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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】高屈折率ホウ酸塩ガラス
(51)【国際特許分類】
   C03C 3/066 20060101AFI20240308BHJP
   C03C 3/253 20060101ALI20240308BHJP
   C03C 3/247 20060101ALI20240308BHJP
   C03C 3/16 20060101ALI20240308BHJP
   C03C 3/15 20060101ALI20240308BHJP
   C03C 3/155 20060101ALI20240308BHJP
   C03C 3/19 20060101ALI20240308BHJP
   C03C 3/068 20060101ALI20240308BHJP
   C03C 3/07 20060101ALI20240308BHJP
   C03C 3/072 20060101ALI20240308BHJP
   C03C 3/074 20060101ALI20240308BHJP
   C03C 3/14 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
C03C3/066
C03C3/253
C03C3/247
C03C3/16
C03C3/15
C03C3/155
C03C3/19
C03C3/068
C03C3/07
C03C3/072
C03C3/074
C03C3/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555781
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 US2022019420
(87)【国際公開番号】W WO2022197495
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】63/163,269
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】2028260
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】ルピカール,アントワーヌ マリー ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ジエン
(72)【発明者】
【氏名】マー,リーナー
(72)【発明者】
【氏名】プライヴェン,アレクサンダー アイ
(72)【発明者】
【氏名】サラフィアン,アダム ロバート
【テーマコード(参考)】
4G062
【Fターム(参考)】
4G062AA01
4G062AA04
4G062BB05
4G062BB08
4G062CC10
4G062DA02
4G062DA03
4G062DA10
4G062DB01
4G062DC04
4G062DC05
4G062DD01
4G062DD02
4G062DE01
4G062DE02
4G062DE03
4G062DE04
4G062DF01
4G062DF02
4G062DF03
4G062EA01
4G062EA10
4G062EB01
4G062EC01
4G062ED01
4G062EE01
4G062EF01
4G062EG01
4G062FA01
4G062FB02
4G062FB03
4G062FB04
4G062FB05
4G062FC02
4G062FC03
4G062FC04
4G062FD01
4G062FD02
4G062FD03
4G062FE01
4G062FF01
4G062FF02
4G062FG02
4G062FG03
4G062FG04
4G062FG05
4G062FH01
4G062FH02
4G062FH03
4G062FJ01
4G062FJ02
4G062FJ03
4G062FK01
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4G062FL02
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4G062GA03
4G062GA04
4G062GA10
4G062GB01
4G062GC01
4G062GD01
4G062GD02
4G062GD03
4G062GE01
4G062GE02
4G062GE03
4G062HH01
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4G062HH05
4G062HH08
4G062HH09
4G062HH11
4G062HH13
4G062HH15
4G062HH17
4G062JJ01
4G062JJ03
4G062JJ04
4G062JJ05
4G062JJ06
4G062JJ07
4G062JJ08
4G062JJ10
4G062KK01
4G062KK03
4G062KK05
4G062KK07
4G062KK10
4G062MM02
4G062NN02
4G062NN29
4G062NN33
4G062NN34
(57)【要約】
ガラス組成物は、必須成分として、酸化ホウ素(B)、酸化ランタン(La)、チタニア(TiO)およびニオビア(Nb)を含み、シリカ(SiO)、酸化タングステン(WO)、ジルコニア(ZrO)、イットリア(Y)、酸化ビスマス(Bi)、酸化バリウム(BaO)、Teおよび他の成分を必要に応じて含むことがある。そのガラスは、比較的低い液相温度で587.56nmでの高屈折率により特徴付けることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の成分を含むガラスにおいて、該ガラスは、
3.0モル%以上かつ35.0モル%以下のWO
0.3モル%以上かつ50.0モル%以下のTiO
0.3モル%以上かつ50.0モル%以下のNb
0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のBi
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のTeO
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のPbO、
0.0モル%以上かつ3.0モル%以下のMoO
0.0モル%以上かつ1.0モル%以下のV
0.0原子%以上かつ5.0原子%以下のF、
0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のCl、
0.0原子%以上かつ1.0原子%のBr、
0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のI、
を含み、
TiO+Nbの合計が0.6モル%以上かつ60.0モル%以下であり、
Al、B、BaO、CaO、Gd、GeO、KO、La、LiO、MgO、NaO、P、SiO、SrO、Ta、Y、Yb、ZnOおよびZrOから選択される1種類以上の成分を必要に応じて含有する、
前記成分の組成を有し、
前記ガラスは、
850℃以上かつ1350℃以下の液相温度Tliq
を有し、
前記ガラスは、条件:
1.92≦P≦2.08、および
-(1.437+0.0005liq)>0.00
を満たし、式中、
は、式(II):
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折率パラメータであり、式中、記号「」は、乗算を意味する、ガラス。
【請求項2】
前記ガラスが、
1.92以上かつ2.08以下の、587.56nmでの屈折率n
を有し、
前記ガラスが、条件:
-(1.437+0.0005liq)>0.00
を満たす、請求項1記載のガラス。
【請求項3】
前記成分の組成が、
0.3モル%以上かつ20.0モル%以下のZrO
0.0モル%以上かつ25.0モル%以下のZnO、
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のP
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のGeO
を含み、
TiO+Nb+ZrOの合計が17.0モル%以上であり、
前記成分の組成が、条件:
0≦B+SiO-P[モル%]≦40
を満たす、請求項1または2記載のガラス。
【請求項4】
前記成分の組成が、
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のY
0.0モル%以上かつ2.0モル%以下のTa
0.0モル%以上かつ2.0モル%以下のTeO
0.0モル%以上かつ0.5モル%以下のGeO
0.0モル%以上かつ0.5モル%以下のPbO、
0.0モル%以上かつ0.2モル%以下のAs、および
0.0モル%以上かつ0.2モル%以下のSb
を含み、
前記成分の組成が、
フッ素を実質的に含まず、
を実質的に含まない、請求項1から3いずれか1項記載のガラス。
【請求項5】
複数の成分を含むガラスにおいて、該ガラスは、
7.5モル%以上かつ28.0モル%以下のTiO
1.0モル%以上かつ40.0モル%以下のB
0.3モル%以上かつ19.5モル%以下のNb
0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のWO
0.0モル%以上かつ25.0モル%以下のLa
0.0モル%以上かつ25.0モル%以下のGd
0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のBi
0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のZrO
0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のTeO
0.0モル%以上かつ13.5モル%以下のSiO
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のAl
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のThO
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のGeO
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のTa
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のPbO、
0.0モル%以上かつ1.0モル%以下のV
0.0原子%以上かつ5.0原子%以下のF、
0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のCl、
0.0原子%以上かつ1.0原子%のBr、
0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のI、
を含み、
RE+ZrO+TiO+Nb+WOの合計が10.0モル%以上であり、 WO+TiOの合計が40.0モル%以下であり、
TiO+Nbの合計が35.0モル%以下であり、
O+ROの合計が0.0モル%以上かつ5.0モル%以下であり、
を必要に応じて含む、
成分の組成を有し、
前記成分の組成が、条件:
TiO-SiO[モル%]≧7.5、および
+SiO-P[モル%]≧0.00
を満たし、
前記ガラスは、条件:
1.9≦P≦2.1、および
ref-(0.269-0.12)>0.00
を満たし、式中、
は、式(II):
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折率パラメータであり、
refは、式(IV):
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折パラメータであり、式中、REは、3価当量の希土類金属酸化物の総計であり、ROは、一価金属酸化物の総計であり、ROは、二価金属酸化物の総計であり、記号「」は、乗算を意味する、ガラス。
【請求項6】
前記ガラスが、
1.9以上かつ2.1以下の、587.56nmでの屈折率n
を有し、
前記ガラスが、条件:
(n-1)/dRT-(0.269-0.12)>0.00
を満たし、
RT(g/cm)は室温での密度であり、
は、式:
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、透過率指数である、請求項5記載のガラス。
【請求項7】
前記成分の組成が、
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のY
0.0モル%以上かつ2.0モル%以下のTa
0.0モル%以上かつ2.0モル%以下のTeO
0.0モル%以上かつ0.5モル%以下のGeO
0.0モル%以上かつ0.5モル%以下のPbO、
0.0モル%以上かつ0.2モル%以下のAs、および
0.0モル%以上かつ0.2モル%以下のSb
を含み、
前記成分の組成が、
フッ素を実質的に含まず、
を実質的に含まない、請求項5または6記載のガラス。
【請求項8】
複数の成分を含むガラスにおいて、該ガラスは、
1.0モル%以上かつ40.0モル%以下のWO
0.3モル%以上かつ20.0モル%以下のZrO
0.0モル%以上かつ40.0モル%以下のB
0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のLa
0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のBi
0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のZnO、
0.0モル%以上かつ25.0モル%以下のTa
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のAl
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のThO
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のTeO
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のV
を含み、
RE+ZrO+TiO+Nb+WOの合計が10.0モル%以上であり、
TiO+Nbの合計が0.0モル%以上かつ35.0モル%以下であり、
SiO+GeOの合計が0.0モル%以上かつ4.8モル%以下であり、
、BaO、CaO、KO、LiO、MgO、NaO、PbOおよびSrOから選択される1種類以上の成分を必要に応じて含有する、
前記成分の組成を有し、
前記成分の組成は、条件:
+SiO-P[モル%]≧0.50
を満たし、
前記ガラスは、条件:
500≦PTg≦700、
<6.0g/cm、および
-(1.571+0.083)>0.00
を満たし、式中、
は、式(II):
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折率パラメータであり、
は、式(III):
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、密度パラメータであり、
Tgは、式(V):
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、Tgパラメータであり、
式中、REは、3価当量の希土類金属酸化物の総計であり、記号「」は、乗算を意味する、ガラス。
【請求項9】
前記ガラスが、
500℃以上かつ700℃以下のガラス転移温度Tg、
6.0g/cm以下の室温での密度dRT
を有し、
前記ガラスが、条件:
-(1.571+0.083RT)>0.00
を満たし、式中、nは587.56nmでの屈折率である、請求項8記載のガラス。
【請求項10】
前記成分の組成が、
0.0モル%以上かつ2.0モル%以下のTa
0.0モル%以上かつ2.0モル%以下のTeO
0.0モル%以上かつ0.5モル%以下のGeO
0.0モル%以上かつ0.5モル%以下のPbO、
0.0モル%以上かつ0.2モル%以下のAs、および
0.0モル%以上かつ0.2モル%以下のSb
を含み、
前記成分の組成が、
フッ素を実質的に含まず、
を実質的に含まない、請求項8または9記載のガラス。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2021年3月19日に出願された米国仮特許出願第63/163269号に優先権を主張する、2021年5月20日に出願された蘭国特許出願第2028260号に優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、広く、高屈折率および低密度を有するホウ酸塩およびケイホウ酸塩ガラスに関する。
【背景技術】
【0003】
ガラスが多種多様な光学装置に使用されており、その例に、拡張現実装置、仮想現実装置、複合現実装置、眼鏡などがある。この種類のガラスの望ましい性質に、高屈折率および低密度がある。追加の所望の性質としては、電磁スペクトルの可視および近紫外(近UV)範囲の高透過率および/または低光学分散が挙げられるであろう。これらの性質の所望の組合せを有し、良好なガラス形成能を有する組成物から形成できるガラスを見つけることは、難題であり得る。例えば、一般的に言えば、ガラスの屈折率が増加するにつれて、密度も増加する傾向にある。TiOやNbなどの種は、多くの場合、ガラスの密度を増加させずに、ガラスの屈折率を増加させるために添加される。しかしながら、これらの材料は、大抵、青色と紫外線を吸収し、これにより、ガラスによるスペクトルのこの領域の光の透過率が望ましくなく減少し得る。大抵、低い密度を維持しつつ、スペクトルの青色および紫外線領域の透過率を減少させずに、ガラスの屈折率を増加させる試みにより、材料のガラス形成能が低下し得る。例えば、ガラス溶融物を、当該産業界で一般に許容される冷却速度で冷却する最中に、結晶化および/または液-液相分離が生じ得る。典型的に、ZrO、Y、Sc、BeOなどの特定の種の量が増加するにつれて、ガラス形成能が低下する。
【0004】
低密度で高屈折率のガラスは、大抵、使用されるガラス形成材に基づいて、2つのタイプの化学系の内の一方に属する:(a)主要ガラス形成材としてSiOおよび/またはBが使用される、ケイホウ酸塩またはホウケイ酸塩ガラス、および(b)主要なガラス形成材としてPが使用される、リン酸塩ガラス。GeO、TeO、Bi、および/またはVなどの、主要なガラス形成材としての他の酸化物に依存するガラスは、費用、ガラス形成能、光学的性質、および生産必須要件のために、使用するのが難しいことがあり得る。
【0005】
リン酸塩ガラスは、高い屈折率および低い密度で特徴付けることができるが、リン酸塩ガラスは、溶融物からのPの揮発および白金不適合(platinum incompatibility)の恐れのために、製造するのが難題であり得る。それに加え、リン酸塩ガラスは、大抵、濃く着色されており、所望の透過率特徴を有するガラスを提供するために、余計な退色工程を必要とすることがある。さらに、高い屈折率を示すリン酸塩ガラスは、光学分散の増加を示す傾向もある。
【0006】
ケイホウ酸塩およびホウ酸塩ガラスは、典型的に、製造がより容易であり、退色工程を行わずに、高透過率を示すことができる。しかしながら、ケイホウ酸塩およびホウケイ酸塩ガラスは、リン酸塩ガラスと比べて、典型的に、増加した屈折率では、密度の増加を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの検討事項に鑑みて、高屈折率、低密度、および青色光に対する高透過率を有するホウ酸塩およびケイホウ酸塩ガラスが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施の形態によれば、ガラスは複数の成分を含み、そのガラスは、3.0モル%以上かつ35.0モル%以下のWO、0.3モル%以上かつ50.0モル%以下のTiO、0.3モル%以上かつ50.0モル%以下のNb、0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のBi、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のTeO、0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のPbO、0.0モル%以上かつ3.0モル%以下のMoO、0.0モル%以上かつ1.0モル%以下のV、0.0原子%以上かつ5.0原子%以下のF、0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のCl、0.0原子%以上かつ1.0原子%のBr、0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のIを含み、TiO+Nbの合計が0.6モル%以上かつ60.0モル%以下であり、Al、B、BaO、CaO、Gd、GeO、KO、La、LiO、MgO、NaO、P、SiO、SrO、Ta、Y、Yb、ZnOおよびZrOから選択される1種類以上の成分を必要に応じて含有することのある成分の組成を有し、このガラスは、850℃以上かつ1350℃以下の液相温度Tliqを有し、このガラスは、条件:1.92≦P≦2.08およびP-(1.437+0.0005liq)>0.00を満たし、式中、Pは、式(II):
【0009】
による成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折率パラメータであり、式中、記号「」は、乗算を意味する。
【0010】
本開示の別の実施の形態によれば、ガラスは複数の成分を含み、そのガラスは、7.5モル%以上かつ28.0モル%以下のTiO、1.0モル%以上かつ40.0モル%以下のB、0.3モル%以上かつ19.5モル%以下のNb、0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のWO、0.0モル%以上かつ25.0モル%以下のLa、0.0モル%以上かつ25.0モル%以下のGd、0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のBi、0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のZrO、0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のTeO、0.0モル%以上かつ13.5モル%以下のSiO、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のAl、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のThO、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のGeO、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のTa、0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のPbO、0.0モル%以上かつ1.0モル%以下のV、0.0原子%以上かつ5.0原子%以下のF、0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のCl、0.0原子%以上かつ1.0原子%のBr、0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のIを含み、RE+ZrO+TiO+Nb+WOの合計が10.0モル%以上であり、WO+TiOの合計が40.0モル%以下であり、TiO+Nbの合計が35.0モル%以下であり、RO+ROの合計が0.0モル%以上かつ5.0モル%以下であり、Pを必要に応じて含有することがある成分の組成を有し、成分の組成が、条件:TiO-SiO[モル%]≧7.5およびB+SiO-P[モル%]≧0.00を満たし、このガラスは、条件:1.9≦P≦2.1およびPref-(0.269-0.12)>0.00を満たし、式中、Pは、式(II):
【0011】
による成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折率パラメータであり、
refは、式(IV):
【0012】
による成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折パラメータであり、
は、式(I):
【0013】
による成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、透過率指数(transmittance index)の値であり、式中、REは、3価当量の希土類金属酸化物の総計であり、ROは、一価金属酸化物の総計であり、ROは、二価金属酸化物の総計であり、記号「」は、乗算を意味する。
【0014】
本開示のもう1つの実施の形態によれば、ガラスは複数の成分を含み、そのガラスは、1.0モル%以上かつ40.0モル%以下のWO、0.3モル%以上かつ20.0モル%以下のZrO、0.0モル%以上かつ40.0モル%以下のB、0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のLa、0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のBi、0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のZnO、0.0モル%以上かつ25.0モル%以下のTa、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のAl、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のThO、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のTeO、0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のVを含み、RE+ZrO+TiO+Nb+WOの合計が10.0モル%以上であり、TiO+Nbの合計が0.0モル%以上かつ35.0モル%以下であり、SiO+GeOの合計が0.0モル%以上かつ4.8モル%以下であり、P、BaO、CaO、KO、LiO、MgO、NaO、PbOおよびSrOから選択される1種類以上の成分を必要に応じて含有することのある成分の組成を有し、成分の組成が、条件:B+SiO-P[モル%]≧0.50を満たし、このガラスは、条件:500≦PTg≦700、P<6.0、およびP-(1.571+0.083)>0.00を満たし、式中、Pは、式(II):
【0015】
による成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折率パラメータであり、
は、式(III):
【0016】
による成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、密度パラメータであり、
Tgは、式(V):
【0017】
による成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、Tgパラメータであり、式中、REは、3価当量の希土類金属酸化物の総計であり、記号「」は、乗算を意味する。
【0018】
本開示のこれらと他の態様、目的、および特徴は、以下の明細書、特許請求の範囲、および添付図面を検討する際に、当業者により理解され、認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】いくつかの比較のガラスに関する、式(I)にしたがって計算された透過率指数Tと、10mmの厚さを有するガラス試料の少なくとも70%の全透過率に対応する最小波長(λ70%)との間の関係を示すプロット
図2】いくつかの比較のガラスと本開示の実施の形態によるいくつかの例示のガラスに関する、屈折率nと、式(II)により計算された屈折率パラメータPとの間の関係を示すプロット
図3】いくつかの比較のガラスと本開示の実施の形態によるいくつかの例示のガラスに関する、室温での密度dRTと、式(III)により計算された密度パラメータPとの間の関係を示すプロット
図4】いくつかの比較のガラスと本開示の実施の形態によるいくつかの例示のガラスに関する、屈折(refraction)(n-1)/dRTと、式(IV)により計算された屈折パラメータPrefとの間の関係を示すプロット
図5】いくつかの比較のガラスと本開示の実施の形態によるいくつかの例示のガラスに関する、ガラス転移温度Tgと、式(V)により計算されたTgパラメータPTgとの間の関係を示すプロット
図6】本開示の実施の形態によるいくつかの例示のガラスに関する、「15分試験」条件および「2.5分試験」条件による例示の冷却スケジュールのプロット
図7】いくつかの比較のガラスと本開示の実施の形態によるいくつかの例示のガラスに関する、液相温度Tliqと屈折率パラメータPとの間の関係を示すプロット
図8】いくつかの比較のガラスと本開示の実施の形態によるいくつかの例示のガラスに関する、液相温度Tliqと屈折率nとの間の関係を示すプロット
図9】いくつかの比較のガラスと本開示の実施の形態によるいくつかの例示のガラスに関する、透過率指数Tと屈折パラメータPrefとの間の関係を示すプロット
図10】いくつかの比較のガラスと本開示の実施の形態によるいくつかの例示のガラスに関する、透過率指数Tと、屈折率対密度比(「屈折」)(n-1)/dRTとの間の関係を示すプロット
図11】いくつかの比較のガラスと本開示の実施の形態によるいくつかの例示のガラスに関する、密度パラメータPと屈折率パラメータPとの間の関係を示すプロット
図12】いくつかの比較のガラスと本開示の実施の形態によるいくつかの例示のガラスに関する、室温での密度dRTと587.56nmでの屈折率nとの間の関係を示すプロット
図13】本開示の実施の形態による例示のガラスに関する透過率スペクトルを示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の詳細な説明において、限定ではなく、説明の目的で、特定の詳細を開示する例示の実施の形態が、本開示の様々な原理を完全に理解するために述べられている。しかしながら、本開示の恩恵を受けた当業者には、本開示は、ここに開示された特定の詳細から逸脱する他の実施の形態で実施されてもよいことが明白になるであろう。さらに、周知の装置、方法および材料の記述は、本開示の様々な原理の記述を分かりにくくしないように、省かれることがある。最後に、適用可能な場合、同様の参照番号は、同様の要素を指す。
【0021】
特に明記のない限り、ここに述べられたどの方法も、その工程が特定の順序で行われることを必要とすると解釈されることは決して意図されていない。したがって、方法の請求項が、その工程が従うべき順序を実際に列挙していない場合、または工程が特定の順序に限定されるべきであることが、請求項または説明に他に具体的に述べられていない場合、順序が暗示されることがいずれに関しても、決して意図されていない。このことは、制限なく、工程または作業の流れの配列に関する論理事項、文法構成または句読法に由来する率直な意味、明細書に記載された実施の形態の数またはタイプを含む、解釈に関するどの可能性のある非表現基準にも適用される。
【0022】
ここに用いられているように、「および/または」という用語は、2つ以上の項目のリストに使用されている場合、列挙された項目のいずれか1つを、それ自体で使用することができる、または列挙された項目の2つ以上のどの組合せも使用できることを意味する。例えば、組成が、成分A、B、および/またはCを含有すると記載されている場合、その組成は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの組合せ、AとCの組合せ、BとCの組合せ、またはAとBとCの組合せを含有し得る。
【0023】
本開示の改変が、当業者と本開示を行うまたは使用するものに想起されるであろう。したがって、図面に示され、先に記載された実施の形態は、説明目的のためだけであり、本開示の範囲を限定する意図はなく、均等論を含む特許法の原理にしたがって解釈されるように、その範囲は以下の特許請求の範囲によって定義されることが理解されよう。
【0024】
ここに用いられているように、「約」という用語は、量、サイズ、配合、パラメータ、および他の数量と特徴が、正確ではなく、正確である必要はないが、必要に応じて、許容差、変換係数、丸め、測定誤差など、並びに当業者に公知の他の要因を反映して、近似であるおよび/またはそれより大きいか小さいことがあることを意味する。値または範囲の端点を記載する上で、「約」という用語が使用されている場合、本開示は、言及されている特定の値または端点を含むと理解されるべきである。明細書において数値または範囲の端点に「約」が付いていようとなかろうと、その数値または範囲の端点は、「約」により修飾されたものと、「約」により修飾されていないものの2つの実施の形態を含むことが意図されている。範囲の各々の端点は、他方の端点に関してと、他方の端点とは関係なくの両方において有意であることがさらに理解されよう。
【0025】
「から形成された」という用語は、を含む、から実質的になる、またはからなるの1つ以上を意味することができる。例えば、特定の材料から形成された成分は、その特定の材料を含み得る、その特定の材料から実質的になり得る、またはその特定の材料からなり得る。
【0026】
「含まない」および「実質的に含まない」という用語は、ガラス組成に意図的に添加されていないガラス組成中の特定の成分の量および/または不在を称するために、ここに交換可能に使用される。ガラス組成は、0.10モル%未満の量の汚染物質または混入物として、特定の構成成分を微量で含有することがあるのが理解されよう。
【0027】
ここに用いられているように、「混入物」という用語は、ガラス組成中の特定の構成成分を記載するために使用される場合、ガラス組成に意図的に添加されておらず、0.05モル%未満の量で存在する構成成分を称する。混入成分は、別の構成成分中の不純物として、および/またはガラス組成物の加工中にその組成物中への混入成分の移動により、ガラス組成物に意図せずに添加されることがある。
【0028】
記号「」は、本明細書中のいずれの式で使用される場合でも、乗算を意味する。
【0029】
特に明記のない限り、「ガラス」という用語は、ここに開示されたガラス組成物から製造されたガラスを称するために使用される。
【0030】
「ガラス形成材」という用語は、ガラス組成中に単独で存在している(すなわち、混入物を除いて、他の成分を含まない)場合、約200℃/分から約300℃/分以下の速度で溶融物を冷却すれば、ガラスを形成できる成分を称するためにここに使用される。
【0031】
ここに用いられているような「改質剤」という用語は、一価または二価の金属の酸化物、すなわち、ROまたはROを称し、ここで、「R」は陽イオンを表す。改質剤は、溶融物およびその結果として得られるガラスの原子構造を変えるためにガラス組成物に加えることができる。いくつかの実施の形態において、改質剤は、ガラス形成材中に存在する陽イオン(例えば、Bにおけるホウ素)の配位数を変えることがあり、これにより、より重合された原子網状構造が形成され、その結果、より良好にガラスを形成することができる。
【0032】
ここに用いられているように、「RO」という用語は、二価金属酸化物の全含有量を称し、「RO」という用語は、一価金属酸化物の全含有量を称し、「AlkO」という用語は、アルカリ金属酸化物の全含有量を称する。ROという用語は、例えば、AgO、TlO、およびHgOなどの他の一価金属酸化物に加え、アルカリ金属酸化物(AlkO)を包含する。先に述べたように、本開示において、希土類金属酸化物は、希土類金属が「+3」の酸化還元状態を有する標準式(RE)でここに称され、それゆえ、希土類金属酸化物は、ROという用語で包含されない。
【0033】
ここに用いられているように、「希土類金属」という用語は、IUPAC周期表のランタニド系列に列挙された金属に加え、イットリウムとスカンジウムを称する。ここに用いられているように、「希土類金属酸化物」という用語は、Laにおけるランタンの「+3」、CeOにおけるセリウムの「+4」、EuOにおけるユーロピウムの「+2」などの、異なる酸化還元状態における希土類金属の酸化物を称するために使用される。一般に、酸化物ガラス中の希土類金属の酸化還元状態は、変わることがあり、特に、その酸化還元状態は、バッチ組成物、および/またはガラスが中で溶融されるおよび/または熱処理される(例えば、徐冷される)炉内の酸化還元条件に基づいて、溶融中に変化することがある。特に明記のない限り、希土類金属酸化物は、ここでは、希土類金属が「+3」の酸化還元状態を有する標準式により称される。したがって、「+3」以外の酸化還元状態を有する希土類金属がガラス組成物のバッチに添加される場合、そのガラス組成物は、化学量論を維持するためにいくらかの酸素を加えるか、または除去することによって、再計算される。例えば、バッチ成分としてCeO(「+4」の酸化還元状態にあるセリウム)が使用される場合、結果として得られるバッチ配合された状態の組成物は、2モルのCeOが1モルCeと等しく、結果として得られるバッチ配合された状態の組成物がCeで表されると仮定して、再計算される。ここに用いられているように、「RE」という用語は、バッチ配合された状態の組成物中に存在する全ての酸化還元状態における希土類金属酸化物の全含有量を称するために使用され、「RE」という用語は、「+3」の酸化還元状態に再計算されたときに、バッチ配合された状態の組成物中の希土類金属酸化物の全含有量を称するために使用される。「RE」という用語は、ここでは「3価当量」とも規定される。
【0034】
特に明記のない限り、全ての組成物は、バッチ配合された状態のモルパーセント(モル%)で表される。それゆえ、「組成物」または「ガラス組成物」への言及は、バッチ配合された状態におけるモル%で表された組成物を称する。当業者に認識されるであろうように、様々な溶融成分(例えば、フッ素、アルカリ金属、ホウ素など)に、その成分の溶融中に様々なレベルの揮発(例えば、蒸気圧、溶融時間および/または溶融温度の関数として)が施されることがある。それゆえ、そのような成分に関する「約」という用語は、ここに提供されるバッチ配合された状態の組成物と比べて、最終物品を測定するときに、約0.2モル%以内の値を包含することが意図されている。先のことを念頭に置いて、最終物品とバッチ配合された状態の組成物との間の実質的な組成等価が予測される。いくつかの実施の形態において、組成物は、表示されている場合、バッチ配合された状態の質量パーセント(質量%)で表されることがある。
【0035】
酸化物およびガラスの他の構成成分は、「成分」と称される。成分を数学記号の「+」および「-」と組み合わせた表現は、モル%で表された成分のバッチ配合された状態の組成の、それぞれ、合計および差を称する。例えば、「SiO+GeO」という表現または「SiO+GeO[モル%]」という表現は、バッチ配合された状態の組成物中の、各々モル%で表された成分SiOおよびGeOの合計を意味する。別の例では、「B+SiO-P」という表現または「B+SiO-P[モル%]」という表現は、バッチ配合された状態の組成物中の、各々モル%で表された、成分B+SiOの合計から成分Pを引いたものを意味する。表現に量が付随している場合、その量は、その表現に列挙された成分の合計したバッチ配合された状態の組成物を称する。例えば、「4.8モル%のSiO+GeO」という表現は、バッチ配合された状態の組成物中の成分SiOおよびGeOの総量が4.8モル%であることを意味し、「4.8モル%以下のSiO+GeO」という表現は、バッチ配合された状態の組成物中の成分SiOおよびGeOの総量が4.8モル%以下であることを意味する。
【0036】
フッ素または他のハロゲン(塩素、臭素、および/またはヨウ素)が酸化物ガラスに添加される、または酸化物ガラス中に存在する場合、結果として得られるバッチ配合された状態の組成物の分子表現は、異なる様式で表現されることがある。本開示では、存在する場合、成分としてのハロゲンの含有量は、原子パーセント(原子%)で表され、これは、100の係数で乗算したバッチ配合された状態の組成物中の全ての原子の総計におけるハロゲンの割合に基づいて決定される。
【0037】
本開示では、フッ素含有組成物および濃度範囲を表現する以下の方法が使用される。全ての酸化物(例えば、SiO、B、NaOなど)の濃度限度は、それぞれの陽イオン(例えば、ケイ素[Si4+]、ホウ素[B3+]、ナトリウム[Na]など)が対応する酸化物の形態で最初に存在するという前提の下で表される。フッ素が唯一のハロゲンとして存在する場合、バッチ配合された状態の組成物の成分の濃度を計算する目的で、酸化物中の酸素のいくらかが、フッ素で等価置換される(すなわち、一原子の酸素が、二原子のフッ素と置換される)。フッ素は、フッ化ケイ素(SiF)の形態で存在すると仮定される;したがって、全ての酸化物にSiFを加えた総計が、全組成物において100モルパーセントまたは100質量パーセントであると仮定される。唯一のハロゲンまたはハロゲンの組合せとしての他のハロゲンに類似の取扱いが適用される。
【0038】
ここに報告されたガラスの密度の測定値は、0.001g/cmの不確実性で水中においてアルキメデス法によりg/cmの単位で、室温で測定した。ここに用いられているように、室温での密度測定値(dRTと特定される)は、20℃または25℃で測定されたものとして示され、20℃から25℃に及ぶことがある温度で得られた測定値を包含する。室温は、約20℃から約25℃で変わることがあるが、本開示の目的のために、20℃から25℃の温度範囲内での密度の変動は、0.001g/cmの不確実性より小さいと予測され、それゆえ、ここに報告された室温での密度測定値に影響するとは予測されないことが理解されよう。
【0039】
ここに用いられているように、「屈折」という用語は、比率(n-1)/dRTによる密度に対する屈折率の関係を称し、式中、屈折率nは587.56nmで測定され、密度dRTは、室温で、g/cmで測定される。比率(n-1)/dRT、すなわち屈折は、屈折率nと密度dRTとの間の関係を特徴付けることができる。屈折値が高いほど、指定の密度での屈折率が高くなる。
【0040】
ここに用いられているように、良好なガラス形成能は、溶融物が冷めるときの失透に対する溶融物の耐性を称する。ガラス形成能は、溶融物の臨界冷却速度を決定することによって、測定できる。「臨界冷却速度」または「vcr」という用語は、既定の組成の溶融物が、100倍から500倍の倍率での光学顕微鏡で見える結晶がないガラスを形成する最低冷却速度を称するためにここに使用される。臨界冷却速度は、組成物のガラス形成能、すなわち、既定のガラス組成物の溶融物が冷却されたときにガラスを形成する能力を測定するために使用することができる。一般的に言えば、臨界冷却速度が低いほど、ガラス形成能は良好である。
【0041】
「液相温度」という用語は、ガラス組成物が、それより高いと、ガラスの構成成分が結晶化していない、完全な液体である温度を称するためにここに使用される。ここに報告された液相温度値は、DSC、もしくは白金箔に巻かれた試料の等温保持または白金ボート内での熱勾配試験を使用して、試料を測定することによって得た。DSCを使用して測定した試料について、粉末試料を10K/分で1250℃に加熱した。結晶の溶融に対応する吸熱事象の終わりを液相温度と解釈した。第2の技術(等温保持)について、ガラスブロック(約1cm)を白金箔に包み、4時間から24時間に亘り所定の温度の炉内に置いた。次に、結晶を検査するために、ガラスブロックを光学顕微鏡で観察した。第3の技術(熱勾配試験)について、約10gのガラスカレットを薄い白金ボート内に入れ、約4時間から24時間に亘り所定の温度の炉内に置いた。次に、結晶を検査するために、ガラスブロックを裸眼で観察した。本開示の例示のガラスのいくつかについて、いくつかの異なる試験を使用して、液相温度を決定した。それらの試験は、実質的に同じ結果を与えた。
【0042】
ここに用いられているように、特に明記のない限り、「内部透過率」という用語またはτintは、フレネル損失について補正されたガラス試料を通る透過率を称するために使用される。「全透過率」という用語またはτは、フレネル損失が考慮されていない透過率値を称するために使用される。ガラス試料の全透過率は、250nmから2500nmの波長で、1nmの解像度で、Cary 5000分光計を使用し、積分球を使用して、2つか3つの異なる厚さを有する試料に測定した。10mm厚の試料に関する内部透過率値は、測定した屈折率および異なる厚さでの測定全透過率を使用して、375nmと1175nmとの間で計算した。全透過率は、試料の表面での光の反射による損失は考慮している。例えば、5%または70%などの全透過率の特定値に対応する波長は、それぞれ、λ5%およびλ70%などの対応する下付き文字を有するλとして表される。
【0043】
ここに報告された屈折率値は、特に明記のない限り、室温(約25℃)で測定した。ガラス試料の屈折率値は、約±0.0002の不確実性で、Metricon Model 2010プリズムカプラー屈折計を使用して測定した。Metriconを使用して、ガラス試料の屈折率を、約406nm、473nm、532nm、633nm、828nm、および1064nmの2つ以上の波長で測定した。測定した依存性は、分散を特徴付け、次いで、コーシーの法則の式またはセルマイヤーの式でフィッティングして、測定波長の間の関心のある既定の波長での試料の屈折率を計算することができた。「屈折率n」または「n」という用語は、ヘリウムのd線波長に対応する、587.56nmの波長で上述したように計算された屈折率を称するためにここに使用される。「屈折率n」または「n」という用語は、656.3nmの波長で上述したように計算された屈折率を称するためにここに使用される。「屈折率n」または「n」という用語は、486.1nmの波長で上述したように計算された屈折率を称するためにここに使用される。「屈折率n」または「n」という用語は、435.8nmの波長で上述したように計算された屈折率を称するためにここに使用される。
【0044】
ここに用いられているように、「高屈折率」は、特に明記のない限り、1.80以上のガラスの屈折率値を称する。示された場合、「高屈折率」という用語の実施の形態は、1.85以上、または1.90以上、または1.95以上、または2.00以上のガラスの屈折率値を称する。
【0045】
「分散」および「光学分散」という用語は、所定の波長でのガラス試料の屈折率の差または比を称するためにここに交換可能に使用される。ここに報告された光学分散の1つの数値尺度はアッベ数であり、これは、式:v=(n-1)/(n-n)で計算でき、式中、本開示における「x」は、一般に使用される波長の内の1つを表し(例えば、vについては、587.56nm[d線]、vについては、589.3nm[D線])、nはこの波長での屈折率であり(例えば、vについてはn、vについてはn)、nおよびnは、それぞれ、486.1nm(F線)および656.3nm(C線)の波長での屈折率である。vおよびvの数値は、ごくわずかに異なり、ほとんど±0.1%から±0.2%である。より高いアッベ数は、より低い光学分散に対応する。
【0046】
「高分散」または「低分散」に対応するアッベ数の数値は、アッベ数が計算される屈折率に応じて異なるであろう。ある場合には、高屈折率ガラスに関する「低分散」に対応するアッベ数は、低屈折率ガラスに関する「低分散」に対応するアッベ数より低いであろう。言い換えると、計算した屈折率値が増加するにつれて、低分散に対応するアッベ数の値は減少する。同じことが、同様に、「高分散」に関係する。
【0047】
ここに用いられているような、「α」または「α20~300」という用語は、20℃から300℃の温度範囲に亘るガラス組成物の平均線熱膨張係数(CTE)を称する。この性質は、ASTM E228-11にしたがって、水平膨脹計(押棒式熱膨張)を使用して測定される。αの数値尺度は、α=ΔL/(LΔT)と表される特定の温度範囲(例えば、20℃から300℃)の線形平均値であり、式中、Lは、室温での試料の線形サイズであり、Lは、測定温度範囲ΔTにおける線形サイズの変化(ΔL)である。
【0048】
ヤング率Eおよびポアソン比μは、ITW Indiana Private Limited社のMagnaflux Divisionから入手できるQuasar RUSpec 4000を使用する、共鳴超音波スペクトロスコピーを使用することによって、測定される。
【0049】
ガラス転移温度(Tg)は、空気中での冷却後に10K/分の加熱速度で示差走査熱量計(DSC)によって測定される。
【0050】
ここに用いられているような、「徐冷点」という用語は、既定のガラス組成のガラスの粘度がほぼ1013.2ポアズである、ASTM C598-93(2013)にしたがって決定される温度を称する。
【0051】
ガラス組成物は、酸化ホウ素(B)を含むことがある。本開示のいくつかの実施の形態によれば、酸化ホウ素はガラス形成材の役割を果たすことがある。Bは、ガラス形成材として、液相粘度を増加させ、したがって、ガラス組成物が結晶化するの防止するのに役立つことができる。しかしながら、ガラス組成物にBを添加すると、液-液相分離が生じることがあり、これにより、得られるガラスの失透が生じるおよび/または透過率が低下することがある。また、高屈折率ガラスにBを添加すると、屈折率が低下する。したがって、本開示のガラス中の酸化ホウ素の量は制限される、または、ガラスはBを実質的に含まないことがある。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上から41.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量で酸化ホウ素(B)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、1.0モル%以上、5.0モル%以上、10.0モル%以上、20.0モル%以上、21.5モル%以上、23.0モル%以上、27.0モル%以上、30.0モル%以上、35.0モル%以上、または40.0モル%以上の量でBを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、41.0モル%以下、40.0モル%以下、35.0モル%以下、34.5モル%以下、33.0モル%以下、30.0モル%以下、20.0モル%以下、または5.0モル%以下の量でBを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ40.0モル%以下、1.0モル%以上かつ40.0モル%以下、10.0モル%以上かつ40.0モル%以下、20.0モル%以上かつ35.0モル%以下、21.5モル%以上かつ34.5モル%以下、23.0モル%以上かつ33.0モル%以下、27.05モル%以上かつ33.24モル%以下、0.0モル%以上かつ41.0モル%以下、0.0モル%以上かつ5.0モル%以下、20.0モル%以上かつ30.0モル%以下、30.0モル%以上かつ33.0モル%以下、34.5モル%以上かつ35.0モル%以下、35.0モル%以上かつ40.0モル%以下の量でBを含有することがある。
【0052】
ガラス組成物は、シリカ(SiO)を含むことがある。シリカは、追加のガラス形成材の役割を果たすことがある。シリカは、Bと同様に、液相粘度(液相温度での粘度)を増加させるのに役立ち、したがって、ガラス組成物が結晶化するのを防止することがある。しかしながら、SiOをガラス組成物に加えると、液液相分離をもたらすことがあり、これにより、結果として得られたガラスを失透させる、および/またはその透過率を減少させることがある。また、SiOは、低屈折率成分であり、高屈折率ガラスを得るのを難しくする。したがって、本開示の実施の形態におけるSiOの含有量は制限されるか、またはガラスはSiOを実質的に含まないことがある。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上から15.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量でシリカ(SiO)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、5.0モル%以上、9.0モル%以上、10.0モル%以上、11.0モル%以上、または13.0モル%以上の量でSiOを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、15.0モル%以下、13.5モル%以下、13.0モル%以下、12.5モル%以下、11.5モル%以下、11.0モル%以下、10.0モル%以下、9.0モル%以下、6.0モル%以下、5.0モル%以下、4.8モル%以下、または4.5モル%以下の量でSiOを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ15.0モル%以下、0.0モル%以上かつ13.5モル%以下、0.0モル%以上かつ12.5モル%以下、0.0モル%以上かつ11.5モル%以下、0.0モル%以上かつ4.5モル%以下、0.03モル%以上かつ5.77モル%以下、4.5モル%以上かつ4.8モル%以下、4.8モル%以上かつ15.0モル%以下、5.0モル%以上かつ15.0モル%以下、6.0モル%以上かつ9.0モル%以下の量でSiOを含有することがある。
【0053】
ガラス組成物は、ゲルマニア(GeO)を含むことがある。ゲルマニア(GeO)は、屈折率と密度との間の優れた比を提供し、透過率を低下させない。しかしながら、ゲルマニアは、高価過ぎ、それゆえ、ガラス組成物を経済的でなくすであろう。したがって、ゲルマニアの含有量は、制限されるべきである、または、ガラス組成物はGeOを含まないことがある、またはガラス組成物はGeOを実質的に含まないことがある。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上から10.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量でゲルマニア(GeO)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、5.0モル%以上、7.0モル%以上、8.0モル%以上、または9.0モル%以上の量でGeOを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、10.0モル%以下、9.0モル%以下、8.0モル%以下、7.0モル%以下、5.0モル%以下、4.8モル%以下、または0.5モル%以下の量でGeOを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下、0.0モル%以上かつ5.0モル%以下、0.0モル%以上かつ0.5モル%以下、0.5モル%以上かつ10.0モル%以下、0.5モル%以上かつ4.8モル%以下、4.8モル%以上かつ10.0モル%以下、4.8モル%以上かつ5.0モル%以下、5.0モル%以上かつ10.0モル%以下、5.0モル%以上かつ7.0モル%以下の量でGeOを含有することがある。
【0054】
ガラス組成物は、一価金属酸化物(RO)を含むことがある。アルカリ金属酸化物(LiO、NaO、KO、RbOおよびCsO)や他の酸化物(例えば、AgOまたはTlO)などの一価金属酸化物は、ガラス構造中の、TiO、NbまたはWOなどの屈折率上昇剤をよりうまく収容するのに役立ち、これにより、ガラス中のそれらの溶解度が増し、したがって、間接的に、許容できる低密度で屈折率を増加させることがある。
【0055】
いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、1.0モル%以上、2.0モル%以上、3.0モル%以上、または4.0モル%以上の量で一価金属酸化物ROを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、5.0モル%以下、4.0モル%以下、3.0モル%以下、2.0モル%以下、または1.0モル%以下の量で一価金属酸化物ROを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%から5.0モル%、0.0モル%から4.0モル%、0.0モル%から3.0モル%、0.0モル%から2.0モル%、1.0モル%から5.0モル%、1.0モル%から4.0モル%、1.0モル%から3.0モル%、1.0モル%から2.0モル%、2.0モル%から5.0モル%、2.0モル%から4.0モル%、2.0モル%から3.0モル%、3.0モル%から5.0モル%、3.0モル%から4.0モル%、1.0モル%から3.0モル%、2.0モル%から4.0モル%、または1.0モル%から4.0モル%の量でROを含有することがある。
【0056】
ガラス組成物は、二価金属酸化物(RO)を含むことがある。ガラスに添加される、アルカリ土類金属酸化物(BeO、MgO、CaO、SrOおよびBaO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化鉛(PbO)などの二価金属酸化物は、ほとんどの一価酸化物の屈折率よりも大きい、比較的高い屈折率を提供する。例えば、CaO、SrOおよびZnOなどのいくつかの二価金属酸化物は、比較的低い密度も提供し、したがって、屈折率対密度の比を増加させ、したがって、特定用途における光学ガラスの性能を改善する。それに加え、二価金属酸化物は、TiO、NbおよびWOなどの高屈折率成分の溶解度を増加させるのに役立つことがあり、これにより、間接的に、妥当な密度での屈折率のさらなる増加がもたらされる。また、例えば、ZnOおよびMgOなどのいくつかの二価金属酸化物は、比較的低い熱膨張係数を与え、これにより、冷却されたときにガラス物品に生じる熱応力を減少させ、したがって、ガラス物品の品質を改善することがある。しかしながら、二価金属酸化物は、多量に添加されると、溶融物からの耐火鉱物の結晶化または液液相分離を生じさせることがあり、これにより、ガラスのガラス形成能力が低下することがある。したがって、本開示のガラス組成物中の二価金属酸化物の量は、制限される。
【0057】
いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、0.0モル%以上、1.0モル%以上、2.0モル%以上、3.0モル%以上、または4.0モル%以上の量で二価金属酸化物ROを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、5.0モル%以下、4.0モル%以下、3.0モル%以下、2.0モル%以下、または1.0モル%以下の量で二価金属酸化物ROを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%から5.0モル%、0.0モル%から4.0モル%、0.0モル%から3.0モル%、0.0モル%から2.0モル%、1.0モル%から5.0モル%、1.0モル%から4.0モル%、1.0モル%から3.0モル%、1.0モル%から2.0モル%、2.0モル%から5.0モル%、2.0モル%から4.0モル%、2.0モル%から3.0モル%、3.0モル%から5.0モル%、3.0モル%から4.0モル%、0モル%から2.0モル%、2.0モル%から4.0モル%、または2.0モル%から5.0モル%の量でROを含有することがある。
【0058】
ガラス組成物は、酸化亜鉛(ZnO)を含むことがある。酸化亜鉛は、良好な屈折率対密度比を提供し、時には、チタニアの溶解度を増加させることがあり、これにより、間接的に、ガラスの屈折率が増加する。しかしながら、いくつかの実施の形態において、ZnOの濃度が高いと、溶融物のガラス形成能力が低下し、溶融物が、冷却中に結晶化する傾向にあることがあるのが分かった。
【0059】
いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、0.0モル%以上、5.0モル%以上、20.0モル%以上、25.0モル%以上、または30.0モル%以上の量でZnOを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、35.0モル%以下、30.0モル%以下、25.0モル%以下、20.0モル%以下、5.0モル%以下、または0.05モル%以下の量でZnOを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ35.0モル%以下、0.0モル%以上かつ25.0モル%以下、0.0モル%以上かつ0.05モル%以下、0.05モル%以上かつ35.0モル%以下、0.05モル%以上かつ5.0モル%以下、5.0モル%以上かつ35.0モル%以下、5.0モル%以上かつ20.0モル%以下、20.0モル%以上かつ35.0モル%以下、20.0モル%以上かつ25.0モル%以下の量でZnOを含有することがある。
【0060】
ガラス組成物は、酸化バリウム(BaO)を含むことがある。酸化バリウムは、TiOおよびNbなどの高屈折率成分の溶解度を増加させることがあり、これにより、間接的に、比較的低い密度で屈折率をさらに増加させることがある。しかしながら、バリウムは、重元素であり、多量に添加されると、ガラスの密度を増加させることがある。また、高濃度では、チタン酸バリウム(BaTiO)、ニオブ酸バリウム(BaNb)などの鉱物を結晶化させることがある。したがって、本開示のガラス中のBaOの量は、制限されるか、またはガラスがBaOを実質的に含まないことがある。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上から10.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量で酸化バリウム(BaO)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、または5.0モル%以上の量でBaOを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、10.0モル%以下、5.0モル%以下、4.6モル%以下、4.0モル%以下、または1.6モル%以下の量でBaOを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ5.0モル%以下、0.0モル%以上かつ4.6モル%以下、0.0モル%以上かつ4.0モル%以下、0.01モル%以上かつ1.6モル%以下、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下、0.0モル%以上かつ1.6モル%以下、1.6モル%以上かつ10.0モル%以下、1.6モル%以上かつ4.0モル%以下の量でBaOを含有することがある。
【0061】
ガラス組成物は、酸化鉛(PbO)を含有することがある。酸化鉛は、非常に高い屈折率を与えるが、密度も著しく増加させてしまう。また、PbOは、生態系への懸念を引き起こすことがある。これらの理由のために、本開示のガラス中のPbOの量は制限されるべきであるか、またはガラスはPbOを実質的に含まないことがある。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上から10.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量で酸化鉛(PbO)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、5.0モル%以上、7.0モル%以上、8.0モル%以上、または9.0モル%以上の量でPbOを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、10.0モル%以下、9.0モル%以下、8.0モル%以下、7.0モル%以下、5.0モル%以下、または0.5モル%以下の量でPbOを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ5.0モル%以下、0.0モル%以上かつ0.5モル%以下、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下、0.5モル%以上かつ10.0モル%以下、0.5モル%以上かつ5.0モル%以下、5.0モル%以上かつ10.0モル%以下、5.0モル%以上かつ7.0モル%以下、7.0モル%以上かつ10.0モル%以下、7.0モル%以上かつ8.0モル%以下の量でPbOを含有することがある。
【0062】
いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、0.0モル%以上、0.25モル%以上、0.5モル%以上、または0.75モル%以上の量で三価当量の希土類金属酸化物REを含有することがある。
【0063】
ガラス組成物は、酸化ランタン(La)を含むことがある。酸化ランタンは、可視範囲の透過率を著しく損なわずに、高屈折率を与える最も安価な酸化物の内の1つである。また、Laを添加すると、相分離の虞が減少することがある。しかしながら、Laは、例えば、TiO、NbまたはWOなどの他の高屈折率成分よりも高い密度を与える。また、多量に添加されると、耐火種の結晶化をもたらすことがある。この理由のために、本開示のガラス中のLaの量は、制限されるべきである。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上から35.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量で酸化ランタン(La)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、5.0モル%以上、10.0モル%以上、13.0モル%以上、14.5モル%以上、15.0モル%以上、20.0モル%以上、25.0モル%以上、または30.0モル%以上の量でLaを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、35.0モル%以下、30.0モル%以下、25.0モル%以下、24.0モル%以下、22.5モル%以下、21.4モル%以下、20.0モル%以下、5.0モル%以下、または1.0モル%以下の量でLaを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ35.0モル%以下、0.0モル%以上かつ25.0モル%以下、10.0モル%以上かつ25.0モル%以下、13.0モル%以上かつ24.0モル%以下、14.5モル%以上かつ22.5モル%以下、15.0モル%以上かつ25.0モル%以下、19.97モル%以上かつ21.43モル%以下、0.0モル%以上かつ1.0モル%以下、1.0モル%以上かつ5.0モル%以下、5.0モル%以上かつ35.0モル%以下、20.0モル%以上かつ21.4モル%以下、21.4モル%以上かつ35.0モル%以下、21.4モル%以上かつ22.5モル%以下、22.5モル%以上かつ24.0モル%以下の量でLaを含有することがある。
【0064】
実施の形態において、ガラス組成物は、0.0モル%以上から10.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量でイットリア(Y)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、5.0モル%以上、7.0モル%以上、8.0モル%以上、または9.0モル%以上の量でYを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、10.0モル%以下、9.0モル%以下、8.0モル%以下、7.5モル%以下、7.0モル%以下、6.5モル%以下、5.75モル%以下、5.0モル%以下、または1.0モル%以下の量でYを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下、0.0モル%以上かつ7.5モル%以下、0.0モル%以上かつ6.5モル%以下、0.0モル%以上かつ5.75モル%以下、0.0モル%以上かつ5.0モル%以下、0.38モル%以上かつ5.02モル%以下、0.0モル%以上かつ1.0モル%以下、1.0モル%以上かつ5.0モル%以下、5.0モル%以上かつ10.0モル%以下、5.0モル%以上かつ5.75モル%以下、5.75モル%以上かつ6.5モル%以下の量でYを含有することがある。
【0065】
いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、0.0モル%以上から5.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量で酸化ガドリニウム(Gd)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、または2.5モル%以上の量でGdを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、5.0モル%以下、2.5モル%以下、または1.0モル%以下の量でGdを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ25.0モル%以下、0.0モル%以上かつ1.0モル%以下、1.0モル%以上かつ25.0モル%以下、1.0モル%以上かつ2.5モル%以下、2.5モル%以上かつ25.0モル%以下、2.5モル%以上かつ5.0モル%以下の量でGdを含有することがある。
【0066】
ガラス組成物は、アルミナ(Al)を含むことがある。アルミナは、高温でガラス形成溶融物の粘度を増加させることがあり、これにより、臨界冷却速度を減少させ、ガラス形成能力を改善することがある。しかしながら、Alを添加すると、冷却中に、溶融物中に、チタン酸アルミニウム(AlTiO)、ニオブ酸アルミニウム(AlNbO)などの耐火鉱物の結晶化がもたらされることがある。したがって、本開示のガラス中のAlの量は制限されるか、またはガラスはAlを実質的に含まないことがある。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上から10.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量でアルミナ(Al)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、5.0モル%以上、7.0モル%以上、8.0モル%以上、または9.0モル%以上の量でAlを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、10.0モル%以下、9.0モル%以下、8.0モル%以下、7.0モル%以下、または5.0モル%以下の量でAlを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下、0.0モル%以上かつ5.0モル%以下、5.0モル%以上かつ10.0モル%以下の量でAlを含有することがある。
【0067】
実施の形態において、ガラス組成物は、0.0モル%以上から10.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量で酸化モリブデン(MoO)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、5.0モル%以上、7.0モル%以上、8.0モル%以上、または9.0モル%以上の量でMoOを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、10.0モル%以下、9.0モル%以下、8.0モル%以下、7.0モル%以下、5.0モル%以下、または3.0モル%以下の量でMoOを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ3.0モル%以下、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下の量でMoOを含有することがある。
【0068】
ガラス組成物は、酸化テルル(TeO)を含むことがある。酸化テルルは、概して、下記に記載される酸化ビスマスのように働き、それに加え、TeOは非常に高価であり、これにより、出発材料の費用が許容できないほど高くなることがある。したがって、酸化テルルの含有量は制限されるか、またはガラス組成物はTeOを含まないことがある。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上から20.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量で酸化テルル(TeO)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、5.0モル%以上、10.0モル%以上、14.0モル%以上、16.0モル%以上、または18.0モル%以上の量でTeOを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、20.0モル%以下、18.0モル%以下、16.0モル%以下、14.0モル%以下、10.0モル%以下、5.0モル%以下、または2.0モル%以下の量でTeOを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ20.0モル%以下、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下、0.0モル%以上かつ2.0モル%以下の量でTeOを含有することがある。
【0069】
ガラス組成物は、バナジア(V)を含むことがある。バナジアは、全ての酸化物の中で、屈折率対密度の最大の比を提供する。しかしながら、バナジアは、望ましくなく暗い着色も生じることがある。これらの理由のために、本発明のガラス中のバナジアの含有量は制限される、またはガラス組成物はVを含まないことがある。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上から5.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量でバナジア(V)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、または2.5モル%以上の量でVを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、5.0モル%以下、2.5モル%以下、1.0モル%以下、または0.1モル%以下の量でVを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ5.0モル%以下、0.0モル%以上かつ1.0モル%以下、0.0モル%以上かつ0.1モル%以下の量でVを含有することがある。
【0070】
実施の形態において、ガラス組成物は、0.0モル%以上から10.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量で酸化トリウム(ThO)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、5.0モル%以上、7.0モル%以上、8.0モル%以上、または9.0モル%以上の量でThOを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、10.0モル%以下、9.0モル%以下、8.0モル%以下、7.0モル%以下、または5.0モル%以下の量でThOを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下、0.0モル%以上かつ5.0モル%以下の量でThOを含有することがある。
【0071】
ガラス組成物は、酸化タンタル(Ta)を含むことがある。酸化タンタルは、青色光の透過率を低下させずに、許容できる密度を維持しつつ、屈折率を増加させる。しかしながら、Taは、耐火鉱物の結晶化をもたらすことがある。したがって、酸化タンタルの含有量は制限されるべきである、またはガラス組成物はTaを含まないことがある。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上から25.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量で酸化タンタル(Ta)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、5.0モル%以上、10.0モル%以上、19.0モル%以上、20.0モル%以上、21.0モル%以上、または23.0モル%以上の量でTaを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、25.0モル%以下、23.0モル%以下、21.0モル%以下、20.0モル%以下、19.0モル%以下、10.0モル%以下、5.0モル%以下、または2.0モル%以下の量でTaを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ25.0モル%以下、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下、0.0モル%以上かつ2.0モル%以下の量でTaを含有することがある。
【0072】
ガラス組成物はジルコニア(ZrO)を含むことがある。ジルコニアは、許容できる低い密度を維持しつつ、屈折率を増加させることができる。ZrOは溶融物の粘度も増加させることができ、このことは、溶融物が結晶化するのを防止するのに役立つことがある。ZrOは、可視および近紫外範囲でガラスに着色を導入せず、このことは、ガラスの高い透過率を維持するのに役立つことがある。しかしながら、高濃度のジルコニアは、ジルコニア(ZrO)、ジルコン(ZrSiO)、ジルコン酸カルシウム(CaZrO)などの耐火鉱物の結晶化をもたらすことがあり、これにより、溶融物のガラス形成能力が低下することがある。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上から20.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量でジルコニア(ZrO)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、0.3モル%以上、0.5モル%以上、1.75モル%以上、5.0モル%以上、6.99モル%以上、10.0モル%以上、14.0モル%以上の量でZrOを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、20.0モル%以下、18.0モル%以下、16.0モル%以下、14.0モル%以下、10.0モル%以下、8.0モル%以下、7.5モル%以下、7.25モル%以下、7.0モル%以下、または5.0モル%以下の量でZrOを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下、0.0モル%以上かつ7.5モル%以下、0.3モル%以上かつ20.0モル%以下、0.5モル%以上かつ8.0モル%以下、1.75モル%以上かつ7.25モル%以下、6.99モル%以上かつ7.0モル%以下、0.0モル%以上かつ20.0モル%以下、0.0モル%以上かつ5.0モル%以下、5.0モル%以上かつ7.0モル%以下、7.0モル%以上かつ7.25モル%以下、7.5モル%以上かつ8.0モル%以下、8.0モル%以上かつ10.0モル%以下、10.0モル%以上かつ20.0モル%以下、10.0モル%以上かつ14.0モル%以下の量でZrOを含有することがある。
【0073】
ガラス組成物は酸化ビスマス(Bi)を含むことがある。Biは、非常に高い屈折率を与え、密度の増加をもたらす。しかしながら、高温では溶融物の粘度を減少させることがあり、これにより、冷却中に溶融物の結晶化をもたらすことがある。したがって、酸化ビスマスの含有量は制限されるべきである、またはガラス組成物はBiを含まないことがある。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上から35.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量で酸化ビスマス(Bi)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、5.0モル%以上、20.0モル%以上、25.0モル%以上、または30.0モル%以上の量でBiを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、35.0モル%以下、30.0モル%以下、25.0モル%以下、20.0モル%以下、10.0モル%以下、7.5モル%以下、7.0モル%以下、または5.0モル%以下の量でBiを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ35.0モル%以下、0.0モル%以上かつ20.0モル%以下、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下、0.0モル%以上かつ7.5モル%以下、0.0モル%以上かつ7.0モル%以下の量でBiを含有することがある。
【0074】
ガラス組成物はニオビア(Nb)を含むことがある。ニオビアは、低密度を維持しつつ、ガラスの屈折率を増加させるために使用することができる。しかしながら、ニオビアは、チタニアと同じ方法で退色させることのできない黄色の着色をガラスに導入し得、これにより、特に、青色と紫外範囲で、透過率が低下し得る。ニオビアは、溶融物の結晶化および/または相分離をもたらせることがある。いくつかの実施の形態において、ガラスは、Nbを実質的に含まないことがある。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上から50.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量でニオビア(Nb)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、0.3モル%以上、1.0モル%以上、3.0モル%以上、4.5モル%以上、5.0モル%以上、6.0モル%以上、7.8モル%以上、10.0モル%以上、25.0モル%以上、35.0モル%以上、40.0モル%以上、または45.0モル%以上の量でNbを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、50.0モル%以下、45.0モル%以下、40.0モル%以下、35.0モル%以下、25.0モル%以下、20.0モル%以下、19.5モル%以下、19.0モル%以下、18.0モル%以下、16.5モル%以下、15.0モル%以下、または10.0モル%以下の量でNbを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.3モル%以上かつ50.0モル%以下、0.3モル%以上かつ20.0モル%以下、0.3モル%以上かつ19.5モル%以下、1.0モル%以上かつ19.0モル%以下、3.0モル%以上かつ20.0モル%以下、4.5モル%以上かつ18.0モル%以下、6.0モル%以上かつ16.5モル%以下、7.79モル%以上かつ15.0モル%以下、0.0モル%以上かつ50.0モル%以下、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下、10.0モル%以上かつ15.0モル%以下、15.0モル%以上かつ50.0モル%以下、16.5モル%以上かつ18.0モル%以下、18.0モル%以上かつ50.0モル%以下、18.0モル%以上かつ19.0モル%以下、19.0モル%以上かつ19.5モル%以下、19.5モル%以上かつ50.0モル%以下の量でNbを含有することがある。
【0075】
ガラス組成物はチタニア(TiO)を含むことがある。屈折率を増加させるためにガラス中に典型的に使用されるレベルのTiOおよび/またはNbは、近紫外領域の透過率を減少させ、紫外線カットオフをより高い波長にシフトさせる傾向にある。したがって、TiOの量は制限される。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上から50.0モル%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量でチタニア(TiO)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、0.3モル%以上、1.0モル%以上、5.0モル%以上、6.0モル%以上、7.5モル%以上、8.0モル%以上、10.0モル%以上、25.0モル%以上、35.0モル%以上、40.0モル%以上、または45.0モル%以上の量でTiOを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、50.0モル%以下、45.0モル%以下、40.0モル%以下、35.0モル%以下、30.0モル%以下、28.0モル%以下、25.0モル%以下、22.0モル%以下、20.0モル%以下、19.0モル%以下、17.0モル%以下、または10.0モル%以下の量でTiOを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.3モル%以上かつ50.0モル%以下、0.3モル%以上かつ30.0モル%以下、1.0モル%以上かつ19.0モル%以下、5.0モル%以上かつ25.0モル%以下、6.0モル%以上かつ22.0モル%以下、7.5モル%以上かつ28.0モル%以下、8.0モル%以上かつ20.0モル%以下、10.0モル%以上かつ16.98モル%以下、0.0モル%以上かつ50.0モル%以下、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下、17.0モル%以上かつ19.0モル%以下、19.0モル%以上かつ20.0モル%以下、22.0モル%以上かつ50.0モル%以下、22.0モル%以上かつ25.0モル%以下、25.0モル%以上かつ28.0モル%以下の量でTiOを含有することがある。
【0076】
ガラス組成物は酸化タングステン(WO)を含むことがある。WOは、密度を著しく増加させずに、または望ましくない着色を生じさせずに、高い屈折率を与える。また、ガラス組成物にWOを加えると、液相温度を低下させることができ、これにより、そのようなガラスをより低い温度で溶融することができ、これは転じて、そのようなガラスの透過率を増加させるであろうことが経験的に分かった。また、WOを添加すると、ガラス転移温度Tgを低下させることができ、これにより、より低い温度でこれらのガラスを成形できる。WOが高濃度だと、液相温度が上昇する傾向にあり、液相温度での粘度が低下し、冷却するときに、溶融物の結晶化を避けるのが難しくなる。したがって、WOの含有量は制限されるべきである、またはガラス組成物はWOを含まないことがある。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上から40.0モル%以下、及び先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量で酸化タングステン(WO)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上、1.0モル%以上、2.0モル%以上、3.0モル%以上、5.0モル%以上、6.0モル%以上、9.0モル%以上、20.0モル%以上、25.0モル%以上、30.0モル%以上、または35.0モル%以上の量でWOを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、40.0モル%以下、35.0モル%以下、30.0モル%以下、26.0モル%以下、25.0モル%以下、23.0モル%以下、20.0モル%以下、または5.0モル%以下の量でWOを含有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0モル%以上かつ35.0モル%以下、0.0モル%以上かつ30.0モル%以下、1.0モル%以上かつ40.0モル%以下、2.0モル%以上かつ26.0モル%以下、3.0モル%以上かつ35.0モル%以下、5.0モル%以上かつ23.0モル%以下、8.68モル%以上かつ20.45モル%以下、0.0モル%以上かつ40.0モル%以下、5.0モル%以上かつ40.0モル%以下、5.0モル%以上かつ20.0モル%以下、23.0モル%以上かつ40.0モル%以下、23.0モル%以上かつ25.0モル%以下、25.0モル%以上かつ26.0モル%以下、26.0モル%以上かつ30.0モル%以下、30.0モル%以上かつ35.0モル%以下の量でWOを含有することがある。
【0077】
ガラス組成物はフッ素(F)を含むことがある。ガラス組成物にフッ素を加えると、より低い光学分散が与えられ、これにより、画質が改善されることが知られている。また、フッ素は、ある場合には、液相温度を低下させ、溶融物を冷却したときに、ガラス物品が結晶化するのを防ぐことができる。しかしながら、フッ素は、生態系の懸念の対象であることがある。その理由のために、フッ素の含有量は制限される、またはガラスはフッ素を含まない。実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0原子%以上から5.0原子%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量でフッ素(F)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0原子%以上、または2.5原子%以上の量でFを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、5.0原子%以下、2.5原子%以下、または0.1原子%以下の量でFを含有することがある。
【0078】
実施の形態において、ガラス組成物は0.0原子%以上から1.0原子%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量で塩素(Cl)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0原子%以上、または0.5原子%以上の量でClを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、1.0原子%以下、または0.5原子%以下の量でClを含有することがある。
【0079】
実施の形態において、ガラス組成物は0.0原子%以上から1.0原子%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量で臭素(Br)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0原子%以上、または0.5原子%以上の量でBrを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、1.0原子%以下、または0.5原子%以下の量でBrを含有することがある。
【0080】
実施の形態において、ガラス組成物は0.0原子%以上から1.0原子%以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の量でヨウ素(I)を含有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、0.0原子%以上、または0.5原子%以上の量でIを含有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、1.0原子%以下、または0.5原子%以下の量でIを含有することがある。
【0081】
いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、30.0モル%以下の合計量でAl+REを有することがある。
【0082】
いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、5.0モル%以下または1.0モル%以下の合計量でRO+ROを有することがある。
【0083】
いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物では、RE+ZrO+TiO+Nb+WOの合計が、0.0モル%以上、10.0モル%以上、20.0モル%以上、30.0モル%以上、40.0モル%以上、50.0モル%以上、60.0モル%以上、または65.0モル%以上であることがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物では、RE+ZrO+TiO+Nb+WOの合計が、69.0モル%以下、60.0モル%以下、50.0モル%以下、40.0モル%以下、30.0モル%以下、20.0モル%以下、または10.0モル%以下であることがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物では、RE+ZrO+TiO+Nb+WOの合計が、0.0モル%から69.0モル%、0.0モル%から50.0モル%、0.0モル%から30.0モル%、10.0モル%から50.0モル%、10.0モル%から30.0モル%、20.0モル%から60.0モル%、20.0モル%から50.0モル%、30.0モル%から69.0モル%、30.0モル%から60.0モル%、40.0モル%から60.0モル%、21.0モル%から46.0モル%、33.0モル%から63.0モル%、または9.0モル%から39.0モル%であることがある。
【0084】
いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物では、SiO+GeOの合計が4.8モル%以下であることがある。
【0085】
いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物では、TiO+Nbの合計が、0.0モル%以上、0.6モル%以上、10.0モル%以上、20.0モル%以上、21.0モル%以上、30.0モル%以上、40.0モル%以上、または50.0モル%以上であることがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物では、TiO+Nbの合計が、60.0モル%以下、50.0モル%以下、40.0モル%以下、35.0モル%以下、30.0モル%以下、29.6モル%以下、20.0モル%以下、または10.0モル%以下であることがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物では、TiO+Nbの合計が、0.0モル%から35.0モル%、0.6モル%から60.0モル%、0.0モル%から60.0モル%、0.0モル%から40.0モル%、10.0モル%から40.0モル%、10.0モル%から30.0モル%、10.0モル%から20.0モル%、20.0モル%から40.0モル%、21.0モル%から30.0モル%、8.0モル%から35.0モル%、3.0モル%から43.0モル%、または15.0モル%から55.0モル%であることがある。
【0086】
いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物では、WO+TiOの合計が、0.0モル%以上、5.0モル%以上、10.0モル%以上、15.0モル%以上、20.0モル%以上、23.0モル%以上、25.0モル%以上、30.0モル%以上、または35.0モル%以上であることがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物では、WO+TiOの合計が、40.0モル%以下、35.0モル%以下、34.0モル%以下、30.0モル%以下、25.0モル%以下、20.0モル%以下、15.0モル%以下、10.0モル%以下、または5.0モル%以下であることがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物では、WO+TiOの合計が、0.0モル%から40.0モル%、0.0モル%から30.0モル%、0.0モル%から15.0モル%、5.0モル%から15.0モル%、10.0モル%から15.0モル%、20.0モル%から40.0モル%、20.0モル%から35.0モル%、20.0モル%から30.0モル%、23.0モル%から35.0モル%、23.0モル%から34.0モル%、8.0モル%から20.0モル%、0モル%から28.0モル%、または15.0モル%から27.0モル%であることがある。
【0087】
いくつかの実施の形態において、ガラスには、差B+SiO-Pに限定があることがある。差(B+SiO-P)により、ホウ酸塩、ケイホウ酸塩およびホウケイ酸塩ガラスがリン酸塩ガラスから区別される。差(B+SiO-P)の正の値により、ホウ酸塩、ケイホウ酸塩またはホウケイ酸塩ガラスが特定され、一方で、この数量の負の値により、リン酸塩ガラスが特定される。いくつかの実施の形態において、そのガラスでは、差B+SiO-Pが0モル%以上であることがある。いくつかの実施の形態においてそのガラス組成物では、差B+SiO-Pが、0モル%以上、1モル%以上、5モル%以上、10モル%以上、15モル%以上、20モル%以上、25モル%以上、30.0モル%以上、または35モル%以上であることがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物では、差B+SiO-Pが、40モル%以下、35モル%以下、30モル%以下、25モル%以下、20モル%以下、または15モル%以下であることがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物では、差B+SiO-Pが、0モル%から40モル%、0モル%から10モル%、1モル%から20モル%、1モル%から10モル%、5モル%から20モル%、5モル%から10モル%、10モル%から30モル%、10モル%から20モル%、15モル%から40モル%、15モル%から35モル%、15モル%から30モル%、15モル%から25モル%、15モル%から20モル%、20モル%から25モル%、20モル%から35モル%、6モル%から25モル%、または9モル%から31モル%であることがある。
【0088】
いくつかの実施の形態において、ガラス組成物には、差TiO-SiOに限定があることがある。この差が大きいほど、所定の密度で到達すると予測される屈折率が高くなるであろう。しかしながら、この差が大きすぎると、結晶化および/または透過率の低下をもたらすことのある、相分離の虞が現れることがある。いくつかの実施の形態において、そのガラスでは、差TiO-SiOが、7.5モル%以上、8モル%以上、8モル%以上、10モル%以上、12モル%以上、または15モル%以上であることがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物では、差TiO-SiOが、16モル%以下、15モル%以下、12モル%以下、または10モル%以下であることがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物では、差TiO-SiOが、8モル%から16モル%、8モル%から15モル%、8モル%から12モル%、8モル%から16モル%、8モル%から15モル%、8モル%から12モル%、10モル%から16モル%、10モル%から15モル%、10モル%から12モル%、12モル%から16モル%、12モル%から15モル%、9モル%から12モル%、11モル%から14モル%、または11モル%から15モル%であることがある。
【0089】
いくつかの実施の形態において、前記ガラス組成物から製造されるガラスは、1.85以上から2.10、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲のnを有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラスは、1.85以上、1.86以上、1.88以上、1.90以上、1.92以上、1.95以上、1.98以上、2.01以上、2.04以上、2.05以上、2.06以上、または2.08以上のnを有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラスは、2.10以下、2.08以下、2.08以下、2.07以下、2.06以下、2.05以下、2.04以下、2.03以下、1.95以下、1.92以下、1.90以下、1.88以下、または1.86以下のnを有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラスは、1.85以上から2.10、1.92以上から2.08、1.95以上から2.07、1.85以上かつ2.06以下、1.85以上かつ1.86以下、1.86以上かつ1.95以下、1.88以上かつ2.07以下、1.88以上かつ1.92以下、1.90以上かつ2.07以下、1.90以上かつ1.92以下、1.92以上かつ2.04以下、1.95以上かつ2.08以下、1.95以上かつ2.06以下、1.95以上かつ2.04以下、2.03以上かつ2.08以下、2.03以上かつ2.06以下、1.86以上かつ1.94以下、1.87以上かつ1.98以下、または1.98以上かつ2.08以下のnを有することがある。
【0090】
いくつかの実施の形態において、前記ガラス組成物は、850℃以上から1350℃以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の液相温度Tliqを有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス組成物は、850℃以上、860℃以上、880℃以上、900℃以上、1000℃以上、1065℃以上、1100℃以上、1200℃以上、1300℃以上、1320℃以上、または1340℃以上のTliqを有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラス組成物は、1350℃以下、1340℃以下、1320℃以下、1300℃以下、1200℃以下、1108℃以下、1100℃以下、1050℃以下、1000℃以下、900℃以下、880℃以下、または860℃以下のTliqを有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラス組成物は、850℃以上から1350℃、850℃以上かつ1200℃以下、850℃以上かつ1000℃以下、860℃以上かつ1300℃以下、860℃以上かつ900℃以下、880℃以上かつ1350℃以下、880℃以上かつ1300℃以下、880℃以上かつ1100℃以下、880℃以上かつ900℃以下、900℃以上かつ1300℃以下、1000℃以上かつ1200℃以下、1000℃以上かつ1100℃以下、1050℃以上かつ1350℃以下、1050℃以上かつ1100℃以下、1100℃以上かつ1320℃以下、919℃以上かつ1175℃以下、1100℃以上かつ1308℃以下、または919℃以上かつ1100℃以下のTliqを有することがある。
【0091】
いくつかの実施の形態において、前記ガラスは、500℃以上から725℃以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲のガラス転移温度Tgを有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラスは、500℃以上、510℃以上、520℃以上、530℃以上、550℃以上、600℃以上、625℃以上、650℃以上、660℃以上、700℃以上、710℃以上、または720℃以上のTgを有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラスは、725℃以下、720℃以下、710℃以下、700℃以下、687℃以下、650℃以下、600℃以下、550℃以下、530℃以下、520℃以下、または510℃以下のTgを有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラスは、500℃以上から700℃、500℃以上かつ725℃以下、500℃以上かつ600℃以下、500℃以上かつ520℃以下、510℃以上かつ700℃以下、510℃以上かつ600℃以下、520℃以上かつ725℃以下、520℃以上かつ700℃以下、530℃以上かつ710℃以下、530℃以上かつ600℃以下、550℃以上かつ710℃以下、550℃以上かつ600℃以下、600℃以上かつ710℃以下、600℃以上かつ687℃以下、650℃以上かつ725℃以下、650℃以上かつ720℃以下、650℃以上かつ687℃以下、597℃以上かつ718℃以下、531℃以上かつ670℃以下、または531℃以上かつ630℃以下のTgを有することがある。
【0092】
いくつかの実施の形態において、前記ガラスは、4.50g/cm以上から6.00g/cm以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲の使途音での密度dRTを有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラスは、4.50g/cm以上、4.60g/cm以上、4.70g/cm以上、4.80g/cm以上、5.00g/cm以上、5.50g/cm以上、5.70g/cm以上、5.80g/cm以上、または5.90g/cm以上のdRTを有することがある。いくつかの他の実施の形態において、そのガラスは、6.00g/cm以下、5.90g/cm以下、5.80g/cm以下、5.70g/cm以下、5.50g/cm以下、5.30g/cm以下、5.00g/cm以下、4.80g/cm以下、4.70g/cm以下、または4.60g/cm以下のdRTを有することがある。いくつかの追加の実施の形態において、そのガラスは、4.50g/cm以上から5.50g/cm、4.50g/cm以上かつ6.00g/cm以下、4.50g/cm以上かつ5.70g/cm以下、4.60g/cm以上かつ5.70g/cm以下、4.70g/cm以上かつ5.50g/cm以下、4.70g/cm以上かつ5.00g/cm以下、4.80g/cm以上かつ5.80g/cm以下、4.80g/cm以上かつ5.50g/cm以下、4.80g/cm以上かつ5.00g/cm以下、5.00g/cm以上かつ5.80g/cm以下、5.30g/cm以上かつ5.90g/cm以下、5.30g/cm以上かつ5.70g/cm以下、5.30g/cm以上かつ5.50g/cm以下、4.73g/cm以上かつ5.42g/cm以下、5.05g/cm以上かつ5.50g/cm以下、または5.14g/cm以上かつ5.70g/cm以下のdRTを有することがある。
【0093】
いくつかの実施の形態において、前記ガラス組成物は、0.5以上または0.75以上の液相粘度の常用対数を有することがある。
【0094】
いくつかの実施の形態において、前記ガラスは、0以上の数量n-(1.437+0.0005liq)を有することがある。
【0095】
いくつかの実施の形態において、前記ガラスは、0以上の数量n-(1.481+0.0005liq)を有することがある。
【0096】
いくつかの実施の形態において、前記ガラスは、0以上の数量(n-1)/dRT-(0.269-0.12)を有することがある。
【0097】
いくつかの実施の形態において、前記ガラスは、0以上の数量(n-1)/dRT-(0.274-0.12)を有することがある。
【0098】
いくつかの実施の形態において、前記ガラスは、0以上の数量n-(1.571+0.083RT)を有することがある。
【0099】
透過率指数Tは、以下の式(I):
【0100】
により計算される数量であり、ここで、化学式は、モル%で表されるガラス組成物中の対応する成分の量を意味する。
【0101】
図1は、式(I)による透過率指数Tと数量λ70%との間の関係を示す。数量λ70%は、測定数量であり、厚さ10mmのプレートの形態にあるガラス試料に関する70%以上の全透過率に対応する最小波長を表す。λ70%のより低い値は、概して、ガラス試料が高い内部透過率を有する波長のより高い範囲に対応し、したがって、λ70%のより低い値は、概して、ガラス試料全体のより高い透過率に対応する。図1におけるデータ点は、米国特許第10287205号明細書(US 10287205と付されている)、米国特許出願公開第2011/105294号明細書(US 2011105294と付されている)、および国際公開第2020/034215号(WO 2020034215と付されている)から得られたデータに対応する。米国特許第10287205号明細書には、陽イオンパーセントでガラス組成物が報告された。モル%で表される式(I)による透過率指数Tを計算するために、陽イオンパーセント値は、酸素を除いた原子の原子パーセントと等しいと仮定し、陽イオンパーセント値を、酸化物のモルパーセントに変換し、式(I)に適用した。図1に示されるように、このデータは、数量λ70%と透過率指数Tとの間の相関関係を示す。
【0102】
屈折率n、密度dRT、屈折(n-1)/dRTおよびガラス転移温度Tgは、前記ガラス組成物から予測されるガラスの性質である。下記の実施例のセクションにおける本開示の例示のガラスおよび文献に報告された他のガラス組成物の線形回帰分析を行って、屈折率n、密度dRT、屈折(n-1)/dRTおよびガラス転移温度Tgの組成依存性を予測できる式を決定した。
【0103】
下記の表1に規定された基準を満たし、関心のある性質の測定値を有するガラス組成物の訓練データ集合(各性質(屈折率n、密度dRT、屈折(n-1)/dRTおよびガラス転移温度Tg)について、約100のガラス組成物)を、公表されているSciGlass Information Systemデータベースに提示された文献データ、およびここに提示された実施の形態からの例示のガラスから、無作為に選択した。先に特定されたデータ集合に対する線形回帰分析を使用して、有意ではない変数と異常値を排除して、式を決定した。得られた式が、下記の表2に提示されている。同じ基準を満たすガラス組成物の別の一部が、予め規定された組成範囲内に入る能力を評価するための検証データ集合として使用した。これは、表2に規定された標準偏差に相当する。またSciGlass Information Systemから無作為に選択された、従来技術のガラス組成物の外部データ集合を使用して、妥当な精度で、既定の組成範囲の外部にある性質を予測する能力を評価した。表2に規定された上述した回帰式に対応する、各性質に最良の確率変数を決定するために、このプロセスを何回も反復した。
【0104】
訓練データ集合、検証データ集合、および外部データ集合を含む、線形回帰モデル化に使用した比較のガラス組成物のデータを、公表されているSciGlass Information Systemデータベースから得た。下記の式(II)、(III)、(IV)および(V)は、線形回帰分析から得て、ガラスの、それぞれ、屈折率n、密度dRT、屈折(n-1)/dRTおよびガラス転移温度Tgを予測するために使用した:
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
式(II)、(III)、(IV)および(V)並びに表1および2において、屈折率パラメータPは、モル%で表されるガラス組成物の成分から計算される、587.56nmでの屈折率nを予測するパラメータであり;密度パラメータPは、モル%で表されるガラス組成物の成分から計算される、室温での密度dRT[g/cm]を予測するパラメータであり;屈折パラメータPrefは、モル%で表されるガラス組成物の成分から計算される、屈折(n-1)/dRTを予測するパラメータであり;TgパラメータPTgは、モル%で表されるガラス組成物の成分から計算される、ガラス転移温度Tg[℃]を予測するパラメータである。
【0109】
式(II)、(III)、(IV)および(V)において、ガラス組成物の各成分は、化学式に関して列挙されており、ここで、化学式は、モル%で表されるバッチ配合された状態のガラス組成物中の成分の濃度を称する。式(II)、(III)、(IV)および(V)に列挙された全ての成分が、必ずしも、特定のガラス組成物中に存在する訳ではなく、式(II)、(III)、(IV)および(V)は、その式に列挙された成分を全てではなく一部を含有するガラス組成物について同等に有効であることが理解されよう。式(II)、(III)、(IV)および(V)は、式に列挙された成分に加え、複数の成分を含有する本開示の範囲および請求項に入るガラス組成物についても有効であることがさらに理解されよう。式(II)、(III)、(IV)および(V)に列挙された成分が、特定のガラス組成物中に存在しない場合、ガラス組成物中のその成分の濃度は0モル%であり、式から計算される値に対するその成分の寄与はゼロである。表1において、REは、希土類金属酸化物の総計である。
【0110】
【表1】
【0111】
【表2】
【0112】
図2は、いくつかの文献のガラス(「比較のガラス」)およびいくつかの例示のガラス(「例示のガラス」)に関する測定屈折率nの関数としての式(II)で計算されたパラメータPのプロットである。図2のデータで示されるように、パラメータPの組成依存性は、表2に規定された標準誤差に相当する、ガラスの大半に関する測定nの±0.021単位の範囲内の誤差を有した。
【0113】
図3は、いくつかの文献のガラス(「比較のガラス」)およびいくつかの例示のガラス(「例示のガラス」)に関する測定密度dRTの関数としての式(III)で計算されたパラメータPのプロットである。図3のデータで示されるように、パラメータPの組成依存性は、表2に規定された標準誤差に相当する、ガラスの大半に関する測定dRTの±0.12単位の範囲内の誤差を有した。
【0114】
図4は、いくつかの文献のガラス(「比較のガラス」)およびいくつかの例示のガラス(「例示のガラス」)に関する測定屈折(n-1)/dRTの関数としての式(IV)で計算されたパラメータPrefのプロットである。図4のデータで示されるように、パラメータPrefの組成依存性は、表2に規定された標準誤差に相当する、ガラスの大半に関する測定屈折(n-1)/dRTの±0.006単位の範囲内の誤差を有した。
【0115】
図5は、いくつかの文献のガラス(「比較のガラス」)およびいくつかの例示のガラス(「例示のガラス」)に関する、測定したガラス転移温度Tgの関数としての式(V)で計算されたパラメータPTgのプロットである。図5のデータで示されるように、パラメータPTgの組成依存性は、表2に規定された標準誤差に相当する、ガラスの大半に関する測定Tgの±15単位の範囲内の誤差を有した。
【0116】
ガラス組成の関数としてTgを検討する場合、この数量の数値は、測定方法(示差走査熱量測定法[DSC]、示差熱分析法[DTA]、熱機械分析法[TMA]など)、測定条件(試料を加熱する場合のTgを測定するときの加熱速度など)、および熱履歴(試料の溶融から始まる、事前熱処理の時間と温度のスケジュールを意味する)に依存するであろうことを理解すべきである。それが、ガラス組成からの計算結果とのTgの測定値の比較により、異なる測定方法、および/または異なる工程条件、および/または異なる熱履歴により生じるある程度の偏差が与えられる理由である。異なる供給源から得られた公表データの、公表されているSciGlass Information Systemデータベースの使用により行われた分析により、典型的に、同じ組成について報告された、異なるやり方で得られたTgの値は、約±10~20℃以内で互いから逸脱し、この温度範囲は、典型的に、本開示に検討した範囲内でガラス組成を変えることにより生じるTgのばらつきよりも何倍も小さいことが示される。
【0117】
したがって、本開示に示されたガラス組成からTgを予測するための式は、本開示に記載された実験条件および方法に関し、これは、特別な事前処理を行わずに、本開示に記載された手順にしたがって10℃/分の速度で冷却されたガラス試料を加熱するときのDSC法による測定を仮定する。そのような計算結果を文献に公表されたデータと比較する場合、Tgの公表値は、典型的に、ここに使用した条件で得られた値から約20℃より大きくは逸れないと仮定される。
【0118】
表3では、本開示のいくつかの実施の形態による成分とそれぞれの量の組合せが特定されている。表3の例示のガラスAは、ここに記載されたように、本開示の任意の態様による追加の成分を含むことがある。
【0119】
【表3】
【0120】
本開示の実施の形態による例示のガラスAは、1.92から2.08の587.56nmでの屈折率nを有することがある。
【0121】
本開示のいくつかの実施の形態によれば、例示のガラスAは、850から1350の液相温度Tliq[℃]も有することがある。
【0122】
本開示のいくつかの実施の形態によれば、例示のガラスAは、以下の式:
-(1.437+0.0005liq)>0.00
みを満たすこともあり、式中、nは、587.56nmでの屈折率であり、Tliqは液相温度である。
【0123】
本開示のいくつかの実施の形態によれば、例示のガラスAは、以下の式:
-(1.481+0.0005liq)>0.00
を満たすこともあり、式中、nは、587.56nmでの屈折率であり、Tliqは液相温度である。
【0124】
表4では、本開示のいくつかの実施の形態による成分とそれぞれの量の組合せが特定されている。表4の例示のガラスBは、ここに記載されたように、本開示の任意の態様による追加の成分を含むことがある。
【0125】
【表4】
【0126】
本開示のいくつかの実施の形態による例示のガラスBは、以下の条件:
TiO-SiO[モル%]≧7.5
を満たすことがあり、式中、化学式は、モル%で表される、ガラス中の成分の量を称する。
【0127】
本開示のいくつかの実施の形態によれば、例示のガラスBは、以下の条件:
+SiO-P[モル%]≧0.00
を満たすこともあり、式中、化学式は、モル%で表される、ガラス中の成分の量を称する。
【0128】
本開示のいくつかの実施の形態によれば、例示のガラスBは、1.85から2.1の587.56nmでの屈折率nも有することがある。
【0129】
本開示のいくつかの実施の形態によれば、例示のガラスBは、以下の式:
(n-1)/dRT-(0.269-0.12)>0.00
を満たすこともあり、式中、(n-1)/dRTは、屈折率対密度比(「屈折」)(cm/g)であり、Tは透過率指数である。
【0130】
本開示のいくつかの実施の形態によれば、例示のガラスBは、以下の式:
(n-1)/dRT-(0.274-0.12)>0.00
を満たすこともあり、式中、(n-1)/dRTは、屈折率対密度比(「屈折」)(cm/g)であり、Tは透過率指数である。
【0131】
表5に、本開示のいくつかの実施の形態による成分とそれぞれの量の組合せが特定されている。表5の例示のガラスCは、ここに記載されたような本開示の任意の態様による追加の成分を含むことがある。
【0132】
【表5】
【0133】
本開示の実施の形態による例示のガラスCは、以下の条件:
+SiO-P[モル%]≧0.50
を満たすことがあり、式中、化学式は、モル%で表される、ガラス中の成分の量を称する。
【0134】
本開示のいくつかの実施の形態によれば、例示のガラスCは、500から700のガラス転移温度Tg[℃]も有することがある。
【0135】
本開示のいくつかの実施の形態によれば、例示のガラスCは、6以下の、室温での密度dRT[g/cm]も有することがある。
【0136】
本開示のいくつかの実施の形態によれば、例示のガラスCは、以下の式:
-(1.571+0.083RT)>0.00
を満たすこともあり、式中、nは、587.56nmでの屈折率であり、dRTは、室温での密度(g/cm)である。
【実施例
【0137】
以下の実施例は、本開示により与えられる様々な特徴と利点を記載しており、本発明と付随の特許請求の範囲を限定することは決して意図されていない。
【0138】
本開示のいくつかの例示のガラスのガラス試料を調製するために、各試料(バッチ配合された状態の組成物中の意図する成分の含有量は、99.99質量%超であった)を約15グラム、1時間に亘り白金または白金-ロジウム坩堝(Pt:Rh=80:20)内で約1300℃の温度でバッチ原材料から溶融した。2つの制御された冷却条件を適用した。第1の条件(「15分試験」または「15分失透(devit)試験」と称される)において、炉内で試料が1100℃から500℃に冷めるのに約15分かかった。第2の条件(「2.5分試験」または「2.5分失透試験」と称される)において、炉内の空気中で試料が1100℃から500℃に冷めるのに約2.5分かかった。温度の読み取り値は、炉の温度を直接読み取って、または換算表でIRカメラの読み取り値を使用して、得た。第1の条件(15分試験)は、1000℃の温度で300℃/分までの冷却速度にほぼ相当し、第2の試験は、1000℃(この温度近くまで、冷却速度は最大値に到達した)で600℃/分までの冷却速度にほぼ相当する。温度がより低い場合、冷却速度も著しく低下する。第1と第2の冷却方式の典型的なスケジュールが、図6に示されている。これの試料について、「15分失透試験」および「2.5分失透試験」と称される観察が、下記の表6に規定されている;ガラス組成物が表示の失透試験に合格した(組成物の溶融物が、100倍から500倍の倍率で光学顕微鏡で目に見える結晶を含まないガラスを形成した場合に、その組成物が表示の失透試験に合格したと考えられる)ことを示すために、観察「1」が使用される。ガラス組成物が表示の失透試験に失格したことを示すために、観察「0」が使用される。
【0139】
特に明記のない限り、本開示の例示のガラスに関する他のガラス試料を調製するために、純粋な白金坩堝内で1キログラムの成分のバッチを調製した。その坩堝を、1250℃の温度に設定した炉に入れ、その後、炉の温度を1300℃に上昇させ、2時間に亘り1300℃に保持した。次に、炉の温度を1250℃に低下させ、1時間に亘りこの温度でガラスを平衡化させ、その後、スチール製テーブル上に注ぎ、続いて、1時間に亘りTgで徐冷した。
【0140】
いくつかの試験溶融物を、ジュール効果で加熱された「1リットル」白金坩堝内でも溶融させた。この過程中、約3700gの原材料を使用した。坩堝は、1250℃で1.5時間で満たされた。次に、温度を1300℃に上昇させ、1時間に亘り保持した。この工程中、ガラスは60rpmで連続撹拌した。次に、温度を1200℃に低下させ、そこで、30分に亘り平衡化させ、撹拌速度を20rpmに低下させた。供給管を1225℃で加熱し、ガラスを、冷えたグラファイト製テーブル上に注型した。ガラスを、厚さ約25mm、幅50mm、長さ90cmの棒材に形成した。調製された棒材を光学顕微鏡で検査して、結晶化をチェックした。それらの棒材は、全て結晶を含まなかった。光学顕微鏡で観察したガラス品質は、棒材には脈理と気泡がなく、良好であった。大雑把な徐冷のために、ガラスを1時間に亘り焼き鈍し炉にTgで入れた。次に、棒材をTgで1時間に亘り静止炉内で徐冷し、次いで、温度を1℃/分で低下させた。
【0141】
試料のいくつかを、透過率を改善するために、溶融後に退色させた。退色過程は、500℃と、結晶化開始温度Tとの間の温度で行った。温度が約500℃より低い場合、退色過程は、速度が遅いために、長くかかりすぎることがある。退色の温度がTを超えると、熱処理したときに、ガラスが結晶化することがある。退色温度が高いほど、退色過程が速く進行するが、結果として得られる透過率の値が低くなり得る。
【0142】
試験試料の化学分析は行わなかった。何故ならば、独立した溶融で調製した類似の試料について、XRF法(X線蛍光-BおよびLiOを除いて、全ての酸化物について)、ICP法(誘導結合プラズマ質量分析法-Bについて)、およびFES法(フレーム発光分析-LiOについて)により化学分析を行ったからである。これらの分析により、同等に約1モル%未満であるNbなどの主成分について、±2.0質量%以内の、バッチ配合した状態の組成からの偏差が得られた。表6および7において、下付文字を伴う略称「n」は、nmで表された対応する波長での屈折率を称する;例えば、n632.8nmは、632.8nmの波長での屈折率を称する。Tは、結晶化開始温度を称する。
【0143】
例示のガラス1を含む、例示のガラスのいくつかについて、液相温度は、結果として得られた材料を裸眼で観察する、勾配ボート試験、および結果として得られた材料を光学顕微鏡で観察する、24時間の等温試験を含む、先に規定した方法のいくつかを使用することによって、測定した。両方の方法により、±7℃以内で互いに一貫した結果が得られた。
【0144】
【表6-1】
【0145】
【表6-2】
【0146】
【表6-3】
【0147】
【表6-4】
【0148】
【表6-5】
【0149】
【表6-6】
【0150】
【表6-7】
【0151】
【表6-8】
【0152】
【表6-9】
【0153】
【表6-10】
【0154】
【表6-11】
【0155】
【表6-12】
【0156】
【表6-13】
【0157】
【表6-14】
【0158】
【表6-15】
【0159】
【表6-16】
【0160】
【表6-17】
【0161】
【表6-18】
【0162】
【表6-19】
【0163】
下記の表7には、比較のガラスC1~C44のガラス組成と性質が列挙されている。
【0164】
【表7-1】
【0165】
【表7-2】
【0166】
【表7-3】
【0167】
【表7-4】
【0168】
【表7-5】
【0169】
【表7-6】
【0170】
表7に列挙された比較のガラスの各々に関する参照文献は、以下のとおりである:[1]米国特許第10287205B2号明細書;[2]米国特許第8575048B2号明細書;[3]米国特許第8609560B2号明細書;[4]米国特許第8835336B2号明細書;[5]米国特許第9255028B2号明細書;[6]米国特許第9302930B2号明細書;[7]米国特許第9394194B2号明細書;[8]米国特許第9643880B2号明細書;[9]国際公開第2020/045417A1号;[10]国際公開第2020/062009A1号;[11]特開2020-073453A号公報;[12]特開昭52-129716A号公報;[13]特開平9-278480号公報;[14]米国仮特許出願第63/076551号明細書;[15]米国特許第4584279A号明細書;[16]米国特許第8728963B2号明細書;[17]国際公開第2012/099168A1号;[18]国際公開第2020/034215A1号;[19]米国特許第8661853B2号明細書;[20]中国特許第101215082号明細書;[21]中国特許第104583142B号明細書;[22]特開昭53-4023号公報;[23]米国特許第4268312A号明細書;[24]米国特許第8404606B2号明細書;[25]米国特許第8476177B2号明細書;[26]米国特許出願公開第2015/225282号明細書;[27]Imaoka M.,Yamazaki T., Refractive index and Abbes number of glass of lanthanum borate system, 窯業協会誌、1962年、70巻、5号、115~123頁。
【0171】
=2.0などの高い屈折率を有するガラスは、典型的に、高い液相温度で特徴付けられ、これにより、液相粘度が減少し、したがって、冷却時に溶融物が結晶化することがある。また、液相温度が高いガラスは、結晶化(透過率の低下を生じる、および/またはより長い退色手順を必要とすることがある)を避けるために、より高い温度で溶融されるべきである。それゆえ、屈折率の所定の値での液相温度が低いほど、得られるガラスの特徴がより良くなり、これらのガラスからの、ガラスの成形性がより高くなることが予測されるであろう。したがって、より低い液相温度での高い屈折率によって、より高い液相温度および/またはより低い屈折率を持つ類似物と比べて、所定のガラス組成物の利点が明らかになる。
【0172】
図7は、例示のガラスのいくつかおよび比較のガラスのいくつかに関する液相温度Tliqと屈折率パラメータPとの間の関係を示すプロットである。例示のガラス(黒丸)は、表6からの例1、40、48、50から53、58、60、62、66、67、69、71、72、122、123、125、127、128および133から141である。比較のガラス(白丸)は、表7からの例C1からC10である。屈折率パラメータPは、式(II)にしたがって決定した。図7に示された例示のガラスと比較のガラスの全ては、表8に特定された特徴を有している。表8において、仕様「限定せず」は、組成を選択するときに、検討しなかった限定を称する。
【0173】
【表8】
【0174】
表8に規定された特徴を有する公知のガラスの中でも、液相温度Tliqの同程度の値で最高の屈折率パラメータPを有するものとして、先に列挙された比較のガラスを選択した。
【0175】
図7に示された式y=1.437+0.0005xに相当する線は、表8に規定された特徴を有する比較のガラスと、本開示による例示のガラス1、40、48、50から53、58、60、62、66、67、69、71、72、122、123、125、127、128および133から141との間の区別を与える。図7から分かるように、上述した例示のガラス(黒丸)は、yが屈折率パラメータPに対応し、xが液相温度Tliqに対応する、線y=1.437+0.0005xより上にあり、図7に示された比較のガラス(白丸)のいずれも、上にはない。言い換えると、図7に示された例示のガラスのいくつかは、以下の式(VI)(a):
-(1.437+0.0005liq)>0.00 (VI)(a)
を満たし、図7に示された比較のガラスのいずれも、この式を満たさない。
【0176】
これも図7から分かるように、図7に示された例示のガラスのいくつかは、yが屈折率パラメータPに対応し、xが液相温度Tliqに対応する、線y=1.481+0.0005xより上にあり、図7に示された比較のガラスのいずれも、上にはない。言い換えると、図7に示された例示のガラスのいくつかは、以下の式(VI)(b):
-(1.481+0.0005liq)>0.00 (VI)(b)
を満たし、図7に示された比較のガラスのいずれも、この式を満たさない。
【0177】
図7に示された実施例は、予測により、表8に規定された特徴を有する最良の公知の比較のガラスに対して、TliqとPの組合せに関して、優れている。
【0178】
図8は、例示のガラスのいくつかと比較のガラスのいくつかに関する、液相温度Tliqとnとの間の関係を示すプロットである。例示のガラス(黒丸)は、表6からの例1から40である。比較のガラス(白丸)は、表7からの例C1、C3からC8およびC11からC13である。図8に示された例示のガラスと比較のガラスの全ては、表9に規定された特徴を有する。表9において、仕様「限定せず」は、組成を選択するときに、検討しなかった限定を称する。
【0179】
【表9】
【0180】
表9に規定された上述の特徴を有する公知のガラスの中でも、液相温度Tliqの同程度の値で、nの最高の測定値を有するものとして、先に列挙された比較のガラスを選択した。
【0181】
図8に示された式y=1.437+0.0005xに相当する線は、表9に規定された特徴を有する比較のガラスと、本開示による例示のガラス1および40との間の区別を与える。図8から分かるように、上述した例示のガラス(黒丸)は、yがnに対応し、xがTliqに対応する、線y=1.437+0.0005xより上にあり、図8に示された比較のガラス(白丸)のいずれも、上にはない。言い換えると、図8に示された例示のガラスのいくつかは、以下の式(VII)(a):
-(1.437+0.0005liq)>0.00 (VII)(a)
を満たし、図8に示された比較のガラスのいずれも、この式を満たさない。
【0182】
これも図8から分かるように、図8に示された例示のガラスのいくつかは、yがnに対応し、xがTliqに対応する、線y=1.481+0.0005xより上にあり、図8に示された比較のガラスのいずれも、上にはない。言い換えると、図8に示された例示のガラスは、以下の式(VII)(b):
-(1.481+0.0005liq)>0.00 (VII)(b)
を満たし、図8に示された比較のガラスのいずれも、この式を満たさない。
【0183】
図8に示された実施例は、測定により、表9に規定された特徴を有する最良の公知の比較のガラスに対して、Tliqとnの組合せに関して、優れている。
【0184】
【表10-1】
【0185】
【表10-2】
【0186】
高い屈折率と低い密度に加え、青色範囲における高い透過率も多くの用途にとって望ましい。所定の透過率で高い屈折値を有するガラスには、同じ透過率で低い屈折値を有するガラスを上回る利点がある。
【0187】
図9は、例示のガラスのいくつかと比較のガラスのいくつかに関する透過率指数T(式(IV)により与えられる、青色における透過率の予測因子)と、屈折パラメータPref(式(II)により与えられる屈折の予測因子)との間の関係を示すプロットである。例示のガラス(黒丸)は、表6からの例1から19、21、25から38、41、43、48から61、63から74、76、77、80から105、107から124、126、127、130、131、および133から147である。比較のガラス(白丸)は、表7からの例C14からC23である。図9に示された例示のガラスと比較のガラスの全ては、表11に規定された特徴を有する。表11において、仕様「限定せず」は、組成を選択するときに、検討しなかった限定を称する。
【0188】
【表11】
【0189】
表11に規定された上述の特徴を有する公知のガラスの中でも、透過率指数Tの同程度の値で、最高の屈折パラメータPrefを有するものとして、先に列挙された比較のガラスを選択した。
【0190】
図9に示された式y=0.269-0.12xに相当する線は、表11に規定された特徴を有する比較のガラスと、例示のガラス1から19、21、25から38、41、43、48から61、63から74、76、77、80から105、107から124、126、127、130、131、および133から147との間の視覚的区別を与える。図9から分かるように、上述した例示のガラス(黒丸)は、yが屈折パラメータPrefに対応し、xが透過率指数Tに対応する、線y=0.269-0.12xより上にあり、図9に示された比較のガラス(白丸)のいずれも、上にはない。言い換えると、図9に示された例示のガラスのいくつかは、以下の式(VIII)(a):
ref-(0.269-0.12)>0.00 (VIII)(a)
を満たし、図9に示された比較のガラスのいずれも、この式を満たさない。
【0191】
これも図9から分かるように、図9に示された例示のガラスのいくつかは、yが屈折パラメータPrefに対応し、xが透過率指数Tに対応する、線y=0.274-0.12xより上にあり、図9に示された比較のガラスのいずれも、上にはない。言い換えると、図9に示された例示のガラスのいくつかは、以下の式(VIII)(b):
ref-(0.274-0.12)>0.00 (VIII)(b)
を満たし、図9に示された比較のガラスのいずれも、この式を満たさない。
【0192】
図9に示された実施例は、予測により、表11に規定された特徴を有する最良の公知の比較のガラスに対して、Tと(n-1)/dRTの組合せに関して、優れている。
【0193】
図10は、例示のガラスのいくつかと比較のガラスのいくつかに関する、透過率指数Tと屈折率対密度比(「屈折」)(n-1)/dRTとの間の関係を示すプロットである。例示のガラス(黒丸)は、表6からの例1、14、21および25である。比較のガラス(白丸)は、表7からの例C15、C17からC19、C22およびC24からC28である。図10に示された例示のガラスと比較のガラスの全ては、表12に規定された特徴を有する。表12において、仕様「限定せず」は、組成を選択するときに、検討しなかった限定を称する。
【0194】
【表12】
【0195】
表12に規定された上述の特徴を有する公知のガラスの中でも、透過率指数Tの同程度の値で、屈折率対密度比(「屈折」)(n-1)/dRTの最高の測定値を有するものとして、先に列挙された比較のガラスを選択した。
【0196】
図10に示された式y=0.269-0.12xに相当する線は、表12に規定された特徴を有する比較のガラスと、例示のガラス1、14、21および25との間の区別を与える。図10から分かるように、例示のガラス(黒丸)は、yが(n-1)/dRTに対応し、xがTに対応する、線y=0.269-0.12xより上にあり、図10に示された比較のガラス(白丸)のいずれも、上にはない。言い換えると、図10に示された例示のガラスのいくつかは、以下の式(IX)(a):
(n-1)/dRT-(0.269-0.12)>0.00 (IX)(a)
を満たし、図10に示された比較のガラスのいずれも、この式を満たさない。
【0197】
これも図10から分かるように、図10に示された例示のガラスのいくつかは、yが(n-1)/dRTに対応し、xがTに対応する、線y=0.274-0.12xより上にあり、図10に示された比較のガラスのいずれも、上にはない。言い換えると、図10に示された例示のガラスは、以下の式(IX)(b):
(n-1)/dRT-(0.274-0.12)>0.00 (IX)(b)
を満たし、図10に示された比較のガラスのいずれも、この式を満たさない。
【0198】
【表13-1】
【0199】
図10に示された実施例は、測定により、表12に規定された特徴を有する最良の公知の比較のガラスに対して、Tと(n-1)/dRTの組合せに関して、優れている。
【0200】
【表13-2】
【0201】
図11は、例示のガラスのいくつかと比較のガラスのいくつかに関する密度パラメータP(式III)と、屈折率パラメータP(式II)との間の関係を示すプロットである。例示のガラス(黒丸)は、表6からの例1から4、18から21、29、30、52、53、63から75、77から105、107から124、126、127、130、131および133から147である。比較のガラス(白丸)は、表7からの例C29からC38である。図11に示された例示のガラスと比較のガラスの全ては、表14に規定された特徴を有する。表14において、仕様「限定せず」は、組成を選択するときに、検討しなかった限定を称する。
【0202】
【表14】
【0203】
表14に規定された特徴を有する公知のガラスの中でも、密度パラメータPの同程度の値で、最高の屈折率パラメータPを有するものとして、先に列挙された比較のガラスを選択した。
【0204】
図11に示された式y=1.571+0.083xに相当する線は、表14に規定された特徴を有する比較のガラスと、例示のガラス1から4、18から21、29、30、52、53、63から75、77から105、107から124、126、127、130、131および133から147との間の区別を与える。図11から分かるように、例示のガラス(黒丸)は、yが屈折率パラメータPに対応し、xが密度パラメータPに対応する、線y=1.571+0.083xより上にあり、図11に示された比較のガラス(白丸)のいずれも、上にはない。言い換えると、図11に示された例示のガラスのいくつかは、以下の式(X):
-(1.571+0.083)>0.00 (X)
を満たし、図11に示された比較のガラスのいずれも、この式を満たさない。
【0205】
このことは、先の表14に規定された条件下で、例示のガラスのいくつかは、予測により、表14に規定された特徴を有する最良の公知の比較のガラスに対して、PとPの組合せに関して、優れていることを意味する。
【0206】
図12は、例示のガラスのいくつかと比較のガラスのいくつかに関する、dRTとnとの間の関係を示すプロットである。例示のガラス(黒丸)は、表6からの例1である。比較のガラス(白丸)は、表7からの例C3、C11、C35およびC38からC44である。図12に示された例示のガラスと比較のガラスの全ては、表15に規定された特徴を有する。表15において、仕様「限定せず」は、組成を選択するときに、検討しなかった限定を称する。
【0207】
【表15】
【0208】
表15に規定された上述の特徴を有する公知のガラスの中でも、dRTの同程度の値で、nの最高の測定値を有するものとして、先に列挙された比較のガラスを選択した。
【0209】
図12に示された式y=1.571+0.083xに相当する線は、表15に規定された特徴を有する比較のガラスと、例示のガラスとの間の区別を与える。図12から分かるように、例示のガラス(黒丸)は、yがnに対応し、xがdRTに対応する、線y=1.571+0.083xより上にあり、図12に示された比較のガラス(白丸)のいずれも、上にはない。言い換えると、図12に示された例示のガラスは、以下の式(XI):
-(1.571+0.083)>0.00 (XI)
を満たし、図12に示された比較のガラスのいずれも、この式を満たさない。
【0210】
このことは、先の表15に規定された条件下で、例示のガラスは、測定により、表15に規定された特徴を有する最良の公知の比較のガラスに対して、dRTとnの組合せに関して、優れていることを意味する。
【0211】
【表16-1】
【0212】
【表16-2】
【0213】
【表16-3】
【0214】
図13は、350nmから約500nmの波長での本開示による例示のガラス1の全透過率τを示している。試験前に、試料を90時間に亘り650℃で退色させた。退色前に、ガラスを、約4℃/分の速度で室温から加熱した。退色後、ガラスを約2℃/分の速度で室温まで冷却した。図13に示された全透過率τデータは、厚さ10mmのガラス試料から得た。図13から分かるように、例示のガラス1は、波長λ=439nmで、全透過率τ=70%を与える。
【0215】
第1の態様によれば、前記ガラスは複数の成分を含み、そのガラスは、3.0モル%以上かつ35.0モル%以下のWO、0.3モル%以上かつ50.0モル%以下のTiO、0.3モル%以上かつ50.0モル%以下のNb、0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のBi、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のTeO、0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のPbO、0.0モル%以上かつ3.0モル%以下のMoO、0.0モル%以上かつ1.0モル%以下のV、0.0原子%以上かつ5.0原子%以下のF、0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のCl、0.0原子%以上かつ1.0原子%のBr、0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のIを含み、TiO+Nbの合計が0.6モル%以上かつ60.0モル%以下であり、Al、B、BaO、CaO、Gd、GeO、KO、La、LiO、MgO、NaO、P、SiO、SrO、Ta、Y、Yb、ZnOおよびZrOから選択される1種類以上の成分を必要に応じて含有することがある成分の組成を有し、このガラスは、850℃以上かつ1350℃以下の液相温度Tliqを有し、このガラスは、条件:1.92≦P≦2.08およびP-(1.437+0.0005liq)>0.00を満たし、式中、Pは、式(II):
【0216】
による成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折率パラメータであり、式中、記号「」は、乗算を意味する。
【0217】
第30の態様によれば、前記ガラスは複数の成分を含み、そのガラスは、7.5モル%以上かつ28.0モル%以下のTiO、1.0モル%以上かつ40.0モル%以下のB、0.3モル%以上かつ19.5モル%以下のNb、0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のWO、0.0モル%以上かつ25.0モル%以下のLa、0.0モル%以上かつ25.0モル%以下のGd、0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のBi、0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のZrO、0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のTeO、0.0モル%以上かつ13.5モル%以下のSiO、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のAl、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のThO、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のGeO、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のTa、0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のPbO、0.0モル%以上かつ1.0モル%以下のV、0.0原子%以上かつ5.0原子%以下のF、0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のCl、0.0原子%以上かつ1.0原子%のBr、0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のIを含み、RE+ZrO+TiO+Nb+WOの合計が10.0モル%以上であり、WO+TiOの合計が40.0モル%以下であり、TiO+Nbの合計が35.0モル%以下であり、RO+ROの合計が0.0モル%以上かつ5.0モル%以下であり、Pを必要に応じて含有することがある成分の組成を有し、成分の組成が、条件:TiO-SiO[モル%]≧7.5およびB+SiO-P[モル%]≧0.00を満たし、このガラスは、条件:1.9≦P≦2.1およびPref-(0.269-0.12)>0.00を満たし、式中、Pは、式(II):
【0218】
による成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折率パラメータであり、
refは、式(IV):
【0219】
による成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折パラメータであり、式中、REは、3価当量の希土類金属酸化物の総計であり、ROは、一価金属酸化物の総計であり、ROは、二価金属酸化物の総計であり、記号「」は、乗算を意味する。
【0220】
第58の態様によれば、前記ガラスは複数の成分を含み、そのガラスは、1.0モル%以上かつ40.0モル%以下のWO、0.3モル%以上かつ20.0モル%以下のZrO、0.0モル%以上かつ40.0モル%以下のB、0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のLa、0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のBi、0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のZnO、0.0モル%以上かつ25.0モル%以下のTa、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のAl、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のThO、0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のTeO、0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のVを含み、RE+ZrO+TiO+Nb+WOの合計が10.0モル%以上であり、TiO+Nbの合計が0.0モル%以上かつ35.0モル%以下であり、SiO+GeOの合計が0.0モル%以上かつ4.8モル%以下であり、P、BaO、CaO、KO、LiO、MgO、NaO、PbOおよびSrOから選択される1種類以上の成分を必要に応じて含有することがある成分の組成を有し、成分の組成が、条件:B+SiO-P[モル%]≧0.50を満たし、このガラスは、条件:500≦PTg≦700、P<6.0、およびP-(1.571+0.083)>0.00を満たし、式中、Pは、式(II):
【0221】
による成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折率パラメータであり、
は、式(III):
【0222】
による成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、密度パラメータであり、
Tgは、式(V):
【0223】
による成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、Tgパラメータであり、式中、REは、3価当量の希土類金属酸化物の総計であり、記号「」は、乗算を意味する。
【0224】
本開示の精神および様々な原理から実質的に逸脱せずに、本開示の上述した実施の形態に多くの変更および改変を行うことができる。そのような改変および変更の全ては、本開示の範囲内で本明細書に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【0225】
すでに記載されていない程度まで、本開示の様々な態様の異なる特徴は、所望のように互いの組合せで使用され得る。特定の特徴が、本開示の各態様に関して明白に図示または記載されていないことは、それがあり得ないと解釈されることを意図するものではなく、それは、説明の簡潔さと簡明さのために行われる。したがって、異なる態様の様々な特徴は、新たな態様が明白に開示されているか否かにかかわらず、新たな態様を形成するために、必要に応じて組み合わせて、適合させることができる。
【0226】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0227】
実施形態1
複数の成分を含むガラスにおいて、該ガラスは、
3.0モル%以上かつ35.0モル%以下のWO
0.3モル%以上かつ50.0モル%以下のTiO
0.3モル%以上かつ50.0モル%以下のNb
0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のBi
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のTeO
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のPbO、
0.0モル%以上かつ3.0モル%以下のMoO
0.0モル%以上かつ1.0モル%以下のV
0.0原子%以上かつ5.0原子%以下のF、
0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のCl、
0.0原子%以上かつ1.0原子%のBr、
0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のI、
を含み、
TiO+Nbの合計が0.6モル%以上かつ60.0モル%以下であり、
Al、B、BaO、CaO、Gd、GeO、KO、La、LiO、MgO、NaO、P、SiO、SrO、Ta、Y、Yb、ZnOおよびZrOから選択される1種類以上の成分を必要に応じて含有する、
前記成分の組成を有し、
前記ガラスは、
850℃以上かつ1350℃以下の液相温度Tliq
を有し、
前記ガラスは、条件:
1.92≦P≦2.08、および
-(1.437+0.0005liq)>0.00
を満たし、式中、
は、式(II):
【0228】
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折率パラメータであり、式中、記号「」は、乗算を意味する、ガラス。
【0229】
実施形態2
前記ガラスが、
1.92以上かつ2.08以下の、587.56nmでの屈折率n
を有し、
前記ガラスが、条件:
-(1.437+0.0005liq)>0.00
を満たす、実施形態1に記載のガラス。
【0230】
実施形態3
前記成分の組成が、
0.3モル%以上かつ20.0モル%以下のZrO
0.0モル%以上かつ25.0モル%以下のZnO、
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のP
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のGeO
を含み、
TiO+Nb+ZrOの合計が17.0モル%以上であり、
前記成分の組成が、条件:
0≦B+SiO-P[モル%]≦40
を満たす、実施形態1または2に記載のガラス。
【0231】
実施形態4
前記成分の組成が、
10.0モル%以上かつ40.0モル%以下のB
10.0モル%以上かつ25.0モル%以下のLa
3.0モル%以上かつ30.0モル%以下のWO
0.3モル%以上かつ30.0モル%以下のTiO
0.3モル%以上かつ20.0モル%以下のNb
0.0モル%以上かつ15.0モル%以下のSiO
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のBi
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のY
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のZrO
0.0モル%以上かつ7.5モル%以下のCaO、
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のBaO、
0.0モル%以上かつ4.0モル%以下のLiO、
0.0モル%以上かつ4.0モル%以下のSrO、
0.0モル%以上かつ3.0モル%以下のNaO、および
0.0モル%以上かつ2.0モル%以下のKO、
を含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載のガラス。
【0232】
実施形態5
前記成分の組成が、
23.0モル%以上かつ33.0モル%以下のB
14.5モル%以上かつ22.5モル%以下のLa
8.0モル%以上かつ20.0モル%以下のTiO
6.0モル%以上かつ16.5モル%以下のNb
5.0モル%以上かつ23.0モル%以下のWO
1.75モル%以上かつ7.25モル%以下のZrO
0.0モル%以上かつ11.5モル%以下のSiO
0.0モル%以上かつ7.0モル%以下のBi
0モル%以上かつ5.75モル%以下のY
0モル%以上かつ4.75モル%以下のCaO、
0.0モル%以上かつ4.0モル%以下のBaO、
0.0モル%以上かつ3.2モル%以下のLiO、
0.0モル%以上かつ3.2モル%以下のSrO、
0.0モル%以上かつ2.4モル%以下のNaO、および
0.0モル%以上かつ1.6モル%以下のKO、
を含む、実施形態1から4のいずれか1つに記載のガラス。
【0233】
実施形態6
前記成分の組成が、
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のY
0.0モル%以上かつ2.0モル%以下のTa
0.0モル%以上かつ2.0モル%以下のTeO
0.0モル%以上かつ0.5モル%以下のGeO
0.0モル%以上かつ0.5モル%以下のPbO、
0.0モル%以上かつ0.2モル%以下のAs、および
0.0モル%以上かつ0.2モル%以下のSb
を含み、
前記成分の組成が、
フッ素を実質的に含まず、
を実質的に含まない、実施形態1から5のいずれか1つに記載のガラス。
【0234】
実施形態7
前記ガラスが、条件:
4.5≦P≦5.5,および
1.95≦P≦2.07
を満たし、式中、
は、式(II):
【0235】
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折率パラメータであり、
は、式(III):
【0236】
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、密度パラメータであり、記号「」は、乗算を意味する、実施形態1から6のいずれか1つに記載のガラス。
【0237】
実施形態8
2.5分で1100℃から500℃に空気中で冷却されたときに、前記ガラスが結晶化しない、実施形態1から7のいずれか1つに記載のガラス。
【0238】
実施形態9
複数の成分を含むガラスにおいて、該ガラスは、
7.5モル%以上かつ28.0モル%以下のTiO
1.0モル%以上かつ40.0モル%以下のB
0.3モル%以上かつ19.5モル%以下のNb
0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のWO
0.0モル%以上かつ25.0モル%以下のLa
0.0モル%以上かつ25.0モル%以下のGd
0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のBi
0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のZrO
0.0モル%以上かつ20.0モル%以下のTeO
0.0モル%以上かつ13.5モル%以下のSiO
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のAl
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のThO
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のGeO
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のTa
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のPbO、
0.0モル%以上かつ1.0モル%以下のV
0.0原子%以上かつ5.0原子%以下のF、
0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のCl、
0.0原子%以上かつ1.0原子%のBr、
0.0原子%以上かつ1.0原子%以下のI、
を含み、
RE+ZrO+TiO+Nb+WOの合計が10.0モル%以上であり、 WO+TiOの合計が40.0モル%以下であり、
TiO+Nbの合計が35.0モル%以下であり、
O+ROの合計が0.0モル%以上かつ5.0モル%以下であり、
を必要に応じて含む、
成分の組成を有し、
前記成分の組成が、条件:
TiO-SiO[モル%]≧7.5、および
+SiO-P[モル%]≧0.00
を満たし、
前記ガラスは、条件:
1.9≦P≦2.1、および
ref-(0.269-0.12)>0.00
を満たし、式中、
は、式(II):
【0239】
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折率パラメータであり、
refは、式(IV):
【0240】
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折パラメータであり、式中、REは、3価当量の希土類金属酸化物の総計であり、ROは、一価金属酸化物の総計であり、ROは、二価金属酸化物の総計であり、記号「」は、乗算を意味する、ガラス。
【0241】
実施形態10
前記ガラスが、
1.9以上かつ2.1以下の、587.56nmでの屈折率n
を有し、
前記ガラスが、条件:
(n-1)/dRT-(0.269-0.12)>0.00
を満たし、
RT(g/cm)は室温での密度であり、
は、式:
【0242】
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、透過率指数である、実施形態9に記載のガラス。
【0243】
実施形態11
前記成分の組成が、
10.0モル%以上かつ40.0モル%以下のB
10.0モル%以上かつ25.0モル%以下のLa
0.0モル%以上かつ30.0モル%以下のWO
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のBi
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のY
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のZrO
0.0モル%以上かつ7.5モル%以下のCaO、
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のBaO、
0.0モル%以上かつ4.0モル%以下のLiO、
0.0モル%以上かつ4.0モル%以下のSrO、
0.0モル%以上かつ3.0モル%以下のNaO、および
0.0モル%以上かつ2.0モル%以下のKO、
を含む、実施形態9または10に記載のガラス。
【0244】
実施形態12
前記成分の組成が、
23.0モル%以上かつ33.0モル%以下のB
14.5モル%以上かつ22.5モル%以下のLa
8.0モル%以上かつ20.0モル%以下のTiO
6.0モル%以上かつ16.5モル%以下のNb
5.0モル%以上かつ23.0モル%以下のWO
1.75モル%以上かつ7.25モル%以下のZrO
0.0モル%以上かつ11.5モル%以下のSiO
0.0モル%以上かつ7.0モル%以下のBi
0モル%以上かつ5.75モル%以下のY
0モル%以上かつ4.75モル%以下のCaO、
0.0モル%以上かつ4.0モル%以下のBaO、
0.0モル%以上かつ3.2モル%以下のLiO、
0.0モル%以上かつ3.2モル%以下のSrO、
0.0モル%以上かつ2.4モル%以下のNaO、および
0.0モル%以上かつ1.6モル%以下のKO、
を含む、実施形態9から11のいずれか1つに記載のガラス。
【0245】
実施形態13
前記成分の組成が、
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のY
0.0モル%以上かつ2.0モル%以下のTa
0.0モル%以上かつ2.0モル%以下のTeO
0.0モル%以上かつ0.5モル%以下のGeO
0.0モル%以上かつ0.5モル%以下のPbO、
0.0モル%以上かつ0.2モル%以下のAs、および
0.0モル%以上かつ0.2モル%以下のSb
を含み、
前記成分の組成が、
フッ素を実質的に含まず、
を実質的に含まない、実施形態9から12のいずれか1つに記載のガラス。
【0246】
実施形態14
前記ガラスが、条件:
4.5≦P≦5.5,および
1.95≦P≦2.07
を満たし、式中、
は、式(III):
【0247】
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、密度パラメータである、実施形態9から13のいずれか1つに記載のガラス。
【0248】
実施形態15
2.5分で1100℃から500℃に空気中で冷却されたときに、前記ガラスが結晶化しない、実施形態9から14のいずれか1つに記載のガラス。
【0249】
実施形態16
複数の成分を含むガラスにおいて、該ガラスは、
1.0モル%以上かつ40.0モル%以下のWO
0.3モル%以上かつ20.0モル%以下のZrO
0.0モル%以上かつ40.0モル%以下のB
0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のLa
0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のBi
0.0モル%以上かつ35.0モル%以下のZnO、
0.0モル%以上かつ25.0モル%以下のTa
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のAl
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のThO
0.0モル%以上かつ10.0モル%以下のTeO
0.0モル%以上かつ5.0モル%以下のV
を含み、
RE+ZrO+TiO+Nb+WOの合計が10.0モル%以上であり、
TiO+Nbの合計が0.0モル%以上かつ35.0モル%以下であり、
SiO+GeOの合計が0.0モル%以上かつ4.8モル%以下であり、
、BaO、CaO、KO、LiO、MgO、NaO、PbOおよびSrOから選択される1種類以上の成分を必要に応じて含有する、
前記成分の組成を有し、
前記成分の組成は、条件:
+SiO-P[モル%]≧0.50
を満たし、
前記ガラスは、条件:
500≦PTg≦700、
<6.0g/cm、および
-(1.571+0.083)>0.00
を満たし、式中、
は、式(II):
【0250】
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、屈折率パラメータであり、
は、式(III):
【0251】
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、密度パラメータであり、
Tgは、式(V):
【0252】
による前記成分のモル%を単位とするガラス組成から計算される、Tgパラメータであり、
式中、REは、3価当量の希土類金属酸化物の総計であり、記号「」は、乗算を意味する、ガラス。
【0253】
実施形態17
前記ガラスが、
500℃以上かつ700℃以下のガラス転移温度Tg、
6.0g/cm以下の室温での密度dRT
を有し、
前記ガラスが、条件:
-(1.571+0.083RT)>0.00
を満たし、式中、nは587.56nmでの屈折率である、実施形態16に記載のガラス。
【0254】
実施形態18
前記成分の組成が、
23.0モル%以上かつ33.0モル%以下のB
14.5モル%以上かつ22.5モル%以下のLa
8.0モル%以上かつ20.0モル%以下のTiO
6.0モル%以上かつ16.5モル%以下のNb
5.0モル%以上かつ23.0モル%以下のWO
1.75モル%以上かつ7.25モル%以下のZrO
0.0モル%以上かつ4.8モル%以下のSiO
0.0モル%以上かつ7.0モル%以下のBi
0モル%以上かつ5.75モル%以下のY
0モル%以上かつ4.75モル%以下のCaO、
0.0モル%以上かつ4.0モル%以下のBaO、
0.0モル%以上かつ3.2モル%以下のLiO、
0.0モル%以上かつ3.2モル%以下のSrO、
0.0モル%以上かつ2.4モル%以下のNaO、および
0.0モル%以上かつ1.6モル%以下のKO、
を含む、実施形態16または17に記載のガラス。
【0255】
実施形態19
前記成分の組成が、
0.0モル%以上かつ2.0モル%以下のTa
0.0モル%以上かつ2.0モル%以下のTeO
0.0モル%以上かつ0.5モル%以下のGeO
0.0モル%以上かつ0.5モル%以下のPbO、
0.0モル%以上かつ0.2モル%以下のAs、および
0.0モル%以上かつ0.2モル%以下のSb
を含み、
前記成分の組成が、
フッ素を実質的に含まず、
を実質的に含まない、実施形態16から18のいずれか1つに記載のガラス。
【0256】
実施形態20
2.5分で1100℃から500℃に空気中で冷却されたときに、前記ガラスが結晶化しない、実施形態16から19のいずれか1つに記載のガラス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】