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特表2024-511667カスタマイズされた患者別のオーグメントを有する3D印刷されたモノブロック整形外科用インプラント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-14
(54)【発明の名称】カスタマイズされた患者別のオーグメントを有する3D印刷されたモノブロック整形外科用インプラント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/34 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
A61F2/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560565
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 IB2022052985
(87)【国際公開番号】W WO2022208410
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】17/219,554
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】キーファー・ライアン・シー
(72)【発明者】
【氏名】ガトレル・バーニス・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ハドソン・アンドリュー・エム
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー・クリステル・エム
(72)【発明者】
【氏名】サンティス・キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】ハフ・ダニエル・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】セイド・シニア・ポール・ビー
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA06
4C097BB01
4C097CC02
4C097CC03
4C097DD01
4C097DD06
4C097MM03
(57)【要約】
寛骨臼シェルコンポーネントが、固体基材(12)と、固体基材に結合された多孔質外層(16)と、固体基材に結合された多孔質内層(14)と、多孔質内層に結合された内側ベアリング(18)とを含む。1つ以上の補助材(40)が、多孔質外層から外向きに延在する。各補助材は、患者の骨の凸輪郭に適合するように成形されたカスタマイズされた患者別の凹輪郭を画定する外表面を含む。付加製造プロセスを使用する寛骨臼シェルコンポーネントの製造方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントであって、
固体基材と、
前記固体基材に結合された多孔質外層であって、前記固体基材よりも大きい気孔率を有する多孔質外層と、
前記固体基材に結合された多孔質内層であって、前記固体基材よりも大きい気孔率を有する多孔質内層と、
前記多孔質内層に結合された内側ベアリングであって、ベアリング面を含み、前記ベアリング面は、整形外科用インプラントコンポーネントを受容するサイズのキャビティを画定する、内側ベアリングと、
前記多孔質外層から外向きに延在する補助材であって、外表面を含み、前記外表面は、患者の骨の凸輪郭に適合するように成形されたカスタマイズされた患者別の凹輪郭を画定する、補助材と、
を備える、モノブロック寛骨臼シェルコンポーネント。
【請求項2】
前記固体基材、前記多孔質外層、前記多孔質内層、及び前記補助材は、付加製造されたコンポーネントを構成する、請求項1に記載のシェルコンポーネント。
【請求項3】
前記固体基材、前記多孔質外層、前記多孔質内層、及び前記内側ベアリングは、約3ミリメートルの合計厚さを有する、請求項1に記載のシェルコンポーネント。
【請求項4】
前記固体基材、前記多孔質外層、及び前記多孔質内層の各々が金属材料を含む、請求項1に記載のシェルコンポーネント。
【請求項5】
前記固体基材、前記多孔質外層、及び前記多孔質内層の各々がセラミック材料を含む、請求項1に記載のシェルコンポーネント。
【請求項6】
前記内側ベアリングはポリマー材料を含む、請求項1に記載のシェルコンポーネント。
【請求項7】
前記固体基材、前記多孔質外層、前記多孔質内層、及び前記内側ベアリングの各々がセラミック材料を含む、請求項1に記載のシェルコンポーネント。
【請求項8】
前記補助材の前記外表面を通して開口部が画定され、前記開口部は締結具を受容するサイズである、請求項1に記載のシェルコンポーネント。
【請求項9】
前記ベアリング面は、ポリマーのデュアルモビリティベアリングを受容するサイズのキャビティを画定する、請求項1に記載のシェルコンポーネント。
【請求項10】
前記ベアリング面は、拘束型大腿骨頭コンポーネントを受容するサイズのキャビティを画定する、請求項1に記載のシェルコンポーネント。
【請求項11】
整形外科用プロテーゼの製造方法であって、
患者の骨の1つ以上の医用画像に基づいて、前記患者の骨の凸輪郭を識別することと、
モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントを付加製造することであって、前記モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントは、前記モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントから外向きに延在する補助材を含み、前記補助材は、前記患者の骨の凸輪郭に適合するように成形されたカスタマイズされた患者別の凹輪郭を画定する外表面を含む、ことと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記凸輪郭を識別することは、前記患者の骨の前記1つ以上の医用画像に基づいて、前記患者の骨の三次元モデルを生成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記患者の骨の前記1つ以上の医用画像をキャプチャすることを更に含み、前記凸輪郭を識別することは、前記1つ以上の医用画像をキャプチャしたことに応答して前記凸輪郭を識別することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントを付加製造することは、固体基材と、前記固体基材に結合された多孔質外層と、前記固体基材に結合された多孔質内層とを付加製造することを含み、前記補助材は前記多孔質外層に結合され、前記多孔質外層及び前記多孔質内層の各々は、前記固体基材よりも大きい気孔率を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントを付加製造することは、前記多孔質内層に結合された内側ベアリングを付加製造することを更に含み、前記内側ベアリングはベアリング面を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記内側ベアリングはセラミック材料を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントの前記多孔質内層に結合された内側ベアリングを製造することを更に含み、前記内側ベアリングはベアリング面を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記内側ベアリングを製造することは、前記内側ベアリングを射出成形すること又は前記内側ベアリングを圧縮成形することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記内側ベアリングはポリマー材料を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントを付加製造することは、前記補助材の前記外表面を貫通して画定された開口部を形成することを含み、前記開口部は締結具を受容するサイズである、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には整形外科用インプラントに関し、より具体的には、カスタマイズされた患者別の整形外科用インプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
関節形成術は、病変した生体関節及び/又は損傷した生体関節が人工関節によって置換される、周知の外科手術である。例えば、股関節形成外科処置では、患者の自然の股関節の臼状関節を部分的又は全体的に人工股関節で置換する。人工股関節は、一般に、寛骨臼プロテーゼコンポーネント及び大腿骨頭プロテーゼコンポーネントを含んでいる。寛骨臼プロテーゼコンポーネントは、モジュール式寛骨臼プロテーゼコンポーネント又はモノブロック寛骨臼として具現化することができる。典型的なモジュール式寛骨臼プロテーゼコンポーネントは、患者の寛骨臼と係合するように構成されたモジュール式外側シェルと、シェルと結合されかつ大腿骨頭と係合するように構成され得る取り外し可能な内側ベアリング又はライナーとを有している。大腿骨頭プロテーゼコンポーネントと、寛骨臼コンポーネントの内側ライナーとは、自然の股関節に近い臼状関節を形成する。
【0003】
逆に、典型的なモノブロック寛骨臼プロテーゼコンポーネントは、一体型シェル及びベアリングコンポーネントを含む。しかしながら、そのような典型的なモノブロックコンポーネントのための標準的な製造技術では、穴又は他の固定ガイドがシェルコンポーネントを貫通することが不可能である。
【0004】
別のタイプの人工股関節は、脱臼の可能性を低減するために保持リングなどの機械的特徴を含む拘束型股関節である。しかしながら、典型的な拘束型股関節は、他の人工股関節設計と比較して可動域が小さい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントが、固体基材と、固体基材に結合された多孔質外層と、固体基材に結合された多孔質内層と、多孔質内層に結合された内側ベアリングと、多孔質外層から外向きに延在する補助材とを備える。多孔質外層及び多孔質内層は各々、固体基材よりも大きい気孔率を有する。内側ベアリングはベアリング面を含み、ベアリング面は、整形外科用インプラントコンポーネントを受容するサイズのキャビティを画定する。補助材は、患者の骨の凸輪郭に適合するように成形されたカスタマイズされた患者別の凹輪郭を画定する外表面を含む。一実施形態では、固体基材、多孔質外層、多孔質内層、及び補助材は、付加製造されたコンポーネントを構成する。
【0006】
一実施形態では、固体基材、多孔質外層、多孔質内層、及び内側ベアリングは、約3ミリメートルの合計厚さを有する。
【0007】
一実施形態では、固体基材、多孔質外層、及び多孔質内層の各々が金属材料を含む。一実施形態では、固体基材、多孔質外層、及び多孔質内層の各々がセラミック材料を含む。一実施形態では、内側ベアリングはポリマー材料を含む。一実施形態では、固体基材、多孔質外層、多孔質内層、及び内側ベアリングの各々がセラミック材料を含む。
【0008】
一実施形態では、開口部が補助材の外表面を通して画定される。開口部は、締結具を受容するサイズである。
【0009】
一実施形態では、ベアリング面は、ポリマーのデュアルモビリティベアリングを受容するサイズのキャビティを画定する。一実施形態では、ベアリング面は、拘束型大腿骨頭コンポーネントを受容するサイズのキャビティを画定する。
【0010】
別の態様によれば、整形外科用プロテーゼの製造方法が、患者の骨の1つ以上の医用画像に基づいて患者の骨の凸輪郭を識別することと、モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントを付加製造することであって、モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントは、モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントから外向きに延在する補助材を含み、補助材は、患者の骨の凸輪郭に適合するように成形されたカスタマイズされた患者別の凹輪郭を画定する外表面を含む、ことと、を含む。
【0011】
一実施形態では、凸輪郭を識別することは、患者の骨の1つ以上の医用画像に基づいて患者の骨の三次元モデルを生成することを含む。
【0012】
一実施形態では、方法は、患者の骨の1つ以上の医用画像をキャプチャすることを更に含む。凸輪郭を識別することは、1つ以上の医用画像をキャプチャしたことに応答して凸輪郭を識別することを含む。
【0013】
一実施形態では、モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントを付加製造することは、固体基材と、固体基材に結合された多孔質外層と、固体基材に結合された多孔質内層とを付加製造することを含み、補助材は多孔質外層に結合され、多孔質外層及び多孔質内層の各々は、固体基材よりも大きい気孔率を有する。一実施形態では、モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントを付加製造することは、多孔質内層に結合された内側ベアリングを付加製造することを更に含み、内側ベアリングはベアリング面を含む。一実施形態では、内側ベアリングはセラミック材料を含む。
【0014】
一実施形態では、方法は、モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントの多孔質内層に結合された内側ベアリングを製造することを更に含み、内側ベアリングはベアリング面を含む。一実施形態では、内側ベアリングを製造することは、内側ベアリングを射出成形すること又は内側ベアリングを圧縮成形することを含む。一実施形態では、内側ベアリングはポリマー材料を含む。一実施形態では、シェルコンポーネントは金属材料を含む。一実施形態では、シェルコンポーネントはセラミック材料を含む。
【0015】
一実施形態では、モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントを付加製造することは、補助材の外表面を貫通して画定された開口部を形成することを含み、開口部は締結具を受容するサイズである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
詳細な説明は、具体的には、以下の図面を参照する。
図1】モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントの一実施形態の斜視図である。
図2図1のモノブロック寛骨臼シェルコンポーネントの背面斜視図である。
図3図1図2のモノブロック寛骨臼シェルコンポーネントの断面図である。
図4図1図3のモノブロック寛骨臼シェルコンポーネントを含むデュアルモビリティプロテーゼインプラントシステムの斜視図である。
図5図1図3のモノブロック寛骨臼シェルコンポーネントを含む拘束型ライナープロテーゼインプラントシステムの斜視図である。
図6図1図5のいずれかに示すモノブロック寛骨臼シェルコンポーネントの製造方法の簡略化したフロー図である。
図7】患者の股関節に設置された図1図5のモノブロック寛骨臼シェルコンポーネントを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の概念は、様々な修正及び代替形態を受け入れる余地があるが、その特定の例示的な実施形態を例として図面に示し、本明細書において詳細に説明する。しかしながら、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」によって定義される発明の趣旨及び範囲に包含される全ての修正物、均等物、並びに代替物を網羅することを意図するものであるということを理解されたい。
【0018】
解剖学的基準を表す前方、後方、内側、外側、上位、下位等の用語は、本明細書全体において、本明細書に記載する整形外科用インプラント及び手術器具、並びに患者の生得の解剖学的形態に関して使用され得る。このような用語は、解剖学の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても十分に理解された意味を有する。記述されている説明及び「特許請求の範囲」におけるこのような解剖学的参照用語の使用は、特に明記しないかぎり、それらの十分に理解された意味と一貫性を有することが意図される。
【0019】
ここで図1図3を参照すると、例示的な3D印刷されたモノブロック寛骨臼プロテーゼシェルコンポーネント10が、患者の骨盤の外科的に準備された寛骨臼にインプラントされるように成形されている。シェルコンポーネント10は、付加製造プロセスを使用して製造される。付加製造プロセスは、例えば、選択的レーザ焼結(Selective Laser Sintering、SLS)、直接金属レーザ焼結(Direct Metal Laser Sintering、DMLS)、指向性エネルギー堆積(Directed Energy Deposition、DED)、3D印刷、又は他の付加製造技術などの付加製造技術の1つ以上の形態を含んでもよい。そのような付加製造プロセスでは、シェルコンポーネント10は、製造プロセス中に堆積される材料の複数の層から形成された単一のコンポーネントとして製造されてもよい。いくつかの実施形態では、シェルコンポーネント10は、チタン、コバルト、クロム、モリブデン、タンタル、及びそれらの混合物などのインプラントグレードの生体適合性金属材料から形成されてもよい。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、シェルコンポーネント10は、アルミナ、ジルコニア、又はジルコニア強化アルミナ(zirconia toughened alumina、ZTA)などのセラミック材料から形成されてもよい。
【0020】
図3の断面図に示すように、シェルコンポーネント10は、固体基材12、多孔質内層14、及び多孔質外層16を含む。基材12及び多孔質層14、16は、付加製造プロセスを使用して単一のコンポーネントとして形成され、したがって、同じ材料(例えば、チタンなどの金属材料又はセラミック材料)から形成することができる。多孔質層14、16の各々は、固体基材12の気孔率よりも大きい気孔率を有する。いくつかの実施形態では、多孔質層14、16の各々は、異なる気孔率を有してもよい。いくつかの実施形態では、多孔質層14、16の各々の気孔率は同じであってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、多孔質外層18は、非接合用途のための骨内殖を意図した、3D印刷された格子構造を有してもよい。これらの実施形態では、3D印刷された格子構造は、20%~約80%の相互接続された体積気孔率を有してもよく、50~500ミクロンの細孔を有してもよい。いくつかの実施形態では、3D印刷された格子構造は、800ミクロンの最大厚さを有し得る。例えば、一実施形態では、3D印刷された格子構造は、762±254ミクロンの厚さを有してもよい。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、3D印刷された格子構造は、ヒドロキシアパタイト(hydroxyapatite、HA)などの骨成長促進要素の助けを借りて、約1500ミクロンのより大きな最大厚さを有してもよい。
【0022】
シェルコンポーネント10は、多孔質内層14内に形成されるか又は多孔質内層14内に埋め込まれた内側一体型ベアリング18を更に含む。一体型ベアリング18は、多孔質内層14に圧縮成形、射出成形、又は3D印刷されてもよい。いくつかの実施形態では、一体型ベアリング18は、高架橋ポリエチレン(polyethylene、PE)、酸化防止剤充填PE、又はポリエーテルエーテルケトン(polyether ether ketone、PEEK)などの他のポリマーなどのポリマー材料から形成されてもよい。他の実施形態では、一体型ベアリング18は、セラミック材料(すなわち、3D印刷されたセラミック)から形成されてもよい。これらの実施形態のいくつかにおいては、一体型ベアリング18、固体基材12、及び多孔質層14、16は全て、セラミック材料から形成されてもよい。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、一体型ベアリング18はセラミックから形成されてもよく、固体基材12及び多孔質層14、16はチタンなどの金属材料から形成されてもよい。
【0023】
図1図3を再び参照すると、シェルコンポーネント10は、平坦なリム表面22を含む遠位リム20を有する。外壁24が遠位リム20から延びている。例示的な外壁24は、遠位リム20から凸状に湾曲した外表面28まで延びる環状外表面26を含む。湾曲した外表面28は、他のインプラントに共通の標準サイズ及び/又は形状を有してもよい(並びに/あるいは標準インプラントサイズ及び/又は形状の群から選択される)。例えば、例示的な実施形態では、凸状に湾曲した外表面28は半球形であり、患者の外科的に準備された寛骨臼の形状に一致するように成形される。環状外表面26は、例示的には、湾曲した外表面28の円筒状の延長部であり、シェルコンポーネント10のジャンプ距離を増加させ、それによって脱臼の可能性を低減することができる。図示のように、外壁24は多孔質外層16によって形成され、これにより、移植後に骨がシェルコンポーネント10に生物学的に付着することが可能になり、したがって固定が改善される。
【0024】
シェルコンポーネント10は、一体型ベアリング18によって形成された内壁30を更に含み、内壁30は、遠位リム20から内向きに延在して、シェルコンポーネント10内にキャビティ32を画定する。シェルコンポーネント10の内壁30は、環状外表面26の反対側に配置された環状内表面34と、凸状に湾曲した外表面28の反対側に配置された凹状に湾曲した内表面36とを含む。キャビティ32は、金属材料、セラミック材料、又は他の材料から形成され得る、大腿骨頭コンポーネント(図示せず)などのプロテーゼコンポーネントを受容するサイズである。他の実施形態では、キャビティ32は、可動ベアリング、拘束型大腿骨頭、又は他のプロテーゼコンポーネントを受容するサイズであってもよい。例えば、以下で更に説明するように、図4は、デュアルモビリティベアリングを受容するように構成されたシェルコンポーネント10を示し、図5は、拘束型大腿骨頭を受容するように構成されたシェルコンポーネント10を示す。
【0025】
図3に示すように、多孔質外層16の外壁34及び一体型ベアリング18の内壁30は、シェルコンポーネント10の厚さ38を画定する。いくつかの実施形態では、厚さ38は、シェルコンポーネント10全体にわたって一定であってもよく、又は厚さ38は、シェルコンポーネント10の部分間で異なっていてもよい。多くの実施形態では、厚さ38は、典型的なモジュール式寛骨臼シェル及びライナーアセンブリの対応する合計厚さよりも薄い。加えて、シェルコンポーネント10を製造するために使用される付加製造プロセスに起因して、いくつかの実施形態では、厚さ38はまた、従来の方法で製造されたモノブロックシェルコンポーネントの対応する厚さよりも薄くてもよい。したがって、比較的薄い厚さ38を有することによって、シェルコンポーネント10は、典型的なモジュール式寛骨臼シェルコンポーネントと比較してより大きい大腿骨頭コンポーネントを受容するように適合されてもよく、これにより、脱臼の可能性を低減し、及び/又はシェルコンポーネント10の可動域を改善することができる。例えば、いくつかの実施形態では、シェルコンポーネント10の合計厚さ38は、約1.5ミリメートル~約5ミリメートルの範囲内であってもよい。更なる例として、いくつかの実施形態では、シェルコンポーネント10の合計厚さ38は、約3ミリメートルであってもよい。
【0026】
再び図1~2を参照すると、シェルコンポーネント10は、1つ以上の患者別の補助材40を更に含む。補助材40の各々は、ウィング、バットレス、空隙充填材、フランジ、又は患者の骨の少なくとも一部と一致する患者別の形状を含む他の構造として具現化されてもよい。例えば、例示的なシェルコンポーネント10は、環状外表面26から延在する一対のフランジ42、44を含む。各補助材40は、シェルコンポーネント10の固体基材12の一部として形成されてもよく、又は固体基材12に取り付けられてもよい。追加的に又は代替的に、いくつかの実施形態では、各補助材40は、多孔質外層16を含むか、又は多孔質外層16の一部であってもよい。図示のように、各補助材40は、外側プロファイルド(profiled)表面46を含む。各表面46は、患者の骨の幾何学的形状の対応する凸輪郭に一致してこれを受容する1つ以上の凹輪郭を含んでもよい。加えて、1つ以上の開口部48又は他の固定ガイドが、各補助材40を通して画定されてもよい。開口部48の各々は、シェルコンポーネント10を患者の骨に固定するために使用され得る骨ねじ又はピンなどの締結具を受容するサイズであるか、又はそのように適合されている。
【0027】
シェルコンポーネント10は、外側プロファイルド表面46を各々有する1つ以上の補助材40を含むことから、カスタマイズされた患者別の整形外科用インプラントである。本明細書で用語「カスタマイズされた患者別の整形外科用インプラント」が意味するものは、特定の患者での使用が意図され、その使用のために構成された、整形外科処置の実施において外科医により使用される外科用インプラント又はプロテーゼである。したがって、本明細書で使用される場合、用語「カスタマイズされた患者別の整形外科用手術インプラント」は、任意の特定の患者に対して製造又はカスタマイズされたのではない、標準的な患者別ではない整形外科用インプラントとは区別されることを理解するべきである。
【0028】
使用時に、各補助材40の外表面46に含まれる凹輪郭は、患者の骨の幾何学的形状の対応する凸輪郭と一致してこれを受容し、補助材40を所定の位置及び/又は向きで患者の骨の凸輪郭に係合させる。したがって、各補助材40の外側プロファイルド表面46は、患者の骨との密接な接触を達成し、シェルコンポーネント10の固定を改善することができる。加えて、上述のように、モノブロック構造の使用によって達成される低減された厚さ38のために、シェルコンポーネント10は、モジュール式ライナーと比較してより大きい大腿骨頭コンポーネントの使用を可能にすることができ、この結果、脱臼に対する耐性を改善することができる。更に、患者別の補助材40がねじ固定をサポートするので、シェルコンポーネント10は、ねじ固定のための穴又は他の固定ガイドを通常は含まない典型的なモノブロックインプラントと比較して、固定を改善し、特に骨内殖前の初期固定を改善することができる。
【0029】
ここで図4を参照すると、いくつかの実施形態では、モノブロック寛骨臼シェルコンポーネント10は、デュアルモビリティ人工股関節システム50と共に使用されてもよい。例示的なデュアルモビリティ股関節システム50は、シェルコンポーネント10と、可動ベアリング52と、大腿骨コンポーネント60とを含む。可動ベアリング52は、高架橋ポリエチレン(PE)、超高分子量(ultra-high-molecular-weight、UHMW)PE、酸化防止剤充填PE、又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの他のポリマーなどのポリマー材料から形成される。図示のように、可動ベアリング52は、凸状に湾曲した外壁54と、凹状に湾曲した内壁56とを含む。湾曲した内壁56は、キャビティ58を画定してもよい。大腿骨コンポーネント60は、凸状に湾曲した外壁64を有する大腿骨頭62を含む。大腿骨頭62は、チタンなどの金属材料又はセラミック材料から形成されてもよい。
【0030】
図4に示すように、シェルコンポーネント10の内壁30によって画定されるキャビティ32は、可動ベアリング52の外壁54を受容するサイズである。同様に、可動ベアリング52の内壁56によって規定されるキャビティ58は、大腿骨頭62の外壁64を受容するサイズである。使用時に、可動ベアリング52の外壁54は、シェルコンポーネント10の一体型ベアリング18に対して関節運動することができる。大腿骨頭62の外壁64はまた、デュアルモビリティ股関節システム50の可動域の両端では、可動ベアリング52の内壁56に対して関節運動することができる。典型的なデュアルモビリティ人工股関節システムと比較して、シェルコンポーネント10を含むシステム50は、より大きなサイズの大腿骨頭62を収容することができ、したがって、脱臼に対する耐性を改善することができる。
【0031】
ここで図5を参照すると、いくつかの実施形態では、モノブロック寛骨臼シェルコンポーネント10は、拘束型ライナー人工股関節システム66と共に使用されてもよい。例示的な拘束型ライナー股関節システム66は、シェルコンポーネント10と、大腿骨コンポーネント60と、保持リング68とを含む。上述のように、大腿骨コンポーネント60は、金属材料又はセラミック材料から形成することができ、凸状に湾曲した外壁64を有する大腿骨頭62を含む。保持リング68は、チタンなどの金属材料から形成されてもよい。図示のように、シェルコンポーネント10の内壁30によって画定されるキャビティ32は、大腿骨頭62の外壁64を受容するサイズである。シェルコンポーネント10は、遠位リム20のリム表面22に画定された溝70を更に含む。溝70は、保持リング68を受容するサイズである。使用時に、大腿骨頭62の外壁64は、一体型ベアリング18に対して関節運動する。溝70内に配置された保持リング68は、シェルコンポーネント10のキャビティ32内に大腿骨頭62を機械的に捕捉する。典型的な機械的拘束型股関節システムと比較して、シェルコンポーネント10を含むシステム66は、低減された厚さ38を有し、したがって、より大きなサイズの大腿骨頭62を収容することができる。したがって、システム66は、典型的な拘束型の股関節と比較して、より広い可動域をサポートすることができる。
【0032】
ここで図6を参照すると、寛骨臼シェルコンポーネント10を製造するための方法100が示されている。方法100は、患者の骨のいくつかの医用画像がキャプチャされるプロセスステップ102で始まる。これを行うために、整形外科医又は他の医療提供者が、イメージングシステムを操作して医用画像を生成することができる。医用画像は、患者の骨の解剖学的形態及び関連する関節の三次元表現モデルの生成に使用することができる任意の数及び種類の医用画像として具体化され得る。例えば、医用画像は、いくつかのX線画像又は他の二次元画像として具体化することができ、これらの画像から患者の関連する骨の解剖学的形態の三次元表現モデルが生成され得る。加えて、いくつかの実施形態では、医用画像は、患者の関節の軟骨面を強調するように設計された造影剤で強化されてもよい。加えて又は代替的に、医用画像は、任意の数のコンピュータ断層撮影(computed tomography、CT)画像、磁気共鳴断層撮影(magnetic resonance imaging、MRI)画像、又は他の三次元医用画像として具体化することができる。
【0033】
プロセスステップ104において、患者の骨の三次元モデルが生成される。例えば、いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス、又は他のモデリングシステムが、入力された医用画像に基づいて患者の骨をモデル化するために、X線セグメンテーションプロセスを実行してもよい。結果として得られる三次元モデルは、患者の寛骨臼の輪郭及び他の表面形状、例えば、横寛骨臼靭帯(transverse acetabular ligament、TAL)などの骨ランドマーク又は他の骨特徴を含む。他の実施形態では、医用画像に基づいて患者の骨の三次元モデルを生成するために、任意の他の適切な技術を実行してもよい。
【0034】
プロセスステップ106において、補助材40の幾何学的形状の三次元モデルが、患者の骨の三次元モデルに基づいて生成される。各補助材40の三次元モデルは、補助材40の外表面46を記述する幾何学的形状を含む。したがって、各補助材40の三次元モデルは、対応するモデルに取り込まれた患者の骨の幾何学的形状の対応する凸輪郭に一致し、これを受容する1つ以上の凹輪郭を含む。したがって、患者の寛骨臼内に配置されると、各補助材40の外表面46は、患者の骨の1つ以上の対応する凸輪郭に係合し、シェルコンポーネント10の補助材固定を可能にする。更に、各補助材40の外表面46は、所定の位置及び/又は向きで患者の骨の凸輪郭に係合してもよく、シェルコンポーネント10の固定を更に改善することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、製造プロセス中に、外科医又は他の操作者は、例えば、術前計画ユーザインターフェース又は他の設計ツールを使用して、1つ以上の補助材40をシェルコンポーネント10上に配置してもよい。追加的又は代替的に、1つ以上の補助材40は、シェルコンポーネント10に対して自動的に生成及び/又は配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス又は他のモデリングシステムは、ライブラリ補助材の所定の幾何学的形状を変形させるか又は適合させて、患者の骨の三次元モデルと一致させてもよい。補助材40の幾何学的形状の三次元モデルを生成した後、そのモデルは、製造目的のために寛骨臼シェルコンポーネント10の他の幾何学的形状に追加されるか、又はこれと組み合わせられてもよい。例えば、最終モデルが、患者別の補助材40を含む複数のモデルの和集合として生成されてもよい。
【0036】
プロセスステップ108において、1つ以上の補助材40を含む寛骨臼シェルコンポーネント10が付加製造される。上述のように、シェルコンポーネント10は、例えば、選択的レーザ焼結(SLS)、直接金属レーザ焼結(DMLS)、指向性エネルギー堆積(DED)、3D印刷、又は他の付加製造技術などの1つ以上の形態の付加製造技術を使用して製造されてもよい。したがって、シェルコンポーネント10は、金属材料、セラミック材料、又は別の付加製造された材料から形成することができる。付加製造プロセスは、多孔質外層16、固体基材12、及び多孔質内層14を単一のコンポーネントとして製造することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、プロセスステップ110において、一体型内側ベアリング18をシェルコンポーネント10内に製造することができる。上述のように、いくつかの実施形態では、一体型ベアリング18は、内層14内に圧縮成形されるか、射出成形されるか、又は他の方法で成形されてもよい。これらの実施形態では、一体型ベアリング18は、高架橋ポリエチレン(PE)、酸化防止剤充填PE、又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの他のポリマーなどのポリマー材料から形成されてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、プロセスステップ112において、内側ベアリング18が付加製造されてもよい。これらの実施形態では、内側ベアリング18は、ポリマー材料又はセラミック材料から(例えば、セラミック3D印刷を使用して)形成されてもよい。いくつかの実施形態では、シェルコンポーネント10及び一体型ベアリング18は、同じ付加製造プロセスを使用して製造することができる。例えば、いくつかの実施形態では、一体型ベアリング18を含む単一シェルコンポーネント10が、セラミック材料を使用して付加製造されてもよい。シェルコンポーネント10を付加製造した後、方法100は完了する。
【0039】
ここで図7を参照すると、使用時に、付加製造された寛骨臼シェルコンポーネント10は、整形外科処置中に使用されてもよい。図7は、患者の寛骨200を示している。図示のように、寛骨200は、天然寛骨臼208を画定する、腸骨202、坐骨204、及び恥骨206の3つの部分を含む。整形外科処置を行うために、最初に、外科医は、プロテーゼアセンブリ10を受容するように患者の骨を外科的に準備する。例えば、外科医は、外科用リーマを利用して、プロテーゼアセンブリ10を受容するように患者の寛骨臼208を準備することができる。いくつかの実施形態では、外科医はまた、患者の骨から任意の既存の寛骨臼コンポーネント又は他のプロテーゼコンポーネントを除去してもよい。
【0040】
次に、外科医は、補助材40の外表面46及び/又は外壁24が患者の骨200に接触するまで、シェルコンポーネント10を患者の外科的に準備された寛骨臼208に挿入する。例えば、例示的な実施形態では、フランジ42の表面46は腸骨202と接触し、フランジ44の表面46は坐骨204と接触する。外科医は、補助材40と骨200との間に密接な接触が達成されているか否かを評価してもよく、又は骨200内のシェルコンポーネント10の安定性を評価してもよい。
【0041】
外科的に準備された寛骨臼208内にシェルコンポーネント10を配置した後に、シェルコンポーネント10を最終的な位置及び向きに嵌入するか、又は固定してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の骨ねじ210又は他の締結具を使用して、補助材40を骨200に取り付けてもよい。例えば、例示的な実施形態では、開口部48を通して骨ねじ210を挿入して、各々のフランジ42、44を骨200に固定してもよい。したがって、移植後に、シェルコンポーネント10を患者の固い骨にしっかりと取り付けるか、又は固定することができる。
【0042】
図面及び上記の説明において本開示を詳細に例証及び説明してきたが、このような例証及び説明は、その性質上、あくまで例示的なものであって限定的なものとはみなすべきではなく、あくまで例示的な実施形態を示して説明してきたにすぎず、本開示の趣旨に含まれる全ての変更及び改変は保護されることが望ましいことが理解される。
【0043】
本明細書に記載の装置及びアセンブリの様々な特性から本開示の複数の利点が生ずる。本開示の装置及びアセンブリの代替実施形態は、記載された特徴の全てを含んでいない場合もあるが、それでも依然としてこのような特徴の利点のうちの少なくともいくつかから恩恵を享受していることが留意される。当業者であれば、本発明の1つ以上の特徴を取り入れた、「特許請求の範囲」において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される装置及びアセンブリを独自に実施することが容易に可能であろう。
【0044】
〔実施の態様〕
(1) モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントであって、
固体基材と、
前記固体基材に結合された多孔質外層であって、前記固体基材よりも大きい気孔率を有する多孔質外層と、
前記固体基材に結合された多孔質内層であって、前記固体基材よりも大きい気孔率を有する多孔質内層と、
前記多孔質内層に結合された内側ベアリングであって、ベアリング面を含み、前記ベアリング面は、整形外科用インプラントコンポーネントを受容するサイズのキャビティを画定する、内側ベアリングと、
前記多孔質外層から外向きに延在する補助材であって、外表面を含み、前記外表面は、患者の骨の凸輪郭に適合するように成形されたカスタマイズされた患者別の凹輪郭を画定する、補助材と、
を備える、モノブロック寛骨臼シェルコンポーネント。
(2) 前記固体基材、前記多孔質外層、前記多孔質内層、及び前記補助材は、付加製造されたコンポーネントを構成する、実施態様1に記載のシェルコンポーネント。
(3) 前記固体基材、前記多孔質外層、前記多孔質内層、及び前記内側ベアリングは、約3ミリメートルの合計厚さを有する、実施態様1に記載のシェルコンポーネント。
(4) 前記固体基材、前記多孔質外層、及び前記多孔質内層の各々が金属材料を含む、実施態様1に記載のシェルコンポーネント。
(5) 前記固体基材、前記多孔質外層、及び前記多孔質内層の各々がセラミック材料を含む、実施態様1に記載のシェルコンポーネント。
【0045】
(6) 前記内側ベアリングはポリマー材料を含む、実施態様1に記載のシェルコンポーネント。
(7) 前記固体基材、前記多孔質外層、前記多孔質内層、及び前記内側ベアリングの各々がセラミック材料を含む、実施態様1に記載のシェルコンポーネント。
(8) 前記補助材の前記外表面を通して開口部が画定され、前記開口部は締結具を受容するサイズである、実施態様1に記載のシェルコンポーネント。
(9) 前記ベアリング面は、ポリマーのデュアルモビリティベアリングを受容するサイズのキャビティを画定する、実施態様1に記載のシェルコンポーネント。
(10) 前記ベアリング面は、拘束型大腿骨頭コンポーネントを受容するサイズのキャビティを画定する、実施態様1に記載のシェルコンポーネント。
【0046】
(11) 整形外科用プロテーゼの製造方法であって、
患者の骨の1つ以上の医用画像に基づいて、前記患者の骨の凸輪郭を識別することと、
モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントを付加製造することであって、前記モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントは、前記モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントから外向きに延在する補助材を含み、前記補助材は、前記患者の骨の凸輪郭に適合するように成形されたカスタマイズされた患者別の凹輪郭を画定する外表面を含む、ことと、
を含む、方法。
(12) 前記凸輪郭を識別することは、前記患者の骨の前記1つ以上の医用画像に基づいて、前記患者の骨の三次元モデルを生成することを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記患者の骨の前記1つ以上の医用画像をキャプチャすることを更に含み、前記凸輪郭を識別することは、前記1つ以上の医用画像をキャプチャしたことに応答して前記凸輪郭を識別することを含む、実施態様11に記載の方法。
(14) 前記モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントを付加製造することは、固体基材と、前記固体基材に結合された多孔質外層と、前記固体基材に結合された多孔質内層とを付加製造することを含み、前記補助材は前記多孔質外層に結合され、前記多孔質外層及び前記多孔質内層の各々は、前記固体基材よりも大きい気孔率を有する、実施態様11に記載の方法。
(15) 前記モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントを付加製造することは、前記多孔質内層に結合された内側ベアリングを付加製造することを更に含み、前記内側ベアリングはベアリング面を含む、実施態様14に記載の方法。
【0047】
(16) 前記内側ベアリングはセラミック材料を含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントの前記多孔質内層に結合された内側ベアリングを製造することを更に含み、前記内側ベアリングはベアリング面を含む、実施態様14に記載の方法。
(18) 前記内側ベアリングを製造することは、前記内側ベアリングを射出成形すること又は前記内側ベアリングを圧縮成形することを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記内側ベアリングはポリマー材料を含む、実施態様17に記載の方法。
(20) 前記モノブロック寛骨臼シェルコンポーネントを付加製造することは、前記補助材の前記外表面を貫通して画定された開口部を形成することを含み、前記開口部は締結具を受容するサイズである、実施態様11に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】