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特表2024-511734液インジェクションを受ける遠心圧縮機圧縮機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】液インジェクションを受ける遠心圧縮機圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/44 20060101AFI20240308BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20240308BHJP
   F04D 17/12 20060101ALI20240308BHJP
   F25B 1/053 20060101ALI20240308BHJP
   F25B 1/10 20060101ALI20240308BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
F04D29/44 W
F04D29/66 Z
F04D29/44 R
F04D17/12
F25B1/053 A
F25B1/10 E
F25B1/00 311C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555182
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 JP2022009397
(87)【国際公開番号】W WO2022191067
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】17/198,130
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】フースマッハー,ライアン
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA14
3H130AB12
3H130AB27
3H130AB47
3H130AC01
3H130BA13A
3H130BA33A
3H130BA69A
3H130CA07
3H130EA06A
3H130EA07A
(57)【要約】
チラーのための遠心圧縮機は、インペラと、モータと、ディフューザと、少なくとも1つのインジェクションポートと、を有する。インペラは、回転軸を中心として回転可能なシャフトに取り付けられる。モータは、シャフトを回転させることでインペラを回転させるように配置され構成される。ディフューザは、インペラの下流に配置される。少なくとも1つのインジェクションポートは、ディフューザ内に配置される。少なくとも1つのインジェクションポートは、チラーの凝縮器またはエコノマイザからディフューザへと液冷媒を供給するよう構成され配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チラーにおいて用いられるよう構成される遠心圧縮機であって、
回転軸を中心として回転可能なシャフトに取り付けられるインペラと、
シャフトを回転させることで前記インペラを回転させるように配置され構成されるモータと、
前記インペラの下流に配置されるディフューザと、
前記ディフューザ内に配置される少なくとも1つのインジェクションポートであって、前記少なくとも1つのインジェクションポートは、前記チラーの凝縮器またはエコノマイザから前記ディフューザへと液冷媒を供給するよう構成され配置されている少なくとも1つのインジェクションポートと、
を備える遠心圧縮機。
【請求項2】
前記少なくとも1つのインジェクションポートは、前記ディフューザの周囲に周方向に配置される複数のインジェクションポートを含んでいる、
請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記複数のインジェクションポートの数は、前記インペラの羽根の数と同じである、
請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
前記ディフューザは、入口側と出口側とを有し、前記入口側は、前記出口側の上流に配置されており、前記複数のインジェクションポートは、前記ディフューザの前記入口側に配置されている、
請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項5】
前記ディフューザは、入口側と出口側とを有し、前記出口側は、前記入口側の下流に配置されており、前記複数のインジェクションポートは、前記ディフューザの前記出口側に配置されている、
請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項6】
前記ディフューザは、入口側と出口側とを有し、前記出口側は、前記入口側の下流に配置され、
前記複数のインジェクションポートは、前記ディフューザの前記入口側と前記出口側とに配置されている、
請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項7】
前記複数のインジェクションポートのそれぞれは、周方向に角度が付けられている、
請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項8】
前記少なくとも1つのインジェクションポートに接続されるインジェクション通路をさらに備え、前記インジェクション通路は、前記少なくとも1つのインジェクションポートへの液冷媒の流れを制御するよう内部に配置される制御可能な弁を有している、
請求項1または2に記載の遠心圧縮機。
【請求項9】
前記少なくとも1つのインジェクションポートは、前記チラーの前記凝縮器から前記ディフューザへと液冷媒を供給するよう構成され配置されている、
請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項10】
第一回転軸を中心として回転可能な第一インペラと、前記第一インペラの下流に配置される第一ディフューザと、を有する第一遠心圧縮機と、
第二回転軸を中心として回転可能な第二インペラと、前記第二インペラの下流に配置される第二ディフューザと、を有する第二遠心圧縮機と、
前記第一インペラと前記第二インペラとを回転するよう配置され構成される少なくとも1つのモータと、
前記第一ディフューザを前記第二インペラに接続する戻りチャネル流路と、
凝縮器と、
エコノマイザと、
前記第一段遠心圧縮機と、前記第二段遠心圧縮機と、前記凝縮器と、前記エコノマイザとに直列に接続される蒸発器と、
前記第一ディフューザ、前記戻りチャネル流路、および前記第二ディフューザの少なくとも一つの内部に配置される少なくとも1つのインジェクションポートと、
前記少なくとも1つのインジェクションポートに接続される少なくとも1つのインジェクション通路であって、前記少なくとも1つのインジェクション通路は、前記凝縮器および前記エコノマイザのうちの少なくとも一方から液冷媒を送出する少なくとも1つのインジェクション通路と、
を備える二段チラー。
【請求項11】
前記少なくとも1つのインジェクションポートは、前記ディフューザの周囲に周方向に配置される複数のインジェクションポートを有する、
請求項10に記載の二段チラー。
【請求項12】
前記少なくとも1つのインジェクションポートは、前記第一ディフューザ内に配置されており、前記少なくとも1つのインジェクション通路は、液冷媒を前記凝縮器から送出するよう、前記凝縮器に接続されている、
請求項10に記載の二段チラー。
【請求項13】
前記少なくとも1つのインジェクションポートは前記第二ディフューザ内に配置されており、前記少なくとも1つのインジェクション通路は、液冷媒を前記凝縮器から送出するよう、前記凝縮器に接続されている、
請求項10に記載の二段チラー。
【請求項14】
前記少なくとも1つのインジェクションポートは、前記戻りチャネル内に配置されており、前記少なくとも1つのインジェクション通路は、液冷媒を前記エコノマイザから送出するよう、前記エコノマイザに接続されている、
請求項10に記載の二段チラー。
【請求項15】
前記インジェクション通路は、前記少なくとも1つのインジェクションポートへの液冷媒の流れを制御するよう内部に配置される制御可能な弁を有する、
請求項10に記載の二段チラー。
【請求項16】
チラーにおいて用いられるよう構成される二段圧縮機であって、
第一回転軸を中心として回転可能な第一インペラと、前記第一インペラの下流の第一出口部に配置される第一ディフューザであって、第一上流側縁部と第一下流側縁部とを有する第一ディフューザと、を有する第一段遠心圧縮機と、
第二回転軸を中心として回転可能な第二インペラと、前記第二インペラの下流側に配置される第二ディフューザであって、第二上流側縁部と第二下流側縁部とを有する第二ディフューザと、を有する第二段遠心圧縮機と、
前記第一インペラと前記第二インペラとを回転するよう配置され構成される少なくとも1つのモータと、
前記第二ディフューザへと液冷媒を送出するよう、前記第二ディフューザの前記第二上流側縁部の下流の前記第二ディフューザ内に配置される複数のインジェクションポートと、
を備える、二段圧縮機。
【請求項17】
前記少なくとも1つのインジェクションポートは、前記チラーの凝縮器から前記第二ディフューザへと液冷媒を供給するよう構成され配置されている、
請求項16に記載の二段圧縮機。
【請求項18】
前記第二ディフューザは、第二入口側と第二出口側とを有し、前記第二入口側は、前記第二出口側の上流であり、
前記複数のインジェクションポートは、前記第二ディフューザの前記第二入口側および前記第二出口側の一方または両方に配置されている、
請求項16に記載の二段圧縮機。
【請求項19】
前記複数のインジェクションポートに接続されるインジェクション通路をさらに備え、前記インジェクション通路は、前記複数のインジェクションポートへの液冷媒の流れを制御するよう内部に配置される制御可能な弁を有している、
請求項16に記載の二段圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して,遠心圧縮機に関する。本発明は、特に、液インジェクションを受ける遠心圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
チラーシステムは、媒体から熱を奪う冷却機械または装置である。一般に、水等の液体が媒体として用いられ、チラーシステムは、蒸気―圧縮冷却サイクルで動作する。その後液体が、熱交換器を通って循環することによって、必要に応じて空気または機器を冷却することができる。冷却には、副産物として廃熱が不可避であり、廃熱は、周囲に放出するか、効率を高めるために加熱目的のために回収される。従来のチラーシステムは、多くの場合、ターボ圧縮機とも呼ばれる遠心圧縮機を利用する。したがって、このようなチラーシステムを、ターボチラーと呼ぶこともできる。あるいは、他のタイプの圧縮機、例えばスクリュー圧縮機を利用することもできる。
【0003】
従来の(ターボ)チラーにおいては、冷媒は、遠心圧縮機において圧縮されて、熱交換器に送られ、そこで冷媒と熱交換媒体(例えば液体)との間で熱交換が行われる。この熱交換器は凝縮器と呼ばれている。この熱交換器において冷媒が凝縮するからである。その結果、熱は、媒体(液体)へ移動し、媒体は加熱される。凝縮器から出てきた冷媒は、膨張弁によって膨張され、他の熱交換器に送られ、この熱交換器で冷媒と交換媒体(例えば液体)との間で熱交換が行われる。この熱交換器は蒸発器と呼ばれている。この熱交換器において冷媒が加熱され(蒸発させられる)からである。その結果、熱は、媒体(液体)から冷媒へと移動し、液体は加熱される。その後、蒸発器からの冷媒は遠心圧縮機に戻され、そして、サイクルが繰り返される。利用される液体は、多くの場合、水である。
【0004】
従来の遠心圧縮機は、基本的に、ケーシングとインレットガイドベーンとインペラとディフューザとモータと種々のセンサとコントローラとを有する。冷媒は、インレットガイドベーン、インペラおよびディフューザを順に流れる。そのため、インレットガイドベーンは、遠心圧縮機のガス吸入ポートに連結され、ディフューザは、インペラのガス出口ポートに連結される。インレットガイドベーンは、インペラへのガス冷媒の流量を制御する。インペラは、ガス冷媒の速度を増加させる。ディフューザは、インペラから得たガス冷媒の速度(動圧力)を(静)圧力へと変換するよう機能する。モータはインペラを回転させる。コントローラは、モータとインレットガイドベーンと膨張弁とを制御する。こうして、冷媒は従来の遠心圧縮機において圧縮される。インレットガイドベーンは通常調整可能であり、モータ速度はシステムの容量を調整するために通常調整可能である。さらに、ディフューザも、システムの容量をさらに調整するために調整可能である。コントローラは、モータとインレットガイドベーンと膨張弁とを制御する。コントローラは、さらなる制御可能な要素をさらに制御できる。
【発明の概要】
【0005】
従来の遠心圧縮機においては、インペラ後縁部で生じる流れの分離(flow separation)および圧力波(pressure waves)によって、圧縮ノイズが発生する場合がある。圧縮ノイズを抑制するために、分離カバーまたはマイクロ囲繞液体フィルム(micro girth liquid film)が使用されている。
【0006】
本発明の目的は、遠心圧縮機におけるノイズを抑制することである。
【0007】
既知の技術の状況に鑑み、本開示の1つの面では、チラーにおける使用に適した遠心圧縮機を提供する。遠心圧縮機は、インペラとモータとディフューザとを有する。インペラは、回転軸を中心として回転可能なシャフトに取り付けられる。モータは、インペラを回転させるためシャフトを回転するように、配置され構成される。ディフューザは、インペラの下流に配置される。少なくとも1つのインジェクションポートが、ディフューザ内に配置される。少なくとも1つのインジェクションポートは、チラーの凝縮器またはエコノマイザからディフューザへと液冷媒を供給するよう構成され配置される。
【0008】
本発明の他の面では、二段チラーを提供する。二段チラーは、第一遠心圧縮機と第二遠心圧縮機とを有する。第一遠心圧縮機は、第一インペラと第一ディフューザとを有する。第一インペラは、第一回転軸を中心として回転可能である。第一ディフューザは、第一インペラの下流に配置される。第二遠心圧縮機は、第二インペラとディフューザとを有する。第二インペラは、第二回転軸を中心として回転可能である。第二ディフューザは、第二インペラの下流に配置される。少なくとも1つのモータが、第一インペラと第二インペラとを回転するよう配置され構成される。戻りチャネル流路が、第一ディフューザを第二インペラに接続する。二段チラーは、さらに、凝縮器とエコノマイザとを有する。蒸発器が、第一段遠心圧縮機と第二段遠心圧縮機と凝縮器とエコノマイザとに直列に接続される。少なくとも1つのインジェクションポートが、第一ディフューザ、戻りチャネル流路および第二ディフューザの少なくとも一つの内部に配置される。少なくとも1つのインジェクション通路が、少なくとも1つのインジェクションポートに接続される。少なくとも1つのインジェクション通路は、凝縮器およびエコノマイザの少なくとも一つから液冷媒を送出する。
【0009】
本発明の他の面では、チラーにおいて用いられるよう構成される二段圧縮機を提供する。二段式圧縮機は、第一段遠心圧縮機と、第二段遠心圧縮機と、少なくとも1つのモータと、複数のインジェクションポートとを有する。第一段遠心圧縮機は、第一インペラと第一ディフューザとを有する。第一インペラは、第一回転軸を中心として回転可能である。第一ディフューザは、第一インペラの下流に配置される。第一ディフューザは、第一上流側縁部と第一下流側縁部とを有する。第二段遠心圧縮機は、第二インペラと第二ディフューザとを有する。第二インペラは、第二回転軸を中心として回転可能である。第二ディフューザは、第二インペラの下流側に配置される。第二ディフューザは、第二上流側縁部と第二下流側縁部とを有する。少なくとも1つのモータが、第一インペラと第二インペラとを回転するよう配置され構成される。複数のインジェクションポートは、第二ディフューザへと液冷媒を送出するよう、第二ディフューザの第二上流側縁部の下流の第二ディフューザ内に配置される。
【0010】
これらおよび他の目的、特徴、態様、および利点は、添付の図面と組み合わせて、本発明の好ましい態様を開示する以下の説明から当業者に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
当開示の一部をなす添付の図面を参照しながら以下に説明を行う。
図1図1は、圧縮機がインジェクションポートを有する本発明の実施形態にかかるチラーを描画している。
図2図2は、インジェクションポートがディフューザの入口側に配置される、図1の圧縮機のインペラ、ディフューザおよびモータを示す模式図である。
図3図3は、圧縮機が複数のインジェクションポートを有している図1のチラーを示す。
図4A図4Aは、図1のチラーの二段遠心圧縮機の断面の立面図である。
図4B図4Bは、第一ディフューザ内に位置する第一インペラ、第一ディフューザ、戻りチャネルおよびインジェクションポートを示す、図4Aの詳細図である。
図4C図4Cは、戻りチャネル内に位置する第一ディフューザ、戻りチャネルおよびインジェクションポートを示す図4Aの詳細図である。
図4D図4Dは、第二ディフューザ内に位置する第二インペラ、第二ディフューザおよびインジェクションポートを示す図4Aの詳細図である。
図5図5は、複数のインジェクションポートがディフューザに配置されている、図4Aの二段遠心圧縮機のインペラの正面図である。
図6図6は、インジェクションポートのサイズが異なる、図5の第一インペラの上面図である。
図7図7は、インジェクションポートがインペラの回転軸に沿って配置されている、第一インペラの後縁部の上面図である。
図8図8は、インジェクションポートがインペラの回転軸に対して角度を付けて配置されている、第一インペラの後縁部の上面図である。
図9図9は、インジェクションポートがディフューザの出口側に配置される、図1の圧縮機のインペラ、ディフューザおよびモータを示す模式図である。
図10図10は、インジェクションポートがディフューザの入口側と出口側とに配置される、図1の圧縮機のインペラ、ディフューザおよびモータを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
選択的な実施形態を、図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義される本発明を限定するものではないことは、本開示から、当業者には明らかであろう。
【0013】
まず、図1を参照して、本発明の例示的実施形態にかかる、少なくとも1つのインジェクションポートを有するチラーシステム10を説明する。チラーシステム10は、好ましくは、従来の態様で冷却水および冷水を利用する水チラーである。ここで例示するチラーシステム10は、二段チラーシステムである。なお、チラーシステム10を単段のチラーシステムまたは三段以上の複数段のチラーシステムとできることは、本開示から当業者には明らかであろう。
【0014】
チラーシステム10は、基本的に、冷却コントローラ14と、ループ冷却サイクルを形成するよう互いに直列に接続される圧縮機16と、凝縮器18と、エコノマイザ20と、膨張弁22,24と、蒸発器26と、を有する。さらに、種々のセンサS,Tを、チラーシステム10の回路の全体にわたって配置することができる。チラーシステム10は、膨張弁22,24の代わりに、オリフィスを有することもできる。
【0015】
図1および4Aを参照して、圧縮機16は、例示の実施形態の二段遠心圧縮機である。ここで例示する圧縮機16は、二つのインペラを有する二段遠心圧縮機である。なお、圧縮機16を、単段の遠心圧縮機または三つ以上のインペラを有する複数段の遠心圧縮機とすることもできる。任意選択的に、圧縮機16を、スクリュー圧縮機とすることもできる。例示の実施形態の二段遠心圧縮機16は、第一段インペラ28と、第二段インペラ30と、を有する。遠心圧縮機16は、さらに、第一段インレットガイドベーン32と、第一ディフューザ/渦形室(ボリュート)34と、第二段インレットガイドベーン36と、第二ディフューザ/渦形室38と、圧縮機モータ40と、磁気軸受アセンブリ42と、種々のセンサ(一部のみ図示)と、を有する。
【0016】
以下で詳細に説明する通り、冷却コントローラ14は、種々のセンサから信号を受けて、インレットガイドベーン32,36、圧縮機モータ40、および磁気軸受アセンブリ42を制御する。冷媒は、第一段インレットガイドベーン32、第一段インペラ28、第一ディフューザ34、戻りチャネル48、第二段インレットガイドベーン36、第二段インペラ30および第二ディフューザ38を、この順で通って流れる。インレットガイドベーン32,36は、それぞれ、インペラ28,30へのガス冷媒の流量を制御する。インペラ28,30は、圧力を実質的に上昇することなく、ガス冷媒の速度を増加する。モータ速度に応じて、ガス冷媒の速度の増加量が決定する。ディフューザ/ボリュート34,38は、冷媒圧力を増加する。ディフューザ/渦形室34,38は、圧縮機筐体44に対して移動不能に固定される。圧縮機モータ40は、シャフト46を介してインペラ28,30を回転させる。任意選択的に、第一モータが第一インペラ28を駆動することができ、第二モータ30が第二インペラ30を駆動することもできる。磁気軸受アセンブリ42は、シャフト46を磁気的に支持する。任意選択的に、軸受システムは、ローラ部材、動圧軸受(ハイドロダイナミック・ベアリング)、静圧軸受(ハイドロスタティック・ベアリング)、オイル・ベアリングならびに/もしくは磁気軸受、および/またはこれらの任意の組み合わせを有することができる。こうして、冷媒は、遠心圧縮機16において圧縮される。
【0017】
チラーシステム10の動作において、圧縮機16の第一段インペラ28および第二段インペラ30が回転し、チラーシステム10における低圧の冷媒は、第一段インペラ28によって吸引される。冷媒の流速は、インレットガイドベーン32によって調整される。第一段インペラ28によって吸引された冷媒は、中間圧力へと圧縮され、冷媒圧力は第一ディフューザ/渦形室34によって高められ、そして、冷媒は第二段インペラ30へと導入される。冷媒の流速は、インレットガイドベーン36によって調整される。第二段インペラ30は冷媒を加速して圧縮し、冷媒圧力は第二ディフューザ/渦形室38によって、中間圧力から高圧へと高められる。その後、高圧ガス冷媒は、チラーシステム10へと吐出される。
【0018】
図3を参照して、チラーシステム10は、本発明にかかるエコノマイザ20を有する。以下で説明する通り、通常動作の際には、エコノマイザ20は、圧縮機16の戻りチャネル48に接続されて、これにより、ガス(蒸気)冷媒を圧縮機16の戻りチャネル48にインジェクションする。チラーシステム10において、エコノマイザ20は、凝縮器18と蒸発器26との間に配置される。以下で説明する通り、いくつかの条件では、エコノマイザを、液冷媒をインジェクションするよう、圧縮機16の第一ディフューザ34、戻りチャネル48および/または第二ディフューザ38に接続することもできる。
【0019】
エコノマイザ20は、入口ポート20aと液出口ポート20bとガス出口ポート20cとを有する。入口ポート20aは、凝縮器18から二相冷媒をエコノマイザ20へと導入するために設けられる。液出口ポート20bは、二相冷媒から分離される液冷媒を蒸発器26へと吐出するよう設けられる。ガス出口ポート20cは、エコノマイザ20に供給される二相冷媒から分離されるガス冷媒を吐出するよう設けられる。入口ポート20aへと流れ込む冷媒の流速は、凝縮器18とエコノマイザ20との間に配置される膨張弁22によって、制御される。
【0020】
動作において、凝縮器18で凝縮するよう冷却される冷媒は、膨張弁22によって中間圧力に減圧され、そしてエコノマイザ20へと導入される。エコノマイザ20へと入口ポート20aから導入される二相冷媒は、エコノマイザ20によってガス冷媒と液冷媒とに分離される。いくつかの条件では、ガス冷媒は、エコノマイザ20のガス出口ポート20cから圧縮機16の戻りチャネル48へとパイプを介してインジェクションされる。いくつかの条件では、液冷媒は、液出口ポート20bから蒸発器26へと案内される、またはエコノマイザ20の液蓄積部に蓄積できる、または圧縮機16の戻りチャネル48へとパイプを介してインジェクションできる。
【0021】
次いで、圧縮機16の戻りチャネル48にインジェクションされるガス冷媒は、圧縮機16の第一段インペラ28によって中間圧力へと圧縮される冷媒と混合される。混合冷媒は、第二段インペラ30へと流れ込み、さらに圧縮される。
【0022】
いくつかの実施形態では、図4Aに示すように、筐体44は、第一筐体50と第二筐体52とを有する。第一筐体50は、第一入口部50Aと第一出口部50Bとを有する。第一段インペラ28は、第一筐体50の第一入口部50Aに配置され、第一回転軸A1を中心として回転可能である。第一ディフューザ34は、第一段インペラ28の下流に配置される。第二筐体52は、第二入口部52Aと第二出口部52Bとを有する。第二段インペラ30を、第二筐体52の第二入口部52Aに配置することもでき、第二回転軸A2を中心として回転可能とできる。第一回転軸A1および第二回転軸A2は、図4Aで示す通り、共線上に配置でき、または径方向にずらす(オフセットする)こともできる。第二ディフューザ38は、第二段インペラ30の下流に配置される。戻りチャネル48は、第一ディフューザ34を第二インペラ30の入口に接続する。第一筐体50および第二筐体52は、筐体44を形成する単一部材として一体的に形成することができ、または第一筐体50および第二筐体52を別々に形成して筐体44を形成することもできる。
【0023】
圧縮機16は、ソース(例えば凝縮器18またはエコノマイザ20)から圧縮機16へと液冷媒を供給するよう構成され配置される少なくとも1つのインジェクションポート54を有する。図1および図2に示すように、少なくとも1つのインジェクションポート54は、圧縮機16内における種々の位置に、例えば、限定するものではないが、第一段ディフューザ28、戻りチャネル流路48および第二段ディフューザ38に、配置することができる。液冷媒を、任意の適切なソースから、例えば、限定するものではないが、凝縮器18およびエコノマイザ20から供給することができる。
【0024】
図2図4Aおよび図4Bに示すように、インジェクションポート54は、第一ディフューザ34内に配置される。インジェクションポート54を、第一ディフューザ34内の任意の好適な位置に配置することができる。好ましくは、インジェクションポート54は、第一段インペラ28と第一ディフューザ34との間の接合部の近傍に配置される。インジェクションポート54は、第一段インペラ28と第一ディフューザ34との間の接合部の下流の、第一段インペラ28の後縁部の近傍に配置される。第一段インペラが第一ディフューザ34に対して移動するので、漏れ流路が第一段インペラ28と第一ディフューザ34との間の接合部で生じる可能性がある。この接合部の下流にインジェクションポートを配置することによって、第一段インペラ28から放出される高速冷媒蒸気により、インジェクションされた液冷媒が第一段インペラ28と第一ディフューザ34間との接合部へと向かって上流側に進むことを防止できる。高速冷媒蒸気は、インジェクションされた液冷媒を下流に運び、インジェクションされた液冷媒が上流に流れることを実質的に防止できる。
【0025】
インジェクションポート54は、好ましくは、第一段インペラ28の後縁部に最も近接してかつ第一インペラ28と第一ディフューザ34との間の接合部の下流に配置される。流れの分離(flow separatation)は、回転する第一段インペラ28の内で起こる。インペラからの低圧蒸気冷媒へと高圧の液冷媒をインジェクションすることによって、第一段インペラ28において起こる流れの分離が第一ディフューザ34へと広がっていくことを実質的に防止できる。インジェクションポート54が第一段インペラ28の後縁部に近いほど、放出される冷媒蒸気の速度が高くなり、かつ、圧力が低くなる。
【0026】
第一ディフューザ34へと入ってくる冷媒蒸気は、流路の中央へと流れ出る高速ジェットと、第一ディフューザ34の流路の壁の近傍の低速分離流と、を含む。分離流により、流路に渦が生じる。第一ディフューザ34へと液冷媒をインジェクションすることにより、エネルギーが流れに加わり、ジェット流と分離流との差異が崩れる。インジェクションされた液冷媒は、流れの分離を実質的に抑制する。インジェクションされた液冷媒は、液体から蒸気への相変化を経て、冷媒蒸気の流れを遅くする。
【0027】
図5に示すように、複数のインジェクションポート54を、第一ディフューザ34の周囲に周方向に配置することができる。インジェクションポート54の数を第一段インペラ28の羽根56の数と等しく図示しているが、ディフューザは任意の適当な数のインジェクションポート54を有することができる。図5に示すように、第一段インペラ28は14枚の羽根56を有し、第一ディフューザ34は14個のインジェクションポート54を有する。
【0028】
図2に示すように、第一ディフューザ34は、入口側すなわち上流側縁部34Aと、出口側すなわち下流側縁部34Bと、を有する。入口側34Aは、第一インペラ28に最も近接して、かつ出口側34Bの上流に配置される。言い換えれば、出口側34Bは入口側34Aの下流に配置される。複数のインジェクションポート54を、第一ディフューザ34の入口側34Aに配置することもできる。あるいは、図9に示すように、複数のインジェクションポート54を、第一ディフューザ34の出口側34Bに配置することもできる。あるいは、図10に示すように、複数のインジェクションポート54を、第一ディフューザ34の入口側34Aと出口側34Bとに配置することもできる。インジェクションポート54を、図5に示すように、配置することができ、インジェクションポート54は、第一ディフューザ34の周囲の全体に配置される。あるいは、インジェクションポート54を、第一ディフューザ34の一方の側面だけに、例えば上部だけに配置することもできる。
【0029】
図7に示すように、インジェクションポート54は、第一ディフューザ34に配置され、かつ、第一段インペラ28の回転軸A1に沿って配置されている。図8に示すように、インジェクションポート254は、第一ディフューザ234に、インジェクションポート254が第一段インペラ28の回転軸A1に対して角度を付けた方向に沿うよう、配置されている。それぞれのインジェクションポート254は、周方向に角度が付けられている。
【0030】
図6に示すように、インジェクションポート154は、第一ディフューザに配置されており、インジェクション通路58に近づくにしたがって直径が変化している。インジェクション通路58は、ソース(例えば凝縮器18またはエコノマイザ20)からインジェクションポート154へと液冷媒を供給する。供給される液冷媒の圧力は、液冷媒が到達する点に最も近いときに最大となる。液冷媒が到着する点に最も近いインジェクションポート154Aは、インジェクションポートのなかで直径が最小である。液冷媒の到着点からの距離が長くなるにつれ、インジェクションポート154の直径は増加する。液冷媒の到着点から最も離れたインジェクションポート154Aの直径は最大であり、インジェクションポート154Bの直径は、インジェクションポート154Aとインジェクションポート154Cとの間の直径である。供給される液冷媒の圧力は、到達点からの距離が長くなるにつれて低下する。インジェクションポート154の直径を到着点からの距離が長くなるにつれて増加することによって、第一ディフューザのすべてのインジェクションポート154A,154B,154Cからの液冷媒のインジェクション量を略均一に保つことができる。言い換えれば、最大の動作圧力を受けるインジェクションポート154の直径は最も小さく、最小の動作圧力を受けるインジェクションポート154の直径は最も大きい。
【0031】
図4Bに示すように、インジェクションポート54を第一ディフューザ34に形成することができる。図4Dに示すように、インジェクションポート56を第二ディフューザ38に形成することができる。第二ディフューザ38のインジェクションポート56は、第一ディフューザ34に形成されるインジェクションポート54と略同様に構成される。図4Cに示すように、流れの分離が戻りチャネル48において生じるのを実質的に抑制するために、インジェクションポート54を戻りチャネル48に形成することができる。戻りチャネル48に形成されるインジェクションポート54は、第一ディフューザ34に形成されるインジェクションポート54と略同様に構成される。
【0032】
インジェクション通路58は、液冷媒を供給するよう、少なくとも1つのインジェクションポート54に接続される。図3に示すように、液冷媒は、好ましくは。凝縮器18およびエコノマイザ20の少なくとも一方に供給される。液冷媒は、第一ディフューザ34、第二ディフューザ38および戻りチャネル48の少なくとも一つに供給される。それぞれのインジェクションポート54は、ソース(例えば凝縮器18およびエコノマイザ20)から液冷媒を供給するインジェクション通路58を有する。
【0033】
図3図5に示すように、凝縮器18およびエコノマイザ20は、第一ディフューザ34、第二ディフューザ38および戻りチャネル48内に配置されるインジェクションポートへと液冷媒を供給する。インジェクション通路58は、凝縮器18と第一ディフューザ34のインジェクションポート54とを接続することができる。インジェクション通路58は、凝縮器18と第二ディフューザ38のインジェクションポート54とを接続することができる。インジェクション通路58は、凝縮器18と戻りチャネル48のインジェクションポート54とを接続することができる。インジェクション通路58は、エコノマイザ20と第一ディフューザ34のインジェクションポート54とを接続することができる。インジェクション通路58は、エコノマイザ20と第二ディフューザ38のインジェクションポート54とを接続することができる。インジェクション通路は、エコノマイザ20と戻りチャネル48のインジェクションポートとを接続することができる。ソース、インジェクション通路58およびインジェクションポート54の任意の組合せを用いることができる。好ましい実施態様においては、例えば、チラー10は、凝縮器18と第一ディフューザ34のインジェクションポート54とを接続するインジェクション通路58と、凝縮器18と第二ディフューザ38のインジェクションポート54とを接続するインジェクション通路58と、エコノマイザ20と戻りチャネル48のインジェクションポート54とを接続するインジェクション通路58と、を有する。
【0034】
他の実施形態では、例えば、エコノマイザ20からの液冷媒は、第一ディフューザ34にインジェクションされ、凝縮器18からの液冷媒は、第二ディフューザ38にインジェクションされる。エコノマイザ圧力は、凝縮器圧力より低い。第一ディフューザ圧力は、第二ディフューザ圧力より低い。凝縮器18から第二ディフューザ38へと、そして、エコノマイザ20から第一ディフューザ34へと液冷媒をインジェクションすることによって、それぞれのインジェクションポート54において圧力差を維持する。
【0035】
いくつかの実施形態では、図1および図2に示すように、それぞれのインジェクション通路58は、インジェクションポート54への液冷媒の流れを制御するよう制御可能である弁60を有する。弁60は、液冷媒がインジェクションポート54に供給されない閉位置と液冷媒がインジェクションポート54に供給される開位置との間で、任意の好適な方法で制御される。弁60は、インジェクション通路58を通る液冷媒の流れを制御するよう制御されるコントローラ14に、接続される。弁60を、流れ分離が少ない流れが速い条件では閉じ、流れ分離が大きい流れが遅い条件では開くことができる。
【0036】
<用語の概括的な説明>
本発明の範囲の理解において、ここで用いられる用語「備える」およびその派生語は、記載された特徴、要素、構成要素、群、一体物、および/またはステップが有ることを明記しているオープンエンドの用語を意味するのであって、記載されていない特徴、要素、構成要素、群、一体物、および/またはステップが有ることを排除するものではない。上記は、用語「有する」、「含む」およびそれらの派生語など同様の意味を持つ語にも当てはまる。また、単数形的に用いられる用語「部分/部品(パート)」、「部分(セクション)」、「部/部分(ポーション)」、「部材」あるいは「要素」は、単1つのパートあるいは複数のパーツの2つの意味を持ちうる。
【0037】
コンポーネント、部(セクション)、装置等によって実行される動作または機能を説明するためにここで用いる語「検出する」は、物理的な検出を必要としないコンポーネント、部(セクション)、装置等を含むだけでなく、そのような動作または機能を実行するための決定、測定、モデル化、予測または演算等も含む。
【0038】
コンポーネント、装置の部(セクション)あるいは部品/部分(パート)を説明するためにここで用いられる語「構成される(コンフィギュアされる)」は、所望の機能を実現するよう構築される(コンストラクトされる)かつ/またはプログラムされるハードウェアおよび/またはソフトウェアを含む。
【0039】
ここでは、「ほぼ」、「およそ」、「約」といった程度を示す用語は、最終結果が大きく変わらないような、妥当な変形の条件の変更量を意味するものとして用いる。
【0040】
本発明の説明のためにいくつかの実施例が選択されたに過ぎず、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の変更、変形ができることは、本開示から当業者には明らかであろう。例えば、必要に応じておよび/または所望により、種々の構成要素の大きさ、形状、配置、向きを変更できる。互いと直接的に連結あるいは接触するよう示した構成要素は、それらの間に中間構造体を有することができる。一つの要素の機能は二つによって達成することができ、またその逆の場合も同様である。1つの態様の構造および機能を他の態様に適用することもできる。すべての利点が必ずしも同時に特定の態様にもたらされる必要はない。先行技術から区別されるそれぞれの特徴は、それ単独として、あるいは他の特徴と組み合わせとして、そのような特徴により実施される構造的あるいは機能的思想を含む出願人によるさらなる発明の内容として付帯的に考慮されるものとする。このように、前述の本発明にかかる実施例の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって決められる本発明を限定するものではないことは、本開示から当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】