい。或る実施形態では、そのような一時的な位置決め機構は、外側スリーブが様々な位置のうちの1つ以上に配置されていることを示す可聴インジケータ(例えば、クリックなど)を生成してもよいか、またはそれと連結されてもよい。
【0050】
図4は、使用位置で示されている、図1のエアロゾル送達装置100のホルダ200およびカートリッジ300を示す。使用位置では、外側スリーブ203は、外側スリーブ203が点火されたカートリッジ300を覆うように、その遠位端208を越えて本体202に対してさらに移動される。使用位置では、点火された熱源は、ホルダ200を介してユーザに送達するために、カートリッジ300に収容された基材材料をエアロゾル化してもよい。図には示されていないが、或る実施形態のホルダは、進入した周囲空気が受容チャンバおよび/またはエアロゾル通路(例えば、基材カートリッジを介して、および/または基材カートリッジの下流でなど)に導かれることを可能にするための1つ以上の開口部をその中に含んでもよい。したがって、ユーザがホルダ(例えば、そのマウスピース部分を介して)を吸引すると、ユーザによる吸入のために、空気は受容チャンバおよび/またはエアロゾル通路に引き込まれ得る。
【0051】
或る実施形態では、ホルダは、排出位置を有してもよい。このように、外側スリーブは、カートリッジをホルダから排出する(またはカートリッジが取り外されることを可能にする)ように移動されてもよい。図示される実施形態の排出位置では、カートリッジ300がもはや受容チャンバ212内で一時的に「ロック」されないように、磁気保持アセンブリが係合解除される。図5は、開口部210を介してホルダ200の受容チャンバからカートリッジ300を排出するホルダ200を示す。図示される実施形態では、排出位置における外側スリーブ203の位置は、格納位置(例えば、図2に示すように)と同じである。ただし、他の実施形態では、本体に対する外側スリーブの位置は、格納位置および排出位置について異なってもよい。
【0052】
上述したように、本開示の図示される実施形態の外側スリーブ203は、少なくとも点火位置、使用位置、格納位置および排出位置まで本体202に対して移動するように構成される。図6A図7Bは、これらの様々な位置におけるホルダ200およびカートリッジ300の側面概略図を示す。例えば、図6Aは、エアロゾル送達装置100のホルダ200およびカートリッジ300の側面概略図を示しており、外側スリーブ203は格納位置に配置されている。図示される実施形態の格納位置では、外側スリーブ202の近位端205は、本体202の近位端206を実質的に覆い、および/または保護し、本体202の遠位端208は、外側スリーブ203の遠位端207を越えて延在する。様々な実施形態の格納位置では、外側スリーブは、本体の近位端を様々な程度まで覆い得るが、図示される実施形態の外側スリーブ203の近位端205は、本体202の近位端206と実質的に位置合わせされる。他の実施形態では、本体の近位端および遠位端に対する外側スリーブの近位端および遠位端の相対位置は異なっていてもよい。例えば、或る実施形態の格納位置では、外側スリーブの近位端は、本体の近位端を越えて(例えば、通過して)延在してもよい。他の実施形態では、本体の近位端は、外側スリーブの近位端を越えて(例えば、通過して)延在してもよい。いずれの場合も、様々な実施形態の格納位置では、外側スリーブは、本体の近位端を実質的に覆ってもよく、および/または保護してもよい。このように、例えば、外側スリーブは、装置のマウスピース部分を実質的に覆ってもよく、および/または保護してもよい。したがって、本開示のエアロゾル送達装置は、装置のマウスピース部分を外面に露出させる(または装置のマウスピース部分の露出を最小限に抑える)ことなく、(例えば、ユーザのポケットまたは財布の中で)運ばれ、しまわれるなどされてもよい。図8は、本体202のマウスピース部分204を保護するように外側スリーブ203が格納位置に配置されているホルダ200を示す。
【0053】
図6Bは、エアロゾル送達装置100のホルダ200およびカートリッジ300の側面概略図を示しており、外側スリーブ203は点火位置にある。図示される実施形態の点火位置では、外側スリーブ203の遠位端207は、本体202の遠位端208に近接して配置される。様々な実施形態の点火位置では、外側スリーブの位置は変動し得るが、図示される実施形態の外側スリーブ203の遠位端207は、本体202の遠位端208と実質的に位置合わせされる。ただし、他の実施形態では、本体に対する外側スリーブの相対位置は異なっていてもよいことに留意されたい。例えば、或る実施形態の点火位置では、外側スリーブの遠位端は、本体の遠位端を越えて(例えば、通過して)延在してもよい。他の実施形態では、本体の遠位端は、外側スリーブの遠位端を越えて(例えば、通過して)延在してもよい。いずれの場合も、様々な実施形態の点火位置では、カートリッジ300の熱源は、ユーザによって点火されてもよい。
【0054】
図7Aは、エアロゾル送達装置100のホルダ200およびカートリッジ300の側面概略図を示しており、外側スリーブ203は使用位置にある。図示される実施形態の使用位置では、外側スリーブ203の遠位端207は、外側スリーブ203の遠位端207が基材カートリッジ300の熱源308を実質的に覆うように、本体202の遠位端208を越えて(例えば、通過非手)延在し、本体202の近位端206は、外側スリーブ203の近位端205を越えて(例えば、通過して)延在する。様々な実施形態の使用位置では、外側スリーブの遠位端は、挿入された基材カートリッジの熱源に対して様々な位置に配置されてもよいが、図示される実施形態の使用位置では、外側スリーブ203の遠位端207は、挿入された基材カートリッジ300の熱源308の端部と実質的に位置合わせされる。
【0055】
図6Bおよび図7Aに示すように、図示される実施形態の点火位置および使用位置では、カートリッジ300の一部は、本体202の受容チャンバ212に配置され、カートリッジ300の一部は、本体202の外側に延在する。さらに、図示される実施形態では、カートリッジ300は、点火位置および使用位置では本体202に対して同じ位置を有する。ただし、外側の実施形態では、カートリッジは、点火位置および使用位置では本体に対して独立した位置を有してもよいことに留意されたい。さらに、様々な実施形態の点火位置または使用位置のいずれかでは、カートリッジは、様々な程度までホルダに受容されてもよい。例えば、或る実施形態の点火および/または使用位置では、カートリッジの長さの半分未満(例えば、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満など)がホルダ内に配置されてもよい。他の実施形態の点火および/または使用位置では、カートリッジの長さの約半分がホルダに受容されてもよい。他の実施形態の使用位置では、カートリッジの長さの半分超(例えば、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超など)がホルダに受容されてもよい。
【0056】
図7Bは、エアロゾル送達装置100のホルダ200およびカートリッジ300の側面概略図を示しており、外側スリーブ203は排出位置にある。図示される実施形態の排出位置では、外側スリーブ203の近位端205は、本体202の近位端206に近接して配置され、本体の遠位端208は、外側スリーブ203の遠位端207を越えて(例えば、通過して)延在する。他の構成も可能であるが、図示される実施形態の排出位置では、外側スリーブ203は、本体203に対して格納位置と実質的に同じ位置に配置され、特に、外側スリーブ203の近位端205は、本体202の近位端206と実質的に位置合わせされる。上述したように、図示される実施形態の排出位置では、カートリッジ300がもはや受容チャンバ212内で一時的に「ロック」されないように、磁気保持アセンブリが係合解除される。ただし、他の実施形態の排出位置では、外側スリーブは、本体に対して他の位置を有してもよいことに留意されたい。例えば、或る実施形態では、外側スリーブは、使用位置を越えて(例えば、通り過ぎて)排出位置に移動されてもよい。別の実施形態では、外側スリーブは、格納位置を越えて(例えば、通過して)排出位置に移動されてもよい。
【0057】
図9は、本開示の例示的な実施形態による、取外し可能なカートリッジ300の斜視図を示す。図示される実施形態では、カートリッジ300は、第1の端部302および遠位端304を画定する。図示される実施形態のカートリッジ300は、熱源308を備える加熱部分306と、基材材料316(図10を参照)を含む基材部分310と、熱源308および基材材料316を包囲するように構成された外側ハウジング312とをさらに含む。図示される実施形態では、カートリッジ300は略円筒形の全体形状を有するが、種々の他の実施形態では、カートリッジ、またはその構成要素のいずれかは異なる形状を有してもよいことに留意されたい。例えば、或る実施形態では、カートリッジ(および/またはその構成要素のいずれか)は、略矩形の形状、例えば、略矩形の直方体形状を有してもよい。他の実施形態では、カートリッジ(および/またはその構成要素のいずれか)は、他の手持ち式形状を有してもよい。本開示に適用可能であり得るカートリッジ構成のいくつかの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2019年7月18日に出願され、「Aerosol Delivery Device with Consumable Cartridge」と題された米国特許出願第16/515,637号明細書に見出されることができる。
【0058】
或る実施形態では、熱源と基材材料との間に障壁が存在してもよい。或る実施形態では、そのような障壁は、そこを通過する1つ以上の開口部を含み得るディスクを備えてもよい。或る実施形態では、障壁は、金属材料(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、真鍮、銅、銀、金、青銅、チタン、種々の合金など)、またはグラファイト材料、またはセラミック材料、またはプラスチック材料、あるいはそれらの任意の組合せから構築されてもよい。或る実施形態では、障壁を備えても備えなくてもよい熱伝達構成要素が、熱源と基材材料との間に存在してもよい。熱伝達構成要素の或る例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるHejaziらの米国特許出願公開第2019/0281891号明細書に記載されている。或る実施形態では、障壁および/または熱伝達構成要素は、燃焼ガスが基材材料を通って引き込まれる(および/またはエアロゾルが引き込まれる空気通路を通って引き込まれる)のを防止または阻止してもよい。
【0059】
種々の実施形態では、熱源は、その点火時に熱を生成するように構成されてもよい。図示される実施形態では、熱源308は、略円筒形状を有し、可燃性炭素質材料を組み込んだ可燃性燃料要素を備える。他の実施形態では、熱源は、異なる形状、例えば、立方体または六角形の断面を有するプリズム形状を有してもよい。炭素質材料は、一般に、高い炭素含量を有する。いくつかの炭素質材料は、主に炭素から構成されてもよく、および/または典型的には、乾燥重量基準で約60パーセント超、一般に約70パーセント超、多くの場合約80パーセント超、頻繁に約90パーセント超の炭素含量を有してもよい。
【0060】
上述したように、図示される実施形態のカートリッジ300の熱源308は、共振送信機によって加熱されるように構成されたサセプタ材料を含む。或る実施形態では、熱源材料自体(例えば、炭素材料)は、サセプタ材料を含有してもよい。他の実施形態では、サセプタ材料が熱源に添加されてもよい。或る実施形態では、サセプタ材料は、限定するものではないが、コバルト、鉄、ニッケル、亜鉛、マンガンおよびそれらの任意の組合せを含む強磁性材料を含有してもよい。或る実施形態では、サセプタ構成要素のうちの1つ以上は、例えば、アルミニウムまたはステンレス鋼などの他の金属材料、ならびに炭化ケイ素などのセラミック材料、および上記の材料のいずれかの任意の組合せを含む他の材料から作製されてもよい。さらに他の実施形態では、サセプタ材料は、銅などの金属、導電性材料の合金、または1つ以上の導電性材料が内部に埋め込まれた他の材料を含む他の導電性材料を含有してもよい。或る実施形態では、サセプタ材料は、限定するものではないが、細断されたサセプタ材料を含む粒状サセプタ構成要素を含有してもよい。他の実施形態では、粒状サセプタ構成要素は、サセプタ粒子、サセプタビーズなどを含有してもよい。
【0061】
場合によっては、熱源は、可燃性炭素質材料以外の要素(例えば、粉末タバコまたはタバコ抽出物などのタバコ成分、香料、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび炭酸ナトリウムなどの塩、熱安定性グラファイト中空円筒形(例えば、管)繊維;酸化鉄粉末、ガラスフィラメント、粉末炭酸カルシウム、アルミナ顆粒、アンモニア塩などのアンモニア源、および/またはグアーガム、アルギン酸アンモニウムおよびアルギン酸ナトリウムなどの結合剤)を組み込んでいてもよい。他の実施形態では、熱源は、例えば、複数の点火可能なビーズなどの複数の点火可能な物体を備えてもよい。他の実施形態では、熱源は、組成または相対含有量の点で、上記のものと異なっていてもよいことに留意されたい。例えば、或る実施形態では、種々の形態の炭素、例えば、グラファイトまたはグラフェンが熱源として使用されてもよい。他の実施形態では、熱源は、増加したレベルの活性炭素、種々の多孔度の炭素、種々の量の炭素、任意の上述の成分のブレンドなどを有してもよい。さらに他の実施形態では、熱源は、例えば、その点火時に熱を生成するように構成された可燃性液化ガスなどの非炭素熱源を備えてもよい。例えば、或る実施形態では、液化ガスは、石油ガス(LPGまたはLPガス)、プロパン、プロピレン、ブチレン、ブタン、イソブテン、メチルプロパンまたはn-ブタンのうちの1つ以上を含有してもよい。さらに他の実施形態では、熱源は、化学反応に基づく熱源を備えてもよく、熱源の点火は、2つ以上の個々の成分の相互作用を含む。例えば、化学反応に基づく熱源は、金属剤および活性化溶液を含んでもよく、金属剤と活性化溶液とが接触すると熱源が活性化される。化学に基づく熱源のいくつかの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBanerjeeらの米国特許第7,290,549号明細書に見出されることができる。熱源の組合せも可能である。適用可能な熱源の特定の寸法は変えてもよいが、図示される実施形態では、熱源308は、約5mm~約20mmの包括的範囲の長さを有し、或る実施形態では、約12mmであってよく、約3mm~約8mmの包括的範囲の全体径であってよく、或る実施形態では、約4.8mm(および或る実施形態では、約7mm)であってよい。
【0062】
他の実施形態では、熱源は種々の方法で構築されてもよいが、図示される実施形態では、熱源308は、粉砕または粉末化された炭素質材料を使用して押し出されるか、または配合され、乾燥重量基準で約0.5g/cm超、多くの場合約0.7g/cm超、頻繁に約1g/cm超の密度を有する。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRiggsらの米国特許第5,551,451号明細書およびBorschkeらの米国特許第7,836,897号明細書に記載されている燃料源構成要素、配合物および設計の種類を参照されたい。
【0063】
種々の実施形態では、熱源は、例えば、略中実の円筒形状または中空円筒(例えば、管)形状を含む種々の形態を有し得る。他の実施形態では、熱源は、或る実施形態では実質的に同じサイズを含んでもよく、他の実施形態では複数のサイズを含み得る複数の中空または略中実の球体を備えてもよい。様々な実施形態では、熱源は、限定するものではないが、押出、射出成形、圧縮成形などを含む様々な方法で作製されてもよい。図示される実施形態の熱源308は、熱源308の第1の端部から、熱源308の対向する第2の端部まで長手方向に延在する複数の内部通路314(図10を参照)を含む略円筒形状を有する押出モノリシック炭素質材料を含有する。図示される実施形態では、外側ハウジング312は、熱源308および基材材料316全体を包囲するように構成される。ただし、他の実施形態では、外側ハウジングは、熱源の一部のみを包囲してもよい(例えば、図11および図12を参照)。図示される実施形態では、カートリッジ300の外側ハウジング312は、熱源308に近接して外側ハウジング312の端部に配置された複数の端部開口部315および周辺開口部317を含む。他の実施形態では、端部開口部および周辺開口部のサイズおよび形状は異なっていてもよいが、図示される実施形態の端部開口部315は、外側ハウジング312の端部の中央領域から半径方向に延在する複数の細長い丸みを帯びたスロットを備え、周辺開口部317は、実質的に円形の開口部の複数の整列した列を備える。図示される実施形態では、端部開口部315のうちの1つ以上は、熱源308の内部通路314のうちの1つ以上と流体連通している。他の実施形態では、複数の内部通路が存在する必要はなく、ならびに/または複数の内部通路が他の形態および/もしくはサイズをとり得ることに留意されたい。例えば、或る実施形態では、わずか2つの内部通路が存在してもよく、さらに他の実施形態は、わずか1つの内部通路を含んでもよい。さらに他の実施形態は、内部通路をまったく含まなくてよい。追加の実施形態は、直径および/もしくは形状が等しくなくてよく、熱源内に不均等に離隔されてもよく、ならびに/または配置され得る複数の内部通路を含んでもよい。
【0064】
或る実施形態は、代替的または追加的に、熱源の第1の端部から反対側の第2の端部まで長手方向に延在する1つ以上の周溝を含んでもよいが、他の実施形態では、溝は、熱源の全長にわたって延在する必要はない。或る実施形態では、そのような溝は、幅および深さが実質的に等しくてよく、熱源の円周の周りに実質的に等しく分布されてもよい。そのような実施形態では、わずか2つの溝が存在してもよく、さらに他の実施形態は、わずか1つの溝を含んでもよい。さらに他の実施形態は、溝をまったく含まなくてよい。追加の実施形態は、幅および/または深さが等しくなくてよく、熱源の円周の周りに不均等に離隔され得る複数の溝を含んでもよい。さらに他の実施形態では、熱源は、押出モノリシック炭素質材料の第1の端部から、対向するその第2の端部まで長手方向に延在するフルートおよび/またはスリットを含んでもよい。或る実施形態では、熱源は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるLobovskyの米国特許第7,615,184号明細書に開示されている種類の発泡プロセスで形成された発泡炭素モノリスを備え得る。したがって、或る実施形態は、熱源を点火するのにかかる時間の短縮に関して利点を提供してもよい。或る他の実施形態では、熱源は、断熱材の層(図示せず)と共押し出しされ、それにより、製造時間および費用を削減し得る。燃料要素の他の実施形態は、Brooksらの米国特許第4,922,901号明細書に記載されている種類の炭素繊維、またはTakeuchiらの米国特許出願公開第2009/0044818号明細書に開示されているような他の熱源の実施形態を含み、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。デボス加工熱源システム、方法、およびそのような熱源を含む喫煙品を含む熱源のさらなる例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSpicerらの米国特許出願公開第2019/0254335号明細書に開示されている。
【0065】
一般に、熱源からエアロゾル化可能構成要素への熱の適用によって形成される/揮発するエアロゾル(およびユーザへの送達のために同様に提供される任意の香料、薬剤など)がマウスピースを介してユーザに送達可能となるように、熱源は、1つ以上のエアロゾル化可能構成要素を有するエアロゾル送達構成要素(例えば、基材部分)の十分近くに配置される。すなわち、熱源が基材構成要素を加熱すると、消費者による吸入に適した物理的形態でエアロゾルが形成、放出または生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出している(releasing)、放出する(releases)または放出された(released)への言及が、形成するまたは生成する(form or generate)、形成しているまたは生成している(forming or generating)、形成するまたは生成する(forms or generates)および形成されたまたは生成された(formed or generated)を含むように交換可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出される。さらに、本開示の背景技術の項に列挙されている代表的な製品などの市販の電子喫煙品を考慮して、種々の喫煙品の要素の選択が理解される。
【0066】
図10は、図9のカートリッジ300の長手方向断面図を示す。図に示すように、図示される実施形態の基材材料316は、互いに反対側にある第1および第2の端部を有し、熱源308は、基材材料316の第1の端部に隣接して配置されている。カートリッジの種々の構成要素の寸法および断面形状は、特定の用途の必要性に応じて変えてもよいが、図示される実施形態では、カートリッジ300は、約10mm~約50mmの包括的範囲の全長、および約2mm~約20mmの包括的範囲の直径を有してもよい。加えて、図示される実施形態では、外側ハウジング312は、約0.05mm~0.5mmの包括的範囲の厚さを有してもよい。さらに、図示される実施形態ではでは、基材部分310は、ハウジング312の厚さに対応するために、約5mm~30mmの包括的範囲の長さ、およびカートリッジ全体の直径よりもわずかに小さい直径、例えば、約2.9mm~約9.9mmの包括的範囲の直径を有してもよい。図示される実施形態では、基材材料316は、約0.5mm~2.0mmの範囲の直径サイズを有し得るタバコビーズを含有するが、他の実施形態ではサイズが異なっていてもよい。他の実施形態では、基材材料は、粒状タバコ材料またはカットフィラータバコであってよい。他の実施形態は異なってもよいが、図示される実施形態では、カートリッジ300の外側ハウジング312は、熱源308の挿入を可能にするために、約60~90%の容量まで充填される。
【0067】
図示される実施形態では、基材部分310は、単一のセグメントを有する基材材料316を備えるが、他の実施形態では、基材部分は、1つ以上の追加の基材材料セグメントを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置は、対向する第1および第2の端部を有する第2の基材材料セグメント(図示せず)をさらに備えてもよい。様々な実施形態では、基材材料のうちの1つ以上は、それに結合されたエアロゾル前駆体組成物とともに、タバコまたはタバコ関連材料を含有してもよい。他の実施形態では、セルロースパルプ材料などの非タバコ材料が使用されてもよい。他の実施形態では、非タバコ基材材料は、植物由来材料でなくてもよい。単数の基材材料(および/または複数の基材材料)に使用するための他の可能な組成物、構成要素および/または添加物については、以下にさらに詳細に説明される。後続の説明は、本明細書に記載の喫煙品で使用可能な任意の基材材料(例えば、図示される実施形態の基材材料316など)に適用可能であるべきであることに留意されたい。
【0068】
様々な実施形態では、カートリッジの熱源の点火は熱源を加熱し、熱源は、ひいては基材材料を加熱し、最終的には基材材料に結合されたエアロゾル前駆体組成物のエアロゾル化をもたらす。上述したように、様々な実施形態では、ホルダは、それを貫通するエアロゾル通路を含んでもよい。図示される実施形態では、エアロゾル通路228(図6A図7Bを参照)は、カートリッジ受容チャンバ212からホルダ200の本体202およびマウスピース部分204を通って延在する。このように、ホルダ200のマウスピース部分204に吸引が加えられると、カートリッジ300によって生成されたエアロゾルがユーザに送達されるように構成される。或る実施形態では、エアロゾル通路は、実質的に直接の経路でカートリッジ受容チャンバからホルダのマウスピース部分まで延在する。例えば、或る実施形態では、エアロゾル通路は、その長手方向軸線と位置合わせされた、またはその長手方向軸線に略平行な経路に沿って、カートリッジ受容チャンバからホルダを通って延在してもよい。ただし、他の実施形態では、エアロゾル通路は、それよりも直接的でない経路を有してもよい。例えば、或る実施形態のエアロゾル通路は、例えば、1つ以上の曲がりくねった経路を介してなど、カートリッジ受容チャンバからホルダを通る間接的な経路を画定してもよい。或る実施形態では、例えば、そのような経路は、ユーザに到達する前にエアロゾルを冷却することを可能にし得る。或る実施形態では、そのような経路は、エアロゾルとホルダの外部からの空気との混合を可能にし得る。或る実施形態では、そのような経路は、蛇行パターンを備えてもよい。他の実施形態では、そのような経路は、互いに重なり合うおよび/または互いに向かって折り返す1つ以上のセクションを含んでもよい。他の実施形態では、そのような経路は、ホルダの内径の周りに延在する1つ以上の螺旋状ターンを備えてもよい。他の実施形態は、曲がりくねったエアロゾル経路の組合せを含んでもよい。さらに他の実施形態は、直接経路セクションと曲がりくねった経路セクションとの組合せを含んでもよい。
【0069】
或る実施形態では、マウスピース部分、またはホルダの他の部分は、ホルダに加えられた吸引に応答してエアロゾルを受容するように構成されたフィルタを含んでもよい。様々な実施形態では、フィルタは、或る態様では、受容端とは反対側の、ホルダの端部に近接して半径方向および/または長手方向に配置された円形ディスクとして設けられる。このように、ホルダを吸引すると、フィルタは、装置を通って流れるエアロゾルを受容し得る。或る実施形態では、フィルタは、個別のセグメントを備えてもよい。例えば、或る実施形態は、濾過を提供するセグメント、引込抵抗を提供するセグメント、エアロゾルが冷却するための空間を提供する中空セグメント、他のフィルタセグメント、および上記のいずれか1つまたは任意の組合せを含み得る。或る実施形態では、マウスピース部分は、風味材料添加物も提供し得るフィルタを含んでもよい。或る実施形態では、フィルタは、交換可能であり得る1つ以上のフィルタセグメントを含んでもよい。例えば、或る実施形態では、例えば、異なる引込抵抗および/または異なる香味を提供するフィルタセグメントを含む1つ以上のフィルタセグメントは、装置を用いたユーザの体験をカスタマイズするために交換可能であってよい。風味材料を添加するように構成された香味添加材料および/または成分のいくつかの例は、各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2019年5月10日に出願され、「Flavor Article for an Aerosol Delivery Device」と題された米国特許出願第16/408,942号明細書、Hejaziの米国特許出願公開第2019/0289909号明細書およびHejaziの米国特許出願公開第2020/0288787号明細書に見出されることができる。
【0070】
好ましくは、基材材料の要素は、著しく熱分解(例えば、炭化、焦げ付き、または燃焼)せず、エアロゾル化された成分は、フィルタ(存在する場合)を含む喫煙品を通って、ユーザの口に引き込まれる空気に取り込まれる。図示される実施形態のカートリッジ300では、基材材料316は、実質的に円筒形の部分に一緒に形成された複数のタバコビーズを含有する。ただし、様々な実施形態では、基材材料は、以下にさらに詳細に説明するように、種々の異なる組成物およびそれらの組合せを含んでもよい。
【0071】
種々の実施形態では、基材材料は、タバコ材料、非タバコ材料またはそれらの組合せを含有してもよい。一実施形態では、例えば、基材材料は、カットフィラー形態の風味豊かな芳香性タバコのブレンドを含有してもよい。別の実施形態では、基材材料は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるPryorらの米国特許第4,807,809号明細書、Pryorらの米国特許第4,889,143号明細書およびRakerの米国特許第5,025,814号明細書に記載されているような再構成されたタバコ材料を含み得る。さらに、再構成されたタバコ材料は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載の種類の紙巻タバコ用の再構成されたタバコ紙を沿備えてもよい。例えば、再構成されたタバコ材料は、タバコおよび/またはタバコ関連材料を含有するシート状材料を含んでもよい。したがって、或る実施形態では、基材材料は、再構成されたタバコ材料の巻かれたロールから形成されてもよい。別の実施形態では、基材材料は、再構成されたタバコ材料の細断片、細片などから形成されてもよい。別の実施形態では、タバコシートは、熱伝導性構成要素を含んでも含まなくてもよい重なり合う層(例えば、ギャザーウェブ)を備えてもよい。繊維状フィラー材料、エアロゾル形成材料および複数の熱伝導性構成要素によって形成された初期基材シートの一連の重なり合う層(例えば、ギャザーウェブ)を含む基材部分の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSebastianらの米国特許出願公開第2019/0261685号明細書に記載されている。
【0072】
或る実施形態では、基材材料は、タバコ関連材料を有する複数のマイクロカプセル、ビーズ、顆粒などを含んでもよい。例えば、代表的なマイクロカプセルは、形状がほぼ球形であってよく、タバコ由来抽出物などの液体中心領域を含む外側カバーまたはシェルを有してもよい。或る実施形態では、基材材料のうちの1つ以上は、中空円筒形状にそれぞれが形成された複数のマイクロカプセルを含んでもよい。或る実施形態では、基材材料のうちの1つ以上は、中空円筒形状に形成された複数のマイクロカプセルの構造的形状および/または完全性を維持するように構成された結合剤材料を含んでもよい。
【0073】
基材材料のうちの1つ以上に使用されるタバコは、黄色種タバコ、バーレータバコ、オリエンタルタバコ、メリーランドタバコ、暗色タバコ、暗色火干タバコおよびラスチカ(Rustica)タバコ、ならびに他の希有もしくは特製タバコ、もしくはそれらのブレンドなどのタバコを含み得るか、またはそれらに由来し得るものである。種々の代表的なタバコの種類、タバコの加工種類、およびタバコブレンドの種類は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるLawsonらの米国特許第4,836,224号明細書、Perfettiらの米国特許第4,924,888号明細書、Brownらの米国特許第5,056,537号明細書、Brinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書、Gentryの米国特許第5,220,930号明細書、Blakleyらの米国特許第5,360,023号明細書、Shaferらの米国特許第6,701,936号明細書、Dominguezらの米国特許第6,730,832号明細書、Liらの米国特許第7,011,096号明細書、Liらの米国特許第7,017,585号明細書、Lawsonらの米国特許第7,025,066号明細書、Perfettiらの米国特許出願公開第2004/0255965号明細書、BeremanのPCT公開国際公開第02/37990号およびBombickらのFund.Appl.Toxicol.,39,p.11-17(1997)に記載されている。
【0074】
本開示のさらに他の実施形態では、基材材料は、タバコ、タバコ関連材料、グリセリン、水および/もしくは結合剤材料を含むか、またはそれらから本質的に構成される押出構造を備え得るが、特定の配合物は、結合剤材料を含まなくてよい。種々の実施形態では、好適な結合剤材料は、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸カリウムおよびアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩を含んでもよい。アルギン酸塩、特に高粘度アルギン酸塩は、制御されたレベルの遊離カルシウムイオンと組み合わせて使用されてもよい。他の好適な結合剤材料には、Aqualon Co.製のKlucel Hなどのヒドロキシプロピルセルロース;The Dow Chemical Co.製のMethocel K4MSなどのヒドロキシプロピルメチルセルロース;Aqualon Co.製のNatrosol 250 MRCSなどのヒドロキシエチルセルロース;FMC製のAvicelなどの微結晶セルロース;The Dow Chemical Co.製のMethocel A4Mなどのメチルセルロース;ならびにHercules Inc.製のCMC 7HFおよびCMC 7H4Fなどのナトリウムカルボキシメチルセルロースが含まれる。さらに他の可能な結合剤材料には、デンプン(例えば、コーンスターチ)、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、ペクチンおよびキサンタンガムが含まれる。或る実施形態では、2つ以上の結合剤材料の組合せまたはブレンドが使用されてもよい。結合剤材料の他の例は、例えば、各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれるJakobらの米国特許第5,101,839号明細書およびRakerらの米国特許第4,924,887号明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、結合剤材料(例えば、アルギン酸プロピレングリコール)の一部として提供されてもよい。さらに、或る実施形態では、結合剤材料は、タバコまたは他のバイオマスに由来するナノセルロースを含有してもよい。
【0075】
或る実施形態では、基材材料は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるStoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書に記載されているように、押出材料を含んでもよい。さらに別の実施形態では、基材材料は、マルメライザー処理された、および/またはマルメライザー処理されていないタバコから形成された押出構造および/または基材を含んでもよい。マルメライザー処理されたタバコは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBanerjeeらの米国特許第5,105,831号明細書によって知られている。マルメライザー処理されたタバコは、本明細書に記載の結合剤、および/または香料と併せて、グリセロール(約20~約30重量パーセント)、炭酸カルシウム(一般に約10~約60重量パーセント、多くの場合、約40~約60重量パーセント)とともに、約20~約50パーセント(重量)のタバコブレンドを粉末形態で含む。種々の実施形態では、押出材料は、1つ以上の長手方向開口部を有してもよい。
【0076】
種々の実施形態では、基材材料は、その中で利用される様々な量の材料に基づいて種々の構造をとり得る。例えば、サンプル基材材料は、最大約98重量%、最大約95重量%または最大約90重量%のタバコおよび/またはタバコ関連材料を含有してもよい。サンプル基材材料はまた、最大約25重量%、約20重量%または約15重量%の水、特に、約2重量%~約25重量%、約5重量%~約20重量%または約7重量%~約15重量%の水を含有してもよい。香味など(例えば、ニコチンなどの薬剤を含む)は、エアロゾル送達構成要素の最大約10重量%、最大約8重量%または最大約5重量%を含有してもよい。
【0077】
追加的または代替的に、基材材料は、タバコ、グリセリン、水および/もしくは結合剤材料を含むか、またはそれらから本質的に構成される押出構造および/または基材を含んでもよく、エアロゾル生成プロセス全体にわたってその構造を実質的に維持するようにさらに構成される。すなわち、基材材料は、エアロゾル生成プロセス全体にわたってその形状を実質的に維持する(例えば、基材材料は、加えられた剪断応力下で連続的に変形しない)ように構成されてもよい。そのような例示的な基材材料は、液体および/またはいくらかの含水量を含んでもよいが、基材は、エアロゾル生成プロセス全体にわたって実質的に固体のままであってよく、エアロゾル生成プロセス全体にわたって構造的完全性を実質的に維持してもよい。実質的に固体の基材材料に適した例示的なタバコおよび/またはタバコ関連材料は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるAdemeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2015/0335070号明細書、Whiteの米国特許第6,204,287号明細書およびHearnらの米国特許第5,060,676号明細書に記載されている。
【0078】
或る実施形態では、喫煙品内で使用される基材材料の量は、物品が許容可能な感覚特性および感覚刺激特性、ならびに望ましい性能特性を示すような量であってよい。例えば、或る実施形態では、多くの点でタバコの煙の出現に似ている目に見える主流エアロゾルを生成するために、エアロゾル前駆体組成物、例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコールなどが基材材料内で使用されてもよい。例えば、喫煙品の基材材料に組み込まれるエアロゾル前駆体組成物の量は、約3.5グラム以下、約3グラム以下、約2.5グラム以下、約2グラム以下、約1.5グラム以下、約1グラム以下または約0.5グラム以下の範囲であってよい。
【0079】
別の実施形態によれば、本開示による喫煙品は、例えば、セラミック材料などの多孔質不活性材料を含有する基材材料を含んでもよい。例えば、或る実施形態では、種々の細孔形態を有する種々の形状および外形(例えば、ビーズ、ロッド、管など)のセラミックが使用されてもよい。さらに、或る実施形態では、エアロゾル前駆体組成物などの非タバコ材料がセラミックに担持されてもよい。別の実施形態では、基材材料は、例えば、タバコ由来抽出物などのタバコ関連材料と化学的および/または物理的に実質的に反応しない多孔質不活性材料を含んでもよい。さらに、上記のものなどの押出タバコは、多孔質であってよい。例えば、或る実施形態では、押出タバコ材料は、押出プロセス中に発泡剤として機能する不活性ガス、例えば、窒素などを有してもよい。
【0080】
上述したように、種々の実施形態では、基材材料のうちの1つ以上は、エアロゾル前駆体組成物(例えば、保湿剤、例えば、プロピレングリコール、グリセリンなど)および/または少なくとも1つの香料、ならびに熱源による基材材料の点火、熱分解、燃焼および/または焦げ付きの防止を助けるように構成された難燃性/燃焼遅延剤(例えば、リン酸二アンモニウムおよび/または別の塩)を組み込むように処理、製造、生成および/または加工されたタバコ、タバコ成分および/またはタバコ由来材料を含んでもよい。喫煙品にタバコを組み込むための種々の様式および方法、特に、喫煙品内の実質的にあらゆるタバコを意図的に燃焼させないように設計される喫煙品が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるBrooksらの米国特許第4,947,874号明細書、Cantrellらの米国特許第7,647,932号明細書、Robinsonらの米国特許第8,079,371号明細書、Banerjeeらの米国特許第7,290,549号明細書およびCrooksらの米国特許出願公開第2007/0215167号明細書に記載されている。
【0081】
上述したように、或る実施形態では、基材材料のうちの1つ以上の中に含まれ得る難燃性/燃焼遅延性材料および他の添加物は、有機リン化合物、ホウ砂、水和アルミナ、グラファイト、トリポリリン酸カリウム、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールおよびポリオールが含まれてもよい。窒素ホスホン酸塩、リン酸一アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素および酸化アンチモンなどの他のものも適しているが、好ましい薬剤ではない。基材材料および/または他の構成要素(単独で、または互いにおよび/もしくは他の材料と組み合わせたものにかかわらず)に使用される難燃性材料、燃焼遅延性材料および/または焦げ付き遅延性材料の各態様では、望ましい特性は、最も好ましくは、望ましくないガス放出または溶融型挙動を伴わずに提供される。
【0082】
本開示の他の実施形態によれば、基材材料はまた、タバコ製品の製造に従来使用されている種類のタバコ添加物を組み込んでいてもよい。これらの添加物は、葉巻、紙巻タバコ、パイプなどの製造に使用されるタバコの香味および香りを高めるために使用される種類の材料を含まれてもよい。例えば、これらの添加物は、種々の紙巻タバコ加香成分および/または最上層成分が含まれてもよい。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるWochnowskiの米国特許第3,419,015号明細書、Berndtらの米国特許第4,054,145号明細書、Burcham,Jr.らの米国特許第4,887,619号明細書、Watsonの米国特許第5,022,416号明細書、Strangらの米国特許第5,103,842号明細書およびMartinの米国特許第5,711,320号明細書を参照されたい。いくつかの加香材料には、水、糖およびシロップ(例えば、スクロース、グルコースおよび高果糖コーンシロップ)、保湿剤(例えば、グリセリンまたはプロピレングリコール)ならびに香料(例えば、ココアおよびカンゾウ)が含まれてもよい。これらの添加成分はまた、最上層材料(例えば、メントールなどの香味料材料)を含んでもよい。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるMaysらの米国特許第4,449,541号明細書を参照されたい。添加され得る追加の材料には、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるLawsonらの米国特許第4,830,028号明細書およびMarshallらの米国特許第8,186,360号明細書に開示されているものが含まれる。
【0083】
或る実施形態では、基材材料は、エアロゾル前駆体組成物を含む液体、および/またはエアロゾル前駆体組成物を含むゲルを含有してもよい。液体組成物のいくつかの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるAllerらの米国特許出願公開第2020/0113239号明細書に見出されることができる。
【0084】
上述したように、様々な実施形態では、基材材料のうちの1つ以上は、それに結合されたエアロゾル前駆体組成物を有してもよい。例えば、或る実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)などの1つ以上の異なる成分を含有してもよい。代表的な種類の追加のエアロゾル前駆体組成物は、参照によりその開示が本明細書に組み込まれるSensabaugh,Jr.らの米国特許第4,793,365号明細書、Jakobらの米国特許第5,101,839号明細書、BiggsらのPCT国際公開第98/57556号およびChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されている。或る態様では、基材材料は、十分な熱が加えられると(および必要に応じて空気により冷却されると)目に見えるエアロゾルを生成することができ、基材材料は「煙状の」エアロゾルを生成することができる。他の態様では、基材材料は、実質的に目に見えないが、香味または質感などの他の特性によって存在すると認識されるエアロゾルを生成し得る。したがって、生成されるエアロゾルの性質は、エアロゾル送達構成要素の特定の構成要素に応じて変えてもよい。基材材料は、タバコを燃焼させることによって生成される煙の化学的性質と比較して、化学的に単純であってよい。
【0085】
或る実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、様々な濃度で存在し得るニコチンを組み込んでいてもよい。ニコチンの供給源は様々なものであってよく、エアロゾル前駆体組成物に組み込まれたニコチンは、単一の供給源、または2つ以上の供給源の組合せに由来してもよい。例えば、或る実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、タバコ由来のニコチンを含んでもよい。他の実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、例えば、ナス科の植物を含む非タバコ植物源などの他の有機植物源に由来するニコチンを含んでもよい。他の実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、合成ニコチンを含んでもよい。或る実施形態では、エアロゾル前駆体組成物に組み込まれたニコチンは、ナス科の他のメンバーなどの非タバコ植物源に由来してもよい。エアロゾル前駆体組成物は、追加的または代替的に、限定するものではないが、植物成分(例えば、ラベンダー、ペパーミント、カモミール、バジル、ローズマリー、タイム、ユーカリ、ショウガ、カンナビス、朝鮮人参、マカおよびチザン)、刺激剤(例えば、カフェインおよびガラナ)、アミノ酸(例えば、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン)および/または医薬成分、栄養補助食品成分および薬用成分(例えば、ビタミン、例えば、B6、B12およびC、ならびにカンナビノイド、例えば、テトラヒドロカンナビノール(THC)およびカンナビジオール(CBD))を含む他の活性成分を含んでもよい。エアロゾル前駆体組成物は、上記のいずれかの任意の成分、誘導体または組合せを含んでもよいことに留意されたい。
【0086】
本明細書で述べるように、エアロゾル前駆体組成物は、1つ以上の植物性物質もしくはその成分、誘導体もしくは抽出物を含んでもよいか、またはそれらに由来してもよい。本明細書で使用される場合、用語「植物性」は、限定するものではないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、外皮、殻などを含む、植物に由来する任意の材料を含む。あるいは、材料は、合成的に得られた、植物に天然に存在する活性化合物を含んでもよい。材料は、液体、気体、固体、粉末、ダスト、破砕粒子、顆粒、ペレット、細断片、細片、シートなどの形態であってよい。植物性物質の例には、タバコ、ユーカリ、スターアニス、麻、ココア、カンナビス、フェンネル、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、ショウガ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ゲッケイジュ、カンゾウ(licorice)(カンゾウ(liquorice))、抹茶、マテ、オレンジ果皮、パパイヤ、バラ、セージ、茶、例えば、緑茶もしくは紅茶、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ビャクシン、ニワトコの花、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、クルクマ、ウコン、ビャクダン、コリアンダー葉、ベルガモット、オレンジの花、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミアン、マヨラマ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、クワ、朝鮮人参、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブまたはそれらの任意の組合せがある。ミントは、以下のミント品種、すなわち、メンタ・アベントス、メンタ品種、メンタ・ニリアカ、メンタ・ピペリタ、メンタ・ピペリタ・シトラタ品種、メンタ・ピペリタ品種、メンタ・スピカタ・クリスパ、メンタ・カルディフォリア、ホースミント、メンタ・スアベオレンス・バリエガタ、ペニーロイヤルミント、スペアミント品種およびマルバハッカ(から選択されてもよい。
【0087】
喫煙品の主流エアロゾルの感覚的または感覚刺激的な特性または性質を変化させる多種多様な種類の香料または材料が、使用されるのに適している可能性がある。いくつかの実施形態では、そのような香料は、タバコ以外の供給源から提供されてもよく、天然または人工の性質であってよい。例えば、いくつかの香料は、基材材料、および/もしくはエアロゾルが生成される喫煙品の領域に適用されるか、またはその中に組み込まれてもよい。或る実施形態では、そのような薬剤は、熱源に近接した加熱キャビティもしくは領域に直接供給されるか、または基材材料とともに提供されてもよい。例示的な香料には、例えば、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果実(例えば、リンゴ、チェリー、イチゴ、ピーチならびにライムおよびレモンを含むシトラスの香味)、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、ショウガ、蜂蜜、アニス、セージ、シナモン、ビャクダン、ジャスミン、カスカリラ、ココア、カンゾウ、ならびに紙巻タバコ、葉巻およびパイプタバコの香味料に従来使用される種類および特性の香味料および香味パッケージが含まれてもよい。高果糖コーンシロップなどのシロップも使用されるのに適している可能性がある。
【0088】
本明細書で使用される場合、用語「香味」、「風味材料」、「香料」などは、地方条例が許可する場合、成人消費者向けの製品に所望の味、芳香または他の体性感覚(somatosensorial sensation)を作り出すために使用され得る材料を指す。それらには、天然に存在する香味材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成的に得られた材料、またはそれらの組合せ(例えば、タバコ、カンナビス、カンゾウ(リコリス)、アジサイ、オイゲノール、朴葉、カモミール、コロハ、クローブ、メープル、抹茶、メントール、ハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ウコン、インドのスパイス、アジアのスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、レッドベリー、クランベリー、ピーチ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ぶどう、ドリアン、ドラゴンフルーツ、胡瓜、ブルーベリー、桑、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、白檀、ベルガモット、ゼラニウム、カート、ナスワール、キンマ、シーシャ、松、蜂蜜エッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、桜の花、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、わさび、ピメント、生姜、コリアンダー、コーヒー、麻、メンタ(Mentha)属の任意の種由来のミント油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ゲッケイジュ、マテ、オレンジ果皮、バラ、茶、例えば、緑茶または紅茶、タイム、ビャクシン、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、紫蘇、クルクマ、コリアンダー葉、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミアン、マヨラマ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味増強剤、苦味受容部位遮断剤、感覚受容部位活性化剤または刺激剤、糖および/または代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトールまたはマンニトール)、ならびに他の添加物、例えば、木炭、クロロフィル、ミネラル、植物性物質または呼気清涼化剤が含まれてもよい。それらは、模倣成分、合成成分もしくは天然成分またはそれらのブレンドであってもよい。それらは、任意の好適な形態、例えば、油などの液体、粉末などの固体、または気体であってもよい。
【0089】
或る実施形態では、香味は、メントール、スペアミントおよび/またはペパーミントを含有する。或る実施形態では、香味は、胡瓜、ブルーベリー、柑橘類および/またはレッドベリーの香味成分を含有する。或る実施形態では、香味は、オイゲノールを含有する。或る実施形態では、香味は、タバコから抽出された香味成分を含有する。或る実施形態では、香味は、カンナビスから抽出された香味成分を含有する。
【0090】
或る実施形態では、香味は、芳香もしくは味覚神経に加えて、またはその代わりに、通常化学的に誘導され、第5脳神経(三叉神経)の刺激によって知覚される体性感覚を実現することが意図された感覚剤を含有してもよく、これらは、加熱効果、冷却効果、刺痛効果、麻痺効果を提供する薬剤を含んでもよい。好適な熱効果剤は、限定するものではないが、バニリルエチルエーテルであってよく、好適な冷却剤は、限定するものではないが、ユーコリプトール(eucolyptol)またはWS-3であってよい。
【0091】
香料はまた、酸性または塩基性特性(例えば、レブリン酸、コハク酸、ピルビン酸および安息香酸などの有機酸)を含んでもよい。或る実施形態では、香料は、所望により、基材材料の要素と組み合わせられてもよい。好適となり得る例示的な植物由来組成物が、ともにDubeらの米国特許第9,107,453号明細書および米国特許出願公開第2012/0152265号明細書に開示されており、これらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるような感覚刺激特性を含め、その感覚特性に影響を及ぼすためにタバコ材料と組み合わせて有用となり得る香味料、加香などのような材料のいずれかが、基材材料と組み合わせられてもよい。特に、基材材料に有機酸を組み込んで、基材材料と組み合わせることが可能となり得るニコチンなどの薬剤の香味特性、感覚特性または感覚刺激特性に影響を与えることが可能となり得る。例えば、レブリン酸、乳酸、ピルビン酸および安息香酸などの有機酸が、ニコチンと等モル(総有機酸含有量に基づく)までの量で、ニコチンとともに基材材料に含まれてもよい。任意の組合せの有機酸が好適となり得る。例えば、いくつかの実施形態では、基材材料は、存在する有機酸の総量が基材材料中に存在するニコチンの総量と等モルである濃度まで、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのレブリン酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのピルビン酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルの乳酸またはそれらの組合せを含んでもよい。基材材料を生成するために使用される有機酸の様々な追加の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDullらの米国特許出願公開第2015/0344456号明細書に記載されている。
【0092】
そのような追加の成分の選択は、喫煙品に望まれる感覚特性などの要因に基づいて可変であってよく、本開示は、タバコおよびタバコ関連製品またはタバコ由来製品の当業者に容易に明らかである、任意のそのような追加の成分を包含することを意図している。その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるGutchoのTobacco Flavoring Substances and Methods,Noyes Data Corp.(1972)およびLeffingwellらのTobacco Flavoring for Smoking Products(1972)を参照されたい。
【0093】
他の実施形態では、基材材料は、種々の固有の特徴または特性を有する他の材料を含んでもよい。例えば、基材材料は、レーヨンの形態の可塑化材料または再生セルロースを含んでもよい。別の例として、シリカを組み込んだ再生セルロース製品であるビスコース(VISIL(R)として市販されている)が好適となり得る。一部の炭素繊維は、少なくとも95パーセント以上の炭素を含んでもよい。同様に、綿などの天然セルロース繊維が好適であってもよく、綿などの天然セルロース繊維にシリカ、炭素もしくは金属粒子が注入されるか、またはシリカ、炭素もしくは金属粒子により綿などの天然セルロース繊維が処理されて、難燃性特性を高め、特に、香味に悪影響を及ぼすであろう望ましくない、あらゆるガス放出成分のガス放出を最小限に抑えてもよい(特に、あらゆる有害なガス放出生成物の可能性を最小限に抑える)。浸漬、噴霧、または当技術分野で知られている他の技術によって望ましい難燃性特性を提供するために、例えば、ホウ酸または様々なオルガノホスフェート化合物を用いて綿を処理することが可能となり得る。これらの繊維はまた、望ましくないガス放出または溶融型挙動を伴うことなく所望の難燃性特性を付与するために、有機ナノ粒子または金属ナノ粒子を用いて処理すること(例えば、浸漬、噴霧または蒸着による被覆、注入またはその両方)が可能となり得る。
【0094】
図示される実施形態では、基材材料316は、対向する第1の端部と第2の端部との間で中央に画定された長手方向に延在する軸線を備えてもよく、基材材料316の断面は、或る実施形態では、軸線に関して対称であってよい。例えば、或る実施形態では、基材材料の断面は、基材材料がその対向する第1の端部と第2の端部との間に延在する実質的に円筒形の形状を画定するように、実質的に円形であってよい。ただし、他の実施形態では、基材材料は、基材材料がその互いに反対側にある第1の端部と第2の端部との間に略非円筒形の形状を画定し得るように、略非円形の断面を画定してもよい。そうでなければ、他の例では、基材材料は、軸線に関して非対称の断面を備えてもよい。様々な実施形態では、基材材料の各端部は、隣接する要素と軸線方向に整列していてもよい。
【0095】
図示される実施形態では、外側ハウジングは剛性材料を備える。例えば、図示される実施形態の外側ハウジング312は、アルミニウム材料から構築されるが、他の実施形態では、外側ハウジングは、他の金属材料(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、真鍮、銅、銀、金、青銅、チタン、種々の合金など)、またはグラファイト材料、またはセラミック材料、またはプラスチック材料、またはそれらの任意の組合せを含む他の材料から構築されてもよい。或る実施形態では、熱源の少なくとも一部および/または基材材料の少なくとも一部は、紙箔積層体によって包囲されてもよい。或る実施形態では、カートリッジは、熱源およびビーズ状基材材料を含む積層体を具備する筐体を備えてもよい。本開示に適用可能であり得る積層体および/または筐体の或る例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGageらの米国特許出願公開第2020/0128880号明細書に見出されることができる。
【0096】
図示される実施形態では、外側ハウジング312は、熱源308および基材材料316を実質的にカプセル化する管構造として構築されるが、上述したように、他の実施形態では、外側ハウジングは他の形状を有してもよい。外側ハウジングの形状は変えてもよいが、図示される実施形態では、外側ハウジング312は、開口部が貫通して画定された対向する閉鎖端を有する管構造を備える。特に、熱源端部開口部315、317に加えて、外側ハウジング312の図示される実施形態はまた、エアロゾル化された蒸気(本明細書では「蒸気」または「エアロゾル」とも呼ばれる)が通過することを可能にするように構成された、対向する閉鎖端に配置された1つ以上の端部開口部318を含む。図示される実施形態の端部開口部318は、一対の細長い丸みを帯びたスロットの形態であるが、他の実施形態では、端部開口部は、エアロゾルが通過することを可能にする任意の形態を有してもよい。したがって、端部開口部318は、図示されているものよりも少ないもしくは追加の開口部ならびに/または代替の形状およびサイズの開口部を備えることができることが理解されるであろう。
【0097】
図11は、本開示の別の例示的な実施形態による取外し可能なカートリッジ400の斜視図を示し、カートリッジ400は、本明細書に記載または企図されるホルダ実施形態のいずれかとともに使用可能である。図示される実施形態では、カートリッジ400は、第1の端部402および遠位端404を画定する。図示される実施形態のカートリッジ400は、熱源408を備える加熱部分406と、基材材料416(図12を参照)を含む基材部分410と、熱源408の少なくとも一部、および基材材料416を包囲するように構成された外側ハウジング412と、をさらに含む。図示される実施形態では、カートリッジ400は略円筒形の全体形状を有するが、様々な他の実施形態では、カートリッジ、またはその構成要素のいずれかは異なる形状を有し得ることに留意されたい。例えば、或る実施形態では、カートリッジ(および/またはその構成要素のいずれか)は、略矩形の形状、例えば、略矩形の直方体形状を有してもよい。他の実施形態では、カートリッジ(および/またはその構成要素のいずれか)は、他の手持ち式形状を有してもよい。本開示に適用可能であり得るカートリッジ構成の或る例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2019年7月18日に出願され、「Aerosol Delivery Device with Consumable Cartridge」と題された米国特許出願第16/515,637号明細書に見出されることができる。
【0098】
上述したように、或る実施形態では、熱源と基材材料との間に障壁が存在してもよい。障壁の可能な構成および/または材料に関する上記の説明を参照されたい。いくつかの実施形態では、そのような障壁は、それを通る1つ以上の開口部を含み得るディスクを備えてもよい。或る実施形態では、障壁は、金属材料(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、真鍮、銅、銀、金、青銅、チタン、様々な合金など)、またはグラファイト材料、またはセラミック材料、またはプラスチック材料、またはそれらの任意の組合せから構築されてもよい。或る実施形態では、障壁を備えても備えなくてもよい熱伝達構成要素が、熱源と基材材料との間に存在してもよい。熱伝達構成要素の或る例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるHejaziらの米国特許出願公開第2019/0281891号明細書に記載されている。或る実施形態では、障壁および/または熱伝達構成要素は、燃焼ガスが基材材料を通って引き込まれる(および/またはエアロゾルが引き込まれる空気通路を通って引き込まれる)のを防止または阻止してもよい。
【0099】
種々の実施形態では、熱源は、その点火時に熱を生成するように構成されてもよい。図示される実施形態では、熱源408は可燃性燃料要素を備え、可燃性燃料要素は略円筒形状を有し、可燃性炭素質材料を組み込んでいる。他の実施形態では、熱源は、異なる形状、例えば、立方体または六角形の断面を有するプリズム形状を有してえもよい。炭素質材料は、一般に、高い炭素含量を有する。いくつかの炭素質材料は、主に炭素から構成されてもよく、および/または典型的には、乾燥重量基準で約60パーセント超、一般に約70パーセント超、多くの場合約80パーセント超、頻繁に約90パーセント超の炭素含量を有してもよい。
【0100】
場合によっては、熱源は、可燃性炭素質材料以外の要素(例えば、粉末タバコまたはタバコ抽出物などのタバコ成分;香料;塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび炭酸ナトリウムなどの塩;熱安定性グラファイト中空円筒形(例えば、管)繊維;酸化鉄粉末;ガラスフィラメント;粉末炭酸カルシウム;アルミナ顆粒;アンモニア塩などのアンモニア源;および/またはグアーガム、アルギン酸アンモニウムおよびアルギン酸ナトリウムなどの結合剤)を組み込んでいてもよい。他の実施形態では、熱源は、例えば、複数の点火可能なビーズなどの複数の点火可能な物体を備えてもよい。他の実施形態では、熱源は、組成または相対含有量の点で、上記のものと異なっていてもよいことに留意されたい。例えば、或る実施形態では、様々な形態の炭素、例えば、グラファイトまたはグラフェンが熱源として使用されてもよい。他の実施形態では、熱源は、増加したレベルの活性炭素、様々な多孔度の炭素、様々な量の炭素、任意の上述の成分のブレンドなどを有してもよい。さらに他の実施形態では、熱源は、例えば、その点火時に熱を生成するように構成された可燃性液化ガスなどの非炭素熱源を備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、液化ガスは、石油ガス(LPGまたはLPガス)、プロパン、プロピレン、ブチレン、ブタン、イソブテン、メチルプロパンまたはn-ブタンのうちの1つ以上を含有してもよい。さらに他の実施形態では、熱源は、化学反応に基づく熱源を備えてもよく、熱源の点火は、2つ以上の個々の成分の相互作用を備える。例えば、化学反応に基づく熱源は、金属剤および活性化溶液を含み得、金属剤と活性化溶液とが接触すると熱源が活性化される。化学に基づく熱源のいくつかの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBanerjeeらの米国特許第7,290,549号明細書に見出されることができる。熱源の組合せも可能である。適用可能な熱源の特定の寸法は変動し得るが、図示される実施形態では、熱源408は、約5mm~約20mmの包括的範囲の長さを有し、或る実施形態では、約12mmであってよく、約3mm~約8mmの包括的範囲の全体径であってよく、いくつかの実施形態では、約4.8mm(およびいくつかの実施形態では、約7mm)であってよい。
【0101】
他の実施形態では、熱源は様々な方法で構築されてもよいが、図示される実施形態では、熱源408は、粉砕または粉末化された炭素質材料を使用して押し出されるか、または配合され、乾燥重量基準で約0.5g/cm超、多くの場合約0.7g/cm超、頻繁に約1g/cm超の密度を有する。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRiggsらの米国特許第5,551,451号明細書およびBorschkeらの米国特許第7,836,897号明細書に記載されている燃料源構成要素、配合物および設計の種類を参照されたい。
【0102】
種々の実施形態では、熱源は、例えば、略中実の円筒形状または中空円筒(例えば、管)形状を含む様々な形態を有してもよい。他の実施形態では、熱源は、いくつかの実施形態では実質的に同じサイズを含有してもよく、他の実施形態では複数のサイズを含有し得る複数の中空または略中実の球体を備えてもよい。種々の実施形態では、熱源は、限定するものではないが、押出、射出成形、圧縮成形などを含む様々な方法で作製されてもよい。図示される実施形態の熱源408は、熱源408の第1の端部から、熱源408と反対側の第2の端部まで長手方向に延在する複数の内部通路614を含む略円筒形状を有する押出モノリシック炭素質材料を含有する。図示される実施形態では、単一の中央内部通路414aを備える約13個の内部通路414と、中央内部通路414aから離隔され、中央内部通路414aと同様のサイズ(例えば、直径)を有する6個の周囲内部通路414bと、熱源408の外面から離隔され、中央内部通路414aの直径よりも直径が小さい6個の周辺内部通路414cとが存在する。他の実施形態では、複数の内部通路が存在する必要はなく、ならびに/または複数の内部通路が他の形態および/もしくはサイズをとり得ることに留意されたい。例えば、或る実施形態では、わずか2つの内部通路が存在してもよく、さらに他の実施形態は、わずか1つの内部通路を含んでもよい。さらに他の実施形態は、内部通路をまったく含まなくてよい。追加の実施形態は、直径および/もしくは形状が等しくなくてよく、熱源内に不均等に離隔されてもよく、ならびに/または配置され得る複数の内部通路を含んでもよい。
【0103】
或る実施形態は、代替的または追加的に、熱源の第1の端部から対向する第2の端部まで長手方向に延在する1つ以上の周溝を含んでもよいが、他の実施形態では、溝は、熱源の全長にわたって延在する必要はない。或る実施形態では、そのような溝は、幅および深さが実質的に等しくてよく、熱源の円周の周りに実質的に等しく分布されてもよい。そのような実施形態では、わずか2つの溝が存在してもよく、さらに他の実施形態は、わずか1つの溝を含んでもよい。さらに他の実施形態は、溝をまったく含まなくてよい。追加の実施形態は、幅および/または深さが等しくなくてよく、熱源の円周の周りに不均等に離隔され得る複数の溝を含んでもよい。さらに他の実施形態では、熱源は、押出モノリシック炭素質材料の第1の端部から、対向するその第2の端部まで長手方向に延在するフルートおよび/またはスリットを含んでもよい。或る実施形態では、熱源は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるLobovskyの米国特許第7,615,184号明細書に開示されている種類の発泡プロセスで形成された発泡炭素モノリスを含有してもよい。したがって、或る実施形態は、熱源を点火するのにかかる時間の短縮に関して利点を提供し得る。他の或る実施形態では、熱源は、断熱材の層(図示せず)と共押し出しされ、それにより、製造時間および費用を削減し得る。燃料要素の他の実施形態は、Brooksらの米国特許第4,922,901号明細書に記載されている種類の炭素繊維、またはTakeuchiらの米国特許出願公開第2009/0044818号明細書に開示されているような他の熱源の実施形態を含み、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。デボス加工熱源システム、方法、およびそのような熱源を含む喫煙品を含む熱源のさらなる例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSpicerらの米国特許出願公開第2019/0254335号明細書に開示されている。
【0104】
一般に、熱源は、熱源からエアロゾル化可能構成要素への熱の適用によって形成される/揮発するエアロゾル(およびユーザへの送達のために同様に提供される任意の風味材料、薬剤など)がマウスピースを介してユーザに送達可能であるように、1つ以上のエアロゾル化可能構成要素を有するエアロゾル送達構成要素(例えば、基材部分)の十分近くに配置される。すなわち、熱源が基材構成要素を加熱すると、消費者による吸入に適した物理的形態でエアロゾルが形成、放出または生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出している(releasing)、放出する(releases)または放出された(released)への言及が、形成するまたは生成する(form or generate)、形成しているまたは生成している(forming or generating)、形成するまたは生成する(forms or generates)および形成されたまたは生成された(formed or generated)を含むように交換可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出される。さらに、本開示の背景技術の項に列挙されている代表的な製品などの市販の電子喫煙品を考慮して、様々な喫煙品の要素の選択が理解される。
【0105】
図12は、図11のカートリッジ400の長手方向断面図を示す。図に示すように、図示される実施形態の基材材料416は、対向する第1および第2の端部を有し、熱源408は、基材材料416の第1の端部に隣接して配置されている。カートリッジの様々な構成要素の寸法および断面形状は、特定の用途の必要性に応じて変えてもよいが、図示される実施形態では、カートリッジ400は、約10mm~約50mmの包括的範囲の全長、および、約2mm~約20mmの包括的範囲の直径を有してもよい。加えて、図示される実施形態では、外側ハウジング412は、約0.05mm~0.5mmの包括的範囲の厚さを有してもよい。さらに、図示される実施形態ではでは、基材部分410は、ハウジング412の厚さに対応するために、約5mm~30mmの包括的範囲の長さ、およびカートリッジ全体の直径よりもわずかに小さい直径、例えば、約2.9mm~約9.9mmの包括的範囲の直径を有してもよい。図示される実施形態では、基材材料416は、約0.5mm~2.0mmの範囲の直径サイズを有し得るタバコビーズを含むが、他の実施形態ではサイズが異なっていてもよい。他の実施形態では、基材材料は、粒状タバコ材料またはカットフィラータバコであってよい。他の実施形態は異なり得るが、図示される実施形態では、カートリッジ400の外側ハウジング412は、熱源408の挿入を可能にするために、約80~90%の容量まで充填される。
【0106】
図示される実施形態では、基材部分410は、単一のセグメントを有する基材材料416を備えるが、他の実施形態では、基材部分は、1つ以上の追加の基材材料セグメントを含んでもよい。例えば、或る実施形態では、エアロゾル送達装置は、互いに反対側にある第1および第2の端部を有する第2の基材材料セグメント(図示せず)をさらに備えてもよい。上記のように、様々な実施形態では、基材材料のうちの1つ以上は、それに結合されたエアロゾル前駆体組成物とともに、タバコまたはタバコ関連材料を含んでもよい。他の実施形態では、セルロースパルプ材料などの非タバコ材料が使用されてもよい。他の実施形態では、非タバコ基材材料は、植物由来材料でなくてもよい。単数の基材材料(および/または複数の基材材料)に使用するための他の可能な組成物および/または構成要素については、上述されている。基材材料の様々な可能な形状、エアロゾル前駆体組成物、添加物、風味材料などに関する上記の説明も参照されたい。
【0107】
好ましくは、基材材料の要素は、著しく熱分解(例えば、炭化、焦げ付き、または燃焼)せず、エアロゾル化された成分は、フィルタ(存在する場合)を含む喫煙品を通って、ユーザの口に引き込まれる空気に取り込まれる。図示される実施形態のカートリッジ400では、基材材料416は、実質的に円筒形の部分に一緒に形成された複数のタバコビーズを含有する。ただし、様々な実施形態では、基材材料は、以下にさらに詳細に説明するように、様々な異なる組成物およびそれらの組合せを含有してもよい。
【0108】
図示される実施形態では、基材材料416は、互いに反対側にある第1の端部と第2の端部との間で中央に画定された長手方向に延在する軸を備えてもよく、基材材料416の断面は、或る実施形態では、軸線に関して対称であってよい。例えば、或る実施形態では、基材材料の断面は、基材材料がその互いに反対側にある第1の端部と第2の端部との間に延在する実質的に円筒形の形状を画定するように、実質的に円形であってよい。ただし、他の実施形態では、基材材料は、基材材料がその互いに反対側にある第1の端部と第2の端部との間に略非円筒形の形状を画定し得るように、略非円形の断面を画定し得る。そうでなければ、他の例では、基材材料は、軸に関して非対称の断面を備えてもよい。様々な実施形態では、基材材料の各端部は、隣接する要素と軸線方向に位置合わせされていてもよい。
【0109】
図11および図12に示すように、図示される実施形態のカートリッジ400の外側ハウジング412は、基材材料416を含む基材部分410を包囲するように構成される。図示される実施形態では、外側ハウジング412はまた、熱源408の一部のみを包囲するように構成される。ただし、亜ある実施形態では、外側ハウジングは、熱源全体を包囲してもよい(例えば、図9および図10を参照)。図示される実施形態では、外側ハウジングは剛性材料を備える。例えば、図示される実施形態の外側ハウジング412は、アルミニウム材料から構築されるが、他の実施形態では、外側ハウジングは、他の金属材料(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、真鍮、銅、銀、金、青銅、チタン、様々な合金など)、またはグラファイト材料、またはセラミック材料、またはプラスチック材料、またはそれらの任意の組合せを含む他の材料から構築されてもよい。或る実施形態では、熱源の少なくとも一部および/または基材材料の少なくとも一部は、紙箔積層体によって包囲されてもよい。或る実施形態では、カートリッジは、熱源およびビーズ状基材材料を含む積層体を備える筐体を備え得る。本開示に適用可能であり得る積層体および/または筐体の或る例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGageらの米国特許出願公開第2020/0128880号明細書に見出されることができる。
【0110】
図示される実施形態では、外側ハウジング412は、基材材料416を実質的にカプセル化する管構造として構築されるが、上述したように、他の実施形態では、外側ハウジングは他の形状を有してもよい。外側ハウジングの形状は変えても良いが、図示される実施形態では、外側ハウジング412は、開放端および閉鎖端を有する管構造を備える。外側ハウジング412の図示される実施形態はまた、エアロゾル化された蒸気(本明細書では「蒸気」または「エアロゾル」とも呼ばれる)が通過することを可能にするように構成された、外側ハウジング412の閉鎖端に配置された1つ以上の端部開口部418を含む。図示される実施形態の端部開口部418は、一対の細長い丸みを帯びたスロットの形態であるが、他の実施形態では、端部開口部は、エアロゾルが通過することを可能にする任意の形態を有してもよい。したがって、端部開口部418は、図示されているものよりも少ないもしくは追加の開口部ならびに/または代替の形状およびサイズの開口部を備えることができることが理解されるであろう。
【0111】
上記のように、本開示の様々な実施形態のホルダは、装填位置および/もしくは使用位置および/もしくは点火位置に、ならびに/またはそこから移動するように構成される。いくつかの実施形態では、ホルダはまた、消火位置を有してもよい。このように、消火位置は、カートリッジの熱源が燃焼を持続させるのに十分な酸素を奪われるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、消火位置は、ホルダのさらなる動作によって得られてもよい。他の実施形態では、1つ以上の追加の機構を作動させることによって消火位置が達成され得るように、1つ以上の追加の機構が含まれてもよい。特に、一実施形態のホルダは、消火位置では、カバー機構がホルダの開放端を実質的に覆い、カートリッジの熱源が燃焼を持続させるのに十分な酸素を奪われるように、機械的にまたは手動で作動可能(例えば、本体の端部を覆ってカバー機構を回転させることによって、および/または本体の端部を横切ってカバー機構をスライドさせることによって)であってよく、ホルダの遠位端に近接して配置された空気不透過性カバー機構を含んでもよい。別の実施形態では、ホルダは、消火位置を達成するために使用され得る、例えば、端部キャップなどの分離可能な機構を含んでもよい。例えば、或る実施形態では、取り付けられると、カートリッジの熱源が燃焼を持続させるのに十分な酸素を奪われるように、別個の端部キャップがホルダの遠位端を覆って取付け可能であってよい。そのような端部キャップはまた、例えば、汚れおよび/または異物が装置内に入るのを防ぐためなどに、使用されていない場合に第2の本体部分の端部を覆うために使用されてもよい。追加的または代替的に、或る実施形態では、本開示のホルダは、使用位置ではカートリッジの熱源を保護する通気性カバー機構(例えば、複数の開口部を備えるカバー機構、またはメッシュを備えるカバー機構)を含んでもよい。例えば、一実施形態のホルダは、点火されると、カバー機構が、熱源への酸素の十分なアクセスを維持しながらホルダの開放端を実質的に覆うように作動され得るように、機械的にまたは手動で作動可能であり得る(例えば、ホルダの端部を覆ってカバー機構を回転させることによって、および/またはホルダの端部を横切ってカバー機構をスライドさせることによって)、ホルダの遠位端に近接して配置された通気性カバー機構を含んでもよい。
【0112】
図示される実施形態では、ホルダは、略中実で非多孔質の壁を含むが、他の実施形態では、ホルダのこれらの壁のうちの1つ以上は、他の構成を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ホルダの壁のうちの1つ以上は、非中実および/もしくは実質的に多孔質であってよいか、または1つ以上の非中実および/もしくは実質的に多孔質の部分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、例えば、ホルダは、熱源への酸素のアクセスを容易にし得る1つ以上の開口部を含んでもよい。代替的または追加的に、他の実施形態は、吸引中に生成されたエアロゾルと混合し得る1つ以上の開口部を含んでもよい。このように、使用位置では、1つ以上の開口部が熱源に近接して配置され、したがって、燃焼中に酸素への追加のアクセスを熱源に提供してもよい。或る実施形態では、ホルダは、熱源の下流に1つ以上の開口部を含んでもよい。例えば、或る実施形態では、ホルダは、カートリッジの基材材料によって生成されたエアロゾルと混合してもよい、ホルダのエアロゾル通路に延在する開口部を含んでもよい。
【0113】
種々の実施形態では、本開示はまた、本明細書に記載の様々な構成要素を提供するキットに関する。例えば、キットは、1つ以上のカートリッジを有するホルダを備えてもよい。別の実施形態では、キットは、複数のホルダを備えてもよい。さらなる実施形態では、キットは、複数のカートリッジを備えてもよい。さらに別の実施形態では、キットは、複数のホルダおよび複数のカートリッジを備えてもよい。本発明のキットは、さらなるキット部品のうちの1つ以上を収容するケース(または他の梱包部品、運搬部品もしくは保管部品)をさらに含んでもよい。ケースは、再利用可能なハードコンテナまたはソフトコンテナであってよい。さらに、ケースは、単なる箱または他の梱包構造であってよい。いくつかの実施形態では、ブラシまたは他の洗浄付属品がキットに含まれてもよい。洗浄付属品は、ホルダのカートリッジ受容チャンバに挿入されるように構成されてもよいか、または他の実施形態では、ユーザがカートリッジ受容チャンバから破片を除去することを可能にする別個の開口部に挿入されてもよい。
【0114】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】