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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】血管内砕石術
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20240308BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20240308BHJP
【FI】
A61B17/32 510
A61M25/10
A61M25/10 550
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023552208
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-02
(86)【国際出願番号】 US2022018030
(87)【国際公開番号】W WO2022183075
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】63/169,091
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/176,156
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/154,603
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/679,434
(32)【優先日】2022-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/193,469
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523324557
【氏名又は名称】ファストウェーブ メディカル インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ハッチャー,ブレイディ
(72)【発明者】
【氏名】ベイレイス,ランディ
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン,スコット
(72)【発明者】
【氏名】スン,ジーチャオ
(72)【発明者】
【氏名】オルテガ,ローラ
(72)【発明者】
【氏名】デュール,ジョー
(72)【発明者】
【氏名】ポーリング,エ-スク
(72)【発明者】
【氏名】キーファー,ダリル
(72)【発明者】
【氏名】ゴー,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ディーン,ダナ
(72)【発明者】
【氏名】シモン,マルク
(72)【発明者】
【氏名】ゴレハム-ヴォス,カーティス
(72)【発明者】
【氏名】ハーゲン,パーカー
(72)【発明者】
【氏名】ティエソ,トリスタン
(72)【発明者】
【氏名】エノ,ローレン
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160MM36
4C267AA06
4C267BB29
4C267BB42
4C267BB62
4C267CC09
4C267DD01
4C267EE11
(57)【要約】
医療機器は、長尺体と、長尺体の遠位部に位置付けられるバルーンと、バルーン内で長尺体の中心長手方向軸に沿って位置付けられている1以上の圧力波エミッタと、を備えてもよい。1以上の圧力波エミッタは、流体を通じて半径方向外方へと圧力波を伝搬するように構成されて、対象処置部位にある石灰化病変を砕いてもよい。1以上の圧力波エミッタのうちの少なくとも1つは、第1電極および第2電極を備える電子エミッタを備えてもよい。第1電極および第2電極は、第1電極と第2電極との間に火花ギャップを画定するように配置されてもよく、第2電極は、ハイポチューブの一部を備えてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺体と、
前記長尺体の遠位部に位置付けられるバルーンであって、前記バルーンの外面が患者の血管系内の対象処置部位の内面に接触するように膨張させるための流体を受けるように構成されているバルーンと、
前記バルーン内で前記長尺体の中心長手方向軸に沿って位置付けられている1以上の圧力波エミッタであって、前記流体を通じて半径方向外方へと圧力波を伝搬するように構成されて、前記対象処置部位にある石灰化病変を砕く1以上の圧力波エミッタと、を備え、
前記1以上の圧力波エミッタのうちの少なくとも1つは、第1電極および第2電極を備える電子エミッタを備え、
前記第1電極および前記第2電極は、前記第1電極と前記第2電極との間に火花ギャップを画定するように配置されており、
前記第2電極は、ハイポチューブの一部を備える、医療機器。
【請求項2】
前記火花ギャップは、第1火花ギャップを備え、
前記電子エミッタは、第3電極をさらに備え、
前記第3電極は、前記第2電極と前記第3電極との間に第2火花ギャップを画定するように配置されている、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極は、前記ハイポチューブの共通の円筒表面の全部分である、請求項2に記載の医療機器。
【請求項4】
前記第1電極および前記第3電極は両方とも、丸みを帯びた三角形形状を画定し、前記第2電極は、平行四辺形形状を画定する、請求項3に記載の医療機器。
【請求項5】
前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極は全て、丸みを帯びた長方形形状を画定する、請求項3に記載の医療機器。
【請求項6】
前記第1電極および前記第3電極は両方とも、楕円形形状を画定し、前記第2電極は、半円筒形形状を画定する、請求項3に記載の医療機器。
【請求項7】
前記電子エミッタは、前記長尺体と前記第2電極との間で半径方向に位置付けられるカップラ層をさらに備える、請求項1に記載の医療機器。
【請求項8】
前記第1電極は、リング形状であり、
前記第2電極は、円盤形状であり、
前記第1電極は、前記第2電極の周囲に位置付けられる、請求項1に記載の医療機器。
【請求項9】
前記電子エミッタは、第3電極および第4電極をさらに備え、
前記第3電極は、リング形状であり、前記第4電極は、円盤形状であり、
前記第3電極は、前記第4電極の周囲に位置付けられ、
前記第1電極、前記第2電極、前記第3電極および前記第4電極は、前記ハイポチューブの共通の円筒表面の全部分である、請求項8に記載の医療機器。
【請求項10】
前記ハイポチューブは、約0.080インチから約0.090インチの長手方向長さおよび約0.10インチから約0.12インチの外周を画定する、請求項1に記載の医療機器。
【請求項11】
前記第1電極は、直方体形状であり、前記第1電極は、前記長尺体の外面を通って少なくとも部分的に半径方向内方へと伸長している、請求項1に記載の医療機器。
【請求項12】
前記第1電極は、前記長尺体を通って半径方向内方へと、および前記長尺体の内側ルーメン内へ少なくとも部分的に半径方向内方へと伸長している、請求項11に記載の医療機器。
【請求項13】
エネルギ発生機と、
前記エネルギ発生機に着脱可能におよび導電的に連結されるカテーテルと、を備え、
前記カテーテルは、
長尺体と、
前記長尺体の遠位部に位置付けられるバルーンであって、前記バルーンの外面が患者の血管系内の対象処置部位の内面に接触するように膨張させるための流体を受けるように構成されているバルーンと、
前記バルーン内で前記長尺体の中心長手方向軸に沿って位置付けられている1以上の圧力波エミッタであって、前記流体を通じて半径方向外方へと圧力波を伝搬するように構成されて、前記対象処置部位にある石灰化病変を砕く1以上の圧力波エミッタと、を備え、
前記1以上の圧力波エミッタのうちの少なくとも1つは、第1電極および第2電極を備える電子エミッタを備え、
前記第1電極および前記第2電極は、前記第1電極と前記第2電極との間に火花ギャップを画定するように配置されており、
前記第2電極は、ハイポチューブの一部を備える、血管内砕石術(IVL)システム。
【請求項14】
それらの間に火花ギャップを画定するために配置されている少なくとも第1電極および第2電極を画定するためにハイポチューブをレーザ切断することと、
前記レーザ切断されたハイポチューブを通して長尺体を挿入することと、
前記レーザ切断されたハイポチューブの周囲にポッティング材を流すことと、
前記ハイポチューブから使われなくなった支持構造物を取り除くことと、を備える血管内砕石術(IVL)カテーテルの電子圧力波エミッタを形成する方法。
【請求項15】
前記火花ギャップは、第1火花ギャップを備え、
前記ハイポチューブをレーザ切断することは、前記第2電極と第3電極との間に第2火花ギャップを画定するように配置されている前記第3電極を画定するために前記ハイポチューブをレーザ切断することをさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ハイポチューブをレーザ切断することは、前記第1電極および前記第3電極が両方とも、丸みを帯びた三角形形状を画定し、前記第2電極が、平行四辺形形状を画定するように前記ハイポチューブをレーザ切断することを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ハイポチューブをレーザ切断することは、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極が全て、丸みを帯びた長方形形状を画定するように前記ハイポチューブをレーザ切断することを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ハイポチューブをレーザ切断することは、前記第1電極および記第3電極が両方とも、楕円形形状を画定し、前記第2電極が、半円筒形形状を画定するように前記ハイポチューブをレーザ切断することを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記火花ギャップは、第1火花ギャップを備え、
前記ハイポチューブをレーザ切断することは、第3電極と第4電極との間に第2火花ギャップを画定するように配置されている前記第3電極および前記第4電極を画定するために前記ハイポチューブをレーザ切断することをさらに備え、
前記第1電極および前記第3電極は、リング形状であり、
前記第2電極および前記第4電極は、円盤形状であり、
前記第1電極は、前記第2電極の周囲に位置付けられ、
前記第3電極は、前記第4電極の周囲に位置付けられる、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
長尺体と、
前記長尺体の遠位部に位置付けられるバルーンであって、流体を受けるように構成されて、これにより、前記バルーンの外面が患者の血管系内の対象処置部位の内面に接触するように膨張するバルーンと、
前記バルーン内で前記長尺体の中心長手方向軸に沿って位置付けられている1以上の圧力波エミッタであって、前記流体を通じて半径方向外方へと圧力波を伝搬するように構成されて、前記対象処置部位にある石灰化病変を砕く1以上の圧力波エミッタと、を備え、
前記1以上の圧力波エミッタのうちの少なくとも1つは、第1電極、第2電極および第3電極を備える電子エミッタを備え、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極は、前記第1電極と前記第2電極との間に第1火花ギャップを画定するように、前記第2電極と前記第3電極との間に第2火花ギャップを画定するように配置され、
前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極は、共通のハイポチューブの一部である、医療機器。
【請求項21】
長尺体と、
前記長尺体の遠位部に位置付けられるバルーンであって、流体を受けるように構成されて、これにより、前記バルーンの外面が患者の血管系内の対象処置部位の内面に接触するように膨張するバルーンと、
前記バルーン内で前記長尺体の中心長手方向軸に沿って位置付けられているエミッタ配列であって、前記流体を通じて半径方向外方へと圧力波を伝搬するように構成されて、前記対象処置部位にある石灰化病変を砕き、ハイポチューブの一部から形成される少なくとも1つの電極を含む複数のエミッタを備えるエミッタ配列と、
前記エミッタ配列に電気エネルギを提供するように構成されており、配線形態に応じて配置されている複数の導電ワイヤと、を備える、医療機器。
【請求項22】
前記複数の導電ワイヤは、一般的に前記中心長手方向軸と平行に伸長する、請求項21に記載の医療機器。
【請求項23】
前記配線形態は、前記複数の導電ワイヤが前記長尺体の周囲にらせん状に巻くように、単一コイル構成を備え、前記複数の導電ワイヤの隣接するコイル巻きは、前記中心長手方向軸に沿って長手方向に間隔を空けている、請求項21に記載の医療機器。
【請求項24】
前記配線形態は、前記複数の導電ワイヤが前記長尺体の周囲にらせん状に巻くように、二重コイル構成を備え、前記複数の導電ワイヤの隣接する対になったコイル巻きは、前記中心長手方向軸に沿って長手方向に間隔を空けている、請求項21に記載の医療機器。
【請求項25】
前記配線形態は、前記複数の導電ワイヤが前記長尺体の周囲にらせん状に巻くように、四重コイル構成を備え、前記複数の導電ワイヤの隣接する4つのコイル巻きの集まりは、前記中心長手方向軸に沿って長手方向に間隔を空けている、請求項21に記載の医療機器。
【請求項26】
前記複数の導電ワイヤは、複数のフラットワイヤを備える、請求項21に記載の医療機器。
【請求項27】
前記複数の導電ワイヤは、前記エミッタ配列に沿って平らにされた部分を有する複数のラウンドワイヤを備える、請求項21に記載の医療機器。
【請求項28】
前記長尺体は、内側本体および外側本体を備え、
前記外側本体は、内層および外層を備え、
前記複数の導電ワイヤは、前記内層の外面の周囲にらせん状に巻く、請求項21に記載の医療機器。
【請求項29】
前記外側本体の前記外層は、前記複数の導電ワイヤが前記外層内に埋め込まれるように、前記複数の導電ワイヤにわたって流れる、請求項28に記載の医療機器。
【請求項30】
前記外層は、ポッティング層または熱収縮チューブを備える、請求項28に記載の医療機器。
【請求項31】
前記外層は、前記複数の導電ワイヤの遠位部が前記バルーンの内部に露出されるように、前記内層から近位方向で終了している、請求項28に記載の医療機器。
【請求項32】
前記長尺体は、内側本体および外側本体を備え、前記複数の導電ワイヤは、前記複数の導電ワイヤが前記長尺体のための補強層を形成するように、前記内側本体の外面の周囲にらせん状に巻く、請求項21に記載の医療機器。
【請求項33】
前記複数のエミッタのそれぞれは、前記複数のエミッタのそれぞれが独立して作動可能となるように、各電圧ワイヤを備える、請求項21に記載の医療機器。
【請求項34】
長尺体と、
前記長尺体の遠位部に位置付けられるバルーンであって、流体を受けるように構成されて、これにより、前記バルーンの外面が患者の血管系内の対象処置部位の内面に接触するように膨張するバルーンと、
前記バルーン内で前記長尺体の中心長手方向軸に沿って位置付けられているエミッタ配列であって、前記流体を通じて半径方向外方へと圧力波を伝搬するように構成されて、前記対象処置部位にある石灰化病変を砕き、ハイポチューブの一部から形成される少なくとも1つの電極を含む複数の電極対を備えるエミッタ配列と、を備える医療機器。
【請求項35】
前記バルーンの前記外面は、ポリマーコーティングを備える、請求項34に記載の医療機器。
【請求項36】
前記バルーンの前記外面は、親水性コーティングを備える、請求項34に記載の医療機器。
【請求項37】
前記バルーンの前記外面は、医薬品ベースのコーティングを備える、請求項34に記載の医療機器。
【請求項38】
前記医薬品ベースのコーティングは、抗血栓性コーティングまたは抗増殖薬を備える、請求項37に記載の医療機器。
【請求項39】
前記バルーンは、2以上の入れ子になった拡張可能基板を備える、請求項34に記載の医療機器。
【請求項40】
前記2以上の入れ子になった拡張可能基板は、少なくとも外層および内層を備え、前記外層の内面は、単一の多層押出成形物を形成するように、前記内層の外面に接合されている、請求項39に記載の医療機器。
【請求項41】
前記内層は、高圧保持層を備え、前記外層は、ウレタン層を備える、請求項40に記載の医療機器。
【請求項42】
前記バルーンは、補強構造をさらに備える、請求項39に記載の医療機器。
【請求項43】
前記補強構造は、前記バルーンの前記中心長手方向軸と平行に並ぶ複数の長手方向繊維と、複数の編組繊維とを備える、請求項42に記載の医療機器。
【請求項44】
前記複数の長手方向繊維は、4から8つの長手方向繊維を備える、請求項43に記載の医療機器。
【請求項45】
前記バルーンは、外層と、前記外層内に入れ子になった内層と、前記外層と前記内層との間に入れ子になったケージ構造とを備え、前記ケージ構造は、前記中心長手方向軸と平行に配向される1以上の長手部材と、前記中心長手方向軸と直交して配向される1以上の円周方向要素とを備える、請求項34に記載の医療機器。
【請求項46】
前記バルーンの前記外面を少なくとも部分的に囲むケージ構造をさらに備える、請求項34に記載の医療機器。
【請求項47】
前記ケージ構造は、前記バルーンの前記外面にしっかりと連結されている、請求項46に記載の医療機器。
【請求項48】
前記ケージ構造は、ニチノールブレイド、金属ワイヤ、プリント金属、放射線不透金属ワイヤまたは放射線不透プリント金属を備える、請求項46に記載の医療機器。
【請求項49】
前記バルーンは、前記対象処置部位に医薬品を注入するように構成されている多孔膜を備える、請求項34に記載の医療機器。
【請求項50】
前記バルーンは、前記バルーンが半径方向内方へと折り重なるにつれて、折り畳みガイドを画定するように構成されている複数の長手方向リブを備える、請求項34に記載の医療機器。
【請求項51】
前記複数の長手方向リブは、奇数の数のリブを備える、請求項50に記載の医療機器。
【請求項52】
前記バルーンを、外力のない状態で、長手方向に引き伸ばすように構成されているバネをさらに備える、請求項34に記載の医療機器。
【請求項53】
長尺体と、
前記長尺体の遠位部に位置付けられるバルーンであって、流体を受けるように構成されて、これにより、前記バルーンの外面が患者の血管系内の対象処置部位の内面に接触するように膨張するバルーンと、
前記バルーン内で前記長尺体の中心長手方向軸に沿って位置付けられているエミッタ配列であって、前記流体を通じて半径方向外方へと圧力波を伝搬するように構成されて、前記対象処置部位にある石灰化病変を砕き、ハイポチューブの一部から形成される少なくとも1つの電極を含む複数の電極対を備えるエミッタ配列と、を備える医療機器。
【請求項54】
前記バルーンの外表面に位置付けられている破砕部材をさらに備える、請求項53に記載の医療機器。
【請求項55】
前記破砕部材は、
前記バルーンの前記中心長手方向軸に沿って延びる導電ワイヤと、
前記導電ワイヤに沿って位置付けられており、前記石灰化病変に対して追加の圧力波を放射するように構成されている複数のピエゾ素子と、を備える、請求項54に記載の医療機器。
【請求項56】
前記長尺体の前記遠位部に位置付けられており、前記対象処置部位を少なくとも部分的に塞ぎ、砕かれた病変部分を収集するように構成されている保護デバイスをさらに備える、請求項53に記載の医療機器。
【請求項57】
前記バルーンの近位にある前記長尺体に沿って位置付けられており、前記対象処置部位を少なくとも部分的に塞ぎ、砕かれた病変部分を収集するように構成されている保護デバイスをさらに備える、請求項53に記載の医療機器。
【請求項58】
前記長尺体は、0.0104インチから0.035インチのガイドワイヤを受けるように構成されているルーメンを画定する、請求項53に記載の医療機器。
【請求項59】
0.011インチから0.038インチの範囲の内径を有する前記ガイドワイヤをさらに備える、請求項58に記載の医療機器。
【請求項60】
前記長尺体の近位端に位置付けられており、前記エミッタ配列のための内蔵電源を備えるハンドルをさらに備える、請求項53に記載の医療機器。
【請求項61】
前記石灰化病変に接触して、摩耗させるように構成されているスコアリング部材をさらに備える、請求項53に記載の医療機器。
【請求項62】
前記スコアリング部材は、鋸歯状の外面を画定する、請求項61に記載の医療機器。
【請求項63】
長尺体と、
前記長尺体の遠位部に位置付けられるバルーンであって、流体を受けるように構成されて、これにより、前記バルーンの外面が患者の血管系内の対象処置部位の内面に接触するように膨張するバルーンと、
前記バルーン内で前記長尺体の中心長手方向軸に沿って位置付けられているエミッタ配列であって、前記流体を通じて半径方向外方へと圧力波を伝搬するように構成されて、前記対象処置部位にある石灰化病変を砕くエミッタ配列と、を備え、
前記エミッタ配列は、ハイポチューブの一部から形成される少なくとも1つの電極を含む複数の電極対と、前記圧力波の放射の主方向を制御するための手段と、を備える、医療機器。
【請求項64】
前記バルーンの内面に対し、前記バルーンの円周の一部分のみに沿って配置され、前記バルーンの前記円周の第2部分から離れる前記圧力波を吸収または反射するように構成されている導波器をさらに備える、請求項63に記載の医療機器。
【請求項65】
前記導波器は、セラミック、磁器、ダイヤモンド、ポリイミドまたはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を備える、請求項64に記載の医療機器。
【請求項66】
前記導波器は、圧力反射流体または圧力吸収流体を受けるように構成されている流体ポケットを画定する、請求項64に記載の医療機器。
【請求項67】
前記バルーンの円周の第1部分に沿って位置付けられており、前記圧力波の放射方向を示すように構成されている放射線不透インジケータをさらに備える、請求項63に記載の医療機器。
【請求項68】
前記放射線不透インジケータは、前記バルーンの前記外面に沿って位置付けられている放射線不透ワイヤを備える、請求項67に記載の医療機器。
【請求項69】
前記放射線不透インジケータは、前記バルーンの外面に沿って位置付けられている破砕要素の導電ワイヤを備え、前記破砕要素は、前記石灰化病変を通じて追加の圧力波を放射するように構成されている複数の圧電素子をさらに備えている、請求項67に記載の医療機器。
【請求項70】
前記1以上の衝撃波エミッタのそれぞれは、各配向を画定し、前記医療機器は、前記1以上の衝撃波エミッタの前記各配向を修正するためのユーザ入力機構をさらに備える、請求項63に記載の医療機器。
【請求項71】
前記1以上の衝撃波エミッタのそれぞれは、各固定された配向を画定し、前記医療機器は、前記1以上の衝撃波エミッタの第1サブセットを前記1以上の衝撃波エミッタの第2サブセットとは別に独立的に作動させるように構成されているユーザ入力機構をさらに備える、請求項63に記載の医療機器。
【請求項72】
前記バルーンは、前記中心長手方向軸の周囲に円周方向に配向されている2以上の長尺サブバルーンを備え、各サブバルーンは、前記1以上の衝撃波エミッタの各サブセットを備える、請求項63に記載の医療機器。
【請求項73】
エネルギ発生機と、
カテーテルと、を備え、
前記カテーテルは、
長尺体と、
前記長尺体の遠位部に位置付けられるバルーンであって、前記バルーンの外面が患者の血管系内の対象処置部位の内面に接触するように膨張させるための流体を受けるように構成されているバルーンと、
前記バルーン内に中心長手方向軸に沿って位置付けられているエミッタ配列であって、前記流体を通じて半径方向外方へと圧力波を伝搬するように構成されて、前記対象処置部位にある石灰化病変を砕く1以上の衝撃波エミッタを備えるエミッタ配列と、
少なくとも1つのパラメータを示すセンサデータを生成するように構成されているセンサと、を備えるシステム。
【請求項74】
前記エネルギ発生機は、前記センサデータに基づいて送達されるエネルギの量を変化させるように構成されている、請求項73に記載のシステム。
【請求項75】
前記エネルギの量を変化させるために、前記エネルギ発生機は、電流レベル、電圧レベル、パルス持続時間、パルス周波数または光度を変化させるように構成されている、請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
前記センサデータは、液圧データ、流体速度データまたは温度データを備える、請求項73に記載のシステム。
【請求項77】
前記センサは、電気インピーダンスモニタ、膨張流体流速度モニタ、膨張流体圧力モニタ、血管壁面モニタ、血管径モニタ、介入性バルーン径モニタまたはプラーク破砕モニタを備える、請求項73に記載のシステム。
【請求項78】
前記センサは、共振周波数センサを備え、前記エネルギモニタは、前記石灰化病変の共振周波数に近づけるように圧力波周波数を変化させるように構成されている、請求項73に記載のシステム。
【請求項79】
前記エネルギ発生機は、前記センサデータに基づいて、印加電圧を終了させるように構成されている、請求項73に記載のシステム。
【請求項80】
長尺体と、
前記長尺体の遠位部に位置付けられるバルーンであって、前記バルーンの外面が患者の血管系内の対象処置部位の内面に接触するように膨張させるための流体を受けるように構成されているバルーンと、
前記バルーン内に中心長手方向軸に沿って位置付けられており、前記流体を通じて半径方向外方へと圧力波を伝搬するように構成されて、前記対象処置部位にある石灰化病変を砕く1以上の衝撃波エミッタを備えるエミッタ配列であって、前記1以上の衝撃波エミッタのうちの少なくとも1つは、光学ベースエミッタを備えるエミッタ配列と、を備える医療機器。
【請求項81】
近位方向に沿って前記中心長手方向軸と平行に延びる光ファイバをさらに備え、前記光学ベースエミッタは、前記光ファイバの最遠位部分を備える、請求項80に記載の医療機器。
【請求項82】
前記光ファイバは、前記バルーン内へとレーザ信号を送信するように構成され、前記レーザ信号は、前記光ファイバの前記最遠位部分にある前記流体と接触すると前記流体に空洞を作るように構成されて、衝撃波を生成する、請求項81に記載の医療機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、患者の血管系における石灰化プラーク病変に対する処置に関する。
【背景技術】
【0002】
血管内砕石術(IVL)処置中、より詳細には、電気水圧砕石術(EHL)処置中、臨床医は、高エネルギ圧力波を放射するように構成されているカテーテルを使用して、患者の血管系内において石灰化プラーク病変を破砕する。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、患者の血管系内での石灰化病変の破砕および/または崩壊のための高エネルギ血管内圧力波を作り、指向させるためのシステムおよび技術を説明する。便宜上、本明細書中の技術は、電気ベースのシステムおよび末梢血管での適用等のそれらの各適用に関して主に説明されている。しかしながら、以下に明示的に記されている場合を除いて、本明細書中に説明されている技術は、光学(例えば、レーザ)ベースのシステム等の他のエネルギの形態に基づく同様のシステムおよび冠状動脈処置での適用等の各適用に同様に適用可能であると考えられうることが理解されよう。
【0004】
概して、本明細書中に説明されているシステムは、介入バルーン内に分散されている圧力波エミッタの配列を有するカテーテルに着脱可能に連結されているエネルギ発生機を含む。臨床医は、病変の崩壊処置中に、介入バルーンを患者の血管系内の対象処置部位へと進め、バルーンが局所血管壁の少なくとも一部に接触するまで生理食塩水/造影流体の混合液等の膨張流体でバルーンを膨らませることがある。臨床医は、その後、エネルギ発生機を作動させることで、カテーテルに流体で満たされたバルーン内でキャビテーションバブルを発生させ、バルーンおよび石灰化病変を通って高エネルギ圧力波を伝搬させる。その後の流体キャビテーションの崩壊の結果、二次的な圧力波が発生する可能性もあり、病変の内部構造をさらに不安定にする。
【0005】
いくつかの例では、医療機器は、長尺体と、前記長尺体の遠位部に位置付けられるバルーンであって、流体を受けるように構成されており、これにより、前記バルーンの外面が患者の血管系内の対象処置部位の内面に接触するように膨張するバルーンと、前記バルーン内で前記長尺体の中心長手方向軸に沿って位置付けられている1以上の圧力波エミッタであって、前記流体を通じて半径方向外方へと圧力波を伝搬するように構成されて、前記対象処置部位にある石灰化病変を砕く1以上の圧力波エミッタと、を備え、前記1以上の圧力波エミッタのうちの少なくとも1つは、第1電極および第2電極を備える電子エミッタを備え、前記第1電極および前記第2電極は、前記第1電極と前記第2電極との間に火花ギャップを画定するように配置されており、前記第2電極は、ハイポチューブの一部を備える。
【0006】
いくつかの例では、前記第1電極および前記第2電極は、接着剤層に埋め込まれ、前記電子エミッタは、前記長尺体と前記第2電極との間に半径方向に配置されているエラストマチューブをさらに備える。いくつかの例では、前記電子エミッタは、前記長尺体と前記エラストマチューブとの間に半径方向に配置されているコイル層をさらに備える。
【0007】
いくつかの例では、前記第1電極は、外面が外力のない状態で前記長尺体の前記中心長手方向軸と非平行となるように配向されている。いくつかの例では、前記第1電極は、前記患者の前記血管系を通した前記医療機器の挿入および引き抜き中に前記第1電極の前記外面が前記中心長手方向軸と平行に配向されるように、前記長尺体に対して動くように構成されている。
【0008】
いくつかの例では、前記火花ギャップは、第1火花ギャップを備え、前記電子エミッタは、第3電極をさらに備え、前記第3電極は、前記第2電極と前記第3電極との間に第2火花ギャップを画定するように配置されている。いくつかの例では、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極は、前記ハイポチューブの共通の円筒表面の全部分である。いくつかの例では、前記第1電極および前記第3電極は両方とも、丸みを帯びた三角形形状を画定し、前記第2電極は、平行四辺形形状を画定する。いくつかの例では、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極は全て、平行四辺形形状を画定する。
【0009】
いくつかの例では、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極は全て、丸みを帯びた長方形形状を画定する。いくつかの例では、前記第1電極および前記第3電極は両方とも、楕円形形状を画定し、前記第2電極は、半円筒形形状を画定する。いくつかの例では、前記電子エミッタは、前記長尺体と前記第2電極との間で半径方向に位置付けられるカップラ層をさらに備える。いくつかの例では、前記カップラ層は、ポリイミドを備える。
【0010】
いくつかの例では、前記電子エミッタは、前記第1電極および前記第3電極が、独立して作動可能なように配線されている。いくつかの例では、前記第1電極は、リング形状であり、前記第2電極は、円盤形状であり、前記第1電極は、前記第2電極の周囲に位置付けられる。
【0011】
いくつかの例では、前記電子エミッタは、第3電極および第4電極をさらに備え、前記第3電極は、リング形状であり、前記第4電極は、円盤形状であり、前記第3電極は、前記第4電極の周囲に位置付けられ、前記第1電極、第2電極、第3電極および第4電極は、前記ハイポチューブの共通の円筒表面の全部分である。
【0012】
いくつかの例では、前記第1電極は、約0.008インチの内半径および約0.0210インチの外半径を画定する。いくつかの例では、前記ハイポチューブは、約0.080インチから約0.090インチの長手方向長さおよび約0.10インチから約0.12インチの外周を画定する。いくつかの例では、前記ハイポチューブは、約0.029インチの内径および約0.034インチの外径を画定する。いくつかの例では、前記第1電極は、直方体形状であり、前記第1電極は、前記長尺体の外面を通って少なくとも部分的に半径方向内方へと伸長している。
【0013】
いくつかの例では、前記第1電極は、前記長尺体を通って半径方向内方へと、および前記長尺体の内側ルーメン内へ少なくとも部分的に半径方向内方へと伸長している。いくつかの例では、前記1以上の圧力波エミッタは、前記長尺体の前記中心長手方向軸に沿って長手方向に間隔を空けている5つの電子エミッタを含む。
【0014】
いくつかの例では、血管内砕石術(IVL)システムは、上記で参照されるように、エネルギ発生機と、カテーテルとを備える。
【0015】
いくつかの例では、前記エネルギ発生機は、前記電子エミッタに複数の圧力波パルスを送信させることによって処置サイクルを制御するように構成され、前記複数の圧力波パルスは、約80パルスから約300パルスを含む。
【0016】
いくつかの例では、血管内砕石術(IVL)カテーテルの電子圧力波エミッタを形成する方法は、それらの間に火花ギャップを画定するために配置されている少なくとも第1電極および第2電極を画定するためにハイポチューブをレーザ切断することと、前記レーザ切断されたハイポチューブを通して長尺体を挿入することと、前記レーザ切断されたハイポチューブの周囲にポッティング材を流すことと、前記ハイポチューブから使われなくなった支持構造物を取り除くこととを備える。
【0017】
いくつかの例では、前記火花ギャップは、第1火花ギャップを備え、前記ハイポチューブをレーザ切断することは、前記第2電極と前記第3電極との間に第2火花ギャップを画定するように配置されている第3電極を画定するために前記ハイポチューブをレーザ切断することをさらに備える。
【0018】
いくつかの例では、前記ハイポチューブをレーザ切断することは、前記第1電極および前記第3電極が両方とも丸みを帯びた三角形形状を画定し、前記第2電極が平行四辺形形状を画定するように前記ハイポチューブをレーザ切断することを備える。いくつかの例では、前記ハイポチューブをレーザ切断することは、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極が全て、平行四辺形形状を画定するように前記ハイポチューブをレーザ切断することを備える。
【0019】
いくつかの例では、前記ハイポチューブをレーザ切断することは、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極が全て、丸みを帯びた長方形形状を画定するように前記ハイポチューブをレーザ切断することを備える。いくつかの例では、前記ハイポチューブをレーザ切断することは、前記第1電極および記第3電極が両方とも、楕円形形状を画定し、前記第2電極が半円筒形形状を画定するように前記ハイポチューブをレーザ切断することを備える。いくつかの例では、前記方法は、独立して作動可能となるように前記第1電極および前記第3電極を配線することをさらに備える。
【0020】
いくつかの例では、前記火花ギャップは、第1火花ギャップを備え、前記ハイポチューブをレーザ切断することは、第3電極と第4電極との間に第2火花ギャップを画定するように配置されている前記第3電極および前記第4電極を画定するために前記ハイポチューブをレーザ切断することをさらに備える。いくつかの例では、前記ハイポチューブをレーザ切断することは、前記第1電極および前記第3電極がリング形状であり、前記第2電極および前記第4電極が円盤形状であり、前記第1電極が前記第2電極の周囲に位置付けられ、前記第3電極が前記第4電極の周囲に位置付けられるように前記ハイポチューブをレーザ切断することをさらに備える。
【0021】
いくつかの例では、医療機器は、長尺体と、前記長尺体の遠位部に位置付けられるバルーンであって、流体を受けるように構成されて、これにより、前記バルーンの外面が患者の血管系内の対象処置部位の内面に接触するように膨張するバルーンと、前記バルーン内で前記長尺体の中心長手方向軸に沿って位置付けられている1以上の圧力波エミッタであって、前記流体を通じて半径方向外方へと圧力波を伝搬するように構成されて、前記対象処置部位にある石灰化病変を砕く1以上の圧力波エミッタとを備え、前記1以上の圧力波エミッタのうちの少なくとも1つは、第1電極と第2電極との間に第1火花ギャップを画定し、第2電極と第3電極との間に第2火花ギャップを画定するように配置されている前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極を含む電子エミッタを備え、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極は、共通のハイポチューブの一部である。
【0022】
いくつかの例では、前記医療機器は、前記エミッタ配列に電気エネルギを提供するように構成されており、配線形態に応じて配置されている複数の導電ワイヤを備える。
【0023】
いくつかの例では、前記複数の導電ワイヤは、一般的に前記中心長手方向軸と平行に伸長する。いくつかの例では、前記配線形態は、前記複数の導電ワイヤが前記長尺体の周囲にらせん状に巻くように単一コイル構成を備え、前記複数の導電ワイヤの隣接するコイル巻きは、前記中心長手方向軸に沿って長手方向に間隔を空けている。いくつかの例では、前記配線形態は、前記複数の導電ワイヤが前記長尺体の周囲にらせん状に巻くように二重コイル構成を備え、前記複数の導電ワイヤの隣接する対になったコイル巻きは、前記中心長手方向軸に沿って長手方向に間隔を空けている。いくつかの例では、前記配線形態は、前記複数の導電ワイヤが前記長尺体の周囲にらせん状に巻くように四重コイル構成を備え、前記複数の導電ワイヤの隣接する4つのコイル巻きの集まりは、前記中心長手方向軸に沿って長手方向に間隔を空けている。
【0024】
いくつかの例では、前記複数の導電ワイヤは、複数のフラットワイヤを備える。いくつかの例では、前記複数の導電ワイヤは、前記エミッタ配列に沿って平らにされた部分を有する複数のラウンドワイヤを備える。
【0025】
いくつかの例では、前記長尺体は、内側本体および外側本体を備え、前記外側本体は、内層および外層を備え、前記複数の導電ワイヤは、前記内層の外面の周囲にらせん状に巻かれている。いくつかの例では、前記外側本体の前記外層は、前記複数の導電ワイヤが前記外層内に埋め込まれるように複数の導電ワイヤにわたってつながっている。いくつかの例では、前記外層は、ポッティング層または熱収縮チューブを備える。いくつかの例では、前記外層は、前記複数の導電ワイヤの遠位部が前記バルーンの内部に露出されるように前記内層から近位で終了する。
【0026】
いくつかの例では、前記長尺体は、内側本体および外側本体を備え、前記複数の導電ワイヤは、前記複数の導電ワイヤが前記長尺体のための補強層を形成するように前記内側本体の外面の周囲にらせん状に巻く。
【0027】
いくつかの例では、前記複数のエミッタのそれぞれは、前記複数のエミッタのそれぞれが独立して作動可能となるように、各電圧ワイヤを備える。いくつかの例では、前記バルーンの前記外面は、ポリマーコーティングを備える。いくつかの例では、前記バルーンの前記外面は、親水性コーティングまたは抗血栓性コーティングまたは抗増殖薬等の医薬品ベースのコーティングを備える。
【0028】
いくつかの例では、前記バルーンは、2以上の入れ子になった拡張可能基板を備える。いくつかの例では、前記2以上の入れ子になった拡張可能基板は、少なくとも外層および内層を含み、前記外層の内面は、単一の多層押出成形物を形成するように前記内層の外面に接合されている。いくつかの例では、前記内層は、高圧保持層を備え、前記外層は、ウレタン層を備える。
【0029】
いくつかの例では、前記バルーンは、補強構造をさらに備える。いくつかの例では、前記補強構造は、前記バルーンの前記長手方向軸と平行に並ぶ複数の長手方向繊維と、複数の編組繊維とを備える。いくつかの例では、前記複数の長手方向繊維は、4から8つの長手方向繊維を備える。
【0030】
いくつかの例では、前記バルーンは、外層と、前記外層内に入れ子になった内層と、前記外層と前記内層との間に入れ子になったケージ構造とを備え、前記ケージ構造は、前記長手方向軸と平行に配向される1以上の長手部材と、前記長手方向軸と直交して配向される1以上の円周方向要素とを備える。
【0031】
いくつかの例では、前記医療機器は、前記バルーンの前記外面を少なくとも部分的に囲むケージ構造をさらに備える。いくつかの例では、前記ケージ構造は、前記バルーンの前記外面にしっかりと連結されている。いくつかの例では、前記ケージ構造は、ニチノールブレイド、金属ワイヤ、プリント金属、放射線不透金属ワイヤまたは放射線不透プリント金属を備える。いくつかの例では、前記バルーンは、前記対象処置部位に医薬品を注入するように構成されている多孔膜を備える。
【0032】
いくつかの例では、前記バルーンは、前記バルーンが半径方向内方へと折り重なるにつれて折り畳みガイドを画定するように構成されている複数の長手方向リブを備える。いくつかの例では、前記複数の長手方向リブは、奇数の数のリブを備える。いくつかの例では、前記医療機器は、前記バルーンを、外力のない状態で、長手方向に引き伸ばすように構成されているバネを備える。
【0033】
いくつかの例では、前記医療機器は、前記バルーンの外表面に位置付けられている破砕部材を備える。いくつかの例では、前記破砕部材は、前記バルーンの前記長手方向軸に沿って延びる導電ワイヤと、前記導電ワイヤに沿って位置付けられており、前記石灰化病変に対して追加の圧力波を放射するように構成されている複数のピエゾ素子とを備える。いくつかの例では、前記医療機器は、前記長尺体の前記遠位部に位置付けられており、前記対象処置部位を少なくとも部分的に塞ぎ、病変部分を収集するように構成されている保護デバイスを備える。
【0034】
いくつかの例では、前記医療機器は、前記バルーンの近位にある前記長尺体に沿って位置付けられており、前記対象処置部位を少なくとも部分的に塞ぎ、病変部分を収集するように構成されている保護デバイスを備える。
【0035】
いくつかの例では、前記長尺体は、0.0104インチから0.035インチのガイドワイヤを受けるように構成されているルーメンを画定する。いくつかの例では、前記医療機器は、前記長尺体の近位端に位置付けられており、前記エミッタ配列のための内蔵電源を備えるハンドルを備える。いくつかの例では、前記医療機器は、前記石灰化病変に接触して、摩耗させるように構成されているスコアリング部材を備える。いくつかの例では、前記スコアリング部材は、鋸歯状の外面を画定する。
【0036】
いくつかの例では、前記医療機器は、前記圧力波の放射の主方向を制御するための手段を備える。いくつかの例では、前記医療機器は、前記バルーンの内面に押し付けられて、前記バルーンの円周の一部分のみに沿って位置付けられており、前記バルーンの前記円周の第2部分からの前記圧力波を吸収または反射するように構成されている導波器を備える。いくつかの例では、前記医療機器は、セラミック、磁器、ダイヤモンド、ポリイミドまたはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を備える。いくつかの例では、前記導波器は、反射流体ポケットまたは吸収流体ポケットを画定する。
【0037】
いくつかの例では、前記医療機器は、前記バルーンの円周の第1部分に沿って位置付けられており、前記圧力波の放射方向を示すように構成されている放射線不透インジケータを備える。いくつかの例では、前記放射線不透インジケータは、前記バルーンの前記外面に沿って位置付けられている放射線不透ワイヤを備える。いくつかの例では、前記放射線不透インジケータは、前記バルーンの外面に沿って位置付けられている破砕要素の導電ワイヤを備え、前記破砕要素は、前記石灰化病変を通じて追加の圧力波を放射するように構成されている複数の圧電素子をさらに備える。
【0038】
いくつかの例では、前記1以上の衝撃波エミッタのそれぞれは、各配向を画定し、前記医療機器は、前記1以上の衝撃波エミッタの前記各配向を修正するためのユーザ入力機構をさらに備える。いくつかの例では、前記1以上の衝撃波エミッタのそれぞれは、各固定された配向を画定し、前記医療機器は、前記1以上の衝撃波エミッタの第1サブセットを前記1以上の衝撃波エミッタの第2サブセットとは別に独立的に作動させるように構成されているユーザ入力機構をさらに備える。いくつかの例では、前記バルーンは、前記中心長手方向軸の周囲に円周方向に配向される2以上の長尺サブバルーンを備え、各サブバルーンは、前記1以上の衝撃波エミッタの各サブセットを含む。
【0039】
いくつかの例では、前記システムは、少なくとも1つのパラメータを示すセンサデータを生成するように構成されているセンサをさらに備える。このような例では、前記エネルギ発生機は、前記センサデータに基づいて送達されるエネルギの量を変化させるように構成されている。いくつかの例では、前記エネルギの量を変化させるために、前記エネルギ発生機は、電流レベル、電圧レベル、パルス持続時間、パルス周波数または光度を変化させるように構成されている。いくつかの例では、前記センサデータは、液圧データ、流体速度データまたは温度データを備える。いくつかの例では、前記センサは、電気インピーダンスモニタ、膨張流体流速度モニタ、膨張流体圧力モニタ、血管壁面モニタ、血管径モニタ、介入性バルーン径モニタまたはプラーク破砕モニタを備える。いくつかの例では、前記センサは、共振周波数センサを備え、電気エネルギモニタは、前記石灰化病変の共振周波数に近づけるように圧力波周波数を変化させるように構成されている。いくつかの例では、前記エネルギ発生機は、前記センサデータに基づいて、印加電圧を終了させるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0040】
以下、図面を参照して特徴、態様および利点を説明するが、これらは本発明の説明を意図しており、限定する意図はない。図中、同様の参照文字は、同様の例においても一貫して対応する特徴を示す。
図1】エネルギ発生機と介入バルーン内に圧力波エミッタ配列を有するカテーテルとを備える血管内砕石術(IVL)システム例の概念図である。
図2図1のエネルギ発生機のいくつかのコンポーネント例を示す概念的なブロック図である。
図3図1のカテーテルのいくつかのコンポーネント例を示す概念図である。
図4A図1のカテーテルのエミッタアセンブリの第1例の斜視図である。
図4B図4Aのエミッタアセンブリの断面図である。
図5A図1のカテーテルのエミッタアセンブリの第2例の斜視図である。
図5B図5Aのエミッタアセンブリの断面図である。
図6A図1のカテーテルのエミッタアセンブリの第3例を示す。
図6B図6Aのエミッタアセンブリの断面図である。
図6C】その中に埋め込まれているコンポーネントを説明するためにポッティング材層を取り除いた状態の図6Aのエミッタアセンブリの断面図である。
図7A】非直交の火花ギャップの配向を画定するエミッタアセンブリのレーザ切断されたハイポチューブの設計の第1例の2D表現である。
図7B図7Aのハイポチューブ設計の第1例の3D表現である。
図8A】直交の火花ギャップの配向を画定するエミッタアセンブリのレーザ切断されたハイポチューブの設計の第2例の2D表現である。
図8B図8Aのハイポチューブ設計の第2例を備えるレーザ切断されたハイポチューブ配列の2D表現である。
図9】円環状火花ギャップ構成を画定するエミッタアセンブリのレーザ切断されたハイポチューブの設計の第3例の2D表現である。
図10】IVLカテーテルのためのエミッタアセンブリを形成するための技術例を示すフローチャートである。
図11】IVLカテーテルのエミッタアセンブリのためのフレックス回路例を示す。
図12図11Aおよび11Bのフレックス回路のための2つの配線例を示す。
図13】電子圧力波エミッタ配列を導電的に配線するための2つの配線形態例を示す。
図14図1のカテーテルの電子エミッタ配列のための4つの配線形態例を示す概念的な断面図である。
図15A】4つのエミッタユニットを有する電子エミッタ配列のための配線形態例を示す概念図である。
図15B】5つのエミッタユニットを有する電子エミッタ配列のための配線形態例を示す概念図である。
図16A】配線形態の第1例を示す概念図である。
図16B】配線形態の第2例を示す概念図である。
図17A】光学ベースのエミッタ配列を有するIVLデバイス例を示す概念図である。
図17B図17AのIVLデバイスを通した断面図である。
図18】複数層の介入バルーンを有するIVLデバイス例の断面図である。
図19】保護構造付きの介入バルーンを有するIVLデバイス例を示す。
図20】保護構造付きの介入バルーンを有するIVLデバイス例を示す。
図21】一対のスコアリング部材を有するIVLデバイス例を示す。
図22】破砕要素を有するIVLデバイス例を示す。
図23】ばね機構を有するIVLデバイス例を示す。
図24】遠位保護部材を有するIVLデバイス例を示す。
図25】閉ループエネルギ送達フィードバック機構例を有する図1のIVLシステムを示す。
図26図1のIVLカテーテル用のハンドル例を示す。
図27】指向集中型IVLデバイスの第1例を通った断面図である。
図28A】指向集中型IVLデバイスの第2例の斜視図である。
図28B】指向集中型IVLデバイスの第2例の断面図である。
図29A】指向集中型IVLデバイスの第3例の斜視図である。
図29B】指向集中型IVLデバイスの第3例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に具体的な例が開示されているが、発明の主題は、具体的な開示例を越えて、他の代替的な例および/または用途へならびにその改良物および等価物へと広がる。このように、本明細書に添付される請求の範囲は、以下に説明される特定の例のいずれにも限定されない。例えば、本明細書中に開示されているいかなる方法または工程において、方法または工程の行為または作業は、いかなる適切な順序で行われてもよく、必ずしもいずれかの特定の開示された順序に限定されるものではない。様々な作業は、順番的な複数の個別作業として、特定の例を理解するにおいて役立ち得るように説明されてもよいが、説明の順序はこれらの作業が順序依存であると示唆すると解釈されるべきではない。さらに、本明細書中で説明されている構造、システムおよび/またはデバイスは、一体化コンポーネントまたは別個のコンポーネントとして具現化されてもよい。
【0042】
様々な例を比較する目的で、これらの例の特定の態様および利点が説明されている。必ずしもこのような態様および利点の全てが、いずれかの特定の例によって実現されるわけでなくてもよい。このように、例えば、様々な例が、本明細書中に教示されるような1つの利点または利点の集まりを実現または最適化するように行われ得るが、本明細書中にさらに教示または提案されている可能性のある他の態様および利点も必ずしも実現するわけではない。
【0043】
血管内砕石術(IVL)処置中、より詳細には、電気水圧砕石術(EHL)処置中、臨床医は、高エネルギ圧力波を使用して、患者の血管系内の石灰化プラーク病変を破砕する。典型的なIVLシステムは、処置の有効性を限定する多数のデメリットに悩まされている。例えば、IVLカテーテルは、典型的に対象処置部位の血管壁の内周全体の周囲に伝搬する圧力波を放射する。石灰化病変が血管壁の周囲の一部のみに限定される場合において、例えば、偏心性、焦点的および/または結節性病変の場合において、全方向に伝搬する圧力波は、効果の弱い崩壊または適用エネルギの無駄を露呈する可能性がある。第2例として、方向的な制約に加え、典型的なIVLカテーテルは一定レベルのエネルギおよび/または電力を送達するように設計されており、対象処置部位における特定の臨床的必要性(例えば、病変のサイズおよび/または密度)にかかわらず、同様の一連の困難および/または有効性の制約を呈している。
【0044】
第3例として、多くのIVLカテーテル設計は、周囲の組織にわたる圧力波を分散するための遠位介入バルーンを備える。場合によっては、これらの介入バルーンは、上記の閾値波圧に応じて、または重度の石灰化病変を治療する際に破裂するおそれがある。もしバルーンがその円周全体で裂断すると、例えば、バルーンカテーテルを取り除くために外側シースまたは他の導入器を取り除くことによって、バルーンの遠位部が遠位カテーテル先端の周囲で「束になり」、患者から引き抜くことをより困難および/またはより複雑にするおそれがある。最後の例として、典型的な介入バルーンの特定の特徴は、処置の初期に導入シース内にカテーテルを挿入することおよび/または処置の終わりに導入シースを通してカテーテルを引き抜くことに対する抵抗を増やす可能性がある。例えば、かさばるバルーン「コーン」および効果のないバルーン「プリーツ」の再ラッピングによって、臨床医はIVL処置をうまく行うためにはさらに過度の力を加えなくてはいけない可能性がある。
【0045】
本開示は、患者の血管系内での石灰化病変の破砕および/または崩壊のための高エネルギ血管内圧力波を作り、指向させるためのシステムおよび技術を説明する。便宜上、本明細書中の技術は、電気ベースのシステムおよび末梢血管での適用等のそれらの各適用に関して主に説明されている。しかしながら、以下に明示的に記されている場合を除いて、本明細書中の説明されている技術は、光学(例えば、レーザ)ベースのシステム等の他のエネルギの形態に基づく同様のシステムおよび冠状動脈処置での適用等の各適用に同様に適用可能であると考えられうることが理解されよう。
【0046】
概して、本明細書中に説明されているシステムは、エネルギ源と、介入バルーンと圧力波エミッタ配列とを備える、遠位IVLデバイスを有するIVLカテーテルとを備える。病変崩壊処置中、臨床医は、介入バルーンを患者の血管系内の対象処置部位へと進め、バルーンが局所血管壁の少なくとも一部に接触するまで生理食塩水/造影流体の混合液等の膨張流体でバルーンを膨らませることがある。臨床医が、その後、エネルギ発生機を作動させると、カテーテルは流体で満たされたバルーン内でキャビテーションバブルを発生させ、高エネルギ圧力波がバルーンおよび石灰化病変を通って伝搬する。その後の流体キャビテーションの崩壊の結果、二次的な圧力波が発生する可能性もあり、病変の内部構造をさらに不安定にする。
【0047】
図1は、IVLシステム例100を示す概念図である。図1に示されるように、IVLシステム100は、少なくとも、エネルギ発生機102と、例えば、カテーテルコネクタインタフェース204を介してエネルギ発生機102に着脱可能に連結されたIVLカテーテル104と、を備える。いくつかの例では、着脱自在ケーブル118が発生機102とカテーテル104との間に接続されて、カテーテル104にエネルギを供給してもよい。以下にさらに詳述するように、エネルギ源(例えば、バッテリー、キャパシタなど)が追加的にまたは代替的にカテーテル104に一体化されていてもよい。カテーテル102は、長尺体106と、長尺体106の遠位部に位置するIVLデバイス108とを備える。長尺体106は、対象処置部位、例えば、血管内の石灰化プラーク病変に向かって患者の蛇行血管系をナビゲートするように構成されている。
【0048】
図1に示されるように、IVLデバイス108は、流体膨張性介入バルーン110と、バルーン110内に位置付けられている圧力波エミッタ配列112とを備える。エミッタ配列112は、1以上の個々のエミッタユニット114A~114Eを備える。例えば、介入バルーン110または介入バルーン110を通過する長尺体106の遠位部は、中心長手方向軸116を画定してもよく、エミッタユニット114A~114Eは、中心長手方向軸116に沿って長手方向に分散されていてもよい。個々のエミッタユニット114A~114Eは、本開示全体にわたって、「エミッタアセンブリ」(例えば、エミッタユニットを集合的に形成するサブコンポーネントの特定の配置に関連して)だけでなく、「エミッタ」(例えば、全体としてのエミッタユニットに関連して)とも呼ばれる。
【0049】
特に、図1に示されるエミッタ配列例112は、第1エミッタユニット114Aと、第2エミッタユニット114Bと、第3エミッタユニット114Cと、第4エミッタユニット114Dと、第5エミッタユニット114Eとを備える。図1には5つのエミッタユニット114が示されているが、IVLデバイス108のエミッタ配列112は、わずか1つのエミッタユニットからバルーン110内に合理的に入り得るだけ多くのエミッタユニットまで備えてもよい。エミッタユニット114のそれぞれは、エネルギ発生機102からエネルギを受けて、受けたエネルギを使用して、バルーン110を通って対象処置部位をわたって高エネルギ圧力波を発生させて伝達するように構成されている。以下にさらに詳述するように、エネルギ発生機102は、電気エネルギ、光エネルギまたはそれらの組み合わせの形でエネルギを発生させて伝達してもよい。例えば、エミッタユニット114は、受けたエネルギを使用して、バルーン110内の流体にキャビテーションを発生させて、バルーン110および石灰化病変を通じて1以上の高エネルギ圧力波を半径方向外方へと伝搬させてもよい。全ての場合ではないが、場合によっては、流体キャビテーションの崩壊の結果から、二次的な一連の高エネルギ圧力波が続いて発生する可能性もあり、石灰化プラーク病変の内部構造をさらに不安定にする。いくつかの例では、1以上のエミッタ114は、例えば、1以上の導電ワイヤを介して、発生機102から電気エネルギを受けて、一対の電極間で火花を発生させ、これにより、初期キャビテーションを引き起こすように構成されている電気ベースエミッタを備えることができる。追加的にまたは代替的に、1以上のエミッタ114は、例えば、1以上の光ファイバワイヤまたはチューブを介して発生機102から高エネルギ光学(例えば、光)信号を受けて、光学信号を指向させて、初期キャビテーションを引き起こすように構成されている光学ベースエミッタを備えることができる。
【0050】
図2は、図1のエネルギ発生機102のいくつかのコンポーネント例を示すブロック図である。(例えば、壁ポートまたは他の電源に導電的に連結するための)電力入力202は、パワーモジュール224および内部電源208に接続する。図2に示されるように、パワーモジュール224は、様々な、非限定的な例として、高電圧DC-DCコンバータ210と、高電圧キャパシタおよびトランジスタスイッチ212と、電圧および/または電流測定ユニット216と、カテーテル104がカテーテルコネクタ204を介して接続されている間に、カテーテル104が認可されたデバイスかどうかを判定するように構成されているデバイス識別ユニット222とを備えることができる。例えば、エネルギ発生機102は、未確認のデバイスが接続されている場合、カテーテルコネクタ204へのエネルギ出力をできなくするように構成されていてもよい。
【0051】
発生機102は、メモリと、プロセッサ218および/またはユーザインタフェース制御処理部226等の1以上のプロセッサとを備えることができる。UI制御処理部226は、表示画面、タッチスクリーン、ボタンまたはユーザ(例えば、臨床医)がエネルギ発生機102を操作できるようにする他のマニュアル制御等のエネルギ発生機102のユーザインタフェース234のための機能を提供するように構成されている。
【0052】
図2では不図示であるが、追加的にまたは代替的に、電気エネルギベースのコンポーネントに対して、いくつかの例では、エネルギ発生機102は、(例えば、電力入力202からの)電力をレーザビーム等の光のビームへと変換するように構成されている光学信号ユニットを備えてもよい。光学信号ユニットは、その後、カテーテル104(図1)に連結されているか、カテーテル104の一部として一体化されているかのいずれかである、光ファイバ等の伝送ケーブルへと光学信号を指向させてもよい。
【0053】
図3は、図1のカテーテル104のいくつかのコンポーネント例を示す概念図である。図3に示されるように、カテーテル104は、近位部302と、近位部の反対の遠位部304とを備える。近位部302は、カテーテルハブ306および/またはハンドル(以下にさらに詳述)を備えてもよい。カテーテルハブ306は、アクセスポート308、膨張ポート310および電力ポート312を画定する。アクセスポート308は、臨床医がIVLデバイス108を含む遠位部304を操作(例えば、誘導、作動など)できるようにする。臨床医は、膨張ポート310を使用して、生理食塩水/造影流体溶液等の膨張流体を注入し、介入バルーン110を、バルーン110の外面が対象処置部位の血管壁の内面に接触する拡張または膨張状態まで膨張させてもよい。電力ポート312は、動力ケーブル(不図示)と相互接続して、カテーテル104をエネルギ発生機102(図1および2)に導電的に連結させるように構成されている。カテーテルハブ306は、張力緩和部314も備えて、長尺体106を補強して、ねじれを減少させてもよい。
【0054】
図3に示されるように、全ての例ではないが、いくつかの例では、長尺体106は、外側長尺構造316と、内側長尺構造318とを備えてもよい。例えば、外側長尺構造316は、シースまたは膨張ルーメン320を画定する外側カテーテルを備えてもよい。いくつかの例では、外側長尺構造316は、膨張ルーメン320が膨張ポート310を介入バルーン110の内部キャビティに流体連結するように、介入バルーン110の近位拡張を形成する。
【0055】
内側長尺構造318は、エミッタ配列112のエミッタ114を留めるように構成されている膨張ルーメン320内に位置付けられている内側カテーテルまたは他の内側構造を備えてもよい。このような例では、内側長尺構造318はそれ自体が、例えば、遠位ポート324を介してガイドワイヤを受けるように構成されている内側ルーメン322を画定してもよい。他の例では、後の図面に描かれるように、長尺体106は、単一の内側ルーメンを画定する単一層だけを備える。
【0056】
上述の通り、カテーテル104は、患者の血管系を通って(例えば、動脈切開術を通して)前進し、バルーン110を対象処置部位に位置するカルシウム病変の近傍に位置付けるように構成されている。IVLデバイス108は、液体から液体蒸気への相転移の結果生じる液体の体積を広げることによって、第1圧力波(または波の集まり)を発生させるように構成されていてもよく、これによって、気泡が急速に広がることを引き起こすことがある。第2圧力波は、気泡として発生してもよく、その後、つぶれる。いくつかの例では、バルーン110は、さらに以下に詳述するように、例えば、ポリマーおよび/または他の材料製の外側コーティング326を有する。例えば、外側コーティング326は、親水性コーティングを備えて、患者の血管系におけるナビゲータビリティを向上させるようにしてもよい。追加的にまたは代替的に、外側コーティング326は、薬品の伝達に役立つ補形薬だけでなく、抗血栓薬または抗増殖薬等の医薬品コーティングも備えてもよい。以下にさらに詳述するように、バルーン110は、ルーメンを通して血管内へと注入することと比較して、薬品を血管内へと注入するために浸透性/半透過性(例えば、「ウィーピング」バルーン)であるまたは浸透性/半透過性であってもよい。
【0057】
図4Aは、図1のカテーテル104のエミッタアセンブリ400(例えば、図1のエミッタアセンブリ114A)の第1例の斜視図であり、図4Bは、図4Aのエミッタ400の断面図である。特に、図4Aおよび4Bは、それらの間の第1火花ギャップ404Aを画定する一対の導電性電極402A、402Bを備える、電子エミッタ400を示している。このような例において、電極402A、402Bは、導電ワイヤ406A、406Bを介してエネルギ発生機102(図1および2)から電気エネルギ(例えば、電流)を受けるように構成されている。結果として生じる火花ギャップ404をわたる火花は、周囲の膨張流体408に空洞を作って、膨張流体408を通じて高エネルギ圧力波を伝搬するように構成されている。
【0058】
本開示の技術に従って、1つまたは両方の電極402A、402Bは、共通のハイポチューブ410の円筒表面の小区分または一部である。本明細書中に使用されるように、「ハイポチューブ」とは、その長さに沿ってマイクロエンジニアリングを施した特徴を持つ金属チューブのことを指す。
【0059】
すなわち、円筒ハイポチューブ410の特定の区分は、1つまたは両方の電極402A、402Bと、それらの間の火花ギャップ404Aを形成するように取り除かれ(例えば、レーザカット)てもよい。このような例では、接着剤層等のポッティング材412は、円筒ハイポチューブ(例えば、電極402A、402B)の残りの部分の上に流されて、硬化されるか、硬化可能かのいずれかで、ハイポチューブ部分を適所に留める。ポッティング材412の例では、ポリウレタンベース、アクリルベース、シリコーンベースまたは十分な耐電圧性を有するその他の適切な材料を備える。全ての例ではないが、いくつかの例では、過剰なポッティング材412は、その後、電極402Aと402Bとの間から取り除かれ(例えば、切込み、除去、削り出し)、必要に応じて、火花ギャップ404Aを再構築してもよい。
【0060】
図4Bにさらに示されるように、エミッタアセンブリ400のハイポチューブ410は、2つの対の導電性電極と、それらの間の各火花ギャップと、すなわち、電極402A、402Bの第1対(およびそれらの間の火花ギャップ404A)と、電極402B、402Cの第2対(およびそれらの間の火花ギャップ404B)とを備える。すなわち、電極402Bは、電極402Bの反対縁に対して整列している、電極402A、402Cの両方のための共通の電極として使用されてもよい。明示的にすると、第1電極402Aの第1縁414Aは、第2電極402Bの第2縁414Bに対して整列して、第1火花ギャップ404Aを画定している。さらに、第2電極402Bの第3縁414Cは、第3電極402Cの第4縁414Dに対して整列して、第2火花ギャップ404Bを画定している。いくつかの例では、導電性電極の2つの対は、同時に作動可能となるように配線されていてもよいし、他の例では、さらに以下に詳述するように、別々に作動可能となるように配線されていてもよい。このような配線形態は、石灰化プラーク病変の処置のために作動させるのはどのエミッタアセンブリか、さらには特定のどの電極対かさえ、臨床医が選択できるようにする。2つの電極対システムは、主に本明細書中で示されて説明されるが、より多くの数の電極対がエミッタアセンブリ400に組み込まれていてもよいことに留意すべきである。
【0061】
いくつかの例では、ハイポチューブ410は、2つのエミッタ電極対よりはむしろ、3つの電極システムを同様に画定してもよく、3つの電極は、作用電極、対向電極および基準電極で構成されていてもよい。例えば、作用電極および対向電極は圧力波を発生させるように構成されているが、基準電極の役割は、それ自体には全く電流を通さずに作用電極電位を測定および制御する基準として機能する。
【0062】
図4Bにさらに示されるように、電子エミッタアセンブリ400は、複数の入れ子になった層(例えば、その中の長尺体106を画定するために)を備える。例えば、ハイポチューブ410およびポッティング材412内で、エミッタアセンブリ400は、熱可塑性エラストマ等のエラストマ層416を備える。このような例の1つは、ポリエーテルブロックアミド(例えば、フランス、コロンブのアルケマ株式会社のPEBAX(登録商標))を含む。全ての例ではないが、いくつかの例では、エラストマ層416内において、エミッタアセンブリ400は、図23に関してさらに以下に詳述するように、コイル418、例えば、導電ワイヤ408のコイル巻きまたは介入バルーン110(図1)に関連付けられているバネのコイルを備えてもよい。最終的に、エミッタアセンブリ400の最も内側の層は、ポリイミド等の二次的なポリマー層420である。ポリマー層420は、その中のガイドワイヤルーメン322の一部を画定する管状であってもよい。
【0063】
いくつかの例によれば、エミッタアセンブリ400は、相対的に高い冗長電圧を実装するように構成されている。従って、構成材料は、IVLデバイス108がIVL処置の間、持続するように低劣化を目的として選択されるべきである。いくつかの例では、カテーテル104は、使い捨てのみとして構成されているが、一方で、エネルギ発生機102は、理論的に無限に再利用可能であると考えられる。いくつかの例では、IVL処置の圧力波「サイクル」の数は、約80パルス波から約300パルス波の範囲であってもよいが、提示される固有の臨床的パラメータに応じて、処置はこれよりも多いまたは少ないパルス波を含んでもよい。
【0064】
いくつかの例では、電極対402A/402Bおよび402B/402Cは、介入バルーン110(図1、3)の内側にある内側長尺構造318上に固定されている幅の狭い銅短冊製であってもよい。全ての例ではないが、いくつかの例では、各電極402は、切断されても、曲げられてもよいし、それ以外の場合は、中心長手方向軸116に対する角度を画定するように形成されてもよい。すなわち、電極402は、外力のない状態で中心長手方向軸116から離れて「傾く」ように構成されていてもよい。患者の血管系を通した送達の間、しぼんだバルーン110からの放射状に内方へ向く圧縮力によって、電極は中心長手方向軸116に向かって「平らに」されてもよい。
【0065】
図5Aは、図1のカテーテル104の電子エミッタアセンブリ500の第2例の斜視図であり、図5Bは、図5Aのエミッタアセンブリ500の断面図である。具体的には、図5Aおよび5Bのエミッタアセンブリ500の例は、レーザカットポリイミド「カップラ」層504に溶接されている2つのレーザカット「エミッタ」電極502A、502Cを備える。本例では、エミッタ電極502A、502Cは、一般的に楕円形として示されているが、他の幾何学的形状が検討されている。
【0066】
レーザカット「ハイポチューブ」電極502Bはまた、それぞれの火花ギャップ508A、508Bを画定するように、エミッタ電極502Aと502Cとの間でカップラ層504に取り付けられている。本例では、ハイポチューブ電極502Bは、一般的に半円筒状として示されているが、他の幾何学的形状が検討されている。一連のフラットワイヤ406A~406Dは、エネルギ発生機102(図1および2)からエミッタ電極502Aおよび502Cまで、エミッタ電極502A、502CからIVLデバイス108内の追加のエミッタユニット114(図1)まで、および追加のエミッタユニット114から対地電圧へ戻るようにエネルギを送達するように利用されてもよい。
【0067】
図5Aおよび5Bに示されるように、本例では、ポリイミド内側長尺構造506は、図5Aのアセンブリの外側または図5Bの最も内側の円にて見ることができるように、エミッタアセンブリ500のコアを通して遠位方向に伸長する。中心長手方向軸116の上方の最も外側の同心リングの一部は、反対側にミラーを装備した「エミッタ」電極502A、502Cへとエネルギを通過させるレーザ切断されたハイポチューブ電極502Bである。中心長手方向軸116の下方の最も外側の同心リングの一部は、ワイヤ406Dに溶接された他のエミッタ電極502Cである。両側のエミッタアセンブリから離れて続く長手方向軸116の周囲の長方形の伸長は、圧力波を生成するためのエネルギを運び、その後、電圧を接地へと戻すためにエミッタへと導きエミッタから離れる追加のフラットワイヤ406である。図5Aに見られるようなエミッタアセンブリ500の外側部または図5Bに見られるような中央コアは、エミッタ電極502Aからの電流がハイポチューブ電極502Bに「ジャンプ」する第1火花ギャップ508Aである。
【0068】
全ての例ではないが、いくつかの例では、介入バルーン110(図1)に向けて半径方向外方へと放射された圧力波を反射するために、火花ギャップ508内の表面に反射面またはコーティングが塗布されていてもよい。反射面またはコーティングは、例えば、セラミック、磁器、ダイヤモンド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、他の類似材料またはその他適切なそれらの組み合わせ等の音響的に不明瞭で、非導電の(例えば、絶縁)材料であってもよい。
【0069】
図5Aのレーザ切断されたハイポチューブ502Bおよびエミッタ電極502Aの両方のすぐ下にある最後から2番目のコアは、図5Bで中央コアの周囲に巻き付けられて見ることができるが、これは、内側ルーメンとエミッタ電極502Aとの間に空間を作るカップラまたは絶縁材504である。
【0070】
図6Aは、図1のカテーテル104の電子エミッタアセンブリ600の第3例を示し、図6Bは、エミッタアセンブリ600の断面図であり、図6Cは、その中に埋め込まれたコンポーネントを示すためにポッティング材412が取り除かれた状態のエミッタアセンブリ600の断面図である。特に、エミッタアセンブリ600は、ハイポチューブ電極602Bの反対に位置付けられている2つのレーザカット「エミッタ」電極602A、602Cを備える。図6Cに示されるように、全ての例ではないが、いくつかの例では、エミッタ電極602A、602Cは、内側長尺構造506の外面を破って、例えば、エミッタ電極602A、602Bを適所に留めるように役立つように構成されている。このような例では、エミッタ電極602A、602Bは、内側長尺構造506の壁全体を通して放射状に内方へと伸長し、ガイドワイヤルーメン322内へと部分的に放射状に伸長する。エミッタ電極602A、602Bは追加的に適所に埋められてもよく、例えば、ポッティング材412内に埋め込まれてもよい。
【0071】
図6A、6B、および6Cに示されるエミッタアセンブリ600の第3例は、本明細書中に記され相違点を除いて、図5Aおよび5Bに示されるエミッタアセンブリ500の第2例と類似している。例えば、両方の例において、ポリイミド内側長尺構造506は、図6Aのアセンブリ600の外側または図6Bおよび6Cの半径方向に最も内側の円において見られるように、エミッタアセンブリのコアを通って遠位方向に伸長する。
【0072】
中心長手方向軸116の上方の最も外側の同心リングの一部は、反対側のエミッタ電極602A、602Cにエネルギを通過させるレーザ切断されたハイポチューブ電極602Bである。上述の通り、図6Cの中心長手方向軸116の下は、長尺構造506の外面および内面の両方を通して放射状に内方へと伸長する2つのエミッタ電極602A、602Cである。図6Cに具体的に示されるように、複数のフラットワイヤ406が、エミッタ電極602A、602Cへと向かって離れる長手方向軸116を中心に円周方向に分散されて、高エネルギ圧力波を生成するためのエネルギを運び、対地電圧へと近位方向に戻す。図6Bにおいて、これらのフラットワイヤ406は、ポッティング材412内に埋め込まれた破線として表され、この空間においてフラットワイヤ406の視覚化が容易になるようにポッティング材412が取り除かれているので、図6Cでは実線のコンポーネントとして表されている。
【0073】
図6Aおよび6Bの例では、火花ギャップ608A、例えば、エミッタ電極602Aから電流が、ハイポチューブ電極602Bへと「ジャンプする」部位は、実質的にポッティング材412で満たされて示されている。他の例では、火花ギャップ608A内のポッティング材412のセクションは削り出されていか、そうでない場合は、取り除かれていてもよい。図6Aのレーザ切断されたハイポチューブ602Bおよびエミッタ602Aの両方のすぐ下に示され、内側長尺構造506に巻き付けられている、ポッティング材412は、紫外線接着剤、エポキシ樹脂またはリフローポリマー等の任意の適切な接着剤またはポッティング材を含むことができる。
【0074】
いくつかの例では、圧力反射材は、火花ギャップ608A内および/またはその周囲に付加されていてもよく、反射材は、放射状内方向きの圧力波を介入バルーン110(図1、3)に向けて半径方向外方へと移動するように向け直すように構成されている。
【0075】
図7A~9は、電子エミッタアセンブリ400(図4)のための2以上の導電性電極を画定するレーザ切断されたハイポチューブ410(図4B)のための3つの電極設計構成例を示す。これらのハイポチューブ設計は、共通の2D面から切断(例えば、レーザカット)されてもよい。いくつかの例では、電極設計が平面的な2D面から切断されてもよく、これは、その後、円筒ハイポチューブ内へと形成されてもよい。他の例では、電極設計は、円筒ハイポチューブから直接的に切断されてもよい。
【0076】
共通の平面または円筒ハイポチューブから導電性電極を切断するために使用され得る材料の例として、304SST、チタニウム、コバルトクロム、316SSTまたはニッケルチタン合金(例えば、ニチノール)が挙げられるが、低劣化、低抵抗、展延性を有し、レーザの使用を通して機械加工可能である限り、他の選択肢も適切である。さらに、電極はステントから直接的に切り取られてもよいので、材料の平板が厳密に必要というわけではない。いくつかの例では、エミッタ配列112(図1)の全てのエミッタ114が、単一の連続的なハイポチューブから切断されてもよい。これには、個々のエミッタ114をワイヤに溶接する必要を取り除くため、製造工程を容易化するという利点がある。
【0077】
図7Aは、電子エミッタアセンブリ400(図4)のレーザ切断されたハイポチューブ700のための設計の第1例の2D表現であり、図7Bは、図7Aのハイポチューブ400の第1例の3D表現である。例えば、図7Bは、図7Aのハイポチューブ400が、その最終的なチューブ状形態へと丸められた際にどのように見えるかを示している。非限定的な例示の例の1つとして、図7Bに示されるチューブ状形態において、円筒ハイポチューブ700は、約0.025から約0.035(例えば、約0.03インチ)の内径および約0.03インチから約0.04インチ(例えば、約0.035インチ)の外径を画定してもよい。
【0078】
図7Aおよび7Bに示されるハイポチューブ設計700は、図4に示されるハイポチューブ設計410に大部分は対応する。例えば、ハイポチューブ700は、それらの間に火花ギャップ404Aを有する第1電極対402A/402Bと、それらの間に火花ギャップ404Bを有する第2電極対402B/402Cとを画定する。図7Aおよび7Bは、一般的に非直交のハイポチューブ設計を示し、火花ギャップ404A、404Bが中央長手方向軸116に平行に配向されないように、電極402は、不規則な形状を有する。特に、図7Aに示されるように、電極402Aおよび402Cは、丸みを帯びた三角形(例えば、隅丸を有する三面形状)として一般的に形成され、電極402Bは、平行四辺形として一般的に形成される。しかしながら、3つの電極402A~402Cの全てが平行四辺形として形成される等の他の形態も検討される。
【0079】
火花ギャップ404A、404Bと中心長手方向軸116と間の相対角度は、異なるエミッタ114(図1)にわたって変化し、放射された圧力波の伝搬の方向を変化させてもよい。このような例では、臨床医は、異なるエミッタを独立して作動させて、IVL処置のこの態様を制御してもよい。
【0080】
図8Aは、電子エミッタアセンブリ400(図4)のレーザ切断されたハイポチューブのための第2設計例800の2D表現である。図7Aおよび7Bに示されるハイポチューブ410と比較すると、ハイポチューブ設計800は、火花ギャップ804A、804Bが中央長手方向軸116と平行に配向されている、より直交な設計を備える。例えば、電極802A~802Cは、火花ギャップ804A、804Bが長手方向軸116に実質的に平行になるように、実質的に長方形等のより規則的な形状である。
【0081】
便宜上、ハイポチューブ800の様々な寸法の非限定的ないくつかの例が図8に示されている。例えば、ハイポチューブ800(図8には平坦な構成が示されているが)は、約0.1インチの円周長さ810Aを有する長方形を画定してもよい。長方形幅810B(例えば、長手方向軸116に沿うハイポチューブ800の長手方向長さ)は、約0.080インチから約0.090インチの範囲であることができる。
【0082】
電極802A、802B、802Cのそれぞれは、約0.040インチから約0.055インチの長さ810Cを有する放射縁414(図4)を備え、例えば、それらの間で火花ギャップ804A、804Bを画定してもよい。結果として生じる火花ギャップは、その後、約0.0025インチから約0.0040インチのギャップ幅を画定してもよい。ハイポチューブ800Aは、エミッタアセンブリ114の製造中に一次構造(例えば、電極802)を適所に少なくとも仮留めするように構成されている複数の支持構造物806をさらに備えていてもよい。これらの支持構造物806は、その後、例えば、電極802がポッティング材412(図4)を介して適所に浮遊させた後に取り除かれてもよい。支持構造物806は、約0.0020インチの幅810Eを画定してもよい。
【0083】
図8Bは、図8Aの第2ハイポチューブ設計800の複数の例800A~800Dを含むハイポチューブ配列設計812の2D表現である。上記で参考にされているように、いくつかの例では、エミッタ配列112の2以上のエミッタユニット114(図1)は、単一の連続的なハイポチューブから切断されても、または代替的に共通の平面から切断されてもよく、その後、円筒ハイポチューブへと形成されてもよい。この技術は、個々のエミッタ114をワイヤに溶接する必要性を取り除くため、製造工程を容易にする。すなわち、導電的に連結されているワイヤ406(図4)の代わりに、個々のハイポチューブ800A~800Dは、エミッタと同じ基板から切断されている導電カップリング支持部814を介して導電的に連結されてもよい。図8Bに示される設計例812もまた複数の着脱自在支持部816を備える。着脱自在支持部816は、ハイポチューブ800A~800Dおよびカップリング支持部814の共通の基板へと初めに切断されて、製造中にこれらのコンポーネントを適所に留めるのに役立って、その後、ハイポチューブ配列812が機能するエミッタユニットへと組み立てられた後に取り除かれてもよい。
【0084】
図9は、電子エミッタアセンブリ400(図4)のレーザ切断されたハイポチューブ410のための第3設計例900の2D表現である。ハイポチューブ設計800(図8)と同様に、ハイポチューブ設計900は(図9に示す平面構成で)、約0.1インチの円周長さ910Aを有する長方形を画定してもよい。長方形幅910B(例えば、長手方向軸116に沿うハイポチューブ900の長手方向長さ)は、約0.080インチから約0.090インチの範囲であることができる。
【0085】
双方とも一般的に線形の火花ギャップ構成を画定している、ハイポチューブ設計700(図7Aおよび7B)および800(図8Aおよび8B)と比較して、ハイポチューブ設計900の電極902A~902Dは、実質的に丸みを帯びたまたは円環状の火花ギャップ904A~904Dを画定するように、形成され、配向される。例えば、ハイポチューブ設計900は、それぞれが約0.0210インチの外半径と、約0.013インチの内半径とを画定する2つの実質的にリング状の電極902A、902Cを備えてもよい。リング状電極902A、902Cの中央には、円盤状電極902B、902Dのそれぞれがある。円盤状電極902B、902Dは、約0.0090インチの外半径を画定してもよい。従って、電極対902A/902Bおよび902C/902Dは、それらの間に約0.0040インチのギャップ幅を有する各リング形状または半リング形状の火花ギャップ904を画定してもよい。ハイポチューブ800(図8)と同様に、まず、ハイポチューブ900は、電極902が適所に接着されたら取り除かれてもよい1以上の垂直支持構造物906を備えてもよい。支持構造物906は、例えば、約0.0030インチの幅910Cを画定してもよい。
【0086】
図10は、IVLカテーテル、例えば、図4Aに示されるエミッタアセンブリ400のための電子エミッタアセンブリを形成するための技術例を示すフローチャート1000である。図10の技術は、電極設計、例えば、図7A~9それぞれの設計700~900のうちの1つに従ってハイポチューブを切断し、それらの間に各火花ギャップを画定するように並べられた1以上の対の導電性電極を画定することを含む(1002)。技術は、図4Aの内側長尺構造318等の長尺構造を切断されたハイポチューブのルーメン内へと挿入することをさらに含む(1004)。
【0087】
全ての例ではないが、いくつかの例では、図4Bに示すように、追加の層がハイポチューブ410と内側長尺構造318との間に挿入されて、構造的支持の提供、熱伝導性の向上またはエネルギ効率の増強の役に立ってもよい。まだ存在していない場合、例えば、圧力反射材、熱可塑性エラストマ416、ワイヤコイル418またはポリイミド層420が挿入されてもよい(1006)。図10の技術は、組み立てられたコンポーネントを互いに対して適所に留めるように、組み立てられたコンポーネントの周囲にポッティング材412を流すこと、およびポッティング材層412を凝固させるまたは凝固できるようにすることをさらに含む(1108)。
【0088】
全ての例ではないが、いくつかの例では、図10の技術は、火花ギャップ(単数または複数)を再構築するように、ハイポチューブの導電性電極間からポッティング材412の一部を取り除くことを含む(1010)。例えば、ステップ1010は、電極間のポッティング材を削り出すこと、またはレーザアブレーション、可変速回転工具除去、または他の機械除去を介してポッティング材を取り除くことを含んでもよい。他の例では、ポッティング層を流し込むこと(1008)より先に、図10の技術は、ポッティング材を遮蔽する容易に取り除くことができる材料で火花ギャップ(単数または複数)を充填すること、およびその後、材料を取り除くことをさらに含んでもよい。他の例では、ハイポチューブは、第一に火花ギャップが充填されないように既存のポッティング層の上にオーバーモールドされてもよい。
【0089】
いくつかの例では、図10の技術は、ハイポチューブ410から使われなくなった構造コンポーネントを取り除くことをさらに含む。例えば、図8Aに示されるように、仮の支持構造物806は、電極802が一旦適所に固定されると電極802間から取り除かれてもよい。
【0090】
図11Aおよび11Bは、IVLカテーテル104(図1)の電子エミッタアセンブリ400(図4)のためのフレックス回路例1100を示す。例えば、導電性電極(例えば、銅箔ストリップ)1102A~1102Cは、それらの間の各火花ギャップ1104を画定するように可撓性の平面基板1106上にプリントされてもよい。フレキシブル基板1106は、その後、図11Bに示される筒形状へと丸め、その後、残りのエミッタアセンブリ400(図4)へと配線されてもよい。このような技術は、このような回路1100を備えるIVLカテーテル104の製造時間を大幅に減らし得る。
【0091】
便宜上、図11は、フレックス回路1100の非限定的ないくつかの寸法例を含む。例えば、フレックス回路1100は、約0.082インチの円周長さ1110Aおよび約0.080インチの軸方向長さ1110B(例えば、長手方向軸116に平行)を含んでもよい。平面基板は、主直方体1108および2つの軸方向突起1112A、1112Bをさらに画定してもよい。主直方体1108は約0.082インチの円周長さ1110Aに約0.060インチの軸方向長さ1110Cを乗じた寸法を有してもよい。軸方向突起1112も、同様に、約0.012インチの円周幅1110Dに約0.020インチの軸方向長さ1110Eを乗じた面を画定する実質的な長方形であってもよい。軸方向突起1112A、1112Bは、約0.046インチのギャップ1110Fによって円周方向に分離されていてもよい。
【0092】
図12Aおよび12Bは、それぞれ、2つのフレックス回路1100A、1100B(例えば、図11Aおよび11Bのフレックス回路1100)を備えるIVLデバイス108のエミッタ配列112(図1)のための、2つの配線形態例1200A、1200Bを示す。特に、図12Aは、フレックス回路1102A、1102Bが並列に配線されている配線形態例1200Aを示す。上部導電ワイヤ1202(実線)は、電圧入力へと繋がり、底部導電ワイヤ1204(破線)は、対地電圧へと繋がる。
【0093】
図12Bは、フレックス回路1102A、1102Bが独立して作動可能となるように配線されている他の配線形態例1200Bを示す。例えば、上部導電ワイヤ1206は、電圧入力とフレックス回路1102Bとの間に接続を提供し、中央導電ワイヤ1208(実線)は、電圧入力とフレックス回路1102Aとの間で接続を提供する。底部導電ワイヤ1210は、両方のフレックス回路1102のために対地電圧へ共通の接続を提供する。
【0094】
図13Aおよび13Bは、電子エミッタ配列400(図4)を導電的に配線するための2つの配線形態例1300A、1300Bのそれぞれを示す。図13Aに示される例1300Aでは、長尺体は、内側長尺構造1302(例えば、図4のポリイミド内層420)と、2つの入れ子になった層、内層1306および外層1308を有する外側長尺構造1304とを備える。「平坦」または「長方形」ワイヤ等の複数の導電ワイヤ406は、外側長尺構造1304の内層1306の外面に沿って軸方向にらせん状に巻く。熱収縮チューブ、熱可塑チューブまたはポッティング材412(図4)等の外側長尺構造1304の外層1308は、導電ワイヤ406が外側長尺構造1304の外層1308に埋め込まれるように、導電ワイヤ406の上に再度流されてもよい。
【0095】
いくつかの例では、外側長尺構造1304の外層1308は、導電ワイヤ406の遠位部が露出されるように、内層1306の遠位端1312から近位で所定の距離1310を終結させて、介入バルーン110(図1)の下に調整されてもよい。導電ワイヤ406は、フラットワイヤ、ラウンドワイヤまたはそれらの組み合わせを備えてもよい。例えば、いくつかの例では、導電ワイヤ406は、エミッタ114近辺に「平らにされた」部分を有するラウンドワイヤを備えてもよい。
【0096】
配線形態1300Aでは、接着外層1308が内層1306に「留められ」て、介入バルーン110(図1)の構造を補強している。これは、IVLデバイス108の挿入または取り除きの最中にバルーン110が「蛇腹式に開くこと」を防止するのに役立つ。ワイヤは、外側長尺構造1304のための補強部材として機能もよい。
【0097】
比較すると、図13Bは、導電ワイヤ406が内側長尺構造1302の周囲に直接らせん状に巻かれている異なる構成1300Bを示す。いくつかの例では、フラットワイヤ(例えば、エミッタ近辺に平らにされた部分を有するラウンドワイヤ)の使用は、IVLデバイス108の全体的な放射状プロファイルを減少させることに役立つ。この構成1300Bでは、導電ワイヤ406は内側長尺構造1302(例えば、図4Bのコイル層418)のための補強部材として機能することもあり得る。
【0098】
図14A~14Dは、図1のカテーテル104の電子エミッタ配列112のための4つの配線形態例1400A~1400Dのそれぞれを示す概念的な断面図である。これらの4つの例のそれぞれにおいて、導電ワイヤ406は、内側長尺構造318の外面に沿って遠位方向に延びるが、内側長尺構造318にはしっかりと連結されていない。
【0099】
図14Aの第1配線形態例1400Aでは、導電ワイヤ(単数または複数)406は、近位方向に沿って、例えば、中心長手方向軸116に沿って一般的に直線的に伸長している。この構成では、エミッタ1406は、直列に配線されていてもよいし、他の例では、並列および直列配線の組み合わせで配線されていてもよい。
【0100】
比較すると、図14Bの第2配線形態例1400Bでは、導電ワイヤ(単数または複数)406は「一重巻き」構成による内側長尺構造318の周囲にらせん巻きに巻いている。一重巻き配線形態1400Bでは、隣接するコイル巻き間にそれぞれの長手方向空間を有して2以上のワイヤ406A、406Bが相互にらせん状に巻かれている。図14B、14Cおよび14Dに示されるこれらの「コイル状」構成では、ワイヤコイルは、内側長尺構造318のための構造支持を、例えば、図4Bのコイル層418を形成することによって、提供することに役立つ。このような例では、エミッタ配列は、各エミッタは固有の電圧供給ワイヤを有してもよいが、全て共通の接地ワイヤを共有するように、導電ワイヤ406の数がエミッタ1406の数よりも1つ多くなっている「n+1」構成に従って配線されてもよい。
【0101】
図14Cの第3配線形態例1400Cでは、導電ワイヤ(単数または複数)406は、「二重巻き」構成による内側長尺構造318の周囲にらせん巻きに巻いている。二重巻き配線形態1400Cでは、隣接する対のコイル巻き間にそれぞれの長手方向空間を有するワイヤ対としてワイヤ406が相互にらせん状に巻かれている。ワイヤジャケット部1408は、必要に応じて、ワイヤ406を電極ハイポチューブ410(図4)に導電的に連結するために取り除かれても(例えば、除去されても)よい。
【0102】
図14Dの第4配線形態例1400Dでは、導電ワイヤ406は、「四重巻き」構成による内側長尺構造318の周囲にらせん巻きに巻いている。四重巻き配線形態1400Dでは、4つのコイル巻きの隣接する集まり間に長手方向空間を有する4つのワイヤの集まりとしてワイヤ406が相互にらせん状に巻かれている。ワイヤジャケット部1408は、必要に応じて、ワイヤ406を電極ハイポチューブ410(図4)に導電的に連結するために取り除かれても(例えば、除去されても)よい。他の例では、ワイヤは4つよりも多い数で集められて巻かれてもよい。
【0103】
図15Aは、4つのエミッタユニット1504A~1504Dを有する電子エミッタ配列1502Aのための配線形態例1500Aを示す概念図であり、図15Bは、5つのエミッタ1504A~1504Eを有する電子エミッタ配列1502Bのための配線形態例1500Bを示す概念図である。4つのエミッタおよび5つのエミッタアセンブリ1502のみが示されているが、任意の適切で実用的な数のエミッタユニット1504がIVLデバイス108内に実装されてもよいことが理解されるであろう。上記で参照されるように、配線形態1500A、1500Bは、各エミッタ1504は固有の電圧供給ワイヤを有するが、全てのエミッタ1504は共通の接地ワイヤ1506を共有するように、導電ワイヤの数がエミッタ1504の数よりも1つ多くなっている「n+1」構成の例である。このような構成では、個々のエミッタ1504は、独立して作動可能であり、臨床医にとってIVL治療での制御性が高まっている。
【0104】
図16Aは、4つのエミッタユニット1604A~1604Dを有する電子エミッタ配列1602のための第1配線形態例1600Aを示す概念図である。図16Aは、図15Aおよび15Bのように、「n+1」構成によって配線されたエミッタユニット1604およびエミッタアセンブリ1604が並列に配線された構成を示す。並列配線形態1600Aの利点の例のいくつかとして、エミッタユニット1604にわたってより高い電流を伝達する能力が挙げられる。並列配線形態1600Aもまた、他のエミッタユニットから独立して個々のエミッタユニット1604のそれぞれを作動(または「発射」)されるようにできる。さらに、並列配線形態1600Aによれば、IVLシステム100(図1)の全抵抗が低減され得る。例えば、単一のエミッタユニット1604に個別に電力を供給することで、火花ギャップ404(図4)にわたってより大きな電流を発生させてもよく、これにより、対応する電気回路内の必要な抵抗器の数が減少する。
【0105】
構成1600Aはまた、システムを通る全体的な電圧を低減し、例えば、エネルギ消費の低減に変換することを可能にしてもよい。各エミッタ1604に個別に電力を供給する能力および各エミッタユニット1604の発射の順序を選択する能力は、さらに以下に詳述するように、印加されるエネルギがどのようにおよびどこに向けられるかを含むIVLデバイス108のより良い全体的な制御を可能にする。
【0106】
図16Bは、図16Aの電子エミッタ配列1602のための第2配線形態例1600Bを示す概念図である。配線形態1600Bでは、並列および直列配線技術の両方の組み合わせが実装されて、両構成の利点を可能にしてもよい。例えば、エミッタ1604Aおよび1604Bは、直列で接続される一方で他のエミッタ1604は並列に接続される。特に、配線形態1600Bは、臨床医が、(1)エミッタ1604A~1604D(例えば、ワイヤ1606Aおよび1606Cを使用して)、(2)エミッタ1604Cおよび1604D(例えば、ワイヤ1606Bおよび1606Cを使用して)、または(3)エミッタ1604Aおよび1604B(例えば、ワイヤ1606Aおよび1606Bを使用して)を同時に作動させることを可能にする。しかしながら、図16Bは、限定する意図はなく、本明細書中にはエミッタ1604の任意の適切な配線の組み合わせが検討され、包含されている。
【0107】
図17Aは、光学ベース圧力波エミッタ1702A~1702Cの配列(例えば、図1のエミッタ配列112)を有するIVLデバイス1700を示す概念図であり、図17Bはその断面図である。本明細書中で使用されるように、光学ベースエミッタ1702は、各光ファイバまたはチューブ1704A~1704Cの遠位端または遠位部を含むことができ、これは上述した1以上の電子エミッタユニットに追加的にまたはその代替的に図1のIVLデバイス108に含まれてもよい。
【0108】
非限定的ないくつかの例によれば、光ファイバ1704は、高エネルギ圧力波を発生させて伝搬するために、例えば、約1ミリ秒内で約20~100ミリジュールのエネルギを、介入バルーン110内の、水、生理食塩水/造影流体混合液、他の流体またはそれらの組み合わせ等の膨張流体408内へと送達してもよい。しかしながら、これらの数値は例示に過ぎず、エネルギの量および/または時間は特定の臨床応用に応じて調整されてもよい。いくつかの例では、発された光学パルス幅(例えば、発された光持続時間)は5ナノ秒以上であってもよい。
【0109】
様々な臨床的必要性を踏まえて、IVLデバイス1700は、任意の適切な数の光ファイバ1704を備えてもよい。いくつかの例では、IVLデバイス1700は、約1064ナノメートル(nm)から約1460nmの波長を有するレーザ信号を送信するように構成されているが、より短い波長も同様に効果的であり得る。光ファイバ1704のための直径例は、特定の臨床応用に応じて、約50ミクロン以下から約200ミクロン以上の範囲であることができる。
【0110】
図17Aに示されるように、いくつかの例では、光ファイバ1704Aの遠位エミッタ部1702Aは、中心長手方向軸116に対して所定の角度「θ」で配向されていてもよい。例えば、内側長尺構造318を保護するには、遠位エミッタ部1702Aは、約114度より大きく、例えば、垂直接線から約24度より大きい等の90度より大きな角度θで配向されていてもよい。光ファイバ1704Aに関しては、エミッタ部1702Aの最も遠位の表面または最も遠位の端部のみが内側長尺構造318から離れるように角度がつけられている。他の例では、光ファイバ1704Bの例のように、遠位部1702Bの全体が内側長尺構造318から曲がってまたは離れるように角度がつけられていてもよい。このような例では、光ファイバ遠位部1702Bは、約0度~約24度の角度「φ」分、それることができる。
【0111】
光ファイバ1704の光学エミッタ1702は、内側長尺構造318(例えば、図17Bに示されるように)の周囲に円周方向に、または他の例では、内側長尺構造318に沿って長手方向に、またはさらに他の例では、それらの組み合わせのいずれかに位置付けられて、高エネルギ圧力波を発して送達してもよい。例えば、光ファイバ1704は、円周方向の病変処置のために内側長尺構造318に隣接してもよいし(例えば、1704A)、非円周方向の病変処置のために放射状に中心からずれてもよい(例えば、1704B)。複数の光ファイバ1704を使用することのいくつかのメリット例として、光ファイバ1704をカテーテル長尺体106(図1)の近位部周囲に位置付けることでIVLデバイス1700の断面プロファイル全体を縮小させることが挙げられる。さらに、より多くの数の光ファイバ1704は、より制御された圧力波を可能にする。光ファイバ1704がIVLカテーテル104周りのどこに設置されているかに基づいてエネルギを指向させることに加えて、キャビテーションバブルのサイズは、光ファイバ1704の選択された直径(例えば、断面積)に基づいて制御されてもよい。これらの光ファイバ1704は、処置の必要性に基づいて個別にまたは同時に作動されてもよく、例えば、円周方向の石灰化病変も結節性石灰化病変も両方とも処置できる単一のIVLデバイス108を可能にする。
【0112】
図18は、耐久性を高めるために多層構造を有する介入バルーン1810(例えば、図1のバルーン110)を持つIVLデバイス例1800(例えば、図1のIVLデバイス108)の断面図である。示されるように、バルーン1810は、補強層の目的のため、外層1802と内層1804とを有してもよい。補強層1802、1804のいずれかまたは両方は、バルーン1810の上を覆う別個の押出成形物を備えてもよく、この圧力保持層の上に別の層が覆いかぶさっている。
【0113】
図18に示される例は、バルーン破裂の潜在的危険性に対する多数の解決手段のうちの1つだけを表す。例えば、バルーン1810は、単一の多層押出成形物から形成されてもよく、バルーンの外側にある薄い、より柔軟な層1802は、内側の高圧、非柔軟(または「より柔軟でない」)保持層1804よりもより柔らかく、裂断しにくい。例えば、一構造例は、ナイロン12またはPebax72D等の、例えば、バルーン壁厚さの70%から100%の間を補う高圧内側保持層1804を備えることもあり得る。外層1802は、ウレタン、Pebaxまたは中~低デュロメータ測定値、例えば、約63D以下を有する任意の他の適切な材料等のより柔軟な物質からできている。
【0114】
別の解決手段としては、バルーンを2つの別個の押出成形物1802、1804から形成することで、例えば、バルーンの外側にある別個の押出成形物1802は内側の非柔軟または半柔軟バルーン1804の外面上に配置されている。別の解決手段としては、バルーン1810を繊維のカプセル化のための上部コーティング1802を有するアラミドまたはUHMWPEのようなポリマー繊維等の補強層1806によって覆われている薄いポリマー内層1804から形成することである。外層1802は、非限定的な一例として、複数の補強層、例えば、16本の編組繊維の一式および4~8本の(包括的)長手方向繊維であってもよい。編組パターンの他の変形態様は、32本の繊維または48本の繊維を含むもの等、同様に実行可能である。さらに、強化繊維は、バルーン1810上に直接的に編み込まれるのと反対に(または追加して)、個片に切断されたメッシュシート等の直交織物パターンに配置されてもよい。
【0115】
図18には不図示であるが、潜在的なバルーン破裂に対する別の解決手段は、図3の外側コーティング326等の耐摩耗性コーティングでバルーンをコーティングすることである。この解決手段は、浸漬、吹き付けまたはロール鋳造を通してバルーン1800にコーティングを施すことにより達成されてもよい。いくつかの例によれば、このコーティングは、ウレタン、パリレン、シリコーンまたは熱可塑性ポリウレタン(TPU)等のポリマーであってもよいし、これらを含んでもよい。これらのコーティングは、対象の血管内の石灰化病変との接触による損傷からバルーン構造を保護しつつ、高圧力を保持するバルーン1810を可能にしてもよい。不図示であるが、別の技術は、柔軟なバルーン本体を実装して、プラークおよび穿刺抵抗に適合可能とすることを含む。この解決手段の例では、バルーンのいずれかの端部の非柔軟なコーン部が、圧力波がバルーン110へと近位にまたはバルーン110から遠位に伝搬することを防止するように実装されるだろう。
【0116】
図19および20は、保護構造1902、2002または「保護ケージ」を持つ介入バルーン110を有する2つのIVLデバイス例1900、2000のそれぞれを示す。具体的には、図19は、第1のこのような保護構造1902を有する第1IVLデバイス例1900の側方観であり、図20は、第2のこのような保護構造2002を有する第2IVLデバイス例2000の側面図である。
【0117】
これらの保護構造1902、2002は、より連続的なバルーン外層に対する同様の破裂保護または図18に関して既述のコーティング1802を提供するように構成されている。これらの例のいずれかによれば、バルーン110は、その上にケージのような構造を有することができ、これにより、バルーンの外面と血管壁に付着した石灰化プラーク病変との間における直接的な物理的接触(例えば、摩擦)を減らすことができる。
【0118】
ケージのような構造1902、2002は、SSTもしくはニチノール等の金属またはポリマーであってもよいし、それらを含んでもよい。複数の入れ子になった層のバルーン(例えば、図18のバルーン1800)では、保護構造1902、2002が外側と内側バルーン層1802、1804の間に配置されていることもあり得る。いくつかの例では、ケージのような構造1902、2002は、例えば、中央長手方向軸116と平行に延びている、複数の長手部材を備える。このような例では、保護構造1902、2002は、患者の血管系からのIVLデバイス108の引き抜きよりも先に各バルーンの再ラッピングを促すために、3つの長手部材または5つの長手部材等の奇数の数の長手部材を備えるように選択されてもよい。これらの長手部材またはバーは、構造がバルーン110の膨張中に変化しない(または変化量が比較的少ない)所定のサイズおよび形状を有するように、ステントのような構造として相互接続されていてもよい。
【0119】
いくつかの例によれば、保護構造1902、2002は、バルーン110の外面にしっかりと連結されている。このような例では、保護構造1902、2002は、バルーン100の近位および遠位端部にしっかりと連結されているが、長手方向中央バルーン部には連結されていない。
【0120】
図19の例は、図20の保護構造例2002と比較して、包括的ではない保護構造1902を示す。例えば、保護構造1902は非限定的な例として、2つの(上部および底部)長手方向要素1904と、約13の円周方向要素1906とを備える。比較すると、保護構造2002は、より連続的なワイヤメッシュ構成または何十または何百もの織り合わされた長手方向および円周方向要素を有するウィンドウスクリーン構成を備えるように示されている。
【0121】
図21は、一対のスコアリング部材2102A、2102Bを備えるIVLデバイス例2100(例えば、図1のIVLデバイス108)を示す。スコアリング部材2102は、(例えば、実質的に小さな表面積にわたってかけられる摩擦を通して、その点の実質的に高い応力・圧力に対応して)石灰化プラーク病変の内面に物理的に接触して摩耗させて、病変を砕き、崩壊させるのに役立つように構成されている。
【0122】
いくつかの例では、スコアリング部材2102は、バルーン110内またはバルーン110の上の保護構造(例えば、図19および20それぞれの保護ケージ1902、2002)に連結されてもよい。いくつかの例では、バルーン110は、単一のスコアリング部材2102を備えてもよい。他の例では、複数のスコアリング部材2102は、バルーン110の円周まわりに回転的に、左右対称にまたは非対称的に分散されていてもよい。IVL処置中、バルーン110は、円周方向に回転されて、特定のスコアリング部材または複数のスコアリング部材2102を石灰化病変に当ててもよい。いくつかの例では、スコアリング部材2102は、SSTまたはニッケルチタン合金(例えば、ニチノール)等の金属、金属ワイヤ、プリント金属インク(加工からのごく少量のポリマーバインダーを含有することもある)、タングステンまたはポリマーから形成されてもよい。
【0123】
いくつかの例では、例えば、図21に示される例では、スコアリング部材2102は一般的に平らなまたは平面的な外表面を含んでもよい。他の例では、スコアリング部材2102は、例えば、石灰化プラーク病変に接触した際に動摩擦を増加させるために、歯をつけられたまたは鋸歯状の外表面を含んでもよい。
【0124】
図22は、IVL処置中に石灰化プラーク病変を砕くのに役立つように構成されている破砕要素2202を備えるIVLデバイス例2200(例えば、図1のIVLデバイス108)を示す。図22に示されるように、破砕要素2202は、長尺導電ワイヤ2204と、ワイヤ2204に沿って長手方向に分散されている複数の圧電素子2206とを備える。
【0125】
破砕要素2202は、少なくとも2つの利点をもたらす。第1に、導電ワイヤ2204が石灰化プラーク病変に対して並べられると、導電ワイヤ2204の狭い断面積がワイヤの軸に沿って病変にかけられる圧力を実質的に増加させ、病変が砕け始める特定の位置を臨床医が制御することを可能にする。第2に、交流電流(AC)が導電ワイヤ2204を通して印加されると、圧電素子2206は急速に膨張および収縮するように構成されており、これにより、病変の外面に対して直接的に集中される追加の圧力波を生成する。
【0126】
いくつかの例では、破砕要素2200は、図24Aに関してさらに以下で説明されるように、塞栓保護要素等の遠位保護要素を備える。例えば、遠位保護要素は、導電ワイヤ2204の遠位部に接続されていてもよい。追加的にまたは代替的に、ワイヤ2204に対して、破砕要素2200は、ニチノールブレイド等の編組層を備えることができる。圧電素子2206は、編組の外面にしっかりと連結されていてもよく、編組は、バルーン110の外面に連結されていてもよい。この編組は、ワイヤ2204に関して既述のもののような同様の機能を果たしてもよい。
【0127】
図23は、ばね機構例2302を有するIVLデバイス2300(例えば、図1のIVLデバイス108)を示す。先のデバイスのいくつかでは、介入バルーン110は、IVL処置中に導入シース(不図示)内へと挿入および導入シース(不図示)から取り除くことが困難になり得た。これは、例えば、過剰にかさばる近位および/または遠位バルーンコーン(例えば、図14Aの遠位バルーンコーン1404と比較して)または収縮中および/または収縮後のバルーン110の効果的な折り畳みまたはラッピングの欠如によって引き起こされ得る。いくつかの例では、この問題は、膨張されていないまたはしぼませた状態にある間に、バルーンの放射状プロファイル(例えば、断面積)を縮小することで解決され得る。バルーンの近位および遠位端を内側長尺構造318に結合している間にバルーン110を長手方向に引き伸ばすことで達成されることもあり得る。
【0128】
図23に示されているバルーン110のプロファイルを縮小させるための別の技術は、内側長尺構造318内にバネ2302を組み込むことである。バネ2302は、内側長尺構造318に結合(例えば、近位端2304Aおよび遠位端2304Bにて)されると、長手方向に圧縮される必要がある。バルーン110は、その後、バネ2302がその休止長へと伸長して戻ることが可能になったら、内側長尺構造318およびバルーン110が、長手方向116に沿って同様に伸長し、半径方向内方へと圧縮するように、内側長尺構造318に接合されてもよい。バルーン110はまた、結合工程中にチューブ318(上述のように)まわりに長手方向に引き伸ばされて、この技術をさらに容易にしてもよい。膨張中、バルーン110は依然として、内側長尺構造318が長手方向に沿ってわずかに圧縮する間、そのあらかじめ形成された形状へと拡張する。すなわち、バルーン110が内側長尺構造318に接合される近位および遠位点は、バルーン110が半径方向外方へと拡張するにつれて、互い向かってわずかに圧縮してもよい。
【0129】
バルーン110の断面プロファイルを縮小させるための別の技術は、処置中に収縮後のバルーンの再ラッピングを向上させることである。これは、複数の長手方向ワイヤをバルーン本体に組み込むまたは埋め込むことによって等の数々の方法で達成できる。これらの長手方向ワイヤは、バルーン材が不規則に「束になる」ことができるようにするよりも、バルーン110のためのプリーツまたは所定の折り畳み位置を画定することに役立ってもよい。任意の数の長手方向ワイヤを組み込んでもよいが、奇数の数の長手方向ワイヤは、バルーンの「パドル」または「パンケーキ」構成等の対称面へとバルーンが崩壊することを防ぐのに役立つ。さらに、長手部材は、IVL処置中に膨張されたバルーン110および血管壁に対するその付着圧着を視覚化するために使用できるように、放射線不透性であってもよい。このような構成は、別の流体造影剤の使用の必要性をなくすことができるため、IVL処置の全体的な時間を潜在的に短縮できる。いくつかの例では、これらの長手方向ワイヤは、金属ワイヤ(例えば、平坦、円形、または五角形等の不規則形状)、プリントインク(例えば、金属またはポリマーインク)またはポリマー構造で構成されていることもあり得る。
【0130】
図24は、遠位保護デバイス2402を備えるIVLデバイス例2400(例えば、図1のIVLデバイス108)を示す。いくつかの例によれば、遠位保護デバイス2402は、IVLデバイス2400の遠位端部に位置付けられてもよい。いくつかの例では(全ての例ではない)、遠位保護デバイス2402は、例えば、内側長尺構造318のガイドワイヤルーメン322を通して伸長する長尺要素2404(例えば、ガイドワイヤ)と、遠位拡張可能部材2406とを備える。このような例では、拡張可能部材2406は、遠位ポート324から遠位方向外方へと伸長し、図24に示される拡張形態へと半径方向外方へと拡張するように構成されている。伸長された遠位保護デバイス2402を囲う内側長尺構造318の内側ルーメン322は、0.010インチから0.035インチのガイドワイヤに対応できてもよい。従って、ガイドワイヤルーメンのサイズは、0.011インチから0.038インチまでの範囲であることができ、ガイドワイヤの自由な動きを可能にする。
【0131】
遠位保護デバイス2402は、IVL処置中に生成される石灰化微粒子を捕捉するように構成されている。拡張可能部材2406は、図24Aに示されるように、バスケットフレーム設計を備えてもよいが、他の適切な設計も検討される。このような例では、バスケットフレーム2406は、ニチノールカットチューブ(ステントに類似)またはニチノールワイヤフレームであってもよいし、それらを含んでもよい。バスケット2406を構成する材料は、切除された穴を有する薄いポリマーまたはファイバメッシュであってもよい。いくつかの例によれば、バスケットフレーム2406は、バルーンカテーテル104外に設置されることもあり得、遠位保護部材の軸2404がバルーンの膨張度(バルーン110がフィルターデバイス2402の軸2404に押し付けられている)と互換性を持つように設計されている。
【0132】
遠位保護デバイス2402は、バルーンカテーテル104上で急速に交換されることもあり得る。急速交換ポートはバルーン110の近位またはバルーン110の遠位であってもよい。遠位保護デバイス2402は、バルーン110の近位またはバルーン110の遠位のハブ306(図3)にてバルーンカテーテル内へと進入してもよいし、バルーンカテーテルから退出してもよい。この遠位保護デバイス2402は、処置のために必要な場合にIVLデバイス2400でのみ存在するように、本来、モジュール(例えば、着脱自在)式であってもよい。
【0133】
図25は、閉ループエネルギ送達フィードバック機構を備える図1のIVLシステム100の例を示す。現在のIVLシステムによっては、送達されるエネルギの量は決まっており、臨床的必要性に合わせていない。本開示は、例えば、液圧、流体量/速度、および/または温度を測定するセンサ2502を介して、処置の有効性および効率を向上させるために、提示された臨床的シナリオに基づくエネルギの自動的な送達を可能にする。本明細書中に開示されるような制御によって提供されるモニタリングの任意の組み合わせまたは単独使用は、エミッタによって生成される最大圧力波強度および/または熱レベルを決定するために入力を提供してもよい。
【0134】
いくつかの例によれば、システム100は、例えば、エネルギ発生機102、カテーテル104または両方の中に組み込まれている1以上のセンサ2502を備えてもよい。センサ2502から受信されたデータに基づき、システム100(例えば、発生機102の処理回路またはシステム100に関連付けられている別個のコンピューティングデバイス)は、動的に(例えば、リアルタイムで)発生機102によって出力されたエネルギレベルを調整するように構成されている。
【0135】
例えば、センサ(単数または複数)2502は、非限定的な例として、膨張流体流速度モニタと、膨張流体圧力モニタ、血管壁面モニタ、血管径モニタ、バルーン径モニタ、プラーク破砕モニタ、またはIVL処置の現在の進行具合に関する見識を提供するように構成されている任意の他のタイプのセンサを備えてもよい。いくつかの例では、センサ2502は、病変におけるカルシウムの共振周波数(例えば、固有振動数または調和振動数)を検出するように構成されている。
【0136】
センサ(単数または複数)2502からのセンサデータのリアルタイムモニタリングに基づき、システム100は、電流レベル、電圧レベル、電気パルス持続時間もしくは周波数、光度、光パルス持続時間、光パルス周波数、またはエミッタ配列112を介して送達されるエネルギの量または速度に影響する任意の他の適切なパラメータのうちの1以上を動的に調整するように構成されていてもよい。プラーク病変共振周波数の具体的な例として、システム100は、エミッタ可聴周波数を検出された病変の共振周波数に一致するように自動的に調整して、病変をより効果的に砕くように構成されていてもよい。
【0137】
いくつかの例では、エネルギレベルを動的に調整することに追加的にまたは代替的に、システム100は、石灰化プラーク病変の閾値破砕が達成されること、または検出されたシステムパラメータが閾値レベル外にあること(例えば、バルーン110または他のコンポーネントの故障の疑い)が挙げられる(が、これらに限定されない)特定の条件が満たされると印加電圧を自動的に終了するように構成されている。
【0138】
例示的な例の1つとして、IVLシステム100は、バルーン110の液圧をモニタリングするように構成されていてもよい。例えば、センサ2502は、膨張ルーメン320と相互作用するように構成されている圧力変換器を備えることができる。従って、システム100は、膨張シリンジ(例えば、膨張ポート310)と、膨張ルーメン320と、エネルギ発生機102へと戻る圧力ラインとを流体的に連結するように構成されている三方向流体コネクタ(例えば、図3のカテーテルハブ306)をさらに備えることができる。圧力変換器は、エネルギ発生機102に一体化されて、圧力ラインに沿って流体的に接続されてもよい。このような例では、流体ラインはまた、膨張流体408、例えば、生理食塩水/造影流体混合液がエネルギ発生機102のコンポーネントへと進入することを防ぐように構成されている、バルブまたは膜等の変換器保護を備えてもよい。
【0139】
他の例示的な例として、IVLシステム100(例えば、エネルギ発生機102またはシステム100に関連付けられている別のコンピューティングデバイスの処理回路)は、システム100の1以上のコンポーネントの電気インピーダンスをモニタリングするように構成されていてもよい。電極対402(図4)間の火花ギャップ404内でプラズマが作られた場合、局部的な電気インピーダンスは低下し、これによりシステム100に(検出の上)印加電圧を終了させる。追加的にまたは代替的に、システム100(例えば、図2の測定ユニット216)は、発生機102によって作られた電流レベルを、出力されている間、モニタリングし、モニタリングされた電流における超閾変化に応じて印加電圧を自動的に終了するように構成されていてもよい。
【0140】
他の例では、エネルギレベル(例えば、印加電圧レベルなど)を動的に修正するよりはむしろ、システム100は、エネルギレベル(例えば、電圧レベル)を「全か無か」(例えば、バイナリー0または1)として印加するように構成されていてもよい。例えば、システム100は、センサ2502からのデータにより示されるように、特定の条件が満たされていると判断されている間のみ、カテーテル104を通して、所定のレベルのエネルギを伝達してもよい。追加的にまたは代替的に、システム100は、他のパラメータを調整するように構成されていてもよい。例えば、システム100は、必要に応じ、バルーン110の長手方向長さおよび/または膨張径を動的に調整するように構成されていてもよい。
【0141】
図26は、図1のIVLカテーテル104の近位部302(図3)にて連結されていてもよいハンドル例2600を示す。カテーテル104は、カテーテルハブ306(図1)に加えてまたはその代わりにハンドル2600を備えてもよい。ハブ306およびハンドル2600の両方が存在する場合、ハンドル2600は、ハブアクセスポート308を通して近位方向に伸長する長尺体106の一部に連結されていてもよい。
【0142】
既存のIVLカテーテルは、カテーテルに電力を供給するために高価な発生機を必要とする。図26に示される例では、カテーテルハンドル2600は、一体化電源供給部2602を備える。電源部2602は、バッテリー、キャパシタ、またはエミッタ配列112(図1)を作動させるのに十分な電力レベルを送達するように構成されている任意の他の適切な一体化電源を備えてもよい。すなわち、いくつかの例では、システム100(図1)は、エネルギ発生機102の代わりにハンドル2600を備えてもよい。他の例では、ハンドル2600は、補足または補助電力をエミッタ配列112に供給するように構成されていてもよい。いくつかの例では、ラップトップまたは他のモバイルデバイスと同様に、カテーテル104は、エネルギ発生機102に着脱可能に連結されて、接続中または切断中のいずれかにおいて機能するように構成されていてもよい。
【0143】
典型的なIVLシステムおよびデバイスは、全ての空間的次元をわたって伝搬する高エネルギ圧力波を放射するように構成されている。この特性は、例えば、血管壁の内周全体の周囲に現れるような、リング状の石灰化プラーク病変に相対的に効果的であり得る。しかしながら、他の病変形態は効果的に治療されないか、またはその代わりに、非効率的なエネルギ適用によってかなりの量のエネルギが無駄になり得る。従って、本明細書中には数々の特性および技術が開示され、IVLデバイス108(図1)が放射された高エネルギ圧力波を特定の空間的な方向または限られた範囲の方向に集中させることを可能にする。
【0144】
例えば、図27は、第1導波器例2702を有するIVLデバイス2700(例えば、図1のIVLデバイス108)の断面図である。いくつかの例では、導波器2702は、バルーン110の内周の一部だけに沿って配向されて、バルーン110を通して長手方向(例えば、近位方向および遠位方向)に伸長している材料層を含む。材料は、材料に接触する圧力波を実質的に吸収および/または反射するように構成され、これにより、任意の方向に導かれることによって無駄となるエネルギを減少させる。上述の通り、この音響的に不明瞭な材料は、例えば、セラミック、磁器、ダイヤモンド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、類似材料または任意の適切なそれらの組み合わせを含むことができる。
【0145】
図27に示される例では、導波器2702は、半月形状の断面プロファイルを有するように示されているが、他の形態も検討される。例えば、導波器2702は、実質的に半円の断面プロファイルを画定してもよいし、またはその代わりに、バルーン110の内面の一部上をコーティングする相対的に薄い層を含んでもよい。
【0146】
いくつかの例では、導波器2702は、典型的なバルーン血管形成術で、必要に応じて、膨張またはしぼませることができる特徴的なルーメン「ポケット」2704を備える。いくつかの例では、膨張ルーメン320(図3)から離れた流体ポケット2704は、バルーン110自体の膨張を妨げないようにポケット2704を膨らませるためのガスを送達するように構成されている。IVLデバイス2700の使用中、火花ギャップ404Aから放射された圧力波は、流体ポケット2704を貫通することができず、従って、反対の円周方向に向かって吸収およびまたは反射される。
【0147】
吸収性および/または反射性材料に追加的にまたは代替的に、図27の導波器2702は、電子エミッタユニット400の一対の電極402(図4)のうちの少なくとも1つであってもよいし、それらを含んでもよい。例えば、半月形状導波器2702は、電極402のうちの1つまたは両方を備えて、放射された圧力波を指向的に集中させて対象の石灰化部を砕いてもよい。導波器2702が反射材と1つまたは両方の電極402の両方を備える例では、電極(単数または複数)402は、バルーン110の内面に接着されていてもよい反射材から半径方向内方に位置付けられてもよい。
【0148】
反射材に追加的にまたは代替的に、いくつかの例では、バルーン110の組成材料は、戦略的に変化されて指向的に狙った波動放射を提供してもよい。例えば、バルーン110の材料は、他の部分に沿ってよりも円周のいくつかの部分に沿ってより厚く構成されていてもよい。いくつかの例では、バルーン110は、その円周の第1部分に沿ってより透過性のある材料およびその円周の第2部分に沿ってより吸収性および/またはより反射性のある材料を組み込んでいてもよい。
【0149】
いくつかの例では、蛍光透視ワイヤ(例えば、図22に関して上述の、導電ワイヤ2204)または他の視覚的なインジケータ2704が導波器2702の反対に位置付けられてもよい。視覚的なインジケータ2704は、臨床医がIVLデバイス2700を対象の破砕の始めよりも先に対象の石灰化部へと向ける(例えば、回転させる)ことを手助けする。また、図22に関して上述のように、いくつかの例では、ピエゾ素子2206が、バルーン110上またはバルーン110内へと中心からずれた位置に取り付けられるまたは拡張される(例えば、非対称的に分散される)ことができて、その側方におけるエネルギを増加させる。このような例では、ピエゾ素子2206に隣接する組織領域はより多くの量のエネルギを受けるため、指向的に狙った病変の破砕を可能にする。
【0150】
図28Aは、指向集中型IVLデバイスの第2例2800(例えば、図1のIVLデバイス108)の斜視図であり、図28Bはその断面図である。IVLデバイス2800は、エミッタアセンブリ2814の配列を備え、各エミッタアセンブリ2814は、内側長尺構造318の周囲に円周方向に分散されている2以上の個々のエミッタユニット2816を備える。個々のエミッタユニット2816のそれぞれは、電極対、ピエゾ素子、または光学エミッタを備えることができる。
【0151】
図28Aおよび28Bに示されるように、エミッタユニット2816は、バルーン110の断面積内の中心からずれた位置に取り付けられるまたは拡張されるように構成されていてもよく、これにより、バルーン110の各側方に送達されるエネルギを増加させる。いくつかの例では、個々のエミッタユニット2816のそれぞれは、独立して作動可能に構成されている。他の例では、共通の長手方向軸に沿って並んでいる異なるエミッタアセンブリ2814の個々のエミッタユニット2816の全ては、共通して作動可能に構成されている。追加的にまたは代替的に、個々のエミッタユニット2816は、柄2818に取り付けられた状態で、内側長尺構造318へと向かっておよびそれから離れる方向に傾くまたは曲がるように構成できて、指向的なエネルギ伝送をさらに制御する。
【0152】
また、図28Aおよび28Bに示されるように、IVLデバイス2800は、1以上の放射線不透性の視覚的なインジケータ2704を備えて、対象処置部位に対するデバイスの配向に役立つことができる。しかしながら、図28Bに示されるように、視覚的なインジケータ2704は、バルーン110の円周まわりに非対称的に分散されて、曖昧なバルーン配向判定を防ぐべきである。
【0153】
図29Aは、指向集中型IVLデバイスの第3例2900(例えば、図1のIVLデバイス108)の斜視図であり、図29Bは、その断面図である。IVLデバイス2900は、本明細書中に記されている相違点を除けば、図28のIVLデバイスの例2800である。特に、IVLデバイス2900の介入バルーン110は、内側長尺構造318の周囲に円周方向に分散された2以上の長尺サブバルーン2902を備える。各サブバルーン2902は、共通の長手方向軸に沿って配向されているエミッタユニット2816のサブセットを保持するように構成されている。各エミッタユニットサブセットは、他のエミッタユニットサブセットから独立して作動可能に構成され、各サブバルーン2902は、対象の血管の内面の円周の特定の部分に放射された圧力波を適用するのに役立つように構成されている。
【0154】
いくつかの例では、各サブバルーン2902は、例えば、他のサブバルーンとは異なる膨張速度または量に応じて、個別に膨張可能に構成されている。このようにして、IVLデバイスは、血管壁(例えば、石灰化病変)の特定の部分に向かって中心からずれて位置付けられていてもよい。このような例は、対応するスコアリング部材2102(図21)を備えるエミッタユニット2816の各サブセットが、存在する場合、対象処置部位のさらに近くに位置付けられることを可能にする。
【0155】
上述の通り、エミッタ2618は、バルーン110の内径壁のより近くになるように(例えば、内側長尺構造318に隣接する代わりに)、内側長尺構造318から傾いて離れることができる。従って、これらのエミッタ2816により送達されるエネルギは、それらが最も近く位置付けられる血管の壁により集中させることができる。これにより、切削ワイヤ(例えば、図22の破砕要素2202の導電ワイヤ2204)との併用で、結節性石灰化病変をより効率的および/またはより効果的に破砕するように高圧応力集光点を作成することができる。
【0156】
さらに、図28Aおよび29Bの例では、エネルギ発生機102(図1)は、IVLデバイス2900の円周まわりに存在するエミッタ2816を独立的におよび選択的に制御してもよい。これはつまり、エミッタ2816をいかなる方向に傾けるまたは動かすことすらなく、石灰化病変に最も近いエミッタ2816を発射するのみでエネルギ送達が制御され得るということである。さらに、提示される処置が全周的なエネルギ送達を必要とする場合、全てのエミッタ2816は依然として発射されて、より従来的なスタイルの処置を発生させることを可能にしてもよい。
【0157】
これらのエミッタ2816は、全て、図28Aおよび28Bに示される、同じバルーン110内、または、図29Aおよび29Bに示されるように、それら自体の、別個のサブバルーン2902内に位置付けることができることに留意すべきである。さらに、図28Bおよび29Bに示される相対的な配置は、エミッタユニットのたった1つの配列を可能にしているが、これらのエミッタ2816は、バルーン110中にわたってカテーテルまわりに設置されることができ、可能なエミッタの個数は、使用されているバルーン110の長さによってのみ決定付けられることに留意すべきである。
【符号の説明】
【0158】
100-血管内砕石術(IVL)システム
102-エネルギ発生機
104-カテーテル
106-長尺カテーテル本体
108-IVLデバイス
110-介入バルーン
112-圧力波エミッタ配列
114A-第1エミッタ
114B-第2エミッタ
114C-第3エミッタ
114D-第4エミッタ
114E-第5エミッタ
116-中心長手方向軸
118-着脱自在ケーブル
202-電力入力コネクタ
204-カテーテルコネクタ
208-内部電源
210-高電圧DC-DCコンバータ
212-高電圧キャパシタおよびトランジスタスイッチ
216-電圧および電流測定ユニット
218-プロセッサ218
222-デバイス識別ユニット
224-パワーモジュール
226-ユーザインタフェース(UI)制御処理部
234-ユーザインタフェース
302-近位カテーテル部
304-遠位カテーテル部
306-カテーテルハブ
308-アクセスポート
310-膨張ポート
312-電力ポート
314-張力緩和
316-外側長尺構造
318-内側長尺構造
320-膨張ルーメン
322-ガイドワイヤルーメン
324-遠位ポート
326-外側バルーンコーティング
400-第1電気エミッタアセンブリ
402A-第1電極
402B-第2電極
402C-第3電極
404A-第1火花ギャップ
404B-第2火花ギャップ
406A-第1ワイヤ
406B-第2ワイヤ
408-膨張流体
410-ハイポチューブ
412-ポッティング材
414-電極端
416-エラストマ層
418-コイル
420-ポリマー層
500-第2電気エミッタアセンブリ
502A-第1エミッタ電極
502B-ハイポチューブ電極
502C-第2エミッタ電極
504-絶縁層
506-ポリイミド内側長尺構造
508A、508B-火花ギャップ
600-第3電気エミッタアセンブリ
602A-第1エミッタ電極
602B-ハイポチューブ電極
602C-第2エミッタ電極
608-火花ギャップ
700-第1ハイポチューブ設計
800-第2ハイポチューブ設計
802A-第1電極
802B-第2電極
802C-第3電極
804A-第1火花ギャップ
804B-第2火花ギャップ
806-支持構造物
810A-円周長さ
810B-長手方向長さ
810C-電極端長さ
810D-火花ギャップ幅
810E-支持構造物幅
812-ハイポチューブ配列設計
814-カップリング支持部
816-着脱自在支持部
900-第3ハイポチューブ設計
902A-第1リング状電極
902B-第1円盤状電極
902C-第2リング状電極
902D-第2円盤状電極
904-火花ギャップ
906-支持構造物
910A-円周長さ
910B-長手方向長さ
910C-支持構造物幅
1000-アセンブリ技術
1002~1010-組立ステップ
1100-フレックス回路
1102A-第1電極
1102B-第2電極
1102C-第3電極
1104-火花ギャップ
1108-フレキシブル基板
1110A-円周長さ
1110B-フレックス回路長手方向長さ
1110C-長方形長手方向長さ
1110D-突起円周幅
1110E-突起長手方向長さ
1110F-突起ギャップ円周長さ
1112-突起
1200A-第1フレックス回路配線形態
1200B-第2フレックス回路配線形態
1202-上部ワイヤ
1204-底部ワイヤ
1206-上部ワイヤ
1208-中央ワイヤ
1210-底部ワイヤ
1300A-第1配線形態
1300B-第2配線形態
1302-内側長尺構造
1304-外側長尺構造
1306-外側構造内層
1308-外側構造外層
1310-外側構造外層終了点
1312-外側構造内層終了点
1400A~D-配線形態
1402-ワイヤループバック点
1404-遠位バルーンコーン
1406-エミッタ
1408-露出ワイヤ導体点
1500A-第1配線形態
1500B-第2配線形態
1502A-4つのエミッタ配列
1502B-5つのエミッタ配列
1504-電気エミッタ
1506-接地ワイヤ
1600A-第1配線形態
1600B-第2配線形態
1602-エミッタ配列
1604-エミッタ
1606-導電ワイヤ
1700-IVLデバイス
1702-光学エミッタ
1704-光ファイバ
1800-IVLデバイス
1802-バルーン外層
1804-バルーン内層
1806-バルーン中央層
1810-介入バルーン
1900-介入デバイス
1902-第1保護構造
1904-長手部材
1906-円周部材
2000-IVLデバイス
2002-第2保護構造
2100-IVLデバイス
2102-スコアリング部材
2200-IVLデバイス
2202-破砕要素
2204-ワイヤ
2206-圧電素子
2300-IVLデバイス
2302-バネ
2304A-バネ近位端
2304B-バネ遠位端
2400-IVLデバイス
2402-遠位保護デバイス
2404-長尺要素
2406-拡張可能バスケット部材
2502-センサ
2600-カテーテルハンドル
2602-一体化電源供給部
2700-IVLデバイス
2702-導波器
2704-流体ポケット
2704-視覚方向インジケータ
2800-IVLデバイス
2814-エミッタアセンブリ
2816-エミッタユニット
2900-IVLデバイス
2902-サブバルーン
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28A
図28B
図29A
図29B
【手続補正書】
【提出日】2022-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤを受けるように構成されている内側ルーメンを有する長尺体と、
前記長尺体の遠位部に位置付けられるバルーンであって、前記バルーンの外面が患者の血管系内の対象処置部位の内面に接触するように膨張させるための流体を受けるように構成されているバルーンと、
前記バルーン内で前記長尺体の中心長手方向軸に沿って位置付けられている1以上の圧力波エミッタであって、前記流体を通じて半径方向外方へと圧力波を伝搬するように構成されて、前記対象処置部位にある石灰化病変を砕く1以上の圧力波エミッタと、を備え、
前記1以上の圧力波エミッタのうちの少なくとも1つは、第1電極および第2電極を備える電子エミッタを備え、
前記第1電極および前記第2電極は、前記第1電極と前記第2電極との間に火花ギャップを画定するように配置されており、
前記第1電極は、前記長尺体の前記内側ルーメン内へ少なくとも部分的に伸長しており、
前記第2電極は、ハイポチューブの一部を備える、医療機器。
【請求項2】
前記火花ギャップは、第1火花ギャップを備え、
前記電子エミッタは、第3電極をさらに備え、
前記第3電極は、前記第2電極と前記第3電極との間に第2火花ギャップを画定するように配置されている、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極は、前記ハイポチューブの共通の円筒表面の全部分である、請求項2に記載の医療機器。
【請求項4】
前記第1電極および前記第3電極は両方とも、丸みを帯びた三角形形状を画定し、前記第2電極は、平行四辺形形状を画定する、請求項3に記載の医療機器。
【請求項5】
前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極は全て、丸みを帯びた長方形形状を画定する、請求項3に記載の医療機器。
【請求項6】
前記第1電極および前記第3電極は両方とも、楕円形形状を画定し、前記第2電極は、半円筒形形状を画定する、請求項3に記載の医療機器。
【請求項7】
前記電子エミッタは、前記長尺体と前記第2電極との間で半径方向に位置付けられるカップラ層をさらに備える、請求項1に記載の医療機器。
【請求項8】
前記第1電極は、リング形状であり、
前記第2電極は、円盤形状であり、
前記第1電極は、前記第2電極の周囲に位置付けられる、請求項1に記載の医療機器。
【請求項9】
前記電子エミッタは、第3電極および第4電極をさらに備え、
前記第3電極は、リング形状であり、前記第4電極は、円盤形状であり、
前記第3電極は、前記第4電極の周囲に位置付けられる、請求項8に記載の医療機器。
【請求項10】
前記ハイポチューブは、約0.080インチから約0.090インチの長手方向長さおよび約0.10インチから約0.12インチの外周を画定する、請求項1に記載の医療機器。
【請求項11】
前記第1電極は、直方体形状である、請求項1に記載の医療機器。
【請求項12】
それらの間に火花ギャップを画定するために配置されている少なくとも第1電極および第2電極を画定するためにハイポチューブをレーザ切断することと、
前記レーザ切断されたハイポチューブを通して長尺体を挿入することと、
前記レーザ切断されたハイポチューブの周囲にポッティング材を流すことと、を備える血管内砕石術(IVL)カテーテルの電子圧力波エミッタを形成する方法。
【請求項13】
前記火花ギャップは、第1火花ギャップを備え、
前記ハイポチューブをレーザ切断することは、前記第2電極と第3電極との間に第2火花ギャップを画定するように配置されている前記第3電極を画定するために前記ハイポチューブをレーザ切断することをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ハイポチューブをレーザ切断することは、前記第1電極および前記第3電極が両方とも、丸みを帯びた三角形形状を画定し、前記第2電極が、平行四辺形形状を画定するように前記ハイポチューブをレーザ切断することを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ハイポチューブをレーザ切断することは、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極が全て、丸みを帯びた長方形形状を画定するように前記ハイポチューブをレーザ切断することを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ハイポチューブをレーザ切断することは、前記第1電極および記第3電極が両方とも、楕円形形状を画定し、前記第2電極が、半円筒形形状を画定するように前記ハイポチューブをレーザ切断することを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記火花ギャップは、第1火花ギャップを備え、
前記ハイポチューブをレーザ切断することは、第3電極と第4電極との間に第2火花ギャップを画定するように配置されている前記第3電極および前記第4電極を画定するために前記ハイポチューブをレーザ切断することをさらに備え、
前記第1電極および前記第3電極は、リング形状であり、
前記第2電極および前記第4電極は、円盤形状であり、
前記第1電極は、前記第2電極の周囲に位置付けられ、
前記第3電極は、前記第4電極の周囲に位置付けられる、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記長尺体の外面を通って少なくとも部分的に半径方向内方へと、前記第1電極、前記第2電極およびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる電極を伸長させることをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極は全て、前記ハイポチューブの共通の円筒表面の部分を画定する、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記火花ギャップは、第1火花ギャップを備え、
前記ハイポチューブをレーザ切断することは、第3電極と第4電極との間に第2火花ギャップを画定するように配置される前記第3電極および前記第4電極を画定するように前記ハイポチューブをレーザ切断することをさらに備え、
前記第3電極は、リング形状であり、前記第4電極は、円盤形状であり、前記第3電極は、少なくとも部分的に前記第4電極を囲む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記ハイポチューブは、約0.080インチから約0.090インチの長手方向長さを画定する、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
前記ハイポチューブは、約0.10インチから約0.12インチの外周を画定する、請求項12に記載の方法。
【請求項23】
前記第1電極は、直方体形状である、請求項12に記載の方法。
【請求項24】
前記長尺体の外面を通って少なくとも部分的に半径方向内方へと、前記第1電極、前記第2電極およびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる電極を伸長させることは、前記長尺体の外面を通って少なくとも部分的に半径方向内方へと前記第1電極を伸長させることを備え、前記方法は、前記長尺体を通って半径方向内方へとおよび前記長尺体の内側ルーメン内へ少なくとも部分的に半径方向内方へと前記第1電極を伸長させることをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項25】
前記長尺体を通って少なくとも部分的に半径方向内方へと前記第2電極を伸長させることをさらに備える、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ハイポチューブから使われなくなった支持構造物を取り除くことをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項27】
前記ポッティング材は、接着剤である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ハイポチューブから使われなくなった支持構造物を取り除くことは、前記接着剤を削り出すことを備える、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記接着剤を削り出すことは、前記第1電極と前記第2電極との間に前記火花ギャップを再構築することを備える、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記レーザ切断されたハイポチューブの周囲に前記ポッティング材を流すことは、前記レーザ切断されたハイポチューブの周囲に接着剤をあふれ出させることを備える、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記長尺体の内側ルーメン内へ少なくとも部分的に半径方向内方へと前記第2電極を伸長させることをさらに備える、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記長尺体は、近位端と、前記近位端の反対の遠位端とを備え、
前記長尺体は、前記遠位端に流体を送達するように構成されている、請求項12に記載の方法。
【請求項33】
前記長尺体に着脱可能に連結され、前記1以上の圧力波エミッタに着脱可能に導電的に連結されているエネルギ発生機をさらに備える、請求項1に記載の医療機器。
【請求項34】
少なくとも1つのパラメータを示すセンサデータを生成するように構成されているセンサをさらに備える、請求項33に記載の医療機器。
【請求項35】
前記エネルギ発生機は、電流レベル、電圧レベル、パルス持続時間、パルス周波数、光度およびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる変数を変更するように構成されており、その結果、送達されるエネルギの量を変更する、請求項34に記載の医療機器。
【請求項36】
前記センサは、共振周波数センサを備え、前記エネルギ発生機は、前記石灰化病変の共振周波数に近似するように圧力波周波数を変更するように構成されている、請求項33に記載の医療機器。
【請求項37】
前記エネルギ発生機は、前記センサデータに基づいて、印加電圧を終了させるように構成されている、請求項33に記載の医療機器。
【請求項38】
前記第1電極、前記第2電極、前記第3電極および前記第4電極は、共通の円筒表面の全部分である、請求項9に記載の医療機器。
【請求項39】
長尺体と、
前記長尺体の遠位部に位置付けられるバルーンであって、前記バルーンの外面が患者の血管系内の対象処置部位の内面に接触するように膨張させるための流体を受けるように構成されているバルーンと、
前記バルーン内で前記長尺体の中心長手方向軸に沿って位置付けられている1以上の圧力波エミッタであって、前記流体を通じて半径方向外方へと圧力波を伝搬するように構成されて、前記対象処置部位にある石灰化病変を砕く1以上の圧力波エミッタと、
前記長尺体に着脱可能に連結され、前記1以上の圧力波エミッタに着脱可能に導電的に連結されているエネルギ発生機と、
少なくとも1つのパラメータを示すセンサデータを生成するように構成されているセンサと、を備え、
前記センサは、共振周波数センサを備え、
前記エネルギ発生機は、前記石灰化病変の共振周波数に近似するように圧力波周波数を変更するように構成されている、医療機器。
【請求項40】
長尺体と、
前記長尺体の遠位部に位置付けられるバルーンであって、前記バルーンの外面が患者の血管系内の対象処置部位の内面に接触するように膨張させるための流体を受けるように構成されているバルーンと、
前記バルーン内で前記長尺体の中心長手方向軸に沿って位置付けられている1以上の圧力波エミッタであって、前記流体を通じて半径方向外方へと圧力波を伝搬するように構成されて、前記対象処置部位にある石灰化病変を砕く1以上の圧力波エミッタと、
前記長尺体に着脱可能に連結され、前記1以上の圧力波エミッタに着脱可能に導電的に連結されているエネルギ発生機と、
少なくとも1つのパラメータを示すセンサデータを生成するように構成されているセンサと、を備え、
前記エネルギ発生機は、前記センサデータに基づいて、印加電圧を終了させるように構成されている、医療機器。
【国際調査報告】