(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】押出成形機用分配装置
(51)【国際特許分類】
A23N 17/00 20060101AFI20240308BHJP
A23J 3/00 20060101ALI20240308BHJP
A23J 3/26 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
A23N17/00 B
A23J3/00 502
A23J3/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554287
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 EP2022025091
(87)【国際公開番号】W WO2022194421
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517338205
【氏名又は名称】ビューラー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クライン、フリーダー
(72)【発明者】
【氏名】ザットラー、シルヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル、ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】マイレ、ダヴィッド
【テーマコード(参考)】
4B061
【Fターム(参考)】
4B061DA01
4B061DB14
4B061DB22
4B061DB32
(57)【要約】
本発明は、押出成形機(10)のための分配装置(1)に関し、分配ユニット(2)から延びる少なくとも2つの導管(3,4)を備え、各導管(3,4)は温度制御装置(3b,4b)を有する。本発明は更に、上記の種類の分配装置(1)を備える押出成形システム、及び押出成形システムによってタンパク質性食品を製造する方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出成形機(10)用の分配装置(1)であって、
-前記分配装置(1)を押出成形機(10)の出口に接続するための第1の接続部品(1a)と、
-分配ユニット(2)と、
-前記分配ユニット(2)から延びる少なくとも2つの導管(3、4)であって、各導管(3、4)は、前記分配ユニット(2)から離れたその端部に、冷却ノズル(11、12)への接続のための第2の接続部品(5)を有する、少なくとも2つの導管(3、4)と、を備え、
各導管(3、4)は、温度制御装置(3b、4b)を備える、分配装置(1)。
【請求項2】
前記導管(3、4)内の製品流量を決定するために、測定装置、好ましくは流量計、又は互いに離間した測定装置(6、7、8、9)が設けられ、前記測定装置(6、7、8、9)は、好ましくは流量計及び圧力センサからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の分配装置(1)。
【請求項3】
前記分配ユニット(2)から延びる2つの導管(3、4)が設けられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の分配装置(1)。
【請求項4】
各導管(3、4)は円筒形であり、前記温度制御装置(3b、4b)は、製品導管として機能する前記導管(3、4)の前記内部空間(3a、3b)をシース状に取り囲むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の分配装置(1)。
【請求項5】
前記第2の接続部品は、湾曲したパイプ部分を備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の分配装置。
【請求項6】
熱交換器(13)であって、前記熱交換器(13)の第1の側(13a)から細長い部分(13b)を通って前記熱交換器(13)の第2の側(13c)に製品を案内することができる流路(14)を備える、熱交換器(13)を更に備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の分配装置(1)。
【請求項7】
押出成形機(10)と、第1の接続部品(1a)を介して前記押出成形機(10)の出口に接続される、請求項1から6のいずれか一項に記載の分配装置(1)と、を備える押出成形システム。
【請求項8】
各場合において、冷却ノズル(11、12)は、前記分配装置(1)の前記分配ユニット(2)から離れた前記導管(3、4)の端部に配置された第2の接続部品(5)を介して前記分配装置(1)の各導管(3、4)に接続されていることを特徴とする、請求項7に記載の押出成形システム。
【請求項9】
熱交換器(13)であって、前記熱交換器(13)の第1の側(13a)から細長い部分(13b)を通って前記熱交換器(13)の第2の側(13c)に前記製品を案内することができる流路(14)を有する、熱交換器(13)を更に備えることを特徴とする、請求項7又は8に記載の押出成形システム。
【請求項10】
前記押出成形機は、例えば5バレル押出成形機に短縮されることを特徴とする、請求項9に記載の押出成形システム。
【請求項11】
請求項7から10のいずれか一項に記載の押出成形機システムにおいてタンパク質性食品を製造する方法であって、
a)少なくとも1つの原材料はタンパク質、好ましくは植物性タンパク質である原材料混合物を押出成形機(10)内で処理するステップと、
b)前記押出成形機(10)からの前記押出物を前記分配装置(1)に導くステップと、
c)前記分配装置(1)の導管(3、4)を通して前記押出物の部分流を冷却ノズル(11、12)に案内するステップであって、前記導管(3、4)内の前記部分流の流量は、測定装置、好ましくは流量計、又は互いに離間した測定装置(6、7、8、9)によって決定され、前記部分流の流量の互いからの偏差は、ここから決定される、ステップと、
d)導管(3、4)内の前記部分流の流量を変更するために、ステップc)で決定された前記部分流の流量に応じて、ステップc)中に前記導管(3、4)を加熱又は冷却するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記方法は、前記押出物の熱衝撃処理の追加のステップd)を含み、ステップd)は、ステップa)の後であって前記押出物が前記冷却ノズル(11、12)に入る前に実行されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記熱衝撃処理は、熱交換器において150~200℃で1秒~10秒間実施されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記冷却ノズル内の温度は、前記熱交換器内の温度に応じて調節されることを特徴とする、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
請求項11から14のいずれか1項に記載の方法によって得られ得るタンパク質性食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物用の食品及び飼料を押し出す技術分野に関する。本発明は、詳細には、押出成形機用の分配装置、この分配装置を備える押出成形機、及び肉に類似した材料を加工する方法に関する。
【0002】
押出成形による材料の製造は、特に食品の製造において、ますます重要になってきている。例えば、特に植物性タンパク質に基づいて、35重量%~90重量%のタンパク質含量を有する少なくとも1つの原材料から、テクスチャ加工されたタンパク質に富む食品を製造するための方法が参照され、そのような食品は、以下でタンパク質性テクスチャ又は代替肉製品(「肉代替品」)とも呼ばれる。
【0003】
持続可能性の波の過程で、植物性タンパク質に基づく肉代替肉がますます重要になってきている。その製造のための従来の方法は、典型的には以下のステップを含む:
-原材料を秤量/計量するステップと、
-原材料を混合するステップと、
-前処理(任意選択)するステップと、
-特に冷却ノズルを用いて押出成形するステップと、
-切断するステップ。
【0004】
食品の押出成形及び/又は動物用飼料の押出成形の場合、繊維構造が形成される湿式テクスチャ加工として知られるものが頻繁に行われる。これは、例えば、動物又は植物性タンパク質を含む製品が押し出される場合である。押出物は典型的には押出成形機の出口で膨張し、これは高密度でコンパクトな繊維製品構造にとって有害であるので、繊維構造を達成することは必ずしも容易ではない。したがって、そのような目的のために、従来技術では冷却ノズルが使用され、冷却ノズルは押出成形機の出口に配置され、押出物の膨張を低減するか、又は所望であれば、押出物の膨張を可能な限り完全に抑制する。
【0005】
代替肉製品を受け入れるための重要な課題は、それらのテクスチャ、それらの色及びそれらの触覚特性(噛み応え)を、本物の肉製品の対応する特性に可能な限り適合させることである。
【0006】
別の課題は、そのような材料を可能な限り効率的に大量に生産することである。この目的のために、大量の塊を製造することができるより大型の押出成形機が提供された。これらの塊は、典型的には押出成形機から直接冷却ノズルに移され、そこで塊は適切な方法で冷却される。しかしながら、大量の押し出された塊が冷却ノズルを通過することは、従来の冷却ノズルの寸法に起因する制限要因である。
【0007】
効率を高めるために、複数の冷却ノズルを1つの押出成形機上に配置することができる。この目的のために、押出成形機から押し出された製品流を部分流に分割することが必要である。これらはその後、それぞれの冷却ノズルに案内される。
【0008】
可能な限り効率的なプロセス制御のために、全ての冷却ノズルが同じ方法で製品を供給されることが必要である。これは、冷却ノズルに通じる導管を通る製品の流れを制御することができる機械式バルブ又はスロットルフラップを設けることによって達成することができる。しかしながら、その結果、搬送される製品に機械的な負荷がかかり、製品特性に望ましくない影響を与える可能性がある。
【0009】
本発明の目的は、押し出される大量の材料を穏やかにかつ効率的に処理するための装置及び方法であって、製品特性に好ましくは有利に影響を及ぼすことができる装置及び方法を提供することであった。
【0010】
上記の目的は、独立請求項の主題によって、本発明に従って達成される。
【0011】
詳細には、本発明は、押出成形機用の分配装置であって、
-分配装置を押出成形機の出口に接続するための第1の接続部品と、
-分配ユニットと、
-分配ユニットから延びる少なくとも2つの導管であって、各導管は、分配ユニットから離れたその端部に、冷却ノズルへの接続のための第2の接続部品を有する、少なくとも2つの導管と、を備え、
各導管は、温度制御装置を備える、分配装置に関する。
【0012】
本発明による分配装置は、押出成形機から押し出される製品流の部分流の効率的かつ正確な調整を可能にする。
【0013】
押出成形機から出る製品流は、分配ユニット内で部分流に分割され、これらは別個の導管を通って冷却ノズルに移送される。測定装置(好ましくは流量計)又は互いに離間した測定装置、例えば各導管の始端部及び終端部に配置された圧力センサを用いて、部分流の流量の互いからの偏差を決定することができる。例えば、導管内の任意の圧力降下は、圧力センサを用いて決定され得る。対応する導管を通って流れる部分流の比率は、このようにして決定された圧力降下間の比率又は差から決定することができる。同様に、別の実施形態では、導管内の部分流の流量を流量計を用いて決定することができる。このようにして求められた流量の比から、対応する導管を通って流れる部分流の比を求めることができる。
【0014】
冷却ノズルへの製品の可能な限り均一な供給を達成するために、導管は温度制御され得る。導管を加熱することによって、この導管内の製品流が増加し、これは同時に、他の導管(複数可)内の製品流の減少と関連付けられる。導管を冷却することによって、この導管内の製品流が減少し、これは同時に、他の導管(複数可)内の製品流の増加と関連付けられる。導管の温度の変化は、押出物と導管壁との間の摩擦挙動に影響を及ぼすことができ、したがって製品の流量変更をもたらすことができる。あるいは、導管内に存在する製品の温度は、導管の温度を変化させることによって直接変化させることができ、したがって、その流量は、導管の温度を変化させることによって影響を受ける。
【0015】
本発明によれば、それによって、それぞれの冷却ノズルへの製品流の効率的かつ正確な調整が達成される。更に、本発明によれば、バルブ又はスロットルフラップなどの機械的調整手段が使用されないので、製品流が設定されるとき、製品は機械的負荷を受けない。本発明によれば、それぞれの冷却ノズルへの製品流は専ら熱的に調整される。
【0016】
本発明による特に好ましい実施形態によれば、圧力センサの使用は、バルブ又はスロットルフラップを調整するために必要である流量計を省略することができることを意味する。この実施形態では、本発明による分配装置は、バルブ又はスロットルフラップ又は流量計などの構成要素が存在せず、導管テーパ(すなわち、流量調整のための部分的な導管直径の縮小)を省略することができるので、洗浄がより容易である。
【0017】
本発明による分配装置は、一方では押出成形機に、他方では冷却ノズルに取り外し可能に接続できるように設計されている。本発明による分配装置の全ての構成要素は、意図された使用に適した材料、例えばステンレス鋼、被覆鋼、又は耐熱性プラスチック材料から製造される。
【0018】
本発明によれば、第1及び第2の接続部品、分配ユニット及び導管などのここで言及される構成要素が一体型分配装置の部分を説明する一体型分配装置が含まれる。更に、本発明によれば、第1及び第2の接続部品、分配ユニット、及び導管などのここで言及される構成要素が、少なくとも部分的に別々に製造された構成要素であり、それらが一緒に接合されて分配装置を形成する分配装置が含まれる。また、第1の接続部品及び分配ユニットなどの個々の構成要素を一体に製造し、本明細書に記載の他の構成要素と共に接合することも可能である。
【0019】
本発明による分配装置は、任意の従来の押出成形機又は任意の従来のポンプに接続することができる。この目的のために、本発明による分配装置の第1の接続部品は、押出成形機又はポンプの出口に接続される。第1の接続部品は、押出成形機又はポンプへの接続を実現するために適切な形状を有する。
【0020】
従来の押出成形機は、本発明による分配装置の第1の接続部品が好ましくは接続され得るエンドプレートを有する。この目的のために、第1の接続部品は、適切な形状及び寸法である。これは、分配装置を適切な方法で押出成形機又はポンプに取り付けることができる移行部品などの別個の構成要素であってもよい。しかしながら、それはまた、分配ユニットの一部(すなわち、分配ユニットの端面等の分配ユニットの一体構成要素)であってもよい。接続は、フランジ、クランプ、ねじ接続などの適切かつ既知の接続要素を用いて行うことができる。
【0021】
押出成形機及びポンプは周知であり、ここでより詳細に説明する必要はない。本発明によれば、対応する食品を製造するために従来技術で使用されている市販の押出成形機を使用することができる。例として、国際公開第2012/158023(A1)号に記載されている押出成形機、又はBuhler社製の押出成形機、特に2軸押出成形機が参照される。このような押出成形機は、20~60、好ましくは25~50、特に好ましくは25~40の範囲のL/D比(長さ対直径)を有することが好ましい。好ましくは、本発明によれば、押出成形機は300~1000rpm、特に好ましくは450~900rpmで操作される。
【0022】
本発明によれば、押出成形機は、高い製品スループットを可能にする押出成形機であることが好ましい。このような押出成形機は、「肉代替品」などのタンパク質性食品の製造にこれまで使用されてきた押出成形機よりも対応して大きい。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、押出成形機は、ガス用の供給開口部を含むことができ、この供給開口部を通して、ガス(CO2又はN2など)を、押出成形機内で処理される製品に導入することができる。このようにして、押出物における制御された細孔形成を達成することができる。この種の押出成形機は、国際公開第2021/032866(A1)号に記載されている。
【0024】
押し出された製品(押出物)は、押出成形機の出口を通って出て、本発明による分配装置に入る。押出物は最初に分配ユニットに入る。本発明の一実施形態によれば、分配ユニットは、本質的に円錐として設計することができる。円錐としての設計が有利である。切頭錐体、特に円錐台として設計することももちろん可能である。錐形又は円錐形の設計の場合には、球セグメント形状の先端を有する形状を実現することができ、その結果として、流動挙動は、標的化された様式で影響を受けることができ、押出物に適合させることができる。押出成形機への逆流圧及び製品の剪断の程度に影響を与えることができる。
【0025】
本発明による一実施形態によれば、分配流路を狭めることができるか又は狭めるスクリーンを、分配ユニットの、押出成形機とは反対側の端部及び/又は押出成形機側の端部の領域に配置することができる。同様に、製品特性、特に繊維性は、そのようなスクリーンによって標的化された様式で影響され得る。
【0026】
2つ以上の出口が分配要素から導管に通じており、この導管を通って製品が冷却ノズルに分配される。
【0027】
好ましくは、本発明によれば、2つの導管が設けられる。この実施形態によれば、分配要素は、対応する導管に開口する2つの出口を有する。
【0028】
一実施形態によれば、これらの出口は、管状に設計することができ、例えば、y字形、u字形、又はv字形などに配置することができる(2つの出口及び2つの導管の場合)。
【0029】
後続の導管は、好ましくは円筒形である。特に好ましくは、導管は、(分配要素の出口から冷却ノズルへの入口までの)長さの少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、特に好ましくは少なくとも90%にわたって一定の断面積を有する。したがって、均一な流量を有利に達成することができる。
【0030】
導管は、製品を案内することができる内部空間を有する。導管は温度制御可能であり、すなわち、導管の壁、及び該当する場合、内部空間及びその中に含まれる製品を冷却又は加熱することができる。この目的に適した温度制御装置、例えば熱交換器又は電気加熱装置はよく知られている。本発明の好ましい実施形態によれば、温度制御装置は、製品導管として機能する導管の内部空間をシース状に、好ましくは導管の全長にわたって取り囲む。例えば、冷却媒体又は加熱媒体のためのリング状流路を円筒形導管の壁に配置することができ、この流路を通して、水又は加熱ガスなどの対応する冷却媒体又は加熱媒体を必要に応じて案内することができる。
【0031】
本発明によれば、導管内の製品流を測定するために、互いに離間した測定装置が設けられることが好ましい。これらの測定装置は、好ましくは、流量計、圧力センサ、温度測定装置、粘度測定装置、又は色測定装置からなる群から選択される。これらの測定装置は、特に好ましくは、流量計及び圧力センサからなる群から選択される。そのような装置は公知であり、ここでより詳細に説明する必要はない。
【0032】
測定装置は、決定されるべき製品特性の信頼できる測定が可能であるように、互いに離間されなければならない。適切な測定装置は当業者に知られている。好ましい実施形態によれば、圧力センサ又は流量計が、各導管の始端部及び終端部に各々配置される。言い換えれば、2つの圧力センサ又は流量計が各導管に配置される。ここで、始端部及び終端部とは、各々導管の全長の最初及び最後の3分の1、好ましくは4分の1を意味するものと理解されたい。
【0033】
本発明の更なる実施形態によれば、流量計を使用する場合、導管ごとに(例えば導管の始端部又は終端部に)1つの流量計のみが設けられる。2つの導管を有する分配装置を備える本発明の更なる実施形態によれば、導管のうちの1つにただ1つの流量計を設けるだけで十分である。この場合、他の導管の製品流は、押出成形機又はポンプから得ることができる全スループットから計算することができる。
【0034】
しかしながら、本発明の更なる実施形態によれば、測定装置は、押出成形機のエンドプレート上及び冷却ノズルの始点に配置することもできる。
【0035】
測定装置、好ましくは圧力センサ又は流量計は、特に好ましくは、各導管の始点(すなわち、分配要素から導管への移行部)及び/又は終点(すなわち、導管から冷却ノズルへの移行部)に配置される。
【0036】
圧力センサはよく知られている。本発明によれば、従来の圧力センサを使用することができる。流量計もよく知られている。本発明によれば、従来の流量計を使用することができる。
【0037】
各導管は、第2の接続部品を介して対応する冷却ノズルに接続される。第2の接続部品は、冷却ノズルへの接続を実現するために適切な形状及び寸法である。接続は、フランジ、クランプ、ねじ接続などの適切かつ既知の接続要素を用いて行うことができる。これは、移行部品などの別個の構成要素であってもよく、それによって分配装置を適切な方法で冷却ノズルに固定することができる。しかしながら、それはまた、導管の一部(すなわち、導管の端面等の導管の一体構成要素)であってもよい。
【0038】
好ましい実施形態によれば、第2の接続部品は、湾曲したパイプ部分を備える。このようにして、斜めに配置された導管を、押出成形機又はポンプに対して水平に配置された冷却ノズルに適切な方法で接続することができる。例えば、湾曲管部分は、30°~90°の範囲、好ましくは45°の曲率を有することができる。
【0039】
冷却ノズルはよく知られている。本発明による分配装置は、押出成形機と共に従来から使用されている冷却ノズルに接続することができる。
【0040】
例えば、欧州特許出願公開第3524059(A1)号に記載されているような冷却ノズルが挙げられる。これは、食品又は飼料押出成形機に取り付けることができ、押出物を冷却ノズル内に案内することができる入口端部と、
冷却された押出物が排出される出口端部と、
実質的に入口端部から出口端部まで延在する押出物流路と、
押出物流路が熱伝達接続される少なくとも1つの冷却剤流路と、
主流れ方向(8)に対する断面において、実質的にリング状カットアウトとして形成される押出物流路と、
少なくとも第1のセグメント及び第2のセグメントから形成される押出物流路の外壁と、を備え、第1のセグメント及び第2のセグメントは、機械的接続要素を介して互いに接続されている、食品又は飼料押出成形機冷却ノズルである。
【0041】
このような冷却ノズルによって、20~3000kg/h(好ましくは500~3000kg/h、より好ましくは2000~3000kg/h)の範囲の押出物の能力が、0.5~2.5m(好ましくは0.75~2.25m、より好ましくは1~2m)の典型的な長さ及び100~800mm(好ましくは200~600mm、より好ましくは400~600mm)の直径を有する冷却ツールの小さな構造サイズのみで達成され得る。しかしながら、スロット冷却ノズルなどの冷却ノズルも使用することができる。直径に関する上記の説明は、このような冷却ノズルには適用できない。
【0042】
冷却ノズルは、食品又は供給物と接触する領域、すなわち特に押出物流路において、ステンレス鋼(例えば、EN 10088による型番1.43xx又は1.44xx)から形成される。これらの材料は、高レベルの食品安全性を特徴とする。
【0043】
測定装置、好ましくは圧力センサ又は流量計は、制御ユニットに接続される。これらは、圧力センサから信号を受信し、場合によってはそれらを記憶し、それらを評価し、それらに基づいて、分配装置内に配置された温度制御装置に制御信号を出力するコンピュータ装置であり得る。このような制御ユニットは周知である。
【0044】
温度制御装置は、測定装置及び上記制御ユニットとは独立して、例えば手動で、観察された製品特性に応じて設定することができる。好ましくは、温度制御装置も同様に制御ユニットに接続されており、冷却又は加熱プロセスが実行されるように温度制御装置によって制御することができる。例えば、冷却又は加熱プロセスは、対応する信号が制御ユニットによって受信された後に、ロック要素が温度制御装置内で解放され、冷却又は加熱媒体(対応する温度の水又はガスなど)がリザーバから円筒形導管のシース内の環状部分内に流れることができることによって行うことができる。したがって、本発明によれば、好ましくは、測定装置によって決定された結果から導出される制御変数と、導管を加熱又は冷却するステップから導出されるガイド変数とを有する制御ループが定義される。
【0045】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、押出成形機を出た後、冷却ノズルに入る前に押出物が流れる熱交換器を設けることができる。タンパク質溶融物、特に湿潤押出物の製品品質は、タンパク質溶融物が、短時間の熱処理(熱衝撃処理)を行うことができる熱交換器を通して導かれる場合、かなり改善することができ、よりエネルギー効率的に行うことができることが見出された。
【0046】
熱衝撃処理は、本発明によれば、材料が150~200℃の高温に短時間(1~10秒)曝露されるプロセスを意味すると理解される。
【0047】
熱交換器は、押出成形機からの出口と冷却ノズルの入口との間の任意の点に配置することができる。本発明による分配装置と共に使用する場合、押出物全体が部分流に分割される前に所望の熱衝撃処理を受けるように、熱交換器は分配装置の分配ユニットの上流に配置されることが好ましい。あるいは、熱交換器は、部分流の各々に(すなわち、導管の前又は後に)配置することができる。
【0048】
熱衝撃処理に適した熱交換器が知られている。例えば、管束熱交換器などの管-シース熱交換器が参照される。これは、例えば、製品が狭い流路を通って案内され、その過程で均一な熱処理を受ける装置である。好ましい実施形態によれば、細長い、好ましくは円筒形の部分を通って熱交換器の第1の側から熱交換器の第2の側に製品を案内することができる流路を有する熱交換器が使用される。
【0049】
更に、本発明による方法に必要な押出成形機の長さは、上述の熱交換器が使用される場合に減少され得ることが示された。例えば、押出成形機ハウジングの一部(押出成形機ハウジングセグメント、技術的用語でバレルと呼ばれ、バレルは通常、使用される押出成形機スクリューの直径の4倍の長さを有する)を省略することができ、それに応じて押出成形機スクリューを短縮することができ、これは空間の有利な節約につながり、これは特に(本発明に従って好ましく使用されるような)大型押出成形機においてかなりの関連性を有する。例えば、従来の9バレルの代わりに5バレルを有する押出成形機を用いて本方法を実施することが可能である。この理由は、押出成形機自体において可能であるよりも、より効率的でより均一な熱処理を熱交換器において行うことができるからである。押出成形機では主に製品溶融物の外縁が加熱されるが、上記の熱交換器では製品溶融物全体の均一な連続加熱が達成される。これは、特に、湿潤押出物の所望のテクスチャ加工をもたらす。
【0050】
したがって、本発明は更に、押出成形機と、第1の接続部品を介して押出成形機の出口に接続された本発明による分配装置とを備える押出成形システムに関する。
【0051】
本発明によれば、各場合において、冷却ノズルは、分配装置の分配ユニットから離れて面する導管の端部に配置された第2の接続部品を介して、分配装置の各導管に接続される。
【0052】
本発明によれば、押出成形システムは、好ましくは、2つの導管と、それに対応して2つの冷却ノズルとを有する本発明による分配装置を備える。
【0053】
本発明によれば、押出成形システムは、製品を熱交換器の第1の側から細長い部分を通って熱交換器の第2の側に案内することができる流路を有する熱交換器を更に備える。この実施形態によれば、押出成形機は、好ましくは、例えば5バレル押出成形機(すなわち、使用される押出成形機スクリューの直径の20倍に相当する長さの押出成形機)で短くすることができる。
【0054】
使用可能な押出成形機及び冷却ノズルに関する上記説明は、ここでも同様に適用される。
【0055】
本発明は、上記の押出成形システムにおいてタンパク質性食品を製造するための方法であって、
a)少なくとも1つの原材料はタンパク質、好ましくは植物性タンパク質である原材料混合物を押出成形機内で処理するステップと、
b)押出成形機からの押出物を分配装置に案内するステップと、
c)分配装置の導管を通して押出物の部分流を冷却ノズルに案内するステップであって、導管内の部分流の流量は、測定装置、好ましくは流量計、又は互いに離間した測定装置によって決定され、部分流の流量の互いからの偏差は、ここから決定される、ステップと、
d)導管内の部分流の流量を変更するために、ステップc)で決定された部分流の流量に応じて、ステップc)中に導管を加熱又は冷却するステップと、
を含む、方法に更に関する。
【0056】
押出成形機中での原材料混合物の加工は、公知の方法で行うことができる。
【0057】
本発明によれば、原材料は押出成形機に計量供給され、少なくとも1つの原材料はタンパク質、好ましくは植物性タンパク質である。「タンパク質である少なくとも1つの原材料」という用語は、原材料がタンパク質を含有するか、又はタンパク質源を表す実施形態も含む。
【0058】
好ましくは、植物、例えば、豆類(例えば、エンドウマメ、ハウチワマメ又はマメ、例えば、ソラマメ)、穀類(例えば、コムギ、ダイズ、アブラナ又はヒマワリ)又は藻類がタンパク質源として使用される。しかしながら、乳タンパク質もしくは乳清タンパク質などの動物性タンパク質、又は筋肉もしくは結合組織由来のタンパク質も使用することができる。しかしながら、本発明によれば、動物性タンパク質を含まない製品を製造することが好ましい。
【0059】
本発明によれば、原材料は、好ましくは、繊維含量を有する少なくとも1つの成分を含む。例として、乾燥重量の少なくとも50%の繊維含量を有するエンドウマメ繊維が挙げられる。
【0060】
タンパク質性原材料は、液体と共に押出成形機に計量供給される。上述したように、これは、上述した少なくとも1つのタンパク質性原材料、及び上述した液体である。任意選択で、ガス形成化合物及びガス放出化合物を添加することができるが、ただし、これらの化合物の化学反応を介してガスを放出することによって、ガスが押出成形機内に提供されることが意図される。
【0061】
液体としては、水、ストック及び/又は油含有物質、例えば油含有芳香担持体を使用することができる。
【0062】
例えば、タンパク質原材料及び液体は、原材料中のタンパク質含量が50%より大きく、特に好ましくは60%~90%の範囲であるような比率で計量される。したがって、原材料中のデンプン含量(炭水化物含量)は、好ましくは最大で50%、好ましくは5~30%の範囲である。
【0063】
更に、代替肉製品の製造に通常使用される添加剤を添加することができる。例えば、塩化ナトリウムのような塩、脂肪、油又は他の脂質を、全原材料の総重量に基づいて好ましくは0.1~10重量%の量で添加することができる。
【0064】
湿潤押出物は、ステップc)における押出物の固体含量が20%~60%の範囲、好ましくは30%~50%の範囲である押出物を意味すると理解される。湿潤押出物については、乾燥原材料中のタンパク質含量が50%を超え、特に好ましくは60%~90%の範囲である場合に有利であることが証明されている。
【0065】
押出成形機の第1の部分において、予め秤量された原材料が計量供給される。あるいは、異なる原材料を異なる部分で順次押出成形機に添加することもできる。
【0066】
押出成形機中に計量供給するステップa)の前に、原材料の1種以上を予備調整することができる。このようにして、プロセスにおけるタンパク質マトリックスの滞留時間に影響を与えることができる。この場合、より長い滞留時間が改善された繊維構造をもたらすことが現在想定されており、その理由は、増加した数の架橋フィラメントが押出成形中に製造されるからである。本発明によれば、プレコンディショナ中の滞留時間は、好ましくは3~600秒、より好ましくは3~60秒、特に好ましくは5~15秒である。
【0067】
押出成形機において、計量供給された原材料は、液体、好ましくは水性のタンパク質組成物が形成されるように互いに混合される。ミキサは、高速ミキサとして設計することができる。これは、水及び蒸気供給導管を有することができる。押出成形機は、水供給導管及び任意選択で蒸気供給導管を有することができる。
【0068】
押出成形機において、液体、好ましくは水性のタンパク質組成物が加工される。この場合、組成物は、使用されるタンパク質に応じて、タンパク質の変性温度を超えて、好ましくは80~180℃、より好ましくは120~160℃、特に好ましくは130~150℃の範囲の温度に加熱される。押出成形機のハウジングは、好ましくは温度制御される。組成物を圧力下(典型的には1~60バール、好ましくは10~30バール、特に好ましくは20~30バール)で混練して、均一な混合物を形成する。これは、通常、10~120Wh/kg、好ましくは15~30Wh/kgのエネルギー入力を伴う。
【0069】
本発明による方法は、原則として、40~10,000kg/h、好ましくは1000~7000kg/h、特に好ましくは1000~4000kg/hの範囲のスループットで操作することができ、押出成形機中の材料は、好ましくは15秒~120秒、好ましくは20秒~90秒の保持時間(滞留時間)を有する。
【0070】
本発明による方法の好ましい実施形態に従って導入されるガスは、押出成形機上の異なる位置で、既に入口領域の近く、中間領域、又は出口領域のいずれかで導入することができる。本発明によれば、ガスのための供給開口部は、好ましくは、冷却ノズルの近傍(すなわち、押出成形機出口)に位置する押出成形機の部分に、好ましくは冷却ノズルの上流の押出成形機長さの最後の3分の1に、特に好ましくは冷却ノズルの上流の押出成形機長さの最後の4分の1に位置する。
【0071】
本発明の好ましい実施形態によれば、従来のコンベヤ要素の代わりに、ガスが押出物中に分散されるように、導入されたガスを押出物と強力に混合するための混練及び/又は混合要素が、押出成形機内のガスの供給開口部の位置に配置される。このような要素は公知である。例として、ヘッジホッグスクリュ、バリアスクリュ、Tエレメント(例えばExtricom社製)として知られているものを挙げることができる。これらは、高い分配及び分散混合効果と同時に、製品への低いエネルギー入力を与える。
【0072】
続いて、押出物を押出成形機から本発明による分配装置に導く工程が行われる。上述したように、押出物は最初に分配要素に到達し、そこで部分流に分割される。これらの部分流は、分配装置の導管を通って冷却ノズルに案内され、導管内の部分流の流量は、測定装置(好ましくは流量計)又は互いに離間した測定装置によって決定され、部分流の流量の互いからの偏差は、そこから決定される。
【0073】
好ましくは、導管の始点及び導管の終点における圧力は、各導管において測定される。これから、圧力降下に対応する圧力差(poutpin)が決定される。
【0074】
続いて、導管内の圧力降下の比又は差が、上述の制御ユニットにおいて決定される。2つの導管を含む実施形態の場合、これは例えば以下の通りである:
【0075】
【0076】
このようにして決定された値に基づいて、実質的に等しいサイズの部分流が導管を通って流れているか否かが決定される。そうでない場合には、製品が導管を通過する間に導管を任意に加熱又は冷却することによって、部分流の調整を行うことができる。導管を加熱することによって、この導管内の製品流が増加し、これは同時に、他の導管(複数可)内の製品流の減少と関連付けられる。導管を冷却することによって、この導管内の製品流が減少し、これは同時に、他の導管(複数可)内の製品流の増加と関連付けられる。温度制御は、上述した温度制御装置を用いて行われる。導管の温度の変化は、押出物と導管壁との間の摩擦挙動に影響を及ぼすことができ、したがって製品の流量変更をもたらすことができる。あるいは、導管内に存在する製品の温度は、導管の温度を変化させることによって直接変化させることができ、したがって、その流量は、導管の温度を変化させることによって影響を受ける。
【0077】
特に好ましい実施形態によれば、本方法は、押出物の熱衝撃処理の追加のステップd)を含み、ステップd)は、ステップa)の後(すなわち、押出成形機から押出物が出た後)であって、押出物が冷却ノズルに入る前に実施される。
【0078】
好ましくは、熱衝撃処理は、150~200℃で1秒~10秒間、熱交換器内で行われる。熱交換器に関する上記説明を参照されたい。
【0079】
熱交換器を有するこの好ましい実施形態によれば、処理される材料のモジュール式の調整可能なテクスチャ加工を、より低いコスト及びより高いエネルギー節約で達成することができる。熱交換器は、上流及び下流に配置された構成要素に従来の方法で接続することによって、簡単な方法で設置することができる。
【0080】
熱交換器内の温度が上昇すると、より強いテクスチャが製品において達成され得ることが見出された。しかしながら、本発明によれば、冷却ノズル内の温度は、好ましくは、製品中の望ましくない気泡形成を回避するために、熱交換器内の温度が上昇するときに低下されるべきである。したがって、本発明によれば、冷却ノズル内の温度は、好ましくは、熱交換器内の温度に応じて設定される。
【0081】
典型的には、押出物を水の沸点未満にするために、及び/又は水を蒸発させるために、すなわち標準条件下で120℃未満の温度にするために、押出物は冷却ノズルを通して案内される。押出成形機用の冷却ノズルは周知である。典型的には、押出物は50~90℃の範囲の温度に冷却される。
【0082】
本発明によれば、冷却ノズル内の温度は、好ましくは、180℃~200℃の熱交換器内の温度の場合、70℃~90℃の冷却ノズル内の温度が設定され、150℃~180℃の熱交換器内の温度では、90℃未満~100℃の冷却ノズル内の温度が設定されるように、熱交換器内の温度に応じて調整される。
【0083】
好ましい実施形態によれば、最終製品の破壊強度を増加させるために、押出成形機中の製品溶融物に油を添加することができる。この目的のために、食用油(例えばヒマワリ油)などの食品規制によって承認された油が好適である。例えば、油は、押出成形機に計量供給される全ての原材料の総重量に基づいて、1%~10%の範囲、好ましくは2%~6%の範囲、より好ましくは3%~4%の範囲の割合で添加することができる。
【0084】
冷却ノズルから出た後、押出物は、更なる工程において、公知の方法で適切な形状及びサイズに切断され得る。
【0085】
本発明による装置及び本発明による方法によって、新規で有利な特性(特にテクスチャに関して)を有する製品を得ることができる。
【0086】
したがって、本発明はまた、上記の方法によって得ることができるタンパク質性食品に関する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
以下に、非限定的で例示的な実施形態及び図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。図面は以下の通りである。
【
図2】本発明による分配装置の導管の概略図である。
【
図3】本発明による分配装置の2つの導管を通る製品流の依存性を導管内の温度差の関数として示す図である。
【
図4】本発明に従って使用することができる熱交換器の一実施形態の概略図を示す。
【
図5】熱交換器内の温度及び冷却ノズル内の温度に対する気泡形成の依存性を示すグラフを示す。
【0088】
図1は、本発明に係る分配装置1の概略図である。分配装置1は、第1の接続部品1aを介して押出成形機10のエンドプレートに接続されている。押出成形機10のエンドプレートを通って出る押出物は、分配ユニット2に入り、分配ユニット2は、
図1による実施形態では、円筒形導管3、4への正確な接続を達成するためにy字形部分を備える。
図1による実施形態は、2つの導管3、4を有する。製品は導管3、4から冷却ノズル11、12に入る。各導管3、4は、分配ユニット2から離れた端部に、冷却ノズル11、12の1つに接続するための第2の接続部品5を有する。
【0089】
圧力センサ6、7、8、9は、各導管3、4の始端部及び終端部にそれぞれ配置されている。圧力センサは、制御ユニット(図示せず)に接続される。圧力センサ6、7、8、9を用いて、導管3、4内の圧力降下が決定される。導管3、4内の決定された圧力降下の比から、対応する導管3、4を通って流れる部分流の比を決定することができる。
【0090】
図2に示される温度制御装置3b、4bは、導管3、4上に配置される。温度制御装置3b、4bを用いて、制御ユニット(図示せず)は、導管3、4を通る製品流を変更するために、導管3、4の内部空間を冷却又は加熱するために使用することができる。
【0091】
図2は、本発明による分配装置1の導管3、4の概略図である。導管3、4は円筒形であり、製品が流れることができる内部空間3a、4aを有する。内部空間3a、4aは、温度制御装置3b、4bによってシース状に囲まれている。これは、例えば、冷却又は加熱媒体を通すことができる環状流路であってもよい。
【0092】
図3は、本発明による分配装置1の2つの導管3、4を通る製品流量の依存性を、導管3、4内の冷却媒体又は加熱媒体の温度差の関数として示すグラフである。
【0093】
800kg/hの総スループットを有する肉に類似した製品(植物性タンパク質を含有する)を製造するのに適した押出物を、導管3、4の領域3a、4aを通して導き、約140℃の温度の冷却又は加熱媒体を、
図1及び2による分配装置1の導管3、4の領域3b、4bを通して導いた。導管3、4において同じ温度(ΔT=0)では、ほぼ同じ量の製品が導管3、4の各々を通って流れる。右側の導管3が10℃加熱された場合(すなわち、ΔT=110)、右側の導管3を通る製品流は約480kg/hに増加したが、左側の導管4を通る製品流は約320kg/hに低下した。導管3、4における温度差ΔTを対応して増加させることによって、導管3、4を通る製品流間の差を更に増幅することができる。温度差ΔT=40では、導管3、4を通る製品流間の差は、約600kg/h~200kg/hであった。
【0094】
図4は、本発明に従って使用することができる熱交換器13の一実施形態の概略図である。これは、管束熱交換器である。熱交換器13の場合、製品は狭い流路14を通って案内され、それによって均一な熱処理を受ける。流路14を通って、製品は、熱交換器13の第1の側13aから、細長い、好ましくは円筒形の部分13bを通って、熱交換器の第2の側13cに案内される。
【0095】
図5は、熱交換器13内の温度及び冷却ノズル11、12内の温度に対する気泡形成の依存性を示すグラフである。しかしながら、熱交換器13内の温度が上昇した場合、製品内の望ましくない気泡形成を回避するために、冷却ノズル11、12内の温度を低下させるべきであることが分かる。好ましくは、冷却ノズル11、12内の温度は、熱交換器13内の温度に応じて調節され、180℃~200℃の熱交換器13内の温度では、70℃~90℃の冷却ノズル11、12内の温度が設定され、150℃~180℃の熱交換器13内の温度では、100℃~90℃未満の冷却ノズル11、12内の温度が設定される。
【国際調査報告】