(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】吸入カウンター
(51)【国際特許分類】
A61M 15/00 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552033
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2022054430
(87)【国際公開番号】W WO2022184511
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】スパダロ ファビアナ
(72)【発明者】
【氏名】ランチ アントニーノ
(72)【発明者】
【氏名】ソッタス ロイク
(72)【発明者】
【氏名】ジグリスト マルタン
(72)【発明者】
【氏名】ダイオグル オヌール
(57)【要約】
吸入システム(100)のための吸入カウンター(350、450、550)が提供される。吸入システムは、流体流路(322)を備え、吸入カウンターは、ガンギ車(352、452)、ガンギ車をインクリメントするための付勢手段(354、454)、使用時に、流体流路を通した流体流量の一時的な増大に応答して第一の動作を行うように構成された変換機構、およびアンカー(356、456)を備える。アンカーは、変換機構に結合され、付勢手段が、変換機構の第一の動作に応答してガンギ車をインクリメントすることを可能にするように、ガンギ車と相互作用するように構成される。ホルダー(300)、および吸入カウンターを備える吸入システムも提供される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入システムのための吸入カウンターであって、前記吸入システムが、流体流路を備え、前記吸入カウンターが、
ガンギ車と、
前記ガンギ車をインクリメントするための付勢手段と、
使用時に、前記流体流路を通した流体流量の一時的な増大に応答して第一の動作を行うように構成された変換機構と、
アンカーと、を備え、
前記アンカーが、前記変換機構に結合され、前記付勢手段が、前記変換機構の前記第一の動作に応答して前記ガンギ車をインクリメントすることを可能にするように、前記ガンギ車と相互作用するように構成される、吸入カウンター。
【請求項2】
前記流体流量の一時的な増大が、前記流体流量が増大する第一の部分、および前記流体流量が減少する後続の第二の部分を含み、前記変換機構が、前記流体流量の一時的な増大の前記第一の部分に応答して前記第一の動作を開始し、前記流体流量の一時的な増大の前記第二の部分に応答して前記第一の動作を完了するように構成される、請求項1に記載の吸入カウンター。
【請求項3】
前記変換機構が、アクチュエータを含み、前記第一の動作が、前記アクチュエータの運動を含む、請求項1または2のいずれかに記載の吸入カウンター。
【請求項4】
前記第一の動作が、第一の位置から第二の位置への前記アクチュエータの出発運動、および前記第二の位置から前記第一の位置への前記アクチュエータの戻り運動を含み、前記変換機構が、前記アクチュエータの前記出発運動に抵抗するように構成される、請求項3に記載の吸入カウンター。
【請求項5】
前記変換機構が、回転可能な構成要素を含み、前記第一の動作が、前記回転可能な構成要素の回転を含む、請求項1~4のいずれかに記載の吸入カウンター。
【請求項6】
前記変換機構が、可撓性構成要素を含み、前記第一の動作が、前記可撓性構成要素の屈曲を含む、請求項1~5のいずれかに記載の吸入カウンター。
【請求項7】
前記吸入カウンターが、前記吸入カウンターの吸入カウントに関する情報をユーザーに示すための表示手段を備える、請求項1~6のいずれかに記載の吸入カウンター。
【請求項8】
前記吸入カウンターが、前記吸入カウントに関する前記情報をリセットする、あるいは変更するために前記表示手段に結合された変更機構を備える、請求項7に記載の吸入カウンター。
【請求項9】
前記変更機構が、前記ユーザーが、前記吸入カウントに関する前記情報を設定することを可能にするように構成される、請求項8に記載の吸入カウンター。
【請求項10】
前記付勢手段を通電するための通電機構を備える、請求項1~9のいずれかに記載の吸入カウンター。
【請求項11】
前記吸入カウントに関する前記情報を変更し、前記付勢手段を通電するための、組み合わせられた変更および通電機構を備える、請求項7~9のいずれかに記載の吸入カウンター。
【請求項12】
前記組み合わせられた変更および通電機構が、フリーホイールクラッチを含む、請求項11に記載の吸入カウンター。
【請求項13】
吸入器物品で使用するためのホルダーであって、前記ホルダーが、請求項1~12のいずれかに記載の吸入カウンターを備える、ホルダー。
【請求項14】
前記吸入カウンターが、請求項8~12のいずれかに記載の吸入カウンターであり、前記変更機構、前記通電機構、および前記組み合わせられた変更通電および変更機構のうちの一つ以上が、前記吸入器物品を前記ホルダーと係合すること、および前記吸入器物品を前記ホルダーから係合解除することのうちの一方または両方によって動作される、請求項13に記載のホルダー。
【請求項15】
吸入器物品、および請求項13または14に記載のホルダーを備える、吸入システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸入システムのための吸入カウンターに関する。本開示はまた、吸入カウンターを備えるホルダー、および吸入カウンターを備える吸入システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の吸入システムでは、ユーザーがシステムで吸入した回数をカウントすることができることが有益であり得る。例えば、一部の乾燥粉末吸入システムは、ホルダーおよび吸入器物品を備え得る。吸入器物品は、乾燥粉末を含有するカプセルを含み得る。こうした乾燥粉末吸入システムでは、吸入器物品は、ホルダーと係合されてもよく、またカプセルはその後貫通されてもよい。次いで、ユーザーは、ホルダーで吸入して、システムを通して空気を流し得る。各吸入からの各気流は、乾燥粉末の一部分をカプセルからユーザーの肺の中へと搬送し得る。しかしながら、いくつかの数の吸入後、その後の吸入により、カプセルから、存在する場合、残りの粉末の有意な量が抽出されない場合がある。この時点で、カプセルは枯渇したと見なされ得る。したがって、システムでの吸入の数をカウントすることができるようにすることにより、ユーザーがカプセルを使い果たした可能性が高い時を示すことが可能であり得る。
【0003】
一部の吸入システムは、電子構成要素を使用して吸入カウンターに対するこの必要性に対処する。しかしながら、こうした電子構成要素は、複雑なユーザーインターフェースを操作する必要があり得る。加えて、電子構成要素を使用することにより、これらのシステムを製造するコストおよび複雑さが増大する可能性がある。これらの問題のうちの一つ以上に対処することが、本発明の目的である。
【発明の概要】
【0004】
本開示によると、吸入カウンターが提供され得る。吸入カウンターは、吸入システムに好適であり得る。吸入システムは、流体流路を備えてもよい。吸入カウンターは、ガンギ車を備え得る。吸入カウンターは、付勢手段を備えてもよい。付勢手段は、ガンギ車をインクリメントするためのものであり得る。吸入カウンターは、変換機構を備え得る。使用時に、変換機構は、流体流路を通した流体流量の一時的な増大に応答して第一の動作を行うように構成され得る。吸入カウンターは、アンカーを備えてもよい。アンカーは、変換機構に結合されてもよい。アンカーは、例えば、付勢手段が、変換機構の第一の動作に応答してガンギ車をインクリメントすることを可能にするように、ガンギ車と相互作用するように構成され得る。
【0005】
したがって、本開示の第一の態様によると、吸入システムに好適な吸入カウンターが提供され得る。吸入システムは、流体流路を備える。吸入カウンターは、ガンギ車、ガンギ車をインクリメントするための付勢手段、使用時に、流体流路を通した流体流量の一時的な増大に応答して第一の動作を行うように構成された変換機構、およびアンカーを備える。アンカーは、変換機構に結合され、付勢手段が、変換機構の第一の動作に応答してガンギ車をインクリメントすることを可能にするように、ガンギ車と相互作用するように構成される。
【0006】
有利なことに、第一の態様による吸入カウンターは、吸入を自動的にカウントし得る。すなわち、吸入カウンターは、吸入システムでの吸入以外のユーザーからの入力なしに吸入をカウントし得る。これにより、吸入カウンターの使用が単純化され得る。
【0007】
有利なことに、吸入カウンターはガンギ車を備え得る。ガンギ車の使用により、吸入が深いか浅いか、または吸入が長いか短いかに関係なく、吸入カウンターが単一の吸入のみをカウントすることが確保され得る。したがって、ガンギ車は、吸入の性質に関係なく、吸入カウンターが吸入システムでの吸入の数を確実にカウントすることを可能にし得る。
【0008】
吸入カウンターは、流体流路を備え得る。吸入カウンターは、流体流路に結合されてもよく、または使用時に流体流路に結合するよう構成されてもよい。吸入カウンターは、例えば可逆的に、流体流路に結合されるように構成され得る。有利なことに、これにより、吸入カウンターを交換する、または別の吸入システムで使用することが可能になり得る。
【0009】
吸入システムでの吸入により、流体流路を通した流体流量の一時的な増大がもたらされ得る。流体流量の一時的な増大は、流体流量が増大する第一の部分を含み得る。流体流量の一時的な増大は、流体流量が減少する第二の部分を含み得る。第二の部分は、第一の部分に後続し得る。
【0010】
吸入システムでの通常の吸入により、流体流路を通した流体流量がゼロから最大流量まで増大し、次いで、最大流量からゼロまで減少し得る。流体流量は、ゼロから最大流量まで単調に増大し得る。流体流量は、最大流量からゼロまで単調に減少し得る。あるいは、流体流量の増大および減少のうちの少なくとも一つは、非単調であってもよい。本明細書で使用される場合、吸入に対する任意の言及は、この性質の通常の吸入を指し、流体流路を通した流体または気流に対する任意の言及は、この性質の通常の吸入に応答した、流体流路を通した通常の流体または気流を指し得る。
【0011】
変換機構は、流体流量の一時的な増大の第一の部分に応答して第一の動作を開始するように構成されてもよい。変換機構は、流体の流れのエネルギーを使用して、第一の動作を開始し得る。使用時に、流体流路を通した流体流量が一時的に増大すると、変換機構が第一の動作を行い得る。使用時に、流体流路を通した流体流量の一時的な増大の第一の部分により、変換機構が第一の動作を開始してもよい。使用時に、例えば、流体流路を通した流体流量の一時的な増大の第一の部分により変換機構が第一の動作を開始した後に、流体流路を通した流体流量の一時的な増大の第二の部分により、変換機構が第一の動作を完了してもよい。有利なことに、これにより、第一の動作を開始するためのエネルギー源の必要性が回避され得る。
【0012】
変換機構は、流体流量の一時的な増大の第二の部分に応答して第一の動作を完了するように構成されてもよい。有利なことに、これにより、変換機構が、流体流量の一時的な増大に応答して、およびそれ故に通常の吸入に応答して、第一の動作を確実に開始および完了することが可能になり得る。
【0013】
吸入カウンターは、流体の流れ起動式吸入カウンターであってもよく、または流体の流れ起動式吸入カウンターと呼ばれてもよい。
【0014】
流体流量の増大が単調ではない場合、変換機構は、流体流量の一時的な増大の間の流量の小さな変動に応答してではなく、流体流量の一時的な増大の第二の部分に応答してのみ第一の動作を完了するように構成され得る。以下でより詳細に説明するように、これは、流体流量の一時的な増大の間の流体流量の非常に小さな一時的な降下に応答して生じるアクチュエータの戻り運動を防止するのに十分な抵抗を提供する抵抗構成要素を提供することによって達成され得る。
【0015】
変換機構は、アクチュエータを含んでもよい。第一の動作は、アクチュエータの運動を含み得る。使用時に、流体の流れ、例えば、流体流量の一時的な増大の間の流体流路を通した流体の流れは、変換機構の構成要素に、例えば、変換機構のアクチュエータに、または変換機構のアクチュエータに結合された構成要素に対して作用し得る。使用時に、流体の流れ、例えば、流体流量の一時的な増大の間の流体流路を通した流体の流れは、変換機構の構成要素に、例えば、変換機構のアクチュエータに、または変換機構のアクチュエータに結合された構成要素に対して作用して、変換機構に第一の動作を行わせ得る。
【0016】
第一の動作は、第一の位置から第二の位置へのアクチュエータの出発運動を含み得る。アクチュエータの出発運動は、流体流量の一時的な増大の第一の部分の間に、またはこれに応答して生じ得る。第一の動作は、第二の位置から第一の位置へのアクチュエータの戻り運動を含み得る。アクチュエータの戻り運動は、流体流量の一時的な増大の第二の部分の間に、またはこれに応答して生じ得る。
【0017】
変換機構は、アクチュエータの出発運動に抵抗するように構成されてもよい。有利なことに、これにより、吸入カウンターが、流体流量の非常に小さな一時的な増大に応答して、誤って吸入をカウントする可能性が低くなり得る。加えて、アクチュエータは、流体流量の非常に小さな一時的な降下に応答してアクチュエータの戻り運動が生じる程度まで、アクチュエータの出発運動に抵抗しない場合がある。
【0018】
変換機構は、抵抗構成要素を含み得る。抵抗構成要素は、アクチュエータの出発運動に抵抗するように構成されてもよい。抵抗構成要素は、一つ以上のばねを含み得る。例えば、抵抗構成要素は、らせんばね、板ばね、ねじりばね、渦巻きばね、およびディスクばねのうちのいずれか一つ以上を含み得る。
【0019】
アクチュエータは、ピストン、ベローおよび膜のうちの一つ以上を含み得る。有利なことに、こうしたアクチュエータは、吸入システムで使用するのに好適に小さなサイズおよび質量を有し、製造が簡単であり得る。
【0020】
アクチュエータは、フラップを含んでもよい。フラップの少なくとも一部分は、流体流路内に位置してもよく、または使用時に流体流路内に位置させることが可能であってもよい。使用時に、流体流路を通した流量は、フラップと接触し得る。この接触により、例えば、回転、並進移動、および屈曲のうちの一つ以上によってフラップを移動させるために、フラップに力が加えられ得る。有利なことに、これにより、単純でありながら信頼性の高い変換機構が提供され得る。
【0021】
変換機構は、回転可能な構成要素を含み得る。第一の動作は、回転可能な構成要素の回転を含み得る。例えば、使用時に、回転可能な構成要素は、流体流量の一時的な増大の第一の部分に応答して第一の方向に回転するように構成されてもよい。回転可能な構成要素は、例えば、ユーザーが吸入器物品で吸入するときに、第一の方向の流体流量に応答して第一の方向に回転するように構成されてもよい。変換機構は、回転可能な構成要素が、例えば、第一の方向とは反対の第二の方向に回転することを防止し得る。流体は、ユーザーが、吸入器システムを吸入するのではなく吹き出すよう試みる場合に、第一の方向とは反対の第二の方向に流れ得る。回転可能な構成要素が第二の方向に回転することを防止することにより、吸入カウンターが不注意によりリセットされることが防止され得る。また、これにより、有利なことに、吸入器物品からの乾燥粉末が吸入器システムを通して間違った方向に流れることが防止され得る。
【0022】
例えば、変換機構は、ラッチおよびフリーホイールクラッチのうちの一つ以上を含んでもよい。ラチェットおよびフリーホイールクラッチのうちの少なくとも一つにより、回転可能な構成要素が第一の方向に回転する一方で、回転可能な構成要素が第二の方向に移動することを防止することが可能になり得る。回転可能な構成要素は、タービンを含み得る。回転可能な構成要素がタービンを含む場合、変換機構は、タービンの回転運動を出発運動および戻り運動に変換するための手段をさらに含み得る。
【0023】
例えば、変換機構は、タービンの回転運動を出発運動および戻り運動に変換するための、カムおよび従動子、クランク、およびねじ山機構のうちの一つ以上を含み得る。
【0024】
回転可能な構成要素は、流体流量の一時的な増大の第二の部分に応答して、第一の方向とは異なる、例えば、第一の方向とは反対の第二の方向に回転するように構成され得る。回転可能な構成要素は、フラップを含み得る。
【0025】
変換機構は、可撓性構成要素を含んでもよく、第一の動作は、可撓性構成要素の屈曲を含み得る。例えば、使用時に、可撓性構成要素は、流体流量の一時的な増大の第一の部分に応答して第一の方向に屈曲するように構成されてもよい。また、可撓性構成要素は、流体流量の一時的な増大の第二の部分に応答して、第一の方向とは異なる、例えば、第一の方向とは反対の第二の方向に屈曲するように構成され得る。可撓性構成要素は、フラップを含み得る。可撓性構成要素は、膜を含み得る。有利なことに、膜の使用により、低摩擦変換機構がもたらされ得る。これにより、変換機構は、例えば、浅い吸入に起因する、流体流量の小さな一時的な増大にも応答して、第一の動作を行うことが可能になり得る。
【0026】
変換機構は、ベンチュリ管またはノズルを含み得る。変換機構は、ベンチュリ管またはノズルを通した流体流量の増大、およびベンチュリ管またはノズル内の圧力の減少のうちの一方または両方に応答して、第一の動作を開始するように構成されてもよい。有利なことに、ベンチュリ管またはノズルの使用により、その他の方法で可能なよりも大きな圧力差、または流体流量差がもたらされ得る。これにより、変換機構は、例えば、浅い吸入に起因する、流体流量の小さな一時的な増大にも応答して、第一の動作を行うことが可能になり得る。
【0027】
ガンギ車は、複数の歯を含み得る。ガンギ車の歯は、半径方向外向きに延びてもよい。有利なことに、こうした歯は、アンカーとガンギ車との間の確実かつ反復可能な相互作用を提供し得る。これにより、付勢手段が、ガンギ車を確実にインクリメントし、変換機構の第一の動作に応答して単一の吸入をカウントすることが可能になり得る。
【0028】
アンカーは、使用時にガンギ車の歯と相互作用し得る。これにより、付勢手段が、変換機構の第一の動作に応答してガンギ車をインクリメントすることが可能になり得る。
【0029】
アンカーは、第一の固定プロングを含み得る。アンカーは、第二の固定プロングを含んでもよい。第一の固定プロングおよび第二の固定プロングのうちの一方または両方は、使用時にガンギ車の歯と相互作用し得る。これにより、付勢手段が、変換機構の第一の動作に応答してガンギ車をインクリメントすることが可能になり得る。アンカーは、パレットフォークを含み得る。
【0030】
使用時に、流体流量の一時的な増大の前に、第一の固定プロングがガンギ車の第一の歯と係合してもよい。流体流量の一時的な増大の後に、第一の固定プロングがガンギ車の第二の歯と係合してもよい。ガンギ車の第二の歯は、ガンギ車の第一の歯に隣接してもよい。
【0031】
使用時に、流体流量の一時的な増大の間、第二の固定リングプロングは、ガンギ車の第三の歯と係合してもよい。
【0032】
使用時に、アクチュエータの出発運動により、第一の固定プロングがガンギ車から係合解除され得る。使用時に、アクチュエータの出発運動により、例えば、第一の固定プロングがガンギ車の第一の歯から係合解除された後に、第二の固定プロングがガンギ車の第三の歯と係合してもよい。
【0033】
使用時に、アクチュエータの戻り運動により、第二の固定プロングがガンギ車の第三の歯から係合解除され得る。使用時に、アクチュエータの戻り運動により、例えば、第二の固定プロングがガンギ車の第三の歯から係合解除された後に、第一の固定プロングがガンギ車の第二の歯と係合してもよい。
【0034】
有利なことに、アンカーの第一および第二の固定プロングとガンギ車の第一、第二、および第三の歯との間のこれらの相互作用により、付勢手段が、変換機構の第一の動作に応答してガンギ車をインクリメントし、単一の吸入をカウントすることを可能にする、簡単であるが信頼性の高い方法が提供され得る。
【0035】
付勢手段は、一つ以上のばねを含み得る。例えば、付勢手段は、らせんばね、板ばね、ねじりばね、渦巻きばね、およびディスクばねのうちの任意の一つ以上を含み得る。付勢手段は、応力印加材料、例えば、圧縮された材料または張力がかかった材料を含み得る。有利なことに、こうした付勢手段は信頼性が高く、電源を必要としない場合がある。
【0036】
吸入カウンターは、吸入カウンターの吸入カウントに関する情報をユーザーに示すための表示手段を含んでもよい。有利なことに、これにより、ユーザーが吸入カウンターの吸入カウントに関する情報を判定することが可能になり得る。
【0037】
吸入カウントに関する情報は、吸入カウント自体を含み得る。
【0038】
例えば、吸入カウントに関する情報が吸入カウントを含む場合、吸入カウントはゼロで開始し得る。吸入カウントは、吸入システムでの吸入ごとに1だけ増大し得る。特定の数まで吸入カウントが増大することは、吸入システムの消耗品が完全に消費された可能性が高いことを示し得る。例えば、特定の消耗品が、完全に消費するのに通常12回の吸入を必要とする場合、吸入カウントが12に達することは、消耗品が完全に消費された可能性が高いことを示し得る。
【0039】
吸入カウントに関する情報は、吸入カウントを推定するための情報を含み得る。
【0040】
例えば、吸入カウントに関する情報は、進捗バーの形態で吸入カウントを推定するための情報を含み得る。進捗バーは、最初はゼロ進捗を示し得る。したがって、ゼロ進捗は、これまでにゼロ回の吸入が行われたことをユーザーに知らせ得る。進捗バーは、吸入システムでの一回以上の吸入に応答して、進捗バーに沿って何らかの進捗を示し得る。したがって、表示手段が、完全に消費するのに通常12回の吸入を必要とする特定の消耗品で使用するために構成され、進捗バーが50パーセントの進捗を示す場合、これにより、ユーザーが6回の吸入が行われたことを推定することが可能になり得る。所定数の吸入後、進捗バーは100パーセントの進捗を示し得る。したがって、上述の消耗品について、これにより、ユーザーは、12回以上の吸入が行われたと推定することが可能になり得る。これは、消耗品が完全に消費された可能性が高いことを示し得る。
【0041】
吸入カウントに関する情報は、吸入システムの消耗品が完全に消費されるまでの残りの吸入の数の推定値を含み得る。
【0042】
例えば、吸入カウントに関する情報が、吸入システムの消耗品が完全に消費されるまでの残りの吸入の数の推定値を含む場合、推定値は数Nで始まり得る。開始数Nは、例えば、ユーザーによって調整可能であり得る。より深くてより長い吸入を行うユーザーは、より浅くてより短い吸入を行うユーザーよりも、より小さな開始数Nで開始することを望む場合がある。これは、吸入システムの消耗品を完全に消費するために、より少なくてより長い吸入が必要となり得るためである。吸入システムでの各吸入について、数Nは1だけ減少し得る。第二の数M、例えば、ゼロに達するように減少する数Nは、消耗品が完全に消費されたことを示し得る。
【0043】
吸入カウントに関する情報は、吸入システムの消耗品が完全に消費されるまでの残りの吸入の数を推定するための情報を含み得る。
【0044】
例えば、吸入カウントに関する情報は、吸入システムの消耗品が完全に消費されるまでの残りの吸入の数を推定するための、進捗バーの形態の情報を含み得る。進捗バーは、最初は消耗品のゼロ消費を示し得る。したがって、進捗バーにより、ユーザーは、消耗品が完全に消費されるまでに吸入システムで特定の数X回の吸入が行われ得ると推定することが可能になり得る。例えば、ユーザーは、所与の消耗品を完全に消費するには12回の吸入が必要であると分かり得る。したがって、ゼロ進捗を示す進捗バーにより、ユーザーは、12回の吸入により消耗品が完全に消費されることを推定することが可能になり得る。進捗バーは、吸入システムでの一回以上の吸入に応答して、進捗バーに沿って消耗品の消費を示し得る。したがって、進捗バーは、吸入システムの消耗品が完全に消費するまでの残りの吸入の数を推定するための情報を示し得る。例えば、進捗バーが上述の消耗品について50パーセントの進捗を示す場合、ユーザーは、6回のさらなる吸入により消耗品を完全に消費し得ると推定することができる。所定数の吸入後、進捗バーは100パーセントの進捗を示し得る。これは、消耗品が完全に消費された可能性が高いことを示し得る。
【0045】
有利なことに、こうした情報をユーザーに示すことにより、ユーザーが吸入カウントに関する有用な情報を簡単かつ迅速に判定することが可能になり得る。
【0046】
表示手段は、ガンギ車および変換機構のうちの一方または両方に結合されてもよい。表示手段は、ガンギ車の第一の動作またはインクリメントに応答して、またはガンギ車の所定の数の第一の動作またはインクリメントに応答して、吸入カウントに関する情報を変更するように構成されてもよい。吸入カウントに関する情報を変更することは、ユーザーに示される吸入カウントを増大させること、または吸入システムの消耗品が完全に消費されるまでの残りの吸入の数の推定値を減少させることを含み得る。
【0047】
表示手段は、ポインターを含み得る。表示手段は、スケールを含んでもよい。表示手段は、線形スケールおよび回転スケールのうちの一方または両方を含み得る。表示手段は、窓を含んでもよい。表示手段は、電子ディスプレイなどの表示装置を含み得る。表示手段は、電子インクを含み得る。
【0048】
ポインターは、例えば、単一の吸入に応答して、または所定数の吸入に応答して、スケールに対して移動するように構成されてもよい。ポインターは、スケールに対して直線的に移動するように構成されてもよい。この場合、スケールは、線形スケールと呼ばれ得る。ポインターは、スケールに対して回転するように構成されてもよい。この場合、スケールは、回転スケールと呼ばれ得る。吸入カウントに関する情報は、ポインターがスケールで指し示すことによって示され得る。吸入カウントに関する情報は、窓を通してユーザーによって視認可能であってもよい。
【0049】
吸入カウンターは、変更機構を含み得る。変更機構は、表示手段に結合されてもよい。変更機構は、吸入カウントに関する情報をリセットまたはその他の方法で変更するためのものであってもよい。
【0050】
変更機構は、ユーザーが吸入カウントに関する情報を設定することを可能にするように構成されてもよい。例えば、上記で説明したように、ユーザーは、吸入システムでの各吸入と共に減少する開始数Nを設定することができる場合がある。
【0051】
変更機構は、フリーホイールクラッチを含み得る。フリーホイールクラッチは、ガンギ車および付勢手段のうちの一方または両方に結合されてもよい。フリーホイールクラッチは、第一の方向に回転して、吸入カウントに関する情報を変更するように構成され得る。フリーホイールクラッチは、吸入カウントに関する情報を変更することなく、第一の方向とは反対の第二の方向に回転するように構成されてもよい。
【0052】
以下でより詳細に説明するように、吸入カウンターは、ホルダーおよび吸入器物品を備える吸入システムの一部を形成してもよい。例えば、ホルダーは、吸入カウンターを含み得る。変更機構は、吸入器物品がホルダーと係合すること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの一方または両方に伴い、吸入カウントに関する情報をリセット、あるいは変更するように構成され得る。フリーホイールクラッチを含む変更機構は、フリーホイールクラッチが、吸入器物品をホルダーと係合すること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの一方が情報を変更するが、吸入器物品をホルダーと係合すること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの他方は情報を変更しない、簡単な機構を提供し得る場合に特に有利であり得る。例えば、吸入器物品をホルダーと係合させること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの一方により、フリーホイールクラッチが第一の方向に回転してもよい。吸入器物品をホルダーと係合させること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの他方により、フリーホイールクラッチが第二の方向に回転してもよい。一部の実施例では、吸入器物品をホルダーと係合すること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの一方または両方により、吸入カウントに関する情報がリセットされる、例えば、吸入カウントがゼロにリセットされる、または吸入システムでの吸入ごとに減少する開始数Nにリセットされ得る。有利なことに、これにより、吸入カウントに関する情報を変更するための別個のユーザー動作の必要性が回避され得る。
【0053】
吸入カウンターは、付勢手段を通電するための通電機構を含み得る。有利なことに、これにより、付勢手段を通電するための電源の必要性が除去され得る。
【0054】
通電機構は、ユーザーが付勢手段を通電することを可能にするように構成され得る。通電機構は、フリーホイールクラッチを含み得る。フリーホイールクラッチは、ガンギ車および付勢手段のうちの一方または両方に結合されてもよい。フリーホイールクラッチは、第一の方向に回転して、付勢手段を通電するように構成され得る。フリーホイールクラッチは、付勢手段を通電することなく、および付勢手段を非通電にすることなく、第一の方向とは反対の第二の方向に回転するように構成され得る。
【0055】
以下でより詳細に説明するように、吸入カウンターは、ホルダーおよび吸入器物品を備える吸入システムの一部を形成してもよい。例えば、ホルダーは、吸入カウンターを含み得る。通電機構は、吸入器物品をホルダーと係合すること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの一方または両方に伴い、付勢手段を通電するように構成されてもよい。フリーホイールクラッチを含む通電機構は、フリーホイールクラッチが、吸入器物品をホルダーと係合すること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの一方が付勢手段を通電するが、吸入器物品をホルダーと係合すること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの他方は付勢手段を通電にも非通電にもしない、簡単な機構を提供し得る場合に特に有利であり得る。例えば、吸入器物品をホルダーと係合させること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの一方により、フリーホイールクラッチが第一の方向に回転してもよい。吸入器物品をホルダーと係合させること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの他方により、フリーホイールクラッチが第二の方向に回転してもよい。有利なことに、これにより、付勢手段を通電するための別個のユーザー動作の必要性が回避され得る。
【0056】
吸入カウンターは、組み合わせられた変更および通電機構を含んでもよい。この機構は、吸入カウントに関する情報を変更し、付勢手段を通電するのに好適であり得る。組み合わせられた変更および通電機構は、ユーザーが吸入カウントに関する情報を変更すること、および付勢手段を通電することを可能にするように構成され得る。有利なことに、これにより、付勢手段を通電するための電源の必要性が軽減され得る。
【0057】
組み合わせられた変更および通電機構は、吸入カウントに関する情報を変更し、同時に、付勢手段を通電するように構成され得る。
【0058】
組み合わせられた変更および通電機構は、フリーホイールクラッチを含み得る。フリーホイールクラッチは、ガンギ車および付勢手段に結合されてもよい。フリーホイールクラッチは、第一の方向に回転して、吸入カウントに関する情報を変更し、付勢手段を通電するように構成され得る。フリーホイールクラッチは、吸入カウントに関する情報を変更する、または付勢手段を通電することなく、第一の方向とは反対の第二の方向に回転するように構成されてもよい。
【0059】
以下でより詳細に説明するように、吸入カウンターは、ホルダーおよび吸入器物品を備える吸入システムの一部を形成してもよい。例えば、ホルダーは、吸入カウンターを含み得る。組み合わせられた変更および通電機構は、吸入器物品をホルダーと係合すること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの一方または両方に伴い、吸入カウントに関する情報を変更し、付勢手段を通電するように構成され得る。フリーホイールクラッチを含む組み合わせられた変更および通電機構は、フリーホイールクラッチが、吸入器物品をホルダーと係合すること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの一方が吸入カウントに関する情報を変更し、付勢手段を通電するが、吸入器物品をホルダーと係合すること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの他方は吸入カウントに関する情報を変更せず、付勢手段を通電にも非通電にもしない、簡単な機構を提供し得る場合に特に有利であり得る。例えば、吸入器物品をホルダーと係合させること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの一方により、フリーホイールクラッチが第一の方向に回転してもよい。吸入器物品をホルダーと係合させること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの他方により、フリーホイールクラッチが第二の方向に回転してもよい。有利なことに、これにより、吸入カウントに関する情報を変更し、付勢手段を通電するための別個のユーザー動作の必要性が回避され得る。
【0060】
本明細書で使用される場合、特に、変更機構、通電機構、組み合わせられた変更および通電機構に言及する場合、吸入器物品をホルダーと係合させることは、吸入器物品の少なくとも一部分をホルダー内に受容すること、およびホルダーに対する吸入器物品の動作のうちの一方または両方を含み得る。ホルダーに対する吸入器物品の動作は、吸入器物品の少なくとも一部分がホルダー内に受容されるときに生じ得る。ホルダーに対する吸入器物品の動作は、吸入器物品のカプセルを起動、または貫通、または破裂するための動作を含み得る。
【0061】
本明細書で使用される場合、特に、変更機構、通電機構、組み合わせられた変更および通電機構に言及する場合、吸入器物品をホルダーから係合解除することは、吸入器物品の少なくとも一部分をホルダーから引きだすこと、およびホルダーに対する吸入器物品の動作のうちの一方または両方を含み得る。ホルダーに対する吸入器物品の動作は、吸入器物品の少なくとも一部分がホルダー内に受容されるときに生じ得る。ホルダーに対する吸入器物品の動作は、吸入器物品のカプセルの起動、貫通、または破裂に付随する吸入器物品の動作を含み得る。
【0062】
したがって、組み合わせられた変更および通電機構の使用を例示する一例として、組み合わせられた変更および通電機構により、ユーザーが、吸入カウントに関する情報をリセットすること、および付勢手段を通電することが、単一の動作、例えば、吸入器物品をホルダーの空洞の中に挿入することによって可能になり得る。より具体的には、吸入器物品を空洞の中に挿入することにより、付勢手段のばねを圧縮することによって、吸入カウントがゼロにリセットされ、付勢手段が通電され得る。
【0063】
吸入カウンターは、機械的吸入カウンターであってもよい。吸入カウンターは、非電気構成要素から成ってもよい。吸入カウンターは、電源がなくても機能し得る。有利なことに、これにより、吸入カウンターの製造が安価になり得る。
【0064】
本開示によると、ホルダーが提供される。ホルダーは、吸入器物品での使用に好適であり得る。ホルダーおよび吸入器物品は、共に吸入システムと見なされ得る。ホルダーは、吸入カウンターを含み得る。吸入カウンターは、第一の態様による吸入カウンターに関して説明した任意の一つ以上の特徴を含み得る。吸入カウンターは、第一の態様による吸入カウンターを含むか、または第一の態様による吸入カウンターであってもよい。
【0065】
本開示の第二の態様によると、吸入器物品で使用するためのホルダーが提供される。ホルダーは、第一の態様による吸入カウンターを備える。
【0066】
ホルダーおよび吸入器物品は、共に吸入システムと見なされ得る。
【0067】
ホルダーは、流体流入口を備え得る。ホルダーは、流体流出口を備えてもよい。第一の態様に関して言及される流体流路などの流体流路は、流体流入口と流体流出口との間に延び得る。ホルダーはマウスピースを含んでいてもよい。
【0068】
ホルダーは、吸入器物品と係合するように構成されてもよい。ホルダーは、吸入器物品の少なくとも一部分を受容するように構成されてもよい。ホルダーは、吸入器物品の少なくとも一部分を受容するための空洞を備えてもよい。ホルダーはハウジングを備えてもよい。ハウジングは、空洞を画定してもよい。ハウジングは、流体流入口および流体流出口のうちの一方または両方を画定してもよい。
【0069】
使用時に、ユーザーは、ホルダーと係合する吸入器物品、またはホルダーのマウスピースで吸入し得る。これにより、流体の流れ、特に空気が、流体流入口を通して、次いで流体流路を通して流入し、その後、流体流出口を通して流出し得る。次いで、流体の流れは、吸入器物品を通して、またはこれを通過して流れ得る。吸入器物品を通して、またはこれを通過して流れる流体は、吸入器物品からのエアロゾル構成要素を同伴し得る。これにより、エアロゾルが形成され得る。エアロゾル構成要素は、乾燥粉末などの固体エアロゾル構成要素、液体の懸濁液滴などの液体エアロゾル構成要素、および気化した液体エアロゾル構成要素などの気体状エアロゾル構成要素のうちの一つ以上を含み得る。流体の流れは、固体エアロゾル構成要素または液体エアロゾル構成要素を同伴して、エアロゾルを形成してもよい。流体の流れは、その後、冷却および凝縮してエアロゾルを形成する、気体状エアロゾル構成要素を同伴してもよい。次いで、エアロゾルは、例えば、吸入器物品またはマウスピースを通して、ユーザーの口内へと流れてもよい。
【0070】
ホルダーは、貫通または破裂手段を含んでもよい。貫通または破裂手段は、スパイクなどの貫通要素を含み得る。貫通または破裂手段は、吸入器物品のカプセルを貫通または破裂するように構成され得る。貫通または破裂手段は、空洞内に延びて、吸入器物品のカプセルを貫通または破裂するように構成され得る。ホルダーは、スリーブを備え得る。スリーブは、貫通または破裂手段に対して移動可能であってもよい。スリーブは、空洞を画定し得る。使用時に、吸入器物品は、スリーブによって画定される空洞内に部分的に受容されてもよい。スリーブおよび吸入器物品は、ホルダーのハウジングに対して一緒に移動するように構成されてもよい。スリーブおよび吸入器物品は、例えば、貫通または破裂手段が吸入器物品のカプセルを貫通または破裂するまで、貫通または破裂手段に対して一緒に移動するように構成されてもよい。
【0071】
ホルダーのハウジングに対するスリーブの移動は、変更機構および通電機構のうちの一方または両方を操作するために使用され得る。変更機構の動作は、吸入カウントに関する情報の変更を指し、通電機構の動作は、付勢手段の通電を指し得る。ホルダーのハウジングに対するスリーブの移動を使用して、組み合わせられた変更および通電機構を動作させ得る。組み合わせられた変更および通電機構の動作とは、吸入カウントに関する情報の変更、および付勢手段の通電を指し得る。
【0072】
吸入器物品は、例えば、第一の態様に関して言及される消耗品を含んでもよく、または消耗品であってもよい。吸入器物品は、カプセル、例えば、乾燥粉末を含有するカプセルを含み得る。ホルダーは、乾燥粉末吸入器を含んでもよく、または乾燥粉末吸入器であってもよい。
【0073】
使用時に、ユーザーは、ホルダーを、乾燥粉末を含有するカプセルを備える吸入器物品と係合してもよい。次いで、ユーザーは、ホルダーの貫通要素でカプセルを貫通するように装置を動作させてもよい。次いで、ユーザーは、吸入器物品、またはホルダーのマウスピースで吸入し得る。こうした吸入により、空気がホルダーの流体流入口を通して流入し得る。次いで、この空気が流体流路を通して流れ得る。吸入により、第一の態様に関して言及したように、流体流路を通した流体流量が一時的に増大し得る。流体流量の一時的な増大により、ホルダーの吸入カウンターの表示手段によりユーザーに示される吸入カウントに関する情報が変化し得る。流体流路を通した流体の流れは、カプセルからの乾燥粉末を同伴し得る。流体および乾燥粉末は、流体流路内にエアロゾルを形成し得る。次いで、エアロゾルがユーザーに送達され得る。消耗品が完全に消費された後、吸入器物品をホルダーから係合解除してもよい。その後、ホルダーは、別の未使用の吸入器物品で使用することが可能であり得る。
【0074】
ホルダーは、吸入量推定器を備えてもよい。吸入量推定器は、流体流路を通した流体の流れの量に関する吸入量情報を示すためのインジケータを含み得る。
【0075】
有利なことに、吸入カウンターと吸入量推定器との組み合わせにより、ユーザーに、ユーザーの吸入についてのより多くの情報が提供され得る。これにより、ユーザーが、消耗品が完全に消費された時をより正確に判定することが可能になり得る。
【0076】
上記で説明したように、吸入カウンターは、変更機構、通電機構、および組み合わせられた変更および通電機構の組み合わせのうちの一つ以上を含み得る。また、これらの機構のうちの任意の一つ、二つ、またはすべては、吸入器物品をホルダーと係合させること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの一方または両方によって動作され得る。さらなる詳細は、吸入カウンターを参照して上記で説明した。有利なことに、これにより、吸入カウントに関する情報を変更する、または付勢手段を通電するためのユーザーの別個の動作の必要性が回避され得る。
【0077】
ホルダーは、機械的ホルダーであってもよい。ホルダーは、非電気構成要素から成ってもよい。ホルダーは、電源がなくても機能し得る。有利なことに、これにより、吸入カウンターの製造が安価になり得る。
【0078】
ホルダーは、上述の表示手段を含む吸入カウンターを備え得る。別の方法として、または追加的に、ホルダーは、上述の吸入カウンターの表示手段の特徴の任意の一つ以上を有する表示手段を含んでもよい。
【0079】
本開示によると、吸入システムが提供され得る。システムは、第二の態様によるホルダーを備えてもよい。システムは、第二の態様に関連して言及される吸入器物品を備えてもよい。
【0080】
本開示の第三の態様によると、吸入システムが提供される。システムは、第二の態様によるホルダーを備える。システムは、第二の態様に関連して言及される吸入器物品をさらに備える。
【0081】
吸入システムは、乾燥粉末吸入システムであってもよい。ホルダーは、乾燥粉末吸入器であってもよい。吸入器物品は、例えば、吸入器物品のカプセルに含有される乾燥粉末を含み得る。
【0082】
カプセルは、ニコチン粒子および風味粒子のうちの一方または両方を含有してもよい。風味粒子は、ニコチン粒子より大きくてもよい。使用時に、風味粒子は、ニコチン粒子をユーザーの肺の中へと搬送するのを支援し得る。風味粒子は、ユーザーの口または口腔内に優先的に残り得る。使用時に、ニコチン粒子および風味粒子のうちの一方または両方は、従来の喫煙方法の流量内の流量で送達されてもよい。
【0083】
本明細書で使用される「流体の流れ」という用語は、気流を指し得る。流体流路は、気流通路であってもよい。吸入システムでの吸入により、流体流路を通した流体の流れの一時的な増大がもたらされ得る。
【0084】
本明細書で使用される「ニコチン」という用語は、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、およびこれに類するものなどの、ニコチンおよびニコチン誘導体を指し得る。
【0085】
本明細書で使用される「風味」という用語は、その消費中または吸入中にニコチンの味覚特性もしくは芳香特性を変化させ、また変化させるように意図される、感覚刺激性の化合物、組成物、または材料を指し得る。
【実施例】
【0086】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0087】
実施例1.
吸入システムのための吸入カウンターであって、吸入システムが、流体流路を備え、吸入カウンターが、
ガンギ車と、
ガンギ車をインクリメントするための付勢手段と、
使用時に、流体流路を通した流体流量の一時的な増大に応答して第一の動作を行うように構成された変換機構と、
アンカーと、を備え、
アンカーが、変換機構に結合され、付勢手段が、変換機構の第一の動作に応答してガンギ車をインクリメントすることを可能にするように、ガンギ車と相互作用するように構成される、吸入カウンター。
実施例2.
吸入カウンターが、流体流路を備える、または、使用時に流体流路に結合されるように構成される、実施例1による吸入カウンター。
実施例3.
流体流量の一時的な増大が、流体流量が増大する第一の部分、および流体流量が減少する、後続の第二の部分を含み、変換機構が、流体流量の一時的な増大の第一の部分に応答して第一の動作を開始するように構成される、実施例1または2による吸入カウンター。
実施例4.
変換機構が、流体流量の一時的な増大の第二の部分に応答して第一の動作を完了するように構成される、実施例3による吸入カウンター。
実施例5.
変換機構が、アクチュエータを含み、第一の動作が、アクチュエータの運動を含む、実施例1~4のいずれかによる吸入カウンター。
実施例6.
第一の動作が、第一の位置から第二の位置へのアクチュエータの出発運動、および第二の位置から第一の位置へのアクチュエータの戻り運動を含む、実施例5による吸入カウンター。
実施例7.
変換機構が、アクチュエータの出発運動に抵抗するように構成される、実施例6による吸入カウンター。
実施例8.
変換機構が、抵抗構成要素を含み、抵抗構成要素が、アクチュエータの出発運動に抵抗するように構成される、実施例7による吸入カウンター。
実施例9.
抵抗構成要素が、ばねを含む、実施例7または8による吸入カウンター。
実施例10.
アクチュエータが、ピストン、ベロー、および膜のうちの一つ以上を含む、実施例5~9のいずれかによる吸入カウンター。
実施例11.
アクチュエータがフラップを含み、随意に、フラップの少なくとも一部分が、流体流路内に位置するか、または使用時に流体流路内に位置させることが可能である、実施例5~10のいずれかによる吸入カウンター。
実施例12.
変換機構が、回転可能な構成要素を含み、第一の動作が、回転可能な構成要素の回転を含む、実施例1~11のいずれかによる吸入カウンター。
実施例13.
回転可能な構成要素が、タービンを含む、実施例12による吸入カウンター。
実施例14.
変換機構が、可撓性構成要素を含み、第一の動作が、可撓性構成要素の屈曲を含む、実施例1~13のいずれかによる吸入カウンター。
実施例15.
変換機構がベンチュリ管またはノズルを含み、変換機構が、ベンチュリ管またはノズルを通した流体流量の増大、およびベンチュリ管またはノズル内の圧力の減少のうちの一方または両方に応答して、第一の動作を開始するように構成される、実施例1~14のいずれかによる吸入カウンター。
実施例16.
ガンギ車が、複数の歯を含む、実施例1~15のいずれかによる吸入カウンター。
実施例17.
アンカーが、使用時にガンギ車の歯と相互作用して、付勢手段が、変換機構の第一の動作に応答してガンギ車をインクリメントすることを可能にする、実施例16による吸入カウンター。
実施例18.
アンカーが、第一の固定プロングおよび第二の固定プロングを含み、第一の固定プロングおよび第二の固定プロングが、使用時にガンギ車の歯と相互作用して、付勢手段が、変換機構の第一の動作に応答してガンギ車をインクリメントすることを可能にする、実施例1~17のいずれかによる吸入カウンター。
実施例19.
付勢手段が、ばねを含む、実施例1~18のいずれかによる吸入カウンター。
実施例20.
付勢手段が、渦巻きばねを含む、実施例19による吸入カウンター。
実施例21.
付勢手段が、らせんばねを含む、実施例19または20による吸入カウンター。
実施例22.
吸入カウンターが、吸入カウンターの吸入カウントに関する情報をユーザーに示すための表示手段を備える、実施例1~21のいずれかによる吸入カウンター。
実施例23.
表示手段が、ガンギ車および変換機構のうちの一方または両方に結合される、実施例22による吸入カウンター。
実施例24.
表示手段が、ガンギ車の第一の動作またはインクリメントに応答して、またはガンギ車の所定の数の第一の動作またはインクリメントに応答して、吸入カウントに関する情報を変更するように構成される、実施例22または23による吸入カウンター。
実施例25.
表示手段が、ポインターおよびスケールのうちの一方または両方を含む、実施例22~24のいずれかによる吸入カウンター。
実施例26.
吸入カウンターが、ポインターおよびスケールを含み、使用時に、ポインターが、単一の吸入に応答して、または所定数の吸入に応答して、スケールに対して移動するように構成される、実施例25による吸入カウンター。
実施例27.
吸入カウンターが、吸入カウントに関する情報をリセットする、あるいは変更するために表示手段に結合された変更機構を備える、実施例22~26のいずれかによる吸入カウンター。
実施例28.
変更機構が、ユーザーが、吸入カウントに関する情報を設定することを可能にするように構成される、実施例27による吸入カウンター。
実施例29.
変更機構が、フリーホイールクラッチを含む、実施例27または28のいずれかによる吸入カウンター。
実施例30.
付勢手段を通電するための通電機構を備える、実施例1~29のいずれかによる吸入カウンター。
実施例31.
通電機構が、フリーホイールクラッチを含む、実施例30による吸入カウンター。
実施例32.
吸入カウントに関する情報を変更し、付勢手段を通電するための組み合わせられた変更および通電機構を備える、実施例22~26のいずれかによる吸入カウンター。
実施例33.
組み合わせられた変更および通電機構が、フリーホイールクラッチを含む、実施例32による吸入カウンター。
実施例34.
フリーホイールクラッチが、ガンギ車および付勢手段に結合される、実施例33による吸入カウンター。
実施例35.
フリーホイールクラッチが、第一の方向に回転して、吸入カウントに関する情報を変更し、付勢手段を通電するように構成される、実施例34による吸入カウンター。
実施例36.
フリーホイールクラッチが、吸入カウントに関する情報を変更する、または付勢手段を通電することなく、第一の方向とは反対の第二の方向に回転するように構成される、実施例35による吸入カウンター。
実施例37.
組み合わせられた変更および通電機構が、吸入カウントに関する情報を変更すし、同時に、付勢手段を通電するように構成される、実施例32~36のいずれかによる吸入カウンター。
実施例38.
吸入カウンターが、非電気構成要素から成る機械的吸入カウンターである、実施例1~37のいずれかによる吸入カウンター。
実施例39.
吸入器物品で使用するためのホルダーであって、実施例1~38のいずれかによる吸入カウンターを備える、ホルダー。
実施例40.
吸入カウンターが、実施例27~29のいずれかによる吸入カウンターであり、変更機構が、吸入器物品をホルダーと係合すること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの一方または両方によって動作される、実施例39によるホルダー。
実施例41.
吸入カウンターが、実施例30~31のいずれかによる吸入カウンターであり、通電機構が、吸入器物品をホルダーと係合すること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの一方または両方によって動作される、実施例39または40によるホルダー。
実施例42.
吸入カウンターが、実施例32~37のいずれかによる吸入カウンターであり、組み合わせられた変更および通電機構が、吸入器物品をホルダーと係合すること、および吸入器物品をホルダーから係合解除することのうちの一方または両方によって動作される、実施例39によるホルダー。
実施例43.
ホルダーが、非電気構成要素から成る機械的ホルダーである、実施例39~42のいずれかによるホルダー。
実施例44.
ホルダーが、吸入カウンターの吸入カウントに関する情報をユーザーに示すための表示手段を備える、実施例39~43のいずれかによるホルダー。
実施例45.
実施例39~44のいずれかによるホルダー、および吸入器物品を備える、吸入システム。
実施例46.
システムが、乾燥粉末吸入システムである、実施例45による吸入システム。
【0088】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【
図1】
図1は、ホルダーおよび吸入器物品を備える吸入システムの断面図である。
【
図2】
図2は、
図1の吸入システムの吸入カウンターの断面図である。
【
図3】
図3は、吸入システムのための第一の代替的な吸入カウンターの断面図である。
【
図4】
図4は、吸入システムのための第二の代替的な吸入カウンターの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
図1は、吸入システム100の断面図である。吸入システム100は、非電気構成要素から成る機械的吸入システムである。吸入システム100は、吸入器物品200と、吸入器物品200を受容するためのホルダー300とを備える。
【0091】
吸入器物品200は、口側端204から遠位端206へと、吸入器長軸方向軸に沿って延びる本体を含む。口側端204は、ユーザーの口内に挿入するためのものである。遠位端206は、口側端204とは反対側にある。吸入器物品200は、本体内に配置され、フィルター要素によって下流で境界付けられ、また中央通路を画定する開放管状要素によって上流で境界付けられる、カプセル空洞を含む。本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、通常の使用中にシステムを通して流れる流体の流れに対する構成要素の相対的な位置を指す。吸入器物品200は、カプセル空洞内に配置されたカプセルを含む。開放管状要素の中央通路は、本体の遠位端206からカプセル空洞へと延びる空気入口開口を形成する。中央通路は、カプセルよりも小さい直径を有する。そのため、カプセルは中央通路から外れない。カプセルは、乾燥粉末を含む。乾燥粉末は、ニコチン粒子および風味粒子を含む。
【0092】
ホルダー300は、ハウジング空洞を画定するハウジング302を備える。ホルダー300は、移動可能なスリーブ306を備える。ハウジング空洞は、スリーブ306を受容および保持するためのものである。スリーブ306は、スリーブ空洞308を画定する。スリーブ空洞308は、吸入器物品200を受容および保持するためのものである。
図1では、吸入器物品200は、スリーブ空洞308内に受容され、スリーブ306は、ハウジング空洞内に受容されて示されている。
【0093】
ホルダー300は、ハウジング302の遠位端に固定され、かつハウジング空洞に向かってホルダー300の長軸方向軸に沿って延びる貫通要素310を備える。貫通要素310は、吸入器物品200内に配置されたカプセルを起動または貫通するように構成される。ホルダー300は、貫通要素310から離れるようにスリーブ306を付勢するように構成されたばね312を備える。ホルダーは、スリーブ静止構成要素311を備える。ホルダー300の静止位置では、
図1に示すように、スリーブ306はスリーブ静止構成要素311上に静止し、スリーブ静止構成要素311はばね312上に静止する。スリーブ静止構成要素311は、中央開口部を含む。使用時に、スリーブ306およびスリーブ静止構成要素311がばね312の動作に対して貫通要素310に向かって移動すると、貫通要素310は、スリーブ静止構成要素311の中央開口部を通って延びることができる。
【0094】
スリーブ306は、第一の開放端314および第二の反対側の端316を含む。スリーブ306の第二の反対側の端316は、中央開口部を含む。この中央開口部は、気流がスリーブ空洞308に入ることを可能にするように構成される。この中央開口部は、スリーブ306が貫通要素310に向かってホルダー300の長軸方向軸に沿って移動するときに、貫通要素310がスリーブ空洞308に入ることを可能にするように構成される。
【0095】
ホルダー300は、流体流入口318と、流体流入口318からスリーブ306の第二の端316へと延びる流体流路322とを備える。ホルダー300は、流体流路322に結合された吸入カウンター350を備える。
【0096】
使用時に、ユーザーは、吸入器物品200をホルダー300のスリーブ空洞308の中へと挿入する。吸入システム100は、この段階において、
図1に示すように見える。次いで、ユーザーは、吸入器物品200を吸入器物品200の遠位端206の方向に押す。これにより、ばね312が圧縮され、吸入器物品200、スリーブ306、およびスリーブ静止構成要素311がハウジング302に対して遠位方向に移動する。これが起こると、貫通要素310は、スリーブ静止構成要素311の中央開口部を通り、次いでスリーブ306の中央開口部を通り、次いでスリーブ空洞308の中へと延びた後、カプセル空洞の中へと延びて、カプセルと接触してこれを貫通する。次いで、ユーザーは、吸入器物品200を解放し得る。これにより、ばね312が膨張し、吸入器物品200、スリーブ306、およびスリーブ静止構成要素311がハウジング302に対して近位方向へと移動し、
図1に示す静止位置へと戻ることが可能になる。しかし、この段階で、カプセルは貫通されている。
【0097】
ユーザーは次いで、吸入器物品200の口側端204で吸入し得る。これにより、空気が、ホルダー300の流体流入口318を通して流入し、流体流路322を通して流れる。この空気は、スリーブ306の中央開口部を通り、次いで吸入器物品200の中央開口部を通ってカプセル空洞に流入する。カプセルからの乾燥粉末は、この気流に同伴されて、エアロゾルを形成する。このエアロゾルは、フィルター要素を通して流れ、ユーザーへと送達される。気流経路は、
図1にいくつかの矢印で示されている。ユーザーは、吸入器物品200で繰り返し吸入し得る。各吸入により、流体流路322を通した流体流量の一時的な増大がもたらされる。各吸入は、吸入カウンター350によってカウントされ、ホルダー300の表示手段は、ホルダー300の視認窓を通して吸入カウンター350の吸入カウントに関する情報をユーザーに示す。流体の流れと吸入カウンター350との間の相互作用は、
図2を参照して以下により詳細に説明される。カプセルが完全に消費された後、例えば、12回の吸入後、表示手段はこれをユーザーに示す。次いで、ユーザーは、吸入器物品200をホルダー300から引き出し得る。この動作により、吸入カウンター350がリセットされ、吸入カウンターの付勢手段が通電される。これについてはより詳細に後述する。
【0098】
図2は、ホルダー300の吸入カウンター350を示す。
【0099】
吸入カウンター350は、ベンチュリ管323を介して流体流路322に結合される。吸入カウンター350は、ガンギ車352、ガンギ車352をインクリメントするための渦巻きばねの形態の付勢手段354、および変換機構を備える。変換機構は、流体流路322を通した流体流量の一時的な増大に応答して第一の動作を行うように構成される。吸入カウンター350はまた、アンカー356を備える。アンカー356は、変換機構に結合され、付勢手段354が、変換機構の第一の動作に応答してガンギ車352をインクリメントすることを可能にするように、ガンギ車352と相互作用するように構成される。具体的には、アンカー356は、第一の固定プロング357および第二の固定プロング359を含み、第一の固定プロング357および第二の固定プロング359は、付勢手段354が、変換機構の第一の動作に応答してガンギ車352をインクリメントすることを可能にするように、ガンギ車352の歯と相互作用する。
【0100】
変換機構は、ピストンの形態のアクチュエータ358を含む。変換は、らせんばねの形態の抵抗構成要素360を含む。抵抗構成要素360は、アクチュエータ358に結合される。
【0101】
使用時に、吸入器物品200での吸入は、上記に説明したように、流体流路322を通した流体流量の一時的な増大をもたらす。流体流量の一時的な増大は、流体流量が増加する第一の部分、および流体流量が減少する後続の第二の部分を含み得る。
【0102】
ユーザーが吸入器物品200で吸入すると、流体の流れ、特に気流が、ホルダー300の流体流入口318を通して引き出される。この流体の流れは、ベンチュリ管323を通過するのにつれて加速し、結果として、ベンチュリ管323内の圧力が低下する。この圧力の低下は、変換機構の第一の動作を開始させるように作用する。
【0103】
第一の動作は、アクチュエータ358の運動を含む。具体的には、第一の動作は、第一の位置から第二の位置へのアクチュエータ358の出発運動、および第二の位置から第一の位置へのアクチュエータ358の戻り運動を含む。抵抗構成要素360は、アクチュエータ358の出発運動に抵抗するように構成される。
【0104】
図2の吸入カウンター350では、アクチュエータ358の出発運動は、アクチュエータ358の下向きの移動を含む。したがって、ユーザーが吸入器物品で吸入を開始すると、アクチュエータ358は下向きに移動し、抵抗構成要素360を圧縮する。これにより、アンカー356が移動する。具体的には、アクチュエータ358とアンカー356との間の結合に起因して、アンカー356が下向きに移動し、アンカー356がアンカー356の枢動点362を中心に時計回りに枢動する。これにより、アンカー356の第一の固定プロング357が、ガンギ車352の第一の歯から係合解除される。これにより、ガンギ車352が、アンカー356の第二の固定プロング359がガンギ車352の第二の歯と係合する前に、付勢手段354の動作下で少量回転し、さらなる回転が防止される。したがって、流体の流れの一時的な増大の第一の部分は、ガンギ車352の単一のインクリメント未満となる。流体流路322を通した流体流量が十分に高い一方で、ベンチュリ管323内の圧力は、アクチュエータ358をその第二の位置に保持して、それによって、付勢手段354の動作下でガンギ車352のさらなる回転を防止するように、十分に低くなる。
【0105】
最終的に、流体流路322を通した流体流量が減少し始める。これは、流体流量の一時的な増大の第二の部分である。流体流量の一時的な増大のこの第二の部分の間、またはその直後に、ベンチュリ管323を通した流量が減少し、ベンチュリ管323内の圧力が、大気圧に向けて増大する。圧力が増大するのに伴い、抵抗構成要素360が膨張し、アクチュエータ358が上向きに移動する。すなわち、アクチュエータ358の戻り運動において、アクチュエータ358がその第二の位置からその第一の位置へと戻る。これが起こると、アンカー356は、その枢動点362を中心に反時計回りに回転する。これにより、第二の固定プロング359がガンギ車352の第二の歯から係合解除される。次いで、ガンギ車352は、第一の固定プロング357がガンギ車352の第三の歯と係合する前に、付勢手段354の動作下で少量回転する。この実施形態では、ガンギ車352の第三の歯は、ガンギ車352の第一の歯に隣接して、かつその直後に位置する。したがって、変換機構の第一の動作後に、ガンギ車352は、付勢手段354の動作下で単一のインクリメントを受ける。
【0106】
吸入カウンター350は、吸入カウンター350の吸入カウントに関する情報をユーザーに示すための表示手段364をさらに備える。表示手段364は、ポインター366および実質的に円形のスケール368を含む。スケール368には、その外表面に沿って0~29の番号が付されている。ポインター366は、ホルダー300のハウジング302に対して固定されたままであり、スケール368上の数のうちの一つを指し示す。ホルダー300上の視認窓を通して、ユーザーは、所与の時間にポインター366が指し示す数を見ることができる。表示手段364のスケール368は、ガンギ車352が回転するときにポインター366に対して回転するように、ガンギ車352に結合される。したがって、ガンギ車352の増分回転により、ポインター366に対するスケール368の対応する増分回転がもたらされる。この意味で、スケール368は、回転スケールと呼ばれ得る。吸入に応答して、アクチュエータ358の第一の動作により、ガンギ車352およびスケール368がインクリメントされ、したがって、ポインター366がスケール368上の後続の数を指し示す。
図1に示す実施形態では、各吸入により、ポインター366によって指し示される数が1だけ増大する。したがって、第一の吸入前に数がゼロに設定されている場合、吸入カウンター350は、吸入器物品200での吸入の数をカウントして、この吸入カウントをユーザーに示す。しかしながら、当業者にとって明らかであるように、表示手段364は、吸入カウントに関する情報を様々な方法でユーザーに示すことができる。例えば、吸入カウンター350は、カウントアップではなく、カウントダウンしてもよい。同様に、スケール368とガンギ車352との間のギア比は、スケール368がガンギ車352よりも有意に小さい角度で回転するように調整されてもよく、スケール368は、吸入に応答して視認窓をゆっくりと覆う、着色された表面を単に含んでもよい。視認窓を覆うことにより、吸入器物品200が完全に消費された可能性が高いことを示し得る。
【0107】
吸入カウンター350はまた、組み合わせられた変更および通電機構(図示せず)を備える。組み合わせられた変更および通電機構は、スケール368に結合されたホルダー300上の手動巻き取り機構である。ユーザーは、巻き取り機構を手動で回転させて、表示手段364によって示される吸入カウントを低減、例えば、ゼロにリセットすることができる。
図2に示すギア機構により、ユーザーが巻き取り機構を回転させて吸入カウントを減少させるのにつれて、付勢手段354が再び通電される。これは、渦巻きばねの形態の付勢手段354が、巻き取り機構が回転するのにつれて回転する付勢手段ギア355に結合され、この回転により付勢手段354が通電する(言い換えれば、締め付けまたは巻き戻し)されるためである。
【0108】
巻き取り機構がこの方向に回転するのにつれて、ガンギ車352は回転しない。これは、ガンギ車352が、フリーホイールクラッチ370によってガンギ車ギア372に結合しているためである。したがって、このギアが反時計方向に回転すると、スケール368およびガンギ車352は時計方向に回転する。しかし、このギアが時計方向に回転する場合、スケール368は、反時計方向に回転し、ガンギ車352は回転しない。
【0109】
当業者にとって明らかであるように、組み合わせられた変更および通電機構が、吸入器物品200をスリーブ空洞の中に挿入する、または吸入器物品200をスリーブ空洞から取り出すことによって動作されるような好適な機構を含めることができる。
【0110】
図3は、吸入システムのための第一の代替的な吸入カウンター450の断面図である。例えば、吸入カウンター450は、
図1の吸入システムで使用される吸入カウンター350と置き換えられ得る。
【0111】
吸入カウンター450は、ベンチュリ管(図示せず)を介して流体流路322に結合され得る。吸入カウンター450は、ガンギ車452、ガンギ車452をインクリメントするためのらせんばねの形態の付勢手段454、および変換機構を備える。変換機構は、流体流路322を通した流体流量の一時的な増大に応答して第一の動作を行うように構成される。吸入カウンター450はまた、アンカー456を備える。アンカー456は、変換機構に結合され、付勢手段454が、変換機構の第一の動作に応答してガンギ車452をインクリメントすることを可能にするように、ガンギ車452と相互作用するように構成される。具体的には、アンカー456は、第一の固定プロング457および第二の固定プロング459を含み、第一の固定プロング457および第二の固定プロング459は、付勢手段454が、変換機構の第一の動作に応答してガンギ車452をインクリメントすることを可能にするように、ガンギ車452の歯と相互作用する。
【0112】
変換機構は、可撓性膜の形態のアクチュエータ458を含む。使用時に、吸入器物品200での吸入は、上記に説明したように、流体流路322を通した流体流量の一時的な増大をもたらす。流体流量の一時的な増大は、同じく上記に説明されるように、流体流量が増大する第一の部分、および流体流量が減少する後続の第二の部分を含み得る。
【0113】
ユーザーが吸入器物品200で吸入すると、流体の流れ、特に気流が、ホルダー300の流体流入口318を通して引き出される。この流体の流れは、ベンチュリ管を通過するのにつれて加速し、結果として、ベンチュリ管内の圧力が低下する。この圧力の低下は、変換機構の第一の動作を開始させるように作用する。
【0114】
第一の動作は、アクチュエータ458の運動を含む。具体的には、第一の動作は、第一の位置から第二の位置へのアクチュエータ458の出発運動、および第二の位置から第一の位置へのアクチュエータ458の戻り運動を含む。可撓性膜の抵抗は当然に、アクチュエータ458の出発運動に抵抗する。
【0115】
図3の吸入カウンター450では、アクチュエータ458の出発運動は、
図3に示す位置に達するためのアクチュエータ458の下向きの移動を含む。したがって、ユーザーが吸入器物品で吸入を開始すると、アクチュエータ458は下向きに移動する。すなわち、ベンチュリ管内の圧力の低下に応答して、膜の中央部分が下向きに移動するように、可撓性膜が屈曲する。これにより、アンカー456は、
図2のアンカー356がピストンの下向きの移動によって移動するのと同様に移動する。
【0116】
最終的に、流体流路322を通した流体流量が減少し始める。これは、流体流量の一時的な増大の第二の部分である。流体流量の一時的な増大のこの第二の部分の間、またはその直後に、ベンチュリ管を通した流量が減少し、ベンチュリ管内の圧力が、大気圧に向けて増大する。圧力が増大するのにつれて、可撓性膜、またはアクチュエータ458の本来の抵抗が、アクチュエータ458を上向きに移動させるように作用する。すなわち、アクチュエータ458の戻り運動において、アクチュエータ458がその第二の位置からその第一の位置へと戻る。これが起こると、アンカー456は、
図2のアクチュエータ358の上向きの移動に関連して記載されるのと同様に、枢動点462を中心に反時計回りに回転する。したがって、変換機構の第一の動作後に、ガンギ車452は、付勢手段454の動作下で単一のインクリメントを受ける。
【0117】
吸入カウンター450は、吸入カウンター450の吸入カウントに関する情報をユーザーに示すための表示手段464をさらに備える。表示手段464は、ポインター466および実質的に真っ直ぐな線形スケール468を含む。スケジュール468には、0~25の番号が付されている。この実施形態では、スケール468は、ホルダー300のハウジング302に対して固定されたままである。ポインター466は、スケール468上の数のうちの一つを指し指す。この実施形態では、ユーザーが、所与の時間にポインター466が指し示す数が見えるように、実質的に長方形の視認窓がスケール468およびポインター466を覆ってホルダー300上に位置してもよい。表示手段464のポインター466は、ガンギ車452が回転するときにスケール468に対して直線状に上向きに並進移動するように、ガンギ車452に結合される。この実施形態では、ラックピニオン機構が使用される。具体的には、ポインター466は、線形ギア455またはラックに固定され、ガンギ車454は、ガンギ車ギア472、またはピニオンに、フリーホイールクラッチ470を介して結合され、ガンギ車ギア472は、線形ギア455またはラックに結合される。したがって、吸入に応答したガンギ車452の増分回転により、ガンギ車ギア472の対応する増分回転、およびスケール468に対するポインター466の対応する増分並進運動がもたらされる。
図3に示す実施形態では、ポインター466のこの増分並進運動により、ポインター466がスケール468上の後続の数を指し示す。したがって、
図3に示す実施形態では、各吸入により、ポインター466によって指し示される数が1だけ増大する。したがって、吸入器物品200での第一の吸入前に数がゼロに設定されている場合、吸入カウンター450は、吸入器物品200での吸入の数をカウントして、この吸入カウントをユーザーに示す。しかしながら、当業者にとって明らかであるように、表示手段464は、吸入カウントに関する他の情報をユーザーに示すことができる。例えば、吸入カウンター450は、カウントアップではなく、カウントダウンしてもよい。表示手段464はまた、他の方法で吸入カウントに関する他の情報をユーザーに示してもよい。例えば、ポインター466は、およそ視認窓の長さである、下向きに延びる着色された表面を含んでもよい。次いで、吸入に応答して、この着色された表面が、視認窓をゆっくりと覆うように上向きに移動し得る。視認窓を覆うことにより、吸入器物品200が完全に消費された可能性が高いことを示し得る。
【0118】
吸入カウンター450はまた、組み合わせられた変更および通電機構(図示せず)を備える。組み合わせられた変更および通電機構は、吸入器物品200をスリーブ空洞の中に挿入することによって動作される。機構は図中には示されていないが、当業者には、この機構に対するいくつかの選択肢が明らかであろう。一つの実施例を以下に説明する。
【0119】
スリーブ306は、スリーブ306の上部からスリーブ306の側壁に沿って下向きに延びる長軸方向のスリットを含み得る。一連のギアのスリーブギアは、それに対してガンギ車452がフリーホイールクラッチ470によって結合されるガンギ車ギア472に結合され得る。例えば、
図3の実施形態に示すように、ラックピニオン配設を使用する場合、スリーブギアは、一連のギアを介して、それに対してガンギ車ギア472が結合されるラックに結合され得る。このスリーブギアはまた、スロットを部分的に通ってスリーブ空洞内に延び得る。ユーザーが吸入器物品200をスリーブ空洞308の中に挿入すると、吸入器物品200がスリーブギアと係合し、吸入器物品200がさらに奥までスリーブ空洞308の中に挿入されるのにつれてスリーブギアが回転し得る。一連のギアは、スリーブギアが回転するのにつれて、ガンギ車ギア472も回転するように、このスリーブギアをガンギ車ギア472に結合する。具体的には、スリーブギアが回転するのにつれて、ガンギ車ギア472が反時計方向に回転し、それによってポインター466が下向きに移動し、らせんばねまたは付勢手段454を圧縮する。しかしながら、ガンギ車ギア472は、フリーホイールクラッチ470によってガンギ車452に結合されるため、ガンギ車ギア472の反時計回りの回転によりガンギ車452は回転しない。このようにして、吸入器物品200をホルダー300と係合させ、特に吸入器物品200をスリーブ空洞の中に挿入して、組み合わせられた変更および通電機構を動作させて、ポインター466をゼロにリセットし、付勢手段454を通電する。スリーブギアは、フリーホイールクラッチによって一連のギアに同様に結合されてもよい。これにより、吸入器物品200がスリーブ空洞308から取り外されたときの、反対方向におけるスリーブギアの任意の回転が、ガンギ車ギア472を回転させるように作用しないことが確保される。
【0120】
図4は、吸入システムのための第二の代替的な吸入カウンター550の断面図である。例えば、吸入カウンター550は、
図1の吸入システムで使用される吸入カウンター350と置き換えられ得る。
【0121】
吸入カウンター550は、ピストンの形態のアクチュエータ358が回転可能フラップの形態のアクチュエータ558と置き換えられ、らせんばねの形態の抵抗構成要素360がねじりばねの形態の抵抗構成要素560と置き換えられ、アクチュエータ558が接続ロッド559を介してアンカー356に結合されることを除いて、
図2に示す吸入カウンター350と同一である。
図4に示す実施形態では、変換機構の第一の動作は、第一の方向におけるアクチュエータ558の回転、それに続く、第一の方向とは反対の第二の方向におけるアクチュエータの回転を含む。これについては以下で詳しく説明する。そうでなければ、
図4の吸入カウンター550は、
図2の吸入カウンターと同じ方法で機能する。
【0122】
図4の吸入カウンター550は、回転可能なフラップの形態のアクチュエータ558を備える。フラップの少なくとも一部分は、流体流路322内に位置する。フラップは、
図4の点線で示される前方位置に向かって、抵抗構成要素560によって付勢される。吸入カウンター550は、接続ロッド559を備える。接続ロッド559の第一の端は、アンカー356に枢動可能に接続され、接続ロッド559の第二の端は、フラップに枢動可能に接続される。
【0123】
使用時に、ユーザーが吸入器物品200で吸入することにより、空気が気流通路322を通して流れ、フラップと衝突する。気流の第一の部分の間、気流は、フラップに力を加え、
図4の実線に示すように、フラップを後方位置に向かって回転させる。前方位置から後方位置へのこの回転は、アクチュエータ558の出発運動と呼ばれる場合があり、
図2のピストンの下向きの移動に対応する。この運動により、接続ロッド559が移動し、それによって、アンカー356がその枢動点362を中心に回転する。したがって、前方位置から後方位置へのフラップの回転により、アンカー356が、
図2の吸入カウンター350のピストンの下向きの移動と同じ方法で回転する。
【0124】
吸入の終了に向かって、気流通路322を通した気流量が減少する。したがって、ねじりばねの形態の抵抗構成要素560の動作下で、フラップが後方位置から前方位置へと回転する。これは、アクチュエータ558の戻り運動と呼ばれる場合があり、
図2のピストンの上向きの移動に対応する。この運動により、接続ロッド559が移動し、それによって、アンカー356がその枢動点362を中心に回転する。したがって、後方位置から前方位置へのフラップの回転により、アンカー356が、
図2の吸入カウンター350のピストンの上向きの移動と同じ方法で回転する。これにより、変換機構の第一の動作が完了する。
図4の吸入カウンター550のその他のすべての詳細は、
図2の吸入カウンター350と同一である。
【0125】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表す全ての数字は、全ての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。したがって、この文脈では、数Aは、A±10%のAとして理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられ得る。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用するいくつかの事例において、Aが逸脱する量が、特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱し得る。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
【国際調査報告】