(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】タイヤ修理キット並びにタイヤに空気を注入しおよび/またはシールする方法
(51)【国際特許分類】
B60S 5/04 20060101AFI20240308BHJP
B29C 73/16 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
B60S5/04
B29C73/16
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023544640
(86)(22)【出願日】2022-01-25
(85)【翻訳文提出日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 EP2022051553
(87)【国際公開番号】W WO2022157372
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】102021101463.8
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521542281
【氏名又は名称】カーテー プロジェクテントヴィクルングス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】ツィベリディス、コンスタンティン
(72)【発明者】
【氏名】シュピンドラー、マルティン
【テーマコード(参考)】
3D026
4F213
【Fターム(参考)】
3D026DA03
4F213AG07
4F213AH20
(57)【要約】
本発明は、必要に応じて車両ホイールリム(2)に取り付けられたタイヤに空気注入および/またはシールするタイヤ修理キット(1)に関する。タイヤ修理キット(1)は、特に車両ホイールに一時的に取り付けられ、特にボウルまたはポット状の支持体(3)を備え、支持体は前記車両ホイールリム(2)の前記中央凹部(4)に交換可能に受容されることができる。タイヤ修理キット(1)はまた、駆動装置および圧縮機部分(7)を有する圧縮機ユニット(5)を備え、圧縮機部分は少なくとも1つの作動チャンバを有する。タイヤ修理キット(1)はオプションとしてシール剤容器(8)を有し、シール剤容器は少なくとも一部の猟奇ではトロイダルで、特に回転トロイダルで、少なくとも部分的にまたは一部の領域では前記圧縮機ユニット(5)の前記圧縮機部分(7)を囲む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ホイールリム(2)に取り付けられたタイヤを必要に応じて空気を注入しおよび/またはシールするためのタイヤ修理キット(1)であって、前記タイヤ修理キット(1)は車両ホイールに特に一時的に取り付けられ、前記タイヤ修理キット(1)は、
特に必要に応じて車両ホイールリム(2)に交換可能に固定可能であり、特に車両ホイールリム(2)の中央凹部(4)に交換可能に受容可能である、特にカップ状またはポット状の支持体(3)と、
前記特にカップ状またはポット状の支持体(3)に接続され、駆動装置と、少なくとも1つの作動チャンバを有する圧縮機部分(7)とを有する圧縮機ユニット(5)とを備える;
タイヤ修理キット(1)。
【請求項2】
前記支持体(3)は、具体的には特に前記支持体(3)が少なくとも部分的に、好ましくは完全に前記車両ホイールリム(2)の前記中央凹部(4)に受容されるように、前記車両ホイールリム(2)の前記中央凹部(4)に適合する寸法および/または形状を有し、
前記支持体(3)は、特にスナップイン接続手段の形で、前記支持体(3)を前記車両ホイールリムに解除可能に固定する、特に可逆的に解除可能な接続手段(9)と関係づけられ、
前記支持体(3)の前記特に可逆的に解除可能な接続手段(9)は、特に車両が移動しているときでも前記タイヤ修理キット(1)を前記車両ホイールリム(2)に堅固に固定するように設計された、
請求項1に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項3】
前記圧縮機ユニット(5)の前記駆動装置は、前記支持体(3)の少なくとも部分的にまたは特定の領域で受容され、
前記圧縮機ユニット(5)の前記駆動装置は、車両が停止しているとき必要に応じてまたは特に前記駆動装置を操作するのに必要な電気エネルギを、特に前記車両の外側で少なくともある領域を走る電線を介して供給される、電動機である、
請求項1または請求項2に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項4】
前記支持体(3)は、フランジ領域(10)を有し、前記フランジ領域(10)を介して前記圧縮機部分(7)前記支持体(3)に好ましくは着脱可能に接続され、
前記支持体(3)が前記車両ホイールリム(2)の前記中央凹部(4)に挿入された状態で前記圧縮機ユニット(5)は前記車両ホイールリム(2)の前記中央凹部(4)の少なくともある領域で好ましくは完全に外側に配置される、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項5】
前記タイヤ修理キット(1)は、特に場合により、トロイダル、特に少なくともある領域では回転トロイダル形状を有するシール剤容器(8)を有し、
前記シール剤容器(8)は、シール剤を分配するために、少なくとも要求により圧縮空気が 前記シール剤容器(8)に供給されるように、前記圧縮機部分(7)、特に前記圧縮機部分(7)の前記少なくとも1つの作動チャンバに、特に解除可能に流体接続され、または、流体接続可能で、
前記シール剤容器(8)は好ましくは、特にクイックアクションカップリングの形式のシール剤出口カップリング(13)を有し、それを介して前記シール剤容器(8)の出口が前記タイヤのバルブに必要により流体接続可能である;
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項6】
前記シール剤容器(8)は、前記車両ホイールリム(2)および/または前記支持体(3) および/または前記圧縮機ユニット(5)に、特に解除可能に接続されまたは接続可能な、
請求項5に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項7】
前記圧縮機ユニット(5)は、特にクイックアクションカップリングの形態の、前記圧縮機部分(7)の圧力側に流体接続される、少なくとも1つの圧縮空気カップリング(11)を有し、
圧縮空気は、前記圧縮機ユニット(5)の前記少なくとも1つの圧縮空気カップリング(11)を介して、および/または、前記シール剤容器(8)の前記少なくとも1つの圧縮空気カップリング(12)を介して、必要により前記シール剤容器(8)に供給される、
請求項5または請求項6に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項8】
前記シール剤容器(8)は、前記圧縮機ユニット(5)および/または前記支持体(3)に解除可能におよび/または交換可能に接続可能または接続され、
この目的のために、少なくとも1つの固定手段(16)が、特にねじ、クイックアクション閉鎖手段および/またはクイックアクション固定手段の形式で、前記シール剤容器(8)に割り当てられる、
請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項9】
前記シール剤容器(8)は境界領域を有し、前記境界領域を介して前記シール剤容器(8)は前記圧縮機ユニット(5)および/または前記支持体(3)に解除可能におよび/または交換可能に接続可能または接続され、
前記シール剤容器(8)は、前記境界領域の反対側で少なくとも実質的に平らである、
請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項10】
前記シール剤容器(8)が前記支持体(3)および/または前記圧縮機ユニット(5)に接続された状態では、前記タイヤ修理キット(1)は回転対称な、特にキノコ型構造を少なくとも実質的に有し、
好ましくは、前記シール剤容器(8)は、特にねじ、クイックアクション閉鎖手段および/またはクイックアクション固定手段の形式での、単一の固定手段(16)を介して、前記圧縮機ユニット(5)および/または前記支持体(3)に接続され、
前記単一の固定手段(16)は、特に前記タイヤ修理キット(1)の回転軸に配置される、
請求項5ないし請求項9のいずれか1項に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項11】
前記シール剤容器(8)は、2つの、好ましくは少なくとも実質的に同一であるが鏡面反転したトロイダルセグメント形状の領域(17)を有し、前記領域は好ましくは互いに流体接続され、それぞれの前記領域は互いに対面する2つの端面を有し、
前記シール剤容器(8)が前記支持体(3)および/または前記圧縮機ユニット(5)に接続された状態では、前記シール剤容器(8)と少なくとも1つのシール剤出口(13)に圧縮空気を供給する少なくとも1つの圧縮空気接続部(12)が前記2つのトロイダルセグメント形状の領域(17)の前記互いに対面する端面の間に配置され、
前記少なくとも1つの圧縮空気接続部(12)と前記少なくとも1つのシール剤出口(13)は、好ましくは互いに反対側に配置される、
請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項12】
車両ホイールリム(2)に取り付けられたタイヤに空気を注入しおよび/またはシールする方法であって、
請求項1-11のいずれか1項に記載のタイヤ修理キット(1)を提供する工程と;
前記タイヤ修理キット(1)の前記支持体(3)を前記車両ホイールリム(2)の前記中央凹部(4)に挿入する工程と;
前記圧縮機ユニット(5)の圧縮空気出口を前記タイヤのタイヤバルブに流体接続する工程と;
前記圧縮機ユニット(5)の前記駆動装置を起動する工程とを備える;
方法。
【請求項13】
前記圧縮機ユニット(5)の前記駆動装置を起動するために、車両の電気システムから前記駆動装置に、少なくとも特定の領域で前記車両ホイールリム(2)および前記車両の外側を走る電線を経由して好ましくは電気エネルギが供給される、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記圧縮機ユニット(5)の前記駆動装置は、特に前記タイヤの実際の圧力があらかじめ設定されたまたは設定可能な目標圧力に達するか達しているときに、手動または自動で、好ましくはオプションにより自動で、停止され、
前記圧縮機ユニット(5)の前記駆動装置が停止された後に、車両が動きを再開しても、前記タイヤ修理キット(1)は前記車両ホイールリム(2)に取り付けられた状態を維持または維持可能な、
請求項12または請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記圧縮機ユニット(5)の前記圧縮空気出口は、具体的にはシール剤を分配するシール剤容器(8)の介在により、空気注入および/またはシールされる前記タイヤの前記タイヤバルブに間接的に流体接続された、
請求項12ないし請求項14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、車両のタイヤに空気を注入しおよび/またはシールするための方法および装置に関し、特に、膨張可能な物体、特にタイヤをシールするための薬剤を容器から分配するための方法および装置に関する。
【0002】
具体的には、本発明は、特に、車両ホイールのリムに取り付けられたタイヤを必要に応じて空気注入しおよび/またはシールするためのタイヤ修理キットに関する。そのようなタイヤ修理キットは、いわゆる故障キット、例えば、自動車のスペアホイールの交換品として用いることができる。
【0003】
本発明はまた、車両のタイヤに空気注入しおよび/またはシールするための方法に関し、特に、車両ホイールのリムに取り付けられたタイヤをシールするシール剤を分配する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
このようなタイヤ修理キットまたは故障キットの形式の装置および方法は、多様な形態および設計で知られている。例えば、車両のタイヤが漏れるようになり空気を失うと、タイヤを交換するか、故障キット/タイヤ修理キットを用いるかという選択肢がある。タイヤ交換は手間がかかり、とにかく、タイヤはトランクの中でかなりのスペースを占める。さらに、タイヤとリムの重量が増えるため、燃料消費量が増加する。
【0005】
故障キットまたはタイヤ修理キットはより簡単でより速い変形である。既知のタイプの故障キットまたはタイヤ修理キットは、たいてい、タイヤに空気注入するか、シールしてその後にダイヤに空気注入するかいずれかだけのために用いることができる。タイヤが空気注入だけか、シールして空気注入される両方が意図されているのかに応じて、ユーザは、ホースを圧縮機に接続するか、ホースを介してシール剤コンテナを、例えば圧縮機とタイヤに接続する。
【0006】
例えば、公報DE 20 2005 021 981 U1は、膨張可能な物体、特にタイヤに空気を注入したり修理したりするための機器キットを記載し、機器キットには、圧縮機センブリ、シール液の入った容器、および容器を圧縮機センブリおよび修理および空気注入のための膨張可能な物体または製品に接続するための接続デバイスを有する。機器キットはさらに、圧縮機センブリを受容し、シール液容器用の台座を画定する外側ハウジングを有する。容器は取り外し可能に台座に収容される。容器を圧縮機センブリに安定して接続するための接続デバイスを提供する結果、容器が台座に収容されたとき、容器は圧縮機センブリに機能的に接続されたままである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】DE 20 2005 021 981 U1公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、車両ホイールのリムに取り付けられたタイヤを、必要に応じて、膨張および/またはシールするためのタイヤ修理キットを提供することであり、タイヤ修理キットの取り扱いは、従来技術で知られているタイヤ修理キットまたは故障キットと比較して大幅に簡素化される。さらに、特に欠陥のあるタイヤを修理するための対応する方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、特に、車両ホイールのリムに取り付けられたタイヤを必要に応じて膨張および/またはシールするためのタイヤ修理キットに関する独立特許請求項1の主題によって達成される。本発明によるタイヤ修理キットの有利な展開は、従属請求項2から11に記載されている。
【0010】
本発明の基礎となる目的は、方法に関してさらに独立した請求項12の主題により達成され、車両ホイールのリムに取り付けるタイヤに空気を注入しおよび/またはシールする方法に関する。本発明による方法の有利な展開は、従属請求項13から15に記載されている。
【0011】
本発明によるタイヤ修理キットは、タイヤ修理キットが特に一時的に車両ホイールに取り付けられるという事実により特に区別される。従来技術から既知のタイヤ修理キットまたは故障キットとの比較において、このことは、ユーザがタイヤの修理の後にもはやタイヤ修理キットを分解して収納しなくてもよいという決定的な利点を提供する。むしろ、本発明によって、例えばパンクの場合、ユーザがタイヤ修理キットを例えば車両のトランクから取り外し、修理される車両ホイールのリムに置いて、そして状況に応じてタイヤに空気を入れ、および/または、状況に応じてシール剤を塗布するために、タイヤ修理キットを起動する。タイヤが修理された後、または、タイヤに空気が入れられおよび/またはシールされた後に、タイヤ修理キットは車両ホイールリムまたは車両ホイールに取り付けられたままで、取り外される必要はない。
【0012】
言い換えると、ユーザは、空気を入れまたはシール処理が終了した後すぐに車両に戻り、例えば適切な修理工場に運転していくことができる。
【0013】
本発明による解決法は、タイヤ修理キットの取り扱いが大幅に簡素化されることのみならず、タイヤ修理キットのユーザは車両室内を短時間離れるだけで、よって交通からのリスクが軽減されるので交通安全性を高める。
【0014】
本発明のさらなる態様によれば、したがって、タイヤ修理キットは、特にカップ状またはポット状の支持体を有し、支持体は、特に必要に応じて車両ホイールリムに交換可能に固定可能であり、特に車両ホイールリムの中央凹部に交換可能に収容可能である。タイヤ修理キットは、圧縮機ユニットをも有し、圧縮機ユニットは特にカップ状またはポット状の支持体に接続され、駆動装置と、少なくとも 1 つの作動チャンバを備えた圧縮機部分を有する。
【0015】
特に、支持体は、車両ホイールリムの中央凹部に適応する寸法および/または形状を有することができる。この場合、車両ホイールリムの中央凹部に少なくとも部分的に、好ましくは完全に収容できることが支持体にとって適している。
【0016】
好ましくは、支持体は、車両ホイールリム上に支持本体を取り外し可能に固定するための、特にスナップイン接続手段の形態の、特に可逆的に取り外し可能な接続手段と関連付けられる。接続手段による固定は、例えば、中央凹部内で、対応する相補的な接続手段と相互作用することにより達成されうる。しかし、その代替として、もしくは、追加して、接続手段は、例えば、車両ホイールリムの他の部品と、例えば車両ホイールリムのホイールボルトに締め付けられることにより、相互作用することもできる。
【0017】
支持体の特に可逆的に取り外し可能な接続手段は、車両が移動中でもタイヤ修理キットを車両ホイールリムに堅固に固定するように設計されるのが好ましい。
【0018】
タイヤ修理キットの実装によれば、圧縮機ユニットの駆動装置は、少なくとも部分的にまたは支持体の領域に受容される。
【0019】
好ましくは、圧縮機ユニットの駆動装置は電動機で、必要に応じて、車両が静止しているときには特に、駆動装置を動作させるのに必要な電気エネルギが、特に少なくとも車両の外側の特定領域に渡された電線経由で電動機に提供できる。
【0020】
本発明によるタイヤ修理キットの実施形態では、支持体がフランジ領域を有し、それを介して圧縮機部分が好ましくは支持体に取り外し可能に接続されることが想定される。支持体が車両ホイールリムの中央凹部に挿入された状態では、圧縮機ユニットは、少なくとも部分的に、好ましくは完全に車両ホイールリムの中央凹部の外側に配置され得る。
【0021】
タイヤ修理キットは、特に場合により、好ましくは少なくとも特定の領域において実質的にトロイダル状、特に回転トロイダル状を有するシール剤容器を有することができる。
【0022】
シール剤容器は、シール剤を分配するために、少なくとも必要に応じて圧縮空気をシール剤容器に供給できるような方法で、特に、圧縮機部分、特に圧縮機部分の少なくとも1つの作動チャンバに解放可能に流体接続されるか、または接続可能である。
【0023】
さらに、シール剤容器は、好ましくは、特にクイックアクションカップリングの形態の薬剤出口カップリングを有することができ、それを介して、シール剤容器の出口が必要に応じてタイヤのバルブに流体接続可能である。
【0024】
これに関連して、シール剤容器が、特に、車両ホイールリムおよび/または支持体および/または圧縮機ユニットに取り外し可能に接続されるか、または(機械的に)接続可能であることが考えられる。しかし、シール剤容器の「自立型」実施形態もまた考えられる。
【0025】
したがって、本発明のタイヤ修理キットの実施形態によれば、後者は特にカップ状またはポット状の支持体で、特に一時的に車両ホイールにタイヤ修理キットを取り付けるために、車両ホイールリムの中央凹部に交換可能に収容可能である支持体を有することができる。
【0026】
本発明のタイヤ修理キットのこれらの実施形態によれば、タイヤ修理キットはさらに、駆動装置と少なくとも1つの作動チャンバを有する圧縮機部分を有する圧縮機ユニットと、トロイダル状、特に少なくとも特定の領域において回転トロイダル状であるシール剤容器とを有することができ、シール剤容器は、少なくとも部分的にまたは領域的に圧縮機ユニットの圧縮機部分を取り囲む。
【0027】
換言すれば、本発明のタイヤ修理キットのこれらの実施形態では、必要に応じてシール剤を分配するため、またはタイヤに空気を注入するために必要な構造コンポーネントのすべてがタイヤ修理キットに完全に統合されている。
【0028】
特に、本発明による解決策では、タイヤ修理キットの構造コンポーネントの組成は、タイヤ修理キットが車両ホイールリムのサイズおよび形状に適合した特にコンパクトな設計を有するように選択される。この接続に関しては、タイヤ修理キットが車両ホイールリムに取り付けられたとき、特にシール剤容器が圧縮機部分に接続されたときでさえ、車幅が増加するとしてもわずかにしか増加しないように注意が払われる。
【0029】
前記タイヤ修理キットは、例えば、本発明によるタイヤ修理キットのシール剤容器がトロイダル状に、特に少なくとも特定の領域において回転トロイダル状に構築されているという事実によって区別される。このような形状は、シール剤が提供される比較的大きな体積を保証すると同時に、トロイダル形状の内側領域を使用して、圧縮機ユニットの圧縮機部分を少なくとも部分的にまたは領域的に受容することができる。これには、圧縮機ユニットの圧縮機部分からシール剤容器まで比較的短い圧縮空気ラインしか必要としないという決定的な利点があり、これにより、一方では摩耗の影響の受けやすさを減じ、圧縮空気の損失も低減される。
【0030】
言及すべきシール剤容器のトロイダル形状のさらなる利点は、圧縮空気が導入されるとき、最適な混合、したがって特に効率的なシール剤の分配が実現できることである。
【0031】
一般用語で表現すると、本発明のタイヤ修理キットは、タイヤ修理キットが車両ホイールリムに取り付けられたときにタイヤ修理キットの重心が車両ホイールの中心軸上にある、全体として少なくとも実質的に回転対称の構造を有することが好ましい。これは、タイヤ修理キット内でシール剤容器が圧縮機部分に接続されている場合にも当てはまる。 このようにして、タイヤ修理キットを車両ホイールリムに取り付けた状態で車両を走行すると、アンバランスはまったく発生しないか、アンバランスがあったとしてもわずかである。
【0032】
本発明のタイヤ修理キットの好適な実施形態によれば、支持体は、車両ホイールリムの中央凹部に適合したサイズおよび/または幾何学的形状を有することが想定される。特に、タイヤ修理キットの支持体は、好ましくは車両ホイールリムの中央凹部に完全に収容できるような寸法および設計になっている。
【0033】
原理的には、支持体を車両ホイールリム上、例えば車両ホイールリムの中央凹部または車両ホイールリムのホイールボルト上に、好ましくは取り外し可能に固定するために、支持体が特に可逆的に取り外し可能な接続手段を有することが適切である。
【0034】
特に、可逆的に解放可能な接続手段は、例えば、支持体が挿入されると自動的に中央凹部にラッチされ、従って支持体を固定するスナップインラグなどのスナップイン接続手段とすることができる。
【0035】
特に、これに関連して、支持体の特に可逆的に解除可能な接続手段は、車両が移動しているときでもタイヤ修理キットが車両ホイールリムにしっかりと固定されるように有利に設計されるべきである。これは、タイヤ修理キット内でシール剤容器が圧縮機部分に接続されている場合にも当てはまる。
【0036】
車両ホイールリムまたは車両ホイールへのタイヤ修理キットの「確実な固定」は、たとえば100km/hまでの速度で、車両ホイールが振動または横加速度にさらされても、車両ホイールにしっかりと取り付けられたままであることを特に意味すると理解されるべきである。
【0037】
さらに、支持体が一種のフランジ領域を有し、それを介して圧縮機ユニットが好ましくは支持体に取り外し可能に接続されることが有利である。支持体が車両ホイールリムの中央凹部に挿入された状態では、圧縮機ユニットと、トロイダル状、特に少なくとも特定の領域において回転トロイダル状であるシール剤容器とが、車両ホイールリムの中央凹部の完全に外側に配置されることが好ましい。
【0038】
この実施形態は、様々な利点をもたらす。特に、少なくとも特定の領域で、少なくとも容器が空になった状態では、タイヤ修理キットの重心が車両ホイールの回転軸上、特に車両ホイールリムの中央凹部内に位置することにより、特にコンパクトな設計が達成される。 このように、タイヤ修理キットは車両ホイールリム上に特にしっかりと保管できる。
【0039】
本発明のタイヤ修理キットの実装によれば、圧縮機ユニットは、特にクイックアクションカップリングの形態で、圧縮機部分の圧力側に流体的に接続される少なくとも1つの圧縮空気カップリングを有する。
【0040】
その代替として、またはそれに加えて、シール剤容器は、好ましくは、特にクイックアクションカップリングの形態の、少なくとも1つの圧縮空気カップリングを有する。
【0041】
そこで、必要に応じて、圧縮機ユニットの少なくとも1つの圧縮空気カップリングを介して、および/またはシール剤容器の少なくとも1つの圧縮空気カップリングを介して、圧縮空気をシール剤容器に適用することができる。
【0042】
特に、この接続では圧縮空気カップリングとしてはクイックアクションカップリングが好ましく、このカップリングにより、例えばタイヤ修理キットの構成要素を整備または交換する必要がある場合に、タイヤ修理キットの組み立てが容易になり、タイヤ修理キットの取り外しが容易になる。
【0043】
同様に、シール剤容器が少なくとも1つのシール剤出口カップリングを、特にクイックアクションカップリングの形態で有することが適切であり、それを介してシール剤容器の出口が必要に応じてタイヤのバルブに流体接続可能である。この目的のために、タイヤ修理キットは、好ましくは、シール剤容器のシール剤出口カップリングに接続可能であり、他方、対応する延長部または対応アダプターを介して、処理されるタイヤのタイヤバルブに流体的に接続可能な対応する流体ラインを含む。
【0044】
タイヤ修理キットの重心に関しては、圧縮機ユニットの駆動装置が少なくとも部分的にまたは領域的に、好ましくは完全に支持体に受けられることが有利である。これにより、支持体が車両ホイールリムの中央凹部に収容された状態において、タイヤ修理キットの重心も車両ホイールリムの中央凹部に好適に位置することになる。
【0045】
圧縮機ユニットの駆動装置は、例えば電動機とすることができる。 もちろん、これに代わるものとして、他の駆動装置も考えられる。ただし、たとえば車両の12ボルトソケットに差し込んで、必要に応じ、たとえば車両外側の少なくとも特定の領域を走る電線 (延長ケーブル) を介して駆動装置に電力を供給できる限り、電動機は適している。
【0046】
したがって、タイヤ修理キットまたは支持体を車両ホイールリムの中央凹部に挿入した後で、シール剤容器のシール剤出口カップリングをタイヤのバルブに接続した後、ユーザは、例えば、圧縮機ユニットの駆動装置を駆動させるために必要な電気エネルギを駆動装置に供給するために、延長ケーブルを車載シガレットライタのソケットに差し込むだけで済む。もちろん、これは車両が停止しているときにのみ行われる。
【0047】
本発明のさらなる態様によれば、シール剤容器は、圧縮機ユニットおよび/または支持体に解放可能および/または交換可能に接続されるか、または接続可能であることが想定される。これにより、タイヤをシールする必要がある場合など、必要な場合にのみシール剤容器を圧縮機ユニットに接続できるようになる。さらに、それに応じて、シール剤容器は、タイヤ修理キットの使用後に交換可能である。
【0048】
少なくとも1つの締結手段が、特にネジ、クイックアクション閉鎖手段、および/またはクイックアクション固定手段の形態で、圧縮機ユニットおよび/または支持体にシール剤容器を解放可能および/または交換可能な接続するためにシール剤容器に関連付けることができる。
【0049】
これに関連して、シール剤容器は、特に支持体に対して遠位に配置され、少なくとも特定の領域においてトロイダルの中央開口部を、特に回転トロイダルのシール剤容器に取り囲むフランジ領域を好ましく有することが適切である。有利なことに、好ましくは設けられたフランジ領域には、トロイダルのシール剤容器、特に回転トロイダルのシール剤容器の回転軸に関して中央に配置されたボアがあり、このボアによって、特にねじ、クイックアクション閉鎖手段および/またはクイックアクション固定手段の形態の締結手段が、少なくとも特定の領域設けられる。
【0050】
シール剤容器は、好ましくは、単一の締結手段、特にネジ、クイックアクション閉鎖手段、および/またはクイックアクション固定手段の形態を介して、圧縮機ユニットおよび/または支持体に接続される。 このようにして、シール剤容器の特に迅速な交換または特に迅速な取り換えが可能である。
【0051】
特に、単一の締結手段は、タイヤ修理キットが車両ホイールリムに取り付けられたまま車両が再び移動する状態で不均衡が生じないように、タイヤ修理キットの回転軸上に位置するように意図されている。
【0052】
上述の実施形態の代替として、またはそれに加えて、本発明のタイヤ修理キットの実施によれば、シール剤容器が、それを介してシール剤容器が、圧縮機ユニットおよび/または支持体に解放可能および/または交換可能に接続可能であるか、または接続された境界領域を有することが想定される。
【0053】
タイヤ修理キットが車両ホイールリムに取り付けられるときにシール剤容器が両ホイールリムから過度に突き出るのを防ぐために、シール剤容器が境界領域の反対側で少なくとも実質的に平ら(同じ高さ)であることが特に想定される。
【0054】
本発明のタイヤ修理キットの例示的な実施形態によれば、シール剤容器が支持体および/または圧縮機ユニットに接続されている状態で、タイヤ修理キットが少なくとも実質的に回転対称であり、 特にキノコの形をした構造を有することが想定され、ここで、好ましくは、シール剤容器は、単一の締結手段、特にネジ、クイックアクション閉鎖手段、および/またはクイックアクション固定手段を介して圧縮機ユニットおよび/または支持体に接続され、単一の固定手段は、特にタイヤ修理キットの回転軸上に配置される。このことによりタイヤ修理キットに特にコンパクトとする解決法が提供される。
【0055】
一般的な用語で表現すると、タイヤ修理キットが少なくとも実質的に回転対称の、特にキノコ状の構造を有することが有利である。このような回転対称構造により、タイヤ修理キットによるアンバランスが発生しないため、少なくとも走行特性に顕著な変化が生じたり、走行性能に支障をきたすような変化が生じることなく、タイヤ修理キットを装着したまま車両の走行を継続することができる。
【0056】
本発明のタイヤ修理キットの実施形態によれば、シール剤容器は、好ましくは互いに流体接続された2つの好ましくは少なくとも実質的に同一であるが鏡面反転したトロイダルセグメント形状の領域を有することが想定される。2つのトロイダルセグメント形状領域はそれぞれ、2つの相互に対向する端面を有する。
【0057】
これに関連して、圧縮空気をシール剤容器に供給するための少なくとも1つの圧縮空気接続部と、少なくとも1つのシール剤出口が、2つのトロイダルセグメント形状領域の相互に対向する端面の間に配置されることが適切である。特に、少なくとも1つの圧縮空気接続部および少なくとも1つのシール剤出口は、好ましくは互いに対向して配置されるように意図されている。
【0058】
これには、シール剤容器内に供給された圧縮空気が、シール容器内を比較的長い距離を通った後にシール剤出口に到達するという利点があり、特に、シール剤容器からのシール剤を効率的に混合して排出することができる。
【0059】
本発明のタイヤ修理キットの圧縮機ユニットは、特に、好ましくは駆動装置に結合される圧縮機部分として圧縮機を備えることができる。 原理的には、圧縮機ユニットは、例えば限られた動作期間に(電気)エネルギを供給するバッファユニットと連携させることもできる。
【0060】
本発明によるタイヤ修理キットの例示的な実施形態によれば、圧縮機ユニットは、駆動装置と、少なくとも1つの作動チャンバを有する圧縮機部分とを備え、駆動装置と圧縮機部分は、軸方向に互いにオフセットして配置される。特に、これに関連して、タイヤ修理キットが車両ホイールに取り付けられたとき、圧縮機ユニットがその軸方向の広がりに沿って中央凹部、例えば車両ホイールリムの中央の穴、に少なくとも部分的に受容され、圧縮機部分が外側に面し、駆動装置が内側に面するように意図されている。
【0061】
圧縮機ユニットは、モジュール式設計であることが好ましく、特に、タイヤ修理キットが車両ホイールに取り付けられたときに車両ホイールの中心軸に特に平行に配置される圧縮機シャフトを有することができる。圧縮機シャフトは車両ホイールの中心軸と一致することが好ましい。圧縮機シャフトは、圧縮機を駆動する。
【0062】
この実施形態の発展型によれば、圧縮機ユニットの駆動装置は、タイヤ修理キットが車両ホイール上に配置されるとき、車両ホイールの中心軸と平行に配置される長手軸を有し、駆動装置は直接的または間接的に圧縮機シャフトに結合される。圧縮機シャフトが中心軸から間隔をあけて中心軸に平行に配置される代替構成も考えられる。少なくとも1つの変速段またはギア段を駆動装置と圧縮機部分との間に介在させることができることは自明である。
【0063】
タイヤ修理キットの例示的な実施形態によれば、圧縮機ユニットは、タイヤ修理キットが車両ホイールに取り付けられた状態で、好ましくは車両ホイールの中心軸の周りにグループ化して配置される複数の作動チャンバを備える。作動チャンバは、特に変位チャンバまたは変位シリンダとして設計される。好ましくは、作動チャンバは、中心軸の周りにオフセットして、例えば星形に、または互いに向かい合って配置される。
【0064】
本発明のタイヤ修理キットのさらなる例示的な実施形態によれば、圧縮機ユニットはピストン圧縮機ユニットとして設計され、圧縮機ユニットは少なくとも1つのピストン、特に往復動ピストンまたは回転ピストンを備え、これらのピストンは、好ましくは、 偏心カップリング駆動装置を介して駆動されるのが好ましい。
【0065】
タイヤ修理キットが車両ホイールに取り付けられた状態では、ピストンは中心軸に対して垂直に配向されることが好ましい。 少なくとも1つのピストンは、シリンダピストンとして設計され得る。 しかしながら、ピストンは、楕円形ピストンまたはフラットピストンとして設計することもでき、非円形の断面を備えることもできる。 作動チャンバはピストンの形状に適合するようになされる。
【0066】
上述の実施形態の少なくとも1つの変形例によれば、圧縮機ユニットは、作動シリンダとして構成され、タイヤ修理キットが車両ホイールに取り付けられたときに車両ホイールの中心軸の周りに配置される少なくとも2つの作動チャンバを有する。作動シリンダの長手方向の延在方向は、中心軸に対して垂直に配向されることが好ましい。作動チャンバは、中心軸の周りにほぼ星形に配置することができる。
【0067】
発展型では、圧縮機ユニットは、少なくとも1つのダブルピストン、好ましくは剛体ダブルピストンを有し、ダブルピストンは、互いに反対側を向いて駆動コンポーネントを介して互いに接続される2つのピストン部分を有する。このようにして、複雑なクランク機構を省略することができる。 偏心カップリング駆動装置をシンプルな設計とすることができる。
【0068】
この実施形態の発展型によれば、駆動コンポーネントは、スライドピースまたはスライドブロックが案内されるスロット付きガイドを有し、スライドピースは動作中に偏心して回転し、駆動コンポーネントは、スライドピースによって並進駆動可能であり、 作動シリンダ内の圧力流体を圧縮する。ピストンを担持する駆動コンポーネントは、縦方向に振動する方式で駆動することができる。
【0069】
上述の実施形態の少なくとも1つの変更によれば、本発明のタイヤ修理キットの圧縮機ユニットは、互いに軸方向にオフセットされ、複数の偏心部を有する共通の圧縮機シャフトを介して駆動可能な複数のピストンを有する。好ましくは、互いに軸方向にオフセットされた複数列のピストンが存在する。
【0070】
すでに述べたように、本発明はまた、車両ホイールのリムに取り付けられたタイヤに空気を注入しおよび/またはシールする方法に関する。
【0071】
この場合、本発明による上述のタイプのタイヤ修理キットが提供され、タイヤ修理キットの支持体が車両ホイールリムの中央凹部に配置される。さらに、圧縮機ユニットの圧縮空気出口がタイヤのタイヤバルブに流体的に接続され、圧縮機ユニットの駆動装置が作動される。
【0072】
圧縮機ユニットの駆動を停止した後、車両が走行を再開してもタイヤ修理キットは車両ホイールリムに装着された状態を維持できる。
【0073】
本発明は、また、車両ホイールのリムに取り付けられたタイヤをシールするためのシール剤を分配する方法に関する。
【0074】
まず、本発明による上述のタイプのタイヤ修理キットを提供するための準備が行われる。次に、タイヤ修理キットの支持体が車両ホイールリムの中央凹部に挿入され、シール剤容器のシール剤出口がシールされるタイヤのタイヤバルブに流体接続され、圧縮機ユニットの駆動装置が作動される。
【0075】
圧縮機ユニットの駆動装置を作動させるために、電気エネルギは、好ましくは、少なくとも車両ホイールリム及び車両の外側の領域を走る電線(例えば、延長ケーブルの形態)を介して、車両電気システムからその駆動装置に供給される。
【0076】
本発明による方法の一態様によれば、圧縮機ユニットの駆動装置は、特にシールされるタイヤ内の実際の圧力が、以前に定義されたまたは定義可能な目標圧力に到達するか、または到達するまで上昇したときに、手動または自動で、好ましくは随意に自動的に停止されるか、または停止可能であることが想定され、その圧力は、好ましくは、タイヤ修理キットによって測定可能または決定可能である。
【0077】
特に、本発明による解決策は、圧縮機ユニットの駆動装置が停止された後、たとえ車両が走行を再開したとしても、タイヤ修理キットが車両ホイールリム上に取り付けられた状態を維持する、または維持できることを特徴とする。
【0078】
この態様は、シールするタイヤにシール剤を導入した後、たとえばシール剤が沈殿するなどしてタイヤ空気圧が再び低下した場合、タイヤ修理キットのユーザは、タイヤ内の実際の圧力を目標圧力にするように圧縮機ユニットの駆動装置を再度作動させるだけでよいという決定的な利点をもたらす。タイヤ修理キットはまだ車両ホイールリムに取り付けられた状態にあるため、これはユーザにより少しの手順でなされる。
【0079】
本発明のさらなる態様によれば、シール剤が塗布された後にタイヤ修理キットのシール剤容器が交換されることが想定される。
【0080】
本発明のタイヤ修理キットの例示的な実施形態について、添付の図面を参照して以下にさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【
図1】
図1は、本発明のタイヤ修理キットの例示的な実施形態を概略的に上から見た等角図で示しており、接続ラインは、特にクリップ接続、バヨネット接続、または他のクイックアクションカップリングを介してシール剤容器に接続されている。
【
図2】
図2は、本発明のタイヤ修理キットの例示的な実施形態を概略的に下からの等角図で示す。
【
図3】
図3は、
図2のタイヤ修理キットを概略的に下からの等角図で示し、ただし、シール剤容器に接続された接続ラインを省略する。
【
図4】
図4は、
図3のタイヤ修理キットを概略的に側面図で示す。
【
図5】
図5は、
図4のタイヤ修理キットを概略的に部分断面図で示す。
【
図6】
図6は、支持体の少なくとも特定の領域に配置された圧縮機ユニットの駆動装置を備えた、本発明によるタイヤ修理キットの例示的な実施形態の支持体を概略的に等角図で示す。
【
図7】
図7は、
図6の支持体を概略的に等角図で示し、圧縮機ユニットの圧縮機部分が、支持体のフランジ領域を介して支持体に接続されている。
【
図8a】
図8aは、車両ホイールリムにタイヤが取り付けられていない車両ホイールリムの例示的な実施形態を概略的に等角図で示す。
【
図8b】
図8bは、
図8aの車両ホイールリムを概略的に等角図で示し、
図1の本発明のタイヤ修理キットの例示的な実施形態が車両ホイールリムに取り付けられている。
【発明を実施するための形態】
【0082】
図面に示されるタイヤ修理キット1は、必要に応じて、車両ホイールのリム2に取り付けられたタイヤに空気を入れおよび/またはシールするのに役立ち、タイヤ修理キット1は、特に一時的に車両ホイールまたは車両ホイールリム2に取り付けることができる。
【0083】
この目的のために、本発明によるタイヤ修理キット1の例示的な実施形態は、基本的に、車両ホイールリム2の中央凹部(すなわち、特に中央穴)4に交換可能に受容されるカップ形またはポット形の支持体3を有する。
【0084】
さらに、タイヤ修理キット1は、駆動装置を備えた圧縮機ユニット5と、少なくとも1つの作動チャンバを備えた圧縮機部分7とを有する。
【0085】
さらに、タイヤ修理キット1は、少なくとも特定の領域においてトロイダル状、特に回転トロイダル状であり、例えば
図5に寄せ集めて示されるように、圧縮機ユニット5と共に圧縮機部分7を少なくとも部分的にまたは特定の領域で取り囲むシール剤容器8を、任意で含む。
【0086】
例えば
図6に示されるタイヤ修理キット1の特にカップ形またはポット形の支持体3は、車両ホイールリム2の中央凹部4に適合したサイズおよび/または幾何学的形状を有し、具体的には、支持体3が好ましくは車両ホイールリム2の中央凹部4内に完全に収容され得るようになっている。
【0087】
さらに、支持体3が、支持体3を車両ホイールリム2の中央凹部4内に支持体3を解放可能に固定するために使用される、特にスナップイン接続手段の形態で可逆的に解放可能な接続手段9を有することが、例えば、
図6の図から推測できる。
【0088】
特に、支持体3の可逆的に解放可能な接続手段9は、車両が移動しているときでもタイヤ修理キット1が車両ホイールリム2にしっかりと固定されるように設計されることが好ましい。
【0089】
同様に
図6に示されるのと同様に、本発明のタイヤ修理キット1の例示的な実施形態は、圧縮機ユニット5の好ましくは電気モータ駆動装置が、少なくとも部分的にまたは特定の領域に、好ましくは完全に支持体3内に収容されることをもたらす。
図6において、駆動装置の偏心カップリング駆動装置6は、支持体3のフランジ領域10の中央に配置された中央穴を通って案内される。
【0090】
圧縮機ユニット5の圧縮機部分7は、好ましくは、支持体3のフランジ領域10を介して支持体3に取り外し可能に接続される。これに関連して、例えば、
図7を参照する。
【0091】
好ましくは、支持体3が車両ホイーリム2の中央凹部4に挿入された状態で、圧縮機ユニット5およびトロイダル状、特に少なくとも特定の領域で回転トロイダル状であるシール剤容器8が、車両ホイールリム2の中央凹部4の完全に外側に配置されることが好ましい。
【0092】
それはさらに
図7にまとめられ、圧縮機部分7は、クイックアクションカップリングの形態の2つの圧縮空気カップリング11を有し、それぞれが圧縮機部分7の圧力側または作動チャンバに流体的に接続されている。
【0093】
図面に示される例示的な実施形態では、特に、2つの対向する作動チャンバを有する圧縮機部分7が圧縮機部分7として使用され、圧縮されるべき流体(空気)は、偏心カップリング駆動装置6により駆動可能なピストンを介して2つの作動チャンバ内で交互に圧縮される。この目的のために、
図7に示される圧縮機ユニット5の場合、合計2つの圧縮空気カップリング11も使用されており、これらはクイックアクションカップリングの形態であり、それぞれが圧縮機部分7の作動チャンバに流体的に接続されている。
【0094】
同様に、クイックアクションカップリングの形態の2つの圧縮空気カップリング12がシール剤容器8に割り当てられ、圧縮機ユニット5の圧縮空気カップリング11とシール剤容器8が、シール剤容器8の2つの圧縮空気カップリング12とその間に接続されたそれぞれの接続ラインを介して、必要に応じて圧縮空気で加圧される。
【0095】
特に
図1および
図2から分かるように、本発明によるタイヤ修理キット1の例示的な実施形態のシール剤容器8には、クイックアクションカップリングの形態のシール剤出口カップリング13が割り当てられており、それを介してシール剤容器8の出口が、必要に応じて、例えば接続ライン18を介してタイヤのバルブに流体的に接続可能である。
【0096】
特に
図5の部分断面図から、シール剤容器8が、好ましくは互いに流体接続された2つの少なくとも実質的に同一の、または鏡面反転したトロイダルセグメント形状の領域17を有することが分かる。
【0097】
下からの図(例えば
図2または
図3)から、シール剤容器8に圧縮空気を供給するために使用されるシール剤容器8の2つの圧縮空気接続部12と、 シール剤出口13は、互いに対向して、すなわち、それぞれの場合において、2つのトロイダルセグメント形状領域17の2つの相互に対向する端面の間に配置される。
【0098】
シール剤容器8は、圧縮機ユニット5および/または支持体3に取り外し可能および/または交換可能に接続される。
【0099】
図面に示される本発明のタイヤ修理キット1の例示的な実施形態では、これに関連して、シール剤容器8が、支持体3に関して特に遠位側に配置され、少なくとも特定の領域において、トロイダル状、特に回転トロイダル状のシール剤容器8の中央開口部にまたがる、フランジ領域14またはフランジ状領域を有することが想定される。
【0100】
フランジ領域14またはフランジ状領域には、トロイダルシール剤容器8、特に回転トロイダルシール剤容器8の回転軸に関して中央に配置され、それによって締結手段16、特にネジが、少なくとも特定の領域に受容される、ボア15がある。
【0101】
シール剤容器8は、好ましくは、単一のネジ16を介して圧縮機ユニット5および/または支持体3に接続され、単一のネジ16は、特に、タイヤ修理キット1の回転軸上に位置する。
【0102】
本発明は、図面に示される本発明のタイヤ修理キット1の例示的な実施形態に限定されるものではなく、本明細書に開示されるすべての特徴の全体像から得られるものである。
【符号の説明】
【0103】
1 タイヤ修理キット
2 車両ホイールリム
3 支持体
4 車両ホイールリムの中央凹部
5 圧縮機ユニット
6 圧縮機ユニットの駆動装置の偏心カップリング駆動装置
7 圧縮機部分
8 シール剤容器
9 支持体の接続手段
10 支持体のフランジ領域
11 圧縮機部分の圧縮空気カップリング
12 シール剤容器の圧縮空気カップリング
13 シール剤容器のシール剤出口カップリング
14 シール剤容器のフランジ領域
15 中央に配置されたボア
16 締結手段
17 シール剤容器のトロイダルセグメント形状領域
18 接続ライン
【手続補正書】
【提出日】2022-11-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ホイールリム(2)に取り付けられたタイヤを必要に応じて空気を注入しおよび/またはシールするためのタイヤ修理キット(1)であって、前記タイヤ修理キット(1)は車両ホイールに特に一時的に取り付けられ、前記タイヤ修理キット(1)は、
特に必要に応じて車両ホイールリム(2)に交換可能に固定可能であり、特に車両ホイールリム(2)の中央凹部(4)に交換可能に受容可能である、特にカップ状またはポット状の支持体(3)と、
前記特にカップ状またはポット状の支持体(3)に接続され、駆動装置と、少なくとも1つの作動チャンバを有する圧縮機部分(7)とを有する圧縮機ユニット(5)とを備
え;
前記駆動装置と前記圧縮機部分(7)は、軸方向に互いにオフセットされて配置され、
前記駆動装置は支持体(3)は、フランジ領域(10)を有し、フランジ領域を介して前記圧縮機部分(7)が前記支持体(3)に解除可能に接続され、
前記支持体(3)が前記車両ホイールリム(2)の前記中央凹部(4)に挿入された状態で、前記圧縮機ユニット(5)は、少なくともある領域で、好ましくは完全に前記車両ホイールリム(2)の前記中央凹部(4)の外側に配置される;
タイヤ修理キット(1)。
【請求項2】
前記支持体(3)は、具体的には特に前記支持体(3)が少なくとも部分的に、好ましくは完全に前記車両ホイールリム(2)の前記中央凹部(4)に受容されるように、前記車両ホイールリム(2)の前記中央凹部(4)に適合する寸法および/または形状を有し、
前記支持体(3)は、特にスナップイン接続手段の形で、前記支持体(3)を前記車両ホイールリムに解除可能に固定する、特に可逆的に解除可能な接続手段(9)と関係づけられ、
前記支持体(3)の前記特に可逆的に解除可能な接続手段(9)は、特に車両が移動しているときでも前記タイヤ修理キット(1)を前記車両ホイールリム(2)に堅固に固定するように設計された、
請求項1に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項3】
前記圧縮機ユニット(5)の前記駆動装置は、前記支持体(3)の少なくとも部分的にまたは特定の領域で受容され、
前記圧縮機ユニット(5)の前記駆動装置は、車両が停止しているとき必要に応じてまたは特に前記駆動装置を操作するのに必要な電気エネルギを、特に前記車両の外側で少なくともある領域を走る電線を介して供給される、電動機である、
請求項1または請求項2に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項4】
前記タイヤ修理キット(1)は、特に場合により、トロイダル、特に少なくともある領域では回転トロイダル形状を有するシール剤容器(8)を有し、
前記シール剤容器(8)は、シール剤を分配するために、少なくとも要求により圧縮空気が 前記シール剤容器(8)に供給されるように、前記圧縮機部分(7)、特に前記圧縮機部分(7)の前記少なくとも1つの作動チャンバに、特に解除可能に流体接続され、または、流体接続可能で、
前記シール剤容器(8)は好ましくは、特にクイックアクションカップリングの形式のシール剤出口カップリング(13)を有し、それを介して前記シール剤容器(8)の出口が前記タイヤのバルブに必要により流体接続可能である;
請求項1ないし
請求項3のいずれかに記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項5】
前記シール剤容器(8)は、前記車両ホイールリム(2)および/または前記支持体(3) および/または前記圧縮機ユニット(5)に、特に解除可能に接続されまたは接続可能な、
請求項4に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項6】
前記圧縮機ユニット(5)は、特にクイックアクションカップリングの形態の、前記圧縮機部分(7)の圧力側に流体接続される、少なくとも1つの圧縮空気カップリング(11)を有し、
圧縮空気は、前記圧縮機ユニット(5)の前記少なくとも1つの圧縮空気カップリング(11)を介して、および/または、前記シール剤容器(8)の前記少なくとも1つの圧縮空気カップリング(12)を介して、必要により前記シール剤容器(8)に供給される、
請求項4または請求項5に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項7】
前記シール剤容器(8)は、前記圧縮機ユニット(5)および/または前記支持体(3)に解除可能におよび/または交換可能に接続可能または接続され、
この目的のために、少なくとも1つの固定手段(16)が、特にねじ、クイックアクション閉鎖手段および/またはクイックアクション固定手段の形式で、前記シール剤容器(8)に割り当てられる、
請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項8】
前記シール剤容器(8)は境界領域を有し、前記境界領域を介して前記シール剤容器(8)は前記圧縮機ユニット(5)および/または前記支持体(3)に解除可能におよび/または交換可能に接続可能または接続され、
前記シール剤容器(8)は、前記境界領域の反対側で少なくとも実質的に平らである、
請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項9】
前記シール剤容器(8)が前記支持体(3)および/または前記圧縮機ユニット(5)に接続された状態では、前記タイヤ修理キット(1)は回転対称な、特にキノコ型構造を少なくとも実質的に有し、
好ましくは、前記シール剤容器(8)は、特にねじ、クイックアクション閉鎖手段および/またはクイックアクション固定手段の形式での、単一の固定手段(16)を介して、前記圧縮機ユニット(5)および/または前記支持体(3)に接続され、
前記単一の固定手段(16)は、特に前記タイヤ修理キット(1)の回転軸に配置される、
請求項4ないし請求項8のいずれか1項に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項10】
前記シール剤容器(8)は、2つの、好ましくは少なくとも実質的に同一であるが鏡面反転したトロイダルセグメント形状の領域(17)を有し、前記領域は好ましくは互いに流体接続され、それぞれの前記領域は互いに対面する2つの端面を有し、
前記シール剤容器(8)が前記支持体(3)および/または前記圧縮機ユニット(5)に接続された状態では、前記シール剤容器(8)と少なくとも1つのシール剤出口(13)に圧縮空気を供給する少なくとも1つの圧縮空気接続部(12)が前記2つのトロイダルセグメント形状の領域(17)の前記互いに対面する端面の間に配置され、
前記少なくとも1つの圧縮空気接続部(12)と前記少なくとも1つのシール剤出口(13)は、好ましくは互いに反対側に配置される、
請求項5ないし請求項9のいずれか1項に記載のタイヤ修理キット(1)。
【請求項11】
車両ホイールリム(2)に取り付けられたタイヤに空気を注入しおよび/またはシールする方法であって、
請求項1-10のいずれか1項に記載のタイヤ修理キット(1)を提供する工程と;
前記タイヤ修理キット(1)の前記支持体(3)を前記車両ホイールリム(2)の前記中央凹部(4)に挿入する工程と;
前記圧縮機ユニット(5)の圧縮空気出口を前記タイヤのタイヤバルブに流体接続する工程と;
前記圧縮機ユニット(5)の前記駆動装置を起動する工程とを備える;
方法。
【請求項12】
前記圧縮機ユニット(5)の前記駆動装置を起動するために、車両の電気システムから前記駆動装置に、少なくとも特定の領域で前記車両ホイールリム(2)および前記車両の外側を走る電線を経由して好ましくは電気エネルギが供給される、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記圧縮機ユニット(5)の前記駆動装置は、特に前記タイヤの実際の圧力があらかじめ設定されたまたは設定可能な目標圧力に達するか達しているときに、手動または自動で、好ましくはオプションにより自動で、停止され、
前記圧縮機ユニット(5)の前記駆動装置が停止された後に、車両が動きを再開しても、前記タイヤ修理キット(1)は前記車両ホイールリム(2)に取り付けられた状態を維持または維持可能な、
請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記圧縮機ユニット(5)の前記圧縮空気出口は、具体的にはシール剤を分配するシール剤容器(8)の介在により、空気注入および/またはシールされる前記タイヤの前記タイヤバルブに間接的に流体接続された、
請求項11ないし請求項13のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】