(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】体積ホログラフィックデータ記憶装置及び体積ホログラム
(51)【国際特許分類】
G03H 1/02 20060101AFI20240308BHJP
G02B 5/32 20060101ALI20240308BHJP
G11B 7/0065 20060101ALI20240308BHJP
G11B 7/135 20120101ALI20240308BHJP
【FI】
G03H1/02
G02B5/32
G11B7/0065
G11B7/135
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557087
(86)(22)【出願日】2022-03-22
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 GB2022050715
(87)【国際公開番号】W WO2022200781
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523351715
【氏名又は名称】ホロメム リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン,マーティン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】サレシュ クマール,ヴィヴィアン アモス
(72)【発明者】
【氏名】アボッツ,ロジャー クリス キース
【テーマコード(参考)】
2H249
2K008
5D090
5D789
【Fターム(参考)】
2H249CA05
2H249CA09
2H249CA17
2H249CA18
2K008AA04
2K008BB06
2K008CC01
2K008DD01
2K008FF17
2K008HH06
2K008HH14
2K008HH18
2K008HH21
2K008HH25
5D090BB16
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5D090LL02
5D090LL03
5D789BB20
5D789GA10
5D789JA40
(57)【要約】
体積ホログラフィック媒体内にデータを記録し及び/又は体積ホログラフィック媒体からデータを読み出すための体積ホログラフィックデータ記憶装置を提供し、体積ホログラフィックデータ記憶装置は少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子を含む。体積ホログラフィック媒体内にデータを記録し及び/又は体積ホログラフィック媒体からデータを読み出すための体積ホログラフィックデータ記憶装置も提供し、体積ホログラフィックデータ記憶装置は信号ビーム及び/又は参照ビームを運ぶための少なくとも1つの光ファイバを含む。データ記憶域内でホログラフィック光学素子を使用することも提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体積ホログラフィック媒体内にデータを記録し及び/又は体積ホログラフィック媒体からデータを読み出すための体積ホログラフィックデータ記憶装置であって、
少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子を含む、
体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子が、
ランダム位相マスクHOE、
エッジリット型HOE、
ビームスプリッティングHOE、
対物レンズHOE、
フーリエ変換レンズHOE、
集束HOE、
拡大HOE、
ミラーHOE、
ビーム整形HOE、
リダイレクトHOE、
偏光/半波長板/四分の一波長板HOE、
レンズHOE、
ビームコンバイナHOE、
光ファイバ結合HOE、
データメモリHOE、
フレネルレンズHOE、及び/又は
マイクログラムHOE内のマイクログラム
を含む、請求項1に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子がランダム位相マスクHOEを含む、請求項2に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子がエッジリット型HOEを含む、請求項2又は3に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子がビーム整形HOEを含む、請求項2乃至4の何れか一項に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項6】
前記ビーム整形HOEがガウス光強度分布をフラットトップ光強度分布に再整形するように構成される、請求項5に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項7】
波長多重化、
角度多重化、
位相多重化、及び/又は
空間多重化
によって前記体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成される、請求項1乃至6の何れか一項に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子が第1の及び第2の体積ホログラフィック光学素子を含み、
前記第1の及び第2の体積ホログラフィック光学素子が同じホログラフィック光学素子媒体内に記録される、
請求項1乃至7の何れか一項に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項9】
前記第1の及び第2の体積ホログラフィック光学素子が、
波長多重化、
角度多重化、
位相多重化、及び/又は
空間多重化
によって同じホログラフィック光学素子媒体内に記録される、請求項8に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項10】
更なる体積ホログラフィック光学素子を更に含み、
前記体積ホログラフィックデータ記憶装置は、前記体積ホログラフィック媒体へと前記第1の及び/又はもしある場合は前記第2の体積ホログラフィック光学素子を用いて光を回折させること、及び前記更なる体積ホログラフィック光学素子を用いて光を回折させることによって前記体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成される、
請求項1乃至9の何れか一項に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項11】
体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するための体積ホログラフィックデータ記憶装置であって、
前記体積ホログラフィック媒体内にデータを含む像を記録することができるように、ランダム位相マスク上に前記像を投影するための構成を含む、
体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項12】
前記ランダム位相マスクがランダム位相マスクHOEである、請求項11に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項13】
前記ランダム位相マスクがランダム位相マスクDOEである、請求項11に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項14】
前記ランダム位相マスクが波長選択ランダム位相マスクである、請求項11乃至13の何れか一項に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項15】
前記ランダム位相マスクが全整色ランダム位相マスクである、請求項11乃至13の何れか一項に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項16】
前記ランダム位相マスクがビーム整形ランダム位相マスクである、請求項11乃至15の何れか一項に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項17】
前記ランダム位相マスクと前記体積ホログラフィック媒体との間のパララックスバリアを更に含む、請求項11乃至16の何れか一項に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項18】
体積ホログラフィック媒体内にデータを記録し及び/又は体積ホログラフィック媒体からデータを読み出すための体積ホログラフィックデータ記憶装置であって、
信号ビーム及び/又は参照ビームを運ぶための少なくとも1つの光ファイバを含む、
体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項19】
空間光変調器(SLM)及び/又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を更に含み、前記光ファイバが前記SLM及び/又はDMDとの間で情報を運ぶように構成される、請求項18に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項20】
前記光ファイバが単一モードファイバである、請求項18又は19に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項21】
体積ホログラフィック光学素子を更に含む、請求項18、19、又は20に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項22】
前記体積ホログラフィック光学素子が、前記光ファイバ内に前記信号ビーム及び/又は参照ビームを集束させるように構成される、請求項21に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項23】
請求項1乃至17に記載した特徴の1つ若しくは複数又は全てを更に含む、請求項18乃至22の何れか一項に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項24】
体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するための体積ホログラフィックデータ記憶装置であって、
前記体積ホログラフィック媒体へと空間光変調器及び/又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)に光(コヒーレント単色光、例えばレーザ光等)を通すこと、又は前記空間光変調器及び/又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)から光(コヒーレント単色光、例えばレーザ光等)を反射させることによって前記体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成され、
前記空間光変調器及び/又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)と前記体積ホログラフィック媒体との間で、少なくとも10
-2、10
-3、10
-4、10
-5、又は10
-6倍に像が圧縮される、
体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項25】
波長多重化、
角度多重化、
位相多重化、及び/又は
空間多重化
によってデータを記録するように更に構成される、請求項24に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項26】
波長逆多重化、
角度逆多重化、
位相逆多重化、及び/又は
空間逆多重化
によってデータを読み出すように更に構成される、請求項24又は25に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項27】
体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するための体積ホログラフィックデータ記憶装置であって、
少なくとも第1のデータページ及び第2のデータページにおいて前記体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成され、
前記第1のデータページ及び前記第2のデータページが同一データを含む、
体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項28】
前記データ記憶装置がマイクログラム状の前記体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成される、請求項27に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項29】
前記データ記憶装置が、前記体積ホログラフィック媒体内の単一の干渉構造内のマイクログラムのアレイ状の前記体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成される、請求項28に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項30】
前記データ記憶装置が、六角形又は他の幾何学的アレイ状の複数の光学干渉構造を記録することにより、離散データページの六角形アレイ状の前記体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成され、
任意で前記六角形又は他の幾何学的アレイが六角形又は他の幾何学的アレイ内にある、
請求項27、28、又は29に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項31】
体積ホログラフィック媒体からデータを読み出すための体積ホログラフィックデータ記憶装置であって、
前記体積ホログラフィックデータ記憶装置は、前記体積ホログラフィック媒体の少なくとも第1のデータページ及び第2のデータページからデータを読み出すように構成され、
データ記憶装置は、前記第1のデータページからのデータと前記第2のデータページからのデータとを比較することによって前記データの正確な読み出しを確認するように構成される、
体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項32】
体積ホログラフィック媒体からデータを読み出すための体積ホログラフィックデータ記憶装置であって、
体積ホログラフィック光学素子を用いて光を回折させることによって体積ホログラフィック媒体を照射することで前記体積ホログラフィック媒体からデータを読み出すように構成される、
体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項33】
波長逆多重化、
角度逆多重化、
位相逆多重化、及び/又は
空間逆多重化
によってデータを読み出すように更に構成される、請求項32に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項34】
体積ホログラフィック媒体を含む体積ホログラムであって、前記体積ホログラフィック媒体は照射時にホログラム又はランダム位相マスク上のデータページ情報の投影を表示する干渉構造を含む、体積ホログラム。
【請求項35】
体積ホログラフィック媒体を含む体積ホログラムであって、前記体積ホログラフィック媒体は照射時に少なくとも第1のデータページ及び第2のデータページを表示する干渉構造を含み、
前記第1のデータページ及び前記第2のデータページが同一データを含む、
体積ホログラム。
【請求項36】
体積ホログラフィック媒体を含む体積ホログラムであって、前記体積ホログラフィック媒体は少なくとも照射時に第1のデータページを表示する第1の干渉構造、及び照射時に第2のデータページを表示する第2の干渉構造を含み、
前記第1のデータページ及び前記第2のデータページが同一データを含む、
体積ホログラム。
【請求項37】
データ記憶域内でホログラフィック光学素子を使用すること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は体積ホログラフィックデータ記憶装置及び体積ホログラムに関し、とりわけ排他的にではないが体積ホログラフィック光学素子を含む体積ホログラフィックデータ記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
体積ホログラフィックデータ記憶装置は知られているが、実用的なやり方で大量のデータを記憶するこの技術の潜在性にもかかわらず実質的な任意のやり方でまだ商業化されていない。本明細書は、商業化され得る体積ホログラフィックデータ記憶装置を提供しようとする。
【発明の概要】
【0003】
概要
体積ホログラフィック媒体内にデータを記録し及び/又は体積ホログラフィック媒体からデータを読み出すための体積ホログラフィックデータ記憶装置を提供し、
体積ホログラフィックデータ記憶装置は少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子を含む。
【0004】
少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子は、
ランダム位相マスクHOE、
エッジリット型HOE、
ビームスプリッティングHOE、
対物レンズHOE、
フーリエ変換レンズHOE、
集束HOE、
拡大HOE、
ミラーHOE、
ビーム整形HOE、
リダイレクトHOE、
偏光/半波長板/四分の一波長板HOE、
レンズHOE、
ビームコンバイナHOE、
光ファイバ結合HOE、
データメモリHOE、
フレネルレンズHOE、及び/又は
マイクログラムHOE内のマイクログラム(microgram within a microgram HOE)
を含み得る。
【0005】
少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子は、ランダム位相マスクHOEを含み得る。
【0006】
少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子は、エッジリット型HOEを含み得る。
【0007】
少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子は、ビーム整形HOEを含み得る。
【0008】
ビーム整形HOEは、ガウス光強度分布をフラットトップ光強度分布に再整形するように構成され得る。
【0009】
体積ホログラフィックデータ記憶装置は、
波長多重化、
角度多重化、
位相多重化、及び/又は
空間多重化
によって体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成され得る。
【0010】
少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子は、第1の及び第2の体積ホログラフィック光学素子を含み得る。第1の及び第2の体積ホログラフィック光学素子は同じホログラフィック光学素子媒体内に記録され得る。
【0011】
第1の及び第2の体積ホログラフィック光学素子は、
波長多重化、
角度多重化、
位相多重化、及び/又は
空間多重化
によって同じホログラフィック光学素子媒体内に記録され得る。
【0012】
体積ホログラフィックデータ記憶装置は、更なる体積ホログラフィック光学素子を更に含み得る。体積ホログラフィックデータ記憶装置は、体積ホログラフィック媒体へと第1の及び/又はもしある場合は第2の体積ホログラフィック光学素子を用いて光を回折させること、及び更なる体積ホログラフィック光学素子を用いて光を回折させることによって体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成され得る。
【0013】
体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するための体積ホログラフィックデータ記憶装置も提供し、体積ホログラフィックデータ記憶装置は、体積ホログラフィック媒体内にデータを含む像を記録することができるように、ランダム位相マスク上に像を投影するための構成を含む。
【0014】
ランダム位相マスクは、ランダム位相マスクHOEであり得る。
【0015】
ランダム位相マスクは、ランダム位相マスクDOEであり得る。
【0016】
ランダム位相マスクは、波長選択ランダム位相マスクであり得る。
【0017】
ランダム位相マスクは、全整色ランダム位相マスクであり得る。
【0018】
ランダム位相マスクは、ビーム整形ランダム位相マスクであり得る。
【0019】
体積ホログラフィックデータ記憶装置は、ランダム位相マスクと体積ホログラフィック媒体との間のパララックスバリアを更に含み得る。
【0020】
体積ホログラフィック媒体内にデータを記録し及び/又は体積ホログラフィック媒体からデータを読み出すための体積ホログラフィックデータ記憶装置も提供し、体積ホログラフィックデータ記憶装置は信号ビーム及び/又は参照ビームを運ぶための少なくとも1つの光ファイバを含む。
【0021】
体積ホログラフィックデータ記憶装置が空間光変調器(SLM)及び/又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を更に含むことができ、光ファイバはSLM及び/又はDMDとの間で情報を運ぶように構成され得る。
【0022】
光ファイバは、単一モードファイバであり得る。
【0023】
体積ホログラフィックデータ記憶装置は、体積ホログラフィック光学素子を更に含み得る。
【0024】
体積ホログラフィック光学素子は、光ファイバ内に信号ビーム及び/又は参照ビームを集束させるように構成され得る。
【0025】
すぐ上に記載した体積ホログラフィックデータ記憶装置は、本明細書に記載する他の体積ホログラフィックデータ記憶装置の特徴の1つ若しくは複数又は全てを更に含み得る。
【0026】
体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するための体積ホログラフィックデータ記憶装置も提供し、体積ホログラフィックデータ記憶装置はデータページの六角形離散アレイ状の体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成される。
【0027】
体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するための体積ホログラフィックデータ記憶装置も提供し、体積ホログラフィックデータ記憶装置は離散データページのモザイクの(例えば六角形の)アレイ状の体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成される。
【0028】
体積ホログラフィックデータ記憶装置は、単一の干渉構造内に六角形アレイを記録することにより、離散データページの六角形アレイ状の体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成され得る。
【0029】
データ記憶装置は、六角形アレイ状の複数の光学干渉構造を記録することにより、離散データページの六角形アレイ状の体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成され得る。
【0030】
六角形アレイは平面六角形アレイを含み得る。
【0031】
六角形アレイは複数の平面六角形アレイを含み得る。
【0032】
体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するための体積ホログラフィックデータ記憶装置も提供し、体積ホログラフィックデータ記憶装置は六角形干渉構造状の体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成される。
【0033】
体積ホログラフィックデータ記憶装置は、
波長多重化、
角度多重化、
位相多重化、及び/又は
空間多重化
によってデータを記録するように構成され得る。
【0034】
体積ホログラフィックデータ記憶装置は、体積ホログラフィック媒体からデータを読み出すように更に構成され得る。
【0035】
体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するための体積ホログラフィックデータ記憶装置も提供し、
データ記憶装置は、体積ホログラフィック媒体へと空間光変調器及び/又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)に光(コヒーレント単色光、例えばレーザ光等)を通すこと、又は空間光変調器及び/又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)から光(コヒーレント単色光、例えばレーザ光等)を反射させることによって体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成され、
空間光変調器及び/又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)と体積ホログラフィック媒体との間で、少なくとも10-2、10-3、10-4、10-5、又は10-6倍に像が圧縮される。
【0036】
体積ホログラフィックデータ記憶装置は、
波長多重化、
角度多重化、
位相多重化、及び/又は
空間多重化
によってデータを記録するように更に構成され得る。
【0037】
体積ホログラフィックデータ記憶装置は、
波長逆多重化、
角度逆多重化、
位相逆多重化、及び/又は
空間逆多重化
によってデータを読み出すように更に構成され得る。
【0038】
体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するための体積ホログラフィックデータ記憶装置も提供し、
データ記憶装置は、少なくとも第1のデータページ及び第2のデータページにおいて体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成され、
第1のデータページ及び第2のデータページが同一データを含む。
【0039】
データ記憶装置は、マイクログラム状の体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成され得る。
【0040】
データ記憶装置は、体積ホログラフィック媒体内の単一の干渉構造内のマイクログラムのアレイ状の体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように更に構成され得る。
【0041】
データ記憶装置は、六角形又は他の幾何学的アレイ状の複数の光学干渉構造を記録することにより、離散データページの六角形アレイ状の体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成され得る。
【0042】
六角形又は他の幾何学的アレイは、六角形又は他の幾何学的アレイ内にあり得る。
【0043】
体積ホログラフィック媒体からデータを読み出すための体積ホログラフィックデータ記憶装置も提供し、
体積ホログラフィックデータ記憶装置は、体積ホログラフィック媒体の少なくとも第1のデータページ及び第2のデータページからデータを読み出すように構成され、
データ記憶装置は、第1のデータページからのデータと第2のデータページからのデータとを比較することによってデータの正確な読み出しを確認するように構成される。
【0044】
体積ホログラフィック媒体からデータを読み出すための体積ホログラフィックデータ記憶装置も提供し、
体積ホログラフィックデータ記憶装置は、体積ホログラフィック光学素子を用いて光を回折させることによって体積ホログラフィック媒体を照射することで体積ホログラフィック媒体からデータを読み出すように構成される。
【0045】
体積ホログラフィックデータ記憶装置は、
波長逆多重化、
角度逆多重化、
位相逆多重化、及び/又は
空間逆多重化
によってデータを読み出すように更に構成され得る。
【0046】
本明細書に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置は、本明細書に記載の他の体積ホログラフィックデータ記憶装置の特徴の1つ若しくは複数又は全てを更に含み得る。
【0047】
体積ホログラフィック媒体を含む体積ホログラムも提供し、体積ホログラフィック媒体は照射時にホログラム又はランダム位相マスク上のデータページ情報の投影を表示する干渉構造を含む。
【0048】
体積ホログラフィック媒体を含む体積ホログラムも提供し、体積ホログラフィック媒体は照射時に離散データページの六角形アレイを表示する干渉構造を含む。
【0049】
体積ホログラフィック媒体を含む体積ホログラムも提供し、体積ホログラフィック媒体は干渉構造の六角形アレイを含み、各干渉構造は離散データページを含む。
【0050】
体積ホログラフィック媒体を含む体積ホログラムも提供し、体積ホログラフィック媒体は照射時に少なくとも第1のデータページ及び第2のデータページを表示する干渉構造を含み、
第1のデータページ及び第2のデータページは同一データを含む。
【0051】
体積ホログラフィック媒体を含む体積ホログラムも提供し、体積ホログラフィック媒体は少なくとも照射時に第1のデータページを表示する第1の干渉構造、及び照射時に第2のデータページを表示する第2の干渉構造を含み、
第1のデータページ及び第2のデータページは同一データを含む。
【0052】
データ記憶域内でホログラフィック光学素子を使用することも提供する。
【0053】
図面の説明
本開示をより容易に理解することができるように、今度は本開示の好ましい実施形態を添付図面に関して専ら例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】本開示の一実施形態による、体積ホログラフィックデータ記憶装置の概略図である。
【
図2】本開示の更なる実施形態による、体積ホログラフィックデータ記憶装置の概略図である。
【
図3】本開示の更なる実施形態による、体積ホログラフィックデータ記憶装置の概略図である。
【
図4】本開示の更なる実施形態による、体積ホログラフィックデータ記憶装置の概略図である。
【
図5】本開示の更なる実施形態による、体積ホログラフィックデータ記憶装置の概略図である。
【
図6】本開示の更なる実施形態による、体積ホログラフィックデータ記憶装置の概略図である。
【
図7】
図6の体積ホログラフィックデータ記憶装置を使用して記録される体積ホログラムの概略図である。
【
図8】本開示の更なる実施形態による、体積ホログラフィックデータ記憶装置の概略図である。
【
図9】本開示の更なる実施形態による、体積ホログラフィックデータ記憶装置の概略図である。
【
図10】本開示の更なる実施形態による、体積ホログラフィックデータ記憶装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
実施形態の説明
最初に図面の
図1を参照し、概略的に図示され、100で全体的に示されている体積ホログラフィックデータ記憶装置を提供する。体積ホログラフィックデータ記憶装置100は、体積ホログラフィック媒体102内にデータを記録し及び/又は体積ホログラフィック媒体102からデータを読み出すためのものである。体積ホログラフィックデータ記憶装置100は、少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子(HOE)を含む。
図1に示すように、体積ホログラフィックデータ記憶装置100は多機能HOE104及び/又はエッジリット型HOE106を含むことができ、多機能HOE104及び/又はエッジリット型HOE106の何れか又は両方が少なくとも1つの体積HOEを作り上げることができる。
【0056】
図2は、概略的に図示され、100で全体的に示されている更なる体積ホログラフィックデータ記憶装置を示す。体積ホログラフィックデータ記憶装置100は、体積ホログラフィック媒体102内にデータを記録し及び/又は体積ホログラフィック媒体102からデータを読み出すためのものである。体積ホログラフィックデータ記憶装置100は、少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子(HOE)も含む。
図2に示すように、体積ホログラフィックデータ記憶装置100はビーム整形HOE108を含み得る。この事例では、ビーム整形HOE108が少なくとも1つの体積HOEである。
【0057】
図3は、概略的に図示され、100で全体的に示されている更なる体積ホログラフィックデータ記憶装置を示す。体積ホログラフィックデータ記憶装置100は、体積ホログラフィック媒体102内にデータを記録し及び/又は体積ホログラフィック媒体102からデータを読み出すためのものである。体積ホログラフィックデータ記憶装置100は、少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子(HOE)も含む。
図3に示すように、体積ホログラフィックデータ記憶装置100は、
図2の体積ホログラフィックデータ記憶装置100と同様にビーム整形HOE108を含み得る。
図3に示すように、体積ホログラフィックデータ記憶装置100はビームスプリッティングHOE110、対物レンズHOE112、フーリエ変換レンズHOE114、ミラーHOE116、及び/又は対物レンズHOE118を更に含み得る。ビームスプリッティングHOE110、対物レンズHOE112、フーリエ変換レンズHOE114、ミラーHOE116、及び/又は対物レンズHOE118の何れか1つ又は複数が少なくとも1つの体積HOEを作り上げることができる。
【0058】
図1、
図2、及び
図3を参照し、知られているホログラフィックデータ記憶装置の従来の素子を置換するために、一部の実施形態では体積ホログラフィックデータ記憶装置100内に含まれるHOE104、106、108、110、112、114、116、118が使用されている。実際、体積ホログラフィックデータ記憶装置100内の従来の光学素子を置換するためにHOEを有利に使用できることは本開示の重要な実現である。体積ホログラフィックデータ記憶装置100内でHOEを使用することは有利であり得る。具体的には、HOE104、106、108、110、112、114、116、118はそれらの従来の光学的な等価物よりもロバストであり得るので、かかる体積ホログラフィックデータ記憶装置100はよりロバストであり得る。更に、HOE104、106、108、110、112、114、116、118はそれらの従来の光学的な等価物よりも小さくあり得るので、かかる体積ホログラフィックデータ記憶装置100はより小さくあり得る。更に、HOE104、106、108、110、112、114、116、118はそれらの従来の光学的な等価物よりも少ない信号劣化及び損失を与え得るので、かかる体積ホログラフィックデータ記憶装置100はより高信頼であり得る。
【0059】
従って本開示は、
図1のエッジリット型HOE106、
図3のビームスプリッティングHOE110、
図3の対物レンズHOE112、
図3のフーリエ変換レンズHOE114、集束HOE(不図示)、拡大HOE(不図示)、
図3のミラーHOE116、
図2及び
図3のビーム整形HOE108、リダイレクトHOE(不図示)、偏光/半波長板/四分の一波長板HOE(不図示)、レンズHOE(例えば対物レンズHOE112、フーリエ変換レンズHOE114)、ビームコンバイナHOE(不図示)、光ファイバ結合HOE(不図示)、データメモリHOE(不図示)、フレネルレンズHOE(不図示)、及び/又はマイクログラムHOE内のマイクログラム(不図示)を含む体積ホログラフィックデータ記憶装置100を提供する。本開示は、(
図10に示す)ランダム位相マスクHOEを含む体積ホログラフィックデータ記憶装置100も提供する。上記で及び本明細書の他の箇所で記載の通りこれらは有利であり得る。
【0060】
本開示から明らかなように、本開示のあり得る利点を得るために、体積ホログラフィックデータ記憶装置100内に多数のHOEを組み込むことができる。かかるHOEは知られている技法を使用して製造することができ、従ってHOEの製造については本明細書で記載しない。
【0061】
図1を参照し、少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子はエッジリット型HOE106を含み得る。エッジリット型HOE106は相対的に大量のデータを相対的に小さい体積ホログラフィック媒体102(の一部)へと圧縮するために使用することができるので、エッジリット型HOE106を使用することはとりわけ有利であり得る。
【0062】
図2及び
図3を参照し、少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子はビーム整形HOE108を含み得る。図示のように、ビーム整形HOE108は、ガウス光強度分布をフラットトップ光強度分布に再整形するように構成され得る。このように光強度分布を再整形することはとりわけ有利であり得る。具体的には、従来のホログラフィでは、ホログラフィック媒体102にわたる光強度の非均一分布が許容可能であり得た。典型的には、光強度のかかる非均一分布は、ホログラフィック像がホログラフィック媒体102の中心において明るくなり、ホログラフィック媒体102の縁又は外縁においてくすむことを招く。従来の、例えば美術的なホログラムでは、そのような像が魅力的だと、即ち愉快な見栄えを有すると見なされる場合があった。しかしデータを記憶する事例では、ホログラフィック媒体102の領域が記録中に低減した露光を有することは、不所望であるデータの破損を招き得る。体積ホログラフィックデータ記憶装置100内でビーム整形HOE110を使用することは、露光が減ったかかる領域を減らす又はなくすことができ、データ記憶域の信頼性の増加をもたらす。
【0063】
体積ホログラフィックデータ記憶装置100は、波長多重化、角度多重化、位相多重化、及び/又は空間多重化によって体積ホログラフィック媒体102内にデータを記録するように構成され得る。かかる多重化は、体積ホログラフィック媒体102内に記録することができるデータ量を増やすことができる。例えば角度多重化を使用し、90°の範囲にわたって0.1°隔てられた角度でホログラフィック媒体102内に異なるホログラフィック像(即ち900個の像)を記録することが可能であり得る。明らかになるように、各像はデータを含むことができ、従ってこれらの技法は大量のデータを記録するために使用することができる。
【0064】
「多重化」という用語は複数のデータセットの符号化を指すために使用され、一部の例では「多重化」の代わりに又は「多重化」だけでなく「絡み合い」及び/又は「相関」を指すことが好ましい場合がある。
【0065】
図1に示すように、少なくとも1つの体積ホログラフィック光学素子は多機能HOE104を含み得る。多機能HOE104は、少なくとも第1の及び第2の体積ホログラフィック光学素子を含む。第1の及び第2の体積ホログラフィック光学素子は同じホログラフィック光学素子媒体内に記録され得る。第1の及び第2の体積ホログラフィック光学素子は、波長多重化、角度多重化、位相多重化、及び/又は空間多重化によって同じホログラフィック光学素子媒体内に記録され得る。従って、多機能HOE104の機能は、照射の波長、照射の角度、照射の位相、及び/又は照射の位置を変えることによって選択することができる。一例として、波長多重化が使用される場合、照射の波長を変えることによって多機能HOEの機能を変えることができる。その場合、例えば第1の波長で照射されるとき多機能HOE104は第1のレンズとして機能することができ、例えば第2の波長で照射されるとき多機能HOE104は第2のレンズとして機能することができる。そのような場合、ホログラフィック光学素子媒体は、第1の及び第2の体積HOEを提供する第1の及び第2の干渉構造を自らの中に記録している可能性がある。かかるHOEは知られている技法を使用して製造することができ、従ってHOEの製造については本明細書で記載しない。明らかになるように、例えばより少ないコンポーネントを有する体積ホログラフィックデータ記憶装置100を提供することができるので、かかる多機能HOEを使用することは有利であり得る。
【0066】
図4は、体積ホログラフィック媒体102内にデータを記録し及び/又は体積ホログラフィック媒体102からデータを読み出すための別の体積ホログラフィックデータ記憶装置100を示す。体積ホログラフィックデータ記憶装置100は、少なくとも1つの体積HOEを含む。図示のように、体積ホログラフィックデータ記憶装置100は、第1の多機能HOE130、第2の多機能HOE132、及び/又は第3の多機能HOE134を含み得る。信号ビーム(図示のように物体ビーム154)からの光は最初に第1の多機能HOE130によって、次いで第2の多機能HOE132によって、次いで第3の多機能HOE134によって回折させることができる。理解されるように、この事例では第2の及び第3の多機能HOE132、134が更なる体積HOEであり得る。物体ビーム154が第1の、第2の、及び/又は第3の多機能HOE130、132、134によって回折された後、ビームが体積ホログラフィック媒体102に到達し、ホログラムを形成するように干渉構造が記録される。明らかになるように、ホログラフィック媒体102内に記録されるデータは、第1の、第2の、及び/又は第3の多機能HOE130、132、134内に含まれるデータの組み合わせであり得る。第1の、第2の、及び/又は第3の多機能HOE130、132、134内に含まれるデータ又はホログラフィックコンテンツは、ホログラフィック像138として概略的に表されている。従って(第1の、第2の、及び/又は第3の多機能HOE130、132、134内に記録される)空間的に区分されたスペクトルデータセットの合計をホログラフィック媒体102内に体積HOEとして記録することができる。体積ホログラフィック媒体102内の多機能体積ホログラムを形成するようにHOEを使用して正確で固有の光学データセットをこのように記録することは、光学データ記憶域の潜在性を最大化するように設計されている。従って、体積ホログラフィックデータ記憶装置100は膨大な量の情報を記憶可能であり得る。
【0067】
図1、
図3、及び
図4は、複数のHOE104、106、108、110、112、114、116、118を含む体積ホログラフィックデータ記憶装置100を示す。従って、開示する体積ホログラフィックデータ記憶装置100は更なる体積HOE104、106、108、110、112、114、116、118を含み得る。図示のように、体積ホログラフィックデータ記憶装置100は、体積ホログラフィック媒体102へと第1の及び/又はもしある場合は第2の体積HOE104、106、108、110、112、114、116、118を用いて光を回折させること、及び更なる体積ホログラフィック光学素子104、106、108、110、112、114、116、118を用いて光を回折させることによって体積ホログラフィック媒体102内にデータを記録するように構成され得る。
【0068】
図10は、概略的に図示され、500で全体的に示されている更なる体積ホログラフィックデータ記憶装置を示す。体積ホログラフィックデータ記憶装置500は、体積ホログラフィック媒体502内にデータを記録し及び/又は体積ホログラフィック媒体502からデータを読み出すためのものである。体積ホログラフィックデータ記憶装置500は、体積ホログラフィック媒体502内にデータを含む像を記録することができるようにランダム位相マスク580上に像を投影するための構成を含む。
【0069】
ホログラフィックランダム位相マスクの再構築は、データページ情報が投影されている入射光源によって可能にされる。次いでこの構築体は、体積ホログラフィックデータキャリアとして更に記録される。
【0070】
図10に特定の構成を示すが、ランダム位相マスク580上にデータを含む像を投影可能な任意の代替構成を使用することができる。
【0071】
データを含む像がその上に投影されるランダム位相マスク580を設け、その投影を体積ホログラフィック媒体502内に記録することによりフーリエ変換ホログラムが形成される。ホログラフィック位相マスクの再構築は、SLM560及び/又はDMDから反射されるコヒーレント光源によって可能にされ得る。コヒーレント光源はデータを運ぶこともできる。投影される像が体積ホログラフィック媒体502において焦点が合っていないので、このように形成されるホログラムはフーリエ変換ホログラムとして記載する。従って、フーリエ変換多重化が可能である。例えばフーリエ変換多重化は、ランダム位相マスク580を複数の深度(例えば体積ホログラフィック媒体502からの複数の距離)に配置することによって実現され得る。
【0072】
明らかになるように、このようにしてホログラフィック媒体580の効率的な使用が可能にされ得る。具体的には、ホログラフィック媒体580の小さい部分内に像(例えばデータページを含む像)を記録するためにこの構成を使用することが可能であり得る。従って、ホログラフィック媒体の所与のサイズ内により多数の像(又はデータページ)を記録することが可能であり得る。
【0073】
明らかになるように、ランダム位相マスク580は光学ランダム位相マスク及び/又はホログラフィックランダム位相マスクとして記載することができる。更に、像は投影像として記載することができる。加えて又は或いは、ランダム位相マスク580はディフューザとすることができ又はディフューザとして記載することができる。
【0074】
図10に示すように、ランダム位相マスク580は、体積ホログラフィック媒体502から隔てる、例えば光学的に透明なスペーサ582によって隔てることができる。光学的に透明なスペーサは、空隙又は他の任意の適切な代替策とすることができ、又はそれらを含み得る。
【0075】
体積ホログラフィックデータ記憶装置500では、ランダム位相マスク580がランダム位相マスクHOEであり得る。ランダム位相マスクHOEとしてランダム位相マスク580を提供することは、ロバスト性、コンパクト性、信頼性、並びに光学的な等価物よりも少ない信号劣化及び損失を含む、本明細書に記載のHOEとして任意のコンポーネントを提供することに関連する利点を提供することができる。加えて、ランダム位相マスクHOEの方が従来のランダム位相マスクよりも少ないスペックル及び少ない不所望の方向への散乱を有し得るので、ランダム位相マスクHOEとしてランダム位相マスク580を提供することは古典的な光学的ランダム位相マスクを使用するよりも効率的であり得る。
【0076】
加えて又は或いは、ランダム位相マスク580はランダム位相マスク回折光学素子(DOE)であり得る。
【0077】
ランダム位相マスク580は、波長選択ランダム位相マスクであり得る。波長選択ランダム位相マスクを使用することのあり得る利点は、ランダム位相マスクがより制御可能であり得ることである。適切な所望の波長だけが波長選択ランダム位相マスクによって散乱されるので、波長選択ランダム位相マスクを使用することによって優れたホログラム記録を実現することができる。波長固有ランダム位相マスクを使用することは(相対的に)安価なレーザを用いて読み出すことが容易なホログラムをもたらす可能性があり、換言すればホログラムの読み出しがより単純になり得る。
【0078】
ランダム位相マスク580は、全整色ランダム位相マスクであり得る。全整色ランダム位相マスクは一連の、通常は広範な様々な光の波長を散乱する。体積ホログラフィックデータ記憶装置500による波長多重化が望ましい場合、全整色ランダム位相マスクを使用することが好ましく及び/又は有用であり得る。具体的には、全整色ランダム位相マスクを使用することは、複数の波長においてホログラム又は干渉構造を記録するために複数のランダム位相マスクが必要とされないことを意味し得る。
【0079】
ランダム位相マスク580は、ビーム整形ランダム位相マスクであり得る。360°のフィールドを通して光を均等に散乱させる非ビーム整形ランダム位相マスクとは対照的に、ビーム整形ランダム位相マスクは特定のフィールド内で光を散乱させる。かかるビーム整形ランダム位相マスクは、「集束」ランダム位相マスク及び/又は「反射防止」ランダム位相マスクとすることができ又はそのように記載され得る。ビーム整形ランダム位相マスクを使用することは光の無駄を減らし、関連する利点、例えば露光時間の時間長が短いこと、より低出力の光源を使用すること等をもたらすことができる。
【0080】
体積ホログラフィックデータ記憶装置500は、ランダム位相マスク580と体積ホログラフィック媒体502との間のパララックスバリア584を更に含み得る。パララックスバリア584は、不透明材料内の開口部とすることができ又はかかる開口部を含み得る。パララックスバリア584は、体積ホログラフィックデータ記憶装置500がデータページを記録することを可能にすることができ、体積ホログラフィック媒体502の相対的に小さい部分であり、更なるデータページを記録するために使用可能であるように体積ホログラフィック媒体502の残りの部分を残しておく。このようにして、体積ホログラフィック媒体502内に記録されるデータの密度が相対的に高くあり得る。
【0081】
理解されるように、
図10に示す体積ホログラフィックデータ記憶装置500を使用し、照射時にホログラム又はランダム位相マスク上の投影を表示する干渉構造を含む体積ホログラフィック媒体502を記録することができる。かかるホログラムを記録し使用することは上記の利点を提供し得る。
【0082】
記載した特徴に加えて、体積ホログラフィックデータ記憶装置500は、体積ホログラフィックデータ記憶装置の従来の特徴、及び/又はランダム位相マスク580上にデータを含む像を投影するための構成と共に使用されるように特に適応される特徴を更に含み得る。例えば体積ホログラフィックデータ記憶装置500は、コヒーレント単色光源等の光源550、550’、例えばレーザ光源550、550’を含み得る。2つの光源550、550’を使用することは、複数の異なる光の波長を提供する1つのやり方である。従って
図10の構成は、体積ホログラフィックデータ記憶装置の複数の波長に及び得る、多重化された二波長の体積ホログラフィックデータ記憶装置500の概略図を示す。光源550、550’からの光は、シャッタとして機能する光音響変調器551、551’によって制御され得る。かかる変調器は、体積ホログラフィックデータ記憶装置500内の同時の、連続した、又は散在した露光を届けることができ得る。
【0083】
光源550、550’からの光は、(HOEであり得る)ダイクロイックミラー590に入射するように構成され得る。ダイクロイックミラーは構成され得る、単一の結合同軸ビームをもたらすために光源500、550’からの光のビームを結合する。
【0084】
体積ホログラフィックデータ記憶装置500内の光の直線偏光の面を制御するために半波長板592を使用することができる。具体的には、LCoS型のSLM560が使用される場合、SLM560に対する入射光の適切な偏光を確実にする必要があり得る。例えば異なる種類のSLM560を有する他の構成では、かかる半波長板が必要でない又は有利でない場合がある。
【0085】
体積ホログラフィックデータ記憶装置500は、ビームスプリッタ552を含み得る。ビームスプリッタは偏光ビームスプリッタとすることができ、その場合はたとえLCos型のSLM560が使用されても半波長板592は不要であり得る。ビームスプリッタ552は、ホログラム記録プロセスのための参照ビーム556をもたらすために光の一部を分けることを可能にする1つのやり方である。図示のように、参照ビーム556はミラー558’によって反射される。ミラー558’は、ホログラフィック媒体502に向けて参照ビーム556を導くことができ得るソレノイド制御反射板とすることができる。
【0086】
ホログラフィック媒体502は、保護マスク594内の開口部によって画定される露光ゲートによって遮蔽され得る。
【0087】
体積ホログラフィックデータ記憶装置500は、参照ビーム556を整形するための空間フィルタ596及び/又はコリメーティングレンズ598を更に含み得る。当業者に明らかになるように、かかる空間フィルタ596及びコリメーティングレンズ598は
図10に示す位置に対して代替的な位置にあり得る。
【0088】
物体ビーム554は、SLM560に対する平行照射を与える1つのやり方として空間フィルタ596’及び/又はコリメーティングレンズ598’を通過することができる。SLM560は、コード化データのページを表示し及び/又は投影するために使用することができる。図示のように、物体ビーム554は円偏光子600によってフィルタされ得る。物体ビーム554は、レンズ602によっても集束され得る。物体ビームは、ランダム位相マスク580において像を作り出すように開口部604を通過することもできる。
【0089】
体積ホログラフィック媒体502が(例えば)フォトポリマである場合、記録される干渉構造は露光中に形成することができ、媒体502は例えばLEDランプ606からの紫外線光を当てることによって硬化させることができる。当業者に明らかになるように、異なる体積ホログラフィック媒体は異なる記録要件を有し、例えばハロゲン化銀システムはそれ自体で知られているように別個の処理ステップを含む。
【0090】
体積ホログラフィックデータ記憶装置500は、体積ホログラフィック媒体502を操作するための(フィルム)送り構成を含み得る。例えばカセット型のアプリケータ及び/又は回転ディスク駆動型の露光配置システムを伴い得るオープンリール式のフィルムシステムの直線運動。フィルムの適切なX-Y運動によって個々の露光区域が位置の安定した露光を得ることを可能にするように体積ホログラフィック媒体502を位置付ける能力を有するフィルムシステムを使用することができる。体積ホログラフィック媒体502内の広い有効範囲及び高密度の記録を可能にするために、個々の露光区域はモザイク状(これだけに限定されないが正方形、矩形、又は六角形を含む)であり得る。
【0091】
図5に示すように、体積ホログラフィック媒体202内にデータを記録し及び/又は体積ホログラフィック媒体202からデータを読み出すための体積ホログラフィックデータ記憶装置200も提供し、体積ホログラフィックデータ記憶装置200は信号ビーム及び/又は参照ビームを運ぶための少なくとも1つの光ファイバ204、206、208を含む。
図5に示すように、光ファイバ204、206は信号ビームを運ぶためのものであり、光ファイバ208は参照ビームを運ぶためのものである。信号ビームは、(
図5の構成内で示すように)データの記録中に体積ホログラフィック媒体202に進む光とすることができ、及び/又はデータの読み出し中に体積ホログラフィック媒体202から進む光(不図示)であり得る。明らかであるように、知られているホログラフィックデータ記憶装置内の従来の直線光路を置換するために光ファイバ204、206、208が使用されている。事実、体積ホログラフィックデータ記憶装置100内の直線光路を置換するために光ファイバを有利に使用できることは本開示の重要な実現である。体積ホログラフィックデータ記憶装置100内で光ファイバ204、206、208を使用することは有利であり得る。とりわけ光ファイバによって接続されるコンポーネントは互いに対して移動する場合があり、それでもなお所期の経路に沿って光が進むことを可能にするため完璧なアライメントに留まる必要がないので、かかる体積ホログラフィックデータ記憶装置200はよりロバストであり得る。更に、光ファイバを使用することは、直線光路が必要とされる構成よりも体積ホログラフィックデータ記憶装置200のコンポーネントが効率的に配置されることを可能にし得るので、かかる体積ホログラフィックデータ記憶装置200はより小さくあり得る。例えば斜角の分だけ光を曲げることが望ましい場合、かかる構成は従来の光学よりも光ファイバを使用することによってはるかに利用しやすい。更に、光ファイバを使用することによって信号劣化及び損失を減らすことができるので、かかる体積ホログラフィックデータ記憶装置200の方が高信頼であり得る。
【0092】
体積ホログラフィックデータ記憶装置200は、空間光変調器(SLM)220及び/又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)(不図示)を更に含むことができ、かかるコンポーネントは従来の体積ホログラフィックデータ記憶装置にあるのと同じ機能を有し得る。図示のように、光ファイバ204、206はSLM220及び/又はDMDとの間で情報を運ぶように構成され得る。
【0093】
光ファイバは単一モードファイバ、例えばマルチコア単一モードファイバであり得る。単一モードファイバを使用することはモード雑音を減らし又は回避し、それにより体積ホログラフィックデータ記憶装置200の精度及び信頼性を高めることができる。
【0094】
体積ホログラフィックデータ記憶装置200は、体積ホログラフィック光学素子を更に含み得る。例えば
図5に示すように、体積ホログラフィックデータ記憶装置200は光ファイバ方向性結合器222を含む。光ファイバ方向性結合器222は体積HOEから完全に作ることができ、又はHOEを含み得る。具体的には、体積ホログラフィック光学素子は、光ファイバ204、208内に信号ビーム及び/又は参照ビームを集束させるように構成され得る。
【0095】
明らかになるように、
図5に関して記載する体積ホログラフィックデータ記憶装置200は、本明細書に記載の他の体積ホログラフィックデータ記憶装置の特徴の1つ若しくは複数又は全てを更に含み得る。加えて又は或いは、本明細書に記載の他の体積ホログラフィックデータ記憶装置は、
図5に関して記載する体積ホログラフィックデータ記憶装置200の特徴の1つ又は複数を更に含み得る。
【0096】
図6及び
図7に関して示すように、体積ホログラフィック媒体302内にデータを記録するための体積ホログラフィックデータ記憶装置300も提供し、体積ホログラフィックデータ記憶装置300はデータページの六角形離散アレイ状の体積ホログラフィック媒体302内にデータを記録するように構成される。
【0097】
加えて又は或いは、体積ホログラフィック媒体302内にデータを記録するための体積ホログラフィックデータ記憶装置300も提供し、体積ホログラフィックデータ記憶装置300は離散データページのモザイクの(例えば六角形の)アレイ状の体積ホログラフィック媒体302内にデータを記録するように構成される。
【0098】
体積ホログラフィックデータ記憶装置300は、単一の干渉構造内に六角形アレイを記録することにより、離散データページの六角形アレイ状の体積ホログラフィック媒体302内にデータを記録するように構成され得る。加えて又は或いは、データ記憶装置は、六角形アレイ状の複数の光学干渉構造を記録することにより、離散データページの六角形アレイ状の体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成され得る。
【0099】
六角形アレイは平面六角形アレイを含み得る。六角形アレイは複数の平面六角形アレイを含み得る。理解されるように、複数の平面六角形アレイは構造の点で蜜蜂の巣に似ている。全ての六角形アレイは体積ホログラフィック媒体302内のデータの効率的な記録を促進し得るが、かかる構成はとりわけ効率的であり得る。
【0100】
図6及び
図7に関して示すように、体積ホログラフィック媒体302内にデータを記録するための体積ホログラフィックデータ記憶装置300も提供し、体積ホログラフィックデータ記憶装置は六角形干渉構造状の体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成される。六角形干渉構造内にデータを記録することは、体積ホログラフィック媒体302内にデータを効率的に記録することを促進し得る。
【0101】
図8は、離散データページの六角形アレイ304の一例を示す。六角形アレイ304の一例は、単一の干渉構造内に記録される離散データページの六角形アレイとすることができ、又は複数の光学干渉構造の六角形アレイであり得る。
【0102】
上記で記載したのと同様のやり方で、
図6及び
図7の体積ホログラフィックデータ記憶装置300は、波長多重化、角度多重化、位相多重化、及び/又は空間多重化によってデータを記録するように構成され得る。それにより得られる利点も同様であり得る。
【0103】
体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300は、体積ホログラフィック媒体102、202、302からデータを読み出すように更に構成され得る。
【0104】
図6に関して示すように、体積ホログラフィック媒体302内にデータを記録するための体積ホログラフィックデータ記憶装置300も提供し、データ記憶装置300は体積ホログラフィック媒体302へと空間光変調器320及び/又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)(不図示)に光(コヒーレント単色光、例えばレーザ光等)を通すこと、又は空間光変調器320及び/又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)(不図示)から光(コヒーレント単色光、例えばレーザ光等)を反射させることによって体積ホログラフィック媒体302内にデータを記録するように構成される。更に、空間光変調器320及び/又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)と体積ホログラフィック媒体との間で、少なくとも10
-2、10
-3、10
-4、10
-5、又は10
-6倍に像が圧縮される。かかる像圧縮は、かかる像圧縮がない場合よりも大量のデータをホログラフィック媒体302内に記録することを可能にし得る。
【0105】
図6に示すように、かかる像圧縮はコリメーティングレンズ368を使用して実現することができる。明らかになるように、コリメーティングレンズ368は体積HOEで置換することができる。このことは上記の利点をもたらし得る。
【0106】
ホログラフィック媒体302からデータを読み出す際、ホログラフィック媒体302から回折される光がホログラフィック媒体302内に記録される干渉構造によって拡散(disperse)され得るので、ホログラフィック媒体302を読み出すための特別な構成を有する必要はない場合がある。
【0107】
上記で説明したように、体積ホログラフィックデータ記憶装置300は、波長多重化、角度多重化、位相多重化、及び/又は空間多重化によってデータを記録するように更に構成され得る。このことは上記の利点をもたらし得る。
【0108】
体積ホログラフィックデータ記憶装置300は、波長逆多重化、角度逆多重化、位相逆多重化、及び/又は空間逆多重化によってデータを読み出すように更に構成され得る。実際、データが本明細書の多重化を使用して記録される場合は常に、そのデータは対応する逆多重化を用いて読み出すことができる。
【0109】
体積ホログラフィック媒体102、202、302、502内にデータを記録するための体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、500も提供し、データ記憶装置100、200、300、500は少なくとも第1のデータページ及び第2のデータページにおいて体積ホログラフィック媒体102、202、302、502内にデータを記録するように構成され、第1のデータページ及び第2のデータページは同一データを含む。第1のデータページ及び第2のデータページが同一データを含むので、第1のデータページ及び第2のデータページからのデータを比較することによってデータの正しい読み出しを確認することができる。このようにして、ホログラフィック媒体102、202、302、502から読み出されるデータ内の誤りをさもなければ招き得るホログラフィック媒体102、202、302、502内の欠陥、又はホログラフィック媒体102、202、302、502内に記録される干渉構造内の欠陥を識別し訂正することができる。
【0110】
データ記憶装置100、200、300、500は、マイクログラム状の体積ホログラフィック媒体内にデータを記録するように構成され得る。
【0111】
データ記憶装置100、200、300、500は、体積ホログラフィック媒体102、202、302、502内の単一の干渉構造内のマイクログラムのアレイ状の体積ホログラフィック媒体102、202、302、502内にデータを記録するように更に構成され得る。
【0112】
理解されるように、データ記憶装置100、200、300、500は、体積ホログラフィック媒体102、202、302、502を含む体積ホログラムを提供するために使用することができ、体積ホログラフィック媒体102、202、302、502は、照射時に少なくとも第1のデータページ及び第2のデータページを表示する干渉構造を含み、第1のデータページ及び第2のデータページは同一データを含む。このことは上記の利点、とりわけ確認可能なデータ記憶域をもたらすことができる。
【0113】
データ記憶装置100、200、300、500は、六角形又は他の幾何学的アレイ状の複数の光学干渉構造を記録することにより、離散データページの六角形アレイ状の体積ホログラフィック媒体102、202、302、502内にデータを記録するように構成され得る。上記で説明したように、六角形アレイの一例を
図8に示す。かかる六角形アレイは、体積ホログラフィック媒体102、202、302、502内のデータの効率的な記録、とりわけ体積ホログラフィック媒体102、202、302、502内の干渉構造の効率的なパッキングを促進することができる。
【0114】
六角形又は他の幾何学的アレイは、六角形又は他の幾何学的アレイ内にあり得る。そのように入れ子にされたアレイは、体積ホログラフィック媒体102、202、302、502内の干渉構造の効率的なパッキングをもたらし得る。
【0115】
理解されるように、データ記憶装置100、200、300、500は、体積ホログラフィック媒体102、202、302、502を含む体積ホログラムを提供するために使用することができ、体積ホログラフィック媒体102、202、302、502は照射時に離散データページの六角形アレイを表示する干渉構造を含む。このことは上記の利点、とりわけ効率的なデータ記憶域をもたらし得る。
【0116】
理解されるように、データ記憶装置100、200、300、500は、体積ホログラフィック媒体102、202、302、502を含む体積ホログラムを提供するために使用することもでき、体積ホログラフィック媒体102、202、302、502は干渉構造の六角形アレイを含み、各干渉構造は離散データページを含む。このことも上記の利点、とりわけ効率的なデータ記憶域をもたらし得る。
【0117】
図9に関して示すように、体積ホログラフィック媒体402からデータを読み出すための体積ホログラフィックデータ記憶装置400も提供する。体積ホログラフィックデータ記憶装置400は、体積ホログラフィック媒体402の少なくとも第1のデータページ及び第2のデータページからデータを読み出すように構成される。データ記憶装置400は、第1のデータページからのデータと第2のデータページからのデータとを比較することによってデータの正確な読み出しを確認するように構成される。上記のように第1のデータページ及び第2のデータページは同一データを含むので、第1のデータページ及び第2のデータページからのデータを比較することによってデータの正しい読み出しを確認することができる。このようにして、ホログラフィック媒体402から読み出されるデータ内の誤りをさもなければ招き得るホログラフィック媒体402内の欠陥、又はホログラフィック媒体402内に記録される干渉構造内の欠陥を識別し訂正することができる。
【0118】
図9に関して更に示すように、体積ホログラフィック媒体402からデータを読み出すための体積ホログラフィックデータ記憶装置400も提供し、体積ホログラフィックデータ記憶装置400は、体積ホログラフィック光学素子を用いて光を回折させることによって体積ホログラフィック媒体402を照射することで体積ホログラフィック媒体402からデータを読み出すように構成される。
図9に示すように、体積ホログラフィックデータ記憶装置400はそのようなHOEを3つ含み得る。具体的には、図示のように体積ホログラフィックデータ記憶装置400は、第1の体積HOE404、第2の体積HOE406、及び/又は第3の体積HOE408を含み得る。同じく図示のように、第1の体積HOE404は多機能HOEとすることができ、第2の体積HOE406は多機能HOEとすることができ、及び/又は第3の体積HOE408は多機能HOEとすることができる。
【0119】
上記のように、多機能HOE404、406、408は、少なくとも第1の及び第2の体積ホログラフィック光学素子を含み得る。第1の及び第2の体積ホログラフィック光学素子は、同じホログラフィック光学素子媒体内に記録され得る。第1の及び第2の体積ホログラフィック光学素子は、波長多重化、角度多重化、位相多重化、及び/又は空間多重化によって同じホログラフィック光学素子媒体内に記録され得る。従って、多機能HOE404、406、408の機能は、照射の波長、照射の角度、照射の位相、及び/又は照射の位置を変えることによって選択することができる。一例として、波長多重化が使用される場合、照射の波長を変えることによって多機能HOEの機能を変えることができる。その場合、例えば第1の波長で照射されるとき多機能HOE404、406、408は第1のレンズとして機能することができ、例えば第2の波長で照射されるとき多機能HOE404、406、408は第2のレンズとして機能することができる。そのような場合、ホログラフィック光学素子媒体は、第1の及び第2の体積HOEを提供する第1の及び第2の干渉構造を自らの中に記録している可能性がある。明らかになるように、例えばより少ないコンポーネントを有する体積ホログラフィックデータ記憶装置400を提供することができるので、かかる多機能HOEを使用することは有利であり得る。
【0120】
更に、多機能HOE404、406、408は、体積ホログラフィック媒体402の特定の領域を標的にするために使用することができる。例えば403で全体的に示す体積ホログラフィック媒体402の拡大図に関して示すように、多機能HOE404、406、408は体積ホログラフィック媒体402の特定の領域又はデータページを標的にするために使用することができる。一例として、
図9は体積ホログラフィック媒体402の2つのセル14及び28が多機能HOE404、406、408によって標的にされていることを示す。
【0121】
上記の特徴に加えて、
図1から
図7、
図9、及び
図10に関して記載した体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500は、体積ホログラフィックデータ記憶装置の従来の特徴を含み得る。例えば体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500は、コヒーレント単色光源等の光源、例えばレーザ光150、250、350、450、550、550’を含み得る。体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500はビームスプリッタ152、352、552を含むことができ、ビームスプリッタは偏光ビームスプリッタであり得る。その結果、体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500は、(物体ビームであり得る)信号ビーム154、354、454、554、及び/又は参照ビーム156、356、556を含み得る。更に、体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500はミラー158、358、558、558’を含み得る。ミラーは当技術分野で知られているように適切に配置され得る。体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500は、空間光変調器(SLM)160、260、360、560、及び/又はフォトネガティブ361を含み得る。加えて又は或いは、当技術分野で知られているデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)又は信号変調器(SM)を使用することができる。体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500は、当技術分野で知られているレーザダンプ162を含み得る。体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500は、当技術分野で知られている1つ又は複数の対物レンズ164、364を含み得る。体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500は、当技術分野で知られているフーリエ変換レンズ166を含み得る。体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500は、当技術分野で知られているコリメーティングレンズ368、568を含み得る。体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500は、当技術分野で知られているNDフィルタ370を含み得る。体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500は、当技術分野で知られているフィールドレンズ372を含み得る。体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500は、当技術分野で知られている、体積ホログラフィック媒体102、202、302、402、502からデータを読み出すように構成される光検出ダイオード474を含み得る。光検出ダイオード474は、体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500によって読み出されるデータを受信し又は前方に伝送するためにコンピュータ476に接続され得る。体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500は、当技術分野で知られているビームコンバイナ376を含み得る。
【0122】
本明細書に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500は、任意の体積ホログラフィック媒体102、202、302、402、502を使用することができ、かかる媒体内にはそれ自体で知られている干渉構造を記録することができる。体積ホログラフィック媒体102、202、302、402、502は媒体の知られている特性に基づいて選択され、例えば一定の媒体は媒体の同じ部分内に複数の干渉構造を記録するために複数の露光を許可し、他の媒体は媒体の同じ部分内に複数の干渉構造(例えば波長多重化又は角度多重化干渉構造)を記録するために同時露光を必要とする。
【0123】
明らかになるように、本明細書に記載の体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500は、本明細書に記載の他の体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500の特徴の1つ若しくは複数又は全てを更に含み得る。具体的には、各体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500の利点は、本明細書に記載の他の体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500の利点と組み合わせて得ることができる。
【0124】
明らかになるように、本明細書はデータ記憶域内でホログラフィック光学素子を使用することをもたらす。概して、HOEは体積HOEである。更に本明細書は、デジタルデータを記録すること及び記憶することの両方のためのHOEを含む体積ホログラフィックデータ記憶装置100、200、300、400、500の最適化をもたらす。具体的には、デジタル情報の記憶域内で(可視周波数又は非可視周波数において動作し得る)HOEを使用することは本明細書の重要な開発である。
【0125】
本明細書及び特許請求の範囲で使用するとき、「includes」、「including」、「comprises」、及び「comprising」という用語並びにその異体は、指定の特徴、ステップ、又は整数が含まれることを意味する。これらの用語は他の特徴、ステップ、又はコンポーネントの存在を除外するように解釈すべきではない。
【0126】
開示した機能を実行するための手段又は開示した結果を得るための方法若しくはプロセスの特定の形式で又はその観点から表現する、上記の説明、又は添付の特許請求の範囲、又は添付図面の中で開示した特徴は、本発明をその多岐にわたる形態で実現するために必要に応じて別々に又はかかる特徴の任意の組み合わせで利用することができる。
【0127】
本発明の実施形態の一定の例を記載してきたが、添付の特許請求の範囲がそれらの実施形態だけに限定されることは意図しない。特許請求の範囲は逐語的に、合目的的に、及び/又は等価物を包含するように解釈すべきである。
【国際調査報告】