(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】扉類の密閉性及びその漏洩点位置のアクティブ検出方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01H 17/00 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
G01H17/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542921
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 CN2022128874
(87)【国際公開番号】W WO2023159997
(87)【国際公開日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】202210181445.9
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523267704
【氏名又は名称】チャイナ インスティテュート オブ ビルディング スタンダード デザイン アンド リサーチ
【氏名又は名称原語表記】China Institute of Building Standard Design & Research
【住所又は居所原語表記】No.9 Shoutinan Road, Haidian District, Beijing 100048, China
(71)【出願人】
【識別番号】523267715
【氏名又は名称】ベイジン グオジァンビァオ エンジニアリング エクイップメント テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Guojianbiao Engineering Equipment Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】300 meters north of the government of Henanzhai Town, Miyun District, Beijing 101500, China
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】ルー,イードン
(72)【発明者】
【氏名】ポン,フェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン,ルイロン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジィェンクン
(72)【発明者】
【氏名】シン,シャンポン
(72)【発明者】
【氏名】ジィァン,イー
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジャ
(72)【発明者】
【氏名】パン,ロンバン
【テーマコード(参考)】
2G064
【Fターム(参考)】
2G064AA01
2G064AA05
2G064AB01
2G064AB02
2G064AB13
2G064BA02
2G064BD02
2G064CC02
2G064DD02
(57)【要約】
本発明は、漏洩点位置のアクティブ検出方法及びシステムを開示する。前記アクティブ検出方法は、基準音圧の設定閾値を取得するステップS1と、防護扉の一方側に配置されたパルス超音波発生器によってパルス超音波信号を送信し、様々な検出距離でアレイディテクタによって4つのチャンネルの生信号をそれぞれ収集し、処理して4つのチャンネルの音圧特徴値を抽出し、映像及びテスト距離を収集するステップS2と、抽出した4つのチャンネルの音圧特徴値及び前記基準音圧の設定閾値に基づいて、各漏洩等級の閾値を設定するステップS3と、防護扉の他方側においてアレイディテクタによって音圧値を検出し、被検音圧値が一級漏洩閾値を超えた場合、4つのチャンネルの生信号に適応フィルタリングに基づくエンベロープ相互相関演算を行って、3つのチャンネルと残りの1つのチャンネルとの間の3つの遅延差を得て、テスト距離と音圧振幅との比及び前記4つのチャンネルの被検音圧値と組み合わせて、これらを融合して漏洩点の3次元空間座標を算出するステップS4と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
漏洩点位置のアクティブ検出方法であって、
防護扉の4隅に配置された音圧受信機によって、現在の環境の背景音圧値を検出し、前記4つの背景音圧値の平均値を基準音圧の設定閾値とするステップS1と、
前記防護扉の一方側に配置されたパルス超音波発生器によって所定時間ごとにパルス超音波信号を送信し、様々な検出距離でアレイディテクタによって4つのチャンネルの生信号をそれぞれ収集し、前記4つのチャンネルの生信号を4つのチャンネル電圧信号に変換し、前記4つのチャンネル電圧信号に基づいて4つのチャンネルの音圧特徴値を抽出し、前記防護扉に関する映像及びテスト距離を収集するステップS2と、
抽出した4つのチャンネルの音圧特徴値及び前記基準音圧の設定閾値に基づいて、各漏洩等級の閾値を設定するステップS3と、
前記防護扉の他方側において前記アレイディテクタを利用して映像のガイドラインに沿って移動させて音圧値を検出し、4つのチャンネルの被検音圧値を取得し、前記4つのチャンネルの被検音圧値の平均値を各漏洩等級の閾値と比較して、前記被検音圧値の平均値が一級漏洩閾値を超えた場合、前記現在の環境に漏洩が存在することを示し、前記4つのチャンネルの生信号に適応フィルタリングに基づくエンベロープ相互相関演算を行って、前記4つのチャンネルのうちの3つのチャンネルと残りの1つのチャンネルとの間の3つの遅延差を得て、前記テスト距離及び前記4つのチャンネルの被検音圧値と組み合わせて、これらを融合して漏洩点の3次元空間座標を算出するステップS4と、を含む、ことを特徴とする漏洩点位置のアクティブ検出方法。
【請求項2】
前記被検音圧値が前記一級漏洩閾値以下であり、前記現在の環境の漏洩量が微量である場合、前記アナログマイクロフォンリニアアレイを空間内で移動させて、被検音圧値が前記一級漏洩閾値を超えるようになると、ステップS4を繰り返すステップS5と、
前記3次元空間座標と画像座標をマッピング処理して、着色等高線で示された点を前記映像上に視認可能に重畳し、漏洩点を可視化するステップS6と、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の漏洩点位置のアクティブ検出方法。
【請求項3】
ステップS2では、4つのチャンネルの音圧特徴値を抽出することは、
シグナルコンディショニングされた4つのチャンネル電圧信号を段階的に抽出し、チャンネル電圧信号ごとに、時間領域内で振幅の大きさに応じてソートし、振幅が最大値の80~90%であるデータセグメントを選択し、前記チャンネル電圧信号のそれぞれに対応する有効データセグメントを形成するステップS2.1と、
選択済みの有効データセグメントごとに3回のスプライン補間演算を行い、データサンプリングポイントを増加させるステップS2.2と、
データの度数分布を統計して、前記有効データセグメントのそれぞれのピーク値を対応するチャンネルの電圧特徴値Uとし、電圧から音圧への変換式
【数1】
を利用して前記対応するチャンネルの音圧特徴値SPLを得るステップS2.3と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の漏洩点位置のアクティブ検出方法。
【請求項4】
ステップS3では、抽出した4つのチャンネルの音圧特徴値及び前記基準音圧の設定閾値に基づいて、各漏洩等級の閾値を設定することは、
ステップS2で得られた前記4つのチャンネルの音圧特徴値の平均値を算出し、音圧特徴値のテスト距離に伴う減衰曲線を得るステップS3.1と、
各テスト距離で、音圧特徴値とステップS1で得られた前記基準音圧の設定閾値との差を計算し、基準音圧の設定閾値に差の10%、30%、50%を加算したものをそれぞれ一級漏洩閾値、二級漏洩閾値、三級漏洩閾値とするステップであって、前記一級漏洩閾値は漏洩無視可を表し、前記二級漏洩閾値は漏洩が無視できないが、すぐに修復する必要はないことを表し、前記三級漏洩閾値は漏洩が無視できず、直ぐに修復する必要があることを表すステップS3.2と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の漏洩点位置のアクティブ検出方法。
【請求項5】
ステップS4では、これらを融合して漏洩点の3次元空間座標を算出することは、
ステップS2で得られた前記4つのチャンネルの生信号から、対応する有効データセグメントを抽出し、データポイント100個ごとに同一の有効データセグメントにおける2つのデータセグメントの振幅平均値の差を比較して、パルス信号が現れたデータセグメントを見つけ、当該データセグメントの前後にある100個のデータポイントを取るステップS4.1と、
選択済みのデータセグメントごとに包絡線を抽出し、2つのチャンネル包絡線に対して相互相関演算を行うステップであって、2つのチャンネルの相互相関演算式は、
【数2】
であり、
ここで、x
i(n)、x
j(n)はそれぞれチャンネルi、チャンネルjの信号配列であり、i、j=1、2、3、4でかつiとjは等しくなく、τは遅延点数であるステップS4.2と、
適応フィルタに前記2つのチャンネル包絡線を入力して、チャンネルの一方に重みベクトルを割り当て、適応フィルタリングアルゴリズムに基づいて、反復誤差を算出して、反復誤差が最小となるまで重み係数を常に更新し、このとき、2つのチャンネルの相関性が最大となり、ステップS4.2における式により前記2つのチャンネルの遅延点数を求め、前記3つのチャンネルと前記残りの1つのチャンネルの3つの遅延点数を取得した場合に前記3つの遅延点数に対して特徴変換を行って3つの到着時間差を得て、次に、前記3つの到着時間差のそれぞれに音速を乗算して3つの到着距離差を得るステップS4.3と、
4つのチャンネルの被検音圧値に対して特徴変換を行って、3つの到着距離比を得るステップS4.4と、
テスト距離を前記漏洩点の3次元空間座標の1つの成分として、前記3つの到着距離差に基づいて前記リニアアレイの中心を原点とした前記3次元空間座標についての第1球面座標連立方程式を作成し、前記3つの到着距離比に基づいて前記リニアアレイの中心を原点とした前記3次元空間座標についての第2球面座標連立方程式を作成し、前記第1球面座標連立方程式と前記第2球面座標連立方程式の結果から、融合アルゴリズムを利用して前記3次元空間座標を求解するステップS4.5と、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の漏洩点位置のアクティブ検出方法。
【請求項6】
ステップS4.4では、4つのチャンネルの被検音圧値に対して特徴変換を行って、3つの到着距離比を得ることは、
ステップS3.1で得られた前記減衰曲線を利用して、まず、前記4つのチャンネルの被検音圧値を対応する4つの距離に変換し、次に、前記4つの距離のうち前記3つのチャンネルに対応する3つの距離それぞれと前記残りの1つのチャンネルに対応する別の距離との比を算出するステップを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の漏洩点位置のアクティブ検出方法。
【請求項7】
ステップS6におけるマッピング処理は、
ビデオ画面を320*180個のグリッドに分割して、各画素点を各3次元空間座標に対応させるステップS6.1と、
前記ビデオ画面の中心を原点として、前記原点を前記リニアアレイの中心にマッピングさせ、基準目標を移動し、前記ビデオ画面における横座標軸方向又は縦座標軸方向の単位距離に対応する画素数である間隔点数とテスト距離とのマッピング関係を確立するステップS6.2と、
確立したマッピング関係に従って、ステップS4.5で算出された3次元空間座標を画素座標点に変換し、前記画素座標点を画面上に重畳表示するステップS6.3と、を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の漏洩点位置のアクティブ検出方法。
【請求項8】
空間内に漏洩点が存在するが、ビデオ画面の表示範囲外であると検出した場合、測位点が画面に現れるまで左又は右へ移動して、ステップS4を行うステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項7に記載の漏洩点位置のアクティブ検出方法。
【請求項9】
前記アレイディテクタは、4つのアナログマイクロフォンからなるリニアアレイと、コンピュータ処理ユニットと、シグナルコンディショニング回路基板と、カメラモジュールと、測距モジュールと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の漏洩点位置のアクティブ検出方法。
【請求項10】
前記4つのアナログマイクロフォンからなるリニアアレイのサンプリング周波数が100kHzであり、前記音圧受信機は電源モジュールと無線伝送モジュールを含み、磁石により前記防護扉に吸着される、ことを特徴とする請求項9に記載の漏洩点位置のアクティブ検出方法。
【請求項11】
前記4つの背景音圧値の平均値を基準音圧の設定閾値とする前記ステップは、4つの背景音圧値の波動が予め設定された範囲である場合に実行される、ことを特徴とする請求項1に記載の漏洩点位置のアクティブ検出方法。
【請求項12】
漏洩点位置のアクティブ検出システムであって、
防護扉の4隅に配置されて、現在の環境の背景音圧値を検出し、前記4つの背景音圧値の平均値を基準音圧の設定閾値とする4つの音圧受信機と、
前記防護扉の一方側に配置されて、所定時間ごとにパルス超音波信号を送信するパルス超音波発生器と、
様々な検出距離で4つのチャンネルの生信号を収集し、前記4つのチャンネルの生信号を4つのチャンネル電圧信号に変換し、前記4つのチャンネル電圧信号に基づいて4つのチャンネルの音圧特徴値を抽出し、前記防護扉に関する映像及びテスト距離を収集するアレイディテクタと、
抽出した4つのチャンネルの音圧特徴値及び前記基準音圧の設定閾値に基づいて、各漏洩等級の閾値を設定する設定装置と、を含み、
前記アレイディテクタはさらに、前記防護扉の他方側において前記映像のガイドラインに沿って音圧値を検出し、4つのチャンネルの被検音圧値を取得し、前記4つのチャンネルの被検音圧値の平均値を各漏洩等級の閾値と比較して、前記被検音圧値の平均値が一級漏洩閾値を超えた場合、前記現在の環境に漏洩が存在することを示し、前記4つのチャンネルの生信号に適応フィルタリングに基づくエンベロープ相互相関演算を行って、前記4つのチャンネルのうちの3つのチャンネルと残りの1つのチャンネルとの間の3つの遅延差を得て、前記テスト距離及び前記4つのチャンネルの被検音圧値と組み合わせて、これらを融合して漏洩点の3次元空間座標を算出することに用いられる、ことを特徴とする漏洩点位置のアクティブ検出システム。
【請求項13】
前記アレイディテクタは、4つのアナログマイクロフォンからなるリニアアレイと、コンピュータ処理ユニットと、シグナルコンディショニング回路基板と、カメラモジュールと、測距モジュールと、を含む、ことを特徴とする請求項11に記載の漏洩点位置のアクティブ検出システム。
【請求項14】
前記4つのアナログマイクロフォンリニアアレイのサンプリング周波数が100kHzであり、前記音圧受信機は電源モジュールと無線伝送モジュールを含み、磁石により前記防護扉に吸着される、ことを特徴とする請求項13に記載の漏洩点位置のアクティブ検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は2022年2月25日に提出された中国特許出願202210181445.9の利益を主張しており、当該出願の内容は引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は漏洩検出の技術分野に関し、具体的には、漏洩点位置のアクティブ検出方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
民間防衛工事は厳格な防護要件を持つ特殊な地下建築物で、通常の経済建設、都市建設や人民生活の需要を満たすだけでなく、戦時の防空防災において重要な役割を果たすことを保障しなければならず、和平時及び戦争時用の二重の機能を持っており、もし防護・密閉作業が十分に行われていなければ、国民経済に巨大な損失をもたらし、さらに人民の生命の安全を脅かすことになるため、民間防衛工事施設の密閉性検出は非常に重要である。
【0004】
現在、超音波によるコンクリート欠陥の検出は主にコンクリート中を伝播する超音波パルス波の速度、振幅、主な周波数などの音響パラメータの相対的な変化を測定することによって、コンクリートの欠陥状況を判定する。しかし、コンクリート防護扉の密閉性を検出するには、扉の隙間及びびゴムストリップの接着箇所の密閉状態に注目する必要があり、これは伝統的な超音波法による欠陥検出の原理とは大きく異なる。さらに、民間防衛地下室の構造は密閉されており、コンクリート防護扉の施設構造は膨大で、工事量も膨大で、漏洩点位置を迅速かつ正確に検出することは超音波検出技術により高い要求が求められている。
【0005】
背景技術の部分に開示された情報は、単に発明の全般的背景の理解を高めることを目的とするものであって、その情報が当業者に既に周知の先行技術を構成することを認めるものとはみなされず、また、いかなる形で暗示するものとみなされるべきではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の背景技術に指摘された問題を解決するために、漏洩点位置のアクティブ検出方法及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成させるために、本発明は、
防護扉の4隅に配置された音圧受信機によって、現在の環境の背景音圧値を検出し、前記4つの背景音圧値の平均値を基準音圧の設定閾値とするステップS1と、
前記防護扉の一方側に配置されたパルス超音波発生器によって、所定時間ごとにパルス超音波信号を送信し、様々な検出距離でアレイディテクタによって4つのチャンネルの生信号をそれぞれ収集し、前記4つのチャンネルの生信号を4つのチャンネル電圧信号に変換し、前記4つのチャンネル電圧信号に基づいて4つのチャンネルの音圧特徴値を抽出し、前記防護扉に関する映像及びテスト距離を収集するステップS2と、
抽出した4つのチャンネルの音圧特徴値及び前記基準音圧の設定閾値に基づいて、各漏洩等級の閾値を設定するステップS3と、
前記防護扉の他方側においてアレイディテクタを利用して映像のガイドラインに沿って移動させて音圧値を検出し、4つのチャンネルの被検音圧値を取得し、前記4つのチャンネルの被検音圧値の平均値を各漏洩等級の閾値と比較して、前記被検音圧値の平均値が一級漏洩閾値を超えた場合、前記現在の環境に漏洩が存在することを示し、前記4つのチャンネルの生信号に適応フィルタリングに基づくエンベロープ相互相関演算を行って、前記4つのチャンネルのうちの3つのチャンネルと残りの1つのチャンネルとの間の3つの遅延差を得て、前記テスト距離及び前記4つのチャンネルの被検音圧値と組み合わせて、これらを融合して漏洩点の3次元空間座標を算出するステップS4と、を含む漏洩点位置のアクティブ検出方法を提供する。
【0008】
1つの好ましい実施形態では、
前記被検音圧値が前記一級漏洩閾値以下であり、前記現在の環境の漏洩量が微量である場合、前記アナログマイクロフォンリニアアレイを空間内で移動させて、被検音圧値が前記一級漏洩閾値を超えるようになると、ステップS4を繰り返すステップS5と、
3次元空間座標と画像座標をマッピング処理して、着色等高線で示された点を前記映像上に視認可能に重畳し、漏洩点を可視化するステップS6と、をさらに含む。
【0009】
1つの好ましい実施形態では、ステップS2では、4つのチャンネルの音圧特徴値を抽出することは、
シグナルコンディショニングされた4つのチャンネル電圧信号を段階的に抽出し、チャンネル電圧信号ごとに、時間領域内で振幅の大きさに応じてソートし、振幅が最大値の80~90%であるデータセグメントを選択し、前記チャンネル電圧信号のそれぞれに対応する有効データセグメントを形成する(すなわち、他のデータポイントを排除する)、波形選択及び平滑化フィルタリングのステップS2.1と、
選択済みの有効データセグメントごとに3回のスプライン補間演算を行い、データサンプリングポイントを増加させるステップS2.2と、
データの度数分布を統計して、前記有効データセグメントのそれぞれのピーク値を対応するチャンネルの電圧特徴値Uとし、電圧から音圧への変換式
【数1】
を利用して前記対応するチャンネルの音圧特徴値SPLを得るステップS2.3と、を含む。
【0010】
1つの好ましい実施形態では、ステップS3では、抽出した4つのチャンネルの音圧特徴値及び前記基準音圧の設定閾値に基づいて、各漏洩等級の閾値を設定することは、
ステップS2で得られた前記4つのチャンネルの音圧特徴値の平均値を算出し、音圧特徴値の検出距離に伴う減衰曲線を得るステップS3.1と、
各テスト距離で、音圧特徴値とステップS1で得られた前記基準音圧の設定閾値との差を計算し、基準音圧の設定閾値に差の10%、30%、50%を加算したものをそれぞれ一級漏洩閾値、二級漏洩閾値、三級漏洩閾値とするステップであって、ここで、前記一級漏洩閾値は漏洩無視可を表し、前記二級漏洩閾値は漏洩が無視できないが、すぐに修復する必要はないことを表し、前記三級漏洩閾値は漏洩が無視できず、直ぐに修復する必要があることを表すステップS3.2と、を含む。
【0011】
1つの好ましい実施形態では、ステップS4では、これらを融合して漏洩点の3次元空間座標を算出することは、
ステップS2.1において有効データセグメントを形成するのと類似に、ステップS2で得られた前記4つのチャンネルの生信号から有効データセグメントを抽出し、データポイント100個ごとに2つのデータセグメントの振幅平均値の差を比較して、パルス信号が現れたデータセグメントを見つけ、当該データセグメントの前後にある100個のデータポイントを取るステップS4.1と、
選択済みのデータセグメントに対して包絡線を抽出し、2つのチャンネル包絡線に対して相互相関演算を行うステップであって、2つのチャンネルの相互相関演算式は、
【数2】
であり、
ここで、x
1(n)、x
2(n)はそれぞれチャンネル1、チャンネル2の信号配列であり、τは遅延点数であるステップS4.2と、
適応フィルタに前記2つのチャンネル包絡線を入力して、チャンネルの一方に重みベクトルを割り当て、適応フィルタリングアルゴリズムに基づいて、反復誤差を算出して、反復誤差が最小となるまで重み係数を常に更新し、このとき、2つのチャンネルの相関性が最大となり、ステップS4.2における式により2つのチャンネルの遅延点数を求め、前記3つのチャンネルと前記残りの1つのチャンネルの3つの遅延点数を取得した場合に前記3つの遅延点数に対して特徴変換を行って3つの到着時間差を得て、次に、前記3つの到着時間差のそれぞれに音速を乗算して3つの到着距離差を得るステップS4.3と、
4つのチャンネルの被検音圧値に対して特徴変換を行って、3つの到着距離比を得るステップS4.4と、
テスト距離を前記漏洩点の3次元空間座標の1つの成分として、前記3つの到着距離差に基づいて前記リニアアレイの中心を原点とした前記3次元空間座標についての第1球面座標連立方程式を作成し、前記3つの到着距離比に基づいて前記リニアアレイの中心を原点とした前記3次元空間座標についての第2球面座標連立方程式を作成し、前記第1球面座標連立方程式と前記第2球面座標連立方程式の結果から、融合アルゴリズムを利用して前記3次元空間座標を求解するステップS4.5と、を含む。
【0012】
1つの好ましい実施形態では、ステップS4.4.4では、4つのチャンネルの被検音圧値に対して特徴変換を行って、前記4つのチャンネルに対応する3つの到着距離比を得ることは、
ステップS3.1で得られた前記減衰曲線を利用して、まず、前記4つのチャンネルの被検音圧値を対応する4つの距離に変換し、次に、前記4つの距離のうち前記3つのチャンネルに対応する3つの距離それぞれと前記残りの1つのチャンネルに対応する別の距離との比を算出するステップを含む。
【0013】
1つの好ましい実施形態では、ステップS6におけるマッピング処理は、
ビデオ画面を320*180個のグリッドに分割して、各画素点を各3次元空間座標に対応させるステップS6.1と、
前記ビデオ画面の中心を原点として、前記原点を前記リニアアレイの中心にマッピングさせ、基準目標を移動し、前記ビデオ画面における横座標軸方向又は縦座標軸方向の単位距離に対応する画素数である間隔点数とテスト距離とのマッピング関係を確立するステップS6.2と、
確立したマッピング関係に従って、ステップS4.5で算出された3次元空間座標を画素座標点に変換し、前記画素座標点を画面上に重畳表示するステップS6.3と、を含む。
【0014】
1つの好ましい実施形態では、空間内に漏洩点が存在するが、ビデオ画面の表示範囲外であると検出した場合、測位点が画面に現れるまで左又は右へ移動して、ステップS4を行うステップをさらに含む。
【0015】
1つの好ましい実施形態では、4つのアナログマイクロフォンリニアアレイのサンプリング周波数が100kHzであり、音圧受信機は電源モジュールと無線伝送モジュールを含み、磁石により防護扉に吸着され、無線伝送モジュールによって収集した現在の環境の背景音圧値をコンピュータに伝送する。
【0016】
1つの好ましい実施形態では、前記4つの背景音圧値の平均値を基準音圧の設定閾値とする前記ステップは、4つの背景音圧値の波動が予め設定された範囲である場合に実行される。
【0017】
本発明はさらに、
防護扉の4隅に配置されて、現在の環境の背景音圧値を検出し、前記4つの背景音圧値の平均値を基準音圧の設定閾値とする4つの音圧受信機と、
前記防護扉の一方側に配置されて、所定時間ごとにパルス超音波信号を送信するパルス超音波発生器と、
様々な検出距離で4つのチャンネルの生信号を収集し、前記4つのチャンネルの生信号を4つのチャンネル電圧信号に変換し、前記4つのチャンネル電圧信号に基づいて4つのチャンネルの音圧特徴値を抽出し、前記防護扉に関する映像及びテスト距離を収集するアレイディテクタと、
抽出した4つのチャンネルの音圧特徴値及び前記基準音圧の設定閾値に基づいて、各漏洩等級の閾値を設定する設定装置と、を含み、
前記アレイディテクタはさらに、前記防護扉の他方側において前記映像のガイドラインに沿って音圧値を検出し、4つのチャンネルの被検音圧値を取得し、前記4つのチャンネルの被検音圧値の平均値を各漏洩等級の閾値と比較して、前記被検音圧値の平均値が一級漏洩閾値を超えた場合、前記現在の環境に漏洩が存在することを示し、前記4つのチャンネルの生信号に適応フィルタリングに基づくエンベロープ相互相関演算を行って、前記4つのチャンネルのうちの3つのチャンネルと残りの1つのチャンネルとの間の3つの遅延差を得て、前記テスト距離及び前記4つのチャンネルの被検音圧値と組み合わせて、これらを融合して漏洩点の3次元空間座標を算出することに用いられる、漏洩点位置のアクティブ検出システムを提供する。
【0018】
1つの好ましい実施形態では、前記アレイディテクタは、4つのアナログマイクロフォンからなるリニアアレイと、コンピュータ処理ユニットと、シグナルコンディショニング回路基板と、カメラモジュールと、測距モジュールと、を含む。
【0019】
1つの好ましい実施形態では、前記4つのアナログマイクロフォンリニアアレイのサンプリング周波数が100kHzであり、前記音圧受信機は電源モジュールと無線伝送モジュールを含み、磁石により前記防護扉に吸着される。
【発明の効果】
【0020】
従来技術と比べて、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
1、本発明では、アクティブエミッションパルス超音波信号を利用し、4つのアナログマイクロフォンリニアアレイによって4つのチャンネルの生信号を収集し、波形選択、平滑化フィルタリング、補間演算最適化アルゴリズムによって安定的な音圧特徴値を抽出し、信号エンベロープ相互相関によって各チャンネルの遅延差を算出し、データ融合反復によって漏洩点位置の3次元空間座標を算出し、これによって、測位の精度及び安定性を向上ささえる。
2、本発明では、3次元空間座標と画素座標とのマッピング処理によって、漏洩点位置を可視化し、リニアアレイを移動させて測位することによって、複数の漏洩点の発生を検出することができ、検出効率を大幅に向上させる。
3、本発明では、抽出した4つのチャンネルの音圧特徴値に基づいて、各漏洩等級の閾値を設定することによって、様々な環境騒音のあるテストシナリオに対応するように、現在の検出環境に応じて漏洩等級を判断する閾値を自ら設定することができる。
本発明の他の特徴及び利点は後述する発明を実施するための形態の部分において詳細に説明される。
【0021】
図面は本発明の実施例をさらに理解するために提供され、明細書の一部を構成し、以下の発明を実施するための形態とともに本発明の実施例を解釈するが、本発明の実施例を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の好ましい実施形態のシステムのブロック図である。
【
図2】本発明の好ましい実施形態の測位アルゴリズムのうちのデータ融合アルゴリズムのフローチャートである。
【
図3】本発明のシステムのインターフェースにおける測位結果の可視化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例の技術案を明確かつ完全に説明する。本発明の実施例に基づいて当業者が創造的な努力を必要とせずに得る他のすべての実施例は本発明の特許範囲に属する。
実施例1
【0024】
図1~2に示すように、本発明の好ましい実施形態に係る扉類の密閉性及びその漏洩点位置のアクティブ検出方法は、下記のステップS1~ステップS6を含む。
【0025】
ステップS1:防護扉の4隅に配置された音圧受信機によって、現在の環境の背景音圧値を検出し、前記4つの背景音圧値の平均値を基準音圧の設定閾値とする。
ステップS1では、前記4つの背景音圧値の平均値を基準音圧の設定閾値とする前記ステップは、4つの背景音圧値の波動が予め設定された範囲である場合に実行される。例えば、4つの背景音圧値の波動が±5%以下である場合、前記4つの背景音圧値の平均値を基準音圧の設定閾値とする。
【0026】
ステップS2:前記防護扉の一方側に配置されたパルス超音波発生器によって、所定時間ごとにパルス超音波信号を送信し、様々な検出距離で4つのアナログマイクロフォンリニアアレイによって4つのチャンネルの生信号をそれぞれ収集し、前記防護扉の一方側で4つのチャンネル電圧信号に変換し、シグナルコンディショニングされた4つのチャンネル電圧信号をコンピュータ処理ユニットに伝送し、前記コンピュータ処理ユニットによって4つのチャンネルの音圧特徴値を抽出し、カメラモジュール及び測距モジュールによって映像及びテスト距離を収集する。
具体的には、4つのチャンネルの音圧特徴値を抽出することは、下記のステップS2.1~ステップS2.3を含む。
ステップS2.1:波形選択:シグナルコンディショニングされた4つのチャンネル電圧信号を段階的に抽出し、チャンネル電圧信号ごとに、時間領域内で振幅の大きさに応じてソートし、振幅が最大値の80~90%であるデータセグメントを選択し、前記チャンネル電圧信号のそれぞれに対応する有効データセグメントを形成する(すなわち、他のデータポイントを排除する)。
ステップS2.2:バランスフィルタリング:選択済みの有効データセグメントごとに3回のスプライン補間演算を行い、データサンプリングポイントを増加させる。
ステップS2.3:データの度数分布を統計して、前記有効データセグメントのそれぞれのピーク値を対応するチャンネルの電圧特徴値Uとし、電圧から音圧への変換式
【数3】
を利用して前記対応するチャンネルの音圧特徴値SPLを得る。
【0027】
ステップS3:抽出した4つのチャンネルの音圧特徴値及び前記基準音圧の設定閾値に基づいて、各漏洩等級の閾値を設定する。
具体的には、抽出した4つのチャンネルの音圧特徴値及び前記基準音圧の設定閾値に基づいて、各漏洩等級の閾値を設定することは、下記のステップS3.1とステップS3.2を含む。
ステップS3.1:ステップS2で得られた前記4つのチャンネルの音圧特徴値の平均値を算出し、音圧特徴値の検出距離に伴う減衰曲線を得る。
ステップS3.2:各テスト距離で、音圧特徴値とステップS1で得られた前記基準音圧の設定閾値との差を計算し、基準音圧の設定閾値に差の10%、30%、50%を加算したものをそれぞれ一級漏洩閾値、二級漏洩閾値、三級漏洩閾値とし、前記一級漏洩閾値は漏洩無視可を表し、前記二級漏洩閾値は漏洩が無視できないが、すぐに修復する必要はないことを表し、前記三級漏洩閾値は漏洩が無視できず、直ぐに修復する必要があることを表す。
【0028】
ステップS4:前記防護扉の他方側においてアレイディテクタを利用して映像のガイドラインに沿って移動させて音圧値を検出し、4つのチャンネルの被検音圧値を取得し、前記4つのチャンネルの被検音圧値の平均値を各漏洩等級の閾値と比較して、前記被検音圧値の平均値が一級漏洩閾値を超えた場合、前記現在の環境に漏洩が存在することを示し、前記4つのチャンネルの生信号に適応フィルタリングに基づくエンベロープ相互相関演算を行って、前記4つのチャンネルのうちの3つのチャンネルと残りの1つのチャンネルとの間の3つの遅延差を得て、前記テスト距離及び前記4つのチャンネルの被検音圧値と組み合わせて、これらを融合して漏洩点の3次元空間座標を算出する。
具体的には、これらを融合して漏洩点の3次元空間座標を算出することは、下記のステップS4.1~ステップS4.5を含む。
ステップS4.1:ステップS2で得られた前記4つのチャンネルの生信号から有効データセグメントを抽出し、データポイント100個ごとに2つのデータセグメントの振幅平均値の差を比較して、パルス信号が現れたデータセグメントを見つけ、当該データセグメントの前後にある100個のデータポイントを取る。
ステップS4.2:選択済みのデータセグメントに対して包絡線を抽出し、2つのチャンネル包絡線に対して相互相関演算を行い、2つのチャンネルの相互相関演算式は、
【数4】
であり、
ここで、x
i(n)、x
j(n)はそれぞれチャンネルi、チャンネルjの信号配列であり、i、j=1、2、3、4でかつiとjは等しくなく、τは遅延点数である。
各実施例では、チャンネル1を基準チャンネル(すなわち、前記4つのチャンネルのうちの別のチャンネル)として、前記4つのチャンネルのうちの3つのチャンネルのうちチャンネルのいずれか(例えばチャンネル2)と前記基準チャンネルとの間の相互相関演算式は、
【数5】
であり、
ここで、x1(n)、x2(n)はそれぞれチャンネル1、チャンネル2の信号配列であり、τは遅延点数である。
ステップS4.3:適応フィルタに前記2つのチャンネル包絡線を入力して、チャンネルの一方に重みベクトルを割り当て、適応フィルタリングアルゴリズムに基づいて、反復誤差が最小となるまで反復誤差を算出して重み係数を常に更新し、このとき、2つのチャンネルの相関性が最大となる。
このとき、ステップS4.2における式によって前記2つのチャンネルの遅延点数を求め、前記3つのチャンネルと前記残りの1つのチャンネルの3つの遅延点数を取得した場合に前記3つの遅延点数に対して特徴変換を行って3つの到着時間差を得て、次に、前記3つの到着時間差のそれぞれに音速を乗算して3つの到着距離差を得る。
ステップS4.4:4つのチャンネルの被検音圧値に対して特徴変換を行って、3つの到着距離比を得る。
ステップS4.5:テスト距離を前記漏洩点の3次元空間座標の1つの成分として、前記3つの到着距離差に基づいて前記リニアアレイの中心を原点とした前記3次元空間座標についての第1球面座標連立方程式を作成し、前記3つの到着距離比に基づいて前記リニアアレイの中心を原点とした前記3次元空間座標についての第2球面座標連立方程式を作成し、前記第1球面座標連立方程式と前記第2球面座標連立方程式の結果から、融合アルゴリズムを利用して3次元空間座標を求解する。
さらに、ステップS4.4.4では、チャンネルの被検音圧値に対して特徴変換を行って、前記4つのチャンネルに対応する3つの到着距離比を得ることは、ステップS3.1で得られた前記減衰曲線を利用して、まず、前記4つのチャンネルの被検音圧値を対応する4つの距離に変換し、次に、前記4つの距離のうち前記3つのチャンネルに対応する3つの距離それぞれと前記残りの1つのチャンネルに対応する別の距離との比を算出するステップを含む。
【0029】
ステップS5:前記被検音圧値が前記一級漏洩閾値以下であり、前記現在の環境の漏洩量が微量である場合、前記アナログマイクロフォンリニアアレイを空間内で移動させて、被検音圧値が前記一級漏洩閾値を超えるようになると、ステップS4を繰り返す。
【0030】
ステップS6:3次元空間座標と画像座標をマッピング処理して、着色等高線で示された点を前記映像上に視認可能に重畳し、漏洩点を可視化する。
具体的には、ステップS6におけるマッピング処理は、下記のステップS6.1~ステップS6.3を含む。
ステップS6.1:ビデオ画面を320*180個のグリッドに分割して、各画素点を各3次元空間座標に対応させる。
ステップS6.2:前記ビデオ画面の中心を原点として、前記原点を前記対応するリニアアレイの中心にマッピングさせ、基準目標を移動し、前記ビデオ画面における横座標軸方向又は縦座標軸方向の単位距離に対応する画素数である間隔点数とテスト距離とのマッピング関係を確立する。
ステップS6.3:確立したマッピング関係に従って、ステップS4.5で算出された3次元空間座標を画素座標点に変換し、前記画素座標点を画面上に重畳表示する。
前記方法は、さらに、空間内に漏洩点が存在するが、ビデオ画面の表示範囲外であると検出した場合、測位点が画面に現れるまで左又は右へ移動して、ステップS4を行うステップをさらに含む。
さらに、4つのアナログマイクロフォンリニアアレイのサンプリング周波数が100kHzであり、音圧受信機は電源モジュールと無線伝送モジュールを含み、磁石により防護扉に吸着され、無線伝送モジュールによって収集した現在の環境の背景音圧値をコンピュータに伝送する。
実施例2
【0031】
図1に示すように、本発明はさらに、4つのアナログマイクロフォンからなるリニアアレイ301(検出周波数は可聴音から80kHzまで)と、周波数・振幅を調整可能なパルス超音波発生器302と、音圧受信機303と、アレイディテクタ304、コンピュータ305と、シグナルコンディショニング回路基板と、カメラモジュールと、測距モジュールと、を含む扉類の密閉性及びその漏洩点位置のアクティブ検出システムを提供する。
【0032】
音圧受信機303は、防護扉300の4隅に配置されて、現在の環境の背景音圧値を検出し、4つの背景音圧値の波動が±5%以下である場合、平均値を基準音圧の設定閾値とする。4つのアナログマイクロフォンリニアアレイ301のサンプリング周波数が100kHzであり、音圧受信機303は電源モジュールと無線伝送モジュールを含み、磁石により防護扉300に吸着され、無線伝送モジュールによって収集した環境の背景音圧値をコンピュータ305に伝送する。パルス超音波発生器302は防護扉の一方側に配置されて、所定時間ごとにパルス超音波信号を送信し、防護扉の他方側において様々な検出距離で4つのアナログマイクロフォンリニアアレイ301によって4つのチャンネルの生信号をそれぞれ収集し、前記4つのチャンネルの生信号を4つのチャンネル電圧信号に変換し、シグナルコンディショニングされた4つのチャンネル電圧信号をコンピュータ処理ユニット305に伝送し、4つのチャンネルの音圧特徴値を抽出し、カメラモジュール及び測距モジュールによって映像及びテスト距離を収集する。
【0033】
さらに、防護扉300の他方側においてアレイディテクタ304(4つのアナログマイクロフォンからなるリニアアレイ301と、コンピュータ処理ユニットと、シグナルコンディショニング回路基板と、カメラモジュールと、測距モジュールと、を含む)を利用して映像のガイドラインに沿って移動させて音圧値を検出し、被検音圧値を設定された各漏洩等級閾値(基準音圧の設定閾値に差の10%、30%、50%を加算したものをそれぞれ一級漏洩閾値、二級漏洩閾値、三級漏洩閾値とする)と比較して、被検音圧値が一級漏洩閾値を超えた場合、現在の環境に漏洩が存在することを示し、4つのチャンネルの生信号に適応フィルタリングに基づくエンベロープ相互相関演算を行って、各チャンネルの遅延差を得て、テスト距離及び前記4つのチャンネルの被検音圧値と組み合わせて、これらを融合して漏洩点の3次元空間座標を算出する。次に、3次元空間座標と画像座標をマッピング処理して、着色等高線で示された点を画像上に視認可能に重畳し、漏洩点を可視化し、これによって、
図3に示すように、コンピュータのヒューマンマシンインターフェースに測位結果を可視化する。
実施例3
【0034】
以下、本発明の扉類の密閉性及びその漏洩点位置のアクティブ検出方法の具体的な実施例を詳細に説明する。
【0035】
ステップS1:磁石により音圧受信機を防護扉の4隅に吸着させ、現在の環境の背景音圧値を検出し、無線通信技術でコンピュータに伝送し、それぞれ29.2dB、29dB、28.8dB、29dBであって波動が±5%以下の4つの音圧値の平均値29dBを基準音圧の設定閾値とする。
【0036】
ステップS2:パルス超音波発生器を配置して、その周波数を40kHz、振幅を5Vに設定して、1sごとにパルス超音波信号を送信し、100mm~3mの距離で4つのアナログマイクロフォンからなるリニアアレイによって音響信号をそれぞれ収集して電圧信号に変換し、サンプリング周波数を100kHzとして、シグナルコンディショニングをしてコンピュータに伝送し、4つのチャンネルの音圧特徴値を抽出し、カメラモジュール及び測距モジュールによって映像及びテスト距離を収集する。
さらに、前記ステップS2における音圧値の抽出は以下のステップによって実現される。
ステップS2.1:波形選択及び平滑化フィルタリング:得られた4つのチャンネル電圧信号を段階的に抽出し、チャンネル電圧信号ごとに、時間領域内で振幅の大きさに応じてソートし、振幅が最大値の80~90%であるデータセグメントを選択し、前記チャンネル電圧信号のそれぞれに対応する有効データセグメントを形成し(すなわち、他のデータポイントを排除する)、チャンネルデータごとに100個のデータポイントを保留する。
ステップS2.2:選択済みの有効データセグメントごとに3回のスプライン補間演算を行い、データサンプリングポイントを増加させる。
ステップS2.3:データの度数分布を統計して、前記有効データセグメントのそれぞれのピーク値を対応するチャンネルの電圧特徴値Uとし、下記の変換式により前記対応するチャンネルの音圧特徴値SPLを得る。
【数6】
【0037】
ステップS3:検出距離100mmを例にして、各漏洩等級の閾値を設定する。
さらに、前記ステップS3における漏洩等級閾値の設定は以下のステップによって実現される。
ステップS3.1:ステップS2.3で得られた4つのチャンネルの音圧特徴値の平均値を計算し、音圧特徴値の検出距離に伴う減衰曲線を得て、検出距離が100mmである場合、音圧特徴平均値は55.6dBである。
ステップS3.2:検出距離100mmで、音圧特徴値とステップS1で得られた基準値とを減算して26.6dBを得て、それぞれ基準値に差の10%、30%、50%を加算したものを一級漏洩閾値、二級漏洩閾値、三級漏洩閾値とし、すなわち、3つの等級漏洩閾値はそれぞれ31.66dB、36.98dB、42.3dBであり、3つの等級は、それぞれ、漏洩無視可と、漏洩無視不可(即時修復不要)と、漏洩無視不可(即時修復必要)を表す。
【0038】
ステップS4:防護扉の一方側にパルス超音波発生器を配置して、周波数を40kHz、振幅を5Vに設定し、1sごとにパルス超音波信号を送信し、防護扉の他方側においてアレイディテクタによって検出し、テスト距離が100mmである場合、被検音圧値が一級漏洩閾値を超える34.7dBであり、現在の環境に漏洩が存在することを示し、映像のガイドラインに沿って移動させて検出し、ステップS2で得られた4つのチャンネルの生信号に適応フィルタリングに基づくエンベロープ相互相関演算を行って、各チャンネルの遅延差を得て、テスト距離及び前記4つのチャンネルの被検音圧値と組み合わせて、これらを融合して漏洩点の3次元空間座標を算出する。
さらに、前記ステップS4では、これらを融合して漏洩点の3次元空間座標を算出することは、以下のステップによって実現される。
ステップS4.1:ステップS2で得られた4つのチャンネルの生信号から有効データセグメントを抽出し、データポイント100個ごとに(同一のチャンネルからの)2つのデータセグメントの振幅平均値の差を比較して、パルス信号が現れたデータセグメントを見つけ、当該データセグメントの前後にある100個のデータポイントを取り、合計300個のデータポイントとする。
ステップS4.2:選択済みのデータセグメントに対して包絡線を抽出し、2つのチャンネル包絡線に対して相互相関演算を行い、チャンネル1及びチャンネル2を例にして、2つのチャンネルの相互相関演算式は、
【数7】
であり、
ここで、x
1(n)、x
2(n)はそれぞれチャンネル1、チャンネル2の信号配列であり、τは遅延点数であり、
算出したチャンネル2とチャンネル1との間の遅延点数はτ
12=12であり、同様に、チャンネル3とチャンネル1との間の遅延点数及びチャンネル4とチャンネル1との間の遅延点数を算出することができる。
ステップS4.3:適応フィルタに前記2つのチャンネル信号包絡線を入力して、チャンネルの一方に重みベクトルを割り当て、反復誤差が最小となるまで反復誤差を算出して重み係数を常に更新し、このとき、2つのチャンネルの相関性が最大となり、適応フィルタリングアルゴリズムに基づく式は、
【数8】
であり、
ここで、w(n)は重み係数を表し、e(n)は毎回の反復誤差を表し、y
1(n)はチャンネル1の配列に重み係数を乗算した配列である。
このとき、ステップS4.2における式によって2つのチャンネル遅延点数τ
12=6を改めて求め、ステップS4.2で得られた遅延点数は適応フィルタを経る前に算出されるものであり、ステップS4.3を経た後、連続的な更新により反復誤差が最小となり、このため、誤差が最小であるときに遅延点数も変わり、遅延点数τ
12=6はフィルタリングアルゴリズムを経て得られたものである。特徴変換が行われた後に、チャンネル2とチャンネル1との到着時間差Δt
12=60μsが得られ、それに音速343m/sを乗算すると、チャンネル2とチャンネル1との間の到着距離差Δd
12=20.58mmが得られ、これによって類推して、チャンネル3とチャンネル1との間の到着距離差Δd
13=24.35mm、及びチャンネル4とチャンネル1との間の到着距離差Δd
14=13.67mmである。
ステップS4.4:4つのチャンネルについて得られた被検音圧値に特徴変換を行って、前記4つのチャンネルに対応する3つの到着距離比を得て、すなわち、ステップS3.1の減衰曲線を利用して、まず、前記4つのチャンネルの被検音圧値を対応する4つの距離に変換し、次に、前記4つの距離のうち前記3つのチャンネルに対応する3つの距離それぞれと前記残りの1つのチャンネルに対応する別の距離との比を算出し、例えば、チャンネル2とチャンネル1との間の到着距離比k
12=1.18、チャンネル3とチャンネル1との間の到着距離比k
13=1.23、及びチャンネル4とチャンネル1との間の到着距離比k
14=1.07を算出する。
ステップS4.5:テスト距離を前記漏洩点の3次元空間座標の1つの成分として、前記3つの到着距離差に基づいて前記リニアアレイの中心を原点とした前記3次元空間座標についての第1球面座標連立方程式を作成し、前記3つの到着距離比に基づいて前記リニアアレイの中心を原点とした前記3次元空間座標についての第2球面座標連立方程式を作成し、前記第1球面座標連立方程式と前記第2球面座標連立方程式の結果から、融合アルゴリズムを利用して測位座標(11.3mm、9.78mm、102.05mm)を求解する。
つまり、漏洩点の座標を未知数として、到着距離差と到着距離比に基づいてそれぞれ連立方程式を作成し、2組の3次元空間座標のデータを得てから、2つのデータの平均値を求めて、漏洩点の最終的な3次元空間位置を算出する。
【0039】
ステップS6:ステップS4で算出された測位座標(すなわち、3次元空間座標)と画像座標をマッピング処理し、着色等高線で示された点を画像上に視認可能に重畳し、漏洩点を可視化する。
さらに、前記ステップS6におけるマッピング処理は、以下のステップによって実現される。
ステップS6.1:ビデオ画面を320*180個のグリッドに分割して、各画素点を各空間座標に対応させる。
ステップS6.2:ビデオ画面の中心を原点として、リニアアレイの中心に対応して、基準目標を移動し、間隔点数と距離とのマッピング関係を確立する。
ここで、前記間隔点数は前記ビデオ画面における横座標軸方向又は縦座標軸方向の単位距離に対応する画素数である。例えば、テスト距離が100mm(ステップS4.5で算出された3次元空間座標(11.3mm、9.78mm、102.05mm)に対応する102.05mmが約100mmである)である場合、間隔点数と距離とのマッピング関係はN=2*dである。
ステップS6.3:距離のマッピング関係に従って、ステップS4.5で算出された3次元空間座標を画素座標点(23、20)に変換して画面上に重畳表示する。
ステップS6.2においてテスト距離が100mmであると決定した場合、間隔点数と距離とのマッピング関係はN=2*dであり、ステップS4.5で算出された3次元空間座標(11.3mm、9.78mm、102.05mm)の横座標軸での距離11.3mmと縦座標軸での距離9.78mmを上記のマッピング関係に代入すると、座標点(22.6、20)が決定され、画素点が整数しかないので、丸めて画素座標点(23、20)が得られる。
【0040】
本発明はさらに、漏洩点位置のアクティブ検出システムを提供し、前記アクティブ検出システムは、防護扉の4隅に配置されて、現在の環境の背景音圧値を検出し、前記4つの背景音圧値の平均値を基準音圧の設定閾値とする4つの音圧受信機と、前記防護扉の一方側に配置されて、所定時間ごとにパルス超音波信号を送信するパルス超音波発生器と、様々な検出距離で4つのチャンネルの生信号を収集し、前記4つのチャンネルの生信号を4つのチャンネル電圧信号に変換し、前記4つのチャンネル電圧信号に基づいて4つのチャンネルの音圧特徴値を抽出し、前記防護扉に関する映像及びテスト距離を収集するアレイディテクタと、抽出した4つのチャンネルの音圧特徴値及び前記基準音圧の設定閾値に基づいて、各漏洩等級の閾値を設定する設定装置と、を含み、前記アレイディテクタはさらに、前記防護扉の他方側において前記映像のガイドラインに沿って音圧値を検出し、4つのチャンネルの被検音圧値を取得し、前記4つのチャンネルの被検音圧値の平均値を各漏洩等級の閾値と比較して、前記被検音圧値の平均値が一級漏洩閾値を超えた場合、前記現在の環境に漏洩が存在することを示し、前記4つのチャンネルの生信号に適応フィルタリングに基づくエンベロープ相互相関演算を行って、前記4つのチャンネルのうちの3つのチャンネルと残りの1つのチャンネルとの間の3つの遅延差を得て、前記テスト距離及び前記4つのチャンネルの被検音圧値と組み合わせて、これらを融合して漏洩点の3次元空間座標を算出することに用いられる。
【0041】
前記設定装置により実行されるステップはコンピュータによって実行されてもよい。
【0042】
本発明の一実施例による扉類の密閉性及びその漏洩点位置のアクティブ検出方法は、下記のステップS1~ステップS4を含む。
【0043】
ステップS1:音圧受信機を防護扉の4隅に配置して、現在の環境の背景音圧値を検出し、4つの背景音圧値の波動が±5%以下である場合、これらの平均値を基準音圧の設定閾値とする。
【0044】
ステップS2:防護扉の一方側にパルス超音波発生器を配置して、所定時間ごとにパルス超音波信号を送信し、様々な検出距離で4つのアナログマイクロフォンリニアアレイによって4つのチャンネルの生信号をそれぞれ収集し、電圧信号に変換し、シグナルコンディショニングをしてコンピュータ処理ユニットに伝送し、4つのチャンネルの音圧特徴値を抽出し、カメラモジュール及び測距モジュールによって映像及び現在のテスト距離を収集する。
【0045】
ステップS3:抽出した4つのチャンネルの音圧特徴値に基づいて、各漏洩等級の閾値を設定する。
【0046】
ステップS4:防護扉の他方側においてアレイディテクタを利用して映像のガイドラインに沿って移動させて音圧値を検出し、被検音圧値を各漏洩等級閾値と比較して、被検音圧値が一級漏洩閾値を超えた場合、現在の環境に漏洩が存在することを示し、4つのチャンネルの生信号に適応フィルタリングに基づくエンベロープ相互相関演算を行って、各チャンネルの遅延差を得て、テスト距離と音圧振幅との比と組み合わせて、これらを融合して漏洩点の3次元空間座標を算出する。
【0047】
好ましくは、下記のステップS5とステップS6をさらに含む。
【0048】
ステップS5:被検音圧値が一級漏洩閾値以下であり、現在の環境漏洩量が微量である場合、アレイディテクタを空間内で移動させて、被検音圧値が一級漏洩閾値を超えるようになると、ステップS4を繰り返す。
【0049】
ステップS6:前記3次元空間座標と画像座標をマッピング処理して、着色等高線で示された点を画像上に視認可能に重畳し、漏洩点を可視化する。
【0050】
好ましくは、ステップS2では、4つのチャンネルの音圧特徴値を抽出することは、下記のステップS2.1~ステップS2.3を含む。
ステップS2.1:得られた4つのチャンネル電圧信号を段階的に抽出し、時間領域内で振幅の大きさに応じてソートし、振幅が最大値の80~90%であるデータセグメントを選択し、他のデータポイントを排除する。
ステップS2.2:選択済みのデータセグメントに対して3回のスプライン補間演算を行い、データサンプリングポイントを増加させる。
ステップS2.3:データの度数分布を統計して、ピーク値をこのチャンネルの電圧特徴値Uとし、電圧から音圧への変換式
【数9】
を利用してこのチャンネルの音圧特徴値SPLを得る。
【0051】
好ましくは、ステップS3では、抽出した4つのチャンネルの音圧特徴値に基づいて、各漏洩等級の閾値を設定することは、下記のステップS3.1とステップS3.2を含む。
ステップS3.1:ステップS2で得られた4つのチャンネルの音圧特徴値の平均値を算出し、音圧特徴値の検出距離に伴う減衰曲線を得る。
ステップS3.2:各テスト距離で、音圧特徴値とステップS1で得られた基準音圧の設定閾値との差を計算し、基準音圧の設定閾値に差の10%、30%、50%を加算したものをそれぞれ一級漏洩閾値、二級漏洩閾値、三級漏洩閾値とし、一級漏洩閾値は漏洩無視可を表し、二級漏洩閾値は漏洩が無視できないが、すぐに修復する必要はないことを表し、三級漏洩閾値は漏洩が無視できず、直ぐに修復する必要があることを表す。
【0052】
好ましくは、ステップS4では、漏洩点の3次元空間座標を算出することは、下記のステップS4.1~ステップS4.5を含む。
ステップS4.1:ステップS2で得られた4つのチャンネルの生信号から有効データセグメントを抽出し、データポイント100個ごとに2つのデータセグメントの振幅平均値の差を比較して、パルス信号が現れたデータセグメントを見つけ、当該データセグメントの前後にある100個のデータポイントを取る。
ステップS4.2:選択済みのデータセグメントに対して包絡線を抽出し、2つのチャンネル包絡線に対して相互相関演算を行い、2つのチャンネル互相関演算式は、
【数10】
であり、
ここで、x
1(n)、x
2(n)はそれぞれチャンネル1、チャンネル2の信号配列であり、τは遅延点数である。
ステップS4.3:適応フィルタに2つのチャンネル包絡線を入力して、チャンネルの一方に重みベクトルを割り当て、適応フィルタリングアルゴリズムに基づいて、反復誤差が最小となるまで反復誤差を算出して重み係数を常に更新し、このとき、2つのチャンネルの相関性が最大となり、このとき、ステップS4.2における式により2つのチャンネルの遅延点数を求め、特徴変換を行って着時間差を得て、それに音速を乗算して到着距離差を得る。
ステップS4.4:4つのチャンネルの音圧特徴値に対して特徴変換を行って、到着距離比を得る。
ステップS4.5:テスト距離を漏洩点の3次元空間座標の1つの成分として、リニアアレイの中心を原点として多次元スケールの球面座標の連立方程式を作成し、融合アルゴリズムを利用して3次元空間座標を求解する。
【0053】
好ましくは、ステップS4.4では、4つのチャンネルの音圧特徴値に対して特徴変換を行って、到着距離比を得ることは、ステップS3.1の減衰曲線を利用して、まず、音圧特徴値を1つの距離に対応させて、次に、比を算出するステップを含む。
【0054】
好ましくは、ステップS6におけるマッピング処理は、下記のステップS6.1~ステップS6.3を含む。
ステップS6.1:ビデオ画面を320*180個のグリッドに分割して、各画素点を各3次元空間座標に対応させる。
ステップS6.2:ビデオ画面の中心を原点として、リニアアレイの中心に対応して、基準目標を移動し、間隔点数とテスト距離とのマッピング関係を確立する。
ステップS6.3:テスト距離のマッピング関係に従って、ステップS4.5で算出された3次元空間座標を画素座標点に変換して、画面上に重畳表示する。
【0055】
前記方法は、好ましくは、空間内に漏洩点が存在するが、ビデオ画面の表示範囲外であると検出した場合、測位点が画面に現れるまで左又は右へ移動して、ステップS4を行うステップをさらに含む。
【0056】
好ましくは、前記4つのアナログマイクロフォンリニアアレイのサンプリング周波数が100kHzであり、前記音圧受信機は電源モジュールと無線伝送モジュールを含み、磁石により前記防護扉に吸着され、前記無線伝送モジュールによって収集した環境の背景音圧値をコンピュータに伝送する。
【0057】
以上では、本発明の好ましい実施形態は図面を参照して詳細に説明されたが、本発明は上記の実施形態の詳細に制限されるものではなく、本発明の技術構想を逸脱しない限り、本発明の技術案について様々な簡単な変形を加えることができ、これらの簡単な変形はすべて本発明の特許範囲に属する。
【0058】
なお、上記の発明を実施するための形態に記載の個々の特定の技術的特徴は、矛盾しない限り、任意の適切な形態で組み合わせられてもよく、必要以上重複しないように、本発明では、各種の可能な組み合わせ方式についてさらに説明しない。
【0059】
また、本発明の実施例は例示的に示されていたが、当業者であれば、本発明の原理及び主旨を逸脱することなく、これらの実施例について様々な変化、修正、置換及び変形を行うことができ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲及びその同等物により定められることが理解される。
【国際調査報告】