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特表2024-511732位置決め組立体及びシート材料加工機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】位置決め組立体及びシート材料加工機
(51)【国際特許分類】
   B65H 9/00 20060101AFI20240308BHJP
   B41F 33/00 20060101ALI20240308BHJP
   B65H 5/08 20060101ALI20240308BHJP
   B65H 5/04 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
B65H9/00 L
B41F33/00 290
B65H5/08 A
B65H5/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554915
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2022054985
(87)【国際公開番号】W WO2022189185
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】21161184.3
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ド ガイヤンド クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】カルディッロ マルコ
【テーマコード(参考)】
2C250
3F101
3F102
【Fターム(参考)】
2C250EB22
2C250EB26
2C250EB29
3F101BA01
3F101BA07
3F101BB05
3F101BB07
3F101CA02
3F101CA10
3F101CB02
3F101CC01
3F101LA15
3F101LB05
3F102AB02
3F102BA03
3F102BB02
3F102CB01
3F102DA10
3F102DA12
3F102EB02
3F102FA03
(57)【要約】
特にシート材料加工機の入口部分にシート材料を位置決めする位置決め組立体(30)が記載される。位置決め組立体(30)は、位置決めされるシート材料のうちの少なくとも一部を配置することができる支持ビーム(32)と、複数のクランプフィンガー(38)とを備える。支持ビーム(32)は、支持ビーム(32)をシート材料の進行方向(y)に沿って並進移動させる、支持ビーム(32)を進行方向(y)に対して横方向の方向(x)に沿って並進移動させる、支持ビーム(32)を進行方向(y)及び横方向(x)に垂直である枢動軸(z)に対して回転移動させるように構成された駆動ユニット(60)に結合される。クランプフィンガー(38)の各々は、個別のクランプフィンガー作動ユニット(40)に結合される。さらに、このような位置決め組立体(30)を備えるシート材料加工機が提示される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材料を、特にシート材料加工機(10)の入口部分(10c)に位置決めする位置決め組立体(30)であって、
位置決めされるシート材料の少なくとも一部を配置することができる支持ビーム(32)と、
複数のクランプフィンガー(38)であって、前記クランプフィンガー(38)の各々は、前記シート材料を前記支持ビーム(32)に押し付けることによって前記各々のクランプフィンガー(38)が前記シート材料をクランプするクランプ位置と、前記支持ビーム(32)から引っ込めることによって前記各々のクランプフィンガー(38)が前記シート材料を解放する解放位置とを選択的に取るように構成されている、前記複数のクランプフィンガー(38)と、
を備え、
前記支持ビーム(32)は、前記支持ビーム(32)を前記シート材料の進行方向(y)に沿って並進移動させ、前記支持ビーム(32)を前記進行方向(y)に対して横方向の方向(x)に沿って並進移動させ、且つ前記支持ビーム(32)を進行方向(y)及び横方向(x)に垂直な枢動軸(z)に対して回転移動させるように構成された駆動ユニット(60)に結合され、
前記クランプフィンガー(38)の各々は、個別のクランプフィンガー作動ユニット(40)に結合され、前記クランプフィンガー(38)の各々は、残りの前記クランプフィンガー(38)から独立して、又は残りの前記クランプフィンガー(38)のうちの少なくとも1つと同期して、前記クランプ位置及び/又は前記解除位置に移動可能である、
ことを特徴とする位置決め組立体(30)。
【請求項2】
前記クランプフィンガー作動ユニット(40)の各々は、対応する前記クランプフィンガー(38)が前記支持ビーム(32)に対して実質的に垂直な方向に移動可能である直線案内手段(44a、44b)を備え、及び/又は、前記クランプフィンガー作動ユニット(40)の各々は、対応する前記クランプフィンガー(38)が前記支持ビーム(32)の方向に枢動可能である枢動機構を備える、請求項1に記載の位置決め組立体(30)。
【請求項3】
前記クランプフィンガー作動ユニット(40)の各々は、対応する前記クランプフィンガー(38)を前記クランプ位置に予圧する付勢手段(50a、50b)を備える、請求項1又は2に記載の位置決め組立体(30)。
【請求項4】
前記付勢手段(50a、50b)は、ばね要素を含む、請求項3に記載の位置決め組立体(30)。
【請求項5】
前記クランプフィンガー作動ユニット(40)の各々は、対応する前記クランプフィンガー(38)を前記支持ビーム(32)から引っ込めるように構成された持ち上げアクチュエータ(52)を備え、特に、前記持ち上げアクチュエータ(52)は、前記付勢手段(50a、50b)の作用に抗して前記クランプフィンガー(38)を引っこめるように構成されている、請求項1から4のいずれかに記載の位置決め組立体(30)。
【請求項6】
前記持ち上げアクチュエータ(52)は、空圧アクチュエータ、直線電気アクチュエータ、又は回転電気アクチュエータを含む、請求項5に記載の位置決め組立体(30)。
【請求項7】
共通保持バー(34)を備え、前記クランプフィンガー(38)の全ては、前記共通保持バー(34)上に取り付けられる、請求項1から6のいずれかに記載の位置決め組立体(30)。
【請求項8】
前記クランプフィンガー(38)は、前記保持バー(34)から前記支持ビーム(32)に向かう方向に突出する、請求項7に記載の位置決め組立体(30)。
【請求項9】
前記シート材料上の位置マークを検出することによって前記シート材料の位置を取り込むように構成された位置センサ(56a、56b)を備え、前記位置センサ(56a、56b)は、センサレール上に及び/又はセンサ空間(58)内に取り付けられ、前記センサレール及び/又は前記センサ空間(58)は、前記横方向(x)に沿って位置決め組立体(30)の全体にわたって実質的に延びる、請求項1から8のいずれかに記載の位置決め組立体(30)。
【請求項10】
前記センサレールは、複数の個別のセンサート取り付け位置を提供する、又は、前記センサ(56a、56b)をその任意の位置に取り付けるように構成されている、取り付け境界面を備える、請求項9に記載の位置決め組立体(30)。
【請求項11】
追加の位置決めセンサ(56a、56b)が、前記センサレール上に及び/又は前記センサ空間(58)内に取り付けられる、請求項9又は10に記載の位置決め組立体(30)。
【請求項12】
前記支持ビーム(32)は、3つの結合点(62、66、70)を介して前記駆動ユニット(60)に結合される、請求項1から11のいずれかに記載の位置決め組立体(30)。
【請求項13】
第1の結合点(62)が、前記横方向(x)に沿って前記支持ビーム(32)の中央部に実質的に配置され、第1の駆動手段(64)が、前記第1の結合点(62)に設けられ、前記支持ビーム(32)を横方向(x)に移動させるようになっている、及び/又は、
第2の結合点(66)が、横方向(x)に沿って前記支持ビーム(32)の第1の端部に配置され、第2の駆動手段(68)が、前記第2の結合点(66)に設けられ、前記支持ビーム(32)を前記進行方向(y)に移動させるようになっている、及び/又は、
第3の結合点(70)が、横方向(x)に沿って前記支持ビーム(32)の第2の端部に配置され、前記第2の端部は、前記第1の端部の反対側であり、第3の駆動手段(72)が、前記第3の結合点(70)に設けられ、前記支持ビーム(32)を前記進行方向(y)に移動させるようになっている、請求項12に記載の位置決め組立体(30)。
【請求項14】
特にシート対シート加工機又は型抜き機である、シート材料加工機(10)であって、請求項1から13のいずれかに記載の位置決め組立体(30)を備え、特に、前記位置決め組立体(30)は、前記シート材料加工機(10)の入口部分(10c)に取り付けられる、シート材料加工機(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にシート材料加工機の入口部分でシート材料を位置決めする位置決め組立体に関する。位置決め組立体は、位置決めされるシート材料の少なくとも一部を配置することができる支持ビームと複数のクランプフィンガーとを備え、クランプフィンガーの各々は、それぞれのクランプフィンガーがシート材料を支持ビームに押し付けることによってシート材料をクランプするクランプ位置と、それぞれのクランプフィンガーが支持ビームから引き離されることによってシート材料を解放する解放位置とを選択的に取るように構成されている。支持ビームは、支持ビームをシート材料の進行方向に沿って並進移動させる、支持ビームを進行方向に対して横方向に沿って並進移動させる、及び、支持ビームを進行方向及び横方向に対して垂直である枢動軸に対して回転移動させるように構成された駆動ユニットに結合されている。
【0002】
本発明は、さらに、シート材料加工機、特に、このような位置決め組立体を備えるシート対シート加工機又は型抜き機に関する。詳細には、位置決め組立体は、シート材料加工機の入口部分に取り付けられる。
【背景技術】
【0003】
シート材料は、例えば、紙材料、厚紙材料、又はプラスチック材料から作られている。
【0004】
このような位置決め組立体及びこれを備えたシート材料加工機は、例えば、米国特許第6,378,862号で公知である。位置決め組立体は、シート材料加工機に入る際にシート材料を位置決め又は位置合わせするために使用される。これは、支持ビーム上にシート材料をクランプし、多くの場合y方向に指定される進行方向に沿って支持ビームを並進移動させ、多くの場合x方向に指定される進行方向に対して横方向に沿って支持ビームを並進移動させ、進行方向及び横方向に対して垂直である枢動軸に対して支持ビームを回転移動させることによって行われる。この枢動軸は、通常、垂直であるため、回転は、多くの場合z方向周りの回転に指定される。その際に、シート材料は、シート材料加工機の把持バー又は他の搬送機構によって把持される前に所望の位置に移動される。
【0005】
シート材料の位置決めは、シート材料が対応する進行方向に沿って移動している間に行なうことができる。このような位置決めプロセスは、オンザフライ位置決めと呼ばれる。通常、シート材料は、位置決めされた後に停止される。従って、シート材料は、静止している間に把持バーによって捉えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,378,862号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の目的は、公知の位置決め組立体及びこれを備えたシート材料加工機を改良することである。より詳細には、動作が高速かつ正確であり、同時に構造が簡単で費用効果の高い位置決め組立体を作り出すものとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、上述した形式の位置決め組立体によって解決され、クランプフィンガーの各々は、個別のクランプフィンガー作動ユニットに結合され、クランプフィンガーの各々は、クランプフィンガーの残りと独立して、又はクランプフィンガーの残りのうちの少なくとも1つと同期して、クランプ位置及び/又は解除位置へ移動可能であるようになっている。このような位置決め組立体は、シート材料を支持ビームに正確にクランプすることができる。従って、このような位置決め組立体は、シート材料を高い精度及び信頼性で位置決めすることができる。さらに、個別のクランプフィンガーの作動ユニットは、いずれも単一のクランプフィンガーのみを作動させる必要があるので、設計が簡単で、軽量である。その結果、クランプフィンガー及び対応するクランプフィンガー作動ユニットは、比較的低レベルの慣性を受けるので、高速に移動させることができる。これは、個別のクランプフィンガーの作動ユニットと、2以上のクランプフィンガー、詳細には全てのクランプフィンガーに結合された作動ユニットとを比較したときに特に当てはまる。1つのクランプフィンガーに作用するクランプフィンガー作動ユニットは、複数のクランプフィンガーに作用する作動ユニットよりも低レベルの性能を提供する必要があることは明らかである。さらに、また、2以上のクランプフィンガーに結合された作動ユニットと比較すると、互いに独立した複数のクランプフィンガー作動ユニットの配置は構造が単純である。それぞれのクランプフィンガーの作動ユニットは、同一設計とすることができるので、位置決め組立体は、比較的低コストで製造することができる。
【0009】
個別のクランプフィンガーの動きに関する限り、本発明による位置決め組立体は、大きな変動性をもたらす。従って、位置決め組立体は、多種多様な用途に適した可動性をクランプフィンガーに与えることができる。個別のクランプフィンガーの作動ユニットに起因して、クランプフィンガーの各々は、残りのクランプフィンガーから独立して移動可能である。これは、クランプ位置への移動及び/又は解除位置への移動に適用される。しかしながら、用途によっては、各クランプフィンガーは、クランプフィンガーの残りのうちの少なくとも1つ、すなわち、1つ、一部又は全部と同期して移動することができる。これは、クランプ位置への及び/又は解除位置への移動にも適用される。従って、一実施例において、クランプフィンガーは、個別にすなわち互いに独立して、それぞれのクランプ位置に移動することができるが、同期して、すなわち一緒にそれぞれの解除位置へ戻ることができる。もちろん、その逆も可能である。従って、クランプフィンガーは、同期してそれぞれのクランプ位置へ及び個別にそれぞれの解除位置へ移動することができる。さらに別の代替案において、両方の移動は、完全に個別である又は同期することができる。
【0010】
位置決め組立体は、少なくとも2つのクランプフィンガーを備える。好ましくは、位置決め組立体は、4又は5のクランプフィンガーを備える。特定の用途によっては6以上のクランプフィンガーを設けることも可能である。その際に、シート材料は、支持ビーム上に確実に保持することができる。
【0011】
各クランプフィンガー作動ユニットは、対応するクランプフィンガーを支持ビームに実質的に垂直な方向において移動可能である直線案内手段を備えることができる。代替的又は付加的に、各クランプフィンガー作動ユニットは、対応するクランプフィンガーが支持ビームの方向へ枢動可能である枢動機構を備えることができる。直線案内手段及び枢動機構の両方は、それぞれのクランプフィンガーの正確かつ確実な移動を保証する。
【0012】
各クランプフィンガー作動ユニットは、対応するクランプフィンガーをクランプ位置へ予圧する付勢手段を備えることができる。これに関連して、クランプ位置は、シート材料が存在する場合、シート材料を支持ビームに押し付けるクランプフィンガーの位置として理解されたい。そうではない場合、クランプフィンガーは、支持ビームに当接する。付勢手段は、正確かつ再現性のあるクランプ力を保証する。さらに、付勢手段は、過剰な時間遅延なしにシート材料をクランプすることを可能にする。
【0013】
好ましくは、付勢手段は、ばね要素を備える。このような付勢手段は、構造が単純であり、確実な一定の付勢作用をもたらす。さらに、ばね要素は、小さな摩耗を受けるに過ぎず、非常に長い耐用年数を有する。
【0014】
好都合には、各クランプフィンガー作動ユニットは、対応するクランプフィンガーを支持ビームから引き離すように構成された持ち上げアクチュエータを備える。持ち上げアクチュエータは、特に、付勢手段の作用に抗してクランプフィンガーを引き離すように構成されている。換言すれば、持ち上げアクチュエータは、クランプフィンガーを作動させる付勢手段に抗して作動する。クランプフィンガーが支持ビームから引き離される場合に、シート材料を移動させることができる又はシート材料を除去することができる隙間が生成される。
【0015】
持ち上げアクチュエータは、空圧アクチュエータ、直線電動アクチュエータ、又は回転電動アクチュエータを含むことができる。これらの代替案の全ては、対応するクランプフィンガーを確実かつ効率的に引き離すことを可能にする。
【0016】
例えば、持ち上げアクチュエータは、いわゆる、電動シリンダとして設計される。あるいは、持ち上げアクチュエータは、多関節ロッド機構として設計することができる。さらなる代替案において、持ち上げアクチュエータは、カム機構を備えることができる。
【0017】
持ち上げアクチュエータは対応するクランピングフィンガーを引き離すか又は開くためのみに使用されるという事実に起因して、クランプフィンガーを閉じて、確実な方法で再現可能なクランプ力をもたらすためにも使用されるアクチュエータと比較すると、低精度かつ高摩耗のアクチュエータを許容できることに留意されたい。
【0018】
従って、クランプフィンガーを閉じる付勢手段及びクランプフィンガーを開く持ち上げアクチュエータを使用する本発明の解決策は、正確であり、同時に費用効果が高い。
【0019】
持ち上げアクチュエータが空圧アクチュエータを備える場合、各持ち上げアクチュエータは、個別の圧力源と接続することができる。あるいは、全ての持ち上げアクチュエータは、共通圧力源を共有することができる。
【0020】
位置決め組立体は、共通保持バーを備えることができ、全てのクランプフィンガーは、共通保バー上に取り付けられる。このような構成は、構造が単純である。さらに、クランプフィンガーは、少ない労力で共通保持バー上に取り付けることができる。好ましくは、共通保持バーは、支持ビーム上に支持される。
【0021】
実施形態によれば、クランプフィンガーは、保持バーから支持ビームに向かう方向に突出する。従って、クランプフィンガーは、シート材料を支持ビーム上に押し付けるように完全に位置決めされる。その際に、クランプフィンガーは、短い移動距離に対応する必要があるだけなので、高速かつ比較的少ないエネルギーの使用によってシート材料をクランプすることができる。この構成のさらなる結果として、位置情報を得るために使用することができるシート材料上の位置決めマークを検出するように適合されるセンサを位置決めするための十分な空間が提供される。
【0022】
変形例において、保持バーは、支持ビームから少なくとも2cm、好ましくは少なくとも5cmだけ離間する。この距離によって生成される間隔は、位置情報を得るために使用することができるシート材料上の位置決めマークを検出するように適合される位置決めセンサを位置決めするのにて十分な大きさである。より一般的な観点では、このような位置決め組立体はコンパクトである。
【0023】
また、位置決め組立体は、シート材料上の位置マークを検出することによってシート材料の位置を取り込むように構成された位置センサを備えることができる。位置センサは、センサレール上に及び/又はセンサ空間内に取り付けることができる。センサレール及び/又はセンサ空間は、実質的に、横方向に沿って位置決め組立体の全体にわたって延びる。その結果として、位置センサは、センサレールに沿って及び/又はセンサ空間内に自由に位置決めすることができる。従って、位置決めユニットは、位置決めセンサの特定のしかし異なる位置を必要とする多種多様な用途で柔軟に使用することができる。
【0024】
位置マークは、例えば、シート材料上に印刷される。
【0025】
別の代替案において、センサレールは、複数の個別のセンサ取り付け位置を提供する取り付け境界面を備える、又は、センサをその任意の位置に取り付けるように構成されている。従って、センサは、センサレールの一般的な伸長に対応する方向に沿って自由かつ確実に位置決めすることができる。好ましくは、この方向は、進行方向に対して横方向である。また、この構成において、位置決め装置は、非常に多様な用途で柔軟に使用することができる。
【0026】
変形例において、さらなる位置決めセンサは、センサレール上に及び/又はセンサ空間内に取り付けられる。従って、合計2つの位置決めセンサが設けられる。従って、シート材料を位置決めすることができる精度がさらに向上する。
【0027】
上述したように、保持バーと支持ビームとの間の比較的大きなスペースは、センサの横方向の位置決めを可能にする。従って、2つのセンサは、特定の用途に応じてシート全体に任意に配置できるため、どのような種類のシートも満足させる。特に、異なる種類の用途のために代替センサを設ける必要はない。
【0028】
好ましくは、支持ビームは、3つの結合点を介して駆動ユニットに結合される。これは、特に、支持ビームをx方向、y方向に移動させ、かつ、z方向に回転させることを可能にする。
【0029】
これに関連して、第1の結合点は、横方向に沿って支持ビームの中央部に実質的に配置することができ、第1の駆動手段は、第1の結合点にて設けられ、支持ビームを横方向に移動させるようになっている。代替的又は付加的に、第2の結合点は、横方向に沿って支持ビームの第1の端部に配置することができ、第2の駆動手段は、第2の結合点に設けられ、支持ビームを進行方向に移動させるようになっている。代替的又は付加的に、第3の結合点は、横方向に沿って支持ビームの第2の端部に配置することができ、第2の端部は、第1の端部の反対側であり、第3の駆動手段は、第3の結合点に設けられ、支持ビームを進行方向に移動させるようになっている。従って、支持ビームは、第1の駆動手段によって横方向に移動させることができる。第2の駆動手段及び第3の駆動手段が同期して移動する場合、支持ビームは、進行方向に沿って移動される。第2の駆動手段及び第3の駆動手段が同期して移動しない場合、すなわち、異なる方向又は異なる速度で移動する場合、支持ビームは、回転される。好ましくは、全ての駆動手段は、駆動ユニットに固定される。さらに、各結合点において、案内機構又は解放機構(freeing mechanism)が設けられ、上述の形式の移動に必要な自由度が得られる。
【0030】
本発明による位置決め組立体は軽量であるので、ブラシレスモータは、組立体の位置及び向きを制御するために駆動手段で使用することができる。
【0031】
この課題は、本発明による位置決め組立体を備える上述した形式のシート材料加工機によってさらに解決される。位置決め組立体に関連して説明した効果及び利点は、シート材料加工機にも適用される。
【0032】
以下、本発明は、添付図面に示す実施形態を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明による位置決め組立体を備える本発明によるシート材料加工機を概略的に示す。
図2図1の位置決め組立体をより詳細な図で示す。
図3図2の位置決め組立体の駆動ユニットを示し、位置決め組立体の支持ビームは、単に非常に概略的な様式で示されている。
図4図2の位置決め組立体の例示的なクランプフィンガー及び対応するクランプフィンガー作動ユニットを示す。
図5図4のクランプフィンガー及び対応するクランプフィンガー作動ユニットを別の視点から示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、シート材料加工機10を示す。
【0035】
シート材料加工機10は、シート材料加工機10の入口側10aに位置決めされ、加工されるシートをシート材料加工機10に供給するように構成された第1のコンベア組立体12に結合される。処理される例示的なシート又はシート材料14は、第1のコンベア組立体12上に示されている。
【0036】
また、シート材料加工機10は、シート材料加工機10の出口側10bに位置決めされた第2のコンベア組立体16に結合される。第2のコンベア組立体16は、処理後のシートをシート材料加工機10から排出するように構成されている。処理された例示的なシート又はシート材料18は、第2のコンベア組立体16上に示されている。
【0037】
従って、シート材料14、18の進行方向はy方向に対応する。
【0038】
本実施例において、シート材料加工機10はシート対シート加工機である。より具体的には、シート材料加工機は、型抜き機である。
【0039】
シート材料加工機は、下側ツール20a及び上側ツール20bを備え、上側ツール20bは、実質的に垂直に延びるz方向に沿って下側ツール20aに対して移動可能である。従って、シートを加工するために、上側ツール20bは、下側ツール20aに接近して相互作用する。
【0040】
例示的なシート又はシート材料22は、下側ツール20aと上側ツール20bとの間に配置される。
【0041】
シート材料22を入口側10aからツール20a、20bに及びそこからシート材料加工機10の出口側10bに搬送するために、搬送機構24が設けられる。
【0042】
搬送機構24は、基本的に、複数の把持バー28が取り付けられている搬送チェーン26で構成される。
【0043】
把持バー28の各々は、進行方向yに沿って前方の端部であるシート材料22の端部を把持するように構成されている。
【0044】
搬送チェーン26は、シート材料22がシート材料加工機10を通って移動できるように能動的に駆動される。
【0045】
その入口側10aで、シート材料加工機は、位置決め組立体30を備える。換言すれば、位置決め組立体30は、シート材料加工機10の入口部分10cに取り付けられている。
【0046】
位置決め組立体30は、シート材料加工機10に入る際にシート又はシート材料を位置決めするように構成されている。
【0047】
位置決め組立体30は図2に詳細に示されている。
【0048】
位置決め組立体30は、位置決めされるシート材料の少なくとも一部を配置することができる支持ビーム32を備える。
【0049】
図2に示す実施例において、シート材料は、支持ビーム32の一部を形成する複数の支持突起32a上に配置される。視認を容易にするために、支持突起32aの一部のみに参照符号が付与されている。
【0050】
支持ビーム32上には共通保持バー34が取り付けられている。
【0051】
より詳細には、共通保持バー34は、2つの横方向保持バー支持部36a、36bを介して支持ビーム32に取り付けられている。
【0052】
複数のクランプフィンガー38は、共通保持バー34に取り付けられている。
【0053】
クランプフィンガー38は、保持バー34から支持ビーム32に向かう方向に、より正確には、支持突起32aのそれぞれの対応する1つに向かう方向に突出する。
【0054】
図に示す実施形態において、合計5つのクランプフィンガー38が設けられる。
【0055】
クランプフィンガー38の数は、実現される特定の用途との関連において自由に選択できることを理解されたい。
【0056】
クランプフィンガー38の各々は、シート材料を支持ビーム32上に、この実施例において支持突起32aの対応する1つに押し付けることによってシート材料をクランプするクランプ位置を選択的に取るように構成されている。
【0057】
さらに、クランプフィンガー38の各々は、支持ビーム32から引き離されることによってシート材料を解放する解放位置を選択的に取るように構成されている。
【0058】
この目的のために、クランプフィンガー38の各々は、個別のクランプフィンガー作動ユニット40に結合される。
【0059】
例示的なクランプフィンガー38及び対応するクランプフィンガー作動ユニット40を図4及び図5に示す。
【0060】
クランプフィンガー作動ユニット40は、クランプフィンガー38が2つの直線案内手段44a、44bを介して移動可能に支持されるベース部分42を備える。
【0061】
図示する実施例において、直線案内手段44a、44bは、対応するクランプフィンガー38が支持ビーム32に実質的に垂直な方向に、すなわちz方向に移動可能であるように構成されている。
【0062】
より正確には、直線案内手段44a、44bの各々は、クランプフィンガー38上に設けられ、それぞれの案内シリンダ48a、48bが貫通して延びるスリーブ部分46a、46bを備える。案内シリンダ48a、48bは、ベース部分42上に設けられる。
【0063】
図示する実施例において、各クランプフィンガー作動ユニット40は、ばね要素である付勢手段50a、50bをさらに備える。
【0064】
付勢手段50a、50bは、対応する案内シリンダ48a、48bに対して対応するスリーブ部分46a、46bを予圧することによってクランプフィンガー38をクランプ位置に予圧する。
【0065】
従って、さらなる影響がない場合、クランプフィンガー38は、対応する支持突起32aに当接し、それによって、存在する場合にシート材料はクランプされる。
【0066】
さらに、各クランプフィンガー作動ユニット40は、対応するクランプフィンガー38を支持ビーム32又は支持突起32aから引き離すように、すなわち、クランプフィンガー38を解放位置に移動させるように構成された持ち上げアクチュエータ52を備える。
【0067】
これは、持ち上げアクチュエータ52が付勢手段50a、50bの作用に抗して作動することを意味する。
【0068】
本実施例において、持ち上げアクチュエータ52は空圧シリンダ54の形の空圧アクチュエータを備え、シリンダハウジングは、ベース部分42上に取り付けられ、対応するロッドは、クランプフィンガー38に取り付けられる。
【0069】
空圧シリンダ54は、実質的にz方向に沿って配置される。さらに、空圧シリンダ54は、案内シリンダ48a、48bの間に配置される。
【0070】
代替的な実施形態において、持ち上げアクチュエータ52は、代替的に、直線電動アクチュエータ又は回転電動アクチュエータを備えることができることを理解されたい。
【0071】
従って、クランプフィンガー38の各々は、対応する持ち上げアクチュエータ52を作動させることによって、支持ビーム32から選択的に引き離すことができる。
【0072】
持ち上げアクチュエータ52が非作動になると、対応するクランプフィンガー38は、閉位置になる。
【0073】
これは、クランプフィンガー38を移動させる複数の代替案を提供する。
【0074】
もちろん、クランプフィンガー38の各々は、残りのクランプフィンガー38から独立して、クランプ位置と解放位置に選択的に移動させることができる。
【0075】
あるいは、クランプフィンガー38を同期して移動させること、すなわち、全てのクランプフィンガーを一緒に移動させることができる。
【0076】
また、上記の代替案の組み合わせが可能である。例えば、クランプフィンガー38は、互いに独立してそれぞれのクランプ位置に選択的に移動させることができるが、同期して、すなわち、一緒にそれぞれの解放位置にすることができる。
【0077】
また、逆の場合も可能である。その結果、クランプフィンガー38は、同期してそれぞれのクランプ位置に選択的に移動され、互いに独立してそれぞれの解除位置にされる。
【0078】
上述のように、位置決め組立体30は、シート材料を位置決めするように構成されている。
【0079】
この目的のために、2つの位置センサ56a、56bが設けられる(図2参照)。
【0080】
両方の位置センサ56a、56bは、例えば、シート材料上に印刷された位置マークを検出することによって、シート材料の位置を取り込むように構成されている。
【0081】
従って、センサ56a、56bを使用して、x方向及びy方向に沿ったシート材料の並進位置を検出することができる。さらに、z方向周りの回転位置を評価することができる。
【0082】
図示する実施例において、両方のセンサ56a、56bは、センサ空間58に配置される。
【0083】
センサ空間58は、実質的に横方向すなわちx方向に沿って位置決め組立体30の全体にわたって延びる。
【0084】
センサ空間58が与えられ、ここでは、保持バー34が、支持ビーム32及び支持突起32aから少なくとも2cmだけ離間している。図示する実施例において、保持バー34は、支持ビーム32から約10cmだけ離間している。
【0085】
その結果として、センサ空間58は十分に広く、センサ56a、56bは、センサ空間58内の何らかの所望の場所に設けることができる。その結果として、位置決め組立体30のセンサ56a、56bの位置に関するあらゆる種類の要求を満たすことができる。従って、位置決め組立体30は、多種多様な用途に柔軟に使用することができる。
【0086】
図示する実施例において、センサ56a、56bは、センサレールとして機能する保持バー34上に取り付けられる。
【0087】
しかしながら、別個のセンサレールを設けることもできる。
【0088】
センサレールは、複数の個別のセンサ取り付け位置を提供する取り付け境界面を備えること又はセンサをその任意の位置上に取り付けるように構成することができる。
【0089】
支持ビーム32、及び結果としてクランプフィンガー38によって支持ビーム上に押し付けられたシート材料は、x方向、y方向に沿って移動することができ、さらにz方向周りに回転することができる。
【0090】
この目的のために、支持ビーム32は、3つの結合点を介して駆動ユニット60(図2及び3参照)に結合される。
【0091】
駆動ユニット60は、横方向、すなわちx方向に沿って支持ビーム32の中央部に実質的に配置された第1の結合点62を備える。
【0092】
第1の駆動手段64は、第1の結合点62に設けられ、支持ビーム32を横方向に移動させるようになっている。
【0093】
さらに、第2の結合点66は、横方向に沿って支持ビーム32の第1の端部に配置される。
【0094】
第2の駆動手段68は、第2の結合点66に設けられ、支持ビーム32を進行方向、すなわちy方向に移動させるようになっている。
【0095】
さらに、第3の結合点70は、横方向に沿って支持ビーム32の第2の端部に配置される。第2の端部は、第1の端部の反対側にある。
【0096】
第3の駆動手段72は、第3の結合点70に設けられ、支持ビーム32を進行方向、すなわちy方向に移動させるようになっている。
【0097】
従って、位置決め組立体30のクランプフィンガー38が係合するシート材料は、第2の駆動手段68及び第3の駆動手段72を同時に同期して作動させることによって、進行方向、すなわちy方向に沿って並進移動させることができる。
【0098】
シート材料は、第1の駆動手段64を作動させることによって、進行方向に対して横方向の方向に沿って、すなわちx方向に沿って並進移動させることができる。
【0099】
また、シート材料は、第2の駆動手段68及び第3の駆動手段72を非同期的に作動させることによって、すなわち、第2の駆動手段68及び第3の駆動手段72を異なる方向に又は異なる速度で作動させることによって、z方向周りに回転させることができる。
【0100】
これらの位置決め作業を行うために、位置決め組立体30は、シート材料をオンザフライで把持することができる、すなわち、シート材料は、実質的に進行方向に沿って移動しながら、クランプフィンガー38によって支持ビーム32上に押し付けられる。また、位置補正は、進行方向に沿ったシート材料の移動と重ね合わせて行うことができる。
【0101】
シート材料は、把持バー28によって把持される直前に移動を停止することが好ましい。
【0102】
別の実施形態において、直線案内手段44a、44bの代わりに又はそれに加えて、クランプフィンガー作動ユニット40は、枢動機構を備えることもでき、これによって対応するクランプフィンガー38は、支持ビーム32の方向へ枢動可能であることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】