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特表2024-511755電動回転式トレッドミルおよび動きの錯覚を作り出すためのシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】電動回転式トレッドミルおよび動きの錯覚を作り出すためのシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/222 20060101AFI20240308BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
H04N5/222
G06F3/01 560
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557094
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(85)【翻訳文提出日】2023-10-24
(86)【国際出願番号】 US2022020919
(87)【国際公開番号】W WO2022198028
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】63/163,135
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523351782
【氏名又は名称】インフィニセット,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ゲルタン,マシュー
【テーマコード(参考)】
5C122
5E555
【Fターム(参考)】
5C122DA03
5C122DA36
5C122DA42
5C122EA59
5C122FA17
5C122FK24
5C122GD11
5C122GE04
5C122GF04
5C122HA82
5E555AA76
5E555BA90
5E555BB40
5E555BC08
5E555BE15
5E555CB66
5E555DA03
5E555DA06
5E555DA21
5E555DA24
5E555DB53
5E555DB57
5E555DC85
5E555FA00
(57)【要約】
電動回転式トレッドミルアセンブリ(10)、およびユーザがトレッドミル(12)のエンドレストラック(20)上を歩くまたは移動するとき、ユーザが環境に対して静止している間にユーザが移動しているような錯覚を作り出すシステム。次いで、ユーザは、物理的位置に静止したまま、無制限の方向に無制限の距離を移動することができる。トレッドミル(12)の速度は、カメラの動きおよびユーザの現実世界の動きの速度、ならびにユーザがトラック(20)上を移動する距離に正確に制御され、かつ/または正確に一致して、撮影されている人物の動きの錯覚を作り出す。トレッドミルアセンブリ(10)がLED仮想フィルムセットまたはグリーンスクリーンセット内に提供されるとき、選択された環境における動きをさらに補うために、背景画像が追加される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動式トレッドミルであって、
エンドレスループに配置されたトレッドミルベルトを支持するトラベルデッキと、
前記トラベルデッキを回転させるためのターンテーブルと、
前記ベルト上の1つ以上の位置に選択された振動を提供するための1つ以上の振動源と、
前記トラベルデッキ、ターンテーブル、および1つ以上の振動源を支持するためのフロアベースと
を備える電動式トレッドミル。
【請求項2】
前記1つ以上の振動源が、調整可能な振動モータを備える、請求項1に記載の電動式トレッドミル。
【請求項3】
フェノール樹脂シートが前記ベルトの下に設けられ、前記ベルトが移動するにつれて、前記ベルトがその上をスライドすることができ、前記振動源が前記シートの下側に固定されている、請求項2に記載の電動式トレッドミル。
【請求項4】
前記トレッドミルが、前記ベルトを介して前方向および後方向に移動するための表面をユーザに提供するように構成され、前記前方および後方の移動の角度方向が、X-Y平面における方向的に制限されない移動のために、前記ターンテーブルの回転を介して選択的に調整可能である、請求項1に記載の電動式トレッドミル。
【請求項5】
前記振動源が、前記ベルトの下に格子状に設けられ、前記ベルトと振動接触し、その結果、前記振動源が前記トレッドミル上のユーザに触覚フィードバックを提供する、請求項2に記載の電動式トレッドミル。
【請求項6】
前記振動源が、コントローラと通信し、1つ以上の振動源を、前記ベルトの移動の開始または停止、前記ターンテーブルの回転の開始または停止、前記ベルト上のユーザの位置、撮影されている前記シーンに関連するキュー、またはそれらの組合せを示すように作動させることができる、請求項5に記載の電動式トレッドミル。
【請求項7】
前記ターンテーブルが、ユーザにフロアスペースを提供する取り外し可能なカバーと、前記ターンテーブルを前記フロアベースから取り外すための1つ以上のハンドルとを備える、請求項1に記載の電動式トレッドミル。
【請求項8】
前記フロアベースが、前記ターンテーブルをその上で動作可能に支持し、前記ベースが、前記ターンテーブルをその上でセンタリングして支持するための複数のローラーホイールを備える、請求項1に記載の電動式トレッドミル。
【請求項9】
前記ターンテーブルが、前記トラベルデッキを動作可能に支持し、前記ターンテーブルが前記ベルトの動作を制御するためのモータを支持する、請求項8に記載の電動式トレッドミル。
【請求項10】
前記フロアベースが、前記ターンテーブルの動作のためのモータ、駆動ベルト、ローラー、および駆動ホイールアセンブリを収納する、請求項8に記載の電動式トレッドミル。
【請求項11】
前記ターンテーブル内に収納された1つ以上の電気構成要素に電力を供給するため、前記トレッドミルベルトに電力を供給するため、アセンブリ上のユーザに電力を供給するため、およびそれらの組み合わせのためのスリップリングをさらに備える、請求項10に記載の電動式トレッドミル。
【請求項12】
前記トレッドミルが、デジタル環境で前記トレッドミルを使用するための1つ以上のモノクロ表面を備え、前記モノクロ表面が、前記トレッドミル上のユーザのデジタル分離を可能にする、請求項1に記載の電動式トレッドミル。
【請求項13】
前記トレッドミルが、LED仮想フィルムセットの既存のLEDフロアタイルシステムからLEDフロアの一部を前記トレッドミルが置き換えることを可能にするのに十分な寸法を有するか、または前記トレッドミルが、標準的なグリーンスクリーンフィルムスタジオで使用するように構成されている、請求項1に記載の電動式トレッドミル。
【請求項14】
仮想レンダリング環境で使用するための、ユーザの動きの錯覚を作成するためのシステムであって、
前記トレッドミルが前記ベルトの無制限の方向移動を可能にするように、回転可能なターンテーブル上に動作可能に支持されたエンドレスベルトを有する電動式トレッドミルベースと、
前記トレッドミルの動きをリアルタイムでカメラと同期させるように構成されたコントローラとを備え、
前記トレッドミルベースが、前記ユーザをその上で支持するように構成され、前記トレッドミルベースが静止したままであり、前記ユーザの動きが、前記ベルトの表面領域に限定され、無制限の動きの錯覚が作成される、
システム。
【請求項15】
前記カメラと前記ユーザは互いに逆方向に回転する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記カメラの動きが、前記ユーザの無制限の動きの錯覚を作り出すために、前記ベルトが移動する現実世界の速度および距離と同期される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
動きの錯覚を作り出す方法であって、
回転可能なターンテーブル上のエンドレストラックと、前記ターンテーブルから離間されたカメラとを提供することであって、前記カメラが、前記エンドレストラックを中心とする軸の周りで前記ターンテーブルの周りを移動可能である、提供することと、
前記エンドレストラックの速度を制御することと、
前記ターンテーブルを回転させることによって、前記エンドレストラックの方向を制御することと、
前記カメラの動きを、前記エンドレストラックの現実世界の速度および前記トラックが移動する距離と同期させることと
を含む方法。
【請求項18】
前記エンドレストラック、回転可能ターンテーブル、ユーザ、またはそれらの組み合わせに1つ以上の音声、視覚、または触覚のキューソースを提供することと、
前記トラック上の前記ユーザの位置、前記トラックの移動の開始もしくは停止、および前記ターンテーブルの回転の開始もしくは停止、または撮影されている前記シーンに関連するキューのうちの1つ以上を示す物理的信号を前記エンドレストラック上の前記ユーザに提供するために、1つ以上の音声、視覚、または触覚のキューソースを作動させることと
をさらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記回転可能なターンテーブルを、LEDベースの仮想フィルムセットまたはグリーンスクリーンフィルムセットに設置することをさらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記ユーザの正確な位置を追跡することと、
前記エンドレスベルトの位置に前記ユーザを維持するために、前記ユーザの動きを指示するために、前記ユーザに物理的なキューを提供することと、
前記ユーザが前記エンドレスベルト上の前記位置から逸脱した場合、前記逸脱を補うために前記カメラおよび環境の位置を調整することと
をさらに含む請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月19日に出願された米国仮特許出願第63/163,135号の優先権およびその利益を主張するものであり、その内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
カメラ追跡システムは、グリーンスクリーンの背景LED壁背景とともに使用され、撮影されている人物が、まるで別の環境にいるかのように見えることを可能にし、その環境は、一般にCGIアーティストによって作成され、メディアサーバとともにレンダリングエンジンによってリアルタイムでレンダリングされる。人物が挿入され得る環境に関して、可能性は無限であるが、人物は、それ以外の点では、どれだけの距離、どの方向にこの仮想環境内で歩くまたは走ることができるかにおいて非常に制限される。
【0003】
ほとんどの「仮想フィルムセット」は、現在、撮影されている人物の動きを、LEDまたはグリーンスクリーンベースのセットの中心の非常に小さいエリアに厳しく制限するカメラ追跡システムを使用している。人物もカメラも常に、本質的にシーンの同じ場所に固定され、移動することができない。ビデオベースの環境がその位置において現実的に見えるようにするためには、人物の位置に対して静的なままでなければならない。追跡されたフィルムカメラは、移動し、異なる視点から環境を見ることができるが、それは、常に、同じ正面視点から人物を見る必要があり、人物の周りを周回する能力が非常に限られているという事実に起因して、本質的に静的である。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、無限に回転する電動式ターンテーブルの上に取り付けられる電動式トレッドミルに関する。トレッドミルベルトおよびターンテーブルの速度および方向は、ユーザ、非ユーザ(遠隔)の当事者によって、または3次元、仮想、および現実世界のGPS位置および回転データの組合せに基づいて決定され、制御される。
【0005】
本開示の態様は、エンドレスループに配置されたベルトを支持するトラベルデッキと、トラベルデッキを回転させるためのターンテーブルと、ベルト上の1つ以上の位置に触覚フィードバックを提供するための1つ以上の振動源と、トラベルデッキ、ターンテーブル、および1つ以上の振動源を支持するためのフロアベースとを有する電動式トレッドミルに関する。
【0006】
1つ以上の振動源は、調整可能な振動モータを備える。
【0007】
フェノール樹脂シートがベルトの下に設けられ、ベルトが移動するにつれて、ベルトはその上をスライドすることができ、シートの下側に振動源が固定されている。
【0008】
トレッドミルは、ベルトを介して前方向および後方向に移動するための表面をユーザに提供するように構成され、前方および後方の移動の角度方向は、X-Y平面における方向的に制限されない移動のために、ターンテーブルの回転を介して選択的に調整可能である。例えば、X-Y平面は、X-Y接地面、または仮想環境に対する接地面を指す。
【0009】
X-Y平面に対して、ベルトの一端を昇降させる機構によって、Z方向にベルトの向きを傾けることによって、Z方向に追加の動きが生じ得る。
【0010】
振動源は、ベルトの下に格子状に設けられ、ベルトと振動接触し、その結果、振動源がトレッドミル上のユーザに触覚フィードバックを提供する。振動源は、コントローラと通信し、1つ以上の振動源を、ベルトの移動の開始または停止、ターンテーブルの回転の開始または停止、ベルト上のユーザの位置、撮影されているシーンに関連するキューもしくはアクション、またはそれらの組合せを示すように作動させることができる。
【0011】
ターンテーブルは、ユーザにフロアスペースを提供する取り外し可能なカバーと、ターンテーブルをフロアベースから取り外すための1つ以上のハンドルとを備える。
【0012】
フロアベースは、ターンテーブルをその上で動作可能に支持し、ベースは、ターンテーブルをその上でセンタリングして支持するための複数のローラーホイールを備える。ターンテーブルは、トラベルデッキを動作可能に支持し、ターンテーブルがベルトの動作を制御するためのモータを支持する。フロアベースは、ターンテーブルの動作のためのモータ、駆動ベルト、ローラー、および駆動ホイールアセンブリを収納する。
【0013】
フロアベースは、トレッドミルベルトおよび/または振動モータなどのターンテーブル内に含まれる構成要素に電力およびデータを供給するスリップリングを含む。スリップリングは、そうでなければターンテーブルの回転を制限することになるデバイス内のコードまたはケーブルを排除することによって、ターンテーブルのエンドレス回転を可能にするように構成される。
【0014】
トレッドミルは、デジタル環境でトレッドミルを使用するための1つ以上のモノクロ表面を備え、モノクロ表面は、トレッドミル上のユーザのデジタル分離を可能にする。
【0015】
モノクロームの表面は、緑色、または移動するユーザがその前で撮影される背景を提供し、別に撮影された背景が最終画像に追加されることを可能にする任意の色である。
【0016】
トレッドミルは、LED仮想フィルムセットの既存のLEDフロアタイルシステムからLEDフロアの一部をトレッドミルが置き換えることを可能にするのに十分な寸法を有する。
【0017】
トレッドミルは、標準的なグリーンスクリーンフィルムスタジオで使用するように構成されている。
【0018】
本開示の別の態様は、ユーザの動きの錯覚を作り出すためのシステムに関する。ユーザは、仮想レンダリング環境、実写の事前撮影された環境、またはそれらの組み合わせに挿入され得る。システムは、トレッドミルがルトの無制限の方向移動を可能にするように、回転可能なターンテーブル上に動作可能に支持されたエンドレスベルトを有する電動式トレッドミルアセンブリと、トレッドミルの動きをリアルタイムでカメラと同期させるように構成されたコントローラとを含む。トレッドミルアセンブリは、ユーザをその上で支持するように構成され、トレッドミルアセンブリが静止したままであり、ユーザの動きが、ベルトの表面エリアに限定され、無制限の動きの錯覚が作成される。
【0019】
カメラとユーザは、現実的な軌道回転を達成するために、互いに逆方向に回転する。
【0020】
カメラの動きは、ユーザの無制限の動きの錯覚を作り出すために、ベルトが移動する現実世界の速度および距離と同期される。
【0021】
本開示のさらに別の態様は、動きの錯覚を作り出す方法に関する。仮想環境において動きの錯覚を作り出すために、方法は、回転可能なターンテーブル上のエンドレストラックと、ターンテーブルから離間されたカメラとを提供することを含み、カメラは、ターンテーブルの周りで移動可能であり、かつ/または垂直軸の周りで回転可能である。エンドレストラックの速度は、正確に制御可能であり、エンドレストラックの方向も、ターンテーブルを回転させることによって制御可能である。
【0022】
カメラの動きは次いで、エンドレストラックの現実世界の速度およびトラックが移動する距離と同期される。
【0023】
カメラの現在の向きに対するユーザとターンテーブルの同期した回転は、逆運動学を使用して解かれる。
【0024】
エンドレストラック、回転可能ターンテーブル、ユーザ、またはそれらの組み合わせに1つ以上の音声、視覚、または触覚のキューソースが提供され、トラック上のユーザの位置、トラックの移動の開始もしくは停止、ターンテーブルの回転の開始もしくは停止、または撮影されているシーンに関連するキューもしくはアクションのうちの1つ以上を示す物理的信号をエンドレストラック上のユーザに提供するために、1つ以上の音声、視覚、または触覚のキューソースを作動させること。
【0025】
回転可能なターンテーブルが、LEDベースの仮想フィルムセットまたはグリーンスクリーンフィルムセットに設置可能である。
【0026】
トレッドミル上のユーザの動きの錯覚を作り出すとき、方法は、ユーザの正確な位置をリアルタイムで追跡することと、エンドレスベルトの位置にユーザを維持するために、ユーザの動きを指示するために、ユーザに物理的なキューを提供することとを含む。ユーザがエンドレスベルト上の位置から逸脱した場合、逸脱を補うためにカメラの位置を調整すること。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】ある環境において動きの錯覚を生成するための電動回転式トレッドミルアセンブリおよびシステムの正面斜視図である。
図2】一実施形態における動きの錯覚の作成を説明するためのカメラ移動インジケータを有するアセンブリの正面斜視図である。
図3】電動回転式トレッドミルアセンブリの上面斜視図である。
図4】本明細書の1つ以上の実施形態によるアセンブリの上面斜視分解図である。
図5】本明細書の1つ以上の実施形態によるアセンブリの底面斜視分解図である。
図6】電動回転式トレッドミルのトラベルデッキの斜視図である。
図7】トラベルデッキの分解図である。
図8】トラベルデッキのフィードバックシステムを示す図である。
図9】トラベルデッキのフィードバックシステムを示す図である。
図10】トラベルデッキのフィードバックシステムを示す図である。
図11】一実施形態によるアセンブリのターンテーブル構成要素を示す図である。
図12】一実施形態によるアセンブリのターンテーブル構成要素を示す図である。
図13】一実施形態によるアセンブリのターンテーブル構成要素を示す図である。
図14】トラベルデッキが取り外された状態のターンテーブル構成要素の斜視図である。
図15】ターンテーブル構成要素の底面図である。
図16】ターンテーブルの内部構成要素を示すためにカバーパネルが取り外されたターンテーブルの上面斜視図である。
図17】トラベルデッキおよびターンテーブルが取り外された、1つ以上の実施形態による電動回転式トレッドミルのフロアベースの斜視図である。
図18】フロアベースの側面図である。
図19】フロアベースの内部構成要素を示すために1つ以上のカバーパネルが取り外されたフロアベースの上面斜視図である。
図20】フロアベースに支持されたターンテーブルおよびトラベルデッキの動力構成要素を示す図である。
図21】フロアベースに支持されたターンテーブルおよびトラベルデッキの動力構成要素を示す図である。
図22】フロアベースに支持されたターンテーブルおよびトラベルデッキの動力構成要素を示す図である。
図23】フロアベースの一部を示すフロアベースの上面図である。
図24】様々な環境における電動回転式トレッドミルを含む、本明細書の1つ以上の実施形態によるシステムの図である。
図25】様々な環境における電動回転式トレッドミルを含む、本明細書の1つ以上の実施形態によるシステムの図である。
図26】様々な環境における電動回転式トレッドミルを含む、本明細書の1つ以上の実施形態によるシステムの図である。
図27】アセンブリおよびシステムの通信および制御の方法を示すフローチャートである。
図28】アセンブリおよびシステムの通信および制御の方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書では、ユーザに全方向の模擬運動を提供するための電動回転式トレッドミルアセンブリについて説明する。ユーザは、ある場所に静止したまま、電動回転式トレッドミルアセンブリを使用している間、任意の方向に移動することができる。電動回転式トレッドミルアセンブリは、様々な環境で、エンターテインメントの目的のために、および/または電動回転式トレッドミルが配置されている空間を決して離れることなく、ユーザが環境内を移動している錯覚を含むコンテンツを作成するために使用することができる。
【0029】
1つ以上の実施形態では、電動式トレッドミルおよび回転ターンテーブルは、トレッドミルおよびターンテーブルを制御するためのシステムと組み合わせて、任意選択で、カメラと一緒に、本明細書に記載され、図に示されているデジタル環境に挿入されたユーザ、例えば人物の動きの錯覚を作り出すために使用される。
【0030】
本明細書に記載される1つ以上の実施形態による電動回転式トレッドミルアセンブリは、無限に回転可能な電動式ターンテーブル上に取り付けられる、トラベルデッキ上の電動式トレッドミルベルトである。いくつかの実施形態では、トレッドミルベルトの速度および方向、ならびにターンテーブルの回転速度および位置は、3D/仮想システムから収集されたデータ、および/またはトレッドミルのユーザが仮想的に挿入されているビデオベースの環境を記録および/またはレンダリングするために使用されているカメラからの現実世界/GPS位置および回転データによって決定および制御され得る。
【0031】
アセンブリのユーザ制御モードは、これらに限定されないが、固定速度モード、自己ペースモード、およびリモートユーザキューモードを含み得る。固定速度モードでは、電動回転式トレッドミルアセンブリの動作は、メディアサーバまたはコントローラから受信した信号によって直接制御され、信号は、例えばトレッドミルの開始、停止、速度およびレート、ならびにターンテーブルの回転など、アセンブリの様々な機能を制御する。次いで、ユーザは、トレッドミルの速度に合わせることができる。
【0032】
セルフペースモードでは、ユーザを追跡し、ユーザの動きに関連するデータをメディアサーバまたはコントローラに通信することができる。ユーザは移動し、アセンブリは、アセンブリの構成要素の動きによってユーザの動きに直接応答する。すなわち、例えば、トレッドミルベルトおよび/またはターンターンテーブルの動きは、ユーザの各ステップまたは位置の変化に応答し、変化し得る。ユーザの追跡は、アセンブリに統合され、ユーザによって装着され、および/またはアセンブリを取り囲む様々なセンサを用いて実行され得る。ユーザが移動すると、センサからのデータが処理され、メディアサーバまたは他のコントローラが、トレッドミル速度およびトラベルデッキ回転などのアセンブリの動作を調整する。
【0033】
リモートユーザキューモードでは、ユーザは、アセンブリとのリモートまたはワイヤレス接続を介して1つ以上のトリガキューを制御することができ、ユーザは、ユーザが選択したペースで、順序付けられたキューのリストを進むことができる。キューは、ユーザが、アセンブリ上にいるときに環境を移動するのを撮影される前に、それぞれの順序でプログラムされ、配置され得る。
【0034】
本明細書に記載される実施形態のうちの1つ以上において、ユーザキューシステムは、ユーザの動き、ベルト上の位置、および/または対応するデジタル環境に関連する、アセンブリの開始、停止、回転、速度、速度変化、または他のユーザおよび/またはアセンブリ動作を予測するために、音声、視覚、触覚、および/または触覚キューをユーザに提供するように構成される。
【0035】
ユーザは、メディアサーバと通信する1つ以上のウェアラブルデバイスを備え得る。これらのデバイスは、ユーザの動きを監視および記録し、ユーザの動きまたは位置に関するフィードバックをメディアサーバまたはコントローラに提供するためのセンサを備える。追加のウェアラブルデバイスは、メディアサーバまたは他のコントローラから、音声、視覚、触覚、または他の信号もしくはキューをユーザに提供するように構成され得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、ユーザと遠隔的かつ目立たないように通信するための他の様々なデバイスの中でも、ユーザの身体の様々な部分に装着される、1つ以上の慣性測定センサ、ユーザの身体に接触するための触覚振動モータ、インソール、振動またはLED構成要素を備え得る。ユーザキューシステムは、ユーザによって装着された耳内聴取デバイスに無線で送信され得る音声キューを提供し得る。
【0036】
1つ以上の実施形態では、アセンブリは、デジタルレンダリング環境で使用するように構成される。アニメーションタイムラインは、アセンブリのシステムコントローラとして、1つ以上のキューモードとともに使用され得る。アニメーションタイムラインは、ユーザが挿入される仮想環境または事前に撮影された環境を通るユーザ移動経路および/またはカメラ経路を確立するように構成される。アニメーションタイムラインとキューシーケンシングシステムの組み合わせは、異なるユーザ制御モードのためのオプションを提供する。1つ以上の実施形態では、ユーザモードは、アニメーションタイムライン再生機能にのみ影響を及ぼし得、そうでなければ、移動経路および/またはカメラ経路を決定するために使用される同じまたは同様のアニメーション化されたパラメータ値に依存し得る。
【0037】
本明細書に記載される1つ以上の実施形態で使用される「環境」が意味するのは、その位置、向き、および慣性データ(9Dof+GPS)が、対応するビデオ映像と同時に記録される、特別に装備されたカメラで撮影された、事前撮影された現実世界のシーンである。
【0038】
本明細書に記載される1つ以上の実施形態で使用される「移動経路」が意味するのは、ユーザがデジタル的に挿入された仮想環境または現実世界環境を移動して撮影されるときにユーザがたどる計算されたまたはアニメーション化された経路である。
【0039】
本明細書に記載される1つ以上の実施形態で使用される「カメラ経路」が意味するのは、移動中のユーザおよび環境を撮影するときに、カメラがシーンを辿る計算されたまたはアニメーション化された経路である。カメラ経路は、並進および回転パラメータと、任意の追加のカメラ固有のパラメータ(例えば、視野、対象物の注視点)とを含み、それらのすべては、キーフレームを使用してタイムライン上でアニメーション化することができる。
【0040】
非限定的な例として、1つ以上の実施形態では、アニメーションタイムラインは、プログラミングを支援するために、キューシーケンシングシステムを用いて、アニメーション化された仮想ユーザまたはアバター(「AV」)を環境に追加する能力をプログラマに提供するカスタムアニメーションタイムラインである。例えば、AVの識別/外観として、一般的な3Dスケッチスタイルの図の様々なスタイルを選択することができる。AVは、人間のユーザのものと一致するように設定され得る静的高さおよび歩幅パラメータを有し得る。歩幅パラメータは、例えば、現実世界のユーザがステップごとに平均する平均距離である。
【0041】
AVの高さおよび歩幅を人間のユーザのものと一致させることは、現実世界のフィルムショットが、人間のユーザではなくAVでキューが再生されたときに見られるものとほぼ同一に見えることを確実にする。1つ以上の実施形態では、AVは、骨格が運動学的連鎖として連結されているリギングされた3Dキャラクタである。AVは、再生されているキューの移動経路に沿った自動歩行、自動ジョグ、または自動走行を除いて、何もしなくてもよい。例えば、AVの速度に基づいて再生するシームレスな運動学的ループデータとして、自動歩行、自動ジョグ、または自動走行が選択され得る。そのような一実施形態では、AVの速度はトレッドミル速度に等しく、人間のユーザの速度はトレッドミル速度に等しい。これらの値は、値が現実世界の速度に基づいており、同期されるので、等しい。AVは、正確に同時に複数の異なる視点/位置からユーザの画像をキャプチャするマルチカメラ写真測量リグによるユーザのデジタルツインとすることができ、その後の目的として、写真測量ソフトウェアを使用して、骨の運動学的チェーンを用いてリギングすることができるデジタルツインを作成し、デジタルツインを3D環境内に配置し、アニメーション化することを可能にする。
【0042】
AVの位置を変化させるキューが再生されると、AVは、計算されたまたはアニメーション化された移動経路に沿って、人間のユーザの平均的な一歩の距離に一致するように値が設定されたAVの歩幅パラメータに基づいて計算された速度/速度で自動的に歩く。例えば、運動学的歩行データのシームレスな1ループは、正確には2歩である完全な1歩行サイクルをもたらす。
【0043】
AVは、走行経路に沿って歩いている間、システムプログラマによる一人称、三人称、またはカスタムビューとして見ることができる。
【0044】
3D-AVは、リアルタイムレンダリングエンジンまたはメディアサーバ3D空間を介して3D仮想空間に挿入される3Dモデリングされたキャラクタとしてシステム内で表され得る。次いで、3D-AVは、3Dシーンの一部である照明、影、およびオブジェクトオクルージョンのようなものによって影響を受け得る。システムはまた、向き、位置、およびスケールに一致する3D-AVキャラクタの2Dレンダリング合成画像をオーバーレイする能力を提供してもよい。
【0045】
1つ以上の実施形態では、以下、システムコントローラと呼ぶ、キューモードと組み合わせたアニメーションタイムラインは、電動回転式トレッドミルアセンブリ、ならびにアセンブリ上のユーザの動きをキャプチャするための1つ以上のカメラのすべての制御、移動、機能、および/または動作のソースであり得る。このシステムは、ユーザが2D接地面に沿って環境を任意の方向に無限の距離移動することができるので、撮影の目的のために、レンダリングされた3D仮想シーンまたは事前に撮影された現実世界環境にデジタル的に挿入されるべき背景からユーザを隔離することを可能にする。
【0046】
本明細書に記載されるアセンブリおよびシステムは、ユーザが、ベルト表面によって画定される周囲内に留まるか、または本質的に1つの場所(電動式トレッドミルの上)に留まるすべての間に、仮想シーンを通して無制限の距離を移動することを可能にする。ユーザは、エンドレスベルト上を歩き、その速度および/または進行方向は、メディアサーバから受信されたデータ、事前に選択された速度、または仮想シーンを制御しているレンダリングエンジンによって正確に制御される。電動式トレッドミルがデジタルシーンのコンテンツをレンダリングまたは生成するために使用される実施形態では、シーンを通る対応するカメラの動きは、エンドレスベルト上を移動する際に、ユーザの現実世界の速度および距離と正確に同期させることができる。これは、撮影されているユーザの動きの錯覚を作り出し、カメラは、シーンを移動するように見えるが、実際には、位置または場所は静止している。これは、ユーザがシーンを移動しているときにユーザが向いている方向を制御する追加の要素と組み合わせることができ、ユーザが無限に広い仮想環境を探索できるようになる。
【0047】
本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、例えば、小さいスタジオが、もはや限られた量の物理的空間、またはより大きいフィルムセットを作成することに関連する膨大なコストによって制限されることがなくなる。利点は、さらに、シーン(背景として機能する)をレンダリング/撮影することを担うカメラを、シーンに挿入されている人物と正確に同期して回転させる機能を含み、スタジオまたは独立したコンテンツクリエータが、人物の周りに360度以上の周回シーンを撮影できるようになり、これは、そうでなければ、従来技術の方法を使用して実行するために非常に費用がかかり、高度に技術的である。本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、フィルム制作者が、より少ないテイクで同じフィルム映像および最終結果を得ることを可能にすることによって、計り知れない時間の節約をもたらし、スタジオは、俳優または女優が存在する必要なしに、現場でのショットを撮影するより多くの機会を可能にする。
【0048】
本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、ユーザおよびフィルムカメラが、両方ともビデオベースの環境を通して自由に移動することができる錯覚を作り出しながら、それらの現実世界の位置に対して静止したままであることを可能にする。
【0049】
以下でさらに詳細に説明するように、一実施形態では、ユーザであるショットの焦点の周りをフィルムカメラが周回する錯覚は、代わりに、ユーザが挿入されているビデオ環境を撮影またはレンダリングを担当するカメラの軌道回転速度および角度と同期して撮影されている人物を回転させることによって作り出され得る。例えば、カメラが垂直軸の周りを反時計回りに270度回転し、電動式トレッドミル上のユーザも同時にカメラとまったく同じ回転速度で反対方向(時計回り)に270度回転する。
【0050】
システムは、速度、位置、回転、速度、および他のパラメータを解くために、前方および/または後方運動学を使用し得る。カメラは、環境上の2次元の接地面に沿った任意の場所に配置された垂直軸の周りを回転することができ、アセンブリまたはユーザの中心にあることに限定されない。カメラの動きおよびその回転、ピッチ/ヨー/ロールは、カメラ操作者が選択するものであれば何でもよい。例えば、一実施形態では、ユーザとカメラが環境中を移動する際の互いに対する方向の値も、いくつかの事例ではそれらの値を決定するために「前方運動学」方程式を使用することもできることは間違いない。
【0051】
さらに、シーンを通るユーザの動きの錯覚は、カメラが1次元経路(ベクトル)に沿って移動するときに、ユーザがトレッドミルベルト上を、シーンカメラの速度に一致する速度で歩くことによって作り出され得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、軌道移動およびベクトル移動を組み合わせることができる。トレッドミルベルトの移動とターンテーブルの回転方向(ヘディング)とを組み合わせることにより、トレッドミルは、ビデオベース環境の2次元接地面に沿った無制限の動きの錯覚を作り出すように取り付けられる。
【0053】
本明細書に示される実施形態は、説明を容易にするために、電動式トレッドミル上に1人のユーザを示す。電動式トレッドミルは、複数のユーザの動きの錯覚を作り出すことを可能にするために、1つ以上の構成要素の寸法をより大きくしてもよいことが企図され、本開示の範囲内である。例えば、ベルトおよびターンテーブルのサイズを大きくして、2人、3人、またはそれ以上のユーザを同時に、または直列に収容することができる。追加のベルトを使用して、複数のユーザが同時に同期した、または独立した動きの錯覚をサポートし、作り出すことができる。したがって、本明細書に記載される実施形態は、実施例に開示されるサイズまたは寸法によって限定されない。電動式トレッドミルを備えるシステムの実施形態は、本明細書に記載されるものに限定されない。電動式トレッドミルは、本明細書に記載されるデジタル環境以外の用途を有する。電動式トレッドミルは、それ自体で、および/または仮想現実システム、ヘッドセット、および仮想現実システムを介して、またはメタバース内でアクセス可能なゲーム/環境と組み合わせて使用するために提供され得ることも企図され、本開示の範囲内である。
【0054】
電動式トレッドミルは、本開示の1つの独立した要素である。本明細書に記載される1つ以上の実施形態では、電動式トレッドミルは、ユーザに直線運動と回転運動の両方の平面を提供するように構成される。電動式トレッドミルは、一般に、ターンテーブルおよびトラベルデッキを支持するフロアベースを備える。フロアベースは、ターンテーブルの回転運動に動力を供給するための構成要素を収納する。ターンテーブルは、エンドレス回転ベルトまたはトレッドミルを備えるトラベルデッキを支持する。したがって、電動式トレッドミルは、一緒に、回転ベルトによる前方および後方の直線運動を可能にし、ターンテーブルは、ベルトの回転と同時に、前方または後方にトラベルデッキを回転させるために、エンドレスに回転可能である。加えて、トラベルデッキの角度または傾斜を調整することができる。これらの移動および位置決めは、同時に実行することも、独立して操作することもできる。したがって、電動式トレッドミルは、ユーザをその上で支持するための動きの組み合わせを可能にする。
【0055】
例えば、フロアベースは、ターンテーブルおよびトラベルデッキの動作のためのモータ、駆動ベルト、ローラー、および駆動ホイールアセンブリを収納する。別の例では、ターンテーブルおよび/またはベルトを動作させるために、1つ以上の電気モータが設けられ、フロアベース内の単一のコンパクトなアセンブリとしてローラーホイールに直接取り付けられ得る。ターンテーブルを動作させるための追加の機構としては、これらに限定されないが、ギアアセンブリ、スラストベアリングもしくは他のベアリング、またはモータシャフトに直接取り付けられたローラーホイールが挙げられる。スリップリングは、コードなしでターンテーブルを回転させるために使用される。ターンテーブルのコードレス回転は、方向の変更または再設定動作を必要とすることなく、一方向の回転が360度を超え得るように、トラベルデッキの無限の回転を可能にする。
【0056】
さらなる実施形態は、フロアベース内またはフロアベース上に含まれるターンテーブル回転の回転を駆動するローラーを含み得る。ターンテーブルは、フロアベース内に保持されたローラーの上に置かれるのではなく、それ自体を駆動し支持するために必要なローラーを含む。したがって、フロアベースは、ローラーが載置されるトラックを含む。
【0057】
本明細書の説明による1つ以上の実施形態では、ターンテーブルはまた、トラベルデッキのエンドレスベルトを取り外すことによって、および/またはターンテーブルの上面が選択的に回転可能なユーザ支持面でもあるようなカバーパネルとともに機能し得る。例えば、そのような実施形態のターンテーブルは、現実世界または仮想的に強化されたエンターテインメントのために、6~8フィート以上の範囲の直径を含む寸法を有することができる。それに対応して大きいスリップリングがターンテーブルに含まれ、これは、現実世界のエンターテイナー、例えば、DJアクト、エンターテイナー、またはミュージシャンが、ターンテーブルからの動力と、そのようなデバイスをこの実施形態のターンテーブルに差し込むために利用可能な他の音声、ビデオ、およびデータ接続とを利用することを可能にする。したがって、ターンテーブルは、追加の設定で使用することができ、例えば、DJが、本明細書の1つ以上の実施形態で説明するカメラと組み合わせて回転するライブセットを再生することを可能にする。このセットアップは、カメラがターンテーブル上のDJの周りおよび/または後ろを周回し、DJおよびカメラが群衆を見ることができる、動きの錯覚を作り出すことができる。
【0058】
電動回転式トレッドミルのフロアベースおよびハウジングは、容易な組立/分解を可能にする方法で、ターンテーブルおよびフロアベースの内部構成要素に選択的に容易にアクセスできる様々な取り外し可能なカバープレートを備えて構成される。トラベルデッキはまた、ターンテーブルから分離可能であり、ターンテーブルは、セットアップ/解体を容易にするだけでなく、1つ以上の部品の保守および/または交換を可能にするハンドルによって、フロアベースから持ち上げることができる。ハンドルは、組み立ておよび分解を容易にするために、トラベルデッキのフレームに取り外し可能に固定されてもよい。
【0059】
フロアベースはまた、組み立てられたデバイスの移動を可能にする1つ以上の高さ調整可能な足および車輪によって、それ自体調整可能であってもよい。
【0060】
電動回転式トレッドミルアセンブリは、様々な環境に組み込むことができ、さらに、仮想現実システムにおいて使用して、様々な仮想環境における動きによるユーザ体験を向上させることができる。システムのコントローラは、デバイスを無限の最終利用のために様々なタイプのソフトウェアによって動作させることができる。
【0061】
本明細書に記載される1つ以上の実施形態では、静止しているユーザが動いているように見える錯覚を作り出すために、トレッドミルの動作、ユーザの位置、およびカメラを同期させるための制御システムを利用する。人工知能(AI)システムおよび/または既存のソフトウェアを使用して、システムを制御するために必要なデータを取得することができ、AIおよび/または既存のソフトウェアは、ビデオを分析し、ビデオを記録したカメラの経路、回転、および/または3D位置データを非常に正確に決定することができる。写真測量の分野で現在利用可能なソフトウェアおよび技術は急速に拡大している。そのようなソフトウェアおよび関連技術は、分析されたビデオクリップにおける物理的環境および現実世界環境に対するビデオカメラの位置を計算するための制御システムに組み込むこともできる。
【0062】
図に示す実施形態では、例えば図1図5図3に示すように、電動回転式トレッドミルアセンブリ10は、フロアベース60上に支持することができるトラベルデッキ12およびターンテーブル40を備える。トラベルデッキ12は、前方および後方に直線的に走行するためのエンドレス回転ベルトシステム16を備える。トラベルデッキは、ターンテーブル40に組み込まれ、かつ/または支持され、これにより、その360度以上の回転、したがってトラベルデッキ12の回転が可能になる。ターンテーブル40およびトラベルデッキ12はともに、電動式トレッドミルアセンブリ10によって提供される直線運動と回転運動の組み合わせによって、ユーザが無限の方向に移動することができるので、全方向の仮想運動を可能にする。トラベルデッキ12はまた、例えば、上り坂または下り坂の動きを提供するために、一端または両端で上昇および/または傾斜されてもよい。直線運動および回転運動ならびに傾斜能力は、様々な方向および地形スタイルの歩行または走行が達成され得るように、同時におよび独立してレンダリングされ得る。
【0063】
トラベルデッキ12は、図6図10にさらに詳細に示されている。図示の実施形態では、トラベルデッキ12は、回転ベルトシステム16を支持するフレーム18を有する。回転ベルトシステム16は、ベルトプーリ22、およびフレーム18の周りに動作可能に設けられ、その上にユーザを支持するためのベルト20を備える。ベルト20は、ゴム製のトレッドミルベルトであってもよく、プーリ22は、ベルト20を回転させるための歯付きベルトプーリであってもよい。フレーム18は、アルミニウムまたはスチール製の支持フレーム18などの金属フレームであってもよい。さらに詳細には、トレッドミルベルト20は、トレッドミルベルト20の下または隣に配置されたサーボモータ27のシステムによって動力供給されてもよい。例えば、図13に示すように、4つのサーボモータが設けられ、各モータシャフトは、インライン遊星歯車と嵌合する。各遊星歯車の出力軸は、前後ベルトローラ軸23の各側と同様に、歯付きキー付きベルトプーリ22が固定されている。次いで、4つの利用可能な駆動点(各ベルトローラの両側)すべて、または代替の2つの駆動点を駆動することが可能であるように、トルクがタイミングベルトを介して伝達される。
【0064】
フレーム18は、1つ以上の側部に沿って1つ以上のハンドルをさらに備えてもよい。ハンドルは、ターンテーブル40からのおよび/またはターンテーブル40と接続するようにトラベルデッキ12の昇降を可能にするために、フレーム18に旋回可能および/または取り外し可能に接続可能であってもよい。
【0065】
図示の実施形態では、トラベルデッキ12は、例えば、図10に示すように、触覚フィードバック25をユーザに提供するか、またはユーザにキューまたは警告を提供するために使用することができる1つ以上の振動モータ24をさらに備える。振動モータ24は、個々のモータがベルト20の下側に間隔をあけて配置され、モータがベルト20上の1つ以上の場所に目標の振動を提供するように独立して動作可能であるアレイ形式で提供されてもよい。基板26は、振動モータ24を支持し、および/または振動をベルト20に伝達するために設けられる。
【0066】
例えば、基板28は、ベルト20が移動する際にスライドするベルトデッキとして機能し、アルミニウムシートなどの金属基板26に取り付けられるフェノール樹脂シートであってもよい。3M VHBテープなどのテープを使用して、アルミニウムシート26と基板28との間に振動モータを固定することができ、また、モータ24が基板28の下側に固定されるときに、振動モータ24のクッションとして機能することもできる。
【0067】
トラベルデッキ12は、ナットおよびボルトのような締結具でターンテーブル40に固定されるので、ターンテーブル40から取り外し可能であることがさらに企図される。したがって、トラベルデッキ12は、ベルト20の交換および整備のために容易に取り外し可能である。
【0068】
トラベルデッキ12は、回転ベルトシステム16のベルト20のサイズによって画定され得るユーザの「移動エリア」30を提供する。一実施形態では、移動エリア30は、約39.5”×19.5”であるが、移動エリア30のサイズは、本開示の範囲から逸脱することなく、増加または減少され得る。ベルト20は、1回転につき約85.4”移動し、幅19.7”のトレッドミルベルトであってもよい。ベルトローラとともにベルトプーリを1回転させると、ベルトが6.19”移動し、十分なトルクとともに1500rpmをベルトプーリに供給することができるモータのシステムは、ユーザが8.79mphの走行速度に達することを可能にする。
【0069】
上述のように、電動回転式トレッドミルアセンブリ10は、トレッドミルアセンブリ10を有するシステムが、図10図11にさらに詳細に示されるように、トラベルデッキ12の触覚フィードバックシステムを利用することができるように、振動モータ24を含むこともできる。例えば、振動モータ24のグリッドがトレッドミルベルト20の下に取り付けられる。これは、電動回転式トレッドミルアセンブリ10に関連する制御システムが、触覚フィードバックを介して様々なメッセージをユーザにシグナリングすることを可能にする。触覚フィードバックメッセージの例は、これらに限定されないが、ベルト20が移動を開始または停止しようとしていることの表示、ターンテーブル40が回転を開始または停止しようとしていることの表示、またはユーザの足がベルト20の縁に近づいていることの表示を含む。また、図10図11に示されるような振動信号は、ユーザがベルト20上を歩くとき、ユーザがベルト20を見下ろす必要がないように、どこに位置するかをユーザに知らせるために送信され得る。モータ24はまた、別の場所に移動する(例えば、ベルトから離れるのを避けるために右に移動するか、または左に移動する)ことをユーザに知らせるためにパルスを発してもよい。
【0070】
ターンテーブル40は、図12図16にさらに詳細に示されている。ターンテーブル40は、トラベルデッキ12を支持するための空間42を備える。ターンテーブルハウジングは、1つ以上のカバーピースから構成され得る取り外し可能なカバーを支持し得る上側プレート44を備える。ターンテーブル40ハウジングはまた、ベースプレート46を含む。側部支持体48は、ターンテーブル40に構造的フレームワーク支持を提供する。1つ以上の側部支持体は、ターンテーブル40を持ち上げるためのハンドルを提供するように構成されてもよい。ターンテーブル40はまた、一実施形態では、フロアベース60内の中心にターンテーブル40を保持する複数のローラーホイールの上に位置し得るベース50を備える。ターンテーブル40の回転のために、追加のサイドローラーホイール54を設けることもできる。しかしながら、ローラーホイールが図示されており、代替または追加の機構は、軸受、または例えばスラスト軸受を含むことができる。ターンテーブル40の回転は、1つ以上のモータ56、例えば、ベース60に関して以下でさらに詳細に説明するように2つのモータによって動力供給され得る。
【0071】
図示のように、ターンテーブル40およびハウジング44は、ターンテーブル40のきれいなエンドレス回転を可能にする全体的に円形の形状である。
【0072】
ターンテーブル40の内部フレーム52は、トラベルデッキの空間42内にトラベルデッキ12を受容するように構成され、加えて、フレーム52は、ベルト20の回転のためにトラベルデッキ12のベルトシステム16に結合するための1つ以上のモータを支持する。したがって、トラベルデッキ12のための電源は、ターンテーブル40内に設けられ、トラベルデッキ12は、それに取り外し可能かつ動作可能に結合されてもよい。ターンテーブル40のフレーム52は、カバー46がその上に設けられたときに、ユーザの体重をトラベルデッキ12とカバー46によって設けられた表面の両方に支持することができるように、アルミニウムまたは同様の材料で構成されてもよい。
【0073】
次いで、ターンテーブル40は、フロアベース60に動作可能かつ取り外し可能に結合可能である。フロアベース60は、図17図23にさらに詳細に示されている。上述のように、ターンテーブル40は、取り外し可能な上部カバー62と、側部支持体64と、ベースハウジング60とをさらに備えるフロアベース60と組み合わせて設けられてもよい。フロアベース60は、その中にターンテーブル40を動作可能に受容するための開口部64を備える。取り外し可能な上部カバー62は、カバー62がトラベルデッキ12の上に設置されるときに使用するための任意のフロア66を提供する。カバー62は、アルミニウムなどの金属で構成されてもよい。
【0074】
図20図22に示すように、フロアベース60は、駆動ベルトと動作可能に接続して設けられたサーボモータなどの関連するモータから動力を、その上にターンテーブル40を支持し、ベース60に対するターンテーブル40の回転を可能にするローラーまたは駆動ホイール72に回転動力を伝達するアセンブリ68を保持する。一実施形態では、ウォームギアを各回転ローラー72に使用することができ、これは、出力シャフトの90度回転のためのコンパクトなアセンブリを提供し、サーボモータがフロアベース60のコーナーに利用可能なコンパクトな空間86に設置されることを可能にする。ターンテーブル40の回転と組み合わせてターンテーブル40をセンタリングするために、追加のサイドローラ74をこのアセンブリに設けることもできる。
【0075】
ベース60はまた、回転のためにターンテーブル40に動力およびデータを伝達し、ターンテーブル40の無限のコードレス回転を可能にするために、スリップリング76およびアーム78を動作可能に支持する。アーム78は、ターンテーブル40の底部に結合し、ターンテーブルが回転すると、回転がアームに伝達され、したがってスリップリング76を回転させる。
【0076】
フロアベース60のコーナー空間86に嵌合し得るアセンブリ94に、主電源入力部および1つ以上のファンコントローラが設けられる。例えば、24個の接点のそれぞれに対して20a/480vの定格を有する雄型および雌型の24ピン工業用コネクタが提供される。アセンブリ94は、それぞれのコーナー空間86内に配置または位置決めされ、次いで、ねじなどの締結具を用いて所定の位置に締結され得る。アセンブリ94が所定の位置に押し下げられると、雄コネクタおよび雌コネクタは、互いに自動的に嵌合し、すべての回路を接続する。これにより、電子部品のいずれに対しても修理が容易になる。例えば、ブレーカに交換部品が必要な場合、再配線を必要とする場合、または初期部品の配線の場合、アセンブリは、単一部品として引き出され、本体ユニット10から離れて作業され得る。
【0077】
フロアベース60はまた、1つ以上の調整可能な足部82および/またはキャスタもしくは車輪を備えてもよく、フロアベース60、したがってターンテーブル40およびトラベルデッキ12の高さ調整が可能になり、必要に応じてフロアベース60を容易にまたは移動させることができる。
【0078】
電動回転式トレッドミルアセンブリ10の制御システムがターンテーブル40の原点復帰位置を設定することができるように、誘導近接センサ、またはホールセンサ80、81などの1つ以上のセンサを設けることができる。例えば、ホールセンサの一方の側80は、ターンテーブル40の外縁に取り付けられ、他方の側81は、同じ高さでフロアベース60の内側に取り付けられ、ベース60の中心位置に向けられてもよい。1つ以上のセンサ80、81は、アセンブリがそれ自体を原点復帰させ、ターンテーブルの回転位置の正確な開始位置を確立することを可能にするために、ベース60およびターンテーブル40を含むことができる。近接センサ80ユニット自体は、フロアベース60に取り付けられてもよく、次いで、近接センサ80をトリガする小さいネオジム磁石81が、ターンテーブル40に取り付けられる。
【0079】
1つ以上の実施形態では、電動回転式トレッドミルアセンブリ10は、分解することなく容易なアクセス、部品交換、および保守性を可能にするフレームワークおよび取り付けプレートで構成される。例えば、各々が単一のモータを制御するドライバボックス用の取り付けプレートは、部品の容易な交換または交換を可能にする。ターンテーブル駆動プレートインサートの一部分上のタブなどの容易な接続機構は、フレーム内のスロットと連動して、容易かつ確実に組み立てることができる。アセンブリは、例えば、組み立てることができ、ボルトなどの単一の締結具を使用してしっかりと接続され、所定の位置に固定されるトラベルデッキ、ターンテーブル、およびベース。
【0080】
さらに、アセンブリ10は、所定の位置に固定されると、取り付けリップの上に位置する銅ストリップに対して圧縮されるフロアベース60の底部に沿って設けられる銅ストリップ90によって自己接地され得る。
【0081】
電動回転式トレッドミルアセンブリ10は、構成要素を冷却するための複数の吸排気ファン92を有することができる。ファンの各々は、例えば、モータおよび/またはドライバをターゲットとして独立して制御可能であり、有線または無線ネットワーク接続を介して速度を調整するように構成されてもよい。これにより、ファンをできるだけ低く(したがってできるだけ静かに)動作させることができ、撮影中などの選択された時間中に完全にオフにすることさえできる。撮影が完了すると、ファンを非常に高く回転させて、撮影の間にアセンブリ10内のすべての構成要素を迅速に冷却することができる。
【0082】
電動回転式トレッドミルアセンブリ10が、仮想またはデジタル的にレンダリングされ、挿入され、または表示された背景と組み合わせて、シーン全体にわたる動きの錯覚を作り出すための環境に組み込まれる1つ以上の実施形態では、カバープレートおよびトレッドミルベルト20を含むトレッドミル10の少なくとも上面は、明るい緑色、または他の色、例えば、明るい青色に塗装され得、別個のシーンへのデジタル挿入のために撮影されている人物をデジタル的に隔離する方法として、フィルム制作において頻繁に使用される。縁および垂直面は、同様に塗装されてもよい。
【0083】
図24図26に示すように、電動回転式トレッドミル10は、既存のLEDフロアタイルシステム、例えば、2’×2’タイルを使用するシステムに適合するようにも構成される。そのようなシステムでは、既存のLEDタイルのうちの4つが除去され、電動回転式トレッドミル10と交換される。フロアベース60の底部上の足は、LEDフロアタイルシステムの高さに合うように個別に調整可能であり、滑らかで一貫した表面を提供し、トレッドミル10の側面または底部へのアクセスを必要とするのではなく、上部カバーパネルを取り外すことによって調整することができる。したがって、高さの調整は、電動回転式トレッドミル10が既存のLEDフロアタイルシステムに挿入された後であっても、または環境内で組み立てられた後であっても、容易に行うことができる。
【0084】
ベース60および/またはターンテーブル40のより大きいカバーが提供され得ることも企図され、本開示の範囲内である。例えば、電動回転式トレッドミル10が、LEDフロアシステム、または、例えば、ハーフメータータイルなど、より大きいタイルの他のパネルフロア構造とともに使用されるとき、フロアベース60のためのより大きい上部カバーが設けられ、これは、ベース60と隣接するフロアパネルとの間の間隙を充填し、覆う。
【0085】
本明細書の1つ以上の実施形態による電動回転式トレッドミルアセンブリは、遠隔制御されてもよい。電動回転式トレッドミルアセンブリの遠隔操作および操作の制御のためのコントローラおよび/またはソフトウェア制御システムと通信する電気構成要素。すなわち、トレッドミルベルトの速度および方向、ターンテーブルの回転の速度および方向、トラベルデッキの角度、ファンの制御、ならびにそれらの組合せの制御は、様々な機器および環境に対して遠隔制御され同期され得る。
【0086】
本開示について、好ましい実施形態を参照して説明したが、当業者は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態および詳細において変更が行われ得ることを認識するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
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図22
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【国際調査報告】