IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ポール ヘティッヒ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲーの特許一覧

特表2024-511704連結要素、ロッキングシステム及び家具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】連結要素、ロッキングシステム及び家具
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/45 20170101AFI20240308BHJP
【FI】
A47B88/45
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550271
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 EP2022056034
(87)【国際公開番号】W WO2022207260
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】102021108249.8
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504467554
【氏名又は名称】ポール ヘティッヒ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベアマン, グンター
(72)【発明者】
【氏名】ポールマン, フォルカー
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AB61
3B160DB41
3B160EA14
3B160EA32
3B160EA36
3B160EB33
3B160EB72
3B160EB82
(57)【要約】
複数の引出し式家具部品(2)を有する家具のロッキングバー(5)を、引出し式家具部品(2)のうちの1つに直接または間接的に連結された駆動体(9)に連結するための連結要素(3)は、ロッキングバー(5)に対して設置可能なハウジング(31)と、ハウジング(31)に変位可能に取り付けられ、他の家具部品(2)の引出し動作をロックするためにロッキングバー(5)に作動可能に接続されたドライバ(4)とを備えている。ハウジング(31)は、ドライバ(4)のピン(44)が案内されるガイドトラック(34)を有し、ハウジング(31)は、ハウジング(31)をロッキングバー(5)に対して固定する役目を果たす少なくとも1つのバネ要素(32)を有する。更に、ロックシステムと家具が記載される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の引出し式家具部品(2)を有する家具のロッキングバー(5)を、引出し式家具部品(2)のうちの1つに直接または間接的に連結された駆動体(9)に連結するための連結要素(3)であって、
ロッキングバー(5)に対して設置可能なハウジング(31)と、
前記ハウジング(31)に変位可能に取り付けられ、他の家具部品(2)の引出し動作をロックするためにロッキングバー(5)に作動可能に接続されたドライバ(4)とを備え、
前記ハウジング(31)は、前記ドライバ(4)のピン(44)が案内されるガイドトラック(34)を有する連結要素において、
前記ハウジング(31)は、ハウジング(31)をロッキングバー(5)に対して固定するように機能する少なくとも1つのバネ要素(32)を有することを特徴とする、連結要素(3)。
【請求項2】
少なくとも1つのバネ要素(32)が、ハウジング(31)上に形成されるバネアームとして構成される、請求項1に記載の連結要素(3)。
【請求項3】
バネアームとして構成された少なくとも1つのバネ要素(32)は、角度付けられて構成され、ハウジング縁部から延在する第1脚部(321)と、ハウジング縁部から角度付けられて、好ましくは垂直に延在する第2脚部(322)とを備えている、請求項2に記載の連結要素(3)。
【請求項4】
第2脚部(322)の自由端部の領域に、締結要素(11)を受け入れるための締結領域(33)が形成されている、請求項3に記載の連結要素(3)。
【請求項5】
前記バネ要素(32)はハウジング(31)の対向する外縁から突出する、請求項1乃至4の何れかに記載の連結要素(3)。
【請求項6】
前記バネ要素(32)の締結領域(33)が、前記ハウジング(31)の外縁に対して対角線上に対向して配置されていることを特徴とする請求項5に記載の連結要素(3)。
【請求項7】
2つのバネ要素(32)が、ハウジング(31)の外縁のちょうど1つから突出する、請求項1又は2に記載の連結要素(3)。
【請求項8】
前記バネ要素(32)は、夫々直線状脚部(323)を有し、その端部は、前記ハウジング(31)から離れており、締結要素(11)を受け入れるために締結領域(33)が形成されている、請求項7に記載の連結要素(3)。
【請求項9】
幾つかの引出し式家具部品(2)から成る家具の引出し式家具部品(2)の閉鎖システムであって、
ハウジング(71)と該ハウジング(71)に取り付けられる引込み要素(72)とを備えた自己引込み装置(7)と、
ロッキングバー(5)を引出し式家具部品(2)に連結するための連結要素(3)とを備える閉鎖システムにおいて、
連結要素(3)は、請求項1乃至8の何れかに従って形成され、
連結要素(3)のドライバ(4)は、自己引込み式装置(7)の引込み要素(72)に連結されていることを特徴とする、閉鎖システム。
【請求項10】
自己引込み装置(7)のハウジング(71)が、連結要素(3)のハウジング(31)に連結されている、請求項9に記載の閉鎖システム。
【請求項11】
自己引込み装置(7)のハウジング(71)が、連結要素(3)のハウジング(31)と一体に形成されている、請求項9に記載の閉鎖システム。
【請求項12】
幾つかの引出し式家具部品(2)を備えた家具であって、
互いに平行に配置された少なくとも2つの壁(81)を備え、上下に配置された複数の引出し式家具部品(2)を案内するためにガイド(6)が配置された本体(8)と、
引出し式家具部品(2)の引出し動作をロックするために、本体(8)の少なくとも1つの壁(81)に締結されたロッキングバー(5)と、
ロッキングバー(5)を引出し式家具部品(2)の1つに連結するための連結要素(3)とを備えた家具において、
少なくとも1つの連結要素(3)は、請求項1乃至8の何れかに従って形成されたことを特徴とする家具。
【請求項13】
前記連結要素(3)が、少なくとも1つのバネ要素(32)によって、上記ロッキングバー(5)内又はロッキングバー(5)上にて垂直に移動可能に配置されている、請求項12に記載の家具。
【請求項14】
前記連結要素(3)のハウジング(31)は、家具本体(8)の壁(81)に固定されている、請求項12又は13に記載の家具。
【請求項15】
自己引込み装置(7)が、引出し式家具部品(2)の各々と関連しており、この自己引込み装置(7)は、ハウジング(71)と、ハウジング(71)に固定されかつ連結要素(3)のドライバ(4)と連結されている引出し要素(72)とを備える、請求項12乃至14の何れかに記載の家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部に従って、複数の引出し式家具部品を有する家具のロッキングバーを、引出し式家具部品のうちの1つの駆動体に連結するための連結要素に関する。本発明はさらに、ロッキングシステム及び複数の引出し式家具部品を有する家具に関する。
【背景技術】
【0002】
このような連結要素は特に、幾つかの家具部品が上下に配置された家具の引出し式家具部品のロッキングシステムに使用される。
【0003】
このようなロッキングシステムは、例えば、ヨーロッパ特許2 210 525号から知られている。このようなロッキングシステムを用いて、複数の引出しが上下に配置されている家具の場合、例えば1つの引出しが引き出された後に、1以上の他の引出しが同時に引き出されないようにすることが可能である。
【0004】
閉鎖システムは、自己引込み装置、エジェクタまたは減衰要素のような更なる機能要素を備えることができ、これにより、各引出し式家具部品の動作が簡素化される。
【0005】
この従来技術のロッキングシステムの複雑な態様は、特に家具部品を連結要素に連結するときのロッキングシステムの組立てである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、個々の引出し式家具部品をこのようなロッキングシステム内に簡単かつ安全に組み立てることが可能となる連結要素を提供することである。
【0007】
本発明の更なる目的は、引出し式家具部品の結合を簡単な方法で可能にする対応するロッキングシステムを提供することである。
【0008】
最後に、本発明の目的は個々の家具部品のロッキングバーへの連結が簡素化されるように、幾つかの引出し式家具部品を備えた家具をさらに開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
設定された目的は、請求項1の特徴を有する連結要素、請求項9の特徴を有するロッキングステム、及び請求項12の特徴を有する家具によって解決される。
【0010】
複数の引出し式家具部品を有する家具のロッキングバーを、引出し式家具部品の1つに直接的又は間接的に連結された駆動体に連結する本発明に従った連結要素は、ロッキングバーに対して突出したハウジングと、ハウジングに変位可能に取り付けられたドライバを有し、該ドライバはロッキングバーに動作可能に接続されて、他の家具部品の引出し動作をロックする。
【0011】
ハウジングは、ドライバのピンが案内されるガイド軌道を有する。
ハウジングはさらに、ハウジングをロッキングバーに対して固定するように機能する少なくとも1つのバネ要素を備える。
【0012】
バネ要素を介して連結要素のハウジングを固定することにより、簡単な方法で、その中に配置された作動装置を有する引出し式家具部品を挿入方向に押し込むだけで、これを連結要素のドライバに押し付けることができ、その結果、バネ要素を介してドライバを固定することによって、連結要素自体が、引出し式家具部品に取り付けられた駆動体に対して弾力的に折れることができ、その結果、簡単で安全な連結が可能になる。
【0013】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題事項である。
【0014】
有利な実施形態によれば、少なくとも1つのバネ要素は、ハウジング上に形成されたバネアームとして構成される。
バネアームとして構成されたこのようなバネ要素は、ハウジング上に容易に成形することができる。
【0015】
さらに有利な実施形態によれば、バネアームとして構成された少なくとも1つのバネ要素は、第1脚部がハウジング縁部から伸び、第2脚部が第1脚部から或る角度で、より望ましくは垂直に伸びるように角度付けされる。
【0016】
これにより、例えば、バネ要素をハウジングの頂部及び底部に設置状態で形成することが可能になり、このハウジングから、第1脚部が、好ましくは垂直に突出して、第2脚部の自由端部をハウジングの縁部の方向に曲げることを可能にし、第2脚部は、組立工程中に連結要素が動く(give way)ことを可能にする。
【0017】
これは、連結要素が、ロッキングバー内又はロッキングバー上に垂直方向に動くことを意味する。
第1脚部は、第2脚部よりも短いことが望ましく、したがって、十分な安定性を確保する。
【0018】
さらに別の実施形態によれば、締結要素を受け入れるための締結領域が、第2脚部の自由端部の領域内に形成される。
【0019】
連結要素のハウジングは、例えば、目として構成された締結領域によって、家具本体の壁に固定することができる。例えば、止めピンまたは合わせ釘の助けを借りてネジ止めされ、固定されることが考えられる。あるいは、締結領域は、接着面として構成され、接着結合によって本体に接続することもできる。
【0020】
好ましい実施形態では、1つのバネ要素がハウジングの対向する外縁の各々から突出している。
これにより、連結要素のハウジングが動くことを可能にしながら、ハウジングを安定して取り付けることができる。
【0021】
好ましい実施形態によれば、バネ要素の締結領域は、ハウジングの外縁に対して互いに対角線上に対向して配置される。
【0022】
代替の実施形態によれば、2つのバネ要素が、ハウジングの外縁のちょうど1つから突出している。
【0023】
また、外縁のちょうど一方に2つのバネ要素を配置することにより、連結要素のハウジングのたわみ動作が可能となり、これにより組立が容易となる。
【0024】
この実施形態では、バネ要素は夫々真っ直ぐな脚部を備えて形成されるのが好ましく、その端部では、ハウジングから離れて、締結要素を受け入れるため、または締結要素を接着するための締結領域が形成される。
【0025】
好適な実施形態では、バネ要素の締結領域は、ウェブによって一緒に結合され、これは、連結要素の安定性をさらに高める。
【0026】
複数の引出し式家具部品を有する家具の引出し式家具部品用の本発明によるロッキングシステムは、ハウジングと該ハウジングに取り付けられる引込み要素とを備えた自己引込み装置と、ロッキングバーを引出し式家具部品に連結するための連結要素とを備えている。
【0027】
連結要素は、上述したように構成されており、連結要素のドライバは、自己引込み装置の引込み要素に結合されている。
【0028】
本発明による閉鎖システムの好適な実施形態では、自己引込み装置のハウジングは、連結要素のハウジングに連結される。
別の好ましい実施形態では、自己引込み装置のハウジングは、連結要素のハウジングと一体に形成される。
【0029】
幾つかの引出し式家具部品を備える本発明の家具は、互いに平行に配置された少なくとも2つの壁を備えた本体を有し、該本体上に、上下に配置された幾つかの引出し式家具部品を案内するガイドが配置される。
【0030】
本体の壁の少なくとも一方には、家具部品の引出し動作をロックするためのロッキングバーが固定されている。
家具は、引出し式家具部品の夫々1つにロッキングバーを連結するための連結要素をさらに備える。
連結要素の少なくとも1つは、上述のように構成される。
【0031】
連結要素は、少なくとも1つのバネ要素によってロッキングバー内またはロッキングバー上に垂直方向に変位可能に配置されることが好ましい。
本発明に係る家具の好適な実施形態では、連結要素のハウジングは、家具の本体の壁に取り付けられる。
【0032】
好適な実施形態では、引出し式家具部品の各々は、自己引込み装置及び/又はロッキング装置と関連しており、ここで、自己引込み装置は、ハウジングと、該ハウジングに取り付けられた引込み要素とを含み、これは、連結要素のドライバに連結されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
以下では、本発明の好適な実施形態を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
図1】家具と家具から引き出される家具部品と引出し式家具部品が閉じた位置にてロッキングバーに取り付けられた連結要素の断面の斜視図である。
図2】ロッキングバーの後側上の家具本体の側部パネルを省略した斜視図である。
図3】連結要素と、ロッキングバーの前で該連結要素内に保持される駆動体の平面図である。
図4】連結要素の斜視図であり、引出し位置又は押し込み位置における駆動体とロッキング位置に回転したドライバを備える。
図5】引出し式家具部品の駆動体と連結要素との分離後又は結合前の図1に対応した斜視図である。
図6a】異なった斜視方向からの連結要素のハウジングの実施形態の斜視図を示す。
図6b】異なった斜視方向からの連結要素のハウジングの実施形態の斜視図を示す。
図7a図6aに対応する斜視図であって、ドライバが挿入されている斜視図である。
図7b図6bに対応する斜視図であって、ドライバが挿入されている斜視図である。
図8a図6aに対応する図であって、連結要素のハウジングの代替の実施形態を示す。
図8b図6bに対応する図であって、連結要素のハウジングの代替の実施形態を示す。
図9a図6aに対応する図であって、連結要素のハウジングのさらに別の実施形態を示す。
図9b図6bに対応する図であって、連結要素のハウジングのさらに別の実施形態を示す。
図10図1に対応する斜視図であって、引出し式家具部品の駆動体を連結要素に組み立てる工程を示す。
図11図1に対応する斜視図であって、引出し式家具部品の駆動体を連結要素に組み立てる工程を示す。
図12】ロッキングバーの前に配置された連結要素の更なる構成変形例の平面図であり、バネ要素がハウジングの片側から突出している。
図13図12に対応した図であり、連結要素が上方に移動している。
図14】自己引込み装置のハウジングと一体的に形成された連結要素の斜視図である。
図15図14に対応する自己引込み装置の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
下図の説明では、上、下、左、右、前、後等の用語は、夫々の図で選択された連結要素、ロッキングバー、家具部品、家具、ドライバ等の例示的な表現及び位置のみを指す。これらの用語は、制限的に理解されるべきものではなく、すなわち、異なる動作位置または鏡面対称の構成等のために、これらの用語は変更されるかもしれない。
【0035】
図1において、符号3は、本発明に係る連結要素の変形例を指定する。
連結要素3は、複数の引出し式家具部品2を有する家具のロッキングバー5を、引出し式家具部品2の1つに直接的または間接的に連結された駆動体9に連結するために使用される。
【0036】
図1の引出しとしてここに示された引出し式家具部品2は、引出しガイドとして構成されたガイド6にも取り付けられている。
【0037】
各ガイド6は、先行技術から公知の方法で、本体レール61と走行レール62と本体レール61が固定されているホルダ63とを有する。
意図された引き出し距離に応じて、例えば、引出し式家具部品2の完全な引き出しを確保するために、本体レール61と走行レール62の間に別の中央レールを配置することも考えられる。
【0038】
駆動体9は、引出し式家具部品2のサイドフレーム21、またはガイド6の走行レール62上に配置されることが好ましい。
【0039】
図1に示された実施形態では、連結要素3は、家具本体8の壁81に取り付けられ、ロッキングバー5上に位置する。Z方向に垂直に延びるロッキングバー5は、家具本体8の壁81にも固定される。ここで示される実施形態では、壁81は、引出し式家具部品2と対向する家具本体8の内壁であり、複数の引出し式家具部品2が取り付けられている。
【0040】
Z方向に直交する方向Xに引き出される家具部品2は、引出しとして構成されるのが好ましく、例えば、ボード状の棚、バスケット等として他の構成も考えられる。
【0041】
ロッキングバー5は、凡そストリップ本体51から成り、複数のスライド部品52がストリップ本体51に沿って変位可能である。
ロッキングバー5のストリップ本体51内のスライド部品52の数は、2つのスライド部品52を除いて、全てのスライド部品52が対をなして互いに接触し、一方のスライド部品52は、連結要素3のドライバ4上のピン44によって押し離すことができるように選択され、該ピン44は連結要素3のハウジング31内に変位可能に取り付けられている。
【0042】
この目的のために、ドライバ4は、ピン44がスライド部品52の凹部内に位置している図1及び図2に一例として示された位置から、図4及び図5に示された位置までシフトされ、旋回されなければならない。
【0043】
動作中、ドライバ4のこの変位位置及び旋回位置には、ドライバ4と係合していない駆動体9が伴う。これは、図5に例示されているように、引出し式家具部品2が家具本体8から延出している場合である。
【0044】
他の連結要素3の更なるドライバ4は、それによって、ロッキングバー5によってロックされ、この状態では、さらに引出し式家具部品2は、家具本体8から引き出すことができない。
【0045】
駆動体9が配置された引出し式家具部品2の最初の組み立てを簡素化するために、連結要素3のハウジング31は、ロッキングバー5に対してハウジング31を固定するのに役立つ少なくとも1つのバネ要素32を備える。これは、連結要素3の実質的に垂直な回避運動を可能にする。
【0046】
全ての図に示される実施形態の夫々において、2つのバネ要素32は、ハウジング31上に配置される。
【0047】
駆動体9が配置された引出し式家具部品2の最初の組立てのために、ドライバ4は、X-Z平面内を斜めに延びるガイドウェブ42を有し、引出し式家具部品2が家具本体8内に引き込まれるときに、終端位置に達する前に、引出し式家具部品2上に配置された駆動体9が該ガイドウェブ42に当接する。
【0048】
ガイドウェブ42は、ドライバ4のベースプレート41上に形成され、ベースプレート41は、機能動作中、X-Z平面内を延びる。
【0049】
ガイドウェブ42は傾斜しており、図10乃至図13に示すように、駆動体9が引込み方向Eの下方に傾く。駆動体9はガイドウェブ42に挿入され得る。
ここでドライバ4のベースプレート41の縁部に形成されたチャネル壁47と共に、ガイドウェブ42は、引出し式家具部品2の組立中に駆動体9が走行する組立チャネル46を形成する。
【0050】
駆動体9がガイドウェブ42に当接した後、駆動体9は、ドライバ4がガイドウェブ42に沿って引込み方向Eに移動し続けるにつれて、バネ要素32のバネ力に抗してドライバ4と、該ドライバ14と共に連結要素3のハウジング31を上方に押圧する。
【0051】
ガイドウェブ42の背後で、組立チャネル46は、垂直に整列した受け溝43内に開口し、これは、2つの対向する垂直壁431、432によって駆動体9を区切って、引出し式家具部品2の引込み状態における駆動体9の取り付け位置を規定する。
【0052】
駆動体9が受け溝43に達するとすぐに、バネ要素32はハウジング31を押し、ハウジング31を用いてドライバを図1に例示される初期位置に戻す。
【0053】
組立中は、ドライバ4は常に引込み中立の位置にあり、この位置では、ピン44は、隣接するスライド部品52の間の凹部54に受け入れられ、これにより、原則として、別の引出し式家具部品2が引き出され得る。
【0054】
部分的にはドライバ4を示さない、このような連結要素3の別の実施形態は、図6a、図6b、図7a、図7b、図8a、図8b及び図9a及び図9bに示されている。
ここに示した実施形態において、バネ要素32はハウジング3に形成されたバネアームとして構成されている。バネアームとして形成されたバネ要素32は、ここでは角度づけられた構成であり、ハウジング31のハウジング縁部から延在する第1脚部321と、第1脚部321から斜めに、好ましくは垂直に延在する第2脚部322とを有する。
【0055】
材料の厚さ及び/又はこれらの第2脚部322の長さ、あるいはさらにバネ要素32の角度調節を変化させることによって、バネ要素32のバネ強度を、意図された使用に応じて単純な方法で調節することができる。
【0056】
さらに、図6乃至図9には、締結要素11を受け入れる目の形の締結領域33が第2脚部322の自由端部の領域に形成されていることが示されている。
【0057】
可能な締結要素11は、例えば、図6a乃至図7bに示すように、夫々ピン111と夫々ブッシュ112とを備えたストップピンであり、これらのピンは、家具本体8の壁81の対応する凹部に押し込まれ、その後、ピン111を打ち込むことによって広げられ、その結果、ハウジングが家具本体8の壁81にしっかりと固定される。
【0058】
締結領域33の他の締結オプションまたは構成も考えられる。
従って、図8a及び図8bに示された実施形態では、拡張スロット331を備えたブッシングが、締結領域33上に直接形成されてもよい。
締結領域33をネジを受けるネジ穴として構成することも考えられる。
【0059】
また、締結領域33の領域において、締結領域33の領域に接着面を設けて、ハウジング31を家具本体8の壁81に接着できるようにすることも考えられる。
【0060】
図1乃至図11に示す実施形態において、バネアームとして構成されたバネ要素32は、好ましくは一体的に形成された状態で、組立状態における連結要素3のハウジング31の上縁と下縁の対角線上の対向する領域に配置される。
第1脚部321は、第2脚部322よりも短く、特に屈曲的に安定するように構成されるのが好ましい。
【0061】
したがって、この実施形態では、バネ要素32の締結領域33も、ハウジング31の外縁に対して互いに対角線上に対向して配置され、これによって、図11に例示されているように、組立時に連結要素3のハウジング31が実質的に垂直に動くことが可能になる。
【0062】
さらに別の代替的な実施形態では、図12及び図13に示されるように、2つのバネ要素32は、ハウジング31の外縁のちょうど1つから突出する。
ここで、バネ要素32は、ハウジング31の左側の垂直側縁部、すなわち後部の垂直側縁部から引込み方向Eに水平に突出する。
【0063】
ここで、バネ要素32は各々、ハウジング31の側縁部から直接垂直に突出して形成された直線状脚部323を有する。これらの直線状脚部323の端部には、締結要素11を受け入れるために、目の形状をした夫々の締結領域33が一体的に形成されている。ここに示した実施例では、バネ要素32の締結領域33は、互いに結合され、特に、ウェブ324によって相互に一体的に接続されている。
【0064】
また、この変形例では、図13に示すように、バネ要素32の脚部323は、組立てに必要なハウジング31の垂直偏向運動を可能にする。
【0065】
図6b、図7b及び図8bに示すように、ロッキングバー5に対向するハウジング31の後側には、保持ウェブ35が、ハウジング31の後面から垂直に突出して形成され、この目的のためにロッキングバー5のストリップ本体51に設けられた長手方向溝に突出する。
【0066】
特に、図12及び図13に示す連結要素3のハウジング31の実施例において、これらのウェブ35の幅は、X方向から見て、ロッキングバー5のストリップ本体51の溝53の幅より小さく、連結要素3のハウジング31の垂直方向の動きを可能にする。
【0067】
図14及び図15において、符号7は、ハウジング71及びそれに取り付けられた引込み要素72を備えた自己引込み装置を示し、ここでは引張りバネの形態である。
引出し方向におけるハウジング71の前端部には、ロッキングバー5を引出し式家具部品2に連結するための連結要素3が設けられている。
【0068】
ここに示した実施形態において、連結要素3のハウジング31は、自己引込み装置7のハウジング71と一体に形成されている。
また、自己引込み装置7のハウジング71が連結要素3のハウジング31に結合される2つの部品の構成も考えられる。
【0069】
図14に示すように、連結要素3のドライバ4は、自己引込み装置7の引込み要素72に結合され、それによってドライバ4を外力なしに閉鎖位置に保持し、この閉鎖位置において、連結された引出し式家具部品2は家具本体8内にて引込み状態に配置される。
【0070】
家具本体8から家具部品2を引き出すことにより、ドライバ4は、図14及び図15に示された中立位置から、図4及び図5に示された変位及び下降位置まで、駆動体9によって変位される。
その結果、引込み要素72は予荷重を受ける。
【0071】
引出し式家具部品2がその後家具本体8内に押し戻されると、駆動体9は、完全に引き込まれた位置の直前の位置で、図4及び図7aに示されるストッパ431に突き当たり、ドライバ4を、ガイドトラック34の角度付き領域342に下げられた位置からガイドトラック34の直線状領域341に戻すように揺動させ、次に引張りバネとしてここで構成されている引込み要素72のバネ力によって、完全に引っ込んだ端部位置に引かれる。
【0072】
ここに示された自己引込み装置7の実施形態の変形例では、従来技術から公知であり、例えば、最初に言及したヨーロッパ特許2210525号から知られているように、排出装置が任意の追加要素10として、自己引込み装置7に取り付けられ、そこでは、引出し式家具部品2は、図1に示されたように、排出装置10の支持体とともに、引込み位置から家具本体8から排出される。しかしながら、例えば線形ダンパの形態の減速装置を任意の追加要素10として用いることもできる。
【符号の説明】
【0073】
2 家具部品
21 サイドフレーム
3 連結要素
31 ハウジング
32 バネ要素
321 第1脚部
322 第2脚部
323 脚部グ
324 ウェブ
33 締結領域
331 拡張スロット
34 ガイドトラック
341 直線領域
342 角度付けられた領域
35 保持ウェブ
4 ドライバ
41 ベースプレート
42 ガイドウェブ
43 受入溝
431 壁
432 壁
44 ピン
46 組立チャネル
47 チャネル壁
5 ロッキングバー
51 ストリップ本体
52 スライド部品
53 ガイド溝
6 ガイド
61 本体レール
62 走行レール
63 ホルダ
7 自己引込み装置
71 ハウジング
72 引込み要素
8 家具本体
81 壁
9 駆動体
10 追加の要素
11 締結要素
111 ピン
112 ブッシング

X 方向
Y 方向
Z 方向
E 引込み方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6a)】
図6b)】
図7a)】
図7b)】
図8a)】
図8b)】
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】